鹿児島県議会 2021-12-13
2021-12-13 令和3年総合政策建設委員会 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過
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午前十時一分開会
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◯鶴丸委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから
総合政策建設委員会を開会いたします。
この際、御報告をいたします。
傍聴について二名の方から申し出があり、これを許可いたしました。
当委員会に付託されました案件は、議案第一〇二号令和三年度鹿児島県
一般会計補正予算(第九号)のうち総合政策部及び土木部関係の議案など議案十件及び陳情一件であります。
ここで、審議日程等協議のため、暫時休憩をいたします。
午前十時二分休憩
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午前十時四分再開
2 ◯鶴丸委員長 再開いたします。
審査日程につきましてはお手元に配付してあります日程案のとおり、また、特定調査事項につきましては、年間特定調査事項である総合政策部の「新たな総合体育館の整備について」と総合政策部及び土木部ともに「
かごしま未来創造ビジョン、改訂素案について」とすることで進めてまいりたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
3 ◯鶴丸委員長 御異議ありませんので、そのように進めることに決定いたしました。
それでは、ただいまから総合政策部関係の審査を行います。
初めに、議案第一〇二号等を議題といたします。
総合政策部長の総括説明を求めます。
4
◯前田総合政策部長 おはようございます。
それでは早速でございますが、令和三年第四回県議会定例会に提出いたしました議案等の概要につきまして、お配りしております、下のほうに「総合政策部」と記載しております資料に基づきまして御説明を申し上げます。
一ページをお開きください。
十二月補正予算案についてであります。
総合政策部関係につきましては、一般会計で四億二千四百四十五万四千円の増額補正をお願いしておりまして、補正後の予算額は百三十五億六千百万円余りとなります。
補正予算の内容でございますが、
離島航路補助事業につきましては、国庫補助航路のうち三島村営航路について船舶事業の安定的な運営を図るため、令和二年度
船舶交通事業特別会計の欠損額を補助するものでございます。
二のその他議案の鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件につきましては、
権限移譲プログラムに基づきまして知事の権限に属する国土利用計画法に基づく事務の一部を新たに瀬戸内町において処理することとするため、所要の改正をしようとするものであります。
二ページをお開きいただきたいと思います。
次に、三の主な所管事業の経過等について御説明いたします。
総合体育館基本構想策定事業についてであります。
新たな総合体育館の整備に向けて基本構想案を検討するため、第五回、第六回の
総合体育館基本構想検討委員会及び同委員会による複数候補地の現地調査を実施したところであります。
再生可能エネルギー推進委員会につきましては、平成三十年三月に策定した
再生可能エネルギー導入ビジョン二〇一八に基づき、
再生可能エネルギーの導入を推進するため、十一月四日に
再生可能エネルギー推進委員会を開催し、ビジョンの進捗管理や導入推進方策の検討を行ったところであります。
三ページを御覧ください。
水素エネルギー利活用促進検討協議会につきましては、水素エネルギーの利活用を促進するため、十一月十一日から十二日に大分県において
地熱発電利用グリーン水素製造プラントでの視察研修や勉強会を行ったところであります。
錦江湾横断交通ネットワーク調査検討事業につきましては、同ネットワークに係る課題等について認識の共有を図るため、十一月十七日に国、鹿児島市、鹿屋市、垂水市、県をメンバーとする
錦江湾横断交通ネットワークに係る勉強会を開催したところであります。
鹿児島
県デジタル推進戦略、仮称の策定につきましては四ページにかけて記載してございますが、本県におけるデジタルによる社会変革に向け、本年度策定予定の
県デジタル推進戦略の方向性に基づき庁内研修や市町村向け説明会を開催したほか、
県デジタル・トランスフォーメーション推進アドバイザーに対し推進戦略の素案に対する意見照会を行うなど、各種取組を進めているところであります。
鹿児島空港将来
ビジョン推進協議会につきましては、鹿児島空港将来ビジョンの実現に向けて必要な施策等について検討を行うため、関係機関から構成する第二回鹿児島空港将来
ビジョン推進協議会を十一月八日に開催いたしました。
JR九州鹿児島支社への要望活動につきましては、路線の維持・存続及び利便性・安全性の向上等につきまして、十月二十七日に同社に対して要望を行ったところであります。県といたしましては、引き続きJR九州と意見交換を行うとともに、沿線自治体等と連携しながら利用促進に取り組んでまいりたいと考えております。
景観表彰事業につきましては、景観形成に特に功績があった方を表彰する「第一回あなたが選ぶ
かごしま景観大賞」の募集を行ったところ三十二件の応募があり、この中から選定した十件について県民等による審査投票を行ったところであります。
五ページをお開きください。
移住・交流の促進につきましては、県内各地への移住・交流を促進するため、市町村等と連携して十一月六日にかごしま移住・交流セミナーを開催したほか、第三回目を今月十九日に開催することとしております。
地域おこし協力隊につきましては、隊員の任期終了後の定着を図るため、起業に向けた必要な知識やノウハウを習得するための研修会を開催したところであります。
宇宙開発の促進につきましては、昨年十二月に小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセルが地球に帰還を果たした功績を広く県民に周知し、宇宙開発に対する理解促進を図るため、「はやぶさ2」特別展示イベントを十月二十二日から二十六日まで黎明館で開催し、約二千五百名が来場されたところです。
ページをめくっていただきまして六ページに記載してございますが、今月十八日には宇宙開発利用に対する理解促進を図るため、
アートホテル鹿児島及び鹿児島市立科学館において「
かごしまスペースフェスタ二〇二一」を開催することとしております。
ロケットの打ち上げにつきましては、十月二十六日に
種子島宇宙センターにおいてH─IIAロケット四十四号機が打ち上げられたほか、十一月九日に
内之浦宇宙空間観測所においてイプシロンロケット五号機が打ち上げられたところです。
また、今月二十一日には
種子島宇宙センターにおいてH─IIAロケット四十五号機の打ち上げが予定されております。
次に、
かごしま未来創造ビジョンの見直しにつきましては、昨今の社会経済情勢の変化等を踏まえた見直しについて必要な検討を行うため、十一月十日に第二回目の
かごしま未来創造ビジョン見直し有識者委員会を開催し、御意見を伺ったところであります。
また、十一月二十二日には副知事を座長とし、庁内各部局長で構成します「
かごしま未来創造ビジョン見直し庁内検討委員会」を開催したところであります。
十一月二十九日には県議会において
かごしま未来創造ビジョン、改訂素案に係る説明会を開催していただき、改訂素案について御説明したところであります。
七ページを御覧ください。
鹿児島中央駅西口複合ビル、仮称の新築工事着手につきましては、JR九州が地上十階建ての商業施設・オフィス等から成る複合ビルの新築工事に着手いたしました。なお、開業は令和五年春に予定されています。
地方創生につきましては、第二期鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、昨年度実施しました施策・事業の効果検証などについて助言を得るため、十月十四日に
地方創生推進有識者懇話会を開催したところであります。
鹿児島県開発促進協議会の要請活動につきましては、令和四年度の政府等の予算編成に向けて本県に必要な予算の確保等を図りますため、十一月十六日に各省大臣等に対し、会長であります県議会議長と知事による要請活動を行ったところであります。
鹿児島県・鹿児島市意見交換会の開催につきましては、県及び鹿児島市との連携を密にし、行政執行の円滑な運営と進展に寄与することを目的に、
新型コロナウイルス感染症関連、コワーキングスペースのネットワーク化などについて、県と市が共通認識を持ちながら双方が連携・協力していくことを確認したところであります。
なお、資料はございませんが、馬毛島の関係につきましては、十一月九日に国から馬毛島への自衛隊施設の整備等に関連して、工事に使用するコンクリート等を製造するための仮設プラントについて馬毛島島外において設計、部品製作等を実施するための入札公告を近々行うとの連絡がありました。
県としては、このような入札公告を行う前に、環境影響評価の手続等により住民の皆様が判断できる材料を示すべきと考えており、その点に関しては了承しかねるとの県の考えを国に伝えたところであります。
このような中、十一月十一日に国が仮設プラントの入札公告を行ったことから、県としては改めて県の考えを伝えたところであります。十一月十六日には知事自ら防衛省に足を運び、岸防衛大臣に対し直接、まずは環境影響評価の手続等により住民の皆様が判断できる材料を示すべきとの県の考えを改めてお伝えするとともに、地元への丁寧な説明を求めたところであります。
以上で、総合政策部関係の説明を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。
5 ◯鶴丸委員長 総合政策部長の総括説明に対する質疑につきましては、県政一般でお願いいたします。
次に、議案について関係課長の説明を求めます。
まず、参事兼地域政策課長の説明を求めます。
6 ◯新川参事(地域政策担当)兼地域政策課長 地域政策課関係のその他議案につきまして御説明申し上げます。
議案等説明書の一ページをお開きください。
議案第一〇四号の鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件でございます。
これは、
権限移譲プログラムに基づきまして知事の権限に属する国土利用計画法に基づく事務の一部を令和四年四月一日から新たに瀬戸内町において処理することとするため、所要の改正をしようとするものでございます。
具体的には、一定面積以上の土地における売買の届出がなされてから二年を経過したものについて利用状況の調査を行い、未利用または低利用である土地のうち特に利用を促進する必要がある土地については国土利用計画法に基づく遊休土地である旨を通知し、その土地の所有者等が作成した利用または処分に関する計画に対して助言等を行うことで、遊休土地の有効かつ適切な利用促進を図ろうとするものでございます。
なお、本事務は地域のまちづくりに密接に関係することから市町村への移譲を行うものであり、平成二十四年度以降これまでに三十の市町に移譲しております。今回の瀬戸内町への移譲により計三十一市町への権限移譲が図られるところでございます。
以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。
7 ◯鶴丸委員長 次に、交通政策課長の説明を求めます。
8
◯滝澤交通政策課長 交通政策課関係の補正予算につきまして御説明申し上げます。
議案等説明書の三ページを御覧ください。
離島振興費について
離島航路補助事業といたしまして、四億二千四百四十五万四千円の増額補正をお願いしております。
本県の特殊航路補助制度は、特殊航路である三島村などの
船舶交通事業特別会計における当該年度の欠損見込み額を三月補正で全額補助しているところです。昨年度は三島村におきまして旧船売却益を見込んでいたことなどによる黒字を想定していたため、令和二年の三月補正においては計上していなかったところです。しかし、
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、旧船の売却先である韓国へ引き渡しが出来なかったことから、船舶売買契約が年度末に解除され、最終的に多額の赤字を計上することになりました。本来であれば令和二年度から繰り越された赤字額は令和三年度の欠損見込み額に含めて三月補正で対応することとなりますが、今回は赤字額の規模が大きいことから村に大きな影響を与えることがないよう、今年度の三月補正を待たず早期に補正の対応を行うものでございます。
以上で、交通政策課関係の御説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
9 ◯鶴丸委員長 説明が終わりましたので、議案についての質疑をお願いいたします。
10 ◯寺田委員 今、交通政策課から離島航路の補助事業の内容について説明がありましたが、韓国への旧船の譲渡はもう決定しているわけですね。
11
◯滝澤交通政策課長 もともとは韓国への引き渡しが決定していたものでございます。
12 ◯寺田委員 引き渡しが決定していたのに、実行されなかったため欠損が発生したと理解すればいいですか。
13
◯滝澤交通政策課長 もともと韓国への引き渡しが決定していたんですが、引き渡しと、それに伴う全額の契約金をもらうところまでが至らなかったということでございます。
14 ◯寺田委員 では、資金の譲渡を含めた引き渡し後の流れはどういうふうになりますか。
15
◯滝澤交通政策課長 旧船の売却につきましては、もともとは韓国への引き渡しを考えていたのですが、これがかなわなかったことから、三島村で改めて旧船の売却に関する公募を行いました。その結果、今年の六月に売却先が決まりまして、七月に引き渡し済みとなってございます。
16 ◯寺田委員 三島村は、旧船売却の入金をちゃんと受けているということですね。
17
◯滝澤交通政策課長 改めて行った売却契約分については収入を受けておりまして、今年度の三月補正で帳尻を合わせる形になります。
18 ◯寺田委員 分かりました。終わります。
19 ◯上山委員 結局、船自体は引き渡されて、もうないということでよろしいんですか。
20
◯滝澤交通政策課長 旧船は新たな売却先に引き渡されております。
21 ◯上山委員 その上で、今後の欠損が出ないためのという説明がありましたが、どういう欠損が出るおそれがあるのでしょうか。
22
◯滝澤交通政策課長 改めて売却を行ったところ、当初予定していた金額より低い金額での引き渡しとなったため想定していたよりも赤字が膨らんでいったということでございます。
23 ◯上山委員 じゃ、これは赤字補填という意味合いが強いという理解でよろしいんですか。
24
◯滝澤交通政策課長 三島村のフェリー運航につきましては、国と協調して運航費の補助を行っております。今回、旧船売却の部分を含めて最終的に運航費の補助はされているところでございます。
25 ◯上山委員 これは、国との協議の中でどういう割合でという話はなかったんですか。
26
◯滝澤交通政策課長 国は全国一律で補助を行っておりまして、県は国の補助の後に、なお残る欠損について運航費を補助しているところでございます。
27 ◯上山委員 分かりました。
国の補填後に残った欠損分を県が支援しているという理解でよろしいんですね。
28
◯滝澤交通政策課長 御指摘のとおり国の運航費補助後残る欠損分を県が補填するということでございます。
29 ◯上山委員 分かりました。
一ページの議案一〇四号は、権限移譲が大分進んでいると理解するんですが、県の役割はどうなるんでしょうか。指導も助言も出来なくなるのか、仕組みを教えてもらえませんか。
30 ◯新川参事(地域政策担当)兼地域政策課長 この移譲する事務につきましては、先ほど御説明申し上げましたが、まず一定面積以上の土地について売買の届出があってから二年経過したものについて利用の実態の調査をし、その上で未利用あるいは低利用であったものにつきまして特に利用を促進する必要がある土地について遊休土地である旨の通知をするところから始まります七つほどの事務になるんですが、そもそもこの土地の売買の届出をするところはこれまでも市町村を通じて県に対して届出をしているところです。それは、権限移譲後も変わらないところです。
この移譲した後につきましても、土地の所有者が遊休土地であることの通知を受けましたら遊休土地の有効かつ適切な利用を促進するために土地の計画などを出しますが、それに対して市町村から助言、それから勧告等をすることになっております。その際、県は土地利用審査会を開催し、その内容を受けて市町村から土地所有者に勧告等を行うことになっております。このため引き続き県でも関与することとなります。
31 ◯上山委員 一定の流れは分かりました。
県としては土地利用審査会で協議をしながら、市町村と一体となって活用を図るという理解でよろしいですね。
32 ◯新川参事(地域政策担当)兼地域政策課長 委員おっしゃるとおりでございます。
33 ◯鶴田委員 一点だけ。
交通政策課長にお伺いしたいんですが、ただいまの三島村への運航費補助について、普通、新船の建造であるとか売却であるとかいう費目と、運航に関する営業的な費目というのは違うと思うんですが、そこはどうなっているんでしょうか。
34
◯滝澤交通政策課長 船舶会計の費目としては分かれてはおりますが、最終的にトータルの会計がどうなるかというところで補助がなされているところでございます。
35 ◯鶴田委員 そうしますと、新造船となると大分補助しますよね。古い船を売却して売却損が出た場合、当然全体的な船舶会計は赤字が出る。それを全額補助するという仕組みになっているんですか。
36
◯滝澤交通政策課長 新しく船を造る場合には減価償却費として毎年国と協調して補填・補助をしているものでございます。
37 ◯鶴田委員 今の説明のその辺がよく分からなかったので、資産に関わることと、運航費や運賃など営業に関わることと切り分けた説明をいただければと思いましたので申し上げておきます。
以上です。
38 ◯鶴丸委員長 ほかにありませんか。
[「なし」という者あり]
39 ◯鶴丸委員長 ほかに質疑がありませんので、これで議案についての質疑を終了いたします。
なお、議案第一〇二号令和三年度鹿児島県
一般会計補正予算(第九号)及び議案第一〇四号鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件につきましては土木部関係もありますので、採決を一時留保いたします。
次は、県政一般であります。
初めに、特定調査から行います。
総合政策部の特定調査は、「
かごしま未来創造ビジョン、改訂素案について」と年間特定調査の「新たな総合体育館の整備について」であります。
まず、
かごしま未来創造ビジョン、改訂素案についての調査をいたします。
参事(兼)総合政策課長の説明を求めます。
40 ◯桑代参事(兼)総合政策課長
かごしま未来創造ビジョン、改訂素案について御説明させていただきます。
まず、初めに資料の御確認をさせていただきますが、資料につきましては、A3横長の改訂素案の概要であります資料一、A3縦長の改訂素案の構成を示しました資料一─一、A3縦長の現ビジョンと改訂素案について、施策展開の基本方向の中項目までを新旧で比較した資料二、両面でございます、あと今回の見直しのポイントであります資料三、改訂素案そのものである資料四、見直しのスケジュールである資料五をお配りしておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、
かごしま未来創造ビジョンの改訂素案につきまして御説明させていただきます。
まず、資料一を御覧ください。
かごしま未来創造ビジョン、改訂素案を体系的に整理した資料でございます。
まず、資料の左端のほうでございますが、新たな時代の潮流といたしまして、新型コロナウイルス感染症の拡大、デジタル化の進展、SDGsやカーボンニュートラルなど昨今の社会経済情勢が大きく変化してきており、これらへの対応が重要になってきたことから、今般、改訂の作業を進めているところでございます。
その右隣にございます鹿児島の目指す姿につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大というこれまでに経験したことのない危機に直面し、一極集中のリスクやデジタル化の遅れ、非正規雇用の問題など様々な課題が浮き彫りになりました。これらの課題に対応し、新型コロナウイルス感染症の終息後も見据えながら、時代の潮流にも適格に対応できる社会、安心・安全で持続可能な地域社会、そして高齢者や女性・障害者・子供・外国人などあらゆる方々が生き生きと活躍できる誰一人取り残さない社会を作っていくことが重要であると考えているところです。
これらを踏まえまして、鹿児島の目指す姿を「誰もが安心して暮らし、活躍できる鹿児島」とし、未来を拓く人づくり、暮らしやすい社会づくり、活力ある産業づくりに取り組み、これらの好循環を生み出すことにより、目指す姿を実現したいと考えております。
資料中ほどの鹿児島の現状・課題につきましては、省略させていただきます。
現状・課題の右側に記載しておりますのが施策展開の基本方向でございます。
現行のビジョンにつきましては十二の大項目を設けておりましたが、脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生やデジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上、観光の「稼ぐ力」の向上、企業の「稼ぐ力」の向上、農林水産業の「稼ぐ力」の向上、多様で魅力ある奄美・離島の振興などについて項目の見直しや新設を行い、十五項目としたいと考えております。
資料右端のビジョン実現のためににつきましては、広域連携の中に九州各県との連携という視点を加筆しております。
また、県議会や多くの有識者委員から御意見を頂いておりましたSDGsの推進という視点も加えたところであり、各般の施策についてSDGsの理念に沿って課題解決に取り組みたいと考えております。
続きまして、資料一─一を御覧ください。
かごしま未来創造ビジョン、改訂素案の構成案についてでございます。
先ほど資料一で御説明した内容を章ごとに構成したものでございます。
続きまして、資料二を御覧ください。
第四章の施策展開の基本方向の新旧案を比較したものでございます。
資料の左側が現行ビジョンの基本方向、右側が改訂素案の基本方向でございます。
先ほど少し申し上げましたが、現行ビジョンの十二の大項目を見直し、十五の大項目に再編成したいと考えております。十五の大項目にぶら下がる中項目レベルで見直しがあったものなどにつきまして下線を引くなどしておりますので、これらについて主な変更点を中心に御説明いたします。
まず大項目一の誰もが個性と能力を発揮できる社会の実現についてでございます。一─四について多文化共生の実現という項目について、今回、外国人も含めた誰もが個性と能力を発揮できる社会の実現という視点を加えるという観点から、この要素をこの大項目一に移動し、記載を充実しているところでございます。
続きまして大項目四番の地域を愛し世界に通用する人材の育成、文化・スポーツの振興につきましては、特別支援教育などにつきまして記載を充実しております。
五番目の脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生につきましては、カーボンニュートラルに係る取組が重要になってきたことから項目名を変更し、内容を再整理したいと考えております。
六番の安心・安全な県民生活の実現につきましては、国土強靱化や新型感染症などについて記載もしくは追記しております。
八番の個性を生かした地域づくりと移住・交流の促進につきましては、有識者委員会で「ローカルの価値の向上や地方回帰の傾向をチャンスとして生かせたらよい」といった御意見を頂いたところであり大項目として立てるとともに、八─二の移住・交流の促進と関係人口の創出・拡大という中項目を設けまして記載内容を充実したいと考えております。
九番の多様で魅力ある奄美・離島の振興につきましては、今回新たに大項目を立てたものでございます。有識者委員会におきましては、離島を最大限に活用する必要があるなどの御意見を頂きました。また、本年七月に奄美大島及び徳之島が世界自然遺産に登録されたことを契機としまして、本県の宝であります様々な島々の魅力を生かしまして交流人口の拡大や産業振興を図りたいと考えており、今回、大項目として特出ししたものでございます。
十番の観光の「稼ぐ力」の向上、十一番の企業の「稼ぐ力」の向上、十二番の農林水産業の「稼ぐ力」の向上につきましては、今回新たに大項目として特出し、整理したものでございます。付加価値の向上、「稼ぐ力」の向上につきましては、有識者委員会や県内外で活躍している幅広い年齢層の方々からの御意見をお聞きした座談会などでも多く御意見を頂いたところであり、県議会におきましても「稼ぐ力」をより具体的に盛り込んでほしいという御意見を頂くなどしたことから、今回それぞれの分野の「稼ぐ力」の向上としてビジョンに記載したいと考えております。
十四番のデジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上につきましては、デジタルテクノロジーの活用は重要であり、県議会、そして有識者委員会でも多くの委員の方々から御意見を頂いたところであり、デジタル化により県内経済が活発化するよう、また多様化する行政需要に的確に対応できる体制を整備し、迅速で簡便な行政サービスを提供していけるよう取り組んでまいりたいと考えており、今回新たに大項目を設けたいと考えております。
十五番の持続可能な行財政運営につきましては、現在行財政運営の指針について策定が進められているところでありまして、これを踏まえまして見直しを行いたいと考えております。
続きまして、資料三を御覧ください。
かごしま未来創造ビジョン見直しのポイントでございます。
先ほど資料一から二で御説明いたしましたビジョン見直しの趣旨や鹿児島の目指す姿などのポイントをまとめております。
以上が、素案の概要でございます。
順番は変わりますが、資料五を御覧ください。
今後のスケジュールでございます。
今後、県議会での御論議等を通じまして素案に係る御意見や御提言を頂いた後、パブリックコメントを実施したいと考えております。
県議会や有識者委員会、県民の皆様などの御意見も十分にお聞きしながらさらに検討を進め、今年度末を目途にビジョンを改訂したいと考えているところでございます。
順番は変わりましたが、戻りまして資料四を御覧ください。
今回、改訂素案としてお示しさせていただいたものでございます。
この中の二十ページをお開きください。
第四章、施策展開の基本方向が十五本ございますが、この中の総合政策部関係につきまして、その主な変更内容等について御説明をさせていただきます。
四十七ページをお開きください。ここから各取組に入ります。
四十七ページですが、大項目四、地域を愛し世界に通用する人材の育成、文化・スポーツの振興についてでございます。
施策体系の中項目四、「する・みる・ささえる」スポーツの振興のうち小項目4)良質なスポーツ環境の提供につきまして総合政策部関係の記載がございます。
五十六ページをお開きください。
先ほど申し上げました小項目4)良質なスポーツ環境の提供において総合体育館の整備に向けた取組が具体化していることから、新たな総合体育館の整備について追加したところでございます。
次に、五十七ページをお開きください。
大項目五、脱炭素社会の実現と豊かな自然との共生についてでございます。
施策体系の中項目二、
再生可能エネルギーを活用した地域づくりのうち小項目1)地域特性を生かした
再生可能エネルギーの導入促進について総合政策部関係の記載がございます。
六十ページをお開きください。
小項目1)地域特性を生かした
再生可能エネルギーの導入促進のうち、下線は引いておりませんが、一ポツ目に
再生可能エネルギーの導入促進に当たって自然環境への配慮が必要なことから、それについて追記をしているところでございます。
また、三ポツ目の特に離島におけるエネルギーの自給率の向上や非常時のエネルギー確保等が重要と考えられることから、蓄電池を活用した地産地消型
再生可能エネルギーの導入促進について追記したところでございます。
次に、本県は多様で豊かな
再生可能エネルギーを活用した水素製造の拠点となり得る可能性を有していることから、小項目3)
再生可能エネルギーを活用した水素製造に向けた基盤づくりとして新たに記載を追加しているところでございます。
続きまして大項目七、快適な生活環境の向上と世界につながる県土の創造についてでございます。
七十七ページをお開きください。
中項目一、人やモノの交流を支える交通ネットワークの形成のうち小項目3)空港の機能向上について下線が引いてありますとおり、令和元年に策定しました鹿児島空港将来ビジョンを踏まえ、空港民間委託の先行事例等を踏まえた調査・研究等に取り組むことについて追記したところでございます。
なお、鹿児島空港将来ビジョンにつきましては、後ほど鹿児島空港将来ビジョン工程表案について御説明をさせていただくこととなっております。
続きまして、八十一ページをお開きください。
大項目八、個性を生かした地域づくりと移住・交流の促進についてでございます。
施策体系の中項目二、移住・交流の促進と関係人口の創出・拡大のうち小項目1)移住・交流の促進、2)関係人口の創出・拡大についてでございます。
八十四ページをお開きください。
小項目1)移住・交流の促進のうち下線が引いてございます地域おこし協力隊員の効果的な活動や任期終了後の定着を促進するための取組について新たに追記したところでございます。
また、人口減少等に伴い地域の課題を自ら解決することが困難な地域もあり、地域課題の解決に向け、地域住民だけでなく地域外の人材を活用し取り組むことも重要であるため、小項目2)関係人口の創出・拡大を新たに追加したところでございます。
続きまして、八十七ページをお開きください。
大項目九、多様で魅力ある奄美・離島の振興についてでございます。
施策体系の中項目一、島々の魅力を生かした奄美・離島の振興のうち小項目1)島々の暮らしを支える環境の整備についてでございます。
八十九ページをお開きください。
小項目1)島々の暮らしを支える環境の整備のうち、下線は引いておりませんが、上から四つ目のポツに台風等荒天時の欠航・抜港による食料品や医薬品等の品薄対策を図るため、関係機関等と連携し、輸送手段の確保に努めるとともに、事前備蓄の普及啓発を図ることを新たに追記しているところでございます。
次に、小項目3)島々の特性を生かした産業の振興におきまして、下線は引いておりませんが、上から三ポツ目にグリーン・ツーリズムやブルー・ツーリズムなどの体験型観光の促進を行っているほか、上から四ポツ目に島ならではの食や体験プログラムの開発やエコツアーガイド等の担い手の育成・確保を行い、着地型観光を促進することを新たに追記したところでございます。
九十ページをお開きください。
引き続き小項目3)島々の特性を生かした産業の振興におきまして、下線は引いておりませんが、上から四ポツ目に農林水産物や観光資源等を生かした商品開発や販路開拓等の取組を促進し、雇用機会の拡充や地域経済の活性化を図ることについて追記したところでございます。
九十三ページをお開きください。
中項目三、離島の交通ネットワークの形成のうち、小項目1)離島航路・航空路の維持・充実についてでございます。
観光や産業等の発展に寄与するために新たなLCC就航やジェット機就航に取り組むことについて追記したところでございます。
続きまして、百二十九ページをお開きください。
大項目十四、デジタルテクノロジーを活用した県民の暮らしの質の向上についてでございます。
後ほど鹿児島
県デジタル推進戦略、仮称素案につきまして御説明いたしますが、本ビジョンにおきましては施策の体系につきまして、それを踏まえまして、中項目で行きますと一番、暮らしと産業のデジタル化、二、行政のデジタル化、三、データの利活用推進、四、デジタル推進基盤の強化、五、デジタル人材の活用・確保・育成として整理しているところでございます。
以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。
41 ◯鶴丸委員長 以上で説明が終わりましたので、質問や意見等がありましたら、よろしくお願いいたします。
なお、本日は審査対象であります総合政策部関係についての質問や御意見に限ってお願いいたします。
42 ◯おさだ委員 県の計画は、地方創生や観光振興、障害者福祉計画等いろいろなものがあります。今回、十年後を見据えた計画ということで、
かごしま未来創造ビジョンを改訂されるということですが、十年後の未来というのはなかなか僕らも想像できなくて、だから、数値目標というのは難しいのかもしれません。
新しい知事になって、例えば「稼ぐ力」の向上とか、特徴が出ています。このビジョンは塩田知事に代わったから改訂されるわけではなく、コロナ禍になって非常に生活しづらくなってきた、もう少し県民の方々にしっかりと強いメッセージを送らなきゃならないということで改訂されると思うんですね。
そこで質問としてまず申し上げたいのは、県民の前に県の職員です。このビジョンを基に五年、十年、しっかりと軸足を置いて施策を展開するためには、県の職員がしっかりとビジョンを理解しなければならない。県の職員に対しての説明、そういったところはどのように考えていらっしゃるのかをお示しいただけませんか。
43 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 ビジョン策定に当たりましては、県政の最も基本になるものとして様々な部局に及ぶことから、当然各部局と日々協議をしながら積み上げ、作成、協議をしているところでございます。本会議答弁でございましたが、一つの施策につきましても複数の部局にまたがるものも多うございまして、それらにつきましては関係部局集まって協議をすることもございますし、また、ちょっと順番違いますが、副知事がトップの委員会もございます、その中で各部局長とも総合的な方向性を示すなどもございまして、庁内まだ作業の途中でございますが、引き続き連携しながら、横串を差しながらビジョンの策定作業に取り組んでいきたいと考えております。
44 ◯おさだ委員 私が申し上げたかったのは、十年後を目指したビジョンであるので職員に県政の骨太としてしっかり理解してもらいたいということです。というのも、地域振興局はどうなのかなという話なんですね。これは代表質問で地域版を作られるかどうかという話も申し上げましたが、鹿児島県のビジョンであるので地域振興局や教育委員会、警察本部などの職員もしっかり理解をしていただかないといけないと思うんです。県の職員がしっかり理解していただいて初めて県民が主役となる施策が展開できると思います。ビジョンが絵に描いた餅にならないように申し上げています。
地域振興局や教育委員会、警察本部の連携というか、このビジョンについてどのように職員の理解を図っていくのかということが一点。
県民ベースで考えたときに、資料一の一番右端にビジョンの実現のために、まず県民が主役と書いているわけですが、県民に対してどのような形で啓発であったり理解を図っていくのかについてお答えいただきたい。これが二点目。
三点目ですが、資料一ページの左端の一番下、県民等の主な意見とあります。県民等の主な意見とはどういった方々から上げられてきたのか、この三つをお答えいただけませんか。
45 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 ちょっと地域版について、若干おさらいになりますが、御説明させていただきますと、確かに代表質問で御質問いただきまして、御回答しております。
まず、本体でありますビジョンの改訂後に、来年度各地域振興局・支庁において地域版を作る。地域版を作る作業においては、前回もですが有識者懇話会を作っておりまして、各地域の方々の意見を吸い上げるといいますか、いろいろ議論する場を設けることとしております。その中で地域と語る機会もございますし、各地域振興局・支庁ごとの特色あるビジョンの地域版ができるものと考えており、職員、各地域の方々とのビジョンの共有がそこでも図られるかと考えております。
県民の理解につきましては、こちらも若干、御答弁ございましたが、まず、今策定する中で、作業といたしまして、庁内での検討はもとより有識者委員会は二回ほど開催しておりますし、座談会をセットしまして、県内外の若い方から幅広い年齢の方々、男性・女性含めて二十五人の方々から御意見を頂いたところでした。市町村への意見照会もしております。県民アンケートも採っておりますし、各種団体にも、最初の作り始めの段階、今回の素案段階でも御意見を聞いております、県政モニターも活用しております。そのようなできる限り様々な形で意見を頂きながら、また県議会で御論議いただいている内容も当然踏まえながら、今現段階の素案を取りまとめているところでございます。
今後の県民の理解につきましては、ホームページでの公表や市町村への配布も行いますし、SNSを活用した情報発信、県政出前講座もございまして、現にビジョンについて指定されて講座を行っているものもございますので、それらも活用しながら積極的に広く県民に周知を図りたいと考えております。また、なかなかページ数も多うございましてわかりにくいという御意見もありますので、要約した概要版も作りまして周知に努めたいと考えております。
今は改訂素案の段階ですのでなかなか文字だけが並んでいるところでございますが、グラフや写真を用いる、用語につきましても御指摘がありましたので例えば注釈を付けるなど、より県民の皆様に理解していただきやすいように努めてまいりたいと考えております。
意見につきましては、先ほど申し上げました座談会、市町村意見照会、様々ございまして、それらについて、例えばデジタル化についてとか稼ぐについてとか、各種大なり小なり様々な御意見がありましたので、それらをできる限り反映する形、集約する形で現時点での素案として取りまとめているところでございます。
46 ◯おさだ委員 よく分かりました。
要は地域版も作られるとのことですので、本庁ベースだけでなく地域振興局サイドともしっかりと協議していただきたい。そして併せまして教育委員会、警察本部ですね。本当にこのビジョンにちゃんと教育委員会の声や警察本部の声が届いているのかということを申し上げたい。
県民の方々は大体分かりましたが、市町村との連携については、市町村がこのビジョンについて理解を示さないと連携しようがないんですよね。今後どういうふうにして市町村と連携していくイメージを持たれているか教えていただけませんか。
47 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 市町村との連携についてでございますが、当然、地域振興局・支庁にもこのビジョン素案につきましてはお流ししているところでして、そこを経由して若干意見が上がってきているところもございます。あと、各市町村に対しては、先ほどちょっと申し上げましたが、ビジョンを策定する前に当たり、一緒に考えていくという意味でどのような十年後を目指すのか、何が鹿児島に必要なのか、それらについて意見照会したところでございました。それらをまず素案に大きなところで反映する。あとは、今まだちょっと作業途中のところもございますが、この改訂素案につきましてもまさに各市町村にお流しして意見を吸い上げているところでございまして、それらについて同時並行で今精査の作業をしているところでございます。
48 ◯おさだ委員 要は、ビジョンを作ります、作って終わりという形が一番良くない、いろいろな事業計画があって、それをどう検証していくのか、どうチェックしていくのかというところがなかなか私もそれができていなくてそこは自分もよくないんですが、当局側にぜひお願いしたいのは、新しい時代に向けたせっかくいいビジョンというのを作られていくわけですから、作りっぱなしじゃなくて、県民の方々にこういう鹿児島を目指しますということをお示しして、またいま一度当局でしっかり検証いただくなどして、しっかりと頑張っていただければと思っています。
私からは以上でございます。
49 ◯宝来委員 考え方を少し確認したいんですが、資料一の目指す姿で未来を拓く人づくり、暮らしやすい社会づくり云々とあって、この横に向けて現状・課題、施策展開の基本方向という点線が囲ってありますよ。この点線が囲っているということは、この一から四、十三は未来を拓く人づくりというところで考えていらっしゃるのか。となったときに少し、この三番の健康で長生きできる社会の実現と良質な医療・介護の確保というのは、私は目指す姿の暮らしやすい社会づくりの部分に入ってこなければ少し不自然さがあるなと感じているんですが、この施策展開の基本方向の並びと目指す姿の並びというのは関連されて設定されているという認識でいいんですか。
50 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 資料一につきましてですが、委員御指摘のとおり、できる限り体系的に整理したいという思いの下、ただ、少なくとも現行ビジョンもございますので、現行ビジョンをベースにして新たな要素を加えて、その中で目指す姿を今回誰もが安心して暮らす活躍できる鹿児島といたしました。これを実現するためには、未来を拓く人づくり、暮らしやすい社会づくり、活力ある産業づくり、この三つの視点が重要かということで、まず整理しました。
下のほうに、十四番と十五番にデジタル化と行財政運営がございますが、これらにつきましては施策推進の基盤と書いてありますけれども、様々な施策をする上で前提となるものといいますか、もしくは基盤として必要なものと考えて、この十四、十五に整理しております。
おっしゃるように、確かに健康で長生きできる社会の実現というのは暮らしにも関係するかもしれませんが、人目線でやる中でのこういう体系整理をしているところでして、目指す姿の三本の視点につきましても好循環と書いてありますけれども、要は、人づくりと社会づくり、産業づくりはなかなか切り分けがたいところがございまして、例えば産業を作ればそこに人が集まる、暮らしやすい社会も出来るとかそれぞれ関連がある中で、大きく整理としてのこういう点線で考えてみたところでございます。
51 ◯宝来委員 ありがとうございました。
行政が主導的にするのがやはり社会づくりがメインだとすれば、この三番目の健康で長生きできる社会というのは明確に社会づくりなのかなというふうに感じたので少し違和感があって、ここの並びが改訂素案の中でそんなに影響することではないと思うんですが、概念的に人づくりのための医療なのか、社会づくりのための医療なのかというところを考えていくと少し個人的に違和感を覚えたところでした。
以上です。
52 ◯鶴丸委員長 ここで、しばらく休憩させていただきます。
おおむね十分間ということで、十一時十分に再開いたします。
午前十一時一分休憩
────────────────
午前十一時十分再開
53 ◯鶴丸委員長 再開いたします。
ほかに質問等ありませんか。
54 ◯上山委員 このビジョンの考え方を教えてもらいたいんですが、これまで「ウェルネス」とか「観光立県鹿児島」とか「畜産県鹿児島」と非常に分かりやすい標語があったんですが、今回のこのビジョンは県民に対して鹿児島県はこの方向性で十年後頑張りますよ、取り組みますよという、そういったアピールの標語というのはどういうふうに考えたらよろしいでしょうか。
55 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 今、アピールという御発言がございましたけれども、確かに「ウェルネス」などにつきましては前回ワードとして出してはいるんですが、「ウェルネス・ツーリズム」などまだ現在の施策の中でも生きているものと考えております。ただ、「ウェルネス」、「長寿・癒やしの資源」に関わらず、本県には観光、農林水産業、文化等も含めまして様々な資源がございまして、それらを全般的に売り出すものと考えておりますし、そこにつきましては各所管部局で今様々、素案としてまとめながら検討しているものと考えております。
56 ◯上山委員 総合政策部は一旦、各部からの素案をまとめてビジョンを作られると思いますのでお聞きしたんですが、結局こう見たときに一番目を引くのが「稼ぐ力」なんですね。ですから、県民に「「稼ぐ力」鹿児島県」というアピールをされるのがいいのかどうか分かりませんが、そういう視点で考えた場合に、SDGsという項目もビジョンの実現のためにということで書いてございます。基本的には政策の基盤ですから、具体的にSDGsをどういうふうにというのは書いていないんですが、「稼ぐ力」の中でも共生・協働の視点が抜けると環境破壊につながることもあり得ると考えれば、「稼ぐ力」とSDGsをどうつなげていくのかとか、いろいろな視点を持ってこのビジョンを県民が理解しやすいような組立てが必要なのかなと考えているところなんです。要するに、一方だけを進めるとSDGsになっていますかというそういった視点を持ったビジョンにできればなと私としては考えているんですが、総合政策部としてはどう考えていますか。
57 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 今、何点か御質問のキーワードがあったかと思いますけれども、もともと今回のビジョンの見直しの生い立ちとしましては、御案内のように新型コロナウイルス感染症の拡大、デジタル化の進展、SDGsの推進、カーボンニュートラルの実現など社会経済情勢が大きく変化してきており、これらへの対応が重要になってきたというところがございます。まず、それらを踏まえて体系も見直しているところでございまして、大項目にカーボンニュートラルの要素、あとデジタル化の進展の要素、それらが入ってきております。SDGsにつきましては、今、全庁的に整理表を作っているんですが、この十五本全ての施策にそれぞれSDGsの十七本のゴールも絡むような形でありますので、県政全般といいますか全体に係るものとして必要なものと考えておりますSDGsの視点を持って様々な施策に取り組むことが重要であると考えております。あと、環境への負荷の関係もございましたが、
再生可能エネルギーのところに「自然環境への配慮」というワードも入ってきておりますし、また共生・協働の視点につきましても引き続きビジョンの一つの項目として立っておりますし、県政様々広範囲にございますので、それらを総合的に、各施策・施策において一点だけで検討するんじゃなくて様々な視点から検討しながら施策を実施する必要があるかと考えております。
58 ◯上山委員 一応そういった形でビジョン実現のためにというところが非常に重要かなと思いまして質問させてもらいました。やはり、前語りになると思うんですが、そういったビジョン実現ための県民が主役となるにはどういう視点でとかそういう詳しい説明を付けた上でビジョンの改訂に向けた県民への今後の情報収集に努めていただければと思います。パブリックコメントもされるでしょうからお願いしたいと思います。要望です。
59 ◯成尾委員 八十四ページに移住・交流の促進と関係人口の創出・拡大がありまして小項目から中項目に格上げをされたということでございます。今のビジョンやまち・ひと・しごと創生総合戦略からずっとありましたが、実際には鹿児島県に移住・交流がなかなか増えていないと感じているんです。そこ辺りについての見解と、今後どう増やしていくと考えていらっしゃるのか。関係人口を創出した方がいいだろうとは思うんですが、今回のビジョンの中で具体的にどうされていこうとしているのか、そこ辺りをお示しいただければと思います。
60 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 まず、個別には担当課からのお答えになるかと思いますけれども、全般的な考え方としまして、前のビジョンにおきましては実は関係人口の創出・拡大という要素は入っていないということもございました。また、コロナ禍で地方回帰の機運が都市部周辺にかなり高まっているところがございまして、鹿児島にも取り込まないといけないという視点もありましたので、大項目として移住・交流を立て、関係人口の創出・拡大についてもまずはしっかり取り組むという意思表示という意味もありまして記載しているところでございます。
61 ◯新川参事(地域政策担当)兼地域政策課長 移住・交流の取組につきましては、これまで相談体制の整備ですとか東京における相談窓口・相談員等を配置して対応をいたしておりました。それから情報発信としてウェブサイト、パンフレット等を作成してPRする、先ほど部長からの説明にもありましたように、移住セミナー等も開催をして鹿児島への移住を促進するということで取り組んできたところでございます。その結果、移住の人数といたしましても県外からの移住の数は着実に増えているところでございまして、また、移住の年代も若い方々に移住をいただいているというようなところでございます。ただ、そうは言いましてもやはり地方回帰の流れがございますので、移住・交流等の取組はしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。鹿児島に来ていただくための情報発信、それから鹿児島に移住をしたいと思っていらっしゃる方に鹿児島にいらしてからのことなどを含めての相談等もしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
62 ◯成尾委員 分かりました。
相談体制や情報発信の件、こういうことについては東京で対応されておられるんですが、要は相談が来てからの対応という感じになっていて、相談に来てもらえるような形にはなかなかなっていないのかなと私は思ったんですね。だから、来た人には対応されると思うんですが、移住を考えている方々が鹿児島に行ってみたいねと思ってもらえる何らかのアクションとかをしないとなかなか移住者は増えないのかなと思っております。さきほどおっしゃったように少しずつは増えていますということなんですが、それは地域おこし協力隊の方々が入っていての話だろうなと思っています。地域おこし協力隊の方も何年かしたら帰られます。なかには、ずっと残る方もおられますが、普通の方々が本当に移住してもらって、そして鹿児島の良さを分かっていただけるような、相談員の資質もぜひ高めていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
63 ◯新川参事(地域政策担当)兼地域政策課長 今、委員からるる御意見を頂きました。
移住の人数につきましても若干増えているという以上に結構増えておりまして、例えば平成三十年は県外から一千三百人台だったものが令和二年には二千人を越えるというふうにかなりの増加をしておるところでございます。
それから移住の相談、待つだけではなく呼び込むというようなことを頂きました。ホームページなどでもそういった働きかけというのはいたしておりますし、セミナーなどの開催も積極的に呼びかけしておるところです。また、移住の施策といいますと、どうしても県だけではなくて、やはり市町村と一緒になって取り組んでいくことが必要ですので、そこはまた市町村でも積極的になさっておりますし、連携してこれからも進めていきたいと思っております。
64 ◯成尾委員 分かりました。
私は、市町村がするものも含めて移住相談の場所に行ったり、東京で見たりしているもんですから、その中での話です。二千何名増えたということですが、それは本当に移住・交流としてきたのか。そこ辺りはやはり精査したほうがいいだろうと思っておりますので、そこは施策によって増えたということを導けるようなものにしてからお話をされたほうがいいと思います。
以上です。
65 ◯寺田委員 桑代課長、十年前と鹿児島の県民所得は、どういうふうな変化をしていますか。
それからもう一点、県の財政規模は一体、十年間でどう動きましたか。そしてまた、県の人口はどういうふうになってきましたか。
66 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 すみません、県民所得につきましては後ほど所管の課から御説明があるかと思いますけれども、財政規模につきましては、決算ベースで行きますと、平成十年、十一年ごろがたしかピークだったんですけれども、その後、下がり基調、最近で行けば若干微増とかそういう形だったかと思います。人口規模につきましては、ピーク時の二百四万人という時代があったのに対して今は百七十万を割り、百六十万も割ってきている状況でございます。
67 ◯長島総合政策部次長 暫時休憩をお願いします。
68 ◯鶴丸委員長 暫時休憩。
午前十一時二十四分休憩
────────────────
午前十一時二十四分再開
69 ◯鶴丸委員長 再開いたします。
70 ◯増田統計課長 平成三十年の県民所得につきましては、一人当たり二百五十万円ほどでございますが、十年前は二百二十万円ほどでございます。
71 ◯寺田委員 アジアを中心とした人口の増、それに伴う消費、最近ではコロナの関係で地域的には落ちついている部分もあるかもしれませんが、全体として見たときに非常にこの国だけがデフレ現象からなかなか抜け出しきれない。前々から言われるように、この国の人口は減り始め、総務省の外郭団体の推計では将来はさらに落ち込み、鹿児島県は百二十万を切るのではないだろうかと言われている。
向こう十か年の計画を立てていくときに、しっかり状況を理解し、背景を探り、その先に何が生まれるかということを見据えることは一番基礎の基礎だと思うんですね。
鹿児島県の予算が今九千億円弱ぐらいあります。もうずっと、いわば財政改革の中で皆さん方も非常に辛い思いをされ、県庁職員だけでなく我々議会も給料を減らされて、今に至っております。
項目の中に健全なる行財政運営というのがあり、当然の視点としてそれは見なければなりませんが、その背景は何なのかと。この課題の中に出されている「稼ぐ力」、これは大変いいことだと、そしてまたあるべき姿だと思っていますが、これまでに至った背景の分析をしっかりしていかなければいけない。
緊縮財政、確かに必要な部分はある。それでいてこのビジョンをどうやって具現化するのか。将来の夢多き社会を築くために、この中に織り込まれている諸施策はこれからいろいろな肉づけがされていくだろうけれども、基本的な部分についてどういう検証をしてきたのかということが必要だと思うんですね。
平成の大合併以降、地方がどれだけ活性化されたでしょうか。「行政の効率化」という名前の下で地方が切り捨てられている部分というのは大いにある、そのことに対する検証はどうなっているのか。そういうことも踏まえて私はもう一回この案がどういう形で肉づけをされていくのか、そして目指すものは何なのかということは、先ほど来おさだ委員が県庁職員の中で意識づけはどうされていくのかということの議論もありましたけど、その根本をどういった形で皆さん方が捉えていらっしゃるのかということは大事なことだろうと思うんですね。
これをどういうような展開をするかということは今からの世界でしょうが、これに至った経過、現状をどういうふうに認識をしているのか意見を少し聞かせていただけませんか。
72 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 今、人口減少、そのほか県民所得、予算も含めていろいろと御指摘いただいたところでございます。
人口減少につきましては、第二期の鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略などには本県の人口の推移、推計なども記載しておりまして、例えば二〇一〇年には百七十万人程度でした。それが二〇一五年に百六十四万八千人、二〇一八年に百六十一万四千人と。社人研推計に基づきますと、二〇四五年に百二十万人、二〇六〇年には九十七万八千人という数字も出ているところでございます。
そのような人口が減少する中、どのような形で県は施策を打つか。そもそも人口減少にどう対応するかという話があるんですが、人口減少の要素としては、社会増減、自然増減、この二つから成ります。社会増減につきましては、特に二十代前後、学生、進学・就職に当たって県外に出る生徒さんたちがいる、その生徒さんたちをどのように鹿児島にとどめるか、自由な選択肢を持つ中ではございますが、帰ってくるという選択肢を持たすかという考え方、あと、自然増減につきましては産み育てやすい環境をどのように構築していくか、そのような視点で総合的な政策がなされているところかと思います。
あと人口減少、ただこれ自体はなかなか避けられないものでございまして、例えば経済がグローバル化する中でどのように県として取り組むか。例えば二〇四〇年問題などにつきましては一つの市・町ではなかなか完結できない内容につきましては市町村との連携が必要になってくるということで、今回のビジョンの中でも市町村との連携についての記載を充実しているところでございます。
また、なかなか人口減少の中で労働人口の確保も必要、そうなるとデジタル化の推進は一つの目線として必要になるかと思います。人口が減る中で教育の機会・均等をどう図るか、医療をどのように確保するか、買い物、空き家、耕作放棄地、様々な課題があり、どのように集落等を維持・活性化するか、そういうのも県では別途計画といいますか指針として定めているものもございます。ビジョンにつきましてはそれらを総合的に踏まえまして、県政の基本となるものとして庁内連携といいますか、課題を共有しながら策定に今まさに取り組んでいるところでございます。
73 ◯寺田委員 皆さん方が出されたこの案を実際にどういう形で具現化していくかは、これから三か年の実行計画とかいろいろなローリングをしていく中で出てくるだろうとは思うんですが、施策の裏付けとなる財源の問題、鹿児島県の税収や人口が将来これだけ減り続けるという予見がされている中で、なかなか厳しい状況だと思います。
しかし、冒頭にありました、求められている新たな時代の潮流の中に出されている課題はこれは無視は出来ないし、当然それを積極的に前向きに対応していかなければいけないわけですね。それを前に進めるためには現在の実態、これまでの経過を含めた正確な分析、将来予測をやはりしっかりやっていくべきだろうと思ったので、今の質疑をさせていただきました。
これだけタイムラグが少ない時代、瞬時的に世界が動く中で、日本の環境だけではなく広く将来に対する見通しを立てることは、なかなか難しい部分があると思います。今度のコロナのことも含めてですね。このコロナについては創薬の大事さだとか、保健環境の問題、公衆衛生の問題だとかが改めて問い直されましたし、地方回帰ということもありました。そういう一つ一つの現象を時代を先に捉えていく、この計画に基づいて事業展開をされていく中で、一つ一つ毎回毎回積み上げていきながら、これまでの経過をしっかり分析をした上で対応されることを強く望んでおきたいと思います。
私からは以上です。
74 ◯鶴田委員 それでは、簡単に二つお伺いしたいと思います。
非常に取り組むべき姿というのを上げられて、バランスの取れた案だと思いますが、各所管の部局において具体的な中長期計画、例えば医療であれば地域医療計画とか介護とか、それから例えば防災、社会基盤であれば国土強靱化計画とか、その部局で非常に詳細な計画を持っていますよね。それらの個別計画とこのビジョンとの連関性というか整合性というか、それはどのようにお捉えですか。
75 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 委員おっしゃるとおり、県庁内に様々な計画ございます。ちょっと取り方にもよるんですが、百三十余りあるのではないかというお話もございます。各計画につきましては当然それぞれ計画期間があったり、もともとは法律に沿ってやるものとかそれぞれ性質が個別、異なる状況もございまして、ただ、それらは法律に基づくものであっても鹿児島県の計画においては当然ビジョンが基本となるものですので、ビジョンに示した目指す姿なり、方向性なりを踏まえながら、各計画がしっかりと作られていくものと考えております。
76 ◯鶴田委員 分かりました。
以前までの計画だとどの程度まで具体的な数値等を用いて県の姿を書くかということがあったと思うんです。このビジョンに関してはそういうのは必要ないかもしれませんが、やはり例えば地域医療計画などもベッド数を幾つまで減らすとかそういうことなども書いてあるわけですね。したがって、先ほど注釈などをいろいろ入れていくということですが、例えばそういったところにぶら下がっている計画は一つ一つ注釈の中に入れて、この問題は鹿児島県のビジョンとしてはこういうことだよと、十年後はこういう鹿児島を作っていくんだと。ただそれに対して例えば具体的な法律であるとか決まりであるとかいうものはここを見てくださいというようなリンク性のあるそういったような作り方をお願いしたいなと思います。
それから二点目が、先ほどおさだ委員が取り上げた地域版なんです。これは非常に重要でした。現行ビジョンの前の計画のときには、たしか地域版が小さな冊子で作られて、すごく参考になったような気がするんですが、現行のものに関しては私見た覚えがないんですね。いろいろな問題、例えば鹿児島市と大隅の地域では稼げる農業の在り方というのも全然違うわけですね。それから観光についても比較的都市交通が発達している鹿児島市と、大隅の地域などは二次交通の環境が大きなネックになっているわけです。そういったところをいかに地域版で表していくかが一つのポイントだと思うんですが、その辺の作り方というのはどのようにお考えですか。
77 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 現在まだ素案本体を作業しておりまして、ただ各地域振興局・支庁とは打合せをやっております。前回の作りで行きますと、七つの地域振興局・支庁がそれぞれのスタンスで作っているところがございます。例えばこういうメンバーを有識者会議で集めて、こういう議論をしてと。ただ体系としては一定、例えば構成としては時代の潮流と現状の課題とかポテンシャルとか、あと分野別についてなど、ある意味ひな形を例示しまして、その中で各地域の特色を書いていただくというのがございました。今回につきましても現状やそれぞれ課題を十分に踏まえまして地域の声を聞きながら、まさに今御指摘もありました地域の「稼ぐ力」の向上とか、あとお話にあります移住・交流の促進とか、それぞれの地域の特性を生かした取組方針となるように今後また作業をどのような形でするか検討してまいりたいと考えております。
78 ◯鶴田委員 分かりました。
平成三十年のときの地域版、地域振興の取組方針作成時の有識者会議、これに私もオブザーバーで出席をさせていただきました。少し突っ込みが足らない。やはり課題を示して、いろいろと意見をもらっているんでしょうが、もう少し問いの在り方とか、それから各分野での人の選定とかいうことをやはり考えていただいて、よりイメージがきちんと湧くようなそういった地域版を期待したいと思いますので、よろしくお願いします。終わります。
79 ◯鶴丸委員長 ほかにありませんか。
[「なし」という者あり]
80 ◯鶴丸委員長 ほかにないようですので、
かごしま未来創造ビジョン、改訂素案についての質問等はこれで終了いたします。
なお、委員会の中で出されました質疑の経過を踏まえまして報告については当席に御一任を頂きたいと存じます。
次に、年間特定調査の「新たな総合体育館の整備について」を調査いたします。
スポーツ施設対策室長の説明を求めます。
81 ◯西 スポーツ施設対策室長 それでは、新たな総合体育館の整備について、お手元の資料に基づき御説明いたします。
新たな総合体育館については、その整備に向けて県内外の各分野の専門家で構成する
総合体育館基本構想検討委員会を設置し、基本構想案の作成に向けた検討を進めているところでございます。
本日は、第五回及び第六回の検討委員会の検討結果について御説明いたします。
まず、第五回の委員会についてです。
第五回の委員会は、複数候補地の選定と整備候補地の絞り込みに係る評価基準について御議論をいただいたところです。
本日は当日の資料及び議事概要をお配りしておりますので、これに基づき御説明いたします。
資料一を御覧ください。
本年第三回県議会定例会における論議の状況について、
総合政策建設委員会における委員長報告をもって説明いたしました。
また、本会議における論議の状況について参考資料としてお示しいたしました。
資料二を御覧ください。
複数候補地の選定についてです。
一ページをお願いいたします。
まず、一の候補地選定の考え方についてです。
新たな総合体育館については第四回委員会において施設のコンセプトとそれを踏まえた立地環境について検討がなされ、「鹿児島市に立地することが望ましい」とされたところです。
一方、県議会や「知事へのたより」等では鹿児島市以外の土地についても候補地として要望が出されております。
今回はこれらを踏まえ、整備候補地案の選定を行ったところです。
二ページをお願いいたします。
二の複数候補地の選定についてです。
鹿児島市内の土地において、県有地、市有地、国有地、民有地を対象に施設のコンセプトを踏まえた想定規模を考慮し、おおむね一万五千平米以上の面積を要する土地等をリストアップしました。
ここで、資料二─一を御覧ください。
一ページをお願いいたします。
一のリストアップについてです。
県有地については、面積がおおむね一万五千平米以上の未利用地とこれまでの検討対象地をリストアップし、市有地、国有地、民有地については面積がおおむね一万五千平米以上で譲渡可能な土地について、鹿児島市、鹿児島財務事務所、県内の不動産関係団体に照会しました。
この結果、まず(一)の県有地のうち1)の鹿児島市内でおおむね面積が一万五千平米以上の未利用地については、鴨池ニュータウン九・十号街区、県農業試験場跡地、住吉町十五番街区及びドルフィンポート跡地となっております。
二ページをお願いいたします。
2)のこれまでの検討対象地については、ドルフィンポート跡地、県工業試験場跡地、県庁東側の土地、県農業試験場跡地となっております。なお、この表の下の注書きのとおり、県工業試験場跡地と県庁東側の土地については隣接地所有者の譲渡意向がないことを確認し、県有地だけでは必要な面積が確保できないこととなっております。
次に(二)の鹿児島市有地については、同市から脇田処分場等跡地が該当する土地として回答がありました。
(三)の国有地及び(四)の民有地については、それぞれ該当のある土地がないことを確認しました。
次に、二の候補地案についてです。
ただいま申し上げました一で掲げた土地について必要な面積が確保できない県工業試験場跡地及び県庁東側の土地を除いた鴨池ニュータウン九・十号街区、県農業試験場跡地、住吉町十五番街区、ドルフィンポート跡地、市脇田処理場等跡地の計五か所を候補地案としたところです。
ここで、資料二の二ページにお戻りください。
資料の中ほどですが、このほか、県議会や「知事へのたより」等で提案等のあった土地については必要な敷地面積を確保できないことなどを確認し、候補地として適さないと判断いたしました。
お手元の資料二─一参考資料にはただいま申し上げましたこれまで提案等のあった土地についての確認結果等を取りまとめておりますので、後ほどお目通しいただければ幸いでございます。
三ページをお願いいたします。
三の各整備候補地の概要についてです。
1)の鴨池ニュータウン九・十号街区は、鴨池港の近くに位置しております。両街区とも平成十六年四月から県住宅供給公社に貸付け、現在、同公社において駐車場事業を運営しております。
2)の県農業試験場跡地については、現在二十五、二十六、三十一─二の三つの街区が未利用地となっております。
四ページをお願いいたします。
3)の住吉町十五番街区については鹿児島港本港区に位置し、現在、民間事業者に対する駐車場用地としての貸付けなど暫定活用を行っております。また、当該敷地を含む本港区エリアについては本港区まちづくりグランドデザインの対象とされております。
五ページをお願いいたします。
4)のドルフィンポート跡地については、住吉町十五番街区と同様、鹿児島港本港区に位置し、現在、暫定的にイベントスペース等に活用されております。また、先ほどの住吉町十五番街区と同様、グランドデザインの対象とされております。
5)の市脇田処理場等跡地についてはマリンポートかごしまの西側に位置し、当該敷地はし尿処理場等として利用されておりましたが、現在は駐車場用地等として暫定的に利用されております。
資料三を御覧ください。
評価基準についてです。
一ページをお願いいたします。
まず、一の選定の考え方についてです。
各候補地の優劣を判断する基準について、交通利便性、宿泊・商業施設の集積など専門のコンサルタントにおいて十二の項目を設定しました。
次に、二の評価方法についてです。
各項目ごとに三点から〇点までの四段階とし、全項目の合計点で各候補地を比較することといたしました。
それでは、各評価項目ごとに御説明いたします。
まず、評価項目の1)交通利便性についてです。
交通利便性については第四回の検討委員会における立地環境の議論も踏まえ、1)の県本土地域からの時間距離、2)の鹿児島中央駅からの時間距離、3)の鹿児島港からの時間距離の三つとしました。また、評価に当たっては指標が三つにわたることから各指標における評価を総合的に評価することとしました。
二ページをお願いいたします。
上のほうでございますが、三点から〇点の配点については、ただいま御説明した観点から記載のとおり整理しました。
次に、評価項目の2)宿泊施設の集積についてです。
総合体育館の立地条件として、スポーツ利用、多目的利用のいずれにおいても利便性の観点から周辺に宿泊施設の集積が必要であると考えられることから、徒歩十五分圏内の宿泊施設数について評価を行うこととしました。
配点については、三点をコンサートの宿泊者の全てを近隣の宿泊施設で賄うことが出来る、徒歩十五分圏内の宿泊施設の定員一万人以上。二点を全国規模のスポーツ大会の宿泊者の全てを賄うことが出来る、定員四千人以上。
三ページをお願いいたします。
上のほうでございますが、一点を県大会に参加する離島生徒の全てを賄うことが出来る、定員八百人以上。〇点を八百人以下の定員数しかない場合といたしました。
次に、評価項目の3)商業施設の集積についてです。
宿泊施設と同様、スポーツ利用、多目的利用のいずれにおいても商業施設の集積が必要であると考えられることから、徒歩十五分圏内の商業施設数を指標として評価することとしました。
配点については県下で一番の繁華街である天文館地区の集積数二千施設程度を三点とし、当該地区との比較により二点以下の配点づけを行うこととし、記載のとおり整理いたしました。
次に、評価項目の4)経済波及効果についてです。
新たな総合体育館についてはスポーツ振興の拠点機能を軸足に置きつつ、コンサート等の開催を通じ、にぎわいの創出や経済波及効果などにも寄与するとされたところです。
経済波及効果については、商業施設の集積状況、中心市街地との回遊性、コンサートの開催回数で評価することとしました。
評価は、指標が多岐にわたることからこれらの指標における評価結果を総合的に判断することとし、配点については記載のとおり整理しました。
四ページをお願いいたします。
次に、このページの下のほうでございますが、評価項目の5)施設の収益性についてです。
ここでは多目的利用のうち来場者数が多く、総合体育館の立地により大きな需要の変動が想定されるコンサートの開催回数について候補地ごとの比較を行うこととしました。
評価は需要予測調査で示されたコンサートの開催回数に基づき行うこととし、配点については記載のとおりといたしました。
五ページをお願いいたします。
続きまして、評価項目の6)既存スポーツ施設との連携についてです。
総合体育館については屋外スポーツ施設との連携により屋内と屋外スポーツを組み合わせたイベントの開催などが考えられることから、各候補地と最寄りの屋外施設との時間距離について評価を行うこととしました。
配点については、ただいま御説明した観点から記載のとおり整理しました。
次に、評価項目の7)敷地面積の確保についてです。
ここでは各候補地において建設に必要な面積を確保できるか否かについて評価を行うこととしました。
評価に当たっては各候補地において想定される施設及び駐車場がどのような形で配置できるかシミュレーションを行い、敷地の面積・形状、施設のレイアウト、配置可能な駐車場面積の比較を行うことといたしました。
配点については、ただいま御説明した観点から記載のとおり整理しました。
六ページをお願いいたします。
次に、評価項目の8)法令への適合性についてです。
ここでは整備候補地における都市計画法など関係法令への適合性について候補地ごとの手続等の有無について評価を行うこととしました。
配点については、ただいま御説明した観点から記載のとおり整理しました。
次に、評価項目の9)周辺道路の状況についてです。
ここでは県内各地や主要駅、高速道路等の交通結節点から各候補地への主要なアクセス道路や敷地周辺での歩行者動線等を踏まえた周辺道路の状況について評価を行うこととしました。
評価に当たりましては指標が多岐にわたることから、主要アクセス道路の混雑度、周辺道路の車線数や歩道の広さの三つの指標から総合的に行うこととしました。
配点については、ただいま御説明した観点から記載のとおり整理しました。
次に、評価項目の10)防災上の課題についてです。
ここでは各候補地における防災上の課題について土砂災害、津波、洪水といった自然災害による影響についてハザードマップを基に評価を行うこととしました。
配点については、ただいま御説明した観点から記載のとおり整理しました。
七ページをお願いいたします。
次に、評価項目の11)周辺住宅への影響についてです。
ここでは各候補地における周辺住宅への騒音の影響について、各候補地の周辺五十メートルの範囲における住居の状況をもって評価することとしました。
配点については、ただいま御説明した観点から記載のとおり整理しました。
最後になりますが、評価項目の12)費用面での留意点についてです。
ここでは本体工事費以外に必要と考えられる土地取得費用、造成費用、地盤改良費用などのコストの有無について評価を行うこととしました。
配点については、ただいま御説明した観点から記載のとおり整理しました。
続きまして、第五回検討委員会の議事概要についてでございます。お手元の資料、議事録の手前になります。
三の議事概要を御覧ください。
(二)の複数候補地の選定については、鴨池ニュータウン九・十号街区、県農業試験場跡地、住吉町十五番街区、ドルフィンポート跡地、市脇田処理場等跡地の五か所が選定されました。
(三)の整備候補地の絞り込みに係る評価基準については、検討委員会での議論を踏まえ県民に分かりやすく説明する観点から、記載の四つにグルーピングを行うこととされました。また、まちづくりやほかの事業との関連など、今後の留意点を附帯意見として整理することとされました。
二ページをお願いいたします。
防災やコストなど評価の結果、体育館の建設が困難と思われる項目については、欠格事由として整理することとされました。
四の委員の主な意見を御覧ください。
本日は、これらの御意見について、かいつまんで御説明いたします。
下から二番目の丸を御覧ください。
委員によって重視したい項目が異なることから、事前に評価項目のウエイトづけをすることは難しいと考えられる。代わりにアスリートファーストなどのカテゴリーに評価項目を分け、分野ごとの点数が可視化できれば議論しやすいのではないか。
一番下の丸を御覧ください。
本港区のグランドデザインやサッカー等スタジアム、コンベンション・展示施設など、まちづくりや他の事業等との関連については検討委員会で議論する事柄ではないが、検討に当たって重要な視点であることから、今後の留意点として整理し、次回の検討委員会に提示していただきたい。
第五回の検討委員会については、以上です。
それでは、続きまして第六回検討委員会の検討結果について御説明いたします。
第六回の委員会は、新たな総合体育館の整備候補地について御議論いただいたところです。
資料一を御覧ください。
評価基準の整理についてです。
第五回の検討委員会において評価基準のうち、先ほど申し上げましたが項目のグルーピングや欠格事由、評価指標の整理を行う必要があるとの意見が出されたことを踏まえ、第六回の委員会においてお示ししました。
資料の左側が第五回の委員会においてお示しした十二の評価項目で、これを県民の皆様に分かりやすく説明する観点や各委員が重視する分野を踏まえながら議論を行うことが出来るよう、資料の右側に記載したとおり、四つのカテゴリーに分類しました。
評価項目の7)、10)、12)は評価の結果、体育館の建設に相当な困難が生じる場合、その候補地を欠格とする項目として整理しました。
また、評価項目の5)経済波及効果の評価指標のうち黒丸の3)でございますが、これにつきましては重複を整理する観点から、第五回委員会でお示しした商業施設の集積状況に代えて委員の意見を踏まえMICE等の開催回数とすることとしました。
資料右の一番下ですが、評価項目としてなじまないものの、今後の留意点として県において調整を行うこととなるまちづくりや他事業との関連について整理しました。
資料二を御覧ください。
整備候補地の評価についてです。
一ページをお願いいたします。
まず、一の整備候補地の評価の考え方についてです。
前回の検討委員会で選定された整備候補地について、評価項目ごとに詳細な評価を行いました。
評価項目については、先ほど御説明したとおり、四つのカテゴリーに分類いたしました。
二ページをお願いいたします。
評価に当たっては各項目ごとに三点から〇点までの四段階とし、各カテゴリーの小計と全項目の合計点で各候補地を比較しました。
評価基準につきましては先ほど第五回委員会の説明の際に触れましたので、ここでの説明は省略させていただきます。
飛びまして、十三ページをお願いいたします。
三の各項目ごとの検討についてです。
ここからは十二項目ごとに各評価項目の設定の考え方や評価方法、評価結果について御説明いたします。
まず、アスリートファーストについてです。
総合体育館についてはアスリートファーストの施設とするとともに、スポーツ利用における立地条件について、交通利便性、宿泊・商業施設の集積が必要とされたところです。ここでは、これらの項目について評価を行ったところです。
まず、(一)の交通利便性についてです。
十四ページをお願いいたします。
まず、十四ページの上のほうでございますが、1)の県本土地域からのアクセスについてです。
ここでは県本土の各地域からそれぞれの候補地への自動車によるアクセスの比較として、県本土地域二十四市町の市役所・町役場を起点にそれぞれの時間距離を比較しました。その結果、自動車利用によるアクセスについては各候補地ともほぼ同等であるとしました。
十七ページをお願いいたします。
次に、2)の鹿児島中央駅からのアクセスについてです。
県内の交通の中心であります鹿児島中央駅を起点として、各候補地への時間距離等を比較しました。その結果、ドルフィンポート跡地が最も優位となり、続けて住吉町十五番街区、鴨池ニュータウン九・十号街区、県農業試験場跡地、市脇田処理場等跡地の順となったところです。
二十ページをお願いいたします。
3)の鹿児島港からのアクセスについてです。
離島の中高生はほとんどが鹿児島港を経由し、宿泊先のバス等を利用して県大会に参加していることから、鹿児島港から各候補地へのアクセスについて比較しました。その結果、住吉町十五番街区とドルフィンポート跡地が最も優位となり、次に鴨池ニュータウン九・十号街区、市脇田処理場等跡地、県農業試験場跡地の順となったところです。
二十一ページをお願いいたします。
4)の評価についてです。
交通利便性については、住吉町十五番街区とドルフィンポート跡地については中央駅や鹿児島港から近く交通利便性が高いとして三点、鴨池ニュータウン九・十号街区については、中央駅からやや近く一定の交通利便性があるとして二点、市脇田処理場等跡地については、中央駅からやや遠いが鹿児島港からやや近く一定の交通利便性があるとして二点、県農業試験場跡地については、中央駅から遠く交通利便性がやや低いとして一点といたしました。
二十三ページをお願いいたします。
(二)の宿泊施設の集積についてです。
ここでは各候補地における宿泊施設の集積状況について評価を行いました。このページから三十ページにかけまして各候補地周辺の宿泊施設数を記載しております。
三十ページをお願いいたします。
2)の評価についてです。
ただいま説明は割愛いたしましたが、各候補地周辺の宿泊施設に基づき評価した結果がこちらでございまして、宿泊施設の集積については、住吉町十五番街区とドルフィンポート跡地については周辺に宿泊施設が多く集積しているとして三点、鴨池ニュータウン九・十号街区についてはあまり集積していないとして一点、県農業試験場跡地及び市脇田処理場等跡地についてはほとんど集積していないとして〇点といたしました。
三十二ページをお願いいたします。
(三)の商業施設の集積についてです。
1)の各整備候補地周辺の商業施設数及びその集積状況についてです。
商業施設につきましては、この表、右側に記載のとおりです。
三十六ページをお願いいたします。
3)の評価についてです。
商業施設の集積について、住吉町十五番街区及びドルフィンポート跡地については周辺に商業施設が多く集積しているとして三点、鴨池ニュータウン九・十号街区及び県農業試験場跡地についてはあまり集積していないとして一点、市脇田処理場等跡地についてはほとんど集積していないとして〇点といたしました。
三十七ページをお願いいたします。
(四)の既存スポーツ施設との連携についてです。
ここでは総合体育館が立地した場合の既存屋外スポーツ施設との連携について候補地と最寄りの既存屋外スポーツ施設までの時間距離を比較しました。
時間距離は、この表の右側に記載のとおりでございます。
評価についてです。
既存スポーツ施設との連携については、鴨池ニュータウン九・十号街区については鴨池運動公園が徒歩圏内にあり連携が期待できるとして二点、県農業試験場跡地についてはふれあいスポーツランドまでやや距離があり連携が難しいとして一点、住吉町十五番街区、ドルフィンポート跡地及び市脇田処理場等跡地については鴨池運動公園までやや距離があり連携が難しいとして一点としました。
四十ページをお願いいたします。
iiの経済波及効果・収益性についてです。
総合体育館については、コンサート等の開催を通じ、にぎわいの創出や経済波及効果など地域活性化とともに施設の収益性にも寄与するとされていることから、ここでは経済波及効果と施設の収益性について評価を行いました。
(五)の経済波及効果についてです。
総合体育館が立地した場合の経済波及効果について、コンサート、MICE等の場合の買い物代、飲食費を中心市街地等との回遊性で評価し、来場者数をコンサート、MICE等の開催回数により評価しました。
資料下のほうですが、1)の中心市街地等との回遊性についてです。
ここでは候補地から徒歩十五分圏内の商業施設の集積状況と商店街等との距離感等を調査し、商店街等との回遊性について評価しました。
アの鴨池ニュータウン九・十号街区周辺は商業施設が六百二十六施設で、小規模な商店街が点在し、歩道もやや狭く、回遊性があまり見込めないとしました。
四十一ページをお願いいたします。
イの県農業試験場跡地周辺は六百二十一施設で、商店街が点在し、歩道もやや狭く、回遊性があまり見込めないとしました。
四十二ページをお願いいたします。
上のほうでございますが、ウの住吉町十五番街区周辺は一千九百五十四施設で、商店街が集積し、歩道も広く、回遊性が見込めるとしました。
エのドルフィンポート跡地周辺は二千四十九施設で、商店街が集積し、歩道も広く、回遊性が見込めるとしました。
下のほうですけれども、オの市脇田処理場等跡地周辺は四百三施設で、商店街もほとんどなく、歩道も狭く、回遊性がほとんど見込めないとしました。
四十三ページをお願いいたします。
続きまして、2)のコンサートの開催回数についてです。
需要予測調査やプロモーターへのヒアリングを踏まえ、各候補地におけるコンサートの開催回数を想定しました。
四十四ページをお願いいたします。
iiの各候補地におけるコンサートの開催回数についてです。
アの鴨池ニュータウン九・十号街区は、需要予測調査結果の中間値程度の開催回数、ここには記載しておりませんが、年九回と想定しました。
イの県農業試験場跡地は、同じ調査結果の下位予測程度の開催回数である年五回と想定しました。
ウの住吉町十五番街区とエのドルフィンポート跡地は、同調査結果の上位予測程度の開催回数である年十二回と想定しました。
オの市脇田処理場等跡地は、同調査結果の下位予測程度の回数である年五回と想定しました。
四十五ページをお願いいたします。
3)のMICE等の開催回数についてです。
コンサート同様、需要予測調査結果等を踏まえましてMICE等の開催回数を想定しました。
資料中ほどになりますが、iiの各整備候補地におけるMICE等の開催回数についてです。
一番下のほうですけれども、アの鴨池ニュータウン九・十号街区は、需要予測調査結果の中間値程度の回数である年十二回と想定しました。
四十六ページをお願いいたします。
イの県農業試験場跡地は、同調査結果の下位予測程度回数である年十回と想定しました。
ウの住吉町十五番街区とエのドルフィンポート跡地は、同調査結果の上位予測程度の回数である年十四回と想定しました。
オの市脇田処理場等跡地は、同調査結果の下位予測程度の回数である年十回と想定しました。
資料の下のほうですが、4)の評価についてです。
経済波及効果については、鴨池ニュータウン九・十号街区については、来場者の回遊に伴う消費行動があまり見込めないがコンサート等がやや多く見込まれることから効果が期待できるとして二点、県農業試験場跡地については、来場者の回遊に伴う消費行動があまり見込まれないがコンサート等の一定程度の回数が見込まれることから効果が一定程度期待できるとして一点、住吉町十五番街区及びドルフィンポート跡地については、来場者の回遊に伴う消費行動が多く見込まれコンサート等も多く見込まれることから効果が相当程度期待できるとして三点。
四十七ページをお願いいたします。
市脇田処理場等跡地については、来場者の回遊に伴う消費行動がほとんど見込まれないがコンサート等の一定程度の回数が見込まれることから効果が一定程度期待できるとして一点としました。
五十ページをお願いいたします。
(六)施設の収益性についてです。
ここでは総合体育館が立地した場合の収益性について評価しました。
3)の評価に当たっての考え方についてです。
施設の収益性については多目的利用の回数が多いほど高くなると考えられますことから、今回はコンサートの開催回数について比較しました。開催回数は、この表に記載のとおりでございます。
五十一ページをお願いいたします。
4)評価についてです。
施設の収益性について、鴨池ニュータウン九・十号街区についてはコンサート等がやや多く開催され、施設の収益性に寄与すると見込まれるとして二点、県農業試験場跡地についてはコンサート等が一定程度開催され、施設の収益性に一定程度寄与すると見込まれるとして一点、住吉町十五番街区とドルフィンポート跡地についてはコンサート等が多く開催され、施設の収益性に相当程度寄与すると見込まれるとして三点、市脇田処理場等跡地についてはコンサート等が一定程度開催され、施設の収益性に一定程度寄与すると見込まれるとして一点としました。
五十二ページをお願いいたします。
次に、iiiの安心・安全についてです。
ここでは防災上の課題及び周辺住宅への騒音の影響について評価を行いました。
初めに、(七)の防災上の課題についてです。
自然災害による影響について、ハザードマップを基に検討を行いました。
1)の土砂災害についてです。
いずれの整備候補地についても、土砂災害警戒区域に含まれておりませんでした。
次に、資料の下のほうですが、2)の津波についてです。
津波については、鹿児島湾直下地震、南海トラフ地震、桜島北方沖及び桜島東方沖における桜島の海底噴火による津波の四つについて確認しました。
資料飛びまして、六十二ページをお願いいたします。
オの津波による影響についてです。
鴨池ニュータウン九・十号街区、県農業試験場跡地及びドルフィンポート跡地については、想定地震等のいずれにおいても浸水想定区域には含まれておりませんでした。
一方、住吉町十五番街区については、想定地震等のいずれにおいても一メートル未満の浸水想定区域に含まれております。
また、市脇田処理場等跡地については、鹿児島湾直下地震のみ一メートル未満の浸水想定区域に含まれております。
六十三ページをお願いいたします。
3)の洪水についてです。
ウの住吉町十五番街区については、敷地の半分以上が甲突川の洪水による〇・五メートル未満の浸水想定区域に含まれております。
六十四ページをお願いいたします。
エのドルフィンポート跡地については、道路沿いの敷地のごく一部が甲突川の洪水による〇・五メートル未満の浸水想定区域に含まれております。
六十五ページをお願いいたします。
4)の評価についてです。
防災上の課題について、鴨池ニュータウン九・十号街区及び県農業試験場跡地については、ハザードマップ上、課題なしとして三点、ドルフィンポート跡地及び市脇田処理場等跡地については、ハザードマップ上、一つの項目で一定の課題ありとして二点、住吉町十五番街区については、ハザードマップ上、複数の項目で一定の課題ありとして一点としました。
六十六ページをお願いいたします。
(八)の周辺住宅への影響についてです。
ここでは周辺住民への騒音の影響について評価を行いました。
まず、1)の周辺住宅の状況についてです。
各候補地の周辺五十メートルの範囲における住居の状況を踏まえ、評価することとしました。
各候補地の周辺五十メートルの住居数は、こちらの表に記載のとおりでございます。
六十九ページをお願いいたします。
2)の評価についてです。
周辺住宅への影響については、鴨池ニュータウン九・十号街区及び県農業試験場跡地については周辺に住宅が多く配慮が必要として一点、住吉町十五番街区及びドルフィンポート跡地については周辺に住宅が少ないが配慮が一定程度必要として二点、市脇田処理場等跡地については周辺に住宅がほとんどなく配慮がほぼ不要として三点と評価しました。
七十ページをお願いいたします。
四の実現可能性についてです。
ここでは実現可能性の観点から、敷地面積の確保や法令への適合性などについて評価を行いました。
(九)の敷地面積の確保についてです。
各候補地において必要な面積を確保できるか否かについて検討しました。
七十一ページをお願いいたします。
1)の鴨池ニュータウン九・十号街区は、九号街区にメインアリーナと武道場、十号街区にサブアリーナと弓道場を配置することとなり、一体的な配置が困難となっております。また、十号街区に約二百四十台程度駐車可能となっております。
次に、下のほうですが、2)の県農業試験場跡地は二十六街区と二十五街区を活用すると二十六街区に全ての施設の配置が可能であり、また、二十五街区に駐車場を配置し、五百四十台程度駐車可能となっております。
七十二ページをお願いいたします。
3)の住吉町十五番街区は全ての施設を配置することが可能であり、また、七十台程度駐車可能となっております。
次に、下のほうですが、4)のドルフィンポート跡地は全ての施設を配置することが可能であり、三百六十台程度駐車可能となっております。
七十三ページをお願いいたします。
5)の市脇田処理場等跡地は、一般的なレイアウトによる施設の配置及び同敷地内での駐車場の確保が困難となっております。
下のほう、評価についてです。
敷地面積の確保について、鴨池ニュータウン九・十号街区については駐車場を含め一定程度の面積を確保できるが、県道で分割されているとして一点、県農業試験場跡地については駐車場を含め十分な面積を確保できるが、市道で分割されるとして二点、住吉町十五番街区についてはやや狭く、駐車場の確保が確保であるとして一点、ドルフィンポート跡地については駐車場を含め一定程度の面積を確保できるとして二点、市脇田処理場等跡地については十分な敷地面積が確保できず、全ての施設配置や駐車場の確保が課題であるとして〇点と評価しました。
八十三ページをお願いいたします。
(十)法定への適合性についてです。
82 ◯鶴丸委員長 説明の途中ですが、時間が少し食い込んできておりますので、ここで暫時休憩をいたしたいと思います。
以下の説明については、再開後によろしくお願いいたします。
再開は、おおむね一時十五分といたします。
午後零時十六分休憩
────────────────
午後一時十五分再開
83 ◯鶴丸委員長 それでは、再開します。
午前に引き続き特定調査の新たな総合体育館の審査を行います。
西スポーツ施設対策室長、説明をお願いします。
84 ◯西 スポーツ施設対策室長 それでは、午前中に引き続き御説明させていただきます。
資料二の八十三ページをお願いいたします。
法令への適合性についてです。
ここでは整備候補地における関係法令への適合性について規制等の状況を把握し、整備に向けた手続等について評価を行いました。
飛びまして、八十九ページをお願いいたします。
各候補地の状況について御説明いたします。
まず、1)の用途地域についてです。
鴨池ニュータウン九・十号街区、住吉町十五番街区、ドルフィンポート跡地は準工業地域となっており、体育館建設に当たっての特段の規制はございません。
県農業試験場跡地は第二種中高層住居専用地域、市脇田処理場等跡地は工業専用地域となっており、原則として観覧場を有する体育館の建設は出来ないこととされております。
次に、資料下のほうですが、2)の特別用途地区についてです。
鴨池ニュータウン九・十号街区、住吉町十五番街区、ドルフィンポート跡地が第一種特定建築物制限地区となっており、客席部分の床面積の合計が一万平方メートルを超える観覧場などは建築してはならないとされております。
九十ページをお願いいたします。
上から二つ目でございますけれども、現在、総合体育館の観客席の規模については八千人程度を想定しており、この制限等には影響しないと考えられております。
次に、3)の地区計画についてです。
県農業試験場跡地については谷山文教・福祉地区の文教・福祉関連地区となっており、同地区の整備計画における建築可能な建築物の制限により、原則として体育館の建築は出来ず、建築物の高さの最高限度は二十五メートルとされております。
九十一ページをお願いいたします。
4)の臨港地区についてです。
住吉町十五番街区が鹿児島港臨港地区の商港区となっており、同地区における建築物の制限により、原則として体育館の建築は出来ないこととされております。
九十二ページをお願いいたします。
6)の景観計画についてです。
景観計画区域における眺望確保範囲については、住吉町十五番街区、ドルフィンポート跡地が城山展望台から桜島への眺望確保の範囲となっており、建築物等の高さは基準線を越えないものとするとされております。
現在想定している総合体育館の規模と同程度の他県の類似施設の高さは二十五メートルから三十メートル程度であり、住吉町十五番街区については注意が必要となっております。
九十四ページをお願いいたします。
評価についてです。
法令への適合性については、鴨池ニュータウン九・十号街区とドルフィンポート跡地については体育館建設に支障のある建築制限等がなく特段の手続等は不要として二点、県農業試験場跡地については用途地域及び地区計画の変更手続または市長特認の手続が必要として一点、住吉町十五番街区については臨港地区の分区の変更手続または知事特認の手続、附置義務台数を満たす駐車場の確保、景観計画による高さ制限への適合に留意する必要があるとして一点、市脇田処理場等跡地については用途地域の変更手続または市長特認の手続が必要として一点としました。
九十六ページをお願いいたします。
(十一)周辺道路の状況についてです。
ここでは候補地への主要なアクセス道路や周辺道路の状況について、現状での交通容量や施設整備後の自動車、歩行者の交通量の増加にどの程度対応できるかという視点で評価を行いました。
まず、資料下のほうでございますが、主要なアクセス道路についてです。
このページの一番下ですが、各候補地最寄りの国県道を主要なアクセス道路として設定し、評価しました。
九十七ページをお願いいたします。
ここからは各整備候補地へ想定されるアクセスルートについて整理いたしました。
飛びまして、百一ページをお願いいたします。
想定されるアクセス道路の状況を一覧に整理しました。
飛びまして、百三ページをお願いいたします。
周辺道路についてです。
敷地周囲の道路や最寄り駅等の歩行者動線になると想定される道路について、道路幅員や車線数等の状況について評価を行いました。
まず、1)の鴨池ニュータウン九・十号街区は道路幅員が九から二十五メートル、車線数が一から四車線、歩道幅員が三から九メートルとなっております。
百四ページをお願いいたします。
2)の県農業試験場跡地は道路幅員が六から二十二メートル、車線数が一から二車線、歩道幅員が〇から九メートルとなっております。
百五ページをお願いいたします。
3)の住吉町十五番街区と4)のドルフィンポート跡地は道路幅員が十六・五から五十メートル、車線数が二から六車線、歩道幅員が九から十四メートルとなっております。
百六ページをお願いいたします。
5)の市脇田処理場等跡地は道路幅員が六から十六メートル、車線数が一から四車線、歩道幅員が〇から三・五メートルとなっております。
百十ページをお願いいたします。
評価についてです。
周辺道路の状況について、鴨池ニュータウン九・十号街区については主要なアクセス道路の混雑度が一・一四でやや混雑、周辺道路は一から四車線で車線数はやや多いが、歩道が三から九メートルとやや狭い等として二点、県農業試験場跡地については主要なアクセス道路の混雑度が一・四五で混雑、周辺道路は一から二車線で車線数が少なく、歩道も〇から九メートルとやや狭い等として一点、住吉町十五番街区とドルフィンポート跡地については主要なアクセス道路の混雑度が〇・八六で混雑していない、周辺道路は二から六車線で車線数が多く、歩道も九から十四メートルと広い等として三点、市脇田処理場等跡地については主要なアクセス道路の混雑度が二・二八でかなり混雑している等として一点と評価しました。
百十六ページをお願いいたします。
(十二)の費用面での留意点についてです。
ここでは、本体工事費以外に必要と考えられるコストについて検討を行いました。
まず、1)の土地取得費用についてです。
市脇田処理場等跡地については、市有地のため土地取得費用が発生することとなります。
次に、2)の造成費用についてです。
いずれの候補地についても山林等ではなく、大規模な造成費用は発生しないことが想定されます。
次に、3)の地盤改良費用についてです。
いずれの候補地についても一定程度の地盤改良費用が発生することが想定されております。
4)のその他基盤整備費用についてです。
アの住吉町十五番街区については、敷地内に築八十年以上経過した係留施設等があり、改修等が必要になる可能性があります。
イの市脇田処理場等跡地については地中に杭やプラント等の地下工作物があり、これらの撤去は技術的に可能か不明とのことであり、可能な場合は撤去費用が想定されます。
百十七ページをお願いいたします。
5)の評価についてです。
費用面での留意点については、鴨池ニュータウン九・十号街区、県農業試験場跡地及びドルフィンポート跡地については留意すべき項目として一つの項目が該当し、費用が一定程度必要として二点、住吉町十五番街区及び市脇田処理場等跡地については複数の項目が該当し、費用が一定程度必要として一点としました。
百十八ページをお願いいたします。
A3でございます、項目ごとの検討、総括表についてです。
この資料は、総括表として各項目ごとに記載しております評価結果について改めて整理をしたものです。
それぞれのカテゴリーごとの小計と総合評価として評価点の合計と、それぞれの候補地ごとの特色について記載しております。
資料飛びまして、百二十一ページをお願いいたします。
上のほうから二つ目の箱になりますが、総合評価についてです。
これまで御説明した十二項目の評価により、鴨池ニュータウン九・十号街区は二十一点、県農業試験場跡地は十五点、住吉町十五番街区は二十五点、ドルフィンポート跡地は二十九点、市脇田処理場等跡地は十三点となっております。
このほか検討委員会においては、今後の留意点として、候補地ごとにまちづくりや他事業との関連について、この表の一番下に記載のとおり説明いたしました。
以上が、総合体育館の整備候補地の評価結果についてでございます。
最後になりますが、第六回検討委員会の議事録概要についてです。
お手元の資料では、会議録の前に付けております。
一ページをお願いいたします。
三の議事概要を御覧ください。
(一)の整備候補地については、評価基準に基づき五か所の候補地を検討した結果、ドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を一体的なエリアとして今後レイアウトなど基本構想案の作成に向けた検討を進めることとされたところです。
四の委員の主な意見を御覧ください。
これらの御意見について、かいつまんで御説明いたします。
二ページをお願いいたします。
上から三つ目の丸を御覧ください。
大会の運営・効率化、離島生徒への配慮等の視点から、ドルフィンポート跡地がふさわしいと思う。
下から三つ目の丸を御覧ください。
ドルフィンポート跡地は、県の将来五十年を見越した上で回遊性の高いエリアに集客装置としての総合体育館を設置することで商業との連携からの経済波及効果も期待できる。
三ページをお願いいたします。
一番上の丸を御覧ください。
ドルフィンポート跡地を主軸に考えることについて異論はないが、未来軸の中で同敷地での活用が議論されているコンベンションやサッカースタジアムと一体的な開発を考えざるを得ない。そのため、駐車場の整備を含め住吉町十五番街区も含めて一体的に検討してはどうか。
一つ飛びまして、住吉町十五番街区は若干狭く、ハザードマップ上での問題があるとはいえ、ドルフィンポート跡地と絡めてまちづくりの観点で検討できればよいところだと思う。二つの場所を広い地域として捉えることは体育館の方向性に柔軟性を持たせるという意味でも賛成できる。
四ページをお願いいたします。
上から三つ目の丸を御覧ください。
閉ざされたこれまでの体育館が景観のよい住吉町十五番街区やドルフィン跡地に建築されるということであれば賛成はしかねる。
次の丸を御覧ください。
整備地を決め、本委員会のまとめたコンセプトを効果的・効率的にする総合体育館のアイデアを県民から募ることが大事。県民参加型の施設づくりにより、県民の期待に応える施設が実現できる。
五ページをお願いいたします。
上から二つ目の丸を御覧ください。
今後検討するレイアウトについては総合体育館と一体となってまちづくりに寄与する建物が立地出来るよう、将来の増築余地を盛り込んでいただきたい。
以上で、新たな総合体育館の整備について説明を終わります。よろしくお願いいたします。
85 ◯鶴丸委員長 説明が終わりましたので、質問や意見等がありましたら、よろしくお願いいたします。
86 ◯鶴田委員 去る十日金曜日に、当委員会といたしましても、鶴丸委員長を中心にこの該当地を視察させていただきました。そのことを踏まえて質問させていただきます。ただいま一定の考え方のもと、それぞれの候補地の評価基準とその評価、これを説明いただきましたが、検討委員会でも同様に説明をされて、その結果、ドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を一体として整備をすることが望ましいという答申が出たわけですが、そのことについて執行部はどのようなイメージを持たれたのか。まず、そのことをお示しください。
87 ◯西 スポーツ施設対策室長 検討委員会での検討結果の受け止めについてでございます。
ただいま質問ございましたように、新たな総合体育館につきましては、先般開催いたしました第五回と第六回の検討委員会におきまして評価基準や評価結果などについて客観的、専門的に熱心な御論議をいただいた結果、ドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を一体的なエリアとして今後基本構想案の作成に向けた検討を進めることとされたところでございます。このことにつきまして、県としましては、長年の課題でございます新たな総合体育館の整備について一定の方向性をお示しいただいたことは大きな前進であると受け止めているところでございます。
88 ◯鶴田委員 さきの我が党の代表質問の答弁でも知事は「大きな前進」というふうに表現されましたね。それは、知事としてもやはりこの答申というか考え方に従って力強く進めていきたいというような意思の表れと理解してよろしいんでしょうか。
89 ◯西 スポーツ施設対策室長 委員おっしゃるとおりの受け止めと認識しております。
90 ◯鶴田委員 分かりました。
それでは、そのことを踏まえて今後の基本構想策定のスケジュールですが、委員の中でもいろいろな意見が出ておりまして、あと一、二回検討委員会等も開かれて、最終的には知事が基本構想を議会に示されることになると思うんですが、その間のスケジュールはどのようにお考えか、教えていただけますか。
91 ◯西 スポーツ施設対策室長 今後のスケジュールについてでございますが、新たな総合体育館につきましてはスポーツ振興の拠点機能に加え、コンサート、イベント、多目的利用によるホール拠点機能を備えた施設として整備することが望ましいとされたところでございます。その上で、今回整備候補地につきましても基本構想検討委員会としての一定の共通認識が得られましたので、今後は国際的なスポーツ交流や幅広いイベントの開催などにより本港区エリアのにぎわい創出などまちづくりに資するものとなるよう、この方向性に沿いまして基本構想案の作成に向けて引き続き丁寧に検討を進めていただきたいと考えております。県といたしましては、新たな総合体育館の整備の在り方につきまして引き続き県議会で御論議いただきますとともに、県民の皆様方の御意見もいただいた上で基本構想を作成したいと考えております。
92 ◯鶴田委員 次の議会は開会が二月末の三月議会になりますが、あまり時間がないと思うんですね。したがって、本港区まちづくりの案とかその他いろいろなアンケートとかこれまで整理してきたことを盛り込みながら、県民の皆さんの御理解が得られるような進め方をお願いしたいと思いますので、その点、よろしくお願いいたします。
私のほうからは以上です。
93 ◯おさだ委員 今の知事の発言について、もう一回確認しますが、「知事はそういう考え方でいいんですか」という質問に対して「そうですよ」という話を室長がされたんですが、それは本当なんですか。検討委員会は一か所に絞ると言ったのに二か所で来ているわけですよ。それに対して知事は、今のドルフィンポート及び住吉町十五番街区でいいという話になっているわけですか。そのように部長や室長に話をされているわけですか。ここを整理しておかないと、知事は代表質問や一般質問でもそのように答弁されていないですよね。それは、どうなんですか。そこをちゃんと整理してください。
94
◯前田総合政策部長 整備候補地につきましての再度の御確認でございますけれども、当初五か所のうちから一か所ということで私どもも作業を進めていたわけですが、御案内のとおり、第六回の委員会でかなり熱心に御論議いただきました。委員会の論調といたしましては、体育館を純粋に考えるとドルフィン跡地ということで一番評価点数も高いのでそういうことになるんだけれどもと、果たしてそれだけでいいのかというような視点からの意見もたくさん寄せられたところもありまして、このドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を一体的なエリアということで考えていきましょうという結論に至ったわけでございますが、このことを知事にも報告いたしまして私どもも知事も一緒になってるる検討した結果、一定の方向性を検討委員会が出していただいたわけだから、このドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を一体的なエリアとして今後体育館の整備に向けての検討を進めていくということで執行部のコンセンサスは得られているところでございます。
95 ◯おさだ委員 そこをしっかりとやはりしておかないと、知事は執行部にはそう説明しているけれども、我々議会には代表質問、一般質問で一切、体育館の候補地については明言を避けてきたわけですよ。検討委員会が先般、ドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を一体的なエリアという形で決めてきた。一体的と言っても結局は二か所というイメージを私は持っています。そこについてどういう認識をお持ちですか。
96 ◯西 スポーツ施設対策室長 委員が質問されたのは、今の一体的なという基本構想検討委員会の今回の決定といいますか、考え方に対する受け止めと捉えました。
検討委員会におきましては、先ほど部長も答弁しましたように、客観的な評価結果から見ますと、体育館だけ造る場合にはドルフィンポート跡地でいいのではないかという意見もございましたが、ドルフィンポート跡地につきましてはコンベンション機能、またサッカースタジアム等のほかの事業との関連もあることから未来軸と事業との関連を考えたときに、もう少し同じエリアの住吉も含めて駐車場など一体的な検討が必要であるとの見解に至ったところでございます。我々としましても、他の事業との関連につきましてはただいま申し上げましたとおり検討委員会からの指摘もございましたので、そういった指摘も踏まえた上で住吉とドルフィンポートを一体的なエリアとして今後は具体的なレイアウト、体育館、駐車場の配置について景観などにも配慮した上で検討していきたいと考えております。
97 ◯おさだ委員 申し上げたいのは観光地二か所なわけですよ。その一つを駐車場にするなんていうのは、もったいな過ぎるわけですよ。これが農業試験場とか鴨池であれば一つは体育館、一つは駐車場とするのはわかるんですが、まあそれは置いておいて、そこはいいです。
百十八ページの項目ごとの検討で鹿児島市内の宿泊施設集積状況について、徒歩十五分圏内に何施設かという資料がありますが、これは霧島地域とか大隅地域であれば周辺宿泊施設の距離や件数を考慮する必要があるのもわかるけれども、鹿児島地域でどこが多いというような話は正直あまりぴんとこないわけですよ。
このような項目を設けて検討したことは評価します。誰がどういう形で評価項目を設定し点数づけされたのか。どういうふうにしてこれを決められたのかをしっかり説明していただきたい。
98 ◯西 スポーツ施設対策室長 評価項目の選定についての御質問でございますが、今回この基本構想の策定事業を委託しました専門のコンサルの知見も生かしながら、また、我々、過去県庁東側と農業試験場跡地の比較をした際に評価項目を十項目定めてございました。そういったこともありまして、当時、私どもが評価しました項目を専門のコンサルにも情報提供した上で、専門コンサルのこれまでの専門的な知見を生かしながら、十二の項目を選定したという経緯でございます。
99 ◯おさだ委員 僕は農業試験場に誘致をしようというそういう一点絞りではなく、公正平等に見ているけれども、点数があまりにも偏り過ぎている。コンサル等々が評価項目を選定したということですが、既存のスポーツ施設とは連携しようがないんですよ。鹿児島アリーナ、市民文化ホール、県民交流センター、宝山ホールなどありますが、既存の施設とは競合します。施設の収益性についても、イベント、コンサートなんて、そんなの鹿児島市内であればプロモーターが誘致すればどこでも来ますよ。北薩地域、霧島地域、大隅地域のコンサートであれば回数も場所によって分かれてくると思いますが、ドルフィンポートだから十二回、谷山だから五回、脇田だから五回ではなく、鹿児島地域であればコンサートなんて全部十二回です。そういったところが少し僕は偏っているんじゃないかと思っています。もう少し考えてしっかりとしてほしかったというのがあります。
ただ、これを踏まえて検討委員会がドルフィンポートや住吉を整備候補地として検討するとしたわけじゃないですか。はっきり申し上げまして、議会としては自民党も意見が割れています。僕らはすごく責任が重いんですよ。検討委員会が候補地を絞ったことで世論もそういうふうになっている感じがしますけれども、まだ今から論議していかなければならないんですね。だから今、慎重に、開かれた公の場で僕は言っているんですね。そのことを認識していただきたい。
そこで、ドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を一体的にとされていますが、八千人規模の体育館をどちらにということをどういうふうにして今後協議をしていくわけですか。
100 ◯西 スポーツ施設対策室長 今後の進め方についての御質問でございますが、検討委員会において今一定の結論が出されましたのが整備候補地として住吉とドルフィンを一体的に利用していくと。私どもとしましては前回の委員会での意見なども踏まえながら、今度は具体的に体育館をどちらに配置するのか、また駐車場をどちらに配置するのかというレイアウト案をお示しして検討を進めていくことになろうかと考えております。
101 ◯おさだ委員 それはドルフィンポート跡地、住吉町十五番街区、二つのレイアウトを作るということですか。候補地を絞ってから一か所のレイアウトを作られるのか。そこはどういうような方法で考えていかれるわけですか。
102
◯前田総合政策部長 今、おさだ委員の御指摘の点でございますが、まさに今そこを検討中でございまして、第六回の委員会での大きな指摘は、ドルフィンポートは三ヘクタールあるんですが、この三ヘクタールを果たして体育館と体育館の駐車場、全てで埋めていいもんですかねとかあるいは例えば住吉に関しましてはちょっとドルフィンとはもう少し開放性でありますとかいろんな点で考えると体育館を造るときのイメージが違うのかもしれませんねとかいう意見を頂いております。なので、私どもとしては今まさに体育館もメインアリーナ、サブアリーナございます、あるいは武道館とか弓道場とかございます。そういった総合体育館の持ち合わせる機能、それから、もちろん附帯する駐車場、これは西口のときに本当に議会の皆さん方にも真剣に議論していただいた結果、駐車場というのはどうしても避けられない問題じゃないかと思っています。こういったものの組合せを一体的にということでございますので、どういう一体的な形があろうかということも含めて、さらに申し上げますと、じゃ、複数案出すのかどうか、その付近も含めて今検討しているところでございます。
103 ◯おさだ委員 申し上げたいのは、この土地は正直遊んでいるわけです。鴨池は使われていますが、谷山の農業試験場跡地なんていうのは何年遊んでいますかという話で、有効活用すべきと考えます。
体育館の建設費は、五千人の場合平均で百億円、八千人の場合が平均百二十億円、そして一万人の場合は三百十億円程度とこれまでに答弁されています。今、体育館は八千人規模で検討しているので百二十億円、これとは別に国際展示場とかそういったものが本港区エリアまちづくりで検討されています。自民党代表質問の答弁で、知事は本港区エリアに国際会議場、コンベンションホールと言われました。知事はこれをマニフェストにされている。県民が欲しいのは体育館、知事が欲しいのはマニフェストにある国際会議場。体育館のコンセプトと、今調査中のコンベンション・展示機能を備える施設に係る整備可能性調査について、どうやって整合性を図っていくのか。またそれに対する予算はどうするのか。今後住吉とドルフィンポートの場所だけではなくて、体育館の機能というか、コンセプトが変わるのか変わらないのか、その辺はどう考えていらっしゃいますか。大事な話ですよ。
104 ◯西 スポーツ施設対策室長 体育館とコンベンションの調査の関係についての御質問とお聞きしました。
体育館の基本構想につきましては、委員御指摘のとおり、既に施設のコンセプトを固めておりますので、今後はそのコンセプトに沿いまして年度内に基本構想を策定していくことになると思います。一方、土木部のコンベンション機能の調査におきまして一定の結果というのがお示しされることになろうかと思いますので、これにつきましては、本会議で知事も答弁されましたとおり、違う観点でまた検討することになるのではないかと思います。いずれにしましても、体育館の基本構想につきましてはコンセプトに沿って年度内に策定することになろうと思います。
105
◯前田総合政策部長 今回の本会議でも若干お答えさせていただいたんですが、本港区エリアに総合体育館をということでございます。総合体育館のコンセプトの中に多目的な利用による交流拠点機能というのもきちんとうたわれています。また、アスリートファーストで検討した結果論ではあるんですが、十分なフロア面積がありますので、それなりの国際会議、コンベンションというのが十分開催できることから、そういったことを前提に今後コンベンション施設については可能性調査を進めていくと、こういう理解でございます。
106 ◯おさだ委員 このコンベンションホールについては、またあしたもそういった話で論議したいと思います。
基本構想を今年度末までに策定するという話ですが、知事は候補地を視察すると言っていました。知事本人の言葉で聞いてはいないけれども、先ほどの鶴田委員とのやりとりで、知事もドルフィンポート跡地、住吉町十五番街区の方向で考えているとのことでした。知事の視察については、いつ、どのように調整を考えているんですか、知事は整備候補地の五か所について視察をするんですか。
107
◯前田総合政策部長 スケジュールと、あと基本構想を決める過程でのお話になろうかと思いますが、基本構想案を検討委員会から頂きまして、それを基に県議会の場でも改めて御論議いただきますし、県民の皆様方の御意見も改めて聞くことになろうかと思います。そして、県としてきちんと正式に基本構想を策定することになるわけですが、その策定に当たってはきちんと現場も確認したいという知事の御発言だったやに理解しております。
108 ◯おさだ委員 知事がいずれ視察に行くという話で、そこは本人の考えがあることでしょうからこれ以上聞きません。
体育館ができるまでは六年、七年かかります。仮にドルフィンポートや住吉町に決まった場合、その間、この一等地が観光やまちづくりという観点では活用が進まないんですよね。そういったところなどもしっかりと考えてやらないといけない。僕はずっと言っていますが、鹿児島市との連携はできているのかということです。県と市は意見交換を行っているとのことですが、観光路面電車もありますし、サッカー等スタジアムの話もあります。それ以前に本格的に県と鹿児島市でしっかりと定期的に意見交換をするべきじゃないですか。全部を網羅したような意見交換会を年に一、二回するだけではなくて、サッカー等スタジアムはサッカー等スタジアム、体育館なら体育館あるいはコンベンションならコンベンション、路面電車なら路面電車としっかりとテーマを決めて、県と市がしっかり協働していかないといけない。体育館が簡単に造れると思ったら大間違いだと思うんですよ。その辺というのを今後しっかりやるべきだと思いますが、どういう認識ですか。
109
◯前田総合政策部長 鹿児島市との連携についてのお尋ねでございます。
委員御指摘のとおり、今後具体的に事業を進めていく段階になります。そうしますと、地元の鹿児島市との意見調整は極めて重要な事項かと思います。実際、実務的な例えば都市計画に係る問題とかそういうのも出てまいります。事務レベルではこれまでも年に四回ほどは定期的に打合せをしながら仕事を進めてきてはいるんですが、今後まさに必要なニーズも出てまいりますので、さらにきちんと連携しながら仕事を進めていきたいと思っております。
110 ◯おさだ委員 部長もあまり歯切れがよくないんだけれども、とにかく僕はやはりまちづくりという観点で一体的と言えば、天文館も入ってくると思っています。そこはしっかりしていただきたい。
それと検討委員会や議会だけではなくて、観光協会や商工会をはじめとする経済団体から、本当にそこでいいのか、観光のためになるのか、経済のためになるのか、そういった声というのは聞く必要があると思います。屋内スポーツ競技団体から、機能、規模・構成等の意見を聞くことはもちろん必要です。しかし、観光地ですからその辺についての意見もしっかり聞くべきだと思いますが、どういう認識でしょうか。
111
◯前田総合政策部長 委員御指摘のとおり、県民の御意見を改めてお伺いする予定にしてございますが、経済団体、それから天文館、中心市街地の皆さん方の御意見もきちんとお聞きしてまいりたいと考えております。
112 ◯おさだ委員 僕が一番申し上げたいのは、やはり知事が自分の言葉でしっかりと表明していただきたい。僕は一般質問でも何度も申し上げていますが、この場所にこういう体育館をという知事のビジョンがあれば、我々是々非々で協力するところは協力する、違うところは違うって言えるんですが、候補地も一か所に絞れず二か所となっています。一方ではこの評価点数についても僕は正直納得していません。これ以上言いませんが、知事へこういった論議が出ていることをしっかりと伝えていただきたい。まだドルフィンポートや住吉町に決まったわけではありません。我々自民党も、もちろん議会全体もまだ意見集約できていない。今後もまたしっかりと論議を重ねていきたいと思っていますので、執行部もしっかりとした対応をお願いしたいということを申し上げまして終わります。
113 ◯吉留委員 少し根源的な話をしますが、知事もドルフィンポート跡地で進めてくれということであると先ほど答弁があったんですが、先週、議会の勉強会で講師の方が「あそこは鹿児島の宝だ。本当に体育館でいいんですか。もう一回考えてください」ということをおっしゃいました。また、検討委員会の議事録を読んでいると、H委員という方が書いてありますよね。ドルフィンポート跡地に体育館ではむしろ景観も損なうことになるのではないか、そしてそれは鹿児島にとって相当なダメージになるのではないかと危惧しているというお話もなさっています。
そうした中で、皆さん忘れているかと思いますが、八年ぐらい前の伊藤知事の時代にあの場所に同様な体育館、商業施設を造るというスーパーアリーナ構想で、リコール運動があって、結局、リコール自体は署名数が足りなくて頓挫したわけでありますが、政治的な騒動みたいなのがあった。その同じ場所に同じ物を造るということで、まだ八年しかたっていない中、知事はそういうある面では政治的リスクを承知で本当に深く考えておっしゃっているのかなというふうには感じております。なぜあんなリコール運動が起こったのかについては三点あって、一つは手続が不透明であると。突然、なぜあんな場所にスーパーアリーナを造るんだということに対する不透明さ。だから、皆さんはこういう検討委員会を作って非常に手続を踏んでやっておられるんだと思います。これはこれで非常に評価いたします。
もう一つは、いわゆる財政危機。警察官や学校の先生の給料まで減って、公共事業も減らして、各種団体の補助金も減らしている中で、そのような大型公共事業が本当に必要であるかという、こういう議論があった。今、財政は何とかなっていますから、これも何とかクリアできると思います。
一番最後、これは一番根本だと思いますが、いわゆるあそこが鹿児島の一等地だと、鹿児島の宝だと、あまりに場所が良過ぎてそこに何で体育館なんですかというこの問いがまだ続いているわけですよね。今回まさにこの話を言われるわけですよ、そういう方が多いです。私のところにも何件もお電話いただきますし、そういう声がある中で、あの場所にするんであったら、それについて知事なり執行部がどういう形で合意形成を図っていくのか、ここが非常に大事かと思いますが、その点については先ほど同様の質問もありましたけど、どのようにお考えですか。
114
◯前田総合政策部長 鹿児島港本港区エリアという鹿児島にとって一等地に体育館を造ることになるんだけれどもということでの御指摘でございます。
伊藤知事の時代にスーパーアリーナということで、あのエリアに体育館をというようなお話もございました。委員御指摘のとおり、ちょっと乱暴といいますか、急速な手続きを取ろうとしたため混乱したこと。もう一つ、ドルフィンポート自体がまだ営業されておりましたので、そこにかぶせる形でのこともあったと思います。それからもう一つは、私も詳しく当時の計画を見たわけではないんですが、スーパーアリーナなのでかなり大規模にウォーターフロントパークまで使うイメージであったと、そういうこともございました。それも踏まえてといったら変ですが、反省も含めて、今検討を進めております。次に、体育館のありようということなんですが、まず踏まえてという意味では、今回検討委員会の御指摘もドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を一体的なエリアとしてというまとめ方なので、ウォーターフロントパーク、芝生広場の部分は触らずにまずやりたいと思っております。景観をきちんと確保した上でやると、これは大前提じゃないかと思います。
次の質問、お答えの仕方がすごく難しいんですが、逆に考えますと、体育館を本港区エリアに造りましょうということでありますので、やはり本港区エリアにふさわしい施設にしていく必要があると思うんですね。ふさわしいというのは二つあると思います。
一つは、まず、あの一等地の眺望のいいところにある施設として、それが建つことであの雰囲気とか景観を台無しにするようなことがあってはいけないだろうと。だから、いわゆる学校に建っているようなかまぼこ型の体育館ではなくて、きちっとフォルムとかデザインとかにも配慮して、例えば写真を見たときに「あ、これは鹿児島の海辺に建っているあの施設だよね」というのが分かるような、そういう見てわくわくするようなそういうデザインとかそういう質感とかいうのが必要だと思います。
それからもう一つは、先ほどちょっとおさだ委員の御質問にもお答えしましたが、ここに建つ以上はふさわしい施設にするということで、スポーツ利用以外でコンサートでありますとかイベントでありますとか国際会議でありますとか見本市でありますとか、多様な人がそれこそ県内外から集まっていただけるようなそういう多目的にきちっと使っていただけるような施設を造っていく必要があろうかと思っています。私、三月まで本港区の総括をしておりました。委員の皆さん方も経緯御案内のとおりだと思いますけれども、本港区の検討をする中で、大型商業施設を観光集客施設ということで検討したこともございました。これは近隣の商業地区からなかなか厳しい御批判、御指摘も頂きまして、うまくいかなかった。その御指摘も踏まえた上でハイクラスホテルを公募しようということで作業を進めておりましたが、今、コロナの関係で中止になっているというのが本港区の実態かと思います。
そういう本港区エリアに要は人が集まる施設、県内外からいろんな方が集まる施設、この集まる施設というのは何がふさわしいか、こういう視点からも体育館のありようということをここにする以上は考えていく必要があろうかと思います。今後ともいろんな御意見・御指導をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
115 ◯吉留委員 そういうことであるなら、先ほど政治的なリスクと言いました。やはり伊藤知事の例がありましたので、三反園知事はここに体育館云々は、あまり言わずに、高級レストランみたいな話やあそこにふさわしいものをという言い方をしていましたけど、塩田知事はある面では腹をくくってそこがいいんだということであればもうこれ以上何も申し上げません。ただ、あそこの眺望・景観は鹿児島の宝だという人たちにとってこれは強い意見がありますから、この人たちから理解を得られるためにはどう進めていくかが今後この計画が実現されるかどうかの大事な点になるかと思いますので、その辺はぜひ合意形成のために説明会なり、あらゆる機会あらゆる方法でもって皆さんに理解をしていただくという努力をお願いしたと思います。
以上です。
116 ◯寺田委員 確認させてください。
百二十一ページに欠格事由について説明がありますが、仮にドルフィンと十五番街区で動き出したとき、先ほど行政の皆さん方それなりの見解もあったので問題ないということですね。
そうすると、まず鹿児島市が設置した協議会においてサッカー等スタジアムの候補地とされている、これはどうなっているんですか。それからコンベンション・展示機能を備える施設に係る整備可能性調査が行われている。これは、総合体育館の計画の中に包含するんですか。ここに出されている文言は、どれが消え、どれが生きていくのか。今の段階で「いや、まだ言えません」というのであればしょうがないんですけど、先日の行政視察での現地調査では、ドルフィンと住吉のところで西室長の一番力強い熱の入った説明があったので、少し匂いがしたなと思っていたところでした。こういった計画が並行して進んでいますが、これはいつかの時点ではっきり整理せんないかんわけでしょう。それは、三月末までにはちゃんと整理できるということなのか。
117 ◯西 スポーツ施設対策室長 委員お尋ねのとおり、まちづくりや他事業との関連については、今後体育館の整備を進めていく上で留意すべきと検討委員会でも示されたところでございました。おっしゃるとおり、いずれかの時点で何らかの整理がなされる必要がございますけれども、今の時点で申し上げられますのが、ここで言いますと、まちづくりのグランドデザインとの整合性につきましては、先ほど部長から説明があったとおり、新たな総合体育館が交流拠点機能も有しておりますことから一定の整合性が取れるのではないかということで土木部とも確認しております。
コンベンション・展示機能を備える施設の整備可能性調査につきましては現在土木部において調査を実施しているところでございますけれども、総合体育館がコンベンションや展示会場としても利用できることを前提に調査を進めていくということを確認しております。
三つ目でございますが、サッカー等スタジアムにつきましては現在鹿児島市において検討が進められているところでございましたので、これにつきましては将来的な議論として県と市の間で十分に協議してまいりたい。今の時点ではこのように考えているところでございます。
118 ◯寺田委員 分かりました。
我々も現地視察をした上で申し上げておりますが、先ほど吉留委員からも景観の話が出たんですが、あの地域に総合体育館とサッカー競技場を併設するなんていうのは、これは絶対具体的には進めようがないんじゃないかと思うんですね。西室長の説明では、鹿児島市に話を投げているが具体的な返事はまだもらっていないということですので、これは市がどのような考え方を持っているのか。県が一定の方向性を出せば当然鹿児島市の中でも市議会を含めて一定のアクションが出てくるでしょう。だから、これはもう時限的にいつか整理されるものだろうなと思っています。それを大体三月ぐらいまでに整理されるのかどうかをもう一回確認したいんですが。
119 ◯西 スポーツ施設対策室長 この整理の時期についてのお尋ねでございますが、サッカースタジアムにつきましては、繰り返しになって恐縮ですが、市が現在検討を進められておりますことから、いつ時点というのは今の時点で申し上げるのは困難であることを御了承いただきたいと思います。
120 ◯寺田委員 分かりました。
鹿児島市がサッカー競技場の候補地の一つとしてこの地域を明確に打ち出しているわけだから、これはもう必然的に整理されますよね。その時期について今の段階で言えないというのは分かりました。
おさだ委員からもいろいろ指標についての取組や考え方について質問がありました。先日の説明会で私も申し上げましたが、やはり、ドルフィン、住吉、農業試験場や鴨池ニュータウンなど県が持っている用地が、まさに塩漬けでそのまま残っている部分もあるというのも事実です。土木部の審査でもまた話をしますけど、この鴨池ニュータウンの在り方については一定の外郭団体を延命させるような対応ばかりが進んでいってはいかんなと私は思っています。そこら辺りはまさに将来の大きな課題だと思っています。もう前から言うように、鹿児島市の都市計画で中央駅を中心とし、上町、鴨池、そして谷山という交通結節点の一つとしてしっかりと明示された場所で、まさに県民・市民の税金を使って開発された用地がいつまでたっても駐車場というままでは済まないと思いますので、そこだけは少し話しておきたいと思います。
僕は、以上です。
121 ◯鶴丸委員長 ここで、換気のために暫時休憩いたします。
再開は、おおむね午後二時二十五分といたします。
午後二時 十二分休憩
────────────────
午後二時二十四分再開
122 ◯鶴丸委員長 再開をいたします。
引き続き、質疑等お願いをいたします。
123 ◯上山委員 先ほどから部長の答弁も突っ込んだ答弁をされているので少し確認をしたいんですが、まず、この五つの候補地が二つの両案になったということを部としてはどう受け止めていらっしゃるのか。私としては、この経過の傍聴もしましたが、委員長がドルフィンポートにまとめたいというところでやはり異論があると。ドルフィンポートに関しては、景観も含めて県民の関心が高いことを踏まえて一本化できなかったと捉えています。ですから、当然委員会はまた開かれるんでしょうが、部としてはドルフィンポート一本化では無理だということを踏まえた上で、今後委員会に投げると私は思っていたんですが、ドルフィンポートに基本主軸、十五番街区は駐車場と説明されたもんですから、そういう考え方はこの委員会の経緯を踏まえていないんじゃないかなと感じたところでした。検討委員会について私のこの受け止めが違うんであれば教えてください。
124
◯前田総合政策部長 本港区エリアのドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を一体的に整備することで検討していきましょうという結論になったわけでありますが、委員御案内のとおり、ドルフィンポートにという意見のほうが委員さんの意見としては多かったやに記憶しております。そういう中で、ドルフィンポートを主軸にという例示的に意見を述べられた委員さんもおられたやに記憶しております。そういった御意見も踏まえて、今、先ほどおさだ委員にもお答えしましたけれども、どういう配置が考えられるかということを鋭意検討している状況でございます。
125 ◯上山委員 検討委員会で出た意見というのが確かにドルフィンポート跡地、ここが多かったと私も理解しております。それは、どちらかというと、この候補地の点数に重きを置いたというところが主だったと私は考えているんです。
今日の資料の議事概要の三ページにおいても書いてございますが、このドルフィンポート跡地は超一等地だと、体育館の候補地としても魅力的だと、多くの大規模施設の最適地となり得るんだと、最適な活用法は何かという非常に大所高所から観点を無視してここに体育館を造る前提で話を進めてよいとは思えないという意見も非常に大きな私は意見だと思っています。
こういった検討委員会というのは多数決ではなくて相互の意見を総合的に判断ということも私は大事だと思いますし、県民の方々がこのドルフィンポート跡地に関しては関心が高いと私も理解していますから、そういった観点も本来入れるべきだと思うんですよ。
今回のこの五つの候補地の中で住吉町十五番街区も入っていますけど、十五番街区がいかにも手狭で難しいと、体育館プラスほかの機能を入れた場合には難しいというふうに言われていますけど、私としては、ここは候補地になったわけですから十五番街区に決まれば十五番街区に造ります、ドルフィンポートに決まればドルフィンポート造りますとなるのが当たり前なのかなと思っていたんです。要は、候補地になったということはそこで造れるんだと県が考えたから候補地になったと私は思っているので、今さら手狭ですよと言われると変な気がいたしますし、また、部長が言いました本港区に造るんであればよりふさわしい体育館を造りたいということの意味、目的が逆転しているんじゃないかと思いますので、体育館を造るのが目的なので、本港区だからまた別な観点でという答弁がどうしても理解をしがたいと思ったところでした。
もっと冷静になって、アスリートファーストが七割、八割であって、二割、三割がコンサートやイベントとかそういった形で県民の方々が寄り添えるような施設と考えれば、本港区に造るんであればよりふさわしい体育館を造りましょうという考え方になること自体が何かおかしい気がいたしました。やはり、原点に戻って委員にはしっかり投げてほしいんです。
そうであれば、二つの候補地が一体という一応お話でしたが、一体という捉え方ですよ。一方に造って、一方は駐車場だけでいいのかと。本港区というエリアで考えていくべきなのか、ウォーターフロントというくくりで考えていくべきなのか。一体化をもう少し具体的に議論してもらわないと、我々この委員会もどっちを選べばいいのかというふうに考えていくのか、一体でここをどう開発していけばいいのかというふうに考えていくのか、考え方が前に進まないというのが現状ですので、当然、県が考えている一体化、あと検討委員会が考えている一体化、これを具体的に示していただかないと前に進まないと思っています。私はどちらかに決めるんだろうなと思っていましたから、決められない一体化であれば一体化に関しての考え方はもう少し整理をしていただきたいなと思っています。
部長は、どうお考えでしょうか。
126
◯前田総合政策部長 先ほどもちょっとお話させていただきましたが、まさにそこを今検討中でございまして、次回の検討委員会において考え方をお示しした上で御論議いただきたいと思っているところでございます。
127 ◯上山委員 それについては検討中とのことですのでその検討を待ちたいと思いますが、この整理表に今後の留意点ということでちゃんと書いてあるんです。
住吉町十五番街区とドルフィンポート跡地に関しては、グランドデザインとの整合性が求められると書いてあるんですよ。鹿児島市が設置した協議会においてサッカー等スタジアムの候補地となっていると、これも留意点なんです。そうであれば、この留意点をしっかりと確認をした上で進めないと進まないと私は思っています。別ですとか向こうは向こうですとかいう話じゃなくて、候補地として上がってきたんだったら合同的な委員会をするとか、もう少し鹿児島市との連携も見える形でしてもらわないと我々も強引にやっていいのかという気持ちも半分あります。そこだけは受け止めてほしいんですが、要するに進め方の問題について少し指摘をしたいんですけど、御意見があればよろしくお願いします。
128 ◯西 スポーツ施設対策室長 委員から今後の体育館の整備に当たっての留意点、記載のまちづくりや他事業との関連についてもきちんと留意すべきという御指摘でございましたが、これにつきましては、先ほどの答弁と重ねて恐縮でございますが、私ども必要だと認識しております。具体的には、まちづくりのグランドデザインとの整合につきましては、新たな総合体育館が多目的利用の機能も有していることから国際的なスポーツ交流とか幅広いイベント開催により年間を通した本港区エリアのにぎわいが生まれる施設となることが想定されるとして一定の整合が取れるのではないかということを土木部とも確認しております。コンベンション・展示機能に係る調査につきましても、体育館がコンベンション機能を有するということを前提に調査を進めるとしております。
鹿児島市との関係につきましては、サッカー等スタジアムについては市が二年程度をかけて検討するというお考えを示しておりますから、私どもも市ともきちんと意見交換をしながら体育館の整備に向けて協議を進めていきたいと考えております。
129 ◯上山委員 鹿児島市との協議はオープンではなく非公開ですよね。だから、我々は分からないわけですよ。この懸案事項をどういうふうに提示していくのかというのを見える形でやっていただきたいと要望だけはしておきたいと思います。
あと、ドルフィンポート跡地については、検討委員会の委員などからこれまでも指摘されていますし、先ほど吉留委員からもありましたが、眺望に係る県民の関心が高いところだと。これに対して、ドルフィンポートに決まるんであればそれなりの覚悟、県民に対してのしっかりとした意思の合意形成、これが重要ですよというのが私としては懸案事項だと思っていますから、そこも委員の方々に対して、ここの留意点に書いてほしいと思ったところでした。これは要望として受け止めてください。
以上です。
130 ◯宝来委員 いろいろと質問も出たところですが、私も一般質問でこの件に関しましてはたくさん取り上げさせていただきました。少し再度確認ということにもなろうかと思いますが、やはり、今、体育館がコンベンション・展示機能を持つもの、そこと合体したような流れになりつつあると。それに関してはグランドデザイン等々との整合性がやはり根本的な大きな問題である。たた、今までは検討委員会にあまりなかったまちづくりという視点が後半に入ってきて、やはりドルフィンポートを使うのであればという形で議論が大きく展開してきたのかなと思っております。
サッカー等スタジアムもドルフィンポートへという要望もありますし、住吉町に関しましては県も十分検討するという考え方もあって、やはり、まちづくりという観点と他の事業というのを今後きちんと整理するべきですが、その整理が時間軸だけで整理されていくというのは早い者勝ちという形の整理になってしまうのであまり好ましくないと思うんです。本港区エリアは土木部が所管であるため庁内の議論をしっかりする。一般質問でも言いましたが、鹿児島市に関しましては、まちづくりということでしっかりと今後整理していくためにもやはり形式だけの会議、打合せではなくて、サッカー等スタジアムと体育館とまちづくりという三つの視点で行う会議等が必要じゃないかと思うんですが、整理するためにどのようなことが考えられるのか。今後、何か具体的なものがあったら示していただきたいと思います。
131
◯前田総合政策部長 この本港区エリアをめぐりまして県の事業、それから市の事業、県の中でも土木部が本港区エリアを所管してございますのでそことの考え方等々の調整ということでございます。
私どもとしましては、先ほども答弁申し上げましたが、本港区エリアに体育館を整備する以上は本港区エリアにふさわしい、グランドデザインに適合した、県民の皆様方から「いいのができたね」と言われるようなものに仕上げていく必要がある、責務があると思っております。そのことが鹿児島市のまちづくりに結果的に非常に寄与することになると思いますので、そこはまさに総合体育館を造る過程できちっと鹿児島市とは協議をしていく必要があると思っています。
サッカー等スタジアムの関連で申し上げますと、御案内のとおり、一昨年の六月定例会で二か所、ドルフィンポート跡地と住吉、両方とも候補地に挙げられていた経緯もございまして、住吉十五番街区であればというようなお話をさせていただいているところです。その後、鹿児島市はるる検討中ということでございます。下鶴市長も「ちょっと時間をかけて検討したい」というようなお話でございますので、サッカー等スタジアムについては先ほど室長から御答弁させていただきましたが、ちょっと時間がかかると思われます。これは、将来的な課題ということで引き続き協議していくことになろうかと思っております。
132 ◯宝来委員 ありがとうございます。
私は、ここまで開かれた形で検討を進めてこられたことはすばらしいなと思っておりまして、検討委員会の皆様方に敬意を表したいところでございます。執行部の皆さんの進め方も十分理解できるところですが、やはり鹿児島市と県の間というのは、先ほどもありましたが、若干クローズな面がある。それは必要最低限のものもあるかもしれないです。ただ、ここまできちっと積み重ねてきたものが最後の最後でふわっと、もわっとすることがないように、まちづくりという観点で一定の方向を一日も早く示していただきたいなと思いますので、鹿児島市ともしっかり連携を取っていただきたいと思います。
あと、グランドデザインとの整合性で部長がふさわしい施設とおっしゃいました。ドルフィンポート、本港区エリア、ウォーターフロントパークに隣接する地域としてふさわしい施設を造りたいということで一つ確認なんですが、「フォルム、デザイン」という言葉も出ました。非常にわくわくするイメージを受け取ったんですが、今までの機能、規模・構成を検討する議論の中では、フォルム、デザインということについて今の段階では検討する項目には挙がっていなかったと思うんですが、それは間違いないですか。
133 ◯西 スポーツ施設対策室長 今お尋ねの件でございますが、これまでの検討の進め方としましてはアスリートファーストの施設、スポーツに軸足を置く。ただ一方で、多目的利用に資する施設。あくまで軸足はスポーツ利用ということは全く変わっておりません。それを前提に検討を進めてきた結果、場所が本港区エリアということで一定の方向性が示されたところでございますので、今度は本港区エリアにふさわしい施設ということで、より多目的利用についても例えば景観にも配慮してにぎわいの創出によりエリア地域全体を高めるような検討が必要になってくるものと思います。その流れで先ほど申し上げました施設自体のデザインについても本港区にふさわしいものという検討が必要になるものと考えております。
134 ◯宝来委員 今の検討委員会でその点というのは議論になるのか、次の段階での検討となるのか。来年度はPFI等検討しながらどのように建てるかということを決めることになると思うんですが、フォルム、デザインに考慮するとなると、閉ざされた体育館を造るよりも予算的に結構大きくなるのかなと思います。その辺はどこで方向性が明確になってくるのか。今の段階で「ふさわしい施設」という言葉の中にそれが含まれて、県としてはもう覚悟を決めて、ランドマークになるような形のものを造るという方向性も見えてきたと私は認識しているんですけど、その考え方でよろしいんでしょうか。
135
◯前田総合政策部長 基本構想の中では、今、委員が御指摘のとおり、こういうことが望まれるとか必要であるとかそういった抽象的なキーワードが入ってくることになろうかと思います。その後、じゃ、具体的にどんなデザインとかどんなフォルムとかいうのはやはり設計にかかってこないとなかなか具体的にはならないんじゃないかなと考えております。
136 ◯宝来委員 ありがとうございます。順序立てて、きちっと一つ一つクリアしながら進めていっていただきたいと思うんですが、やはり、私は最終的には景観との闘いかなと。
実は私の知人がフェイスブックで、「ドルフィンポート跡地からの桜島の景色です」というのを上げていたんですが、どう見てもウォーターフロントパークからの景色なんですね。やはり、その辺を誤解している方がすごく多いんじゃないかなと思います。
先ほど言われたように、スーパーアリーナの場合はウォーターフロントパークまで使ったものであったからと理解できます。皆さん細かい敷地のところはあまり拝見する機会もないですので、今回も前回のようにそこまで使うんじゃないかと誤解されているのではないかと思います。ウォーターフロントパーク、本港区エリアという文言が独り歩きして、一番眺望がすばらしいと言われているウォーターフロントパークまで潰して体育館をまさか造るんじゃないだろうねというような世間の見方がすごく大きいのかなと思うんですが、景観に関しても高度に対してもウォーターフロントパークを際立たせるような工夫というのが考えられると思いますが、「景観についての配慮」という言葉をここ最近よく聞かれますけど、どのような形で配慮というのが可能と考えているのか、教えてもらっていいですか。
137 ◯西 スポーツ施設対策室長 ただいま景観についての配慮のお尋ねでございました。
私としましては、今後、検討委員会にお示しする考えとしまして、まず一つ目でございますが、委員もおっしゃいましたが、鹿児島市の景観条例に基づきます城山展望台からの桜島の眺望を確保するための高さ制限、こちらに十分留意して検討を進める必要があると考えております。
二つ目でございますが、市街地からの桜島の眺望につきまして、朝日通、みなと大通り、マイアミ通り、パース通りなどの眺望にきちんと留意して検討を進めていく必要があろうかと思います。ただ、宝来委員が先ほど言いましたように、ウォーターフロントパークにつきましてはシンボル緑地として整備され、人々が魅力ある景観と触れ合える場として機能を有しておりますが、県民の方々は新たな総合体育館の候補地とされているような認識を持たれている方もいるかもしれませんので、今後もこれにつきましては同敷地の良好な景観が確保されることを丁寧に説明していく必要があるものと考えております。
最後になりますが、体育館そのものの整備に当たりましても、これも繰り返しになって恐縮ですが、施設のデザインが本港区エリアにふさわしいものであることや新たに展望スペースなどを設置することによりまして、桜島、錦江湾の眺望を楽しめる空間を創出することによりエリア全体のにぎわいを創出し、価値を高められるような検討が今後必要になってくるのではないかと考えております。
138 ◯宝来委員 ありがとうございます。
「景観」と「眺望」という二つのキーワードが出てくるかなと思いますが、私は眺望に関しては逆に一等地が増えるのかなと思っています。やはり高いところから見たほうが景色というのはすばらしいものもあるので、ぜひウォーターフロントにふさわしい魅力的な体育館を造られることを期待しておりますので、どのタイミングでそういうものを基本構想に入れていくか等も含めてしっかり審議していただいて、造るからには九州、日本から注目されるものを造るべきだと思うので、予算の絡みもありますが、最大限の費用対効果を出せるように工夫していただきたいと思います。
私のほうからは、以上です。
139 ◯山田委員 この体育館の問題というのは、鎌田知事のときに頭出しをした。室長は、鎌田知事を知っているな。そのくらい長い歴史があるんですよ。ただ、それから知事が替わるたびに、一番記憶にあるのは最近の伊藤知事、三反園知事。その手法についてはいろんな言い方があると思うんですけど、やはり、その立場立場で当時の知事は精いっぱいされてきたと思うんです。言うのは簡単ですよ。だけど、ここに来て、塩田知事で六人目です。いろんな議論がある。造ろうといえば、それに対してあそこはいけない、ここはいけない、自分勝手な考え方も含めて発言をされるわけですけど。
今日は大先輩の増留先生がお見えですけど、私が言いたいのは体育関連の方々というのは方向性を大体決めてこられた。執行部も議会も含めていまだに何を戸惑っておられるのか分からないけれども、まず在り方検討委員会、これがどういうものかというのは専門家の人が入っておられますよ。ここで方向性を出したから、ほんならイコール実現となるとは限らない。最後の最後に議会というのがあるんですよ。議会に諮らずして、在り方検討委員会がある、何委員会がある。これはあなた方が情報を仕入れるのにいろんな手段というのを使わないといけない、それは我々も認識していますよ。議会の中からいろいろ質問が出ないといけないというのは、私に言わせれば執行部は配慮が足りない。
この委員会には前のときには私とふくし山議員が二人だったんです。鹿児島市の県会議員は、ふくし山議員が一人だった。そしたら、これが動き出したところが今数えてみれば五人、鹿児島市の県会議員の人たちがおられる。ということは、現実味を帯びてくれば当然関心を持たれるのが県会議員の方々の私は立場上取られる姿勢だと思う。そういう中で、非常に関心が高い。もう何回も言っているけど、地方から出ている我々は喉から手が出るほどいろんな施設というのは欲しいんですよ。だけど、「山田さん、利便性がな」、あるいは「集客力がな」、あるいは「イベントなんかに使った場合に、だいが来いかな」と、これを言われれば地方の我々は口をつぐまないといけないんですよ。だから、せめて、何回も言うようですけど、鹿児島市選出の県会議員の方々からは質問が出ないようなそういう執行部の配慮というのをしないといけない。その地域で県議に出ておられるわけですから、この人たちはいろんな方々の声を聞いて恐らく発言をされていると思う。この発言に対して、議会ばっかりじゃない、休会のときもあるわけだから、あなたたちは、我々はしょのんで「山田にもうっかせ」というようなことは言わない。せめて、鹿児島市選出の県会議員の方々には十分理解をしていただいて、我々が聞いたときに「山田、そいじゃねど」と、「こげんじゃっど、事情は」って、まあ言える部分、言えない部分というのがあるのは私も承知しています。だけど、そのくらいの配慮を執行部もしないといけない。
それと、さっきから話が出ているけど、鹿児島市が今いろいろな形で努力をしていただいているのも私も聞いています。そこを言わず語らずで、市がこっちに出っけとかあるいは私たちが行くとかそういう話じゃない。両方でそれならいっきょっせ意見交換をしましょうかと、何回してもいい。こういうことを念入りにやって、そしたら方向性が見えてくる。そして、後世の人が「その時代の人たちは難儀をされていろいろ議論をされたけど、いい施設が出来ましたね」と評価してもらえるようなそういう施設を造らないといけない。多くの財源を使うわけですので、努力をしてください。
私のほうからは以上ですけど、私が言ったことに部長が「そいはじゃねど」というようだったら、何か一言言って。
140
◯前田総合政策部長 山田委員から私どもの議会への向き合い方といいますか、あと鹿児島市との関係、二つの大きな御指摘をいただきました。
一つは、やはり、一昨年来のこの体育館に係る執行部と議会での議論の反省に立ちまして、とにかく私どもの政策形成過程をつまびらかに透明性を持ってやらないといけないという反省の下に検討委員会を立ち上げさせていただきました。検討委員会は御案内のとおり、どなたでも傍聴できるという、フルオープンでさせていただいております。もちろん私ども事務局でございますので、検討委員会がよりよく議論が出来る環境を一生懸命整備するわけでございます。そこで出た一定の共通認識をこの議会の場で御報告いたしまして、それで頂いた意見をまた検討委員会にお返しするということで、最大限議会にお諮りするという姿勢でここまで臨んでやってきているところでございます。今後は委員の御指摘を踏まえてさらに一層御意見をお伺いする、対話を重ねるということに努めながら進めていきたいと思っております。
鹿児島市と同じく一層会話を重ねながら、コミュニケーションを取りながらこの事業を進めさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
141 ◯成尾委員 もう重なるといけませんので要望に代えますが、先ほどからいろいろ出ているように、時間軸的にやはり体育館が先にありきで、本港区まちづくりグランドデザインが後という感じになっている。今調査しているわけですよね。知事のマニフェストもゆっくり考えますという話だったと思うんです。本港区グランドデザインのいろいろな調査をしていて、この調査が終わって、その上でどんなものが良いという検討の後に体育館が来ればいいんだろうけど、体育館がこの一年ですぐせんないかんという感じになってきて、逆に体育館が先に来ている。だから、グランドデザインはそれに合わせる形でやってねみたいな話になるんじゃないかって思うわけですよね。そこ辺り、先ほどからあるように、とにかく一等地ですのですばらしいものを造ってほしいんです。本当にそういう意味では皆さんが県民から理解をもらえるような、本当にいいのができたと言えるようなそういうものにしていただきたいとお願いをしておきます。
以上です。
142 ◯上山委員 今の成尾委員に賛成です。住吉町十五番街区とドルフィンポート跡地は、グランドデザインとの整合性が求められるわけです。この体育館だけが先行して、ドルフィンポートに建てますよということを結論づけるのは非常に難しいと思います。住吉町十五番街区に建てることも出来るわけですから、ドルフィンポート跡地に建てた場合、住吉町十五番街区に建てた場合のそれぞれで、コンサートやコンベンション・展示機能を入れたいというのであればそういった機能も含めてこういった形になりますという検討をぜひしていただいて、これは検討委員会だけじゃなくて県民にもしっかりと情報提供をする。ですから、いろいろなバリエーションをぜひ今からでも準備をしていただきたい。このグランドデザインがまだまだ進まないんであれば歩調を合わせる、今年度にこだわらないということもあり得ると思っていますので、その辺の検討も今後してください。
143 ◯鶴丸委員長 要望でいいですか。
144 ◯上山委員 その方向でよろしいでしょうか。「受け止められません」と言われても困りますけど。
145
◯前田総合政策部長 先ほども御答弁させていただきましたが、まさに今検討中でございますので、どういったものが出せるか、ちょっとこの場では申し上げられないんですけれども、よりよいものを造りたいという気持ちは皆さん一緒だと思いますので、一番いい形で検討委員会で議論が出来るように頑張りたい、努めたいと思っております。
146 ◯鶴田委員 今後の進め方で少し気になるもんですから、二つ申し上げておきたいと思います。
今までの議論で、やはり知事の意思、それから今も出されている計画との整合性、この二つがポイントだと思うんですね。先ほどの答弁で、やはり知事と皆様方は一体となって進めているというのは理解しました。今議会の一般質問の再質問で、検討委員会の結果を知事はどのようなイメージを持って受けとめているのかということをお伺いしているんですよ。そのときに知事は、「県民の意見も伺いながら、ドルフィンポート跡地及び住吉町十五番街区の場所にふさわしいものとして今後しっかりと検討を進めていきたいと考えております」というふうに答弁しているんですね。まさしく部長がおっしゃっているように、ただの小学校、中学校にある体育館ではなくて、全国に先駆けた新しいイメージの体育館を造るということをここで言われているわけですよ。そこが一つ。
それからもう一つは、私も市長と直接会ったわけではないけれども、サッカー場に関しては二年ぐらいかけて検討したいということ、それから県の総合体育館の行方を見ながら判断をしたいというようなこともおっしゃっています。結局、基本構想を決めて体育館を造らんと、次が決まらんのですよ。
もう一つ、本港区エリアまちづくり、まさしく、これは前田部長が何年かかけて検討をしてきたものが一つのベースになっていると思います。そこで、にぎわいづくりがあって、周りの天文館とか競合せずにそういったところと経済的にも共存・共栄できるようなものを期待するというようなことで出ているわけですから、そのことをやはりきちっと打ち出していただいて、このことを進めていただきたいというふうにこれは要望といたします。
147 ◯中村(正)委員 私も鹿児島市じゃなくて霧島市なんですが、山田委員と同じ気持ちでございます。
少し関連して確認でお聞きしたいんですが、冒頭で西室長からレイアウトの答弁がございました。それに対して少し確認をしたいんですが、次回の第七回検討委員会では恐らく施設のレイアウトを提示することが想定されると思うんですが、前回の第六回検討委員会では委員からドルフィンポート跡地と住吉町を一体的に利用した場合のレイアウトに係る何らかの意見が出されたのかどうかを教えてください。
148 ◯西 スポーツ施設対策室長 第六回の検討委員会におきまして委員から様々な御意見を頂いたところですが、その中でお尋ねの整備候補地のレイアウトに関する御意見としましては、ドルフィンポート跡地に体育館と駐車場を整備した場合、その後、同地に新たな施設整備を行うとした場合、駐車場がなくなってしまう、こういったことからコンベンションやサッカー等スタジアムとの関連を考えると駐車場の整備を含めドルフィンポート跡地を主軸に住吉町十五番街区も含めて一体的に検討してはどうかという御意見を頂いているところでございます。
以上でございます。
149 ◯中村(正)委員 もう一点、レイアウトについてですが、一体的な整備となっているんですが、ドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区に施設を分散して配置するというか、例えばドルフィンポートのほうに体育館、住吉町のほうに武道館と、そういうような分散配置が考えられるのかどうかを教えてください。
150 ◯西 スポーツ施設対策室長 レイアウトにつきましては、先ほど部長から申し上げましたとおり今後検討していくことになりますので、現時点ではっきりとしたことは申し上げられませんけれども、一般で申し上げますと、どちらかの土地にアリーナ、体育館でございますが、そしてもう一方の土地に武道場など、施設本体を分散配置した場合ですと幾つかの懸念がございます。具体的に申し上げますと、一つ目が共用できる更衣室や会議室などを相互に設ける必要が生じることによりまして建設コストが増加するという点。二つ目が双方で受付案内や警備等を行う必要があることから維持管理コストが増加するという点。三つ目でございますが、各種大会を実施する上で、例えばでございますが、アリーナを会場として使用する場合、武道場を控え室として使用することが困難になるなど利便性が低下するなどが具体的な懸念材料として考えられます。
151 ◯中村(正)委員 それでは、最後に、先ほど経済団体の話も出ておりましたが、経済波及効果というのをどのように考えていらっしゃるのか教えてください。
152 ◯西 スポーツ施設対策室長 経済効果についてのお尋ねでございます。
総合体育館の整備に伴う経済効果には大きく三つございます。一つ目は一般的に建設に伴う効果、二つ目が建設後の維持管理、運営に伴う効果、三つ目が体育館を利用されます来場者の消費行動に伴う効果が想定されます。今回整備候補地となりました鹿児島港本港区エリアにつきましては、候補地選定におけます評価において、コンサート、それからその他イベントについて昨年度実施しました需要予測調査におけます最大値、具体的にはコンサートが年十二回、MICEが年十四回の回数で想定されますほか、他候補地と比べまして来場者が多く見込まれるということ、また、中心市街地も近く回遊性も見込まれることから会後の飲食等の消費行動による経済波及効果が相当程度期待できるものと考えております。
今後、レイアウトの検討に併せまして施設の建設に伴う効果や維持管理・運営に伴う効果、来場者の消費行動に伴う効果などの検討を行いまして、基本構想案におきまして想定される経済波及効果についてはお示しすることになるのではないかと考えております。
153 ◯中村(正)委員 分かりました。
154 ◯鶴丸委員長 ほかに質問はありませんか。
[「なし」という者あり]
155 ◯鶴丸委員長 ほかにないようですので、「新たな総合体育館の整備について」の特定調査に関する質問等はこれで終了いたします。
なお、この委員会の中で出された質疑の経過等を踏まえまして、報告については当席に御一任をいただきたいと存じます。
次は、県政一般に係る一般調査であります。
ここで、デジタル推進課長から「鹿児島
県デジタル推進戦略、仮称素案について」の発言が求められておりますので、これを許可します。
156 ◯坪田デジタル推進課長 それでは、鹿児島
県デジタル推進戦略、仮称の素案につきまして御報告申し上げます。
お手元に資料を二種類配付しております。
右上に資料一と記載をしております鹿児島
県デジタル推進戦略、仮称素案の概要と資料二と記載をしております鹿児島
県デジタル推進戦略、仮称素案の二種類でございます。御確認願います。
まず、資料一に基づきまして御説明いたします。
鹿児島
県デジタル推進戦略、仮称の素案の全体構成についてお示しをしております。
全体は、五章立てとしております。
第一章、戦略策定の背景では、五つの社会情勢の変化を踏まえたデジタル化の必要性につきまして記載をしております。
第二章、デジタルによる社会変革でございます。
こちらでは、デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXでございますが、この言葉の定義を先進事例の紹介を通じまして分かりやすく解説をしております。
第三章、戦略の方向性でございます。
県の役割をインフラを含めました環境整備と変革を生み出す主体である行政、民間全ての者の意識改革と位置づけております。また、官民のデジタル化を進めまして、デジタル化により得られるデータの利活用により、新産業の創出と県民の暮らしの質の向上を目指す戦略の方向性を記載しております。
第四章、鹿児島の将来像でございます。
こちらにつきましては、
かごしま未来創造ビジョンとも整合性を図りながら、デジタルによる社会変革により生み出される社会を記載しております。また、先般、国が提唱いたしましたデジタル田園都市国家構想、これが実現を目指します目標も記載をしておりまして、鹿児島の将来像をお示ししております。
第五章、取組の方向性でございます。
第三章で整理をいたしました戦略の方向性に基づきまして、具体的な取組の方向性について整理したものを掲載しております。
次に、鹿児島
県デジタル推進戦略、仮称素案、冊子のほうでございます。
こちらの主な記載内容につきまして、冊子に基づいて御説明をさせていただきます。
一ページをお開きください。
第一章、戦略策定の背景でございます。
一番目といたしまして、人口減少・少子高齢化でございます。
これがもたらすものは生産年齢人口の減少、すなわち、働き手の減少であり、県全体でICTを活用して県内総生産額そのものの向上を図っていく必要があることを記載しております。
二ページの二、デジタル技術の進展でございます。
こちらにつきましては、5G時代におけるICTの急速な進展に対しまして県内産業はこれからの技術革新に対応しなければ競争力を失うおそれがあり、また、個人レベルで見ても便利で快適な生活環境が整う一方、デジタル技術を使いこなせないことで便益を享受できない方が出てくるおそれがある、そういったことを記載してございます。
四ページをお開きください。
三、グローバリゼーションでございます。
人、物、サービスなど様々なものが国境を越えているという時代に、県内産業がこの動きに対応するためにはICTやデータを活用し、既存の商品・サービスの高付加価値化や新たな商品・サービスの創出などに取り組み、国内だけではなく国外の市場にも目を向けていく必要があることを記載しております。
五ページでございます。
四、新型コロナウイルス感染症の感染拡大では感染拡大により、社会・経済活動の在り方は大きく変化をしております。あらゆる分野の活動をオンライン化する変革をもたらし、ポストコロナ時代においても引き続きICTを活用した社会・経済活動の変革に取り組む必要があることを記載しております。
七ページをお開きください。
五、社会全体のデジタル化でございます。
今年九月のデジタル庁の設置、先般、提唱されましたデジタル田園都市国家構想など国を挙げたデジタル推進の動きを記載しております。
こうした背景を踏まえまして県全体のデジタル化を推進し、社会変革を実現することで本県を取り巻く課題解決につなげていくため、
県デジタル推進戦略、仮称を策定することとしております。
九ページをお開きください。
第二章、デジタルによる社会変革でございます。
一、デジタルによる社会変革では、デジタル技術の浸透が人々の生活をあらゆる面でよい方向に変化させることがデジタルによる社会変革、すなわち、デジタルトランスフォーメーション、DXと言われている、この言葉の定義を説明しております。
十ページには、二、デジタルによる社会変革をもたらした先進事例を紹介しております。
一般に先進事例と言われておりますのが、AmazonでありますとかNetflixあるいはUber、こういった三社の事例を記載しております。
十二ページをお開きください。
三、デジタルにより社会変革をもたらした先進事例に共通する特徴といたしまして、(一)デジタル技術が生み出す社会変革の予測、(二)データを駆動源とした経営判断、(三)顧客起点でのたゆまぬ変革、この三点が三社の先進事例に共通する特徴として三つにまとめて記載をしております。
十三ページをお開きください。
四、デジタルによる社会変革実現の基盤となるデータ利活用でございます。
デジタルによる変革を実現するためにはデータを分析し、データから様々な意味や知見を取り出すことで生まれる新しい価値が重要であることを記載しております。
十四ページ以降には、具体的なデータ活用等につきまして三点記載をしてございます。
(一)データに基づく判断といたしましてEBPM、証拠に基づく政策立案という意味でございますが、こちらの重要性、(二)では、伝える、伝わるデータの活用といたしましてデジタル化が進展した時代の情報の発信、提供、収集、この考え方を記載しております。(三)では国によるデータプラットフォームといたしまして、国が二〇二一年に策定をいたしました包括的データ戦略について記載をしてございます。
十八ページをお開きください。
第三章、戦略の方向性についてでございます。
一、県の基本姿勢では、社会を変革するためには社会全体で取り組む必要があることから県は県民の利便性を重視した行政サービスのデジタル化を推進し、民間も含めた県全体の変革を促進することとしております。
二、県の役割についてでございます。
行政手続の電子化や高度な情報セキュリティなどを含めたデジタル化の前提となる環境を整備すること、デジタル化で実現するより良い社会のイメージを持ち、課題解決に向けてアプローチするという意識が重要であることから、そうした社会全体の意識改革を進めることを記載しております。
十九ページ、三、官民のデジタル推進でございます。
こちらにつきましては、暮らし、産業、行政、それぞれ各分野におきましてデジタル推進の方向性を記載しております。
二十ページ、四、データの利活用推進でございます。
デジタル化により得られるデータの蓄積、分析、活用、データが幅広く利活用されることがその価値を最大化するという観点から、県、市町村が保有するデータを可能な限りオープンデータ化することを記載しております。
五、デジタル推進基盤の強化でございます。
デジタルの推進、データの利活用を支える基盤といたしまして、(一)県民のデジタル活用機会の創出、(二)情報通信環境の整備、(三)デジタル人材の活用・確保・育成、(四)国等の各種支援制度の活用、この四つの視点から基盤を強化することを記載しております。
二十二ページでございます。
こちらには本戦略の方向性を今申し上げた概念図として掲載をしております。
本戦略におきましては、官民のデジタル推進により得られたデータの利活用推進、これによりまして新産業の創出、県民の暮らしの質の向上といった新たな付加価値の創造を目指すこととしております。
二十三ページをお開きください。
第四章、鹿児島の将来像であります。
一、鹿児島県におけるデジタルによる社会変革でございます。
これまで述べてまいりました社会の変革について具体的にどのような変革となるのか、これを官民のそれぞれの視点から記載をしてございます。
二、十年後の鹿児島の将来像でございます。
社会変革により生み出される社会の将来像を
かごしま未来創造ビジョンとの整合も図りながら具体的に記載をしております。
また、二十五ページでございますが、(三)デジタル田園都市国家構想の項目でございますが、これまでこの章の中で記載をしております将来像、これが国の提唱いたしますデジタル田園都市国家構想と方向性を一にするものであり、国と歩調を合わせて取り組むことにより、県民が心豊かな暮らしと持続可能な環境・社会・経済、これを享受できる社会の実現を目指すこととしております。
二十六ページからは第五章、取組の方向性といたしまして、
かごしま未来創造ビジョンとの整合性も図りながら、戦略の方向性に沿った取組について記載をしてございます。
鹿児島
県デジタル推進戦略、仮称素案の説明は、以上となります。今後、広く県民の皆様から意見を頂くためのパブリックコメントを行い、来年三月をめどに戦略を策定することとしたいと考えております。
以上で報告を終わります。よろしくお願いいたします。
157 ◯鶴丸委員長 ここで、換気のために暫時休憩いたします。
再開は、おおむね午後三時三十五分といたします。
午後三時二十三分休憩
────────────────
午後三時三十三分再開
158 ◯鶴丸委員長 再開いたします。
引き続き県政一般の審査を行います。
質問はございませんでしょうか。
159 ◯成尾委員 いろいろと御説明ありがとうございました。
先ほどデジタル化で人材の育成ということで活用、確保、育成とあったんですが、活用というところでIT企業の有識者から助言を受けているとお話がありました。ただ、今後いろいろな取組をする上で助言をもらうだけではなくて、そういう人材育成というか、課内にもそういう人を配置したり、研修に行ってちゃんとしたものを持って帰ったりしないとなかなか進まないのではないかと思うんですが、ここに書いてあることを具体的にはどんなふうに進めていこうとされているのか、教えてください。
160 ◯坪田デジタル推進課長 人材育成の御質問をいただきました。
「デジタル人材」と一言に申し上げましても非常にたくさんの分野の能力、例えばデータの分析であるとかICTに関する専門的な知識をお持ちの方とかあるいはシステム全体をマネジメントするような能力、様々な能力がこの分野は必要であろうと考えております。その中で一般にデジタル人材が日本中どこも不足をしている状況もありまして、そういった人材の育成・確保が非常に重要であろうと考えているところです。具体的には、例えばプログラマーとかシステムエンジニアとかそういう実際にプログラムを作るような能力あるいは最新の機械をどう入れていくかとかネットワークをどう組んでいくのかとかそういう専門的な知識・知見が必要な部分については、むしろ人材というのは誰々さんを連れてくるとかではなくて民間企業と連携あるいは委託するなどの方法を取りまして会社としてバックアップをしてもらう、そういったことをまず考えています。
あと、委員御指摘のように、県庁内部でICTの能力を持った人材の育成も必要ではないかということでございます。
この点につきましても、基礎的な知識の獲得については、ウェブでの研修プログラムでありますとか国が実施をしております研修プログラムであるとかそういったものを活用しまして、今年度既に庁内に照会をかけて研修を募集するなどしておりますがそういった人材育成の取組は今後もさらに進めていきたいと思っているところです。
以上です。
161 ◯成尾委員 デジタル庁が出来ましたが、行政の問題、それから県民に対してまだまだデジタル化が必要なところはいろいろなものがあると思います。今言ったように、まずはマネジメントも含めて出来る人が中心になって進めないと難しい部分があると思いますので、そこはしっかりやってほしいなと思います。
もう一つ、先日、県民はキャッシュレスを敬遠しているというような新聞記事がありました。高齢者の方々などの意識改革をするためにいろいろ利便性があるんだということをもっと分かってもらうことが大事だと思うんですが、そこ辺りの県と市町村の役割分担みたいなものはどういうふうに考えていらっしゃるのか、教えてください。
162 ◯坪田デジタル推進課長 いわゆるデジタルデバイド、デジタルによる格差、これの解消についてのお尋ねであろうかと思います。
国はもちろん、この戦略にも記載をしておりますが、誰一人取り残さない、こういうデジタル化を目指しているところであります。その中で御高齢の方あるいはそういったデジタル機器に不慣れな方、ちょっと不安のある方、こういった方々を対象にデジタルに関する知識の習得、研修の機会というのは今後当然作っていくことにしております。今年度、私どもは大手通信事業者のドコモさんと連携をいたしまして、各市町村を通じて、その特定の集落の中で興味のある人をピックアップして、その方々をデジタル支援員という形で研修をいたしました。その方々が地域でさらに使い方を教えていくというふうな取組を実証プログラムといたしまして、今年度県内十一市町村で実施をしております。全市町村に一応「こういったプログラムをやりませんか」ということでお声かけをいたしまして手を挙げていただいた十一市町村という形になります。市町村独自にそういった例えばラインの使い方、スマホの使い方、スマホ教室みたいなものあるいはホームページの作り方とかそういった独自の取組をしておられる自治体もおありだと聞いています。そういった市町村から御相談等々があれば私どももそういう事業の紹介や情報提供、共有、先進事例の情報展開、こういったことを市町村向けにも引き続きやっていくつもりでおります。
以上でございます。
163 ◯成尾委員 ぜひ、デジタル化で便利になるということ、それから、どちらかというと行政は申請主義ですがデジタル技術を活用することで、プッシュ型行政サービスになっていくということなど、そういうことも含めて利便性があるということをお話いただきながら、県民の意識改革をお願いしたいと期待をしています。早め早めの取組で他県よりもデジタル化が早いというふうになっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
以上です。
164 ◯おさだ委員 端的に申し上げますね。三十ページなんですが、情報通信の環境整備とあります。ブロードバンドの整備率がまだ九十数%とか一〇〇%行っていない市町村ってあると思うんですね。鹿児島県内の現状はどうなのかというのが一点。
それと、成尾委員と一緒の問題意識だったんですが、やはり人材というところはすごく大事であって、まず県庁や市町村の職員がしっかりとデジタル化というところをちゃんと認識していただかないと民間までなかなかつなぐことは難しいんじゃないかと思っているんですよね。ですから、先ほどドコモさんとの取組についての話がありましたが人材について、今どういう状況かというところを教えていただけませんか。
165 ◯坪田デジタル推進課長 ブロードバンドの普及率のお話でございます。
光ブロードバンドにつきましては、実は鹿児島県も非常に低い状況でございます。ただ、昨年度国の大型補正予算の中で光ファイバーケーブルを、全市町村に展開をしようという事業が付いております。順調に執行も進んでおりまして、今年度末までには県内全市町村の拠点、電話局の交換局までは全て光ファイバーケーブルが行き渡ることになります。となりますと、今度は光ファイバーケーブルの基地局を拠点にいたしまして、あとは各御家庭の光ファイバーケーブルでありますとかそのファイバーケーブルを使って携帯電話の基地局の設置でありますとかこれがどんどん進んでいくことになると思っております。まずは有線の光ファイバーケーブルが全市町村に行き渡ること、これが今年度中に実現をするということでございます。
あと、人材のお話をいただいております。
人材につきましても委員御指摘のとおり、非常に重要な課題でございます。我々といたしましても県職員はもとより、市町村職員に向けましてもデジタルに関連する基礎知識の研修講座の御案内でありますとか今年度既に着手をしているところでございます。また、市町村それぞれに温度差がありますので、市町村の実態調査というのも今年度実施をすることにしています。その中で、市町村に対してどういった支援が効果的なのか、あるいは市町村の規模別によってそれぞれノウハウの在り方がちょっと違ったりするところもあろうかと思いますので、希望あるいは要望を踏まえながら具体的な支援策も検討していきたいと考えています。
以上です。
166 ◯おさだ委員 新しい課を作られたのでしっかりまた頑張ってもらいたいと思います。このデジタルというのは、都市部のほうしか関係ないみたいな認識を持っている人って結構多いんですよね。ですから、デジタル格差が出ないようにしっかりと県が市町村と連携しフォローアップしていただきたいということを要望して終わります。
以上です。
167 ◯寺田委員 光と闇の世界というのは、裏腹存在していますよね。利便性の先に、またクローズアップされる問題が当然出てくる。鹿児島県内でも全国でも小学生がスマホを持っているというのは、もう当たり前の世界になってきている。それで、お互いに声を出し合っての会話ではなくてメールで会話をして、お互いの存在をメールでしか確認できない、そういう社会というのは楽しい社会でしょうか。
ある女子プロレスラーがSNSで大分いろんな目に遭って、結果的に自殺に追い込まれたというのが報道されました。また、ほかの現場でもいろいろなそれと似たような状況が出ている。
基本的に便利なコンテンツというのは、人間が最低限守らなければならないルールの上で、それは成り立っていると思います。この利便性の高い社会を構築する背景に、そのツールを使い始める頃にあたる小学生の子供たちへ、こういった社会への対応方の教育が確実にセットでなされていかなければいけないと私は思います。デジタル社会というのはそういったことがきちっとでき上がってこそ初めて人間社会の中にそれが貢献していくものだと思っていますので、そこら辺をこの
デジタル推進戦略の中にぜひとも織り込んでいただきますように、ぜひ、そういうことも念頭に置いた対応方をお願いして終わります。要望です。
168 ◯宝来委員 今年度、光回線が全市町村に行くということでした。既に5G時代になっているということもあるんですが、例えば、町のデジタル推進をする上で、小さめの町で実証実験等が出来ないのかなと。特に三島、十島は数百人規模ですので、そういうところでいろいろな実証実験というのはできないのかなと思いますが、国として何かそういうモデルケースを作るとかそういう話は来ていないんですか。
169 ◯坪田デジタル推進課長 実証実験については、いろいろな形があろうかと思います。例えば特区でありますとかスマート指定でありますとかそういったものの中に基盤としての通信環境の特例的な運用であったり、最先端の通信規格を用いた利便性の追求であったり、例えばトヨタのウーブンシティなどの取組というのはございます。当然、国からそういったスマートシティ等々の取組をやりませんかという事業メニューはあります。ただ、じゃ、具体的に何をやるのか、ここが大変難しいところでございまして、単に5Gが流れて携帯電話ができますよというのはこれはなかなか実証実験になり得ませんので、いろんな分野の先進的な取組に対してのメニューは国から示されております。
以上です。
170 ◯宝来委員 5Gは医療分野では非常に役に立つのかなと思うので、離島僻地を含めた医療の実証実験というチャンスがあればぜひ積極的に推奨して手を挙げてやっていただきたいなと思います。
あと一点、マイナンバーを活用した行政手続きについて市町村レベルのものは県でも出来るのか。その辺を少し教えていただいてよろしいですか。
171 ◯坪田デジタル推進課長 マイナンバーの業務のお尋ねでございます。
現在マイナンバーを活用した行政事務については、約二千以上あります。これは市町村や県、国の事務もございます。例えば市町村の窓口だけでなくコンビニにマイナンバーカードを持っていけば住民票が出ます。これは全市町村というわけではないですが、そういった取組も進められてきております。
以前、十七業務と言われていたのですが、直近では二十の業務、例えば印鑑登録あるいは住民基本台帳に関連する転居届であるとかそういった行政手続が全国一律のシステムで運用する仕組みを構築中でございます。そうすると、何が起きるかといいますと、例えば市町村をまたぐ転居の際、マイナンバーの一回の手続で全ての手続が終わるあるいは介護手続において、住民票や所得証明、課税証明が必要だったものがカードを一回提示するだけで終わる、そういう全国一律の仕組みを現在デジタル庁が中心になりまして進めているところです。
以上です。
172 ◯宝来委員 全国的に共通なもの、例えば乳幼児医療とか障害者の補助金や支援金の手続きは市町村単位で仕組みが違うわけですよ。そういうときに市町村にマイナンバーと連動させてくれと言えばできるものなのか。そういう考え方で正しいのか、そこを教えてもらっていいですか。
173 ◯坪田デジタル推進課長 マイナンバーと個人情報のひもづけのお話かと思います。
マイナンバーの活用については、非常にシビアな取扱いとなっています。法律の中でマイナンバーを使って出来る事務というのが限定列記をされておりまして、何でもかんでも市町村の判断で出来るという性質のものではございません。この業務はマイナンバーを使っていいですよと法律の中に書かれているものでないとできないことになっています。したがって、市町村が独自の判断でできるかと言われると、特定の業務の範囲内で自治体が条例で決めればできるという業務もございます。ちなみに本県においても県独自事務といたしまして、現在八つの事務がマイナンバー活用事務として運用をしているところでございます。
174 ◯宝来委員 マイナンバーの活用で、災害時の避難者特定にも使えるようになっているんですか。
175 ◯坪田デジタル推進課長 申し訳ございません。ちょっと、具体の災害時の特定が可能かどうかまでは今手元に資料がないのですが、マイナンバーを使って出来る業務というのは、今後広がっていくと聞いております。今後防災の視点からも安否確認等にも使えるように制度の改正が進められていくと理解をしております。
176 ◯宝来委員 ありがとうございました。
やはり、デジタル化やマイナンバーが特に普及をするためには利便性ということがあるんですが、やはり、医療、福祉、災害、そこら辺で活用が出来ればより登録率が上がるのかなと思っております。今も子育て支援で十万円やるのやらないのと、クーポンにするとお金がかかると。それをひもとけば実はマイナンバーで連動していればもっと費用がかからないのではないかなと思っているところです。経済支援や子育て支援等錯綜してなかなか分かりにくい取組ですが、デジタルを推進して鹿児島県のより過ごしやすいまちづくりに貢献していただきたいと思います。
以上です。
177 ◯上山委員 説明ありがとうございました。
デジタル推進に向けて非常に具体的に書かれていると思いますが、こういった取組の方向性というところで、実際上は国がデザインした組立ての予算が下りてくると考えてよろしいんでしょうか。要は、予算との関連づけはどういうふうになっていらっしゃるのか。
178 ◯坪田デジタル推進課長 住民に直結する業務を担う行政主体としては、やはり市町村の事務が非常に多いかと思います。
先ほども御説明をいたしましたが、国が統一的なシステムに乗っけていきましょうと今打ち出しています。具体の事例で申し上げますと、そういったそれぞれ市町村が国の統一システムに乗っけていくための必要な経費、これは国で全額、予算措置が行われております。ほかにも例えば市町村が専門家のICT人材を雇用したい場合の人件費にも充当出来るような補助メニューが現在運用されているところでございまして、ある程度国で地方財政措置が行われているところでございます。
179 ◯上山委員 二十六ページから取組の方向性ということで具体的に書いてございます。これは全て市町村もしくは、企業支援、産業に関するデジタル化も市町村の事業と考えてよろしいんですか。
180 ◯坪田デジタル推進課長 戦略の素案の二十六ページ以降に取組の方向性ということで少し具体的な内容を書かせていただいております。
こちらは方向性ということでございまして、もちろん、市町村が主体となるべきものもございます。一方で県が中心となってやるべきものも記載をしてございます。したがって、この事業そのもの、ここに上がっているものが全部県かあるいは市町村かというふうな、そこまでのシビアな形での記載にはなっていないということで御理解いただければと思います。
181 ◯上山委員 デジタルに関しては、やはりセキュリティの問題を含め非常にマイナスの部分というのもあると思います。そういったプラスだけではなくてマイナスに対してのアクションあるいは施策もここには盛り込んでいるということでよろしいでしょうか。少し教えてもらえませんか。
182 ◯坪田デジタル推進課長 委員まさに御指摘のとおりでございまして、利便性を追求するあまり個人情報の漏えいでありますとかコンピューターウイルスの攻撃にさらされるといったようなことがあってはならないと考えております。戦略の中にもまさに県民の皆さんあるいは国民の皆さんがデジタルに対する不信感を抱く一つのベースにはそういったセキュリティに対する懸念というものが大きな要素として上げられていると一般に言われております。したがって、デジタルを進める上においてはやはり高度なセキュリティ対策、これも同時に必要であろうということで戦略の中には書かせていただいております。
行政に対する信頼というものをさらに強くしていくためにも行政機関が有する個人情報、こういったものが流出しない仕組み、仕掛けというものはこれまでもそうですが、今後もさらに強化をしていく必要があると考えております。ちなみに行政のネットワークシステムは閉鎖的環境におけるシステム、要するにインターネットに直接つながらない仕組みの構築をしておりまして、これまでに人的なミス以外でそのネットワークの垣根を越えて行政機関の情報が外に出ていくといった事例は我々もあまり聞いていないところです。基本的には例えば何とか財団とかそういった外部組織に個人データがあったものが流出するケースは幾つかありますが、行政機関本体が保有する情報が外部的な攻撃にさらされて流出をしたというようなことは極めて低い確率であろうかと考えています。
183 ◯上山委員 取締機関というのは、やはり警察だと思うんです。そういった取締機関との連携というのも大事だと思うんですが、そこら辺を戦略に盛り込むことがあるんでしょうか。
184 ◯坪田デジタル推進課長 当然県警にもこの戦略の素案を照会しておりまして、セキュリティの関係については直接県警からも記載を求められております。あと、児童ポルノや詐欺サイトなどの犯罪に直結するものの取締りは、県警にもサイバー犯罪対策室がございまして、そちらで巡回していると聞いております。
一方で、県警というところは被害が出てから初めて動けるというふうに聞いておりまして、個人情報の流出あるいはコンピューターウイルスの攻撃等については、なかなか取締りの対象にはならないため、そこについてはやはり我々がネットワークの管理責任の下、流出をしないようにセキュリティ対策を講じていくという、そういう立てつけといいますか役割分担になるのかなと思っております。
185 ◯上山委員 単純な質問ですが、デジタル化とWi─Fi化というのは一体に考えてよろしいんでしょうか。Wi─Fi化がデジタル化につながっていくと考えてよろしいのかを教えてもらえませんか。
186 ◯坪田デジタル推進課長 Wi─Fi化というのは通信の規格の一つでございまして、Wi─Fiが行われる環境というのは基本的にデータが無線でやり取りされる環境であろうかと思います。それは、デジタル化の一つの形ではないかなと思います。ただ、同義かと言われますと、「デジタル化はWi─Fi化ですよね」と言われると、「いや、それはデジタル化の一つ、通信規格の一つです」という言い方が正確かなと思っております。
187 ◯上山委員 分かりました。
以上です。
188 ◯鶴丸委員長 ほかにありませんか。
[「なし」という者あり]
189 ◯鶴丸委員長 ないようですので、この件は終了いたします。
次に、離島振興課長から特定有人国境離島地域の地域社会の維持に関する県計画素案について発言が求められておりますので、これを許可します。
190 ◯大西離島振興課長(兼)環境林務部参事 特定有人国境離島地域の地域社会の維持に関する県計画の素案についてでございます。
説明に当たりまして資料の確認でございますが、お手元の資料で右肩に資料番号が記載してございますが、資料一、特定有人国境離島地域の地域社会の維持に関する県計画(令和四年~八年度)素案について、資料二が有人国境離島法における県計画(令和四年~八年度)素案の考え方について、資料三が同県計画の素案の概要、資料四が同計画の素案概要版、資料五が同計画の素案本文の五種類の資料を配付しております。
よろしいでしょうか。(「はい」という者あり)
本日は、資料の一、二、三により概要を御説明いたします。
まず、資料一の特定有人国境離島地域の地域社会の維持に関する県計画素案についてを御覧ください。
一、経緯でございますが、平成二十九年四月に施行されました有人国境離島法において、特定有人国境離島地域を有する都道府県は国が策定した基本方針に基づきまして計画を策定するように努めることとされております。県では、平成二十九年九月に県計画を作成しております。
有人国境離島法は十年の時限立法でございますが、国の基本方針において、県計画は平成二十九年度を初年度とした十か年を前期と後期に区分して、計画期間としておおむね五か年をめどに定めることが望ましいとされておりますことから、平成二十九年度を初年度とした五か年の計画を前期計画として定め、今回、令和四年度を初年度とした五か年の後期計画を定めることとしております。
二の計画の概要でございますが、(一)の計画の意義といたしましては、有人国境が有する領海等の保全等に関する活動の拠点としての機能を維持するため、地域社会を維持する取組を推進することとしております。
同じく(一)の中の施策の方向性につきましては、人の往来・物の移動に係る条件不利性の緩和、交流促進のためのきっかけづくり、島の魅力の再発見と島での人づくりの推進の三つの施策の方向性を踏まえ、航路・航空路運賃の低廉化、物資の費用負担の軽減、雇用機会の拡充等に総合的に取り組むこととしております。
(二)の計画期間につきましては先ほど申し上げましたとおり、前期計画を平成二十九年度から令和三年度までの五か年、後期計画を令和四年度から令和八年度までの五か年としております。
(三)の対象地域としましては、特定有人国境離島地域となっている甑島列島、種子島、屋久島、三島、トカラ列島の五地域十七島でございます。
三のスケジュールでございますが、本日の委員会において素案の説明を行いました後、十二月中旬から翌一月中旬までの約一か月間、パブリックコメントを行うこととしております。
本日の委員会での御議論やパブリックコメント等で頂いた御意見などを踏まえまして、三月中旬に法に基づく市町村長への意見聴取を行った上で、三月下旬に県計画の決定・公表、そして内閣総理大臣への提出を行いたいと考えているところでございます。
続きまして、資料二を御覧ください。
県計画の素案の考え方について御説明いたします。
二、県計画素案の考え方についてですが、県計画素案作成に当たっては国から示された留意点等を踏まえ、まず、制度施行後の人口増減、昨年からの新型コロナウイルス感染症拡大等による社会・経済情勢の変化を踏まえた内容とすることとしております。
また、国が示している基本方針自体に変更がないことから、県計画においても方向性は変えずに現状に即した内容の時点修正等を行うこととしております。
左下の三、県計画素案の概要につきましては、おおむね現在の前期計画と同様の項目としておりまして、右側のコロナの影響を踏まえた施策の具体例にありますとおり、例えば雇用については三行目の中ほどになりますが、昨今の感染症対策のための物品購入や新しい生活様式に対応する事業分野での創業または事業拡大の取組を促進し、新規雇用者数の増加や地域経済の活性化を図ると記載しており、また、観光につきましては、イベント等の開催に当たっては新型コロナウイルス感染症等の感染防止対策を徹底した上で実施するなどと追記しているところでございます。
その下の県計画における重要業績評価指標、いわゆるKPIでございますが、各地域のKPI及び成果目標につきましては、国の基本方針に基づき、人口の社会増減、農林水産業生産額、農林水産業新規就業者数、新規雇用者数など六つのKPIを定めているところでございます。こちらについては指標そのものは前期計画から変更せず、これまでの実績等を踏まえまして目標値の見直しを行っているところでございます。
主な指標については、資料三で説明させていただきます。
続きまして、資料三を御覧ください。
県計画の概要について御説明いたします。
左側の計画の根拠、計画の趣旨・背景、中央の計画の基本的方針等、右側の地域社会の維持に関する施策につきましては、おおむね前期計画からの変更はございません。
左下の後期計画における主な重要業績評価指標、KPI及び成果目標について御説明いたします。
KPIごとの成果目標ですが、まず一つ目の人口の社会増減については、国が基本方針において十年後に人口が定常的に社会増になる状態を実現することを基本目標としておりますことから、国の基本目標と同様に後期目標値は各地域の人口の社会増減をゼロとしております。
なお、現境地、これは前期計画で示しておりましたところでございますけれども、既に社会増の状態であった三島、トカラ列島においては、その現況値を維持することを目標としております。
二つ目の農林水産業生産額につきましては、国の基本方針における目標が現状維持とされていることから、県計画における目標も現状維持としております。
なお、前期計画期間における平成二十九年度から令和二年度の実績の最大値及び最小値を除いた平均値が現状地を上回っていた甑島列島とトカラ列島については、その平均値を後期の目標値としております。
三つ目の年間延べ宿泊者数は、県の観光振興基本方針における数値目標を踏まえ、同じ増加率で目標を設定しているところでございます。
以上が、特定有人国境離島地域の地域社会の維持に関する県計画素案の概要でございます。
県計画素案の本文では、各地域において講じる措置の詳しい内容とともに、地域の概況や現状・課題について記載しておりますので、後ほどお目通しください。
以上で、県計画素案についての説明を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。
191 ◯鶴丸委員長 この件に関しての質問等はありませんか。
192 ◯吉留委員 少し具体的なことを聞きます。
出来て四、五年たつということなんですが、ガソリンが今非常に高いですよね。ここに石油製品云々の価格差云々って書いてありますが、この対象地域のガソリンというのは鹿児島本土と同じぐらいに設定されていると理解していいんですか。
193 ◯大西離島振興課長(兼)環境林務部参事 国のエネルギー庁の施策におきまして本土との価格差を解消するための施策が取られているんですけれども、十円から三十五円ぐらい離島の地域によって価格が違っておりまして、おおむね今十円から十五円ぐらい、それを加味してもまだ差があるというふうに理解しております。
194 ◯吉留委員 それだと、せっかく作ったのにね。一リットル十円から三十円高いということですね、かなり高いですよね。せっかく法律を作ってやる以上、本土と同じぐらいにする必要があるんじゃないですか。種子島・屋久島はともかく、ほかの島は経済圏としてははっきり言って売り買いがあまり成り立たない、値段設定が成り立たない社会だから、それはちゃんとしてやらないとガソリンが飛び抜けて高いみたいになるわけですよ。
以上です。そういう実際に役に立っていないということ。せっかく作ったのに実際の生活があまり変わらないじゃないかということにならないように、よろしくお願いします。
195 ◯大西離島振興課長(兼)環境林務部参事 申し訳ありません。補足致します。そのまま放っておくと、十島村であると四十五円とか五十円ぐらい違うところが三十五円ぐらいは軽減されているところでございまして、それなりの効果はあるのかなと思っております。ただ実際に本土とのまだ格差があるということは間違いございませんので、今、県開促協等を通じて国にも格差是正をお願いしているところでございますので、引き続き御支援をよろしくお願いいたします。
196 ◯成尾委員 三島、屋久島、口永良部、それからトカラ列島は、島内に自動車整備工場がない。このため、車検に伴う島外への車両航走の負担軽減を図るための支援措置の実現に向けて取り組むとあるんですが、実現はどうでしょうか。
197 ◯大西離島振興課長(兼)環境林務部参事 現在のところまだ実現はしておりません。離島特有の課題であると考えておりまして、何とか支援措置を作っていただけないかということで要望をいろんなところにしているところでございます。引き続き要望はしていきながら、何かほかに方策がないか地元市町村とも意見交換等をしていきたいと思っております。
198 ◯成尾委員 ぜひ、前期よりも後期は予算が増えるように予算の確保に向けて努力をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
199 ◯鶴丸委員長 ほかにありませんか。
[「なし」という者あり]
200 ◯鶴丸委員長 ほかにないようですので、この件は終了します。
次に、交通政策課長から鹿児島空港将来ビジョン工程表案について発言が求められておりますので、これを許可します。
201
◯滝澤交通政策課長 鹿児島空港将来ビジョン工程表案につきまして、御報告申し上げます。
お手元に資料を二種類、お配りしております。
資料に入ります前に、初めに、これまでの経緯について御報告いたします。
鹿児島空港におきましては、令和元年十一月、航空需要の変化や航空産業における技術革新に対応するため、おおむね十年後を見据え、新たに鹿児島空港が備えるべき機能や施策展開の基本方針などを取りまとめた鹿児島空港将来ビジョンを策定したところです。
その後、令和三年二月、鹿児島空港将来ビジョンを実現するため、具体的な施策案などを取りまとめました鹿児島空港将来ビジョン工程表の策定を目的に、関係機関による鹿児島空港将来
ビジョン推進協議会を設置、開催いたしまして、十一月八日の同協議会において、今回御説明申し上げます工程表案を取りまとめたところでございます。
それでは、主な内容につきまして、資料の一、鹿児島空港将来ビジョン工程表について、概要に沿って御説明申し上げます。この資料は、工程表の位置づけや具体的な施策内容について重要なものを抜粋してまとめたものでございます。
それでは、資料の一の上段、工程表の位置づけを御覧ください。
まず、真ん中に鹿児島空港将来ビジョンにおいて掲げられた目標を記載しております。将来ビジョンでは、二〇三〇年までに鹿児島空港の乗降客数を七百三十万人とすることを目標にしております。また、数値目標に加えまして、多様な航空ネットワークと高い満足度・利用性に裏づけられた日本の南のゲートウェイ、最新技術やカーボンニュートラルなどの社会ニーズに対応した最先端の実証・実験空港、にぎわい創出による地域経済振興拠点といった将来像について触れております。
資料の左側は、ビジョン実現に向けた検討の方向性でございます。
工程表は将来ビジョンで示された目標を達成するために必要となる、より具体的な施策と進め方をまとめたものであり、本工程表案ではここに掲げられた五つのテーマに沿って施策を検討してまいりました。
五つのテーマは、1)新規路線等の誘致、2)鹿児島空港の再整備の在り方、3)二次交通の充実、4)物流・輸出入機能の向上、5)地域の拠点機能向上で構成されています。個別のテーマの詳細につきましては、二枚目で御説明申し上げます。
また、真ん中のビジョン目標の右側では、新型コロナウイルス感染症の拡大により旅行需要が大きく影響を受けている中、ビジョン目標をどのように考えるべきか整理をしております。国が定める訪日外国人旅行者数を二〇三〇年までに六千万人とする目標については現在変更がされていないことや、航空会社の国際的な業界団体であるIATA、国際航空運送協会が今後の回復基調を予測していることなどを踏まえまして、現時点ではこのビジョンの数値目標については見直しを行わないことを先日の推進協議会で確認いたしました。今後の感染状況の推移やほかの機関の見通しなどを踏まえ、必要に応じて議論を行いたいと考えております。
それでは、下段の2)工程表の全体像を御覧ください。
資料左側の施策間の関係ですが、先ほど申し上げました五つのテーマに係る施策については、相互に連動・関連しながら検討が進むもののほか、利便性向上に係る施策など、それ自体としても検討が進む分野もあると考えられます。
具体的には、1)新規路線等の誘致に当たりましては、国際線のキャパシティが増加することに対応するため、2)鹿児島空港の再整備と連動・関連しながら進めていく必要がある一方で、3)の二次交通の充実で記載されているキャッシュレス対応などそれ自体として今後も取組が進んでいく分野があると考えられます。
また、将来ビジョンにおいても記載されておりますとおり、施策の検討・実施に当たり、新たなノウハウや資金の必要性に迫られた場合には空港民間委託、コンセッションを検討していくこととしております。
資料の右下には工程表案本体の中から取組の一つの事例といたしまして、国際線の既存路線の復帰及び新規路線の就航に向けてどのようなアプローチをかけていくのか、取組の方向性をまとめております。上側が既存路線、下側が新規路線となっております。
鹿児島空港には既存路線としまして、ソウル・上海・台北・香港・ハノイ便が就航し、または就航予定となっております。既存路線の各航空会社とは現在でも感染症の状況を踏まえながら路線復帰に向けた支援の在り方などについて随時意見交換を行っており、今後ともニーズを踏まえながら必要な取組を行ってまいります。
また、新規路線につきましては、今後新しく体制を整えながら取り組んでいきたいと考えております。
まず、初めに誘致体制の強化といたしまして、現在でも航空分析の専門家から航空旅客の動向や航空会社の経営状況などのデータを頂いておりますが、今後、誘致ノウハウなどについても助言を頂きながら、効果的な取組を検討していきたいと考えております。これと併せまして、鹿児島空港ビルや観光関係者など関係する主体が有する国際線の動向に係る情報の共有などを強化し、関係者の連携をより一層深めていきたいと考えております。
加えまして誘致対象の検討分析といたしまして、どのような都市において所得が上がっているのかあるいは航空会社の経営状況などに関するデータの分析、さらには相互交流に向けてインバウンド・アウトバウンドの需要喚起などに取り組んでいきたいと考えております。
続きまして、資料の二ページ目を御覧ください。
ここでは、先ほどの五つのテーマにおける具体的な施策内容のうち、主なものを記載しております。
まず、テーマ1)新規路線の誘致の具体的な施策といたしまして、一番左の欄に中項目として、誘致体制・戦略の強化、富裕層のさらなる取り込み、離島便への乗り継ぎ促進を位置づけております。
誘致体制・戦略の強化につきましては、先ほど概略を御説明いたしましたが、既存路線の早期復旧に向けた取組とともに、新規路線の誘致に向けて誘致体制の強化などを検討いたします。おおむね二〇三〇年までの誘致ターゲット国として、現時点ではチャーター実績のあるシンガポールや環太平洋の都市であるオーストラリアなど八の国・地域を想定しておりまして、今後の各都市の経済状況などを注視していきたいと考えております。
また、富裕層のさらなる取り込みにつきましては、アフターコロナを見据えた場合に消費単価の高い富裕層の取り込みが重要と考えられるものです。このため、十月二十二日、鹿児島空港において供用開始されましたビジネスジェット専用施設「桜島」の利用促進を図るとともに、観光部局とも連携しながら、富裕層の方々のニーズの把握、魅力あるコンテンツの発掘、磨き上げなどに取り組んでまいります。
また、離島便への乗り継ぎ促進につきましては、奄美大島・徳之島の世界遺産登録はこれらの島をはじめとした県内離島に国内外の注目を集める絶好の機会となりますことから、関係者と連携しながら離島への観光旅客を増加させるため、群島内の周遊促進や地元の受入れ体制整備などの取組を行ってまいります。
次に、テーマ2)再整備の在り方に関する具体的な施策としまして、基本施設、旅客ターミナルビル、附帯施設、その他施設について記載しております。
鹿児島空港は国管理空港でございますので、滑走路などの基本施設は国が整備を行います。また、旅客ターミナルビルについては、その管理者である鹿児島空港ビルディングが整備を行うことになります。
感染症拡大の影響も在り、工程表案では詳細なスケジュールまで設定することは難しいところもございますが、これらの再整備に当たっては将来ビジョンの数値目標を踏まえるとともに、カーボンニュートラルを念頭に置いた環境配慮型設備の導入、搭乗橋、PBBの再配置や多様な旅客需要を念頭に置いたバリアフリー化への対応など、今後、新たに空港に求められる機能などを引き続き議論しながら施設規模の積算などを行い、国への要望等につなげてまいりたいと考えております。
次に、テーマ3)二次交通の充実に関する主な施策として、無人運転、空飛ぶクルマなどの最新技術の検討、決済・言葉・移動の不安解消を位置づけております。現在、鹿児島空港には連絡バスが運行されておりますが、バス業界におけるドライバー不足や旅客数の増加に伴う大量輸送へのニーズなど、今後、新たなニーズへの対応が必要となると考えられます。こうした課題に対し、最新技術の活用可能性について検討できるよう、無人運転や空飛ぶクルマなどの最新技術の導入などについて関係事業者とも連携しながら、情報収集・意見交換などを行ってまいります。また、外国人や旅行者の利便性向上に向け、二次交通におけるキャッシュレス決済の導入などについてバス事業者による取組を図ってまいります。
次に、テーマ4)物流輸出入機能の向上に関する具体的な施策としまして、貨物輸送供給力の強化と記載しております。鹿児島空港から鹿児島のものを輸出するために、航空貨物輸送に対する荷主側のニーズや運送者となる航空事業者側のニーズ、ほかの空港の取組の事例などを把握し、空港の利用促進を図るためにはどのような支援が必要なのか、関係者と議論しながら検討していくことが必要と考えております。まずは航空貨物輸送に係る課題などについて調査を行っていきたいと考えております。
最後に、テーマ5)地域拠点機能の向上に関する施策として、カーボンニュートラル化を目指した取組の推進により、空港の果たす役割を普及・啓発していくということを掲げております。
鹿児島空港が、旅行者が飛行機に乗るためだけの場所にとどまるのではなく、地域拠点として果たす役割などについて県民等の理解の促進を図ることが重要と考えております。このため、鹿児島空港をカーボンニュートラルやSDGs教育などの拠点として位置づけるとともに、取組を効果的に発信していきたいと考えております。
併せまして、鹿児島空港の交流拠点機能を高めるために空港を鹿児島観光のショーケースとして位置づけまして、県内の観光情報の発信や特産品の販売機会の創出、県内のみならず南九州への送客の拠点化などに向けて取り組んでいきたいと考えております。
将来ビジョンの目標達成に向けた工程表案の五つのテーマについては以上でございます。今後も広く県民の皆様からも御意見を伺うためにパブリックコメントを行いまして、推進協議会などの議論を経て、来年の三月をめどに工程表を策定していきたいと考えております。
以上で御報告を終わります。よろしくお願いいたします。
202 ◯鶴丸委員長 この件に関しまして、質問等はありませんでしょうか。
203 ◯宝来委員 説明ありがとうございました。
海外との就航を目指すというところで、今の附帯設備は増強しないといけないという認識はある。滑走路の延長については需要から見てどの程度まで出来ると踏んでいるんですか。
204
◯滝澤交通政策課長 鹿児島空港は現在三千メートルございまして、このビジョン策定の際には滑走路の延長までは議論にはなってございません。今後の需要の動向などを見ながら、また引き続き見ていくことになるかと思います。
205 ◯宝来委員 フライトの便数は、今を一〇〇としたら何%ぐらいまで増やせるものなんですか。
206
◯滝澤交通政策課長 フライト的には飛行機が止まる「スポット」と言われる場所がございます。二〇三〇年目標である七百三十万人となった場合には増設していく必要があるかもしれないというところはございます。その部分についても具体的にはまた改めて検討していきたいと考えております。
207 ◯おさだ委員 端的に申し上げます。
二〇三〇年の目標に対して国際線のチャーター便の誘致をシンガポールや台北、高雄、釜山などと書いてあるんですが、ここに対して、どういうふうにアプローチしていくのかというところが一点。
それともう一点、十二ページなんですが、二〇一七年で二十九万人の利用者を二〇三〇年は百四十一万人にする目標を持っているわけですよ。ですから、あと八年、九年で国際線を百二十万人伸ばしていくというのは物すごいことだと思うのですが、このために新規路線を開拓しなきゃいけないということで、この数値目標はどのようにして決められたのかというところが二点目です。
最後なんですが、鹿児島はアウトバンドが弱いんですよ。パスポート所持率が非常に低い。五、六年前に全羅北道で大韓航空の方々と意見交換したときに、「インバウンド、インバウンドと言うけど、アウトバンドで使ってくださいよ」というふうに言われました。今日も、自民党の農政関係の勉強会で八〇%はインバウンドだと、二〇%がアウトバンドだという話なので、パスポート取得を推進するところはこの課じゃないですが、そういったところをしっかりとやっていくことが大事だと思っています。それに対しての認識をお答えいただけますか。
208
◯滝澤交通政策課長 インバウンドの誘致の関係でございますけれども、まず最初に、台湾、タイ、シンガポールなどについて二〇三〇年に向けて新規誘致に取り組みたいということで書いております。進め方といたしましては、一枚目の右下のところに取組例を誘致体制の強化、誘致体制の検討・分析などなどと書かれております。まずは鹿児島空港ビルなどと情報共有をしっかりやっていくというところがあるかと思います。それぞれの主体で直行便あるいは海外の航空会社に関する情報を独自に持っておりますので、その情報共有をしっかりやっていくことが重要かと考えております。
そういった体制を強化しながらデータでまず分析していくことも重要だと思っております。データと申しますのは、一人当たりのGDPがどれぐらい上がっているのかですとか友好関係、あるいはどの航空会社に当たるのかというところも出てくるかと思います。そういった航空会社の経営分析、経営の状況などもしっかり見ていくということが必要だと考えております。
さらに加えまして、現在でもある事業ですが、実際に現地で航空会社あるいは旅行会社に人的な形でアプローチを仕掛けていくということが非常に重要かと思っております。現在も観光連盟に委託いたしまして、現地のそういった人脈をお持ちの方を通じて航空会社なり旅行会社なりに対してアプローチを行っておりますけれども、そういったアプローチを強化していくことが今後誘致に当たっては重要になってくるかなと考えているところでございます。
二点目の御質問で目標の関係についてお尋ねございました。
将来ビジョンの目標でございますけれども、令和元年十一月に作られた将来ビジョンでございますので、その意味ではコロナ前のものではございます。コロナを踏まえてどうするのかについては、やはり推進協議会でも少し議論はございました。推進協議会は航空会社や観光連盟も含めいろんな関係者が入っている協議会になりますが、最終的には一枚目の資料の一というところの一番右側にございますが、国がインバウンド目標を取り下げていないという状況がございます。観光庁では「明日の日本を支える観光ビジョン」というものを作っておりまして、この中で二〇二〇年四千万人、二〇三〇年六千万人という目標を掲げております。
私も観光庁に聞きましたが、二〇三〇年六千万人という目標については現時点で取り下げるつもりはないと。それは、つまり、コロナで今インバウンドは来ていない状況ではございますが、日本の魅力そのものがなくなったわけではないので、今後、コロナが終息していって、改めてインバウンドが来るような段階になればまた前のような勢いを取り戻せるはずだというところで国も考えているようでございます。
併せましてIATA、「イアタ」というふうに呼んでおりますが、民間の国際航空機関でも今後の航空費用の見通しとして、時間は数年ぐらいかかりはしつつも、もとの勢いに戻していくということで見通しを立てているところでございます。
こうした点からして、我が県の将来ビジョンの目標につきましても現時点では少なくとも数値目標を変える必要はないということで考えているところでございます。その場合に残りの期間は短くなっているところはありますけれども、我が県の観光資源のポテンシャルなどを活用しながら、あるいは関係者とも連携を深めていきながらこの目標に向けて取り組んでいきたいと考えているところでございます。
また、アウトバンドが弱いという三点目の御指摘ございました。
この点については、まさしく私もいろんな航空会社なりと話をしているときに、インバウンドを言うけれども、やはりアウトバンドがないと相互交流という観点からは直行便が成り立つかどうか、やはりそういったところにも関わっているということで、よく話を聞くところでございます。これまでも様々な施策が行われておりますが、アウトバンドをやはり強化していくことが必要だろうと考えております。
現時点のところで申し上げますと、やはり、コロナの影響もあってなかなかアウトバンドに対する意識あるいはモチベーションというのがひょっとしたら弱くなっているところもあるかもしれない。あるいは、こういった情報があればアウトバンド、また海外旅行も考えたいというようなそういった御意向も旅行者の方あろうかと思います。ですので、来年はアウトバンドに向けてどういったニーズがあるのかあるいはどういったような情報があればよりアウトバンドが強くなるのか、そういった点も含めてまず調査などでニーズを把握して効果的な施策につなげていきたいと考えているところでございます。
以上です。
209 ◯おさだ委員 ぜひ、アウトバンドの前に、パスポートの所持率が多分二〇%ぐらいだと思いますので、そこもしっかりと高めることにつなげないと海外には出ていきようがないので、そこはもう要望に代えます。
最後に三十五ページです。
「天然温泉足湯『おやっとさぁ』」とあるんですよね。ここは僕、前も言っているんですよね。こういうビジョンを作って、出来るところから少し変えてもらいたいのは、やはり観光客が来られて、あるいは鹿児島県民でも空港に遊びにいくというそういう発想であるならば飛行機を見ながらやはり足湯に浸かって眺めるという空間を造らないといけないと思うんです。例えば一階のあそこに天然足湯があっても、みんなスーツケースとかそういったのを転がしたりしている中、女性の方々が県外から着いてそこに入るかといったときに、なかなかだと思うんですね。ですから、やはりそういったことを考えたときに、できるだけ観光客とか県民の方々も飛行機を見ながら足湯に浸かるとかそういったことを少しまた頑張ってもらいたいなということ、これはもう要望ですから答弁要らないです。終わります。
210 ◯寺田委員 鹿児島空港については今までも本会議で何回か議論を交わさせていただいております。そのたびに言い続けてきたコンセッションによる民間運営、北海道は千歳空港を中心に、また全国でもいろんな形で実際行われておりますので、時代の要請だろうと思います。ぜひともそういった面もこの中に多分織り込まれていくだろうと思っていますので、ぜひ、それもお願いをしておきたい。
それから、前も話をしましたが、カーゴ便の充実ですね。鹿児島の素材を海外に出していくという、これは鹿児島の農水産物の大きな展開の在り方ですのでぜひお願いしたい。オーストラリアに入っている黒毛和牛のほとんどが今、鹿児島産です。ところが、それに大きな攻勢をかけているのがセントレアから運んでいる飛騨牛です。だから、いかにカーゴ便を充実させていくかということについてもぜひとも念頭に置いて盛り込んでいただきたい。
物流は、間に入るコストをいかに下げるかによって勝負が着きます。いくら農業や水産業が努力をしていいものを作っても、間に入っているコストが高ければ結果的には競争力が低下をいたしますので、ぜひともそれも関連として持ち続けていただきたいと思っています。
以上、後々まだたくさんあるでしょうが、これからもまた随時議論を交わさせていただきます。今のところでは、私は以上です。終わります。要望です。
211 ◯吉留委員 鹿児島空港のビジネスジェット専用施設「桜島」を見に行きました。一回利用当たり二十万円と聞いたんですが、そうですか。
212
◯滝澤交通政策課長 ビジネスジェットの利用料でございますが、国内線で十万円、国際線で二十万円になっております。これは、羽田空港が二十六万円で設定されているのを踏まえて、そういった料金設定になっていると聞いております。
213 ◯吉留委員 世界の富裕層が利用するんだから、一回二百万円ぐらいにしたらどうですか。行政文書、政治文書に富裕層を優遇しようと記すのはどうなんですか。私が学生時代のときは冷戦真っただ中だったから、社会主義革命というような話があるぐらいで、こんな文書が出れば、それは一騒動、二騒動、「金持ち優遇だ」と言われてね。新自由主義で格差が広がって、総理大臣が新しい資本主義だと言うぐらいなっていますから、私は一般質問でやろうかと思うけど、何で富裕層の、要するに金持ち優遇をわざわざ税金でやらんといかんのかと。お金持ちで力はあるから自分で勝手にやってくれというような気分になるし、もう施設を造ったのはしょうがないから、富裕層はプライベートジェットで海外から来るわけだから国際線は二百万円ぐらい払いますよ。二十万円なんてけちくさいことは言わずに、ぜひ、ばんばん取って早く元を取ってください。
以上です。
214 ◯鶴丸委員長 ほかにありませんか。
[「なし」という者あり]
215 ◯鶴丸委員長 ないようですので、この件は終了いたします。
次に、十一月に実施した北薩地区での県内行政視察についての御意見や御質問、また、そのほかの県政一般についての質問があればお願いいたします。
216 ◯鶴田委員 馬毛島における自衛隊施設の整備について少しお伺いしたいと思います。最近、コンクリートの仮設プラントの入札の件が出てきました。そこで、少しいろいろと動きがあったと思うんですが、九月議会以降の動きを教えていただけませんか。
217 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 馬毛島における自衛隊施設の整備等につきまして、第三回定例会以降の主な動きを御説明させていただきます。
なお、他部局の所管に関する事項もありまして、当方で把握している範囲内でのお答えとなるので、よろしくお願いいたします。
仮設プラントの入札につきましては、先月九日に国から馬毛島への自衛隊施設の整備等に関連して工事に使用するコンクリート等を製造するための仮設プラントについて、馬毛島島外において設計、部品製作等を実施するための入札公告を近々行うとの連絡があったところでした。県としてはこのような入札公告を行う前に、環境影響評価の手続等により住民の皆様が判断できる材料を示すべきと考えており、その点に関しては了承しかねるとの県の考えを国に伝えたところです。
このような中、先月十一日、国が仮設プラントの入札公告を行ったことから県として改めて県の考えを伝えたところです。また、先月十六日には知事自ら防衛省に足を運び、直接岸防衛大臣に対し、まずは環境影響評価の手続等により住民の皆様が判断できる材料を示すべきとの県の考えを改めてお伝えするとともに、地元への丁寧な説明を求めたところです。
なお、仮設プラントの入札公告以外につきましても、国の馬毛島周辺海域における海上ボーリング調査につきまして十月十二日に調査機材の変更に係る申請がなされまして、法令に沿って審査をした結果、十月二十八日に許可したところでございます。
218 ◯鶴田委員 分かりました。
開促協か何かのときだったんでしょうけど、このことについて知事が防衛大臣のところに行かれて、そこで了承しかねるということをお伝えした内容、それからそれに対して大臣からどのような発言があったのか。その二点を教えていただけませんか。
219 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 その前に、まず最初に大臣のほうから発言があったと聞いております。大臣の発言は、主なところを申し上げますと、仮設プラントについて、環境アセスメントの手続を経ず、馬毛島への運搬や馬毛島島内での組立て・設置は行わない、自衛隊施設の整備に当たって地元の理解と協力が重要であると考えている、作業の進捗に応じて一つ一つ説明を積み重ねるよう最大限の努力を重ねてまいりたいなどの発言があったと聞いております。
知事からは、先ほど申し上げました、入札公告を行う前に環境影響評価の手続等により住民の皆様が判断できる材料を示すべきと考えておるという考えを伝えたと聞いております。
220 ◯鶴田委員 分かりました。
少し順番が違うような気がするんですね。アセスの結果が出ないと設置はしないということなんですから、入札も少し待ってもらえればいいと思ったところでした。地域でのいろいろな意見もある非常に微妙な問題ですから、やはり県としてもしっかりとした態度というか、それは堅持していただきたいと考えます。
次に、七月二十九日に知事が意見を出したアセスの方法書、そのことはただいまどんな状況でしょうか。
221 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 環境アセスにつきましては、基本的に環境林務部の所管となりますが、環境影響評価方法書につきましては、委員御発言のとおり、七月二十九日、関係市町の首長、住民等の意見や現地調査の結果などを勘案して、環境の保全の見地から知事意見を国に提出したところでございます。現在作業中とは思いますが、今後、国においてはこの知事意見等を勘案して調査方法等を選定し、事業の実施が環境に及ぼす影響について調査・予測・評価を行った上で、その結果を取りまとめた準備書の公告・縦覧または住民説明会を行い、住民意見の概要と国の見解を県等に提出することとなります。県は準備書に対して住民意見の概要等を受領してから百二十日以内に関係市町への意見照会を行った上で住民等の意見や関係市町の首長の意見を勘案し、環境の保全の見地からの知事意見を述べることとなります。その後、国は評価書を作成し、一か月間公告・縦覧すると、そのような手続になっております。
222 ◯鶴田委員 分かりました。
そうしますと、準備書の段階でまた知事が意見を言わんないかんという状況だと思いますが、今、海上ボーリング調査をやっていますよね。そのボーリング調査ですが、これも一回延期の申請があって、それを許可したというような流れがあったと思うんですが、現在のボーリング調査の進捗状況等々を少し教えていただけませんか。
223 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 国の馬毛島周辺海域における海上ボーリング調査についてでございますが、土木部、商工労働水産部、両部で関係する許可が三本ございます。馬毛島の地先における海底の地質状況を把握するための資料採取を目的としているものでございまして、来年五月三十一日までの期間において前回の許可期間内に予定していた馬毛島の三十七か所のうち天候不良等により完了しなかった二十五か所でボーリング調査を実施するものでございます。三十七か所のうち十二か所が終わり、二十五か所が終わらなかったという状況と聞いております。
一旦、八月において許可をしたんですが、十月十二日に調査機材の変更に係る申請がなされました。その内容としてはボーリング調査の効率的な実施と早期完了を求める漁協の意向を踏まえ、調査に使用する機材を変更するもので、より効率的に実施できるようになるほか、海底の主要面積が縮小される内容であったと聞いております。
それで、十月二十八日に許可したところで、今現在も作業を行っていると聞いております。現時点におきまして、先ほど申し上げた二十五か所のうち十四か所の調査が終了したと聞いております。
224 ◯鶴田委員 分かりました。
ただいまこのボーリング調査につきまして漁業者の話が出ましたが、漁業者や市町村などの意見をどのように文書に反映をしているのか、そこを少しお聞かせいただけませんか。
225 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 許可及び漁業者との関係につきましては土木部や商工労働水産部の所管となりますが、漁業への影響につきましては、先般、県民連合の代表質問でありましたとおり、海上ボーリング調査に係る漁業への影響については漁協に対して調査による影響や問題がないか定期的に確認することとしており、これまで漁協から影響があったとは聞いていない。また、地元の漁業関係者等からも影響があったという情報は寄せられていないと聞いております。関係する市の担当部局とも県の熊毛支庁が連携してやっていると聞いております。
226 ◯鶴田委員 分かりました。
この海上ボーリング調査をしないとアセスが進まんでしょうから、それは淡々とやっていかれると思いますが地域のいろいろな課題が出てきた場合には県も率先して防衛省につないでいただきたいと思います。
終わります。
227 ◯上山委員 仮設プラントに関しては、防衛省に対して了承しかねる旨を文書で出すことを今後検討しないんでしょうか。
228 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 今、委員から文書でというお話がございましたが、開促協と併せてということでございますが、防衛大臣に知事が直接お話をしているところでございます。
229 ◯上山委員 そこは分かっているんですが、やはりこういったシビアな課題というのは、お互いに我々はこう思っているんだと、相手はどう考えているんですかというのは文書でやり取りするというのが普通だと思うんです。言葉で言った言わないということになりますので、公務的なやり方としては疑問に思うんですが、そこら辺の見解はどうですか。
230 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 今、委員からお問合せがありましたが、繰り返しになりますが、今回の件につきましては、知事が直接防衛大臣に申し上げたというところもございまして、そういう対応をしたところでございます。
231 ◯上山委員 分かりました。
知事がそういう形で判断したということで答弁としては受け止めます。
232
◯前田総合政策部長 私、知事の横に座っていたもんですから、今の補足で一つ申し上げます。防衛省の対応としては異例かもしれないですが、フルオープンでやり取りをさせていただきました。なので、委員がおっしゃるような言ったの言わないのみたいな話にはなることはないと思います。
233 ◯上山委員 分かりました。
234 ◯吉留委員 防衛議連の会長ですし非常に慎重意見ばっかりだと誤解されるといけませんから一言言わせてもらいます。台湾海峡をめぐっては六年以内に中国と台湾が武力衝突するかもしれないということをアメリカ及び台湾の防衛担当者が述べていて、ドイツ、フランス、カナダまで来て、イギリスも空母が来て訓練をやっている状況です。ヨーロッパは、中国がそういうことをすることは許さないということを示している。そういう中で、せんだって中国とロシアの艦隊が大隅海峡を恣意的に通過したと。そういう状況でありますから、あの目と鼻の先にある馬毛島に軍事的プレゼンスを置くということが南西諸島の防衛力強化において非常に重要なことかと思いますので、だから防衛省は急いでいるんだと思いますよ。
そういうときに、鹿児島県が非常に渋っているような態度を示すというのは、僕はいかがかなとは思っています。これは私の意見です。要するに、武力衝突を起こさせないという防衛が最大の生命・財産を守ることですから、その辺について行政的な細かい手違い、手続の瑕疵があるということであまりに大きくどうこう言うのはいかがかなとは思っていますけど、その辺はいかがですか。
235 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 防衛省からは昨年の八月七日にも副大臣が来られて、まさに今、委員おっしゃる南西諸島の状況等を御説明いただいているところでございます。また、十一月にも防衛省の担当の方が来られて説明をいただきました。
いろいろと国から御説明いただいている中で、今回は手順についてといいますか、お話をさせていただいたところでございます。ただ、騒音による環境影響への評価とか漁業への影響とかまだ地元の声という意味におきましては、様々あるのは事実でございますので、国においては環境影響評価等が行われて、そこにおいて一定程度住民の皆様が適切に判断できる材料が示されると考えておりまして、その時期を見極めながら、県は県でしっかりと国からの説明を受け、地元と連携して様々考えながら取り組みたいと考えております。
236 ◯上山委員 防衛が地方自治を上回るという考え方はおかしいですから、住民の方々の安心を守るとしっかりと地元とも連携していただきたい。要は、防衛に備えることでそこを優先するということがないように、ぜひとも厳とした態度で見守ってください。
237 ◯鶴丸委員長 暫時休憩いたします。
午後四時五十八分休憩
────────────────
午後四時五十八分再開
238 ◯鶴丸委員長 再開いたします。
239 ◯上山委員 三ページに
錦江湾横断交通ネットワークの調査検討事業がございます。
どういった会議で、どういった議論がされたのか、経過を教えてもらえませんでしょうか。
240 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 勉強会について御説明いたします。
国・関係自治体・県という形では今回で三回目の会議になります。出席につきましては、例えば鹿児島市であれば企画部門だけでなく危機管理、土木、船舶部門、垂水市においても総務部門、企画部門、土木部門等々、それぞれ関係する自治体が幅広に出席いただいて議論しているところでございます。
第三回目の中では、過去に可能性調査が行われたことを含めて、主として現在のネットワークの周辺状況といいますか、例えば構想路線として位置づけられたことなどを含めいろいろと情報共有を図りまして、その中で各自治体が関係機関・経済界を含めて地域全体の総意や機運醸成が重要であるという意見や構想路線によって桜島フェリーにとっては事業の在り方が大きく変わるなどいろいろ御意見が出たところでございまして、引き続き、勉強会を続けていく必要があると考えております。
241 ◯上山委員 各自治体が課題を持って帰ったということで理解してよろしいのかということと、国はどういう考え方を示しているのかをお聞かせ願えませんでしょうか。
242 ◯桑代参事(兼)総合政策課長 国はというお話がございましたけれども、まさに最初に申し上げた各自治体や関係機関・経済界を含めて地域全体の総意や機運の醸成が重要であるという発言をしたのは国道事務所等でございます。
あと、桜島フェリーの関係などそれぞれの自治体がそれぞれの状況をその場でお話ししたというところまででございます。
243 ◯上山委員 分かりました。
244 ◯鶴丸委員長 ほかにありませんか。
[「なし」という者あり]
245 ◯鶴丸委員長 ほかに質問がありませんので、県政一般等を終了いたします。
以上で、総合政策部関係の審査を終了いたします。
明日、十四日は、午前十時から土木部及び工業用水道部関係の審査を行います。
本日は、これをもちまして散会いたします。
午後五時一分散会
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