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2021-12-06 令和3年第4回定例会(第3日目) 名簿
2021-12-06 令和3年第4回定例会(第3日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 2021-12-06
    2021-12-06 令和3年第4回定例会(第3日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(田之上耕三君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    松 田 浩 孝 君    宝 来 良 治 君    伊 藤 浩 樹 君    瀬戸口 三 郎 君  一、請願・陳情の委員会付託  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(田之上耕三君)まず、一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。
     松田浩孝君に発言を許可いたします。    [松田浩孝君登壇](拍手) 3 ◯松田浩孝君 おはようございます。  令和三年第四回県議会定例会に当たり、公明党県議団を代表して一般質問いたします。  新型コロナウイルス感染症の新たな変異株オミクロン株が国内でも確認されました。今のところ感染力や重症化の可能性は不明ですが、従来のワクチンがトータルでは有効と言われています。大切なことは、三回目接種を希望する人に広げるとともに、マスクの着用など基本的な対策の徹底です。本日から開会される臨時国会における補正予算案には、ワクチンの三回目接種を無料で実施する経費が含まれています。  また、公明党が強く訴えていた十八歳以下への十万円相当の給付やマイナポイント付与事業も計上されています。公明党は、経済対策の給付金等執行推進本部を設置して、実施主体となる市町村に多くの業務が集中するので、政府との意見交換、情報共有とともに、市町村の声を聞き円滑な推進を支援するとしています。現金給付にするか、クーポンにするかは各市町村で判断することとされました。所得制限をかけ、クーポンにすれば当然経費はかかります。ばらまきなど、ためにする批判は当たらないと申し上げ、通告に従い質問に入ります。  初めに、行財政運営指針素案に関連してお伺いいたします。  十月に開催された行財政改革推進プロジェクトチーム会合にて、二〇二二年度は、これまでの行財政改革で公債費が本年度より三十三億円抑えられ、予算編成前の収支見通し公表を始めた二〇一八年度分以降で初めて財源不足ゼロとなる見込みを発表されました。その意味では、これまでの行財政運営戦略は一定の成果があったと思います。しかし、二〇二二年度からの三年間で一般財源ベースの財源が合計八十億円不足する試算も発表されました。また、昨年より新型コロナウイルスへの対応等や、DX、SDGs、カーボンニュートラルの実現などを鑑み、行政需要がますます高度化・複雑化していきます。  また、行財政改革有識者会議では、県債残高について、二〇一二年策定の行財政運営戦略で掲げたものと同水準である一・一兆円程度で推移するよう管理するとともに、財政調整に活用可能な基金残高については、現在と同程度の二百五十億円を下回らない水準で維持するとの数値目標が設定されました。取組期間についてはおおむね十年とされました。  そこで伺う第一点は、三年間の収支試算をされた意図をお伺いするとともに、どのようにして八十億円の財源不足解消への取組をされるのか、お伺いします。  第二点は、数値目標設定の考え方についてお示しいただくとともに、今回、取組期間を設定した目的についてお示しください。  第三点は、市町村の広域連携の取組を支援するとありますが、市町村の求めに応じた支援にすべきであり、地域の実情に応じた支援等に努めることが必要であると考えますが、いかがでしょうか。  次に、LGBTについて伺います。  公明党は衆院選マニフェストに、「性的指向と性自認に対する理解の欠如に基づく差別、偏見、不適切な取扱いを解消し、多様性を尊重する社会の実現のために自治体パートナーシップ認定制度の推進を図るとともに、性的指向と性自認に関する理解促進法の成立を図ります」と位置づけました。  早稲田大学特命教授のロバート・キャンベル氏は、社会の実態と法整備の状況にずれがある。電通が昨年行った調査では、日本でLGBTという言葉の認知度は八割を超えており、以前に比べ格段に増えたと訴えております。  視察した福岡県では、平成二十三年度から性的少数者をテーマとする県民講座実施に始まり、庁内関係課連絡会議や各種研修に取り組まれ、平成二十九年度には当事者団体と連携して、おもてなしレインボーガイドブックを作成、令和三年には、性の多様性を理解し行動するための職員ガイドブックを作成、周知されていました。  そこで伺う第一点は、本県におけるLGBTに関する取組状況、課題についてお伺いするとともに、今後の取組についてお示しください。  佐賀県では、県としてパートナーシップ宣誓制度を導入し、受領証の提示で県営住宅の申込み、県医療センターにおける面会等の際の家族同様の対応などが可能としています。本県内では指宿市、鹿児島市が取り組んでいるとお聞きしました。  第二点は、県としてのパートナーシップ認定制度導入についての見解をお伺いするとともに、本県自治体のパートナーシップ宣言の取組状況及び推進の課題についてお伺いします。  次に、新総合体育館について伺います。  県は、第五回総合体育館基本構想検討委員会を開催し、整備地を鹿児島市の五か所に絞り込まれました。十一月十七日には、同委員会のメンバーが鹿児島市内の五か所の整備候補地を現地調査されました。さらに、十九日、知事、鹿児島市長、県と市の幹部が出席する意見交換会が開催されました。  十一月二十六日、第六回総合体育館基本構想検討委員会において、ドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を合わせた本港区エリアが選定され、県議会に提示されました。五か所を比べると、ドルフィンポート跡地が評価基準では最高の点数でありましたが、一か所にせず、住吉町十五番街区も含め適地とされました。  そこで伺う第一点は、候補地を鹿児島市に決定してから五か所を選定するには早いと感じましたが、どういった基準で選定されたのか、具体的にお示しください。  第二点は、知事と鹿児島市長の意見交換会が開催されましたが、新総合体育館整備地に対して、鹿児島市からどのような意見が交わされたのか、伺います。  第三点は、今後のスケジュールと建設を進めるに当たり、行財政運営指針の中にも、多様な主体に連携と明記されていますが、PFI、PPPなどの積極的な活用をすべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、デジタル化について伺います。  政府は、今年六月に決めた女性活躍・男女共同参画の重点方針二〇二一で、女性のデジタル人材育成を支援する方針を発表しました。背景には、新型コロナウイルスの感染拡大が女性の就業や生活に深刻な影響を与えていることがありました。重点方針には、地域女性活躍推進交付金による女性のデジタル技能の学び直しや再就職・転職への支援が盛り込まれています。  デジタル庁には、日本のデジタル化を前進させる重要な役割があります。中でも、デジタルデバイドの解消、デジタル人材の育成、マイナンバーの普及が最重要の課題であります。  長野県塩尻市では二〇一〇年から、市と市振興公社がテレワークによる独り親向けの就労支援「KADO」に取り組んでいます。事業名には、家で働くという意味があり、自分の好きな場所・時間で働くことができるのが最大のポイントであります。事業開始当初、年間二百万円程度だった受注額は、二〇二〇年度には約二億円に拡大、子育て中の女性や障害者ら二百五十人が働き、このうち約九割が女性で、その半数は子育て中の母親だそうです。  デジタル人材の不足や厳しい環境に置かれている女性の経済状況を打破するため、公明党は、女性デジタル人材育成十万人プランを提案しています。新しい働き方の定着や、地方からデジタル化を進める第一歩になると考えます。女性のデジタル人材の育成に集中的に取り組むべきです。  そこで伺う第一点は、本県におけるデジタルデバイドをどう認識し、どのような取組を行っているのか、伺います。  第二点は、デジタル人材の育成をどのようにするのか、伺います。  第三点は、長野県塩尻市が行っているような取組を県下市町村に情報提供し、デジタルの活用などで女性が活躍できる働き方の環境づくりに努めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。  次に、離島空港の整備について伺います。  喜界島を訪問した折に町長から要望を受けました。通常は、空港到着後のロビーで手荷物を受け取るために待機しますが、再入場ができないため狭いスペースで待機しなければならない。コロナ禍において密の状況をつくり出している。また、乗客が多いと外で待たざるを得ないので、荒天時や真夏の晴天時は特に大変である。喜界町においても、空港ロビーの改修工事を含め、関係機関と調整を図りながら検討しているとのことでした。  八月に開催された離島行政懇談会において、町長は、拡張工事に向けては以前より調整しているが、空港のターミナルビルが民間所有であり、拡張に踏み切れない。今後も所有者との調整を図るので県の協力を要請されました。  そこで伺う第一点は、喜界空港のように、手荷物引渡所の混雑が懸念される離島空港をお示しいただくとともに、この混雑の解消に向けてどのように取り組むのか、お伺いします。  第二点は、喜界空港における手荷物引渡所の拡張についての今後の取組をお伺いし、一回目の質問といたします。    [知事塩田康一君登壇] 4 ◯知事(塩田康一君)市町村の広域連携の取組の支援についてでございます。  県としては、今後、限られた行政資源の中で、高度化・多様化・複雑化する行政需要に対し、効果的な施策を展開するために、市町村との適切な役割分担の下、市町村の自主性・自立性を尊重しながら、市町村との連携をさらに推進することが重要であると考えております。  このような基本的な認識の下、国の第三十二次地方制度調査会の答申において、市町村は自ら選択した広域連携の取組により必要な行政サービスを提供することが重要であり、都道府県は市町村の求めに応じて支援する必要があるとされていることも踏まえ、行財政運営指針の素案では、市町村の広域連携の支援を具体的な取組項目として掲げているところであります。  県としては、今後とも、様々な場面を通じて市町村と十分に意見交換を行い、行政サービスの提供に関する課題等をお聞きした上で、市町村の自立性を尊重しながら、その求めに応じて、広域連携の取組を支援してまいりたいと考えております。 5 ◯総務部長(山本 周君)まず、三年間の財政収支の見通し等についてでございます。  本県におきましては、例年、翌年度の当初予算編成に向けまして、財政状況の認識を共有し、その見通しを踏まえた上で、行財政改革の具体的な取組を検討するため、翌年度の財政収支の見通しをお示ししてきたところでございます。  今年度につきましては、おおむね十年間を取組期間とする行財政運営指針の策定に当たり、できる限り中長期的な財政収支の見通しをお示しする必要があることや、骨太の方針二〇二一におきまして、地方の一般財源総額について令和六年度までの三年間は、令和三年度の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとされていることを踏まえ、令和四年度から令和六年度までの三年間の財政収支の見通しをお示ししたところでございます。  令和五年度以降に見込まれる財源不足への対応につきましては、行財政運営指針の素案でお示ししておりますとおり、歳入面では、県税収入の確保に加え、地方交付税等を含む地方の一般財源総額の確保等に努めますとともに、歳出面では、より一層のめり張りをつけた事業の見直しを行うなど、引き続き、歳入・歳出両面での行財政改革を着実に推進することによりまして、財源不足の生じない当初予算編成をできるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、行財政運営指針における数値目標設定の考え方等についてでございます。  行財政運営指針につきましては、鹿児島の目指すべき姿や施策展開の基本方向などを示す、かごしま未来創造ビジョンに掲げる各般の施策を着実に進めていくための基盤となる行財政運営について、今後の基本的な方向性を示すものでございます。  このため、本指針の素案では、現在、改訂が進められております同ビジョンがおおむね十年後の目指すべき姿を見据えたものであることを踏まえ、本指針の取組期間につきましても、おおむね十年間としているところでございます。  また、本指針の素案では、今後の財政運営のよりどころとなる指標につきましては、フロー面に関する指標である当初予算における収支均衡に加え、ストック面に関する指標である臨時財政対策債等を除く本県独自に発行する県債残高と財政調整に活用可能な基金残高の三点を設定することとしております。  一点目の当初予算における収支均衡につきましては、当該年度の見込まれる歳入・歳出を全体として見ることができる指標として設定し、取組期間中において、予見が困難な大規模な災害などに係る経費への対応を除きまして、財政調整に活用可能な基金の取崩しを行わない当初予算編成を行うこととしております。  二点目の臨時財政対策債等を除く本県独自に発行する県債残高につきましては、取組期間中において、防災・減災、国土強靱化対策への投資や県有施設等の老朽化対策など、今後、重点的に取り組むべき課題への対応も考慮した上で、一・一兆円程度の残高で推移するよう管理することとしております。  三点目の財政調整に活用可能な基金残高につきましては、過去に発生した大規模自然災害への対応や、地方財政健全化法における実質赤字比率の財政再生基準が標準財政規模の五%とされており、本県の標準財政規模に対する財政調整に活用可能な基金残高の割合が令和二年度末で五・二%であることなどを総合的に勘案いたしますと、必要な規模は確保していると考えられることから、取組期間中におきまして、現在と同程度の二百五十億円を下回らない水準で維持することといたしております。 6 ◯男女共同参画局長(奥 一彦君)まず、LGBTに関する取組状況等についてでございます。  人権に関する県民意識調査によりますと、性的指向や性自認に関して起きている人権問題については、約三人に一人が分からないと回答しており、LGBTを含む性的指向や性自認に対する理解が十分とは言えない状況にあります。  こうした状況を踏まえ、県人権教育・啓発基本計画において、多様な性を理解する啓発活動等の推進を施策の基本方向と位置づけ、行政、教育、医療・福祉関係者など人権に関わりの深い仕事に従事している方向けのハンドブックを作成・配布し、LGBT理解講座や事業所等への講師派遣など、多様な性の理解の推進に努めております。  県といたしましては、今後とも、社会における性の多様性に対する正しい理解を深めるため、市町村等と連携を図りながら、県民への啓発に努めてまいりたいと考えております。  次に、パートナーシップ認定制度の取組状況及び推進課題についてでございます。  同性カップルを婚姻に相当するパートナーと認める制度につきましては、多様な性の在り方を尊重する人権の観点から重要な取組であると考えております。  県内の自治体においては、本年四月から指宿市がパートナーシップ宣誓制度を導入しており、また、来年一月からは鹿児島市において導入予定と聞いております。  パートナーシップ制度を県内に広げていくには、まずは、社会における性の多様性に対する正しい理解を深めることが重要な課題であると考えております。  次に、デジタル化についてのお尋ねのうち、デジタルの活用など女性が活躍できる働き方の環境づくりについてでございます。  女性がその個性と能力を発揮し、様々な分野で活躍することは、本人の希望がかなう生き方や働き方を実現する上で重要であると考えており、県におきましては、女性のエンパワーメント事業等を実施し、キャリア形成や起業等を支援しているところでございます。  デジタル化が進展する中、女性も含め、テレワークなど多様で柔軟な働き方の定着や、デジタル人材の育成を図ることは、企業や地域において、女性が能力を発揮し、活躍できる機会の創出につながるものと考えております。  県といたしましては、女性も含め、デジタル人材の育成や多様で柔軟な働き方が進むよう、他県の事例や支援策等の情報提供を市町村等に行うとともに、引き続き、女性のキャリア形成等の支援を行ってまいりたいと考えております。 7 ◯総合政策部長(前田洋一君)新たな総合体育館に関しまして、まず、五か所の整備候補地の選定基準についてであります。  整備候補地の選定に当たりましては、第四回の検討委員会で立地が望ましいとされた鹿児島市内において、おおむね一万五千平方メートル以上の土地を対象に、県有地については、未利用地をリストアップするとともに、国有地、市有地、民有地については、鹿児島財務事務所、鹿児島市、県内の不動産関係団体に対し、譲渡可能な土地の照会を行ったところです。この結果、市有地については一か所の回答がございまして、国有地と民有地については該当がない旨の回答が得られたところです。  このほか、県議会や知事へのたより等を通じて、これまで御提案頂いていた土地につきましては、鹿児島市外であることや必要な面積を確保できないこと、所有者に譲渡意思がないことなどを確認し、候補地として適さないと判断したところです。  これらを踏まえまして、第五回の検討委員会に整備候補地案として、鴨池ニュータウン九・十号街区、県農業試験場跡地、住吉町十五番街区、ドルフィンポート跡地市脇田処理場等跡地を提案し、検討の結果、これらの五か所が候補地として選定されたところです。  次に、県と市の意見交換の内容についてであります。  先般開催しました県市意見交換会におきましては、県から、検討委員会において、鹿児島市内の五か所が整備候補地として選定されたこと等について説明し、引き続き、市と連携を図りながら整備に向けた取組を進めていきたい旨申し上げました。  鹿児島市からは、総合体育館は、スポーツを通じたまちづくりを進める、市にとっても大変重要な施設であり、都市計画法等の課題も想定されることから、市や関係団体等と十分に協議・連携を図りながら取組を進めていただきたいなどの意見を頂いたところです。  これらの意見を踏まえ、県と市の間で引き続き連携を図りながら、総合体育館の整備に向けた取組を進めていくことを確認したところです。  次に、PFI、PPPなどの積極的な活用についてであります。  鹿児島県PPP・PFI手法導入優先的検討規程において、公共施設等の整備等の方針を検討するに当たりましては、PPP・PFI手法の導入が適切かどうかを、自ら整備を行う従来型手法に優先して検討することとされております。  新たな総合体育館につきましては、基本構想の策定後、PPP・PFI手法導入の可能性を検討することになると考えております。  次に、デジタル化に関しまして、デジタルデバイドの認識と取組についてであります。  総務省の調査によりますと、本県のインターネット利用者の割合は七八・三%であり、全国で最も高い神奈川県の八九・七%と比較すると、一〇ポイント以上の格差が生じております。  この要因としては、本県は、離島や中山間地域が多く、情報通信環境の整備が途上であることや、スマートフォン等の利用率が低い高齢者の割合が大きいことが考えられます。  このため、光ファイバーの整備を進めておりまして、今年度中に全ての市町村で完了する見込みです。また、通信事業者と連携し、高齢者等を対象とした講座を開催し、インターネットの利用率の向上に努めておりまして、今後とも、格差の解消に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、デジタル人材の育成についてであります。  デジタルによる社会変革を実現するためには、データ分析やICTに関する専門的な知識を有する者や、情報システム全体をマネジメントする能力を有する者など、様々なデジタル人材が必要であります。  県では、今年度策定することとしているデジタル推進戦略─仮称─の中で、デジタル人材の育成等を戦略の重要な柱に位置づけ、ICTを活用した教育を推進し、情報活用能力を育むとともに、企業や高等教育機関等における、デジタルに関する新たな知識を習得する学び直しの場などの創出の促進や、ICT技術者等への高度デジタル技術の習得支援等を行い、デジタル人材の育成に取り組んでまいります。 8 ◯土木部長(兒島優一君)離島空港における手荷物引渡所の混雑状況等についてであります。  県管理空港においては、喜界空港と同様、屋久島空港において手荷物引渡所の混雑が見られるところであります。  県といたしましては、これらの混雑が少しでも緩和されるよう、運用面における実施可能な取組について検討してまいります。  喜界空港における手荷物引渡所の拡張についてであります。  県管理空港の旅客ターミナルビルは空港ビル会社の所有でありますことから、手荷物引渡所の拡張についても、空港ビル会社において整備が行われるものと考えております。  喜界空港においては、これまで喜界町から手荷物引渡所の拡張整備について御相談頂いており、県としては、引き続き、他空港の実施事例などの情報提供や、整備に向けた技術的支援等を行ってまいりたいと考えております。    [松田浩孝君登壇] 9 ◯松田浩孝君 それぞれ御答弁頂きました。  コメントは最後にして、質問を続けます。  第三者認証制度の今後について伺います。  十一月二十五日より、新型コロナウイルス警戒基準がステージIIから、医療提供体制を重視するレベルに変更し、直近の新規感染者がおおむねゼロに該当するレベル0と判断されました。また、昨年十二月下旬から、飲食店での会食の際に求めていた少人数・短時間利用の制限を十一か月ぶりに撤廃されました。  ワクチン接種を二回終えた人は県内で七割に達し、制限の撤廃は飲食や旅行関係の業界にとって追い風になります。しかし、オミクロン株の感染拡大により、外国人の入国禁止など、感染が再拡大しており油断はできません。感染対策を緩めることなく、状況に悪化の兆しが見えれば再び制限に踏み切る構えも重要であります。  感染対策を強化した認証店は、感染拡大時、営業時間などが優遇されますが、実際に認証を受けたのは全体の二割に満たない状況です。  九月の第三回定例会において、我が会派の質問に、委託先となる認証事務局では、チラシを作成し、飲食業等の業界団体を通じたメール配信や経済団体の会員企業へのPRを実施。感染防止対策実施宣言ステッカー登録店に対してポスティングを行うなどの広報活動を実施しているが、依然として申請件数が上向いていない。さらなるPRをしていきたいと答弁されました。  会食制限が撤廃されても、店の感染対策は重要であります。また、苦労して第三者認証制度を登録し、さらにワクチン・検査パッケージ制度を登録しても、レベル0では非認証店との差異はありません。  そこで伺う第一点は、第三者認証制度の取組状況、委託先における周知や申請の推進状況及び今後の取組についてお伺いします。
     第二点は、レベル0により、人数、時間の制限が認証店・非認証店にかかわらず解消されましたが、認証店の努力が報われるようにするべきであると思います。今後の第三者認証制度及びワクチン・検査パッケージ制度の取組についてお伺いします。  県職員の皆様に申し上げます。ぜひ忘年会を開催していただきたい。一番大変な御苦労をした飲食店の最大の支援は、お客さんになることです。先週行きましたけれども、まだまだ天文館のにぎわいは戻ってきていません。御協力を申し上げます。  次に、日本発達障害学会第五十六回研究大会に関連して伺います。  去る十月三十日、三十一日に、本県こども総合療育センター外岡所長が実行委員長を務める日本発達障害学会研究大会がウェブ開催されました。アーカイブ配信で様々なシンポジウムを拝見いたしました。  平成二十二年四月から設置されたこども総合療育センターでは、受診受付から初診までの期間が長くかかるとの課題から、医師やスタッフの増員、そして紹介票・聞き取り票を用いて診断前支援に取り組んでいます。当初は待機時間の縮小が課題でありましたが、実際には診断前支援を実施することによって、身近な地域や学校での重層的な支援体制の構築や自立支援協議会専門部会子ども部会の活性化につながり、効果を上げています。  実際に自閉症スペクトラムは、医療的支援を必要とする約二・五%のASD高群と、約一〇%のボーダーラインのASD軽・中群が混在しています。早期発見から専門機関に紹介するルートは、長い診療待機のために、早期支援を必要とする子供の多くが支援を受けることができない現状にあります。子供の発達の問題を受け入れる準備ができていない親には、困っている育児に焦点を当てて、子育て支援という一般サービスにまず紹介して、十分なレディネスができた段階で専門的な支援につなげるトリアージが必要と言われています。  こども総合療育センターは、本県の発達障害児支援のセンター・オブ・センターとして、さらなる機能強化が重要であります。県内各地における支援資源を把握し、それをコーディネートし、幼稚園、保育所、学校、療育・保健師など多職種連携で支援する姿を構築するべきであります。  そこで伺う第一点は、こども総合療育センターに現役教員を配置している効果についてお示しください。  また、その教員の異動後の活躍状況についてお伺いします。  同研究大会自主企画シンポジウムでは、県内の小学校教諭による、読み書き困難に対する早期予防的支援の取組が発表されました。新規採用の先生が鹿児島大学の先生と研究されてきた内容の実践報告ですばらしい取組と感じました。このように学校現場が常に新しい教育技術を開拓していくことが重要と考えます。  第二点は、読み書き困難に対する早期予防的支援の取組についての評価をお伺いするとともに、本県の支援の現状と課題についてお伺いします。  また、実行委員会企画シンポジウムの、持続可能な療育システムと支援体制構築─既存の資源・機関の機能化からのアプローチ─では、熊本市発達障害支援センターと熊本市教委の協働の取組として、拠点校を設置したグループでの特別支援学級の底上げを実施されていました。熊本市で校長、市教委を経験された先生が退職後に市発達障害支援センターに勤務されることで、双方の橋渡しをされていました。  また、姶良市では、健康増進課、長寿・障害福祉課、学校教育課が協働して姶良市発達支援チームを結成。姶良市教委の先生がコンサルテーションのスキルを持ち、子供のアセスメントを適切に実施して、保育士など多職種の現場にアウトリーチを行い、さらに紹介票を用いて医療機関との関係づくりをしています。  第三点は、本県における小・中学校及び教育委員会と多職種連携の状況及び今後の取組についてお示しください。  鹿児島県は、ほとんどの地域で、医師の診断書がなくても児童発達支援事業所が利用できることが大きな特色であり、利用するための受給者証の発行件数が全国でもトップクラスに位置します。そのため、本来であれば通常の保育や教育の中で対応すべき幼児・児童が障害児通所支援事業所に行ってしまう現実があります。その結果、適切な療育内容が分からない事業所も混在しており、それを確認する方法がありません。トリアージが進まず、医師の診療待機期間が無意味に長くなる悪循環になります。  これらを解決するには、幼稚園、保育所や学校において保育士、教師がスキルを上げ、自信を持って対応することが望まれます。それを可能にするためには多職種の連携が重要であります。  桜丘養護学校跡地については、くらし保健福祉部所管とお聞きしますが、鹿児島大学医学部、児童相談所、こども総合療育センターなど桜ヶ丘にある資源を生かしながら、教育もしっかりリンクした多職種連携の研修拠点にするべきと考えます。  第四点は、桜丘養護学校跡地の活用について、医療・保健・福祉・教育・民間等が連携した研修拠点として、また、必要とされている医療的ケア児センターの機能も併せて整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。  文教観光委員会で牧之原養護学校を視察しました。児童生徒数は増加し続け、新しい校舎もありましたが、現実的には足りない状況でありました。図書館もなく、その必要性を感じました。  これまで、特別支援学校については、長時間のバス通学の問題が提起され、議論してまいりました。九月議会の議論について、地元紙には「分校を含め、早急に検討するよう知事が求めた」と保護者に期待を持たせるような報道がありました。  委員会では、この長時間のバス通学の陳情に対して、国が制定した設置基準を踏まえつつ、通学時間の課題等も含め、県全体の特別支援学校の教育環境を改善するため、既存施設の改修や分校の設置なども含めて検討することとしている。今後、優先順位を定め、計画的に対応していきたいと答弁されましたが、期待される保護者のためにも、来年度一年間かけてでも、長期的な特別支援学校の整備計画を検討すべきであると要請しておきます。  次に、小児医療体制に関連して伺います。  二〇二〇年第一回定例会において、県立病院事業管理者は、県立病院の医師不足状況について、「計二十二名の医師が不足している。鹿屋医療センターは、四名の小児科医師で診療に当たっており、県立病院の小児科医師の平均診療実績と比較しても、鹿屋医療センターの医師の負担が特に大きいとは言えない」と答弁されました。  現在、鹿屋医療センター小児科では三人の小児科医で対応しているそうです。四名体制になるよう取り組んでいるとお聞きしましたので、医師負担が過重にならないよう要請しておきます。  先日、三歳の医療的ケア児を育てる母親と懇談しました。気管切開をしていますが、通常は塞いであり、自発呼吸をし、たんの吸引時に管を入れます。元気いっぱいの動ける医ケア児であります。医療的ケア児支援法ができて喜ばれていますが、何が変わるのか具体像が見えないとの心配を訴えられました。  県は、十二月三日から、県医療的ケア児等受入体制構築促進セミナーを実施されました。幼稚園、保育所、こども園や学校による受入れ体制整備を加速化してほしいと考えます。  そこで伺う第一点は、保育所等における医療的ケア児等の受入れ体制構築の課題と今後の取組、体制構築促進セミナーの意図についてお伺いします。  母親は、兄弟の通う幼稚園に入れようと準備をしていましたが、園側から加配等ができないと言われました。受入先を見つけようにも、行政窓口ではどこの園が受入れ可能なのか教えてくれません。そこで、生まれたときから関わっている訪問看護師が幼稚園に派遣されれば、先生方や園の看護師と一緒に活動する中で、医療的な対応方法などを伝授することもできると話されました。  福岡県は令和元年度より、医療保険とは別枠で、訪問看護師を長時間利用できる在宅レスパイト事業を創設していました。利用者の住む市町村が主体となり、訪問看護料を半分ずつ県と助成し、対象の医ケア児一人当たり年間四十八時間までの利用が可能であります。令和三年八月現在、福岡県内六十市町村のうち十二市町村が活用しており、今後も増加する見込みであると担当課に電話でお聞きしました。  この事業では、派遣先として自宅以外の場所も認められます。福岡県と県教育委員会は、市町村は、必要と認めれば、保護者の代わりに訪問看護師が児童生徒に付き添うことは基本的に問題ないとしています。  本県は、在宅重度心身障害児の家族支援事業として、一日四時間、年二十四時間の訪問看護師の派遣事業を実施しています。  第二点は、在宅重度心身障害児の家族支援事業の利用状況についてお示しいただくとともに、時間の増加、訪問看護師が幼稚園や学校等に行けるようにするべきと考えますが、いかがでしょうか。  特別支援学校においても、支援法の成立によって、その体制整備の加速化が図られると期待しています。特別支援学校通学を希望していたにもかかわらず、医療的ケアが必要なために断られ、訪問教育となって落胆した保護者の訴えをお聞きしました。十一月に、特別支援学校における医療的ケアに関する運営協議会を開催されました。  第三点は、特別支援学校における医療的ケアに関する運営協議会の協議内容についてお伺いするとともに、医療的ケア児が訪問教育から特別支援学校通学対象になるのはどのような状況か、お示しください。  また、学校における医療的ケアに関する体制整備についての取組をお示しください。  本県では、年間約一万二千人の赤ちゃんが生まれ、その十人に一人が低出生体重児として生まれています。低出生体重児とは、通常二千五百グラム未満での出生と定義されており、令和元年における本県の低出生体重児は一〇・八%であり、全国平均の九・四%を上回っています。  現在、県においては、低出生体重児を対象として、すくすく─フォローアップ手帳─を配布しております。この手帳は、赤ちゃんが退院後に発達外来の受診状況をかかりつけ医や市町村の保健師さん等で共有する目的で作られ、お子さんが大きくなるまで一貫して支援が行えるように作成されています。この手帳を受け取ったお母さんは、これから子供の成長を各所で共有してもらえるのだろうと思い、病院などで母子手帳と一緒にすくすく手帳を渡すと、こちらは結構ですと返却されることばかりだったそうです。  そんな折に、ウェブで静岡県のリトルベビーハンドブックを見つけ読んだところ、大変励まされ、その後、福岡県のリトルベビーハンドブックを入手し、現在は、母子手帳では細かく記載できないゆっくりとした子供の成長を記録しているとお聞きしました。  第四点は、県発行のすくすく手帳の活用状況についてお示しください。  静岡県が作成したリトルベビーハンドブックは、両親が低出生体重児の細やかな成長を喜ぶことができるよう、月齢単位ではなく、成長・発達の遅れや個人差を考慮した記録項目の記載ができるようになっています。また、保護者の心理的不安に寄り添うため、先輩お父さん・お母さんのメッセージを全ページに挿入、医療機関が入院中の様子などを記載するための記録用シールを作成。出生体重千五百グラム未満児用の発育曲線を掲載するなどの内容になっております。  第五点は、静岡県のリトルベビーハンドブックについての県の見解についてお伺いします。  リトルベビーハンドブックそのものもお母さんやお父さんの助けになるものですが、この冊子の内容を検討する過程において、家族と直接関わり合う医師、看護師、助産師等の方々に実情を知っていただくことも重要な観点であります。  この冊子の内容を検討するに当たり、医師、看護師、助産師等の方々に、当事者の方がどのようなことで苦しんでいるのか、悩んでいるのかに触れ、各現場において悪気のないほんの一言がお母さんを苦しめてしまう場合があることなど、多くの関係者に知っていただきたい。また、NICUに入った段階でお渡しできる体制を構築するためには、各市町村任せではなく、県がリトルベビーハンドブックの作成・配布に取り組むべきであると考えます。  第六点は、県としてリトルベビーハンドブックを作成していただきたい。そのためにも当事者と医師、看護師、助産師さん等の方々との作成委員会のようなものを立ち上げ、取り組むべきと提案し、二回目の質問といたします。    [知事塩田康一君登壇] 10 ◯知事(塩田康一君)リトルベビーハンドブックについてでございます。  本県では、千五百グラム未満の低出生体重児等への継続的な支援を行うことを目的とし、発達の状況や支援の方向性を記録し、関係者で共有するフォローアップ手帳、通称「すくすく」を新生児の保護者へ年間約百三十部程度配布しているところであります。  「すくすく」については、小児科等の診察結果を訪問看護ステーションが確認し活用しているという意見のほか、保護者が小児科等で提示しても戸惑われることが多いといった意見、活用方法が分からないといった意見も聞いているところであります。  本県の「すくすく」は、支援関係者が診療の記録等を情報共有することを目的としておりますが、静岡県のリトルベビーハンドブックは、低出生体重児の成長・発達の個人差を考慮し、記録項目を工夫しているほか、保護者の心理的不安に寄り添った情報提供を行う内容となっており、保護者のための育児ハンドブックのような内容になっていると考えております。  私としては、低出生体重児等の支援について、これまでの低出生体重児への継続的な支援に加え、保護者への寄り添った支援を充実することが重要であると考えております。  まずは、保護者や医療機関、訪問看護ステーション等の関係者の御意見を伺うとともに、地域で低出生体重児の支援を行っている市町村保健師等との意見交換を行い、低出生体重児及び保護者にとってどのような支援や情報が求められているのかを丁寧に把握した上で、リトルベビーハンドブックの作成・配布などを前向きに検討してまいりたいと考えております。 11 ◯くらし保健福祉部長(谷口浩一君)まず、飲食店の第三者認証制度の周知、申請状況等についてであります。  飲食店の第三者認証制度については、対象店舗一万四百八十五店舗のうち、十一月末日現在で認証件数は千八百八十七件となっております。このため、非認証の約八千五百店舗に対して、改めて募集案内等を郵送し、認証店舗の少ない地域の市町村や商工会などに認証取得の働きかけをお願いしたところであります。  また、認証事務局においては、引き続き、積極的なポスティング活動のほか、レストラン等を併設するホテルなどに直接働きかけを行うなどの広報活動を実施しており、今後とも、様々な機会を捉えて効果的なPRに努めてまいりたいと考えております。  次に、今後の第三者認証制度とワクチン・検査パッケージ制度の取組についてであります。  県では、消費意欲喚起の割引クーポンにおいて、第三者認証を取得した飲食店の割引額を引き上げるとともに、感染防止対策に要する経費の支援についても、申請の期限を十二月二十八日まで延長したところであります。  こうした取組を通じて、感染防止対策を徹底している飲食店の利用を促進することが、認証店舗の集客増につながり、このことが結果的にインセンティブとなり、飲食店における認証取得の促進につながるものと考えております。  今後の第三者認証店については、国の基本的対処方針を踏まえ、感染拡大時であっても営業時間や酒類の提供について制限を緩和することとしており、さらに、ワクチン・検査パッケージ制度を適用する場合は、感染状況にかかわらず人数制限等を要請しないこととしております。  県としては、今後とも、第三者認証の取得を促進するとともに、行動制限の緩和の適用を受けようとする認証店舗の登録など、ワクチン・検査パッケージ制度の円滑な導入に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、こども総合療育センターへの現役教員配置の効果についてであります。  同センターでは、出向等教員を地域支援課に配置し、ケースワーカーとして発達障害児の診療に同席し、保護者からの相談対応を行っているところであります。  また、必要に応じて学校や地域に出向き、医師の指示に基づく行動観察を行うほか、個別支援会議等にも参加し、これらを通じて得られた児童生徒のアセスメント情報を教育現場等へ伝え、療育支援につなげております。  このように、教育の専門家が医学や心理等の立場の意見を教育現場に伝え、それを踏まえた教育方法を実践し、情報を共有することにより、学校や地域での支援に一定の効果が現れているものと考えております。  続きまして、桜丘養護学校跡地の活用についてであります。  桜丘養護学校は、令和五年四月に県農業試験場跡地へ移転予定であり、移転後の活用等は現時点で未定であります。  同学校に隣接するこども総合療育センターは、子供の心身の発達に関する様々な相談に応じるほか、発達障害児等に医師が診察を行う機能、心理士等の専門職種が訓練を行う機能、保健師等が地域療育の支援を行う機能などを持つ総合的なセンターであります。  同センターと桜丘養護学校は同一の建物内にあることから、移転後の同学校跡地等の取扱いは、同センターの業務等の実態を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。  次に、在宅重度心身障害児の家族支援事業についてであります。  本事業の令和二年度の実績は、伊佐市で一名、さつま町で一名、薩摩川内市で四名の方が利用されており、一人当たりの年間平均利用時間は約六時間となっております。  利用時間の増加や幼稚園、学校等への訪問看護師の派遣については、令和二年度の利用実績が、同事業で定める利用時間上限である年間二十四時間に達していないことや、派遣に係る利用者の方々の御要望なども勘案し、今後検討してまいりたいと考えております。 12 ◯教育長(東條広光君)こども総合療育センターへの派遣から復帰した教員の状況についてであります。  こども総合療育センターへは、平成二十二年からこれまで三十一人の教員を派遣しており、派遣終了後は、それぞれが学校や教育行政の場でその貴重な経験を生かしております。  例えば、特別支援学校に復帰し、特別支援教育コーディネーターとして、幼稚園等や小・中学校の教員等への具体的な助言と支援を行い、地域における特別支援教育の中心的役割を果たしている教員がおります。  また、教育委員会の指導主事等として、医療・福祉等の部署とのネットワークも生かし、児童生徒等の就学支援、特別支援学級や通級による指導に関する学校への指導・助言を行うとともに、医療・保健・福祉関係者と学校関係者との連携を促進する役割も果たしております。  次は、読み書き困難の早期予防的支援の現状等についてであります。  読み書き困難とは、特に読むことや書くことにつまずきのある状態とされ、近年、様々な研究や教育実践が行われております。知的な遅れがないことから、周囲が本人の困難さに気づくことが難しいため、小学校等の通常の学級においても教員が気づきにくく、学習の遅れにつながることから、早期の気づきと予防的な支援が必要とされております。  こうした状況から、県教委では、読み書き困難について研究を行っております地元大学の研究者と連携して、昨年度、県内の小学校七校が早期予防的支援の実践研究に参加したところであります。  参加した学校からは、教員が児童の困難さの要因を具体的に把握できた、児童の読み書きに関する学習困難が軽減されたなどの声が聞かれたところでありまして、県教委としては、こうした研究や実践がさらに進み、読み書き困難に対する支援が充実していくことを期待しているところであります。  次は、特別な支援が必要な児童生徒への支援に係る関係機関等との連携についてであります。  特別な支援が必要な児童生徒については、就学の判断に当たっては、心理、医学、教育の専門家からの意見を、個別の支援計画の策定に当たっては、福祉施設や医療機関からの助言を頂いております。  また、医療的ケアの実施に当たっては、医師会や看護協会等から指導を受け、職業教育の実施に当たっては、企業や職業訓練校、労働局や福祉施設等の協力を頂いております。  県教委としては、特別支援教育の充実を図るため、引き続き、関係機関等とのより一層の連携に努めてまいります。  次に、特別支援学校における医療的ケアに関する協議会についてであります。  県教委は、特別支援学校における安全確実な医療的ケア実施体制の改善・充実を図るため、医療関係者や県の福祉・保健部局、医療的ケア実施校の代表者を構成員とする協議会を設置しております。  協議会では、医療的ケアに関する国の動向や県内の状況、特別支援学校における医療的ケアの実施体制の整備等について協議を行うなどのほか、安全確実な医療的ケア実施体制の確立のためのガイドラインの作成などを行っているところであります。  次に、医療的ケア児に対する訪問教育と学校における体制整備についてであります。  特別支援学校における訪問教育は、障害や病気のために通学して教育を受けることが難しい児童生徒に対し、自宅や医療機関、施設に教員を派遣して指導を行っているものであります。  医療的ケアの必要な児童生徒を訪問教育対象とするか、通学対象とするかについては、本人及び保護者の希望のほか、本人の障害の状態や体力の状況、主治医の意見を踏まえ、個別に判断しております。  医療的ケアに関する体制整備につきましては、特別支援学校においては、ガイドラインの策定、看護師の配置、看護師等や教職員に対する研修を実施しており、市町村立学校においても看護師の配置などに取り組んでいるところであります。 13 ◯子育て・高齢者支援総括監(吉見昭文君)保育所等における医療的ケア児等の受入れ体制構築の課題等についてでございます。  県が行いました保育所等における医療的ケア児の受入れ状況調査におきましては、医療的ケアのできる看護師の不足や費用面のほか、医療的知識が少ないことによる職員の不安感などが課題として挙げられたところでございます。  このようなことから、県は、国の補助事業を活用し、市町村の要望に応じまして、保育所等で医療的ケアに従事する看護師の配置等に要する経費の支援を行っております。  さらに、令和二年度からは、保育所等の施設長や看護師、市町村職員などを対象に、医療的ケア児の受入れの現状や事例等を紹介する医療的ケア児等受入体制構築促進セミナーを実施し、正しい知識や受け入れるための対応方法について理解を図り、受入れを促進しているところでございます。  本年六月のいわゆる医療的ケア児支援法の制定を受け、国の令和四年度予算概算要求に支援の拡充、補助率の引上げが盛り込まれているところでありまして、今後とも、国の動向なども踏まえつつ、保育所等における医療的ケア児の受入れ環境の整備促進に努めてまいります。 14 ◯松田浩孝君 自席より、くらし保健福祉部長に確認で質問いたします。  ただいま、子育て・高齢者支援総括監からありました、幼稚園、保育園では看護師がいない、費用が足りない、不安があるということで受入れをしてくれないのが現状であります。その中で、在宅重度心身障害児の訪問看護師の在宅縛りを外せば、少し緩やかにいけるんじゃないかと思って提案しているところでございます。実績が六名、一人当たり六時間、利用が少ないからできないという答弁に聞こえたんですけれども、この保護者の要望にどのようにお答えしますか、お伺いします。 15 ◯くらし保健福祉部長(谷口浩一君)現状をお聞きしますと、今ある自治体において御利用の場合に、訪問看護の保険適用時間、これを使ってリハビリなどを挟むと保険適用時間を再度利用できるというような状況もあり、そこら辺との実態の兼ね合いでなかなかこの事業の有効な活用が進んでいないのではないかというような意見もあるところであります。  ただ、今こういった形で、御指摘のような趣旨、目的において、より積極的に御利用いただくというようなことは、各自治体においても御利用の保護者の方によくお話を伺ってですね、その御要望もしっかりと考え合わせて進められるように、今後積極的に取り組んでいく必要があると考えております。    [松田浩孝君登壇] 16 ◯松田浩孝君 それぞれ御答弁頂きました。
     特に、知事がおっしゃたベビーハンドブックについては前向きに進めていただきたいと思っております。  また、桜丘養護学校の跡地の活用については、くらし保健福祉部局として御答弁頂きましたけれども、ぜひとも教育委員会の立場で、連携する研修拠点としての必要度を高めていただきたいと思っております。御紹介したように、現場では実際に連携して取組が進んでおります。それをセンター・オブ・センターとして、しっかり見ながら状況を整理する場所がないというのが現状でございます。そういった意味でも、まだ白紙ということではありますので、しっかり取組の推進をお願いしておきます。  最後に、岩手日報は、東日本大震災からの復興も、傷を負った心の回復もいまだ途上にあることを「まだ十年」と表現しています。  BSの番組「あれから十年これから十年」は、この節目を節目で終わらせないことを願うとして、当時十代だった若者が今と十年後の夢を語るドキュメンタリー番組です。ある女性は当時十二歳、祖父は津波にのまれました。家族と避難生活を強いられる中、自分が幼く非力であることを痛感したといいます。今、地元で小学校教諭を勤める彼女は十年後も変わらず、命を守る大切さを子供たちに伝えたいとほほ笑んでいました。  今は過去の積み重ねでできているが、同じように過去を振り返っても、そのせいでと捉えるか、それがあったからこそと考えるかで今の生き方は異なってきます。大切なのは、心が前を向こうとしているかどうかであります。コロナ禍で変化した私たちの日常の一つ一つにも同じことが言えるかと思います。私たちは、これまでとこれからの結び目に生きています。過去をばねにして今を懸命に生き、未来を自在に開いていきたいと思います。  今後も公明党地方議員の一人として、大衆とともにの立党精神を胸に小さな声を聞く力を研ぎ澄まし、議員活動を邁進していくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。(拍手) 17 ◯議長(田之上耕三君)ここで、休憩いたします。  再開は、午前十一時十分といたします。        午前十一時一分休憩       ───────────        午前十一時十分再開 18 ◯議長(田之上耕三君)再開いたします。  次は、宝来良治君に発言を許可いたします。    [宝来良治君登壇](拍手) 19 ◯宝来良治君 鹿児島市・郡区選出の宝来良治、五十三歳でございます。今日はトレードマークのオレンジのネクタイで、松田議員に続き、少々派手めなオレンジで質問に臨みたいと思います。  早速ですが、質問に入らせていただきます。  医師会、看護師会、薬剤師会並びに関係する機関の皆様方の最大限の協力により、第五波を何とか抑え込むことができた鹿児島ですが、コロナ対策の司令塔である県は、しっかりとこれまでの経緯を顧みて、総括して、課題点の抽出とその改善策を確立することが大切です。医療資源もですが、人材、そして予算も限りがございます。今の段階でできる限りの措置を取る必要があります。  そこでお伺いします。  まずは、新型コロナ対応の病床数についてお伺いします。  第五波では最終的に確保病床数が六百二十二床となっていましたが、現在の病床確保計画では五百四十九床となっております。算出根拠と減少した理由をお示しください。  感染症対策の目標は、感染による死者数を限りなくゼロに近づけることであり、そのために重篤重症者のケアに力を入れることが大切であると考えます。  そこで伺います。  重篤重症者病床は医療圏ごとに何床準備され、そのために必要な構造設備等はどのようなものなのか、それに関わる医療従事者はどの程度必要なのかお答えください。  症状の悪化により、重篤重症者病床に転院したケースはどの程度あったのか、お答えください。  第五波襲来中にもかかわらず、重篤重症者病床が削減されておりましたが、どのような判断によるものなのか、お答えください。  次に、中間治療施設、宿泊療養施設についてお聞きいたします。  県内の医療供給体制を逼迫させないためには、両施設の有効活用が最大のポイントになると考えます。陽性者即入院という流れよりも、しっかりと感染者を見極めるトリアージに力を入れて、無症状者・軽症者は、感染拡大初期から宿泊療養施設や中間治療施設の両施設を最大限に確保、運用するべきであると考えます。  しかし、県は自宅療養は認めない方針であるにもかかわらず、第五波では千三百九十六名の自宅待機者を増やしてしまったということは大きく反省すべきことであります。方針として自宅療養を認めない、その判断は批判はいたしませんが、そうであれば、今後の体制整備を大きく見直す必要があると考えます。  そこで伺います。  中間治療施設はどのような役割を担ったのか、開設に要した準備期間はどの程度あったのか、何例の活用があったのか、容体が急変して入院したケースはあったのか、第六波に備えて現在はどのような取扱いになっているのか、お答えください。  開設中は様々な経費もかかると思いますが、契約の期間や閉鎖する条件等は定めているのか、お答えください。  第五波で感じた課題があればお示しください。  また、宿泊療養施設について、開設に要する準備期間はどの程度なのか、容体が急変して入院に至ったケースは何例あったのか、現在の確保数はどのようになっているのか、第六波に対してどのように対応する予定でいるのか、お答えください。  自宅待機者についてお聞きします。  自宅待機を余儀なくされた期間に、体調急変により入院措置を取ったケースはどの程度あったのか、お答えください。  また、自宅待機のまま隔離解除となったケースは何例あったのか、お答えください。  次に、感染者の移動手段についてお聞きします。  そもそも県は推奨しない自宅待機者が増えた理由の一つに、宿泊療養施設までの交通手段の確保の問題がありました。陽性者は、公共交通機関、自家用車の使用はできませんでした。県の指定した移動手段しか利用できません。タクシー協会の協力を得て第五波は何とか対応されましたが、第六波に向けてどのような課題があり、どのような対応で臨むのか、県の考えをお示しください。  コールセンターについてお聞きします。  八月下旬、保健所の業務軽減のために、県は健康観察機能を持つコールセンターを開設し、保健所職員の業務負担の軽減と自宅待機者の容体急変に備えました。新たな取組として期待したところです。  現在、自宅待機者はもちろん、感染者もいない状況ですが、第五波を乗り越え、コールセンターの存在意義をどのように評価し、現在はどのようになっているのか、今後の課題にはどのようなものがあるのか、お答えください。  国は、医療の提供体制が逼迫するよりも前に、時期に応じて適切な対策を取ることが必要であることから、医療需要の予測ツールを開発しましたが、どのようなツールでどのように活用するのか、お答えください。  医療施設や高齢者施設での面会についてお聞きします。  現在、入院・入所者の面会制限が徐々に緩和されつつあります。背景には、面会制限により、患者さんや入所者さんの健康維持に影響があった、認知機能が低下した等の報告が全国的に大きくなったことがあると思います。  ある調査では、医療・介護施設に入所中の認知症者において、広範な活動で制限が生じていた、外部との接触を減らすため外出制限や面会制限は八割以上の施設で行われていたとあります。それにより、五五・六%の方の認知機能の低下、四四・八%の方の行動心理症状の出現・悪化が見られたという調査結果もございます。  また、コロナの影響で一度入院・入所すると面会ができなくなるので、入院・入所をためらうケースも出ており、早期発見・早期治療を行うことができないなど、医療の在り方にも影響が出ていると考えられます。  そこで伺います。  医療施設や高齢者施設の面会制限について、これまで県はどのような対応を取ってきたのか、面会制限における影響について県はどのように考えているのか、お答えください。  また、南北六百キロメートル、広大な鹿児島県です。感染拡大防止の主管は県ですから、地理的地域性を考慮した制限も可能であると考えますが、県の考え方をお示しください。  次に、新型コロナワクチン接種についてお伺いします。  全国のワクチン接種の割合は、一回目七八・七%、二回目七六・七%と世界的にも高くなっているところです。鹿児島においても、一回目七八・六%、二回目七六・二%と全国平均となり、順調に推移しているところです。今後、三回目接種も医療従事者、高齢者から始まるわけでございますが、数字的には若年層での接種率が伸び悩んでいるのではないかと医師会等は大変危機感を募らせております。  これまでの感染状況を踏まえ、ワクチン未接種の若者の感染拡大をどのように考察し、現状の接種率を県としてはどのように考え、今後どのような対応を取る必要があると考えているのか、お答えください。  また、接種年齢も十二歳以上に引き下げられ、さらに五歳から十一歳も対象にするべく国は準備に入っております。低年齢層へのワクチン接種は保護者が責任を持って判断すべきとの意見もあると思いますが、子供の人権が注目されている昨今、保護者の中でも、子供たちとじっくり話して、接種するかしないかを決めますという話を聞くようになりました。だとすれば、子供たちが判断できる正しい情報をしっかりと提供する必要があると考えます。  子供たちの知る権利、学ぶ権利を守るためにも、学校教育現場において、今回のように世界を巻き込み社会問題となるような感染症に関しては、ワクチン接種を含め、感染症対策の正しい知識を分かりやすく子供たちに伝える必要があると考えますが、現在の取組状況をお示しください。  また、今後、ワクチン接種適応年齢が五歳から十一歳に引き下げられたときに、県としてどのような対応が考えられるのか、お示しください。  次に、子宮頸がんワクチンについてお聞きします。  国は、子宮頸がんワクチンを来年四月から積極接種へ切り替えるという方針を示しました。  子宮頸がんは、国内で年間約一万千人が新たに診断され、三千人近くが亡くなる病気です。ワクチンは感染予防に効果があるとして、二〇一三年四月、小学六年から高校一年の女子を対象に、公費で負担する定期接種が始まりました。ですが、その直後から、接種後に全身の痛みやしびれなどの症状を訴える人が相次ぎ、国は同年六月、積極的勧奨の中止を通知。公費負担は維持しましたが、対象者への通知はなくなり、一時のはずだった中止措置は八年に及びました。その結果、中止前に七〇%を超えていた接種率は、一%を下回るようになりました。  しかしながら、国は、他国でのワクチンの有効性の検証、日本での子宮頸がん発症率の推移などから、最終的に、副作用はあるものの積極接種が望ましいという結論に至りました。  そこで伺います。  ワクチン接種には、定期接種、任意接種といった区別があるが、どのように指定されているのか。また、積極的勧奨とはどのようなことなのか、お答えください。  次に、鹿児島県の子宮頸がんワクチンの接種数の推移を経時的にお示しください。  また、国は、この八年のうちに接種をためらい接種機会を逃した方々を救済する方向で進んでいます。鹿児島県内でワクチン接種を受けなかった対象者数を分かる範囲でお答えください。  県として、これからどのようにこの課題について取り組むのか、今後の進め方をお答えください。 20 ◯くらし保健福祉部長(谷口浩一君)新型コロナウイルスに関するお尋ねのうち、まず、確保病床数と重症者用病床についてであります。  確保病床数については、医療機関に対して各フェーズごとに確保可能な病床数の意向調査を行い、合意した数を合計したものであり、七月九日時点では四百二十五床であったものを九月七日時点で、緊急的な対応病床も含め、六百二十二床まで確保したところであります。  今般、さらなる病床確保を図った結果、一般医療との両立が維持可能な確保病床数について、十月末現在で四百七十五床であったものを五百四十九床まで増床し、緊急的な対応病床についても、今夏の六百二十二床から八十九床増床し、最大七百十一床を確保しているところであります。  重症者用病床数については、緊急時を含めて三十八床確保しており、医療圏ごとには、鹿児島二十一床、南薩四床、出水二床、姶良・伊佐二床、肝属六床、熊毛二床、奄美一床となっております。九月の病床確保計画見直しにおいて、改めて医療機関に対して意向調査を行ったところ、申出により一床減となりましたが、本県ではこれまで、重症入院患者は一日当たりで八人が最多であることから、必要となる病床数は確保できているものと考えております。  また、重症者用病床は、ICU病床または人工呼吸器、ECMOが整備された病床となりますが、手厚い看護配置が必要となり、重症患者の受入れを行っている医療機関は、通常の三倍以上に相当する人員を確保していると聞いております。  七月から九月の間に症状が悪化し、重症者用の病床のある医療機関に転院したケースは十四件でございました。  次に、中間治療施設、宿泊療養施設についてであります。  中間治療施設は、感染早期の基礎疾患を有する方などの重症化リスクの軽減や医療機関の負担軽減を図るため、宿泊療養施設と医療機関との中間的な施設として、患者急増を受けた八月上旬から開所の準備を進め、九月十日に開所いたしました。  中間治療施設では、発症七日以内で重症化リスクを有する軽症者二十五人に対し、抗体カクテル療法を行い、そのうちの二人が入所中に気分不良等を訴え、医療機関に入院となりましたが、いずれもその後八日で退院したところであります。  閉所については、感染状況を見ながら検討することにしておりますが、現在は、第六波に備えて、引き続きホテルの借り上げを行っているところであります。  中間治療施設では、第五波において抗体カクテル療法を実施し、病床逼迫時における酸素投与の体制も整えていたところであります。引き続き、これらの体制を整えて、第六波に備えてまいりたいと考えております。  宿泊療養施設の確保に当たっては、ホテル側からの貸与の承諾後、約一か月から二か月をかけて、食事や清掃、廃棄物の処理などに係る様々な事項の調整、医療スタッフ等の確保、近隣住民への説明等を行った上で開所いたしております。  七月から九月までの間で入所した二千百六十九人のうち、二百五十七人が症状悪化により医療機関に入院となりました。  宿泊療養施設は、現在、総室数千三百三十室を確保しており、そのうち、スタッフ等のためのスペースを除く患者受入れ可能居室は千七十七室であり、第六波に向けて策定した保健・医療提供体制確保計画案で想定するピーク時に必要な居室数千七百室につきましても、確保のめどが立ったところであります。  続きまして、自宅待機者についてであります。  七月から九月までの間に、健康観察の結果、医師が判断して自宅待機から入院した方につきましては二百九十六人でございました。  自宅待機のまま隔離解除となった方は、同期間において千八百八十七人でありました。  次に、宿泊療養施設への患者搬送についてであります。  第五波においては、宿泊療養施設の入所調整に時間を要し、多数の自宅待機者が発生しましたことから、入所調整から搬送までの一連の業務の円滑化が課題となっておりました。  今回策定する保健・医療提供体制確保計画案においては、当該業務の円滑化を図る方策として、外部委託を進め、感染者数に即応したスタッフの確保や配置、マイクロバスや小型タクシー等の様々な車両の運用など民間会社を活用することで、搬送時における業務の効率化や迅速化が図られるものと考えております。  次に、健康観察業務の民間事業者への委託についてであります。  自宅待機者の健康観察を行うコールセンターにつきましては、県内全保健所をサポートするものとして、八月二十七日開設以降、約一か月間、四保健所で千百件余りの健康観察業務を行い、その後、自宅待機者の大幅な減少に伴い、九月二十一日に休止したところであります。この間、逼迫する保健所業務の負担が軽減され、疫学調査業務の強化が図られるなど、一定の成果があったものと認識しております。  今後に向けましては、コールセンターへの連絡・報告等で新たな作業が発生することや、感染者への連絡がふくそうすることなど、保健所からあった意見も踏まえて、やむを得ず自宅待機者が発生した場合における健康観察を含む業務体制については、地域振興局・支庁からの応援や近隣市町村からの保健師派遣に加えまして、民間事業者からの人材派遣などによる支援体制を構築することとしております。  次に、医療需要の予測ツールについてであります。  新型コロナウイルスの感染拡大状況とワクチン接種進捗に応じた医療需要の予測ツールは、新規陽性者数やワクチン接種率、新規陽性者数の当該週とその前の週の比較値などを入力することにより、酸素投与を要する人数や重症者数の予測及び必要な確保病床数が推定できるものであります。  本県においては、感染拡大の警戒基準がレベル2から3へ移行する際の判断基準として、三週間後の必要病床数が最大確保病床数に到達するかどうかなど、医療逼迫の状況を予測するために活用することとしております。  ただ、レベル判断は、この予測ツールとともに、従来から用いてきた最大確保病床使用率等の医療逼迫状況の指標をより重視した上で、感染状況を示す指標や重症者及び中等症IIの方の数なども考慮し、専門家等の意見も踏まえた上で、総合的に行ってまいりたいと考えております。  次に、医療施設や高齢者施設における面会制限についてであります。  医療施設や高齢者施設における面会については、昨年四月の国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針において、「緊急の場合を除き一時中止すべきこと」とされ、今年一月には、「地域における発生状況等も踏まえ、患者、家族のQOLを考慮しつつ、緊急の場合を除き制限するなどの対応を検討すること」と変更されたところであります。  さらに、先月十九日には、「地域における発生状況等も踏まえるとともに、患者や利用者、面会者等の体調やワクチン接種歴、検査結果等も考慮し、対面での面会を含めた対応を検討すること」とされたところであります。  県においては、これらの対処方針を踏まえた国の事務連絡について、医療施設や高齢者施設に周知してきたところであります。  面会制限による影響については、家族や友人との触れ合いの機会の喪失のほか、御指摘のような認知機能の低下、せん妄や抑鬱などの行動心理症状の出現・悪化が見られたという調査結果があることは承知しております。  また、地理的地域性を考慮した面会の制限については、県としては、今回、国が対処方針で示したとおり、各施設において、地域における新型コロナウイルス感染症の発生状況や関係者の体調、ワクチン接種や検査の状況等を考慮し、対面での面会を含めた対応を検討していただきたいと考えております。  続きまして、若年層のワクチン接種率についてであります。  第五波においては、若年層において感染が拡大したところであり、若年層の感染予防は重要度を増しております。こうした中、十一月末時点で二回目接種を終えた県民は、十二歳以上人口に対する接種率が約八五%に達したところであり、このうち、二十歳代は約七四%、十二歳以上の十代は約七〇%となっております。  県では、若年層のワクチン接種をさらに推進するため、大学生が医師に対して新型コロナウイルス感染症やワクチン接種に関する疑問を質問する形式の動画を作成し、県公式SNS等で配信するとともに、商業施設での放映依頼や大学等の教育機関に周知を行うなど、若年層に狙いを絞った情報発信を行っているところであります。
     今後とも、県民の皆様にワクチン接種に必要な情報を正確かつ迅速にお届けできるよう積極的に情報発信を行い、ワクチン接種の円滑な推進に努めてまいりたいと考えております。  次に、五歳から十一歳の子供たちへの接種についてであります。  国が定めます新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針において、十二歳未満の子供に対するワクチン接種については、安全性・有効性を確認した上で、その効果、リスク等について厚生科学審議会で議論し、接種を開始することとされているところであります。  また、国は、接種は最終的に個人の判断でなされるものであり、リスクとベネフィットを総合的に勘案し、接種の判断ができる情報を提供することが必要であるとしており、子供たちやその親に対する正確で分かりやすい情報提供が重要であると考えております。  県としては、これまでもワクチン接種に関する情報をホームページ等を通じて情報発信してきたところでありますが、引き続き、子供たちへのワクチン接種に関する丁寧な情報発信を行うなど、市町村や医師会等の関係機関とも連携しながら、接種体制の確保を図ってまいりたいと考えております。  最後に、子宮頸がんワクチンについてであります。  予防接種には、伝染のおそれがある疾病の発生及び蔓延を予防するため、予防接種法に定められ、市町村が実施主体となり、公費負担で行う定期接種と、個人が感染症にかかったり重症になるのを防ぐ等の目的で自己負担により接種する任意接種がございます。  定期接種の対象疾病は、感染力や重篤性が大きいことから蔓延予防に比重を置いたA類疾病と、個人の発病や重症化予防に比重を置いたB類疾病に区分され、市町村は、A類疾病に係る予防接種の対象者に対して、予防接種を受けることを勧奨するよう法に定められております。  市町村は、これを踏まえまして、広報紙やインターネット等を利用して接種可能なワクチンや接種対象年齢などについて広報を行うほか、接種対象者やその保護者に対して、標準的な接種期間の前に接種を促すはがき等を各家庭に送ること等により、積極的に接種を勧める取組、いわゆる積極的勧奨を行うことになります。  子宮頸がんワクチンにつきましては、平成二十五年四月に、予防接種法に基づく定期接種の対象とされたことにより、積極的勧奨が行われたところでありますが、ワクチン接種後にワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が特異的に見られたことから、国は同年六月に、積極的な勧奨を差し控えるよう勧告いたしました。  県内の子宮頸がんワクチンの接種者数は、公費助成が始まった平成二十二年度以降においては、平成二十三年度が最も多く二万二千四百五十五人、定期接種を開始したものの積極的勧奨が差し控えられた平成二十五年度は千三百六十人、平成二十六年度以降は五十人以下が続いていましたが、令和元年度に百五人、令和二年度は六百七人と増加しております。  令和二年度にワクチン接種を受けなかった人数は、十一歳から十六歳の接種対象者三万五千八百三十八人のうち、接種者数、先ほど申し上げました六百七人を差し引いた三万五千二百三十一人と推計されるところであります。  国は、国の審議会において、ワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められましたことから、平成二十五年に発出したワクチン接種の積極的勧奨を差し控える旨の勧告の廃止を先月通知したところであります。  あわせて、国は、基本的に令和四年四月から、対象者またはその保護者に対し、接種を個別に勧奨するとともに、標準的な接種期間に当たる当該年度に十三歳となる女子に加えて、これまで個別勧奨を受けていない令和四年度に十四歳から十六歳になる女子に対しても、必要に応じて個別勧奨を行うなど配慮することを求めております。  また、今後、積極的な勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方への対応に関しましても、対象者、期間、周知、勧奨の取扱いについて、来年度当初からの実施を視野に検討を進めることとしております。  県としては、国の最新の動向について、予防接種の実施主体である市町村に周知いたしますとともに、接種対象者やその保護者に対して、ワクチン接種について検討・判断するために必要な情報や、県や協力医療機関等の相談窓口についての情報の提供を行いまして、地域において安心してワクチン接種ができる環境の整備に努めてまいりたいと考えております。 21 ◯教育長(東條広光君)学校における新型コロナウイルス感染防止対策等についてであります。  学校における新型コロナウイルス感染防止対策については、文部科学省の衛生管理マニュアルに基づき、三密の回避、マスクの着用、手洗いの徹底などの指導を行っております。  また、児童生徒が感染症の予防について正しく理解し、適切な行動を取ることができるように、保健の授業や学級活動等において、発達の段階に応じた指導を行っております。  ワクチン接種については、予防接種は体の抵抗力を高めるものであるが、あくまで本人の意思や保護者の同意に基づいて受けること、様々な理由によって接種ができない人や接種を望まない人もいることから、接種を受ける・受けないによって差別やいじめなどを行わないことなどを指導しているところであります。 22 ◯宝来良治君 自席から再質問させていただきます。  県は、今後も自宅療養じゃなくて自宅待機という表現を使われる予定だと思いますが、前回、交通手段、入院調整の遅れによってかなりの数の自宅待機者が出ました。そこで、宿泊療養施設の数、そして移動手段の確保の状況というのもフェーズごとに設定しておく必要があるのではないかと思うんですけど、そのあたりをお答えください。 23 ◯くらし保健福祉部長(谷口浩一君)宿泊療養施設等に関する再度のお尋ねでございます。  新たな保健・医療提供体制確保計画案におきましては、必要な宿泊療養施設のさらなる確保に取り組むとともに、入所調整や搬送業務の外部委託等による業務の円滑化などについて定めております。  また、同計画案において、宿泊療養施設についても、病床と同様、フェーズごとの確保計画を立てているところであります。 24 ◯宝来良治君 もう一点、今後の進め方についてお伺いします。  病床逼迫を防ぐためにも、宿泊療養施設、そして中間治療施設を有効に活用していくことがより大切だと思いますが、基本的に陽性者即入院じゃなくて、陽性者はまず宿泊療養施設に入れて、その時間でしっかりトリアージするというお考えはないのか、県の考えをお示しください。 25 ◯くらし保健福祉部長(谷口浩一君)入院・入所に関する再度のお尋ねですが、入院または宿泊療養施設への入所の基準につきましては、新型コロナウイルス感染患者のうち、年齢、基礎疾患の有無、重症度等を基に医師が入院が必要と判断した方は入院となり、それ以外の方は宿泊療養施設に入所することとしておりまして、こうしたことにより、これまで、医療機関への入院が必要と判断された方は全て入院していただく体制が維持できたものと考えております。  また、今後の感染拡大に備え、さらなる病床の確保や宿泊療養施設の確保を行ったところでありまして、後方支援医療機関などの活用等も図りながら、引き続き、医療提供体制の確保と効率的な運用に努めていきたいと考えております。    [宝来良治君登壇] 26 ◯宝来良治君 質問を続けさせていただきたいと思います。  代表質問でも取り上げられましたが、違う視点も含め、新しい総合体育館について質問させていただきます。  基本構想策定に向けて、施設のコンセプトを踏まえた整備候補地について検討を行う総合体育館基本構想検討委員会は、ドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区の一体整備を図るという意見でまとまったところです。  委員からも多様な意見が出て、最終的にまとめられたものであり、そこに行き着くまでの過程は十分理解できるところであります。委員会では、ドルフィンポート跡地に新たな体育館を、住吉町十五番街区には駐車場をというような考え方も一部の委員から示されました。  しかしながら、十一月十九日、鹿児島市との会談で、新総合体育館、サッカースタジアム等に関しては、連携すべき重要課題、しっかりと情報共有していくと明言されています。鹿児島市としっかりと連携を取ってまいりましょうという話合いがされたばかりであります。  そもそも、ドルフィンポート跡地、住吉町十五番街区に関しては、鹿児島市が独自調査の結果から、県に正式な打診もないままにサッカースタジアム整備候補地として挙げられているのも事実であります。しかしながら、住吉町十五番街区に関しては、県は、令和元年第二回定例会において、鹿児島市から協議があれば、サッカースタジアム整備候補地として前向きに検討することも可能ではないかと考えている旨の表明をしている場所であるのも事実です。  検討委員会の最終決定ではないものの、その協議過程はマスコミ等にも公開されており、新総合体育館関連施設の整備予定地は、ドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区の一体で整備するというような解釈となっております。  検討委員会に参加していれば、その方向性で知事に提言されても仕方ないことだとは思います。しかしながら、新体育館の整備ならともかく、体育館の附帯施設の一部の駐車場という使用方法で住吉町十五番街区を使用するという内容になってしまうと、鹿児島市の態度が確定する前に、ドルフィンポート跡地にも、住吉町十五番街区にもサッカースタジアムは造れませんというような最後通告をすることになるのではと危惧しているところです。  鹿児島市と力を合わせて県都発展のために力を尽くすということにはならないと思います。十一月十九日の県市意見交換会は何だったんでしょうか。  そもそも、知事の政治責任で最終候補地を決定するべきでありますが、透明性を確保するために検討委員会に付託し、整備地の決定をさせることは、委員各位に過度な負担を与えているのではないかと感じております。委員の方からも、私たちが決めてもいいものなのか、責任を負えないというような趣旨の発言もあったと記憶しております。  また、議論の中で、ドルフィンポート跡地になら、まちづくりの観点で複合的な機能を持たせ、観光にも値するような体育館を、住吉町十五番街区なら、いわゆるありふれた体育館でもいいのではというような意見もあり、予算規模をにおわせるような発言もあったと思います。  各委員は、真剣に議論をし尽くそうとして、まちづくりの観点や県都発展のためにあらゆる知識を総動員して議論を進めているところですが、どこまで踏み込んでよいのか迷っているのではないでしょうか。一番怖いのは、予算規模も明示されないまま、検討委員のメンバーの方々の頭の中の完成イメージと実際できたときのイメージに大きな隔たりが生じることです。検討委員会の皆様の努力を台なしにしてしまうことにもなりかねません。  また、検討委員会の意見としては、複合的な開発とか、他の開発の余地を残してほしいという意見も出ています。このエリアに整備の可能性があるサッカースタジアムや展示機能を持つコンベンション施設等との連携したまちづくりが必要だという意見も聞かれたところです。  知事、そろそろ鹿児島県のトップとして、どのような新総合体育館を造りたいのか、体育館を核にどのように鹿児島市と連携して県都の発展に寄与すると考えているのか、私をはじめ県民は知事の考えを聞きたがっているところでございます。  そこで伺います。  前回の検討委員会では、ドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を一体的なエリアとして、今後、レイアウトなどの検討を進めることとされたところでありますが、このエリアではコンベンション施設やサッカー等スタジアムなどの検討がされています。総合体育館をこの二つの土地に一体的に整備することで、これらの施設が立地できなくなることが懸念されるところです。  今後、レイアウトなどの検討に当たっては、コンベンション施設やサッカー等スタジアムという他の事業との協議・調整を行うことが不可欠だと考えますが、今後の検討の方向性について、見解を伺います。  今回の評価点の項目に経済波及効果、収益性という部門に、コンサート以外にもMICEという言葉が入ったところです。しかしながら、現在、これまで検討されている機能、規模・構成では、MICE機能には十分なコンセプトの総合体育館整備ではないと言えます。県として、評価基準にMICEを入れたということは、新たな総合体育館には複合機能としてMICE機能を持たせる可能性もあるということになります。  そこで伺います。  今回の選定で想定したMICEの開催回数は、どのような規模の施設として評価されたものなのか、お答えください。  さらに、県の考える、一般的にMICEの誘致に必要な設備、規模はどのようなものであるかお答えいただいて、現在行っている新しい総合体育館の機能、規模・構成では不十分だと思われる設備は何なのか、お答えください。  また、先ほども述べましたが、鹿児島市との情報共有、連携というのはどういうことなのか。県の総合体育館、サッカースタジアム、コンベンション・展示施設、本港区エリアまちづくりなど、県都鹿児島市の大型プロジェクトに関しては、鹿児島市と総合的に本質的に連携するべきだと考えますが、今後どのように進めるつもりなのか、お答えください。  次に、本港区エリアまちづくりのグランドデザインとの整合性を考える必要があります。  グランドデザインの中で、住吉町十五番街区については、土地・建物活用の方向性で、「住吉町十五番街区については、エリアの中で最も離れていることから、当該区画はエリア一体としての活用は難しい」との考えも示されました。  また、「住吉町十五番街区については、エリアの一体活用とは別な形で、マンションのほか、ホテルやコンベンション、焼酎ミュージアムなどが提案されました」とあります。  さらに、二〇二〇年二月に発表された公募要項案では、「住吉町十五番街区については、サッカー等スタジアムの候補地として検討することとなる可能性があります。同候補地とならなかった場合は、改めて公募を検討することとしています」となっております。  そこで伺います。  本港区エリア内での新総合体育館整備によりグランドデザインに大きな影響を与えると考えますが、グランドデザインとの整合性をどのように考えているのか、お聞かせください。  本港区エリアの開発の公募は新型コロナの影響もあり延期しましたが、塩田知事に替わり、一年以上前の二〇二〇年十月に、「鹿児島港本港区エリアについては、今後改めて、コンベンション・展示機能を備える施設の整備など、まちづくりの方向性を検討することとしています。その検討に当たっては、公募要項の見直しを含め、検討することとしています」となっております。コロナの影響はあるにせよ、鹿児島の未来がかかっています。早く議論を進めるべきだと思います。  ドルフィンポート跡地は、誰もが認める一等地なのは間違いないですが、将来的にドルフィンポート跡地に整備する建物の屋上もしくは海側を見晴らせる一面は、平地以上の価値を持った景観を手に入れることができるのは明らかでございます。  そもそもウォーターフロントパークのほうが海辺の観光拠点としては魅力的であると考えております。そのエリアを最大限に生かせる開発をしなければなりません。県のためにも、県民のためにも、グランドデザインに沿った本港区エリアまちづくりの方向性の見直しに早期に着手するべきだと思いますが、知事の考えをお示しください。    [知事塩田康一君登壇] 27 ◯知事(塩田康一君)新たな総合体育館の整備に係る今後の検討の方向性についてでございます。  新たな総合体育館の整備につきましては、スポーツの振興拠点に加えて、多目的利用による交流拠点として、国際スポーツ交流や幅広いイベントなどの開催などを通じまして、この地域におけるにぎわいの創出などに貢献するものであると考えております。  今回、新たな総合体育館の整備候補地とされた鹿児島港本港区エリアにつきましては、検討委員会において、まちづくりや他事業との関連について留意すべきとされたところであり、こうした方向に沿って、今後、基本構想案をまとめていただきたいと考えております。  このうち、コンベンション・展示機能を備える施設については、現在、同施設に係る整備可能性調査を実施しているところであり、総合体育館がコンベンションや展示会場としても利用できることを前提に調査を進めていくことになります。  サッカー等スタジアムにつきましては、鹿児島市において検討が進められているところでありますが、まだその具体的な姿は見えてきておりません。将来的な議論として、県と市の間で十分に協議していけるように今後の検討を進めていきたいと思っております。  また、検討委員会においては、このような県の考え方を説明した上で、基本構想案の作成に向けて、引き続き丁寧に検討を進めていただきたいと考えております。 28 ◯総合政策部長(前田洋一君)MICEの評価に当たっての施設規模についてであります。  今回、整備候補地の選定に当たりまして、経済波及効果の項目において、MICEの開催回数を指標の一つとして評価を行ったところです。  MICEの開催回数につきましては、昨年度実施した需要予測調査結果を参考に、それぞれの候補地において、交通利便性や宿泊・商業施設の集積状況等を踏まえ、どの程度見込めるか検討を行いました。  検討に当たり、施設の規模につきましては、検討委員会において望ましいとされている現在のコンセプトに基づいて、メインアリーナのフロア面積約三千七百平方メートル、最大収容人数八千人程度、サブアリーナのフロア面積約千六百平方メートルなどを前提としたところです。  次に、まちづくりに関する県と鹿児島市との連携についてであります。  新たな総合体育館、サッカー等スタジアム及びコンベンション・展示施設の整備、鹿児島港本港区エリアのまちづくりについては、鹿児島市におけるまちづくりにも密接に関連していますことから、同市と緊密な連携を図ることが重要であると考えております。  先般開催した県市意見交換会においても、新たな総合体育館の整備については、都市計画法等の課題も想定されることから、県と市の間で今後も引き続き連携を図りながら取組を進めること、サッカー等スタジアムの整備については、県と市の間で課題や認識を共有し、今後も引き続き緊密な連携を図りながら取組を進めること、鹿児島港本港区エリアについては、県・市双方のまちづくりにとって重要なエリアであり、同エリアのまちづくりについては引き続き連携して取り組んでいくことなど、今後とも緊密に連携していくことを確認したところです。 29 ◯観光・文化スポーツ部長(悦田克己君)MICE誘致に必要な施設の設備、規模についてでございます。  MICEにつきましては、一般的には、数百人程度から一万人を超えるものまで様々な規模のものがあり、必要な施設の規模や設備は、MICEの種類や規模によって異なってくると考えております。  コンベンション・展示機能を備える施設につきましては、現在、同施設に係る整備可能性調査において、県内外の類似施設の整備・運営状況等の調査を行った上で、本年度末までに、本県に必要な同施設整備の条件整理などを行うこととしております。  このため、新たな総合体育館に不足する機能・規模につきましては、この調査結果において明らかになるものと考えております。 30 ◯本港区まちづくり総括監(米盛幸一君)新総合体育館に係る鹿児島港本港区エリアまちづくりグランドデザインとの整合性についてであります。  新たな総合体育館につきましては、検討委員会において、スポーツ振興の拠点機能に加え、コンサート・イベント等多目的利用による交流拠点機能を備えた施設として整備することが望ましいとされており、国際的なスポーツ交流や幅広いイベントの開催などにより、年間を通した本港区エリアのにぎわいが生まれる施設となることが想定されますことから、グランドデザインの開発コンセプトの導入機能として位置づけられている交流機能を有するとともに、同開発コンセプトとも整合するものと考えております。  また、整備候補地をドルフィンポート跡地と住吉町十五番街区を一体的なエリアとして検討を進めるとされたことにつきましても、グランドデザインの開発区域については、本港区エリア全体を基本とした上で、段階的な開発についても柔軟に対応するとしておりますことから、整合が図られているものと考えております。  続きまして、鹿児島港本港区エリアまちづくりの方向性の見直しについてであります。  鹿児島港本港区エリアまちづくりの方向性の検討に当たりましては、グランドデザインの開発コンセプトにあります、かごしまの多彩な魅力を発信する人・モノ・情報の交流拠点等の三つの要素などを踏まえることが重要であることは、これまでと変わらないところであります。  本港区エリアまちづくりの方向性につきましては、コンベンション・展示機能を備える施設の整備可能性の検討を進めながら、新たな総合体育館等の施設整備の方向性を見極めた上で、見直しについての検討を進めてまいりたいと考えております。 31 ◯宝来良治君 自席から、何点か確認させていただきます。  レイアウトの検討に当たって、他の事業と協議・調整を行うことになっていると思いますが、レイアウトは次の検討委員会に示されるわけでございます。ということはその前に、今、危惧されている、コンベンション・展示機能については庁内の協議でしょうからいいですが、サッカースタジアムについて、鹿児島市と何らかの協議もしくは調整というのが行われると考えてよろしいんでしょうか。 32 ◯知事(塩田康一君)鹿児島市のほうでまだいろいろと検討されている途中だとは思いますけれども、現時点における県の構想検討委員会の検討状況、レイアウトの示す案、そういうものについても市と意見交換等をしっかり行っていきたいと思っております。 33 ◯宝来良治君 ありがとうございます。  今まで鹿児島市と県が緊密に連携したプロジェクトというのは多分存在しないんだろうなと思っているところです。実際どういうのをもって緊密な連携というのか不明なところですが、その辺は委員会のほうでさせていただきますが、今回初めて、知事のマニフェストと体育館の部分が融合されるというような可能性が引き出された議会だったのかなと思います。  そこで、可能性調査並びに基本構想検討委員会、それぞれ時間軸がずれている中で、今後どのようなスケジュール感でこの二つが融合していくのか、その辺の考えをお示しください。 34 ◯総合政策部長(前田洋一君)総合体育館の検討と、それからコンベンション・展示機能の可能性調査との時間軸のお話でございます。  御案内のとおり、総合体育館につきましては、今年度末を目途に基本構想を策定する予定となっております。可能性調査においては、総合体育館の機能、規模・構成、いわゆるそのありようを前提として調査をかけていくということになります。  それで、調査結果が、例えば、体育館で展示機能としては十分であるとなるのか、あるいはちょっとこれが足りないよねとなるのか分からないんですけれども、体育館がちょっと先行して、あのエリアの整備のありようが検討されていくというふうになると考えております。 35 ◯宝来良治君 御答弁頂きましたが、そうなるとやっぱり時間軸のずれが大きく影響するということになるかなと、今、検討委員会で機能、規模・構成が提案され、それが今のところは、それ以降委員会がないので不変のものだと思いますが、可能性調査で機能、規模・構成が不十分だと言われた場合、機能、規模・構成というのは見直される可能性があるものなのか、その辺の考えはいかがでしょうか。知事にお聞きします。 36 ◯知事(塩田康一君)私どもとしては、まず体育館の基本構想で施設の機能・規模等についてはしっかりと確定した上で、それを前提としてコンベンション機能や展示機能というものがどれだけ果たせるのか、それで不足する分が仮にあるとすれば、それについてはまた別途の考え方で検討していくという考え方で進めていきたいと思っております。    [宝来良治君登壇] 37 ◯宝来良治君 それぞれ御答弁頂きました。  新型コロナウイルス感染拡大防止に関しましては、オミクロンも含め非常に先行きが不安なところもありますが、医療資源が厳しいと言っていい鹿児島県、無症状者・軽症者と中等症・重篤患者、しっかりとそこを分ける必要があるのかなと思います。  本日見ていましたテレビでも、中核病院が軽症者から重症者まで受け入れることをしていると、どうしてもパンクしてしまうということでした。無症状者で、宿泊療養、皮肉にも自宅待機中に、そのまま隔離が解除されたケースもある程度ありますので、その辺をいかに見極めて、医療を逼迫させないために、最低でも宿泊療養、その中で中間治療施設を組み合わせながら、もう病院には行かせないというある程度の強い意志を持って運用していかないといけないのかなと思っているところです。
     先ほど言いましたが、感染症対策の一番は死者を出さないこと、そのためには十倍ぐらいのスタッフを要するという状況もありますので、重い方をいかに救うか、そのためにはしっかりと機能分化した病床確保計画が必要かなと思います。今後、内服薬も出てくると言われております。どの程度効果があるかまだ未確定のところですが、内服ができると今度は薬局との連携というのも大きなものになって、自宅なのか宿泊なのか、その辺も考えないといけないのかなと思っております。  さあ体育館です。二転三転とは言いませんが、だんだん明るみになってきました。知事のマニフェストの機能をどの程度新しい体育館が果たせるのか、そこが肝だと思います。本当は知事の目指すまちづくりという、ウォーターフロントのあの一辺の青写真を私としては先に見たかったなと、それに後追いして、やはりそこを体育館が使わしてくれというような形のまちづくりを、やっぱり私は県のトップである知事が示すべきだったのではないかなと思います。  稼働率に関しては、今度はいろいろ条件が出てきますので、今、コンサートほかの多目的利用が最高二四%ということでした。そこにコンベンション・展示機能があると、もっと上がってしまうと。そうなったときに今度は室内体育競技団体のようにやっぱり体育館を体育施設として使いたいという方々の使用頻度が制限されてくると、非常に悩ましい状況に陥ると思います。その辺をしっかり整理して、一丁目一番地はまちづくりのにぎわい創出のための体育館なのか、スポーツ振興、アスリートファーストなのか、いま一度しっかりとした方向性を知事から示していただきたいと思います。  以上で、一般質問を終わります。(拍手) 38 ◯議長(田之上耕三君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時二十五分といたします。        午後零時 十一分休憩       ────────────        午後一時二十五分再開 39 ◯議長(田之上耕三君)再開いたします。  伊藤浩樹君に発言を許可いたします。    [伊藤浩樹君登壇](拍手) 40 ◯伊藤浩樹君 出水市区選出、伊藤浩樹です。  私のイメージカラーは塩田知事と同じ青なんですけれども、本日は、ピンクのネクタイで頑張りたいと思います。  十月十八日、出水市の冬の風物詩でもあるツル第一陣、ナベヅル十七羽の渡来が確認されました。十一月二十七日は、渡来地一帯のラムサール条約登録地にて羽数調査が行われた結果、観測史上三位の一万六千八百四十羽を記録しました。  しかしながら、皆様も御存じのように、採取したツルのねぐらの水から高病原性鳥インフルエンザウイルスが十一月十一日に検出され、当日県は、鹿児島県高病原性鳥インフルエンザ等対策本部を設置し、県本部会議を開催し、対策を協議したところです。  十一月十三日に、出水市の採卵鶏農場において、高病原性鳥インフルエンザが確認され、県では、国の指針に基づき、当該農場の飼養鶏の殺処分や移動制限区域、搬出制限区域の設定等、必要な防疫措置を開始しました。  また、十五日には、出水市の採卵鶏農場で二例目となる高病原性鳥インフルエンザが確認されました。  いずれも迅速に発生農場全てにおいて、鶏の殺処分を完了することができたところです。  私自身、十一月十五日に農林水産省消費・安全局動物衛生課へ出向き、鳥インフルエンザ対策の予算確保を国に強く働きかけたところでもあります。その席で、鳥インフル下でのふん尿対策等や今後の対策の協議を行った際に、大臣官房参事官─首席獣医官─より、鹿児島県における鳥インフルエンザ発生時の初動防疫体制は、官民一体となって、発生翌日より千人規模の防疫措置の体制ができており、すばらしいと、この鹿児島モデルを他県にも見習ってほしい旨の言葉を頂きました。  県としても、六か所の消毒ポイントを設け、出水市と連携して様々な防疫措置を行っている現状です。現在、防疫措置完了から十日経過後の十一月二十七日に清浄性確認検査が開始され、十二月二日までの検査結果で異状が認められなかったことから、三キロメートルから十キロメートルの搬出制限区域が解除されたところであります。  また、防疫措置完了から二十一日経過後までに新規の発生がなければ、十二月八日午前零時をもって全ての移動制限区域が解除されることになっております。  そこで質問いたします。  一点目は、高病原性鳥インフルエンザの蔓延防止緊急対策に係る新たな県の支援策をお示しください。  二点目は、我が国の現状において、鶏肉や鶏卵等を食べることにより、人が鳥インフルエンザウイルスに感染する可能性はないとされておりますが、鶏肉や鶏卵等を食することへの風評被害も考えられます。県としての風評被害対策をお示しください。  三点目は、本県は全国でも有数の養鶏地帯であり、鶏肉・鶏卵は海外へも輸出されております。今回の鳥インフルエンザの発生により、現在、輸出がどのような状況になっているのか、また、今後どのようになるのか、お示しください。  県管理道路における植樹帯の剪定や沿道の草刈りの実施状況及び管理についてであります。  県管理道路の維持管理については、市町村の状況に応じ、各振興局において限りある予算の中で対応してもらっているところであります。しかしながら、県管理道路における植樹帯の雑草や沿道の雑草の管理が行き届いていないのが現状です。  令和元年六月議会において中村素子議員からも、地元からは、景観の悪さを指摘する声に加え、道路に飛び出した雑草による視界不良など、交通環境にも影響が出ていると指摘があったとのことです。  当時の答弁において、県が管理する国道・県道の道路延長は約四千四百キロメートルであり、これら道路の草刈り・伐採については、主に地元建設業者へ業務委託しており、これに要した費用は、平成二十八年度が約八億四千万円、平成二十九年度が約九億四千万円、平成三十年度が約八億二千万円となっているとされております。令和三年度の予算額は約十億四千万円に増額されておりますが、一向に管理状態が改善された感じがしないのは、人件費や工事単価の上昇の影響でしょうか。  そこでお伺いいたします。  一点目は、令和四年度において、植樹帯の剪定や沿道の草刈りに要する費用のさらなる増額をしなければ、良好な景観の維持や交通環境への影響は回避できないと考えますが、県の見解をお示しください。  二点目は、植樹帯の剪定や抜根除草は、沿道の草刈りとは異なり、樹木についての専門的な知識を有する造園業者等に発注することによって、良好な景観維持をすることができると思うが、県としての見解をお示しください。  三点目は、地域住民や企業等による県管理道路の清掃美化活動を推進するためのボランティア事業、ふるさとの道サポート推進事業を展開していただいていますが、この事業を企業等にしっかりとPRし、事業拡大することにより、企業のイメージアップにもつながり、経費削減にも資すると思います。今後、ふるさとの道サポート推進事業のさらなる推進を図ることも大切だと思うが、県の見解をお示しください。  南九州西回り自動車道の整備進捗状況及び出水防災道の駅建設についてであります。  南九州西回り自動車道は、平成二十九年十一月に出水阿久根道路が全線開通し、芦北出水道路についても、水俣インターチェンジから出水インターチェンジ間で工事が進捗しているところであります。阿久根川内道路においても着実に事業推進が図られていることを実感しております。  また、本道路が通過する地域は農畜産業が盛んな地域でもあり、農作物としては夏ミカンなどが生産され、二〇一六年には鹿児島県が全国一位の収穫量となっており、また、出水市においては、二〇一九年の鶏卵産出額が日本一になったと発表されたところであります。本道路の整備によって農畜産物の鮮度保持や販路拡大が期待されるところです。  このような状況を踏まえ、地域の魅力を県内外の高速道路利用者に発信できる広域的な地方創生拠点施設として、本線直結型道の駅の整備を推進するため、本年十月十三日に、出水市、伊佐市、長島町、さつま町及び熊本県の水俣市の首長、議長並びに経済関係各団体の代表による出水広域連携・防災「道の駅」整備推進協議会を設立したところであります。  そこでお伺いいたします。  一点目は、芦北出水道路の工事における進捗状況をお示しください。  二点目は、米之津川架橋建設に係る進捗状況をお示しください。  三点目は、国土交通省が認定する防災道の駅については、都道府県が策定する広域的な防災計画に広域的な防災拠点として位置づけられることが、認定要件の一つとされているところであります。この広域的な防災拠点の県地域防災計画への位置づけの考え方についてお示しください。  次に、デジタル改革関連法成立に係る県のデジタル化推進策についてであります。  デジタル化について、国は、デジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を掲げており、自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画が策定され、また、本年五月にデジタル改革関連六法が成立したことを受け、本年九月一日にデジタル庁が発足しました。  しかし、国連経済社会局の調査による世界電子政府ランキングでは、日本は二〇一八年の十位から二〇二〇年には十四位にダウンしているのが現状です。コロナ禍の対応でさらに遅れを取るのではないかと危惧しているところでもあります。  我が国においてのマイナンバーは、デジタル社会の基盤であり、利便性の抜本的向上に向けた取組を進めるとともに、これまで社会保障と税、災害の三分野に限られている利用範囲の拡大の検討などを進めることとなっております。  本県においても、今年度、県全体のDXに係る企画総合調整及びデジタル関連施策の推進を図るために、デジタル推進課を設置するとともに、デジタルによる社会変革に向けた課題と基本的な方向を明確にするために、推進戦略策定に向けた取組を進められているとお聞きしております。  そこでお尋ねします。  一点目は、デジタル改革関連六法成立に係る本県の対応状況についてお示しください。  二点目は、マイナンバーがデジタル社会の基盤の一つとなるためにも、県民のマイナンバーカード取得率をさらに高める必要があると考えますが、県の取得促進の取組についてお示しください。  私も自身のマイナンバーカードに健康保険証を付加しましたが、使える病院や薬局はまだ少ないのが現状です。  そこで、県におけるマイナンバーカード健康保険証での利用対応可能な医療機関数を医療機関、薬局に分けてお答えください。  三点目は、デジタル改革関連法には、個人情報保護制度の大幅な見直しが含まれておりますが、個人情報保護法改正を受けた県の今後の対応についてお示しください。  改正地球温暖化対策推進法の成立に係る再エネ等に対する県の見解についてであります。  地球温暖化は、人類の将来に関わる最も重要な環境問題であり、政府は、二〇五〇年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すとし、二〇五〇年までの脱炭素社会実現を明記した改正地球温暖化対策推進法が成立しました。  改正法では、自治体が促進区域を設け、再生可能エネルギー普及と地域活性化につなげる地域脱炭素化促進事業を創設するとされております。促進区域は、環境保全に配慮し、我が国の美しい自然景観を毀損することがないよう、住民の意見を踏まえて設定されることが明記されております。  県においても、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとすることを目指す旨を表明し、県民、事業者、行政が力を合わせて、地球温暖化対策を積極的に推進し、カーボンニュートラルの実現に向けた施策を積極的に展開するとされ、二〇五〇年鹿児島ゼロカーボン推進委員会を設置されました。  そこでお尋ねします。  一点目は、改正地球温暖化対策推進法では、都道府県がつくる計画に太陽光や風力発電など再生可能エネルギーの施策の実施目標を定めるように義務づけたとされておりますが、今回の法律改正を踏まえ、県の再生可能エネルギーの導入促進に対する見解をお示しください。  二点目は、二〇五〇年鹿児島ゼロカーボン推進委員会における主な議論の内容についてお示しください。  次に、県内における飲酒運転抑止対策及び中高生の交通事故抑止対策についてであります。  県内の交通事故は、十月三十一日までに人身事故が二千八百八十六件発生し、三十八人が亡くなったとされております。  山田本部長は、就任の挨拶で県内の交通情勢について、「昨年の事故発生件数、死者数、負傷者数は前年比でいずれも減少し、とりわけ死者数は昭和二十八年以降最少となりましたが、高齢者が当事者となる交通死亡事故の発生が高い割合で発生しているなど、依然として厳しい状況である」とされました。これに加えて本県では、飲酒運転による死亡事故も増え、悪質・危険な運転による重大事故が連続して発生しております。  また、県内では、中高生の自転車やミニバイク乗車中の死亡事故が相次いでいることを受け、県警と県教育委員会は、教員や保護者に自転車などの安全指導を呼びかける依頼文を出したとされております。  県警は、交通ルールを守り、注意を払いながら運転してほしいとされ、県教委は、安全な道路歩行や自転車の正しい利用など交通安全教育の充実を求める文書を県立学校や市町村教委に送ったとされております。  そこでお尋ねします。  一点目は、県内における飲酒運転による過去三年間の交通事故発生件数及び飲酒運転抑止対策についてお示しください。  二点目は、中高生の交通事故抑止対策についてお示しください。  コロナウイルス感染症の第六波対策についてであります。  日本政府は、南アフリカで確認されたオミクロン株の感染が広がりを見せていることを受け、十一月三十日午前零時から世界の全ての国や地域を対象に外国人の新規入国を原則停止すると、岸田内閣総理大臣が明らかにし、実施しているところです。コロナウイルス感染症の第六波への水際対策として、未知のリスクに対しては有効な手段だと思うところであります。  県においても、今夏の第五波における課題も踏まえ、第六波に備えた総合的な保健医療提供体制の整備について定めた保健・医療提供体制確保計画を新たに策定するとされております。  この計画を踏まえ、必要な病床及び宿泊療養施設のさらなる確保に取り組むとともに、全庁的な支援体制を含む保健所体制の強化、入所調整や搬送業務の外部委託等による業務の円滑化、やむを得ず自宅待機者が発生した場合における健康観察等の体制の構築などを進めるとされました。  そこでお伺いいたします。  一点目は、搬送業務の外部委託に係る進捗状況及び期待される効果についてですが、先ほど宝来議員より同じ質問がありましたので、割愛させていただきます。  二点目は、保健所体制の強化及び具体策をお示しください。  三点目は、健康上の理由等でワクチン接種を受けられない方を対象としたPCR検査等の無料化に向けた検査体制の整備について、具体的にお示しください。    [知事塩田康一君登壇] 41 ◯知事(塩田康一君)高病原性鳥インフルエンザの蔓延防止緊急対策に係る県の支援策についてでございます。  今シーズンは、高病原性鳥インフルエンザが十一月という早い時期に複数の農場で発生したことなどから、県では先月十八日に蔓延防止緊急対策を取りまとめ、家畜伝染病予防法に基づき、全ての養鶏農場に消毒とネズミ駆除を徹底する命令を発出するとともに、毎日の自主点検の実施など飼養衛生管理基準の遵守強化などを図ることとしたところであります。  緊急対策の実効性を高めるための支援策として、県内全ての養鶏農場に対して、消石灰約四万五千袋及び殺鼠剤約五千袋を、食鳥処理場や鶏卵処理施設に対しては、消石灰約三千袋を配布しているところであります。  また、市町村の要望に応じて、カモなどが生息するため池等の周辺道路用の消毒剤を配布することとしております。  県としては、市町村や関係機関・団体と一体となって、養鶏農場等における消毒の徹底など、蔓延防止に取り組んでまいります。 42 ◯農政部長(松薗英昭君)高病原性鳥インフルエンザ発生に伴う鶏肉・鶏卵の風評被害対策についてでございます。  本県の養鶏業は、令和元年の産出額が九百億円を超え、農業全体の約二割を占める基幹産業でございます。  先月、出水市で高病原性鳥インフルエンザが発生したことから、鶏肉や鶏卵への風評被害による地域経済への影響が懸念されております。  このため、県では、市町村と連携し、ホームページや広報誌を通じて、県民に向けて、感染が疑われる肉や卵は流通しないこと、肉や卵を食べることにより鳥インフルエンザに感染することはないこと、正確な情報に基づいた冷静な対応などを呼びかけております。  県といたしましては、引き続き、関係団体等と連携して、鶏肉・鶏卵の安全性等について県民への周知を図ってまいります。  次に、高病原性鳥インフルエンザ発生に伴う鶏肉・鶏卵の輸出への影響についてでございます。  本県からの鶏肉・鶏卵の輸出は、本県で高病原性鳥インフルエンザが発生した先月十三日から停止しており、県内の事業者は、輸出向けの鶏肉・鶏卵を国内向けに販売しております。  輸出再開につきましては、国が行う輸出相手国との協議を経て可能となります。  今年一月のさつま町の事例では、発生農場の防疫措置完了後、三か月程度で輸出を再開しており、今回も同程度の期間を要するものと考えております。 43 ◯土木部長(兒島優一君)県管理道路における沿道の草刈りや植樹帯の剪定に要する費用についてであります。  県管理道路の草刈りにつきましては、定期的にパトロールを行い、草の繁茂状況等を把握し、伐採を行っているところでございます。  また、植樹帯につきましては、主要幹線道路や通学路などを優先的に樹木の剪定を定期的に行っているところであります。  草刈りや植樹帯の維持管理につきましては、毎年度の維持管理予算も限られていることから、作業の効率化、コスト縮減の観点から除草剤の使用拡大やメンテナンスフリー等に取り組んでいるところでございます。  県といたしましては、引き続き、地域の状況も踏まえながら、効率的な維持管理手法を検討するとともに、道路の維持管理に必要な予算の確保に努めてまいります。  植樹帯の剪定や除草の発注についてであります。  県管理道路の草刈りにつきましては、主に建設業者へ年間管理委託をいたしております。  また、植樹帯の剪定や除草につきましては、専門的な知識や技術を要することから、造園業者へ発注しておりますが、苦情処理等の緊急的な場合は、草刈りの年間管理委託業務の中で除草を行っていることもあります。  県といたしましては、引き続き、適切な発注に努めてまいります。
     ふるさとの道サポート推進事業のさらなる推進についてであります。  県におきましては、企業や地域住民等による自主的な草刈り・伐採など、県管理道路の清掃美化活動を推進するため、ふるさとの道サポート推進事業によりボランティアの活動を支援しております。  同事業の推進に当たりましては、県のホームページへの掲載や県政広報番組での放映等により、幅広くサポーターを募集しているほか、サインボードにより企業名などサポーター名を紹介しているところでございます。  今後とも、企業や地域住民等への広報活動に努め、同事業のさらなる推進を図ってまいります。  南九州西回り自動車道の整備進捗状況及び出水防災道の駅建設についてのうち、芦北出水道路の整備状況等についてであります。  南九州西回り自動車道の芦北出水道路につきましては、計画延長約三十キロメートルのうち、平成三十年度までに芦北インターから水俣インター間の約十三キロメートルが供用されております。  残る水俣インターから出水インター間につきましては、これまでにおおむね用地買収を終え、熊本県側では中尾山トンネルや水俣川橋など、本県側では櫓木川橋、六月田橋など、全区間においてトンネル工事や橋梁工事などが鋭意進められております。  また、米之津川に架かる橋梁につきましては、昨年度、地質調査が実施され、現在、橋梁の設計が進められているところでございます。  本道路は、広域的な高速交通ネットワークを形成する重要な道路でありますことから、県といたしましては、本道路の早期全線開通が図られるよう国に強く要請してまいります。 44 ◯危機管理防災局長(橋口秀仁君)広域的な防災拠点の県地域防災計画への位置づけについてでございます。  県地域防災計画では、大規模災害時における災害応急対策等の機能を備えた防災拠点の確保に努めることとしており、総合運動公園や公設地方卸売市場などの既存の施設について、当該施設が現に有している機能や規模、構造、交通アクセスなどを勘案し、自衛隊等の防災関係機関の集結などに提供する活動拠点や、支援物資等の受入れなどを行う物資拠点の候補地として、同計画に位置づけているところであります。  出水市において検討が進められている道の駅につきましても、今後、施設整備が進んだ時点で、同計画への防災拠点としての位置づけについて検討することになるものと考えております。 45 ◯総合政策部長(前田洋一君)デジタル改革関連六法成立に係る本県の対応についてでございます。  デジタル改革関連六法の基本となるデジタル社会形成基本法では、デジタル社会の形成に当たり、民間が主導的役割を担うことを原則とした上で、国及び地方公共団体は、民間の活力が発揮されるための環境整備などの施策を行うこととなっております。  県では、同法の趣旨も踏まえ、県全体のデジタル化を推進し、本県を取り巻く課題解決につなげるため、デジタル推進戦略─仮称─を策定することとしておりまして、今般、様々な分野の専門的な知識を有する県DX推進アドバイザーの意見も参考にしながら、戦略の素案を取りまとめたところでございます。  今後、県議会で御論議いただくとともに、パブリックコメントを実施することとしており、県議会や県民の皆様の御意見も踏まえ、今年度末を目途に策定したいと考えております。  次に、マイナンバーカードの取得促進についてであります。  国におきましては、本年十月からマイナンバーカードの健康保険証としての利用を開始するなど、カードの利便性を向上することとしております。  また、国家資格に関する事務につきまして、マイナンバーの利用及び情報連携を拡充し、行政手続の効率化を進め、利便性のさらなる向上を図ることとしております。  県におきましても、マイナンバーが利用できる事務を増やし、申請等手続における県民の利便性の向上を図ることが重要と考えており、現在、県独自に私立高等学校等学び直し支援金の交付に関する事務など、八事務についてマイナンバーの利用が可能となっているところです。  今後とも、利用事務の拡充を図るとともに、マイナンバーカードの利便性に関する丁寧な周知広報を行い、県民の取得促進に取り組んでまいります。 46 ◯くらし保健福祉部長(谷口浩一君)まず、マイナンバーカードの健康保険証利用についてであります。  国によりますと、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる県内の医療機関は、令和三年十一月二十一日現在で、二千二百十施設のうち二百五十四施設、また、薬局については、八百七十施設のうち百九施設となっております。  次に、コロナウイルス感染症の第六波対策についての御質問のうち、保健所体制の強化についてであります。  県では、保健・医療提供体制確保計画案で、電話相談や積極的疫学調査、健康観察等の業務を円滑に実施するため、感染拡大時における必要な支援人員を整理し、地域の感染状況に応じて、地域振興局・支庁からの応援や近隣市町村からの保健師の派遣に加えまして、民間事業者からの人材派遣などの支援体制を構築することとしております。  次に、PCR検査等の無料化に向けた検査体制についてであります。  国においては、ワクチン・検査パッケージの活用に当たり、健康上の理由等でワクチン接種を受けられない方を対象としたPCR検査等の無料化を図るため、関連の補正予算案を閣議決定したところであります。  ワクチン・検査パッケージが適用されるPCR検査等は、保健所を介することなく、医療機関または衛生検査所等が行うこととされております。  県としては、国の予算案の動向を注視いたしますとともに、円滑な受検のため、関係機関と連携して、検査機関や検体採取場所の確保など、検査体制を整備してまいりたいと考えております。 47 ◯総務部長(山本 周君)個人情報保護法改正に伴う県の今後の対応についてでございます。  本年五月十九日に公布されました、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律により、個人情報保護法が改正され、個人情報関連三法を改正個人情報保護法に統合するとともに、地方公共団体の個人情報保護制度につきましても、統合後の法律において全国的な共通ルールを規定し、その所管を個人情報保護委員会に一元化するとされたところでございます。  改正個人情報保護法における地方公共団体の機関に関する規定につきましては、公布後二年以内に施行されることとなっており、今後、国におきまして、本年度内をめどに順次政令やガイドライン等の策定・公表を検討し、地方公共団体に情報提供を行う予定とされております。  県といたしましては、今後、国から示される関連政令等を踏まえ、引き続き、県の保有する個人情報の適正な取扱いの確保が図られますよう、適切に対応してまいりたいと考えております。 48 ◯地域政策総括監(房村正博君)再生可能エネルギーの導入促進についてでございます。  県では、再生可能エネルギーの導入促進を図るため、再生可能エネルギー導入ビジョン二〇一八に基づき、普及啓発や自立・分散型エネルギー設備の導入支援などに取り組んでいるところでございます。  地球温暖化対策推進法の改正において、都道府県は、再生可能エネルギーの利用促進等に係る施策の実施目標を設定するほか、市町村による促進区域の設定に関する基準を定めることができるものとされており、現在、国におきまして、これらの具体的な内容等について検討がなされているところでございます。  県といたしましては、このような国の動向を注視しながら、新たな再生可能エネルギーの導入目標の設定を含め、ビジョンの見直しを行うとともに、引き続き、自然環境に配慮しつつ、地域との共生を図りながら、再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでまいりたいと考えております。 49 ◯環境林務部長(松下 正君)二〇五〇年鹿児島ゼロカーボン推進委員会における議論の内容についてでございます。  これまで開催した同委員会の会議において、カーボンニュートラルの実現に向けた今後の施策展開や、県地球温暖化対策実行計画の見直しについて、様々な立場から意見や助言を頂いております。  具体的には、鹿児島の地域特性に合う取組を盛り込んでほしい、暮らしの中での取組がカーボンニュートラルにどのようにつながるのかを県民に分かりやすく説明することが大事、県内企業は何をすればよいのか示してほしいなどの意見のほか、電気自動車の導入促進、森林吸収源対策の重要性などに関する発言もあったところです。  県においては、推進委員会の意見も踏まえつつ、庁内の各部局と連携しながら検討を進めているところであり、本年度においては、今後の施策展開や実行計画の方向性を取りまとめてまいりたいと考えております。 50 ◯警察本部長(山田好孝君)飲酒運転の交通事故発生件数及び抑止対策についてであります。  過去三年間における飲酒運転関連の交通事故件数は、平成三十年が四十四件、令和元年が五十六件、令和二年が四十件であります。  本年十月末現在、四十一件発生しており、前年同期比で九件増加し、うち飲酒事故による死者数は五人と過去三年で最多であります。  県警察では、飲酒運転根絶に向け、厳正な取締りを推進するとともに、関係機関等と連携した街頭キャンペーンや、飲酒が運転等に与える影響について理解を深める交通安全教室の実施、飲酒運転による事故実態の広報、警察と協定を締結した飲食店による来店客への啓発などにより、県民の規範意識の確立を図っているところであります。  次に、中高生の交通事故抑止対策についてであります。  県警察では、本年三月及び四月に発生した、高校生による自転車乗用中及び中学生の原動機付自転車同乗中の交通死亡事故を受けて、街頭における中高生の自転車や二輪車の運転者に対する交通指導取締り等を強化したほか、県教育委員会等を通じて、自転車等の安全な運転方法等の指導について働きかけを行ったところであります。  また、学校等と連携し、自転車の実技教育等を含む交通安全教室に警察官を派遣して講話等を行っているほか、スタントマンによる自転車事故を再現した体験型の交通教育等も行われているところであります。  今後とも、学校等との連携を図り、交通ルールの遵守や正しい交通マナーを理解させる安全教育を積極的に行い、中高生の交通事故の防止に努めてまいりたいと考えております。 51 ◯伊藤浩樹君 知事に県管理道路の管理について再質問いたします。  知事、植樹帯の管理について、隣県の熊本県では、積極的に除去、移植するなどの施策を講じ、除去した部分については防草対策の舗装等にするとし、また、移植して集積した植樹帯の管理は専門性の高い造園業者等に発注するなどし、ランニングコストの縮減を図り、快適な景観の向上を図っておられるようであります。また、東京都では、剪定後の樹木をバイオマスの燃料として再利用もされているそうです。  知事、我が県もこのような施策を講じて、鹿児島県の沿道は日本一美しいと言われるような施策展開を行っていただけませんでしょうか。見解をお示しください。 52 ◯知事(塩田康一君)知事とのふれあい対話などにおきましても、同様の植樹帯の問題については、行く先々で住民の皆さんからお伺いしているところであります。  今年度におきましては予算も増額したところでありますが、なかなか御指摘のとおり実態として、実感として進んだということが感じられないということでございますので、今、御指摘のような他県の例等も含めて今後検討してまいりたいと思います。    [伊藤浩樹君登壇] 53 ◯伊藤浩樹君 それぞれ御答弁頂きました。  鳥インフルエンザ対策については、感染拡大のリスクは今後も高い状態が続くと思われます。国、市町と連携し、さらなる取組の強化を要望いたします。  県管理道路における管理については、来年度よりの予算増額と管理の在り方についての施策に期待するところであります。  西回り自動車道につきましては、国は、米之津川に架かる架橋の設計を行っているとの答弁があり、内水面漁協との交渉も一定の目途がついたのではないかと思慮され、安心したところであります。  また、阿久根─川内間は、四区間のうち二区間で用地買収や工事が進んでおります。早期に全区間において用地買収や工事に着手し、全線開通を目指してほしいと考えます。  コロナウイルス感染症については、国内の感染者は減少傾向にありますが、オミクロン株も国内で発生している状況ですので、第六波に備えた感染防止対策の強化を要望いたします。  次に、県内の特別支援学校の状況についてであります。  文科省が策定した特別支援学校の設置基準についてお聞きします。  国は今回、設備編制等の基本的事項について改めて定めるとともに、在籍者数の増加により、慢性的な教室不足が続いている特別支援学校の教育環境を改善する観点から、学校教育法第三条に基づき、特別支援学校設置基準を策定・公表しました。  今回の基準の制定に当たっては、文科省は、特別支援学校を設置するために必要な最低の基準とするとともに、地域の実態に応じた適切な対応が可能となるよう、弾力的・大綱的に規定することを基本方針とされております。  本年十一月、文教観光委員会において牧之原養護学校の行政視察を行いました。開校時の昭和五十四年度に八十九名でスタートした学校ですが、平成三十年度には二百七十名だった児童生徒数が令和三年度には三百四十五名に急増しており、令和元年度には中学部棟の増設も行われておりました。当日の議員との意見交換会も職員室の一角で行うほど手狭な環境でありました。  そこでお尋ねします。  一点目は、出水養護学校及び牧之原養護学校は、今回の設置基準における校舎等の面積要件に適合しているのか、お示しください。  二点目は、設置基準には通学時間や距離の基準が設けられていないが、県としての見解をお示しください。  三点目は、午前中、松田議員も述べられていた件であります。  去る九月議会での鶴丸議員の分校・分教室の設置に関する質問に対し、塩田知事が「地域の思いをしっかり受け止め、分校の設置などいろいろな手段を含めて、早急に検討するように教育委員会には求めていく」と答弁されましたが、改めて基準制定に係る分校及び分教室設置についての県の見解をお示しください。  次に、巡回相談員派遣事業についてであります。  私は、平成二十九年十二月議会にて、特別支援学校による巡回相談員派遣事業について質問いたしました。  巡回相談員派遣とは、保育園、幼稚園、認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校に在籍する発達障害等特別な支援を必要とする幼児・児童生徒への適切な指導及び支援を行うため、専門的な知識や経験を有する特別支援学校の相談員を派遣し、巡回相談を実施する事業であります。  巡回相談は、平成二十四年度より国から三分の一の補助を受けて始まりましたが、平成二十九年三月に文科省より突然の補助金の打切り通達がありました。しかし、平成二十九年度からは、県単独予算により巡回相談員派遣の実施がなされたところであります。  また、当時より問題になっていたのが、保育園、幼稚園、認定こども園に在籍している、気になる子供への対応です。いまだに幼児教育の現場には特別支援教育支援員の配置がされている施設は少ない状況にあります。保護者の観点からも、園の管理者からしても、気になる子供としての判定は難しく、双方に確執等が生じることもあります。  現状、出水市では、小学校入学前に、気になる子供への対応として市町村教育委員会が教育相談を実施し、必要であれば任意での発達検査をし、支援の方向性の目安としている状況です。現に、発達検査の結果に納得ができない保護者と市町村教育委員会との間で、小学校入学時に支援学級、普通学級のどちらを選択するかで問題となっているところです。  巡回相談の回数を増やすことにより、幼児教育の段階で専門性の高い助言や援助を受けることとなり、その子供の特性に応じた適切な指導及び支援を受けることができると私は思っております。  そこでお伺いいたします。  一点目は、幼稚園等における巡回相談員派遣についての本県の現状をお示しください。  また、今後の県教育委員会としての方向性をお示しください。  二点目は、幼稚園等における、気になる子供に対して、県教育委員会としてどのような取組をしているのか、お示しください。  三点目は、気になる子供の就学時の選択に対し、法律で、その保護者に対し十分な情報の提供を行うとともに、可能な限りその意向を尊重しなければならないと規定されております。この趣旨も踏まえた適切な対応が必要だと思いますが、市町村教育委員会へ県教育委員会として統一した見解が示せないのか、お答えください。  公立高校の県外受験についてであります。  十一月八日付の日本教育新聞の一面に「全公立高で生徒を全国募集 香川県教委 計二百八十六人を県外枠に」という大きな見出しがあり、目を引かれました。記事の内容によると、香川県教育委員会は令和四年度から、せとうち留学として、全公立高校三十一校で募集定員に県外枠を設け、全国募集を行うこととするとされております。  また、生徒は、香川県内に転居し通学する方法と、県外の自宅から通学する方法を選べることとし、入学者選抜は、県内の生徒と同じ内容、同じ日程で行うことなどが示されておりました。  香川県は、徳島県、愛媛県と隣り合っており、また、瀬戸内海を隔てた岡山県とは架橋でつながっており、岡山県から高松市までは一時間弱で移動できるなどの地理的環境から、これまでも全国募集を行っている高校があり、昨年度、全国募集を行った学校では二十八人からの応募があり、二十一人が入学したとされております。  全国的にも、地方創生の観点から地方の高校が全国募集をしている例も見られますが、全公立高校で県外募集枠を設ける取組は初めてであり、このような取組が全国的に広がると、少子化が進んでいる本県の地方高校にも影響が出ることも危惧しているところであります。  そこでお伺いいたします。  一点目は、本県の公立高校で全国から生徒募集をしている高校はあるのか、お示しください。  二点目は、本県県立学校について、香川県のように県外枠を設けて全国募集を行う予定があるのか、お示しください。  次に、農政関係についてお伺いいたします。  塩田知事は、県の基幹産業である農林水産業には特に力を入れると言われております。  二〇一九年農業産出額は、北海道の一兆円に続き五千億円の生産高を上げ、全国二位となりました。しかしながら、生産農業所得率は令和元年度、全国最下位となっているのが現状です。農業者の所得の向上を図るためには、農業生産の低コスト化、デジタル化などスマート農業の推進に取り組む必要があると考えます。  そこで、県におけるスマート農業の取組の現状についてお聞かせください。  県は、スマート農業推進方針に基づき、先端技術に関する農業者の理解促進を図るとともに、県内各地での技術実証活動や費用対効果の検証、スマート農業の研究開発など、現地への実装に向けた取組を推進するとされております。  現在、鹿児島県においても、農林水産省が取組を展開しているスマート農業実証プロジェクトが本年で三年目を迎えたと聞いております。この取組により、経営改善効果に加え、輸出促進などの課題にも対応し、高収益作物への生産拡大などの効果があり、新しい農業の魅力が高まるとされております。  そこでお尋ねいたします。  一点目は、鹿児島県で行われている国による実証実験の取組内容及びその効果をお示しください。  二点目は、県におけるスマート農業の将来像をお示しください。
     次に、県における緑化樹等の振興策についてであります。  出水市は、緑化樹生産業者及び造園業者が百五十業者にも上り、全国でも有数の緑化樹の産地でもあることから、出水市行政においても、緑化樹に期待が寄せられ、国内販売及び海外輸出販売も視野に入れて地場産業の後押しを行っているところであります。  しかし、土つきの緑化樹類は輸出規制がある国もあり、輸出条件などをしっかりと精査して、しっかりとした販路をつくることが必要であると感じております。  平成二十七年九月定例会の自身初めての一般質問にて、緑化樹業界を今後は生産者団体として、鹿児島県と緑化樹生産者との関係性及び位置づけを明確にしていただきたいと、当時の農政部、環境林務部にお願いした経緯があったところであります。  そこでお尋ねいたします。  一点目は、現時点における緑化樹生産者に対しての県の窓口を再度明確にしてください。  二点目は、県における緑化樹生産者に対しての支援策及び今後の振興策をお示しください。 54 ◯教育長(東條広光君)初めに、特別支援学校の設置基準についてであります。  このたび制定されました特別支援学校設置基準では、特別支援学校の校舎及び運動場の面積の最低基準は、障害の種類に応じ、小学部・中学部・高等部ごとの在籍児童生徒数に一定の係数を乗じることなどにより算定することとされております。  また、この校舎・運動場の面積の基準については、令和五年四月一日以降着工される学校について適用されますが、その際、現に存する学校の施設及び設備については、当分の間、従前の例によることができるとされております。  この基準を現在の本県の特別支援学校に当てはめてみた場合、出水養護学校は校舎・運動場の面積ともに基準を満たすこととなりますが、牧之原養護学校は校舎の面積において基準を下回ることになります。  次に、特別支援学校の設置基準と通学時間や通学距離についてであります。  設置基準には、通学時間や通学距離についての基準は定められておりませんが、国は、小学校等の設置基準においても通学時間は規定されておらず、地域の交通事情や児童等の障害の状況等も大きく異なる中、通学距離や通学時間を規定することは難しいと考えているとしており、県としても同様に考えているところであります。  次に、設置基準の制定を踏まえた対応についてであります。  特別支援学校の教育環境の改善については、設置基準の趣旨を踏まえつつ、通学時間の課題等も含め、県全体の特別支援学校の教育環境の改善として、各学校の状況を勘案しながら、既存施設の改修や学校の分置なども含めて検討し、優先順位を定めて計画的に対応していきたいと申し上げているところであります。  現在、県教委では、各学校の児童生徒数の今後の見込みについてのシミュレーション、既存施設や敷地についての精査など、検討を進めているところであります。  次は、幼稚園等に対する巡回相談等の取組についてであります。  幼稚園等への訪問巡回相談については、各特別支援学校が管内の幼稚園や保育所、認定こども園の教員や保護者等を対象に実施しており、昨年度は延べ百四十九回実施しました。  また、県教委は、例年、幼稚園等の職員を対象に研修会を開催しており、対象児の的確な実態把握、個別の指導計画等の作成と活用の方法、特性に応じた関わり方、切れ目のない支援を行うための移行支援シートの活用などについて指導・助言を行っております。  県教委としては、引き続き、幼稚園等に対する相談や指導の充実に努めてまいります。  次は、障害のある児童生徒等の就学先の決定についてであります。  障害のある児童生徒等の就学先の決定については、文部科学省が通知や手引等において基本的な考え方を示しております。  具体的には、本人の障害の状態や教育的ニーズ、本人・保護者の意見、教育学等の専門的見地からの意見、学校や地域における教育の体制の状況等を踏まえた総合的な観点から、市町村教育委員会において決定することとされておりまして、その際、保護者等に対して、就学の手続等についての十分な情報の提供を行うことや、保護者の意見については、可能な限りその意向を尊重しなければならないことが示されております。  県教委としては、文部科学省が示しております通知等に基づき、本人及び保護者の意向を可能な限り尊重しながら、子供にとって最も適切な学びの場を総合的に判断するよう、市町村教育委員会に指導・助言を行っているところであります。  次は、県立高校の全国募集についてであります。  近年、地域活性化等の観点から、県外から生徒募集を行う公立高校が全国的に増えてきており、本県においても、南大隅、屋久島、古仁屋の三高校が、地元自治体の支援を受けながら県外募集を行っております。  このほか、県内外の生徒を集めて、魅力ある高校づくりに取り組むべきとの提言を踏まえて設置した楠隼校や、都市部の高校生を留学生として受け入れる内閣府の取組に参加しております薩摩中央高校が県外募集を行っております。  議員から紹介のありました香川県の取組は、同県の全ての公立高校に定員外の県外募集枠を設けて全国募集を行うものと聞いておりますが、交通機関の限られる中山間地域や離島等の高校が多い本県では、通学手段や下宿の確保など各学校の実情が異なりますことから、このような募集を行うことは考えていないところであります。 55 ◯農政部長(松薗英昭君)スマート農業実証プロジェクトの取組状況等についてでございます。  本県でのスマート農業への取組状況につきましては、二千件を超えるような状況になっており、また、国のスマート農業実証プロジェクトについても、本県では、地域における労働力不足の解消や生産性の向上等の解決を図るため、農業者やメーカー、関係機関・団体等で構成されます十一のコンソーシアムが実証に取り組んできております。  このうち、施設ピーマン栽培では、環境制御システムの導入により、単収が約一・五倍、管理作業時間が約四割削減するなどの成果が得られており、産地での導入が進んでおります。  また、酪農経営では、搾乳ロボットなど一連のスマート機器の導入により、労働時間が約四割削減できたことで規模拡大が図られており、県内でも技術の導入が進みつつあります。  次に、県におけるスマート農業の将来像についてでございます。  県では、スマート農業推進方針におきまして、本県が目指すスマート農業の将来像を示しております。このうち、広大な畑地・水田を活用した大規模経営の実現においては、自動走行トラクターやドローン等の導入で、超省力化による規模拡大と所得向上を、超省力・高生産畜産経営の実現におきましては、分娩監視や発情発見装置等の導入で、生産性の向上による規模拡大と所得向上を、また、作物の能力を最大限に発揮する施設園芸の実現においては、ICTを活用したデータ収集・分析や環境制御システムの導入で多収・高品質化による所得向上や産地力の強化を目指すこととしております。  県といたしましては、農業者の理解促進や実装に向けた取組を展開し、将来像の実現に向け取り組んでまいります。  次に、緑化樹生産者への支援等についてでございます。  緑化樹生産者からの相談窓口につきましては、各地域振興局・支庁の農政普及課が対応してきております。  県におきましては、病害虫防除や土壌診断による土づくりなど生産技術に関する相談や、経営発展に向けた資金計画の作成支援などを行ってきております。  県といたしましては、緑化樹生産の振興に資するよう、関係者との意見交換や必要とされる技術支援等を行ってまいりたいと考えております。 56 ◯伊藤浩樹君 教育長に、気になる子供の就学時の件で再度お伺いいたします。  教育長のほうも、可能な限り保護者の意見を尊重するということであるんですが、保護者が理解ができないいろんな部分について、市町村教育委員会に対して、県として今後どういった助言をされていくのか、このような事例結構あるんですよね。その部分で再度お答えいただけませんでしょうか。 57 ◯教育長(東條広光君)気になる子供の就学の判定について、再度のお尋ねでございますけれども、先ほど御答弁申しましたとおり、市町村教育委員会で決定される際には、保護者に対して十分な情報提供を行うこと、そしてまた、保護者の意見については可能な限り尊重することとされているところでございまして、その旨、様々な機会を通じて市町村教育委員会に助言・指導を行っているところでございます。    [伊藤浩樹君登壇] 58 ◯伊藤浩樹君 それぞれ御答弁頂きました。  特別支援学校については、出水養護学校のみならず、牧之原養護学校でも通学時間が一時間を超える児童生徒が多数いる現状を目の当たりにしました。一日でも早い解決策を講じてほしいと思います。  公立高校の県外受験につきましては、県内の人材を流出させることのないよう、慎重な協議を今後進めてほしいと感じております。  本県農業の「稼ぐ力」を引き出すために、ICT等を活用したスマート農業の推進は、収益性の向上に向けて欠かすことのできない施策であります。県としての取組の中長期的な施策に期待するところであります。  後半は教育行政及び農業施策について、県政の課題について質問したところであります。  私の任期中の今現在七年間で、代表質問等を含め十五回にわたり、県政の課題について質問してまいりました。  国内外の情勢が大きく変動する中、県勢発展に寄与するため、今後もタイムリーな質問となるように取り組んでまいる所存であることを申し述べ、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 59 ◯議長(田之上耕三君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後二時三十五分といたします。        午後二時二十三分休憩       ────────────        午後二時三十五分再開 60 ◯議長(田之上耕三君)再開いたします。  次は、瀬戸口三郎君に発言を許可いたします。    [瀬戸口三郎君登壇](拍手) 61 ◯瀬戸口三郎君 高病原性鳥インフルエンザが、一番心配いたしておりました出水市に二例発生し、大変心配されましたが、伊藤議員からもありましたように、県や関係団体との連携の下、迅速な初動体制により、ウイルスの拡散を抑えることができ、本県の畜産防疫に対する取組が日本でも有数な取組であるということが分かりました。しかし、これからどのような疾病があるか分かりませんので、しっかりとした取組をお願いするところであります。  そのような中にあって、本日は農林業を中心に質問いたしたいと思います。  第十二回全国和牛能力共進会鹿児島大会について伺います。  全国和牛能力共進会いわゆる全共は、五年に一度開催され、全国の優秀な和牛を一堂に集めて、日本一を目指して熱戦が繰り広げられる和牛の祭典です。  前回の第十一回全共では、曽於地区から若雌三頭を県代表として出品し、若雌の区で一位を受賞しました。県全体では九部門のうち四部門で一位となり、総合優勝を果たし、悲願の和牛日本一を獲得いたしました。  来年十月に開催される第十二回全共鹿児島大会に向けては、これまで県内各地において、登録協会やJAグループ、市町村をはじめ県の皆様が、農家への巡回指導や牛を集めて比較審査する集合調査などの出品対策に取り組まれております。  しかしながら、全国的な新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染防止対策を徹底しながら対応されるなど、関係者の皆様も過去の大会になかった御苦労をされておられるようです。  二年ぶりの開催となった曽於地区秋季畜産共進会においても、手指消毒や検温はもちろんのこと、出品牛の搬入時間を分け、出品者の分散を図るなど、感染防止対策に配慮しながら実施されておりましたが、農家や関係者が一丸となって、地元開催での全共に向けた牛づくりに熱心に取り組んでおられました。  また、先月、姶良中央家畜市場で開催された県集合審査会に私も伺い、実際に出品牛の審査を見せていただき、生産者や関係者の鹿児島大会に向けた熱い思いを感じるとともに、皆様を激励してまいりました。  全共で優秀な成績を収めることは、鹿児島黒牛のブランドの一層の向上や、高齢でも頑張っておられる農家や若い担い手の育成、生産意欲の向上につながります。ぜひとも鹿児島大会で前回以上の成績を期待しています。  また、大会開催に向けては、いよいよ一年を切り、会場の設営等の準備を着々と進めていることと思います。一方で、鹿児島国体の延期に伴い、全共が先に開催されることになったため、県においては、種牛の部会場の新たな敷地整備や全共終了後の原状復旧工事等に要する経費について、前回の九月議会において補正予算を措置するなど、当初からの計画に加えて、想定外の事案へも適切に対応されておられます。  宮城大会では約四十万人の来場者があったと聞いています。鹿児島大会においても、出品者や関係者はもちろんのこと、全国や海外からも多くの来場者が見込まれることから、鹿児島の特産品などをPRする絶好の機会であります。  現在はまだコロナ禍の状況ではありますが、来年十月の全共を通じて、鹿児島にお越しいただく多くの方々に県内各地を観光していただけるような状況になれば、鹿児島県全体の経済の活性化にもつながるのではないかと大いに期待しています。  そこでお伺いします。  第十二回全共鹿児島大会の連覇に向けた関係機関・団体と連携した出品対策についてお示しください。  また、第十二回全共鹿児島大会の会場設営等の準備状況についてお示しください。  あわせて、鹿児島大会を周知するためのPRについてお示しください。  次に、林業の振興について。  森林・林業・木材産業においては、戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎えたことなどを背景に、国産材の生産量や木材生産の産出額が増加するとともに、林業従事者給与も上昇するなど、持続的な発展に向けて一定の成果も上がりつつあります。  それを証拠に、林野庁が公表している二〇二〇年の木材自給率が前年より四ポイント高い四一・八%となり、一九七二年以来、四十八年ぶりに四〇%台に回復したと発表されました。  一方で、近年、豪雨や台風、地震により全国各地で大規模な山地災害が発生しており、森林整備や治山対策などによる国土強靱化、世界的な木材不足等を背景とした木材の急激な価格変動、今日のウッドショックと呼ばれるような事態に陥らないよう、国産材の生産、流通体制の構築など新たな課題が発生している状況にあります。  加えて、二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するため、CO2の排出削減はもとより、吸収源の確保が不可欠であります。森林吸収量の確保・強化に向けて、森林資源を適正に管理するとともに、切って、使って、植える循環利用を推進していくことが最も大事なことであります。  平成二十二年に制定された公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が本年六月に改正され、脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律として、十月一日に施行されました。  今回の改正において、政府においては、農林水産大臣を本部長として木材利用促進本部が設置され、同本部において、基本方針の策定や基本方針に基づく措置の実施状況の公表等を行うこととされております。今までの基本方針は公共建築物を対象としていましたが、今回の法改正により、民間建築物を含む建築物一般に対象が拡大されたところであります。  この基本方針の概要についてお示しください。  また、どのような効果が期待されるか、伺います。  さて、令和三年十月十日の日経新聞に「森林にも迫る高齢化」という見出しがありました。CO2吸収量がピーク時の八割、そして伐採や再造林が進まない負の連鎖に陥っているとありました。ちなみに、樹齢三十年から四十年がCO2吸収量のピークとされております。  また、林野庁の調べでは、造林が計画的に行われない造林未済地は、三年前より三割増の一万千四百ヘクタールとあります。防災、CO2の吸収源や水資源の涵養など、森林の持つ多面的機能は重要であります。  そこで大事なのは再造林であります。  まず、直近の再造林率と苗木の生産状況はどのようになっているのか、伺います。  再造林を進める上で人手不足も課題と思われますが、さらに再造林を進めるためにどのように取り組んでいくのか、伺います。  また、コンテナ苗など苗木の生産拡大を図る必要があると思われますが、どのように取り組んでいくのか、伺います。  次に、効率的な林業経営を行っていくためには、今後は先端技術の導入が不可欠と考えますが、ドローン等を活用したスマート林業の推進に向けた県の取組について伺います。  私は以前の質問の中で、時代のニーズに応えるべく、県立の林業大学校を開設すべきと訴えてまいりましたが、開設に向けて前向きではなく、各種研修の充実を図るとの答弁でした。そのときは納得いたしましたが、しかしながら、よく考えますと、どうしても必要性があると思い、今回、再度質問することにいたしました。  熊本県や宮崎県では既に取り組まれていて、三年になります。大学校といっても大きなものではなく、熊本県二十名、宮崎県で十五名程度募集しているのであります。両県とも定員以上の応募があり、選考してそれぞれ二十名の生徒が現在、在学中と聞いています。  宮崎県では、十七の資格が取得でき、林業を一から学び、現在、ICTなど最新の技術が学べるほか、講師派遣などによる学習が充実していて、また、卒業時には森林組合や企業から多くの採用の要望が来ていると伺っております。  知識と現場力を兼ね備えて即戦力となる、次世代をリードする林業の担い手確保という観点からも、県立林業大学校の開設は切に願うものでありますが、見解を伺います。  次に、獣医師確保についてであります。  曽於市と鹿児島大学共同獣医学部が連携して、県立財部高校跡地に獣医養成研究施設、南九州畜産獣医学拠点を整備することとなり、鹿大生だけでなく全国から学生を受け入れる施設を整備して、全国初の産業動物の医師を確保し、地域防疫の担い手育成を目指すこととされています。  御承知のとおり、近年のペットの人気により、獣医師数は増加しているものの、犬猫など小動物に六割が流れてしまい、家畜診療に携わる獣医師は僅か一割にすぎないのであります。牛、豚、鶏の飼養頭数が全国上位にある本県にとっても喫緊の課題であります。  また、施設の中には、四百頭規模の、県内に例のない次世代閉鎖型牛舎も建設される予定です。その運営は民間の事業者に任せると聞いておりまして、令和六年四月の開校に向けて動き出しています。
     その間にまず必要となったのは、県所有の財部高校跡地の無償譲渡でありますが、知事や教育長の理解の下に進めることができましたことに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。  しかし、問題はこれからであります。今、スタートしようというところであります。産業動物を診る獣医師不足は慢性化している中、産業動物獣医師を育成する拠点が畜産地帯である本県において進められている意義は大きいと考えます。  そこで、今後、畜産の課題である産業動物獣医師確保に向けて、県は拠点とどのように連携できるのか、伺います。  また、県の食肉衛生検査所における獣医師の確保状況についてもお伺いいたします。    [知事塩田康一君登壇] 62 ◯知事(塩田康一君)第十二回全共鹿児島大会の連覇に向けた出品対策についてでございます。  令和四年に本県で開催される第十二回全国和牛能力共進会鹿児島大会の連覇に向けては、県や和牛登録協会県支部、県経済連、各地区の農協等で組織される県推進協議会において、関係機関・団体と一体となって、肉用牛農家に対して、それぞれの出品区分に対応した指導を行っているところであります。  出品区分のうち、種牛の部については、優良な候補牛を確保するため、県内全域で出品条件に合わせて優良雌牛に人工授精を実施し、今年八月までに全ての区の候補となる子牛が生まれたところであり、関係機関・団体と連携した巡回調査等による飼養管理指導や候補牛の掘り起こしに取り組んでいるところであります。  また、先月には、全共を見据えた県集合審査会や、技術員の審査技術の向上を目的とした研修会を開催したところであり、当日は私も実際に出品牛を拝見し、生産者をはじめ関係者の皆様の全共に向けた熱意を肌で感じたところであります。  肉牛の部については、六月から県内のトップレベルの肥育農家十八戸において、候補牛七十二頭の肥育が開始されており、現在、牛肉中のうまみ成分であるオレイン酸などの含有量の向上に向けた飼料給与マニュアルや、超音波肉質診断技術等を活用した定期的な飼養管理指導を実施しているところであります。  第十二回大会は、過去最多となる四十一の道府県が出品する大会となっており、県としては、生産者をはじめ関係機関・団体一丸となって、チーム鹿児島の団結の下、出品対策を強化し、全国一の和牛生産県として必ずや連覇を果たすべく、全力で取り組んでまいります。 63 ◯農政部長(松薗英昭君)第十二回全共鹿児島大会の会場設営等の準備状況についてでございます。  全共鹿児島大会は、肉用牛の改良推進や農家の生産意欲の向上、生産基盤の維持・拡大などにつながるとともに、全国規模の大きなイベントでもあることから、県内外から訪れる多くの方々に鹿児島の魅力をアピールする絶好の機会であると考えております。  大会開催に向けた準備につきましては、審査場や仮設牛舎等の会場設営、シャトルバスの運行等の交通輸送、大会期間中のイベントや大会PR等の催事・広報などの実施計画や、出品牛の家畜伝染病の検査等を定める家畜衛生対策要領の策定を進めているところであります。  また、鹿児島国体の延期に伴う新たな敷地整備につきましては、現在、工事の着手に向けた準備を進めており、令和四年六月には工事が完了する予定であり、その後、審査場や仮設牛舎等の会場整備に取りかかることとしております。  次に、鹿児島大会を周知するためのPRの取組についてでございます。  第十二回全共県実行委員会におきましては、これまで、マスコットキャラクター「かごうしママ」を活用し、イベント等でのPRを行うとともに、大会ホームページやフェイスブック等を通じて、県内外に情報発信してきたところであります。  また、大会まで一年となる今年十月には、大会開催に向けたカウントダウンボードを県庁ほか三か所に設置するとともに、鹿児島中央駅アミュ広場で一年前イベントを開催し、広く県民に大会内容の紹介や和牛のおいしさ等について周知するなど、一層の機運醸成に取り組んだところでございます。  あわせて、新聞、テレビ、ラジオ等のメディアや各種機関誌等を活用した大会PRにも努めております。  県といたしましては、引き続き、県内外で開催される各種イベントやメディア等を活用し、大会を広く周知するとともに、鹿児島大会を通じて本県の魅力を最大限発揮できるよう、万全の準備を進めてまいります。  次に、獣医師の確保についての関連で、県と南九州畜産獣医学拠点との連携についてでございます。  曽於市と鹿児島大学は、県立財部高校跡地に全国の獣医学生の実践的な教育の場として、南九州畜産獣医学拠点を整備することについて、先月公表したところであります。  県といたしましては、産業動物獣医師を目指す学生が増加し、畜産業を支える獣医師の確保につながるものと期待しているところでございます。  産業動物獣医師の確保に向けては、拠点で学ぶ獣医学生を対象とする家畜保健衛生所等でのインターンシップの受入れや、県畜産試験場等での試験研究などを検討してまいりたいと考えております。 64 ◯環境林務部長(松下 正君)林業の振興についてのお尋ねのうち、まず、建築物における木材の利用の促進に関する基本方針の概要等についてでございます。  この基本方針においては、建築物における木材の利用促進の意義及び基本的方向、木材の利用促進のための施策に関する事項、国が整備する公共建築物における木材利用の目標等が定められております。  新たな取組として、建築物木材利用促進協定に基づき、国や地方公共団体が事業者等の民間建築物における木材利用を支援することや、十月八日の木材利用促進の日を中心とした重点的な普及啓発等が追加されております。  また、国が整備する公共建築物は、原則木造化する対象を三階建て以下の低層とされていたものから、中高層を含めた全ての建築物へと拡大されたところであります。  この基本方針に基づく取組が推進されることにより、公共建築物はもとより、民間建築物を含む全ての建築物において木材の利用が促進され、林業・木材産業の持続的かつ健全な発展や、炭素の貯蔵を通じた脱炭素社会の実現などに貢献するものと考えております。  再造林率と苗木の生産状況についてでございます。  本県民有林における令和二年度の人工林の伐採面積は千四百四十三ヘクタール、再造林面積は七百五十一ヘクタールとなっており、再造林率は前年度と比べ一二ポイント増の五二%となっております。  また、令和二年度の苗木の生産量は、前年度と比べ三十一万本増加し、約二百二十六万本となっております。  再造林を進めるための取組についてでございます。  県では、再造林を推進するため、労働力の確保・育成に向けた取組として、新規就業者の確保や再造林等の作業を実践する現場技能者の育成を図っているほか、造林・保育コストの低減、優良苗木の安定供給体制づくりなどの取組を一体的に進めているところであります。  今後、さらに再造林の推進を図るためには、これまでの取組と併せ、伐採を専門に行う事業体の労働力を活用し、春期に集中している植栽作業を通年で実施する取組を促進する必要があると考えております。  このため、伐採者が造林技術を習得するための研修を実施するとともに、伐採者と造林者が連携して植栽まで行う一貫作業や、植栽可能な時期が長いコンテナ苗のさらなる生産拡大に向けた取組への支援等を行っているところであり、引き続き、関係者と一体となって再造林の推進に取り組んでまいりたいと考えております。  苗木の生産拡大の取組についてでございます。  再造林に不可欠な苗木の生産拡大を図るためには、生産者の確保・育成や生産施設の整備、穂木の確保等の取組を一体的に進めていく必要があります。  このため、生産者を対象とした技術習得を目的とする実践講座の開催や、コンテナ苗生産施設の整備、成長が早く花粉が少ないなど優れた特性を持つスギの採穂園の造成、生産者が採穂園で行う下刈り等の管理作業に対する支援等を行っているところであります。  また、コンテナ苗の生産拡大を図るため、新たに生産に取り組もうとしている者を対象とした生産資材の貸与のほか、今年度からは、既存生産者のコンテナ苗生産への転換に対する支援も行っているところであります。  県としては、今後とも、関係者と一体となってこれらの取組を進めながら、優良苗木の生産拡大を図ってまいりたいと考えております。  スマート林業の推進についてでございます。  森林の経営規模が極めて零細である本県においては、森林施業の集約化が不可欠であることから、ドローン等の先端技術を活用したスマート林業を導入し、森林管理や木材生産の効率化・省力化を図ることが重要であります。  このため、昨年度から、ドローンとレーザー計測器を組み合わせて、高精度の森林資源情報を簡易に取得する手法の確立や、取得した情報を活用し、所有者等が現場を訪れることなく、森林の境界や立木の状況を映像で確認できるシステムの構築を図っているところであります。  さらに、今年度は、この手法を用いて現地検証を行い、森林資源量解析の精度向上等を図るとともに、市町村等へ広く普及するための研修会を行うこととしております。  今後とも、効率的で生産性の高い林業経営に向けて、関係者と連携しながら、スマート林業の推進に取り組んでまいりたいと考えております。  林業就業者確保の観点からの林業大学校の必要性についてでございます。  県においては、姶良市蒲生町に設置する宿泊施設を有する、森の研修館かごしまを就業者の確保・育成対策の拠点とし、就業相談窓口の設置や新規就業希望者を対象とした鹿児島きこり塾の開催、林業関連学科の高校生等を対象とした技能講習などを実施しております。  これらの取組により、本県における新規就業者数は毎年百五十人程度で推移しております。  また、今年度からは、就業者の育成や定着を図るため、植栽から木材生産に至る林業技術等に関する研修を実施している大学や関係団体と協議し、これらの各種研修を就業者の技能レベルに応じて段階的かつ体系的に行うことで、就業前の技術習得や就業後のキャリア形成等を支援する鹿児島スーパーきこり塾を実施しております。  研修内容等については、引き続き必要な見直しを行いながら、さらなる充実に努めることとしており、これらの取組を通じて、就業者の確保・育成に努めてまいりたいと考えております。 65 ◯くらし保健福祉部長(谷口浩一君)食肉衛生検査所における獣医師の確保状況についてであります。  本県の食肉衛生検査所における獣医師の人数は、今年度当初時点で、正職員百二人、会計年度任用職員七十七人の合計百七十九人となっております。年齢構成については、正職員は、三十歳以下が八人、三十一歳から五十歳までが四十四人、五十一歳から六十歳までが五十人、会計年度任用職員は、六十五歳以下が二十六人、六十六歳から七十五歳までが四十五人、七十六歳以上が六人となっております。  食肉衛生検査所に勤務する正職員獣医師の最近の採用状況については、平成三十年度に実施しました採用試験で六人、令和元年度で二人、令和二年度で四人を採用しております。  獣医師確保については、初任給調整手当の支給や職員立案型研修の実施など、処遇改善に努めるとともに、受験年齢制限の引上げや採用試験の複数回実施などの試験方法の見直しに加えまして、獣医師確保対策修学資金の貸与などの対策に取り組んでいるところでありますが、小動物診療獣医師を希望する獣医学部生が依然として多く、公的獣医師の魅力の発信が十分でないことが課題であると考えております。  今後とも、さらに情報発信に努め、獣医師確保に最大限取り組んでまいりたいと考えております。 66 ◯瀬戸口三郎君 林業大学校の開設について伺います。スーパーきこり塾なるものを研修に取り入れたということでありますが、その研修期間というのはどのくらいですか。 67 ◯環境林務部長(松下 正君)鹿児島スーパーきこり塾の研修期間でございますけれども、このスーパーきこり塾には十四の研修がございまして、新規就業者の確保の中で、例えば、入門編五日間、専門編十四日間、また、インターンシップについては五日間、トライアル雇用については六十日間、次の段階の現場技能者の育成の段階で、資格取得の初級で一日から二日、中級で一日から六日、実践研修では一日から四日、フォレストワーカー研修については三年、さらにその次の現場管理者の育成の段階になりますと、森林経営プランナー研修が延べ七日、資格取得の上級が二日から十四日、フォレストリーダー研修が十六日、さらにその上の効率的かつ安定的な林業経営を支える人材の育成の安全指導者育成研修については一日、高度技能者育成研修については一日、次世代林業マイスター養成講座については十二日、フォレストマネージャー研修については十日と、これらの研修を体系的・総合的に実施しているところでございます。 68 ◯瀬戸口三郎君 二週間とか一週間の僅かな中で、既に就業されている方が主なんですね。それじゃなくて、私が申し上げるのは、林業は大変危険な産業でございますので、安全対策とかいろいろなものを新規の一年かけてみっちりと、十人でも、十五人でも既存の施設でできる、そういうものをつくっていただきたいと思っているんですが、再度の協議、検討をされる考えはないのか、再度お伺いいたしたいと思います。 69 ◯環境林務部長(松下 正君)先ほども答弁いたしましたけれども、本県における新規就業者、おおむね毎年百五十人程度で推移しているということでございますので、まずは、これらの研修を就業者の技能レベルに応じて段階的・体系的に行うということ、就業前の技術習得や就業後のキャリア形成を支援するということで、先ほど申し上げたとおり体系的・総合的に実施しているところでございます。これらのような研修制度のさらなる充実に努めまして、就業者の確保・育成・定着に努めてまいりたいと考えております。    [瀬戸口三郎君登壇] 70 ◯瀬戸口三郎君 第十二回全共は地元開催であることから、ぜひとも鹿児島大会での連覇に向けて、関係機関・団体と一体となって出品対策を強化されるよう要望いたします。  また、鹿児島大会で本県の魅力を存分にアピールするため、多くの方々に来ていただくための一層の大会のPRとともに、全国大会にふさわしい会場となるような会場設営等の準備に取り組んでいただくようお願いします。  県においては、連覇のための出品対策の予算はもちろんのこと、全国一の和牛生産県として全国大会にふさわしい大会になるよう、大会運営の事業についても十分な予算の確保をお願いいたします。  林業振興について、建築用木材の需要を拡大することは、林業・木材産業の持続性を高め、森林の有する多面的機能の持続的発展や森林の適正な整備、雇用の場の創出など、山村の活性化につながるとともに、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に資するものであると思われますので、木材利用を促進するための施策を一層推進していただきたいと思います。  林業大学校の設置ですが、現在、スーパーきこり塾などの研修が行われておりますが、それは既に林業に従事された方が対象であり、短い期間での研修となっています。林業大学校では、一年をかけて林業の基本から学べる場として、いろいろな資格を取得でき、また、林業は最も事故のリスクが高い産業であることから、そのような研修もできます。さらに、最新の高性能機械やドローンなどの取扱いについても学ぶことができ、一年かけて少人数でも基本から学べる場として、担い手の確保の面からも大事な事業でありますので、林業大学校の開設は、これからの林業の振興を考える上でなくてはならないものと強く思われます。前向きに検討されるよう要請いたしたいと思います。  獣医師の確保については、畜産王国として、また県の食肉衛生検査所の職員の勤務状況を見ましても、検査員は六十代、七十代の方が多く、あと十年もすると獣医師の確保は難しくなると思われます。南九州畜産獣医学拠点は、まさしく産業医の学ぶ場として、また獣医師確保の面においても重要な施設であると思われます。  また、牛の飼育についても民間企業を募集されておりますので、県の支援をお願いいたします。  次に、農業教育新興会と農業教育についてであります。  本県は、全国的にもまさしく農業県として知られており、特に黒牛、黒豚など畜産が盛んな県として知られております。  農業高校では、農業後継者育成や本県の農業や関連産業などに関わる人材育成を担ってきました。産業構造の変化、人口減少による少子高齢化の中、農業高校への進学者は減少し続けています。農業関連高校は、四十三校あったものが今では十一校に減少しています。  その危機的な状況下に、農業教育に携わってこられた高校の職員で退職された方が会員となって、農業教育新興会が発足しました。拠点を会長宅として、国会議員や県・市議会議員など賛助会員も増えています。  県下の中学校に向けたパンフレットを作成されて、県内の中学校を一校一校回り、農業高校の役割と必要性などについて紹介し、農業高校への進学をお願いして回っておられます。そのほか、小学生とのそば打ち体験や農林水産省との連携も欠かすことなく行っておられ、農業大学校の重要性にも言及しています。  そのような中にあって感じたことは、中学校の教師の中に、農業に対して深く理解する方が少なくなっているということでした。  そこで、農業教育新興会への認識と今後の連携の在り方について伺います。  さらに、県立短期大学に農業高校からの推薦枠を広げてもらえないかということです。  また、四年制化すべきであると思われますが、いかがでしょうか。県立短期大学の学長になられた塩地学長も、部分四大化を目指すとされています。  県立農業大学校についても、農業高校と連携することで、農大生の募集もよりよくなるのではないかと思われますが、農業大学校の学生確保のための農業高校との連携について伺います。  次に、私は先日、農業大学校を視察いたしました。大学内では、農大生が作った新鮮な野菜やきれいな花を明るく元気に販売されていました。  農業高校や農業大学校では、野菜などの農産物を販売していますが、特色ある農畜産物や農業加工品にはどのようなものがあるのか、お示しください。  また、その売上総額は、農業高校、農業大学校それぞれ幾らになっているのか、伺います。  次に、サツマイモ基腐病についてであります。  サツマイモ基腐病は、国内では二〇一八年に鹿児島、宮崎、沖縄の三県で初めて確認され、現在は二十二都道県に広がっている病気です。  初めは一部地域であり、人ごとのように思っていたのですが、昨年から私どもの大隅北部地区でも確認されて、本年度産においては、八月、九月は少しでしたが、十月に入って目立つようになり、十一月にはほとんどの圃場で壊滅的な状況に一変しました。十一月に入り、日に日に目立つようになり、車窓からもはっきりと確認できるようになりました。  平年は、十アール当たり五百キログラム袋で五、六袋あるのに、一袋から二袋しかない圃場が目立つようになり、ある人は、ビニールを取り除いてそのままトラクターで収穫せずに耕うんしたそうです。  本年に入り、農薬の登録も取得でき、薬剤散布もしましたが、効果は現れませんでした。私の家でも、山林を開墾して、新しい土地にウイルスフリーの苗を植えましたが、それでも基腐病が発生するのです。  水田地帯では、圃場に水をためて消毒しても効果がなく、もう手のつけられない状態です。このままでは、年を重ねるごとに本県からサツマイモは消えてしまうだろうと大変危惧いたしております。  青果市場にも影響が出てきています。平年ですと、市場には本県のサツマイモが七割から八割を占めているわけですが、ほとんど県外産が主流を占めているのが鹿児島中央市場の現状です。  貯蔵中のサツマイモもほとんどありません。今後、加工や焼酎製造にも影響することは必至です。一日も早く解決しなければ、サツマイモ栽培をやめなくてはなりません。これほど病気の発生が多くなると、圃場外に持ち出すことは不可能な状態です。  そこで伺いますが、本年産の県内の生産状況と令和四年産に向けた国の助成事業についてお知らせください。  また、県の試験場も一生懸命な努力をされているようですが、これまでの研究の状況と今後の取組について伺います。  あわせて、耐病性の強い品種が育成されつつあると聞いておりますが、どのようになっているのかお伺いいたします。  県立高校のエアコン設置についてであります。  児童生徒の熱中症対策として、平成三十年度補正予算におけるブロック塀・冷房設備対応特例交付金により、小・中学校の設置率は九三%になりました。  一方、県立の高校は同窓会などで整備されてきたと聞いていますが、県内の高校の普通教室におけるエアコンの設置は、近年の異常気象やコロナウイルス感染症対策のための換気の面からも必要不可欠であります。  そこでお伺いします。  エアコンが設置されていない県立高校は、あと何校あるのでしょうか。  また、その未設置対策をどのように考えていますか。例えば、リース事業による設置は考えられないのか、伺います。  最後に、弥五郎伝説の里の前の歩道整備と横断歩道の設置について伺います。  弥五郎伝説の里は、曽於市大隅町唯一の公園として市民に親しまれています。近隣には温泉のほか、デイサービスなどを行う社会福祉協議会があり、多目的広場では毎日グラウンドゴルフが行われています。そのほか、道の駅「農土家市」がありますし、フォレストアドベンチャーなどいろいろな施設があり、夏祭りやいろいろなイベントが行われております。
     国道二百六十九号の八合原付近は両側歩道となっているわけですが、弥五郎の里付近は、あと五百メートルが片側歩道のままとなっています。  弥五郎伝説の里側の歩道の整備はできないのか、また、弥五郎伝説の里入り口に横断歩道の設置が必要かと思われますが、横断歩道設置の基準はどのようになっているのか、お伺いいたします。 71 ◯教育長(東條広光君)初めに、鹿児島県農業教育新興会への認識と連携についてであります。  本県は、農業産出額全国第二位の国内有数の農業県でありますが、一方で、農業就業人口の減少や高齢化の進行などを背景に、農業の担い手の確保・育成が課題となっております。さらに、スマート農業や六次産業化など、食と農業を取り巻く様々な環境変化に即応できる創造性豊かな人材育成が求められており、農業教育の果たすべき役割は大きいと考えております。  こうした中、農業教育に長年携わってこられた方々による鹿児島県農業教育新興会では、県内各地の中学校を訪問し、農業教育に従事してこられた経験を基に、農業高校の魅力を中学生に紹介するとともに、近年は、農業高校の支援だけでなく小・中学生を対象に農業体験を実施していただくなど、農業教育の支援、農業後継者の育成などに取り組んでいただいているところであります。  県教委としては、農業高校における専門教育のほか、小・中学校においても農林業が地域で果たす役割等について学習する機会を設けているところであり、今後も、同会の協力も頂きながら、農業高校の活性化と農業後継者の育成に努めてまいりたいと考えております。  次に、農業高校と農業大学校における農産物等の販売についてであります。  県立農業高校と農業大学校においては、地域の特色を生かした農産物の栽培や家畜の飼育、加工品の開発や販売を通して、生産から販売までの実践的で充実した学びが行われているところであります。  例えば、市来農芸高校では、全国から農業高校生が参加する和牛甲子園において大会二連覇を果たすなど、高品質な和牛生産を行っており、鶴翔高校では、三年A組シリーズとして知られる豚みそやジャム、地元の未利用資源を生かした鹿肉調味料などの商品を開発し、好評を得ているところであります。また、県立農業大学校においては、県乳質向上共励会で二年連続知事賞を受賞するなど、高品質な牛乳生産を行っております。  これらの農畜産物や加工品の売上総額は、令和二年度で農業高校十校で三億千万円余り、農業大学校で八千四百万円余りとなっております。  今後とも、農業高校、農業大学校では、高品質な農畜産物や加工品の生産・販売などの実践的な活動を通して、地域の特性を生かした農業教育を展開し、本県農業を担う人材の育成に努めてまいりたいと考えております。  次は、県立高校の空調設備についてであります。  県教委では、県立高校の空調設備については、厳しい財政状況の中で国からの支援も限定的であることなどから、これまで図書室や保健室、パソコン室等の整備を年次計画的に行ってきておりまして、普通教室への整備については、リースの活用も含め、主に同窓会やPTAにより行われてきているところであります。  普通教室の空調設備は、現時点で、県立高校六十一校中五十二校が整備済みであり、未整備の九校については、国の交付金等を活用して、移動式クーラーやサーキュレーターなどを導入しているところであります。 72 ◯総務部長(山本 周君)まず、県立短期大学の入学者選抜における農業高校の推薦枠についてでございます。  県立短期大学の入学者選抜につきましては、大学の責任において決定いただく事項となっております。  現在、県立短期大学では、昼間の課程であります第一部におきまして、一般選抜のほか、広く県内の高等学校に門戸を開くという趣旨から、各学科ごとに、県内の全ての高等学校を対象といたしまして、一名または二名の推薦枠を設ける学校推薦型選抜を実施しているところでございます。  また、県立短期大学の生活科学科の食物栄養専攻課程におきましては、特定の高等学校のみを対象とする追加の推薦枠を設けておりますが、家庭系の学科を有する農業高校も既に対象となっており、広く県内の高等学校に門戸を開くという趣旨を踏まえると、さらに推薦枠を拡大することは困難であると聞いております。  次に、県立短期大学の四年制化についてでございます。  県立短期大学につきましては、例年、定員を上回る入学希望者がいる状況となっており、また、入学者の九割以上が県内出身者であり、卒業生のおおむね八割が県内に就職しているなど、県立の短期大学として地域の教育ニーズに応えるとともに、若年者の県内定着に極めて高い貢献をしていると考えております。  学内におきまして、現在、四年制化について議論していることは承知いたしておりますが、設置者としては、このような県立短期大学の入学や就職などの現状を踏まえまして、今後とも、将来の鹿児島を支える人材育成の場として、さらに魅力ある県立短期大学を目指すこととしており、県立短期大学の四年制化については、現在のところ考えておりません。 73 ◯農政部長(松薗英昭君)県立農業大学校と農業高校との連携についてでございます。  令和三年度の県立農業大学校の入学者は、約六三%を農業高校出身の生徒が占めており、今後とも農大を進学先と選んでいただくためには、農業高校と連携を図ることは重要であると考えております。  農業大学校では、農業高校生に農大の取組や魅力を理解してもらうため、県内の農業高校が開催する進学ガイダンスや出前授業に講師として職員を派遣するとともに、農業高校に対して、農大のオープンキャンパスへの参加の働きかけをお願いしており、これまでも多数の参加をいただいているところでございます。  今後とも、多くの農業高校生に農大に入学していただけるよう、農業高校と連携してまいります。  次に、サツマイモ基腐病に関する御質問のうち、まず、令和三年産サツマイモの生産状況等についてでございます。  本県のサツマイモは、でん粉原料用、焼酎原料用を中心に栽培されており、令和三年産の作付面積は、前年比九五%の約一万三百ヘクタールとなっております。  生産量につきましては、例年二月に国から公表されることとなっておりますが、サツマイモ基腐病の影響により、平年より減収になることが予想されております。  国の助成事業につきましては、被害を受けた生産者の方々にサツマイモの生産を継続していただくため、これまで、基金事業等により、被害程度に応じた定額支援、次年産の生産に向けた農薬や健全種芋等の資材等購入や、残渣処理に要する経費等の支援を行ってきたところであり、取組内容に応じて十アール当たり最大五万円を交付したところでございます。  国は、令和四年産に向けてもこの支援を継続することとしており、さらに、サツマイモを作付していない圃場を借りて栽培する交換耕作の取組なども支援することとしております。  県といたしましては、これらの支援措置を活用しながら、関係機関・団体と一体となって、基腐病対策に取り組んでまいります。  次に、試験研究の取組についてでございます。  基腐病の試験研究につきましては、農業開発総合センターと国などの試験研究機関が共同研究を実施してきており、定植段階での効果的な苗消毒や適切な農薬散布、圃場段階での収穫後の残渣の持ち出しや排水対策に加え、他作物との輪作など有効な技術について、総合的な対策として取りまとめたところでございます。  今後は、農業開発総合センターにおいて、引き続き、基腐病の防除対策の確立に向けて、収穫後のつるやくず芋などの残渣を石灰窒素を用いて分解する技術の研究、基腐病に比較的強い品種のウイルスフリー苗培養条件の解明、耐性病原菌の発生回避に向け、薬剤のローテーション散布が可能となるよう、新たな農薬の試験の実施などに取り組むこととしております。  次に、耐病性の強い品種についてでございます。  国の農研機構は、基腐病の抵抗性に関する試験の結果から、基腐病に比較的強い一品種を選抜し、現在、品種登録の準備中であると聞いております。  農研機構によりますと、この品種は、でん粉、焼酎用の原料向けであり、県内で広く栽培されているコガネセンガンに比べ、収量が多く、でん粉含有率が高いなどの特徴があるとされております。  県といたしましては、この品種の導入により、基腐病による被害軽減が図られ、生産量の確保が期待されることから、今後、増殖に向けた研究を速やかに進めてまいります。 74 ◯土木部長(兒島優一君)大隅弥五郎伝説の里付近の歩道整備についてであります。  県管理道路における歩道整備につきましては、通学路等において、地域の意向を踏まえ、必要性や緊急性、地元の協力体制等を総合的に判断しながら取り組んでいるところでございます。  国道二百六十九号の大隅弥五郎伝説の里付近につきましては、これまでに、約一キロメートル区間で幅三メートルの片側歩道が整備されており、歩道がない大隅弥五郎伝説の里側では、路肩部が広い市街地側の約四百五十メートル区間について、ラバーポール等を設置し、歩行空間の確保を行ってきたところでございます。  御指摘の区間につきましては、今後の歩行者や沿道の状況などを踏まえ、歩道整備の必要性等を検討してまいります。 75 ◯警察本部長(山田好孝君)横断歩道の設置基準についてであります。  横断歩道の設置につきましては、警察庁が示す交通規制基準を踏まえ、交通事故の発生状況や、横断歩行者、通行車両等の交通量、道路の幅員や形状など、交通実態を調査・分析した上で設置の必要性を判断しているところであります。  御要望の箇所につきましても、今後の道の駅周辺施設の整備等により生じる交通状況の変化を踏まえ、横断歩道設置の調査の必要性を検討してまいりたいと考えております。    [瀬戸口三郎君登壇] 76 ◯瀬戸口三郎君 農業新興会はボランティアで活動されている団体であります。農業は県の基幹産業であることから、農業が衰退していくことが危惧され、自らの体験を生かして活動されております。本年度は農水省とも直接掛け合って新しい予算も獲得し、県内全中学校へのパンフレットを作成して、既に巡回されております。農業高校に進学して農業大学校への進学とつながっていくことを願っております。そのことがひいては鹿児島県の農業や農業関連産業の振興につながっていくと思われますので、今後の県の同新興会への温かい御支援をお願いするものであります。  次に、農産物の販売収入については一般財源化されていることから、課題も多いとは思われますが、「稼ぐ力」を養うためにも、売上げの収益を一般財源化するのではなく、各学校のための独自財源として活用できるように見直されるよう願うものであります。  サツマイモ基腐病については、開発センターを挙げて防除対策に力を入れていただきたいと思います。本県の基幹作物であり、防災品目であるサツマイモは、いろいろな加工食品として利用され、お菓子の原料として関連産業を育ててきました。国の研究機関に頼ることはもちろんですが、本県独自の重要作物として開発センター予算と人員を確保して、一日も早い解決を願うものであります。  私は一昨日、自民党の意見交換会に参加しましたが、黒斑病の撲滅に十年かかった経緯があると申されました。基腐病も熱心に取り組めば必ず撲滅できると信じております。  県立高校エアコンの設置について、近年の異常気象を考えますとエアコンの設置は不可欠であると思われます。県立高校として県が設置するのが当然であると思われますので、一日も早く、せめて普通教室などへの設置を強く要望いたします。  横断歩道の設置もよろしくお願いいたします。  さて、伊藤知事は、何も言わずとも分かるだろうと錯覚を起こしておられました。しかしながら、職員にもある程度の支持を受けておられました。一方、三反園知事は、パフォーマンスは一流であったと思われますが、職員には理解してもらえませんでした。塩田知事は、職員に絶大なる信用があります。答弁を聞いていても滑らかでスムーズな答弁に徹しておられますが、何かが足りないと感じているのは私だけではないと思います。これからでございますので、知事は御自分の考えを前面に出し、もっと自分のカラーを出して県民に接し、これからも県民を引っ張っていただきたいと思います。  終わります。(拍手)       ───────────── 77    △ 請願・陳情の委員会付託 ◯議長(田之上耕三君)次に、請願・陳情の委員会付託であります。  受理いたしました陳情は、配付いたしております請願・陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 78    △ 日程報告 ◯議長(田之上耕三君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問であります。       ───────────── 79    △ 散  会 ◯議長(田之上耕三君)本日は、これで散会いたします。        午後三時三十三分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...