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  1. 鹿児島県議会 2020-03-17
    2020-03-17 令和2年産業経済委員会 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過        ……………………         午前十時開会        …………………… ◯西高委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから産業経済委員会を開会いたします。  本日は、農政部関係の陳情の審査及び県政一般に関する調査を行います。  三月十二日にお諮りしましたとおり、県政一般特定調査につきましては、かごしまPR課長かごしま材振興課長水産振興課長及び水産流通対策監の出席を要請しておりますが、陳情の審査が終了しましたら、次に県政一般の調査、かごしま材振興課長が出席次第、県政一般特定調査を行うという順で進めてまいります。  初めに、お手元の参考資料、請願・陳情文書表により、新規の陳情一件、継続審査の陳情一件について審査を行います。  まず、新規の陳情第二〇〇六号二項について、経営技術課長の説明を求めます。 2 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 おはようございます。  陳情第二〇〇六号につきまして御説明申し上げます。  参考資料の請願・陳情文書表、一ページをお開きください。  件名につきましては、日本全体及び関東地方の地震の起こり方が大幅に変化していて、首都圏地震が切迫しているため、地熱などの自主財源の一層の開発を求める陳情、このうち第二項でございます。  提出者は、武田信弘氏でございます。  陳情書の趣旨につきましては、二ページのほうにございますけれども、首都圏大地震が起こると、金融が一気に麻痺してしまう可能性が高く、結果的に円安・株安・債券安が起こり、国や地方団体による債券発行が困難になる。また、円安によります輸入物価高は防ぎようがなく、自給率の低い品目の自給率向上が必要であり、特に生活に欠かせない食料と化石燃料の確保が必要である。  このため、第二項にございます、肥料などの備蓄を農業団体などに呼びかけることを陳情されているものでございます。  二ページ下段のほうでございます。  状況説明でございます。  地球温暖化等気候変動の進行により、農作物生産可能地域の変化や、異常気象による大規模な不作の頻発等、国民に対する食料の供給が不安定な要素を有していることを踏まえまして、国は、緊急の要因により食料供給に影響が及ぶ可能性のある事態に的確に対処することを目的として、「緊急事態食料安全保障指針」を策定しているところでございます。  同指針に基づきまして、緊急時には、食料の増産に必要な肥料などの生産資材を確保するために、必要に応じて、製造事業者等に対して、肥料等生産資材の増産などの要請や指示を行う仕組みが構築されてございます。
     なお、化学肥料長期保管につきましては、多湿条件下で吸水し固結するなど品質が劣化すること、それから、広い場所を確保する必要があって多大なコストが発生することなどから、困難であるというふうに考えてございます。  以上で説明を終わります。よろしくお願いします。 3 ◯西高委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。 4 ◯前野委員 今、御説明いただきましたけれども、現状、農家さんが必要とされる肥料はJAを中心としてあるわけですが、これは企業さん、肥料メーカー等々はやはり一定量は確保しておく。作付の時期に合わせる形で水稲であれば水稲用とか、耕種であれば耕種用とかいったようなものの需要に応じた備蓄みたいなものはあると思うんですけれども、これが不足するというような事態、本県では肥料が足りないとかいったような状況というのはないんですか、どうなんでしょうか。 5 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 鹿児島で使う分が足りるのかという御質問だと思いますけれども、まさに今、新型コロナウイルスの関係で中国のほうの物資の輸送がなかなか困難ということもあると聞いておりますが、そのような中で国内で肥料の原材料が不足しているということはないというふうに伺っております。 6 ◯前野委員 ありがとうございます。  先ほども言いましたけれども、JAさんあたりは自己で保管する分も含めて、企業さんが在庫として持っている。今あるように相当大きい倉庫が必要なわけですよね、物が大きいですから。そういった意味では、JAさんが販売する分、あるいは肥料メーカーさんが販売する分、それぞれの立場で一定程度の備蓄、中国に頼っているという分もあるかもしれませんけれども、国内で消費する分というのは当面心配がないなというふうに理解しておけばいいですね。 7 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 まさに委員おっしゃられたとおり、近々に使う分については全然心配は要らないというふうに思ってございます。  ちなみに、農業団体さんのほうに伺いますと、要は、肥料の原袋をストックして、それを持ってきて配合するわけですけれども、倉庫メーカーのほうが一か月以上預かることを嫌う。それは、肥料を持ってきてさびてしまって施設が傷むということが要因であるようです。(「はい、分かりました」という者あり) 8 ◯西高委員長 ほかに質疑はありませんか。    [「なし」という者あり] 9 ◯西高委員長 ほかに質疑がありませんので、取扱い意見をお願いいたします。 10 ◯小園委員 陳情第二〇〇六号二項につきましては、地球温暖化等による自然災害農作物の不作など、緊急の要因により食料供給に影響が及ぶ可能性のある事態に的確に対処するため、国は、緊急事態食料安全保障指針を作成しており、緊急時には、食料増産に必要な肥料などの生産資材を確保するため、必要に応じて、製造業者等に対し、生産資材の増産などの要請や指示を行う仕組みが構築されております。  また、化学肥料長期保管は、多湿条件下で品質が劣化することや、広い保管場所の確保に多大なコストが発生することなどから、困難であると考えるため、不採択でお願いいたします。 11 ◯西高委員長 ほかに御意見はありませんか。    [「なし」という者あり] 12 ◯西高委員長 それでは、採決いたします。  ただいま、陳情第二〇〇六号二項については、不採択との御意見がありましたが、不採択とすべきものと決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 13 ◯西高委員長 御異議ありませんので、陳情第二〇〇六号二項は、不採択とすべきものと決定いたしました。  次に、継続審査の陳情第二〇〇二号鹿児島主要農作物種子条例の制定を求める陳情について、その後の情勢の変化などにつきまして、農産園芸課長の説明を求めます。 14 ◯有馬農産園芸課長 継続審査分の陳情第二〇〇二号について御説明いたします。  請願・陳情文書表の十ページでございます。  件名は、「鹿児島主要農作物種子条例」の制定を求める陳情についてでございます。  前回の定例会以降の情勢の変化について御説明いたします。  県では、本県の主要農作物の優良な種苗の将来にわたる安定的な生産及び供給を図るための条例案を今議会に提案しているところでございます。  以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。 15 ◯西高委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。 16 ◯宝来委員 この議論をずっと続けているわけですが、陳情者の趣旨である伝統野菜の保護ということに関して、鹿児島県は現在どういう取組をされているということで理解したらよろしいでしょうか。 17 ◯有馬農産園芸課長 伝統野菜の保護についてですけれども、県としましては、地域で行われております優良系統の選抜に地域振興局を中心として協力しておりますほか、国分だいこん等については、生産者関係機関、そういったところと連携しながら、採種・栽培技術の指導等を行っているところでございます。  また、桜島だいこんですとか白なす等につきましては、その種子を遺伝資源として農業開発総合センターのほうに保管をしているところでございます。  伝統野菜への支援については、今後とも引き続き、地域での種の維持ですとか栽培の伝承、そういったものに支援をしてまいりたいと考えております。 18 ◯宝来委員 この伝統野菜というのはどこがどのように認定というか指定というか、されているんですか。 19 ◯有馬農産園芸課長 伝統野菜は一般的に、それぞれの地域でその気象なり土壌なり食文化、そういうものに適応するように昔から代々栽培されてきた野菜でございます。その中から、県といたしましては、二十数種類を鹿児島を代表する伝統野菜ということで、かごしま伝統野菜ということで選定させていただいているところでございます。 20 ◯宝来委員 私も詳しくは分からないんですけど、県内で例えば今後も、これは伝統野菜じゃないですかみたいな動きとかあった場合は、どこがどのように検討していくような仕組みになっていますか。 21 ◯有馬農産園芸課長 今の御質問ですけれども、これはどうでしょうかというものが来ましたときには、県のほうで定めております鹿児島伝統野菜、これは戦前から栽培が続いているということを一つの条件としておりまして、その土地固有のものであって、戦前からずっと栽培が続いているという条件を満たしているということを確認できれば、有識者、試験場のOBの方ですとか大学の先生ですとかそういう方々に会を開いていただきまして、認定するという手続をとっております。 22 ◯西高委員長 ほかに質疑はありませんか。    [「なし」という者あり] 23 ◯西高委員長 ほかに質疑がありませんので、取扱い意見をお願いいたします。 24 ◯小園委員 陳情第二〇〇二号につきましては、県では、本県主要農作物の優良な種苗の将来にわたる安定的な生産及び供給を図るため、幅広く関係者等から意見をお聞きしながら検討の上、策定した条例案を今定例会に提案しており、主要農作物には、種子法に規定されていた稲、麦、大豆と、本県特有の品目として、離島地域基幹作物であるさとうきびを対象としたところであります。  なお、陳情者の趣旨にある伝統野菜の保護に関して、県では、伝統野菜の定義なども踏まえ、地域で行われている優良系統の選抜に協力しているほか、採種や栽培技術の指導、一部の種子については遺伝資源として保管するなどの取組を行っており、また、今後も、地域での種の維持や栽培技術の継承、産地づくりを支援していき、引き続き必要な取組がなされていくと考えることから、不採択でお願いいたします。 25 ◯西高委員長 ほかに御意見はございませんか。 26 ◯前野委員 陳情第二〇〇二号ですけれども、今議会に鹿児島主要農作物の種苗の安定供給に関する条例が提案されております。  種苗法の廃止から一貫して、条例を制定すべきだということを主張してまいりましたけれども、今回、条例案が提案されているということで評価もするところですが、この間、一貫して採択を主張してまいりました。したがって、採択でよろしくお願いします。 27 ◯西高委員長 ほかにございませんか。    [「なし」という者あり] 28 ◯西高委員長 それでは、採決いたします。  陳情第二〇〇二号について、採択と不採択を求める意見がありますので、挙手による採決を行います。  陳情第二〇〇二号を採択とすることに賛成の委員の挙手を求めます。    [賛成者挙手] 29 ◯西高委員長 挙手少数であります。  よって、陳情第二〇〇二号については、不採択とすべきものとすることに決定いたしました。  以上で、陳情の審査を終わります。  次に、県政一般に係る一般調査を行います。  質問がありましたらお願いいたします。 30 ◯前野委員 鹿児島県では平成二十二年に、二十一世紀における農業試験研究体制あり方検討委員会というところから提言を受けておられます。これはもう今年の十二月で十年を経過することになるわけです。この間の本県の農業あるいは日本国内の農業を取り巻く情勢といったようなものを考えるときに、非常にさま変わりをしてきている。具体的に申し上げますと、TPPの発効もそうですけれども、EPAとか二国間協定とかいったようなものが既に発効しているという状況にあります。  それと、農業のやり方といったようなものについても、スマート農業がもはや最前線という、農業を取り巻いている状況があるわけです。  確かに、この提言書を拝見させていただきますと、効率化を追求していくであるとか、スマート農業を推進すべきであるとかいったようなことも中には少し入っております。  この提言書というのは、県が設置している、分かりやすく言うと農業試験場、今、農業開発総合センターというふうになっていますけれども、その研究機関の在り方を検討するんだということになっています。  吹上・金峰に農業開発総合センターがあるわけですけれども、基本的にはここに集約するんだということになっています、基本的には。今それがずっと計画的にというか、移って行っているわけですが、今日は予算の話はしませんけれども、今般の地方創生関連事業で採択されたと聞いているところです。私は、十年間という期間の中で、さま変わりをしてきている県の農業の情勢といったようなものがあると思うんですね。  そうしたときに、平成六年に本県における農業の試験研究人材育成等の拠点として策定した基本構想といったようなものがあって、そして、分散している各試験場を集約する方向で進めてきたと、この経緯にも書いてあります。そして先ほど申し上げた、平成二十二年に、あり方検討委員会を設置して、その年の十二月には提言書という形で出てきているわけです。  私は、決してこの提言を批判するとかそういう角度で言っているのではなくて、その時代は、いわば県から諮問されたというか、問題提起されて、あり方検討委員会を設置されて、そして一定の結論を得られた。その結論に基づいて、今、県の農政、農業政策の一環として、試験研究機関については吹上・金峰に一元化していくという動きがあると思うんですね。  ただ、そうした中で、吹上・金峰に集約することで、本県の農業政策といったようなもの、これは充実していくということになっていくのか、このあたりをやはり十年間という一区切りですから、メリットデメリットも含めて一定の検証を加える必要があるのではないか。  お聞きすると、果樹も花きもお茶もそうですけれども、全て集約されていくということになっております。御案内のように、本土でいうと県内の各地域に根差した作物といったようなものがあったはずなんです。そこで根づいていたから試験研究機関もそこに置いてきた。そして農家の方々というのは、試験研究機関があることで、そこに気軽に相談に行った、そして技術的な指導を受けたという経緯があって、産地化といったようなものにも一定の貢献をしてきたと私は思うんですね。  具体的に申し上げますと、垂水の果樹です、ミカン園。これらも、母になる木といったようなものがあったそうですけれども、ミカンというのは多湿を嫌うわけですよね、排水がよくないとうまく育たない。だから傾斜地に植えてある。和歌山もそうですけれども、静岡もそうです。そしてこの鹿児島県内でもそうです。お聞きしますと、どうも金峰・吹上に移したところ、育ちが悪いとかいったような話も聞いています。  果たして、申し上げたような地域の産物、先ほども在来の品種という話がありましたけれども、やはりその地域に根差した、作りやすいものあるいはよくできるものといったようなものがあったと思うんです。それが、気候風土も今までとは違うところで試験研究がされるということに、私は少し違和感を覚えているところなんです。  質問に入りますけれども、申し上げましたように、吹上・金峰に集約することで本当にこの鹿児島県の農業政策というのは充実していくことになるのか、そのことについてまずお聞きします。  そして、これまで集約された研究部門、そこに移したことで、メリットばかりじゃなくてデメリットもあると思うんです。これらも皆さん方からは言いにくいでしょうから私が言いますけれども、なかなか行政マンというのはデメリットは言いませんよ、方針でやってきたわけだから。やはりここは、そういう小さいことにとらわれないで、鹿児島県の農業をどうしていくんだということを皆さんが本当に真剣に考えていただいて、検証すべきだと思います。この部門はやはり元の場所がよかったよねとか、あるいは移すことによって、移したほうがよかったよねとかいうものを検証すべきではないか。この点については二番目です。  そして、集約が一定程度落ち着いたとき、提言書の中には、決して全て移せということではなく、その地域の農業をしていらっしゃる方々の意見も十分聞いて、ニーズも捉えなさいということが書いてありますから、そのことを守ってというか、そのことを重視して、やはり残すべきは残すということもあると思うんですけれども、これを集約していったときに、最終的に鹿児島県の農業を見詰めたときに、一体誰が責任を取るのよと。  だから、こういうこともやはり、十年一区切りですから、この時点で、当時の先生方でもいいですし、新たにまた委員を決定してやるということもいいかもしれません。これは私がどうこう言うことじゃないですけれども、やはり必要ではないかと。結果的に、被害というか、それをこうむるのは農家になっていくのではないか。  何回も言いますけれども、提言されて十年という節目になるわけですから、冒頭申し上げましたように農業を取り巻く状況が非常に変わっている。そこで、今までこの提言に基づいて試験研究機関を集約するという動きで来たけれども、これまでの十年間の県の取組は妥当であったんだ、あるいは少し修正をせんといかんということも必要ではないかという気がするわけですが、そのあたりについて見解を聞かせていただければと思います。よろしくお願いします。 31 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 今、委員からございました農業開発総合センターの再編についてでございます。  委員おっしゃられましたように、平成二十二年度に学識経験者、それから農家の代表の方々、農業青年の代表の方々入っていただいて、二十一世紀における農業試験研究体制のあり方検討委員会というものを開いて、今後の二十一世紀に向けた研究の在り方について御検討いただいたところでございます。  その際に、まさに委員おっしゃられましたように、研究の効率化・高度化、これはそれぞれの分野だけではなくて、分野の横断、そういうところまで含めて連携が十分取れるような研究体制をしいていくというところで、基本的に吹上・金峰地区に集約するものと提言されたというふうに理解してございます。  現在も、作物のほうですとか病害虫、それぞれ連携して取組をしてきてございますし、移転集約した効果を最大限発揮するためには、やはり農家さんに使いやすい技術、生産性の高い技術というのを組み立てていく必要があると考えてございますので、我々も含め、研究員一同、そういう方向を向いて取組を進めているところでございます。  これまでの経緯については、委員もおっしゃられましたように、果樹部、花き部、それからこの四月に茶業部が移転することになると思いますけれども、移転してきてからも、それぞれの部局横断というところでしっかり連携を取りながら、これまで以上に成果の上がるような研究体制にしていきたいというふうに考えているところでございます。 32 ◯前野委員 ありがとうございます。  課長の御答弁は、基本方針といったようなものは、吹上・金峰に集約をしていくということに変わりはないというふうに私は受け止めたわけですが、十年一区切りにおける検証というんでしょうか、そのあたりの農政部としての考え方、必要はないのか、このままで大丈夫なんだという方針なのか、そのあたりをお聞かせください。 33 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 検証のことでございますけれども、昨年十二月、農政部長のほうから一般質問で、残された大隅支場について、今後の体制を含めてということで答弁させていただいてございます。  基本的には吹上・金峰地区にということになると思うんですけれども、御案内のとおり、農産物加工技術研究センターが設置されており、畑かんの推進等々、大規模な法人もいらっしゃいます。あわせて、地域の実情も踏まえながら、地域の声も伺いながら、今後、残された大隅支場の体制については検討を進めることになろうと思いますけれども、その際に、委員から御指摘のありますことも踏まえながら考えてまいりたいというふうに考えてございます。 34 ◯前野委員 まだ大隅支場のところまでいっていませんが、後で出てきますけれども、平成二十二年四月二十八日に、このあり方検討委員会は初回を開いておられます。そして五回やっておられるんですけど、十一月十八日まで五回検討会を開催されて、そして十二月に提言という形なんですが、この間、委員の方々は現地調査もされ、そして県民の意見募集というのは、県がホームページで出した。それで意見が八人、八件あったという記録が残っています。  決定的に欠けているのではないかということに、私は気づいたんですが、現存している、当時試験場としてあったそこの実際の研究員とかいった方々の貴重な意見等々については聴取されたのかというのが一点。  それと、ホームページで、この提言について御意見がある県民の皆さんはホームページでもって上げてください、御意見をくださいという県民への情報の提示等を含めて、御意見の募集ということをしているわけですが、果たして実働していらっしゃる農業者の方々はホームページを見ただろうかと思うわけです。それよりも、自治体とかJAとかいったようなところと、その地域で実在していた試験場が動くこと、移転することについての市町村としての意見、JAとしての意見、あるいは農業法人、当時はもう農業法人もあったでしょう、個人もいたでしょう、その方々の生の声を聞くということが記録にないんですが、そのあたりの意見の求め方、ホームページ一本だったのか、そのあたりを聞かせてください。 35 ◯西高委員長 十年前の話で、今のところ、そこに関わる部分ということで分かるところがありますか。(「休憩をお願いします」という者あり)  暫時休憩いたします。         午前十時三十二分休憩      ────────────────         午前十時三十三分再開 36 ◯西高委員長 再開いたします。 37 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 過去の資料を含めて、少し確認させていただければと思います。お願いします。 38 ◯前野委員 恐らくやっているでしょうという気はするわけですが、実際そこに実在していた自治体には、やはりそこで農業をしていらっしゃる方々の声とかいったようなものがより深く、詳しい意見として、ホームページ以外にも、日常的にそういう声というのは出てきていると思ったものですからね。先ほど私が言う検証作業というのは、移転した後に農家の皆さん方から自治体あるいはJAに対して、がっつい困ると、あったほうがよかったんだけどという意見はありそうな気もするわけです。ですから、そういうことを聞いておりますから、十年前にはそういう実際の関係者から御意見を深く聞いたんだろうかという気がしたものですから、お聞きしたところでした。  次の質問に行きますが、ここには地域農業の特性への対応というのがあるんです。大事なことが書いてあります。一義的に吹上・金峰に全部移すのではないですよと、本県は南北六百キロという県土を有しているから、大きな半島、薩摩半島、大隅半島、そして離島、こういうものがあるから、地理的な特性とか、気候的な特性とかいったようなものを十分勘案して、地域の実情とか農業者のニーズに的確に対応した研究が行える体制を確保しておきなさいということが明確に書いてあります。  ただ、私はイメージとして、花きもお茶も果樹も、ミカンですけれども、移ってきた。果たして、地域の実情とか農業者のニーズとかいったようなものをどこでどういうふうにつかんだのだろうかという気がしてならないわけです。  先ほど課長から大隅支場の話も出ました。大隅は、皆さん方の努力で、全国でも珍しいぐらい畑かんが充実してきました。そして、水を使った農業、今までは天気に頼っていた農業のやり方が、水があることによって、特にサツマイモが主産地ですから、そういったようなものの植付けの時期について、農家の皆さん方は雨を待っているのではなくて、植え付けてすぐかん水ができるということで、計画的な作付もできるということになったわけですよね、画期的ですよ。  だから、笠野原をはじめとして曽於地区、そして今、大隅の中部、畑かんが通っていない地域の県からいうと、こんな贅沢なところはないと思うんですね。ですから、耕種農業でいうと、今、委員長の出身の大崎なんかはすごいですよ。鹿屋もそうですけれども、耕種農業のメッカと言ってもいいぐらい。こうしたところが、鹿児島県本土はほとんど耕種が主体と言っても間違いじゃないんですね、ですから、こういった耕種農業の主たる場所の試験研究というのは、やはり地元にあったほうがいい気がするんですね。  確かに機械化とかスマート農業とかいったようなものは進んできています。進んできて、いろいろな研究をしている職員がいらっしゃいますから、一か所に集めて情報を共有していこうと、そして実証試験とかいったようなものは現地に出向けばいいんだという考え方があるんですけれども、果たしてそうだろうか。実際、農業をしていらっしゃる方々というのは、申し上げましたように、試験場があって、そこで何か病気が出た、害虫が出たというときには、すぐそこに走っていけるという非常にありがたい部分というのがあって、農家のモチベーションというのも上がっていき、そして維持されてきたと思うんですね。  ですから、こういったような地域の実情とか農業者のニーズに的確に対応した研究を行える体制を残しておく、確保しておくということが書いてあるんですけれども、これらの考え方について、私はどうも集約ありきに見えてしまうんです。  ですから、ミカンの話もしました。山川の花きも見に行きました。果たして山川の気候風土が金峰と全く一緒だろうか。なぜここに根づいたんだろうかということから考えれば、やはり大事なような気がするんですが、地域の実情とか農業者のニーズとか、こういったようなものに的確に対応した研究が行われる体制、これは、その確保ということも書いてあるんですけれども、これらの考え方について少し聞かせてください。 39 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 現場ニーズの把握、それをどう研究に反映するかということだと思いますけれども、毎年、現場の農業者の皆さんあるいは関係機関の皆さんから、どういう試験研究に取り組んでほしいという要望を聞いてございます。それらを踏まえて農業開発総合センターの中で課題化して、取り組んでいるものもございます。あわせて、過去の試験研究成果を参考に、現場のほうで農政普及課の普及職員の皆さんが実証で対応できるもの、こういうものもあるかと思います。そういうことで、緊急度なり技術のレベルに応じて、農業開発総合センターのほうで課題化して試験研究に取り組むもの、現地において現地実証で取り組むものという形で整理して取組をしてございます。  ちなみに、先ほど水利用のお話もされたわけですけれども、大隅支場で研究された中身等を基に、水利用効果の実証ということで現場のほうでも取組をしていますし、そういう実証圃を通じて、地域の農業者の方々も機材を使ってしっかり水を使う営農に移ってきていると思います。
     それから、地域の実情を踏まえながらというところでございますけれども、熊毛支場、大島支場、徳之島支場については、移転集約するということは今のところ想定してございません。以上でございます。 40 ◯西高委員長 前野委員、すみません、今、重要な部分ですから大事な話をされているのは分かるんですが、少し簡潔にしていただけばと思います。 41 ◯前野委員 分かりました。  離島を含めてというお話は、これはもう十分理解します。サトウキビを本土で作れといっても作れないわけですよ。ですから、これはもう理解するんですが、ただ、私は冒頭も言いましたけれども、十年前に提言を頂いたものを実践してこられた。その実践に基づく検証といったようなものが必要なような気がするんですが、必要ないんですかということを聞いているんです。  この間には農業を取り巻く状況というのは非常に変わってきています。後もって特定調査である、外国に打って出ようという時代に、このときはむしろなかったわけですよね。だからそういうこと等も勘案して、やはり研究機関は一本化すべきだという結論に至るのか、あるいは申し上げましたように、鹿児島県内の本土の中でも産地化が図られてきた、そこに拠点としてあった、試験研究施設がそこにあったから結果としていい効果を生んできたんだというメリット的なものもやはり整理する必要があるのではないかというふうに思っておりますから、これは執行部がされることですから、私はそういうふうに思いますということで問題提起にもなるかと思います。どうかそういう理解をしていただきたいと思っているところです。  皆さん方がこの提言に基づいて計画的に、こことこことここは移すんだということが明確に書いてあればいいんですけど、書いてないんです、このときは。だから、今回の予算もお聞きしたところ、地方創生の枠で採択されるということでもって急激に動き出すわけですよ。ですから、それをお聞きしたときに、この提言書の中にそういったようなものがあったのかなと思って、もう一度見てみたんです。ところが、そういうものは書いてない、概念的なものが書いてあるということで、今日はお聞きしたところでした。  それと、今、農業開発総合センター、あるいは今残っている各研究部門のところで、農家さんに早くこの技術を、研究結果をお伝えして、そして農業に生かしていただきたいという、その技術とか情報とかいうのを伝達する職員の方がいらっしゃいますよね。昔は農業改良普及員と呼んでいましたけれども、今は指導員ですか。この指導員の数というのも激減してきている。正規の職員が辞めたら、後の補充はOBで三、四年対応していただくというような形に、ざっくばらんに言えばそういうふうになっていると思うんですよね。農業県鹿児島が果たしてそういう体制でいっていいんだろうかという個人的な思いもありながら、こういうこともお聞きしているわけです。  ですから、農業県、知事もしきりに言われます、農業と観光だと。であれば、やはりそれを裏打ちをするような体制を取っていかなきゃならないというふうに私は思うんですが、農業指導員の数とかあるいは新規採用とかいったようなものはどのように考えておられますか。 42 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 今、試験研究で開発された技術の現場への伝承ということで、普及指導員のお話ございました。  昨年四月一日現在で二百十七名ほど現場におります。委員おっしゃいますとおり、私どもが入庁した昭和六十三年は四百名ほどおりましたけれども、御案内のように農家の皆さんの数も減ってきていますし、産地としても少なくなっているようなところも踏まえながら、現地で適時適切に活動できるような体制は取っているつもりでございますけれども、しかしながら、普及指導員だけで全てを賄えるわけではございませんので、JAですとか市町村と役割分担しながら、それから地域には先導的な農業に取り組んでいらっしゃる普及指導員ですとか、指導農業士の方々がいらっしゃいますので、こういう方々と十分連携を取りながら、普及指導活動に当たっているところでございます。 43 ◯西高委員長 暫時休憩いたします。         午前十時四十七分休憩      ────────────────         午前十時四十八分再開 44 ◯西高委員長 再開いたします。 45 ◯満薗農政部長 ただいま、農業関係の技術員の話がありましたけれども、今、委員のほうからもありましたように、昔からすれば普及員の数というのは大きく減ってきております。そういう中にあって、我々としては、先ほど経営技術課長からもありましたように、より効率的な業務ということで、人員が減ってきたことで、もうそこで終わりというわけではございませんで、その中で各市町村あるいは指導農業士の方々、農協の方々、そういう方々と連携しながら、課題を一つずつ見つけていって、それを解決していくということで、チーム活動ですとか、プロジェクト活動ですとか、そういう方向で、少ない人員の中ではありますけれども、できるだけ、大きな成果が出るように今現在、頑張っているところでございます。おっしゃるとおり人員というのは減ってはいるわけですけれども、それをできるだけ効率よい形で体制を取っていくというのが我々の使命だと思っておりますので、御理解いただければと思っております。よろしくお願いします。 46 ◯前野委員 農業指導員について、技術の移転、農業者への移転という観点から、部長から答弁を頂きました。  せっかくですから部長のコメントも頂きたいんですが、この十年間の中で、この間、行政として農業政策として取ってこられた集約の考え方、十年一昔と言われるわけですから、ここらあたりで、形はどうであれ、やはりこの提言に基づいて実践されてきたことを検証して、そしてさらなる本県の農業の発展といったようなものに向けてやる必要があるのではないかと思うんですが、このあたりの検証についての考え方を部長、お答えいただければありがたいです。 47 ◯満薗農政部長 ただいま委員のほうからありましたけれども、まず、提言に基づきまして、農業開発総合センターのほうを今、移転集約という形で進めているところでございます。果樹部については平成二十九年四月スタートということで、それに加えて花き部が平成三十年、それから茶業部が令和二年ということで、大きくはそういう形で集約が進んでいっているというところでございます。  研究活動についても、それぞれの部が横断での取組、例えば病害虫の対策ですとか、そういう環境面の対策、農薬の関係とか、土づくりの関係とか含めて、ある一定のところであったらそれだけで終わるんですけれども、それを茶業部、花き部それから果樹部、横断的に取り組むことによって、より効率的な研究も今、進められているところでございます。  そういう意味では、この研究の成果というのが、先ほどありましたように、普及するという形で毎年、各農家のほうに出していただいておりますので、それがまさしく検証といいますか、農家から見ていただいているところなのかなというふうに思っておりますし、また、今年度から新たな基本構想というのもでき上がって、スタートしておりますので、そういうのを毎年毎年しっかり確認しながらやっていくというのが、今後の研究の大きなテーマになるのかな、解決になるのかなというふうに考えているところでございます。 48 ◯前野委員 基本構想も新たにスタートしているという話がありました。  ここにはいみじくも書いてあります。試験研究の進め方についてというところで、農家等からのニーズを把握するとともに、研究のクライアント、時間軸、費用対効果、これを明らかにしておくことが重要であるということも書いてあります。  先ほど申し上げました、何と何部門を移すんだという少なくとも基本的な計画、どこの試験場は金峰に移すんだ、どこは残すんだと、あるいは残す部分も、この部分だけはここに残さなきゃならないんだというもの、これは明確になっているんでしょうか。  それとも、私に言わせれば行き当たりばったりじゃないかと。国が採択してくれたから一挙に行こうと、これまで財政的な問題が一番大きくてなかなか移転はできなかったけれども、今回、地方創生枠で認められたから、機械部門については移そうということになっているような気がしてならんわけです。  先ほどから言うように方針ですから、県として、これとこれとこれは金峰に移すんですよ、そういった情報というのを自治体やJA、農業者も含めて、早め早めに出しておかないと、一体全体県はどういうふうに考えてくれているんだろうかという疑問といったようなものがありそうな気がするんです。  急遽、国から採択されたから、今まで計画として持っていたものを今度、追加予算として上げたいんだというお話ですよね。だからどうも、計画にのっとったものなんだろうか、財政的な裏づけができたからこれを進めるんだというふうに私は見えてならないんです。  ですから、この提言に基づいてしっかりと、どの部門とどの部門はどういう理由から吹上・金峰に移すんだと、あるいはこの部門は絶対移せないと、先ほど委員長からもありましたように、肉用牛改良研究所なんかは動く話もないわけですよね。大隅というところは畜産もメッカになってきているわけですよ。畜産業者のよりどころになっているわけです。それで発展してきているわけです。と私は思うんです。  ですから、そういったような明確な方針といったようなものに基づいて、遅れるのであれば、こうこういう理由で遅れる、いつ頃になる。あるいはやるのであれば、いつ頃こうこういうふうにして全面的に移す、あるいは一部を移す、残された分はずっと残しますよという明確な方針というものを出す必要がありそうな気がするんですね。  これは私の思いですから、そういったような部分も含めて、何回も言いますけれども、十年間の検証、メリットデメリットも明らかにする。メリットばかり強調するのではなくて、やはりデメリットもあったなということを謙虚に出していって、本音で農家の方々と話をしていくということが私は必要なような気がします。  どうか、そういう思いもあって今日は時間を頂きましたから、もうこれ以上は言いませんが、私が申し上げた分は、問題提起という受け止め方もありますでしょうし、あるいは、そういえばそうよねというふうに納得していただける部分も私はあるんだろうと思っています。皆さんは農政部におられるわけですから、鹿児島県の農政を担っておられるわけですから、お一人お一人が鹿児島県の農業をどうしていくんだ、これにも書いてあります、十年、二十年後を見据えて試験研究部門については移していくんだということが書いてありますから、その方針といったようなものはやはり明確でないといかん、それが県民に明らかにされないといかん、場当たり的じゃいかんという気がしますから、ぜひその点も御配慮を頂きたいということをお願いして、委員長に、長時間時間を頂きましたことを感謝して、私の発言を終わります。ありがとうございました。 49 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 先ほど前野委員からの質問で、県民の意見募集の結果ということですけれども、委員おっしゃいましたように、まずホームページによる募集をかけてございます。それから、地元新聞紙のほうに記事を掲載していただいて、募集を受けております。これは二回記事を載せているようです。それから、手元に資料としてはちょっと整理がされていないようですけれども、各生産部会の組織のほうに出向いて行ってお話を聞いているということはしているようです。  あわせまして、先ほども申し上げましたけれども、委員の皆様には、市町村なりJAなり生産者代表の方々も入っていただいてございますので、そういう面では一定程度、意見としては聞けているのかなというふうに考えてございます。 50 ◯田畑委員 サツマイモの病害、基腐病について少しお聞きしますけれども、この三つの薬剤は基腐病だけに登録されているんですか。芋に登録されているのか、何かほかの農作物にも登録されているのかというのと、この周知について、ここにも書いてありますけど、もうそろそろ植付けが始まるんですが、また昨年みたいに出たら大変なことなんですけれども、生産者に対して周知が徹底されているのか。あと、バイオ苗も推進していると思うんですけど、今年度、バイオ苗がどのぐらい出る、多く出るのか、その辺が分かっていたら教えてください。 51 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 まず、薬剤の関係でございます。苗消毒剤一剤、それから圃場での散布用の薬剤二剤ございます。こちらにつきましては、つる割病とか他の病害で登録が取れてございます。他の病害で登録が取れているので、逆に一年で登録に持っていけたというふうに考えてございます。  農家さんへの周知につきましては、地域のいろいろな座談会でPR用のペーパーを配ってございますし、焼酎のほうが結構被害が甚大ということもございますので、酒造会社さん等々を通じて農業者の皆さんにそういう啓発資料、指導資料が行くような形で取組を進めているところでございます。 52 ◯光村特産作物対策監 バイオ苗の導入状況につきましてでございますけれども、国のほうで直接採択事業ということで事業が準備されておりまして、直接ですので県の予算は通っていないので十分把握しているわけではないんですけれども、合わせて二十二地区、補助金にしますと約二億円近い助成がなされております。全てがバイオ苗というわけではないんですけれども、多くのバイオ苗が準備されまして、採択もされているところでございます。 53 ◯田畑委員 この薬剤は他の病害にも使われたということは、結局、基腐病の菌と合致して使えるということで多分登録されているんですよね。その効果はあるんですか、どうなんですか。  それと、もう一点、前回も私は言ったんですけど、その菌を分析するのは、なかなか難しいということだったですけど、その辺は今後、菌を調べてやっていく考えがあるんですか、どうなんですか。結局は、こちらの菌が少なくなってきたからこちらの菌が増えてきたんだというような話もあるわけですよね。ですから、そういうのも考えて、これからそうやって菌を調査していく考えがあるのかないのか、教えてください。 54 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 まず、農薬のほうですけれども、昨年、農業開発総合センターのほうで農薬登録に向けた試験をしてございます。この三薬剤につきましては、銅が主成分の剤になります。(後ほど「圃場で散布する薬剤、Zボルドー、ジーファイン、こちらが銅剤ということになります。」に訂正発言あり)ということで、治療効果が余り期待できず、予防効果でいくということになってございます。なので、病気にかかる前に定期的に散布して保護してやるということになります。  もし仮に圃場で罹病が見つかったら、その株は抜き取って、その周辺を重点的に防除するというような形で、昨年、農業開発総合センターのほうで試験した成果によれば、影響なく収穫まで迎えられたということになってございますので、そういう使い方まで含めて、農家の皆さんに周知を図っているところでございます。 55 ◯大谷農業開発総合センター所長 菌に関します研究の御質問ですけれど、土壌の中には数多くの菌が存在しておりまして、干渉し合うといいますか、拮抗作用するような菌が存在するというのは広く知られているところではございます。農業開発総合センターでサツマイモの畑の土壌を調べたことがあるんですけれど、実に菌の数でいいますと二千九百余りの菌が土壌の中に存在しているということで、その一つに、今でありましたら、カビの一種である基腐病菌というのもありますし、いろいろな種類が、先ほど申しましたように約三千というような種類の菌がありまして、その中から基腐病菌に対して攻撃力、拮抗作用を及ぼすような菌というものを見つけ出して、それを実際に培養できてとか、そういうふうに先々を考えていきますと、非常に時間と労力を要します。まず、その拮抗する菌を探し出すということ自体が、恐らくの話で申し訳ございませんけど、何十年とかかるようなスパンになろうかと思っております。  今の段階におきましては、基腐病菌に対する、虫でいいますと、ある虫を食べる側ですね、分かりやすく言いますと攻撃する側の菌を探し出して、それを固定し、資材として活用するというところの研究については現時点では考えておりません。 56 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 すみません。先ほど、農薬が銅剤というふうに申し上げましたけれども、圃場で散布する薬剤、Zボルドー、ジーファイン、こちらが銅剤ということになります。訂正させてください。 57 ◯下鶴委員 私からは二点お伺いしますが、まず一点目は、農業大学校における実務家教員ないし外部講師の活用についてお伺いしたいと思います。  先般、議長の計らいによりまして、全協的勉強会が開催されまして、その際、畜産物の輸出に熱心に取り組まれているカミチクの社長さんにお話をるる伺いました。その際に御提案いただいたのが、世界を含む市場の最新の動向を分かっている実務家教員なのか外部講師の方を農業教育の現場にもっと取り入れたらどうかということの御提言を頂きました。今回は、所管であります農業大学校における市場動向を把握している外部講師の活用等について、現状と今後の考え方についてお伺いしたいと思います。 58 ◯大谷農業開発総合センター所長 農業大学校におきまして各種講義を行う中で、外部講師というのを数多く依頼しております。多くは大学の先生でありますとか、いわゆるその道のプロという方々にお願いいたしまして、学生に対して講義を行っていただいているところでございます。  先ほどお話がありましたけれど、現に取り組まれている農業者の方々のお話を聞くという機会も実際設けておりまして、畜産関係では先般も、生産から販売まで広く取り組まれている、いわゆる六次産業化に取り組まれている農業者の方にお越しいただきまして、畜産学部の学生に対しまして、経営者としての考え方だとか、自分の取組を踏まえた今後のあるべき姿ということを直接お話していただいているということで、頻度的には多くありませんけど、実際、農業現場で活躍されている方々からお話を聞くという機会も設けております。 59 ◯下鶴委員 今の取組を御説明いただき、ありがとうございます。  恐らく高校段階よりも農業大学校のほうが、その辺の外部講師の活用等々は柔軟に対応しやすいのかなとも思いますので、やはり学生さんたちには、より稼ぎが出る、高くで売れる、そういうものを作る方法を覚えて、出していくことが重要かと思いますので、生産もそうですけれども、やはり市場でどういうことが求められていて、どういうものが高く売れるんだということを分かっている方々も、もっと外部講師として活用していただければなと、これは要望として申し上げておきたいというふうに思います。  もう一点は、グリーン・ツーリズムについてお伺いしたいと思っております。  今、新型コロナウイルスの影響で観光分野をはじめ、様々な業界に影響が出ておりますけれども、一定の終息の後に、特に観光で反転攻勢をかける一つのきっかけになるのが、グリーン・ツーリズムなんじゃないかなというふうに考えておりますことから、お伺いしたいと思います。  ただ、一方で、このグリーン・ツーリズムを考えたときに、農泊であったり、もしくは棚田などの地域資源であったり、恐らく、ほっておくとなかなか手が回らないというところなのかなというふうに思うんですね。ですので、このグリーン・ツーリズムにおいて、この地域資源の磨き上げにおいて、どういう取組もしくはどういう方向性を考えていらっしゃるのか、そのあたりを示していただきたいと思います。 60 ◯内 むらづくり企画監 グリーン・ツーリズムの取組についての御質問でございました。  県としましてはグリーン・ツーリズム、もう十年以上取り組んでいるわけですが、現在、国のほうで農泊の推進とかそういったものも最近では言われておりまして、県としましても、この農泊をビジネスとして実践している先進的な事例、そういったものを取り入れながら、農村の所得向上を目的として、農泊に取り組む地域を今後、増やしていきたいというふうに考えております。現在、国のほうで農泊推進対策という交付金事業が、これは直接採択事業ですけれども、県内でも十三の地域で取り組んでおります。そういったところを支援しながら、農泊についてまた取組を進めていきたいと思います。  あわせまして、インバウンドの需要、最近は新型コロナウイルスとか、中国や韓国とも冷え込んでいるところでございますけれども、この機会に、また受入れできるような農家民宿さんの開業促進、そういったものの研修もやっていきたいというふうに考えております。  また、本年度につきましては、インバウンドのモニターツアーといったものも新たに計画していこうかなと思っています。具体的には、大学の留学生とかそういった方に農家民宿体験をしていただいて、それをまた情報発信してもらう。若い人たちはSNSとかそういったものが得意ですので、そういったもので鹿児島の魅力を世界にPRしていただいて、またインバウンドも将来的には増やしていきたいと、そういうふうな取組をしていきたいと考えているところでございます。 61 ◯下鶴委員 今、インバウンドの件を触れていただきましてありがとうございます。  例えば、本県が搭乗率も好調な香港線がありますけれども、例えば香港ですとか、もしくは将来的に考えられるシンガポールですとか、このあたりというのは、狭い地域で農業地帯というのがなかなかないところは、鹿児島の魅力としてこのグリーン・ツーリズムというのが狙えるんじゃないかなというふうに思っております。おしゃったとおり、今、インバウンドは非常に厳しい状況にありますけれども、こういう状況だからこそ、一定の終息の後の反転攻勢に向けた準備をしておくべきかなと思いますので、お願いしたいと思います。  関連して、この件でもう一点お伺いしたいのが、地域資源を磨き上げた後でも、実際に来ていただく消費者、旅行者の方々とのタッチポイントをどうつくっていくのかというのが大事かなというふうに思っています。  もちろん団体旅行、教育旅行であったりツアー旅行であれば、その業者さんに接すればいい話なんですけれども、今後、個人もしくは小グループになっていったときに、その方々に鹿児島ではこういうグリーン・ツーリズムをやっていますというところのタッチポイントをどうつくっていくのか、ここは大きな課題だと思うんですね。もちろん観光サイドの話にもなってこようかと思いますけれども、ここのところの現在の考え方、つまり鹿児島でこういうグリーン・ツーリズムがありますよというところをいかに個人、小グループの方に知ってもらうのか、もしくは販売していくのか、そことのタッチポイントのつくり方について、現状の取組と考えを示していただきたいなと思います。 62 ◯内 むらづくり企画監 旅行者への地域のグリーン・ツーリズムのPRの仕方ということだと思うんですけれども、現在、直売所などそういったところに誘導するとか、あと県内ではグリーン・ツーリズムの協議会、市町村の協議会、県域の協議会、各地域の協議会、そういったものがございますので、そういったところがみんなグループを組んで情報共有しながら、情報発信していくということをしております。  先ほど香港とかシンガポールの話もございましたが、特に出水のほうでは早くから海外のほうを取り入れて、例えば着物の着つけとかそういったもので海外にSNSで情報発信して、来ていただいているという状況がございますので、そういうのもまた県内にお知らせしながら、広めていきたいというふうに考えているところでございます。 63 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  今、個人旅行者とかはネットで予約するようになっていますので、理想としては、例えば向こうから来る場合に、着地型観光とでも言いましょうか、その予約ができるとか、そういうことが理想ですので、これは観光サイドとしっかりと連携を取っていただいて、着地型観光としてのグリーン・ツーリズムの振興に取り組んでいただければなというふうに要望して、終わります。 64 ◯西高委員長 かごしま材振興課長が出席されましたので、ここで、県政一般一般調査を中断し、特定調査を行います。  特定調査事項の本県農林水産物の輸出促進に向けた取組について、かごしまの食輸出戦略室長に説明をお願いいたします。 65 ◯菓子野農政課長兼かごしまの食輸出戦略室長 お手元に配付しております「本県農林水産物の輸出促進に向けた取組について」に基づきまして御説明させていただきます。よろしくお願いいたします。  まず、資料一ページ、平成三十年度農林水産物輸出額の現状でございます。  上の表を御覧ください。  平成三十年度の輸出額は、前年度比一三%増の二百二十七億円となり、過去最高を更新し、輸出額は着実に拡大してきております。  下の表の内訳を御覧ください。  品目別の輸出量としては、畜産物が、香港、米国、EU、台湾向けの牛肉を中心に百一・二億円、農産物が、米国向けの抹茶やEU向けの有機栽培茶、アジア向けのサツマイモを中心に五・五億円、林産物が、中国向けの丸太を中心に二十五・六億円、水産物が、米国向けの養殖ブリを中心に九十四・六億円となっております。  国・地域別については、輸出額の多い順に記載しております。お目通しいただければと存じます。  二ページをお開きください。  これまでの主な輸出拡大に向けた取組状況でございます。  県では、平成三十年三月に策定した農林水産物輸出促進ビジョンに基づきまして、輸出拡大に向けて、三つの視点(つくる、あつめる・はこぶ、うる)から戦略的に取り組んでいるところであります。  まず、一の「つくる」の取組からでございますが、サツマイモ、キンカンの台湾の残留農薬基準に対応した防除暦の作成についてであります。  サツマイモについては、農業開発総合センターの防除暦の実証はできたものの、引き続き、センターではなく産地で実際に品質や収量を確保しつつ、実用できる防除暦の作成に取り組み、今後、県園芸振興協議会と連携しながら、産地への普及を目指していくこととしております。  キンカンについては、既にJAきもつきやJA経済連等と連携して作成済みであり、現在、モデル産地として肝付町で台湾向けの産地づくりに取り組んでおります。  なお、本年度は一・四トンの輸出を行ったところであり、さらなる生産拡大に取り組んでいくこととしております。  三つ目の、サツマイモのアジア向け産地づくりの推進についてですが、本年度から南九州市、鹿屋市、西之表市のJAや農業生産法人五団体に対し、輸出用サツマイモの栽培技術や貯蔵方法等の確立に向けた産地づくりの支援を行っているところでございます。  次に、お茶の、有機栽培茶園の団地化の推進とてん茶・抹茶加工施設の整備促進についてであります。  欧米で有機抹茶の需要が伸びていることから、有機茶園の団地化に向け、これまで二十組織の活動支援を行ったところであり、令和元年度の有機JASの栽培面積は、平成二十七年度の二・二倍の五百五十ヘクタールに拡大してきております。  また、抹茶の原料となるてん茶加工施設を平成二十八年度から九か所整備し、生産量が三年間で四・四倍となったほか、抹茶加工施設が本年度一か所整備され、令和二年度は二十トンの生産を計画しているところでございます。  三つ目の、輸出先国の食品安全基準に対応した茶生産技術の普及については、米国、EU、台湾の基準に対応した生産を推進し、現在、三百七十一ヘクタールの茶園が登録されているところでございます。  畜産物の、畜産生産基盤の維持・拡大についてであります。  平成三十年度から畜舎等を六十か所整備して規模拡大を支援し、繁殖雌牛頭数は、平成二十八年度から四年連続増加の十二万二千二百頭となっているところでございます。  林産物の、高性能林業機械等の整備促進については、令和元年度は十一台の機械を整備したところでございます。  二つ目の、製材品等の輸出促進に向けた市場ニーズの把握については、県内外の商社等を通じた市場調査を実施したほか、輸出促進セミナーを開催したところでございます。  水産物の、ブリ人工種苗の生産・供給については、種苗生産施設を活用し、本年度から試験的な生産・供給を開始したところでございます。  二つ目の、持続可能な養殖業として認定する国際認証の取得促進については、国際認証制度セミナーを開催したところでございます。  次に、二の「あつめる・はこぶ」の取組についてでございます。  鹿児島港発の定期船便と那覇空港発の定期航空貨物便(SHIP&AIR)の活用促進については、香港、シンガポールなどへの輸送実績が平成二十九年以降で六十回となっているところでございます。  また、沖縄国際物流ハブ活用促進商談会をこれまで三回開催したところでございます。  次に二つ目の、低コスト輸送を可能とするための輸送適温の異なる野菜の混載輸送の実証についてでございます。  安価な包装断熱資材等を活用した混載輸送試験を秋、冬の二回実施し、サツマイモの鮮度保持が確認できたところであり、商業ベースの混載輸送が実施されているところでございます。  三ページをお開きください。  次に、三の「うる」の取組についてでございます。  一つ目の、フェアや商談会の開催及び食品見本市への出展支援等についてでございます。
     今年度は、アジア、米国、EUなどで、フェアや商談会の開催、食品見本市への出展等を支援したところであり、主な取組について記載しております。  シンガポールでは、日系スーパーの「DON DON DONKI」において、農水産物、食品のフェアを開催したほか、米国のニジヤマーケットやロシアで行われた日ロ知事会議等で、牛肉やブリなどの知事トップセールスを行ったところでございます。  先月は、ワシントンDCの日本大使館で、日米貿易協定発効後、他県に先駆けて鹿児島和牛のPRを行ったところでございます。  また、品目別の特徴的な取組として、その下のお茶については、欧米等からバイヤーを招聘し、県内茶商等との商談会を開催、畜産物については、新たな輸出先国への牛肉の販路開拓として、豪州、ブラジル、ウルグアイへ輸出が開始したところです。また、鹿児島和牛、かごしま黒豚の販売指定店制度の推進に取り組んでおり、鹿児島和牛は七か国で九十九店舗、かごしま黒豚は二か国で八店舗を指定しているところでございます。  林産物については、県産材輸出サポーターが行う、アジアからのバイヤー招聘やそれに伴う商談活動への支援、水産物については、漁協等が行う欧米等での個別の商談活動への支援を行っているところでございます。  次に、統一ロゴマークの海外商標登録、輸出事業者等の活用促進についでございます。  現在、七か国で登録が完了し、また、九事業者が販売商品等に活用しているほか、知事トップセールスなどでのPRに努めているところでございます。  四ページをお開きください。  さらなる輸出拡大に向けた今後の取組についてでございます。  県では、TPP11など国際化の進展を踏まえつつ、引き続き、農林水産物輸出促進ビジョンに基づいて、生産体制と販売力の強化に戦略的に取り組むこととしております。  令和二年度の主な取組計画といたしまして、まず、一の生産体制の強化についてでございます。  畜産については、畜産クラスター事業を活用した畜舎等の整備や、和牛増頭対策を活用した繁殖雌牛の増頭による生産基盤拡大に取り組むこととしております。  お茶については、産地パワーアップ事業等を活用したてん茶・抹茶の生産・加工体制の整備に取り組むこととしております。  林業については、林業・木材産業構造改革事業を活用した高性能林業機械等の整備による木材生産の低コスト化に取り組むこととしております。  食品産業等については、国が新たに創設した食品産業等の輸出向けHACCP等対応施設事業を活用した食品産業や水産加工業によるHACCP等対応施設等の整備に取り組むこととしております。  また、水産については、豊かな海づくり総合推進事業を活用したブリ人工種苗の生産・供給の推進に取り組むこととしております。  次に、二の販売力の強化についてでございます。  牛肉については、低関税枠が拡大する米国への輸出拡大や、中国への輸出が開始した場合のいち早い売り込みなどに取り組むこととしております。  お茶については、かごしま茶の輸出拡大に向けた海外商談会への出展支援、バイヤー招聘などに引き続き取り組むこととしております。  次に、青果物については、輸出先国のニーズや規制等に対応したアジア向けのサツマイモやキンカンの産地づくりを引き続き進め、海外フェア等PR・販売促進活動に取り組むこととしております。  また、来年度から新たに、生産者と連携して意欲的に販売開拓に取り組む県内輸出商社の海外営業活動への支援に取り組むこととしております。  林業については、製材品等の輸出促進に向けた商社等が行う商談会等への支援に取り組むこととしております。  水産業については、持続可能な養殖業として認定する国際認証の取得促進や海外フェアへの出展支援に取り組むこととしております。  次に、五ページをお開きください。  各国の輸入規制の現状と対応について御説明させていただきます。  まず、一の輸入規制等の現状についてでございますが、サツマイモ、キンカンは、米国、中国などで検疫条件が未設定であるほか、お茶等は、輸出先国の残留農薬基準への対応が必要となっているところもございます。  また、水産物は、EU、アジアなどで輸出の都度、放射性物質関係証明書等の添付が必要となっているところでございます。  中国向けには、現在、動物検疫条件は牛肉について協議中、その他の畜産物は輸入が認められていない、また、植物検疫条件がほとんどの品目で設定されていないところであり、重点品目で輸出できる農畜産物はないところでございます。  二の、国への要請状況についてでございますが、県産農畜水産物のさらなる輸出拡大を図るためには、輸出先国における動植物検疫条件など輸出環境の改善が必要でございまして、これは二国間協議を行うこととなっております。  県では、県開発促進協議会等を通じて、国に対し、動植物検疫条件の設定や残留農薬基準の緩和、輸出証明書等の発行手続の簡素化などについて、二国間協議の加速化を要請しているところでございます。  県としては、今後とも、農林水産物輸出促進ビジョンの令和七年度輸出目標額三百億円の達成に向けて取り組んでまいります。  以上で説明を終わらせていただきます。 66 ◯西高委員長 説明が終わりましたので、質問に入りますが、まず、かごしま材振興課に係る質問がありましたらお願いいたします。 67 ◯前野委員 素材でなくて高質材というんでしょうか、構造材等々について中国あたりが解禁がされるというような話があったわけですが、日本の材が中国の規格に合致して、認可されたみたいな話を聞いたことがあるんですが、そのあたりの情勢的なものはどうなんでしょうか。 68 ◯松枝かごしま材振興課長 中国国内の木造建築物のことについてのお尋ねでございますけれども、平成三十年八月に、日本の建築基準法に相当いたします、中国の木構造設計標準といったようなものが改定になっております。この改定の内容は、中国におきまして使用可能な構造材の樹種の中に、日本産のスギそれからヒノキ、カラマツといったようなものが明記されました。それともう一つ、日本の住宅建築工法でございますいわゆる軸組工法です。柱を立てて住宅を建てていくというような軸組工法についても、中国国内で建てられるように、木構造設計標準といったようなものが改定されたところです。  そのようなことで、中国内の法規制といいますか、そういった分野におきましては、日本の木材でございますとかあるいは建築工法といったものが可能になってきたわけですけれども、実態といたしましては、中国におきます住宅というものは、マンション等の建築がほとんどでございます。例えば、今申しました日本の住宅建築方式といいますか、軸組工法で建てるとなりますと、向こうの現地におきますいわゆる大工さんですね、そういった技術者がいらっしゃらないといったようなことで、日本の木材を持っていって中国内で建てていくといったようなことはなかなか難しい状況にございます。  というようなことで、例えばマンション内の内装の材として、例えば日本の製材品を内装材として、板を使うとかいったようなことを我々も考えておりますけれども、これにつきましても、日本の木材は年輪によって木目が出てまいります。今、中国で使われている主流のものは、ニュージーランドからのラジアタパインといったようなものが使われているわけですけれども、そういったようないわゆる木目のないものがこれまで使われておりまして、そういったものが好まれているというようなことでございます。我々といたしましても、これは全国的な話ですので国も考えておりまして、中国内での技術者の育成といったようなものを国もやっておりますし、こういった製材品の輸出、あるいは日本産、鹿児島県産材の製材品の理解を深めていただくために、パンフレット等を使って商社さん等に商談をお願いしているような状況にございます。 69 ◯前野委員 課長、現状も含めて詳しくお聞かせいただきました。  素材、低質材ばかりで、もう少し良質な、いい材がいけば、こちらの関係の方々も少し希望が持てるのかなと思いましたけれども、お話の中で、大工さんがいないとか、軸組工法が主流でないとか、やはり文化の違いというものがあるんだなということも理解したところでした。  代わって、床材とか化粧材、壁材や天井材とか、そういったようなものにもと思っていましたけれども、お答えも頂きましたように、やはり少し好みの問題もあったりするのかなということも理解したところでした。よく分かりました。ありがとうございました。 70 ◯西高委員長 かごしま材振興課に係る質問はほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 71 ◯西高委員長 ほかに質問がありませんので、かごしま材振興課長はここで退室されて結構です。御苦労さまでした。  それでは、引き続き質問をお願いいたします。 72 ◯池畑委員 県の農林水産物輸出促進ビジョンに基づいていろいろな取組をされていらっしゃるわけですけれども、以前この委員会でも発言したと思いますけれども、私も海外には結構、観光PRの関係で行かせていただいて、そして現地の旅行会社等との意見交換というのもさせていただいております。特にその中で出るのが、ぜひ鹿児島県産の牛肉をはじめ、いろいろな農林水産物を輸入したいというような話、それと、観光で行く場合、特にイスラム圏の方ですね、多くの方が日本に対して評判がいいと、だから行きたいという希望はたくさんあるけれども、牛肉をはじめ、いわゆるハラールの食品といいますか、そういうのがなかなか少ない。そういう御指摘もありまして、先ほど話が出ましたけど、何日か前に、全協的勉強会というのがありまして、カミチクの上村社長がいろいろと講演されました。そのときに出てきた話というのも、ぜひ鹿児島県にハラールの食肉処理の施設がないといけないというようなことでございました。  ちなみに、全国でハラールの食肉施設が以前はたしか五、六か所あったと聞いておりますけれども、現在、実際稼働しているハラールの食肉施設というのは、全国で三、四か所ぐらいだというふうに聞いております。そして、九州では熊本県の人吉市にあるわけでありますけれども、その人吉市のハラールの食肉処理施設も非常に老朽化が進みまして、恐らくここも近いうちに稼働できなくなるんじゃないかという、そういう話もお聞きいたしております。  その人吉のハラールの食肉処理施設というのは、老朽化しているけれども、もう設備の更新は考えていないということであるそうですので、恐らく九州管内からハラールの食肉処理施設というのがなくなってしまうという状況になるわけであります。  ですから、鹿児島県の食肉、牛肉をはじめ、肉の海外輸出というのは今、非常に順調に伸びており、これからイスラム圏の人口というのは、爆発的に現在の倍ぐらいにはなるだろうというような予測もあるわけでございますので、ぜひ鹿児島県内にハラールの食肉施設の整備というのはこれはもう必要不可欠、絶対必要な施設だと思っておりますので、ぜひハラールの食肉施設を県内のJAをはじめ、そういう民間の方と一緒になって整備していただきたいと思っておりますけど、今、農政部として、このことについては何か方針というのはつくっておられますか。それを少し教えていただきたいと思います。 73 ◯田中畜産国際経済連携対策監 ただいま、ハラールの食肉処理場についての御質問がございました。  イスラム圏、いわゆるマレーシアとかサウジアラビアに牛肉を輸出する場合には、ハラール認証を受けた食肉処理場で処理された牛肉しか輸出できないというような実態がございます。  現在、県内には、牛肉の輸出が可能な施設が七か所ございますけれども、いずれもイスラム圏への輸出が可能となるハラール認証を受けた施設はございません。  国内には、委員申されたとおり、六か所のハラール対応の食肉処理施設がありますけれども、このうち豚肉を処理する施設を併設している四つの施設については、ハラール認証が取り消されて、現在、ハラール認証の処理施設として稼働しているのは、残りの二か所というようなことになっていると聞いております。  県内の食肉処理施設については、全て豚肉を処理している施設と併設しておりますので、ハラール認証を受けるのは難しいんじゃないかというふうには考えております。  また、県内の輸出認定施設を所有する食肉事業者でハラール施設の食肉処理施設を整備したいという事業者は、現在のところおりませんけれども、今後、輸出拡大に向けて、ハラール圏の国へ牛肉輸出をしたいという事業者が出てくれば、そういった対応も考えてまいりたいというふうに考えております。 74 ◯池畑委員 ぜひ農政部、県のほうでリーダーシップを取っていただいて、そういう食肉加工施設関係者に呼びかけていただき、一緒にそういう処理施設を整備しようというような呼びかけを積極的にやっていただきたいと思います。  これは、最初申し上げたとおり、この処理施設が整備されることによって、ただハラール対応の牛肉等の輸出促進のみならず、この処理施設ができますと、ハラール食品に関する食品関連産業が本県に多く誘致されるという、そういうメリットもありますので、県の経済の発展、雇用の拡大、いろいろ効果は大きいと思っておりますので、農政部を中心に、ぜひそういう積極的な対策を講じていただきたいと思いますが、何か私の今のことについてお考え等があればお聞かせいただきたいと思います。 75 ◯田中畜産国際経済連携対策監 県におきましては、県内の食肉事業者六者と食肉輸出促進協議会というのを組織しておりまして、その組織の会員の皆様は全て食肉事業者で牛肉を輸出されている方々ではございますけれども、こういった方々とハラール認証に向けての勉強会も開いております。その中で、ハラール認証を受けるには、豚肉と牛肉の処理の相互汚染を防ぐために施設や人の作業を別々にするとか、屠畜の際に通常はボルトガンで牛を仮死させてから屠畜するんですが、そういったことが禁じられているので、作業に非常に危険性が伴うとか、屠畜を行う者はイスラム教徒であるムスリムでないといけないというようなことで経費がかさむとか、それから、ハラールというのは宗教上の戒律でございまして、審査する機関によって基準が異なっているということもございます。こういったことも勉強会でいろいろと勉強しながら、食肉事業者とともに、そういったハラール認証が取れるような施設ができるかどうかも含めて研修しているところでございますので、また皆さんの意向を聞きながら、そういった施設に取り組めるかどうかも含めて、検討してまいりたいというふうに考えております。 76 ◯池畑委員 今、そういう答弁を頂きましたので、これから本当に積極的に推進がなされるようにお願いをいたしておきます。終わります。 77 ◯宝来委員 先日、茶業組合の方との意見交換のときに、欧米では有機抹茶というのがいいものだと、漠然といいものだというふうに評価されるのが売れるという話だったんです。今、団地化とか栽培面積を増やすことに力を入れていると思うんですけど、これから、それがいいものというのがブランド化という意味なのか、どういったものかはっきり分からないんですが、そういった面でも少し輸出に関しては力を入れなきゃいけないと思います。その辺の現状というのはどのように認識されていますか。 78 ◯光村特産作物対策監 お茶の輸出につきましては、おっしゃるとおり欧米で有機のお茶、そして抹茶の人気が高いということで、それに着目して推進しているわけですけれども、販売につきましては、有機だけではなく普通の煎茶につきましても、同じように海外商談会への参加ですとか海外バイヤーの招聘、そういったような取組もやっております。ブランド化に向けましてはなかなか一朝一夕にはいかないところですので、継続してそういう取組を推進していくということが大事かなと思っております。  国内向けでも、かごしまブランドのお茶ということでいろいろなシンボルマークをつけたお茶の取組をやっておりますので、海外にそういったものをやるかというのはなかなかなんですけれども、今言ったような、海外に向けては生産面、それから商談あるいは販路拡大、そういったのを併せて取り組んでいきたいと考えております。 79 ◯宝来委員 ありがとうございます。  要するに、付加価値をつけるということなのかなと思うんですが、農薬はかなり制限されて、いいものが行っているという認識はしているんですけど、ブランド化以外の何か付加価値というものでお茶で適合するものは考えられるんですか。 80 ◯光村特産作物対策監 第三者認証ということで、JAS有機につきましては海外との同等認証というのが認められておりますので、そういった有機という形での付加価値、それからあとは第三者認証、GAPのお話、これが付加価値に直接結びつくかどうかはあれなんですけれども、輸入商社ですとか代理店からはそう求められているところもございますので、そういったのを認められるように相手先への理解を求めていくことを続けていきたいと考えております。 81 ◯宝来委員 ありがとうございます。  生産能力も上げる必要はあるんですが、令和七年度に向けて、この五百五十ヘクタールが一つの目標であるというふうにこの計画は立てているという、そういう認識でよろしいですか。 82 ◯光村特産作物対策監 五百五十ヘクタールというのは、現在の有機のお茶の面積でございます。目標としましては、有機抹茶、十六億円を目指すというところでございます。有機の面積ですとかについては特にはないんですけれども、(後ほど「目標が九百ヘクタールでございます。」に訂正発言あり)今のところは事業によりまして、毎年、十団地ほど有機団地を増やしていこうということで考えているところでございます。 83 ◯宝来委員 ありがとうございました。団地化も積極的に進めていただきたいと思います。  あと、畜産物の輸出に関して、今、餌に関してもかなり厳しくなっていると、遺伝子組換えの飼料を使っているものは欧米の一部ではやはり評価が下がりつつあるという話も聞くんですが、その辺、鹿児島の状況ということで遺伝子組換え飼料の市場での使われ方、いわゆる黒毛和牛にはどうやって使われているかという現状を教えてもらってよろしいですか。 84 ◯田中畜産国際経済連携対策監 今、海外に輸出している牛肉に対しまして、その使っている飼料というのは当然明らかにしているところではございますけれども、輸出先の国から日本の飼料の内容について問い合わせとか、こういった制限があるとかいうのはございません。  ただ、例えばEUなんかは、アメリカとかオーストラリアで使っている成長ホルモンなどを制限しているというのは聞いてございますけれども、我が国の牛肉に対しての制限は特にございません。日本が使ってないということで制限はございません。 85 ◯宝来委員 遺伝子組換えの飼料という枠組みでは世界的に何か動きがあるんですか。 86 ◯田中畜産国際経済連携対策監 私どもでは、世界的に遺伝子組換えの飼料で牛肉の輸出に制限がかかっているというような情報は得ておりません。 87 ◯下鶴委員 私からは、輸出に対して新型コロナウイルスの影響というのがどの程度出ているのかということをお伺いしておきたいと思います。  一ページに、輸出相手国別の金額を掲載していただいているわけですけれども、平成三十年度で見たときに、上からアメリカ、香港、ここで金額で過半数、そして中国、台湾、EU、シンガポールと続くわけでありますけれども、いずれの国々も新型コロナウイルスによって経済に大きな影響が出ている国々であります。  そこでお伺いしたいのが、これらの国々の実際の需要、実需に対してどれぐらいの影響が出ているのかというのが一つと、もう一つは、例えば実需に影響はなかったとしても、物流に影響が出たら実際運べなくなってしまうので、物流に対する影響がどのように出ているのか、現在の把握の内容をお示しいただきたいと思います。 88 ◯菓子野農政課長兼かごしまの食輸出戦略室長 農畜産物全体ということだと理解して御質問にお答えしますと、すみません、定量的なデータは持ち得てないんですけれども、業界団体、関係者からの聞き取り情報によりますと、やはり海外でも外食を控えるためか、実際にコロナが発生しています香港、豪州、台湾、シンガポール等々の発注数量が減少しているというふうに伺っております。 89 ◯田中畜産国際経済連携対策監 特に牛肉なんですけれども、食肉事業者から聞き取りをした範囲で申し上げますと、香港は、昨年の暴動以来かなり冷え込んできた影響で、さらにまた追い打ちを受けているということ。それからオーストラリについても、中華系の店が随分減ってきているということで、発注が少なくなっている。それから米国に関しましては、非常事態宣言がなされたものですから、これに対して外食産業が非常に発注が少なくなっているということで、輸出量も今後かなり厳しいんじゃないかというふうな見方をしているところでございます。 90 ◯下鶴委員 現状の影響をお示しいただいたわけですが、ぜひそれぞれ、輸出に力を入れていらっしゃる事業者さんにどういう影響があって、どういう支援が必要なのか、対策が必要なのかということの把握に努めていただきたいな思います。  といいますのが、今、影響があるとしても、中長期的には絶対にこの輸出というのに力を入れて取り組まなければいけないのは明らかであります。ただ、今回の影響に伴う一時的な落ち込みによって、これまで意欲的であったところがその意欲が減退してしまうと、県全体としても大きな損失なのかなというふうに思いますので、特に輸出に軸足を置いていたところほど、今回影響を受けると思いますので、その影響並びにその緩和策について御検討いただきたいなと思います。以上です。 91 ◯光村特産作物対策監 先ほど、有機栽培茶の目標はないと言いましたけれども、目標が九百ヘクタールでございます。訂正させてください。 92 ◯西高委員長 この件に関しまして、ほかに質問はありませんか。    [「なし」という者あり] 93 ◯西高委員長 ほかに質問がありませんので、この件につきましては終了いたします。  ここで、暫時休憩いたします。         午前十一時五十二分休憩      ────────────────         午前十一時五十二分再開 94 ◯西高委員長 再開いたします。  それでは、委員会の中で出された質疑の経過を踏まえ、報告については当席に御一任いただきたいと存じます。  特定調査につきましては、これで終了いたします。  かごしまPR課長水産振興課長及び水産流通対策監は、ここで退席されて結構です。御苦労さまでした。  それでは、中断をしておりましたが、県政一般に係る一般調査を再開いたします。  質問がありましたらお願いいたします。 95 ◯藤崎委員 水土里サークル活動についてお尋ねしたいと思いますが、先般、鹿児島市の犬迫町で、一つの小学校区としては異例だったんですが、農村地域の未来を語る会というのがありまして、鹿児島市内でも農村振興地域での人口減少と農業の担い手が十年後どうなるのかなということで、校区で語る会があったんですが、本来ならば一つの小学校区でやっている行事だったものが、近隣校区まで波及しまして大きな会になりました。これから先、どのような政策導入が可能かなというような検討会がありまして、来賓で国会議員の先生方もいたんですが、誰一人退席することなく最後まで二時間半びっちりやった会に終わったわけです。非常に中身が濃かったんですけれども、その中で水土里サークル活動の話が少し出るかなと思いきや、そこまで出なかったものですから、鹿児島市内における水土里サークル活動の現状について、数は少なかったと思いますが、教えていただきたいと思います。 96 ◯内 むらづくり企画監 鹿児島市内の水土里サークル活動のお尋ねでございます。  鹿児島市内におきましては、旧町ですね、旧喜入町、旧松元町、旧郡山町、そういったところで取り組まれております。旧鹿児島市の町につきましては農振地域がないということで、取り組むためには農振地域が必要でございますので、市内で取り組むというのはなかなかできない、周辺部のもともとの農村地域で今、取り組んでいるというところでございます。 97 ◯藤崎委員 もう一度、手続の確認をしたいと思いますが、この水土里サークルをするには、農振地域であって、そして地域から要望があって、地元の市町村の手続も踏まえた上で県に申請が上がっていくというような理解でよろしかったでしょうか。 98 ◯内 むらづくり企画監 今、委員のおっしゃったとおり、農振地域でございまして、地元の方々が同意されて、こういう協議会をつくって水土里サークル活動をしましょうという、そういった申請に基づいて認定しているところでございます。それは地元の市町村が認定しているというところでございます。 99 ◯藤崎委員 分かりました。
     もともとの旧鹿児島市においても農業地帯があるんですけれども、今後の活性化策につきまして、それぞれ小学校区ごとにコミュニティ協議会もできて、やってはいるんですが、なかなか今、十年後の展望が見えない状況でございまして、そのもやもや感から、この犬迫の皆様方が研修会を開いたものかと思いますが、また私なりにも取り組んでまいりたいと思いますので、以上でございます。 100 ◯小園委員 昨年からキャベツやレタス、ニンジンとか、温暖化の影響もありまして相当値段が暴落していまして、こういうときに、農家の方は畑の中にすき込むわけですね。これを見ていて非常に胸が痛い思いをしているんですが、私の地元もそういうことがたくさんあったんです。  やはりこういう気候が大分変わってくるときには、今でもやっていただいていますが、冷蔵庫を導入して、値段が暴落したときにその冷蔵庫の中に入れておく、そして値段が戻ったときに出すとか、あるいは、将来的には食料不足が叫ばれておりますので、そういうキャベツなどをカット野菜とか乾燥野菜とかにする方向に少し向けていかないといけないのではないかなというふうに思っておりますが、現在、県のほうはどの辺まで取り組んでおられますか。 101 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 野菜等農産物の加工等についての御質問でございます。  本県におきましては、野菜の一次加工、そういったものを積極的に進めていこうという観点から、大隅加工技術研究センターを平成二十七年に開設いたしまして、その中で、カット野菜、それから冷凍やペースト、そういった一次加工に向けた技術の普及等を行っているところでございます。  そうした中で、一次加工にかかわらず最終的な商品が現在、八十二商品、そういったものもできてきております。そういった取組を進めながら、少しでも活用できるような形で進めてまいりたいと考えているところでございます。(「冷蔵は」という者あり)  冷蔵につきましては、大隅加工技術研究センターの中で、輸送関係、貯蔵関係の試験研究も実施しております。そういった中で、少しでも長い期間、品質を保持できるような研究もしているところですが、冷蔵においては長くても一週間、二週間延びるという形でありまして、価格が元に戻るようになるには何か月も先ということもございますので、そういったものについては冷凍であるとか、先ほど委員がおっしゃったような加工などで対応できないかというふうに考えているところでございます。 102 ◯小園委員 あと一点で終わりたいと思います。  輸送の関係なんですが、リミッター制度ができまして、東京まで運ぶのにやはり三日間はかかってしまうというんですよね。そうすると鮮度が落ちてしまったり、輸送費がかかってしまうものだから、鹿児島県の農林水産物の競争力が輸送で削がれている部分があるという話をよく聞いています。  ですから、ここのところもやはり何か手だてをしていかないと、せっかく同じものを作るんだけれども、住んでいる地域によって鹿児島は不利になるといったような状況は、また我々も非常に胸が痛い思いがしておりますので、何かそこら辺に対して手だてを考えておられましたらお答えいただきたいと思います。 103 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 農産物の輸送につきまして、委員御指摘のとおり、今、トラック不足、ドライバー不足ということで、輸送に関する部分は非常に厳しいものがあるところでございます。  本県の農産物につきましては、遠距離ということもございまして、産地におきまして冷蔵施設を整備した上で、きちっと冷やしたものを冷蔵のトラックで運ぶということで鮮度維持に努めておりまして、市場からの評価も高いところでございます。今、こういった時代の情勢に対応いたしまして、輸送方法も変えていく必要があるだろうということで、トラックだけではなくてモーダルシフト、いわゆる鉄道であったりとかフェリー、そういったものを活用して運ぶといったような手だてを考えております。  また、輸送包装資材、そういったものも大隅加工技術研究センターの中でも連携しながら、そういった技術も進めながら、輸送保持、少しでも効率的な輸送体系の確立を進めてまいりたいと考えております。 104 ◯小園委員 よろしくお願いしたいと考えております。ありがとうございます。 105 ◯西高委員長 ほかに質問はございませんか。    [「なし」という者あり]  ほかにないようですので、県政一般を終了いたします。  以上で、当委員会に付託されました議案等の審査は全て終了いたしました。  委員長報告につきましては、特定調査事項を含み文案は当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「なし」という者あり] 106 ◯西高委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。  次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条の規定に基づく閉会中の委員会活動についてお諮りいたします。  請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件については、商工業振興対策について、労働対策について、水産業振興対策について、農業振興対策についての四項目といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 107 ◯西高委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。  それでは、本日で農政部の皆さんと私ども委員による産業経済委員会は最後となりますので、当席及び副委員長から一言御挨拶を申し上げます。  農政部の皆さん、まずは一年間本当にありがとうございました。  産業経済委員会鹿児島の経済を生む、そして産業を興す、そういった非常に重要な委員会であったと思っております。  今年も行政視察など含めて、農政部の皆様方にもいろいろと各委員の皆様から御提言あるいは質疑をされて、一年間、農業振興の中で非常に活性化した活発な御意見が出たのかなと思っております。ただ、私自身がうまく引き出せない部分もあったのかなと思いながらの一年でございました。  今年は、日本で初めてツマジロクサヨトウが頴娃町で発見されて、そこからの対策ということで急に自民党部会を開いて、その対応策に対して、農政部と一緒になりながら、農業をどうやっていくのかということを考えていた矢先が、七月四日の大雨による豪雨災害でした。農業用施設がいろいろと畑かん関係まで含めて大きな被害を受けたということで、この復旧も早急にしっかりとしていただきながら、あるいは国と連携を取っていただいて、工事も事前に進められる、そういったことまでしていただき、御尽力を頂いて本当にありがたかったなと思っております。  先ほど委員からもありましたとおり、サツマイモの基腐病は非常に深刻な問題でございまして、これは鹿児島県の農業の根幹をなすものが崩壊するんじゃないかということで大変心配いたしております。防除だけではなくて、予防だけではなくて、できればやはり殺菌効果のあるものまで農薬登録が取れるように祈っているところであります。  また、年が明けて、新型コロナウイルス対策についても本当に各委員会とも苦慮しながら、県執行部に対してもこれから御要望していくわけですけれども、鹿児島県の根幹をなす商工業や農業の部分で、大きく経済が落ち込むんじゃないかということで大変危惧いたしております。  そういった意味でも、農業生産分野ではとにかく農政部の皆さん方がしっかりと頑張っていただいて、その中で鹿児島県の農業がこれからも持続されていくことを切に祈念しているところでございます。  農政部の皆様方におかれましても、鹿児島県の農業をしっかりと守りながら、農業立県鹿児島として、北海道を除けば一位だということをずっとこれからも続けていけるような、そういった農政の分野での活躍を御祈念いたしております。  また、もう一言申し添えておきますけれども、鹿島獣医務技監がこの三月末で退職ということで、本当に長い間、鹿児島県の農政のために御尽力いただきましたこと、ありがとうございます。  私も還暦でございまして、来年からは同級生がもう県職員に誰もいないんだと思って、非常に悲しい思いがいたしておりますけれども、これからも県勢発展のために、またいろいろと御尽力願いますようよろしくお願いいたします。  本当にこの一年間ありがとうございました。  それでは、宝来副委員長にお願いいたします。 108 ◯宝来副委員長 一年間、どうも皆さんお世話になりました。  西高委員長を補佐する役として副委員長を務めさせていただきました。  商工労働水産部でいうと九九%が中小企業、並びに鹿児島の経済でいうとやはり一次産業、それも農政が担っている部分がとても大きく、二回目の委員会でしたが、農業の奥深さを毎回勉強させられるところでございました。  これからは、一次産業の収入を上げるためにもやはり六次産業化を進めていかないといけない。そのために、商工部門としっかりと連携を取った鹿児島県の政策こそが大事かなと。また今、スマート農業というのが注目されつつあります。日本の食料庫である鹿児島がその最先端を行く土壌整備もこれからは必要なのかなと思っております。  県政が抱える問題は大きいですが、やはり農業、食というのが世界どこにいても最終的に必要なものであると思います。皆さんと車の両輪として日本の食を守る、そして鹿児島の食を担っている方々の生活を少しでも豊かにする、その気概で今後とも精いっぱい頑張っていきたいと思います。  一年間どうもありがとうございました。 109 ◯西高委員長 それでは、最後になりましたが、執行部を代表して満薗農政部長に御挨拶をお願いいたします。 110 ◯満薗農政部長 農政部を代表いたしまして、一言御礼を申し上げたいと思います。  西高委員長、宝来副委員長はじめ委員の皆様には、この一年間、当委員会での熱心な御審議あるいは行政視察等を通じまして、本県の農政課題につきまして、様々な角度から御指導、御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。  また、先ほど、退職する職員に対しまして温かいねぎらいの言葉まで頂きまして、誠にありがとうございました。  この一年の委員会での審議を振り返ってみますと、第十二回全国和牛能力共進会鹿児島大会に向けた取組あるいはASF、CSFなどの防疫対策をはじめ、先ほど委員長からもありましたけれども、サツマイモ病害への対応あるいは本日の輸出対策などにつきまして、委員の皆様方から御意見、御提言を頂き、各般の施策を着実に進めることができました。  また、今回の議会におきましては、鹿児島主要農作物の種苗の安定供給に関する条例、この制定について御審議を頂き、様々な御意見や御助言を賜り、誠にありがとうございました。  本県の農業の一年間を振り返ってみますと、先ほどありましたけれども、六月末からの大雨など農業災害が大変厳しい状況もありました。また、サツマイモの病害ですとかツマジロクサヨトウの病害虫対策、家畜におきましてはCSFあるいはASFの関係等、大変農家の方々は心配して、この一年間御苦労があったのかなというふうに思っております。  しかし、一方では、グッドニュースといいますか、いいニュースもありまして、皆さん、農家の方々の御努力もありまして、平成三十年の本県の農業産出額、これは二年連続で全国第二位というようなことを堅持できたということ、それから、先ほど輸出の話もありましたけれども、平成三十年度の農林水産物の輸出額、過去最高の二百二十七億円ということで着実に伸びつつあるところでございます。  また、愛知県で開催されました全国のお茶の品評会、これにおいて十六年連続の産地賞、これを受賞することができまして、今年度、南九州市で開催予定の全国お茶まつりに大きな弾みになったのかなというふうにも思っております。  また、硫黄山の影響で水稲作付が中止されておりました伊佐市につきましては、昨年から川内川からの取水が再開されて水稲の作付がスタートをしておりますし、また、湧水町については、今年産から水稲の作付ができるというようなことで、農家の方々も安心できたのかなというふうに思っております。  また、それらの地域を中心とした県北のあきほなみ、これが七年連続で特Aということで大変すばらしい成績を収めることができました。  このような明るいニュースがあって、本県の農業のこれからも期待できる一年なのかなというふうにも思っているところでございます。  しかしながら、農政を取り巻く環境につきましては、国際的な経済連携協定への対応、あるいは労働力不足に対する解決へ向けた取組、あるいは中山間地域対策、それから今年になって始まりました新型コロナウイルスへの対応等々、依然として大変厳しいものがありますけれども、取り組まなければいけない課題というのも多く存在しております。  今後とも、我々農政部一丸となって、これらの課題への解決を図りつつ、稼げる農業の実現に向けまして全力で取り組んでまいりますので、委員の皆様におかれましては、引き続き、様々な観点から御助言、御支援を賜りますようお願い申し上げます。  最後になりますが、委員の皆様のこれからのますますの御活躍と御健勝を祈念いたしまして、御礼の挨拶とさせていただきます。  この一年間本当にありがとうございました。 111 ◯西高委員長 以上をもちまして、産業経済委員会の日程は全て終了いたしました。  これで、閉会いたします。  御苦労さまでした。         午後零時十一分閉会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...