鹿児島県議会 2019-12-12
2019-12-12 令和元年産業経済委員会 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過
…………………………
午前十時一分開会
…………………………
◯西高委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから
産業経済委員会を開会いたします。
この際、御報告いたします。
傍聴について二名の方から申し出があり、これを許可いたしました。
本日は、
農政部関係の審査を行います。
まず、議案第九六号令和元年度鹿児島県
一般会計補正予算(第二号)など、
農政部関係の議案三件を一括議題といたします。
なお、
県卸売市場条例等の廃止に関する議案の審査に当たりまして、
商工労働水産部から
水産流通対策監に出席をいただいております。
初めに、農政部長の総括説明を求めます。
2 ◯満薗農政部長 おはようございます。
それでは、お手元に配付してございます令和元年第四回
県議会定例会産業経済委員会資料、下のほうに農政部とあります資料に基づきまして御説明申し上げます。
まず、一ページをお開きください。
初めに、I 令和元年度十二月補正予算(案)についてでございます。
令和元年度の補正額の欄にありますように、二億九千万円余りの増額補正をお願いしているところでございます。
この補正額を含めた本年度の十二月現計予算額は、補正後(A)欄の一番下になりますが、約五百八十二億三百万円となり、前年度対比一〇九・五%となっております。
次に、一、予算議案の内容について御説明申し上げます。
(一)
災害復旧対策の
肉用牛改良研究所災害復旧事業につきましては、六月末からの大雨により被害を受けた
肉用牛改良研究所の
圃場管理用道路の破損及び
のり面崩壊等の復旧を行うものでございます。補正額は二百五十九万一千円でございます。
二ページをお開きください。
次に、(二)その他の事業でございますが、一、生産性向上に関する施策の(一)
ASF侵入防止緊急対策関連事業につきましては、ASF等の家畜伝染病の侵入を防止するため、養豚経営体が
野生動物侵入防護柵を緊急に整備する経費支援の拡充や、県営施設の
防疫体制強化を実施するものでございます。補正額は、ア、イ、ウ合わせて二億五千七百十九万四千円でございます。
次に、下のほうの二、
職員給与関係費につきましては、
県人事委員会の勧告等を受けて、給料や期末・勤勉手当など職員の給与改定に要する経費を計上しております。
次に、(三)
繰越明許費につきましては、設計調整に不測の日数を要したことなどにより、現時点で年度内に工事が完了しないことが明らかになった案件につきまして、早期に
繰越明許費を計上することにより、適正な工期の確保を図ることとしております。
三ページをごらんください。
II その他議案について御説明申し上げます。
まず、一、鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件につきましては、
権限移譲プログラムに基づき、知事の権限に属する事務のうち、農地法に基づく農地転用の許可等の事務、
農業協同組合法に基づく
農事組合法人の設立等の届け出の受理などの事務、土地改良法に基づく土地改良区等の
定款等変更認可などの事務を、新たに協議が調った市町村が処理することとなるため、それぞれ所要の改正をしようとするものでございます。
次の二、鹿児島
県卸売市場条例等を廃止する条例制定の件につきましては、国が
卸売市場法を改正したことに伴い、
地方卸売市場等の開設、取引に関する規制等について定めている
県卸売市場条例、
県水産物小規模卸売市場条例及び
県青果物等小規模卸売市場条例を廃止するため、この条例を制定するものでございます。
四ページをお開きください。
III 主要施策の進捗状況等の主なものについて御説明申し上げます。
まず、一、安全で安心な農畜産物の安定供給に関する施策の、有機農業の推進に関する意見交換会につきましては、本県の有機農業を推進するため、有機農業者その他の関係者等との意見交換会を開催したところでございます。
次の
GAP推進フォーラムにつきましては、
農業生産工程管理、いわゆるGAPの普及・拡大を図るため、先進事例などを紹介するフォーラムを開催したところでございます。
五ページをごらんください。
二の担い手確保・育成に関する施策の
農業分野外国人技能実習制度研修会につきましては、
外国人技能実習制度の理解促進や
受け入れ事例を紹介する研修会を十月十八日に開催したところでございます。
次の令和元
年度全国優良畜産経営管理技術発表会につきましては、鹿屋市の
株式会社中野ファームが
農林水産大臣賞を受賞したところでございます。
次の
企業等農業参入塾につきましては、農業参入に関心のある企業等を対象に、農業の基礎的な技術や知識等を習得できる参入塾を十一月六日及び十三日に開催したところでございます。
六ページをお開きください。
農山漁村パートナーシップ推進研修会につきましては、
農山漁村女性団体八組織で構成いたします
農山漁村女性組織連絡協議会との共催で、農林水産業における
男女共同参画社会の促進を図るための研修会を十一月二十一日に開催したところでございます。
次の三、農地利用、基盤整備等に関する施策の
農地中間管理事業の推進につきましては、担い手に農地を集積・集約するため、関係機関・団体等と連携しながら取り組んでいるところでございます。
令和元年十二月一日現在の同事業による
累計貸借面積は、前年度末より八百五十七ヘクタール増加した九千三百ヘクタールとなったところでございます。
七ページをごらんください。
一番上のほう、地域別人・
農地プラン推進大会につきましては、人・農地プランの実質化を推進するため、市町村、関係機関・団体の担当者を対象に、県内八カ所で推進大会を開催したところでございます。
次の
肝属中部地区完工式につきましては、
国営かんがい排水事業肝属中部地区の完了に伴い、十一月十六日に鹿屋市において、完工式が開催されたところでございます。
次の八ページをお開きください。
四、生産振興、販売・流通等に関する施策の
かごしまブランド団体につきましては、新規品目の「いちご」において、一団体認定したところでございます。現在、二十四品目百五十六団体が認定されております。
次の
農畜産物流通研修会につきましては、近年の消費者の嗜好や販売方法の多様化、物流環境の変化等を踏まえた、県産農畜産物の産地づくり、販売力強化を図るための研修会を十一月十二日に開催したところでございます。
次の令和元年産水稲の生産状況につきましては、早期水稲の作柄は、出穂期以降の低温、日照不足等で登熟がやや不良となったことから、作況指数九八のやや不良となったところでございます。
普通期水稲の作柄につきましては、六月下旬から七月中旬の低温、日照不足により穂数及び全もみ数が少なくなったことに加え、トビイロウンカによる被害等の影響から、作況指数九三の不良となったところでございます。
九ページをごらんください。
令和元年産さ
とうきびの生産見込みにつきましては、十一月一日現在の調査によりますと、前年比約一一三%の五十一万トンが見込まれております。
また、その下のほうにあります、さとうきび増産基金の発動につきましては、
ツマジロクサヨトウによるサトウキビへの食害が県内で初めて確認されたことから、種子島、
奄美群島全島を対象に、十月二十八日付でさとうきび増産基金を発動し、病害虫防除などの取り組みを支援しているところでございます。
次の鹿児島県
茶業振興大会につきましては、十一月二十日に志布志市において、茶生産者、関係者、消費者などが参加し、開催されました。フェリーさんふらわあを会場に、
県茶業功労者表彰、県茶品評会の褒賞授与が行われた式典のほか、志布志港周辺において、「しぶし茶」の試飲・PRなどの
消費拡大イベントが行われたところでございます。
また、次の十ページになりますが、「お茶一杯の日」のイベントにつきましては、お茶の消費拡大を図るため、県内外の消費者に対しまして、試飲・販売等を通じて、かごしま茶の魅力をPRするイベントを十一月二十三日に開催したところでございます。
次の第七回
九州連合ホルスタイン共進会への参加につきましては、本県から出品いたしました九部門のうち、二部門で一位を受賞したところでございます。
十一ページをごらんください。
県産農畜産物の海外における販路拡大につきましては、県産農畜産物の販路拡大を図るため、海外で行われます展示会・商談会、
PRイベントに参加したところでございます。
十一月一日から三日にかけまして、フランス・パリで開催されました食品見本市「セボン・ル・ジャポン」において、有機抹茶等を出展し、
現地バイヤー等にPRを行ったところでございます。
また、十月五日から九日にかけまして、ドイツで開催された「ANUGA二〇一九」に参加し、鹿児島和牛のPRや商談に取り組んだところでございます。
次の高級果物店での
かごしまフェアの開催につきましては、
かごしまブランド産品「かごしまの大将季」の認知度向上と消費拡大を図るため、十二月二日から八日にかけまして、東京においてフェアを開催したところでございます。
一番下のほう、
タイ向け豚肉輸出の開始につきましては、タイへの日本産豚肉の輸出解禁を受けて、県内では三つの
豚肉輸出施設が認定されたところでございます。そのうち、
株式会社ナンチクが十一月二十七日に全国で初めて豚肉輸出を開始したところでございます。
十二ページをお開きください。
大隅加工技術研究センターにおける取組につきましては、食品加工に関する施設利用や
相談受け付けによる支援を実施したほか、
食品加工事業者等を対象に、センターの機器を活用する
実技セミナーを開催したところでございます。
十三ページをごらんください。
六次産業化の推進につきましては、六次
産業化商品等の販路拡大を図るため、福岡県で開催された展示・商談会への事業者の出展支援を行い、また、地域の
加工施設利用者の課題解決を図るため、加工技術の相談会を開催したところでございます。
十四ページをお開きください。
五、生産性向上に関する施策の
畑かん営農推進大会につきましては、畑かんを活用した営農の推進を図るため、令和元年十月十八日に天城町において開催し、農家や
農業関係者など二百三十四人の参加があったところでございます。
次の
スマート農業推進大会につきましては、農家の
スマート農業への理解促進と普及を図るため、
サトウキビ部門を十月十八日に天城町で、また、
施設園芸部門を十一月八日に志布志市で開催し、農家や
農業関係者など延べ四百十三人が参加したところでございます。
十五ページをごらんください。
ミカンコミバエへの対応につきましては、六月以降、奄美群島、屋久島及び黒島で誘殺が確認されたことから、国の
対応マニュアルに基づきまして、国や
地元市町村等と連携し、初動対応を実施しているところでございます。
なお、十一月以降、瀬戸内町の加計呂麻島や請島において、誘殺が複数確認されたことなどから、人力での誘殺板の設置が困難な山林等に対しまして、
有人ヘリコプターによる誘殺板散布を実施しているところでございまして、散布につきましては、昨日十一日に終了したというところでございます。
十六ページをお開きください。
次に、
ツマジロクサヨトウへの対応につきましては、七月以降、
飼料用トウモロコシやソルガム、
サトウキビ等で発生が確認されたところであり、国や市町村、関係機関と一体となって、的確な防除指導を行うとともに、
発生状況調査等を実施しているところでございます。
次の、さつまいもの病害につきましては、本年産についても発生しており、南薩・大隅・熊毛の一部の地域を中心に、地上部の被害が多い傾向にあります。
県では、基腐病の
発生メカニズムの解明に向け、国等との共同研究に取り組んでいるところでありますが、次年産に向けた取り組みといたしまして、病害発生の防止対策をまとめたリーフレットなどを生産者へ配布するとともに、基本技術の徹底を周知するため、
さつまいも病害技術研修会を開催したところでございます。
なお、詳細につきましては、県政一般の一般調査の中でまた後ほど説明させていただきたいと思います。
十七ページをごらんください。
高
病原性鳥インフルエンザ・
豚コレラ等防疫対策会議につきましては、渡り鳥が飛来する時期を迎えることや、国内においてCSFが続発していることなどから、防疫対策の徹底を図るための
防疫対策会議を開催したところでございます。
次の六、
農業災害防止等に関する施策の
鳥獣被害防止対策研修会につきましては、県内のモデル三地区において、地域住民や関係者などを対象に、専門家による講義や放任果樹の剪定実習などを内容とする研修会を開催したところでございます。
十八ページをお開きください。
七、農村振興に関する施策の
農村地域整備促進審議会につきましては、十一月二十七日に開催し、今年度中に国の同意を経て公表することとしております、県農村地域への産業の導入に関する基本計画(案)について調査審議していただき、了承を得たところでございます。
次の、令和元年度豊かな
むらづくり全国表彰事業につきましては、県が推薦いたしました錦江町の宿利原地区公民館が、地区住民と多様な主体との連携による地域資源を生かした取り組みが評価され、このたび、
農林水産大臣賞を受賞したところでございます。
九州「農地・水・環境保全」
フォーラムin鹿児島につきましては、「つなごう水土里 明日への希望とともに」をテーマとして、十一月七日、九州・沖縄各県の活動組織の関係者一千三百七十人が参加して、七年ぶりに本県で開催されたところでございます。
十九ページをごらんください。
八の国際的な
経済連携協定の、
日米貿易協定の動向等につきましては、十二月十日、米国において、日米の国内法上の手続が完了した旨の通告が相互に行われ、協定の発効日を令和二年一月一日とすることが決定されました。
次の、TPP11、日EU・EPA発効後の状況につきましては、本年一月から十月までの牛肉・豚肉の輸入量を見ますと、牛肉・豚肉ともに若干増加しているものの、おおむね前年並みに推移しており、特段の影響は見られないところでございます。
次の九、川内川上流の水質問題の、湧水町における対応につきましては、来期の取水再開に向けて、国の補助事業を活用し、
水質監視システムと
自動取水停止装置の整備を現在進めているところでございます。
以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。
3
◯西高委員長 部長の総括説明に対する質疑については、県政一般でお願いいたします。
続きまして、議案について、関係課長の説明を求めます。
初めに、農政課長の説明を求めます。
4
◯菓子野農政課長兼かごしまの
食輸出戦略室長 農政部関係の補正予算案及び予算外議案につきましては、各課とも、お手元にございますこちらの
議案等説明書で御説明をさせていただきます。
それでは、
農政課関係の補正予算案を御説明申し上げます。
七ページをお開きください。
まず、第
一目農業総務費の
職員給与関係費でございますが、農業総務費には、職員給与を計上している農政課、
農村振興課、農業経済課、経営技術課及び農産園芸課の
職員給与関係費の増額補正を行っております。こちらは給与条例等の改正に伴うものでございます。
なお、九ページから後の畜産課等の
職員給与関係費につきましても、同様の補正理由でございますので、その他各課の説明は省略させていただきます。
八ページをお開きください。
予算外議案の議案第一一一号鹿児島
県卸売市場条例等を廃止する条例制定の件につきましては、これまで、
地方卸売市場の開設の許可や市場内の取引規制などは、
卸売市場法によって県条例で定めておりましたが、法律が改正されまして、
地方卸売市場の開設の認定等の規定が改正法に明記されました。このことにより、県条例で定める必要がなくなったことから、関係する三つの県条例を廃止するものでございます。
以上で、
農政課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。
5
◯西高委員長 次に、
農村振興課長の説明を求めます。
6
◯中山農村振興課長 農村振興課関係につきまして御説明いたします。
十ページをお開きください。
予算外議案、議案第一〇三号鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件であります。
これは、知事の権限に属する事務のうち、説明欄に記載しております農地法に関する
農地転用許可など十二の事務を、
権限移譲プログラムに基づき、今般、新たに協議が調いましたいちき串木野市に、令和二年四月一日付で移譲しようとするものであります。
これにより、権限移譲を受けていない市町村の数は十七となります。
以上で、
農村振興課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。
7
◯西高委員長 次に、
農業経済課長の説明を求めます。
8
◯増田農業経済課長 農業経済課関係につきまして御説明申し上げます。
十一ページをお開きください。
ただいまの
農村振興課と同じ、議案第一〇三号鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件についてでございます。
農業経済課関係は、
農業協同組合法に規定します
農事組合法人に係る十六事務を、令和二年四月一日付で新たに阿久根市に移譲しようとするものでございます。
以上で、
農業経済課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。
9
◯西高委員長 次に、
経営技術課長の説明を求めます。
10 ◯厚
ヶ瀬経営技術課長 経営技術課関係について御説明申し上げます。
十二ページをお開きください。
農林水産業費の第十二目農業大学校費の二百三十八万九千円の増額補正につきましては、ASF等の家畜伝染病の侵入を防止するため、農業大
学校畜産学部養豚科の農場において、
野生動物侵入防護柵が未設置の区域での柵の設置に要する経費でございます。
以上で、
経営技術課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。
11
◯西高委員長 次に、
農産園芸課長の説明を求めます。
12
◯有馬農産園芸課長 農産園芸課関係につきまして御説明申し上げます。
十三ページをお開きください。
繰越明許費についてでございますが、
産地パワーアップ事業の繰り越しをお願いしております。
こちらにつきましては、労働力不足ですとか建築資材の調達難に伴いまして、適正工期が不足したことなどから繰り越すものでございます。
以上で、
農産園芸課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。
13
◯西高委員長 次に、畜産課長の説明を求めます。
14 ◯莚平畜産課長
畜産課関係につきまして御説明申し上げます。
十四ページをお開きください。
第三目
家畜保健衛生費の
ASF侵入防止緊急対策事業につきましては、ASF等の家畜伝染病の侵入を防止するため、養豚経営体が
野生動物侵入防護柵の整備に対する一部助成の拡充に要する経費の補正でございます。
次に、第四目
畜産試験場費の
畜産試験場施設整備事業につきましては、ASF等の家畜伝染病の侵入を防止するため、野生動物の侵入防護柵が未設置の、飼料や資材等の一時保管庫などの区域に係る柵の設置に要する経費の補正でございます。
十五ページをごらんください。
第六目
農林水産施設災害復旧費の
肉用牛改良研究所災害復旧事業につきましては、六月末からの大雨により被害を受けた
農業開発総合センター肉用牛改良研究所の
圃場管理用道路の破損及び
のり面崩落等の復旧に要する経費の補正でございます。
その他、
職員給与関係費を含めて、総額で二億六千三百二十五万七千円の増額補正をお願いしております。
以上で、
畜産課関係の説明を終わります。よろしくお願いします。
15
◯西高委員長 次に、
農地整備課長の説明を求めます。
16
◯前田農地整備課長 農地整備課関係につきまして御説明申し上げます。
十七ページをお開きください。
繰越明許費でございますが、県営中
山間総合整備事業など四事業について繰り越しをお願いするものでございます。
これは、計画調整及び用地交渉等に不測の日数を要したことによるものでございます。
十八ページをごらんください。
鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件でございます。
これは、
権限移譲プログラムに基づき、土地改良法に係る知事の権限に属する事務の一部を出水市へ移譲しようとするものでございます。
以上で、
農地整備課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。
17
◯西高委員長 次に、農地保全課長の説明を求めます。
18 ◯玉泉農地保全課長 農地保全課関係について御説明申し上げます。
二十一ページをお開きください。
繰越明許費でございますが、県営かんがい排水事業など五事業について繰り越しをお願いするものでございます。
これは、計画調整や用地交渉などに不測の日数を要したことなどにより、適正工期が確保できないためでございます。
以上で、農地保全課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。
19
◯西高委員長 以上で説明が終わりましたので、委員の皆様から、議案に対する質疑がありましたらお願いいたします。
20 ◯前野委員 十三ページ、農産園芸課の
産地パワーアップ事業について、労働力不足とあわせて建築資材、高力ボルトといったような資機材の調達難ということが理由になっているんですが、繰り越しをして、向こう一年間の間にこの七億円余りの事業が達成するのか、そのことについてまずお答えください。
21
◯有馬農産園芸課長 ただいま、高力ボルトの御質問がございましたけれども、高力ボルトは、ことしの十月現在で、発注後の納期が五カ月以上かかっていると、五、六カ月かかるということでございましたので、それを勘案いたしますと、工期延長で対応できると判断しております。
22 ◯前野委員 この高力ボルトというのは、この事業の主体的な機材なんですか、どういうものに使われるんですか。
23
◯有馬農産園芸課長 高力ボルトといいますのは、大きな鉄骨の建物なんですけれども、その接合部をつなぎ合わすためのボルトでございます。
24 ◯前野委員 いわゆるハイテンボルトと言われるやつですね。
25
◯有馬農産園芸課長 はい、ハイテンションボルトと言われるものでございます。
26 ◯前野委員 はい、わかりました。ありがとうございます。
次に畜産課で、家畜伝染病の侵入を防止するための養豚経営体への
野生動物侵入防護柵なんですが、ごくごく小規模の養豚農家というのはもう存在しないんですか。一定程度から上の経営、飼育頭数というか、あるいは生産のみをやっている農家とかいらっしゃると思うんですが、一昔前は一頭飼い、二頭飼いという方もいたわけですが、もう今、そういう方々がいないということなんでしょうか。
27 ◯莚平畜産課長 今お尋ねの小規模農家の今の現状でございますけれども、統計上で一、二頭飼いというところはちょっと出てこないんですが、十頭とか二十頭とかそういう規模はございます。一、二頭飼いのところまでは具体にここというのはちょっと把握しておりません。
28 ◯前野委員 規模の小さいところへの対策、この事業が、農家が要請があれば対応できるのかというよりも、たとえ一頭飼い、二頭飼いであっても野生動物が侵入してこないように、たまたまそこに来た場合に拡散してしまうという心配があるわけですが、そのあたりを聞いているんです。
29 ◯莚平畜産課長 全ての養豚農家に対してこの事業で対処できます。ちなみに、百メートルの延長であった場合、国庫が二分の一、県が四〇%で九割補助ができて、それにあわせてまた市町村等も加勢をしていただければ、ほんのわずかの農家手出しで済むと思われます。
30 ◯前野委員 それじゃ全て、養豚というか、豚を飼育している農家は全て対象になり得るということですよね。自治体で小規模な飼育をしていらっしゃる農家とかいうのは把握しているでしょうから、そこも含めて、この事業は対象になるという理解でいいですね。
31 ◯莚平畜産課長 委員のおっしゃいますように、全て対象になります。
32
◯西高委員長 渡邊家畜防疫対策監、何かさっきの少頭飼いのところであるんですか。
33 ◯渡邊家畜防疫対策監 農家については、豚を一頭でも飼っておけば家畜保健衛生所に飼養報告を出すようになっておりますので、六百農場というのは全農場ということで理解していただいたらよろしいかと思っているところでございます。
34 ◯前野委員 よくわかりました。全て網羅、把握ができているという理解でいいですね。はい、ありがとうございました。
35 ◯藤崎委員
卸売市場条例等を廃止する条例制定の件でお尋ねいたしますが、一方では、法改正に伴って条例を廃止したり、一方では、法廃止に伴って条例制定があったりと、いろいろあるものだなと思いながらなんですが、
卸売市場法の改正に伴って条例が廃止されたら、市場流通上どんな変化があるのか、それとまた現場の事務処理上、書類ががふえるのか減るのか、その辺をちょっと、改正された後、条例が廃止された後の流れを教えてください。
36 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 条例廃止後の市場流通の変化についてでございますが、条例が廃止されることで改正法に全て移りまして、流通等については特に影響はないと考えております。また、事務処理におきましても、新たな改正法に全て位置づけられるということで問題なく処理できると考えております。
37 ◯藤崎委員 じゃ、書類に関しましては、新しい書式で行われるんでしょうが、それが書類量がふえるのか減るのか、その辺は感覚的にどんなものなんでしょうか。
38 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 新たに改正されます市場法の中に位置づけられた申請等につきましては、従来とほぼ変わらないものと考えております。また、様式等につきましては、県のほうで簡易に改正することもできると、手続を簡素化することもできるというふうになっておりますので、国それから他県の動向を踏まえまして、またそこら辺につきましては検討させていただきたいと考えております。
39 ◯藤崎委員 確認させてください。
一応法律に基づく書式があるけれども、ただいまの答弁では、県の判断で少しそれを簡易に書式をつくることができるという理解でよろしいですか。
40 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 委員のおっしゃるとおりでございます。
41 ◯藤崎委員 次の質問にいきます。
権限移譲プログラムに伴う三件の権限についてなんですが、各部各課、市町村と話をされて機が熟したものから移譲していっているのを、何件がずっと見てきているわけでございますが、部署によっては権限に伴って財源も現場に渡す、市町村に渡すような権限移譲も過去見てきているわけですが、この三件につきましては、書類事務だけなのか、もしくは財源も一部、事務処理の財源も伴って移譲するものなのか、そこを確認させてください。
42 ◯内村農地調整監 まず、農地法の関係について御説明いたします。
権限移譲につきましては、経費全般ですね、必要な人件費、旅費、印刷製本費、通信運搬費、それらに単価設定した上で、事務処理等により算定した交付金という形で市町村に交付しているということでございます。これにつきましては、農地法に限らずほかに事務も一律に同じだと思います。ただ、金額につきましては、それぞれの事務に要する単価ということで、それぞれ算定したものにより交付されるということになっております。
考え方としましては、法令につき均等割といたしまして、一法令当たり二万円、プラス事務処理に必要な経費で件数割ということで、農地法のほうでは交付しているというような状況でございます。
43 ◯橘木農協指導監
農事組合法人の権限移譲の交付金についてでございます。
今、説明がありましたとおりに、均等割の交付金と、それから移譲された市町村が実際に事務処理をされた場合の件数割という形で交付金を交付しておりまして、令和元年度でありますと、今現在移譲している二十市町村に四十三万六千円を交付しているところでございます。
44 ◯西園国営事業対策監 土地改良法に基づく権限移譲の件でございますけれども、先ほどの回答と同じように、均等割で一法令当たり二万円、あと件数割で経費と前々年度の事務処理実績により交付してございます。ちなみに、平成三十年度は三十七万九千八百円(後ほど「三百七十九万八千円」に訂正発言あり)となってございます。
45 ◯藤崎委員 それぞれ確認させていただきました。ありがとうございました。以上で終わります。
46 ◯小園委員 農地転用の許可等十二事務についてお伺いしますが、私どももいろいろと相談されることが多いのはこの事業なんですが、県内でどれぐらいの市町村に今、権限移譲されていますか。
47 ◯内村農地調整監 現時点で二十五市町村に権限移譲しておりまして、今回、いちき串木野市に移譲することで二十六市町村ということになります。
48 ◯小園委員 そうしますと、今まで市町村の農業委員会でいろいろとされていたと思いますが、それが県のほうにはもう全然上がってこないということで理解してよろしいですよね。
49 ◯内村農地調整監 基本的には農業委員会限りで処理すると。ただ、面積要件で二ヘクタール以上のものについては県のほうに上がってくるということで、二ヘクタール未満のものを市町村に権限移譲しているという取り扱いになっております。
50 ◯小園委員 関連でお伺いしますが、農地転用の許可等につきまして、我々もいろいろと相談されることが実は多いんですが、どこら辺でしっかりと仕切りといいますか、農地転用を許可するとか許可しないとか、それぞれの事案によって違うんですが、どこら辺が大きなポイントになってきますかね。
51 ◯内村農地調整監 そもそも農地転用しようとする農地がどういう農地かということが、まず一番大きなポイントでございまして、優良農地、農振農用地だとか第一種農地だとかいろいろございますが、確保しなければいけない農地についてはある程度制限がかかっていると、それ以外の農地については、ある程度認めるというような取り扱いになっております。
ただ、農地転用に当たりましては、当然、農振地域に入っている場合はそれが除外できるのかとか、そういう取り扱い、あと計画につきましては、実際それが実現可能性があるのかとか、そういった面から総合的に勘案して判断するという取り扱いになっております。
52 ◯小園委員 農地転用の場合は、いろいろ申請を出される方、それから農業委員会側のいろいろな言い分がありまして、なかなかかみ合わんときに我々が板挟みになってしまうことが多いんですけれども、そういったときは市町村の農業委員会が最終的には判断すると、判断されたとおりでよろしいと、何か紛争といいますか、そういうのを調停する機関というのは全くないんですかね。
53 ◯内村農地調整監 基本的には、市町村に権限移譲していれば市町村でということになりますが、難しい案件、困難な案件については、事前に県のほうにも相談が寄せられるという場合が多くございまして、その場合は、必要に応じて国に協議するなどして事前に調整をしているところでございます。
なお、許可等がなされた後の紛争につきましては、審査請求制度とかそういったものがございますので、あとは法令にのっとった手続の中で処理していくものと考えております。
54 ◯小園委員 この
農事組合法人の設立の関係ですけれども、今後どういったような、数的にもやはりいろいろとふえてくるんじゃないかなというふうに思うんですが、今後、見通し的にはどんなふうになりますかね。
55 ◯橘木農協指導監 今後の見通しということでございますけれども、七月一日現在で県内の
農事組合法人が百九十五法人ございまして、このうち百二の法人については移譲しているところでございます。県が所管する九十三法人のうちで、活動される地区が二市町村にわたるものについては、引き続き県のほうが所管をすることというふうになっておりまして、残り五十一法人が権限移譲で移譲できる法人というふうになっております。
委員、御質問のありました、今後、設立等がふえるのではないかということですけれども、平成三十年度においては、新しく設立された
農事組合法人が二法人ございまして、あわせて、解散する法人というのも九法人ございます。これは過去に設立して、その後、活動を休止しているところについては、届けが出て解散というところでございます。
新たにできるところもございますので、今、移譲を受けていらっしゃらない市町村というのは、
農事組合法人が今現在なかったりとか、それから数的にもそれほど多くない、七、八法人ぐらいしかないということで、なかなかメリットを感じられないというようなことで検討をされているところで、そこにつきましては、今現在、移譲を受けていらっしゃるところの市町村からお聞きすると、やはり法人がなかったところでありましても、法人設立の準備のところから事務にかかわることができるということで、地域の農業振興については、事業を推進する上で非常に役に立っているということですので、県といたしましては、県民に身近な市町村で手続ができるということは、県民に対するサービスの向上につながりますので、引き続き、移譲が進むように取り組みを進めていきたいと考えております。(「詳しくありがとうございました」という者あり)
56 ◯西園国営事業対策監 先ほど、土地改良法に基づく権限移譲の交付金の三十年度の額を三十七万九千八百円と申しましたけれども、三百七十九万八千円に訂正いたします。
57
◯西高委員長 ほかに質疑はございませんか。
58 ◯下鶴委員 私からは八ページ、議案第一一一号
卸売市場条例等を廃止する条例制定の件について、一点だけお伺いいたします。
本県並びに各市場の実情に合った取り決めができるのかどうかという観点からお伺いしたいと思います。
この地方分権の流れの中でよくあるのが、法で全国一律のがちがちとした縛りをやるのではなくて、各地方に合った取り決めができるように、条例で裁量権を持って渡していきましょうというのがよくあるパターンであるわけですけれども、今回、法で規制して、条例を廃止するという一見余りないパターンなものですから、先ほど申し上げた観点に即して、それがどうなるのかということを示していただきたいと思います。
59 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 青果物流通につきましては、法律が制定された時期というのが、市場流通がまだ発達していない時代のものであって、冷蔵技術とかそういったものがまだ少ない時期でございました。それが、そういったものがどんどん技術が改善されて、流通体制もよくなって市場取引以外の流通も多くなってきたということで、全国的にこういった市場流通を見直す必要があるという観点で、今回、見直されております。
中身におきまして、大きなポイントが二つございまして、まず一点目が、これまで市場の許認可制から認定制に変わっております。市場の開設が認定制に変わることで、開設者の権限移譲や手続の簡素化が進むというメリットが一つございます。
もう一点が、取引ルールの弾力化でございます。これまで開設・取引に係る規定につきましては、差別的取り扱いの禁止など基本的なルールは残して、実情に応じて市場ごとに取引ルールを定めることができるように、今回、緩和されております。これによりまして、生産者が市場を通さずに直接、小売業者に品物を送れるようになるとか、過不足の調整を市場間で行えるようになるなど、そういったルールを各市場ごとに実情に応じてつくれるようになりますので、実情に合った形でこれからの業務ができるというふうに考えているところでございます。
60 ◯下鶴委員 よくわかりました。一見、条例を廃止して、法で一律となると、実情に合わなくなってしまうのではないかという懸念があったものですから、今の御説明を伺って、むしろ条例も飛び越えて、各市場ごとで実情に合ったルールを決めるようになるという非常にいいことだと思います。
最後に、この件について一点、施行期日、これは法の施行とかに伴うものですか。六月二十一日というふうになっているものですからお伺いしたいと思います。
61 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 委員のおっしゃるとおり、法の施行に合わせて六月二十一日としたところでございます。(「わかりました。ありがとうございます」という者あり)
62
◯西高委員長 ほかに。
63 ◯宝来委員 ASF等の侵入防護柵についてなんですが、農業大学校と畜産試験場は、これはもともとあった予算の中でのやりくりということで、追加の補正予算がついてこの額になったのか、そこを教えてください。
64 ◯大谷農業開発総合センター所長 農業大学校の関係の施設について御説明申し上げます。
従来から農業大学校の施設の整備につきましては、養豚の関係だけじゃなくて、学生の寮の整備でありますとか、いろいろな施設の整備のために予算を持っております。
今回、養豚の施設の防護柵をつくるということで新たに必要な経費が生じましたので、従来から持っていました予算に加えまして、補正予算の二百三十八万九千円を追加させていただきまして、既存で持っておりました農業大学校の寮の空調設備を整備するという予算の執行残と、新たにお願いしています二百三十八万九千円を合わせまして、合計五百七十五万八千円かけまして養豚関係の防護施設を整備するということになっております。
65 ◯莚平畜産課長 畜産試験場の防護柵の整備につきましては、これまでの補正前の額に一千五十六万円の増額を要求しておりまして、国庫なり特定財源とあと一般財源を活用して、今回、増額補正を要求しているところでございます。
66 ◯宝来委員 そのときの補助割合というんですかね、追加で来るときの県単の一般と国庫から来る分というのは、どれぐらいの割合で計算されて請求されたということですか、とりあえず全部請求したということですか。
67 ◯莚平畜産課長 これまで来ている交付金等の残を活用しておりますので、補助割合とかというのではなくて、執行残を活用しております。
68 ◯大谷農業開発総合センター所長 農業大学校における整備におきましても同様、先ほど申しましたように、従来から持っておりました交付金の執行残に加えまして、県債なり、足らない分については一般財源を継ぎ足して必要な経費を確保しているということでございます。
69 ◯宝来委員 あとはわかれば教えてください。高校とか鹿児島大学ですか、農学部がある大学、この辺の防護柵の対応というのは何か特別なものがあったのかどうか、わかれば教えていただきたいと思います。
70 ◯莚平畜産課長 聞いたところによりますと、高校のほうは今回、学校施設課で整備されるというふうに聞いております。
71 ◯宝来委員 大学のほうは特にはわからないんですかね。
72 ◯莚平畜産課長 大学のほうはちょっとそこまで確認しておりません。(「以上です」という者あり)
73
◯西高委員長 ほかに質疑はありませんか。
[「なし」という者あり]
74
◯西高委員長 ほかに質疑がないようですので、議案についての質疑を終了いたします。
それでは、議案第九六号、第一〇三号及び第一一一号について、取り扱い意見をお願いいたします。
75 ◯小園委員 議案第九六号、第一〇三号及び第一一一号につきましては、いずれも適当と認められますので、原案のとおり可決でお願いいたします。
76
◯西高委員長 ほかにございませんか。
[「なし」という者あり]
77
◯西高委員長 それでは、採決いたします。
ただいま、議案第九六号、第一〇三号及び第一一一号につきましては、可決との御意見がありましたが、原案のとおり可決すべきものと決することに御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
78
◯西高委員長 御異議なしと認めます。
よって、議案第九六号、第一〇三号及び第一一一号につきましては、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上で、議案に対する審査を終了いたします。
水産流通対策監はここで退席されて結構です。御苦労さまでした。
続きまして、請願・陳情の審査をお手元の参考資料、請願・陳情文書表により行います。
主要農作物種子条例の制定に係る継続審査の陳情三件を一括議題といたします。
継続審査の陳情第二〇〇一号、第二〇〇二号及び第二〇〇四号のその後の情勢の変化などにつきまして、
農産園芸課長の説明を求めます。
79
◯有馬農産園芸課長 継続審査分の陳情第二〇〇一号、第二〇〇二号、第二〇〇四号について御説明いたします。
請願・陳情文書表の四ページ、七ページ及び十ページでございます。
件名は、「主要農産物種子条例」制定についての陳情書及び「鹿児島県主要農作物種子条例」の制定を求める陳情について及び鹿児島県主要農作物種子条例の制定を求める陳情書でございます。
前回の定例会以降の情勢の変化について御説明いたします。
条例制定に向けて、幅広く関係者等から御意見をお聞きしながら、具体的内容の検討を進めているところでございます。
それでは、ここで、現時点での条例の検討状況について説明させていただきます。
お手元にA3判横二枚紙の「鹿児島県主要農作物の種苗の安定供給に関する条例骨子案の概要」、それからA4判縦二枚紙の「鹿児島県主要農作物の種苗の安定供給に関する条例 骨子案」、この二種類の資料を配付しております。
なお、これから説明いたします骨子案は、関係者等からの意見を踏まえまして取りまとめた案でございます。
説明は、横置き二枚紙の「鹿児島県主要農作物の種苗の安定供給に関する条例骨子案の概要」を使ってさせていただきます。
一ページをごらんください。
まず、目的についてでございますが、本条例におきましては、主要農作物の優良な種苗の生産及び普及に関し必要な事項を定め、将来にわたる主要農作物の優良な種苗の安定的な生産及び供給を図ることを目的としております。
次に、今回の条例で規定している内容についてですが、右側の種苗の安定供給の仕組みのフロー図をごらんください。
今回は、廃止されました主要農作物種子法ですとか、種子法廃止後に制定いたしました鹿児島県主要農作物種子生産・普及促進基本要綱で規定しておりました、優良な品種を決定するための試験ですとか、原原種の生産、原種の生産、採種の生産を行う太枠部分、この種苗生産にかかわる部分を条例で規定するものであり、一般の生産者が利用します種子等を増殖・供給するためのものです。
一ページの左側をごらんください。
条例骨子案の内容は、圃場の指定から、優良な品種を決定するための試験など、これまでと同様な取り組みにより、本県に適した品種の選定や優良な種苗の安定供給に取り組むこととしております。
二ページをごらんください。
条例骨子案と、廃止されました主要農作物種子法、種子法廃止後に制定しました鹿児島県主要農作物種子生産・普及促進基本要綱を項目ごとに比較しております。
左下にまとめておりますが、条例骨子案の主な特徴といたしまして、従来からの取り組みに加えまして、対象とする主要農作物に、本県の南西諸島の基幹作物でありますサトウキビを加えたところでございます。
また、県の責務、それから種苗生産者及び関係機関等の責務や財政上の措置を加えたところでございます。
今後の手続についてですが、この骨子案につきましては、本日の委員会にお示しして御意見を賜りまして、パブリックコメントを経て、現在のところ、県議会への議案の提出は、令和二年第一回県議会定例会を目途としております。
なお、A4判二枚紙の鹿児島県主要農作物の種苗の安定供給に関する条例の骨子案と、先ほど説明いたしました資料の二種類でパブリックコメントを行うこととしております。
以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。
80
◯西高委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
81 ◯前野委員 骨子案について説明いただきました。
鹿児島県の場合は新たにサトウキビが加わるということも理解するわけですが、県が試験研究して新たな品種ができ上がった。そのでき上がった種の保護というのは鹿児島県の場合は、拡散せんように、鹿児島県が開発した品種、種の保護ですよね、その保護というのはどういうもので守られていくのか、そのあたりを教えてください。
82 ◯厚
ヶ瀬経営技術課長 県育成品種の保護についてでございます。
種子法とは違いまして、種苗法に基づいて品種登録をします。品種登録をした後、実需の方と許諾契約を結んで、外には出してはならないというところまで結んだ上で保護するようにしてございます。
83 ◯前野委員 ありがとうございました。
種苗法があるというのを失念しておりまして、そちらで守られていく。この間、農業開発総合センターやいろいろなところで開発された品種もあると思うんですけれども、そのいわゆる知的所有権といったようなものは種苗法で守られるということで理解しました。ありがとうございました。
84 ◯下鶴委員 今回の条例骨子案においては、旧種子法に対して、本県独自のサトウキビを加えているというわけでありますが、一方で、原種及び原原種の生産において、原原種については旧種子法に定められていたもの、稲、麦、大豆のみであってというふうな規定ぶりになっているんですが、この区別をした種子というのを示していただきたいなと思います。
85
◯有馬農産園芸課長 委員御質問のことは、このA3の資料右側のところの御質問かと思いますが、原種、原原種、採種まで前法では定められておりましたので、法で規定されておりました稲、麦、大豆、これについてはそのまま生かしております。サトウキビにつきましては、原原種は国のほうで持っておりまして、原種圃というものをそれぞれの市町村で設置しております。採種圃につきましてはそれぞれの島ごとで、生産組合で設置されていましたり、個人で採種圃といいますか採苗圃を設置されているもんですから、莫大な数になってしまいまして、ちょっとそこまでのところは今回の条例では見ていないというところでございます。
86 ◯下鶴委員 ありがとうございました。
現状の取り組みに即したものであって、ぱっと見たら県の責務を狭めるのかなと思ってしまったものですから、確認のためにお伺いしたところでした。ありがとうございます。
87
◯西高委員長 ほかに質疑はありませんか。
88 ◯小園委員 従来の種子法があるときは、財政上の措置は国のほうで責任があったわけですよね。そうすると、今回、県のほうでそういう措置をしなければいけないというふうになると思いますが、従前ですと、大体幾らぐらい財政措置されていたものなんでしょうか。
89
◯有馬農産園芸課長 従前の種子法では、地方交付税の算定基礎ということで積算されて、地方交付税としていただいておりましたので、国から幾ら来たというのは私どもも把握できていないんですけれども、県の予算といたしましては、米ですと百六十万円余りを予算として確保してきているところでございます。(「わかりました」という者あり)
90
◯西高委員長 ほかにございませんか。
[「なし」という者あり]
91
◯西高委員長 ほかに質疑がありませんので、取り扱い意見をお願いいたします。
92 ◯小園委員 執行部から説明がありましたとおり、将来にわたって本県の主要農作物種子の安定的な生産・供給を図っていくため、県は、条例の制定に向けて、幅広く関係者等から意見をお聞きしながら検討を進め、このたび、条例骨子案を作成したところであり、陳情者の願意に沿った取り組みがなされていることから、陳情第二〇〇一号及び第二〇〇四号につきましては、採択でお願いいたします。
なお、条例の具体的な内容につきましては、今後実施される当該骨子案に対するパブリックコメントの結果なども踏まえて、引き続き検討する必要があると考えることから、陳情第二〇〇二号については、継続審査でお願いいたします。
93
◯西高委員長 ほかにございませんか。
94 ◯前野委員 陳情第二〇〇一号並びに陳情第二〇〇二号及び陳情第二〇〇四号、いずれも採択でお願いいたします。
95
◯西高委員長 ほかにございませんか。
[「なし」という者あり]
96
◯西高委員長 それでは、採決いたします。
ただいま、陳情第二〇〇一号及び第二〇〇四号については、採択との御意見がありましたが、採択すべきものと決することに御異議はありませんか。
[「異議なし」という者あり]
97
◯西高委員長 御異議ありませんので、陳情第二〇〇一号及び第二〇〇四号は、採択すべきものと決定いたしました。
続きまして、陳情第二〇〇二号については、継続審査と採択を求める御意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。
陳情第二〇〇二号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
98
◯西高委員長 挙手多数であります。
よって、陳情第二〇〇二号については、継続審査すべきものと決定いたしました。
以上で、陳情の審査を終わります。
次は、県政一般に係る一般調査であります。
まず、
農産園芸課長から、さつまいもの病害の発生状況及び対応策について発言を求められておりますので、これを許可いたします。
99
◯有馬農産園芸課長 さつまいも病害の発生状況及び対応策について御説明をいたします。
お手元に、A4判三枚の表紙に「さつまいも病害の発生状況及び対応策について」としました資料を配付しております。
まず、表紙をごらんいただきたいんですけれども、上段左側の写真が基腐病の多発圃場の写真でございます。被害が進行しますと、下段右側の写真のように、塊根の成り口から腐敗が広がってまいります。
ちなみに、上段右側の写真のように、近くには病害発生のない圃場も存在しております。
一ページをお開きください。
一の基腐病確認後の対応についてでございます。
基腐病は、昨年十二月に本県で初めて確認されましたことから、リーフレットの配布や栽培技術研修会の開催などを通じた基本技術の徹底の周知、国のマルチ購入費助成事業を活用しました早期植えつけの推進、基腐病の判別方法や効果的な苗消毒法の周知を図るとともに、国と連携した疫学調査などを実施してきたところでございます。
二の令和元年産の病害の発生状況についてでございます。
九月中旬までは、県全体における病害の発生は少ないものと推測されておりましたけれども、十月以降、病害発生が多くなった地域もございます
なお、被害の発生程度は、地域や圃場ごとに差が大きくなっておりまして、県全体の被害の発生程度は、表にありますとおり、少しでもつるが枯れるなどの症状が確認された圃場、表で申しますと「無」以外の項目になるんですけれども、作付全体の約五割を占めており、地上部の被害が四割を超える割合は、「多」と「甚」を合わせました約六百ヘクタールで、作付見込み面積の約六%となっているところです。
なお、地上部の被害が四割を超える圃場がある地域は、南薩・大隅・熊毛地域となっております。
二ページをごらんください。
三の令和元年度の取り組みについてでございます。
(一)の平成三十年度の疫学調査結果を踏まえた対応についてでございますが、昨年発病の多かった地域の百五十八の圃場で疫学調査を実施した結果、排水対策を十分に実施した圃場で、病害の発生が少なくなる傾向があることを再確認したところです。
また、南薩・大隅・曽於地域の九圃場の実証結果から、マルチ栽培によります早掘作型への変更が、病害軽減に効果があることを確認したところでございます。
(二)の育苗段階での「サツマイモ基腐病」発生確認後の対応についてでございます。
大隅、南薩地域で、現地調査を実施するとともに、関係機関によります緊急対策会議や病害株の判別方法、効果的な苗消毒の方法等についての説明会を開催いたしまして、対策の周知を図ってきたところです。
(三)の次年度の病害発生防止に向けた取り組みについてでございます。
昨年度もリーフレットを作成し、対策の周知を図ってきたところですが、改めて、疫学調査の結果を加えましたリーフレットを作成しまして、九月には、全てのサツマイモ生産者に市町村を通じて配布いたしました。また、このリーフレットを活用した栽培技術研修会を開催したところです。
各地域におきまして、基本技術の徹底を周知するための研修会を開催しましたほか、被害の多い生産者に対しましては、個別指導を実施しているところでございます。
なお、被害が甚大な圃場では、他品目との輪作や圃場の交換を推進しており、大隅地域では、飼料畑とサツマイモ畑との交換作付に向けた取り組みが進んでいるところでございます。
(四)の農業開発総合センターにおける取り組みについてでございますが、農業開発総合センターでは、基腐病の
発生メカニズムの解明に向けまして、国や宮崎県との共同研究に取り組んでおります。
本県では、伝染源の解明、発生要因等に関する疫学調査、薬剤等による防除技術の開発を進めておりまして、得られた成果につきましては、速やかに現地へ情報提供することとしております。
三ページをごらんください。
農薬登録の拡大に向けましては、農業開発総合センターの試験で効果を確認しました苗消毒剤及び圃場での散布剤につきまして、登録に向けた手続に着手したということを農薬メーカーから聞いているところでございます。
さらに、原料用サツマイモのバイオ苗につきましては、緊急的な対応といたしまして、令和三年産の種芋用といたしまして、でん粉原料用サツマイモのバイオ苗を産地に提供したところでございます。
四の、国における緊急的な対応についてでございます。
国におきましては、平成三十年度補正予算の未執行分を活用しました緊急的な支援策を直接採択事業として、公募を行ったところでございます。
具体的な支援策としましては、被害が著しい圃場への支援策といたしまして、土壌消毒剤やバイオ苗等への助成、地域全体への支援策といたしまして、圃場残渣の処理費や苗・苗床消毒剤等への助成、天地返し及び均平化の農業機械のリース導入支援となっております。
県としましては、これらの支援策が十分に活用されるよう生産者等への周知を図ったところでございます。
以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。
100
◯西高委員長 この件に関しまして、質問等はありませんか。
101 ◯田畑委員 まず、前回の議会では大きな被害はないという報告だったと思うんですよ。前年度こういう被害が出ているんだけど、結局は今年度そういう被害がなかったのかなと、そういう情報収集というか、そういう市町村との連携というのはどうなっているんですか。まずそこを教えてください。
102 ◯光村特産作物対策監 四月以降、各市町村を通じまして、この病気の発生等を注視するように働きかけをしておりまして、六月以降毎月、生育状況という形で報告をいただいております。それによりますと、九月までは、一部の地域ではあったものの、県全体としては非常に少ない発生というふうに把握しておりました。ただ、九月下旬以降、急激にこの発生が広まったというような報告で現在に至ったというところでございます。
病気の状況につきましては、関係者に働きかけをするなり、市町村、農協を通じまして注意喚起をしておりました。そういったところでございます。以上でございます。
103 ◯田畑委員 もう少し連携が僕は足りないんじゃないかなと思ったんですよね。議会が終わってから、あなたのそばで県議会が大隅であったときは、被害は既にもう大きく広がっているんですよ。ですけど、その前の議会のときには何もなかったということだったので、やはり連携がしっかりととれていないんじゃないかなと思うんですよね。しっかりとしていただきたいというのは、もう要望にしておきます。
それと、基腐病を国と宮崎県と共同研究されているということですけれども、菌についての調査というのはされているんですか。結局は、基腐の菌がありますよね、この菌に対して、この菌は強いというか抑えられるという、農薬も大事なんでしょうけれども、全ての生物なんかもだめになってしまうわけですよね、農薬をまくことによって、土壌は。じゃなくて、前からもその土壌にはそういう菌がいたと、基腐の要因となる菌がいた。しかし、ほかの菌があるから大きく被害が出なかったという話もあるんですよ。ですから、この菌については、この菌を足せば、肥料なんかにまぜて足せば、基腐病が防げるよというような調査というのも僕は必要だと思うんですけど、その辺の調査というのはされないんですか、どうなんですかね。
104 ◯大谷農業開発総合センター所長 サツマイモの立ち枯れ症状を起こす菌にはいろいろな種類の菌がありまして、この基腐病菌につきましては、昨年度初めて同定といいますか、こういう菌がいるというのが確定といいますか、確認できたところでございます。
今お話がありましたように、例えば、菌同士で殺し合うじゃないですけれど、相互牽制を行って、ほかの菌がこの基腐病菌を攻撃するとか、そういうところまでは調べていないのも事実でありますし、なかなかそこを調べるのは困難とは思っております。
したがいまして、現時点におきましては、いかにしてこの基腐病菌を蔓延させないというか、広がらせないために対処法としてどのようなことができるかということで、この菌に効く薬は何があるかとか、どういうような経路を経てここまで蔓延するのかというような部分を現在、農業開発総合センターでは研究を行っているところでございます。
105 ◯田畑委員 農家でもいろいろ調査されている方もいるわけですよね。それは昔からそういう腐れなんかもあったと、こういう基腐みたいなものがですよ。でも一本、二本で済んでいたと。土壌が強かったり、肥えている土壌なんかはそういうのがなかなか広がらないということも言われていたんですよ。それで、分解ヘルパーをやったとか、そういう方々もいるわけですよね、そうしたら減ってきたとか。だから、やはり菌と菌があると思うんですよ。結局、今、基腐病の菌がすみやすい状況になっているからこれが土壌でぼんぼんふえていっていると。ですから、その辺も僕は調べる必要があるんじゃないかなと思ったんですよ。この菌に対してこの菌がちょうどいいんですよと、抑えられるというか、三角あれば、菌が三つあれば、この菌が弱くなったからこの菌が出てくるということも考えられるというわけですよ。
ですから、せっかく国、宮崎県と、今、共同でそうやってやっているわけですから、その辺の菌の研究なんかもしていただければいいのかなと思ったもんですから、私は言ったんですよ。もう一度、そういう考えはないんですかね、どうなんですかね。菌まで考える、研究することはもうないということですか、どうですか。
106 ◯大谷農業開発総合センター所長 被害が拡大している現状の中で、今、国と宮崎県とで役割分担して研究を行っています。先ほど申しましたように、いかにして広がらせないか、どういう形で防ぐことが可能なのかというところに傾注しているところでございまして、委員がおっしゃいましたような、将来にわたってはそういうような形の、いわゆる虫の世界でいいますと天敵、食われるものと攻撃するものということは虫の世界ではよく知られていますけど、私が知り得る中では、病原菌同士がやっているという部分は理解していないところではあるんですけど、その辺につきましては、今後の課題としては、国並びにほかの県とも含めた中で検討はしていきたいというように考えます。
107 ◯田畑委員 じゃ、菌同士ではないという理解をされているということなんですね、そういう理解でよろしいんですか。
108 ◯大谷農業開発総合センター所長 菌同士で殺し合っているということはないというふうに申し上げているわけではございませんで、今の知見の中ではそういう形は存在していないというふうに考えてはおります。しかしながら、今、何でこういう菌が突然ふえたか、それは初めて発見されたのが、要するにそれを攻撃するような、ほかに菌が存在しないことによって、非常に繁殖しやすくなっているのか否かという部分については、将来にわたっては考える必要性はあるかというふうには思います。
109 ◯田畑委員 南薩にしても大隅にしても、国からも来ていただいて現場も見ていただいたとき、私もそれは国のほうにも言いました。やはり菌も調べる必要があるんじゃないのと、どういう菌が防げる防げないということも考えていく必要があるんじゃないですかということは私も言ったので、また県のほうもそういう考え方を持って取り組んでいただきたいと思いますけれども、よろしくお願いします。これはもう要望でいいです。
110 ◯小園委員 関連しまして、うちの山川も芋をたくさんつくっているんですよね。ちょっと友人たちに何人か電話をしたら、山川は大したことはなかったと。おまえたちはいけんしよっとよと、そげな基腐病のような芋が出たときはいけんしよっとよと言ったら、何年か前にいろいろな病気が入ったもんだから、うちは穴を掘って、そういう基腐病なのかは特定できないけど、そういう疑わしい芋があったら、とにかく穴の中にいけて処理していると、あるいは焼いたりしているという話を聞きました。うちも実は小さいころは母と一緒にでん粉芋をつくっていまして、よく畑に行っていたんですが、畑の中に、そういう芋は焼いて、腹が減ってその芋を食えば苦くてですね。
今回のことでいろいろ昔のことを思い出したりするんだけど、そんなふうにやっていて、それが基腐病だったかどうかわからんのだけど、そういったのはそういうところで根絶するというようなことを山川はやっとったもんだから、被害はそんなに大きくなかったということでしたので、また参考にしていただければなというふうに思っております。(「関連」という者あり)
111 ◯前野委員 今、田畑委員からもありましたが、善玉菌、悪玉菌が影響しているのではないかというような話が、実際に農業をしていらっしゃる方々、規模の大きい農家の方々が、自分の管理する圃場で、同じ地区でも一方の圃場には出て、一方の圃場には出ていない。なぜかというと、ないごっなと聞くと、やはり有機多用ですよね、有機質を結構入れると、稲わらとか麦わらとかそういったものを入れた圃場では発生が少ない。そうでない、いわゆる金肥、配合飼料主体のところについては発生が著しいという話も伺ったことがあります。
私は、せんだって地元の国会議員から農林水産省の対策について説明があったときに、行って話を聞いていたんですが、そのときに恐らく出るだろうと思っていました。しかし出ませんでしたが、申し上げましたように、配合肥料重視、それと殺菌重視、植えつける前の畑の圃場に殺菌剤を相当使うわけですが、これを繰り返しやってきた結果として、今、田畑委員からもあったように、どの菌がどういう効果を果たしているということの研究は私は難しいと思うんです。何億と言われるような菌があるという説もあるわけですから。ただ、農家の方々が実際自分でやっていて、そういう有機の堆肥を多く使ったところについては余り発生がないとか、少ないとかいうような実践例が、実際農家の方々で自前でというか、やっている方々がいらっしゃるわけです。
ですから、一方で、今ここにあるように県が取り組む、あるいは国が取り組むものも大事ですけれども、そういった農家の方々が実践的にやってこられたような知見を集約するとか、そういったことも私は必要なような気がします。
そのあたりの取り組みが少しここに、他品目との輪作や圃場の交換、つまり飼料、緑肥になるような牧草をつくっていたようなところと交換して、芋と交換するということ、これはいい取り組みだと思います。
それと、過去に天地返しを、三メーターばかり掘ってひっくり返したことがあったんですね。これは余り効果がないということを聞いています。途中でもうとめてしまいましたけれども、それよりも地力回復あるいは有機質化、そういったような地力回復のための事業というんでしょうか、そういったようなものを国あたりにも事業の中に取り込んでいけるような施策に変えてもらうというようなことはできないのか、所見を聞かせてください。
112
◯西高委員長 暫時休憩いたします。
午前十一時二十六分休憩
────────────────
午前十一時二十八分再開
113
◯西高委員長 再開いたします。
114 ◯厚
ヶ瀬経営技術課長 ただいまの土づくりのお話も含めてなんですけれども、今年度も疫学調査ということで取り組みを進めておりますが、まだ栽培状況のところとかを確認しているところでして、実際、その圃場の農家さんがどういう対策をとっているかというのを聞き取りをすることになってございますので、その中でそういう土づくりを含めて整理できればなというふうに考えてございます。
115 ◯大谷農業開発総合センター所長 今、
経営技術課長が疫学的調査の話も申しましたが、現時点では、発生のひどいところが、どういう要因があってこういうふうな状態になったのかというところを調べているのにとどまっています。今、各委員がおっしゃいましたように、じゃ、出なかったところは何をしていたからというところまで、済みませんが、手が回っていないといったら申しわけございませんけど、現時点ではできていない状況でありますので、今後につきましては、その点も含めまして調査研究という形で取り組んでいきたいというふうに考えます。
116 ◯前野委員 今、所長がおっしゃったこと、無理もあるかもわからないんです、マンパワーのことも含めてですね。ただ、そういう農家さんがいらっしゃるのは事実なんですよ。私がつくっている圃場でこっちはよかったけどこっちは悪いというのがあって、それなら土壌の変化はどうなんですかと聞けば、こっちは有機質を多用したと、こっちは従来のやり方をしたという話を聞いたことがあるものですから、そういったような部分というのも、農家の方々というのは実践していらっしゃいますから、一年間を通して作付から管理まで全部していらっしゃるわけですから、私はそういう方々の知見というものをうまく聞き取りをして、そして農業開発総合センターあたりで実践、実地の試験もしてもらうというようなことも考えていただきたいというのがあります。
それと、そういう大規模農家の方々というのは、もう大方が今、バイオ苗ですよね、バイオ苗になっている。バイオ苗を入れて二年ばかり使う。そしてまた三年目からはまたバイオ苗に変えるというやり方をした圃場でも出ているわけですよね。
ですから、やはり苗は無菌室のものを使っているんだけれども、その圃場に持ってきたときに菌に侵されてしまうということになっていくんじゃないかなというふうな気が私はするわけですが、そういった部分の農家の方々の培われた知見というものはやはり大事なような気がしますから、今、所長からあったように、そういう部分まで含めて研究も力を入れていただきたい。
そして、ある程度、やはりこうだったと、そういったようなものが早くできればいいわけですけれども、国、農林水産省あたりに対しても、その対策、有機質に変えていくとか、地力を回復させるとか、そういったものも鹿児島県が提案して施策に反映をするとか、そういった取り組みにつなげていきたいという思いが強いものですから、こういう話をさせていただいたところでした。
何か所感があればお聞かせください。
117 ◯大谷農業開発総合センター所長 先ほども申しましたように、現時点ではともかく、蔓延しつつあるこの病害をいかに抑えるか、そのためには何が原因なのかというところ、それと応急的にといいますか、すぐにでも対応できる方策を見つけるという形に傾注しているところでございますけれど、今後を考えますと、いろいろお話がありましたようなことも含めまして、取り組みについて検討していきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
118 ◯満薗農政部長 基腐病につきましては、昨年十二月に初めて発見されまして、それを受けて鹿児島県でも、国それから宮崎県とともに、やはり科学的なメカニズムといいますか、科学的にどういう形で解決していくかというのをまずは重点的にやるということで、農業開発総合センターでもやっていますし、また、疫学調査ということで、各農家にそれぞれ、ひどいところの農家の方々に、どういうつくり方をしたんだと、どういうつくり方をしたらどういう出方があったんだというのを、感覚じゃなくてしっかりデータとして出していただきながら、対策というのをしっかりつくっていかないといけないんだろうなと思っております。
また、それから当然、農薬の問題ですとか、あるいは品種の問題ですとか、将来にわたってしっかりやらないといけないこともあろうかと思いますので、そういう点も含めてやっていって、少しでも解決していくということが大事なのかなと思っております。
それからもう一つは、やはり農家の方々の基本技術といいますか、どんどんどんどん、労働力不足ということで、面積も大きくなっていって、なかなか手が入らなくなってきているというのも現状かと思います。そういうことでどうしても、先ほどもありましたけれども、残渣の持ち出しとか、そういう基本的なところがなかなかできない方々もいますし、有機質肥料、栽培基準には、しっかり堆肥を入れることというのはきちんと書いてあります、書いてありますけれども、入れてもらえない、入れてないというのが現状だと思いますので、そういう基本技術の励行もしっかり我々としては指導をしていきながら、この病気対策を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。以上です。
119
◯西高委員長 ほかにございませんか。
[「なし」という者あり]
120
◯西高委員長 ほかに質問がありませんので、この件につきましては終了いたします。
続きまして、十一月に実施しました県外視察に関する御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
[「なし」という者あり]
121
◯西高委員長 ありませんので、この件については終了いたします。
それでは、そのほかの県政一般について、質問がありましたらお願いいたします。
122 ◯下鶴委員 私からは防疫対策について一点だけお伺いしたいんですが、十七ページ、CSFそして今後ASFの対策という点で、水際防疫については一般質問等で質疑が交わされたんですが、それに加えて、そのとき出たかもしれませんけれども、肉加工品ですね、こちらのほうの対策というのがなかなか、すり抜けやすいところだと思っているので、ここの対策をどのように打っていくのか、そこについて示していただきたいなと思います。
123 ◯渡邊家畜防疫対策監 空港等での肉加工品の水際防疫ということでよろしいでしょうか。
肉加工品につきましても、鹿児島に国外から入ってくるのは鹿児島空港かマリンポート、その二点だと理解しているところですけれども、肉加工品についても、入ってくるときに国の家畜防疫官がおります。その方が、持ってこられた人にまずはお声かけをして、持っていますかということで確認したりしています。
また、ことし六月から検疫探知犬も入っておりますので、検疫探知犬がいるということ、存在しているということだけで外国から入ってくる方が、その前にダストボックスという、いわゆる持って入ったときに捨てるところがあるんだそうですが、そこの段階で、探知犬に見つかったらいけないということで捨てる。肉製品等も探知犬は感知しますので、捨てるということで肉製品、肉も含めて水際防疫対策がなされているということで理解しているところでございます。
また、マリンポートにつきましては、昨年四月からだったですか、しっかりとした施設ができまして、そこで同じような対策をとって、ただ、探知犬については空港で、時々マリンポートに行くということですけれども、そういう対策をとられているということでございます。
124 ◯下鶴委員 ありがとうございます。
特に外国から来られた方に向けての対策として今、示していただいたわけですが、一方で、本県にお住まいの皆さんで海外に行って帰ってくるということを考えたときに、私も外国から帰ってきたときに、もし肉製品を持っていたら、なかなか見分けるのは難しいんじゃないかなとも思ったものですから、やはり県民総ぐるみの防疫対策として、海外に行かれるときには、なかなか市場とか農場に行く人はそんなにいないとは思うんですけれども、肉製品、肉加工品というのは買って帰ってくる、普通の人が買って帰ってくる可能性は結構あると思うので、その辺の意識啓発、みんなで本県の大事な畜産を守っていこうという意識啓発に努めていただければなというふうに思います。以上です。
125
◯西高委員長 ほかにございませんか。
126 ◯白石委員 数点少し教えていただきたいんですけれども、まず、八ページの普通期水稲のトビイロウンカ、これの発生した場所と、あと、どういう被害があるのかを教えていただきたいと思います。
127
◯有馬農産園芸課長 普通期水稲のトビイロウンカ、ことしは北薩地域を中心に出ているようでございました。トビイロウンカは、幼虫が株元につきまして、そこで植物の樹液と申しますか、植物体の栄養分を吸ってしまうという形でございます。ひどい場合は坪枯れといいまして、何と表現すればいいんでしょうか、スポット的に枯れてしまうというような状況にもなるようでございます。
128 ◯白石委員 ありがとうございます。
今度は、九ページの
茶業振興大会並びに次のページのお茶一杯の日のイベント等をされているとは聞いておりますが、新聞で、荒茶が平成で一番、キロ単価が安くなったということで載っていたんですが、その中で、輸出に向けての取り組みということも言われていたんですけれども、今、海外輸出がお茶で約五億円でしたかね。それがほとんどてん茶だったと思うんですが、この荒茶の海外輸出に向けてどういう取り組みをされるのかと、あと、小規模農家の方に集積化を進めていくというのが多分載っていたと思うんですが、その助成とかそういうのがあるのかを教えていただければ。
129 ◯光村特産作物対策監 まず、お茶の輸出でございます。
これにつきましては、海外で需要の高い有機のお茶、それから有機の抹茶、これらの生産拡大に向けた取り組みを進めているところでございます。それから煎茶等の輸出拡大に向けましては、海外バイヤーの招聘なり現地商談会への参加、この取り組みへの支援を行っているところでございます。
それから、輸出の金額につきましては三・三億円でございまして、煎茶と抹茶が占めているところでございます。アメリカ、台湾、ドイツなどへの輸出を行っているところでございます。
小規模農家の集積なんですけれども、これは県単事業におきまして、集落単位等々での話し合い活動をもとに、地域の拠点の荒茶工場、そういったのを中心に規模の拡大に向けた取り組みなり、小規模工場が休止しまして、そういう拠点工場への集約といいますか、生葉の持ち込みによりまして生産コストの低減、こういった取り組みへの話し合い活動の支援などを行っているところでございます。
130 ◯白石委員 ありがとうございます。
あともう一点、最後に、県産畜産物の海外販路拡大に向けてというのがあるんですが、ちょっと私が資料を持ってきていなかったんですけれども、今度、中国のほうで牛肉が解禁になる方向みたいな感じが載っていたんですが、県としては、もう今のうちからどういう取り組みをされているのかとかを教えていただければと思います。
131 ◯田中畜産国際経済連携対策監 報道によりますと、中国に向けて、牛肉等の食肉が解禁になる見込みだという話でございますけれども、今の段階では、まず中国側と日本側の食品の安全性の流通ができるかというようなことや、それからお互いの食肉処理施設の衛生条件についての要綱を定める話し合いが進められているというふうに聞いておりまして、今後、そういった要綱に基づいて、輸出できる、認定された施設が決定されるというふうには思っております。
そういった中で、解禁になった暁には、中国に向けては、我が県は非常に距離的にも近いですし、日本一の和牛を飼養しておりますので、積極的に中国の消費者に向けて、鹿児島県の牛肉を売り込みに行きたいというふうには考えているところでございます。
132 ◯白石委員 ありがとうございます。
133
◯西高委員長 ほかにございませんか。
134 ◯宝来委員 十四ページの
スマート農業推進大会の開催について、天城町が
サトウキビ部門、志布志市が施設園芸ですか、非常に参加者も多かったのかなと予想されますけど、現場の方々は今、どこに注目して、この
スマート農業に取り組もうかなという流れであるのかというのを教えてください。
135 ◯厚
ヶ瀬経営技術課長 今、徳之島と志布志市のほうで二回開催してございます。年明けに出水のほうで水稲部門も開催予定なんですけれども、来場いただいた方々は、まだ取り組みがない方々ではありますけれども、省力化というところでやはり興味を持っていらっしゃるのかなというところでございます。
実際、機材を見たり実演を見たりされている中で、例えばドローンによる農薬散布ですとか、あとアシストスーツ、重たいものを持ち上げるときに機械の力をかりて持ち上げるんですけれども、そういうところに興味を持っていらっしゃるような感じがしてございます。
あとは、アンケートなんかもとっておりますけれども、導入するに当たってはやはり費用の部分というのは大きな問題になりますので、機器ごとに費用対効果というところを示してもらいたい。それから、なかなかスマート機器というのは高額なものが多いですので、何か有効に使える補助事業等がないかというような意見も実際いただいてございます。そういうもろもろのものも含めて、今年度得られた知見については、マニュアル集みたいな形で整理して皆さんにお示しできればなというふうに考えております。以上です。
136 ◯宝来委員 ドローンとアシストスーツが注目されていたということですけど、県として、長期的にデモ用にどこか確保して回るとか、どこかメーカーさんと組んでこの
スマート農業を進めようとかいう、そういう動きは来年度に向けても想定されてないんですか。
137 ◯厚
ヶ瀬経営技術課長 デモをということでございますけれども、今年度も県内十四地域に協議会を設けまして、実際にメーカーさんの協力もいただきながら、実演会なりあるいは現地での実証活動というところに取り組んでいただいてございます。来年度以降もそういう取り組みができればなということで、今後、次年度のことについては検討を進めるというところでございます。
138 ◯宝来委員 予算的にはどの程度投資される、その協議会の運営自体は県がする、もしくは民間が集まってやっていて、県は助言をするだけということなのか、協議会に対して予算が投入されているのかということを教えてください。
139 ◯厚
ヶ瀬経営技術課長 令和元年度の
スマート農業の予算額ですけれども、二千六百万円ほど頂戴いたしてございます。そのうち一千六百万円程度をそれぞれの地域の協議会で、もちろん地域振興局の職員も入った上で現地に実証圃など設けていただいて、そこで実際スマート機器を使っていただいて、先ほど申し上げました費用対効果ですとか、どの程度省力化につながるとか、そういうところをとるようにしてございます。
140 ◯宝来委員 農業大国としてぜひ力を入れて、先進県になれるような取り組みをしていただきたいと思います。
もう一点あります。十一ページのタイ向けの豚肉輸出というのは、三企業があるんですけど、やはりこれは黒豚で攻めていくというような流れでしょうか。
141 ◯田中畜産国際経済連携対策監 タイ向けの豚肉については、黒豚で今、輸出したところでございます。(「以上です」という者あり)
142 ◯小園委員 先ほどもサツマイモの病害虫の関係でいろいろ土づくりの話が出たんですけれど、十一月に農林水産省のほうに陳情にお伺いして、国会議員の先生方ともいろいろ意見交換したんですが、自民党の早朝からある部会でも、農林部会でも鹿児島県だけじゃなくて全国的に土づくりをこれはもう一回せんといかんよねというような話がよく最近は出てくるみたいで、私も現場の農家の方といろいろ話をするんですけど、やはりいろいろな問題が出てきているみたいで、このままいくと生産額に影響が出てくるんじゃないかなという懸念を私自身も、現場の指宿市の農政課の職員とも話をしてそういう懸念も持っておりますので、何かここは、農政部を責めるんじゃなくて、何かよか形で我々も協力しながら、大谷さんのところが人が足らんたれば部長にちょっと人をふやしてもらって、予算もふやしてもらって、ちょっとはしとしてもらって、動きやすいようにしていただいて、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。
143
◯西高委員長 ほかにございませんか。
[「なし」という者あり]
144
◯西高委員長 ほかにないようですので、県政一般を終了いたします。
以上で、当委員会に付託されました議案等の審査は全て終了いたしました。
委員長報告につきましては、特定調査事項を含み、文案は当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
145
◯西高委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。
次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条の規定に基づく閉会中の委員会活動についてお諮りいたします。
請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件については、商工業振興対策について、労働対策について、水産業振興対策について、農業振興対策についての四項目といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
146
◯西高委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたします。
本日は、農政部の簡潔明解な御回答のおかげをもちまして、初めてではないでしょうか、農政部が午前中で終わるということになりましたが、ありがとうございました。
以上をもちまして、
産業経済委員会の日程は全て終了いたしました。
これで、閉会いたします。
御苦労さまでした。
午前十一時五十一分閉会
鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...