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  1. 鹿児島県議会 2019-09-27
    2019-09-27 令和元年企画観光建設委員会 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過        …………………………         午前十時二分開会        ………………………… ◯郷原委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから企画観光建設委員会を開会いたします。  本日は、土木部及び工業用水道部の審査であります。  まず、議案第八〇号令和元年度鹿児島県一般会計補正予算(第一号)など議案三件、諮問二件を一括議題といたします。  初めに、土木部長及び工業用水道部長の総括説明を求めます。 2 ◯兒島土木部長(併)工業用水道部長 それでは、お手元に配付しております提出議案等の概要に基づきまして御説明申し上げます。  一ページをお開きください。  まず、補正予算(案)でございます。  今回は一般会計で五十一億八千二百万円余りの増額を行うこととしておりまして、補正後の一般会計といたしましては一千百五十一億三千四百万円余り、前年度の九月現計と比較いたしまして一一六・三%となる予算を計上しております。  次に、予算議案の内容につきまして御説明申し上げます。  まず、(一)の災害復旧対策でございますが、六月末からの大雨により被害を受けた土砂災害箇所につきまして、被災箇所の復旧等を行うため、公共事業で八千百万円余り、また、道路・河川などの公共施設について、災害復旧事業で五十億九千六百万円余りを計上しております。  二ページをお開きください。  (二)のその他の事業でございますが、指定道路調査事業といたしまして、都市計画区域の拡大が予定されております志布志市におきまして、幅員四メートル未満の道で建築基準法に規定する道路に関する図書を作成するための予算を計上しております。  (三)の債務負担行為の補正でございますが、亀徳港における防波堤のケーソン製作工事の発注に当たりまして工期が二カ年度にわたりますことから、二億円を計上いたしております。  三ページをごらんください。  その他の議案でございますが、土木部関係で三件を提案しております。  項目一及び項目二につきましては、代執行に要した費用の督促についての異議申し立てに関する諮問の件及び代執行に要した費用の督促についての審査請求に関する諮問の件でございます。
     これにつきましては、鼓川ののり面崩壊に関し、行政代執行法に基づき県が実施いたしました急傾斜地崩壊防止のための応急工事及び恒久対策工事に要しました費用の納付督促に係る異議申し立て及び審査請求に対する決定と裁決をするに当たり、地方自治法の規定により県議会に意見を求めるものでございます。  項目三は鹿児島県手数料徴収条例の一部を改正する条例制定の件でございまして、建築物のエネルギー消費性能向上に関する法律の一部改正に伴い、建築物エネルギー消費性能向上計画認定の対象が拡大され、この事務に係る手数料徴収方法を新たに定めるため、所要の改正をしようとするものでございます。  四ページをお開きください。  六月議会以降の土木部所管事業の主な経過等について御説明申し上げます。  まず、道路関係でございますが、高規格幹線道路である東九州自動車道につきましては、八月に志布志市におきまして沿線住民約一千名参加のもと、東九州自動車道建設促進地方大会を開催し、早期整備を求める地方の声を国へ届けたところでございます。  また、南九州西回り自動車道につきましては、八月に鹿児島・熊本両県選出の国会議員等とともに、国に対し、予算の確保と整備促進について要請を行ったところであります。  今後とも、高規格幹線道路地域高規格道路の早期供用に向け、国と一体となって整備に努めてまいります。  五ページをごらんください。  指宿有料道路につきましては、第二回定例会において同意することについて、議決をいただきました料金改定に伴う事業変更許可について、九月六日付で国の許可をいただいたところであり、II期区間である谷山インターから頴娃インター間におきましては、全車種・全区間一律上限ワンコインの百円に、III期区間である鹿児島インターから山田インター間におきましては、消費税引き上げに伴う料金改定をいずれも十月から実施することといたしております。  老朽化対策につきましては、橋梁やトンネル等の道路施設について計画的に点検・補修を引き続き行ってまいります。  河川関係でございますが、新川、万之瀬川などの河川改修等を進めてまいります。  水防災意識社会再構築協議会の取り組みにつきましては、県においてホットラインの運用や危機管理型水位計及び簡易型河川監視カメラの設置などを予定しているところでございます。  土砂災害対策につきましては、六ページにかけてとなりますが、砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業等により、土砂災害危険箇所等の整備を進めているところでございます。  ソフト対策として進めております土砂災害警戒区域等の指定につきましては、令和元年八月末現在で、県全体で一万九千二百二十八カ所の土砂災害警戒区域と、一万一千二百四十三カ所の土砂災害特別警戒区域を指定したところでございます。  次に、港湾関係でございます。  まず、鹿児島港におけるクルーズ船の受け入れ環境整備でございます。  鹿児島港におきましては、令和四年の国際クルーズ拠点の運用開始に向け、引き続き、国やクルーズ船社と連携を図りながら、新たな岸壁の整備など受け入れ環境の着実な整備に取り組んでいるところでございます。  クルーズ船寄港時のマリンポートかごしま周辺の渋滞緩和の取り組みのうち、クルーズ船観光客の船舶による移動につきましては、本年一月から整備を進めてまいりました浮桟橋が完成し、八月に完成記念イベントを開催したところでございます。  鹿児島港本港区エリアまちづくりにつきましては、来て見て感動する観光拠点の形成を図るため、現在、事業者公募に向けて、開発の対象範囲、導入することが望ましい施設、事業予定地の貸付料や評価委員会など公募要項に必要な具体的な事項について検討しているところでございます。  その他港湾整備のうち、旧木材港区につきましては、八月十九日に埋立免許の出願を行い、八月二十七日から九月十七日まで関係図書の縦覧に供したところでございます。この縦覧図書の内容につきましては、先日の代表質問でも答弁したところでございますが、再度、説明させていただきます。  旧木材港区の埋め立てにつきましては、遊休化している水面貯木場等の有効活用や鹿児島東西道路などの公共事業において発生する建設発生土の受け入れを主たる目的といたしております。  埋め立て後の土地利用につきましては、周辺の土地利用規制を踏まえた上で、民間活力を導入した県民や観光客の交流空間としたところでございます。この土地利用の方向性に基づき、用途をスポーツ・レクリエーション施設用地とし、また、利用計画を多目的交流広場敷や多目的交流施設敷などとする公有水面埋立の免許を今回申請したところでございます。  具体の土地利用につきましては、埋め立てに長い期間を要しますことから、竣功時点での社会経済情勢が変化していることも考えられることから、これまでも県議会で説明させていただいているとおり、埋め立ての進捗に応じ検討することといたしております。  今回、公有水面埋立の免許を申請するに当たりまして、施設を例示する必要がありましたことから、多目的交流広場敷や多目的交流施設敷などにおける例示として観光案内施設等を示したものであり、現時点で具体の土地利用を決定しているものではございません。  県といたしましては、今後、埋め立ての進捗状況に応じ、県議会や経済界、県民の皆様の意見も伺いながら、具体の土地利用を検討してまいりたいと考えております。  七ページをごらんください。  川内港につきましては、港湾計画の改訂に向けて、今月九日に開催いたしました第三回長期構想検討委員会を経て、長期構想を取りまとめたところでございます。  そのほかの重要港湾や地方港湾につきましても、港湾機能の向上を図るため、防波堤の整備などを進めているところでございます。  屋久島空港の滑走路延伸につきましては、八月に滑走路延伸に係る基本計画案を公表したところであり、今年度中に住民の皆様の合意形成を図るためのパブリック・インボルブメントを実施する予定でございます。  八ページをお開きください。  街路事業につきましては、霧島市の都市計画道路新町線の橋梁などの整備を進めているところでございます。  県営住宅につきましては、鹿児島市の松陽台第二団地におきまして六期工事に着手しており、その他の県営住宅におきましても設計や工事などを進めているところでございます。  空き家対策につきましては、空き家対策啓発等支援事業におきまして、空き家対策に取り組む市町村に対しまして、専門家の派遣や担当者向けの研修会を八月一日に開催するなど支援を行っております。  また、かごしま空き家活用促進事業につきましては、地域の活性化などに資する優良な空き家活用のアイデアや事例を表彰し、その取り組みを情報発信することといたしております。  建設産業担い手確保・育成事業につきましては、新規雇用を行った建設企業に対する人件費などの助成を行うこととしておりまして、新規雇用者の人件費等の助成は、八月末現在で十六社十八名分となっております。  昨年十二月に国が決定した防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策につきましては、県におきましても洪水氾濫を防止するための河道掘削等を重点的に取り組んでいるところでございます。  次に、九ページから十ページにかけまして、平成二十九年、三十年及び令和元年の災害復旧状況について、八月末現在の状況を取りまとめております。  平成三十年災につきましては、ほぼ全ての工事を発注したところであり、残る箇所につきましても早期発注に努め、一日も早い復旧に取り組んでまいりたいと考えております。  令和元年災につきましては、鹿児島地域振興局大隅地域振興局管内等、県内各地におきまして、七百五十四カ所の被害報告があり、早期復旧に向け、順次災害査定等の作業を進めてまいります。  令和元年五月十八日からの大雨により、屋久島の安房港におきまして埋塞災が発生したため、高速船が一時入港を控えておりましたが、浚渫作業が完了したことから、七月二十一日に入出港を再開したところでございます。  今後とも、防災対策に万全を期するなど、災害に強い県土づくりを進めてまいります。  以上で、土木部関係の説明を終わらせていただきます。  引き続き、工業用水道部に係るものにつきまして、同じく提出議案等の概要に基づきまして説明を申し上げます。  十一ページをお開きください。  その他の議案でございますが、工業用水道部関係で一件を提案しております。  鹿児島県企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例制定の件でございますが、地方公務員法の改正により会計年度任用職員制度が導入されること等に伴いまして、所要の改正をしようとするものでございます。  以上で、工業用水道部関係の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 3 ◯郷原委員長 土木部長及び工業用水道部長の総括説明に対する質疑については、県政一般でお願いします。  次に、議案第八〇号など議案三件について関係課長の説明を求めます。  まず、道路維持課長の説明を求めます。 4 ◯橘木道路維持課長 道路維持課関係の補正予算につきまして、お手元に配付いたしております議案等説明書に基づき御説明申し上げます。  五ページをお開きください。  土木施設災害復旧費の増額補正六千六百三十六万九千円につきましては、六月末からの大雨等によります小規模な道路災害の復旧に要する経費でございます。  以上で、道路維持課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。 5 ◯郷原委員長 次に、河川課長の説明を求めます。 6 ◯松元河川課長 河川課関係について御説明申し上げます。  七ページをお開きください。  河川等災害復旧費の増額補正額五十億三千十七万八千円は、現年発生の公共土木施設災害箇所の災害復旧に要する経費の補正でございます。  以上で、河川課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。 7 ◯郷原委員長 次に、参事兼砂防課長の説明を求めます。 8 ◯五十嵐土木部参事(兼)砂防課長 砂防課関係の補正予算につきまして、議案等説明書に基づきまして御説明いたします。  九ページをごらんください。  砂防費の八千百六十万円の補正でございますが、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業費の増額補正でございます。  この事業につきましては、六月末からの大雨に伴い、崖崩れによる被害が発生しました鹿児島市中山ほか一カ所、南新町におきまして、次の降雨等による被害を防止するために、のり面工など急傾斜地崩壊防止施設の整備を緊急に施工するための経費の補正でございます。  以上で、砂防課の説明を終わります。よろしくお願いいたします。 9 ◯郷原委員長 次に、港湾空港課長の説明を求めます。 10 ◯黒川港湾空港課長 港湾空港課関係の補正予算について御説明いたします。  十三ページをごらんください。  債務負担行為の補正でございます。  亀徳港における防波堤のケーソン製作工事の発注に当たり、工期が二カ年度にわたることから二億円を計上しております。  以上でございます。よろしくお願いいたします。 11 ◯郷原委員長 次に、建築課長の説明を求めます。 12 ◯福永建築課長 建設課関係の議案につきまして御説明を申し上げます。  議案等説明書の十五ページをごらんください。  建築指導費の四百七十万八千円の補正でございますが、これは、都市計画区域の拡大が予定されております志布志市におきまして、幅員四メートル未満の道で建築基準法に規定する道路に関する図書を作成するための経費の補正でございます。  建築基準法におきましては、都市計画区域または準都市計画区域内の建築物の敷地は道路に二メートル以上接する必要がございますが、この道路は幅員四メートル以上の国・県・市町村道などのほか、特定行政庁である県や鹿児島市などが指定した幅員四メートル未満の里道等も含まれます。  指定に当たりましては、今回拡大が予定されている都市計画区域内の道について、その幅員や建築物の建ち並びなどの調査を行う必要があるため、所要の額の補正を行うものでございます。  十六ページをごらんください。  議案第八六号鹿児島県手数料徴収条例の一部を改正する条例制定の件でございます。  本年五月十七日に建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律が公布され、一部の規定につきましては、公布の日から六カ月以内に施行されることとされております。  改正法の一部施行に伴いまして、建築物エネルギー消費性能向上計画認定の対象が拡大され、一度に複数の建築物の認定が可能となることから、複数建築物による認定申請及び変更認定申請事務に係る手数料の徴収方法を新たに定めるため、所要の改正をしようとするものでございます。  なお、施行の期日は、改正法の附則第一条に規定する政令で定める日と同日を予定いたしております。  以上で、建築課関係の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 13 ◯郷原委員長 次に、工業用水課長の説明を求めます。 14 ◯伊集院土木部参事(建設業担当)(併)工業用水課長 工業用水課関係につきまして御説明申し上げます。  議案等説明書の十七ページをお開きください。  議案第八九号鹿児島県企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例制定の件でございます。  これは地方公務員法の改正により、会計年度任用職員制度が導入されること等に伴い、所要の改正をしようとするものでございます。  改正の内容の一につきましては、会計年度任用職員に支給する給与の種類として給料及び各種手当を定めるものでございまして、施行期日につきましては、法改正が施行される令和二年四月一日とすることとしております。  次の二につきましては、地方公務員法の一部改正により、職員の欠格事由を定めた地方公務員法第十六条の欠格条項から第一号の「成年被後見人又は被補佐人」が削除されたことから、地方公務員法第十六条第一号を引用している部分を削除するものでございまして、施行期日につきましては、法改正が施行される令和元年十二月十四日とすることとしております。  以上で、工業用水課関係の説明を終わります。よろしくお願いいたします。 15 ◯郷原委員長 説明が終わりましたので、議案についての質疑をお願いいたします。 16 ◯き久委員 港湾空港課、ちょっと教えてください。  十三ページの亀徳港の防波堤(沖)(南)におけるケーソン製作に要する経費の補正ですけど、事業名としては改修事業となっているんですが、現在ある沖防波堤が何らかの影響によって、ずれたり破損したり、それに対する二億円という予算。ケーソンを組み立ていっているわけですよね。ちょっとずれたとか傾いたとか云々でそれを取り除いて、そしてまた新しくケーソンをつくってやるんですか。それで、ケーソンは二億円といいますと、一基ですか、それとも二基ぐらいになるんですか。そこを少し教えてください。 17 ◯黒川港湾空港課長 委員おっしゃる亀徳港の防波堤(沖)(南)のことでございます。  計画では、全長三百メートルを設置する予定でございます。現在まで二百四十メートルできております。今回の議案に当たりましては、通常のケーソンを計画どおり据えつけるという工事でございます。今年度の予算と来年度の予算を合わせて発注するという計画でございます。事業内容につきましては、ケーソンを一函製作する工事でございます。  以上です。 18 ◯き久委員 ありがとうございます。  台風の常襲地帯なものですから、近年台風が大型化していまして、先般は名瀬港の沖防波堤がガッと崩れたという事例があったもんですから、事業の内容についてお聞きしたところであります。以上です。 19 ◯郷原委員長 ほかに質疑はありますでしょうか。
       [「なし」という者あり] 20 ◯郷原委員長 ほかに質疑がありませんので、これで議案についての質疑を終了いたします。  これより、採決に入ります。  先日、採決を留保いたしました企画部及びPR・観光戦略部関係を含めた議案第八〇号など議案三件について、取り扱い意見をお願いいたします。 21 ◯酒匂委員 議案第八〇号など議案三件につきましては、企画部及びPR・観光戦略部関係も含め、いずれも必要であると認められますので、原案のとおり可決でお願いいたします。 22 ◯郷原委員長 ほかに御意見はありますでしょうか。    [「なし」という者あり] 23 ◯郷原委員長 ほかにないようですので、採決をさせていただきたいと思います。  議案第八〇号、議案第八六号及び議案第八九号につきましては、原案のとおり可決との御意見がありましたが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 24 ◯郷原委員長 御異議なしと認めます。  よって、議案第八〇号など議案三件につきましては、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上で、議案第八〇号など議案三件の審査を終了いたします。  次に、諮問第一号及び第二号を議題といたします。  参事兼砂防課長の説明を求めます。 25 ◯五十嵐土木部参事(兼)砂防課長 諮問第一号及び第二号につきまして、議案等説明書及びその他議案関係図表に基づきまして御説明いたします。  議案等説明書の十ページをごらんください。  諮問第一号「代執行に要した費用の督促についての異議申立てに関する諮問の件」及び十一ページ、諮問第二号「代執行に要した費用の督促についての審査請求に関する諮問の件」の二件についてでございます。  なお、この二件の議案につきましては、同一事案に係るものでございますので、一括して御説明させていただきます。  当該議案は、平成二十七年の九月、鹿児島市鼓川町でのり面崩壊に関し、行政代執行法に基づき、県が実施した急傾斜地崩壊防止のための応急工事と恒久対策工事に要した費用の納付督促につきまして、それぞれ取り消しを求める不服申し立てが知事に対してなされたことから、これらの不服申し立てに対する決定等をするに当たりまして、地方自治法の規定に基づきまして、県議会から御意見をいただくための諮問でございます。  その他議案関係図表の一ページをごらんください。  相手方でございますが、岩田俊幸に対しましては、二の相手方に請求した費用のとおり、平成二十七年の十月に完成しました応急工事及び平成二十九年三月に完成しました恒久対策工事につきまして、応急工事費用約五千六百万円、恒久対策工事費用約一億三千七百万円の納付命令を行いましたが、納付期限内に納付がなされなかったことから督促したものでございます。  三、相手方の対応にありますとおり、相手方は、行政不服審査法に基づき、今回の納付督促などの取り消しを求める不服申し立てのほか、同一の理由によりまして県を被告としました行政事件訴訟を提起しましたことから、県としましては、これまでの裁判の推移を見守っていたところでございます。  四、裁判の結果にありますとおり、本年三月の第一審判決において相手方の請求は全て棄却されまして、県の全面勝訴が確定したことから、五、裁判の結果を踏まえて不服申し立てに対する県の方針のとおり、二件の不服申し立てにつきまして、いずれも棄却することとしたいと考えているところでございます。  以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。 26 ◯郷原委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いします。 27 ◯ふくし山委員 これまでの経緯は、私もよく存じ上げております。裁判の結果としては、県がした許可条件に違反あるいはのり面崩壊に相当因果関係があるというようなことで棄却理由になっていますけれども、相手が不服としている内容をそれぞれ、簡単で結構ですので御説明をいただけますでしょうか。これに詳しく書いてありますけど、少し。 28 ◯五十嵐土木部参事(兼)砂防課長 今、委員御指摘いただきました議案書の三十五ページから五十一ページまでかなり細かくというか丁寧に書かれているところでございますが、簡単に申し上げますと、相手側につきましては、県が付した許可条件、要は、のり面危険地におきましてのり面を掘削するに当たり、例えば掘削の勾配ですとかそういった条件に対して、先方としましては自分はそのとおり工事を行っていたんだけれども、自然条件によって崩壊したといったような話でございます。  また、二番目、我々としましては違法な行為、例えば掘削の勾配を急に九十度に四角く切りますと、のり面は崩壊しやすいということでございますので、そういったことをしないようにと言っていたんですが、先方が行ったということです。要は、違法な掘削に関しては、今回の崩壊に関して相当な因果関係があるということでございます。  また、県が、いろいろ掘削を行うに当たり処分を行っていたんですけれども、その処分について違法だということで先方が言ってきております。  その三点、主なところでございますが、そこが訴訟の裁判の争点でございまして、いずれにつきましても、被告、県の主張が認められたということでございます。 29 ◯ふくし山委員 私も妥当な結果だろうと思っているところですが、現在、相手方は一円も払っていないのかどうか、実際にですね。その辺の状況を少し教えてください。 30 ◯五十嵐土木部参事(兼)砂防課長 先ほど申しました応急工事五千六百万円と恒久対策工事一億三千七百万円、計一億九千三百万円につきましては、県が今、平たく申しますと立てかえているといったような段階になっております。非常に多額な額を県費から持ち出していると、立てかえているというような状況でございます。  我々としましては、今回の督促に基づきまして、本格的に当たるところでございますが、現在までにつきましても財産調査、要は県内銀行への預貯金の照会を行っておりまして、継続的に実施しておりまして、その中から相手方の財産を把握した場合には、その都度差し押さえをまず行っているところでございます。  また、今後につきましても、今回この決定が了解を得られた段階で、不服審査も棄却を行った段階で、今度は土地を持っておりますので、そこに関しまして差し押さえを行っていく、といった流れで行っていくというところでございます。  現在の状況でございますが、相手方の名義でございまして、土地が約二十筆、家屋が七棟、これは倉庫も含めます、これらを持っているということについて、我々は把握しております。  あと、差し押さえた額でございますが、預貯金につきましては、九万二千八百三円の差し押さえを今行っているところでございます。額的に一億九千万円の中で九万円かというような話がありますけれども、引き続き我々としましても、弁護士の先生等に相談しながら、回収に向けて努力してまいりたいと考えているところでございます。 31 ◯ふくし山委員 当初心配していたのは、なかなか相手は確信犯的なところもありますし、私は、やはり少し問題の多い業者さんたちだったんじゃないかと思っているわけですけれども。  差し押さえ、その他あらゆる手段を使ってしっかり回収をするということだろうと思いますね。こういったところに大事な税金が使われていくという、それだけでも大変なことですけれども、一円でも回収を進めていくと。そして時効とかいろいろなことも含めて、少し長丁場になっていくのかもしれませんけれども、対応をお願いしておきたいと思います。以上です。 32 ◯郷原委員長 ほかに質疑はありませんか。 33 ◯松田委員 大体出ているとおりで了としたいと思うんですが、裁判の結果、相手方は控訴しないわけですから、裁判の結果を踏まえて反対の方針を示すことはまずあり得ないと思うんですけれども。  これは、異議申し立てと審査請求がまだ生きているので、その対応を今回こういう形で諮問したいということでよろしいんですか。 34 ◯五十嵐土木部参事(兼)砂防課長 今、委員おっしゃったとおりでございまして、訴訟の段階ではさすがに勝ち負けの話がございますし、この不服申し立て自体の妥当性というところを今まで議論してきたところでございます。  今回、地裁の判決を受けて、先方が上告しないということで確定されました。まさに、この不服申し立てについては第三者機関から県のほうが正しいと、問題ないということを受けております。このタイミングで、少々、事務手続で一カ月、二カ月かかっておりますが、三月から、ちょっと六月議会には間に合わなくて申しわけなかったんですが、九月議会で、それが認められたということで、今回初めて棄却という手続をするに当たって、議会に諮問させていただくと。  この案件につきましては、いろいろ棄却案件はあるんですけれども、地方自治法の規定に基づき、この二件につきまして、特に議会の承認というか、諮問させていただいたところでございます。  今回、棄却手続がなされましたら、六カ月以内に裁判が提起できますが、それ以降というか、当然並行してやりますけれども、先ほど申しておりました差し押さえの手続につきまして、早急に当たっていきたいと。不動産の購買、換価手続について早急に対応してまいりたいと考えているところでございます。 35 ◯松田委員 了解しました。  粛々と進めていただきたいと思います。  以上です。 36 ◯郷原委員長 ほかに質疑はありませんか。    [「なし」という者あり] 37 ◯郷原委員長 ほかに質疑がありませんので、これで諮問についての質疑を終了いたします。  これより、採決に入ります。  諮問第一号及び第二号に対する答申の取り扱いについて意見をお願いいたします。 38 ◯酒匂委員 諮問第一号及び第二号につきましては、執行部の意見が妥当だと思いますので、棄却すべきであるとの答申を行うことでお願いいたします。 39 ◯郷原委員長 ほかにありますでしょうか。    [「なし」という者あり] 40 ◯郷原委員長 ないようですので、採決いたします。  諮問第一号及び諮問第二号につきましては、棄却すべきであるとのと答申を行うとの御意見がありましたが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 41 ◯郷原委員長 御異議なしと認めます。  よって、諮問第一号及び諮問第二号につきましては、棄却すべきであるとの答申をすべきものと決定いたしました。  以上で、付託議案の審査を終了いたします。  次は、県政一般であります。  初めに、特定調査から行います。  土木部の特定調査は、防災対策についてであります。  初めに、河川課長の説明を求めます。 42 ◯松元河川課長 防災対策につきまして、お手元に配付してございます資料に基づきまして御説明いたします。  一ページをお開きください。  災害発生状況についてでございます。  初めに、過去五カ年の発生状況についてでございますが、公共土木施設災害と土砂災害の過去五カ年の推移と令和元年八月三十一日現在の状況をお示ししております。  公共土木施設災害の発生状況につきましては、過去五カ年の中では平成二十八年が箇所数・被害額とも最も多い状況となっておりますが、本年も既にそれに相当する災害が発生しております。  土砂災害の発生状況につきましては、過去五カ年の中で最も多い百六十八件の土砂災害が本年発生しております。  二ページをお開きください。  続きまして、令和元年六月末からの大雨による被害状況でございます。  まず、降雨状況でございます。  鹿児島市吉田町で累計雨量九百十六ミリメートルを記録しております。また、県内各地で記録的な降水量となっており、特に鹿児島地方気象台では、甚大な被害が発生した平成五年八月六日豪雨を上回る降水量を記録しております。  三ページをごらんください。  次は、地域別の被災状況でございます。  県内各地で被害が発生しておりますが、特に、鹿児島地域振興局及び大隅地域振興局管内で二百カ所を超える被害が発生しております。  また、工種別の被災状況を見ますと、河川で四百五十六カ所、六十八億七千万円余り、道路で二百十一カ所、三十五億四千万円余りの被害が発生しており、全体で六百七十三カ所、百六億六千万円余りの被害が報告されております。  なお、被害報告額の大きいものは、エ、主な被災箇所のとおりでございます。  四ページをごらんください。  県管理河川の被災状況につきまして、地図に示しております。  大里川や大王川の破堤など九十四河川、三百八十五カ所の被災が発生しております。  なお、主な被災箇所の写真を五ページから十ページに載せております。  十一ページをごらんください。  県管理道路の被災状況につきまして、地図に示しております。  県管理道路では、路肩決壊や崩土などにより通行どめ八十六カ所、片側通行三十四カ所の通行規制が発生したところです。  十二ページ、十三ページには主な被災箇所の写真を載せております。  十四ページをお開きください。  土砂災害の発生状況についてでございます。  鹿児島市を中心に崖崩れ等が百五十八件発生し、二名の方が亡くなっております。  十五ページ、十六ページには災害関連事業を実施する被災箇所の写真を載せております。  以上で、災害発生状況についての説明を終わります。  続きまして、河川関係について御説明いたします。  十七ページをごらんください。  ハード対策の取り組みについてでございます。  河川事業につきましては、近年において著しい住宅浸水被害が発生した河川につきまして、重点的な整備を進めているところでございます。  また、近年、気候変動により集中豪雨の発生が増加傾向にある中で、本県の河川の整備率は約四六%にとどまることから、限られた予算の中で整備の必要性、緊急性などにつきまして優先度を判断し、整備を進めることとしております。
     令和元年度の整備内容でございますが、交付金事業の万之瀬川など三十六カ所で整備を進めているところでございます。  十八ページをお開きください。  海岸事業についてでございます。  海岸保全施設の整備につきましては、高潮や浸食から人命・財産を守るため、護岸や離岸堤などの整備を行うとともに、老朽化した海岸保全施設の機能強化や回復を行っているところでございます。  令和元年度は、肝付町の岸良海岸や指宿市の東方海岸などにおきまして、高潮対策事業や海岸堤防等老朽化対策緊急事業等の整備を進めているところでございます。  十九ページをごらんください。  寄洲除去事業についてでございます。  寄洲除去につきましては、河川の氾濫を未然に防止するため、平成二十四年度に策定した寄洲除去計画に基づき四カ年で集中的に取り組み、県内の四百二十八カ所において約百十八万立方メートルの土砂を除去したところでございます。  また、平成二十八年度は百十五カ所、約十七万立方メートル、二十九年度は百三カ所、約十八万立方メートル、三十年度は百十六カ所、約十五万立方メートルの土砂除去を終え、引き続き令和元年度は百十五カ所の寄洲を除去することとしており、既にゼロ県債により、五十二カ所で約十一万立米の寄洲除去を実施したところでございます。  二十ページをお開きください。  防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策についてでございます。  三か年緊急対策は、特に緊急に実施すべきハード・ソフト対策を三カ年で集中的に実施し、完了または大幅に進捗させることを目標にしております。  県管理河川につきましては、氾濫による危険性が特に高い区間の河道掘削、樹木伐採等を実施し、海岸につきましては、越波対策としての離岸堤整備等に取り組んでおります。令和元年度は姶良市の別府川などで河道掘削等を実施し、瀬戸内町の網野子海岸で離岸堤の整備を進めているところでございます。  二十一ページをごらんください。  ソフト対策の取り組みについてでございます。  市町村の防災活動や住民避難が円滑に行われるよう、河川情報の提供や市町村が行う洪水ハザードマップの作成支援等、ハード・ソフトが一体となった総合的防災・減災対策の推進に努めているところでございます。  河川砂防情報システムについてでございます。  河川砂防情報システムにつきましては、県内各地の雨量や主要な河川水位等の観測データ、また、河川監視カメラの画像等をインターネットで提供しているところでございます。  また、地上デジタル放送を活用し、NHKやKYT、MBC放送で水位や雨量情報を提供しているところでございます。  危機管理型水位計の設置についてでございます。  経緯としましては、中小河川緊急治水対策プロジェクトにおきまして、令和二年度までのおおむね三カ年で、全国で約五千八百カ所の新規水位計を設置すると発表されたものでございます。  危機管理型水位計につきましては、既存の水位計と比較してコストを抑えた仕様となっており、通常の水位の場合にはデータを送らず、設定値を超えたときからデータを送り始めます。  二十二ページをお開きください。  また、危機管理型水位計は設置費用や通信費が経済的で、五年間はメンテナンスフリーであることが特徴でございます。  写真にございますように、本体に太陽光発電や通信装置を備えており、非常にコンパクトで比較的簡単に橋梁に設置することができるものとなっております。  設置箇所の選定につきましては、浸水実績や災害時に避難場所となる役場に最も近い河川などを指標に、水防災意識社会再構築協議会で市町村等と協議を行い、百四十四河川、百五十カ所を設置する計画としているところでございます。  設置計画としましては、昨年度と今年度の二カ年で表に記載のございます内訳で進めることとしております。  平成三十一年三月末までに百十一カ所の整備が完了し、情報を提供しており、加えまして、昨日、九月二十六日に種子島の甲女川や屋久島の宮之浦川など十六カ所の整備が完了したところでございまして、これまでの百十一カ所と合わせて百二十七カ所で情報提供を行えるようになったところでございます。  二十三ページをお開きください。  また、簡易型河川監視カメラの設置でございますが、水防災意識社会の再構築に向けた緊急行動計画に基づき、令和二年度までに全国で約三千七百カ所を設置すると発表されたものでございます。  設置箇所の選定につきましては、近年、浸水実績のあった河川などにおいて、従来の推移情報だけでは伝わりにくい切迫感を画像で認識していただき、円滑な避難が促進できる十六河川、十六カ所を設置する計画としているところでございます。  二十四ページをお開きください。  水防災意識社会再構築ビジョンの取り組みについてでございます。  平成二十七年関東・東北豪雨を受けまして、施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの、という水防災意識社会の再構築が国の社会資本整備審議会から答申されました。  これへの取り組みとして、まず、直轄河川では、国、県、市町村、気象台などで構成される協議会をつくり、協議会全員で減災のための具体的な取り組み方針を定めて、その合意形成を図るというものでございます。  その取り組みを進める中で、平成二十八年の東北・北海道豪雨災害におきまして、県が管理するような中小河川におきましても氾濫が発生したことなど受けて、平成二十九年に国が行っている取り組みを県管理河川まで拡大するという方針が答申されました。  そこで、当県におきましては、平成二十九年の六月までに県内九つの地域におきまして、市町村、県の河川や危機管理を担当する部署や鹿児島地方気象台で構成した水防災意識社会再構築協議会を立ち上げ、ホットラインの運用や危機管理型水位計の設置など、取り組み方針を策定したところでございます。  今後は、原則、出水期前に開催する協議会の中でその進捗状況を確認し、策定した取り組み方針を着実に実施していくこととしております。  二十五ページをごらんください。  洪水浸水想定区域についてでございます。  水防法に基づき洪水時の円滑かつ迅速な避難を確保し、水災による被害の軽減を図ることを目的に指定しておりまして、本県では洪水により相当な損害を生ずるおそれのある甲突川など十二水系、十九河川で指定しております。  平成二十七年の水防法改正によりまして、前提となる降雨が従来の計画規模から想定し得る最大規模の降雨に変更となっており、甲突川など七水系、十一河川では、法改正に対応が済んでおります。永田川など対応が済んでいない河川につきましても、来月には公表できるよう、現在作業中でございます。  二十六ページをごらんください。  津波対策についてでございます。  津波対策の考え方としましては、平成二十三年に発生した東日本大震災による甚大な津波被害を受け、内閣府中央防災会議専門調査会で津波対策の考え方が示されたところでございます。  主な内容としましては、発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす津波に対しては、ソフト対策を講じるための津波浸水想定を作成すること、また、最大クラスの津波に比べて発生頻度は高く、津波高は低いものの大きな被害をもたらす津波に対しては、堤防整備等の目安となる設計津波の水位を設定することなどが示されたところでございます。  県の取り組みとしましては、平成二十六年にL2津波に対する浸水想定区域を公表し、平成二十七年に海岸保全施設等による津波対策として、L1津波を対象とした設計津波の水位を設定したところでございます。  市町村の取り組みとしましては、沿岸市町村三十九市町村のうち、十二市町村が津波防災地域づくりに関する法律に基づく最大クラスに対する津波浸水想定ハザードマップを作成し、また、志布志市におきましては、平成三十一年三月に津波防災地域づくり推進計画を作成したところでございます。  今後の対応としましては、津波ハザードマップの改訂や作成を行う市町村に対し、津波浸水想定のデータの提供や助言をすることとしております。  二十七ページをごらんください。  整備効果事例でございます。  先ほど御説明しましたように、今回の六月末からの大雨と平成五年八月六日の豪雨との雨量を比較しましたところ、今回の大雨が十二時間雨量及び二十四時間雨量において大きく上回りました。  鹿児島市の甲突川におきましては、平成五年の八月六日の水害後、河川激甚災害対策特別緊急事業や火災災害復旧助成事業を実施し、河川の拡幅や河床の掘り下げ、橋梁の改築を実施したことなどにより、流下能力は岩崎橋付近で秒速三百立方メートルから秒速七百立方メートルに向上し、六月末からの大雨時には浸水家屋はございませんでした。  事業実施状況の写真は、新上橋でございまして、平成五年八月六日の水害で石橋が流出しましたが、激特事業にあわせてかけかえを終えております。  下段の整備効果に示しますように、今回の大雨においては、岩崎橋の水位は避難判断水位を超過しましたが、氾濫危険水位には至っておらず、激特事業等の整備効果により河川の氾濫は発生しておりません。  二十八ページをお開きください。  続きまして、鹿児島市の新川についてでございます。  平成五年の八月六日の水害後、河川改修事業に加え、平成七年と十八年に床上浸水対策特別緊急事業を導入し、また、上流に西之谷ダムを整備したことにより、流下能力は城ヶ平橋付近で一秒間に八十立方メートルから一秒間に百六十立方メートルに向上し、本年六月末からの大雨時には浸水家屋はございませんでした。  写真は城ヶ平橋付近の河道整備状況並びに西之谷ダムの整備状況及びダムの整備効果を示しております。  六月末からの大雨時、西之谷ダムでは、河川への流出量を最大で一秒間に約四十四立方メートルカットしたところでございます。  二十九ページをごらんください。  上段の図は、新川の事業実施状況をあらわしております。  河口から新天神橋付近までの四・二五キロメートルの改修をおおむね終えております。  中段の整備効果資料は、六月末からの大雨時における市道田上橋での水位低下をあらわすものです。平成五年八月豪雨時には氾濫しましたが、今回の大雨時には整備効果により、河川の氾濫は発生しておりません。  以上で、河川関係の説明を終わります。よろしくお願いします。 43 ◯郷原委員長 次に、道路維持課長の説明を求めます。 44 ◯橘木道路維持課長 道路関係について御説明いたします。  三十ページをお開きください。  ハード対策の取り組みでございますが、災害の未然防止と県土の保全を図るため、道路防災対策や橋梁の耐震対策を実施し、災害に強い道路のネットワークの形成に努めており、整備に当たっては、緊急輸送道路等を優先的に進めているところでございます。  三十一ページをごらんください。  道路の防災対策でございますが、平成八年度に約一万カ所の道路防災総点検を実施した結果、対策が必要な九百三十六カ所について、緊急輸送道路等を優先しながら、下の写真にありますように、のり面の崩壊を防止するのり枠工や落石等による被害を防止する落石防護柵などの防災対策を推進しております。  また、防災対策の未実施箇所につきましては、定期的な点検により状況の把握に努め、優先度を踏まえながら対策を進めることとしております。  三十二ページをお開きください。  橋梁の耐震補強でございますが、地震後においても主要防災拠点間等のアクセスを確保し、迅速な救急活動や救援物資の輸送が円滑に行えるよう緊急輸送道路にある橋梁を優先的に、落橋防止や橋脚の補強など落橋などの甚大な被害を発生させない耐震対策を進めているところでございます。  今後は、緊急輸送道路等の重要な橋梁について、被災後、速やかに機能を回復をできる耐震対策を進めることとしております。  なお、災害防除及び耐震補強に係る過去五年間の予算推移は、グラフのとおりでございます。  三十三ページをごらんください。  防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策の取り組みでございますが、県管理の道路施設においては、緊急対策として、平成三十年度補正予算で約三十一億円、令和元年度当初予算で約三十億円の予算措置を図り、道路のり面対策を初め、冠水対策、無電柱化などに取り組んでいるところでございます。  三十四ページをお開きください。  ソフト対策の取り組みでございますが、道路の通行規制の情報提供につきましては、道路情報総合システムにより、県内の国道・県道の通行規制状況をインターネットを通じてリアルタイムに県民に広く提供するとともに、県警察本部の交通管制センターや日本道路交通情報センターとの間で情報を共有化し、これらの機関からマスコミを通じて県民へ情報提供が行われております。  三十五ページをごらんください。  次に、道路情報板による情報提供でございますが、交通途絶が予想される箇所などにおいて、通行規制等の情報提供を行う道路情報板を設置しているところでございます。また、のり面崩壊等の被害が発生するおそれが著しい区間においては、異常気象時に事前通行規制を実施しているほか、道路冠水危険箇所における対応としまして、鉄道との交差箇所など周辺地盤より低いアンダーパス箇所において、一定の路面水位になれば通行どめを行うなど、事故の未然防止に努めております。  さらに、アンダーパス箇所以外において、特に冠水する可能性が高い箇所についても、ホームページで情報を公開しております。  三十六ページをお開きください。  防災対策の整備効果の事例でございます。  平成五年八月の災害では、国道十号や九州自動車道など主要な幹線道路が被災し、鹿児島空港へのアクセス道路が寸断されるなど、甚大な被害が発生しました。  これを受け、県では災害に強い県土づくりを目指し、災害時における代替道路の整備や幹線道路の防災対策を推進してまいりました。  三十七ページをごらんください。  これまでの取り組みの結果、本年六月末からの大雨災害時においては、県道伊集院蒲生溝辺線や県道鹿児島蒲生線は通行どめ箇所もなく、国道十号及び九州自動車道の代替道路として鹿児島空港へのアクセス機能が確保されたところです。  このほか、通行規制箇所数や災害発生件数も平成五年八月と比べると大幅に減少したところでございます。  三十八ページをお開きください。  通行どめを阻止した事例でございます。  1)の国道二百六十九号南大隅町佐多伊座敷地内は、発生した落石に対する整備効果の事例でございます。  2)及び3)の事例は、落石防護柵や落石防護網がのり面からの崩土等を捕捉し、道路への直接的な影響を最小限に防いだものでございます。  道路関係については、以上で説明を終わります。 45 ◯郷原委員長 次に、参事兼砂防課長の説明を求めます。 46 ◯五十嵐土木部参事(兼)砂防課長 土砂災害の取り組みにつきまして、御説明いたします。  資料の三十九ページをごらんください。  本県における土砂災害の発生状況につきましては、例年の発生件数七十二件となっておりまして、全国の発生件数の約五%となっております。  四十ページでございます。
     本年度の土砂災害の状況になります。  本年度、非常に多く発生しておりまして、既に百六十八件と、例年七十二件でございますので、倍以上ということで発生しております。中でも六月末からの大雨で鹿児島市を中心としまして百五十八件の土砂災害が発生しまして、鹿児島市で一名、曽於市で一名、計二名の方がお亡くなりになられました。  今回の災害を受けまして、県としましては、先ほどの議案説明でもございましたとおり、直ちに応急対策を行うとともに、被災箇所の早期復旧、再度災害防止を図るため、災害関連緊急事業につきまして、速やかに国に申請し、採択されたというところでございます。  今後とも、関係市町村と連携・協力しながら、被災箇所の早期復旧に努めてまいります。  四十一ページでございます。  土砂災害対策の基本方針といたしまして、砂防堰堤などのハード対策とともに、警戒避難体制の支援などのソフト対策をあわせた総合的な取り組みを推進しております。  ハード対策の取り組みといたしまして、本県には土砂災害危険箇所につきましては、合計で一万六千二百四カ所ございます。その整備状況としまして、要施行箇所四千九百五十二カ所の中、平成三十年度末までに整備を実施した箇所としまして一千七百八十五カ所、整備率で申しますと約三六%と、いまだ低い状況にございます。  四十二ページでございます。  ハード対策につきましては、重点事業としまして、近年、大きな被害を受けた箇所、要配慮者利用施設、重要交通網を保全する施設を優先的に整備するとともに、地域密着事業としまして、危険性、緊急性の高い箇所、地元要望等を総合的に判断いたしまして、優先度の高い箇所から整備することとしております。令和元年度におきましては、砂防事業等百七十四カ所、国の直轄火山砂防事業を桜島地区において実施しているところでございます。  四十三ページでございます。  近年、大きな被害を受けた箇所としまして、垂水市の深港川などで要配慮者利用施設を保全する事業としまして大崎町の西迫地区等で、重要交通網を保全する事業としまして、いちき串木野市の栗山追川(一)などで事業を行っているところでございます。  四十四ページをごらんください。  先ほどの議案にありました二カ所の状況でございます。  中山地区と南新町地区の崖崩れの箇所でございます。  今後、速やかに、もう行っているところもございますが、住民説明会を丁寧に行いつつ、測量・設計ですとか用地取得を進めまして、対策工事の早期着手に努めることとしております。  四十五ページでございます。  予算関係でございます。  砂防事業の予算につきましては、近年、おおむね百億円前後で推移しているところでございます。  下段でございます。  防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策の取り組みの状況でございます。  砂防関係事業におきましても、六つのテーマに関しまして緊急対策として行っております。約六十カ所で、平成三十年度の補正予算十一億円、今年度の当初予算では三十七億円の予算措置を講じまして、整備を進めているところでございます。  四十六ページでございます。  ハード対策による施設の整備効果でございますが、平成二十八年、垂水市の国道二百二十号線沿いで多数の土石流が発生しましたが、確認できただけでも二十三カ所で砂防堰堤が土砂や立木を捕捉するなど行いまして、施設の効果が発揮されたというところでございます。  四十七ページです。  垂水市の深港川で建設中の砂防堰堤、建設中におきましても砂防堰堤が立ち上がっておれば、土砂、流木が捕捉したといった状況でございます。  また、一昨年からの新燃岳の噴火を踏まえまして、霧島川で整備した砂防堰堤で土砂をしっかり捕捉したといったような事例もございます。  四十八ページでございます。  ソフト対策でございます。  土砂災害につきましては、特に人命が亡くなる割合が多いという災害でございますので、ソフト対策についても重要視しているところでございます。特に土砂災害のおそれのある区域、どこが危ないんだというような話、警戒避難体制、いつ危ないんだというようなところのソフト対策を推進するために、土砂災害警戒区域等の指定を行っているところでございます。  四十九ページでございます。  その区域を指定するための調査結果の公表状況でございます。  本年度内に基礎調査を終わらせまして、公表するということを、今、県で進めておりまして、調査を進めているところでございます。  八月末現在でございますが、土砂災害警戒区域につきましては約九割強、特別警戒区域につきましては約六割強の調査が終わりまして、調査結果を公表しているところでございます。  また、今回の大雨で発生した土砂災害の約九割につきましては、土砂災害警戒区域内などで発生しておりまして、土砂災害警戒区域が土砂災害のリスクを示す重要な情報になっているということが改めて示されたところでございます。  五十ページでございます。  住民への周知徹底の状況でございます。  県民の方々が、土砂災害の警戒区域等の位置ですとか範囲をみずから確認していただいて、早期避難の判断につなげていただけることができるように、県のホームページ等で公表するとともに、県民への周知・啓発活動を行っているところでございます。  また、基礎調査、調査結果に基づきまして、市町村では土砂災害のハザードマップを作成していただいているところでございます。  五十一ページでございます。  土砂災害警戒情報の提供に関する取り組みでございます。  市町村の防災活動、避難勧告等の判断及び住民の自主避難の判断等の支援を目的に、鹿児島地方気象台と共同で土砂災害警戒情報を発表しているところでございます。最近、内閣府等から示された警戒レベルのランク的にはレベル四相当といったような情報になっているところでございます。例年、十数回発表されておりまして、発生期間中には土砂災害も発生しているところでございます。この情報を補足するものといたしまして、鹿児島県河川砂防情報システムにおきまして、より詳細な情報を提供しているところでございます。  五十二ページでございます。  防災教育等の周知・啓発活動でございます。  梅雨時や台風接近時におきまして、その都度、土砂災害の未然防止の対応を市町村に呼びかけているところでございます。  周知・啓発活動でございますが、これは事例でございまして、大島支庁の事例でございます。県におきまして、平成二十二年度の災害、奄美豪雨を契機としまして、これまで一千六百人以上の小中学生を対象に防災教育を県職員みずから、小・中学校に出向きまして実施しているところでございます。  五十三ページでございます。  防災訓練でございます。  住民の方々が参加していただきまして実践的な訓練を毎年実施しておりまして、近年は一万人以上の県民の方々が参加しているところでございます。引き続き関係市町村と連携を図りながら、より多くの県民の方々が参加する実践的な避難訓練等を実施していきます。  五十四ページでございます。  今回の大雨でございますが、人的被害を免れた事例でございます。  上の段でございますが、田上地区におきまして崖崩れが発生しましたが、事前避難によりまして人的被害を免れることができました。これにつきましては、きっかけとしまして、町内会ですとか家族の呼びかけがあったということでございます。我々公助だけではなくて、自助・共助の重要性もございます。そこと連携しながら、しっかりと対応してまいりたいと思っているところでございます。  五十五ページでございます。  雨につきましては、先ほど御説明したとおり、八・六水害、豪雨を上回るような雨が観測されております。  五十六ページでございます。  下の段でございます。  本県では、平成五年の一連の豪雨災害を受けまして、より防災対策を加速するということで、必要性の高い約九百カ所におきまして、この二十六年間、砂防関係施設を重点的に整備してきたところでございます。  今回の大雨による災害では、雨が上回ったということもございますし、土砂災害の発生件数も百五十八件ございましたが、これまで整備してきました砂防関係施設の効果もございまして、土砂災害を原因とする全半壊の被災家屋数が県内全域で百六十二戸から五戸と大幅に減少しております。これにつきましては、十分施設整備が発揮されたということを考えておりまして、改めて防災・減災対策の必要性を我々認識したところでございます。  今後とも安心・安全な県民生活の実現を目指しまして、引き続き防災・減災対策の推進により一層努めてまいります。  以上で、土砂災害関係の説明を終わります。 47 ◯郷原委員長 以上で説明が終わりましたので、質問や意見等がありましたらよろしくお願いします。 48 ◯き久委員 るる御説明をいただきました。  防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策の取り組みとしまして、河川の部分で、たしか二十ページに載っておりました。また、道路関係では三十三ページ、砂防、土砂災害では四十五ページでありますけれども、この土木部、防災・減災、国土強靱化という部分ですから、平成三十年度と令和元年度の大体これに対する予算額というのはどれぐらいなものなんですか。 49 ◯米盛監理課長 防災・減災国土強靱化の予算についての御質問でございます。  平成三十年度は補正予算によりまして、七十九億五千六百万円、それから、令和元年度は前年度からの増額分としまして、約九十七億円が措置されております。 50 ◯き久委員 大変この緊急対策はありがたいというか、重要な位置を占めていると思いますが、土石流危険渓流などの箇所が四十一ページに、これも多分準じると思うんですけどね、箇所として一万六千。その中でも要施行箇所が四千九百五十二、あと対策がされているのが一千七百八十五でありますけど。全国レベルで言うと五%を占めているという認識かなと思いますが、あと前年が七十二カ所、これが本年は百六十八カ所ぐらいになっているということで、これで、この七十九億円、そして本年度が九十七円億という非常に大きな金額であります。占めている割合、そして起きている件数、また、今後も考えると、来年起きていく件数がふえていく可能性があると思うんですが、この三か年緊急対策の分に対して、どこかの委員会か何かでも話をしたようなちょっと記憶がありまして。この防災・減災国土強靱化のための緊急対策の延長に向けての要望というか、それが行われているというふうなことを開促協なんかを通して要望されているというようなことを聞いたんですけど、その状況についておわかりではございませんか。 51 ◯米盛監理課長 防災・減災国土強靱化対策のその後の要望についてですが、現時点では、まだ来年度までの事業がございますので。  ただ、国土交通省に伺いましたときには、もちろん、防災・減災国土強靱化というのは三カ年で終わるものではないというような御意見もいただいております。それに対しては、地方から声を上げるようにというふうなお話もいただいておりますので、また、引き続き開促協等を通じて、また、次の予算獲得に向けて活動を行っていくこととしております。 52 ◯き久委員 地方からも声を上げていただきたいという部分の表現がございました。この事業は、大変重要な位置づけになると思いますので。委員長、この防災・減災緊急対策の延長に向けての要望というか、意見書というか、そういった部分をきょうのここではなくして議論するべき、検討すべきじゃないかと思うところですが、こちらへの執行部への質問じゃなくて、ちょっと課題として取り組んでいただければと。 53 ◯郷原委員長 暫時休憩いたします。         午前十一時十四分休憩      ────────────────         午前十一時十四分再開 54 ◯郷原委員長 再開いたします。 55 ◯き久委員 執行部としては、開促協を通してやっているということですから、また、本年度も来年度もまだ二年はありますので、やはり、ずっと言い続けていく、要望していくという粘り強さも大切だと思いますので、その開促協を含めての要望をしていただくようにお願いをしておきます。  また、こちらの議論に関しては、状況を踏まえて議論させていただきたいと思います。以上です。 56 ◯郷原委員長 ほかに質疑はありませんでしょうか。 57 ◯松田委員 幾つか、お聞きいたします。  十九ページ、寄洲除去なんですけれども、平成二十四年から四カ年計画で百十八万立米除去をしたと。  これは、例えば取った後、どれぐらいでまたもとに戻るというのは、データはないとは思うんですけど。どのぐらい。十年たてばもとに戻るという感覚なのか。そこら辺はどうでしょうか。 58 ◯松元河川課長 委員、御質問の寄洲除去の除去後の戻りといいますか、状況ですが、委員もおっしゃいましたように、なかなか一概にどうだというのは言えないわけです。やはり、場所によって川のカーブしている内側のカーブとかそういうところは比較的早目に戻る状況にあろうかと思います。ただ、それがどれぐらい、何年というふうな資料というのは、申しわけありません、今我々のほうには持ち合わせておりません。 59 ◯松田委員 四カ年で四百二十八カ所ということで、その後も毎年百カ所を超えるほどされているんですけど、土石、除去した割合が四カ年のときは百十八万だったのが、各年度ごと十七万とか十五万というのは分量がかなり違うなと思うんですけど、ここら辺はどんな意味合いになってくるんでしょうか。 60 ◯松元河川課長 年々の予算に対する土砂量の違いというふうなことになろうかと思いますが、なかなか掘削自体の単価というのは多分、現場、現場でそれほどは変わらないんですが、適当なといいますか。  今現在、昨年の末ぐらいから民地への通年公募というふうな取り組みをさせていただいております。それまでも個別に公募等を行っていたんですが、寄洲除去、事業自体が出水期前に非常に短い間、ゼロ県債で議決いただきまして、その出水期までの間に除去しないといけない。例えば、ほかの公共事業に持っていくにしても、その時点でなかなかほかの公共事業はまだ動いていない状況等がございまして、通年の民間の公募の中で何件かやはり持っていけるところが出てきたりもしております。  そのような中で、そういう場所があるところ、あるいは、やはり、そういう処分場に持っていかないといけないところ、そういう場所毎で、なかなか年々においても土砂の除去ボリュームに差があるのではないかなというふうに考えております。 61 ◯松田委員 わかりました。単純に四カ年計画のときは毎年三十万程度あったものが、箇所数は余り変わらないのに減っているなという単純な疑問で思いましたけど。ただ、もうやってもたまる部分なので、やり続けなきゃいけないという大変な分野ですので、どの状態が理想的かというのはちょっと見えないんですけど、しっかりやり続けていただきたいと思っています。  二十一ページなんですが、危機管理型水位計の設置ということで、全国で五千八百カ所というのは、これは予算的には、国が大分面倒を見てくれる内容なんでしょうか。 62 ◯松元河川課長 交付金事業でございますので、半分は国の支援をいただいてございます。 63 ◯松田委員 全国五千八百に対して百五十カ所というのが多いのかな少ないのかなと単純に思ったものですから、これは国に上げる場合も百五十カ所が妥当なのか、もっといっぱい箇所があるんだけど、予算の関係でこの程度なのかというのは、そこら辺はどうでしょうか。 64 ◯松元河川課長 危機管理型水位計を設置するに当たりまして、水防災意識社会の再構築協議会等で御議論、構成員としましては、直接、警戒避難を御担当されます市町村の方々と一緒に議論させていただいているところでございます。委員おっしゃいますように、本県の県管理河川は四百五十九河川ございますので、その全てということはなかなか難しいかと思います。実際、例えば人口がある程度密集しているところには、河川においては、水位計が二カ所置いてあったりするところもございますので、やはり、そこらあたりは地元の方々の御意見等々を踏まえながら、設置箇所数、設置箇所等を決めていっておりまして、今のところは百五十カ所という危機管理型水位計の設置数となってございます。 65 ◯松田委員 効果が非常にいいのであれば、二分の一、国が面倒を見てくれるんだったら、そんなに高いものでもないので進めればいいのかなと。  同じ発想で、二十三ページの監視カメラも全国で三千七百カ所に対して十六河川、十六カ所予定というのが多いのか少ないのか、予算の関係も含めて教えてください。 66 ◯松元河川課長 基本的には水位計で水位の状況は把握できるかと思います。ただ、ここにございますように、住民の方々が逃げるという行為を起こすに当たって、切迫性というものをしっかり御認識いただくということで、今のところ十六カ所という箇所数になってございます。  先ほど設置につきましては、半分ほど国の補助があるということをお話したんですが、当然、このシステム自体を維持するに当たりましては、県の予算で維持することになりますので、やはり、そちらの通信費用とかそういうふうな部分でなかなか予算的に厳しい部分もあるかと思います。 67 ◯松田委員 通信費が安価と書いてありますので、安価であれば進めたらなと思っております。  二十五ページ、洪水浸水想定区域なんですけど、鹿児島市におきまして和田川が越波しまして、結局避難所だったのが「帰りなさい」ということになったと。  報道ベースなんですけれども、県は、県河川の洪水浸水想定区域を決めていて、それ以外は適当であると市が判断してそこを避難所にやっていたという流れなんですけれども。この洪水浸水想定区域を決めたときの県と各市町村とのやりとりというのは、どんなふうになっているんでしょうか。 68 ◯松元河川課長 こちらにつきましても、先ほど来お話しております、水防災意識社会の再構築協議会で御議論させていただいております。  その中で、鹿児島市さんに水位周知河川ということでお話した河川は、和田川は、実際入ってございませんでした。  ただ、この間の六月末からの大雨を受けまして、市のほうも水位周知河川への要望ということが、何件が上がってきてございますので、そういうものを踏まえまして、再度、水防災意識社会の再構築協議会、せっかく市町村の方々も構成員になってございまして、そういう内容を議論する場でございますので、そういうところで御議論いただきまして、それを踏まえまして検討する必要があるのかなと考えております。 69 ◯松田委員 県としてこうやって区域を決めましたと。
     ただ、これで安全というわけではないというのは皆さん当然持たなきゃいけない部分だと思うんですが、ほかの市町村は、県は県で決めて、あえてほかの市町村管理の川に関しても、危ないよねということを見ていたというのが報道ベースで知り得る部分なんですが。  ということは、やはり、県が示す段階で、極端に言うと、「一応区域ですよ」と、「でも、これで完璧じゃないですよ」というのをちゃんと伝えないと、県が決めたから安易にそこじゃないところは大丈夫というのもよくないなと思ったものですからお聞きしましたので、それは各市町村とやりとりの中でしっかりキャッチボールをしないと、ただ流すだけではなかなかうまくいかない部分だと思いますので、そういうキャッチボールを進めていただきたいと思っております。  その上で、今度は砂防の関係なんですけど、吉田の崩れた場所というところは、ソフトで言う危険箇所に入っていたんですかね。四十、四十一ページ当たり。吉田の崩れた場所の区域です。本城です。 70 ◯五十嵐土木部参事(兼)砂防課長 本城につきましては、土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンには入っております。 71 ◯松田委員 レッドゾーンには入るというのは、今度はそこからの制限をしなきゃいけないという部分だったと。 72 ◯五十嵐土木部参事(兼)砂防課長 レッドゾーン、イエローゾーンにつきましては、四十八ページをごらんいただきまして。  先ほど、御説明の中ですとか本会議でも申し上げておりますが、鹿児島市につきましては、特に警戒避難体制を早期に整備する必要があるということで、平成二十年、ほかの地域より早いんですが、土砂災害警戒区域、イエローゾーンを早期指定しておりまして、警戒避難体制の早期着手というか、体制づくりにしております。  一方、レッドゾーン、土砂災害特別警戒区域につきましては、構造規制ですとか建築規制がかかりますので、なかなか何というんでしょう、住民の方々の御理解も含めて、また、ゾーニングをするにしても、より詳細なものが必要だということで、ほかの地域のイエローゾーンですとかレッドゾーンを今のところ、鹿児島市はイエローゾーンで警戒避難体制ができているということでなってきたというところでございます。  ただ、国の方針も踏まえまして、今年度中にはレッドゾーンもしっかり調査をしまして、公表するということになります。公表しますと、先ほど委員も御指摘がございましたが、特定開発行為、いわゆる住宅団地の造成に伴うというところについては規制がかかります。そのほか、例えば老人ホームですとか災害時要援護者施設というようなところにつきましても規制というか許可制になりますので、「基本的には建てないようにしてください」というような形になりまして、要は、危ないところにつきましては、今後そういった施設ですとか住宅につきましても「建てないようにしましょう」というような施策が展開できるということになるところでございます。 73 ◯松田委員 ということは、鹿児島市においては、平成二十年度にイエローゾーンがある程度がちっと決まったと、その次の段階のレッドゾーンはまだこれからということでよろしいですか。 74 ◯五十嵐土木部参事(兼)砂防課長 委員、御指摘のとおり、イエローゾーンは全て終わっているところでございます。特別警戒区域のレッドゾーンにつきましては、現在全域におきまして調査中でございまして、今年度末に公表するというところで進めているところでございます。 75 ◯松田委員 その上で、本城町は私ものり面の関係で何度も行ったりきたりしているものですから、たしか二年前、三年前ぐらいに完成した後、上が崩れたんですよね。だから、よかったなというのと、悪かったなという両方複雑な思いなんですけれども。ある程度完成すると皆さんちょっと安心するじゃないですか。そこで、もう少し早く避難できたら、という微妙な感覚になるんですけれども。  本城町は、たしか二年前ぐらいに完成して、その上が崩れたと思うんですけれども、これはもう、いたし方ないことなのか。何とも苦しいんですけど、そこら辺どうでしょうか。 76 ◯五十嵐土木部参事(兼)砂防課長 委員、御指摘の本城地区でございますが、環境林務部で治山事業として平成二十八年だと思いますが、完成していたというような話を聞いております。その上から土砂が流出してきたといったような状況でございます。  委員御指摘の、施設を入れると住民の方々が安心してしまって、というような話は、実は昨年の広島、岡山、愛媛の西日本の豪雨災害のときにもそういった話がございます。  我々としましては、当然施設を入れれば安全度は上がりますが万能ではない。想定以上のものも起き得ますので、特に、先ほど申しました土砂災害警戒区域、イエローゾーンにつきましては、施設があろうがなかろうが、危ないものは危ないということで避難してください、といったことで市町村と連携しまして周知を図っているところでございます。  引き続き、先ほども申したとおり、どこにイエローゾーンがあるのかと、どの範囲にあるのかということをやっぱり住民の方々に理解してもらうべく周知活動を努めてまいりたいと思っております。 77 ◯松田委員 あとはもう要望にしたいと思いますけど。例えば、ここの分野はつくる側ですから、一生懸命つくって、「でも危ないですよ」って言いづらいので、危機管理防災側が言わなきゃいけないと思うんですけど。  そこはしっかり情報を共有して、言うべく人がきちんと、つくったものが安全かどうかを言うんじゃなくて、それを超えたときは、とても大きな被害になるということを言えるように部局間で連携をお願いしたいと思います。以上です。 78 ◯郷原委員長 ほかに質問等はありませんか。 79 ◯ふくし山委員 少し今のに関連するんですけれども、先ほど五十四ページで事前避難で被害を免れた事例というのが御紹介がありました。私は、ここにすぐ行って、田上八丁目なんですけれども、その周辺の人たちともいろいろ話を伺ったり、協議の場にも参加をしたりしたんですが。ここの町内会長さんが非常に熱心で、グループラインで肝心なところは、いろいろな行事もそうですし、さまざまな情報が毎日、私も入っていたら、もう大変なんです、毎日いっぱい来てですね。そういう状況があって、非常に小まめに周知徹底をしている。この避難をした方々も、御家族から電話があったりとかして周りが協力をして避難したりとかいろいろあったわけですね。  ただ、あとは問題は、自治会長さん、町内会長さんも最近は長くする方もいらっしゃいます。ただし、なかなかなり手がいないということで、輪番制で一年交替とかそういう町内会も少なくないわけですよね。そうしたときに、その町内会長さん自身が、うちの町内会に危ない、さっきレッドゾーンとイエローゾーンのお話もありましたけれども、そういう場所が、どこがそういうふうに指定されているのかということを、その人たちがよく知っているということが大事なんですね。それは極端に言えば、毎年でもそういう周知をしないといけない。  その辺の取り組みは、各市町村でやっていただかないといけないんですけれども、県としては、今回のこういった事例も含めて、その辺の周知は、やはり市町村にまた改めてお願いするとかそういったことが必要だと思うんですけれども、その辺のところの手だてというのは何かやっていらっしゃるんですか。 80 ◯五十嵐土木部参事(兼)砂防課長 委員、御指摘のどこが危ないのかということを、災害の、大雨が降る前の段階でしっかりと区長さんとともに住民の方々に知らせるということは、非常に重要なことだと思っております。  まず、我々としましては、ホームページで公表するということのみならず、今、特に鹿児島市につきましては特別警戒区域の公表を進めております。その公表の後に指定という手続が入るんですが、その際には住民説明会というものを必ず行います。住民説明会は我々だけではなくて、市町村の防災担当部局の方にも出ていただいて、区長さんを初め、特にゾーニングがかかるような地域の方々にも出ていただいて、それぞれの意味合いですとか事前避難の重要性といったところについての説明をさせていただいているところでございます。 また、毎年そういうことは定期的にやっていくべきだという御指摘もございます。  県としましては、土木部としましては、危機管理防災部局としっかり連携を図るとともに、市町村の防災部局、建設部局とともに、例えば薩摩川内市におきましては、毎年回覧板でどこの区域が危ないんだというところを雨のない五月中に回覧板で回したりといったような周知も取り組んでいるところもございます。そういったいい事例を市町村と共有しながら、毎年、雨の入る前の時期にしっかりと住民の方々に伝わるような施策を市町村と連携しながら対応してまいりたいと思っているところでございます。 81 ◯ふくし山委員 ありがとうございます。  木が生い茂っていたりすると、なかなかそこが危険な場所だという認識がなかったりするんですね。崩れて初めて「これは大変なところだった」ということがよくありますので、事前に周知をしておく、少なくとも町内会長さんあたりはそのことをよく把握しておくといったようなことが大事だと思いますので、ぜひ、そういう取り組みをしていただきたいと思います。  それから、もう一点よろしいですか。  二十八ページに新川の問題があります。個別な話をお聞きをするつもりはないんですが、私は新川にずっと二十数年かかわってきて、浸水被害をずっと見てきた一人でもあります。  しかし、この河川改修の事業は本当に効果があったと思っています。しかも、鹿児島市の内水対策事業と一緒になって、見事な連携で、かつて百戸ぐらいの床上・床下あるいは道路冠水など浸水があったとき、それ以来、城ケ平橋までの工事が済んでから全くないんですよね。  この前の七月二日、三日も私は、ずっとあの新川沿いを西之谷ダムとかずっと見て回って、何度も何度も行ったり来たりしていたんですけれども、「やはり、田上の地域は厳しいな」と。さっき「八・六水害のときよりも雨量は多かった,それでも大丈夫だった」とおっしゃったんだけど、あのときとは雨の降り方が違う。八・六は、やはり、もっと集中して降る時間があって、田上に行ったときも「これは、あと一時間この雨が続けばアウトだな」というような部分がある。しかし、少しおさまったりして、その間にまたすぐ水位が下がりますので、それで僕は助かっているんじゃないかなと思ったんですよね。  田上地区で言うと、例えば、これはほかの地域でもそういうことがあるかもしれませんけれども、今、JRの田上橋の工事をしていますけれども、その上流部、「どうするんですか」と申し上げますと、田上地区については鹿児島市が面的整備をすると、いわゆる区画整理をするという計画があると、だから、「そのときに一緒にやります」と県もおっしゃるわけです。それはわからないことはないんです。  しかし、「では、面的整備はいつ始まるの」と言っても、これは全くめどがないわけですね、今の時点で。  そうすると、今の川の状態をあのままにしておいていいのか、優先されるべきは河川の改修とか県道の拡幅とかそういったことではないのかなと思うんですね。  ただ「面的整備がありますよ」というふうに一定の計画が出てきているときに、河川改修とか道路拡幅とかそこを単独でやることと面的整備と同時にやることでは、私は何か補助金の関係とか少し負担の部分が違うのかなと思いますけれども、少しそれがわかっていたら教えていただけませんか。そうしないと、「それは河川改修が優先だろう」とやはり僕らは思ってしまうんですよね。その辺、理由があるんじゃないかと思いますので、わかっていたら教えてください。 82 ◯坪田都市計画課長 今、面的整備の補助金、財政的な面でのお尋ねがあったかと思います。  面的整備につきましては、極めて長期間にわたりましてかなり大規模な事業費が必要になるということで、その大規模な事業費に対しまして、一定程度の国の補助金等が予定をされている事業でございます。  例えば、河川でありますとか、道路である、そういった部分を先行的に実施をいたしますと、用地買収その他の取り組みといいますか、事業に係りましてそういった形で先行的に事業が行われることになって、面的な整備と申しますと、区画整理ということになりますので、残地が発生したりとか、その後の換地に影響を及ぼすということにもつながってまいります。  したがって、公共施設用地が面の中に先行的に取り組まれますと、全体の面の中で公共用地部分、市有地の減歩率とかそういった部分にも非常に影響を及ぼすことになってまいります。  したがいまして、そこの個別の河川、道路を先行的に実施した場合には、補助金、区画整理事業全体の経費、ここの部分に極めて大きな影響を及ぼすということが想定をされるところでございます。  したがって、面での整備の中に公共施設、道路用地でありますとか、河川、そういったものも取り込んでやっていくというのが最も合理的ではないかと考えているところです。以上です。 83 ◯ふくし山委員 それが合理的だということは私もわかっていて、あえてお尋ねをしているわけです。  これは県政一般でやるつもりですから、はみ出すといけませんから、ここら辺でやめておきたいと思います。以上です。 84 ◯郷原委員長 ほかに質問等はありませんか。 85 ◯松元河川課長 済みません。  先ほど松田委員からの御質問がございました。手元に資料がございまして、危機管理型水位計の設置数でございます。  平成二十九年時点ですので、現在、若干違うかもしれません。もともと設置されております既存の水位計等もございますので、トータルでいくと、少し違うかもしれませんが、九州管内でいきますと、危機管理水位計の本県の百五十カ所というのは、長崎県に次いで二番目ということで、比較的多いほうではないかなと考えております。 86 ◯郷原委員長 それでは、ほかに質問等がないようですので、特定調査に関する質問等はこれで終了いたします。  ここで、暫時休憩いたします。         午前十一時四十一分休憩      ────────────────         午前十一時四十二分再開 87 ◯郷原委員長 再開いたします。  それでは、委員会の中で出された質疑の経過を踏まえまして、報告については当席に御一任をいただきたいと存じます。  次は、県政一般に係る一般調査についてであります。  まず、前年度に採択した請願につきまして、お手元の資料、採択された請願・陳情処理経過及び結果報告により調査を行います。  請願第三〇〇四号について、道路建設課長の説明を求めます。 88 ◯島田道路建設課長 道路建設課関係の請願・陳情採択分について説明をいたします。  経過処理及び経過報告の十ページをお開きください。  図表は、一ページでございます。  平成三十年第三回定例会におきまして採択されました請願第三〇〇四号、薩摩半島西岸地域の経済活性化と人口減少対象の要となる「伊作峠トンネル」開設を求める請願についてでございます。  提出者は、西陽三、伊作峠トンネル建設期成会会長でございます。  請願の趣旨でございますが、主要地方道谷山伊作線は、鹿児島市と薩摩半島西岸地域の人と物の流れを担う重要な主要道路であるが、カーブも多く幅員も狭いことから危険性が高く、事故件数も年間三十件前後と高い。  また、冬場は凍結や積雪により交通渋滞や通行どめになることも多く、通勤・通学はもとより、透析など定期的に鹿児島市内の医療機関を利用する人にとっては大きな負担となっている。  また、原発災害や桜島爆発など大規模災害に備えた避難道路の確保も必要であるなど、これらの課題改善を図ることが過疎高齢化が進行している当地域には必要である。  以上の趣旨に基づきまして、主要地方道谷山伊作線における伊作峠トンネルの開設の必要性を検討していただくよう要望するものでございます。  十二ページをごらんください。  処理経過及び結果報告でございますが、御要望の伊作峠のトンネル整備に当たりましては、大規模な事業となることが見込まれますことから、厳しい財政状況を考慮すると多くの検討すべき課題があると考えています。  現在、伊作峠周辺における地形・地質、沿道状況など、現道の詳細な状況につきまして、既存資料や現地調査による現状把握を進めているところでございます。引き続き現道の詳細な現状把握を行った上で、必要性の検討に入ることとしております。  以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。 89 ◯郷原委員長 説明が終わりましたので、質問や意見等がありましたら、お願いいたします。    [「なし」という者あり] 90 ◯郷原委員長 ないようですので、前年度に採択した請願についての調査を終了いたします。  ここで、港湾空港課長から屋久島空港滑走路延伸に係る基本計画案等について、発言を求められておりますので、これを許可いたします。 91 ◯黒川港湾空港課長 屋久島空港滑走路延伸に係る基本計画案などにつきまして御説明いたします。  資料の一ページをごらんください。  初めに、空港の現状でございます。  現在の屋久島空港の滑走路は、延長が一千五百メートル、幅が四十五メートル、駐機場であるエプロンは、プロペラ機二機が駐機可能となっております。  定期路線といたしましては、一日鹿児島便が五往復、福岡便と伊丹便がそれぞれ一往復運航しておりまして、昨年度の乗降客数は十七万四千人となっております。  基本計画案の概要でございます。  滑走路につきましては、三月に公表したところでございまして、現在の滑走路を北側に百八十メートル、南東側に三百二十メートル、それぞれ延伸いたしまして、ジェット機が就航可能な二千メートルを基本計画案としたところでございます。  図面もあわせてごらんいただければと思います。  次に、エプロン・ターミナル地域でございます。  この基本計画案につきましては、空港の運用を継続しながら工事を実施すること、現在の敷地を生かし、周辺地形への影響、利便性及び施工性などを考慮いたしまして、南東側へ拡張することを基本的な方針といたしました。  エプロン・ターミナル地域の主な施設でございます。  エプロンは、現在の施設に加えまして、ジェット機駐機のために一バース拡張いたします。  旅客ターミナルビルは、現施設の約三倍の建築が可能となる敷地を計画します。  拡張用地は、国際チャーター便の就航時に必要なCIQ施設の設置などを考慮して計画します。  給油施設敷地は、航空機の給油のために新たに計画します。  駐車場は、必要となる駐車場敷地を計画します。  資料の三ページ、これが基本計画の全体平面図を添付しているところです。  資料の二ページをごらんください。  次は、パブリック・インボルブメント、いわゆるPIでございます。  屋久島空港のPIは、基本計画案を広く公表します。御意見をいただきながら、計画の策定を進めるものでございまして、住民など関係者との円滑な合意形成を図ることを目的としております。  PIの実施主体などでございます。  PIにつきましては、滑走路延伸の早期実現を目的に、県と屋久島町で八月に設置しました、屋久島空港滑走路延伸協議会が主体となり実施してまいります。  また、協議会のもとに、有識者三名で構成する屋久島空港PI評価委員会を設置いたしまして、透明性、公平性及び客観性を確保するために評価・助言をいただきながら進めてまいります。  続きまして、PI実施のスケジュールでございます。  PIの目的や手法などを周知するためにPI実施計画書を公表します。
     次に、滑走路延伸に係る基本計画案を公表した後に説明会などによる意見募集を実施いたします。  最後に、いただいた御意見に対する対応方針などをまとめたPI実施記録を公表いたしまして終了する予定です。  このPIの結果を踏まえまして、事業化に向けて必要な取り組みの判断をいたします。  なお、参考までにPI実施後の事業化に向けた必要な取り組みといたしましては、環境影響評価に係る手続、空港施設の測量設計などがございます。  以上で、屋久島空港滑走路延伸に係る基本計画案などに係る説明を終わります。よろしくお願いいたします。 92 ◯郷原委員長 この件に関しまして質問等はありませんか。 93 ◯日高委員 やっとここまで来たかなという思いで、今聞いておりまして、それでもまだまだというような状況でございますが、このPIの結果の方針まとめというのは、これは、いつごろになってくるんでしょうか。 94 ◯黒川港湾空港課長 PIの実施の計画は、今年度実施するということにしておりますので、来年度早々に取りまとめになるのではないかと考えております。 95 ◯日高委員 それでは、これをまとめた後、次の段階に入っていくということで、今、このPI実施後の事業化というのは、これが始まっていくというふうなことですよね。 96 ◯黒川港湾空港課長 PIというのは、やはり、住民合意形成の大事な一つの手続でございます。住民の方々がこの事業に関してどういう意見をお持ちかということを十分把握した上で、次の段階に進むということになると思います。以上です。 97 ◯日高委員 環境影響評価というのは、私のイメージでは、これまでの取り組みの中でもしてきたような気がするんですが。また、それと違った環境評価の仕方が始まるということですか。 98 ◯黒川港湾空港課長 これまで基本計画をまとめる際に必要な環境調査、例えば、ここにどういう植物、どういう昆虫類、動物がいるかというのは、調査してまいりました。  あと必要な手続といたしましては、そのほかの騒音・振動・大気・水質、そういった調査もありますし、あと、環境影響評価となると、法に基づいた正式な手続、条例に基づいた正式な手続と、手続というのがある一定の期間を要するというのがあるので、やはり環境影響評価というのは必須でございます。以上です。 99 ◯日高委員 ここまでやっていただいたことに感謝申し上げます。  そういう中で、今、この事業化に向けた取り組みというのは、これらを環境影響評価をした上で、国に申請するわけですか。 100 ◯黒川港湾空港課長 事業化に向けての取り組みの一つとして、やはり、PIの手続を終えているか、あるいは環境影響評価を踏まえているか、あるいはジェット機を就航する航空会社のジェット機就航の意向が確約できるかというような前提条件がございますので、やはり、事業化に向けては、必要な手続でございます。 101 ◯日高委員 それじゃ、今話されたことは、これは確定はできないでしょうけど、申請をするまでにどれぐらいの時間が見込まれるのか。 102 ◯黒川港湾空港課長 現時点で、確約できる年数というのはお示しするのが非常に困難なんですけれども、少なくとも、前回、知事が記者会見でお話をしたとおり、数年という話は確実にかかると思っております。それが本当に今度は事業化、そして空港の開港ということになりますと、例えば種子島空港の場合は、平成四年に着工してから平成十八年に開港ということになっておりますので、実際空港ができるまでというのは、まだまだ期間がかかるのではないかなと考えております。 103 ◯日高委員 これは決まりごととして、手続を踏んでいかないといけない部分なんでしょうけど、そこを何とかという気持ちはあるんですが、せっかく来ていますので、これを最後までやり遂げないといけませんので、大事に皆さんの関係者、そして島民の方々の理解も得てつくらなければならないと思っていますが、一方では、どこもそんなにかかっているのかなという気もしているんですよね。  そしてまた、ジェット機ということで今までのプロペラ機と違うわけなんですが、空港も現実としてあるわけでございますが、そういうものというのは全然考慮されない、関係ないという、新規につくるのと全く一緒のようなことなんでしょうか。 104 ◯黒川港湾空港課長 新規の場合と改築の場合と二つの案件で差があるのではないかというような御質問なんでしょうけれども、やはり、空港を延長するという事業につきましては、一つのプロジェクトという意味では違いはないと聞いております。  環境影響評価という手続につきましても、新設の延長の場合とあるいは新たに設置する場合と基準がございまして、その中の枠ではめられている中では、環境影響評価というのは必須の案件であると書いてありますので、引き続きやってまいりたいと思っております。 105 ◯日高委員 それじゃ、この環境影響評価とかいろいろなものをこれからやることについては、予算があるから、予算がいっぱいついたら、あれもこれも一緒に、極端に言うとこの一年でできるとか、そういうことで早くなってくるということではないですね。 106 ◯黒川港湾空港課長 必要な手続、参考に書いてあります環境影響評価、それと空港施設の測量・設計、こういったものにつきましては、別と考えていただければ、並行してできるものもございます。  我々としては、早く手続を終えるような努力をしていかないといけないなと、屋久島の町民の方の悲願だと考えておりますので、努力してまいりたいと考えております。 107 ◯日高委員 ぜひ一日も早く、今、課長が言われたように、できるものは並行してやっていくということで。  島民の方々は、もう、あしたあさってにできるぐらいの感覚でおりますので。  そういうものを見せて、やはり並行してやっていく、そういうことも含めてやっているんだという姿を情報発信をするということは大事だと思っていますので、ぜひ、よろしくお願いいたしたいと思います。  私も議員になってもう二十年になるんですが、もういなくなるときに、できていないなという気もいたしまして、この大きなものは当時の人はいないというのが通例でありますので、そこら辺はいいんですが。ぜひとも姿だけは見たいなという気もいたしておりますので。  ぜひ、一日も早く島民の方々の思いに応え、そして、今、観光客も激減して、五月の大水害のときの影響があって、島になかなか人が来ていないという状況が続いておりますので、ぜひともそういう思いも込めて、一日も早く飛ばせるような取り組みをお願いをいたして私の質問を終わります。 108 ◯郷原委員長 この件に関しまして、ほかに質問はありませんか。 109 ◯いわしげ委員 二件だけお尋ねしたいんですけれども、この評価委員会の評価委員に選定された方々がどういった理由でこの評価委員としてアポイントされたのかということと。  PI実施の流れの中で、PI実施計画書の公表がいつぐらいになって、この基本計画案の公表と説明会が大体どのぐらいの時期になって、またその結果、PIの実施記録の公表がいつぐらいになるのかというのを教えてください。 110 ◯黒川港湾空港課長 PI評価委員の役割なんですけれども、我々、滑走路延伸協議会の中で立案された実施計画書及び基本計画あるいは公表、そして説明会の実施、そういうプロセスが透明性・公平性がちゃんと行われているかというのを評価してもらう委員でございます。  その委員の構成は、三人ございまして、浅野先生につきましては、土木分野の専門の立場から意見を言っていただけると思います。萩野先生につきましては、経済・情報関連分野ということでお願いをしているところです。西みやび先生につきましては、コミュニケーション分野ということでお願いしているところでございます。  PI実施の流れの中で、PI実施計画書の公表でございます。  先日、九月に第一回のPI評価委員会を開きまして、このPI実施計画書について委員の皆様方にお諮りして、おおむね了解いただいたところでございますので、今委員会の説明後、速やかに公表して周知を図りたいと思います。  その後、基本計画案の公表及び説明会による意見募集でございますけれども、これについては、今現在、鋭意手続を進めております。協議会での検討、それと委員会での検討を踏まえて、また、この委員会の中でも御説明を申し上げたいと思います。そういう手続を踏まえて、今年度実施していきたいなと思います。  最後のPI実施記録の公表というのは、意見を取りまとめて、今年度実施するPIの活動を踏まえて、これがどういう評価を得たかというのは年明け、年度始め早々にやっていきたいというふうに思っております。  以上です。 111 ◯郷原委員長 それでは、ここで、昼食等のため暫時休憩いたします。  再開は、おおむね午後一時十五分といたします。         午後零時 三分休憩      ────────────────         午後一時十五分再開 112 ◯郷原委員長 再開いたします。  引き続き、報告に関する審査を行います。 113 ◯いわしげ委員 先ほど、屋久島空港のPI評価委員会の委員の先生方のお立場をお尋ねしたところだったんですけれども。  今回、評価委員会の目的は、PIの実施に当たって透明性・公平性及び客観性を確保するためということで、三つの分野からこのお三方が選ばれていらっしゃるわけですが。  ただ、私の素人考えなんですけれども、浅野先生が土木分野で入られているということなんですけれども、私が知る限りの浅野先生の御経歴ですと、災害関係にお強い方なのかなとは思うんですが、空港と周りの環境とかそういったことを含めても専門でいらっしゃるのかどうかというところを教えてください。 114 ◯黒川港湾空港課長 浅野先生は、確かに災害関係にお強い先生、見識であると思うんですけれども。この先生は、お話を伺いますと、いろいろなところで委員を御経験されておりまして、公共事業あるいは公共施設の選定にいろいろな見識で深くかかわっていらっしゃるので、適任だと判断したところです。 115 ◯いわしげ委員 静岡で、何かそういった空港の整備に対して委員会を開かれたときには、空港の整備にかかわった方々も入っていらっしゃたので、そういった方が必要ないのかなと思ってお尋ねしたところだったんですが。  そもそも、PIをすることによって成果物として何を求めているのかといいますか、住民の方々の御意見も反映した上で、空港を延伸することに対するどういった成果物を求めていらっしゃるのか教えてください。 116 ◯黒川港湾空港課長 PIの目的は住民参画ということですので、まず第一に、空港建設に当たって、周辺の住民方に広く周知がされましたかと、そして空港建設の目的・意義というものが理解されたかという観点が一つあります。その上で、空港の建設に対して、いいのか悪いのか、そこの意向を聞きます。それとあと、自由意見も聞きます。  そういったプロセスを経て、報告書としてはちゃんと住民の方々に広く周知されたかどうか、そして住民の方々の意見はどうだったかと、そしてそれを踏まえた、PIの報告としてはこれが妥当かというようなところをまとめていくと。それを最終的には評価委員の方々の先生に判断してもらうことになります。以上です。 117 ◯いわしげ委員 このPIをすることによって、住民の方々にこの件に関する情報が広く行き渡って、皆さんが理解した上で延伸が実行されるということになるとは思うんですけれども、空港の、後ほどいろいろと附帯施設をつけられると思うんですけれども、CIQのための拡張用地ですとかそういったところまで及んだような議論を住民の方とするわけではないという理解でよろしいですか。 118 ◯黒川港湾空港課長 そうです。基本計画案というのは、測量も設計もまだ大まかにしかしていない中での絵図のような感じで出します。  ただ、そこには空港を建設することによっての効果、メリット、それと環境への影響というのも触れた上で判断してもらうことになりますので、ターミナルビル内あるいはターミナルの配置の具体的なところについて意見は出るかと思いますが、そこまでは御意見を伺わないのかなと。  おおむね、こういう形で事業推進を了解いただけるのかどうか、というのが判断になるかと思います。 119 ◯いわしげ委員 わかりました。ありがとうございます。  ぜひ、このパブリック・インボルブメントというのを実施されるのであれば、今現在、県でいろいろと何か事業をされる際に行っていらっしゃるパブリックコメントのように、一部の方しか知らないというようなことではなく、もちろん、屋久島町の皆さんに広く周知していただけるものと信じておりますので、ぜひ、最大限御活用いただけますよう、よろしくお願いいたします。以上です。 120 ◯郷原委員長 この件に関しまして、ほかに質問等はありませんか。    [「なし」という者あり] 121 ◯郷原委員長 ないようですので、次に、本港区まちづくり推進室長から鹿児島港本港区エリアまちづくり事業者公募の検討状況について、発言を求められておりますので、これを許可いたします。 122 ◯村田本港区まちづくり推進室長 それでは、鹿児島港本港区エリアまちづくり事業者公募の検討状況について御説明いたします。  お手元の資料の一ページをお開きください。  初めに、一、公募要項の主な項目でございますが、全部で七項目記載しております。  このうち、アンダーラインを引いております(二)の対象範囲、(三)の主な導入機能、(五)の貸付期間、貸付料、(七)の評価委員会、この四つの項目について今回御説明させていただきます。  資料の二ページをお開きください。  二、公募の対象範囲についての(一)主な対象敷地について説明いたします。  1)ドルフィンポート敷地、ウォーターフロントパークにつきましては、多くの事業者が開発のポテンシャルを最も高く評価しております。また、民間活力の導入により、広大な敷地を生かした幅広い提案が検討されているところであります。  次に、2)北ふ頭については、グランドデザインにも記載しておりますとおり、港湾機能と一般利用の分離等の検討が必要とされているところであります。  3)住吉町十五番街区については、エリアの中で最も離れており、エリアの一体活用とは別な形での検討もなされています。また、鹿児島市からの協議があれば、サッカー等スタジアムの候補地として前向きに検討することも可能としております。  資料の三ページをごらんください。  (二)公募の対象範囲でございますが、対象敷地の現状等を踏まえまして、今回の公募においては、ドルフィンポート敷地及びウォーターフロントパークを公募の対象範囲といたします。また、事業に必要な場合は、県営駐車場の活用策を提案することも可能とします。  次に、北ふ頭については、諸条件が整い次第、公募を検討することといたします。  住吉町十五番街区については、今回は対象外とし、鹿児島市との協議を踏まえて、改めて公募を検討することといたします。  次に、三、導入機能について、をごらんください。  (一)開発のコンセプトは、グランドデザインに記載のとおり、「年間三百六十五日、国内外の幅広い観光客や県民で賑わい、国際的な観光都市にふさわしい「来て見て感動する環境拠点」の形成を図る、としております。  また、(二)要素につきましても、グランドデザインに記載のとおり、1)かごしまの多彩な魅力を発信する人・モノ・情報の交流拠点、2)かごしまの魅力を体感できるエンターテインメント空間、3)景観資源(錦江湾や桜島・歴史的構造物)を活かした魅力ある空間としております。  次に、資料の四ページをお開きください。  (三)導入機能につきましては、核となる施設してハイクラスホテルや集客施設等を想定しております。  まず、ハイクラスホテルについては、近年増加しているインバウンド対応や長期的な滞在性を高めるために、錦江湾や桜島の景観を生かしたハイクラスホテルの導入を想定しております。  続きまして、2)の集客施設(レストラン・カフェ、アミューズメント施設等)については、国内外の幅広い観光客や県民が何度も訪れたくなる飲食施設やアミューズメント施設等の導入を想定しております。  グランドデザインを踏まえ、現行の土地利用規制、つまり、ドルフィンポート敷地などに適用されている床面積の合計が、一万平米を超える大規模集客施設に該当する提案を行う場合は、中心市街地との回遊性に配慮することを条件とします。  また、評価に当たっては、中心市街地との融和性や回遊性、地域全体への相乗効果や地元商業者との協業などに配慮した提案を高く評価することとしております。  続きまして緑地につきましては、空間的な特色や魅力ある景観を活かし、水際のオープンスペースとしての機能も活かしながら活用することを想定しております。  次に、資料の五ページをごらんください。  四、事業予定地の貸付料、いわゆる地代についてでございますが、本事業は定期借地権方式による貸し付けとし、県において、施設の収益や貸付期間に応じた貸付料、参考価格を試算し、公募要項に記載することについて検討することとしております。  貸付料決定の流れについては、まず、県において、ホテルや集客施設等についてモデル的な貸付期間や規模等を設定した上で収益に応じた参考価格を試算し、公募要項に記載します。  次に、民間事業者は参考価格を踏まえ、提案内容における貸付期間や貸付料を提案します。  最後に、事業者決定後、提案内容を踏まえて、県において不動産鑑定評価を行い、最終的な貸付料を決定することとしております。  参考価格の特徴としましては、高い収益が見込まれる施設ほど貸付料は高くなる傾向、一般的な集客施設は貸付面積が広いほど貸付料は高くなる傾向、ハイクラスホテルは建設費が高額となることから、ビジネスホテルに比べて貸付料が安くなる傾向、貸付期間が長いほど月当たりの貸付料は安くなる傾向にあります。ちなみに、貸付期間については、ホテルは五十年以上、集客施設は二十年から三十年を想定しております。  参考として、現在のドルフィンポートの状況をお示ししておりますが、主な用途は飲食施設、物販施設であり、貸付料は一平米当たり月額百六十円、貸付期間は十六年であります。  最後に、資料の六ページをお開きください。  五、評価委員会についてでございますが、事業者選定に当たって客観性・公平性を確保するため、外部有識者等で構成する評価委員会を設置することとしております。  (一)具体的な役割については、まず、公募要項、評価基準等に関する検討、助言、もう一つは、民間事業者からの提案内容のヒアリング及び評価としております。  (二)委員構成につきましては、他県の事例などを参考に、大学教授などの学識経験者や公認会計士、行政関係者等で構成することとしており、人選を含め調整中であります。  以上で、鹿児島港本港区エリアまちづくり事業者公募の検討状況についての説明を終わります。よろしくお願いいたします。 123 ◯郷原委員長 この件に関しまして、質問等はありませんか。
    124 ◯松田委員 お願いします。  今回、初めて、場所というか、エリアの中の一部分になったんですけれども。  グランドデザインにあるとおり、全体の開発区域を基本とします。全体をどうするんだというイメージでずっと来ていたのが、今回分けた、その最大の理由は何ですか。 125 ◯村田本港区まちづくり推進室長 グランドデザインにもありますとおり、事業を進めるに当たっては、本港区エリア全体を開発区域の基本とする、と。  事業者公募に当たっては、同エリアの広さや民間の動向を踏まえ、段階的な開発についても柔軟に対応する必要があるということで書いてあります。  これは昨年度開かれました検討委員会の場におきましても、やはり、三十ヘクタールというかなり広大な敷地でございますので、その中でも特に更地あるいは更地に近い状態であるドルフィンポート敷地や住吉町十五番街区、ウォーターフロントパーク、それに対して一定の港湾施設があります北埠頭、南埠頭、このあたりにつきましては、おのずと検討する課題などが違いまして、時間軸も違うのではないかというような御意見はあったところでございます。  そのあたりやグランドデザインを踏まえまして、改めて民間事業者の意向とかこちらのほうでも継続してお聞きをしていたところでございます。  今回、ドルフィンポート敷地とウォーターフロントパークにつきましては、これは六月の本会議でも申し上げましたけれども、多くの事業者が開発のポテンシャルを最も高く評価して広大な敷地を生かした幅広い提案ができるということ、一方、住吉町十五番街区におきましてはエリアから離れておりますので、一体活用とは別の形での検討がされているというようなことでございました。  北埠頭につきましても、さまざまな提案はありましたけれども、やはり、こちらに記載しておりますけれども、港湾機能と一般観光客との分離、つまり、安全性の問題ですね。荷役作業が行われながらの観光地という形になります。現在も、かごしま水族館がありまして、そこと併存している状況にはありますけれども、やはり、安全性に確保して、荷役作業も円滑にできて、なおかつ観光地としても成り立つような検討ということで、それぞれ検討する項目が違うというところがございます。  今回につきましては、いわゆる更地には近い状態であり、開発意欲、民間事業者の高いドルフィンポート敷地とウォーターフロントパークを、まず先行して実施して、その状況を見ながら、順次、その他地区についても条件が整い次第、段階的に公募をするのが望ましいのではないかというふうに考えたところであります。 126 ◯松田委員 グランドデザインにあります統一感のあるまちづくりというのは、どのように考えていらっしゃいますか。 127 ◯村田本港区まちづくり推進室長 段階的な開発となりますと、グランドデザインにありますとおり、統一感のあるまちづくり、つまり、先行して開発したところと後で開発したところがばらばらな街にならないようにという観点は必要になります。  そこで、グランドデザインに書いてありますのは、エリアマネジメントシステムの導入ということで、これは官民共同でいろいろまちづくりの取り組みをする組織で、都市部ではよくある事例ではありますけれども、そういった魅力向上のための取り組みを支援する体制とかそういうものを考慮しながら、本港区全体として統一したまちづくりというのは考えながら、今後、段階的な検討というのはやっていく必要があると考えております。 128 ◯松田委員 聞いていて、少しあれなんですけど。  分割して進める、公募するが、統一を図るというのがどうも、書いてはあるが。  では、統一感のあるまちづくりをするんであれば、エリアマネジメントシステムをきちっと位置づけるんだったらわかるけど、まだこれは検討の部分ですよね。  形的に、こことここを先にやりますといったときに、どう統一感が整えられるのかなというのがちょっとイメージできないんですけど。 129 ◯村田本港区まちづくり推進室長 エリアマネジメントの活動内容というのは、先行事例で申しますと、これは港ではありませんので、事例として申しますけれども。  地域ルールとかコミュニティーづくりとかそういったまちづくりの方針やガイドライン等に基づいて、統一感のある景観を形成する取り組みを行う。  あるいは、街の情報発信として来街者、街に来る方、収容者、地域住民等に対して効果的なまちづくり、街の案内ができるようなインフォメーションボードとかウェブサイトの分野に取り組んだりする事例、あるいは街のにぎわいづくりとして、企業、学校、地域団体等さまざまな組織の連携によって、季節に応じたイベントを開催したりとかそういったことであります。  本港区の場合、まだこの港湾施設以外に街といったものがないわけでありますけれども、本港区を取り巻く周辺市街地、こういったところなどとも協働しながら、一緒に本港区としてどういった街をつくっていったらいいかとか、そういったのを検討するような組織というのも念頭に置きながら、今後の開発というのは進めていく必要があると考えております。 130 ◯松田委員 私自身の感覚なんですけど、順番が逆かなと思ってですね。  まずは、統一感のある、「こんなふうにしましょう」というのが決まった上で、個別のことをやるのはそれはできないことはないと思うんですが、今はまだそれもできていないのに、個別のことに公募が始まって、その後から統一感を目指しましょうというのはやれるのかなというのが非常に疑問でありますので、お伺いしました。  その上で、三ページの(二)の2)の諸条件について御説明ください。 131 ◯村田本港区まちづくり推進室長 委員お尋ねの件、北埠頭についての諸条件ということで申しますけれども。  北埠頭につきましては、先ほど申しましたとおり、港湾機能と一般利用の分離等の検討が必要ということです。  やはり、更地状態であるほかの地区と違って、上屋とか旅客ターミナルとか公共施設が建っている状態での検討。  特に、このグランドデザインにおきましては、こういった建物がある場合の活用としては、行政財産の目的外使用許可というイメージで図面をつけておりまして、民間事業者からの提案としましては、上屋とか一回解体して再度つくるような提案もあったんですが、さすがにちょっと現実的ではないというようなところもありまして。現在、図面がないのでわかりにくいですが、一号上屋とか四号上屋とかいうのがございまして、このあたりが十分に活用されていない区域がございます。こういったところについては、コンバージョンといいまして既存施設を活用した機能転換、具体的に上屋でありますと、本来は荷役関係の物資を一時的に保管するところですけれども、そういったものがない場合は例えばイベントに活用するとか、そういったような形での活用を目指していくというようなことを考えていくということでございます。  その際には、港湾機能と一般利用の分離となりますと、検討委員会で出た意見の一つとしては、例えば観光客は二階部分を歩いて、荷役関係者は一階で作業をするとか、そういった分離ができないかとかいうような安全面の観点からの御意見もありましたので、場合によっては、そういった安全対策を講ずる上での設備とかそういったものを設ける必要がございます。その設備を果たして民間事業者が整備するのか、あるいは公共のほうで整備するのか、官民の役割分担まで含めた検討というのが若干時間をかけて検討していく必要があると思います。  今回は、北埠頭につきましては、公募対象からはそういったこともございまして除外しておりますけれども、そのあたりを検討しながら、いずれそういった条件をいろいろ関係者とか民間事業者の意見も聞きつつ、調整しながら、次の公募に向けて対応していくということを考えております。 132 ◯松田委員 諸条件を、1)、2)、3)と書こうと思ったけど、よくわからないんですけど。  ということは、今、北埠頭で仕事をされている荷役業者さん、船会社さんとの意見交換は、直接諸条件には入らないということでいいですか。 133 ◯村田本港区まちづくり推進室長 港湾関係者との協議でございますけれども、グランドデザインができましたことを踏まえて、ことし二月に船会社の集まりであります旅客船協会、そして荷役業者の集まりである港運協会、この二つの協会の会長に対しまして、グランドデザインの趣旨を説明いたしました。  北埠頭の現状というのも十分御存じでありますので、こういった空きスペースを活用したコンバージョンとかそういったことを考えているということで御協力いただけないかというようなお話はしたところです。  両協会とも、この本港区のまちづくりについては、基本的には賛成であると。ただ、港湾機能と一般利用の分離等の検討は必要であるという意見は両協会から出されているところであります。それを踏まえまして、三月以降、各北埠頭で業務を展開されております荷役業者と個別に協議を開始したというところであります。  その中で、一部におきましては、二カ月ほど検討していただいて、五月ごろに、例えば四号上屋から一号上屋への移転ということについては、基本的には、会社で検討した結果、協力できるというような御意見もいただきました。  その点につきましては、私どもも出向きまして、今後、一定の猶予期間を与えて、移転に伴う安全面の確保の検証とかそういったものなどについても考えていかなければならないということで、今月上旬にも当該会社には訪問いたしまして、その旨をお伝えしたりしております。  一方では、民間事業者からもいろいろ意見は聞いたりしております。特に、北埠頭につきましては、港湾関係者との調整というのが何よりも大事であると思いますので、現在もそういう取り組みをやっておりますし、今後も荷役業者の方々との話し合いは続けていきたいと考えております。 134 ◯松田委員 大事だと思います。きちんと、今、このエリアの中では、北埠頭については、既に仕事をされている場所があるということで。  一回、地元紙にも何か公園になるような絵がぼんと載ったときも何も聞いていないし、あれは、地元紙が勝手に考えてつくったんでしょうけれども。  そういったこともあるからこそ、情報をしっかり入れてあげることが大事かなと思ってお聞きをしているところでございます。  この分離、行政財産の目的外使用、上屋をどうするか、そういう条件が整い次第、北埠頭については公募が始まる時点で、向こうで仕事をされている船会社とか荷役業者さんも了解のもとで進めるということでよろしいですか。 135 ◯村田本港区まちづくり推進室長 北埠頭の事業者公募に当たっては、民間事業者の意向はもちろんですけれども、港湾関係者の意見、協議というのは大事でありますので、そのあたりはしっかり取り組んでまいりたいと思います。  今回本会議の質問の後の地元紙の書きぶりだと、いわゆる荷役業者、船会社と調整がつかなかったから公募に間に合わないという記述がされて、ちょっと気になったんですけれども、今仕事をされている方々のせいでおくれているというのはおかしな認識だと僕は思っているんですけど、そこはどうですか。 136 ◯村田本港区まちづくり推進室長 委員おっしゃった荷役業者などとの調整がつかないので、今回の公募が間に合わないという、それは本質的にはちょっと異なったお話であろうと思います。  先ほどから重ねてお話しておりますとおり、北埠頭につきましては、やはり港湾施設がありますので、ほかの区域に比べてより検討課題が多いということで、これはもう検討委員会のときから話題となっていたことでありまして、即座の公募も状況によっては難しいというお話は出ておりました。  今回、さまざまな検討をした結果、今年度の公募はやはり拙速に進めるのもよくありませんので、関係者の合意というのを大事にして時間をかけて調整した上で、こういった分離の関係とか安全面の関係とかをしっかり確認した上で本格的な公募に臨みたいというふうに考えているところであります。 137 ◯松田委員 もう北埠頭は最後にしたいと思うんですが、外国船が今、北埠頭に到着していると思うんですが、今、年間何回ぐらい来ているんですか。 138 ◯村田本港区まちづくり推進室長 北埠頭につきましては、従来からソーラスフェンスの整備とか六万トン級の船が接岸できる整備とか行っているところであります。  ちなみに今年度でありますと、これはもう国内外含めてでありますけれども、歴年でいきますと、現在の時点で九回接岸しているという状況にあります。 139 ◯松田委員 これは本年度が九回で、来年度もふえる方向なんですか。 140 ◯村田本港区まちづくり推進室長 ただいま申しました数字は歴年ですので、一月からの通算であります。一月から現在までは九回接岸ということであります。十月以降また接岸の見込みが立っておりますので、歴年単位では数字はふえていくと思います。  また来年以降につきましては、これはまた各クルーズ船の船会社の意向とかもありますので、現時点ではそこまではちょっと見通しは立っていないところでありますけれども、やはり整備されておりますので、一定の利用というのはあるのではないかと考えております。 141 ◯松田委員 北埠頭、今、余り使われていない旅客ターミナルに向かって右側と左側で、今、左側に結局外国船は着くようになっているんですけれども、そのたびに荷役業者さんは場所が減って、四号上屋のほうに船を逆に着けて、そこから発進しているということであれば、そもそも北埠頭のつくりとしては旅客ターミナルに向かって水族館があって、今使っている一号上屋のあの埠頭あたりをいわゆる観光施設にして、右側の今、四号上屋があるところを事業者が使うみたいな、そういった形の使い勝手のよさというか、遊びに来る人、観光で来る人と仕事をしっかり分けるというのも一つの案だと思いますので、それも含めてきちんと御検討いただいて。  私自身が感じているのは、北埠頭で働いている方と話す機会があったら、本当に情報が入ってこないということをおっしゃっておりましたので、そこはその時々で、今こういう状況だということをお伝えしながら、決まってから何もかも来る、みたいな印象を持たれていたので。  もう一つは、まだ何も決まっていないのに「どきなさいよ」みたいなのがあったとも聞きましたので、そこはしっかりと丁寧にやりとりをしていただきたいと訴えて終わります。 142 ◯郷原委員長 ほかに質問はありますでしょうか。 143 ◯いわしげ委員 ちょっとお尋ねしたいんですけれども、導入機能ということで三つほど示されておりますけれども、ハイクラスホテル、集客施設、緑地というのは、今回公募される提案の中に含まれなければならない要素という理解でよろしいんでしょうか。 144 ◯村田本港区まちづくり推進室長 ただいま委員がおっしゃった各施設につきましては核となる施設ということでございますので、こういったところを念頭に置きながら、もちろん、これ以外の本港区の景観を生かした提案というのは十分可能でございますので、このあたりは、まだ書きぶりは検討中でございますけれども、何らかの形で反映させたいと考えております。 145 ◯いわしげ委員 知事もよくアミューズメント施設ということをおっしゃるんですけれども、アミューズメント施設を具体的に、いろいろな提案が出てくると思うんですが、今、県としてはどういったものをイメージされているのか教えてください。 146 ◯村田本港区まちづくり推進室長 「アミューズメント施設」という言葉が恐らく漠然としているというようなお話ではないかと思いますけれども。  我々も、昨年の検討委員会の際のアンケートとか聞き取り調査などでもお聞きしていたのは、鹿児島は若い人とかあるいは子供を連れて遊びに来るところが少ないというような意見を聞いておりまして。  例えばハイクラスホテルとかこういったところはどちらかというと富裕層の方々とか念頭に置いたものですけど、開発のコンセプトでは、国内外の観光客ではなくて「県民」という言葉も入っておりますので、そういう県民を念頭に置いた憩いの場というようなことも含めまして、パターンはいろいろあると思います。遊園地的なものでもよろしいでしょうし、本港区の景観を生かした施設ということであれば、民間事業者の方から幅広く提案をいただきたいと思いまして、こういったアミューズメント施設というものを掲載しているところであります。 147 ◯いわしげ委員 わかりました。ありがとうございます。  それと、あと緑地なんですけれども、ここで言っている緑地というものは、今現在ある既存のウォーターフロントパークのことを指しているのかどうかを教えてください。 148 ◯村田本港区まちづくり推進室長 現在、ウォーターフロントパークとして、いわゆる緑地として位置づけられているところがございます。  今回、開発の範囲がドルフィンポート敷地とウォーターフロントパークということでありますけれども、やはり、これは一般の県民の方の普通の感情として、やはり、憩いの場としての緑地等は必要である、というような御意見はあるところでありまして、この敷地は全部で六・五ヘクタールありますけれども、これが全て施設で埋まるというようなことは想定しておりません。そのあたりは、グランドデザインの中にも朝日通りからの眺めとかそういった形で景観にも十分配慮するようにというようなことが書いてございますので、一定の緑地を生かした形で施設の提案をいただくというようなことであります。  これは、実現がどの程度可能かどうかというのもありますけど、現行のウォーターフロントパークの敷地を一部残すという方法もありますし、あるいは別の場所に移しかえるとかそのあたりについても、技術的に可能であればそういった提案もお受けしたいとは考えているところです。 149 ◯いわしげ委員 わかりました。ありがとうございます。  スケジュール的なものとしては、今年度末に公募の要項自体ができ上がるという理解でよろしかったでしょうか。 150 ◯村田本港区まちづくり推進室長 公募要項につきましては、現在、みずほ総合研究所と協議しながらつくっているところでございまして、本会議でも申し上げておりますのは、今年度中に公募を開始したいと。もちろん、準備が整い次第、公募に入りたいということで考えているところであります。 151 ◯いわしげ委員 その場合、今年度中に開始されるのであれば、いつから始まるというのはまだ決めていらしゃらないという理解でよろしいですか。 152 ◯村田本港区まちづくり推進室長 現在、この資料でもおわかりのとおり、例えば地代の関係とかかなり技術的な検討を要する部分もありまして、こういったところをしっかり詰めないと、よりよい公募要項になりませんし、民間事業者の方も混乱することになりますので、このあたりについては、じっくり検討しながら作業を進めたいと考えております。 153 ◯いわしげ委員 わかりました。  一番最初のグランドデザインのところから、公募の対象が、今回に限っては、ドルフィンポートとウォーターフロントパークだけになったというところもあるんですけれども。  公募することももちろんなんですが、私たち自身も、鹿児島県民側も、県庁の皆様もいろんな議論する材料を持っておかないといけないと思っております。  私たち、今回ドイツのハンブルグとかも見せていただいたり、オランダのアムステルダムとか水辺を使ったところを見せていただいたんですが、私たち県民側も県庁の皆様方もみんな、それを体験したり、見に行ったりとかいろいろな話を聞いたりして、今後、議論する材料を、この公募が終わった後に議論する際に、議論する武器を持っておけるように勉強しなければいけないな、と自分も思います。  皆様もぜひ、公募が開始されて終わるまでの間に一、二カ所、海外の、知事がよく言っているような場所ですとかを、担当の皆様方含めて、見に行っていただけるように要望いたしまして終わります。 154 ◯郷原委員長 ほかに質問はありませんか。    [「なし」という者あり] 155 ◯郷原委員長 ほかにないようですので、この件は終了いたします。  次に、七月以降に実施した宮崎県大隅地区での県内・九州行政視察及び近畿地区での県外行政視察について御意見や御質問等がありましたら、お願いいたします。 156 ◯き久委員 この間、近畿地方整備局に行きまして、i‐Construction。これは、建設業界の中で将来、労働就業者、それも技能就業者が百万人ぐらい減っていく、労働者不足を前提としていく中で労働の効率性、労働の安全性、そして経営の円滑化等々を含めてICTを活用していくというようなことで、まさに、最先端を走ると同時に、必然的にこのようなICTを活用せざるを得なくなる全体の産業の中の建設業界かなと、こう思ったところであります。  それで、その説明の中で、これは項目が非常に多かったんですが、近畿のほうは、近畿サポートセンターというのがありまして、各都道府県でそこが窓口になってi‐Constructionのシステムをしっかり推進していくというようなことなんです。  まず、本県で将来を見据えたICTの広報、利用等々を含めてどのような考えをお持ちなのか。近畿では近畿サポートセンターというのがあるんですけど、ひょっとしましたら九州のほうに地方整備局あたりが持っていて、そしてまた各県にもそういうサポートセンターがあるのではないかなと思うんですが、そこらに関して県の状況等をお聞かせください。 157 ◯徳留技術管理室長 本県におけるICTの活用状況についての御質問でございました。  まず、i‐Constructionについてでございますけれども、この言葉は国土交通省が平成二十八年度から使用している名称でございまして、建設現場における生産性を向上させようという取り組みの名称でございます。その中で、特に大きく三つの施策をトップランナー施策と位置づけて国土交通省がいろいろと推進をしておりますが、その三つの施策のうちの一つにICTを活用した工事というのが位置づけられております。  国でも、平成二十八年度から本格的にICTの活用を図っているところでございますが、今、委員御指摘のとおり、ICTの活用は結論から申し上げると、人手不足の建設現場においての導入というのは必然的なものであるということでございます。  本県におきましては、平成二十九年の二月、ICT活用工事を試行的に二件、導入をしております。導入と申し上げましたけれども、基本的には、ICTの活用については、施工者が受注後、ICTを活用したいと申し入れれば、その導入に係る費用を変更で見ますということで、「受注者希望型」という言葉を使っておりますけれども、そういうことで平成二十九年の二月に二件試行を始めております。  その後、試行の要領等を整理いたしまして、平成三十年二月から予定価格三千万円以上で土工量、土をいじる量が一千立米以上の工事については、ICTの対象としますということで発注をいたしまして、受注者がICTを活用したいと申し入れれば、先ほど申し上げたように必要な経費を見て活用をお願いする、という取り組みにしておりまして、現時点までにおいて本県では約二十五件、ICTを活用した工事が進んでいるところでございます。  それから、サポートセンターの話がございましたが、今、手元にございませんけれども、九州地方整備局でもICT、あるいはアイコンについての相談窓口というのを設けております。私どもも九州地方整備局との意見交換あるいはさまざまな会議において、ICTの活用について説明を受けたり、その導入に当たってさまざまな意見交換をしているところでございまして、ICT活用については、引き続き推進をしていきたいと考えているところでございます。 158 ◯き久委員 るる御説明を受けました。  詳細を見てみますと、ICT土工の適用範囲拡大ということで、いろいろな施策がありまして、例えばICT地盤改良工、ICT付帯構造物工、ICT法面工、ICT作業土工とか、ほかにはICT積算基準の新設、いろいろあるんですが。  今、室長からの御案内では、九州にそういうサポートセンターみたいなのもあって、そして県レベルではいろいろと研究等々も含めて勉強もされていて、ということですけど、それで二十五件云々ですが。  建設協会の中で、このICT活用という部分で、研修会とか勉強会とかそういったことはされていると思うんですけれども、その状況についてお聞かせください。 159 ◯徳留技術管理室長 ICT活用工事の状況につきましては、まず、先ほども申し上げたとおり、国土交通省、直轄工事で、平成二十八年度ごろから本格的に導入が進んでおります。  直轄工事の中で、ICTを活用した工事の現場見学会というのは、国では積極的に行われておりまして、建設業界の方々もその見学会に多く参加しているようでございます。  それから、本県といたしましては、昨年度からになりますけれども、ICTについての説明会ということを積極的に行うようにしておりまして、昨年度は奄美大島と南薩地区にこちらから出向きまして、ICTの活用工事の内容等について、建設業者さんを集めて説明会を行いました。今年度は種子島にも行ったところでありまして、そういった見学会とか説明会等の取り組みは行っているところでございます。 160 ◯き久委員 県内の建設業界の皆さんにもそういう研修、勉強会はされているというようなことでありますが、土木労働就業者の中でも、技能労働者という部分が全体で十年以内で百十万人ぐらい減るという試算があるんですね。本県もそれに準じて比率的に当然減っていくというようなことであろうと思うんですが。  まさに、労働人口が減っていく中での会社の収益に向けた経営の安定化、安全性等々も含めるとこれは重要なことであると、この間、近畿地方整備局に行って聞いたときに感じたところであります。
     ここを、制度上の問題、予算上の問題、また会社にしてみたら、ICTをうまく活用できるような技能労働者の研究、またそれにモチベーションを高めていかなければならない、予算の問題とかいろいろあると思うんですよね。  そういう中で、将来を見据えた建設業のあり方という部分も考えていくと、ぜひ必要なi‐Construction事業だと思いますので、また力強く推進をしていただくようにお願いをして終わります。 161 ◯伊藤委員 今の関連で。  二十五件、ICTを活用した工事をということでしたが、これに対してどのような形での費用負担を行ったのか教えてください。  それから、i‐Constructionの当面の問題点等あると思うんですよ。その辺は県としてはどのように感じていらっしゃいますか。簡潔でいいです。 162 ◯徳留技術管理室長 まず、ICTに関する費用負担の件でございますけれども、ICT活用工事の最も大きな特徴は、二次元の図面での発注に対して、受注者がドローン等を使って地形とか図面を三次元データに変換をし、その変換した三次元データを建設機械に読み込ませて自動制御あるいは自動運転をするような仕組みが特徴でございます。  そのため、受注者がICT活用工事を希望した場合には、今申し上げたとおり二次元の図面を三次元化する必要がございますので、そういった費用について我々発注者が負担をし、施工してもらうと。  それから、ICT建機を使うことについては、通常の機械より費用がかかりますので、そういった費用の増額分について、発注者で負担をするというような取り組みをしながら推進をしているところでございます。  それから、問題点としては、本県の場合は、ICT建機というのがなかなか普及をしていない状況にございまして、その点で二十五件というのは若干少ないのかなという印象を持っております。  もう一つは、ICTの建機の操作というものについても、もう少し我々も積極的な勉強会、見学会等で普及をしていく必要があるだろうと思いますが、一番の問題は、高いICT建機を使って一定の利益を得るには相当な規模の、先ほど申し上げた土工量と申しますけれども、その大きな土をいじるときには高い費用でも利益が出るんですけれども、県レベルでの少し小規模な工事におきますと、ICT建機を借りてなり、買ってなりしてやるには少しそういった施工量が少ないので、なかなかそこに取り組みにくいというような課題があると聞いているところでございます。 163 ◯伊藤委員 ありがとうございます。いいです。 164 ◯大久保委員 私も近畿地方整備局で説明があった話の中で、土木作業の効率化の推進の取り組みの中で、コンクリートの流動性の見直しの話を伺ったところです。  スランプテストが八センチを十二センチに緩和することで、作業効率が二割ほどアップするというようなことから、これの導入を、見直しを進めるというような話が出ています。  九州地方整備局でも、国土交通省ではこれを進めるような話もちょっと伺っているんですけれども、それを受けて、県もそこは国の動きを見ながら、この取り組みについてはスピーディーに対応する用意はあるのか、お聞きしたいと思います。 165 ◯徳留技術管理室長 私どもの公共工事の中で、コンクリートの打設というのは大きなウエートを占めているところでございますが、コンクリートの打設に当たりましては、コンクリートの品質確保という観点から申しますと、できるだけ水を少なくしてコンクリートを打つということが基本的な取り組みの方向性でございます。水を多く入れますと、施工はしやすくなるんですけれども、強度が非常に低下するということで、そこは非常に慎重な検討を要するというのが、コンクリートの基本でございます。  そうした中で、コンクリートのスランプと申しますか、柔らかさを示す数字でございますけれども、八センチというのを基本的な考え方でコンクリートを打設しているところでございますが、これを十二センチ、もう少し柔らかくすることによって、先ほど委員が御指摘のとおり、打設するときの手間が非常に省けると。バイブレーションと申しますけれども、そういった作業が少なくても、コンクリートが型枠の中に入っていくということでスランプを少し見直そうという動きはございます。  その中で、スランプを十二センチに見直す一方で、先ほど申し上げた水の量を、やはりふやすわけにはいかないということから、結果的にコンクリートの単価が非常に高くなるという方向になります。  そうしたときに、厳しい予算というのもありますけれども、今の予算の中でいろいろな施策をやっていく中で、コンクリートの単価が非常に高くなるというのは非常に大きな問題になってまいりますので、現時点では八センチの中でやっていただくということで。なかなかコンクリートの単価が上がることについての課題解決というのが難しいところがございますので、もう少しいろいろな国の動向とかも見ながら、コンクリート関係の団体とも意見交換をしながら、検討を進めていきたいと考えているところでございます。 166 ◯大久保委員 流動性を高めるために、水を入れる、水分をふやすという話なんですけれども、その中で混和剤というのもまた必要になってくるので、その部分が資材の価格にやはり跳ね返ってきて、今言われるように単価が上がるということがあろうかと思います。  一方では、工期を守らないといけないという中で、作業効率をアップしなきゃいけない、必要な経費なのかなという部分もあるので、そういったバランスだと思うんですけれども、予算との。そういったところができれば、工期と資材単価に見合った形で業者の方が困らないような対応をしていただければなと思うところでした。  単価については、何か、やはり十二センチが普及してくれば、それほど価格差は生じていかないような方向に向かうんじゃないかなというのが、近畿地方整備局の担当の方からの説明があったところでしたけれども、それについて、何か、もしコメントがあればお願いします。 167 ◯徳留技術管理室長 コンクリートにつきましては、基本的にセメントと水と、それから骨材、石に構成されておりまして、実は、その骨材も生産地によっていろいろと条件が違いますので、例えば近畿の場合と鹿児島の場合では得られる骨材の状況が違ったりいたしますので、一概に先ほどの近畿の方のお話がどうかというのは難しいところがございますけれども、結果的に普及すれば、単価が下がるというのは一般的に言える話であろうと思います。  だから、導入の段階で、先ほど申し上げた必要性、そういったことを勘案しながら、大きく方向転換をしていくのか、そこを拡大していくのか、慎重かつ、生産性の向上では大きく寄与する一つの施策でございますので、引き続き検討してまいりたいと考えております。 168 ◯大久保委員 わかりました。 169 ◯郷原委員長 ほかにありますでしょうか。    [「なし」という者あり] 170 ◯郷原委員長 ほかにないようですので、この件は終了いたします。  次に、そのほかの県政一般の質問をお願いいたします。 171 ◯ふくし山委員 先ほど、新川の流域に係る質問を少しさせていただきましたけれども、今後の新川の河川改修、現在のところから上流部にかけてのスケジュールというのは計画はどうなっているか、お示しいただけませんか。 172 ◯松元河川課長 新川の整備についての御質問でございます。  委員、先ほどおっしゃっていただきましたとおり、新川につきましては、現在、平成二十六年度までに新天神橋のかけかえ工事を完了しておりまして、これまでに河口から新天神橋までの約四・二五キロメートルの河道拡幅工事を終えたところでございます。引き続き、市道田上橋までの約三百メートルにつきまして、地元の住民の方々の理解を得ながら拡幅工事を進めることとしているところでございます。  今現在は、JR田上橋の改築に着手しておりまして、平成三十年度に基本協定をJR側と結びまして、基本協定の実施期間自体が平成三十年から令和八年までになってございまして、この間はJRの田上橋の整備を行うことになろうかと思います。  その後、下流側ということで、市道田上橋のほうに向かって整備を進めていくというスケジュールとなってございます。 173 ◯ふくし山委員 全体計画とスケジュールですけど。 174 ◯松元河川課長 全体計画自体につきましては、大峯橋までの六・八五キロになってございます。  スケジュールとしましては、先ほども申しましたように、今現在、JR田上橋のほうで令和八年までということで整備を行って、市道田上橋までの整備をまずは行う、ということで考えてございまして、その後、上流側への整備を進めていくということになるかと思います。 175 ◯ふくし山委員 今の時点で細かくはお話できないのかもしれませんが。  それと、ここには主要地方道鹿児島東市来線、県道が川沿いにあるわけですけれども、ここについての整備予定というのはないんですか。  まず、整備予定の前に、今のあの状態をどのような認識をお持ちなのか。 176 ◯坪田都市計画課長 鹿児島市におきまして、田上地区について土地区画整理事業を検討するということが市の第五次総合計画に記載をされております。その中で、道路についてもあわせて検討が行われるものと考えております。以上でございます。 177 ◯ふくし山委員 今、大変狭いですよね、幅員もですね。あの状況をどう見ておられるかということです。  もう少し詳しく申し上げますと、例えば、田上温泉センターからずっと道路の幅員が入った図面を以前いただいて、見ているんですけれども。  この幅でいくと、五・一とか四・五、四・六、四・七とかそういった幅員のところが結構あります。  例えば、バスとかそういった大きな車の幅を見ると、二・五メートルぐらいあるわけですね。これが離合すると五メートル以上ある、しかも、ミラーが両側についていて、なお広く、離合もままならないというような状態が続いているということですね。  そういった状況をどうお考えになるかということと、あそこの車の通行量がどれぐらいあるかということもお示しをいただきたいと思います。通行量は、武岡入口で調査がされていると思いますけれども。 178 ◯橘木道路維持課長 今、委員の御指摘いただいております県道鹿児島東市来線、特に、田上橋交差点付近から田上小入口付近につきまして、幅員の狭い箇所がございます。  そこにつきましては、交通安全対策といたしまして、まずは通学路となっている歩行区間につきまして、カラー舗装を平成二十八年度に行ったり、あるいは大型車の離合などの注意を促すために「スピード落とせ」というような路面標示やら標識の設置を平成二十八年度、三十年度に行うなどの安全対策を実施しているところでございます。  あと、もう一つの交通量でございますが、平成二十八年に行った交通量調査によりますと、十二時間で八千四百台という…済みません、ちょっと、暫時休憩をお願いします。 179 ◯郷原委員長 暫時休憩いたします。         午後二時十五分休憩      ────────────────         午後二時十六分再開 180 ◯郷原委員長 再開いたします。 181 ◯橘木道路維持課長 交通量につきましては、現在、手元に資料がございませんので、後ほどお答えいたします。 182 ◯ふくし山委員 以前調べた中では、武岡入口あたりで約九千台ぐらいですね、二十四時間というおおむねそういった数字ではないかと思いますので、それはそれで結構です。それが間違いがなければですね。  そういう状況にあって、先ほど答弁がありましたように、確かにいろいろな工夫はしていただいていると思います。  そうなんですけれども、結局かなり狭い状況が続いている。バスも少し道路面が引っ込んでいるところがあると、そこにタイヤが入るとぐんとバスが揺れるわけです。それでガードレールに当たったり、下手すればほかの車に当たるというようなこともあって相当気を使う。日常走っている路線バスの乗務員の人たちは大体そういう状況をわかっているので、「この時間は向こうからバスが来るからここで待とう」とかそういう対応ができるんですけど、そうでないトラックが入ったり、よそからの、例えば観光バスであるとか貸切バスが入ると、そういう離合の仕方ができなくなってしまったりするわけですね。それで、このまま放置していていいのか、と思ってお尋ねしているわけです。  ですから、今の状況についてどういう御認識なのかということと、田上の面的整備と一緒にやりましょうということをおっしゃるんだけれども、では、田上の面的整備っていつから始まるんですかということもお聞きをしたいんです。 183 ◯坪田都市計画課長 土地区画整理事業につきましては、事業主体が鹿児島市ということもございまして、私どものほうで、いつからということを正確に申し上げることはできないところでございますが。  先ほども申し上げましたとおり、第五次総合計画、これが平成三十三年度までの計画となっておるようでございます。この計画期間において、土地区画整理事業の検討を進めますということで計画に記載をされております。  また、昨年の十月に森市長の定例記者会見の中でも「国の補助制度の動向、財政状況など慎重に見きわめながら判断をしていきたい」というコメントを報道等により確認をしております。  一応、私どもでいつからということは、今申し上げられないということで御理解いただきたいと思います。 184 ◯ふくし山委員 まあ、そうだと思います。今、鹿児島市もほかにも区画整理事業を進めていますので、直ちにあそこに着手できるということではないと思っているんですけれども。  では、先が五年後なのか、十年後なのか、あるいは二十年ぐらいかかるのかということですね。そうしたときに、このままの状態でいいのかと思うわけですね。  ですから、今ここで「こういった方法がありますよ」という御答弁はいただかなくても結構なんですけれども、何らかの形で、例えば少し幅員を広くして通行がしやすくなるとか、人間の通行の安全を確保するとかいったような方法がないものかですね。例えばガードレールの設置の仕方とか、それも今、土のうが積んであったりしますので、いろいろな意味で難しさがあるんだろうと思いますけれども、ぜひ、それを。  私は面的整備を待つというよりは、できることであればそういった工夫がほしいと。全区間じゃないわけですね、大丈夫なところもありますので、そういったことに少しいろいろ工夫をしていただきたいというふうに思っているんですけど、いかがですか。 185 ◯橘木道路維持課長 今、委員から御指摘の現場につきましては、委員からも御指摘がありましたとおり、隣は新川。河川と、あとは反対側には建物が密集しているということで、なかなか用地を広げるというところが難しいところがございます。  そうした中で、これまで県といたしましては、先ほど申しましたような路面標示あるいは標識の設置等々などの安全対策を進めているところでございますが、引き続き現在の敷地内でどのような安全対策ができるかというのは検討いたしまして、現在のところ、いい案があるわけではございませんが、引き続き案の検討というのは進めてまいりたいと思います。 186 ◯ふくし山委員 直ちに解決するような方法が、今は恐らくないと言ってもいいんじゃないかと思います。  ですが、何らかの形で工夫ができるものであれば、面的整備は随分先の話になるだろうと思いますので、ぜひ、お考えをいただきたいと思います。  引き続き、もう一点だけ、お伺いしてよろしいですか。 187 ◯郷原委員長 どうぞ。 188 ◯ふくし山委員 旧木材港の埋め立ての問題ですね。  これが埋め立て免許の申請をして、今、縦覧というようなところまで行っているわけですが、この公有水面の埋め立て免許の申請手続ですね、手続の流れをちょっと御説明いただけませんか。 189 ◯黒川港湾空港課長 公有水面埋め立ての手続のお話でございます。  八月二十七日、公有水面埋め立ての免許申請の告示、縦覧を開始いたしました。その免許、縦覧図書につきましては、九月十七日まで縦覧を行いました。今後、縦覧した図書につきましては、鹿児島市の意見聴取を行います。その意見聴取を行って、免許権者である鹿児島県が免許を行うという手続になっております。縦覧については、九月十七日までで終了したというところでございます。 190 ◯ふくし山委員 そういう流れになっているわけですが、こういう新聞記事を見て、ちょっと思い出したのはマリンポートのことを思い出したわけですね。  私がまだ市議会にいるころですけれども、マリンポートの問題で、あの上には「国際会議場をつくりますよ」と言って、「年間七十数億円の経済効果があります」といったようなことを県がおっしゃったので、本当にそうなのかという議論を大いにした記憶があるわけです。それをふと思い出してしまったんですね、この中にですね。事細かに免税店とか飲食店とかそういったものを計画していますよ、ということなんですが。  これは例えば、多目的交流施設用地であるとか多目的交流広場とかいったようなことで、北側と南側とですね、そういった表現でとどめることはできなかったんですか。それでは縦覧に耐えられないというのか、あるいは何か鹿児島市の意見として認めてもらえないというのか、そういったことになるんでしょうか。 191 ◯黒川港湾空港課長 委員おっしゃるとおり、今回、議会の中で説明した項目としましては、多目的交流施設あるいは多目的交流広場というところまでを御説明いたしました。  実際、埋め立て申請書の中では、多目的交流広場敷の面積あるいは交流広場敷の面積、施設敷と広場敷の面積というのは絵づら上は出てきます。ただ絵の中の一つの根拠として、どういったものが積み上がってくるのかというものが一つポイントになります。  そうであれば、例えば、こういうものがありますというところを例示として記載したというのが実情でございまして、ほかの施設があるとすれば、駐車場が何台必要で、そのときの面積が幾らだと、そういったものが積み重なったものがあの絵づらですよ、というところの説明の中が申請書の中に出てきているというところでございます。  ちなみに、埋め立て申請の中で、図面上で出てきているのは交流広場敷と施設敷の絵だけでございまして、例えば完成予想図とかパースとかそういうものは申請書の中には出てまいりません。  以上です。 192 ◯ふくし山委員 本来、建設残土で埋め立てていくと。一番の目的としては、この建設残土をどう処理するかということがあってここを活用しようと、さらに、今おっしゃったように、多目的交流施設とか交流広場とかこういったもので何らかの活用をしていこうといったようなことだと思うんですよね。  そこになぜ細かく施設を示さないといけなかったのか。私は示す必要はないと個人的には思ったものですから。極端に言えば、「これは本当にそうなんですか」という話で、詰めて、詰めてこういった施設を計画をしたのか。もっと言えば、この用途に合うような面積とか大きさとかいったものでとりあえず建物を並べてしまった、というようにしか思えないわけですよね。  これは早ければ縦覧が終わって、十二月議会ぐらいで鹿児島市議会にもまた提案されるかもしれません、議案としてですね。そうされたときに、むしろ、そこが議論の焦点になってしまうようなことになりかねないわけです。そのときに、じゃ、県はどういう説明をしているんだということになりかねないわけですよね。  ですから、私はこういうときは真っすぐ必要なことを、これは鹿児島市にとっても、道路の、今進めている工事は必要なことで重要だと思っているわけですね。  ですから、大変失礼ですけれども、何か、ちょっと余計なことを書いてしまっているんじゃないかなという気がするんですけれども。  逆にこれが問題になるかもしれないとちょっと心配しているんですが、どうでしょうか。 193 ◯黒川港湾空港課長 マリンポートかごしまのときも、それこそ国際会議場という施設があって、それが先行した形で議論が進められた経緯がございます。  今回も、例示で出した施設があたかも実現するような感じで表に出てきてしまっております。  ただ、これは具体の土地利用を決定したものではございませんということで、これまで議会等でも御説明しておりますので、鹿児島市等から問い合わせがございましたら、丁寧に、こういった部分について御説明申し上げて、主たる目的は公共事業の残土の受け入れ場所、ここが主たる目的でございますと。  そして埋め立て後の土地利用については、その後、県民や県議会の皆様と一緒になって考えていきましょうということ、それと十三年後の話ですので、社会経済情勢が変わっておりますので、そのときに議論していきたいというような話で、丁寧な説明をしていきたいというふうに考えております。 194 ◯ふくし山委員 このことをくどくど申し上げてももう縦覧も終わっておりますので。  今、課長から御答弁がありましたように、これが鹿児島市議会で議論がなされるとき、それ以前にも、もしかしたらちゃんと市の建設局とは、そういった説明をしっかりとしておく必要があるんじゃないかなと思うんですよね。  どうしてもあれに書いてしまうと、「ちゃんとそこに縦覧されているじゃないか」というようなことになりますので、その説明はしっかりできるように準備をしておいたほうがいいと思いますので、一言申し上げておきたいと思います。以上です。 195 ◯郷原委員長 ほかに質問ありますでしょうか。 196 ◯いわしげ委員 きょういただきました土木部のこちらの資料の六ページに、鹿児島港の件で、マリンポートの浮き桟橋が完成して、八月に完成記念イベントがあったということなんですけれども、この浮き桟橋についてなんですが、こちらは幅がどれぐらいなのか、長さがどれぐらいなのか。また、総事業費が幾らなのか。  それと、「クイーンズしろやま」さんも係留されたと思うんですけれども、「クイーンズしろやま」さんの規模の船が何隻ぐらい同時に浮き桟橋に係留できるのか教えてください。
    197 ◯黒川港湾空港課長 八月の末に完成記念イベントを行いました浮き桟橋の件でございます。  設置してある浮き桟橋の大きさです。三十二メートル掛ける十四メートルの大きさの浮体、浮かんでいるものでございます。  「クイーンズしろやま」は十九トンという船の大きさでございまして、片側に一隻、そして両側に二隻、その程度着けられるというような規模の浮き桟橋でございます。  それと、事業費でございます。四千五百万円というところでございます。  もう一つ、つけ加えさせていただきます。  今回の浮き桟橋につきましては、新しくつくったわけではございません。もともと北埠頭に高速船のためにあった浮き桟橋、それを高速船ターミナルができた関係で、その間、不要になりましたので、平成十九年以来不要になったので、木材港に保管していた浮き桟橋でございます。本当に新設でつくることになるとすれば数億円かかると。例えば高速船ターミナルにある浮き桟橋は五億円かかって約三年かかっているというところでございますので、今回の場合は、約四千五百万で構想を発表してから約半年ちょっとででき上がったというものでございます。 198 ◯いわしげ委員 何でお尋ねしたかといいますと、臨港道路を今整備していただいているところではございますが、今度、マリンポートにロイヤル・カリビアンがまたもう一つクルーズ船のターミナルをつくられると。  そうなると、同時に一万人ぐらいの方々が、あの場所におりられる可能性がある中で、まだ臨港道路も整備が終わっていなければ、その方々が同時に着くということが何回あるかわからないですが、一隻来ただけでも百二十台ぐらいバスが出てしまうという中で、道路が整備されるまでの間には何かしらの方法で、大量に来られたお客様方を迅速に観光地にお運びする手段を、今のうちから考えて準備しておかなければならないのではないのかなと思いまして。  それを考えたときに、浮き桟橋ができたということだったので、先日、米丸委員からもありましたけれども、ウォータータクシーですとかそういったものでクルーズ船で来られたお客様方をどんどん観光地にお運びするような仕組みを考えておかないといけないなと思ってお尋ねしたところだったんですけれども。  今回は、既存にあったものを活用したということで迅速にこれぐらいの価格でできたということなんですけれども、臨港道路ができるまでにもまだまだ時間がかかるということでしたので、皆さんでいろいろなアイデアを出していって、「鹿児島に来たはいいが、結局どこにも観光地に行けなかった」と言われないように準備しておかなきゃいけないなと思ってお尋ねしたところでした。  いいですか。次、行かせていただきます。  吉野公園で、どこから行きましょう。少し話を戻します。  志布志に「さんふらわあ」が到着します。その「さんふらわあ」の中にはドッグランがあるということで、大阪から来られる方々がペットと一緒に来られるわけです。では、大阪から来られた方々は、志布志に到着されてから鹿児島に来られてどこに行くかというと、やはり吉野公園に行かれることが多いということです。ですが、実は吉野公園が犬の持ち込みが禁止だということがあります。  また、鹿児島市に御在住の方々も、鹿児島市で犬を飼っていらっしゃる方がお散歩以外でドッグランどこに連れていくかといいますと川辺か西別府ぐらいしかないということです。  川辺は、本当に規模が大きくて四千百平米ぐらい、西別府が一千四百五十平米ぐらいなんですけれども、「吉野公園にドッグランがあればすごい助かるんだけど」というお声もいただくわけです。吉野公園が三十・九ヘクタールもあるので、そのうちの一部をドッグランとして御活用いただけるようなことというのは今後御検討いただけないものかどうか、お尋ねいたします。 199 ◯坪田都市計画課長 吉野公園のドッグランとしての活用可能性についてということでお尋ねをいただきました。  いろいろな御意見、利用者の方から御意見等々をいただいておるところでございますが、現在、指定管理者のほうで実際の管理・運営をお願いしているところでございます。今、いただきましたような御意見が現実、現場レベルでどういうふうな意見等があるのか。それから、仮にドッグラン等を整備するような、あるいは犬ですので囲いが必要なのかどうなのかも含めて少し指定管理者のほうとも話をして、現状を確認してみたいと思います。 200 ◯いわしげ委員 「さんふらわあ」さんでもすごく御尽力いただいて、大変すばらしいドッグランを船の中につくっていらっしゃるので、それでせっかく連れてきたのに鹿児島でペットを遊ばせることができなかったって思われると残念だなとも思いますので、ぜひ御検討のほどをよろしくお願いいたします。  続けて、あともう一つ。  もしかしたら、こちらではないかもしれないんですが、「かんまちあ」からベイサイドのほうに徒歩で移動できる道路がなくて、例えば「かんまちあ」から石橋公園とかに行くと、JRがあるので、ぐるっとすごい距離を回って行かないといけない、ということなんですけれども。  なので、いろいろな方から、「「かんまちあ」からベイサイドに陸橋をつくれないのか」という話を聞くんですが、県でどうこうできる話じゃないような気もするんですけれども、こんな話を何か聞かれたことはありませんか。 201 ◯坪田都市計画課長 陸橋のお話といいますか、鹿児島駅周辺地区におきましては、現在、鹿児島市さんで周辺地区の駅の一体的なまちづくり、そういった形で駅の改修事業でありますとか、鹿児島駅周辺の道路の歩道の高質化等々を行っていると認識をしております。  今、お尋ねのありましたような事例が具体に検討されたのかどうか。要は、陸橋で反対側に渡るということがどうなったのかというようなことについても、連続立体交差という形になろうかと思いますけれども、これが検討されたというお話は、中には一部そういった話もあったとは聞いてはおります。  しかしながら、鹿児島市が主体となって考えている事業でもございまして、私どもで具体的にどうこうという情報は、それ以上は聞いていないところでございます。 202 ◯いわしげ委員 「かんまちあ」は最近結構ファミリーの方々が行かれるんですけれども、その方々が、例えば夏とかに石橋公園の水場で遊ばせたいんだけれども、そこまで行くのに、電車で行った際とかに、すごく回って歩いて行かないといけないのが夏に大変厳しいとかいうお話もあります。県の施設として石橋公園もありますので、そこを最大限県民の方に御活用いただくためにも陸橋か何かしらが必要なんじゃないかなと思いますので、今後、市といろいろお話される際に御検討いただきますようよろしくお願いいたします。以上です。 203 ◯郷原委員長 ほかに質問はありますでしょうか。 204 ◯伊藤委員 私から二点お聞きします。  工事が発注されて、いろいろな部分の工事が行われますけれども、交通誘導員の不足が叫ばれていまして、交通誘導員がいないと工事がなかなか進まないという話がいろんなところで聞こえてきます。  その部分で交通誘導員の確保が難しい、いろいろな工事の中で工事をやる人もそうなんですけど、工事をやる人をそろえても交通誘導員がそろわないとまた工期がおくれてしまうという部分の問題について、県としてはどうお考えになられますか。  有資格者を必要としない道路等では、自社のところでそれができないか、といういろんな要望等もお聞きしたりもするんですが、それについてどういう御見識があるのか教えてください。 205 ◯徳留技術管理室長 交通誘導員についての御質問でございました。  私どもが公共工事を発注する際に、現道で作業をする場合に交通誘導員の設置ということを、さまざまな条件の一つとして設けているところでございます。  交通誘導員のまず不足につきましては、近年のさまざまな産業全体における担い手不足の中で、警備員の確保というのも非常に難しいというのはここ数年聞いておりまして、これは全国的な課題になっているようでございます。  交通誘導員の配置につきましては、平成十六年だったと思いますけれども、警備業法が大きく改正されたときに伴いまして、警備員については資格、そういった人たちを適正に配置しようというような大きな流れの中で動き出した制度となっております。  そうした中で、私どもも工事を発注する際には交通誘導員というのを配置する、それは現道で作業をする場合には作業許可というのを所管の警察署に提出をして許可を受けて作業をしてもらうというような手続も必要になっております。警察との協議の中で、適正な交通誘導、人による誘導ということを前提に、作業中の円滑な交通確保と安全確保ということをしっかり確保していこうということで、平成十九年度ごろから、ここ数年の適正配置という取り組みを行っているところでございます。  こうした中で、先ほど申し上げた人的な不足というのが、今、大きな課題になっております。  建設業界からお聞きしますのは、工事を受注してから交通誘導員を確保しようということで警備会社等に問い合わせてもいないというようなことで、建設会社がやもなく工程を見直すと、配置に合わせて工程を見直さざるを得ないというような大きな問題が、今、出てまいっております。  現在、先ほど全国的な問題と申し上げましたけれども、私ども県といたしましても、その交通誘導員の適正な確保と申しますか、こういった担い手不足の中でどの程度の人員配置が妥当かということを警察あるいは警備業協会との協議を今進めておりまして、どういった配置、要件が適正かということを今検討しているところでございます。 206 ◯伊藤委員 ありがとうございました。  もう一点、お願いします。  国道や県道における街路樹の伐採の件なんですけれども、私どもは北薩地域振興局内でいろいろとやっているんですけれども、以前は、年二回ぐらい伐採できていた街路樹等の伐採事業が、現在予算が縮小されて年一回ほどしかできないということが結構多いんですよね。  それで、いろいろな苦情が、我々でしたら出水市当局だったり、直接我々に来ることが多くて、なかなか予算配分がしっかりできていないんじゃないかなという部分があります。  その中で、振興局ごとの割合が、北薩地域振興局は伐採の割合が少ないんじゃないかという話が非常に上がっていまして。  伐採に係る予算の振興局単位での割合状況というのはわかりませんでしょうか。事業者から非常にその声が上がっていまして、確かに本当に低木とかがどんどん、中から草も生えてきて非常に道路状況も悪くなっている部分もあるんですよね。 207 ◯橘木道路維持課長 県管理道路の植樹あるいは草刈りについてでございますが、今、県道のほうに苦情というのが年間約五千件ほどございまして、その二割が草刈り伐採に関するものでございます。  これらに対応するために草刈りをやってはいるんですが、なかなか予算が追いついていないところがございまして、北薩ということではございませんで、全県的に、おおむね一回ぐらいしか年にできていない状況というのがございます。  今、お尋ねのありました振興局ごとの割合というのは、ちょっと手元に資料はないのですが、特にどこの振興局というよりも、大体、管理延長等々を踏まえまして、年間同じような割合で配分しておりますので、特にどの地域が少ないということはないかと思いますが、全県的に年に一回しかできていないという状況にあるところでございます。  このことから、あらゆるコストの縮減といたしまして、除草剤の使用であるとか、あるいは張りコンクリートによる防草対策の推進あるいは道サポート推進事業を踏まえたボランティアの活用等々あらゆる取り組みを行いながら、できるだけ草刈り等々が進むようにしているところでございます。 208 ◯伊藤委員 同じような予算配分をされているというのは理解できます。その中で振興局ごとの配分の中で予算配分をまたされていると思うので、またそこは振興局ともお話をしていきたいと思います。  その中で、権限移譲という形で、県道だったり、そういう部分で市町村から求められた場合に、県としてはスムーズに権限移譲をするという形がとられますか。 209 ◯橘木道路維持課長 道路の管理に伴います権限移譲につきましては、道路の維持管理、例えば草刈り等々の維持補修あるいは交通安全施設の維持、あと路傍樹、街路樹のことですけど、その管理というものの権限移譲につきまして、市町村さんと協議をしているところでございまして、市町村と協議が整いましたところから順次権限移譲を行っているところでございます。  我々としましては、地域住民に身近な事務というのは、可能な限り住民に身近な市町村において処理していただくということが望ましいと考えておりまして、市町村さんのほうから権限移譲していただけるということであればそれに向けた協議をしているところでございます。 210 ◯伊藤委員 その権限移譲についてですが、この一キロ区間だけ権限移譲とか、そういった分割権限移譲ということも可能でしょうか。  それに伴いまして、権限移譲する際に県がやる予算というのがあるじゃないですか、その予算という部分を市町村に配分されるという形で認識してよろしいんでしょうか。 211 ◯橘木道路維持課長 権限移譲につきましては、今、委員からありましたように、ある区間、その市町村内の全区間ということではなく、例えば、駅前のこの路線だけとか、そういう権限移譲というのも実際取り組んでいるところであります。  その権限移譲する延長に基づきまして、算定した交付金をそれぞれ交付して、あと維持管理をお願いしているところでございます。 212 ◯伊藤委員 了解しました。 213 ◯郷原委員長 ほかに質問はありますでしょうか。 214 ◯山田委員 マリンポートかごしま、それ以前は「人工島」と言っていた。部長は、あのときは須賀知事の時代ですから、そのときはもう生まれておられたですか。(笑い声)笑わずにお答えください。 215 ◯兒島土木部長(併)工業用水道部長 私も当時県に入っておりまして、その計画のときにはまだ入っておりませんでしたけれども、実際に整備の段階では私も入庁しておりました。 216 ◯山田委員 執行部の方々も生まれておられたかなという、生まれておられたでしょうけど。  節目節目では、やはりマリンポートかごしま、どういう歴史の中でできたかということを執行部の皆さんは特に温故知新、覚えておかないといけない。あえて私が言います。  あのマリンポートかごしま、人工島をつくるときに何であれを始めたのか。思いつきで始めたんじゃないんですよ。  桜島の野尻川、あそこで年間三十万立米、灰を含めた土石流が流れてくる。河口を初め、空き地という空き地、それから採石場であったり、いろいろな置き場を三十万立米の土石流でずっと埋めていったわけです。もう限界が来た、どこにも置くところがない。  そのときにちょうど、時あたかも国のほうで、国はどういう状況にあったかといえば、公共事業を縮小していかないといけないという財政的にも厳しい時代、そのときに全国で二カ所、ここはフロンティアランド事業という事業に乗っけて承認してもらった。それで、それを利用して三十万立米の土石流を人工島をつくろうということで、そこに着目したわけです。  我々はこれを聞いたときに、こういう話があったんです。岐阜に、議運の行政視察か何かで行っていました。そこに当時の知事から電話が入って、「山田さん、反対派が十七万の署名を集めて人工島に反対している」と。  この一報を受けて、私がバスの中で一緒に行っている先輩議員・同僚議員にバスのマイクを使って言ったのは、「皆さん、ホテルに着かれたら自分の部屋に荷物を持ち込まずに、フロントに預けて、会議場を私が借りていますから、そこにみんな集まってください」と、こういう話だったんです。  それで、バスが着いた。着いたらみんな荷物はフロントに置いて、その会議場に集合してもらった。  「山田さん、何ですか」と、みんなが聞いた。「実はですね、例の人工島の問題で十七万の反対署名が集まっているとさっき報告があった。いかがいたしましょうか」と、いろいろ意見を聞いた。  その中で、主たる意見というのは、「山田、この前、県議会議員の選挙が終わって、人工島も自民党以外の人との対立軸で問題になっても、我々、自民党は、これだけの議席を県議会議員は得ているから、そんなに問題視する必要はないんじゃないか」という意見だった。いろいろ意見が出たんですね。  それを私が聞いて言ったのは、「おっしゃることはよくわかるけど、十七万ですよ、反対の署名が。これを放っておけばひとり歩きして、「人工島反対」という声がどんどん県内に蔓延してくる。そうなってからでは遅いんじゃないか」と、こう言ったらみんな黙られた。  「ほんなら山田、いけんすっとよ」と。私も連絡を受けてから即座に判断したのは、十七万に倍する…、我々は賛成の署名活動をして、そしてこれを打ち返そうと、そういう提案をした。それで、皆さんも覚悟をしてこれから署名活動をしないといけないと。  そして、そうこうしているうちに、今の岩崎芳太郎さんのお父さんの福三さんからも電話が来た。福三さんから電話が来たのは、これに倍する打ち返しをするという我々が覚悟をした、その後ですけど。  そのときに商工会議所から電話が来て、「山田さん、あなたは商工会議所に「二十万の署名を集め」って言っているそうだが、どうなのか。今、アイムビルにみんな集まって、みんなで議論をしているところだ」と。そのときの商工労働部長が迫田さんですよ。  私は、「空港に着いたら、すぐアイムビルに行きます」と、その足でアイムビルに行った。そしたら、福三さんがおられた。執行部では、迫田部長さんがおられた。  そして、私に質問があったのは、「山田さん、あなたは「商工会議所で二十万の署名を集め」と言うが、どういうことか」と言われたから、「それは違う。私が考えているのは、商工会議所も家に例えれば大黒柱の一つだ、あるいは建設業があり、いろいろな団体が自民党を支えている。この人たちを総動員して署名活動をして打ち返しをするんだ」と。  そこで福三さんは安心して「いや、山田さん、私たちだけでそれだけ集めと言われたのかと思って、びっくりしたが」と。  「いや、そうじゃねど。さっき言ったとおりだ」といって、それから署名活動を始めたんです。ちょっと長々なります。そして、十七万の反対署名に我々は自民党七十二万の署名を集めて、これを打ち返したわけです。  それから反対運動というのは、反対派の人たちは声が小さくなった。  そういう中で、今度は須賀知事のお話をしますけど、須賀知事は人工島をつくらざるを得ないと。  そして、例えばその年の六月ごろ、須賀知事はそこの医師会病院、あそこに行って、個人のことを言うのは失礼ですけど、がんが見つかったわけ。  そして、「知事、はよ行たっせい手術をせんと、がんな大変じゃっど」って言ったら、何と言われたかと言えば、「山田さん、私は高齢だ。がんの進捗も遅い。だから、人工島ができ上がるまでは手術はせん」と、こう言われたんですよ。「ええ、じゃっとな」と。  それから、人工島の土石流の運搬が始まった。始まってみたら、毎年三十万立米流れてきてた土石流が今度は雨が降らずに流れんようになったわけです。  「さあ、半分埋め立てたが、いけんすいか」ということで、西之谷ダム、あそこの土砂を運搬しようという話になった。そこで、水搬工法、水で混ぜくって大きい管で流してくる方法とダンプで一台一台運ぶ方法、二つ案が出た。それで、ダンプで運ぶほうをとって、桜島の土石流だけでは足らない分を西之谷ダムから持ってきたわけ。そして、あの人工島というのは定礎式を迎えた。  定礎式のときに、昔の木びき歌ってあるでしょう。あの木びき歌がすごいなと思ったのは、その業者さんが階段をずっとつくって、四人ぐらいで定礎の石をかついで、その木びき歌に合わせておりてこられた。それは厳粛なものだったです。それが終わった。  それが終わってから、その日に、須賀知事は職員の人たちをみんな集めて、「きょうは今までの苦労を」ということで、苦労をねぎらわれた。そして、その二日後、そこの病院に入院されたわけです。  そういう歴史の中で、今のマリンポートかごしま、「人工島」と言うのは品が悪いと、全国から応募をしたんです、「名前を誰かつけてください」と。  そして、どこかの主婦の方だった。その人が「マリンポートかごしま」というので応募をしてくださった。それを採用して、名前がそれから「人工島」と言わずに「マリンポートかごしま」と言うようになった。  そしたら、議会のたびに人工島に反対した人は「マリンポートかごしま」って言わんわけ。「人工島、人工島」って言い続けた。  そして、ある時期から何て言い出したかといえば、「人工島(マリンポートかごしま)」と言い出したわけ。今は堂々とみんなそのときに反対した人も「マリンポートかごしま」と言ってくださるからありがたい。  そして、その使い道にして、あの道路が狭いの、観光客がたくさん来れば混雑するの、いけんすいか、いけんすいかと言われる。  それでも、言うのはいいんです。歴史をちゃんと踏まえた上で、議会と執行部がタイアップして、その歴史の中でできたことをびんたの中に入れて、「さあ、みんなでどうしていきましょうか」というのが、議会と執行部の置かれている立場だと思うんですよ。  だから、長々語りましたけど、私が今語ったことに対して部長の見解をお聞かせください。 217 ◯兒島土木部長(併)工業用水道部長 今、お話を聞きまして、マリンポートかごしま、いろいろな経緯の中ででき上がって、本当にすばらしい港ができていると思っております。  また、クルーズ船観光客の方々も、あの広大な敷地、広場の奥のほうに錦江湾を挟んで桜島が見えるということで、本当に一大観光地となってございます。  先輩方が築き上げたこの施設を生かしていくのはやはり我々の責務だと思ってございますので、また県議会の皆様と一緒に意見を交わしながら、よりいい港にしていきたいと考えております。  よろしくお願いいたします。 218 ◯郷原委員長 ほかに質問はありませんか。    [「なし」という者あり] 219 ◯郷原委員長 ほかに質問がありませんので、県政一般を終了いたします。
     以上で、当委員会に付託されました議案等の審査は全て終了いたしました。  委員長報告につきましては、文案等は当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 220 ◯郷原委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。  次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条の規程に基づく、閉会中の委員会活動に関する継続審査事件についてお諮りいたします。  請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件については、県政の重要計画について、交通情報通信体系の整備について、観光振興対策について、県土の保全及び生活環境の整備についての四項目といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 221 ◯郷原委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたしました。  以上で、当委員会の日程は全て終了いたしました。  これをもちまして、企画観光建設委員会を閉会いたします。  御苦労さまでした。         午後三時二分閉会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...