鹿児島県議会 2019-06-24
2019-06-24 令和元年産業経済委員会 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過
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午前十時開会
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◯西高委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから
産業経済委員会を開会いたします。
この際、御報告いたします。
傍聴について二名の方から申し出があり、これを許可いたしました。
本日は、
農政部関係の審査を行います。
初めに、農政部長の総括説明を求めます。
2 ◯満薗農政部長 おはようございます。
それでは、お手元に配付してございます
産業経済委員会資料、下のほうに農政部とあります資料に基づきまして御説明申し上げます。
一ページ目をお開きください。
I 主要施策の
進捗状況等の主なものについて御説明申し上げます。
一、食育及び地産地消に関する施策の、かごしまの“食”
交流推進会議につきましては、「かごしまの味」の普及を初めとする食育・地産地消やかごしまの
農林水産物認証制度の普及・拡大などの食の安心・安全の確保に向けた取り組みを進めるための会議を開催したところでございます。
次の二、安全で安心な農畜産物の安定供給に関する施策の、かごしまの
農林水産物認証制度いわゆるK─GAPの推進につきましては、安心・安全な県産
農林水産物を生産し、消費者からの高い信頼を確保するために、K─GAPの普及・拡大を図っているところであり、五月末時点で六十五品目、二百七十一団体・個人の三百二十一件が認証されております。
二ページをお開きください。
上のほう、食品表示に関する普及・啓発及び監視の取り組みにつきましては、
メールマガジンや
食品関連事業者等に対する講習会により普及・啓発を図ったほか、
食品表示相談への対応や
食品関連事業者に対する
食品表示実態調査を実施したところでございます。
次の三、担い手確保・育成に関する施策の
農業参入企業現地研修会につきましては、企業等の農業参入と定着を促進するため、五月二十八日に、農業に参入した企業等を対象に研修会を開催したところでございます。
三ページをごらんください。
一番上の、農協が行う
農作業請負方式技能実習の取り組みにつきましては、
農業協同組合が農家から農作業を請け負った圃場や農協の施設を活用して外国人の技能実習を行う
農作業請負方式技能実習について、九州で初めて
鹿児島いずみ農業協同組合が八月から開始する予定でございます。
次の第四十二回県立農業大学校入学式につきましては、四月十日に実施したところであり、今年度は、研究部門も合わせて九十二人の入学者があったところでございます。
次の鹿児島県
農業青年クラブ連絡協議会リーダー研修会につきましては、
県農業青年クラブが、リーダーとしての資質向上と
クラブ活動の活性化を図るため、五月十日に、各
地区農業青年クラブ代表が一堂に会し、研修会を開催されたところでございます。
四ページをお開きください。
農作業安全対策の推進につきましては、広く県民への農作業事故の未然防止と安全対策の周知を図るため、農繁期の四月から六月までを「春の農作業事故ゼロ運動」として位置づけて、研修会や
啓発活動等を実施しているところでございます。
次の四、農地利用、基盤整備等に関する施策の
農地中間管理事業の推進につきましては、
農地中間管理機構を初め関係機関・団体と一体となり、担い手への農地の集積・集約化を進めております。
その結果、平成三十年度末の
農地中間管理事業による貸借面積は、累計で八千四百四十四ヘクタールとなり、担い手への集積率は四二・四%となったところでございます。
五ページをごらんください。
大
規模畑地かんがい事業の実施状況につきましては、国営事業と県営事業の連携を図りながら、県下五地区で大
規模畑地かんがい事業に取り組んでいるところでございます。
次の五、生産振興、販売・流通等に関する施策の、
かごしまブランド推進本部会議につきましては、近年の産地・消費地の環境の変化等を踏まえて見直した、新たな制度に基づく今後の産地づくりや販路拡大に向けた
取り組み方針等を検討するため、五月二十八日に開催したところでございます。
六ページをお開きください。
かごしまブランド団体の認定につきましては、本年度から本格運用を開始いたしました新たな
ブランド制度におきまして、新規品目のらっきょうや
パッションフルーツなどを含む四十四品目を指定するとともに、
かごしまブランド産品を生産・出荷等する団体を、本年五月二十八日時点で、野菜十八団体、花卉五団体、果物十三団体、お茶九十一団体、畜産二十八団体の合計百五十五団体認定をしたところでございます。
次の一番茶の
取引状況等につきましては、県茶市場における本年産一番茶の取引が五月三十一日に終了し、平均価格が前年比一〇一%の一千八百六十五円、取引数量は前年比九〇%の三千五百三トンとなりました。
また、
かごしま茶の知名度を高め、消費拡大を図るため、
新茶試飲販売やかごしま百円茶屋など
各種イベントを開催したところでございます。
次に、七ページをごらんください。
平成三十年産さ
とうきびの生産実績につきましては、昨年九月末の台風等の影響を受けたことから、県全体の生産量で平年比九二%の四十五万三千トンとなったところでございます。
次の
農作物奨励品種選定審査会につきましては、本県の気象条件に適した優良な品種を普及するため、審査会を開催し、
でん粉原料用サツマイモで一品種、水稲で一品種、飼料作物で二品種の合計四品種を新たに奨励品種に選定したところでございます。
八ページをお開きください。
第十二回
全国和牛能力共進会鹿児島大会に向けた取り組みにつきましては、一、第十二回
全国和牛能力共進会県推進協議会通常総会において、肉牛の部の交配種雄牛を選定するとともに、優良雌牛への計画交配など、出品対策を推進することを決定したところでございます。
二の第十二回
全国和牛能力共進会県実行委員会定期総会においては、
会場レイアウトや全体事業費の概算などの基本計画を策定するとともに、気運醸成を図るため、マスコットキャラクターの公募やPR活動に取り組むことを決定したところでございます。
次の鹿児島県
農林水産物輸出用統一ロゴマークにつきましては、県産
農林水産物の海外での
認知度向上及びさらなる輸出拡大を図るため、平成三十一年三月に
輸出用統一ロゴマークを決定し、国内外での商談会などで使用するはっぴなど、PR資材の作成をしたところでございます。
ロゴマークにつきましては、今後、海外での商標登録を行うとともに、販売商品への活用を促進していくこととしております。
次に、鹿児島県
農林水産物輸出促進ビジョン推進本部会議につきましては、同ビジョンの実現に向け、その司令塔となる
推進本部会議を開催し、今年度の
取り組み等について協議したところでございます。
今後とも、関係部局と連携しながら、同ビジョンに基づく具体的な取り組みを着実に実施することとしております。
九ページをごらんください。
一番上のGFP超会議二〇一九 in Kyusyuにつきましては、農林水産省が推進する日本の
農林水産物・
食品プロジェクト(GFP)の取り組みの一環で、輸出に意欲的な事業者等の交流を通じて
輸出ビジネスの創出を目指すワークショップが、六月十四日、東京に次ぐ二カ所目の開催地といたしまして、本県で開催されたところでございます。
次の「かごしまのマンゴー」の
知事トップセールスにつきましては、
かごしまブランド産品の
認知度向上と、「かごしまのマンゴー」の消費拡大に向けた母の日贈答用等の需要喚起を図るため、四月二十七日に鹿児島市において
知事トップセールスを実施いたしました。
次の鹿児島県“
東京オリンピック・
パラリンピック”
食材供給促進協議会につきましては、二〇二〇年に開催されます
東京オリンピック・
パラリンピックへの県産食材の供給や販路拡大に向け、
オール鹿児島で取り組むための協議会を五月二十八日に開催したところでございます。
十ページをお開きください。
オーストラリアにおける「KAGOSHIMA WAGYU」
販売指定店証授与式につきましては、
オーストラリアの和食店「WAGYU─YA」を販売指定店第一号店として指定したところでございます。
次の、新たな牛肉輸出先の開拓につきましては、
鹿児島和牛が全国で初めて、ブラジルへ商業用として、またウルグアイへ商談・イベント用として輸出をされました。
次の、
大隅加工技術研究センターにおける
取り組み状況につきましては、
食品加工事業者等による県産農産物の
付加価値向上に対する取り組みを支援するため、加工に関する技術指導や各種相談への対応、センターの機器を活用する
実技セミナーなどを開催したところでございます。
十一ページをごらんください。
六、生産性向上に関する施策の、
スマート農業の現地実装の加速化に向けた国の
公募型研究事業につきましては、本県からは、
ロボット技術を活用した茶の摘採機や、
ハウス内環境の自動制御によりピーマンの収量・品質の向上を図るシステム、自動操舵の
トラクター等を活用した中山間地域での水田営農など,九州では最多の五件が採択されたところでございます。
次の、
原料用さつまいもの病害対策につきましては、国等との共同研究による疫学調査の結果を踏まえ、対策技術に関する会議を三月二十八日に開催したところでございます。
また、昨年十二月に本県で初めて確認されたサツマイモ基腐病が一部の育苗ハウスにおいて発生したことから、四月十八日に
関係機関等を集め、病害株の判定方法や効果的な苗消毒等に関する説明会を開催したところです。
被害軽減に向けまして、苗消毒や
排水対策等の実証圃を設置するとともに、
農業開発総合センターにおいて、
農薬メーカー等とも連携して、農薬の登録拡大に向けた試験に取り組んでいるところでございます。
十二ページをお開きください。
ミカンコミバエの
侵入警戒対策等に係る説明会につきましては、平成二十九年度屋久島において、
ミカンコミバエの誘殺が確認されており、海外からの飛来等のリスクが高まっていることから、
ミカンコミバエの定着防止を図るため、市町及びJAの担当者を対象に説明会を開催したところでございます。
次に、瀬戸内町で確認されました
ミカンコミバエへの対応につきましては、六月二十日に瀬戸内町与路で
ミカンコミバエ一匹の誘殺が確認されたことから、国の
対応マニュアルに基づき、翌二十一日に
現地対策会議を開催し、トラップの増設や寄主植物の調査、誘殺板の設置など、初動対応をとっているところでございます。
与路島では、ポンカンや
かんきつ類等の経済作物の作付はないところでございますけれども、大島本島など他地域への拡大防止のため、初動対応を徹底してまいります。
次の
家畜防疫対策につきましては、国内での豚コレラの続発や、ゴールデンウイークを迎えるに当たり、口蹄疫や
豚コレラ等の家畜伝染病の侵入が危惧されることから、
侵入防止対策に万全を期すため、口蹄疫・
豚コレラ等防疫対策会議を開催したところでございます。
次の、水際防疫に係る啓発活動につきましては、
動物検疫所鹿児島空港出張所と連携して、
鹿児島空港国際線ターミナルにおいて、旅行者等への啓発活動を実施したところでございます。
十三ページをごらんください。
動植物の
水際防疫対策につきましては、農林水産省が、
アフリカ豚コレラ等の
越境性動物疾病、
ミカンコミバエなど病害虫の
国内侵入防止対策の一環として、六月下旬に
鹿児島空港に
動植物検疫探知犬一頭を導入し、旅客が所持する畜産物及び植物の探知活動を開始することとなったところでございます。
次、七の
農業災害防止等に関する施策の野生鳥獣による
農作物被害額につきましては、平成三十年度の野生鳥獣による
農作物被害額は約三億八千万円で、対前年度比九七%となったところでございます。
次の八、農村振興に関する施策の共生・協働の
農村づくり運動表彰事業につきましては、五月二十三日、県内のモデルとなる農村集落の二地区と、同運動の取り組みが行われている地区への支援活動に貢献があった一支援団体に知事賞を授与したところでございます。
九、国際的な
経済連携協定の、日米TAG(
日米物品貿易協定)の動向でございますが、四月二十六日には第一回の
日米首脳会談が、また、五月二十七日には第二回の首脳会談が開催され、
日米貿易交渉での早期の成果達成に向けて議論を加速させることで一致したところでございます。また、
茂木経済再生担当大臣と
ライトハイザー米国通商代表部代表による閣僚級会議が四月に開催され、六月十三日には第四回の交渉が行われました。
十四ページをお開きください。
次に、TPP11、日EU・EPA発効後の状況につきましては、本年一月から四月の牛肉、豚肉の輸入量を見ますと、牛肉は若干増加しているものの、豚肉は前年並みとなっているところでございます。
次の十、川内川上流の水質問題の、令和元年産における伊佐市・湧水町の営農方針と県の対応についてでございます。
伊佐市では、先般、川内川からの取水を再開したところでございます。県では、今期の水稲作付に支障を来さないよう
水質監視装置と取水ゲートの自動化の整備を行い、六月十日から運用を開始したところでございます。
一方、湧水町におきましては、今期の川内川からの取水を行わない方針となっており、県では、代替作物の作付が可能となるよう排水不良田の汎用化に向けた暗渠排水の整備を予定しているところでございます。
以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。
3
◯西高委員長 部長の総括説明に対する質疑については、県政一般でお願いをいたします。
この際、御報告いたします。
傍聴について一名の方から申し出があり、これを許可いたしました。
続きまして、請願・陳情の審査をお手元の参考資料、請願・陳情文書表により行います。
農政部関係は、新規の陳情三件でございますが、このうち、
主要農作物種子条例の制定に係る陳情二件を一括議題といたします。
まず、新規の陳情第二〇〇一号及び第二〇〇二号につきまして、
農産園芸課長の説明を求めます。
4
◯有馬農産園芸課長 陳情第二〇〇一号について御説明いたします。
参考資料の一ページをお開きください。
件名は、「
主要農作物種子条例」制定についての陳情書で、提出者は、特定非
営利活動法人鹿児島県
有機農業協会理事長、田代正一氏でございます。
陳情の趣旨でございますが、
主要農作物種子法の廃止に伴い、今後、種子価格の高騰や地域条件等に適合した品種の維持・開発などの衰退が懸念されることから、本県の
主要農作物の優良な種子の安定供給や環境の保全、
農業経営者や消費者の不安払拭のために、鹿児島県独自の種子条例の制定を求められているものでございます。
状況説明ですが、二ページをごらんください。
国は、農業の
国際競争力の強化に向けて官民の総力を挙げた種子の開発・供給体制を構築するため、
主要農作物種子法を廃止したところでありますが、都道府県の役割等については、種子の増殖に必要な
栽培技術等の知見を維持するとともに、種子の生産や供給の状況を的確に把握し、それぞれの都道府県の実態を踏まえて、必要な措置を講ずるとしており、必要な経費については、引き続き、
地方交付税措置が講じられているところであります。
県では、
主要農作物の優良な品種の種子を確保することは、本県農業にとって重要でありますことから、新たに、鹿児島県
主要農作物種子生産・
普及基本要綱などを制定し、圃場審査や原種等の生産など、これまでと同様の取り組みにより、本県に適した品種の選定と優良種子の安定供給を図っているところであります。
また、生産者等に対し、チラシの配布等を通じて県の取り組みを周知いたしますとともに、
県開発促進協議会等を通じて、
当該取り組みに係る財源の確保を国に要請しているところであります。
なお、他県での種子条例の制定状況につきましては、五月末時点で、九道県が条例を制定、五県が条例の制定に向けた検討を進めていると聞いております。
今後とも、他県の条例の内容や動向について情報収集に努めますとともに、
県内農業関係団体等の意見をしっかり聞いて、対応を検討する必要がある考えております。
続きまして、陳情第二〇〇二号について御説明いたします。
参考資料の三ページをお開きください。
件名は、「鹿児島県
主要農作物種子条例」の制定を求める陳情についてで、提出者は、
かごしま合鴨米生産クラブ代表、橋口孝久氏外一団体でございます。
陳情の趣旨でございますが、
主要農作物種子法の廃止に伴い、今後、食糧の安全保障の前提となる種子が永続的に十分確保できるか懸念されるとともに、県内の一部の生産者が生産を続けている伝統野菜の種子を守る体制の脆弱さが懸念されることから、農家と消費者を守るため、伝統野菜の保護も含めた県独自の鹿児島県
主要農作物種子条例の制定を求められているものでございます。
状況説明ですが、四ページをごらんください。
国は、農業の
国際競争力の強化に向けて官民の総力を挙げた種子の開発・供給体制を構築するため、
主要農作物種子法を廃止したところでありますが、都道府県の役割等については、種子の増殖に必要な
栽培技術等の知見を維持するとともに、種子の生産や供給の状況を的確に把握し、それぞれの都道府県の実態を踏まえて、必要な措置を講ずるとしており、必要な経費については、引き続き、
地方交付税措置が講じられているところであります。
県では、国が食糧増産を背景として種子の生産・普及を義務づけていた、稲・麦・大豆の
主要農作物の優良な品種の種子を確保することは、本県農業にとって重要でありますことから、新たに、鹿児島県
主要農作物種子生産・
普及基本要綱などを制定し、圃場審査や原種等の生産など、これまでと同様の取り組みにより、本県に適した品種の選定と優良種子の安定供給を図っているところであります。
このほか、生産者等に対しまして、チラシの配布等を通じて県の取り組みを周知いたしますとともに、
県開発促進協議会等を通じて、
当該取り組みに係る財源の確保を国に要請しているところであります。
また、伝統野菜につきましては、生産量が少なく、限られた地域で栽培されているところであり、それぞれの地域でその気候や土壌、食生活、地域行事などに適応するよう、昔から選抜が繰り返されてきたところであります。
県では、地域の活性化のため、鹿児島の人や風土とのかかわりが強く、郷土の食文化を支えてきた古くから県内で栽培されている二十三品目の野菜を「かごしまの伝統野菜」として選定しており、
桜島だいこんなど一部の品目では、地域で行われている優良系統の選抜に協力しているところでございます。
以上で説明を終わります。
5
◯西高委員長 説明が終わりましたので、本陳情に対する質疑をお願いいたします。
6
◯前野委員 幾つか伺っていきますが、まず、種子法が廃止された背景というのは、県はどういうふうに捉えていますか。
7
◯有馬農産園芸課長 種子法が廃止された背景といいますのが、
国際競争力の強化に向けて、今まで官だけでやってきました種子の開発・供給体制というものを官民総力を挙げて構築することと、民間の
品種開発意欲を阻害している種子法を廃止するというふうに聞いております。
8
◯前野委員 由来はTPPだと私は思うんですね、TPPだと思うんです。少し勉強をしてみると、メリット・デメリットあるんですが、私は、鹿児島県的には非常にデメリットのほうが大きいんじゃないかというふうに思っています。
今、御説明にありましたが、今、九道県が制定して、五つの県が検討しているということで、広がっていく、条例制定する県というのがふえていく過程にあると思うんです。
鹿児島県は、条例は必要ないというふうに考えておられるのか、あるいは先ほど課長から説明があったように、状況を見ている段階なのか、そのあたりのスタンスを教えてください。
9
◯有馬農産園芸課長 先ほどの説明の中でも申し上げましたけれども、ほかの県の条例の中身ですとか、その背景、そういったものを精査いたしまして、
あと関係団体や生産者の皆さん方の御意見も聞きながら、ちょっと検討する必要があるのかなとは考えております。
10
◯前野委員 それじゃ、条例はもうつくらないということではなくて、情勢をよく見きわめをしている段階で、関係者等々の御意見がやはり条例制定でしっかりと体制をつくるべきだということになれば、条例制定も眼中にあるんだというスタンスでいいんですかね。
11
◯有馬農産園芸課長 団体や生産者の皆さんの御意見もそうですし、県庁内での調整というのもございますので、その辺は全然しないと、頭からしないということではなくて、検討はしてまいりたいと思っております。
12
◯前野委員 種子法にかわって鹿児島県
主要農作物種子生産・
普及基本要綱というものを策定されて、種子法が廃止になったので、この要綱でもって従来と変わらない、種子法を補完するようなことをしていくということなのですが、法律とこの要綱では決定的に何が違うんですか。
13
◯有馬農産園芸課長 決定的に何が違うか。やることはもう全く一緒でございます。法的な裏づけがあるかどうかというところだけでございまして、奨励品種の種を原原種から原種、採取まで、ちゃんと今までのルールにのっとってやっております。
14
◯前野委員 種子法が廃止されて、種子法に基づく予算措置がなくなるわけですよ。交付税措置がされていると断定してあります。「交付税措置が講じられているところである」というふうにしてありますが、ことしの四月なんですけれども、断定できる根拠があるんですか、交付税措置に関して。
15
◯西高委員長 この際、御報告申し上げます。
傍聴について一名の方から申し出があり、これを許可いたしました。
16
◯有馬農産園芸課長 交付税措置につきましては、農林水産省のほうから文書をいただいているところでございます。
17
◯前野委員 ちなみに平成三十一年度は幾らですか。
18
◯有馬農産園芸課長 交付税措置の交付税の金額についてはちょっと手元にございませんが、種子確保に関する県の予算としては百六十万円余りでございます。
19
◯前野委員 これは平成三十一年度の、種子確保と言われましたか、その予算が百六十万円ということですね。従来も一緒ですか、大体そのぐらいの推移ですか。
20
◯有馬農産園芸課長 昨年も百六十万円ちょっと、おととしもその程度でございます。
21
◯前野委員 それと、課長、この種子法のメリットとデメリットをわかる範囲で教えてください。鹿児島県的にメリットはどういうことにあるんだ、デメリットはどういうことがあるんだということを教えてください。
22
◯有馬農産園芸課長 メリット・デメリットといいますと、種子法のメリットでございますか、種子法廃止のほうですかね。
23
◯前野委員 種子法が制定されて、そのメリットがあったはずなんですね。廃止されて、今度は廃止されたことによるメリット・デメリット、あるんじゃないですか。
24
◯有馬農産園芸課長 メリットとしては特にないんじゃないかと考えております。法的な裏づけがなくなったというところで、デメリットが大きいんじゃないかと考えております。
25
◯前野委員 その大きい理由を教えてください。
26
◯有馬農産園芸課長 生産者の皆さんが、法的な裏づけがあるというところでやっぱり安心されていたんじゃないかなというところは感じているところです。
27
◯前野委員 国が廃止したから、それを無理して理由づけしなくても、鹿児島県的にこういうことは困るということはやっぱりあってしかるべきだと思うんですね。
それなら鹿児島県的に話をしていきますが、米のあきほなみはいつから開発に着手されましたか。
28
◯西高委員長 暫時休憩いたします。
午前十時三十三分休憩
────────────────
午前十時三十三分再開
29
◯西高委員長 再開いたします。
30
◯前野委員 それでは、後でお知らせください。
あきほなみは、私が調べたところ、農業開発センターで今から二十年ばかり前ですかね、開発に着手されて、そしてかごしまブランドとして今では、食味がいいということで、ブランド米にもなっているわけですが、こういったものの開発を、いわゆる種子法がある時代の国の交付金、あるいは法律に基づく補助金等々を使って開発に着手してこられたと思うんですね。
これが今、鹿児島県がブランド米として進めているあきほなみという種子は、鹿児島県が知的財産権というのでしょうか、持っていると思うんですね。鹿児島県が持っている知的財産というものが、いわゆる法律の締めつけというんですか、法律によって保護がされなくなるという懸念があるわけですが、そのあたりについて、あきほなみに限らず鹿児島県が開発された種子、こういったものの保護というのは、先ほど申し上げましたこの要綱で法律同様にきっちりと守られていくのでしょうか、どうなんでしょうか。
31 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 県や農家が育成しました優良な品種につきましては、種苗法に基づきまして品種登録することで、国内においては、登録品種の生産・販売を独占的に行う育成権者というのが付与されます。こちらにつきましては一定期間、通常二十五年程度ですけれども、その権限が保護されることになってございます。
育成権者と登録品種を増殖・販売する利用者との契約、この中で、契約の範囲を超えて譲渡しないように、例えば当該登録品種を第三者に流出させないですとか、県外での栽培を制限するとかいう、そういう条件を付して契約することになってございまして、県内の農家の皆さんには影響がないのかなというふうに考えてございます。
32
◯前野委員 さほど私が心配するような懸念はないということでした。
なぜ言うかというと、和牛精液が中国に流れました。こういう貴重な、品種改良に改良を重ねてきた和牛の精液が流れてしまうという問題が最近起こりました。そういうことと私は一緒だと思うんですね。ですから基礎的なことを聞いているわけでですね、そういう心配が今度は種苗法で守られるんだということでした。
それは一安心しましたが、この知的財産については当然、その種苗法による登録というものをされているんでしょうか、鹿児島県で開発をされた種苗というのは。
33 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 県で品種開発しました品種等につきましては、基本的に種苗法に基づく品種登録というのをするようにしてございます。
34
◯前野委員 するようにしているではなくて、してあるのですか。
35 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 はい、してございます。失礼しました。
36
◯前野委員 最後になりますが、この種子法の関係は、今この陳情者も懸念を抱いておられることが、県が調査される、いわゆるよく言われる各団体、JAでありますとかそういうところにはチラシ等々でお知らせしているということでした。
この件に関して、自治体とかJAなどの関係団体等々、種子法廃止によって、やはり条例をつくって保護すべきではないかというような御意見等々というのを、この間、把握していれば教えてください。
37
◯有馬農産園芸課長 条例化の関係につきましては、ことしの第一回県議会のときに陳情が上がってきております。その一件だと認識しております。
38
◯前野委員 陳情はわかるんです。日ごろ、意見交換会をされますが、このことに言及されるような御意見というのはないということでいいですか。
39
◯有馬農産園芸課長 最初、種子法が廃止されたときは若干不安のお声も耳にはしたんですけれども、チラシ等も配布いたしまして、このようにやっていきます、今までと変わりませんということを説明いたしましてからは、直接そういうお声は聞いていないところでございます。(「はい、ありがとうございました」という者あり)
40 ◯藤崎委員 何点か確認いたします。
陳情者のほうから、廃止によって、種子価格の高騰あるいは地域条件に適合した品種の維持・開発が衰退するというような懸念事項が示されておりますし、また、多国籍企業に日本の種子市場を支配されてしまう懸念というのも書いてありますが、法律廃止後、今、一年ちょっとたっておりますが、現在の兆しとしてこの情勢が起きつつあるのか、そういったものを含めて情報収集されていたら教えてください。何もなければ、まだ起きていませんで結構かと思います。
41
◯有馬農産園芸課長 民間の動きというのは今のところ、三井でしたかね、全国的な商社関係がたしか品種を一つつくっているとは聞いております。それが入ってきている県もあるやに聞いておりますが、それ以外についてはちょっと把握していない状況です。
42 ◯藤崎委員 では、今、種子価格の高騰とか品種の維持、そこに関しては現状、特に変化はないという理解でよろしいでしょうか。
43
◯有馬農産園芸課長 現状で変化はございません。
44 ◯藤崎委員 わかりました。
それでは、あと、他県では、九つの道県で種子法にかわる条例ができているという事例が書いてございますが、まだ情報収集中かと思いますが、ここの九県は、どういう情勢の変化をキャッチして、あるいはどういう機運が生じて条例制定に至ったか、もし情報が手元にあれば教えていただきたいと思います。
45
◯有馬農産園芸課長 制定してあります九県のうち三県は、法廃止に伴って条例を制定しているようでございます。また、議会の議員発議によって出たところが二県と聞いております。そのほか、特に情報というのは入ってないんですけれども、ことしの四月ですとか、今、検討中ですとかいう都道府県につきましては、当県と同じように、当初は要綱、要領等で走ってきているというふうに聞いております。(「わかりました。以上です」という者あり)
46 ◯下鶴委員 私からは二点、一点目は廃止の影響、二点目は、やるとした場合、条例で何を規定すべきかという点からお伺いしたいと思います。
一点目、廃止の影響です。ただいま前野委員の質疑において、廃止前後で予算は維持されているという答弁でしたが、実際中身として、たしか旧法では対象五品目でしたかね、幾つかの品目について維持・開発しなさいと義務づけされていたところでありますけれども、法が廃止されて、今、要綱で運用されているときに、実際の開発対象の品目というのはどのように変化したのか、もしくは変化がないのか、そこをまず示してください。
47
◯有馬農産園芸課長 確かに対象になりますのが、米と麦類、それと大豆というふうになっております。これまでも同様にやってきておりますし、要綱、要領でも現在、この三つの品目については同様にやっているところでございます。
48 ◯下鶴委員 ありがとうございます。
種子法で何が義務づけられていたのかということは整理するのが必要なのかなと思っていて、今お聞きしたところで、今、挙げていただいた品目が旧種子法で義務づけられていて、そしてそれはしっかり今やっているという答弁で確認ができました。
二点目、条例をつくる場合に何を規定するかということで、実は一括審議されていますこの陳情二〇〇一号と二〇〇二号、中身を見ますと微妙に、条例化をする場合に規定すべき事項、求めている事項が少し異なるのかなというふうに承知をしております。
二〇〇一号のほうは恐らく、少なくとも旧種子法に制定されていた品目について県に維持・開発を義務づけるべきということでありましょうし、二〇〇二号につきましては、それに加えて伝統野菜の種子の保護策ということも求めているものであります。
そこで、今、他県の情勢を見ているというところでありますが、既に制定された九県においての条例の中身ですね、つまり条例の中身に何を義務づけるか。恐らく県に特定の品目の種子の維持・開発を義務づけるというのが柱になろうかと思いますが、これらの九県においては、この義務づける内容が種子法に規定されていた品目のみを規定しているのか、それとも、何かそれプラスアルファの義務づけをしているのか、そこについての今の把握内容を示してください。
49
◯有馬農産園芸課長 条例の中身についてでございますが、先ほど申し上げました稲・麦・大豆以外の品目を品目として加えているところが、二県ございます。あと、種子法にはなかったものですけれども、関係者の役割といいますか、それを書き込んでいるところがございます。あとは財政上の措置、そういったものを入れているような状況です。
50 ◯下鶴委員 ありがとうございます。
やはり肝は、何を県に義務づけるかというところになってこようかなと思うんですね。そこで、今、旧法に加えて、品目を足したのが二県というふうになっていましたので、今後見ていく必要があるのかなということを申し上げて、私からは終わります。
51
◯西高委員長 ほかに質疑はありませんか。
[「なし」という者あり]
52
◯西高委員長 ほかに質疑がありませんので、取り扱い意見をお願いいたします。
53 ◯小園委員 陳情第二〇〇一号及び第二〇〇二号につきましては、県においては、
主要農作物の優良な品種の種子を確保することは本県農業にとって重要であることから、新たに、鹿児島県
主要農作物種子生産・
普及基本要綱等を制定しており、圃場審査や原種等の生産など、これまでと同様の取り組みにより、本県に適した品種の選定と優良種子の安定供給を図っているところであります。
また、
当該取り組みに係る財源の確保を、
県開発促進協議会等を通じて国に要請しているとのことでありますが、現在、他県において、伝統野菜の保護も含めた独自の条例制定の動きも見られることから、他県の検討状況やその必要性を精査するとともに、
県内農業関係団体等の意見も踏まえ、論議を重ねる必要があるため、継続審査でお願いいたします。
54
◯前野委員 先ほど質疑もさせていただきましたが、陳情第二〇〇一号並びに二〇〇二号ですけれども、本鹿児島県議会でも二〇一八年十月に、この種子法の廃止に対して意見書を出しています。県の取り組みの後退とかあるいは外資系事業者の参入あるいは独占といったようなことで、種子が高騰してしまう、そして農業者や消費者への影響などを理由に意見書を発出しているわけですけが、こういったような経過もこの鹿児島県議会はたどっているわけです。
先ほど質疑でもありましたけれども、鹿児島県的には、今なお他県の状況、あるいは関係者等の御意見も十分に承っていくというスタンスだというお話でした。したがって、陳情者の趣旨を私は採択すべきだということを主張させていただきます。
55
◯西高委員長 ほかに御意見はございませんか。
[「なし」という者あり]
56
◯西高委員長 ほかにございませんので、採決をいたします。
陳情第二〇〇一号及び第二〇〇二号については、継続審査と採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。
陳情第二〇〇一号及び第二〇〇二号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
57
◯西高委員長 挙手多数であります。
よって、陳情第二〇〇一号及び第二〇〇二号については、継続審査すべきものと決定をいたしました。
次に、新規の陳情第二〇〇三号(三項)について、農村振興課長の説明を求めます。
58 ◯中山農村振興課長 陳情第二〇〇三号について御説明申し上げます。
参考資料の五ページをお開きください。
件名は、現在の温暖化は寒冷化に向かう途上の一時的な現象であり、寒冷化がかなり切迫していることが明らかなので、その対策を取ることを要請する陳情(三項)です。
提出者は、武田信弘氏であります。
陳情の趣旨は、報道では温暖化ばかり言われているが、今後、寒冷化に向かうのは明らかである。一九九三年、日本で夏の低温のため米の不作があったのは、一九九一年六月のフィリピンの火山噴火が原因とされている。陸上の大きな火山噴火があれば、現在の温暖化は一気に寒冷化へ変化してしまう。
よって、寒冷化が顕在化する前に輸入比率の高い品目の国産化を促す必要がある。
その対策として、記の三、耕作放棄地を整備し、作物の植えつけが可能な状態で維持することを陳情しているものであります。
六ページをごらんください。
状況説明であります。
耕作放棄地は、農業生産活動のみならず、鳥獣被害対策にも影響を及ぼすものと認識しております。このため、農業委員会による耕作放棄地の改善指導等を促進するとともに、市町村等と連携して、耕作放棄地の雑草・雑木の除去などによる再生利用や、中山間地域等直接支払交付金などを活用した耕作放棄地の発生防止の取り組みを支援しているところであります。
以上で説明を終わります。よろしくお願いします。
59
◯西高委員長 説明が終わりましたので、本陳情に対する質疑をお願いいたします。
御質疑はございませんか。
60
◯前野委員 陳情第二〇〇三号の第三項ですが、私は趣旨には賛同します。賛同しますが、今、状況説明でありますとおり、さまざまな努力をしておられるということについては理解するわけです。
特に、ここに書いてありますとおり、中山間地域等直接支払交付金等々については、私も一部、中山間の関係団体に所属しているわけですが、私は六十六歳ですけれども、もう今では作業に行くのは、私が一番若いです。そういうような状況の中で、農道や水路等々を作業をするのがやっとなんです。耕作放棄地もあるのですが、耕作放棄地はやはり個人の権利、所有権があるわけですから、そこまで手が回らないというのがどこの中山間の関係団体も一緒だろうと私は思うんですね。
したがって、中間管理機構等々も農地集約の関係で努力いただいておりますが、残念ながら、中山間地域はなかなかそれが進んでいかないということがあります。確かに取り組みそのものはしておられるわけですが、個人の持ち物である田畑について、「耕作放棄地を整備し」というふうに書いてありますけれども、これは誰がどういうふうにして整備をするのかもよくわかりません。そういったような今の国の中山間の関係の助成措置等々で、個人の所有物に手を入れている例、耕作放棄地に手を入れて農地に返すとか、そういったような取り組みをやっている例というのが県内であるのかどうなのか。私が申し上げましたように、農道あるいは水路に限定しているような状況があると私は思うんですが、どのような捉え方をしておられますか。
61 ◯中山農村振興課長 耕作放棄地の解消につきましては、個人の方々がみずから自分で雑木であったりとか、除去されるケースがございます。その場合には、そこの土地を借りるというのを条件として、借りる方が個人でやられるというのが今の状況でございます。ちなみに、平成三十年度は二十カ所におきましてそのような取り組みがなされています。以上です。
62
◯前野委員 ありがとうございます。
県内で二十カ所、面積にしてどのくらいでしょう。わかっていれば教えてください。
63 ◯中山農村振興課長 平成三十年度につきましては、八十アール(後ほど「六百七十四アール」に訂正発言あり)です。
64
◯前野委員 ありがとうございます。
事ほどさように、今、課長おっしゃったように、やはり持ち主みずからがやらないといけないということになるわけで、そのマンパワーがない、人がいない、高齢化しているということ等があってなかなか進んでいかない。私が住んでおります鹿屋市の畑かんが通っている台地ですら、耕作放棄地も点在するようになってきているわけです。こういう事態になっているのが実態だろうと思っています。
陳情の要旨は中身がよくわかりませんが、耕作放棄地、新たな助成措置等々も私は必要なような気がするわけです。そういったことからお聞きをしたところでした。ありがとうございました。
65 ◯中山農村振興課長 先ほど、平成三十年度の二十地区でやりました面積を八十アールと申し上げましたけれども、六百七十四アールでございました。失礼しました。
66
◯西高委員長 ほかに質疑はありませんか。
[「なし」という者あり]
67
◯西高委員長 ほかに質疑がありませんので、取り扱い意見をお願いいたします。
68 ◯小園委員 陳情第二〇〇三号(三項)につきましては、耕作放棄地は、農業生産活動のみならず鳥獣被害対策にも影響を及ぼすものと認識をしており、県としては、農業委員会による耕作放棄地の改善指導等を促進するとともに、市町村等と連携して、耕作放棄地の雑草・雑木の除去などによる再生利用や、中山間地域等直接支払交付金などを活用した耕作放棄地の発生防止の取り組みを支援しているところであり、今後も継続した取り組みが必要でありますが、既に陳情者の願意に沿った取り組みがなされているため、新たな対策を講じる必要性は低いと考えますので、不採択でお願いいたします。
69
◯西高委員長 ほかにございませんか。
70
◯前野委員 耕作放棄地の関係は、先ほど質疑をしましたように、さまざまな課題を抱えていることはよく理解します。そして、国、県等の取り組みも実際行われているということも十分に理解するわけですが、耕作放棄地を整備して、そしてあらゆる作物の作付ができるようなというのは、これは理想でもありますが、趣旨は十分理解ができますので、引き続き、継続で審査をされるように提案いたします。
71
◯西高委員長 ほかにはございませんか。
[「なし」という者あり]
72
◯西高委員長 それでは、採決いたします。
陳情第二〇〇三号第三項については、継続審査と不採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。
陳情第二〇〇三号第三項を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
73
◯西高委員長 挙手少数であります。
よって、陳情第二〇〇三号第三項については、継続審査すべきものとすることは否決されました。
それでは、陳情第二〇〇三号第三項を採択すべきものとすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者なし] 挙手がありません。
よって、陳情第二〇〇三号第三項については、不採択すべきものと決定いたしました。
以上で,陳情の審査を終わります。
次は、県政一般の特定調査であります。
まず、特定調査事項の第十二回
全国和牛能力共進会鹿児島大会に向けた現状と今後の取り組みについて、畜産課長の説明を求めます。
74 ◯莚平畜産課長 第十二回全国和牛能力共進会に向けた現状と今後の取り組みについて、お手元に資料配付しております、特定調査資料の下のほうに農政部畜産課とあります資料に基づきまして説明申し上げます。
まず、一ページをお開きください。
初めに、一、全国和牛能力共進会についてでございます。
同共進会は、和牛の能力と斉一性の向上を目的に、時代の要求にかなう種牛や肉牛を実証展示するとともに、改良の成果を競う場として五年ごとに開催されております。
本県では、令和四年に開催される鹿児島大会を契機に、本県の肉用牛改良や農家の生産意欲の向上、生産基盤の拡大が期待されております。
主催は、和牛の登記・登録を行うとともに、種雄牛の産肉能力検定や育種価評価などの育種改良に関する事業を行っている公益社団法人全国和牛登録協会でございます。
また、大会の運営は、開催県の実行委員会が行うこととなっており、第十二回大会は本県の実行委員会が行います。
全共は、これまで十一回開催されており、本県では昭和四十五年の第二回大会から五十二年ぶりの二回目の開催となります。
二ページをお開きください。
第十二回全共鹿児島大会の概要についてでございます。
開催時期は、令和四年十月六日から十日までの五日間となっております。
前回の宮城大会は九月の開催でありましたが、本県では、台風の影響や観光シーズンを考慮してこの時期に決定されました。
牛の姿・形を審査する種牛の部の会場は、霧島市牧園地区に決定し、共進会会場は、経費節減も考慮して、来年国体で馬術競技が行われる場所とし、和牛の振興や本県を初め県内各市町村等がPRを行う催事会場は、道路を隔てた霧島高原国民休養地と決定されたところでございます。
また、肥育牛の肉質等を審査する肉牛の部の審査展示会場は、南九州市にある株式会社JA食肉かごしま南薩工場とし、審査後の枝肉の競り会場を知覧体育館、一般の方々が競りの様子を見る競り参観特設会場を知覧文化会館と決定されたところであります。
三ページをお開きください。
(二)出品区分及び変更点についてでございます。
全共は、時代の要求や改良の方向性を踏まえて、出品区分の見直しが行われております。
前回からの変更点につきましては、十一回大会の四区の系統雌牛群は廃止され、この区の趣旨であった、地域の特色ある系統の再構築については、一区の若雄に引き継がれております。
また、八区の若雄後代検定群も廃止され、新たに、オレイン酸等の脂肪の質の改良に向けた肉牛区として、七区の脂肪の質評価群が設置されました。
十一回大会の特別区では、高校を対象としていましたが、十二回大会では、農業大学校の参加も追加されました。
四ページをお開きください。
まず、出品対策について御説明申し上げます。
これまでの取り組みとして、組織体制については、十一回大会終了後、切れ目なく十二回大会に向けた早期の出品対策を検討するため、第十二回全国和牛能力共進会鹿児島県推進協議会を昨年の五月に設立いたしました。
この県推進協議会内には、各出品区や地区、肥育の担当班を設け、きめ細やかな対応を行うとともに、各地区との連携を強化するため、各地区に地区推進委員会の設置を推進しているところであり、現在、六地区に設置されたところでございます。
次に、種牛の部のこれまでの取り組みは、全共出品牛の候補となり得る優良雌牛の導入支援を平成二十九年度から開始し、毎年度二百五十頭の導入支援を行っているところでございます。
また、四区の繁殖雌牛群と五区の高等登録群の候補牛を確保するため、高等登録の受審を推進しているところであり、全国和牛登録協会鹿児島県支部、いわゆる全和県支部では、より多くの候補牛の確保を図るため、受審にかかる費用の全額を助成しております。
技術員の審査眼や調教技術の向上のための研修会については、十一回大会に引き続いて実施しているところでございます。
五ページをお開きください。
次に、肉牛の部のこれまでの取り組みでございます。
県では、畜産試験場での研究成果を用いて、平成二十九年度から県単独で毎年度八十頭の肥育技術の実証を行っているところです。特に、今年度は、県経済連と連携して、県内トップレベルの肥育農家において実証を行ってまいります。
また、受精卵移植を活用した肥育候補牛の生産を行うため、これまで優良雌牛をリストアップしており、その優良雌牛から選定されました種雄牛の受精卵を確保することとしており、去る二月から採卵を開始しているところであります。
また、全共に向けての現場指導につきましては、畜産試験場や肉用牛改良研究所での試験研究の成果や研究員の指導が重要となってきます。
畜産試験場では、子牛育成マニュアルの改訂や、短期肥育マニュアルを策定し、候補牛の育成や肥育管理の指導に活用するとともに、七区の脂肪の質評価群に対応するため、オレイン酸などのMUFA含量の向上に向けた肥育の実証試験など、準備を整えているところでございます。
肉用牛改良研究所では、肥育牛のオレイン酸等のMUFAのデータの蓄積や分析を行いますとともに、超音波肉質診断技術のさらなる向上や、脂肪交雑推定装置を活用した予測技術の検証を行っているところでございます。今後の肥育候補牛の巡回時の指導や候補牛の選定に活用することとしております。
六ページをお開きください。
出品対策の今後の取り組みについてでございます。
まず、種牛の部につきましては、引き続き、高等登録の受審促進や県単事業の優良雌牛の導入支援を実施してまいります。また、出品月齢に対応した計画的な交配を行うとともに、成雌牛の四区や五区につきましては、巡回による候補牛の掘り起こしをしてまいります。
高校及び農業大学校の部につきましては、地区の推進委員会と連携した指導の強化を図ってまいります。
その後の全共本番に向けましては、巡回による子牛の管理指導とあわせて、その発育状況や体型などを調査し、候補牛の選定・選抜を行いながら、農家巡回や集合による調教指導などを実施してまいります。
次に、肉牛の部につきましては、交配種雄牛三頭のうち残り二頭を去る五月に選定したところであり、先ほども御説明しましたとおり、この二頭の種雄牛につきましても、同様に、受精卵を採取していくこととしております。
採取しました受精卵につきましては、ことしの十二月から来年の一月にかけて移植をするとともに、あわせて人工授精も実施し、多くの候補牛を作出して計画でございます。
その子牛が、来年十月から十二月にかけて生まれる予定であり、これらも巡回による定期的な調査・指導を行いながら、候補牛を選定してまいります。
選定した候補牛につきましては、優秀な肥育農家へあっせんし、肥育状況や超音波診断技術等を活用しながら出品牛の選抜を行ってまいります。
七ページをお開きください。
第十二回全共鹿児島大会に向けた会場設営等の準備のこれまでの取り組みについて説明いたします。
第十二回大会は、本県での開催であることから、出品対策に加え、会場設営や運営等の準備を進めていく必要がございます。
組織体制につきましては、平成二十九年五月に、副知事を会長とする第十二回全国和牛能力共進会鹿児島県実行委員会を設立いたしました。
この実行委員会では、平成三十年度に、基本計画の検討に必要な
会場レイアウトや交通対策、概算の全体事業費などの基本調査を委託し、過去の大会予算や物価上昇等の分析、交通量や来場者数の予測分析、宿泊地の検討、バスの実走試験等を実施するなど、検討を行ってきたところでございます。
そのほか、イベントテーマの募集を行い、「和っ!と驚く美味さが牛っ!と詰まった和牛の魅力を鹿児島から 和牛フェス二〇二二」に決定されました。
鹿児島大会のPRにつきましては、これまで県内の
各種イベントでのPRや、子牛競り市場における研修会を活用して、啓発や機運の醸成を図ってきたところでございます。
八ページをお開きください。
会場設営等の準備の今後の取り組みについて御説明いたします。
昨年度に委託しました基本調査の結果をもとに、本年度は基本計画を策定することとしております。
基本計画をもとに、より詳細な内容の実施計画を令和三年度にかけて策定することとしております。
実施計画につきましては、種牛の部の会場対策として、審査会場や仮設牛舎などの基本設計、催事計画、交通・輸送、宿泊対策、開会式や閉会式などの式典計画など、多岐にわたる内容を検討していくこととしております。
肉牛の部の会場対策においても、全国から集まる出品牛の運搬・搬入計画、枝肉審査等のスケジュール、競り会場等の計画などを検討していくこととしております。
最後に、本県開催に係るPR活動及び機運醸成対策につきましては、今年度にマスコットキャラクターのデザイン及び名称の募集・決定を行うこととしております。
今後、このマスコットキャラクター等を活用しながら、本県開催のPRや県内の気運醸成を図ってまいります。
以上で説明を終わらせていただきますが、大会まで残り三年余り、関係機関・団体と一体となって、チーム鹿児島で出品対策の強化や会場設営など、万全の準備に取り組んでまいります。
75
◯西高委員長 説明が終わりましたので、質問をお願いいたします。
76
◯前野委員 今、鹿児島大会に向けてさまざまな努力をしておられることについては、敬意を表したいと思っているところでございます。
十一回大会から鹿児島大会に、区分が大分減り、あるいは新たにできたりしているわけですが、特に四区あるいは八区、系統雌牛群と若雄の分が廃止されるということで、この四区と八区がなくなって、新たに七区が出てくるわけです。七区の脂肪の質評価群というのが出てくるわけですが、鹿児島県的にいうと、しまったねということなのか、あるいはそう意に介さない、自信を持って鹿児島大会に臨めるという、どのような考え方を持っておられますか。
77 ◯莚平畜産課長 今、委員のお尋ねがありました、鹿児島県への出品区分の影響ということだと思われますが、出品条件は他県も同じですので、条件が一緒ということで鹿児島だけに特に影響があるということは考えておりませんが、うちは飼養頭数も黒毛和種は全国一と多く持っておりますので、その辺のところで、また、畜産試験場、肉用牛改良研究所などいろいろ研究していただいて、オレイン酸等のMUFAなどもそれに向けた研究も進めていますので、万全な対策で進めることができるんじゃないかと思っております。
78
◯前野委員 安心いたしました。
それから、鹿児島大会に向けては、出品ができる生後月齢というのが最大でも二十四カ月未満というのがあるわけですね。それより以下だと思うんです。これらを計算していきますと、令和四年ですから、来年の十月以降に生まれた牛ということになるわけです。そういった意味では、今、課長から説明があったように、優秀な種雄牛あるいは受精卵を確保していって、そして雌牛に産んでもらうということになるわけですが、ことしがいえば正念場といえば正念場、来年の十月ぐらいまでがですね。そういった意味で申し上げると、非常に大事な時期ですよね。生まれてきてからどうするということはできないわけで、非常に気をもんで、あるいは気を使って、農家さんへの指導というのはそれこそ万全な体制でいかないといけないと思うんですね。
そのことはもうよく理解するわけですが、今ありましたように全国一の飼育頭数で、その中から、数が多ければ選べるのも選べるわけです。そのことは理解するわけで、改めて、県内各地、特に十一回大会で優勝もしくは受賞されたところが主になってくると思うんですが、そういったあたりへの指導の体制というか、自治体も含めて、この十二回大会に向けた取り組みの特徴的なものがあればまた教えてください。
79 ◯莚平畜産課長 委員お尋ねの出品対策に係る協議会後、前回より、そのまま引き継いで十二回大会の推進協議会を立ち上げ、そのまま引き継いで対策を打っていくということで、平成二十九年度から雌牛の保留・導入対策を実施しています。それから肥育技術について、通常の肥育期間であれば二十九カ月齢で出荷するところを、全共の場合は二十四カ月齢で出荷ということで、五カ月間肥育期間を短縮しながら、増体なりサシなどの肉質なりを前回同様、それ以上の成績をおさめなきゃならないということで取り組んでいます。優良雌牛のリストアップをずっとしていき、今度はその優良雌牛から、候補牛三頭の精液をつけまして受精卵をつくるんですけれども、その受精卵をつくるために農家さんに理解を求めたり、候補牛をことしの十二月から一月にかけて人工授精してもらわなきゃならないということで、今、その辺の理解醸成に努めるなど、前回同様以上の成績をおさめるためにずっと努力をしているところでございます。ちょっと答えになっているかどうかわかりませんが、以上です。
80
◯前野委員 ありがとうございます。
関係者がさまざまな努力をいただいていることについては敬意を表しておきたいと思っているところです。
それと、まことに勉強不足で申しわけないんですが、先ほどあったMUFAというものは簡単にいうとどういうことなのか、そのあたりを教えてください。ここに少し書いてありますけど。
81
◯西高委員長 前野委員、ページ数も言ってください。
82
◯前野委員 五ページにある、右隅に書いてありましたけど。
83 ◯莚平畜産課長 お尋ねのMUFAにつきましては、オレイン酸などということで、一価不飽和脂肪酸ということで、飽和しにくい脂肪酸なんですけれども、これがあることにより、おいしさに影響する一つの脂肪酸ということで、前回大会から少しずつ、このMUFAの含量などを全共で取り入れられてきております。今回は正式に全共で、このMUFAの含量などをもとに七区の審査がなされるということになっております。
そういうことで、そういうのを今、畜産試験場のほうでも、どういう餌がいいのかとか、あと肉用牛改良研究所では、うちの県有種雄牛がどういう遺伝素質を持っているかとか、そういうところを調べているところでございます。
84
◯前野委員 ありがとうございます。
それから、先ほども少し種子法の関係で言いましたが、鹿児島県が持っているいわゆる種牛の精液の管理、全共が近いということももちろんあるでしょうけれども、その管理のあり方について、改めて、県が所有している種雄牛の精液管理の実態について教えてください。
85 ◯莚平畜産課長 今お尋ねの県有種雄牛精液の管理につきましては、県のほうにおきましては、まず、家畜改良増殖法、法律がございます。それに県が独自に定めております肉用牛家畜人工授精・受精卵移植事務取扱要領というのを策定しまして、それに基づいて日ごろから家畜保健衛生所が、家畜人工授精師等の適切な業務の実施なり、精液等の適正な管理を指導しているところでございます。
具体的に言いますと、その要領と法に基づきまして、人工授精に係る帳簿、それから精液の売り払い伝票等の検査をします。そして、その要領に基づきましては、精液等の再譲渡は認めないということで、一旦受精師に渡ったものは、その受精師が別な人工受精師に渡すとか、そういう第三者への不正な譲渡がなされることを防止しているところでございます。
86
◯前野委員 受精卵あるいは精液等々が適切に管理されているということは理解させていただきました。
最後になりますが、高校の部で、鹿児島県内の高校もそれぞれ優秀な成績もおさめました。けれども、今度は農業大学校が加わってくるということで、前回は、高校で全国から何校全共に出たのか。というのは、どのくらい競争相手がいたのだろうかということがあってですね、全国で和牛共進会に出す高校というのは大体何校ぐらいあるのか、そして新たに加わる農業大学校、これらがさらにふえてくるわけですけれども、何校ぐらいあるのか、どのくらい見込んでいのか、そのあたりを教えてください。
87 ◯莚平畜産課長 済みません、具体的な数字は今、持ち合わせておりません。
88
◯前野委員 あと三年ちょっとありますが、あと三年後に迫った鹿児島大会、そこに向けて、農政部を中心に、肉用牛改良研究所、あるいはもちろん農家の方々もそうですけれども、チーム鹿児島という言葉も生まれましたが、引き続き、全共優勝ができるように万全の体制をしいて頑張っていただきますことを最後に申し上げて、終わりたいと思います。ありがとうございました。
89
◯西高委員長 ほかにございませんか。
90 ◯小園委員 令和四年の畜産課長は誰になったろうかいなと思いながら、今、いろいろやりとりを聞かせてもらったのですが、わっぜえプレッシャーやっどねえと、全国一になって、その次の大会は鹿児島が来て、この中に誰かいらっしゃるんじゃないかなと思いながら、お顔をこうして拝見させてもらっているんですけれども、ぜひ頑張っていただきたいなと。委員会に来るのが大変にならないように我々も一生懸命、その気持ちを思いながら応援していかんないかんなというふうに今、思ったところでございました。
少し提案がございます。このころになりますと、鹿児島県のイベントといいますか、昨年は「西郷どん」があったのですが、ちょっと観光的な、あるいは消費者的な視点からちょっとお話をさせてもらいたいと思うんですが、県外のいろいろな和牛を送ってもらったりするんですけど、ルーツをたどっていけばやっぱり鹿児島やっどねというのがたくさんあって、私も悔しい思いをしていまして、今でも宮崎が一番じゃっど、一番じゃっどというテレビで報道をされたりすると悔しい思いをするわけです。観光連盟の会長さん、池畑委員も今ここにいらっしゃいますが、せっかくだから。地味な大会だと思います、この和牛の全国大会というのは。地味な大会じゃなくて、もうちょっと何か一カ月前ぐらいから事前にPRをして、この時期、鹿児島に来たら世界一、日本一の和牛がこげんして食べられますよといったような、何か消費拡大、鹿児島県の輸出だけではなくて全国的にも、鹿児島がほんとやったっどといったような何か、そういったようなイベントが何かできればいいのではないかなと実はずっと思っています。観光連盟の会長もいらっしゃるし、私も観光議員連盟の会長代行をしておりますし、何か畜産課がする、農政部がするというんじゃなくて、ほかのそういう団体と連携をとりながら、そういう部分をやっていただければ、もっともっとこの大会がみんなに身近なものとして、そして多くの方々に知らされる、鹿児島県の種雄牛もまた非常に評価をいただける、そういったような大会につながっていくのではないかなと思うんですが、少し提案させてもらいました。何かございましたら。
91 ◯莚平畜産課長 ありがとうございます。
十二回の全共の鹿児島大会につきましては、県内外から訪れる多数の方々に鹿児島をアピールするいい機会だと思っております。この鹿児島大会を通じて、本県の魅力を最大限に生かせるよう万全の取り組みをしてまいりたいと感じております。
具体的には、先ほど説明しました実施計画を策定していく段階で、観光の方面、庁内であっても関係部局と連携しながら、いろいろといい方向で探っていきたいと思いますので、今後とも御指導のほうをよろしくお願いします。
92
◯西高委員長 ほかにございませんか。
93 ◯宝来委員 十三回の開催県というのはもう決まっているのですか。
94 ◯莚平畜産課長 十三回につきましては、十二回大会のときまでに、全国和牛登録協会の本部のほうが次の開催県なりと調整しながら、発表されることになると思います。
95 ◯宝来委員 今、九区分になるということなんですが、ちょっと戦略的に、宮崎に負けたところ、ほかに負けたところあると思うんですけど、この九区画を全てとりにいくという仕組みで全体的には動いていらっしゃるのかというのを教えてください。
96 ◯莚平畜産課長 その意気込みで今、対策なりしているところでございます。いろいろと難しいところもあるかもしれませんけれども、関係機関・団体と一体となり、それこそチーム鹿児島で内閣総理大臣賞などもとりながら頑張っていきたいと思っています。
97 ◯宝来委員 心強い言葉だとは思うんですが、戦うにはやはり必ず相手がいることで、相手の出方というのはどのような調査をされているのでしょうか、各区の。
98 ◯莚平畜産課長 特段知り得るところでは、相手方もなるたけそういう細かなところは見えてこない面もありながら、全国和牛登録協会などにもお話を聞きながら、情報収集はしているところでございます。
99 ◯宝来委員 ありがとうございます。
あと、先ほどもありましたが、オレイン酸、MUFAの含量というか、おいしさの成分の一つというところなんですが、時代の流れとしてはこういう成分分析というのが非常に大事になってくるかなと思いますが、何か業界自体で、健康志向でこういう成分をというような流れというのは何かありますか。
100 ◯莚平畜産課長 健康面のところではちょっとまだないところでございますけど、おいしさのところで今、このMUFAが問いただされているところでございます。
101 ◯宝来委員 ありがとうございます。
基本的には、遺伝的な流れですばらしい品種をという考え方だと思うんですが、最終的には、体をつくるのはやはり飼料かなというふうには思いますが、飼料の研究というのは県で何か取り組んでいるところがあるとか、何か他県に比べた特別な飼料というのに取り組んでいるという状況があるのか、その辺を教えてください。
102 ◯莚平畜産課長 まず、飼料面につきましては、オレイン酸を多く含む飼料原料の転化を検討したり、今、畜産試験場のほうでやっているところで、オレイン酸を多く含む飼料原料をどれぐらいやれば、どれぐらい脂肪の中に入っていって、ちょうど全共にマッチしたものになるかどうかというところを研究していくということとしております。
103 ◯宝来委員 ありがとうございます。
オレイン酸の分野以外でもやはり飼料というのが非常に重要になってくると思うんですよ。二、三年して飼料価格がどのように変更していくかわかりませんけど、飼料に対して取り組んでいる事業者に対して何か支援をするような枠組みというのはあるんですか。
104 ◯莚平畜産課長 肥育関係の飼料につきましては、畜産試験場のほうで肥育マニュアルをつくっておりますので、それに基づいて肥育農家を指導していくということで、特段そういう飼料開発のために予算化なりするというのは、今のところはまだ考えていないところでございます。
105 ◯宝来委員 ありがとうございます。
遺伝的なところとやはり環境とかそういう、日ごろの育成の環境、飼料というのが必ず肉質に影響してくると思うので、ぜひその分野も積極的に取り組んでいただきたいなと思います。以上です。
106
◯西高委員長 ほかに御質問はございませんか。
[「なし」という者あり]
107
◯西高委員長 ほかに質問がありませんので、この件につきましては終了いたします。
ここで、暫時休憩いたします。
午前十一時三十三分休憩
────────────────
午前十一時三十四分再開
108
◯西高委員長 再開いたします。
それでは、委員会の中で出された質疑の経過を踏まえ、報告については当席に御一任いただきたいと存じます。
特定調査につきましては、これで終了いたします。
次は、県政一般の一般調査であります。
まず、五月に実施しました大隅地区の行政視察に関する御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。
109 ◯小園委員 せんだってはいい視察をさせていただいてありがとうございました。
有限会社大崎農園に行きまして、大根を選果しながらいろいろやっていますが、切り干し大根も食べさせてもらいましたけれども、おいしくてですね、ああ、こういうふうにしていけば、もう食べ物が余ることはないよなあと、それぐらい非常に重要な時代が来るんだろうなというふうに思いまして、この大崎農園の取り組みがいろいろな品種において鹿児島県で取り組まれていけばいいのではないかなというふうに、実はそういうふうに思ったところなんですけれど、こういう大崎農園のような事例というのは、質問の中でもあったんですが、どれぐらい県内では先進的に取り組んでいるところがあるんでしょうか。
110 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 加工に取り組む先進的な事例についてでございます。
国におきまして、六次産業化に取り組む事業者を認定する制度ができておりまして、本県におきましては六十一件の事業者が取り組んでいるところでございます。
111 ◯小園委員 それから、きもつき大地ファーム株式会社にも行かせていただきましたが、依然子牛の値段が高いものですから、こういうような取り組みで少しは価格が安定していけばいいのではないかなというふうに思ったりしますが、この動きがほかに広がっているというようなことがあるんでしょうかね。
112 ◯莚平畜産課長 ほかの地域での取り組みでございますけれども、まだほかの地域でここまで取り組んでおられるところはございませんが、姶良のほうで以前検討はなされていた経緯はございます。まだ、その後、施設面、それから素牛が今、高い時期ということで、ちょっとまだ具体的計画までには至っていないところでございます。(「ありがとうございます」という者あり)
113
◯西高委員長 ほかにございませんか。
114 ◯下鶴委員 私からは、
スマート農業の普及啓発という観点から一点お伺いしたいと思います。
きもつき大地ファーム株式会社を視察させていただきまして、実際に例えば発情時期だったり出産時期というのがセンサーでわかるというものを見させていただきまして、やはりここまで来ているんだなということを実感したところであります。
やはりこういう動きを今後、県内全域に広めていくに当たっては、幾つか越えるべきハードルがあると思っていて、まず第一が、今こういうことをできるんですよと、技術でこういうことができるんですよというところを、畜産、農業問わずいろいろな分野でできるということを実際の農家さんに知っていただくということがあろうかと思います。
そこでお伺いしたいのが、この説明資料の十一ページにも、
スマート農業関連
公募型研究事業の採択で示されていますけれども、
スマート農業で今こういうことができるんですよということを農家さんにお伝えする、そういう取り組み、今どういうことをやられているのか、また、今後の方針について示してください。
115 ◯厚ヶ瀬経営技術課長
スマート農業に関する農業者の皆さん方への理解促進というふうに考えますけれども、委員おっしゃいましたように、今、国の
スマート農業加速化実証プロジェクトのほうで県内五件取り組みがございます。それから、今年度、県単事業で措置させていただきました事業の中でも、各地域振興局ごとにいろいろな実証活動を進めるようにしてございます。そういう各実証をしているところに、実際、周辺の農家の方々に来ていただいて、見ていただいて、こういう使い方なり利用ができるんだというところを十分理解していただくというのが一つございます。
それから、昨年度、農業大学校のほうで
スマート農業推進シンポジウムというのを開催してございますけれども、今年度は、品目を具体的に絞って県内三カ所で、それぞれの地域で重点となるような品目について、実際具体で見ていただく、そういうところにメーカーさんもおいでいただいて、実際、機器を展示なり紹介いただきながら、こういう使い方ができますというようなことを進めていきたいというふうに考えてございます。
116 ◯下鶴委員 ありがとうございます。
やはり実際に見て初めて、こういうことが今できるんだな、じゃ自分のところでやってみようというところが膨らむと思いますので、その取り組みを加速していただきたいなと思います。
またあわせて、こういうことができるんだなと思った後は、導入することに費用が合うか合わないか、そういう判断に移ってこようかと思いますが、これを今実際に導入するときの補助とかそういう仕組みってあるんですか。
117 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 まさに委員、今御発言がございましたように、農家さんの段階でスマート機器を導入するに当たっては、費用対効果というところが非常に大きなポイントになろうかと思っております。今年度の県の実証事業でもそうですし、国の
スマート農業加速化実証プロジェクトの取り組みの中でも、どれぐらい導入コストがかかって、それをどのぐらいの面積をこなしてという費用対効果のところまで少し見たいというふうに考えてございます。
その辺を踏まえて、実際導入するに当たっては、産地パワーアップ事業ですとか、従来の強い農業づくり交付金の後継事業、あと畜産クラスター事業、こういう事業を活用していくのかなというふうに考えてございます。
118 ◯下鶴委員 ありがとうございます。
既存のいろいろな補助事業等でもし対象になるところがあったら、こういうことで使えるんですよというところをしっかりと紹介していただいて、この
スマート農業の導入が、きもつき大地ファーム株式会社みたいなすぐれた取り組みが県内全域に分野を超えて普及していくことを願うものです。ぜひよろしくお願いいたします。以上です。
119
◯西高委員長 ほかにございませんか。
120 ◯田畑委員 有限会社大崎農園さんでGAPの話をしたときに、販売とかには何もつながらないと、販売に有利かといったらそうじゃないという感じだったんですよね。農家はどこも言われるんですよ、そういう形で。代表質問でも言ったんですけど、今後、バイヤーとかそういう消費者に対してどういう周知をしていくのか、同じような周知の仕方じゃ周知ができてないんですよね、要は。ですから、何か新たな周知の方法を考えていらっしゃるのか、ちょっとその辺を教えてください。
それと、てん茶も見に行ったのですが、まだ需要がどんどんあるよねということだったですけど、今後、県として、てん茶の生産をどの辺ぐらいに持っていかないといけないという、何かそういう目標数値みたいなのを立てていらっしゃるのかどうなのか、ちょっとお聞かせください。
121 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 K─GAPの周知についてでございます。
委員御指摘のとおり、K─GAPの周知につきましては、これまでも消費者におけるPRやバイヤー等におけるPR等も行っているところでございますが、なかなかそこが図られないという一部の認識もございます。
そこにつきましても、今後、取引の中で国際認証GAPやK─GAP、そういった認証が必要だというような大きな取引先も出てきているところでございますので、そういったところにも積極的に働きかけをしながら周知を図っていきたいというふうに考えております。具体的に事業化とかそういったものは今のところ考えていないところですが、国とも連携を図りながら、GAPの周知とともに、K─GAPの取り組みを進めたいというふうに考えております。
122 ◯光村特産作物対策監 てん茶の計画でございます。
平成三十年度末現在で大体十三工場ございまして、八百七十五トン程度の処理能力を有しております。県としましては、平成三十年三月に、かごしま有機抹茶輸出促進基本構想を立てております。その中で、てん茶の輸出額を十六億円まで持っていこうというふうな計画を立てております。それを達成するような能力等々を勘案しますと、大体、今の工場を倍ぐらいにするという形になろうかと思っております。以上でございます。
123 ◯田畑委員 さっきのGAPの件は、やっぱり農家の人たちも結構手間暇かかって難儀するというんですよね、その事務的な関係上ですよ。そうすることによって、やはり生産や売り上げが伸びるような、農家所得が上がるようなそういう取り組みというか、それを周知していただくことでそうなっていくと思うんですよね。やはりそういうものを消費者が見ていく。ですから、ぜひそういう何か大きな取り組みといいますか、周知ができるような取り組みをしていただきたいなというのを要望しておきます。
それと、お茶はまた後で言いますので、いいです。
124
◯西高委員長 ほかにございませんか。
125 ◯宝来委員 先ほど、六次産業に取り組んでいる施設が六十一施設ということなのですが、農畜産でいうと大体どの分野が多いとか、何かそういう傾向がありますか。
126 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 六次産業化の内訳についてでございます。
六十一件のうち農産物が四十八件、林産物が二件、あと水産物が十一件ということで、農林水産合わせて六十一件という形になっております。
その内訳としましては、主に野菜の加工といったような取り組み、あと果実をジュースにするといったような取り組み、あと畜産におけるレストランといったような取り組みが見られるところでございます。
127 ◯宝来委員 ありがとうございます。
ここが鹿児島の産業を守る基盤だとは思うんですが、その企業規模というのは、二、三人でやっていても六次産業というふうには言えるだろうし、その辺は鹿児島県の状況としてはいかがなものですか。
128 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 六次産業化に取り組む事業者の規模についてでございます。
この六十一件につきましては、国の認定を受けるに当たり、厳しい審査を受けるためにきちっとした計画をつくっているということで、ある一定規模の、大きな規模の事業者が取り組んでいるというふうに認識しております。これ以外に、この計画の認定を受けようとして取り組んでいる事業者もまだたくさんございます。そういった事業者に対しまして、県の
大隅加工技術研究センターを通じて、加工の指導であるとか研究開発の指導であるとか、そういったところを進めているところでございます。
129 ◯宝来委員 ありがとうございます。
国の認定を受けるには一定規模の企業の体力が必要と、規模が必要ということですが、やはりそれ以下のところで、県は大隅加工技術センターにおいて、少し協力をしているようですが、国の指定を受けられるほどではない大きさのところを支援する、六次産業化を支援する取り組みというのは何か具体的にありますか。
130 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 六次産業化の取り組みに向けまして、県におきまして、六次産業化サポートセンターというところを設置しておりまして、そこに専門の職員二名がおりまして、それ以外に、そこをアドバイスできるアドバイザリースタッフも設置しているところでございます。そういったサポートセンターを活用して、次の認定を受けられる候補者としての事業者の支援をしているところでございます。(「以上です」という者あり)
131
◯西高委員長 ほかに行政視察に関する質問はありませんか。
132 ◯白石委員 一つお聞きしたいのですが、今回、私、初めて行政視察に行かせていただきまして、畑かん事業を見させていただきまして、散水車でしたか、それを見させていただきました。そのもの自体が百三十万円から百四十万円のうちの、補助率というか補助金で多分二割か三割出しで整備できると言われていて、私、薩摩郡区だったので、これはいい話だなと思いまして、ほかに伝えようかなと思ったら、この整備事業の補助金だから各地域では使えないよという話を聞きました。
できれば、せっかくいいもの、またスプリンクラー等の整備もあったと思いますので、できればほかで使えるような方法というのがあるのかないのか教えていただきたいと思います。
133 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 畑かんの整備以外にということで、恐らくソフトのお金になるんだと思うんですけれども、強い農業づくり・担い手づくり総合支援交付金、そういったものが使えるのではないかと思いますけど、少し確認をさせてください。
134 ◯白石委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
135
◯西高委員長 ほかにございませんか。
[「なし」という者あり]
136
◯西高委員長 ほかにないようですので、この件につきましては終了いたします。
それでは、そのほかの県政一般について、質問がありましたらお願いいたします。
137 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 先ほど陳情第二〇〇一号及び二〇〇二号の御審議の際に、前野委員から、あきほなみの育成期間に関する御質問がございました。
あきほなみにつきましては、平成十一年に人工交配が始まりまして、実際の登録年度が平成二十二年度ということになってございます。ということで、出願してから登録までの期間はあるんですけれども、おおむね十一年程度かかってございます。現在、登録後九年目に入っているというところでございます。以上でございます。
138
◯西高委員長 県政一般についての質問がありましたらお願いいたします。
139 ◯藤崎委員 一点だけ確認させてください。
農林水産省では、農産物の輸出のために厚生労働省の機能を移管できないかどうか検討されていたり、あるいは農福連携についても今度、官房長官のもとで検討会がつくられて、少し動きがあるんですが、恐らく、県のほうでも情報収集をされて、農政部の中での体制づくり、国の動向を見ながらなんでしょうが、その辺をどのように情報収集されて、将来の組織機構の改革までなるのかわかりませんが、現状の情報収集の状況等を教えていただきたいと思います。
140 ◯菓子野農政課長兼かごしまの食輸出戦略室長 まず、霞が関、中央官庁の動きにつきましては、東京事務所が中心になって情報収集を行っております。例えば自民党の部会に参加したり、関係課の担当に取材をしたりと、そういった形で情報収集をしております。
141 ◯藤崎委員 わかりました。いずれにしましても、両方とも鹿児島県にとりましては非常に重要な案件で、伸びる可能性があるいろいろな組織機構の改革だと思いますので、引き続きの情報収集をどうかよろしくお願い申し上げます。
142
◯西高委員長 ほかにございませんか。
143
◯前野委員 少しお聞きをしますが、畜産農家と稲作農家双方にメリットがあると言われるいわゆるWCSです。これの作付農家と従来の主食用米の作付をしておられる方々とのトラブルとまではいきませんけれども、御案内のように、WCS用稲は、作付をした後は今度は主食用米をつくれないという農家の方々の御意見があり、それと農薬の関係、WCS用は極力かけないということがあるわけですけれども、このWCSの作付と主食用米の作付との関係で、特に県あるいは自治体でそういったようなものに対する作付の指導や育成の指導をしているのか、そういう問題点があるということについて、今どういううふうに捉えていのか、いないのか、そのあたりを教えてください。
144
◯有馬農産園芸課長 WCS用稲についての御質問ですけれども、確かに、委員おっしゃいますように、WCS用米と主食用米では管理の仕方が若干違っております。WCSは、通常の米より早い時期、いわゆる乳熟期に刈り取りをいたしますので、後期のほうではもう稲そのものがなくなっている状況にはあります。ですが、その前の雑草対策ですとかそういったところで若干、WCSのほうが甘いんじゃないかという声はお聞きしているところでございます。
145
◯前野委員 そういう認識なんですが、先ほどの耕作放棄地じゃないけれども、田んぼを耕作放棄地にしないために、畜産農家と契約をして、そしてWCSを作付をするということはよく行われていることなんです。そうしたときに、その隣では主食用米を植えていると。確かに収穫する時期というのはずれていますよね、ずれています。それはそうなんですが、一般的に畜産用ということで余り手をかけられない、かけていないというのが実態なんです。
そういったようなことで、主食用をつくっておられる方々が非常に迷惑をしているという話をお聞きをするわけですが、そのあたりは自治体からは相談も問題点の指摘も何もないのか、そのあたりはどうなんですか。
146
◯有馬農産園芸課長 確かに当初そういう話もございましたので、県のほうでは、飼料用稲の推進マニュアルというのを作成いたしまして、これをもとに各地域で講習会等を開きまして、適切な管理を呼びかけているところでございます。
147
◯前野委員 適切な管理を呼びかけてということですが、現実的には、WCSを作付しようが、何をしようがというか、隣の人に了解をもらうということもなしにそういうことが実態としてあるわけですよ、あるんです。ほかの県等々に少し聞いたりしてみますと、そういう米どころのあたりでは、すでにそのことが非常に問題になっていて、むしろ飼料用米として、従来の鹿児島でいうとコシヒカリとかヒノヒカリとかいうものを飼料用米としてつくっている。そうするとWCS用稲とトラブルが起こらないということもあるみたいなのですが、そのあたりは県としては特段、今、課長がおっしゃるお答え以上もなければ以下もないということでしょうか。
148
◯有馬農産園芸課長 WCSいわゆる飼料用の水稲につきましては多収性のものが好まれるんですけれども、現実といたしましては、主食用米と飼料用の多収品種とほぼ半々の作付がされている状況です。WCSなり飼料用米なり、そういうものはコンタミの可能性も高いですので、できるだけ団地化をしてくださいということで市町村なりにお願いをしているところでございます。
149
◯前野委員 わかりました。
市町村に団地化ということ、私ももうそれしかないと思うんですが、混植をしてしまうと主食用米に影響が出てしまうということがあって、団地化をして、その多収用の稲というのは種が残って、次の年に主食用を植えることにならないと、田んぼがそれ用にしか使えないという問題点もあるようですので、そのあたりを少し実態調査も含めて指導を徹底するようなことをしていかないと、やがていろいろな問題に派生していくのではないかと思っております。ぜひ、これは要望にかえますけれども、本県でもWCSは必要ですよ、国内で生産ができる唯一のというか、特殊な牛用の飼料になるわけですから。非常に有望なことはよくわかっておりますので、そういったような問題が起こってきているということについてもぜひ認識していただきますように要望をして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
150
◯西高委員長 ここで、昼食等のため暫時休憩をいたします。
再開は、おおむね一時十五分といたします。
午前十一時五十九分休憩
────────────────
午後 一時 十六分再開
151
◯西高委員長 それでは、定刻となりましたので再開いたします。
午前中の発言について、経営技術課長より発言を求められておりますので、これを許可いたします。
152 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 けさほどの質疑の中で白石委員から、ロールカー等補助での散水資材への支援についてお問い合わせがございました。
調べてみましたら、強い農業・担い手づくり総合支援交付金、それから農業・農村活性化推進施設等整備事業、こちらのほうの支援対象に含まれるようでございます。詳細につきましては、地域振興局なり地元自治体のほうにお問い合わせいただければというふうに考えてございます。以上です。
153
◯西高委員長 それでは、先ほどに続きまして県政一般でございます。
質問をよろしくお願いいたします。
154 ◯下鶴委員 私からは、
家畜防疫対策に関連して二点お伺いいたします。
説明資料の十二ページです。
まず一点目は、現在、岐阜方面で流行している豚コレラに関してお伺いしたいのですが、こちらについて、ワクチンについていろいろな意見をお持ちの方がいらっしゃいますと、ワクチンを打ってしまうと輸出等々ができなくなるやに聞いているわけですけれども、現在の本県の豚コレラの防疫に関する方針、立場というものを示してください。
155 ◯渡邊
家畜防疫対策監 本県の豚コレラの防疫への対応ということなんですけれども、まず、ワクチンについては、国が接種について判断をするところでございます。ワクチン接種についてはメリット・デメリット等がございます。例えば緊急ワクチンを接種等した場合、野外感染等とワクチン接種との区別ができないとか、あと風評被害、いわゆる豚がそういうワクチンを打ったということで売れなくなってしまうとか、そういう風評被害が関係すると。また、もしワクチンを打ったせいで非清浄国になると、ほかの国が清浄国であった場合、そこからの輸入の圧力がふえてしまうとかございますので、いろいろなデメリットというのは考えられているということでございます。
また、国外を見ますと、アジアではアフリカ豚コレラというのがはやっております。国におきましては、今、飼養衛生管理基準、いわゆる農家が少なくとも最低限守るべき事項ということを決めておりまして、それを一生懸命守ってくださいよというふうに言っておりますけれども、豚コレラのワクチンを使ってしまったら、ワクチンがあるということで、自分の家畜を、飼養衛生管理基準をしっかり守っていこうという意識が下がっていく可能性があります。後ろに控えているアフリカ豚コレラとか、もちろん口蹄疫もそうなんですけど、そういうのがもし入ってくるとしたら、豚コレラについてはワクチンがあるんですが、アフリカ豚コレラにつきましてはワクチンがないという状況でございますので、そこを考えて、今のところ国のほうでも飼養衛生管理基準を守っていこうという話でございます。
156 ◯下鶴委員 ありがとうございます。
今、ワクチンを接種するかどうかというのは国が判断されるということを示していただいたわけなのですが、一方で、非清浄国になることによってのデメリットというのも今お示しいただいたわけです。
結局、例えば今、流行している地域で万が一、打つということになった場合には、その影響も鹿児島に及ぶということになってくるわけですが、国が今後何らかの方針を決定していこうとする際に、本県の特に畜産の立場から、何らかのものをちゃんと主張しているのか、それとも、国が打つと決めたら受け入れますねということなのか、そこの今、県としての立場並びに国に対する主張について、そのあり方というのを示してください。
157 ◯渡邊
家畜防疫対策監 現在のところ、そのワクチンを使うということについては国の指示に従うということで、県から、ワクチンを使わないでほしいというところについては要望はしていないところでございます。
158 ◯下鶴委員 これはさまざまな農家さんによってもいろいろな立場、考え方があろうかと思いますので、ぜひともそこのところをしっかりと聴取した上で、県として主張すべきところは主張していただきたいなと、これは要望して、一旦ここを閉じたいと思います。
続いて二点目は、水際防疫についてお伺いをしたいと思います。
今ちょうどアフリカ豚コレラのお話も触れていただいたわけですが、ここの資料には、アフリカ豚コレラや口蹄疫等の水際防疫の取り組みとして、
鹿児島空港での取り組みを説明いただきました。これについて、アフリカ豚コレラや口蹄疫等が海外から持ち込まれ得るとした場合には、どういう経路をたどるのか。そしてその経路によっては、鹿児島県に国外から来られる口というのは二つあって、一つは空港であり、もう一つはクルーズターミナルであるわけですが、そちらのほうの防疫対策はどのように考えているのか、この二点を教えてください。
159 ◯渡邊
家畜防疫対策監 お話があったとおり、アフリカ豚コレラについては、空港か港から入ってくる可能性が高いと思いますし、実際アフリカ豚コレラのウイルスというのは今回、鹿児島県ではないんですけれども、ほかの空港で肉類を持ち込まれて、その中からアフリカ豚コレラのウイルスが見つかっているということで、そういう経路を通る可能性が十分あると思います。
今回、空港についても、港についても、いわゆる外国から来られる方々が空港に着かれたときに消毒マット等を敷いて、あと、空港に入るときにそういう畜産物を持っていませんかというところをお聞きをしたりして、国内に持ち込むことを、鹿児島県でいえば県内に持ち込むことを防いでいるところでございます。
また、マリンポートかごしまにつきましては、昨年四月に新しい施設ができまして、今までは船からおりたところで消毒していたんですけれども、建物ができましたので、消毒ができて検疫のところでも強化されているところでございます。
160 ◯下鶴委員 ありがとうございます。
ちょうど今、啓発活動の実施について空港だけ書いてあったものですから、クルーズターミナルはどうなっているのかなと思ってお伺いした点でありますが、ぜひとも、どこからお客さんが来るのかということを捉えて、クルーズターミナルのほうでも引き続き取り組んでいただければなと思います。以上です。
161 ◯田畑委員 先ほど、てん茶のことで聞いたんですが、輸出を結局、てん茶・抹茶・煎茶、多分これを一くくりで考えていると思うんですよ、輸出なんかに向けた販路というものを。ですから、私は逆に分けるべきなんじゃないかなと思うんですよ。
てん茶とか、今非常に需要があって必要だというのはわかるんですが、そうであれば、またそこに偏ったときはどうなるのかということも考えたりとか、あるいはお茶の原点というのはやっぱり煎茶だと思うんですよ。ですから、これをどうやって売り出していくのか、どうやって販路を広げていくのかということを考えていく必要があるんじゃないかなと思うんですよ。
てん茶が需要があるというのは、それはもう誰が力を入れなくても必然的に伸びていくわけですよね。そうじゃなくて、やはり行政として、基本である煎茶というものを需要を伸ばしていく、今こそですよ。そういうふうに私は考えるんですけど、その辺の考え方はどうなんですかね。
162 ◯光村特産作物対策監 まず、午前中、てん茶の輸出額ということで申し上げましたけれども、ちょっと訂正をさせていただきますと、有機抹茶の輸出構想ということで十六億円の目標を掲げております。煎茶につきましては四億円、合わせて二十億円の輸出目標を掲げているところでございます。
てん茶につきましては、抹茶の原料ということで県も推進しているわけでございますけれども、要するにマーケットインという発想で売れるものをつくると、そういう発想でてん茶を進めております。
じゃ、煎茶はどうするのかということで、煎茶につきましても、もともとお茶の価格が低迷している原因というのが、需要の低迷ということがございます。ですので、まずは需要の拡大をしましょう、それから消費拡大をしましょうという、長期的には需要拡大、中短期的には消費拡大に取り組む、そういうふうな視点で今、茶の振興を計画しているところでございます。以上でございます。
163 ◯田畑委員 今の現在の煎茶と抹茶の輸出額というのはどの程度なんですかね。
164 ◯光村特産作物対策監 平成二十九年度でお茶ということで二億七千万円でございます。
165 ◯田畑委員 これは分けてないということですよね。それであれば抹茶も煎茶も一緒で二億七千万円ということであるんですよね。(「はい」という者あり)
それと、十六億円と四億円と大分差が、開きがあると思うんですよ。ぜひ煎茶のほうもまだ目標額を上げていただきたいなと思うんですよね。やはり煎茶というのが一番基本ですから、ぜひ、需要があるというのはわかるんですが、ぜひ煎茶のほうも上げていただきたい。もうこれは要望しておきます。
それともう一点、さつまいもの病害対策、私も一般質問をさせてもらったんですが、この間、郷原議員はまた違う観点から質問させてもらって、同じ病害のことについてだったんですけど、大体答弁が似ているというか、あれだけ期間があったんだから、ちょっと進歩した答弁が来るのかなと正直思っていたんですよ。やっぱり早い時期に早い段階で農薬が使えるように、宮崎県とか国の機関や農薬会社とも協力しながらやっていくということでしたが、同じような答弁だったんですよ。だから、もうちょっと進歩がないのかなと、今の状況はどうなのかなというのをちょっとお聞きしたい。
実際、小園委員のところの豆類で、この豆には使える農薬、この豆には使えない農薬というのがあるという話があったと聞いたんですよね。それで豆類一つにくくれば、国の登録が早くできるということで、そうした経緯があるということだったんですよ。それで、ジャガイモなんかの菌で使える、芋に出ている、けど使えないというものもあるという話も聞いたんですよ。
ですからそういう、逆に言えば芋類は芋類で一つにくくってもらう、そういう要望をしながら、早い登録ができないものなのかということもあったものですから聞いているんですが、今の現状はどうなっているんですか。
166 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 基腐病に対します登録農薬のお話だと思います。
農薬登録については、法律に基づいて一定の試験研究を進めないと、なかなか登録にいかないということがございます。通常ですと、六例ということで異なる都道府県で三カ所、それを二年程度データをとった上で、薬効・薬害試験と残留農薬の関係もございますので、そういうきっちりしたデータをとった上で登録という手続になります。今回の場合には、一定程度限られた鹿児島・宮崎・沖縄、三県で範囲が限られているということで、通常六例試験が必要なところを二例でいきましょうということになってございます。それを実際の作物に使って効果がある、なしというところまで見ないといけないですので、通常はやはり一年以上かかるところになります。
私どもとしては、少なくとも来年の作付には間に合うような形で、ことし一定程度成果を上げて、登録がとれるように今、努力をしているところでございます。試験研究のほうで取り組みをしてございます。
167 ◯田畑委員 じゃ来年までは農薬も使えないということですよね、今の答弁ではですよ。
168 ◯厚ヶ瀬経営技術課長 今、苗消毒の部分では一剤とれてございます。昨年の疫学調査を踏まえますと、その登録のとれている農薬、これをすぐつくって、すぐ苗処理されて、それで圃場に移している方々の圃場での発生というのは少ないと。それを二日目まで使って薬剤消毒された場合、これは薬剤が化学変化を起こして変質しますので、効果が劣るようになります。そういうところでの発生が多いということになっているようです。今、地上散布で登録のとれている薬剤はございませんので、失礼しました、基腐病に対する農薬登録は今ないですね、苗立枯病に対してでございます。そういうもので、今時点で、基腐病は全く新しい病気ですので、登録のとれている薬剤はないという状況にございます。
169 ◯田畑委員 ぜひ早く研究を進めて、農薬散布で防除できるような体制を早くとっていただきたいなと思ったものですから、こういう話をしたところです。ぜひ早く農薬の登録ができるようにこれはもう要望しておきますので、ぜひお願いします。
170 ◯池畑委員 食肉におけるイスラム教徒のいわゆるハラールの認定を受けた食肉加工施設、これが九州管内、そして全国で現在どれぐらいあるかちょっと教えてください。
171 ◯田中畜産国際経済連携対策監 牛肉のいわゆるハラール認定を受けた施設でございますけれども、全国に六カ所ございます。九州では熊本県の人吉に一カ所ございます。本県にはございません。
172 ◯池畑委員 今、皆さん方も御承知のとおり外国人観光客、これが今、非常に毎年毎年増加の一途をたどっております。鹿児島県も昨年は本県への宿泊客数というのは約八百三十数万人、過去最高を記録したわけでありますが、うち外国人も七十九万人でありまして、過去最高を記録いたしました。今後さらに増加するわけでございますけれども、特にイスラム圏からの観光客というのも非常に今、増加しているわけですが、今、国を含めて非常に大きな問題になっているのが、ハラールの食品の認定施設が少ないということ等のようであります。
鹿児島県も一番アジアに近いわけでありますので、これからイスラム圏の国からの観光客というのもふえるということが言われており、ハラール認定を受ける食肉加工施設が本県にはないということでありますけれども、やはり畜産県鹿児島、ここにおいてやはり認定施設の設置に向け、今後県としてもしっかり検討されて、推進のことも考えるべきだと私は思うんですが、現時点でそういう方針というのについては何か議論をされているのでしょうか。
173 ◯莚平畜産課長 委員お尋ねのハラール向け輸出の認定施設ですけれども、先ほど田中畜産国際経済連携対策監が答えましたとおり、全国には六カ所、実質稼働しているのは二カ所でございます。非常に少ない状況でございます。そういう中で、委員おっしゃいますように、ハラール向け、国内のフレンドリーなハラールもございますし、そういうものの推進も必要かと思っています。
畜産課のほうにおきましては、食肉輸出促進協議会の事務局を持たせていただきながら、各食肉輸出業者と年数回、四回ほど語り合いの場を持っているところでございます。そういう中で、ハラールにつきましてもこれまでいろいろと協議は重ねてまいりました。
その中で、やはり宗教的な話であって、こっちの団体はいいけどこっちの団体はだめとか、いろいろとスタンダードがないというところで決め事がちょっとあやふやなところがあったりして非常に、どうすればいいのかがまだわからない状況もございまして、以前はいろいろとかごしまPR課等とも先生を招いて勉強もしてきたところでございます。そのように推進していく中でそういう課題を一つずつ潰しながらやっていかなきゃならないと思っております。
現在ハラールの輸出国につきましては、今、熊本にあるハラール認定をとっておられるところに委託し、屠畜なり処理をしていただいて輸出しているところでございまして、また委員の提言も踏まえながら、各輸出業者とも前向きにできないものか、そういうところも検討してまいりたいと考えております。
174 ◯池畑委員 鹿児島県の畜産関係の業者さんで当然、ハラールの国、いわゆるイスラム圏の国への牛肉の輸出、これも実際取り組んでおられる業者さんもいらっしゃるわけですね。
聞くところによりますと、先ほど九州に一カ所、熊本県にあるという御説明でしたが、そこの施設が非常にもう長年たっておられて、設備が老朽化しているわけでありますけれども、その設備が老朽化のために使えなくなったら、もうハラールの食肉加工はもうそれでやめるというような話もあるそうでありますので、そうなりますと九州になくなるわけですね、ハラールの認定施設がですね。
ですから、今後のイスラム圏からの観光客を含めた方がたくさん九州管内にもおいでになるのが予想されますので、やはり鹿児島県としてもこのハラールの認定施設の設置については、今、課長さんからも御答弁をいただきましたけど、今後、県として設置に向けてしっかり検討されなければいけないと私は思うものですから、ぜひ早期の設置に向けて、民間も含めて協議を進めていただくように御要望しておきます。
175
◯西高委員長 ほかにございませんか。
176 ◯宝来委員 八ページです。県産
農林水産物輸出用統一ロゴマークについてですが、これはどのような形で認定というか配布というか、各生産者に行き渡るような仕組みをとられているということですか。
177 ◯菓子野農政課長兼かごしまの食輸出戦略室長 鹿児島県
農林水産物輸出用統一ロゴマークにつきましては、使用を希望される方が県に届け出を出して、それを我々は審査して、届け出が可となればロゴマークの使用を許可するということをしております。具体的には、マークの電子媒体を提供したり、あるいははっぴだとかそういったPR資材を提供することにしております。
178 ◯宝来委員 今、和牛の輸出のほうもあるんですが、和牛は昔から別途ロゴマークというのがあったと思うんですけど、その辺との併用とかすみ分けとか、もしくは今回、ブラジルにも行きますよとなったときに、このシールが張られているのか、張られる予定なのかという、その辺の先のことがわかれば教えてください。
179 ◯菓子野農政課長兼かごしまの食輸出戦略室長 今回、決定しましたロゴマークは、
オール鹿児島でいわゆる品目横断、畜産に限らず農産物であったり焼酎であったりと、品目横断で
オール鹿児島でPRをする際に使用するというふうに考えております。
ブラジルにおきましては、まだ業者さん側からの申請というのはないんですけれども、少なくとも県職員等が同行する場合には、こういったロゴマークを冠したはっぴだったり、そういったもので鹿児島をPRしていきたいというふうに考えております。
180 ◯宝来委員 統一ロゴマークと和牛のロゴマーク、その辺は今後どのようにすみ分けていくという考えですか。
181 ◯菓子野農政課長兼かごしまの食輸出戦略室長 すみ分けといたしましては、繰り返しになりますけれども、
オール鹿児島でPRする場合にはこのマークを、お手元の資料の八ページのマークを使いますけれども、基本的には、業者さんに任意で選んでいただくということで対応したいなというふうに思っております。
182 ◯宝来委員 販売原価なりにやはり和牛というのが一番付加価値が高いものですので、ぜひそれを起点に鹿児島というのを世界的に売っていただくためには、和牛にこそこのマークがつくべきかなというふうにも思いますので、その辺は課内で調整するなり、ある一定のルールを決めて取り組んでいただきたいなと思います。
もう一点、ブランド化に関して、「かごしまのマンゴー」というのがあります。敵というかライバル的には宮崎の「太陽のタマゴ」ということになると思うんですが、その辺の位置づけで、太陽のタマゴというのは宮崎のブランドなのか品種なのか、どういった形でネーミングされているものなのか、わかったら教えてください。
183 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 太陽のタマゴにつきましては、宮崎県が宮崎県でつくられたマンゴーを出荷する際につける名称というふうに聞いております。
184 ◯宝来委員 ということは、鹿児島対宮崎だと、太陽のタマゴ対かごしまのマンゴーということで戦っていかないといけないと思うんですが、そのときの差別化というのは現状どのように考えていらっしゃいますか。
185 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 マンゴーのこれからの販売についてでございます。
現在、知名度におきましては、宮崎の太陽のタマゴというのがメジャーであるというふうに言われておりますが、現在、高級果物店等においても本県のマンゴーの売り込みをかけておりまして、そういった中で首都圏の有名果物店の中で品質も評価されながら、太陽のタマゴと同等または以上の品質があるということで評価を受けて、いろいろなメディアへの紹介等もしていただいているところでございますので、そういったものを引き続き進めながら、また、量を確保できるような形で産地とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
186 ◯宝来委員 ありがとうございます。
品質並びにおいしさがいいというのは、何か数字的な糖度の差とか出ているのですか、教えてください。
187 ◯武田かごしまの食ブランド推進室長 本県におきましては、マンゴーの中でより糖度の高いものを「夏姫」とネーミングしまして、差別化を図って販売をしているところでございます。これにつきましては、ちょっと糖度は今、はっきりここに手持ちがないところなんですが、十五度以上の糖度のものを夏姫とネーミングをして売っております。これにつきましては非常に評価も受けてございますので、十分戦えるものであるというふうに考えております。
188 ◯宝来委員 多分、マンゴー自体の日本のシェアというのもまだまだ伸びるのかなと思うので、ぜひ宮崎とタイアップでもして、ライバル同士として戦いを挑みながら、そういうプロモーションをしていかれたら、両方のマンゴーが発展するのかなと思いますので、かごしまのマンゴー対太陽のタマゴだと、なかなかもう、向こうは多分大玉のものをメーンにされて、一玉が一万、二万、三万というのが飛行場にも売っていてびっくりしたんですけど、その辺の大きさの差別化、すみ分けをしっかりしながら、かごしまのマンゴーというのをぜひ広めていったらいいのかなと思います。
ブランド化に関しましては、全てに関してやはり数字的な何か特徴を出さないといけないのかなと、今からどんどん健康志向も入ってきますので、いろいろな形の成分分析をしながら、他県の品種にはないものがもし少しでも含まれていたら、それによって差別化ができると思うので、積極的にその辺も念頭に置いて取り組んでいただきたいなというふうに思っております。最後のは意見です。
189
◯西高委員長 ほかにございませんか。
[「なし」という者あり]
190
◯西高委員長 ほかにないようですので、県政一般を終了いたします。
以上で、当委員会に付託されました議案等の審査は全て終了いたしました。
委員長報告につきましては、特定調査事項を含み、文案は当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
191
◯西高委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。
次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条の規定に基づく閉会中の委員会活動についてお諮りいたします。
請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件については、商工業振興対策について、労働対策について、水産業振興対策について、農業振興対策についての四項目といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
192
◯西高委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたします。
以上をもちまして、
産業経済委員会の日程は全て終了いたしました。
これで、閉会いたします。
御苦労さまでした。
午後一時四十八分閉会
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