通告に従って、順次発言を許可いたします。
前原尉君に発言を許可いたします。
[前原 尉君登壇](拍手)
3 ◯前原 尉君 皆さん、おはようございます。日置市の前原でございます。
議長のお許しを得て質問させていただきます。
通告に一部変更がありますが、
内容そのものは変わりませんので、早速質問に入ります。
鹿児島県の小・中学生の学校生活に必要な費用、特に給食費についてお伺いいたします。
現に小・中学生の場合、
就学援助制度において、要保護者及び準要
保護者世帯の児童生徒の保護者に対して、市町村が給食費や修学旅行費などの一部を援助しております。これらはいずれも給付型で、返済は不要です。低所得者の家計にとりましては大変有意義な制度であります。
しかしながら、この制度は申請制でありまして、全ての児童生徒について就学援助の必要性を聞くことはできても、申請手続の不便さや、子供にとっての精神的な不安感はあると思います。
高齢者が入院した場合、所得によって食事代の減免を受けられる制度があります。入院時食事療養費の
標準負担額制度のことであります。現役並みの収入の人は一食四百六十円、低所得者は一食二百十円から百六十円、さらに低所得者は一食当たり百円となっています。この制度のおかげで高齢者は、特に所得の少ない高齢者は、病院へ安心して入院できるわけであります。
このような、
生活困窮家庭に対して負担を軽減する制度等を参考にして、小・中学生の給食費の負担軽減についても検討できないものでしょうか。
給食費を全額無償化している自治体もありますが、全額無償化はかなりコストがかかりますし、本当に必要とされているのは、低所得世帯であります。所得の多い世帯の子供たちまで無償化する必要はないと思います。
弱者を助け、また、全ての子供たちが安心して学べる環境をつくり、これから子供を持とうとしている若い世代が一人でも多くの子供を持てて、安心して教育を受けさせることができる鹿児島県をつくっていきたいと思います。それが私たち政治家の務めであり、将来の鹿児島県の発展につなげていけると思います。
そこで、県内の市町村における
生活困窮家庭に対する
学校給食費の負担軽減の取り組みについて教えてください。
現在、国・県における子育て支援にはさまざまな制度があり、数年前と比較すれば、十分とは言えませんが確実に前進していると思います。
今日、
認定こども園の整備への補助や保育士等への
処遇改善加算、また、本年十月からは幼児教育の無償化等、すばらしい制度が発足し、子供を持つ若い世代にとって子供を育てやすい環境整備が進んでいることは、すばらしいことであると思います。
しかしながら、これらのすばらしい制度は、全て保育所、幼稚園、
認定こども園等の施設を対象としており、
事業所内保育所等においては、全ての施設がこの恩恵を受けているというわけではありません。
働く女性にとって、
事業所内保育所は職場内にあり、仕事の関係をよく理解しており、子育てしやすいと思われます。国の施策とはいえ、不公平感は皆感じていることと思います。
労働人口の減少により、仕事があっても人がいないという現状の中で、女性の労働力は必要不可欠であります。特に、子育てが終わった女性の多くは既に仕事をしており、今は、子育て真っ最中の女性の労働力を十二分に生かすことこそ、労働力の獲得とともに
若者夫婦世帯の所得の向上にもつながり、鹿児島県産業の向上につなげていけるものと思います。
地方行政においては、国が決めたことだから、それは国が考えることという考え方ではなく、鹿児島県独自の支援策を検討し、より平等に、より公平に、そして全ての子供を育てている若い御家族が、より安心して働きながら子育てができるよう、支援策を御検討いただきたいと存じます。
事業所内保育所等への鹿児島県独自の支援策を今後検討していただけないものか、質問いたします。
医療福祉界における現状についてであります。
二〇一六年のデータによりますと、日本人の平均寿命は男性で八十一歳、女性で八十七歳となり、今後も長寿化し、
高齢者人口がふえ続けていくものと予想されます。しかし、社会ではこの長寿化が喜ばれる一方、
医療福祉界では以前より問題視されている二〇二五年問題がいよいよ間近に迫り、国民の三人に一人が六十五歳以上、五人に一人が七十五歳以上という超高齢社会に突入します。
このデータは、若者が密集する都市圏も含めたものであり、実際には鹿児島県、特に過疎化が進む地域では高齢化率が著しく高くなっており、既に二〇二五年問題が到来していると言っても過言ではありません。
将来の高齢化を見据えて平成十二年にスタートした
介護保険制度は、時代に応じた改正を重ね、諸外国も手本にするほどのすばらしい施策として、多くの高齢者を支え、その家族の助けとなっているのは間違いのないところでありますが、それでもなお、高齢者を取り巻く不安は予想以上に深刻化し、高齢化に伴う疾病の多様化・重症化、世話する家族らの心身の負担増、地域の
医療福祉資源不足など、挙げれば切りがないほどであります。
その問題を打開するために厚労省より、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される
地域包括ケアシステムが示されたわけでありますが、いかんせん、そもそもの担い手、特に介護職員のマンパワーが不足しており、平成二十七年度における
介護職員人口は、平成十二年の
介護保険制度創設時の三・三倍に当たる百八十三万人とふえたものの、
有効求人倍率は三倍と全産業の中でもひときわ高く、平成二十八年度の
介護労働実態調査によれば、
介護労働者の五三・二%が「人手が足りない」と回答したようであります。
そこで一点目の質問として、鹿児島県が把握している介護職員の不足状況を教えてください。
次に二点目として、鹿児島県が行っている介護職員の確保対策、特に過疎地域での対策があれば教えてください。
私も、医療福祉の現場に携わること三十五年、医療福祉のすばらしい進歩を目の当たりにし、地域の高齢の方々が元気に、そして幸せになられることを願ってまいりましたが、その反面、その高齢者のニーズに見合った医療福祉のスタッフが確保できていない状況にもどかしさを感じ、果たして今後の医療福祉はどうなっていくのかと不安を感じています。
そこで、自分なりに何か打開策がないものかといろいろと模索してみたところ、一つの考えに及びました。
先ほど申し上げたとおり、日本では平均寿命が延びてきておりますが、比例して健康寿命も年々延び、男性では七十二歳、女性では七十四歳まで延びてきているようであります。内閣府の調査においても、現在六十歳以上の働いている方のうち、働けるうちはいつまでも働きたい方は四二%、七十歳くらいかそれ以上働きたい方は約八〇%との結果が出ております。
これまでは若中年層の方々に頑張ってもらうイメージが強くありましたが、その点にも注力しつつ、さらに健康寿命が延びて、就業に対して意欲的な高齢の方々にも頑張っていただける社会を目指すことも大切だと思います。
年齢という数字にとらわれない働き方、言うなれば、いつまでも働ける職場づくりに取り組むことで、新たな活路を見出すことができ、国が目指す、誰もが活躍できる一億総活躍社会にもつながるものと信じておりますので、県行政におかれましても、何とぞ御一考いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
これまでに、県道の改良工事において、財政状況の厳しい中であらゆる方法を駆使して事業を実施してもらっていることに対しまして、まずもって感謝いたします。
さて、日置市内の
県道改良工事につきまして、改良工事が完了している県道、改良工事を継続して実施している県道、そして改良工事がおくれている県道もたくさんあります。
日置市東市来町にあります県道三百五
号養母長里線のことでありますが、この路線は、東市来地域を縦に結ぶ重要路線と考えております。この道路は、子供たちの通学路または通勤道路としても重要な役割を果たしている県道であります。
また、この地域は、平成二十八年度から三十年度の三カ年間で子供のいる家族の転入により、未就学児、小・中学生が二十名ふえ、現在四十名となっております。
しかし、県道は交通量が多く、
大型トラックが通行するときなど、歩道もなく子供たちが毎日危険にさらされている状態にあり、地域住民の安全確保を図る観点からも、早急な整備が強く望まれております。
なお、この県道のうち
野山坂地域においては、幅員が狭いことから車両の離合が困難であり、これまでにも地元自治会やPTA等あらゆる機関から、長年にわたり県に対して陳情・要望してまいりました。
そこで質問いたしますが、鹿児島県として、今後、この
野山坂地域の改良工事についてどのような計画で進めていかれるのか、お伺いいたします。
主要地方道谷山伊作線は、鹿児島市と
薩摩半島西岸地域を結ぶ、通勤・通学利用の非常に多い重要な路線でありますが、標高差の影響で、冬場は凍結や積雪により交通渋滞や通行どめが頻繁に発生している状況にあります。
この道路は、主要な物流道路として、また、原発災害や桜島爆発など大規模災害時における避難道路としての重要性もあります。
日置市吹上町では、十数年前から、
交通渋滞等解消や地域活性化のため伊作峠にトンネルを計画したらどうかという話が持ち上がり、幾度となく協議されております。
昨年の八月、一日も早い
伊作峠トンネルの実現へ向けて、関係機関や沿線住民が盛り上がり、
伊作峠トンネル建設期成会の発足大会が開催されました。
昨年九月の県議会で、
伊作峠トンネル開設を求める請願が本会議で採択されております。
そこで質問いたしますが、請願内容は、
伊作峠トンネルの開設の必要性を検討いただくよう要望しますということでありましたが、県として、今後どのような形で進めていかれるのか、お伺いいたします。
吹上浜は、南北四十七キロメートルにわたる風光明媚な白砂青松とウミガメの産卵地として貴重な資源を有しており、日本の渚百選にも選ばれ、観光地びき網や
マリンスポーツも行われるなど、多くの県民や観光客が訪れる海岸で、
県立自然公園にも指定されております。
以前は、広い砂浜が長く続いておりましたが、侵食が進み、場所によってはほとんど砂浜がないところもあります。吹上浜の一角にあります東市来町の江口蓬莱館は、全国でも有名な物産館として観光バスや定期バスが立ち寄り、大にぎわいを見せております。
この大切な海岸線を守るためにも、海岸の侵食対策が急がれております。国土保全の観点からも重要な課題であります。
これまでにも部分的には
侵食防止工事が実施されておりますが、外海のため、自然の猛威には侵食防止の機能が発揮されていない状況であります。
そこで質問いたしますが、江口浜海岸の永山地区では、民有地近くまで侵食が進み、生活が脅かされる深刻な状況にあります。国道二百七十号の通行にも影響が出る可能性も否定できません。早急に現地調査を実施していただき、抜本的な対策に取り組んでいただきたいと考えておりますが、吹上浜の調査の状況及び永山地区の
海岸侵食対策の取り組みについてお示しください。
第一回目といたします。
[知事三反園 訓君登壇]
4 ◯知事(三反園 訓君)
県道養母長里線野山坂地区の整備についてであります。
この路線は、日置市東市来町養母の
県道山田湯之元停車場線を起点とし、国道三号に至る道路でありまして、これまで古市工区などの整備を進めてきたところであります。
野山坂地区につきましては、昨年度、日置市で開催いたしました知事と語ろう車座対話においても、直接、道路整備の要望を受けるなど、整備を望む声が多く寄せられております。
野山坂地区の未改良区間につきましては、通学路でありながら歩道もなく、幅員狭小となっていることから、特にカーブが多く見通しが悪い
東市来中学校付近のおよそ六百メートルの区間につきまして、来年度から整備に着手いたします。
5 ◯教育長(東條広光君)
学校給食費の負担軽減の取り組みについてであります。
各市町村における
学校給食費の負担軽減の取り組みについては、関係法令に基づき、全ての市町村において、要保護者には全額が給付され、準要保護者にはそれぞれの市町村の基準により助成が行われております。
本年度は、全児童生徒を無償としている四つの市町村を含む十九の市町村で、準要
保護児童生徒に対して全額助成が行われ、県が要請を始めた平成二十八年度と比較して、九市町村増加しております。また、他の全ての市町村においても、約六割から九割の助成が行われるなど、
学校給食費に係る保護者の負担軽減に対する取り組みが充実してきているところであります。
県教委としては、今後も、
学校給食費の負担軽減の取り組みが充実するよう、市町村へ要請してまいります。
6 ◯子育て・
高齢者支援総括監(地頭所 恵君)
事業所内保育所に対する支援についてでございます。
地域における多様な保育ニーズに対応するために必要であり、一定の基準を満たす施設として市町村が認めた事業所内の保育施設については、
地域型保育事業を実施する施設として、国・県・市町村が運営に要する経費を給付しております。
また、企業等の事業主が、従業員等の子供を利用対象者として設置する保育施設で、一定の基準を満たす施設については、
企業主導型保育施設として、国や事業主が拠出する子ども・
子育て拠出金から、
施設整備費及び運営費が助成されております。
これらの対象とならない
事業所内保育施設のうち、医療機関や
介護サービス事業所に設置され、一定の要件を満たした保育施設については、県において、医療や介護の人材確保の観点から、人件費の補助を行っております。
県としては、働き方や暮らし方に合わせて安心して子供を育てられるよう、地域における多様な
保育サービスの充実を支援してまいります。
次に、
介護職員不足の状況及び対策についてでございます。
本県における平成三十年十二月の介護関係の
新規求人倍率は三・七四倍であり、全産業の二・一六倍より高くなっており、介護人材の確保が困難な状況にあります。
介護職員を確保するためには、参入の促進、資質の向上、労働環境・処遇の改善を図ることが重要であることから、県では、
地域医療介護総合確保基金等を活用して、介護の魅力に関する情報発信、
介護福祉士の資格取得を目指す学生等への修学資金の貸し付け、介護職員の資格取得や
キャリアパス構築、
介護ロボット導入への支援など、各般の施策に取り組んでいるところです。
介護サービスの確保等が困難である離島や中山間などの地域については、市町村による人材の確保対策に重点を置いた取り組みに要する費用を助成するとともに、研修機会の少ない離島等の地域については、
介護事業所における職員の離職を防止するため、
雇用管理責任者向けの講習等を実施しているところです。
来年度においては、介護に関する入門的な研修を新たに実施し、介護未経験者の参入促進に努めるとともに、
介護事業者の団体や介護人材の養成施設等で構成する
県介護人材確保対策検討会に、
外国人介護人材の受け入れや地域ごとの課題と対応策について検討する二つの部会を設置することとしております。
県としては、関係団体と連携しながら、
県介護人材確保対策検討会における介護人材の安定的確保に向けた方策等の検討結果も踏まえて、引き続き、介護人材の確保に努めてまいります。
7 ◯土木部長(渡邊 茂君)
伊作峠トンネルの今後の進め方についてであります。
県道谷山伊作線は、鹿児島市の谷山市街地から伊作峠を経由し、日置市吹上町の国道二百七十号に至る幹線道路であり、これまでに、吹上町麓地区の線形改良などの整備を終えるとともに、急勾配区間においては登坂車線を設置するなど、全線二
車線改良済みとなっております。
御要望の伊作峠の
トンネル整備に当たりましては、大規模な事業となることから、多額の事業費を要することとなります。
現在、
伊作峠周辺における地形・地質、沿道状況など現道の詳細な状況について、既存資料や現地調査による現状把握を進めているところであります。
引き続き、現道の詳細な現状把握を行った上で、必要性の検討に入ることといたしたいと考えております。
続きまして、吹上浜の調査の状況及び永山地区の
海岸侵食対策についてであります。
吹上浜においては、中長期的な変化状況を把握するため、平成十四年度以降、深浅測量などの調査を継続して実施しており、直近の平成二十九年度の調査結果においても、これまでと同様に、部分的な侵食や堆積の傾向が認められますが、海岸線全般には大きな変化は見られない状況であります。
永山地区の
海岸侵食対策につきましては、昨年八月に地元市や地域住民と吹上浜一帯で現地調査を実施したところ、永山地区の消波ブロックの背後が一部侵食を受けており、地域住民の方から侵食対策を行ってほしいとの要望が出されたことから、地元の市と連携を図りながら、必要に応じて保全措置を講じてまいりたいと考えております。
[前原 尉君登壇]
8 ◯前原 尉君 いろいろ御回答いただき、ありがとうございました。
日置市内の県道の整備、伊作峠のトンネル、そして吹上浜の海岸整備については、地元の方々の念願でございますので、できるだけ早い着工、完成をお願いいたします。
次の質問に移ります。
総合的な
医師確保対策についてであります。
平成二十八年の全国の
届け出医師数は三十一万九千四百八十人であり、その男女比は、男性二十五万一千九百八十七人、七八・九%、女性六万七千四百九十三人、二一・一%となっております。
また、平成二十八年
届け出医師数を平成二十六年と比べると、八千二百七十五人、二・七%増加しております。また、人口十万対医師数は二百五十一・七人で、六・八人増加しております。
医師数は三十一万九千四百八十人でありますが、その医師がどこに従事しているかは、働いている場所別に人数を申し上げます。
医療施設の従事者三十万四千七百五十九人、総数の九五・四%、前回と比べ七千九百十四人、二・七%増。その中で
病院従事者は二十万二千三百二人、診療所の従事者は十万二千四百五十七人であります。
介護老人保健施設の従事者は三千三百四十六人、総数の一・〇%、前回と比べ百十六人、三・六%増。医療施設、
介護老人保健施設以外の従事者は九千五十七人、総数の二・八%で、前回と比べ四百八十一人、五・〇%増。その他の者が二千三百一人、総数の〇・七%で、前回と比べ二百五十三人減、九・九%減となっております。
医療施設に従事する医師数を男女別に見ると、男性二十四万四百五十四人、前回と比べ四千百四人、一・七%増、女性六万四千三百五人、前回と比べ三千八百十人、六・三%増であります。
年齢別に見ると、四十から四十九歳、六万八千三百四十四人、二二・四%。次いで五十から五十九歳、六万七千二百八十六人、二二・一%。三十から三十九歳、六万四千八百七十八人、二一・三%となっております。
また、男女の構成割合を年齢階級別に見ると、全ての年齢階級で男性の占める割合が多くなっておりますが、女性の割合は年齢階級が低くなればなるほど高く、二十九歳以下では三四・六%となっております。
また、施設の種別に見ると、病院─
医育機関附属病院を除く─十四万七千百十五人が最も多く、診療所十万二千四百五十七人、
医育機関附属の病院五万五千百八十七人となっており、昭和六十一年以降、病院が最も多くなっております。
施設の種別に年齢階級を見ると、病院では四十から四十九歳、
医育機関附属の病院では三十から三十九歳、診療所では五十から五十九歳が最も多くなっております。
主たる診療科別に見た医師数は内科が最も多く、六万八百五十五人、二〇・〇%、次いで整形外科二万一千二百九十三人、七・〇%、小児科一万六千九百三十七人、五・六%となっております。
主たる診療科の構成割合を性別に見ると、男性は、内科二一・二%、整形外科八・四%、外科五・六%、女性は、内科一五・五%、小児科九・〇%、眼科七・八%となっております。
また、主たる診療科別に平均年齢を見ますと、肛門外科が五十八・五歳と最も高く、救急科が四十一・四歳と最も低くなっております。
都道府県─従業地─別に見た人口十万対医師数については、全国では、最も多いのが徳島県三百十五・九人、二位、京都府三百十四・九人、三位、高知県三百六・〇人。下位の三県を申しますと、四十五位、千葉県百八十九・九人、四十六位、茨城県百八十・四人、四十七位、埼玉県百六十・一人。
ところで、鹿児島県はどうかというと、人口十万人
当たり医師数は、平成二十六年二百五十七・八人、全国は二百四十四・九人、平成二十八年二百七十二・五人、全国では二百五十一・七人となっており、人口十万人当たりの医師数は、平成二十八年では二百七十二・五名と全国の二百五十一・七名を上回っております。
23 ◯農政部長(本田勝規君)当初は農業者の方々等から、種子法が廃止になってどうなるのかという疑問の声も聞かれたところでございますが、県におきましては、各種会合等において、先ほど答弁いたしましたように、チラシ等も活用しながら丁寧に説明しているところでございます。
ちなみに、周知等のため、三十二の研修会・座談会等を活用して説明を行っているところでございます。
[柳 誠子君登壇]
24 ◯柳 誠子君 御答弁いただきました。
男女共同参画推進条例の制定について、現状と課題をお示しいただきました。
条例制定が進まない市町村に対しましては、県からの助言や研修会の拡充なども積極的に行っていただくよう要望いたしたいと思います。
一九八六年の男女雇用機会均等法の施行を契機に、働く場面における男女の機会均等、平等は、法制度上では一気に加速した感があります。しかしながら、内実はといいますと、男性が特権を有してきた企業社会において、子育てや介護などの役割を担う比重が高く、長時間労働など男性と同様の働き方をするのが困難な女性は、責任が重く、質の高い職務から外され、男性よりも低い評価を受けてきたと言わざるを得ません。
世界経済フォーラムが公表している男女平等の度合いを示すジェンダーギャップ指数で、二〇一八年の日本のランキングは百四十九カ国中百十位と極めて低く、しかも中長期で見ますと、ずるずると順位を下げています。関連の国際機関は、日本の女性活躍は進んでいるのに、なぜ順位が下がるのかとの問いに、日本はよくなっているが、ほかの国はもっと速いスピードでよくなっていると答えています。
女性活躍も、働き方改革も、今の日本社会にとっては最重要課題であります。ワーク・ライフ・バランスの取り組みなどを進める企業は、一定の時間はかかるが、大幅に付加価値生産性が上がるという調査結果も示されています。
女性を初め、多様な人材が活躍できるダイバーシティー─多様性─の実現は、新たな価値の創造の大きな原動力であります。これに本気で取り組む企業がふえれば、改革のスピードは上がり、企業の成長と社会の成長の好循環が生まれるでしょう。
本県の男女共同参画局の今後の取り組みに期待いたします。
現在、日本では約三百品種もの米がつくられています。また、特定の地域でしか栽培されていない品種の米は、地域振興の看板にもなっています。
このように、地域や気候に合った品種の種が供給され続けてきたのも、公的制度や予算等の支えがあったからこそであります。民間企業がこれだけの多品種を維持するコストや手間を負担することができるでしょうか。企業は利益優先となり、同じ品種を効率的に広めることになっていくのではないかと考えます。単一の種子が大量生産されるようになれば、病害虫の発生などで一気に打撃を受けるリスクも高まります。昨今の気候変動が激しくなる中、被害をより大きくする危険性さえももたらすことになります。
安心できる食を守るために、そして未来の世代にしっかりと種子をつないでいくためにも、種子を守る新しい法制度をつくる必要があります。そのためには、まずは地方自治体で種子条例を制定すべきであります。
次の質問に入ります。
学校における課題が複雑化・多様化する中において、新学習指導要領を踏まえた教育課程等を確実に実施し、質の高い教育を持続・発展させるためには、学校における働き方改革を実質的かつ着実に推進していくことが必要不可欠であるとし、県教委から今議会に、学校における業務改善アクションプラン案が示されています。
本県の実情に即した数値目標を設定し、中長期的で具体的な取り組みを取りまとめたものであり、今後、市町村教育委員会やPTA連合会などの関係団体とも連携しながら、全ての教育関係者で業務改善を推進していくとされています。
本プラン案では、業務の簡素化、業務の効率化及び業務改善の意識化の観点から、四つの重点取り組みが明記されています。これらがより実効性のあるものとなるよう、以下質問してまいりますので、明快な答弁をお願いいたします。
一点目、各学校で行われている校内施設等の安全点検及び補修活動は、極めて専門的な知識と経験が必要であることから、設置者の責任で段階的に専門業者へ外部委託するなどを、重点取り組み二の、事務の負担軽減と専門スタッフ等の活用に記述すること。
二点目、全ての学校で実施する取り組みとして、学校行事を二〇%削減します、学校の会議等を二〇%削減します等を、重点取り組み三の、授業準備の効率化と時間確保に記述すること。
三点目、同じく、全ての学校で実施する取り組みとして、勤務開始と同時に職員朝会や学級での朝の会を開始することは、準備のための時間が時間外勤務になってしまうことから、勤務開始時刻とこれらの開始時刻との間には、少なくとも五分から十分以上の時間を設定することを記述すること。
四点目、鹿児島県部活動の在り方に関する方針案で示されている内容との整合性をとって、全ての学校で実施する取り組みの中に、長期休業中の休養日の設定は学期中に準じた扱いを行う、ある程度長期の休養期間を設ける、一日の活動時間は、長くとも平日では二時間程度、学校の休業日は三時間程度を、重点取り組み四の、部活動に係る勤務状況の改善に記述すること。
五点目、二〇一九年度から二〇二一年度の三年間かけて進めるアクションプランであることから、県教委が地域・保護者へ毎年広報活動を実施する旨を記述すること。
六点目、学校の働き方改革への地域や保護者の理解と協力を得るため、県教委は県PTA連合会に対して、市町村教委は市町村PTAや各学校のPTA、校区公民館長などに対して、理解を得るための説明をすると記述すること。
以上、多岐にわたりますが、本プランが学校の働き方改革に大きく寄与することを願い、質問いたします。
次の質問です。
質問の前に、通告してありました項目の一点目、離島への赴任旅費の見直しについては割愛いたします。
臨時的任用教職員は、本来正規の教職員が配置されているところに、産前産後の休暇や育児休暇、病気休暇などの理由で欠員が生じた場合の代替として配置されます。年度途中で配置されることもあり、職務内容は、学級担任をする、部活動指導をするなど正規教職員とほぼ同じで、勤務時間も同様となっています。
任用期間は、地方公務員法により六カ月となっており、一回のみ更新が可能で、通算すると一年が限度ということになります。給与に関しては上限を設けており、それに達すると、それ以降幾ら勤めても昇給はありません。本県では、新規採用四年目の給与と変わらないのが実態です。
本年度の臨時的任用教職員については、教諭九百九十八人、事務職員八十七人、養護教諭四十七人、栄養教諭二十一人の配置となっているところであります。
臨時的任用教職員の任用に当たっては身分証明書を提出する必要がありますが、任用される年ごとに毎回提出しなければならず、御自身の身分を疑われているかのような気持ちになるとのことであります。
他県では、身分証明書の提出は一回のみとなっていると伺っています。本県においても見直しすべきであります。見解をお示しください。
現在、本県では、教員採用試験の年齢制限が四十歳までとなっています。経験を積みながらも、さまざまな理由で採用試験を受けられずにいる臨時的任用教職員が、四十歳を過ぎても挑戦できる環境をつくることで、その経験を本県教育に生かしていただけるものと考えます。
年齢制限があることで、有能な人材が県外に流出している実態があります。本県教育にとっては大きな損失と言えるでしょう。年齢制限の撤廃を求めますが、見解をお示しください。
文科省の就学相談・就学先決定の在り方を見ると、就学基準に該当する障害のある子供は特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当である。その際、市町村教育委員会が、本人・保護者に対し十分情報提供をしつつ、本人・保護者の意見を最大限尊重し、最終的には市町村教育委員会が決定することが適当である。また、就学時に決定した学びの場は固定したものではなく、児童生徒の発達の程度、適応の状況等を勘案しながら柔軟に転学ができることを、全ての関係者の共通理解とすることが重要であると記されています。
全国的な傾向でありますが、小・中学校の特別支援学級に在籍する子供がふえ続けており、たびたび報道等でも取り上げられています。増加の要因としては、特別支援教育に関する関係者の理解の浸透、また、特別支援学級への評価や期待といったことがあるかと思われます。本県においても、学校によっては支援学級が七クラス、八クラスというところもあります。
少子化の一方で、特別支援学級に在籍する子供の数は今後ますますふえ続け、教室不足や教員の専門性の確保等の課題も出てくる中で、県は今後どのように対応していかれるのか、見解をお示しください。
地方交付税措置により、現在、小・中学校には特別支援教育支援員が一校に一人配置できる予算配分になっていると認識していますが、市町村の財政状況により、支援員の配置が進んでいないのが現状です。一校に何クラスもある支援学級に対し、支援員は一人という学校もあり、子供の学びの保障という点からも、支援員不足は喫緊の課題であります。
現在の特別支援教育支援員の配置状況と、県立高校については、希望のあった学校数についてもお答えください。
県は、今後、このような支援員不足にどのように対応していくのか、見解を求めます。
障害者権利条約の第二十四条で教育を取り上げておりますが、一般的な教育制度から排除されないこと、自己の生活する地域社会において初等・中等教育を享受することができること、個人に必要とされる合理的配慮が提供されること等を確保するとなっています。
そういう条約の条文に照らせば、むしろ地元の学校の子供たちと一緒の学級で過ごす子供たちがふえて、特別支援学級やそこに在籍する子供たちは減っていくのが自然な形ではないかと考えます。
そこでお尋ねします。
国もインクルーシブ教育の推進へ向けて取り組んでいると認識していますが、県の目指すインクルーシブ教育とはどのようなものなのか、現状は逆行している感がありますが、見解をお示しください。
これで、二回目の質問を終わります。
25 ◯教育長(東條広光君)初めに、学校における業務改善アクションプラン案への要望についてであります。
アクションプラン案に掲載すべきとして、六つの項目について提案いただきました。
まず、校内施設等の安全点検や補修等の外部委託についてであります。
学校の施設や設備等の安全点検、補修等のうち、専門的な知識や経験が必要なものは、従来から専門業者への外部委託などにより対応しているところであり、今後も同様に対応してまいりたいと考えております。
次に、学校行事や会議等の削減に係る目標数値の明示についてであります。
行事等は、校種や学校規模等によって異なりますことから、各学校ごとに目標を設定して取り組んでいただきたいと考えているところであります。
なお、教育委員会が主催する会議等については、回数の削減や効率的な運営など、県教委や市町村教育委員会みずからが取り組むことにより、削減できるものでありますことから、その目標数値をアクションプランに設定したところであります。
次に、勤務開始時刻から職員朝礼等の間への準備時間の設定についてであります。
アクションプランにおいては、全ての学校で実施する取り組みの一つとして、勤務時間を考慮した諸会議等の時間設定を行うなどとしているところであります。準備のための時間を設定するかどうかを含め、各学校の実情に応じて取り組んでいただきたいと考えております。
次に、部活動の在り方に関する方針で示した内容のアクションプランへの明示についてであります。
部活動の在り方方針は、国の部活動の在り方に関するガイドラインにのっとって、全ての学校で実施する取り組みとして策定したものであります。各学校においては、アクションプランと相まって、部活動における業務改善等に取り組んでいただきたいと考えており、このことはアクションプランに明記しているところであります。
次に、アクションプランの広報と、学校での働き方改革についての地域や保護者等への理解促進についてであります。
アクションプランを実効性のある取り組みとするためには、保護者や地域の方々へ十分周知し、御理解と御協力を得た上で行うことが大切であります。このことはアクションプランの中にも明記するとともに、県教委としては、これまで、学校における業務改善に係る考え方などをまとめたリーフレットの配布等により、保護者を初めとする県民の方々への周知と理解の促進に努めてきたところであります。
引き続き、市町村教育委員会等とも連携して、業務改善の必要性とアクションプランの内容の周知に努めてまいります。
次は、任用に当たっての身分証明についてであります。
職員の採用に当たっては、地方公務員法に規定する欠格条項に該当するか否かを確認する必要があることから、身分証明書の提出を求めているところであります。
小・中学校で前年度、臨時的任用職員として任用されていた方の、新たな任用に際しての欠格条項に係る確認方法については、今後、服務監督者であります市町村教育委員会の意見も伺いながら、研究してみたいと考えております。
次は、教員採用試験の年齢要件の撤廃についてであります。
教員採用試験について、県教委では、社会経験等の多様な経験を積んだ人材を確保できるよう、これまで、年齢要件を緩和してきたところであり、それまで三十二歳未満としていた年齢要件を、平成九年度採用の試験から三十五歳未満に変更し、さらに平成二十年度採用の試験から四十歳以下としたところであります。
また、他の都道府県等の学校で勤務している教員については、平成二十六年度採用の試験から四十五歳以下としたところであります。
年齢要件の撤廃については、今後の児童生徒数の減少や学校の統廃合などによる採用数の減少、職員の年齢構成等に十分配慮しながら、長期的な展望に立って慎重に対応してまいりたいと考えております。
次は、特別支援学級の教室不足等への対応についてであります。
特別支援学級の増加に伴う教室の確保については、市町村教育委員会が、各学校の普通教室を改修し、障害の種類に応じた施設設備を整備するなど、必要な教育環境を整えているところであります。
また、教員の専門性の確保については、県教委において、初めて特別支援学級を担当する教員でも適切な指導や支援ができるように、新任の担当者全員を対象とした研修会を開催し、障害の特性に応じた学習指導の進め方等について指導を行っているところであります。
県教委としては、引き続き、市町村教育委員会とも連携しながら、特別支援学級の増加に伴う教室確保や教員の専門性の向上に努めてまいりたいと考えております。
次は、特別支援教育支援員の配置状況と今後の対応についてであります。
本県の市町村立小・中学校等における特別支援教育支援員は、昨年五月現在、四十三市町村の七百九十三校のうち、五百五十四校に八百九人が配置されており、昨年度から五十五人ふえております。
また、県立高等学校においては、二十一校からの要望に対し、四校に四人を配置したところであり、昨年度から一人増員したところであります。
小・中学校等においては、設置者である各市町村が、特別支援教育支援員の配置の必要性の有無等を総合的に判断した結果であると認識しておりますが、県教委ではこれまでも、県政説明会等を通じて、地方財政措置がなされている同支援員の計画的な配置を促してきたところであり、今後とも、そのさらなる充実に向けて、市町村教育委員会を指導してまいりたいと考えております。
また、県立高等学校を含む特別支援教育支援員に係る地方財政措置の拡充については、これまでも、全国都道府県教育長協議会等を通じて国に要望してきたところでありますが、県教委としては、今後もあらゆる機会を通じて、国に対し要望を行ってまいりたいと考えております。
次は、インクルーシブ教育についてであります。
平成二十二年の内閣府の障がい者制度改革推進会議は、インクルーシブ教育について、障害者が差別を受けることなく、障害のない人とともに生活し、ともに学ぶ教育のことと定義しております。
また、文部科学省は、障害のある子供と障害のない子供ができるだけ同じ場でともに学ぶことを目指しつつも、それぞれの子供が、授業内容がわかり学習活動に参加している実感・達成感を持ちながら、生きる力を身につけていけるかどうかという視点に立ったインクルーシブ教育システムの構築に向けた特別支援教育を推進することとしております。
これを踏まえ、県教委としては、障害のある子供の就学先の決定に当たっては、可能な限り障害のない子供とともに教育を受けることを基本としつつ、早期からの就学相談を実施して十分に情報を提供し、本人・保護者の意見を最大限尊重しながら、その子供にとって最も適切な学びの場を総合的に判断するよう、市町村教育委員会に指導しているところであります。
本県における特別支援学級の増加は、市町村教育委員会が、インクルーシブ教育システム構築の理念を踏まえて就学判断を行った結果であると考えているところであります。
26 ◯柳 誠子君 自席から、教育長に再度質問させていただきたいと思います。
学校における業務改善の取り組み、ただいま御答弁いただきました。
二点目、三点目ですけれども、ただいまの答弁では、学校行事については、各学校ごとに学校長の判断で定めるべきであるということだったかと思いますが、これについて、私が伺った学校の校長先生方によりますと、学校行事の見直しもやりたいけれども、同じ地域にあって、一方の学校では行事を削減しても、ほかの近くの学校で行事をしていれば、必ず地域や保護者の皆さんから反対や、さまざまな御意見をいただくことになりますと、とても学校だけでは決められないと、県教委できちっと定めて一斉にやらなければなかなか難しいのではないですかといった御意見をいただきました。
勤務開始時刻と朝会等の間に五分から十分の時間を設定することについても、同じでございます。各学校の実情に応じてということでありましたが、県教委で定めていただかないと、各市町村教育委員会でも取り扱いがさまざまになりますと、業務改善が進みません。これについても再度御答弁いただきたいと思います。
27 ◯教育長(東條広光君)ただいまの御質問でございますが、アクションプランにどの程度の取り組むべき事項を記載するかということですが、やはり地域あるいは学校によって実情の異なるものは、それぞれで御判断いただきたいと考えているところでございます。
そしてまた、市町村教育委員会としても業務改善に取り組むわけでございますので、その地域的な問題というのは、市町村教育委員会単位でいろいろ検討されるなどの取り組みが必要かと考えているところでございます。
28 ◯柳 誠子君 部活動に関してですけれども、先ほどの御答弁では、アクションプラン案に明記していますということだったかと思うんですが、時間については明記されていないと認識していますが、いかがですか。再度お尋ねします。
29 ◯教育長(東條広光君)重点取り組みの四で、部活動に係る勤務状況の改善ということで一項目設けておりますけれども、その中で、全ての学校で実施する取り組みといたしまして、部活動に係る取り組みは、国の部活動の在り方に関するガイドラインにのっとって策定した、鹿児島県部活動の在り方に関する方針に沿って進めますと明示しているところでございます。そして、御指摘のありました、一日の活動時間等は記載していないわけでございますが、策定した在り方方針に沿って進めますということで、アクションプランはアクションプランでございますけれども、また一方、部活動の在り方方針という大きな方針も示しておりますので、これにのっとって一日の活動時間というものは設定されると、県教委としては、在り方に関する方針で示した内容が各学校で取り組んでいただきたい事項であると理解しているところであります。
30 ◯柳 誠子君 なぜ時間を書かれないのかわかりません。
学校現場の校長先生方は非常に苦しんでいらっしゃるというか、悩んでいらっしゃいます。横並びで一斉にやらないと、保護者の皆様に対して説明ができないということで非常にこぼしていらっしゃいます。時間を書くことに何か抵抗があるんでしょうか。よくわかりませんが、いかがですか。
31 ◯教育長(東條広光君)先ほど来、御説明申し上げておりますように、部活動の在り方方針という定めがございまして、この中に、一日の活動時間は、長くとも平日では二時間程度、学校の休業日─学期中の週末を含む─は三時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的で効率的・効果的な活動を行うと明示しているところであります。
32 ◯議長(柴立鉄彦君)柳 誠子君。
この件については三回を超えて質問できませんので、次の質問に移ってください。
33 ◯柳 誠子君 臨時的任用教職員に係る諸課題でございますが、毎年、任用に当たって身分証明書を提示するわけですけれども、これは、義務制の小・中学校に限っての取り扱いでございます。県立の高校においては一回提出すればいいわけで、これは、市町村間で引き継ぎすれば済む問題ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
34 ◯教育長(東條広光君)臨時的任用職員に係る身分証明についてのお尋ねでございますけれども、県立学校との取り扱いの違いがございますので、先ほど答弁申しましたとおり、小・中学校の職員の服務監督権者でございます市町村教育委員会の意見も伺いながら、研究してみたいと申し上げたところでございます。
35 ◯柳 誠子君 職員採用試験の年齢制限でございますが、他県では年齢制限を撤廃しているところもあると思っておりますが、九州管内ではどれぐらいが撤廃しているんでしょうか、教えてください。
36 ◯教育長(東條広光君)教員採用試験の年齢要件についてでございますが、平成三十一年度の採用選考試験において、福岡や宮崎などが五十九歳、大分が五十歳、佐賀や熊本が四十九歳などとなっていると承知しております。
37 ◯柳 誠子君 本県においては、まだ四十歳までということになっておりますので、せっかく経験を積んだ方が県外に流出してしまわないように、ぜひ撤廃を、早急に見直ししていただきたいと思いますが、再度お答えください。
38 ◯教育長(東條広光君)教員採用試験の年齢要件の撤廃についてでありますが、撤廃につきましては、今後の児童生徒数の減少や学校の統廃合などによります採用数の減少、職員の年齢構成等に十分配慮しながら、長期的な展望に立って、慎重に対応してまいりたいと考えているところでございます。
39 ◯柳 誠子君 それでは、今度は知事にお伺いしたいと思います。特別支援教育支援員の配置についてでございます。
県立高校については、ただいまの答弁で、二十一校が配置を要求しているにもかかわらず、わずか四校のみの配置状況でありました。これは何も我が県に限ったことではなく、全国でも同じような状況があるかと思います。この支援員の配置を拡充するには予算が必要です。地方交付税措置の対象でございますので、国が予算をつけてくれなければこれ以上配置することは困難であります。
特別支援学級やそこに在籍する子供の数がふえているのは本県だけではないということを鑑みれば、全国の知事が一堂に会する全国知事会議等でも特別支援教育の問題を取り上げていただいて、支援員の配置についてぜひ知事会で声を上げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
40 ◯知事(三反園 訓君)特別支援教育支援員に関しましては、その役割は非常に重要だと認識しております。他県でも全く同じ状況でありますので、他県とも協力しながら、国に要請してまいりたいと思っております。
[柳 誠子君登壇]
41 ◯柳 誠子君 学校の業務改善を行うことは、教職員の健康問題ももちろんのことでありますが、より充実した教育活動が展開されるために、教職員が子供と向き合う時間を確保するという視点からも、極めて重要なことであります。
学校という場所は、子供たちに対して質の高い教育を提供し、子供たちが安心・安全で充実した学校生活を送れるようにするというのが基本にあります。
学校の働き方改革の風が吹いている今、社会全体で学校のあり方を見直すチャンスであります。県が示すアクションプランが実行力を伴うものとなるよう、今議会でも十分議論する必要があります。
今後は、委員会での議論、そしてパブリックコメント等を踏まえ、教職員の八〇%以上ではなく、一〇〇%が業務改善が進んでいると実感できるアクションプランとすることが、本県の学校教育の充実につながると確信します。
臨時的任用教職員に係る諸問題についてでありますが、身分証明書の提出については、検討していきますという答弁がございました。簡素化が図られるよう要望いたします。
教員採用試験の年齢制限については、四十歳を超えてもなお挑戦できる体制をつくっていただき、長年、臨時的任用教職員として頑張ってこられた方々に、鹿児島県の子供たちのためにその経験を生かしていただきたいと思います。
特別支援学級や特別支援学校に在籍する子供たちがふえ続けています。この子供たちの教育環境の整備は急がなければなりません。支援員の配置はもちろんですが、特別支援学校の免許状を持つ教員も不足しており、今後の人的確保は喫緊の課題であります。
子供たちの就学のあり方については、最終的には市町村教委が決定することになっており、総合的な観点から判断されていると認識しますが、これほど特別支援学級が増加してくると、本来のインクルーシブ教育の理念に反していくのではないかと危惧します。障害者権利条約に基づき、子供・保護者の意見が十分尊重されるよう要請いたします。
「県民に寄り添う。県民投票の結果を真摯に受けとめる。その言葉が本心であるならば、行動で示してほしい」。沖縄県の玉城デニー知事は今月一日、首相官邸で面会した安倍首相にそう言って迫りました。
米軍普天間飛行場の移設計画をめぐる県民投票が二月二十四日実施され、名護市辺野古への移設に反対が四十三万票と、有効投票の七二%を超えました。
明らかに沖縄の民意は反対を示したにもかかわらず、安倍首相は、言葉とは裏腹に、辺野古での工事を進める考えを改めて表明したのです。寄り添う、真摯に、とは一体何なのか。政府は、工事を直ちに中止して、県との話し合いに応じるべきであります。
県民投票実施のための署名活動の中心になった元山仁士郎さんは、世代や地域、賛否を超えた話し合いの必要性を説いています。投票への不参加を一時表明した市長たちにも面会を求め、意見を交わし、全県投票が実現しました。
隣県として、私たちは今こそ沖縄に寄り添うべきであります。
三反園知事におかれましても、馬毛島をめぐる問題や川内原発をめぐる問題など、国へ意見しなければならない問題が山積しています。外交や安全保障は国の専管事項でありますという言葉で逃げるのではなく、鹿児島県民の命を預かる行政のトップとして、御自身の言葉で国に対してはっきりと物を言っていただくよう要望いたしまして、私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
42 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、休憩いたします。
再開は、午後一時十五分といたします。
午前十一時五十分休憩
────────────
午後 一時十五分再開
43 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。
外薗勝蔵君に発言を許可いたします。
[外薗勝蔵君登壇](拍手)
44 ◯外薗勝蔵君 平成三十一年第一回県議会定例会におきまして、寺田団会長の許可をいただいた、県議会議員任期四年目の最終年度の一般質問であり、大変競争率の高い中の人選でもありました。郷原議員の言葉をかりますと、人生最後の一般質問になるかもしれませんので、気合いを入れて質問してまいります。
知事、執行部の皆様にも、その意味も含んで答弁をお願いいたします。
私ども議員の任期は四年であります。地域のさまざまな問題や課題について御意見をいただきます。知事も、各地域での車座で県民の方々からのさまざまな意見を耳にされると思います。三反園知事が県政運営される中で、貴重な意見や提言をすぐ予算化し、知事が立候補するに当たりマニフェストを示され、それに沿った県政運営をされることは当たり前のことであります。
財源不足をゼロにできたとされる取り組みで、行財政改革推進プロジェクトチームを中心に、活用可能な基金残高を残し、県債を減らしたということであり、これは高く評価できると思います。
一年間の県予算は県内の景気や福祉の向上、県勢浮揚につながる予算であるべきですが、県税収入も〇・三%増となり、三反園県政が県内に浸透し、景気が少しずつよくなっていると言われる向きもあります。
そこで質問してまいります。
一点目として、大きな題目の「鹿児島だから幸せ」を実感できる社会の基本的な考えをお示しください。
二点目として、行財政改革推進プロジェクトチームの取り組みの成果として、事務事業の見直し、歳入確保の取り組みとして、効果額が合わせて九億円とされております。
職員のモチベーションを高めることで、県民への丁寧な接遇や積極的な改革の企画立案につながり、行政サービスがさらに充実すると考えますが、知事のお考えをお示しください。
次に、原子力防災訓練であります。
薩摩川内市民の、原子力発電所とどう向き合い、共存していくか、その意識は福島の原発事故以来、大きく変わってきております。原発の安全運転は当たり前のことであります。市民も川内原発の安全性は評価していらっしゃいます。防災訓練に対しましても、各コミュニティ会長さんを中心に意識が高く、コミュニティー活動の一部に取り入れていただき、防災訓練に参加されない自治会も自主的に訓練していただいております。
同じ薩摩川内市でも、PAZの住民とUPZの住民の方々の避難には多少温度差を感じております。今年二月の訓練には、約二百十機関・五千人が参加し、特に高校生や幼稚園、保育所の園児も参加していただきました。原発から半径三十キロ圏内の一部住民の方々が、熊本県などへ自治体を超えて広域避難され、近年にない大規模な避難訓練でもありました。
そこで質問してまいります。
訓練では、毎年、住民への情報伝達訓練も行っておりますが、原子力災害が発生した場合には、関係する全ての住民に情報を正確に伝えることが重要と考えております。いざというときに備え、訓練に参加した住民だけでなく、仕事や都合により訓練に参加できなかった方々への情報伝達訓練も必要だと思いますが、今回の住民への情報伝達訓練の取り組み状況をお示しください。
次に、PAZ内の避難について、住民の中には高齢の方々も多く、自分で車を運転できない方々もおられます。県など関係機関は避難手段をしっかり確保しておく必要があると考えますが、PAZ内の避難に際し、避難手段をどのように確保しているのか、また、PAZを対象とした避難訓練の取り組み状況についてもお示しください。
次に、漁業法の改正についてであります。
私ども、代表質問でも取り上げさせていただきましたが、地元の漁業者が今、抱えている問題について質問させていただきたいと思います。
約七十年ぶりの本格改正であり、養殖業への民間企業の参入など、沿岸漁業の発展に資する海面利用度の見直し、漁獲量規制の拡大などによる新たな資源管理システムの構築など、日本の漁業が転換期を迎えるとされております。
水産振興調査会の堀之内会長のもとに、水産三団体との意見交換会をさせていただき、改めて、水産業を取り巻く環境が厳しい状況であると認識いたしました。そのような中での今回の法改正であり、水産団体の皆様も大変心配し、危惧しておられます。
県におきましても、主な漁法について規制や許可制をとられ、水産資源の漁獲量の確保や安定的な漁獲高の維持、指導に努めていただいております。最近では特に、漁獲量が減った、漁獲高が減ったという減少傾向にあり、漁業者の廃業、漁船の廃船が後を絶たない状況で、漁協を取り巻く情勢は大変厳しい状況であると言われております。養殖業は比較的、安定を維持していますが、不安定要素がまだまだあると言われております。
組合員等漁業者の正組合員、準組合員とも減少、高齢化が進み、平均で七十歳以上であり、平成二十一年の正組合員数六千四十五人が平成二十九年には四千六百五十六人に減り、昨年は百九十船籍が廃船したと言われております。
県下漁協の職員数も減少し、ほとんどの漁協が業務遂行限界の懸念があり、四十七漁協中二十四漁協が職員数五名以下で、経営においても十四漁協が繰越欠損金を保有しております。改善計画の取り組みにより繰越欠損金は減少したものの依然経営が厳しい漁協は、より一層の国、県、市町村の支援を願っております。
国におきましては、競争力強化型機器等導入緊急対策事業、水産業競争力強化漁船導入緊急支援事業、平成三十一年度から、水産業成長産業化沿岸地域創出事業等を実施しております。
そこで質問いたします。
一点目として、県の、水産業と漁協への今後の支援と取り組みについてお示しください。
二点目として、本県では、地域の漁場に合った漁法がありますが、県の漁業許可の内容も見直していかなくてはいけないと思いますが、県の考えをお示しください。
これで、一回目の質問を終わります。
[知事三反園 訓君登壇]
45 ◯知事(三反園 訓君)「鹿児島だから幸せ」を実感できる社会の基本的な考えについてであります。
我が国は、本格的な人口減少社会の到来、少子高齢化の進行、経済のグローバル化の進展、技術革新の急速な進展などにより、社会のあらゆる面で大きな変革期を迎えております。中でも、人口減少、少子高齢化の進行によりまして、コミュニティーの崩壊、産業の衰退などが懸念される中で、子供からお年寄りまで全ての県民が、県内どこに住んでいても明るい展望を持って安心して暮らせるような社会を築き、鹿児島ならではの幸せな暮らし方を発信していくことが大切であります。
このため、平成三十一年度当初予算編成に当たりましては、子育て支援や高齢者の生き生き支援など、県民福祉の向上に向けた施策をさらに充実するとともに、経済成長や県勢の発展に資する施策を積極的に推進し、これらの好循環により、「鹿児島だから幸せ」を実感できる社会を実現するための予算として編成したところであります。
また、昨年設置した、かごしま幸せプロジェクト委員会を引き続き開催し、県民が幸せを実感しながら暮らすことができる鹿児島を実現するためのさまざまな御意見を施策に生かすこととしておりまして、今後とも、ほかにはない、鹿児島にしかないポテンシャルを生かしながら、鹿児島ならではの幸せな暮らし方を県内外に広く発信してまいりたいと考えております。
行政サービスの充実についてであります。
知事就任以来、県民が主役の県政を実現したい、県民の生活を少しでもよくしたい、そういう思いで走り続けよう、そう決意し取り組んでまいりました。
そうした県政を実現するには、県政を担う職員一人一人が、時代の変化、ニーズに合わせて、戦略と知恵をどんどん出していくことが必要であります。そのためには職員一人一人が、どういう鹿児島にしたいのか、それぞれの夢を持ち、必ずや鹿児島を変えようという希望と勇気を持って一歩踏み出し、日々どうすればいいかというクリエーティブな心、つまり創造を持って職務に当たるということが重要であると思っております。
そのような基本的な考え方のもと、職員研修など人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。
今後とも、職員の知見と能力を最大限に生かすとともに、組織を活性化し、輝く鹿児島、新しい力強い鹿児島の実現に向けまして、県民の立場に立った、県民が主役の行政サービスの充実に取り組んでまいりたいと考えております。
46 ◯危機管理局長(木場信人君)原子力防災訓練に関し、まず、住民への情報伝達訓練の取り組み状況についてであります。
原子力災害時の住民への情報伝達については、発電所の状況や風向きなどの気象情報、国や県、関係自治体からの要請や指示の内容などを、防災行政無線や広報車のほか、テレビやラジオ、インターネットなどあらゆる手段により伝えることとしています。
今回の訓練では、訓練参加者だけでなく全ての住民・滞在者に情報が伝わるよう、薩摩川内市において全地区を対象に、防災行政無線、広報車、緊急速報メールによる広報のほか、大型商業施設で館内放送による広報訓練を実施しました。また、他の関係市町においても、防災行政無線等による広報訓練を行いました。
県においては、コミュニティーFM、ホームページ、ツイッターを活用した広報訓練を実施いたしました。
そのほか新たに、観光施設において、外国人を含む観光客等の一時滞在者を対象にした館内放送、プラカードによる情報伝達訓練も行ったところです。
原子力防災訓練については、できるだけ多くの住民の方々に参加していただきたいと考えておりまして、今後とも、訓練の充実に努めてまいります。
次に、PAZ内の避難手段の確保と訓練の取り組み状況についてであります。
原子力災害時の避難は、原則自家用車によることとしていますが、それができない住民については、バスを用いることとしています。また、社会福祉施設、病院、在宅の要配慮者等については、福祉車両等により避難することとしています。
避難時のバスについては、県バス協会と協定を締結しており、必要数を確保できることとなっています。福祉車両等は、施設や九州電力等により必要数が確保されているところです。
今回のPAZ内の避難訓練については、原則である自家用車による避難訓練を実施したほか、自家用車での避難ができない住民の方々には、徒歩で集合場所に集まっていただき、バスによる避難訓練を実施しました。また、山間部の高齢者等を想定して、自宅から集合場所まで九州電力の福祉車両で搬送する支援訓練もあわせて行いました。
さらに、社会福祉施設の要配慮者について、福祉車両等による搬送訓練も実施したところであります。
47 ◯商工労働水産部長(田崎寛二君)水産業と漁協への今後の支援・取り組みについてであります。
水産業の振興については、先般策定した農林水産業の戦略に基づき、農林水産物の生産体制や販売力の強化を図り、稼げる農林水産業の実現に向けた取り組みを進めることとしております。
具体的には、ブリ人工種苗の生産・販売の開始、海外における販売促進活動等への支援、かごしまのさかなブランドのPR等を行うこととしております。
また、水産資源の維持・増大を図るため、マダイ、ヒラメ等の放流や、県漁連及び各漁協等の関係団体と連携した漁業就業者の確保・育成に取り組むこととしております。
漁協への支援については、経営改善計画を進める漁協に対し信用保証料の一部を助成するなど、引き続き、経営改善の取り組みを支援することとしております。
県といたしましては、国の事業も活用しながら、今後とも、県漁連等関係団体と一体となって、これらの施策を推進し、本県漁業者の方々が将来にわたって持続的に安定して漁業を営んでいけるよう取り組んでまいります。
漁業許可の内容の見直しに関する県の考えについてであります。
今回の漁業法の改正は、水産資源の持続的な利用を確保するための新たな資源管理システムを構築するほか、水域の適切・有効な活用を図るため、漁業権や大臣許可漁業などの漁業生産に関する基本的制度を見直す内容となっております。
知事許可漁業は、沿岸域の水産資源の保護培養、漁業取り締まりその他漁業調整が図られた場合に許可しており、水面や資源の利用をめぐり問題が生じた場合は、海区漁業調整委員会にも意見を聞きながら調整を行い、漁業秩序を維持しているところであります。
本県沿岸域は、養殖業や漁船漁業など多種多様な漁業が営まれていることから、漁業の許可の内容を見直す場合は、関係者の意見を丁寧に聞くとともに、海区漁業調整委員会とも連携しながら、当事者間の合意に沿った対応が必要であると考えております。
[外薗勝蔵君登壇]
48 ◯外薗勝蔵君 次に、公共事業についてであります。
南九州西回り自動車道の阿久根川内道路である薩摩川内水引インターチェンジから阿久根インターチェンジ間、二十二・四キロメートル区間についてであります。
平成三十年十月十三日に着工式を開催していただき、阿久根インターチェンジ側から工事に着手されました。
いよいよ薩摩川内水引インターチェンジ側からも、用地買収や工事等を促進されると伺っておりますが、一点目として、薩摩川内水引インターチェンジから湯田西方間の状況をお示しください。
二点目として、阿久根川内道路については完成まで時間がかかると言われておりますが、地元は早期完成を望んでおります。早期完成に向け、県としてどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
地域高規格道路についてお伺いいたします。
地域高規格道路は、高規格幹線道路と一体となって本県交通網の骨格をなす最重要道路として位置づけられております。重点的に整備を進めていただいておりますが、現在、重要物流道路制度の創設を契機に、新広域道路交通ビジョン及び新広域道路交通計画を策定中であると伺っております。
地域高規格道路の早期整備は、本県の道路網の最重要課題と位置づけられていますが、そこで質問いたします。
県内の地域高規格道路の整備状況と今後の取り組みについてお示しください。
二点目として、北薩横断道路についてであります。
大変難しい工事であった長大トンネルの北薩トンネルも開通し、土木学会から施工業者と県土木部の技術力が表彰されたと聞いております。北薩横断道路と南九州西回り自動車道を結ぶ阿久根高尾野道路の整備を急がなければならないと考えておりますが、そこで質問いたします。
阿久根高尾野道路の整備状況と今後の取り組みについてお示しください。
次に、国土強靱化対策に必要な公共事業を予算化し、平成三十一年度当初予算におきまして、前年度に対し約一三%、約百三十一億円の増額という大きな予算を計上していただきました。県内各地域において、災害時の迅速な復旧・復興を強力に進めていく交通ネットワークを確保するため、道路施設の機能強化を図る必要のある箇所が多くあります。
今回、我が自民党の大きな目玉予算の一つは、国土強靱化法案による予算づけでありました。三年間で七兆円規模の整備をしていくと、二階幹事長が先頭に立って予算をつけていただきました。私どもも自然災害の多い県として、和歌山県と連動し、森山県連会長ともども法案化を要望してきた予算でもあります。県単独ではなかなかできなかった道路施設の国土強靱化に向けた防災対策が進んでいくのではないかと思っております。
一方、県内各地域には高度経済成長期に集中整備した道路施設が多くあり、今後、急速に老朽化が進むと言われておりますが、私の地元にも、建設してから五十年程度たち、老朽化した橋梁があります。国土強靱化予算の勢いに乗って、橋梁の老朽化対策も進めていかなければならないと思いますが、そこでお尋ねいたします。
一点目は、国土強靱化対策として、県管理の道路施設に関する具体的な取り組みをお伺いいたします。
二点目は、今後、ますます進んでいくと考えられる県管理道路における橋梁の老朽化への対策に関する取り組み状況をお伺いいたします。
次に、県単河川等防災事業、寄洲除去についてであります。
知事が各地域で車座を開催される中でも要望が多いのが、県河川の寄洲除去と伐採であると思います。地域の要望で多い案件がこの二件であり、要因は、高齢化が進んで河川や道路の愛護作業をする人が少なくなり、地域のボランティア活動として協力を求めても、新たに作業する方々を探すことがとても困難な状況にあることで、自治会長やコミュニティ会長が嘆いていらっしゃるのが現状であります。
県では、河川ボランティアに対し、草刈り機のリース料などを補助対象としていただきまして、大変感謝されております。
知事も地域の声を聞かれ、寄洲除去に九億円もの大きな予算を計上していただきました。大変ありがとうございました。
そのような中で、貴重な県単独費でありますから、最大の効果を上げ、多くの箇所づけをしていただきたいのであります。しかし、寄洲除去で発生した残土については、その有効活用が課題となっているとお伺いいたしております。
そこで質問しますが、残土を有効活用し、寄洲除去事業の効果を上げるためにどのような施策を検討できるのか、県の考えをお聞かせください。
次に、川内港の整備についてであります。
川内港については、県の主導のもと重要港湾としての機能を高めながら、特に海外向けのコンテナ取り扱い量が毎年伸びております。鹿児島県内の港で、韓国、中国の上海に一番近い重要港湾でもあり、格段の整備が必要であると思われますが、県では、港湾計画改訂に向けた川内港長期構想検討委員会を立ち上げられたと聞いております。
そこで質問いたします。
一点目として、川内港の港湾計画改訂に向けた現在の検討状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
次に、大変厳しい港湾予算の中から、コンテナ用のハーバークレーンを導入していただきまして、活躍していますが、最近、故障が頻繁に起きて、荷役業者や船会社が大変困っております。最近では、故障の影響でコンテナを陸揚げできずに、急遽八代港に荷揚げし、陸路で川内港まで運ぶ事態になり、荷主に大変御迷惑をかけております。
そこで質問いたします。
二点目として、ハーバークレーンの老朽化対策をどのように行っていかれるのか、お伺いいたします。
三点目として、志布志港に整備されているものと同様のガントリークレーンの設置要望が薩摩川内市より出されていると聞いておりますが、川内港にガントリークレーンが設置される可能性をお伺いいたします。
これで、二回目の質問を終わります。
[知事三反園 訓君登壇]
49 ◯知事(三反園 訓君)川内港の港湾計画改訂に向けた取り組みについてでございます。
川内港は、大隅半島の志布志港と並ぶ、薩摩半島の重要な輸出入拠点港湾であります。韓国・台湾航路のコンテナ船が週三便就航し、コンテナの年間取扱量は、昨年、過去最高となる二万TEUとなり、さらなるコンテナ取扱量の増加、将来の大型コンテナ船就航等に対応できるよう、今年度から港湾計画の改訂作業に着手しているところであります。
できるだけ早期に港湾計画を改訂したいと思っております。国や地元市と連携を図りながら、輸出入拠点港湾であります川内港の整備に全力で取り組んでまいります。
50 ◯土木部長(渡邊 茂君)南九州西回り自動車道阿久根川内道路の薩摩川内水引インターから湯田西方間の状況についてであります。
阿久根川内道路については、平成二十七年度に全線約二十二キロメートルが一括して新規事業化され、これまで調査設計などが進められてきたところであります。
阿久根インターから西目間については、昨年十月に着工式が開催され、現在、用地買収や改良工事などが進められております。
一方、薩摩川内水引インターから湯田西方間については、あす五日と七日に薩摩川内市湯田地区と水引地区において、それぞれ設計説明会が開催され、その後、用地調査等が進められる予定であります。
阿久根川内道路の早期完成に向けた県の取り組みについてであります。
南九州西回り自動車道については、早期完成に向け、昨年十一月東京において、鹿児島、熊本両県選出の国会議員出席のもと、南九州西回り自動車道建設促進大会を開催するとともに、沿線の県議会議員の皆さん、また首長の皆さんなどとともに、財務省や国土交通省などに整備予算の確保を要望したところであります。
また、阿久根川内道路の早期整備を図るため、阿久根インターから西目間の一部箇所において、来年度も県による用地の先行取得を行い、用地ストックを確保することとしております。
本自動車道は、広域的な高速交通ネットワークを形成する重要な道路であることから、県といたしましては、今後とも、沿線市と連携し、用地取得への協力など整備促進に取り組むとともに、関係者の皆様と一体となって、阿久根川内道路を含め、本自動車道の早期全線開通が図られるよう、国に対し強く要請してまいります。
続きまして、地域高規格道路の整備状況等についてであります。
地域高規格道路につきましては、国において鹿児島東西幹線道路、県において北薩横断道路など三路線七区間の整備を進めております。
このうち北薩横断道路については、泊野道路などにおいて改良工事等を進めているところであり、今月二十四日にさつま泊野インターからきららインター間を供用することによって、泊野道路が全線供用となります。
都城志布志道路につきましては、末吉道路など全線にわたり改良工事等を進めております。
大隅縦貫道については、吾平道路において用地買収や埋蔵文化財調査等を進めているところであります。
地域高規格道路は、高規格幹線道路と一体となって広域的な幹線道路ネットワークを形成する重要な道路であることから、早期完成に向け、整備に必要な予算確保に努め、今後とも引き続き、関係市町と連携をとりながら、重点的な整備に努めてまいります。
北薩横断道路の阿久根高尾野道路における整備状況等についてであります。
阿久根高尾野道路については、これまで、ルートや道路構造の決定に必要な調査を終えたことから、現在、高尾野インターから県道荒崎田代線との交差付近までの区間について、詳細な測量設計等を進めているところであります。
残る国道三号までの区間につきましては、来年度、詳細な測量設計等を行うこととしております。
北薩横断道路は、南九州西回り自動車道等と一体となって広域的な幹線道路ネットワークを形成する重要な道路であり、早期完成に向け、引き続き、重点的な整備に努めてまいります。
続きまして、国土強靱化対策における道路施設に関する具体的な取り組みについてであります。
国において昨年十二月に取りまとめられた、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策は、重要インフラ等の機能維持の観点から、特に緊急に実施すべきハード・ソフト対策を三年間で集中的に実施し、完了または大幅に進捗させることを目標としております。
これを踏まえ、県管理の道路施設においては、緊急対策として、土砂災害等に対応した道路のり面対策を初め、冠水対策や無電柱化などに取り組むこととしております。
これらの対策に必要な道路予算として、平成三十一年度当初予算においては、前年度に対し約九%、約二十五億円を増額したところであります。
県といたしましては、災害発生時における道路交通の機能を確保するため、防災・減災対策を推進し、緊急輸送道路ネットワークの強化を図ってまいります。
続きまして、県管理道路における橋梁の老朽化対策についてであります。
県管理道路の橋梁につきましては、予防保全型の維持管理を推進するため、長寿命化修繕計画を策定し、定期的に点検を行うとともに、計画的に補修やかけかえなどの対策を実施しております。
平成二十九年度末現在においては、対策の必要な六百二十橋のうち五百五十四橋に着手し、三百四十七橋の対策が完了しているところであります。
県といたしましては、引き続き、近接目視による点検を五年に一回の頻度で行い、損傷の程度を把握した上で、予防保全対策などを計画的に実施し、長寿命化によるトータルコストの縮減・平準化を図ってまいります。
続きまして、寄洲除去事業の効果を上げるための方策についてであります。
寄洲除去については、氾濫を未然に防止する重要な対策であることから、河川を点検し、河川断面が著しく阻害され、治水上緊急性の高い箇所から順次実施しているところであります。
平成三十一年度予算においては、前年度より一億六千万円増額した九億円を計上し、薩摩川内市の銀杏木川など約九十カ所の寄洲を除去することとしております。
寄洲除去における土砂処分費のコスト縮減は、事業進捗を図る上で重要であると考えております。
このため、土砂処分については、他の公共事業で活用するほか、民間の無償受け入れ地の公募など、有効活用に努めてきたところでありますが、さらなる有効活用を図るため、民間事業との受け入れ時期の調整が容易となるよう、昨年末から公募期間を通年としているところであります。
今後とも、関係機関等と連携を図りながら、寄洲除去における処分費のコスト縮減に努めてまいります。
続きまして、川内港のクレーン整備についてであります。
川内港のハーバークレーンについては、老朽化が進行し、これまで、故障が発生した場合は、速やかな補修を行うとともに、補修が長期にわたる場合は、代替クレーンを手配し対応しているところであります。
ハーバークレーンの老朽化対策については、今年度、維持管理計画を策定することとしており、策定後は、この計画に基づき適切な維持管理に努めてまいります。
ガントリークレーンの設置の可能性につきましては、ハーバークレーンの更新の必要性も含めて、川内港におけるコンテナ用荷役機械のあり方を検討する必要があることから、今後、地元市や荷役関係者との意見交換を行ってまいります。
[外薗勝蔵君登壇]
51 ◯外薗勝蔵君 次に、新たな総合体育館の整備と鹿児島港本港区エリアまちづくりについてお伺いいたします。
全て鹿児島市内に整備される施設でありまして、地方に住む者として、県の施設を地方に分散していただきたいと思う一人でもあります。現実問題として無理があることは承知しておりますが、知事、ぜひ県の大型施設の分散化を真剣に考えていただきたいと思います。
しかし、総合体育館と本港区エリアのまちづくりは、どんどんどんどん進めていかなくてはなりません。次の時代に鹿児島県が発展していく上で必ず必要であり、あのときにつくってよかった、整備してよかったと評価されると思っております。
総合体育館は、在り方検討委員会でも提言されていますが、場所について、鹿児島市内の住民の方々と、私ども地方に住む県民とでは違いがあるように感じております。
時節柄、県政報告をさせていただきまして、多くの住民の方と会う機会がございます。その中でも、特に総合体育館については住民の意識が高く、いろんな意見が出てまいります。私の地元では、年代別に話を聞きますと、中・高生は、中央駅周辺の計画地が最高の場所であり、スポーツ大会やコンサート、イベントなどが開催されても、電車やバスで安く行けて、帰りは駅周辺で遊んで帰ることができると言っておりました。若い年代の方々も同じような意見でありました。
中高年の方々に聞きますと、我が薩摩川内市には大きなアリーナ施設や競技場があるからなのか知りませんけれども、場所はどこでもいいと言われております。無駄遣いしないで県債を減らし、子供たちに借金を残すなと言う人もいらっしゃいます。高齢者の方で、年に一回、県戦没者追悼式に参加される方からは、「新しい県立体育館はどこでもいいけど、今の体育館のトイレを早急に整備してほしい」という要望も受けました。
一方、鹿児島港本港区エリアまちづくりについては余り興味がないようでありますが、ある中高年の女性の方が友人とシンガポール旅行へ行かれたらしく、その方が、「つくるなら日本でも一番の施設をつくってほしい。錦江湾から見る桜島そのものが本物で、世界に類のないロケーションであり、夢のあるものにしてほしい」と期待していらっしゃいました。
私ども自民党の代表質問でも、また一般質問でも多くの人が取り上げましたが、一点目として、総合体育館整備のスケジュールはどうなっていくのか、お伺いいたします。
二点目として、鹿児島港本港区エリアのまちづくりについても、今後のスケジュールをお示しください。
最後に、空き家対策についてであります。
平成二十六年三月、議会におきまして、空き家対策に関する政策提言を行い、私も、政策立案推進検討委員会の堀之内委員長ともども、委員の一人として提言をまとめさせていただきました。
国は平成二十六年十一月に公布された空家等対策の推進に関する特別措置法において、市町村は、空家等対策計画の作成及び対策の実施その他空家等に関する必要な措置を適切に講ずるよう努めるとしております。県は、当該市町村に対する情報の提供及び技術的な助言、市町村相互間の連絡調整その他必要な援助を行うように努めることが定められています。
議会からの提言を受け、県、市町村で構成する鹿児島県建築住宅行政連絡協議会において、空き家問題への進め方と取り組み事例等をまとめた手引として、空き家対策マニュアルが作成されております。議会に提案された当初予算案の中に、空き家改修等に当たり、最大五十万円の助成を始めるための予算を計上されておりますが、そこで質問してまいります。
一点目として、本県の空き家の状況と、危険な空き家への指導状況と空き家の活用状況をお示しください。
二点目として、今回の予算と市町村とのかかわりについて、どう連携していかれるのか、お伺いいたします。
三点目として、国の補助制度が活用できるのかもお示しください。
52 ◯企画部長(古薗宏明君)総合体育館の整備スケジュールについてであります。
新たな総合体育館につきましては、現在、基本構想の策定に向けて、関係者との協議や検討を進めているところであります。
引き続き、県議会での御論議を初め、屋内スポーツ競技団体や地元住民の方々などの御意見もお聞きし、また、道路管理者である鹿児島市やJR九州などの関係者とも緊密な連携を図りながら、慎重かつ丁寧に協議・検討を進め、基本構想を策定したいと考えており、基本構想の中で、大まかな整備スケジュールをお示しすることといたしております。
53 ◯土木部長(渡邊 茂君)鹿児島港本港区エリアまちづくりの今後のスケジュールについてであります。
鹿児島港本港区エリアは、錦江湾や桜島の景観を望む絶好の場所であり、このすばらしい景観を最大限に生かすことが、魅力的な港、感動を与える観光地の形成につながるものであると考えております。
県といたしましては、ドルフィンポート敷地の定期借地契約が満了する二〇二〇年六月を視野に入れながら、来年度の早い時期に事業者公募に必要な準備を進めるなど、今後、事業化に向けた取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。
続きまして、本県の空き家の状況等についてであります。
平成二十五年住宅・土地統計調査によりますと、本県の空き家率は一七%で全国平均より三・五ポイント上回っており、全国で八番目に高い割合となっております。
空家特措法においては、空き家の指導等を市町村が担うこととされ、危険な空き家に対する指導状況については、平成二十九年度の市町村報告によりますと、二十四市町において延べ千二百五十三件、補修などの措置を行うよう助言・指導し、二百七十九件が改善され、そのうち百三十四件が解体されたところであります。
また、空き家の活用状況につきましては、市町村において、空き家バンクの設置や空き家の改修助成を実施しており、平成二十九年度は、空き家バンクについては、三十三市町で二百二十五件の賃貸・売買があり、空き家改修助成については、三十一市町村で百三十七件の改修が行われているところであります。
新年度予算と市町村とのかかわりについてであります。
平成三十一年度当初予算案に新規事業として提案している空き家活用セーフティネット住宅改修事業は、空き家を賃貸住宅として利用するための改修工事を行い、高齢者や移住者等の住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として登録する所有者等に対し、市町村が補助する改修費の一部を助成することにより、県として空き家対策の取り組みを強化するものであります。
事業の実施に当たっては、所有者等への制度の周知が重要であることから、空き家対策を担う市町村と連携を図りながら取り組んでまいります。
また、補助を行う市町村においては、県の助成とあわせて、国の社会資本整備総合交付金の活用も可能であることから、交付金の活用についても助言してまいります。
[外薗勝蔵君登壇]
54 ◯外薗勝蔵君 それぞれ答弁いただきました。
知事、漁業者の減少、高齢化が急速に進んでいる中で、本県から漁業者がいなくなる危機を感じております。本県は離島も多く、県全体が海岸に面しておりまして、豊富な水産物の漁場を有しております。
国、県の格段の漁業への支援を強く要望いたしておきます。
財政については、行財政改革推進プロジェクトチームを中心として、予算編成していただきました。当初は、財源不足が生じるのではと心配されておりましたが、今回の予算の結果が全てであります。国では、景気を横ばいと見ており、平成三十一年度も税収が伸びる予想を立てておりますが、地方では、景気のよさがなかなか感じられない状況であると言われております。
来年度の予算の確実な執行により、県内の景気がよくなることに期待いたしまして、私の一般質問を終わりたいと思います。
知事、私は二十七年政治活動をさせていただき、落選が一回ありまして、そのときから私を支えていただいている最初の後援者のラビット会、うさぎ年で同級生のウサギちゃんチームの方がきょうはお見えであります。
今年度二十年勤続を表彰いただきました。天皇陛下のことは国を挙げてお祝いしておりますけれども、私ども県議会議員は二十年勤続を表彰してもらってもなかなか家内もお祝いしてくれない状況でありまして、寂しい思いがしますけれども、そういう中で、我々は次に向けて静かに頑張っているところでございます。
最近、朝、辻立ちしておりまして、知事も川内で南国殖産の前に立たれたことがありますけれども、立っていますと、小学校六年の子が近寄ってきて、「おじちゃんは何党か」と聞くから、悪のりで、金平糖と言ってやったんです。そうしたらその小学生が、「これじゃ自民党はだめだな」と言って走り去っていきまして、寒いさなか、一瞬汗が出てまいりまして、子供にも正直に話すべきだと思いました。
二、三日して、おじちゃんは自民党だよというようなことを言いましたけれども、交差点の対面には他党の方が立っておりまして、そのことを意識してかわかりませんけれども最近では向こうを通るようになりました。そういうことで朝夕、こうして我が自民党、しっかりと政策を立てて、立っている状況であります。
きょうはちょっと時間を残しましたけれども、県政の課題、そしてまた地元の課題を中心に質問させていただきました。
最後に、柴立議長、永田県議会議員、持冨県議会議員、まつざき県議会議員、向井たかまろ県議会議員におかれましては、今議会で勇退されます。本当に長い間御苦労さまでした。そして長年のおつき合いに感謝申し上げます。まことにありがとうございました。
これで、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
55 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、永田憲太郎君に発言を許可いたします。
[永田憲太郎君登壇](拍手)
56 ◯永田憲太郎君 私は今期での引退を表明いたしておりますが、きょうは、同僚議員各位の格段の御配慮をいただきまして、最後の登壇というまことに晴れがましい機会をいただきました。心から感謝申し上げます。
それでは、感謝しながら、自民党の一人といたしまして人生最後の一般質問になります。よろしくお願い申し上げます。
政府は、一般会計予算総額を先ごろ閣議決定いたしております。地方財政計画では、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策等に係る事業費を確保したことにより、一般財源総額は今年度を六千億円上回る六十二兆七千億円が確保されましたが、実質的な地方交付税については六千億円の減額となりました。
また、国においては、新経済・財政再生計画において、経済再生と財政健全化の双方を同時並行的に実現していくという考え方を基本として、国と地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化を目指すという姿勢は堅持いたしております。
一方、外交・防衛上の問題として、ロシア、中国、北朝鮮、韓国などの周辺諸国を初めとして、中東情勢など地政学的リスクは相変わらず、くすぶり続けております。トランプ大統領がさきの大統領選挙戦で主張していた日本やドイツなどに対する防衛費負担増の要求も、国の財政の枠組みづくりに暗い影を落としているということも忘れてはならないことだと考えます。
また、すさまじいスピードで進化する技術や経済のグローバル化の深化によって、世界中で豊かさの恩恵を受ける国がふえている中でも、英国のEU離脱や米中のハイテクをめぐる覇権争い、原油価格など、世界の不確実性は増してきていると言われております。
為替相場に限ってみても、円安と円高が目まぐるしく変化する状況にあります。円安の流れが続くのであれば、輸出は増大していきますが、円高に振れると、輸出には大きな痛手となります。国の税収に直接影響してきます。もはや、国内市場を分析しているだけで事足りるという時代はとうに終わってしまっているわけであります。
今日、外国で起こったことに、あしたの国内がもろに影響を受ける時代に入ってしまっているということを忘れてはならないと考えます。まして、日本はまだまだ中央集権国家の体裁であらゆる制度が成り立っています。国が受ける影響が直接、地方に及ぶようなシステムになっています。世界の出来事が直接、私たちの生活まで及んでくることになると覚悟しておくべきだろうと考えるわけであります。
この流れにもまれながら、たくましく時代を生き抜いていく知恵と努力が地方政治にも求められています。財政も含めて、地方は、地方の自立という強い意志を常に自分たちの体内に覚醒させ続けなければなりません。
一昨年の国の財政制度等審議会では、それまで積み上がった地方自治体の基金に注目が集まりました。御記憶にとどめ置いておられる方々も多いと思います。
その財政制度等審議会の議論の中で、財務省は、「国から交付税を受け取りながら、自治体が基金残高をふやしているのは問題だ」と主張し、総務省は、「いや、これは将来への自治体としての備えだ」などと反論して、激しいやりとりがあったとお聞きいたしております。
一昨年の時点では、政府がその後、財政再生計画をつくる中で、自治体の基金の積み上げが再びやり玉に上がり、以後の歳出削減目標を織り込む理由になることも予想されましたが、そのときは、今度は地方交付税の削減論が再燃するのではないかといった危惧を抱いておりました。
一昨年の財政制度等審議会に出席していた全国知事会の代表の方々は、一歩も引かない反論を繰り広げられたとお聞きいたしております。
地方交付税は、国が地方に与えるもので、地方はそれをおしいただくものなどというのではなく、地方交付税は、もともと私たちが国に預けたお金のはずであります。自信と誇りを持って地方自治をつくり上げていくといった、地方の自立という強い意志は、地方財政を語るとき絶対に忘れてはならないと考えるものであります。
この意識が、首長や議会を初め、職員の皆さんにまで広く強く根づいていくことが、ひいては国のためでもあり、地方がグローバルの時代を強くたくましく生き抜く努力と知恵の源泉と考えるわけであります。
ところで、二〇一九年度の新年度予算は、ことし十月に予定する消費税率一〇%への引き上げをにらみ、増税が景気に及ぼす影響を抑えることに重点が置かれたとお聞きいたしております。
消費税増税対策としては、食品などに係る税率を据え置く軽減税率に加え、特に自動車に係る減税が多岐にわたって導入されました。これらの国の動きに対応した、県の新年度予算に対する考え方はどのようなものであったのか、関心を抱くわけであります。
また、県は昨年十月に、来年度予算編成に関し、六十一億円の収支不足が発生するという予想を公表されました。このことは、一昨年九月にも同様のメッセージが公表されております。一昨年は七十八億円の収支不足を予想されました。
それでは、ただいままで申し上げてきたこのようなことをもとにして、以下、数点質問いたします。
第一点でありますが、一昨年の財政制度等審議会では、地方の基金積み上げに対して白熱した議論がなされたとお聞きいたしております。地方の基金積み上げに対しては、引き続き問題視していくという財務省サイドの発言があったともお聞きいたしております。
今回、国が、新年度の財政計画をつくるとき、地方交付税についてはどのような議論がなされたのか関心があるところです。どういった議論がなされたのか、お聞きしていることがあれば教えていただきたい。
また、そのとき、一昨年議論された自治体の基金積み上げについて、どのような議論がなされたのか。
今回の地方財政計画において、実質的な地方交付税が減額となったことはどのように受けとめているのか、お聞きいたしたいと思います。
二点目といたしまして、行財政改革推進プロジェクトチームによる、一昨年、昨年の収支不足予想公表について、これは何を意図しておられるのか教えていただきたい。
また、この公表によってどのようなアナウンス効果があったのか、教えてください。
第三点といたしまして、新年度の予算組み立てに当たって、減収補填債を発行されましたが、その発行理由についてお示しください。
四点目といたしまして、県債残高全体の加重平均利率は、平成二十七年度が一・〇一%、平成二十八年度が〇・八六%、平成二十九年度が〇・七六%となっておりますが、本県の県債借り入れの利率の現状と推移をお示しください。
五点目といたしまして、今回の税制改正においては、本年十月に新たに創設される自動車税環境性能割について、消費税率の引き上げに合わせて、自動車を取得する際の負担感を緩和するため、税率を一%軽減する措置を講じることとされました。
この環境性能割とはどのようなものであるのか。また、今回の消費税率の引き上げに伴う環境性能割の軽減措置について、本県税収にどのような影響があるのか、お示しください。
最後に、今回の税制改正においては、大都市部に税収が集中している状況にある地方法人課税に関して、税源の偏在を是正する新たな措置を講じることとされました。具体的には、法人事業税の一部を分離して、仮称ではありますが、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税を創設するとされております。
これについては、地域間の財政の格差を是正する措置が盛り込まれている点で評価できるという識者の声がありますが、この新制度によって、本県の財政にどのような影響が生じるのか、教えていただきたいと思います。
以上で、第一回目の質問といたします。
57 ◯総務部長(平木万也君)財政問題について御質問いただきました。
まず、新経済・財政再生計画策定時の地方交付税と基金に係る議論についてでございます。
新経済・財政再生計画の策定に当たっては、経済財政諮問会議において、財務省から財政制度等審議会の建議、総務省から地方財政審議会の意見書が提出されております。
財政制度等審議会の建議では、国において赤字国債を発行して地方の一般財源総額を確保していることなどから、国による財源保障の適正規模について、より一層の精査が必要という意見や、先進・優良事例の横展開等を通じて、歳出規模を効率的な団体の規模に合わせていくべきという意見がございました。
なお、地方の基金残高が増加していることをもって、国による財源移転の適正規模について、より一層の精査が必要という意見については、今回はなかったところでございます。
また、地方財政審議会の意見では、地方が標準的な行政サービスを行うための財源を保障することは、地方交付税法上の国の責務であり、地方交付税の法定率を引き上げるべきという意見や、トップランナー方式は、業務改革の推進状況や地方の意見等を踏まえて検討する必要があるという意見がございました。
こうした議論を経て、昨年六月に閣議決定された新経済・財政再生計画では、地方一般財源総額について、平成三十一年度以降三年間は、平成三十年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保することなどが盛り込まれたところでございます。
次に、地方財政計画における実質的な地方交付税の減額に対する受けとめについてでございます。
今回の地方財政計画については、実質的な地方交付税が減額となったものの、地方の一般財源総額については、前年度を上回る六十二・七兆円が確保されたところであります。
また、地方税が増収となる中で、地方交付税について前年度を上回る十六・二兆円を確保した上で、臨時財政対策債の発行を大幅に抑制しており、財源の質の面において改善されているところであります。
これらは、県開発促進協議会や全国知事会等を通じた要請に沿ったものであると考えております。
収支不足の公表の意図等についてでございます。
平成二十九年度から行財政改革推進プロジェクトチームにおいて公表しております、財政収支の見通しにつきましては、翌年度の当初予算編成等に向け、本県の厳しい財政状況について認識を共有し、本県財政の今後の見通しを踏まえた上で、行財政改革の具体的な取り組みを検討するために公表しているものでございます。
財政収支の見通しの公表により、報道や県議会での御論議等を通じて、本県の厳しい財政状況を県民の皆様にもお伝えできたのではないかと考えております。
減収補填債の発行理由についてでございます。
減収補填債は、法人事業税等の税収見込みと、地方交付税の基準財政収入額の算定において見込む同税の税収額の差を補填するために発行することができる地方債でございます。
平成三十一年度当初予算編成に当たって、地方交付税の算定基礎となる基準財政収入額については、大都市部に牽引された国全体の税収の伸びを踏まえて算定されておりますが、本県税収の伸びはそれに及ばないことが見込まれたため、その差分について、この制度的に認められている減収補填債を発行するとしたところでございます。
県債借り入れの利率についてでございます。
本県の県債借り入れ利率については、平成二十八年一月に導入された日本銀行のいわゆるマイナス金利政策による金利低下の影響等により、近年は低い水準となっております。マイナス金利政策導入前の平成二十七年発行分が〇・四七%であることに対し、平成二十八年が〇・一三%、平成二十九年が〇・二一%となっております。
次に、国の税制改正が県税収に与える影響についてでございます。
まず、自動車税の環境性能割についてでございます。
平成二十八年度与党税制改正大綱において、消費税率一〇%への引き上げ時に自動車取得税を廃止し、自動車税及び軽自動車税において、自動車取得税のグリーン化機能を維持・強化する税制として導入することとされたところでございます。
また、環境性能割の軽減措置については、消費税率の引き上げに際し、需要変動の平準化の観点から、平成三十一年十月一日から平成三十二年九月三十日までの間に取得した自家用乗用車について、税率を一%分軽減することとされたところでございます。
この措置による本県税収への影響としては、国が示す全国における減収見込み額と、平成二十八年度の自動車取得税の課税額をもとに機械的に試算いたしますと、本県の減収額は、平成三十一年度が一億八千万円程度、平成三十二年度が一億六千万円程度と見込まれておりますけれども、この減収額については、全額国費で補填されることとなっております。
次に、地方法人課税についてでございます。
平成三十一年度与党税制改正大綱において、法人事業税の一部を分離して、その全額を人口に応じて各都道府県に譲与するとともに、地方交付税の不交付団体に譲与制限の仕組みを設けるなどとされたところでございます。
この措置は、平成三十一年十月一日以降に開始する事業年度から適用されるため、平成三十一年度当初予算における本県財政への影響は生じないと考えております。
なお、総務省の試算によれば、地方法人二税の税収を人口一人当たりで比較いたしますと、全国を一〇〇とした場合に、新たな偏在是正措置がなければ、本県は五三・一となりますが、今回の新たな偏在是正措置が平年度化した場合には、六七・六になるとされております。
本県財政に今後どのような影響を及ぼすかにつきましては、県から新たに法人事業税交付金が市町村に交付されること、今後の地方財政計画の動向などもあわせて見きわめていく必要があると考えております。
[永田憲太郎君登壇]
58 ◯永田憲太郎君 それぞれ御答弁いただきました。ありがとうございました。
県の行財政改革推進プロジェクトチームは、一昨年は九月に、昨年は十月に、連続して次年度予算の見通しを発表いたしたわけであります。この時期は、次年度の予算要望作業が始まるころでもあります。ただいまの御答弁では、県の財政状況の厳しさを共有する意味においても、この公表については意義があったといったようなことでありましたが、県は、このまま何もしなければ、収支不足が現時点で見込まれていますというコメントを添書してこのメッセージを公表いたしました。
私は、これはこれでよいのではないだろうかと考えております。引き続き、予断を許さない県の財政状況を説明しながら、そうならないように知恵を絞ってまいりますという行政組織や政策の遂行に対する常在戦場の決意も示していると思うからであります。
新年度は、実質的な地方交付税が減額になることも明らかになりましたけど、そのために減収補填債を発行して手当てするようであります。
また、何よりも、消費税率の引き上げに伴って国民消費が縮小する影響を緩和するためとして、自動車関連税が軽減されたことは、これは国策とはいえ、県に対する影響が大きいのではないかと心配いたしておりました。自動車税は、県税に占める割合が非常に高いわけであります。しかしながら、このことについても、県税収の減収対策としてギアチェンジがかかったようであります。ひとまず安心したところであります。
ところで、一昨年の国の財政制度等審議会で問題になったとお聞きしている、地方自治体の基金積み上げについてのその後の国の議論については、一言申し上げておきたいと思います。
私は、国の財政制度等審議会の議論に対しては、地方自治体は構えを解いてはいけないと考えております。なぜなら、一昨年の議論に引き続き、昨年四月に開催された審議会では、基金と債務残高の安定的引き下げという議論の中で、次のような発言が記録されています。臨時財政対策債の残高が増加してきている中で、地方の基金残高は、平成二十八年度末において二十一兆六千億円と過去最高であり、交付団体、不交付団体の別によらず基金残高は増加傾向にある。また、個別の団体を見ても、臨時財政対策債の残高をふやしながら基金残高もふやしている、そういう団体が七割にも上っている。このように、地方の基金残高と臨時財政対策債の残高が両建てで増加している云々とあります。
要するに、地方の基金残高の積み上げを悪者扱いして、一昨年は地方交付税の減額をにおわせましたが、今回は臨時財政対策債の縮小を当ててきたと感じるわけであります。この流れは変わっていないということを改めて感じた次第であります。
国と地方の信頼の根幹にかかわることでありますので、簡単に結論を出せる問題でないことはわかっておりますが、地方政治をあずかる者として、今後、用心しておくべきことだと考えるわけであります。
私は昨年、クルーズ船クァンタム・オブ・ザ・シーズの船内見学の経験を得ました。船内に案内していただくと、十六万トンのクルーズ船はまるで大きなホテルそのものでした。甲板に立つと地上十五階ぐらいになるとのことでしたが、その位置から桜島を望むと、目の前に迫ってくるような迫力がありました。眼下に緑地広場を見おろしながら、マリンポートかごしまを建設するに当たっては、その実現までにいろいろなことがあったけど、ようやくここまでたどり着いたんだなという感慨に浸ることでありました。
平成二年の県総合基本計画と平成五年の鹿児島港港湾計画で人工島が錦江湾内に位置づけられてから、紆余曲折を経て完成したマリンポートかごしまであります。上物については、全く予期していなかった形で緑地公園として使用されることになりましたが、当初は、国際会議場や湾岸道路のルートが計画図の中に落とし込まれていましたし、計画の変更が提案されるたびに、賛否をめぐって大きな論争が起こりました。
ただ、大型観光船埠頭としての活用は、当初期待された以上に成功していると思います。十六万トンクラスのクルーズ船が接岸できる岸壁に加え、新たに、二十二万トンクラスのクルーズ船も同時に接岸できる岸壁の整備が、国の直轄事業として進められていくことになりました。また、CIQターミナルが整備されて、入国管理も格段に円滑になったようであります。
今日の現状を見てみると、これはこれでマリンポートかごしまとしての使命を果たしつつあるのかなという思いがいたします。
知事は、鹿児島の今後の発展は、観光と農業にあると言っておられます。国際観光都市鹿児島の観光振興のためには、鹿児島国際空港とともに、今後、マリンポートかごしまの果たす役割は大きいものと期待されます。
当日は、船内を案内されながら、船内のみならず周辺の環境についても説明を受けましたが、一緒に説明についてくださった職員の方のおもてなしの心にこだわる強い問題意識に気づかされました。日々訪れる外国人観光客と接するときの真剣な気持ちが伝わってきて、まだまだ多くの課題があるということも教えられました。マリンポートかごしまを訪れたお客様に、受け入れる側の私たちのおもてなしの心が伝わっているのかどうか、この心をもってオール鹿児島でウエルカムを磨き上げていくことが大事です。
まず、港を訪れたとき、市民からの、ゆくさおさいじゃしたという歓迎の雰囲気が感じられないといけません。旅先での歓迎の言葉は、旅行者にとってほっとするひとときであり、名所、景勝の地を訪れたときと同様に貴重です。
マリンポートかごしまを見学して感じたことは、タクシー乗り場に屋根がないので、雨のときなど車待ちが大変。
また、クルーズ船の夜間出港のときなど、協議会でお別れセレモニーをしていただくことがあるそうですが、夜間照明の器具が小さいため、視界がきかず演出効果が薄れるということでありました。
また、緑地広場が閑散としていて、訪れた観光客にとってはいかにも物寂しげな感じを受けるときがあるようです。
緑地広場からの桜島や錦江湾の眺望は、市民の憩いの場としてもっと生かしてもらいたいものです。観光客にとっては、そこにその土地の市民が楽しく集まっているという、そういった光景だけでも立派なウエルカムになると思います。
次に、旅先で急に体調を崩すというようなことはあり得ることです。外国人観光客が緊急時に必要な医療を受けられる環境を整えておかなければなりません。このことについては、国でも関係省庁において多岐にわたって検討が進められているようです。
国は、訪日外国人に対する適切な医療等の確保に関するワーキンググループを設置して、昨年六月に、訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策を作成されました。このことは、地方においても今後、早急に検討していくべき課題だと考えるわけであります。
そこで、以下質問いたします。
第一点、クルーズ船で鹿児島を訪れる外国人観光客に対するおもてなしの対策として、鹿児島海外観光客受入協議会の活動は重要だと考えますが、この協議会の役割や行政のかかわり方についてお示しください。
第二点、マリンポートかごしま緑地広場は、多くの県民が利用し、楽しんでいただくことにより、にぎわいの場となることが望ましいと考えます。そのためには、ふだんからもっと県民に利用していただくようにするべきと考えますが、これまでの活用事例と今後の取り組みについて教えていただきたい。
さらに、緑地広場は、ふれあい広場としての取り組みがなされているわけでありますが、認知度を上げ、より親しみが湧くように、ふれあい広場に新たに愛称を募集したらどうかと考えますが、見解をお示しください。
第三点、外国人観光客が緊急時に必要な医療を受けられる環境を早急に整えておく必要があると考えますが、この点について本県ではどのような検討がなされているのか、お示しください。
以上で、第二回目の質問といたします。
[知事三反園 訓君登壇]
59 ◯知事(三反園 訓君)海外観光客受入協議会の役割、行政のかかわり等についてであります。
鹿児島海外観光客受入協議会は、県、鹿児島市、県観光連盟、鹿児島観光コンベンション協会、鹿児島商工会議所及びNPO法人ゆめみなと鹿児島の六団体で構成されており、その活動経費につきましては、県を初め、各構成団体の負担金により賄われているところであります。
協議会では、鹿児島港へのクルーズ船寄港時の観光案内を初め、歓迎セレモニー、県民の船内見学会、出港時のアトラクションなどを実施し、クルーズ船の乗船客等に対するおもてなしや、クルーズ船に対する県民の理解の醸成に努めております。
これらの活動は、各構成団体の職員や、二千五百名を超える民間のボランティアによって支えられております。特に、多くのボランティアの方々には、クルーズ船の見送りに参加いただいておりまして、乗船客にとっては鹿児島の印象が深く残る取り組みであると思っております。参加いただいております多くのボランティアの方々に感謝の気持ちを申し上げたいと思います。
なお、御指摘のありました、ハード面の整備を含む受け入れ環境をめぐるさまざまな課題につきましては、今年度から、協議会を構成する六団体に交通事業者等の関係者を加えた連絡会議を開催し、課題ごとにワーキンググループを設けて、対応策を検討しているところであります。
さまざまな御指摘もありましたけれども、そういった御指摘を受けまして、県といたしましては、今後とも、同協議会等との連携を図りながら、また多くのボランティアの皆様の御協力をいただきながら、クルーズ船の受け入れ体制の強化に努めてまいりたいと思います。
60 ◯土木部長(渡邊 茂君)マリンポートかごしまの緑地広場の利用促進に係る取り組み状況についてであります。
マリンポートかごしまについては、開園以降、フリーマーケットや駅伝大会などが開催されているほか、小・中学校の遠足が行われるなど、幅広く県民に利用していただいており、平成二十九年度の来園者数が過去最高となるなど、多くの方々に親しまれております。
マリンポートかごしまという名称につきましては、平成十一年に一般公募により決定し、緑地広場の一部であるふれあい広場という名称につきましては、平成二十八年の一期二工区供用開始に合わせ、県民、観光客など、国内外からの来園者が憩い、触れ合い、交流できる広場になるよう、県が決定したものであります。
御提案のあった同広場の愛称の募集につきましては、今後、広く県民や関係者の声に耳を傾けながら、研究してまいります。
61 ◯くらし保健福祉部長(中山清美君)外国人観光客への緊急時の医療環境整備についてでございます。
本県を訪れる外国人観光客に対する医療環境整備につきましては、県医師会と連携して、外国人観光客が医療機関を受診するに当たっての注意事項等を示したリーフレット等を作成・配布したほか、外国語による診療が可能な医療機関のリストを作成し、日本政府観光局のホームページにおいて情報提供を行っております。
また、航空会社やクルーズ関係者、県医師会等を交えた情報交換会を開催するなど、関係機関との情報共有、連携強化に努めています。
国においては、昨年六月に、訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策を取りまとめ、旅行保険の加入促進や、受け入れの拠点となる医療機関の選定、医療通訳者の確保等について検討しているところでありまして、県といたしましても、こうした国の検討状況を注視するとともに、本県におけるニーズや効果等も見きわめながら、関係機関と連携の上で、必要な対応を研究してまいります。
[永田憲太郎君登壇]
62 ◯永田憲太郎君 それぞれ御答弁いただき、ありがとうございました。
まず、鹿児島海外観光客受入協議会については、連絡会議を設置して、ワーキンググループでいろいろとおもてなしについての対策を協議しているということでありました。また、この協議会は、県や市も、その構成メンバーになっておりますが、それぞれ運営費として出費もしていただいているようであります。
おもてなしの最前線で活動しておられるのが、この協議会だと考えますので、今後とも御支援をお願い申し上げます。
また、協議会との意見交換で出された課題については、例えば、先ほど申し上げましたタクシー乗り場の屋根建設とか、あるいは夜間照明器具の大型化など、多額の予算を必要とするものもありますので、その都度、素早い対応をお願い申し上げたいと思います。
この観光客受入協議会に関しては、先日の地元新聞に、イタリアMSCクルーズジャパンのモレリ社長のコメントが紹介されていました。どういった会社かなと思いまして、早速インターネットで調べてみましたら、MSCクルーズは、ヨーロッパ最大のクルーズ会社で近年目覚ましい発展を遂げているイタリア最大級の客船会社とありました。
このモレリさんが、「鹿児島は、中国、韓国、日本を三角形につないだ中間地点にあって、地理的な意味合いで非常に重要な港である。将来的に寄港地として欠かせない場所になる。ことしは年八回寄港を予定している」。さらに、鹿児島への要望については、「これまでどおりのおもてなしを続けてもらいたい。寄港地ごとに乗客にアンケートをとっているが、鹿児島は今のところとても評価が高い」とありました。何ともうれしいコメントでありました。
観光客受入協議会の頑張りが評価されていると感じた次第であります。これからも頑張っていただきたいとお願い申し上げておきます。
次に、ふれあい広場の愛称については、研究していくということでありました。研究という言葉は、役所言葉でいうと、しませんよということになるのかなと受け取ったわけでありますけれども、ふれあい広場という名前は、例えば、「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」という小説のあの猫と同レベルじゃないかなと感じるわけでありますけれども、ぜひここに愛称をつけていただいて、市民・県民の皆様方がその愛称をお互いに言えば、そのままツーカーで通じるような場所にしていただきたい。
ここに市民・県民が集うということが、先ほど申し上げました、クルーズ船でマリンポートかごしまを訪れる方々のウエルカムにもつながっていくわけでありますから、そういった意味で申し上げたわけでありますので、よろしくお願い申し上げておきたいと思います。
外国人観光客が緊急時に必要な医療を受けられる環境については、国は、幅広い検討を行ったとお聞きいたしました。観光客だけでなく訪日外国人全てを対象に考えているようであります。
その中には、旅行保険加入勧奨に関することを初め、旅行保険適用外となる周産期医療などに関することや感染症対策、外国人受け入れの拠点となる医療機関の選定、行政、医療機関、消防、国際交流協会、旅行業者、宿泊事業者などの多様な関係者の連携のあり方、言語やコミュニケーションの問題、未収金や訴訟などのリスクへの対応などがあり、多岐にわたっております。
これらの中には、国の考え方がまとまらなければ検討に入れない部分もありますが、医療機関の選定や消防機関との連携のあり方や多言語習熟者の養成などは、県としてもできることだと考えていますので、早急に検討を進めていただきたいと考えます。
ところで、先ほど申し上げましたように、私は今期で引退ということを表明いたしております。県議会議員となりましてから五期活動いたしてまいりましたけれども、その間、どうしても心の中に引っかかっていることがありましたので、そのことを述べさせていただきたいと思います。
食糧費の乱用ということで、官官接待に対して全国的な批判が噴出した時代。同じころ、本県でもこの問題をめぐる住民の情報開示請求の訴訟が起こりました。この訴訟は、いつの間にか空出張、空雇用という問題にまで発展し、二〇〇四年二月の最高裁判決により終結いたします。
このことで県の敗訴が決定し、約九億円に上る公費不正支出が明るみになったわけでありますが、この後、当時の課長以上の職員約五百名の方々が返済することを申し合わせて、毎月の給料やボーナスから天引きして返済に充てていきました。職員らはその後九年かけて、二〇〇六年にようやく約九億円を完済いたしたわけであります。九億円の完済がなったとき、県は、今後とも、公費の執行基準に沿って適正な執行に努めていくというコメントを出しておられます。
この経験は、公務の執行に際して、公務員の置かれた立場が社会からいかに厳しく見られているかということを私たちに強く認識させることになりました。
判決後には、食糧費や交際費の執行基準が新たに設けられ、この基準の中には、懇談会での二次会の原則禁止や香典の限度額まで盛り込まれておりました。懇談会に出席した公務員は当然のこととして、本人の了承の上で相手方の民間人の名前も情報開示するということに見直しいたしました。この後、職員はこの基準に縛られることになりました。
私は、このことは、国民から税金を預かっている立場にある者として、よいことだったと考えています。しかしながら同時に、私は、このことが職員に、県民・市民との接触を必要以上に敬遠させる理由にはならなかったんだろうかということも、かねがね考え続けてまいりました。
県は、毎年、職員研修を実施していますが、それは一般研修とチャレンジ研修という二つのジャンルに大くくりされています。一般研修は、新規採用職員から新任課長まで各級別にそれぞれ分かれています。チャレンジ研修は、基礎知識、基礎技術、組織マネジメント、政策形成、公共政策などとまず大きな分野に分かれていて、その分野ごとにメニューが準備されています。
そのメニューを具体的に二、三申し上げてみますと、わかりやすい行財政とか、簿記の基本と財務諸表の読み方とか、行政法などと多岐にわたります。職員は、日常の業務に加えて、これら研修によって、公務員としての知識を身につけていくわけであります。
しかしながら、知識の勉強だけではまだ十分とは言えないと考えます。なぜなら、行政は社会一般のなりわいそのものを対象としているからであります。行政が繰り出すいろいろな政策が社会の実情にそぐわないと、政策はうまく機能しません。機能しないどころか、逆に深刻な社会混乱まで引き起こしかねません。新しい制度ができたときなど、制度がスタートして初めて矛盾が噴出するということは、時々あるわけであります。
このように考えていきますと、行政に携わる者は、行政の知識の取得とともに、社会一般との交わりで学んだ経験がその知識を補完して初めて、一人前の政策作成者、公務員として成長していくのではないでしょうか。
何を言いたいかといいますと、社会一般との交わりを閉ざしては、県民・市民に受け入れられる政策の立案は難しいと思うわけであります。
二十五年前に発覚した公費不正支出問題が、その後の本県行政にどのような影を落としたのかと考えてみるとき、私は、職員が社会一般との接触を過度に敬遠する風潮をつくり出しはしなかっただろうかという危惧を持ち続けてまいりました。
恐れる必要はない。神経過敏になる必要もありません。卑屈な姿勢からは自由な発想は生まれてきません。挑戦する情熱も失われてしまいます。行政は、社会につながる扉はいつも開放していていただきたい。また、上に立つ立場の方々は、若い職員がこの扉から飛び出していく活動をいつも応援していただきたいと考えます。
約三十年前、鹿児島市議会議員選挙に出ました。突然、熱に浮かされたみたいにして選挙に出ると言い出した私に、女房初め、周りは大変惑わされたわけであったと思います。私は、何としてでも女房に理解してもらわないといけないというその一心で、時を変え、所を変えて、半年ぐらいかけて女房を口説き続けてまいったわけでありますが、どうしても、うんと言ってくれない。しかし、選挙はもう来年に迫っている。そういった状況の中で、周りも何となくそういう風が吹きつつある。
私は、一年後に選挙、そういった時期でありましたので、女房に「どげんしてんわかっくれんか」と、鹿児島弁で言えばこういうことになりますけれども、話をしたことがあります。そのとき女房は私に、「どうして選挙に出たいのね」と言ったわけであります。私は突然、「どげんかせんないかん」と返事しておりました。「何とかしないといけないというのは、何をね」と言うわけですから、「こん世の中を」と言ったわけです。そうしたら女房が、「何とかしないといけないのは世の中じゃない。どげんかせんないかんのは我が家だ」と怒りまして、そして大目玉を食ったわけでありますけれども。
世間を眺めて何とかしなければいけない、どげんかせんないかんという、そんな無責任なことを言ってくれるな。うちはまだ、上が今から高校に入るんだ。下はまだ小学校にも入っていない。これから大変だ、四人育てていかないといけないということで、非常に女房も真剣でした。ただ、私も大変真剣でありまして、女房に必死に訴えながら、自分でも涙を流していたのを覚えています。
しかし、その後、女房も少し気持ちを変えてくれたのか、一年後の選挙のときには私の最大の支持者になってくれておりました。
この「どげんかせんないかん」というのは、宮崎県知事をされた東国原さんのお言葉だと世間では言われておりますけれども、私は、あの方の十年前にこの言葉を言っているわけでありまして、いわば、「どけんかせんないかん」の本家は私だと思っています。
ただ、きょう議場におられる同僚議員の皆様方は、どけんかせんないかんと、この世の中をと、こういう思いをそれぞれお持ちになって選挙に立たれると私は信じております。
四月七日の選挙はぜひ勝ち抜いてこの議場に帰ってきていただいて、どうかその思いで県政に携わっていただきたいとお願い申し上げます。
そして、知事初め県職員の皆様方、皆様は公務員という立場で社会の役に立ちたいというその強いお気持ちを持ってこの道を選んだものと信じております。どうかその気持ちを長く長く、精進していただいて、県勢発展のために努力していただきたいとお願い申し上げます。
長い間いろいろ皆様方に御指導していただきましたこと、心からお礼申し上げまして、私の一般質問とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
63 ◯議長(柴立鉄彦君)以上で、通告による質問は全部終了いたしました。
これで、質問は終結いたします。
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64 △ 議案第一号─議案第六二号、報告第一号委
員会付託
◯議長(柴立鉄彦君)次に、議案の委員会への付託の件を議題といたします。
今回提出されました議案のうち、議案第一号から議案第二二号まで、議案第三五号から議案第六二号まで及び報告第一号は、配付いたしております議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
お諮りいたします。
議案第二三号から議案第三四号までは、予算特別委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
65 ◯議長(柴立鉄彦君)御異議なしと認めます。
よって、そのように決定いたしました。
これで、本日の日程は終了いたしました。
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66 △ 日程報告
◯議長(柴立鉄彦君)三月十五日は、午前十時から本会議を開きます。
日程は、議案及び請願・陳情の委員長報告、質疑、討論並びに表決などであります。
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67 △ 散 会
◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。
午後三時二分散会
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