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2016-03-03 平成28年第1回定例会(第7日目) 本文
2016-03-03 平成28年第1回定例会(第7日目) 名簿

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  1. 鹿児島県議会 2016-03-03
    2016-03-03 平成28年第1回定例会(第7日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(池畑憲一君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    酒 匂 卓 郎 君    ふくし山ノブスケ君    大 園 清 信 君    日 高   滋 君  一、議案第一号から議案第二四号まで及び報告第一号    の常任委員会付託  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(池畑憲一君)まず、一般質問であります。
     通告に従って、順次発言を許可いたします。  酒匂卓郎君に発言を許可いたします。    [酒匂卓郎君登壇](拍手) 3 ◯酒匂卓郎君 おはようございます。  早速質問に入ります。  平成二十八年度当初予算案等について質問いたします。  平成二十八年度は、伊藤知事にとりましては、平成十六年の初当選以来、三期十二年という大きな節目の年であるとともに、これまでの取り組みについて評価を受ける年でもあります。また、四期目へ向けた出馬表明もされておりますので、目標とする最終ゴールへ向けた施策が盛り込まれているのではないかとも考えております。  そこで、予算案と詳しい事業内容等について幾つかお聞かせいただきたいと思います。  第一点は、三期十二年の節目を迎えるとともに、最終段階の四期目の選挙に臨む中で、平成二十八年度予算案に込めた知事の思いをお聞かせください。  第二点は、これまで三回の知事選挙で掲げてこられたマニフェストにおける未達成項目に対する取り組みについてお示しください。  第三点は、昨年、大筋合意し、県内でも大変心配されているTPP関連対策について、輸出拡大に向けた取り組みも含めお示しください。  第四点は、本県経済を支える大きな柱の一つである観光振興の取り組みについてお示しください。  第五点は、鉄道駅バリアフリー化推進事業及び鉄道施設等緊急耐震対策事業の取り組みについてお示しください。  第六点は、おくれている本県の社会資本の整備状況と公共事業予算の確保に対する考え方についてお示しください。  次に、明治維新百五十周年に向けた取り組みについて質問いたします。  二年後の平成三十年に明治維新百五十周年を迎えるに当たり、これからいろいろと準備を進めていくことになりますが、五十年前の明治維新百年のときにはどのような取り組みがなされたのか、振り返りながら考えてみたいと思います。  明治維新百年は昭和四十三年でありましたが、その三年ほど前から県内外において、明治百年や近代化百年の歩み等について機運が高まり、二年前の昭和四十一年三月の県議会代表質問で自民党の上園辰巳議員から、明治百年に知事はどう対処するかとの質問があり、当時の寺園知事が、早い機会に県がなすべき方向を検討する旨の答弁を行い、その後すぐに記念事業小委員会が立ち上げられ、記念事業の検討が始まったのであります。そして、六月には記念事業懇談会が、十月には記念事業委員会が設置されるとともに、昭和四十二年四月には記念会館建設特別委員会が設置されております。  明治百年記念事業として具体的に実施された県事業としては、記念祝典の開催、記念会館として、昭和四十五年に青少年研修センターが、昭和五十八年に黎明館がそれぞれ開設されるとともに、南洲公園の整備、県維新資料編さん所の設置、「鹿児島と明治維新」の出版などさまざまな事業が行われました。  また、国においても、二年前の昭和四十一年四月の閣議決定で、明治百年記念準備会議を設置して検討を進め、明治百年の年には、記念祝典の開催、記念行事、慶祝顕彰行事、記念事業など多岐にわたる事業を行うなど、本県はもとより国を挙げて大々的に明治百年をお祝いしております。  そこで、明治維新百五十周年へ向けた取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。  次に、「県民の日」制定について伺います。  県民の日の制定につきましては、これまで須賀知事と伊藤知事に一度ずつ一般質問を行っておりますが、いずれも、「他の都道府県の動向なども参考にしながら検討する」等の答弁をいただいております。今回で三回目の質問となりますが、改選後で議員も執行部の皆さんも大分入れかわっておりますので、改めて説明をしながら質問していきたいと思います。  県民の日は、現在、十五都県で条例・要綱により制定されておりますが、その他の団体等によるものを含めると、全国四十七都道府県のうち二十一程度で行われているようであります。古いものでは、東京都が昭和二十七年に、茨城県が昭和四十三年に制定しており、近年では、平成元年に和歌山県、平成八年に静岡県、平成九年に福島県、平成十年に鳥取県、そして平成二十五年に富山県が制定するなど、着実にふえてきております。  制定の趣旨・目的につきましては、各県の内容を要約してみますと、県民が郷土について理解と関心を深め、ふるさとを愛する心を育み、より豊かなふるさとを築くことを期する日としているところが多いようであります。  具体的な施策としましては、毎年、都や県が主体となり記念行事等を行い、市町村や民間団体、またボランティアやNPO等も県民の日にふさわしい行事を行うなど、それぞれの県が特色のある取り組みを行っております。  制定の効果につきましては、県の誕生の歴史等について知ることにより、ふるさとを再認識したり、郷土に対する親しみや愛着を深めるよい機会となっているなど、十分成果が得られていると思われます。  鹿児島県が現在の形になりましたのは、一八八三年、明治十六年の五月九日で、ことしは鹿児島県が誕生してから百三十三年目になります。鹿児島県は、都城県が誕生した際には幾つかの町が一時期都城県に入っていたり、ちょうど現在の形になる前には、宮崎県まで含めて大鹿児島県であったりもしたわけでございます。  和歌山県では、県民の日という名称ではなく、ふるさと誕生日と名づけ、また福井県では、ふるさとの日と名づけられるなど、ユニークな名称をつけているところもあります。名称はどうあれ、我が鹿児島県でも、郷土について理解と関心を深め、ふるさとを愛する心を育み、より豊かなふるさとを築くことを願って、県民の日を制定すべきだと考えます。  私が提案しております県民の日は、各種のイベント等を行う場合でも既存の施設を使ってできるソフト事業で十分ですので、多くの予算は必要ありません。また、学校等については、幾つかの県では公立学校を全て休日にしているところもあるようですが、無理に休日にせずとも、県民の日にふさわしい取り組みを行えばよいと思います。  私たちの先人が命をかけて明治維新をなし遂げたからこそ、廃藩置県が行われ、鹿児島県が誕生したわけでありますので、ぜひとも、二年後の明治維新百五十周年記念事業の一つとして、県民の日を制定してはいかがでしょうか。御提案を申し上げるものであります。  明治維新百五十周年に合わせて県民の日を制定する考えはないか、お聞かせいただきたいと思います。  次に、国民文化祭文化振興等について伺います。  第三十回国民文化祭・かごしま二〇一五は、昨年十月三十一日から十六日間、「本物。鹿児島県─文化維新は黒潮に乗って─」をテーマに、県内全ての市町村で百五十五もの多彩なイベントが実施され、総参加者数は百六十三万四千人で、経済波及効果は約百六十六億円と発表されました。  鹿児島県文化協会県議会文化芸術振興議員連盟が力を合わせて誘致に取り組んだ事業でもありましたので、その成果をお聞きし、本当にうれしい限りでありました。伊藤知事にもこの場をおかりして厚く御礼申し上げます。  しかしながら、一つだけ残念だったこともありました。それは、国民文化祭の開催に最も御尽力された県議会文化芸術振興議員連盟の前会長のたけ昭一氏が体調を崩し、県議会を引退されたため、国民文化祭への出席のときには、文化議連の会長としてではなく、文化議連の前会長・前県議会議員としての出席となったことであります。  今回、一般質問をするに当たり、国民文化祭に関するこれまでの県議会の議事録を読み返してみましたが、たけ元議員が一般質問や委員会を初め、あらゆる機会を捉えて国民文化祭の早期開催を繰り返し訴えておられて、あのたけ元議員の燃えるような情熱があったからこそ実現できたのだと改めて認識した次第であります。  現在は、鹿児島女子短期大学の客員研究員として、県議時代以上に忙しく走り回っておられ、見ているこちらが健康を心配している状況でありますが、何事にも一生懸命努力されるたけ元議員に敬意を表しながら、質問してまいりたいと思います。  第一点は、国民文化祭について、出演者や来場者、関係した団体等の方々の評価はどうであったのか、お聞かせください。  第二点は、経済波及効果の推計においては、県外からの参加者の割合をどの程度算定しているのか。また、今回の経済波及効果をどのように評価するのか、お聞かせください。  第三点は、国民文化祭の開催により得られた文化振興に関する成果と見えてきた課題、これらを踏まえた今後の取り組みについてお示しください。  第四点は、これまで県文化協会が取り組んできた県民文化フェスタに対する評価と今後の支援についてお示しください。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 4 ◯知事(伊藤祐一郎君)平成二十八年度当初予算案についてのお尋ねがございました。  平成二十八年度当初予算案の編成に当たりましては、平成二十七年度三月補正予算と連携し、行財政運営戦略を踏まえた行財政改革を着実に進めながら、経済や雇用の回復に努めつつ、明るい展望を持って県勢の発展を図る観点から、「力みなぎる・かごしま」、「日本一のくらし先進県」の実現に向け、「新たな未来への挑戦『安心・活力・改革』」の予算として編成を行ったところであります。  具体的には、県民一人一人が安全な県土のもとで、生涯安心して働き、安定した生活を送ることができるような社会の創生を目指し、今年度創設しました大学等入学時における一時金の貸与制度に加え、大学在学時に借り受けた奨学金の返還を支援する新たな制度の創設や、生活困窮者ひとり親家庭の就労・自立支援に向けた新たな取り組みを実施いたしますほか、本年十二月の運航開始を目指しまして、奄美群島へのドクターヘリ導入に向けた取り組み、建築物耐震化などの防災対策などを進めることとしているところであります。  さらに、地域経済の活性化を図る観点から、本県観光を大きく飛躍させる新たな施策といたしまして、観光かごしま新時代への挑戦に取り組みますほか、農畜産業の生産基盤の強化などのTPP対策に加えまして、海外輸出拡大に向けたブリの人工種苗の導入など、本県の強みであります観光や農林水産業を初めとする諸産業の振興に重点的に取り組むことといたしております。  このほかにも、喜界島におけるサンゴ礁の調査研究への支援や、平成三十二年の燃ゆる感動かごしま国体開催に向けた取り組みのほか、高規格幹線道路の整備を初めとする社会資本の整備など、県政の各分野におけるさまざまな施策をきめ細かく丁寧に積み上げているところであります。  私といたしましては、これからの時代の課題であります少子化対策を伴う人口減少への対応、持続的な国・地方を通ずる財政制度や社会保障制度の構築など、我が国の従来の制度が大きく変容する中で、全ての県民が郷土に夢と誇りを持ち、生涯を安心して過ごせるような「力みなぎる・かごしま」づくりに取り組み、県政に課せられた課題であります、子どもからお年寄りまですべての県民にとって優しく温もりのある社会の実現を目指してまいりたいと考えているところであります。 5 ◯企画部長(岩切剛志君)マニフェストの数値目標に届いていない項目に対する取り組みについてです。  県におきましては、知事のマニフェストやかごしま将来ビジョンに基づき、「力みなぎる・かごしま」、「日本一のくらし先進県」の実現に向けて、各般の施策に取り組んでいるところであり、マニフェストの進捗については、全体としておおむね順調に推移しているものと認識しております。  一方、社会経済情勢の変化等もあり、農業産出額の二〇%アップ、汚水処理人口普及率八割など八つの項目が、昨年七月の進捗状況の公表時点において数値目標に届いておりませんでした。その後、木材の生産量四割アップ、年間の国際線利用者数の倍増の二項目について、目標に届いたところであります。  数値目標に届いていない項目につきましては、長期的な視点で取り組むことが必要でありますが、例えば、農業産出額の増加を図るために、大隅加工技術研究センターを核とした高付加価値型農業への展開等に取り組むこと、また、汚水処理人口普及率の向上を図るために、地域の実情に応じた生活排水処理施設の整備を促進することなど、今後とも各般の施策に取り組んでまいりたいと考えております。  鉄道施設のバリアフリー化及び耐震化についてです。  まず、鉄道駅のバリアフリー化については、一日当たりの平均利用者数が三千人以上の駅は、平成三十二年度までに原則として全てバリアフリー化するという国の基本方針を受けて実施されるものであります。  鉄道駅バリアフリー化推進事業は、対象となる国分駅、上伊集院駅及び加治木駅において、平成二十八年度以降、エレベーター等の整備に係る経費を補助することとしており、二十八年度は国分駅の整備に係る設計費を計上しています。  また、鉄道施設の耐震化は、災害時における緊急輸送道路の確保を図るため、南海トラフ地震等で震度六強以上が想定される地域において、当該道路と交差する鉄道橋の耐震補強が実施されるものです。  鉄道施設等緊急耐震対策事業は、吉都線や肥薩線と交差する霧島市と湧水町の五つの鉄道橋を対象としており、平成二十八年度中に全ての工事を完了する予定であります。 6 ◯農政部長(福田博史君)TPP関連対策についてでございます。  TPP関連対策の主な事業内容としましては、産地パワーアップ事業は、意欲ある農業者等が行う高収益作物栽培体系への転換を図るための農業用機械の導入や、集出荷施設の整備等、畜産クラスター事業は、地域の畜産クラスター協議会が実施する中心経営体の収益性向上等のための畜舎や堆肥舎等の施設整備を支援することとしております。  また、ふるさとの森生産性強化対策事業は、間伐材の生産や路網の整備等を支援するとともに、ブリ人工種苗導入事業では、養殖ブリの人工種苗生産施設の整備や技術移転に取り組むこととしております。  輸出拡大に向けては、かごしまの農畜産物輸出倍増事業において、アジア地域等における認知度向上、新たな市場開拓、TPP参加国を対象とした輸出促進策等を実施するとともに、牛肉・豚肉やお茶、ブリなどの輸出拡大の取り組みを推進することとしております。 7 ◯観光交流局長(長野信弘君)観光振興の取り組みについてでございます。  観光振興につきましては、魅力ある観光地づくり事業などの重点施策に加え、新たに、観光かごしま創生事業を立ち上げ、来年度から三年間、集中的に観光かごしま新時代への挑戦に取り組むこととしております。  観光かごしま創生事業においては、マスコミやSNSなど国内外のさまざまなメディアを通じて情報発信するなど、戦略的・集中的なプロモーションを大規模に展開するとともに、誘客効果を県内各地へ波及させるため、レンタカー、タクシー及びツアーバスに要する費用の助成などに取り組むこととしております。  このほか新たに、首都圏や北部九州を訪れる外国人観光客の誘致対策や香港におけるプロモーション活動に宮崎県と連携して取り組みますとともに、奄美・琉球の世界自然遺産登録に向けた奄美パーク展示リニューアル基本設計、及びプロバスケットボールの新リーグに参入するレノヴァ鹿児島の活動支援を行うこととしております。 8 ◯土木部長(久保田 一君)本県の社会資本の整備状況と公共事業予算の確保についてです。  本県は、半島や多くの離島を有し、台風常襲地帯やシラス地帯であるなどの地理的・自然的に厳しい条件下にあります。このため、本県の産業・経済の振興を図り、災害から県民の安心・安全な暮らしを確保するため、社会資本の整備に努めております。  しかしながら、公共施設の整備率で見ますと、河川が四六%、砂防関係施設が三六%と低く、また、高規格幹線道路は七四%と全国を下回っております。  このように、おくれている本県の社会資本の整備を着実に推進するため、これまでも予算の確保に努めてきており、平成二十八年度当初予算においては、公共事業で一千三十億円、県単公共事業で百六十四億円と、いずれも平成二十七年度当初予算と同額を計上したところであります。  今後とも、必要な予算確保に努めてまいります。 9 ◯知事公室長(福壽 浩君)明治維新百五十周年に向けた取り組みについてでございます。  明治維新百五十周年に向けた取り組みとしましては、「明治維新と郷土の人々」の成果を活用したシンポジウムの開催、明治維新期の鹿児島に関する研究を活性化するための若手研究者への支援、黎明館常設展示の一部リニューアル、文化芸術を通じた地域活性化等に取り組む団体への助成、メディアを活用した明治日本の産業革命遺産の情報発信などを実施することとしております。また、明治維新百五十周年特別キャンペーンを展開し、観光客の誘致に努めることとしております。  今後とも、明治維新百五十周年を鹿児島を広くアピールするチャンスとして捉え、県内外に情報発信し、機運の醸成を図ってまいります。 10 ◯県民生活局長(三角浩一君)「県民の日」制定についてであります。  県民の日につきましては、御質問にもありましたとおり、現在、全国の十五の都県におきまして、条例・要綱により制定されておりますほか、民間も含めた事業として取り組む県などが六県ほどございます。  制定の契機といたしましては、オリンピックや国体等の開催記念のほか、県の創設記念などが見受けられます。また、制定の日の由来といたしましては、廃藩置県や合併、県域の確定などさまざまであります。  本県におきましては、県下各地域でそれぞれ個性ある歴史・文化を有しており、県民の日の制定につきましては、県民の皆様方のどのような共通認識のもとに制定するのか、いつにするのか、またどのような取り組みを行うかなど、検討すべき点もあると考えております。  今後、他県の動向なども参考にしながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。  国民文化祭文化振興等について、まず、国民文化祭の評価及び経済波及効果についてであります。  国民文化祭につきましては、県内外の出演者や来場者から、文化活動を通じた地域の活性化につながった、鹿児島の文化芸術の魅力を認識できたなどの高い評価をいただいております。  また、国民文化祭記念商品の開発に携わった団体からは、地元ホテルや県内外の小売店等との商談が成立したなどの報告をいただいており、多くの方々に鹿児島の文化度の高さや多様性に触れていただきますとともに、文化芸術と産業分野等とのコラボレーションも促進されたものと考えております。  経済波及効果の推計に当たりましては、参加者アンケートなどをもとに、全参加者数の約一二%を県外からの参加者と算定したところであります。今回の経済波及効果につきましては、昨年度の開催県の約一・二倍であり、県及び市町村の本年度の事業費の約十倍となっておりますことから、大きな効果があったものと考えております。  また、大会では、県内全ての市町村でイベントが開催され、それぞれの地域で多くの方々に参加いただいたことから、経済波及効果も県下全域にわたって得られたものと考えております。  次に、国民文化祭開催の成果、課題と今後の取り組みについてであります。  国民文化祭では、県内各地で多くの県民の方々が文化芸術活動に親しんでいただいたことで、その価値の再認識や文化継承に向けた動きにつながったところであります。また、多くの方がイベントの企画や運営に携わったことで、経験やノウハウの蓄積、人的ネットワークの形成などの成果が得られ、文化芸術振興に対する機運の醸成も図られたものと考えております。  これらの成果を生かし、今後の文化芸術の振興につなげていくためには、今回のような新たな文化創造活動につながる機会を確保するとともに、地域のさまざまな文化芸術活動を継続していくための支援が必要であると考えております。  このようなことから、かごしま文化維新プロジェクト推進事業として、先進的・創造的なプロジェクトを実施するとともに、明治維新百五十周年も見据え、文化芸術の振興に取り組む団体への助成を行うこととしております。  県民文化フェスタの評価と県文化協会への支援についてであります。  県民文化フェスタは、県内各地の文化芸術団体に成果発表や相互交流の場を提供するとともに、県民の鑑賞機会の充実にもつながりますことから、本県の文化芸術の振興や活性化に寄与するものであると考えております。  県といたしましては、これまでも、県民文化フェスタの開催経費を補助するとともに、県が設置する文化振興指導員を通じて、同協会へのさまざまな指導・助言を行っております。  今後とも、県民文化フェスタの支援等を通じて、同協会と連携を図り、本県が持つ多様な文化芸術の発展に取り組んでまいります。    [酒匂卓郎君登壇] 11 ◯酒匂卓郎君 コメントは最後にしまして、質問を続けます。  イオン大型ショッピングセンター等について伺います。  姶良市に建設中の大型ショッピングセンターイオンタウン姶良が、いよいよ三月十日にグランドオープンいたします。  一年後の二期工事分まで合わせた売り場面積は約三万五千平米で、鹿児島市のイオンモール鹿児島の売り場面積五万平米に次ぐ大きさであります。車で六十分の三十キロ圏に住む二十万世帯、人口約四十七万人を商圏と見込んでおり、年間一千万人規模の集客を目指すとのことであります。雇用やビジネスチャンスなど高い経済効果が期待されておりますが、一方で、個店や商店街への影響や交通渋滞などを心配する声も聞かれます。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、平成十九年に鹿児島市にイオンモール鹿児島がオープンし、県とは包括提携協定を締結した上で、さまざまな取り組みを行ってきていると思いますが、その具体的内容についてお聞かせください。  第二点は、イオンモール鹿児島の開業により、地元の個店や企業・団体等へどのような影響があったのかお示しください。  第三点は、イオンタウン姶良に期待される効果と地元貢献の取り組み、そして、イオンタウン姶良の開業で影響を受ける可能性がある個店や企業、商店街等に対する支援策についてお示しください。
     次に、社会的養護等について伺います。  社会的養護とは、保護者のいない児童や保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこととされ、「子どもの最善の利益のために」と「社会全体で子どもを育む」を理念として行われており、施設において家庭的な養育環境で養護する家庭的養護と、里親及びファミリーホームで養護する家庭養護に分けられます。  二〇一〇年前後の諸外国における里親等への委託率は、オーストラリア九三・五%、香港が七九・八%、アメリカ七七%、イギリス七一・七%など、欧米主要国ではおおむね半数以上が里親等への委託であるのに対して、日本は一二%で、本県においては、全国平均を下回り、平成二十六年度末で一一・一%と里親等への養護が極端に少なく、施設での養護が圧倒的に多い状況となっております。  国は、このような状況の中、平成二十四年に、施設養護九割、家庭養護一割の現状について、本体施設、グループホーム、里親及びファミリーホームの割合をおおむね三分の一ずつを目指すよう通知を出しておりますが、平成二十六年度に県が策定した家庭的養護推進計画では、国が求めている三分の一ずつではなく、本体施設六割、グループホーム二割、里親等が二割となっております。  次に、里親についてでありますが、里親とは、さまざまな事情により自分の家庭で生活することができなくなった児童を、みずからの家庭に温かく迎え入れ、児童福祉法に基づいて、愛情と真心を込めて養育してくださる方であり、養育里親、養子縁組里親、親族里親、専門里親の四つの形態に分かれます。  里親になるためには、まずは児童相談所に相談し、詳しい説明を受けることから始まり、研修や実習、家庭訪問などの過程を経た上で、最終的に知事から認定されることが必要であります。特に、赤ちゃんの縁組みである新生児委託については、より丁寧な調整が図られながら慎重に手続が行われます。  しかしながら、近年は、民間団体等があっせんに乗り出したり、通称赤ちゃんポストと呼ばれている、熊本市にある慈恵病院のこうのとりのゆりかごのような取り組みもありますほか、児童相談所が関与していないところで養子縁組が行われることがあるように聞いております。  本来、社会的養護についてしっかりと認識し、十分な研修を受けるとともに、養育者になってからも、常にさまざまなサポートを受けながら、その役割を果たしていかなければなりませんが、そのような手続を一切省いた形で養子縁組のあっせんが行われていることは、非常に心配されるところではないかと思います。  さらに、予定していなかったり、望まない妊娠をした女性への相談体制が十分でなかったり、児童相談所との連携や社会的養護の情報提供などが不十分なため、社会的養護について全く考えることなく人工妊娠中絶をしてしまう女性が非常に多いと聞いております。中絶は、私たちが想像できないくらいつらいものだと聞いておりますが、中絶した後も、心身ともに長年苦しむ方も多いそうであります。  女性を不安と苦しみから救い、一人でも多くの子供の命を救い、その子供たちに社会的養護の環境を適切に提供するためには、妊娠時の相談体制からしっかりと整備していかなければならないと思います。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、本県における社会的養護の現状と、家庭的養護推進計画の目標設定に対する考え方についてお聞かせください。  第二点は、家庭的養護を推進する理由と今後の取り組みについてお示しください。  第三点は、特別養子縁組の現状と今後の取り組みについてお示しください。  第四点は、民間団体等による養子縁組のあっせん及びこうのとりのゆりかごの現状と課題等についてお示しください。  第五点は、社会的養護に関する国の法改正等の動向と内容についてお示しください。  第六点は、望まない妊娠時の相談体制について、現状と課題についてお示しください。  第七点は、人工妊娠中絶の現状と課題についてお示しください。  次に、学校施設の維持管理について伺います。  会計検査院が、平成二十六年四月時点で、本県を含む二十府県の六百十六市町村が管理している公立小・中学校一万二千五百三十七校から抽出した八千四百八校を対象に、学校施設の維持管理が適切に行われ、児童生徒の安全確保等が図られているかなどについて着眼して会計実地検査を行い、その結果を公表いたしました。  建築基準法の規定によりますと、建築主事を置く市町村は、校舎などの学校施設について、三年以内ごとに有資格者による建築点検をさせなければなりませんが、点検を義務づけられた学校のうち、一三%が点検を実施していなかったほか、校舎外壁の劣化及び損傷、防火設備の不作動などの是正が必要と判断された学校のうち、是正されていなかった学校は八四%であったとのことであります。  一方、消防法に基づき、六カ月又は一年ごとに行う消防点検は、全ての学校が規定どおり実施しておりましたが、自動火災報知機の不作動、避難器具の損傷などの是正が必要と判断された学校のうち、是正されていなかった学校は五二%であったとのことであります。  県内では、建築・消防それぞれの点検は実施されていたものの、建築点検において鹿児島市で、消防点検では十四市町村で是正が必要と判断された箇所の是正がなされていなかったとのことであります。  学校施設の維持管理につきましては、非常時の避難行動や学校生活に支障を来すおそれがあることから、児童生徒の安全確保や学校施設の機能保全のためには、早期に是正を行う必要があります。  そこで、是正が必要と判断された箇所を是正していなかった市町村における、その後の対応についてお示しください。  次に、チャイルドシートの着用について伺います。  平成十二年の道路交通法の改正により、病気などのやむを得ない場合を除き、六歳未満の乳幼児へのチャイルドシートの使用が義務化され、十五年が経過しました。  昨年十一月、さつま町の国道で、大人四人と子供二人が乗った軽乗用車が対向車線のガードレールなどに衝突する事故が発生し、四歳の子供が死亡しました。警察の調べによりますと、軽乗用車にチャイルドシートはなく、亡くなった子供は後部座席の男性が膝の上で抱きかかえていましたが、衝突の衝撃でその男性とともに車外に投げ出されて、搬送先の病院で死亡したということであります。  事故状況から見ますと、もしこの子がチャイルドシートを着用していれば、違う結果になった可能性もあるのではないかとも思いたくなるのであります。  一般に、時速四十キロメートルで走行している車が衝突した場合、衝突時に体重の三十倍もの力がかかるとされておりまして、体重十キロの子供であっても約三百キロの力がかかるということになるため、大人の男性であっても腕力で支えることは不可能であり、まさに、子供の命を守るためにはチャイルドシートしかないのであります。  県議会では、平成二十四年に交通安全対策についての政策提言をまとめましたが、私もそのときの委員でありました。その中で、チャイルドシートの使用促進に取り組むよう提言を行いましたが、警察庁と日本自動車連盟─JAF─が平成二十七年五月二十六日から六月四日の間に行った、チャイルドシート使用状況全国調査によりますと、県内のチャイルドシート使用率は四九・五%で、全国平均の六二・七%を大きく下回り、沖縄、福井、新潟各県とともに全国最低レベルの結果だったそうであります。  そこで、チャイルドシート使用促進について、これまでの取り組みと今後の課題についてお示しください。 12 ◯企画部長(岩切剛志君)イオン大型ショッピングセンター等についてのお尋ねのうち、イオンとの包括提携協定については、県とイオン株式会社では、双方の資源を有効に活用した協働による活動を推進し、本県の一層の活性化及び県民サービスの向上を図ることを目的として、平成二十三年八月に包括提携協定を締結しております。  これまでに、首都圏などで本県の農林水産物等の販売・PRを行う鹿児島フェアなどの定期的な開催や、電子マネー、WAONカードの利用金額の一部を屋久島の環境保全活動に活用する取り組みなどを実施しているところであります。 13 ◯商工労働水産部長(武盛武士君)イオンモール鹿児島開業の影響についてです。  イオンモール鹿児島の平成十九年十月開業を受けまして、鹿児島市中心市街地活性化協議会が鹿児島市内の商店街でアンケートを実施しました。その結果、前年同期と比較して売り上げが減少したとの回答が、平成十九年十月から十二月の期間は六八・六%、平成二十年一月では六九・九%でありました。このうち複数回答で、減少の要因として最も多いのは、景気の低迷など社会的要因でありましたが、それに次ぐ、郊外型大型商業施設開業の影響も六二・三%あったところです。  イオンタウン姶良に期待される効果や商店街等への支援についてです。  イオンタウン姶良では、約一千二百名の雇用が見込まれます。また、姶良市とイオンは地域貢献協定を締結し、観光、スポーツ、文化や商工業などについて、より緊密な連携を図ることとしています。開業後の対策として、姶良市は、地元の商店街等への具体的な支援策を検討中と聞いています。  県としましては、小規模事業者の経営改善を支援する商工会等の事業に対して助成を行っているところです。また、要請があれば、商店街を核としたまちづくりを推進するため、商店街活性化事業計画の作成に向けた取り組みを支援することも可能です。 14 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)社会的養護の現状と今後の取り組みについてであります。  本県の社会的養護の主なものは、平成二十六年度末時点で、児童養護施設十四カ所に六百三十人、乳児院三カ所に四十一人、ファミリーホーム五カ所に十八人、里親四十七世帯に六十六人などとなっております。  県では、昨年三月に、目標年度を平成四十一年度とする家庭的養護推進計画を策定し、その中で、本県の社会的養護の現状、社会的養護を必要とする児童数の見込み、各施設の家庭的養護推進計画などを総合的に勘案いたしまして、目標年度における入所児童数の割合を、本体施設六割、グループホーム二割、里親及びファミリーホーム二割と設定したところであります。  国の社会保障審議会の専門委員会が平成二十三年七月に取りまとめました、社会的養護の課題と将来像におきまして、社会的養護は、できる限り家庭的な養育環境の中で、特定の大人との継続的で安定した愛着関係のもとで行われる必要があるとされておりまして、県におきましても、これを踏まえ、社会的養護を必要とする児童の養育が、できる限り家庭的な環境のもとで行われるよう、里親の新規登録やファミリーホームの開設、児童養護施設等のユニット化や小規模化等について、本県の実情に即しながら進めてまいります。  特別養子縁組の現状と今後の取り組みについてであります。  特別養子縁組につきましては、父母による監護が著しく困難、または不適当である場合などに、養親となる者が家庭裁判所に申し立てを行い、児童相談所等が所要の調査をした上で、家庭裁判所におきまして、子の利益のために特に必要があると認めるときに成立させるものであります。  県内で特別養子縁組が成立した総数は把握しておりませんが、児童相談所の里親委託により特別養子縁組が成立した件数は、昨年度八件、今年度はこれまで五件となっております。  県といたしましては、家庭に恵まれない児童の福祉の向上を図る観点から、特別養子縁組制度の周知に努めてまいります。  民間団体等による養子縁組のあっせん等についてであります。  民間団体等による養子縁組のあっせんは、法によりまして知事への届け出が必要となっております。本県では、現時点で届け出はありませんが、全国では、平成二十七年十月一日時点で二十二事業所が届け出を行っております。  一部の事業者が営利を目的とした養子縁組のあっせんを行うなどの問題がありましたことから、国は、養子縁組あっせん事業の指導に関する文書を発出したところでありまして、本県において届け出があった場合には、この通知に基づき、事業運営の透明性の確保などが図られるよう指導を行うことになります。  また、熊本市の民間病院のお話がありましたけれども、その取り組みにつきましては、小さな命を救いたいという思いから、母親と新生児の将来の幸せのために相談を行うことを第一の目的とした上で、どうしても相談できない場合には、保育器に新生児を置いて扉を閉めると、同時にスタッフが駆けつけ、新生児を保護する仕組みとなっております。この仕組みについては、各種メディアにおいて取り上げられ、さまざまな意見が出されているところであります。  なお、熊本市の調査によりますと、平成二十六年度までの取り扱い件数は百十二件となっております。  社会的養護に関する国の法改正等の動向と内容についてであります。  国は、社会的養護に関しまして、社会保障審議会の専門委員会の議論を踏まえまして、里親委託等の家庭的養護の推進や退所児童のアフターケアのあり方などを内容とする、児童福祉法等改正法案の今国会への提出を目指しているところであります。  望まない妊娠の相談体制及び人工妊娠中絶についてであります。  望まない妊娠に係る相談につきましては、保健所や県助産師会に設置いたしました女性健康支援センターなどで対応しておりまして、平成二十六年度は二十件の相談がありました。  県としては、望まない妊娠をされた方々を含め、健康上の悩みを抱える女性が相談しやすい環境をつくりますため、同センターについて一層の周知を図ってまいります。  本県の人工妊娠中絶件数は、ここ数年、年間三千件台で推移しております。人工妊娠中絶につきましてはさまざまな要因が考えられますことから、その多寡をもって一概に論じることはできないところでありますけれども、新しい命の誕生を含め、全ての命は平等であり、尊重されるべきであるという観点から、今後とも、関係機関等と連携し、社会全体で命を大切にする環境づくりを推進してまいります。 15 ◯教育長(古川仲二君)公立小・中学校施設の維持管理について、会計検査院から指摘を受けた県内の市町村のうち、建築関係で是正が必要な箇所があるとされた鹿児島市では、平成二十六年度中に既に是正を完了いたしております。また、消防関係で是正が必要な箇所があるとされた十四市町では、八市町が既に是正を完了しており、二市町は今年度末までに、四市町は来年度中の完了を予定いたしております。  県教委といたしましては、市町村教育委員会に対して、毎年度、学校施設等の安全管理の徹底を指導いたしておりますが、今回、文科省からの通知を受けて、改めて市町村教育委員会に対して、適切な管理を要請いたしたところでございます。 16 ◯警察本部長(種部滋康君)チャイルドシートの使用促進についてでございます。  チャイルドシートにつきましては、傷病等やむを得ない理由があるときを除き、六歳未満の幼児への使用が義務化されております。  平成二十六年中の全国交通事故統計では、自動車乗車中死者のうち、シートベルト・チャイルドシート非着用者の事故時の車外放出率は、着用者に比べて約十四倍となっており、シートベルト・チャイルドシートの着用及び使用の徹底が交通死亡事故抑止に大きく寄与するものと認識しております。  御指摘のとおり、昨年、警察庁と日本自動車連盟が実施した使用状況調査結果によりますと、本県でのチャイルドシートの使用率は四九・五%で、全国で申しますとワースト四位となっております。  県警察では、使用率の状況や平成二十四年の交通安全対策についての政策提言等を踏まえ、チャイルドシートの正しい使用の徹底を図るため、県警ホームページ、テレビ、各種街頭キャンペーン等による広報啓発活動や、交通安全教室等による指導や広報チラシの配布等、周知に努めているところであります。  また、県内全地域の交通安全協会や一部の自治体等においては、チャイルドシートの貸し出しやホームページによる広報活動等、使用促進に取り組んでいると承知しております。  今後とも、関係機関・団体等と連携して、より効果的な広報啓発活動を実施するほか、未使用者に対しましては指導取り締まりを徹底し、チャイルドシートの使用促進に努めてまいりたいと考えております。 17 ◯酒匂卓郎君 再質問いたします。  社会的養護に関しまして、民間団体等による養子縁組のあっせん、それと、これは届け出は鹿児島県にはゼロ件ということだったんですが、もしわかっていれば、鹿児島県でのあっせんの件数が過去にあればお示しください。  あともう一点、いわゆる慈恵病院のこうのとりのゆりかごですが、もしこれまで鹿児島県での利用等がわかっていればお示しください。 18 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)県内における民間団体のあっせん状況ということですけれども、少なくとも法的には届け出をした上で実施することとされておりまして、本県は届け出がない、実態はともかく、県知事に対して届け出がないということで、そのようなあっせんが行われているという事実は把握しておりません。  二つ目の、熊本県の病院の取り組みですけれども、熊本市にもお聞きしましたけれども、もともと匿名性のある児童の保護の仕方でありますので、基本的には直接面談できていない。ただ、後で名乗り出たりとかそういうケースもあるようですけれども、具体的にどこの県からそこに運ばれているという事実は把握できておりません。ただ、熊本市のみならず他県からも、事実が判明している範囲内においては、相当数の受け入れがあったということは聞いております。    [酒匂卓郎君登壇] 19 ◯酒匂卓郎君 きのうの段階で、答弁時間が大分長くなるということを聞いておりましたので、駆け足で質問を先にさせていただきました。  それぞれの御答弁に対しましてコメントを申し上げたいと思います。  まず、今回の質問は、私は最終日の質問ということで実はかなりダブっておりまして、一部はどうしても質問したくて残したんですが、割愛もしながら質問をつくってまいりまして、そういう中で、今回また新たに答弁で出てきたのが、鉄道駅のバリアフリーです。これについては、私の地区でも以前から要望がありまして、今回、加治木駅ということで私の地区も入っておりました。ありがたいなと思っております。ほかは国分駅と上伊集院駅ということですが、恐らくほかの地区でも高齢化が進んでいて要望が多い箇所だろうと思います。  私も、今回、イオンも質問しましたが、イオンタウンは帖佐駅の利用になります。ここも多いんですが、ぎりぎり恐らくこの三千人という国の基準を下回っているんだろうと思いますけれども、イオンができますと、従業員が今でも駅から通ってくる方がいらっしゃいますので、さらに利用がふえると思います。ぜひとも、これは恐らく市がメーンだと思いますが、県も、姶良市の帖佐駅もまた御検討いただければありがたいと思っております。  次に、公共事業、何とか同額を確保ということですが、先ほどありましたように、河川・砂防を含め、まだまだおくれております。安心・安全な生活は社会資本の整備というのは非常に大事ですので、これからも予算確保に御努力をお願いしたいと思います。  次に、明治維新百五十周年ですが、本当にこういう歴史的な瞬間に立ち会えるというのはありがたいと思いながら、先人の偉業に感動しながら質問したところでありますが、ぜひとも、これから二年間じっくりと準備されまして、成功されるように祈っております。  次に、イオンの関係ですが、巨大なショッピングセンターができるということで、脅威もあるんですが、本当に、雇用が千二百人ということで、また商圏に約五十万人の方々が毎日、特に特売日なんかはすごい人数が押し寄せます。これはビジネスチャンスでもあります。  ですから、鹿児島県とも協定を結んでおりますし、姶良市とも地域貢献の協定、また災害協定等も結んでおります。ぜひとも、鹿児島県もバックアップして応援していただいて、地域が大きく活性化するように、このイオンの力をかりながら、イオンと連携しながら、地域を、そして鹿児島県全体を盛り上げるように取り組んでいただきたいと思っております。高く期待しております。また一方で、影響を受ける可能性のあるところにも、また支援のほうを忘れずにお願いしたいと思っております。  社会的養護につきまして、今回ちょっと多目に質問させてもらいましたが、子供たち、非常に難しい時代を迎えております。今回、社会的養護の勉強の機会をいただきまして質問しましたけれども、知れば知るほど、この国の未来を背負う子供たちのために何ができるかということをこれからも考えながら、県議会の場で取り上げていきたいと思います。  時間がなくなりました。最後に、ことしは薩長同盟から百五十年であります。御存じのとおり、薩長同盟は、犬猿の仲であった薩摩藩と長州藩を坂本龍馬が仲介して実現したわけですが、六カ条から成っておりまして、一言で言いますと、第二次長州征伐が始まったら、薩摩藩は長州藩を援護するという内容のものであります。当時のメンバー、西郷隆盛三十八歳、桂小五郎三十三歳、小松帯刀三十一歳、坂本龍馬三十歳であります。現代に換算しますと一・五倍する考え方があるそうですが、坂本龍馬が私と同じ四十五歳ということになります。  この薩長同盟、歴史秘話ヒストリアではありませんが、京都の小松帯刀の屋敷で薩摩琵琶の演奏会を開くという名目で集まったという話があります。幕府側に疑いを持たれないようにという作戦でありますが、歴史が大きく動く瞬間を薩摩琵琶の演奏会で乗り切るとは、本当に大胆不敵で粋な会談ではないでしょうか。  そのような形で先人たちが偉業をなし遂げました。そういう先輩たちに心から敬意を表しながら、現代に生きる私たちも、後世の人々からよくやったと言っていただけるように、しっかりと頑張ってまいりますことをお誓い申し上げ、質問を終わります。(拍手) 20 ◯議長(池畑憲一君)次は、ふくし山ノブスケ君に発言を許可いたします。    [ふくし山ノブスケ君登壇](拍手) 21 ◯ふくし山ノブスケ君 「全ての県民は、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人であり、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現が望まれる。しかしながら、今なお障害のある人が、日常生活及び社会生活の様々な場において、障害を理由とする不利益な取扱いや、様々な社会的障壁による制約に直面している。本県においては、高齢化の進行等とともに、年々障害のある人の数が増加する傾向にあり、また、離島においては、福祉サービスの利用が島内に限定されるなど地理的条件による制約がある。このような状況を踏まえ、私たちは、障害のある人に対する福祉サービスを充実するとともに、幼児期から障害のある人とない人とが交流する機会を設けるなどして、障害のある人もない人も共に地域社会で生きるという意識を育むことにより、県民の障害に対する理解を深め、障害を理由とする差別の解消を推進しなければならない。ここに、障害を理由とする差別をなくし、障害のある人もない人も、一人一人の人格と個性が尊重され、社会を構成する対等な一員として、安心して暮らすことのできる鹿児島づくりを進めるため、この条例を制定する」。障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例の前文であります。この前文に、あるべき姿が凝縮されていると考えます。  条例は、二〇一四年十月一日から施行されていますが、この四月からは、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる差別解消法も施行されます。そういった節目のときでもありますので、障害の有無にかかわらず尊重し合い、共生する社会の実現に向けて、一歩でも前進できるよう議論してまいりたいと思います。  さて、重要なことは、障害のある人もない人も普通に当たり前に地域で暮らしているということを、私たち県民の一人一人がよく認識し、お互いを尊重し合う気持ちが醸成されていくこと、そのことが最も大切だと考えます。条例において、県民の責務として第六条で、「県民は、基本理念にのっとり、障害のある人に対する理解を深めるとともに、市町村が実施する障害者差別解消施策に協力するよう努めるものとする」とされています。  本県条例の県民への周知・啓発の取り組みと県民の認識について、どのような状況にあると考えておられるのか、お聞かせください。  また、同第六条で、「障害のある人は、自らの障害の特性及び障害があることによる社会的障壁について可能な範囲内において、県民に伝え、理解が得られるよう努めるものとする」ともされています。そして、福祉サービスや医療の提供、労働及び雇用や教育、公共施設及び交通機関の利用、情報の提供及び受領等において、障害を理由とする不利益取り扱いについて禁止しています。  しかし、そのような中にあっても、さまざまに課題が浮き彫りになってきつつあると思います。  障害者差別解消法で組織することができるとされている障害者差別解消支援地域協議会について、本県条例では、障害者差別解消支援協議会の設置をうたい、既に設置し、二回ほど開催されています。  条例に基づく相談対応等の実施状況について、分野別取り扱い件数や特徴、解決状況、課題等について明らかにし、情報提供の配慮、障害者用駐車スペース、身体障害者補助犬の受け入れ、障害の状況に応じた職場での配慮、障害者用トイレの設置、音響式信号機の音声誘導ルール、保育所等における障害児への配慮、建物等のバリアフリー化の推進状況などについて、どのように把握をしておられるか、お聞かせください。  二〇一三年六月に成立し、この四月から施行される障害者差別解消法によって、本県条例の実効性をも高めることになると思われますが、法成立からこの間、国民への周知などはどのようになされてきたのか、どの程度周知されているとの認識をお持ちか、お聞かせください。  障害者差別解消法の第五条において、「行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備に努めなければならない」とされていますが、本県の状況と課題、今後の取り組みについて示してください。  合理的配慮について、法第七条第二項と第八条第二項において、国の行政機関や地方公共団体などは、「必要かつ合理的な配慮をしなければならない」とされていますが、事業者においては、「合理的な配慮をするように努めなければならない」とされています。  行政機関と同様に、民間事業者にも一律に義務を課すことが難しいということは一定理解いたしますが、むしろ民間事業者のほうが、あらゆる場面で障害者との接触などかかわりが多いと思われる中で、努力義務ではあってもしっかりと取り組んでいただく必要があると考えますが、取り組みを促すための仕組みはどうなっているのか、お聞かせください。  昨年末、一通の手紙が届きました。鹿児島市に公立の子育て・発達支援センターをつくる会の発展的解散のお知らせとご挨拶というものでありました。差出人は、つくる会の会長であります。
     内容は、会を二〇〇二年に発足させ、講演会や先進地の調査、学習などを行いながら、鹿児島市には要望を、市議会には陳情書を提出するなど、療育とはどうあるべきか、鹿児島市に必要なものは何かを考えながら活動を続けてきたこと。  今回、会を解散する理由としては、会の要望する、鹿児島市で中核的な役割と機能を持ち、相談・診断・療育・訓練が一カ所でできる公立の子育て・発達支援センターをつくることは難しい状況にあること。また、会の発足当時にはほとんどなかった療育施設が百施設近くまでふえたこと、鹿児島市の発達支援に係るシステムが充実してきていること、早期療育の取り組みや病院との連携、就学までの関係機関の連携が図られ始め、その改善のために自立支援協議会子ども部会が設立されたことなど、療育の充実・改善が図られていく流れができ、一定の役割は果たしたという判断からということであります。  しかし、私には決して納得してのこととは思えません。それは、障害のある子を持つ母親を中心に十年以上も活動を続けてきたにもかかわらず、障害を持つ子供も、そうでない子供も同じように地域の中で笑顔で過ごさせたいという、難しさもありますが、ある意味ささやかな願いであるにもかかわらず、その思いの実現の困難さを痛感し、限界を感じたのかもしれないと思うからであります。  障害を持つ子供さんの御家族の声は切実であります。昨年の五月から六月にかけて地元紙のひろば欄に、厳しい現実と向き合っておられるお母様方からの投稿が相次ぎました。  五月十四日、「障害児も同じ社会で育てたい」と、脳性麻痺でたん吸引が必要な子供の母親。五月二十四日、「障害に理解ある社会を願って」と、滑脳症という先天性の障害で、常時医療行為が必要な中学生の女の子の母親。五月二十九日、「医療・訓練・福祉つなげて療育を」と、重度の脳性麻痺の一人息子さんを五年前に亡くすまで十二年間育て、現在は、障害のある子供さんのヘルパーをしている母親。五月二十九日、「療育施設の充実に目を向けて」と、みずからも療育施設で看護師兼指導員として働いているときに、自分の子供が大病で緊急入院し、退職を余儀なくされ、担当していた、たん吸引の必要な子供を自宅で過ごさせることになったことで今でも胸が痛むという母親。六月八日、「思いやりのあふれる社会に」と、急性脳症で危険認識のできない障害が残った女の子の母親。  これらの方々は、五月十四日の「障害児も同じ社会で育てたい」と投稿したお母さんに呼応するかのように、それぞれの思いを訴えておられます。投稿者には、つくる会の関係者もおられます。行政としてどこまで応えられているのか、いないのか、現状と今後の取り組みについて伺ってまいります。  なお、これからの質問は、私の言葉ではなく、新聞投稿として思いを寄せられた当事者の方々の声をお聞きいただき、その中から見える課題についてお答えいただきたいと思います。  第一点、障害児は療養施設に通うのですが、肢体不自由な上に医療行為が必要な子は、受け入れ先がかなり限られています。県外の療育施設を訪ねる機会があり、娘のような子供の通園施設があり、生き生きと過ごしている姿に衝撃を受けました。こういう子供たちの受け入れ先の充実が必要です。家で母親が面倒を見るしかないのが現状です。  第二点、滑脳症で常時医療行為が必要です。医療行為があると施設利用の制限もあり、看護職がいなければ利用できないこともあります。今まで医療と福祉の間で悩みました。二十四時間、目は離せませんが、子供のゆっくりした成長を安心して見守ることのできる社会だったらいいですね。  第三点、重い障害を持つ子供には、医療・訓練・福祉のつながりの中での療育が必要です。新生児集中治療室で救われた命が、家に帰り、スムーズな支援につながり、親子が孤立することがないように、環境が一日も早く整うことを切に願います。  第四点、鹿児島市は、重度心身障害児が通う事業所に対し、看護師の経費の一部を助成していますが、看護師不足の中、療育施設での働き手はなかなか見つかりません。たん吸引やミルク注入など、医療行為の必要なお子さんが安心して通える療育施設となると、おのずと小規模や中規模の施設では成り立たないのが現状です。療育施設の整備に目を向けていただけることを切に願います。  第五点、長女が急性脳症で障害が残りました。集団での療育、健常な子供たちと過ごす保育園、個別のリハビリ、どれも娘には必要な場所でしたが、通うのは大変でした。県外には、一つの場所で療育・リハビリができる場所があると聞きました。現在、娘は特別支援学校で看護師も常駐しており、手厚い体制に感謝です。就学前の障害児にそのような場所があればいいと思います。  以上、切なる願いでありますが、それぞれの課題について、現状と今後の取り組み、目指す将来のあるべき姿をお示しください。  なお、現在、子ども福祉課において、在宅医療を必要とする小児患者や障害児等が、地域で安心して療養できる体制づくりを推進することを目的に、小児の在宅医療に関する調査をしているということでありますが、なぜ今なのか、調査の内容と現在の進捗状況、いつまでに取りまとめるのか、取りまとめの結果をどのように活用していくのか、お示しください。  最後に、知事に伺います。  安心・安全・安定が重要とおっしゃる伊藤知事、私も全く同感であります。知事は、重度の障害児を持つ御家族が孤軍奮闘しても容易に解決できないこれらの厳しい状況については、よく御認識のことと思いますが、改めて正面から向き合っていただき、差別解消法や本県条例も含めて、問題解決に積極的に取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。  先ほどの家族らの訴えについてどのようにお受けとめになられたか、また、知事の今後の取り組みの決意をお聞かせいただきたいと思います。  以上で、一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 22 ◯知事(伊藤祐一郎君)障害者の差別の解消に取り組む決意についてのお尋ねがございました。  障害のある人もない人も、一人一人の人格と個性が尊重され、社会を構成する対等な一員として安心して暮らすことのできる社会を実現していくことは、県民全ての願いであります。  このため、平成二十五年三月に策定いたしました県障害者計画に基づきまして、障害のある人が安心して暮らせる地域社会の実現に向け、地域社会における共生や、障害者差別の禁止を基本といたしまして、障害福祉サービス等の提供体制の整備や障害児の支援など、各種の施策に取り組んでいるところであります。  また、平成二十六年三月には、障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例を制定し、障害を理由とする差別の解消の推進に関しまして、必要な施策を実施しているところであります。  今後とも、障害のある人やその家族が住み慣れた地域で生涯を安心して健やかに過ごすことができるよう、市町村を初め、関係機関・団体、地域の方々と連携を図りながら、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会づくりに積極的に取り組み、障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくりをさらに推進してまいりたいと考えております。 23 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例の周知・啓発の状況についてであります。  条例につきましては、その趣旨を広く県民に理解していただくことが重要であることから、これまで、街頭キャンペーンを実施したほか、関係団体等の会議などの場や事業者への戸別訪問等により、延べ四百三十四回にわたり条例の説明を行っておりまして、リーフレット等の配布、県ホームページ等での広報も行っております。  条例の周知につきましては、障害当事者やその家族、また福祉関係の方々の間では一定の理解が進んでいるものと認識しておりますが、事業者も含め、広く県民の方々にさらに理解を深めていただく必要があると考えております。  本年四月には障害者差別解消法が施行されることとなっておりまして、この趣旨についても周知に努めていく必要があると考えております。  このようなことから、市町村や障害者団体とも連携して、引き続き、条例等の趣旨についてわかりやすい説明を行いますとともに、差別に関する相談事例を県ホームページや説明会等で紹介するなど、周知の方法に工夫を重ね、条例に対する理解の促進に努めてまいります。  条例に基づく相談対応等の実施状況についてであります。  条例に基づく相談等につきましては、障害者くらし安心相談員等が対応しておりまして、これまで、不利益な取り扱いに関するものが十五件、合理的配慮に関するものが十六件ありまして、内訳は、医療関係が一件、商品の販売及び役務の提供関係が五件、労働及び雇用関係が六件、公共的施設関係が三件、交通機関関係が七件、情報の提供及び受領関係が三件、その他が六件となっておりまして、車椅子使用者の公共交通機関の利用に関する相談が最も多い状況にあります。  これらのうち、相手方との調整の希望のありました十件につきましては、関係者間の調整を行い、事案の解決が図られたところでありまして、他の二十一件につきましては、相談内容に応じて必要な助言などを行ったところであります。  なお、相談者の中には、職場や地域にいづらくなることを心配して調整を望まない方もおられましたことから、事業者も含め、広く県民の方々に条例の趣旨について理解を深めていただく必要があると考えております。  各種配慮の推進状況についてであります。  県では、障害者に対する情報提供に当たりまして、例えば、県政広報紙の点字版・録音版の配布、県政広報番組での字幕や手話の挿入などを行っております。  障害者用駐車スペース、障害者用トイレ、建物等のバリアフリー化につきましては、いわゆるバリアフリー新法や鹿児島県福祉のまちづくり条例に基づき、施設の管理者の理解を得ながら、その整備促進に努めております。  補助犬の受け入れにつきましては、使用者団体等と連携して、施設の管理者等に対し、補助犬の同伴受け入れ義務の周知に努めております。  障害の状況に応じた職場での配慮につきましては、事業所の研修会の場や戸別訪問等により、職場における合理的配慮の提供等について理解の促進に努めております。  音響式信号機の音声誘導ルールにつきましては、県内の全ての音響式信号機において、警察庁の設置運用指針で定める方式による音声誘導が行われております。  保育所等における障害児への配慮につきましては、障害の特性や状態に応じた適切な保育等が行われるよう、保育士等に対する研修のほか、障害児を受け入れている保育所等に対しては、給付費の加算等を行っているところであります。  これら障害者に対する配慮につきましては、行政のみならず、事業者を含め、全ての県民の方々が法や条例の趣旨を踏まえ、みずからが当事者として適切に対応されることがより望ましいと考えておりまして、そのためにも条例等の周知をさらに図ってまいります。  障害者差別解消法の周知状況等の認識についてであります。  国におきましては、障害者差別解消法の趣旨等について周知を図りますため、地方公共団体、事業者、障害者団体等と連携し、インターネットを活用した広報、リーフレットの作成・配布などを行っております。  また、地方公共団体との連携のもと、各地域における障害者差別の解消に向けた取り組みの促進と機運の醸成を図ることを目的として、平成二十五年度以降、障害を理由とする差別の解消に向けた地域フォーラムが全国で延べ二十八回開催され、本県におきましても二回開催されたところであります。国におきましては、本年四月の施行に向けて、引き続き周知・啓発活動に積極的に取り組むこととしております。  法に基づく合理的な配慮に関する環境整備の状況等についてであります。  障害者差別解消法第五条は、合理的配慮の的確な実施に向けまして、建築物のバリアフリー化等の環境整備に関する取り組みが計画的に行われるよう、行政機関等及び事業者の努力義務を規定しております。  建築物等のバリアフリー化につきましては、国においては、ハートビル法、交通バリアフリー法及び両方を統合・拡充したいわゆるバリアフリー新法によりまして、その推進が図られており、また、本県におきましては、福祉のまちづくり条例におきまして、バリアフリー新法よりも幅広い施設を対象に、より高い整備基準のもと、高齢者や障害者がより安全かつ快適に利用できる施設等の整備の促進に努めているところであります。  県といたしましては、差別解消法の趣旨も踏まえ、引き続き、県有施設はもとより、公共的施設におけるバリアフリー化の促進に努めてまいります。  民間事業者の合理的配慮の取り組みを促す仕組みについてであります。  国におきましては、事業者が障害を理由とする差別の禁止に関して適切に対応できるよう、各主務大臣が所掌する事業分野における対応指針を作成し、関係団体、事業者に対して周知を図っておりまして、また、内閣府も、事業者等の取り組みの参考になるよう、合理的配慮等具体例データ集を作成して公表しております。  障害者差別解消法におきましては、事業者が法に反した取り扱いを繰り返し、自主的な改善を期待することが困難である場合など、特に必要があると認められるときは、主務大臣は、事業者に対し、報告を求め、又は助言、指導もしくは勧告をすることができることとされております。  医療的ケアが必要な障害児とその家族に対する支援の現状についてであります。  県内には、就学前の重症心身障害児を主たる対象とする児童発達支援事業所が、鹿児島市三カ所、出水市一カ所、姶良市一カ所、肝付町に一カ所ありまして、医療的ケアが必要な障害児を受け入れております。  また、医療的ケアが必要な障害児とその家族につきましては、そのニーズに応じて、訪問診療、訪問看護、訪問リハビリ等の在宅医療と療育とを組み合わせた支援を受けられるよう、障害児の家庭を訪問し、健康診査、療育指導、相談支援等を行う障害児等療育支援事業を実施しております。  新生児集中治療室退院後のスムーズな支援についてであります。  周産期母子医療センターの新生児集中治療室で治療を受けた子供やその保護者に対しましては、退院前に市町村保健師等がセンターに出向き、親子との面接や在宅生活における支援内容に関する医師・看護師との検討を行っておりますほか、未熟児等出生連絡票などの活用により、センターと市町村とが情報共有を図りますなど、退院後の支援につながるよう努めているところであります。  また、在宅移行後は、親子のさまざまなニーズに対応するため、市町村や保健所、訪問看護ステーション、療育施設等によるケース検討会議の開催や訪問等による支援を行っておりますほか、地域での交流会や相談会を実施するなど、親子が孤立することのないよう、関係機関が連携して支援を行っているところであります。  医療的ケアが必要な障害児を受け入れ可能な障害児通所支援事業所の人材確保等の状況についてであります。  重症心身障害児を主たる対象とする児童発達支援事業所は、看護師やPT、OTなどの機能訓練職員の配置が必要とされておりまして、その確保を図ることも重要であります。なお、県内の事業所においては、常時必要な人員が確保されております。  障害児通所支援につきましては、定員規模が小さい事業所ほど、利用者一人当たりの報酬額が高く設定されておりまして、定員規模にかかわらず経営が成り立つように制度設計がなされております。県内の事業所においても、おおむね収支の均衡が図られておりますけれども、契約者の利用率が低い場合などには経営上支障が出ることも想定されるところであります。  療育とリハビリをあわせて行うことができる施設の設置状況についてであります。  県内には、医療機関が児童発達支援事業所を併設している施設が二カ所ありまして、ここでは療育とリハビリを同一施設内で受けることが可能となっております。  医療的ケアが必要な障害児に対する今後の取り組みと将来のあるべき姿についてであります。  県では、県障害福祉計画に基づき、地域療育支援体制の整備など、障害児の支援体制の確保に向けた取り組みを進めているところであります。また、政府が一昨日、国会に提出した児童福祉法等改正法案によりますと、外出が著しく困難な重度の障害児を対象とする居宅訪問型児童発達支援の新設や、自治体において、保健・医療・福祉等の連携促進に努めるものとすることなどの見直しを行うこととされております。  県といたしましては、国の動向等も踏まえながら、医療的ケアを必要とする障害児が適切な支援を受けられるよう、市町村や保健・医療・福祉等の関係機関とも連携して、児童発達支援事業等の基盤整備に努めてまいります。  小児の在宅医療に関する調査状況についてであります。  国におきましては、小児の在宅医療には、専門医との連携や福祉・教育等との連携の重要性など、小児特有の課題に対応する体制の検討が必要であるとの観点から、平成二十五年度から小児等在宅医療連携拠点事業を始めたところでありまして、本県でも、在宅医療を必要とする小児患者や障害児等が増加する中、地域で安心して療養できる体制づくりを推進することが必要であると考え、地域医療介護総合確保基金を活用し、昨年一月から小児在宅医療推進事業を実施しているところであります。  事業の実施に当たりましては、まずは県内の在宅医療の現状を把握することとし、訪問看護ステーション、障害児施設等に対して、在宅療養児に提供可能なサービス等の調査を行いますとともに、在宅療養児に対して、障害の程度、医療や福祉サービスの利用状況などの調査を行ったところであります。  県といたしましては、今年度中にこの調査結果を取りまとめ、来年度は、モデル事業、従事者実務研修、家族交流支援等を実施することとしておりまして、これらの成果を生かして小児在宅医療の推進に努めることといたしております。 24 ◯ふくし山ノブスケ君 古薗部長にはボリュームたっぷりの答弁で大変恐縮でございましたけれども、今、最後のところで、小児の在宅医療に関する調査についてお答えいただきました。  実は私はこれまでも、在宅療養児の実態把握ができていないのではないかということで、担当の皆さんとは一年前にも話をさせていただいたことがありますが、その調査がいよいよスタートして、取りまとめの段階に入っているということについては大変ありがたいことで、その取りまとめを待ちたいと思いますが、今、これは新年度の予算の概要を見てみますと、関連が五つほど事業がありましたけれども、その中の一つで、周産期医療対策事業、さらに小児在宅医療推進事業と、こことかかわるのかなと思っていますが、もう少し具体的に、そのモデル事業とかいったようなことがどんなふうに進められるのかということについてお答えいただけませんでしょうか。 25 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)小児在宅医療推進事業、昨年の平成二十七年一月から実施しております。今、まさに調査結果を取りまとめているところではありますけれども、モデル事業につきましては、今年度から、もう既に連携支援事業を実施しておりまして、関係者への支援、連携体制や課題、対策等の検討、これもまだ検討段階ではありますけれども、連携するに当たって、どういう形で支援を進めることができるのか、そういう具体の対策について検討を行っております。これは委託事業で実施しております。  それから従事者実務研修、これも今年度から始めております。来年度まで行う予定ですけれども、医療・介護・リハビリ等に関する実技の研修を、これも委託によりまして現在実施しております。  それから家族交流支援事業、これにつきましては今年度、家族の利用状況とかいろいろありますので、それを見た上で来年度、事業を実施することとしておりまして、これからどういう形で実施するのか、もちろん予算成立を前提とした考えになりますけれども、そういう形で検討しているところであります。    [ふくし山ノブスケ君登壇] 26 ◯ふくし山ノブスケ君 質問を続けたいと思います。  鹿児島県立短期大学は、日本でも数少ない公立の短期大学で、一九五〇年の開学以来、一万四千人の卒業生を持つ大学であり、県内外で活躍するすぐれた人材を数多く輩出しています。  現在策定中の鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略においても、教育環境の整備として、県内外の若い世代が本県で学ぶ機会をつくるとともに、地元大学への進学や地元企業への就職を促進するための取り組みや、短期大学や高等学校等における地元企業等と連携したキャリア教育などに取り組み、地域社会で活躍する人材を育成することとしています。  そのための施策の一つとして、地域の人材育成拠点として、大学の研究・調査成果を公開し、地域住民の生活・文化の向上、産業の発展につなげるため、県立短期大学公開講座、金曜講演会を開催する。また、奄美サテライト講座を開催し、地域住民に多様で高度な学習機会を提供することへの取り組みが盛り込まれています。  総合戦略に述べられているとおり、県立短大を有効に活用することは、鹿児島県内の高校卒業生の大半が県外に流出する現状を見るとき、我が県の特性を十分踏まえ、その発展に寄与する社会人・職業人を育成するために大きな役割を果たせるものと考えます。そのためには、県立短大の環境整備など充実・強化が必要であります。  本県の将来を担う人材育成など、県立短大に今後どのような役割を担ってもらうかが問われております。今後どのような役割を期待しているのか、位置づけについてどのように考えておられるのか、お聞かせください。  県立短大による奄美サテライト講座につきましては、既に二〇一四年から実施していただいています。初年度のテーマは「県立短大の教員が語る 奄美の風を感じる四つの物語」で、昨年は「学びの魅力、再発見!」というテーマでありました。教授らがそれぞれの得意分野を生かし、奄美の持つ魅力について講座が開かれていますが、各市町村役場の広報やラジオでの告知などもなされ、多くの方々が受講しているようであります。参加した私の知人からも喜びの声が届いております。このような取り組みこそが、地域社会の期待に応える人材育成につながるものと考えます。  今後、このサテライト講座はさらに進化させ、やがて奄美の高等教育の拠点として位置づけるくらいの思いで取り組んでいくべきだと思いますが、今後の展開についてどのように考えておられるか、お聞かせください。  次に、建物等のソフト・ハード両面にわたる環境整備についてであります。  県立短大は、現キャンパスに移転して六十年以上経過しているとのことであり、エレベーターの設置や洋式トイレ化を初めとするハード面のバリアフリー化や、さまざまな障害を持つ学生や職員に対する早急な対応が必要であります。障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例に続き、この四月から施行される障害者差別解消法に基づく対応としてはもちろん、大学としての魅力を高めるためにも必要であります。  現在の整備状況と課題、あわせて今後の取り組みについて、年次計画も含めてお示しください。  自治体における入札・契約制度のあり方につきましては、議会としても、政策立案推進検討委員会がこれまで二度にわたって政策提言を行っております。私も、一昨年の三月議会と昨年の九月議会で、現状と課題等についてただしましたが、この間の改善に向けた取り組みや新年度の取り組み等について、労働集約型である業務委託に絞ってお伺いいたします。  入札制度の中でも業務委託については、二〇〇二年の地方自治法施行令の一部改正によって、低入札価格調査制度と最低制限価格制度の対象となる契約の範囲が変わり、業務委託も対象になりました。それ以降、業務委託についても、最低制限価格制度の導入が進んでまいりました。  また、二〇〇四年には地方自治法及び地方自治法施行令の一部改正によって、長期継続契約や随意契約の対象範囲が拡大されることになりました。  働いているのに豊かになれない、働く貧困層、ワーキングプアという言葉がありますが、公共サービスとして自治体が直接実施している業務における非正規労働者や、自治体が民間事業者等に業務を委託して行われる事業並びに指定管理者で働く労働者にも非正規が多く、低賃金になっていることから、官製ワーキングプアという言葉も十年ほど前に生まれました。  入札の結果とはいえ、自治体から支払われる委託料の低さなどから、委託事業者の労働者に関しては、間接的ですが、まさに公共サービスの実施者でありながら、発注者である国や自治体がワーキングプアをつくっていることから、官製ワーキングプアと表現されるようになったわけであります。  このようにさまざまな社会環境を背景に、自治体調達のあり方にも変化が出てまいりました。本県につきましては、労働者の賃金や適正な労働条件の確保のために、最低制限価格制度の導入や労務単価の引き上げ、長期継続契約の運用など、この数年間で改善が図られているものも多く、執行部の御努力のたまものだと思っています。  まず、基本的なことを伺います。  入札・契約制度のあり方によって、行政サービスの質の向上はもちろん、地元企業の振興・成長を支え、地域経済の活性化や県民・市民の雇用環境に影響を与えると同時に、行政が目指す社会的価値、公正労働、福祉、環境、男女共同参画等の実現にも資するものと思いますが、どのようにお考えでしょうか。  また、入札・契約の執行業務の適正化にも取り組んでおられますが、入札・契約業務の果たす役割を、会計事務職員や各事業課の契約事務担当者がよく認識していることが必要でありますが、どのように周知しておられるかお示しください。  最低制限価格制度の導入につきましては、昨年度の七十八件から今年度は八十三件に増加し、長期継続契約も適用拡大で、昨年度の四百四十八件から今年度は四百八十件に増加しています。  そこで、最低制限価格の設定についてですが、建設工事等については、発注に当たっての予定価格の積算の体系が確立されていますが、業務委託については、算定基準のあり方など課題があると言われています。業務委託は、経費の中で占める人件費の割合が高くなりますが、前年度や過去の実績を重視すると委託料が低くなり、雇用に影響を及ぼすことも考えられます。  労務単価の積算のあり方や、間接費についてはどのようなものが含まれているのか、お示しください。  長期継続契約の運用については、その大部分を占めているのは、電子計算機を初めとする事務用機器など物品の賃貸借契約になっているようであります。今後は、庁舎等の管理に係る役務、その他の役務の提供を受ける契約への拡大が課題だと思っています。  そこで、本県の長期継続契約を締結することができる契約を定める条例の運用に当たって、既に長期継続契約の対象となっている委託業務についての効果、評価についてお聞かせください。
     また、条例の運用に係る出納室長の通知にもありますように、契約締結に係る必要性の判断として、該当する契約を全て長期継続契約にしなければならないものではなく、契約担当者が複数年にわたる契約が望ましいと判断する場合に、長期継続契約を締結することとされていますが、現在、長期継続契約の対象となっていない委託業務について、複数年にわたる契約が望ましいとして検討しているものにどのようなものがあるか、お聞かせください。  なお、通知のとおり、現場の契約担当者がさまざまな観点から検討することが重要だと考えますが、契約担当者には、長期継続契約や最低制限価格制度の考え方について周知が徹底されているのかどうか。あわせて、来年度については、どのような観点で、どの程度、最低制限価格制度の導入並びに長期継続契約の拡大に取り組まれる予定か、明らかにしてください。  私は、昨年の九月議会で、厚生労働省健康局長名の通知を受けて、議論をさせていただきました。これはビルメンテナンス業務に特化したガイドラインでありますけれども、そのガイドライン作成の趣旨として、公共建築物は、その新たな建設のみならず、建設後の維持管理の重要性が増していること、建築物の維持管理に係る新たな取り組みについての必要性、ダンピング受注の排除、担い手の中長期的な育成・確保の促進を図っていくことが必要不可欠であることとされています。  その中で、清掃などの業務においても総合評価方式において技術提案を求めることも考えられるとし、求める技術提案については、必ずしも高度な技術を要するものであることが求められるものではないとされていることなどから、私の質問に対し、庁舎や病院など各施設の特性や県内業者の育成等を勘案しながら、総合評価落札方式も含め、検討してまいりたいと考えていると答弁されています。  そのような中、ことし二月二日、本県のホームページに、鹿児島県行政庁舎清掃業務委託一般競争入札総合評価として公告されました。業務委託の総合評価の導入については全国的に見てもまだそう多くなく、先駆的な取り組みであり、わずかな期間でその検討がなされ、早速実行に移されることにつきましては評価したいと思います。  そこで、各評価項目における配点を見てみますと、価格評価が百分の五十点、資格審査事項評価が百分の三十点、技術提案評価が百分の二十点となっています。評価項目や評価基準については、もっと多くを設定しようと思えば、さまざまな観点から盛り込むことは可能だと思いますが、今回の評価項目、評価基準、評価内容、配点の考え方と、厚労省から出されたガイドラインとの関係ではどのように整理をされたのか、お示しください。  ガイドラインには、必要に応じて、豊富な実績を有していない若手や女性の登用も考慮して、業務実績のかわりに業務実施計画を評価することによって、雇用・人材育成につながるようなことにも努めることとされています。社会的価値の実現にも効果があると思われますが、今後、総合評価落札方式の評価項目等の追加についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。  入札・契約問題の最後に、本庁発注の印刷物の請負契約について、今年度から最低制限価格制度を導入していただいておりますので、その実施状況等について伺います。  現時点までで結構ですが、今年度の印刷物の契約件数と、最低制限価格制度の適用がなされた契約件数についてお示しください。  あわせて、本県の制度適用金額については百万円以上とされていますが、九州各県の状況を参考に、適用金額の引き下げを今後検討する考えがあるか、お聞かせください。  以上で、二回目の質問といたします。 27 ◯総務部長(寺田雅一君)県立短期大学の今後の役割と位置づけについてでございます。  県立短期大学は、豊かな教養と職業または社会生活に必要な能力を有する人材を育成することを目的に、南九州唯一の公立の短期大学として数多くの人材を輩出し、卒業生も広く県内外で活躍するなど、教育水準の向上や地域の発展に大きく寄与してきているものと考えております。  今後とも、国際化、情報化などの時代の要請に対応するとともに、地域社会に貢献できる人材育成を目指した教育内容の充実などを図り、魅力ある県立短期大学づくりを推進することといたしております。  あわせまして、地域の人材拠点として、地域住民に多様な学習機会を提供する観点から、現在、公開講座や金曜講演会、奄美サテライト講座を開催しているところでございます。  奄美サテライト講座の今後の展開についてでございます。  奄美サテライト講座につきましては、奄美地域での研究・調査の結果を住民の方々に公開することを目的に、平成二十六年度から開催しているところでございます。  平成二十七年度は、奄美市において八月と九月に、「奄美で芸術祭!?」など四つのテーマで開催し、延べ百十二人の方々が受講されたところでございます。平成二十八年度につきましては、より多くの方々に受講していただけるよう、奄美市のほか、新たに徳之島においても開催する予定としているところでございます。  今後とも、こうした取り組みを通じまして、県立短期大学が、地域住民の方々の生活・文化の向上や地域への愛着心の涵養に貢献できるよう努めてまいりたいと考えております。  バリアフリー化等の環境整備に係る今後の取り組みについてでございます。  県立短期大学につきましては、エレベーターや身体障害者用トイレ、車椅子用スロープ等の設置を進めてきたほか、平成二十三年度からの二年間で三億円余りをかけて、校舎の耐震補強工事や図書館の増築を行ったところでございます。  その後も、実習室の改修や体育館の屋根の補修を行ったほか、平成二十八年度におきましても、二号館の廊下等に手すりを設置する予算を計上するなど、順次施設の整備に努めているところでございます。  また、ソフト面の対応といたしまして、障害のある学生の状況に合わせまして、教職員で構成する個別支援チームを編成し、学生が十分な教育を受けられるよう支援する体制を整えたところでございます。  今後とも、魅力ある県立短期大学づくりに向けまして、施設整備を行うことは必要であると考えており、厳しい財政状況のもとではございますが、必要性の高いものから順次整備してまいりたいと考えております。 28 ◯会計管理者(久木田義朗君)入札・契約制度について、幾つか御質問いただきました。  まず、入札・契約制度の役割に対する認識等についてでございます。  業務委託における入札・契約につきましては、関係法令等に基づき、入札の透明性・競争性の向上を図ることはもとより、技術と経営にすぐれた県内業者の育成、労働者の適正な労働条件の確保、品質の確保に留意し、適正な執行に取り組む必要があると考えているところでございます。  このため、県といたしましては、これまで、県内地元業者の受注機会の確保に配慮するとともに、最低制限価格制度等の導入、入札参加資格審査における社会保険制度への加入等の評価項目の設定のほか、業務の品質確保の徹底など、適正な入札・契約が図られるよう努めております。  入札・契約業務の執行に当たっての留意点等につきましては、発注体制の強化を図るための会計事務職員研修に加え、今年度から、契約の意義、重要性の習得等を図るための契約事務担当者研修会を開催するとともに、県の会計検査においても重点検査事項として指導を行うなど、積極的な周知に取り組んでおります。  業務委託の最低制限価格の設定についてでございます。  業務委託に係る最低制限価格の設定につきましては、業務を実施する上で直接必要な人件費に、物品費及び業務管理費など、契約担当者が業務委託契約の履行を確保するために必要と認める経費を加算し、算定することとしております。  また、業務委託につきましては、その種類・内容が多種多様であることから、個別に検討を行い、適切な最低制限価格を設定する必要がありますが、例えば清掃や警備業務につきましては、国の建築保全業務積算基準を参考に積算する人件費のほか、材料費、通信交通費、一般管理費などの経費を加算し、適切な最低制限価格を設定しております。  長期継続契約の効果等についてでございます。  長期継続契約につきましては、物品の借り入れのほか、庁舎の設備管理業務など、役務の提供につきましても活用を図ってきたところでございます。雇用の安定や事務の軽減等が図られていると考えているところでございます。  長期継続契約の適用につきましては、庁舎等の管理など役務の提供を受ける契約の場合、契約締結後、価格や仕様等の変更が予想されないものなどについて、雇用の安定を図る等の観点から活用を図ることが望ましいと考えております。  制度の導入につきましては、業務を所管している各部局等において判断することとしており、課題の整理など適切な検討がなされていると考えております。  長期継続契約及び最低制限価格制度に関する取り組み等についてでございます。  長期継続契約及び最低制限価格制度の適用につきましては、会計事務職員研修や契約事務担当者研修、所属長等研修など機会あるごとに、制度の趣旨や留意点等を説明するなど、周知に努めてきております。  来年度に向けた取り組みといたしましては、長期継続契約の適用について、予算編成前に県議会や監査委員の提言等を踏まえ活用に努めるよう、文書により周知を行っております。また、最低制限価格制度につきましても、先月中旬に開催いたしました全庁的な会議等において、ビルメンテナンス業務に関するガイドラインも踏まえ、清掃など労働力に対する依存度が高い業務とともに、少額な委託業務についても活用に努めるよう周知を図ったところでございます。  清掃業務の総合評価落札方式の導入等についてでございます。  総合評価落札方式の導入につきましては、ガイドラインにおいて、品質確保のための体制、その他の業務実施の体制等を確認する総合評価落札方式の実施とともに、適切な評価項目の設定について記載されております。  県といたしましては、ガイドラインを踏まえ、学識経験者の意見も聞いた上で項目等を設定し、入札の際には技術提案書の提出を求め、作業計画や自己検査など品質確保の体制等を評価するほか、入札参加資格審査の内容を活用し、企業の信頼性など業務実施体制を評価することといたしております。  また、価格と価格以外の評価が同等になるよう配点し、最も点数の高かったものを落札者とすることによりまして、競争性とともに品質の確保が図られるものと考えております。  なお、総合評価落札方式の評価項目等の追加につきましては、今後の社会経済情勢の動向や清掃業を取り巻く環境の変化などを総合的に勘案しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。  印刷物の最低制限価格についてでございます。  印刷物の最低制限価格につきましては、平成二十七年度から導入したところでございまして、二月末時点における契約件数百八十八件のうち、最低制限価格を設定した件数は四件となっております。  最低制限価格制度の導入に当たりましては、百万円以上の高額な印刷物では、デザイン料など削減の難しい経費がある一方、これらの入札において低入札の割合が高かったことや、九州各県の状況も参考に検討を重ね、今年度から導入したところでありまして、適用金額の見直しにつきましては、今後の実績や状況を見た上で検討してまいりたいと考えております。 29 ◯ふくし山ノブスケ君 県立短大のことについて、部長より御答弁いただきました。ありがとうございました。  障害を持つ学生さん、あるいは職員の方々がいらっしゃれば、それに対応するといったようなことは当然だと思いますが、そういう方々にぜひ入学してくださいと、本学で学んでくださいと、足りないところはこれから整備しますよと、カバーしますよといったようなことで門戸を広げる、その姿勢が大事ではないかと思っているわけです。先ほどから申し上げております差別解消法や本県条例の目的、本質というのはそこにあるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。  また、いつまでに一定の整備を終えるかという整備目標はあってしかるべきだと思います。整備目標を定めて、年次計画を立てて整備を進める、要はスピード感を持って取り組むことが、法や条例の目的に照らしても必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。  再度、御答弁をお願いいたします。 30 ◯総務部長(寺田雅一君)今、重ねての御質問をいただきました。  バリアフリー対応に関連して、これまでどのような対応をしてきたかということも申し上げましたけれども、現在、生徒でおられる方の中に、エレベーター等が必要であるという方がおられるわけではない状況ではございますけれども、これから入学される可能性があるということは御指摘のとおりかと思います。  そういったことも踏まえまして、入試等の際には、支援が必要である場合は、その旨申し出て御相談くださいというような対応はしておりまして、入学された場合には適切に対応できるようにということで、大学として先ほど申し上げたようなチームでの対応をやっていると、準備しているというところでございます。  あわせまして、施設の整備につきましては、これから必要に応じて順次整備してまいりたいと先ほど申し上げましたけれども、そこは財源の確保も含めてきちっと対応してまいる必要があろうかと思います。過去の経緯を申し上げました。二億円程度投入した時期もあったということですが、これは国の交付金を活用してそのような整備を行ってきたところでございます。必要性をしっかり見きわめますとともに、財源の確保も含めて、今後、順次対応してまいりたいと考えております。    [ふくし山ノブスケ君登壇] 31 ◯ふくし山ノブスケ君 それぞれ御答弁いただきました。  少し質問の順序とは変わりますけれども、今、短大についての答弁をいただきました。  現在の環境整備は、通常の予算の範囲の中でやりくりしているように感じたわけですけれども、思い切った財政の投入で改善をスピードアップしていただきたいと思います。  一昨日もキャンパスを見てまいりましたけれども、中庭などももう少し魅力的なものにしていただきたいと率直に思ったところであります。県立短大の果たす役割はこれからますます大きくなっていくものと思いますので、最大限の取り組みをお願いしておきたいと思います。  それから、印刷物の最低制限価格制度の百万円の適用の金額についてお答えいただきましたけれども、これも百万円だと、最低制限価格制度の設定そのものの効果が薄いという感じがいたします。  九州各県を見てみますと、例えば長崎県は、これまで百万円であったものを五十万円以上ということに変えております。そういったことの検討もこれからさまざまな角度からしていかれると思いますが、社会の情勢なども踏まえて、御検討をぜひお願い申し上げておきたいと思います。  入札・契約のあり方につきましては、一層の充実が必要であるとの立場でお聞きさせていただいております。それぞれ御答弁いただきました。あらゆる観点で検討がなされ、改善すべきはするということで取り組みが進みつつあると感じました。総合評価や長期継続契約についても検討がなされ、一定の取り組みが進んでいるようでありますが、制度を適用・拡大するに当たっては、効果も含め、十分な検討が必要だと思います。各事業課の契約担当者による検討・検証もさらに充実させていただきたいと思います。  さて、アウトソーシングも進む中、契約のあり方については、行政にとっては、財政健全化を目指す立場から、さまざまな経費の縮減の期待もされるのは当然ですが、行政サービスの一翼を担う方々、現場で働く人々の立場で、安心して働ける環境にあるかどうかという視点を持つことが大切だと思います。  公契約においては、賃金がしっかり確保でき、福利厚生費はもちろん、事業者にとっては一円でも利益の出る契約、それが公契約のあるべき姿ではないか、それが税金を有効に使うということではないでしょうか。そうあることで、本来の経済の好循環にも資することになるということでなければならないとも考えます。  今後も、社会情勢の変化に応じたさまざまな観点から、常に検証・検討していくことが必要だと思います。今後の取り組みをお願いいたしておきます。  障害のある人もない人もお互いを尊重し合い、共生する社会を実現するために、そして、医療・訓練・福祉をつなげ、障害を持つ子供たちの療育の充実を図っていくべきということで質問もいたしました。  近年、新生児医療や救命救急技術の進歩により、従来の医療では助からなかったであろう未熟児や難病でも命が救われる確率も格段に高くなっています。その反面、生存児の障害発症率も高くなり、医療に依存して生きている子供は増加しているとのことであります。また、高齢化を背景に、病気などの影響で聴覚や視覚、肢体の不自由などの障害を持つ方もふえています。  そのような状況にあることからも、差別解消法や条例の理念、目的等について、教育現場や職場でも話題に上るくらい周知を徹底する必要があると思います。そうすることで、自分の通っている学校はどうなっているのか、職場はどうなっているのか、地域は大丈夫かとそれぞれが考えるようになり、一人一人の認識が深まっていくことになると考えます。  昨日、新聞のひろば欄に八十七歳の女性の投稿がありました。「障害者には社会の理解と支援を」ということで、「私は短歌を学んでいます。ところが聴覚が加齢とともに低下し、障害者手帳の交付を受けました。要約筆記がつかなければ、短歌会に参加しても皆さんの声が聞こえません。そのため自費でお願いするしかありません。窮地に追い込まれた心境です。身障者の苦しみも知ることなく安穏と暮らしていましたが、当事者となった今、障害者が社会の一員として活躍するには社会の理解と支援が必要だとあらためて実感しました」というものであります。  今回、いろいろとお尋ねいたしました。これまでの取り組みを責めたり、批判をしたりだけするつもりはございません。私自身、先ほど紹介を申し上げました、つくる会の皆様の思いをしっかり受けとめて実行したかと考えると、じくじたる思いがあります。  このような問題は、できていること、できていないことを明確にし、今後どう対応していくか、将来目指すべき姿はどうあるべきかということについて大いに議論し、検討する。そして、走りながら考えるということもあるかもしれませんが、迅速に実行に移していくということが重要だと考えます。  他県でもさまざまな取り組みが始まっているようです。私も、議会に身を置く一人として、執行部の進めていく計画や取り組みに対して、その充実・前進のために努力は惜しまないつもりであります。ともに頑張る決意を申し上げ、私の質問といたします。  ありがとうございました。(拍手) 32 ◯議長(池畑憲一君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午後零時 一分休憩       ─────────────        午後一時十五分再開 33 ◯議長(池畑憲一君)再開いたします。  大園清信君に発言を許可いたします。    [大園清信君登壇](拍手) 34 ◯大園清信君 東日本大震災から間もなく五年、復興への道のりはまだ遠く、震災直後、医療支援に行き、現場の惨状を目の前に見た一人として、被災者の皆様方に改めてお見舞いと哀悼の誠をささげます。  去る二月十三日から二月十七日までの五日間、鹿児島に春を呼ぶ県下一周駅伝大会が開催されました。五日間にわたる熱戦の中、無事終了いたしました。鹿児島市陸上競技会会長として、改めて、大会関係者の御協力に対し、心から感謝申し上げ、特に、安全の面で細心の注意を払っていただいた県警の皆様方に対して深く感謝申し上げます。来る三月六日の鹿児島マラソンにおいても大変な御苦労をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。  ところで、NHK朝の連続ドラマ小説あさが来たが大変な人気です。主人公白岡あさがよく口にする「びっくりポンだす」は、鹿児島弁で言うと、たまがった、たまげたで、もっとびっくり度を強く表現すれば、ひったまがった、ひったまげたでしょうか。本日は、知事、執行部におかれましては、県民の皆様がひったまがるような回答を期待しています。回答次第では再々質問まで用意してあることを申し添えて、質問に入ります。  まず、知事の政治姿勢についてお伺いします。  伊藤知事は、昨年の十二月議会において四選出馬を表明されました。これまでの三期約十二年間の実績については、知事答弁の中に出てきておりましたので多くは申し上げませんが、私にとりましては、浜町に整備されたヘリポートからドクターヘリの運航、県立大島病院の地域救命救急センターの設立、そこを基地病院として、本年十二月から運航予定の奄美ドクターヘリ、さらに、障害を持つ子供たちの県こども総合療育センターの整備など、多くの施策を具現化していただきました。また、後ほど質問させていただきます特別支援学校についても、伊藤知事のもとでほぼでき上がったものと思っております。  知事におかれては、時代の大きな変革期の中にあって、新たな課題が国内外で山積する中、四期目の出馬という大変重たい決断をされたのではないかと推察するものです。私の県政にかける思いは、燃えるかごしま、心いやす県政の実現であります。知事が掲げておられる「力みなぎる・かごしま」、子どもからお年寄りまですべての県民にとって優しく温もりのある社会の形成を目指すとの思いに何かしら共感を覚えるものです。  次世代につながる四期目へ向けて、県民の皆様に夢と希望を与える、知事の県政にかける力みなぎる思いをお聞かせください。  次に、保健福祉行政についてお伺いいたします。  まず、医師確保策についてであります。  県では、医師確保策として、医師修学資金の貸与や臨床研修医等の県内定着に向けた研修体制の充実等、総合的な医師確保策に取り組んでおられます。そして、一定の成果は得られているのではと思います。  しかし、地域の中核的医療機関では十分な医師確保ができず、規模を縮小したり、診療科を休診するところもあり、医師確保が喫緊の課題です。特に、地域医療を担う例えば産科・小児科等、不足している医師を確保する対策を講じなければなりません。そのためには、各医療機関に医師を派遣する大学との交流をもっと頻繁にし、しかも、知事が先頭に立って大学の教授と懇談をなされることが一番の方策と思いますが、見解をお伺いいたします。  次に、救急医療の現状と救急搬送体制についてお伺いします。  私は、医療の原点は救急医療だと思います。私も月に七日ないし八日、鹿児島市の夜間急病センター、民間の急病告示病院で夜七時から朝七時までの十二時間、救急医療に携わっています。しかし、夜間や日曜・祭日に受診する患者が必ずしも救急の患者ではありません。半分以上は昼間、平日に病院受診できる患者です。現在、県内で真に二十四時間・三百六十五日の救急医療を実施している医療機関は、まだ少ないと思います。また、二次救急を担う地域拠点病院が一次救急病院からの紹介患者を必ず引き受けてくれるのか、不安です。私もよく経験しますが、二次救急を担う地域拠点病院でも、きょうは担当科の先生がいませんということでよく断られることがあります。地域拠点病院で明らかに対応できない疾患は別として、大方は地域拠点病院で対応できるものだと思います。  県立薩南病院、北薩病院、そして地域の拠点病院の対応はどうなっているのか、お示しください。  私は、救急医療に携わる医師として、本県の九医療圏の中で本当の救急医療体制ができ上がっている圏域が幾つあるのか、判断できません。本県の救急医療の現状をどのように把握し、どのような課題があるのか、お示しください。  また、救急搬送体制につきましては、高規格救急車やドクターヘリ、ドクターカーと充実してきています。県ドクターヘリは年間約七百回ほど搬送されていますが、県ドクターヘリを補完する民間ドクターヘリの直近一年間の搬送回数と一回搬送するのに要する患者負担は幾ら発生するのか。  また、県ドクターヘリは、運航経費として年間約二億円を国と県で負担していますが、民間ドクターヘリの運航経費は、ヘリ所有者の民間病院の負担と聞いています。地理的条件から、徳之島、沖永良部、与論には沖縄県ドクターヘリが運航し、患者搬送一回につき約三十三万円ほどが沖縄県に支払われています。  民間ドクターヘリ搬送に対して、県はどのような対応をなされているのか、お示しください。
     次に、精神科救急医療体制についてお伺いします。  昨今、心の病と言われる精神科患者の疾病がふえています。精神科の疾病は突然発症したり、一度発症したら対応に難渋することも多く、家族も途方に暮れます。  本県においては、これまで精神科の救急医療体制が十分ではなく、精神科救急医療体制の整備が急がれていました。平成二十七年度から二十四時間・三百六十五日の精神科救急医療体制が実施されていますが、実施されている内容についてお示しください。  次に、小児救急医療体制についてお伺いいたします。  小児科医の少ない中、小児救急医療は大変厳しい環境となっています。例えば鹿児島市の夜間急病センターでは、月に何日か久留米大学の小児科の応援をもらっている状況にあります。  県内の小児救急医料体制の現状と課題についてお示しください。  特に、朝七時から開業医の診療が始まる九時までの小児の急病に対しては、どのような体制になっているのか。また、重度心身障害児の急変時、特に夜間や日曜・祭日の対応はどのようになっているのか、お示しください。  私は、以前にも質問しましたが、重度心身障害児の急変時の医療は大変難しく、小児救急医療拠点病院に指定されている鹿児島市立病院小児科で診察してもらうほうが安心だと思います。そのためには、重度心身障害児を初め重篤な疾患を持つ子供たちは、あらかじめ市立病院に登録してもらい、急変時には相互連携した対応がなされることが大事だと思います。御所見をお伺いいたします。  次に、児童相談所の現状と児童家庭支援センターの設立についてお伺いいたします。  マスコミ報道による児童虐待のニュースが後を絶ちません。少子化の時代にあって、虐待による大変痛ましい子供の死亡事件報道を聞くにつけ、もっと早期に児童相談所、警察等関係機関の適切な対応があればよかったのではないかと悔やまれます。大人の無責任や自己中心的な行動によって、子供たちのとうとい命が奪われたり、重い後遺症や心の傷を残す虐待事案は、関係機関の適切な対応がなければ、今後もふえることはあっても減ることはないと思います。  県内には、中央児童相談所、大隅児童相談所、大島児童相談所の三つがあります。平成二十四年度、二十五年度、二十六年度における三児童相談所における虐待通告総数と虐待認定総数、そして、虐待がなされた背景にはどのような要因があったのか、お示しください。  また、認定されない事例については、その後どのような取り扱いになっているのかもお示しください。  虐待は、早期発見・早期支援が大切であることは言うまでもありません。現在、家庭の貧困や親の未成熟、幼児化も言われ、児童虐待や育児放棄が顕在化し、社会問題となっているのは事実です。このような中、児童相談所や警察関係者等による虐待の未然防止の努力がなされていることは認めつつも、これらの公的機関だけではきめ細かい対応はできず、地域で専門的支援に取り組む児童家庭支援センターの設置が全国の都道府県で進められております。  私は昨年、児童家庭支援センターの設立が本県にも必要ではないかとの思いから、県当局にお願いしました。その際の説明では、現段階では難しい旨の回答でした。その後も、児童家庭支援センターを立ち上げたいとの思いを持っておられる方々から相談を受け、協議してきました。私は、行政の方々に、子育てに悩み、虐待寸前の親の思いに身近に寄り添って活動している施設の取り組みをもっと前向きに理解してほしいのです。  センターは、子供に対する相談全般に二十四時間体制で対応し、児童虐待など深刻な事態に陥るものを未然に防ぎ、継続的に見守る活動を行っています。しかし、本県ではまだ許可されていません。全国での設置状況についてお示しください。そして、本県において許可されていないのはなぜか、どのような条件をクリアすれば許可できるのか、お伺いします。  また、公的機関以外に児童虐待や子育て支援に専門的に取り組んでいる民間機関に対し、児童家庭支援センターを県が許可することは社会の必然的な流れだと思いますが、見解をお伺いします。  以上で、一回目の質問を終わります。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 35 ◯知事(伊藤祐一郎君)政治姿勢についてのお尋ねがありました。  私は、平成十六年七月の知事就任以来、県民の皆様にお約束しましたマニフェストやかごしま将来ビジョンに基づきまして、各般にわたる鹿児島の改革に取り組みますとともに、「力みなぎる・かごしま」、「日本一のくらし先進県」の実現に向けて、全力を挙げて取り組んできているところであります。  その結果、就任時に最大の課題でありました行財政改革につきましては、県勢の発展や県民福祉の向上に資する事業につきましてその財源を十分に確保した上で、平成十六年度に四百五十一億円ありました財源不足を平成二十三年度以降解消するなど、幸いにも全体としては、県議会や県民の皆様の御協力のもと、おおむね順調に県政を推進することができているものと考えております。  一方、我が国は、グローバル化の進展、本格的な人口減少や少子高齢化の進行、地域間格差の拡大、国・地方を通ずる厳しい財政状況など大きな変革期を迎え、将来に対する不透明感が増しつつあり、また、社会を支える人々の規範意識に変調の兆しが見られるようになってまいりました。  私は、時代の大きな変革期を迎える中にありまして、鹿児島県の特性を最大限に生かしながら、さらなる県勢の浮揚発展を図りつつ、県民一人一人が安全な県土のもとで、生涯安心して働き、安定した生活を送ることができるよう、社会資本の整備、農林水産業や観光を初めとする諸産業の振興、雇用の促進、環境問題への対応など県政の諸課題に対応いたしますとともに、県民生活に直結いたします医療や福祉、介護、教育などの分野に特に重点を置きまして、今後の施策を進めることが重要であると考えております。  私といたしましては、これからの時代の課題であります少子化対策を伴う人口減少への対応、持続的な国・地方を通ずる財政制度や社会保障制度の構築など、我が国の従来の制度が大きく変容する中で、将来の県民の幸福につながる改革に断固たる決意を持って取り組みますとともに、すべての県民が郷土に夢と誇りを持ち、生涯を安心して過ごせるような「力みなぎる・かごしま」づくりに取り組み、県政に課せられた、子どもからお年寄りまですべての県民にとって優しく温もりのある社会の実現を目指してまいりたいと考えているところであります。  一九九七年、イギリスにおきましてブレア政権が成立します。サッチャーの後を受けまして、サッチャリズムの改革の後を受けてブレアが実施いたしましたのは、経済の持続的発展と社会的公正の実現であります。ソーシャル・ジャスティスという社会的公正という言葉は、いわゆる格差社会に対する対抗でありまして、ブレアはその手段として教育に徹底的に力を入れ、イギリスの再生を目指します。  多分我が国は、今申し上げましたように、経済の持続的発展とともにこのソーシャル・ジャスティス、社会的公正の実現をどう図るかが、私は二十一世紀の最大の課題になると考えておりまして、鹿児島県の予算で、奨学金の問題でありますとか生活困窮者についての初歩的な第一歩は踏み出しておりますが、今後、長年にわたりましてこのソーシャル・ジャスティス、社会的公正の実現は、我が県も含めてでありますが、我が国が全力を挙げて取り組んでいかなければいけない課題だと考えております。 36 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)医師確保策についてであります。  県では、総合的な医師確保対策に重点的に取り組んでいるところでありますが、特に、産科や小児科等については、分娩手当を支給する産科医療機関への助成や、これら診療科の専門研修医に対する奨励金の支給を行ってきておりまして、今年度からは、産科医の奨励金支給の対象期間を拡充したところであります。  また、平成二十三年度からは、鹿児島大学病院に地域医療支援センターを設置し、県と大学が協力して、市町村や医療機関等からの医師派遣の要望や相談に対応しております。  鹿児島大学の病院長や医学部長からは、医師確保を初め、救急医療や医療計画策定時に係る協議の場などを通じまして、幅広い御意見をいただいておりますけれども、今後とも、さまざまな場で大学関係者の意見も伺いながら、医師確保を初めとする地域医療の確保に努めてまいります。  救急医療の現状と課題についてであります。  本県の二次救急医療体制は、二次医療圏ごとに共同利用型病院や病院群輪番制などで対応しておりますが、受け入れ困難な患者につきましては、同一医療圏の救急告示医療機関のほか、消防機関の協力も得ながら、他の二次医療圏の医療機関でも対応する場合があります。本県では、救急搬送人員が増加している一方で、人口当たりの救急科の医師数は増加しておらず、医療資源の効果的な活用や救急医の確保が課題となっております。  県といたしましては、救急病院の施設・設備整備に対する支援、ドクターヘリの導入による医療機能の分担・連携のさらなる推進、救命救急センターの追加指定などの取り組みに加えまして、今年度から、救急科の専門研修医に対して研修奨励金を支給することとしたところでありまして、今後とも、救急医療の充実に向け、関係機関と一体となって取り組んでまいります。  県ドクターヘリ補完ヘリについてであります。  県ドクターヘリを補完する民間ドクターヘリの昨年一月から十二月までの搬送回数は、百二十一回でありまして、搬送自体に係る費用につきましては、県ドクターヘリ補完ヘリ運航要領におきまして、患者の負担はないものとすると規定しております。また、補完ヘリの運航に係る費用につきましては、基地病院を運営する法人と県との間で締結されました県ドクターヘリ補完ヘリの救急患者搬送に関する協定の中で、法人が負担することとなっております。  精神科救急医療体制についてであります。  県では、夜間・休日等に精神疾患患者及び家族等からの医療相談に対応いたしますため、昨年十月から輪番の電話相談窓口を設置し、精神保健福祉士等が専門的な支援・助言を行っております。また、精神科救急地域拠点病院を二カ所指定し、県立姶良病院と連携して、かかりつけの病院や休日等の当番病院が対応困難な精神疾患患者の救急医療に対応しております。  このような体制を整備したことによりまして、従来の休日等の輪番制による当番病院とあわせまして、二十四時間・三百六十五日対応可能な精神科救急医療体制が整備されたところであります。  なお、昨年十二月末現在の利用実績は、休日・夜間等の救急医療電話相談が百七件、地域拠点病院への受療相談が三十一件となっております。  県といたしましては、今後とも、精神科病院協会等関係機関と連携し、精神障害者等が安心して地域で生活できるよう、精神科救急医療体制の運用に努めてまいります。  小児救急医療体制についてであります。  本県の小児救急医療体制におきましては、小児救急電話相談のほか、休日・夜間の軽症患者は在宅当番医制等で対応し、入院治療等を必要とする救急患者につきましては、鹿児島及び南薩医療圏では、小児救急医療拠点病院である鹿児島市立病院が対応することとなっております。また、他の医療圏でも、地域の中核的な医療機関が対応しております。  本県は、小児人口当たりの小児科医数が全国平均より少なく、また、鹿児島医療圏以外は全て全国平均を下回っている状況でありまして、小児科医の不足が課題となっております。  県では、小児科医の確保を図りますため、専門研修医に対する研修奨励金の支給を行っているところでありまして、また、小児科医の負担軽減等を図りますため、来年度は小児救急電話相談の時間延長を行うことといたしております。  御指摘のありました午前七時から九時までの小児の急病につきましては、現在、かかりつけ医のほか、各地域の小児二次救急医療機関等で対応しているところでありますが、今後は、これらに加え、相談時間の延長を予定している小児救急電話相談の利用促進を図ることといたしております。  重度心身障害児の急変時の対応についてであります。  重度心身障害児の体調急変時には、夜間等を含め、まずは日ごろからその疾病の特性等を十分把握しているかかりつけ医を受診し、その判断のもと、地域の二次救急医療機関や三次救急医療機関の鹿児島大学病院、鹿児島市立病院と連携して対応することが基本と考えております。  御指摘いただきました登録制も、かかりつけ医が対応できない場合に備えた一つの方法ではあると考えておりますが、対応する病院に過重な負担を強いることも想定されますことから、慎重な検討が必要であると考えております。  県といたしましては、在宅医療を必要とする子供が地域で安心して療養できる環境づくりを推進するために設置いたしました小児在宅医療推進会議を活用し、関係機関のさらなる連携を促進してまいります。  児童相談所の現状についてであります。  本県の児童相談所における児童虐待の通告・相談件数は、平成二十四年度が二百二十六件、二十五年度が三百三十六件、二十六年度が三百六十八件でありまして、そのうち虐待認定したものは、平成二十四年度が九十五件、二十五年度が二百三十一件、二十六年度が二百四十七件となっております。平成二十五年度の件数が大幅に増加しておりますのは、同年八月から、通告・相談のあった児童に虐待が確認された場合、兄弟がいるケースでは、兄弟には虐待が確認されなくとも、心理的虐待があったものとして対応することとなったことによるものであります。  児童虐待の背景はさまざまでありますけれども、児童相談所の調査によると、経済的困難や夫婦不和、親戚や地域からの孤立等が多い状況にあります。虐待認定しなかった事例につきましても、必要に応じて相談を促したり、市町村等に子育て支援や見守りの要請を行ったりしているところであります。  児童家庭支援センターについてであります。  児童家庭支援センターは、地域、家庭からの相談や市町村の求めに応じた援助、児童相談所からの受託による指導などを行う児童福祉施設でありまして、平成二十六年十月一日現在で全国に百四カ所設置されております。  県の三カ所の児童相談所は、その地域において十分に機能を果たしているものと考えておりますが、児童家庭支援センターは、虐待が急増する中で、児童相談所の補完的役割を担う住民に身近な相談支援機関でありますことから、児童相談所や市町村との役割分担や連携について十分な協議を進め、児童福祉法の改正に向けた動きも見きわめながら、設置に向け検討してまいります。 37 ◯県立病院事業管理者(福元俊孝君)薩南病院及び北薩病院の救急医療についてでございます。  医師の少ない薩南病院及び北薩病院におきましては、医師の疲弊を防ぎ、かつ地域内での医療完結を目指して、複数の病院とで二次救急輪番制をとっています。救急患者は、まずはかかりつけ医等を受診し、そこで対応できない場合は二次救急の当番病院が受け入れることにしております。  両病院におきましては、当番日には明らかに対応できない疾患の患者以外は全て受け入れることとしており、まずは当直医が対応しますが、専門的医療が必要な場合は当該診療科の医師を呼び出すことにしています。また、当番日以外でも救急患者は原則として受け入れることとしているところでありまして、平成二十六年度の時間外救急患者は、小児救急患者の多い北薩病院が三千百三十人、薩南病院が千百五十一人となっています。  今後とも、地元医師会や地域の医療機関と連携を図りながら、救急医療に的確に対応してまいります。 38 ◯大園清信君 自席から、保健福祉部長に二点質問させていただきます。  まず一点目は、重度心身障害児とか重篤な疾患を持つ子供さんに対して、かかりつけ医が基本となることは当然なんですけれども、我々が実際経験している中で、夜間、日曜・祭日、しっかりした体制ができていないときにどうあるべきか。特に、そういう子供さんの治療は難しい中で、登録制が、保護者も安心感があると思うんです。だから、そういうのは少し前に進んでいかないと、基本は基本であっても、いざというときに我々が経験しているのは、なかなか手おくれがある。  私の知り合いも対応が悪くて亡くなっている。だから、そういう方々からも相談を受けたり、きょうも傍聴に来られている方々も、自分の子供が急変したときにどこにまず連れて行くか、大変皆さん困惑されるわけです。だからそういう登録制も、言った以上はもっと迅速な対応、迅速な考え方を推し進めていかないとなかなか医療は伸びていかない。  まず、登録制についてはもう少し前向きな答弁ができないものか。  それと二点目は、児童家庭支援センター、これは他県ではほとんど設置されてきているわけです。確かにうちの三児相も一生懸命頑張っておられると思いますけれども、本当に、虐待等を扱う職員というのは専門的に扱っている人間でないと対応が難しい。だから、そういう方々が自分のところで受けますから、三児童相談所を補完する気持ちが十分あると言われるわけですので、保健福祉部長はそういう方々に対する思いをもう少し理解して、もっと前向きな答弁はできないですか。 39 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)まず、重度心身障害児等を対象とした登録制の話、これは六月にもお話しいただきました。  一般論で申し上げますと、議員からいろいろこの場で御提案いただいたことについては、それぞれ真摯に受けとめて検討しているところであります。六月にも御提案いただきました登録制、通常の基本となる考え方は、先ほど申し上げたとおり、かかりつけ医がいない場合には、二次医療機関であったり三次医療機関で今も対応しているところであります。  ただ、先ほどおっしゃいましたように、そういう危険にさらされている障害児をどうやって対応するかというのは、議員がおっしゃった登録医というのも一つの考え方とは申し上げました。  ただ、登録医にする意味を考えましたときに、急病時に救急医療として対応することの前提として、常日ごろからその子供がどういう状態にあるのか、随時かかりつけ医等と連絡をとり合いながら、対応する医療機関がその子供を随時把握していることによって成立する仕組みでもあるのではないかと考えます。現在でも厳しい勤務環境にある市立病院を初め、そういう小児科医の現状を考えたときに、先ほど申し上げましたように、過重な負担を強いることになるのではないかということを今、考えておりまして、また、これからいろいろ関係者等も含めて協議したいと考えております。  それから、児童家庭支援センターの件につきましては、県は、広域的な自治体として三児童相談所をそれぞれ区域を定めて設置しております。ただ、身近な相談ということになりますと、鹿児島市、鹿屋市、奄美市から遠隔にある地域の方々のニーズのほうがより高いのではないかと考えまして、そういう観点で検討してまいりましたが、これは先ほど答弁申し上げましたとおり、児童虐待が増加する中で、児童相談所の補完的な役割を果たすという児童家庭支援センターの役割もありますので、先ほど申し上げましたとおり、設置に向けて検討してまいることにしております。    [大園清信君登壇] 40 ◯大園清信君 知事の政治姿勢、そしてまた決意、今お伺いしました。  県民に、「力みなぎる・かごしま」をこれからどうするんだという訴えがこれからは大切ではないかと思っております。  また、保健福祉部長には、前向きに取り組むということでしたから、それはそれとして理解しますけれども、登録制というのは、本当にどこに行って、いざというときの対応が一番困るのがこういう方々です。そこをもう少し理解していただきたいと思います。  次に、土木行政についてお伺いいたします。  旧南港・旧木材港等の港湾背後地の環境整備についてであります。  私は、平成十三年県議会議員に初当選以来、この問題については本会議、委員会等を通じて厳しく要請してまいりました。おかげさまで、旧南港周辺の砂・砂利・スクラップを取り扱う業者の中には御理解いただいて、移転していただいたところもあります。  平成二十一年第四回定例会の私の一般質問において、当時の河瀬土木部長は、「当地区の砂・砂利の陸揚げは谷山地区へ移転され、現在、スクラップを取り扱う利用者と移転協議を進めているところである」と答弁されております。その後、当時の移転協議において、県は、利用業者とは移転の方向で結果を見たと地元紙で報じらました。  しかしながら、この県有地について、現在でも県が業者に対し使用許可を更新していることは事実です。平成二十一年前後、スクラップ取り扱い業者とはどのような話し合いがなされたのか。その話し合いの中で、最終的な移転についてどのような結論を見たのか、お示しください。  関係者の皆さんとも協議されてきているとは思いますが、ここ五、六年、この地域の環境整備は一向に進んでいません。私は毎日、この周辺の産業道路を通るたびに、また、平成二十六年に開通した黎明みなと大橋を通る際に、桜島やマリンポートに停泊している大型クルーズ船の雄姿を見ると、鹿児島に新しい観光スポットができたなと思う一方で、旧南港周辺のスクラップの山や背後地の環境整備の不備を見ると大変悲しく、行政の方々は何をしているのかと腹立たしくなります。観光かごしまを県の観光振興基本方針に置いている本県として、これでいいですかと声を大にして申し上げたい。  観光交流局では、魅力ある観光地づくりを掲げ、街並み整備や景観整備等を進めるとしています。観光交流局の長として、マリンポートかごしまや黎明みなと大橋から見る港湾背後地の現状に対してどのような思いを持たれ、どのように対処したらよいと思われますか。見解をお伺いします。  平成三十年には明治維新百五十周年記念事業、平成三十二年には国民体育大会も開催されます。明治維新をなし得た薩摩の志士たちは、雄大な桜島を見て、桜島の燃ゆるがごとくとの思いで、自分たちの志を鼓舞し、維新の大業をなし得たものと思います。ぜひ、県民の皆さんや鹿児島を訪れた国内外の皆さんが称賛していただけるような観光スポットとして、この一帯の環境整備に取り組んでいただきたいのであります。  土木部長は、旧南港・旧木材港の港湾背後地の現状をごらんになってどんな思いを持たれますか。そして今後どのように対応されるのか、土木部長の決意をお聞かせください。  次に、県道整備についてお伺いいたします。  川内原発から三十キロ圏内のUPZの自治体に鹿児島市の旧郡山町の一部が入っています。住民の方々から、「県道三十六号川内郡山線は避難経路にはなっていないのか」とよく聞かれます。  それというのも、県道川内郡山線については、鹿児島市側に入ると道路は狭隘でカーブも多く、未整備区間も長く、いざというときに薩摩川内市や旧郡山町の住民が避難する道路としてこれでいいのか、住民の皆さんが不安になるのも無理はありません。この路線の原子力災害発生時における避難経路としての位置づけと鹿児島市側の整備計画についてお示しください。  次に、共生・協働による温もりのある地域社会づくりについてお伺いします。  私の地元を流れる永田川上流の春山校区、宮川校区の二カ所に、鹿児島地域振興局の御理解のもと、子供たちが水辺で遊ぶ親水施設を整備していただきました。その後は、小学校のおやじの会や地域町内会の皆さんによって草払いや河川掃除がなされています。  これらの取り組みに対し、申請すれば、県のみんなの水辺サポート推進事業によって、年間上限二万円の補助金が支払われます。しかし、この補助金は、作業に係る機材や燃料費等に充当できても、お茶代等には使えません。以前は、奉仕作業が終わったら、地域の皆さんがお茶や漬物、ぼた餅、ふくれ菓子などを持ち寄って楽しく団らんの時間を過ごすことがあったのですが、現在、そのような地域社会の姿は少なくなっています。  温もりのある地域社会づくりには、皆でお茶を飲みながらの団らんの時間も必要です。この補助金の中からお茶代くらいは充当できないのか、お示しください。  次に、教育行政についてお伺いいたします。  特別支援学校の現状と鹿児島市南部地域の特別支援学校の設立についてであります。  桜丘養護学校では、平成二十一年度から通学生を受け入れ、平成二十二年度からは知肢併置化が実施されています。それによって桜丘養護学校の小学部・中学部の児童生徒は増加し、平成二十五年度、二十六年度、二十七年度は約八十名程度の児童生徒数を有しています。一方、桜丘養護学校には、学校としてなくてはならないプールなど、教育環境が十分に整っているとは言いがたいと思います。  現在、桜丘養護学校に学校として不足している施設は何か。さらに、児童生徒数増加による学校課題は何か、お示しください。  次に、鹿児島養護学校は、それまでの肢体不自由児の学校から、学校移転の平成二十五年度より知肢併置化が進められています。それによって、それまで約百名前後の児童生徒数から、平成二十七年度は約二百五十名の大規模校になっています。鹿児島養護学校の知肢併置化によって、武岡台養護学校の児童生徒の過密化には一定の歯どめがかかってきていますが、今度は鹿児島養護学校の大規模化が問題となってきています。  平成二十五年度から三校とも知肢併置化がなされておりますが、平成二十五年度、二十六年度、二十七年度の三校それぞれの在籍者数と南部地域在住者数の占める割合について、また、県教委は、武岡台養護学校、鹿児島養護学校、桜丘養護学校の適正規模数をどのように考えているのか、お示しください。  さらに、桜丘養護学校の中学部を卒業する生徒の進路についてもお示しください。  ここで、仮に鹿児島市南部地域へ小学部・中学部・高等部から成る特別支援学校が設立され、この学校に、現在、武岡台養護学校、鹿児島養護学校に通学する南部地域の児童生徒が在籍するとしたら、平成二十五年度、二十六年度、二十七年度は三校それぞれどれくらいの規模になるのか、お示しください。  私は、鹿児島市南部地域へ小学部・中学部・高等部から成る特別支援学校が設立されれば、武岡台養護学校、鹿児島養護学校の南部地域在住の児童生徒は、設立される南部地域の特別支援学校に通学するようになり、同時に、武岡台養護学校のマンモス化も解消されるものと思います。さらに、桜丘養護学校の中学部の生徒の中で高等部に進学する生徒にとっては、学習環境も変わることなく、卒業時に同級生と別れる寂しさもなく、これまで以上に桜丘養護学校の多くの生徒が高等部へ進学することも期待されます。  また、桜丘養護学校の大きな問題点は、今後、学校として不足している施設を整備したり、学校関係者が望んでいる高等部を設置するだけの十分なスペースがないことです。  現在、鹿児島市南部地域の特別支援学校に在籍する児童生徒数を考えても、今後、鹿児島市南部地域へ特別支援学校を設立するのは時代の流れで、現在の県民の皆様にも理解される事業だと思います。見解をお伺いいたします。
     次に、NPO法人等の活動支援についてお伺いします。  NPO法人奄美青少年支援センターゆずり葉の郷は、青少年に関するさまざまな問題、例えば不登校、非行、虐待、ひきこもり等に関して、奄美群島を中心に、全国を支援受け入れ範囲として、面談や電話、メール等による支援、さらには、居場所のない若者やDV被害者の緊急受け入れ先として居場所の提供を行っています。  ゆずり葉の郷は、厚労省認定の地域若者サポートステーション事業、県委託の子ども・若者自立支援活動促進事業や児童自立生活援助事業などの事業を受け、三浦一広所長初め、スタッフ一同、不眠不休の幅広い取り組みをされています。このように、行政と協働して事業を展開し、大きな成果を上げているNPO法人もあります。  また、県においては、これまで共生・協働の地域社会づくりを進める中で、県行政の協働化の取り組みを推進しておられます。NPO法人と県が協働して地域の課題解決に取り組む、NPO共生・協働・かごしま推進事業のこれまでの過去三年の実績についてお示しください。  また、NPO法人と県との協働事業をもっとふやすべきと考えますが、県の見解をお伺いいたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 41 ◯知事(伊藤祐一郎君)鹿児島市南部地区に高等部を有する特別支援学校を整備することについてのお尋ねがありました。  人口が増加傾向にある同地区におきまして、将来的に特別支援学校の児童生徒数が増加することにより、新たに特別支援学校を整備することが必要となる事態も十分に想定しているところであります。 42 ◯土木部長(久保田 一君)鹿児島港旧南港区・旧木材港区等のスクラップ取り扱い事業者との移転協議についてです。  旧南港区や旧木材港区につきましては、港湾関連施設の移転跡地に商業施設の立地が進み、環境改善を図る必要が生じましたことから、砂・砂利取り扱い業者やスクラップ取り扱い業者と協議を行い、砂・砂利取り扱い業者については、平成十七年に移転していただいたところであります。  スクラップ取り扱い事業者については、移転先を谷山二区とすることで平成二十三年九月に合意しましたが、移転の時期については、多額の費用負担が困難などの理由により合意に至らなかったものでございます。  旧南港区・旧木材港区等の港湾背後地の現状に対する思いと今後の対応についてです。  旧南港区や旧木材港区周辺については、マリンポートかごしまにおいて、昨年、クルーズ船寄港実績が過去最大の五十三回となるなど、さらに多くの観光客が訪れる地域となっております。このため、当該地区におけるスクラップの取り扱いが、観光地としての景観にそぐわない状況にあると認識しており、早期に改善する必要があると考えております。  県としては、これまでも、沿道の植栽を行うなど環境対策に取り組むとともに、事業者と移転について協議を重ねてきたところであります。  一方、旧南港区の沿岸部を通る臨港道路の早期事業化を国に要望しており、また、旧木材港区の再開発に向けた港湾計画の変更手続等を行うこととしております。このようなプロジェクトの進捗も踏まえながら、早期移転が図られるよう引き続き協議を継続してまいりたいと考えております。  県道川内郡山線についてです。  県道川内郡山線は、薩摩川内市と鹿児島市郡山町を結ぶ幹線道路であり、両市の地域防災計画において、原子力災害発生時における避難経路として位置づけられております。これまで、薩摩川内市の市比野工区、鹿児島市の郡山工区などの整備を終え、現在、薩摩川内市の宮崎工区や鹿児島市の郡山中央地区などにおいて整備を進めております。  鹿児島市側の未改良箇所の整備については、事業中箇所の進捗状況や優先度等を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。  みんなの水辺サポート推進事業についてです。  みんなの水辺サポート推進事業は、県が管理する河川・海岸において、定期的な清掃美化活動を行う地域の住民等に対し、活動に必要な機材に係る経費等を補助するものです。平成二十八年度からは、新たに飲料品代を補助対象に加えるとともに、補助の上限額を二万円から三万円に増額することとしております。  今後とも、河川周辺の良好な環境を維持するため、みんなの水辺サポート推進事業など、共生・協働の取り組みの支援に努めてまいります。 43 ◯観光交流局長(長野信弘君)旧南港区周辺の現状等に対する見解についてお尋ねがございました。  マリンポートかごしまや黎明みなと大橋から望む紺碧の錦江湾に浮かぶ活火山・桜島の雄大の風景は、世界に誇る本県のシンボルとして、国内外からの観光客を引きつける十分な魅力を有するものと考えております。  一方、旧南港区周辺に目を転じますと、御指摘のとおり、観光地としてそぐわない景観も見受けられますことから、こうした状況ができるだけ早期に改善されることを望んでいるところであります。 44 ◯教育長(古川仲二君)桜丘養護学校の施設設備及び児童生徒数増加による課題についてでございます。  桜丘養護学校は、敷地内にプールがないため、プール学習については現在、鹿児島盲学校や近隣の小学校、障害者福祉施設のプールを利用し、計画的な学習の実施に努めておりますほか、学習内容に応じて、同校内の児童生徒用の大型浴室等を利用しているところでございます。  なお、鹿児島盲学校等への移動には通学バスを利用し、児童生徒の安全確保と負担軽減を図っているところです。  また、児童生徒数増加による課題といたしましては、教室について、自立活動室などの一部の特別教室を普通教室として活用していることがございます。  知肢併置化後の市内三校の在籍者数と南部地域在住者の割合等についてでございます。  平成二十五年度から二十七年度までの在籍者数は、鹿児島養護学校がそれぞれ各年、百九十一人、二百十人、二百四十七人、武岡台養護学校が二百六十三人、二百六十四人、二百六十六人、桜丘養護学校が八十人、八十三人、八十五人となっております。このうち南部地区在住者の割合は、三年間の平均で鹿児島養護学校が約五%、武岡台養護学校が約三〇%、桜丘養護学校が約九〇%でございます。  また、三校の受け入れ可能人数につきましては、授業に支障がない範囲で特別教室を普通教室として活用することとした場合、鹿児島養護学校が二百六十人から三百人程度、武岡台養護学校が二百八十人から三百人程度、桜丘養護学校が七十人から九十人程度になるものと考えております。  次に、桜丘養護学校中等部卒業生の進路と市内三校の規模についてであります。  桜丘養護学校中等部の卒業生の進路につきましては、例年ほとんどの生徒が鹿児島養護学校や武岡台養護学校の高等部に進学し、残りの若干名の生徒は福祉施設等を利用している状況にあります。  次に、鹿児島市南部地区に小・中・高等部から成る特別支援学校が設立されていたと仮定した場合の、平成二十五年度から二十七年度における市内各特別支援学校の規模につきましては、現段階でさかのぼって想定することは難しいものと考えております。 45 ◯大園清信君 自席から土木部長にお伺いいたします。  私はこの十何年、旧南港周辺の環境整備についてはお願いもし、土木部でも御努力はされていると思うんです。しかし、本当に、外国から来る観光客、また日本全国から来る観光客がこの地域を見たときに、何らかの対応を早くしないといけない。確かにスクラップ業者も商いをされているわけですので、それぞれに事情があろうかと思います。  しかし、県有地がこのようなぶざまな姿で使われていること自体に対して、我々は、その問題点をただすのが議員の仕事であって、行政の方も当然それを感じていらっしゃる以上は、これからの国体に向けて本当にいい環境をつくるという意気込み、そしていつまでにどういう計画を持ってするんだという、計画を持たない限り、いつまでたってもずるずるの延長だと思っております。  部長の確かな決意を聞かせていただきたいと思います。 46 ◯土木部長(久保田 一君)錦江湾に浮かぶ雄大な桜島の景観は、世界に誇れる本県の財産でございまして、鹿児島港におきましては、人流・物流機能はもとより、この景観を最大限に生かすような、例えば新港区のフェリーターミナルや、昨年、親水広場を供用しましたが、マリンポートかごしまの整備を行ってきているところでございます。  現況におきまして、いろいろ課題は多々あると思います。旧南港や旧木材港周辺もそうだと思いますが、これが先ほど申し上げましたように、観光地として景観にそぐわない状況にあるということは認識しておりまして、早期に改善する必要があると考えてもございます。  先ほど申し上げましたように、県におきましては現在、国に臨港道路の早期事業化を要望してございまして、臨港道路の整備によりまして桁下高が制限されると、船の入港が制限されるということで、これから事業化ということで、まだ構造の検討もこれからでございますが、そういうことも考えられます。また、旧木材港につきましても、周辺地域のポテンシャルを生かした交流空間として、今後、港湾計画の変更手続にも入っていくということでございます。  こういったプロジェクトの進捗、状況の変化もあると思いますので、早期移転が図られますよう引き続き協議を進めてまいりたいと考えております。 47 ◯議長(池畑憲一君)先ほどの大園議員の質問に対しまして、三角県民生活局長に答弁していただきます。 48 ◯県民生活局長(三角浩一君)県とNPOの協働についてであります。  NPO共生・協働・かごしま推進事業は、県が示したテーマにつきまして、NPO等から企画提案のあった事業に協働で取り組むものであり、平成二十五年度から二十七年度までの実績はそれぞれ、七件、六件、五件の合計十八件となっております。  具体的には、動物愛護思想の普及啓発イベントの開催、地域住民や行政等が連携した環境保全活動、食による生活困窮者支援の仕組みづくりなどの事業を実施しております。  県におきましては、県事業の協働化を推進するため、NPO共生・協働・かごしま推進事業による取り組みのほか、庁内の各部局が実施する事業について、協働の視点での検討や、企画案の公募などに取り組んできております。その結果、協働化は着実に進んできており、NPOなど多様な主体との協働は、その形態は補助や委託、共催、後援などさまざまでありますが、平成二十六年度の実績で二百五十四件になっております。  今後とも、こうした取り組みにより、県とNPOとの協働の取り組みを推進してまいります。    [大園清信君登壇] 49 ◯大園清信君 それぞれに御答弁いただきました。  桜丘養護学校については、南部地域の児童生徒が、もし設立したらという確かに仮定の話ですけれども、そういったものを頭に入れながら、どうあるべきかということは考えていただきたい。  もし、こちらの資料で間違いがあったらとお断りしておきますけれども、現在、谷山南部地域に在住する児童生徒数が、桜丘も含めて、南部に学校が設立されれば、大体均等化して百八十名前後になるんだろうと思っております。  特別支援学校は、大規模化が決して許されることではなくして、本当にきめの細かい教育、手の届く教育ができるためには、ある程度の規模で学校を運営していかなければならないと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思っております。  私はこれまで麻酔科医として、過去に三年間、産科麻酔を経験しました。お産において、時として産声を上げない赤ちゃんや障害を持って生まれてきた赤ちゃんを見ると、お母さんや家族に対して、かける言葉も見当たりません。その後、市立病院の新生児センターで医療スタッフの懸命な治療により、元気になって退院していく赤ちゃん、どうしても障害を残してしまう赤ちゃんといろいろです。  私も大変感動したことは、本当に生まれた姿で普通の子供になるのかなと思っていた子供さんが、小学校に上がってみると私よりきれいな字を書くんです。だから、すばらしい医療、そしてまた教育は、その子供さん方の未来の可能性を必ず引き上げてくれるものと思っております。  ぜひ、今回質問した内容について、障害を持つ子供さん方のその後のリハビリ、特別支援学校の教育によって大きく成長していく姿を見たときに、私は、生まれてくる子供に対して、早期に最高の医療や教育を受けさせることが政治の責任ではないかと思います。  神のいたずらでしょうか、不幸にして自分の意思に反して障害を背負って生まれてきた子供たちに対し、優しく温もりのある社会の形成を目指す知事の思いからしても、南部地域の特別支援学校整備は、知事の特別支援学校整備の最後の仕上げの仕事ではないかと考えます。ぜひ、鹿児島市南部地域の特別支援学校整備を知事の次の公約に入れていただきたいと心からお願いいたします。  最後に、知事初め執行部の皆さんに申し上げたい。  県議会において、本会議場は我々議員にとってはまさに戦場でもあります。自民党の若い期には将来が楽しみな大変優秀な人材が多くおられます。議員の質問において誰もが納得できる質問内容については、執行部も質問通告書によって、部、局そして庁議で中身を十分吟味して臨んでおられるわけですので、時には県民の皆さんがひったまがるような答弁もしてほしい、それこそが県政の姿だと思っております。  最後に、今議会一般質問において、議員が裁判係争中の事案を議場において批判的な発言をする姿勢はいかがなものかと思っています。当事者の男性にも家族があり、年ごろの子供さんがいることを忘れてほしくないのです。  最近、強姦事件やセクハラ事件で冤罪となった事案も出てきております。神のみぞ知る、そんな思いでこの事案の推移を見守っていきたいと思っております。  これで、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 50 ◯議長(池畑憲一君)次は、日高滋君に発言を許可いたします。    [日高 滋君登壇](拍手) 51 ◯日高 滋君 きょうは昼間に地熱発電の勉強会がありました。きょうは大園発電所がどうやるかなと思って楽しみにしておりましたが、きょうはちょっと燃料不足で発電が少なかったようでございます。やはり思いは我々も一緒でございますので、ぜひそのことを執行部も受けて頑張っていただきたいと、かように思っております。  いよいよ私で本会議の質問が最後となりました。あと一時間だけでございますので、どうぞひとつよろしくお願い申し上げます。  それでは、早速質問に入ります。  まず、屋久島空港のジェット化についてであります。  屋久島への入り込み客は、平成五年十二月の世界自然遺産登録以来、急激に増加し、平成十九年度には四十万人を突破するなど、町の基幹産業である観光産業はもとより、町内経済に多大な影響を与えてきたところであります。  このことは、屋久島が他に類を見ない魅力的な観光地であることはもちろんのこと、そして、島の振興は、玄関口である空港や港湾等の交通基盤の整備・充実が欠かせないという県の基本姿勢に基づく取り組みがあったからこそと考えております。  屋久島空港については、昭和三十八年に滑走路延長千百メートルで供用を開始し、現在の滑走路も千五百メートルへと整備拡張され、平成二十一年には大阪伊丹線の直行便が、平成二十三年には福岡線の直行便が開設され、運航便数及び乗降客数とも増加している状況であります。  このように、港湾や空港の整備・充実が、屋久島を含む離島の振興発展には欠かせないものであります。  国内に目を転じますと、観光を取り巻く情勢は急激に変化してきております。政府の発表によりますと、皆さんがいろいろ申し上げているように、昨年の訪日外国人は約千九百七十四万人と過去最高を記録し、東京オリンピック開催の二〇二〇年の目標としていた年間二千万人を早々に達成するような状況であります。  また、航空業界も、昨年十一月には国産初のジェット旅客機MRJが初飛行に成功し、二〇一八年には初納入を行うとの報道もあり、MRJが日本の空を席巻する日もそう遠くないと思われるのであります。  このような中、県内においては、鹿児島空港の国際線利用者は昨年度、約十三万人と過去最高を記録するとともに、世界自然遺産登録が期待されている奄美では、LCC効果等も大変大きく影響し、空港利用者が大幅にふえている状況であります。  屋久島の産業は第三次産業、中でもサービス業に頼るところが大変大きく、観光客の増加が島内経済へ好影響を与えるのであります。今こそ屋久島が、そして地方が活気を取り戻す絶好のチャンスであると思っております。  屋久島の玄関口である空港や港湾の充実は、観光客や物流の増加に大きく影響を与えるものであります。また、昨年五月の口永良部島新岳の爆発的噴火時における、空港と港湾の災害対応に果たした役割は大変大きなものであったと考えております。今後は、世界とつながるゲートウェイ機能の拡充が重要になるものと考えます。  より多くの人々を呼び込み、地域の振興を図っていくために、ジェット機が就航可能な空港の整備が極めて有効であります。関東地方等との直行便就航は、屋久島の交流人口を拡大し、農水産物等の流通など地域経済の発展に直接結びつくため、商工会、観光協会等の経済団体や地元自治体からも強い要望があり、島民にとって長年の悲願であります。  このような中、昨年の第一回県議会における私の質問に対して、知事から、「現空港は滑走路の両端に海域が近接しており、世界自然遺産の屋久島においては、滑走路を延伸した場合に埋め立てによる自然環境への影響が生じないように特に配慮する必要があり、まずは空港周辺の測量等を行い、ジェット機就航に必要とされる滑走路延伸の可能性について、調査・検討してまいりたい」との答弁をいただいたところであり、まずは、知事の大英断により、平成二十七年度予算に滑走路延伸可能性調査費が計上され、ジェット化に向けて大きな第一歩を踏み出していただいと感謝いたしているところであります。  また、今回、平成二十八年度当初予算には七百六十万円の調査費が計上され、大きな期待を持つとともに、大変喜ばしく思っているところであります。  前回、県議会にも種子島屋久島議会議員大会から、屋久島空港の滑走路延伸の早期実現に関する陳情書も提出されております。  これから、滑走路延伸の実現までには多くのハードルがあるかとは思いますが、一日も早くジェット機が飛ぶ日が来ることを心から願いながら、次の二点についてお伺いいたします。  まず一点目として、県当局において今年度、調査・検討された滑走路延伸の地形的な可能性について、その調査結果をまずお示しください。  二点目として、ジェット化に向けて、県の考え方と平成二十八年度の調査内容を含めた今後の取り組みについても伺います。  次は、離島過疎地の通信網の充実について伺います。  誰しもが考えると思いますが、地方創生を進めるに当たっては、離島・過疎地にとって、光ファイバー等の通信網の整備は何よりも不可欠なものであり、国の戦略に掲げる施策を進める上からも、その大前提となるものであると考えております。  平成二十七年十二月二十四日に閣議決定されたまち・ひと・しごと創生総合戦略でも、ICT等の利活用による地域の活性化がうたわれております。御存じとは思いますが、改めて一部を紹介いたします。  「地域産業の生産性や生活の質を向上させ、地域の活性化を図っていく上で、ICTが有効なツールとなる。また、ICTの活用により、地域のサービス水準の維持・向上や柔軟な就労環境の整備が可能となるとともに、こうした課題解決にICTを活用する過程で、イノベーションとそれに伴う新産業の創出も期待される」とされております。  「このために必要不可欠なICTインフラが未整備の地域や、整備済みではあるがその利活用が進まない地域が依然として多数存在している。また、地域においても、このようなICTの恩恵を十分に享受することができるよう、Wi─Fi、高速モバイル、ブロードバンドなど、地域の通信・放送環境の整備を推進する」とうたわれております。  離島や過疎地域、山間部などを多く有する本県といたしましては、まず、都市部よりも条件不利地域と言われる地域にこそ光ファイバー等の通信網の整備を進めるべきではないでしょうか。  そこで、四点についてお伺いいたします。  最初に、現在の県内における光ファイバーの整備状況はどのようになっているのか、お答えください。  二つ目として、整備が進まない要因は何なのか。また、整備の進まない地域において市町村が関与して整備を進めるには、どのような方法、財政支援があるのか伺います。  三つ目といたしまして、市町村が補助金でブロードバンドを整備した場合、整備後の維持管理に大変な費用がかかると聞いておりますが、市町村が整備した施設等の維持管理を行う場合の財政支援はどのようになるのか伺います。  四つ目に、電話のユニバーサルサービスについては、固定電話や携帯電話の事業を行っている電気通信事業者から、一つの番号当たり二円を徴収し、法令に基づき、NTT東日本とNTT西日本が、固定電話や公衆電話、一一〇番等の緊急通報など、国民生活に不可欠で、日本全国で提供されるべき通信サービスの維持費用に充てる制度であると聞いておりますが、今や光サービスが当然のごとく求められる時代でもあり、光ファイバー設備の整備や維持管理にも充てることをそろそろ考えてもいいのではないかと考えますが、県の見解を求めます。  また、本県として、今後、光ファイバーの整備を促進するために、どのような取り組みを進めていくのか伺います。  次に、離島地域の格差是正についてであります。  この課題につきましては、特に奄美選出の議員方には大変耳ざわりな発言もあると思っておりますが、お許しいただいて、同じ離島出身の課題として御理解いただきたいと思います。  この課題は、これまで長年にわたり、先輩の皆様を初めとする関係者の皆様がさまざまな立場から離島の実情を訴えてこられたことが、今の離島振興につながっているものと考えております。これまでの取り組みに対して御協力いただきました県当局を初めとする皆様方に心より感謝申し上げます。
     そして、ありがとうございますと申し上げ、この問題については解決しましたと、これで終わればいいのでありますが、残念ながら、県当局の皆様方には、これからもさらにさらに強力に離島振興、格差是正に取り組んでいただかなければならない課題が山積であります。  その一つが、離島間での政策の違いであります。同じ離島、そして同じ県民でありながら、どうしてこうも大きく政策の違いがあるのだろうかとの思いであります。戦後七十年も過ぎ、時代も大きく移り変わり、島民の世代も変わり、考え方も変わりつつあります。私は、この政策の違いの経緯も十二分にわかっている者の一人でありますが、離島の皆様の一つの声として受けとめていただいて、少しでも政策に反映するようにしていただきたいものであります。  奄美群島については、奄振交付金が創設をされ、航路・航空路運賃の低減や、農林水産物の輸送コスト支援などの条件不利性の改善に向けた取り組みや、農業振興等に向けた地元の主体的な取り組みが進められております。その結果、皆様も御存じのとおり、交流人口の拡大や農業生産設備の充実などの成果も上がってきているところであります。  一方、熊毛地域やトカラ列島などの一般離島に対しては、奄振交付金より一年早く離島活性化交付金が創設され、ことしで三年がたちます。この離島活性化交付金の創設により、従来の離島振興事業の非公共事業に比べて、予算額も増額され、事業内容も拡充されたところであります。  しかしながら、離島振興における一定の充実は図られてきたものの、一方では、奄美群島と比較すると政策に大きな違いがあり、なぜ奄美だけとの思いを多くの離島の皆さんが感じているのも事実であります。  離島航路・航空路運賃について、離島振興法の附帯決議において、新たな法整備を含めた支援のあり方についての検討が求められているものの、国の検討がなかなか進んでおらず、依然として運賃に割高感があるなど、まだまだ多くの課題があるものと考えます。  国における早急な検討を通じて、離島航路・航空路運賃の一層の軽減など、今後のさらなる施策の充実が一日も早く実現するよう望みながら、質問いたします。  まず一点目として、全国有数の離島県として、県の認識を改めてお伺いいたします。また、離島地域の現状と課題についてもお答えください。  二点目として、奄振交付金と離島活性化交付金の主な違いについても伺います。また、離島活性化交付金は、創設されてから三年がたちますが、本県におけるこれまでの活用状況と成果についてもお伺いいたします。  三点目に、離島活性化交付金については、より一層の制度充実を望む声が聞かれるところであり、また、特に離島航路・航空路運賃については軽減を求める強い要望があります。これらの課題に対する県の取り組みについてお伺いいたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 52 ◯知事(伊藤祐一郎君)屋久島空港のジェット化についてのお尋ねがございました。  屋久島空港は、御指摘もいただきましたように、滑走路の両端に海域が近接しておりますので、世界自然遺産の屋久島におきましては、埋め立てによる自然環境への影響が生じないように特に配慮する必要があると考えているところであります。  このため、今年度は、空港周辺の測量などを行いまして、滑走路延伸の地形的な可能性について、国の基準と照らし合わせて、技術的な調査・検討を行ったところであります。  この結果、延伸部の形状などにつきまして、今後さらに国と協議する必要はあるものの、現時点におきましては、海域の埋め立てを行うことなく、ジェット機就航に必要とされる滑走路の延伸の可能性はあるものと考えております。  平成二十八年度は、今年度の調査結果を踏まえまして、さらに技術的な検討を進めますとともに、大都市圏における屋久島への旅行意向調査など、需要予測調査に着手することといたしております。  世界自然遺産の島・屋久島は、亜熱帯から冷温帯までの植生の垂直分布が見られるなど、極めて特徴的な自然を有しております。世界に誇れるかけがえのない財産でもあり、奄美群島の世界自然遺産登録が実現すれば、その相乗効果により、国内はもとより海外からも直接観光客が訪れることが期待され、屋久島空港のジェット化は大きな可能性があると考えているところであります。  今後とも、国及び屋久島町と連携を図りながら、着実に事業化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 53 ◯企画部長(岩切剛志君)離島過疎地の通信網の充実について、まず、光ファイバーの整備状況等についてであります。  県内の各市町村における光ファイバーの敷設の現況については、ほぼ全域で整備されているのは十四市町村、一部地域で整備されているのは二十二市町村であり、全域で未整備となっているのは七市町村であります。  整備が進まない要因として、離島や過疎地域などにおいては、光ファイバー敷設に多額の投資を要する一方、人口が少ないため、料金収入による投資の回収が見込めないことなどから、民間事業者にとっては条件不利地域として整備が進まないものと考えております。  市町村関与による整備の方法及び整備・維持管理への財政支援についてであります。  離島や過疎地域などの条件不利地域を有する市町村が光ファイバー等を整備する場合、国の補助事業を活用することが可能であります。基本的な補助率は国庫三分の一ですが、離島については、平成二十五年度から補助率が三分の二となっており、また、二十八年度からは、離島以外の財政力指数が〇・三未満の市町村への補助率が二分の一に拡充される予定であります。  このほか、国庫補助対象ではありませんが、市町村が民間事業者の整備に要する費用の一部を負担し、民間事業者がサービス提供を行うケースもございます。これらによる市町村負担分については、過疎債や辺地債の活用が可能となっております。  市町村による光ファイバー整備後の維持管理費用に対する財政支援については、運営の仕方に二つの方法がございます。一つは、市町村が整備してみずからサービスを提供する公設公営方式であり、もう一つは、市町村が整備して民間事業者に貸与し、民間事業者がサービスを提供する公設民営方式であります。  公設公営方式の維持管理経費については、平成二十二年度から過疎債の対象とされ、二十五年度からは、離島や過疎地域等の市町村で当該事業に係る総収支が赤字の場合、施設の維持管理に要する経費の一部が特別交付税の対象となっております。  また、公設民営方式の維持管理経費については、県の開発促進協議会を通じて財政支援の創設を要望していたところ、平成二十八年度から、当該施設の維持管理に係る総収支が赤字の場合、施設の維持管理に要する経費の一部が特別交付税措置の対象となる予定であります。  ユニバーサルサービス制度への見解と県の取り組みについてであります。  光ファイバーなどのブロードバンドについては、情報化社会における基礎的なインフラとして重要であり、いわゆるナショナルミニマムとして、地域住民がひとしくその利便性を享受できるようにしていくことが求められていると考えております。  平成二十六年十二月の国の情報通信審議会において、ブロードバンドについては、今後、国民生活や経済・社会活動の基盤としての重要性がさらに増す可能性が高いものの、民間事業者の競争に委ねると条件不利地域等における提供が不透明であることから、固定電話の維持に特化した現行のユニバーサルサービス制度については、サービスの提供状況等を踏まえて、見直しの検討を行うことが適当である旨の答申が出されているところです。  こうしたことも踏まえまして、県としては、ユニバーサルサービス制度を時代に合わせて見直し、光ファイバーの整備・維持管理もその対象とするよう、引き続き、県開発促進協議会等を通じ、国に対して要請を行ってまいりたいと考えております。  離島地域の課題等に対する県の認識及び取り組みについて、幾つかお尋ねがございましたので、まとめてお答えしたいと思います。  離島地域においては、これまで離島振興事業等により各種の施策を推進してきました結果、さまざまな面で相応の成果を上げてきておりますが、依然として本土との諸格差があるほか、人口減少や高齢化の進展、人の往来及び生活物資等の輸送費用がかさむことなどが課題となっております。  離島活性化交付金は、全国の離島地域とも連携し、離島振興に係るソフト施策の充実を強く要望した結果、改正離島振興法に基づき、平成二十五年度に創設された交付金であります。  この交付金の活用により、市町村では、戦略産品の海上輸送費支援や水産加工施設の整備、空き家改修などによる定住の促進、地域情報の発信などによる交流の促進、防災・避難施設の整備などによる安全・安心の向上が図られるとともに、財政負担の軽減にもつながっています。  県では、国に対し、離島活性化交付金のさらなる制度充実を強く要望してきたところであり、平成二十八年度から、離島留学支援が対象事業に追加されるとともに、海上輸送費支援の実施期間が、離島振興法の終期である三十四年度末まで延長される予定となっております。  一方、奄美群島振興交付金は、奄美群島が本土から遠隔の外海に位置し、歴史的経緯等の特殊事情を有することを踏まえ、離島振興法とは別に制定された奄美群島振興開発特別措置法に基づき創設された交付金であります。  この交付金では、航路・航空路運賃の軽減など、条件不利性の克服を目指した地域の裁量に基づく施策が実施できるよう措置されているところであります。  一般離島における航路・航空路運賃の軽減については、改正離島振興法において、人の往来等に要する費用の低廉化についての配慮規定が盛り込まれ、附帯決議においては、新たな法整備を含めた支援のあり方を検討することとされております。  人の往来等に要する費用の低廉化は、離島地域の大きな課題でありますことから、県としては、国において早急な検討がなされ、離島航路・航空路運賃の軽減が図られるよう、今後とも県開発促進協議会等を通じ、強く要望してまいりたいと考えております。  離島地域は、国の領域、排他的経済水域等の保全など重要な国家的役割を担うとともに、自然との触れ合いを通じた癒やしの空間の提供など国民的役割を備えております。こうした離島が有する役割を適切に果たしていくためには、人が定住し、そこで生活を営んでいることが重要であり、離島地域に住む方々が希望を持って安心して暮らし続けられるような地域づくりをすることが求められております。  県としましては、今後とも、各島の特性に応じた個性豊かな地域づくりが図られるよう、離島活性化交付金等を活用しながら離島地域の振興に努めてまいりたいと考えております。    [日高 滋君登壇] 54 ◯日高 滋君 お答えいただきました。  屋久島空港のジェット化につきましては、コンパクトなジェット機並みの速さで力強く知事から答弁いただいたと思っております。島民も大きな期待を持って楽しみにいたしております。そして、屋久島空港付近には今、一日も早い整備を願い、ジェット化空港促進の看板があちらこちらに立ってまいりました。今後も、ジェット機並みの速さをもって屋久島空港の整備に取り組んでいただきますようにお願い申し上げます。  離島・過疎地の通信網の充実につきましては、今、地方創生の名のもとに地域の活性化が言われておりますが、肝心かなめの基本となる通信網の整備ができておりません。どうしてこれまでに不便なところから先に整備が行われなかったのでしょうか。そういう思いであります。現状は、逆に都会など便利なところこそが優先的に整備されているのではありませんか。これが世の中の経済の流れだと言われればそれでおしまいでありますが、それでいいんでしょうか。  どこに住んでいても、ひとしく平等で均衡のとれた県土づくりがうたわれておりますが、なかなかその領域に達していないと私は思っております。政策や事業実施をする前提として、どうしても離島や過疎地と言われるところを特別な地域として最初から取り扱いをするからおかしくなるのでありまして、そのことが後回しになっているということを私は言いたいと思います。  これらの地域は、きのうきょうできた地域ではありません。離島も、そして過疎地と言われる地域もあってこそ鹿児島県なのであります。本来ならば、最初からこれらの地域を含めた政策が行われ、事業実施の展開が行われなければならないと私は思っております。地方創生を言われる今、特にそのことを強く思うところであります。しかし、現実は現実として受け入れるとともに、少しでも先に進める取り組みをしなければならないという思いを持っております。  県当局においても、これからの政策判断や事業実施においては、従来の考えにとらわれることなく対処していただきますようにお願い申し上げます。  先ほど部長の答弁で、人が少ない、金が、財政力がない。もうそれは当然、最初からわかっている中で我々は発言するわけであります。そういうことをそのまま放置していいんだろうか。そうしたら我々は離島に住むなと、鹿児島市内に出てこいと、そう言われているようにしか聞こえません。そういう意味でも、ぜひともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  離島地域の格差是正につきましては、先ほどいろいろと思いを述べさせていただきました。私の恨み節、ひがみ節でもあったと思っております。奄美の皆さんが今の状況をかち取るために、長い間大変な努力をいただいて今日があることも十二分にわかっております。いろいろと課題はありますが、奄美は沖縄並みに、我々一般離島は奄美並みにとの思いを持って、これからも離島の課題に取り組んでまいりますので、奄美出身の議員方を初めとする皆様方の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。  また、今国会では、議員提案によりますいわゆる国境離島の特別措置法の法案が提出される予定となっております。離島の役割や今の離島振興に足らざる施策等の議論がされ、一日も早い離島施策の充実が図られることを期待いたしたいと思います。  次に、我が国が検討している準天頂衛星システムの実証実験について伺います。  アメリカのGPSなど測位衛星システムは、人工衛星から信号を受信することにより、地上の位置と時刻を特定する技術であり、防災対策などあらゆるものに活用できるものと考えております。  また、本県は離島や山間部が多く、各地にいまだ携帯電話など電波の届かない地域が多く残されている状況であります。今回取り上げました日本独自の測位衛星である準天頂衛星システムが今後、実用化されるならば、災害や登山者の遭難などへの対応に大きな効果をもたらすものと期待するところであります。  さて、我が国は、アメリカのGPSの補強・補完を目的として、日本独自の準天頂衛星を開発し、平成二十二年九月、初号機となる、みちびきを種子島宇宙センターから打ち上げております。  また、国の宇宙戦略推進本部が平成二十七年一月に決定した宇宙基本計画においては、今後、準天頂衛星システムの四機体制での運用と、将来的には、アメリカのGPSに依存しない持続測位が可能となる七機体制での運用が計画されております。  このような中、準天頂衛星システムを所管する内閣府宇宙戦略室においては、準天頂衛星システムの四機体制での運用を見据え、現在、防災対策などでの実証実験の実施を検討していると聞くところでありますが、全国で唯一、種子島と内之浦にロケット発射場を有する本県としては、今後の防災対策を考える上からも、宇宙戦略室が実施を検討している実証実験に協力、参加すべきと考えるところであります。  そこで、二点についてお伺いいたします。  まず第一点は、国が計画している準天頂衛星システムの目的、機能及び今後の打ち上げ計画について伺います。  第二点は、内閣府が実施を検討している準天頂衛星システムの実証実験に対する本県の考え方と今後の取り組みについて伺います。  次に、企業との連携による一次産品の販路開拓支援について伺います。  急速に進む高齢化・少子化により人口減少局面を迎え、地域を取り巻く環境が大きく変化する中で、地域経済の持続可能性をどう高めていくかが大きな課題となっております。持続可能性を、みずから生活の糧を稼ぎ出せることであるとするならば、何で稼ぎ、どのように雇用していくのかということが改めて問われていると言えるのではないでしょうか。  現在、県内自治体は、農協、漁協などの経済団体などへ支援をしながら、第一次産業の拡大を図るとともに販路開拓を力強く進めているところでありますが、もっとどうにかならないものかとの思いがあるのであります。今の現状ではなかなか販売額も伸び悩み、各市町村も苦慮している現状もあります。一方、企業は、農協、漁協とまた違った視点や感覚で取り組んで、地域の特産品や新商品を求め、開拓しようとしているのが実情であり、その期待感もあるのであります。  そこで、一次産品の新たな生産・販路開拓を展開するために企業と連携し、企業が必要とする一次産品の栽培や試験栽培などを実施し、企業による新しい販路のルート確立をすることが、新たな販売展開や開拓ができることになるのではないかと考えております。また、各市町村レベルにおいては、ほとんどの自治体が販路開拓のノウハウがなく、新規販路開拓が難しいのが実情であると感じております。  そこで、鹿児島県が、一次産品の商品販売や販路開拓に協力いただける企業と連携し、販路開拓を希望する自治体との仲介をすることで、本県の一次産品の新たな販路、販売をさらに拡充できるものと考えるところであります。  私が今回取り上げるきっかけとなりましたのは、理由の一つとして、訪問先で商品の売り先がわからない、もっといろいろな情報が欲しいとか、そして商品の生産から販売までの一連の流れをつくるコーディネーター的な役割を担う人がいないなど、もう一歩深く踏み込んだ取り組みをする機会が欲しいとの思いを強く感じたからであります。  また、企業の選定にしても、一つの例を挙げますと、本県は、どこの地域にもないロケット基地を持ち、そこに関連するグローバル企業も身近にあるではありませんか。これらを本県としては生かさない手はないのではないでしょうか。そして、鹿児島県もこれらの取り組みを推進する専門部署を設置し、しっかりとした取り組みを行うべきだと考えます。  このような取り組みをし、新しい一次産品の生産・販売を拡大することで、私が先ほどから申し上げている、みずから生活の糧を稼ぎ出せることに近づくこととなり、地元での生活、そして地域の方々と一緒に生活できるような状況ができてくると思っております。  本県が音頭を取り、鹿児島県みずから販売拡大に協力いただける企業を探し出し、連携するとともに、希望する各自治体と企業を仲介し、一次産品の販路を拡大する強力なシステムを構築すべきときと私は考えますが、県の見解をお伺いいたします。 55 ◯企画部長(岩切剛志君)準天頂衛星システムの概要と実証実験に対する本県の考え方等についてであります。  準天頂衛星システムとは、我が国独自の人工衛星を活用して位置情報を測定するものでありまして、国は、産業の国際競争力強化、産業・生活・行政の高度化・効率化、災害対応能力の向上等に資するものとして、宇宙基本計画に基づき、開発を進めているところであります。  現在、アメリカのGPSと連携して、準天頂衛星みちびきが一機運用されており、今後、平成二十九年度までに、新たに三機が打ち上げられる予定であります。衛星数がふえることにより、位置情報を測定する精度・信頼性の向上や、利用可能な場所・時間帯の拡大が図られるほか、災害時に対応できるメッセージ機能も付加されるとしています。さらに、平成三十五年度を目途とした七機体制が構築されると、我が国のシステムのみで持続的な位置情報の測定が可能となることが見込まれております。  内閣府においては、四機体制構築後における防災・災害対策の具体化について、現在、本県を含む複数の自治体等と連携した実証実験の検討を行っているところであります。  国内唯一のロケット打ち上げ施設を有する本県としては、これまで、円滑な打ち上げへの環境づくりなど、国等との連携・協力に努めているところであり、今回の実証実験についても、具体的な検討が進むよう、射場を有する南種子町や肝付町と連携して、内閣府に協力してまいりたいと考えております。 56 ◯農政部長(福田博史君)一次産品の販路拡大についてでございます。  農産物や水産物など本県一次産品については、卸売市場流通のほか、産地直送や量販店等との直接取引など、販売チャンネルの多様化が進んできており、企業等と連携した取り組みも販路拡大の効果的な方策の一つと考えております。  このため、県におきましては、商品改良に向けたニーズの収集や、バイヤーとのネットワークの構築を支援するため、県内外の商社や食品卸売会社、百貨店、量販店等を招聘したかごしまの逸品商談会を開催し、生産者が直接、企業に対して県内の農林水産物及び加工品等の販路開拓を行う場を提供しております。  県としましては、今後とも、このような取り組みを踏まえ、生産者と県内外の企業とのマッチングを支援し、本県一次産品や加工品等の一層の販路拡大に努めてまいりたいと考えております。    [日高 滋君登壇] 57 ◯日高 滋君 準天頂衛星システムにつきましては、先日も、火山活動を監視する霧島山の携帯電話の受信状況が公表されましたが、通信できていないところが多数あったとのことで、まさにこれらを補完できるのが準天頂衛星システムであります。ロケット発射場を有する本県としては、今後、本県の災害対策上、防災対策上からしても、実証実験にしっかりと参加して、いい形をつくり上げていただきたいと思うところであります。  企業連携による一次産品の販路開拓につきましては、私が申し上げたいのは、一つの考え方だけを考えるのではなくて、いろいろな方法があるのではないかということも含めて、提言申し上げさせていただきました。さまざまな選択肢を持つことが、それぞれの地域を活性化するのに必要なものだと思っております。どうか新しいシステムを構築して、そしてしっかりとその地域の生産者、そしていろいろと取り組む方々の気持ちに応える、そのことをぜひやっていただきたいということで提案させていただいたところでございます。  次に、漁港を生かした地域づくりについて伺います。  現在、各地域・地方において、それぞれの特徴を生かした自律的で魅力的な地域をつくる、いわゆる地方創生に取り組まれております。中種子町でも、地元企業や種子島漁協、岡山理科大を会員として中種子町養殖事業推進協議会が組織され、地域漁業の振興を図るため、町内の熊野漁港や漁港の背後地でノコギリガザミ、いわゆるカニでありますが、そして種子島の特産であるトコブシの陸上養殖の試験を行っております。  ノコギリガザミは、インド太平洋の熱帯域に分布する大型・沿岸性のカニで、味は濃厚で美味なカニの一つに挙げられております。ノコギリガザミは現在、一定の数量を確保し周年出荷するまでには至っていないことから、種苗生産の技術移転を受けて稚ガニの生産を行い、その稚ガニを陸上施設で養成し、出荷するものであります。  トコブシについては、資源管理型漁業の取り組みの一環として、稚貝を購入して各地先で放流を行ってきましたが、いまだ漁獲がふえるまでには至っておらず、天然のトコブシの漁獲も夏場に限られております。また、西之表市の安納や庄司浦の地先海面でも養殖を行っていますが、いまだ周年出荷が可能となっていないことから、今回の陸上養殖試験では、周年出荷が可能な養殖技術の確立に取り組むとしております。  地元では、この陸上養殖試験を成功させて地域活性化につなぎたいとの思いであり、町、地域一体となって取り組みが行われております。  そこで、幾つか質問いたします。  県は、現在の養殖試験の取り組みについてどのように認識されているのか。  また、このような取り組みに対する県の支援について伺います。  次に、この陸上養殖場につながる熊野漁港につきましては、一定の整備もされておりまして、大変良好な漁港となっているところであります。しかしながら、皮肉なことに、漁港の整備が進むのに反して、港内は海水が滞留し、堆積や水質環境の悪化が懸念されています。今後、ノコギリガザミやトコブシの養殖事業も始まることから、漁港を生かした地域づくりを図るためにも、熊野漁港の水質環境を良好に保つ必要があると考えます。  そこで、熊野漁港の現状と今後の水質環境対策について、県の考えをお伺いいたします。  最後に、世界自然遺産を生かした観光振興について伺います。  本県は、全国で唯一、自然遺産と文化遺産の両方の世界遺産を有する県であり、そして平成三十年には奄美・琉球の世界自然遺産の登録も見込まれ、三つの世界遺産を有する地域となり、これからさらに国内外からの注目度も高くなるものと考えます。貴重な観光資源をいかに生かすかが問われるのであります。  世界遺産を訪れる観光客は、その遺産としての価値や意義についても深く知りたいというニーズもあることから、それぞれの地域としても、例えばガイドの人材育成など、遺産の価値を理解していただくための取り組みがさらに求められているところであります。  そこでお伺いいたします。  まず一つ目に、屋久島、奄美・琉球など離島地域の自然遺産区域二つと、産業遺産群一つで構成される世界遺産県となりますが、県として、これら三つの世界遺産を観光振興にどのように位置づけるのか、基本的な考え方を伺います。  二つ目に、三つの世界遺産を活用して誘客を図るための課題と今後の対策についてお伺いいたします。 58 ◯商工労働水産部長(武盛武士君)熊野漁港に関連して質問がございました。  まず、ノコギリガザミ、トコブシの陸上における養殖事業は、全国的にも余り例のない新たな取り組みです。この養殖試験が成功しますと、漁業振興や地方創生の面においても大きな効果があるものと認識しています。
     一方で、ノコギリガザミの種苗生産や養殖においては、共食いやストレスによる脱皮不全により生残率が低いこと、また、トコブシにおいては、夏場の高水温によるへい死があることや採算面など、それぞれの養殖には難しい課題があります。  この養殖試験には、国の地方創生加速化交付金事業を活用する予定と聞いております。県としましては、この取り組みを見守りながら、地元からの要請に応じて情報提供などを行ってまいりたいと考えております。  次に、熊野漁港の水質環境についてですが、現在のところはおおむね良好に保たれていると考えています。しかし、漁港施設は干拓地に隣接しておりまして、その樋門から泥水や生活排水の全てが漁港の奥部に直接流入する構造になっておりますことから、その影響は避けられないところです。  干拓地では、ノコギリガザミやトコブシの陸上養殖事業も計画されています。御指摘がありましたように、漁港を生かした地域づくりという観点で、今後とも、漁港の良好な水質環境を確保していくためにはどのような対策が最も効果的か、養殖場の関係者や排水樋門の管理者等とも幅広に連携を図っていく必要があると考えております。 59 ◯観光交流局長(長野信弘君)世界遺産を生かした観光振興についてでございます。  御指摘にありましたとおり、本県は、世界文化遺産と世界自然遺産をあわせ持つ全国で唯一の県であり、これに加えて、奄美・琉球の世界自然遺産登録が実現すると、本県の観光にとって、さらに大きなセールスポイントになるものと考えています。  こうしたことから、来年度、観光かごしま創生事業において、世界ブランドKAGOSHIMAの確立を図るため、集中的なプロモーションを実施することとしております。  一方、誘客上の課題といたしましては、明治日本の産業革命遺産は八つの県にまたがっており、奄美・琉球同様、県境を越えた一体的なPRなど広域的な連携が必要となります。また、自然遺産については、自然環境の保全と観光利用の両立といった課題があります。  県としましては、他県や地元自治体などと連携を図りながらこれらの課題に対応しつつ、引き続き、九州・山口を中心とする文化遺産を周遊するルートの設定や旅行商品の造成に取り組むとともに、屋久島、奄美群島などそれぞれの異なる魅力を生かした世界遺産クルーズの旅行商品化など、世界遺産を活用した誘客対策に取り組んでまいりたいと考えております。    [日高 滋君登壇] 60 ◯日高 滋君 答弁いただきました。  漁港を生かした地域づくりについてでありますが、ノコギリガザミ、そしてトコブシは、一定の漁獲量・品質が確保できるならば、名実ともに種子島の特産品となり得るものであります。大切にしっかりと育て、ぜひ成功をおさめていただきたいものであります。  また、隣接する熊野漁港は、特産品を育てる母なる港であります。懐の深い母がいて、よい子供たちが育つのであります。今まで以上の水質管理をされ、良好な環境を保っていただきますようにお願い申し上げます。漁民、地域住民の参加のもと、一体感のある地域づくり、そして地方創生をなし遂げていただきたいと考えております。  世界遺産を生かした観光振興につきましては、私もいろいろとこれまでも申し上げてまいりました。それぞれの世界遺産の特徴を生かし、懐の深い、スケールの大きい観光ルートを造成していくようにお願い申し上げたいと思います。  今回、五十六年ぶりに東京オリンピックが開催されることが決定いたしました。非常にうれしく思うところでありますが、現在の少子高齢化が進展する日本においては、今回もまたしても東京など首都圏への人口一極化や海外旅行者の集中的な流れがますます進行するのではないかと危惧するものであります。  実際、最近の首都圏における人口動向を見たとき、平成二十二年国勢調査では、全国人口に占める首都圏人口の割合は二七・八%、昭和四十年当時と比較して約七%増加しております。大阪圏及び名古屋圏の人口割合がほぼ横ばいであり、東京一極化がますます進行いたしております。  平成二十七年の住民基本台帳人口移動報告書によれば、首都圏の転入超過は約十二万人で、平成二十六年より約一万人増加いたしております。そして、大阪圏及び名古屋圏は転出超過の状態であります。  当時とは環境を取り巻く状況は大きく異なっているとは思いますが、私は、今の日本の状況、動向を見ていると、昭和三十九年当時の東京近郊一極集中がまた始まり、人、仕事、金の流れも当然のごとく動き出すのではないかと思えてなりません。いや、動き出しているのかもしれません。  これらの状況を見たとき、本県としても、鹿児島県の長所を生かし、人口の確保を図りながら、めり張りのきいた地方創生に積極的にしっかりと取り組んでいただくことが必要であると改めて感じているところであります。  きょうは、いろいろと恨み節、ひがみ節を申し上げてまいりました。自分の地域のことだけを申し上げてしまう小さな心でどうするんだという思いと、あえて申し上げないとわかっていただけないとの思いの二つが常に私に同居しているのであります。  一方、本土における高速道路や高規格道路等の整備については、正直我々の地域にはないだけに、これまで上のそらのときの自分がいたような気もいたしておりまして、またこれも反省もいたしております。  しかし、このようなことがあったとしても、私どもは鹿児島県の議員であります。お互いの地域の課題を共有し、一つ一つ解決し、均衡のとれた県土づくりに努めなければならないと、私、日高滋、改めて反省いたしているところであります。  最後に、二つほど申し上げさせていただきます。  一つは大学生の投稿です。読ませていただきます。  「地元に残らない学生にも応援して。大学三年生としての日々を地方の国立大学で過ごしている。進路をどうするか考え始める時期だ。奨学生の地元就職を後押しする記事に不安を覚えた。地方創生が叫ばれる中、地域に根差した学問や地域にとどまる生き方というものが求められているのだろう。地元で就職すれば奨学金返還を免除する自治体の取り組みは、悪いものではないかもしれない。だが、私は、地方で学ぶ学生は地方に役立つことを学べ、地元で就職しろというプレッシャーのようなものを感じた。経済的に苦しい家庭の学生は、まるで自身の将来を人質に捉えられたような感覚さえ覚えるのではないか。私は、この文章を東京へと向かう列車の中で書いている。東京の企業のインターンシップに参加するためだ。将来は、報道関係の仕事について日本社会全体への貢献をしたいと考えている。周囲の友人には地元の役所や企業を目指す人が多い。だが、私のようにマスコミや大手メーカーなどを目指す人もいる。地元に残る学生を大事にというのはわかるが、だが、そうでない学生にもどうか応援してほしい」。  そして、「いつも実験台にされる世代。ゆとり世代、私たちは一くくりに呼ばれることがある。時にはしょうもない世代という意味を込めて。私たち自身が望んだわけではなく、大人が決めたゆとりの教育をただ真面目に全うしてきただけなのに。ゆとり世代と呼ばれるたび、実験台にされたような思いになる。私も大学三年生、就職活動を意識する時期になり、私たち世代に新たな問題が降りかかってきた。就職活動日程のたび重なる変更だ。経団連はことし、新卒学生の採用選考の開始時期を従来の四月から八月におくらせてきたばかりだ。だが、就活が長引き学業に支障が出たという不満が出たため、来年は六月前後に前倒しの方向という。また実験台かと思う。従来よりも就職活動の期間が短くなると、自分の本当にマッチする企業を見つけられる人が減ってしまうのではないかとも考える。そうなると、早期離職者がふえたりはしないだろうか。今度は、ゆとり世代は離職率が高いと、またしても世の中から批判されるのではないか。そんな未来が頭に浮かんでしまう」。このような投稿であります。  二つ目は、ちょっとうれしい、うれしいというより、私の地元のことでありますが、申し上げたいと思います。  種子島の西之表市におきまして、今回、商店街活性化事業を活用した初の温泉施設ができまして、人口減少で空洞化に悩む商店街に新しい名所ができ、活性化に大きな期待が寄せられているところであります。その名も、種子島温泉赤尾木の湯であります。よかにさぁの湯、よかよめじょうの湯、いわゆる美肌の湯であります。お祝いに駆けつけた議場の武盛商工労働水産部長の顔をよく見てください。つやつやとしていつもと違うでしょう。これこそ美肌効果の湯であります。しかも、もう五日もたっているのにまだ効果があるということでございます。これが種子島の温泉であります。  どうか種子島においでの際は、ぜひのぞいていただきたいと思うところでございます。  きょう、議場に座っておりますと、本港区の話がありました。ドルフィンポート、そしてスーパーアリーナ関係の地域の新しい始まりでございますが、そういう中で、きょうは鹿児島市の考えも聞きながらというような形でお話がありました。  私どもはその前から、島に船に乗って帰っていく一人として、ぜひとも種子・屋久高速船、そしてあの地域の港の、そして関連する方々の思いもひとつ聞いていただいて、今の高速船の待合所にしても大変混雑し、使いにくい状態になっております。そういう意味では、スーパーアリーナ構想の中で、その建物の中から乗っていけるぐらいのスケールの大きいものをぜひつくっていただきたいと、かように考えているところでございます。  このことは予定いたしておりませんでしたが、私ども松里県議ともども、近くに座っておりまして、島の話はなかったということでありまして、ぜひ最後に一言そのことを申していただきたいということでございました。どうぞこのこともこれからの検討の中で頭に入れていただいて、取り組みを進めていただきたいと思います。  もう時間も終わりでございますので、これぐらいにさせていただきますが、どうぞ、私ども離島の苦しみ、そしてまた大変皆さんのあこがれの島となるというのもございまして、そういう意味では、私ども議会に出て、そしてこの議席をいただいた以上、いろんな課題はありますが、一つ一つ執行部の皆さんと力を合わせて、そして議場の議員の皆様方の、島に住んでいない方々にも御理解いただいて、一緒になって解決してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 61 ◯議長(池畑憲一君)以上で、通告による質問は全部終了いたしました。  これで、質問は終結いたします。       ─────────────    △ 議案第一号─議案第二四号及び報告第一号委      員会付託 62 ◯議長(池畑憲一君)次に、議案の委員会付託であります。  今回提出されました議案第一号から議案第二四号まで及び報告第一号は、配付いたしております議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。       ───────────── 63    △ 報  告 ◯議長(池畑憲一君)ここで、報告いたします。  ただいま常任委員会に付託いたしました議案のうち、議案第一一号、議案第二三号及び議案第二四号につきましては、当席において、地方公務員法第五条第二項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めましたところ、配付いたしております写しのとおり、意見書が提出されております。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 64    △ 日程報告 ◯議長(池畑憲一君)三月七日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、議案の委員長報告、質疑、討論並びに表決などであります。       ───────────── 65    △ 散  会 ◯議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十五分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...