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  1. 鹿児島県議会 2015-12-09
    2015-12-09 平成27年第4回定例会(第6日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(池畑憲一君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    鶴 薗 真佐彦 君    園 田   豊 君    大久保 博 文 君    寺 田 洋 一 君  一、議案第一三一号の上程  一、同右議案の質疑  一、議案第九四号から議案第一三一号まで(議案第一    三〇号を除く。)の常任委員会付託  一、特別委員会の設置及び特別委員の選任  一、散  会
          ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(池畑憲一君)まず、一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  鶴薗真佐彦君に発言を許可いたします。    [鶴薗真佐彦君登壇](拍手) 3 ◯鶴薗真佐彦君 おはようございます。  通告に従い質問します。  知事は、去る二日、我が会派の代表質問に答え、次期知事選に向けて四選出馬の表明をされました。それを踏まえ、期待と提言を交えながらお伺いします。  知事は、総務省時代から、地方分権の流れや、その受け皿の一つとして市町村合併を進めてこられました。知事就任後、県内の市町村合併が本格化し、二十二の合併市町が誕生しました。  また、分権を形として進めるため権限移譲にも積極的に取り組まれ、権限移譲プログラムに基づき、これまで、パスポートの交付やNPO法人の設立認証など、累計で五百以上の事務が移譲されているところであります。  市町村合併や権限移譲は、地方分権推進に資するものであることは十分に認識しておりますが、一方で、「合併しなければどうだったのだろうか」、「権限移譲せずに県が事務を担当したほうがよかったのではないか」という声を聞くこともあります。これは、人口減少やマンパワー不足から出てくる不安等から生じているのかもしれません。  知事は、「次期知事選に出馬し、引き続き県政を担いたい」と表明されましたが、市町村合併や権限移譲の取り組みを検証した上で、今後の施策に反映させるべきと考えます。  そこで伺います。  平成の市町村合併やこれまでの権限移譲について、県としてどう評価し、今後どのように市町村を支援していくつもりか、お示し願います。  知事が厳しい選挙戦を勝ち、初陣を飾った一期目は、まさにマニフェスト政治の始まりでありました。長く続く経済の低迷や危機的財政赤字の中で、閉塞感が漂う社会の中で、政党や首長が明確な政治姿勢を示すことをマスコミもあおり、評論家もマニフェスト政治を称賛し、報道したものです。有権者も、候補の目指す方向が比較してわかりやすく、何となく新しい時代の流れを感じ、期待を持ち始めたのかもしれません。  十二年たった今、民主党政権による堂々たるマニフェスト違反や、繰り返される劇場型選挙戦の横行など、最近はマニフェストについての報道が少なくなり、争点を一点に絞った中での選挙戦に走りがちになってきたのか、有権者も新鮮味を感じなくなってきたのか、そんなに注目されていないような気がしてなりません。  知事の県政遂行上のスタッフである職員の皆さんはどうでしょうか。伊藤知事が誕生したときは、新知事がどのような県政を目指しているのか、マニフェストを読み、酌み取ろうと必死な姿が見られていました。  二期目は、マニフェストに基づいてさまざまな県政の課題に取り組んできたであろうし、三期目は、私も県民の一人として見ておりましたが、原発の是非のみしか伝わってきませんでした。マニフェストはどうだったのでしょうか。  今回、四期目に向けてはどのような作業になっていくのか、マニフェストを継続されて選挙戦に臨まれるのか。選挙制度も改正され、初めて十八歳から選挙にかかわることができるようになりました。恐らく参議院など国政選挙とも同時になることも予想されます。興味ある知事選です。  マニフェストに対する知事の所見をお伺いします。  伊藤知事は、就任以来、危機的状況にあった本県財政を立て直し、健全化の軌道に乗せるためにさまざまな取り組みをされ、成果を上げてこられました。あわせて、危機管理局や観光交流局などの多くの組織見直しも手がけられ、この間のさまざまな行政課題に対応してこられました。私は、時流や県政を取り巻く諸情勢を的確に捉え、効果的な組織見直しに取り組んでこられたと評価するものであります。  これまでの組織見直しは、どのような観点から見直しの必要性を捉え、進めてこられたのか、まず、知事の考えをお尋ねします。  こうした中、本県に大きな影響を与えるTPP交渉が大筋合意され、去る十一月二十五日に、総合的なTPP関連政策大綱、いわゆる政府大綱が発表されたところであります。  このTPP大筋合意は、とりわけ本県農業に大きな影響を与えることが危惧されており、特に、本県農業生産額の約六割を占める畜産業においては、関係者の危機感も極めて大きく、農家の現場においては、将来に対する不安から、廃業や経営中止を早めるおそれがあるのではないかと懸念しております。  特に、畜産は、配合飼料や食肉処理・加工等の製造業、運輸・小売・流通業、投資を含めた金融業、小売業、機械産業、資材・医薬品業及び雇用や耕種作物との深い連携など、県民の日常生活と密接にかかわる地域経済を左右する大きな産業であります。  近年、本県は、アジアを初めとする輸出の取り組みを始めておりますが、特に、安全でおいしい高品質な生産のために、今後、産地表示やトレーサビリティ、HACCPなどの取り組みも進め、足腰の強い競争力のある畜産生産基盤の確立を急がなければなりません。  私は、以前の議会でも質問のあった畜産局の設置などは、この時期、畜産県鹿児島としての姿勢を示す上で時期を得た取り組みになるのではないかと思っています。  ぬきんでて時流を読まれる知事の見解をお伺いします。  知事が取り組まれた行政機構の再編で一番の大事業は、地域振興局の設置であったと思います。総合事務所設置計画を平成十八年十二月に策定され、これに基づき、県内七区域に区分し、八十四出先機関を十九年度、局・支庁に再編されました。  また、地域振興推進事業の予算化は、財政立て直しのため廃止・減額された県単事業の補完や、単独機関であった総務事務所、福祉事務所、保健所、農林事務所、耕地事務所、土木事務所の縦の流れの事業を、県職員が横断的に地域課題を受けとめる訓練を身につけ、地域振興局という枠の、より現場密着型の政策立案能力を高めていく狙いも含めてなされたものと私なりに理解しているところであります。  これまで、地域振興や農業など産業振興の活性化を図るため、地域振興局・支庁と市町村等が連携して事業を実施してきました。これらの中には、一定の成果が得られ、事業の役割は終わったと評価され、事業がなくなったものもあります。  社会情勢の変化の中で、過去の事業をリニューアルすることで、時代にマッチした事業を構築することも可能ではないかと考えるところであります。例えば、むらづくり事業などはリーダー育成に大きく貢献してきました。現在は、育ったリーダーの後継者育成も必要と聞いています。  また、とめられない人口減少が進む中で、地域振興推進事業については、ハード・ソフトの線引きをなくし、地域振興局・支庁が主体的に地域に合った事業の構築をより進めるのも一案ではないかと考えます。  地域振興局設置の意義と地域振興推進事業のあり方についてお伺いします。  二〇二〇年以降の地球温暖化の国際枠組み合意を目指すCOP21がパリで開催されています。パリ合意は、排出削減策だけでなく適応策や資金、技術移転、能力構築も盛り込んだ法的拘束力のある国際協定になる見込みであります。  世界が脱炭素化を志向する中、省エネ・再生エネの世界市場は今後大きく拡大していくものと思われます。世界知的所有権機関の報告書によれば、太陽光、風力などの再生エネ関連技術特許保有件数世界上位二十社を見ると、パナソニックなど日本の企業が実に十二社もランクインし、省エネ・再生エネ技術に強みを持つ日本企業にはビジネスチャンスでもあります。  しかしながら、蓄電池技術の能力がまだまだ追いついていません。先月、住友商事と薩摩川内市が、甑島の廃校跡地に大型蓄電池甑蓄電センターを設置し、二〇一六年度までの実証実験が始まりました。二〇一七年度から、薩摩川内市が自治体事業として運営していく計画であります。蓄電池は、日産自動車の電気自動車リーフの従来は捨てざるを得なかった中古蓄電池三十六台分を活用して、コストを減らした蓄電施設になっています。  離島は発電コストが高く、発電機の老朽化も進んでおり、エネルギー供給の安定が重要な課題となっています。この甑島での取り組みが離島のモデルになり、再生エネの導入促進と課題解決につながってほしいと期待するところであります。  多くの離島で再生エネルギー推進に課題を持っています。県としての蓄電技術開発に伴う所見があればお聞かせください。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 4 ◯知事(伊藤祐一郎君)マニフェストについてのお尋ねがございました。  マニフェストにつきましては、一時期、選挙を行う際に政党あるいは候補者が提示することが一般的でありましたが、最近の選挙におきましては、具体的な数値目標をほとんど示さないマニフェストもあり、また、マニフェスト自体の提示を回避し、公約という形で示す傾向にあるものと考えております。厳しい財政環境のもとでの急激な社会経済情勢の変化など、マニフェストの策定時には想定されない事態が発生することも多く、マニフェストの役割も徐々に変化してきているものと考えております。  一方で、マニフェストは、有権者の方々との契約という側面があり、これまで私のマニフェストにおきましては、これからの鹿児島の姿、またその中における県民生活の姿を県民の皆様に示すよう心がけてきたところであります。  次期選挙におきまして、私の考え・施策を県民の皆様にどのように示すかにつきましては、このような情勢の変化もございますので、いましばらく考えてまいりたいと今のところ考えております。 5 ◯総務部長(寺田雅一君)市町村合併と権限移譲の評価等についてでございます。  市町村合併は、地方分権改革の推進や少子高齢化の進行、厳しい財政状況など、我が国の経済社会情勢が大きく変化する中で、市町村が変化に的確に対応し、一定の行政サービスを担っていくためには、規模と能力を兼ね備えることが不可欠であるとの考え方のもと、平成十一年以降、全国的に推進され、本県におきましても、二十二の合併市町が誕生したところでございます。  合併市町にあっては、公共施設の統廃合などの課題はあるものの、これまで、行財政の効率化や広域的なまちづくりなどが進められてきたものと考えております。  県といたしましては、合併市町が将来にわたって円滑な行財政運営を行っていけるよう、意見交換会などを通じて、引き続き必要な助言・支援を行ってまいりたいと考えております。  市町村への権限移譲につきましては、平成十七年度に策定した権限移譲プログラムに基づき、住民に身近な事務は可能な限り住民に身近な市町村で処理することが望ましいとの考え方のもと、受け入れに意欲のある市町村と協議を行い、協議の調ったものから実施してきたところでございます。本年四月時点におきまして、五百二十一事務が移譲されているところでございます。  権限移譲によりまして、窓口サービスなど、住民に身近な行政を市町村が自主的かつ総合的に担うことが可能になったものと認識しております。  県といたしましては、今後とも、市町村の意見を十分に踏まえた上で権限移譲を進めますとともに、市町村が移譲された事務を円滑に実施できるようにすることが大切であると考えておりまして、研修会の開催や事務処理マニュアルの提供など、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。  これまでの組織機構の見直しについてでございます。  本県においては、「力みなぎる・かごしま」の実現に向けた組織機構の構築を図りますとともに、県政刷新大綱行財政運営戦略等に基づき、簡素で効率的な組織機構の整備に努めてきたところでございます。  これまで、本庁においては、全庁的な危機管理体制を確立するための危機管理局の設置、観光振興や県産品のPRに係る業務などを一体的に推進するための観光交流局の設置、「日本一のくらし先進県」づくりに一体的に取り組むための県民生活局の設置などを行ってまいりましたほか、出先機関については、県内各地域における県政の総合拠点としての地域振興局・支庁の設置などに取り組んできたところでございます。  地域振興局設置の意義についてお尋ねいただきました。  地域振興局・支庁につきましては、総合事務所設置計画に基づき、地域の特性や住民ニーズに即した総合的かつ高度な行政を迅速に進めるための各地域における県政の総合拠点として、平成十九年四月に設置したものでございます。  これまで、地域振興推進事業の創設や本庁各部局からの権限移譲などに取り組みますとともに、管内市町村との連携や局・支庁内での情報共有を深め、おのおのの地域課題や災害を初めとする危機事象について、総合的かつ迅速な対応に努めてきているところでございます。 6 ◯農政部長(福田博史君)畜産局の設置の考えについてでございます。  畜産対策の推進体制につきましては、平成二十五年度に獣医務技監を設置し、農政部と保健福祉部との連携強化を図ってきたところであります。  これまで、生産振興はもとより、高病原性鳥インフルエンザ対策を初めとする家畜防疫業務などの諸課題についても的確に対応してきているところであり、御指摘の畜産局の設置につきましては、今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。  本県の畜産は、御指摘のとおり、農業産出額の約六割を占め、食肉加工や配合飼料等の関連産業を含め、地域経済を支える重要な基幹産業となっておりますことから、今後とも、競争力のある生産基盤の強化に向けて各般の施策に取り組むこととしております。  なお、TPP対策につきましては、今後、国において具体的な予算措置等が検討されますことから、県としては、引き続き国の動向を十分注視するとともに、必要な働きかけを行ってまいりたいと考えております。 7 ◯企画部長(岩切剛志君)地域振興推進事業のあり方についてであります。  地域振興推進事業は、地域振興局・支庁が平成十九年度に各地域における県政の総合拠点として設置されたことを受けて、既存事業では対応できない地域固有の課題解決に取り組むことができるよう、平成二十年度に、一地域振興局・支庁当たりハード事業一億円、ソフト事業一千万円の予算として創設したものであります。また、平成二十四年度には、将来の鹿児島の発展につながるような地域発の事業を実施するため、二億円の特別枠を創設したところであります。  これまで、地元の要望をお聞きしながら、埋もれていた観光資源の整備など、地元が主体となった多種多様な取り組みをきめ細かく支援してきており、それぞれの地域特性を生かした個性的な地域活性化策等が展開されているところであります。  今後とも、地域振興推進事業を通じて、地域振興局・支庁が地元市町村や民間団体などとの連携を図りながら、ハード・ソフト事業の予算枠の一定程度柔軟な対応も含め、総合的な観点から地域の課題解決に主体的に取り組み、現場の実態に即した、より効果的な地域振興施策が展開されるように努めてまいります。  蓄電技術開発に伴う県の考え方についてであります。  自然条件によって出力が大きく変動する太陽光や風力発電の一層の導入促進を図るためには、出力変動を制御する仕組みづくりや、採算性の高い蓄電池の開発等を行う必要があり、全国でさまざまな取り組みが進められております。  本県においても、種子島と奄美大島において、九州電力が蓄電池を活用した出力変動を安定化させる実証試験を行っているほか、お話にもありましたように、甑島においては、薩摩川内市と民間企業が共同で、電気自動車の蓄電池を再利用した実証事業を先月から開始したところであります。  県としましても、九州本土や種子島などの離島で太陽光発電に係る接続申し込み量が接続可能量を上回り、これ以上の導入が厳しい状況を改善するためにも、引き続き、蓄電池の低コスト化や高性能化に通じるこれらの取り組みが一層促進される必要があると考えております。    [鶴薗真佐彦君登壇] 8 ◯鶴薗真佐彦君 それぞれのコメントは、全ての質問を終わってからさせていただきたいと思います。  次に、警察基盤の強化について伺います。  県警察では、これまで、新あんしん・かごしま創造プログラムにおいて各種治安対策を講じ、日本一安全で安心な鹿児島づくりを実現するための取り組みをされております。  その成果として、刑法犯罪認知件数は五年連続で戦後最少を更新し、二年連続で一万件を下回っております。しかしながら、治安等に関するアンケートでは、県民の約三人に一人が犯罪に遭うかもしれないという不安を感じるとの結果も出ており、県民が肌で感じる体感治安については大きく改善されていない状況です。  先日テレビニュースで、日本在住のフランス人が母国に帰られ、パリの厳戒態勢に不安を感じ、早く日本に帰りたいと話している映像が流れていました。まさに安全・安心が資源であり、地域や国の財産、最大の価値になってきたと改めて思うことでした。  県警におかれては、ベテラン警察官の大量退職により、組織における世代交代が進み、警察力の低下が懸念されていることから、若手警察官の早期戦力化を図るため個々の能力向上に努めるとともに、地域の情勢に応じた体制づくりとして、駐在所を廃止し、交番化への移行が進められております。  私の住む周辺も、祁答院町、入来町、樋脇町、中村町の六駐在所が新設の交番に集約され、来春、新たな地域治安対策が始まります。それぞれの駐在所は、長年それぞれの地域にすぐれて密着し、住民の安心の源泉であっただけに、警ら活動や人的体制など不安の声も聞こえてまいります。  そこで伺いますが、交番・駐在所の再編整備状況の推進状況について、再編された地域での取り組み状況と効果についてお伺いします。  昨今の国内外の治安情勢を見ますと、パリでは銃撃テロ事件が、またバンコクでは爆弾テロ事件等が発生しており、国内においても、官邸ドローン事件、JR山手線沿線での不審火事件など、テロ的な事件が多発しております。  来年は伊勢志摩で主要国首脳会議が、平成三十一年にはラグビーワールドカップ、三十二年には東京オリンピック競技大会が我が国で開催されます。こうした大規模な国際会議や国際スポーツ大会が世界的な注目を集めることから、テロの標的になり得るものであります。  川内原子力発電所は、九州電力において、世界一厳しい原子力委員会の基準に適合すべく、地震と津波の安全対策を強化するとともに、発電所内の構造物の強化、運転用電源の確保、事故対応マニュアルの整備など、一定の安全対策が担保されています。これにより、一号機が八月十一日に、また二号機が十月十五日に再稼働し、いずれも安全にフル稼働・営業運転に移行しているところです。  一方、川内原子力発電所は広大な敷地を有しており、その地形から、長い海岸線や長い敷地境界線があります。このような地理的状況の中、海岸を含む敷地内に侵入した不審者や、ドローン等を使った化学物質等の散布などの加害行動の発生のおそれを想定し、その対策を講じることにより、より一層の安全性を高め続けることが重要ではないでしょうか。そのため、そのような事態の早期発見、あるいは加害行動の未然防止対策を講じる必要があるのではと考えます。  もとより、これらに対処するため、警察の銃器対策部隊が二十四時間体制で警戒していることは、多くの県民が意を強くしているところであります。しかしながら、原子力発電所の安全に終わりはなく、常に、より高いレベルのものを目指すことが肝要であると思われます。  こうした中、においの種類によっては人間の一億倍もの嗅覚を持ち、聴覚も人と比べて四倍すぐれており、動体視力もすぐれている警備犬を配備してはと提案される方もおられます。事業者責任の問題とも思うのでありますが、これだけテロの事件報道が頻繁に流されておりますので、お伺いします。  県警のテロに対する危機管理対策の取り組み、中でも、原発等重要施設に対する警備犬の導入等の考え方についてお知らせください。  TPP協定大筋合意に対応する取り組みについてお伺いします。  まず、農業・農村の多面的機能の維持・発揮についてであります。  国においては、従来から、農業の成長産業化を促進する産業政策と多面的機能の維持・発揮を促進する地域政策を車の両輪として進める、農林水産業・地域の活力創造プランに基づき、各種政策を実施しております。  今般のTPP大筋合意を受け、今後の農政を農政新時代と位置づけ、攻めの農林水産業への転換や重要五品目の経営安定・安定供給への備えを内容とする総合的なTPP関連政策大綱を策定して、農業の成長産業化を一層進めることとしております。  農業の成長産業化を実現するためには、担い手農家への農地集約など構造改革を進める必要がありますが、これだけでは農業・農村は維持できないと考えています。このため、平成二十六年度に構造改革を後押しする政策として創設された日本型直接支払制度を積極的に活用する必要があると考えます。  そこでお伺いします。  第一点としては、本県における日本型直接支払制度の取り組み状況について、第二点として、今年度の多面的機能支払交付金の活用状況と課題、今後の取り組み方向についてお示しください。  本県の産業教育は、全国に誇れる取り組みがなされていると思います。新聞報道から一部紹介しますと、頴娃高等学校では、地元の古民家再生プロジェクトに、機械電気科電気コースの二年生十六人が電気配線工事で参加した。川内商工高等学校では、薩摩川内市の産学官が連携して開発した独立電源型LED街灯の製作に、生徒が情報表示板やマスコット、外観のデザインなどで参加した。  商業高校では、商品開発という科目があり、各高校が地域の特産品や特徴を生かした商品を開発するためのさまざまなステップや知的財産権などを学んでおります。  公立高校唯一の食物科を設置する野田女子高校では、専門的な技術を生かし、かるかんにチーズを取り入れた、チーかるを開発し、国民文化祭で販売されました。ほとんどの高校が、即戦力となる専門的な知識や技術・技能を有するとともに、将来の地域産業を担う人材、人間性豊かな職業人を育成する教育がなされているところであります。  農業高校においては、一昨日、鶴田議員からも紹介されました鹿屋農業高校を初めとして、全校ですばらしい取り組みがなされ、既に教育実習そのものが地域の担い手になっている学校ばかりであります。  今回のTPP大筋合意の流れが、今後の入学募集に影響が出てこないか心配であります。先ほど畜産局新設の提案もさせていただきましたが、本県農業の成長産業化を一層進めるという若い方々への強いメッセージも必要であります。実習から得た物品販売も二億数千万円に上っているようですから、これらをうまく活用して日本一の実習環境づくりも、全国に発信する意味において重要です。  そこで伺います。
     今年度、特筆すべき農業高校の取り組みを御紹介ください。  また、TPPの動きの中で、生徒にどのように向き合い、そして本県が全国に誇れる農業高校の充実をさらに推し進めていかれる覚悟か、教育長の見解をお聞きします。  林務行政について伺います。  本年八月に発生した台風十五号は、農林水産関係に甚大な被害をもたらしました。中でも森林被害については、北薩地域を中心に、スギ・ヒノキの立木や竹林の風倒木被害が広範囲に発生しました。間伐直後における人工林の全倒箇所や、タケノコ専用林における葉の変色なども見られ、林業経営意欲の減退や、森林の持つ公益的機能の低下などが危惧されます。  私ども管内県議団も、国民文化祭を一カ月後に控え、未実施の振興局事業予算や森林環境税事業予算を活用しての緊急的対応ができないものか、要望したところであります。  今でも、被害の大きかった地域や県民からは、高齢化や機動力、技術力の問題で自分の手で伐採できる状況ではないとの声もあり、それらの処理に向けた対応が求められております。  さきの第三回定例県議会において、森林被害の実態と復旧対策にかかわる質問に対し、県は、九月二十四日現在で、立木については被害額九億八千万円で、竹林については被害額一億一千万円で、引き続き被害状況の調査を進めているとのことでありました。  災害発生から三カ月が経過し、被害状況に係る調査結果も出ていると思います。県においては、各地の被害の実態を踏まえ、復旧に向けた最大限の取り組みを行うことが重要であると考えます。  そこでお尋ねします。  森林被害の全体像と復旧に向けた取り組み状況、今後の計画についてお伺いします。  林業就業者については、平成二十五年度までの十年間で約三割減少しておりますが、近年はほぼ横ばいで推移するとともに、若年層の割合も増加してきていると伺っております。  木質バイオマス発電が稼働し、大量の木材需要が見込まれる中で、健全な森林育成に配慮しつつ効率的生産活動を展開していくためには、それを担う足腰の強い事業体とすぐれた人材が不可欠であります。こうしたことから、林業事業体に対し、高性能林業機械等の装備の強化を含めた経営体質の強化について支援するとともに、新規参入の促進と定着、高度な技術・技能や現場マネジメント能力を有する人材の育成・確保が必要と考えております。  そこでお伺いしますが、林業事業体の経営体質の強化や人材の確保・育成にどのように取り組まれるのか、お示しください。  本県においては、現在、森林総合監理士、いわゆるフォレスターの資格取得者は二十名いますが、そのうち、林業普及指導員に任命されている者は七名であると聞いております。このような状況を鑑みるとき、地域の市町村や林業関係者等への技術的支援や連携強化の役割が期待されるフォレスターの仕事が的確になされているか、懸念されるところであり、市町村、関係団体や森林所有者に対する技術的支援を強化する必要があると考えます。  そこでお伺いしますが、森林総合監理士、いわゆるフォレスターの資格取得者を優先して林業普及指導員に任命し、市町村等への技術的支援を強化するとともに、フォレスター資格者を継続的に育成していくための予算確保にどのように取り組むのか、お示しください。 9 ◯警察本部長(種部滋康君)交番・駐在所の再編整備の推進状況等についてでございます。  交番・駐在所の再編整備では、平成二十四年から本年三月までに、三交番・七十七駐在所を廃止する一方、十六交番を新設しているところであります。最終的には、平成三十年度をめどとして、八交番・百五駐在所を廃止し、二十一交番を新設して、交番は七十二施設、駐在所は九十三施設に統廃合する計画でございます。  再編地域では、従来の日勤制から二十四時間制としたことにより、学校、金融機関、コンビニ等への立ち寄り、夜間の警戒パトロールなど街頭での活動を強化しているほか、隣接する警察署、交番などとも連携して、事件・事故が発生した場合の迅速な対応に努めているところであります。  再編効果といたしましては、例えば、再編後一年以上が経過した地域における再編前と昨年度との治安情勢を比較した場合、刑法犯の認知件数が約二〇%減少しているところであります。また、地域に密着した活動にも努めているところであります。地域の行事や各種会合への参加など、ふれあい活動は約一五%、高齢者施設や公民館等への立ち寄り活動が約一七%、それぞれ増加しているところであります。  次に、重要施設等に対する警備犬の運用についてでございます。  テロに対する危機管理対策につきましては、現下の厳しいテロ情勢を受け、原子力発電所等の重要防護対象施設に対する警戒警備の強化、施設管理者等に対する安全対策の指導の徹底、各種合同訓練等を行っているところであります。  現在、警察犬は、犯罪捜査及び行方不明者・遭難者等の捜索活動に活用しているところでありますが、爆発物等の探索等に専従する警備犬は保有していないというところでございます。ただいま御指摘のありました、県警察が保有する直轄警察犬による爆発物の捜索や、テロリストの制圧訓練等の導入につきましては、今後の検討課題の一つとして研究してまいりたいと考えております。  県警察では、今後とも、重要防護対象施設における事案発生を想定した各種訓練での警察犬の活用や、必要な装備資機材の整備など、関係機関、事業者等と連携を図りまして、テロの未然防止に万全を期してまいりたいと考えております。 10 ◯農政部長(福田博史君)日本型直接支払制度についてでございます。  日本型直接支払制度は、多面的機能支払、中山間地域等直接支払、環境保全型農業直接支払の三つの交付金を活用して、農業・農村の多面的機能の維持・発揮のための地域活動や営農活動を支援する制度であります。  多面的機能支払は、農地や農業用施設等の地域ぐるみの保全活動を支援しており、本県においては、四十一市町村の七百四十六組織、約四万ヘクタールで取り組まれております。  中山間地域等直接支払は、中山間地域の農業生産活動を将来に向けて維持する活動を支援しており、二十六市町村の六百七十八協定、約七千五百ヘクタールで耕作放棄地の発生防止や農業生産活動に取り組まれております。  環境保全型農業直接支払は、自然環境の保全に資する農業生産活動を支援しており、二十四市町村の四十九件、約一千百ヘクタールで環境と調和した農業が実践されております。  多面的機能支払交付金を活用した水土里サークル活動につきましては、農地や水路等の農業用施設の維持管理に加え、耕作放棄地の発生防止やコスモスの植栽等による農村環境の向上、子供たちへの伝統芸能の継承など、地域ぐるみの取り組みが県内各地で展開されておりますが、活動継続のためのリーダーの育成や、活動実績の取りまとめの事務負担の軽減などが課題となっております。  このため、県としましては、リーダー育成のための研修会の開催や、関係機関・団体と連携したきめ細かな指導・助言等を行うとともに、事務負担軽減のための活動組織の広域化を進めており、今後とも、水土里サークル活動の充実・強化に取り組んでまいりたいと考えております。 11 ◯教育長(古川仲二君)農業高校の特色ある取り組み等についてでございます。  本県の農業高校においては、農業に関する専門的な知識や技術・技能の定着を図りますとともに、各学校の特色を生かした取り組みを行っております。  例えば、鹿屋農業高校では、飼育形態や畜舎管理などさまざまな創意工夫を行った結果、酪農家も出品する全日本ホルスタイン共進会において、県内では四十五年ぶりとなる優等賞を受賞いたしました。  また、鶴翔高校では、登録商標三年A組シリーズを初め、地元の特産品を生かしたユニークな商品を開発して、九州各県の高校が自慢の逸品を販売する、うまちか甲子園に出品するなどの活動をいたしております。  県教委といたしましては、それぞれの高校が地域の特性を生かした農業教育を展開し、地域の求める農業人材の育成、さらには、地域の活性化を担う農産物の栽培や加工品の開発・販売などにより、農業高校としての魅力を高め、活性化を図ってまいりたいと考えております。 12 ◯環境林務部長(川野敏彦君)林務行政に関しまして、まず、台風十五号による森林被害と復旧に向けた取り組み状況等についてでございます。  台風十五号による森林被害は、北薩地域を中心として十五市町に及んでおり、立木と竹林被害合わせて約一千四百カ所、区域面積約九百八十ヘクタール、被害額約十二億二千三百万円となっております。  これらの復旧については、森林環境税関係事業などを活用し、これまで、幹線道路沿線など景観保全上の対応が求められる箇所を優先して取り組んでおり、十一月末現在、幹線道路沿線などでは五三%、全体では一九%の箇所に着手し、その半分以上の箇所は既に完了しているところでございます。  今後とも、幹線道路沿線などについては、引き続き、森林環境税関係事業などを活用しながら、森林所有者の承諾を得られた箇所の年度内完成に努めるとともに、それ以外の箇所については、復旧に必要な造林補助事業等の予算確保に努めながら、早期復旧を図ってまいります。  林業事業体の経営体質の強化等についてでございます。  林業事業体の経営体質の強化を図るためには、生産性の向上や雇用の改善などに取り組む必要があることから、関係機関・団体と一体となって、長期施業受託による事業量の安定確保や路網の整備、高性能林業機械の導入による事業の効率化を促進しているほか、社会保険等掛金の事業主負担への助成等を通じた安定的な雇用確保などに努めております。  また、林業就業者の確保・育成については、UIターン者等を対象とした鹿児島きこり塾の開催や、就業相談窓口の設置などにより、新規就業の促進を図るとともに、緑の雇用事業による現場技能者の育成等にも努めているところです。  今後とも、これらの取り組みを総合的に推進し、林業事業体の経営体質の強化や林業就業者の確保・育成に努めてまいります。  林業普及指導へのフォレスターの活用等についてでございます。  国は、森林・林業の再生を推進するため、地域の森林・林業の牽引者となる技術者を育成し、森林総合監理士、いわゆるフォレスターとして認定登録する制度を平成二十五年度に創設したところです。  県においては、これまでに二十名の職員がフォレスターとして認定登録されており、うち七名が林業普及指導員として、地域の市町村や林業関係者への技術的支援に従事しているところです。今年度中には新たに九名の職員の登録を見込んでいるところであり、引き続き、職員に対して、フォレスターの資格取得を通じ、より専門的かつ高度な知識・技術の習得を進めるとともに、有資格者を優先して林業普及指導員として配置したいと考えております。  また、フォレスターの資格取得や育成等に要する経費については、引き続き所要額の確保に努めてまいりたいと考えております。    [鶴薗真佐彦君登壇] 13 ◯鶴薗真佐彦君 それぞれに御答弁いただきました。  地域振興局設置地域振興推進事業は、私は、地方創生を先取りした取り組みであったと私なりに理解しております。  先ほど、岩切部長から前向きな御答弁をいただきましたけれども、久しぶりに帰ってその事業を見てみますと、やはり県の主体性ではなくて、むしろ市町村主体性になっているのではないかという懸念も持ちました。だからこそ今回、質問させていただいたところであります。  やはり現場に本当に密着した、その地域の現場の職員でしかつくれないような政策立案能力を高めていくということが私は最も大事で、それをむしろ市町村に提供しながら事業を進めていく、こういう取り組みの方向であってほしいものだと思っております。  一例を紹介しますと、本県畜産業の地域基盤の一つに和牛子牛生産があります。これを支えているのは元気な高齢者、兼業農家であります。十年も前から高齢者のリタイアが予想され、それらに対応した和牛の繁殖基盤維持を図るため、地域振興推進事業を活用した肉用子牛生産増頭の取り組み、いわゆる低コスト牛舎がありました。平成二十二年から二十四年まで三カ年、北薩地域を中心に二十九の生産基盤体が活用して、二百八十三頭の子牛生産増頭の実績が出ている推進事業であります。  国は今、畜産クラスター事業などを進めております。私もこの事業は十分知っておりますけれども、やはり攻めの農業とか、外国へ展開する畜産業であるとか、あるいは六次産業化とか、いろいろそういう流れはございます。これはこれで私は大事だと思いますが、これに別枠で、地域を支えている高齢者やあるいは退職者が、もう一回自分の、あるいは地域の資源である他人の畜舎をちょっと改造して、子牛の繁殖業の経営に取り組もうとしたときの、そういった誘い水になるような事業ではありません。やはりこういったことを補完する事業が、私は県単事業であってほしいと思っております。小規模の高齢・兼業農家、中規模の家族経営が利用しやすいような事業の構築というのも、現場の中から組み立てていただくような体制であってほしいと願っております。  中国のPM2・5は本当に困ったものです。既に不要不急外出を控える赤信号が出ました。きょうには九州にも影響が出てくるという報道もされております。  今後、電気自動車の普及がどんどん進み、十万台を超える中古蓄電池の活用ももうすぐ可能だと聞いております。私は、甑島の現場でお聞きしたのでありますが、中古車の蓄電池は古くなって取りかえなければならないけど、まだ七割の能力を持ったままの蓄電池であるそうであります。だから、それがどんどんどんどん今から出てくるということでありますので、やはり私は、あの取り組みは興味のある、また今後、離島を含め、いろんな意味で実証実験がうまくいけば活用できるものではないかと、その現場で学んだところであります。興味だけではなくて積極的に県も入って、そういった取り組みに関心を持っていただきたいと思います。  それから交番・駐在所制度は、諸外国が注目する日本の特化した警察制度であります。制服警官の家庭訪問やパトカーの警ら活動は何よりも安心感を与えてくれますので、さらなる工夫と密着型巡回に努めていただきますようお願い申し上げます。  来年のサミットの予算で、六百億円を超える予算枠が確保されたという報道がありました。その六百億円の枠の中で警備費が四百億円を超えるということであります。こういう時代になったのかなという思いをするときに、やはり県の原子力発電所施設を含め、もろもろのそうした重要施設の警備体制というのには終わりはないと思っております。ぜひ、提案申し上げました警備犬等の取り組みも、必ずや私は近い将来その動きは出てこざるを得ないと思っておりますので、関心を持って取り組んでいただきたいと思います。  今、我が国は、かって世界のどの国も経験したことがない人口減少と超高齢化の社会に向かって進行してまいります。従来の踏襲ではいけないと思いながらも、なかなか新しい方向性をしっかり示すことができない時代になりつつあります。地方では七十歳でも八十歳でも立派な地域の担い手であります。  知事にも、年齢的な県政の話題も取り上げられましたけれども、県政の立派なまだ担い手になり得る年齢だと思っておりますので、マニフェスト選挙にこだわらず、本県の進む方向をしっかり示されて、温故知新、知事が守るべきふるさととは何か、そういうことを自問自答しながら、四期目に向かって御健闘されますことを願って、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 14 ◯議長(池畑憲一君)次は、園田豊君に発言を許可いたします。    [園田 豊君登壇](拍手) 15 ◯園田 豊君 平成二十七年第四回県議会定例会に当たり、一般質問を行ってまいります。  平成二十七年は、本県にとりましてさまざまな出来事があった年だったと思います。私ども県議会議員にとりましても改選の年であり、県内各地域の問題や課題解決に向けて、それぞれの考え方や思いの中で選挙を終え、新たな決意を持って県政の場へお送りいただいた年でありました。  私も、常に責任感と問題意識を持って、県民の信頼と期待に応えるべく、また、議会をもっと身近に感じていただきながら、諸課題に常に初心を忘れずに取り組んでまいりたいと強く思っております。  さて、ことしも、皆様も感じておられるとおり、夏が過ぎ秋を感ずる間もなく、近ごろ朝夕の寒さを感じながら、冬が来たという気象状況であります。  このような気象状況の中、本年も県内外において、梅雨時期の記録的な大雨や、八月には非常に強い台風十五号により県内に甚大な被害が発生しました。私の町でも、台風の通過後、停電が最長五日間続き、多くの住民は、「一刻も早く停電を解消してほしい」とこれまでにない強い声がありました。もし都市部で停電が五日間も続いたら、大きなパニックになったであろうと予想できます。  現在、日常生活や産業振興並びに医療・介護等、電気に多く依存しなければならない状況であり、電力供給県として、あらゆる状況にも安定した電力の供給がなされなければならないと、電気のない中で五日間生活して、その不便さを強く感じた夏でありました。  また、口永良部島の新岳などの爆発的噴火や、活発な火山活動等の自然災害が発生し、改めて災害に向けた取り組みの必要性を感じた年でもあり、いまだ災害後避難されている方や、災害に遭われた皆様にはお見舞いを申し上げます。  災害は、起きてからの初期対応は重要でありますが、日常の訓練や起きる前の対策をこれまで以上の対応をお願い申し上げます。  それでは、質問通告に従い、質問いたしてまいります  今回の三期目の一般質問の最初の質問は、女性の活躍推進について質問いたします。  現在、我が国では、女性は第一子出産を機に約六割近くが離職するなど、出産・育児を理由に離職する女性が多い状況にあります。それは、職業人よりも母としての役割を優先せざるを得ないからであると思います。日本には、育児は母親の役割とする社会規範があり、そのような規範が生まれたのは明治以降であり、江戸時代にはなかったと言われております。  近年、人口減少が大きな課題である中、日本の人口は、二〇一〇年の一億二千八百六万人から二〇六〇年には九千万人を割り込むことが想定されております。そのことは生産労働人口も減少し、それが日本の経済成長の足を引っ張る要因の一つになると言われております。本県も、人口減少により同様の状況が生まれることが想定されております。  今後、労働人口が減少する中、今まで活用しなかった労働力を発掘し、女性の活躍する場の推進を図ることは、将来にわたって持続可能な活力ある地域社会の実現や、企業などの生産向上等、企業、行政、地域などのあらゆる分野で活力ある社会の実現につながると思います。  しかし、女性が働く現場では、女性の活躍を推進する上で、家庭責任を考慮する必要がある、時間外労働・深夜労働をさせにくい、女性の勤続年数が平均的に短い等の課題や背景があり、女性の力を最大限に発揮するには厳しい現実があります。  現在、女性の就業率は上昇していますが、まだ、出産・育児後に再就職した場合はパート等になる場合が多く、女性雇用者における非正規雇用の割合は六割近くであり、また、平成二十六年の管理的地位にある女性の割合は一一・三%と、近年穏やかな上昇傾向にあるものの、国際的に見ても低い水準にあります。政府においても、指導的地位に占める割合を二〇二〇年までに三〇%にするという目標を掲げております。  このような状況の中、女性活躍推進法が成立し、本年九月四日に施行されたところであります。この法律の目的は、みずからの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性の個性と能力が十分発揮されることが一層重要であるという認識のもと、働こうと思っている全ての女性を対象にして、女性の活躍を推進することが、豊かで活力ある社会の実現を図ることになるとされております。  このようなことを踏まえて、四点についてお伺いいたします。  まず一点は、本県における女性の雇用者数と非正規雇用者数の割合及び県内就職の状況についてお示しください。  第二点は、県内企業における女性の平均年齢と勤続年数及び女性管理職を有する県内企業の割合をお示しください。  第三点は、女性が活躍できる社会の実現のためには、女性が働きやすい雇用環境の整備や、男性の主体的・積極的なかかわりが必要であると考えますが、県の取り組みについてお示しください。  第四点は、このような女性の活躍推進の動きに対し、市町村においても対応していく必要があるのではないかと考えます。特に、女性の考え方や感性を役立てていくことが必要ではないかと考えますが、県として、女性の活躍推進に向けた市町村の役割についてどのように考えるのか、お伺いいたします。  次に、就労の創出について質問いたします。  まず、県内への企業立地の現状と今後の取り組みについてであります。  現在、全国の地方自治体の八割が企業誘致活動に取り組んでいる状況にあります。自治体が企業誘致に取り組む目的は、雇用創出や地域経済への波及効果等への期待があります。全国的には、補助金支給や税制優遇などの低コストをアピールして誘致したが、立地した企業が撤退・流出した事例が数多く、今後の企業立地の方向性を考える上で必要なことは、持続的発展や効果を視野に入れた、地域経済にとって望ましい将来像を描くことであります。  県においては、かごしま将来ビジョンやかごしま製造業振興方針に基づき、次世代の基幹産業となる自動車・電子・食品の重点三分野及び環境・新エネルギー産業や健康・医療産業などの新たな成長分野を対象に、県や市町村の企業立地補助金や各種優遇制度などを活用し、新たな企業誘致や県内企業の設備投資など、市町村と一体になって企業立地の促進に取り組んできております。  また、現在策定が進められております鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略の中でも、三つの基本目標の一つに、しごとをつくるで、働く場の創出並びに企業立地が掲げられており、さらには、地方創生においても、若者の就労の場の確保は重要な課題であり、企業立地は引き続き取り組むべき施策の一つであると考えますが、そこでお伺いいたします。  過去三年間の本県企業立地の状況と地域ごと・業種ごとの状況をお示しください。  また、本県の企業立地の今後の取り組みについてもお伺いいたします。  次に、県立高等技術専門校についてでありますが、この質問につきましては、先日の前野議員の質問の中で、現状、課題並びに取り組み等の質疑がなされました。  私は、一点のみ質問させていただきます。  現在、時代が求め、企業等から必要とされる資格取得に向けた高等技術専門校としての教育課程の新設等、今後想定される国の動向など視野に入れて、就労の創出という観点から県の取り組みについてお伺いいたします。  次に、高齢者対策について、四項目質問いたします。  まず一点目は、老人クラブの現状及び取り組み、支援についてでありますが、私は、一般質問において過去二回質問いたしております。これまでの経緯を踏まえて質問いたします。  本県は、本格的な人口減少や少子高齢化の進行により、全国に比較して高齢者の占める割合は年々高くなってきております。その中で、老人クラブの活動は、活力ある高齢社会を構築する上で大きな役割を果たしている現状で、今や地域の担い手として欠くことのできない組織であります。  昨年度においては、県老人クラブ連合会、市町村老人クラブ連合会、各老人クラブの運営費や活動費に対して、国・県・市町村で約一億七千万円の補助がなされ、老人クラブ育成に取り組んでおられるところであります。しかし、冒頭申し上げましたが、高齢者の割合は年々高くなっているにもかかわらず、老人クラブの会員数は減少し、対象者の加入率も下がってきている現状にあると認識いたしております。  これまで二回の答弁において、老人クラブ育成に対して、「老人クラブの活動助成を行いながら、県老人クラブ連合会や市町村と連携し、老人クラブの組織強化、活性化の促進に努めていきたい」との答弁がなされたところであります。  私は、以前の質問で、老人クラブへの加入を促進する意味で、「老人クラブの名称について、高齢者や県民が加入しやすい鹿児島版の名称に変えていくような考えはないか」と申し上げました。
     それに対して、「老人クラブの名称については、老人福祉法に老人クラブとの規定はあるが、必ずしもクラブの名称を老人クラブに統一しなければならないとするものではない」との答えがあり、「老人クラブの活性化のためにも、老人クラブ以外の名称の積極的な使用について、指摘を踏まえて、県老人クラブ連合会や市町村等と連携して働きかけを進めていく」との答弁もありました。  このようなことを踏まえて、まず、直近の老人クラブのクラブ数や会員数、加入率の状況とその推移及びクラブ数等が減少している理由についてお示しください。  また、県老人クラブ連合会は、クラブ数や会員数の減少に対し、会員の確保に向けたさまざまな取り組みを行っているとお伺いしておりますが、その内容についてお示しください。  あわせて、県として、現在の状況等を踏まえて、老人クラブの活性化の促進を図るためどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。  二点目は、シルバー人材センターについて質問いたします。  日本の平均寿命は今後も延びると予想され、高齢化が進むにつれて労働力人口の減少は深刻な問題でありますが、意欲のある元気な高齢者は貴重な労働力であります。  現在、生涯現役社会の中で、六十五歳を超えても働きたいと思っている人は多く、そのことは高齢者一人一人の生活を充実させ、経済的に安定させ、また、社会参画や生きがいなどにおいて、シルバー人材センター事業は、高齢者に対応した活力ある地域社会づくりに大きな役割を果たしております。しかし、近年、老人クラブ同様に、高齢者の割合は年々増加しているにもかかわらず、会員が減少している現状にあります。  このような状況を踏まえて、シルバー人材センターの現状と今後の課題並びに就業の推進に向けた取り組みについてお伺いいたします。  三点目に、特別養護老人ホームの待機者の解消について質問いたします。  この質問は、昨日の長田議員の質問と重複いたしますが、私は、三点について質問いたします。  特別養護老人ホームの待機者問題については、知事のマニフェストにも解消に努めるとされ、県議会においても、これまで、当局からさまざまな場面でその対策をお伺いしてまいりました。  国の社会保障制度改革における、施設から在宅へという大きな流れの中で、地域包括ケアシステムが法制化され、県においても、在宅医療や介護予防、見守り活動などの生活支援サービスの充実に取り組まれており、私も、高齢者の在宅限界点を高めるこれからの取り組みは、待機者解消策の大きな柱の一つであると考えます。  しかしながら、本県では、高齢単身世帯や高齢夫婦のみの世帯の割合が全国平均を大きく上回っております。地域包括ケアの実現には、高齢者が高齢者を介護する老老介護の問題や、認知症の方が認知症の方を介護する認認介護の問題、また、在宅で胃ろうを行っている方などへの適切なケアの提供など、なかなか難しい問題があるのが現実であります。  そうしたことから、私としては、地域包括ケアに取り組む上でも、計画的な特別養護老人ホームの整備はやはり必要であると考えております。県においても、これまでも施設整備の充実に向けて取り組んでいると認識しております。  折しも、安倍首相は、新三本の矢で介護離職ゼロを掲げ、それを受けた国民会議では、二〇二〇年代初頭までに、全国で五十万人以上の在宅・施設サービスの整備を進めることが議論されております。  そこでお伺いいたします。  一点目は、全国と比較して、本県の特別養護老人ホームの整備状況をお示しください。  二点目は、県内の特別養護老人ホームの待機者の状況は、高齢者保健福祉圏域によって差があるのかお示しください。  三点目は、待機者の解消に向けて、市町村がそれぞれの取り組みを実施していると考えますが、市町村の取り組みと、県として、今後、国の動向などを視野に入れて、施設の増床及び老朽化した施設の整備をどのように進めていかれるのか、お伺いいたします。  四点目は、認知症対策の取り組みについて質問いたします。  この質問についても、昨日の長田議員の質問において、認知症施策推進総合戦略─新オレンジプラン─などについて質問がなされました。私は、認知症高齢者が社会生活を営んでいく上での問題・課題解決に向けた県としての取り組み、支援策についてお伺いいたします。  十月末に、宮崎市で七十三歳男性の運転する軽乗用車が暴走し、六人をはね、うち二人が死亡する悲惨な交通事故が発生いたしました。報道によりますと、この男性は、運転中にてんかん発作を起こしたとされておりますが、当初は認知症が原因であるかのような報道がなされ、社会的に大きな衝撃を与えました。また、高速道路における認知症ドライバーの逆走行為など、高齢化の進展に伴い、認知症による認知機能の低下が原因の交通事故が大きな社会リスクになっております。  宮崎県においては、暴走事故をきっかけに運転免許を返納する高齢者がふえているとのことであります。返納の理由は、高齢者が起こした事故が返納数の増加につながったのではないかと分析しているとの新聞報道がなされました。  しかし、現実的には、高齢者の交通事故が問題となる反面、地方では移動手段をマイカーに頼らざるを得ない事情があり、高齢者にとって車は必要不可欠な生活の足であります。  また、認知症高齢者は、交通事故だけでなく、事件・事故に巻き込まれるおそれが増加することが予想されております。認知症を早期に診断し、適切な対応を行うことで、これらはかなり防げるのではないかと思っております。高齢者が身近なところで、かかりつけ医に認知症の相談ができる体制づくりは急務な課題であり、また、かかりつけ医に助言などを行う認知症サポート医については、サポート医として十分な役割が果たせるような支援が必要であると思います。  このようなことを踏まえて、自動車運転による過去三年間の認知症による取消処分者の状況と、七十歳以上の高齢ドライバーの運転免許自主返納状況並びに今後の取り組みについてお伺いいたします。  また、認知症の高齢者等がマイカーに頼らないで済むよう、地方における主要な交通手段であるバスの確保を図ることは重要であると考えますが、高齢者等の交通手段の確保に向けた県としての取り組みについてお示しください。  さらには、認知症の相談ができるかかりつけ医の養成状況と今後の養成方針並びに認知症サポート医が十分な役割を果たせるようにするための県の支援策についてお示しください。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 16 ◯知事(伊藤祐一郎君)女性の活躍推進についてのお尋ねがございました。  女性は、職場におきましても、家庭や地域におきましても、社会のあらゆる分野で重要な役割を担っていると考えております。  国は、我が国の持続的成長の実現と社会の活力を維持していくためには、女性の力の発揮、女性の活躍が不可欠であるといたしまして、すべての女性が輝く社会づくり本部を設置しているところであります。  このような社会をつくるため、昨年十月には、すべての女性が輝く政策パッケージが示されておりますが、その中で、女性の視点から見た課題と施策項目を取り上げ、例えば職場におきましては、女性が個性と能力を十分に発揮できる雇用環境を整備する必要がある。また、職場のみならず家庭におきましても、男性の主体的・積極的なかかわりが欠かせないとしているところであります。  県といたしましては、企業に対しまして、男女間の事実上の格差を解消する取り組みや長時間労働の是正など、仕事と生活の調和の実現に向けた取り組みを促すほか、家庭での男性の家事や育児への一層の参画を進めるなど、県政の各分野にわたり全力を挙げて取り組んでいるところであります。 17 ◯商工労働水産部長(武盛武士君)本県の女性雇用の現状についてであります。  県内における女性の雇用者は、厚生労働省の調査によりますと、直近の平成二十四年で約三十二万一千人で、このうち五七・七%が非正規雇用です。  平成二十七年三月の県内新規学卒者のうち、女性の県内就職者は二千四百十一人、新規学卒者を除く平成二十六年度中の県内での女性の就職者は、二万六千八百七十二人です。  平成二十六年度の県内企業における女性の平均年齢は三十九・九歳、平均勤続年数は八・五年です。女性管理職を有する県内企業の割合は、直近の平成二十五年で三九・八%となっています。  県内の企業立地の現状と今後の取り組みについてでございます。  平成二十四年度からの三年間における企業の立地決定件数は、食品関連が三十五件、電子デバイス関連が二十四件、機械金属関係が十八件など、合計百一件です。新規雇用者数は、今後の予定も含めまして一千二百十六人となっています。地域別に見ますと、北薩地域が二十七件、姶良・伊佐地域が二十四件、鹿児島地域が二十一件、大隅地域が十七件、南薩地域が十件、熊毛・奄美地域が二件です。  本県への企業誘致につきましては、環黄海経済圏に位置する地理的優位性、豊富な農林水産物、世界に誇れる国内有名企業の立地、陸海空の交通インフラの充実などの本県の魅力を訴えながら、引き続き、市町村とも一体となった誘致活動を展開してまいります。  県立高等技術専門校についてです。  県立高等技術専門校は、県内企業のニーズに対応できる技能を持った人材を育成・供給しています。今年度、吹上校の金属加工科において、新たに自動車板金・塗装、車体整備機能を訓練に取り入れたことにより、三級自動車整備士等の実技試験が免除されることとなりました。また、自動車工学科では、ハイブリッド化等最近の技術にも対応した訓練も実施することにより、新たな就職先の確保につながり、従来からの就職先でも高い評価を得ております。  今後とも、社会経済情勢や本年度末に国が策定する計画等を踏まえ、訓練科目やカリキュラムの設定や見直しを行ってまいりたいと考えております。  シルバー人材センターの現状と今後の課題等についてです。  シルバー人材センターは、県内三十四市町に設置され、平成二十六年度で約一万人の会員を有し、約八万一千件、約四十七億円の請負等による事業を行っています。会員数は、高齢者数の増加にもかかわらず減少傾向にあります。これは、六十五歳までの継続雇用義務化等による新規入会者の減少、会員の高齢化や疾病による退会者の増加によるものと考えております。このため、今後、センターでは、団塊の世代を新規会員として呼び込むために、高齢者の就業ニーズの変化・多様化に対応した新たな就業を開拓していく必要があります。  県としましては、高齢者の就業機会を増大させ、社会参画を促進していくため、国や市町村と連携し、センターの支援を行ってまいります。 18 ◯県民生活局長(三角浩一君)市町村の女性の活躍推進に向けた役割についてであります。  いわゆる女性活躍推進法では、市町村は、地域における女性の職業生活における活躍についての推進計画を策定するよう努めるとともに、特定事業主として、女性の活躍状況の把握・分析、定量的目標や取り組み内容を盛り込んだ行動計画を、平成二十八年三月三十一日までに策定し、公表することが義務づけられております。  市町村は、事業主行動計画策定指針において、地域の先頭に立って一般事業主をリードする行動計画の策定や、積極的に女性職員の活躍を推進していくことが求められており、地域の特性を踏まえた支援体制づくりや、人材育成などの施策の推進や関係団体との連携などを通じて、主体的な役割を担う必要があると考えております。  県としては、各市町村の取り組みを促進するために、行動計画や推進計画策定に向けた説明会を十二月二日に開催したところであり、今後とも、情報提供や助言などの支援を行ってまいります。  次に、老人クラブの現状及び取り組み支援についてであります。  県内の老人クラブの状況は、平成二十六年度末で、クラブ数が二千百十団体、会員数が十万五千五百四十八人、加入率は一七・三%となっており、十年前の平成十六年度末と比較して、クラブ数で六百六十八団体の減、会員数で約五万人の減、加入率で一一・七ポイントの低下となっており、減少傾向が続いております。この主な理由といたしましては、会員の高齢化、役員への負担集中等に伴う後継リーダーの不在や、価値観等の多様化による新規加入者の減少などが挙げられております。  このため、県老人クラブ連合会におきましては、役員の負担を軽減する取り組みとして、各老人クラブへの副会長の複数制導入を推進しているとともに、新規会員の加入促進を図るため、平成二十六年度から三十年度までの五カ年で、会員数十六万人を目指す五万人会員増強運動を推進しております。  また、県におきましては、老人クラブの活性化を促進するため、老人クラブの運営費や活動費に対する助成、老人クラブのリーダー養成にも資する、かごしまねんりん大学の開催、地域貢献活動に積極的に取り組む老人クラブの表彰などによる支援を行っております。  県としましては、今後とも、市町村や県老人クラブ連合会等とも連携しながら、老人クラブの活動の活性化に取り組んでまいります。 19 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)特別養護老人ホームの待機者の解消についてであります。  本県の特別養護老人ホームの整備床数は、本年四月一日時点で一万四百四十九床でありまして、全国との比較ができる平成二十六年十月一日時点における、要介護三以上の人口一万人当たりの特別養護老人ホームの整備床数は、本県が約二千六百床、全国平均が約二千四百床となっております。  本県の特別養護老人ホームの待機者数は、本年六月一日時点で約六千五百人でありまして、圏域ごとの整備床数、一床当たりで比較いたしますと、肝属圏域が一・〇七人で最も多く、最も少ない姶良・伊佐圏域は〇・四三人となっております。  市町村におきましては、特別養護老人ホーム等の計画的な整備を推進し、待機者の解消に努めております。  県におきましては、老朽化した特別養護老人ホームの改築を促進する観点から、平成十八年度から、広域型については改築のみを補助対象とするとともに、二十一年度からは、可能な限り住みなれた地域で安心して暮らせるよう、地域密着型の新設も補助対象としたところであります。  国におきましては、一億総活躍国民会議が先月二十六日に取りまとめた介護離職ゼロの実現に向けた在宅・施設等サービスの前倒し・上乗せ整備等の緊急に実施すべき対策を受け、今後、予算措置が検討されることとなっており、県といたしましては、その状況も踏まえ、市町村と連携を図りながら、特別養護老人ホームなどの計画的な整備に努めてまいります。  認知症の相談ができるかかりつけ医の養成状況等についてであります。  県では、より身近な地域で認知症の早期診断・早期対応が行われるよう、かかりつけ医を対象とした認知症の対応力向上研修を認知症疾患医療センターで実施しており、本年十月末現在で延べ一千三十七名が受講しております。  県といたしましては、できるだけ多くのかかりつけ医に本研修を受講していただくことによりまして、地域医療における認知症の対応力向上を図ってまいります。  認知症サポート医は、本年十月末現在で県内に百五十一名おりまして、地域においてみずから診断・治療に従事するとともに、他のかかりつけ医に対して認知症診断等に関する助言や認知症疾患医療センターの紹介を行うなど、地域の認知症医療の中心的な役割を担うことが期待されております。  県では、県医師会と連携して、診断・治療等の最新知識の習得や対応困難な症例の検討などを行う研修を実施し、サポート医の資質向上を図っております。 20 ◯警察本部長(種部滋康君)認知症による取消処分者の状況等についてでございます。  認知症による運転免許の取消処分は、医師から認知症との診断書の提出を受けた場合に行っているものであり、認知症による取消処分者の状況は、平成二十四年が十八人、平成二十五年が二十人、平成二十六年が三十一人で、本年は十月末現在五十五人となっており、その数は年々増加傾向にあります。  また、運転免許自主返納者のうち七十歳以上は、平成二十四年が二千四百二十九人、平成二十五年が二千七百七十三人、平成二十六年が三千五人で、本年は十月末現在、二千七百七十七人となっており、年々増加傾向にあります。返納の主な理由は、身体機能の低下を自覚した、運転の必要がなくなった、家族等からの勧めがあったなどとなっております。  県警察といたしましては、自動車の安全な運転に支障を及ぼすおそれのある認知症等一定の病気に罹患している運転免許保有者に対しましては、迅速な行政処分を行うとともに、運転に不安を感じている高齢者やその家族等に対しましては、運転免許の自主返納制度に関する情報を積極的に提供していくこととしております。 21 ◯企画部長(岩切剛志君)高齢者等の交通手段の確保についてであります。  地域における公共交通は、高齢者等の重要な交通手段であり、その安定的確保が課題であります。これまで、県による広域的・幹線的なバスの運行費等の支援、市町村によるコミュニティバス等の運行や、高齢者向けの運賃割引の負担の取り組み等を通じて、交通手段の確保や負担軽減を図ってきたところであります。  県としては、こうした取り組みを通じて、引き続き市町村等と連携を図りながら、高齢者等の交通手段の維持・確保に努めてまいります。    [園田 豊君登壇] 22 ◯園田 豊君 それぞれ御答弁いただきました。  一点目の女性の活躍推進についてでありますが、今回の法の施行により、常時雇用する労働者の数が三百一名以上の事業所に対して、一般事業主行動計画の策定が義務化されております。本県の場合、九月一日現在で百六十一社が対象になるとお伺いいたしておりますが、女性が活躍しやすく、雇用の拡大につながるよう期待したいところであります。  ちなみに、私は、現在も共働きでありますが、娘二人が高校に在学中は、朝早く出勤する妻にかわりまして、娘たちの弁当を朝五時半からつくっておりました。仕事に行く妻の家事が少しでも楽になるようにと思ってであります。弁当は見た目よく、そしてまた楽しく弁当づくりをしていたのが今も記憶に残っております。  このことは、先ほど申し上げましたが、女性が社会で活躍するには、家庭においても男性の積極的なかかわりが必要ではないかと思います。議場にいらっしゃる子育て真っ最中の皆様も、家庭の中で実践されてみてはいかがでしょうか。今になればよい思い出になっており、現在の私があると自覚いたしております。  二点目の就業の促進についてでありますが、県内には、県並びに各市町村が企業立地を目的に造成した工業団地があり、今後、県内外の企業誘致を積極的に推進し、就業機会の増大になり、活力ある定住社会につながるような取り組みを要望いたします。  また、高等技術専門校につきましては、入校希望者が安心して技術の習得ができるように、関係業界・企業と連携して、奨学金制度などの設置も検討していく必要があるのではないかと思います。  三点目の高齢者対策でありますが、高齢化が急速に進行する中、高齢者一人一人が生涯安心して働き、安定した生活を送り、地域の中で生きがいを持って暮らしていけるような施策を推進していくことを御要望申し上げます。  鹿児島のことわざで、「親と火鉢はぬっかうちになでろ」という言葉がございますが、働く世代の私たちが実践し、高齢者対策に臨んでいくことが、元気な高齢者づくりになるものではないかと思っております。  ちなみに、老人クラブの名称につきましてでありますけれども、シルバー人材センターとかねんりんピックとか、本来ならば、老人人材センターとか老人オリンピックとか言わなければならないところでありますけれども、それを名称を変えながら取り組んでいるという事例等もありますので、臨機応変な対応、そして入りやすい老人クラブの名称に変えるというのも一策ではないかなと思いますので、また引き続き御検討いただきたいと思います。  引き続き、質問を行ってまいります。  次に、インフルエンザ予防対策について質問いたします。  インフルエンザが流行する時期になってまいりました。インフルエンザは、典型的には、三十八度以上の発熱とともに、頭痛、関節痛や胃腸症状など全身の症状があらわれる疾患です。子供ではまれに急性脳症を起こし、高齢の方や免疫力の低下している方は肺炎を伴うなど重症になることがあり、ことしも全ての県民がインフルエンザに注意する必要があります。  また、一旦流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が広がり、日本では例年十二月から三月ごろに流行が見られ、国の報告によりますと、昨年度は十一月下旬から四月下旬にかけて流行し、医療機関を受診した患者数の累計は約一千五百三万人と推計されております。  インフルエンザを予防する有効な方法としては、外出後の流水・石けん等による手洗いなど、せきエチケット、流行前のワクチン接種、適度な湿度の保持、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取などが挙げられております。  そこで、以下四点についてお伺いいたします。  まず、ことしの冬のインフルエンザの発生予測についてお示しください。  二点目に、予防接種には発症をある程度抑える効果や重症化を予防する効果があり、特に、高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられており、効果が出現するまでには少なくとも二週間程度を要するとされておりますが、予防接種法に基づく昨年度の定期接種の接種率をお示しください。  三点目に、予防対策を行ったにもかかわらず、地域住民がインフルエンザにかかったと考えられる場合、速やかに医療機関を受診し、インフルエンザの治療薬を服用することが効果的であると考えます。  そこで、インフルエンザの治療薬の県内の流通状況についてお示しください。  四点目に、例年、全国的に学校などでの感染拡大による学級・学年・学校閉鎖がありますが、去年のシーズンの県内では、二百二十六件の学級閉鎖等があったと聞いております。  そこで、学校、職場、施設等における感染防止対策についてお示しください。  次に、県営住宅について質問いたします。  公営住宅は、住宅に困窮する方や高齢者並びに子育て世帯などに対するセーフティーネットの役割を果たすものであります。本年十一月一日現在、県内の県営住宅数は百四十九団地、一万一千九百六十戸となっておりますが、入居待機者が七百八十三人いるなど需要が高い状況となっております。また、新たな県営住宅として、子育て世帯向けに松陽台第二団地を建設中であり、今月には二期四十二戸が完成し、入居者を募集する予定とのことであります。  一方、十一月一日現在の空き住宅戸数は五百六十八戸となっており、県においても、随時募集の実施や、これまで、私どもの町でも要望がありました、二人世帯では入居できなかった広さの住宅に妊婦がいる世帯の入居を認めるなど、取り扱いを改善し、空き住宅の縮減や入居希望者のニーズに合った対応に努めているとお伺いいたしております。  現在、県営住宅の入居状況において、地域間や立地及び住宅の整備状況等によって違いがありますが、特に、地方の空き住宅戸数の割合が高い状況の中、既存の県営住宅では、建設後長期間経過した建物があり、居住性や安全性の向上を図るため住宅のリフォームを進める必要があると考えられます。また、必要なリフォームを行うことで入居希望者がふえ、空き住宅の解消にもつながり、そのことが定住人口の増加につながると大きな期待を持っております。
     このような状況を踏まえて、老朽化した県営住宅の改修工事の現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。  次に、県産品の販売促進についてお伺いいたします。  ことしも鹿児島市内のデパートで、鹿児島の秋の風物詩と言ってもいいぐらいの大人気イベントになっております北海道の物産と観光展が大盛況の中で開催されたと聞いております。  この物産展は、北海道が全国三十カ所以上で主催する物産展の中で、東京、大阪等の主要都市で開かれる物産展を圧倒する十五年連続の売り上げ第一位となっております。ここまでなるには、鹿児島のニーズに合った商品を選定するバイヤーや、デパート関係者並びに北海道の担当者及び企業の努力等の戦略が、日本一位の売り上げにつながっているものと考えられます。  本県も、農林水産物や特産品の販路拡大と観光客の誘致を図るため、関係機関・団体と連携し、全国各地で県が主催する物産観光展が開催されております。また、県産業会館の鹿児島ブランドショップや東京のかごしま遊楽館でも、県産品の常設販売がされております。  そこでお伺いいたします。  本県が県外で実施している物産展の現状と今後の取り組みについてお示しください。  二点目に、全国各地や県内の各市町村で、食をテーマにした催しが年間を通して開催されるようになってまいりました。食の祭典を実施することにより、農業・水産業や食料品製造業の販路拡大や、交流人口につながるものであると考えます。私の地元南さつま市も、姉妹都市であります北海道旭川市の食べマルシェに毎年業者の方々が参加いたしております。  本県は、全国有数の食の供給基地であり、食の祭典に取り組んでいくことは、新たな地域産業の創造・発展につながると思いますが、県産品の販売促進という観点からも、県内で、食をテーマにしたイベントに取り組んでみてはいかがでしょうか、お伺いいたします。  三点目に、県産品の販路拡大を推進していく上で、県内に施設整備をしていくことは課題であると思います。  先ほど申し上げましたが、県産業会館にある鹿児島ブランドショップは、開設時は、時の状況に応じてベストな立地であったのかもしれませんが、急速な国際化の進展や、南に開かれたアジアの玄関口としての地理的優位性を生かす観点からも、販路拡大に向けた新たな県産品の総合的な販売拠点を、例えば鹿児島空港付近など、交通の利便、集客力のできる場所に施設整備を実施していく取り組みについて考えられないか、お伺いいたします。  次に、文化振興について質問いたします。  第三十回国民文化祭・かごしま二〇一五については、我が党の代表質問において、知事から、「予定どおり全てのイベントが開催でき、無事成功裏に終了した。大会には県内外から多くの参加者があり、県内各地で多くの県民の方々が文化芸術活動に親しんでいただいたことで、その価値の再認識や文化継承に向けた動きにつながるとともに、主催者や出演者あるいはボランティアとしてイベントの企画や運営に携わったことで、経験やノウハウの蓄積、人的ネットワークの形成などの成果が得られ、文化芸術振興に対する機運の醸成が図られた」との答弁があったところであります。  郷土芸能等についても、国民文化祭のイベントとして県内各地でさまざまな取り組みが行われたところであります。これらは、地域の貴重な財産であり、魅力ある地域づくりを進める上で大きな活力となるものであります。私自身、県民の共通の財産として育み、将来にわたり継承していくことが重要であると再認識したところであります。  そこでお伺いいたします。  今回の国民文化祭において、どのような郷土芸能等の取り組みが行われ、成果があったのか。また、これらの郷土芸能に対する県の支援についてお示しください。  次に、無形民俗文化財の保存・継承への取り組みについてお伺いいたします。  本県は、南北に長い県土であり、豊かな自然環境や歴史及び風土の中で、それぞれの地域において多くの伝統文化が育まれ、多種多様な伝統芸能が継承されております。これらは、地域の生活文化の核となり、地域を結集する役割を果たしてきたものであり、地域の宝として守り伝えていくべきものとなっております。それゆえ、毎年、各地域の伝統的な祭りや行事での奉納のほか、各地域で行われる産業祭や文化祭等で発表され、地域の中で大切に保存・継承がなされております。  私の地元南さつま市においても、県の無形民俗文化財に指定されております士踊りや津貫豊祭太鼓踊りなどがあり、地域の貴重な財産として、地元はもとより県内外で発表するなど、保存・継承し、後継者の育成を行っている状況にあります。  しかし、県内各地に伝わる伝統芸能や伝統行事は、過疎化、少子高齢化等の急激な社会環境の変化が進む中で、指導者や後継者が減少し、その継承が危惧されており、道具等の整備にも多くの費用が必要となっておりました。  このような現状を目にしますと、私たちの貴重な財産である伝統的な祭りや行事をしっかりと保存し、次の世代に継承していくために、行政、地域が中心となってそのための必要な対策を実施し、県民、子供たちが昔ながらの地域のつながりを感じ、将来も心豊かな生活を送れるように取り組んでいくことが求められていると考えております。  このような状況を踏まえ、県として、現状をどのように認識し、県内の国・県の無形民俗文化財の保存・継承に向けて対策を行い、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。 23 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)インフルエンザ予防対策についてであります。  国におきましては、インフルエンザの発生予測は出しておりませんが、例年、十二月から三月ごろに流行するとしております。  県におきましては、九十三の定点医療機関からの報告数をもとに流行状況を確認しており、直近一週間の報告数は、定点当たり〇・一一件であります。予防接種法に基づくインフルエンザ予防接種は、六十五歳以上の方などで希望する方に行うこととなっておりまして、本県の平成二十六年度の接種率は六一・三%であります。  インフルエンザ治療薬につきましては、流行時期に合わせ、定期的に県内の卸売販売業者の在庫状況等を調査しております。今年度は、先月末現在で、前年同時期に比べまして七八%多い八千九百五十四人分を保有しており、医療機関等への納入に支障は生じていない状況にあります。  県としては、引き続き流通状況を把握するなど、適切な供給が行われるよう努めてまいります。  県では、インフルエンザの感染予防対策としては、手洗いやせきエチケットの励行等が有効でありますことから、ポスター等を活用し、県民の方々に啓発しております。また、学校や社会福祉施設など、集団感染が発生しやすく、また拡大しやすい集団に対しまして、健康観察、学級閉鎖などによる感染予防や感染拡大の防止について、関係機関を通じて助言等を行っております。加えまして、定点医療機関当たりの報告数が基準を超えた場合には、注意報あるいは警報を発令し、県民への注意喚起も行うこととしております。  県といたしましては、市町村、医療機関等と連携し、引き続き感染予防や感染拡大の防止に努めてまいります。 24 ◯土木監(田崎寛二君)老朽化した県営住宅の改修工事の現状と今後の取り組みについてであります。  県営住宅については、昭和五十年代から平成十年ごろにかけて建設されたものが多く、老朽化に伴い、居住性や安全性等を維持・向上させることが課題となっています。このことから、平成二十四年度に県営住宅長寿命化計画を策定し、老朽度や緊急性に応じ、改修等を順次行っています。これまでに三十七団地、三千二百五十戸において、バリアフリー化や給湯設備改善、外壁落下防止等の改修工事を実施しております。  今後とも、長寿命化計画に基づき改修工事を進め、良好な住環境や安全性を備えた住宅の供給に努めてまいります。 25 ◯観光交流局長(長野信弘君)県外での物産展の現状と今後の取り組みについてであります。  県外で実施する物産展につきましては、昨年度、県主催で八回開催し、約四億八千万円の売り上げがあったほか、県特産品協会主催で四十一回開催されております。これらの物産展においては、売り上げ低減対策や継続的な取引成立等が課題となっているところです。  このため、百貨店とも連携し、高画質4K動画などを活用したPRを行うとともに、百貨店バイヤーの産地招聘による売れ筋商品の開拓や、新特産品コンクールでの入賞商品の販売など、物産展の魅力向上に努めているところです。また、今回新たに、国の交付金を活用して、東京での物産展でふるさと名物商品のPRや販売促進に取り組んだところです。  食に関するイベントの取り組みについてであります。  県産品の販売促進という観点から、食に関するイベントの開催は一定の効果があるものと考えております。県としても、これまで、かごしまブランド産品を中心とした農畜産物の宣伝販売フェアを開催したほか、民間団体が行うかごしま黒グルメフェスタや鹿児島ラーメン王決定戦に対し、広告掲載や後援等の協力を行ってきたところです。  今後とも、本県産品の販売促進を図るため、食のイベントを活用してまいりたいと考えております。  県産品の販路拡大に向けた施設整備の考え方と取り組みについてであります。  大島紬や薩摩切子など伝統的工芸品につきましては、製造見学・体験ができる民間施設があり、百貨店、ホテルなどでは展示販売を行っております。また、鹿児島空港や鹿児島中央駅、その周辺の観光施設等においても、県産品の展示販売や製造工程の紹介等を行っております。  このように、さまざまな運営主体によって県産品の展示販売等が行われている中で、新たな施設を整備することについては、その立地環境や費用対効果、既存施設との兼ね合いなど、検討すべき課題も多いと考えております。 26 ◯県民生活局長(三角浩一君)郷土芸能等に係る国民文化祭での取り組み等についてであります。  国民文化祭では、本県の個性豊かな郷土芸能等を披露する多くのイベントが開催されました。仮面文化など地域の文化資源をテーマにした全国の団体との競演や、若者の参加を得て、島唄等の魅力をミュージカルで伝える新たな取り組みなど、いずれも創意工夫を凝らした内容でありました。  参加者等からも、「地元の郷土芸能の魅力を認識した」、「約五十年ぶりに地域の郷土芸能を復活した」などと伺っており、その価値の再認識や文化継承に向けた動きにつながるとともに、全国の団体との交流を通じたネットワークの形成などにより、郷土芸能等の振興に対する機運の醸成が図られたものと考えております。  郷土芸能等に対する県の支援といたしましては、郷土芸能等の概要等を紹介するため、かごしま地域伝統芸能ミュージアムを県のホームページに掲載しておりますほか、国や県文化振興財団などの助成制度について周知し、活用促進を図りますとともに、県文化協会の開催する県民文化フェスタを支援し、郷土芸能等の発表の機会を提供しております。また、かごしま文化芸術活性化事業など、文化振興や地域づくりに係る事業におきましても支援を行っているところであります。  県としましては、郷土芸能等を県民共通の財産として育み、継承していくことは重要であると考えており、国民文化祭の成果なども生かしながら、引き続き郷土芸能等の活性化に努めてまいります。 27 ◯教育長(古川仲二君)無形民俗文化財の現状認識についてでございます。  県内各地で伝承されている民俗芸能については、平成二年度と三年度に実施した緊急調査により、多種多様な民俗芸能約八百件が確認できた一方で、指導者や伝承者が減少していることも確認されました。民俗芸能などの無形民俗文化財は、一旦途絶えますとその復活は難しいことから、その保存・継承は喫緊の課題であると認識いたしております。  次に、無形民俗文化財の県の支援と今後の取り組みについてでございますが、民俗芸能等については、無形民俗文化財への指定が保存団体の体制整備の面で効果的であることから、文化財的価値の高いものについて、新たな指定に取り組んできております。さらに、指定無形民俗文化財の伝承活動等に対して助成を行うとともに、民間財団法人等の助成事業の活用促進も周知しております。  また、県内各地の祭り・行事の保護施策立案の基礎資料とすることを目的とした調査事業を今年度から実施しており、この調査で祭り・行事の記録保存や価値づけを行い、新たに文化財を指定する際に活用するほか、祭り・行事の情報発信に役立つものと考えております。    [園田 豊君登壇] 28 ◯園田 豊君 それぞれ御答弁いただきました。  四点目のインフルエンザ予防対策についてでありますが、毎年冬の時期にインフルエンザの流行を繰り返してきておりますが、ことしも万全の対策を図っていただきたいと思います。  五点目の県営住宅についてでありますが、ことしは災害の多い年でありましたが、現在、各市町村でも防災無線の設置や推進が図られております。私の住んでおります南さつま市におきましても、各地域で年度ごとに防災無線の設置が進められてきている中で、その地域内にあります県営住宅に対しましても防災無線が設置されておりますが、その県営住宅の防災無線の各住宅の負担金部分につきましては、現在、地域が負担するというような状況になっておりますので、県営住宅においても、安心・安全に県営住宅で入居者が生活できるような防災無線などの対応もよろしくお願い申し上げたいと思います。  六点目の県産品の販売促進についてでありますが、これまで本県の代表的な県産品の一つでありました芋焼酎の年間出荷量が、この秋、初めて宮崎県に抜かれるという驚くべき結果が出ました。  県としても、今後、県産品の販路拡大に向けた施策において、消費者ニーズの把握や販路拡大を関係業界・企業と連携を図りながら取り組んでいただき、毎年開催される北海道物産展をしのぐような結果が得られますように御要望申し上げます。  七点目の文化振興についてでありますが、今回の国民文化祭で得られた成果を一過性のことにすることなく、これらの成果を、鹿児島が持つ多様な生活文化や文化芸術をさらに発展させ、保存・継承においても取り組みを強化し、地域づくりに生かせるよう、関係機関とも協議しながら積極的に取り組んでいただきますよう御要望申し上げます。  以上、七項目について質問を行ってまいりました。  過疎・少子高齢化が進行する本県にとりましては、事業によりましてはスピード感を持って諸課題に取り組んでいただきたいと思います。  さて、ことしも残り少なくなってまいりました。昨年の今ごろは、私どもにとりまして気ぜわな年末を過ごしておりました。一年過ぎるのが私は年々早く感ずるようになってきております。  私は、いつのときも、きょうが終わる、やり残したことはないかなという気持ちで議員としての責務を果たしてまいりたいと思います。  最後に、県民の皆様にとりまして新しい年がよりよい年になりますことを念じまして、私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 29 ◯議長(池畑憲一君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午前十一時五十六分休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 30 ◯議長(池畑憲一君)再開いたします。  大久保博文君に発言を許可いたします。    [大久保博文君登壇](拍手) 31 ◯大久保博文君 鹿屋市・垂水市区選出の大久保博文です。県議会十回目の一般質問となります。  先日本県において、国内最大の文化の祭典、国民文化祭が盛大に開催されました。節目となる三十回目を鹿児島の地で開催されたことは大変感慨深く、また、国文祭にかかわった多くの県民の皆様から喜びの声を伺いました。開会式には皇太子同妃両殿下の御臨席を仰ぎ、皇太子殿下からおことばを賜りました。  私は、今回の国民文化祭を通じて、鹿児島独自の文化に誇りを感じるとともに、先人が築いてきた国づくりの英知を受け継ぎ、我が国の発展に努めたいと、思いを新たにしたところであります。  そのような思いを持って、通告に従って、以下質問してまいります。  財政についての質問であります。  国の来年度予算に対する各省庁の一般会計概算要求・要望額の総額は、百二兆四千九十九億円と過去最大を更新しました。来年度は、国・地方の基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスを平成三十二年度に黒字化を実現する経済・財政再生計画の取り組みの初年度に当たります。計画実現のために、経済成長による税収増加と歳出抑制の双方を同時に実現することが求められます。  実際、今年度予算編成においては、要求額から五兆円以上削減されました。財務大臣は、「こうした実績の上に基づいて、今年度も引き続き手を緩めず本格的な歳出改革に取り組むということで、経済・財政再生計画の初年度になりますけれども、計画をしっかりと具体化して、我々の経済再生と財政健全化の目標という二〇一八年、二〇二〇年の目標につながる予算としていくような予算編成にしていかなくてはならない」と、来年度予算編成に関してコメントしております。  十一月二十七日閣議決定された平成二十八年度予算編成の基本方針には、経済・財政再生計画の着実な推進が盛り込まれており、また、経済財政諮問会議のもとに設置された経済・財政一体改革推進委員会が、この計画が着実に実行されるよう、歳出改革の進捗管理、点検、評価を行うとされています。今後、財務省による厳しい査定に加えて、国の予算編成過程に経済・財政一体改革推進委員会がかかわってくることになり、歳出への影響が大変気になるところであります。  また、赤字国債発行のための特例公債法の特別措置が今年度で期限切れを迎えます。赤字国債なしで歳出に見合った財源を確保するには、今年度予算を例に見れば、三十兆円以上の財政収支の改善が必要になります。このため、来年度予算を執行するための財源を確保するためには、新たな特例公債法の成立が不可欠であると考えられます。  ここで思い出されるのが民主党政権下での平成二十四年度予算のことであります。総額九十兆三千億円の当初予算が成立したにもかかわらず、特例公債法の成立が十一月十六日まで大幅にずれ込んで、三十八兆三千億円もの財源のめどが立たない状況が続きました。そして、国の地方交付税の支払いなど予算の執行抑制を招き、地方自治体の行財政運営にも大きな影響が生じました。現政権下において可能性は低いかもしれませんけれども、どのような政局が起こるかわかりません。特例公債法の成立が大幅におくれ、来年度予算の執行に支障を来すような場合を想定した備えが、県においても必要と思います。  知事は、本定例会の提案理由において、地方の行財政運営に大きな影響を与える政府の予算編成や制度設計が行われることを予想する旨述べています。県として、これらの国の動きにどのように対応していくかが問われるところであります。  そこで、県として、本県の行財政運営に影響を与える国の予算編成の動向についてどのように考えるのか。  経済・財政再生計画や経済・財政一体改革推進委員会が県の財政運営に与える影響についてどのように考えるのか。  特例公債法の成立が大幅におくれた場合を想定した備えが必要と思うが、どのように考えているか、質問いたします。  続きまして、農政についての質問に入ります。  まず、農業農村整備事業について伺います。  本県は、農地の三分の二が畑地であり、台風、干ばつなどの厳しい自然状況の中、営農を展開しています。そのような過酷な地域で営農を推進していくためには、圃場整備、高生産性実現のための大規模畑かん事業、農道整備、農地・農業用水路整備などの基盤整備等が欠かせません。また、近年、大規模地震や集中豪雨等の自然災害により、農村地域にも甚大な被害が発生し、農地・農村の防災・減災も求められるところであります。  異常気象による災害は日本だけのものではなく、世界的な現象でもあります。FAO─国際連合食糧農業機関─の報告書によれば、気候変動に関連した干ばつ、洪水、暴風雨、その他の災害は、過去三十年間、その頻度、深刻さが増加しているとし、これらの災害は農業に大きな影響をもたらし、飢餓や貧困の削減と持続可能な開発の達成を阻むと論証しています。農業農村の強靱化を図り、食料安全保障や生産性を促進し、防災・減災対策が世界的に求められています。  そのような中、ここ数年の我が国の農業農村整備事業の予算がどうなっているのか、動きを見てみます。  平成二十一年度に五千七百七十二億円あった農業農村整備予算は、民主党政権にかわって大幅に減額され、その後、自民党政権に戻って平成二十四年度の補正で一時戻ったものの、結局補正頼みの復元ということで、その後は低迷している状況であります。  農業農村整備事業は、一般の公共事業とは異なり、農家や土地改良区など地域との話し合いにより、計画的に工事などの調整を行っており、補正も含めて、予算の大幅な増減には対応し切れないのが現実であります。このため、毎年の当初予算で必要な額を安定的に確保しない限り、計画的かつ効果のある事業は進められない事業であります。  私は、本年第二回定例会において、予算に対する国からの内示状況やその対応策について伺いましたが、今回は、実際この予算内示減による地域への影響や、これにどのように県が対応してきたのかを伺います。  国は、平成二十八年度の概算要求で、農業農村整備予算を今年度当初予算額三千五百八十八億円より一千億円の増額となる四千五百八十八億円としています。今年度の時点で、先ほどの平成二十一年度予算に対し二千二百億円ほどいまだ少ない状況から、平成二十一年の水準に二年で戻そうとする意気込みで、農林水産省は、概算要求において一千億円の増加を要望したと伺っております。  県として、この要望をどのように受けとめているか伺います。  TPP関連政策大綱については、農業農村整備事業に対し余り触れていないようであります。これは、ウルグアイ・ラウンド対策の際に、生活改善事業や交流施設の整備事業など、農業の生産性向上や成長戦略に直接関係のない事業も一部入っていたのではないかという指摘があったことも影響しているのではないかと思います。  しかし、ウルグアイ・ラウンド対策費を活用できたことで、水田や畑の圃場整備やかんがい施設の整備が格段に進み、生産性の向上や収益性の高い農業がいち早く進められているのも事実であります。  今回のTPP関連政策大綱における分野別施策展開の中で、農地中間管理事業の重点実施区域等における農地のさらなる大区画化・汎用化、中山間地域等における担い手の収益力向上や、水田の畑地化、畑地・樹園地の高機能化という項目が記載されています。また、農業農村を強靱化するために、持続可能な農業へのさらなる投資を行うことは、先ほどお伝えしたFAOの報告書を見れば、世界的な潮流、要請であると言えます。  そこで、県としては、TPP関連政策大綱で示された事項を踏まえ、今後、農業農村整備をどのように推進していくのか、質問いたします。  次に、鳥獣被害対策についての質問であります。
     近年、中山間地域などにおいて、シカ、イノシシ、サルなどの野生鳥獣による農林水産業被害が深刻化・広域化しています。このような状況を踏まえ、平成二十年二月に、鳥獣による農林水産業等に係る被害防止のための特別措置に関する法律が制定され、野生鳥獣に対するさまざまな被害防止のための総合的な市町村の取り組みを国が支援することになりました。現在、国、県、市町村が連携して、地域の実情に沿ったハード・ソフト両面にわたった総合的な鳥獣被害対策が取り組まれているものと存じます。  しかしながら、鳥獣による農作物の被害は継続しており、県にとって重大な課題となっています。ちなみに、先日行われました南さつま市での、あなたのそばで県議会においても、参加した県民の方から鳥獣被害対策について要望が出され、県内のほかの地域と同様、重要な課題であることが改めて示されたところであります。  そのような中、県では、鳥獣被害対策の取り組みの一つに、集落ぐるみの被害防止活動の指導者を育成する拠点集落を設置する対策を行っています。現在、県内三カ所で取り組まれている対策は、従来の発想を転換して、被害の原因を動物のせいにするのではなく、動物を引き寄せて、ふやして、守れないシステムのまま稼働している田畑と集落に問題があるとして、動物を引き寄せない、ふやさない、守りやすい田畑や集落に変えていくことで被害を防止するというやり方であります。  その三カ所のうちの一つである私の地元、鹿屋市天神地区において、この鳥獣被害対策に取り組んでいる集落のリーダーの方にお話を伺いました。  リーダーの方のお話によれば、まず、一人の例外もなく集落の住民がまとまること、次に、動物を寄せつけないよう、畑や農道周辺にやぶなどの潜み場をなくし見晴らしをよくし、動物の餌となるようなものを田畑に残さない取り組みを集落全体で認識し行うこと、そして地域の実情に合った侵入防止柵を設置すること、侵入防止柵の内側と外側にそれぞれ二メートル幅のスペースをつくることとしています。  結果として、この対策を行ったエリアでは、集落に一番の被害をもたらすイノシシの被害をほぼ完全に防止できたとのことであり、この取り組みを天神地区では集落全域に広げていきたいとしているところであります。イノシシ対策が集落全体で一巡した後は、現在の侵入防止柵の上に簡易設置できる電気柵を施すことで、サル対策につなげていきたいとしています。  集落として、現在の対策に確かな手応えを感じており、毎月行われる鳥獣被害対策アドバイザーによる現地での被害防止活動には、大隅地域の自治体職員など、集落外からも多くの見学者が訪れているとのことであります。  私は、この天神地区の取り組みは費用も余りかからず、有効に鳥獣被害対策が行えるものとして評価できると思います。また、集落全体で行う対策なので、集落活性化にもつながる取り組みと言えます。有効な鳥獣被害対策の取り組みの一つとして県下全域で導入していく価値があると言えます。  そこで、県の集落住民がみずから取り組む鳥獣被害対策の手応えと今後の対策にどのように取り組んでいくのか、質問いたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 32 ◯知事(伊藤祐一郎君)経済・財政再生計画などが県の財政運営に与える影響についてのお尋ねであります。  経済・財政再生計画におきましては、二〇二〇年度における基礎的財政収支の黒字化を実現することとし、地方財政につきましては、歳出改革の重点分野として国の取り組みと基調を合わせ、徹底した見直しを進めるとされているところであります。  また、経済財政諮問会議のもとに設置されました経済・財政一体改革推進委員会におきまして、改革の工程表を作成し、毎年度、進捗管理、点検、評価を行い、結果をその後の改革に反映するとされておりまして、同委員会は、地方財政制度の改革として、歳出効率化に向けた業務改革で他団体のモデルとなるものを地方交付税の基準財政需要額の算定に反映する取り組みにつきまして、来年度から複数年かけて段階的に反映するとした工程表などを示しているところであります。  このようなことから、今後、地方交付税等につきまして厳しい調整が行われることが予想され、本県財政に厳しい影響を及ぼすことが懸念されるところであります。  このため、県といたしましては、国の制度改革にも的確に対応し、持続可能な行財政構造を構築いたしますため、引き続き、歳入・歳出全般にわたる徹底した行財政改革に取り組む必要があると考えております。  また、あわせて、全国知事会などとも連携し、税源の偏在が小さく税収が安定的な税体系の構築や、地方交付税の持つ財源調整機能、財源保障機能の強化、必要な国庫補助金等の確保などにも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 33 ◯総務部長(寺田雅一君)平成二十八年度の国の予算編成についてでございます。  来年度の政府予算につきましては、先月二十七日に閣議決定された平成二十八年度予算編成の基本方針において、経済・財政再生計画の着実な推進等を基本的な考え方としているところでございます。  同計画におきましては、歳出全般にわたりこれまでの取り組みを強化し、聖域なく徹底した見直しを進めるとされ、特に、当初三年間を集中改革期間と位置づけ、集中的に取り組むこととしており、平成二十八年度はその初年度に当たりますことから、地方交付税や公共事業関係費など地方に影響のある予算について、厳しい調整が行われることが懸念されるところでございます。  また、先月二十六日に取りまとめられました一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策において、法人税改革について、税率を早期に二〇%台に引き下げる道筋をつけることとされており、国・地方を通じた法人関係税収のうち約六割が地方団体の財源となっていることを考慮いたしますと、地方財政への影響が懸念されるところでございます。  このようなことから、県といたしましては、地方税財源の充実・確保、社会資本整備の推進及び財源の確保などにつきまして、県開発促進協議会等を通じまして、国に対して強く要望しているところでございます。  特例公債法の延長についてでございます。  平成二十四年度は、御指摘のありました、いわゆる特例公債法の成立のおくれによる国の予算執行抑制方針に基づきまして、普通交付税について月割交付などの措置がとられたため、本県においても資金不足となるおそれがあったことから、県債の一部を前倒しで借り入れることにより対応したところであり、極めて異例なケースであったと考えております。  本県の資金管理につきましては、突発的な資金不足にも対応できるよう適切な運用に努めてまいりたいと考えております。 34 ◯農政部長(福田博史君)農政についてのお尋ねのうち、まず、農業農村整備事業の内示減の影響と対応についてでございます。  平成二十七年度の農業農村整備事業につきましては、当初予算二百十九億円に対して、国からの内示が現時点で七四%となっており、本年度整備を予定していた継続地区や新規要望地区において、来年度以降に工事を先送りせざるを得ない地区も出てきております。  このため、県としましては、関係機関や地元と協議しながら、各地区の必要性・緊急性に配慮し、営農に支障が生じないよう工事内容の見直しなどを行うとともに、一層のコスト縮減に取り組み、事業量の確保に努めてきたところであります。  また、これまで、県開発促進協議会などあらゆる機会を通じ、国に対し、農業農村整備事業に必要な予算を確保するよう強く要請してきたところであります。  農業農村整備事業の国の概算要求についてでございます。  県におきましては、農業を支える基盤づくりとして、農地集積を促進するための基盤整備、施設の長寿命化を図るストックマネジメント、農村地域の防災・減災対策など、農業農村整備事業を積極的に推進しているところであります。  このような中、農林水産省は、平成二十八年度予算概算要求において農業農村整備関係予算を大幅に増額しております。県としましては、国が平成二十八年度予算を確実に確保することにより、特に、事業の進捗がおくれている地区や採択が先送りされている新規地区において、事業の計画的な推進が図られるものと考えております。  TPP関連政策大綱を踏まえた農業農村整備についてでございます。  県におきましては、かごしま食と農の県民条例に基づく基本方針に基づき、効率的かつ安定的な農業経営の育成や農業生産性の向上を図るため、担い手への農地の集積・集約化とあわせて、高性能大型機械の導入が可能となるような農地の大区画化・汎用化、収益性の高い安定した畑作経営の展開のための圃場整備、畑地かんがい施設の整備等を推進することとしております。また、農業生産力の維持向上に向けて、農道・農業水利施設等の点検と、それを踏まえた効果的な長寿命化対策や円滑な更新を促進することとしております。  今後とも、これらの取り組みを進めるとともに、国の総合的なTPP関連政策大綱に基づく具体的な対策も踏まえ、農業農村整備事業の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。  集落ぐるみの鳥獣被害対策についてでございます。  県におきましては、鳥獣被害対策実施隊員など指導者の育成を図るため、今年度から、鹿屋市、伊佐市、さつま町の三カ所に集落ぐるみの鳥獣被害対策に取り組む拠点集落を設置し、専門家を招いて定期的に研修を行っております。  研修においては、有害鳥獣の特性を踏まえた対策として、やぶ払いによる鳥獣の潜み場の解消、放任果樹や収穫残渣の除去による餌場の解消など、鳥獣を集落に寄せつけない取り組みの習得を図っております。参加者からは、「みずから行う取り組みの必要性を改めて痛感した」、「集落が鳥獣の餌場にならないようみんなで取り組む必要がある」などの意見が出され、集落ぐるみで行う取り組みの意識が醸成されつつあると考えております。  今後は、研修に参加した指導者等を通じて、集落ぐるみの対策を県内に周知し、鳥獣被害の防止・軽減に努めてまいりたいと考えております。    [大久保博文君登壇] 35 ◯大久保博文君 答弁に関して申し上げます。  財政に関してです。  政府の方針では、地方の一般財源の総額を平成三十年度まで、平成二十七年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとして、地方財政の厳しい現実状況を考慮して、来年度から三年間は地方財政において一般財源は大きく削減されない見通しということであります。また、総務省も、来年度予算編成では一般財源総額確保を重要な課題として位置づけているところであります。  しかしながら、平成三十二年度プライマリーバランス黒字化の目標はそのままであり、中期的に見れば地方財政運営の厳しい状況は変わりません。県においては、現状に甘んじることなく、引き続き堅実な財政運営が望まれるところであります。先ほど知事の答弁にも、徹底した行財政改革に取り組むという姿勢が示されたところでございます。  県の来年度予算編成において、地方創生、防災対策、TPP対策など重要課題に取り組みつつ、安定的に財政運営が行えるよう、一般財源が確保されることを期待いたします。  農政に関してです。  農業農村整備事業についてですが、高齢化、過疎化、TPP大筋合意など厳しい現実に直面する本県の農業にとって、生産性向上につながる農業農村整備事業は、政府の目指す強い農業、攻めの農業の実現に欠かせない事業であると考えます。実際、土地改良事業で企業誘致、産業振興、新規就業者の増加、農作業の機械化の推進などを図り、農業の高付加価値化、地域活性化、農地の強靱化を実現した先進事例も県内外にうかがえるところであります。  今後も、農家の期待と信頼に応え、農業の成長産業化、地方創生につながる農業農村整備事業が十分行えるような予算が確保されることを期待いたします。  鳥獣被害対策についてであります。  鳥獣被害対策の専門家によれば、鳥獣被害は、起きて当たり前のことが起きているから、原因に注目して、動物の潜み場をなくし、餌づけをやめることで対策はできるとしています。抜本的対策は手順が大事であり、何にも考えずいきなり柵設置や追い払い、駆除を行っても被害はとまらないとしています。  農家が安心して営農に取り組める環境をつくり、地域活性化につながる鳥獣被害対策が県下全体で行われることを期待申し上げます。  では、次の水産業についての質問に入ります。  カンパチの人工種苗の取り組みについて伺います。  現在、養殖カンパチの種苗は主に天然種苗が利用されておりますが、平成二十三年から、県がカンパチの人工種苗生産に取り組んでいます。人工種苗導入の狙いにつきましては、寄生虫のアニサキス対策、計画的な養殖生産、海上作業の効率化、生産コストの削減、品質の統一化などが挙げられます。  養殖業においては、天然種苗から人工種苗への転換は世界的な傾向であり、本県養殖業の発展にカンパチの人工種苗は必要不可欠なものと考えられます。この思いは、養殖業者、県、そして人工種苗を生産する豊かな海づくり協会においても同じと言えます。  人工種苗導入からことしで五年目を迎えました。カンパチの天然種苗は、養殖技術が確立しており、計算できる安定した生産が可能であります。一方、人工種苗は、養殖技術が確立しておらず、どのような餌を与え、どのように育てればいいか、養殖業者が手探りでこれまで養殖に取り組んでまいりました。結果として、当初予見できなかったさまざまな課題に直面し、多くの損害が養殖業者に発生したところであります。  また、これまで、カンパチの人工種苗の課題については、体形のばらつき、中間育成の種苗減耗、歩どまり、イリドなど病気の発生、成長のおくれなどが認識されております。  カンパチの人工種苗の取り組みを軌道に乗せることは、本県水産業の未来を大きく開く取り組みであると思います。いま一度、養殖業者、県、豊かな海づくり協会が心を一つにして、商業ベースに乗る形で人工種苗によるカンパチの成魚を生産することを、セクショナリズムに陥ることなく取り組むことが望まれます。  そこで、これまでのカンパチの人工種苗の取り組みの経緯と課題について伺います。  また、餌のあり方など養殖技術の確立、中間育成のための体制整備の支援、安定した品質の人工種苗の生産など、今後の取り組みについて質問いたします。  続いて、CLTの質問に入ります。  CLT─直交集成板─とは、ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した重厚なパネルであり、既に欧米を中心に中高層建築物などに利用されています。我が国においても、中高層建築物などへのCLTの活用による新たな木材需要の創出が期待されています。  林野庁と国土交通省は、CLTの本格的な普及を促進するために、CLTの普及に向けたロードマップを作成し、平成二十八年度まで、基準強度・設計法などの建築基準の整備、実証的な建築事例の積み重ね、CLTの生産体制の構築といった施策を計画的に進めています。  現在、CLTを用いて三階建てアパート、ホテルといった建物がつくられております。また、高層ビルの床材として使用することで、建物の軽量化にも貢献が期待されております。このように、CLTを用いるメリットは、設計・施工の省力化、建物の省エネ化が挙げられます。  森林資源を持つ自治体によっては、CLTの技術による都市部の事務所や商業施設などの中高層・大規模建築物の整備を図ることで、森林資源を生かした地方創生実現を目指す動きもあります。  そこで、CLT普及の意義についてどのように考えるか伺います。  また、CLT活用に向けた県の取り組みについて、あわせて質問いたします。  教育についての質問であります。  まず、言語技術の向上について伺います。  現代は、核家族化、人間関係の希薄化、地域コミュニティー力の低下などにより、多様な価値観が存在する状況であります。また、日本人、外国人問わず、自分とは異なる文化や歴史に立脚する人々とともに、それぞれ異なる意見や考え、アイデアなどを交換し、正解のない課題、経験したことのない課題を解決していかなければならない状況が日常化する時代です。このような中、我々は、自己を見詰めつつ、多様な他者・文化の中で生きていくために、他者意識と言語に論理性を持つことが求められています。  子供たちの現状はどうでしょうか。子供たちは、気の合う限られた集団の中でのみコミュニケーションをとる傾向が見られ、また、コミュニケーションをとっているつもりが、実際は自分の思いを一方的に伝えているにすぎない場合が多いなどの指摘があります。また、児童生徒が不登校となったきっかけと考えられる状況として、友人関係をめぐる問題が約二〇%を占め、また、約八割の大学等において、家族、友人などの対人関係に関する学生相談が増加しているとの調査があります。インターネットを通じたコミュニケーションが子供たちに普及している一方、外での遊びや自然体験などの機会の減少により、身体性や身体感覚が乏しくなっていることが、他者との関係づくりに負の影響を及ぼしているとの指摘もあります。  現在の学習指導要領は、子供たちの現状を踏まえ、生きる力を育むという理念のもと、知識や技能の習得とともに思考力・判断力・表現力などの育成を重視しています。ゆとりか詰め込みかではなく、基礎的・基本的な知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成との両方が必要であるとしています。  子供たちの現状を打破し、生きる力を育むために、言語技術を向上させることが重要になると私は考えます。  文部科学省も、言語活動は、知的活動、コミュニケーション、感性、情緒の基盤となると位置づけています。そして、学校のあらゆる科目において言語活動を意識した活動が行われています。また、研究開発学校に、論理科など言語技術を意識した取り組みも行われています。そして、楠隼中学校においては、ことば探求という学校設定教科を設けて、言語技術向上に取り組んでいるところであります。  人間は、言葉で世界を整理し、その秩序の中で文明・文化を築き上げていく存在であります。言語には文化的・歴史的背景が大きく影響するのは当然と言えます。私は、言語技術を向上させ、論理力を磨くことは、相手のことを深く知り、自分のことをわかってもらおうとする行動につながり、いじめ、学級崩壊、青少年犯罪対策にも有効と考えます。  そこで、言語技術の向上のために、楠隼中学校のことば探求のような取り組みをもっと広げる必要があると考えますが、県教育委員会の見解を伺います。  国際交流センターについて質問いたします。  県は、鹿児島における国際交流のさらなる発展のため、鹿児島市と共同で国際交流センターを建設することになりました。この国際交流センターは、留学生、研究者等を受け入れるための宿泊機能及び県民・市民が在住外国人と触れ合える国際交流機能を持ち合わせています。  私は、国際交流を通じて外国人と向き合うことは、自分の見聞を広げるだけでなく、日本というもの、自分というものを見直す有意義な機会になると思います。一方で、国際交流において、グローバル化、ボーダレス化を時代の流れ、進歩であると無批判に受け入れ、国家という枠組みを否定して、我が国の歴史、伝統、文化、慣習を軽視することは、我が国の持ち味、特性を損なうものであり、慎むべきであると考えます。  そこで、県としては、国際交流センターにどのような役割を期待するのか伺います。  最後に、治安情勢及び高等学校における政治的活動の指導についての質問です。  公職選挙法の改正がなされ、公職の選挙の選挙権を有する者の年齢について、満十八歳以上に改めるという改正が行われました。今後、選挙を通じた政治参加がより身近なものとなった高校生に、主権者としての自覚を促し、政治や選挙に関する知識と判断力の習熟を進める教育が行われることになります。一方、高校生に対する政治への参加意識を高めるための指導の充実に加え、高校生の政治的活動についての指導のあり方が重要になります。  十月二十九日文部科学省は、高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等についてという通知を出しました。この中で、放課後や休日等に学校の構外で生徒が行う選挙運動や政治的活動については、違法なもの、暴力的なもの、違法もしくは暴力的な政治的活動等になるおそれが高いものと認められる場合には、高等学校等は、これを制限または禁止することが必要であることが述べられています。  今回の通知によって廃止された、昭和四十四年十月三十一日付文部省通知、高等学校における政治的教養と政治的活動についてが出された昭和四十四年を見てみますと、大学紛争を契機に一部の高校生が暴力的な政治活動に走る現象が生じ、このような事例が全国的に多発したと言われている年であります。  現在は、昭和四十四年と状況は異なってはいます。しかし、フランスで発生したパリ同時多発テロ事件など、我々の記憶に新しいテロ事件が発生しています。先月行われたG20─金融・世界経済に関する首脳会合─アンタルヤ・サミットにおいても、テロとの闘いに関するG20声明が発出され、国際的にもテロへの警戒感が高まっています。  公安調査庁の国際テロリズム要覧によれば、現在、世界各地で国際テロ組織が活発に活動しており、世界各地のテロ情勢が我が国に影響を及ぼし得ることに十分な警戒が必要であるとしています。我が国においても、報道機関の世論調査を見れば、テロへの不安を持つ人がふえていると報じられています。また、公安調査庁の回顧と展望には、過激派の民間団体への攻撃をいとわない危険な組織体質を改めて露呈との状況が記されています。  警察白書によれば、極左暴力集団は、平成二十六年中、組織の維持・拡大をもくろみ、暴力性・党派性を隠して反原発デモ等の大衆運動や労働運動に取り組んでいるとあります。さらに、警察庁の治安の回顧と展望には、極左暴力集団により、テロ、ゲリラを引き起こされることを懸念する記述も見受けられるところであります。  人生経験の少ない高校生が、違法もしくは暴力的な政治活動に巻き込まれないように、高校で政治的活動の指導を行う必要があると考えます。  そこで、過激派等による最近の事件について、本県、全国において発生した主なものを伺います。  また、高校における高校生の政治活動の指導のあり方について、高校生の政治活動が違法もしくは暴力的にならないよう、また、高校生がそのような運動に巻き込まれないよう、どのように指導するのか質問いたします。 36 ◯商工労働水産部長(武盛武士君)カンパチの人工種苗についてでありますが、平成十七年に発生したアニサキス問題を契機に、県漁連等の要望に基づきまして、技術開発や施設整備を行い、平成二十三年度から供給を開始しました。本年度までに合計約百五十万尾の種苗を供給したところです。  この人工種苗には、沖出し後のへい死や病気の発症により生残率が低いこと、天然種苗と比較して成長面で劣っていることなどの種苗由来の課題があります。また、配合飼料の給餌方法や疾病対策等の育成管理技術も課題として残されています。  そのため、県におきましては、種苗生産段階では、品種改良により優良種苗をつくり出しますとともに、コスト削減等の技術開発を行っています。養殖段階では、疾病対策など、養殖管理手法等について引き続き技術的支援を行っております。また、新たな取り組みとしまして、種苗を大型化することによって生残率の大幅な向上が期待できる中間育成につきまして、県漁連や関係漁協等と体制整備を含めて検討を行っています。  天然資源を利用する漁船漁業の国内生産量は減少傾向にありますことから、全国第二位の生産額を誇る本県の海面養殖業は、今後ますます重要性を増していきます。特にトレーサビリティー、すなわち生産履歴を明確にするという観点から、人工種苗を用いた養殖の確立は不可欠でありますことから、まず、カンパチにおきまして、養殖業者や種苗生産をしているかごしま豊かな海づくり協会、県漁連等、関係機関と一体となった取り組みを一層推進してまいります。 37 ◯環境林務部長(川野敏彦君)CLT─直交集成板─の活用に向けた取り組み等についてでございます。  CLTは、耐火性や強度、施工性等にすぐれた建築資材であり、従来、鉄筋コンクリートづくりが主流となっている中高層建築物の木造化や、鉄骨づくりの建築物の床・壁材等としての利用が見込まれております。御指摘にもありました、国が示したCLTの普及に向けたロードマップでは、今後、毎年五万立方メートル程度の生産体制を順次整備するとしており、CLTの本格的な普及により、木材の新たな需要が喚起され、林業・木材産業の振興につながるものと期待しております。  県では、これまで、肝付町に立地するCLT加工施設の整備や性能試験等に対して支援を行ってきているほか、市町村や設計事務所等を対象とした研修会や講習会を開催し、CLTの特性や活用事例等に関し情報提供を行うなど、普及啓発にも取り組んでいるところです。  今後とも、国のロードマップの進捗状況を注視しながら、関係機関・団体と連携して、CLTの活用促進が図られるよう努めてまいります。 38 ◯教育長(古川仲二君)教育に関するお尋ねのうち、まず、言語技術の向上についてでございます。  楠隼中学校のことば探求は、言葉を筋道立てて書き、話すことのできる能力の育成を目指して設定された楠隼独自の教科でございまして、新聞記事やICTなどを活用しながら、スピーチ、ディベート、ディスカッション等を中学校三年間を通して行い、実践的な表現力・思考力等を身につけさせることを目的といたしております。  このような言語活動の充実につきましては、現行の学習指導要領において、全ての校種で求められている内容であり、既に県内の各学校におきましては、児童生徒みずからが学級やグループで課題を設定して話し合い、まとめ、表現するなどの実践を通して取り組まれているところでございます。
     県教委といたしましては、楠隼の取り組みや今後の成果を参考にしながら、県内全ての学校において、さらに言語活動が充実するよう努めてまいります。  次に、高校生の政治活動の指導についてでございます。  高校生の政治活動に関して、文部科学省通知では、放課後や休日等に校外で行われるものについては、家庭の理解のもと生徒が判断して行うもので尊重されるべきであるが、違法、暴力的なものと認められる場合には制限または禁止するなど、適切な指導をすることといたしております。  県教委といたしましては、学校が、地域の実情を踏まえ、指導の方針を生徒や保護者に十分説明し、理解を得ること、また、地域の関係機関・団体等と連携・協力して指導することが重要であると考えております。このため、ことし八月に、県教委と選挙管理委員会、学校やPTA関係者等から成る高校生の政治参加に関する教育の推進に向けた連絡会議を設置し、高校生の政治活動のあり方について協議しているところでございます。  また、これまでも、学校と警察が連携して問題行動の未然防止に取り組んできており、高校生の政治活動に関する指導につきましても、学校が地域や関係機関等とさらに連携・協力して適切に行うよう指導してまいります。 39 ◯観光交流局長(長野信弘君)国際交流センターについてであります。  国際交流センターにつきましては、鹿児島市と連携を図りながら、外国人留学生の宿泊機能や、県民と在住外国人との交流機能を有する施設として整備することとし、現在、県や鹿児島市などで構成する建設協議会において、基本構想の策定に向けて協議を行っております。  在住外国人との交流は、県民の国際感覚を養い、グローバルな人材を育成し、海外の人的ネットワークを拡大することにもつながるものと期待しております。一方、お話にもありましたが、在住外国人との交流を通じて、外国の歴史・文化に対する理解を深めることは、県民が、日本という国、鹿児島の歴史・文化、さらには自分自身を見直す契機にもなるものと考えております。 40 ◯警察本部長(種部滋康君)過激派の起こした最近の主な事件についてでございます。  極左暴力集団、いわゆる過激派は、暴力革命による共産主義社会の実現を目指しているとされており、過去、多数の悪質な事件を引き起こしているところであります。最近の主な事件としましては、本県での発生は見られておりませんが、平成二十六年十月埼玉県において、革労協反主流派が普天間飛行場名護市移設工事の関連会社に向けて飛翔弾を発射した事件、平成二十五年十一月東京都において、同じく革労協反主流派が米軍横田基地に向けて飛翔弾を発射した事件があります。また、平成二十四年六月、福井県大飯原発再稼働の抗議活動において、警備員に発火した発煙筒を押し当てた傷害事件が発生し、同年九月、中核派関西反中央派活動家が逮捕されております。  警察では、県民の理解と協力を得ながら、過激派による違法行為の取り締まりを徹底していくこととしております。    [大久保博文君登壇] 41 ◯大久保博文君 答弁いただいた内容に関しまして申し上げます。  カンパチの人工種苗の取り組みについて、私はこれまでも何回か質問してまいりました。人工種苗による養殖技術が確立されていない中、さまざまな障害に直面しながら、カンパチ養殖の未来を開くべく懸命に頑張る養殖業者とともに、人工種苗の取り組みを成功させたいからであります。  これまで見てきたように、カンパチ人工種苗の取り組みにはさまざまな課題があります。中でも、歩どまり向上のための人工種苗の中間育成が重要となりますが、この中間育成の体制整備の支援においては、生けすの配置・配分について特段の配慮がなされることを大いに期待いたします。  CLTに関してです。  全国の都市部では、十五階建てまでの中高層の建築物は年間約四十九万棟建設されているそうであります。また、建築後三十五年以上経過した旧耐震基準で建てられた建物も多く、建てかえ需要も見込めます。さらには、東京オリンピック・パラリンピック関連施設へのCLT利用を国に要望する自治体の動きもあります。このように、CLT需要拡大が期待できる環境にあります。  CLT普及により、新たな国産木材の需要が拡大し、林業の六次化が図られ、本県の木材業振興につながることを期待いたします。  教育についてであります。  言語技術の向上は、国語だけでなくあらゆる分野において子供の力を伸ばすことにつながります。ちなみに、日本サッカー協会は、論理的思考を身につけることがサッカーのスキルアップにつながるとして、選手の言語技術向上に取り組んでいます。  子供たちの生きる力が育まれる言語技術向上の取り組みが一層行われることを期待いたします。  国際交流センターについてであります。  国際交流センターが、県民の国際感覚や故郷を愛する心の醸成につながるような交流の場となることを期待いたします。  治安情勢及び高等学校における政治的活動の指導についてでありますが、昨今の厳しいテロ情勢を踏まえ、平成二十七年二月、警察庁は、警察庁国際テロ対策推進本部を設置し、テロの未然防止及びテロへの対処体制の強化のための諸対策を検討し、推進を図ることとしています。  また、政府においても昨日、邦人関連事案に関する国際テロ情報の収集等を抜本的に強化するため、国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部に国際テロ情報収集・集約幹事会、内閣官房に国際テロ情報集約室、外務省総合外交政策局に国際テロ情報収集ユニットを前倒しで新設いたしました。  効果的なテロ対策が行われることを期待いたします。  文部科学省の通知には、教育長の答弁にもあるように、学校が、地域や保護者等とも、高校生の政治活動の指導に関して連携することが求められている。そして、そのような形で県教委も連携していくという答弁がございました。  日本は法治国家であり、テロやゲリラなど違法、暴力的な活動は断固排除されるべきであり、前途有望な若者がこのような違法な活動に巻き込まれることを防ぐのは、我々大人の役割だと考えます。  学校において適切な対応が行われることを期待いたします。  さて、現在の日本の置かれた状況を見れば、TPPの例にあるように、新自由主義、グローバル化、ボーダレス化の脅威にさらされている厳しい状況であると言えます。日本への脅威を正確に見きわめることができる論理性、洞察力を身につけ、我が国の歴史・文化が積み上げてきたすばらしい伝統を生かしながら、国を発展させる取り組みが求められるところであります。国の歴史、伝統、文化から解放された、切り離された一個人の理性や知性などを信頼して、グローバルな合理的に進歩した世界をつくるという考え方には同調できません。  戦後七十年という節目の年も間もなく終わろうとしています。これからも日本人であることのこだわりを持ちながら、県政で務めていくことをお誓い申し上げ、私の全ての質問を終わります。(拍手) 42 ◯議長(池畑憲一君)次は、寺田洋一君に発言を許可いたします。    [寺田洋一君登壇](拍手) 43 ◯寺田洋一君 四日から始まりました一般質問も本日で四日目、最終、最後の登壇者となりました。  議場の皆様にも疲労こんぱいの顔つきが見られますけれども、どうぞ残り一時間、最後の登壇者、私の質問に耳を傾けていただければ幸いでございます。  通告いたしました県民所得に関します質疑に関しましては、データが古うございましたので割愛させていただきます。  質問に入ります。  平成二十七年第四回県議会定例会に当たり、私は、自由民主党県議団の一員として一般質問を行います。  まず、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。  知事は、先日の当県議団井上章三副会長の代表質問に対する答弁で、二〇一六年七月施行予定の次期鹿児島県知事選に四選を目指すとの考えを披瀝されました。そしてその出馬表明の中で、「今後四、五年で社会制度は一気に変化する」、「どういう形で鹿児島の将来像をつくるかが大きなテーマ」、「最終的には県民の幸せにつながる改革に」と思いを語られました。そしてまた、多選批判については、有権者の判断するところと述べておられます。  地方自治において、我が国は二元代表制をしいており、その一雄であります為政者は、予算の編成権、執行権を持つ強大な権力者でもあります。知事ともどもに、我ら議会人も有権者の判断に身を委ねております。それぞれの任は違えども、有権者の意思の積み重ねの上にあることは紛れもない事実であります。  そこで、以下質問いたします。  第一点、次期県知事選出馬表明されたこの時期、あるべき鹿児島のために、知事は、主体である県民、県政運営の車の両輪であります議会、そして県政執行上の最良のパートナーである職員との距離感について、どのように意を用いてこられ、これからどのように対応されていかれるつもりか、御所見を伺います。  第二点、財政運営と行政サービスとの関係についてお伺いいたします。  二〇〇七年六月、地方財政破綻の未然防止を目的とする、地方公共団体の財政の健全化に関する法律が制定されました。その後、各自治体の取り組みによって赤字団体数が減少するなど、地方財政改善化の兆しを見せております。しかし、財政健全化への取り組みは、過去のツケの返済であり、入りを図り出るを絞れば、おのずと県政は健全化へ向かうでありましょうが、価値観の多様化や少子高齢化、人口の減少等、時代の変革を的確に捉え、施策を打つことが望まれている今日、さらなる行政サービスの効率化を図っていくなど、各自治体の創意と工夫が試されようとしております。  そこでお尋ねいたします。  県政の健全運営と行政サービスの充実は、前段で述べたように相反する要素を持つと思いますが、両者を追わなければならないのも実態であります。知事は、この件について、どのような点に意を用いつつ県政執行されていかれるつもりか、見解をお示しいただきたい。  第三点、二〇一〇年、鹿児島大学林亮輔准教授は、企業の経営診断方法の一つである包絡分析法を用いて、全国七百八十六市の行政効率を調査されておられます。その平均値を都道府県ごとに示されたものが、「地方財務」という地方行政・議会関係者向けの月刊誌の中で紹介されています。その中で、行政の効率性の視点から大きな地方間格差が生じているとし、本県は、下位十団体中六番目に位置していると掲載されています。  そこでお伺いいたします。  この林准教授の用いられた分析法について、また、下位六番目との評価についての見解をお示しいただきたい。  次期新地方公会計システムについてお伺いいたします。  平成二十七年一月二十三日付総財務第二十四号総務大臣通知、統一的基準による地方公会計の整備促進についてが発表されました。通知内容は、マニュアルを参考にして統一的な基準による財務書類等を、原則として平成二十七年度から二十九年度までの三年間で全ての地方公共団体において作成するとしております。また、財務書類の作成をするために、固定資産台帳の整備など、前段にて進めなければならない諸作業があるようであります。  本県は、これまで、幾つもあるモデルの中で総務省改訂モデルを採用され、財務諸表の作成をなされておられますが、今回、総務省統一モデルをもって財務諸表を作成されていかれるでしょうが、総務省改訂モデルでは、財務諸表の作成に当たり、決算データを活用する簡易な方法と言われ、複式簿記を前提としていなかったが、今回の統一基準では、全面的に複式簿記による方法で記録することとなるようであります。作成手順を期末一括仕訳にて対応される検討もされているやに伺っておりますが、今後の課題でしょうが、平成二十六年五月総務大臣通知においては、日々仕訳方式の実証モデル事業についても触れられているようであります。そして、遅くとも平成二十八年度決算の固定資産台帳を確定すべきとされております。  そこで、以下お伺いいたします。  第一点、本県が平成二十一年度時、総務省改訂モデルを採用した理由についてお示しいただきたい。  第二点、本県並びに県内各市町村の統一モデル導入に向けての現況についてお示しいただきたい。  第三点、固定資産台帳の公表までのスケジュールについてお示しいただきたい。  第四点、今回の統一モデルをもとに財務書類の整備を進めることとなりましょうが、これからの県政運営にいかに活用されようとしていかれるつもりか。また、この事業の背景とその意義を職員一同が理解し、実務者として運用していくための研修等についてもお聞かせいただきたい。  次に、県内景況とそれに与える各要素について見解をお伺いいたします。  本年七月内閣府は、平成二十七年度の経済動向について発表されました。それによりますと、安倍政権の打ち出した三本の矢、つまり、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略をもって、デフレ脱却と経済再生に向けた大きな前進が見られるとし、景気回復が雇用の増加や賃金の上昇につながり、それが消費や投資の増加につながるという経済の好循環が着実に回り始め、景気は緩やかな回復基調にあると発表しておられます。そして今後、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を具体化していくとしております。  平成二十七年度GDP成長率は実質で一・五%程度、名目で二・九%と見られるとし、また、日銀の量的・質的金融緩和の効果で、消費者物価も対前年度比〇・六%程度の上昇が見込めるとしています。  また、先日財務省は、十月末までの今年度税収は前年度一一%増の二十兆三千億円弱、今年度見通しは五十六兆円台になり、史上三番目の高水準になると発表しております。この税収増は、法人減税、消費税の軽減税率の財源に充てるべきとの意見もあり、今後発表される平成二十八年度与党税制改正大綱にも大きく影響が出るやに伺っております。  そこで、以下数点お伺いいたします。  第一点、国は、大変好調な景況感を持っておられるようですが、本県の景況感について見解をお示しいただきたい。  第二点、安倍総理は、財界団体の中で賃金の上昇を求め、好景気の波を賃金に反映するよう求めていますが、地方公務員の場合はどうなのか。本県職員と市町村職員の給与について、これまでの推移を含め、現況をお示しいただきたい。  第三点、本県における県職員数は、企業に例えれば大企業の一つと言えましょう。県職員は、知事部局、教育、警察など、平成二十六年四月一日現在で二万五千百七十二名、県下市町村職員数は一万九千二百五十人となっており、公務員給与の県内景況に与える影響は大きいと考えます。すなわち、民間企業従事者の所得向上を図る上では、公務員給与を引き上げることも一つの考えと思いますが、見解をお示しいただきたい。  第四点、国の動向、県内の影響を総体的に勘案したときに、平成二十七年度の当初予算に対する現時点での予算達成状況及び最終の県税収入見込みについてお示しいただきたい。  次に、企業版ふるさと納税についてお伺いいたします。  日本全国の地方自治体の特産物を返礼品として、ふるさと納税をしていただいた方にお届けするなど、ちょっとしたブームになったこの制度、自治体にとっては税収の増加につながり、また、地域の魅力を発信し、来訪者の増加等につながると、あの手この手で情報発信をされておられるようであります。  また、先日国においては、企業版ふるさと納税を創設し、地方創生推進の観点から、各自治体が行う効果の高い地方創生事業に対する企業の寄附に係る税制上の優遇措置を講ずる方向で検討され、年内にまとめる税制大綱に盛り込む考えのようであります。現段階での策定方針の中に、各自治体が作成する人口減少対策の五カ年計画「地方版総合戦略」に基づき、地域活性化の具体的な事業計画を作成、このうち、効果が高いと国が認定した事業に企業が寄附をした場合、減税を受けられるシステムになりそうであります。  そこでお伺いいたします。  前段でも述べましたように、各自治体が知恵を出し、具体事業を発表し、国がそれを認定するシステムになりそうですが、企業は、税の控除を受けるメリットだけでなく、中身の質に注目をすると思います。県と市町村が連携され、オール鹿児島の取り組みを進めるべきと思いますが、県のお考えをお示しいただきたい。  これで、第一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 44 ◯知事(伊藤祐一郎君)知事の政治姿勢に関連いたしまして、県民、議会、職員との距離感についてのお尋ねがございました。  私は、知事に就任して以来、県政の主人公はあくまで県民の皆様であるという立場を明確にし、県民本位の県政の実現に懸命に取り組んできているところであります。県民の県政へのより積極的かつ主体的な参画は極めて重要なことと考えておりまして、対話や協働を通して、なるべく多くの県民の方々の県政への参画を促しますため、積極的な情報公開や提供などに努めますとともに、知事と語ろ会の開催や審議会等の委員公募制の導入など、さまざまな取り組みを進めてきたところであります。  県民の代表である県議会につきましては、執行部とはいわば車の両輪であり、お互いが知恵を出し合いながら活発な議論を重ね、県議会と執行部が一体となって、県政の重要な課題に適切に対応し、県勢の発展、県民福祉の増進を図ってきているものと考えているところであります。  また、県政を執行していくに当たりましては、その担い手である職員一人一人が、自分の能力を高め、それぞれの持ち場で最大の能力を発揮し、その力を結集することが重要であり、職員と心を合わせ、一体となって県政の運営に取り組んできているところでもあります。  今後とも、県民並びに県議会の皆様の御理解、御協力をいただきながら、職員とともに、全ての県民が郷土に夢と誇りを持ち、生涯を安心して過ごせるような「力みなぎる・かごしま」づくりのために、引き続き全力を傾注してまいりたいと考えております。 45 ◯総務部長(寺田雅一君)県財政運営と行政サービスとの関係についてでございます。  本県におきましては、国・地方を通じた厳しい財政環境や本県の自主財源に乏しい脆弱な財政構造のもとで、持続可能な行財政構造を構築するため、県政刷新大綱や行財政運営戦略に基づき、歳入・歳出両面にわたる行財政改革に取り組んできたところでございます。この結果、平成十六年度に四百五十一億円あった財源不足は、県勢の発展や県民福祉の向上に資する事業については、その財源を十分に確保した上で、平成二十三年度以降五年連続で解消しているところでございます。  行財政運営戦略におきましては、歳出については、効率性等の観点からめり張りをつけた見直しを行うこと、職員は、より効率的な業務の執行と経費の節減に努めることとしておりまして、今後、引き続き行財政改革に取り組む中にあっても、県民の皆様方に対する行政サービスの水準が維持されるよう、さまざまな観点から最大限の配慮をしてまいりたいと考えております。  行政の効率化についてでございます。  御指摘のありました調査につきましては、企業の経営診断手法を参考に、全国七百八十六の市を対象に調査を実施し、その結果を比較分析することによって行政運営の効率性を数値化しようとした取り組みであると承知しておりますが、分析に用いられた数値など具体的な内容が示されていないこともありまして、これを評価することは難しいと考えております。  いずれにいたしましても、行政運営の効率化はそれぞれの団体が地域の実情に応じて進めるべきものであり、本県といたしましては、本県の行財政運営戦略等に基づき、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  統一的な基準による地方公会計の取り組みについてでございます。  本県におきましては、既存の決算統計情報の活用が可能であることや、新たなシステム整備が不要であることなどから、総務省方式改訂モデルを採用したところでございます。  統一的な基準による財務書類等の導入に向けた現在の取り組み状況につきましては、本県におきましては、平成二十九年度までの整備を目指し、庁内プロジェクトチームにおいて具体的な検討を進めているところでございます。また、県内の市町村におきましては、全ての団体で平成二十九年度までの整備を目指し、取り組みが進められているところでございます。  固定資産台帳につきましては、今年度におきましては、国が示したマニュアルに沿って、記載単位や資産の評価方法などの実務的な検討を行っているところでございます。その上で、平成二十八年度から作成を開始し、平成二十九年度の統一的な基準による財務書類の導入に間に合うよう整備したいと考えているところでございます。  統一的な基準による財務書類等につきましては、効率的な財政運営につなげられるよう、地方公共団体財政健全化法に基づく各種指標や決算統計情報もあわせて、他団体との比較分析や公共施設の老朽化対策等への活用を図ってまいりたいと考えております。あわせまして、適切な財務書類等を作成し、活用していくために、関係機関における研修への参加などを通じまして、複式簿記等の知識・経験を有する職員の育成にも努めてまいりたいと考えております。  県職員と県内市町村職員の給与の状況についてでございます。  本県職員の給与改定につきましては、地方公務員法等に基づき、人事委員会勧告を踏まえて実施してきたところでございます。平成二十年度以降で申しますと、職員給与は減額が続いていたところでありますが、平成二十六年度におきましては、地方公務員給与制度の見直し分を除き、七年ぶりの引き上げ改定を行ったところであり、市町村職員の給与につきましても、ほぼ同様の傾向で推移してきているところでございます。  なお、総務省の給与実態調査によりますと、平成二十六年度の一般行政職一人当たりの平均年間給与は、県職員が約六百三十八万円、市町村職員が約六百五万円となっております。  公務員給与が県内の景況に与える影響についてでございます。  県職員の給与は、地方公務員法の規定に基づきまして、生計費、国及び他の地方公共団体の職員、民間事業従事者の給与等を考慮して定めることとされております。このため、給与改定につきましては、民間事業従事者の給与水準等を調査した上で行われる本県の人事委員会勧告を踏まえて、実施してきているところでございます。  民間事業従事者の給与につきましては、各民間事業者において判断されるものと考えておりますが、県といたしましては、経済の好循環を確かなものとするとともに、地方に経済成長の成果を広く行き渡らせるとする国の経済対策にも呼応しながら、積極的な雇用・経済対策を行ってきておりまして、引き続き、本県経済を下支えし、将来の鹿児島の成長につながる施策の展開に努めてまいりたいと考えております。  本年度の県税収入の見通しについてでございます。  平成二十七年度当初予算における県税収入につきましては、本県の経済動向や税制改正、地方財政計画、企業の景況見通しなどを総合的に勘案し、対前年度比一二・二%の増、金額で申しますと、百五十三億九千七百万円の増となる一千四百十三億五千四百万円を計上いたしております。十月末時点における当初予算に対する達成率は五八・八%でありまして、前年度とほぼ同水準にあるところでございます。  今後の県税収入の見込みにつきましては、主要税目である法人二税の三月決算法人の十一月末における申告状況や、地方消費税の国からの払い込み状況などを注視する必要があり、現時点において、最終的な税収額を見通せる状況にはないところでございます。引き続き、特別滞納整理班による高額滞納事案の徴収強化や、市町村との連携による個人住民税の徴収対策等に取り組みまして、まずは、当初予算に計上した税収の確保に努めてまいりたいと考えております。  企業版ふるさと納税に対する県の考え方についてでございます。
     企業版ふるさと納税につきましては、国において、来年度の税制改正に向け、自治体が行う一定の地方創生事業に対する企業の寄附について、現行の損金算入措置に加え、法人税や法人住民税の税額控除の措置を新たに講じることが検討されているところでございます。  本制度につきましては、全国知事会におきましても、企業による創業地などへの貢献や、地方創生に取り組む自治体のインセンティブとなることが期待できることから、モラルハザードにならないような制度設計に留意して検討すべきとしているところでございます。  県といたしましては、国における具体的な検討状況を注視し、市町村との連携のあり方も含めまして、制度の詳細を見きわめながら適切に対応してまいりたいと考えております。 46 ◯商工労働水産部長(武盛武士君)本県の景況についてです。  県内におきましては、個人消費は、一部に弱い動きが見られますものの底がたく推移しており、観光は高水準で推移しています。有効求人倍率は、全国平均との格差が大きいものの、バブル期に迫る高水準で推移しており、求人が難しくなりつつあります。職種によっては、人手不足感が非常に高まっているところです。現金給与月額は前年を上回って推移しています。設備投資は、全産業で見ると増加見通しとなっています。  一方、県内中小企業の現状につきましては、県商工会連合会の中小企業景況調査などを見ますと、人口減少などによる需要の停滞や原材料価格の上昇などにより、依然として厳しい状況にあると認識しているところです。    [寺田洋一君登壇] 47 ◯寺田洋一君 知事並びに各部長より答弁を受けました。  四選出馬を表明された知事に、県民、議会、そして職員との距離感についてお考えをお示しいただきました。この時期、県民の多くは知事の一挙手、一動に注視しております。先を見据えたマニフェスト等も間もなく発表されるでしょうし、県内各団体の意見もお聞きになることもありましょう。鹿児島というキャンパスの号数を選び、そのキャンパスにデッサンを施し、筆を選び、色をのせていく作業は為政者の特権であります。五年、十年先の鹿児島が輝く地域となるか、知事の描くグランドデザインはいかようなものが提示されるか期待しつつ、県民ともどもに注視していきたいと思います。  鹿児島大学の林准教授の示された行政効率化に対する指標は、お示しされたとおり、利益を追求する企業の効率分析を目的とした手法であります。県土の地政学的な要因等、自治体の行政効率に対する評価とは異質なものとの見解ですが、しかし、公会計システムでは、民間同様複式簿記を導入し、行政コスト計算書が作成されると、その狙いどおり、県民にわかりやすく、行政の効率化が明示できるようになります。他県との比較も容易になり、この永遠の課題に対し、知事を筆頭に県を挙げ、職員一同の取り組みを期待いたします。  新公会計システムについて答弁を受けました。  平成二十七年度から二十九年度までの三年間で、全ての地方自治体は統一的基準による財務書類等を作成すべきとの通知をもとに、県も作業を進めておられ、県内各地方団体の取り組みについてもお示しいただきました。今後は、作成された財務書類の活用が注目されます。特に、固定資産台帳の整備については、複式簿記を適用しての財務書類の作成にふなれな自治体は、その出発点となる開始貸借対照表の作成から進めなければならず、自治体の持つ財産は、道路、公園、学校、病院、果ては美術品等、資産の内容も多岐にわたっております。  また、平成二十七年三月に実施された、総務省による地方公共団体における平成二十五年度決算に係る財務書類の作成状況調査によりますと、固定資産台帳を整備済みと回答した自治体は、六百五十六団体中、一九・二%の百二十六団体となっているようであります。いかに困難を伴うものかが推察されます。財務書類の作成に終わるのではなく、それの明確な分析を行い、施策体系の見直し、行政評価制度、予算の編成等に十分活用されるべきでありましょう。完全活用まで長い道のりでしょうが、担当部課職員の奮闘を望むところであります。  県内景況、県・市町村職員の給与状況、県税の税収見通しについても答弁を受けました。  先日国は、好景気の中で税収が上振れし、史上三番目の高い税収になると発表されました。アベノミクス効果が本県にも出ており、本県税収も上振れするのではないかとの思いから質疑を交わしましたが、実態が本当に見えないのか、当局の口からはその数値上の中身は披瀝がありませんでしたが、年度末の結果に期待したいと思います。  また、県を含めた公務員給与は、安定的に本県に落ちるお金であります。県内最大企業であります鹿児島県庁の皆様もあすの賞与を、しっかりと地域の発展のため、商店街活性化事業に向け、大いに活用されますよう期待しております。  また、ふるさと納税企業版ですが、制度設計がまだ確定していない中で答弁しづらい面もありますが、方向性は見え始めておりますので、間もなく発表されるでありましょう税制大綱を注視いただき、県・市町村一体となった対応を迅速に展開していただきますように望みます。  次の質問に入ります。  次期鹿児島国体についてお伺いいたします。  平成三十二年に実施される「燃ゆる感動かごしま国体」が開催されます。昭和四十七年の太陽国体から四十三年が過ぎ、二回り目を迎えた国民体育大会ですが、右肩上がりの経済成長期は、財源確保にも、選手の育成等にも理解が得られ、県勢の浮揚について県民一同その成果を期待し、大会の成功に向け、全県一丸となった取り組みがなされました。  今回、本県としても、平成三十二年の大会成功に向け整備を進め、鴨池公園の改修等、施設の整備、選手の育成・強化に万全を期されるものと思います。県内各地での実施競技会場も、市町村の協力により、ほぼ決定したやに伺っております。  そこで、以下数点お伺いいたします。  第一点、本年和歌山国体の成績は、天皇杯三十七位、皇后杯三十三位と、五年後に向けての選手育成効果が残念ながら成績にあらわれませんでした。この件については、私のみならず、県民は大いに不満を持っているものと思います。  今大会の結果をいかように総括されておられるのか、見解をお示しいただきたい。  また、今後、次期鹿児島国体に向け、さらなる真剣な取り組みが望まれますが、県及び県体育協会の今後の対応についてお示しいただきたい。  次期国体のセーリング競技の会場となります平川ヨットハーバーについてお伺いいたします。  太陽国体の際に整備された平川ヨットハーバーは、国による国道二百二十五号平川道路の整備に伴い、長年懸念されていました交通状況も改善されましたが、利用者のための駐車場等が狭隘であり、次期国体において一つの懸念要素と言われております。また、ヨットハウスも老朽化が進み、施設の整備も望まれております。この港は地元の漁業従事者も利用され、大会運営についての協力は不可欠のものと思われます。  そこで、以下お伺いいたします。  第一点、次期鹿児島国体セーリング競技について、会場となる平川ヨットハーバーの施設整備をどのように進めていかれるつもりか、お示しいただきたい。  第二点、大会運営には、地域住民の協力について、浜平川地域の住民、関係者との間にどのようなコンセンサスをとっていかれるつもりか、お示しください。  次に、県道整備並びに指宿スカイラインについてお伺いいたします。  本年の六月議会、九月議会、そして今議会においても質疑が展開されましたが、鹿児島インター─谷山インター間の三期分について、下鶴議員が述べられましたように、このスカイラインを利用する車の大半が利用している事実もあります。時代の流れで黒字区間となっておりますが、その要因は、卸団地、一号用地、二号用地など公有水面を埋め立て、産業の集積を県・市一体となって進めてきた経過があります。産業道路だけでは、増加する一方の車両に対し対応ができなかったことは衆目の一致するところであります。その後、市・県の都市計画審議会を経て、桜ヶ丘、星ヶ峯、皇徳寺の大型三団地が許可され、現在に至っております。それも要因の一つでありましょう。  四十年前、鎌田前知事誕生の一カ月後、新鎌田知事、山之口安秀元鹿児島市長のお二方が当時の谷山北部農協二階会議室において、谷山北部地区諸課題について語る会が開催されました。私は、地元の青年団長として、星ヶ峯入り口の大型調整池に架上方式でグラウンド整備を陳情いたしました。そのとき、県道小山田谷山線の整備、永田川の河川改修等が課題として提起され、また、指宿有料道路三期の中で山田インター、中山インターの設置を地域要望として提案し、請願インターとして二インターの設置が決定し、現在に至っております。  後の第二回鹿児島都市圏パーソントリップ調査で位置づけられた新駅構想は、JR広木駅として具体化され、今や一日一千七百人を超える方々が利用されているようであります。  そこで、以下お伺いいたします。  第一点、必要としない道路は一本もない。太古の時代から、人々の行き来が一本の道となり、道を通し物流が起こる。運搬手法は多岐にわたりましても、依然として道路はそのかなめであります。県政の調査を通し、各地域の現状を目の当たりにしたとき、改めて認識するところでありました。しかし、限られた財源で各地域の要望にフルに応えられないのも理解できます。  そこでお伺いいたします。  県道整備の事業化までのプロセスをお示しいただきたい。  また、議会にも各地域から道路整備の陳情書が提出されます。また、議員を通して各振興局に要望も上がってまいりましょうし、市町村を通し要請があることもありましょう。整備決定までにこのような住民意思をどのように反映されておられるのか、見解をお示しいただきたい。  指宿スカイラインについてですが、さきに述べましたように、三期分については鹿児島都市圏を取り巻く外環状線としての役割を果たしており、大いに評価できるものであります。  今回、山田インターのフルインター化並びに料金体系のETC化が発表されました。中山インターの乗り入れ口に皇徳寺団地があり、無料区間の乗降口であり、当然利用者は多く、団地造成時から、また小山田谷山線松元工区の整備が進行する中で、大型車両の団地内通過が予想され、その予想のとおり、団地内通過車両は、谷山地区臨港部への大型商業施設の進出等で増加の一途をたどっております。山田インターのフルインター化はそのような視点からも大いに歓迎されており、一刻も早い事業化が切望されております。  そこでお伺いいたします。  山田インターのフルインター化に向け、これからの取り組みについてお示しいただきたい。  また、山田料金所におけるETC設置については、用地買収の必要もなく機器設置のみの工事となることからも、一日も早い整備が期待されます。そこで、ETC設置の完了時期の見通しをお示しいただきたい。  また、新たに設置される山田インターで徴収する料金は幾らになるのか、料金設定の考え方もお示しください。  次に、マリンポートかごしまについてお伺いいたします。  マリンポートかごしまは、平成二年、県総合基本計画に大型観光船埠頭の整備等として位置づけられ、平成五年六月、鹿児島港港湾計画を改訂し、人工島計画を位置づけられ、平成十二年には廃棄物埋立護岸工事─フロンティアランド事業─に着手、平成十九年には一期一工区十・三ヘクタールの埋め立てが竣功し、同年九月には大型観光船埠頭及び緑地空間の供用が開始されました。本年四月にはヘリポートが供用開始となっております。また、七月には一期二工区緑地の一部供用もなされました。  それまでの間、平成十年度の事業採択から平成二十六年度までの間に約二百五十八億円の事業費が投入されております。大型観光船の入港も昨年は三十三隻、本年は五十二隻が見込まれているようであります。  平成十九年の埠頭供用開始以前は、工業港である谷山港にて対応せざるを得なく、波静かな錦江湾に桜島の雄大さ、そのロケーションに感動した観光客も、接岸と同時に飼料工場特有のにおいと港湾施設の貧弱さに複雑な思いで鹿児島を後にされた方もおられたと思います。しかし、今や観光かごしまの海の玄関口として十分に役割を果たしていることは、関係者のみならず県民一様に認めていると思います。  現在、マリンポートかごしま一期二工区緑地整備基本計画や、本年二月に策定された同実施計画に基づき、緑地の整備が進められております。私は、この地が緑地空間、防災空間としてのみの活用でよいのだろうかと疑問を持っております。二百五十八億円の事業費の投入、世界に誇れる雄大なロケーション、今回指定された世界文化遺産など、この空間の持っているポテンシャルは大きな可能性を秘めているのではないでしょうか。  そこでお伺いいたします。  現在、整備を進めているマリンポートかごしまの一期について、今後どのような利活用を考えておられるのか、民間活力の導入等も含めて、知事の考えをお示しいただきたい。  次に、再生可能エネルギーについてお伺いいたします。  先月、十一月三十日、フランス・パリにおいて、二〇二〇年以降の地球温暖化を話し合う国連気候変動枠組条約二十一回締約国会議─COP21─が開幕いたしました。百三十人もの人々が犠牲になった同時多発テロ後、百五十カ国・地域の首脳が出席、議長国フランスのオランド大統領は、開幕演説の中で「テロと温暖化は二つの地球規模の課題だ。子供たちのために今より脅威のない世界を築かなければならない」と訴えております。温暖化が間接的に紛争の一因となり、そこに国際的テロ集団が入り込む要素が生まれるとも言われております。  そこで、知事、COP21の中でフランス・オランド大統領の演説に対しどのような見解をお持ちか、御披瀝をいただきたい。  平成二十二年策定したエネルギー基本計画の中で、二〇三〇年に向けたエネルギー自給率と化石燃料の自主開発比率を倍増し、自主エネルギー比率約七〇%とすることと、電源構成に占めるゼロエミッション電源、これは原子力及び再生可能エネルギー由来の比率を七〇%とすることなどを記載しております。  東京電力福島原子力発電所の事故により、我が国のエネルギー政策は大規模な調整を求められる事態となり、エネルギー政策を白紙から見直し、平成二十六年四月に改定したエネルギー基本計画を受けて、本年七月に決定された長期エネルギー需給見通しの中で、二〇三〇年度を見通した一次エネルギー供給構造を示し、自給率を二四・三%程度とし、その中で再生エネルギーを一三ないし一四%目途としております。  そこで、以下お伺いいたします。  第一点、国のエネルギー計画の中にも示されているとおり、再生可能エネルギーは、環境保全に寄与するエネルギーとしてその拡大が望まれており、さらなる活用を進めながら、国民負担の抑制の両立を目指すべきとされていますが、導入促進に向けた県の取り組みについてお示しいただきたい。  第二点、本県は、再生可能エネルギーの大きな柱である風力発電について、平成二十二年景観形成ガイドラインを設定されておられますが、ガイドライン施行前に設置された風力発電施設は十九万七千三百二十キロワット、全体の約七五%を占めると聞いております。この景観形成ガイドラインの見直しの主たる内容についてお示しいただきたい。  次に、農政についてお伺いいたします。  国は、昭和四十四年、国土の保全と農業の振興を狙い、農業振興地域の整備に関する法律を制定され、それに基づき都道府県知事が農業振興整備基本方針を策定され、農業振興地域を指定、地域に指定された市町村は農業振興地域整備計画を策定し、国、県、市町村一体となり、優良農地を確保するとしております。また、市町村は、その中で、おおむね十年以上にわたり農業上の利用を確保すべき土地として農用地区域を設定しております。  先日、TPPの締結により、国は、足腰の強い攻めの農業を目指し、農地中間管理機構を活用し、担い手への農地集積を図り、大規模農家の育成等を目指していかれるようであります。  また、我が国の農振法及び都市計画法による土地利用区分に目を通しますと、平成二十年ないし二十一年時で、全国土地面積三千七百七十九万ヘクタール、うち農業振興地域は一千七百二十二万ヘクタール、そのうちの農用地区域は四百八十二万ヘクタールです。その中の四百二十万ヘクタールが農地面積であり、また、そのうち四百七万ヘクタールが耕地面積となっております。長年耕作放棄された農地は、担い手への移管についても困難であり、他の土地利用を模索せざるを得ない農地もあり、特に鹿児島市は、都市計画を適用されている地域とその対象外地域、農振法に基づく農業振興地域が混在しているのが実態であります。  そこで、以下質問いたします。  第一点、土地の有効利用のためには、市町村は、農業振興地域整備計画を適切に見直し、変更すべきと思うが、県内市町村の農業振興地域整備計画の変更状況についてお示しいただきたい。  第二点、国は、市町村農業振興地域整備計画のあり方をどのように考えているのか、お示しいただきたい。  第三点、県として、市町村が作成する農業振興地域整備計画についてどのように関与していかれるつもりか、お示しいただきたい。  これで、第二回目の質問といたします。 48 ◯教育長(古川仲二君)和歌山国体の総合成績の評価についてでございます。  和歌山国体では、ウエイトリフティングと馬術の二種目で優勝するなど、入賞数が前年の五十二種目から五十六種目に増加いたしましたが、上位入賞による高得点が期待された団体競技が不振に終わり、総合成績が三十七位と後退し、目標の二十位台を確保することができなかったところでございます。この結果を踏まえまして、得点の高い団体競技の強化、少年選手の強化及び成年選手の確保が喫緊の課題であると考えております。  次に、鹿児島国体に向けた今後の取り組みについてでございます。  和歌山国体の成績を踏まえ、団体競技の強化を最重点事項とし、最強チームを編成して県外合宿等を推進するとともに、少年選手は、他県の強豪チームとの練習会等で経験を積ませ、メンタル面での強化も図ることにいたしております。成年選手の確保につきましては、アスリート雇用創出連絡協議会において、経済六団体と連携し、県内外の大学生優秀アスリートの県内への就業促進に取り組んでおり、三十八企業等の協力をいただくことになっております。また、鹿屋体育大学との連携を強化し、本県選手として活躍してもらうよう取り組みをさらに推進することにいたしております。  一方、県体育協会では、選手への医・科学面からのサポートや国体監督等の資質向上に取り組んでおり、今後とも、競技団体の強化体制の充実や有資格指導者の育成などに努めることにいたしております。  県教委といたしましては、このような取り組みを競技団体・経済団体等と連携し、オール鹿児島で臨み、天皇杯・皇后杯獲得に向け、より一層の競技力強化に努めてまいります。 49 ◯知事公室長(福壽 浩君)平川ヨットハーバーの国体対応についてでございます。  平成三十二年の「燃ゆる感動かごしま国体」のセーリング競技会場になります平川ヨットハーバーにつきましては、昨年の十一月に中央競技団体の正規視察が実施されております。その際、昭和四十七年に建てられ、老朽化・劣化が著しいヨットハウスの管理棟及び艇庫の建てかえのほか、出艇用スロープ等競技運営施設の設置、関係者・観客用の臨時駐車場の確保、現在係留しております漁船等の一時的な移動、運営補助艇としての漁船の協力など、会場施設及び大会運営に係る指導・助言を受けているところでございます。  これを踏まえまして、大会運営に当たります鹿児島市及び県セーリング連盟と連携しながら、地元漁協等との調整を行いますとともに、施設の改修工事、駐車場の確保、輸送対策を進め、円滑な競技の実施を図ってまいります。 50 ◯土木部長(久保田 一君)道路整備の事業化までのプロセスについてです。  本県の道路整備については、平成十九年二月に策定した今後の社会基盤整備のあり方に基づき、重点事業と地域密着型事業に区分して進めております。  高規格幹線道路や地域高規格道路などの整備については、県土をつなぐ陸海空の交通ネットワークの構築を図る事業として、重点事業に位置づけております。また、生活道路の整備など地域密着型事業については、各地域振興局・支庁において開催している地域土木事業連絡会などにおける市町村長との意見交換等を踏まえ、整備の必要性や緊急性・効率性、さらには、地元からの要望状況や協力体制等を考慮しながら、優先度を判断して事業箇所を決定しております。  指宿有料道路の改修についてです。  指宿有料道路の改修については、本年度中に事業計画の取りまとめを行い、有料道路事業許可変更に係る議会承認の手続を経て、国の許可を得たいと考えております。  山田インターのフルインター化については、要望が多く寄せられ、周辺の団地の渋滞解消にも寄与することから、変更許可後、速やかに設計や用地買収を進め、できるだけ早く工事に着手したいと考えております。  山田料金所のETC設置については、利用者の負担軽減や渋滞緩和が見込まれること、また用地買収も伴わないことから、他の改修に先行して整備を進めることとし、事業着手後おおむね二年程度で整備を終えたいと考えております。  新たに設置される山田インターにおいて徴収する料金については、他の区間の料金水準や整備・維持管理に要する費用、フルインター化によって得られる時間短縮などの便益を勘案して料金設定をすることとしており、現在、事業計画の中で検討しているところであります。  マリンポートかごしまの将来についてです。  マリンポートかごしまについては、平成十一年に一期工事に着手しましたが、その整備の方向性についてさまざまな意見があったことから、平成十六年に在り方検討委員会を設置し、県民の意見を聞くなど約一年間の議論を重ね、提言をいただき、大型観光船埠頭とあわせて、県民や観光客が憩い、海と触れ合える緑地空間として整備するとともに、災害が発生した場合の対応空間として活用することとしました。  この方針に基づき整備を進め、これまでに大型観光船埠頭やヘリポート、親水広場等を供用したところであり、二百七十六隻の観光船が寄港し、五百四十万人を超える来園者があるなど、本県の観光の振興に寄与するとともに、県民の憩いの緑地空間等として多くの方々に親しまれているところであります。  マリンポートかごしまは、本県の発展にとって大きな役割を担う都市施設になると考えており、一期二工区の平成二十八年度中の完成に向け、整備推進に努めてまいります。 51 ◯環境林務部長(川野敏彦君)COP21でのフランス国大頭領の地球温暖化と国際紛争に関する演説についてでございます。  国連の気候変動に関する政府間パネル─IPCC─が昨年十一月に公表した報告書において、気候変動は、新たな避難民を生み出し、貧困を悪化させることで間接的に紛争のリスクを高めるおそれがあるとされるなど、地球温暖化と貧困や紛争との関連性については、これまで国際的な報告書などでも指摘されているところでございます。これらの問題は、いずれも、国家の単位を超えた地球規模の枠組みで取り組まなければならない極めて重要な課題であると考えております。  安倍総理は、COP21のスピーチで「先進国、途上国がともに参画する新たな枠組みを築くべきときだ」と訴えられ、日本としても、途上国に対し、二〇二〇年に年間約一兆三千億円の資金や、日本の持つ技術・ノウハウ等を提供する方針などを表明されたところです。  今回のCOP21において、地球温暖化についての新たな枠組みの合意がなし遂げられ、国際社会の連帯が示されることを期待しているところでございます。 52 ◯企画部長(岩切剛志君)再生可能エネルギーの導入促進に向けた県の取り組み状況についてであります。  再生可能エネルギーは、国のエネルギー基本計画において、温室効果ガスを排出せず、エネルギー安全保障にも寄与できる重要な低炭素の国産エネルギー源として位置づけられ、積極的にその導入を推進することとされております。  これを踏まえ、県では、昨年四月に再生可能エネルギー導入ビジョンを策定し、再生可能エネルギーのさらなる普及・拡大に取り組んでおり、今年度は七月に、地元金融機関などと共同で、再生可能エネルギーの導入を資金面で支援するかごしまグリーンファンドを設立したところであります。また、新規雇用の創出等も期待される家畜排せつ物などのバイオマスを活用した発電施設等の導入を目指し、八月に設立した有識者等から成る協議会において、施設導入の効果や課題、採算性などを検討しているところであります。  風力発電施設の更新に係るガイドラインの見直しについてであります。  風力発電施設の建設に当たりましては、平成二十二年四月に施行した景観形成ガイドラインにより、地域の自然や歴史、文化的環境と調和した景観の保全を図っています。現在、ガイドライン施行前に設置された施設は全体の約七割を占め、今後、順次更新されることとなりますが、この中にはガイドラインの基準を満たさない施設もあり、ガイドラインをそのまま適用すれば更新が行えず、古くなった施設が放置されることや、撤去に伴う風力発電導入量の減少などが懸念されます。  このため、ガイドライン施行前に設置された施設については、景観に与える影響を個別に確認した上で、既存施設よりも設置エリアを広げないこと、最寄りの住宅等への騒音・低周波音を低く抑えることなどの条件を満たせば更新を認め、また、一基当たりの出力能力の増強により設置基数の集約を行えば、総出力の増を認める特例を設けることとし、近く施行する予定であります。
    53 ◯農政部長(福田博史君)市町村農業振興地域整備計画についてでございます。  市町村農業振興地域整備計画の変更状況につきましては、本年十一月末現在において、前回の計画見直しから五年未満が十九市町、五年以上十年未満が十市町、十年以上経過が十四市町村となっており、長期にわたり見直しがなされていない市町村もあります。  この整備計画は、農業の健全な発展を図るため、農業上の利用を確保すべき農地の区域を農用地区域として設定することにより、土地基盤整備事業など農業振興のための各種施策を実施することを目的とした総合的な計画であり、国は、法律に基づき、おおむね五年ごとに基礎調査を行い、必要に応じ全体見直しを行うよう指導しております。  県としましては、農用地区域内の土地の用途区分と現況が乖離し、用途区分どおりの利用の見込みがない場合もあることから、実態に応じた見直しがなされるよう市町村を指導してまいりたいと考えております。    [寺田洋一君登壇] 54 ◯寺田洋一君 鹿児島国体についての質問の中で、ジュニア選手の育成についての質問項目を飛ばしてしまいましたので、改めてこの場で質問させていただくことをお許しください。  私は、この議場で、競技力の向上には、よきライバルに恵まれることも大きな要因であることを訴えさせていただき、また、ジュニア選手の育成も同様に訴えさせていただきました。それ以降、いかにジュニア選手の育成に取り組まれたのか。次期国体においても、今の取り組みこそが大事と思われますが、見解をお示しください。 55 ◯教育長(古川仲二君)ジュニア選手の発掘・育成につきましては、平成二十四年から三年間の育成期に、競技団体やコミュニティスポーツクラブが実施いたしましたスポーツ教室等により、競技人口の拡大が図られたところであり、参加者の中から、セーリングやバドミントン等において国際大会へ出場する選手や、全国レベルの大会で優秀な成績を残す選手も出てきております。  また、スポーツ教室等で発掘・育成された小学生が、進学に際し、他競技への変更や競技の中断などにより、育成・強化の流れが途絶えることがないようにするため、市町村や競技団体等において、放課後や休日に練習会を実施するスポーツクラブが新設されるなど、ジュニア選手が競技を継続できる環境が整いつつございます。  今後とも、ジュニア選手が競技を継続し、本県国体選手として活躍できるような環境づくりに一層努めてまいります。    [寺田洋一君登壇] 56 ◯寺田洋一君 次期鹿児島国体への取り組みについて答弁を受けました。  今回取り上げた件につきまして、残りわずか五年しかないという認識のもと準備を進めていただきたい。選手の育成とその環境についても、県、県体育協会、知恵を出し合い、よき方向に結果が出ますように期待しております。  県道整備について、土木部長より答弁を受けました。  皆様の箇所づけをするときの説明時に必ず出てくる言葉が、費用対効果であります。私がこの場に立ち質疑を重ねるのは、実態がそうなっていないからであります。交通量調査等で出てきた数値が政策決定に反映されていないからであります。  本年十月末、地元紙世論欄に、中山校区に住む女性の意見が出ていたのは部長もお気づきのことと思います。中山小学校は、県内一、九州一の大規模校です。一年生だけで八クラス、来春は九クラスとも言われております。その子供たちの通学路でもあります県道小山田谷山線、中山小付近は幅員五メートルもないところもあります。谷山北中の生徒と肩が触れ合い、それを避けるために車道側に出る姿に、親の思いはいかばかりでしょうか。  整備計画は早々でき上がりましたが、二十年たった今、進捗率は幾らでしょうか。二十年も地域の現況を鹿児島地域振興局、県土木部に毎年陳情を続けてきた地域の代表団体、山田振興会、中山地区総合委員会の方々も本日は傍聴席で答弁を聞いておられました。両団体の陳情は、四年前から県土木部長宛てでなく、鹿児島県知事伊藤祐一郎宛てに変更されました。数年前、京都府福知山市で通学中の小学生の列に車が突っ込み、幼い命が亡くなりました。あの事故の後であります。あのような痛ましい事故がいつ起きてもおかしくない通学環境であります。伊藤知事、知事宛ての陳情ですから、当然この件は御存じだろうと思います。一刻も早く、一刻も早く善処方を強く望みます。  指宿スカイライン山田インターについても答弁を受けました。  測量など準備を進めておられるようであります。  山田インターが何ゆえ片インターだったのか。私は十分わかっております。山田、中山両インターの設置を陳情したその場にいたからであります。請願インターの位置づけもわかっております。しかし、時代は大きく変わってまいりました。今回のフルインター化が実現した後の効果は、料金設定で大きく変わると思われます。皇徳寺団地内の通過車両の制限等も一考された対応を望むものであります。  マリンポートにつきましては、県民の大きな財産であります。その利活用は、本県観光を取り巻く状況を的確に予見し、位置づけを打ち出すことにあります。二百五十億円の資金を投じた空間を、知事もいつまでも緑地広場に置いておかれるはずはないと信じております。知事が発表されるでありましょうマニフェストに期待したいと思います。  再生エネルギーについてでありますが、本県の取り組みについてはよく理解するものであります。ただ、洋上発電の実証プラントを国は設置するなど、その可能性を広く探ろうとしています。離島を持つ本県の特性、また、環境ビジネスの育成という観点からも対処していくべきと思います。  農振制度の見直しについてお伺いいたしました。  TPP交渉の締結で、攻めの農業への展開が望まれています。しかし、昭和四十四年時の制度設計を基本にした土地利用のあり方でよろしいのでしょうか。中間管理機構が設置されましたが、名目は農地であっても、実質的に活用できない農地は借り手もつかないだろうと思われます。国は、この制度の見直しに着手され、農業は我が国の骨幹であるとの認識のもと、実態に合った農用地指定を図るべきであります。  さて、私は本年四月に、ここに在席の各議員同様、県民の負託を受けて、この伝統ある鹿児島県議会壇上に立つことができました。県政に六回チャレンジし、三回当選、勝率五割、この議場におられる中でも最も低い勝率であります。前回落選時、周りの大多数の人が、寺田の議会人としての命もこれにて終わりと思われただろうと思います。しかし、次のチャレンジを決断した要因は、おのれが目指した課題解決がまだまだ道半ばだったこと、そして、県政執行のかなめである予算等の審議など、議会人にしか味わえないダイナミックさを忘れられないからでありました。  四年間のブランクを三回味わいながらもこの席に立ち、三度県政に参画できる喜びを実感しつつ、このチャンスをくださいました県民各位に衷心より感謝を申し上げます。  さて、本年も間もなく暮れます。知事を初め、当局の皆さん、同僚議員の皆さん、一年を通して本議会を取材されたマスコミ各位、そして百六十八万県民にとりまして、来る平成二十八年が輝かしい年となりますよう祈念いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 57 ◯議長(池畑憲一君)以上で、通告による質問は全部終了いたしました。  これで、質問は終結いたします。       ───────────── 58    △ 議案第一三一号上程、質疑 ◯議長(池畑憲一君)次に、議案第一三一号を議題といたします。  これより、質疑に入ります。  まつざき真琴君より質疑の通告がありますので、発言を許可いたします。    [まつざき真琴君登壇](拍手) 59 ◯まつざき真琴君 私は、日本共産党県議団として、ただいま提案されました議案第一三一号について、質疑を行います。  今議会に提案されました補正予算の中には、奄美群島ミカンコミバエ緊急防除事業として四億八千八百万円が計上されておりますが、今回の議案第一三一号は、これに追加する形で二億六千三百五十五万二千円の補正予算が提案されました。  そこでまず、追加補正となった経緯と、その追加分の地域や事業内容についてお示しください。  今回、追加補正となったのは、屋久島において、先月二十三日までにミカンコミバエ二十八匹の誘殺が確認されたことから、その翌日に現地対策協議会が開催され、誘殺トラップの増設や殺虫剤の散布、テックス板の配布が決定されたと聞きます。さらに、今回の追加補正では、県本土にもテックス板を設置するとされていますが、このように、初動の防除体制が機敏にとられることは大いに評価するものです。しかしながら、一方で、奄美地域における初動防除との違いに、奄美から不信の声が上がっているのも事実です。  奄美地域では、六月にミカンコミバエの侵入が確認されていたにもかかわらず、それが生産者を含め島民に知らされたのは、五カ月後の十一月に入ってからでした。ところが、今回は、屋久島でミカンコミバエが確認され、一週間のうちに対策がとられ、県本土においては、まだミカンコミバエが侵入してもいないうちから防除の対策がとられることになるわけです。  そこでお尋ねします。  第一に、六月の奄美でのミカンコミバエ侵入確認の時点での初動防除は、どこの責任でどのようになされたのか。その時点で生産者に伝えられなかったのはなぜか、お答えください。  第二に、国は、十一月九日の奄美大島での生産者への説明会で、生産者への情報提供のおくれを認め、陳謝していますが、もし、今回の屋久島での対策と同様に機敏な対応がとられていたら、果実の移動制限となるまで広がることはなかったのではないかと考えますが、県の見解をお聞かせください。  第三に、今議会の代表質問や一般質問でも初動防除のあり方の問題が指摘されておりましたが、国の初動防除に何らかの問題があったとすると、今回、移動制限となったために減収が見込まれる部分について、生産者のみならず、流通・販売業者に対しても減収を補填する対策を国に求めるべきと考えます。  流通・販売業者への現在の対策は、融資の案内や、金融機関への借入金の返済条件の変更への協力要請がなされていると聞きますが、それでは、業者の皆さんは大幅な減収を避けられず、地域経済にも大打撃を与えることになります。流通・販売業者の減収を補填する対策を国に求めていただきたい。県の見解をお聞かせください。  もう一点、防除の内容についてお尋ねします。  山の奥や崖地など、人が入らないところに対して、ヘリでテックス板を落とす対策もとられていますが、奄美での防除の課題は、それに加えて、集落内において多くの民家の庭先にパッションフルーツやグアバ、奄美ではバンジローと呼ばれていますが、これらが植えられている点です。バンジローの皮は柔らかくて虫が入りやすく、そこを防除しなければ絶滅は難しいと言われています。そのためには住民の協力が不可欠ですが、問題は、集落内に散在する空き家となっているところの庭先のバンジローの対策です。これらの対策についても、市町村と協力し、万全の体制で行うべきと考えますが、見解をお聞かせください。  以上、質疑とします。 60 ◯農政部長(福田博史君)今回の追加提案の経緯とその内容についてでございます。  屋久島では、十一月二十一日に二頭のミカンコミバエが確認され、十一月二十五日までに百七十七頭が確認されるなど、誘殺数が急激に増加したところです。屋久島はポンカン、タンカンの産地であり、これから収穫を迎えることから、早急に防除対策を講じるとともに、屋久島での誘殺が確認されたことから、県本土等への侵入防止対策を強化することとしたところであります。  また、既に発生が確認されている奄美大島、徳之島において、国が防除対策を強化することを決定したことから、十二月補正予算の冒頭提案後のこれらの状況に対応するため、今回、追加提案を行うものであります。  今回の追加提案においては、屋久島におけるトラップ増設や地上でのベイト剤散布、誘引殺虫剤の設置などに要する経費を計上しております。また、奄美大島や徳之島における防除対策を強化するため、国が決定したヘリコプターによる誘引殺虫剤の散布回数の増や、種子島や本土等への侵入防止対策である誘引殺虫剤の設置などの対策に係る経費を追加計上しております。  奄美大島と屋久島等との防除対策の違いについてでございます。  ミカンコミバエについては、ほぼ毎年侵入が確認されていることから、国においては、平時より侵入警戒調査を実施し、侵入と同時に防除を実施しております。今回も、奄美大島で六月末に誘殺が確認された時点で、国の植物防疫所の指導により、国、県、市町村でトラップの増設やベイト剤散布、誘引殺虫剤の設置などの初動防除を行ったところであります。  このため、国は、殺虫があった時点では異常事態とは考えておらず、特別に誘殺を公表することはしなかったとしております。しかしながら、十月になっても誘殺数が増加し、ポンカン、タンカンの収穫時期も近づいたことから、国が、専門家の意見を踏まえ、ミカンコミバエを蔓延防止するため緊急防除を行うことを決定したと聞いており、県としては、特殊病害虫の防除手順に沿った対応だったと理解しております。  集落の庭先の果実への対策についてでございます。  県は、ミカンコミバエの蔓延防止のため、地元と連携して、寄主果実の除去を実施しているところです。集落内の空き家での庭先果実については、市町村を通じ、できる限り果実の廃棄に努めるよう所有者へ働きかけを行っております。また、空き家を含む集落周辺には、誘引殺虫剤の設置やベイト剤の散布を行うなどの対策を講じております。 61 ◯商工労働水産部長(武盛武士君)流通・販売業者への支援についてでございます。  流通・販売業者と商工業者への支援につきましては、十一月十三日、商工団体に対しまして、資金繰りなどの相談窓口の設置を、金融機関等に対しましては、返済条件の緩和等について特段の配慮を要請したところです。また、売り上げ減少等が生じている商工業者に対しましては、県融資制度の中小企業振興資金や緊急経営対策資金などの活用について周知を図っております。  県としましては、今後の商工業者の事業活動への影響につきましては、必要に応じて、国とも協議しながら対応してまいりたいと考えております。 62 ◯議長(池畑憲一君)以上で、質疑は終結いたします。       ───────────── 63    △ 議案第九四号─議案第一三一号(議案第一三      〇号を除く)委員会付託 ◯議長(池畑憲一君)次に、議案の委員会付託であります。  今回提出されました議案のうち、議案第一三〇号を除く議案第九四号から議案第一三一号までは、配付いたしております議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。  お諮りいたします。  議案第一三〇号は、会議規則第三十九条第三項の規定によって、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 64 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。       ───────────── 65    △ 報  告 ◯議長(池畑憲一君)ここで、報告いたします。  ただいま常任委員会に付託いたしました議案のうち、議案第九五号につきましては、当席において、地方公務員法第五条第二項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めましたところ、配付いたしております写しのとおり、意見書が提出されております。       ───────────── 66    △ 予算特別委員会の設置 ◯議長(池畑憲一君)次に、予算特別委員会の設置の件を議題といたします。  お諮りいたします。  予算特別委員会は、配付いたしております特別委員会設置案のとおり、設置いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 67 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、予算特別委員会は、配付いたしております特別委員会設置案のとおり設置することに決定いたしました。       ━━━━━━━━━━━━━     特別委員会設置(案) 一、名称   予算特別委員会 二、付託事項   平成二十八年度当初予算に関する調査 三、設置期間   調査終了まで 四、委員の定数   二十五人 五、閉会中の委員会活動   特別委員会は、閉会中も付託事項について調査を行   うことができる。       ━━━━━━━━━━━━━ 68    △ 予算特別委員の選任 ◯議長(池畑憲一君)次に、ただいま設置することに決定いたしました予算特別委員会の委員の選任を行います。
     お諮りいたします。  予算特別委員の選任については、委員会条例第六条第一項の規定によって、配付いたしております名簿のとおり指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 69 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、予算特別委員は、配付いたしております名簿のとおり選任することに決定いたしました。       ━━━━━━━━━━━━━   予算特別委員名簿  予算特別委員会    田 畑 浩一郎  いわしげ仁 子    宝 来 良 治  向 井たかまろ    西 村   協  向 井 俊 夫    長 田 康 秀  西 高   悟    ふくし山ノブスケ 堀 口 文 治    前 野 義 春  藤 崎   剛    松 田 浩 孝  田 中 良 二    禧 久 伸一郎  吉 留 厚 宏    まつざき真 琴  永 井 章 義    桑 鶴   勉  大 園 清 信    前 原   尉  鶴 薗 真佐彦    松 里 保 廣  成 尾 信 春    山 田 国 治              (二十五人)       ━━━━━━━━━━━━━ 70 ◯議長(池畑憲一君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 71    △ 日程報告 ◯議長(池畑憲一君)十二月十八日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、議案及び請願・陳情の委員長報告、質疑、討論並びに表決などであります。       ───────────── 72    △ 散  会 ◯議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。        午後三時二十七分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...