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2015-09-30 平成27年第3回定例会(第7日目) 本文
2015-09-30 平成27年第3回定例会(第7日目) 名簿

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  1. 鹿児島県議会 2015-09-30
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    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
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    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(池畑憲一君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    酒 匂 卓 郎 君    向 井たかまろ 君    井 上 章 三 君    山 田 国 治 君  一、議案第七七号から議案第九一号まで(議案第八〇    号及び議案第九〇号を除く。)及び報告第四号の    常任委員会付託  一、決算特別委員会の設置、議案第八〇号、議案第九    〇号及び議案第九二号の同特別委員会付託並びに    決算特別委員の選任
     一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(池畑憲一君)まず、一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  酒匂卓郎君に発言を許可いたします。    [酒匂卓郎君登壇](拍手) 3 ◯酒匂卓郎君 皆様、おはようございます。  十問通告いたしておりますので、早速質問に入ります。  まず、政府機関の地方移転についてであります。  東京の一極集中を是正するため、地方の自主的な創意工夫を前提に、それぞれの地域資源や産業事情等を踏まえ、地方における、しごととひとの好循環を促進することを目的とし、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県以外の道府県又は府県域を超える広域連合を提案資格者として、全国の二百五十機関から希望する機関を選び、八月三十一日までに誘致を提案することになっておりましたが、本県だけが全国で唯一、応募しなかったわけであります。  他県の応募状況を見てみますと、多いところでは、兵庫県が消防大学校や観光庁など十九機関を、島根県が国立長寿医療研究センターや自治大学校など十七機関を提案し、九州では、福岡県、大分県、沖縄県がそれぞれ五機関を提案いたしております。  また、県内にロケット発射場を二つ持っている宇宙航空研究開発機構─JAXA─については、秋田県、岐阜県、愛知県、島根県、山口県の五県が手を挙げており、他県の積極的な取り組みと比べて、本県のみが全く手を挙げていないということは、とても寂しく感じるのは私だけでしょうか。  県当局におかれましては、いろいろと熟慮を重ねた結果だとは思いますが、県民の関心は意外と高く、私が敬老会などの行事等に出席した際には、この件について何人もの方から尋ねられました。  そこで、これまでの取り組みと、この件に関する見解をお聞かせいただきたいと思います。  次に、マイナンバー制度の導入について質問いたします。  この制度は、国内の全住民一人一人に十二桁の番号を割り当てることにより、公平・公正な社会の実現や国民の利便性の向上などを図るものでありますが、我が国初の制度であることから、国民の理解がおくれるとともに、安全性などについて不安が広がっております。  マイナンバー制度は、多くの国で導入されておりますが、カードの内容や利用範囲などさまざまな違いがあると聞いております。  そこで、マイナンバー制度に対する現在の取り組み状況やセキュリティー対策は代表質問で答弁がありましたので、重複を避けて質問いたします。  第一点は、番号制度を導入している諸外国の状況についてお示しください。  第二点は、それら先行している諸外国において、番号制度を悪用した犯罪等の事例があればお示しください。  また、我が国では同様の問題が起こる危険性はないのか、お答えください。  第三点は、我が国のマイナンバー制度は、諸外国の番号制度と比べてどのような内容となっているのか、明らかにしていただきたいと思います。  次に、日本版CCRC構想について質問いたします。  日本創成会議は、二〇二五年に団塊の世代が七十五歳以上の後期高齢者に達し、その多くが住む東京圏では地方以上に急激な高齢化が進み、特に東京都区部以外の地域で顕著な傾向が見られることから、東京圏全体でこれまでにない規模で医療・介護分野の施設や人材が不足するとしており、その不足を補うために人材が東京圏に流入すれば、地方が衰退化してしまうことなどから、医療・介護サービスの人材依存度を下げることや、高齢者の集住システムの構築、施設や人材に余裕のある地方への移住などを提案いたしております。  それを受けて、政府は、昨年十二月に策定したまち・ひと・しごと創生総合戦略の中で、都会の高齢者が地方に移り住み、健康状態に応じた継続的なケア環境のもとで、自立した社会生活を送ることができるような地域共同体、日本版CCRCについて検討を進めております。  また、先日、鹿児島県社協老人福祉施設協議会から、高齢者用の医療・介護施設等の社会資源の有効利用の促進と鹿児島県内各地の活性化のために、高齢者の地方移住促進事業を推進するよう求める陳情も出されているところであります。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、国が検討を進めている日本版CCRC構想の概要についてお示しください。  第二点は、日本版CCRC構想に対して、県としてどのように取り組んでいかれるのか、見解を伺います。  次に、公文書館の設置等について質問いたします。  公文書館法は、公文書等を歴史資料として保存し、利用に供することの重要性に鑑み、公文書館に関して必要な事項を定めることを目的として昭和六十二年に制定されており、法第三条では、国及び地方公共団体は、歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関し、適切な措置を講ずる責務を有すること。法第四条第一項では、公文書館は、歴史資料として重要な公文書等を保存し、閲覧に供するとともに、これに関連する調査研究を行うことを目的とする施設とすることと定められております。  一方、地方公共団体は、歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関し、適切な措置を講ずる責務を有しているが、その責務を果たす方法として、既存の施設を利用するなど他の方法によることを否定するものではないとされております。  また、平成二十一年に制定された公文書管理法は、各省でばらばらとなっていた公文書の作成、管理、保存、国立公文書館への移管、公表について、統一ルールを定めるとともに、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑み、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適切な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する義務が全うされるようにすることを目的といたしております。  なお、法第三十四条で、地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならないと規定されております。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、公文書館の全国及び九州における設置状況について伺います。  第二点は、公文書管理法では、現用公文書の管理に加え、歴史公文書等の適正な保存・利用等についても規定されているため、従来の文書管理規定等で行われていた現用文書管理に加えて、歴史公文書等の保存・利用等についても一体的に考える必要がありますが、見解を伺います。  また、地方自治体に求められている必要な施策の策定についてどのように考えておられるのか、お聞かせください。  第三点は、保存期間が満了した公文書等を廃棄する場合には、その中から歴史公文書等を評価選別し、保存することが必要でありますが、評価基準やガイドラインなどの現状についてお示しください。  第四点は、歴史文書等は、その資料的価値から基本的に永久に保存すべきものであり、専門職員を置く機関において保存管理されることが望ましいと思いますが、見解をお聞かせください。  第五点は、県は、現在、公文書館または公文書館機能を持つ施設を設置しておらず、利用に関しては情報公開で対応していると伺っておりますが、歴史資料として重要な公文書等を保存し、利用に供し、そのための調査研究を行うという公文書館の三つの機能についてどのように対応されているのか、お示しください。  第六点は、現在、永久保存文書は書庫で保管されていると思いますが、紙は劣化いたしますので、その前にマイクロフィルム化やデジタル化して原本性を確保し、情報を利活用する取り組みが必要と考えますが、現在の状況と今後の取り組みについてお答えください。  次に、小規模事業者等の支援について質問いたします。  本県の企業については、九九・九%が中小企業であることはよく知られておりますが、その中でも約九割は、従業員数が小売・サービス業であれば五人以下、製造業であれば二十人以下である小規模事業者であります。  小規模事業者は、地域の経済や雇用を支えるだけでなく、地域のイベントや文化活動の担い手でもあり、地域を活性化し、経済の好循環を県内隅々まで届けていくためには、その活力を最大限に発揮させることが必要不可欠であります。  昨年は、小規模企業振興基本法の成立、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の改正が行われ、小規模企業の振興に関する施策について、国、地方公共団体、商工会議所・商工会等の支援機関が一丸となって戦略的に実施すること、また、半世紀以上にわたり小規模事業者の経営相談に応じてきた商工会議所及び商工会が、小規模事業者の意欲ある取り組みを強力に推進するための体制を整備することが求められております。  これまで、地域の中小企業支援に中核的な役割を担ってきた商工会議所・商工会の経営指導員は、地域の小規模事業者の経営や、国・地方公共団体小規模事業者支援施策を熟知し、さまざまな相談に対応しているところでありますが、この二法の成立・改正に伴い、小規模事業者の支援機関である商工会議所・商工会の役割がますます重要になっていると考えております。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、商工会議所及び商工会の小規模事業者への指導や支援等について、県はどのように評価しておられるのか、お聞かせください。  第二点は、小規模事業者経営発達支援のために、今後さらにどのような施策が必要と考えておられるのか。また、県の取り組みについてお示しください。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 4 ◯知事(伊藤祐一郎君)政府機関の地方移転についてのお尋ねがございました。  今回の政府関係機関等の地方移転は、独立行政法人等の関連機関を含む政府関係機関や研究機関・研修所等を対象に、東京、神奈川、千葉、埼玉の東京圏以外の都道府県への移転を進めることとし、地方から誘致提案することとされていたものでございます。  この仕事の責任者であります、まち・ひと・しごと創生本部は、全国に所在する全ての国の機関、二百五十三機関をリストアップし、それを示したところでありますが、その際、それぞれの機関の意向は聞かず、また閣議決定もせず進めましたために、国会等でいろいろ議論を生んだところであります。  今回の具体の提案に当たりましては、国の機関としての機能性の向上・確保が図られることなど国側のメリットや、誘致に伴います移転先の施設の確保など、具体的な条件なども原則地方が負担するものとして示すこととされているところであります。  県といたしましては、国の条件を踏まえていろいろ検討を行ったところでありますが、国が示す、移転される側のメリット等を考慮し、実現性を伴う真に有効な提案が行えないと判断した上で、今回の提案は行わなかったものであります。  現在、御案内のとおり、国の中央出先機関の統廃合が進んでおりますが、本県に所在する、本県の将来に必要な機関を今後ともまず確保することが重要であると考えておりまして、道路、河川、港湾等の国の出先機関の存続をまず図りたいと考えております。  また、全国で唯一の国立体育大学であり、独自性のある鹿屋体育大学を設置したことによりまして、地域の振興が飛躍的に発展した経緯や、最近における沖縄における大学の立地等の効果を考えますと、鹿児島等におきましても、大学等の新たな設置を図り、地方創生を着実に進めるほうがより効果的ではないかと考えているところであります。  今回の政府関係機関の地方移転に類似する話としては、過去におきまして、平成四年に成立いたしました首都機能移転に関する法律がございました。その際、国を挙げて議論がなされたところでありますが、その際にも、国の政府機関の機能確保や移転に要する費用の観点から、進展が図られなかったところであります。  先ほど御指摘ございましたように、国の行政、例えば観光庁でありますとか、それから文化庁もありましたが、そういうのを地方に移転すべきではないかという提案もなされたところであります。ただ、我が国の行政の仕組みを考えますと、国会で審議があったときに、そうするとそこの幹部の皆さん方は国会に出席しなくてもいいのかというような問題がまず出てくるのではないかと思います。  それから、自治大学校、消防大学校等々の移転を希望している都道府県もございます。私は、自治大学校の校長もしておりましたが、一番難しいのは、立派な先生を確実に集めること、自治大学校におきましては、全国から地方公務員が来て、そこで研修するわけでありますが、何よりも難しいのは立派な先生を集めることでありますので、果たして地方に移転した場合にそういう先生を集められるか等々の問題がございます。  いずれにしろ、この問題は、我が国の政府機関の移転の問題として従来からさまざまな議論がなされ、いろんな試みがなされた分野でもありますので、またこれからいろんな議論がなされるかと思いますし、最終的にどういう決着をするのか見通せないところでもあります。  私どもとしては、その推移を見ながら、必要があれば新しい対応もしたいと思いますが、まずは鹿児島県に所在する諸機関、例えばJAXAの発射場につきましても、それを希望するところがあるかもしれませんが、そういうことが起こらないように努めるのが、まず鹿児島県の当面の務めではないかと思います。 5 ◯企画部長(岩切剛志君)マイナンバー制度の導入についてであります。  番号制度は、既に諸外国でさまざまな経緯、目的により導入されており、例えば利用範囲で見ますと、税務分野のみで利用されているドイツ、税務分野と社会保障分野で利用されているアメリカ、幅広い行政分野で利用されているスウェーデンなどがあり、そのほか民間利用の有無なども違いがあり、国により異なっております。  諸外国における制度を悪用した事例としては、例えばアメリカでは、銀行口座の開設等で我が国のマイナンバーに相当する社会保障番号が必要となりますが、本人確認を番号の告知のみで行うため、第三者が成り済まして番号を使い、年金を不正に受給する事例が発生していたとの報道もあるところであります。  一方、我が国では、マイナンバーを使用する場合、個人番号カードや運転免許証など原則として顔写真つきの身分証明書の提示を求め、厳格な本人確認を行うことで、成り済ましによる被害を防ぐこととしています。  我が国の制度は、特定の国の制度をそのまま導入するものではなく、社会保障、税及び災害対策の三つの分野での利用からスタートし、セキュリティー対策に万全を期しながら、国民の利便性や行政の効率化に資するという観点で運用いたしますとともに、今後の利用範囲については、制度開始後に得られたさまざまな知見をもとに検討していくこととされています。  また、諸外国の状況も踏まえながら、第三者機関による監視・監督や罰則の強化のほか、情報システムへのアクセス制限や暗号化など、制度面及びシステム面の両面からの対策を講じることとしています。  県としては、国や市町村と十分に連携しながら、情報セキュリティー対策に努め、マイナンバー制度が円滑に導入されるよう取り組んでまいります。 6 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)日本版CCRC構想についてであります。  日本版CCRC構想につきましては、先月、国の有識者会議が公表しました生涯活躍のまち構想の中間報告におきまして、地方への人の流れの推進や東京圏の高齢化問題への対応策として、高齢者が健康な段階から、希望に応じて地方やまちなかに移り住み、多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるまちづくりを目指すものとされたところであります。今後、同会議におきまして、モデル事業や制度化の具体的な内容などについてさらに検討を進め、本年末に最終報告を取りまとめる予定であるとされております。  県内では、現在でも、特別養護老人ホームの待機者が昨年六月一日時点で約七千人おられます。また、国立社会保障人口問題研究所の五年ごとの人口推計によりますと、県内の六十五歳以上の高齢者数は平成三十七年がピークとなっておりますが、要介護認定率が高い七十五歳以上の高齢者数は、平成四十七年までふえ続けるとされておりますことから、今後さらに介護サービスの需要は増加していくものと考えております。  このような状況に加えまして、今回の中間報告では、移住の受け入れ先に対する具体的な財政支援の仕組みも示されていないなど、日本版CCRC構想につきましては、今後、解決すべき課題が多いと考えているところでありまして、引き続き、国の動向を注視してまいりたいと考えております。 7 ◯総務部長(寺田雅一君)公文書館について及び公文書の管理について、六点の御質問をいただきました。  まず、公文書館の設置状況等についてでございます。  歴史資料として重要な公文書等の保存・閲覧、関連する調査研究を目的とする公文書館は、全国で三十四の都道府県、九州の中では四県が設置しているところでございます。  本県では、公文書館は設置していないものの、歴史資料として重要な公文書等につきましては、永久保存の公文書等として、県庁地下の文書庫等において、県文書規程に基づいて適切に保存いたしますとともに、情報公開条例に基づく公文書開示請求制度により、保存文書の閲覧や写しの交付を行っているところでございます。公文書館法に定める調査研究は行っておりませんが、同法の主な目的である、歴史資料として重要な公文書等の保存や利用に関する機能は有しているものと考えております。  国や他県におきましては、歴史資料として重要な公文書については、保存期間を最長三十年とし、期間満了後に公文書館で保存管理しているという例が多いものと承知しておりますが、本県では、専門職員は置いていないものの、同様の文書につきましては、永久保存の公文書等として、必要に応じて利用できる状態で適切に保存管理しているところでございます。  続きまして、本県における公文書管理の状況等についてでございます。  公文書管理法は、御指摘がございましたが、国や独立行政法人等における適正な公文書の管理等を主な目的としたものでありまして、地方公共団体につきましては、文書の適正な管理等に努めることとされているところでございます。  本県におきましては、文書の作成、管理、保存、廃棄等についての具体的な内容を定めた県文書規程に基づきまして、適正な公文書の管理等に努めているところでございます。  本県の公文書につきましては、県文書規程に定める保存期間が満了した時点で、改めて各所属におきまして保存の必要性について個別に検討を行い、必要に応じ、保存期間の延長等を行っているところでございます。  また、歴史的な価値があり、破損、劣化等が懸念される永久保存の文書につきましては、平成十年度から二十三年度にかけて、順次マイクロフィルム化したところでございます。  今後とも、公文書等の適正な管理に努めてまいりたいと考えております。 8 ◯商工労働水産部長(武盛武士君)商工会議所及び商工会の小規模事業者等への支援に対する評価と今後の県の取り組みについてでございます。  商工会議所・商工会は、小規模事業者の持続的発展を図るため、これまでの経営指導等に加えまして、平成二十六年度からは、国の小規模事業者持続化補助金を活用した事業の支援を積極的に行っています。同補助金の平成二十六年度の本県採択件数は五百三十六件と全国第五位でありまして、小規模事業者への着実な支援が行われているものと考えています。  また、県商工会連合会が運営するアンテナショップかご市では、小規模事業者の新規の販路開拓に取り組んでおりまして、全国的にも注目度の高い事例となっております。  小規模事業者経営発達支援について定めております、いわゆる小規模支援法におきましては、商工会議所・商工会は、小規模事業者に寄り添った事業計画の策定や、その着実なフォローアップを行う伴走型の支援を行う体制を整備することが必要であるとされています。  県におきましては、従来から、小規模対策事業によりまして、商工会議所・商工会が実施する経営革新や創業促進に関する指導、技術の向上や新分野開拓に関する情報提供等に対して助成を行っておりまして、引き続き必要な支援を行ってまいります。    [酒匂卓郎君登壇] 9 ◯酒匂卓郎君 コメントについては最後にまとめて行いたいと思います。  次に、農業政策について質問いたします。  まず、米丸地区農地整備事業パイプライン化等の整備についてであります。  姶良市蒲生町米丸地区は、圃場整備から三十年以上がたち、用水路等の老朽化がひどい状況にあるとともに、高齢化が急速に進んでいることから、地域の未来を背負う農業の担い手の育成のためにも、圃場のパイプライン化を進めようと地域が一致団結し、県や市に対しまして熱心に要望を行った結果、今年度より事業が始まっております。  そこで、米丸地区農地整備事業の概要と今後の整備スケジュールについてお示しください。  次に、住吉池用水路の整備等について質問いたします。  この用水路は、姶良市の住吉地区の地域のかんがいに用いられている住吉池に流入する河川がなかったことから、江戸時代、一六三二年─寛永九年─につくられたものでありますが、老朽化のためさまざまな問題が生じてきております。  また、この地区は過疎・高齢化が進んでいるため、今後の用水路の維持管理の問題も浮上してきております。
     そこでお尋ねいたします。  第一点は、住吉池用水路について、地域の方々から、取水口やトンネルの改修、用水路上部山肌の崩落対策などの要望が出されておりますが、現在の検討状況についてお示しください。  第二点は、過疎・高齢化が進む県内の多くの地域では、用水路など農業水利施設の維持管理が老朽化により難しくなっているところがあるのではないかと思いますが、農業水利施設の老朽化対策について、現在の状況と今後の取り組みについてお示しください。  次に、松原海岸及び振興海岸の整備について質問いたします。  この海岸は、姶良市のちょうど錦江湾沿いの海岸に当たります。  この松原海岸及び振興海岸の堤防については、そのほとんどが旧薩摩藩時代から明治にかけて築造された石積み式直立型の干拓堤防でありますが、昭和二十六年のルース台風の際は堤防の随所が決壊や流出するなど、これまで幾度となく災害に見舞われ、その都度、災害復旧工事が行われてきております。  その後、昭和三十八年度から昭和四十八年度にかけて、国営海岸保全施設整備事業として、堤防・樋門の改修工事が行われ、さらに、昭和五十八年度から平成二十一年度まで、県営海岸保全施設整備事業として、堤防の前面に消波工等の工事が行われております。  近年、大規模災害が多く起きている中で、堤防の近くの住民からは、古い堤防への不安と早期改修の声を多く聞くようになっております。  そこで、松原海岸及び振興海岸について、老朽化等の心配はないのか。今後、しっかりと改修・整備していく考えはないか、お聞かせください。  次に、林業政策について質問いたします。  人工林伐採跡地における再造林対策についてであります。  本県は、県土面積の六四%が森林であり、これまで先人たちが営々として育ててきた人工林が立派に成長し、今後、この資源を活用して地域の活性化を図っていくことが期待されております。  ことしになって、木質バイオマス発電施設や大型木材加工施設が稼働を始めたことから、木材需要量が増加し、これに伴って、私の地元の姶良管内でも人工林の伐採があちこちで見られるようになってきております。しかしながら、伐採後の再造林については、木材価格の低迷や再造林に必要な労働力の不足などから進みにくい状況にあると聞いております。  人工林の伐採跡地がそのまま放置されると、木材の安定的な供給が困難になるばかりでなく、森林の有する公益的機能の発揮が損なわれることが危惧されることから、再造林の推進により、健全な森林を育成することが重要であると考えております。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、県内人工林の資源状況と伐採・再造林の現状についてお答えください。  第二点は、人工林伐採跡地における再造林推進の取り組みについてお答えください。  次に、道路整備について質問いたします。  まず、国道十号の整備についてであります。  国道十号の整備につきましては、これまで何度も一般質問で取り上げるとともに、県議会国道十号整備促進議員連盟において勉強会や中央陳情など積極的に取り組んできており、着実に整備が進んできております。  鹿児島北バイパスにつきましては、平成十四年度にPI委員会から、海浜ボックスルートが望ましいと提言がなされましたが、その後、国において、海浜ボックスルートとあわせて、山岳ルートの検討が進められてきました。そしてことし三月、ルート検討委員会において、山岳ルートが妥当と判断され、現在、都市計画変更の手続を進めていると聞いております。  また、白浜拡幅については、大崎地区が今年度末の完成へ向けて工事が進んでおり、いよいよ次は、残りの白浜地区の着工が待たれているところであります。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、鹿児島北バイパスについて、海浜ボックスルートに比べ、山岳トンネルルートが妥当とされた理由及び今後のスケジュールについてお示しください。  第二点は、白浜拡幅について、現在の整備状況及び今後のスケジュールについてお示しください。  次に、県道浦蒲生線の整備と道路災害への対応について質問いたします。  県道浦蒲生線は、鹿児島市から姶良市、薩摩川内市、さつま町を経由して伊佐市に至る県道等で構成されている鹿児島大口幹線道路の中心部に位置する県道であり、これまで一般質問等で早期整備を求めてきましたが、急峻な崖沿いをいまだ離合もできないような狭い道が通っているのが現状で、一刻も早い整備が求められております。  また、八月三十日の豪雨により、道路路肩の崖の石積みが外側に傾くとともに、路面が陥没して、現在も全面通行どめとなっております。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、鹿児島大口幹線道路としての現在の整備状況と今後のスケジュールをお示しください。  第二点は、八月三十日の豪雨による道路災害の災害復旧工事のスケジュールについてお示しください。  次に、寄洲除去について質問いたします。  県議会は、平成二十四年三月六日、伊藤知事に対して、災害に強い県土づくりについて提言を行い、その中で、河川内の堆積土砂、いわゆる寄洲については、経年とともに堆積したもの、土石流等により形成されたもの等があるが、寄洲除去については住民の要望も強い。しかしながら、要望箇所も多く十分に進んでいないことや集中豪雨が増加している状況も踏まえて、河川内の堆積土砂の除去については、早急な対応が必要である。さらに、河川内の堆積土砂については、水害の原因の一つになり得るため、浸水被害の未然防止を図る観点から、その除去については、コスト縮減の工夫等を行うとともに、予算確保に積極的に努め、期間を定めて集中的に取り組むことと強く要望いたしました。  その結果、県は、平成二十四年十一月に寄洲除去計画を策定し、平成二十七年度、本年度までの四カ年で集中的に寄洲を除去する計画を策定し、現在、鋭意取り組んでおられます。  しかし、この計画策定時の方針としては、流下能力や背後地の状況等を勘案し、埋塞率二〇%以上の寄洲、つまり、河川の流下断面に対して寄洲等の土砂が堆積している面積割合が二〇%以上の寄洲と限定されていたために、現在、各地を回ってみますと、まだまだ除去すべきと思われる寄洲が数多く残っている状態であります。  計画策定時は二〇%を下回っていたものの、その後、超えているところや、断面は二〇%なくても、例えば用水路や支川の出口を塞いでしまい、内水が農地を浸水してしまっている箇所など、どうしても寄洲を除去しなければならないところも残っております。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、寄洲除去計画について、予算や除去量などは計画どおりに進んでいるのか、現在の状況についてお示しください。  第二点は、寄洲除去計画は予定どおりに進んでいるとしても、それ以外に、まだ除去しなければならない寄洲が多数残っていると思いますが、今後、そのような寄洲の除去にどのように取り組んでいかれるおつもりか、見解を伺います。  次に、仮称イオンタウンあいら開業、建設に係る問題等について質問いたします。  来年の春、姶良市に仮称イオンタウンあいらがオープンいたします。鹿児島市のイオンモールと同じぐらいの大きさと言われており、市民は、巨大ショッピングセンターができることで地域の活性化や雇用の面など期待が膨らむ一方で、周辺地域でひどい渋滞が起きるのではないかと不安の声も大きくなってきております。  現在、市では、周辺の市道の整備を急ピッチで進めるとともに、国・県・関係機関などに対して渋滞対策等の要望をしていると聞いております。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、車や歩行者など通行量の大幅な増加が見込まれる帖佐駅からイオンタウンあいらまでの県道松原帖佐停車場線及び県道下手山田帖佐線について、渋滞対策と歩行者などの安全対策をどのように考えておられるのか、見解を伺います。  第二点は、県警として、イオンタウンあいら周辺道路の渋滞対策について、どのような対策を考えておられるのかお示しください。  第三点は、イオンタウンあいらは、二期工事では映画館なども入る予定となっておりますので、これまで天文館や鹿児島中央駅等に行っていた方々が、JRを使って来ることも予想されますが、日豊本線は単線で便数も少ないなど、不便な状況にあります。そこで、姶良市がJRに対して要望している、日豊本線の増便や複線化・高速化など、輸送力の向上について、県としてどのような対応をされておられるのか、お答えください。 10 ◯農政部長(福田博史君)農業政策についてのお尋ねのうち、まず、米丸地区農地整備事業についてでございます。  米丸地区については、水田用水の安定的な確保と担い手への農地集積の促進を図るため、六十六ヘクタールの水田を対象に、パイプラインや農道、暗渠排水などの整備を実施することとし、平成二十七年度に農地整備事業経営体育成型として採択されたところであります。また、事業実施を契機に、農地中間管理機構とも連携し、農地集積を促進するためのソフト事業もあわせて導入することとしております。  平成二十七年度は、用水のパイプライン化の測量設計を実施しており、来年度から工事に着手し、平成三十二年度の事業完了を目指しております。  住吉池用水路の整備についてでございます。  住吉池用水路は、山肌の崩落に伴う土砂流入が多いことや、ほとんどがトンネルであり、土砂が流入した場合、管理が困難な状況にあることから、地元より改修の要望が出されております。このため、県としましては、地元要望の強い用水路への土砂流入防止対策について、現在、調査を実施し、事業化に向けて検討を進めているところであります。  なお、取水口やトンネルの改修については、工法や費用の詳細な検討が必要なことから、姶良市や管理を行っている土地改良区と協議してまいりたいと考えております。  農業水利施設の老朽化対策についてでございます。  本県の用排水路などの農業水利施設については、建設後に相当の年数が経過しているものもあり、これまで、必要に応じて対策を実施してきておりますが、今後、耐用年数を超過する施設が増加していくと見込まれることから、施設の機能や維持管理に影響を与えることが懸念されております。  県としましては、市町村や土地改良区と役割分担しながら、老朽化により周辺地域への影響が大きくなると予想される施設から、順次、詳細な点検調査を行っており、その結果をもとに、緊急性、優先度を考慮して、工事施工などの対策を進めているところであります。  今後とも、市町村や土地改良区と一体となり、計画的な老朽化対策に取り組んでまいりたいと考えております。  松原海岸及び振興海岸の整備についてでございます。  松原海岸及び振興海岸については、これまでも、国営や県営事業により、堤防のかさ上げや補強工事等を行ってきており、県において平成二十五年度に点検調査を実施したところ、堤防表面の一部にひび割れが見られたものの、堤防本体の機能は維持されているという結果となっております。  しかしながら、堤防のかさ上げ工事完了後、約四十年経過していることから、県としましては、海岸保全施設としての防護機能が確保できるよう、今後とも計画的に点検・補修を行ってまいりたいと考えております。 11 ◯環境林務部長(川野敏彦君)林業政策に関しまして、まず、県内人工林の資源状況と伐採・再造林の現状についてでございます。  県内の民有林面積は約四十三万ヘクタールで、そのうち約半数の二十一万ヘクタールがスギ・ヒノキ等の人工林となっております。これらの人工林は、植栽後三十年以上経過した森林が約九割を占めており、本格的な利用期を迎えております。  このような中、県内でも特に成熟した森林が多い大隅地域などを中心に、人工林の伐採が進んできており、伐採面積は平成二十五年度までの五年間で約二千五百ヘクタールとなっており、そのうち三割に当たる約九百ヘクタールで再造林が行われております。  人工林伐採跡地における再造林推進の取り組みについてでございます。  再造林の推進については、去る二月に策定した未来の森林づくり推進方針に基づき、造林・保育コストの低減を図るため、伐採から植栽までを一貫して行う低コスト施業の取り組みへの支援や、森林環境税関係事業による苗木購入への助成等を行っております。  また、再造林の推進に不可欠な優良苗木の安定的な供給体制づくり、県林業担い手育成基金等と連携した林業従事者の新規就業の促進や就労条件の向上など、労働力の確保・育成に取り組んでおります。  さらに、関係者が連携して再造林を進めるため、森林組合や苗木生産者等から成る県再造林推進対策会議や地域別の連絡会を五月以降順次設置するとともに、林業事業体による伐採・再造林に関する自主規範の策定にも取り組んでいるところです。  今後とも、関係者と一体となって、再造林の推進に努めてまいります。 12 ◯土木部長(久保田 一君)国道十号の整備についてです。  鹿児島北バイパスについては、平成十四年度のPI委員会において、海浜ボックスルートが望ましいと提言されました。その後、旧集成館などの世界文化遺産登録への動きや東日本大震災を契機とした津波への対応など、事業を取り巻く環境が大きく変化したことから、改めて、山岳ルートを含め、検討を行うこととなりました。  新たに設置されたルート検討委員会では、災害時の機能確保、景観等への配慮、効果の早期発現など総合的に検討され、地域住民や関係機関からの意見も踏まえた上で、山岳ルートが妥当と判断されたところであります。  現在、県において、都市計画変更の手続を行っているところであり、今後、地質調査や道路設計などが進められる予定であります。  国道十号白浜拡幅については、全体計画七・三キロメートルのうち、これまでに三・六キロメートルが四車線で供用され、現在、大崎地区三百メートルと白浜地区三・四キロメートルの整備が進められております。このうち大崎地区については、本年度の供用に向け、工事が進められております。  県としては、国道十号の整備促進が図られるよう、引き続き国に要請してまいります。  県道浦蒲生線の整備と道路災害への対応についてです。  県道浦蒲生線については、幅員が狭くボトルネックとなっていた七十メートル区間を米丸工区として昨年度から事業に着手し、現在、工事を進めているところであり、本年度中に整備を終えることとしております。残る未整備区間については、事業中箇所の進捗状況や優先度等を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。  また、姶良市蒲生町米丸の道路災害については、バス路線でもあり、住民生活への影響が大きいことから、国と協議の上、災害査定前の来月には工事を発注し、早期復旧に努めることとしております。  次に、寄洲除去計画の進捗と計画外の除去への取り組みについてです。  寄洲除去については、寄洲除去計画に基づき、流下能力や背後地の状況等を勘案し、埋塞率二〇%以上の箇所を四カ年で集中的に取り組んでいるところであります。平成二十七年八月末までに、全体予算の九五%に当たる約三十五億円で四百二十四カ所、約百七万立方メートルの土砂を除去したところであります。今後、残る箇所の発注を進め、今年度末までには当初計画した全箇所について除去を終えることとしております。  寄洲除去を集中的かつ計画的に進めたことで、流下能力が確実に向上したものと考えております。  また、計画策定時点で対象とならなかった箇所や新たに堆積した箇所については、寄洲の堆積状況を確認し、治水上緊急性が高い箇所から、できる限りの対応をしてまいりたいと考えております。  イオンタウンあいら建設に関連しまして、県道における渋滞対策等についてです。  イオンタウンあいら開業に伴う周辺道路における交通対策については、これまで、事業者と姶良市や県が協議を行ってきており、県道下手山田帖佐線においては、バス停スペースの新設や一部歩道の拡幅、北側交差点への右折レーン設置などが、事業者により実施されることとなっております。このほか、周辺市道についても、姶良市による拡幅や事業者による新設が計画されているところであります。  県では、これまでも、歩行者の安全対策として、県道松原帖佐停車場線において路肩のカラー舗装や一部区間の歩道設置を、県道下手山田帖佐線において歩道部の路面補修や段差解消などを行ってきており、今後とも、この地域の交通状況について注視してまいりたいと考えております。 13 ◯警察本部長(種部滋康君)イオンタウンあいら周辺道路の渋滞対策についてでございます。  来春開業が予定されているイオンタウンあいらの周辺には、主要幹線道路である国道十号や通過交通量の多い県道・市道があることから、同施設の開業に伴い、これまで以上に交通量が増加し、交通流の変化が予想されるところであります。  県警察では、周辺の交通の安全と円滑を図るため、事業者に対し、看板の設置、誘導員の配置、シャトルバスの運行などの申し入れを行っているほか、関係機関と連携し、信号運用の見直し、右折車両の増加が見込まれる信号交差点での右折矢印信号の新たな設置などを行うこととしております。  また、開業後につきましても、適宜交通実態に応じ、信号運用や交通規制の見直し、事業者に対する必要な申し入れなどを行い、周辺の交通の安全と円滑を図ってまいりたいと考えております。 14 ◯企画部長(岩切剛志君)日豊本線の増便、複線化・高速化など、輸送力の向上についてであります。  日豊本線の輸送力の向上については、本県及び在来線鉄道の沿線自治体等で構成する県鉄道整備促進協議会等を通じて、JR九州に要望を行っているところであります。  同社としては、複線化・高速化については、多額の事業費を必要とする一方で、相応の輸送需要が見込めないことなどから、現時点では困難でありますが、増便等については、イオンタウンあいら整備後の利用状況や沿線の概況等を踏まえ、検討する意向であると聞いているところであります。  県としましては、今後とも、関係自治体と連携を図りながら、同協議会等を通じ、日豊本線の輸送力の向上について、JR九州や国に対して要望してまいりたいと考えております。    [酒匂卓郎君登壇] 15 ◯酒匂卓郎君 全ての質問が終わりました。  答弁に対しましてコメントを申し上げたいと思います。  まず、政府機関の移転につきましては、知事から大変詳細に御答弁いただきました。その中で、大学の新たな設置ということで言及がありました。鹿児島県にまた新たな大学が設置できるのであれば非常にありがたいということで、ぜひとも果敢に挑戦していただければありがたいと思っております。県議会も期待して、みんなでバックアップしていきたいと思います。  次に、CCRC構想ですが、昨日、鹿児島県議会の全協的勉強会で偶然にも説明がございまして、若干の勉強ができました。地方は、過疎化・高齢化が進む中で非常に期待しております。そういう意味で、県の社協老人福祉施設協議会から陳情が出ているように、これをぜひとも地方の活性化につなげるような制度をつくっていただきたいと思っております。まだまだ制度が構築途中ということで、方向が細かく決まっておりませんので、県としては、ぜひとも鹿児島県に有利な、過疎が進む鹿児島県にとって使いやすい、地域の活性化につながるような制度になるように御提言、働きかけをお願いしたいと思っております。  公文書館等の設置につきまして多々質問させていただきましたけれども、鹿児島県は現在、情報公開条例で対応しているのが現状であります。しかしながら、もう全国では三十四都道府県が公文書館を設置、またはその機能を有して運用しておりますし、九州では四館が設置、そして一館がセンターとしてやっていると聞いておりますので、全国的な状況等ももう一度御検討いただきまして、公文書館の設置等について御検討を引き続きしていただきたいと思います。  小規模事業者等の支援につきまして、国も昨年、小規模企業振興基本法を成立させ、そしてまた、商工会等に関する支援の法律を改正ということで、本腰を入れて地域の活性化のために、中小企業・零細企業を支えるために法律の成立・改正が行われましたので、ぜひ鹿児島県も今まで以上に、これ以上に取り組んでいただくように要望いたしておきます。  次に、地域の課題も幾つか質問させていただきました。  私の姶良市も、人口がふえている地区と減っている地区が大分顕著に分かれておりまして、今回の質問は、そういう過疎・高齢化が進む地域の農地整備、また用水路等の整備の質問でありました。
     恐らくこれは県内全ての地区で当てはまると思いますが、用水路の補修・改修等とあわせまして、今度は維持管理をする高齢者がいなくなるということで、その辺の対策についても、これからハードだけじゃなくてソフトもどうするのか、一緒に考えていきたいと思います。  時間がありませんので、最後に、イオンタウンにつきましてですけれども、姶良市に、七万五、六千の市に大変巨大なショッピングセンターが出現いたします。どのような影響が出るのかまだ未知数なところがございまして、私もそうですが、市民も含めまして、大きな期待と、そしてまた一方では不安も持ちながらこの開業を見詰めているところです。何とか不安を解消して、巨大ショッピングセンターが地域の活性化につながったというふうに実現していきたいと思っております。  きょうは、県当局、県警等も御答弁いただきましたけれども、実際オープンしてみなければわかりません。また改めて県議会でお願いすることもあろうかと思いますけれども、その際には、何とか地域の発展につながるように、また県全域にかなりの影響力を及ぼす施設でございますので、県全体の地域発展につながるように御協力をお願い申し上げまして、四期目初めての質問でございましたけれども、以上で質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 16 ◯議長(池畑憲一君)次は、向井たかまろ君に発言を許可いたします。    [向井たかまろ君登壇](拍手) 17 ◯向井たかまろ君 皆さん、こんにちは。県民連合、社会民主党の向井たかまろでございます。  冒頭、口永良部島の噴火で避難生活を余儀なくされている方々、桜島の噴火警戒レベル引き上げに伴い大変な心労を受けられた方々、そして風評被害に苦しんでおられる方々、また、台風十五号により、特に三島村、十島村、薩摩地方で大きな被害を受けられた方々、また加えて、関東・東北地方での豪雨災害で甚大な被害を受けられた方々に対し、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りしますとともに、一日も早く安心・安全な生活が取り戻せますよう心からお祈り申し上げます。  そして、けさの新聞報道等でもありました、一昨日の台風二十一号によって、与那国島では最大瞬間風速八十一・一メートル、小学校・中学校の二校の体育館の屋根が剥がれ、全壊が十棟、半壊が二十七棟、一部損壊二百棟余りと報じられておりました。ことしは特に災害が多いようにも思います。与那国島でも一日も早く復旧されることをお祈り申し上げます。  私は、さきの県議会議員選挙で初めて議席をいただきましたが、みんなが元気になるように、人に優しい県政を目指して、一つ目に、川内原発は再稼働させてはならない、二つ目に、安全保障関連法案、いや戦争法案は要らない、三つ目に、あらゆる格差の解消が必要と訴えてまいりました。  このような中で、川内原発が再稼働し、安全関連法案が成立したことはとても残念でなりません。  力強い政策の推進は必要なことではあります。しかし、力強い政策の陰には必ずひずみが生じます。ひずみの中で、格差などに苦しむ人々も存在します。四十年余り県立学校の事務職員として体験してきたこと、そして私が所属した教育関係団体の中で、団体が運営するかけこみ支援金に、修学旅行に行けない、部活動費が払えない、授業料・学校納入金を払わないと卒業証書を渡してもらえない。そのような救いを求めてきた生徒、保護者が少なくなかったことなども踏まえ、さきに述べた私の公約とも関連しながら、知事の所感や施策の推進などについて質問いたします。  グローバルなことについては代表質問などでもいたしましたので、私は、これらのことが、鹿児島県においてどのような影響があらわれるのか、そういうことに絞って質問することといたします。また、私の手元に届いた地域の課題についても、私の選挙区のこととしてだけではなく、鹿児島県全体に置きかえてという視点で何点か伺ってまいります。  それでは、通告に従いまして質問いたします。  まず最初に、川内原発の再稼働に関連して伺います。  川内原発の再稼働に関しては、先日、県民連合の代表質問でも、国のエネルギー基本政策の見直しと再生可能エネルギーへの転換促進、避難訓練の早期実施、台風など複合災害への対応、被曝労働への対応など質問いたしましたが、十分な回答をいただいたとは受け取りがたいところであります。  先日、医療関係団体の会報誌が手元に届きました。その中の次のような記述が目にとまりました。「百歩譲って安全対策が万全だとしても、放射性廃棄物の問題は解決の見込みがあるのだろうか。日本国内に一万年も安全に放射性廃棄物を保管しておける場所などあるはずもない。あちこちに活火山が存在する日本に原発は不向きであることは明白である。国は、一刻も早く今後のエネルギー政策の展望を示すべきである。目先の経済的なことばかりにとらわれず、百年後、千年後の日本を思い浮かべてほしい」とつづられていました。このような発言はこれまで何回となく発せられ、私も気持ちを同じくする一人であります。  県民の間には、多少の経済的負担をしてでも、原子力発電から一刻も早く脱却して、川内原発もできるだけ早く運転を停止して、当面は火力発電などをベースとしながらも、再生可能エネルギーへの転換を図ってほしいという声があります。  原発ゼロでもことしの夏の電力需給バランスが保てたことをも踏まえた上で、経済的負担をしてでも原発に依存しない電力政策を希望する県民が少なくないことへの知事の所感を求めます。  次に、川内原発の核のごみの処分についてであります。  川内原発で貯蔵できる使用済み核燃料の限度は千二百九十トンとされ、貯蔵量は今回の再稼働によっておよそ五十トンふえ、九百四十トンになるとされています。そして貯蔵率は七三%前後になる見込みです。  国は、地層処分場を国主導で確保するという方針で動いていますが、これまでの経緯からしても、受け入れ地を確保することは至難のことと想定されます。私は、地層処分が唯一無二の処分方法であるとは考えられず、ほかにも適切な処分方法は見当たらず、よって、これ以上核のごみをつくり出すことはあってはならないと考えるところです。  川内原発で核のごみが再びふえ始めること、国による地層処分の是非と可否について、知事の所感を伺います。  国内・国外の火山噴火や地震の増加など、地殻変動の活動期に入っているとの指摘があります。また、地震や噴火の予知は不可能であるというのが、地質学者などの知見というか諦めであり、現に、最近の噴火や地震も突然に起こっています。巨大噴火は予見できるので、原発を停止して燃料棒を取り出し、使用済み核燃料を含め安全な地域へ運び出すなどということは、空想にも当たらないと考えるところであります。  噴火・地震の予知は難しく、地殻変動が活動期にあるという指摘の中での原発の再稼働について、知事の所感を伺います。  スリーマイル島、チェルノブイリ、そして東電福島第一原子力発電所の事故によって、原発の安全神話は完全に崩壊しています。にもかかわらず、私たちの国はなぜ再稼働に向かうのか。  私の手元にささやかなお願いが届いています。「安定ヨウ素剤を三十キロ圏内へも配布する考えはないのか。旅行者など一時滞在者への緊急配布の体制はとれるのか」というものです。対応についてお伺いします。  安保関連法に関して伺います。  政府は、九月十九日、多くの国民の反対を突き崩して安保関連法を強行採決、可決・成立させました。この法律が憲法違反であることは、多くの憲法学者や最高裁元長官などが指摘するとおりであると考えます。私も、この法律が憲法違反であるということの訴訟に、原告人として参加していく覚悟でいます。  この法律によって、これから私たちの国を担う世代が戦場に駆り出され、人を殺し、殺される危険にさらされる可能性が増加しました。戦場に駆り出されたことで、身体や生命についてはもちろん、精神的にも深い傷を負い、その後の社会生活が難しくなった例が多く知られています。  本人と家族はもちろんのこと、国家にとっても大きな損失です。戦火は戦闘員にばかり襲いかかるものではありません。沖縄で、広島・長崎で、鹿児島を含む全国各地で無差別空襲、戦闘機はパイロットの顔が見える位置まで低空飛行して、市民・学童を機銃掃射したのです。「戦争は、人間を人間でなくしてしまう」、元ひめゆり学徒隊の方の言葉です。その後の戦乱でも、多くの子供、女性、お年寄りなど非戦闘員が限りなく多数犠牲になっています。悲劇を人間みずからの手で繰り返してはなりません。  平和憲法によって七十年間戦乱から免れてきた私たちの国がとるべき態度は、国際紛争を武力で圧することではなく、平和的に、対話によって解決することをリードしていくことです。  平和ぼけしている。今の国際情勢は日本だけが蚊帳の外では通用しない。国際的責任を果たし、信頼を得ていかなければならない。そのためにも抑止力として法整備と軍事力の整備が必要などと叫ぶ方々がいらっしゃいます。軍事力によらない平和の追求は不可能なのでしょうか。  ここで伺います。  安保関連法によって、我が国は他国からの攻撃を呼び込む可能性が大きくなるとする指摘があります。本県は島嶼域が多いこと、既存の自衛隊施設に加えて奄美大島に新たに配備が進められようとしていること、二基の原発が稼働することなどから、よりリスクが高くなるという指摘もあります。これらの指摘に対する知事の所感を伺います。  三点目に、格差の解消について、二点質問いたします。  労働者派遣法案が九月十一日可決され、まさに本日、九月三十日に施行されました。  そもそも労働者保護ルールは、国民の生存権、幸福追求権、労働することの義務と権利を保障するためのもので、企業優位の労使関係を排するために戦後の法制において確立されてきました。特に、バブルの崩壊を機に、企業経営に軸足を置き改正が繰り返され、そして現在は、生活が不安定な非正規雇用者は約四割に達する状況となっています。安倍政権は、我が国を世界で一番企業活動がしやすい国にするという方針のもとで、成長戦略として今回の改正を強行しました。  改正の特徴は、一部の業務を除き派遣期間の制限を撤廃するということにあり、政府は、派遣労働者のキャリアアップを図るとともに正社員への道を開くものだとして、その意義を強調していますが、働く側からは、派遣就業は臨時的で一時的なものだという原則を揺るがし、派遣労働の固定化につながると懸念する声が強くなっています。  先日の新聞記事で、最低賃金に関する記事でしたが、企業は、社員の生活安定を一番に取り組むのであって、上から最低賃金を決めるのはいかがかというような趣旨の記事でした。労働者にとってはとても頼もしい主張です。しかし、社員の生活安定や地域貢献に心血を注いでくださる社長さんが多くいらっしゃることは私も知っていますが、現実には、ブラック企業という言葉ができるほどに、社員の生活安定を一番には考えていない企業が少なくないことが社会問題となっています。  多様な生き方、多様な働き方を選択することも国民の権利ではありますが、年収が二百万円にも満たない家庭がふえ、経済的格差が拡大し、家計の格差が子供の貧困を、そして子供の教育の格差に連鎖し、格差の固定化が指摘されています。結婚することを選択しない、あるいは結婚できない、出産を控えるという若者がふえ、我が国はますます少子高齢化へ進んでいます。  今回の法改正は、鹿児島県のまち・ひと・しごと創生プランにも大きく影響するのではないかと危惧しています。  そこで、労働者派遣法改正による本県での雇用環境悪化の懸念と、今後の安定的な雇用対策について伺います。  私は、冒頭にも申し上げましたとおり、今回初めて県議会議員に立候補し、霧島市・姶良郡区を回りました。その中で、地域に根差して頑張っている若者の姿などを頼もしく拝見しました。しかし一方で、雨降りの中、集落の外れの一軒家で電気も消して、爪に火をともすように生活している現実にも遭遇しました。このような実態は、決して集落外れだけでなく市街地でも少なからず見受けました。そして、連れ合いに先立たれ、子供たちは生活が便利な市街地に住み、年金は目減りして、生きる当てがない。病院に行くこともままならないというような訴えも伺いました。特に、平成の大合併以降、地域格差が拡大しているように見受けられます。  ある市議会議員は、霧島市の病床数がほかの地域に比べて少ないことを資料をもとに説明してくれました。特に、旧国分市・隼人町地区を除く地域で病床数が少なく、介護施設についても格差があると認識しています。  私は種子島の出身でもありますので、離島医療などにも関心を持っています。とりわけ三島村や十島村などで医療や介護が不足しているのではないかと危惧します。医療や介護の安心がないと地域はますます衰退していきます。  安倍首相は、地方創生に取り組むとしていますが、一方で病床数の削減を打ち出すなど、真逆のことをしていると指摘せざるを得ません。地方創生のためには、医療や介護の確保を図ることが大切であると考えるところであります。  伺います。  県内の二次医療圏ごとの人口当たりの病床数の状況を示していただくとともに、中山間地域や離島等において、医療及び介護を確保するための施策について示してください。  以上で、一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 18 ◯知事(伊藤祐一郎君)原発に依存しない電力政策への所感についてのお尋ねであります。  福島第一原発の事故を受けまして、原子力エネルギー政策につきましてさまざまな御意見があることは十分に承知しているところであります。  このような中、昨年四月に閣議決定されましたエネルギー基本計画におきましては、原発依存度について、再生可能エネルギーの導入などにより、可能な限り低減させることとされ、また、七月に公表されました長期エネルギー需給見通しの中では、震災前をさらに上回る自給率の確保、電力コストの引き下げ、欧米に遜色のない温室効果ガスの削減等を政策目標として定め、これらを同時達成する中で、二〇三〇年度時点のあるべき姿として、原発を二二から二〇%とする電源構成の比率が示されたところであります。  これらを踏まえまして、当分の間、原子力発電を活用しつつ、再生可能エネルギーの導入拡大に努め、おおむね二〇三〇年代の時点におきまして、将来のエネルギー基本政策を検討すべきであると考えております。  また、その際には、再生可能エネルギーの普及状況や産業社会への影響、エネルギーの安全保障等を考慮し、どのようなエネルギーミックスが可能かを国を挙げて検討することが重要であり、いわゆる脱原発の方向を模索しつつ、国の最も根幹的な政策の一つであるエネルギー政策として、その時点での最善の方策を検討すべきであると考えているところであります。 19 ◯企画部長(岩切剛志君)使用済み燃料が増加することについてであります。  川内原発の再稼働により使用済み燃料が増加することとなりますが、九州電力によりますと、現在、川内原子力発電所内にある使用済み燃料貯蔵設備の貯蔵余裕は、一号機が五百二十七体分、二号機が三百二十五体分あり、これにより、一号機が約十七年、二号機が約十二年稼働できると聞いております。  また、我が国全体としては、一定の貯蔵余地が確保されている状況にありますが、貯蔵容量に余裕のないサイトも見受けられますことから、使用済み燃料やガラス固化体の貯蔵能力の充実・強化を図ることは、国の極めて重要な政策課題の一つであると認識しております。  地層処分の是非と可否についてであります。  放射性廃棄物の管理については、数万年以上にわたり人が管理を行う場合、さまざまな自然現象の影響を受けるリスクが大きく、また、技術的・経済的にも将来世代に負担をかけることになりますことから、放射性廃棄物を人の生活環境から安全に隔離するためのさまざまな方法が、長期にわたり国際的に議論されてきたところであります。  その結果、地層処分が広く各国で共有されることとなり、我が国も、平成十二年六月に制定した特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律において、地層処分を採用したところであります。  高レベル放射性廃棄物の処分地選定については、本年五月に閣議決定された基本方針において、国が新たに科学的有望地を提示するとともに、調査等の理解と協力について関係地方自治体に申し入れを行うこととされ、現在、国は、科学的有望地の要件・基準に関する検討を進めるとともに、住民を対象とした地層処分に関する対話活動を全国各地で実施するなどしているところであります。  県としましては、地層処分を含む使用済み燃料対策が計画的かつ確実に進められるためには、まずは国がこれらの対策を着実に実施することが必要であると考えており、今後の国の動向等を十分注視してまいりたいと考えております。  安保関連法成立によるリスク増大についてであります。  我が国周辺の安全保障環境が一層厳しさを増す中において、政府が、国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制と位置づける安全保障関連二法案は、本年五月に閣議決定された上で国会で審議され、去る十九日、成立したところであります。  これまでも申し上げておりますとおり、防衛・安全保障政策は国の専管事項であり、その一義的な判断主体である国において、引き続き、国会を初め、政党及び国民の間で幅広い議論が行われるとともに、国として十分に説明責任を果たすことが重要であると考えております。  県としましては、県民の平和で豊かな暮らしと安全を守ることは県政の基本であると考えており、こうした観点から適切に対応してまいりたいと考えております。 20 ◯危機管理局長(永野 司君)川内原発再稼働に当たっての火山・地震の評価についてでございます。  火山につきましては、噴火の時期や規模を正確に予知することは困難でありますが、巨大噴火の前には、地殻変動や地震活動など何らかの前兆現象が見られますことから、新規制基準では、火山の動きを把握するためのモニタリングを行い、状況に変化が生じた場合には、早い段階で必要な措置を講じることが求められております。  一方、地震につきましては、予知して対応することが難しいことから、新規制基準では、地域の特性を踏まえて、想定される最大の揺れを前提といたしまして基準地震動を策定し、これによる地震力に対して、発電所の安全機能が損なわれない設計が求められております。  川内原発の火山対策及び地震対策につきましては、いずれも、原子力規制委員会により、この新規制基準に適合していることが確認されており、県といたしましては、再稼働に求められる安全性が確保されることが確認されたと考えております。 21 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)原発再稼働に関連して、安定ヨウ素剤の配布についてのお尋ねがありました。  国の原子力災害対策指針等におきましては、PAZ圏内では、全面緊急事態に至った場合の避難の際に、服用の指示に基づき速やかな安定ヨウ素剤の服用が可能となるよう、事前に住民に配布することとしておりまして、またUPZ圏内、これが御質問にありました三十キロメートル圏内でありますけれども、そこでは緊急時に備え安定ヨウ素剤を配備し、避難等とあわせて、服用の指示に基づき配布・服用させることとしております。  これに基づき県では、緊急時の安定ヨウ素剤の配布に備えまして、本土内の九カ所の保健所及びUPZ圏内の九市町に、一時滞在者分を含む約九十五万丸の安定ヨウ素剤を配備しておりまして、救護所等で配布することといたしております。  旅行者などの一時滞在者に対しましても、避難される住民の方々と同様に、救護所等で配布することといたしております。  格差の解消に関連して、二次医療圏ごとの病床数についてのお尋ねがありました。  都道府県は、医療計画の中で、病院及び診療所の病床の整備を図る地域的単位として医療圏を定めることとされており、高度・特殊な医療を除く一般的な入院医療サービス等の提供が可能な圏域である二次医療圏につきましては、効率的で適切な医療を提供する体制を確保いたしますため、本県では、地理的条件や交通事情、患者の受療動向等を考慮いたしまして、九圏域を設定しております。  この圏域ごとの平成二十五年十月現在の十万人当たりの一般病床及び療養病床の合計は、鹿児島保健医療圏が千八百八十床、南薩保健医療圏が二千百八十九床、川薩保健医療圏が千六百十五床、出水保健医療圏が千三百九十九床、姶良・伊佐保健医療圏が千八百五十三床、曽於保健医療圏が千二百九十二床、肝属保健医療圏が千九百三十床、熊毛保健医療圏が千二百五十八床、奄美保健医療圏が千九百二十二床、県全体で千八百二十三床となっておりまして、圏域ごとに申し上げれば、いずれの圏域も全国平均の千五十八床を上回っている状況にあります。  中山間地域、離島などでの医療・介護の確保についてであります。  離島・僻地等の医療の確保につきましては、これまでも、僻地診療所等に対して自治医科大学卒や地域枠卒の医師を配置いたしますとともに、診療所運営費助成等の支援を行ってまいりました。あわせて、限られた医療資源を有効に活用いたしますため、眼科や耳鼻咽喉科などの特定診療科の巡回診療や離島等の看護職員の資質向上を図るための技術指導等の支援を行っているところであります。  また、介護サービスの確保につきましては、介護保険制度におきまして、在宅系サービスへの介護報酬の加算や、介護事業所の指定要件の緩和などの支援措置がとられております。  県におきましては、離島・僻地等での医療・介護の確保を図りますため、医療関係機関の運営等に必要な事業費の確保や、小規模離島における民間介護事業者の参入に係る財政支援の創設等について、県開発促進協議会を通じまして国に要望しているところであります。 22 ◯商工労働水産部長(武盛武士君)労働者派遣法改正の影響と雇用対策についてです。  改正労働者派遣法におきましては、派遣期間の制限の見直しに加えまして、全ての労働者派遣事業が許可制とされるとともに、派遣労働者の雇用安定とキャリアアップのための措置が派遣元に義務づけられました。同時に、いわゆる同一労働同一賃金推進法が制定されまして、国が措置を講ずることにより、派遣労働者と派遣先の労働者間の均等な待遇の実現を図ることとなりました。  労働者派遣法改正に伴う本県雇用環境の変化につきましては、許可や指導の権限を有する国において、適切に対応されるものと考えております。  また、派遣労働者の安定的な雇用対策につきましては、これまで、派遣先企業での正規職員化を促す助成金を国が支給しており、県では、離職者等に対し、職業訓練受講期間中の助成金支給による再就職支援を行ってきたところです。  今後とも、国との役割分担・連携を考慮しつつ、雇用の安定が図られるよう努めてまいりたいと考えております。    [向井たかまろ君登壇] 23 ◯向井たかまろ君 ただいま、知事の所感、ヨウ素剤配布などについて回答いただきましたが、事前の世論調査において、再稼働すべきでないと答えた県民が六〇%に上り、また、多くの県民が、避難計画が不十分だと訴えていた。そのような県民の意思に即しているのか甚だ疑問な点が残りますが、ただいまの回答としてお受けいたします。  安保関連法については、今、可決されたばかりで、国民・県民の生活や安心・安全にどのように影響するか、多くの知識人などが不透明と指摘するところであります。今後の推移を見ていく必要があります。本県のリスクが拡大しないよう、県としての取り組み、主張が必要だと考えます。知事におかれては、あくまでも県民目線での取り組みをお願いします。  格差の拡大については、喫緊の対策が必要であるものもあると考えます。どの地域に生活していても希望する社会保障が享受され、安心な生活が保たれるよう、県としての施策を充実していただきたいと思います。  次に、教育政策について伺います。  教育は国家百年の大計ということは言うまでもなく、次代を担う人材の育成は大事業です。教育の目的については、第一に、人格の完成を目指すことであって、行政からの独立性と教育施策の継続性が重要とされ、そのために教育委員会制度が定められました。  二〇〇六年─平成十八年─に、時の第一次安倍内閣は教育基本法を改正し、教育の国家統制的色合いをにじませ、そして昨年、第二次安倍内閣は、地教行法─地方教育行政の組織及び運営に関する法律─を改正し、地方教育行政において首長の責任が制定され、その首長のもとに総合教育会議を設置し、自治体ごとの教育大綱を定めることとされました。  その本県の総合教育会議で、知事が、サイン・コサイン・タンジェントなどと発言したことは極めて許しがたいことです。代表質問でも触れましたので、この場では以上にとどめます。  教育基本法の改正と軌を一にして、全国学力テストが実施されています。しかし、最近はその学力比較が強まり、本県の総合教育会議でも取り上げられたと聞いています。  教育は、人格の完成が目的であることはさきにも述べたとおりであり、最も重要なことは、子供たちの興味・関心を引き出し、みずから学ぶ力を涵養することが大切であると考えます。その興味・関心の中から、サイン・コサイン・タンジェントを生かし、活用する人材も生まれてくると考えます。学力テストの結果を競うことに翻弄されず、教育の普遍の目標を大綱に盛り込んでいただきたいものです。  そこで、本県の総合教育会議での協議の進捗状況と、目指す到達点などについてお示しください。  経済協力開発機構─OECD─の二〇一三年度調査では、我が国の国内総生産─GDP─に占める教育機関への公的支出の割合は、加盟国で比較可能な三十カ国中、最下位とされています。高等教育機関の授業料が高いにもかかわらず、奨学金を受けている学生が少ないことも指摘されており、そして、高等教育を受ける人がふえれば社会への利益還元も大きい。公的な経済支援を充実していくことが重要としています。
     格差の拡大や格差の連鎖については先ほど触れました。子供本人に責任のない貧困が広がっています。  二〇一〇年度から始まった公立高校の授業料無償化は、我が国において画期的な出来事でありました。しかしながら、二〇一四年度から所得制限が加えられ、一部の生徒が再び授業料を納入することになったことはとても残念でなりません。  また、この所得制限導入により、毎年、全生徒の家庭の所得確認を行うという必要が生じ、高校現場には膨大な事務処理が発生しています。県立高校の事務に携わってきた者として、その多忙さ、そして多様な子供の実態、シングルの家庭など多様な家庭の実態から、非常にデリケートな事務処理など、この業務が困難を極めていることに心が痛みます。他の先進諸国並みに、せめて高校までは無償化にするべきであると考えるところです。  子供は社会で育てるという理念に立った高校授業料完全無償化の再度の実現と、現行制度での事務の簡素化及び事務処理への人員配置を拡充していただきたいと考えていますが、その考えについてお伺いします。  大学等入学時奨学金貸付事業については代表質問でも伺いましたが、高校現場からは、改めて、条件の緩和や枠の拡大を求める声が届いています。また、離島の子供の高校進学についても、入学時の奨学金の創設を求める声が届いています。OECDの指摘にもある、我が国で授業料が高いにもかかわらず奨学金を受けている学生の割合が少ないというこの指摘は、卒業時点で数百万円の借金を抱えて社会に出ていかなければならないという不安からであろうと考えます。高等教育を受ける人がふえれば社会への利益還元も大きい。公的な経済支援を充実させていくことが重要との指摘は、本県の地理的条件を克服した地方創生の実現にも通じる施策と考えます。  そこで、新たに創設した大学等入学時奨学金貸付制度の拡充と、高校等入学への制度創設、既存奨学金制度の充実について、再度考えを伺います。  次に、地域から届いている課題について、何点か伺います。  まずは、奄美市住用町市集落での採石場からの土砂流出と、その後の経過などについて伺います。  奄美市の市集落で本年四月十二日に土砂流出が発生し、地元住民からの訴えがあり、県民連合は五月に現地調査を行い、第二回県議会においても質問したところであります。当該集落からは再発防止策と復旧の陳情が出され、継続審議となっております。  県は、四月二十三日付で採石業者に緊急措置命令を発して、来月末、十月三十一日までに完了するよう求めたとしています。  集落から陳情されている中の、海底に沈殿している土砂─ヘドロ─の除去については、相当に高度な技術を要するものであるかと思われますが、奄美の自然遺産登録を目指すもとで、海洋生物の保護や景観の保全は重要な事項であると考えるところです。  奄美市住用町市集落の採石場の土砂流出に対する緊急措置命令の進捗状況と、残された課題について示してください。  次に、ただいま触れた五月の奄美大島の現地調査の際、瀬戸内町嘉徳海岸の侵食についても訴えがあり、私一人ではありましたが、現地を見てまいりました。  海岸の侵食は、集落と海岸を隔てる土手の間際に迫り、大型土のうを多数設置していましたが、恒久的な措置とは受け取りがたいものでした。最近も現地と連絡をとりましたが、その後も具体的な策が講じられていないと聞いております。  県は、海岸の管理者として、住民の安全・安心を図る必要があることから、防止策の実施と現状の回復を行う必要があります。  瀬戸内町嘉徳海岸の侵食について、現状や今後の見込みについて示してください。  三つ目に、垂水市二川深港地区の土石流と防災対策について伺います。  ことしの梅雨は例年になく長雨となり、県内各地でがけ崩れや土砂災害が発生しました。中でも、垂水市二川深港地区では想像を絶する土石流が何回も発生し、報道や国土交通省のネット映像を見ながら、よくも人的被害や人家に大きな被害が出なかったものだと胸をなでおろすところであります。  状況がおさまったころ現地に行ってみましたが、崩落地点では地下水、沢の流れもいまだに流出していて、まだまだ危険な台風シーズンの雨、秋の長雨でさらに崩落が起こるのではないかと、素人ながら心配しているところです。今後、崩落防止策をしっかり行い、農地への流入物の除去など、住民が納得する復旧を行う必要があります。崩落した崖の状況、また、軟弱な地層であることなどから、復旧の工法、復旧の工程についても困難が予想されます。  このことについては、一昨日、堀之内議員も触れられましたが、改めて、現時点での復旧計画を示していただきたいと思います。  今年の夏、山の広葉樹が枯れているのに気づいた人も多いと思います。鹿児島では、シイ、マテバシイ、カシの木などが枯れていて、ナラ枯れと言います。特に日本海側の東北、信越、近畿地方で多く、この地方でナラの木が枯れることから、ナラ枯れと呼ばれています。原因は、カシノナガキクイムシが媒介する病原糸状菌、いわゆるカビであると林野庁の資料で確認しました。九州では特に鹿児島県に多く発生しているようです。  私がなぜこの質問を取り上げるかというと、一見、山の一部が枯れているだけで、景観はよくないが、特に人類に悪影響があるようでなく、マスコミや行政も騒がないから、さほど問題はないのではないかと見過ごされているのではないかと多少の危機感を抱くからであります。  研究者の資料によれば、山腹で集中的に被害を受けた場合、斜面の保持力が失われ、将来土砂崩れを起こす可能性が高いという指摘があります。  鹿児島でのナラ枯れの実態把握と対策及び土砂崩れの防止など、山の機能の保全対策について伺います。  五点目に、私の住む地域で市民から、国分地区から霧島神宮方面への県道六十号の整備について、特に、旧霧島町市街地地区の拡幅、歩道整備をしてほしいとの要望がありました。同区間は、大田小学校、霧島中学校の通学路であり、地域の生活道路として往来も多いのですが、道幅が狭く、カーブもあり、歩道も不十分で危険であるという指摘です。  このことを話しましたら、国道十号の隼人町小浜地区、長浜地区と真孝地区の区間も一部に歩道がなく、長浜地区の中学生が遠回りの県道四百七十一号の坂道へ迂回して隼人中学校に通学している、いやいや国分北小学校の通学路もひどいなどの指摘が出てきました。例に挙げた箇所は国道・市道もありますが、危険度の高いところから順次、できるだけ迅速に改善していく必要があると考えます。  通学路や生活路についてどのような要望があるのか。また、それらに対しての県の取り組みについてもあわせてお示しください。特に、通学路については、具体的な数字があればお示しください。  河川の寄洲除去につきましては、先ほど酒匂議員の質問でも触れられましたが、霧島地区の寄洲除去について再度お伺いします。  私の住む地域でも、ことしの大雨により道路が冠水し、通行できなくなるなどの被害が発生しました。地元住民は、近くを流れる角之下川に堆積した土砂、つまり寄洲が流れを阻害し、排水が悪くなり冠水したのではないかと話していました。  また、この冠水した区間のすぐ上流には古い橋がかかっており、十トン規制のため大型の消防車が入ってこられないとのことで、二級河川であるから県の管轄ではないかと指摘がありましたが、調べてみましたところ、この橋は、実際には市道の延長として霧島市の管轄であるとのことでした。事ほどさように、市民・県民の不安は至るところにあります。市・県連携して安心・安全を確保していく必要があります。  ここでは、実際に県の管轄である、霧島市を流れる二級河川の寄洲除去についてお示しください。  地域への県営アリーナや集客施設などについて伺います。  県営アリーナや集客施設の建設については、各地域から要望書などが届いていると承知しています。霧島地区においても、およそ七万五千人の署名を添えて、鹿児島空港近くの約十四ヘクタールの鹿児島臨空団地への建設の要望がなされたと聞いております。霧島市商工会議所によると、知事の県土の均衡ある発展が必要という言葉に力を得ているようでした。県の中央地域に所在し、高速道路、空港へのアクセスもよく、県外、離島からの便がよいと力を込めていました。  各地域からの要望にどのように応えていくか、より具体的に示す必要があると思います。方向性を示してください。  以上で、二回目の質問といたします。 24 ◯総務部長(寺田雅一君)総合教育会議についてでございます。  本年四月から施行された改正地方教育行政の組織及び運営に関する法律において、地方公共団体の長は、当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めるものとされました。また、大綱を定めるに当たりましては、あらかじめ、知事と教育委員会で構成する総合教育会議において協議するものとされているところでございます。  このような制度のもとで、本県の大綱につきましては、これまで総合教育会議を二回開催し、その策定に向けた協議を行っているところでありまして、県の教育振興基本計画をベースに定めるという基本的な考え方のもとで引き続き検討を進め、本年度中を目途に策定したいと考えております。 25 ◯教育長(古川仲二君)高校授業料完全無償化等についてでございます。  公立高校の授業料無償制については、授業料に係る経済的負担の軽減を適正に行うため、高所得世帯に対して所得制限を設けるなど見直しが行われ、平成二十六年四月から、高等学校等就学支援金制度として実施されております。  この制度では、市町村民税所得割額が三十万四千二百円以上の世帯では授業料を負担することとなりますが、これにより捻出された財源は、低所得世帯の生徒等に対する一層の支援としての、奨学のための給付金などに充てられており、保護者の教育費負担の軽減が図られ、もって教育の機会均等に寄与しているものと考えております。  現行制度での事務の簡素化につきましては、受給資格認定等に係る様式を今年度から統一するとともに、記入方法を記述式から選択式に変更したことにより、申請手続や確認作業の簡素化を図ったところでございます。  また、事務処理への人員配置の拡充につきましては、臨時的に職員の配置を必要とする学校に対しましては、それぞれ所要の予算を措置しているところでございます。  今後とも、各県立高校の状況把握に努め、実態に即して適切に対応し、事務負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。  次に、大学等入学時奨学金貸付制度の拡充等についてでございます。  今回、新たに創設することといたしました大学等入学時奨学金貸付制度の拡充につきましては、まずは新たな制度を軌道に乗せた上で、今後、ニーズ等を的確に把握しながら、その要否について検討してまいりたいと考えております。  高校等入学への制度創設につきましては、大学入学時と比較いたしまして必要経費が多額でないことなどから、現時点では考えていないところでございます。  既存奨学金制度の充実につきましては、現在、経済的理由により就学が困難な学生や生徒に対し、無利子で奨学金の貸与を行っているところでありますが、高校については、高等学校等就学支援金制度等により、保護者の教育費負担の軽減が一定程度図られていること、また、奨学金の貸付原資は奨学生からの返還金及び県からの貸付金で賄われていることなどから、さらなる拡充は難しいものと考えているところでございます。 26 ◯商工労働水産部長(武盛武士君)奄美市住用町市の岩石採取場に対する緊急措置命令の進捗状況等についてです。  この岩石採取場の土砂流出につきましては、ことし四月、採石法第三十三条の十三に基づき緊急措置命令を発出したところでありまして、表土の除去等、土砂流出防止対策のための万全な対策を講じることを、ことし十月三十一日までに実施し、終了するまではその業務に専念するよう命令したところです。  同命令に係る進捗状況につきましては、随時立入調査を実施し、おおむね順調に進んでいることを確認しております。今後とも、期限内に履行されるよう採石業者を指導してまいります。  なお、同命令の対象のほか、海岸及び海中に流出した土砂の撤去につきまして、地元から強い要望がありますが、採石業者は、海岸管理者の許可を得て、これまで海岸部分の土砂の撤去に取り組んでおり、さらに、八月三十一日に、集落の代表者に対しまして、現地で海岸における土砂撤去の進捗状況の説明を行ったところです。 27 ◯土木部長(久保田 一君)瀬戸内町嘉徳海岸の侵食対策についてです。  海岸の保全については、海岸背後の人家や公共施設等が高潮等により浸水や侵食の被害を受けた区域、またはそのおそれのある区域について、海岸保全区域に指定し、必要な調査等を行った上で、護岸や離岸堤等の整備を行っております。  嘉徳海岸については、昨年十月の台風十八号及び十九号により砂浜が侵食を受け、海岸背後の墓地や人家への被害が及ぶおそれがあったことから、応急対策として瀬戸内町が大型土のうを設置したところであります。  県としては、今後どのような対応が可能か検討してまいりたいと考えております。  垂水市二川深港地区の現時点での復旧計画についてです。  垂水市二川深港の災害については、八月に国の災害関連緊急砂防事業の採択を受け、崩壊地直下において無人化施工による土砂の除去工事に着手したところであります。今後は、斜面の安定を図るための地下水排除工や砂防堰堤の設置を行うこととしており、地域の安心・安全を確保するため早期完成に努めてまいります。  通学路など生活道路の整備についてです。  県が管理する通学路など生活道路については、県内各地の市町村や自治会、PTAなどから、道路の拡幅や歩道の整備、防護柵設置など、整備を望む声が寄せられております。  このうち通学路については、平成二十四年度に実施した緊急合同点検において、県管理道路では三百三十八カ所で対策が必要とされたことから、歩道の整備や防護柵の設置などを進め、ことし八月末までに三百三カ所、約九割の対策を終えたところであります。  県としては、今後とも、厳しい財政状況の中、事業中箇所の進捗状況や優先度等を踏まえながら、通学路など生活道路の整備に努めてまいります。  霧島市を流れる二級河川の寄洲除去についてです。  寄洲除去については、河川の氾濫を未然に防止するため、寄洲除去計画に基づき、土砂が著しく堆積しているなど治水上緊急性が高い箇所について、平成二十四年度から四カ年で集中的に取り組んでいるところであります。  霧島市を流れる二級河川については、天降川支川霧島川など三十五カ所において、八月末までに同計画どおり寄洲の除去を完了したところであります。 28 ◯環境林務部長(川野敏彦君)ナラ枯れの実態と山の機能の保全についてでございます。  現在、県内で発生している広葉樹の葉の変色、いわゆるナラ枯れは、カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌により引き起こされるものであり、マテバシイなどのシイ・カシ類に発生しており、八月末で鹿児島地域や大隅地域などを中心に二十三市町、約三十ヘクタールで確認されております。  県では、定期的に被害状況の把握に努めておりますが、これまでも同様の被害は数年置きに発生と沈静化を繰り返しており、葉が変色してもほとんどは新たな芽吹きにより回復してくることから、土砂の流出防止などの森林の機能が大きく損なわれることはないものと考えております。  カシノナガキクイムシによる被害は、比較的林齢の高い大きな木で発生しやすいとされており、早目にチップ材として伐採利用するなど、森林の若返りが図られるよう、県のホームページ等を通じて啓発に努めているところです。 29 ◯知事公室長(福壽 浩君)スーパーアリーナ構想に係る誘致要望への対応についてでございます。  スーパーアリーナに関連して、これまで県内各地からさまざまな要望等をいただいており、地域分散の視点からの施設整備は重要であると考えておりますが、それぞれの都市において必要な施設は、その人口規模や都市の発展段階に応じて異なることから、各地域の都市機能の向上につながる施設の整備につきましては、関係市などの意向や動きを踏まえ、ある程度長期的視点に立って対応したいと考えております。  こうした考え方につきましては、霧島市にもお伝えしてございます。    [向井たかまろ君登壇] 30 ◯向井たかまろ君 それぞれ回答いただきました。ありがとうございました。  教育政策、地域の防災など、より取り組みを強化していただきたいと強く申し述べさせていただきます。  先ごろから、安保関連法の審議過程で、SEALDsなど若者が立ち上がったことに心を強くしています。これからの社会を引っ張っていくのは若者です。私たち大人は、彼らが育ち行く社会を、世界をどのように描くのか、私たちの責任です。  あえてもう一度、武力によらない平和な世界をつくっていくことこそが、最も大切な私たちの責任であるということを訴えさせていただきたいと思います。  最後に、マララ・ユスフザイさんの最近の発言を引用いたします。  子供たちに銃をとらせたくなければ本をという記事が九月二十五日の新聞に掲載されていました。二〇一四年のノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイさん十八歳、自身を題材としたドキュメンタリー映画の制作を機にインタビューに応じました。「無人機ではテロの思想を殺すことはできません。そうした考えをやめさせ、子供たちに銃をとらせたくなければ、本を与えなければなりません」と語り、各国が軍事よりも教育や医療に予算を振り向けることこそが、テロや過激思想に対抗する最善の道だと訴えたということです。  マララさんは、残念ながら世界は兵器にお金を費やし過ぎていると述べ、世界の軍事費の八日分で世界中の子供への初等・中等教育一年分になると指摘しています。過激派が生まれる背景として、多くは教育を受けておらず、職がなくて希望もない。だから彼らは銃をとると指摘しています。  以上をもちまして、私の初めての一般質問といたします。  ありがとうございました。(拍手) 31 ◯議長(池畑憲一君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午後 零時  一分休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 32 ◯議長(池畑憲一君)再開いたします。  井上章三君に発言を許可いたします。    [井上章三君登壇](拍手) 33 ◯井上章三君 今回の一般質問もいよいよ最終日、午後の一番目ということで、胸突き八丁に来たような感じがいたします。それぞれ疲れもたまっていらっしゃると思いますが、ここを乗り越えて、皆さん、新しい時代を開くために頑張ってまいりましょう。  私は、薩摩郡区選出の井上でございます。二期目の議席をいただきまして、もう少し頑張れということで送っていただきました。  きょうは、いろいろと災害の話、悪臭の問題、重複するテーマもありますので多少やりにくいところもありますが、他の議員と重複するところはできるだけ避けながら、地元からの要請も受けておりますので、そのような切り口から質問してみたいと思っております。  先般の台風十五号の問題でございますが、「災害は忘れたころにやってくる」という昔からの格言がございますが、最近の自然の猛威は忘れるいとまがないほど頻繁であり、しかも強大化しているなと思っております。  八月二十四日の深夜から二十五日の未明にかけて、東シナ海を北上した台風十五号は、特に北薩地方にとっては、猛烈な風による甚大な被害を与えました。さつま町消防本部付近では最大瞬間風速五十二メートルという記録が残されており、この風の強さというのは今まで経験しなかったような強さであり、短時間のうちに山林や竹林をなぎ倒し、倒木による電線の切断と停電、電話の不通、さらには水道の停止など幾重にも複合災害となりながら、広域にライフラインを切断する結果となったわけでございます。  また、九月九日から十一日に関東と東北に上陸いたしました台風十八号の記録的な豪雨による茨城県常総市での鬼怒川堤防決壊は、見ていてあたかも平成十八年の川内川流域に発生した県北部豪雨災害を想起させる姿であり、甚大な被害となり、まことに胸の痛む災害となりました。  九月二十八日の台風二十一号は、報道によりますと、与那国島で瞬間最大風速八十一・一メートルを記録して、台湾に抜けていったということでございますが、まさに想像できないような強い風であり、自然の猛威でありました。台風の襲来に対して、一段と我々は備えを強化しなきゃいけないなと強く思ったところであります。  今回のこれらの災害の中で犠牲になられた方々も出ました。その方々に対する御冥福、そして被災された方々へのお見舞いと迅速な復旧を祈るものでございます。  さて、さつま町には、神子愛林同好会という県内でも最も古い歴史を持つ山林所有者の会がございます。台風が通り過ぎた九月十六日に、六十周年の記念の式が開催されました。既に当初からのメンバーは大半がお亡くなりになり、今は二代目や三代目の方々が定期的に集まりながら、山を守り育ててこられたわけであります。毎年の山の神祭りに合わせて、年二回ずつ情報交換をしながら、六十年の歳月を重ね、百二十回目の会合を迎えたと、継続は力と申しますが、大変すごいことだと思っております。  それだけ思い入れを持って、山をどうつくっていくか、育てていくか、力を合わせてさまざまな知恵を寄せながら取り組んでこられた方々の、この伐期を迎えていた山林や竹林の内部は無残になぎ倒されたところも多く、今まで頑張ってきた山林所有者たちは新たな試練に打ちのめされておられるのであります。
     会では、台風による被害の状況報告がなされ、まだ奥のほうは倒木が多くて調査もできていないこと、そして今回、この風倒木の処理ができないと二度と再生する気力を失い、山林の荒廃が固定化してしまいかねないぞという危惧の声、風倒木の伐採作業は通常の切り出しに比べて危険度も高まり、経費も割り増しとなることから、個人でやるということは到底できないわけでございます。有効な復旧への支援事業はないのかという質問をする方もおられました。  また、意欲のある元気な所有者の方からは、被害木の伐採・搬出だけでなく、これを機にピンチをチャンスに変えて、思い切った再造林につながる復旧対策にするべきではないかという声もあったのであります。再造林までするという決意はなかなか難しい時代でもありますが、ピンチをチャンスに変えようと、そしてそのような再造林の事業があれば、それに取り組もうではないかという声も出たのでございます。  しかし、このような被害の中で、どのような対応可能な支援事業があるのかということについては、まだほとんど伝わっていないということがわかりました。早急に県と市町村、森林組合等が連携して、山林所有者にわかりやすい説明会を開催し、円滑な事業の推進を図ることが求められていると思います。  そこでお伺いいたします。  第一点は、スギ・ヒノキなど立木と竹林の県下及び北薩地域の被害状況について、改めてお示しください。  第二点は、山林や竹林被害の復旧に向けて、どのような適切な支援策があるのか。また、それらの取り組みについてお示しいただきたいと思います。  次に、電力の自由化と今後の見通しについてというテーマでございます。  台風十五号による広域的な大停電、電話の不通、水道の停止などの事態は二、三日での復旧ならまだしも、私たちの地域では一週間、あるいは長いところは十日間かかったというところもあったのであります。電気は生活に欠かせない必需財だと言われますが、当たり前のように使用していた電気のありがたさを痛感した人々も多かったと思っております。  東日本大震災と福島の原発事故以来、我が国は、原子力発電の全停止により、電力の発電体制に非常信号が点灯し、固定価格買取制度による再生可能エネルギーの見直しと推進が図られてまいりましたが、太陽光等の発電の不安定性も露呈され、エネルギーの安定供給がいかに困難なことかということがわかるようになってきました。安定供給をするということの重要性というのが再認識されるようになったと思っております。  同時に、我が国は、石油、石炭、ガスなどエネルギー資源もほとんど外国に依存しており、エネルギー資源の脆弱国家であったこと、中東のホルムズ海峡や東南アジア・マラッカ海峡を通過して運ばれる資源の海上ルート─シーレーン─の安全確保問題等、緊迫する中東、アジア情勢と相まって、エネルギー問題は、国家の安全保障にかかわる問題であることが改めて認識されるようになってきたところであります。  一方で、国は、社会全体の規制緩和・競争原理の導入という大きな流れの中で、段階的に電気事業法の改正を図り、電力システム改革を推進してきております。来年からいよいよ電力の自由化が始まるというニュースも報道されておりますが、大きな政治的課題などの陰に隠れてほとんど国民の目にもとまらず、話題にも上らないと、理解も進んでいないと感じております。  本県と私たちの家庭にとって、あるいは企業にとって、目前に迫っている電気を選べる時代、電力システム改革がつくり出す新しい生活とビジネスの形とは果たしていかなるものなのでしょうか。  そこでお伺いいたします。  第一点は、電力自由化から送配電分離に至る三段階の電力システム改革が決定しておりますが、その概要と県の基本認識についてお示しください。  二点目に、本年四月に設立された電力広域的運営推進機関とは何か。その本県への影響と課題についてお示しください。  三点目に、来年四月から始まる電力小売の一般家庭参入、全面自由化とは何か。その影響と課題についてお示しください。  四点目に、小売参入の全面自由化に向けた九電や民間事業者等の動向についてお示しください。  五点目に、五年後の二〇二〇年から始まる発送電分離の実施と、その影響・課題についてお示しください。  六点目に、電力自由化における離島への影響と課題についてお示しいただきたいと思います。  以上で、第一回目の質問といたします。 34 ◯環境林務部長(川野敏彦君)台風十五号による山林被害に関しまして、まず、立木や竹林の被害状況についてでございます。  台風十五号による山林被害は、北薩地域を中心として十四市町に及んでおり、九月二十四日現在で、立木については被害区域面積約七百二十ヘクタール、被害額約九億八千万円、また、竹林については被害区域面積約百六十ヘクタール、被害額約一億一千万円となっております。  このうち、北薩地域の被害額は、立木については県全体の八割に当たる約八億円、竹林については県全体のほぼ全額を占めており、同地域においては、現在も引き続き被害状況の調査を進めているところです。  山林被害の復旧に向けた支援策と取り組みについてでございます。  台風十五号による山林被害については、被害の甚大な箇所や幹線道路沿線で景観保全上の対応が求められる箇所など、緊急性の高い箇所を優先して復旧に取り組むこととしており、造林補助事業や森林環境税関係事業などを活用し、風倒木竹の伐採・搬出、再造林・植栽等に要する経費を助成することとしております。  現在、被害の発生した地域振興局単位で、市町や林業事業体に対する事業説明会や、風倒木竹の処理等における技術研修を実施しているところです。  今後とも、森林所有者、市町、林業事業体と連携を密にしながら、被災山林の早期復旧に努めてまいります。 35 ◯企画部長(岩切剛志君)電力の自由化と今後の見通しについて、まず、電力システム改革の概要などについてであります。  国の電力システム改革は、電気の安定供給の確保や電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を図ることを目的として、平成二十七年から平成三十二年にかけて、三段階の改革を行うものであります。  まず、第一段階として、広域系統運用の拡大のため、本年四月に電力広域的運営推進機関を設立したところであり、第二段階としては、来年四月から、一般家庭も含む電気の小売業への参入の全面自由化を、第三段階としては、平成三十二年四月から、九州電力等の一般電気事業者の送配電部門の法的分離と電気の小売料金の全面自由化を行うこととされています。  県としては、電力システム改革と合わせて行われるガス等との一体的改革により、市場の垣根の撤廃、エネルギー企業の相互参入や異業種からの新規参入が進み、競争によるコスト低廉化や消費者の利便性の向上が図られるものと考えているところです。  電力広域的運営推進機関についてであります。  本年四月に設立された電力広域的運営推進機関については、全ての電気事業者の加入が義務づけられており、電源のたき増しや電力の融通を指示することで需給調整を行うほか、全国的な範囲での供給計画の取りまとめや送電網の増強などを行うこととなっています。  これにより、本県はもとより全国において、地域を越えた電気のやりとりが容易になること、さらには、災害時に電力会社間で電気を融通し、停電が起こりにくくなることや、また、需給調整機能の強化等により、出力変動が大きいという課題のある再生可能エネルギーの導入が進むことなどが期待されています。  今後は、東西の周波数の変換設備や、地域間の送電インフラの増強などの課題に計画的に取り組む必要があるとされています。  電力の小売業への参入全面自由化の影響等についてであります。  来年四月一日に開始される電気の小売業への参入の全面自由化については、九州電力等の一般電気事業者が独占的に供給を行っている一般家庭向けの電気の小売についても、新たに自由化の対象に加えるものであります。  これにより、家庭も含む全ての需要家が電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになるほか、新規参入による競争の促進が期待されるところであります。他方で、電力の小売全面自由化を円滑に実施するためには、適正な取引のためのルールの整備や、不公平な取引に対する対処のあり方、電力市場における取引の監視等を行う必要があり、去る九月一日に設立された電力取引監視等委員会において、これらの課題について検討・審議が行われているところであります。  小売全面自由化に向けた九電等の動向についてです。  来年四月に実施される電気の小売業への参入の全面自由化を控え、九州電力は、去る九月十五日に、新しい料金メニューを検討していることを公表したところです。具体的には、時間帯別に料金を設定している現行の料金体系を、よりきめ細かに時間帯区分を設け、顧客のライフスタイルに合わせて選択できる新しい料金メニューにリニューアルすることとしており、来年一月ごろにはその全体像を示す予定と聞いております。  また、民間事業者については、先月三日に、国が小売電気事業者の登録申請の受け付けを開始したところであり、今月二十四日の時点において、全国で七十四件の登録申請があったと聞いております。  発送電分離の影響と課題についてであります。  平成三十二年四月に実施する発電小売事業と送配電事業の分離は、誰でも自由かつ公平・平等に送配電ネットワークを利用できるようにするため、九州電力等の一般電気事業者の送配電部門を別会社にするものであります。  これにより、発電小売事業の分野において全面的な競争が導入され、電気料金の抑制が図られるとともに、送配電事業については、引き続き、地域独占や総括原価方式の料金規制の適用によって、送配電線等の適正な管理が維持されるとしています。他方、送配電会社が知り得た情報をグループ内の発電小売会社の営業に使用することなどの課題も考えられますことから、送配電事業の中立性を確保するため、今月一日に設置された電力取引監視等委員会において、厳格な規制を設けることが検討されているところであります。  電力自由化の離島への影響と課題についてであります。  現在の電気料金は、一般電気事業者の供給区域全体で算定されており、国の認可を受けた同一の料金が、離島や過疎地域なども含め、全ての地域で適用されています。離島の発電コストは、地理的条件や電気の需要量などの制約により割高となっておりますが、平成二十六年六月に制定された改正電気事業法において、電力自由化後も引き続きユニバーサルサービスを維持するために、九州電力等の一般送配電事業者に対し、他の地域と遜色ない料金で電気を供給することを義務づけたところであります。  現在、国においては、これを実現するための仕組みが検討されており、県としては、県開発促進協議会を通じ、他の地域と同程度の料金で安定的な電力供給が確実に実施されるよう、国に要望を行っているところであります。    [井上章三君登壇] 36 ◯井上章三君 御答弁いただきました。  第一点の台風十五号による山林被害の実態とその復旧対策の問題につきましては、申し上げましたように、風倒木等の切り出し、搬出作業は危険性もあり、経費もかかることから簡単にできるものではありません。それだけに、適切な補助事業が周知され、活用されるようにする必要があります。県から説明会があった後に役場にも行ってみましたが、なかなか理解されていないところもあるなと感じましたし、その内容が正しく活用されるように周知されていくには、それなりの努力がいるんだなと感じたところであります。  せっかくの機会に、しっかりとした災害からの復旧がなされ、山が再造林などまた新しい時代に向かってつくられていく。そして、再造林されることになりますと、今後またそれを育てていくのに雇用も出てまいりますし、いろいろな形で人手も必要になりますので、次の時代に向かって活性化が図られていくようになると思うわけであります。そういう点で十分な配慮、努力をお願いしたいと思っております。  また、ことしは国民文化祭が始まろうとしていますが、道路の沿線には、風倒木で山が荒れたままの状況が見受けられたり、応急的に切って、通行ができるように除去されたところも多いわけですが、いかにも応急的で見苦しい姿も多々見受けられます。道の上に木の枝がまだ引っかかったままぶら下がっているとか、あるいは、通る人から見て、いかにも山が荒れているという状況を散見する状態がございます。  国文祭までまだ時間がございますが、鹿児島のおもてなし、そして鹿児島の魅力を見てもらえるように、一層の努力をお願いしたい。そして、鹿児島に愛着を感じていただけるような国文祭にしていきたいものだと思っております。よろしくお願い申し上げます。  続きまして、奥薩摩地域の振興についてであります。  鶴田ダムや曾木の滝とその周辺は、奥深い川内川のさまざまな自然景観と広大な照葉樹林が広がる地域であり、さつま町と伊佐市では、平成十四年度から国・県と連携して、奥薩摩・水と緑の郷づくりを推進し、地域のすぐれた資源を生かした自然体感・交流拠点の整備を図り、個性的で魅力にあふれた観光地域づくりを目指してきております。  西日本最大級の鶴田ダムは、県内随一の水力発電施設を有するとともに、川内川の下流域の洪水防止のための調節用ダムとして知られてきましたが、平成十八年七月に県北部地域に発生した集中豪雨により、川内川全域で甚大な浸水被害が発生し、鶴田ダムもその計画規模を超える流入量のため緊急事態となり、下流の市街地に甚大な被害が発生しました。さらに、ダム管理所に至る全部の道路が崩落等で遮断され、管理所は完全に孤立してしまったのであります。  大規模な被害をこうむった川内川と米之津川は、復旧対策として流域全体で三百七十五億円の激甚災害対策特別緊急事業が導入され、約六年の期間をかけて完成いたしました。景観を含むすばらしい復旧工事をしていただきまして、本当に感謝しているところであります。  同時に、鶴田ダムには、七百十一億円を見込む事業費をもって再開発事業が決定し、その洪水調節容量を約一・三倍に増量するとともに、川内川の上流地域と下流地域の流量調節も含めた洪水調節能力を持つダムとして大規模な改造をする事業が始まり、今日に至っています。  ダム湖に貯水したままで、ダムの堤体に直径四・八メートル、延長約六十メートルの放流管を三本つけかえる。また、直径五・二メートル、延長約六十メートルの発電用の取水管を二本つけかえる等の穴を掘削する大工事が、世界の技術者が注目する中で行われてきたと聞いております。  一方、東洋のナイアガラと言われ、平成百景にも選定された曽木の滝周辺は、曽木発電所遺構の復元と展望所の設置、被災した公園の復旧を初め、小水力発電所を備えた公園の整備、新曽木大橋の竣工、曽木分水路の掘削、県道改良等々、災害からの復旧と整備が着実に進められてまいりました。  十二キロメートル離れた二つの地域をつなぐ県道鶴田大口線は、五十年前にダムの工事用道路として整備されたもので、今もダムの危機管理用道路ともなっておりますが、奥薩摩の広域的観光道路として活用されるようになることが、両地域の念願の一つとなっております。  第二ダム下流で観賞されてきた日本一と言われる奥薩摩のホタルは、既に災害前の状態に復活してきておりますが、再開発事業の最終段階の地すべり対策が完了するまで、ダム周辺の県道は通行が制限されております。再開発から、一日も早い地域振興へ、そして、この奥薩摩地域全体が広域的な観光地域として振興していくことを願っているところであります。  ダムの再開発を機に平成二十四年度から、国交省のダム管理事務所、県土木部、姶良・伊佐地域振興局と北薩地域振興局、伊佐市とさつま町の関係者で、周辺の地域振興も含めた整備検討会が設立され、再開発終了後の地域振興への協議が重ねられてきております。それを踏まえて、昨年から、奥薩摩・水と緑の郷づくり推進協議会の関係市町では、県や県選出の国会議員とともに、再開発終了後の鶴田ダム周辺施設整備及び鶴田ダム防災ミュージアム─仮称─の建設等に関する要望活動を開始しております。  そこでお伺いいたします。  第一点は、奥薩摩地域の振興に対する知事の認識と見解をお聞かせください。  第二点は、鶴田ダム再開発事業と、それに伴う地すべり対策の進捗状況と今後の見通しについてお示しください。  第三点は、県道鶴田大口線の鶴田ダムから曽木発電所遺構付近までの区間について、県の整備計画内容と現在の整備状況、今後の見通しについてお示しください。  また、激特事業の中で、さつま町には輪中堤が数カ所設置されております。台風十八号の鬼怒川の堤防決壊を言うまでもなく、防災のための堤防管理にはしっかりした点検が重要であります。国河川の堤防は、年二回きれいに草払いした上で点検がなされておりますが、それに連続している県管理堤防部分は、草の繁茂したままでの点検にとどまっており、そのあり方に周辺住民から強い疑問が投げかけられております。  そこで四点目に、輪中堤の機能を有した県管理堤防の点検について、今後どのような対応をしていかれるか、お示しください。  次に、畜産による悪臭環境の改善についてであります。  昨日、郷原議員からもこの問題について述べられました。我が国の畜産は、食生活の高度化等を背景として大きな発展を遂げてきております。しかし近年、畜産経営規模の拡大や地域における混住化の進行、環境問題への関心の高まり等を背景として、家畜排せつ物による悪臭や水質汚染といった畜産環境問題への声は一層厳しくなってきております。  私の町でもここ数年来、市街地地域の住民から、畜産経営に起因する悪臭への苦情が高まっており、悪臭防止対策に係る要請書や署名を添えた悪臭問題解決への陳情書等が役場や議会、そして地元県議である私にも相談が寄せられております。同時に、近隣の学校への影響や、整備中の北薩広域公園への悪臭の影響も心配されている状況があります。  畜産経営者は、町や県の出先とも連携しながらさまざまな努力をされておりますが、住民の納得する解決には至っていないのが実情であります。  悪臭問題の克服は、住民生活にかかわる無視できない問題であるとともに、観光による交流人口の拡大を目指す市町村にとっても、観光立県かごしまを目指す本県としても見過ごしにできない環境課題であります。かといって、農場の移転をしようにも、候補地の選定、経済的負担等、簡単に進む問題ではありません。  そこでお伺いいたします。  第一点は、地域と調和した畜産経営を展開していくために、悪臭問題の克服など環境保全対策について、県はどのように取り組んでおられるか。  二点目に、最悪移転を余儀なくされる場合の補助事業にはどのようなものがあるのか、お示しください。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 37 ◯知事(伊藤祐一郎君)奥薩摩地域の振興についてお尋ねがございました。  伊佐市、さつま町の両市町から成ります奥薩摩は、周囲を霧島連山や紫尾山系に囲まれ、中央部を川内川が貫流し、古くから稲作を中心とした田園風景を創出するとともに、宮之城温泉や紫尾温泉に代表される県内有数の温泉地として知られているところであります。  川内川流域におきましては、豊かな竹林を初め、西日本最大級の規模を誇る鶴田ダムや、東洋のナイアガラと称される曽木の滝、川面を渡る奥薩摩のホタルなど、多くの資源に恵まれておりますとともに、グリーンツーリズムやスポーツ合宿の受け入れなどの取り組みが進められてきております。  県におきましては、これまで、御指摘ございましたが、川内川、鶴田ダムの大規模な再開発事業等の進展に合わせまして、地域振興推進事業を活用し、さつま町のほたるの里への案内板の設置や、曽木の滝公園周辺を観光拠点とするため、曽木大橋の架橋等に合わせて、多目的トイレの設置や駐車場の増設等を支援してきているところであります。  当地域におきましては、親水性を持った緑地空間の形成、カヌー等のスポーツ面での活用等、川内川とともに共生する仕組みをいかにしてつくるかがこれからの課題ではないかと考えておりますが、国土交通省や県の事業の実施により、川内川の整備促進が図られていくことで、国の内外から多くの方に来ていただけるような地域をつくれるのではないかと考えているところであります。  奥薩摩地域は、このように大きな発展可能性を有しておりますので、県としては、今後とも、国や関係市町、関係団体等と連携いたしまして、同地域の振興を図ってまいりたいと考えております。 38 ◯土木部長(久保田 一君)鶴田ダム再開発事業と、それに伴う地すべり対策についてです。  鶴田ダム再開発事業については、国において、平成十九年度から、洪水調節機能の強化を図るため放流管の増設等の工事が進められており、平成二十八年の出水期には治水効果が発現される見込みであります。  地すべり対策工事については、昨年度までに、土砂搬出に使用する県道鶴田大口線に三十三カ所の離合箇所や十一カ所のカーブミラーの設置を終えたところであり、今年度から来年度にかけて、土砂掘削など本格的な工事を実施することとしております。  鶴田ダム再開発事業は平成二十九年度の完成を予定しており、県としては、同事業が着実に進められるよう国に要望してまいります。  県道鶴田大口線の整備についてです。  県道鶴田大口線の鶴田ダムから曽木発電所遺構付近までの区間については、地形が急峻であるなど抜本的な改良は困難であることから、現道を生かし、離合のための待避所を七カ所、見通し確保のための視距改良を十二カ所、落石防護柵などの防災対策を二十一カ所行うなどの整備を計画しております。  このうち、伊佐市側の約三・六キロメートルについては、これまでに待避所一カ所、視距改良一カ所の整備を終え、本年度も引き続き、五カ所の待避所等を整備することとしております。また、さつま町側の約七・一キロメートルについては、鶴田ダム再開発事業に伴い、地すべり対策工事を行うこととしており、現場がふくそうすることから、国の工事の状況を見ながら整備を行うこととしております。  県としては、今後とも、地元の方々の御理解と御協力をいただきながら、着実な整備に努めてまいります。  次に、輪中堤の堤防点検についてです。  堤防やダム、水門等の主要な河川管理施設については、平成二十五年六月の河川法改正により、一年に一回以上の点検が義務化されたところであり、夜星川など、さつま町に整備された輪中堤についても、これまでの職員による点検に加え、今年度から、業務委託により年二回の点検を行うこととしたところであります。これらの点検に当たっては、堤防の変状等を確実に把握できるよう、必要に応じて伐採等を行うこととしております。  今後とも、適切な点検を行い、堤防等の河川管理施設が良好な状態に保たれるよう努めてまいります。 39 ◯農政部長(福田博史君)畜産による悪臭環境の改善についてでございます。  県におきましては、畜産経営に起因する悪臭の防止対策等、畜産環境問題に対応するため、県畜産環境保全対策指導指針に基づき、家畜排せつ物の処理・利用状況の調査、巡回指導等による家畜排せつ物の処理及び利用技術の普及・指導、家畜排せつ物処理に関する事業の調整指導等を実施しているところであります。  特に、悪臭防止対策としては、市町村や関係団体などと連携し、畜舎からのふん尿の早期搬出や適切な堆肥化処理及び堆肥散布後の速やかな耕うんなどの技術指導や啓発活動等を行っております。また、国の補助事業等を活用して、堆肥化処理時に発生する臭気を外部に拡散させない密閉型堆肥化処理施設や、おがくず等に臭気を吸着させる脱臭装置、窓がない密閉型のウインドレス畜舎等の整備を推進しております。  県としましては、地域の快適な生活環境の維持と畜産経営の健全な維持発展を図る観点から、今後とも、市町村等と連携を図りながら、悪臭防止等の畜産環境保全対策の取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。  なお、畜産経営に起因する環境問題が現に発生しているか、または今後発生するおそれが強いと認められる場所から畜舎を移転する場合には、資源リサイクル畜産環境整備事業の活用が可能であり、家畜排せつ物処理施設整備と一体的に畜舎整備を行うことができるようになっております。
       [井上章三君登壇] 40 ◯井上章三君 御答弁いただきました。  奥薩摩地域の振興の問題でございますが、大きな平成十八年の災害から、大きな復旧・復興の事業が取り入れられ、そしてもう十年になろうとする間、大きな事業の中でこの流域全体を守っていく、その仕組みがつくられつつあるわけでございます。そのことによって、この地域はまた大きく生まれ変わろうとしていると、新しい時代を引っ張っていくような洪水調節、あるいは川内川の魅力を倍加するような拠点として生まれ変わっていこうとしていると思っております。  先ほどからありますように、この地域にはさまざまな魅力的な資源がちりばめられておりますけれども、そこをつなぐ広域的な観光ルートと、その流れをつなぐ道路というのは非常に大切な課題でございます。  新幹線が通るようになって、この鹿児島は大変人の流入が多くなってきたわけでございますが、その新幹線から次の地域へと観光客を呼び込んでいく。そのためには、それぞれの地域が魅力的に、そして、おもてなしのできる環境が整備されていく必要があるわけでございます。  そういう点で、地方創生のかけ声とともに、それぞれの地域が知恵を駆使して、今、総合戦略を練り上げながら、これからの時代を人口が減らないように、あるいは交流人口がふえていくようにいろいろな努力をしようとしているわけでございます。  市町村がそれぞれに取り組める部分と、広域的に取り組まなければできない問題とございます。鶴田ダム周辺の問題、ダム湖は、伊佐市とさつま町の両方にまたがっているということで、これは連携しなければその地域をよくしていくということはなかなかできないわけでございます。  そして、振興局の体制になった中においても、私たちのさつま町は北薩地域振興局、伊佐市は姶良・伊佐地域振興局ということで、振興局自体が分かれていることによって、連携するということがなかなか難しい面もございました。しかし、おかげさまで今回の再開発を機に、今、この地域は一緒になって地域振興、そして奥薩摩地域を魅力ある地域としてつくり上げていこうということで、県や国を含めて知恵を出し合って、そのような未来図を描いていくという努力が重ねられてまいりました。  今回の地方創生の目標の中に、広域的な連携・協力というテーマが掲げられておりますが、まさにそのような広域的な連携をしっかりとやりながら、地域全体をもっと大きな視点からつくっていくと、こういうことができる時代が来たのかなと、そしてそのための努力が既に再開発を契機として、我が地域においては進められてきたということをありがたく思っているところであります。  今回の地方創生の時代の中で、この広域的な連携というテーマをぜひ鹿児島県においては有効に活用していただきたい。そしてそれを活用するためには、県のかじ取りがなければできないことであると思いますので、県の格段の努力をお願いしたいと思っております。  畜産の悪臭の問題でございますが、畜産というのは悪臭があって当たり前だというのは今まででございまして、そのままでいいわけではありません。今、環境問題がこれだけ厳しくなっている時代の中で、この悪臭問題をいかに改善し、そういう畜産の農場があっても住民が共生していけるような環境をつくっていく。このためには私たちのアンテナを高くして、農業と地域の生活、あるいは、観光客の誘致などにおいても、そこらが共生できるというような時代をつくっていく必要があると思っております。そのために、大きなテーマではありますけれども、努力することによって、道は必ずまた開かれてくると私は信ずるものであります。  観光と農業が共生する快適な鹿児島県、「本物。鹿児島県」の中に観光と農業、そして畜産がしっかりと共生しながら、たくさんの国内・国外の方々をお迎えできるような鹿児島県を目指してぜひ頑張っていきたいものだと、そのような鹿児島県として努力を続けていただきたいということを要望いたしまして、少し早いですが、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 41 ◯議長(池畑憲一君)次は、山田国治君に発言を許可いたします。    [山田国治君登壇](拍手) 42 ◯山田国治君 もう随分前の話になりますが、私が最初、県議会に籍を置くようになりましたときに、我々の先輩が私に向かって、「ちょっと話があるから来なさい」という命令を受けました。私はすぐ参りまして、「何でしょうか」と聞きますと、「県議会にこれから籍を置いていく上で大事なことがある。議会というのは生き物である」という表現をしてくださいました。「その時々で、真剣に先見性を持って判断しなければならない事態が必ず発生する」という説明もございました。私はそのことがはっきりわからずに時を過ごしてきたわけでありますけれども、最近になりまして、この先輩が言われた先見性を持って、そして道を外さずに、県民の皆様方の立場に立って判断しなければならないということを痛切に感じております。  と申しますのは、先般行われました国会において審議された結果、野党の方々からは強行採決だというレッテルを張られて、自民党が最終結論を出した法案があります。安保法制に端を発して、そして集団的自衛権、私は、この問題が出てきたときに、日本近海の今の現状、そして北朝鮮における理解できない行動、これに対して、今までの我が国の法律で対応できない部分があると私なりに考えておりました。ちょうどいい機会だ、自民党は胸を張って国民の皆様方にこれを堂々と表明する機会が来たなという大きな期待を持っておりました。  そして、衆議院において委員会が開催されて、参考人の方々が憲法審査会に招致されて出席されました。この人たちが、これからの日本の行く末、日本の防衛、守りについて、十分今まで蓄積されたその意見というものを述べていただけるものと期待いたしておりました。ところが、この学者の意見というのは、自由民主党が推薦した学者までが、「これは憲法違反である」という発言をされました。これを私は聞きまして自分の耳を疑う、そういう気持ちでありました。  国民の皆様方は、こういう法案に対する熟知した考え方を持っておられる方は少なくても、最低限、中国や北朝鮮がとっている行動については、今の法案では対処できない、自民党は必ず法案の整備をして我々を守ってくれる、そして安心させてくれるという気持ちがあったと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、自民党が推薦した憲法学者まで憲法違反であるという結論を出されたことについて、私は、憲法学者の方々はそれぞれ今まで蓄積された知見に基づいて発言されるわけでありますので、私がとやかく言うつもりはありません。私が許せないのは、責任政党として我が国を預かっている自由民主党のそのつかさつかさの方々がこういう選択をされたことについて、今でも憤りを感じております。自民党のあらゆる会におきまして、何をしていたのかと私は迫っております。  しかし、このことについて関連して申し上げますけれども、思い起こせば昭和二十六年、先ほど御指摘もありましたけれども、我が国の国論というものは二つに分かれておりました。吉田自民党を中心とする方々は、敗戦の中から我が国が国際社会において国家の主権というものを確立していく上で、中国が賛成し、あるいはソ連が賛成するのを待っていたら、百年かかってもそれは無理である。とりあえず自由主義国家と手を結び、アメリカと手を結ぶことによって、国際社会における国家の主権を一日も早く回復しなければならないということで、国民の皆様方に訴えました。  ところが、東大の総長南原繁さんを中心とされる進歩的文化人と言われる方々は、もし吉田自民党が条約を結ぶようなことになると、我が国の若者たちは韓国で血を流し、そしてベトナムで血を流すことになる。「安保反対、安保反対」を繰り返しながらデモを行った時期がありました。残念ながら当時の若者たちほとんど、私に言わせれば左がかった考え方に傾いておりました。  ところが、戦後七十年、安保闘争は昭和二十六年でありますので、六十四年間、この人たちが言われたように、アメリカの番犬となって韓国で血を流し、そしてベトナムで血を流した我が国の若者が一人でもいるでしょうか。先ほど議論もありました。やはり吉田自民党が主張されたように、我が国の若者たちはアメリカの番犬になって血を流すどころか、逆に、アメリカの若者たちは極東の平和を守るために韓国で血を流し、そしてベトナムで血を流してまいりました。それもこれも極東の平和を守るためでございます。私に言わせれば、あたかもアメリカの番犬になるがごとく見せかけて、実際は六十数年にわたってアメリカを我が国の番犬にしてきているわけであります。文句のない外交であります。  つい先日まで、政治の最大の課題は安保関連法でありました。その前提となる集団的自衛権でありました。このことを国民の皆様方に自民党がしっかり説明することによって御理解いただき、そして自民党というものが揺るぎない国民に対する信頼を得る、先ほど申し上げましたように絶好の機会だという思いがありましたけれども、残念ながら、その役をつかさどる方のちょっとした甘い判断で今の状況をつくり、先般の強行採決というような事態を招いたことは、私はそのつかさどった方を絶対に許すことができない。  国というものは政治が、特に国会が先見性を持って方向性を決めていかなければならない問題であります。自民党の恥をさらすようでありますけれども、長い年月の中で必ず国民の皆様方は、選んだ道を、自民党が選択した道をよかったな、やはりそうだったなという日が必ず私は来ると思いますし、大きな期待を持っております。  話が長くなりまして、もうそろそろ山田、質問に入れというような雰囲気がありますので、御指摘を受けないうちに、通告に従いまして質問してまいりたいと思います。知事並びに関係部長に対しての質問でありますので、どうぞよろしくお願いいたします。  まず初めに、土木行政について伺います。  建設業における人材確保の取り組みについてでありますが、昨年の六月、公共工事の品質確保の促進に関する法律、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律など、建設業法等の改正が行われ、公共工事品質確保法において、将来にわたる公共工事の品質確保と、その中長期的な担い手の確保が基本理念として追加されました。しかし、高齢化や若年入職者の減少による将来的な建設産業の存続は、私はいまだもって懸念いたしております。  県においては昨年度、「緊急雇用創出事業を活用して、技能労働者等の入職及び定着の拡大を図るため、建設業人材確保・育成事業を実施し、鉄筋工などの雇用につながった」と本会議で答弁がありました。また、今年度も、同様の目的で県単独事業により、建設産業担い手確保・育成事業に取り組んでいると伺っております。  建設業の継続的な振興は大きな課題であり、地域経済、そして雇用を支える建設業であります。地域の担い手として持続的に役割を果たせるよう、引き続き、建設業の人材確保に取り組む必要があると考えております。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、県は、建設業における人材確保に関してどのような対策を講じてこられたのか。そしてまた、今後どのような対応を講じていかれるのか、お示しいただきたいと思います。  第二点は、今年度実施しております建設産業担い手確保・育成事業の取り組み状況についてお示しいただきたいと思います。  次に、霧島市の都市計画道路であります新町線の整備状況についてお伺いいたします。  現在、県において取り組まれている第一工業大学付近のバイパス区間の整備は、この地域にとって大変重要であり、また、それだけに早期整備が望まれるところでもございます。  そこでお伺いいたします。  この路線の重要性、そして整備した場合の効果を県としてどのように認識しておられるのか。またあわせて、現在の整備状況と今後の取り組みについてお示しいただきたいと思います。  次に、教育行政についてお伺いいたします。  県立高校再編に伴う跡地の利活用についてであります。  少子化の進行にはなかなか歯どめがかからず、学校基本統計によれば、この十年で全国の中学校卒業者は約六万人減少し、本県でも約四千四百人減少するという状況が生まれております。さらに、現在の小学一年生が中学校を卒業する平成三十六年三月までには、約六百人が減少すると伺っております。  そこで、まずお伺いいたします。  第一点として、県教育委員会は、これまでも教育環境の維持等の観点から再編整備を推進してきたことと思いますが、これまでの高校再編の経緯についてお示しいただきたいと思います。  次に、再編後の県立高校跡地の利活用についてでありますけれども、高校再編により地元から高校がなくなる地域の方々にとって、その高校跡地の利活用が大変重要であるということは言うまでもありません。高校跡地を有効活用して、地域活性化の一助にしてほしいという地元の思いは非常に強く、その利活用については地域全体の大きな関心事でもあります。  第二点として、これまでに再編された高校の跡地活用の状況についてお示しください。  第三点として、県内には、まだ利活用の計画が示されていない高校跡地が幾つかありますが、県として、再編後の高校跡地の利活用について、今までどのような努力を地元と協力し合ってしてきたのか、これからどのような方針で取り組んでいかれるのか、それぞれの再編された学校名を挙げてお示しいただきたいと思います。  第四点として、特に、平成二十二年三月末で閉校になりました姶良地域の栗野工業高校跡地の利活用については、これまでも幾つかの企業等から問い合わせがあったと聞いておりますが、いまだ利活用について示されておりません。今後の見通しについて、あわせてお示しいただきたいと思います。  一回目の質問を終わります。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 43 ◯知事(伊藤祐一郎君)建設業における人材確保の取り組みについてのお尋ねであります。  建設業は、地域の経済や雇用の担い手であるとともに、災害多発県と言われる本県におきましては、災害発生時に重要な役割を果たしておりますことから、建設業における継続的な人材確保は重要な課題であると考えております。このため、技能労働者の適切な賃金を確保するための設計労務単価の引き上げや社会保険未加入対策の強化など、労働環境改善に向けた取り組みを実施してきているところであります。  今年度実施しております建設産業担い手確保・育成事業におきましては、五月に、新規入職者の定着率向上に向けた研修を行いますとともに、八月には、建設企業によります合同就職面談会を実施したところであります。また、未就職者等を新たに雇用した場合に人件費等の助成を行う取り組みにより、これまで十一名の雇用につながっております。  県といたしましては、今後とも、技能労働者等の入職及び定着の拡大が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。 44 ◯土木監(田崎寛二君)都市計画道路新町線の整備状況についてです。  都市計画道路新町線のうち、第一工業大学付近の約五百メートルのバイパス区間については、平成二十五年度から事業に着手しているところです。この区間の整備は、JR線との立体交差により霧島市中心部の渋滞緩和に資するとともに、大隅地域から鹿児島空港へのアクセス道路としての機能を向上させ、地域産業の物流の効率化にもつながるなど、大きな効果が期待できるものと考えています。  現在、橋梁を初めとする道路の詳細設計や地質調査等を終え、立体交差に係るJR九州との協議や用地取得に向けた地権者の方々との協議を進めており、本年度中に一部工事に着手する予定です。  今後とも、霧島市と連携して、地元の理解と協力をいただきながら、早期整備に努めてまいります。 45 ◯教育長(古川仲二君)教育行政に関するお尋ねのうち、まず、これまでの高校再編の経緯についてでございます。  県教委では、大幅な生徒減少が進む中、高校教育の専門性や教育水準の維持向上を図るために、平成十五年度に、かごしま活力ある高校づくり計画を策定し、平成十六年度から二十二年度にわたりまして、九地域、十九校を再編整備し、十八校を廃止し、八校を新設したところでございます。  この再編整備を進める中で、協議のあり方や進め方、地元への再編案の提示に対し、首長や同窓会、PTAなどからさまざまな御意見や御指摘があり、開校が当初計画よりも一年おくれた高校もございました。  また、平成二十三年度には、大隅地域の公立高校の在り方検討委員会を設置し、高校教育の充実・振興に地域振興という新たな視点を加えた検討を行いまして、その取りまとめを受け、五校の廃止を決定し、平成二十六年四月に曽於高校、平成二十七年四月に楠隼中高一貫教育校を開校いたしたところでございます。  次に、高校再編に伴う跡地の利活用についてでございます。  高校再編に伴う跡地につきましては、平成二十七年四月一日現在で、高校として使われていない学校が十一校ございます。これらの利活用の状況につきましては、地元市町へ譲渡し、中学校や公民館等の施設として活用されているものが、旧宮之城高校や旧種子島高校など六校、大隅陸上競技トレーニング拠点施設として整備が進められているものが、旧有明高校一校でございます。残りの四校については、当面の活用策として、地元市町への無償貸与等により、グラウンドや体育館等が地域住民の利用などに供されているところでございます。  跡地の利活用につきましては、地域の活性化や施設の有効活用が図られますよう、地元の意向を最大限に尊重するという基本的な立場に立って、県立学校跡地活用対策検討委員会において全庁的に検討を行い、対応することといたしているところでございます。  栗野工業高校跡地につきましては、地元や企業誘致担当関係部局とも緊密な連携を図りながら、引き続き、工業団地パンフレットや県ホームページ、新聞・雑誌広告への掲載など、企業誘致のためのPR活動を行いますとともに、個別企業に対して立地候補地として提案するなどして、跡地の有効活用が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。 46 ◯山田国治君 自席から質問させていただきます。  土木行政につきましてでありますが、土木行政は我々が表面で見ているほど簡単ではありません。三年三カ月、政権がかわりましてブランクがありました。また自民党が政権を担当させていただいて、先ほど申し上げましたように、その工事というものも、地域における事業量もふえているわけでありますけれども、これを完成させてくださるその方々が、一旦三年三カ月の期間に離れておられます。仕事がふえたからすぐもとどおりになるという状況ではありません。  私の質問は、県としてもその辺の現場の事情というものをしっかり捉えて対応していただきたいと、そういうお気持ちがあらわれるような答弁をしてみてください。  大体そういう再質問でありますので、答えられないということはないと思います。部長からでも、どなたからでも結構でありますので、なるほどなと納得がいくような御答弁をお願いいたします。 47 ◯土木監(田崎寛二君)先ほど、建設業における人材確保の取り組みについて質問がございまして、知事がお答え申し上げましたけれども、土木部といたしましても、建設産業の持続的な発展のためには、特に若年者の入職促進といったことが重要な課題であると認識しております。さまざまな事業をやっておりますけれども、今後とも、関係者と一体となって、そういった入職者の促進が図られるように取り組んでまいりたいと考えております。    [山田国治君登壇] 48 ◯山田国治君 再質問の中で御答弁いただきました。  現場をよく皆様方も御存じかとは思いますけれども、手のひらを表から裏に、あるいは裏から表に返すようにはいきません。くどいようでありますが、三年三カ月の間に現場の様相は大分変わっております。その辺はそれぞれ振興局に行かれればわかっていただけると思いますので、その辺の対応をよろしくお願い申し上げまして、次の質問に入りたいと思います。  次は、保健福祉行政についてであります。  動物愛護センターについてでありますけれども、平成二十五年十月に、霧島市隼人町に本県初の動物愛護センターが整備され、ことし四月には来場者が一万人を超えたとのことでございます。  全国的にも珍しい動物愛護に特化した施設として注目を浴びており、そのためセンターには、マスコミの方々の取材はもとより、他の自治体の方々や学生さんなどから多数の視察研修やインターンシップの依頼があると伺っております。その事業効果は予想を超えて広く行き渡っていると認識いたしております。  さらに、地域住民の方々とのかかわりでございますけれども、センターで開催される動物愛護センターフェスティバルなどのイベントに数多くの地元の方々が参加してくださったり、子供たちが学校帰りにセンターに立ち寄るなど、地域コミュニケーションの場としても活用され、また、近所の方が散歩のコースとして利用するなど、地域の方々にとっても利用しやすく、親しみの持てる施設となっており、動物愛護センターに対する理解が一層深まっているように私も感じております。  また、平成二十六年度末には、動物愛護センターに保管する犬や猫の不妊手術・去勢手術や獣医学臨床実習の受け入れについて、鹿児島大学との協定を結ばれたとも聞いております。今後、学術分野での効果も期待されるのではないかと思っております。  そこで、動物愛護センターの現況等についてお尋ねしたいと思いますが、その第一点は、開所してから現在までの間、動物愛護センターで行ったさまざまな事業があると思いますが、それによってどのような効果があったのか、苦労話等も含めてお聞かせいただきたいと思います。  第二点は、鹿児島大学との協定により、動物愛護の推進の観点から期待される効果についてお示しいただきたいと思います。  次に、環境林務行政の中の県産材の利用拡大についてであります。  本県では、県土面積の六四%が森林で、その森林資源の約半分を占めるスギ・ヒノキ等の人工林の健全な育成と公益的な機能の維持・増進を図るため、これまで計画的に間伐等の森林整備が実施されてきております。  姶良地域においても、スギ・ヒノキの人工林が大きく成長し、先ほど説明もありましたが、利用期を迎えておりますことから、今後はこれらの資源を有効に活用していくことが重要となってきております。  一方、木材需要の中核をなす新設住宅については、少子高齢化に伴う人口減により、着工戸数についても厳しい状況が予想されていることから、今後、公共建築物などを初め、さまざまな分野において県産材の利用促進の取り組みを進めていく必要があると考えております。  このような状況のもと、平成二十四年七月から、先ほどお話がありましたように、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が実施され、全国各地で再生可能エネルギーを活用した発電事業が活発化しております。  中でも、発電量が安定している木質バイオマス発電は、未利用間伐材等の有効活用はもちろんでございますけれども、再生可能な森林資源の循環利用対策としては非常に有効ではないかと考えております。  本県におきましても、木質バイオマス発電施設が五月に霧島市で操業を開始し、十一月には薩摩川内市で操業を開始する予定だと聞いております。私も、未利用間伐材等の有効活用による林業の振興・発展につながるものと大きな期待を寄せております。  そこでお伺いいたします。  第一点は、県産材の利用拡大に向けた取り組みについてお示しください。  第二点は、木質バイオマス発電施設や大型木材加工施設等の操業に伴い、木材需要が当然増加すると思いますけれども、今後の県産材の安定供給に向けた取り組みについてお示しいただきたいと思います。  次に、質問の通告をいたしておりましたが、広葉樹の立ち枯れについて、向井議員から先ほど御質問があり、私以上に詳しく答弁を求めておられました。感服した次第でありますので、大変失礼ではありますが、割愛させていただきたいと思います。  以上で、二回目の質問を終わります。 49 ◯保健福祉部長(古薗宏明君)動物愛護センターの事業の効果について、苦労話も交えてお話しせよということで、少々想定外の御質問いただきました。  動物愛護センター構想につきましては、平成二十年の知事マニフェストに書かれておりまして、その後、二期目が始まったころですけれども、先ほど御指摘ありましたように当時、全国的にも珍しい施設ということで、まず施設の内容をどのようなものにするのか、あるいは施設の内容に合った形で適地をどこに求めるかというようなことをずっと検討いたしまして、少々時間がかかりました。  そういう中で、御答弁させていただきたいと思いますけれども、動物愛護センターは、地元選出の県議会議員の方々や地域住民の方々の御理解、御協力いただきまして、平成二十五年十月、地域における人と動物とのふれあい共生活動を支援する拠点施設として開所いたしました。  同センターでは、動物愛護思想及び適正飼養の普及啓発を図りますため、獣医師や動物愛護専門員が中心となりまして、県獣医師会や動物愛護団体などの協力もいただきながら、これまで、動物愛護教室を約二百三十回開催いたしますとともに、譲渡会を通じまして約四百頭以上の犬・猫を譲渡してまいりました。また、犬・猫の殺処分頭数の減少、同じく譲渡率の増加、動物愛護教室などの受講者数の増加など、動物愛護管理推進計画の着実な推進にも寄与しているものと考えております。  県といたしましては、引き続き、動物愛護センターフェスティバルなどを通じまして、県民の方々、とりわけ地域住民の方々により親しまれる施設となるよう努めてまいります。  鹿児島大学との協定についてであります。  動物愛護センターにおける犬・猫の譲渡促進と、鹿児島大学の学生等の小動物臨床に関する技術の向上を図ることを目的といたしまして、県と鹿児島大学共同獣医学部との間で昨年三月に、不妊・去勢手術に関する協定と獣医学臨床実習受入に関する協定を締結したところであります。  協定の締結による効果といたしましては、鹿児島大学と動物愛護センターの獣医師が、犬・猫の手術を共同で実施することによりまして、センターの獣医師の技術力の向上が図られること、大学としても手術例数の確保につながることなどが挙げられます。また、獣医学部の学生がセンターにおきまして臨床実習を行うことによりまして、センターへの理解を深め、将来的には動物愛護思想の普及にも寄与していただけるものと考えております。  県といたしましては、今後とも、動物愛護センターと鹿児島大学との連携を密にし、二つの協定の効果が持続的なものとなるよう努めてまいります。 50 ◯環境林務部長(川野敏彦君)県産材の利用拡大に向けた取り組みについてでございます。
     県産材の利用拡大については、広く県民へ木のよさや県産材利用の意義についてPRを図りながら、緑の工務店によるかごしま木の家づくりや、公共施設等への木材利用を推進するとともに、中国を初めとする東アジアへ向けた輸出や木質バイオマス発電への利活用など、さまざまな施策を展開しているところです。  また、県産材のさらなる利用拡大につながることが期待されるツーバイフォー住宅部材やCLTについては、加工施設の整備や性能試験等に対して支援するとともに、県民の認知度を高めるための普及啓発にも努めているところです。  今後とも、関係機関・団体と連携しながら、県産材の利用拡大に努めてまいります。  県産材の安定供給に向けた取り組みについてでございます。  木質バイオマス発電等の原料となる木材を今後とも安定的に供給していくためには、間伐等を行う森林の確保と生産性の向上を図ることが重要です。このため、間伐等を計画的に行うための森林経営計画の作成を促進し、施業の集約化を図るとともに、林道、作業道等の路網整備や高性能林業機械の導入促進、オペレーターの養成など、木材生産の低コスト化に努めてきております。  また、今年度から新たに、生産現場における仕分け作業や木材の集荷拠点となる中間土場の整備を支援するなど、需要者ニーズに対応した供給体制の整備を推進しているところです。  今後とも、市町村や関係機関・団体と一体となって、木材の安定供給がなされるよう取り組んでまいります。 51 ◯山田国治君 議長、自席から。  木質バイオの件でございますけれども、この操業に伴いまして、木材需要が当然増加することが予測されるわけでございますし、これを県が受け入れられるときに、協力されるときに、やはり懸案事項として、我々も、材の不足が生じるんじゃないかということを提言させていただきましたが、いまだにそういう不安がありますけど、この件についてどのように考えておられるのか、私でもわかるように説明してみてください。 52 ◯環境林務部長(川野敏彦君)木質バイオマス発電の燃料となる木材の安定供給についてのお尋ねでございます。  本県の平成二十五年度の木材生産量が約七十万立方メートルとなっておりますが、このほかにも、曲がりですとか病虫被害等により利用されていない木材が林地内に相当量残されておりまして、現在、主にこれらの林地残材が木質バイオマス発電の燃料として利用されているところでございます。  県では、先ほど御答弁させていただきましたけれども、木材需要の高まり等を踏まえまして、県森林・林業振興基本計画におきまして、平成三十二年度の木材生産量の目標を百万立方メートルとしておりまして、今後とも引き続き、木材生産量の増大に向けた取り組みを進めているところでございます。  これらの取り組みを進めていくことに伴いまして、林地残材のさらなる増加も見込まれておりまして、そういった残材の効率的な搬出、利用を進めることによりまして、木質バイオマス発電の燃料となります木材についても安定的な供給が図られるものと考えているところでございます。    [山田国治君登壇] 53 ◯山田国治君 先ほど、動物愛護センターでお答えいただきましたが、県において一つの計画を立てられるときに、部長はよく知っておられると思いますけれども、産みの苦しみと申しますか、動物愛護センターは特に、地元の方々は畜犬センターと混同されて、我々も地元の県議会議員としてその説明会に呼ばれて行きました。大体、回数にして六回ほどでございました。寒い夜もあったわけでありますけれども、そのときに本当に申しわけないなと思ったのは、県の職員の方々が、絶対にこれは地元の方々からも喜ばれる施設だという信念を持って対応してくださったことであります。部長の前任者の部長さんでありましたが、外に出ますと、陰からその成り行きを見守っていただいておりました。やはりこういう誠意が地元の人に伝わるんだという感をいたしました。  それから、県もいろいろ知恵を出していただき、いわゆる先進地視察というものを計画してくださり、丁寧に案内してくださいました。それからしばらくいたしますと、地元の方々の考え方が急に歩み寄っていただき、今の現状につながっているわけであります。  県の施設をつくるときに大事なことは、地域の方々に愛される、育まれる、そういう施設でなければなりません。しかし、くどいようでありますけれども、そこに至るまで、県の職員の方々の御苦労、身を粉にして対応していただくということが、口幅ったい言い方でありますけれども、私は大事だなという思いであります。何事にも、横から見ていて簡単な発言を我々もついついしがちでありますけれども、腰を低くして、あの成功している動物愛護センターの最初の原点から判断するときに、うれしい思いでいっぱいであります。  言わずもがなのことでありますけれども、事ほどさように、うまくいかないのが現状でありますし、物事であります。私は、きょうは県議団の会長の命を受けまして、一番最後に質問する機会をいただきました。口々に「山田さん、大トリだな」という声をかけてくださいましたが、私もそれを聞いておりまして、運動会でいえば、スタートラインからすれば一番最後にゴールしたんだという思いもありますが、とにかく人の意見というものはいいふうに理解して、そして前に進んでいかなければならないと思います。  時間をかけて、安保法制のことにつきましても、質問以外に皆様方に時間をとっていただきましたけれども、それぞれ会派は違っても、目標は一緒でございます。着地点に向けてそれぞれ意見を出し合って、そして知恵を出し合って、それがひいては県勢発展につながれば、知事におかれても最大の目標であろうかと思います。  これからもまた登壇する機会を与えていただければと思っております。そのときにはまた壇上におきまして質問をそれぞれさせていただきたいと思います。  時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 54 ◯議長(池畑憲一君)以上で、通告による質問は全部終了いたしました。  これで、質問は終結いたします。       ───────────── 55    △ 議案第七七号─議案第九一号(議案第八〇号      及び議案第九〇号を除く)及び報告第四号      委員会付託 ◯議長(池畑憲一君)次に、議案の委員会付託であります。  今回提出されました議案のうち、議案第八〇号及び議案第九〇号を除く議案第七七号から議案第九一号まで及び報告第四号は、配付いたしております議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。  お諮りいたします。  議案第九三号は、会議規則第三十九条第三項の規定によって、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 56 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。       ───────────── 57    △ 決算特別委員会設置(議案第八〇号、議案第      九〇号及び議案第九二号同特別委員会付託) ◯議長(池畑憲一君)お諮りいたします。  議案第八〇号平成二十六年度鹿児島県歳入歳出決算について認定を求める件、議案第九〇号平成二十六年度鹿児島県工業用水道事業特別会計決算について認定を求める件及び議案第九二号平成二十六年度鹿児島県病院事業特別会計決算について認定を求める件については、十三人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、同特別委員会に付託することといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 58 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、議案第八〇号、議案第九〇号及び議案第九二号は、決算特別委員会を設置し、同特別委員会に付託することに決定いたしました。       ───────────── 59    △ 決算特別委員の選任 ◯議長(池畑憲一君)次に、決算特別委員会の委員の選任を行います。  お諮りいたします。  決算特別委員の選任については、委員会条例第六条第一項の規定によって、配付いたしております決算特別委員名簿のとおり指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 60 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、決算特別委員は、配付いたしております名簿のとおり選任することに決定いたしました。       ━━━━━━━━━━━━━   決算特別委員名簿  決算特別委員会     いわしげ 仁子   向井 たかまろ     西 村   協   向 井 俊 夫     長 田 康 秀   西 高   悟     前 野 義 春   き 久 伸一郎     まつざき 真琴   桑 鶴   勉     大 園 清 信   鶴 薗 真佐彦     松 里 保 廣                 (十三人)       ━━━━━━━━━━━━━ 61 ◯議長(池畑憲一君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 62    △ 日程報告 ◯議長(池畑憲一君)十月九日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、議案及び請願・陳情の委員長報告、質疑、討論並びに表決などであります。       ───────────── 63    △ 散  会 ◯議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十二分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...