昨日設置されました
特別委員会の委員長及び副委員長につきましては、互選により、
地方創生総合戦略等特別委員会の委員長に日高滋君、副委員長に成尾信春君、
海外経済交流促進等特別委員会の委員長に大園清信君、副委員長に前野義春君を決定した旨の報告がありました。
以上で、報告を終わります。
─────────────
3 △ 一般質問
◯議長(池畑憲一君)次に、一般質問であります。
通告に従って、順次発言を許可いたします。
林健二君に発言を許可いたします。
[林 健二君登壇](拍手)
4 ◯林 健二君 おはようございます。
平成二十七年第二回定例会に臨み、通告に従いまして一般質問を行います。
質問に入る前に、先月二十九日、口永良部島の新岳で爆発的噴火が発生し、全島民が島外へ避難するという事態が発生いたしました。避難生活を余儀なくされておられます島民の皆様方に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い全島民の帰島が実現しますことをお祈り申し上げる次第でございます。
引き続き、厳重な警戒と情報提供並びに避難生活を送られておられます島民の方々への支援に全力で対応していただきたいと考えております。
また、先月十二日には、台風六号が奄美群島に最接近いたしまして、伊仙町の検福、面縄の両集落で発生したとみられる竜巻によって、六名が重軽傷、十二棟の家屋等にも甚大な被害が発生いたしました。被災されました住民の皆様方に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興を願うところでございますが、このこともあわせて、被災者への対応を引き続きお願い申し上げる次第でございます。
さて、今回の一般質問が県議会改選後初の登壇となるわけでございますが、このたびの
統一地方選挙、
鹿児島県議会議員選挙におきまして初当選させていただきました。このことに対しまして、県民の皆様方、奄美群島の皆様方に心から御礼申し上げる次第でございます。
また、当選後に自民党の追加公認をいただきまして、さらには、今回こうして早速登壇する機会を与えていただきました諸先輩方に感謝申し上げますとともに、県議会第一会派の一員として、県民の皆様方の負託にお応えできますよう、県勢発展、福祉の向上、民生の安定のために努力してまいりたいと考えております。
投票率に関しましては、大島郡区は、県内二十一選挙区の中では最高となる六七・五八%だったものの、前回選挙が行われました十二年前と比較しますと、七ポイント低下しており、このことも重く受けとめなければならないと考えております。
ネット選挙運動が解禁され、今後、選挙権年齢が十八歳以上へと拡大される流れの中で、選挙の形が変わりつつありますが、若者の政治離れがこれ以上進まないためにも、従来の形にIT、SNS等を含めたさまざまな媒体でしっかりと
議会活動等を発信し、若者世代の一人として、投票率向上に向けた取り組みに自分なりに努力してまいりたいと考えております。
さて、今回の
統一地方選挙におきまして最大のテーマの一つとなったのが、地方創生だったのではないかと思っております。アベノミクスの効果に対しましてはさまざまな意見があるわけでございますが、長きにわたる経済の低迷から復調の兆しが感じられることも事実であり、各分野ごとの数字等も回復してきていると言えるわけでございます。あとは、これを国民一人一人が肌で実感することができるように、さらに力強く推し進めていく必要があると考えるわけでございます。そこで重要となってくるのが、自治体を核としたローカルアベノミクスであり、地元企業の雇用吸収力を高めていく後押しの必要性が求められると思っております。
私が地元の
瀬戸内町議会議員に初当選させていただいた平成十六年は、伊藤県政のスタートした年でありました。知事の
財政非常事態宣言を受け、市町村でも
集中改革プランを作成し、県の方針に沿って、それぞれが
財政健全化に向け懸命に努力してきたわけでございます。そして今年度、県の当初予算は、これまでの
財政健全化策の成果をあらわすような積極的な予算編成となっており、地方創生の流れの中で成長戦略が軌道に乗ることを期待するところでございます。
これまでの地方議会での私の議会活動は、まさに伊藤県政とともに難局を乗り越える努力の連続であったわけでございますが、この任期四年間が本県のさらなる飛躍を遂げるための重要な時期であると考えておりますので、
基礎的財政収支の健全化にさらなる挑戦をしながら、大胆な県勢発展の施策を展開していかなければならないと考えております。
そういった中で、明治日本の
産業革命遺産が
世界文化遺産登録へと大きな前進が見られ、その期待が膨らむ中、国民文化祭の開催を初め、今後、奄美群島の
世界自然遺産登録や明治維新百五十周年関係、鹿児島国体の開催等に向けた各種取り組み、そして鹿児島県版のまち・ひと・し
ごと創生総合戦略の策定など、この任期四年間の重要性を改めて感じながら、歴史的な使命感を持って当たらなければならないと考えております。
今回の一般質問は、選挙戦を通して有権者の皆様方に、島の皆様方に訴えてきたことを基本に、大局的な政策に関する質問を行いたいと考えております。忌憚のない答弁をお願いしたいと思っております。
まず、奄美群島の振興についてでありますが、一昨年、奄美群島が日本復帰六十周年を迎え、式典、
各種行事等が行われ、意義深い節目の年でありました。昨年は、改正奄振法の施行に伴い、
奄美群島振興交付金制度、本当に自由度の高い
交付金制度の創設は群島民の悲願でもあったわけでございますが、航路・航空運賃の軽減事業や
農林水産物輸送コスト支援事業、
交流需要喚起対策特別事業などは、奄美の自立的な発展の後押しになるのではないかと群島民の大きな期待を受け、スタートいたしました。
先ほども述べさせていただきましたが、今回の
統一地方選挙におきまして最大のテーマの一つであった地方創生について、奄美群島の振興とそして奄美の地方創生について、知事のお考えをお聞かせください。
県は、鹿児島県版のまち・ひと・し
ごと創生総合戦略を今年度中にまとめ上げるということでありましたが、奄美群島の市町村におきましても、
地方創生推進室を設置いたしまして、総合戦略の策定に取りかかっているところであります。
奄美群島各市町村は、奄振法の延長に合わせて、
奄美群島広域事務組合が音頭を取って、
成長戦略ビジョンを作成いたしました。島別に、市町村別に、みずからの手で
成長戦略ビジョンを作成したわけでありますが、これから市町村が新たに策定するまち・ひと・し
ごと総合戦略に、この
成長戦略ビジョンの考え方が反映されるものなのか、
成長戦略ビジョンと総合戦略の違いも含めて、県の見解をお聞かせください。
それから、特定離島の
振興ビジョンについてでありますが、県では、本県離島の中でも特に
自然条件等が厳しい離島、いわゆる特定離島を対象として
特定離島ふるさとおこし推進事業を実施されております。特定離島は、台風常襲地帯であったり、離島の中の離島という表現をされたりする、最も
条件不利離島と言えるわけでありますが、これまでの
特定離島ふるさとおこし推進事業によって、文字どおりきめ細かな事業が施されてきたと認識しております。そして、一定の成果を上げてきていることに対しましても感謝する声が聞こえてきております。
この
特定離島ふるさとおこし推進事業の今後の方向性について、県のお考えをお聞かせください。
次に、琉球・奄美群島の
世界自然遺産登録についてでありますが、当初の予定から少し登録の時期がずれ込む見込みであるということでございました。地元としましては、
世界自然遺産登録に関する説明会を開催したり、また
保護担保措置、こういったものの重要性を周知させる努力を行いながら、受け入れの準備を進めているところでございます。そして、この時期がずれ込んだことを、さらに
受け入れ準備期間をいただいたと前向きに受けとめる方が大勢を占めているところでございます。
前段となる
国立公園化と、その後の
世界自然遺産登録までの
スケジュールについて、改めて県当局の見解をお伺いいたします。
次に、
外国人観光客の増加に伴う
インバウンド対策についてでありますが、LCCの成田─奄美間の就航に伴い、奄美に訪れる
個人観光客数は明らかに増加しているところであります。その波及効果は
奄美大島本島にとどまらず、
加計呂麻島、請島、与路島を含む奄美八島全ての離島へと少しずつ新たな人の流れが生まれつつあるようでございます。これも、
交流需要喚起対策特別事業の事業効果であるといえるわけでありますが、事業費から見た効果を考えたときに、この事業の継続の必要性を早くも訴えなければならないと考えております。
また、関西方面から新たなLCC就航の可能性への期待もあり、
世界自然遺産登録も進む中で、外国人の観光客の増加も当然ふえると考えられるわけでありますが、多言語化はもとより、
外国人観光客に対する
インバウンド対策、しっかりとした
受け入れ体制を整えていかなければならないと考えております。
奄美観光は、近年、目まぐるしいスピードでその魅力が注目され、発展してまいりました。奄美らしさ、これを守りつつ、その
受け入れ体制には新たな取り組みと準備が必要ではないかと考えております。
外国人観光客に対する
インバウンド対策について、県当局としての見解をお伺いいたします。
次に、離島における
ブロードバンド環境についてでありますが、現代社会において、
IT通信網はライフラインと同等の社会基盤と言っても過言ではありませんが、年々増大する経済活動、教育や医療、さまざまな分野において、既設のISDNや
ADSL回線では、その回線速度や
データ通信量において利用者のニーズに応え切れていない状況となっております。
奄美群島は、
奄美群島振興開発計画や
成長戦略ビジョンの中でも、
情報通信格差の解消とICTを活用した
経済活性化の推進は重要課題として位置づけられておりますが、一部の地域を除いては、
通信事業者の採算面などの問題等から、いまだに未整備地区が残されて現在に至っております。
過疎に歯どめをかけるためにも、IターンやUターンなどの
定住促進対策を進めたい離島・過疎地域において、企業誘致などの面からもこのことが大きな阻害要因となっているのが現状であります。
超
高速ブロードバンド環境の整備は、本来最も必要とされるべき過疎地域が、採算面などの理由から、未整備のままで
情報通信格差が解消されていないという現状を踏まえて、奄美群島における光回線未整備地区の対策について、県当局のお考えをお聞かせください。
また、光整備後もなかなか本土並みの通信速度が上がってこない地域もあるようでございますが、その要因として考えられる
ボトルネックの解消につきまして、どのような見解をお持ちなのか、お聞かせください。
次に、IT分野における人材育成についてでありますが、
奄美群島振興開発計画の情報通信に関する施策の方向性の中で、ICTの専門知識・技術を有する人材の育成や住民の
学習機会拡充など、
情報活用能力の向上を図ると記されておりますが、地方へ行けば行くほど、ICTの専門知識・技術を有する人材が不足しており、なかなかこの分野において住民を引っ張っていく人材が不足がちであります。
第一次産業から第三次産業、これを一体とした六次産業化を図る上で、全ての分野においてITは必須であるわけであります。このITの分野における人材育成について、県当局の見解をお伺いいたします。
次に、小規模校におけるICTの活用状況と今後の課題についてでありますが、少子化に伴い、学校の統廃合が進む中で、学校統合は地域の衰退を招くという住民の思いと、
教育機会均等という観点から学校統合を願う児童生徒や保護者の意見との間に温度差があり、非常に難しい問題でありますが、今この瞬間も、特別な環境で学校生活を送っている児童生徒はたくさんいるわけであります。
私自身も
加計呂麻島の俵小学校で、六年間同級生が二人しかいないという環境で学校生活を送りました。俵中学校では学年六名という、義務教育の九年間で男子生徒が僕一人しかいなかったという、ある意味特別な、極小規模校での義務教育の生活を送らせていただきました。恐らくこの議場にもそのような経験をした方はなかなかおられないと思いますが、こういった小規模校あるいは、極小規模校などにおいて、
ウェブ・テレビ会議システムなどを活用するなどといったことは考えられないのか、ICTの活用状況をお示しください。
また、
タブレット等を学校の授業で活用している事例もあると思いますが、その成果と今後の課題について県当局の見解を求めます。
以上で、一回目の質問を終わります。
[
知事伊藤祐一郎君登壇]
5 ◯知事(伊藤祐一郎君)奄美群島の振興と地方創生の関連についてのお尋ねであります。
奄美群島の振興は、
奄美群島振興開発特別措置法を受けて策定いたしました
奄美群島振興開発計画に基づきまして、地域主体の取り組みを推進いたしますとともに、定住促進、交流拡大、
条件不利性の改善、生活基盤の確保などの各種施策を推進しているところであり、既にこれまでに二兆円を超える事業を実施しているところであります。
一方、地方創生は、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯どめをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある社会を維持するため、地域の将来を見据えた実効性を伴う施策の展開に取り組むものでありまして、両者は、地域の振興を図り、経済を活性化して雇用の場を創設し、人々の生活の安定を図るという点で、大宗において重複する側面が大きいと考えております。
県といたしましては、地元の市町村と一体となり、平成二十六年度に、地域が主体的に施策を実行する仕組みとして新たに創設されました
奄美群島振興交付金による取り組みをさらに進めますとともに、地方創生に関連する施策との連携も図りながら、引き続き、奄美群島の自立的発展や定住の促進等に向けた取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。
6 ◯総務部長(寺田雅一君)奄美群島各市町村における総合戦略と
奄美群島成長戦略ビジョンについてでございます。
奄美群島成長戦略ビジョンは、
奄美群島振興開発特別措置法の延長に向けまして、群島十二市町村が共同で策定したものであり、雇用の創出に重点を置いて、農業、観光・交流、情報等の分野について、群島一体となって広域的に取り組むべき方策等を取りまとめたものでございます。
また、地方創生に係る総合戦略につきましては、人口減少に歯どめをかけ、活力ある社会を維持することを目的とするものでありまして、その策定に当たりましては、雇用の創出に加えまして、若い世代の結婚・出産・子育ての希望の実現等に向けた取り組みを幅広く盛り込むこととされております。
このため、奄美群島の市町村におきましては、
奄美群島成長戦略ビジョンに示されている方策等を踏まえつつ、
少子化対策などの視点も加えて、今後新たに策定する総合戦略について検討が進められるものと考えております。
7 ◯企画部長(岩切剛志君)
特定離島ふるさとおこし推進事業の今後の方向性についてであります。
三島村、十島村、
加計呂麻島等の特定離島は、特に地理的、社会的に厳しい条件下にあり、そこに住む方々が希望を持って、安心して暮らし続けられるような
地域づくりをすることは重要な課題であると考えております。当該事業は、これら特定離島におきまして、住民生活に密着したきめ細かな事業を実施し、それぞれの島の活性化を図るものであります。
これまで、地域の要望を踏まえて対象事業の拡大など内容の充実を図りつつ、物産館など
観光交流施設の整備や
モニターツアーを通じた観光の振興、定住促進のための住宅整備などを実施してきており、さまざまな面で相応の成果を上げてきております。
県としては、今後とも、各島の特性に応じた個性豊かな
地域づくりが図られるよう、同事業を活用して
特定離島地域の振興に努めてまいりたいと考えております。
光未整備地区の対策についてであります。
奄美群島は、多くの地域が不採算地域であるとして
民間事業者による光整備が進まないことから、これまで、市町村が国の補助金を活用しながらその整備を進めてきたところであります。
県としては、
光サービスは、いわゆる
ナショナルミニマムとして、地域住民がひとしくその利便性を享受できるようにしていくことが重要であると考えております。
一方、昨年十二月の国の
情報通信審議会において、固定電話の維持等に特化した現行の
ユニバーサルサービス制度のあり方について、見直しの検討を行うことが適当であるなどの答申が出されているところであります。
県としては、これまでの
光サービス等の整備を促進するために必要な支援策に加えて、
ユニバーサルサービス制度を時代に合わせて見直し、
光ファイバーなどの整備も対象に含めることを、今年度新たに
県開発促進協議会等を通じ、国に対して要請することとしております。
通信速度の
ボトルネックの解消についてであります。
インターネットの通信速度が遅くなる要因としましては、利用者の
パソコン環境、ネットワークの混雑状況、接続先のサーバーの性能、利用者と通信先との物理的な距離などが考えられますが、国内では、データの集積地である東京から遠距離となる地域ほどおくれが生じ、これについては現行の技術では改善は困難であるとされております。
光ファイバー整備後は、通信速度が一定程度向上し、ADSLのように交換局からの距離による通信速度の差は生じなくなり、一般的な利用においては、さほど不自由を感じさせない環境になっておりますものの、大容量のデータ通信などの業務レベルでは十分でないとの指摘もありますことから、県としては、
通信事業者には、通信速度のおくれについての十分な説明と利用者への丁寧な対応が求められると考えており、引き続き
関係事業者等に要請してまいりたいと考えております。
IT分野の人材の育成についてであります。
県では、人口減少、高齢化、雇用機会の減少等のさまざまな課題を抱える地域において、
地域活性化を図るためにも、IT分野での人材育成は重要な課題であると認識しております。このため、県では、市町村と組織する
県電子自治体運営委員会において、
九州総合通信局等と協力し、自治体職員を対象とする勉強会や
事例研究講座の実施などにより、
ICT利活用の能力向上を図っているところであります。また、県内の
情報通信関連企業や団体などにおいても、自治体や一般企業、県民等を対象に、技術の普及を目的とした
セミナー等が開催されているところであります。
県としては、こうした取り組みを通じて、県内のIT分野における人材育成に努めてまいりたいと考えております。
8
◯環境林務部長(川野敏彦君)奄美群島の
国立公園化と
世界自然遺産登録までの
スケジュールについてでございます。
奄美群島の
世界自然遺産登録に向けては、
保護担保措置としての国立公園の指定や
希少野生動植物の保護等の世界遺産としての価値の維持が必要とされております。
国立公園の指定については、昨年の九月に開催された奄美・
琉球世界自然遺産候補地科学委員会において、環境省から、指定作業に時間を要するとの見込みが示され、現在も関係者との調整等が進められているところです。
また、平成二十九年夏の
世界自然遺産の登録を実現するためには、平成二十八年二月一日までに
ユネスコ世界遺産センターに推薦書を提出し、
世界遺産委員会による所要の審査等を受ける必要があります。
県としては、
世界自然遺産登録を実現するため、引き続き国や市町村等と連携して、必要な取り組みを着実に進めてまいります。
9
◯観光交流局長(長野信弘君)奄美群島への
外国人観光客の増加に伴う
インバウンド対策についてでございます。
世界自然遺産登録により、奄美を訪れる
外国人観光客は増加すると想定されますことから、県では、昨年度奄美市において、免税店制度やWi─Fi環境の
整備促進等についての研修会を開催するとともに、
外国語ガイド育成に係る研修を実施いたしました。また、奄美の
代表的景勝地等を紹介した多言語のDVDや
観光マップの作成等に取り組んでおりますほか、奄美市では、
大浜海浜公園など観光地等へのWi─Fi環境の整備を進めております。
さらに、
外国クルーズ船の寄港やバニラ・エアの就航などにより増加が見込まれる
外国人観光客の受け入れを支援する
ボランティア団体が、昨年七月設立されたところであります。
県といたしましては、今後とも地元と連携して、
世界自然遺産登録を見据えた
外国人観光客の
受け入れ体制の充実に努めてまいります。
10 ◯教育長(古川仲二君)小規模校などにおけるICTの活用状況と今後の課題についてでございます。
小規模校においては、子供同士の多様な意見の交流やコミュニケーションの機会の充実のために、ICT機器を活用した授業改善が有効であると考えております。
本県では、例えば与論町において、電子黒板やタブレットを活用した授業実践に取り組んだ結果、学習意欲や学力の向上が図られるなどの成果が得られたところでございます。
県教委では、昨年度から、ICTを活用した教員の指導法改善に取り組みますとともに、本年度から、徳之島町の小学校三校を研究協力校に指定し、複式学級において、日常的にテレビ会議システムやタブレットなどを活用した合同授業等を行い、多様な意見に触れる機会を確保することを通じ、教育の質の維持向上に取り組むことといたしております。
今後とも、市町村教育委員会との連携を図り、小規模校でのICTを活用した授業改善を一層進めますとともに、情報化に関するフォーラム等を通じて、県下の小規模校への普及に努めてまいりたいと考えております。
[林 健二君登壇]
11 ◯林 健二君 それぞれ答弁いただきました。まず、奄美群島の振興と地方創生についてでありますが、県が策定する創生総合戦略をもとに、市町村と連携を図り、奄美群島の
成長戦略ビジョンともマッチングさせながら、各種の事業を推進していただきたいと考えております。
地方の人口減少に歯どめをかけて、首都圏への人口集中を是正し、地方の自律的な活性化を促すということがこの地方創生の定義とも言えるかもしれませんが、
奄美大島本島の五市町村では、朝山毅奄美市長の呼びかけで、連携して奄美大島総合戦略推進本部を設立し、大島本島の将来人口ビジョンと総合戦略策定に向け、スタートしたところでございます。
行政の枠組みを超えて、複数の自治体が連携・共同で戦略策定に当たるのは珍しい事例であると考えておりますが、今後策定する奄美大島総合戦略は、この
成長戦略ビジョンに掲載されている施策に加え、さらに同ビジョンにはない、若い世代の結婚や出産、子育てなどの
少子化対策も重点的に盛り込んでいく方針ということでございました。
このような全国的にも特異なケースに関しましては、国家戦略特区における地方創生特区として指定していただくことによって、地域の新規産業・雇用創出につながるのではないかと考えているわけでございますが、このことも研究していただきたいと要望を申し上げるところでございます。
特定離島の振興に関しましては、
特定離島ふるさとおこし推進事業が振興施策の命綱と言っても過言ではないと思っております。
特定離島地域とそれ以外の地域が同一の行政区域内にある場合、その予算配分にも気を配らなければならないと考えております。
特定離島ふるさとおこし推進事業がただの財源の一つとならないように、バランス等も含めた指導を行っていただきたいと考えております。
そして、ぜひこれまで同様の予算規模を維持していただきながら、今後もきめ細やかな事業の推進に特段の配慮をお願いしたいと考えております。
琉球・奄美群島の
世界自然遺産登録に関しましては、
スケジュール等も含めて、今後も地元の市町村と連携して進めていただきたいと思っております。
奄美群島が
世界自然遺産登録を機に、地勢的な特性や文化などの潜在能力にさらに磨きをかけて、世界に向けて発信することで、飛躍する無限の可能性を秘めておりますので、このことも、オール奄美という視点で奄美全体が共有できる取り組みを進めなければならないと思っております。
屋久島の
世界自然遺産は、縄文杉という絶対的で象徴的な、ビジターを満足させる対象物があるのに対して、奄美の場合は、生物多様性という部分での保護すべき自然環境ということでありますので、アマミノクロウサギがその象徴的な対象になるのかなと思っております。したがって、奄美に来島して、必ずアマミノクロウサギに遭遇できるわけではありませんので、整備されるであろう国や県管理の
世界自然遺産センターのような施設で、その姿を見ることが可能なのかどうかも今後の課題になるのではないかなと考えております。
屋久島とも連携しながら、本県離島の魅力を発信し、県全体の観光振興にも結びつけていかなければならないと考えております。
インバウンド対策につきましては、ICTの人材育成とリンクしてくると思っております。フリースポット、Wi─Fiを活用したそういった取り組みが必要であると考えておりますので、このことにつきましても地元と連携をとりながら指導していただきたいと、このように思っております。
離島における
ブロードバンド環境の改善についてでありますが、この分野の雇用吸収力という点に関しましては期待できると思っておりますので、情報通信基盤の整備をしながら、情報格差の解消とこの分野の人材育成を図りながら、地方発のイノベーションの創出につなげていかなければならないと思っております。
小規模校におけるICTの活用に関しましても、離島において世界一の教育環境の整備を進めなければならない。そのためにもこのICTは必須であると考えますので、今後もこのことに積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
先ほど教育長から御答弁ございましたが、文科省の事業で、人口減少地域におけるICTの活用による教育の質の維持向上に係る実証実験ということで、先ほど御紹介いただきました徳之島の三校での
ウェブ・テレビ会議システムを活用した授業の実証実験が三年間行われるということでございました。
母間校が全校生徒三十五人、花徳校が三十二名、山校が二十一名ということでございますが、小規模校、これよりもさらに小さい学校という極小規模校が奄美群島には数多くございます。ぜひこの三年間の実証実験を検証しながら、県独自でもこういった取り組みが可能でないか研究を進めていっていただきたいと、このように思っております。
次に、奄美群島の農林水産物の振興についてであります。群島の発展・振興を図る上で最も重点を置くべき施策とされているところでございますが、
農林水産物輸送コスト支援事業がスタートいたしまして、
条件不利性の解消に大きな期待を寄せるものであります。
農林水産物輸送コスト支援事業の成果と今後の課題についてお示しください。
次に、六次産業化の推進につきましては、先日も産業経済委員会の行政視察で龍郷町のみなみくんの卵などの事業所を視察してまいりましたが、奄美群島でも少しずつ六次産業化に向けた取り組みが活発化してまいりました。
先日の代表質問の中でも同様の質問がございましたので、特に奄美群島における六次産業化の取り組み状況についてお示しください。
次に、畜産クラスターの構築についてでありますが、奄美群島は県内でも有数の肉用子牛生産地であります。安定的な粗飼料の確保を図るため、サトウキビ等、地域の飼料資源の有効活用を図りながら、生産頭数の拡大に向け努力しているところでありますが、国はこのたび、生産基盤の立て直しのために、地域ぐるみで畜産の収益拡大を目指す高収益型畜産体制、いわゆる畜産クラスターづくりを進めていると認識しております。
そこでお尋ねいたします。
畜産クラスター構築のために、国はどのような事業を措置しているのか、お示しください。
また、本県における取り組み状況についてお示しください。
次に、沖永良部島の農作物の防風対策についてでありますが、台風常襲地帯という厳しい気象条件であるということは言うまでもありませんが、同島が持つ地形的な特徴もあり、防風対策に苦慮しているという話を農家からお伺いすることができました。農作物を風から守るために防風対策の現状はどうなっているのか。また、今後の農作物の防風対策についてどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねします。
次に、浜の活力再生プランについてでありますが、水産業を取り巻く環境は、燃油や資材の高騰、漁獲量の減少や魚価の低迷、担い手の減少など、長年厳しい状況が続いております。このことは、漁村の荒廃につながり、漁業の衰退につながるおそれがあるわけでございますが、将来自分たちのあるべき姿、取り組むべき課題を浜みずからが考え、作成することによって、浜の活力を再生するための取り組みであると理解いたしますが、本県の浜プランの取り組み状況についてお示しください。
次に、国土強靱化と長寿命化についてでございますが、どのような災害が発生しても、被害を最小限に抑え、迅速に復旧・復興できる強さとしなやかさを備えた国土、地域、経済社会の構築を目指すという理念で、この国土強靱化は安倍政権の重要施策の一つでありますが、全国のあらゆるインフラの安全性の向上と効率的な維持管理の実現を図るために、長寿命化対策の重要性も高まっているところでございます。
そこでお伺いいたしますが、台風常襲地帯である奄美群島では台風のたびに電柱が倒壊しております。無電柱化の概要と現状、課題について、県当局の見解をお示しください。
また、東日本大震災後、自然災害に強い漁港整備の必要性が求められているわけですが、本県の取り組み状況と漁港施設の長寿命化対策の事例についてお示しください。
以上で、二回目の質問を終わります。
12 ◯企画部長(岩切剛志君)輸送コスト支援事業の成果と課題についてであります。
奄美群島
農林水産物輸送コスト支援事業については、奄美群島における流通条件の不利性を軽減し、本土産地と同一条件の環境を整えることを目的としており、昨年度は、四十三団体の四十六品目について総額約三億五千万円の交付金が支給され、輸送コストの負担軽減が図られたところであります。
また、それぞれの団体が、交付金により生じた余力で生産設備の充実や安定的な販路の確保に向けた取り組みを行いましたほか、経営の安定化のめどが立ったことから、農業後継者のUターンにつながったとの事例もあると聞いております。
他方で、初年度ということもあり、事業の定着が十分でなかったことから、今後、市町村や出荷団体への周知徹底を行いますとともに、対象品目の見直しや作柄等の十分な把握に努め、当該事業を活用して、農林水産業の生産額や所得の向上につながるよう支援してまいりたいと考えております。
13 ◯農政部長(福田博史君)六次産業化の推進についてでございます。
六次産業化・地産地消法に基づく農林漁業者等の総合化事業計画は、現在、県内で六十三件が認定され、このうち奄美地域においては、農畜産物関係が三件、林産物関係三件、水産物関係四件の計十件が認定されており、黒糖やマンゴーなどの地域特産品を活用したお菓子、ジェラートなどの商品開発・販売や奄美大島産真珠を利用した装飾品の加工・販売などの取り組みが行われております。
県におきましては、奄美地域におけるこれらの取り組みに対し、プランナー派遣等による総合化事業計画の作成支援や個別相談会の開催などにより、専門的な見地からの商品開発などに関する助言・指導を行っておりますほか、県が主催する商談会、食品コンクール等におけるバイヤーとの意見交換や売れる商品づくりに向けた研修会の開催など、計画実現に向けた支援を行っております。
今後とも、市町村等と連携を図りながら、奄美地域の特色ある地域資源を生かし、付加価値を高める六次産業化の取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。
畜産クラスターの構築についてでございます。
国においては、配合飼料価格の高どまりや生産基盤の脆弱化、混住化の進展による畜産環境問題等が課題となっておりますことから、畜産農家を初め、地域に存在するコントラクターやTMRセンター等の支援組織が有機的に連携し、地域ぐるみでの収益性向上の取り組みを行う体制、いわゆる畜産クラスターの構築を進めております。
畜産クラスター事業は、地域の中心的な経営体が行う、収益性の向上に必要な畜舎や堆肥舎等の施設整備、飼養管理機械や飼料収穫機械等の機械リース整備を支援するものであります。
県内では、各地域において、畜産農家を初め、県、市町村、農協、コントラクター、獣医師等で構成する畜産クラスター協議会が設置され、繁殖牛舎や豚舎の整備及び堆肥処理施設等の整備を行うとともに、自動給餌器等の導入を行うこととしており、奄美地域におきましても、分娩監視装置や飼料収穫機械等の導入が予定されております。
県としましては、今後とも、畜産クラスター協議会を中心に、地域の関係者が連携し、生産コストの低減や収益性の向上による生産基盤の強化が図られるよう支援してまいりたいと考えております。
沖永良部島の防風対策の現状と今後の取り組みについてでございます。
沖永良部島においては、サトウキビを初め、野菜、花卉、葉たばこなどを中心とした農業が営まれておりますが、地形が平坦で台風等の影響を受けやすいことから、生産の安定や品質の確保のためさまざまな防風対策が講じられているところであります。
これまで、基盤整備と合わせた防風林の整備、花卉の平張り施設の整備、葉たばこや野菜の防風ネットの設置などが行われてきております。一方、防風林の整備は、用地の確保が必要なことや維持管理の負担が大きいことから、農家の理解が得られにくい場合もあります。
このようなことから、平成二十五年度に大島支庁が中心となって、地域や作物に適した防風垣のつくり方や管理方法などをまとめた奄美地域における防風樹の手引きを作成したところであり、今後とも、この手引きを活用し、関係機関・団体と一体となって、農家の防風対策に対する意識の醸成を図るとともに、地域に適した防風林、防風垣、平張り施設の整備などに取り組んでまいりたいと考えております。
14 ◯商工労働水産部長(武盛武士君)浜の活力再生プランについてでございます。
このプランは、御披露されました考え方のもとで具体的には、地域の漁業所得を五年間で一割以上アップすることを目標に、収入向上の取り組みやコスト削減の取り組みなどをまとめ、国の承認を受けることとなっております。
本県におきましては、平成二十七年五月末現在、十四地区、うち奄美四地区でプランが承認され、十二地区、うち奄美二地区で策定中となっております。例えば瀬戸内地区におきましては、マグロ類の内蔵やシイラなど低利用・未利用資源を活用した新商品開発の取り組みや省エネ型操業の推進による漁業コストの削減に取り組んでおります。
国の承認を受けますと、国庫補助事業等で優先的に採択されます。また、漁業収入の向上や流通改善に関する取り組みで国の支援対象とならないものにつきましても、県において、浜の活力再生支援事業により支援を行うことといたしております。
自然災害に強い漁港施設の整備等についてでございます。
国におきましては、平成二十五年八月に、平成二十三年東日本大震災を踏まえた漁港施設の地震・津波対策の基本的な考え方を取りまとめ、昨年一月に一部改正しております。本県におきましても、国の考え方を参考に、昨年度から施設の機能診断に着手したところでありまして、今後、その結果をもとに対策を検討することとしております。
漁港施設の長寿命化対策につきましては、年次的に計画策定を進め、老朽化が著しい施設について、平成二十二年度から優先的に保全工事を実施しております。平成二十六年度末現在で、十七漁港において防波堤や護岸等に使用されている鋼材の腐食対策、橋梁や防波堤等に使用されているコンクリートのひび割れ対策、道路の舗装・補修対策などを行っております。
今後とも、自然災害に強い漁港施設の整備や計画的な長寿命化対策に取り組んでまいります。
15 ◯土木部長(久保田 一君)奄美群島での無電柱化についてでございます。
無電柱化は、安全で快適な通行空間の確保、良好な景観、住環境の形成や災害の防止等に資することを目的としており、県では、電柱や電線がふくそうしている都市部を中心に約十一キロメートルの区間で実施しております。
奄美群島での無電柱化は、台風等の防災対策や良好な景観づくりに資するものと考えますが、多額の費用を要することから、電線管理者の理解が得られていない状況であります。
自民党におきましては昨年十一月に、政府は必要な財政上、税制上の措置を講じなければならないことなどを盛り込んだ無電柱化の推進に関する法律案を取りまとめており、また、国におきましては現在、コスト縮減を図るための技術基準の見直しを進めております。
県としては、国の動向等を引き続き注視してまいりたいと考えております。
[林 健二君登壇]
16 ◯林 健二君
農林水産物輸送コスト支援事業についてでありますが、奄美の一次産業従事者が抱える
条件不利性の解消に向け、大きく前進したすばらしい事業だと思っておりますので、見えてきた課題の解決を図りながら、さらにその制度の中身を充実していただきたいと思っております。
そして、
条件不利性の解消が図られ、奄美群島の農林水産物が本当に世界でも勝負ができるように、この事業効果を最大限に引き出していかなければならないと考えております。
六次産業化の推進の現状につきましては理解いたしました。今後も六次化のプレーヤーの増加と多様化が進むと予想される中で、六次化の取り組みを今のまま個別的、分散的に行うと、共倒れ的なリスクが高まるとの懸念もございますので、六次化をそれぞれの地域の面的振興という視点で捉え、地域と一緒になって六次化の推進をしていく取り組み、指導が不可欠だと考えておりますので、このことに対しましても、市町村と連携を図りながら、力強く進めていっていただきたいと思っております。
畜産クラスターの構築につきましては、地域ぐるみで収益力を向上させる取り組み、特徴的な飼料による畜産物の生産やブランド化などの実証・普及活動を今後とも進めていっていただきたいと思っております。
奄美における集合牛舎の整備や放牧などの取り組みも始まってまいりましたが、依然として担い手不足の問題等も抱えております。イニシャルがかかり過ぎてしまうという課題を乗り越えて、新規の畜産農家がふえ、生産頭数も増加し、農家所得の向上が図られますよう、今後も一層の努力をお願いしたいと考えております。
沖永良部島の農作物の防風対策につきましては、町単独補助で防風苗の購入費の補助を行っているようでありますが、苗木の島内での生産がほとんどなく、島外産を供給している状態ということでございました。輸送コスト等を考えると、島内産で供給する体制を整えることが必要であると考えております。
植栽後の管理不足から枯死してしまう苗木も多く、台風や干ばつの影響も考えられるということですが、適正な管理を行った防風苗は順調に生育しているということから、植栽の仕方や管理作業などに関する技術・知識を習得する機会も必要であると考えております。
現在、基盤整備事業の完了地区においても、防風垣の設置を希望する農家の声が多く上がっているということでございますが、予算や苗木の供給量も不足しており、十分な対応が難しい状況ということでございますので、このことも課題解決に向け、地元と対応・協議していただきたいと要望を申し上げたいと思います。
浜プランにつきましては、御答弁いただきました浜の漁業所得が五年間で一割以上アップすることを目標としているということでございます。それを実現するためのあらゆる取り組みを、浜がみずからまとめ上げたプランを進めていくということで理解いたしました。
この浜プランは、六次産業化の取り組みのみならず、必ず地域創生に資する取り組みでもございますので、そのような意味でも非常に大きな、浜の取り組みだと考えております。今後とも、水産振興につながる取り組みの後押しを強く要望いたしたいと思っております。
国土強靱化、無電柱化に関しましては、低コスト施工技術の研究もこれに期待するところでございます。
長寿命化対策に関しましては、これからこのボリュームが非常に大きなウエートを占めてくると思っております。しかしながら、それぞれの地域で施工技術がかなり専門性を帯びているということもあって、しっかりとその地域でこの事業に取り組んでいける事業者が育成できていないという面があると考えております。このことも、しっかりとその地域でその施設を維持管理していける、長寿命化に対する取り組みが行っていけるように指導していただきたいと考えております。
以上、今回通告いたしました全ての質問を終了いたしますが、今回の
統一地方選挙におきまして、みずからが選挙区で訴えてきましたことを基本にお尋ねさせていただき、知事、関係部局のお考えをお聞かせいただきました。今後も一般質問を通して建設的な提言を行ってまいりたいと考えております。
さて、国会では平和安全法制の審議が行われております。先日、自民党県連の青年局で街頭活動を行ったわけでございますが、安全保障をめぐる環境の変化と国際社会における我が国の役割、国民の生命・財産を守り抜くための平和安全法制であるという理解が得られますよう、さらなる努力を行っていく必要があると考えております。
また、私たち奄美大島に陸上自衛隊基地の配備が決定し、配備に向けた準備が進められておりますが、奄美群島を含む南西諸島が日本の安全保障上、非常に重要な役割を果たしているということだと受けとめております。
第一列島線と言われる非常に重要な地域であれば、対馬や北海道、与那国等と同様に、特定国境離島保全・振興法の対象離島に位置づけられてもよいのではないかと個人的には考えております。
漁船漁業者の支援を図りながら、民間監視力を高めていくという目的も盛り込まれておりますが、このことに期待する漁業従事者もおられますので、研究していかなければならないと思っております。
さて、本年は、地方創生元年ということでありますので、本県と奄美群島への追い風をしっかりと感じながら、県当局におかれましては、「力みなぎる・かごしま」、「日本一のくらし先進県」を目指して、より一層の努力をされますことを要望いたしまして、一般質問を終わります。(拍手)
17 ◯議長(池畑憲一君)次は、堀口文治君に発言を許可いたします。
[堀口文治君登壇](拍手)
18 ◯堀口文治君 池畑議長の許可を得ました。自由民主党県議団、堀口文治でございます。
冒頭に、去る五月二十九日の口永良部島新岳の爆発的噴火によりまして、全島民の皆様方が島外に避難されましたこと、県民の一人として、被災されました方々に対し心からお見舞い申し上げますと同時に、一日も早く平穏な日々、生活が訪れることをともに願っております。
私、去る四月の
統一地方選挙におきまして、出水市県民の皆様方の御支持、御支援を賜り、二期目のスタートを切ることができましたこと、熱く御礼申し上げる次第でございます。
二期目最初の一般質問、県議として九回目の壇上質問でありますので、初心を忘れることなく、心新たに質問してまいりたいと思います。
初めに、通告いたしておりました県議会議員選挙の低投票率につきましては、既に代表質問、一般質問とお尋ねがあり、ほとんど重複しておりますので省略いたします。
ただ、私は、四年前の選挙のときに、選挙民の皆様方より、「一番身近な市議会議員や国で働く国会議員からすると、県議会議員の活動が見えない、わかりにくい」と言われまして、四年間、県議会をもっと身近にという思いで、議会傍聴に出水から約百五十名、その後、一般質問後の自分自身の議会だよりを出水市全世帯主に年二回、計八回配布してまいりました。しかし、投票率は四年前より低うございました。残念であります。
しかしながら、これから四年間、さらに、地域の身近な議員として、わかりやすい、あなたのそばの県議会として、一人でも多くの県民の皆様と県政に対して、これからの地方創生に対して、膝を交えながら話し合ってまいりたいと考えておりますので、皆様方の御指導よろしくお願い申し上げます。
まず、地方分権の推進についてお伺いいたします。
この質問は、四年前、一期生として初めての質問でもやり、あえて四年たって質問させていただきます。
地方分権改革につきましては、国において、地方分権改革推進検討委員会の勧告事項について検討がなされ、昨年度まで、四次にわたる地方分権一括法等により、国から地方公共団体への事務・権限の移譲や義務付け・枠付けの見直し等が進められてきました。このうち、いわゆる第四次一括法においては、四十三法律に係る事務・権限等が国から地方公共団体へ移譲されることとなりました。
国は、新たな局面を迎える地方分権改革において、これまでの成果を基盤とし、地方の発意に根差した新たな取り組みを推進することとして、平成二十六年から、地方分権改革に関する提案募集方式を導入いたしました。提案募集は、昨年五月から七月にかけて実施されまして、本県においては、九州地方知事会としての提案も含め、三十一件の提案がなされたとのことであります。
国は、地方分権改革の推進は、地域がみずからの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものであり、地方創生における極めて重要なテーマであるとしておりまして、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略も踏まえ、地方公共団体への事務・権限の移譲、義務付け・枠付けの見直し等を進めることとしております。
このため、地方公共団体等から提案のあった事務のうち、法律の改正により措置すべき事項については、所要の整備を行うため、第五次地方分権一括法案として、現在開会中の通常国会に提出がなされているところであります。
また、移譲された事務・権限が地方公共団体において円滑に執行できるよう、地方税、地方交付税や国庫補助負担金等により確実な財源措置を講ずるとともに、必要な支援を実施するとしております。
新聞報道等によりますと、平成二十六年度の地方分権改革の成果について、都道府県、政令指定都市へのアンケート調査の結果、八二%が「評価している」と回答したとのことであります。
そこでお尋ねいたします。
第一点は、昨年度、本県からはどのような事務・権限の移譲等について提案を行ったのか。また、それに対する成果はどうであったのか。
第二点は、第一次一括法以降のこれまでの地方分権改革の成果についてどう評価されるのか、お示しください。
次に、共生・協働の地域社会づくりについてお伺いいたします。
近年の少子高齢化の進行や人口減少の一方で、複雑多様化する住民ニーズ等に対し、各自治体では、行政だけでなく、地域の自治会やボランティア、NPO、企業など多様な主体が
地域づくりの担い手となり、それぞれが連携・協力し、地域の皆で支え合う共生・協働の地域社会づくりが進められております。
知事は、マニフェストやかごしま将来ビジョンにおいて、共生・協働による温もりのある地域社会づくりを掲げるなど、就任以来一貫して、二十一世紀の地方自治の新しい姿として、共生・協働の地域社会づくりを推進していらっしゃいます。
県は、平成十七年度から、共生・協働の理念普及、地域コミュニティ組織やNPO等の活動支援、地域リーダーの養成、協働による県事業の推進、市町村の取り組み促進等に取り組んできております。また、地域や市町村に身近な地域振興局・支庁においても、地域共生・協働推進協議会を設置し、課題解決に向けたセミナーの開催や地域リーダーの育成等の取り組みを進めております。
これらの取り組みにより、地域においては、地域コミュニティ組織とNPOとの協働によります
地域づくりが活性化するとともに、市町村においても、地域コミュニティの再編・構築の機運が高まりつつあるとのことであります。
そこでお尋ねいたします。
第一点は、共生・協働事業のこれまでの成果と今後の取り組みについて。
第二点は、地域コミュニティ組織とNPOとの協働による
地域づくりの取り組み事例及び市町村における地域コミュニティの再編・構築に向けた取り組み事例についてお示しください。
続きまして、公立学校の原発避難訓練についてお伺いいたします。
平成二十四年十月に策定されました原子力災害対策指針で、原子力施設からおおむね半径三十キロ圏内においては、事故に備えた避難、屋内退避、安定ヨウ素剤の予防服用等、十分な対策が必要とされております。
文部科学省が隔年で実施する全国の小・中学校や中等教育学校、特別支援学校、幼稚園を対象とした学校安全調査によりますと、本県においては、原子力施設からおおむね三十キロ圏内に百二十八校の公立の小・中学校や特別支援学校、幼稚園がありますが、そのうち、平成二十六年三月末時点における、原子力災害を想定しました危機管理マニュアルの策定状況は百二十四校、策定率九七%、避難訓練の実施状況は六十九校、実施率五四%となっております。
なお、報道によりますと、玄海原発が立地する佐賀県では、原子力施設からおおむね三十キロ圏内にある公立九十九校全てにおいて避難訓練を実施しておりまして、さらには、平成二十年以降、放射能漏れを想定した危機管理マニュアルを策定し、訓練で浮上した課題を年度ごとのマニュアル改訂に反映させるなど、万全の備えを進めているとのことであります。
ただし、文部科学省によりますと、原発事故への学校側の対策を定めた法令や指針はなく、取り組みは各学校に委ねられているとのことですが、川内原発の再稼働に向け、原発事故を想定した避難訓練の実施が急がれるものと考えます。
そこでお尋ねいたします。
第一点は、原子力施設からおおむね三十キロ圏内の公立学校百二十八校における平成二十七年三月末時点のマニュアル策定状況及び避難訓練実施状況についてお伺いいたします。
第二点は、避難訓練の内容はどのようなものか。また、避難訓練実施後の課題をマニュアルに反映させているのか、お示しください。
[
知事伊藤祐一郎君登壇]
19 ◯知事(伊藤祐一郎君)地方分権の推進についてのお尋ねであります。
平成二十三年四月に成立いたしました第一次一括法以降の地方分権改革につきましては、四次にわたる一括法によりまして、義務付け・枠付けの見直しや国から地方への事務・権限の移譲などが進められましたほか、国と地方の協議の場の法制化が図られますとともに、昨年度からは地方自治体等からの提案募集方式も導入されるなどしておりまして、これらの一連の地方分権改革の取り組みにつきましては、現時点では、実効的な改革を進めるという点で、一つ一つは小さくても全体としては一定の評価をしているところであります。
本県としては、真に実効性のある地方分権を実現いたしますためには、国から地方へのさらなる権限移譲や地方税財源の充実・確保が必要であると考えており、今後とも、地方分権を目指す各種の改革が、地方の権限と財源が十分に確保された実体を伴った実質的なものとなりますように、全国知事会とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
建設業者に対する指名停止についてでございます。
県におきましては、県が発注する建設工事等の適正な施工を確保するため、県建設工事等有資格業者の指名停止に関する要綱を定めております。また、県と県警察本部は、県が行う契約等からの暴力団排除に関する合意書を締結しており、県警察本部は、暴力団排除措置の対象となる業者が県の契約等の相手方となっていることを認めた場合は、速やかに県に通報することとなっております。
県としては、この通報があった場合、当該業者が同要綱に規定する措置要件に該当するものと判断し、指名停止を行っているところであります。
71 ◯総務部長(寺田雅一君)県職員の守秘義務につきましては、新規採用職員研修、係長や課長補佐、課長等の各階層の研修におきまして、地方公務員法に定めのある守秘義務を含む公務員倫理の科目を設けておりますほか、年度当初や年末において全ての所属長に対し通知を行うなど、職員に対する指導の徹底に努めているところでございます。
[大園清信君登壇]
72 ◯大園清信君 保健福祉部長にお願いしておきます。
重症心身症の患者さん、子供さんというのは夜間とか日曜・祭日に急変するのであって、そういうときにかかりつけの開業医があいていれば問題はないんですけれども、そういうときのために高度な医療機関と登録制をしたほうがいいんじゃないかということですので、今後検討していただきたい。
先ほど土木部長は、今回、指名停止の問題を言われましたけど、私が質問したのは、とにかく総合的に当事者からも聞くのが本来のあり方だということを言っておりますので、再度、そういったものも含めて、警察情報だけじゃなくて、総合的に判断するのが本来の姿だと思っておりますので、また今後の課題にしていただければと思っております。
教育問題、古川教育長には、当時、当事者でなかった教育長に質問をぶつけること自体、大変心苦しい思いなんですけど、ただ、今回のこの問題というのは、初動対応に大きな問題があったと。私は、こういう本当に悩ましい問題は、本来は関係者において解決されるべき問題だと思います。
そういう意味で、今回このような大変厳しい選択を我々議会に求めている以上は、この初動対応がどうであったのかというのも、教育委員会は、今後、みずからもどうやったほうがいいのかは検討していただかないと。ただ司法判断、司法判断と、こういう民事で判決が出ましたと、しかし、本人は実際はやっていないという中で今回みたいな判断を下すというのは、それでいいのかなと。
私もいろいろ弁護士等にも聞いたけれども、司法判断だけによること自体、ちょっと問題があるのではないかという方も多いですので、私は、市教委あるいは県教委、もう少し我々が求めている内容については真摯に、きょうも関係者のPTAの方も来ておられますけれども、その思いというのは、こういう方々に対して今回このような判断を下すことは、私は、鹿児島県の県政史上に大きな禍根を残すことになるんじゃないかということも危惧しておりますので、大変難しい問題だと思うんですけど、慎重には慎重を期していただきたいと。我々県議会議員も、そのような中で一つの判断を委ねられて大変困っていることもわかっていただきたいと思います。
いろいろ話をしてきましたけれども、今回、教育問題、大変難しい問題ですけれども、また委員会の中でしっかりこの問題については深めていきたいと思っております。
今後また、ますます県勢が発展することを祈念いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)(「議事進行」と呼ぶ者あり)
73 ◯まつざき真琴君 ただいま、大園議員の一般質問の発言の中で、本事案と関係のないことでプライバシーを侵害する発言、事実と違う点や人権を侵害すると思われる表現がありました。その部分の削除を求めます。
もう一点、議長にお願いいたします。
本日、議場に配られた資料、この二枚のペーパーは議長の許可を得て配られているものです。その冒頭に、今申し上げたような、事案に関係ないプライバシーの侵害と思われるものが表記されている点。もう一つ、事実と違うことが述べられている点、二ページの三行目、「校長は教頭が謝罪したことに対して激怒」とありますが、これについては、一審でも控訴審でも判決の中で、「被告本人による尋問の結果、原告は、教頭及び担任教諭が原告方に謝罪及び報告に出向いたことを知ったが、両名に対し、特段異議を述べることはなかった」。こういうふうに判決でなっており、これは本人の尋問によってこういうふうに一審でも、控訴審でも書かれており、この激怒とは全く事実と違うことであります。
それともう一点、十六に、十月九日の臨時職員会議について、「事件については否定」とありますが、ここには書かれていないことで、九月二十七日、教職員の緊急集会があって、これには元校長は出席せずに、これについても異議を唱えなかったということが判決の中で述べられている。これも本人への尋問の結果です。
また、書かれていないことで、その前日に元生徒の両親が元校長を訪ねて事実経過について問いただしたところ、本件告白の内容を明確に否定したり、弁明したりするようなことはしなかったと、これも本人への尋問の結果です。
よって、この二枚のペーパーというのは、表題を事件の経過としていながら、大園議員が元校長を擁護する立場で、事実について都合のいいことを書き、都合の悪いことは書かないという中身ですので、これについては、この事件の経過としてこの資料が出されたということについて非常に不適切だと考えますので、許可をした議長の権限でこれを回収していただきたい。そういうふうに要請いたします。
以上です。
74 ◯議長(池畑憲一君)ただいまの大園清信君の発言につきましては、当席への要望と思われますので、この取り扱いにつきましては、後刻精査の上、検討いたしたいと思いますので、御了承をお願いを申し上げ、引き続き……(「議長」と呼ぶ者あり)
75 ◯まつざき真琴君 発言についてはそれで結構です。
ただ、この資料については、この議場を出てしまうとこれが公になってしまうおそれがあります。であれば、ここで回収していただいて、議長のほうで精査していただいて、これが事件の経過としての資料として適切であると判断されれば、再配付をする。そういう取り扱いをお願いしたいと思います。(「議長」と呼ぶ者あり)
76 ◯柳 誠子君 私からも同様のお願いを申し上げます。事実と異なることが記載されておりますので、議長のほうでぜひ適切な御判断をお願いしたいと思います。
77 ◯議長(池畑憲一君)私といたしましては、判断をした上で皆様方に配付させていただきましたので、今のお二人の発言、要望につきましても、精査の上、検討させていただき、また後日、御返答を申し上げたいと思います。
以上で、本日の日程は終了いたしました。
─────────────
78 △ 日程報告
◯議長(池畑憲一君)明日は、午前十時から本会議を開きます。
日程は、一般質問及び議案の委員会付託であります。
─────────────
79 △ 散 会
◯議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。
午後三時十八分散会
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