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  1. 鹿児島県議会 2015-03-13
    2015-03-13 平成27年環境厚生委員会 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過        ……………………         午前十時開会        …………………… ◯高橋委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから環境厚生委員会を開会いたします。  この際、御報告を申し上げます。  傍聴について五名の方から申し出があり、これを許可いたしました。  本日は、環境林務部関係の陳情の審査及び県政一般であります。  それでは、まず、陳情の審査をお手元の請願・陳情文書表により行います。  環境林務部関係の陳情は、新規一件、継続審査五件であります。  まず、新規の陳情について審査を行います。  陳情第五〇四七号を議題といたします。  森づくり推進課長の説明を求めます。 2 ◯入佐森づくり推進課長 陳情第五〇四七号についてでございます。  請願・陳情文書表の十六ページから十七ページまでをごらんください。  提出者は、上出いのちを守る会代表者外薗悦郎氏でございます。  陳情の趣旨は、指宿市山川大山で大規模な太陽光発電所の開発が計画されているが、開発予定地に隣接する上出集落は、土砂災害浸水被害の絶えない地域であり、大規模開発が行われると確実に被害が起こり得る場所であることから、林地開発を許可しないようお願いするというものでございます。  次に、状況説明でございますが、当該計画に係る林地開発許可申請は行われていないところでございます。  以上で説明を終わります。 3 ◯高橋委員長 以上で説明が終わりましたが、質疑がありましたらお願いいたします。
    4 ◯まつざき委員 陳情に至った理由のところに、この地域の一部が土砂災害警戒区域土砂災害危険区域に含まれているということや、過去に何度も土砂災害が起きるということについての記述があるんですが、これらについては確認ができていますでしょうか。 5 ◯入佐森づくり推進課長 これは指宿市に確認したところでございますが、過去に大規模な災害の発生はしていないということでございまして、道路のり面の崩壊とか、側溝の破損とか、そういったものは発生しているということで聞いております。 6 ◯まつざき委員 この陳情者の代表者の方は八十代の方と聞いています。この上出集落は、戦後食料難の時代に畑で農作物をつくられてきました。しかし、この地域は低地で、雨が降れば災害が起きるなど、本当に不安と災害と常に向き合いながら生活をしてこられたというふうに聞きます。長年にわたってこの地区でそういう災害を経験されてきたわけですね。今、大規模な災害は起きていないということでしたが、やはりそういう形で畑でものをつくるに当たって、雨のたびに災害が起きてきたということを経験者としてこの代表者の方は語っておられます。  次に、鳥獣被害の懸念ということで、予定周辺の畑で鳥獣による被害がふえつつあるという記述がありますが、これについては把握されておりますでしょうか。 7 ◯入佐森づくり推進課長 そこについては把握しておりません。 8 ◯まつざき委員 お話を伺いますと、最近はヒヨドリの被害がひどいというふうに聞いています。ほかにも、今は山になっているわけですから、例えばシカとかイノシシとかアナグマとか、そういうのが里におりてきていない部分もあるのかもしれませんが、開発によっては、畑のほうに出てきて被害が出るというふうに思われるんですが、一般論として、そういう事態はあり得るというふうに思われませんでしょうか。 9 ◯則久参事自然保護課長 開発行為が鳥獣の分布をどういうふうに拡散させるかというのは、因果関係ははっきりとは予測しかねますけれども、過去の例でいきますと、ゴルフ場などが整備されるとその周辺でふえるとか、そういったことは指摘されたりはしております。ただ、科学的に証明されたものではございませんので、あるところの開発をすると、直ちに鳥獣が広がってくる、数がふえるかというのはちょっと定かには申し上げにくいと思います。 10 ◯まつざき委員 今、全国各地で、本県でも鳥獣被害の解決といいますか、対策が非常に大きな課題となっておりますが、今のお話のように、もちろん科学的な因果関係というのはなかなか証明するのは難しい部分もあるんでしょうが、餌の関係とかいろいろあるかと思いますが、今は山になっている、そこに太陽光パネルというと、結局平たくしてしまう、影がないようにするわけですから、木があればそれを伐採するということが出てくるわけです。そういう意味では、畑のほうに今後さらに鳥獣の被害が及ぶということは予測されるといいますか、住民の皆さんが不安に思われるのは当然のことだというふうに思います。  先ほど、状況説明の中で、林地開発許可申請は行われていないということでしたが、この事業者が今後この陳情にあるような規模で太陽光発電のための開発を行おうとすればどのような手続が必要になってくるんでしょうか。 11 ◯入佐森づくり推進課長 陳情のここに書いてある内容からいたしまして、規模が大きいとなりますと、関連する規制としては土地利用協議と、あと林地開発。ただ、具体的な計画の中身がわかりませんので、それ以外の規制がどういったものがあるかについては、私どものほうではわからないところです。 12 ◯まつざき委員 もちろん中身については、正式な書類が出てこないとわからないということはあるかと思うんですが、今お話にあった、土地の所有者が一ヘクタール以上の開発をするときは、林地開発許可の申請の前に土地利用協議をしなければなりませんが、所管が地域政策課ですので、確認してみたところ、今のところ土地利用協議書は提出されていないということでした。  県の土地利用対策要綱の第五条「承認又は中止勧告」には、別表二としてあるんですけれども、その基準に適合しているかどうかを審査して、適合していると認めるときは土地利用を承認し、適合しないと認めるときには土地利用の中止を勧告するものとあります。その別表二の中身には、地域発展上望ましいものであること、周辺地域自然環境と調和し、かつ、自然保護及び環境保全を配慮したものであること、その他災害防除の観点などが盛り込まれています。まだ林地開発許可申請はなされていないということですが、今、土地利用対策要綱の中には適合しないと認める場合、土地利用の中止を勧告するものとして幾つか紹介しましたが、森林法の中にも許可ができない基準というのが示されていますが、それはどういうものがありますか。 13 ◯入佐森づくり推進課長 森林法におきまして、許可要件というのがございます。災害の防止、水害の防止、水の確保、環境の保全、この四つの要件がございますが、これに適合する限りは許可しなければならないというふうに規定されております。 14 ◯まつざき委員 森林法の表現としては、これに適合しなければ許可しなければならない。反対に言うと、こういう問題があれば許可はできないというふうに思うんですが、林野庁のホームページ林地許可制度について調べてみたところ、林地開発許可制度の体系図というものがありました。それには今の法律のようにフローチャートみたいな形で体系図が書かれていて、今言われた四点、災害の防止、水害の防止、水の確保、環境の保全ということでそういう基準を設けて、そして森林の保続培養及び森林生産力の増進に留意をするというのもあって、それに、そういう先ほど言った四つのようなことのおそれがある場合は不許可、おそれがない場合は許可というのがあるんですね。  ところが、鹿児島県のホームページを見まして、林地開発許可制度の手引、申請者用、鹿児島県環境林務部森づくり推進課ということでこの手引があったんですね。この手引きの四ページにも同じような体系図がありました。  ところが、この鹿児島県の体系図には許可しかないんです。不許可の場合が、不許可の言葉がどこにもないんです。あとは同じように、林野庁のホームページと同じような流れで、ところが、鹿児島県のこれを見る限りは、許可が前提となって、森林審議会に諮問したり、関係市町村の意見を聞いたり、他法令との調整をする。許可の矢印しかないんですよね。私は、鹿児島県は同じ森林法に基づく体系図であると思うんですが、何か理由があるんでしょうか。 15 ◯入佐森づくり推進課長 特に理由はございませんが、ただ先ほど申しましたように、森林法の中で許可要件に適合している場合は許可しなければならないというふうになっております。ですから、許可要件に適合しなければ許可ができないという形になろうかと思います。 16 ◯まつざき委員 おっしゃるとおりですよ。それなのに、許可しかない体系図なんですよ。林野庁のほうには許可と不許可があります。鹿児島県のほうは許可しかないんです。矢印は許可にしか行かないんです。許可が前提として基準はある。でも基準も通過した形で許可があって、国のほうはいろんな審議会の意見とか、関係市町村の意見というものはその前に聞くようになっていて、基準に照らし合わせて、おそれがある場合は不許可、おそれがない場合は許可。ところが鹿児島県は、そういう基準に照らし合わせて許可しかなくて、許可が前提として意見を聞くという形になっているんです。この陳情というのは、今はまだ林地開発許可申請は行われていない段階ですが、今後行われていくとすれば、このフローチャートに沿った形でいくとすると、もう許可しかないことになるんです。これは、林地開発許可制度の手引で、申請者用としています。申請者がこれを見たときは、不許可にかかわるものは表記はないわけですから、この手引書、これは二十五年というものですが、修正をしないといけないんじゃないですか。 17 ◯高橋委員長 暫時休憩いたします。         午前十時十三分休憩      ────────────────         午前十時十四分再開 18 ◯高橋委員長 再開いたします。 19 ◯入佐森づくり推進課長 先ほど申し上げましたように許可要件四つございます。これに適合すれば許可しなければならないとなっておりまして、このフローの中でこの要件に合致しなければ不許可ということになるというふうに考えております。 20 ◯まつざき委員 さっきから申し上げているように、国の場合は、おそれがある場合は不許可、おそれがない場合は許可となっているわけです。でも、鹿児島県の場合は、不許可の道筋はないんです。法にはそういうふうに、これに合致していなければ許可しなければならないとありますが、国の林野庁の体系図は、おそれがあれば不許可となっているわけです。  確認をします。災害防止水害防止、水の確保、環境保全について、こういう基準に照らし合わせて、おそれがある場合は許可ができない、そういうふうに思っていいですか。 21 ◯入佐森づくり推進課長 委員おっしゃったとおり、四つの要件ございますが、これに適合すれば許可しなければならないとなっておりますので、適合しなければ許可しない。この要件に適合しなければ許可できないということになろうかと思います。 22 ◯まつざき委員 はい、わかりました。この手引書については、もう一回帰って見直してみて、私は修正をすべきだというふうに考えます。  以上です。 23 ◯高橋委員長 ほかに質疑はありませんか。 24 ◯ふくし山委員 このような陳情というのは、いろんな懸念されることがあって、心配があって陳情になっているわけです。ですから、手続論としてはわかるわけです。行政として、申請があればそれを受けて手続を進めていくと、粛々とやるといったようなことはわかるわけですけれども、この陳情が出されて、先ほど、林地開発許可の申請はまだ行われていないということと、指宿に聞いて、過去に大規模な災害が発生していないということの二つは明確だったと思うんですよね。それ以外に、この陳情を見られてどういったことを調査をされましたか。ここにある心配が陳情のとおりなのかそうでないのかという確認というか、そういったことは中身を詳細に見てされたのかどうかですね。  先ほど、例えば鳥獣による被害がふえつつあるといったようなことの確認であるとかということを、みずから皆さんがどの程度この中身について調査をされたかということですね。 25 ◯入佐森づくり推進課長 まだ具体の申請書が出ていないものですから、調査といいますか、そういったことについては行っていないところでございます。 26 ◯ふくし山委員 申し上げましたように、申請が出されたら当然きっちりした調査をしていくわけですね。しかし、これは陳情としてもう出されているわけです。それ以前に、心配がありますといったような陳情の内容ですので、本当にそういった心配事があるのかどうか。今わかる範囲で確認すべきではないかと。申請が出されて、つぶさに、きちっと調べていったりするということはわかるわけです。しかし、今の時点で、この陳情の中でわかる範囲のものは、そういったことを払拭するという意味で、あるいはそのとおりかもしれませんが,そこのところは調査をしないと、私どもはこの陳情に対して判断のしようがないところもあるわけです。もちろん、みずから調査をするということも必要かもしれませんけれども、そういった意味で、もう少しこの陳情の中身を検証してみるといったような作業も必要だったんじゃないかなと今思っているものですからお尋ねしたわけです。そこが申請がなされていないので、今のところは具体は調べていないといったようなことで理解してよろしいですね。 27 ◯入佐森づくり推進課長 私ども、林地開発許可申請が出された場合には、先ほど申しました許可要件に適合しているかどうかにつきまして現地調査及び書類審査を行うこととしております。 28 ◯高橋委員長 ほかに質疑はありませんか。    [「なし」という者あり] 29 ◯高橋委員長 ほかに質疑がないようでございますので、質疑を終了し、採決を行います。  取り扱い意見をお願いいたします。 30 ◯外薗委員 陳情第五〇四七号につきましては、指宿山川太陽光発電事業に係る林地開発許可を行わないように求めるものでありますが、その許可申請が出されておりませんので、継続審査取り扱いでお願いいたします。 31 ◯まつざき委員 陳情五〇四七号の取り扱い意見です。  本陳情には、ここに示されている開発計画が実施されれば、さまざまな被害を及ぼすおそれがあり、住民が大変不安な思いを抱いておられることが書かれており、理解するものです。  本委員会には、これまでも林地開発許可に関する住民からの陳情が提出されてきました。現在継続審査している中にもあります。開発に関するさまざまな法律がありますが、多くは企業側の開発行為を優先させるものというもの、規制する条文があったとしても、実際には許可権者の判断で開発ということがなされてきました。一旦手続が進み始めれば、制度としては意見聴取の場などが盛り込まれてはいますが、あくまでも意見を聞き、計画の変更や改善を求めるというものであって中止をさせることは困難です。  そういう意味では、本陳情は、まだ林地開発許可申請も出されていないし、その前の土地利用協議書も提出されていない。こういう段階だからこそこの開発の問題点を指摘し、住民の安全と環境を守る立場で議会の意思を示すことが大事であると考えます。  よって、採択でお願いいたします。 32 ◯ふくし山委員 まだ林地開発許可申請も行われていないので詳細な調査については行われていない。そのことは一定理解をいたします。しかし、この陳情の趣旨でいいますと、いろんな懸念されることがあるといったようなことですので、今しばらく調査を継続していただくといったようなことで、継続でお願い申し上げたいと思います。 33 ◯高橋委員長 ほかに御意見はありませんか。    [「なし」という者あり] 34 ◯高橋委員長 ほかに御意見はありませんので、それでは採決をいたします。  陳情第五〇四七号につきましては、継続審査の意見と採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。  本件を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。    [賛成者挙手] 35 ◯高橋委員長 挙手多数であります。  よって、陳情第五〇四七号は継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、継続の陳情第五〇三七号を議題といたします。  自然保護課長の説明を求めます。 36 ◯則久参事自然保護課長 陳情第五〇三七号についてでございます。  請願・陳情文書表の二十ページから二十一ページをごらんください。  世界自然遺産拠点施設の瀬戸内町への整備に関する陳情についてでございますが、第四回定例会以降の情勢に変化はございません。  以上で説明を終わります。 37 ◯高橋委員長 以上で説明が終わりましたが、質疑がありましたらお願いいたします。  質疑はありませんか。    [「なし」という者あり] 38 ◯高橋委員長 質疑はないようでございますので、質疑を終了し、採決を行います。  取り扱い意見をお願いいたします。 39 ◯外薗委員 陳情第五〇三七号につきましては、今後の世界自然遺産登録の状況等を見守る必要がありますので、継続審査取り扱いでお願いを申し上げます。 40 ◯高橋委員長 ほかに御意見はありませんか。    [「なし」という者あり] 41 ◯高橋委員長 ほかに御意見はありませんので、陳情第五〇三七号についてお諮りいたします。  陳情第五〇三七号につきましては、継続審査との御意見ですが、そのように決定することに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 42 ◯高橋委員長 御異議なしと認めます。  御異議ありませんので、陳情第五〇三七号は継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、陳情第五〇四五号を議題といたします。  廃棄物・リサイクル対策課長の説明を求めます。 43 ◯松本廃棄物・リサイクル対策課長 陳情第五〇四五号について御説明を申し上げます。  請願・陳情文書表の二十二ページをごらんください。  不快害虫等蔓延防止対策に対する財政支援についての陳情でございますが、第四回定例会以降の情勢に変化はございません。  以上でございます。 44 ◯高橋委員長 以上で説明を終わりましたが、質疑がありましたらお願いいたします。    [「なし」という者あり] 45 ◯高橋委員長 質疑はありませんので、質疑を終了し、採決を行います。  取り扱い意見をお願いいたします。 46 ◯外薗委員 陳情第五〇四五号につきましては、今後も不快害虫等の蔓延防止のための財政支援の必要性等を検討する必要があると思われますので、継続審査取り扱いでお願い申し上げます。 47 ◯まつざき委員 陳情第五〇四五号につきましては、陳情者の趣旨を理解するものであり、県の恒久的な財政的支援というのが必要であると考えますので、採択でお願いいたします。 48 ◯高橋委員長 ほかに御意見はありませんか。    [「なし」という者あり] 49 ◯高橋委員長 ほかに御意見もありませんので、陳情第五〇四五号につきましては、継続審査の意見と採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。  本件を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。    [賛成者挙手] 50 ◯高橋委員長 挙手多数であります。  よって、陳情第五〇四五号は継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、委員会付託日から一年を経過した陳情を審査いたします。  請願・陳情処理要領第八条の規定によりますと、委員会付託日から一年を経過した陳情につきましては、同要領第七条に規定する審査基準に基づき、採択、または不採択の結論を出すように努め、または審議未了の扱いにすることができるものとするとなっております。  具体的な手続といたしましては、採択または不採択の結論を出すように努めていただき、それでも結論を得られず、本会議において審議未了の取り扱いを求めるものについては、取り扱い意見で審査未了の取り扱いとしたい旨を申し述べていただき、審査未了の可否について採決を行います。  以上のように進めてまいります。  それでは、陳情第五〇〇七号を議題といたします。  廃棄物・リサイクル対策課長の説明を求めます。 51 ◯松本廃棄物・リサイクル対策課長 陳情第五〇〇七号について御説明申し上げます。  請願・陳情文書表の二十三ページから二十六ページまでをごらんください。
     湧水町の産業廃棄物処理施設建設計画についての陳情でございますが、第四回定例会以降の情勢に変化はございません。  以上でございます。 52 ◯高橋委員長 以上で説明が終わりましたが、質疑がありましたらお願いいたします。    [「なし」という者あり] 53 ◯高橋委員長 質疑はありませんね。  質疑はないようでございますので、質疑を終了し、採決を行います。  取り扱い意見をお願いいたします。 54 ◯外薗委員 陳情第五〇〇七号につきましては、引き続き、事業の進捗等をチェックする必要がありますので、継続審査取り扱いでお願いいたします。 55 ◯まつざき委員 陳情第五〇〇七号につきましては、産廃処理施設の建設に係る陳情ですが、住民の理解、合意、納得が必要だと考えます。  よって、本陳情は採択でお願いいたします。 56 ◯高橋委員長 ほかに御意見はありませんか。    [「なし」という者あり] 57 ◯高橋委員長 ほかに御意見もありませんので、お諮りいたします。  陳情第五〇〇七号につきましては、継続審査の意見と採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。  本件を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。    [賛成者挙手] 58 ◯高橋委員長 挙手多数であります。  よって、陳情第五〇〇七号は継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、陳情第五〇一六号と陳情第五〇二七号は、霧島永水地区の土地開発に関する陳情であり、趣旨を同じくしておりますので、これら二件を一括議題といたします。  それでは、陳情第五〇一六号及び陳情第五〇二七号につきまして、森づくり推進課長の説明を求めます。 59 ◯入佐森づくり推進課長 陳情第五〇一六号及び第五〇二七号について御説明申し上げます。  請願・陳情文書表の二十七ページから三十ページまで及び三十一ページから三十三ページまでをごらんください。  いずれも霧島永水地区の土地の開発に関する陳情でございますが、第四回定例会以降の情勢に変化はございません。  以上でございます。 60 ◯高橋委員長 以上で説明が終わりましたが、質疑がありましたらお願いいたします。    [「なし」という者あり] 61 ◯高橋委員長 質疑もないようでございますので、質疑を終了し、採決を行います。  取り扱い意見をお願いいたします。 62 ◯外薗委員 陳情第五〇一六号及び陳情第五〇二七号につきましては、引き続き経過を見守りたいと思いますので、いずれも継続の審査の取り扱いでお願いをいたします。 63 ◯高橋委員長 ほかに御意見はありませか。    [「なし」という者あり] 64 ◯高橋委員長 ほかにないようでございますので、お諮りいたします。  陳情第五〇一六号及び陳情第五〇二七号につきましては、いずれも継続審査との御意見ですが、そのように決定することに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 65 ◯高橋委員長 御異議なしと認めます。  御異議ありませんので、陳情第五〇一六号及び陳情第五〇二七号は、いずれも継続審査すべきものと決定いたしました。  以上で、陳情の審査を終わります。  次は、県政一般であります。  まず、特定調査から行います。  特定調査事項の再造林の推進について、森林経営課長の説明をお願いいたします。 66 ◯大重森林経営課長 再造林の推進につきまして、お手元にお配りいたしております特定調査資料に基づきまして御説明を申し上げます。  まず、一ページをお開きいただきたいと思います。  一の再造林を取り巻く状況でございます。  (一)の本県の森林面積は、県土の約六割に当たる五十八万ヘクタールで、全国十三位、九州二位となっております。  そのうち、スギ・ヒノキなどの人工林は約半分の二十九万ヘクタールで、全国九位、九州二位となっております。  (二)の人工林の資源構成ですが、国有林などを除いた民有林のスギ・ヒノキの人工林は約十九万ヘクタールで、その中で植栽後三十年以上経過した人工林が全体の九割を占めており、利用可能な資源として着実に充実してきております。  (三)の県産材の生産量につきましては、資源の充実や全国的な国産材需要の高まり等を背景に、平成十五年度以降増加しており、平成二十五年度には七十万立方メートルとなっております。  県におきましては、県森林・林業振興基本計画におきまして、平成三十二年度の木材生産量の目標を百万立方メートルとしております。また、ことしは、県内で大型木材加工施設や木質バイオマス発電施設の稼働が始まることから、今後、木材生産量はさらに増加していくと見込まれます。  二ページをお開きください。  (四)の再造林の実施状況でございます。  木材生産量の増加に伴いまして、人工林の伐採面積も年々増加しており、平成二十五年度は六百八十一ヘクタールの人工林が伐採されております。そのうち、再造林された面積は二百五十四ヘクタールで、伐採後に再造林された割合、いわゆる再造林率は、平成二十一年度から二十五年度までの五カ年の平均で約三割と低位にとどまっている状況でございます。  次に、(五)の林業労働力の状況でございます。  平均二十五年度の林業就業者数は千五百三十三人で、近年、おおむね横ばいで推移しておりますが、平成十年度に比べると約七割に減少しております。中でも、これまで造林や保育作業を担ってきた森林組合の造林作業班員は大幅に減少いたしております。  次に、(六)の苗木の生産量の状況でございます。  平成二十六年度の苗木生産量は百八十五万本余りで、そのうち約七割の百四十万本がスギの苗木であります。近年、生産量は増加傾向にあるものの、平成十年度と比較しますと大幅に減少している状況にあります。  以上、再造林を取り巻く状況につきまして御説明申し上げましたけれども、人工林の伐採面積は今後さらに増加すると見込まれる中で、再造林が約三割程度のままでは、将来にわたって木材の安定供給や森林の公益的機能の発揮が懸念されるところでございます。  こうしたことから、再造林を進めていくためは、森林所有者負担の軽減のための造林・保育コストの低減、林業労働力の確保・育成、優良苗木の安定供給体制の構築といった課題に一体的に取り組む必要があると考え、今般、再造林推進のための方針を策定したところでございます。  三ページをごらんください。  二の再造林推進のための方針の概要について御説明いたします。  まず、(一)の策定の趣旨についてでございます。  再造林を適切に進め、健全な森林を次世代に引き継いでいくことは、私たち森林・林業関係者の全体の責務であるとの考えから、本方針は、基本的な考え方とその具体的展開方策を示すことによりまして、関係者が問題意識を共有し、課題解決に向けて一体となった取り組みを促進することを目的として策定したところでございます。  (二)の基本的な考え方についてでございます。  県森林・林業振興基本計画の基本理念の一つである、多様で健全な森林づくりを踏まえ、人工林の取り扱いについて基本的な考え方を定めております。  まず、採算性が高いと期待できる伐採跡地につきましては、スギ・ヒノキなどの再造林を積極的に推進することとしております。  なお、この際には、将来的に均衡のとれた人工林の齢級構成となるよう配慮することとしております。  また、公益的機能の発揮が重視される伐採跡地等については、スギ・ヒノキのほか広葉樹や郷土樹種を含めた再造林を推進することとしております。  さらに、森林によっては、立地条件や社会的要請等を踏まえて、長伐期化や広葉樹林への誘導を図ることとしております。  (三)の再造林に関する目標でございます。  県森林・林業振興基本計画の目標年度である平成三十二年度におきまして、人工林の伐採見込み面積の約八割に相当する年間九百ヘクタールを目指すこととしております。  この九百ヘクタールという目標数値は、本県の百万立方メートルの木材生産量や全国森林計画における造林の計画量、近隣の三県、宮崎県、熊本県、大分県でございますが、ここの再造林の実施状況等を勘案して設定したものでございます。  なお、九百ヘクタールという目標につきましては、持続的な林業経営を構築していくための通過点であると考えておりまして、将来的には、これ以上の再造林が必要になるものと考えております。  四ページをお開きください。  (四)の具体的展開方策でございます。  先ほど説明いたしました再造林を進めるための課題に対応いたしまして、ア、造林・保育コストの低減、イ、造林・保育に必要な労働力の確保・育成、五ページになりますけれども、ウ、優良苗木の安定供給体制づくり、エ、再造林推進に係る体制づくりの四つの取り組みを一体的に推進することとしております。  まずア、造林・保育コストの低減につきましては、伐採、地ごしらえ、植栽の一貫作業による作業効率の向上や成長等のすぐれた新たな植栽品種及び樹種、植栽本数の検討、シカなどの獣害に対する効果的な被害防止施設の設置などに取り組むこととしております。  また、イの造林・保育に必要な労働力の確保・育成につきましては、県林業担い手育成基金など関係機関・団体とも連携しながら、林業従事者の就労条件の向上と新規参入の促進や伐採、地ごしらえ及び植栽・保育作業における技術力の向上、植栽時期を選ばないコンテナ苗を利用した造林作業の通年化や林業事業体間の連携促進などに取り組むこととしております。  次に、ウの優良苗木の安定供給体制づくりにつきましては、成長が早く、花粉が少ないなど、優良苗木の生産増大に向けた採穂園の整備や穂木の確保、苗木生産者の確保及び生産技術の習得促進、苗木の需給調整の機能強化などに取り組むこととしております。  エの再造林推進に係る体制づくりにつきましては、計画的な伐採・再造林を進めるための森林経営計画の策定促進や、伐採・再造林に関する林業事業体の自主規範の策定促進、森林所有者に伐採・再造林等に関する施業提案を行える森林施業プランナーの育成などに取り組むことといたしております。  六ページをお開きください。  三の平成二十七年度の再造林推進関係予算(案)の概要でございます。  これまで御説明いたしました取り組みを進めていくために、今議会に必要な予算をお願いしておるところでございます。  内容につきましては、お目通しをいただければと思います。  今回策定いたしました方針を、今後さまざまな機会を捉えまして、森林・林業関係者の皆様に説明し、御理解、御協力を得ながら、関係者が一体となって再造林を進め、次の世代に健全な森林として引き継いでまいりたいと考えております。  以上でございます。よろしくお願いいたします。 67 ◯高橋委員長 以上で説明が終わりましたので、特定調査事項について質問がありましたらお願いいたします。 68 ◯外薗委員 県の間伐、それから国の間伐計画等々に始まって、鹿児島県全体で森林六八%とも言われている中で、利用期を迎えた木材を、一方ではバイオマス等々含めていい方向に進んでおりますし、また、志布志港を含めた形で中国への輸出もどんどん進んでいる状況でありまして、鹿児島県の林業の振興ということでは非常にいい方向で進んでいるんですけど、二ページの林業労働力といいますか、非常に最近、林業家の方々が育ってきたんじゃないかなと思っておりますけれども、森林組合が合併をずっと重ねてまいりまして、非常に広範になりましたよね。でも若い人たちがいるんじゃないかなと思いましたけれども、今、県内の森林組合というのはどのぐらいあるんですかね。 69 ◯大重森林経営課長 森林組合の数は十五でございます。 70 ◯外薗委員 およそ従事者はどのぐらい、森林組合の従事者はわかりますか。 71 ◯谷口環境林務課長 組合員数という形でよろしければ、十万一千人ということになります。 72 ◯外薗委員 この森林組合の造林作業班については、下請け、昔は直営班が多かったんでしょうけれども、最近非常に高齢化が進んで、大分人が少ない、その分、林業家が多くなって、受けてやる方もいらっしゃるというような話を聞きますけれども、これを見ますと、非常に造林班が少ないような気がしますけれども、わずか百四十八名という数字ですよね。林業就業者は千五百三十三名ということで多くいるわけですけれども、林業就業者をふやしながら造林班をふやしていくのはなかなかでしょうけど、林業就業者というのがふえていけば、個人個人でやっていらっしゃる方々が多くなるわけですけど、この林業就業者の方々は横ばいなんですかね、どうなんですかね、平成十年からするとずっと減ったんですね。どうなんですか。 73 ◯大重森林経営課長 平成二十五年の就業者数は、平成十年に比べますと約七割に減少いたしておりますが、ここ最近はおおむね横ばいで推移をいたしておるんじゃないかと思っております。 74 ◯外薗委員 機械化しまして、場合によっては索道も張るんでしょうけれども、やはりそういう技術工といいますかね、技術を持っている方々もだんだん少なくなって、機械に頼らざるを得ないということで、やはり林業労働力の確保というのが問題だなと思っております。  再造林について非常にこういう方針をつくっていただいて、私はよかったなと思っておりまして、県の取り組みを非常に評価するんですけれども、今後、ここに書いてあるように、地主さん、森林所有者といいますか、この人たちの負担軽減といいますと、山を切ったと、もう植えたって孫の時代、息子の時代には見やでけんでもうよかがというの人も多いと思うんですよね。そうしますと、そこが荒れてしまう。クリか何か植えてしまえばいいんでしょうけれども、無造作にそのままになっているところをよく見かけますよね。伐採した後は、厳しくというか、絶対植えないといけないというような話にはならないんですかね、やはり難しいですかね。 75 ◯大重森林経営課長 森林につきましては、保安林などの制限林と普通林というのがございます。それで、伐採跡地の再造林につきましては、保安林につきましては、それぞれ指定施業要件等が決められておりまして、伐採を強制できるわけですけれども、普通林につきましては、伐採後の再造林を強制的に行わせるということは困難かと思っております。 76 ◯外薗委員 そこで、強制的にできない部分は、どうなんですか、荒れているんですか。それとも植栽がうまくいっている状況なんですか。 77 ◯大重森林経営課長 現在のところ、人工林が切られた後の再造林というのは三割程度ですので、これは隣県に比べても非常に低いということになっております。委員おっしゃいますとおり、その一つの原因が、やはり所有者の皆さん方の森林経営意欲の問題だろうというふうに認識しておりますので、そこをどうやってコストを下げる、あるいは木材を高く売る、そういった取り組みを進めていく必要があろうかというふうに考えております。 78 ◯外薗委員 田んぼだったら、ほかの人に貸してつくればいいけど、山の場合はそういうわけいかんでしょうからね、なかなか難しいところです。  一方,心配するのは、バイオマス発電で、中越パルプと、霧島市につくりますよね。この間テレビ見ておりましたら、非常に木が足りないと、埼玉か新潟でしたかね、逆に海外から輸入をしないといかんと、そういうのが出ておりました。我々も産業経済委員会の行政視察で秋田に見に行きました。そのときも木が足らんということを秋田ですら言っていましたよね、それは余り大きなバイオマス発電じゃなかったんですけれども。一方では切らんといかん、一方では再造林をせんといかんということですけれども、やはりそういうバイオマス関係の方々が非常に心配されるのは木が出てくるんだろうかと。これはどうなんですかね、伐採計画との位置づけで。 79 ◯堂込かごしま材振興課長 現在、県内には二カ所のバイオマス発電施設の計画がございます。霧島市の発電施設におきましては、計画量を全部で七万二千トンという計画をつくっておりますが、そのうち原木が五万六千トンぐらいなんですが、その原木につきましては、今のところ七割程度確保されているという状況でございます。残りの三割につきましても、年度内、あるいは近いうちに確保できる見込みだというふうに聞いております。 80 ◯外薗委員 はい、わかりました。具体的な展開方策として、森林所有者の負担軽減のために、コストを低減するということですね、それよくわかりますけれども、今、どういう補助があるんですかね。伐採して、所有者が三割しか植え込んでくれない、七割が残ってしまうという中で、この造林・保育のコストの低減をするためには森林所有者の方々に御理解願っていかなければなりませんけれども、そうしたとき、大体負担としてどのぐらいなんでしょうね、平米当たりとか、立法当たりというんですかね、どうなんですか。
    81 ◯大重森林経営課長 再造林に伴います森林所有者の負担ということでございますが、地形とか、植栽本数、どういった樹種を植えるかによっても変わってまいりますが、例えば一般的に現在行われておりますスギの一ヘクタール当たり二千五百本の植栽の場合に、経費が七十万円ほどかかります。その後、下刈りとか、あるいは除伐等が必要になってまいりますが、そこの部分が約百六十万円ほどかかりまして、伐採するまでに二百三十万円ほど経費がかかるということになります。  その作業に係ります県の助成ということでございますけれども、六ページのほうに二十七年度提案いたしております予算案の概要をおつけいたしておりますが、この中で一番上のア、造林・保育コストの低減ということで事業を四つほど掲げてございますが、一番上に造林補助事業というのがございます。これは国の公共事業でございまして、基本はこの事業を活用いたしまして、森林所有者に助成をいたしております。補助率六八%でございます。その下の未来につなぐ森づくり推進事業、これは森林環境税を活用させていただきまして取り組んでおるものでございますが、国の補助率が六八%でございますので、残り三二%、その三二%の中の再造林に必要な苗木、それからシカ被害を防止するためのネット、そういった資材費について補助残の一〇〇%を補助するということにいたしております。 82 ◯外薗委員 山ですからね、田んぼだったら一ヘクタールというのはそうでしょうけど、山だったら持ち主さんも、五ヘクタールとか、十ヘクタールとか広いでしょうからね。一ヘクタール当たり二百三十万円、三割程度にしても六十万円ということですよね。そうしますと、五ヘクタールで百五十万円とか、十ヘクタールで三百万円とかいうお金がかかると。苗木を仮に二千五百本植えたときに、またこれを間伐していかないかんわけですよね。そうしますと、三十年、四十年したとき、とれるのは、大体三分の一なんですかね、千本ぐらいなんですかね、どんなですか。 83 ◯大重森林経営課長 森林をどこまで長伐期化するかというのもございますけれども、大体一般的に切られております五十年生、六十年生ぐらいですと一千本程度になります。 84 ◯外薗委員 二千五百本植えて、一千本しか残らないと。わかりました。  七割も植えられないと、非常に無造作に、山肌が見えて、やはり山が非常に荒れるということは、また治水の面でも大変なわけでありますので、ぜひ普通林については、伐採された所有者の方々にも軽減もさることながら御理解を願って、昔で言えば、山持っどんと言えば、分限者どころの人ですよね、鹿児島弁でいえば、分限者どころのしが山をどっさい持っちょったわけなんですから、今もそうなんでしょうから、やはりぜひこういうのをそれぞれの地域で頑張っていただいてるんでしょうけれども、やはり、ぜひ植え込んでいただいて、補助もありますので、広く活用しながら再造林に努めてほしいと思っております。  いろいろ地区で山を持っていますよね。組合みたいなところ、地域で持っている山とかいろいろあります。それは普通林といってもいいんですか、それははどういう位置づけですか、そこも地域で植えてくれますか、どうですか。 85 ◯大重森林経営課長 森林の所有形態につきましては、おっしゃるとおり個人もございますけれども、あと集落有林ですとか、生産森林組合有林そういったものがございます。  集落有林だから、あるいは生産森林組合林だからということで必ずしも保安林になっているとは限りません、普通林の場合もございます。そういったところにつきましては、やはり集落あるいは生産組合として伐採後はしっかり植林を進めていっていただきたいと、そんなふうに考えております。 86 ◯外薗委員 はい、わかりました。ぜひ、こういう計画を、再造林の推進について一歩踏み込んだお取り組みをしていただきました。これを全面的に出して、ぜひ県産の、川下から川上までとか、川上から川下までと、木材のことについては鹿児島県も力を入れてきまして、非常にいい方向で僕は進んでいるんじゃないかなと、他県と比べますとね。やはり、切った後の再造林というのが非常に我々も心配しておりましたけれども、いよいよこういうところにも手をつけていただきましたので、国の補助も有効利用しながら、地主、保有者の方々にもできるだけコストを安く、そしてまた植え込むことによって山も荒れない、鹿児島県の自然が元気であるというようなことも含めて御理解いただきながらいくと。  地方創生の中で一つはやはり仕事という面では、農業もそうなんですけど、林業家の若手を見ていますと非常に元気があるんですね、今。薩摩川内市にも新たに林業家の方々が自分たちで頑張って、一社つくりましたよ、会社を。そして、今、下払いとかいろいろなことをやってくれていますから、仕事があって非常にいいということで、そこに二、三人若い人たちが行きますよ、仕事も年々ふえてきているということを聞きますので、非常にいいことだなと思っております。地域の仕事で、切る、植え込む、これを一体化していただければ、循環型といいますかね、切ってしまって終わりじゃなくて、やはり林業家の方々は、切って植え込む、ここまでを一連していけば収入があるわけですよね。だから、やはりそういうことによって若い人たちの就業も頑張られますので、もう山は、切ってくれという需要は多いでしょうけれども、三割しか植えない、七割は山がそのままということではいけませんので、ぜひお願いをしたいと思います。  以上でございます。 87 ◯成尾委員 一つだけ確認をさせてください。  六ページのところに、再造林の予算案の概要があるわけですけれども、今おっしゃったように、国の経済対策というか、そういうのも入っての予算になっているんだと思うんですが、ことしはこういう形で十八億円余りを計上して、再造林に向けて三十二年を目指しながら取り組まれるわけですが、来年以降、経済対策の予算がこない場合は、減額しながらせざるを得ないのか。そうしたときに、この目標というのがしっかりなるのか、そこあたりについてはどう考えていらっしゃるのか教えてください。    [委員長退席・副委員長委員長席へ着席] 88 ◯大重森林経営課長 六ページに関係の予算案をお示しいたしておりますが、このうち、今回の国の補正を活用いたしましたのは、森林整備担い手育成確保総合対策事業というのがございます。「平成二十六年度三補を含む」と書いてございますが、ここの七十四万円程度でございまして、あとの事業につきましては、従来、国のほうで持っております事業、それから県の単独の事業を活用して実施いたしております。  特にこの中で一番大きいのが、一番上の造林補助事業、公共でございますが、これにつきましては、国のほうもほぼ一〇〇%毎年確保いたしておりますので、県といたしましても、必要な予算が確保できるよう、かねがね国にもお願いしてきておりますので、おおむねここにお示しいたしております予算が大きく落ち込むということは余り考えられないんじゃなかろうかというふうに考えております。 89 ◯成尾委員 わかりました。今おっしゃったように、国のほうもしっかりとやっているということであれば、この目標に向けて取り組んでいただきたい。ただ、国のほうも今後、公共工事、または財政再建をしていきますので、そういう意味では、ことし一〇〇%でも今後は減少になる可能性もありますので、そこあたりも考えながらしっかりとした計画をしていただければと思います。 90 ◯まつざき委員 お尋ねします。  二ページに、先ほどもあった林業労働力ということで、造林作業班員という表現があるんですが、伐採と造林と全く別物で、作業する人も別なんですか。 91 ◯大重森林経営課長 伐採班と造林作業班という使い分けをいたしておりますけれども、これは主として、伐採を間伐ですとか主伐ですとか、そういったものを行う作業員のこと。それから、造林作業班といいますと、植栽、そして下刈り、あと、労働強度の低い枝打ち、そういったところまでを行う作業員の区分けでございます。 92 ◯まつざき委員 この表現に、造林作業班員は大幅に減少とありますし、グラフでもそうなっているわけですけど、私が素人で考えるには、森林組合で伐採の作業をする人と、造林の作業をする人と考えた場合に、伐採はお金になるわけですよね。でも造林はそうではないですよね。と考えたときに、やはりここは、森林組合の意思が働いた形で造林の人の人数が少ないんじゃないかなと思うんですが、そこはいかがなんでしょうか。 93 ◯大重森林経営課長 もともと造林作業班の皆さん方の仕事といいますのは、先ほど申し上げましたとおり、植林、下刈り、それから枝打ち、そういった作業でございまして、どちらかというと、非常に季節性の強い作業でございます。新植は春、それから下刈りにつきましては夏でございます。そういったことから、通年雇用の形態ではなくて、いわゆる季節的な雇用ということで結構、年も召されておりまして、近年こんなふうにどんどんどんどん減ってきたという実態がございます。 94 ◯まつざき委員 わかりました。そういう意味では、やはり造林をいかに進めていくかというところでは、若い人を育てるということもでしょうし、先ほど申し上げたように、伐採すればお金になるけれども、造林はそうではないわけで、手間とお金が反対にかかるわけで、そこを財政的にどう支援していくかというところが鍵を握っていくと思うんですよね。先ほどから御説明があったように、二十七年度の予算ということでは、そういうふうに厚くなっているんだろうなと思うんですが、六ページに載っているこの予算案の中で、直接的に造林に関して支援をするというところで、これまでよりもどう変わっているのかというところ、ここがこれだけ厚くなったとか、新しくこうなったとか、新しいところは新とは書いてありますが、やはり今までよりもこれだけふえたんだというところの比較として少し教えていただけませんか。 95 ◯大重森林経営課長 これまでの比較ということでございますが、一つ一つ御説明申し上げますと、造林補助事業につきましては、国の公共事業で対前年比ほぼ一〇〇%ということで従来と変わっておりません。  それから、新規の未来につなぐ森づくり推進事業につきましては、森林環境税を活用いたしまして、今年度事業名は変更いたしておりますが、助成そのものは平成二十四年度から行っております。ただ、予算要求額が二千三百六十六万円となっておりますが、平成二十六年度までは一千三百万円余りでしたので、この予算枠を大幅に拡充させていただいております。  それから、森林技術総合センターのほうで、再造林の省力化に関する研究ということを新たに取り組んでいただくことになってございます。  それから、森と人をつなぐ集約化推進事業、新規事業でございます。これは、森林施業プランナー等の育成を行うものでございますが、どちらかといいますと、これまで森林施業プランナーといいますと、間伐を主体に森林所有者の皆さん方に、その収支、経費が幾ら要りますよと、間伐収入が幾ら要りますよと、間伐をしたら将来こういう山になりますよと、そういった提案を行いまして、所有者の理解を得るという、そういったことの技術を習得するための講習会等を行ってまいりましたけれども、二十七年度以降、この中に再造林ですね、主伐と再造林の経費、そういったものも含めてしっかり提案できる人材を育てていくことといたしております。  それから、その下の優良苗木の関係ですが、拡充と書いてあります。種苗事業でございます。これは苗木生産施設の整備や生産者の育成、穂木の採穂などの支援を行うものでございます。新しいメニューといたしまして、優良穂木の採取に係る支援を行います。予算額も一千百十六万円でございますが、平成二十六年度は二百六十万円でございましたので、これも予算額を大幅に拡充してお願いをしているところでございます。  あと、一番下のほうで、かごしま材振興課の予算になりますけれども、先ほど御説明いたしました林業事業体による自主規範を作成してもらうということで、そのための支援に係る予算をお願いしておるところでございます。    [委員長席から副委員長退席・委員長着席] 96 ◯まつざき委員 山というのは、それこそ植えてから三十年、四十年、五十年とかかるんですかね。やはり、その後の形が、その後どうなって、その時期にどうあるのかという、国土の保全とか、環境の保全ということでも非常に造林というのは大事だというふうに思っています。そういう意味で、再造林の推進ということで取り組まれるというのは非常に歓迎するんですけれど、先ほど申し上げたように、お金にならない部分ですから、だからこそ財政的な支援を、国と県がすることが必要だと思いますので、増額になっている部分もありますけど、直接的な支援になる形でぜひ進めていただきたいというふうに思います。  以上です。 97 ◯柴立委員 先ほどから、外薗委員やらまつざき委員も、林業に関係する委員としては、大変ありがたい質問をしていただいて、大変うれしく思っております。質問をする前にひとつ御理解をいただきたいということで、行政のほうにも特に林業に関係のない方もいらっしゃいますので、少し私のほうから、この補助制度のありがたみというのもぜひわかっていただくために、現場の実情を知ってもらいたいと思いますので、少しお話をさせていただきたいと思います。先ほど、スギの場合で、一ヘクタール当たりの苗木を二千五百本ぐらい植えると、大体ヘクタール当たり七十万円ぐらい経費がかかるという話がありました。これを伐期四十年から五十年としますと、そこまでに下刈りと除伐で約百六十万円、二百三十万円ほどかかると。下刈りと除伐は大体植えてから五年なんですよ。あと下刈りは五年ごとにやったりいろいろ枝打ちもありますけど、そういう経費もかかるんですけど、それはこの中に入っていないんですね。最終的に、今の相場でいきますと、スギの場合で、一ヘクタール当たり大体千本になりますと、材積でいうと、二百立方ぐらいになるんです。そうしますと、市場で大体相場が決まっていますので、今は一万二千円から一万三千円ぐらい。逆に言うと、一ヘクタールの山が今お金になるのは、その二百倍ですよね。ところが、経費はそのぐらいかかっていますが、山の立木でいきますと、立ち木なんですけど、当然スギは山にありますから、それを切って、また玉切りをして、それからトラックで運んで市場に行って、それで値段がつくわけですよ。そうしますと、大体、山での作業費を除きますと、一立方当たり、三千円から四千円。そうしますと、その二百立方ということですから、ヘクタールでいうと幾らになりますかね、七、八十万円ですかね、山主さんはそのぐらいしかないんです。ですから、この補助制度というのがなければ山が荒れていくと。昔は、材価は今よりずっと高くて、いわゆる労賃は非常に安かったんです。それがもう逆転しているものだから、だから林業の人たちの森林所有者の意欲がなくなっているのはそこなんですよ。間伐しても補助金がなければ赤字になる、だったらやらない。そういうような実情があるから、今、行政としても非常に困っているところがあって、こういうふうにしましょうということで、大変ありがたい制度があるというふうに理解をしていただきたいと思います。  例えの話ですけど、林業公社がありますよね、県が関係していますけど、きのうも利子補給で補助金を出していただくことで、皆さん方の御理解をいただいたんですが、大体、百六十億円から百八十億円程度まだ負債があるわけですよ。ところが、ざっと換算しますと、材価が千円上がると四十億円ぐらいはそれがあって解消されるという試算があります。ですから、これは単に、山のスギの材価の比較ではなくて、いかに環境に貢献しているか。例えば水とか空気とかCO2とかですね。そういったところもぜひ御理解をいただいて、今後見守っていただければ大変ありがたいなと私自身は思っておりまして、先ほどから今度新しく再造林推進関係が予算がこういうふうに、再造林の推進についてということで行政当局がしていただきましたので、非常にそういう意味では、今後の再造林に向けて大変業界としては力強く感じているところですので、その辺は御理解をいただきたいなというふうに思います。  せっかくですから、質問を一つだけしますけど、採穂園ですね、採穂園が優良苗木については非常に重要だと思っています、採穂園の確保がですね。ところが、残念なことに、今までこの木質バイオ等が出てくる前は非常に意欲がなくて、苗木の関係者の方々も千人以上おられたのが、もう一割か二割ぐらいになってしまっている。そういう意味でも、新たな再造林の推進については後継者も育てないといけないと思うんですけど、採穂園もそういうことで、県としても努力をされたけどなかなかうまくいかなかったところがあるんですが、今後のことについてどういうふうに向上させるような計画をされているのか、その辺を少し教えていただきたいと思います。 98 ◯大重森林経営課長 採穂園につきましては、県営の採穂園といたしまして、現在十七カ所四十七ヘクタール程度保有いたしておりますが、委員おっしゃいますとおり、ここまでずっと再造林が少なくなってきたということもございまして、かなり活用されていない採穂園もございます。  今後、苗木を確保するためには、採穂園の整備といったものが非常に重要かと思っておりますので、県のほうでは、先ほども御説明申し上げましたけれども、成長が早くて花粉が少ない、そういった優良品種を計画的に今、隼人の採穂園で植栽をいたしております。それでも、苗木づくりにはかなり時間がかかりますし、その穂がとれるまでには時間がかかりますので、間に合わないということで、造林地から穂をとろうということで、今年度、その品種を特定するためにDNA鑑定等を行ったところでございます。そういった品種を特定いたしましたので、来年度以降、そういったところからも穂木がとれるような作業を進めて苗木の増産に努めてまいりたいと思っております。(「はい、結構です。」という者あり) 99 ◯高橋委員長 ほかにありませんか。 100 ◯与 委員 県本土のほうでは林業振興ということで積極的に推進をされておりますが、私どもの奄美のほうについては、県本土で進めているような事業がなかなかうまくいかないというところもあるのかなと思ったりするんですけれども、奄美で進めておられる森林の事業というのが幾つぐらいあって、どういう仕事が進んでいるのか少し教えてくださいませんか。 101 ◯大重森林経営課長 森林経営課関係におきましては、どちらかというと、森林整備の担当をいたしております。奄美では、松くい虫が全体に広がってきておりますので、その松くい虫被害地につきまして、なるべく早く広葉樹林を再生させないといけないということで、松の生木のうちから伐採をいたしまして、抜き切りですね、なるべく早く広葉樹が生えてくる、そういう仕組みの助成を、先ほど申し上げました造林補助事業の中で実施をいたしております。  あと、大島南部地域につきまして、特用林産物ですとか、あるいは木材の利用・加工、そういったものの取り組みを支援いたしておりまして、昨日御説明いたしました大島南部地域の林業活性化事業の中で、今年度はソテツと、それからシイタケの生産施設について支援、二十七年度は奄美の森林組合が製材品の保管庫を整備するという予定になってございますので、そこに対して助成を行うといったような事業を実施しているところでございます。 102 ◯与 委員 奄美は、どっちかというと、金にならない木があって、金になすためには相当な加工をしなければならないと、そういう点で、可能な限り県も公共施設などに奄美材を活用していることは私も承知しているんですけれども、なかなか県本土で進める事業は奄美では難しいんじゃないのかなと思ったりしているところでありますけれども、この南部大島のソテツが欲しいとか、ひところ中国あたりに輸出をしてかなりいいということを聞いているんですが、その後また悪くなったとかいうことで、現在はどうなんですか。 103 ◯大重森林経営課長 委員おっしゃいますとおり、ひところはかなり海外のほうに種子を輸出いたしておりました。その後、種子だけではなくて苗、あるいは葉っぱ、そういったものについても市場が確保できないかということでいろいろ取り組んできておりますけれども、残念ながら、生産者の高齢化の問題とか、あるいは海外のほうの需要の問題というのもございまして、現在は相当量減ってきているというのが実情でございます。 104 ◯与 委員 ソテツの実をとるというのは、非常に急峻な地域にソテツというのはありますので、足場が悪い、ちょうどソテツの実をとるころは、ハブも活発に動く時期という点では非常に厳しい面があるのかなと思ったりしております。松くい虫については、林務水産課で進めていることについてはかなり効果があらわれているんじゃないかと思ったりしますが、逆に主要県道とか国道とかいうところに行きますと、のり面などにある松くい虫の処理が敏速にされてなくて、いつ何どき落ちてくるかもわからないという場所なんかもかなりあったりして、先月でしたが、大和村のほうに行く途中に、そういう場所があって、これはちょっと余りにも危ないねということで、林務水産課長に電話を入れたけれども、道路であるところは土木のほうだという話になって、土木のほうにも私が電話を入れて、一遍、名瀬から大和村までの主要県道のほうをきちんと調査をしなさいということで、そのまま道路に覆いかぶさっているものですから、それはもう早くとらないといかんよということで私も提言をしたんですけれども、松くい虫についてはまだまだ時間がかかるのかなという感じがしておりますので、今後ともまたよろしくお願いしたいと思います。  以上です。 105 ◯高橋委員長 特定調査事項についてほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 106 ◯高橋委員長 ほかにないようでございますので、特定調査事項につきましては、これで終了したいと思います。  ここで、暫時休憩いたします。         午前十一時二十三分休憩      ────────────────         午前十一時二十五分再開 107 ◯高橋委員長 再開いたします。  次は、県政全般に係る一般調査についてでありますが、まず、執行部からの説明があります。  鳥獣保護事業計画の変更等について自然保護課長に説明をお願いいたします。 108 ◯則久参事自然保護課長 自然保護課関係の鳥獣保護事業計画の変更等につきまして、お手元の資料により御説明申し上げます。  一ページをごらんください。  まず、一の変更の理由についてでございますが、ことし五月に鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律が施行されることに伴いまして、国においては、都道府県が地域の鳥獣の生息状況に応じて計画的な鳥獣保護行政を推進していくための基本計画であります鳥獣保護事業計画を実施する際の指針となる鳥獣保護事業の基本指針について、所要の変更を行ったところでございます。  このため、本県におきましても、この基本指針に沿って、第十一次鳥獣保護事業計画の変更を行うこととしております。  また、鳥獣保護事業計画の下位計画に位置づけられます特定鳥獣保護管理計画につきましても、所要の変更を行うこととしております。  これらの計画の改訂内容につきましては、後ほど御説明いたします。  二の改正法の主な内容について御説明いたします。  法律の主な改正点につきましては、(一)から(五)までの大きく五点でございます。  まず、(一)の法律の名称と目的等に、「管理」が追加されたことでございます。  現行の法律は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律でございますが、改正後は、これに「管理」の文字が加わり、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律となっております。また、法律の目的も同様に「管理」の文字が加わり、ふえ過ぎた鳥獣の個体数管理の位置づけを前面に打ち出した改正となっております。  次に、(二)の施策体系の変更でございます。左側に示す現行の体系では、環境大臣が定めた基本指針に基づき、都道府県知事が全ての鳥獣を対象にした鳥獣保護事業計画を策定しなければならないこととなっており、その下位計画として、生息数が著しく減少している鳥獣、または著しく増加している鳥獣を対象に、特定鳥獣保護管理計画を任意で策定できることとなっております。  これに対し改正後は、現行の鳥獣保護事業計画の名称に「管理」の文字が加わり、内容も管理に力点を置いたものとなっております。  また、現行では、生息数が著しく減少している鳥獣、または生息数が著しく増加している鳥獣を、同じ、特定鳥獣保護管理計画制度の対象としておりましたが、改正後は、生息数が著しく減少している鳥獣の場合は、第一種特定鳥獣保護計画に、著しく増加している鳥獣の場合は第二種特定鳥獣管理計画として別の計画として策定することとなっております。  次に、(三)の指定管理鳥獣捕獲等事業と(四)の認定鳥獣捕獲等事業者制度の創設でございます。これまでの鳥獣の捕獲は、有害鳥獣捕獲として市町村が主体となって行われてきたところでございますが、指定管理鳥獣捕獲等事業は、環境大臣が指定した指定管理鳥獣のイノシシ、ニホンジカを、国または県が事業主体となって捕獲する事業でございます。  また、(四)の認定鳥獣捕獲等事業者制度につきましては、鳥獣捕獲等事業者が鳥獣の捕獲等に係る安全管理体制や技術、知識が一定の基準に適合していることについて、都道府県知事の認定を受けることができることとされており、認定を受けた事業者の場合、一定の条件のもとで夜間の銃の使用を可能にするなど規制緩和が行われることとなっております。  そのほか、(五)のその他でございますけども、網猟、わな猟免許の取得年齢の二十歳から十八歳への引き下げなどが行われております。  続きまして、第十一次鳥獣保護管理事業計画(案)の概要につきまして御説明申し上げます。  二ページをお開きください。  主な変更点につきましては、一から五の五点でございます。  まず、一の計画の名称でございますが、法改正に伴いまして、現行の計画名に「管理」の文字を加え、第十一次鳥獣保護管理事業計画に変更いたします。  二の計画の時期でございますが、現行計画の期間を引き継ぐこととし、平成二十九年三月三十一日までの五年間としております。  続いて、三の鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可に関する事項につきましては、まず、(一)の現行の計画事項を保護と管理に区分し、鳥獣の保護あるいは鳥獣の管理を目的とした場合における捕獲等の許可に当たっての基本的な考え方を明確化しております。  次に、(二)につきましては、法改正に伴い、住居集合地域等における麻酔銃猟を実施する場合の留意事項を追加したものでございます。  (三)の有害鳥獣捕獲許可基準の見直しの説明に入ります前に、資料の下にあります参考をごらんいただきたいと思います。  法改正後の狩猟、有害鳥獣捕獲、個体数調整の概念についてまとめたものでございます。  鳥獣保護法では、野生鳥獣の捕獲は原則禁止となっておりますが、狩猟あるいは有害鳥獣捕獲、個体数調整など捕獲許可を受けた場合のみ捕獲することができます。  狩猟は、狩猟免許所持者が狩猟登録を行った上で、国が定めた狩猟鳥獣を定められた猟法、期間で捕獲するもので、捕獲できる時期は、十一月十五日から翌年二月十五日までとなっています。特定鳥獣保護管理計画の変更後は対象市町村において、十一月一日から翌年三月十五日までとしております。  一方、有害鳥獣捕獲は、農産物等の被害防止のため、市町村長や都道府県知事の許可を受けて行う捕獲で、捕獲できる時期は許可された期間となります。  個体数調整による捕獲は、第二種特定鳥獣管理計画で定めた特定鳥獣の数の調整のため都道府県知事の許可を受けて行う捕獲で、捕獲できる時期は許可された期間となります。また、個体数調整のうち、法改正により新設された指定管理鳥獣捕獲等事業につきましては、先ほども御説明申し上げましたとおりでございます。  それでは、三の(三)にお戻りください。  今回の変更にあわせまして、有害鳥獣捕獲基準の一部を見直すこととしております。  これまで、狩猟期間中及び狩猟期間の前後十五日間における捕獲許可につきましては、狩猟期間の延長と誤認されるおそれがあるため、原則捕獲許可は行わないこととしておりましたが、これを撤廃し、特定計画対象市町村におきましても、狩猟期間も含め、被害防止のために必要な期間とすることとともに、許可日数を七カ月から最長一年間とするなど、その許可基準を緩和しようとするものです。  四の特定計画に関する事項についてでございますが、先ほど、法改正の主な内容を説明しましたとおり、従来の特定鳥獣保護管理計画を第一種特定鳥獣保護計画と第二種特定鳥獣管理計画に区分したことによりまして、これらの策定の基本的考え方等を追加するものでございます。  具体的には、計画策定の目的や対象鳥獣、計画期間、対象地域、保護または管理の目標等の考え方について整理しております。  五の改正法に伴う新たな施策に関する事項でございます。  本県でも来年度から導入することとしております指定管理鳥獣等捕獲事業の実施に必要な実施期間や区域の設定等についての基本方針を示すこととしております。  続きまして、第二種特定鳥獣管理計画(案)の概要について御説明申し上げます。  三ページをお開きください。  一の管理計画策定の趣旨についてでございますが、現在、本県におきましては、現行の鳥獣保護法に基づきまして、ニホンジカ、イノシシ、ヤクシカの三つの特定鳥獣保護管理計画を策定しておりますが、法改正に伴い、第一種特定鳥獣保護計画と第二種特定鳥獣管理計画に区分されましたことから、県では、現行計画の内容を踏まえまして、第二種特定鳥獣管理計画を策定することとしております。  現行の特定鳥獣保護管理計画の保護管理目標は表のとおりとなっておりますが、今回策定の第二種特定鳥獣管理計画においてもこの保護管理目標を引き継ぐこととしております。  二の主な変更点でございますけれども、(一)の管理が行われるべき区域につきましては、県内において、ニホンジカの生息区域が拡大していることから、下線が引いてある市町村を今回追加しようとするものであり、これにより、県本土全域及び長島、種子島の市町村が全て対象に含まれることになります。  なお、イノシシとヤクシカにつきましては、管理が行われるべき区域の変更はございません。  (二)の計画の期間につきましては、第十一次鳥獣保護管理事業計画の計画期間内と定められておりますので、策定日から平成二十九年三月三十一日までとなります。  (三)の目標を達成するための方策の1)の狩猟期間の延長についてでございますが、当計画策定のメリットとなります国が定めた狩猟の規制を緩和することができる制度を生かしまして、狩猟による捕獲を促進するため、現行の十一月十五日から十一月一日に前倒しをして狩猟期間を延ばそうとするものでございます。
     また、2)の指定管理鳥獣等捕獲事業の実施に関する事項につきましては、法改正により、新たに創設された指定管理鳥獣等捕獲事業を導入するために、実施期間や事業の目標等、必要な事項を定めることとしております。  次に、(四)の計画の策定者は鹿児島県となります。  なお、ヤクシカの管理計画につきましては、屋久島世界遺産地域管理計画の下位計画としても位置づけられることから、環境省、林野庁、鹿児島県及び屋久島町の四者の共同で策定する予定としております。  四ページをお開きください。  各計画の策定までのスケジュールでございます。  第十一次鳥獣保護管理事業計画とニホンジカ、イノシシの第二種特定鳥獣管理計画につきましては、今後、関係市町村等から意見聴取を行うとともに、広く県民の皆様から御意見をいただくためパグリックコメントを実施し、県環境審議会での審議・答申等を経まして、ことしの五月に計画策定し、公表することとしております。  また、ヤクシカの第二種特定鳥獣管理計画につきましては、屋久島世界遺産地域科学委員会ヤクシカワーキンググループと特定鳥獣保護管理検討委員会との合同会議の開催日程の都合などもございまして、他の計画とは少しおくれたスケジュールとなっております。  以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。 109 ◯高橋委員長 ただいま自然保護課長から説明がありましたことについて、質問がありましたらお願いいたします。 110 ◯成尾委員 一点だけ、免許の取得年齢が引き下げられたということですが、ここあたりの需要というんですか、例えば引き下げることによってどういう効果が生ずるとかですね。高校卒業して二十歳まではできなかったけど、これがすぐできるようになると、若い人たちに免許を取ってもらってしっかりそれに取り組んでもらうというためにしてあるのか。ここあたりのところはどうなのか教えてください。 111 ◯則久参事自然保護課長 できるだけ免許取得者をふやしたいという大きな方針のもとだと思いますけれども、例えば十八歳に引き下げることで、農業系の高校ですとか、大学校に通われている生徒が受験しやい面ですとか、学校の授業の一環として取ることができる、そういった面ではメリットがあろうかと思います。(「なるほど、はい、わかりました」という者あり) 112 ◯まつざき委員 二点お尋ねします。  先ほど、変更点ということで、認定鳥獣捕獲等事業者制度というのがつくられて、夜間の銃の使用が可能となるというお話でしたが、今でも間違って人を撃ってしまったとかよくありますよね、夜間に、こういう管理のためなんでしょうけど、猟をするという必要性というのはやはりあるんですか。 113 ◯則久参事自然保護課長 いわゆる狩猟ではありません。通常の狩猟は明るいうちにしないと危ないですので、日の出から日没までということになりますが、今回創設されました認定捕獲事業者というのは、狩猟とは違う、ある意味捕獲の専門家が場所を区切って専門的に捕獲を行うという制度でございます。  各地の例を見てますと、いろんな捕獲を行っていきますと、どうしても日中にやるものですから、鳥獣の行動が変わってまいりまして、日の出前とか日没後に行動するようになってまいります。そうすると、やはりそこでの捕獲が進まないということで、向こうも頭がいいので、対策をすればするほど、どんどん人間がとらない時間帯、とらない地域に行動を変えてまいります。今回は、具体的に想定された認定事業者、安全性、いろんな高度なトレーニング、研修を受けた人が対象であり、かつ、餌で誘引した場所に出てきたシカを夜間に撃つというようなやり方になりますので、森の中を自由に歩き回って撃つというやり方ではございません。端的に言いますと、銃を使ったわなだと思っていだだければいいかと思うんですけれども、そういったやり方なので、安全性は十分確保されるのではないかなと思っております。 114 ◯まつざき委員 はい、わかりました。  あと一点、三ページに県の計画ということで、保護管理目標というのがありますが、ここにニホンジカとイノシシとヤクシカと括弧書きしてあって、生息密度という形で目標が定められていますよね。面積当たりに何頭というのを目標にするところはわかるというのと、そういうのを目標にするという考え方はわかるんですけど、実際に確認ができるのかというところで、例えば一キロ平方メートル当たり今幾つという確認ができているのか、今後、目標として決めるに当たって確認ができるのかというのと、あとイノシシは農作物被害を一億円以下とするとありますけど、これはどういう単位で一億円なのかというところもよくわからないので、そこら辺、この目標について教えてください。 115 ◯則久参事自然保護課長 まず、ニホンジカのほうの五頭と二頭という数字ですが、保護地域は、例えば国立公園とか鳥獣保護区、一般的に生態系に大きな被害が出ない目安として一平方キロメートル五頭と言われております。調整区域はいわゆる農村地域でして、大体二頭ぐらいであれば農業被害が余り出ないというふうな数字として目標値として、これは全国的に環境省が示している目安でございます。この数字について、実際その数がわかるのかということでございますが、これは地道に各地域ごとにシカのふんの数を数えていって、それが一定割合でどれぐらいあるかということから逆算して、シカの数を推定する方法がございます。従来その調査地点数が少なかったものですから、実は県のほうの特定計画のほうでモニタリングはしていたんですけれども、結構誤差が大きかったと。来年度この予算をいただいて、県本土で全県的にしっかり調べてみたいと思っていますので、それで正確な数が出てきますれば、その後のいろんな管理にも役立とうかと思っております。  ヤクシカのほうが二十頭という数になっておりますが、ヤクシカは、実は県本土のシカより体が小さいということと、食べる餌の量も小さい、それから既存の論文で二十頭ぐらいいるほうが生物多様性が一番豊かになるという指摘もございました。ですから、生態系の面では当面二十頭という数字を仮置きでやってみて、その情勢を達成した段階で、それでまだ被害があればさらに落としていこうということでこの数字になっております。  ちなみに屋久島の場合の農業被害の数字については、今回まだはっきり決められておりませんので、これは今後また議論になろうかと思います。  一方、イノシシにつきましては、実はシカと違いまして、推定生息数を出す方法が確立されておりません。ですから、今県内に何頭ぐらいいるかというのは把握できないというのが現状になっておりまして、捕獲とそれからいろんな被害防止柵の設置などを合わせまして、被害額を二十五年度で一億七千万円ぐらいあるかと思いますが、それを半減させていこうというのが大きな目標となっております。 116 ◯まつざき委員 わかりました。県の計画としては、目標としては、そのヤクシカを除いては、全体としてというか、特にイノシシは県全体としての被害を一億円以下とするというふうな考え方と思っていていんですか。 117 ◯則久参事自然保護課長 はい、そうでございます。(「はい、わかりました」という者あり) 118 ◯高橋委員長 ほかに。 119 ◯与 委員 確認をしますが、特定希少鳥獣というのは、どれを指しているんですか。 120 ◯則久参事自然保護課長 一ページ目の一番下にありますが、この希少鳥獣といいますものは、例えばツルですとか、トキですとか、そういったものは国のほうで希少鳥獣保護計画と保護のための計画をつくることになっているんですが、例えば、国が保護すべき希少な鳥獣の中でも農林業被害を出しているものがいると、例えば鹿児島には余りおりませんが、カモシカとかですと、林業被害が深刻ですけが、希少鳥獣なので保護はしなきゃいけないけれども、管理もしていかなきゃいけない、捕獲もしていかないといけないということで、こういったものの計画、特定希少鳥獣管理計画をつくる制度として今回できたということになっています。 121 ◯与 委員 第一種特定鳥獣というのは、一種というのは何ですか。ここに第一種特定鳥獣というのがありますよね。第二種はわかったんですが、第一種はよくわからなかった。 122 ◯則久参事自然保護課長 第一種というのは、数が少なくなったことによってむしろ保護すべき鳥獣が対象になってまいります。現行の計画をまず今回の新しい整備に移行させるということが前提になっておりますので、その場合、ニホンジカ、イノシシ、ヤクシカはいずれも管理をするほうの鳥獣ですので、今回、制度改正に伴ってできますのは、第二種の計画になると。第一種の計画は将来的にそういう鳥獣が県内にあらわれた場合に新たに策定するということになろうかと思います。(「以上」という者あり) 123 ◯外薗委員 関連でいいですか。カワウというのがいるでしょう、あれはやはり鳥獣なんですか。 124 ◯則久参事自然保護課長 全国的に見ますと、カワウもかなり水産資源への被害、アユですとか、そういうところに出ておりますので、そういった被害が大きい地域では、カワウについてもこの特定計画を策定して計画的に捕獲を進めている地域もございます。 125 ◯外薗委員 カワウはどうしてとるんですか。捕獲はどうするの。 126 ◯則久参事自然保護課長 カワウは銃による狙撃なんですけれども、一番進んでおりますのは、琵琶湖に竹生島という島がございまして、そこで高性能の空気銃を持った方が行って、至近距離からカワウを一定数撃ち落としていくといったようなとり方をされております。 127 ◯外薗委員 この間、川内川の内水面の方々から要望がありまして、カワウがアユを食べると、アユがいなくなったと、どげんすればよかろかいと来たから、鉄砲は禁猟区は撃てないでしょう。網ではいかんしな。 128 ◯則久参事自然保護課長 狩猟としてはやはり鳥獣保護区とかではとれないということになりますが、有害捕獲という形であれば、保護地域内でも捕獲することは可能でございますので、その場合は、市町村のほうで鳥獣被害防止特措法に基づきまして、被害防止の計画を策定することになっておりますが、その中にカワウのほうを位置づけていただければ有害捕獲でとることに対するいろんな支援制度もあるかと思います。(「わかりました」という者あり) 129 ◯高橋委員長 ただいま説明のありましたことについて質問がありますか。    [「なし」という者あり] 130 ◯高橋委員長 ほかにないようでございますので、この件につきましては終了いたします。  そのほか、県政一般に関する質問がありましたらお願いいたします。 131 ◯松里委員 この一年間この委員会で、県政一般等でいろいろ御要望とか御質問をしてきたわけですけれども、先ほどの鳥獣保護事業計画の変更等に関連する鳥獣被害の部分についても質問をさせていただきました。資料を見ますと、南種子町が今度新たな地域指定を管理指定を受けたということが載っております。平成九年以前には一匹もいなかった南種子町にシカが多数ふえて、このままいきますと、種子島全土に有害鳥獣のシカがふえて、日本一早い米等もその地域も大変被害が出る可能性が高いですよというふうに言いましたら、管理が行われる区域に指定されました。どうぞ、町と連携しながら御努力をよろしくお願いいたします。  屋久島の北部林道の整備促進、それと森林計画部分で市町村林をきちっと管理計画をつくってもらって、そして伐採、間伐等も行って、そのことが森林関係の事業、種子島の森林組合等の事業がふえることによってさまざまな形で種子島地域の林業の発展につながっていきますので、その辺のこともよろしくというような話もさせていただきました。  最後に、部長が説明されました予算議案の中にも木造公共施設の整備で当初予算で三億一千五百万円、補正でも出ていますので、そういう中で、病院等にも県産材を使った形で予算措置をしましたということであります。この三点につきまして、この一年間かけてそれなりのめどをつけていただきましたことに関しまして御礼を言いたいと思います。どうぞ、二十七年度以降もよろしくお願いいたします。  特に、木造公共施設の整備、この部分についての病院というのはどこの病院なのかというのをお聞きしたい。種子島産婦人科医院のことじゃないかなというふうに思っているんですが、補正予算かと思っていましたら、当初予算に入っているものですから、その辺のことも含めまして教えていただきたいと思います。 132 ◯堂込かごしま材振興課長 木造公共施設につきましては、病院とか、あと社会福祉施設等の整備に充てておりますけれども、平成二十七年度につきましては、全部で十七カ所予定されておりまして、そのうち今当初で組む部分と、それから補正で組む部分、そしてあと、基金事業の当初で組む部分三つに分かれておりまして、それぞれ使い分けております。  種子島の病院につきましては、委員おっしゃるとおり、産婦人科、非常に産婦人科医がいなくて困っている状況を踏まえて、そこの整備を木造でしていくというふうに思っています。  この木造公共施設につきましては、利用推進事業の当初のほうで予算措置しています。 133 ◯松里委員 ということは、種子島産婦人科医院の一億五千万円程度は当初予算でということでいいんですね。 134 ◯堂込かごしま材振興課長 はい。 135 ◯松里委員 昨年の五月ぐらいに地元首長と要望に来て、なかなか厳しい部分、この事業を国が措置してくれるかどうか厳しい状況だという話でしたけれども、国がそういうことで木造公共施設等への予算措置をしていただいたので傾斜配分ができたというふうに思っております。担当課を初め、職員の皆様方に関しましては、御努力していただきましたことに関しまして改めて御礼申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。  それから、もう二点なんですが、当初予算説明書の三十ページ、森林計画費が三千百万円程度予算措置がされていて、森林計画樹立事業で市町村森林所有者情報整備事業費補助として九百万円程度、この中に熊毛地域がということでしたけれども、それは市町村林の管理を行うために支援するという形でよろしいんでしょうか。 136 ◯大重森林経営課長 森林計画樹立事業の中で二つ事業がございまして、地域森林計画の樹立と、市町村森林所有者情報整備事業というのがございます。熊毛地域ということで私申し上げましたけれども、熊毛地域につきましては、この森林計画の樹立、平成二十七年度にその樹立を行うことといたしておりまして、市町村森林所有者情報整備事業の中での市町村補助というのは熊毛地域は予定がございません。 137 ◯松里委員 もう一度。 138 ◯大重森林経営課長 この事業の中には二つ、森林計画の樹立事業と、いわゆる市町村の情報整備を補助する事業がございます。熊毛地域におきましては、二十七年度にこの森林計画の樹立事業を行いますけれども、市町村に対する情報整備事業の補助は予定はいたしていないところでございます。 139 ◯松里委員 市町村林樹立のための計画はあるけれども、情報整備事業としての補助事業はありませんよということですね。県としては、種子島の熊毛地域内の市町村林についてきちっと管理をしてもらう計画を指導しているという認識でよろしいんですか。 140 ◯大重森林経営課長 昨年の第三回の委員会で委員のほうからもいろいろ御質問、御要望等もございました。その際に私のほうからも市町村有林の整備が地域のモデルとなるものであるから、その前提となる森林経営計画の策定指導等に取り組んでまいりますという御答弁をさせていただきました。  その後、早速、職員等を派遣いたしまして、その指導を今ずっとやっておるところでございます。この事業の中の市町村森林所有者情報整備事業といいますのは、県のほうで、熊毛地域全体の主伐ですとか、間伐ですとか、それから造林、そういった計画量を策定いたします。その後、後年度以降に今度は市町村が市町村森林整備計画を策定する際にいろんな情報整備だとか、現地調査を行いますので、そういった支援を行っているところでございまして、二十七年度は熊毛地域におきましては、その前段となる県の森林計画を樹立すると、それ以降、もし市町村から要望がございますれば、この事業に取り組んでいくということになるかと思います。 141 ◯松里委員 こういう事業を推し進めていただいて、いみじくも先ほどの再造林の推進の部分の中で、与委員が奄美地域は森林・木材業の部分が厳しいと、熊毛地域も一緒でして、特に種子島地域は厳しい状況で、木材を鹿児島本土に送る場合にも運賃がかかるものですから、非常に利益率が少なくて森林組合等の経営が厳しい状況だと思います。  したがいまして、鹿児島県の離島の森林組合は、経営状況が非常に厳しいと。森林業の振興発展のために民間の中で中核となってさまざまな行政と連携して行っていく森林組合が厳しいということは、森林事業者等の確保とか、構成とか、その辺が厳しくなっていくということですから、離島の森は荒れてくると、より一層荒れてくるということだと思いますので、このような事業を使いながら離島の林業・木材の振興発展のために、さらによろしくお願いしたいと思います。  それと、屋久島の北部林道ですね、今二年目ぐらいになってきていると思いますけれども、平成二十七年度も予算措置されていると思いますが、どのような状況ですか。 142 ◯堂込かごしま材振興課長 平成二十七年度の屋久島北部線の予算につきましては二億三千六百万円余り、当初予算で計上されております。 143 ◯松里委員 事業実施においてはですね、地権者の問題もいろいろあると思いますけれども、二十七年度もそのような形で予算措置をしていただきましてありがたいと思います。屋久島北部の林業振興のためにも、それからさらなる観光の推進のためにも、そして、災害に強い島づくりという観点からも非常に重要な林道だと思いますので、難しい問題はあると思いますが、御努力をお願いいたします。ありがとうございました。 144 ◯高橋委員長 ここで、昼食等のため暫時休憩いたします。  再開は、おおむね十三時十五分といたしたいと思います。         午前十一時五十九分休憩      ────────────────         午後 一時 十五分再開 145 ◯高橋委員長 再開いたします。  質問を続行いたします。 146 ◯まつざき委員 お尋ねします。  森林経営課の事業に万之瀬川水源かん養林対策基金事業というのがありますよね。私は以前から一度お聞きしたいと思っていたんですけど、県内に数々の河川がある中で、なぜここだけ水源かん養林対策基金があるんですか。教えていただければと思います。 147 ◯大重森林経営課長 万之瀬川だけ特別な基金をつくって森林整備を助成しているかということでございますが、経緯を少し御説明申し上げますと、以前、鹿児島市と県が共同で行う万之瀬川の取水計画というのが報告をされておりまして、万之瀬川からの水を安定的に供給するための協議会というのが設立をされております。万之瀬川から工業用水として水を引き出すという計画があったというふうに経緯を聞いておりまして、そのための上流域の水源林をしっかり整備するためにこの基金が設立されたというふうに聞いております。 148 ◯まつざき委員 それは石播用地に工業用水道を引くということで、万之瀬川から水を引くと、鹿児島市の上水道を万之瀬川に一部切りかえるということで万之瀬川導水事業というのがつくられたんですが、その関係があって安定的に水を供給するためにこういう基金がつくられたというふうな理解でいいんですか。 149 ◯大重森林経営課長 はい、そのような認識でございます。 150 ◯まつざき委員 この事業の継続性も含めてというか、先ほど申し上げたように、いろんな県内の河川で、それこそ水源として活用されている河川がいっぱいあるかと思うんですが、鹿児島市というのはもちろん県都として県内の三分の一の人が住んでいますが、この基金事業の必要性というのはどういうふうなものがあるんでしょうか。 151 ◯大重森林経営課長 鹿児島市における工業用水として大量の水を使うと、その上流域の森林整備をしっかりやることによって、水を安定的に確保できるといった観点からこの基金が必要だというふうに考えております。 152 ◯まつざき委員 具体的には何に使われているんですか。 153 ◯大重森林経営課長 森林整備でございまして、例えば、間伐、除伐、それからそれに必要な作業路の補修等に要する経費につきまして一部助成を行っております。これは県だけが出しているわけではございませんで、県と鹿児島市との協定に基づきまして、鹿児島市も同額を出しております。 154 ◯まつざき委員 はい、わかりました。  今度から工業用水道としてまたお金がかかりますが、導水も工業用水としても使われるということですので、水源を守っていくという点では、それはここに限らず大事なことですので、経過はわかりました。  あと一つ、エコパークかごしまについてお尋ねしたいと思います。  一月から開業されたというお話でしたが、最終的に工事費が幾らになったのか。当初の予定もあわせて教えてください。 155 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 工事費は、九十六億四千九百二十万円でございまして、この辺について変更等はございませんでした。 156 ◯まつざき委員 当初の予定から九十六億円余りという工事費だったんですか。 157 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 最初は七十七億円ほどの工事費でございまして、途中で約十八億円の増額がございまして、最終的に、先ほど申し上げた九十六億四千九百二十万円という金額になっております。 158 ◯まつざき委員 わかりました。増額になった経過というのは過去にも聞きましたので、ここでは伺わないことにします。  まず、採算性については、前年度の委員会でも議論が熱心に行われてきましたが、採算性といったときに収入と支出とあるわけですよね。収入の部分というのは産廃の受け入れの手数料だと思うんですけど、ほかにあれば教えていただきたいと思うんですが、支出の部分というのは何を考えたらいいんですか。例えば、工事費、用地代とか、エコパークの管理運営費、その中には人件費とか水光熱費とかあるかと思うんですが、支出の部分で採算と考えたときに、支出の分は何を考えたらいいのかを教えてください。 159 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 まず、廃棄物の搬入、その後の維持管理に伴う経費、それから公社の運営費、それと県のほうから貸付金を実行しておりますので、それの返済というような形のお金が必要になってくるというふうに考えております。 160 ◯まつざき委員 わかりました。県からの貸付金という、この貸付金の中に先ほどあった工事費だとか、あと用地代を十五年間リースで払っていきますが、こういうものが含まれるということなんですか。 161 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 まず、総事業費のほうでございますけれども、こちらは工事以外にも情報管理システムとか、そういったもろもろを含めておりまして、これが九十六億円ほどございます。工事費以外に二億円ぐらいあるわけですが、それを基本的に国庫補助四分の一、県からの補助四分の一、残りを借入金で賄っている状況でございます。  なお、用地に関しましては、県のほうで支出をいたしまして、県が取得をするということで県有地になりますので、公社のほうが負担をするといったようなことはないところでございます。 162 ◯まつざき委員 整理すると、収入は産廃の受け入れの手数料、それと採算を考えたときの支出の部分というのはエコパークの受け入れた産廃の維持管理と貸付金の返済ということで、それは先ほど言われた工事費と情報管理システムの分と加えて、それの総事業費の二分の一が貸付金、この貸付金の部分で間違いないですか。 163 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 工事にかかりました補助金の部分は当然ながら補助金ですので、公社のほうが返済をするということはございませんので、残りの貸付金の分につきまして、公社から県のほうに返済を予定しているというところでございます。 164 ◯まつざき委員 わかりました。  そこで、その採算ラインということを考えたときに、収入は産廃の受け入れの手数料ですから、廃棄物の量でいえば、それぞれ金額が単価が違っていますから一概には言えないのかもしれませんけど、大体、年当たり何トンあれば採算がとれるというふうに考えられますか。 165 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 エコパークかごしまの収支に関しましては、その収支見通しをお示しさせていただいたときに、委員御指摘のとおり、廃棄物の種類に応じて、トン当たり一万八千円から二万五千円で、平均単価を一万九千円と考えまして、それが十五年で六十万トン、年平均しますと四万トンですけれども、これで見込んでおります収入というのが百十四億五千万円程度と、歳出のほうが埋め立て期間の後の安定化の期間、十五年ほどでございますが、それを見込みまして百十三億五千万円程度ということで、その時点ではおおむね収支が見合うということで御報告をさせていただいているところでございます。 166 ◯まつざき委員 はい、わかりました。年平均そういう試算で、見通しでいうと四万トンだと。現在、契約は何社ですか。 167 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 三月十一日、一昨日の時点でございますけれども、三十社のほうと契約をして一社と準備中ということで、メーンターゲットとして中間処理事業者を初め八十社程度を考えておるんですが、年度末までには五、六十社との契約ができるような見込みだというふうに公社のほうからは聞いております。 168 ◯まつざき委員 一月の開業以来、何社何トン搬入されたんでしょうか。資料を見ると、一月は燃え殻が八トンというふうにあったんですが、その後、二月、三月はいかがでしょうか。 169 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 これも昨日までの状況でございますけれども、累計で三十三件、二百九十四・八四トン、約三百トンの搬入があったところでございます。  また、けさほども公社のほうに確認をいたしましたけれども、本日も十トンほどの搬入の予約が入っているというふうには聞いているところでございます。 170 ◯まつざき委員 まだ開業したばかりで三カ月まだ弱です、二カ月半ですね。約三百トンと、先ほどの見通しでは年間四万トンということで、なかなか大変かなと思うんですけれども、今後の契約の見通し、搬入の見通しというのは、どういうふうに思っておられますか。
    171 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 この廃棄物処理の契約の関係でございますけれども、昨日も少し申し上げましたように、正式に許可を受けましたのが昨年の十二月十九日、そして、公益事業の変更認定を受けましたのが昨年の十二月二十五日、精力的に今、営業活動を年明けから取り組んでおりますけれども、契約のほうは先ほど申し上げた状況でございまして、年度末までには何とか五、六十社と、最終的には中間処理事業者を中心といたしました八十社に加えて、建設事業者でございますとか、新設企業等の排出事業者さんとも契約をさせていただきたいということで営業のほうに注力していくというふうに聞いております。  また、搬入量のほうでございますけれども、現時点で三月末までには六百トン前後は受け入れができるような状況ではないかと。四万トンの目標に対しまして非常に厳しい数字ではございますけれども、他県の実績を見ましても、開業後、安定的な搬入ができるまでは三年程度はかかっているというような状況もございますので、一日も早く安定的な運営ができますよう契約でございますとか、あるいは廃棄物の搬入の量の確保というものに向けて公社のほうも鋭意取り組んでいくというようなことで申しております。 172 ◯まつざき委員 県が行う事業というのは、全てが採算がとれないといけないというものではないというふうに思うんですよね。県民の福祉の向上のためには、公だからこそ採算がとれなくてもやはりやらないといけない事業はあるというふうには思っています。  ただ、ここについては、先ほど採算という場合何を考えるかといったときに、そこの中に入ってこなかったものとしては、例えば周辺コミュニティー支援の知事が約束した三億円だとか、周辺道路とか河川の整備だとか、さまざまな形で経費をかけているわけですよね。そういう多額の事業費をつぎ込んで行う事業で、そういう面では採算というのをこの施設はやはり考えないといけないんじゃないかなというふうに思うところです。実際に工事というのはもう済んでいるわけですから、あとは搬入がどうなのかと、契約がどうなのか、単価がどうなのかというところをやはりとしっかりと見ていかないといけないんじゃないかなと思うところです。  そこで、さっき申し上げた周辺コミュニティーの支援金ですね、昨日の審査の中でも、二十七年度は隈之城と川永野に、合わせて三千万円と、配分については市と協議して今後決まっていくということでしたが、二十六年までそれぞれ自治会に支援金という形で支出がされていると思うんですが、自治会ごとの二十六年までの支援金の金額というのを教えてください。 173 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 関係自治会に対する自治会活動等支援金でございますけれども、関係自治会のうち三自治会、川永野、百次大原野、木場茶屋自治会に対しましては三千七百五十万円を、東大谷自治会に対しましては一千八百七十五万円を既にお支払いしているところでございます。 174 ◯まつざき委員 わかりました。この使途については、これまでどういう使途に使われてきているか把握されているものを教えてください。 175 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 基本的には自治会活動の活性化ということで比較的自治会活動の活性化につながるものであればということで、余り厳密に把握はしておりませんけれども、例えば公民館の修理ですとか、あるいは自治会行事に対する助成ですとか、あとは先進地視察に行かれたりとか、そういったものの経費等に充てられているということで把握はしているところでございます。こちらにつきましては、毎年度実績を公社のほうに出していただくようにしております。 176 ◯まつざき委員 あと、反対にといいますか、この計画に反対の自治会について確認させてください。現時点での反対しておられる自治会を確認させてください。 177 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 大原野自治会がまだ建設について御賛同をいただけていないところでございます。 178 ◯まつざき委員 この大原野自治会に対して、県としては理解を得るための現在どのような努力をされているでしょうか。 179 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 大原野自治会に対しましては、処分場の整備推進につきまして、その理解促進を得るために意見交換会の実施でございますとか、先進地視察等の実施についてこれまで機会あるごとに行ってきたところでございます。  昨年の八月には、福岡、佐賀、両県に先進地視察を実施していただきましたほか、十一月二十八日には県環境整備公社との意見交換会にも多数の自治会員の皆様に御参加いただき、処分場の必要性ですとか、安全性についての説明をさせていただいたところでございます。  その意見交換会の際には、エコパークかごしま連絡協議会への参加ですとか、環境保全協定の締結等についての御説明を行い、意見交換会での説明要請を受けまして、自治会内で協議を行っていただけるということでありましたので、十二月の委員会でも御答弁をさせていただきましたけれども、県としてはその状況を見守っていきたいといったところで今とまっているところでございます。 180 ◯まつざき委員 わかりました。  次に、県の環境整備公社についてお尋ねしたいんですが、私まだなかなかエコパークと整備公社との関係というのが、よくまだ理解できていないところがあるんですが、この公社の仕事というのは何なんですか。 181 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 公社の業務につきましては、まずは処分場の建設、今回、処分場のほうができましたので、今後は管理運営といったものがメーンになってくるところでございます。 182 ◯まつざき委員 公社の収入というのは何ですか。 183 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 廃棄物の受け入れに伴う処分料プラス、基本財産等の運用益でございます。 184 ◯まつざき委員 ということは、会計としては、先ほどエコパークの収入の部分で産廃の受け入れの手数料の云々の話をしましたが、収支を考えたときに、これは公社にも収入が入ってくる、そこのエコパークかごしまと公社の関係というか、考え方を教えてください。 185 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 エコパークかごしまの事業主体は公益法人鹿児島県環境整備公社でございますので、公社が国と県からの補助金と貸付金を受けて建設をしたと。ですので、処分場そのものの所有者は環境整備公社になりますので、それを使って公社が廃棄物処理業を営んでいるという状況でございます。 186 ◯まつざき委員 わかりました。収入としては公社に入ってくると、それでエコパークの管理運営をしていくと。公社の役員がと理事が十名、幹事が二名、評議員が十四名とありますが、この中で報酬があるのはどういう方たちですか。 187 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 理事長は副知事でございますので、特に報酬といったものは支給しておりません。副理事長が環境林務部長、そして専務理事以下職員は県からの派遣でございまして、そういった意味で公社のほうから報酬を受けている理事というのは今の時点ではいないということでございます。 188 ◯まつざき委員 これは開業後、今後もこの理事の今、役職、副理事、環境林務部長とかそういうふうなことで県の職員を充てておりますが、今後もその方向というのは変わらないんですか。 189 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 将来のことになりますと、何とも私の立場で今申し上げるわけにはまいりませんので、そこについては御容赦いただければありがたいなというふうには思っております。 190 ◯まつざき委員 わかりました。  公社の支出の中に役員の報酬の部分が現時点ではないというふうに思っていていいですか。 191 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 昨年収支見通しをお示しさせていただいたときには今の体制を前提にしておりますので、それはないというふうに御理解いただいても間違いではないのかなというふうに思っております。 192 ◯まつざき委員 あと一点、現在、産業廃棄物処分場建設差しとめ請求裁判が行われていると聞きますが、この裁判の経過といいますか、今どういう現状にあるんでしょうか。 193 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 県を被告とするものが二件、公社を被告とするものが一件、計三件の訴訟がなされておりまして、それぞれ一番多いもので十九回、他のものが六回たしか公判がございまして、また来週、口頭弁論が予定をされているところでございます。(後ほど訂正発言あり) 194 ◯まつざき委員 この裁判をめぐってといいますか、裁判にかかわってといいますか、原告と公社の関係で、今も裁判になっていること自体、信頼関係にないことから裁判になっていると思うんですが、さらに、信頼を損ねるような事態となっているということが伝えられているんですが、先ほど、参事からの説明の中であった反対住民との関係で、自治会で今検討していただいているというか、その現状にあるということでしたが、その自治会でこのエコパークについての検討の経過の中で、今申し上げたような、さらに信頼を損ねるような事態ということが伝えられているんですが、県としては、私もはっきり申し上げていないのですが、そういう状況については把握しておられますか。 195 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 少なくとも、公社も県も御理解をいただきたいということで一生懸命取り組んでおりますので、ただ、その取り組みに対して信頼をなくすというようなことを先方がおっしゃるのであればあれかもしれませんけれども、私どもとしては少なくとも誠実に対応させていただいているつもりでおります。 196 ◯まつざき委員 その誠実な対応というのは私は本当に大事だと思っているんです。ところが、裁判を取り下げさせるために、公社の理事が自治会役員とか自治会会員に取り下げの文書というのを示して、そういう働きかけをされているというふうなことを聞いているんですけれども、そういう事実については承知しておられますか。 197 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 お尋ねの点に関しましては、昨年、意見交換会をさせていただいたときに、建設に御理解、賛同して、運営に協力をしていただくと、その後で環境保全協定の締結でございますとか、エコパーク協議会への参加とか、そういったものをお話をさせていただいたことに対して、専務のほうに自治会のほうから、臨時総会等で、会員の皆さんの意見を伺うためにどのように進めたらいいのかといったような御相談があったということで、それに応じて御協力をしたものだというふうには聞いております。 198 ◯まつざき委員 なるほど、いわば要請があって協力したんだというふうなこと、そういうふうに理解されているということなんですね。実際にここもオープンしていますし、こういう状況に至ってもまだ反対されていて、そういう裁判があるというのは本当に残念なことだと思っています。やはり、誠実に対応していくということが何より大事だというふうに思うわけです。この事業のスタートから住民の理解が得られなかった。そのスタートに戻って、早くそこの解決を図るべきだったと思いますが、結局それがなされないまま平行線のまま現在にまで至ってしまったというふうなことで、非常に多額の事業費、県民のお金を使ってやる事業なだけに、本当にその点は残念だというふうに思っています。  事業の主体は、エコパークの運営は、県の環境整備公社に移っていますが、先ほどから、予算の審議でもあるように、県民のお金を使って、やはり予算を使って周辺の整備が行われたり、周辺自治会の支援金という形で支出がされています。そういう意味では、エコパーク自体の管理運営は公社に移ったとしても、やはり住民の理解を得ていくというところでは、県として責任があるというふうに考えますが、その点についてはいかがでしょうか。 199 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 処分場の建設運営に当たりましては、地元薩摩川内市とも環境保全協定も結させていただいておりますし、地元の各自治会とは、御理解をいただけないところを除いてということでございますけれども、公社と自治会と県とで基本協定ですとか、環境保全協定を薩摩川内市を立会人として結ばせていただいておりますので、そういった意味で、その中で県は、最終的な責任は県が負うというようなことも申し上げておりますので、県としても一生懸命取り組んでいくことだというふうに認識はいたしております。 200 ◯まつざき委員 ぜひ、冒頭に参事も言われました誠実な対応というのが非常に大事だと思いますので、今後も引き続き、住民の理解を得る努力というのをしていただきたいというふうに要望いたします。 201 ◯大竹管理型処分場整備担当参事 申しわけございません。先ほど訴訟の関係で十九回と申し上げましたけれども、一番多いもので用地費に係るものが、これまで昨年の十二月十五日に第十八回の口頭弁論が、それから、もう一つの工事費の差しとめのほうが六回、公社のほうの訴訟も六回ということで、申しわけございません、そこを訂正させていただければと思います。 202 ◯柴立委員 午前中の松里委員の質問で、木造公共施設の整備で、種子島の産院に約一億五千万円補助して県産材を使った施設ができるということでありましたが、その際、堂込課長から、補正まで含めて県内で十七カ所を予定しているという話がありました。当初予算の要点を見ますと、木造公共施設の整備ということでは、三億一千五百万円余りという数字が出ていますが、補正まで含めて、来年度中に整備される木造公共施設の総予算というのはどのぐらいになるのかお示しいただきたいと思います。 203 ◯堂込かごしま材振興課長 木造公共施設の予算につきましては、当初予算で委員が言われるように三億一千五百万円ですが、きのう申し上げました二十六年度の補正予算、国の補正予算を八億一千百万円程度を木造公共に充てることにしておりまして、総額で十一億二千六百万円を充てるということにしております。 204 ◯柴立委員 総額十一億二千六百万円、補正まで含めたその予算で木造公共施設としての整備の十七カ所を補助されるということでよろしいんでしょうか。 205 ◯堂込かごしま材振興課長 はい、それで結構です。 206 ◯柴立委員 一番主なものは先ほどの種子島ということだと思うんですけど、大体、一カ所につきましては、平均的にそれを十七で割る、一億五千万円の残りの分は約十億円ですか、それを十六で割ればそういうことになるということでよろしいんですかね。平均はどのぐらいになりますかね。 207 ◯堂込かごしま材振興課長 十一億二千六百万円を十七カ所で割りますと、六千六百万円余りの補助金、予算ということになります。 208 ◯柴立委員 わかりました。県産材の木造公共施設に使っていただくということで、私はこういう施設への補助をしていただいて木造住宅のよさというのをぜひPRしていただきたいと思っておりますので、この点については、来年度以降もまたどうかひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。  もう一点だけ、今回、御楼門にいよいよ着手するということで予算がついておりますが、問題は、県産材の木材調達ではないかなと思っているんですよ。四億五千万円を民間が集められて、県と市で三億円ですから七億五千万円、今もまだ寄附を集めておられるということですが、そんなに県産材で、いわゆる大径木といいますか、その辺がなかなか見当たらないんじゃないかと思うんですけど、その辺は木材調達担当としてはどういうふうに考えておられるんですか。 209 ◯堂込かごしま材振興課長 今度、御楼門の建設協議会が二月に設置されましたけれども、その下部組織に幹事会というのがございまして、私どももその幹事会に入っております。今後、この木材の調達にかかるそういった団体との連携とか、そういったのを図っていく必要がございますけれども、何せ、使用される木材というのがケヤキとか、松の大径材、中には九十センチを超える大きなものもございますので、一般の市場に流通していない木材でございます。ですから、まず類似の施設等の市場調査とか、あるいは県内の木材需要の調査をしながら、情報収集をして、あと、木材関係団体、業界と連携してそういった調達に当たっていきたいというふうに思っています。 210 ◯柴立委員 担当の方からちょっと相談を受けて、こういう木を探してくれということで、九十センチ角の長さ九メートルの無垢のケヤキはないだろうかということで探したことがあるんですけど、とても全国探してもそういうのはなくて、四十五センチ角の九メートルというのが岐阜の全国の銘木市で出ていたんですけど、一本それだけで一千万円するんですよ。ですから、そういう意味では、現実的なものと、理想とするものと、非常に乖離があるわけですね。ですから、恐らく昔の御楼門もそういう銘木は使ってないと思うんですよね。タブとか、鹿児島にある広葉樹ですね、クスとか、恐らくはそういう大径材を使った御楼門ではないかと思うので、そういう木が鹿児島に現在もあるのかどうかは別として、余りその辺の品質にはこだわらないような格好で、原木も調達するような方向でやっぱりしていったほうがいいんじゃないかなと私自身思っておりますので、そういうような感覚でぜひ頑張ってほしいなと、そういうふうに思っておりますのでよろしくお願いいたします。  以上です。 211 ◯成尾委員 ごみの問題で、私の出身の大崎で、今、再利用のほうでインドネシア、海外展開をされるような話なんですけど、大崎また志布志では、徐々に品目を分けることによって埋める量が大分少なくなっているということです。これは例えば全県下的には広がっていく傾向にあるのか。それとも、鹿児島市みたいに、もう高熱化して焼いてしまうからいいですよみたいな話になるのか。そこは県としてはどういうふうに進めようとされているのか、少しお聞きしたいところです。 212 ◯松本廃棄物・リサイクル対策課長 最近、地元南日本新聞にありましたが、大崎町、それから、業務を請け負っておりましたそおリサイクルセンター、ここがJICAの事業を活用しまして、静脈産業の海外展開というふうな事業に取り組んでおられると、大変これはいいことだなと思っております。  この大崎・志布志方式といいますのは、実は、両市町、焼却をする施設というものがなかったという事情がありまして、いわゆるそういうようなハンディキャップを逆にプラスといいましょうか、徹底した分別を行いまして、リサイクル、これを徹底的にやりまして、埋め立て量を減らしていくというふうな取り組みをされまして、人口十万人以下の都市ですと、全国一、二位を競っているというふうな自治体でございます。  県下への広がりに関しては、十二月議会のときにもまつざき委員の御質問にお答えしたとおり、それぞれの自治体の実情に応じまして、鹿児島市みたいに比較的大規模なところは、たくさんのごみを効率的に集めて効率よく焼却するというふうな処理方式に象徴されますように、それぞれの実情に応じて取り組んでおられるということでして、必ずしもこの二つの自治体の方式が県下全域に広まりつつあるというふうな状況では現状ではないと認識しております。 213 ◯成尾委員 この大崎のJICAの事業は、今後、海外展開をするということなんですけど、例えばそういうことのようないろいろな、県の情報収集というんですか、そこあたりの部分はお持ちであれば少し教えていただければなと思います。 214 ◯松本廃棄物・リサイクル対策課長 情報収集といいましょうか、県の法律上の立場としましては、一般廃棄物処理というのは、市町村固有の自治事務というふうな位置づけになっておりまして、県は、市町村に対する技術的援助者というふうな立場に位置づけられております。そういうふうなことで、基本的には私ども市町村が施設整備を行う際に、国の交付金を活用していただくというのが一般的でございますので、その辺の調整を間に入ってやっておるというふうなところでございます。  志布志・大崎方式、こういったソフト事業につきましては、県でいろいろ、研修会なり、あるいはごみに関する協議会というのを持っておりまして、そこで、そのような先進的な取り組みというものを紹介するというふうなことで情報提供をさせていただいているというふうなことで取り組んでおります。今後、そういうふうな方式に取り組むような意向の市町村とか出てきた場合は、両自治体の方式がきちんとスムーズに円滑にノウハウというのが移転されるように、県としても必要なサポート、これをやっていきたいというふうに思っております。 215 ◯成尾委員 はい、わかりました。そういう意識改革をしながらやっていくというのでいけば、非常にいいことになるんじゃないかなと思っていますので、ぜひ、そこあたりの情報も含めてしっかりとりながら、やっていただければなと思っております。  それから、温暖化対策について、高知県で,石炭のかわりに林地残材を使って、それを燃やしながら発電をしているということを代表質問等でも話したと思うんですが、ここの場合はセメント工場がある程度中心になってそれをやっていったという一つの成功例にはなるんですが、本県でも、薩摩川内市や霧島市で今バイオマス発電を計画していますけれど、県内各地でそういう動きが出てくると、木材が集まらないんじゃなくて、もう要らなくなった林地残材を使いながらということですから、いい方向ではないかなと、一石二鳥じゃないんですけど、そんな感じになるのかなと思うんですが、そこあたりについてはどうでしょうか。 216 ◯木場地球温暖化対策課長 温室効果ガス、CO2の排出等を削減するために、化石燃料に頼らずバイオマスエネルギーとか、その他の再生可能エネルギー等を使って発電等をしていく、あと、熱のほうも、そういった再生可能エネルギーのほうにシフトしていくというのは地球温暖化の防止の観点からも非常に重要なことでございます。  今、直接の所管は企画部のエネルギー政策課のほうでございますが、私ども環境林務部といたしましても、温室効果ガスの削減、それを今後さらに進めていく必要がございますので、企画部のほうとも連携をしながら、そういったエネルギーの転換というものについても一生懸命進めていきたいと考えております。 217 ◯成尾委員 いろいろ各県でやっているような取り組みがあると思いますので、そういうのを参考にしながら、地球温暖化については、京都議定書も含め、日本が一番先にやらないといかんのだけど、一番今守られていないという状況なので、そこあたりも含めてしっかりやっていかないといけないと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。 218 ◯ふくし山委員 一つお尋ねいたします。  奄美群島の世界自然遺産登録の件ですけれども、新年度の予算にも計上されていますが、全体としての進捗状況ですね、そしてスケジュールというのと、あとは解決している問題、そして残された課題ですね、これから解決すべき問題として何があるのか、まずそこをお聞かせいただけませんでしょうか。 219 ◯則久参事自然保護課長 奄美群島の世界自然遺産登録に向けましては、一つは奄美群島だけじゃなくて、沖縄県が、奄美・琉球として登録を目指していくという形になってまいります。これにつきましては、世界遺産の推薦に向けては推薦書というのを提出して、そのときにあわせて保護担保措置として国立公園などの保護地域の指定がなされていなければいけません。この推薦書のほうを吟味する科学委員会という有識者の会議が昨年度から設置されておりまして、先般二月の末に今年度二回目の会議がありましたけれども、推薦書のほうのドラフトといいますか、原稿はかなりでき上がってきております。  一方、保護担保措置という具体的にどの区域を世界遺産とするのかということにつきましては、やはり国立公園の区域、あるいは林野庁の森林生態系保護地域の区域、こういったものを重ね合わせた上で科学委員会で線を引いていくという形になりますので、この作業は今まだ十分にはできていないという状況かと思っております。  今後の課題ということでいきますと、今、県としましては、二十九年度の世界遺産登録を目指そうということでやっておりますので、これでいきますと、来年の二月一日までに正式な推薦書を出さなければ、また一年おくれてしまうという形になりますので、それに間に合うようにスケジュールを加速させていく必要があろうかと思っております。  解決すべき課題といたしましては、一つは一番重要な保護担保措置という面でいきますと、今の保護地域の指定が残されていて、まだいろいろ鹿児島だけじゃなくて沖縄の側も含めて地元の関係者の調整が残っているところで、今ここの調整が鋭意進められているところでございます。  それから、もう一点は、世界遺産という価値の維持ということでいいますと、アマミノクロウサギですとか、沖縄でいきますと、ヤンバルクイナですとか、そういう希少種たちのいる生息環境をしっかり守っていくということが課題となってまいります。そのためにはやはりそこにいる外来種の問題ですとか、御存じのように、奄美群島、沖縄と共通ですけど、ノネコとか、そういったものが希少種を食べている問題ですとか、あるいは奄美の場合はマングースの問題、それから世界遺産になった後のことを考えますと、恐らく世界遺産の審査の段階で、観光客がふえたときに自然が荒れないようにどういうふうに管理していくのかがほぼ間違いなく問われると思っておりますので、観光客の方をうまくコントロールといいますか、マネージメントしながら、うまく地域で自然を体験してもらえるような、そういった利用分散を含めたような計画づくりというのも必要かと思っております。そのほかにもたくさん課題はありますけれども、まずはその保護担保措置の部分と価値の維持の部分ということを進めていくと同時に、あと最終的には、地域の方々がどれだけ世界遺産の保全や、あるいは適正な利用に協力していただけるかということがありますので、そういった機運の醸成の部分についてもいろいろ努力していく必要があろうかと思っております。 220 ◯ふくし山委員 少し気になりますのは、今おっしゃったように、地域指定とかそういったことは進んでいくだろうと思うんですけれども、外来種の問題とか、価値の維持という表現がありましたけれども、そういったことが一定程度まさに担保できるかどうかということもこの期間内にしなきゃいけないことだろうと思うんですが、そこの解決というか、一定のめどといいますか、どの程度までいけば、これは継続して続けてやっていくことになるんだろうと思いますが、少しよく見えないんですけどね。 221 ◯則久参事自然保護課長 今いろいろ課題があると申し上げましたが、その中で世界遺産登録までに終わっていなければいけないのは、その保護担保措置、つまり国立公園の指定という国の保護制度の網がしっかりかかっているということでございます。それ以外の外来種の問題、マングースとか、ネコとか、あるいはそういった希少種の保全の対策とかにつきましては、きちんと問題が把握されていて、それに対して的確な計画のもとに計画的に対策が進んでいるということがしっかり示せれば、世界遺産の推薦なり登録の段階でまだ解決できていなくても、その辺、十分審査においては加味されて合格がもらえると思っております。重大な問題について全く手当てができていないという状態では審査は通らないんですけれども、現状をしっかり認識してそれに対して科学的に取り組んでいっていますよということが示せればいいかと思いますので、そういった意味では、今、科学委員会があると申し上げましたけれども、そういった場ですとか、あと、来年度予算のほうで一応新規ということになっておりますが、実質的には昨年度から県のほうで取り組んできておりますいろいろな事業の中で課題の洗い出しをしておりますので、その成果をしっかり盛り込んでいけば十分ではないかなと思っております。 222 ◯ふくし山委員 そういったことも含めて、来年の二月一日までには推薦書を提出しないと二十九年度に間に合わないということでしたけれども、それはもちろん目標でもありますけれども、達成の見込みというのはどうですか。 223 ◯則久参事自然保護課長 それに向けて最大限頑張っていくということでございます。 224 ◯ふくし山委員 最後に一つ。非常に難しい問題ですけれども、これは世界自然遺産、まさに自然が相手ですので、そういった登録に至るまでの事業費といいますか、こういったものは、そのときどきに問題を解決するために必要な予算を計上していくという形ではあろうかと思いますけれども、全体として大枠どの程度とかいうものがあるんですか。実際にその区域のハードの整備の問題とか、そういったことを含めると非常に難しくなると思いますけれども、何かそういった事業費について、一定の考え方というものがあるものなんですか。 225 ◯則久参事自然保護課長 恐らく問題というか課題の質に応じていろいろ予算が変わってくると思います。例えば、奄美大島のマングースの防除でいきますと、環境省で年間で一億数千万円を相当長い期間かけ続けてきて、今ほぼ根絶寸前まできていると、ただ、残りのわずか二百か三百をとるのに、まだまだ十年近く同じような努力をしていかないと多分ゼロには持っていけないという、そうすると、一匹当たりの値段は非常に高くなるわけですので、非常に悩ましい問題です。  一方、希少種の保護ですと、その生息環境をしっかり保護してやれば守っていけるところもあります。ランとかですね。こういうものは逆に監視員がいれば済むことで、大きな事業費はそんなに要らないかもしれません。自然を守るのはコストがかかるのは間違いないんですけれども、総額としてどれだけかかるかというのは、何が世界遺産登録の一番課題かというところによっていろいろ変わってくるかと思います。直近の他地域、小笠原ですとか、知床を見てみますと、世界遺産登録になることで、やはり保全面でも国のほうもしっかり予算措置をしてきている面もありますので、そこを目がけていろいろやっていくのかなと思っております。 226 ◯ふくし山委員 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。 227 ◯柴立委員 関連して、奄美ですね、世界自然遺産登録の予定地というのは大体わかっておられると思うんですけれど、国有林だけじゃなくて、民有林とか、いわゆる部落共有林とか、そこも予定地に入っているところはあるんですか。例えば指定を受けると、多分、伐採はできませんよね。そういう場合に、いわゆる当然お金になると思われているところがそういうふうになるということになれば、そういう手続とかいうのも必要なんですか。その辺を少し説明してくれませんか。 228 ◯則久参事自然保護課長 世界遺産登録の前提となる国立公園の指定がまず先に決まりますけれども、国立公園の中でゾーニングが行われます。特別保護地区とそれから第一種から第三種までの特別地域で大きく四段階のゾーニングがなされてまいりますが、このうちの特別保護地区と第一種特別地域は、基本的には禁伐に、もしくは禁伐に近い、厳正保護のゾーニングとなってまいります。第二種、第三種については、林業活動が引き続き可能ということになっておりまして、世界遺産の推薦に向けては、恐らくはこの特別保護地区と第一種という厳正保護を図る地域が世界遺産区域として推薦されていくであろうと。第二種、第三種のゾーニングは、その緩衝地域、バッファーゾーンとして世界遺産の区域の外側に設けられて、ここは引き続き林業活動なども行いながら希少種にも配慮していくという、そういうすみ分けになろうかと思います。特別保護地区と第一種については、今、環境省の案をつくって地元関係者で調整している段階ですが、その中には国有林だけではなくて、民有林ですとか、あと市町村有林ですとか、あと一部集落有林なんかも入っていると聞いておりますけれども、そういった規制が厳しいゾーニングの部分につきましては、関係の方々の御理解を得るように今調整が進められているということを聞いております。  それから、特別保護地区、第一種特別地域にならない地域については、一応、国のほうで、特定民有地買い上げ制度という買い上げ制度も用意されておりますので、その予算次第ではありますけれども、必要に応じて、そういった木を切れなくなるところは買い上げて守るということも可能な仕組みにはなっているかと思います。 229 ◯柴立委員 御理解というのは、買い上げ制度で御理解をいただきますということで、そういうふうに理解してよろしいんですか。 230 ◯則久参事自然保護課長 所有者の方から申し出があればという形になると思うんですけれども、世界遺産地域の中に土地を持っているということが、逆に誇りといいますか、自慢になるようなケースもあるみたいでして、そこは一律に全てを買うのかどうかというところは、お持ちの方が何をそういうふうに判断するかというところにもよるのかなと思っております。 231 ◯柴立委員 そこ辺は、その意思についてはそういうことで協議をするということですね。わかりました。 232 ◯与 委員 同じく世界自然遺産に関することなんですが、平成十五年に環境省が奄美のこの希少野生動植物に視点を置いて、鹿児島で二つの世界自然遺産を指定しようと。あれから、順調に行けば、二十九年夏ごろということになると、やはり十五年はかかるんだなという認識を持って、その間、自然保護課を初め、県それぞれまた御尽力をいただいたところでありますけれども、やはり奄美の世界自然遺産というのは、他の地域と違って生活文化圏構想と世界自然遺産と二つの柱があるわけですよね。そういう中で、やはり世界からどんどん人が来島されるだろうし、またそれなりの価値観を造成をしていくために必要な施設もハードもあればソフトもあるんだろうなという思いがするんですが、この施設の整備ということでは、いろんな角度から専門家たちが議論をされているんだと思うんですが、どの付近までそういう議論がされているのかなと思ったりしているんですけれども。 233 ◯則久参事自然保護課長 環境省の会議とは別に、県のほうにおきましても、昨年度から世界遺産登録推進事業ということで、有識者の方と地元の方を交えた検討会議を行ってきております。また候補地になっております大島と徳之島でそれぞれ島ごとのワーキングということで地元の民間団体の方も入っていただいて検討を重ねてきておりますが、その中で施設につきましては、幾つかこういったものがあったほうがいいというアイデアが出てきております。  一つは、これはほかの地域でも国のほうで整備を進められておりますが、世界遺産センターという拠点施設は、世界遺産登録後しばらくしてから多分、国が直轄で整備をするであろうと、そのほかに、奄美群島、世界遺産の効果を各島々に、二つの島だけではなく、群島全体に波及させるように長距離自然歩道といいまして、世界遺産ブランドを歩く歩道のネットワークを群島の隅々まで通してはどうかというアイデアもあります。そのほか、希少種であるクロウサギにつきましては、今、クロウサギを見に行くためにガイドツアーだけではなくレンタカーで来た普通の観光客がどんどん林道に入られるというところもありまして、これはむしろ傷病した、けがした固体の治療施設もかねて逆にしっかり飼って見せる施設をつくって、普通の観光客の方はそこで見ていただいた上で、山の中はむしろ入山制限をしたほうがいいんじゃないかとかですね、そういった施設が必要であるとか、そういった幾つか御指摘をいただいております。  今回、二カ年の検討の中で、どういう機能の施設が必要なのかということは大体洗い出しができてきたかと思いますが、ただ、国立公園の区域とか世界遺産の区域がまだはっきりしておりませんで、どこにどういう配置が必要かという部分と、整備主体は誰になるかということについては、まだ来年度に議論を積み残した形になっております。 234 ◯与 委員 まさしく今、課長がお答えいただいたことを私も長い間、中心的に議論をしてきましたので、ぜひそういうやはり他の地域に負けない、負けないというか、他の地域にない特色ある、いわゆるモデル的な施設の整備ができればいいのかなと思ったりしているところでありますので、私もこれで最後の質問の機会ですけれども、しっかりよろしくお願いします。ありがとうございました。 235 ◯堀口委員 昨日、マガモのことでいろいろ調査をお願いしたわけですが、本日は、毎年毎年なんですけれども、高病原性鳥インフルエンザ発生するんですが、報道等を見ますと、毎年毎年、渡り鳥というふうに最終的には書かれるんですよね。ですけれども、本当に渡り鳥なのか、どうなんでしょう、そこまでわかっていますでしょうか。 236 ◯則久参事自然保護課長 今回の出水平野での高病原性鳥インフルエンザの発生につきましては、ツルでの発生になりますので、これはやはり鳥の中で広がったものだろうと思っています。鹿児島大学の先生方にお聞きしても、恐らくツルが持って運んできたのではなくて、ほかの鳥とこちらで接触して移されたというふうに考えるのが可能性は一番高いかなと理解しておりますが、一方で、今でも韓国とか台湾とかでも出ております。ほかの養鶏場で出る場合については、それが鳥から来ているのか、あるいは何らかによる人為的に入ってきているのかというところについては、いろいろ検証しないといけないようでして、一般的にカモの仲間が自然宿主といいまして、ウイルスを体内に普通に持っていて、カモ自身はその高病原性のウイルスを持っていてもそれが発症して死ぬことはめったにない。ただ、感受性が高いツルですとか、ほかの鳥はそれにかかって死んでしまうことがある。カモは元気に飛んでいますけれども、一定の割合でそのウイルスを持っている可能性があるんじゃないかということは言われております。これは、なかなか生きたカモを捕まえて調べることできなかったんですけれども、今回のダイアジノンという物質で百数十羽死にまして、三十五羽検査したら、一羽から高病原性が出たという形になっていますので、三十五分の一ぐらいの確率なのかなと思ってみたりもしたんですけれども、そこはやっぱり自然界のことですので、今、カモの可能性が高いということで申し上げましたが、断定はできないんですけれども、渡り鳥の中のカモ類が持っている可能性というのが一番指摘はされております。ただ、高病原性のウイルスというふうになるには、カモの中だけの転移じゃなくて、やはり家禽との接触で出てきている部分もあろうかと思いますので、そこは農水省、環境省のほうの専門家の会議がありますので、そちらの見解をお聞きしないとちょっと定かなことは申し上げにくいようです。 237 ◯堀口委員 当然、日本国においてはそういった形で調査研究していただきたいというふうに思っているわけですけれども、どうしても渡り鳥ということに関しますと、韓国、中国、そういったところからということも考えられますので、ぜひ国際的にそういった会議を開いていただきたい、調査していただきたい。と申しますのが、いつまでたっても毎年毎年、養鶏農家の方々、もうそれだけのリスクを負ってやっていらっしゃるんですけれども、また出水地域においては、ツルが観光資源となっているものですから、そこまで全部ストップしちゃうんですよね、一旦、鳥インフルエンザが発生すると。そういったこともありますので、ぜひ解明にまでいくような形で研究をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。 238 ◯高橋委員長 ほかに質問はありませんか。    [「なし」という者あり] 239 ◯谷口環境林務課長 終わり間際に申しわけございません。  水俣病の関係でございます。  さきの十二月議会の当委員会におきまして、まつざき委員のほうからお求めのありました水俣病被害者救済特別措置法の救済措置に係るデータにつきまして取りまとめましたので、ただいまから資料をお配りし、御説明させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。 240 ◯高橋委員長 それでは、資料の配付を許可いたします。 241 ◯谷口環境林務課長 お手元の資料をごらんください。資料は一枚でございます。  救済措置申請者の生年別の状況というものでございます。表の表側を、昭和は昭和四十三年まで年ごと、その他の年代は例えば頭の明治から大正、ここも一くくり、それから昭和四十四年以降というところも一くくりとさせていただいており、手帳の切りかえを除く一時金等の給付申請者について判定結果ごとに該当者の数をお示ししているところでございます。  以上、表のほうを御参照いただければと思います。よろしくお願いいたします。
    242 ◯高橋委員長 それでは、これで県政一般を終了いたします。  以上で、環境林務部関係の審査を終わります。  これで、当委員会に付託されました議案等の審査は全て終了いたしました。  なお、委員長報告の文案につきましては、当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    [「異議なし」という者あり] 243 ◯高橋委員長 御異議なしと認めます。  御異議がございませんので、そのようにいたします。  次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条に基づく閉会中の委員会活動に関する継続審査事件についてお諮りいたします。  請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件については、保健・医療・福祉対策について、環境対策について及び林業振興対策についての三項目といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 244 ◯高橋委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたしました。  ここで、掘口副委員長から発言を求められておりますので、これを許可いたします。 245 ◯堀口副委員長 既に皆様御案内のとおり、当委員会の与議員が今期を限りに御勇退されると表明をされております。  つきましては、ぜひ一言お言葉をいただければありがたいと思います。 246 ◯高橋委員長 与委員、よろしくお願いいたします。 247 ◯与 委員 ありがとうございます。  お疲れのところ大変恐縮でございます。  御案内のとおり、私も市議・県議三十五年余り、私の人生の半生以上を政治家として、議員として務めさせていただきました。その間、市議会の時代、県政に来てからの十二年間、本当に有意義な歳月だったなと思っております。私は首長でありませんから、やり残した仕事があるということはありませんが、全くあれもしたかった、これもしたかった、やり残したなという気持ちはありませんで、すがすがしい満足した気分で退職をできるのかなと思ったりしております。  特に、奄美のことについては、保健福祉部においては、県立大島病院のことやさまざまな課題がたくさんあって、これらが一つずつ改善をしてきたというのがあります。また、環境林務部については、今も話題になりました、やはり県内二つ目の世界自然遺産登録が二十九年には実現するのかな、そうすることになると、奄美の経済と人の流れが断然変わってくるのかな、こういうものを今期待をしているところでございますが、できれば、私は自然が大好きなものですから、少年時代、青年時代を駆けめぐってきた自然をもう一回駆けめぐりたい。これもやっぱり力みなぎるうちでなければ駆けめぐれないということで、私も今回、これが一番の適切な時期かなと思ったりして決断をさせていただいたところでございます。県全体で見れば、きょうもこの熊毛の町村長の方や、あるいは奄美群島の町村長の方々が一堂にまた集まって、地元の県議会議員四名、また松里先生や日高先生も加えて、一日でも早くこのスーパーアリーナの整備をしてほしい。これは離島にとっては大変な期待のある施設でありますから、そういうことや東西路線、南北路線、桜島架橋の問題たくさんございますけれども、これはまた後世の志をきちんと引き継いでくれる方々にまた御議論をいただければいいと思ったりしているところでございます。ぜひ、今私が皆様方にお願いするのは、そういう悠久の歴史の中で県政が粛々と進んでいく中でその一時期を担っていく皆様方には、なお一層の御協力と、そしてまた皆様方の御活躍をきちんとお願いしたいなと、このように思っております。  言いたい放題の私でありましたけれども、おつき合いをいただいた同僚の委員の皆様方にも心からお礼を申し上げて私の御挨拶としたいと思っています。  きょうは本当にありがとうございました。(拍手) 248 ◯高橋委員長 長い間御苦労さまでした。ありがとうございました。  それでは、本日で環境林務部の皆様とこのメンバーによる委員会は最後でございますので、当席及び副委員長から一言御挨拶を申し上げます。  この委員会を一年間振り返ってみますと、本県の長年の最重要課題であったエコパークかごしまが完成し、一月から運用開始、甑島国定公園が三月十六日に指定予定になるなど、記念すべき年であったと思います。  また、森林の再造林や県産材の輸出、木質バイオマス発電に係る需要供給の問題、有害鳥獣、鳥インフルエンザ対策など、明るい希望もあれば、また心配される課題も抱えております。  地球温暖化が問われる中で、CO2削減など森林の持つ多面的機能の重要性が今後さらに注目されていくものと思います。環境林務部の範囲は広く、その責務はますます重要となるものと思います。執行部の皆様の今後一層の御尽力をお願い申し上げます。  終わりに、この一年、御協力いただきました委員の皆様、そして執行部の皆様、関係各位に衷心からお礼を申し上げ御挨拶とさせていただきます。  本当にありがとうございました。(拍手) 249 ◯高橋委員長 それでは、堀口副委員長、お願いいたします。 250 ◯堀口副委員長 一言御挨拶申し上げさせていただきます。  一年間、副委員長といたしまして、高橋委員長の補佐をさせていただきました。十分でなかった点お許しをいただいたいと思いますが、いろいろと御指導をいただきましたこと、心から感謝申し上げたいと思います。  また、委員の皆様方を初め、執行部の皆様方におかれましては、委員会審査はもちろんのこと、研修等につきましていろいろと御協力いただきましたことを心から感謝申し上げ、改めましてお礼を申し上げる次第でございます。  これから、私ども委員のほうといたしましては、四月十二日に向けて、県民の皆様方にいろいろと訴えていくと思いますけれども、執行部の皆様方におかれましては、環境林務部としてこれからの県勢発展のために御尽力、御努力いただきますことをお願い申し上げ、私のお礼の挨拶とさせていただきます。  一年間ありがとうございました。(拍手) 251 ◯高橋委員長 この際、申し上げます。  新川部長を初め、この三月末をもちまして退職をされる職員の皆様におかれましては、長年にわたり、県勢発展のため、県民の福祉の向上のために御尽力をいただきました。これまでの御労苦に対し、心から敬意を表するところであります。まことにありがとうございました。  それでは、最後になりましたが、執行部を代表して、新川環境林務部長さんに御挨拶をお願いいたします。 252 ◯新川環境林務部長 環境林務部を代表いたしまして一言御礼を申し上げます。  高橋委員長を初め、堀口副委員長、委員の皆様には、この一年間、環境林務行政について熱心に御審議をいただきますとともに、行政視察などの機会を通じまして貴重な御意見、御提言等を賜り心から感謝を申し上げます。  先ほど、委員長からお話がありましたように、本年度は県政の重要課題の一つとして取り組んでまいりましたエコパークかごしまが昨年十二月に完成し、本年一月に開業したところであり、長年その整備に携わってまいりました私といたしましては、非常に感慨深いものがございました。当部では、引き続き、地球温暖化対策を初め、奄美群島の世界遺産登録や森林・林業・木材産業の活性化など各般の施策に取り組んでまいりたいと考えておりますので、皆様方には今後とも御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。  最後に、委員の皆様方の今後ますますの御活躍、御健勝を心から祈念を申し上げまして御礼の言葉とさせていただきます。  まことにありがとうございました。(拍手) 253 ◯高橋委員長 ありがとうございました。  これをもちまして、環境厚生委員会を閉会いたします。  御苦労さまでした。         午後二時三十分閉会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...