ツイート シェア
  1. 鹿児島県議会 2015-03-13
    2015-03-13 平成27年産業経済委員会 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過        ……………………         午前十時開会        …………………… ◯小園委員長 皆さん、おはようございます。  定足数に達しておりますので、ただいまから、産業経済委員会を開会いたします。  本日は、農政部関係県政一般に関する調査を行います。  質問がありましたら、お願いをいたします。 2 ◯下鶴委員 私から三点ほどお伺いしたいと思います。  一点目は、この当初予算等説明書の六十一ページにあります農地集積推進事業についてお伺いしたいと思います。  やはり今後、耕作放棄地解消並びに稼げる農業へ向けた意欲ある経営体への農地集積を考えたときに、やはりこの農地集積というのは非常に重要だろうなと思っているところなんですが、こちらの財源が将来的に確保できるのかどうかという観点から伺いたいなと思っております。  こちらの農地集積推進事業運営費に約二億八千万円、そして協力費にも二億八千万円、五億六千万円とか七千万円とかのオーダーで恐らく推移していくんでしょうけれども、じゃ、その財源を見たときに、この特定財源の四億一千万円というのが大きなウエートを占めているわけですよね。なので、ここがちゃんと確保できていくのかというところを見ていきたいなと思います。  そこで、具体的には、基金を造成して取り崩していくということをやっているんだと思うんですけれども、そこの現状の積み立て状況並びに今後の見通しについてお示しください。 3 ◯満薗農村振興課長 農地中間管理機構の関係の基金の造成の状況でございますけれども、平成二十七年四月一日時点の来年度、二十七年度の当初を使わない時点での今の造成額といたしましては、三十二億八千六百万円ほどの積み立てがございます。二十七年度の当初予算を除いた額、残りでございますが、それについては、二十八億六千九百万円ほどが残る予定ということになっております。 4 ◯下鶴委員 こちらは、国の動向、将来的な見通しというのは現在どういうふうになっているんですかね。というのが、今お示しいただいたとおり、来年度スタート時点で三十二億円の残、来年度当初予算で見ますと、ここから四億円ほど取り崩して使っていく、とすると、単純で割ると入ってこなければ七年で枯渇するという状況なので、今後の見通しが今わかっていれば教えてください。 5 ◯満薗農村振興課長 今後の見通しにつきましては、まだ具体的なことはわかっていないわけですけれども、国のほうでもこの農地中間管理事業制度自体、今後、農家の高齢化とか減少が急速に進む中で、どうしても農地の集積、担い手の集積をやらないといけないというようなことで、国のほうでも一丁目一番地といいますか、非常に大事な事業ということで位置づけをされておりますので、今後ともちゃんと予算も確保されてくるんじゃないかなと思っておりますし、また、本県におきましても同じように高齢化が進んでいく中で、やはり農業生産額をちゃんと維持していく、また、担い手に集積することで農家の所得を上げていくということで非常に大切な制度でもございますので、これまでも県の開促協等を通じて、予算をちゃんと確保してくださいということでも要望をしておりますし、今後ともちゃんと予算の確保をしていただくように要請もしてまいりたいというふうに考えております。 6 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  ただいま、本事業の背景並びに本県における重要性というのをお示しいただいたわけです。やはり七、八年で終わる事業ではないわけですので、ぜひ、今、開促協のお話もありましたけれども、引き続き、予算の確保に全力で取り組んでいただきたいなというふうに思います。  続いて、今度は獣医師確保のところについてお伺いしたいと思います。同じ資料の九十六ページのところです。  こちらは、県職員獣医師を確保するための勧誘等々に四千万円かけてやっているということなんですが、恐らくこの事業があるということは、ほっといたら県職員獣医師って確保できないというそういう背景があるのかなというふうに思って見ているところなんですね。なので、県職員獣医師の概況並びに直近の募集と応募の状況、そして、事業として具体的にどういうことをやっているのかということをお示しください。
    7 ◯佐々木家畜防疫対策監 県職員獣医師の確保の御質問がございました。  まず、県職員獣医師の数の状況と申しますか、農政部におきましては百六名の獣医師がおりまして、内訳といたしまして、家畜保健衛生所に八十三名のほか、本庁、それから畜産試験場等に二十三名を配置しているところでございます。  あと獣医師職員の募集の状況でございますが、本年度は十三名の募集をかけておりまして、六月と十二月に二回の採用試験を実施しております。その結果、二十七名の受験がございまして、二十三名が合格したところでございますが、その後、本県への就職意向調査を実施しましたところ、十七名の学生が本県への採用手続を今済ませている状況にございます。  なお、そのうち十三名の学生が新卒者、今度卒業される学生さんでございまして、獣医師国家試験合格発表状況を今、注視しているところでございまして、あとまたこの獣医師確保事業の内容でございます。一つは、国内の獣医系の大学が数多くございますが、その大学を訪問いたしまして、学生に対しまして、本県の畜産の概要、魅力、それから県獣医師の業務の内容を説明させていただいておりまして、本県獣医師採用試験受験勧誘をいたしております。それから、あわせまして本県及び県内の公的団体に勤務をしようとする獣医系大学の学生に対しまして、就学資金を貸与いたしております。これにつきましては、国公立大学につきましては月十万円、それから私立系の大学につきましては月十二万円の貸与を計画しておりまして、最高六年間という貸与の内容になっております。一年当たりの新規の貸与は五人以内ということで計画をしております。  あと一つは、本県特に独自の取り組みとしまして、職員立案型の研修と申しまして、まずは鹿児島県に採用した後のスキルアップをしていただくということで、職員みずからが計画をいたします職員立案型の研修というものを準備いたしておりまして、入ってきてからもこういうことができるんだよというような勧誘に、一つのツールとして準備をしておるところでございまして、一年当たり国外研修を一人、それから国内研修を二人見込んでおるところでございます。 8 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  農業産出額の中でも過半を畜産が占める畜産県における本県において、やはり県職員獣医師重要性というのは非常に高いというふうに認識しております。その中で、直近年度応募状況募集状況をお示しいただいたわけですが、非常に大変な中でやられているんだなというのも今の数字でわかるところですね。二十七人受験して二十三人合格を出したけれども、恐らく六人が辞退をして十七名が手続をやっていると、非常に大変な中で集めていらっしゃるんだなということは理解をいたしました。  その中でお伺いしたいのが、今、貸与制度を計画されているということなんですが、こちらは、もちろん通常は返還義務があるわけなんでしょうけれども、よく人のお医者さんである自治医大方式みたいなものなのか、普通の貸与方式なのか、そこを教えてください。 9 ◯佐々木家畜防疫対策監 これにつきましては、貸与をいたしまして、その後、鹿児島県の獣医師として入庁していただきました場合、貸与期間の一・五倍以上連続して勤務していただいた場合、全額返還免除をいたすものでございます。  それから、あと県ではございませんが、県内の公的団体に同じく貸与期間の一・五倍以上連続勤務していただたいた方につきましては、半額の免除というふうな取り扱いをいたしております。 10 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  六年貸与を受けて九年勤務すれば免除されるという、お医者さんのほうでやっている自治医大方式と同じ仕組みであることを確認いたしました。これは非常に有効な方策であると思いますので、ぜひ今後とも推移を見守っていきたいなというふうに思っております。  最後に一点、農政課に、かごっまの味の三百万円の事業についてお伺いしたいなと思っております。  本日お伺いしたいのは、これは今後、輸出、商工サイドとの連携というのはどういうふうにお考えなのかなというふうに思っています。といいますのも、商工サイドでは、焼酎の輸出というのに芋、黒糖を含めて取り組んでいらっしゃるわけなんですけれども、私、常々、やはり焼酎単独じゃなくて、当然この鹿児島でずっと長い間、だいやめ文化等々親しまれてきたわけですので、鹿児島の味とセットで売り出せないのかなというふうに考えてまいりました。  そこで、今回、伝統的なかごっまの味を保存、発掘していくというすばらしい取り組みだと思いますが、そこから発掘、保存したものを、伝統を例えば焼酎とセットで海外に売り出していく、国内に売り出していく、そういうビジョンというのをどのようにお持ちなのかということを教えてください。 11 ◯横山農政課長 委員から御質問がありました「かごっまの味」制定普及事業ですけれども、来年度におきましてはまさに、かごっまの味ということで、次世代へ継承したい本県の郷土料理等を県民に選んでいただいているというところで、その過程で県民の皆様に本県の食についてもっと意識を醸成していこうと、県民の皆様の間で意識を醸成していこうということがまず来年度の事業でありますけれども、当然その効果といたしまして、食育地産地消の推進はもとよりですけれども、鹿児島農林水産物普及促進、あるいは観光客へのPRというものも当然視野に入ってくるものと思っておりまして、さらに、その次の年度以降の取り組みといたしましては、そういった観光とも連携をした、かごっまの味のPRというものを観光サイドとも連携して進めていきたいというふうに考えております。 12 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  ぜひ、単に次世代に伝えるだけではなくて、今、御説明いただいたように、観光サイドとの連携、そして国外、県外に物を売っていくサイドとの連携というのを今後とも進めていただければなというふうに期待しております。  以上です。 13 ◯小園委員長 ほかにありませんか。 14 ◯たけ委員 三島、十島,両村とも今、人口がふえていますね。その中で特に十島村では、一千万農家が二つあったのが五つぐらいまたふえてきたというのがあって、非常によくなったんですが、畜産というのは大きなキーワードになると思うんです。その中で粗飼料を三島、十島は今まで船で買ってきて、ためていた。ところが、大田課長さんが一生懸命やっていただいて、今それに対する研究を大学とやっていらっしゃいます。その結果がわかれば、わかるところで結構ですので、よろしくお願いします。 15 ◯大田畜産課長 三島、十島につきましては、放牧を主体にした肉用牛繁殖経営がなされているところでございます。そういう中で冬場の粗飼料不足というのが非常に懸念されて、それについての対応という意味では、本土から購入して使っているという実態があります。  そういう中で、周年放牧の中で給与されている琉球竹大名竹ですね、これをやはり冬場に枯れていくので夏場の葉っぱが生い茂っている中でサイレージ化できないかということについて、大学とも連携しながら今、畜産試験場取り組みをしているところです。  先般、現地でサイレージの試験をした結果、給与試験まで一応やっているところですけれども、おおむね一頭当たり三キロないし四キロぐらいのサイレージを摂取しているという状況が確認されておりますので、今後はさらにこれをもっと広げて、できれば地域の中で定着するような仕組みをつくっていきたいというふうに考えておるところです。 16 ◯たけ委員 今、課長さんからありましたように、地域に資源があるわけですね。その資源を粗飼料にできるということは、競争力という意味でも、収益力を上げるという意味でも非常にいいことです。特に、今ありました三島、十島では畜産というのが収益の大きな柱なんですね。後継者を育てていくという意味でも収益力アップということはとても大事だと思います。  また,竹の粗飼料が成功しますと、粗飼料対策ができるだけでなく,今度は三島、十島の大名竹琉球竹を県外にも、各地区へも販売することもできるということになりますので、今後ともよろしくお願いいたします。  十四ページの中で桜島の降灰による農作物被害ということで、被覆施設洗浄施設整備等に取り組むとあります。  今、桜島では火山が隆起していまして、相当灰もたまって、非常に被害も大きくなりつつあるんですが、その中で洗浄機といいますか、ブロアといいまして、空気で大根についた灰をとるという機械があります。大根の葉っぱに灰がつくと光合成ができなくなって大根が小さくなったんですね。二、三年前、本当に小さくなりました。ところが、ブロアを導入していただいて、二十四台、二十四農家にわたりました。それで一挙にまた大根が大きくなりました。  そういう意味で、これを参考にしていただいて、ほかのところでもぜひやってほしいんですが、桜島火山周辺地域防災営農対策ではあとほかにどのようなことをやられていくおつもりなのかお伺いしたいと思います。 17 ◯横山農政課長 活動火山周辺地域防災営農対策事業におきましては、基本的に降灰の除去のための除灰機、あるいは洗浄施設機械、あるいは降灰を防止するためのビニールハウスの整備といったものを中心にやっておりますけれども、それに加えまして、例えば、試験研究のようなものもやっております。例えば、桜島直近地域におきまして火山ガスが発生しておりますけれども、火山ガスに左右されないような営農技術の確立ということで、農業開発総合センターにおきまして火山ガス実態調査、それからハウス内の換気技術の開発というのを今年度まで進めてきているところでありまして、また、今年度から来年度にかけて換気システムの効果の確認をしていこうと。営農技術の確立までいきましたら、それを実用化していきたいというふうに考えておるところであります。  また、来年度におきましても、茶の総合的な降灰除去体系の確立ということで試験研究を進めていきたいと考えておりまして、そういった施設の整備あるいは機械の整備とあわせてそういった試験研究も行っていって、総合的に降灰対策を実施していきたいと考えているところであります。 18 ◯たけ委員 結構な金額が予定されておりますね。もうさっき言いました大根においては革命的なんですよ。今までこういうことはできなかった。竹のササでとっていて、全部とれなかった。傷んでいた大根の葉も傷まなくなって、葉っぱもきれいにとれて大根が一挙に大きくなりましたので、ぜひ見学していただいて、これぐらいすばらしいものだということを、こういう洗浄機械の導入ということはどれだけ農業にとって大切かということをまた見ていただいて、またミカンのほうはまだ対策が途中ですので、ぜひお願いしたいと思います。  その下の鳥獣による農作物被害を軽減するため、ソフト・ハード両面にわたる総合的な対策とありますね。ことしは鳥が多くて、もう本当に全滅に近いぐらいだった。地上戦ではイノシシが下を食べますね、空中戦では鳥が食べて、カラスがもう一度におりまして、それからその後、ヒヨドリがおって、一挙に来て、もうおいしいミカンなんかも完全にやられるんですが、イノシシのほうは大分減っているんですが、鳥のほうの対策をどのような方向で考えておられるかお伺いしたいと思います。 19 ◯満薗農村振興課長 鳥獣被害対策のうちの鳥、特に被害が大きいのがヒヨドリということで、このヒヨドリについては隔年といいますか、一年置きの被害が大きくなるような状況が見られておりまして、昨年度はかなり少なかったんですけれども、ことしはヒヨドリの飛来も多いということで、現在、各地域にいろいろ聞き取りをしていきますと、一昨年ほどは被害の状況はないものの、やはり被害が出ているというようなことを聞いております。  この鳥獣被害防止対策の中の国の交付金事業を使って、例えば果樹ですと防鳥網を設置するですとか、そういうものも定額補助自分たちで設置いたしますと、定額といいますか、一〇〇%の補助でできるようになっておりますので、そういうものを推進して実際使っていただくということで取り組みをしているところでございます。 20 ◯たけ委員 今ありましたように、隔年といいますか、二、三年に一回は確実にあります。それも予想がつきますので、早いうちに対応いただきますことをよろしくお願いします。  私からは以上です。 21 ◯小園委員長 ほかございませんか。 22 ◯遠嶋委員 一点は要望と一点質問させていただきたいと思います。  まず、要望ですけど、予算特別委員会、それから昨日の委員会での審査の中で水門管理人を含めた農業用水の取水の件のお話をさせていただきました。すぐ対応していただいたことに心から感謝を申し上げたいと思います。  その後、いろいろ考えたんですが、例えば、堤防の内側に水田が残って、農業をする人が全くいなくなったということを仮定した場合に、水門は残るわけですよね。だから、そういう安全をどう図っていくのかとか、あるいは全くいなくなったんじゃなくて、例えば、一人とか二人とかという場合には非常に負担が大きくなるという場合もあるわけですね。それと、たまたま今回の場合は事業規模が百万ぐらいということですから、全体を改修するとなってくると数百万とかという規模になっていけばやはり負担が結構大きくなっていく可能性が高いわけですね。  ですから、今からは農業をされる方が激減して、特に住宅地周辺はそういう傾向が強まっていく可能性が高いと思うんですね。ですから、そういう場合を想定した何らかのスキームというんですかね、ぜひ検討していただきたいというのが要望です。  二点目はTPPのことをお伺いしたいんですけど、ほかの部局ではTPPの話が出てこないものですから、お伺いしたいと思うんですけど、TPPの場合は、特に農業分野が非常に注目をされているわけですけど、例えば、商工労働水産部関係の部分とか、あるいは保健福祉部関係とか全ての分野にかかわっていくと思うんですけど、政府調達とか、そういうことを含めてもし全体的な状況で、わかっている範囲で結構ですので、報告をしていただければありがたいと思います。 23 ◯横山農政課長 TPP交渉におきましては、委員御指摘のとおり、物品市場アクセス以外の分野でも交渉が進められているところであります。  したがいまして、二月、先月にTPP政府対策本部におきまして各都道府県向け説明会がございましたけれども、その説明会の席上でも本県から、その他の分野についてどういう状況かという質問をさせていただいているところですが、政府対策本部の説明としては、政府調達、あるいは医療保険制度、あるいはSPSといった食の安全の問題、そういった分野について、特に我が国として問題となっているような状況はないというような説明があったところであります。  ただ、今、報道等にもありますとおり、米国において、TPPを含め経済連携を進めていく上で大統領に貿易促進権限を付与するため、いわゆるTPA法案というのが提出されるというような話もございまして、今、事前調整が行われているということですけれども、今後提出されるということになっていると思いますけれども、そこで議会のほうでどういう条件が付与されるかというのもありますので、そういった状況もよく注視をしながら、またこれから情報収集に当たっていきたいというふうに考えております。 24 ◯遠嶋委員 日本で問題になるような部分というのは今そんなにないかのようなお話だったんですけど、例えば、郵便局がアフラックを取り扱うようになりましたよね。それから、今、農協改革がずっと言われているわけですけど、最終的には農協の貯金とかそういうところがターゲットにされているのかなと思ったりするわけですよね。  ですから、既に、例えば、介護の職場に外国人労働者が入ってくるとか、門戸がどんどん今広げられようとしているわけですが、こういう過程の中でこういう議論が既にされているわけですから、私はTPPの露払いみたいなふうに見えてならないわけですよね。そういう傾向といいますか、そういう意味合いがないのかお伺いしたいと思うんですけど。既に今,個別の事例を三つぐらい言いましたけど、そういう関連がないのかなと思ってですね。 25 ◯横山農政課長 個々のいわゆる郵政の話とか、介護労働の関係とか、その辺は政府において進めているもの、特にTPP交渉の結果、あるいはTPP交渉を進める上でそういう措置をとったというような説明は行われていませんので、個々の各措置だということだと思いますけれども、それぞれの措置については、国内の施策としての措置ということで、またそれは必要な要請があれば、それは各部の責任において行っていく必要があるというふうに考えております。 26 ◯遠嶋委員 そういう説明がないというのは、もうそうだろうと思います。  しかし、私はそういうふうに思えてならないわけですが、特に農協改革については、全中全廃とか、ちょっと驚くようなそういう施策なんですけど、鹿児島的に言うと、やはり農協の存在というのは、特に地方に行けば行くほど大きいものはあると思うんですよね。だけど、中心市街地に行けばどっちかというと金融機関的な側面が大変大きくて、もうちょっと農協が農村に寄り添ってもらいたいという気持ちは私も含めてあるわけですけど、この農協改革というのもどうもやはりTPPの露払いみたいにしか見えないものですから、交渉は締結はしていないんですけど、それを視野に入れた国内改革というか、ずっと進んでいるというふうに私は思います。  ですから、もうちょっとその辺の情報収集というか、あえて結びつけることは政府はしないと思いますけど、そういう観点からも注目をしながら、結果的に日本の今までのいいきずなというか、そういうのが破壊、崩壊してしまいかねないような中身になっていますので、ぜひその辺も注視をして今後対応していただきたいというふうに思います。  以上です。 27 ◯小園委員長 ほかにございませんか。 28 ◯酒匂委員 お米の関係を改めてお聞きしたいんですけれども、昨年は結構お米の値段が下がってしまって、赤字で大変だったと聞いていますが、全体的にどういう状況に、なぜ、どういう理由でなったのか改めて説明をお願いします。 29 ◯久保農産園芸課長 昨年は米の価格が、今、相対取引価格というのが出ていますけれども、全国的に、また県内でも昨年に比べますと二千円程度の価格下落で推移しております。これにつきましては、いわゆる米の在庫の水準というのが、平成二十四年度は全国で百八十万トン程度のものがあったんですけれども、二十五年、二十六年になりますと、二百二十万とかそういう高い水準でなっているということで、そういう在庫の水準の高いところがまた一つ価格に影響したと。それと、そういう需給が緩和する中で早く売っていこうというところもあって、価格に影響したところもあるようでございます。 30 ◯酒匂委員 そうしますと、例えば、大口とか伊佐のほうとか、ああいう大規模農家とか、米で食べている方々も結構多いと思うんですが、そういう方々はほとんど赤字だったという現状があるんでしょうかね。 31 ◯久保農産園芸課長 全体的に収支というものを全て把握しているわけではないですけれども、単価的には二千円下がるとなりますと、特にまた大規模な経営の農家の方々におきましては、そういう収入の減少というのが懸念をされたところでございます。  そういった面で、国のほうでは昨年の十一月に、米の下落対策ということを受けまして、そういう収入減少に対するセーフティネット資金の一年間の無利子助成とか、あるいは米におきましては、価格差を補填するいわゆる減反対策、七千五百円というのを十アールに支払っていますけれども、そういったものを年内に早急に支払って資金繰りに対応するとか、そういったことへの対応もとられたところでございます。 32 ◯酒匂委員 そういう中で、米づくりというのが、米農家とか含めまして、つくってももうからないからというような声も結構聞いたものですから、魅力あるような、収益の上がるようなことになっていくのかどうなのか。  今回、補正で多様なかごしまの米づくり推進事業とかいろいろ入っていますけれども、先ほど言われた国の新しいセーフティネットを含めまして、今年度以降、また、これからさらに人口もどんどん減っていくし、飼料米にもし変えたにしても、今度は畜産の消費も、海外に活路を見出す以外は国内はどんどん人口減少をしていくという中にありまして、米づくりというものがこれから長期的なビジョンの中でどうなっていくのかなと思っているんですが、その辺はどんなものでしょうか。 33 ◯久保農産園芸課長 先ほどの米の下落対策のところでちょっと申し忘れましたけれども、国のほうも平成二十六年度の補正におきましては、今回、二十七年産の主食用米に対して、これは需給調整を図っていくということなんですけれども、そういういろいろな生産に係る資材費、これにつきましては、ある程度のコスト低減を図っていくという計画を立てた上で取り組んでいくんですけれども、そういう取り組みに対する助成等もやったりとか、あるいは共同利用の機械の整備とか、そういったこともしながら対応していくことにしていますけれども、今後の方向につきましては、私たちのほうでは、米づくりという意味では、いろいろ多様な米づくりを進めていかなければならないと思っています。  米につきましては、主食用米につきましては、先般、あきほなみが良食味で特Aを取りましたけれども、そういった良食味の米づくり、主食用米としてですね、それから、あるいは今、食の外部化というのが進んでおりますけれども、外食用向けという意味では、ある程度品質を確保しながら量をとってリーズナブルな価格で供給できるようなそういうお米の生産、それから県内の地場産業、畜産業とか焼酎産業とも連携した飼料用米、加工用米とか、そういったもので米全体ではそういう多様な米づくりをしながら需給調整を図っていきながら、米の価格が少しでも安定するような取り組みを進めていこうかなと思っております。  全国的には消費の減退がありまして、今回の生産数量目標面積もまた下がったわけなんですけれども、そういう多様な米づくりをしながら、また一方では、水田のほうでは野菜等の産地づくりを進めて水田利活用をして、米づくりとあわせてそういう全体の需給調整が図れていけたらなと思っているところです。 34 ◯酒匂委員 わかりました。 35 ◯小園委員長 ほかありませんか。 36 ◯松田委員 幾つかお願いしたいと思います。  先ほどもありました鳥獣被害対策の関係なんですけれども、うちの代表質問の中でも準備はしていたんですが、出さなかったんですけれども、ジビエとの関連なんですけど、現実、イノシシとか、シカとか、ジビエの指針を国が出して、県も指針を出しているということで、その効果というか、現状について説明をまずいただきたいと思います。 37 ◯満薗農村振興課長 ジビエの活用についてでございますけれども、現在、鹿児島県内でジビエの加工ということでやっているところが三カ所あります。阿久根市、それから伊佐市、屋久島町の三カ所で今現在、シカ、イノシシを年間大体千頭ぐらい処理をして、その一部については、スーパーですとか、あるいはレストランですとか、そういうところにも出されているという状況でございますが、なかなか経営的には安定的に販売ができにくいですとか、あるいは安定的に原材料というのが集まらないですとか、そういうところで一部は厳しい状況にあります。  そういう中で、ジビエの衛生管理の指針ということで、国のほうも昨年、策定をされたところです。県につきましても、二十五年にガイドラインを策定しておりまして、それに基づいて、県下の関係者の方々はそれをもとにいろいろなジビエの加工というのを取り組んでいただいております。今回、全国のものができた関係で、全国的な統一ということもありまして、またこういう取り組みができれば、ジビエの消費拡大にもつながっていくのかなというふうに考えております。 38 ◯松田委員 ありがとうございます。  業として成り立つかどうかという部分が非常に悩ましいところだと思います。まず、消費があるかというのと、消費があれば今度はとれるかという部分の関係性の中で誘導していただいて、最終的に被害が少なくなればいいわけですから、アイデアを出して、指針がせっかくできているわけですから、その運用の拡大に努めていただきたいと思います。  それからもう一点ですが、農地中間管理事業の二十ページの話なんですが、現地駐在員を新たに設置するということ、それから市町村推進員を増員するということなんですが、この人数とか、具体的にどういう仕事をされるのか御説明ください。 39 ◯満薗農村振興課長 中間管理事業の現地駐在員の関係なんですけれども、ことし初年目ということでスタートをしたわけですけれども、なかなか農地の流動化につきましては、取り組み的には非常にパワーが要るといいますか、労力が要ることでございまして、やはりどうしても現地の現場ではマンパワー不足というのが否めないというようなことで、来年度から農地中間管理機構に現地駐在員を置くということで、それぞれの振興局、それから大隅地域においては畑かんセンターも含めて八名の現地駐在員を置いて、それぞれ今現在、モデル地区を四十九地区ほど設定をしておりますけれども、そういうもののモデル地区を中心に指導していただいて、実際のマッチングまでつなげていくということをやっていくということで考えております。  それから、中間管理事業につきましては、市町村に業務委託をしてやっているわけですけれども、その業務委託の中で各市町村ごとに推進員を置くことができるようになっております。今年度については十名ほど、事業が途中からスタートというような形だったものですから、十名ほどしか推進員を置いていなかったんですけれども、来年度につきましては、現在のところ三十六名ほど各市町村に置いていただくようになっておりますので、そういう方々と、先ほど言いました機構の推進員の方々、あるいは地域の市町村と連携しながら、この事業を一層加速させていくということで考えているところでございます。 40 ◯松田委員 御説明ありがとうございます。  ざっくり、結局これも貸し手の側と借り手の側の数の問題が、バランスの問題ですが、今の課題は表記の部分でいくと貸し手が少ないということでいいんですかね。 41 ◯満薗農村振興課長 貸し手だけの問題ではなくて、やはり農地の流動化を進めていくということで担い手に集積していく場合に、当然どういう形で地域の農業を今後考えていくんだということをじっくり、人・農地プランを中心に今いろいろ話し合いを続けていただいているわけですけれども、そういうものを実際に具現化していくということでもこの推進員の方々に実際に動いてもらって、当然、出し手の掘り起こしもやりますし、借り手の方々の募集なんかも同時にあわせてやっていって流動化を進めて、担い手集積を図っていくということになると思います。 42 ◯松田委員 ありがとうございます。  立ち上げたばっかりですから、まだまだいろいろな悩みが出てくるとは思うんですけれども、地元の方から見ると、新しい制度ができて具体的に何が変わったという実感がないと、信用性というか、せっかくここまでやっているのに余り変化がないと期待されないのかなというのもありますので、そこは今まさにマンパワー不足に対してこうやって人を配置する分、その方々にしっかりまた訴えていただいて、まさに地域の将来を考えるためにこの中間管理機構を使いながらどうしていくのかというのが地域の方々の話題になっていくと、まさしくこういう制度ができた意味があるのかなと思いますので、取り組みを進めていただきたいと思います。  以上です。 43 ◯小園委員長 ほかありませんか。 44 ◯大久保委員 私から幾つか質問させていただきます。  昨日、かごしま食と農の県民条例に基づく基本方針というものが示されたわけですけれども、これの最後のページに、十二ページですね、第三、本県の食、農業及び農村の振興に関する目標ということが幾つか掲げてあるんですけれども、その中で、担い手への農地集積率が三七%を平成三十七年度を目標年に九〇%へ持っていこうとされております。  全体を通して見たときに、農業生産活動をきちんとしたものにしていかなきゃいけないという部分は理解はできるんですけれども、そういった中で、地形的にも条件不利で小規模を余儀なくされている方とか、資金的、年齢的、能力的なもので大規模化できない農家もいるとは思うんですけれども、そういった中で、そういう小規模農家についての配慮というものはこの基本方針の中では考慮されていないのか質問させてください。 45 ◯満薗農村振興課長 小規模農家対策については、また別途回答させていただきますが、この目標につきましては、先ほど来あります農地中間管理事業を進めていく上で県の基本方針を策定しておりまして、その中で、平成三十五年には国からの要請目標であります九〇%を目指そうということで設定をしてございますので、それと同じような、同じということで九〇%ということを設定させていただいております。この目標につきましては、当然、担い手の方々に集積を図っていくと、先ほど申し上げましたように、農家の高齢化とか、減少とかそういうのが進んでいく中で、担い手の方々にしっかりと農業をやっていただくためには、一方では、やはり規模拡大というのを進めていかないといけないということで進めているところでございます。  ただ、小規模農家の方々も含めて対策もやっていかないといけないものですから、そういう中では、集落営農とかそういう中での取り組みというのもやっていく必要があるのかなというふうに思っております。 46 ◯長田経営技術課長 小規模農家への配慮という形で御質問がございました。  当然、地域の農業・農村を維持発展という形で考えた場合に、一方では生産力が落ちていく中で生産力を維持していかないといけないという政策がございます。それは法人化経営であったり、農地集積という形になろうかと思います。一方では委員御指摘のとおり、小規模農家、高齢農家の課題も十分ございます。これについては、条例の中で掲げてございます農業生産額の話とか、あと担い手の一万戸の話とかいう部分の中で十分考えられているというふうに考えております。  今、農村振興課長からもありましたように、集落営農とかそれぞれの役割を十分に担っていくための話し合い活動を中心とした活動が重要になってくるというふうに思っておりまして、一方では生産力の向上、一方では農村の維持という観点からこの条例の目標も定められたというふうに考えております。 47 ◯大久保委員 豊かで住みよい農村の維持発展ということが目標の中でも掲げられてはおりますので、そういった中で、大規模だけではなくて、担い手の定義にある集落営農という言葉の中に、そういう零細な、小規模な農家も含めた形での扱いを考慮しているという説明と理解したんですが、そういうことでよろしいでしょうか。 48 ◯横山農政課長 十二月議会でも委員から御指摘があったかと思います。  その際に、ほかの委員の方からもいろいろ御指摘があって、大規模法人の推進だけではなく農業経営の推進も重要ではないか、あるいは農村の多面的機能を維持する観点から小規模農家等についても配慮してほしいという御意見をいただいたところであります。その後、パブリックコメントも実施をいたしましたけれども、その際にも、家族農業も地域農業を支える上から極めて重要な役割を果たすものと思われるというような御意見もいただいたところであります。  こういったものを踏まえまして、当然、十二月議会でも各担当課長から御答弁を申し上げましたけれども、ただいまありましたような集落営農などにおいて、多くの農家が参画するような形で進めていくというようなことを骨子の中にも織り込んでいたところでありますけれども、より明確に、家族農業経営ないし、あるいは小規模農家というものをしっかり目配りをしていくということを示すために、基本方針の中でも、例えば、家族農業経営の活性化を図るというような文言とか、あるいは小規模な農業者を含め、地域農業を支える多様な農業者を包含する集落を基礎とした農業者組織、農作業受託組織等について、その活動を促進するとか、そういった文言を入れさせていただいたところであります。 49 ◯大久保委員 それと、今、農業・農村の多面的機能という言葉はいろいろ最近よく言われているところでございます。いろいろな伝統文化の側面とか、あるいは自然環境への貢献、あるいは防災などに貢献しているといった面が言えるかと思うんですけれども、ただ、いまいちそれがもうちょっとわかりやすく伝えられていない面もあるのではないかなと思っています。  いろいろな方から、農家以外の方から、特に商工業の方から、なぜ日本はあんなに農家に対して補助をいっぱい出すのかという言葉がよく言われたりもしています。もう少しわかりやすく、できれば数字的な面で、例えば、たしか前見た数字では、いろいろな洪水防止機能とかそういったもので田んぼとか畑が何兆円か国土保全に役に立っている、お金に換算するとこれだけの役に立っているとかいうような資料も見たことがあるんですけれども、そういった形で、ある意味数字を使ったわかりやすい伝え方というのもこれから必要になるとは思うんですが、そういった農業・農村の持つ多面的な機能への理解を深めるための何か方策とか、そういったものについてはこれからまだ力を入れていく必要があると思うんですけれども、そのあたりについてのお考えを聞かせてください。 50 ◯横山農政課長 まさに委員おっしゃるとおりでありまして、本県もいろいろな形で都市化、あるいは混住化が進む中で、農業・農村に対する理解というのも薄れていく傾向もあるかと思います。  そういった中で、委員がおっしゃるような農業・農村の有する多面的な機能、あるいは本県農業の特徴といったものについて、より一層理解を深めていく必要があるということで、今回の基本方針におきましても、いろいろな広報、情報発信の手段がございますので、ホームページでありますとか、あるいは県政広報番組、あるいは広報紙、あるいはそういった広報媒体を積極的に活用していく、あるいは県政出前セミナーでありますとか、各種イベントなどの機会を通じまして情報発信をしていく、そういったことを先ほど委員からもあった数字なんかも示しながらやっていきたいというふうに考えております。 51 ◯大久保委員 国の安全保障の三本柱、国防、エネルギー、食料ということが言われております。そういった食料において、しっかりとやはり支えていかなきゃいけない、いろいろな農家の所得の補助金の比率というのは先進国では日本に比べて高いところがほとんどだというふうに理解しているところであります。ですから、そういった部分も訴えていきながら、農業を支えていかなきゃいけないというコンセンサスを広げていく必要があるのかなというふうに思うところであります。  続きまして、本県独自の農作物の取り組みの件でお聞きしたいんですけれども、この前の予算説明書の八十六ページにも特産作物振興対策費ということで予算も組まれてはいるんですが、この前、四国に本社のあるサツマイモをお菓子に加工する会社の社長さんの話で、工場を鹿児島の地に置いている理由という話を聞く機会があったんですが、それは、四国でもサツマイモはつくれるんだけれども、鹿児島でつくったほうがいい原料のサツマイモがとれて、鹿児島に工場をつくってお菓子を生産したほうが効率がいいのでそのようにしているというような指摘もございまして、同じ作物でも鹿児島の風土を生かした形でいいものができるものはいろいろこれからもあろうかと思いますが、そういったものを生かすような取り組みが必要になってくるのではないかと思います。
     そういった中で、これはよそでの取り組みなんですけれども、在来作物の取り組みというのを図って、地域の固有性の高い野菜として生かしている地域もあるみたいなんですけれども、鹿児島県においては、そういったアプローチというのは何か県ではされているのでしょうか。 52 ◯小園委員長 暫時休憩します。         午前十時五十二分休憩      ────────────────         午前十時五十二分再開 53 ◯小園委員長 再開します。 54 ◯久保農産園芸課長 在来からある作物の活用という点につきましては、鹿児島県では伝統野菜の取り組みというのはやっております。これは、昭和二十年以前の古くから,地域で従来から栽培されていて、活用されているというものでやっていまして、平成十九年ごろからそういった掘り起こしをしまして、伝統野菜の登録等もやっております。本会議でもありました桜島大根とかああいったものもそういう中に入っておりまして、それを有効利用した漬け物等の加工品づくり、そういったものにも生かしているところでございます。  現在の伝統野菜が二十品目ほど登録されておりますので、それらを今後いろいろな地域の特産品といろいろな面で生かしてPRをしていきたいと思っております。 55 ◯大久保委員 よそがまねのできない農作物があるというのは本当に強みになると思いますし、今、たしか山形県の鶴岡市でそういう在来種の作物をいっぱいPRすべく、地元のレストランと一緒になって全国に発信していって、わざわざ東京から在来種の野菜を使った料理を食べに来るというような取り組みがなされているところもございまして、今後、六次産業化とかそういった可能性を開く意味でも可能性のある取り組みではなかろうかなということを思いまして、質問させていただところであります。  最後に、先ほど米の値段についての質問があったと思うんですけれども、今、米の先物取引がたしか試験的に行われていたように記憶しているんですけれども、米の値段が下がったのは、単なる需給関係だけではなくてその先物市場の影響というのはなかったのか質問いたします。(「暫時休憩をお願いします」という者あり) 56 ◯小園委員長 暫時休憩します。         午前十時五十四分休憩      ────────────────         午前十時五十五分再開 57 ◯小園委員長 再開します。 58 ◯久保農産園芸課長 米の先物取引につきましては、近年、行われているような状況ですけれども、総体的には、大阪のほうでのそういう取引も行われているようですけれども、具体的な、実際的な数量というのが幾らになるのかというのは持ち合わせていませんけれども、かなり数量的には少ないという状況もございますので、それが直接今回の価格に影響しているかというところは考えにくいところがあるかなと思っております。 59 ◯大久保委員 実需に基づかない取引の結果を押しつけられたらたまらないなという思いもございまして、これは米以外でもいろいろな商品の中でいろいろなものが考えられるところがあるものですから、食料というものをそういった市場取引にはなじまないと思っておりますので、そういった影響がないようにしていただきたいなという思いがございまして、質問したところでした。  以上で終わります。 60 ◯小園委員長 ほかに県政一般について質問はありませんか。 61 ◯田之上委員 今、米の問題が質疑が出ましたが、私、予算委員会の中で、やはりこれからの米づくりの中で、主食用米、飼料用米、加工用米、これを団地化をする必要があるのではないかという質問をさせていただきました。そして農政部長から、飼料用米の団地化を図るため、霧島市に低コスト生産技術経営実証圃を設置するとともにというような答弁をいただきましたが、この霧島市の経営実証圃の問題についてお教えをいただきたいと思います。 62 ◯久保農産園芸課長 霧島市では飼料用米の実証圃をやっています。地区でいきますと、隼人地区の干拓が進んだところで大規模なところをやっているんですけれども、ここでは大規模経営における低コスト生産技術の実証ということでやっています。大体五ヘクタール規模の水田で、多収性専用品種のミズホチカラという品種を入れまして、生産の技術とか、あるいは経営の実証というのをやっております。  これ二十五年からやっておりますけれども、大分栽培の技術も確立されたところもありまして、今回のこの霧島の実証圃の中では作付の時期を何回かに分けておりますけれども、大体玄米でいきますと、十アール当たり五百七十キロから高いところは六百八十キロということで、霧島市の標準的な生産収量というのが四百八十キロぐらいですので、それよりも八十キロから二百キロぐらい多めにとれるような実証がされているところでございます。 63 ◯田之上委員 それでは、もう要望をいたしておきます。  この委員会でありましたが、米の価格、米の政策あるいは茶の値段が下がったということでも意見書を実は提出させていただきました。答弁にもありましたが、今後、稲作農家の経営安定と生産性の高い水田農業の確立に努めてまいりたいという部長の答弁でありましたので、どうぞ二十七年度はしっかりと米政策に取り組んでいただくようにお願いを申し上げまして、終わります。 64 ◯小園委員長 ほかにありませんか。 65 ◯き久委員 食の安全推進課に一点ほどお尋ねいたします。  きのうの予算等説明書の七十一ページなんですが、特殊病害虫対策費として四億二千六百万円ほどが計上されております。長年の課題で喜界島のアリモドキゾウムシ、また、今回は、カンキツグリーニング病の根絶、ウリミバエの侵入と、対策として計上されておりますけれども、この予算の四億二千六百万円の中でアリモドキゾウムシとカンキツグリーニング病、ウリミバエ等の予算配分というのはおわかりになるんですか。 66 ◯島津食の安全推進課長 特殊病害虫の対策費でございますけれども、全体が四億二千六百四十九万二千円です。一番大きいのがアリモドキゾウムシの根絶事業に係りまして、これが三億円、そして、アリモドキゾウムシのことし防除施設の整備事業を行っているんですけれども、これが六千万円、そして、カンキツグリーニング病の侵入警戒調査が二千四百十四万円、そしてカンキツグリーニング病の防除対策、これは発生地区に対するものです。これが二千八百万円程度、そしてもう一つがウリミバエ等の調査事業というのもやっております。そのほかの病害虫、これが一千万円程度、そして、本県には発生はないんですけれども、プラムポックスウイルスという、この感染に関する侵入警戒調査が百二十万という内訳になっております。 67 ◯き久委員 毎年、皆様方には大変御苦労をいただきながら、国の理解もいただきながら、特にアリモドキゾウムシの対策等を推進いたしておりますが、私の記憶ではもう十何年だと思うんですけど、アリモドキゾウムシ対策の年数、そして、今まで投入した財源、もしくは喜界島における当初計画の何割程度を対策をして、その進捗状況、成果というのはおわかりですか。 68 ◯島津食の安全推進課長 アリモドキにつきましては、平成六年から平成十二年にかけまして、まず、どういうやり方で根絶していけばいいかというのを上嘉鉄地区というところで研究をいたしました。現在は、密度抑圧という、虫の密度を抑圧する、それから不妊虫を放飼しまして、虫の効果を抑えるというやり方をやっているわけですけれども、これは平成十三年から取り組んでおります。  さらにこの効果を高めるために、来年度からは、例えば、誘殺剤をつけましたテックス板というのを落としまして、いわゆる雄の成虫の除去ですとか、あるいは野生の寄主植物の除去などをやっておりますけれども、これをさらに、例えば山ですとか、なかなか人が入りにくい場所に置いても効果的にやれるように有人ヘリを用いまして、不妊虫の放飼等も今後やることにしております。  なかなか一足飛びに効果は上がっているところではないんですけれども、今、全体で喜界島は五千七百ヘクタールほどの防除にかかっているわけですが、今年度末で約千七百ヘクタールにつきましては、ほぼゼロの地区ということになっております。毎年五百ヘクタールずつゼロをふやして喜界島の防除を確実にやっていくというところで今やっているところでございます。  方法につきましても、来年度は有人ヘリを用いまして、今まで人の手でしか不妊虫の放飼ができなかった部分につきましても放飼ができるようになりますので、さらに効果は上がっていくというふうに期待をしているところでございます。 69 ◯き久委員 平成六年からやっていますから、約二十年等々、予算も数十億だというふうに私は認識をしております。アリモドキゾウムシの根絶に向け、そして、当然、サツマイモに特殊病害虫が寄生するわけでありますけれども、それが根絶できることによっての奄美群島の新たな農業の振興というか、そういったのに寄与するものだという認識はしております。  ちょっと心配なのは、この予算財源を見ましても、国庫から四億一千万円、一般からもでも六百万円ぐらい、割合的にも国の農水のほうへのお願いをせざる得ないということなんですけど、要は、費用対効果を国がどういうふうに見ていらっしゃるのかとか、今後、この事業の必要性、重要性をどういう視点で捉えているのかと、一例で沖縄の家島でしたかね、向こうで一回根絶されて、またそれがアリモドキが出てきてどうのこうのということも聞きましたけど、情報としてもし得ているんでしたら、課長さんで、もしくは部長さんで国に毎年予算計上を要望されるわけですけど、この費用対効果、もしくは将来的な視点に立ったときの事業の継続性というか、そういったものに対して何か国が言っていたとかそういう情報はございませんか。 70 ◯島津食の安全推進課長 アリモドキゾウムシにつきましては、委員御指摘のとおり、サツマイモにとっての大害虫でございます。このアリモドキゾウムシがいますと、そういったサツマイモ等を出荷できないということで、なかなか一気にというわけにはいかないんですけれども、この鹿児島で防除事業につきましてきちっとやっているということで、これ以上、北のほうに対してこのアリモドキゾウムシが上がっていかないというところが非常に重要な視点であるというふうに国も評価をしておりまして、根絶事業につきましては、今、国庫は全てついております。  これ以上、上の地域に上げてサツマイモ等の出荷ができないというようなことにならないようにというような効果というところを政策的に国は評価をしておりまして、現在のやり方につきましても、毎年、今のやり方がいいのか、さらにどういうやり方をしたほうがいいのかというのは、いわゆる大学の先生なども含めました形でやり方については毎年国と打ち合わせをしながら進めておりますので、アリモドキゾウムシの根絶事業というのは、鹿児島県にとりましても、ひいては、日本にとりましても非常に重要な事業であるというふうに国は認識しているというふうに思っております。 71 ◯き久委員 ただいまの説明で国としては費用対効果というか、それを細かく重箱の隅をつつくぐらいの視点から言うと、何十億も投入して云々だろうと言う人もいないとも限りませんけど。ただ、サツマイモの置かれている県農政の振興を含めた全体的な総体論からすると、重要性を認識しているのかなという感じはしました。  一時、指宿のほうにも上陸というか、上がった時点があったんですよね。今、課長のお話では、完全に根絶したと、根絶というか防御できたというような視点ですから、また今後もこの事業の推進にしっかりと取り組んでいけるように、また全員で頑張っていければと思います。  以上です。 72 ◯小園委員長 ほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 73 ◯小園委員長 ほかにないようですので、以上で、当委員会に付託されました議案等の審査は全て終了いたしました。  委員長報告につきましては、文案は当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 74 ◯小園委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。  次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条の規定に基づく閉会中の委員会活動についてお諮りいたします。  請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件につきましては、商工業及び観光振興対策について、労働対策について、水産業振興対策について、農業振興対策についての四項目といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 75 ◯小園委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたします。  ここで、大久保副委員長から発言を求められておりますので、これを許可いたします。 76 ◯大久保副委員長 ここで、御提案申し上げます。  既に皆様御承知のとおり、当委員会のたけ委員が今期限りで御勇退されることを表明されております。  つきましては、ぜひ一言御挨拶をいただければありがたいと思います。  どうぞよろしくお願いします。 77 ◯たけ委員 今期限りで、十六年間、本当にお世話になりながら終わることになりました。  とにかく大好きな農業、水産業、それから観光ですね。そして、いかにして人をふやすかということでモデルとして三島、十島というキーワードにしてきました。何とか人もふえてきました。これをこれから観光、農業、それからインターネットを使ったもの、それから畜産ですね、それをしながら、鹿児島のモデルになって地方再生を徹底的にやってみたいなというところがありました。  これからは一県民となりまして、また、皆様方にいろいろ御相談し、そして、自分としてもこれから、少し話しましたが、機能性というのが大きなものになります。だから、農業部門にしても、それから水産部門にしても機能性ということと、それからいよいよ三つの世界遺産登録が予定されておりますので、特に沖縄、台湾まで含んだ南に開かれた鹿児島ができればと思います。  そういうことでこれからも一県民として一生懸命お支えできたらと思いますので、今後ともよろしくお願いします。  本当に十六年間ありがとうございました。(拍手) 78 ◯小園委員長 ありがとうございました。  それでは、本日で、農政部の皆様方とこのメンバーによる産業経済委員会は最後となりますので、当席及び副委員長から一言御挨拶を申し上げたいと思います。  皆様、一年間大変お世話になりました。ありがとうございました。  たけ委員におかれましても、本当に御苦労さまでした。  最初、たけ先生とお会いしたときに、桜島小ミカンとブリ大根の話を熱っぽく話されるのをお聞きいたしまして、何か選挙の話を聞きましたら、選挙の演説でも桜島小ミカンとブリ大根しか言わないということで、随分選挙の心配をしたことを今思い出しておりますけれども。  きのうはいろいろなお話をしておりましたら、クロマグロ、ワカメ、ヒジキ、サワーポメロは私どもは朝いつもいただいているんですが、急速冷凍のキビナゴのこと、国文祭のこと、台湾の宜蘭県のこと。きのうは最後に、今度はたけ先生が竹をやるんだって言っていました。たけ先生が竹をやる、中身をまたいろいろお聞きせんといかんと思うんですが、竹の振興もこれから頑張っていきたいということを言っておられました。私どもも、たけ先生がいろいろなところに種をまいてくださったことを大事にしながら、これからも議員活動をしてまいりたいと思います。本当に長年の間、御苦労さまでした。  きょうは上野委員は来ておられませんけれども、上野委員におかれましても本当に御苦労さまでございました。  この委員会はやはり鹿児島県の根幹をなす農政部という一番大事な部を持っている委員会ではないかなというふうに思っております。今、私どものまちでもオクラの苗床の準備が始まりました。芋の植えつけも始まりました。そして、農家の皆さん方が一生懸命いろいろな問題に取り組んでくださることによって喜んでいく顔を見るのが、私どもはこの仕事をさせていただいての一番のやっぱり安心してありがたいなと思う瞬間でもあります。どうか鹿児島県で多くの県民、そしてまた農業に携わる人、これからまた農業を目指す人、そういう皆さん方が希望を持っていつまでも働いていけるようにいろいろな手だてをこれからもよろしくお願い申し上げたいと思います。  一年間本当に御苦労さまでした。ありがとうございました。(拍手)  それでは、大久保副委員長、お願いいたします。 79 ◯大久保副委員長 この一年間、副委員長として委員長を補佐してまいりましたけれども、委員の皆様、そして執行部の皆様方には大変お世話になりました。感謝申し上げます。おかげをもちまして、円滑な委員会運営、そして、充実した議案審査等ができたのではないかと思っております。  新年度からは違う枠組みの中で県政にかかわっていくことになろうかと思いますけれども、皆様方のさらなる御活躍、そして御多幸並びに鹿児島県の発展を祈念申し上げまして、副委員長としての御挨拶とさせていただきます。  本当にありがとうございました。(拍手) 80 ◯小園委員長 この際、申し上げます。  この三月末をもちまして、吉嶺農業土木技監、紺家獣医務技監、山下農協指導監、陣尾総括工事監査監におかれましては、退職の予定だとお伺いをいたしております。  長年にわたり県勢発展のために御尽力をいただきました。これまでの御労苦に対しまして、心から敬意を表するところでございます。  本当に御苦労さまでした。(拍手)  それでは、最後になりましたが、執行部を代表して、福田農政部長さんに御挨拶をお願いいたします。 81 ◯福田農政部長 それでは、お許しをいただきましたので、執行部を代表いたしましてこの場で一言御礼の御挨拶をさせていただきたいと思います。  小園委員長、大久保副委員長を初め、委員の皆様方には、この一年間、農政のさまざまな課題につきまして、御指導、御助言いただきましてありがとうございます。特に、農政、今大きな変わり目を迎えておりまして、先ほど出ましたけれども、TPP問題とか、まだまだ目を離せない課題もあります。また、農協改革を初め、国のほうでは大きな改革をまだ進めているところでございます。  また、いろいろと御議論いただきましたけれども、農地集積の問題でありますとか、水田農業の問題、また、ブランド品目のブランド産地づくりの問題、また、家畜防疫、鳥獣害の被害問題、いろいろな問題もいただきましたし、また、前向きな課題といたしましては、そういう本県の農畜産物を国内外にどう販路を拡大していくかというようなことの御議論もいただきました。こういう皆様方の御意見というのは、我々が今後施策を進める上では非常に有意義な御意見であったろうかと思います。そういうのを参考にしながら、また今後さらに農政部一丸となって農政の推進に邁進したいと思っております。  幸い、今度、大隅加工技術研究センター、ことしの四月一日に開設いたします。こういう新しい高付加価値型農業に向けての取り組みというのも動き出すことになります。私たちはそういう観点からも今後ますます努力していかなければならないかと思っております。  最後に、かごしま食と農の県民条例に基づきます基本方針を議論いただきましたけれども、これが今後十年間、我々が向かうべき基本的な方向をまさに示しているものだと思っておりますし、目標も産出額の二割アップでありますとか、担い手の農家所得の向上でありますとか、輸出額の倍増というような非常に高い目標を掲げております。我々はしかし、この目標の実現に向けてさらに一層努力する所存でありますので、今後ともよろしく御指導、御支援お願いしたいと思います。  また、委員の皆様におかれては、今後、県政のまた広い分野で御指導、御助言いただくことになると思いますけれども、今後ともよろしくお願いいたします。  また、今回勇退されますたけ委員、上野委員におかれましては、長い間、本当に農政にいろいろな面から御指導、御助言いただいたと思っております。心から感謝申し上げたいと思います。  以上、雑駁な挨拶でございましたけれども、今後、農政にまた温かい御支援、御指導をいただくことをお願い申し上げまして、挨拶といたします。  本当に、まことに一年ありがとうございました。(拍手) 82 ◯小園委員長 それでは、これをもちまして、産業経済委員会を閉会いたします。  大変御苦労さまでした。         午前十一時十八分閉会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...