通告に従って、順次発言を許可いたします。
瀬戸口三郎君に発言を許可いたします。
[瀬戸口三郎君登壇](拍手)
3 ◯瀬戸口三郎君 おはようございます。
いよいよ
一般質問最終日になりました。また、今回も質問させていただくことになりました。我が
自由民主党県議団の御理解をいただきながら、そしてまた役員の方々に感謝申し上げまして、質問に入らせていただきます。
まず、
産業おこし関連の新規事業について質問させていただきます。
昨年十二月二十七日に閣議決定された地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策によると、安倍内閣におきましては、これまで、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢から成る
経済政策アベノミクスを一体的に推進してきました。
こうした政策のもと、有効求人倍率は二十二年ぶりの高水準、経常利益は過去最高水準となるなど、経済の好循環が生まれ始めているところでありますけれども、最近の我が国経済は、平成二十六年七月─九月期の
実質GDP成長率が年率換算でマイナス一・九%と二四半期連続でマイナスとなるなど、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、個人消費等に弱さが見られるところであります。
このような現状認識を踏まえて、景気の状況に対応するため、政府は、経済の脆弱な部分に的を絞り、かつスピード感を持って対応を行うことで、経済の好循環を確かなものとするとともに、地方にアベノミクスの成果を広く行き渡らせることを目指し、一つに、地域の実情に配慮しつつ消費を喚起する。そして、二番目に、しごとづくりなど、地方が直面する構造的な課題への実効ある取り組みを通じて地方の活性化を促す。三番目に、災害復旧等の緊急対応や復興を加速化するという三点に重点を置いて、経済対策を取りまとめたところであります。
そのうち、地域の実情に配慮し、景気の脆弱な部分への対応を行う観点から、現下の経済情勢等のもとで厳しい状況にある生活者や事業者への支援を行い、地方の消費喚起や地域経済の活性化を図るために、国におきましては、地域活性化・
地域住民生活等緊急支援交付金を創設し、今年度の補正予算で二千五百億円を計上しているところであります。
県におきましても、国の補正予算に対応して、今年度三月補正予算において、
地域住民生活等緊急支援のための交付金を活用した県内の消費喚起を促進する事業として、四事業、約二十二億円を計上されております。
そこでお尋ねいたしますが、今回、補正予算で計上している、一つに、
かごしま国民文化祭開催記念─プレミアムお
得旅促進事業、二つ目に、
直行便利用海外誘客特別キャンペーン事業、また、「本物。鹿児島の逸品」PR・
販売促進事業、そして、
ふるさと名物商品販路開拓支援事業を実施することの狙いと具体的な内容について伺うものであります。
次に、大隅地域への観光客の周遊の促進について。
大隅地域は、豊かな自然環境や恵まれた食材を初め、かのやばら園や本土最南端の佐多岬などの景勝地、また、種子島と並び全国で二カ所しかない
ロケット発射場の一つ、
JAXA内之浦宇宙空間観測所など、魅力あふれる観光資源に恵まれております。
このうち佐多岬は、
霧島錦江湾国立公園内にあり、太平洋の黒潮に洗われた断崖と白亜の灯台がマッチして、すぐれた景観を呈しております。太平洋、東シナ海、錦江湾に面し、晴れた日には水平線のかなたに種子島、屋久島を眺望できるこの佐多岬においては、長年にわたり民間事業者が独自に開発を行い、観光事業を営んできましたが、平成十九年に、岬への唯一のアクセス道路である
佐多岬ロードパークを廃止するとともに、翌年には
佐多岬園地事業からの撤退の意向を表明されました。その後、適切な維持管理がなされず、公園内の展望台、レストハウスは荒廃し、貴重な観光資源が生かされなくなる事態となりました。
このような中、県は、地元南大隅町や国立公園を管理する環境省と、この佐多岬が観光振興上極めて重要な地域であるとの認識のもと、連携して対策に取り組むとし、南大隅町においては、廃止された
佐多岬ロードパークを民間事業者から購入するとともに、
町道佐多岬公園線として整備し、平成二十四年十月から無料化して供用を開始しております。
一方で、民間事業者においては、老朽化した展望台、レストハウスを撤去するとともに、跡地を一般に開放。この結果、これまで減少傾向だった公園への入り込み客数が増加に転じ、平成二十五年は、対前年比一・八倍の約六万九千七百人を数えたと聞いております。
引き続き、県は、佐多岬を観光拠点として新たな整備に取り組むことを表明し、
佐多岬観光整備事業として、公園部分を管理する環境省の直轄事業と連携し、平成二十五年度から調査・設計等に着手しますとともに、本年度は、
環境省直轄事業により公園部分の展望施設の設計や遊歩道の工事、県事業では、
観光案内施設等の設計や旧第一料金所の交差点改良の工事を実施しているところであります。
手つかずの自然が広がる現地は急峻な地形にあり、難しい工事が予想されますが、関係の皆様におかれましては、安全に万全を期して取り組んでいただきたいと思います。
そこで、まず第一点としてお伺いしますが、来年度の事業内容及び今後のスケジュールについてお示しください。
次に、佐多岬を観光された方々の話を聞きますと、「本土最南端まで来て感動しました。しかし、垂水・鹿屋方面から入って、帰るときも同じ道を帰るので、大隅半島を周遊できるコースが欲しい」とよく言われます。
JAXA内之浦宇宙空間観測所など太平洋側への周遊や、さんふらわあを利用するコースなど、特に大隅北部の
観光地づくりがおくれていると思われます。今後、
東九州自動車道、
都城志布志道路が開通するに当たり、北部地域の観光スポットの開発も必要かと思います。
また、来年度から
大隅地域スポーツ合宿の拠点施設の整備に着手する予定となっております。近年、右肩上がりの本県での
スポーツ合宿の受け入れ数については、とりわけ大隅地域は、志布志港を発着港とするフェリーさんふらわあの活用や、それぞれの地元市町、観光団体による野球、サッカー、自転車競技などといった特徴ある競技での積極的な誘致の取り組みにより、県全体の三割程度を占め、県内でも最も多い地域となっています。
そこで、第二点ですが、佐多岬の観光地としての整備が進むことで、今後、周辺の魅力あふれる観光素材を生かしながら、本県有数の観光地である指宿や霧島などとの周遊性を高めるための取り組みが必要となってくると思われますが、どのように取り組むのか、お考えをお示しください。
次に、スポーツ振興についてお伺いいたします。
大隅地域スポーツ合宿拠点施設の整備について、県は、昨年末、
大隅地域スポーツ合宿の
拠点施設整備基本計画を公表しました。
スポーツ観光王国かごしまの一層の推進を図るとともに、
九州新幹線全線開業効果を大隅半島に波及させるためとして、一昨日に閉校されました有明高校敷地に、陸上競技の
トレーニングに特化した
スポーツ合宿拠点施設を整備することとし、今後、地元自治体や関係団体と連携を図りながら、取り組みを進めることとしております。
計画の中で、施設については、陸上競技場を中心としたグレードの高い
トレーニングの拠点施設とし、
一流アスリートのニーズにも対応可能としております。また具体的には、基本的な施設として、一周四百メートル・八レーンの全天候舗装の日本陸連の第三種公認基準を満たすグレードの陸上競技場や多
目的グラウンドに加え、空調設備を備えた室内直走路や専用の投てき練習場、また附帯的施設として体育館や
トレーニングルームなど、魅力ある特徴的な施設を一体的に整備するとしております。
また、同じ大隅地域には、約三十キロメートルの距離に
国立大学法人唯一の体育大学である鹿屋体育大学がありますが、計画の中で、同大学とは互いの施設の有効活用に努めるほか、専門的な知識を有する同大学から科学的なサポートの提供を受けることができるよう、連携を図りたいとしております。
現在、鹿屋市は、
スポーツ合宿の誘致に際し、この鹿屋体育大学と連携し、身体能力の測定や
トレーニングメニューの作成等の支援を行っており、選手から高く評価されていると聞いております。グレードの高い施設において、質の高い
トレーニングを提供することができれば、誘致に際し、大いに効果があるのではないかと期待しているところであります。
また、県は、これまでも観光振興を県政の重要な柱の一つとして位置づけ、国内外から誘客を図る施策として
スポーツキャンプ等の誘致を掲げるとともに、地域レベルでも連絡会を設置し、関係団体や市町村と連携しながら、プロや大学等の
キャンプ・合宿誘致に地道に取り組んできているところであります。その結果、本県の
スポーツ合宿の受け入れ人数は年々増加しているところであり、平成二十五年度における受け入れ状況は、延べ人数で見ますと、対前年度比七・八%増の十三万一千人余りとなっております。
交通手段で見ますと、バスに次いでフェリーさんふらわあが二番目となっていますが、特に大隅地域は、このさんふらわあを活用し、市町、観光団体と連携しながら積極的な誘致に取り組んでおり、その結果、
スポーツ合宿の受け入れ数は県全体の三割程度と、県内でも最も多い割合となっております。
また、競技種目を見てみますと、陸上競技は、野球、サッカーに次いで三番目となっていますが、県の中では、これは奄美地区や鹿児島地区等における長距離走を中心とするものであり、大隅地区において、短距離走や跳躍、投てきを可能とする陸上競技の合宿を誘致することができるようになれば、新たな需要が生まれることも期待されます。
さて、二〇二〇年の
東京オリンピック開催まであと五年と迫りました。県では昨年四月、観光課内に新たな担当班を置き、情報収集を進めるなど、オリンピックの事前合宿誘致の取り組みを推進しておられます。同じ年には鹿児島国体も開かれることとなっております。
大隅地域スポーツ合宿の拠点施設の整備は、これにより質の高い合宿を提供することで、
スポーツ観光王国かごしまをアピールするとともに、鹿児島の魅力を発信し、国内外からの観光客誘致にもつなげていく絶好の機会であります。
大隅地域は観光資源に恵まれていますが、それらを活用した多様で個性的な魅力ある
観光地づくりとともに、
スポーツ合宿の取り組みの強化により、交流人口の増加が期待されるところであります。
そこでお尋ねいたします。
まず第一点は、整備に係る全体事業費、スケジュール、完成年度についてどのようにお見積もりか、お示しください。
次に第二点は、完成後の施設の管理運営についてどのようにお考えか、お示しください。
次に第三点ですが、施設利用に際しての宿泊は、原則として既存の民間宿泊施設を活用するとのことであり、合宿の受け入れに当たっては、宿泊や食事、送迎等のサービスのあり方は重要であると考えます。このあたりの民間事業者との調整をどのように図っていくおつもりか、お示しください。
最後に第四点は、集客対策、PRの取り組みについてどのようにお考えか、お示しください。
次に、マラソンについてお伺いいたします。
鹿児島市は、二〇一六年三月、
仮称鹿児島マラソンを開催すると発表されました。陸上競技を愛する私にとっても、また鹿児島県民は、六十年以上前から本県で五日間開催される県下一周駅伝など、いつも支援していただき、そして、
菜の花マラソンも全国的な大会となりました。沿道の方々に夢と感動を毎年与えていただいている競技であります。
そのような中での今回の
鹿児島マラソンの発表であります。コースは、磯地区の史跡や桜島の景観を楽しめるフルマラソンであり、参加者も一万人を見込まれております。四十二・一九五キロのフルマラソンと九キロメートルのファンランの二種目が想定されているようであります。県も当初予算で一千万円の支援をするとあります。
今後、実行委員会を立ち上げて進められると思いますが、現時点でわかる範囲で結構ですが、具体的内容とこの大会の狙いについてお示しください。
また、本県にはフルマラソン、ハーフマラソンを開催する地域がありますが、県として、これまでこれらの大会とどのようにかかわっておられますか、伺うものであります。
[
知事伊藤祐一郎君登壇]
4 ◯知事(伊藤祐一郎君)大隅地域の
スポーツ合宿の拠点施設についてのお尋ねでございます。
一昨日、閉校いたしました有明高校の敷地に建設する予定の
大隅地域スポーツ合宿の拠点施設につきましては、昨年十二月に策定いたしました基本計画をもとに、陸上競技の指導者の方々とも相談し、御指摘もいただきましたが、照明設備のある陸上競技場にあわせまして、室内直走路や傾斜走路などをあわせた第三種公認の基準を満たす施設として、また、鹿屋体育大学とも連携し、
一流アスリートのニーズにも対応可能な陸上競技に特化した
トレーニング施設として整備することといたしております。
来年度は、施設の実施設計等を行うこととしておりまして、その中で事業費、
整備スケジュールにつきまして検討することといたしておりますが、現時点では、設計に一年、建設に二年程度の期間を、また、事業費は、有明高校校舎の解体費を含めまして約三十億円台になると想定しているところであり、今後、整備に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えております。
5
◯観光交流局長(武盛武士君)地域消費喚起・
生活支援型交付金事業についてでございます。
この交付金は、景気の脆弱な部分にスピード感を持って、的を絞った対応を行う必要があるとの総理大臣の指示を受けて、地方の活性化を促すため、国の平成二十六年度補正予算として措置されたものでありまして、県におきましても、このうち、域外消費に資する
ふるさと名物商品及び旅行券等に係る経費を三月補正予算案として提案しているところです。
国は、
インターネットの通販サイトを活用した割引販売を基本としていますが、これに加えて、県としては、全国との競争の中で本県にとってより効果的な消費を喚起するため、本県の強みを加味した取り組みも必要であると考えています。
このため、
かごしま国民文化祭開催記念─プレミアムお
得旅促進事業については、ことし本県で開催される国民文化祭・かごしま二〇一五を記念して、旅行会社等との連携により、割引旅行商品やお
土産クーポン等を発行することとしています。
直行便利用海外誘客特別キャンペーン事業については、鹿児島から直行便が就航している国や地域を対象に、
現地旅行会社等との連携により、お
土産クーポン等を発行し、観光客の誘致と消費喚起を促進することとしています。
「本物。鹿児島の逸品」PR・
販売促進事業については、関係団体等と連携した取り組みが高い評価を得ている国内外における物産観光展や
鹿児島フェア等の対面販売を通じて、本県の誇るすぐれた一次産品を初めとする特産品のPRや販路拡大を図りたいと考えています。
ふるさと名物商品販路開拓支援事業については、鹿児島県商工会連合会が県内の商工会等と連携して、各地域の特産品のPRと販路開拓を図るため、
全国商工会連合会の
インターネットの通販サイトを活用した割引販売を行う取り組みに対し、助成することとしているところです。
佐多岬の整備についてでございます。
佐多岬は、本土最南端の地として全国的に有名であり、大隅地域の観光振興上、極めて重要な地域であることを踏まえまして、大隅地域へ観光客を呼び込む拠点となるような施設整備に取り組んでおります。
平成二十七年度は、県事業としては、トンネル手前の駐車場及び第二駐車場、南大隅町が新しく制作する北緯三十一度
線モニュメントを中心とした展望広場のほか、観光客を佐多岬に誘導案内する
観光案内標識等を整備することとしています。
また、トンネル出口から岬に至る公園部分については、環境省が直轄事業として、遊歩道等の整備を引き続き進める予定です。現状が急峻な地形にあるため難工事となることが予想されますが、今後とも環境省や南大隅町とも連携しながら、環境省が整備する展望施設を含め、全体としては平成二十八年度中の完成を目途としているところです。
大隅地域の周遊性を高める取り組みについてです。
大隅地域には、広大な照葉樹林や壮大な滝などの自然景観を初め、豊かな食、古墳群などの歴史遺産、
宇宙空間観測所など、将来の観光かごしまを牽引できる魅力あふれる観光資源に恵まれています。
県では、佐多岬の整備に合わせまして、地元市町等と連携しながら、魅力ある
観光地づくり事業による大隅まるごと体験ラインを生かした域内の
ネットワーク化に加え、フェリー便で結ばれている指宿地区、大隅北部と近接した霧島地区からの
広域観光ルートづくりを進めているところです。
また、さんふらわあや
東九州自動車道等を活用した修学旅行の誘致や
スポーツ合宿の振興、さらには、航空会社との連携による
南九州キャンペーンバスおおすみ号の運行などにも取り組んでおります。今後とも、大隅地域の特性を生かしながら、周遊性を高める取り組みを進めてまいります。
鹿児島マラソンについてでございます。
鹿児島市によりますと、
鹿児島マラソンは、史跡や景観などの魅力を体感できる冬の滞在型観光の推進を図ることを目的に、事業規模約三億円を見込み、来年三月、フルマラソンとファンランの二つのコースで開催する予定とのことです。特にフルマラソンは、
ウォーターフロントや緑化された市電軌道敷などの都市景観や、西郷隆盛銅像や仙巌園など薩摩の歴史、そして桜島や錦江湾などの自然を感じることのできるコースとして計画されています。
また、同大会は、今後、開催までに、
日本陸上競技連盟による記録の公認が得られる大会とすることを目指しておりまして、これにより、国内のみならず、公認記録を求めて参加する海外からの多くの市民ランナーの参加も見込まれますことから、閑散期における本県全体の
インバウンド対策としても大きな効果が期待されるところです。このため、県としては、この点に着目しまして、当初予算案に補助金として一千万円を計上したところです。
また、昨年度、県内におけるマラソン大会は、フルとハーフを合わせまして十件が開催されておりまして、このうち、
いぶすき菜の花マラソンやヨロンマラソンなど五件については、県として後援を行っているところです。
6 ◯知事公室長(福壽 浩君)
大隅地域スポーツ合宿の拠点施設の管理運営等についてでございます。
施設の管理運営に当たりましては、単に施設設備を提供するだけでなく、施設利用者のニーズに対応することが重要でありまして、鹿屋体育大学との連携による専門的なサポートなども含め、今後、関係者とも協議しながら、管理運営体制を検討することといたしております。
また、本施設の稼働率を高め、多くの競技者に利用されるためには、良質な
トレーニング環境の提供とあわせ、お話がございましたように、宿泊、食事等のサービス提供も重要な要素となります。
このため、来年度から、空港等の交通拠点や宿泊施設からの送迎、
アスリート向け食事メニューの開発などについて、地元の行政機関や宿泊等の
民間事業者等も含めた連絡協議会を開催するなど、合宿の受け入れに当たり、大隅地域全体で競技者をサポートする体制の構築を図っていくこととしております。
施設の集客、PR等についてでございます。
この施設は、
一流アスリートも受け入れ可能なレベルの
トレーニング施設として、県内外からの陸上競技の合宿での利用を想定しておりまして、
スポーツ合宿誘致のための
合宿セミナー等の開催に加え、指導者間のネットワークを活用したPRや合宿誘致も重要であると考えております。
これまでも、施設の検討に当たりまして意見を伺った県内外の陸上関係者、指導者等に、今般策定いたしました基本計画を直接説明してきているところでございまして、今後とも、地元自治体や
スポーツ団体、観光関係者とも連携を図りつつ、さまざまな機会を捉えて、施設のPRや合宿の誘致に努めてまいりたいと考えております。
[瀬戸口三郎君登壇]
7 ◯瀬戸口三郎君 それぞれ御答弁いただきました。
大隅地域の観光については、今後、伸びていくのではないかなと思っております。今後とも、いろいろな可能性を求めて観光振興に努めていただきたいと思っております。
また、周遊性の促進には何としても、大隅地域は、県道が主要道路でありますので、土木部長におかれましても、大隅の現地を視察していただきながら、県道改良にも力を入れていただきたいと思います。
また、
大隅地域スポーツ合宿拠点施設は、
スポーツ観光王国かごしまの推進に大きく前進する施設であろうと思っております。スケジュールどおり完成いたしますようによろしくお願いいたしたいと思います。
また、私も
鹿児島マラソンの成功を祈る一人でありますが、大会開催まではいろいろな課題も多いと思われます。昔の話で恐縮でありますけれども、県下一周駅伝一日目の一区、鹿児島市役所から谷山まででありますが、また、五日目の最終区は竜ヶ水─市役所であります。私もこの二区間を若いころ走ったことがありますが、大変沿道の声援は多いのでありますが、選手にとっては五日間で一番厳しいコースであります。それは道路が狭くて、特に磯、そしてまた鹿児島市内もそうですが、電車通りがあったりして、交通の安全面や、あるいは迂回路、そういったものが大変心配されるところであります。県としても支援していただき、特に県警の支援もよろしくお願い申し上げたいと思います。
次に、林業振興について質問させていただきます。
林業振興の中で、さきに柴立、西高県議からもありましたので、私は、再造林の推進に絞って質問させていただきます。
多様で健全な森林づくりの推進を行うとともに、平成三十二年度末、木材生産量百万立方メートルを目標として、木材生産の増大に努力されておりまして、既に平成二十五年度の木材生産量は七十万立方メートルで、うち針葉樹が五十九万立法メートル、広葉樹が十一万立方メートルと、さきの本会議で答弁いただきました。
木材生産量百万立方メートルに向けて、計画以上に早いペースで推進されていることは大変ありがたいことであります。中山間地の林業振興にほのかな明かりが見えてきたことは高く評価するところであります。
現在の県内の人工林の資源構成は、スギ・ヒノキの人工林は利用可能な資源として着実に充実しているとはいえ、バイオマス発電施設が平成二十七年度から本格的に稼働することや、大型木材加工施設の完成などで今後、大幅に県産材の生産量が増加の見込みであります。このままでいきますと、木材生産体制さえ確立できれば、来年度で目標の百万立方メートルは達成できるのではないかとさえ思います。
このように、急速に人工林伐採面積が増加する一方で、伐採跡地の再造林面積が三割台で推移しますと、県産材の安定的供給や森林の持つ多面的機能の発揮の点で、今後、大きな問題となるおそれがあると、昨年十二月議会で再造林の必要性について質問させていただきました。
二月二十一日の南日本新聞に、「県は、再造林率を現在の三〇%台から二〇二〇年度に八〇%にする」と報道されておりました。早速検討いただきありがとうございます。
伐採後の再造林を進める未来の森林づくり推進方針を策定し、造林コストの削減や苗木の安定供給体制づくりや造林保育に必要な労働力の確保、造林推進に係る体制づくりなど、具体的な展開方策が新たに策定されたとのことです。
さきの我が党の代表質問でも明らかにされていますが、今後、再造林を推進するための具体的施策についてお答えください。
まず第一点は、再造林に関する目標の考え方と平成二十七年度の再造林面積をどの程度見込まれているのか、お伺いいたします。
第二点は、再造林の推進に向けた取り組みについて伺います。
第三点は、特に、再造林の推進のためには優良苗木の安定供給が不可欠でありますが、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。それぞれお示しください。
森林は、県民の憩いの場として、また公益的な面を有しております。しかし、スギ・ヒノキが成熟し、その花粉が多く飛散し、スギ花粉症等に悩む方々が年々多くなってきております。今まで異常のない方も突然花粉症になることもあると言われております。今後、対策を講じなければ、山で働く人も、本県の観光振興にも、県民の私生活にも大きな支障を生じかねません。今後、苗木の育成に当たっては、できる限り花粉の少ない、あるいは花粉の出ない苗木の増殖をぜひ進めていただきたいと思います。
このことについては、県でもその方向で取り組みをスタートしたということでございますので、今回は要望にかえさせていただきます。
また、木材の利用が進むに当たって、畜産農家では牛の敷料になる、のこくずが不足しているということで、私ども畜産地域では大変困っております。昨年から価格は上昇しておりますが、今では、のこくずの原料となる木材が手に入らないようになっております。このことは西高議員が質問されましたので要望にかえさせていただきますが、今後ますます木材の下級品の取り合いが激化することが予想されますので、山にはいっぱい素材があるわけであります。間伐の推進を強力に進めることで解決するのではないかと思われますので、間伐の推進をお願い申し上げて、要望といたします。
次に、農業振興についてお伺いいたします。
この四月、大隅加工技術研究センターがオープンします。県政刷新大綱や行財政運営戦略に基づく厳しい財政運営が続く中、久々の大型プロジェクトであり、大いに期待しているところであります。
大隅加工技術研究センターについては、県は、六次産業化を志向する農業者や食品加工事業者が、加工技術の習得・高度化を図るとともに、商品開発力や販売力を高める場として積極的に活用してもらいたいとしており、これまで、大規模農家や食品加工事業者等に対し、機会あるごとに、拠点施設の整備目的や機能等について説明を行ってこられ、また、各種の広報媒体を通じて幅広く周知を図ってこられたと聞いております。
また、より一層の活用促進に向けた取り組みとして、昨年四月からは、施設利用を計画している方々に対する会員登録を進めるとともに、会員になられた方には、導入機器等の詳細や食品加工に関する情報などの定期的な提供などにも取り組んでこられたと聞いております。
大隅加工技術研究センターの機能として、県は、素材提供型農業から一次加工等による高付加価値型農業の展開を図るため、実需者のニーズに対応した新たな加工品等の研究・開発、鮮度・品質保持、長期保蔵、長距離輸送時の品質劣化防止技術等の研究・開発のほか、企画・支援機能として、各種相談へのワンストップサービスによる対応、市場動向等に関する情報収集・発信等のマーケティング支援、商談会や展示会等によるマッチング支援、研修会の開催等による人材育成など、川上から川下まで幅広い支援を行うとしております。
そこでお尋ねいたします。
第一点は、本県の磯焼けはどのような状況にあるのか、お聞かせください。
第二点は、県ではこれまで試験・研究を重ねてこられておりますが、その成果をお聞かせください。あわせて、藻場造成の技術は確立されてきているのか、見解を伺います。
第三点は、漁業者の話では、藻場の造成には山石の投入が効果的であると聞きますが、県内における山石等自然石を用いた藻場造成の取り組みについてお聞かせください。
41 ◯商工労働水産部長(田中和彦君)ブリの完全養殖体制の推進についてでございます。
ブリの人工種苗を活用した養殖は、食の安全・安心や持続可能な養殖生産の実現、また、輸出拡大による養殖経営の安定化など、ブリ養殖の振興を図る上で重要な取り組みであると考えております。
国は、独立行政法人水産総合研究センターにおきまして、これまで、ブリの人工種苗を用いた効率的な養殖技術の開発に取り組んできておりまして、お話がございましたように、東町漁協において、この人工種苗を用いた養殖が行われております。また、一部民間企業や大学においても、人工種苗の生産とその種苗を用いた養殖に取り組んでいるところでございます。
県におきましては、ブリの人工種苗生産については実績がないことから、種苗生産に取り組む場合には、水産総合研究センターから技術移転を受ける必要があり、また、種苗生産に対応可能な新たな施設が必要になると考えております。このようなことから、ブリの完全養殖の構築に向けた人工種苗の生産・供給につきましては、国や関係機関、養殖関連業界等と連携しながら、今後、事業化に向けた可能性や採算性など、必要な調査・研究をしてまいりたいと考えております。
資源管理型漁業の推進及び資源の回復についてでございます。
本県の主な漁業資源であるマアジ、マイワシ、サバ類につきましては、国が漁獲可能量制度に基づきまして漁獲量の上限を設定し、資源管理を行っております。また、アオダイやハマダイ等のマチ類につきましては、関係県が連携して、南西諸島海域における小型魚の保護や禁漁区の設定などの広域資源管理方針を策定し、資源管理に取り組んでおります。
本県におきましては、マダイ、キビナゴなど十魚種については、従来から漁業者みずからが漁獲サイドの規制などに取り組んでおります。さらに、一部の魚種につきましては、県におきまして平成二十二年度に、漁獲量や資源の状況などを踏まえ、資源管理目標等を定めた鹿児島県資源管理指針を策定し、これに基づきまして、平成二十三年度からは漁業者みずからが資源管理計画を策定し、休漁や網目の制限等を行っておりまして、その履行状況につきまして、県、県漁連等が一体となって確認しているところでございます。
資源や漁獲の回復状況につきましては、サバ類のように減少傾向に歯どめがかからない魚種がある一方、マイワシのように資源が増加傾向とされている魚種もあり、禁漁区の設定等によりアオダイは漁獲量の減少に歯どめがかかっており、ハマダイは増加傾向にあります。また、マダイは、継続的に漁獲サイズの規制や種苗放流に取り組んできたこともございまして、資源、漁獲量は増加いたしております。
資源管理型漁業の推進の課題及び今後の取り組みについてでございます。
資源管理型漁業の推進上の課題につきましては、これまで多くの漁業者が資源管理に取り組んできておりますが、資源回復が見られない魚種もあるところでございます。このようなことから、県としては来年度から、計画策定後三年を経過した資源管理計画につきましては、出漁一日当たりの漁獲量等の科学的な調査を実施することとしておりまして、その結果に基づいて、効果的な資源管理の手法や程度について検討することとしておりまして、この成果を踏まえながら、県漁連、漁協等と一体となって、資源管理型漁業の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
磯焼けの状況と藻場造成技術等についてでございます。
藻場は、魚介類の餌場や産卵場として、また、水質浄化作用など環境保全においても重要な役割を果たしております。本県の磯焼けの現状といたしましては、鹿児島湾の一部において、近年、ホンダワラ類の藻場が回復傾向にございますが、離島や薩摩・大隅半島などの外海域の多くでは、昭和四十年代前半ごろから藻場の消失が見られ、現在も磯焼けが継続している状況でございます。
水産技術開発センターでは、藻場造成技術に係る各種試験に取り組んできたところでございまして、波の影響で魚の食害を受けにくい場所に核となる藻場をつくり、周辺に藻場を拡大させる核藻場型藻場造成技術や、海底から少し高い位置に張った網に海藻を固定することにより、長期間にわたって周辺に種を供給する中層型藻場造成技術など、静穏度の高い海域における藻場造成技術を開発したところでございます。
しかしながら、外海域や開放的な海域での藻場造成につきましては、食害対策など多くの課題がございますため、引き続き水産技術開発センターで技術開発に取り組んでいるところでございます。
自然石を用いた藻場造成の取り組みについてでございます。
藻場の回復や拡大を図るための基盤整備として、平成十四年度から、市町村を事業主体とした漁場環境保全創造事業を実施してきておりまして、これまで長島町など五市町の十二カ所において整備を進めてきたところでございます。
本事業は、魚介類の餌場や産卵、幼稚魚の保育場としての機能に加え、環境浄化機能を有する藻場の造成等により漁場環境の維持・保全を図るものでございまして、海藻類が定着するための基盤として、漁業者等からの要望の強い山石や溶岩などの自然石を用いております。
今年度は、指宿市、長島町、いちき串木野市で事業を実施しているところでございまして、今後とも、市町村や漁協等とも連携しながら、藻場造成のための基盤整備に取り組んでまいります。
[中村 眞君登壇]
42 ◯中村 眞君 それぞれ御答弁いただきました。
人工種苗の生産については、事業化へ向けて前向きな答弁と受けとめております。ただ、国の事業が平成二十八年度で生産をやめるということになっておりますので、できるだけ早く体制をつくっていただくようにお願い申し上げます。
きょうは皆さんのお手元に二枚のコピーを差し上げました。
一ページ目は、二〇〇九年、一〇年に発生した、先ほど申し上げました赤潮の被害であります。この状況をごらんいただければ、死ぬブリが三年魚、大きいものほど被害に遭う。そのため被害額も非常に大きくなる。そういうことを言われておりますし、漁協の皆さんもこれをどう回避するか。これまではハード面の整備としては、生けすを深く沈めるとか、生けすを牽引してほかの場所に移す対策はできますけれども、それ以外に対策がなかなか見つからない。
そこで、人工種苗を活用した養殖をしますと、次のページにありますように、生けすに入れるサイズが非常に大きくなります。それと、天然の種苗は、これはモジャコといいまして、ブリは産卵して、切れた藻に隠れて回遊するという性格を利用して、捕獲して生けすに入れる。したがって、産卵期が違いますからサイズが非常にばらばらで、生けすに入れるときにそれを振り分け、選別する。そういう手間もかかると聞いています。
産卵期を人工的に早くすることによって、この写真の上が天然種苗で下が人工種苗ですけれども、入れる時点でこんなにサイズが違う。天然種苗は餌づけが非常に難しいのに対して、小さいときから人工餌料で餌づけしますから、餌づけも非常にいいということで、生残率が非常に高いというメリットもあると聞いています。
その下の表は、人工種苗で早く育成することによって赤潮の前に出荷ができる。これが一番大きなメリットです。ちょうど赤潮の発生後に、天然の場合は十一月、十二月が出荷の時期に入りますので、それを七月の赤潮前に出荷ができるという面では赤潮の被害を回避できる。積極的に私は進めていただきたいということをお願い申し上げておきます。
現在の輸出市場を見ますと、養殖魚はノルウェー、チリ産のサーモンが主力で、日本でも近くのスーパー等で手軽に買える状況にあります。私も時々買って食べますけれども、東町漁協の職員に言わせますと、「そんなものを何で食うのか」ということで相当、競合商品のため叱られておりますけれども、そのくらい出回っております。
国では、平成二十五年度の水産の輸出額千七百億円を、平成三十二年のオリンピックの年には八千五百億円に増大する目標を掲げております。養殖ブリはサーモンに対抗できる無限の可能性を持つ、最も有力な養殖魚商材だと思っております。ぜひ全国の先頭に立って、全力を挙げて取り組んでいただくようにお願い申し上げます。
有望な産業には県も積極的に投資する。そのことが大事だと思いますし、それが一次産業の振興につながり、雇用につながる。こういうものにどんどんどんどん予算をつけて応援する。それが行政の役割だと私は思っております。ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。
それと、水産資源の管理型漁業あるいは磯焼けの問題は共通する問題ですけれども、ぜひこれからも磯焼け対策、本当にまだまだ研究途中だと思いますけれども、沿岸漁業の振興のためには非常に大きな課題ですので、今後とも前向きに取り組んでいただくようにお願い申し上げます。
私も今期で引退することになりました。二十四年間、支持いただいた阿久根市民、長島町民の皆さんに心から感謝とお礼を申し上げます。
振り返って何をしたかと言われますと、何もしていないのかな。私は選挙に出るときに、人が変われば阿久根が変わるというキャッチフレーズで出馬いたしました。結果は、二万八千九百人いた人口が二万二千人に減り、水産業も非常に疲弊している状況で、時代の流れにさお差して振興を図ることはできなかったのかという思いがあります。非常に難しい時代の県政ですけれども、これから立候補して当選されてこられる皆さんが、本当に鹿児島の将来をどうするかということを真剣に考え、議論していただきたいと思います。
この長い間、執行部の皆さんに本当に親切丁寧に対応していただきました。心から感謝申し上げます。また、議場の皆さんにも本当にお世話になりました。心から御礼申し上げます。
私も来年は後期高齢者になります。きょう午前中に、健康年齢が七十一・四歳という話がありました。私はそれをとっくに超えておりますので、これから健康年齢、何年あるかわかりませんけれども、私なりに地域のために一生懸命に協力しながら、地域をよくしていきたいと思っております。
皆さんのこれからの御活躍と鹿児島県のますますの御発展を祈念して、私の一般質問を終わらせていただきます。
本当にありがとうございました。(拍手)
43 ◯議長(池畑憲一君)以上で、通告による質問は全部終了いたしました。
これで、質問は終結いたします。
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△ 議案第一号─議案第六二号及び報告第一号委
員会付託
44 ◯議長(池畑憲一君)次に、議案の委員会への付託の件を議題といたします。
今回提出されました議案のうち、議案第一号から議案第二六号まで、議案第三八号から議案第六二号まで及び報告第一号は、配付いたしております議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
お諮りいたします。
議案第二七号から議案第三七号までは、予算特別委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
45 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、そのように決定いたしました。
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46 △ 報 告
◯議長(池畑憲一君)ここで、報告いたします。
ただいま常任委員会に付託いたしました議案のうち、議案第三八号、議案第三九号、議案第五六号及び議案第六一号につきましては、当席において、地方公務員法第五条第二項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めましたところ、配付いたしております写しのとおり、意見書が提出されております。
これで、本日の日程は終了いたしました。
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47 △ 日程報告
◯議長(池畑憲一君)三月二十日は、午前十時から本会議を開きます。
日程は、議案及び請願・陳情の委員長報告、質疑、討論並びに表決などであります。
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48 △ 散 会
◯議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。
午後三時十分散会
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