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  1. 鹿児島県議会 2014-06-27
    2014-06-27 平成26年産業経済委員会 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過        ………………………………         午前九時五十八分開会        ……………………………… ◯小園委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから産業経済委員会を開会したいと思います。  傍聴について一名の方から申し出がありましたので、これを許可いたしました。  本日は、農政部関係の審査を行いたいと思います。  ここで、暫時休憩いたします。         午前九時五十九分休憩      ────────────────         午前九時五十九分再開 2 ◯小園委員長 再開いたします。  陳情審査のため要請がありましたので、畜産課長を環境厚生委員会へ出席させることに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 3 ◯小園委員長 御異議ありませんので、畜産課長は環境厚生委員会に出席していただきたいと思います。  それでは、ただいまから農政部関係の審査を行います。  初めに、農政部長の総括説明を求めます。 4 ◯福田農政部長 おはようございます。  それでは、お手元に配付してございます産業経済委員会資料に基づきまして御説明申し上げます。  まず、一ページをお開きください。
     三月議会以降の主な農業情勢等について御説明申し上げます。  まず最初に、一、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定等に関する動きについてでございます。  TPP交渉の動きにつきましては、去る四月に開催された日米首脳会談を受け、五月に首席交渉官会合、閣僚会合がそれぞれ開催されたところでございます。  この閣僚会合におきましては、七月に首席交渉官会合を開催、交渉妥結に何が必要か共通の見解を確立した、などの共同声明が発表されたところであります。次回、七月になりますが、首席交渉官会合がTPP交渉の大きな山場になると見込まれるなど予断を許さない状況となっており、国会における議論や交渉の状況など、国の動向を十分注視してまいりたいと考えております。  また、TPP交渉に関する説明会につきましては、今月六日、県庁講堂において開催いたしましたところ、関係団体や市町村職員など約三百五十名の参加があったところでございます。説明会では、TPP政府対策本部澁谷内閣審議官からTPP交渉の概要や状況の説明をいただいた後、六名の方々から質疑があったところでございます。  その他の主な国際交渉の動きにつきましては、(一)日豪連携協定につきましては、去る四月七日に開催されました日豪首脳会談で交渉の大筋合意が確認されたところでございます。  主な合意内容につきましては、イに記載されておりますように、牛肉については、長期間をかけた関税削減とセーフガードが措置されたところです。なお、米や砂糖については、関税撤廃等の対象から除外または将来の見直しとする等、現行の国境措置が基本的に維持されることとなっております。  牛肉につきましては、低価格帯の国際牛肉との品質面での競合、また、牛肉価格全体の低下等による本県畜産農家への影響が懸念されますことから、農家が安心して経営を維持・継続できるよう万全の対策を講じられますよう国に要請してまいりたいと考えております。  次に、二ページをお開きください。  二の国における農業改革をめぐる動きについてでございます。  六月十三日、政府の規制改革会議は、農業改革等の答申を決定し、首相に提出したところであり、本答申等を踏まえ、六月二十四日、国は昨年末策定した、農林水産業・地域の活力創造プランを改訂いたしました。  本プランの改訂のポイントといたしましては、一、輸出促進・地産地消・食育等の推進として、オールジャパンの輸出体制、輸出環境の整備。二の六次産業化等の推進として、農林漁業成長産業化ファンドの積極的活用、畜産・酪農の強化。三、農業の構造改革と生産コストの削減。四、経営所得安定対策の見直し及び日本型直接支払制度の創設。五、農業の成長産業化に向けた農協・農業委員会等に関する改革の推進。六、人口減少社会における農山漁村の活性化などとなっております。  五の農協・農業委員会等に関する改革の推進の主な内容といたしましては、農協関係では、五年間を農協改革集中推進期間とし、自己改革を実行するよう強く要請。中央会制度は、適切な移行期間を設けた上で自律的な新たな制度に移行。全農・経済連は、農協出資の株式会社に転換することを可能とするなど、農業委員会関係では、農業委員の選出方法は、市町村議会の同意を要件とする市町村長の選任委員に一元化。農業委員の過半は認定農業者の中から選任。農地利用最適化推進委員を設置。都道府県農業会議全国農業会議所は、農業委員会ネットワークとして農業委員会の業務をサポートする組織に見直すなど、また農業生産法人関係では、農地を所有できる農業生産法人要件の緩和などとなっております。  なお、本プランの方向性を踏まえ、平成二十七年三月をめどに、食料・農業・農村基本計画を見直すこととされております。  次に、三ページをごらんください。  三の農地中間管理機構についてでございます。  農地中間管理機構につきましては、公益財団法人鹿児島県地域振興公社を農地中間管理機構として指定し、四月一日から業務を開始しているところでございます。  機構の業務を円滑に実施し、担い手への農地集積・集約化を加速するため、ブロック別説明会や農地集積・集約化推進キャラバンなどを実施し、制度の周知や推進体制の整備等に取り組んでいるところでございます。  今後は、市町村段階の取り組みの強化に努めながら、人・農地プランが作成された地域や、話し合い活動が活発な地域など、各市町村にモデル地区を設置し、機構事業の実践に取り組むこととしております。  四ページをお開きください。  次に、四、新規就農者の動向及び就農・就業対策についてでございます。  平成二十五年度の本県の新規就農者は三百三十一人となっており、十三年連続で三百人を超えたところでございます。  就農・就業対策につきましては、県内外での就農相談や農業大学校での実務研修、青年就農給付金の支給など、就農希望者の円滑な就農・就業対策に取り組んでいるところでございます。  次に、五、かごしまブランド産地の指定についてでございます。  五月三十日に開催された、かごしまブランド推進本部会議において、県域ブランドである、かごしまマンゴーの構成団体として、JAいぶすきとJA種子屋久を追加いたしました。現在、かごしまブランド産地は十八品目二十七産地となったところです。  県としましては、今後とも、消費者や流通業者の高い信頼を得られるかごしまブランド産地の育成や、県産農畜産物のさらなるイメージアップに努めてまいりたいと考えております。  次に、五ページをごらんください。  六の農業の六次産業化の推進についてでございます。  去る五月八日、六次産業化の事業活動に関する情報を共有し、相互に連携・協力することにより、県内における六次産業化の事業活動の円滑かつ確実な実施を促進するため、サブファンドの出資者である株式会社鹿児島銀行と県は、六次産業化連携協定を締結いたしました。  また、来る七月十五日には、鹿児島銀行等との共催により、県内の農林漁業者及び食品事業者等を対象に、六次産業化への取り組みの機運醸成を図るため、六次産業化推進セミナーを開催することとしております。  今後とも、六次産業化サポートセンター、金融機関等との連携を図り、六次産業化に取り組む農林漁業者等への支援を行うこととしております。  六ページをお開きください。  七、平成二十五年産サトウキビの生産実績等についてでございます。  平成二十五年産サトウキビの生産量は、前年比一一八%となる五十万八千トンでございました。しかしながら、奄美地域では、与論島、沖永良部島を中心に梅雨明け以降の長期にわたる干ばつによる影響や、十月の台風による被害が大きかったことから、単収が平年の九割程度にとどまったところでございます。  七ページをごらんください。  八、平成二十六年産一番茶の取り組み状況及び消費拡大対策についてでございます。  今年産の一番茶の生育は、天候不良等による影響もなく、全般的に順調な生育となり、収量については前年を上回る見込みとなっております。県茶市場における本茶の取り扱い数量は四千六百三十三トンとなっており、平均単価は二千四十二円となっております。  また、かごしまブランド産品として指定いたしましたかごしま茶は三百三銘柄となっており、かごしま茶の知名度向上と消費拡大を図るため、去る五月十日から十一日に開催されました平成新茶まつりを初めとして、各種イベントを開催したところでございます。  八ページをお開きください。  九、鳥獣被害防止対策の推進についてでございます。  これまでに、被害発生集落を中心に、寄せつけない、侵入を防止する、個体数を減らす、この三つの対策を柱として、ソフト・ハード両面にわたり支援を行ってきたところでございます。  侵入防止柵の整備につきましては、鳥獣被害防止総合交付金等を活用いたしまして、平成二十五年度は三百七十キロメートルの整備を図ったところでございます。  また、有害鳥獣の集中的な捕獲対策の強化などを図る鳥獣被害防止緊急捕獲等対策の実施により、イノシシ、シカ、サルなどで計一万七千五百四十一頭が捕獲され、有害捕獲数が増加したところでございます。  これらの取り組みもあり、平成二十五年度の野生鳥獣による農作物被害は、ヒヨドリ、イノシシ、シカなどによる被害の減少により、県全体の被害額は、前年度比六四%の約四億四千万円となったところでございます。  九ページをごらんください。  十、県産畜産物の国内外における販路拡大についてでございます。  鹿児島黒牛・かごしま黒豚等、県産畜産物の販路拡大を図るため、県内においては、去る四月十九日から二十日に、元気もりもり!!畜産フェアを開催し、県産畜産物の試食や宣伝・販売を行ったところでございます。  また、海外においては、去る五月二十一日から二十四日までタイで開催された国際食品展示会、タイフェックス二〇一四に参加し、KAGOSHIMA WAGYUのPRや商談会を行うとともに、タイの販売指定店一号店に対して、指定店証及び指定店看板を交付したところでございます。  さらに、EU向け牛肉輸出については、県内二カ所の食肉処理施設が認定を取得し、去る六月十六日にEU向けの第一便が出発したところでございます。  今後とも、国内外における展示・商談会への参加を通じた県産畜産物の販路拡大及び販売指定店の拡大に努めてまいります。  十ページをお開きください。  十一、県有種雄牛、益華福号の産肉能力検定の結果についてでございます。  肉用牛改良研究所では、益華福号の産肉能力検定が終了いたしました。肉質・肉量ともに好成績で、中でも霜降り度を十二段階であらわす脂肪交雑、サシでございますが、成績が県歴代の一位の八・一と、これまでに本検定を終了した種雄牛十七頭の平均と比べ、二・一上回っております。  県といたしましては、肉質・肉量ともにすぐれた能力を持っており、本県を代表する、金幸号の系統を受け継ぐ益華福号の適正な活用を推進することにより、鹿児島黒牛の改良促進と一層の銘柄確立を図り、本県畜産振興に努めてまいります。  十一ページをごらんください。  豚流行性下痢についてでございます。  豚流行性下痢については、昨年十二月以降、県内での発生が継続していることから、全養豚農家に対し、飼養衛生管理基準の遵守を指導するとともに、屠畜場等の畜産関連施設等における消毒の徹底を図るなど、終息に向けた蔓延防止に努めているところでございます。  また、畜産農家が豚下痢症対策に集団で取り組む場合、消毒機器整備や消毒実施の必要経費等が新たに消費・安全対策交付金の対象となったことから、本交付金を活用した対策にも取り組んでいるところでございます。  次に、十三、広域営農団地農道整備事業川辺地区の完工式についてでございます。  平成三年度に着工いたしました広域営農団地農道整備事業川辺地区農林水産省区間が平成二十五年度で事業完了いたしました。  この農道は、三千九百六十ヘクタールを受益地として、旧川辺町から旧笠沙町へ薩摩半島の南西部に位置する総延長約三十二キロメートルの農道であり、今後、農産物の流通の合理化や農村環境の改善などが見込まれております。  十二ページをお開きください。  最後に、十四、鹿児島県共生・協働の農村づくり運動の表彰についてでございます。  鹿児島県共生・協働の農村づくり運動の平成二十五年度表彰につきまして、日置市の吉利地区公民館、さつま町の中津川区むらづくり委員会、肝付町の川上校区むらづくり推進委員会の三地区に知事賞を授与したところであります。受賞内容は記載してあるとおりでございます。  以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。 5 ◯小園委員長 総括説明に対する質疑につきましては、県政一般の一般調査でお願いをいたします。  次に、お手元の請願・陳情文書表により、陳情の審査を行います。  まず、新規の陳情第二〇一七号について、農地整備課長の説明を求めます。 6 ◯堀 農地整備課長 それでは、陳情第二〇一七号について御説明申し上げます。  件名は、土地改良事業における地方公共団体の起債枠のガイドライン見直しに関する陳情で、提出者は、大島郡町村議会議長会会長、中島智一氏でございます。  陳情の趣旨でございます。  奄美地域において実施しております畑総事業につきましては、国費と県費を除く一〇%が地元負担となっておりますが、この事業の中で畑地かんがいにつきましては、給水栓までは受益者負担を求めず、市町村が全額負担しております。一方で、土地改良事業における地方公共団体の負担割合指針となりますガイドラインにおいて、五%が起債対象限度額となっております。  別紙のほうに図面を準備しておりますのでごらんいただきたいと思いますけれども、これは、奄美における畑総事業、いわゆる県営畑地帯総合整備事業畑地かんがい工事の負担例という図でございますけれども、給水栓までの工事の例でございます。  図の上にありますように、畑総事業の奄美の負担割合というのが、国が六六・六%、県が二三・四%の合わせて九〇%の補助となっておりまして、残りが地元負担一〇%ということになります。この地元負担を通常、市町村や受益者で負担するということになりますけれども、区画整理の場合は、市町村によってはその割合は異なりますが、受益者負担を求める場合が多い状況です。しかし、ここにありますように、奄美地域の畑地かんがい工事における給水栓までの工事につきましては、市町村が一〇%全額負担している状況でございます。  また一方で、右のほうに少しありますように、市町村が起債できます上限、いわゆるガイドラインは、国営及び県営土地改良事業における地方公共団体の負担割合の指針によって決まっておりまして、奄美の畑総事業の場合は五%が上限となっております。このため、下の図のほうの斜線部のとおり、残りの五%分は起債対象から外れまして、市町村の一般財源の持ち出しということになります。したがいまして、税収の厳しい市町村におきましては、予算編成を圧迫しており、今後の財政指標等に大きく影響を与えております。  このようなことから、国営及び都道府県営土地改良事業におきます地方公共団体の起債上限枠の見直しを強く要望する趣旨でございます。  続いて、状況について説明させていただきます。  畑地かんがいの整備を行っております市町村におきましては、水源から給水栓の整備までは受益者負担を求めず、全て行政負担としているところもございます。こうした市町村におきましては、ガイドラインを超えた差額について起債対象となっていないため、財政に大きな影響を与えている状況となっております。  県では、畑地かんがいなどの農業農村整備事業を強力に推進することとしていることから、ガイドライン見直しを含めた市町村の負担に対する財政支援につきまして、県開発促進協議会などを通じ、国に対し要請しているところであります。  以上で状況説明を終わります。よろしくお願いいたします。 7 ◯小園委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。 8 ◯き久委員 この陳情は、与論、沖永良部の和泊、知名のほうから、地方公共団体の起債枠のガイドラインを見直してほしいという、私も地元を回るたびにそのような要望を受けてまいりました。  ちょっと確認のためなんですが、現在、当初の圃場の計画云々からしますと、大体五千四百十ヘクタールを目標にしていまして、現在、整備状況が三千二百九十八ヘクタールですね。県の平均が六七%に対して六一%の整備状況であるという中で、基本的には、地元の市町村の負担の部分を、農家にもお手伝いをして負担をしていただきたいという思いもあるんでしょうけれども、いろんな農業の運営上の厳しい財源もありまして、町が持たざるを得ないということで、その中で起債制限枠の五%を上げることによって、農家への負担軽減は当然ですが、それをすることによってまた一般会計から財源を補填しなければならいという状況の中で、大変苦しい立場にあるというふうな認識でありますが。  それで、このような起債上限枠の見直しを求めている地域というのが県内にどれぐらいあられて、起債上限枠の見直しをすることによって、そういう地域もやはり一般財源、財政の硬直化、回避にプラスになるものだというふうに私は認識をしますが、その点について県の認識をお聞きしたいということと、今、県の開発促進協議会のほうから要望がなされておりますが、国の考え、方針というのがわかっていらっしゃるようでしたら、そこらもちょっと御説明をしていただきたいとお願いをいたします。 9 ◯堀 農地整備課長 まず、ほかの地域からそういった要望があるかということでございますけれども、基本的に、正式な要望というのは今回の要望でございますから、地域によっては、例えば内地の曽於の、あるいは曽於・肝属の畑地かんがいにおきましても、畑地かんがい工事の給水栓までについてはガイドラインを超える負担を市町村がしている状況ではございます。したがいまして、今回、こういったガイドライン見直しがもしできれば、ほかの地域にとっても市町村の負担が軽減されるというふうに考えております。  それから、以前から国のほうに働きかけをしておりまして、現在、国のほうでは、ガイドラインの見直しに向けた検討を進めようとしております。この検討というのは、今、五%という数字の決定について、通常、いろんな計算とか、あるいはアンケート調査を実施して数値を決めております。例えば、その数値の決定根拠については農業効果と農業外効果という対比ありまして、例えば、農業効果と農業外効果がその事業について何対何の割合かというものを決定して、そういったものをいろんなアンケート調査とか、あるいは統計的な評価手法によって決めて、それをパーセントに直して総務省に示すというようなことを農水省は進めるわけでございますけれども、こういったものを今、検討しているというところでございます。  以上です。 10 ◯き久委員 今の課長の説明で、国のほうは前向きに検討していると、その一つに、採択される、しないという基準でいろんな農業効果、そして農業外効果を含めるいろんな算定基準があるようでありますから、それを出して最終判断をしていくということなんですが、おおむねその結論が出るのが、想定でこういう質問をしても失礼かなと思うんですけど、今の作業、算定基準の積み上げ等々からすると、大体いつごろがめどかなというふうな感じがいたしますが、想定で、推定でよろしいんですけれども、差し支えなければお聞かせいただきたいと思います。 11 ◯堀 農地整備課長 今から農水省のほうが検討するということで、実際に検討するかどうかもまだ決まっていないと、検討するという方向に今、入っているということです。  今、農水省のほうにお聞きしましたところ、なかなか今の段階でこのパーセントを変える状況に変化があるかというところまで今、検討していると。今の段階でパーセントを変える状況に、今のところないんじゃないかという意見もあるということで、そういったことも含めて検討しておりますので、今の段階で、いつごろまでそれが可能かどうかというのはまだなかなか申し上げられないというのが現状でございます。 12 ◯き久委員 前向きに検討はしますけれども、いろんな算定の状況においては、一歩前進、一歩後退、また前進するかというような状況かなと思いますが、今回はこういう形で離島のほうから要望が出てきて、その課題が実は県内のある地域でもやはり同じような要望の気持ちがあったと、これが多分全国でもあり得ると思うんですよね。  次の話の段階は皆さんへの要望という段階なのか、政治的判断なのかわかりませんけれども、やはり全国でもこういう地域の課題がありますよということを、やはり農水省にしっかり要望していかなければいけないかなと思いますが、また、県のラインで他都道府県とそういう連携がとれるとすればお願いをしたい。そしてまた、私たちも政治的アクションの中で国のほうにも要望していきたいと思います。どうぞまたよろしくお願いいたします。  以上です。 13 ◯田之上委員 今、き久委員から質問がありましたが、一点だけ確認をさせてください。  今、整備率の話がありましたが、県平均の六七・七%に比べ整備率は六一%ということで、県内並みに進んでいないという状況を数字で示しておりますが、今、ここに上限枠の見直しを強く要望するということで、この進まない要因として、今、挙げられている要因が大きな要因であるのかお尋ねをいたしたいと思います。  それから、ガイドラインの見直しを含めた市町村の負担に対する財政支援について、開促協で要望をしているということでありますので、ガイドラインの見直しと財政支援というこの絡みも教えてください。 14 ◯堀 農地整備課長 基本的には、奄美の予算枠につきましてはいろんな要請活動をやっておりまして、これまでのところ、予算枠については極力確保している状況でございます。したがいまして、このガイドラインのあるなしによって整備率のどうこうというのは直接的には関係ないとは思いますけれども、ただ、例えば補正予算がついたときに、その補正予算分につきましては当然、年度の途中から来るわけですから、いわゆる営農の関係とかそういったもので農家に対して予定をしているものがないので、ほとんどが市町村が負担できるような工事を対象に補正予算をするというふうになりますと、その補正予算の分の工事費についてはほとんどが市町村負担が多い、市町村分で賄う事業が多い、工事が多いということになります。そうすると、補正予算自体を市町村が受け入れられるかというのも課題として挙げられるということでございます。今のところ、大変厳しいという中で、市町村のほうでは補正予算を受け入れているということでございますので、直接的には今のところ整備率に影響があるということではないというふうに思っております。  それから、開促協で今、要請をしておりますガイドラインと財政支援ですけれども、確かに市町村の負担が大きいですので、ガイドラインを超えて市町村の負担が大きいですので、当然、財政支援ということになると思いますけれども、これは県においても同じでございまして、県のほうもある程度ガイドラインを超える部分も出てくるので、多少はですね。そういった分を含めて、県、市町村の財政支援をお願いしたいという大きな意味での財政支援ということでございます。 15 ◯田之上委員 それで、今、答弁をいただきましたから、重要な問題でありますので、開促協でぜひとも農業農村整備事業に強力に推進していただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。 16 ◯小園委員長 ほかに質疑はありませんか。
    17 ◯松田委員 状況説明の中で、先ほども、曽於・肝属も同じような負担をしていて、要望としては一致しているだろうということだったんですが、受益者負担を求めず全て行政負担をしているところもあるという、件数とか、どことかいうのをお示しいただきたいのと、他県の状況というのはどうなのか、もう少し詳しく教えてください。 18 ◯堀 農地整備課長 ほとんどといいますか、今の現状では、今、畑地かんがい事業をやっているところは全地区でございます。ただ、過去にはそういった地元負担、農家負担を求めているものも一部はございましたけれども、現状では、今、畑地かんがい工事を行っている地区については、曽於北部とか肝属中部がございますけれども、給水栓までは全額市町村が負担していると。(「オールと考えていいわけですね」という者あり)はい、現状ではですね。  それから、ほかの県のほうですけれども、今、聞いているところにおきましては、北海道、それから山梨県、それから山口県の三道県のほうから、農水省のほうに同じような要望が上がっているというふうに聞いております。 19 ◯松田委員 はい、ありがとうございます。 20 ◯小園委員長 ほかに質疑はありませんか。    [「なし」という者あり] 21 ◯小園委員長 ほかに質疑がありませんので、取り扱い意見をお願いいたします。 22 ◯田之上委員 土地改良事業における地方公共団体負担に関する起債対象額は、国の定めたガイドラインが上限となっており、県開発促進協議会等においても、市町村の財政支援の充実などについて、国に対して要請を行っているところであります。  今後とも、本県農業を支える基盤づくりとして畑地かんがいなどの農業農村整備事業を強力に推進をしていく必要があることから、陳情第二〇一七号は採択でお願いいたします。 23 ◯小園委員長 ほかに御意見はありませんか。    [「なし」という者あり] 24 ◯小園委員長 それでは、採決をいたします。  ただいま、陳情第二〇一七号につきましては、採択との御意見がありましたが、採択すべきものとすることに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 25 ◯小園委員長 御異議ありませんので、陳情第二〇一七号は、採択すべきものと決定いたしました。  以上で、陳情の審査を終わります。  次は、県政一般についてであります。  まず、五月に実施いたしました行政視察に関する御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。    [「なし」という者あり] 26 ◯小園委員長 ないようですので、この件につきましては終了いたします。  それでは、そのほかの県政一般について、質問がありましたらお願いいたします。 27 ◯き久委員 県政一般ということですので、実は先般、さとうきび・でんぷん議員連盟で種子島へ行ってまいりました。マルチ資材の普及についてなんですね。なかなかすばらしい課題だなと思って関係課の中島さんといろいろ議論しましたら、私なりに解釈はしたんですけれども、ちょっとまた質問というか課題をお聞きしていただきたいというふうに思います。  ちょうどそのときに種子島の新光製糖会社の部長さんから、このマルチ資材の普及についてのお話がございまして、マルチ資材を普及させると、サトウキビの生産量が二割から三割増しになるというようなことだったんですね。  それで、このマルチ被覆は、設置するときは労力というのはそんなに苦にならないにしましても、あと剥がしていくのが大変だということだったんです。それで、二割、三割の増産ができて、その分の利益があったとしても、マルチ資材を剥がすときに高齢者の人はまたお手伝いする人を頼まないといけない、そうしたらそこにまた賃金をお支払いしないといけない。結局、二割、三割増産して所得がプラスになったとしましても、そこでまた出ていくようではプラスマイナスゼロじゃないかというようなことで、今、開発されているマルチ資材が、生分解性マルチというのがありまして、それが現在のマルチよりも四倍から五倍高いらしいんですよ。せめてそれが二割ぐらいになると農家もペイして、効率的な農業、サトウキビ運営ができるというような新光糖業の説明でした。  それで、そのときに部長さんのほうからこういう要望というか、実は奄美群島もキビをやっているので、生分解マルチ資材を全体で多くの農家で仕入れて普及させるとすれば、多少安くなるのではないかというような御意見で、奄美のほうにも普及させてくれませんかという話だったんですが、それは中島さんとよく話をしましたら、いや、それは奄美は赤土で、設置するだけでもこれは大変なんだと、それで、なおかつまた剥がすとなりますと、なお手間暇がかかって、もう奄美では一切使われていないと、それが、生分解マルチであっても同じような状況だろうということで、奄美のほうはこれはちょっと無理なのかなという判断をさせていただいたんですけれども。  ただ、種子島のサトウキビ振興を図るという前提を主としましても、このマルチ資材がキビだけではなくして、こちらのほうではサツマイモにも使われているんですよね。それで、サツマイモ、そしてまた他の農産物などに大体普及率、マルチ資材の普及率がどれぐらいあるかというのがおわかりでしたら教えていただきたいのと、サトウキビとあとどういう農産物にこのマルチ資材を本土のほうでは使われているのかをちょっと教えていただきたい。 28 ◯永吉特産作物対策監 ただいま、サトウキビにおけるマルチ栽培についての御質問があったと思うんですが、サトウキビ栽培における植えつけ時のポリフィルムの被覆につきましては、地温を高めて、また雑草を防除するという効果がありまして、従来、種子島から利用されている管理作業でございます。  今、大島地域で利用できないかとあったんですけれども、大島地域につきましては亜熱帯性気候でありまして、もともと気温も高いということで、マルチ効果の効果がいかほどあるかという研究も必要というふうに考えております。  マルチについての利用の実態ですけど、サトウキビが種子島で利用されておりますが、あとサツマイモについていいますと、本土におきます焼酎用のサツマイモ、あるいは一部で、でん粉用のサツマイモで利用されているというふうに聞いております。あとサツマイモ以外については、冬場の野菜とかそういうものもマルチを促成栽培としては利用しているという現状にあると思います。 29 ◯き久委員 マルチ資材の多面的機能性というのには大体六つぐらいあるんですよね、先ほど説明ありましたが。実はというか、鹿児島県、当然、農業立県、食料供給基地という大きな大義があるわけでありますから、キビに関しては、マルチをすることによって種子島では二割から三割増産できると、ほかの農産物も我々同僚の県議の西高議員とか瀬戸口議員に聞きますと、それは手間暇かかるんでしょうけど、生分解マルチ資材が普及すると、なお効率は上がるんじゃないでしょうかというような視点で話をされておりました。  したがって、県の農業・農産物を振興させるという視点の中で当然いろんな課題はありますが、きょうはマルチ資材に特化しての私のちょっとお話なんですけど、先々ですね、生分解マルチの購入に関する議論というか検討というかですね、これをしていただきたいなというふうに思います。  これは種子島のキビの振興に向けても、そして県内の農産物の振興に向けてもこのマルチ資材は必要ではないかなと思いますが、先ほども話しましたように、生分解マルチは、ある会社が研究してやっておりますけれども、普通のマルチ資材よりも四倍から五倍高いということですから、県全体で考えて、いろんな品目別農産の組合なんかと協議をして大量に仕入れるということになると、その分安くなると思うんですよね。そういうこともちょっと議論というか、検討する余地があるのではないかなというふうに思うんですが、ちょっと見解をお聞かせください。 30 ◯小園委員長 暫時休憩します。         午前十時四十二分休憩      ────────────────         午前十時四十三分再開 31 ◯小園委員長 再開します。 32 ◯久保農産園芸課長 今、マルチ資材の補助の話がちょっと出たものですから、お話しさせていただきます。  一般にそういう生産資材というものにつきましては、補助の対象としておりません。ただ、先ほどサトウキビの話が出ましたけれども、サトウキビが二十三年以降、大きな不作になりましたものですから、その不作から脱却するために、いわゆる増産基金の中でいろいろ生産資材等の助成をやっております。その中でマルチ資材についても、地域の糖業振興会を通じまして補助しているのはありますけれども、それはいわゆる特例としてサトウキビの生産回復を図る、増産を図っていこうという目的でなされているのが現状でございます。 33 ◯き久委員 そういう資材関係に補助がないとかいうことはわかっているつもりです。それで、また県のほうでまとめて仕入れをしてということも、制度上難しいということも承知いたしております。こういう議題を、私は現時点で皆さんとお話しするしかないわけですから、こういう課題もありましたよということで、JAを通すなりですね、と議論するなり、そういった場が必要じゃないかなと思いますので、そういう面の議論をしていただけませんかということ。 34 ◯福田農政部長 今、き久委員から、生分解性マルチのことについてお尋ねがありましたけれども、生分解性マルチ、先ほどもちょっと説明がありましたけれども、サツマイモについて以前、実証試験等もした経緯がございます。今おっしゃいますように、その分で生産量が上がってペイする部分と、上がる部分と、マルチの資材代というのがやはりネックになりまして、なかなか普及していないという状況にあります。  ただ、おっしゃるとおり、生分解性マルチというのは使った後にそのまま分解されますから、そういう意味では非常に有効なマルチの手段ではあると考えております。そういう意味も含めまして、コストの面等いろいろありますけれども、今後、いろんなまた新しい技術の中でコストが下がるという面もありましょうし、そういう情報をつかみながら、我々としてもそういう面では注目しながら、生産者の方々の意見も聞きながら進めてまいりたいと思っております。 35 ◯小園委員長 ほかにございませんか。 36 ◯下鶴委員 まず、研究開発関係で二点伺いたいなと思っています。  私は常々、今後、奄美が何で食べていくのかということを、どの作物等々で食べていくのかということをやはり考えていかなければならないというふうに思っています。先ほどサトウキビの御説明をいただきました。当分の間、サトウキビが奄美の基幹作物であるということは変わらないことかと思いますけれども、一方で、やはり一つの作物に対する依存度が高いということは、市場的な変化であり、気候的な変化であり、さまざまな変化に対して、対応力として懸念されるということが挙げられます。  また一方で、やはり今、TPPとかの話もありますけれども、現状、製糖会社が買うお値段の三分の二が補助金で措置されていることもありまして、やはり稼げる作物、食える作物というのを考えていかなければならないというふうに考えております。  そこで、まず伺いたいのが、農改センターなどで今後、奄美に導入する、気候等々に合った、奄美に導入する、将来、奄美の基幹作物になるもしくは補助の作物でもいいですが、そういう研究というのはどういうこと、どういう方針でやられているのか教えてください。 37 ◯大津農業開発総合センター所長 奄美の農業振興につきましては、地域の特異性がございますので、また本土とは違った取り組みというのが必要だと思っております。そういう意味で、試験研究のほうからやっておりますことを少し御説明させていただきたいと思いますけれども、まずは一番代表的なものとしては、ブランドにもなっておりますバレイショのことがございます。徳之島と沖永良部でバレイショがつくられているわけでございますけれども、そういうものの振興に対する品種の選定とかをやっているのが一つございます。  もう一つ大きな点としては、奄美大島ではスプレーギクの産地も沖永良部を中心にございます。そういう奄美大島のスプレーギクというのは、当然、本土とは気象条件が違いますので、奄美大島に合ったタイプの品種の育成というのが当然必要になります。そういうことで、県のほうで、きゅらという名前をつけたいろいろな品種がございますので、そういう県のほうで育成した品種を、奄美大島に適した品種を進めているところでございます。  これにつきましては、県で育成者権、品種の特許みたいなものでございますけれども、育成した者に与えられる権利という意味でございますが、育成者権というのを県で持っておりますので、奄美地域に推進をして、ほかの県ではこの品種は使えないようにということで進めているものがございます。  それ以外にも、奄美地区では平張り施設、本土のハウスとは少し違って網で四角く囲うタイプの施設でございますが、そういうものの中に入れる野菜の品目として、例えばニガウリであったり、インゲンであったり、カボチャであったり、特にカボチャにつきましては、本土とは違う時期に収穫というのもできたりいたしますので、奄美大島から本土までのリレー出荷というようなことも可能になってきますので、こういうようなものを選定して、技術の開発、品種の選定などを今、進めているところでございます。 38 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  とかく離島の農業というと、どうしても条件不利だとかということが注目されがちですが、たしか僕、聞いたことあるのが、戦前の小笠原というところは非常に豊かであったと。本土でとれない南方系の果物だとかそういうのを高くで売れた。もしくは同じ本土でとれる品種であっても、先ほど御説明もありましたけれども、時期の違いを生かして高くで売れた。だから豊かだったという話を聞いたことがあります。  やはり、本土でとれない品種であったり、とれる品種であっても、先ほど御説明いただいた時期を変えたり等々で、さまざまな作物、サトウキビ以外の作物の導入というのを研究開発、そして普及というのを今後もしっかりと進めていただきたいなと思っております。  続いて、同じくちょっと畜産試験場について伺いたいんですが、私、常々、研究開発にお金をかけていただきたいというふうに申し上げているんですが、畜産試験場の研究開発費のうちで県単の試験研究開発費がありますよね。その中で、たしか聞いたことがあるのが、畜産試験場等々は生産物を売った収入もあるというふうに聞いておりまして、そうすると実質、県のほうから、県単試験研究費の中で実質、県から幾ら出ているのかなというのが気になるもので、県単試験研究費の中の売り払い収入と、県から出している研究費の内訳がわかれば教えてください。(「暫時休憩をお願いします」という者あり) 39 ◯小園委員長 暫時休憩いたします。         午前十時五十分休憩      ────────────────         午前十時五十分再開 40 ◯小園委員長 再開いたします。 41 ◯下鶴委員 それでは、次は、相続未登記農地について伺いたいなと思っております。  今後、農地の集積ないし耕作放棄地の解消というのを考えてきたときに、一つ懸念されるのが、相続、じいちゃんの代、親の代から相続はしたけれども、登記に反映していないという、その結果、代々積み重なると実際の所有者が誰なのかわからなくなったり、わかっていても、了承、同意をとるのに手間がかかったりということが懸念されるかなと思っています。  そこでまず、現状として、相続未登記農地について県としてどのように現状を把握しているか。そしてもう一点は、農地集積や耕作放棄地の解消といった取り組みを進める上で、この相続未登記農地の存在がどのような課題、懸念がされるのかということをお示しください。 42 ◯小園委員長 暫時休憩します。         午前十時五十一分休憩      ────────────────         午前十時五十一分再開 43 ◯小園委員長 再開します。 44 ◯満薗農村振興課長 今、相続未登記農地の御質問がありましたけれども、相続未登記農地の現状ということでありましたが、今、県のほうでは、それが幾らぐらいあるのかというのは把握をしておりません。ただ、現実的に未登記農地というか、そのためになかなか農地の流動化が進まないですとか、そういう課題はあるということは把握しておりますけれども、現状のところ、その面積が幾らあるかというのは把握をしておりません。  そういうところで、この相続未登記の農地をいかにして農地流動化といいますか、結びつけていくかということで、農地法の改正の中で、相続未登記といいますか、不明な、誰が所有しているかわからない農地とかそういうものについては、今までは手続上、六段階の手続でやって解消していくというようなことがあったわけですけれども、農地法の改正によりまして、それを簡便化させていくということで、三段階にその手続をやりまして、できるだけ県の公告によって使えるようにするという手続が行われているところなんですけれども、現実的には、三段階といってもなかなか、ちゃんと確認をしないといけないですとかそういう手続があるものですから、現実的にはなかなか進んでいないというような今のところの現状でございます。 45 ◯下鶴委員 今後、中間管理機構が動いて行く中で、やはりここは一個、ネックになってくるんじゃないかなというふうに懸念しています。  それで、この問題が解決するというのは恐らく二つアプローチがあると思っていて、一つは、実際の所有権に合った登記にしましょうねという、登記のほうを促進していくという方法、もう一つは、登記はそのままでいいから、何らかの方法で中間管理機構に寄せる方法、この二つのアプローチがあろうかと思います。ただ、後者に関しては、結構、法改正ないし国への要望等々をやらなきゃいけないんじゃないかなと思うんですが、この点について現状、もしくは近い将来、国に出そうとしている、もしくは出している要望等があれば示してください。 46 ◯満薗農村振興課長 委員おっしゃるように、相続未登記農地の課題というのは大変大きな問題がありますので、県といたしましても、相続未登記の農地が利用しやすいような形に制度改正がなるように、国のほうに開発促進協議会等を通じて要請をしているところでございます。 47 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  今後、実際に中間管理機構が動いていく中で、恐らく現場のほうから要望というのが上がってくると思うんですね。ぜひそのときには現場からの要望に対応して、国への要望をしっかりと行っていただきたいと思います。  続きまして、フラワーパークの契約形態について伺いたいと思っております。  フラワーパークは、たしか公募によらない特定で指定管理をしているかと思いますが、その管理の指定機関並びに、あと公募によらない特定で行った理由を示してください。 48 ◯久保農産園芸課長 現在、地域振興公社を特定しまして、平成二十三年度から二十七年度までの五年間、特定として選定しております。  その特定でしました理由につきましては、本会議の質問にもございましたけれども、フラワーパークは、県民の方々に花と緑に親しんでいただく場を提供するとともに、本県花きの生産振興や観光の振興に寄与するための施設であります。そういったことで、一般の都市公園とは異なりまして、希少植物や多種多様な植物を栽培していること、専門的な知識・技術・経験に基づく管理が必要であるということ、それから新品種の植栽・展示、有望品種等の生産者への譲渡など、花きの生産振興の面から県の施策とも連携した密接な役割を果たす必要があることから、公募によらず、選定委員会を通じまして選定したところでございます。 49 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  指定期間が二十三年から二十七年ということで、非常に残念なことではありますが、今期中にそれを実際に審査する機会がないということを確認したかったわけですね。次回は二十八年度以降ということになろうかと思います。  その中で、今、公募によらずに特定で行った理由として、県の政策との密接関連性並びに花き振興、花きの生産振興という目的があるということを答弁いただいたかと思います。  その中で伺いたいのが、これフラワーパークの指定管理、たしか二億円弱、毎年使っているかと思います。一億九千万円ぐらいだと思いますが。これだけのお金を使う以上、やはり公募によらない、原則は公募であると思っていますし、たしか法律のたてつけもそうなっているかと思いますが、相応の理由が必要になるかと思います。  その中で一つ伺いたいのが、今、政策目的等々をおっしゃいました。とすれば、この指定管理を行おうとする際に、県としてはフラワーパークを生かしてこういうことをやりたい、こういう結果を残してほしいというポリシーがあるはずですよね。そういう仕様書並びにこういう政策目的を達成してほしいというそういうものというのは、指定管理をしようとした時点であったものなんですか。  というのが、これを伺うのが、指定管理というのは単に費用節約のものじゃないと思っているんですね、何らかのその施設を通じて達成したい政策目的があって、その政策目的を効率よく比較的安価に達成するためには、県が直接やるよりも適切な主体にお任せをしてそこでやってもらったほうが、効率よく、そしてしっかりと政策目的を達成できる。だからこそ指定するものだと思うんですね。そうすると、何を達成したいのか、いかなる政策目的を達成したいのかというものが規定されていないとおかしいと思いますので、ちょっとそこのところを教えてください。 50 ◯久保農産園芸課長 県の公の施設につきましては、平成十八年から指定管理者制度ができております。  その手続に当たりましては、地方自治法で、県の公の施設に当たっては指定管理をしていきなさいと、それにつきましては、各施設についての条例を定めて行いなさいというのを挙げております。  フラワーパークにつきましても、フラワーパークの設置及び管理に関する条例というのを作成しまして、それに基づきまして指定管理の手続等も行っております。その中では、設置の基本的なコンセプトにつきましては、先ほど言いましたような、花と緑の憩いの場とか、観光の振興がありますけど、花きの生産振興に寄与するということも明確にうたいまして、その中で、申請者たるものから、どのような取り組みがされるのかそういった申請書を出していただきまして、選定委員会のほうでも検討して、指定管理者として選定したという経緯がございます。  現在、フラワーパークを管理します地域振興公社におきましては、地元の生産者等も含めました花き研究会とかいうのをつくりまして、その中で種苗とか新品種の展示等を行いまして、地元の方々にも早く情報を伝えるとか、種苗の供給等も行って、生産振興にも当たってもらっております。  そういうことにつきましては、県と指定管理者、フラワーパーク等をまとめました魅力アップ会議、検討会議をしまして、そういった県の指針、考え方、趣旨についてもお伝えしているところでございます。 51 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  意見を二つ申し上げますが、今、設置条例のほうにフラワーパークのあるべき姿、達成したい政策目的が規定されているというお答えだったかと思います。そうしましたら、設置条例、当然公開されて、見てわかる話なので、明確に規定されているとするならば、ほかの主体もそれに合致すれば、その政策目的に合致するのであれば、やはり応募はしていただいてしかるべきだと思うんですよね。設置条例があって、その政策目的をうちは達成できるということが、手が挙がるかもしれないと思うわけです。  もう一点は、多分こういう話をすると、地域振興公社は頑張っていますよというお答えをいただいて、それはそれでそうだと思うんですが、地域振興公社が頑張っているという話と、門前払いをするかどうかというのは別な話なんですよね。地域振興公社が頑張っている、現指定管理者が頑張っているというのであれば、手を挙げていただいた後で、総合評価のときに評価をする話であって、今の現管理者が頑張っているから、じゃ、もう最初から競争させませんよというのはやはり違うんじゃないかなというふうに、これは常々申し上げていますけれども、思うところです。  実際の話は二十八年度以降の委託になりますので、そのときにするとしまして、そういうところを意見として申し添えておきます。  質問事項は以上です。 52 ◯小園委員長 暫時休憩します。         午前十一時一分休憩      ────────────────         午前十一時一分再開 53 ◯小園委員長 再開します。
     ほかはございませんか。 54 ◯遠嶋委員 三、四点お伺いしたいんですけど、一つはTPPのことです。ISDS条項がどうなっているのかですね。というのは、きのうからきょうにかけてアルゼンチンが、これはTPPとは直接は関係ないかもしれませんけど、国が金融資本から訴えられて、負けて、債務を優先的に返済しなければならないと、非常に苦境に立たされているわけですけど、今回、国同士の取り決めではパーセンテージもずっと書いてあるわけですけど、実際の経済的なかかわりでいえば、やっぱり資本がかかわってくるわけですから、そういう企業から訴えられた場合に、こういうパーセンテージが守れるのかどうかというところもあると思うんですよね。ですから、ちょっとISDS条項の件は今回のTPP交渉でどんなふうになっているのか、ちょっと教えていただきたいと思うんですけど。 55 ◯横山農政課長 TPP交渉は現在も継続されているわけですけれども、ISDS条項も含めて、ルール分野の状況も具体的にはなかなか聞こえてきていない状況であります。ISDS条項自体の説明としては、我が国がEPA、FTAを結ぶときには大体ISDS条項は入っているということで、それはなぜかというと、我が国が基本的に、我が国の法令の中で内外無差別の原則を徹底しているというところで、ISDS条項に基づいて我が国を訴えられるということはまずないであろうということから、むしろ海外の非関税障壁を開かせるという意味でのISDS条項をむしろ推進をしているんだということでございます。  ただ、国会決議にもありましたように、ISDS条項については濫訴ということが懸念されるわけでありますので、濫訴防止策をきちんと講じるようにということが決議がされていますので、国もそれを踏まえて交渉しているということを聞いておるところでございます。 56 ◯遠嶋委員 今、事例で申しましたけど、アルゼンチンなんかの状況なんかを見れば、やっぱり企業が国を訴えて、それに負けるというそういう状況が出てくるというのを非常に懸念するわけですね。  ぜひ、ISDS条項を逆手にとって、グローバルなそういう市場に出ていくんだという趣旨の話にも聞こえたんですけど、私は、非関税障壁も含めて、非常にやっぱり危険な中身だと思うので、引き続きそこは注意をして、絶対に国民あるいは国のありように被害が出ないように対応していただきたいというふうに思います。  二つ目は、二ページのところに、輸出促進・地産地消・食育等の推進というのが、プラン改訂のポイントのところの一番目に挙げていますが、オールジャパンの輸出体制というふうに新たに書いているということは、今までがそうじゃなかったのかなとちょっと思ったりもするわけですけれども、ここでいうオールジャパンの輸出体制というのはどういうことをイメージされて言っているのか、ちょっと教えてください。 57 ◯横山農政課長 今般、改訂をされました農林水産業・地域の活力創造プランにおきまして、オールジャパンの輸出体制というふうにされているわけですが、具体的には記述の中で、輸出戦略実行委員会を司令塔としたオールジャパンの輸出促進体制を整備するというふうに記載をされています。  これは、これまで都道府県単位あるいは産地単位で海外に打って出て、場合によっては例えば香港などにおいては、産地において国内の産地同士が競合しているというような状況があった中で、輸出戦略実行委員会というものを国で一つ設けて、そこで競合というのを避けたりとか、うまく我が国の産品を売り込んでいくための司令塔というのをつくっていきましょうと、そういう意味のオールジャパンというふうに解釈をしております。 58 ◯遠嶋委員 わかりました。  個別に対応していくんじゃなくて、そういうところを含めて対応していこうということと認識をいたしました。  あと次に、これはもう前に何かどこかで説明があったかもしれないんですが、五ページの六次産業化推進セミナーの開催のところの(四)主催のところに、六次産業化サポートセンターというのがあるんですけど、まことに申しわけないんですけど、この構成団体というかメンバーというかをちょっと教えていただきたいんですけど。 59 ◯大谷かごしまブランド対策監 六次産業化サポートセンターにつきましては、県が鹿児島県農業・農村振興協会のほうに委託をいたしまして、県の六次産業化サポートセンターとして総合相談窓口であるだとか、プランナーと呼ばれる指導なり、六次産業化を目指そうとする方々への支援、アドバイスを行うプランナーと呼ばれる人の派遣などを行うこととしております。 60 ◯遠嶋委員 ということは、県が指定した振興協会、それがサポートセンターということなんですか。 61 ◯大谷かごしまブランド対策監 はい、委員おっしゃるとおり、県の六次産業化サポートセンターとしましては、鹿児島県農業・農村振興協会が当たるということになります。 62 ◯遠嶋委員 それはわかりました。  あと一点ですね、八ページの鳥獣被害の三の野生鳥獣による農作物被害額というのがあるわけですが、この上ですね、二のところで、今回、一般質問の中で西高委員がサルのことに言及をされました。二十五年度の実績でいくと、サルはいわば六割ぐらいに減少しているわけですよね。実態と乖離しているようにちょっと感じるわけですが、ほかのところは結構伸びているわけですけど、サルがこんなに減少したというのはどういう理由なのか、ちょっと教えていただきたいと思います。 63 ◯満薗農村振興課長 捕獲頭数の関係でございますけれども、イノシシ、シカということで中心になっているわけですが、やはりサルにつきましては、とる方が少ないですとか、そういうところもあるんじゃないかなというふうに考えているところでございます。 64 ◯遠嶋委員 それは今回の一般質問でも随分思いを吐露というか、聞かせていただきましたけど、これは二十四年度の実績が千七百三十七頭で、昨年度が千二十七頭、五九%。四一%減っているわけですよね。捕獲をする側の気分はそうだろうと思うんですけど、なぜおよそ六割に捕獲が減っているのかというところの原因をちょっと教えていただきたいんですけど。 65 ◯満薗農村振興課長 サルの捕獲につきましては、二十四年度のデータしかございませんけれども、銃器でとっている頭数というのが七百八十二頭、それから、わなでとっているものというのが九百五十五頭ということであります。こういう状況、あるいは猟銃を持っている、狩猟をされる方の数というのも年々減ってきております。実際は、わなでとるほうがどんどんふえていっているという状況ではございますけれども、先ほど申しましたように、なかなかとる方がいらっしゃらないというのが現実であるでしょうし、そこが一番原因なのかなとは思いますが、具体的な原因としては、なかなかそこぐらいまでしかわかりません。 66 ◯遠嶋委員 この前、この委員会で佐多岬のほうを視察をさせていただきましたけど、そのときにも、道路脇にサル出現、危険とかという看板が立っているわけですよね。また一方で、さつま町も、今も多分そうだろうと思うんですけど、大口のほうに国道をずっと上っていくと、サルの集団が田んぼにおったりとか、結構やっぱり今ふえているんだなという感じがしております。  再三申し上げますけど、一般質問でも出されたような非常に深刻な状況ですので、この前は焼却施設の話でしたけど、そういうことも含めて、やはりこの対策をさらに進めていく具体的な検討をしていただきたいと、ちょっと私もこの件については余り詳しくないものですから、ただ、皆さん方も一生懸命、今も取り組んでいらっしゃると思うんですが、この数値だけでいくとですね、本当に頑張っていらっしゃるのかなというふうな結果になっていますので、ぜひ取り組みを強化をしていただきたいということを要望申し上げまして、終わります。 67 ◯小園委員長 ほかにございませんか。 68 ◯たけ委員 先ほど下鶴委員のほうから奄美大島の話がありました。  今、世界的に中国が物すごい爆食で、輸出していた、十二、三年前までは輸出国が物すごい輸入国になって、もう世界一の輸入になっていますよね。このままあれは一人っ子政策でとまらないんですよ。そうすると、これから先に食料危機が必ず来るだろうというふうに思うことが一つと、それからアメリカのオバマ大統領は五年間で貿易を二倍にしようという計画で、TPPも進めているわけですけれども、ただ、カナダ、アメリカ、オーストラリアとか、あっちの場合は時々干ばつなんかがありますよね。  そこで、実は鹿児島においては、特に奄美大島においても、喜界島、徳之島、沖永良部、かんがい対策のダムをつくっておられまして、それから大隅のほうでもこれができていますので、私は、鹿児島は物すごくインフラ整備ができ上がっているので、食料基地としては私は日本一の食料ができると思うんですね。  そこで、先ほどもありましたサトウキビにしても、水をやることによって相当収量は上がることと、それからもう一つは、サトウキビと同時に牛と一緒に、もちろん種子島もそうですけれども、それが粗飼料になってくる。それからさらに奄美大島においてはタンカンやマンゴー、先ほどありましたバレイショ、それからカボチャ、ニガウリなんかも、水源があることによって物すごく生産が上がってくると思うんですが、そういうことを考えたときに今の徳之島、喜界はもう終わっていますけれども、地下ダムで。沖永良部、大隅、今のダムの利用状況と進捗状況、これを教えていただきたいと思います。 69 ◯高橋国営事業対策監 委員のただいまの質問は、奄美の国営事業の進捗状況ということでよろしいですか。  現在、奄美地域では、徳之島のほうで国営が徳之島用水地区ですね、これにつきましては、国営事業のほうが九二%の進捗ということです。事業のほうは平成二十八年度完了を予定しております。一部通水につきましては二十七年度ということにしております。  沖永良部につきましては、二十五年度までの進捗は三八%です。完了を平成三十年度ということで、沖永良部につきましては、地下ダムということで、平成二十六年度には一部通水と、二十六年度末になると思いますけれども、一部通水ということで予定しております。 70 ◯たけ委員 もう一点、大隅のほうを教えてください。 71 ◯高橋国営事業対策監 大隅につきましては、現在、肝属中部が鹿屋市、肝付町のほうで実施しておりますけれども、これにつきましては、平成二十五年度までの進捗が八〇%です。国営事業につきましては、二十九年度完了ということで、一部通水を二十八年度に予定しております。  それから曽於北部、これは曽於市になりますけれども、ここにつきましては、平成二十五年度までが九七・一%で、今年度、国営事業は完了ということで、一部通水のほうは今年度初め、二十五年度末からことし、二十六年四月、通水を始めたところです。 72 ◯たけ委員 はい、ありがとうございました。  今お聞きのように、鹿児島は相当なインフラができていると同時に、かんがい対策というのは非常に大事なので、私は鹿児島というのはそういうインフラができていて、これからの食料の基地、それから、かんがいに対する強さ、これに対しての食料増産ができるというふうに思っています。  それと、奄美大島ではいよいよ世界遺産登録が始まっていますので、観光業も入れて、農業も入れて、これから大きな私は可能性を秘めているのが奄美大島だと思います。そういう意味で、先ほどありましたインフラ整備を活用して、サトウキビ増産対策もしっかりして、そしていろいろな、先ほど果物から野菜から菊からそういうものがあるわけですから、自信を持って進めていけるんじゃないかと思いますので、よろしくお願いします。  もう一点です。  それと、私の家は桜島でありまして、イノシシがたくさんおりまして、みかんの下側はイノシシに食べさせているわけですよ、イノシシが食べに来ますので。喜んで食べています。ところが、ヒヨドリというのはもう大変困ったもので、毎年来るんじゃないんですよね、来るときに一度に来るわけです。さきおととしは、一日にして、もう小みかんが大きな木、百五十年の木が一発でやられました。イノシシは下だけですからかわいいもんですよ。ところが、ヒヨドリが来たら全部食べますから、人間のとる分はなくなるというぐらいでありますが。  そこで、ヒヨドリは来る年というのはあるわけでしょうけど、これは予測つくものですか、それがつけば対策ができると思うんですけれども。 73 ◯満薗農村振興課長 毎年の被害状況を見てみますと、あるとき一年置きに出たり、二、三年出なくて、一年出たりというような状況のようでございますので、それがどういう形で影響しているのかというのはちょっとこちらのほうでは承知しておりません。 74 ◯たけ委員 あれは渡り鳥ですから、多分世界的な状況を見れば予測はつくんじゃないかと私は思っていたわけです。そういう意味で、もしそういうのがありましたら、またそこのところをですね、これは世界的なものですから、勉強をしていただいてやっていってほしいと同時に、今度は、このヒヨドリなんかにやられると、もうすごい被害ですので、この対策というのはどういうような対策を練ればいいんでしょうか、ちょっと教えてください。 75 ◯満薗農村振興課長 対策については、ヒヨドリの関係については、例えば樹木ですと網で覆うとか、そういう形での対応ということになっているようでございます。 76 ◯たけ委員 ですから、予測がつきますとちゃんと網をして準備できますので、その辺をぜひよろしくお願いします。  あと一点です。  三島、十島というのは大名竹があるわけですよね、牛は、大名竹の芽を食べていて粗飼料になるわけですよね、竹の芽を食べる。そこで、大名竹を粗飼料にするということは多分今、研究しておられるので可能かと思うんですが、その辺の状況がもしわかれば、よろしくお願いします。 77 ◯大田畜産課長 今の委員御質問の竹のサイレージ化についての御質問かと思います。  三島、十島においては琉球竹という、本土では孟宗竹が主体なんですが、離島の三島、十島においては琉球竹を、放牧しながらそれを餌の大半を使っているということで、本土に比べての竹に牛がなじんでいるというようなことから、これを餌代のコスト低減につながる、また冬場には葉が枯れてしまいますので、どうしても餌が不足するということで、これをサイレージにできないかということで、今年度から鹿児島大学と畜産試験場とで連携をとりながら取り組んでいく予定にしております。  なお、先般、大学のほうでは、このサイレージ化によって肥育試験に、肥育牛に給与試験をしたそういった結果も近々まとまるというふうに聞いてございますので、これらが三島、十島は繁殖牛ですから、より肥育牛よりは繁殖牛にうまく使っていけるんじゃないかなと。  ただ、課題としましては、やはり栄養価が低いということと、現地でできるだけサイレージ化するためにはいろんな添加剤等を、できるだけ安易な形で貯蔵するというようなそういった機械に対する整備ですとか、いろんなもろもろの課題がありますけれども、これらを検討しながら、できるだけ速やかに対応していきたいというふうに考えております。 78 ◯たけ委員 ありがとうございました。  今ありましたように、大名竹は孟宗竹と比べて非常にやわらかいですよね。それで、乳酸菌なんか入れることによって、竹の刺すといいますかね、食べますと胃を刺すことがあるんですけど、それがとれる可能性があるので、今、課長が大学とも研究やっておられますので、特に三島、十島においては今、わらを買っておられるわけです。ということは、建物で保存したり、また輸入したりということで物すごく費用がかかっていますが、地元にあるそれが全部使えることになれば、もう敷わらから食べ物の粗飼料は、要らなくなりますので、競争力は非常に増してくると思うんですね。このことができさえすれば今度はほかのまた研究、これをほかで植えたり、もしくは、ほかにできるようになるかもしれないですので、ぜひ、これが国際競争力にも、もしくは地域活性化にも非常に大事なことだと思いますので、よろしくお願いします。  以上です。 79 ◯満薗農村振興課長 先ほどヒヨドリの関係でありましたけれども、大体、傾向見てみますと、一年置きぐらいに発生といいますか、大量に飛来するということなので、ことしにつきましては多くなるんじゃないかなというようなことが予想されているところでございます。  それから、先ほどサルの捕獲の関係でありましたけれども、例年大体千頭ぐらいを捕獲しておりまして、ここの資料のほうには、平成二十四年度の捕獲頭数ということで書いてございますので、これが二十四年度については千七百頭ぐらいということで、かなり多かったということで、二十五年度の実績については、大体数字としては例年並みというようなことで理解をしております。  以上です。 80 ◯小園委員長 ほかにございませんか。 81 ◯松田委員 済みません、二点ほどお願いします。  なかなか素人で難しい部分なんですが、農地中間管理機構、先ほど下鶴委員の相続未登記農地の現状というのもあったと思うんですが、農水省のポンチ絵の中に、結局、所有者不明となっている耕作放棄地については、公告を行い、都道府県知事の裁定により利用権設定という文言があったと思うんですが、これはこのとおり進むということでよろしいんでしょうか。 82 ◯満薗農村振興課長 委員おっしゃるとおり、相続未登記農地につきましては、先ほど説明しましたように、農地法の一部改正で制度が簡便になったということではあるわけですけれども、実際上は、相続人関係の図の作成ですとか、あるいは意向をちゃんと確認できるかとか、本当に大丈夫かというような確認をする作業というのが、非常に事務量を含めて膨大になるというようなことが予想されます。現実的にそういうことになりますので、現実的にはなかなか難しいのかなということで考えておりまして、県といたしましても、この制度が少しでも簡便な制度といいますか、簡略にできるような形でできるように、国に対しても要請していくというところでございます。 83 ◯松田委員 おっしゃるとおりだと思います。国が絵を描いているのと現実の差というのは確かにあるなと思っているところなんですが、ざっくり言いますと、不動産屋をされるのかなと僕は思っているんですが、問題は、出し手と受け手のバランスだと思うんですよね。出し手が多くて、せっかく整備したのに受け手がいないのも困る。出し手がいなければ、そもそもこの機構自体の存在が危ぶまれるという、こういう部分だと思うんですが。  一つは、目標値はあるにせよ、受け手をにらみながら出し手を引っ張っていくという戦略的なことをしないと、せっかく出してもらって、ある程度整備したのに、結果的に受け手がなかなか決まらないというのも難しいかなと思うんですが、しかも、それを委託の形で、県は機構があるけど、実務は市町村がやるわけですから、非常に絵を描く部分と実務とのギャップがあるような感じがするんですけど、こういう戦略的な部分というのは、もうまさに市町村の現場の発想に任せるという感じでいいんでしょうか。 84 ◯満薗農村振興課長 戦略といいますか、農地の流動化につきましては、基本的には今まで市町村が間に入ってやっていたわけですけれども、今後、その制度というのは残りつつ、新たに今回、農地中間管理機構ができまして、委員おっしゃるような不動産屋的な業務をやっていくということでございます。  実際、市町村段階で、狭いといいますか、小さい中での農地のやりとりということになりますと、当然、知った人といいますか、そこだけの関係だけで農地が動いていくということになりますけれども、今回、県一本で中間管理機構という形でやりますので、できるだけ広い出し手、農地といいますか、農地を出してもらって、そこを県下、まさしく県だけでなくて県外を含めていろんな方々に紹介をして、この農地を使いませんかということで紹介しながらやっていくと。そういうことでできるだけその流動化を進めていくと、今までなかなか地域では使っていただかなかった農地についても、町外の人ですとか、地域外の人ですとか、そういう方々にも紹介ができるようなことになるんじゃないかなと、そういうことで流動化も進んでいくんじゃないかなというふうに考えておるわけです。 85 ◯松田委員 おっしゃるとおりだと思うんです。ですから、いえば、そういうモデルケースを早く、機構ができたことによって、そういう市町村でやっていた以上のことができたという実績をつくらないと、今、三ページにあるみたいに、各市町村にモデル地区を設定して、どうだこうだという、せっかく機構ができたという効果が早く出ると、また認識が改まって、ああ、これは機構をしっかり使って、受け手も全国から来られたとかいう実際のこの実績を早くつくっていただければ、うまくいくんじゃないかと思いますので、頑張っていただきたいと思います。  次の質問にいきます。  五ページの六次産業化の連携協定の部分なんですが、これも全く僕も全然わからない部分なんですが、ある意味、これまでこういう特に農業ですが、農業のいろんな形の推進をする上での金融的なバックはJAさんだったと思うんですが、これが鹿銀になるということの効果と、また、今は鹿銀ですけれども、ほかの民間銀行等もやろうとしているのか、そのあたりのことをお聞かせいただきたいんですが。 86 ◯大谷かごしまブランド対策監 今回、鹿児島銀行と、六次産業化の推進に当たりまして連携協定を締結したところでございますが、鹿児島銀行が相手方といいますのは、資料にも書いてありますように、サブファンドを鹿児島銀行が中心になって設立をしております。  そもそもファンドにつきましては、国の段階におきましても、A─FIVEということでそういう投資のファンドが設立されまして、それの地域版と申しますか、サブファンドという形で各県を中心にファンドが設立されました。その際、鹿児島県におきましては、鹿児島銀行が中心になりまして、A─FIVEからの出資を半分受けまして、鹿児島銀行の出資あるいは運営する会社、これは実は鹿児島銀行の子会社になるわけですけど、そこでこのサブファンドを設立しました。  そのサブファンドが今後、六次産業化を進めていこうとする事業者に対して、出資という形で支援をしていくという枠組みが整いましたので、県としましては、その制度を有効的に活用する意味合いも含めまして、今回、サブファンドの設立者である鹿児島銀行と業務締結を行ったというところでございます。 87 ◯松田委員 これ以降、子会社が中心になってこの動きをされるということでよろしいんですか。 88 ◯大谷かごしまブランド対策監 サブファンドにつきましては、運営をする主体としまして、鹿児島銀行の子会社であるところの会社が実際に当たるわけですけど、実質、出資の母体とすれば、先ほど説明しましたように、国のA─FIVEから受けるものが五億、鹿児島銀行が四億九千九百万、その運営会社が百万という形での出資割合になっておりまして、業務は、先ほど申しましたけど、あくまでも窓口といいますか、業務主体とすれば鹿児島銀行の子会社に当たる会社がそのファンドの運用をするという形になっております。 89 ◯松田委員 先ほどあった六次産業化サポートセンターの中身も教えていただいたんですが、実際このプランナーと相談・支援する方が大事だと思うんですが、何人いらっしゃって、どういうふうに働いていかれるのかというのを少しお示しいただきたいんですが。 90 ◯大谷かごしまブランド対策監 六次産業化サポートセンターにつきましては、先ほど申しましたように、県の公益社団法人鹿児島県農業・農村振興協会に業務委託をして、そちらが実施をしてまいります。農業・農村振興協会における推進体制は、総括プランナーという形、あるいはその下にいる者も含めまして二人で実施しますが、それ以外に、六次産業化プランナーということで、いろんな分野、例えば加工の分野だとか、経営の分野、商品開発、マーケティング、いろいろな六次産業化志向者あるいは取り組もうとする方々が希望する専門分野に対してのアドバイスをできる方を、六次産業化プランナーという形で登録をしまして、その方々をその要望する課題等に応じて派遣をして、支援をしていくという形をとっております。  その六次産業化プランナーと申しますのは、同じようにサポートセンターは中央にもございまして、さらに県にもございますという形です。中央サポートセンターに登録されていますプランナーもいらっしゃいますし、県独自で選定をしましてプランナーとして登録して、今後、派遣していこうというような二本立ての体制になっています。  現在、候補者を選定しまして、現在、そのプランナーの候補者から同意を得て、正式にプランナーとして登録する手はずにしておりますけど、現在のところ二十八人をプランナーの候補者として選定をしまして、先ほど申しましたように、最終的にその方々の同意を得た上で登録し、派遣という形で六次産業化志向者への支援を行っていくという形にしております。 91 ◯松田委員 二十八人は県のプランナーということでよろしいでしょうか。  中央のプランナーというのは何人かいらっしゃるんでしょうか。 92 ◯大谷かごしまブランド対策監 中央のプランナーとして登録されている方が十三名です。 93 ◯松田委員 ありがとうございます。  このプランナーの方々とまさに鹿児島銀行の子会社とのやりとりで、実現に推進をしていくという考えでよろしいでしょうか。 94 ◯大谷かごしまブランド対策監 サブファンドからの出資は、一定の要件もございますので、そういう要件を満たされた会社に対しましての出資という形は一つの手法としてあります。  一方では、そこまでいかなくても、農業者みずからあるいは新たな会社を設立して六次産業化に取り組む方々に対しましては、基本的にはサポートセンター等からの指導、支援あるいは計画実現に向けてのさまざまな支援という形が中心になろうかと思いまして、説明が逆になりましたけれども、その中で、一定の要件を満たした一部の会社に対しましては、出資という形の支援もあり得るという形になろうかと思います。 95 ◯松田委員 この連携協定を締結したときの記事の中でも、伊藤知事も、若い農業者が新しいことに挑戦できる場がそろえば、というようなコメントを出していますけど、大きくはそうやって認定農業者だったりとか、会社として組織としてやっているところもあれば、単体で農業されている方もしっかり六次産業化の中に、プランナーとの相談をしながら具体的に動けるような体制になるということで認識していてよろしいですかね。 96 ◯大谷かごしまブランド対策監 委員おっしゃられましたとおり、例えば私が今後、六次産業化に取り組みたいというような意向を持たれた方に対しましては、相談窓口でありますところの六次産業化サポートセンターがアドバイスも行いますし、さらには、国の制度でありますところの六次産業化の総合化事業計画というものを策定する仕組みがあるんですけど、そういうものに実際手を挙げて取り組むという形になりますと、サポートセンターも支援をしていくということで、必ずしも会社組織でなくても、個人の農業者の方でありましても、今後、取り組みをしていきたいという方々に対しては支援できる体制は整っているつもりでございます。 97 ◯松田委員 よくわかりました。  ぜひ、もう大きい方々も当然頑張ってもらわなきゃいけないですけれども、単体でもいろいろできるんだというのに、この六次産業化の連携したことが大きなニュースになって、モチベーションが上がって、具体的に動き出して、具体的なその成果が上がれば、またそれがそこで農業する若い人たちのやりがいにもなると思いますので、これをしっかりまた生かしていただきたいと思っております。  以上で終わります。 98 ◯大津農業開発総合センター所長 先ほど下鶴委員のほうから御質問のありました畜産試験場の予算のことでございますが、畜産試験場の予算、研究に係る予算が大きく分けまして、国の予算を使う公募型の予算と一般財源を充てる予算と二つに分けることができます。  そのうち、一般財源を充てている予算の試験研究予算の総額が畜産試験場で九千万ほどでございます。一方、農産物といいますか、畜産物の売り払い収入、生産物の売り払い収入等が全部で合わせて六千四百七十五万ほどでございます。これを単純に差し引きいたしますと、一般財源というのが二千五百三十七万三千円、これは単純に差し引きをした分でございますけど、このような形になっております。 99 ◯下鶴委員 ありがとうございます。  全体の九千万という額が鹿児島県の二千億もの畜産業に対する試験研究費としてどうかという評価もあろうかと思いますが、その中でさらに県が出している部分で三割程度、二千五、六百万ぐらいだというお話でした。  要望ですが、やっぱり今後の本県の基幹産業である畜産業の振興を図るために、この研究開発費の増額は何とかならんのかなと常々申し上げていますので、ぜひ今後ともこの委員会で議論していきたいと思っております。  以上です。 100 ◯大久保委員 私のほうからは、サトウキビについてお聞きしたいと思います。  サトウキビ、二十五年度は生産量、立ち直ったところがあるんですが、立ち直った原因というのはメイチュウ被害がやっぱり少なくて済んだせいですかね。 101 ◯永吉特産作物対策監 サトウキビの生産につきましては、昨年度より一八%増加しているんですけれども、メイチュウ被害につきましては、二十三年、二十四年、多大な被害があったんですけれども、ことしにつきましては、奄美大島を中心に特に発生はしているんですが、島別にいいますと、奄美大島、喜界島等につきましては若干発生はしているんですけれども、被害の程度は小さいというふうに聞いております。ただ、徳之島と沖永良部、与論島については、坪枯れまではいかないまでも芯枯れが見られるということで、被害の程度は昨年並みに大きいというふうに聞いております。  以上です。 102 ◯大久保委員 ちょっと最後のほうが聞き取りにくかったんですが、徳之島と沖永良部は昨年並みに大きいというのは、メイチュウ被害が昨年並みに大きいということですかね。 103 ◯永吉特産作物対策監 徳之島、沖永良部島、与論島につきましては、現地の報告によりますと、昨年と同程度の被害ということで報告を受けております。 104 ◯大久保委員 それでは、まだメイチュウ被害に対しては、なかなか対策が難しい状況はまだあるということですか。
    105 ◯永吉特産作物対策監 メイチュウ被害対策につきましては、さとうきびの増産基金事業によりまして、奄美大島を中心に八千ヘクタール程度の一斉防除を過去二年間実施しております。今年度も実施する予定です。基本的には、それを基本にした形で実施しておりまして、フェロモンを活用した交信攪乱法がある程度効果があるということで、それらの対策につきましても昨年度が百二十ヘクタール程度、ことしも百二十ヘクタール程度実施しているところでございまして、これらの対策を組み合わせて、できるだけ被害軽減に努めようということに取り組んでいるところでございます。 106 ◯大久保委員 生産量が回復した原因というのは一体どこにあったんでしょうか。 107 ◯久保農産園芸課長 今、メイチュウの話にもありましたけれども、二十三年度は特にひどかったんですけれども、こういった二十三年、二十四年の連続の大きな被害を受けて、国のほうで先ほど言っていますように、さとうきび増産基金というのを造成して、二十五年の段階から徹底的な対策をとってまいりました。  その中で、今あったメイチュウの防除、薬剤の散布とか、あるいは土づくり、それから優良種苗の供給とか、そういったところを各島々で生産者団体一体となって取り組んできた結果、生産の回復が見られたということです。  全体的に昨年は与論島とか沖永良部のほうで長引く干ばつとか台風等はありましたけれども、ほかの島ではそういった気候等、大きな災害もなくて、先ほど言いましたような生産管理の徹底とか、そういう増産基金を利用した活動によって生産の回復が見られたというところでございます。 108 ◯大久保委員 前、視察に奄美のほうに行ったときに、ある地域では堆肥で完熟堆肥と生肥堆肥と二つ生産されていて、サトウキビ畑のほうに生肥の堆肥を使っていたと。それでも余りメタンでやられずにサトウキビは育つから、コストが安いから使っているというのがあるみたいなんですが、ただ、そういった部分に今度、寄ってくる害虫というのもちょっとあるような気もするんですね。硝酸性窒素に要は害虫が吸い寄せられるというような話も別な作物ではちょっと前、専門家から聞いたことがあって、そういった部分の影響というのは何か考えられないのか質問したいんですが。 109 ◯久保農産園芸課長 多分、委員のおっしゃっているのは与論島とかの島かなと思いますけれども、堆肥につきましては通常、何カ月間か切り返しをしながら完熟したもの、そういったものを散布するというのが通常かと思いますけれども、結構そうしますと値段も高くなるというところもありまして、ある程度、中熟の状態のものが散布されているところもあります。それは植えつけ前にある程度期間を置いてやって、土壌に還元してやっているというところがあるわけですけれども、それによってどのような病害の発生とか見られたかというのは、今のところではちょっと把握していないところでございます。 110 ◯大久保委員 先ほど増産対策の中で土づくりの話が出たので、そのような部分の状況があれば、やはり生肥の部分は抑えるような形を検討されたほうがいいのかと思いまして、質問したところでした。  水田の利用の件でちょっとお聞きしたいと思います。  減反政策も修正されて、水田利用のいろいろ圃場整備、従来は減反政策を前提に、水田の約半分ぐらいしか一斉に使われないというようなことを前提にいろいろ整備されてきたと思うんですが、その辺が修正されてくるとある意味、全部で耕作できる状況に水田がなると思います。  そうなったときに、水の確保というのがまた難しい状況も出てくるのではないかと思うと、その辺、心配されるところも地元であるんですけれども、そのあたりについては、何か水田の水確保の心配とかあるいは何か相談というのは寄せられていないでしょうか、県のほうに。 111 ◯堀 農地整備課長 委員おっしゃられるように、水田のフル活用が始まりますと、これまで圃場整備につきましては、減反政策による汎用化を進めることによって畑地化した部分もございますので、その分の水確保につきましては、例えば水利権で、河川から取る場合につきましても、水利権水量を抑えたというか、少なくして計画しておりますし、また、圃場への水利施設につきましてもそういった計算で実質行っておりますので、先ほどから言いますように、水田をフル活用した場合には水が足らないという懸念は当然、発生してくると考えております。  したがって、今後どうするかということですけれども、当面はやはり反復利用とか、そういった形でなるべく一回使ったものをまたもう一回使うような形とか、あるいは水利施設についてもちょっと古くて漏水があるところはパイプライン化して、十分な活用が図られるようにという考えを今後はやっていかなければならないと思っていますけれども、最終的には、やはり水利権の関係もございますので、そういった水源確保についてもう一回練り直して進めていかなければならないところも出てくるのではないかと思っております。 112 ◯大久保委員 わかりました。  国ではそのような動きについて現場をちゃんと把握して、何か対策をとらなきゃいけないなという認識は、国のほうではあるんでしょうか。 113 ◯堀 農地整備課長 国のほうも当然、水田のフル活用を進めるということでそういった懸念は十分承知しておりまして、今後どういった形で行うかということについては、また詰めてくるのではないかと思いますし、当然、各県からもそういった声を上げておりますので、またそういう対策が今後とられるものと考えております。 114 ◯大久保委員 具体的に市町村のほうからはそんな相談は、特に今、困っているとか何かそういうのはないでしょうか。 115 ◯堀 農地整備課長 今の段階で市町村からどうというところはございません。  ただ、新たに新規で圃場整備をする場合、当然、計画をしていく中で、もし水田のフル活用という計画を盛り込んでいくとするならば、水が足らないということになりますので、その段階で計画をもう一回やり直すとか、そういった動きになると思います。 116 ◯大久保委員 じゃ、次の質問に入ります。  さっきISDSの話が出たんですけれども、それに関しては、国のほうはある意味、これを進める方向でいるようなお話だったように思うんですが、確認です。やはりそういう方向に動いているんでしょうか。 117 ◯横山農政課長 先ほども御説明しましたとおり、我が国が他の国と今、締結をしておりますEPAないしFTAについては全てISDS条項を入れると。それは、相手国において例えばいきなり外国企業、日本企業も含めて外国企業が閉め出されるようなこととかいうのが、いわゆる新興国においては間々あることでありまして、そういった不当な扱いを我が国の進出企業を受けないように、そういったISDS条項を盛り込んでいくという方向は基本的には我が国としてはあるというふうに聞いております。 118 ◯大久保委員 この手続において、実際、物の本によると、仲裁機関を利用してこの紛争解決を図るというふうになっているんですけれども、その仲裁機関というものが本当に中立なのかとか、適正な判断が確保されるんだとかいう部分について心配をする向きもあるんですが、そのあたりは公平性とかの確保はどうなっているんでしょうか。 119 ◯横山農政課長 これも当然、我が国としてしっかり監視をしているところだと思います。まさに国際機関でありまして、我が国の加盟している国際機関の中で仲裁機関も設置されているというふうに聞いておりますので、そういった意味では、我が国も当然、中立的でない場合には、それについては意見を申し上げていくということではあろうと思いますけれども、そこは中立であるという前提でこのISDSというのを進めていることだと思います。 120 ◯大久保委員 やはり日本の三権のうちの一つ、司法権の部分の侵害にもちょっとつながる心配もある仕組みかなというふうに思っているんですけれども、その辺の司法権の侵害に当たらないような形の方策というか対応というのは、政府としてはやはり念頭に置いてこれは動いていらっしゃるんでしょうか。 121 ◯横山農政課長 これは、いわゆる条約その他の協定と我が国の法令との関係でありますので、しっかり結ばれた条約ないし協定は遵守していくということではありますけれども、当然その過程においては、我が国の主権といいますか、国としての権利が守られていくようにしっかり交渉をすべきであるというふうに思います。 122 ◯大久保委員 あと、韓国がアメリカと結んだFTAのほうで、片方しか訴えることができないとかという話もあったんですが、今回、TPPの中で日本が想定しているのは、双方向でのやはり紛争解決のための訴えができるというような仕組みはやっぱり考えていらっしゃるんでしょうか。 123 ◯横山農政課長 TPP、複数国間の国際協定でありますけれども、当然、総務的に義務を負うというような協定にしていくということでございます。 124 ◯大久保委員 それでは、次の質問に入ります。あと二つです。  先ほど、オールジャパンの話があったんですけれども、先日、産地間競争が激しくて、農産物によっては輸出先でいろいろ日本の地域同士の産地でのたたき合いが始まって、値段がやはりいい値段で売れなくなっている現実もあるので、できればそういった意味でのオールジャパンというのは必要だよというようなこともあったんですけれども、このオールジャパンの取り組みについては、本県についてもやっぱりそういう弊害というのが現実にあって、その部分については何とかしなきゃいけないというような認識というのは何かあるんでしょうか。 125 ◯大谷かごしまブランド対策監 現在の輸出におきまして、確かに香港だとか、いわゆる輸出品の成熟市場と言われるところにおきましては、例えば牛肉の場合も、鹿児島和牛が出ており、佐賀牛が出ておるというような形で、それぞれが競うような形で輸出がされているというのが現状でございます。  今、国としましては、そういうような現状を踏まえた上で、今後やはり輸出を二〇二〇年に一兆円、二〇三〇年には五兆円という形の目標を立てて進めていく中においては、やはりオールジャパンという体制で取り組む必要があるのじゃないかという方向性を今般、示したばかりでございまして、そのために、先ほど農政課長も申しましたけど、その司令塔としての輸出戦略、実行委員会なるものを設置し、これは昨日、六月二十六日に初めての会合が持たれて、会自体が設立された中なんですけど、それのもとに各品目ごとの検討部会なりを設置して、今後の取り組みについて検討を進めるという形で打ち出されたところでございます。  したがいまして、今、どこまでの組織で、どういう取り組みを具体的にするかというところまでは、今からの議論が始まるところでございまして、県としましては当然そのような議論を見きわめた上で、必要な部分については一体となって取り組んでいく必要があるというようには考えております。 126 ◯大久保委員 はい、わかりました。  最後の質問です。六次産業化の件で質問します。  国のほうで、十年間で十倍という六次産業化の市場拡大を目指しているわけですが、本県もその数字に倣えば、三百八十億を三千八百億に向こう十年間でするのかなという期待があるところです。  そういう中で、どういう形で十倍に持っていくのか、さっきのサブファンドの部分を活用して何倍とか、何かを利用して何倍とか、そういう具体的なプランとかそういうものは、何か今、鹿児島県としてはお持ちなんでしょうか。 127 ◯横山農政課長 県の方針としましては、食と農の県民条例に基づく基本方針が経過期間を迎えますので、この基本方針の見直しというのを今年度中に進めていく予定としています。この中で、今後、農家の所得向上あるいは農村所得向上というものに対してどういうふうな取り組みをしていくか、あるいは目標をどういうふうに設定していくかということについても、しっかり位置づけていきたいというふうに考えております。  現時点で、例えば何を倍増させるか、何を何倍にするとかいうような数値を設定しているものではありませんけれども、国のこういった所得倍増というのも打ち出されておりますので、それに連動してなるべく農業・農村の所得が向上されていくように取り組みを進めていきたいというふうに考えております。 128 ◯大久保委員 それでは、その基本方針の見直しを受けての話だと思います。目標を掲げていただく中で、またその目標を実現するための手段についても、またそのときに示していただきますようお願いして、質問を終わります。 129 ◯小園委員長 ほかに質問はありませんか。 130 ◯田之上委員 農政部長から最初に、国における農業改革をめぐる動きの中で農林水産業・地域の活力創造プラン、御説明をいただきましたが、我が国の農山漁村は、安心・安全な食料の供給、また国土の保全、水源の涵養、伝統文化の継承など多面的な機能を果たしてきたと思っております。ただ、これらの機能は、将来にわたって国民全体の利益としての農業・農村を守ることは政治の大きな責任であると思っております。しかしながら、御承知のとおり、今、少子高齢化の進行あるいは生活環境の整備のおくれなどから、人口の急激な減少があり、集落機能の維持も困難になってきているのが現状であると思います。  そこで質問でありますが、国は、新たに農林水産業・地域の活力創造プランや農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律などに基づいて、政策を構築していく旨の表明がされたようでありますが、そこで二点ほどお尋ねをしたいと思います。  今ここに、資料を配付をしていただいておりますが、農林水産業・地域の活力創造プランの改訂の内容について、端的に教えていただきたい。  二点目は、農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律が、来年四月に施行されることになっておりますが、我が県にこの二つがどのような影響、期待が持てるのか、お尋ねをいたしたいと思います。 131 ◯横山農政課長 それでは私のほうから、農林水産業・地域の活力創造プラン、この改訂についてまず御説明を申し上げたいと思います。  まず、お手元のこの紙を見ていただければと思いますけれども、活力創造プランの概要というふうに書いてあるほうから御説明したいと思いますけれども、首相官邸に内閣総理大臣を本部長といたします農林水産業・地域の活力創造本部というのが置かれております。各閣僚を本部員といたしております。ここで、農林水産業や地域の活力を創造していくためにどういったことをしていけばいいかということで検討がなされまして、プランが策定をされましたのが昨年十二月になります。  その十二月に策定されましたプランの概要といたしまして、大きく四つの柱があったということでございます。この真ん中の四つの枠でありますけれども、一つが、需要フロンティアの拡大ということで、国内外の輸出あるいは地産地消といった形で国内外の需要を広げていく戦略と、二番目が、需要と供給をつなぐバリューチェーンの構築と書いてありますけど、要は六次産業化を推進していくでありますとか、あるいは成長産業化に向けて、まさに中山間地域などで大きな役割を果たす農協をどういうふうにこれからしていくのかといったことが打ち出されたわけであります。  三番目が、多面的機能の維持・発揮ということで、日本型直接支払制度の創設でありますとか、農山漁村の活性化に向けた政策というものが打ち出されたところでございます。  四番目として、そういったものの推進の基盤となる生産現場の強化ということで、まさに農地中間管理機構の活用でありますとか、経営所得安定対策あるいは生産調整の見直しといったことが打ち出されたということでございます。  その際に、このプランの中でさらに議論を進化させていって、その議論を進化させる場としての産業競争力会議あるいは規制改革会議というのを活用いたしまして、本年六月をめどにプランを改訂するということが盛り込まれていたところでございます。  それに基づきまして、産業競争力会議あるいは規制改革会議におきまして検討が続けられまして、また、もちろんこの活力創造本部においても検討が進められまして、プランが改訂をされたというところでございます。  プランの改訂についてというほうをごらんいただければと思いますけれども、この間、報道等で、特に農協でありますとか、農業委員会の改革について特に注目されたわけでありますけれども、それ以外にもいろいろ改訂のポイントがございまして、この紙の枠の右側のほうを見ていただければと思いますけれども、一番目に先ほど申し上げました輸出促進でありますとか地産地消・食育等の推進の中で、先ほども御説明しましたオールジャパンの輸出体制あるいは輸出環境の整備ということが新たに盛り込まれてございます。  また、二番目の六次産業化等の推進の中で、A─FIVEの積極的活用あるいは畜産・酪農の強化ということが盛り込まれてございます。  それから、従来の活力創造プランにおいては、農業の成長産業化に向けた農協の役割について検討するというようなことで記述があったわけですけれども、今回の改訂におきまして、具体的に農協や農業委員会等の改革の中身が盛り込まれたところでございます。また、農山漁村の活性化ということについても、人口減少社会における、というのが追加されて、具体的にも活性化に向けた施策の中身というのが追加されたところでございます。  プランの概要については、以上でございます。 132 ◯満薗農村振興課長 農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律についてでございますけれども、この法律につきましては、今、説明があったような農林水産業・地域の活力創造プランを踏まえまして、農業の多面的機能の維持・発揮を図るために、多面的機能支払、それから中山間地域等直接支払あるいは環境保全型農業直接支援、これらの直接支払の制度を日本型直接支払制度ということで位置づけまして、その取り組みを位置づけた法律になっております。  この法律では、国ですとか、都道府県あるいは市町村による費用の補助についてもちゃんと明記をされているところでございまして、これまでこれらの直接支払の制度につきましては予算での対応という形でございましたが、それがこの法律によりまして、法制化でちゃんと位置づけられたということで、今後とも制度が安定して続いていくということが見込まれるということで、これらが期待される効果なのかなということで考えております。 133 ◯田之上委員 今、農政課長、農村振興課長から説明をいただきました。  もう質問はいたしませんが、ここで要望をしておきたいと思います。  やはり今、御説明をいただいたことは、農家はもとよりでありますが、県民あるいは国民の理解なくしては施策は進まないのではないかなと思います。このプランを初め、来年の法律が施行されるこの趣旨を県民、わかるように説明をしっかりとしていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。  そこで、委員の皆様方にお願いを申し上げますが、今、両課長から説明をいただきました「農山漁村の多面的機能発揮のための総合的な施策の展開と財源を求める意見書」の発議を提案いたします。今、文案をお配りをいたしますので、どうぞ御審議をいただきまして、御賛同をいただくことを重ねてお願いを申し上げます。 134 ◯小園委員長 ここで、暫時休憩いたします。         午後零時五分休憩      ────────────────         午後零時六分再開 135 ◯小園委員長 再開いたします。  ただいま田之上委員から、「農山漁村の多面的機能発揮のための総合的な施策の展開と財源の確保を求める意見書」を国に対して提出したいとの提案がありましたが、意見書を発議することに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 136 ◯小園委員長 全委員の賛同が得られましたので、委員会として意見書を発議することに決定いたしました。  文案等については、配付いたしましたとおりとし、字句の修正等については当席に御一任いただきたいと存じますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 137 ◯小園委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。  委員長報告につきましては、特定調査事項を含み、文案は当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 138 ◯小園委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。  次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条の規定に基づく閉会中の委員会活動についてお諮りいたします。  請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件につきましては、商工業及び観光振興対策について、労働対策について、水産業振興対策について、農業振興対策についての四項目といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 139 ◯小園委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたします。  以上をもちまして、産業経済委員会の日程は全て終了いたしました。  これで、閉会いたします。  御苦労さまでした。         午後零時七分閉会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...