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2014-03-26 平成26年第1回定例会(第10日目) 本文
2014-03-26 平成26年第1回定例会(第10日目) 名簿

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  1. 鹿児島県議会 2014-03-26
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    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
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    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(池畑憲一君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、議案第三一号から議案第七〇号まで、議案第七三    号及び請願・陳情並びに特別委員会付託事項の一    括上程  一、同右議案等委員長報告、質疑、討論、表決  一、原子力安全対策等特別委員会及び海外経済交流促    進等特別委員会中間報告、質疑  一、閉会中の継続審査の件  一、議案第七一号撤回の件  一、議案議第一号の上程  一、同右議案等提案理由説明、質疑、討論、表決  一、意見書案等の一括上程、質疑、討論、表決
     一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 議案第三一号─議案第七〇号、議案第七三号、      請願・陳情、特別委員会付託事項上程 ◯議長(池畑憲一君)まず、議案第三一号から議案第七〇号まで、議案第七三号及び請願・陳情並びに特別委員会付託事項を一括議題といたします。       ───────────── 3    △ 各委員長審査結果報告 ◯議長(池畑憲一君)これより、委員長の報告に入ります。  まず、総務委員長の報告を求めます。  園田豊君。    [総務委員長園田 豊君登壇] 4 ◯総務委員長(園田 豊君)おはようございます。  総務委員会の審査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第四二号など議案十一件につきましては、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主なものについて申し上げます。  まず、議案第四二号鹿児島県職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例制定の件に関しまして、税務手当を月額から日額にする意味について質疑があり、「既に二十八都府県が日額支給制としている。全国的な流れとして日額化する動きがあり、国からも、日額または一件当たりの単位で支給するのが適当であるとの助言もあり、今回、日額化に見直すこととする」との答弁がありました。  続いて、職員団体との協議の状況について質疑があり、「平成二十三年秋に税務手当の見直しを提案して以降、協議を続けてきたが、職員団体からは強い反対があった。しかしながら、提案から二年が経過し、本県の支給額が全国一高い水準にあること等を踏まえ、また、人事委員会からも、特殊勤務手当については適宜適切に見直しを行う必要があるとされていることから、妥結していないが条例案を提出した」との答弁がありました。  次に、議案第四五号消費税率及び地方消費税率の引上げに伴う使用料及び手数料関係条例の改正に関する条例制定の件に関しまして、「消費税率の引き上げに伴う改定を行うものと行わないものを区別する基準は何か」との質疑があり、「消費税法に課税対象と非課税対象が定められており、原則として使用料は課税対象、手数料は非課税対象となっている。今回、課税対象となる全てについて検討しているが、端数処理で三%を大きく上回る率となるものは適用していない」との答弁がありました。  続いて、「今回提案されているものは全て課税対象か」との質疑があり、「消費税非課税のものについて、物件費等が消費税増の影響を受けるので、原価計算の結果、増になるものもある」との答弁がありました。  次に、議案第四七号鹿児島県財産に関する条例の一部を改正する条例制定の件に関しまして、「消費税分の上乗せがある行政財産の使用料はどういった人が支払うのか」との質疑があり、「例えば、県庁行政庁舎に入っている売店、食堂、銀行などに目的外使用許可を行っており、これらの方が行政財産の使用料を徴収する対象となる」との答弁がありました。  次に、議案第四八号鹿児島県暴力団排除条例制定の件に関しまして、パブリックコメントなど意見照会の結果について質疑があり、「パブリックコメントは、昨年十二月十八日から一月十七日まで実施し、個人・団体から二十九件の意見があった。主な意見として、改正への賛同のほかに、利益供与禁止規定違反に罰則を設けるべきとの意見、警察の保護措置の強化を求める意見、警察から事業者への情報提供を求める意見等があったが、利益供与禁止規定違反には勧告・公表等の行政措置を設けることとしており、条例の実効性は確保できると考えている。また、現状でも警察署が保護措置や事業者への情報提供を行っており、今後も周知を図ることとしている」との答弁がありました。  次に、議案第四六号鹿児島県手数料徴収条例の一部を改正する条例制定の件に関しまして、県民生活局分の保育士試験の全部の免除申請の審査に係る手数料について、「免除申請の対象者はどういう人か」との質疑があり、「対象者は、幼稚園教諭免状を持ち、認定子ども園、幼稚園、保育所等の実務経験が三年かつ四千三百二十時間以上、また、必要な単位修得者である。現在の幼稚園教諭免状所持者は、三十四単位の修得が必要であるが、今回の特例制度では、四教科八単位を修得し申請すれば、保育士資格を取得できる」との答弁がありました。  次に、議案第六六号包括外部監査契約の締結について議決を求める件に関しまして、「外部監査としてかかわるのは、どういう人で、何名か」との質疑があり、「外部監査については、公認会計士一名と契約するが、実際の監査では、本年度及び昨年度、補助者として公認会計士六名が実施している」との答弁がありました。  請願・陳情については、お手元に配付してあります請願・陳情委員会審査結果一覧表のとおりでございますが、新規の陳情一件及び継続審査の請願一件につきまして、いずれも不採択とすべきものとなっております。  審査の過程の主なものについて申し上げます。  新規の陳情第一〇一九号「鹿児島県議会史第三巻」の早期刊行に関する陳情書に関しましては、議会事務局から「『議会と県政』は、『議会史』に比べ、本会議及び委員会の審議や活動内容が詳細に記録され、質量ともに充実している」との状況説明の後、委員から、「議会活動等を県民に周知することは極めて大事と考えるが、活動を紹介する手だてはどのようなものがあるか」との質疑があり、「『議会と県政』のほか、定例会・委員会会議録定例会ごとの議会時報、年二回県下全世帯に配布する県議会だよりのほか、県議会ホームページ広報テレビ番組の放送など、さまざまな媒体を利用し、県民に議会活動をよりわかりやすく伝える取り組みを行っている」との答弁がありました。  委員からは、「今、つくられている『議会と県政』に関して、その中身や議会自身のかかわり方について、今回の陳情を契機として議会で検討する必要があるので、継続審査としたい」との意見と、「『議会と県政』を今後とも継続して発行するとしていることや、県民に周知する資料などが充実していることなど、現在の状況を総合的に考慮し、当面は『議会史第三巻』を刊行するまでには及ばないので、不採択とせざるを得ない」との意見があり、採決の結果、不採択とすべきものと決定いたしました。  継続の請願第一〇〇二号国に対し消費税増税中止を求める意見書の提出を求める請願書に関しましては、「消費税の増税により、県財政の歳出が一般財源ベースで二十五億円程度の負担増になり、これが県民の手数料・使用料の引き上げにつながる。また、アンケートで九割の方が家計への影響があると答えているので、県民の暮らしを守る立場から、消費税増税反対について県議会の意思を示すべきであり、本請願を採択すべきである」との意見と、「消費税の増税は、毎年一兆円規模で予算がふえ、財政を圧迫し続ける社会保障制度の持続可能性と充実を図るとともに、財政を立て直すのが目的であり、また、消費税増税に備えた経済対策を盛り込んだ平成二十五年度補正予算は二月早々に成立し、さらに、平成二十六年度予算案も衆議院を通過して年度内成立が確実になっており、経済対策が円滑に実施されるのは間違いない状況であることから、不採択とすべきである」との意見があり、採決の結果、不採択とすべきものと決定いたしました。  以上で、報告を終わります。 5 ◯議長(池畑憲一君)次は、産業経済委員長の報告を求めます。  高橋稔君。    [産業経済委員長高橋 稔君登壇] 6 ◯産業経済委員長(高橋 稔君)産業経済委員会の主な審査結果等について、御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第四六号鹿児島県手数料徴収条例の一部を改正する条例制定の件など議案二件につきましては、審査の結果、いずれも全会一致で原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げます。  議案第五五号鹿児島県工業技術センター手数料及び使用料徴収条例の一部を改正する条例制定の件につきましては、定性分析に係る単価が引き上げになっている理由について質疑があり、「分析手数料の上限額を改定するものであるが、内容については、従来より精度の高い分析ができるように、新しい分析機器を使用することによるためである。LEDなどの微少な金属部分の分析を依頼したいという企業のニーズもあり、それらに対応するため単価を設定している」との答弁がありました。  次に、請願・陳情につきましては、お手元に配付してあります請願・陳情委員会審査結果一覧表のとおりであります。  審査の過程の主な論議について申し上げます。  新規の陳情第二〇一五号農林水産業対策に関する陳情書につきましては、「野生生物による農林水産物被害対策は、これまでもハード・ソフト両面にわたりさまざまな被害防止対策に取り組んでいただいているが、依然として各地域で被害が発生し、耕作放棄地の増加にもつながるなど深刻な影響を与えており、さらに効果的な被害防止対策に取り組む必要がある。また、六次産業化については、新たな市場や付加価値の創出を通じ、所得の向上や雇用を実現し、地域経済の活性化につながるものであり、引き続き推進していく必要がある」との意見があり、全会一致で採択すべきものと決定いたしました。  また、陳情第二〇一六号TPP─環太平洋連携協定─交渉に関する陳情書については、「TPPは、農林水産業のみならず、食の安全、医療など国民生活に直結する問題である。特に農業は本県の基幹産業であり、米、サトウキビ、でん粉用サツマイモ、牛肉、豚肉などの農畜産物について関税が撤廃された場合、本県農業・農村に大きな影響が懸念されている。本議会においても、今後のTPP交渉について、国会の衆参農林水産委員会決議を必ず実現するとともに、国民への情報開示を徹底することを強く求める意見書を二月二十七日付で、政府に対し、提出したところである」との意見があり、全会一致で採択すべきものと決定いたしました。  次に、県政一般の特定調査について申し上げます。  商工労働水産部関係では、水産技術開発センターにおける研究成果と普及について、集中的に論議が交わされました。  まず、水産物の付加価値向上に関する研究開発について、技術的指導や商品化後の販売促進についての質疑があり、「加工品開発については、技術的指導水産技術開発センターで行っている。販売対策については、水産振興課において助言・指導を行っているほか、所管する水産加工品販路開拓ものづくり推進協議会において、会員を対象に研修会を開催するなど、販売促進に取り組んでいる」との答弁がありました。  また、種苗生産についての水産技術開発センターの役割について質問があり、「センターでは種苗生産の技術開発を行っており、技術開発終了後は、公益財団法人かごしま豊かな海づくり協会へ技術移転をしている。直近では、カンパチについて協会に技術移転し、平成二十三年度から垂水市の県の種苗生産施設で種苗生産を行っている」との答弁がありました。  委員からは、水産技術開発センターの調査・研究に係る予算確保に向けた努力や、海砂採取が漁業に与える影響の調査を求める要望がありました。  農政部関係では、農業開発総合センターにおける研究成果と普及について、集中的に論議が交わされました。  まず、農業開発総合センターの研究費と研究課題のニーズ把握等について質疑があり、「平成二十六年度は、全体で前年比六百万円増の二億九千八百万円程度の研究費を予算計上している。研究課題の設定は、現場のニーズを踏まえる必要があるので、地域振興局・支庁が農協、市町村、農業関係団体、農家等の意見を幅広く把握するとともに、各種の生産対策等の会議において出された試験研究に対する意見も参考にしながら、農業開発総合センターにおいて課題を構築している」との答弁がありました。  委員からは、農業開発総合センターにおける基礎的研究や普及につながる研究に係る予算確保に向けた努力を求める要望がありました。  続いて、一般調査について申し上げます。  商工労働水産部関係では、中小企業振興に関するかごしま県民条例に基づき作成した平成二十六年度推進計画の周知方法等について質疑があり、「年度推進計画の周知については、各地域振興局・支庁単位で年度初めに中小企業者等との意見交換会を開催するほか、商工団体等が実施する研修会や会議などの機会を捉えて周知を行いたい」との答弁がありました。  委員からは、「平成二十六年度は新規事業も多いので早目の周知をお願いしたい。また、施策の活用に当たって、申請様式の見直し等、利用者にとって簡便な手続となるよう工夫をお願いしたい」との要望がありました。  また、農政部関係では、家畜衛生対策を踏まえた今後の畜産の振興について質疑があり、「家畜伝染病の発生は畜産振興を図る上での大きな阻害要因であり、家畜衛生対策は最も重要である。近隣諸国で悪性伝染病が続発していることも踏まえ、輸入飼料に依存しない体制の構築、海外悪性伝染病に対する危機管理体制の構築、一般の慢性疾病対策を含めた、農家・市町村・団体が一体となった地域ぐるみでの家畜衛生対策への取り組みが重要であり、このような取り組みにより本県の畜産振興が図られると考えている」との答弁がありました。  以上で、報告を終わります。 7 ◯議長(池畑憲一君)次は、企画建設委員長の報告を求めます。  小園しげよし君。    [企画建設委員長小園しげよし君登壇] 8 ◯企画建設委員長小園しげよし君)企画建設委員会での審査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第四六号など議案五件につきましては、いずれも全会一致で原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げます。  議案第五六号鹿児島県道路公社の有料道路事業に係る国土交通大臣の許可事項の一部変更に同意することについて議決を求める件に関し、委員から、「消費税等の引き上げに伴い、指宿有料道路の料金を変更することについて、高速道路に比べて料金が高いのではないかと聞くが、どのように考えているか」との質疑があり、「指宿有料道路の料金については、建設に要した費用を償還するための料金設定をしている。一方、高速道路は、全国プール制に基づく料金設定になっており、設定方法が異なっている。今回、消費税等の引き上げに伴い、料金を変更しなかった場合、償還ができなくなるため、やむを得ない改定である」との答弁がありました。  次に、議案第五八号鹿児島県水防協議会条例の一部を改正する条例制定の件に関し、委員の定数について質疑があり、「これまでは、水防法に、委員の定数は委員長一人、委員十五人との規定があったが、いわゆる第三次一括法によりその規定が廃止されることから、条例において、これまでと同様の内容で定数を定めるものである」との答弁がありました。  次に、請願・陳情につきましては、お手元に配付してあります請願・陳情委員会審査結果一覧表のとおりですが、新規分の陳情五件につきましては、一件を採択、四件を継続審査すべきものと決定し、また、継続審査分の一件につきましては、継続審査すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げます。  まず、新規付託分の陳情第三〇四一号条例制定に関する陳情書について、これは、企画部の特定調査であります外国資本による土地買収等についてとあわせて審査を行い、集中的な議論が交わされました。  委員から、「既に条例を制定している他の道県において、条例によって、外国資本による土地取引を事前にチェックできたなどの事例があるのか」との質疑があり、「他県の運用状況や効果などについて、今後、詳細を調査していきたいと考えているが、現時点では、条例を制定したことにより、外国資本の土地取引を規制した実例はないと聞いている」との答弁がありました。  また、委員から、「県の考え方は、国の法整備を見計らうというのが基本的な姿勢なのか」との質疑があり、「県としては、国の動きや他県における土地取引の規制に係る運用状況などを注視してまいりたい」との答弁がありました。  委員から、「国が法律の整備を含め総合的に検討するとしていることや、既に条例を制定している道県の状況を確認する必要があることから継続審査すべき」との意見があり、全会一致で継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、陳情第三〇四三号屋久島空港ターミナルビルの整備促進に関する陳情書について、乗降客数の推移や今後の直行便の予定について質疑があり、「屋久島空港の乗降客数は、平成五年の世界自然遺産登録以来増加していたが、平成十六年度をピークに、経済状況等が影響し、減少してきている。なお、平成二十四年度は福岡直行便の運航等により増加となっている。地元では、特に関東からの直行便を希望していると聞いている」との答弁がありました。  委員から、「空港ビル会社においては、ビルを建てかえる方針は決定したようであるが、具体的な計画が明らかになっていないことから継続審査すべき」との意見があり、全会一致で継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、陳情第三〇四四号離島地域における燃油価格差縮減に関する陳情書について、委員から、「現在、一リットル当たり十円から三十五円の支援がなされているとのことであるが、格差はどのようになっているのか」との質疑があり、「ことし二月のデータでは、本土平均が百六十五円、離島平均が百八十一円と十六円の差がある」との答弁がありました。  委員から、「国においては、平成二十三年度から離島ガソリン流通コスト支援事業を実施しており、県としては、同事業の継続・拡充などを国に要望を行っているとのことであるので、採択すべき」との意見があり、全会一致で採択すべきものと決定いたしました。  次に、県政一般の特定調査について申し上げます。  土木部関係では、建設業と入札制度の現状及び課題について、集中的な議論が交わされました。  建設業の事業所数が十年間で約一七%減少し、従業員数が十年間で約二九%減少している。平成二十五年度の入札不調の件数は、一月末時点で九十四件で、前年度の同月との比較で六十五件増加している。入札不調は、主に技術者等の不足が原因で発生していると認識しており、技術者や担い手の確保対策に取り組んでいるなどの説明があり、委員から、「現場代理人の兼任に関する運用が試行されているが、緩和することにより不都合は出ていないか」との質問があり、「県の土木部の発注工事で、これまで七件の兼任を認めているが、支障が出ているとは聞いていない」との答弁がありました。  また、委員から、「若者が建設業に対し魅力を感じていないと思うが、子供のころから建設業に関心を持つようにする努力をしているか」との質問があり、「土木フェスタなど建設業のイメージアップを図るイベントを通じ、子供たちにも土木に対して興味を持ち、建設業への理解を深めてもらえるよう取り組んでいる」との答弁がありました。  委員から、「教育委員会とも連携し、子供たちが建設業に関心を持つよう取り組んでもらいたい」との要望がありました。  土木部の一般調査において、県発注の海上工事の独占禁止法違反事案について議論がありました。  談合についての基本的認識や再発防止の対策について質問があり、「公共工事の発注に当たっては、談合はあってはならないものである。県としては、入札の競争性の向上や適正な競争の推進を図る観点から、予定価格の事後公表の拡大など入札制度の改善を行ってきたところであり、今後とも引き続き、国や他県の事例等も参考にしながら、再発防止に努めていきたい」との答弁がありました。  また、委員から、「昨今は、景気対策等もあり、建設業を取り巻く環境は以前よりは改善されていると感じるが、どのように考えているか」との質問があり、「県内の建設業は、公共工事の縮減、それに伴う受注競争の激化等により、依然として厳しい経営環境にあると認識している」との答弁がありました。  また、県の建設業に対する認識についての質問があり、「建設業は、本県において主要な産業の一つである。また、地域の経済や雇用を支えており、災害時の迅速な対応等において重要な役割を果たしていると認識している」との答弁がありました。  これらの議論を踏まえ、委員から、損害賠償請求に係る民事調停に関し、損害賠償請求の原則を踏まえるとともに、県内建設業者の果たす役割や建設業者をめぐる事情、県内地域経済の経営や雇用への影響及び再発防止への取り組みも十分考慮の上、減額に応じるなど、円滑な調停結果となるよう要望する内容の決議の提案がなされ、委員会として発議することに決定いたしました。  なお、委員から、「談合はあってはならない。建設業者は談合を行ったことを十分反省すべきであり、再発防止の対策に徹底的に取り組むべきである」との意見があり、「県は、建設業界に対し、さらに指導していただきたい」との要望がありました。  以上で、報告を終わります。 9 ◯議長(池畑憲一君)次は、文教警察委員長の報告を求めます。  き久伸一郎君。    [文教警察委員長き久伸一郎君登壇] 10 ◯文教警察委員長(き久伸一郎君)文教警察委員会での審査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第四六号など議案八件につきましては、いずれも全会一致で原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げます。  議案第六八号の自動車運転免許試験場使用料徴収条例の一部を改正する条例制定の件に関して、年間の使用件数や使用料設定の考え方について質疑があり、「平成二十五年の実績は、中型自動車が六百五十二件、普通自動車が四千七百四十一件、自動二輪車が三百五十二件である。従来は車種ごとに使用料を設定していたが、九州各県においては、車種にかかわらず開放するコースを専有する使用料として設定されており、本県においても、コースの評価額に対する使用料に改めたものである。九州各県の使用料は、一時間当たり千五百円から二千円となっており、改正後の一時間使用した場合の使用料千九百円は、突出して高い額ではない」との答弁がありました。  次に、請願・陳情につきましては、お手元に配付してあります請願・陳情委員会審査結果一覧表のとおりでありますが、新規付託分の請願一件につきましては、継続審査すべきものと、また、新規付託分の陳情三件につきましては、二件を継続審査、一件を不採択とすべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げます。  請願第四〇〇三号鹿児島市南部地区特別支援教育の充実に関する請願書に関しまして、「特別な支援を要する児童生徒の数が本県でもふえている状況にあり、鹿児島市南部に高等部が設置されていない中で、結果的に北部及び中部に偏ってしまっているのではないかと思われるが、そのバランスをどう考えているのか」との質疑があり、「特別支援学校に通う生徒数を推計すると、少子化で子供の数が減っている中で、今後、鹿児島市北部及び中部は減少、南部は横ばいであり、また、小・中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒数は全県的に増加傾向にある。現在、高等部については、鹿児島養護学校、武岡台養護学校及び鹿児島高等特別支援学校で受け入れる体制であり、南部の人口が急激にふえる場合は別の判断も必要であると考えるが、高等部の教育環境は十分提供できていると考えている」との答弁がありました。  また、インクルーシブ教育の観点から、鹿児島盲学校の教室を活用することについて質疑があり、「障害のある児童生徒が、障害のない、あるいは他の障害種の児童生徒とともに学ぶ環境があるということは、交流ができるという意味で成長にとって望ましいことと考えているが、一方で、視覚障害の児童生徒が知的障害のある児童生徒と同じ校舎で学ぶ場合は、安全上の配慮が必要ではないかと考えている」との答弁がありました。  本請願については、「鹿児島市の人口は南部に移ってきており、長期的に考えると問題意識は出てくると思われる。将来的に特別支援教育の重要性がますます増していく時代になっていくことを考慮すれば、早目早目の対応を検討しなければならない」との意見もありましたが、「今後の鹿児島市南部の状況等を見守るべき」、あるいは「委員会での認識を共有し、その認識を深めていく必要がある」として、全会一致で継続審査すべきものと決定いたしました。  続きまして、県政一般の特定調査について申し上げます。  教育委員会関係では、いじめ防止対策推進法への対応として、県いじめ防止基本方針案について、集中的に論議が交わされました。  まず、「学校に設置される第三者委員会と既存のいじめ問題等相談員派遣事業との整合性はどうなるのか」との質疑に対し、「相談員は、個別の事案について、教職員や保護者からの相談に対応するものであり、重大事態が発生した場合の調査の際には、学校に設置される第三者委員会に相談員を活用するケースも考えられるが、より広く人材を確保し、客観性及び中立性を担保できる体制で調査していただくことを考えている」との答弁がありました。  次に、外部人材を活用するに当たって、今後、各地域における市町村・関係機関への周知活動について質問があり、「スクールカウンセラーが入るケースもあるが、弁護士等の職能団体に協力を依頼して、円滑に外部人材の紹介・推薦等していただく体制をとる必要があると考えている。また、関係機関・団体との情報共有の場として、県いじめ問題対策連絡協議会を設置することとしている」との答弁がありました。  また、体罰の禁止及び人権教育の視点に立った取り組みを盛り込むことについては、「パブリックコメントにおいても同じ趣旨の意見があり、県いじめ防止基本方針案に追記することを考えている」との答弁がありました。
     委員からは、「文部科学省のいじめ防止基本方針においては、子供の生きる権利や人権教育についての細かい記述がなかったが、本県のいじめ防止基本方針案には、人権教育の充実についてしっかり記述して、子供たちのいじめ防止につなげていただきたい」との要望がありました。  続きまして、一般調査について申し上げます。  警察本部関係では、交通事故防止の対策について質問があり、「校庭に模擬交差点等を設置して、児童に実際に自転車に乗ってもらって交通ルールを指導するほか、学校によってはお巡りさんといっしょに帰る日を設けて、標識の意味などを現場で指導している。また、死亡事故が発生した現場では、関係者が一堂に会して合同の現場診断を行い、再発防止のためにできることから早期に実施しており、高齢者の死亡事故も多いことから、高齢ドライバー、高齢歩行者及び一般ドライバーに分けてそれぞれの対策を行っている」との答弁がありました。  また、特殊詐欺に関する質問に対しては、「公募で決定したうそ電話詐欺は、年齢を問わずわかりやすい名称となっており、広報啓発活動や金融機関等の水際対策を推進してまいりたい」との答弁があり、委員からは、「水際での対策として、コンビニや金融機関との連携が重要であり、具体的な対処方法等の支援をお願いしたい」との要望がありました。  教育委員会関係では、新設の曽於高校について、「定員二百名に対して合格者数は百六十四名、充足率は〇・八二となっている」との報告があり、「地元は後継者育成の面でバックアップしてきた経緯もあるが、今後の支援はどうなっているのか」との質問に対し、「曽於市からは、制服及び通学費等の補助や大学等に行く場合のお祝い金など、かなりの支援をしていただくことが市議会で決定されており、せっかくの支援がこれからも生かされるように、学校とも十分話をしていきたい」との答弁がありました。  委員からは、「大隅には二つの高校が新設されるが、曽於高校は県境にあり県外の高校に行っている実態もあるので、今後もいろいろと支援していただき、所期の目的が達成できるようにお願いしたい」との要望がありました。  以上で、報告を終わります。 11 ◯議長(池畑憲一君)次は、環境厚生委員長の報告を求めます。  吉留厚宏君。    [環境厚生委員長吉留厚宏君登壇] 12 ◯環境厚生委員長(吉留厚宏君)環境厚生委員会の審査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第四六号など議案八件につきましては、いずれも全会一致で原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げます。  議案第四六号鹿児島県手数料条例の一部を改正する条例制定の件のうち、生活衛生課関係の飲食店営業等許可手数料に関し、臨時営業の場合の手数料を改正する理由について質疑があり、「これまで飲食店営業等について、許可期限五年から七年の許可手数料一万七千円という設定はあったが、臨時営業については手数料の設定がなかったことから、新たに設定するものである」との答弁がありました。  次に、議案第五四号障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例制定の件に関しましては、特定調査の障害を理由とする差別の解消についてとあわせて集中審査いたしました。  まず、条例に係る広報、周知啓発のあり方について質疑があり、「条例施行予定の十月までの間に、各地域振興局・支庁で条例説明会を開催するほか、毎年十一月に開催している県障害者保健福祉大会も活用して、広報を行っていきたい。また、交通・商工等の関係団体に対しては、条例成立後、団体の会議等の場で説明の機会をいただけるよう依頼しているところである」との答弁がありました。  また、県障害者差別解消支援協議会の設置に関し、設置の時期及び構成メンバー等について質疑があり、「条例施行までに設置し、構成については規則で定めることとしている」との答弁がありました。  これに対し、委員からは、「あっせんが公平性を持つかどうか、公平性が県民に理解されるかは、協議会の構成が重要であり、条例に規定すべきではないか」との質疑があり、「条例で規定している協議会は、法律で規定する協議会も兼ねているが、法律で規定する協議会の構成員は、現在、国において検討中である。そのため、条例には構成についての規定はないが、規則に定める際は、その内容を当委員会で説明した上で制定したいと考えている」との答弁がありました。  そのほか、委員からは、気軽に相談できる体制の構築や、配慮を求められる関係者への周知の徹底、事例の蓄積、相談にかかわる人への啓発活動など、当条例の趣旨がより効果的に県民に浸透するような取り組みを求める要望がありました。  次に、請願・陳情につきましては、お手元に配付してあります請願・陳情委員会審査結果一覧表のとおりでありますが、新規付託分二件のうち、一件を不採択、一件を継続審査すべきものと決定いたしました。また、継続審査分六件につきましては、いずれも継続審査すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げます。  まず、陳情第五〇三六号介護保険制度改正に関する陳情書につきましては、「国会の議論を見守る必要もあるが、改正の内容は利用者に対して不利になっている」として、採択を求める意見と、「やむを得ない事情があれば、要介護一、二の要介護者にも、特例的に特別養護老人ホームへの入所を認める等の救済策も準備されている」、「社会保障制度改革に当たっては、持続可能性を考えなければならない中で、給付の重点化、並びに自己負担能力のある者の一定の自己負担は求めていくべきものである」などの不採択を求める意見があり、採決の結果、陳情第五〇三六号を不採択とすべきものと決定いたしました。  次に、陳情第五〇三五号南さつま市の牛舎・飼料工場における騒音や汚水に関する陳情書につきましては、まず、適用法令について質疑があり、「騒音については牛舎に南さつま市の公害防止条例が、悪臭については牛舎・飼料工場に悪臭防止法が、排出水については牛舎に水質汚濁防止法が適用される」との答弁がありました。  また、これまでの検査等の状況について質疑があり、「昨年の四月に相談を受けて以降、環境林務部、農政部、地域振興局、南さつま市が連携して立入検査等を実施してきた。その結果、騒音、悪臭、排出水のいずれも法令に基づく規制基準に適合しており、当該事業場について関係法令に直接抵触する問題はないと考えている。なお、昨年末からは、南さつま市、地域住民、当該事業者による協議が行われている」との答弁がありました。  これらの答弁を踏まえ、その協議の状況を見守りたいなどとして、委員会としては全会一致で継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、県政一般の特定調査について申し上げます。  環境林務部関係では、生物多様性県戦略について、論議が交わされました。  初めに、「学校や地域で生物多様性の重要性を子供たちにどう伝えていくか」との質問があり、「各学校において、地域の自然体験活動を通じて、生態系や種の多様性への理解を深め、自然保護や環境保全への意識を高める学習を推進する取り組みを戦略に盛り込むこととしている」との答弁がありました。  これに対し、委員からは、「子供のころの教育が一番効果があると思うので、教育現場との連携をさらに進めていただきたい」との要望がありました。  また、委員から、「市町村の生物多様性戦略策定をどう指導していくのか」との質問があり、「案づくりは、市民参加のワークショップ等を通じて行うこともできることから、情報提供などを行いながら、戦略策定を促したい」との答弁がありました。  最後に、一般調査について申し上げます。  保健福祉部関係では、高齢者社会においてペットの殺処分を減らすための普及啓発のあり方、市町村が県単医療費助成制度に現物給付方式を導入する際の課題と県の考え方、平成二十六年度に設置が予定されている発達障害者支援体制整備検討委員会の構成メンバー、特定健康診査の受診率向上のための取り組みなどについて、論議が交わされました。  また、環境林務部関係では、エコパークかごしまの収支見通し、水俣病の認定審査、今後の森づくりの方向性、口永良部島の国立公園としての認知度向上のための普及啓発などについて、論議が交わされました。  以上で、報告を終わります。 13 ◯議長(池畑憲一君)次は、予算特別委員長の報告を求めます。  松里保廣君。    [予算特別委員長松里保廣君登壇] 14 ◯予算特別委員長(松里保廣君)予算特別委員会に付託されました当初予算関係議案の調査及び審査が終了いたしましたので、その結果等について、御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案十一件は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  付託議案につきましては、二月二十一日の概要調査において、各部長等による重点施策等の説明がなされた後、三月十二日に、一問一答方式による総括予算審査に臨み、行財政運営戦略を踏まえた行財政改革の取り組み、経済・雇用対策、県民福祉の向上及び産業振興など、さまざまな視点から活発な論議が交わされました。  以下、総括予算審査における主な論議について、御報告申し上げます。  初めに、公共施設等総合管理計画策定の要請など、国の動きを踏まえた、県の公共施設の管理についての考え方及び行財政運営戦略との関連について質疑があり、「国から、全地方公共団体に対して、公共施設等がこれから更新時期を迎える一方で、地方公共団体の財政は依然として厳しい状況が続くということが見込まれることから、所有する公共施設等を対象に、総合的かつ計画的に管理する計画の策定が要請されることとなっているので、県としては、本県の公共施設等について、長期的な視点から、更新・長寿命化などを計画的に行うことによって、財政負担の軽減・平準化を図るため、施設全体の管理に関する基本的な方針等を整理した公共施設等総合管理計画を策定することとしたところである。また、県においては、国・地方を通じた厳しい財政環境や本県の自主財源に乏しい脆弱な財政構造のもとで、持続可能な行財政構造を構築するため、平成二十四年三月に策定した行財政運営戦略に基づいて、歳入・歳出両面にわたる行財政改革に取り組んでいるところであり、公共施設等総合管理計画の策定に当たっては、将来的に一定の財政負担を伴うことが前提となることから、引き続き行財政改革に取り組まなければならないという同戦略の趣旨を踏まえて、その具体的な内容を検討する必要があると考えている」との答弁がありました。  次に、男女共同参画社会の形成について質疑があり、「県内で男女共同参画計画を策定している市町村数は、平成二十五年度末までに策定予定の四町村を含め、三十二市町村となっている。第二次県男女共同参画基本計画において、平成二十六年度までに全市町村で計画を策定する数値目標を掲げており、未策定の十一町村に対して、今後とも、研修の実施やマニュアルの提供、助言等により積極的に支援するとともに、着手がおくれている二町村に対しては、出向いて助言等を行うなど取り組んでまいりたい」との答弁がありました。  また、子どもたちの男女共同参画学びの広場事業について質疑があり、「子供のころからの学習を充実させるため、今年度から小・中学校七校で実施しているが、今年度の実施が一校であった中学校でも取り組みがさらに推進されるよう事業の周知を図り、市町村教育委員会等と連携して募集するとともに、多くの保護者や地域住民が参加できるよう取り組みを広げていきたい」との答弁がありました。  次に、緊急雇用創出事業臨時特例基金事業に関して、今回、拡充された地域人づくり事業の特色について質疑があり、「地域人づくり事業は、経済成長を確実なものとするため、日本再興戦略に基づく国の補正予算において創設されたものであり、経済の成長力の底上げと好循環の実現を目指し、雇用機会の創出を図るとともに、在職者の処遇を改善する事業を実施することとされている。この事業の特色は、これまでの雇用創出基金事業とは異なり、失業者を雇用して実施する事業だけでなく、地域の企業等が求める人材育成を行い、就業につなげる事業や、在職者の賃金上昇などの処遇改善を図る事業をあわせて実施することとなっている」との答弁がありました。  次に、農山漁村六次産業化推進事業の事業内容について質疑があり、「農山漁村における六次産業化等の取り組みを拡大していくため、県においては、六次産業化で開発された新商品の求評会やマッチング支援のための商談会などを行うとともに、鹿児島六次産業化サポートセンターを通じて、県内の農林漁業者の六次産業化への機運醸成を図るための推進研修会や創発塾の開催、六次産業化に取り組む農林漁業者等への加工技術、商品化などに関する専門的見地からの助言・指導や、事業の発展段階に応じた研修会の開催などを行うこととしている。また、市町村における六次産業化推進活動を支援するとともに、漁業者が取り組むトラフグ・マダイ等の加工施設整備や商品開発、販路開拓への支援を行うこととしている」との答弁がありました。  次に、平成二十五年度補正予算と連携した平成二十六年度当初予算における公共事業予算の主な事業について質疑したところ、「公共事業については、本県の経済・雇用状況を踏まえ、国の補正予算などに積極的に取り組むこととし、平成二十五年度補正予算と平成二十六年度当初予算を合わせて、対前年度当初比一一四・三%の千百五十六億円を計上し、大隅縦貫道や網野子バイパスの平成二十六年度中の供用開始を図るなど、高規格幹線道路や港湾、農林水産業の基盤施設などの継続事業について、早期完了を図ることとしている。さらに、社会資本の老朽化対策や防災・減災対策に重点投資することとしている」との答弁がありました。  次に、明治日本の産業革命遺産世界文化遺産登録推進事業について、平成二十六年度の取り組みについて質疑があり、「平成二十七年度の世界文化遺産登録に向けて、平成二十六年度は、イコモスによる審査への適切な対応や、全国に向けた情報発信等に取り組むこととしている。特に、本年夏ごろに予定されているイコモスによる現地調査については、この審査結果が、登録の可否を最終的に決定するユネスコ世界遺産委員会の審議と深くかかわっていることから、万全の態勢で臨むこととしている。また、構成資産の概要や価値等について、全国に向けた広報・PRを行うなど、登録へ向けた機運の醸成を図ることとしている」との答弁がありました。  次に、今年度、議員提案により制定された家庭教育支援条例を踏まえ、今後どのように推進していくのか質疑があり、「子育て世代や、これから親になる世代への学習機会の提供、相談体制の充実や人材の養成、モデル地区指定による実践・検証など各般の施策に努めることとし、関連する機関・団体が情報を共有し、連携・協働することで一層充実するように取り組んでまいりたい」との答弁がありました。  次に、暴力団排除活動に関して、平成二十六年度の組織犯罪対策の事業内容について質疑があり、「県暴力追放運動推進センターの活動に対する補助及び銃器使用犯罪対策用として防弾衣や防弾盾等を整備することとしており、また、今議会に上程している県暴力団排除条例の改正に伴う広報・啓発活動を予定している」との答弁がありました。  また、障害者に安全な交通の確保について質疑があり、「バリアフリー対応型信号機は、本年二月末現在で県内に四百六十八基整備されており、平成二十六年度は、前年比約八百万円増の約三千五百万円を計上している」との答弁がありました。  次に、地域見守り等の事業について質疑があり、「地域見守りネットワーク支援事業では、地域住民による支え合いマップづくり等を通じた見守りグループの組織化などに取り組む市町村を支援するほか、グループリーダーの研修等を通じた人材育成などを行うことにしている。また、高齢者元気度アップ地域活性化事業では、新たに、このような地域の見守りや支え合いを行う活動グループもポイント付与の対象にすることにしている。県としては、より多くの市町村が両事業を活用することにより、地域において、元気な高齢者の社会参加や地域住民の互助活動が促進されるとともに、高齢者等が主体となりながら、安心して暮らせる地域づくりが進み、地域の活性化につながることを期待している」との答弁がありました。  次に、奄美群島の世界自然遺産登録に向けた課題及び今後の取り組み等について質疑があり、「遺産登録に向けた課題としては、保護担保措置の導入のほか、希少野生動植物保護など、世界遺産候補地としての価値の維持や住民の機運の醸成等があり、県では、国や市町村等と連携して、これらの課題への対応を進めてきている。また、今年度からは、観光客の増加を想定した過剰利用の未然防災対策や自然環境に配慮した公共事業等に係る調査・検討も行っているところであり、引き続き、平成二十八年六月の世界自然遺産登録を目標として、必要な取り組みを着実に進めてまいりたい」との答弁がありました。  以上が、総括予算審査における主な論議でありますが、総括予算審査終了後、直ちに常任委員会に対して詳細な調査を依頼したところであります。  その調査結果につきましては、三月二十四日の当委員会におきまして、総務委員長から、明治維新百五十周年記念事業や待機児童の解消などについて、産業経済委員長からは、食品関連産業振興プロジェクトや新たな水田農業確立推進事業などについて、企画建設委員長からは、奄美群島航空運賃軽減事業や建築物耐震化促進事業などについて、文教警察委員長からは、青少年研修施設費や交通安全保持費などについて、環境厚生委員長からは、地域こども療育支援体制整備促進事業やかごしまスギブランド確立事業などについて報告がありました。  以上で、当委員会に付託されました議案の審査等の結果について、報告を終わります。 15 ◯議長(池畑憲一君)以上で、委員長の報告は終わりました。  御質疑はありませんか。    [「なし」と呼ぶ者あり] 16 ◯議長(池畑憲一君)御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。       ───────────── 17    △ 討  論 ◯議長(池畑憲一君)これより、討論に入ります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  まず、まつざき真琴君に発言を許可いたします。    [まつざき真琴君登壇] 18 ◯まつざき真琴君 私は、日本共産党県議団として、提案されました四十一件の議案のうち二十三件に賛成し、反対する十八件の議案のうちの主なものについて、その理由を述べ、討論いたします。  まず、議案第三一号平成二十六年度鹿児島県一般会計予算についてであります。  今議会に、障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例案が提案され、来年度予算に、相談員の設置や県民や事業者への普及・啓発の予算が計上されている点や、県立大島病院の救命救急センターの運用に関する事業費が計上されている点については評価するものです。  しかしながら、以下の理由で本議案に反対いたします。  第一には、第四款衛生費、四目環境保全対策費の中に、原子力安全等対策費として、川内原発一、二号機の新規制基準適合性に係る審査結果について、住民に対する説明会の開催に要する経費として千二百万円が計上されている点です。  原子力規制委員会は、現在審査を行っている原発の中で、川内原発を最優先に審査を進めることを明らかにしました。規制委員会はその理由を説明していますが、私は、原発立地の十三の道県の中で、鹿児島県だけが次のステップに入る住民説明会の予算を計上し、再稼働に前向きの姿勢を示していることがその大きな要因であると考えます。県は、いつかは必要であるから計上したと説明していますが、当初予算には計上せず、途中に補正予算を組むことも可能です。  予算は知事の意思を示すものです。政府は、安全の確認ができた原発から順次再稼働させる旨を明らかにしており、その一番目は、県知事を初め、立地自治体の同意が得やすいところと考えるのは当然でしょう。伊藤知事の再稼働への前のめりな姿勢が、全国のとまっている原発の再稼働への道を開くことになるという責任の重大さを指摘しておきます。  第二には、不要不急の大型開発の公共事業に県民の貴重な税金がつぎ込まれている点です。  依然として、島原・天草・長島架橋の建設促進事業費百五十九万六千円と調査費三百三十万三千円が計上、人工島マリンポートかごしまには、重要港湾改修事業として緑地や道路の整備に六億二千万円、錦江湾横断交通ネットワーク可能性検討事業に百五万三千円が計上されています。公共工事は、県民の生活に密着した道路や歩道の整備、現状の計画では間に合わない河川の寄洲の除去の促進などにこそ最優先で行うべきであります。  第三には、住民合意のない事業に多額の予算が計上されている点です。  ガーデンヒルズ松陽台について、用地取得に四億六千八百万円、住宅建設に五億八千三百四十二万円、また、公共関与型産業廃棄物最終処分場の整備促進費として二十五億六千六百万円が計上されています。住民の反対がある中で、解決の努力が見えずに事業だけが進められることに賛成できません。  第四に、同和関連予算として、隣保館運営費補助に四千三百余万円、部落解放同盟鹿児島県連合会への千五百六十三万円を初め、三つの同和問題の運動団体へ総額二千六百二十五万円の事業費補助が計上され、また、来年度、鹿児島において部落解放・人権西日本夏期講座が開催されるに当たり、三百万円の補助がつけられています。今年度は、徳島県において同研修会が開催されましたが、徳島県は補助はつけておりません。県内さまざまな運動団体があり活動しておりますが、なぜ同和関連の運動体だけが特別扱いされるのか、納得できません。  第五に、その一方で、県単独の医療費助成については来年度も現物給付は実現しませんでした。県内の地方議会において、鹿児島市議会、出水市議会に次いで、この三月議会も垂水市議会、姶良市議会など次々に、知事宛ての医療費助成の現物給付を求める意見書が全会一致で採択されています。ひとり親世帯や重度心身障害者の負担の軽減のためにも、現物給付を実施すべきです。  以上の理由から、本議案に賛成できないものであります。  次に、議案第四〇号平成二十六年度鹿児島県病院事業特別会計予算と議案第四一号平成二十六年度鹿児島県工業用水道事業特別会計予算及び議案第四五号消費税及び地方消費税率の引上げに伴う使用料及び手数料関係条例の改正に関する条例制定の件については、一括して反対理由を申し述べます。  これらの中には、消費税増税に伴い、県が管理する施設の使用料・手数料の値上げや工業用水道料金や県立病院の健康診断や予防接種料、受託検査料などの引き上げが含まれています。  特に、県立病院事業においては、消費税増税によって県民の負担がふえるばかりではなく、病院経営が大きな影響を受けることになります。第一款病院事業費用の第一項二目材料費、三目経費の中の薬品費、診療材料費、給食の材料費、光熱水費などについては消費税の課税対象であり、三%分の負担がふえることになりますが、保険診療は非課税であるので、その分は実質的に医療機関がかぶることになります。消費税率引き上げに伴う二〇一四年度の診療報酬改定は、消費税損税の補填に見合ったものとは言えません。消費税の引き上げは、県立病院の経営をより一層圧迫し、患者へのサービスの低下や職員の処遇の後退を招くおそれがあります。  以上のように、消費税増税は、県民や県内中小業者の負担増を招くことから、消費税増税に反対する立場で、これらの議案に賛成できないものであります。  次に、議案第四六号鹿児島県手数料徴収条例の一部を改正する条例制定の件についてであります。  この中に、介護福祉士が喀たん吸引を行うことについて、認定証の交付申請手数料とそれを行う事業者の登録申請の手数料を新設するものがあります。  介護福祉士が喀たん吸引を行うことについて、本県でも二〇一二年から講習会が行われ、認定証が交付されてきましたが、これまでは手数料はありませんでした。一、二号特定行為に対しては五十時間の講習、三号特定行為については、最低でも三日間の講習等を受けることになっていますが、小規模の施設では、職員配置が困難な中で苦労して職員に講習を受けさせているのが現実であり、現在の講習会場への交通費や講習料の負担に加え、今回の条例改正で新たな負担が生じるものであります。特に、第三号特定行為においては、療養者を特定しての認定であり、受け持つ療養者数によって手数料が人数分かかることになります。  介護保険制度が改悪されていく中で、介護従事者の処遇はなかなか改善されません。介護報酬も引き下げられ、施設の運営も厳しくなる一方です。このような状況にさらに負担を強いることになります。  もう一点、本議案の中に、保育士試験の全部の免除申請の審査に係る手数料の新設があります。これは、幼稚園教諭の資格を持つ人が保育士の資格を得ることについて、試験の全部が免除になるというものです。  これまで、保育士は三歳未満の乳幼児の保育に当たることから、幼稚園教諭の資格とは厳格に区別して、保育士資格試験の免除は一部でありました。  子ども・子育て支援新制度は、子供たちの安全と保育の質について、それを高める方向ではなくて、さまざまな規制緩和を行い、待機児童の解消を行うという問題点を持っています。幼保連携型の施設においては、幼稚園の教諭の資格を持った人が、三年間、四千三百二十時間以上幼稚園に勤めていれば、保育所勤務の経験がなくても保育士試験の全部の免除申請を行い、保育教諭として勤務できることになります。このような規制緩和は、保育の質の低下を招くおそれがあるものです。  以上の理由から、本議案に反対するものです。  次に、議案第五一号鹿児島県後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例制定の件についてであります。  これは、後期高齢者医療財政安定化基金の拠出の比率を一万分の九から十万分の四十四に比率を引き下げるというものです。  この基金は、保険料未納の増加等による保険料収入不足や、想定を上回る医療給付費の支出増加時による収支不足を補うため、また、次期保険料率の上昇抑制を図るため、必要に応じて、県後期高齢者医療広域連合に資金の交付または資金の貸し付けを行うものです。  現在、四十億円が積み立てられていますが、これまで取り崩しは全く行われておりません。国と県の拠出金を基金に積み立て、ため込む一方で、保険料は引き上げられ続けてきました。今年度までは不均一の保険料であり、離島の八市町村において低く抑えられていたものが、来年度から全市町村での統一の保険料になり、保険料の値上げになります。拠出の比率を引き下げ、国庫の負担額を減らすのではなく、基金を活用し、保険料を引き下げ、無年金の高齢者や低所得者が安心して受けられる医療にすべきであります。  よって、本議案に反対であります。  次に、議案第五九号鹿児島県営住宅条例の一部を改正する条例制定の件についてであります。  これは、ガーデンヒルズ松陽台に建設する県営住宅、県営松陽台第二団地─仮称─の入居者を小学校就学前の児童がいる世帯に限り、定期借家制度を導入し、入居期限を十年と限るための条例改正であります。  反対の理由の第一は、そもそも戸建住宅の分譲地として開発したガーデンヒルズ松陽台に大規模な県営住宅を建設することについて、戸建て分譲地を購入し、住宅を建てた住民からは、「約束が違う」と県営住宅建設に反対の声が上がっている点です。
     第二の理由は、このガーデンヒルズ松陽台を、子育てのしやすさ、子供の安全・安心に配慮して整備するとして、三百二十八戸全てを未就学の児童がいる世帯に限るとしている点です。  もちろん、若い世代への子育ての支援は重要で、安心して子育てができる住環境を整えることは必要です。しかしながら、この場所で子供の安全が守られるかが甚だ疑問であります。  私は、二〇一一年第三回定例会で、ガーデンヒルズ松陽台から松元小学校までの通学の問題について取り上げました。学校までの三キロメートル以上の距離を一時間近く交通量の多い県道を歩くか、JRで通わなければなりません。  今でもJR上伊集院駅では、電車に乗り込もうとする七十人を超す小・中学生と、電車からおりてくる大勢の松陽高校の学生と、狭いホームは大混雑です。下校のときに乗車する薩摩松元駅は無人駅で、学校では、子供たちが安全に電車を待つことができるように指導に苦労しておられます。もしこの条例どおりとなれば、最終的に、この団地には少なくとも三百人ほど、兄弟がふえると四百人、五百人の小・中学生が生活することになります。この子供たちが登下校時に狭いホームにあふれることになります。これで子供の安全・安心に配慮した整備と言えるのか、通学についての環境整備なしに、このような条例改正は余りにも無責任です。  第三には、十年という期限を切っている点です。  住まいは人権です。もちろん、県営住宅の入居者の中にはさまざまな理由で転居していく人たちがいますが、それはあくまでもみずからの意思に基づくものです。もちろん、十年という期限を承知で入居を申し込むわけですが、人生何があるかわかりません。また、十年の間に生まれた子供たちは、小学校や中学校在学中に十年を迎えることになり、途中での転校を余儀なくされることになります。転校は、子供たちにも親たちにも、精神的、経済的な負担が重くのしかかります。  以上のようなさまざまな問題点があることから、本議案に反対であります。  次に、議案第六一号鹿児島県立中学校及び高等学校授業料等徴収条例の一部を改正する条例制定の件についてであります。  これは、高校授業料の無料化の制度を廃止し、所得制限を設けるもので、就学支援金を受給するために、全ての高校生に保護者等の収入の状況について届けを義務づけるものです。  この申請を行わなければ授業料の負担が生じます。家庭の状況によっては、離婚、DV、虐待など、収入を証明することが困難な場合も考えられますが、そうなれば授業料が徴収されることになってしまいます。  また、今回は授業料を全日制においては、就学支援金と同額の月額九千九百円としていますが、国の財政状況により支援金が減額となれば、その差額分は授業料として徴収されることになってしまいます。  高校授業料の支援金は、無条件に全ての高校生を対象とすべきという立場で、本議案に反対するものです。  次に、議案第六三号鹿児島県学校職員定数条例の一部を改正する条例制定の件についてであります。  今後の児童生徒数の減少を見越して、この間、学校職員の定数が削減され続けてきました。学校職員は、定数を削減するのではなく、本県に多くある複式学級の解消や専門外の教科担当の解消、楠隼中学・高校だけでなく、全ての小・中学校、高校において三十人学級を実現すべきであります。  よって、学校職員は削減すべきではなく、本議案に反対するものです。  次に、請願第一〇〇二号国に対し消費税増税中止を求める意見書の提出を求める請願書について、委員会審査結果では不採択でありましたが、これは採択すべきであることを主張いたします。  内閣府が三月十日に発表した昨年十月から十二月期の国内総生産の改定値は、年率換算で〇・七%の伸びにとどまり、安倍首相が増税実施を決断した四月から六月の四・一%と比べて低下、減速傾向に拍車がかかっています。マスメディアも、アベノミクス、相次ぐ想定外として、「昨年後半からの減速ぶりが際立っている。急ブレーキの主因は、景気回復の鍵を握るとされる設備投資と個人消費の力弱さにある」と報じています。各新聞の世論調査では、景気回復を実感していないと回答した人は八割近くに及んでいます。  四月一日からは、さらなる年金の引き下げや生活保護の削減が行われ、七十歳から七十四歳の医療費自己負担の二倍化などが実施されようとしています。消費税増税の押しつけが、国民の暮らし、営業とともに日本経済にも大打撃を与えることは確実です。  安倍内閣は、消費税増税を国民に押しつける一方で、大企業には大盤振る舞いの減税や巨大公共事業を行おうとしています。消費税増税が財政再建のためでも社会保障のためでもないことはいよいよ明らかです。  消費税の増税法さえ、経済状況によって停止を含め所要の措置を講ずる─附則第十八条─としています。安倍内閣は増税中止を今からでも決断すべきです。増税実施の四月一日が間近に迫った今、県民の暮らしと中小業者の経営を守るため、県議会として消費税増税中止を求めるべきであります。  よって、本請願は採択すべきであります。  次に、請願第四〇〇三号鹿児島市南部地区特別支援教育の充実に関する請願書について、委員会審査結果では継続審査でありましたが、これは採択すべきであることを主張いたします。  桜丘養護学校には高等部がないため、中学部卒業後は武岡台養護学校か鹿児島養護学校に通わざるを得ず、通学が長時間になってしまいます。そこで、桜丘養護学校に高等部を設置し、当面の対応として南部地区の県立学校への分教室設置を要望するものであります。  今議会、障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例が提案され、本日、全会一致で可決される見通しです。この第十三条にあるように、教育委員会は、障害のある人の年齢及び能力に応じ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするための教育上必要な支援を講じるべきであります。県教育委員会は、今後の児童生徒数を見きわめるとしていますが、子供たちは年々成長していきます。  よって、本請願は、継続審査ではなく、直ちに採択し、県教育委員会に早急な対応を求めるべきであります。  次に、陳情第四〇二九号すべての子どもたちにゆきとどいた教育を求めるための陳情書について、委員会審査結果では不採択でありましたが、これは採択すべきであることを主張いたします。  本陳情にある項目は、いずれも、全ての子供たちが一人一人大切にされ、権利としての教育を保障していくための環境整備として必要な内容であります。財政上の困難を理由にこれらの環境整備を後回しにするのではなく、国に必要な予算措置を求めながら、県としても最優先に対応すべきものであります。  よって、本陳情は、不採択とするのではなく、採択し、議会として必要な手だてを国や県に求めるべきであります。  次に、陳情第四〇三一号有害図書から子供たちを守ることをお願いする陳情について、委員会審査結果では継続審査でありますが、これは不採択とすべきであることを主張いたします。  本陳情は、陳情者の特有な歴史観と価値観に基づき、漫画「はだしのゲン」を有害図書と決めつけ、県内の学校から排除することを求めるものであります。  大阪府泉佐野市教育委員会が、市立小・中学校十三校の図書室から漫画「はだしのゲン」を一時的に回収していた問題では、市立校長会が、特定の価値観や思想に基づいて、読むことさえできなくするのは、子供たちへの著しい人権侵害と抗議、教育長に回収の撤回と返却を求めていましたが、先日、それぞれの学校に返却されました。原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」を教育現場から遠ざけようとするこうした動きには、ゆがんだ歴史観や偏狭さ、憎しみさえうかがえます。子供たちには歴史の真実を伝え、悲惨な戦争を二度と繰り返さないために何をすべきか考える教育こそ必要です。  よって、本陳情は、直ちに不採択とすべきであります。  最後に、陳情第五〇三六号介護保険制度改正に関する陳情書について、委員会審査結果では不採択でありますが、これは採択すべきであることを主張いたします。  今回の介護保険制度の改正では、要支援者に対する介護予防給付を市町村が行う地域支援事業に移すことになります。自治体の財政難や人員確保の困難などから、サービス水準の低下と利用料の引き上げが懸念されます。アンケートでも、三割を超える自治体が、訪問・通所介護の市町村の地域支援事業への移行について、不可能と回答しています。  特別養護老人ホームについては、要介護三以上に制限するとしていますが、それでは、要介護一、二の人たちで、介護者が不在であったり、徘回などの認知症の周辺症状を有したりする多くの人々は、生活の場を失うことになってしまいます。今、求められているのは、入所者の制限ではなく、特別養護老人ホームの新設や増床で、必要な人たちが誰でも入れる施設にすることであります。  また、利用料の二割負担は高齢者の暮らしを圧迫します。月に十三万円の所得で、これまで一割負担から二割の負担になってしまいます。鹿児島市で見ると、要介護五の人は限度額いっぱい使ったとき利用料が三万五千八百円ですが、二割になると七万千六百円となってしまいます。これでは、介護サービスを受けたくても受けられない、まさしく保険あって介護なしという状況になってしまいます。  よって、高齢者が安心して必要な介護が受けられるように、本陳情は採択し、政府に改正の見直しを求める意見書を上げるべきであります。  以上で、討論を終わります。 19 ◯議長(池畑憲一君)次は、吉留厚宏君に発言を許可いたします。    [吉留厚宏君登壇] 20 ◯吉留厚宏君 自由民主党県議団を代表して、議案第三一号平成二十六年度鹿児島県一般会計予算案について、委員長報告に賛成の立場から討論いたします。  平成二十六年度鹿児島県一般会計予算案は、安倍政権が最優先課題と位置づける景気回復に向けた経済の好循環実現のための経済対策と成長戦略に呼応して、経済・雇用の安定と鹿児島の成長につながる施策の展開を重視した内容となっております。予算規模は七千八百八十二億八千四百万円と、六年連続の前年度比プラスの積極的予算編成となりました。  一方、平成二十三年度に財源不足額を七年ぶりに解消して以来、県勢の発展や県民福祉の向上に資する事業については、その財源を十分に確保した上で、単年度収支のバランスがとれた予算となっており、平成二十六年度においても財源不足の生じない予算編成が実現されており、また、平成二十六年度末の財政調整に活用可能な基金残高も二百八十億円確保できる見込みとなっております。  県予算は、地域経済の下支えに重要な役割を担うものでありますが、本県経済は、観光面で宿泊客数が前年を上回って推移するなど、景気は緩やかに回復しつつある一方で、有効求人倍率は全国との格差が大きく、雇用情勢や企業活動などは依然として厳しいものがあります。今回の国の経済対策を受けた県の積極的な予算編成を評価するとともに、県内経済の活性化と成長戦略につなげる取り組みが極めて重要であると考えるところであります。  一方、懸念される県債の残高は総額で二十八億円減少し、臨時財政対策債などを除いた本県独自の県債残高は、平成二十六年度末は一兆二千七十二億円となり、本年度末と比較し、四百七億円減少する見込みであり、また、平成十六年度末の一兆五千四十四億円から二千九百七十二億円の減が見込まれ、着実に減少しているところであり、総じて健全な財政運営がなされていると考えます。  歳出面を見ますと、アベノミクスの効果を本県にも広く行き渡らせるため、国の経済対策にも呼応しながら、三月補正予算と連携した経済・雇用対策に九百七十五億円を計上し、経済の回復や雇用の創出に努めつつ、投資的経費も三月補正予算と合わせて、昨年当初予算比で一一・四%増となる千七百七十九億円計上するなど、積極的な予算編成となっております。  また、公共事業費については、三月補正予算と合わせて、前年度当初予算比較で一四・三%増の事業費を確保するなど、県内経済に最大限配慮した内容となっております。  また、新たに食品関連産業による食品加工の高品質化、技術革新などの取り組みを総合的に支援する食品関連産業振興プロジェクトに取り組むほか、農産物の加工技術拠点施設、楠隼中・高一貫教育校などの整備、奄美群島振興交付金を活用した農林水産物の輸送コストや、航路・航空路運賃の低減等に対する新たな支援、地域こども療育支援体制の整備、高齢者元気度アップ地域活性化事業、奄美群島世界自然遺産登録に向けた取り組み、高規格幹線道路の整備を初めとする社会資本の整備など、マニフェストに基づく各種施策に重点的に取り組むこととしており、県が掲げる「持続可能性」、「産業おこし」、「鹿児島おこし」の三つの挑戦と、新たな時代に向けた環境、食料、医療・福祉の三つの課題に対応する予算となっております。  以上、総体的に見て、平成二十六年度鹿児島県一般会計予算案は、行財政運営戦略を踏まえた行財政改革を着実に進めながら、経済や雇用の回復に努めつつ、県勢の発展を図る観点から、「成長・安心・改革」の積極的な予算として編成され、将来の鹿児島の成長につながる施策の展開や、県民生活・福祉の向上などにきめ細かく配慮されたものとなっております。  よって、県民の期待に応えるため、我が自由民主党県議団は、委員長報告のとおり、速やかに可決して執行されるべきと判断し、賛意を表するものであります。  以上、議案第三一号平成二十六年度鹿児島県一般会計予算案についての賛成討論を終わります。 21 ◯議長(池畑憲一君)以上で、討論を終結いたします。       ───────────── 22    △ 表  決 ◯議長(池畑憲一君)これより、議案第三一号から議案第七〇号まで及び議案第七三号について採決いたします。  採決は、議案等採決区分表の採決順位により行います。       ───────────── 23    △ 議案第三二号等二十三件可決 ◯議長(池畑憲一君)まず、採決順位第一の議案第三二号など二十三件を採決いたします。       ━━━━━━━━━━━━━   議案第三二号、議案第三三号、議案第三五号   議案第三六号、議案第三七号、議案第三八号   議案第三九号、議案第四三号、議案第四四号   議案第四八号、議案第四九号、議案第五〇号   議案第五二号、議案第五三号、議案第五四号   議案第五八号、議案第六〇号、議案第六四号   議案第六五号、議案第六六号、議案第六七号   議案第七〇号、議案第七三号       ━━━━━━━━━━━━━ 24 ◯議長(池畑憲一君)お諮りいたします。  委員長の報告は、可決でありますが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 25 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、これらの議案は委員長の報告のとおり可決されました。       ───────────── 26    △ 議案第三一号等十七件可決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第二の議案第三一号など十七件を採決いたします。       ━━━━━━━━━━━━━   議案第三一号、議案第三四号、議案第四〇号   議案第四一号、議案第四五号、議案第四六号   議案第四七号、議案第五一号、議案第五五号   議案第五六号、議案第五七号、議案第五九号   議案第六一号、議案第六二号、議案第六三号   議案第六八号、議案第六九号       ━━━━━━━━━━━━━ 27 ◯議長(池畑憲一君)委員長の報告は、可決でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 28 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、これらの議案は委員長の報告のとおり可決されました。       ───────────── 29    △ 議案第四二号可決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第三の議案第四二号を採決いたします。  委員長の報告は、可決でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 30 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、この議案は委員長の報告のとおり可決されました。       ───────────── 31    △  陳情第二〇一五号等三件可決 ◯議長(池畑憲一君)次に、請願・陳情について採決いたします。  採決は、請願・陳情採決区分表の採決順位により行います。
     まず、採決順位第一の陳情第二〇一五号など三件を採決いたします。  お諮りいたします。  これらの陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 32 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、これらの陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。       ───────────── 33    △ 陳情第四〇三〇号等二件継続審査可決 ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第二の陳情第四〇三〇号など二件を採決いたします。  お諮りいたします。  委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 34 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、これらの陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。       ───────────── 35    △ 請願第一〇〇二号等三件可決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第三の請願第一〇〇二号など三件を採決いたします。  お諮りいたします。  これらの請願・陳情は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 36 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、これらの請願・陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。       ───────────── 37    △ 陳情第四〇二九号可決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第四の陳情第四〇二九号を採決いたします。  この陳情は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 38 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、この陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。       ───────────── 39    △ 陳情第三〇三二号等六件継続審査可決(起立      採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第五の陳情第三〇三二号など六件を採決いたします。  委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 40 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、これらの陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。       ───────────── 41    △ 陳情第五〇二七号二項継続審査可決(起立採      決) ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第六の陳情第五〇二七号の二項を採決いたします。  委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 42 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、この陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。       ───────────── 43    △ 陳情第三〇四三号継続審査可決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第七の陳情第三〇四三号を採決いたします。  委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 44 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、この陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。       ───────────── 45    △ 請願第四〇〇三号継続審査可決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第八の請願第四〇〇三号を採決いたします。  委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 46 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、この請願は委員長の報告のとおり決定いたしました。       ───────────── 47    △ 陳情第三〇四五号等二件継続審査可決(起立      採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第九の陳情第三〇四五号など二件を採決いたします。  委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 48 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、これらの陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。       ───────────── 49    △ 陳情第五〇一六号継続審査可決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第十の陳情第五〇一六号を採決いたします。  委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 50 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、この陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。       ───────────── 51    △ 陳情第四〇三一号継続審査可決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、採決順位第十一の陳情第四〇三一号を採決いたします。  委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 52 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、この陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。       ───────────── 53    △ 予算特別委員会調査終了 ◯議長(池畑憲一君)次に、予算特別委員会についてでありますが、この委員会は、委員長の報告のとおり、調査は終了いたしました。       ───────────── 54    △ 原子力安全対策等特別委員会・海外経済交流      促進等特別委員会中間報告 ◯議長(池畑憲一君)次に、特別委員会の付託事項について、委員会の中間報告の件を議題といたします。  お諮りいたします。  原子力安全対策等特別委員会及び海外経済交流促進等特別委員会から付託事項についての中間報告の申し出がありましたが、これを承認することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 55 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、承認することに決定いたしました。  まず、原子力安全対策等特別委員長の報告を求めます。  中村眞君。    [原子力安全対策等特別委員長中村 眞君登壇] 56 ◯原子力安全対策等特別委員長(中村 眞君)原子力安全対策等特別委員会の平成二十五年度の調査結果の主なものについて、御報告申し上げます。  当委員会は、川内原子力発電所の安全対策や防災対策について調査し、今後の住民の安心・安全の確保に資することを目的に平成二十三年六月に設置されました。  当委員会への付託事項は、川内原子力発電所の安全対策等に関する調査についてであります。  また、当委員会には請願三件、陳情二十九件が付託されておりますが、これらの請願・陳情については、原子力規制委員会における今後の原子力発電所の取り扱いについての検討を見守る必要があることから、採決は留保しております。
     今年度の調査といたしましては、九州電力株式会社から参考人を招致し、第二回定例会においては、川内原子力発電所の安全性・信頼性の向上への取り組みについて、第三回定例会においては、川内原子力発電所の新規制基準に対する申請内容及び審査状況について、今定例会においては、原子力規制委員会新規制基準適合性審査に対する九州電力株式会社の対応状況等について、調査を行いました。  また、各定例会での調査のほか、昨年十月十二日実施の国主催の原子力総合防災訓練を視察するとともに、十二月十三日には、川内原子力発電所の安全対策等について、現地調査を実施しました。  調査の過程の主な論議について申し上げます。  参考人招致において九州電力株式会社からは、川内原子力発電所の安全性・信頼性の向上への取り組みについて、炉心損傷防止、放射性物質の拡散抑制、電源の確保対策等についての説明があり、また、新規制基準に対する申請内容及び審査状況については、新規制基準の要求内容と、昨年七月八日に原子力規制委員会に申請した同基準への適合性確認のための原子炉設置変更許可申請、工事計画認可申請、保安規定変更認可申請の概要と、審査会合における地盤・地震関係四項目を初めとする計十四項目の主な論点等について、説明がありました。  また、今定例会の新規制基準適合性審査に対する対応状況等については、今月十二日に確定した震源を特定せず策定する地震動六百二十ガルを含む基準地震動や基準津波等の審査会合での進捗状況について説明があるとともに、川内原子力発電所の敷地周辺における活断層評価と津波評価等についての説明がありました。  九州電力株式会社は、今月十三日に、原子力規制委員会において、原子力発電所の設置変更許可申請に係る新規制基準適合性の審査書案の作成作業に入るプラントとして、川内一、二号機が選定され、今後、審査書案の作成に必要な原子炉設置変更許可申請書について、審査における指摘事項を反映した修正を行い、補正申請を予定するとともに、継続している工事計画認可及び保安規定変更認可の適合性審査についても、的確に対応していくとの説明がありました。  これらの説明に関して、「川内原発活断層研究会から、川内原発周辺の新たな活断層の疑いのある断層について、九州電力株式会社に申し入れがなされたが、どのように対応したか」との質問があり、「当該断層の現場も確認したが、原発敷地外の安全性に影響を及ぼす断層はキロ単位の長さであることから、当該断層が川内原発の安全の確保に影響を及ぼすのは、これまでの知見の一つと考える」との答弁がありました。  次に、「平成九年の県北西部地震では、川内原発の地下で五十四ガル、格納容器で六百三十ガルと聞いているが、原発施設の損傷はどの程度だったのか」との質問があり、「北西部地震での発電所施設への影響はなかった。今回の地震動六百二十ガルは岩盤での数値であり、上屋では二千ガル程度となるが、この想定で大丈夫か検証・評価して、原子力規制委員会に説明する必要がある」との答弁がありました。  執行部に対する調査においては、避難時間推計シミュレーションについて質問があり、「先進県の状況を調査し、関係市町の避難計画のおおよそのめどがついた段階で、避難経路、天候、時刻等のさまざまな想定についてシミュレーションを実施していく」との答弁がありました。  次に、安定ヨウ素剤の配布について質問があり、「三十キロ圏内の住民及び防災対策要員用として、関係七市二町、県保健所九カ所、県警本部の計十九カ所に配備している。住民への事前配布については、誤飲等の事故や副作用時の救済方法等、現在、国に要請している見解を踏まえ、事前説明会、安定ヨウ素剤の配布実施に向けて準備したい」との答弁がありました。  次に、三十キロ圏内の要援護者の避難計画の策定終了の見通しについて質問があり、「同圏内の医療機関や社会福祉施設は二百四十施設、病床数・入所定員は一万床を超え、一般病床だけで四千六百床あり、これは本県全体の病床の一四%を占めており、避難先、搬送手段、マンパワーの確保は、いずれも現実問題として厳しいと考えている。このため、まずは、五キロ圏内の医療機関等の避難計画を策定するという方針を決定し、薩摩川内市と連携して七対象施設への説明を行い、全ての施設について三月中に策定が完了すると聞いている」との答弁がありました。  次に、川内原発に係る審査書案作成後のスケジュールについて質問があり、「原子力規制委員会は、川内原発の審査書案作成後、四週間程度かけて全国から意見募集を行い、その後、審査書案を確定させる。県としては、審査書確定後、住民説明会等を行う予定である」との答弁がありました。  次に、川内原発再稼働に係る住民説明会に関して、複数の首長が開催を要望していることについて質問があり、「原発立地道県で住民説明会を予定しているのは鹿児島県だけである。これまで、開催回数三回について基本的な考えを説明させていただいているが、今後も、市長・町長の意見を伺う機会を持っていきたい」との答弁がありました。  執行部への意見・要望として、避難計画に関して、「川内原発の再稼働以前に、使用済み核燃料もあるので、関係市町と連携して、何かあったときに住民が安全に避難するための避難計画の策定、避難訓練の実施に取り組んでもらいたい」、「医療機関や社会福祉施設の避難計画作成は、対象者数や施設の現状等から課題が大きいが、実効性のある計画となるよう努力してもらいたい」、「避難時間シミュレーションがある程度なされないと関係市町も計画作成を進めにくいので、県も積極的に取り組んでもらいたい」、再稼働の住民説明会に関して、「日程や場所を考えると説明会に行ける人は限られるので、インターネット中継など、規制委員会の説明を聞く機会を広くつくり、県民からの意見募集もさまざまな方法で意見を聴取してもらいたい」、「住民からの要望を受けて、自治体の首長が説明会を開催してほしいという要望を出しているので、この要望に応えてもらいたい」、防災訓練に関して、「日ごろ、バスは運用されているものであり、避難指示が出たときにバスをどれだけ手配できるかとても心配され、避難手段としての乗り物の確保は難しいのを感じた」、「避難の実時間実働訓練における県職員の段階的な呼集訓練など、現地の想定と実際を検証し、参加者の意見も含め、今後の原子力防災計画の策定や訓練にきちんと反映してほしい」との意見・要望がありました。  委員会では、今後も、住民の安心・安全の確保に向けた川内原子力発電所の安全対策等について、さらに積極的な調査を進めていくことを申し上げ、中間報告といたします。 57 ◯議長(池畑憲一君)次は、海外経済交流促進等特別委員会副委員長の報告を求めます。  まえの義春君。    [海外経済交流促進等特別委員会副委員長まえの     義春君登壇] 58 ◯海外経済交流促進等特別委員会副委員長(まえの義春君)海外経済交流促進等特別委員会の平成二十五年度の調査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。  当委員会への付託事項は、海外経済交流を促進する施策等に関する事項であります。  今年度の調査は、主に産業経済交流に係る事項について、各定例会での調査のほか、昨年十月九日から十三日にかけて、上海市、香港特別行政区を訪問し、現地調査を行いました。  調査における主な論議について申し上げます。  まず、第二回定例会においては、アジア地域との交流に関する事項を重点調査事項とし、本県貿易の現状、アジア主要国の経済情勢、県海外事務所の活動内容等について、調査を行いました。  まず、上海事務所の活動状況等について、平成二十四年度の貿易・取引等相談の件数が減少していることについて質疑があり、「平成二十四年度は尖閣諸島の問題が大きく影響したと聞いている。各種イベント等も中止になったこともあり、相談の件数も減少した」との答弁がありました。  続いて、「海外に向けて県産品を売り込むために、県としても横断的な情報把握をすべきではないか」との質問があり、「県貿易協会で地域一体となった売り込みに取り組んでいるほか、県、経済団体、輸出支援団体等から成る鹿児島県産品輸出振興連絡会議において、各種イベントの日程の情報等の共有を図る取り組みを行っている。参加会員等に情報が伝わるように工夫してまいりたい」との答弁がありました。  委員からは、「今後も情報の周知徹底をお願いしたい」との要望がありました。  第三回定例会においては、農林水産物等の輸出拡大等に関する事項を重点調査事項とし、農林水産物等の輸出拡大に向けた販路開拓、国際物流拠点の整備促進等について調査を行いました。  まず、「今後、期待される鹿児島からの輸出産品や地域について、どのように捉えているか」との質疑があり、「将来的に、畜産物は有望であると思われる。今は国によっては規制もあるので、売れるところで辛抱強くPRする。ブランド価値を高めていく取り組みをやっていく必要がある。地域でいえば香港、東南アジアについては、これから購買力が高い層の人口がふえていくため、加工品も含めて有力な市場ではないか」との答弁がありました。  続いて、県産材の輸出の動向等について質疑があり、「台湾、中国等の東アジアにおいては、近年、経済の発展等に伴い、土木用資材、内装資材など木材の需要がふえている。また、日本からの丸太の輸出量は、平成二十四年度の実績で約十一万立方メートル、そのうち約三割に当たる三万五千立方メートルが志布志港から輸出されている」との答弁がありました。  第四回定例会においては、県内企業の海外展開に関する事項を重点調査事項とし、県内企業の海外展開の促進等について調査を行いました。  企業の海外展開に向けた県の支援策等について質疑があり、「海外で開催される商談会において、県内企業に共同出展ブースの提供を行っているほか、海外取引支援セミナーを開催している。また、各国政府との関係や法制度など専門性の高い相談対応は、ジェトロに情報をつなぐなど連携して対応を行っている」との答弁がありました。  今回の第一回定例会においては、一年間の議論や調査を踏まえ、課題等の整理を行い、要望事項を取りまとめ、提言を行うことを、当委員会として決定いたしました。  以下、その内容につきまして報告いたします。  提言の背景として、本県の景気は依然厳しい状況が続いており、県内経済の活性化が喫緊の課題となっている。県内経済の活性化のためには、海外との経済交流等を一層促進することが重要である。  現在、グローバル化が進展する中で、本県は、ソウル、上海、台北と国際定期航空路線で結ばれ、本年三月三十日からは香港線が再開設されるなど、人・物・情報の交流が盛んになってきている。  このように、アジアの玄関口としての本県の地理的優位性を生かし、中国を中心とした成長するアジア諸国との経済交流等の拡大を図ることが、県産品の販路拡大や観光振興等に大きく寄与し、県内経済の活性化に結びつくため、戦略的な取り組みが求められている。そのためにも、航路や航空路の維持・拡充を図ることが重要である。  このような中、県議会においては、平成二十五年三月定例会において、海外経済交流促進等特別委員会を新たに設置し、アジア諸国との交流、県産品の販路拡大、企業の海外展開等に関し、調査するとともに、昨年十月には、上海、香港において経済交流等に関する現地調査を行った。  アジア諸国の中でも特に経済成長が著しい中国のGDPは、二〇一〇年に日本を追い越して世界第二位の経済大国となり、二〇二五年ごろには米国を抜き、世界最大の経済大国となる見通しである。現在、消費市場として最も注目を集めている、成長する中国経済の波及効果を本県にもたらし、本県の発展可能性を大いに高める取り組みが重要である。  以上の観点から、次のとおり提言する。  一つ目として、アジア諸国との交流促進であります。  アジア諸国との経済交流等を一層促進させるため、航路や航空路の維持・拡充に取り組むこと。また、国際定期航空路線の搭乗率向上を図るため、自治体、関係団体、企業等との連携強化に取り組むこと。さらに、志布志港、川内港を利用した国際物流を促進させるため、必要な港湾整備や貨物の集積及び海上コンテナ航路等の誘致の推進に取り組むこと。  二つ目として、県産品の輸出拡大であります。  農林水産物及びその加工食品を含む県産品の輸出拡大を図るため、海外事務所やジェトロなど関係機関・団体と連携の上、輸出相手国の検疫条件等を把握するとともに、輸出相手国の消費者の嗜好や安心・安全を求める傾向など、消費者ニーズに対応した販路拡大や商品の定番化に向けた支援に取り組むこと。また、海外での人的ネットワークを生かして、県産品の販路拡大等に取り組むこと。  三つ目として、企業の海外展開であります。  中国を中心としたアジア諸国では、今後とも、人口増加や経済力の向上による市場の拡大が期待されることから、新たなマーケットとして輸出あるいは進出を目指す企業に対し、必要な情報提供を行うなど、貿易支援機関等と連携を図り、企業ニーズに対応した相談窓口の充実や支援に取り組むこと。  以上が、提言の内容であります。  委員会では、来年度においても、海外経済交流の促進について、さらに積極的な調査を進めていくことを申し上げ、中間報告といたします。 59 ◯議長(池畑憲一君)以上で、特別委員会の中間報告は終わりました。  御質疑はありませんか。    [「なし」と呼ぶ者あり] 60 ◯議長(池畑憲一君)御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。       ───────────── 61    △ 請願第一一〇〇一号等三十二件継続審査可決 ◯議長(池畑憲一君)お諮りいたします。  原子力安全対策等特別委員会に付託いたしました請願第一一〇〇一号から請願第一一〇〇三号まで、陳情第一一〇〇二号から陳情第一一〇一〇号まで及び陳情第一一〇一三号から陳情第一一〇一五号まで、並びに陳情第一一〇一七号から陳情第一一〇三三号までについては、同特別委員長から、閉会中の継続審査の申し出がありましたが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 62 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、これらの請願・陳情は、閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。       ───────────── 63    △ 閉会中継続審査申出可決 ◯議長(池畑憲一君)次に、閉会中の継続審査の件を議題といたします。  お諮りいたします。  各常任委員長及び議会運営委員長から配付いたしております申出書のとおり、閉会中の継続審査の申し出がありましたが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 64 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、申出書のとおり、閉会中、継続審査することに決定いたしました。       ───────────── 65    △ 議案第七一号撤回の件上程 ◯議長(池畑憲一君)次に、議案第七一号鹿児島県監査委員の選任について同意を求める件の撤回の件を議題といたします。       ───────────── 66    △ 議案第七一号撤回の件承認 ◯議長(池畑憲一君)お諮りいたします。  議案第七一号撤回の件は、承認することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 67 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、議案第七一号の撤回の件は承認することに決定いたしました。       ───────────── 68 ◯議長(池畑憲一君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後零時二十分といたします。         午後零時 八分休憩       ────────────         午後零時二十分再開 69 ◯議長(池畑憲一君)再開いたします。       ───────────── 70    △ 日程追加 ◯議長(池畑憲一君)配付いたしておりますとおり議案第七四号鹿児島県監査委員の選任について同意を求める件が提出されました。  お諮りいたします。  この際、これを日程に追加し、議題とすることに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 71 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、議案第七四号を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。       ─────────────    [退席する者あり] 72    △ 議案第七四号上程 ◯議長(池畑憲一君)議案第七四号を議題といたします。  朗読を省略いたします。       ━━━━━━━━━━━━━  議案第七四号 鹿児島県監査委員の選任について同意         を求める件
          ━━━━━━━━━━━━━ 73    △ 知事の提案理由説明 ◯議長(池畑憲一君)知事に提案理由の説明を求めます。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 74 ◯知事(伊藤祐一郎君)本日提案いたしました議案につきまして、御説明申し上げます。  鹿児島県監査委員の選任について同意を求める件は、委員二名の辞任に伴い、その後任を選任しようとするものであります。  よろしく御審議の上、議決していただきますようお願い申し上げます。       ───────────── 75 ◯議長(池畑憲一君)お諮りいたします。  この議案は、会議規則第三十九条第二項の規定によって、委員会付託を省略し、直ちに本会議で審議したいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 76 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  御質疑はありませんか。    [「なし」と呼ぶ者あり] 77 ◯議長(池畑憲一君)御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。       ───────────── 78    △ 表  決 ◯議長(池畑憲一君)討論の通告はありませんので、これより、議案第七四号について採決いたします。       ───────────── 79    △ 議案第七四号同意 ◯議長(池畑憲一君)お諮りいたします。  この議案は、同意することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 80 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、この議案は同意することに決定いたしました。    [着席する者あり]       ───────────── 81    △ 議案議第一号上程 ◯議長(池畑憲一君)次に、議案議第一号鹿児島県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例の一部を改正する条例制定の件が提出されておりますので、これを議題といたします。  朗読を省略いたします。       ━━━━━━━━━━━━━  議案議第一号 鹿児島県議会議員の定数並びに選挙区         及び選挙区において選挙すべき議員の         数に関する条例の一部を改正する条例         制定の件       ━━━━━━━━━━━━━ 82 ◯議長(池畑憲一君)お諮りいたします。  この議案は、会議規則第三十九条第三項の規定によって、提案理由の説明を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 83 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  この議案は、会議規則第三十九条第二項の規定によって、委員会付託はいたしません。  直ちに審議に入ります。  御質疑はありませんか。    [「なし」と呼ぶ者あり] 84 ◯議長(池畑憲一君)御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。       ───────────── 85    △ 表  決 ◯議長(池畑憲一君)討論の通告はありませんので、これより、議案議第一号について採決いたします。       ───────────── 86    △ 議案議第一号可決 ◯議長(池畑憲一君)お諮りいたします。  この議案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 87 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、この議案は原案のとおり可決されました。       ───────────── 88    △ 意見書案三件・決議案一件上程 ◯議長(池畑憲一君)次に、国会に憲法改正の早期実現を求める意見書案など意見書案三件、及び損害賠償請求に係る民事調停に関する決議案が提出されておりますので、これらを一括議題といたします。  案文は配付いたしておりますので、朗読を省略いたします。       ━━━━━━━━━━━━━    意 見 書(案)   国会に憲法改正の早期実現を求める意見書  日本国憲法は、昭和二十二年五月三日の施行以来、今日に至るまでの約七十年間、一度の改正も行われていない。  しかしながら、この間、我が国を巡る内外の諸情勢は劇的に変化を遂げている。  すなわち、我が国を取り巻く東アジア情勢は、一刻の猶予も許されない事態に直面している。さらに、家族、環境などの諸問題や大規模災害等への対応が求められている。  このような状況変化を受け、様々な憲法改正案が各政党、各報道機関、民間団体等から提唱されている。国会でも、平成十九年の国民投票法の成立を機に憲法審査会が設置され、憲法改正に向けた制度が整備されるに至った。  よって、国におかれては、新たな時代にふさわしい憲法に改めるため、国会は憲法審査会において憲法改正案を早期に作成し、国民が自ら判断する国民投票を実現するよう求める。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成二十六年三月二十六日          鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一 衆議院議長   殿 参議院議長   殿 内閣総理大臣  殿 総 務 大 臣 殿 法 務 大 臣 殿 内閣官房長官  殿  右記のとおり発議する。   平成二十六年三月二十六日          鹿児島県議会議員 大久保 博 文                   藤 崎   剛                   小園 しげよし                   酒 匂 卓 郎                   桑 鶴   勉                   吉 永 守 夫                   大 園 清 信                   鶴 田 志 郎                   小 幡 兼 興                   吉 野 正二郎                   山 田 国 治       ─────────────   集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないこ   とを求める意見書  安倍晋三首相は、自らを「選挙による国民の審判を受けた最高責任者」と位置付け、集団的自衛権行使の容認に向け、閣議決定によって憲法の解釈変更を行う意向を示しており、「国会での議論は閣議決定してから」と発言しているが、これは民主主義を履き違え立憲主義を否定するものである。  これまで憲法解釈について、政府自身が「論理的な追求の結果として示されてきたもの」とし、「政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼がそこなわれかねないと考えられる」(二〇〇四年六月十八日の閣議決定)とし、自由に政府が憲法解釈を変更することはできないと説明した。  そもそも、集団的自衛権とは、わが国への武力行使がないものに対して武力行使することであり、これまでの歴代政権において内閣法制局長官は、国会で憲法や法律の政府統一見解について答弁し、集団的自衛権については、「行使ができないのは憲法9条の制約である。わが国は自衛のための必要最低限の武力行使しかできないのであり、集団的自衛権はその枠を超える」(一九八三年四月、角田内閣法制局長官)とし、憲法上許されないとの解釈が定着してきている。  憲法の基本理念にかかる重要な解釈の変更を、安倍首相の私的諮問機関にすぎない「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の報告書をよりどころとすることは、あまりにも拙速である。憲法は国の最高法規であり、政権が変わるたびに解釈が変えられることになれば、法治国家の根幹が揺らぐことになる。  よって、政府におかれては、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈の見直しは行わないよう強く要望する。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
      平成二十六年三月二十六日          鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一 衆議院議長   殿 参議院議長   殿 内閣総理大臣  殿 総 務 大 臣 殿 法 務 大 臣 殿 内閣官房長官  殿  右記のとおり発議する。   平成二十六年三月二十六日          鹿児島県議会議員 まつざき 真琴                   青 木   寛                   二牟礼 正 博       ─────────────   労働者の雇用の安定を求める意見書  働くことは生活の糧を得るだけでなく、生きがいであり、自己実現を図るための重要な手段です。我が国は、働く者のうち約九割が雇用関係の下で働く「雇用社会」です。この雇用社会の主人公である雇用労働者が、安定的な雇用と公正な処遇のもとで安心して働くことができる環境を整備することは、デフレからの脱却による日本経済・社会の持続的な成長にとって必要不可欠であります。  いま、安倍内閣によって政府内に設置された規制改革会議や産業競争力会議では、成長戦略を進めるためにとして、不当な解雇の裁判で勝訴しても企業が金銭を支払えば職場復帰の道が閉ざされてしまう「解雇の金銭解決制度」や長時間労働を誘発するおそれのある「ホワイトカラー・イグゼンプション」の導入、解雇しやすい正社員を増やす懸念のある「限定正社員制度」の普及、労働者保護の後退を招きかねない労働者派遣法の見直しなどの議論がなされています。  労働者を保護する法制度の緩和が進めば、安定した雇用が減少し、不安定雇用が拡大することになります。これは、政府が掲げる「経済の好循環」とは逆な動きであります。  また、これら政府の会議においては、労働者保護ルールそのものにとどまらず、労働政策に係る基本方針の策定にも及んでおり、労使の利害調整の枠を超えた仕組みを創設することも提言されています。雇用・労働政策は、ILOの三者構成原則に基づき労働政策審議会において議論すべきであります。  よって、政府においては、以上の現状を踏まえ、左記のとおり対応されるよう強く要望する。             記 一 解雇の金銭解決制度やホワイトカラー・イグゼンプ  ションの導入、及び限定正社員制度の普及については、  雇用の安定を図る観点から慎重に検討すること。 二 労働者派遣法の改正については、派遣労働者の低賃  金などの処遇改善、安定した雇用への誘導に結びつく  よう見直すこと。 三 いわゆる「ブラック企業」問題に対する長時間労働  の改善や過労死防止施策など総合的で実効性のある対  策を講じること。 四 環境・エネルギー、医療・介護、食品加工など成長  分野での産業創出と育成を図り、雇用の場を拡大する  こと。 五 雇用・労働政策に係る議論は、ILO三者構成主義  に則って労働者代表委員、使用者代表委員、公益委員  で構成される労働政策審議会で行うよう努めること。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成二十六年三月二十六日          鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一 衆議院議長    殿 参議院議長    殿 内閣総理大臣   殿 厚生労働大臣   殿 経済再生担当大臣 殿 規制改革担当大臣 殿  右記のとおり発議する。   平成二十六年三月二十六日          鹿児島県議会議員 まつざき 真琴                   青 木   寛                   二牟礼 正 博       ─────────────   決 議(案)   損害賠償請求に係る民事調停に関する決議  公正取引委員会は,平成二十二年十一月、本県発注の海上工事に関する独占禁止法違反行為について、排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。  県は、当該措置を受けて、対象となった建設業者に対して指名停止措置、営業停止処分を行い、平成二十五年一月十五日には、課徴金納付命令の対象となった工事を受注した三十一社に対し、建設工事請負契約書の規定に基づいて、総額約三十六億四千五百万円の損害賠償金を請求したところである。  もとより、公共工事の入札執行に当たって、談合はあってはならないものであり、建設業者は談合を行ったことを十分反省し、公正取引委員会の命令及び県の措置等を重く受け止め、二度とこのようなことがないように企業倫理の確立と法令遵守を徹底し、再発防止に徹底的に取り組むべきである。  損害賠償請求を受けた建設業者は、昨年二月に賠償金額の減額等を求める民事調停の申立を行い、一年以上経過した現在も調停協議中であるが、県が行った損害賠償金の請求に対しては、建設工事請負契約書の規定に基づいて支払うことは当然の責務である。  一方、建設業者は地域の雇用や経済の重要な担い手であるとともに、他県に比べて大規模な災害が多発する本県においては、災害発生時の応急活動や災害復旧工事等を行うなど、地域社会の維持に不可欠な役割を果たしている。  しかしながら、この間の公共工事の縮減等もあり、県内の建設投資額はピーク時の五割、就業者数も六割に減少するなど、建設業者の経営環境は非常に厳しい状況にある。損害賠償請求を受けた建設業者においては、既に課徴金の負担をはじめ、指名停止措置や営業停止処分を受けており、多額の損害賠償金の負担に伴って対象業者の経営のみならず、関連する下請業者や資材業者等の経営や雇用及び地域経済への影響が懸念される。  よって、県におかれては、損害賠償請求の原則を踏まえるとともに、県内建設業者の果たす役割や建設業者をめぐる事情、県内地域経済の経営や雇用への影響及び再発防止への取組も十分考慮の上、減額に応じるなど円滑な調停結果となるよう強く要望する。  以上、決議する。   平成二十六年三月二十六日               鹿 児 島 県 議 会  右記のとおり発議する。   平成二十六年三月二十六日     鹿児島県議会企画建設委員長 小園 しげよし       ━━━━━━━━━━━━━ 89    △ 提案理由説明 ◯議長(池畑憲一君)まず、吉野正二郎君に、国会に憲法改正の早期実現を求める意見書案について、提案理由の説明を求めます。    [吉野正二郎君登壇] 90 ◯吉野正二郎君 提案者を代表いたしまして、国会に憲法改正の早期実現を求める意見書案について、提案理由を述べます。  日本国憲法は、昭和二十二年五月三日の施行以来、今日に至るまでの約七十年間、一度の改正も行われておりません。  しかし、この間、我が国をめぐる内外の諸情勢は劇的に変化を遂げております。すなわち、我が国を取り巻く東アジア情勢は、一刻の猶予も許されない事態に直面しております。さらに、家族、環境などの諸問題や、大規模災害等への対応が求められております。  世界の国々は、時代の要請に即した形で憲法を改正しております。主要国を見ても、戦後の改正回数は、アメリカが六回、フランスが二十七回、イタリアは十六回、ドイツに至っては五十九回も憲法改正を行っております。諸外国では、現実との乖離が生じれば憲法を改正しているのであります。  憲法制定以来、今日に至るまでの状況変化を受けて、さまざまな憲法改正案が各政党、各報道機関、民間団体等から提唱されております。国会でも、平成十二年に衆参両院に憲法調査会が設置され、平成十九年には、日本国憲法の改正手続に関する法律、いわゆる憲法改正国民投票法が成立し、あわせて衆参両院に憲法審査会が設置されるなど、憲法改正に向けた制度が整備されるに至っております。  平成二十二年五月十八日には国民投票法が施行され、憲法改正への道が大きく開かれました。国民投票法の施行に伴い、憲法改正原案を衆参両院に提出することが可能となったのであります。  私どもは、広く国民の理解を得つつ、憲法改正原案の国会提出を目指し、憲法改正に積極的に取り組んでいくことが必要であると考えております。  よって、国においては、新たな時代にふさわしい憲法に改めるため、憲法審査会において憲法改正案を早期に作成し、国民がみずから判断する国民投票法を実現することを求める意見書を提出しようとするものであります。  以上、説明したとおり、本意見書案は、我が国の最高法規である憲法を時代の要請に即した内容に改め、憲法を国民の手に取り戻すことは、極めて重要かつ優先度の高い課題でありますので、速やかに審議していただき、御賛同賜りますようお願い申し上げまして、提案理由といたします。 91 ◯議長(池畑憲一君)次は、まえの義春君に、労働者の雇用の安定を求める意見書案について、提案理由の説明を求めます。    [まえの義春君登壇] 92 ◯まえの義春君 労働者の雇用の安定を求める意見書案の提案理由を述べます。  今、安倍内閣によって政府内に設置された規制改革会議や産業競争力会議では、成長戦略を進めるためとして、労働者を保護する労働法制度の見直しの論議が行われています。  労働法制の規制緩和が進めば、安定した雇用が減少し、不安定雇用が拡大することになります。これは、政府が掲げる経済の好循環とは逆な動きであります。また、これら政府の会議においては、労働者保護ルールそのものにとどまらず、労働政策に係る基本方針の策定にも及んでおり、労使の利害調整の枠を超えた仕組みを創設することも提言されています。  働くことは、生活の糧を得るだけでなく、生きがいであり、自己実現を図るための重要な手段です。我が国は、働く者のうち約九割が雇用関係のもとで働く雇用社会です。この雇用社会の主人公である雇用労働者が安定的な雇用と公正な処遇のもとで安心して働くことができる環境を整備することは、デフレからの脱却による日本経済社会の持続的な成長にとって必要不可欠であります。  したがって、労働法制の見直しに当たっては、労働者の雇用の安定を図る観点から検討すべきであり、そのために五項目の対応を政府等に強く要望する意見書を提出しようとするものであります。  第一は、不当な解雇の裁判で勝訴しても、企業が金銭さえ支払えば職場復帰の道が閉ざされてしまう解雇金銭解決制度や、長時間労働を誘発するおそれのあるホワイトカラー・イグゼンプションの導入及び解雇しやすい正社員をふやすおそれのある限定正社員制度については、雇用の安定を図る観点から慎重に検討すること。  第二は、労働者派遣法の改正については、派遣労働者の低賃金などの処遇改善、安定した雇用への誘導に結びつくように見直すこと。  第三は、いわゆるブラック企業問題に対する長時間労働の改善や、過労死防止施策など、総合的で実効性のある対策を講じること。  第四は、環境・エネルギー、医療・介護、食品加工など成長分野での産業創出と育成を図り、雇用の場を拡大すること。  第五は、雇用・労働政策に係る議論は、ILO三者構成主義に則って、労働者代表委員、使用者代表委員、公益委員で構成される労働政策審議会で行うよう求めるものであります。  以上、労働者の安定的な雇用環境の整備こそが日本経済と社会の持続的な成長に不可欠であることに御理解いただき、意見書への御賛同をお願いしまして、提案理由といたします。 93 ◯議長(池畑憲一君)次は、まつざき真琴君に、集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書案について、提案理由の説明を求めます。    [まつざき真琴君登壇] 94 ◯まつざき真琴君 私は、発議者を代表して、集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書案について、提案理由を説明いたします。  安倍首相は、みずからを選挙による国民の審判を受けた最高責任者とし、集団的自衛権行使の容認に向け、閣議決定によって憲法の解釈の変更を行う意向を示しており、「国会での議論は閣議決定してから」と発言していますが、これは民主主義を履き違え、立憲主義を否定するものであります。  これまで、憲法解釈について、政府自身が、政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないと考えられるとし、自由に政府が憲法解釈を変更することはできないと説明してきました。  これまでの歴代政権において内閣法制局長官は、「集団的自衛権が行使できないのは憲法九条の制約である。我が国は自衛のための必要最低限の武力行使しかできないのであり、集団的自衛権はその枠を超える」とし、憲法上許されないとの解釈が定着しているものです。  今月十七日に開催された自民党の総務懇談会では、解釈改憲に対する異論が噴出したと報道されています。村上誠一郎元行政改革担当相は、「解釈変更は憲政に汚点を残す。憲法改正で堂々と議論するのが筋だ」と解釈変更への反対を表明し、「解釈変更に基づいて関連法が提出されるなら、反対せざるを得ない」とまで明言しました。  憲法の基本理念にかかわる重要な問題について、憲法解釈によって変更することは、法治国家として許されるものではありません。
     よって、政府に対し、集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書案を提案するものです。  議員各位の本意見書案への賛同を求め、提案理由説明を終わります。       ───────────── 95 ◯議長(池畑憲一君)お諮りいたします。  決議案の提案理由の説明は、会議規則第三十九条第三項の規定によって、これを省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 96 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  次に、会派提出の意見書案についてお諮りいたします。  これらの意見書案は、会議規則第三十九条第三項の規定によって、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 97 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  委員会提出の決議案については、会議規則第三十九条第二項の規定によって、委員会付託はいたしません。  直ちに審議に入ります。  御質疑はありませんか。    [「なし」と呼ぶ者あり] 98 ◯議長(池畑憲一君)御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。       ───────────── 99    △ 討  論 ◯議長(池畑憲一君)これより、討論に入ります。  まず、集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書案に対して、高橋稔君から討論の通告がありますので、発言を許可いたします。    [高橋 稔君登壇] 100 ◯高橋 稔君 私は、自由民主党県議団を代表し、集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書案について、反対の立場から討論いたします。  安倍総理大臣は、今国会冒頭の施政方針演説において、「集団的自衛権や集団安全保障などについては、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告を踏まえ、対応を検討してまいります」と述べ、集団的自衛権の行使容認に意欲を示しておりますが、いまだ見直しの全体像は明確となってはおりません。  本件の論点は、集団的自衛権に関して、憲法九条第一項は、独立国家に固有の自衛権までも否定する趣旨のものではなく、個別的、集団的を問わず自衛権を有することは、主権国家である以上当然である。しかし、憲法九条のもとで許される自衛権の行使は、我が国を防衛する必要最小限にとどめるべきであり、集団的自衛権の行使はその範囲を超え、許されないとするこれまでの政府解釈を、諸情勢の変化を考慮し、変更することはいかなる場合でも許されないのかという点であります。  憲法論として、解釈変更という手法を是認できるかどうか、外交防衛上、集団的自衛権の行使の是非及びその範囲をどうするかという議論は、さまざまな意見があり得るところであります。  この点に関して私どもは、諸情勢の変化を考慮して合理的な理由がある場合は、政府解釈を変更することは可能であり、むしろ変更することが必要であると考えるのであります。  従来の政府解釈を金科玉条とし、絶対に変更できないものとして対応するのか、国際社会の変化に対応して政府解釈の見直しを図るべきか、私どもは、後者こそとるべき道であると考えます。そして、国際情勢の現実を踏まえて、我が国の抑止力を強化する上で集団的自衛権の解釈を変更し、行使を可能にすることが必要であると考えるのであります。  いずれにせよ、集団的自衛権の行使の是非及び解釈の変更に関してはさまざまな意見があるところであり、現在、国政の場において、政府・与党及び各政党が論議を重ねているところであります。国民の理解が得られるようなさらなる十分な論議を尽くすことが、極めて重要であると考えております。  以上の趣旨から、私ども自由民主党県議団は、集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求めるとする本意見書案に反対するものであることを申し上げ、討論といたします。 101 ◯議長(池畑憲一君)次は、国会に憲法改正の早期実現を求める意見書案に対して、柳誠子君から討論の通告がありますので、発言を許可いたします。    [柳 誠子君登壇] 102 ◯柳 誠子君 今議会に自民党会派から提出された、国会に憲法改正の早期実現を求める意見書案に強く反対する立場から、討論いたします。  この意見書案によれば、憲法が七十年近く改正されていないこと、我が国を取り巻く東アジア情勢の変化、家族、環境などの問題、大規模災害への対応を理由に、国会に、憲法改正案を策定し、国民投票の実現を求めています。  長く憲法改正が行われなかったことは、憲法改正の理由にならず、むしろ、戦後日本の平和と発展を支えてきた憲法は、他に類を見ない平和憲法として世界から注目されており、誇るべきことであります。  東アジアの情勢の変化は、集団的自衛権の行使を可能とする憲法九条の改正とは相反し、家族、環境、大規模災害の問題への対応は現行憲法で対処できるのであって、何ら改正の必要はありません。  自民党が今議会に意見書案を提出したのは、衆参両議院で多数を占めているこの機会に、自民党の長年の悲願とされる憲法改正の成立を図るため、地方議会からの世論づくりを狙うものと言えます。  憲法第九十七条は、この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に耐え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものであるとしています。これは、国の最高法規である憲法の基本理念を規定しているのであります。自民党の憲法改正案は、この第九十七条をばっさり削除しています。  そもそも憲法の本質は、権力を拘束・制限する規範であるという点にあります。つまり、国家権力の究極のチェック機能を持つのが憲法であり、時の政権が数の力で、一時的な勢いで変えてはならない不変の原理を定めたものであります。戦後の我が国を平和国家へと導いてきた憲法が今、決定的な危機にさらされていると言わざるを得ません。  安倍首相は、まず、改憲の手続条項である第九十六条の改正を主張し、権力に優しい憲法に変えようとしています。改憲は、衆参両議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民投票で過半数を得ることが必要と規定されています。この三分の二以上を過半数にして発議要件を緩和し、改憲しやすくするのが第九十六条改正です。  現在の選挙制度のもとでは、得票率が三割に満たない政党が衆参両議院で過半数の議席を占めることもあり得るため、発議要件が緩和されると、国民の多数の支持を受けていない憲法改正案が容易に発議されてしまうことが可能であります。  安倍首相は、みずからを選挙による国民の審判を受けた最高責任者と位置づけ、集団的自衛権の行使容認に向け、閣議決定によって憲法の解釈変更を行う意向を示しており、国会での議論は閣議決定してからと発言していますが、これは、民主主義を履き違え、立憲主義を否定するものであり、到底看過できるものではありません。  そもそも集団的自衛権とは、我が国への武力行使がないものに対して武力行使することであり、これまでの歴代政権においては、行使ができないのは憲法九条の制約である。我が国は自衛のための必要最低限の武力行使しかできないのであり、集団的自衛権はその枠を超えるとし、憲法上許されないとの解釈が定着してきております。  憲法の基本理念に係る重要な解釈の変更を拙速に行うことは、法治国家の根幹を揺るがすものであり、自民党改正案の第九条二項には、国防軍を保持し、国際社会の平和と安全確保を理由にして、同盟国と集団的自衛権の名のもとに海外派兵への道を開くことができる規定が明記されています。  また、改正案の第二十一条一項では、結社や表現の自由を保障するとしながら、二項では、公益及び公の秩序を害することを理由にして、結社の自由を認めないとしています。さらに、第二十八条二項には、公務員の団結権及び団体交渉権、その他の団体行動をする権利を全部制限することができると記されています。これは明らかに基本的人権を否定するものであります。  新たな時代にふさわしい憲法とは何か、国民に納得のいく説明はなされないまま、過半数で憲法改正案を成立させ、あとは国民投票に委ねるという自民党政権の改憲論理は、余りにも無責任であり、日本国憲法の平和主義、国民主権主義、基本的人権の尊重などの基本理念を根底から覆すものであるということを申し上げ、反対討論とします。 103 ◯議長(池畑憲一君)次は、国会に憲法改正の早期実現を求める意見書案、労働者の雇用の安定を求める意見書案及び損害賠償請求に係る民事調停に関する決議案に対して、まつざき真琴君から討論の通告がありますので、発言を許可いたします。    [まつざき真琴君登壇] 104 ◯まつざき真琴君 私は、日本共産党県議団として、提案されました、労働者の雇用の安定を求める意見書案に賛成し、国会に憲法改正の早期実現を求める意見書案と損害賠償請求に係る民事調停に関する決議案に反対することについて、それぞれの理由を述べ、討論いたします。  まず、労働者の雇用の安定を求める意見書案についてであります。  本意見書案は、労働者が、安定的な雇用と公正な処遇のもとで安心して働くことができる環境を整備することを政府に求める内容であります。  安倍首相は、「企業が世界で一番活動しやすい国を目指す」とたびたび発言されていますが、これは、労働者にとっては世界で一番不幸な国と言えます。企業にとって、いかに人件費を安く抑えるかというのは大きな命題でしょう。だからこそ、日本の企業を初めとして、各先進国の企業は安価な人件費を求めて海外進出を進めているのであります。  昨年来、経済財政諮問会議、規制改革会議、産業競争力会議など、労働者の代表が参加しない場で、労働時間法制の見直し、研究者等への労働契約法をめぐる課題に関する検討、労働者派遣制度の見直し、多元的で安心できる働き方の導入促進など、大企業の使い勝手のいいように労働法制の規制を緩和する内容が議論されてきました。これらは、多様な働き方を口実に、非正規雇用の拡大・固定化を招くものです。デフレからの脱却や経済の好循環を招くには、労働者の賃金の引き上げはもちろん、非正規雇用をなくし、安心して働ける労働環境の整備が不可欠です。  よって、本意見書案にある項目について、政府に早急に対応を求めることが必要であると考え、本意見書案に賛同するものであります。  次に、国会に憲法改正の早期実現を求める意見書案についてであります。  本意見書の中で、我が国を取り巻く東アジア情勢は、一刻の猶予も許されない事態に直面していると規定し、危機感をあおっています。そのような状況を招いた原因は安倍首相自身にあります。秘密保護法を強行採決し、靖国神社に参拝し、従軍慰安婦問題について河野談話についての調査を行うとし、集団的自衛権の行使についても、憲法解釈を変更し、容認する姿勢を示すなど、戦争できる国づくりを目指して暴走を強めています。  今、世界の平和の地域共同体は発展しています。東南アジア諸国連合─ASEAN─の平和の枠組みである東南アジア友好協力条約─TAC─は、現在五十七カ国、人口で五十一・五億人、世界人口の七二%と広がっています。ASEANの国々は、どんな大国の支配権も認めない自主的なまとまりをつくるとともに、年間千回を超えるという徹底した対話によって、紛争を戦争にしない、紛争の平和的解決を実践しています。そして、この平和の流れをアジア・太平洋全体に、さらに世界へ広げようとしています。  世界の宝と言われる憲法九条を持つ我が国が、このような平和の世界の流れの中で果たすべきは、憲法を変えて国防軍をつくり、集団的自衛権の行使に備えることではなく、憲法を守り、世界の平和の実現に貢献することであります。  また、改憲の理由に、憲法が時代に即していないと言われますが、もしそういう状況があるとすれば、それは憲法に問題があるのではなく、憲法を生かした政治が行われていないことにこそ問題があるのであります。  かごしま九条の会より、自由民主党の憲法改正早期実現意見書案に反対する声明が発表され、県議会議長宛てに届けられました。  その中には、自民党が二〇一二年四月に発表した日本国憲法改正草案について、九条を改正して集団的自衛権を行使できる国防軍をつくり、天皇を元首とし、基本的人権を公益及び公の秩序によって制限できるようにするなど、日本国憲法の平和主義、国民主権主義、基本的人権の尊重などの基本原理を根本から覆そうとしていると指摘した上で、このような意見書を十分な議論もせず鹿児島県議会が拙速に採択することに反対しますと述べています。  鹿児島県保険医協会からも、議長宛てに要請文が届けられておりますが、同様に、自民党の憲法改正草案の問題点を指摘し、地域医療を担い、人命を守る医師・歯科医師として、このような日本国憲法の改正に反対し、このような意見書を鹿児島県議会が否決することを強く要望しますと述べられています。  憲法改正という重大かつ国民世論を二分するような問題について、本県議会において議席の七割を占める会派の数の力で強引に意見書案を提出し、採択することは、民主主義を破壊するものであり、断じて許せません。  よって、本意見書案に反対するものです。  最後に、損害賠償請求に係る民事調停に関する決議案についてであります。  本決議は、県発注の海上工事について、談合を行い、独占禁止法違反で公正取引委員会より、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けた建設業者に対して、県が建設工事請負契約書の規定に基づいて請求した損害賠償金を、県に減額せよと県議会として決議を上げるものであります。  そもそも談合とは、入札参加者間の公正かつ自由な競争を通じて、受注者や受注価格を決定しようとする入札システムを否定するものであり、県発注の工事の場合、県予算の適正な執行を阻害し、納税者である県民の利益を損ねる行為ともなります。  談合で落札企業が不当に得た利益は、県民の税金の詐取であり、県民に返すべきものであります。請負契約書に一〇%請求とあるのを承知で談合した業者が、いざ発覚すると、経営環境の厳しさを理由に減額をというのは、ゲームで負けそうになって、自分が勝てるようにルールを変えようというようなもので、これでは法治国家と言えません。それを、議会も一緒になって減額せよという決議を上げるなど、もってのほかです。  今回、損害賠償を請求されている三十一社のうち二十一社において、この問題が指摘された二〇一〇年からの三年間だけで、総額三千二百万円もの企業献金をそれぞれの地元の自民党に行っていることが、政治団体の収支報告書に記載されています。  企業は何らかの見返りを求めて献金を行っていると思われますが、今回の決議は、この献金に応えるものなのでしょうか。これらの献金は、損害賠償金に充てよと返金したらいかがでしょうか。  以上の理由から、本決議案に反対することを申し述べ、討論を終わります。 105 ◯議長(池畑憲一君)以上で、討論を終結いたします。       ───────────── 106    △ 意見書案一件可決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)これより、意見書案を採決いたします。  まず、国会に憲法改正の早期実現を求める意見書案を採決いたします。  この意見書案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 107 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、この意見書案は原案のとおり可決されました。       ───────────── 108    △ 意見書案一件否決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書案を採決いたします。  この意見書案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 109 ◯議長(池畑憲一君)起立少数であります。  よって、この意見書案は否決されました。       ───────────── 110    △ 意見書案一件否決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、労働者の雇用の安定を求める意見書案を採決いたします。  この意見書案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 111 ◯議長(池畑憲一君)起立少数であります。  よって、この意見書案は否決されました。       ───────────── 112    △ 決議案一件可決(起立採決) ◯議長(池畑憲一君)次に、損害賠償請求に係る民事調停に関する決議案を採決いたします。  この決議案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立]
    113 ◯議長(池畑憲一君)起立多数であります。  よって、この決議案は原案のとおり可決されました。  お諮りいたします。  ただいま可決されました意見書等の字句の修正、提出手続などにつきましては、当席に一任いただきたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 114 ◯議長(池畑憲一君)御異議なしと認めます。  よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。       ───────────── 115    △ 報  告 ◯議長(池畑憲一君)ここで、報告いたします。  去る三月二十日、鹿児島県監査委員から、平成二十五年度定期監査後期の結果に関する報告及び平成二十五年度財政的援助団体等監査の結果に関する報告が提出されました。  この内容につきましては、配付いたしておりますとおりであります。  以上で、報告を終わります。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 116    △ 日程報告 ◯議長(池畑憲一君)三月二十八日は、午前十一時から本会議を開きます。  日程は、常任委員及び議会運営委員の選任などであります。       ───────────── 117    △ 散  会 ◯議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。        午後一時一分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...