鹿児島県議会 2013-12-10
2013-12-10 平成25年企画建設委員会 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過
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午前九時五十九分開会
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◯小園委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから
企画建設委員会を開会いたします。
当委員会に付託されました案件は、議案第一一一号平成二十五年度鹿児島県
一般会計補正予算など議案十一件、専決処分報告一件及び陳情四件であります。
ここで、
審査日程等協議のため暫時休憩いたします。
午前九時五十九分休憩
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午前十時 再開
2
◯小園委員長 再開いたします。
審査日程につきましては、お手元に配付してあります日程案のとおりとし、また、特定調査事項につきましては、審査日程案に記載のとおり、企画部関係において、肥薩おれんじ鉄道の経営について、土木部関係においては、
土砂災害対策の現状と今後の課題について調査するということで進めてまいりたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
3
◯小園委員長 御異議ありませんので、そのように進めることに決定いたしました。
それでは、ただいまから企画部関係の審査を行います。
まず、議案第一一三号を議題といたします。
初めに、企画部長の総括説明を求めます。
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◯古川企画部長 おはようございます。
それでは、私から、平成二十五年第四回
県議会定例会に提出いたしております議案等について、お配りいたしております提出議案等の概要により御説明申し上げます。
まず、一ページをごらんいただきたいと思います。
一のその他議案といたしまして、鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件につきまして御説明を申し上げます。
今回の改正は、
権限移譲プログラムに基づきまして、知事の権限に属する
国土利用計画法の事務の一部を、新たに移譲希望のあった阿久根市、南種子町に対し権限を移譲するため、所要の改正をしようとするものでございます。
次に、前回定例会以降の重点施策等の進捗状況について御説明を申し上げます。
まず、一のところにございます「かごっまおごじょ委員会」開催事業につきましては、先月末に開催をいたしました第五回委員会におきまして、各分科会から提言案の報告等が行われ、提言内容が承認をされたところでございまして、今月、知事へ提言が提出される予定となっております。
次に、二ページをお開きください。
太陽光発電設備等普及推進事業につきましては、
太陽光発電設備を新たに住宅に設置する県民の方々に対し、その導入経費の一部を助成しているところでございまして、今年度は五月二十八日から募集を開始いたしましたところ、十一月末時点で二千九百五十件、一億三千五百余万円の申し込みがございまして、現在も引き続き募集を行っているところでございます。
次の
海洋再生可能エネルギー導入可能性検討事業につきましては、去る七月十六日に開催をいたしました第二回
海洋再生可能エネルギー利用促進研究会での御意見・御助言等を踏まえ、九月から、長島周辺海域及び口之島・
中之島周辺海域の二つの海域についての潮流・海流などの実測調査を実施しているところでございます。
次の
再生可能エネルギー導入ビジョン策定事業につきましては、国が年内を目途に策定をすることといたしております
エネルギー基本計画等を踏まえ、新
エネルギー導入ビジョンの見直しについて検討を行うため、
外部有識者等で構成する
再生可能エネルギー導入ビジョン策定委員会を設置し、去る十月二十四日に第一回委員会を、十一月二十六日には第二回委員会を開催をいたしたところでございます。
三ページの一番上でございます。
親子再生可能エネルギー工作教室の開催につきましては、次世代を担う児童に対し、
再生可能エネルギーへの理解を深めてもらうため、太陽光で動く機器を親子で製作するイベントを肝付町、霧島市及び指宿市で開催をいたしました。
次の
再生可能エネルギー導入セミナーの開催につきましては、
再生可能エネルギーの導入を促進するため、去る十月十六日に、事業者や市町村職員を対象に基調講演や事例報告等のセミナーを開催いたしました。
次の第四回
全国小水力発電サミットin鹿児島の開催につきましては、小水力発電の普及啓発を目的に、全国各地で小水力発電に取り組む関係者が一堂に集う
全国小水力発電サミットが、十一月七日から九日にかけて鹿児島市ほかで開催をされたところでございます。
次に、四ページでございます。
一番上の携帯電話の不感地域の解消につきましては、十一月六日及び十一日に、関係市町村とともに
携帯電話事業者三社に対して、エリア整備に関する要望活動を行ったところでございます。
次の
大型汎用機システム最適化事業につきましては、大型汎用機で処理している業務システムの運用コストの削減や事務処理の効率化を図るための
システム開発について、
公募型企画提案いわゆる
プロポーザル方式により事業者を選定し、九月二十七日に契約を締結いたしました。
次の鹿児島空港の国際化促進につきましては、鹿児島─ソウル線が十月二十七日の冬ダイヤから週七便体制に増便をされました。その後、予約状況等を踏まえ、十一月十日からは週三便体制で運航をされておりますが、十二月二十二日から三月二日までは、再び毎日運航─デイリー運航─をされる予定となっております。
鹿児島─上海線につきましては、九月以降具体化された民間の利用促進に向けた取り組みや、団体旅行等への助成拡充による需要喚起によりまして、当面安定的な運航が確保できる見込みとなっているところでございます。
次に、五ページでございます。
過疎地域等集落対策推進事業につきましては、過疎地域等の集落対策について、市町村の取り組みを促進いたしますとともに、NPOなど多様な主体とも連携をいたしまして、集落の抱えるさまざまな課題の把握及び解決に向けて行う取り組みへの支援を行うものでございますが、各地域振興局・支庁ごとに
過疎地域等集落対策推進地域会議を引き続き開催いたしますとともに、十一月十一日には、行政関係者や
集落対策関係者を対象とした
集落対策研修会を実施いたしたところでございます。
次の
奄美群島振興開発特別措置法の延長に向けた取り組みにつきましては、本年度末で期限が到来する
奄美群島振興開発特別措置法の延長や国交省の来年度予算概算要求に計上されました奄美群島の条件不利性の改善に活用できる新たな交付金の所要額確保について、去る十一月九日に
国土交通大臣、十二月三日に財務、総務、農林水産の三大臣に対し、
地元選出国会議員や県議会議員の皆様方とともに、知事から強く要請を行ったところでございます。
次に、六ページでございます。
奄美群島日本復帰六十周年記念事業につきましては、去る十一月九日、奄美市におきまして、
奄美群島日本復帰六十周年記念式典及び祝賀会を開催いたしました。式典には
太田国土交通大臣、
牧原環境大臣政務官を初め、国会議員、県議会議員、地域住民など多くの方々に御出席をいただき、奄美群島のこれまでの歴史を振り返りますとともに、関係者が一体となって奄美群島のさらなる振興に取り組むことを確認いたしたところでございます。
次の九州・山口の
近代化産業遺産群の
世界遺産登録推進につきましては、去る九月十七日に、今年度のユネスコへの
世界文化遺産政府推薦案件として「明治日本の
産業革命遺産 九州・山口と関連地域」(仮称)が正式に決定をされた後、
関係省庁連絡会議を経て、国からユネスコへ推薦書の暫定版が提出されたところでございまして、現在、来年二月一日がユネスコへの提出期限となっております推薦書の正式版の最終的な調製作業について、国や
関係自治体等と連携を図りながら進めているところでございます。
県といたしましては、今後とも、平成二十七年度の
世界文化遺産登録に向けて、国や
関係自治体等とより一層緊密な連携を図りながら、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
最後の七ページでございます。
宇宙開発の促進でございます。
今年度下半期のロケット打ち上げにつきまして、種子島宇宙センターから全
球降水観測計画主衛星(GPM)と小型副衛星七基を搭載したH─
IIAロケット二十三号機と
陸域観測技術衛星二号「だいち二号」(ALOS─2)と小型副衛星四基を搭載いたしましたH─
IIAロケット二十四号機の打ち上げが予定をされておりますが、いずれも打ち上げ日時は調整中となっております。
最後に、
各種統計調査の実施につきましては、統計法の規定に基づき五年周期で実施をされます調査といたしまして、平成二十五年住宅・
土地統計調査を平成二十五年十月一日を調査日として、また、二〇一三年漁業センサスを平成二十五年十一月一日を調査日として実施をいたしたところでございます。
以上で、企画部関係の説明を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。
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◯小園委員長 企画部長総括説明に対する質疑につきましては、県政一般でお願いをいたします。
次に、議案について関係課長の説明を求めます。
地域政策課長の説明を求めます。
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◯馬場地域政策課長 議案等説明書の一ページをお開きください。
鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件につきまして御説明申し上げます。
今回の改正は、
権限移譲プログラムに基づきまして、知事の権限に属する
国土利用計画法の事務の一部を、新たに移譲希望のあった阿久根市、南種子町に対し権限を移譲するため、所要の改正をしようとするものでございます。
今回、当該市町が新たに処理することとする事務は、ア、同法第二十八条第一項の規定による遊休土地である旨の通知に係る事務、イ、同法第二十九条第一項の規定による遊休土地の利用又は処分に関する計画の受理に係る事務、ウ、同法第三十条の規定による助言に係る事務、エ、同法第三十一条第一項の規定による勧告に係る事務、オ、同法第三十一条第二項の規定による勧告に基づいて講じた措置の報告の要求に係る事務、カ、同法第三十二条第一項の規定による
地方公共団体等の決定及び遊休土地の買取りの協議を行う旨の通知に係る事務、キ、同法第四十一条第一項の規定による立入検査等に係る事務、以上、七つの事務でございます。
改正の施行日は、平成二十六年四月一日でございます。
以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。
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◯小園委員長 説明が終わりましたので、議案についての質疑をお願いいたします。
8 ◯持冨委員
国土利用計画法に基づく事務の移譲ということですが、これの年間の事務量というのはどれぐらいあるのかということ、それからもう一つは、移譲団体が今回は阿久根市と南種子町の二団体ということですが、県内では今までどれだけ移譲しているのかと、その二点を教えてください。
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◯馬場地域政策課長 まず、年間の事務量でございますが、これにつきましては、土地の売買等を行いますと二週間以内に届け出の義務が発生します。その関係で、毎年度大体百数十件から二百数件の届け出がございますが、その中で、要件といたしまして、
国土利用計画法に基づく土地売買を行った場合の面積がございますが、市街化区域が二千平米以上、その他の
都市計画区域が五千平米以上、
都市計画区域外が一万平米以上、そして、新たに二号要件として取得後二年を経過した土地ということでございまして、今回は、二十二年に届け出があったものが、今回二十五年の調査になります。それと、三号要件として低未利用地である土地、四号要件として周辺状況から利用を特に促進する必要がある土地ということでございまして、届け出の中からそういったものを抽出した結果、二十五年の調査におきますと約四十件ぐらいでございます。そして、その中で移譲します事務は、これに基づきまして助言とか勧告とかをするものでございますので、具体的にはその事務に係るものはゼロでございます。
それと、二団体がことし阿久根市と南種子町が来年四月からでございますが、それまでに平成二十四年から出水市、伊佐市、姶良市、さつま町、中種子町、この五市町が既に移譲を受けていただいたところでございます。
10 ◯持冨委員 はい、結構です。
11
◯小園委員長 いいですか。
12 ◯持冨委員 はい。
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◯小園委員長 ほかにありませんか。
14
◯大久保委員 この権限移譲に関しましては、事務を行う者に特殊な資格とか技量とか、何か能力とか必要になる事務になるんでしょうか。
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◯馬場地域政策課長 そういった資格等は特段ございません。
16
◯大久保委員 それでは、移譲団体の阿久根市、南種子町においては特に特別な対応をすることなく、普通にこの事務は受け入れはできるということですね。
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◯馬場地域政策課長 はい、そのとおりでございまして、まず土地の該当があるかどうか、それに対して今、現状がどういった状況か等はまずやります。その結果としまして助言・勧告をやりますので、それについては、もし必要であれば県等も当然一緒になってすることがございますので、そんなに事務等もかかりませんし、資格も必要ございません。
18
◯大久保委員 それと、この事務に伴いまして県並びに関係市町については、
コンピューターシステムの改編とかそういう対応というのは求められるんでしょうか。
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◯馬場地域政策課長 この件につきましては事務的にも非常に少のうございますので、
特段システム等の変更も何も必要ないと考えております。
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◯小園委員長 ほかにありませんか。
[「なし」という者あり]
21
◯小園委員長 ほかに質疑がありませんので、これで議案についての質疑を終了いたします。
議案第一一三号につきましては、土木部関係もありますので、採決を一時留保いたします。
以上で、議案の審査を終了いたします。
次は、請願・陳情の審査をお手元の請願・陳情文書表により行います。
初めに、新規の請願・陳情の審査を行います。
まず、請願・陳情文書表一ページの陳情第三〇四〇号を議題といたします。
エネルギー政策課長の説明を求めます。
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◯塩田エネルギー政策課長 それでは、陳情第三〇四〇号につきまして御説明申し上げます。
請願・陳情文書表の一ページをお開きください。
提出者は、指宿市の武田信弘さんでございます。
陳情の趣旨は、本県は、地熱資源が大変豊富な地域である。また、
山川地熱発電所が国立・国定公園外に立地していることからわかるように、新たな地熱開発も比較的容易な環境にあり、資源量を考慮して開発すれば温泉との共存は可能である。最近は
地熱発電技術も進歩していることから、行政が中心となり、地熱発電を中心に据えた地域の産業開発をされることを要請するものでございます。
これに対します状況説明でございますが、二ページをごらんください。
県内における地熱発電は、山川発電所、大霧発電所及び
霧島国際ホテルの計三カ所がありまして、合計出力は六万百キロワットとなっております。
また、現在、
メディポリス指宿におきまして千五百キロワット級の
バイナリー発電の建設計画や、山川発電所におきまして二百五十キロワットの
小規模バイナリー発電の実証実験などの取り組みが行われております。
地熱発電につきましては、既存の温泉や景観など周辺環境への影響等への十分な配慮や、地元関係者の理解を得ながら進める必要があると考えておりますが、年間を通して安定して電力を供給できる有力な発電施設であり、
再生可能エネルギーの導入促進や地球環境問題への対応という面で有効であることから、普及拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
なお、県としてみずから
地熱発電事業を行うことは考えておりませんが、
民間事業者等が
地熱発電事業を実施する場合には、国の積極的な支援が必要であると考えておりますことから、
県開発促進協議会等を通じて、支援制度の拡充や所要の財源措置について引き続き要望してまいりたいと考えております。
以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。
23
◯小園委員長 説明が終わりました。
質疑をお願いいたします。
質疑はございませんか。
[「なし」という者あり]
24
◯小園委員長 質疑がありませんので、
取り扱い意見をお願いいたします。
25 ◯大園委員 陳情第三〇四〇号については、地熱発電について、県が中心となって開発することを求める陳情でありますが、県としては、地熱発電の普及拡大に取り組んでいくとのことでありますが、県として
地熱発電事業に取り組むことについては現時点では計画はないとのことでありますので、不採択でお願いいたします。
26
◯小園委員長 ほかにありませんか。
ほかに取り扱いの意見はありませんね。
[「なし」という者あり]
27
◯小園委員長 それでは、陳情第三〇四〇号につきましては不採択との御意見ですが、不採択すべきものとすることに御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
28
◯小園委員長 御異議ありませんので、陳情第三〇四〇号につきましては不採択すべきものと決定をいたしました。
次に、請願・陳情文書表の三ページの
委員会付託日から一年を経過した継続審査分の陳情の審査を行います。
この陳情は、当委員会への付託日から一年を経過しておりますことから、請願・陳情処理要領第八条の規定により、審査基準に基づき採択、不採択の結論を出すことに努め、または審査未了の扱いにすることができることとなります。
それでは、陳情第三〇二七号を議題といたします。
陳情第三〇二七号については関係課がありませんので、説明はありません。
それでは、質疑や各委員からの御意見等がございましたら、お願いいたします。
質疑はありませんか。
[「なし」という者あり]
29
◯小園委員長 質疑はありませんので、それでは、
取り扱い意見をお願いいたします。
30 ◯大園委員 陳情第三〇二七号につきましては、薩摩川内市に国を中心とした総合研究所を立地することに賛同し、立地運動を進めることを求める陳情でありますが、現時点では国においても具体的な動きがないようであり、
委員会付託日から一年を経過しているところでありますので、審査未了でお願いいたします。
31
◯小園委員長 ほかにありませんか。
32 ◯桃木野委員 不採択でお願いします。
33
◯小園委員長 ほかにございませんか。いいですか。
暫時休憩いたします。
午前十時二十二分休憩
────────────────
午前十時二十二分再開
34
◯小園委員長 再開いたします。
ほかに取り扱いの意見はありませんか。
[「なし」という者あり]
35
◯小園委員長 それでは、陳情第三〇二七号につきましては不採択と審査未了を求める意見がありますので、まず、審査未了についてお諮りいたします。
陳情第三〇二七号を審査未了の扱いとすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
36
◯小園委員長 挙手多数であります。
よって、陳情第三〇二七号につきましては審査未了の扱いとすることに決定をいたしました。
それでは、以上で請願・陳情の審査を終了いたします。
次は、県政一般であります。
初めに、特定調査から行います。
企画部の特定調査事項は、肥薩おれんじ鉄道の経営についてであります。
それでは、交通政策課長の説明を求めます。
37 ◯伊勢交通政策課長 交通政策課の伊勢でございます。
皆様方におかれましては、日ごろから交通政策課所管の事業推進につきまして御理解、御協力をいただいております。この場をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げます。
それでは、早速でございますが、お配りしております資料に基づきまして、肥薩おれんじ鉄道の経営につきまして御説明させていただきます。
一枚おめくりいただきまして、一ページをごらんください。
I 肥薩おれんじ鉄道株式会社の概要についてでございます。
同社は、平成十四年十月に設立、平成十六年三月十三日に開業いたしまして、来年で十周年を迎えることとなっております。
資本金は十五億六千万円で、鹿児島県と熊本県及びその沿線市町が七億三千万円、日本貨物鉄道株式会社─JR貨物─が一億円をそれぞれ出資いたしております。
代表取締役社長は淵脇哲朗氏で、本年の九月三十日に新社長として就任しております。職員数は、平成二十五年十月一日現在、百四十五名となっております。
同社の営業区間は、川内駅から八代駅までの百十六・九キロで、鹿児島県、熊本県にそれぞれ十四駅、合計二十八駅がございます。
現在、ディーゼル車両を十九両保有しており、うち二両が「おれんじ食堂」として運行されております。
一枚おめくりいただきまして、二ページをごらんください。
II 肥薩おれんじ鉄道株式会社設立の経緯についてでございます。
平成元年一月の政府・与党申し合わせにおきまして、新幹線の新規着工において、並行在来線の取り扱いについて具体的結論を得ることが要件とされたことを受けまして、当時の関係五市六町─出水市、高尾野町、野田町、阿久根市、川内市、串木野市、市来町、東市来町、伊集院町、松元町、鹿児島市でございますが─とも協議の上、平成二年十二月、県から当時の運輸省に対しまして、九州新幹線と並行する路線のうち八代─川内間につきましては、開業時においてJR九州からの経営分離を受け入れまして、地域住民の足を確保するためのレールを残し、第三セクターでこれを運営する旨を回答しております。
その後、第三セクターの運営等につきまして関係五市六町と協議が持たれましたが、平成十三年九月に、鹿児島市、串木野市及び日置郡四町が第三セクターへの不参加を表明したことから、その後の三セク設置に係る協議を県と沿線三市二町で進めたところでございます。
右側、三ページをごらんください。
平成十三年十一月、県及び沿線三市町による意見交換会が開催され、県と市町の負担割合は八五対一五とすることなどの意見が集約され、同日付で鹿児島県並行在来線鉄道対策協議会を設立いたしております。
平成十四年二月には、鹿児島・熊本両県による第三セクター設立に係る合意を得、八月に開催された第三回並行在来線鉄道対策協議会におきまして、第三セクターは、県と沿線三市二町が参加して設立し、その運営に当たりましては、県と市町が一体となって積極的に取り組むことで合意を得ております。
これらの合意を得まして、同年十月に肥薩おれんじ鉄道株式会社を設立いたしたところでございます。
その後、平成十五年二月、鹿児島県並行在来線鉄道対策協議会が、肥薩おれんじ鉄道経営安定基金への支援に対する説明会を開催いたしまして、非沿線二市四町に対しまして経営安定基金(仮称)の総額五億円のうちの七五%─額において三億七千五百万円でございますが─について支援を要請いたしております。
本要請につきまして、平成十六年二月に非沿線二市四町からの合意をいただいた後、おれんじ鉄道を平成十六年三月十三日に開業したところでございます。
一枚おめくりいただきまして、四ページをごらんください。
III 肥薩おれんじ鉄道の利用状況についてでございます。
一、利用状況の推移につきましては、実質開業翌年度となる平成十七年度及び十八年度と二年連続で、輸送人員が対前年比で五%、運賃収入は約一〇%減少しております。平成十九年度におきましては、輸送人員、運賃収入ともに前年度を上回ったものの、平成二十年度以降は、輸送人員、運賃収入ともに対前年比で三%から六%の減少にて推移をいたしております。
平成二十四年度と開業実質初年度の十六年度を比較いたしますと、輸送人員につきましては百八十八万人から百三十七万人へと二七・三%の減少、また、運賃収入につきましては約五億二千四百万円から約三億七千四百万円となっておりまして、二八%の減少をそれぞれいたしておるところでございます。
下側、二、券種別の占める割合でございますが、平成二十四年度の輸送人員と運賃収入の券種別の内訳を見ますと、輸送人員では通学定期が七割を超えております。この一方で、通学定期収入につきましては四割を下回っております。また、定期外のお客様につきましては、輸送人員ベース、人数ベースで見ますと二割程度でございますが、運賃収入といたしましては六割近くを占めております。すなわち、沿線高校生の通学の足となっている反面、おれんじ鉄道の収益確保の観点からは、後ほど御説明いたしますが、観光列車の御利用のお客様など、定期外利用者の方々の確保が重要となっているという状況がございます。
右側、五ページをごらんください。
三、JR貨物の輸送状況でございます。
鉄道貨物輸送につきましては、定時・大量での輸送が可能であるとともに、二酸化炭素排出量が営業用トラックの約七分の一であることから、環境に優しい輸送手段として再評価されており、災害等緊急時の輸送手段としての機能も確保しておるところでございます。
また、県内のほとんどの地域におきまして鉄道貨物輸送が利用されており、肥薩おれんじ鉄道沿線のみならず、県内全域が当該貨物鉄道ネットワークによる便益を享受している状況がございます。
(一)の貨物列車の運行状況につきましては、鹿児島貨物ターミナル駅から毎日、東京へ二便、大阪、名古屋へ各一便が運行されております。また、到着便につきましては、福岡から二便、東京、北九州からそれぞれ一便で、往復延べ八便が毎日運行されておる状況にございます。
(二)輸送実績につきましては、直近五年間では鹿児島県内発が約二十二万トンから二十七万トン、鹿児島県内着が約十九万トンから二十四万トンの間で推移しておりまして、一定の貨物が安定的に輸送されておる状況となっております。
(三)県内発着の主な輸送貨物につきましてですが、まず、1)の県内を出発する貨物につきましては、薩摩川内からの紙類、また北薩全体からのかんきつ類のほか、枕崎ないし、いちき串木野からの焼酎、垂水からの温泉水、徳之島からのバレイショ、屋久島からの炭化ケイ素など、集荷範囲は、新幹線の沿線にとどまらず離島まで県内全体に幅広く及んでいるところでございます。
一枚おめくりいただきまして、六ページをごらんください。
2)県内着の主な貨物につきましては、雑誌、飲料水、野菜類や引っ越し荷物などで、主な配送先は、鹿児島市内が最も多いものの、大隅、北薩、南薩、奄美など県下全域に及んでおります。
(四)輸送機関別貨物輸送の状況につきましては、全国的に見てもJR貨物におけるコンテナの平均輸送距離は九百キロを超えているなど、一般的に鉄道輸送は長距離になるほどコストが低くなるため、鹿児島から県外向けの貨物輸送における鉄道輸送が占める割合は、全体としては二・四%にとどまるものの、本州向けの貨物輸送だけを見ますと、鉄道が占める割合は一〇%まで上昇するところでございます。
また、鉄道を利用して県外に輸送される貨物量は約二十万トンございますが、そのほとんど、九六%が本州向けの貨物となっており、長距離輸送における鉄道の優位性が示されているところでございます。
続きまして、七ページをごらんください。
肥薩おれんじ鉄道利用促進に向けた主な取り組みについてでございます。
一の沿線住民のマイレールへの取り組みにつきましては、沿線住民等のマイレール意識の向上を目的として、絵画コンテストの実施やおれんじ鉄道友の会の拡充特別キャンペーンの実施、阿久根駅の改修、かんきつ類の植栽などを行っているところであります。
二、営業体制の強化につきましては、平成二十一年十月に営業担当部門を新設、国内、東アジアからの誘客促進に取り組んでいるところでありまして、本年四月から十月までの実績といたしまして、国内大手旅行会社の旅行ツアー客が約三千七百名、東アジアからの旅行ツアー客が約二千二百名、それぞれおれんじ鉄道に乗車しておるところでございます。
一枚おめくりいただきまして、八ページをごらんください。
三の利便性の向上に向けた取り組みにつきましては、平成二十年三月から土曜日、日曜日、祝日における快速列車の鹿児島中央駅、熊本駅への乗り入れを行っているところでございます。
四の企画切符等の開発につきましては、一日フリー乗車券やJR九州と共同企画による「JRおれんじぐるりんきっぷ」、これは鹿児島─出水間でありますと、川内までは往復新幹線、川内から出水におきましては片道は新幹線、片道はおれんじ鉄道というような企画切符でございますが、こういったような企画切符などの販売を実施しておるところでございます。
五、観光列車の運行についてでございますが、本年三月から「おれんじ食堂」を、また八月から「おれんじカフェ」を運行し、定期外収入の確保に努めているところでございます。
(一)の「おれんじ食堂」につきましては、ことし九月までの乗車率については五〇%を割り込んでいるものの、運行以来約八千人が乗車しており、全国のマスコミ等でも数多く御紹介いただいております。また、JR九州が展開する「ななつ星」、「指宿のたまて箱」などの観光列車ネットワークの一翼を担うなど、本県の観光資源の一つとなっているところでございます。
(二)の「おれんじカフェ」につきましては、団体客を対象とした貸し切りタイプの企画列車として、ことし八月の運行開始から十月までの間、三十七本が運行されるとともに、約千三百人が乗車しているところでございます。
右側、九ページをごらんください。
(三)運輸収入の状況についてでございます。
先ほどの「おれんじ食堂」につきましては、御説明申し上げたとおり、乗車率こそ五〇%を割り込んでいるものの、当初の想定よりも、飲食付きのパッケージプラン、こちらは一万二千八百円からということになっておりますが、この飲食付きパッケージプランを御利用されるお客様が多いことから、定期外収入の向上に寄与するなどといった要因により、平成二十五年度の運輸収入につきましては四月以降、前年同月を上回っているところであります。また、運輸収入に占める定期外収入の割合も前年同月を上回っているところでありまして、定期収入の落ち込みをカバーしている状況にございます。
一枚おめくりいただきまして、左側、十ページをごらんください。
V 九州新幹線の利用状況と開業効果についてでございます。
一、九州新幹線の利用状況につきましては、鹿児島中央─熊本間における全線開業初年度及び二年目の利用者は、全線開業前と比べまして約六〇%の増加となっております。
二、九州新幹線の開業効果のうち(一)経済波及効果についてでございますが、平成二十四年三月に鹿児島地域経済研究所が発表したところによりますと、全線開業後一年間の経済波及効果は、口蹄疫や新燃岳噴火などの特殊要因のありました前年、平成二十二年度と比較すると約四百六十三億八千万円、このような特殊要因のなかった二年前、平成二十一年度と比較いたしますと約百九十一億円であるとそれぞれ算定されております。
(二)地区別延べ宿泊者数につきましては、平成二十三年度の県全体の延べ宿泊者数は六百七十九万六千人で、前年比五・六%の増となっております。また、地区別では、指宿が二二・一%、鹿児島が一二・五%、大隅が九・七%と大幅に伸びているほか、新燃岳の噴火による観光需要の落ち込みが見られました霧島地区を除きまして、おおむね上昇基調にあるところであります。
右側、十一ページをごらんください。
(三)交通機関別県外延べ宿泊者数につきましては、鉄道を利用して鹿児島を訪問された県外延べ宿泊者数が前年比三十七万八千人、六〇・七%増加しております。また、交通機関別構成比で見ますと、鉄道は七・三%増加し、二二・一%となっているなど、本県観光振興における新幹線の重要性が大幅に増したところでございます。
一枚おめくりいただきまして、十二ページをごらんください。
肥薩おれんじ鉄道の経営状況についてでございます。
まず、一の収支実績でございますが、開業実質初年度の十六年度におきましては黒字でありましたが、二年目以降、減価償却前赤字が発生するに至っておりまして、とりわけ平成二十二年度におきましては、自動車の車検に相当する、八年に一回行われます車両全般検査の実施に伴いまして、開業以来最大である約三億三千五百万円の減価償却前赤字が発生しておるところでございます。
十三ページをごらんください。右側でございます。
二、累積損失の状況でございます。
開業当時の純資産十五億六千万円は、毎年度の累積欠損金の発生によりまして、平成二十四年度末において三億九千百万円までに減少しておりまして、このままの経営状況を継続すれば近い将来に実質残高がマイナスとなる、いわゆる債務超過に陥ることが懸念されている状況にございます。
下側、三の運転資金の状況についてでございます。
開業当時から有しておりました内部留保金につきましては、平成十七年度以降の減価償却前赤字が継続している状況を受けまして、毎年おおむね減少を続けておりまして、平成二十三年度には枯渇しております。その結果といたしまして、それ以降、短期借り入れによりまして運転資金を融通している状況がございます。
以後、毎年度、この運転資金調達目的の短期借り入れにつきましては、各年度初めにJR貨物から交付される線路使用料収入で返済を繰り返しておりますが、その短期借り入れの残高につきましては、毎年度の赤字が累積をすることから、この下の表にお示しのとおり、平成二十三年度末におきましては残高七千万円、平成二十四年度末におきましては残高三億円と増加している状況がございます。
一方、線路使用料につきましては、同表の一番下の欄にお示ししておりますとおり、平成二十三年度以降、年間で約五億円強が支払われておりますが、これにつきましては、年に三回に分割して支払われており、短期借り入れの償還に充てられる年度当初に支払われる線路使用料は、五億円のうちの一部、三億円程度となっております。
今年度末の短期借入金残高は、二十四年度末の借入残高三億円に二十五年度内の資金不足額が加わる結果といたしまして、この三億円が加わることが見込まれる結果といたしまして、この短期借り入れを年度当初に支払われる線路使用料収入での返済ができないという状況となるなど、資金繰りは極めて厳しい状況となることが見込まれておるところでございます。
一枚おめくりいただきまして、十四ページをごらんください。
四、燃油費の推移とおれんじ鉄道の運賃についてでございます。
(一)の燃油費の推移でございますが、平成十六年度の開業当時は軽油の小売価格が一リットル当たり百円程度だったものが、以後高騰いたしまして、近年では一リットル当たり百三十円程度で推移をしております。これを反映いたしまして、おれんじ鉄道全体の平成二十四年度における燃油費につきましては、開業時約四千万円だったのに対しまして、その一・八倍、額にして約三千万円ほど増加しておる七千万円となっております。
(二)おれんじ鉄道の運賃についてでございますが、このような燃油費の高騰や利用減少に伴う減価償却前赤字の発生等に対しまして、おれんじ鉄道は開業以来、利用者負担の増加にも配慮した結果、運賃の値上げを行っておりません。
なお、本年二月におれんじ鉄道が策定いたしました中期経営計画におきましては、燃料費代等経費の増加に伴いまして、今後、運賃改定の協議・検討を行うものとしているところでございます。
同じページ、下の表といたしまして、おれんじ鉄道とほかの並行在来線各社の運賃の比較をお示しいたしております。
おれんじ鉄道の運賃は、開業当時、JR九州の運賃の約一・三倍の水準に設定いたしておりますが、おれんじ鉄道と輸送環境が類似いたしておりますIGRいわて銀河鉄道あるいは青い森鉄道の運賃水準、代表例といたしまして普通運賃を見ますと、それぞれJR東日本の運賃に対しまして一・五四倍ないし一・三七倍と、おれんじ鉄道よりも高率の値上げを行っている状況がございます。
右側の十五ページをごらんください。
VII 肥薩おれんじ鉄道に対する支援についてでございますが、これまで御説明いたしました厳しい経営状況を踏まえた現在の支援制度についての御説明でございます。
まず、一の支援制度の概要でございますが、平成二十年度から、先ほど冒頭御説明申し上げました非沿線市町等から拠出されました経営安定基金を活用いたしまして、安全運行対策といたしまして、前年度におれんじ鉄道が支出いたしました鉄道基盤設備維持費に対して、減価償却前赤字を限度に補助を行っております。
(一)の支援の対象となる経費でございますが、これは細目に区分いたしますと、前年度に支出いたしました、ここに記しました1)から4)の経費でございまして、これを総称して鉄道基盤設備維持費と総称しております。
まず、1)でございますが、レールや枕木などの修繕や交換などに要する経費である線路保存費、2)でございますが、信号や架線などの修繕や交換などに要する電路保存費、3)でございますが、車両の修繕費、そして4)として、この1)から3)までの施設整備に係る人件費となっております。
当該費用に対する助成につきまして、鹿児島県サイド、熊本県サイドでそれぞれ負担をするわけでございますが、その負担割合につきましては、(二)にお示ししているとおり、経費の種類ごとに負担割合を決めております。
例えば線路保存費と電路保存費につきましては、線路の営業キロで案分しておりまして、鹿児島と熊本の割合につきましては、営業キロが鹿児島側が六十・八キロ、熊本側が五十六・一キロ、百分率にいたしまして五二%対四八%となっておりますので、五二対四八と本県のほうが若干負担額としては多くなっているという状況がございます。
車両修繕費につきましては、車両の走行キロ数の実績で案分をしております。平成二十四年度決算を受けて行われました平成二十五年度の補助におきましては、すなわち平成二十四年度における車両走行実績、鹿児島側の実績が五四%となっておりまして、こちらも若干熊本側よりも鹿児島側の負担が多くなっているような状況がございます。
そして一般論といたしまして、(三)の県と沿線市の負担割合につきましては、平成十四年度の基本的合意の中で八五対一五とすると定めておりますが、現在は、先ほど申し上げましたとおり、全額、経営安定基金を財源とした支援を行っておるというような状況がございます。
次に、経営安定基金の概要につきまして、(四)といたしまして御説明をいたします。
本基金は、平成十六年に県条例に基づいて県の基金として設置しておりまして、当初の目標額五億円のうち、その七五%につきましては、おれんじ鉄道がJR九州から経営分離された際の非沿線二市四町から、残りの二五%については民間等から支援をいただくことといたしまして、十六ページにお示ししている表のとおり、最終的には目標を超える五億百三十万円余りを基金として造成いたしたところでございます。
続きまして、支援額の算定方法を御説明いたします。
先ほど御説明をいたしましたとおり、一番目の補助対象経費につきましては、十五ページの鉄道基盤設備維持費からJR貨物が支払う線路使用料を控除した額となっております。この補助対象経費といたしまして、なぜ鉄道基盤設備維持費から線路使用料を控除するかと申しますと、JR貨物から支払われます線路使用料の中には、線路保存費や電路保存費といいました鉄道基盤設備維持費のうち、本来JR貨物が負担すべき部分が含まれております。このため、両県サイドから補助をもらいつつ、補助対象経費として同じ部分をJR貨物から線路使用料をもらうと、いわゆる二重補助が発生しないようにということで線路使用料を控除しているものでございます。
続きまして、二の支援の交付限度額でございますが、補助対象経費の十分の十、満額を補助しておるところでございますが、減価償却前赤字を限度額といたしまして、かつ特別利益等を控除した上で補助を行っているというような状況となっております。
こちらにつきまして、なぜ減価償却前赤字を限度とするかと申しますと、すなわち減価償却前赤字を限度とするという意味は、減価償却前赤字額よりも補助対象経費が多かったとしても、減価償却前赤字で補助金額を打ちどめとするという意味でございますが、この趣旨といたしましては、このページの下の趣旨の欄の一番上の黒丸の部分に記載しておりますが、会社経営を維持できる最低ラインを補助すれば安定的な運行ができる。すなわち減価償却前赤字額だけ支援をすれば、損益ベースでの資金の流出額の穴埋めができるということで、そこまで穴埋めをすれば安定的な運行が確保できるであろうというような考え方に基づきまして、かかる減価償却前赤字を限度とするという限度を設けておるところでございます。
なお、ここで申し上げた特別利益等とは、例えば県や沿線自治体が線路と交差する道路工事を施行する場合、鉄道の安全を確保するために、おれんじ鉄道が負担金工事として、例えば交差部分に係る踏切等に係る工事を実施いたしますが、その負担金工事に伴う利益等がこれに該当いたします。
これは減価償却前赤字に会計ルール上含まれておりませんが、この負担金工事を行うことによって発生するおれんじ鉄道側にとっての収入が、会社全体のキャッシュフローを改善させるという効果を持つことから、本来、本補助については会社経営を維持する最低ラインを補助するという考え方がございますので、そういった考え方に基づいて差し引いているところでございます。
このように、現行の支援制度は、鉄道基盤設備維持費を補助対象としているものでありまして、趣旨の欄の二番目にございますとおり、赤字を補填することを趣旨とするものではなく、あくまで会社の自助努力を促すものとなっておるところでございます。
また、鉄道基盤設備に係る両県からの補助は、線路、電路等のインフラ部分、いわゆる下物に加えまして、車両修繕費も対象としておりますので、車両、いわゆる上物に該当するわけでございますので、こちらの維持経費も賄っているということから、実質的に上下分離以上の支援を行っているというようなことが言えるのではないかと考えております。
続きまして、右側の十七ページをごらんください。
(三)貨物調整金制度についてでございます。
JR貨物は、線路を保有するおれんじ鉄道に線路使用料を払った上で貨物列車を運行させておりますが、この線路使用料につきましては、鉄道建設・運輸施設整備支援機構がJR貨物に交付をしております貨物調整金に加えまして、JR貨物が本来支払うべき線路使用料実質負担分を加えたものとなっております。
こちらにつきましては、平成二十三年度に、並行在来線の支援強化のために貨物調整金制度の見直しが国によって行われまして、この線路保存費などにつきまして、JR貨物とおれんじ鉄道の負担割合に関しまして、JR貨物の負担が大きくなるように見直され、JR貨物がおれんじ鉄道に支払う貨物調整金を含む線路使用料が大幅に増額されたものでございます。
この結果、並行在来線に係るJR貨物側からの収入は増加することになったわけでございますが、これは必ずしもこの増加分だけおれんじ鉄道に対する支援額が増加したということにはならないわけでございます。これはどういうことかと申しますと、先ほども一部御説明をいたしましたが、十七ページの2)の支援制度における線路使用料増額の影響をごらんください。
先ほどの御説明の中で、補助における支援額の算定方法におきまして、いわゆる鉄道基盤設備維持費から、JR貨物からの線路使用料のうち資本費相当分を除いた分を控除するというような御説明をいたしましたが、おれんじ鉄道側に支払われる線路使用料が増額された場合に、その増額された分だけ補助額が、すなわち両県からの支援制度による補助額が減少するということになりますので、施設維持に係るおれんじ鉄道の総収入が増加するということにはならず、支援制度の財源である、鹿児島県側におきましては経営安定基金の取り崩し額が減少するということにつながっているわけでございます。
次に十八ページ、二の公的支援額の推移でございます。
上の表には年度ごとの減価償却前赤字、a欄ですね、補助対象経費、b欄等をまとめております。
公的支援額につきましては、先ほど御説明いたしましたとおり、減価償却前赤字と補助対象経費の低い額から特別利益等を控除した額でございます。その結果、仮に減価償却前赤字が補助対象経費よりも多い場合は、補助によって現金の流出分が埋まらないということになりますので、この両者の差額相当分はキャッシュフローが悪化するということになるわけでございます。
平成二十一年度までにおきましては、一行目の減価償却前赤字のほうが二行目の補助対象経費よりも小さかったために、減価償却前赤字相当額が満額補助されているという状況がございました。その一方、平成二十二年度以降におきましては、減価償却前赤字の額と補助対象経費の額が逆転をしており、すなわち、本補助によって減価償却前赤字が満額埋まらないという状況が発生しております。その結果といたしまして、平成二十二年度におきましては約三千七百万円、二十三年度におきましては二千六百万円、二十四年度におきましては八千九百万円、それぞれキャッシュフローが悪化しておるところでございます。
先ほど運転資金の状況の説明の際に、二十三年度以降、会社の内部留保金が枯渇したと申し上げましたが、本補助制度による埋め合わせができていない減価償却前赤字につきましては、毎年度の短期借入の一因となっておるところでございます。
このような公的支援の状況を踏まえました経営安定基金の残高の推移といたしまして、右側、十九ページに表をお示ししてございます。
本県は、平成二十年度から経営安定基金を取り崩して補助金を交付しておるところでございますが、表の下から二行目ですが、平成二十五年度におきましては、前年度決算に基づく補助金を九月に四千五百万円余り、おれんじ鉄道に交付しておりまして、その後の経営安定基金残高は約九千七百万円となっておるところでございます。
続きまして、二十ページをごらんください。
肥薩おれんじ鉄道の今後の収支見込みについてでございます。
まず、一の今後十年間の収支見込みについて御説明をいたします。
現時点において予測が可能な範囲におきまして、おれんじ鉄道が可能な限り中長期的な経営を維持するための枠組みを構築する観点から、平成三十四年度までの十年間を検討の対象として収支の見込みを試算したものでございます。
この十年間の赤字額、全体としては現金会計ベースの赤字額をお示ししておりますが、損益計算書上の現金ベースの赤字約二十五億円に加えまして、資本的赤字の約八億二千万円を合計いたしますと、総額でこの現金会計ベースの赤字は三十三億二千三百万円と見込んでおりまして、年平均では二億円から四億円の赤字が発生いたします。
長期的な傾向といたしましては、現在、老朽化したレールの更新が進んでいるところでございまして、このレールの更新が二十八年度をピークに減少することから、長期的に支出は平準化すると見込んでおるところでございます。
先ほど資本的赤字八億二千万円と御説明いたしましたが、この資本的赤字とはどういうものなのかということにつきまして御説明をいたします。
例えばおれんじ鉄道におきまして、木の枕木を交換した場合、もともと木の枕木があった場合に木の枕木に交換すると、こちらにつきましては鉄道事業における会計基準上、修繕費として、同等のものを交換する場合におきましては、交換した年度において交換に要する経費の全額が費用として計上されるわけでございます。これに対して、木の枕木をコンクリート製の枕木に更新した、すなわち、その更新に機能の改良ですとかそういったものを含んでいる場合におきましては、コンクリートの枕木につきましては貸借対照表上、資産に計上されます。その一方で、更新をした際に損益計算書上の費用には計上されず、次年度以降に、そのコンクリート枕木の耐用年数に応じて、減価償却費として費用計上されるということになるわけでございます。
現行の支援制度におきましては、減価償却費が補助対象外となっているために、こういったいわゆる資本的支出、すなわち投資的経費、BS上の資産に計上されるような機能向上を含む投資を行った場合に、線路使用料が充当される部分を除きまして、そういった投資に要する費用が全額、おれんじ鉄道の自己負担となっているというような現状がございます。
内部留保が枯渇し、運転資金の資金繰りも困難になっているおれんじ鉄道の今後の経営を検討するに当たりましては、企業会計ベースのみならず現金会計ベースでの赤字の改善を検討対象とする必要があることから、現に支出を伴う資本費につきまして資本的赤字と整理いたしまして、その見込み額を今般、算定したものでございます。
なお、この表にお示しいたしました損益計算書上の赤字につきましても、ただいま申し上げたとおり、今回のこの検討につきましては現金会計ベースの赤字を対象としていることから、表の下の米印に注意書きをしておりますとおり、現金の支出を伴わない減価償却費につきましては、この損益計算書上の赤字としては含んでいないというような整理といたしております。
右側、二十一ページをごらんください。
現行支援制度による対応でございます。
(一)は、ただいま説明をいたしました約三十三億円の赤字につきまして、現行支援制度を適用した場合の課題でございます。
資料の一番上の図をごらんください。
現行の支援制度の対象経費は、網かけをしてございますが、人件費と線路保存費、電路保存費、車両修繕費の合計約七十九億九千万円でございます。
その上の網かけしていない1)の資本費約八億二千万円、また2)の管理費等約六億四千万円につきましては、補助対象外となっております。
この補助対象経費七十九億九千万円のうち、右側に図示しているように、線路使用料である約五十一億円、特別利益等約十億円を差し引いた残りの濃い網かけ部分の十九億五千万円が公的支援額、すなわち、現在の支援制度を前提とした場合に今後十年間に発生する両県からの助成額でございます。
資料の中ほどの現行支援制度の赤字の内訳をごらんください。
二十ページ冒頭にお示しをいたしました赤字総額三十三億二千三百万円のうち、現行支援制度で対象としております損益計算書上の赤字、いわゆる中ほどの表のAで記しているところでございますが、二十五億二百万円につきまして、右上の図で網かけで表示いたしました公的支援額十九億五千四百万円を差し引いた残額が、3)営業赤字ということになるわけでございます。この営業赤字というのはすなわち、車両以外に上物を運営するに伴って発生する赤字を指すものでございます。
このように、現行の支援制度で補助できない赤字につきましては、補助制度の対象外であります資本費、そして管理費等、そしてまた全体の赤字額から現在の補助金総額を差し引いても残る営業赤字、この三種類となるわけでございます。
この三種類の経費につきまして、その詳細をそれぞれ御説明いたします。
1)の資本費についてでございます。
鉄道基盤設備につきましては、厳しい財務状況を踏まえ、おれんじ鉄道におきましてはこれまで最小限の修繕で対応しており、可能な限り更新を先送りしてまいりましたが、平成二十三年度以降におきましては、老朽化した設備・施設の更新経費が増加しております。
このうち修繕費につきましては、損益計算書上の費用に計上され、減価償却前赤字に算入されることから、現在の公的支援による補助の対象となっております。
これに対しまして、平成二十三年度以降増加しておりますコンクリート枕木、遮断機、LED信号機の導入などの資本費に係る支出は、貸借対照表上、固定資産に計上されまして、支出の時点におきましては損益計算書上の費用に計上されないことから、公的支援の対象外となっております。
この額を二十四年度実績で計算いたしますと、国庫補助充当分を除いた実質的負担だけでも、年間六千二百万円という大きな額となっております。
一枚めくりまして、二十二ページをごらんください。
次に、2)の管理費等でございます。
鉄道基盤設備の維持に伴いまして、人件費と同様に、物品費あるいは構造物保険料などの管理費等が必然的に発生をいたしますが、これまでは比較的全体の費用に対しまして低額であるということを踏まえまして、支援対象外としておりました。
しかしながら、今後十年間、これまで見られなかった老朽化した橋梁あるいはトンネルなどの更新に伴いまして発生する検査費用その他の管理費等、鉄道基盤設備の維持のために必要不可欠な経費が増加する見込みとなっております。
3)の営業赤字につきましては、現行制度が鉄道基盤設備維持費のみを補助対象としていることから、支援の対象外となっておるところでございます。
おれんじ鉄道の経営状況は極めて厳しい中、中長期にわたり、今後の安定・安全運行を確保するためには、現行の制度につきまして一定の見直しをする必要があると考えておるところでございますが、その考え方につきまして、次の(二)で御説明をいたします。
まず、1)資本費につきましては、安全・安定的な運行確保に必要不可欠な鉄道基盤設備の維持に係る経費であること、そして2)管理費等につきましても、鉄道基盤設備の整備に伴いまして当然に発生する経費であることから、それぞれ支援対象にする必要があると考えております。
このような考え方に基づきました新たな制度による補助額を算定いたしますと、これは一番下の図でお示しをしておりますが、三十三億二千三百万円の赤字額に対しまして、資本的赤字と管理費等を含む二十六億六千七百万円─これは両県合わせてでございますが─と現行制度による十三億七千万円から大幅な拡充となりますが、赤字総額からこの新たな制度による補助を差し引いても、依然として営業赤字由来の資金不足が十年間で六億五千六百万円発生するところでございます。
この営業赤字につきましての考え方といたしまして、右側の二十三ページをごらんください。
この営業赤字につきましては、燃油費の高騰、沿線の通学人口の減少など、おれんじ鉄道の経営努力の及ばない外部要因により拡大している背景もありますことから、利用者負担のあり方も勘案しながら、一定程度の公的支援も必要であると考えております。
一方で、いたずらに公的支援の対象を拡大することにより、おれんじ鉄道自身が経営の効率化や営業活動の推進による増収努力を行わなくならないよう、一定の留意が必要であるとも考えます。
また、行政による支援を行うに当たりましては、受益者による負担を求めることも必要であることから、営業赤字のうち、ほかの並行在来線の運賃水準とも比較して合理的と認められる範囲、ほかの並行在来線の運賃水準につきましては先ほど十四ページで御説明をいたしましたが、IGRいわて銀河鉄道あるいは青い森鉄道の運賃水準なども勘案いたしながら、値上げによる対応を求める必要があると考えております。
一枚おめくりいただきまして、二十四ページをごらんください。
ただいま御説明をいたしましたおれんじ鉄道の経営状況や現行の支援制度の課題などを踏まえまして、今後のおれんじ鉄道の維持に向けた費用負担に関する基本的な考え方を整理いたしました。
まず、一、おれんじ鉄道の位置づけでございます。
おれんじ鉄道は、何と申しましても通勤・通学など沿線地域住民の日常生活を支える公共交通機関でございます。
また、沿線各地を結び、風光明媚な海岸線を走る鉄道路線自体が地域の観光資源であります。ことし運行を開始いたしました「おれんじ食堂」は、指宿枕崎線の「指宿のたまて箱」あるいは肥薩線を走る「はやとの風」とともに、観光列車ネットワークの一翼を担っているとともに、仮に災害時に九州新幹線が寸断されるような場合が発生したケースにおきましての代替ルートを形成しておるところでございます。
さらに、おれんじ鉄道は、本県と本州方面を結ぶ基幹的物流ルートを形成しております。
また、おれんじ鉄道につきましては、並行在来線といたしまして、その経営分離が九州新幹線着工の前提条件となったものでありまして、ほかの地域におきましても、新幹線開業に伴い経営分離されたほぼ全ての区間が、第三セクターにより鉄路として維持されていることを勘案すれば、新幹線の整備に伴う経済効果を享受することと並行在来線の維持に係る負担を担うということは、表裏一体の関係にあるものと考えております。
このようなおれんじ鉄道の本県における位置づけを踏まえまして、二といたしまして基本的な考え方を整理いたしました。
まず、(一)の沿線地域が享受する便益についてですが、おれんじ鉄道の施設・設備のうち、車両や駅舎などいわゆる旅客輸送部門につきましては専らおれんじ鉄道が利用しており、沿線地域の住民が利用していることなどから、沿線地域がその便益を享受しておるところでございます。
これに対して、沿線地域に加え県内全域が享受する便益、(二)でございますが、JR貨物による貨物輸送と九州新幹線などの代替機能につきましては、沿線地域のみならず県内全域がその便益を享受しております。
さらに、「おれんじ食堂」などの取り組みにより、おれんじ鉄道が県外から県内各地への観光客誘客ルートに組み込まれ、おれんじ沿線以外の広域観光にも寄与しております。
そして、(三)の利用者の享受する便益につきましては、これまでの燃油費など運賃に転嫁すべきコストにつきましては、本来利用者が負担すべきものであると考えられます。
このように、沿線地域、沿線地域に加え県内全域、そして利用者のそれぞれがおれんじ鉄道からの便益を享受していることを踏まえ、三、今後の支援スキームといたしまして、沿線を含めました県内全域に対しても必要な負担を求めるとともに、行政による支援を行うに当たっては、営業赤字のうち、ほかの並行在来線の運賃水準と比較いたしまして合理的と認められる範囲におきまして、おれんじ鉄道に対し、運賃値上げを求めたいと考えております。
以上、おれんじ鉄道の経営の厳しい現状、現行支援制度の課題、それらを踏まえた今後の費用負担に関する基本的な考え方を御説明いたしました。
説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
38
◯小園委員長 説明ありがとうございました。
以上で説明が終わりましたので、特定調査事項につきまして、質問や意見等がありましたらよろしくお願いいたします。
御質問はありませんか。
何か説明がわからんようなところがあれば、またそれも質問されたいというふうに思いますが。
39
◯大久保委員 職員が百四十五名いらっしゃるということなんですけれども、正規、非正規の割合はどれぐらいなのかというのが一点。
それからもう一点が、車両の運行とかに当たっている職員は全部プロパーなのか、それともJR九州など専門的な会社から出向などの応援をいただいているのかどうかについて、まず質問いたします。
40 ◯伊勢交通政策課長 職員に占める正規、非正規の割合につきましては、またちょっと後ほど確認の上、お答え申し上げます。
運転に要する要員につきましては、肥薩おれんじ鉄道開業当時に実質的に八十九名必要であるというような試算を行っておりまして、この八十九名につきまして、JR九州から出向あるいは定年退職者の転籍により充当をしていただくということで協定を結んだ上で、今日に至っておるところでございます。
現状といたしましては、新卒採用等によるプロパー化を徐々に進めておる状況でございまして、ことしの三月でございますが、平成二十六年度以降のJR九州から肥薩おれんじ鉄道への要員派遣についての協定を、JR九州、肥薩おれんじ鉄道、熊本・鹿児島両県におきまして締結をしたところでございまして、こちらの新協定におきましては、JR九州は、おれんじ鉄道のプロパー化完了まで引き続き出向・支援を継続をするというような協定を締結したということになっておるところでございます。
また、先ほど御質問いただきました職員に占める非正規職員の割合でございますけれども、全体の中で契約社員が十月一日現在で九名、あとパートタイマーの方が一名、合計十名いらっしゃるとお聞きしております。
41
◯大久保委員 先ほどプロパー化を運転要員では進めていらっしゃるということだったんですが、今、割合的にはどういう、プロパーと出向者の割合というのはどういう状況でしょうか。
42 ◯伊勢交通政策課長 現状といたしまして、ことし四月時点の年度当初で、年度途中に採用される方もいらっしゃるので流動的ではあるんですが、おおむね要員の中で八十九名いらっしゃるわけですけれども、そのうち、既にいわゆる要員化された方が十六名というようなことになっておるところでございます。また、実際この八十九名の中にはいわゆる見習い、研修中の方が含まれないわけでございますが、別途新規採用して養成中の方が約三十名ほどいらっしゃるとお聞きしております。
43
◯大久保委員 その見習いというのは、これはJR九州側の見習いさんということなんですか。
44 ◯伊勢交通政策課長 JR九州からはもう既に運転あるいは保線等の技術を持った方が、いわゆる即戦力の方が出向してこられているという状況がございまして、ただいま養成中と申し上げたのは、おれんじ鉄道のいわゆるプロパー社員の養成中の方々という趣旨でございます。
45
◯大久保委員 これは当初立ち上げに当たって、運転要員の確保についてはこれはスムーズに今でもいっているんですかね。
46 ◯伊勢交通政策課長 もともと立ち上げ時点におきましては、全てJR九州からの出向、あるいは出向された後に定年を迎えまして、引き続きおれんじ鉄道に転籍をされた方によって担われておったという状況がございますので、そこは問題がなかったのかなと。ただ、全般的に肥薩おれんじ鉄道の技術系職員の採用に関して申しますと、やはりなかなか非常に厳しい経営状況の中で、賃金水準なども抑制されている中で、途中まで養成された方がやはりおやめになっているですとか、そういったことも一部においては発生しているとお聞きしておるところでございます。
47
◯大久保委員 応募される方というのはやっぱり若い方が多いんですか、それとも年配の方も中にはいらっしゃるんですか。
48 ◯伊勢交通政策課長 そこはまちまちでございます。例えば運転手さんにつきましては、大阪御出身の二十代後半の方がIターンで肥薩おれんじ鉄道に就職をされて、既に今、運転手としてデビューをされているというようなケースもございますし、あるいは営業部門の方で県内の観光産業に従事された方が転職されてきたというような、いわゆる中高年の方も、近年、新規採用された方でいらっしゃるというような状況がございます。
49
◯大久保委員 あと労使関係のことでもちょっとお聞きしたいんですけど、以前、国鉄のころに結構激しい労使対立というものもありましたけれども、この肥薩おれんじ鉄道においては、そのようなことというのは特にはないという理解でよろしいんですか。
50 ◯伊勢交通政策課長 そうですね、特に例えばストですとか労使賃金でもめるですとか、やはりおれんじ鉄道の場合は非常に、JR九州から来られた方とプロパー採用の方が混在しているですとか、あるいは実際に十八、十九歳、高校を卒業して直で入られた方に対して技術伝承される方が、非常に年が離れた方であることの難しさですとか、そういった問題がいろいろあるというのはお聞きしておりますが、おおむねにおいて、労使において特段の問題があるというのは特にはないかと存じます。
51
◯小園委員長 ほかにありませんか。
52 ◯大園委員 今のところで、人件費の問題で賃金水準の抑制に努めているという表現があったんですけれども、人件費なんかの中で、例えば役職の役員待遇あるいはそういう職員の方の人件費というものについての、今の抑制ということの意味をちょっと教えていただけますか。
53
◯小園委員長 暫時休憩いたします。
午前十一時十五分休憩
────────────────
午前十一時十六分再開
54
◯小園委員長 再開いたします。
55 ◯伊勢交通政策課長 お答えいたします。
特に平成十七年度以降、減価償却前赤字が続いているという状況を踏まえまして、例えば代表取締役社長の役員報酬におきましては、対平成十七年度比におきまして八%の給与カットを行っている、あるいは常勤監査役につきましては一〇%の給与カットを行っているというような、給与カットというよりも報酬カットですね、行っているというような状況がございます。
56 ◯大園委員 先ほどいろいろ聞く中で、業種別の占める割合の中で、定期外収益をふやしているのが見られますよね。その中で当然、今言われる「おれんじ食堂」等のことも含めて、要するに定期外収入のふえる方策をいろいろ考えていらっしゃると思うんですけれども、例えばこれまでにも議論があった中で、沿線の魅力ある観光地づくりということも含めた中の、やっぱり魅力がないと、おれんじ鉄道も何も利用する方はないと思うんですけど、そういう沿線における魅力あるそういう観光地づくり、観光地とは言わなくても、そういう努力はどんな点でなされているかちょっと教えていただけますか。
57 ◯伊勢交通政策課長 やはり沿線の観光資源、特に例えば熊本の方におれんじ鉄道に乗って鹿児島に来ていただく、あるいは鹿児島の方におれんじ鉄道に乗っていただいて熊本に行っていただくというような需要を誘発する観点から、やはり相互の、それぞれ相互でどういう沿線に観光資源があるのかというようなことをPRしていくというのが大事なのかなと思っております。
この肥薩おれんじ鉄道につきましては、県沿線市で構成するいわゆる利用促進協議会におきまして、さまざまな利用促進に資する事業を行っておりまして、その中で、熊本・鹿児島の沿線地域クロスPR事業というものを行っております。これは例えば、両県あるいは沿線市町、おれんじ鉄道が連携をいたしまして、それぞれ例えば熊本のデパートあるいは鹿児島のデパートですとか駅前等々におきまして、沿線の観光紹介ですとか、それぞれのお互いの隣接県側の物産販売ですとか、そういったような情報発信を行って沿線地域への集客を図っているというような状況がございます。
58 ◯大園委員 例えばこの沿線に県として、何か本当に熊本からでも他県からでも、ここのおれんじ鉄道を利用して初めて見られる観光スポットというようなものを、何か魅力あるそういったところはまだ考えられないですかね。
59 ◯伊勢交通政策課長 やはり、おれんじ鉄道でないとという部分につきましては、例えば、まさに車窓から眺めることのできる東シナ海の風景ですとかそういったものが一つ挙げられるのかなと。これにつきましては、既に「おれんじ食堂」等におきましても一つのセールスポイントとなっておるところではございますけれども、やはり課題といたしまして、例えば周辺の耕作放棄地でありますとか、あるいは線路敷内にやはり雑木、雑草などが多く生えているものが、その良好な景観形成を阻害しているというようなこともある中で、例えば来年度以降、こういった利用促進の取り組みの一環として、そういった例えばおれんじ鉄道沿線の樹木の伐採ですとか、そういったものができないかということを今後、検討していく必要があるのかなと考えておるところでございます。
60 ◯大園委員 「指宿のたまて箱」というのは、もう指宿にそれなりの魅力があるわけですよね。しかし、おれんじ鉄道にはそういう、例えば阿久根なら阿久根に滞在したいとか、そういうところの観光スポット、観光地を含めたものがないような気がするんですけど、指宿は向こうに行きたいというのがあっても、沿線にやっぱり何か県外の方々を引きつけるようなそういったものが、何かそういったものも取り組んでいかないとよくないのかなと思っているんですけど、それについては何かありますか。
61 ◯伊勢交通政策課長 今ちょうど阿久根のお話をいただきましたけれども、先ほど御説明した資料の七ページでございますが、地域振興推進事業の特別枠を活用いたしまして、阿久根駅の大規模改修を現在行っておるところでございます。こちらは来年三月に竣工予定でございますが、こちらは阿久根駅の改修によりまして、交流あるいは物産・観光、沿線情報の発信として、まさにおれんじ鉄道の駅をそういった地域振興の拠点として活用するということが現在、プロジェクトとして進行中でございます。
62 ◯大園委員 それと、今度は運送の関係の中で、先ほど鉄道とトラック、トラック運送とか運送の種類にはいろいろあると思うんですけど、例えばトラックの運送料、この間を利用してトラック運送の料金あるいは鉄道料金、そして今の燃料高騰による影響を考えたときに、鉄道の有利性というのがもっとあると思うんですよね。
だから、時間とかも含めた中で、そういったのは何か少し鉄道で運んだほうがいいよと、トラック業界に対しては大変申しわけない言い方だけど、やっぱりこれは県としての長いスタンスで見たときは、当然、県の赤字というのを考えんといかんわけですので、そういうトラックはトラックでそれなりのあれがあると思うんですけど、少し、距離が延びれば延びるほど鉄道の魅力というのはあると思うんですけど、そういった点の何かトラックあるいは鉄道とのそういう運送形態の中で、もっと鉄道を利用したほうがいいよというふうなそういうのはないんですか。
63 ◯伊勢交通政策課長 トラック輸送と鉄道貨物輸送を比較した場合に、やはり積みかえ、どうしても鉄道貨物の場合はコンテナを一回トラックからおろして積みかえるというような、そこのコストなり手間がかかりますので、そうすると、その手間を埋めるだけの輸送距離というものがある程度必要になってくるというような状況があるとお聞きしておりまして、そうした中で、鹿児島から仮に鉄道貨物で運ぼうとした場合に、その優位性が発揮できるのは、やはりどうしても本州以東ということになるとお聞きしております。
また、JR貨物側とも日ごろ、株主にも入っておりますので接点もございますので、特に貨物の利用促進ですとか、どういった形で県内において鉄道貨物輸送の優位性をPRしていけばいいのかですとか、それにつきましてはまたよく話を今後、連携しながら進めていきたいと考えております。
64 ◯大園委員 最後に、この肥薩おれんじ鉄道の今後、今までの内容を聞くと大変厳しいなと思う中で、当然、入りをふやす、そしてまた経費等も含めて出るのを抑える、抑制するという中の、そうしないと当然、経営というのはうまくいかんと思うんですけど、今、課長がこの鉄道を考えたときに、どうしたら劇的に何かいい方法が、何かそういう頭というのは少しありますか。
65 ◯伊勢交通政策課長 やはり全体、特に長期で見たときに、必然的に沿線の人口の数というのは減っていくわけですので、現状としては、輸送人員のシェアで見れば通学の足というようなことであるんですが、やっぱりそこの収入がどうしても先細りするということが見えていますので、なかなかこれがあれば特効薬というものはなかなか思いつくところではないんですが、やはり少しでも、単に地元の輸送の足としてではなく、観光資源あるいは地域活性化のためのリソースとしてうまく活用しながら、外の方により多く乗っていただくということが大事なのかなと。
たまたまそういった取り組みということで、外国人観光客の方に多く御利用いただくということもツアーに組み込んでいただくなど、結果が出ていますので、やはりそういったことを着実に進めていただくということが今後に向けては大事なのかなとは考えております。
66 ◯大園委員 ありがとうございました。
67
◯小園委員長 ほかにありませんか。
68 ◯柚木委員 数字的なことは詳しくちょっとわからないんですが、第三セクで県が八五で、地元沿線が一五%持つというので、二十四ページを見てほしいんですけど、もともと周辺の通勤・通学の日常的な生活支援を支える公共機関を第三セクターという考え方から発しておられて、それで今後の支援スキームということで、三番目の一番下を読んでみますと、経営が苦しいからということでしょうが、観光とか貨物輸送に関しましては広域的に受益があるだろうという考え方からなんだと思いますが、県内全域に対して必要な負担を求めていくということなんですが、これは私、ほかの鹿児島市なんかも不参加を表明しているわけですからね、果たしてそういうことが、もともとの出発点からして理解が得られるのかなと思っているんですが、この方向でやはり進んでいくというお考えか、確認をしたいんですけど。
69 ◯伊勢交通政策課長 改めて、開業十年を間もなく迎えるわけでございますけれども、肥薩おれんじ鉄道について受益と負担のバランス、肥薩おれんじ鉄道があること、あるいは肥薩おれんじ鉄道を経営分離することによって九州新幹線着工というものが認められたという経緯があるわけでございますけれども、そこまで立ち返ったときの、やはり誰が一連の並行在来線を経営分離し、新幹線を開業しという流れの中で、どなたが受益をし、あるいはどなたが負担をしということを全体として捉まえるならば、やはり沿線のみならず、非沿線の県下のさまざまな方々に対して御負担を求めていくと、そこはもう理解と協力を我々としては求めていくということを考えておるということを御答弁申し上げたいと思います。
70 ◯柚木委員 私は厳しいと思っているんですよね。結局、どなたが負担をしていくかということで経営が成り立つかという視点で考えていかないと、そういう重要な視点で考えていかないと、経営の数字的な面から、受益があるだろうからということで県内全域に求めていくと、八五対一五をもっと県は少なくして、受益をどうするのかわかりませんけれども。
やはり経営上、今、外国からの誘客も含めて、要するに乗ってもらうということを言っていますけれども、もともと通勤・通学の日常的な生活支援をするというのが大きな基本にあるわけですから、その辺の方々の受益を県内全域に求めていくという考え方は非常に無理があると私は思っているんです。それは改めて、数字としてどの程度求めるか出てくるんでしょうけれども、基本的にやっぱりおれんじ鉄道の存続の意味はその辺から考えていかないといけないと思っているので、意見として申し上げておきます。
71 ◯与 委員 四ページの二の券種別の占める割合の中で、輸送人員、運賃収入というのがあるんですが、通学定期というものと定期外というのがあるわけですけれども、定期外というのはどういう利用者なんですかね。
72 ◯伊勢交通政策課長 定期外と申しますのは、まさに駅で切符を購入されて乗られる方ですとか、あるいは旅行エージェントさんのパックツアーで乗られる方ですとか、そういった、言ってみれば定期券を御利用されて乗られる方以外の全てのお客様が、定期外の利用者数というカテゴリーに含まれているものであります。
73 ◯与 委員 ということは、観光とかビジネスとかあるいは食堂車を利用するとか、こういう人たちだという認識でいいわけですね。
74 ◯伊勢交通政策課長 基本的にはそのとおりでございます。
75 ◯与 委員 はい、了解。
76
◯小園委員長 よろしいですか。
77 ◯与 委員 はい。
78
◯小園委員長 ほかにございませんか。
79 ◯山田委員 九州新幹線の開業に伴って、当然こういう状況というのが出てくるというのは当初で想定されたんですよね。いかにそれで赤字を軽減していくかということなんでしょうけど、新幹線との兼ね合い、おれんじ鉄道との兼ね合い、その辺をもう一回、最初スタートの時点でどうだったのか。そして、そういう状況下で今、スタートしていろいろ努力をされているんですけど、赤字が出ないのが一番理想なんですけど、現実的には課長も相当難儀をされていると思います。説明をされていてもその辺の歯切れがなかなか我々には伝わってこない、歯切れのよさというのがですね。
そこをそれでみんな共通の認識として持って、さあ、それからそれならどうするのか。県外のとかいろいろ言われるんですけど、その辺をもう一回整理をして、どなたでも結構ですのでわかりやすく説明をしてみてください。
80 ◯伊勢交通政策課長 沿線のみならず、県内に幅広く負担を求めるという部分について御説明ということでよろしいですか。
81
◯小園委員長 暫時休憩します。
午前十一時三十一分休憩
────────────────
午前十一時三十二分再開
82
◯小園委員長 再開いたします。
83 ◯伊勢交通政策課長 一つ、生活交通という側面に着目をしたときに、なぜ鉄道という形で維持しなければいけないのかと、あるいはどこまでのコストを強要をし得るのかというような御議論があろうかと思います。
一つの指標として、おれんじ鉄道を御利用される方一人一人運ぶのに、行政としてどれだけのコストをかけているのかという一つ指標があるのかなと思っております。二十四年度の現在の支援スキームを前提とした場合における利用者一人当たりの補助金額というのが、おれんじ鉄道におきましては六十七円です。すなわち、一人お客様が乗る部分についてのコストとして両県、沿線市で、現状としては経営安定基金が財源になっているわけでございますが、六十七円補助をしている。一方で、県内のいわゆる国庫補助の対象になっている路線、これは県と国で補助をしておるわけでございますけれども、こちらについてはバスとしては百五十二円、一人当たりの補助を出しているという状況がございます。
例えば、他県の並行在来線の例でやはり同じような指標で見た場合に、同じ青森において経営分離をされました青い森鉄道におきましては、一人当たり百五十九円の補助を出しているという状況がございます。こういった他県の並行在来線を維持するために要しているお客様一人当たりのコストですとか、ほかのモードを維持するためにお客様一人当たりに出している支援との比較をすると、おれんじ鉄道に対する財政負担というのは、必ずしもそことの比較においては過度ではないということが言えるのではないかなと考えております。
あと、山田委員がおっしゃっていた、まさに新幹線の着工なり開業のときの整理というものがございますが、やはりさまざまな要因で、新幹線が開業した場合に恐らくお客様がこれだけ乗るであろうと、あるいは肥薩おれんじ鉄道の経営状況がどうなるであろうということをある程度の見込みを立てた上で、当時の並行在来線対策協議会での議論を経て今日に至っておるわけでございますが、やはりどうしても実際、開業後十年間というのはおおむね減価償却前では黒字が出ると、とんとん、やや黒字ぐらいで推移するというような見込みであったものが、残念ながら平成十七年度以降減価償却前赤字が続いているという状況、恐らくここの部分が当初の前提、新幹線は新幹線で経営分離と、肥薩おれんじ鉄道については現行の経営スキームで残すといったことの判断の前提とのギャップになっていると思うんですが、乖離の一つの要因として、やはり沿線の人口の減少ですとかあるいは高速道路の整備の進展ですとか、もう一つあるのが、やはり当初の見込み以上に、沿線から例えば鹿児島に出られるお客様が、例えば当初特急を利用されていた方が、ある程度の割合で在来線と新幹線に分かれるだろうという見込みを立てていたものが、やはり当初の見込みよりも多く新幹線にシフトしてしまっているというようなさまざまな要因がある中で、当初に立てた前提を踏まえた今の支援スキームとはやはり異なった支援スキームが必要なんじゃないかなというのが、執行部としての問題意識でございます。
84
◯小園委員長 ほかにございませんか。
85 ◯藤崎委員 線路使用料についてお尋ねします。この線路使用料の算出の考え方というのは、物流量がふえたら増額されるとか、何か基本的な考え方はどんなふうな算出根拠になっているんでしょうか。
86 ◯伊勢交通政策課長 現在の線路使用料の考え方でありますけれども、例えばJR貨物の貨物列車を通すことによってさまざまな施設を使うわけですけれども、例えば線路の修繕費については、恐らくおれんじ鉄道の車両が傷めている部分もあり、JR貨物の貨物列車が傷めている部分もあると、そこの分け方が問題になるわけですが、現在としては、いわゆる車両キロと申しまして、言ってみれば走行した車両数掛ける走行キロ数ですね、それをJR貨物の貨物列車とおれんじ鉄道の旅客列車で算出をいたしまして、その数字に応じて案分をしているというような状況がございます。
先ほど冒頭の説明の中で、貨物調整金による線路使用料収入がふえた場合において、おれんじ鉄道の実質的な実入りにならないというような御趣旨の説明を申し上げましたけれども、なぜそういうことが起きるかということをまた改めて御説明いたしますと、結局、現在両県から支援をしている支援対象経費の中には、言ってみれば線路の維持費が含まれております。その線路の維持費については、基本的には原則は全て両県で見ますということにしておるわけですけれども、貨物調整金のいわゆる線路使用料によって賄われる部分の中には、線路の維持費が入っておるわけでございます。
そうしたときに、線路使用料によって埋め合わせがされる線路の維持費分を両県の支援対象から抜いておかないと、JR貨物からも線路の維持費をもらい、両県からも線路の維持費をもらいということで二重補助になってしまうものですから、その線路使用料を引くということになったわけでございます。
今回の平成二十三年度からの貨物調整金の拡充として、やはりJR九州とおれんじ鉄道の費用負担のルールのあり方が見直されまして、言ってみれば線路の使用料などにつきましても、今までは列車の本数に応じて決まっていたのですが、列車のいわゆる車両数で決まることになりました。そうすると、貨物列車はやはり長い、おれんじ鉄道は最大でも二両ですので、必然的にJR貨物からの貨物線路使用料がふえるということになるんですけれども、そのうちの一定部分はあくまで線路の維持修繕のために充てられるということで計算をされていますので、そこについては、ふえた部分を両県からの支援から引くというような整理になっておるところでございます。
87 ◯藤崎委員 車両数ということで、変更があったということでわかりました。
二十二年から二十三年でふえて、二十三年から二十四年にまたふえていますが、二十三から二十四年までこの二年間ですね、ここでまたふえているんですが、これはどういった要因で。制度変更があったのは二十三年度からなんでしょうが、二十四年度もふえていますが、二十三から二十四年度へ増額された要因について、わかれば教えてください。
88 ◯伊勢交通政策課長 この線路使用料につきましては、二十二年度までの間におきましては、これは貨物列車の走行実績を問わず、二億六千七百万円を下限として線路使用料をJR貨物からおれんじ鉄道に対して払うという開業時の取り決めがあったものですから、実際は、それまでの算定ルールに基づいた算定をした場合において、線路使用料の積み上げが二億六千七百万円に至らなかった場合においても、JR貨物からは二億六千七百万円いただいていたという経緯がございまして、平成二十二年度までの間におきましては、線路使用料収入が二億六千七百万円でずっと横ばいであったと。
二十三年度以降におきましては、実際に、まさに先ほど車両キロという概念について御説明いたしましたが、実際に何本電車が通って、その列車が一体何両編成の貨物列車だったのかという、まさに実績を毎年毎年積み上げた上で、その日に応じて線路使用料をいただくという方式になっておりますので、その毎年の実績のギャップに基づく差が二十三年度と二十四年度の間において発生したものでございます。
89 ◯藤崎委員 じゃ確認しますと、五ページにあるような県内発着の輸送貨物量が今後少しずつでも上向き調子で物流量がふえていけば、この線路使用料収入もそれに比例した形でふえてくるという理解でよろしいんでしょうか。
90 ◯伊勢交通政策課長 現行の実際の運行されているコンテナの中がどのくらい荷物で埋まっているのかということがちょっとわからないわけではあるんですが、仮に荷物がふえて車両を増結しなければ荷物が運べないという状況になれば、車両の両数がふえますので貨物調整金もふえるというような形になろうかと思います。
91 ◯藤崎委員 そういうことですね、はい、わかりました。
続きまして、経営安定基金から出せる補助金の縛りなんですが、これは今、二十一ページで説明されている内容、二十一ページの二の(一)でやっているという理解でよろしいんですかね。確認です。
92 ◯伊勢交通政策課長 現行の制度といたしましては、まさに平成三十四年度までの間、その前の二十ページで三十三億二千三百万円全体として赤字が出ると、現金会計ベースで赤字が出ると御説明いたしましたが、現行の支援制度に基づきますと、そのうち、言ってみれば行政からの支援としては十九億五千四百万円であるというような形になるものでございます。
93 ◯藤崎委員 はい、わかりました。
この支援制度については、これは条例で定められているんですか、それとも政策的な判断でこれは決められているんでしょうか。
94 ◯伊勢交通政策課長 基金そのものですとか、基金の取り崩し方等々につきましては、基金の設置条例で定められておりますけれども、補助の言ってみれば補助対象経費ですとかそういったものの考え方につきましては、補助金の交付要綱によって定められているものでございます。
95 ◯藤崎委員 はい、わかりました。
ということは、二十二ページに、今後、補助要件の考え方を改めなければ、おれんじ鉄道はもたないんじゃないかというようなお話が出ていましたけど、今、その補助要綱の取り扱い方をこれから検討したほうがいいというような理解でよろしいんでしょうか。
96 ◯伊勢交通政策課長 最終的にもちろん補助要綱を改正するということになるわけでございますけれども、その前提として、補助制度を変えれば予算額が大幅に増減するわけでございますので、そこはまず、その予算の考え方について議会において御議論いただいた上で、その議論を踏まえて御議決いただいた予算を踏まえ、実際には補助金の交付要綱を改正するというような流れになろうかと考えております。
97 ◯藤崎委員 わかりました。
あと、経営安定基金の残高推移表を見ていますと、二十五年度が四千五百万円、四千五百万円交付した後の残りが九千六百万円余りしかないと。同額を交付すれば、あと二年、三年でゼロになるというような厳しい状況にあるかと思いますが、この辺の今後の基金の例えば積み増し等々、また、積み増す金額の案分等々は、これからさまざまな機会を通じて議論して、検討していくという理解でよろしいんでしょうか。
98 ◯伊勢交通政策課長 恐らく議論として二つございまして、まず、この経営安定基金の残高が非常に少なくなっていると、そういった場合に、肥薩おれんじ鉄道に対する支援の財源をどうするかという議論が一つございます。あともう一つは、現状、今の支援においても、肥薩おれんじ鉄道の内部留保が枯渇し、短期借り入れが発生し、その短期借り入れの総額が増加をしているという現状がある中で、その支援の中身として現状のものが十分かどうかという、支援の財源をどうするか、あるいは支援の中身をどうするかという二つの議論があろうかと思います。具体的な支援の財源をどのような形で負担するのかという部分につきましては、まさに今後、引き続き議論ということになろうかと考えております。
99 ◯藤崎委員 わかりました。
その中で、先ほど山田委員が言われたそもそも論の話とつながるかと思うんですけれども、当初、在来線の対策協議会には、二ページの下から三番目にあるように、串木野以南の二市四町が一回は入っておったと。議論する中で抜けましたと。抜けたかわりに、協力する形で負担金を、十六ページですね、出されて、恒久的な協議会は抜けるけれども、一時金的な形で、沿線市町として恩恵を受けるでしょうからということで、五億円ぐらい出したという経緯があったりしますが、その辺の経緯も含めていろいろ議論しながら、またいろいろアプローチを考えていくというような考え方でよろしいんでしょうか。
100 ◯伊勢交通政策課長 基金の拠出につきまして、なぜこの額の拠出をお願いしたかという部分とも少しかぶるんですが、この拠出につきましては、いわゆる三セク協議会から非沿線市町が抜けたわけでございますが、それと並行する形で、同じようなタイミングで沿線三市─現三市になりますが─として初期投資として出資をして、肥薩おれんじ鉄道を立ち上げたと、あるいは補助をして必要な施設を整備したと。その沿線三市の補助ですとか出資、いわゆる初期投資額に見合う形で、いわゆる初期投資見合いの負担をお願いしたいということで、当初、経営安定基金への拠出をお願いしたというような経緯があるとお聞きしております。
そういったいわゆる初期投資によって積み上げた会社の資産なり資本というものが著しく毀損している中で、今後の支援について恐らくさまざまな形で、県あるいは沿線市も負担をしていかなければいけないと。それに見合った負担としてどういったものをお願いすることが考えられるのかという、そこの初期投資、今までの基金に拠出した、拠出しないというのはあくまで初期投資の段階でどういう負担の分担をするかという議論だったのかなと見ておりますけれども、やはり今後の、初期投資の世界と少し切り離しをして、肥薩おれんじ鉄道が中長期的に安定・安全運行ができる、あるいは安全・安定運行を果たしていくためにどういう投資が必要でという部分が、まさに先ほどお示しをした数字でありますが、まさに将来に向かって、負担の割合あるいは負担のあり方というものを考えていかなければいけないのかなと考えておるところでございます。
具体的に、先ほども少し質問で、御答弁も漏れておりましたが、さまざまな県下の皆様方に対する協力あるいは理解を求める場についてなんですけれども、やはり先ほど冒頭の説明で申し上げましたとおり、やはり我々県執行部あるいは地元沿線三市といたしましては、やはり九州新幹線、おれんじ鉄道の波及効果を勘案した上で、県内全域から幅広い支援をお願いしたいと考えておるところでございます。
それを踏まえまして、現在、市長会あるいは町村会、市議会議長会、町村議会議長会、これは各県下全市町村の執行部門あるいは立法部門を総括するということであると見ておるわけでございますが、それぞれに対しまして、この肥薩おれんじ鉄道の置かれた現状あるいは今後の支援のあり方につきまして、説明の場を設けていただきたいという旨、既に要請を行っております。
また、市長会につきましては、沿線三市長を代表いたしまして、市長会の副会長でもあります出水市長から、市長会長のほうにも臨時理事会等の開催を要請したと、その中で現在、日程が調整されているとお聞きしておるところでございます。
101 ◯藤崎委員 理屈論と感情論といろいろ交錯すると思いますが、何かいい着地点を見つけられるように御健闘をお祈り申し上げまして、終わります。
102
◯小園委員長 ほかにございませんか。
103 ◯桃木野委員 十四ページのところに、ほかの並行在来線各社とのちょっと比較が載っていますけど、これを見ますと、おれんじ鉄道は大体三種類が、普通運賃、通学定期、通勤定期、倍率が一緒ですけど、例えばしなの鉄道は通学定期が非常に高いわけですが、これは人数が少ないからこんなふうに高いのか。あるいは、次のいわて銀河鉄道は大体倍率は、おれんじ鉄道と一緒で大体同じぐらいの倍率になっていますけど、逆にまた、青い森鉄道というのは通学定期は一倍で、ほかが高いわけですけど、要は利用者がいるわけですから、その利用者との相関関係といいますか、その辺は何か把握されていらっしゃいますか。
104 ◯伊勢交通政策課長 これは恐らく各沿線ないし各事業者さんごとに、どう受益と負担のバランスをセットするかということの検討の結果が、まさに値上げの幅に出てきているのかなと見ております。
もともと通学定期につきましては、通勤定期等と比べまして非常に割引率が高いという前提がございますが、おれんじ鉄道につきましては、JR時代の割引率が高い状況をそのまま同じだけ、通勤、通学、普通運賃値上げをしているという状況がある一方で、例えばしなの鉄道ですとか銀河鉄道、銀河鉄道はこれはもともと、下の米印にお書きしておりますけれども、本来値上げ幅は一・九九倍とする予定でありましたが、激変緩和ということで会社が一部負担しているという状況にあるわけでございますので、この銀河鉄道としなの鉄道につきましては、言ってみれば通学定期の割引率を下げたと、普通運賃に対しましてですね、という形によって、いわゆる通学に並行在来線を御利用されている学生の皆さんにも一定の負担増をお願いしたということなのかなと。
一方で、青い森鉄道につきましては通学定期を据え置きしているわけでございますが、こちらにつきましてはむしろ通学されている中高生がメーンかと思いますが、そちらの親御さんの負担等を考慮した上で、言ってみれば政策的に通学定期についてはあえて据え置いたという状況なのかなと見ておるところでございます。
105
◯小園委員長 よろしいですか。
106 ◯桃木野委員 はい。
107
◯小園委員長 ほかに質問等はありませんか。
[「なし」という者あり]
108
◯小園委員長 ほかにないようですので、特定調査に関する質問等はこれで終了いたします。
ここで、暫時休憩いたします。
午前十一時五十二分休憩
────────────────
午前十一時五十二分再開
109
◯小園委員長 再開いたします。
それでは、委員会の中で出された質疑の経過を踏まえまして、報告については当席に御一任をいただきたいと存じますが、よろしいでしょうか。
[「異議なし」という者あり]
110
◯小園委員長 それでは、昼食等のため暫時休憩いたします。
午後は、一時十五分から再開いたします。
午前十一時五十三分休憩
────────────────
午後 一時 十四分再開
111
◯小園委員長 それでは、再開いたします。
次は、県政全般に係る一般調査についてであります。
まず、十一月に鹿児島、南薩地区での行政視察を行いましたが、御意見、御質問等がありましたらお願いしたいと思います。
何かございますか。
ありませんか。
[「なし」という者あり]
112
◯小園委員長 それでは、ないようですので、ここで、県再生可能
エネルギー導入ビジョン(素案)について、
エネルギー政策課長から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
113
◯塩田エネルギー政策課長 それでは、再生可能
エネルギー導入ビジョンの素案につきまして、お手元に配付してあります資料、二種類ございますが、一枚紙の再生可能
エネルギー導入ビジョン(素案)についてとある資料のほうと、それから、冊子になっております再生可能
エネルギー導入ビジョン(素案)と、この冊子でございますが、こちらのほうで御説明いたします。
まず最初、一枚紙の再生可能
エネルギー導入ビジョンの素案という一枚紙のほうをごらんください。
まず、一の新
エネルギー導入ビジョンの見直しの背景・趣旨でございますが、県では、平成二十三年三月に新
エネルギー導入ビジョンを策定し、新たな新エネルギーの導入目標等を設定いたしましたが、時を同じくして東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故が発生し、国内におけるエネルギーの安定供給体制の災害に対する脆弱性や、原子力の安全確保に関する課題が改めて浮き彫りになるとともに、
再生可能エネルギーに対する期待はこれまで以上に高まってまいりました。
このため、国におきましては、エネルギー政策を見直すとしましたことから、県におきましても、国の動向を踏まえまして、現ビジョンを見直して、再生可能
エネルギー導入ビジョンとして策定することとしております。
二の見直しのポイントでございますが、現ビジョンの各種資料の時点修正を行うほか、主に次の項目について見直しを行うこととしております。
(一)の対象とするエネルギーの拡大でございますが、現ビジョンは、太陽光発電等九種類の新エネルギーを対象としておりましたが、見直しに当たりましては、九種類の新エネルギーに加えまして、小水力を含めた全ての水力発電、
バイナリー発電を含めた全ての地熱発電、それから海洋エネルギー、空気熱や温泉熱等の熱利用を追加いたしまして、
再生可能エネルギー全般を対象とするものでございます。
(二)の計画期間についてですが、平成二十六年度から、現ビジョンの最終年度と同じであります平成三十二年度までを予定しているところでございます。
(三)の
再生可能エネルギーの導入状況と課題についてでございますが、現ビジョンによる平成三十二年度の導入目標と平成二十五年三月末現在の導入実績を検証するとともに、
再生可能エネルギー導入における課題等を示すこととしております。
(四)の賦存量及び利用可能量についてですが、
再生可能エネルギーの種類ごとに、国の資料等から推計を行ったところでございます。
(五)の導入目標の見直しについてですが、平成二十四年度に実施いたしました県民・事業者等意識調査の結果や導入状況等を勘案しまして、現ビジョンの導入目標を上方に見直すこととしております。
(六)の
再生可能エネルギー導入促進に向けた取り組みについてですが、
再生可能エネルギーの種類ごとに導入促進に向けた取り組み等をお示しすることとしております。
三のスケジュールについてでございますが、本年十月に、外部有識者で構成いたします
再生可能エネルギー導入ビジョン策定委員会を設置し、十月二十四日及び十一月二十六日とこれまで二回の委員会を開催いたしまして、新たなビジョン策定に関する御議論をいただいたところでございます。同委員会での御意見を踏まえまして、再生可能
エネルギー導入ビジョンの素案を取りまとめたところでございます。
このビジョン素案につきまして、本日の委員会の御審議をいただいた後、広く県民の皆様からも御意見をいただくこととしており、パブリックコメントを来年の一月中旬ごろまでの約一月間実施いたしますとともに、あわせて市町村への意見照会も行い、各方面の方々から御意見等を伺うこととしております。その後、ビジョン策定委員会のさらなる御意見、御助言をいただき、来年の三月に再生可能
エネルギー導入ビジョンを決定し、公表してまいりたいと考えております。
四のその他についてでございますが、今後のビジョン策定に当たりましては、国が年内をめどに策定することとしております、新たなエネルギー基本計画についての内容が明らかになった時点で、改めて同計画との整合性の検討を行うこととしております。
それでは次に、冊子のほうをごらんいただきたいと思います。
冊子の再生可能
エネルギー導入ビジョン(素案)について御説明いたします。
まず、表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。
本ビジョン素案は、第一章ビジョンの策定の趣旨から、第十章
再生可能エネルギー導入促進に向けた推進体制までの十章で構成しております。
右ページ、一ページをごらんください。
第一章ビジョン策定の趣旨としまして、一ページから三ページにかけて、ビジョン策定の背景や
再生可能エネルギー導入の意義、国や県の導入に向けた取り組み、ビジョンの位置づけと計画期間について記載してございます。
二ページをごらんいただきますと、(ウ)エネルギー基本計画の見直しとしまして、国のエネルギー基本計画を記載することとしておりますが、先ほど御説明しましたとおり、国が策定することとしている新たな基本計画の内容が明らかになった時点で記載してまいります。
四ページからは、第二章
再生可能エネルギーの種類としまして、
再生可能エネルギーの定義及び種類別の紹介をいたしております。
また、六ページのほうには、三、その他のエネルギー技術の紹介といたしまして、
再生可能エネルギーではございませんけれども、天然ガスコージェネレーション、燃料電池等を紹介しております。
八ページ、九ページには、第三章本県の地域特性といたしまして、本県の自然的特性、社会的特性について記載しております。
十ページ、十一ページのほうには、第四章本県のエネルギー消費状況についてお示ししてあります。
本県の平成二十三年度における最終エネルギー消費量は千六百三十億四百メガジュールであり、原油換算いたしますと四百二十万五千キロリットルとなっております。
部門別最終エネルギー消費割合は、運輸部門が三八%、産業部門二六%、民政業務部門二四%、民政家庭部門一二%となっており、本県は、全国と比較しまして運輸部門の割合が高く、産業部門の占める割合が小さいという特徴がございます。
最終エネルギー消費量に占めます
再生可能エネルギーの割合につきましては、全体で八・七%でありまして、内訳は、バイオマス発電・熱利用が三・七%、水力発電が二・〇%、太陽熱利用が一・〇%等となっております。
また、本県の電力消費量は一千百四万七千二百五十三メガワットアワーですが、
再生可能エネルギーの割合は全体で一八・六%であり、内訳は、水力発電が八・四%、地熱発電が三・四%、風力発電が三・一%等となっております。
十二ページから十四ページのほうにかけまして、第五章
再生可能エネルギー導入状況と課題について記載しております。
十二ページの
再生可能エネルギー導入状況につきましては、平成二十四年度末の導入実績と現ビジョンの導入目標、達成率についてお示ししておりますが、達成率は、太陽光発電が二四・九%、風力発電が九五・四%、水力発電のうち農業用ダム等利用の小水力発電が五二・九%等となってございます。
なお、導入目標及び達成率の欄に横バーの表示がございますが、これらは新エネルギーと位置づけられていないエネルギーであることから、現ビジョンにおける導入目標は設定していないことなどによるものでございます。
このほか、
再生可能エネルギー導入におけるエネルギーごとの課題や、十四ページには、国の
再生可能エネルギー導入加速に向けた規制緩和の状況について記載しております。
十五ページ、十六ページには、第六章本県の
再生可能エネルギーの賦存量と利用可能量についてお示ししております。
賦存量、利用可能量につきましては、バイオマスエネルギーと下水熱につきましては、NEDO─独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構─が示しました推計方法に準じて推計を行っておりますが、そのほかは環境省が示しております報告書のデータによっております。
利用可能量としましては、十六ページの上の表の右側の欄に記載がありますとおり、風力発電及び太陽光発電が多く、以下、太陽熱利用、地熱発電、バイオマスエネルギーの順となっております。
十七ページ、十八ページは、第七章
再生可能エネルギー等導入に関する意識調査としまして、平成二十四年度に実施した、県民一千人、事業者百三十七社、全市町村による
再生可能エネルギー等の導入に関するアンケート調査の結果をお示ししております。調査結果を見ますと、県民、事業者ともに、東日本大震災以降
再生可能エネルギー等への関心が高くなっておることがうかがわれます。
十九ページからは、第八章
再生可能エネルギー導入の基本方針と導入目標についてお示ししております。
十九ページの二、本県における
再生可能エネルギー導入の基本方針としまして、地域特性を生かした
再生可能エネルギーの導入、地球温暖化対策への貢献、県民・事業者・行政が一体となった
再生可能エネルギーの導入、
再生可能エネルギーの普及・啓発、地域振興への寄与の五つの項目を掲げてございます。
二十ページをお開きください。
三の
再生可能エネルギーの導入目標についてですが、導入目標につきましては、太陽光発電は、平成二十四年度末における導入実績十四万七千三百四十キロワットから、県民・事業者意識調査の結果でありますとか、メガソーラーの建設計画の状況等を踏まえ、平成三十二年度の導入目標を百万キロワットと設定しているところでございます。
また、風力発電につきましては、平成二十四年度末実績二十一万八千四百十五キロワットですが、建設計画等の見込みを踏まえるとともに、今後、建設適合場所が限られてくることや環境アセスメントの手続期間等を考慮し、二十八万七千キロワットと設定しているなど、それぞれの
再生可能エネルギーごとに、これまでの導入状況や今後の導入計画などを参考にそれぞれ導入目標を設定いたしております。
なお、表の下に注記しておりますが、今後示されることとなっております国の新しい
エネルギー基本計画等の導入目標が明らかになった場合は、整合性の検討を行った上、本県における導入目標の数値を見直す可能性もあるところでございます。
二十二ページをお開きください。
四の
再生可能エネルギーの導入に伴う効果についてでございますが、平成三十二年度における本県の最終エネルギー消費量と電力消費量が平成二十三年度と同一と仮定した場合に、新たなビジョンの目標どおりに
再生可能エネルギーが導入されれば、平成三十二年度の最終エネルギー消費量に占める
再生可能エネルギーの割合は一四・一%となりまして、平成二十三年度における八・七%の約一・六倍になることとなります。同様に、電力消費量に占める
再生可能エネルギーの割合は三一・六%となり、平成二十三年度における一八・六%の約一・七倍になることとなります。
二十三ページからは、第九章
再生可能エネルギー導入促進に向けた取り組みについてお示ししてあります。
二十三ページの一の
再生可能エネルギーの種類ごとの取り組みですが、各エネルギーの種類ごとに導入促進に向けた取り組みを記載することとしております。
また、共通の取り組みとしまして、普及啓発、市町村の再生可能
エネルギー導入ビジョン策定に対する助言等、スマートグリッド・マイクログリッド等の導入促進、
再生可能エネルギー産業の育成、防災拠点施設等への導入促進、自立分散型のエネルギーの導入促進、グリーン電力証書制度・カーボンオフセット制度等の活用、地球温暖化対策としての評価といった八つの取り組みについてお示しすることとしております。
最後に二十六ページ、二十七ページには、第十章
再生可能エネルギー導入促進に向けた推進体制としまして、県、市町村、県民、事業者のそれぞれの役割や相互の連携等についてお示しすることとしております。
以上、概略で恐縮ですが、再生可能
エネルギー導入ビジョンの素案の説明を終わります。よろしくお願いいたします。
114
◯小園委員長 ありがとうございました。
この件に関して、質問等はありませんか。
115 ◯持冨委員 ちょっと確認ですけど、以前に質問したときに、この導入ビジョンについては国が今、基本計画をつくることにしていると、それを受けてつくるというようなことを聞いたような気がするんですが、そうじゃなかったですか。
116
◯塩田エネルギー政策課長 国が策定する
エネルギー基本計画等を踏まえまして、策定するということにしております。
117 ◯持冨委員 それで、一枚紙の一番下に、国が年内をめどに策定するということですが、これは今どこまで進んでいるんですか。
118
◯塩田エネルギー政策課長 現在、国のほうは、年内を目途に作業を進めているということで、先般十二月六日に第十二回の基本政策分科会がございまして、その際に、これまでの議論を踏まえた委員会としての意見が述べられております。
今後の予定としまして、恐らく年内にもう一回と、経済産業省のほうの審議会の予定を見ますと、十三日であろうと思いますが、そこにおきまして再度また分科会のほうが開かれると聞いております。
119 ◯持冨委員 そうしますと、今回はそれをもう待たずに県であらかじめつくったと、そしてまた、もし国がつくったら後で整合性を持たせると、こういうことでいいんですか。
120
◯塩田エネルギー政策課長 時期的な部分はそういった、年内に基本計画をまとめられるということと、我々県としましては年度を目標に作業を進めるということの関係で、若干並行して作業をしている部分はございますが、基本的には、基本計画の状況も踏まえて、県として策定をするということにしております。
121 ◯持冨委員 そうしますと、十月二十四日と十一月二十六日に委員会が開かれていますよね、それで素案が検討されたわけですけど、それは要するに国のほうから逐一、今の検討状況ということが入っていて、そういうことになっているんですかね。
122
◯塩田エネルギー政策課長 国の状況を逐一、情報というのは注視しておりまして、国のほうがどういった会議の状況であるかといったようなことは注視しております。
一方で、基本的な方向性、これは成長戦略等々で、
再生可能エネルギーの取り組みといったようなものの国の姿勢ということは存じておりますので、それを踏まえて、県として
再生可能エネルギーをどういった方向の指針としてつくっていくのかということを検討をしているところでございます。
123 ◯持冨委員 それで、当初は国の計画を受けて県の計画をつくると言っていたんですが、時期的なものもあって今、並行しながらしているというわけですけれども、これを見ますと、十二月の中旬にはパブコメを実施するとこういうふうに書いてあるわけですけど、ただ、今、県でつくっているこの素案というのは、国の計画とは必ずしも一致して、国の計画を踏まえてはいないわけですね。後で整合性を持たせるというわけですけど、それはパブコメが終わった後に整合性を持たせるということですよね、日程的に見れば。
124
◯塩田エネルギー政策課長 国のほうが年内に示されるということを前提に、県のほうとしてはスケジュールといいますか、計画をしておるわけでございますが、ただ、前回の基本政策分科会におきまして、今回の基本計画における分科会としての意見、これは出されておりますので、この内容を踏まえた上で、現時点でそこについて、整合性という部分におきましては、特段反対方向を向いているとか、全然違う方向であるとかというようなことはないと思っております。
125 ◯持冨委員 普通考えると、国ののを踏まえて県できちっとした計画をつくった上で、案をつくった上で、それを皆さんにお諮りするというか、パブコメにかけて意見を聞くというのが一番のスムーズな流れじゃないかなと、非常に無理があるんじゃないのかなという気が一つします。
それと、二十三年の三月に新
エネルギー導入ビジョンというのをつくっているわけですけど、今回の素案と一番違うのはどこなんですか。
126
◯塩田エネルギー政策課長 基本的には、新エネルギーを導入・拡大、それから今回の部分ですと、
再生可能エネルギーを導入・拡大ということで、基本的には新
エネルギー導入ビジョンの見直しということになろうかと思います。
一番の違いは何かということで申し上げますと、やはりそのきっかけとなりました東日本大震災、福島第一原発事故以降の
再生可能エネルギーの導入に対します関心の高さ等を踏まえまして、その導入目標を上方に見直すということであろうと思います。
加えて、この時点でございますけれども、これまで新エネルギーという十種類の、太陽光発電等九種類のエネルギーを新エネルギーとして、目標としておりましたけれども、これを機に
再生可能エネルギーという、少し範囲を広げまして、海洋エネルギーまで取り込んだ形で
再生可能エネルギーとしてビジョンをつくるということを考えております。
127 ◯持冨委員 最後に、新エネルギー導入を拡大していくというのは、もうどなたも異論のないところだろうと思いますが、原子力の扱いといいますか、原子力のエネルギーをどうするのかということは、それによって新エネルギーの何というか、重要度というかあれも変わってくると思いますけれども、今のこの計画では、原子力についてはどういう位置づけで新エネルギーの計画になるんですか。
128
◯塩田エネルギー政策課長 このビジョンの中におきましては、
再生可能エネルギーをどうするかと、どのように伸ばしていくのか、どのような目標のもとに取り組んでいくのかということを指針として掲げております。原子力の部分につきまして、このビジョンの中では触れてございません。
原子力そのものをどのようにするのかといったようなこと等につきましては、要するに電源として、電源構成をどのようにするのかというエネルギーミックスのお話であろうというふうに思いますけれども、ここのエネルギーミックスの議論につきましては、これはまさに国のほうでも今、議論をされているところだというふうに認識しております。先般の基本政策分科会におきます意見の中におきましても、エネルギーミックスの部分につきましては今後示していくというような記載になっていたかと思いますので、本県における再生可能
エネルギー導入ビジョンの中におきましては、原子力については触れていないところでございます。
129 ◯持冨委員 言われることはわかるんですけど、しかしながら、原子力というのは物すごく大きな割合を占めているわけでして、これがどうなるかで新エネルギーを導入する、拡大する割合をどうするかというのはまた全然変わってくるんじゃないのかなと、そういうふうに思うわけですね。だから、国のことが定まらない中で県のことが定まるのかなと最初に言ったのはそういうことなんでして、大きな方針が後から決まってきたら、またそれはそれで一からやり直さなきゃならないようなことが起きるんじゃないのかなと、その辺はどのようにお考えですか。
130
◯古川企画部長 国のエネルギー基本計画との整合性についての御質問であるわけでございますが、先ほど課長のほうから答弁いたしましたように、基本政策分科会、これは十五回にわたっていろいろ議論を積み重ねてこられて、十二月六日に経済産業大臣に対する、国に対して意見案というのが出されております。
その内容等については新聞等で御承知かと思いますが、私どもまだ情報提供する内容ではございませんので、私どものほうからはお示ししておりませんが、承知する範囲におきましては、
エネルギー政策課長が答弁申し上げたとおり、
再生可能エネルギーについては今後三年間集中的に拡大していくんだと、普及促進を図っていくというこの非常に大きな流れというのは、私どもの新しい
再生可能エネルギービジョンと方向性はもうほとんど全く一緒だと思っております。
それともう一つは、新しい国のエネルギー基本計画の中では、今申し上げた電源構成、エネルギーミックスというのについては示す、可能な限り近い将来示すと。またそれとあわせて、それぞれの
再生可能エネルギーの導入目標というのは具体的には示されないことになっているようでございまして、あくまでも今回私どもがこのビジョンの中でお示ししたそれぞれの各
再生可能エネルギーの導入目標というのは、これまでの導入実績あるいは事業者の導入計画、県民の御意向等々を踏まえて、私ども独自としての案として、目標値として設定をさせていただいたと。なおかつ、全体的な流れあるいは県の流れとして、
再生可能エネルギーをこれから普及拡大していくという大きな流れに沿って、目標値は上方修正をさせていただいたということでございまして、大きな意味におきまして、国の基本計画との整合性というのは保たれているというふうに考えております。
131 ◯持冨委員 はい、わかりました。
132
◯小園委員長 ほかにありませんか。
133 ◯柚木委員 ちょっと関連で。
よくわかるんですけど、二十二ページで
再生可能エネルギーの導入に伴う効果ということで、最終エネルギーの消費量に占める割合を二〇二〇年度は一四・一%、電気の割合は三一・六%、この数字が整理の方向性として低いのか高いのかよく判断できないんですよ。
そういう意味で聞くんですけど、要するに(二)で言うと、化石燃料をどう抑え込むかと、原発もそうですけどね、ベストミックスはそういうことですから、限りなく
再生可能エネルギーを広げてそちらのほうを抑え込もうという考え方だと私は思っているんですけど、これは国がまだ指針を出していない中で、県がこういう数字を出してくるというのは、私はこれは低いんじゃないかと思っているんだけど個人的には、それは技術的な問題はわかりませんが、この辺の考えはどこから来るんですかね、この数字的な考え方は。
134
◯古川企画部長 先ほどお話申し上げましたとおり、国は、新しいエネルギー基本計画において、電源ミックスというのも直ちには示す状況にはないと、近い将来示せるように努めるという書き方になっておりますと同時に、それぞれの電源、
再生可能エネルギーの目標というのも示す段階ではないという状況でございまして、私どもとしては、今の鹿児島県の状況からして、一番最大限努力した目標としてこの数値を設定しているということでございまして、他の全国的なあるいはエネルギー政策というものの方向性の理念的な方向性というものとは整合をとりながらやらせていただいているというふうに考えております。
135 ◯柚木委員 別なあれで聞きますけど、なかなか技術的な問題ですから、具体的に数字をといっても困る話はそうだと思っているんですけど、仮に二番で、電力消費量に占める再生可能利用量が一・七倍に達成されたとして、別な視点で捉えると、これはわかったら教えてください。化石燃料のCO2の問題があるんだけど、これが大体何%減るとか、何かそんなのはわかるんですかね。
136
◯塩田エネルギー政策課長 CO2の算定をするに当たりましては、CO2の排出量の係数というのが必要になってくるわけでございますけれども、現時点で原子力が停止しているということから、九州電力のほうにおきましては、この排出係数というものがどのようになるのかということで、先々の排出係数というものが示されないということでございまして、ここの段階におきまして、この効果という部分でCO2排出がどれぐらいなのかといったようなことは示せない状況でございます。
137 ◯柚木委員 もう最後にします。
今のを聞いていると、科学の進歩に相まって、このビジョンは相当な段階で、相当数値も含めて見直しをせんといかんという思いがあるんですよ、聞いていて。そういう中で確認ですが、このビジョンは、時代背景とともにそういうふうに見直していくという考え方でよろしいですか。確認です。
138
◯古川企画部長 今、将来的に見直すことがあるかということでございますが、国のエネルギー基本計画、先ほど申し上げたように現段階では具体的な数値目標等々は示されないということでございますが、近い将来、可能な範囲で示すということであります。そのエネルギーミックス等が示された段階で、全国的なエネルギー構成と鹿児島県のエネルギー構成、それがそもそも策定できるかどうかも問題はございますが、その時点で整合性がとれているかどうかというのをその時点でもう一回検証して、このエネルギー基本計画に沿って、私どものビジョンも当然見直すことになるだろうというふうに考えております。
139 ◯柚木委員 いいです。
140 ◯藤崎委員 二点お尋ねいたします。
呼び名の件なんですが、今は「再生可能
エネルギー導入ビジョン」となっておりますが、これまで「新エネルギー」であったり、「自然エネルギー」であったり、「クリーンエネルギー」であったり、いろんな呼び方がその時々によってあったかと思いますが、今回の国のビジョンを踏まえて、呼び名がほぼ「
再生可能エネルギー」というふうに統一された、収れんされたというような理解でよろしいんでしょうか。
141
◯塩田エネルギー政策課長 おっしゃるとおり、
再生可能エネルギーでありますとか、自然エネルギーとかいったようないろいろな言われ方がしております。新エネルギーも含めてでございますが。これまで私どもが持っておりました新
エネルギー導入ビジョン、これにつきましては、新エネルギー特別措置法に基づきましてその定義がなされております。これを用いて新エネルギービジョンというのをつくっておりました。
一方、今回、範囲を若干広げるに当たりまして、
再生可能エネルギーという言葉を使っておりますけれども、これにつきましても、定義ということでもちろん冒頭で定義づけをしておりますけれども、この背景としましては、やはりエネルギー供給構造高度化法、これ略称ですが、正式名称でエネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律というのがございまして、この法律の中で、
再生可能エネルギー源というもので太陽光、風力等々を示されております。これに私どものほうとしましては海洋エネルギーというのも加えまして、
再生可能エネルギーと位置づけたところでございます。
142 ◯藤崎委員 ということは、今後、
再生可能エネルギーという言葉が、オフィシャルな県の言葉として通用していくというような理解でよろしいでしょうか。
143
◯塩田エネルギー政策課長 はい、県のほうとしましては、ここに記載してございますようなエネルギーにつきましては、
再生可能エネルギーというふうに考えております。
144 ◯藤崎委員 ありがとうございました。
それと、十一ページの表が上下二段ありますが、ちょっと理解の仕方を確認させていただければと思います。
下の段の平成二十三年度の
再生可能エネルギー利用量の割合とありますが、それぞれ表で種別をしておりますが、例えば水力発電とかは鶴田ダムであったり天降川であったり甲突川であったり、大規模、小規模、いろいろそのダムの量はここに含まれている、それから地熱発電なんかは山川とか霧島とか
霧島国際ホテルとか入っているというような理解でよろしいんでしょうか。
145
◯塩田エネルギー政策課長 はい、委員おっしゃるとおり、ここの中に、水力発電ですと鶴田ダム等々大規模な水力発電、それから地熱ですとバイナリー以外の山川発電とか大霧発電とかいうようなのは含まれております。
146 ◯藤崎委員 わかりました。
それでは、販売電力でそのシェアが七八・三%とありますが、これがいわゆる原発停止後の九州電力による火力発電によるものがこのうちの大半を占めているという理解でよろしいんでしょうか。
147
◯塩田エネルギー政策課長 この販売電力の内訳ということになろうかと思いますけれども、平成二十三年度ということでございまして、原子力の部分につきましてはこの年度の七月、九月まで稼働をしておりましたので、その部分につきましての電力というのはここに入ってきております。
148 ◯藤崎委員 確認します。
ということは、この七八・三%の中に原子力と、あと川内が多分火力も動いていたでしょうから、火力が入っているのがこの七八・三という理解をしておけばよろしいでしょうか。
149
◯塩田エネルギー政策課長 はい、原子力、火力、入ってございます。
150 ◯藤崎委員 はい、わかりました。
以上です。
151
◯小園委員長 いいですか。
ほかにございませんか。
152 ◯与 委員 総論的なものなんですけれども、私は今度のエネルギーの導入ビジョンを高く評価をしているんですよ。これまで二十三年から新たにまた説明がありましたとおり理解ができたわけです。当然、国が今やっていて、その後に整合性を図るということですから、それはそれでいいんじゃなかろうかと。今ここで、後で直すのか直さないのか、どっちが先なのか、鶏が卵を産んだのが先か、卵が先かというみたいなこういう議論は今、僕はやるべきじゃないと思っております。
今、努力をして十五回も議論をしたということですからこれはしっかり進めると同時に、国の出てきたときに整合性を持って、そしてから何年後にどういう数値目標を立てるんだということになるのかなと私は思っておりますので、ぜひこれはまた三月議会、そしてまたパブコメなんかが終わった段階で我々もまた議論をする余地もあるんだろうと思っております。私は評価をしたいと思います。答弁は要らない。
153
◯小園委員長 ほかにございませんか。
154
◯大久保委員 資料の二十ページですね、
再生可能エネルギーの導入目標において、導入事例を数例つくるということが二つ掲げてあります。その他の熱利用、海洋エネルギー発電ということで挙げてあるんですが、これらについては全国ではもう導入の実績があるのか、実現可能な発電手段なのか、その部分についてお聞きしたいんですが。全国で、よそでは現実的な発電手段なんですかね。
155
◯小園委員長 暫時休憩します。
午後一時五十五分休憩
────────────────
午後一時五十六分再開
156
◯小園委員長 再開します。
157
◯塩田エネルギー政策課長 導入目標に加えております中で、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス、太陽熱等につきましては、それぞれ各県におきましても導入事例があるというふうに認識しております。
それから、その他の熱利用であります下水熱、これにつきましても都市部におきましては導入事例があるというふうに聞いておりますので、これも事例としてはあるんだろうという認識をしております。
海洋エネルギーでございますが、これはまさに今後、国を挙げて取り組んでいるということで、本県におきましても、実証フィールドへの応募ということを検討しているところでございますけれども、今後、海洋エネルギーにつきましては実用化、商用化に向けて検討、技術開発等進められているというふうに思っておりまして、現時点でこの実証を越えて、実証ではなくて実例として取り組んでいるという事例のほうは聞いてはございません。
158
◯大久保委員 わかりました。
159
◯小園委員長 いいですか。
ほかにありませんね。
[「なし」という者あり]
160
◯小園委員長 ほかにありませんので、次に県政一般の質問をお願い申し上げます。
161 ◯桃木野委員 馬毛島の関係で、きのう、おとといですか、副大臣が地元のほうに来られて、いろいろ地元の町長さん方とも懇談をされているわけですけど、この馬毛島については、いろいろ本会議あるいは委員会の中でも、調査がまだ不十分ではないかということで私どもの会派のほうでも一生懸命に、あるいはほかの会派でもだったと思いますけれども。
ちょっと企画課長に確認ですけど、林地開発許可の関係で、これが仮に馬毛島が国に渡った場合には、県が許可をしたわけですから、その林地開発許可の関係は国に対して問うことはできるんですか、できないんですか。
162 ◯清水企画課長 森林法の林地開発の許可に対する確認ということでお答えさせていただきますと、もともと森林法自体、開発の許可に対しましては国は適用除外ということになっておりますので、国が例えばその用地ということで取得をした場合に、その森林法というのは適用除外という形になります。
163 ◯桃木野委員 そうしますと、今、せんだっては漁業被害の関係で総務省のほうから、タストン社の社長とそれから双方の弁護士が入っているわけですよね。そういう中で、去年の今ぐらいにたしか県の調査があったんですかね、それが三日ぐらいの予定で行ったところが、何か三時間か四時間で帰らざるを得なかったと、そういうことで調査も不十分じゃないかということで、税とかいろいろ、林地開発の許可とかで言っているわけですけど。
だから、今、延々この委員会の中でも言っているわけですけど、この委員会、このメンバーになってからまだ調査というのは一回もないわけですよね。したがいまして、これは会派のほうでもいろいろ議論をしたんですが、今日の現状を見たときに、要はタストン社と国のほうから県が軽んじられているんじゃないかと、それで、らちが明かないわけですから、やはり議会には、ちょっと議会の基本条例を見ましたときに、必要な調査とかできるとあるわけですから、もちろんこれは相手の承諾も、森林法を見ると、許可に対しては相手の承諾を得なければならないとかあるわけですけれども、ぜひこれは委員長のほうにお願いをしますけれども、ぜひ議会として議長のほうにお願いをしていただいて、ぜひ県議会としてやはり対処すべきではないのかなと。
したがって、私としては、この委員会、この構成メンバーのときに議会あるいは執行部が、この委員会がぜひ現地に行くべきではないかと。例えば霧島の養豚場の関係なんかも、委員会でも調査が必要だということで行っているわけですから、ましてやFCLPについては、議会としてあそこを基地化することについては反対という全員一致でそういう文書も出しているわけですよね。
したがいまして、そういうことをぜひ委員長のほうにお願いをしたいと思います。
164
◯小園委員長 暫時休憩いたします。
午後二時一分休憩
────────────────
午後二時九分再開
165
◯小園委員長 それでは、再開いたします。
先ほど桃木野委員のほうから、馬毛島の視察を議会として、当委員会としてするべきではないかといったような提案をいただきましたけれども、こういった提案というのはなかなか珍しい提案だというふうに思いますので、私もどういうふうに判断していいかちょっとお時間をいただいて、議長とも副議長ともちょっといろいろ相談をさせていただいて、また御報告したいというふうに思っておりますが、それで桃木野委員、よろしいでしょうか。
166 ◯桃木野委員 何もその、今この委員会と言いましたけど、あるいは税とかいろいろ関連するところもあるでしょうから、そういうところから何名かずつでも、(「政務活動でも行けるんだよ」という者あり)そういう格好ででもいいと思うんですよ。
要は、向こうの承諾さえとれば、それはもう向こうの社長は立ち会わんでもいいわけですから、了解さえとれればですね。そういうことでやっぱりこのままでは、もう一年間、課長の説明を聞きましたけれども、らちが明かないので、これじゃやっぱりいかんじゃないかと、そういうことなんですよ。
167
◯小園委員長 それじゃ、預からせていただきたいと思いますが、ほかの委員の皆さん方もよろしいでしょうか。
[「異議なし」という者あり]
168
◯小園委員長 じゃ、そうさせていただきます。
ほかに質問はございませんか。
県政一般です。
169 ◯与 委員 六ページを先に。十一月九日に
奄美群島日本復帰六十周年記念行事が開かれましたが、知事、また企画部長もおいでいただきました。委員のほうからも小園委員長を初め幾名かの方々にも行っていただきました。十五年の五十周年を振り返ったときに、天皇、両陛下がお見えになって、当時の冬柴国交省大臣がお見えになって、厳粛なうちに式典、また限られた方々で祝賀会も行ったのかなという記憶がございますが、今回は、国交大臣が太田国交大臣と幾名かのまた党派を越えた国会議員など、県議など、ここに書かれているように千三百名ぐらいは、もっと来ておったんじゃないのかなと。
奄美文化会館での式典も高い評価を得ているようですし、また、夜の祝賀会も十五年とはまたちょっと変わった、非常に和気あいあいとした祝賀会がやられたのかなと思いまして、地元の一人として、関係の方々、御来島いただいた方々には心から感謝とお礼を申し上げたいのでありますが、ただ、一つだけ強いて言えば、あちこちから晩の祝賀会や式典会場でちょっと小耳に挟んだことは、「これだけの国会議員が来られているんだから、国会議員の紹介ぐらいはやっても式典の全体内容を損なうことはないんじゃないのか」という御意見を賜りましたが、私もそう、できればせっかく延長の時期でもあるし、国会議員の方々ぐらいは紹介をされてよかったのかなという私自身なりの、関係者というよりか地元の一人として反省をするわけでありますが、この復帰六十周年記念式典あるいは晩の祝賀会において、部長の所感をちょっと短く。
170
◯古川企画部長 今、与委員のほうからお話ございましたように、十一月九日に県内外から約千三百人、もうちょっと多かったかもしれませんが、多数の方々が御来場いただきまして、盛大に六十周年記念式典、それと祝賀会が開催をされました。
安君という小学生が「日本復帰の歌」ですね、ちょっと紹介いたしますと、「いざや団結死闘せん 民族危機の秋(とき)ぞ今」と、非常に決意を新たに当時の方々が苦労なさったのが思いしのばれるような一言がありました。私ども大変感激いたしましたけれども、まさに六十周年に向けた奄美群島の皆さん方の決意というのも十分肌で感じましたし、若い人たちの息吹というのも私自身も感じさせていただきました。
大変感銘を受けた式典並びに祝賀会であったと思っておりますし、ただいまちょっとお話がございました国会議員の皆様方の紹介の件につきましては、事務局のほう若干不なれでございましたので、私どもとしてもその点についてはきちっと連携をとるべきであったと思っておりますが、次の十年後の七十周年においてはそのようなことがないようにいたしたいと思っております。
171
◯小園委員長 いいですか、与委員。
172 ◯与 委員 ありがとうございます。
五ページの奄美群島振興開発の延長、もういよいよと、大詰めに来ているんじゃないのかなと思ったりしておりますが、十二月三日には地元県議の四名と、そして保岡先生や森山先生、そして伊藤知事、部長も御一緒に、ここに報告されている三大臣と関係の国会議員とか、また省庁に行ったわけですが、そのとき我々は、今回は延長するというのが一つの目的。もう一つの目的は、交付金のいわゆる我々が今言っている額を確保をするということで今回は行ったわけですが、各大臣や知事とのやりとり、あるいは国会議員のやりとりを聞いて、可能性があるような感じもするし、また、かなり厳しいというような感じもしないわけでもなかったんですが、その十二月三日の中央陳情のいわゆる関係機関陳情の部長なりの感じたことと申しましょうかね、何か一言ないですか、コメントは。
173
◯古川企画部長 奄美群島振興開発の新たな交付金についてのお尋ねでありますが、そもそもこの交付金は、地元十二市町村の切なる要望、地元の自由な裁量でもって実施できる交付金を確保してほしいという切なる要望に基づきまして、知事が、奄美群島振興開発審議会の場において具体的に意見具申に盛り込むべしという強い主張をいたしまして、結果として意見具申に盛り込まれたと、それが一つの端緒であったと思っておりますが、そして、国交省の来年度概算要求に三十億四千九百万円と国費ベースの数値が盛り込まれました。
そして今、与委員お話があったように、去る十二月三日に三大臣、所管大臣でございますが、所管大臣に対して直接知事のほうから、地元の四名の県議の皆様方、それと地元国会議員の皆様方とあわせて、強く満額確保ということを要望いたしました。
私自身感じた感触といたしましては、与委員がおっしゃったように非常に心強いお話もございましたし、財務大臣はこれまでの五倍ぐらいの要求だなというようなお話もございましたので、非常に厳しいという御意見もあったのではないかと思っております。片や、国の非常に厳しい財政状況のもとでございますので、満額確保ということに関して確たる自信を持ってということは申し上げられませんが、ここ数日、私自身も地元選出の国会議員と直接お話をしながら、あるいは国交省の担当の審議官、担当の皆様方と連携をしながら、できるだけ要望額三十億円が確保されるように今、努力をしておるところでございます。
174 ◯与 委員 今、部長がおっしゃったとおりだろうと、ほぼ私も感じていたとおりかなと思うんですけれども、残された時期がわずかですから、あと十日で、もうわずか一週間以内ですね、今週あたりには大枠が決まるんじゃないのかなという感じがしますが、二十日以降あたりに、昔で言えば局長折衝か大臣折衝か知らないんですけれども、そういう道のりを経ない前に、何とか延長と交付金の枠確定をぜひお願いができればなと意見を持っておるんですが、残された日にちも少ないんですが、部長、しっかり頑張っていただいて、成果を得るようにお願い申し上げます。
ありがとうございました。
175
◯小園委員長 ほかはございませんか。
176 ◯藤崎委員 統計課長さんにお尋ねいたします。
統計課の所管する統計協会の県民手帳についてでありますが、二月のことしの第一回定例会で、改善に向けての御提案を幾つか申し上げましたら、かなり汗をかいていただいて立派なものができたように報道されておりますが、その努力の過程を御披露いただければと思います。
177 ◯飯山統計課長 県民手帳についてのお尋ねでございます。
県民手帳は、昭和三十三年の創刊以来、約半世紀にわたりまして県民の皆様に愛用されてきたロングセラーでございますが、最近は、携帯電話、スマートフォンの普及や各種ビジネス手帳の販売等によりまして、売り上げは減少ぎみでございました。
そうした中、ことしの三月議会におきまして藤崎委員の一般質問において、「九州各県と比べて本県の手帳は特色がない。もっと鹿児島らしく県民に親しまれるものにすべきではないか。あるいは編集に当たっては幅広く意見を聞いたらどうか」というような御指摘がございました。
そこで、二〇一四年県民手帳の発行に当たりましては、昨年度までは統計課内の職員だけで編集会議をしておりましたが、今年度は、県庁内で鹿児島の情報発信に関係のある広報課、観光課、かごしまPR課、政策調整課の中堅職員にも加わってもらい、魅力ある県民手帳づくり編集会議というものを開催いたしました。また、県庁内や市町村等からもメールで意見・要望を聞くなどをしたところでございます。
県民手帳の内容の主な見直し等としましては、表紙の材質を昨年までのビニールレザーからスポンジシートに変えて質感を向上させたこと、ふるさとの催し・イベントを各月ごとに分けて見やすく掲載したこと、週間日記欄の余白に島津日新公のいろは歌など郷土の先人の教えを掲載したこと、県内の市町村のゆるキャラと県のPRキャラクターぐりぶーなどの一覧を載せたことなど、いろいろな見直しを行いました。
これらの見直しに当たりましては、藤崎委員からいただいたアドバイスを参考にさせていただいたところでありまして、この場をかりてお礼を申し上げます。
こうした内容の見直しとともに、今年度は県庁記者クラブでの記者発表、それから十月十八日の統計の日に合わせて鹿児島市内の書店での発売イベント、十一月三日の「おはら祭」に合わせて鹿児島市内の百貨店前での販売、十一月十六日、天文館ぴらもーるで統計グラフコンクール表彰式に合わせた販売などを行ったところであります。また、販売ルートの拡大としまして、県内の書店、文具店に加えて、ことしからコンビニエンスストアの一部でも取り扱いを始めたところでございます。
そうしたことによりまして、今年度は、今の時点でどれだけ売れているかという正確な数字はつかんでおりませんが、県内の書店や文具店から追加の注文も来ておりまして、これらの方々に伺ったところでは、昨年度より売れ行きが好調ということでございます。
これから年末年始で、新しい年に向けて手帳をそろえられる時期でございますので、一人でも多くの県民の方々に県民手帳をお求めいただきますよう、さらにPRに努めていきたいと考えております。
以上でございます。
178 ◯藤崎委員 発言の重さを実感しております。大変頑張っていただきましてありがとうございました。
それで、昨年は売れ残りが出たと聞いておりますけれども、昨年は何部つくって、どれぐらい売れ残ったのかというのを教えてもらってよろしいでしょうか。
179 ◯飯山統計課長 昨年度は三万部発行いたしまして、二万六千部ちょっとぐらい売り上げております。無償で例えば販売促進のために提供したもの等もありますので、そういうようなものもありますけれども、約三千数百部が残っているという状況でございます。
180 ◯藤崎委員 わかりました。三千数百部残ったということは、全部売り切ればあと百五十万円は収入が入ったという形になりますので、ぜひとも創意工夫頑張っていただいて、売れ残りのないように売り切って、できれば追加で売るぐらいになるといいんですが、その辺の気合いの御決意をもう一回だけ聞かせていただければと思います。
181 ◯飯山統計課長 私どもも、少しでも多く昨年を上回るようにと考えておりますけれども、目標は大きく、完売ということで、それに向けて努力をしていきたいと考えております。
以上でございます。
182 ◯藤崎委員 いいです。
183
◯小園委員長 ほかにありませんか。
184 ◯持冨委員 県民手帳のことが出ましたので、以前に一回申し上げたんですけど、最近はシステム手帳を使う人が多くて、中を入れかえれば使い勝手が非常にいいんじゃないかと。必要な分だけ持って歩けばいいと、資料も差しかえがきくと、メモも差しかえがきくというようなこともあるので、そういったことも検討されたらどうかなということと。
これは紬の鉛筆ケースですが、こういったのもシステム手帳の革とか手帳のところにちょっとしたそういう紬ののを使えれば、鹿児島らしさが出るんじゃないのかなと、そんなことも頭の片隅に入れていただいて、また工夫していただければありがたいと思います。
185
◯小園委員長 いいですか。
186 ◯持冨委員 これは要望でいいです。
187
◯小園委員長 ほかにございませんか。
188 ◯持冨委員 二ページに、
再生可能エネルギー導入可能性検討事業というのがありまして、これは九月から十二月まで長島周辺と口之島・中之島海域で潮流と海流の実証実験というか、調査をしているわけですが、これが十二月で調査が終わって、国に応募する、そういう資料になるんだと思いますが、この中身はいつぐらいにわかって、そして国へ応募といいますか、そしてそれが結論が出るのがどういう形になるのか、この辺のスケジュールをちょっと教えてください。
189
◯塩田エネルギー政策課長 海洋
再生可能エネルギーの実証フィールドへ向けた、応募へ向けた実測調査でございますが、現在、九月からやっておりまして、当初十一月ごろまでを予定しておったところなんですけれども、台風等の影響で若干調査時期が延びまして、十二月までを予定しているところでございます。順調にいきますと、十二月には調査を終えて、解析等を行う関係がございますので、一月中には解析を終えた上で、その結果をもって、来年二月末までが国への応募期間ということになっておりますので、その解析結果をもって、もう一度研究会のほうにおいて御議論いただいた上で、応募のほうへの準備を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
190 ◯持冨委員 そうすると、応募をして、そしてそれが国のほうで受け入れられるというのは、いつぐらいになるんですか。
191
◯塩田エネルギー政策課長 その後の国における応募後のスケジュールにつきましては、具体的なものはまだ示されておりませんけれども、全国のほうからそういった応募があった上で、採択を行った上で、国のほうにおいて今度は実証フィールド設置に向けた作業が進められていくものというふうに考えております。
192 ◯持冨委員 はい、わかりました。
193
◯小園委員長 よろしいですか。
194 ◯持冨委員 はい。
195 ◯大園委員 九月議会で霧島の木質バイオマスの問題が出ましたけど、その後の状況等についてちょっと教えていただけますか。
196
◯塩田エネルギー政策課長 木質バイオマス発電に係る事業につきましてのその後の状況ということでございますが、現在、作業の手順としましては、事業体のほうが霧島市のほうに事業計画を提出するということがまず第一にございます。その後、事業計画を踏まえまして、霧島市において、県のほうに提出する事業計画書というのを提出するということになります。
現時点での状況でございますが、霧島市のほうには十一月二十日の日に事業計画というのは出ているというふうになっておりますが、まだ県のほうには、霧島市のほうからは事業計画そのものはまだ出てきていないという状況でございまして、状況につきましては年内、十二月中には霧島市のほうから事業計画が出てくるというふうな予定というふうに聞いております。
事業計画が出てきましたら、これは林野庁のほうと協議が必要な案件でございますので、林野庁と協議を行った上で事業の交付申請という手続に入っていくことになろうかと思っております。
197 ◯大園委員 霧島市から計画書が出されて、それを県として決定するのはいつぐらいになるんですか。
198
◯塩田エネルギー政策課長 決定がいつごろになるかということの御質問でございますけれども、その前提としまして林野庁のほうとの協議、これがどれぐらいかかるのかということが一つございます。それを経た上でないと、そのスケジュール感というのはなかなか申し上げにくいところではございますが、通常ですと、一月内外の協議期間というふうに聞いておりますけれども、今回の場合ですと、スケジュール感というのが非常に厳しいスケジュール感というふうに聞いておりますので、それが若干短縮できるのかどうかということはあるのかもしれませんけれども、ちょっと今の現時点で、県としての交付時期、交付申請に対する交付決定の時期というのがいつになるかというのは、なかなか現時点では申し上げられないというところでございます。
199 ◯大園委員 九月の委員会でも相当話があった、議論があった内容ですので、県として交付決定を決める場合は、ぜひ、まず議会のほうにもそれなりの報告はしていただきたいというお願いです。
というのも、ある方から、霧島市が実際いって、もし何らかのトラブルがあって、それに対する補償を霧島が受けていないんじゃないかというような報告も来ているものだから、それが本当に、県がこういう決定をするわけですので、霧島市は実際最終的にもしなんかあった場合に、それなりの補償をしてくれるかというそこについて少しまだ疑問があるものですから、そこについてはちょっと確認ですけど、わかりますか。
200
◯塩田エネルギー政策課長 今回の補助金ということで、資金融通ということでございますけれども、事業体はまず霧島市のほうに交付申請を行うことになります。霧島市は県のほうに交付申請を行うということになりまして、その関係で申し上げますと、この補助金交付要綱等にのっとった手続処理をしていくということになりますと、仮に基金の事業目的に達しないといったようなことになった場合におきましては、補助事業者、いわゆる県と市の関係でいいますと、霧島市のほうは県のほうにまず協議すると、そうした上でその補助事業、目的を達することができなくなった場合には、その知事のほうの指示に従って、補助金を受けた相当額というものを県のほうに納付しなければならないということになりますので、県と市の関係でいいますと、県のほうは市のほうにそのような納付を指示しまして、市のほうは県のほうに納付をしなければならないということになるかと思います。
201 ◯大園委員 最後の確認ですけれども、要は、県と霧島市の中でしっかり、こういう状況に陥った場合には霧島市は県に対してのしっかりした責任を全うできるという確約がない限り、この事業についての交付というのは僕はやっぱりしてはいけないと思うんですよ。だから、そこをちょっとある方から、霧島市の完全なそういう確約はもらっていないんじゃないかと、だから、そこを含めて県としては、この事業というのは大変大事な事業ですから、我々が言っているのは、県民の方々の思いもありますので、霧島市が、本当にもし何かあったときに霧島市にこれはできるんですねと確約をできているんですかということを僕は今、聞いている。できていなければ、今、検討中とか、今後の詰めの段階ですという言い方ができるのかと思うんだけど。
202
◯塩田エネルギー政策課長 確約ということではございますけれども、この補助事業をするに当たりましては、それぞれの自治体といいますのは、県、市町村、それぞれ要綱等ございまして、それにのっとってやっていく、やるべきものだというふうに理解しておりますし、そこの点におきましては霧島市におきましても、このバイオマス導入促進事業の補助金交付要綱にのっとって手続はされるということにつきましては、当然理解されているというふうに認識しております。
203 ◯大園委員 それは課長が今、認識されていることであって、霧島市がそれだけのものを、しっかり責任を負うだけのものをやっぱり確約という形でなければ、この問題というのはやっぱり不安に思っている方がおられますよということですので、これはもうこれで話は終わりますけれども、交付の決定とか、その前にまた議会にはしっかり説明をしていただきたい。そして、このことについてもまだ時間はありますのでね、それがない限り、この問題については失敗は許されないことですので、だからそこを、我々もこの問題に触れたときにやっぱり議会として、それだけの大きなお金が動くわけですので、そこだけはぜひ慎重にしていただきたいなということで、もう要望にしておきます。
以上です。
204
◯小園委員長 ほかにありませんか。
[「なし」という者あり]
205
◯小園委員長 ほかにありませんので、県政一般を終了いたします。
以上で、企画部関係の審査を終わります。
あすは、午前十時から土木部及び工業用水道部関係の審査を行います。
本日は、これをもちまして散会いたします。
皆さん、御苦労さまでした。
午後二時三十七分散会
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