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2013-12-05 平成25年第4回定例会(第4日目) 名簿
2013-12-05 平成25年第4回定例会(第4日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 2013-12-05
    2013-12-05 平成25年第4回定例会(第4日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(池畑憲一君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    桑 鶴   勉 君    柳   誠 子 君    西 高   悟 君    下 鶴 隆 央 君  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(池畑憲一君)一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  桑鶴勉君に発言を許可いたします。
       [桑鶴 勉君登壇](拍手) 3 ◯桑鶴 勉君 平成二十五年第四回定例議会に当たり、自民党所属議員として一般質問を行います。  ことしの夏の暑さは特に厳しく、つい先日まで夏のような暑さが続いていたかと思う間もなく、夏から一気に冬に入ったような季節の変わり目を感じ、このところ真冬の寒気を感じるようになりました。  さて、昨年の今ごろ安倍内閣が誕生しました。政権がかわり、打ち出す政策によって、一年足らずの間に、経済状態も人々の心も、将来へ向かって確かな一歩を踏み出せそうな雰囲気が出てくるものだと強く感じています。県内の経済動向は、撤退企業は相次いではいますが、進出企業のニュースもあり、データで見る限り上向きつつある傾向を示しています。  このような中にあって、知事は、鹿児島・上海線航空路維持のために千人規模の職員研修の派遣を発表されたり、突然のスーパーアリーナの構想を発表されたり、知事独特の政治手法であると存じますが、県民にとっては唐突感を免れないものでありました。いわゆるショック療法とその効果と申せましょうが、今や県民の間に県政に対する関心の度合いはかつてないほど高まっています。  知事の狙いは何だったのでしょうか、お伺いいたします。  次に、市町村合併の今日的な課題とその対応については昨日も質問がありましたが、さらに聞いてまいります。  平成の大合併から約十年が経過し、それぞれの合併市町村において合併のメリットがあらわれている反面、十年近く経過してなかなか困難な課題もあるようにお聞きします。改めて、合併の効果を発揮させなければならないとともに、財政面だけでなく、残された課題とその対応を広域自治体である県の立場から検証する必要があるように思います。  市町村合併については、地方分権改革の中で、大きな行政主体で取り組んだほうがより効果的なものと、小さな行政主体で取り組んだほうが望ましいものがありながら、財政効率化という観点から合併特例法が改正され、合併補助金合併特例債、交付税の優遇措置などが整備され、しっかりとした検証をするいとまもなく、限られた期間内に決断を迫られていたのではなかろうかと思っております。  合併した自治体の多くには、十年間、旧市町村ごとに算定された交付税の算定との差額が上乗せされてきましたが、十年を過ぎますと段階的に減額され、十六年目以降は特例措置がなくなります。  県内の自治体の中で、合併以降、周辺部の過疎化の一層の進行、役場機能の集中化と分散化、支所・出張所の整理合理化及びその維持管理、住民の足の確保、学校統合、公共施設の統廃合、医療・介護の確保、他の市町村との広域的な連携など、新たな問題を抱えているところもあるように思います。  市町村合併によって大きくなることのメリットを最大限に生かさなければなりませんが、一方、集落コミュニティーの維持、地域文化の伝承、住民自治の活性化など、旧市町村や小学校区あるいは自治会などの単位で運営したほうがよいものなど、最大限に生かさなければならないと思います。しかし、今の状態では行政改革にも限界がありますし、住民への行政サービスが低下するとしたら、何のために合併したのかわからなくなります。  総務省は、合併で誕生した自治体を十年あるいは十五年経過した後も支援するため、二〇一四年度から、役所の支所数に応じて地方交付税を加算する方針を固めたとの報道に接しました。実際の設置状況にかかわらず、合併前の旧市町村ごとに支所を置いているとみなして、必要な交付税額を算出するというものであります。人口減少の中でも高齢化が進み、財政需要は膨らんでまいりますが、県内の自治体でも財政赤字にならないようにすることが肝要であります。  そこで伺います。  一点目は、市町村合併後、来年で十年を迎えるに当たり、合併の効果を全般的にどのように把握しておられるのかお聞かせください。  二点目は、県内の合併自治体は、周辺部の過疎化の一層の進行や集落コミュニティーの維持などのさまざまな課題を抱えているところもあるように考えますが、県としてはそれらの課題をどのように把握されているのかお聞かせください。  三点目は、県は、合併した市と町を分けてそれぞれ意見交換会を行ったと聞いておりますが、そこで出された意見、課題はどのようなものであったかお聞かせください。  四点目は、合併した市町村は懸命な行政改革努力をされていると思います。その結果、幾分か財政状況が好転しても、合併後十年を過ぎ、地方交付税の算定替えが終了し、基準財政需要額が当然下がってくるに伴い、交付税額が減額されるのは明らかであります。このような状況に対処するための方策をお示しください。  五点目は、合併自治体を含めた小規模自治体において、持続可能な行政サービス提供体制を確保していくためには、市町村間の広域連携や県による補完ということも必要であると考えますが、県としてどのように考えているのかお聞かせください。  次に、給油所の閉鎖・廃業対策についてお伺いします。  ガソリンスタンドの閉鎖・廃業が急増しています。長期的な需要の減少に加えて、消防法の改正で、設置してから四十年以上の地下タンクは改修が義務づけられ、二年間の猶予が切れたことし二月からは、改修していないタンクは使えなくなりました。その改修費に多大な費用がかかることと、元売各社の販売戦略が小売スタンドの利益率を極端に圧迫し、経営が成り立たなくなってきているものと思います。  都市部ではマンション建設や他業種への利用転換が続き、農山漁村部などの過疎化が進んでいる地域ではいわゆる給油所過疎地がふえ、車に燃料を給油するために十数キロメートルも離れたところまで出かけなければならないところも出てきております。  国は、改修費補助などの支援策を設けておりますが、これらの制度を利用して改修し、営業を続けても、利益が出なければ立ち行かなくなってまいります。給油所過疎地の住民にとっては大変困った事態であります。  資源エネルギー庁の調査によりますと、全国の給油所の数は一九九四年度末の六万四百二十一カ所をピークに減り続け、二〇一一年度末には三万七千七百四十三カ所と四割近くも減少しているとしています。本県でも、一九九五年の一千四百八十四カ所に対して、二〇一二年は九百九十カ所、三三・三%減少しており、今後もこの傾向は続くと見ています。  鹿児島県の一給油所当たりの人口は一千七百七人で、全国で最も少ないわけでありますが、特に小規模給油所においては、それだけに販売対象者が少ないわけであります。加えて、販売量が少ないために仕入れ値が高くなり、原価で販売しても、他の安売り給油所よりも高い価格になる傾向があります。このように厳しい経営を強いられているというのが実情であります。我が県においても、ガソリン難民が発生する可能性が近づいていると言っても過言ではありません。  ガソリン難民の問題は、単に給油所のみの問題にとどまらず、過疎地域をいかに支えるかという問題に行き着くのであります。資源エネルギー庁石油製品供給不安地域調査では、五八%の市町村が「地域政策として対処すべき過疎問題の一つ」として捉え、「産業・流通政策として対処すべきエネルギー供給問題の一つ」─三九%─としての捉え方を大きく上回っています。給油所過疎地の問題は、直面している少子高齢化、過疎化の問題とリンクしてくるのであります。  そこで伺います。  全国には、このような問題に対処するため、補助金を出したり、自治体が直接運営に乗り出したり、住民が運営にかかわったり、JA等が他の営業形態と一緒に運営したり、存続させるためのもろもろの方策で対処している例があるわけですが、鹿児島県下において三三・三%の給油所の閉鎖の実態を踏まえ、県においても、市町村ごとの実態把握に努めておられるのかどうかお伺いいたします。  二点目は、給油所を存続させるために、消防法適合への地下タンク改修工事や、販売の際の逆ざや解消策への対応に際し、自治体からの補助のための過疎債の適用は考えられないのかお伺いいたします。  三点目は、JAそおは、出前コンビニ形式で巡回車を回しておりますが、同様の対応で給油巡回車の運用は考えられないのかお伺いいたします。  次に、健康日本21に関して伺います。  昨年七月、新たな健康日本21─第二次─が策定されました。鹿児島県は、その後本年三月に健康かごしま21─平成二十五年度~平成三十四年度版─を策定しているところであります。国は、目標として、第一に健康寿命を延ばすこと、第二に健康格差を小さくすることの二点を盛り込んでおります。いずれも大切な国民的課題であります。  健康寿命、すなわち日常生活を健康で支障なく送ることができる期間については、平均寿命と比較すると、男性は九年、女性は約十二年も短いことが知られています。いつまでも元気に自立した生活を送るためにも、また、医療費を抑え、介護費用を抑え、医療・保険に係る財政負担の軽減につなげるためにも、この差を小さくすることが重要な課題であります。  日常生活に制限のない期間の平均を都道府県別に比較しますと、男性では、一番長い愛知県の七十一・七四歳、一番短い青森県は六十八・九五歳、その差は二・七九歳。女性では、一番長い静岡県の七十五・三二歳に対して、一番短い滋賀県は七十二・三七歳、その差は二・九五歳。ちなみに、鹿児島県は男性で七十一・一四歳、女性で七十四・五一歳であります。いわゆる健康格差と言われる現象であります。  高齢期になっても要介護にならないよう、個人としてはもちろん、自治体としても懸命の努力をしなければならないものと存じます。将来的には、平均寿命に健康寿命を近づけるために、平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加を目標に、自分が健康であると自覚している期間の延伸を図ることが重要であり、そのためには、身体的にも、社会的にも、さらには心の持ち方についても、自分が社会にとって必要とされているという自覚を持っていただくことが重要であります。  そこで伺います。  一点目は、国保、介護保険の費用負担については、住所地特例はあるものの、市町村会計と連動していることから、平均寿命と健康寿命の関係は市町村ごとにしっかり押さえなければならないと思います。市町村ごとの統計は出されているものか。出されているとしたら、その特徴的なものをお聞かせください。  二点目は、鹿児島県民の介護を必要としなければならなくなる疾病の特徴的なものはどのようなものかお伺いいたします。  三点目は、高齢者お一人お一人が健康寿命を延ばすために取り組むべき対策が幾つかあると思いますが、どのようなものが考えられるかお伺いいたします。  四点目は、特定保健指導では、四十歳から七十四歳までメタボ対策として、個人の食生活に応じて肉類などの摂取を控えるよう指導されている場合があります。一方、介護予防の観点からは、肉類の摂取を積極的に指導されることもあり、栄養指導についてどのように整理されているものかお聞かせください。  五点目は、本県計画の特徴的なものはどのようなものなのかお聞かせください。  以上で、第一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 4 ◯知事(伊藤祐一郎君)上海派遣事業及びスーパーアリーナ構想の狙いについてのお尋ねがございました。  今後の本県の発展を図りますためには、アジアや環黄海経済圏のエネルギーを取り込むための国際航空路線の維持は最優先の課題でありますことから、鹿児島・上海線維持の危機的な状況となった時間との闘いの中で、緊急の措置として、上海派遣短期特別研修事業の実施を提案したところであります。  また、鹿児島市の中央地域北部において、新たなにぎわい空間の形成を図ることは従来からの課題であり、その最適地としてドルフィンポート敷地等への複合施設の整備の提案などを行ったところであります。  上海派遣短期特別研修事業につきましては、この事業の実施に加え、九月以降に具体化された民間の利用促進に向けた取り組みや、団体旅行等への助成拡充による需要の喚起により、当面、安定的な運航が確保できる見込みとなっているところであります。  また、スーパーアリーナ構想につきましては、鹿児島市の将来の都市構造を再構築するための都市景観と調和した新たなにぎわい施設として、十分に理解していただけると考えておりましたが、構想の具体案の提示を待つまでもなく総合体育館施設として取り上げられ、各方面からさまざまな意見が寄せられたところであり、そこで、一旦引いて再検討することとし、施設の必要性や規模、機能など、そのあり方や整備スケジュール等について十分検討を行うこととし、幅広い意見の聴取方法も含め、着実かつ丁寧に検討を行ってまいりたいと考えております。  御指摘のように、今回の二件のケースを契機として、多くの県民の方々に改めて県政に関心を持っていただいたことにつきましては、県民が主役の県民本位の行政を行う上でもありがたいことと考えております。 5 ◯総務部長(稲原 浩君)市町村合併の効果と課題についてでございます。  本年一月に本県の合併市町を対象に実施しました調査によりますと、市町村合併による効果といたしましては、行財政の効率化、広域的なまちづくりの推進、専門職員・部署の配置・充実といった点が挙げられたところでございます。一方、合併後の行財政運営上の課題といたしましては、周辺地域の振興、住民の声の反映、公共施設等の統廃合の難航などが挙げられたところでございます。なお、行政区域の広域化に伴います諸課題への対応策といたしましては、自治会等への支援、コミュニティバスの運行、地域のイベントへの支援などに取り組んでいるとの回答がございました。  合併自治体との意見交換会についてでございます。  本年十月に、普通交付税合併算定替えの終了後の行財政運営について協議いたしますため、県が主催し、合併市町の支所のあり方等に係る意見交換会を開催したところでございます。この中で、多くの合併市町からは、支所のあり方の見直しなどによる行財政の効率化の必要性を認識しつつも、周辺地域の振興等が課題とされていることから、引き続き、支所が一定の任務を担任する必要があるのではないかといった意見が出されたところでございます。  地方交付税合併算定替えについてでございます。  県といたしましては、合併に伴い広域化した市町の財政需要を的確に反映した地方交付税の算定が行われる必要があると考えておりまして、県開発促進協議会を通じて、市町村の財政需要を的確に把握し、地方交付税の算定に反映することについて、国に要望しているところでございます。  他方、地方交付税合併算定替えにつきましては、合併特例法の規定により順次減額されていくこととされておりますことから、そのことを前提として、合併市町が行財政の効率化を図ることができるよう、市町村行政に関する国の支援策等の動向にも留意しながら、合併市町との意見交換会を引き続き開催することなどを通じ、必要な助言を行ってまいりたいと考えております。  小規模自治体行政サービス提供体制の確保についてでございます。  今後の市町村における行政体制のあり方に関しましては、県と県内市町村で共同設置しました今後の市町村行政あり方研究会の報告が平成二十三年度末に取りまとめられておりまして、その中で、新たな行政課題への取り組みなどに関し、住民が市町村に期待する役割は大きくなっており、自己決定・自己責任の原則のもとで任務を遂行し、住民の負託に応えることが求められている状況を踏まえ、まずは、各市町村の行財政基盤の強化や、人材育成等による団体自治の強化と住民自治の充実が重要であると報告されており、県といたしましても同様な認識でございます。  その上で、本年六月の第三十次地方制度調査会答申では、人口減少・少子高齢社会における今後の基礎自治体の行政体制については、自主的な合併や市町村間の広域連携、県による補完など多様な手法の中で、各市町村が最も適したものをみずから選択できるようにしていくことが必要であるとされております。  県としては、国の支援措置等の検討状況も踏まえつつ、それぞれの地域が抱える問題を解決するためにはどのような解決策があるのかということについて、市町村とともに取り組んでまいりたいと考えております。  給油所存続のための過疎債の活用についてでございます。  過疎対策事業債は、過疎地域の自立促進を図ることなどを目的とする、いわゆるソフト事業に係る経費にも充当することができるところでございます。市町村が、過疎地域における住民の利便を図り、住民が将来にわたり安全に安心して暮らすことができる地域社会の実現を図ることを目的として、地域の給油所の運営に対する経費に対し補助を行う際、その財源として過疎対策事業債を充当することは可能であるとされておりますが、過疎対策事業債のソフト部分の活用範囲は多岐にわたる一方で、その起債額には上限が設けられていることから、市町村においてその充当先を検討する際には、事業の必要性や効率性等について十分考慮する必要があるものと考えております。 6 ◯企画部長(古川仲二君)給油所閉鎖の実態を踏まえた県内市町村取り組み事例でございます。  過疎地域の給油所問題については、御質問にございましたように全国的な給油所数の減少を受けて、他県においては、地方自治体や地域住民が、地域の給油所を守るために主体的に経営等を行っている事例があると聞いておりますが、本県におきましては、各市町村を調査いたしましたところ、そのような取り組み事例はなかったところでございます。  県といたしましては、過疎地域の給油所問題について、各地域振興局・支庁で設置いたしております過疎地域等集落対策推進地域会議等の場を通じて、実態把握や情報交換を行いますとともに、市町村から具体的な相談があれば、関係部局と連携を図りながら適切に対応してまいりたいと考えております。 7 ◯危機管理局長(屋島明人君)給油巡回車の運用についてでありますが、ガソリンにつきましては、移動タンク車からガソリンを自動車へ注入することや容器に詰めかえることは、消防法上、認められていないところであります。 8 ◯保健福祉部長(松田典久君)市町村ごとの平均寿命、健康寿命についてでございます。  厚生労働省が五年ごとに公表している市町村別の平均寿命については、県内で平均寿命が最も長い市町村は、男性は鹿児島市、女性は薩摩川内市であり、最も短い市町村との差は、男性で三年、女性で二年となっております。  また、健康寿命については、厚生労働省において都道府県別の推計値が公表されておりますが、市町村別の推計値は公表されていないところです。  健康寿命の算定方法につきましては、厚生労働省から示されてはおりますが、人口一万二千人未満の集団を対象とする場合は精度が十分とは言えないとの厚生労働省の見解がありますことから、県におきましては、保健医療圏域ごとの健康寿命について独自に算定し、本年三月に策定した健康かごしま21に記載しているところでございます。  高齢者の健康寿命の延伸についてでございます。  本県の高齢者が要介護状態になった主な要因は、脳卒中、認知症、ロコモティブシンドロームに関連する疾患などとなっており、男性では脳卒中、女性ではロコモティブシンドロームに関連する疾患が第一要因となっております。  このため、青壮年期からバランスのよい食事や適度な運動、禁煙などに努めるとともに、特に高齢期においては、口腔機能の維持と栄養状態の改善、日常生活での身体活動量の増加、地域社会活動への参加など、健康的な生活習慣の実践に努めることが必要であり、県としましても、市町村や医療機関、ボランティア団体などと連携を図りながら、取り組みを進めてまいりたいと考えております。  栄養指導についてでございます。  近年、青壮年期においては、脂質のとり過ぎや野菜不足など、また高齢期におきましては、食事量の減少等による低栄養状態などの傾向が見られますが、健康を維持増進していくためには、特定の食品に偏ることなく、穀類、肉、魚、野菜などをバランスよくとる食生活が必要であります。このため、市町村等においては、特定保健指導介護予防教室健康教室等において、個人の身体状況や食生活の状況に応じて、バランスのよい食生活が実践されるよう栄養指導を行っているところであります。  本県計画の特徴についてでございます。  県におきましては、健康寿命の延伸と生活の質の向上を目標として、本年三月に新たな健康かごしま21を策定し、特に、高齢社会を背景として増加し、かつ要介護認定の主な要因となっております、脳卒中、がん、ロコモティブシンドローム、認知症の発症と重症化の予防などを本県独自の重要目標に掲げているところであります。  このため、県としましては、市町村と連携して、食生活改善推進員保健推進員の地域活動を促進し、食生活の改善、特定健診やがん検診の受診率向上などを推進するとともに、医師会、栄養士会、産業界等と連携を図りながら、健康づくりのための取り組みを促進し、心豊かに生涯を送れる健康長寿県の創造を目指すこととしております。    [桑鶴 勉君登壇] 9 ◯桑鶴 勉君 知事の答弁をいただきました。  上海研修成果の基調報告、目を通させていただきました。すばらしい研修の成果がつづられておりました。ぜひとも今後の県政に生かしていただきたいものと思っております。  スーパーアリーナの整備については、離島からの利便性、中央からの交通網、宿泊施設、そして何よりも鹿児島の顔としてふさわしい立地としては、知事の示された案こそ最良なんだと確信いたしております。積極的な取り組みを要望いたします。  市町村合併については、さまざまな課題が浮き彫りになっております。私たちはその課題に真正面から向き合い、市町村の努力でできること、県の補完が必要なもの、国に対して要望しなければならないこと、さらに、「新しい公共」と言われておりますが、住民みずから自分たちのまちは自分たちで守っていくんだという気概を育み、行動できるステージを用意する必要があると思います。  車社会と言われている今日、ガソリンスタンドの閉鎖・廃業は、過疎地域にとって地域での毎日の生活にかかわる切実な問題であります。国の助成に加えて、市町村としてもその存続のために有効な助成措置ができる制度の検討が必要と思います。  県は、一人一人の健康づくりを県民全体で支援するための健康づくり計画として、健康かごしま21を策定されているところであります。寿命が延びることは私たちの願いであります。あわせて、いつまでも元気に生活できることも私たちの願いであります。心豊かに生涯を送れる健康長寿県の創造に向けて、個人も社会も一体となって計画の推進に邁進されることを望むものであります。  新しい質問に入ります。  県内建設業にかかわる業界では人手不足が顕在化しているという実態にあります。その原因は、財政的な要因で年々事業費の削減が行われ、特に民主党政権下の「コンクリートから人へ」の大方針のもと、その削減幅は顕著になり、建設業者は生き残りをかけて受注のために低入札に走り、その結果、予定価格も下がり続けていくというデフレスパイラルの中で、従業員の給与削減が行われ、さらには従業員の削減が行われてきました。その結果、技術資格者を初め、一般労務者さえも不足しているというのが今日の実情であります。  自民党が政権に復帰し、震災復興予算、昨年度末の補正予算、今年度予算と公共事業予算の増額があり、それに合わせて工事発注が行われているところでありますが、受注できるだけの体力がそぎ落とされているのが今日の実情であります。  ことしは、二年に一回の建設業者の格付作業が行われ、Aクラスの建設業者が大幅に減少いたしました。このことによる影響については、来年度分析結果が出されると思いますが、最近の傾向として、国交省、県、市町村に至るまで、一般競争入札の参加者が少なかったり、指名辞退者が出たり、あるいは入札価格が全て予定価格を上回るなどの現象が出ております。  そこで伺います。  一点目は、県発注工事で入札不調となった工事はどのような内容で、それぞれ何件発生しているか。  二点目は、入札不調の原因についてどのように分析しているのか。また、県としてどのような対策を講じているのかお聞かせください。  三点目は、公共調達に係る発注制度については、この制度がよいと固定化できるものではありません。地域の実情によって、社会情勢の変化によって、その時点で最もよいと考えられる制度に変化していくのが当然のことと認識しています。現在施行されている指名競争、一般競争、総合評価による一般競争入札、プロポーザル方式などを含め、公共調達のあり方を本格的に検討すべきと思いますが、お考えをお聞かせください。  四点目は、建設業及び建設関連業では若手技術者の確保が喫緊の課題になっております。十二月一日の新聞報道によりますと、今年度の国立病院の建築工事のうち八四%、二十一病院で入札不調に陥っているのだそうであります。その原因は、建設業界の人手不足と人件費の上昇が続き、利益を確保できないためにあるとしています。  この十数年の間、仕事量が減少してきたことにより、技術者の新規採用を控えてきた結果、特に工業高校の土木・建築科の生徒数が極端に少なくなっています。その結果、各企業が募集を行っても絶対数が足りないのであり、技術者が確保できないため、指名辞退や入札不調があらわれてくるようになったものと思います。若手技術者の確保のために、また育てるためにも、配置技術者の実績偏重主義を改める必要があると思っております。  そこで、若手技術者の確保や育成のため、発注者として、短期的にはどのような方策があるか、また長期的にはどのような課題を解決していくのかお伺いいたします。  次に、ダンピング受注対策について伺います。  ここ数年、建設業界は、それぞれ会社の生き残りをかけて体質改善を行っていると思われます。しかし、総体的に工事発注件数が少なくなりますと、従業員を遊ばせておくわけにはまいりません。また、資金繰りの点でも、採算を割る可能性があっても受注しなければならないという実情にあります。そのことによって、材料費、労務費、下請価格等が下がっていき、そのことが予定価格の積算の下落を招き、ますます採算性が悪くなっていくという状況が出てまいります。  私どもは、防災対策や災害対策などの点を含め、全県的にバランスのとれた建設業者の必要性を言い続けてまいりました。  そこで伺います。
     一点目は、厳しい受注競争の中、最低制限価格に近い価格での落札が多いと聞きますが、過去三年間の落札率の推移をお示しください。  二点目は、県が最低制限価格を七月に見直したと聞いていますが、どの程度引き上げたのかお聞かせください。  三点目は、WTO対象工事については最低制限価格が設定できないため、これまで著しい低価格での落札が続いており、県内企業の経営への影響が懸念されております。本年度も国道二百六十九号の伊座敷トンネルがWTO対象工事で発注されますが、ダンピング対策をどのように考えているのかお聞かせください。  次に、測量設計業務、地質調査、建築設計業務など、調査・設計に係る委託業務の発注制度について伺います。  国土交通省は、建設業者の正常な利益率の確保、ダンピング受注対策、社会保険料対策等々もろもろのことを加味しながら、労務単価の引き上げ、現場管理費の見直しを行い、予定価格の引き上げを図ったところであります。しかし、設計業務、調査業務に係る技術者単価は大幅な見直しはされていないところであります。これらの業務にかかわる業界でも必要な経費はかかるわけでありますが、この十年以上にわたる公共事業の削減に伴い、測量設計業務や建築設計業務、地質調査業務の技術者単価は下がってきているのが実情であります。現在ではピーク時の七、八割となっております。  幸い、昨年度末の大型補正と本年度の予算づけで受注についてはしっかり確保しているようでありますが、補正予算というのはあくまでも補正であって、これからもコンスタントにつけられるものではありません。ですから、新しく雇用もできず、当座は時間外労働でしのいでいるのが実情だそうであります。  そこで、委託業務であっても、技術者単価の引き上げと一般管理費の引き上げはどうしても必要なことと思えます。さらに、積算の際の歩掛かりを実態に即したものに引き上げるべきと思うのであります。  そこで伺います。  一点目は、委託業務の発注の際、技術者単価及び一般管理費は、国交省が示した基準に基づいて設定されていると思いますが、その基準は、デフレスパイラルの中で実情調査に基づき決められており、示されている技術者単価では利益を確保できなくなってきているのが実情であります。受注した会社が、利益率を確保した上で健全経営できるような技術者単価の設定がぜひとも必要と思われます。国などへの働きかけを含め、お考えをお聞かせください。  二点目は、業務委託は現在、最低制限価格を設定されておりませんが、ダンピング対策として最低制限価格を設定すべきと考えます。そこで、九州及び全国の最低制限価格の設定状況、県の考え方をお聞かせください。  三点目は、河川護岸などの公共土木施設において、集中豪雨などの異常気象により災害が発生した場合、国の災害査定を受け、災害復旧事業が実施されています。県は、災害の測量委託を発注する際、県独自の歩掛かりを使用していると聞いていますが、その理由は何か伺います。  都市計画道路催馬楽坂線は、一期工事区間約一千二百六十メートルが完成し、二期工事区間坂元入口交差点から催馬楽バス停付近までの約九百四十メートルのうち、催馬楽バス停付近百八十メートル部分を本年度中の完成を目指して工事中であります。  この部分の道路改良については、既に住民説明会も行われているところでありますが、このあたり一帯が字図混乱地域になっておりまして、筆界未定の土地が多く存在し、一旦境界を確定しなければ用地買収にも入れない地域であります。  一方、県は財政再建の途中にあり、事業費の五割を超える用地費、補償費のかかる箇所については、高規格道路、地域高規格道路の整備を先行させるため、しばらく待てとの知事の方針が出て以来、動きのとれない状況にあります。  そこで伺います。  一点目は、鹿児島市長及び当該地域の町内会長さん方連名の県道鹿児島蒲生線─都市計画道路催馬楽坂線─の整備促進を求める陳情書が出されているとお聞きしますが、どう受けとめておられるのか。  二点目は、事業費の五割を超える用地費、補償費のかかる箇所については、財政事情が好転するまでしばらく待てとのことでありますが、鹿児島地域振興局、特に鹿児島市内の市街化区域にあっては、土地の価格は他の地域に比べて格段に高いのであります。一律に事業費の五割と申されますと、鹿児島市内の工事予定箇所では用地買収には入れず、工事のための用地のストックもない状態になってきております。五割の基準の見直しは検討できないものかお伺いいたします。  三点目は、工事実施予定地域の中に、渋滞箇所、狭隘箇所、歩行者危険箇所などの要件は加味できないのかお伺いします。  四点目は、坂元住宅入口交差点の朝夕の渋滞は、川添中央バス停付近までつながることがあります。この交差点の改良工事の要望は以前にもいたしておりますが、このたびは、付近の町内会長さん方からの連名とさらに鹿児島市長より、知事宛てに出されていると伺いました。同じ都市計画道路で、館之馬場通線の鹿児島養護学校入口交差点及び帯迫交差点の改良はなされているわけであります。同様な手法でできないものかお伺いいたします。 10 ◯土木部長(栗原淳一君)入札不調の現状及び対策等についてです。  本県発注の建設工事の入札において、入札参加者が全員辞退するなど入札が成立しなかった入札不調の件数は、本年度は十月末時点で三十四件となっており、そのうち、辞退等で入札参加者がいなかったものが十九件、指名競争入札で入札参加者が一社のみであったものが十五件となっております。入札不調は、主に小規模な工事で発生しているほか、公共工事の発注量がふえている大隅地域においては、技術者などの不足のため不調が多いと聞いております。  県としては、技術者確保対策として本年二月に主任技術者の配置要件の緩和を行ったところであり、これまでに、この新たな取り扱いを適用し、十件の工事で兼務を認めるなどの対応をしているところであります。今後とも、入札執行状況を注視してまいりたいと考えております。  次に、公共調達のあり方の検討についてです。  公共調達のあり方については、現在、国において、将来にわたる公共工事の品質確保とその担い手の確保を実現するため、いわゆる品確法を中心に、関連する入契法と建設業法を含めた制度改正が検討されており、その中で、多様な入札契約方式の導入・活用等が検討事項として示されているところであります。  これら制度改正について、国では年明けにも最終報告を取りまとめる予定と聞いており、その検討結果等を踏まえながら、本県の実情を踏まえた入札契約制度の見直しを検討してまいりたいと考えております。  次に、若手技術者の確保や育成についてです。  平成二十二年国勢調査によると、本県建設業従事者のうち二十九歳以下の若年者の比率は約一一%と低く、建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保や育成を図ることが重要な課題となっております。このため、若手技術者が工事経験を積む機会をふやす必要性から、一般競争入札に係る配置予定技術者について、現場代理人を経験した技術者を監理技術者等として配置できるよう、要件を緩和しているところであります。  また、将来に向けての人材確保策としては、建設産業の魅力をPRしていくことが重要であり、県と建設業界が連携してイメージアップイベント等を開催したり、県内の工業高校生を対象に現場見学会等を実施しているところであります。  今後とも、関係者一体となって、人材の確保や育成に努めてまいりたいと考えております。  次に、落札率の推移と最低制限価格の引き上げ効果についてです。  過去三年間の平均落札率の推移は、予定価格が二百五十万円を超える工事で平成二十二年度が九二・五%、二十三年度が九一・二%、二十四年度が九二・三%と、おおむね横ばいとなっております。  最低制限価格については、国の定める中央公契連モデルの見直しを受け、本年七月に算定式の見直しを行ったところです。その結果、予定価格に対する最低制限価格の割合は、見直し前の本年四月から六月と、見直し後の七月から十月までの比較で、平均一・五ポイント上昇したところであります。  WTO対象工事のダンピング対策についてです。  WTO対象工事における低入札対策としては、これまで、鹿児島県低入札価格調査実施要領に基づき、低入札価格調査を行い、契約の適否を判断してきたところであります。しかしながら、WTO対象工事において著しい低価格による落札が続いていることから、工事の適正な品質確保、建設業者の経営の健全化及び下請業者等へのしわ寄せ防止をより一層図るため、本年十月からは、極端な低価格入札を抑制する観点から、設定する特別重点調査対象価格を下回った場合には、対象となる業者の積算内訳を厳格に調査することとしたところであります。  次に、業務委託の技術者単価についてです。  公共事業の設計等に係る業務委託等の積算に用いる技術者単価については、国土交通省が、実態調査に基づき全国一律の単価を設定しており、鹿児島県においても、これらを用い、本年度は前年度に対し全職種平均で約〇・四%の増となっております。この技術者単価は、給与や賞与などの実績等をもとに設定されており、実勢と乖離がある場合には次年度への単価に反映されるものと考えております。  業務委託の最低制限価格の設定についてです。  測量・設計などの業務委託については、最低制限価格を九州では三県、全国では三十一道府県で設定しておりますが、本県では設定しておりません。  公共工事の入札制度については、これまで、入札の透明性・競争性の向上等の観点から、予定価格や指名業者名の公表時期及び最低制限価格などについて、順次見直しを行ってきたところです。測量・設計等の業務委託についても、公共工事と同様に、入札の透明性・競争性の向上や低価格での入札を防止する観点から、現在、最低制限価格の導入を含め、入札制度の見直しについて検討しているところであります。  災害の測量歩掛かりについてです。  災害に関する測量では迅速性が求められることから、小規模な箇所の平面図については、道路現況台帳や河川現況台帳等の既存資料を活用した簡易な図面の作成を委託しております。この場合、通常の測量で用いる歩掛かりとは別に、簡易な図面の作成に対応した県独自の歩掛かりを使用しているところであります。  催馬楽坂線についての地元からの要望についてです。  先月、鹿児島市長及び沿線町内会の会長さん方から提出された要望書については、都市計画道路催馬楽坂線の整備促進にかける地元の熱意と受けとめております。  事業費に占める用地補償費割合についてです。  今後の社会資本整備に当たっては、国・地方ともに厳しい財政状況が続いており、一層の事業箇所の峻別と重点化が重要になると考えております。このため、道路関係事業のうち、事業費に占める用地補償費の割合が高いもの等のうち、片側歩道での整備や道路幅員の見直し等の検討がなされたものについては事業化しており、限られた予算の中で事業効果の早期発現や効率的な事業実施を図るため、やむを得ない取り扱いであると考えております。  渋滞箇所等の要件の加味についてです。  道路関係の事業化に当たっては、事業の必要性や緊急性となる渋滞状況や現地の交通状況なども考慮して検討を行っておりますが、先ほども答弁したとおり、用地補償費率の高い箇所等については、計画の見直しもあわせて検討した上で事業化の判断を行っているところであります。  坂元住宅入口交差点の改良についてです。  先ほども述べましたが、県においては、用地補償費率の高いもの等について、地元の理解を得ながら、片側歩道での整備や道路幅員を見直すなど、さまざまな検討・工夫をし、用地補償費率の見直しやコストの縮減が図られた箇所については事業を再開したところであります。  御提案の坂元住宅入口交差点改良だけに限定した事業化については、去る十一月には地元から同様の要望をいただいているところであり、これまで詳細な検討は行っておりませんが、事業化の可能性等も含め、今後の研究課題としたいと考えております。    [桑鶴 勉君登壇] 11 ◯桑鶴 勉君 入札制度については、これが全ての者にとって最良の制度ということはないと思いますが、何よりも重要なことは、公平性を確保しながら、それぞれの業界の健全な発展を図れるものでなければならないということであります。  人手不足への一時的な措置としては、技術者の配置要件緩和や長目の工期の設定が必要ではないかと思います。しかし、根本的な解決策は、仕事量をコンスタントに確保することだと思っています。来年度からの予算編成については、事業者にとって長期的な事業計画が立てられるような対応を願っています。  また、落札価格については、最低制限価格に近いところに張りついて、抽選で落札者を決めるのではなく、予定価格により近いものが好ましい姿だと思います。業務委託の発注に際しての発注制度の見直しを検討され、最低制限価格の導入を含め、検討されるやに伺いましたが、基準価格の設定に当たっては、一般土木工事での最低制限価格の設定は、国土交通省の示している基準に県独自の配慮を加えておられると思いますが、業務委託事業に対しても同様の配慮を検討していただくよう要望いたしておきます。  災害対応時の歩掛かりについては、業務としては同一作業であり、通常歩掛かりの検討をされるよう要望いたします。  都市計画道路催馬楽坂線二期工事区間は、随分早い時期に都市計画決定され、既に住民説明会まで開かれているところであります。国道十号途絶の場合、県道鹿児島吉田線とともに、姶良方面へ抜ける代替道路としての重要な路線であります。早急な事業化を要望いたしておきます。  坂元入口交差点の改良工事は、周辺に住む住民にとって喫緊の課題だと思います。ぜひとも早急な、ぜひとも前向きな対応を要望いたしておきます。  以上で、質問を終わります。(拍手) 12 ◯議長(池畑憲一君)次は、柳誠子君に発言を許可いたします。    [柳 誠子君登壇](拍手) 13 ◯柳 誠子君 おはようございます。  通告に従い、順次質問を行ってまいります。  伊藤知事、私はテロリストでしょうか。きょうにも参議院で特定秘密保護法案が強行採決される勢いであります。自民党の石破幹事長は、法案への抗議活動を捉え、「単なる絶叫戦術は、テロ行為とその本質において余り変わらない」と自身のブログに書き、ジャーナリストを初め、多くの国民から痛烈な批判を浴びています。私もたびたび集会、デモに参加しています。オスプレイ配備反対や特定秘密保護法案の廃案を声高に叫びました。それを破壊行為と同列にみなす発想はとても受け入れられません。  自民党の石破幹事長のこの法案に対する共同通信社の世論調査によりますと、国民の知る権利について、六二・九%が「制限される」と懸念を示しています。秘密の範囲が不明確で、実質的には行政機関、官僚の裁量で決められ、国民の知る権利に応えようとする公務員や私ども議員の調査活動にも厳罰の壁があり、共謀罪も盛り込まれ、話し合いだけで処罰されるおそれがあります。  国会への情報提供や六十年後の検証などは例外規定が含まれ、川内原発の安全性に関する情報も、テロ対策を口実にすれば特定秘密にできます。なし崩し的に秘密が拡大し、憲法の理念である基本的人権が損なわれることになります。  伊藤知事は、国民の知る権利など担保されると思われますか。民主主義の根幹にかかわる特定秘密保護法案についてどのような認識を持たれるか。私どもは、県内の地方議員に呼びかけて、廃案を求める声明を安倍総理と衆参の議長に送りました。知事もこのような行動を起こすべきと思いますが、見解をお伺いします。  今や、地方自治体で働く職員のうち三人に一人は非正規公務員であると言われています。総務省による二〇一二年四月一日現在の臨時・非常勤職員についての調査結果によりますと、四年前の調査より約十万人増加しており、その総数は六十万三千五百八十二人となっています。また、二〇一二年、全国の四七・二%に当たる八百四十五自治体の状況を集約した全日本自治団体労働組合の調査によると、警察や消防、教員などを除く臨時・非常勤職員の非正規率は、三三・一%であるとしています。  職種別の構成比率では、学童保育指導員の九二・八%、消費生活相談員の八六・三%、図書館職員の六七・八%、学校給食調理員の六四・一%、保育士の五二・九%、学校用務員の五二%が非正規公務員です。どの職種を見ても、自治体が直接提供する公共サービスの主要な担い手として職場に欠かせない存在となっていることは言うまでもありません。  そこでお尋ねします。  本県の職場のうち、警察官と教職員を除く知事部局におけるいわゆる臨時・非常勤職員の配置状況についてお示しください。また、これらの非正規率はどのようになるのかお伺いします。  フルタイムで年間五十二週働いたとしても年収二百万円に届かない、いわゆる官製ワーキングプアと呼ばれる非正規職員の処遇については、昇給のない自治体が七割超、期末手当なしは六割前後、通勤費なしが二割超となっています。  今年四月に、正規と非正規の待遇の不合理な格差を禁ずる改正労働契約法が施行されましたが、公務員は対象外であります。本来、正規職員を充てるべき恒常的業務に臨時・非常勤職員をつけていることを踏まえ、正規職員との均衡・均等待遇の考えのもと、処遇改善を図るべきであります。  非正規職員の賃金や通勤費、あるいは一時金等は何を根拠に算定されているのか、お伺いします。また、均等待遇についての見解も求めます。  平成二十二年第四回定例会において、非常勤職員の通勤費の支給を求める桐原議員の質問に対し、当時の総務部長は、「地方自治法上、報酬及び費用弁償しか支給できないが、総務省通知等によると、通勤費相当分を費用弁償として、条例に基づき支給することは可能である旨の見解が示されている」と答弁しておられます。  であれば、本県においても条例を制定し、非正規職員に通勤費を支給すべきであると思いますがいかがでしょうか、見解を求めます。  消費者庁は、事業の大部分を非正規の消費生活相談員に依存し、その雇いどめに関心を持たざるを得ないとして、二〇一三年二月、一律に任用更新回数の上限を設け、同一の相談員を雇いどめする自治体に対しては、地方消費者行政整備に関する国の財政措置を打ち切ると、全国の都道府県知事と市区町村長に通知しています。  この消費者庁の通知を県はどう受けとめたのかお尋ねします。  雇いどめにより国の財政措置が打ち切られた場合、本県における消費生活相談機能整備や強化事業、相談員養成事業、市町村への支援事業等々、今後どのように推進していかれるのかお伺いします。  二〇一二年四月から、県消費生活センターの非常勤の相談専門員の方が、十年の雇用期間が経過した後、新たに消費生活相談支援員として発令され、雇用されました。  このように、必要な業務については、雇いどめを経過した後でも経験豊富な方を継続雇用できるのであれば、同様の取り扱いを他の非常勤業務においても行うべきであると思いますが、見解を求めます。  総務省は、臨時・非常勤業務の中には恒常的業務があること、経験・技能の蓄積が必要な業務があることについて、消費者庁通知や国会答弁で明らかにし、結果として画一的な雇いどめは適当でないことを追認しています。  業務に習熟した臨時・非常勤職員を三年や五年あるいは十年で雇いどめにすることは、業務の継続性、労働のモチベーションと質の確保、周囲職員への物理的負担、採用事務コストなど、さまざまな観点から全く非合理的だと思いますが、いかがでしょうか。  雇いどめ制度をなくし、さらには、臨時・非常勤職員を経験者採用枠の拡充により正規職員への転換を図っていくことが、質の高い、より安定的な公共サービスの提供へつながっていくと考えますが、見解をお示しください。  社会のグローバル化が進み、国際競争が激化する中にあって、鹿児島を世界につなぐ人的交流の促進はますますその重要性を増してきています。「グラフかごしま」の十一月号に、香港、シンガポール、韓国全羅北道に組織されている「アジアかごしまクラブ」の活動の様子が掲載されており、大変興味深く拝見いたしました。  それによりますと、この三地域は、長年にわたる交流を通じて、その中で培ってきた貴重な人的ネットワークを組織化し、アジア地域との多様な交流を一層促進するため取り組まれてきたもので「本県での留学や居住経験のある方、海外技術研修員のOB、交流会議関係者など、鹿児島に縁のある方々が会員となっており、鹿児島との情報交換やPR、会員相互の交流などを主な活動としている」とのことで、創立十五年目を迎えたクラブの会員数は現在六百七十九人で、設立当時の約二・五倍にふえているとのことです。  また、これら三地域が属するアジア地域は、将来的には世界屈指の経済規模になることが予想され、本県の産業・経済の振興のためにアジア地域との戦略的な連携・協力が求められていると、今後の課題を提起してあります。  そこでお尋ねします。  アジア諸国を中心とした交流の促進は、鹿児島の産業や観光振興と人的交流を通じた各国との友好関係の確立にとって重要な課題であります。鹿児島県内の各大学にも、中国や台湾、韓国、マレーシア、ベトナムといった多くの留学生も来ておられます。地理的な優位性を生かして、さまざまな分野で交流を拡大していける可能性が高いと思いますが、アジアかごしまクラブの活動の意義と、今後、他の地域におけるクラブ設立の取り組みについての考えをお聞かせください。  六月議会における上海線の利用促進をめぐる議論は、中国における経済発展を鹿児島に波及させる生命線としての重要性を認識させられました。先般私も、県議会上海線利用促進協議会の一員として上海訪問の機会を得、鹿児島県出身の方々が企業を立ち上げ、活躍されている様子などを伺いました。  また、今回、薩摩大使に任命いただいた上海征西広告会社の袁社長のように、みずからも友人らと屋久島を訪れたり、鹿児島へのツアーをたびたび企画されるなど、鹿児島ファンの方々も多くいらっしゃいます。  先日、熊本県が上海との定期航空路線の来春就航に関する協議を最終調整しているとの報道がありました。今後ますます、中国との経済や観光交流促進のための地域間競争が激しさを増してまいります。  中国におけるアジアかごしまクラブの設立を早急に取り組んでいただきたいと思いますが、中国でのクラブ設立への現状と見通しについてお伺いします。  上海線の利用促進のために、短期研修として派遣された県職員、教職員、県民の方々三百名の研修事業も終了し、研修レポートもまとめられています。この研修で得られた経験を個人的な知識や一過性のものに終わらせることなく、今後の県政の施策や国際交流に生かしていくことが重要です。特に、中国は人と人とのつながりを大切にする国であるだけに、研修で交流したさまざまな分野の人々との交流を継続することは、今後の人的ネットワークを築く上で重要であると思います。  上海研修に行かれた方々のこれまでの研修成果と今後の取り組みについての見解をお伺いします。  ブラジル鹿児島県人会が創立百周年を迎え、先般、布袋副知事や池畑議長など多くの方々が記念式典に参加され、盛大な催しが行われ、友好を深めたとお聞きいたしました。  ブラジル県人会では、他の南米県人会と同様に、世代が進み、若い世代の間で母県である鹿児島との関係が希薄になっていくことを危惧しているとのことであり、鹿児島県で一年間学ぶことが可能な県費留学生を一名から二名にふやしてほしいとの希望が寄せられ、平成二十六年度から一名増員するとのことであります。そのこと自体は歓迎すべきでありますが、九州各県のブラジル県人会の会員数・世帯を見た場合、沖縄県の二千八百名が最も多く、鹿児島県が千七百四十世帯、福岡県が六百世帯、その他の県は五百三十名から三百名と少ない現状です。  ブラジルからの県費留学生は、福岡県が六百世帯に対して四名と最も多く、鹿児島県は千七百四十世帯で、今回一名ふやしても二名であり、最も歴史がある県人会にしては余りにも少な過ぎます。せめて福岡県よりも多い五名にすべきではないですか。その経費は千四百四十二万円。ブラジルに移住され、長年にわたって苦労の中で活躍されてきた本県出身の皆様の鹿児島への望郷の念に応えるに、多い経費ではないと思います。  伊藤知事の、ブラジルを初め南米に移住され頑張ってこられた方々への思いと、今後の県人会との関係、県費留学生の増員についての考えをお聞かせください。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 14 ◯知事(伊藤祐一郎君)特定秘密保護法案についてのお尋ねがございました。
     特定秘密保護法案は、国及び国民の安全の確保を図りますために、政府が保有する重要な情報を保護する制度の整備を目的といたしまして、今国会に提出され、衆議院を通過し、現在、参議院で審議されているところであります。  防衛、外交等に関する情報で、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある重要情報につきまして、必要最小限の範囲内で保護することは必要なことと考えております。  その際には、国民の知る権利や報道の自由などの観点から、特定秘密の指定などその運用が恣意的なものとなることがないよう、厳格に運用することが重要であると考えており、安倍総理も、昨日の国会審議の場で、行政機関の長による特定秘密の指定及びその解除に関する基準等が真に安全保障に資するものであるかどうかを検証、監査する保全監視委員会を法施行までに設置する旨、言明されたところであります。  いずれにいたしましても、特定秘密の指定のあり方や国の安全保障にかかわる重要情報の保護のあり方と、国民の知る権利や報道の自由等につきまして、国政の場で日常的に十分議論されることによって、この法律の適正な執行が図られることを期待いたしております。  海外交流の促進と人的ネットワークの構築についてのお尋ねがございました。  今般、ブラジル鹿児島県人会創立百周年記念式典及びパラグアイ県人会創立五十周年記念祭に、県から県議会議長を初めとする県議会の方々や副知事などが両地を訪問し、関係者の長年の御苦労をねぎらいますとともに、友好親善を図ったところであります。  ブラジルを初め南米には約一万六千人の方が移住され、故郷を遠く離れた地で生活環境や言語、文化の違いという壁に立ち向かい、たゆみない努力と強い郷土愛のもとに助け合って幾多の困難を乗り越えてこられました。  今日、鹿児島県人会の皆様は、各国においてさまざまな分野で活躍され、高い評価を受けておられますことに深く敬意を表しますとともに、同じ鹿児島県人として大変誇りに思っているところであります。 15 ◯総務部長(稲原 浩君)知事部局におきます非常勤職員及び臨時職員の配置等についてでございます。  本県の非常勤職員は、土地の登記に係る職員の補助的な業務や、嘱託医、法律顧問等高度な学識経験を要するものなど多岐にわたる業務を対象として、一年以内の期間を定めて任用しているところであり、平成二十五年度は約九百三十人となっております。  また、臨時職員は、文書の整理や発送等の補助的な業務のため、対象となる業務の繁閑に応じ、予算の範囲以内で六カ月以内の期間を定めて雇用しているところであり、平成二十五年四月時点では知事部局で約八百五十人となっております。  非常勤職員及び臨時職員の勤務日数は、月二十日から年に数日のものまで多様であり、勤務形態の異なる正規職員との量的比較を行うことは適当ではないと考えますが、単純に非常勤職員及び臨時職員が知事部局の全職員に占める割合を申し上げれば、平成二十五年四月一日現在で約二六%となっております。  賃金等の算定根拠及び通勤費の支給等についてでございます。  非常勤職員の報酬額につきましては、業務内容や業務に伴う責任の程度、必要となる資格、勤務時間や勤務日数、他の県の状況などを、臨時職員の賃金単価につきましては、業務内容及び他県の状況などをそれぞれ総合的に勘案して設定しております。  また、非常勤職員には地方自治法上、報酬及び費用弁償を支給するとされており、通勤手当などの手当は支給できませんが、総務省の通知におきましては、通勤費用相当分を費用弁償として、条例に基づき支給することは可能である旨の見解が示されております。  本県においては、厳しい財政状況であることなどを踏まえ、現在、通勤費用相当分は支給しておりませんが、他の都道府県の状況や本県の財政状況等を見きわめながら、非常勤職員に対する支給について検討してまいりたいと考えております。  非常勤職員の継続任用についてでございます。  非常勤職員の任用につきましては、基本的には単年度を前提としておりますが、引き続き配置する場合には、広く人材を求めて適任者を任用する必要がありますこと、業務内容や職種によっては確保が困難な場合があることなどを総合的に判断し、原則として更新回数の上限を九回としているところでございます。  ただし、適任者の確保に支障を生じるなど特別の事情がある場合には、更新回数の特例を承認しているところであり、今後とも現行の取り扱いで対応してまいりたいと考えております。  正規職員への転換についてでございます。  非常勤職員及び臨時職員につきましては、基本的には臨時的・補助的業務について任用または雇用を行っており、そもそも正規職員とは任用根拠や勤務時間、業務内容等が異なるものでございます。したがいまして、非常勤職員や臨時職員が正規職員としての採用を希望する場合に、その経験のみをもって正規職員として採用することは、地方公務員法上、困難でございます。  非常勤職員及び臨時職員の任用等につきましては、その職務の内容や勤務形態などを踏まえ、今後とも、業務の円滑な推進が図られるよう対処してまいりたいと考えております。  上海派遣短期特別研修事業の成果等についてでございます。  上海派遣短期特別研修事業につきましては、知事部局において、全五コースで合計百名の職員を派遣したところであり、研修を通じて得られた知見等をもとに具体的な取り組みに着手いたしましたほか、今後に向け、施策の検討を行っているところでございます。  これらのうち、両国間の交流の促進に関する取り組みといたしましては、訪日観光の情報誌を上海で出版する会社の代表を薩摩大使に委嘱し、中国におきます本県の観光や特産品の紹介宣伝及びイメージアップを図ることとしたところでございます。また、中国からの修学旅行の誘致を促進いたしますため、上海の学校関係者の本県への招請に向けた調整を行っているところでございます。  本研修で得られた成果につきましては、引き続き各種施策の企画立案、実施に役立ててまいりたいと考えております。 16 ◯県民生活局長(岡田和憲君)消費者庁通知の受けとめについてでございます。  ことし二月二十七日付で国から、地方消費者行政に対する国の財政措置の活用期間に関する一般準則が示されたところです。  この準則では、原則として、個別事業ごとに消費者行政活性化基金を活用できる期間を定めますとともに、期間の特例等として、一番目に、基金の活用期間の経過後においても、地方公共団体の独自の取り組みとして、基金を活用して整備した体制を維持することなどを対外的に毎年度表明することにより、全ての事業について基金の活用期間を二年間延長する特例や、二番目に、基金を活用して育成した消費生活相談員がその能力を発揮する前に雇いどめにならないように、雇いどめを行っている地方公共団体には消費生活相談に関する事業の一部について、基金の活用期間を原則七年間から二年間短縮する措置が設けられたところです。  県としましては、この二年短縮措置に該当する事業についても原則どおり七年間の活用が可能となるよう、特例などについて検討してまいりたいと考えております。  また、同日付で国から、県、市町村に対して、消費生活相談員に対するいわゆる雇いどめの見直しに関する依頼がなされたところです。  県としましては、消費生活相談員は専門的知識・技術を必要とする職種であると考えておりますが、就業希望者が登録されている県消費生活相談員人材バンクには、県の採用要件を満たす者も登録されており、適任者の確保が困難な職種でないことから、他の非常勤職員と同様の取り扱いとしているところです。  今後とも、基金により育成した消費生活相談員の専門的な知識・技術につきましては、組織的に継承・蓄積し、全体的な相談対応力の維持向上を図ることとしております。  消費生活相談の各種事業の推進についてでございます。  県では、これまで、消費者行政活性化基金を活用して、消費生活相談員のレベルアップのための研修や報酬の増額、県消費生活センターの移転整備などにより、相談体制の充実を図ってきたところです。  今回示された一般準則によりますと、期間の短縮措置の対象事業は、相談員のレベルアップのための研修や報酬増額分などですが、基金の活用期間は原則七年間であることから、相談員の報酬増額分については平成二十八年度まで、相談員の研修につきましては平成三十一年度まで基金を活用できるよう検討することとしております。  県としましては、引き続き、県開発促進協議会等を通じて、地方消費者行政活性化交付金の延長や、基金の積み増し等による国の財政措置の継続について提案を行いますとともに、今後とも、市町村とも連携を図りながら、相談体制の維持や消費生活相談員等の質の向上等に努めてまいります。 17 ◯観光交流局長(武盛武士君)アジアかごしまクラブについてです。  県人会のメンバーに現地の方々も加わったアジアかごしまクラブは、交流会議を積み重ねてきました香港、シンガポール、韓国全羅北道において、築き上げた人的ネットワークをもとに設立したものであり、本県との交流や本県観光情報の発信などの役割を担っております。  県としては、経済発展の著しいアジア地域との交流をさらに活発することが重要であると考えており、これらの地域におけるアジアかごしまクラブについては、交流を積み重ねる中で検討してまいりたいと考えております。  中国において、県は、江蘇省と交流協議会を軸として交流を続けておりまして、同省には、国際交流員経験者など本県にゆかりのある人材が多いことから、彼らが中心となって現在、同省において、中国かごしまクラブの設立が検討されております。現在、日中関係は厳しい状況にありますが、県としては必要な支援を行ってまいりたいと考えております。  ブラジル県人会との関係及び県費留学生の増員についてでございます。  県では、五年の節目ごとに周年記念式典等に訪問団を派遣し、県人会の皆様との交流を深めているほか、県人会の活動に毎年度補助を行って、本県からの移住者の情報収集や子弟の育成などに取り組んでいただいており、県人会とは引き続きこのような交流を行ってまいりたいと考えております。  また、これまで七十八名の県費留学生と三十六名の海外技術研修員を受け入れ、みずからのルーツである鹿児島になれ親しんでいただいているところであり、これらの人材は帰国後、母県鹿児島及び日本とブラジルとの橋渡し役となって、各界で活躍しております。  このようなことから、さらなる未来に向けた交流促進の方策について県人会とも調整しましたところ、県費留学生の受け入れを現行の一名から二名に増員してほしいとの要望がありましたことから、その方向で検討したいと考えております。 18 ◯教育長(六反省一君)教職員の上海派遣短期特別研修の成果等についてでございます。  教育委員会では、百名の教職員を上海の学校、社会教育施設等に派遣したところでございます。派遣した教職員は、児童生徒の意欲・関心を高める指導、一人一人の個別的な対応などの学力向上の取り組み、指導方法を校内で共有する教職員の資質向上の取り組みなど、上海の多岐にわたる教育の取り組みに触れたところでございます。  現在、校内や地区の研修会を初め、指導主事会議等を通じて、上海の教育の取り組みを他の教職員に還元いたしますとともに、児童生徒に対しても、総合的な学習の時間等を活用し、上海の学校の様子を紹介しながら、日本と世界とのつながりを伝えるなどの取り組みを進めているところでございます。  今後も、さまざまな機会を通じて、研修成果が本県における教育活動の充実や海外との交流促進につながるよう努めてまいります。 19 ◯企画部長(古川仲二君)上海線利用促進特別対策事業に参加された県民の方々の今後の研修成果の生かし方についてでございます。  同事業につきましては、上海線の利用促進を図りますとともに、中長期的な両地域の交流を促進するため、教育、農業、経済の各分野ごとに計九十八名の県民の方々を派遣し、各分野に関する知見を深めるとともに、当該分野にかかわる方々との交流を促進するために実施したところでございまして、派遣後に提出された報告書には、日中双方の教育制度のすぐれた点について再認識したといった意見、みずからの農業経営の規模拡大や農産物輸出に向けた積極的な意見、観光客誘致や相互交流に向けた取り組みの必要性についての意見等が多く寄せられたところでございます。  今後、参加された方々が、将来の上海線の利用促進のため、それぞれの地域、職場等において派遣の成果を広めていただき、将来の上海線の利用促進につながっていくことを期待いたしておりまして、県といたしましても、現在策定中である上海線の需要拡大に向けた総合的な方針に基づき、同路線の需要喚起や両地域間の交流拡大に取り組んでまいりたいと考えております。    [柳 誠子君登壇] 20 ◯柳 誠子君 御答弁をいただきました。  石破氏の発言であらわになったのは、特定秘密保護法案の危険な本質であります。デモは国民の正当な活動であり、代表制民主主義を補う手段でもあります。作家の落合恵子さんは、「特定秘密保護法案こそが、国民の知る権利、話し合う権利、考える権利に対するテロである」と怒りをあらわにしております。全く同感です。  知事は、県民の命と暮らしを守る立場にあります。これが脅かされるおそれのあるこのような法案に対しては、ノーと声高に叫んでいただきたいと思います。  労働者の雇用条件の改善でありますが、今や非常勤職員なしには地方自治体の業務は立ち行かない状況になっています。これは、もはや非正規ではなく、標準となっているのであります。非常勤職員の職業上の倫理観でようやく持ちこたえていると言っても過言ではないでしょう。雇いどめ制度の見直しをぜひ検討していただきますよう強く要望いたします。  通勤費につきましては、検討すると答弁いただきましたので、早急な検討を求めておきます。  海外交流の促進でありますが、答弁にもございましたが、日中間の関係が厳しくなる中で、中国におけるクラブ設立は、これからの本県の産業、経済振興、そして人的交流という最も重要な役割を果たしていくことになるでしょう。  県費留学生の増員につきましては、ぜひ検討していただき、最も歴史ある鹿児島のブラジル県人会の方々、ブラジルと本県のかけ橋となる人材育成につなげていただくよう要望いたします。  次の質問に入ります。  本年三月二十五日、視覚と聴覚両方に障害がある盲聾者に関する福祉の向上を目指し、NPO法人「鹿児島県盲ろう者友の会いぶき」が設立されました。理事長の林美喜子さん御自身も盲聾者であり、現在、マッサージ師として働いておられます。  先月二十七日、友の会のメンバー十二名が県障害福祉課に要望書を提出されました。盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業が、予算不足によって制度を利用できなくなったことに対する緊急の申し入れでした。現在、県は、この派遣事業を県身体障害者福祉協会に委託しており、視聴覚障害者情報センターのコーディネーターが盲聾者への通訳・介助員の派遣業務を行っています。  鹿児島県盲ろう者通訳・介助員派遣事業実施要領によって、当事者が通訳・介助員の派遣を依頼した場合、一時間につき一枚のチケットを使うことになっています。一年間に利用できるチケットは二百枚、すなわち二百時間ということになります。ただし、十二月末時点の全体の利用実績に勘案して、二百時間を超える派遣を行った場合であっても、他の盲聾者の利用を妨げるおそれがなく、また委託料の範囲内で確実に対応が可能な場合に限り、二百時間を超える派遣を認めるとしています。  昨年度の派遣事業の総事業費は百九十八万八千円で、事務費を除いた派遣費は百八十六万二千円となっており、今年度も同額の予算編成となっているところです。しかし、利用登録盲聾者数の推移を見ると、昨年度の十一名から十七名に増加しています。県によりますと、今年度の予算編成時点では十一名だったため同額の予算になったとのことでありました。  登録者がふえていく段階で情報センターのコーディネーターとはどのようなやりとりがあったのか、いつの段階で予算不足を認識されたのか、それぞれお答えください。  当事者にとって、通訳・介助員の派遣は生きていくための大切な手段です。予算不足で事業がストップするなど絶対にあってはならないことです。今回の緊急申し入れにより、二百時間を超えた当事者には個別で対応し、予算をつける旨回答いただきました。しかし、当事者の方々は、県と情報センターとの連携に大変不安を抱いておられます。現在どのような形で連携を図っておられるのか、見直すべき点はないのかについてもお答えください。  派遣事業においては、一人二百時間のチケットを利用できることになっていますが、登録者全員が二百時間利用したとすると、百九十八万八千円の予算では到底対応できません。今後も、友の会の活動等により登録者の増加が想定されます。日々の生活はもとより、友の会の設立により、県内外の研修会や会議などに参加する機会もふえています。派遣が年間二百時間に制限されることは、盲聾者の自立や社会参画を促進するという本事業の趣旨にも反するのではないでしょうか。  今、県は、「障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例」─仮称─を作成中であります。また、「日本一のくらし先進県」を目指す伊藤知事におかれては、盲聾者の社会参画についてどのような見解をお持ちでしょうか。  派遣利用の二百時間という制限をなくし、盲聾者が健常者と同じように生きていける環境をつくることが、社会参画の促進につながっていくものと思いますが、知事の見解をお示しください。  派遣事業の実施要領には、通訳・介助員の同行時における交通費の当事者負担については、食事代と同様、明記されていません。盲聾者の大半は障害者基礎年金のみで生活していることを勘案すれば、同行する通訳・介助員の交通費を盲聾者が支払うことは大変な負担になります。同行者の交通費については、当事者負担をなくすよう要領の改正を望むものでありますが、見解をお示しください。  本県では、現在二十三名の通訳・介助員が情報センターに登録されています。しかし、実際活動している人は十数名だと伺っています。この人数で登録者十七名の盲聾者への通訳・介助員の派遣が可能なのかお尋ねします。  本県では、登録している通訳・介助員の数が少なく、当事者がいつでも必要なときに通訳・介助を利用することが困難な場合があります。登録している通訳・介助員以外で、盲聾者個人の信頼が厚く、安心して通訳・介助を任せられる人を指名登録することが可能になれば、必要なときにその盲聾者専属の通訳・介助員として派遣事業を利用することができると思いますが、いかがでしょうか。考えをお示しください。  通訳・介助員の人材育成と資質向上へ向けた取り組みが求められています。県におかれては、昨年度も「盲ろう者向け通訳・介助員養成研修事業」を行っておりますが、何人の方が受講されたのかお尋ねします。  また、資質向上を図る上でも、現任者研修は重要であると思いますが、昨年度は実施されておりません。なぜ実施されていないのか、その理由と、今後の人材育成についてどのように取り組んでいかれるのかお尋ねします。  これまで肢体不自由の児童生徒を受け入れていた桜丘養護学校では、平成二十二年度から知的障害の児童生徒も受け入れる、いわゆる知肢併置化が始まりました。さらに、二十五年度からは鹿児島養護学校と武岡台養護学校でも知肢併置化が図られています。  県教委の方針によると、一部の特別支援学校の過大規模化、過密化といった課題解決のためには、学校規模の適正化を図りつつ、児童生徒がより身近な特別支援学校へ通学が可能となるよう、知的障害と肢体不自由を対象にした特別支援学校を、鹿児島市内の地域バランスを考慮し、配置することが望ましいとしています。  昨年五月一日現在の武岡台養護学校の児童生徒数は、小学部百八人、中学部八十六人、高等部百六十一人、計三百五十五人となっています。一方、鹿児島養護学校が全体で百四名ですので、単純に比較しても武岡台養護学校の過密化がわかります。  県教委は、地域バランスを図るとし、鹿児島養護学校の北部、武岡台養護学校の中部、桜丘養護学校の南部と通学区域を定めました。  そこでお尋ねします。  三校の知肢併置化によって地域間バランスはどのようになったのか、武岡台養護学校の過密化がどれぐらい解消されたのかお伺いします。  これまで武岡台養護学校は知的障害のある児童生徒を対象としていたため、肢体不自由児を持つ保護者からは、施設面の整備や学校の支援体制についても不安の声をお聞きしているところです。このため、昨年度桜丘養護学校中学部を卒業した肢体不自由のある児童生徒は、皆、鹿児島養護学校へ進学したと伺っています。今後、武岡台養護学校の知肢併置化を進めるに当たっての施設整備や支援体制についての取り組みと課題についてお伺いします。  現在、南部地区には高等部を備えた特別支援学校がないため、桜丘養護学校中学部を卒業した児童生徒は、通学区域である武岡台養護学校の高等部へ進学することになります。これではいつまでたっても武岡台養護学校の適正化を図ることは困難と考えます。  以前より桜丘養護学校の保護者からは、高等部を備えた南部地区の拠点校の新設整備を求める強い要望が上がっています。現在の桜丘養護学校は敷地面積も狭く、高等部を設置するには移転が必要になってくると思われます。谷山地区にある旧農業試験場跡地には県が所有する空き地があります。鹿児島盲学校や開陽高校、また地域の学校も隣接するなど、学校間の交流も大いに期待できるすばらしい環境にあると思いますがいかがでしょうか、県の考えをお伺いいたします。  二回目の質問といたします。 21 ◯保健福祉部長(松田典久君)盲ろう者通訳・介助員派遣事業の委託先との連携状況等についてでございます。  盲ろう者通訳・介助員派遣事業は、視覚及び聴覚に重複障害のある盲聾者のコミュニケーション及び移動を支援するため、平成二十一年度から県身体障害者福祉協会に委託して実施しております。  県としましては、予算編成時点での利用登録者数と一人当たりの利用実績から、今年度の必要な予算は確保しておりましたが、八月に、盲ろう者友の会設立記念式典の準備や登録者の増加等に伴い、前年度より利用実績がふえているとの報告を委託先から受けました。その後も毎月、利用実績の報告を受け、利用状況を見守っておりましたが、記念式典後も引き続き利用が多く、十月上旬に予算不足の認識を持つに至ったところであります。  委託先との連携につきましては、今後とも、定期的に実績報告とあわせて利用者からの御意見などを取りまとめた報告を受けるなど、委託先との連携を図り、円滑な事業の実施に努めてまいりたいと考えております。  盲聾者の社会参画と利用時間の制限等についてでございます。  県としましては、県障害者計画に掲げる「障害のある人が安心して暮らせる地域社会づくり」を実現するためには、盲聾者を含む全ての障害者が、社会を構成する一員として社会活動に参加することは大事であると考えております。このため、盲聾者に対しては、一般の障害福祉サービスの提供に加えて、社会参加をさらに促進するため、通訳・介助員派遣事業を実施しております。  この派遣事業の利用時間につきましては、これまで年間二百時間までとしておりましたが、予算の範囲内で二百時間を超えた利用も可能となるなど、柔軟な運用を行ってきたところであり、他県の状況も踏まえながら検討してまいりたいと考えております。  なお、通訳・介助員の同行時の交通費を事業費で負担することにつきましては、他の障害福祉サービス事業との均衡や他県における実施状況などから、現時点では事業費で対応することは困難と考えております。  通訳・介助員の充実等についてでございます。  現在、登録されている通訳・介助員は二十三人であり、平成二十四年度に実際に活動した通訳・介助員は十八人となっております。これまで、登録されている通訳・介助員の不足によって盲聾者の利用に支障が生じたことはないと聞いておりますが、今後とも、盲聾者の要請に応じて円滑な派遣が可能となるよう、養成研修の修了者に対し登録を働きかけるなど、通訳・介助員の充実に努めてまいりたいと考えております。  なお、通訳・介助員につきましては、盲聾者を安全に介助することが極めて重要であり、国のカリキュラムに基づく研修を受講した方を登録することとなっておりますことから、通訳・介助員として活動する場合は、当該研修を受講した上で登録していただきたいと考えております。  通訳・介助員の研修と人材育成についてでございます。  通訳・介助員の研修には養成研修と現任研修があり、昨年度は通訳・介助員の養成に重点を置きましたことから、鹿児島市と知名町の二カ所において養成研修を実施し、その受講者は十六人でありました。  県としましては、養成研修の受講者をふやすため、研修の日程を参加しやすいように工夫したり、重度の視覚障害者の移動を支援するサービスを実施している事業者などに対して、新たに受講を案内するとともに、来年二月に現任研修を開催することとしておりまして、引き続き、人材の養成と資質の向上に努めてまいりたいと考えております。 22 ◯教育長(六反省一君)特別支援学校の知肢併置化後の状況についてでございます。
     鹿児島市内特別支援学校三校の知肢併置化に伴い、新たに通学区域を設定いたしましたところ、平成二十四年度に武岡台養護学校に在籍しておりました児童生徒のうち、鹿児島市北部地域に在住する七十一人が、本年度新築移転した鹿児島養護学校に転校したところでございます。これにより、平成二十四年度から平成二十五年度の三校の通学生数は、鹿児島養護学校が九十五人から百九十一人、武岡台養護学校が三百五十四人から二百六十三人、桜丘養護学校が七十六人から八十人となっており、武岡台養護学校の過大規模については解消が図られたものと考えております。  武岡台養護学校の知肢併置化への取り組みと課題等についてでございます。  武岡台養護学校につきましては、平成二十五年度からの肢体不自由児の受け入れに当たり、児童生徒が安全に学習や生活等ができるよう、スロープや手すり、食堂スペースの確保、車椅子対応手洗い、多目的トイレ等の整備を行ってきたところです。なお、今年度も、来年度以降の肢体不自由児の増加に対応する多目的トイレの増設や教室の改修等を進めております。  また、同校では、鹿児島養護学校と連携して、新たな教育的ニーズにも応えられるよう、肢体不自由の単一障害の児童生徒に対応する教育課程の編成や、体の動きに関する専門的支援方法、重度重複障害児の特性等に係る研修に取り組んできたところです。  県教委といたしましては、今後とも、同校教職員の専門性の向上を支援いたしますとともに、必要な施設整備等を行い、肢体不自由のある児童生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、学習環境の整備に努めてまいりたいと考えております。  高等部を備えた南部地区拠点校の新設についてでございます。  鹿児島市南部地区を通学区域とする桜丘養護学校につきましては、平成二十二年度から知的障害のある通学生の受け入れを開始しており、本年五月現在で八十人の通学生と十六人の訪問教育生の計九十六人の児童生徒が在籍しております。  同校は、知肢併置化により、在籍児童生徒数が増加傾向にございますが、今後につきましては、本年度から実施しております鹿児島市内特別支援学校の通学区域の設定による児童生徒数の変化や、鹿児島市南部地区在住の特別支援学校対象者数の推移等を見きわめた対応が必要であると考えており、桜丘養護学校を農業試験場跡地へ移転・新設する考えはないところでございます。    [柳 誠子君登壇] 23 ◯柳 誠子君 本日は記念すべき日となりました。盲聾者の方が本会議場で議会を傍聴したのは、県議会創立以来恐らく初めてのことではないかと思います。  きょうの傍聴に当たっては、県が直接通訳・介助員を議会に派遣する制度がなく、保健福祉部や情報センター、議会事務局はぎりぎりまで対応に追われてしまいました。県民誰でも自由に議会傍聴できることになっております。県の責任においてその環境を整備すべきであると思います。  また、当事者が利用しやすい制度となるよう、派遣実施要領の見直しを早急に行っていただきますよう強く要望いたします。  桜丘養護学校南部新設移転につきましては、あの土地は非常に環境的にも申し分のない、学校を設立するには大変すばらしい環境にあります。今後も新設整備、ぜひ検討をしていただきますよう要望いたします。  これで私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 24 ◯議長(池畑憲一君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午後零時 二分休憩       ───────────        午後一時十五分再開 25 ◯議長(池畑憲一君)再開いたします。  西高悟君に発言を許可いたします。    [西高 悟君登壇](拍手) 26 ◯西高 悟君 毎日一般質問、皆様方お聞きになり方大変でしょうが、特に昼からはちょっと眠気も来ているんじゃないかなと思いまして、今回は前振りは少なくいたします。  議長の許可を得まして、本日また一般質問をさせていただきますが、今回が四回目となります。私は前々からお話ししているとおり、私の県議会議員としてのライフワークというものは、まずは農業振興、このことを一番にやっていくべきだということをいつも言っておりまして、私たちの地域においては、当然、食品加工関係の企業誘致、若い人たちの働く場所をつくりながらの地域活性化、このことを常にお話しさせていただいております。  昨年、伊藤知事におかれましては、知事選挙においてマニフェストの中で、農業産出額の二〇%アップ、そして食料自給率一〇〇%、また畜産においては、粗飼料では自給率一〇〇%を目指すとなっております。私は、知事が本当にこういった形で農業振興に力を入れていただきまして、今回も大隅加工技術拠点施設、いよいよ来年建設となりますけれども、私たち鹿児島県そして大隅半島が、日本のみならずこのアジアの食料の拠点基地となるんだということを伊藤知事もおっしゃられておりまして、しっかりとそのことに私たちも向きながら、自分たちの鹿児島県の農業振興をしっかり進めていきたいと思っております。毎回そのことを全体の質問の中心としながら進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。  質問に入らさせていただきます。  公立学校における危機管理についてでありますが、県教委では、ことし七月に、学校におけるさまざまな危機を想定し、危機管理のあり方等について基本的な指針を示した「学校における危機管理の手引」を作成し、各公立学校に通知しております。しかし、ことし十月に、さつま町の小学校で、四年生の男子児童が校舎二階の窓から転落するという重大な事故が発生しました。窓には転落防止用の柵があったものの、近くの棚に乗り、バランスを崩して転落したとのことであります。  県教委は、この事故を受けて、全公立学校に対し、窓周辺を中心とする転落事故防止のための緊急点検と、教職員の危機管理意識向上や児童生徒への安全指導の徹底について通知しております。  学校においては、このような事故のほか、集中豪雨、火山噴火、津波などの自然災害等に対する危機管理体制の確立が求められております。  学校は、未来を担う子供たちが集い、生き生きと学び、生活する場であり、子供たちの安全を確保するための環境を整え、子供たちの安全を守るための取り組みを行うことが必要であります。しかし、万が一、事件・事故、災害が発生した場合には、被害を最小限に抑えるために、適切かつ迅速な対応が不可欠であります。そのためには、各学校において、手引に基づき、それぞれの実情に応じた危機管理マニュアルを作成し、危機発生を想定した訓練や研修を実施する体制づくりが重要であります。  そこでお尋ねいたします。  「学校における危機管理の手引」の概要についてお示しください。  次に、公立学校における危機管理の推進体制についてお示しください。  木材産業の競争力強化についてであります。先般、地元紙の報道で、私の地元でありますが、本県の曽於地区森林組合など、南九州三森林組合でつくる木材輸出戦略協議会の韓国、中国向けの木材輸出が好調であり、輸出量が右肩上がりのまま三年目を迎えているとの記事が掲載されました。  スギ・ヒノキの人工林資源が利用期を迎えつつあるものの、人口減による住宅着工の伸びが期待できない中、海外に目を向け、輸出は短期間にまとまった量を出荷する必要があることから、鹿児島、宮崎の県境をまたいで連携しているところであります。  県産材の需要拡大については、さきの定例県議会でも、志布志港を活用した輸出等を含め質問したところであり、引き続き、県産材の輸出について積極的に取り組む必要があると考えます。また、今後、人工林資源が充実し、主伐が増加することが予想されるため、大径材や優良材等の利用促進が重要な課題となってきます。このため、住宅や公共施設等へ建築用材として利用促進を図る必要がありますが、そのためには、需要者ニーズに対応した製材品を安定的に供給できる体制を整備し、競争力を強化することが不可欠であると考えます。  そこでお尋ねいたします。  県産材の東アジアへの輸出の現状と取り組みについてお示しください。  次に、木材産業の競争力強化に係る課題と取り組みについてお示しください。  地場産業の振興についてであります。  本格焼酎や国の伝統的工芸品に指定されている本場大島紬や川辺仏壇、薩摩焼などは本県の重要な地場産業であります。本格焼酎の平成二十四酒造年度の出荷量は、前年度比〇・一%増の十三万七千キロリットルと二年連続で増加しており、輸出は、原発事故を受けて一時停滞しましたが、EUや中国向けの輸出が順次再開され、それ以降は順調に回復してきております。  このような中、議会は、焼酎の製造や焼酎関連産業の振興、焼酎の普及や焼酎文化への理解の促進を図るため、関係団体との意見交換等を経て、現在、焼酎産業振興条例─仮称─の本議会での制定に向けて、取り組みを進めているところであります。今後は、本県の本格焼酎が持つ魅力を全国に発信し、国内でのさらなる需要増加を図るとともに、中国や東南アジアなど外国にも目を向け、販路を広げる必要があります。  サツマイモを主原料とした芋焼酎は、多くが鹿児島でつくられており、中でも「薩摩焼酎」と名乗れるのは、鹿児島県産のサツマイモと水を使用して、県内で製造から容器詰めまでされた本格焼酎のみであります。薩摩焼酎は、ワインのボルドーやブランデーのコニャックと同様、地域ブランドとして世界に認められており、今後、世界中で愛される薩摩焼酎の発展を期待します。国内では奄美群島でのみ製造が認められている黒糖を原料にした黒糖焼酎も、まだまだ市場開拓の余地があり、大都市圏を中心とした販路開拓により、需要拡大につながっていくと考えます。  一方、本場大島紬や川辺仏壇、薩摩焼など工芸品の生産者のほとんどは中小企業で、経営基盤が弱く、生産・流通面に対する取り組みも不十分であり、また、安価な海外産競合品の影響や地域間競争の激化等により、生産額や従事者の減少など厳しい状況にあります。このようなことから、消費者ニーズに的確に対応した新製品の開発や大消費地等での販路開拓等が課題となっております。  そこでお尋ねします。  本県の本格焼酎の国内外への出荷量状況についてお示しください。  次に、国内外への販路拡大や薩摩焼酎の世界ブランド化に向けた取り組みについてお示しください。  次に、本場大島紬や川辺仏壇、薩摩焼の振興のための新商品開発や国内外における販路拡大についてお示しください。  一回目の質問を終わります。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 27 ◯知事(伊藤祐一郎君)薩摩焼酎の世界ブランド化に向けた取り組みについての御質問がございました。  県では、これまで、県の酒造組合等と連携いたしまして、国内大消費地における、物産観光展での展示・販売やトップセールスによるPRなどを実施いたしましたほか、流通業者や女性層をターゲットとした商品開発、情報発信を行い、本県の食文化とともに本格焼酎の魅力を伝えることなどにより、販路の開拓に取り組んできたところであります。  また、薩摩焼酎の世界ブランド化に向けた取り組みといたしましては、ことし九月に、海外向けメディア関係者等を対象とした本格焼酎モニターツアーを通じて、国内外に情報発信いたしましたほか、十一月には、「香港インターナショナルワイン&スピリッツフェア」におきまして、現地バイヤーとの商談の機会を設けますとともに、料理に合う飲み方の提案や焼酎セミナーの開催などを通じて、本県本格焼酎の魅力をPRしたところであります。  来年二月には、タイでの商談会等も計画しておりまして、今後とも、県酒造組合等と連携し、薩摩焼酎、奄美黒糖焼酎が、五大蒸留酒でありますウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ジン、ラムの一角を占めて世界のブランドになりますように、今後とも取り組んでまいりたいと考えております。 28 ◯教育長(六反省一君)「学校における危機管理の手引」の概要についてでございます。  近年、子供たちを取り巻く事件・事故といたしまして、通学路における交通災害、地震や豪雨などの自然災害、転落や水難などの事故、誘拐や暴力事件などが発生しており、防犯を含む生活安全、交通安全、防災などの災害安全の三つの安全について、組織的、継続的な対策が求められていると認識いたしております。  このような状況を踏まえ、県教委では、さまざまな危機事象を想定し、学校の危機管理の基本的な指針として、「学校における危機管理の手引」をことし七月に作成したところでございます。この手引は、危機管理の必要性や日ごろの防災、事故防止に向けた取り組み、危機管理時における学校の対応を初め、事象別の危機管理の要点並びに原子力防災を含む危機管理のあり方などを示したものでございます。  各学校に対しましては、この手引を活用して、既に作成しております、危機発生時の危機管理マニュアルや児童生徒への安全指導計画の見直しを行うよう指導したところでございます。  公立学校における危機管理の推進体制についてでございます。  公立学校における危機管理の推進体制は、平常時、危機発生時、収束後の三段階で構成されております。平常時におきましては、事件・事故の未然防止のために、安全対策推進委員会等を設置して、教職員の研修や訓練を実施いたしますとともに、通学路の安全点検や安全マップの作成を初め、災害に備えた避難訓練を実施するなどしており、全ての公立学校において平常時の危機管理の体制は確立されております。  また、危機発生時の体制といたしましては、校長を本部長とした災害対策本部を設置し、全教職員が対応した避難や、児童生徒の安全確保を図りますとともに、収束後は、児童生徒の心のケアを継続し、再発防止のための検討を行うなどの体制が構築されるようになっております。  県教委といたしましては、今後も、各種研修会や防犯・防災教室及び交通安全教室などの機会を捉え、最新の情報を提供することにより、それぞれの学校に対応した危機管理の体制づくりがなされるよう支援してまいります。 29 ◯環境林務部長(新川龍郎君)県産材の輸出の現状と取り組みについてでございます。  県産材の東アジアへの輸出については、主に土木用資材としてスギ丸太等が輸出されており、その量は年々増加してきております。特に今年度は、志布志港における上半期の輸出量が昨年同期の三・五倍に増加しておりますことから、県産材についても大幅に伸びているものと考えております。  県においては、これまで、県産材輸出促進協議会の開催等を通じまして、関係者間の情報交換や連携強化を図りながら、商社が行う市場調査やトライアル輸出等を支援いたしますとともに、輸出向けの丸太を安定的に供給するために開設された原木集荷買取センターの選別機等の整備に助成を行ってきたところでございます。  今後は、中国において、これまでの土木用の低質材に加え、建築・家具用として大径材や良質材のニーズが見込めますことから、関係者の意見も聞きながら、集出荷体制等を整備し、さらなる輸出拡大に努めてまいりたいと考えております。  次に、木材産業の競争力強化に係る課題と取り組みについてでございます。  本県の木材産業については、小規模・零細な企業が多く、競争力を強化するためには、製材品の生産・出荷体制を整備し、品質の向上や加工・流通コストの低減を図りますとともに、新製品開発等の取り組みを進めることが必要であると考えております。  このため、製材工場の規模拡大や、中核工場と中小工場の連携による家一棟ごとの出荷体制づくりを進めますとともに、新たな木材乾燥技術の導入やプレカット施設の整備等を推進しているところでございます。また、主に外材が使用されているツーバイフォー工法の住宅に県産材を利用するための実用化試験や、高層の木造建築物の建設を可能とする新たな建築部材の開発などの取り組みについても、支援を行っているところでございます。  今後とも、これらの施策を総合的に推進し、木材産業の競争力の強化に努めてまいりたいと考えております。 30 ◯観光交流局長(武盛武士君)本県の本格焼酎の国内外への出荷状況についてでございます。  県酒造組合によりますと、本県産本格焼酎の国内課税出荷量は、平成十八酒造年度の十五万六千キロリットルをピークに減少傾向でありましたが、平成二十四酒造年度は十三万七千キロリットルであり、平成二十三酒造年度から二年連続で前年度を上回りました。また、国外への出荷量は、東日本大震災等の影響により、平成二十二酒造年度には五百九十一キロリットルまで落ち込みましたが、平成二十四酒造年度は八百一キロリットルで、対前年比一一〇%となり、回復基調にございます。  次に、本場大島紬や川辺仏壇、薩摩焼といった伝統的工芸品の振興に向けた取り組み等についてでございます。  本県の伝統的工芸品については、生活様式の洋風化や価格の安い生活用品の普及等により、需要が低迷しておりまして、産地を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。大島紬、川辺仏壇、薩摩焼の各産地組合では、こうした課題に対応するため振興計画を策定し、販路の開拓や新商品の開発などに取り組んでおりまして、県もこれまで、産地組合の振興計画を踏まえ、物産展への出展等の支援を行ってきたところであります。  こうした支援に加え、さらなる需要や販路の開拓を図りますためには、現代の生活様式に合った新商品開発や海外展開も必要でありますことから、昨年度から新たに、産地組合等と連携して、著名なデザイナー等の招聘、異業種間での連携、インテリアの新商品開発、海外の輸出可能性調査に取り組んでおります。  今後とも引き続き、業界と一体となって伝統的工芸品の振興に努めてまいります。    [西高 悟君登壇] 31 ◯西高 悟君 それぞれお答えいただきました。  公立学校における危機管理についてでありますけれども、前回私は、私の地元の危機管理ということで、質問の時間が足りなくて要望という形でいたしましたけれども、今回は学校における危機管理ということで、私たちの地域では特に、知事も御存じのとおり、志布志町のよく「志布志市志布志町志布志」という言葉が出てきますけれども、あの志布志の地区から帖、安楽、そして通山地区、このあたりは大型の小学校が三校ございます。二百名以上の大きな学校でございまして、ここが海抜一メートルから九メートルない地域にあります。それと、志布志では約六割がこの下の平場に住んでいらっしゃるということで、私たちの志布志町においては、東海の三連動型地震による津波の影響というものを、非常に住民の皆さん方が危機的に感じていらっしゃいます。  そんな中、昨年の体育祭等を含めて、校長先生が本当に心配されたのが津波避難路でございました。そのことを受けて県にもお願いいたしまして、今、通山地区には三本の津波避難路、志布志高校には、これは国の事業だったですけれども、鉄道線への避難路というものを何とか設置ができました。  あと残る香月小学校、そして志布志小学校なんですが、ここにも今、予定いたしておりますけれども、一カ所志布志小学校だけが、避難路をつくりたくても後ろの山が文化財指定を受けておりまして、なかなか指定を外せなくて、どうやって津波避難路をつくるかということで今、志布志市ともいろいろ協議いたしております。  恐らく来年には知事も、志布志地区の津波の防災訓練において、県に設置していただいた津波避難路を見ていただくこととなりますけれども、教育長が今おっしゃられましたが、災害に対して校長がトップとなって災害対策本部を設置するということで、私たちの地区ではいち早く、本当に危機を感じて校長先生がそういった提案をしていただき、県にお願いして設置ができました。  やはり学校での事故・事件ばかりではなくて、災害も含めて、普通クラスの地震が来ると防潮堤等はとても、マグニチュード七以上の地震となるために施設はもたないと。であるならば、どうやって避難するか、この部分をやはり県としても進めていただきたいし、また教育長、そして知事におかれましても、私たちの地域をよく御存じのようでありますが、県警、消防、そして地区の住民の皆さんと一体となって、小学校まで含めた避難体制というものを私は要望するものであります。  それと、木材産業の競争力強化ですけれども、本当に今、森林組合が元気が出てきておりまして、おととい九時ぐらいに通ったんですが、まだ残業していらっしゃいまして、木材、森林組合は一生懸命頑張っております。  そういった中で珍しく今、木材価格が二倍程度に上がってきておりますが、それでも、林業振興が保てるのかといいますと、これで林業振興がまだ保てるという状況にはありません。そういう中で県としても、輸出の出荷体制の強化ということを今お答えいただきましたけれども、まだこれにも増して、今、私たちの地域でも、木質バイオマス発電の発電所建設という声も今、上がっております。そういったところへの木質の供給体制の強化もしっかりとお願いいたします。  それと、地場産業の振興についてでありますが、今回は焼酎産業振興条例の制定を目指しておりますので、今、焼酎のお話をしましたけれども、焼酎については、国内だけではなくて、海外輸出に関しましては酒税がつきませんけれども、その部分についても県としては、どれだけのものが出荷されたかということはちゃんと把握ができるわけであります。  しかしながら、何回もこのことで県当局ともお話しますけれども、連携をとっていただいて、どうにかほかの地場産品についても頑張っていただきたい。では統計はどうなのかということをお話ししますと、輸出はされている、非常に好調だということではありながらも、残念ながら、各会社、メーカーが自分の会社の売り方の戦略とかそういったものがあるものですから、なかなか県としてしっかりとした出荷量の統計、把握ができていないということであります。  しかしながら、本当にそういった、食酢なんかも特に今、好調に売れているようですけれども、こういったもの等含めて、伝統工芸品についてももっと強力に進めていただきたいと思っておりますし、今回、立ち上げられました海外経済交流促進等特別委員会において、私たち県議会も、上海そして香港を視察させてもらいました。  かねてから、海外から見た鹿児島、そして海外から見た鹿児島の農産品というものを意識していただきたいということをお話ししておりましたけれども、今回もそういった中で、サツマイモでありましたけれども、S、2Sの本当に日本ではこれが商品になるのという品物が、本当によく売れるわけでありまして、今回は鹿児島の指宿地区が二週間、一回五トン、二週間でこれを香港に輸出しまして、これが二週間で売り切れるという話でありまして、その製品も先輩議員の方にも見ていただきました。  これが、本当に鹿児島でくず芋と言われている部分がこうやって売れるんだということが、また一つ皆さんにわかっていただけたかなと思いますし、そういったことが鹿児島県の農産物の二〇%生産額アップ、これにもまた一つつながっていくのかなと思いますので、そういったことも含めて、これからは地場産業の振興については進めていただければありがたいと思っております。  質問に入ります。  米政策の見直しについてでありますが、いよいよ今回の臨時国会があす閉会いたしますが、農業に関しても大きな施策の見直しが行われようとしております。その中でも今回は米政策について大幅な見直しがされ、五年後をめどに米の減反補助金が全廃されることが示されました。国においては、農業再生への課題は山積しておりますが、本県においても、今回の生産調整に係る減反補助金の廃止における影響について大変心配しておりました。  政府が決定した米の減反廃止と、補助金の見直しを柱として大幅な政策転換に踏み切ったわけでありますが、県内の米農家からは、維持された補助金制度に安堵する声や不安を感じるなど、さまざまな意見が出されております。  政府としては、転作で自給率向上を図るという狙いのようですが、一番には、主食用米のつくり過ぎを防ぐとともに、食料自給率を改善する効果を期待し、これまでの飼料稲等の作付に対しては金額を維持し、新たに飼料米については数量払いの上限を定め、転作を促すものとされております。また、産地交付金については、県や地域が振興作物を定め、推進していくということのようであります。  ただし、今回の経営所得安定対策見直し後の農村、いわゆる農業集落におけるイメージとしてシミュレーションがなされておりますが、前提条件等を含め、しっかりと県としても地域の特性に合った米政策と戦略作物を含めた転作体系を進めていかなければならないと思います。  そこでお尋ねしますが、今回の米政策で農水省の試算としては、所得増が地域農業等によっては最高二五%と示されております。代表質問において、本県の今回の政策による影響についてはお答えいただいておりますが、本県において、中核的な農家の所得はどの程度確保できるのか、その見込みをお示しください。  また、産地交付金を活用した焼酎こうじ用米の取り組みが重要だと考えますが、今回の米政策の見直しによって、焼酎こうじ用米に対してはどのような措置が講じられたのか。また、今後、焼酎こうじ用米の振興を図るためどのように取り組んでいくのか、お示しください。  次に、自給飼料の確保対策についてであります。  酪農及び肉用牛経営における自給飼料対策についてお伺いいたします。  転作作物との関係もありますが、畜産経営におきましては、生産コストに占める飼料費の割合が高い中で、干ばつなどによる小麦やトウモロコシの不作や燃油の高騰による輸送費の上昇に加え、円安の影響で飼料価格の高騰が続いており、大変厳しい状況となっております。そしてこのことが畜産経営を大きく圧迫しており、配合飼料価格安定基金の枯渇なども相まって、先行きに対する大きな不安要因となっております。
     そこで、畜産農家の経営安定のためには、畜産農家が安心して安定的に粗飼料を確保することが重要と考えております。また、昨年末には、中国大連市での口蹄疫発生により中国産稲わらの輸入が一時停止され、代替飼料の確保に苦慮したことも記憶に新しいところであります。  そのような中、今後は、生産コストの低減や海外からの口蹄疫等の悪性伝染病の侵入防止のためにも、輸入飼料への依存体質から脱却して自給飼料基盤に立脚した畜産経営に転換する必要があると考えております。  そこでお尋ねいたします。  まず、本県の粗飼料自給率の現状と今後の目標数値をお示しください。  次に、酪農及び肉用牛経営におきましては、担い手の高齢化や大規模化が進んでいる中、自給飼料を十分に確保することが困難になることが予想されますことから、飼料生産の支援組織、いわゆるコントラクター組織の育成が重要と考えます。  そこでお尋ねしますが、本県におけるコントラクター組織の育成など、自給飼料の確保・拡大に向けた取り組み状況についてお示しください。  次に、鳥獣被害対策についてであります。  これまでも同僚議員から再三にわたり質問がなされておりますが、県内どの地域においても、鳥獣被害については非常に逼迫した状況にあるわけであります。特に鳥獣の中でもサルについては、駆除に当たりちゅうちょされるハンターが多いため、サルによる被害が減少する気配は全くありません。  私たちの地域においては、この駆除対策に当たられるハンターの方々を含めて、たびたび地域で話し合いを重ねた結果、事態の切迫した状況について理解を得られるようになり、ようやく駆除に乗り出していただける体制が整いました。この背景には、ハンターの方々が、鳥獣被害について、農業を営まれる方々だけではなく地域社会にとって、この被害防止対策については、まさに待ったなしの状況であることについて、深い御理解をいただき、協力体制の構築について親身になって考えていただいた結果であると思います。  この問題については、今後、県内各地域においてそれぞれ話し合いを積み重ねられることにより、私たちの地域同様に前向きな取り組みができるように、いずれはなっていくものと思います。しかしながら、全地域に共通する課題でありますが、このようにせっかく駆除体制について前進が見られても、最終的に共通の問題として浮かび上がってくるのは、その処分のあり方についてであります。  今回の政策提言にも鳥獣被害対策としてありますが、その一部については、ジビエ料理の普及についての提言も盛り込まれております。しかし、ジビエ料理については、その特性からいって、狩猟時期により食材として提供するには限りがあります。このようなことから、食材としての加工の適期を逸した鳥獣については、最終的に何らかの処分方法を考える必要があり、あわせて、駆除後のサルについても同様の処置をとる必要があります。  この課題解決については、以前も同僚議員から焼却場建設について要望がなされたところであります。その際、県の答弁は、市町村が建設する焼却場について補助をするというものでありました。さきの質問の中でも、大隅半島、薩摩半島それぞれに一カ所程度ずつあればというのが同僚議員の質問の趣旨でございましたが、県の答弁に沿って検討したとしても、実際どの市町村が県の補助を受けて建設に踏み切れるかというと、これは大変難しい問題であります。住民の多様な意見を押し切って建設し、その結果、それぞれ半島に一カ所ということから、周りの市町村で駆除された鳥獣の処理を一手に引き受けることになるわけですので、建設地域の住民にとって、なかなかおいそれと受けられるようなことでもなさそうでありますので、自治体としても手を挙げることが難しいのではないかと考えます。  県内各地域においては、広く地域全体に共通する課題解決のために、広域的な協議体を設置しておりますが、このような駆除後の鳥獣処理となると、その建設件数からいっても限りがありますので、通常の広域的な協議組織の範囲を超えた話し合いが必要になってくると考えます。このように、通常の範囲を大きく超えて協議を重ね、合意形成を図るとするとなると、なかなか調整が難しく、結論に至るまでは、なお相当な期間が必要になると考えます。  そこで質問いたしますが、この問題に一定のスピードをもって対応していくとなると、ぜひ県が前に出て、全体の協議・調整に主導的な役割を果たす必要があるのではないかと考えますが、県としてはどのようにお考えかお示しください。  次に、その狩猟者の方々からの声でありますが、鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業に係る国の補助金の件についてであります。一頭当たりの捕獲に対する補助金の単価については獣種別によって決まっておりますが、補助金の支払いを申請する際、捕獲を証明するための手続が大変だという声をお聞きしましたが、実際それほど難しいものなのかお聞きいたします。  また、証明のための手続が大変であるならば、国に対して簡素化の要望をすべきではないかと思いますが、県としてはどのように認識されているかお聞きいたします。  次に、狩猟者の現況についてであります。  近年、狩猟者の高齢化や免許取得者の減少による捕獲者数の低下が指摘されております。  そこで、近年の狩猟登録者数の推移、新規免許取得者数の推移及び狩猟者の確保・育成に向けた取り組みについてお示しください。  あわせて、これまで同僚議員からも、県内市町村において、自衛隊除隊者を含めた専門のハンターを採用することについて提案がなされておりますが、県として市町村に対して指導する考えはないか伺います。  また、隣接市町村の区域を越えて駆除ができるようにするべきであると考えますが、このことについても県の見解を伺います。  最後に、農地中間管理機構についてであります。  六月にも質問いたしましたが、農地中間管理機構については、その概要について県より説明いただいたところでありますが、一つ目に、本県の対応として、農地中間管理機構の組織体制の強化や、県、市町村及び農業委員会等関係機関・団体が一体となって担い手への農地の集約に取り組むよう関係者の意見集約等を行っているとなっております。  そこでお聞きしますが、前回の質問で要望いたしましたが、本県は南北約六百キロの島嶼を有するため、各地域における特徴を生かすような取り組みを行っていただきたいと要望いたしましたが、今回の意見集約等の結果を踏まえて、県としてはどのようにこの担い手への農地集積に取り組んでいかれるのか、お聞きいたします。  また二つ目に、県開発促進協議会等において、農地中間管理機構の設置に際しては、地域の実情を踏まえた制度とするとともに、安定的に業務ができるよう必要な予算確保を図り、地方に新たな財政的負担を生じさせないように国に提案を行っているとされております。  そこでお聞きしますが、国に対しては、地域の実情を踏まえた制度となるよう要望していただきたいという提案を行っておりましたが、県においてはどのように取り組まれたかについてお示しください。 32 ◯農政部長(福田博史君)米政策の見直しについてでございます。  国は、今回の米政策の見直しにおいて、飼料用米や加工用米への交付金の拡充を図るとともに、日本型直接支払制度を新たに創設することから、これらの施策を活用することを前提として、全国各地域の営農類型に基づき農家所得の試算をしておりますが、現行対策に比べ三%から二五%の所得等の増加が可能としております。  本県において、四ヘクタール規模の中核的な農家について、国と同様の試算を行いますと、主食用米から飼料用米への作付転換を進めるとともに、日本型直接支払制度を活用することにより、一割程度の増加が期待できるものと考えております。  今回の見直しでは、焼酎こうじ用米について、現行の十アール当たり二万円の交付単価に加え、実需者との三年間の複数年契約を行った場合に対し、十アール当たり一万二千円を追加交付する措置が新たに講じられたところです。  県としては、これまで国から配分された産地資金を活用し、焼酎こうじ用米の助成金に対する県段階の上乗せ措置を講じるとともに、農家の作付意向や需要量の把握など、適切な情報収集に基づくマッチングの推進などに取り組んできたところです。  今後とも、関係機関・団体と一体となって、新たな対策の周知を図りながら、焼酎こうじ用米の一層の生産・利用拡大に努めてまいりたいと考えております。  粗飼料自給率と自給飼料確保の取り組みについてでございます。  畜産経営においては、飼料価格の変動等のリスクや口蹄疫等の侵入を回避する観点から、自給飼料の生産・利用の拡大は極めて重要な課題となっております。このため、県としては、平成二十二年度に県酪農・肉用牛生産近代化計画を策定し、その中で、現在八九%である粗飼料自給率を一〇〇%に高めることを目標に、飼料生産の外部化の推進、水田を活用した飼料用稲の生産・利用拡大、焼酎かすやでん粉かす等の低・未利用資源の飼料利用の推進、飼料畑造成等による飼料生産基盤の確保に取り組んでいるところです。  特に、飼料生産の外部化の推進につきましては、担い手の高齢化や規模拡大の進展に伴い、自給飼料の確保が困難な状況も見受けられることから、コントラクター組織の育成などが必要であると考えております。このため、地域の関係機関・団体と連携し、推進研修会や先進事例調査の実施、作業機械の導入助成等を行い、新たなコントラクター組織の育成に取り組むとともに、今年度はモデル的に、畜産農家が求める品質や価格での供給に向けた現地実証を行っております。  県としては、今後ともこれらの取り組みを推進し、自給飼料基盤に立脚した畜産経営の安定に努めてまいりたいと考えております。  捕獲鳥獣の焼却施設の整備についてでございます。  捕獲鳥獣の焼却施設の整備につきましては、これまで、市町村に対する国の助成措置があることを周知するとともに、関係者への意見聴取や市町村の意向調査等を行ってきたところですが、施設の設置場所、施設整備費や運営経費の負担、捕獲後の回収・運搬方法など多くの課題があり、現在のところ市町村から具体的な要望はない状況にあります。  焼却施設の整備に当たっては、こうした多くの課題を解決する必要があり、まずは市町村等で関係者の方々が十分な合意形成を図る必要があると考えておりますが、県としては、複数の市町村で設置を検討する場合の調整や、国の助成制度の活用など、問題解決に向けての必要な指導・助言を行ってまいりたいと考えております。  鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業についてでございます。  国の鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業は、イノシシ、シカ、サルの成獣を捕獲した場合、一頭当たり八千円、これらの幼獣やタヌキ、アナグマは千円、カラス、ヒヨドリは一羽当たり二百円を補助することとなっており、現在、県内の三十六市町村が取り組んでおります。  本事業の補助金の支払いに当たっては、市町村の担当者が捕獲現場に赴き、捕獲実施の確認を行うことを基本としておりますが、その確認が困難な場合、捕獲従事者は捕獲を証明するため、捕獲個体や捕獲者、捕獲場所等が特定できる写真及び捕獲体の尾や両耳などの部位を市町村へ提出し、確認を受けることとされております。  これらの手続については、国は事業を適正に執行する上で必要なこととしておりますが、今後、捕獲確認の実態を把握し、手続の簡素化等が必要な場合は、国と協議してまいりたいと考えております。  担い手への農地集積についてでございます。  農地中間管理機構─仮称─については、県段階に農地の中間的受け皿として設置されることや、農地の借り受けは効率的な利用が見込まれる区域を重点的に実施することなどとされております。  県としては、同機構が十分に機能を発揮するためには、これまで以上に、実際の現場で業務を行う市町村、農業委員会や関係機関・団体と連携を強化する必要があると考えており、体制整備について関係機関・団体と協議を進めているところです。  また、担い手への農地集積について、規模の大きい土地利用型の担い手農家や市町村、農業委員会等関係者から意見を集約しているところであり、茶農家では、収穫時期を調整する上で市町村を越えた借り入れの希望があること、露地野菜や水田農家では、大型機械の効率的な利用を図るためできるだけ農地を集約する必要があること、同機構が十分に機能を発揮するためには人材と予算の確保が必要であること、人・農地プランの充実が欠かせないことなど、多くの意見が出されたところです。  県としては、こうした意見も踏まえつつ、農地中間管理機構を活用しながら、関係機関・団体と連携を強化し、市町村を中心に策定している、人・農地プランに基づき、担い手への農地の集積を積極的に進めてまいりたいと考えております。  農地中間管理機構─仮称─の設置についてでございます。  農地中間管理機構の設置に当たっては、農地所有者の保有意識が高いこと、不在地主や相続未登記により利用権の調整が困難なこと、区画が狭いなど土地条件が悪いところでは、再生経費の負担が大きいこと、面的集積を行う組織の予算や人材不足などの課題があります。  このため、農地の所有形態や圃場の分散化など地域の実情を踏まえ、実効性のある制度とするとともに、機構が安定的な業務を執行できるよう、必要な予算の確保を図り、地方に新たな財政的負担を生じさせないことを、県開発促進協議会において、国に対して要請したところです。 33 ◯環境林務部長(新川龍郎君)狩猟者の現況等についてでございます。  近年、狩猟登録者数は、昭和五十三年度の約二万人をピークとして減少傾向にあり、今年度はその四分の一の約四千七百人にまで減少してきております。一方、新規免許取得者数は、この二十年間おおむね二百人台で推移していたものの、わなの狩猟免許取得に対する助成を始めた平成二十三年度からは三百人台を超え、今年度は四百人を超えるまでに増加したところでございます。  狩猟者の確保・育成については、こうした助成に加え、狩猟免許を取得しやすいよう日曜日に試験を行いますとともに、初心者等に対し、捕獲技術の講習を実施するなどの取り組みを行っているところでございます。  専門のハンターの採用については、自衛隊OBを含め、狩猟経験が豊富な人材を非常勤職員として採用し、鳥獣被害対策実施隊を組織するよう各市町村に働きかけますとともに、本年三月に策定した「鳥獣管理の将来ビジョン」に基づきまして、市町村区域を越えて広域的に活動でき、かつ捕獲手法等に関する科学的知識や技術を持つ専門的捕獲従事者による捕獲の実行体制の整備に向けて検討を進めているところでございます。  また、有害鳥獣を効果的に駆除するためには、市町村の区域を越えて捕獲できるよう、近隣の市町村と猟友会が一体となって取り組んでいく必要があると考えております。  県といたしましては、引き続き、市町村や猟友会などと連携しながら、有害鳥獣の捕獲体制の充実が図られるよう努めてまいりたいと考えております。    [西高 悟君登壇] 34 ◯西高 悟君 三項目ほど再質問しようと思っておりましたら、非常にいい答えをいただきましたので、再質問はございませんでした。  米政策の見直しについてですけれども、今回の政策の見直しの中で、本当に鹿児島県にとってはこれは非常にいいなと思った焼酎こうじ用米の推進ですけれども、やはり今、各酒造メーカーによっては、現在のミニマムアクセス米あるいは備蓄米、そういったもので米こうじにされておりますけれども、鹿児島県はやはり鹿児島県に合った品種をどうやって選定していくのか、それを各酒造メーカーがどのようにして使っていただくのか、このことを推し進めることが農家の加工用米の推進に非常に役立つのではないかなと考えておりますので、ぜひこのことについてもしっかりと農政部において、推進していただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  それと、自給飼料関係ですけれども、コントラクター組織の問題については、農地、集落営農と同じようなことで問題点がありまして、現在、畜産あるいは酪農を営まれている方々は、大体機械をそれなりにそろえていらっしゃるわけです。しかしながら、高齢化が進んで粗飼料の生産ができない、そういった方がだんだんとふえてくるということで、コントラクター組織というのを立ち上げていかなければならないことになるわけですが、現在のそういった機械等を持っていらっしゃる方々、こういった方々にとっては、現在、大体、粗飼料については一キロ当たりの二十二円から二十七円ぐらいの販売をしないと採算が合わない。しかしながら、畜産農家、酪農家にとっては、品質は当然のことですけれども、一キロ当たり十五円ぐらいでないと採算が合わないというのが、実際計算が出ております。  そういったことを含めて、このことを農政部長に、十分認識していただきながら、コントラクター組織については進めていただきたいと思っております。そのことがやはり粗飼料でも、知事のマニフェストにありました、自給率一〇〇%を目指すとありましたけれども、これは今から円安の中では十分可能なことであると思いますので、ぜひ鹿児島県はこのことをしっかりと進めていただきたいと思っております。  鳥獣被害については、今、猟友会関係のことについても非常によく御理解いただいております。山といえばまず大体市町村を挟んでしまいますので、そういった区域を越えて鳥獣被害対策はしっかりとしていかなければならないと思っておりますし、また、専門のハンターのそういった雇用という問題についてもそうですけれども、まず、地元の猟友会の方でないと地元の山の把握はできておりません。  外から、道路から鳥獣被害対策は見られるものではありませんので、そういった猟友会のメンバーの方々とよく連携をとりながら、そういった専門のハンターの方々もそこの地形を理解していただきながら、しっかりと駆除を進めていくことが大切だと思っておりますし、先ほど農政部長からありました鳥獣の焼却場の問題ですけれども、これについてはやはりこれから、やっと私たちの地域でも、ちゅうちょして本当にサルについては撃てなかったわけですが、やっと本当にこれはもう切迫した状態だということで撃ってくれるようになったわけですが、これを一回一回埋設するということ自体が、やはり鳥獣被害で一生懸命やっていただいているハンターにとっても大変なことであります。  ぜひ焼却場建設は本当に県が中心となってこのことを推し進めていただいて、そこへの搬入へのシステムも行政の中でしっかりとつくっていただける、そういった体制をとっていただけたらありがたいと思っております。  それと、中間管理機構についてでありますけれども、本当に今まで県選出の国会議員にずっとお願いしておりました。遊休農地、耕作放棄地、所有者が不明でどうにも一種農地が荒れていくという現状というのを私たちの地域でも見ておりましたけれども、法律まで改正して、知事が一定の公告をした中で農地中間管理機構がこれを扱って、耕作あるいはこれを面的整備をしながら担い手に貸し付けるという非常に画期的な制度であります。  もうこのことも今までもいつも農政部の方々にもお願いをしているんですが、国の法律が、あるいは条例が、あるいは補助金の縛りがこうこうこうで、こうできませんじゃなくて、やはり国にこのことを働きかけると国会議員の方は動いてくださいました。今回も、そういうふうに、県が地域に合った、その地域のニーズに合った細かいところまで含めた地域振興、農業振興というのを進めていくのには、やはり県に各地域からその声が上がってくるわけですので、国に対してもこのことをしっかりと要望していただくことが、いち早く鹿児島県の農業の振興を進めていける。そういったことだと思っております。  大隅半島からIPM農法が始まりまして、今の施設野菜農家というのは本当に画期的な今、天敵防除というものができるようになりました。これは本当に私たち鹿児島県、普及センター、指導員の皆さん方の努力でありまして、本当にありがたく思っておりますが、こういったこともやはり私たちが県に対して本当に切望していたことでありまして、これを鹿児島県が先立ってやっていただいたということは、たいへん大きな成果であります。そういったことを含めて、これからは農業の振興をどうやって図るのか、しっかりと考えながらやっていかなければならないと思っております。  先輩議員より要請をいただきまして、先月は瀬戸内町に参りました。今月は徳之島に行きます。鹿児島県南北六百キロメートル、本当に島嶼が多い島々がある県でありまして、農業振興を進めていく中で各島々によって、本当に攻めていく、何をつくらせていけばいいのかということを今私たちは考えるべきだと思っておりまして、もう実際、瀬戸内では試作させていただきました。  恐らく月に一回か二回行きながら、今までのサトウキビ栽培とは違って、こういった品目をつくれば、あるいはこういった手をかければ高収入が得られるんだという、そういった実践的なものも私たちが知り得る限り協力していきながら、離島の農業所得を上げることも大事であると思っておりますし、実際、奄美に行きまして、私たち大隅半島よりももっと中山間地域の田畑は荒れております。もう本当にこのままでいいんだろうかというぐらい荒れているのを目の当たりにしてまいりましたので、これからは本当に自分のライフワークとして、地元の振興もそうですけれども、鹿児島県の農業、知事がマニフェストで挙げていらっしゃいます、二〇%の農業産出額アップというのは本当に大変な話でありますけれども、こういうことを推し進めていくのに、この中間管理機構なども含めてしっかりとやっていけば、二〇%を超えられるような、そういった政策が打てるのではないかと思っておりますので、知事におかれましても、いろいろと御提案いたしますけれども、そのことも含めて御検討いただきながら、しっかりと鹿児島県の農業振興を進めていただきますようお願いいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手) 35 ◯議長(池畑憲一君)次は、下鶴隆央君に発言を許可いたします。    [下鶴隆央君登壇](拍手) 36 ◯下鶴隆央君 鹿児島市・鹿児島郡区選出、無所属の下鶴隆央です。  本日の私の質問ですが、前半では、私が当初より掲げております「鹿児島に稼げる仕事をつくる」という観点から質問してまいります。  本県は、若者の県外流出率が全国でもワーストを争う状況であり、その原因はひとえに、鹿児島に稼げる仕事が乏しいからだと考えております。また、本県の公債残高、そして今後、高齢化で見込まれる福祉を中心とした行政需要に対応するには、何より若者が稼げる仕事につき、そしてそこから税収が入ってくる仕組みをつくることが必要であります。  そこで、本日は、観光客をたくさん呼んで観光関連産業に稼げる仕事をつくる、本県の特産品などを県外・国外にたくさん売って、食品関連産業等に稼げる仕事をつくる、鹿児島の特性を生かし、研究開発に力を入れることで将来の稼げる仕事をつくる、といった点から、合計六点、質問・提案してまいります。  また、後半では、県政の「見える化」、県民みんなの知恵を集めて、よりよい鹿児島県をつくるという観点から質問いたします。  我々県議会議員の職務は多岐にわたりますが、その基本にあるものは、県民の皆様からいただいている税金が正しく、しっかりと使われているかどうかチェック・監視することであると考えます。一方で、後ほど触れますが、県は非常に巨大な組織でもあります。その中で、どこに問題点があって、どういう改善策を考えなければならないのか、その気づきを得るためには、現在、県がどのような施策・事業を行っていて、課題点がどこにあるのかということが明らかになる資料が公開される必要があります。  そこで私は、その県の行う施策・事業が非常に多岐にわたり、また、複雑な県政をわかりやすく県民の皆様にお示しすべきであるという立場から、政策評価など合計三点、質問・提案してまいります。  それでは、質問に入ります。  最初に、鹿児島県に来られる観光客をふやすための取り組みについて伺います。  まず、MICEの誘致についてです。このMICEとは、企業が行う会議─Meeting─、そして企業が行う報奨旅行、例えば営業成績がよかった営業マンを連れていくと行った報奨旅行─Incentive Travel─、そして学会等の国際会議─Convention─、そして展示会等─Exhibition─のそれぞれ頭文字をとった言葉で、これらのビジネス旅行のことを指す言葉です。  最近の観光分野で非常に注目されている言葉で、国でも二〇一二年十一月にMICE国際競争力強化委員会が設置され、二〇一三年六月十四日に閣議決定された「日本再興戦略」においては、二〇三〇年にはアジアナンバーワンの国際会議開催国としての不動の地位を築くという目標が掲げられ、多くの人やすぐれた知見、投資を日本に呼び込む重要なツールとしてMICEが位置づけられました。  また、同じく、二〇一三年六月十一日に観光立国推進閣僚会議で決定された「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」においても、観光立国実現に向けた主要な柱の一つとしてMICEが位置づけられており、海外からの誘客に向けた取り組みが既に始まっています。  このMICEが注目されているのは、国際的な知名度を向上させることに役に立つ、そしてまた地域経済活性化に非常に効果があることが挙げられております。例えば国際会議等が開かれますと、一度に多くの人数が呼べること、そして一人当たりの使うお金が大きいことが挙げられます。具体的には、このコンベンション関係で来られた外国人観光客が一人で一日に使うお金というのが六百九十ドル、日本円で約六万九千円と言われています。それに対して通常の外国人観光客であれば一万一千円と、六倍以上このMICEというのが地域経済に与える効果というのがございます。  本県でも、国際会議等で海外からお客さんを呼んでくる、そして国際会議に限らずいろいろな分野の全国大会などで他県からお客さんを呼んでくることが、本県の観光に携わる方々に落ちるお金がふえ、ひいては、関連する産業に稼げる仕事をつくることにつながると考えます。  そこでまず、MICE誘致について、県として現状どのような取り組みを行っているのか答えてください。  また、各種国際会議や全国大会の開催地を決めるに当たっては、複数の候補地が立候補して競争になりますが、その際に首長が積極的なトップセールスを行っている事例も見られます。本県も誘致を目指す積極的なトップセールスに取り組むべきと考えますが、現状の取り組みと今後の考えについて答えてください。  続いて、MICE受入のための環境整備について伺います。  まず、現状、環境整備面でどのような取り組みを行っているか答えてください。  また、各種大会誘致に当たっては、コンベンション施設、特に千人規模以上収容の大会議場の整備が課題です。そこでまず、本県におけるコンベンション施設の現状をどう捉えているのか。そして、施設整備に対する県としての考えを答えてください。  続いて、観光客誘客のための無料インターネット環境、Wi─Fi環境の整備について伺います。  Wi─Fi環境とは、ノートパソコンやタブレット端末、スマートフォンなどからインターネットに接続できるアクセスポイントのことです。近年、外国人観光客が日本に来た際の不満点として、外国に比べてこのWi─Fi環境の整備がおくれているということが挙げられております。  外国人観光客や若い世代の方々は、それぞれの観光地で見たもの、食べたものをタブレット端末やスマートフォン附属のカメラで撮影し、フェイスブックやツイッターといったSNS─ソーシャル・ネットワーキング・サービス─で友人、知人とリアルタイムに体験を共有するという楽しみ方をする方がふえています。また、初めて行く観光地に行った際には、インターネットで見に行く先を調べたり、また、ビジネス客にとっても出先で仕事をする上で必要不可欠なものであります。  さて、他自治体でもWi─Fi環境整備に向けた取り組みが既に始まっています。例えば福岡市では、民間施設と共同し、ホテルや駅、バスセンターなど観光客が立ち寄る場所に無料Wi─Fi環境を導入しています。また沖縄県では、観光コンベンションビューローと共同で、平成二十四年度沖縄観光国際化ビックバン事業、民間施設Wi─Fi支援事業において、沖縄県内の民間施設に対して、外国人観光客が無料で利用できるWi─Fi環境整備の支援を実施しており、空港や平和記念公園、石垣島の鍾乳洞などにも無料Wi─Fi環境を導入しています。  本県でも、外国人観光客や若い世代の観光客を呼び込むために、無料Wi─Fi環境整備を今すぐに取り組むべきだと考えます。そのことによって、観光関連産業に稼げる仕事をつくることができると考えます。  そこで質問いたします。  まず、県として、無料Wi─Fi環境の整備の必要性についてどのように考えているか、答えてください。  次に、観光関係の民間施設へのWi─Fi環境整備の促進策についてどのように考えているか、今後どのように取り組んでいくのか、答えてください。  そして、公的施設へのWi─Fi環境整備の促進策についてどのように考えているか、今後どのように取り組んでいくか、お答えください。
     以上、一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 37 ◯知事(伊藤祐一郎君)コンベンションの受け入れ環境整備の取り組みについてのお尋ねがございました。  コンベンションの受け入れのための取り組みといたしましては、現在、鹿児島観光コンベンション協会におきまして、観光パンフレット等の提供や観光案内コーナー、歓迎看板の設置、アトラクションや宿泊費用の助成などを実施しているところであります。  県内で千人以上の各種大会が開催できる施設といたしましては、鹿児島市民文化ホール、宝山ホールのほか、県がふるさと融資制度により無利子融資した民間ホテルの国際コンベンションホールなどがあり、また鹿児島アリーナなどが、コンベンションの規模や用途に応じて、単独あるいは組み合わせるなどして活用されているところであります。  本県の将来を考える上で、さらなるコンベンションの誘致を図りますためには、大規模な国際会議が開催可能な会議場などは、時代の要請として必要になってきていると考えております。 38 ◯観光交流局長(武盛武士君)コンベンション等の誘致の取り組みについてでございます。  本県におけるコンベンション誘致・振興に当たりましては、鹿児島市が中心となって、公益財団法人鹿児島観光コンベンション協会が設立されているところでありまして、コンベンション開催後の観光地めぐりなど、県内各地への波及効果に着目して、県も一億円出捐いたしております。  同協会では、首都圏の大学、学会事務局へのセールスなどに積極的に取り組んでおりまして、その結果、参加者が百人以上のコンベンションへの支援件数は、昨年度百三十四件となっています。また、県の取り組みとしても、鹿児島市などと協力して、今年度は火山学に関する国際的な学術総会を誘致しましたほか、今後、国民文化祭や国民体育大会などの大規模イベントの開催も決定しているところです。  知事トップセールスにつきましては、経済発展著しい東アジアを見据えた案件や、全国的な事業展開が見込まれる案件、メディア対策など、効果が大きいものを基本に、必要に応じて対応してまいりたいと考えております。  無料Wi─Fi環境整備の必要性についてでございます。  現在では、国内外を問わず観光客の多くが携帯端末を持ち歩き、情報を入手したり、フェイスブックなどで投稿を共有したりする旅行スタイルが一般化しつつあります。また、観光庁によりますと、外国人観光客が旅行中に困ったことの第一位は、無料Wi─Fiの環境が整っていないことであるとの調査結果が出ています。  人口の減少は、本県を含め、我が国が避けて通ることができない時代の流れであり、今後は海外を中心とする交流人口の増加に期待せざるを得ないことから、地域間競争に勝ち抜くためにも受け入れ体制の一層の整備が必要であり、宿泊施設、観光施設、飲食店などでの無料Wi─Fi環境の整備は重要な課題であると考えております。  民間施設、公的施設等におけるWi─Fi環境の現状と整備についてでございます。  民間の宿泊施設につきましては、現在、県観光連盟が調査中でありまして、これまでに回答のあった三十八施設のうち三十一施設においては何らかのWi─Fi環境を有しておりますが、全館で利用できるのは全体の四分の一にとどまっております。  また、観光客の拠点施設におきましては、鹿児島空港やマリンポートかごしま等においてWi─Fi環境が提供されるなど、整備が進みつつあります。また、県有の観光関連施設におきましては、屋久島環境文化村センターでは利用可能でありますが、奄美パークなどの他の施設では利用できない状況です。  スマートフォンやタブレット端末等の普及が急速に進んでおりますことから、無料Wi─Fi環境の整備につきましては、民間事業者のサービスの状況や他県の取り組みも参考に検討してまいります。 39 ◯下鶴隆央君 自席から再質問いたします。  コンベンション施設の整備についてです。  いろいろな各種大会にも規模が千差万別ありまして、どの規模の会議をメインターゲットにするかによって、施設整備の考え方というのは違ってこようかと思います。その各種大会の規模として、二百人以下の小規模のもの、二百人から千人、二千人の中規模のもの、二、三千人以上の大規模のものとありますが、今後、県としてどこをターゲットにしていくのか、考えを示していただきたいと思います。  と申しますのが、スーパーアリーナ構想に関連して知事の記者会見、拝聴しておりまして、直接の言及ではないものの、その施設分散に関するやりとりで五千人とか七千人とか、そういう直接の言及ではないですけれども、例示として出てきております。  私自身の考えを申し述べれば、確かに大きなものをつくって呼べれば一番いいのですが、現状、日本で開かれる国際会議の中で三千人以上の規模というのは件数にして六%程度というものであり、福岡で見ても年間三十件程度という状況であり、また先日議会運営委員会で、新潟の「朱鷺メッセ」というところに視察に行ってまいりましたが、立派な施設はあるんですけど、メインホールが年間十件かそこらと伺っております。  私自身は、既存施設をうまく活用しながら、より少ない投資で大きな効果を得るという方法、例えば県民交流センターというところが中会議場、小会議場をたくさん持っています。ただし、唯一欠けているのが千人規模の大会議場というものです。例えば、あそこの中庭に大会議場を増設するですとか、既に県民交流センターも二百二十億円、このスーパーアリーナ構想は三百億円と聞いておりますが、同等の規模のお金を投資していて、かつ年間三億円か四億円維持費がかかっているわけです。既存のものを有効活用して、少ない投資で大きな効果を得ようとする考え方も必要ではないかと思いますが、改めて、コンベンション施設整備におけるメインターゲットと施設整備の考え方をお示しください。 40 ◯観光交流局長(武盛武士君)コンベンションの誘致に当たりましては、現状では、先ほど知事のほうから御答弁申し上げましたとおり、いろいろな施設、現有の施設を活用して誘致を図るという前提でいたしております。ただ、今後、鹿児島が国際競争に勝ち抜き、国際観光都市になっていくためには、コンベンション施設が現有施設のままでいいのかどうかというのは、今後、大きな検討課題であろうと思います。  その中にありまして、世界的な国際コンベンション都市におきましては、一つの施設で大きなコンベンションと小さな分科会が同時に開催できる施設というのが主流になりつつあります。鹿児島では現状、いろいろな施設の組み合わせでやりくりしているという状況もございます。そういうものも考えながら、今後の大きな方針を考えていくことになろうかと思っております。    [下鶴隆央君登壇] 41 ◯下鶴隆央君 続いて、輸出品の商品開発等に留学生を活用することについて質問いたします。  これから我が国は人口減少時代に入ることを考えれば、本県の各産業、例えば農産加工品、食料品の関連産業は、売る先として中国や韓国、東南アジアといった地域をターゲットにする必要があります。  ところで、国、地域が変われば、味の好み、嗜好が異なるものです。またパッケージ、商習慣も含め、売る場所等についても、国、地域によってそれぞれ異なる適した方法があると思います。  そこで、現地で売れる商品をつくるためには、現地の味に合わせ、またその地域で売れるパッケージをつくり、現地で目立つところ、方法で売る必要がありますが、そのためには、味、パッケージ、商習慣等について現地のそれらを知る必要があります。大企業であれば現地に駐在員をおいて調査する方法がありますが、中小企業ではなかなかそうもいきません。  そこで提案したいのが、県内の大学等に来ている外国人留学生を活用する方法です。例えば県が輸出品を開発したい中小企業と、ターゲットとなる国、地域から来ている県内留学生をマッチングして、商品開発アドバイザーのような形でパートやアルバイトででも雇ってもらうという形がとれれば、中小企業の側も、駐在員を置くよりもはるかに安く現地で売れる商品開発を行うことができますし、留学生の側も、母国より物価水準が高い日本で学ぶ上で大変な学費や生活費を稼ぐことができ、双方にとってよい仕組みではないかと考えます。また、それにより輸出が盛んになり、稼げる仕事をつくることができると考えます。  そこで質問します。  輸出先で売れる商品開発のために、県内留学生の意見を聞き、より現地で受け入れられる商品開発を行うための環境整備を行うべきと考えますが、現状の取り組みと今後の方向性について答えてください。  焼酎乙類、いわゆる本格焼酎として黒糖焼酎は、大島税務署管内、すなわち奄美市と大島郡内でのみ製造ができるもので、「奄美黒糖焼酎」は地域団体商標にもなっています。明治以前から奄美特産のサトウキビを原料としてつくられてきた歴史もあり、黒糖焼酎はまさに奄美ならではの特産品と言えます。  しかしながら、原料となる黒糖は、大半が外国産・沖縄産という現状があります。その理由としては、第一に外国産・沖縄産が安いことがあります。特に、沖縄産は焼酎原料となる含みつ糖に対し補助金が出ているのに対し、奄美については加計呂麻島産のもののみに同等の価格補填がなされているだけという状況です。理由の第二は、そもそも奄美産の焼酎原料となる含みつ糖が少ないということです。白砂糖になる分みつ糖を製造するという国の政策のもと、サトウキビも大半がこの分みつ糖になっているからです。  さて、奄美群島は世界自然遺産登録に向けた取り組みを進めており、登録された際には多くの観光客が訪れることが期待されます。県外・国外から来る観光客の方々は、やはりその土地ならではの酒、「奄美産の黒糖でつくった、奄美だけでつくれる黒糖焼酎」を飲みたいのではないでしょうか。  また、将来を考えると、サトウキビ農家の方が稼げる仕組みも必要です。現在、サトウキビは、買い入れ価格の約三分の二が補助金によって支えられています。補助金を除いたサトウキビ本体の価格を上げ、奄美に稼げる仕事をつくるためには、「どこで生産しても同じ砂糖」ではなく、「奄美産の黒糖」に物語をつけ、付加価値をつけていく必要があります。もしも「奄美産の黒糖でつくった、奄美だけがつくれる黒糖焼酎」が高付加価値のものとして消費者に認められれば、それなりの価格で売ることができますし、酒造メーカーにもサトウキビ農家にも稼げる仕事をつくり出すことができると考えます。  そこで質問いたします。  奄美産黒糖を使用した黒糖焼酎について、その表示並びに普及啓発に努めるべきと考えますが、県の考えを示してください。  続いて、IT産業及びコンテンツ産業─ソフトウエア、ゲーム、アニメ、漫画、映画等─に企業誘致や人材育成、地元発注の取り組みを行うことについて伺います。  鹿児島に稼げる仕事をつくるためには企業誘致や産業振興が重要ですが、近年、企業が撤退する事例が相次いでいます。本県は、地理的に見れば、東京、大阪といった国内の大消費地から遠くに位置するため、重厚長大産業、重くて大きいものをつくる製造業の場合、どうしても運送費面で不利になります。その点、運送費が限りなくゼロに近いIT産業及びコンテンツ産業は、本県が地理的にも不利にならずに競争できる有望な分野であり、これらの産業振興を図ることで、稼げる仕事をつくれると考えます。  九月三十日に県議会は、鳥獣被害対策及び若年者の雇用対策に関する政策提言を知事に行いましたが、若年者の雇用対策に関する政策提言の中で、「産業振興による雇用対策について」という一節で、「本県にとって立地可能性が高く、若年者の雇用が期待されるIT産業及びコンテンツ産業の企業誘致や人材育成、地元発注により一層取り組むこと」という政策提言を行ったところです。  そこで質問いたします。  この政策提言の各項目について、今後どのような取り組みを行っていくか示してください。  続いて、公設試験研究機関の研究充実に向けた取り組みについて伺います。  鹿児島に稼げる仕事をつくるためには、産業・分野を問わず、県外・国外に高くで売れる商品をつくる必要があります。そのためには、他県と同じ製品をつくっていたのでは、いずれ価格競争に巻き込まれ、将来的には値段が下がってしまうことから、他県とは違う、差をつけられるものをつくる必要があります。そのためには、研究開発が必要不可欠です。  本県には、公設試験研究機関として、工業技術センター、農業開発総合センター、森林技術総合センター、水産技術開発センター等がありますが、いずれの分野の研究も、将来の本県の産業振興を支える非常に重要なものです。  さて、試験研究関連の予算には、県単独の予算と、他研究機関との競争で獲得してくる国の補助金、いわゆる競争的資金がありますが、この競争的資金の総枠は減ってきております。例えば、平成二十二年から三年間、平成二十五年で比較しますと、総計で平成二十二年は四百六十三億円に対し、平成二十五年は四百八億円、約一五%減、また、本県の基幹産業であります農業分野に着目してみてみますと、農水省所管の競争的資金に関しては、平成二十二年の百二十二億円から平成二十五年は六十六億円と半減している状況であります。したがいまして、研究開発の予算面から県単独予算の重要性がより増してきていると言えます。  一方で、私は、それぞれの機関が本県の産業振興に果たす役割からすれば、現在の試験研究関連予算は少ないのではないかと考えております。  そこで質問いたします。  まず、工業、農業、林業、畜産業、水産業それぞれについて、それぞれの産業の県内生産額と県単試験研究費を答えてください。  また、私は、未来の本県の産業をつくる、ひいては稼げる仕事をつくるための試験研究にはもっと予算をつけるべきと考えますが、県の考えを示してください。  以上、二回目の質問といたします。 42 ◯商工労働水産部長(田中和彦君)留学生を活用した商品開発のための環境整備の取り組み等についてでございます。  県内企業の海外展開や海外ニーズに合った商品開発等のためには、輸出相手国の商習慣への理解や嗜好性の把握とともに、グローバルな人材の確保が重要と考えておりまして、平成二十三年度から、県内企業とアジアなどの留学生との交流セミナーを開催しているところでございます。  本年八月に開催いたしましたセミナーにおきましては、食品製造業者など十六社と外国人留学生三十五名が参加いたしまして、食品の嗜好性や商習慣等について意見交換などを行いまして、参加企業からは、留学生の意見を聞くことができ、今後の商品企画の参考になったなどの評価をいただいておりまして、来年一月に二回目の開催を予定いたしております。  県といたしましては、海外展開等を図ろうとする県内企業を支援いたしますため、今後とも、企業と留学生が直接意見交換できる機会の充実に努めてまいりたいと考えております。  IT産業及びコンテンツ産業の企業誘致や人材育成などの政策提言への対応についてでございます。  IT関連産業などの企業誘致につきましては、本県の立地環境や県内の関連企業を紹介するなど、積極的な誘致活動を行っておりまして、過去五年間におきましては、ソフトウエア業やインターネット付随サービス業など十六件の立地があったところでございまして、またフィルムコミッション活動を行うNPO法人への支援を通じまして、映画やドラマ等のロケの実施についても積極的に働きかけますとともに、ロケ地情報の提供や各種許可手続の一本化などのサービスに努めているところでございます。  県内IT企業等の人材育成につきましては、今年度は、スマートデバイス用ソフトウエア開発講座を開催しているところでございまして、今後新たに、企業支援型雇用基金を活用いたしまして、ウエブサイトやコンテンツ開発能力の向上を支援し、新たな操業や新事業創出を促進する事業を実施することにいたしております。  地元IT企業の受注機会の確保につきましては、情報システムの調達単位を設計・開発及び運用・保守等に分類いたしましたり、またハードウエア、ソフトウエアに分類いたしますなど、地元IT企業が入札に参加しやすい環境づくりに努めているところでございます。  今後ともこのような取り組みの充実を図りまして、IT・コンテンツ産業における若年者の雇用機会の確保につながるように努めてまいります。  公設試験研究機関の充実についてでございます。  まず、本県の各産業分野における生産額は、製造業が約一兆八千億円、農業については耕種部門が約一千七百億円、畜産部門が約二千四百億円、林業が約百十億円、水産業が約一千億円となっております。  また、各公設試験研究機関における県単独の試験研究費は、本年度予算ベースで工業技術センターが約一千百万円、農業開発総合センターにつきましては耕種部門が約五千万円、畜産部門が約七千四百万円、森林技術総合センターが約五百万円、水産技術開発センターが約一千七百万円となっております。  試験研究機関は、本県の産業おこしの技術的なよりどころでございまして、試験研究の果たす役割は御指摘のとおり大きいと考えておりますことから、今後とも、生産現場や市場ニーズに的確に対応した研究開発を進め、本県産業の振興・発展に寄与できるよう、必要な研究予算の確保に努めてまいります。 43 ◯観光交流局長(武盛武士君)奄美産黒糖を使用した黒糖焼酎についてでございます。  黒糖焼酎については、近年、原料の黒糖にこだわり、手づくりの黒糖のみを用いた銘柄や、地元の畑でとれたサトウキビのみを用いた銘柄、さらには、酒造メーカーみずからがサトウキビ栽培から製糖を含め一貫して製造した銘柄など、付加価値の高い商品開発に取り組む動きがあり、そのような焼酎には地元産黒糖が使われている旨の表示がなされているところです。  黒糖焼酎に奄美産黒糖を用いることは、近年における消費者の食に対する安心・安全や産地へのこだわりなどのニーズに応え、奄美黒糖焼酎のブランド強化を図る上でも重要と考えておりまして、県としては、地元業界等の意見も聞きながら対処してまいりたいと考えております。 44 ◯下鶴隆央君 自席から再質問いたします。  公設試験研究機関の研究費についてであります。  知事はマニフェストの中で、第五章の「経済飛躍・かごしま」という章の中で、「さらなる農林水産業の振興と安心・安全・新食料供給基地の形成を図ります」とされておりまして、その第六十四項目めには「地球温暖化に対応した新たな品種の育成・導入や栽培技術、病害虫防除技術など技術革新を先導する研究開発を加速するため、試験研究機能の充実強化を図ります」という一節がございます。  言うまでもなく、農業、畜産業、本県の基幹産業でございます。今、答弁がありました農業耕種部門については、産出額一千七百億円に対し、県単の試験研究費は五千万円、約三千、四千分の一、そして畜産部門については、産出額二千四百億円に対し、県単試験研究機関が七千四百万円、おおよそ三千分の一、四千分の一というところであるかと思います。たしかこういうところは産品を売っているので、真水としての試験研究費というのはもっと少ないんじゃないかなと思っているところがあるんですね。  いずれにしても、この五千万円、七千四百万円という単位は、本県の基幹産業である農業、そして今後、付加価値をつけて売るものをつくっていく、将来の農業、そして産業をつくっていくという観点からすれば、やはり少ないんじゃないかなと思うんですね。  そこで、知事マニフェストの第六十四項目め、「試験研究機能の充実強化を図ります」とある関係からも、今後、では、この農業に関してですが、試験研究機能の充実強化というのはどのような形で図っていくものなのか、方針をお聞かせいただきたいと思います。 45 ◯農政部長(福田博史君)議員の質問、農業に関しましての今後の試験研究の方向性だと思いますけれども、先ほど議員がおっしゃられました温暖化の対応みたいに、新しい課題というものの対応も含めまして、基本的には本県に適した優良品種の開発ということでありますとか、生産性向上のための栽培、飼養管理技術の開発、あと環境と調和した農業技術の開発、高付加価値化のための加工技術の開発というようなことを現在行っておりまして、特に今、大隅地域では大隅加工技術拠点ということで、やはり高付加価値化をつけるためにどうすればいいのかというところも含めて、考えておりまして、試験研究の内容につきまして、いろいろ試験研究費につきまして、多い、少ないというものはありますけれども、やはり地元に密着した試験研究の課題でありますとか、さらに試験研究機関が持っておりますシーズを生かした研究ということについては、その予算の中で最大限取り組めるように配慮して進めているところでございます。    [下鶴隆央君登壇] 46 ◯下鶴隆央君 今、試験研究に関して再質問いたしました。  もちろんマニフェストに記載の方向性、地球温暖化に対応ですとか、今後の売れる新しい品種の開発ですとか、取り組んでいくのは当然のことでありますが、研究費の枠が一定で頭打ちになっていては、研究できるものの本数というのも限られてきてしまいます。やはり今後の産業をつくっていく上では、その研究をたくさん走らせることができるように、やはり単なる消費ではなくて、将来のお金を生む投資ですから、しっかりと取り組んでいくべきだということを申し添えておきます。  それでは、後半は、県政の「見える化」、県民みんなでよりよい鹿児島県をつくるために、という観点で質問してまいります。  県民の皆様にこの県議会へとお送りいただいてから二年八カ月が経ちました。最初に驚いたことは、県の役割が非常に幅広い分野にわたることです。医療福祉、農林水産業、商工業、観光、土木、教育、警察など、県が行っている政策、施策、事業について、まず現状を把握、勉強することが私の大きな課題となりました。もちろん今もそうであります。  県議会議員という立場をいただいておりますので、県政に関する情報は担当課に資料要求すれば出てきます。しっかりと調査を行った上で、改善すべきことを指摘し、改善策を提案していく。そうやって県民の皆様のお役に立てるよう一歩ずつ取り組んでまいりました。  その中で、やはり県行政、県庁は巨大な組織である。議員が一つ一つ資料要求する前に、県民の皆様に対して施策・事業の現状がわかる資料を公開すべきであると考えるようになりました。  ここで、県議会と県行政、県庁との規模を比較したいと思います。  まず、人員ですが、県議会議員は定数が五十一名、それに対して県庁は、教育委員会,警察本部を合わせると約二万四千人であります。すなわち、議員一人で職員五百人分の仕事をチェックするということになります。また、予算規模ですが、議会予算が約四十人の事務局職員給与も含めて十四億円弱、それに対する県予算が七千八百億円ですので、予算面で言えば、議会は事務局を含めても、一人で五百五十人分の仕事をチェックするということになります。それだけ、チェック対象の県庁というところは非常に巨大な組織であります。  そこで、私が考えるのは、見る目をふやすということであります。我々県議会議員は、県民の皆様からいただいた税金の使い道をしっかりとチェックするために一生懸命努力することは言うまでもありません。一方で、県民の皆様もそれぞれのお仕事・分野のプロです。プロの目で見れば、この事業はもっと何とかできるはず、安い方法があるはずなど、知恵が出てくると思います。  その上で、県民の皆様の知恵を集め、もちろん議員本人も一生懸命に知恵を出し、掘り下げて調査を行い、よりよい改善策、政策を提案していくこと、二元代表制の一翼を担う機関として、議会が政策面で知事と競争し、よりよい県政の実現のために取り組むこと、これらのプロの議員としての仕事のスタートラインにあるものが、県政の現状・課題をわかりやすく県民の皆様に公開することだと考えております。  私は、これまでも政策評価の充実についてたびたび取り上げてまいりました。私は、県の行う全ての施策・事業を対象とした政策評価を行うべきだと考えております。一方で、担当課による一次評価を行い、さらに外部有識者による二次評価を行うといったことは、人的・時間的にもコストがかかるのもまた事実であります。  そこで私は以前より、地方自治法第二百二十三条第五項に規定されている、決算の際に提出される「主要な施策の成果を説明する書類」、本県では「主要施策の成果に関する調書」─成果調書─と読んでおりますが、この記載事項を政策評価の考えに基づいた充実したものにすることによって、比較的簡単に全施策・事業を対象とした政策評価と同等のことが実現できるとして提案してまいりました。  この成果調書ですが、私の前回六月議会の一般質問を受けて、平成二十四年度決算分から県のホームページで公開されるようになりました。ぜひ県民の皆様にもごらんいただきたいですし、また、担当の職員の方々には御対応いただき、御礼申し上げたいと思います。  ホームページですぐに見られる状態になったことは喜ばしいことですが、一方で、中身にはまだまだ課題が山積みです。本日も、改善の提案を含め、質問してまいります。  さて、この成果調書ですが、「主要施策の成果に関する調書」と言うとおり、県が行う施策の成果が記載されているべきものです。しかしながら、現状では、施策・事業の目的に対応した成果が書かれていないと考えます。何をやった、何にお金を幾ら使ったというのが大半で、その結果、何を実現したかという記載が非常に少ない状況です。  そこで、まず伺います。  施策・事業の成果とはどういうものだと考えているか、答えてください。  また、現状の成果調書は、それに加えて、政策評価に必要な要素、必要性、すなわちその事業を県がやる必要があるかどうか、市町村やNPO、民間等に任せるべきではないのかというチェック。また有効性、ちゃんと政策目的に合った成果が出ているのかというチェック。そして効率性、もしも成果が出ていたとしても、税金を湯水のごとく使っていいわけではなく、より安くでより効果の出る方法をとっているかというチェック。全てが欠落していると考えます。  なお、本日議員の皆様のお手元には、大分県で実際に使用している成果調書の様式をお配りしております。こちらは議会での委員会質疑にも大いに活用しているそうで、成果目標設定ですとか達成状況、そして今申し上げた必要性、有効性、効率性といった要素が盛り込まれているものです。  私は、このように、施策・事業の成果をしっかりと意識・定義し、目標数値を設定し、また、必要性、有効性、効率性の観点からしっかりと施策・事業をチェックするための統一様式を作成すべきだと考えます。  それぞれの施策・事業の担当課も、この政策評価の思想、成果重視の思想に基づいた様式に従って作成することにより、全庁的にその思想が浸透すると考えます。また、その結果でき上がる成果調書は、県の行う施策・事業の現状や課題について、非常にわかりやすく県民の皆様にお示しすることができ、その結果、皆様から大いにお知恵をいただけるものになると考えます。  そこで伺います。  私のこの提案に対する考えをお聞かせください。
     さて、県が行う施策・事業の多くは、一年限りではなく継続事業も多くございます。特に継続事業の場合、ずっと同じことをずっと同じ予算で行うのではなく、それまでの成果を踏まえ、次年度以降の事業のあり方、予算が決められるべきものと考えます。  そこで伺います。  現在、予算編成において、それまでの成果をどのように調査し、次年度以降の予算に反映させているかお聞かせください。  また、予算編成においても、先ほど提案いたしましたような資料を作成し、公開すべきと考えますが、考えを示してください。  以上、三回目の質問といたします。 47 ◯総務部長(稲原 浩君)施策・事業の成果等についてでございます。  施策・事業の成果とは、施策を行うことによって得られた結果であり、本県の「主要施策の成果に関する調書」においては、数値目標の達成に向けて取り組んでいる施策について、その数値目標を記載することとし、客観的指標などにより成果を把握することが困難な事業につきましては、対象人数などその実施状況を成果として報告することといたしております。  同調書は、予算審議において必要性をお認めいただいた諸事業について、年間を通じた実施状況を決算資料として取りまとめることで、決算の認定を行う際に、単なる数字の審査にとどまらず、事業の成果についても検討を加えられるよう、先ほど御指摘もございました地方自治法の規定に基づき作成しているものでございますが、効率性という視点に関しましては、地方公共団体の実施する施策は、法令に基づく給付事務や一定の基準に基づく予防的施策などが多いことを踏まえますと、決算資料である成果調書において、効率性という視点を統一的に整理することは困難であると考えております。  県では、平成二十三年度の成果調書から、施策の実施による成果を数値であらわせるものにつきましては、数値を経年で記載いたしますとともに、行政評価、知事マニフェストなどに目標値が設定されているものにつきましては、成果としての数値に加え、その達成状況が確認できるように記載するなどの改善を図ったところであり、引き続きこうした取り組みを徹底し、各施策の成果がよりわかりやすいものとなるよう努めてまいります。  成果と予算編成とのリンク等についてでございます。  予算編成に当たりまして、継続事業の取り扱いにつきましては、それまでの事業実施に係る予算・決算額やその実績、事業効果だけでなく、国の予算や制度改正などの動向、関係団体の意向、さらには県税等の財源確保の状況などを踏まえ、総合的に検討を行っているところでございます。  したがいまして、予算案の公表の際に、御指摘のように成果にのみ関連させて予算を説明することは、予算編成の実態を反映しておらず適当でないと考えており、これまでも、県民の方々にできる限りわかりやすい形で御理解いただくという観点から、当該年度の予算編成の考え方、各施策の目的や内容、事業量等を記載した資料を公開しているところでございます。 48 ◯下鶴隆央君 成果調書の統一様式の整備について再質問いたします。  今、施策・事業の成果並びに統一様式について質問いたしましたが、それはなぜ質問したかといいますと、具体的に現状の成果調書に問題があると見ているからなんですね。例えば、これだけ膨大にわたりますので、まず一ページ目から話をしますと、まず最初の一ページは書かれているのが、「知事と語ろ会」が書いてあります。こちら、施策の目的は、読み上げますと、「県政の円滑な推進を図るため、県民の県政に対する意見・要望等を把握し、施策への反映に努める」。目的は、施策への反映に努めるということです。  ところが、この調書には、例示でいいんですけれども、どういう施策を、声を聞いてこの施策に反映されたかというのが一切書いてないんですね。そうしますと、予算額として百万円、決算として六十七万円の事業ですが、じゃこれが有益な事業なのかどうかというのが判断できないんですよ、どういう声を聞いて、どういう施策へ反映したか。施策へ反映したのがたくさん反映したのであれば、例示でいいから載せなければいけないものだと考えます。  また、ほかは統一的に問題があるものとして、よく事業の目的として「普及啓発に努める」とありますが、じゃ普及啓発に努めるという目的に対応する成果は、ビラを配ることなのか、それとも県民の方に認知度がこれだけふえたということなのか、私はこちらだと考えます。ところが、現状の評価調書の中には、もうお金を使ってビラを何万枚も配ったからいいでしょうと、そういう記載なんですよね。  なので、これを変えるためには、効率性は先ほどの答弁のとおり、できないところはできないでいいんですが、必要性そして有効性について、必ずここに記載してくださいよというきっちりとした統一様式を整備すべきだと考えますが、それについてのお考えをお示しください。 49 ◯総務部長(稲原 浩君)必要性、有効性についての御質問でございます。  私どもの成果調書については、今お示しがありましたとおり、「施策の目的」のところに、何のためにこの施策をやるかということは書いております。ちなみに、今、議員が議場のほうにお配りいただいているかと思います、この様式の事例とかを見ていますと、例えば、目的のところに、これは子ども、子育ての関係の保育支援事業でありますけれども、意図として「子育ての経済的負担の軽減」ということが書かれております。これが目的であり、このことについては我々もきちっと書いているところでございます。  さらに、様式上の問題だとは思うんですけれども、ここに目的として書かれている「経済的負担の軽減」が、例えば事業成果のところに「軽減された」と、同じ趣旨が書いてあったりですとか、必要性のところには、この説明のところで「保護者の経済的負担を軽減し」ということで、同じような趣旨が散りばめられて書いてあると。  つまり私が何を申し上げたいかというと、我々どもの様式で言っている「施策の目的」の中に書かれているものについては、その施策の必要性というものが含まれているというふうに考えております。  ただ、御指摘のように、もう少し明確に書くべきという御指摘は、継続的に、わかりやすい調書という観点から改善していく必要があると思いますけれども、今言ったように、統一的な様式で改善できる部分とできない部分、一点に集中して記載しているような部分もありますので、そこは御理解いただきたいと思っております。    [下鶴隆央君登壇] 50 ◯下鶴隆央君 続いて、県外郭団体の決算書の記載充実について伺います。  県が行う事業の中には、外郭団体に委託して行っているものも数多くありますが、県が県とかかわりの深い外郭団体に税金を使って事業を委託する際には、ちゃんと民間企業と公平な競争を行っているのか、委託金額は適正かどうかなど、より厳しくチェックする必要があります。また、県本体の財政状況が厳しい中、外郭団体に県に返せるお金はないのか。また、反対に、将来的に県に降りかかってくる借金はないのかなどもチェックする必要があります。  この点、地方自治法第二百四十三条の三第二項並びに地方自治法施行令第百五十二条の規定により、県が一定以上の出資または一定以上の債務を負う外郭団体については、経営状況を説明する書類を作成し、次の議会に提出しなければならないと定められております。  この外郭団体決算書は非常に有用な資料で、私もこれを活用しまして、これまでこの本会議で、県住宅供給公社が県から、競争なし、随意契約で年一億二千万円収入のある鴨池ニュータウン駐車場をわずか四千万円で借りていることですとか、県地域振興公社には多額の埋蔵金が存在することを指摘してまいりました。  県民の皆様の負託を受けて税金の使い道を監視する県議会議員として、関連資料を調査し、なければ要求し、その上で追及するのは当然の話ですが、見る目をふやすという観点から、本来であれば最初から、さまざまな情報が県民の皆様に明らかにされているべきだと考えます。  そこで質問いたします。  県外郭団体決算書の記載事項については、これまでの記載事項に加え、県職員の再就職状況、県からの受託事業の状況、それらの契約形態を来年度分から追加すべきと考えますが、お考えをお示しください。  続いて、公平・公正な契約の実現について伺います。  県は、公共工事の入札、県有施設の維持管理の委託、県有地の売却など、さまざまな形で民間事業者と契約を結びます。その契約に当たっては、一定の違法・不正な行為を行った会社は入札に参加できないような仕組みになっておりますが、昨今民間企業ではコンプライアンス経営ということが言われています。利益を追求するためには何でもやるということではなく、法令を遵守するのはもちろんのこと、社会良識やルールをしっかりと守った企業活動を行うというものです。  最初に掲げた各種の県が結ぶ契約も、最終的には県民の幸福量を最大化する、すなわち県民の幸せにつながるものでなくてはなりません。もしも、たまたま一円安くで落札した会社が、労働者をいじめる会社だったら、消費者をだます会社だったら、民主主義における正当な意思形成をゆがめる公職選挙法違反を犯す会社だったらどうでしょうか。契約時点で県に入るお金は少し有利になるでしょうが、県民全体で考えたら幸福だとは思いません。  ここで私は、県にも、契約においてコンプライアンス経営に基づいた取り組みを提案いたします。県が各種契約を結ぶ際に、例えば過去一定期間に賃金の不払いや過剰な労働時間といった労働法違反や、消費者をだます詐欺や消費者保護法違反、そして民主主義における正当な意思形成をゆがめる公職選挙法違反等を行った事業者については、入札参加できなくするですとか、総合評価方式の評価項目の減点要素にするといった取り組みを行うべきと考えますが、県の考えを示してください。  最後に、指定管理者制度について伺います。  今回の議会にも、吉野公園、大隅広域公園、ふれあいスポーツランドなどの議案が提案されております。今回提案された議案は、公募を行ったということで非常に喜ばしいと考えておりますが、公募を行ったといっても、その審査体制、経緯を注意深く見る必要があります。  例えば、ふれあいスポーツランドの選定においては、募集要項に審査基準が明記されていることは評価できます。しかしながら、それぞれの審査基準の項目が何点満点で、応募した会社がそれぞれの項目で何点とっていたかということを公表する必要があります。例えばこの例では、全体の点数は公表されておりますが、これだけではちゃんと各項目評価されているかどうかわかりませんし、また、落選して再チャレンジしようと思う会社も、これでは、どこが悪かったのか、どこを直せばいいのか、対策、改善策を講じようがありません。  また、審査体制ですが、土木部では土木部職員二名と民間有識者二名の計四名となっておりますが、当該分野に長く携わり、今仕事として携わっている県庁職員の側が、どうしても声が大きくなるのではないかと思います。民間の知見を反映させ、また、官より民という姿勢を示すには、少なくとも民間側が過半数となる体制をとるべきだと考えます。  そこで質問いたします。  指定管理者の選定においては、審査基準の各項目の配点を事前公表し、結果点も各項目ごとに公表すべきと考えますが、お考えをお示しください。  また、選定委員は少なくとも民間人を過半数とすべきと考えますが、お考えをお示しください。  以上、四回目の質問といたします。 51 ◯総務部長(稲原 浩君)外郭団体の決算書についてでございます。  地方公共団体の長は、地方自治法の規定に基づき、出資法人等について、毎事業年度その経営状況を説明する書類を作成し、議会に提出しなければならないとされております。この規定は、これらの法人は、地方公共団体が出資等を行い、または債務の負担をしていることに鑑み、十分に経営状況を把握しておく必要があるという趣旨のものであって、経営状況を説明する書類は、地方自治法施行令によりまして、毎事業年度の事業計画及び決算に関する書類とされております。  県としては、これまで提出しております貸借対照表、損益計算書、事業の実績報告等を記載した決算に関する書類により、各法人の経営状況を的確に把握できているものと考えておりますが、付加的な情報として御指摘のあったような点についてどのように扱うか、今後検討してまいりたいと考えております。  入札参加の要件のうち、県有財産の売却についてお答え申し上げます。  地方自治法上、一般競争入札において入札参加に制限を加えることができる場合につきましては、成年被後見人等の契約を締結する能力を有しない者や破産者を一般競争入札に参加できないこととし、また、故意に工事等を粗雑に実施したり、いわゆる不正談合を行うなどの事実が認められるときには、三年以内の期間を定めて一般競争入札に参加させないことができるとしております。  そのほか、必要があるときには、契約の種類及び金額に応じ、工事、製造または販売等の実績、従業員の数、資本の額その他の経営の規模及び状況を要件とする資格を定めることができるとされております。  さらに、契約の性質または目的により、入札を適切かつ合理的に行うため特に必要があると認めるときは、事業所の所在地、工事等についての経験、技術的適性の有無等に関する必要な資格を定めることができるとされております。  こうした地方自治法等の規定に該当しない過去の法令違反について、入札参加を制限する要件とすることは法令上できないこととされており、本県の県有財産を売り払う際の入札参加制限の要件としておらず、こうした扱いは国や他の九州各県でも同様でございます。  指定管理者の選定における結果点等の公表についてでございます。  指定管理者の候補者の選定に当たりましては、関係各部及び教育長にそれぞれ設置する指定管理者選定委員会において、住民の平等な利用を確保できるか、施設の効用を最大限に発揮させ、経費の縮減が図られるか、管理を安定して行う物的・人的能力を有しているかなどの観点から、選定基準等を設け、施設の設置目的や性格等を踏まえ、配点を決定し、審査を行っております。  現在、一部施設の指定管理者の募集に際し、選定基準ごとの配点を事前公表しているところであり、審査結果については、公募した全ての施設において応募者の総合点を公表しております。  選定基準の配点や選定基準ごとの評価点の公表につきましては、応募しようとする事業者に事前に選定基準の配点を知らせることが、事業者によるサービスの向上につながるかどうかといった観点、また他方で、選定基準ごとの評価点を広く公表することの有意性の有無といった観点から、検討する必要があると考えております。 52 ◯土木監(秋元幸壽君)公共事業に係る入札参加資格についてでございます。  建設業者またはその役員等が労働関係法令、法人税法、公職選挙法などの法令違反を行った場合には、鹿児島県建設工事等有資格業者の指名停止に関する要綱に基づき、指名停止措置を行っております。また、建設工事の一般競争入札参加資格として、指名停止措置を受けていないことを要件としていることから、指名競争入札への参加はもとより、一般競争入札への参加もできないこととなっております。  なお、総合評価の評価項目につきましては、公共工事の品質確保を図る観点から、企業の施工能力や配置予定技術者の能力及び地域貢献度を総合的に評価しているところでございまして、法令違反などの建設業者の不正行為につきましては、指名停止措置で対処することといたしております。  指定管理者の選定委員についてでございます。  県の指定管理者の指定方針においては、各部局ごとに指定管理者選定委員会を設置することとされており、委員の構成については、同方針により、必要に応じ外部委員を含めるとなっております。  土木部における指定管理者選定委員会は、外部委員二名を含む計四名で構成されており、この委員構成により公平性は確保されているものと考えておりますが、引き続き、公正な指定管理者の選定に取り組んでまいります。    [下鶴隆央君登壇] 53 ◯下鶴隆央君 鹿児島に稼げる仕事をつくるという観点、そして、県政の「見える化」という観点から、るる質問してまいりました。  まず、MICE、コンベンション等の誘致についてですが、答弁でもありましたとおり、現状本県においては、大会議場と中小の会議場が併設された施設が乏しいことも現実であります。答弁にもありましたが、コンベンション施設とは、メインのフォーラムが開ける大会議場に分科会が開催できる中小の会議場を併設し、場合によっては近隣に宿泊施設を併設するというものでありますが、私は、先ほど提案したように、やはり費用対効果というのはしっかりと考えなきゃいけないものだと考えております。もちろん何でもかんでもそろった施設を新しくつくれたら、それにこしたことはありませんが、税金を使うことですので、費用対効果というのをしっかりと考えて取り組んでいただけるように要望いたします。  そして続いて、Wi─Fiに関しては、非常に前向きな答弁がいただけたと思っておりますので、観光客誘客のためにしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。  続いて、公設試験研究機関の充実ですが、何度も取り上げておりますが、やはり将来の仕事を生むことであります。しっかりと研究費の増額も含めて対応いただきたいと要望いたします。  そして、県政の「見える化」についてですが、できる限りの情報はやはりしっかりと、言われるまでもなく出す。そういう県政の運営を実現していただきたいと要望いたします。  最後に、やはり我々県議会議員は、政策において皆様から注目していただくべく頑張るものだと考えております。私自身、県勢の発展のため、そして鹿児島に稼げる仕事をつくるため一生懸命頑張ることを申し添えて、一般質問を終わります。  御清聴いただきありがとうございました。(拍手) 54 ◯議長(池畑憲一君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 55    △ 日程報告 ◯議長(池畑憲一君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問であります。       ───────────── 56    △ 散  会 ◯議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十三分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...