鹿児島県議会 2013-10-04
2013-10-04 平成25年第3回定例会(第8日目) 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前十時開議
△ 開 議
◯議長(
池畑憲一君)ただいまから、本日の会議を開きます。
本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。
━━━━━━━━━━━━━
議 事 日 程
一、開 議
一、
決算特別委員会の委員長及び副委員長の互選結果
報告
一、議案第九一号から議案第一〇八号まで、報告第三
号及び議案議第七号並びに請願・陳情の
一括上程
一、
同右議案等の
委員長報告、質疑、討論、表決
一、議案第一〇九号及び議案第一一〇号の
一括上程
一、同右議案の討論、表決
一、閉会中の継続審査の件
一、意見書案の
一括上程、
提案理由説明、質疑、討論、
表決
────
知事あいさつ ────
一、閉 会
━━━━━━━━━━━━━
2 △
決算特別委員会の委員長及び副委員長の互選
結果報告
◯議長(
池畑憲一君)報告いたします。
さきに設置されました
決算特別委員会の委員長及び副委員長については、互選により、
委員長外薗勝蔵君、副
委員長桃木野幸一君に決定した旨の報告がありました。
以上で、報告を終わります。
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3 △ 議案第九一号─議案第一〇八号、報告第三号、
議案議第七号、請願・陳情上程
◯議長(
池畑憲一君)次に、議案第九一号から議案第一〇八号まで、報告第三号及び議案議第七号並びに請願・陳情を一括議題といたします。
─────────────
4 △ 各
常任委員長審査結果報告
◯議長(
池畑憲一君)これより、委員長の報告に入ります。
まず、
企画建設委員長の報告を求めます。
小園しげよし君。
[
企画建設委員長小園しげよし君登壇]
5
◯企画建設委員長(
小園しげよし君)皆さん、おはようございます。
企画建設委員会での審査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。
当委員会に付託されました議案第九一号など議案四件につきましては、いずれも
全会一致で原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
審査の過程の主な論議について申し上げます。
議案第九一号平成二十五年度鹿児島県
一般会計補正予算の
企画部関係では、
木質バイオマスエネルギー導入促進事業について、委員から、「原料の確保はどうなのか」、「銀行からの融資は確保されているのか」、「
補助対象者となる霧島市の責任はどうなるのか」などの質疑があり、「今回の事業については、事業者から提出された材の調達計画や
資金収支計画等の
事業計画を精査の上、事業の確実性、採算性、継続性が十分見込まれるとの判断のもとに予算計上したものであるが、今後、予算の執行に当たっては、材の供給計画や
事業計画について霧島市や関係部局とも
十分協議調整の上、十分精査してまいりたい」との答弁がありました。
委員からは、「本県が抱えている
林業木材産業の再生、地域林業の活性化、
再生可能エネルギーの導入促進の観点から必要な事業であると考えているが、この事業への
取り組み状況について不安な要素等も議論されたので、県は、責任を持って霧島市と協議し、納得できるような事業としていただきたい」との要望がありました。
次に、請願・陳情につきましては、お手元に配付してあります請願・
陳情委員会審査結果一覧表のとおりですが、新規分の請願・陳情四件につきましては、三件を採択、一件を不採択すべきものと決定いたしました。
また、
継続審査分の四件につきましては、一件を不採択、二件を継続審査すべきものと決定いたしました。
審査の過程の主な論議について申し上げます。
まず、
新規付託分の請願第三〇〇二
号航空運賃の低減に関する請願書及び請願第三〇〇三
号農林水産物の
輸送コスト低減に関する請願書について、「奄美群島における
航空運賃の軽減や
農林水産物の
輸送コストに係る
支援制度の創設について国に強く要請してきたところ、
国土交通省の来年度
予算概算要求に、
航空運賃や
農林水産物の
輸送コストの軽減等に活用できる交付金が盛り込まれ、県としては、今回の
概算要求が確実に予算化されるよう取り組んでいきたい」との
状況説明がありました。
委員から、「
航空運賃について、割引は何%になるのか」との質疑があり、「
国土交通省が財務省と折衝中であるが、県内路線に関し、
概算要求においては、離島住民については五七%割引、島外住民については、鹿児島・奄美線を除き三七%割引で要求していると聞いている」との答弁がありました。
委員からは、「県としては
支援制度の創設を国に強く要請し、
概算要求にも盛り込まれていることから、採択すべき」との意見があり、いずれも
全会一致で採択すべきものと決定いたしました。
次に、陳情第三〇三七
号県道小山田─谷山線の着実な整備促進と安全の確保について、「
山田交差点から
中山小前交差点までの約一・八キロメートルにつきまして、平成十五年度に山田工区として整備に着手したところであり、現在、
谷山北中学校前から
皇徳寺団地東口交差点までの整備を進めている」との
状況説明がありました。
委員から、「
子供たちの
安全対策が言われる中、いつごろを目標に整備するのか」との質疑があり、「通学路の
緊急合同点検を昨年度実施しており、
安全対策については地元の方からも強く要望があることから、対応できる箇所から早急に対応していきたい」との答弁がありました。
委員からは、「整備区間の早期完成に努めるとともに、現場状況を踏まえて
通学児童等の
安全対策に取り組むとのことであることから、採択すべき」との意見があり、
全会一致で採択すべきものと決定いたしました。
次に、
県政一般の特定調査について申し上げます。
企画部関係では、
再生可能エネルギーの
導入状況等について、集中的な議論が交わされました。
委員から、「平成十三年度に策定された鹿児島県新
エネルギー導入ビジョンが平成二十二年度に改定され、新
エネルギーの導入の計画が平成二十三年度から平成三十二年度までの十年間となっているが、
東日本大震災があり、大きく見直さないといけないと思うが、計画の変更はどのようになるのか」との質問に対し、「国においては
エネルギー基本計画の見直しを行っており、本県においても新
エネルギー導入ビジョンとして整理していたものを、水力、地熱、
海洋再生可能エネルギーを含めて、
再生可能エネルギーの
導入ビジョンとして見直しをしたいと考えている」との答弁がありました。
また、委員から、「
再生可能エネルギーの導入を図るに当たっての課題と現状の
取り組みはどうか」との質問に対し、「例えば地熱発電の場合、
国立公園区域内の開発は法的な規制があることから、国において、規制緩和に向けた制度の見直しがされてきているほか、
再生可能エネルギーの必要性に関する住民の理解を深めるための支援策に取り組んでおり、県としても、国や他県の
取り組みについて情報提供するなど、住民の理解促進に努めていきたい」との答弁がありました。
土木部関係では、
交通ネットワークに係る公共施設の
老朽化対策の
取り組みについて、集中的な議論が交わされました。
委員から、「
老朽化対策に関し、職員の不足が言われているが、県の
土木技術職員の
採用状況はどうか」との質問に対し、「
土木技術職員の
採用状況は、平成二十二年度以降、五名、九名、五名となっており、退職者数に比べて少ないが、人事全体の中で影響が出ないよう
技術系職員の配置に努めている」との答弁がありました。
また、「トンネルの点検は問題はなかったのか」との質問に対し、「トンネルの詳細点検は、現地点検は終わっているが、現在、解析中である」との答弁がありました。
これらの議論を踏まえ、委員から、「
老朽化対策の課題等に対応するため、
技術系職員の確保に向けて検討していただきたい」、「トンネルの点検については、しっかり解析をしていただき、的確な対応をしていただきたい」との要望がありました。
次に、一般調査おいて、企画部では、鹿児島・上海線の需要拡大に向けた
総合的方針─骨子案─の説明があり、委員から、「経済界との連携強化とあるが、各団体の計画は来年度以降も続くのか」との質問があり、「中長期的な方針としては、
鹿児島空港を発着する国際線の存在意義について説明するとともに、
海外ビジネスツアー助成事業の利用を通じ、需要拡大に対する協力を求めていきたい」との答弁がありました。
また、「六名以上の団体や
ビジネス出張に助成を行っているが、事務手続が煩雑との意見がある。また、観光で行く人も助成の対象に加えたらどうか」との質問があり、「
ビジネスツアーについて、申請手続が繁雑との意見は聞いている。今後どのような形で助成を行っていくのがいいのか、平成二十六年度予算に向けて検討していきたい」との答弁がありました。
委員からは、「計画を推進する体制をどうするかが大事なので、各課連携して取り組んでいただきたい」との要望がありました。
最後に、
意見書発議について申し上げます。
委員から、請願として提出され、採択すべきものと決定いたしました奄美群島における
航空運賃の軽減及び
農林水産物の
輸送コスト軽減について、国に対して意見書を提出すべきではないかとの提案があり、
全会一致で委員会として意見書を発議することを決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
6 ◯議長(
池畑憲一君)次は、
文教警察委員長の報告を求めます。
き
久伸一郎君。
[
文教警察委員長き
久伸一郎君登壇]
7
◯文教警察委員長(き
久伸一郎君)
文教警察委員会での審査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。
まず、当委員会に付託されました議案第九一号など議案三件及び
専決処分報告一件につきましては、
全会一致で原案のとおり可決または承認すべきものと決定いたしました。
審査の過程の主な論議について申し上げます。
議案第九一号平成二十五年度鹿児島県
一般会計補正予算第二号に関して、
中高一貫教育校整備事業の
債務負担行為の財源について質疑があり、「国庫等を充てられるものは充てることとしており、他の財源の確保もあわせて、来年度の財源構成は変わる可能性はあるが、できるだけ有利な財源を活用するよう努めたい」との答弁がありました。
また、
専決処分報告につきましては、警察の公用車による交通事故に伴う損害賠償でありましたことから、委員から、「
交通事故防止は警察の重要な業務の一つであり、今後は、さらに全所属を挙げてしっかり対応していただきたい」との要望がありました。
議員提案の議案議第七号鹿児島県
家庭教育支援条例制定の件に関して、
郷中教育や
日新公いろは歌が条例の前文に盛り込まれていることについて質疑があり、提案者からは、「
郷中教育は、薩摩藩の武士階級の子弟を対象とした
青少年教育のシステムと考えており、郷土の貴重な財産として誇りとすべきことではあるが、現代の社会組織の中で個別に盛り込んで実践することには無理があると考えている。地域の教育に対する熱心さ、情熱及び伝統と風土があることを述べるために前文に盛り込んだものであり、
家庭教育支援条例の
教育理念として位置づけるものではない」との答弁がありました。
また、「
次期鹿児島県
教育振興基本計画に
家庭教育の支援がどのように盛り込まれるのか」との質疑に対しては、「国の第二期
教育振興基本計画においても、
家庭教育の支援に関する施策が、また、現在の本県の計画においても、家庭の教育力の向上が盛り込まれており、今回、本県において条例が制定されることなどから、内容については今後、検討されることになるが、次期計画の中にも
家庭教育の支援が盛り込まれるものと考えている」との答弁がありました。
親学との関連についても質疑があり、提案者からは、「親学とは何かということについて、一年間かけて勉強し、研究してきており、以前は三世代同居が一般的で、祖父母力という形で生かされていた面があると思うが、核家族化に伴い、地域とのつながりも希薄になっている中で、若い親が子供の教育について悩んでいる姿がある。地域のつながりが非常に濃厚であった時代は、
家庭教育について自治体の支援は必要なかったかもしれないが、現代の、周囲の支援や知恵が伝承されていない状況の中では、自治体や社会が積極的に担うべき問題であるという観点を持っている」との答弁がありました。
次に、陳情につきましては、お手元に配付してあります請願・
陳情委員会審査結果一覧表のとおりでありますが、
新規付託分二件につきましては、一件を採択、一件を不採択とすべきものと決定いたしました。
また、
継続審査分の一件につきましては、引き続き継続審査すべきものと決定いたしました。
審査の過程の主な論議について申し上げます。
陳情第四〇二四
号私学助成の充実と財源確保に関する意見書の提出については、「国の動向により
私立学校を取り巻く環境も変化する可能性があり、この動きに応じた対応が求められる」との指摘はあったものの、「少子化による影響等で
私立学校の経営環境は依然として厳しい状況にある」との意見もあり、
全会一致で採択すべきものと決定し、国に対して、私学助成の充実と財源確保に関する意見書を発議することといたしました。
陳情第四〇二五号希望するすべての
子どもたちに豊かな
高校教育を保障するための陳情書については、
特別支援教育に関する質疑に対し、「分校・分教室での
教育活動や
教育効果について、少人数では課題があると考えており、また、先進県においても、施設面や教員の体制、学校間の連携等についての課題があると聞いている」との答弁があり、委員からは、「
特別支援教育の必要性は高まっており、
特別支援学校の分校や分教室が設置されている先進県の事例も受けとめて、前進させることが重要である」との要望がありました。
本陳情については、「
大隅地域では、高校再編について時間をかけた丁寧な手法がとられており、他の地域でも地域住民の理解は必要不可欠と考えており、また、現状で一学級三十五人以下の高等学校が多く、財政負担の問題については
文部科学省との調整が必要と思われることなどから、陳情の趣旨に賛成である」として採択の意見と、「高校のあり方や定員に満たない学校・学科における入学者の
受け入れ等については適切な対応がなされており、また、高校への三十五人以下の少人数学級の導入及び給付型の
奨学金制度の創設等については、実現が困難な状況にある」として不採択の意見があり、採決の結果、不採択すべきものと決定いたしました。
続きまして、
県政一般の一般調査について申し上げます。
警察本部関係では、八月に愛知県で実施した行政視察に関連して、
サイバー犯罪の対応について質問があり、「本県では、鹿児島県
警察重大サイバー犯罪対処連絡室等を設置することとしており、また、
サイバー犯罪捜査のため、平成二十四年度に七人、平成二十五年度に七人増員が図られたところである。
サイバー攻撃特別捜査隊は、本年四月に福岡県にも設置され、九州管内で
サイバー攻撃事案があった場合は、技能・技術面の支援体制も確保されており、本県でも、
重要インフラで
サイバー攻撃があった場合は、福岡県
警察本部に支援を求め、応援をもらうこととしている」との答弁がありました。
また、同じく三重県で実施した行政視察に関連して、
交通管制センターの
自家発電装置について、「大規模災害の発生により電力会社からの送電がストップした場合、
警察本部庁舎の地下にある非
常用発電機を稼働することになるが、津波等で地下が浸水したときは使用できなくなる可能性もあることから、対策として、上階に小型の非
常用発電機を設置することを検討している」との答弁があり、委員からは、「不測の事態のときこそ警察力は最も期待されることになるので、早期に実現していただきたい」との要望がありました。
次に、出産・育児等を理由にした
女性警察官の退職に関する質問があり、「平成五年度から
女性警察官を採用しており、これまで二百四十四人を採用し、そのうち八十三人が育児等を理由に退職している。
少子高齢化が進む中、警察にとっても女性の活用は重要なテーマであると考えており、勤務環境の整備については、予算措置や、本県の特徴として小規模署が多く、人事配置の上で難しい問題等はあるが、検討を進めているところである」との答弁がありました。
委員からは、「女性の採用が進むよう、
採用担当者に女性を配置するなど努力していただきたい」との要望がありました。
教育委員会関係では、教職員の
上海派遣短期特別研修に関する質問に対し、「研修の成果については、まず職場で話をし、学習の機会を通じて児童生徒に直接、語りかけるとともに、学校や地区の研修会などで発表したいという意見もあった。また、八月に行われた未来を拓く鹿児島の
教育シンポジウムにおいても、上海研修について報告しており、今後の研修成果の還元について、
指導主事会議等を通じて指導しているところである」との答弁があり、委員からは、「今回の教職員の研修を通して、
子供たちが上海のことを勉強するきっかけになったと考えており、中国や上海との交流を通して成長してもらえれば、これからの鹿児島にとって大きな成果につながっていくものと思われる」との意見がありました。
また、公立高校の
生徒募集定員に関して、学級減や統廃合について質問があり、「
大隅地域では、地元の高校に対して自分たちは何ができるかという視点で検討していただいたと受けとめており、他の地域においても、同様の視点で建設的に検討していただきたいと考えている」との答弁があり、委員からは、「高校を存続させるために地域は何ができるか、何をすべきかを考えるいいきっかけになったと思うが、そのためには、
県教育委員会も助言を続けていくことが重要であり、県下のPTA、同窓会、高校、首長、住民に発信し続けてほしい」との要望がありました。
新設される
楠隼中学校・高等学校について、「少人数学級で高い
教育効果が見込まれるが、地域の
子供たちの入学者の枠を設ける考えはないのか」との質問があり、「県内外からの生徒募集というコンセプトで始まっているが、県外または県内から何人来るか見当がつかない中で、一定の枠は決めがたい状況にあり、今後の選抜や志願等の推移を踏まえ、一定の時期に見えてくるものと思われるので、今のところ、最初から枠をつくる予定はない」との答弁がありました。
以上で、報告を終わります。
8 ◯議長(
池畑憲一君)次は、
環境厚生委員長の報告を求めます。
吉留厚宏君。
[
環境厚生委員長吉留厚宏君登壇]
9
◯環境厚生委員長(
吉留厚宏君)
環境厚生委員会での審査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。
当委員会に付託されました議案第九一号など議案六件につきましては、いずれも
全会一致で原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
審査の過程の主な論議について申し上げます。
議案第九一
号一般会計補正予算の
海岸漂着物地域推進対策事業について、まず、六千九百万円の委託料の内容について質疑があり、「
海岸管理者として県が実施するものであり、
海岸漂着物の回収処理や
不法投棄防止看板の設置などに充てるものである」との答弁がありました。
次に、この事業における県と市町村の守備範囲について質疑があり、「県は、
海岸管理者としてみずから管理する海岸を実施し、市町村は、
当該市町村の管轄地域の海岸であればどこでも実施できる」との答弁がありました。
さらに、「現在、財源がなくて漂着物の処理に困っている市町村はないか」との質疑があり、「七月には、台風七号の影響によるものと思われる大量の漂着物が県の西海岸に漂着したが、市町村はこの事業を活用して処理することが可能であり、また、今回の補正に当たっては、事前に市町村から要望を聞いたところである」との答弁がありました。
次に、請願・陳情につきましては、お手元に配付してあります請願・
陳情委員会審査結果一覧表のとおりでありますが、
新規付託分一件を採択すべきものと決定いたしました。
また、
継続審査分十件につきましては、五件を継続審査すべきもの、二件を採択すべきものと決定し、残りの三件のうち、一件につきましては、二項目のうち一項目を採択、残りの一項目を継続審査すべきものと決定し、もう一件につきましては、十二項目のうち一項目を採択、残りの十一項目を不採択すべきものと決定いたしました。
審査の過程の主な論議について申し上げます。
新規の陳情第五〇三四
号重度心身障害者医療費助成制度に関する陳情書について、
現物給付方式の導入に関し、まず、全国二十二道府県で導入した背景について質疑があり、「所得制限や自己負担を設けるなど、
財政状況等を総合的に勘案した上で導入しているのではないかと考えている」との答弁がありました。
次に、他県の例に見られる医療費の増加及び市町村の
国民健康保険に対する
国庫負担金の減額の状況並びに本県での想定について質疑があり、「導入により、他県の医療費は約一・六倍に増加している。これで試算すると、本県の医療費は県費負担で十四億円ほどふえ、市町村の
国民健康保険に対する
国庫負担金は一億七千万円ほど減額されることが見込まれる」との答弁がありました。
これらの議論を踏まえて、委員から、「現物給付を早々に導入することは難しいことを理解したが、県が開促協で国に制度化を要望しているので、その方向性でぜひ国に働きかけたい」などの意見が出され、
全会一致で採択すべきものと決定いたしました。
なお、
乳幼児医療費助成制度及び
ひとり親家庭医療費助成制度についても、当陳情の趣旨と同様の状況にあることから、当委員会から、
地方単独医療費助成制度の充実・強化のための支援に関する意見書を発議することといたしました。
次に、陳情第五〇一六
号霧島国際カントリークラブ─仮称─建設に係る
林地開発許可の取消しを求める陳情書など、関連する陳情二件について、事業者から本年三月に県へ提出された変更届に関し、委員から、「調整池の側壁と底盤の工法変更は、
変更許可申請の要件に該当するのではないか」との質疑があり、「変更許可については、森林法の施行細則に要件が定められているが、調整池等の防災施設については、新設、廃止、著しい構造の変更が変更許可の対象となっている。今回の変更は、一般に普及しており、県内外でも施工実績のある工法への変更であることから、変更届で処理したものである」との答弁がありました。
これらの議論を経て、「先行工事が放棄されて十五年以上が経過するなどの事情に鑑み、議会として、先行工事をしっかり完成することを意思表示する必要がある」として採択を求める意見と、「災害防止の観点から、調整池の施工状況及び県の指導監督の状況を注視したい」として継続を求める意見がありましたが、採決の結果、陳情第五〇一六号及び陳情第五〇二七号を継続審査すべきものと決定いたしました。
続きまして、
県政一般の特定調査について申し上げます。
環境林務部関係では、森林環境税関係事業について、集中的に論議が交わされました。
まず、奄美大島の枯損木対策について質問があり、「昨年度は森林環境税を使って二千五百立方メートルほど処理したが、平成二十五年度は、森林環境税に加え,国の補正予算一億二千万円余りを活用し、枯損木対策を進めていきたい」との答弁がありました。
委員からは、「松くい虫被害の抜本的な解決は困難であるが、枯損木対策はしっかり取り組んでいただきたい」との要望がありました。
次に、「里山林機能回復事業などについては、魅力ある観光地づくりなどの
取り組みと連携しているか」との質問があり、「森林環境税の使途については、毎年度、部内に設置した事業運営委員会において事業評価を行い、翌年度どのような事業に取り組むべきか議論しているところであるが、今後は、他の部の意見も聞きながら取り組んでまいりたい」との答弁がありました。
委員会としては、こうした答弁などを踏まえ、「庁内の関係部署と連携を図りながら、さらに森林環境税を活かせるような
取り組みを進めていただきたい」と要望したところであります。
続きまして、一般調査について申し上げます。
保健福祉部関係では、本県における発達障害者の療育支援体制について、「国は、生活圏において支援が提供されるよう発達障害者支援体制整備検討委員会の設置を求めているが、本県の状況はどうなっているか」との質問があり、「本県においても、以前は設置していたが、こども総合療育センターの開設後は、センターの連絡協議会という形で御意見をいただいている」との答弁がありました。
次に、「連絡協議会には県下全域の地域の方が入っているか」との質問があり、「市町村については霧島市及び伊佐市が入っている」との答弁がありました。
これに対し、委員から、「霧島市、伊佐市などの先進地だけでは不十分ではないか。また、臨床心理士、理学療法士などの整備状況等も含めて、やはり体制整備検討委員会が必要であると思う。ぜひ具体的に発達障害者の支援体制をどうやって構築していくかというところを検討していただきたい」との要望があり、「県でも、地域の療育支援体制をつくっていくことが非常に重要であると考えているので、市町村と連携しながら取り組んでいきたいと考えており、体制整備検討委員会をどうするかについても検討したい」との答弁がありました。
環境林務部関係では、企画部で補正予算が計上された木質バイオマス発電に関連し、発電所への原料供給の見込みについて質問があり、「計画されている二事業者の発電に必要な木材は四十万立方メートル程度とされており、二事業者とも原料を調達できる見込みと認識しているが、県としても、林地残材等を効率的に搬出するという
取り組みを進めながら、安定供給が図られるように努めたい」との答弁がありました。
これに対し、委員から、「林地残材だけでは不足するのではないか」との質問があり、「まずは林地残材の有効活用が重要であるが、このほか、間伐おくれの森林における搬出間伐も進めていく。そういった
取り組みにより、必要な原料を供給できるよう努めていく考えである」との答弁がありました。
最後に、意見書について申し上げます。
ハンセン病療養所では、入所者が高齢化し、医療・介護などの体制強化が喫緊の課題となっているが、職員の削減により、入所者の生活に深刻な事態を及ぼす状況に陥っていることから、委員会として国立ハンセン病療養所の職員削減を行わず医療・看護・介護・福祉の充実を求める意見書を委員会発議することといたしました。
以上で、報告を終わります。
10 ◯議長(
池畑憲一君)次は、総務委員長の報告を求めます。
園田豊君。
[総務委員長園田 豊君登壇]
11 ◯総務委員長(園田 豊君)総務委員会での審査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。
当委員会に付託されました議案第九一号など議案七件につきましては、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
審査の過程の主な論議について申し上げます。
まず、議案第九一号平成二十五年度鹿児島県
一般会計補正予算第二号に関して、「安心こども基金を活用した二十五年度の保育所整備二十六施設の目標は、達成できるのか」との質疑があり、「今回、保育士等処遇改善臨時特例事業費補助に充てるために減額補正したが、今年度市町村から要望があった二十六施設は、計画どおり整備できる」との答弁がありました。
次に、議案第九四号鹿児島県職員退職手当支給条例の一部を改正する条例制定の件に関し、「今回導入しようとする早期退職募集制度に職員が応募した場合、認定しないという場合があるのか」との質疑があり、「具体的には、募集の際、個別に検討することとなるが、募集人員を超えた場合や、業務の都合により退職すると支障が生じる職員については、認定しない場合がある」との答弁がありました。
続いて、「早期退職募集制度において、本人の意に反して応募させる場合があるのか」との質疑があり、「この制度においては、応募を強制できないこととなっており、また、認定を受けた場合においても、退職するまでの間はいつでも取り下げができる仕組みとなっている。あくまで職員自身の意思により応募する制度である」との答弁がありました。
次に、議案第九七号土木その他の建設事業の市町村負担額について議決を求める件に関して、市町村負担率の根拠と負担の内容について質疑があり、「市町村負担金は、地方財政法の二十七条に、市町村の受益の範囲において負担を求めることができるとされており、法律上負担率の定めはない。受益の範囲に応じて、従来から個別の事業ごとに類似事業との均衡などを勘案して負担率を定めている」との答弁がありました。
続いて、負担率についての市町村の考えについて質疑があり、「負担率については、受益の限度において市町村と協議して定めている。市町村からは、今後、行われる国の直轄事業負担金の見直しと同様の見直しと、それまでの間は負担の軽減に努めてほしいとの要望がある」との答弁がありました。
次に、請願・陳情につきましては、お手元に配付してあります請願・
陳情委員会審査結果一覧表のとおりでございますが、新規分の請願二件について、一件を継続審査すべきものとし、一件を不採択すべきものと決定いたしました。
審査の過程の主な論議について申し上げます。
請願第一〇〇二号国に対し消費税増税中止を求める意見書の提出を求める請願書に関して、委員から、「長引く不況で中小業者の経営は大変厳しくなっており、これで消費税が増税となれば、ますます経営が深刻となり、地域経済が大打撃を受けることは明らかであるので、採択すべきである」との意見と、「消費税の増税については、社会保障改革のプログラムが閣議決定され、今後、消費税へどう対応するのか検討しているところであり、その推移を見守る必要があることから、継続審査としたい」との意見が出され、採決の結果、継続審査すべきものと決定いたしました。
次に、請願第一〇〇三号所得税法五十六条の廃止を求める意見書の採択を求める請願書に関して、委員から、「国において、白色申告の場合の記帳等について検討しており、また、税理士会でもさまざまな意見があることから、継続審査としたい」との意見、「同じように働いているのにそれが認められないという人権問題であり、多くの県民の自営業者が白色申告を選択している中で差別が生じているので、採択すべきである」との意見と、「我が国の所得税は申告納税制度をとっており、国は青色申告制度の推進を図っている。また、所得の計算などについて有利な取り扱いが受けられる青色申告を行うことにより、家族従事者についても必要経費の特例が認められている。これらのことから、不採択すべきである」との意見が出され、採決の結果、不採択すべきものと決定いたしました。
次に、
県政一般の特定調査について申し上げます。
県民生活局関係の消費者行政についてに関しまして、集中して論議が交わされました。
まず、消費者行政の推進体制、消費者基本計画の推進状況について、執行部からの説明を受けた後、質疑を行いました。
その中で、市町村の相談体制と県による市町村への支援についての質問があり、「相談員が置かれているところは専任であるが、置かれていないところは職員が対応している。市町村で対応できない難しい案件については、県消費生活センターに相談しながら対応している。市町村への支援としては、市町村の相談員などを対象とした研修会の開催や支援員による訪問支援を実施しており、難しい案件については、弁護士への相談が可能な体制を整えている」との答弁がありました。
委員からは、「消費生活事業の円滑な推進や住民の消費生活及び相談員の専門性の確保のため、相談員の継続した安定的な雇用が必要である」との意見がありました。
続いて、貸金業者など事業者への指導について質問があり、「県が管轄している貸金業者は十七業者であり、検査等を通じ指導しているが、大きな問題は生じていない。また、特定商取引法に関し相談が多いものについては、消費生活センターなどの情報に基づき指導し、経過観察して改善されない場合は、法に基づく対応策をとっている」との答弁がありました。
委員からは、「実効ある対応となるように、県として、事業者指導係を中心とした体制を整えながら、事業者指導に取り組んでもらいたい」との要望がありました。
次に、一般調査について申し上げます。
まず、
上海派遣短期特別研修結果の報告について、「研修ではできるだけ意見交換の場を設けるよう要望していたが、結果はどうだったか」との質問があり、「企業などの視察先において、責任者の方々と意見交換を行うことができた」との答弁がありました。
続いて、研修の成果について質問があり、「派遣された職員からは、上海の現実を直接体験することができ、今後の各種施策の企画立案・実施に役立てていきたいとの報告を受けている」との答弁がありました。
次に、スーパーアリーナの整備について、「国体開催に向けて、新たな施設の整備と既存施設の改修が考えられるが、どのように対応するのか」との質問があり、「いろいろと御意見をいただいているので、全体を再検討することとしている」、「七年後の国体開催に向け、支障がないよう対応してまいりたい」との答弁がありました。
委員からは、「今後、検討の過程を公開して、県民の意見を聴取しながら、多くの県民が納得される形でやってもらいたい」、また、「鹿児島市議会の問題意識などを含め、さまざまな情報を把握するよう努力をお願いしたい」との要望がありました。
続いて、複合施設などに係る誘致要望の状況について質問があり、「これまで、姶良市、霧島市、日置市から誘致の要望があった。このほか、伊佐市も誘致の意向があると聞いている。複合施設の整備については、施設の必要性や規模、機能など、そのあり方について幅広く多くの方々から意見を聞くなど、整備予定地も含めて改めて検討していきたい」との答弁がありました。
以上で、報告を終わります。
12 ◯議長(
池畑憲一君)次は、産業経済委員長の報告を求めます。
高橋稔君。
[産業経済委員長高橋 稔君登壇]
13 ◯産業経済委員長(高橋 稔君)産業経済委員会の審査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。
当委員会に付託されました議案第九一号平成二十五年度鹿児島県
一般会計補正予算第二号につきましては、
全会一致で原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
審査の過程の主な論議について申し上げます。
まず、商工労働水産部関係では、離職者等のための就職面談会実施事業について質疑があり、「十二月に薩摩川内市において、参加企業六十社ほど、求職者二百名ほどを見込んで就職面談会を実施する。企業等の募集については、県、市町で行っている受け入れ調査による企業等に加え、それ以外の企業等についても幅広に呼びかけを行いたい」との答弁がありました。
委員からは、「今後も相当数の離職者が出てくることから、引き続き、県でも、市町村と連携して、就職面談会などの再就職のきっかけになる仕掛けづくりをお願いしたい」との要望がありました。
続いて、農政部関係では、大隅農業・加工技術研究プロジェクト施設整備事業について、「加工、研究・開発を行う主な農作物はどういったものを想定しているのか」との質疑があり、「大根、キャベツなどのロットの大きな露地野菜、本県の農業を振興する上で重要な作物であるサツマイモやお茶などが考えられる。このほかにも、本県の特性を生かした農作物で付加価値を高められるものはないか、幅広く検討しているところである」との答弁がありました。
さらに、奄美群島農産物
輸送コスト支援パイロット事業の対象品目などについての質疑があり、「対象品目は、地元市町村等の要望に基づいて、島ごとに選定している。また、今年度、国においても
輸送コスト支援に係る調査事業を行っており、これらの成果を二十六年度からの本格実施に活用してまいりたい」との答弁がありました。
陳情につきましては、
新規付託分一件の審査を行い、お手元に配付してあります請願・
陳情委員会審査結果一覧表のとおり、項分けをし、一部を不採択、一部を継続審査すべきものと決定いたしました。
審査の過程の主な論議について申し上げます。
新規の陳情第二〇一三号南大隅町において地元住民の同意なく進行している、養殖生簀四十基増設事業の緊急中止にかかる陳情に関しまして、委員より、それぞれの項ごとに質疑があり、第一項及び第二項の本事業の執行を止めることなどについては、執行部より、「漁業法に基づき、公益協議や公聴会の手続等を踏まえ、九月一日付で漁業権の免許が出されている」などの答弁がありました。
第三項の住民の意向をくみ上げることについては、委員から、「事業執行に当たり、住民の理解を求めることは重要なことである」と強い要請があり、執行部においても、「この問題については、住民の理解のもとで進められるよう今後も努力していく」との発言がありました。
審査の結果、第一項については、漁業法に基づき、既に漁業権の免許が出されていること等から、不採択との意見と、継続審査との意見、第二項については、不採択との意見、第三項については、委員会としても引き続き状況を把握したいと考えることから、継続審査との意見があり、項を分けて採決した結果、第一項及び第二項については不採択すべきもの、第三項については継続審査すべきものと決定いたしました。
続きまして、
県政一般の特定調査について申し上げます。
農政部関係では、かごしまの食、農業及び農村に関する年次報告について、集中的に論議が交わされました。
農地の中間的受け皿として、国において設置が検討されている農地中間管理機構─仮称─の仕組みなどについて質疑があり、「この機構は、担い手への農地集積を加速化するために打ち出されたものであり、耕作放棄地も含め、貸し手から農地を機構が借り受け、担い手にできるだけ集約して貸し付け、大規模経営を実現するために設置されるものである。また、来年度の機構に係る
概算要求については、関連予算を含めて一千億円を超えており、関連法案も臨時国会に提出される予定であると聞いている」との答弁がありました。
次に、一般調査について申し上げます。
商工労働水産部関係において、佐多岬の整備の進捗について質疑があり、「現地の古い建物は撤去され、岬の先端部分に関しては、環境省の直轄事業で遊歩道、園地、展望台の整備を行い、駐車場については、町と協議を行い県が整備をすることとしている。今年度は調査設計を行っており、来年度には工事着手を行う予定である」との答弁がありました。
委員からは、「国、県、町と一体となって、着々と整備を進めてほしい」との要望がありました。
農政部関係においては、鳥インフルエンザ等の現在の発生状況と侵入防止対策の
取り組みについて質疑があり、「現在、中国や台湾では継続的に発生しており、また、イタリアやメキシコなどでも発生が見られている。侵入防止対策として、国は水際防疫を強化しており、県においても、防疫対策会議などを通じ意識啓発を行っている。また、十月からは、農家の防疫対策について再度チェック・指導を行うこととしている」との答弁があり、委員からは、「ぜひ万全の体制をとっていただきたい」との要望がありました。
最後に、意見書の発議について申し上げます。
まず、中国・東南アジア諸国から九州へ訪れる観光客に対する訪日査証の緩和等を求める意見書については、これまでに会派の中で、査証発給に当たっては、出入国管理及び難民認定法の審査はあるものの、領土問題や政治体制の違い、不法滞在者や治安等の問題もあり、慎重に対応すべきという声もありました。これらのこと等を踏まえ、委員会において委員より、さまざまな問題に懸念を示す意見もありますが、外国人旅行者のさらなる増大を図り、国際観光の振興、地域活性化を進める上で、鹿児島県にとっても大きな効果が期待できることから、中国・東南アジア諸国から九州へ訪れる観光客に対する査証要件の緩和等を求める意見書を国に対して提出したいとの提案がなされました。結果として、委員全員の同意が得られましたことから、当委員会から発議することといたしました。
そのほか、ホテル・旅館等建物の耐震化の促進に関する意見書、若い世代が安心して就労できる環境等の整備を求める意見書及び鳥獣被害防止対策の充実を求める意見書の三件について、国に対して提出したいとの提案がなされ、委員全員の同意が得られましたことから、当委員会から発議することといたしました。
以上で、報告を終わります。
14 ◯議長(
池畑憲一君)以上で、委員長の報告は終わりました。
御質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
15 ◯議長(
池畑憲一君)御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。
─────────────
16 △ 討 論
◯議長(
池畑憲一君)これより、討論に入ります。
まつざき真琴君から討論の通告がありますので、発言を許可いたします。
[まつざき真琴君登壇]
17 ◯まつざき真琴君 私は、日本共産党県議団として、今議会に提案されました議案のうち十二件に賛成し、反対する七件のうちの主なものと、請願・陳情の委員会審査結果に反対するもののうちの主なものについて、その理由を述べ、討論いたします。
まず、議案第九一号鹿児島県
一般会計補正予算と議案第一〇七号鹿児島県立高等学校授業料等徴収条例及び鹿児島県立高等学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例制定の件については、一括して反対理由を申し述べます。
一般会計補正予算の第十款教育費、五目学校建設費の中に、
中高一貫教育校整備事業として七億一千六百余万円、
債務負担行為として十七億七千四百余万円が計上されています。これは、肝付町の高山高校跡地に全国初県立全寮制男子校・中高一貫
楠隼中学校・高等学校を整備するというものであります。
この間、少子化の進行の中で、県立高校のあり方をどう考えるのか、県下のそれぞれの地域でさまざまな議論がなされてきました。その根底にあるのは、地域の
子供たちの学びの場をどう保障していくのかということでした。
大隅地域の公立高校の在り方検討委員会での肝付地域の要望は、生徒の確保のために県内外の生徒を集めた併設型中高一貫校の導入、スクールバスや寮、学生食堂の設置、地域の特性を生かした美術工芸コースや体育コース等の学科の導入でした。しかし、実際につくられようとしているのは、全寮制の男子校で、生徒は全国から募集するとされており、地元の枠も設けられておりません。
反対の理由の第一は、この学校が、地元が願った学校とは大きくかけ離れ、地元の
子供たちが通えない学校になってしまうという点です。
第二には、教育方針の一番目に「難関大学への道を拓く中高七時間授業」を掲げ、全寮制の寄宿舎では学習指導員やランドリースタッフまで配置して、強制的に学習させる仕組みになっている点です。
青年期の入り口であるこの時期は、さまざまな人たちとの交流や経験を通して、自分がどう生きるのかを模索していく時期でありますが、その多感な時期に、家庭や地域とも切り離され、全寮制という空間的にも時間的にも閉鎖された中で、いかに成績を上げるかを最大の目標として頑張ることが求められており、教育長が言われる全人教育とは対極の偏った人間が育つのではないかという懸念を抱くものです。また、受験競争の低年齢化を招くと思われる点です。
第三には、男女共同参画推進条例を策定し、その推進を図っている県が、設置者として男子校を創設するという点です。
本県は、南北六百キロメートルの県土に多くの離島や僻地を有しており、
少子高齢化、過疎化が進行していく中で、地域をどう守っていくのか、
子供たちの教育権をどう保障するのかが大きな課題であります。その際、地元の
子供たちの教育権の保障を優先すべきであって、地域振興のためなら地元の
子供たちが通えなくても構わない学校をつくるというのは、本末転倒です。
今、高校の序列化と競争教育が激しくなる中で、学校間格差が広がり、
子供たちが地域の学校を選択しないという状況も生まれています。ほとんどの
子供たちが高校進学を希望する現在、
県教育委員会としては、三十人学級を実施し、地域間格差や学校間格差を解消し、県内どこにいても、希望する進路の選択ができるような
高校教育の実現のために知恵と力を尽くすべきです。
以上の理由から、これらの議案には反対であります。
次に、議案第九三号平成二十五年度鹿児島県工業用水道事業特別会計補正予算についてであります。
これは、現在稼働している永田川からの取水施設の老朽化を理由に、平成三十一年四月から、万之瀬川導水からの取水に切りかえるために、浄水・配水施設の基本設計及び万之瀬川共同施設更新に要する経費の補正であります。
そもそも万之瀬川導水事業は、一号用地に三千人の雇用を約束した石川島播磨重工業が進出するということで、総事業費百七十四億円をかけて、石播に供給する工業用水を確保することを目的として行われました。川辺ダムは、万之瀬川導水事業による取水量を安定的に確保するために総事業費二百四十四億円で建設された多目的ダムであります。
今日まで、工業用水道としては一滴も使用されておりませんが、平成三十一年から供給を開始するとして約二十八億円の事業費が予定されているものであります。それに伴い、一立方メートル当たりの供給単価は、現在の二十四円から、二十七年度三十二円、三十一年度四十円、最終的に三十五年度には四十五円まで引き上げられる予定です。二十四年度決算を見ても、給水事業所の契約水量や給水事業所数が減少しており、今後、水道料金の値上げによって、ますます契約水量や給水事業所数の減少に拍車がかかるおそれがあります。
本来、工業用水道事業は、企業の経済性を発揮し、公共の福祉を増進するよう運営すべきであり、このような大幅な値上げを前提とした整備計画を進める本議案には、賛成できないものであります。
次に、議案第九四号鹿児島県職員退職手当支給条例の一部を改正する条例制定の件についてであります。
これは、国家公務員退職手当法の改正に準じ、定年前に退職する意思を有する職員の募集に係る制度を導入する等のために、所要の改正をするとされています。
本県においては、破綻した県財政の再建を理由にして、人件費の削減を目的として、九年連続して賃金カットや千二百名もの職員数の削減が行われてきました。また、今年度からは、国家公務員退職手当法等の改正に準じるとして、平均で四百万円もの退職手当の額が引き下げられます。さらに、今年度、地方交付税の削減という形で国が地方公務員の賃金カットを迫り、本県は、それに従う形で本年七月から本県職員の賃金カットを行いました。
今回の改定は、国家公務員退職手当法の改正に準じる改正であり、強制的に退職を要請することはないという説明でありますが、さきに述べたようなこの間の経緯からすれば、今後、早期退職募集という形で、退職金の上乗せと引きかえに職員数が削減される可能性は否定できないものです。
よって、本議案に賛成できません。
次に、議案第九九号鹿児島県税条例の一部を改正する条例制定の件についてであります。
これは、地方税法の改正に伴い、所要の改正を行うとしています。
この中に個人県民税の改正がありますが、これは、上場株式等の配当及び譲渡損益の間でのみ認められている損益通算について、一定の公社債等の利子等及び譲渡損益まで損益通算の範囲を拡大するものであります。そうなれば、利子等にかかる課税額が、他の取引で損益を出せば減額されることになります。欧米では、譲渡所得が通算できるのは譲渡所得の範囲内が原則で、株式譲渡損を配当、利子と制限なく相殺できるのは日本だけです。
今回、その範囲をさらに広げて株式譲渡損の通算範囲を拡大するもので、富裕層の税負担を著しく引き下げる要因となっており、それを優遇することは格差拡大を促進することになります。
よって、本議案に賛成できません。
次に、議案議第七号鹿児島県
家庭教育支援条例制定の件についてであります。
これは、自民党及び無所属の八名の議員から提案されたものであります。
本条例案の前文には、
子供たちをめぐるさまざまな問題や課題について触れた上で、その原因を
家庭教育が困難になっているとし、各家庭が改めて
家庭教育に対する責任を自覚し、その役割を認識することを求めています。
確かに、
家庭教育が困難になっていることは事実です。それは、一九九〇年代後半からの構造改革により、リストラや失業者の増大や過労死に見られるような労働者の無権利状態の進行、その結果、国民の中に広がった格差と貧困は、子供の生活基盤である家庭を直撃しました。また、学校においては、激しい競争教育と評価型社会の中にあって、自己肯定感を味わえず、学ぶ意欲を失っている
子供たちもいます。
それを、不登校、ひきこもり、虐待、非行など、子供や若者の問題行動の原因は親がだめだからという考え方から、
家庭教育に一義的な責任があるとして、
家庭教育について行政が立ち入って、家庭はこうあるべきと一定の方向に向かわせる条例をつくることは、これらの子供をめぐる問題が個人の自己責任とされ、事の本質が見えなくされてしまい、真の解決をおくらせ、さらに生きづらい日本社会になっていくことが推測されます。
第六条に、保護者の役割として、子どもに愛情を持って接しとし、第八条には、地域住民等の役割として努力義務が示されていますが、家族のあり方、社会の助け合いなどの是非は自由な討論によって検討されるべきであり、最終的には個人の内心に委ねられるべき問題です。このように、各家庭の子育ての内面の部分に行政や議会が立ち入ることにも賛成できません。
現在の
子供たちをめぐるさまざまな問題や課題の解決のためには、安心して子育てができる日本社会のあり方への総合的な
取り組みが必要であり、家庭をめぐる環境悪化をいかに改善するか、また、学校教育の場をいかに
子供たちの自己実現、全面発達の場として保障していくのかという、これらの施策こそ緊急の課題です。
家庭教育に責任を押しつける本条例によって、その真の解決をおくらせてしまうことが予測されます。
以上の理由で、本議案には賛成できないものであります。
次に、請願第一〇〇二号国に対し消費税増税中止を求める意見書の提出を求める請願書について、委員会審査結果では継続でありますが、本請願は採択すべきであることを主張いたします。
安倍首相は一日、来年四月から消費税を八%に引き上げる決断をしたと表明いたしました。しかしながら、請願の趣旨にあるように、多くの国民は景気回復を実感しておらず、雇用情勢や個人消費も厳しい状況にあります。このような状況下で税率を引き上げれば、国民の消費はさらに落ち込み、地域経済は大打撃を受けることは明らかであります。
来年四月の増税実施まで、まだ時間があります。本請願は採択し、国に対して消費税増税中止を求める意見書を提出すべきであります。
最後に、請願第一〇〇三号所得税法五十六条の廃止を求める意見書の採択を求める請願書について、委員会審査結果では不採択でありますが、本請願は採択すべきであることを主張いたします。
会社や役所では、同じ時間、同じ仕事をしていれば基本的に同じ賃金が払われます。ところが、自営業者の家族従業者は、商売で働いても、所得税法第五十六条によって、給料が経費として認められていません。これは明治時代の家父長制度の名残であって、国連女子差別撤廃委員会でも問題だと指摘されています。
事務処理の楽な白色を選択しているから家族の働き分が認められないのであって、認めてほしければ青色にすればいいという主張がありますが、青色申告は、特典として給料を経費にできるのであって、働き分を認めているものではありません。この問題は、申告の手続上の問題ではなく、人権の問題です。
全国の自治体で決議や意見書が採択されており、九月五日現在、八県、三百六十二市町村が採択しています。本県議会でも、本請願を採択し、直ちに国に対して、所得税法五十六条の廃止を求める意見書を提出すべきであります。
以上で、討論を終わります。
18 ◯議長(
池畑憲一君)以上で、討論を終結いたします。
─────────────
19 △ 表 決
◯議長(
池畑憲一君)これより、議案第九六号、議案第一〇五号及び議案第一〇八号を除く議案について採決いたします。
採決は、議案等採決区分表一の採決順位により行います。
─────────────
20 △ 議案第九二号等十件可決・承認
◯議長(
池畑憲一君)まず、採決順位第一の議案第九二号など十件を採決いたします。
━━━━━━━━━━━━━
議案第九二号、議案第九五号、議案第九八号
議案第一〇〇号、議案第一〇一号、議案第一〇二号
議案第一〇三号、議案第一〇四号、議案第一〇六号
専第五号
━━━━━━━━━━━━━
21 ◯議長(
池畑憲一君)お諮りいたします。
委員長の報告は、可決または承認でありますが、そのように決することに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
22 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、これらの議案は委員長の報告のとおり可決または承認されました。
─────────────
23 △ 議案第九一号等六件可決(起立採決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第二の議案第九一号など六件を採決いたします。
━━━━━━━━━━━━━
議案第九一号、議案第九三号、議案第九四号
議案第九七号、議案第九九号、議案第一〇七号
━━━━━━━━━━━━━
24 ◯議長(
池畑憲一君)委員長の報告は、可決でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
25 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、これらの議案は委員長の報告のとおり可決されました。
─────────────
[遠嶋春日児君、柳 誠子君退席]
26 △ 議案議第七号可決(起立採決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第三の議案議第七号を採決いたします。
委員長の報告は、可決でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
27 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、この議案は委員長の報告のとおり可決されました。
[遠嶋春日児君、柳 誠子君着席]
─────────────
28 △ 議案第九六号等三件継続審査可決
◯議長(
池畑憲一君)お諮りいたします。
決算特別委員会に付託いたしました議案第九六号、議案第一〇五号及び議案第一〇八号については、同特別委員長から、閉会中の継続審査の申し出がありましたが、そのように決することに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
29 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、これらの議案は閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。
─────────────
30 △ 請願第三〇〇二号等七件可決
◯議長(
池畑憲一君)次に、請願・陳情について採決いたします。
採決は、請願・陳情採決区分表の採決順位により行います。
まず、採決順位第一の請願第三〇〇二号など七件を採決いたします。
お諮りいたします。
これらの請願・陳情は、委員長の報告のとおり決することに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
31 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、これらの請願・陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
32 △ 陳情第五〇二八号二項継続審査可決
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第二の陳情第五〇二八号の二項を採決いたします。
お諮りいたします。
委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
33 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、この陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
34 △ 陳情第五〇一八号等二件可決(起立採決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第三の陳情第五〇一八号など二件を採決いたします。
これらの陳情は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
35 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、これらの陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
36 △ 陳情第三〇三八号可決(起立採決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第四の陳情第三〇三八号を採決いたします。
この陳情は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
37 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、この陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
38 △ 請願第一〇〇三号可決(起立採決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第五の請願第一〇〇三号を採決いたします。
この請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
39 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、この請願は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
40 △ 陳情第五〇三一号一項─十一項可決(起立採
決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第六の陳情第五〇三一号の一項から十一項を採決いたします。
この陳情は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
41 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、この陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
42 △ 陳情第二〇一三号一項・二項可決(起立採決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第七の陳情第二〇一三号の一項及び二項を採決いたします。
この陳情は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
43 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、この陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
44 △ 陳情第三〇二六号一項等二件可決(起立採決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第八の陳情第三〇二六号の一項など二件を採決いたします。
これらの陳情は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
45 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、これらの陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
46 △ 請願第一〇〇二号等五件継続審査可決(起立
採決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第九の請願第一〇〇二号など五件を採決いたします。
委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
47 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、これらの請願・陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
48 △ 陳情第五〇二七号二項継続審査可決(起立採
決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第十の陳情第五〇二七号の二項を採決いたします。
委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
49 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、この陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
50 △ 陳情第三〇二七号等三件継続審査可決(起立
採決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第十一の陳情第三〇二七号など三件を採決いたします。
委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
51 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、これらの陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
52 △ 陳情第五〇一六号継続審査可決(起立採決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、採決順位第十二の陳情第五〇一六号を採決いたします。
委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
53 ◯議長(
池畑憲一君)起立多数であります。
よって、この陳情は委員長の報告のとおり決定いたしました。
─────────────
54 △ 請願第一一〇〇一号等二十九件継続審査可決
◯議長(
池畑憲一君)お諮りいたします。
原子力
安全対策等特別委員会に付託いたしました請願第一一〇〇一号から請願第一一〇〇三号まで及び陳情第一一〇〇二号から陳情第一一〇一〇号まで、並びに陳情第一一〇一三号から陳情第一一〇二九号までについては、同特別委員長から、閉会中の継続審査の申し出がありましたが、そのように決することに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
55 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、これらの請願・陳情は閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。
─────────────
56 △ 議案第一〇九号・議案第一一〇号上程
◯議長(
池畑憲一君)次に、議案第一〇九号及び議案第一一〇号を一括議題といたします。
─────────────
57 △ 表 決
◯議長(
池畑憲一君)討論の通告はありませんので、これより、議案第一〇九号及び議案第一一〇号について採決いたします。
採決は、議案等採決区分表二により行います。
─────────────
58 △ 議案第一〇九号・議案第一一〇号同意
◯議長(
池畑憲一君)お諮りいたします。
これらの議案は、いずれも同意することに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
59 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、これらの議案はいずれも同意することに決定いたしました。
─────────────
60 △ 閉会中継続審査申出可決
◯議長(
池畑憲一君)次に、閉会中の継続審査の件を議題といたします。
お諮りいたします。
各常任委員長及び議会運営委員長から、配付いたしております申出書のとおり、閉会中の継続審査の申し出がありましたが、そのように決することに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
61 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、申出書のとおり、閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。
─────────────
62 △ 意見書案九件上程
◯議長(
池畑憲一君)次に、若い世代が安心して就労できる環境等の整備を求める意見書案など意見書案九件が提出されておりますので、これらを一括議題といたします。
案文は配付いたしておりますので、朗読を省略いたします。
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意 見 書(案)
若い世代が安心して就労できる環境等の整備を求め
る意見書
ライフスタイルの多様化や
少子高齢化により、若い世代の働き方や暮らし方が変化している。非正規労働者や共働き世帯が増えた今、若い世代が本来望んでいる仕事と生活の調和が崩れ、理想と現実のギャップに悩む人が少なくない。
中でも、働く貧困層といわれるワーキングプアから抜け出せずに結婚を諦めざるを得ない若者の増加や、仕事と子育ての両立に悩む女性の増加、正規雇用でありながら過酷な労働環境で働き続けることができない若年労働市場の実態など、今の若い世代を取り巻く問題は多岐にわたり、年々深刻さを増している。今こそ国を挙げて、若い世代が安心して就労できる環境等の整備が求められているところである。
よって政府におかれては、若い世代が仕事と生活の調和を保ち、安心して働き続けることができる社会の実現をめざし、一層の取組を進めるべく、以下の事項について、適切に対策を講じるよう強く求める。
記
一 世帯収入の増加に向けて、政労使による「賃金の配
分に関するルール」作りを進めること。また、正規・
非正規間の格差是正、子育て支援など、総合的な支援
を行うとともに、最低賃金引き上げに向けた環境整備
を進めること。
二 労働環境が悪いために早期に離職する若者も依然と
して多いことから、若年労働者に劣悪な労働環境下で
仕事を強いる企業に対して、違法の疑いがある場合等
の立入調査の実施や悪質な場合の企業名の公表などを
検討し、対策を強化すること。
三 個人のライフスタイルに応じた多様な働き方を可能
とする短時間正社員制度、テレワーク、在宅勤務など
の導入を促進すること。また、導入にあたっては、働
く人の希望を尊重し、正社員の労働条件の引き下げや
雇用不安が生じないよう配慮すること。
四 仕事や子育て等に関する行政サービスについて、若
者支援策がより有効に実施・活用されるよう、利用度
や認知度の実態を踏まえ、必要な運用の改善や相談窓
口等の周知、浸透等に努めること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一
衆議院議長 殿
参議院議長 殿
内閣総理大臣 殿
厚生労働大臣 殿
右記のとおり発議する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会産業経済委員長 高 橋 稔
─────────────
意 見 書(案)
ホテル・旅館等建物の耐震化の促進に関する意見書
南海トラフの巨大地震や首都圏直下地震の被害想定においては、死傷者や建物被害はこれまでの想定や
東日本大震災を大きく上回る非常に厳しいものとなっている。一方、住民の避難意識啓発や建物の耐久性の強化等の防災対策による被害軽減も推計されており、地方自治体は、可能な限り被害を最小限に抑止する、防災・減災対策を早急に進めていく必要がある。
そのような中、大規模な地震の発生に備えて、建築物の地震に対する安全性の向上を一層促進するため、「建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、特にホテル・旅館、病院、店舗等の不特定多数の者が利用する建築物等で地震に対する安全性を緊急に確かめる必要がある大規摸なものについては、建築物の耐震診断を実施し、その結果を平成二十七年末までに所管行政庁に報告することが義務付けられた。
わが国の経済は緩やかに持ち直しつつあるが、国策で推進している観光立国の下支えとなっているホテル・旅館等の経営環境は、なお厳しい状況が続いており、多額の費用を要する建築物の耐震化に対しては重点的な支援が必要である。全国的には、地震による建築物の倒壊等被害から住民等の生命、身体、財産を守るため、耐震診断等に対する財政支援を行っている地方自治体もあるが、耐震化の一層の向上を図るためには、その財源確保と当改正法の内容の周知と理解の促進を図ることが重要である。
よって、国は、ホテル・旅館等の建築物の耐震化を円滑に推進するため、予算の確保、金融支援の充実等必要な財政支援の強化を図るとともに、当該事業者の実情等を十分踏まえ、耐震診断結果の公表時期・表示制度及び耐震対策緊急促進事業の延長についても、特段のご高配をされたい。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一
衆議院議長 殿
参議院議長 殿
内閣総理大臣 殿
財 務 大 臣 殿
国土交通大臣 殿
右記のとおり発議する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会産業経済委員長 高 橋 稔
─────────────
意 見 書(案)
中国・東南アジア諸国から九州へ訪れる観光客に対
する査証要件の緩和等を求める意見書
国は、観光立国の実現に向け、その為の施策を総合的かつ計画的に推進し、国民経済の発展、国民生活の安定向上及び国際相互理解の増進を図るため、平成二十四年三月に「観光立国推進基本計画」を策定した。
その中で、訪日外国人旅行者数三千万人を目指すことを視野に入れつつ、平成二十八年までに一千八百万人の誘致目標を実現するとしている。
さらに、九州地域戦略会議は五月の会合において、九州を訪れる中国や東南アジアをはじめとする外国人観光客を今後、四・四倍の四百四十万人に増やすことを目標とする「第二期九州観光戦略(平成二十六年~三十五年)」を決定した。
そこで、潜在需要の大きい中国市場に加え、今後の顕著な成長拡大が見込める東南アジア諸国からの誘客を効果的・効率的に拡大する必要がある。
人口減少が進む中、内需頼みの成長に限界があり、貿易や投資、生産、流通など、あらゆる面で成長著しいアジアとのつながりを深めることが地域活性化に向けた命題となっている中、今後さらに外国人旅行者が我が国を訪れやすくする環境整備を進めることが不可欠である。特に、歴史的・地理的にもアジアとの接点に恵まれている九州においては、中国をはじめアジアからの旅行者を増加させ、交流を促進することにより、アジアの成長を取り込み地域経済を活性化させていくことが極めて重要である。
今後、外国人旅行者のさらなる増大を図り、国際観光の振興、地域活性化を進めるためには、我が国の訪日査証の要件緩和が大きな課題であることから、これまで実施してきた査証要件の緩和等をさらに促進することが必要である。
よって、国においては、観光客を積極的に誘致するとともに、相互交流を一層促進するためにも、次の事項について、特段の配慮をされるよう強く要望する。
記
一 九州を訪れる中国や東南アジア諸国からの観光客に
対する査証の要件緩和を行い、一次査証が必要な国に
ついては、国内訪問先を限定しない数次査証を導入す
ること。
二 将来的には、九州を訪れる中国や東南アジア諸国か
らの観光客に対する査証を免除すること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一
衆議院議長 殿
参議院議長 殿
内閣総理大臣 殿
法 務 大 臣 殿
外 務 大 臣 殿
国土交通大臣 殿
右記のとおり発議する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会産業経済委員長 高 橋 稔
─────────────
意 見 書(案)
鳥獣被害防止対策の充実を求める意見書
野生鳥獣による農作物被害は深刻化し、このことは経済的損失に止まらず、農林業者の意欲の減退や耕作放棄地の増加などの悪影響を与えている。
シカ、イノシシ、サルなど野生鳥獣による全国の農作物被害額は、平成二十一年以降は毎年二百億円を上回っている。
鳥獣被害が深刻化している要因として、鳥獣の生息域の拡大、狩猟者の高齢化等に伴う狩猟者数の減少による捕獲圧の低下、耕作放棄地の増加等が考えられている。
こうした鳥獣被害の深刻化・広域化を踏まえ、平成十九年に議員立法による「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」が
全会一致で成立。この法律により、現場に最も近い行政機関である市町村が中心となって、被害防止のための総合的な取組を行うことに対して支援措置が実施されることとされた。
平成二十四年には同法の一部改正が行われ、鳥獣被害防止対策の担い手確保や捕獲の一層の推進が図られることになったが、集中的かつ効果的な対策を早急に講じる必要がある。
よって国におかれては、鳥獣被害防止対策の充実を図るため、左記事項を速やかに実施されるよう強く要望する。
記
一 地方自治体への財政支援を充実させるとともに、鳥
獣被害防止総合対策交付金の予算を拡充すること。
二 狩猟者の確保・育成に向けた対策の強化と支援の拡
充を行うこと。また、狩猟者の社会的役割に対する国
民的理解と狩猟者の社会的地位向上の促進を図ること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一
衆議院議長 殿
参議院議長 殿
内閣総理大臣 殿
総 務 大 臣 殿
農林水産大臣 殿
環 境 大 臣 殿
右記のとおり発議する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会産業経済委員長 高 橋 稔
─────────────
意 見 書(案)
奄美群島における
航空運賃等の軽減及び
農林水産物
の
輸送コスト軽減等を求める意見書
奄美群島は、広大な排他的経済水域を含む約二百キロメートルに及ぶ国土の保全・管理上の重要な拠点であるとともに、豊かな自然や癒しの特性などを通じて国民生活の充実に貢献しているなど、国家的・国民的な役割を果たしている。
現在、群島においては、急速に進む人口減少や高齢化による地域の活力の低下が懸念されており、群島の果たしている役割を踏まえれば、国全体の課題として、群島における定住促進や交流の拡大、群島が抱える条件不利性の改善等にさらに取り組む必要がある。
このためには、今年度末で期限切れとなる奄美群島振興開発特別措置法の延長とともに、人の往来・物資の輸送に要する費用の低廉化などに活用できる新たな交付金制度の創設を含めた諸般の振興開発の施策が必要である。
平成二十六年度の奄美群島振興開発関係の
国土交通省概算要求には、
航空運賃等の軽減や
農林水産物の
輸送コスト軽減など、奄美群島の自由な裁量に基づいて実施できる交付金として「奄美群島の振興開発に係る交付金」三十億四千九百万円が計上されている。
航空運賃等の軽減や
農林水産物の
輸送コスト軽減は、地域住民にとって長年の念願であり、奄美群島航空・航路運賃対策協議会のメンバーが中心となって、その実現を求める署名活動が行われ、約一万七千名の署名が本県議会に寄せられたところである。
奄美群島においては、地域が主体的に施策に取り組むことが、その自立的発展を図る上で重要であると考えられ、交付金制度が実現すれば、課題としている条件不利性が改善されることに加え、地元市町村の発想、創意工夫を生かした取組が一層進み、群島の実情に即した振興開発が図られるものと期待される。
よって、国会及び政府におかれては、左記のとおりとされるよう、強く要望する。
記
一 今年度末で期限切れとなる奄美群島振興開発特別措
置法の延長を行うこと。
二 平成二十六年度の予算編成にあたり、
航空運賃等の
軽減や
農林水産物の
輸送コスト軽減のための事業実施
が可能となるよう、「奄美群島の振興開発に係る交付
金」に係る
概算要求額の満額を確保すること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一
衆議院議長 殿
参議院議長 殿
内閣総理大臣 殿
総 務 大 臣 殿
財 務 大 臣 殿
農林水産大臣 殿
国土交通大臣 殿
右記のとおり発議する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会
企画建設委員長 小園 しげよし
─────────────
意 見 書(案)
私学助成の充実と財源確保に関する意見書
当県内の
私立学校は、多様化する県民のニーズに応じた特色ある教育の推進が求められている中で、建学の精神に基づく個性豊かな教育を実践し、当県の学校教育の振興発展に大きな役割を果たしている。
しかしながら、今日、少子化の進行による生徒数の減少など、
私立学校を取り巻く環境は、厳しさを増している。
このようなことから、
私立学校振興助成法第一条に規定するとおり、学校教育における
私立学校の果たす重要性を認識して、
私立学校における教育条件の維持向上と修学上の経済的負担の軽減を図るとともに、
私立学校の経営の健全性を高めることが肝要である。
よって、国会及び政府におかれては、平成二十六年度の予算編成に当たり、私立高等学校等経常費助成費補助金及び
私立学校施設耐震化に係る補助の拡充など、私学助成に係る財源の充実・確保を図られるよう強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一
衆議院議長 殿
参議院議長 殿
内閣総理大臣 殿
総 務 大 臣 殿
財 務 大 臣 殿
文部科学大臣 殿
右記のとおり発議する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会
文教警察委員長 き 久 伸一郎
─────────────
意 見 書(案)
地方単独医療費助成制度の支援策として、国による
新たな医療費助成制度の創設を求める意見書
現在、地方単独で実施している重度心身障害者、ひとり親家庭及び乳幼児に対する医療費助成については、全国的に都道府県及び市町村がそれぞれ独自の方式で実施しており、自治体の財政力等の違いにより、助成する対象や自己負担額に格差が生じている。
本県においても、社会的に弱い立場にある方や乳幼児の健康の保持や生活の安定を図る観点から、「重度心身障害者医療費助成制度」、「
ひとり親家庭医療費助成制度」及び「
乳幼児医療費助成制度」を実施しているが、各自治体により、助成する対象や自己負担額に格差が生じている。
ついては、安心して医療を受ける環境づくりを推進するため、社会的に弱い立場にある方や子育て世代への地方自治体が行う取組に対する支援策として、国において新たな医療費助成制度を創設することを強く要望する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一
衆議院議長 殿
参議院議長 殿
内閣総理大臣 殿
財 務 大 臣 殿
厚生労働大臣 殿
右記のとおり発議する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会
環境厚生委員長 吉 留 厚 宏
─────────────
意 見 書(案)
国立ハンセン病療養所の職員削減を行わず医療・看
護・介護・福祉の充実を求める意見書
強制隔離を骨格とする人権侵害の「らい予防法」は平成八年に廃止され、平成二十一年四月には「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律(以下「ハンセン病問題基本法」という。)」が施行された。
ハンセン病問題基本法はその基本理念において、ハンセン病問題に関する施策は、国の隔離政策による被害を可能な限り回復することを旨として行わなければならないとしており、第七条では「国は国立ハンセン病療養所において、入所者に対して、必要な療養を行うものとする」、第十一条では「国は、医師、看護師及び介護員の確保等国立ハンセン病療養所における医療及び介護に関する体制の整備のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」としている。
入所者の平均年齢は八十二歳を超え、高齢化、障害の重度・重複化に対応した医療・看護・介護・福祉体制の強化は喫緊の課題となっている。しかし、ハンセン病療養所の医療・看護・介護・福祉の体制は、国家公務員の定員削減計画によって連年にわたって職員が削減され続けてきたことによって、入所者の療養所生活に深刻な事態を及ぼす状況に陥っている。
平成二十一年七月九日に衆議院、平成二十二年五月二十一日には参議院で「国立ハンセン病療養所における療養体制の充実に関する決議」が
全会一致で決議された。
国は、ハンセン病療養所入所者に十分な医療・生活を最後まで保障する責任がある。そして、その責任を果たすためには、職員削減に歯止めをかけるとともに増員が絶対的に必要である。
よって、入所者の療養所生活・生存権をも脅かす国家公務員の定員削減、欠員不補充、新規採用抑制等の施策からハンセン病療養所を除外し、ハンセン病問題を真に解決し、国会決議に基づいて入所者の医療・生活権が最後の一人まで保障されるよう以下の事項を強く要望する。
記
一 国家公務員の定員削減計画の対象から国立ハンセン
病療養所職員を除外すること。
二 国立ハンセン病療養所の賃金職員の早期定員化に向
けての長期計画を策定すること。
三 国立ハンセン病療養所の医師・看護師、介護員ほか
行政職(二)職員の充足・増員を図ること。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一
内閣総理大臣 殿
総 務 大 臣 殿
財 務 大 臣 殿
厚生労働大臣 殿
右記のとおり発議する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会
環境厚生委員長 吉 留 厚 宏
─────────────
意 見 書(案)
来年四月からの消費税増税の実施の撤回を求める意
見書
安倍晋三首相は、十月一日、来年四月から消費税の八%への増税を実施することを明らかにした。
今、長期にわたって国民の所得が減り、消費が落ち込み、そのために経済が悪化する「デフレ不況」から脱出することが日本経済の重大な課題である。消費税増税が四月から実施されれば、税率八%でも約八兆円の増税、税率一〇%ならば十三・五兆円の増税となる。
多くの国民は「景気回復」を実感しておらず、地域の中小零細企業の経営は依然として厳しい状況におかれている。この不況下で増税になれば、国民の消費はさらに落ち込み、中小零細企業の経営を追い込み、地域経済は大きな打撃を受けることは必至である。景気が悪化すれば、他の税収が消費税増税分以上に落ち込み、自治体財政にも深刻な打撃をおよぼすことが懸念される。
よって、国におかれては、住民の暮らし、地域経済、地方自治体に打撃を与える来年四月からの消費税増税の実施を撤回するよう強く要望するものである。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会議長 池 畑 憲 一
衆議院議長 殿
参議院議長 殿
内閣総理大臣 殿
総 務 大 臣 殿
財 務 大 臣 殿
右記のとおり発議する。
平成二十五年十月四日
鹿児島県議会議員 まつざき 真琴
━━━━━━━━━━━━━
63 △
提案理由説明
◯議長(
池畑憲一君)まつざき真琴君に、来年四月からの消費税増税の実施の撤回を求める意見書案について、提案理由の説明を求めます。
[まつざき真琴君登壇]
64 ◯まつざき真琴君 私は、発議者として、来年四月からの消費税増税の実施の撤回を求める意見書案について、提案理由を申し述べます。
安倍晋三首相は十月一日、来年四月から消費税の八%への増税を実施することを表明いたしました。これは、八兆円を超える史上最大の大増税となります。
そもそも、民主党政権のもとで昨年八月、自民・公明・民主の三党で消費税増税法を強行成立させた際、増税の実施は経済状況の好転が条件でした。安倍政権が経済の再生を最優先させてきたのもそのためですが、アベノミクスの結果、株価や物価は上がっても国民の所得や雇用はふえていません。安倍政権が実施決定の直前になって追加的な経済対策をめぐり大騒ぎしたのも、経済が好転していないのを証明するものです。
しかも、「景気を腰折れさせない」と称して、安倍政権が持ち出してきた追加的な経済対策の中身はひどいものです。大型公共事業の追加とともに、復興特別法人税の廃止や投資減税などの大企業減税が大半を占めています。さらに首相は、法人税率の引き下げについても早期に検討を開始するとしています。
所得が大きく減っている国民から八兆円も奪い、二百七十兆円にも及ぶ巨額の内部留保を抱える大企業に減税をばらまくのは、道理のかけらもありません。とりわけ、所得税の復興増税は二十五年間続けるのに対して、法人税の復興増税は、わずか三年間の増税さえ一年前倒しで中止してしまうことへの怒りの声が、被災地はもとより多くの国民から上がっているのは当然であります。
本県は、九九・九%が中小零細企業でありますが、激しい価格競争、企業間競争の中で、消費税分を価格に転嫁できない業者、元請から消費税分を値切られる下請業者など、今でも厳しい経営状況のもとで身銭を切って消費税を納めているのが現状です。また、年金生活者も、年金切り下げが実施されている中で、介護保険料、医療保険料は引き上げられています。このような中で消費税の増税が実施されれば、県民の暮らしはますます厳しくなり、消費は落ち込み、地域経済が大打撃を受けることは必至であります。
四月からの実施までにはまだ時間があります。税と社会保障のあり方や財政再建について意見の違う方を含め、四月からの消費税増税中止の一点で力を合わせ、やめさせなければなりません。
本県議会においても、県民の暮らしを守り、中小零細業者の経営を守るために、本意見書案を採択し、四月からの消費税増税の撤回を求めるべきであります。
以上、議員各位への本意見書案についての賛同を求め、提案理由の説明を終わります。
─────────────
65 ◯議長(
池畑憲一君)お諮りいたします。
ただいま提案理由の説明のあった意見書案を除く意見書案の提案理由の説明は、会議規則第三十九条第三項の規定によって、これを省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
66 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、そのように決定いたしました。
次に、委員会提出の意見書案については、会議規則第三十九条第二項の規定によって、委員会付託はいたしません。
会派提出の意見書案についてお諮りいたします。
この意見書案は、会議規則第三十九条第三項の規定によって、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
67 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、そのように決定いたしました。
直ちに審議に入ります。
御質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
68 ◯議長(
池畑憲一君)御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。
─────────────
69 △ 意見書案七件可決
◯議長(
池畑憲一君)討論の通告はありませんので、これより意見書案を採決いたします。
まず、若い世代が安心して就労できる環境等の整備を求める意見書案、ホテル・旅館等建物の耐震化の促進に関する意見書案、鳥獣被害防止対策の充実を求める意見書案、奄美群島における
航空運賃等の軽減及び
農林水産物の
輸送コスト軽減等を求める意見書案、私学助成の充実と財源確保に関する意見書案、
地方単独医療費助成制度の支援策として、国による新たな医療費助成制度の創設を求める意見書案及び国立ハンセン病療養所の職員削減を行わず医療・看護・介護・福祉の充実を求める意見書案を採決いたします。
お諮りいたします。
これらの意見書案は、いずれも原案のとおり決することに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
70 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、これらの意見書案はいずれも原案のとおり可決されました。
─────────────
[小幡兼興君、吉野正二郎君、中村 眞君退席]
71 △ 意見書案一件可決
◯議長(
池畑憲一君)次に、中国・東南アジア諸国から九州へ訪れる観光客に対する査証要件の緩和等を求める意見書案を採決いたします。
お諮りいたします。
この意見書案は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
72 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、この意見書案は原案のとおり可決されました。
[小幡兼興君、吉野正二郎君、中村 眞君着席]
─────────────
73 △ 意見書案一件否決(起立採決)
◯議長(
池畑憲一君)次に、来年四月からの消費税増税の実施の撤回を求める意見書案を採決いたします。
この意見書案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
[賛成者起立]
74 ◯議長(
池畑憲一君)起立少数であります。
よって、この意見書案は否決されました。
お諮りいたします。
ただいま可決されました意見書の字句の修正、提出手続などにつきましては、当席に一任いただきたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
75 ◯議長(
池畑憲一君)御異議なしと認めます。
よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。
これで、今期定例会に提出されました議案などは、閉会中の継続審査として議決になりましたものを除き、全部議了いたしました。
─────────────
76 △
知事あいさつ
◯議長(
池畑憲一君)ここで、伊藤知事から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
[知事伊藤祐一郎君登壇]
77 ◯知事(伊藤祐一郎君)今議会に提案いたしました全ての案件につきまして熱心に御審議賜り、今後御審査いただきます平成二十四年度決算認定議案を除き、いずれも原案どおり可決していただきましたことに対しまして、心から厚く御礼申し上げます。
本会議並びに各委員会の審議を通じまして議員各位から承りました貴重な御意見、御要望等を十分踏まえまして、今後の県政運営に取り組んでまいりたいと考えております。
今月一日の閣議におきまして、消費税率を平成二十六年四月に五%から八%に引き上げることが確認され、これによる景気の下振れリスクに対応いたしますとともに、その後の経済の成長力の底上げと、好循環の実現を図りますための経済政策のパッケージが決定されたところであります。
これから国におきましては、平成二十六年度予算編成に向けた
取り組みが本格化してまいります。消費税率の引き上げにより、国税収入が増加いたしますものの、社会保障関係費や国債費の増加が見込まれ、また、中期財政計画におきましては、国の一般会計の基礎的財政収支について、平成二十六年は四兆円程度の改善を目指すとされており、地方交付税や公共事業関係費など地方に影響のある予算につきまして、厳しい調整が行われることが懸念されるところであります。
県といたしましては、本県の厳しい経済・雇用情勢や財政状況などを踏まえまして、地方交付税等の必要な財源の確保や地方の実情に配慮した予算編成が行われますよう、引き続き全国知事会などとも連携しながら取り組んでまいります。
何とぞ、県議会の皆様方や県選出国会議員、県内各界の方々のこれまで以上の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
終わりに、議員各位のますますの御健勝と御活躍をお祈り申し上げまして、閉会のごあいさつとさせていただきます。
まことにありがとうございました。
─────────────
78 △ 閉 会
◯議長(
池畑憲一君)以上をもちまして、平成二十五年第三回鹿児島県議会定例会を閉会いたします。
午前十一時三十一分閉会
鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...