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2013-06-17 平成25年第2回定例会(第4日目) 本文
2013-06-17 平成25年第2回定例会(第4日目) 名簿

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  1. 鹿児島県議会 2013-06-17
    2013-06-17 平成25年第2回定例会(第4日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(池畑憲一君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    酒 匂 卓 郎 君    鶴 田 志 郎 君    岩 崎 昌 弘 君    堀之内 芳 平 君  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(池畑憲一君)一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  酒匂卓郎君に発言を許可いたします。
       [酒匂卓郎君登壇](拍手) 3 ◯酒匂卓郎君 皆さん、おはようございます。  傍聴者はいらっしゃらないようでありますが、インターネットで見てくださっている方がいらっしゃると期待しまして質問してまいります。  今議会は、上海へ県職員を千人派遣するという補正予算が提案されたことにより、県議会ばかりではなくマスコミの報道等もあり、県民を巻き込んだ形で議論が進んでおります。  私は当初、搭乗率が悪化している上海線の維持のために県職員千人を派遣すると聞いたとき、正直、よく意味が理解できませんでした。そして、自民党県議団で二回ほど勉強会を開催し、詳しい説明を伺いましたが、それでも、何となく腹にすとんと落ちる感じがいたしませんでした。  そのような中で、マスコミの取材に対して知事が、「上海線がこれだけ注目を浴びたことは成功です」という発言をされたときにも、まだ私には何となく理解のできない状況でありました。  しかし、その後、四月以降に上海線の搭乗率が急激に悪化し、五月は三〇%台にまで下がったということが判明して、ようやく本当に危機的な状況であるということが理解できました。  また、県内の経済五団体が、上海路線が廃止になった場合の県内の経済損失は二十二億円を超えると試算し、その影響が甚大であり、路線維持のために、今後それぞれの団体で会員企業に上海線の利用の呼びかけなどを行って、さらに具体的な協議を始めるとのこともございました。  そして先日は外薗議員の一般質問で、薩摩川内市から五百名、そしてまた、ほかの団体でも五百人の派遣計画が表明されておりまして、現在では、聞くところによりますと、そのほかの団体等でも検討が進んでおり、既に全体では数千人または一万人を超えるのではないかと言われております。  このことは、知事の今回の提案によって、県議会で活発な議論がなされ、マスコミの連日の報道の影響等もあり、結果として、現在では、私を初め多くの県民が、上海線の重要性、そして上海線が大変危機的な状況にあること、そして、その上海線を守るためには何らかの対策を早急に打たなければならないということをですね、県民全体として十分に理解が図られたからではないかと思うのであります。  そういう意味で、私もようやく知事の「成功です」という発言の真意が理解ができたように思います。  私は、上海線に対する県民の理解が深まる中で、先ほど申し上げましたが、既に民間から数千人を超える方々が上海線を利用することが明らかになったわけでありますので、知事が一番の眼目と言われた需要の喚起がまさに成功したと思っております。  そうしますと、当初、議案が提出される以前、民間に一生懸命呼びかけたけれども、民間の方々がなかなか動いていただけない。そういう中で、どうしても搭乗率がよくならない危機的な状況があり、それを前提として、県職員を派遣することによって路線を維持しなければならないという大変苦肉の策の状況から、まさに今は一変しておりまして、今後は、知事の呼びかけに応えてくださったそれぞれのグループや企業・団体など、多くの県民の方々のために、県として何をしなければならないかということが、私は大変重要になってくると思うのであります。  私としては、まずは、手を挙げてくださった数千にも上る方々に、しっかりとした実りのある研修をしていただき、そしてあわせて路線維持というこの二つの目的をしっかりと達成していただくためには、県がそういう方々に対しまして主体的にかかわり、そして計画性をしっかりと持って交通整理をしていく必要があると考えます。  次に、それぞれのグループや企業や団体等の視察の目的に応じた情報収集と情報の提供、また視察先との交渉や各種手配などが必要であり、県職員にはそれぞれの分野で、民間の方々、それぞれのグループや企業や団体、そういう方々のサポート役を果たしていただく必要があると考えております。一緒に参加し、ともに学び、そして交流を深め、そして研修の終了後も、一過性でその効果を終わらせないために、参加してくださった民間の方々のフォローも行いながら、県民のために、県勢の発展のためにしっかりと研修の成果を発揮していただきたいと期待するものであります。  今回の議案が、県議会で十分議論が尽くされ、県民にとって最良の予算として可決できることを願いながら、質問に入らせていただきます。  鶴丸城石垣調査と楼門復元に係る提言について質問いたします。  鶴丸城跡の石垣については、部分的なすき間などが見られることから、平成二十四年度に現状を把握するための測量調査を行い、平成二十五年度は、その調査結果を踏まえ、修復箇所の選定及び修復方法などの検討を行うとされております。また、明治六年の火災で焼失した鶴丸城の城門である御楼門の復元については、新たな観光スポットの創造、鹿児島中央駅から天文館、御楼門の回遊性の向上と歴史・文化ゾーンの充実など、地域活性化の観点から復元の意義は極めて高いとして、鹿児島経済同友会が中心となり、学識経験者を加えた御楼門復元検討委員会が昨年発足いたしております。  同検討委員会には、県及び鹿児島市の職員もオブザーバーとして参加し、本年三月までに六回の協議を重ねた結果、四月、鹿児島城─鶴丸城─御楼門復元に向けた方向性の提言がまとめられたところであります。  その内容は、建築費用は、試算の結果、約七億五千万円と予想されること、その半分以上の四億五千万円を経済界と個人の寄附で賄うこと、募金主体としては、御楼門復元の意義、県民や県内企業等の機運醸成のため民間主導で委員会を立ち上げ活動を行うこと、また、募金活動における信頼性と透明性の確保や寄附行為に対する優遇税制の措置などの観点から、行政に募金口座を設けることが望ましいこと、さらに、建設主体については、史跡内での復元であるため、関係法令や各種補助金など民間では不明な部分が多いため、行政に担ってほしいことなどが盛り込まれており、同月、知事及び鹿児島市長に提言書を提出するとともに、同検討委員会による記者発表が行われたところであります。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、鶴丸城石垣調査の結果と今後の取り組みについてお示しください。  第二点は、鶴丸城楼門の復元に係る提言を受けて、今後どのように対応されるおつもりか、お聞かせください。  次に、子育て支援策について質問いたします。  子育て支援事業支援計画については、昨年八月に子ども・子育て関連三法が成立したことに伴い、県では、平成二十五年度に、子ども・子育てに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、地方版子ども・子育て会議を設置し、平成二十六年度に、国が定める基本指針等の具体的な内容や市町村計画を踏まえた子ども・子育て支援事業支援計画を策定することになっております。  また、「力みなぎる・かごしま~二十一世紀・新たな未来の創造~」の実現に向けて、安心こども基金を活用し、保育所や認定こども園の整備に取り組み、かごしま子ども未来プラン後期計画では、平成二十六年度までに待機児童ゼロを目指すとされているところであります。  さらに、認定こども園については、幼稚園と保育所を一体化する総合こども園にかわり、幼稚園と保育所の機能を持つ現行の認定こども園を拡充することとなっております。  そこでお尋ねいたします。  第一点、安心こども基金を活用した平成二十四年度までの保育所整備の実績と、これまでの待機児童の推移等についてお答えください。  第二点、保育所整備の今後の見通しについてお示しください。  第三点、かごしま子ども未来プラン後期計画の進捗状況についてお聞かせください。  第四点、認定こども園の状況についてお示しください。  第五点、横浜市は、平成二十五年に待機児童ゼロを達成したそうでありますが、本県も独自に基準を定め、民間企業等の参入を積極的に進める横浜方式を取り入れる考えはないか、見解を伺います。  次に、子供の安全対策について質問いたします。  県においては、平成十九年四月に犯罪のない安全で安心なまちづくり条例を施行するとともに、鹿児島県犯罪のない安全で安心なまちづくり県民会議を設置し、安全で安心して暮らせる地域社会の実現を図ることを目的として、広報啓発等の県民運動を展開しております。  県内における刑法犯認知件数は、平成二十四年は一万五百三件と三年連続で戦後最低件数を更新し、また、犯罪率の低さでは、よいほうから数えて全国で八番目となるなど、一定の効果が現れつつあるところであります。  一方で、子供たちを取り巻く環境は現在大きく変化しており、これらの取り組みの中でも、子供の犯罪被害の防止が運動の重点の一つとなっております。  そこでお尋ねいたします。  第一点、犯罪のない安全で安心なまちづくり条例施行後に、子供たちが被害に遭った犯罪の状況についてお示しください。  第二点、条例制定を受けて、地域などとの連携による子供の安全対策の状況についてお聞かせください。  次に、学校等における取り組みについてお尋ねいたします。  第一点、学校における児童等に対する安全教育及び保護者や地域との連携の取り組み状況についてお示しください。  第二点、平成二十四年四月以降、京都府の亀岡市を初めとして、登下校中の児童等が死傷する事故が連続して発生したことを受け、本県でも通学路の緊急合同点検を実施したと聞いておりますが、本県における緊急合同点検の実施状況及びその対策の進捗状況についてお答えください。  次に、血液確保対策について質問いたします。  現在、病気やけがで血液を必要とする方が多数おられ、県内においても、毎年約二万八千人の方々が輸血を受けておられますが、これらの血液は、県民の善意による無償の献血によって支えられております。人間の命を維持するために欠くことのできない血液は、いまだ人工的につくることができず、また、生きた細胞のままで長期間にわたり保存することもできないため、輸血に必要な血液を常時確保しておくことが必要であります。  献血者の確保につきましては、県赤十字血液センターを中心に、県、市町村及び献血に協力する多くのボランティア団体等が事業所や住民への広報等を行っており、私も、姶良ライオンズクラブの会員として献血の呼びかけを行っておりますが、献血者の確保の難しさを実感をいたしております。  少子高齢化による献血可能人口の減少や若年層の献血離れの影響等で、献血者が減少傾向にある中で、一方では、医療技術の進歩や治療が必要な高齢者の増加等により、血液需要はますます増加しているのが現状であります。  そこでお尋ねいたします。  第一点、本県の献血の状況と若年層の献血の状況についてお示しください。  第二点、十代、二十代の若者は、今後長期にわたり、本県を初め、我が国の献血を支える重要な世代と考えますが、県として、若い世代が積極的に献血に参加するためにどのような取り組みを行っているのかお答えください。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 4 ◯知事(伊藤祐一郎君)鶴丸城の楼門の復元についてのお尋ねがございました。  鶴丸城の楼門の復元につきましては、これまで、観光振興の面から復元したらどうかという意見、完全復元でなければ意味がないとする意見、今のままで歴史的に意義があるとする意見など、さまざまな意見があったところであります。  今回、経済同友会を中心とする御楼門復元検討委員会がまとめられました御楼門復元に向けた方向性の提言は、総事業費約七億五千万円のうち、約四億五千万円を民間事業者等が募金等によって負担するという具体的な内容になっておりまして、民間が主導する新たな官民連携の事業のあり方を示しており、楼門復元のための一つのモデルになると評価しているところであります。  県といたしましては、今後設立されます民間主導の実行委員会から、優遇税制の観点からの募金口座に関する協力依頼があれば、必要な協力をしてまいりたいと考えております。  なお、事業主体や建設費用の最終的な負担のあり方等につきましては、今後、実行委員会や鹿児島市とも協議しながら、具体策を検討してまいりたいと考えております。 5 ◯県民生活局長(岡田和憲君)鶴丸城の石垣調査の結果と、今後の取り組みについてでございます。  鶴丸城の石垣は、築造後約四百年を経過し、たび重なる大火、地震、台風、豪雨などによる損壊とその修復を経ており、最近では平成十一年から十二年にかけて、国道側の石垣の積みかえ等の修復工事を行ったところでございます。その後、さらに、樹根の張り出しなどによります部分的な孕み出し箇所等が見られましたことから、昨年度、県指定史跡区域であります濠の内側について現況調査を行ったところであります。調査結果では、特に修復の緊急性の高い箇所が、市道側に面した濠にかかる橋付近などの二カ所、経過観察すべき箇所が、楼門跡の周辺など五カ所あることが判明いたしました。  今年度は、この調査結果をもとに、修復すべき範囲の選定や工法、工事費の算出等の石垣保全測量設計を行いまして、平成二十六年度以降、順次修復工事を進めることとしております。  次に、保育所整備と待機児童の推移についてでございます。  県におきましては、安心こども基金を活用して、平成二十一年度から昨年度までの四年間で八十七の保育所の増改築等を行い、二千百六十四人の定数増が図られたところです。  待機児童数は、各年度の四月一日現在で、平成二十一年度は四百四十三人、二十二年度は三百八十七人、二十三年度は百四十三人、二十四年度は二百三十人となっております。  また、保育所整備の今後の見通しにつきましては、本年度は現時点で二十六の保育所を整備し、三百五十人の定員増を図ることとしておりまして、引き続き、市町村等に同基金を活用した保育所整備を働きかけているところでございます。  次に、かごしま子ども未来プランの推移についてでございます。  かごしま子ども未来プランの後期計画につきましては、平成二十二年度から五カ年を計画期間として、五十七項目の目標値を設定し、少子化対策などに関する各般の施策を推進しております。  目標値につきましては、平成二十三年度実績で、延長保育の実施箇所数など二十八項目で年度目標を達成し、一時預かりの実施箇所数など十四項目でおおむね達成したところであります。また、休日保育の実施箇所数など十五項目で年度目標を達成しておりませんが、このうち、保育所の待機児童数につきましては、平成二十六年度までに解消することとしておりますものの、現時点では目標を達成しておりません。  現在、平成二十四年度実績を取りまとめているところであり、県としましては、この結果を踏まえまして、市町村等と連携を図りながら、プランの目標の達成に向けて全庁的に取り組んでまいります。  次に、認定こども園の状況についてでございます。  本県の認定こども園の数は、ことし四月一日現在三十四園となっております。このうち、離島には十二園、離島を除く過疎地域には七園となっており、合わせて全体の半数を超えているところです。これらの地域では、幼稚園や保育所の児童数が減少しており、子供の健やかな成長にとって必要な一定規模以上の園児の確保や経営面の効率性を高めるため、認定こども園への移行が進んでいるものと考えております。  国におきましては、昨年八月の認定こども園法の一部改正により、幼保連携型認定こども園について、認可・指導監督や財政措置の一本化など、制度の改善が図られることとなっており、県としましては、引き続き、認定こども園への移行を希望する幼稚園や保育所の個別相談に応じるとともに、円滑に移行できるよう助言等を行ってまいります。  次に、横浜方式の待機児童解消についてでございます。  横浜市におきましては、平成二十二年四月の待機児童数が全国ワーストの千五百五十二人でありましたが、企業の認可保育所への参入や、独自基準の認可外保育施設横浜保育室の設置や、保護者の相談に応じて受け入れ先を探す保育コンシェルジュの設置などの取り組みを行いまして、本年度四月一日現在で待機児童が解消されたと聞いております。  国におきましては、去る四月、このような先駆的な取り組みにより大きな成果を上げました横浜方式を全国に紹介するとともに、二年後の子ども・子育て支援新制度の施行を待たずに、できる限りの支援策を講じまして、平成二十九年度までに約四十万人分の保育の受け皿を確保します待機児童解消加速化プランを発表したところでございます。このプランでは、小規模保育事業など新制度の先取りや、認可外保育施設への支援など五つの支援策が示されたところです。  これを受けまして、県としましては、市町村へ情報提供を行いますとともに、今回示された支援策の活用を市町村に働きかけて、待機児童の解消を進めてまいりたいと考えております。  次に、地域等と連携した子供の安全対策づくりについてでございます。  県では、平成十九年四月に、県犯罪のない安全で安心なまちづくり条例を制定し、県民の総力を挙げて犯罪をなくす県民運動を積極的に展開しており、この運動の重点の一つとして、子供の犯罪被害の防止を掲げております。この運動の中で、老人クラブや防犯ボランティア団体等による地域ぐるみの登下校時の子供の見守り活動や、地域での挨拶、声かけによる犯罪防止の環境づくり、子ども一一〇番の家の周知など、地域の安全は自分たちで守るという自主防犯意識の機運を高める活動を推進しているところです。  県としましては、今後とも、市町村や学校、警察、事業所等との連携・協働によりまして、地域ぐるみで子供の安全対策に取り組み、日本一犯罪の少ない鹿児島づくりを目指してまいります。 6 ◯警察本部長(杉山芳朗君)子供たちが被害に遭った犯罪の状況についてです。  未就学児童及び小・中・高校生が被害者となった犯罪のうち、いわゆる福祉犯は、平成二十四年は六十五人と、平成十九年に比べて二十二人増加しております。一方、刑法犯は、条例が施行された平成十九年以降五年連続で減少し、平成二十四年は千二百七十六件と、平成十九年に比べ七百四十四件、三六・八%減少いたしております。  ただ、殺人四件、強姦六件、強制わいせつ十二件など重大な犯罪被害に遭っており、また、強制わいせつ等の前兆となる可能性のある中学生以下の子供に対する声かけ・つきまとい事案の発生につきましては、平成十九年は百七十七件でありましたが、平成二十四年は百七十四件と、ほぼ横ばいといった状況になっております。  県警察といたしましては、今後とも、関係機関・団体等と連携し、引き続き積極的な取り組みを推進してまいります。 7 ◯教育長(六反省一君)学校における児童等に対する安全教育等の取り組み状況についてでございます。  学校における児童等に対する安全教育は、日常生活における事故や犯罪等の原因、防止方法について理解すること、危険を予測し、自他の安全に配慮した安全な行動がとれること、学校・家庭・地域の安全活動に進んで参加・協力できるようにすることなどを目標に、保健体育等の教科を中心に教育活動全体を通じて行われております。  また、保護者や地域との連携につきましては、学校、児童生徒と保護者が共同で安全マップの作成に取り組むとともに、地域住民で構成されました防犯パトロール隊による巡回指導、スクールガードによる見守り活動など、子供の安全を守るためのさまざまな取り組みが行われているところでございます。  今後とも、学校、家庭、地域団体や警察等と連携を図り、児童生徒の安全が守られるよう努めてまいります。  通学路の緊急合同点検の実施状況と対策についてでございます。  県教委では、これまで、学校・市町村教育委員会、地元警察署及び道路管理者の三者により実施いたしました緊急合同点検で抽出されました千七百十一カ所について、関係機関連携のもとに対策案の取りまとめを行ってきたところでございます。  対策の進捗状況は、昨年十一月末時点で七百六十五カ所、ことし二月末で九百九十六カ所、三月末で千百九十四カ所において、通学路の変更や立哨指導など必要な対応が完了しているところでございます。残る五百十七カ所につきましても、今後、県警察本部及び道路管理者など関係機関と密接に連携して、計画的に対策を実施することとしております。 8 ◯保健福祉部長(松田典久君)若年層の血液確保対策についてでございます。  平成二十四年度の県献血推進計画の達成状況を見ますと、献血者数は七万七百六十八人で目標を上回っておりますものの、献血量は九二・八%と目標を達成できませんでした。一方、十六歳から二十九歳までの若年層の献血率につきましては、平成五年度の二二・六%が平成二十四年度は七・七%と大幅に低下しており、若年層の献血離れが顕著となっております。  若年層の献血を確保するため、県におきましては、中学三年生を対象にした献血に関する授業を実施し、平成二十四年度は、約一万四千人の生徒に対し、血液の正しい知識と献血の重要性について啓発を行ったところです。また、県赤十字血液センターにおきましては、市町村と協力してヤング献血フォーラムを開催するとともに、県学生献血推進協議会と連携して、クリスマス献血ハロウィン献血などのイベント献血を実施するなど、若者をターゲットとした献血機運の醸成に積極的に取り組んでおります。  県としましては、今後とも、血液センター、市町村や大学生等と連携を図りながら、若年層の献血に対する理解が深まるよう啓発に努めてまいりたいと考えております。    [酒匂卓郎君登壇] 9 ◯酒匂卓郎君 ただいまの答弁につきましては、後ほどまとめて意見を述べたいと思います。  引き続き、質問に入ってまいります。  錦江湾マリーナ計画調査について質問いたします。  この計画は、県民や観光客が海に親しみ、触れ合える環境を創造することを目的として、平成二十四年度から着手しており、昨年度は、マリーナに求められるニーズや立地条件等を把握するため、県外マリーナの事例調査や利用者への聞き取り等を行い、その結果、マリーナには台風等でも係留できる安全性や、錦江湾内と外海の両方に対してのアクセス性が求められるほか、物資の調達や交通の利便性などが重要であるとの意見があったとのことであります。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、昨年度は、県外マリーナの事例調査や利用者への聞き取りを行ったと聞いておりますが、県内外の調査した場所や内容、調査方法など、調査の状況について詳しい説明を求めます。  第二点、参考としている県外のマリーナがあれば、評価している点なども含めお聞かせください。
     第三点、今後は、施設規模や整備手法、管理運営方法などについて検討を行い、適地の選定を進めるとのことであり、本年三月の第一回定例会の柴立議員の一般質問に対して、「鹿児島港も候補地の一つとして考えている」との答弁がありましたが、その後、適地の選定はどのような状況になっているのか明らかにしてください。  次に、県立サッカー・ラグビー場─仮称─の整備について質問いたします。  県立サッカー・ラグビー場については、天然芝のメイン球場一面と、天然芝及び人工芝各一面のサブグラウンドやクラブハウスなどを主要施設として、平成二十五年度中の完成及び供用開始を目指し、鹿児島市中山町の鹿児島ふれあいスポーツランド内に現在整備中であります。昨年度までに、県産材を活用したクラブハウスやトイレなどの建築物や、三面のグラウンドの基盤整備が完了しているとのことであります。  当該施設は、サッカーやラグビーを中心とした球技場として整備されており、高校生の九州大会や県大会等が開催できるほか、Jリーグなどのプロのキャンプ誘致が期待されております。また、大会等に支障のない範囲で、スポーツイベントやグラウンドゴルフなどのニュースポーツに利用できる施設とも位置づけられており、競技スポーツだけでなく、生涯スポーツなどによる活用も期待されております。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、平成二十五年度中に完成予定の県立サッカー・ラグビー場の工事の進捗状況についてお示しください。  第二点は、県立サッカー・ラグビー場の整備が本県のスポーツ振興に与える効果についてお答えください。  次に、防災・減災対策について質問いたします。  ことしは、未曾有の豪雨災害と言われた八・六水害からちょうど二十年目となります。平成五年に起きたこの災害は、六月から八月にかけての梅雨、集中豪雨及び台風によって、姶良地方及び鹿児島市周辺等においては、死者八十五人、住宅、土木施設、農業、商工業関係などの被害総額が千九百億円を超えるという、それまでの県政史上でかつてない甚大な被害をこうむりました。  その後も、出水針原地区土石流災害や県北部豪雨災害、奄美豪雨災害など、数多くの大規模災害に見舞われております。また、全国的にも、阪神・淡路大震災、東日本大震災などの巨大災害が発生しており、我が国が災害列島あるいは脆弱列島とも言われるゆえんでもあります。  このような中、今国会に防災・減災等に資する国土強靭化基本法案が提出されました。東日本大震災の教訓を踏まえ、事前防災や減災に資する施策を総合的・計画的に実施するための基本法案であります。  また、政府の平成二十四年度補正予算を見ても、事前防災対策や老朽化対策、学校の耐震化など、事前防災・減災等に二・二兆円が計上されるなど、政府・与党においては、国民の安心・安全の確保に全力を傾注するという姿勢が鮮明になっております。  そこで、八・六水害を初めとする幾多の災害の教訓を風化させてはならないとの思いを込めてお尋ねいたします。  第一点、社会基盤整備における防災・減災等に関する県の考えと、これまでの取り組みについてお聞かせください。  第二点、地域の災害対応や基盤整備を担う建設業界は、近年、経営環境や労働環境の悪化に伴い、若年入職者が大幅に減少するなど、将来の担い手不足の問題が顕在化してきており、今後の地域の安全・安心に大きな不安を抱かざるを得ない状況であります。  建設産業の適正な維持・存続の観点を含めて、国土強靭化法案の趣旨を考えますと、中長期の計画的な防災・減災、老朽化対策等の実施と予算の確保が大変重要だと考えますが、見解を伺います。  次に、特用林産物の振興について質問いたします。  本県では、豊富な竹林や温暖な気候などの地域特性を生かして、タケノコ、シイタケ、枝物、竹材等の多様な特用林産物が生産されており、農山村の活性化に大きな役割を果たしているところであります。また、近年、消費者の食の安心・安全や自然食に対する意識も高まっております。  このため、県においては、生産基盤の強化や担い手の育成・確保等を図るとともに、需要拡大に向けた活動に取り組まれておりますが、今後もさらなる生産拡大に向けて、より一層の取り組みが重要であると考えます。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、特用林産物の生産の現状についてお示しください。  第二点は、特用林産物の生産拡大に向けた取り組みについてお答えください。  次に、本県に対する感想や副知事就任の抱負等について質問いたします。  佐々木副知事におかれましては、去る三月の議会で選任されたわけでありますが、その際は、伊藤知事のもとで県勢の発展のために誠心誠意努力していく旨の大変短い御挨拶があったと思います。その後、四月の着任以来、懇談の席に御一緒させていただく機会が数回ありまして、そのユニークで柔軟な発想や、親しみの持てる個性的なお人柄などに触れ、大変好印象を受けたところであります。  そこで、着任以来二カ月が過ぎましたが、改めて本県に対する感想や副知事としての抱負などについて、ぜひとも県民の方々に向けてお話しいただければと思います。よろしくお願いいたします。 10 ◯土木部長(栗原淳一君)錦江湾マリーナの調査状況についてです。  錦江湾マリーナ計画調査については、昨年度、湾内十四の県管理港湾の現況調査を行うとともに、沖縄県の宜野湾マリーナや長崎県の長崎サンセットマリーナなど、県外の事例調査を実施したところです。県外事例等の調査においては、アンケート調査等を行うとともに、マリーナ管理者及び利用者等に直接意見を伺い、マリーナに求められるニーズや立地条件等の把握を行ったところです。  その結果、静穏性や水深確保等の安全性が重要であるほか、湾内外のクルーズの容易性、食料・燃料等の調達や陸上交通の利便性なども考慮すべきとの御意見をいただいたところであります。  次に、県外マリーナについてです。  宜野湾マリーナや長崎サンセットマリーナは、静穏度などの安全性が確保されており、寄港地となる離島を周辺に有するなどクルーズの環境に恵まれているほか、ヨットレースが多数開催されるなど、経営努力している点が評価できるものと考えております。その結果、関東などの県外オーナーも契約し、マリーナの契約率は高いものとなっており、管理運営手法などについて今後の参考にしたいと考えております。  錦江湾マリーナ計画の適地選定についてです。  マリーナ整備の適地選定においては、錦江湾を五つのゾーンに区分し、マリーナに求められる安全性やクルーズの容易性などの観点から、整理分析を行っているところです。今年度は、さらなる現況調査を行うとともに、施設の規模や内容、管理運営手法などについて検討を行い、適地の選定を進めてまいります。  次に、県立サッカー・ラグビー場についてです。  県立サッカー・ラグビー場については、基盤造成を終え、天然芝グラウンドの養生や周辺の植栽を行うなど順調に進捗しているところです。今後は、来年二月の供用開始に向け、人工芝コート、県産材の観覧ベンチ、園路舗装などの工事を進めることとしております。  次に、防災・減災及び老朽化対策の取り組みについてです。  本県においては、厳しい財政状況の中、社会資本の安全性の調査、総点検及び必要な箇所の補修を行うとともに、防災・減災対策についても積極的に取り組むこととし、今年度予算と二十四年度補正予算を合わせ、老朽化対策と防災・減災対策について、対前年度比で一・五倍となる予算を計上したところです。  社会基盤の整備がおくれている本県において、公共事業は、産業・経済の振興に寄与するとともに、災害から県民の安心・安全な暮らしを確保するなど、果たしている役割は大きいと考えております。  先般、防災・減災等に資する国土強靭化基本法案が国会に提出されたところであり、本県においても、同法案の動向を注視しながら、今後とも必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。 11 ◯教育長(六反省一君)県立サッカー・ラグビー場─仮称─が、本県のスポーツ振興に与える効果についてでございます。  県立サッカー・ラグビー場につきましては、高校生、大学生、社会人の全国大会や九州大会等が開催できる規模の球技場として整備を進めているところでございます。県立施設の完成により、ふれあいスポーツランドでは、サッカー、ラグビーのグラウンドが七面同時に利用可能となりますことから、大会誘致に弾みがつきますとともに、合宿誘致や競技力向上にも寄与するものと考えております。  また、サッカーやラグビーに利用されない時間には、スポーツイベントやニュースポーツ等にも活用でき、県民の健康増進やマイライフ・マイスポーツ運動の推進などにも寄与するものと考えております。 12 ◯環境林務部長(新川龍郎君)特用林産物の生産拡大についてでございます。  本県の特用林産物は、タケノコ、シイタケを初め、シキミ等の枝物、竹材等の多様な品目が生産されており、近年、国産品志向の高まりなどから、タケノコや枝物等の生産額が伸びてきております。  県といたしましては、特用林産物の生産拡大を図るため、これまで、タケノコ生産林等の生産基盤の整備や、生産者養成講座の開催等による担い手の育成に努めますとともに、展示販売等を通じたPR活動などに取り組んでいるところでございます。また、今年度は、地域のリーダーとなる生産者の養成等による生産体制の強化や、竹入り紙の新たな活用などにも取り組むこととしております。  特用林産物の生産は、農山村における就労の場として重要な役割を果たしており、今後ともこれらの取り組みを通じて、特用林産物の一層の生産拡大を図ってまいりたいと考えております。 13 ◯副知事(佐々木 浩君)貴重な答弁の機会を与えていただきましてありがとうございます。  本県に対する感想や副知事の就任の抱負についてでありますが、平成二十二年夏に三年半ぶりにニューヨークから帰国して以来、九州に関しては、東京から見る九州と実際の九州とは大きなギャップがあるのではないか、それがつかめていないのではないかという観点から、私自身強い関心を持ってまいりました。  経済のグローバル化と中国、ASEAN諸国の躍進により、今、我が国は世界経済発展の中心地に隣接する、G8諸国の中で最も近い場所を占めるという絶好の環境にあります。この好機を最大限に生かす。そのためには、国内でも大陸に最も近く、その影響をストレートに受け、交流・変貌する九州のダイナミズムを肌で実感する必要があるのではないかとの思いであります。その意味では、今回、鹿児島県での勤務という機会を与えていただきましたことは、こうした表現が適切かどうかは別として、個人的にはまさに渡りに船という感であります。  本県は、九州の中でも、自然や地理的条件、県民みんなが共有する歴史と伝統という、ならではの強み、そして潜在的可能性を持っており、これはこの二カ月間の私自身の実感でもあります。  「本物。鹿児島県」、伊藤知事のもと、こうした思いが空回り、ひとりよがりで終わらないよう十分自戒した上で、副知事として精いっぱい努めてまいりたいと考えております。    [酒匂卓郎君登壇] 14 ◯酒匂卓郎君 それぞれ御答弁いただきました。  まず、鶴丸城の石垣調査と楼門の復元についてでございますが、知事のほうから大変前向きな答弁をいただきました。この調査につきましては、緊急的な箇所が二カ所と、また経過観察等が必要な箇所が五カ所ということでございましたけれども、二十六年度以降、順次、修復・整備が図られるということを聞きまして、ほっとしているところであります。ぜひとも、鹿児島県の中心部にありまして観光の拠点となる、そして回遊性の高い場所でございますので、先ほどの答弁にありましたように、鹿児島県として協力できることは関係機関・団体とも協力をして、さらに積極的に前に進めていただきたいと思っております。  次に、子育て支援策についてでありますけれども、鹿児島県はそれなりに待機児童も減少しておりまして、順調に進んでいるという部分が大きいと思っております。しかしながら、先ほど答弁にありましたように、かごしま子ども未来プラン、若干、目標を達成していないという点等もございます。そういう意味で、さらなる取り組みを期待したいと思っておりますし、また、横浜方式ということがですね、平成二十二年に千五百人いた待機児童が平成二十四年ではゼロになるという大変な取り組みの効果でございまして、本県も市町村に情報提供等をしていきながら、推進を図るということでございますけれども、ぜひ国のほうの政策等も十分に取り入れながら、ぜひとも進めていただきたいと思っております。  次に、子供の安全対策につきましては、刑法犯については大幅に減少しておりまして、その取り組みについては評価している部分がありますが、福祉犯の増加でありますとか、やはり重大な被害を受けている子供たちがいるという現実もございます。この被害によって一生が台無しになるという子供もいますので、重大な被害はゼロ件という報告がいずれこの場で聞けるように、頑張っていただきたいと思っております。  また、緊急合同点検の実施でございますけれども、登下校中の子供たちの安全のために行われた大変意義ある点検でございまして、残り五百十七カ所ということでございました。ぜひとも早急に対策が進められるように期待しております。  血液の確保につきまして質問いたしましたが、ちょうど先日から新聞・テレビ等で報道がありましたように、ことし一月に「献血ありがとう~いのちをつなぐ友の会~」というのが発足したそうでございまして、六月十五日、初めての会議が開かれたということでございました。輸血により救われた経験を持つ会員が、献血情報誌への寄稿で啓発を図ることなどを盛り込んだ二〇一三年度計画を立てたということでございます。  血液の需要が供給を上回る県内の献血の現状や課題が報告され、特に十代、二十代の提供が少ないということが指摘されて、吉森会長さんという方の「これからアイデアや意見を出しながら頑張っていきたい」というコメントが地元紙に載っておりました。  こういう献血活動ですね、若い方々が極端に減っております。やっぱり広報啓発をうまく図られて、以前のように若年者が積極的にされるような環境が早くできるように、努力を要請いたしておきます。  マリーナ計画調査につきまして、そろそろ適地選定の熟度が進んだかなと思って質問いたしましたが、まだのようでございました。これまで、聞くところによりますと、姶良市が要望書を提出し、また、もう一市が要望を伝えていると伺っております。これは、要望を受け付けて決めるという仕組みの整備の方法ではございませんけれども、そういうところも計画調査の一つの有望な箇所として、ぜひ御検討いただければありがたいと思っております。  サッカー・ラグビー場の整備、いよいよ来年二月が供用開始でございます。大きな大会の開催、本当に期待しておりますし、また、先ほども申し上げましたが、やはりJリーグなどのプロのチームのキャンプの誘致、これを大変期待しているところであります。ぜひ来年二月以降、早急にそういう発表ができるような形で取り組みを頑張っていただきたいと、御期待申し上げておきます。  防災・減災対策、これは八・六水害からちょうど二十年ということで、私も、八・六の前の八・一でちょうど鹿児島市におりましてぶつかりました。ちょうど姉の結婚式の衣装がえを先に済ませようということで、結婚式場で衣装がえの撮影等をしておりまして、帰ろうと思いましたら、ちょうど鹿児島中心部、天文館の近くで大渋滞に遭いまして、どんどん水かさが増す中で、私の前の車がとうとう車からおりて運転手が逃げたということがございました。それでも私の車はどこにも行けないということで、周りを見ますと、ちょうど市立病院の右側のほうにガソリンスタンドがありまして、そこに私はぴゅーっと逃げ込んでいきましたら、後ろの車が次々に逃げ込んできまして、何とか、そこのスタンドの二階に上がらせてもらって難を逃れたという経験がございます。  こういう百年に一度という災害が近年起こってきます。やはり、防災・減災という新たな考え方、大変重要であります。国土強靭化基本法案の成立を心から期待し、そして鹿児島県の安心・安全がしっかりと図られるように期待していきたいと思います。  特用林産物の振興については、タケノコ、枝物が伸びているという答弁でございました。特に私が今、関心を持っているのは枝物でございます。シキミ、サカキ、ヒサカキとか、そういう物々が大変伸びております。県のほうから以前いただいた資料では、一反当たりで二、三十万円の売り上げが出るということもございまして、大変将来有望な一つの産業になると思っております。今、鹿児島県が年に一回講習会を開催しております。今回も先日応募が締め切られまして、私の友人も二人申し込みまして、何とかそれに残ったようでありますが、近年は応募者が殺到して集まり過ぎるというぐらい有望な産業になっております。  今は、メインでは大阪に出荷しているということですが、全然東京に送れないという状況で、まだ需要と供給のバランスが、供給側は少ないという状況でございます。ですから、鹿児島県の特性を生かした、そしてまた、特にサカキの場合には里山、日陰で生産いたしますので、山の整備にもつながっていく大変有望な産業になると思っております。ぜひともさらなる積極的な取り組みを期待いたしておきます。  最後に、佐々木副知事に先ほどお言葉をいただきました。  あちこちの会合で数回お会いしましたけれども、なかなかこちらが話す時間がないほど、ユニークなお話を時間たっぷりお話されるという人柄で、いろんなことをこの数回の会合で学ばせていただきました。これまでの経験、ニューヨークにもおられたということでございます。やはりまちづくりは、よそ者・ばか者・若者がつくっていくと言われますけれども、やはりそういうよそからの視点というのは大変大事ですし、これまでの経験をもうどんどん遠慮なく発言していただきたい。  聞くところによりますと、伊藤知事が「もういいかげんうるさい」と言うぐらい、いろいろ提言もされると聞いておりますのでですね、さらに積極的に発言されて、「鹿児島県に佐々木副知事がいた」ということが名前が残るように頑張っていただきたいと期待申し上げまして、私の一般質問を終わります。(拍手) 15 ◯議長(池畑憲一君)次は、鶴田志郎君に発言を許可いたします。    [鶴田志郎君登壇](拍手) 16 ◯鶴田志郎君 自由民主党の鶴田志郎であります。通告に従い、順次質問してまいります。  ことしの梅雨はなかなか雨が少ないということでありまして、例えば水田であるとか、カンショの芽出し、こういったものに非常に難儀しているという状況があります。またさらに夏は暑いということでありますけれども、このような気分を一掃するような、さわやかでそして前向きな御答弁を期待しつつ質問いたします。  まず、農業の振興についての知事の姿勢についてお伺いいたします。  このたび我が党におきまして農業・農村所得倍増目標十カ年戦略を策定いたしました。政策を総動員し、現場の力を十分に発揮できる仕組みをつくることにより、強い農山村づくりに取り組まなければならないと考えます。この戦略は、農業・農村ビジョンのもと、基本政策と品目別政策等の二つの柱で構成されております。  まず、基本政策でありますが、農地集積や農村の整備を進めることにより生産性の向上と高付加価値化を図るとしております。その中身を幾つか申し上げますと、農地集積につきましては、今後十年間で担い手利用面積が全農地面積の八割を目指す。再生利用可能な耕作放棄地のフル活用、農地の大区画化、汎用化、畑地かんがい等を加速化し、農業の生産性の向上、高付加価値化を図ると述べられ、具体的な数値目標を掲げながら、今後取り組むべき方向性を具体的に述べております。  担い手対策につきましては、新規就農者を倍増し世代間バランスをとり、家族経営・集落営農・企業等の多様な担い手が共存する構造をつくるということで法人や企業を担い手として育成するとともに、農村社会の形成に不可欠な家族経営に対しましてもしっかりと配慮していく方向が示されております。  その他、生産者が誇りと自信を持って農業に携われるよう、高付加価値化・安定化のための農業技術の研究開発を革新的に強化していくことや、近年深刻な問題となっている鳥獣被害対策につきましても、鳥獣被害対策実施隊の倍増など地域ぐるみでの対策を画期的に強化し、収益を確保することが述べられております。  さらに、農商工連携、地産地消、六次産業化の市場規模を二〇二〇年までに一兆円から十兆円に拡大し、農林水産物の高付加価値化と食品関連産業の成長の取り組みにより、農業・農村の価値の倍増を目指すとしております。  輸出への対応でありますが、国別・品目別輸出目標に基づき、二〇二〇年までに農林水産物・食品の輸出倍増を目指すとしております。また、農業・農村が果たしている国土保全や水源の涵養、集落機能など多面的機能を維持することに対して直接払いを行うため、日本型直接支払制度の法制化を進めるよう述べられております。  品目別政策では、水田につきまして、基幹的農業従事者一人が平均十ヘクタール耕作する姿を視野に農地集積を図り、新規需要米・加工用米の増産による水田フル活用を進めるなど、さらなる効率化が取り組まれます。  畜産・酪農にあっては、今後十年間で飼料自給率一・五倍増を図り、安定した飼料供給体制のもとに、大規模化、流通環境の改善、畜種別経営安定対策の強化を図り、足腰の強い高収益型の畜産・酪農をつくるとされております。  野菜・果樹・花卉等につきましては、機械化・大規模化などに対応した生産流通体制を整備することにより、今後十年間で加工・業務用向け野菜出荷量の五割増加を図るとしております。さらに、施設園芸の団地化、高品質化のための支援策を強化することにより、多様な担い手・産地による低コスト・高収益の生産構造を図るとされております。  また、我が国でも有数の農業県である鹿児島県では、今後これらの政策を積極的に取り組むことで、力みなぎる農業・農村社会の実現に向け、さらなる取り組みが求められると考えます。  そこで、昨年発表された知事のマニフェストを見てみますと、十二項目にわたり農林水産業の振興について述べられております。その中身は、平成十七年に議員提案として制定されたかごしま食と農の県民条例や食と農の先進県づくり大綱に基づいて、安心・安全・新食料供給基地の形成に取り組み、農業産出額の二〇%アップと食料自給率一〇〇%を目指すとしております。  担い手対策につきましては、経営の法人化等の担い手の育成や集落営農の取り組みの促進など、地域ぐるみで農業に取り組める営農を支援することとしております。  また、生産性の向上対策につきましては、担い手への農地の利用集積や農地リース制度を活用した企業等の農業参入などを促進するとともに、耕作放棄地の現状を把握し、将来の食料事情の悪化に備えるため有効活用の道を探るとしております。  そして、現在、営農に深刻な打撃を与えている鳥獣被害につきましては、イノシシ、シカ、サルなどの有害鳥獣による農作物への被害を最小限に抑えるよう努めるということで、さまざまな施策を組み合わせながら総合的な対策を講じることが予測されます。  畜産対策につきましては、飼料用稲の利用拡大や耕畜連携の推進による飼料自給率の向上を図り、粗飼料では自給率一〇〇%を目指すとしております。そして、配合飼料の高騰で厳しい局面にある畜産業のコストの削減策に取り組むよう述べられております。  そこでお伺いいたしますが、三期目も、はや一年が過ぎようとする中で、農業の振興を今後どのように進めていかれるのか。農業・農村所得倍増目標十カ年戦略を踏まえた上でお聞かせいただきたいと思います。  次に、農業をめぐる諸課題について、幾つかお尋ねいたします。  まず、水利施設の老朽化対策についてであります。  ここで、大隅地域で農村整備事業に功績を残した二人の偉人について述べさせていただきます。  最初に、南大隅町根占地区の水利事業に取り組んだ前田正名であります。  前田正名は、一八五〇年に薩摩の漢方医の六男として生まれました。十九歳から七年間フランスに留学し、ヨーロッパの近代的な産業のありさまを体得しております。ユニークなのは、留学資金をつくるために日本初の活版印刷で、和訳英辞書─通称薩摩辞書といいますけれども─を編さんし、明治二年、この辞書の政府買上金と国費により留学生の指名を受けたとのことで、多彩な才能をうかがわせます。  帰国後、明治十一年のパリ万博への参加を大久保利通に進言し、大久保は前田の意見を全面的に受け入れて、パリ万博の参加準備を前田に一任したとのことで、大久保利通との厚い信頼関係をうかがわせます。  ちなみに、前田正名の妻は大久保利通のめいで、松方正義を媒酌人、大隈重信を親がわりとして大久保邸でその結婚式を挙げたとのことであります。  前田正名は、明治期における殖産興業政策の実践者として知られ、布衣の農相とも呼ばれた偉人でありますが、その前田正名が若いころ取り組んだのが、南大隅町根占地区の水利事業であります。これは、当時宮崎に赴任していた前田正名に、その高潔な人柄と実績を聞きつけた地域の有志が陳情を繰り返し、明治三十一年に事業着手がなされたと聞きます。総延長七キロメートル、百三十メートルのトンネル部分は大分からはるばる石工を招いて施工したとのことであります。  次に取り上げるのが、野井倉甚兵衛であります。一八七四年志布志市の旧有明町の生まれで、火山灰に覆われ、サツマイモ、ソバ、アワなどしか育たない畑地であった野井倉台地を立派な水田地帯に変えた人であります。  十九歳のころ、一千ヘクタールの水田を開発するという壮大な計画を立て、幾度の挫折にもめげず粘り強く国に要望を繰り返しております。昭和五年に開田を目的とする耕地整理組合を設立し、やっと工事施工が決定されたのが昭和十六年、工事が完成したのは昭和二十八年で野井倉甚兵衛が八十一歳のとき、何と六十年余りという人生の大半をかけながら、野井倉開田を実現するというすばらしい実績を上げました。  そして特筆すべきは、いまだこれらの水利施設は地域農業に不可欠な農業基盤となっており、地域農家の厚い感謝とともに、補修を繰り返しながら利用されております。
     県内におきましても、これに類する水利施設が数多くありますが、これらの老朽化対策が地域農業にとりまして大きな課題となっております。例えばトンネルの崩落や、道路の下をくぐっていた水路が崩落し道路が陥没したとか、手動の水門や貯水用ゲートの開閉が困難をきわめる。水路の外壁が割れて漏水し、水が水田に届かない。ため池に土砂が堆積し貯水量が稼げないなどであります。  ここで、議員の皆様方の議席に私が準備した資料を配らせていただきましたので、御参照いただきたいと思いますが、まず左上の田布尾井堰─土砂の堆積と施設の老朽化─とあります。この井堰は、肝付町の百ヘクタールを超える水田に水を供給している重要な水利施設でありますが、老朽化しておりまして、右上に見える水門をあけるためのモーターが手動でありまして、これを上げるのに大変に難儀するということ、それから上流の土砂の堆積で、予定された貯水量が確保することができないという状況であります。  右側の内之浦地区の水門とありますけれども、これは災害で水門の軸が曲がっておりまして、この水門を引き上げることができないという状況でありまして、ことしの水田作はポンプアップで、時間制限で水を供給している。そしてこの燃料費が莫大でありまして、当然これは受益者の負担ということであります。  次に、この左下でありますけれども、これは止水井堰の巻き上げる装置が故障しておりまして、杉の丸太六本ぐらいでこれを支えているという状況であります。したがって、これは開閉することがほとんど不可能でありまして、大変に危険な井堰ということになっております。  また右側、最後のこの擁壁でありますけれども、これは水路でありまして、亀裂が入っているのが見ていただけると思います。このようにコンクリートの劣化により剥離、さらには亀裂、崩落ということによって、大変に水利施設の老朽化が進んでいるということをごらんいただいたらわかると思います。  そして、この水利施設を管理する土地改良組合が負担してこういった修理を行っているわけでありますが、問題箇所が複数に及び、交換や修理の必要なところが一度に顕在化してきており、地域農業にとって深刻な事態となっております。近年、水土里サークル活動などにより、非農家を含めた地域ぐるみでの取り組みが効果を発揮しているとはいえ、労力と財源がとても追いつかないという状況があります。  そこでお伺いいたしますが、現在の農業施設の老朽化の状況と、そのことに対する長寿命化対策をどのようにされるおつもりか、教えてください。  次に、農村における再生可能エネルギーの活用についてお伺いいたします。  近年、CO2の削減や原発事故以来、エネルギーの自給率の向上、地球温暖化対策等のため再生可能エネルギーの普及・拡大が急務となっております。といいますのも、我が国では、原子力発電を除くとエネルギー自給率はわずか四%であり、エネルギーの中心となっている石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っている状況であります。今後も安定的にエネルギーを確保していくため、化石燃料にかわるエネルギーの確保が課題となっております。  再生可能エネルギーは、自然界から取り出すことができ、枯渇することなく持続的に利用できるエネルギー源であります。自然豊かな日本にはこうした再生可能エネルギーの資源が豊富に存在しております。しかしながら、再生可能エネルギーの利用状況はといいますと、その占める割合は日本の電力の約一〇%ですが、その大半は大規模ダムを含む水力発電で、買い取りの対象となる再生可能エネルギーはわずか一・四%しかないというのが現状であります。再生可能エネルギーの最大の課題は、他の電源と比べて効率が悪くコストが高いので、そのままではなかなか普及が進まないことであります。  そこで、再生可能エネルギーの活用を促進するべく、平成二十四年七月から、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まりました。その仕組みは、発電者が発電した電気を電力会社に一定の期間、一定の価格で買い取ることを義務づけるもので、再生可能エネルギーによる発電に取り組む者にとり、設備投資など必要なコストの回収の見込みを立てやすくなるため、新たな取り組みが促進されることが制度の狙いであります。  鹿児島県でも、風力発電につきましては発電容量が全国第三位、太陽光発電全国第十二位の実績があり、地域振興や産業振興に大いに貢献しておりますので、私は、農村における再生可能エネルギーの取り組みについてお伺いいたします。  まず、太陽光発電でありますが、イニシャルコストを抑え、設備投資にかかわる部分の回収を少しでも早くするのが重要であります。そこで、農地として利用される見込みのない農村の土地に太陽光発電を設置することで、農村の活性化の一助になるのではないかと考えるのであります。また、広大な屋根を持つ畜舎の屋根を活用して太陽光発電を行えば、生産コストの削減に貢献できると考えます。  そこでお伺いする一点目は、現在、県内においての取り組み状況はどのようになっているのか。また、このような取り組みについてどう考えるのか、教えてください。  次に、農業用の水利施設を活用しての小水力発電の取り組みについてお伺いいたします。  これまでも、かんがい用ダムに併設して設置された小水力発電が農業用施設の維持管理に有効活用されてまいりました。例えば、国営畑かん第一号である笠野原におきましては、高隈ダムの導水路を利用して設置された発電設備は、年間約五百万から六百万キロワットアワー程度の発電を行い、その売電収入で土地改良施設の維持管理に大いに貢献しております。また、県営ダムにおきましても同様の効果が見られると聞いております。  そのような中、技術の進展により、設備の効率化、小型化、低価格化が図られ、比較的小規模ながらも着実に発電実績が稼げるものも出てきていると聞きます。今後このことを進めることにより、先ほど取り上げました農業かんがい施設等の維持管理費に充てられれば、農家負担の軽減が期待されると考えます。  そこでお伺いする二点目は、県内のこのことに対する実績と現在の取り組み状況、さらには課題について教えてください。  また、農業分野におけるバイオマスエネルギーの導入状況はどのようになっているのか。以上、三点をお伺いいたします。  次に、和牛の振興についてお伺いいたします。  まず一点目が、経営安定対策であります。  ここ数年、景気の低迷による消費の低下等で、品質の高い牛肉の安値が続いております。そこで、肥育農家の経営安定対策として肉用牛肥育経営安定特別対策事業、いわゆる新マルキン事業が実施されてまいりました。この事業は、肉用牛肥育経営の収益性が悪化した場合に、生産者の拠出と機構の補助により造成した基金から、粗収益と生産費の差額の八割を補填することにより、肉用牛肥育経営の安定を図ることを目的としております。  また、事業の仕組みといたしましては、肉用牛経営の安定を図るため、生産者の拠出と機構の助成により基金を造成し、四半期ごとの肥育牛一頭当たり平均粗収益が平均生産費を下回った場合に、その差額分の八割が補填されております。さらに、今年度から、粗収益と生産費の地域差を考慮した地域算定がモデル的に導入され、我が県の実態に即した制度となっているのではないかと考えます。  そこでお伺いしますが、この地域算定モデルの我が県へのメリットと最近の発動状況を教えてください。  次に、近年、配合飼料の高騰が和牛農家の経営を圧迫しております。特に、円安傾向のため輸入穀物の買い入れ価格が上がっている傾向にあり、さらなる配合飼料価格の上昇につきましては予断を許さないと思います。  そこで、配合飼料の高騰時には、農家経営を過度に圧迫しないように配合飼料価格安定制度が適用されます。この制度は、生産者と配合飼料メーカーなどの民間による積み立てである通常補填と、異常な価格高騰時に通常補填を補完する異常補填、この原資は国と配合飼料メーカーが積み立てておりますけれども、この二段階の仕組みによって、生産者に対して補填を実施するものであります。  そして、最近の飼料価格の状況ですが、比較的安定していた平成十八年度ごろまではトン当たり四万三千円程度だったものが、平成二十四年度第四・四半期はトン当たり何と六万三千二百五十円に高騰しており、さらに今年度第一・四半期ではトン当たり六万六千四百五十円と、平成二十年秋のピーク時に匹敵するような状況となっております。  その原因といたしましては、トウモロコシなどの原料価格の高どまりに加え、大幅な円安の影響が重なり、四~六月期は生産者実質負担が最高水準となっております。そのような中で、配合飼料基金の七~九月期の財源が枯渇することが予測されております。  今後さらに配合飼料の価格の高どまりが予想される中で、基金に対する財源対策が不可欠と思われますが、このことに対する県の考え方と今後の飼料確保対策をお聞かせください。  最後に、BSE清浄国の認定に対する我が県の影響についてお伺いいたします。  二〇〇一年に我が国でBSEの罹患牛が発見されて以来、これまで屠畜検査で二十二頭、死亡牛検査で十四頭、計三十六頭の発生が確認されております。その後、発生国からの肉骨粉等の輸入禁止、反すう動物用飼料への動物由来たんぱく質の使用の禁止、飼料製造施設・ラインの分離、SRMの除去・焼却義務づけ、脳及び脊髄を破壊するピッシングの禁止等の対策がとられるなどして、清浄化に向けたさまざまな努力が重ねられてまいりました。  その結果、二〇〇二年を最後に国内での罹患牛は出ていない状況の中で、OIEという国際的な取り決めに基づき、十年を経過したことしの五月に晴れてBSE清浄国の認定を受けたのであります。このようなことから、今後の和牛肉の輸出に弾みがつくものと期待しております。  そこでお伺いいたしますが、このことで和牛肉の輸出にどのようなメリットがあると考えているのか。また、今後の輸出促進に向けた取り組みについてお伺いいたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 17 ◯知事(伊藤祐一郎君)本県農業の今後の振興についてのお尋ねがございました。  本県農業の振興につきましては、温暖な気候と恵み豊かな自然、広大な畑地、すぐれた畜産資源、地理的に今後発展が期待できるアジアに近いなどの、他の地域と比較した優位性を生かしながら、かごしま食と農の県民条例に基づく基本方針や食と農の先進県づくり大綱に基づきまして、まず一番目に、担い手の経営の大規模化・法人化への誘導や集落営農の取り組みの推進、二番目といたしまして、畑かん地域における基盤整備の推進と水利用効率の高い品目の生産の拡大、三番目といたしまして、安心・安全を基本としたブランド化の推進や食品関連産業との連携による農畜産物の付加価値の向上、四番目として、耕畜連携による自給飼料の拡大などによります安定した畜産基盤の強化など、各般の施策に積極的に取り組んでいるところであります。  また、本県農業を取り巻く状況についてでありますが、農業就業人口の減少や過疎化・高齢化の進行、農産物価格の低迷や生産コストの増加などによる農業所得の減少などの課題を抱えております。  このため、県といたしましては、これまでの取り組みに加えまして、地域の中心となる経営体の確保・育成、大隅農業・加工技術研究プロジェクトの推進など、素材提供型の農業から、一次加工等により価格支配力を高めた高付加価値型農業への転換、環黄海経済圏を初めとしたアジアに対する農畜産物の輸出の一層の促進など、生産・加工・流通・消費に至る施策を一体的、重点的に展開することといたしております。  お尋ねの中にございました、農業・農村所得倍増目標十カ年戦略で示されました具体的方向は、従来、我が県が進めてきた農業政策とほぼ同一方向を目指していると考えておりまして、現在国におきましては、農林水産業・地域の活力創造本部を設置し、農林水産業や地域が持続的に発展するための方策を幅広く検討することといたしており、県といたしましても、国の検討状況を踏まえつつ、新たに打ち出される施策にも具体的に対応いたしまして、安心・安全・新食料供給基地の実現を目指してまいりたいと考えております。 18 ◯農政部長(中西 茂君)まず、農業施設の老朽化対策についてでございます。  本県のダム、ため池や用排水路などの農業施設につきましては、整備後に相当の年数が経過したものもあり、これまでも必要に応じて補修や更新を行ってきたところでありますが、今後さらに老朽化する施設が増加していくと見込まれ、突発事故や機能低下による営農への支障はもとより、地域社会への影響も懸念されております。  県といたしましては、機能不全に陥る前の適切な予防保全や計画的な補修・更新を進めるため、本年度から、周辺地域への影響が大きい施設を中心に、一斉点検や耐震調査等を実施することにしております。その結果、整備が必要な箇所につきましては、緊急性や優先度、市町村や土地改良区などとの役割分担、さらには費用の平準化も考慮した実施計画を策定し、早期に事業導入を図るなど、施設管理者や地域と一体となりまして計画的・効果的な長寿命化対策に取り組んでまいりたいと考えております。  農村における再生可能エネルギーの活用について、何点か質問いただきました。  まず、県内農村での太陽光発電についてでございます。  県内の農地を利用した太陽光発電施設につきましては、本年五月末現在、農地法に基づき、二十五市町の約三十七ヘクタールで設置に必要な転用許可を行っております。また、畜舎の屋根を活用した太陽光発電施設につきましては、現在のところ確認できているもので数件ございますが、導入に当たっては畜舎の強度や採算性に留意する必要があるものと考えております。  農村地域におきましては、まずは農地の農業上の有効活用が図られることが大事であると考えておりますが、再生利用が困難な耕作放棄地や農業用施設につきましては、太陽光発電施設などの導入を図り、その利益を地域に還元することにより、農業・農村の活性につながる場合もあるものと考えております。  次に、農業用水利施設の小水力発電についてでございます。  県内におきましては、農業用水利施設を活用して小水力発電を行っている施設は、竹山ダム、金峰ダム、輝北ダム、高隈ダムの四カ所であり、整備中の荒瀬ダムや徳之島ダムについても、今後、小水力発電施設を設置する予定となっております。既に設置されている四カ所の年間発電量は合計で約八百四十万キロワット時で、一般家庭用約二千三百軒分に相当し、その売電収益は土地改良施設の維持管理費に充当しているところでございます。  県におきましては、現在、取水量の大きい用水路を対象とした賦存量調査に取り組んでいるほか、永吉ダムにつきましては具体的な収益性の検討を行っているところであります。  なお、小水力発電導入の課題といたしましては、非かんがい期の流量減少による発電量の低下、発電施設を管理する技術者の確保、小水力発電のための水利権の取得などがあるものと考えております。  和牛の振興について、幾つか御質問いただきました。  まず、新マルキン事業の地域算定についてでございます。  肉用牛肥育経営安定特別対策事業、いわゆる新マルキン事業における補填金の算定につきましては、昨年度までは全国一律でございましたが、本年度から、地域の実態に即した県単位での地域算定が導入され、本県を含む六県においてモデル的に実施されております。  この地域算定では、粗収益における枝肉価格や生産費における素畜費及び家族労働費について、地域のデータを採用しており、本県では一般的に、素畜費となる子牛価格が全国平均より高いこと、県内の枝肉価格が大阪市場等に比べて安値で取引されていることなどから、全国算定に比べてより本県の肥育農家の経営実態が反映されているものと考えております。  なお、地域算定に基づく本県の黒毛和種の本年四月期の補填金は、肥育牛一頭当たり一万二百円が交付されることとなっており、一方、全国算定を実施している都道府県につきましては、今回は発動がなかったところでございます。  配合飼料価格安定基金の枯渇についてでございます。  配合飼料価格は、平成二十四年七月以降、トウモロコシ価格等の上昇により高騰したことから、第二・四半期から第四・四半期まで連続して配合飼料価格安定制度に基づく補填金が交付されたところでございます。  この間、通常基金の枯渇が懸念されましたことから、県としましては、昨年十一月に県開発促進協議会等を通じまして、国に対し、本制度の安定運用を図るための財源確保を要請し、国におきましては、経済対策として百四十八億円の積み増しが実行されたところでございます。  また、本年度に入りましても、円安基調により飼料価格は高どまりの状況にあり、仮に現在の価格で推移した場合、第二・四半期の補填金は総額で二百十六億円と推定され、約七十三億円の財源不足が見込まれております。  県におきましては、畜産経営の安定のために本制度の安定運用が必要と考えており、引き続き、県開発促進協議会等を通じまして、財源の確保を国に要請してまいりたいと考えております。  このような状況を踏まえまして、県におきましては、飼料価格の変動等のリスクを回避する観点から、自給飼料の生産・利用の拡大を図るため、水田を活用した飼料用稲や飼料用米の生産・利用拡大、焼酎かすやでん粉かす等の低・未利用資源の有効活用、飼料畑の造成、コントラクター組織の育成など、飼料生産の外部化の推進等に積極的に取り組んでいるところでございます。  今後とも、これらの取り組みを一層推進し、自給飼料に立脚した畜産経営の安定に努めてまいりたいと考えております。  BSE清浄国のメリットと今後の取り組みについてでございます。  牛肉につきましては、現在、県内の認定施設から香港、シンガポールなど六カ国に輸出されております。このような中、去る五月二十九日、OIE総会におきまして、我が国が無視できるBSEリスク、いわゆる清浄国に認定され、国際的にBSEに対する安全性の評価が得られましたことから、現在、輸出されていないロシア、台湾などの有望な国との検疫協議が促進され、輸出可能な国が増加するものと期待いたしております。  県としましては、今後、輸出先の条件に適合した食肉処理施設の整備を促進するとともに、県内の輸出業者等から成る県食肉輸出促進協議会と連携いたしまして、アジアにおける販売指定店の拡大や食品展示会・商談会への参加など、安心・安全な鹿児島黒牛のさらなる輸出促進と販路拡大に努めてまいりたいと考えております。 19 ◯企画部長(古川仲二君)本県の農業分野におけますバイオマスのエネルギー利用といたしましては、サトウキビのバガスや鶏ふんの焼却による発電、焼酎かすの発酵で発生いたしましたメタンガスの熱源利用などの取り組みが行われております。  平成二十三年度末現在の導入状況につきましては、バイオマス発電施設は、バガス利用が七件、出力八千五百キロワット、鶏ふん利用が一件、約二千キロワットとなっております。また、熱利用施設は、焼酎かす利用が十件、発熱量は原油換算で年間約一千四百キロリットル、鶏ふん利用が一件、約九百キロリットルとなっております。    [鶴田志郎君登壇] 20 ◯鶴田志郎君 それぞれ御答弁いただきました。  このたびの自民党の農業・農村所得倍増目標十カ年戦略でありますが、強い効率的な農業と多面的機能を評価するという二点を重点的に取り組むことで、農業・農村の成長につなげるとしております。  御承知のとおり、農業は他産業に比べ所得を上げにくいという面があり、その要因は、みずからの生産物に値段をつけにくい。外国産の低コスト農産物とは外見などでなかなか差別化がしにくく、大きく影響されやすい。気象や災害で壊滅的な被害を受けることがある。投資に対する回収の期間が長いなどが考えられます。  農業所得が安定的に上げられれば、農家の営農意欲も増しますし、さらに新規就農者も増加すると考えます。我が県の新規就農者は二十四年度、何と三百九十六名、四百名近くが就農するということで、十年連続三百人を超えるというすばらしい状況であります。農家所得の倍増に向け、その取り組みを大いに期待する次第であります。  次に、水利施設等の老朽化の問題でありますけれども、当時、国の食料増産計画のもと、同じ時期にその整備が進んだ経緯があります。したがって、老朽化も同時に進んでいるという状況であって、これを管理する土地改良区では、わずかな会費収入を主な財源として運営しておりますから、その運営や設備の維持管理でも四苦八苦している中で、大規模改修に対しては組織の能力を超えていると言わざるを得ません。現在、これらの施設は再整備が必要でありますので、年次的な改修が進められるような計画的な取り組みを強く要望する次第であります。  また、県の再生可能エネルギーの導入・開発の促進に対する提言では、地域を元気にし、雇用創出につながるこの取り組みを促進するとありまして、今後、農業・農村、さらには農家所得の向上を図るために前向きな取り組みをしていかなければならないと思います。  特に、畜舎等の屋根を活用した太陽光発電を提案いたしました。屋根の強度がどのくらいの重量に耐えられるかという問題がありますが、以前補助金を使って建てられた畜舎は、「丈夫につくり過ぎではないか」との意見もありましたので、今こそ、この丈夫な屋根にいっぱいの太陽光パネルを張り、コスト削減などにつなげるべきと考えます。既に三年間の時限措置も二年目半ばに入ろうとしておりますので、取り組みを促進していただきますようによろしくお願いいたします。  さて、質問に移ります。  障害者の地域移行と就労支援についてお伺いいたします。  昨年四月より、第三期障害福祉計画が実施されております。この計画は、平成二十四年より三カ年を計画期間としており、その基本理念は、障害者等の自己決定と自己選択の尊重、実施主体の市町村への統一と三障害に係る制度の一元化、地域生活への移行や就労支援等の課題に対応したサービス提供体制の整備の三つの柱が立てられております。  そして、この理念に基づき、平成二十六年度の数値目標が設定されております。例えば福祉施設の入所者の地域生活への移行につきましては、八百九十一人で全体の二一・九%、入院中の退院可能精神障害者の減少目標値を四百九十人、福祉施設から一般就労への移行等は年間五十四名で、平成十七年度の三倍の目標設定がなされております。  そして、これを達成するために、自立支援協議会の立ち上げへの支援や、サービスの質の向上を図るため相談支援従事者研修やサービス管理責任者の研修、そして生活訓練や社会参加促進事業などに取り組むとされてきております。  取り組み体制といたしましては、障害福祉サービスの提供につきまして、市町村に基幹相談支援センターの設置を促進する。圏域ごとに地域連絡協議会を設置し、連携を強化する。就労支援につきましては、障害者就業・生活支援センターの全圏域への設置をしていくとしております。  そこでお伺いいたしますが、これらの体制づくりの進捗状況と、推進についての取り組み状況を教えてください。  次に、就労支援についてお伺いいたします。  第三期障害福祉計画におきましては、就労支援が重点施策と位置づけられており、先ほど述べました障害者就業・生活支援センターの設置や、鹿児島労働局や鹿児島障害者職業センターなどとの連携の強化、さらには、安定的な仕事を確保すると同時に工賃の向上を図るため、福祉施設に対する経営改善や商品開発、市場開拓などについて支援するよう取り組むとされております。  そこで、これまでの実績を踏まえて、これらの取り組み状況について教えてください。  また、就労する障害者と企業との橋渡し役としてジョブコーチの取り組みが大変に重要と考えます。障害者の能力と企業ニーズとのマッチングや、作業現場での他の労働者とのコミュニケーションの促進などにかかわりながら、自立を望む障害者のサポーターとして活躍が望まれております。  そこでお伺いしますが、ジョブコーチの養成はどのようになっているのか、その活動状況等もあわせて教えてください。  次に、倒壊危険建築物対策についてお伺いいたします。  このことにつきましては、私も過去に一度質問させていただきました。そのときには空き家対策という表題だったかと思いますが、当時の空き家が、現在は倒壊危険建築物と言ってもいいような状況となっており、過疎化が著しい我が県におきましては深刻な社会問題となっております。  ここで、具体的に二つの事例を申し上げます。  一昨年の七月に霧島市隼人町で民家三棟が全焼する火災がありました。火災は、未明にJR隼人駅から南に約百メートルの住宅街で発生し、出火元は空き家で、隣の住家も延焼で全焼いたしました。出火原因は、不明のまま特定されていないということであります。  そして、数カ月たっても二軒の空き家の残骸が放置され続け、問題となりました。近隣の住民は、「見苦しく景観を損ねる」、「危険。強風で瓦が飛ばされそう」と苦情を訴えてきましたが、所有者は故人で、相続人の間での話もまとまらず、一向に後片づけが始まる気配はなかったという状況があったそうであります。現行法では強制撤去も不可能とあって、霧島市は対応に苦慮したと聞いております。  また、私の地元肝付町前田で、市街地で県道沿いにあった空き家が老朽化で傾き、隣の酒屋さんに寄りかかる形で崩れるという事件がありました。酒屋さんは、住宅兼用の店舗であったため売り上げも低下し、いつ崩壊するかわからないと考えると夜も眠れない毎日を送ったとのことであります。幸い、みずからの建物の損傷は少なかったそうですが、撤去が済むまで通学路となっている歩道も大半が封鎖され、社会問題となりました。  各地域で安心・安全で魅力ある景観を持つまちづくりが進められる中で、倒壊危険建築物の対応は喫緊の課題であると考えます。特に隼人町の事例では、火元が空き家であり、責任の所在が不明確であるため、防犯や防火対策など、行政あるいは地域住民で取り組まざるを得ない状況が出てきております。さらに、ごみが放置されたり、不快害虫などのすみかとなるなど衛生面の問題もあって、素行不良の学生などのたまり場にもなることもあると聞いております。  そこでお伺いいたしますが、現在、県内で定期的にこのような建築物の状況調査を行っていると聞きますので、空き家、さらには危険建築物の実態がどのように把握されているのか、お伺いいたします。  次に、倒壊危険建築物に対し、一部市町村で条例を定めていると聞きますが、市町村の対応状況を教えてください。  さらに、県が対策のための原則を示し、各市町村に指導していくお考えはないのか、その見解をお伺いいたします。  最後に、七月に行われる予定の参議院選挙への対応について、二点お伺いいたします。  まず一点目が、インターネットによる選挙についてであります。  今国会におきまして、インターネットを活用した選挙が認められるようになりました。このことにより、候補者自身によるホームページやブログ、フェイスブックなどを活用した選挙運動が解禁され、実質、今夏の参議院選挙より活用されることが見込まれております。これまでもネットを活用した政治活動が常識となっており、選挙運動につきましても解禁の方向で進んでまいりました。
     そのような中、国会におきましても、全面解禁かあるいは、ある程度の制限の中で活用を進めるかで熱心な議論が行われてまいりました。そして、候補者本人や政党によるホームページ、電子メール、さらにはSNSの選挙運動での活用が解禁されたのであります。  しかしながら、これまでの議論でもありましたように、公平・公正であるべき選挙において、いかにそのことを保証していくかが重要であります。例えば、候補者・政党以外の者が、候補者・政党等から送られてきた選挙運動用電子メールを転送することは、新たな頒布行為であるので転送することはできないとか、ウエブサイト上やチラシなどに記載されているメールアドレスに選挙運動用電子メールを送信することなどを禁止するということであります。さらに、迷惑メール対策、誹謗中傷対策、なりすまし対策のため、選挙運動用電子メールの送信先について制限を設けており、この規制に違反した場合には二年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処され、さらには公民権が停止されることとなるなど、厳しい罰則も科されるのであります。その他、公平・公正を保つためさまざまな配慮がなされておりますが、この参議院選挙から新たに導入されるネット選挙に対してどのような普及啓発をされるのか、教えてください。  さらに、ネット選挙が適正に行われるためには、これをチェックし、違反事案に対しては適正に対処することが重要であると考えます。  そこでお伺いいたしますが、取り締まりを担当する県警においては、ネット選挙に対しどのような姿勢で臨み、どのような対応をお考えか、お伺いいたします。  次に、このたび成年被後見人の選挙権が回復されるようになりました。このことにより、投票が認められなかった成年被後見人も、選挙を通じてみずからの政治的意思を示すことができるようになったのであります。  そこでお伺いいたしますが、県内でどのくらいの方が選挙権を認められるのか。さらに、その方々への啓発などの対策をどのようにされるのか、教えてください。 21 ◯保健福祉部長(松田典久君)障害者の地域移行に係る取り組み状況についてでございます。  障害者が地域で生活するために必要な障害福祉サービス利用の調整等を行います自立支援協議会は、現時点で四十市町村に設置されております。また、今年度からは、市町村域では対応が困難なサービスや相談等に広域での連携により対応するため、障害保健福祉圏域ごとに地域連絡協議会の設置に取り組むこととしております。また、地域の相談支援の拠点として市町村が設置する基幹相談支援センターにつきましては、十四市町村が設置しているところであり、引き続き設置を促進してまいります。  相談支援やサービス管理等に係る人材の育成につきましては、初任者や現任者を対象とした専門的な研修を実施しており、昨年度は延べ千四百二十四人が受講しております。  県としましては、今後とも、市町村等と連携して、障害者が地域で安心して生活できるよう地域移行支援の充実に努めてまいりたいと考えております。  障害者の就労支援に係る取り組み状況についてでございます。  障害者就業・生活支援センターにつきましては、現在、県内五圏域に設置して、就労に伴う生活面の指導等を行いますとともに、国の鹿児島障害者職業センター等と連携した就労支援を行っており、平成二十四年度は二百八十七名が一般企業に就職したところであります。  なお、未設置の圏域につきましては、鹿児島労働局等と連携を図りながら、センターの設置に努めてまいりたいと考えております。  工賃向上につきましては、これまで、障害者就労事業所に専門家を派遣して、商品開発や民間の経営手法を習得する事業の実施や事例研修会の開催などに取り組んでおり、平成二十四年度の平均工賃月額は、目標工賃月額を百九十三円超えた一万三千八百四十三円となっております。  ジョブコーチにつきましては、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の研修を受講することにより養成されるもので、現在、鹿児島障害者職業センターや社会福祉法人等に十九名が所属しております。その活動としましては、障害者に対しては作業遂行力や職場内コミュニケーション能力の向上支援を、事業主に対しては障害特性に配慮した雇用管理に関する支援などを行っております。平成二十四年度における支援終了六カ月後の職場への定着率は、八五%となっております。  県としましては、今後とも、鹿児島障害者職業センターなどの関係機関と連携しながら、障害者の特性に応じた就労支援に努めてまいりたいと考えております。 22 ◯土木監(秋元幸壽君)倒壊危険建築物対策についてでございます。  本県の空き家につきましては、平成二十年の住宅・土地統計調査によりますと、住宅総数約八十五万戸のうち、利用目的のない空き家が約七万五千戸、さらにそのうち、破損等の見られる空き家が約二万七千戸となっています。  市町村の空き家等の適正管理に関する条例は、平成二十五年四月現在、鹿屋市、枕崎市及び和泊町の三市町において制定されております。  県におきましては、昨年度、市町村に対して先進事例の紹介や市町村との意見交換等を行ったところであり、今年度は、空き家対策の課題やその課題に応じた条例の制定内容を事例的に紹介する説明会を開催するなど、市町村における取り組みを支援してまいりたいと考えております。 23 ◯選挙管理委員会委員長(鎌田六郎君)まず、ネット選挙運動の普及啓発についてでございます。  インターネット等による選挙運動が解禁されることとなりまして、若年層における政治参加促進の一つの契機になるものと期待もされますが、一方で、誹謗中傷やなりすましなどの違反行為が懸念されることから、私どもといたしましても、公正な選挙に向けた取り組みというのがぜひ必要であると考えております。  そのため、県選挙管理委員会といたしましては、五月二十日から県のホームページにおきまして、選挙運動におけるインターネットの適正利用を呼びかける取り組みを始めたところであります。また、今後は、メール広告やバナー広告に加えまして、SNS─ソーシャルネットワーキングサービス─を利用いたしまして、選挙運動におけるインターネットの適正利用あるいは違反行為の防止のための周知に努めてまいりたいと考えております。  次に、成年被後見人の選挙権の回復に伴う周知につきましてでございますが、成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律が、今月三十日から施行されることになります。同法の施行によりまして、選挙権の回復が見込まれる県内の成年被後見人の数は、五月末現在でございますが、二千百二十五名となっております。  県選挙管理委員会といたしましては、今回の改正の内容につきまして、ホームページへの掲載や新聞折り込みチラシなどによりまして周知することといたしております。また、市町村選挙管理委員会に対しましても周知を依頼しているところでございます。  また、選挙期日の公示日以後は、投票所の入場券が交付されることによりましても、成年被後見人御本人に対して選挙権が回復されたことをお知らせすることもできると考えております。 24 ◯警察本部長(杉山芳朗君)ネット選挙に対する県警察の対応についてです。  公職選挙法違反に限らずインターネット利用の犯罪に共通して言えることは、コンピューターウイルスによる遠隔操作、無線LANのただ乗り等、多様な匿名化手段が利用され、また容易に国境を越えて敢行されるという特性があることであります。  県警察といたしましては、こうしたサイバー犯罪の特性を踏まえ、対処能力の向上を図っているところであり、捜査の各段階において、証拠を十分に分析、吟味して捜査に当たることとしております。  違反取り締まりに当たりましては、取り締まり担当部門、サイバー犯罪対策部門を中心に、情報通信部門との連携も強化するなどして必要な体制を構築し、適切に対応してまいります。    [鶴田志郎君登壇] 25 ◯鶴田志郎君 それぞれ御答弁ありがとうございました。  ごらんのように、もう時間がありません。十四日に閣議決定された我が国の成長戦略、今後いろんな施策が打ち出されると思いますが、鹿児島県の振興のためにしっかりとこの機会を捉まえて、大きく力強い鹿児島をつくっていただきたいと思います。  今後、私も一緒に頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  終わります。(拍手) 26 ◯議長(池畑憲一君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午前十一時五十八分休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 27 ◯議長(池畑憲一君)再開いたします。  岩崎昌弘君に発言を許可いたします。    [岩崎崎昌弘君登壇](拍手) 28 ◯岩崎昌弘君 人ごとと思っておりました還暦を四月に迎えました。還暦とは、申すまでもなく、えとが一巡し、起算点となった年のえとに戻ることで、数え年六十一歳を指すわけでありますが、最近では数え年にかわって満年齢を用いることが多くなったため、数え年六十一歳にかわって満六十歳を還暦とする考え方が広がりつつあり、還暦祝いを満六十歳の誕生日を中心に行うことがふえているとも言われます。  また、昔は還暦を機に現役を引退する例も多かったわけですが、今日、企業等では定年延長も図られてきており、私も本定例会の開会日に、周りの皆様のおかげで県議会在職十年表彰もいただきましたので、人並みに体の一部にがたはきておりますが、いましばらくは、健康に留意しながら、元気に県民福祉の向上と県勢発展に寄与してまいりたいと思いますので、県民の皆様を初め、本議場におられる皆様方の御指導、御鞭撻をお願いいたしまして、節目となる二十回目の一般質問に入らせていただきます。  まず、本県の人口減少問題についてであります。  この問題については、昨年の第二回定例会でも質問させていただき、人口減少問題という大きな課題でありますので、一朝一夕に解決できる問題でないことも十分承知していますが、先般新聞各紙に、国立社会保障・人口問題研究所が三月に公表した本県と県内市町村の平成五十二年の人口推計が掲載され、改めて厳しい予測を知りました。  それによると、県内の人口は、平成二十二年に比べ全四十三市町村で減少し、二十八市町村では三〇%以上の減となり、六十五歳以上の割合─高齢化率─は全市町村で三〇%を超え、十五市町村では十四歳以下の年少人口が半分以下になる見通しで、厳しい少子高齢化の未来が予測されるとのことであります。  また、予想人口は、県全体で百三十一万四千五十七人で二三%の減、市町村で最も減少幅の大きい南大隅町は五二・五%の減で、さらに、錦江町四七・七%、垂水市四四・九%の減などと大隅地域での減少が目立つとのことでもあります。  また、平成五十二年には全都道府県の人口が平成二十二年と比べ減少するとともに、六十五歳以上の人口割合─高齢化率─も三割を超えるとする推計が公表されていますが、うらやましいことにお隣の沖縄県は現在も人口が増加しており、平成三十七年ごろに減少に転じるとのことで、人口減少率は全国最低の九八・三%、高齢化率も最低の三〇・三%、十四歳以下の年少人口割合は、最高の一三・九%の推計とのことであります。  人口減少問題は、言うまでもなく、県内の産業経済・教育・福祉・危機管理などさまざまな活動に影響を及ぼすことから、一刻の猶予も許されない大きな課題であると思いますが、一年前の伊藤知事の答弁では、解決策の一つとして少子化対策の実施を挙げられました。私も、人口減少の大きな要因は少子化であると思いますので、子供を産み育てる環境の整備・充実を強く望むところでもあります。  ところで、安倍政権も少子化対策に積極姿勢を見せています。例えば、五年で待機児童ゼロを目指すため保育の受け皿を四十万人分ふやしたり、育児休業を最長三年に延ばすよう経済団体に要請したり、批判を浴びて事実上撤回しましたが、妊娠や出産の知識を広める生命と女性の手帳─仮称─の配布の検討などであります。  そこで、本県の人口減少を少しでも食いとめるためには、積極的な少子化対策や企業誘致、U・Iターン者の受け入れ、県外からの交流人口の確保などに努めてほしいところから質問いたします。  一点目は、国立社会保障・人口問題研究所が三月に公表した平成五十二年の本県の人口推計に対する伊藤知事の見解をお聞かせください。  二点目は、少しでも人口減少率が緩やかになることを望みますが、少子化対策などの人口減少対策にどのように取り組まれるのか。また、人口減少対策には市町村との連携した取り組みが重要と考えますが、お答えください。  三点目は、沖縄県の人口問題について、さきに述べたように人口減少率が全国最低であると思いますが、隣県でありますので、参考になるところがあればまねることもよいことだと考えます。  そこで、沖縄県の人口問題についてどのように評価され、また捉えておられるのか、お答えください。  次は、裁判員制度についてであります。  五年の準備期間を経て、殺人や強盗、女性暴行など重大事件が対象となる裁判員裁判が、平成二十一年五月にスタートしてから五年目に入りました。当時の地元紙の県民調査では、制度に約六割の人が反対と答え、裁判員に「選ばれたくない」、「どちらかと言えば選ばれたくない」との回答は八四%であったと思います。理由としては、正しく判断する自信がないことや、仕事や家庭などでありました。また、裁判員には重い守秘義務があり、評議の内容や、裁判員や裁判官の名前や住所など、公開の法廷以外の場で知った秘密を漏らした場合、六カ月以下の懲役か五十万円以下の罰金が科せられるため、たじろぐ人、反対に、司法の世界が開かれることに期待する人など、さまざまな思いをのせてスタートしたのが裁判員制度であります。  さて、裁判員候補予定者の選考については、有権者数に応じて各市町村に割り当てられた人数を、各市町村選挙管理委員会が選挙人名簿から無作為抽出したリストをもとに、鹿児島地方裁判所で裁判員候補者名簿を作成するとのことで、一年目は実施期間が短く、本県の候補者数は三百人で、二年目の平成二十二年が二千五百十人、二十三年三千二百人、二十四年二千二百八十人、二十五年は四月末現在ですが、二百十人とのことで、現在まで八千五百人となっているようであります。候補者に選ばれる確率は、スタート時が成人の四百二十五人に一人とのことでもあります。  また、その候補者名簿の中から、事件ごとに五十人から百人が抽出され、法律や政令で裁判員を辞退できると定められている人以外が鹿地裁に呼び出され、非公開に選任手続が進められ、辞退等が認められた候補者以外から、くじで六人の裁判員と数人の補充裁判員が選ばれるとのことでもあります。  ところで、四年が経過した裁判員制度は比較的順調に運営されているようでありますが、審理の長期化による裁判員の負担問題や精神面への負担軽減とケア拡充などについては、法務省の検討会で制度の見直しなど議論されており、改善が図られることになっているようであります。  そこで、本県議会でも平成二十一年第二回定例会において、裁判員制度における性犯罪事件の被害者の立場に立った対応策を求める意見書を法務大臣等へ提出した経緯もある裁判員制度であります。県とのかかわりは少ないとは思いますが、県民が参加する裁判員制度でありますので質問いたします。  一点目、県は裁判員制度に対してどのようなかかわりをされてこられたのか。また、今後のかかわりについてもあわせて伺います。  二点目は、四年間の鹿児島地裁での裁判員裁判の状況についてでありますが、開かれた件数、選任された裁判員と補充裁判員の人数、また、辞退した候補者数と裁判員選任手続に呼び出された候補者数、そのうちの出席者数と出席率を年次的にわかっていたらお示しください。  三点目は、さきに述べたように本議会で、性暴力被害者の人権、プライバシー保護の上から、性犯罪事件の審理に当たっては慎重に取り扱うなど、被害者の立場に立った適切な配慮と対応策を講じるよう意見書を発議した経緯がありますが、鹿地裁でそのような事案があったのか。あったとすれば、件数と対応等がわかっていたらお示しください。  四点目は、裁判員制度が始まって、全国の中学校や高校の授業で法律や裁判員制度が盛んに取り上げられるようになったと聞きます。また、学習指導要領でも、裁判員制度について社会・公民の授業で教えることが盛り込まれておりますが、本県の中学、高校での裁判員制度の授業の取り組み状況について伺います。  次は、小型家電のリサイクル制度についてであります。  小型家電リサイクル法が四月一日に施行されました。現在、リサイクルが義務づけられている家電四品目を除く、携帯電話やデジタルカメラ、ビデオカメラ、ICレコーダーなど使用済み小型家電を市町村が回収して、国の認定を受けた事業者に引き渡し、専門業者が金や銀、パラジウムなどのほか、鉄、銅といった通常の金属も含め十六種の金属を再資源化するもので、回収に当たって消費者の費用負担は原則なく、作業にかかる費用は、認定事業者が再資源化した金属を売って得たお金で賄う仕組みとなっており、制度に参加するかどうかは各市町村の自由となっています。  ところで、県外紙の報道によると、環境省の昨年十一月の調査結果で、全国五百七十五市町村、率にして三三%が既に実施しているか、施行に合わせて四月一日から実施する意向とのことで、参加できない理由としては、体制的に困難、予算的に無理などであったとのことであります。  そこで、資源の再利用と廃棄物の減量のためにも、積極的な小型家電リサイクル事業の促進を図っていかなければならないと考えますが、県内市町村の取り組み状況と認定事業者の状況はどうなっているのか。また、県として昨年八月に使用済み小型電子機器等再資源化促進法が成立した後、制度参加に対して市町村にどのように働きかけてこられたのか、伺います。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 29 ◯知事(伊藤祐一郎君)本県の人口減少問題等についてのお尋ねがございました。  国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、二十七年後に当たる平成五十二年度の本県の総人口は百三十一万四千人となり、平成二十二年の百七十万六千人から三十九万二千人減少すると予測されているところであります。毎年を平均いたしますと、一万四千強ということになるのではないかと思います。  人口減少は、食料やエネルギー資源を減少させるなど、多消費社会を転換するという面は持っておりますが、少子化の進行によりまして、労働力確保の問題、消費の減少による経済成長への制約の問題、社会保障分野における現役世代の負担の増大など、我が国の社会経済システムが脆弱化するおそれがあるところであります。  このような状況を踏まえまして、鹿児島県といたしましては、かごしま子ども未来プランに基づきまして、市町村とも連携しながら、地域における子育て支援や児童の健全育成などの少子化対策を実施いたしますとともに、労働力人口の減少が進む中、女性や高齢者の能力を活用するなど、社会経済の活性化を図るためのさまざまな施策に取り組んでいるところであります。  人口減少は、二十一世紀におきまして、本県を含め我が国が避けることのできない時代の流れでありまして、子供の出生率が上昇するよう、周産期医療から高齢期までのライフステージごとの医療、福祉、介護や教育などの各分野にわたりまして、あらゆる施策を展開いたしますとともに、当分の間、定住人口の減少を交流人口の増加で補うことも必要であると考えております。  例えば、観光庁の報告でありますが、一人の定住人口の購買力の減少は、七人の外国人、これは宿泊者でありますが、または二十四人の国内の観光客の増加で補填されるとされておりまして、二十一世紀の全般は、外国人を含む観光客の増加に期待せざるを得ないのではないかと考えております。また、労働力の確保につきましても、単純労働でない分野におきまして、部門を限って外国人の活用を図ることも必要になってくると考えております。 30 ◯企画部長(古川仲二君)沖縄県の人口問題についてでございますが、沖縄県の人口減少率が全国最低となっておりますことにつきましては、国立社会保障・人口問題研究所において、具体的な要因や各団体による個々の施策との関連性など詳細な分析はなされていないところでございますが、推計の基礎となります平成二十二年の合計特殊出生率が一・八七と、全国平均の一・三九を大幅に上回る全国第一位となっていることなどから、このような結果になっているものと考えているところでございます。  なお、沖縄県とは、各種会議等の場を通じまして、少子化対策等各種施策に関する情報交換や意見交換等を行ってまいりたいと考えております。 31 ◯知事公室長(福壽 浩君)裁判員制度についてでございます。  裁判員制度の円滑な推進につきましては、平成十七年に国の関係省庁等連絡会議が取りまとめた裁判員制度の円滑な実施のための行動計画に基づき、関係省庁等は、制度の広報・啓発活動の推進、国民に対する法教育の充実などに取り組むこととされております。  同制度に関しましては、地方公共団体の役割は特段定められてはおりませんけれども、県といたしましては、関係省庁等からの協力要請を受けて、これまでに、県民に制度を紹介するため県立図書館で教養講座や企画展示を実施いたしましたほか、県職員が裁判員として出頭する場合の服務について所要の規定を整理するなど、取り組みをしてきたところでございます。  鹿児島地裁での裁判員裁判の状況等についてでございます。  最高裁判所によりますと、制度が開始された平成二十一年五月から本年四月までの四年間で、鹿児島地裁での裁判員裁判の件数は七十一件、選任された裁判員数は三百五十四人、補充裁判員数は百二十八人であります。また、選任手続の対象となった候補者は五千七百五十二人で、このうち二千九百九十一人が辞退しております。  選任手続期日に出席を求められた候補者は二千七百六十一人で、このうち出席した者は二千十五人で、その出席率は七三%となっております。年次別の出席率は、平成二十一年が七七%、二十二年が七六・四%、二十三年が七〇・八%、二十四年が七一・九%、本年が四月末時点で七一・三%となっております。  性犯罪事案の裁判員裁判の件数は四年間で十三件でありますが、被害者への対応等の状況につきましては、被害者保護等の観点から明らかにはできないということでございました。 32 ◯教育長(六反省一君)学校での裁判員制度の授業の取り組み状況についてでございます。  裁判員制度は、新学習指導要領におきましては、中学校の社会科、高等学校の公民科において、司法制度や国民の司法参加にかかわる単元で必ず取り扱うこととされております。  授業では、裁判員制度の仕組みを理解させた上で、新聞記事などから実際の裁判事例を取り上げて、国民の司法参加の意義について考えさせるとともに、鹿児島地方検察庁の出前教室を受講したり、裁判所や検察庁を訪問して説明を受けるなどの実践的・体験的な取り組みも行われております。  今後も、学習指導要領の趣旨を生かし、司法参加の意義や裁判員制度について理解が深まるよう努めてまいります。 33 ◯環境林務部長(新川龍郎君)小型家電リサイクル制度の取り組み状況についてでございます。  県内市町村においては、現在、志布志市など五市町が小型家電リサイクル制度に取り組んでおり、二十二市町村が取り組みの意向を示しております。また、環境省によると、今月一日現在、全国では、本県を事業実施区域とする七事業者を含む約六十事業者が再資源化事業に係る認定の申請中であり、同省は、七月以降、順次認定を行っていく予定としております。  本制度の活用は、廃棄物の適正処理と資源の有効利用の確保を図る上で極めて重要であり、県といたしましては、県政説明会において、市町村長等に対し本制度への参加を要請したほか、担当課長等を対象に法制度の説明などを行ってきているところでございます。  また、八月には、小型家電の回収や認定事業者との契約に係るガイドラインの説明会を開催することとしており、県といたしましては、今後とも、本制度への市町村の参加が促進されるよう努めてまいりたいと考えております。 34 ◯岩崎昌弘君 自席から一点だけ企画部長に質問させていただきたいと思います。  人口問題について、知事のお考えもお聞かせいただきました。  やはりこの問題というのは市町村の方々にとっても、大きな課題であると思っております。  そこで、市町村との連携について質問したんですけれども、それについて再度お答えがいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。 35 ◯企画部長(古川仲二君)少子化対策等の人口減少問題に対応する各種施策につきましては、各所管部局においてもろもろの対策を講じているところでございますが、その対策を講ずる上におきまして、現段階におきましても、各市町村との緊密な連携に努めながら、対策の推進に当たっているということでございまして、今後とも、御指摘の点も踏まえて、各市町村との連携をより一層強化しながら、対策の推進に当たっていく必要があると考えております。
       [岩崎昌弘君登壇] 36 ◯岩崎昌弘君 それぞれ御答弁いただきました。  人口減少問題については、県と県内の多くの市町村が抱える大きな課題であります。  県としても、さまざまな施策を図りながら取り組まれるようでありますが、沖縄県の評価できるところは参考にしながら、県下の市町村との連携も図っていただき、特に、少子化対策については、子育て支援策として、生まれた子供をいかに大事に成長させていくかという施策に取り組むことも大事でありますが、子供が生まれてこない現状をどう解決するか。もちろん、結婚や出産は個人の問題で強要するものではありませんが、未婚化・晩婚化へのさらなる取り組みが重要であると考えます。例えば、男女の出会いの場の提供や若い世代の収入の安定化など、結婚したい、子供を持ちたいという環境の醸成にこれまで以上の積極的な取り組みを図っていただき、少しでも人口減少率が緩やかになるよう努めてほしいと思います。  裁判員制度については詳しく説明いただきました。  四年ほど前から、裁判員三百五十四人、補充裁判員百二十八人の県民の多くの方々が、裁判員や補充裁判員として鹿地裁の刑事裁判に参加されているようであります。県のかかわりは少ないようでありますが、市民感覚を反映させ、司法を身近なものにするという目的で導入され、定着しつつある裁判員制度であります。  最近、県外で裁判員経験者がストレス障害を発症して国を提訴する事案も発生しているようでありますので、県としても、裁判員制度について、県民のことを思い、今まで以上にこの問題について注視してほしいと思います。  また、先週の成尾議員の一般質問でもシチズンシップ教育が取り上げられましたが、子供たちも成人すれば、少数とは思いますが、必ず参加する裁判員制度でもありますので、中学、高校でのさらなる授業への導入を要望いたします。  小型家電リサイクル制度でありますが、回収品目が自治体で異なるようでもあります。また、県内では、志布志市など五市町村とのことで、少数自治体であるようであります。  資源の乏しい我が国であります。都市鉱山と言われる使用済み小型家電を回収して、貴金属や希少金属などの再資源化を目指すことは重要なことだと思います。市町村が取り組むことでありますが、実施されていない市町村への働きかけをお願いいたします。  それでは、質問に入ります。  介護マークの普及についてであります。  国内の六十五歳以上の高齢者のうち認知症の人は、推計で一五%、四百六十二万人に上るとの衝撃的な調査結果を先月の末、厚生労働省研究班が発表いたしました。平成二十四年時点の数字とのことで、認知症になる可能性がある軽度認知障害の高齢者も約四百万人ほどいると推計されるとのことで、六十五歳以上の四人に一人が認知症とその予備軍になるとのことで、医療や介護の体制整備を急ぐ必要性が改めて求められてくると思います。  ところで、静岡県では、介護家族からの「認知症の人の介護は、外見では介護していることがわかりにくいため、誤解や偏見を持たれて困っている。介護中であることを表示するマークを作成してほしい」との要望に応えて、介護する方が介護中であることを周囲に理解していただくためと、在宅介護者を支援する取り組みとして、介護マークを県が発案し、平成二十三年四月から配布を始め、反響を呼んでいることから、静岡県の要請を受け、厚生労働省からも各都道府県に対して、市町村への情報提供と周知方の依頼が出されたため、介護マークに取り組む自治体がふえており、全国に広まりつつあるとのことであります。また、介護マークの著作権は静岡県にあるものの、使用料等は発生しないとのことでもあります。  そこで、介護する方が周囲から偏見や誤解を受けることがないよう、介護家族などのことを考慮して、本県でも介護マークの普及を図るべきと考えますが、介護マークの全国と本県の普及状況はどのようになっているのか。また、県として、介護マークの普及に対する考えと県内市町村への情報提供等をどのようにされたのか伺います。  次は、教育問題について四点質問いたします。  まず、昨年四月から中学校で必修化された武道の現状について伺います。  武道の学習を通して、日本人としての礼儀礼節を学ばせ、精神修養等の面からわざを習得させることを基本に武道の必修化が始まり、歓迎するところでもあります。  ところで、実施一年目の平成二十四年度、県内の武道授業の種目ごとの実施状況は、柔道が六四%の百五十一校、剣道が三三%の七十八校、相撲が六%の十四校で、そのほか合気道が二校、空手が一校であったと思います。  また、文部科学省の調査でも、全国の六四%の中学校が柔道を実施したとのことで、指導者も少なく、大きなけがをしやすいとの懸念があっても、剣道や相撲などと比べ、防具や設備負担が小さい柔道が多くの学校で選択されたようであります。  また、県外紙によれば、全国の平成二十四年度の柔道の授業中のけがで公的医療費の給付件数は前年度の七割弱で、必修化で女子が加わり、柔道をする生徒が大幅にふえながらも、けがの発生率は大きく下がったとのことであります。  そこで、本県の平成二十四年度の柔道の授業中でのけがの発生状況はどうであったのか。ほかの種目でのけがの発生状況もあわせてお示しください。  また、指導者や施設、用具等の状況についてはどうであったのか。それと、必修化された武道が一年間実施されましたが、効果と課題についてもお答えください。  二点目は、学校トイレ問題であります。  臭い、汚い、暗いの三Kのイメージがあり、家庭や公衆トイレの洋式化が進む中で、変わらず和式が多数派を占めるのが学校のトイレであります。また、排便は基本的な生活習慣の一つであり、排便を我慢し過ぎると便秘に陥るなど、健康にも悪いわけですが、学校では、周囲の目を意識したり、和式に不慣れな子供が学校での排便を我慢したりしているとも聞きます。  そこで、小・中学校については市町村が事業主体ではありますが、県内の小・中・高校のトイレの洋式化率をお示しください。  また、トイレの洋式化についての考えとトイレ教育の取り組み状況、さらには、トイレをきれいにして利用しやすいようにする環境整備の取り組みについてもお答えください。  三点目は、学校給食費の未納問題についてであります。  学校給食は、児童生徒の健康増進や正しい食習慣の育成など、子供たちの成長に大きく寄与しています。また、本県では、市町村が事業主体となり、公立の全小・中学校において学校給食が実施され、保護者負担はありがたいことに材料費相当分のみで低廉となっています。  ところで、市町村教育委員会や学校等において、相変わらず給食費の滞納者への徴収事務が負担となっているようであります。それも、未納者のうち五〇%強は保護者としての責任感や規範意識が原因とも言われ、払えるのに払わない保護者のモラルの低さがあるとも言われます。  そこで、県内の学校給食の滞納の状況とその原因、対策についてお示しください。  また、滞納者の児童手当からの直接徴収問題についてどのようになっているのか、あわせてお答えください。  最後に、学校評価制度についてであります。  学校関係者評価は努力義務となっていますが、学校運営の内容や成果・課題を保護者や地域住民が客観的な視点で評価する学校関係者評価の実施については、学校の改善や活性化はもちろんのこと、地域と一体化した学校運営のためにも重要だと思います。  そこで、県内小・中学校での学校関係者評価の実施状況と効果について伺います。  また、県内高校での実施状況と県外の高校での実施状況についてもあわせてお答えください。 37 ◯保健福祉部長(松田典久君)介護マークの普及についてでございます。  介護マークにつきましては、静岡県の調査によりますと、本年五月現在で、関東や関西を中心に全国の市区町村の約一八%、三百十一の市区町村で取り組んでおりますが、本県で取り組んでいる市町村はございません。  介護マークは、介護中であることを周囲に知らしめ、誤解や偏見を防ぐことを目的とした、地域で高齢者を支えていく先進的な事例の一つであり、県としましては、国からの周知依頼に基づき市町村に情報提供するとともに、家族会等の関係団体にも広く周知を図ったところであります。  なお、県におきましては、認知症を初めとする高齢者介護の必要性や困難性等について県民の理解を深めるため、市町村や関係団体等と連携して、講演会や家族交流会の開催、徘回模擬訓練の実施、認知症サポーターの養成などに取り組んできております。  今後とも引き続き、市町村や関係団体等へ介護マークの情報提供を行いますとともに、介護に対する県民の一層の理解促進に努めてまいりたいと考えております。 38 ◯教育長(六反省一君)武道について、まず、授業中におけるけがの発生状況についてでございます。  平成二十四年度から必修となりました中学校体育における武道に関するけがの発生状況につきましては、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付件数によりますと、県内で、柔道の授業中のけがが七十六件、剣道一件、相撲一件の計七十八件が報告されております。幸いにしてこれまで重傷事故など重大な事故は発生しておりませんが、武道必修化前の平成二十三年度の柔道七十件、剣道六件、相撲一件の計七十七件と比べ、一件の増加となっております。  今後も、安全な武道授業を実施するために、授業中の事故の態様や原因を分析いたしますとともに、県教委が作成いたしました安全な柔道授業のためのチェックリストの活用促進や、安全に関する指導者研修会の開催等を通して、健康状態や安全面に配慮した授業がさらに実施されますよう指導してまいります。  武道の指導者及び施設の状況についてでございます。  武道指導者の状況といたしましては、昨年八月現在で、県下の公立中学校に武道の有段者が百九十一人、武道の指導経験のある教員が延べ四百九十人、武道研修会の受講者が三百六十一人となっており、このほか、外部指導者二十三人を確保したところでございます。全ての中学校でこのような指導者により武道の授業が行われたところでございます。  また、施設や用具につきましては、昨年七月までに全ての学校において対応がなされ、九月からの武道授業に支障がなかった旨の報告を受けているところでございます。  武道必修化の効果と課題についてでございます。  武道必修化が始まり、子供たちから、「礼儀作法やルールの遵守、協力することの大切さなどが学べた」、「自分の身を守る学習ができた」などの感想が出ており、指導者からも、「生徒が礼儀正しくなった」などの報告が寄せられているところであり、必修化の狙いでございました、礼法を学び相手を尊重する態度や自他の安全に配慮する態度を身につけることに一定の効果があったものと考えております。  また、指導者の指導力の向上などの課題に対しましては、今後とも計画的に研修会を開催いたしますとともに、指導経験が浅い教員が担当する学校等に対しましては有段者を派遣するなど、安全面には万全を期してまいります。  学校トイレの問題についてでございます。  県内の公立学校におきましては、改築や改修に合わせて洋式トイレが設置されております。トイレの洋式化率につきましては、公立学校全体は把握しておりませんが、県立学校では、平成二十五年五月一日現在、高校が約三三%、特別支援学校が約八〇%となっております。  学校のトイレが抱える問題につきましては、平成二十三年に文部科学省は、学校トイレ改善の取組事例集を公表し、市町村教育委員会等に対し、適切な対応を要請したところでございます。  県立学校におきましては、洋式化率を早期に五〇%以上とすることを目指しながら計画的な整備を図っているところであり、今後とも、学校トイレの環境向上、機能改善に努めてまいります。  また、学校におけるトイレに関する教育につきましては、小学校の学級活動や保健学習において、トイレの使い方やマナーとともに、規則正しい排便が健康と深く関係していることを教育しております。日常的な生活指導におきましても、学校で排便することを冷やかしたりからかったりすることがないよう児童生徒に指導しているところです。トイレは、児童生徒が健やかに成長する上で重要な役割を果たすものであると考えており、今後ともトイレにかかわる健康教育を推進してまいります。  なお、トイレをきれいにして利用しやすいようにする環境整備につきましては、老朽化したトイレの改修とともに、トイレを大切にするという児童生徒の心を育てながら、日常の適切な清掃、計画的な設備更新等に努めてまいります。  学校給食費の未納問題についてでございます。  平成二十三年度に実施いたしました県内の公立小・中学校を対象とした調査によりますと、平成二十二年度分の学校給食費の未納児童生徒数は千九百七十三人で、児童生徒総数の一・三%に当たり、未納額は約三千六百万円で、給食費総額の〇・六%でございました。これは、前回の平成十七年度調査より、未納児童生徒数の割合、未納額の割合ともに〇・一ポイント減少いたしております。主な未納の原因は、平成二十三年度の全国の抽出調査によりますと、保護者としての責任感や規範意識の問題が五三・二%、経済的な問題が四三・五%となっております。  市町村教育委員会や学校においては、未納児童生徒の保護者に対して、電話や文書及び家庭訪問による督促、PTA会合での納入の呼びかけ、生活困窮者への就学援助制度の周知などさまざまな対策を講じ、未納額の縮減に努めているところでございます。  なお、児童手当からの納付につきましては、平成二十三年十月から可能となったところでございますが、昨年十月時点で、県内の十四市町村で、給食費を本人同意により児童手当から納付できる仕組みを導入しているところでございます。  学校評価制度の実施状況と効果についてでございます。  本県の学校関係者評価につきましては、公立の小・中・高等学校、特別支援学校の実施率及びその結果の公表率ともに一〇〇%でございます。なお、九州各県の高等学校においても実施率は一〇〇%と聞いております。  学校関係者評価の狙いは、保護者や地域住民の参画を得ることで、評価を通じて学校の現状と課題について共通理解を深め、家庭、地域との連携や学校運営の改善への協力を促進することであると考えております。  導入の効果については、直近の調査結果によりますと、ほとんどの学校が学校運営の改善や、保護者、地域住民との連携・協力による学校づくりの点で効果があったと回答いたしております。  今後とも、学校関係者評価を生かして、学校運営や教育活動を工夫・改善していくよう指導・助言してまいります。 39 ◯岩崎昌弘君 自席から、まず、介護マークの導入について、再度、部長に質問させていただきたいと思います。  実はここに介護マークの実物があります。静岡県にお願いして、きょう届きました。そしてこれは、私が皆様方にわかるように拡大したものでございます。  そこで、全国では普及しつつあるということなんですけれども、鹿児島県ではゼロであると。ただ、先ほども言いましたように、国からこの介護マークについて、市町村におろしなさいということで協力依頼が各都道府県に来たということでもありますけれども、やはり介護する方が周囲から偏見や誤解を受けることのないよう、介護家族等のことを考慮して静岡県が導入したと、そしてまたそれが普及しつつあるということでありますけれども、部長としてこの介護マークを必要と思われるか思われないか。そしてまた、トップが思われないことには、県も、そしてまた県内の市町村へも進まないわけでありますので、静岡県が発案した介護マークについて、どのように考えられるかお答えいただきたいと思います。  それと、学校のトイレの洋式化の問題について、教育長に再質問いたします。  公立の小・中学校については調査されていないということでありますけれども、私もPTA等でいろんな学校に足を運んでおります。恐らく公立の高校より、場合によっては洋式化率が低いのではなかろうかと思います。  そこで、高校は県立の場合は三三%とか特別支援についてはそれ以上に高い洋式化率になっているわけですけれども、学校現場では先生方はこのトイレの洋式化の要望が高いのか低いのかですね、そこについて教育者としてどのように受けとめていらっしゃるのか、答弁をお願いいたします。 40 ◯保健福祉部長(松田典久君)介護マークについての受けとめについてのお尋ねでございます。  静岡で二十三年四月から実施されておりますこの介護マークは、例えば、駅やサービスエリアなどのトイレで付き添うとき、あるいは男性介護者が女性用下着を購入するとき、そういう誤解や偏見を防ぐという意味合いで役に立つ一つの先進的な事例ということで出ております。  導入された地域におきましては、導入したことによりまして、誤解や偏見がなくなったということで非常にありがたいという声もある一方、導入時におきましては、悪用されるおそれがあるのではないかと、そのために周囲の理解が必要だとか、犯罪の防止策が必要だというような御指摘もあるところでございます。  県としましても、この介護マークにつきましては、引き続き市町村に情報提供してまいりたいと思いますが、基本的には市町村におきまして、県の取り組み状況等を参考にしながら、地域住民の皆さん方の意見を踏まえて、導入について判断されるのがよろしいのではないかと考えております。 41 ◯教育長(六反省一君)学校トイレの洋式化について、学校現場での要望が高いのかというお尋ねでございました。  学校サイドあるいは市町村教育委員会から、トイレの洋式化について予算の措置をお願いしたいという要望は、具体的に県の教育委員会のほうに上がってきていないところでございますけれども、学校のトイレ研究会という任意の団体が全国にございますが、そちらが調べた学校で生徒のために改善が必要な場所はどこかという調査では、サンプル数が少ないんでございますけれども、全国の二百校ぐらいの調査の結果では、トイレが一番声が多かったということをお聞きいたしております。  潜在的にはそういった声があるのかなと理解いたしておりますが、現在、市町村におきましては、耐震化に向けた学校の施設改善ということを最優先において取り組んでおられるといったようなことではなかろうかと考えております。  今後、そういったことも必要であろうと思いますので、市町村教育委員会とさまざま意見交換をしてまいりたいと考えております。    [岩崎昌弘君登壇] 42 ◯岩崎昌弘君 それぞれ御答弁いただきました。  介護マークの普及については、全国の都道府県で一八%、三百十一市町村が取り組んでいるということであります。本県では導入はないとのことで、これからのようでありますけれども、国が推奨し、認知症患者を介護する人からも感謝され、評価されている介護マークでありますので、早急に県内全市町村に導入が図られるよう、県の積極的な市町村への働きかけをお願いいたします。  中学校での武道必修化についてでありますが、県内でも柔道を選択した学校が多く、授業中の事故に不安があったわけですが、実施一年目は、徹底した前準備の環境整備や安全指導などが図られ、剣道、相撲も含めてでありますけれども七十八件のけがが発生してはいるけれども、大きな問題などなかったようであります。  今後とも、中学校体育において、我が国固有の伝統と文化により一層触れることを基本方針として武道教育に取り組まれるとのことでもありますので、これからも健康状態や安全面に配慮した授業が実施されるよう、県内の各市町村教育委員会との連携を確実に図っていただきたいと思います。  学校のトイレ問題であります。  県内小・中学校のトイレ洋式化は、数字が出ていないようであります。そしてまた、高校、特別支援学校では、高校では三三%、特別支援学校でも八〇%で洋式化率が進んでいるようでもあります。市町村も県も財政的な面もあると思いますけれども、せめて、先ほど説明がありましたとおり、校舎改築時に合わせてトイレの洋式化が図られることを要望いたします。  学校給食費の未納問題についてでありますけれども、未納額はありがたいことに少しは減っているようであります。また、滞納者の児童手当からの直接徴収についても、十四市町村で実施されているようでもあります。  給食費の滞納は、真面目に納めている家庭の子供へも材料費の問題から影響が発生し、徴収事務など先生やPTA役員等へも負担が行くわけでありますので、市町村が所管する問題ではありますが、関係する市町村との連携を図っていただいて、問題解決にさらに取り組んでほしいと思います。  学校評価制度についてでありますけれども、それぞれの学校で実施されているようであります。要は、関係者が出した評価をいかに学校運営に生かしていくか、学校経営者である学校長の手腕にかかってくるわけで、各市町村、教育委員会と連携を図っていただいて、そしてまた、県立高校においては校長先生方との連携を図っていただいて、学校評価制度が学校の運営改善に生かされるよう要望いたします。  今回も皆様の御理解をいただいて、さきにも述べたように、節目となる二十回目の一般質問をさせていただきました。これからも私のキャッチフレーズとする「まっすぐな思いをまっすぐに県政へ」の思いで、県政の課題、地元の課題に誠意と情熱を持って取り組んでまいりますことを述べて、少し時間を残しましたけれども、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 43 ◯議長(池畑憲一君)次は、堀之内芳平君に発言を許可いたします。    [堀之内芳平君登壇](拍手) 44 ◯堀之内芳平君 六月議会一般質問の二日目、昼の時間帯でございますので、できるだけ穏やかに静かにきょうの最後を締めさせていただきたいと思っております。  先日、十年の永年勤続議員表彰をいただきました。三十四歳で垂水市議会に政治活動の場をいただきまして、早いもので二十六年間、垂水市民、鹿屋市民の皆様方を初め、多くの県民に支えられ、働かせていただきましたことを、この場をおかりいたしまして深く感謝を申し述べさせていただきたいと思います。  県議会議員十年目の節目を迎え、初心に立ち返り、これからも県民の幸福のために積極的かつ良心的に行動することを改めてお誓い申し上げまして、質問に入らせていただきたいと存じます。  最初に、暴力団排除活動の推進に関する条例の改正についてお伺いいたします。  昨年七月に施行されました改正暴力団対策法に、特定危険指定暴力団及び特定抗争指定暴力団の指定について、新たな規定が盛り込まれました。これにより、県公安当局が特定危険指定暴力団に指定した場合、指定された警戒区域内において、組員が、みかじめ料や公共事業への不当参入などの暴力的要求行為をした場合、逮捕前の中止命令などの手続を経ずに直ちに検挙できることになりました。  また、特定抗争指定暴力団に指定した場合、抗争発生が予測される警戒区域内において、事務所の新設や事務所への立ち入り、組員らが五人以上で集まった場合などに検挙ができることになり、福岡県など五県の公安委員会が昨年末に、三つの暴力団を特定危険または特定抗争指定暴力団に指定し、摘発の強化に乗り出しました。  ところが、今年の一月二十九日に、福岡県大牟田市の特定抗争指定暴力団である九州誠道会の組員ら三十数名が、団体名を伏せて薩摩川内市樋脇町の旅館に宿泊し、宴会を開いております。
     本県は平成二十二年四月、全国で二番目に早く、県暴力団排除活動の推進に関する条例を制定いたしました。他県で制定されている暴力団排除条例と比較しますと、青少年の健全育成を図るための措置や、事業者による利益供与の禁止などに関する内容が欠落しているだけでなく、罰則規定が盛り込まれておりません。本県と同時期に施行した福岡・長崎両県はといいますと、昨年、条例改正が行われており、全国を見渡しても、都道府県単位で条例に罰則規定がないのは、本県と宮城県のわずか二県でございます。  また、県内の自治体においても、本年度中の制定を目指す鹿児島市以外の四十二市町村が暴力団排除条例を制定しておりますが、そのいずれにも罰則規定がなされておりません。  民間では、さきに述べたような事態を受けて、薩摩川内市のホテル旅館組合など宿泊関係の団体やパチンコ店、ゴルフ場などが、それぞれに暴力団の排除条項を宿泊の約款に盛り込むなどの対策を講じております。しかしながら、暴力団は罰則条項もなく、警戒区域でもない本県で今後も集会等を開く可能性があります。これは同時に、抗争相手が入ってくることにもつながり、県民の安全が脅かされる危険性があるということを考えますと、行政、とりわけ県が本腰を入れて、民間と協力して暴力団活動を阻止するべく取り組まなければなければならないと考えます。  そこで、三点お伺いいたします。  一点目に、本県の条例を実効性のある内容に改正される考えがあるのか。罰則規定の制定に関する部分も含めてお示しいただきたいと存じます。  二点目に、最近における県外暴力団の県内への進出状況についてお示しください。  三点目に、県外の特定抗争指定暴力団等が県内の宿泊施設等を利用することへの対策についてお示しください。  次に、暴力団脱退組員の社会復帰についてお伺いいたします。  県内の暴力団構成員及び準構成員の数は、昨年末現在、前年比八十人減の約五百十人となり、ここ十五年間で最少となったそうでございます。昨今の経済情勢もさることながら、県警による取り締まり強化の成果もあってのことかと思われ、その努力には深く敬意を表するものでございます。  しかし、警察庁のまとめによりますと、平成二十一年から二十三年の三年間で、受刑中に警察の支援を受け暴力団を脱退した元組員八百十七人のうち、二七・二%に当たる二百二十二人が暴力団に再加入しており、社会復帰対策協議会の支援で就労した元組員はわずかに四十四人であります。そして、別の統計では、暴力団関係者である入所受刑者のうち再犯者の占める割合は七七%と、関係者以外と比較すると二〇%以上も高くなっております。  そこで、県内における暴力団の脱退組員の社会復帰の状況についてお示しいただきたいと思います。  なお、非行青少年の社会復帰対策についてもお伺いするつもりでございましたが、現状を述べました上で要望にかえさせていただきます。  昨年七月に政府が策定した再犯防止に向けた総合対策を受けて、保護観察対象となっている少年や非行歴のある少年に対する就労などの支援策が、全国で本格化しております。法務省によりますと、昨年、保護観察中に再犯に及んだ人のうち有職者は七・二%、無職者は二七・二%と四倍近くの開きがあります。また、二十歳代に刑事処分を受け、保護観察処分つき執行猶予となった者のうちの約半数、刑務所に入所したうちの約四割が、少年期に何かしらの保護処分を受けているというデータもございます。さきに述べた政府の総合対策では、他の年齢層に比べ、社会復帰のための環境も整いやすい少年、若年者に焦点を当てた取り組みを強化する必要があるとしております。  保護観察対象者の就労について、本県では、建設業者を中心に百三十七社の事業者らが県協力雇用主会を設立しているものの、雇用実績のある事業者は、十七社の建設業者を含め二十二社にとどまっております。県外では福岡県が昨年七月に、就労体験の場を提供し、雇用につなげようとする立ち直り支援就労体験事業を開始し、課題はあるものの一定の成果を上げているそうでございます。法務省も先月、保護観察中の少年一人を非常勤職員として採用いたしております。  国は、再犯防止に向けた総合対策に、刑務所出所後二年以内に再入所等をする者の割合を平成三十三年までに二〇%以上減少させるという数値目標を掲げていますので、本県におきましても、積極的に対策を講じていただきますようにお願いさせていただきたいと思います。  次に、合併後の森林組合のあり方についてお尋ねする予定でございましたが、割愛させていただきます。  平成十七年以降、合併により五カ所の森林組合が発足いたしておりますが、スムーズに運営できている組合とそうでないところがあるようでございます。各組合で理事会や総会等を控えておりますので、個別の案件についてはこの場では言及いたしませんが、それぞれに抱える諸問題が早急に解決され、本県林業の振興に一丸となって取り組む体制を構築できますように、積極的な御指導を要請いたします。  次に、桜島大正噴火百周年事業についてお尋ねいたします。  本年三月の第一回定例会の代表質問で、我が党の吉留議員が桜島大正噴火百周年事業の意義、事業内容についてお尋ねいたしております。事業実施年度であります今年度、改めてお伺いさせていただきたいと思います。  大正三年一月十二日の大正大噴火から百年を迎える今年度、本年四月から実行委員会事務局の人員体制も三人から七人へと四人増員になり、精力的に各種事業等を進めておられることと思います。  四月十三日には、私どもの垂水市大野原地区で記念碑の拓本制作会が実施され、地元住民の方は喜ばれておられました。ほかにも、七月に開催される国際火山学会に合わせ、「見直そう!火山の力 活かそう!桜島の魅力」をテーマとして、火山シンポジウム、市民火山フォーラムなど、八月ごろまでに多くの事業が予定されているとお伺いしております。  そこで、二点お伺いいたします。  一点目に、桜島の大正噴火百周年事業の目的についてお示しいただき、二点目に、今年度これから予定されている事業等について具体的にお示しいただきたいと思います。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 45 ◯知事(伊藤祐一郎君)暴力団の排除活動の推進に関する条例についてのお尋ねであります。  この条例は、県議会からの政策提言を踏まえ、弁護士や県警察、県暴力追放運動推進センターなどと協議・調整を行いまして、暴力団排除の意識高揚と新たな暴力団事務所の開設防止等のため制定したものでありまして、これまで暴力団事務所の新たな進出はないことから、一定の効果があったものと考えております。  しかしながら、最近の九州各地における暴力団の状況を踏まえますと、県内におけるその活動を抑止するためには、県民、事業者に対して、暴力団の活動を助長しないよう求める現行条例の努力義務規定を見直し、事業者による利益供与の禁止や暴力団員等の利益供与受領の禁止などの規定を新たに盛り込む必要があると考えております。また、罰則規定の新設につきましては、条例の実効性を確保する観点から、他県の条例も参考に検討したいと考えております。  県といたしましては、条例改正に向けて、県警察などと協議・調整を行いながら、必要な手続を進めてまいりたいと考えております。 46 ◯警察本部長(杉山芳朗君)県外暴力団の県内への進出状況についてであります。  本県では、十数年前から県外暴力団員の数が地元の小桜一家を上回り、特に山口組の進出が顕著であり、平成十九年十月には鹿児島市西千石町に山口組傘下の組事務所が設置され、地元の暴力追放運動推進リーダーが刺傷されるという事件も発生したところであります。  また、本年一月、特定抗争指定暴力団九州誠道会の組員多数が薩摩川内市内の旅館に宿泊し、会合を開くなどの動きが見られたところであります。  さらに、四月初めには、鹿児島市内のホテル数カ所に県外の暴力団関係者と思われる男から、暴力団員の宿泊の可否を尋ねたり、宿泊約款の送付を要求するという不審な電話が相次ぐなど、特異な事例も確認されております。  次に、県外の特定抗争指定暴力団等が県内の宿泊施設等を利用することへの対策であります。  ホテル・旅館などの宿泊施設から暴力団排除することにつきましては、宿泊約款等に、暴力団員等を宿泊させない、宿泊者が暴力団員と判明した時点で契約を解除するといった、いわゆる暴力団排除条項の導入が効果的であることから、暴力団の利用が予想されるゴルフ場などと同じく、その導入につき個別の指導・要請を行うとともに、幅広く広報・啓発を行っているところであります。  また、九州各県警察との緊密な連携を図りながら、特定抗争指定暴力団等の実態や会合開催予定の情報を事前に入手するよう努めるなど、動向把握を行っております。  県警察では、今後とも、関係各県警察との緊密な情報交換を行いながら、県外暴力団の実態を的確に把握するとともに、県暴力追放運動推進センターや自治体など関係機関・団体と連携した暴力団排除活動を強力に推進してまいります。  次に、暴力団脱退組員の社会復帰対策についてであります。  暴力団員の社会復帰対策推進のため、本年四月、警察庁から、暴力団を離脱し、仮釈放となった者の出所情報を警察と保護観察所が共有・連携し、就労及び定着に向けた支援を実施していくことを内容とする通達が発出されたところであります。  県警察では、従来から力を入れ、また数件の実績があります暴力団からの離脱支援に加え、離脱者から就労等につき相談があった場合には、県暴力追放運動推進センター等と連携し、支援事業の中身を説明するなど、必要な対応を行ってまいります。 47 ◯危機管理局長(屋島明人君)桜島大正噴火百周年事業についてでございます。  百周年事業は、来年一月十二日が桜島の大正噴火から百年の節目に当たることから、過去の教訓を後世に伝えるとともに、県民の防災意識の高揚を図る目的で実施しております。  これまで、記念碑拓本作成会や巡回防災寺子屋、写真パネル展などを開催しておりますが、七月には、国内外の一千人を超える火山の専門家が参加する国際的な火山会議が鹿児島市で開催されますことから、これと連携しまして、七月二十一日に火山シンポジウムを、七月二十日から二十一日までふれあい火山フェアを開催することとしております。また、八月二十四日と二十五日には垂水市と霧島市で市民火山フォーラムを、来年一月十二日には桜島で大正噴火防災百年式典を開催する予定であります。  今後とも、さらに事業の広報に努め、より多くの県民の方々に参加していただき、県民の防災意識の高揚が図られるよう努めてまいります。    [堀之内芳平君登壇] 48 ◯堀之内芳平君 それぞれ御答弁賜りました。  暴力団排除条例につきましては、本県が全国でも早い段階で条例を制定したことは称賛に値すると思いますが、最初の条例を後生大事に墨守することが、必ずしも県民が安心して暮らせる環境を守ることにはつながらないのではないでしょうか。  去る六月十一日、先ほど名前を挙げました九州誠道会が福岡県警に解散届を提出し、道仁会は抗争終結の宣誓書を提出したそうでございますが、偽装和解ではないかとの見方もあります。他県の条例なども参考にして、よいところはどんどん吸収するぐらいのつもりで検討していただきたいと思います。  脱退組員や非行青少年の社会復帰については、仕事をしようとする側も、受け入れようとする側も、相当の覚悟を持って向かい合わなければなりません。双方の懸念や不安材料を少しでも払拭できるような支援体制を組んでいただきますようにお願いさせていただきたいと思います。  桜島大正噴火百周年事業につきましては、鹿児島のシンボルである桜島と住民とのこれまで、そしてこれから先のつき合い方の道しるべとなるような有意義な事業となるように、積極的な取り組みをお願いさせていただきたいと思います。  次の質問に入ります。  本県の水産業振興についてお尋ねいたします。  まず、ノリ養殖業の現状と課題についてお伺いいたします。  本県におけるノリ養殖は、明治時代中期に出水沿岸で始められたアサクサノリ養殖に端を発し、昭和三十年代中期に当時の東町で養殖されるようになったヒトエグサが県内各地で養殖されるようになりました。現在では、出水市と長島町が県内生産量のほとんどを占めております。  私の選挙区であります鹿屋市、垂水市は、ノリ養殖の実績はほぼなかった地域でございますが、鹿屋市の浜田海岸から高須のエリアで、ノリ養殖業の免許が下付され、初めて本格的にノリの養殖が開始されるとお伺いいたしております。  そこで、二点お伺いいたします。  一点目に、当該地区におけるノリ養殖の免許下付について、その具体的な場所と規模、申請者数についてお示しいただきたいと思います。  二点目に、収益確保に向けた事業計画及び漁業者に対する助成制度など、県の支援体制についてお示しいただきたいと思います。  次に、ウナギ養殖業の現状と課題についてお伺いいたします。  シラスウナギの不漁については、昨年三月議会でも質問させていただきました。昨年十二月から今年三月までの二〇一二年度漁期に県内でとれたシラスウナギは、前年のほぼ半分、百四十九キログラムにとどまり、養鰻業者の四分の一に当たる十二業者が稚魚を導入できない事態となっております。  また、環境省はことし二月に、絶滅のおそれがある野生生物を分類したレッドリストを改訂し、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定しましたが、その要因として、河川の生息環境の悪化、乱獲を指摘いたしております。  国内産ニホンウナギの不漁が続く一方、昨年の財務省の貿易統計によりますと、生きた外来種ウナギの輸入量が急増いたしております。三年前の二・七トン、一昨年の六・二トンに対し、昨年は三十九・四トンと実に六倍に上がり、これに比例して、外来種のシラスウナギ輸入量も増加いたしております。  聞くところによりますと、稚魚の仕入れ値が一キログラム当たり二十万円と、ニホンウナギの十分の一以下であり、愛知県のあるウナギ加工業者は、フィリピンで調達したピカーラという種類のウナギの稚魚を養殖し、加工・販売しているそうであります。しかしながら、これらの外来種が逃げ出したり、放流されたりすることにより、日本の水域に広がるのではないかとの懸念が強く、厳重な管理が必要不可欠でございます。  こうした厳しい環境が続く中、これまで個別に対策を講じてきた県養鰻協会、県内水面漁協連合会、県シラスウナギ採捕組合が一つのテーブルに着き、協力して対策に乗り出すべく、鹿児島県ウナギ資源増殖対策協議会を発足させ、去る六月四日にその会合が持たれました。本年度の事業計画として、親ウナギの保護増殖対策、シラスウナギの保護増殖対策、生息環境改善対策等に取り組むこととしており、具体的には、関係団体としてウナギの禁漁期間の規定、シラスウナギの解禁日変更を実施、検討することとしました。また、県内水面漁場管理委員会等は五月十日に、毎年十月から十二月の間、全長二十一センチメートルを超えるウナギの採捕を禁止する指示を出しました。  このように、県当局の御尽力もあり、関係団体が団結する体制はできましたが、行く手は一筋縄ではいかない多くの課題が山積いたしており、ウナギにとってすみよい河川環境を整備するためには、例えば、本年度も、河川課の事業として約十一億円が予算計上されております寄洲の除去事業とタイアップした事業を行うなど、水産振興課だけでなく、直接には関係ないと思われていた部署との連携も必要になるのではないかと考えます。  そこで、四点お伺いいたします。  一点目に、ウナギ養殖業における喫緊の課題は何であると認識されておられるのか、お示しいただきたいと思います。  二点目に、本県における外来種シラスウナギの輸入、養殖について、実績があるのか否か。また、ある場合は、そのデータとあわせてお示しいただきたいと思います。  三点目には、本県では、外来種ウナギの養殖等についてどのように指導・管理されておられるのか、お示しいただきたいと思います。  四点目に、寄洲の除去など、水産振興課だけでは対応できない課題の解決について、縦割り行政の枠組みを越えて、他部署と協力して取り組む体制を構築できるのか。もしそのような計画がある場合は、具体例をあわせてお示しいただきたいと思います。  次に、鹿屋市と垂水市の沖に設置する魚礁についてお伺いいたします。  本県では、鹿児島が全国に誇る農林水産業のさらなる振興を図る事業の一つとして、良質な水産物の安定供給を図るため広域漁場整備事業を行っており、本年度も八億八千万円余りが予算計上されております。鹿児島湾地区も平成十九年度から平成二十五年度を計画期間として整備がなされております。今年度は、垂水市・鹿屋市沖に沈設の魚礁を設置するための予算が計上されているとお伺いいたしております。  そこで、二点お尋ねいたします。  一点目に、魚礁の設置時期と供用開始予定時期をお示しいただきたいと思います。  二点目に、予定している海域では、垂水市漁協、鹿屋市漁協、遊漁船組合の皆様方が漁をされておられますが、いずれの組合に属する方でも利用できるのか、できないのかお示しいただきたいと思います。  四番目に、カンパチ・ブリ養殖業の現状と課題についてお尋ねいたします。  本県の水産要覧によりますと、生産量の三割強、生産額の約半分がカンパチ・ブリの養殖であり、本県水産業における重要な位置を占めていることは御承知のとおりでございます。  また、昨年十二月の一般質問で本県水産業の振興についてお尋ねした際、養殖カンパチの消費拡大に向けた取り組みについて御説明いただき、県としても、消費拡大に向けて力を入れていただいていることは十分に認識いたしております。しかし、先日のテレビ番組の中で垂水市漁協の営業部長さんが「下手すると、この一年たたないうちに養殖業者がみんな廃業するのではないか」と言うほど、単価が急落いたしており、カンパチについては、二年前はキロ単価千二百円の浜値であったのが、一年半ほどの間、六百円を割る価格まで大暴落し、最近は幾分か持ち直したものの、八百五十円かかると言われる原価を辛うじて上回る程度の価格でございます。  そこで、二点お伺いいたします。  一点目に、原価割れするほど価格が暴落した原因は何にあるとお考えか、お示しいただきたいと思います。  二点目に、価格暴落を受けて、今後、適正価格の回復・安定のために県としてどのような支援策をとられるお考えか、お示しいただきたいと思います。  次に、鹿屋港のしゅんせつ事業についてお伺いいたします。  昨年三月議会で、漁港機能向上の観点から整備計画についてお尋ねし、土木部長からは、「地域の産業振興に重要な港湾であることから、今後も着実な整備に努める」との御答弁をいただきました。  さて、鹿屋港内に船が進入するためには、水深が二メートル以上なければいけないという基準がございますが、鹿屋港の港内への進入口は、干潮時には水深が一・八メートル程度しかなく、船の安全な進入に支障が生じている部分があるため、しゅんせつ工事など早急な対応が必要と考えられます。  そこで、二点お伺いいたします。  一点目に、実態調査について、時期と内容などどのような結果であったのか、お示しいただきたいと思います。  二点目に、調査後の港内整備をどのように行われるのか、お示しいただきたいと思います。 49 ◯商工労働水産部長(田中和彦君)ノリ養殖業の現状と課題についてでございます。  本県のノリ養殖の大半を占めますヒトエグサ、いわゆるアオサは、東北地方の生産量の減少などによりまして、現在では本県産の需要が高まり、価格も良好で推移しているところでございます。  鹿屋市漁協におきましては、平成二十四年十一月から、大隅地域振興局や県水産技術開発センターの指導のもとでヒトエグサの育成試験を行いまして、それを踏まえ、今回の漁業権の切りかえにおきまして、成育が良好であった高須地先に漁業権を計画しているところでございます。  養殖計画といたしましては、組合員四名が、海苔網二百枚を用いて八トン程度の生産量を見込んでいるということでございます。  なお、県の支援策といたしましては、先ほど申し上げました県水産技術開発センター等による技術指導のほか、要望がありましたら沿岸漁業改善資金など施設整備等に対する融資制度がございます。  ウナギの関係でございます。  外国産シラスウナギ導入の現状等についてでございます。  ウナギの養殖業につきましては、四年連続のシラスウナギの不漁となっておりまして、種苗の確保が喫緊の課題となっております。シラスウナギの採捕量の増大を図りますためには、ウナギ資源の増大が不可欠でございまして、県は、昨年度から、県ウナギ資源増殖対策協議会で関係団体等と連携を強化し、ウナギの保護増殖対策に取り組んでいるところでございます。  外国産シラスウナギにつきましては、貿易統計によりますと、フィリピン、インドネシア、アメリカ等のウナギが国内に若干輸入されておりまして、本県でも一部の業者において導入されていると聞いております。  このような外国産のウナギが生きたまま自然環境に逸散した場合には、我が国水産業の健全な発展に支障を及ぼすことも考えられますことから、国におきましては、昨年四月に、ニホンウナギ以外のシラスウナギを種苗として輸入し、養殖する場合には、飼育中のウナギが管理区域外に逸散しないように配慮すべきとの指導が出されたところでございまして、県といたしましても、関係養殖業者への指導に努めてまいります。  ウナギの生息に役立つ環境づくりについてでございます。  内水面漁業の生産基盤である河川は、ウナギを初め、多様な生物の繁殖・育成の場となっておりまして、良好な河川環境の維持・保全を図るための川づくりは重要な取り組みの一つでございます。  川づくりにつきましては、関係部局と連携し、これまでも、自然石を使用した護岸整備など、環境に配慮した川づくりを行ってきたところでございまして、また、寄洲を除去する際に巨石等が発生した場合は寄せ石として残すなど、すぐれた河川環境の保全・創出に努めることといたしております。  今後とも、ウナギなどの生息に良好な環境が維持されるよう努めますとともに、水産資源の保護が図られるよう、漁協、関係団体の協力を得ながら取り組んでまいります。
     鹿屋市・垂水市沖の魚礁設置についてでございます。  本年度設置する鹿屋市・垂水市沖の魚礁につきましては、鹿屋市、垂水市の境界から約四キロメートルの沖合、水深九十メートルの場所におきまして、五百メートル四方の範囲に五種類の大型魚礁を設置することといたしておりまして、本年度末には供用することといたしております。魚礁の利用者の範囲につきましては、地元漁協等で構成する鹿児島湾地区人工魚礁管理運営協議会において、地元漁業者を中心に秩序ある利用が図られるものと考えておりまして、特に制限は設けておりません。  今後とも、地元市や漁協等の意向を踏まえながら、人工魚礁の計画的な整備に取り組み、水産資源の維持・増大と操業の効率化に努めてまいります。  カンパチ・ブリ養殖業の現状と課題についてでございます。  本県の重要な漁業種であるカンパチ・ブリ養殖業は、全国一の生産量を誇りますが、魚価や消費の低迷、餌等の高騰などで厳しい経営環境に置かれております。  養殖カンパチの価格につきましては、生産量の増加等に伴いまして、平成二十三年末から生産原価を下回った状況が続いておりましたが、本年四月以降、価格は上昇傾向にあり、ようやく六月に、生産原価を上回るキログラム当たり九百円程度まで回復している状況にございます。  一方、養殖ブリの価格は、天然ブリの豊漁や生産量の増加等により、平成二十三年度から生産原価を下回る状況が続いております。  このため、養殖業界におきましては、自主的な生産量の調整、餌の共同購入によるコスト縮減、国内外での販売強化等に取り組んでおります。  県といたしましても、販売対策などさまざまな支援に取り組んでおりまして、今後とも、県漁連等関係団体と一体となって、自立的・安定的な養殖経営に向けた取り組みを支援してまいります。 50 ◯土木部長(栗原淳一君)鹿屋港のしゅんせつ事業についてです。  鹿屋港については、ことし五月の調査で、小型船だまりの泊地の一部が埋塞し、所要水深を確保する必要があることが確認されたため、早期に維持しゅんせつ工事を実施したいと考えております。  今後とも、港湾施設の点検を行い、適切な施設管理に努めてまいります。 51 ◯堀之内芳平君 さきの質問に関連いたしまして、自席から再度、商工労働水産部長にお尋ねいたします。  まず、ウナギ養殖業の現状と課題についてお尋ねいたします。  ここ数年にわたるシラスウナギの価格高騰は、漁獲量の激減はもちろんでございますが、いわゆる闇ルートによる密漁や横流しも価格をつり上げる一因となっております。隣の宮崎県では平成七年に、闇取引が暴力団の資金源となっていることが明らかになったとして、横流しを規制するためにうなぎ稚魚の取扱いに関する条例を公布しており、その二十七条から三十条には罰則規定も設けられております。  関連する法令として、本県では、内水面漁業調整規則に基づき運用がされておりますが、私は、宮崎県のように、ウナギに特化した条例を制定し、厳しく管理したほうがよいのではないかと考えます。  そこで、シラスウナギの取り扱いに関する条例等を制定する考えはないのか、お示しいただきたいと思います。  そして、カンパチ・ブリ養殖の現状と課題についても再度お尋ねさせていただきます。  この一年六カ月にわたって急激に価格暴落と原価割れが続いた要因は、原油高騰などの経費の増加もありますが、需給バランスが大きく崩れるほど生産過剰であったことは否めない。部長の答弁の中でもございました。生産の抑制に向けて県も対策を講じ、使ってない生けすの返納を指導しており、垂水、鹿屋では二割程度返上されたとお聞きいたしております。県全体でも、ブリ・カンパチ養殖業として約四百三十台減少したとお伺いいたしております。  ところが、今回の免許内容の事前決定に当たり、何とも不可解な決定がなされております。南大隅町のねじめ漁協に対し、新規に四十台の生けす設置を許可するというものでございます。供給過多、飽和状態と言われているこのタイミングで、なぜ新規に許可を与えようとするのか。鹿児島湾の入り口である根占沖、佐多沖には既に二百六十五台の生けすが設置されており、これ以上の生けす設置は、閉鎖的で、湾内水と外海水との交換が悪い鹿児島湾の湾奥部への良水注入の妨げになり、湾内の養殖漁場環境に多大な影響を及ぼすのではないかと考えるものであります。  浮き魚礁、中層魚礁の役目もある生けすが、鹿児島湾内に入ろうとする魚の通り場にふえることは、入りダイの足どめ、湾内定置の水揚げ減少につながり、鹿児島湾奥の漁船漁業にも大きく影響するのではないかと考える一人でございます。  今回の件を受けて、大変な危機感を感じた鹿屋市漁協、牛根漁協、東桜島漁協の有志の皆さん方は、県議会議長宛てに新規養殖筏増加計画反対に関する請願を多数の漁業者の署名とともに提出いたしております。しかし、署名活動を行っている方々に対して、漁業関係団体や金融機関などが「今後の融資を断る」などのおどし文句でさまざまな圧力をかけてきていると耳にしました。  平成二十年に垂水市漁協が新城沖に生けすを新設した際は、その許可を受けるまでに十年という長い歳月をかけてようやく認可を受けたものであります。漁協が希望者を募り、応募した業者に生けすを配分したと聞いておりますが、一方、根占沖はどうですか。四十台という決して少なくない数の生けすについて、地元の南大隅町の役場ですら把握していなかったような計画が、ある日突然浮上し、電光石火のごとく決定されたというのも釈然としないものがございます。  平成十七年三月に策定された第四期の鹿児島湾ブルー計画の第三章、環境保全対策の中に、汚濁発生源対策の一つとして水産養殖業対策が盛り込まれ、次のように書かれております。  「今後も、汚濁負荷量を可能な限り削減するため、県魚類養殖指導指針と漁場改善計画の遵守について、一層の指導と強化を図る必要がある。  基本方針として、特定海域、つまり垂水市と鹿屋市の境と旧鹿児島市と喜入町の境とを結ぶ線より北のエリアにおいては、増枠を伴う新規漁場の計画策定を認めないこととし、また、その他の海域においては、増枠を伴う新規漁場計画策定は、漁業調整上支障のない最小限の範囲において検討することとする。  なお、生けすの地域間移動や養殖量の変更に当たっては、湾の水理特性や汚濁特性等の環境面から十分な検討を行うこととし、特に、鹿児島湾への海水流入経路等については十分配慮する必要がある」。  既存の漁業者が身を削る思いで自分たちの生けすを減らし、経営改善に向けた努力を行っている中に、どの角度から見ても納得できる理由がない今回の決定には、何か見えざる巨大な力が動いているのではないか。もしかすると県もこの動きに同調しているのではないかと、そんな懸念さえ抱きます。  鹿児島県漁連と生産者は昨年十二月に、主要養殖魚種のブリ・カンパチ生産について、人工種苗の導入や新規成育場の開拓等により、供給時期を平準化させ、収益性の改善を図り、事業経営体を維持継続させるため、もうかる漁業創設支援事業の活用を申請し、承認されております。また、本県が平成二十三年三月に策定しております県水産業振興基本計画の中にも、もうかる漁業の確立という文言がございます。今回の許可は、県が、もうからない漁業に向けて誘導していると言わざるを得ません。  そこで、四点ほどお伺いいたします。  一点目に、今回のねじめ漁協に対する生けす設置認可申請の経緯について、詳しく御説明ください。  二点目に、なぜこの時期に、この場所に、これだけの大量の生けす設置を許可することにしたのか、その理由も御説明ください。  三点目に、四十台の生けすが設置された際の湾内漁業に対する影響をどのように考えておられるのか、お示しいただきたいと思います。  四点目に、署名活動に対し、脅迫に近い圧力がかけられている現状を当局は認識されておられるのか。そして、その現状をどのように受けとめておられるのか、部長の見解をお聞きいたします。 52 ◯商工労働水産部長(田中和彦君)まず、生けすの増枠の経緯、理由等についてお話を申し上げたいと思います。  今回の漁業権の切りかえでは、養殖ブリ・カンパチの価格が低位で推移していることなどを考慮しまして、県全体の生けす台数は現状以上にふやさないこと。そして、現在免許している生けす台数と実際に使われている生けす台数に差があって、そういうことを見まして、行使実態がない生けす、使われていない生けすは削減する。つまり、これ以上にはふやさない、使われていないのを削減する、そういう基本的な考え方で計画しました。  御指摘のように、この中で漁協間の生けすの移動というものが織り込まれております。これは、そのように整理した上で、関係漁協間の合意のもとに、行使実態のある使われている生けすが移動するというものでございまして、県全体の生けすは増加しないこと。それから、よりよい漁場に移転するということは養殖生産力の維持発展が図られるということ。それから漁業調整上も支障がないということなどから、これを認めないとする理由がないと判断したものでございます。  それから、影響等に関するお話でございます。  先ほど申し上げましたような考え方のもとに整理いたしまして、鹿児島湾におきまして八十一台の生けすが削減されることになっております。全体八十一台削減される中で、このほかに、生きている生けす四十台が移動するということでございますので、しかも、湾の中央部から湾の入り口のほうに移動するということでございますので、環境への影響というのは支障がないと判断いたしております。  それから、圧力に関するお話を伺いました。  県といたしましては、そのようなことは全く承知いたしておりません。一般論として申し上げざるを得ないわけですが、信用漁連等の金融機関は、漁協及び漁業者に対する円滑な金融を通じて、その経済的・社会的地位の向上を目的として、水産業協同組合法に基づき設立された公益性の高い団体でございまして、仮に、法令等に違反する事実が確認された場合は、監督官庁である水産庁等において適切に指導がなされるべきものと考えております。  以上でございます。    [堀之内芳平君登壇] 53 ◯堀之内芳平君 いろいろ答弁いただきましたけれども、納得できない答弁も多々ございました。  魚礁の設置と鹿屋港のしゅんせつ工事は、地元の漁民の長年の要望事項でもございました。それぞれ予算も計上されておりますので、一日も早く供用が開始されるようにお願い申し上げたいと思っております。  また、ノリ養殖は初めての取り組みでもありますので、担い手の皆さん方は期待と不安が交錯した心境ではないかと思っております。大隅地区の水産業を支える新たな柱となるようにお力添えをお願いさせていただきたいと思います。  ウナギ養殖業につきましては、シラスウナギが四年連続の不漁となり、本県水産業を支える屋台骨を揺るがす大問題であると同時に、日本の食文化にもかかわる重要な問題でございます。水産振興課だけではなく、他の部課とも連携しながら、ウナギにとってすみよい環境づくり、ニホンウナギという貴重な資源を守り、育てる環境づくりに取り組んでいただきますようにお願いさせていただきたいと思います。  カンパチ・ブリの養殖と根占沖への生けすの新規許可につきましては、片方では生けすを減らすと指導しながら、裏では四十台という大量の生けすを新規に許可するというのは、全く整合性がなく不合理であると断言し、当局の説明を聞いても到底納得のできるものではございません。  三つの漁協の有志を中心に、署名はまだまだたくさん私のところに届けられております。非民主的な方法で妨害する行為は許されるものではなく、このまま無理が通るようなことがありますと、今後に悪しき先例を残すことになりかねません。誰が聞いても理解でき、納得できる結論を導いていただきますように強く要請いたします。  最後に、本県の主要テーマに急浮上しました鹿児島・上海線の路線維持、利用促進に関する問題について、一言私見を述べさせていただきたいと思います。  先月十四日に知事が、上海線の利用促進の一環として、千人規模の県職員と教職員を全額県費負担にして派遣する考え方を明らかにされて以降、県民のみならず県外の皆さんの関心もこの問題に向けられるようになりました。皆様御承知のとおりでございます。  今議会でも、最近ではまれに見るほど多くの県民が傍聴に訪れ、新聞の一面も上海と県体育館の問題が中心で、テレビもローカルニュースだけでなく全国ニュースで取り上げられ、身近なところでは、長く連絡もなかった東京の知人から、「鹿児島はどうなっているのか」と電話が来るほどでございます。  平成十四年の就航以来、十一年間維持し続けてきた週四便の定期路線が、昨年の搭乗率は四七・五%と低迷し、ことし三月から週二便に減便されたにもかかわらず、五月には三二・二%まで落ち込み、このままでは存続に赤信号が点灯しようかという危機的状況の中、路線廃止は何としても阻止したいという危機感と、内外からの批判を覚悟の上、あえて問題提起し、経済界を初め、世論を喚起しようと考えられた知事のお気持ちは十分に理解できます。  しかしながら、徹底した行財政改革でこの二年連続して財源不足が解消できる見通しが立ったとはいえ、先行き不透明で厳しい状況にある本県財政の状況を考えますと、一億一千八百万円という投資はとても容認できるものではありません。一時的には即効性がある対策かもしれませんが、長期的に路線を維持するためには、民間の活力を引き出すような施策や、県民レベルでの交流に資するような施策、上海を初めとして、中国からの観光客の誘客に有効な施策に配分すべきではないかと私は考える次第でございます。  この一カ月にわたる世論の趨勢を見ますと、余りにも手法と提案内容が唐突であったこともあり、再三の原案修正をもってしても、県民感情はそれをよしとしない方向に向いているような気がします。  また、先日の一般質問に対しまして知事は、「税金丸抱えという指摘は今回のケースは当たらない」と御答弁されましたが、この発言について、私の周辺では「違和感を覚える」との声が聞こえてまいります。  議論の行方につきましては、私ども県議会に対しましてもかねてより一層厳しい目が向いております。県民の理解が現段階では大変厳しいものと認識させていただいておりますが、新たな施策を検討するのも一つの知恵じゃないかと思っております。知事の英断に御期待申し上げ、さらなる執行部の譲歩もしくは修正も期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。(拍手) 54 ◯議長(池畑憲一君)ここで、田中商工労働水産部長より発言の申し出がありましたので、これを許可いたします。 55 ◯商工労働水産部長(田中和彦君)まことに申しわけございません。答弁漏れいたしておりました。  シラスウナギに関する条例の制定の件でございます。  御質問にございましたように、宮崎県の条例は、シラスウナギの密漁や不正規流通に暴力団が関与し、資金源にしていたことから、そのような条例を制定したというものでございまして、現在の本県とは事情が異なるものと考えております。  本県におきましては、適正流通を図りますため、採捕されたシラスウナギは全て県内の養鰻業者に納入されるように、かねてから採捕組合等の関係者を指導してきております。内水面漁連、採捕組合や養鰻団体等の関係団体と連携しながら、シラスウナギが適正に流通されるよう指導してまいります。 56 ◯議長(池畑憲一君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 57    △ 日程報告 ◯議長(池畑憲一君)あすは、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問であります。       ───────────── 58    △ 散  会 ◯議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十一分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...