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2012-12-06 平成24年第4回定例会(第3日目) 本文
2012-12-06 平成24年第4回定例会(第3日目) 名簿

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  1. 鹿児島県議会 2012-12-06
    2012-12-06 平成24年第4回定例会(第3日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
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    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(金子万寿夫君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    持 冨 八 郎 君    中 重 真 一 君    下 鶴 隆 央 君    永 田けんたろう君  一、請願・陳情の委員会付託  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(金子万寿夫君)まず、一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。
     持冨八郎君に発言を許可いたします。    [持冨八郎君登壇](拍手) 3 ◯持冨八郎君 平成二十四年第四回県議会定例会に当たり、公明党県議団として一般質問を行います。  総選挙の日程が十二月十六日と決まり、この国の将来をどの勢力に任せるのか、国民の生活をだれに託すのか、国民の審判を受けることになります。  経済対策、エネルギー問題、社会保障の構築など喫緊の課題が山積みする中で、ぶれずに政策を前に進める政党と政治家の覚悟と政権担当能力が問われています。また、緊迫化する国際情勢の中で、平和を守り国益を守る、外交力が問われております。さらに、我が国は、明治以来続いてきた中央集権体制から地方分権へ、国の統治機構を変える大きな節目を迎えています。  国の動きを注視しながら、県政の諸課題について、通告に従って質問いたします。  知事の政治姿勢について、初めに民主党政権三年の評価について伺います。  近いうちにと約束した野田首相は、身内から離党者が相次ぎ、野田おろしの声が広がる中で、政権運営に行き詰まり、解散しました。国民に信を問うと約束してから三カ月以上が過ぎており、遅きに失したと言わざるを得ません。ゆえに今回の総選挙では、民主党政権三年間の政権運営が厳しく問われることになります。  三年前、民主党は、耳ざわりのよいマニフェストを掲げ、政権交代を果たしました。子ども手当は、二万六千円にします、高速道路は無料にします、最低保障年金は七万円にします、財源は、予算の組みかえや無駄削減で十六・八兆円あります等々主要な政策でことごとく国民を裏切るとともに、政権運営についても党内がまとまらないことを理由に問題の先送りを繰り返し、政治不信を増幅させました。  さらに、民主党政権は、政治主導を唱えておりましたが、少子化担当大臣は十人、法務大臣、消費者担当大臣は九人、拉致問題担当大臣は八人と短期間で交代。三、四カ月での交代では、落ちついた仕事ができるわけがありません。  野田内閣は、一年で三回の内閣改造を行いました。改造のたびに適材適所と言っておりましたが、田中法務大臣は、議会で答弁することもなく約三週間で交代。田中文部科学大臣は、大学の許認可問題で迷走した結果、受験生や大学関係者等に多大な迷惑をかけてしまい、とても政治主導とは言えません。  そこで、マニフェスト違反、稚拙な政権運営、言葉だけの政治主導など民主党政権の三年について、知事の評価を伺います。  次に、地方分権推進に関連して伺います。  政府は、解散前日十一月十五日、駆け込みで国の特定地方行政機関の事務等の移譲に関する法律案を閣議決定いたしました。この法案について、九州地方知事会は九州の主張を多く取り入れた形の法案と評価しておりますが、全国市長会や市町村で構成する地方を守る会は、災害時の対応や知事の権限が強化されること等を理由に反対するなど意見が分かれております。解散になり、政局が不透明な中で、法案の成立は見通せない現状であります。  そこで、第一点は、同法律案の閣議決定についての知事の認識及び評価について伺います。  第二点、九州地方知事会は、地域のことは地域で決めていくという基本的な考え方のもと、観光振興など県の枠を超える広域的な課題について、九州広域行政機構─仮称─の設置を目指しております。  同機構設立のメリットについて伺うとともに、現在国、県、市町村の三層構造でありますが、同機構が入ることで国、機構、県、市町村の四層構造にならないか。また、道州制との関係、九州市長会の九州府構想との整合性はどうなるのか伺います。  第三点、先日、地元紙で、地方自治振興促進懇談会における地方分権推進は尚早との見出し記事が掲載され、「今、分権を進めるのは、財政的、経済的に危ない」、「社会保障制度改革がなされ、安定して運営されるまで、地方への権限財源移譲に取り組まないほうが、地方組織にはプラスになる」とありました。地方分権を進めてきた知事の地方分権推進は尚早という発言の真意について伺います。  次に、台風被害と対応策について伺います。  約一カ月間で三度の大型台風が襲来し、甚大な被害に遭った与論島と徳之島を現地調査いたしました。与論島では、最大瞬間風速六十メートル級が二個も吹き荒れ、島内全戸数の四割に当たる約一千棟が被害に遭いました。  川上副町長は、「立て続けの台風に修理用の資材も人手も足りなくなり、順番待ちの状態です」と語り、台風の余波で定期船が寄港しなければ、日用品や復旧資材、人手の確保もできないなど離島ならではの課題が浮き彫りになりました。  徳之島では、基幹作物であるサトウキビが、糖度が上がる時期に致命的な被害に見舞われ、過去最低の不作との悲痛な声を聞きました。  そこで、第一点は、与論では、ガソリンが枯渇するとの報道もありましたが、離島での災害発生を見越したガソリンや水等の備蓄の現状について伺います。  第二点は、与論島での被害について、災害救助法、被災者生活再建支援法などはどのように活用されたのか、申請及び支給状況、離島の課題についてお示しください。  第三点は、離島における基幹作物であるサトウキビ収穫量見込みと災害時の課題について伺います。  危機管理行政に関しては要望にいたします。  緊急時の警報を住民に知らせる全国瞬時警報システム─Jアラート─の全国一斉訓練の結果、県内十市町で不具合が起き、再試験を実施しても二市で再び不具合が起きました。緊急時に作動しなければ何にもなりませんので、適切な対応を要望しておきます。  次に、子ども・子育て関連三法の成立に関連して伺います。  社会保障と税の一体改革の重要な柱の一つとして子ども・子育て関連三法が成立しました。公明党の強い主張で実現したものであり、子育て予算一兆円超の財源を活用して認定子ども園など待機児童の解消に向けた小規模保育、家庭保育など多様な保育のあり方、また保育士の待遇改善が期待されております。県は、「子ども・子育て支援事業支援計画」を立て、実施主体の市町村を後押しし、認可や保育士の人材確保、児童虐待対策などに取り組まなければなりません。  そこで、第一点は、地方版子ども・子育て会議の設置や子ども・子育て支援事業支援計画策定など検討スケジュールについて示してください。  第二点は、放課後子どもプラン推進事業費補助金交付要綱について伺います。  補助基準額の基本額算出について、利用者数で算出している県と登録者数で算出している県があると仄聞いたします。そこで、本県が利用者数としている根拠と各県の状況について伺います。  次に、子ども若者総合相談センターについては要望といたします。  平成二十二年かごしま子ども・若者総合相談センターが設置され、二年が経過いたしました。電話相談、面接相談の件数も着実に増加しているようであります。今後もワンストップで対応する相談窓口の機能、県下の相談窓口のセンター的機能を培っていただくなど相談業務の充実を図るとともに、追跡調査についても検討を要望しておきます。  次に、離島振興について伺います。  離島振興法が改正され、人口減少と高齢化が急速に進む中で、人口減少の防止や定住促進策等を国の責務とした意義は大変大きいと考えます。国の領域保全など離島が担う国家的役割等を広く国民が理解する必要があり、また、県民への広報も重要であります。  特に二十八の有人離島を有する本県にとっては、離島振興は県政の重要課題であり、今後とも地元の要望を聞き、支援していく必要があると考えます。  離島行政懇談会で要請があり、その後も機会あるたびに要望を受けている項目について伺います。  第一点の三島航路・十島航路の延伸については、何回も質問してきましたが、航路延伸の問題は、無人島にしないために、産業振興、観光振興、教育、医療、介護など総合的に考えないと、島はますます疲弊していきます。航路の延伸を強く要望しておきます。  第二点、車検場のない離島の車検費用の助成について要望がありました。車検制度は国の制度でありますが、車検場がないため島外で車検をしなければならず、輸送費が大きな負担になっております。例えば軽自動車の場合、三島村では約四万円、十島村の一番遠いところでは約七万円の輸送費がかかります。条件不利地域の車検制度について、住民負担軽減のために輸送費の補助制度をつくるべきと考えますが、見解を伺います。  第三点は、公設公営のブロードバンドの維持管理費に係る財政支援についてお聞きします。  十島村では、ようやくブロードバンド網が整備され、情報格差の解消が図られました。一方で、外界離島ということもあり、民間事業者の参入がなく、公設公営方式のために維持管理費が村財政の大きな負担になっております。維持管理費に係る財政支援に対する要望がありますが、見解を伺います。  第四点は、離島振興法が改正され、国においては、従来の国土交通、総務、農林水産の主務大臣に加え、文部科学、厚生労働、経済産業、環境の四大臣が新たに加わりました。離島の課題が多岐にわたることや総合的な支援が必要なことからなされたものと考えます。本県においても島民の立場に立って支援するために、県の離島振興の体制を強化すべきであると考えますが、見解を伺います。  次に、住宅のセーフティネットについて伺います。  我が党は、自公政権時、自力では適切な住宅を確保することが困難な方々に対して居住の安定を確保する住生活基本法住宅セーフティネット法の制定等に尽力してまいりました。  そして、今回の衆議院選のマニフェストにもセーフティネット住宅の拡充をうたったところであります。  近年、厳しい経済・雇用情勢のもと、住宅に困窮する方が増加しております。全国的には、公営住宅の応募倍率は高い水準で推移している反面、民間賃貸住宅等の空き家は増加傾向にあると仄聞しております。  そこで、最近の県営住宅の応募倍率の傾向について、鹿児島市とそれ以外でその推移等にどのような傾向があるのかお示しください。  あわせて本県における空き家の現状についてお示しください。  次に、今年度から開始された国の民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業の概要及び本県における周知方法等の取り組み状況について伺います。  また、住宅セーフティネット法に基づく居住支援協議会の概要及び本県における取り組み状況・課題について伺います。  次に、鹿児島中央駅東口整備について伺います。  鹿児島中央駅東口については、これまで本会議でも何回か取り上げられ、改善が必要であるという認識は共有できていると考えます。  駅頭であいさつをしていたときに、観光客に「新幹線をおりてバスに乗りかえようとすると、雨と灰に見舞われ、第一印象が大変悪かった。駅前の改善はできないのか」との意見を伺いました。  また、タクシー乗り場と駐車場への動線が重なり、渋滞が常態化しております。特に一番街への横断歩道は、いつも人と車が交錯し、危険な状態であります。  そこで、第一点は、観光立県鹿児島の顔であり、玄関である鹿児島中央駅東口の整備について、その課題をどう認識し、県として、鹿児島市、JR等関係者とどのように協議し、改善を図ろうとしているのか伺います。  第二点は、人と車の整理をし、渋滞解消と安全確保をするためにペデストリアンデッキを鹿児島中央駅一番街側に設置してはどうかと考えますが、見解と取り組みについて伺います。  次に、全国和牛能力共進会については、代表質問で質疑が交わされましたので割愛し、錦江湾の観光振興について伺います。  本県では、錦江湾みらい総合戦略で観光遊覧船の導入促進をうたっております。  波静かな海とそこに浮かぶ雄大な活火山・桜島は、世界に誇れる景観であり、訪れた人々に大きな感動を与えております。さらに、錦江湾の潮風を浴びながら、海上からしか見ることのできない桜島や市街地の街並みも大きな感動を与えております。また、かごしまベイクルーズや観光遊覧船クイーンズしろやまなどが運航されておりますが、潮の干満によって観光客が乗りおりするのに大変苦労されております。乗客からは「浮き桟橋があれば助かるのに」との要望があります。  長崎県では、浮き桟橋を観光に生かすため、港湾事業の社会資本整備総合交付金事業を活用して整備しているだけでなく、県独自の対策として浮き桟橋を設置しています。  本県でも九州新幹線開業当初と違い、観光客の減少が懸念されますことから、新たな誘客対策として、また観光振興対策として、浮き桟橋を早急に設置することが望まれます。  そこで、第一点、県は、錦江湾クルージングの魅力をどのように認識されているのか伺います。  第二点は、現在の観光客は少人数で行動する傾向があるため、中型・小型のクルージング船に対応した浮き桟橋を設置すべきと考えますが、前向きな答弁を求めます。  次に、中小企業金融支援については要望とします。  中小企業金融円滑化法が、来年三月で期限切れを迎えます。中小企業が多くを占める本県では、同法により倒産を免れた、経営改善ができたという声を聞きます。我が党は、同法の延長を強く主張しているところでありますが、国に同法の延長を要請することにあわせて、県として相談体制の強化を要望いたしまして、一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 4 ◯知事(伊藤祐一郎君)民主党政権三年の評価についてのお尋ねがありましたが、現在既に衆議院議員総選挙の期間中でもありますことから、特定政党の政策についての評価を行うことは、現時点では差し控えたいと考えております。  地方分権の推進は尚早という発言の真意についてのお尋ねであります。  現在我が国は、東日本大震災の被災地の復興、エネルギー環境政策の再構築、不透明感を増す経済情勢や安全保障をめぐる問題など多くの課題に直面しておりまして、今後、国は危機感を持ってこれらの事態に対応することが求められていると考えております。  また、我が国は、社会保障制度や公務員制度など国の根幹にかかわるような大きな改革を進めようとしているときでありまして、地方分権については、このような国の将来の姿を見据えた上で推進することが適当であると考えており、これまでの地方分権の成果を十分に検証し、まずは地方行政の能力を充実すべき時期ではないかと考えているところであります。  なお、見出しは「尚早」となっておりますが、その言葉自体は私の発言ではなく、若干の誤解を与えかねないと懸念しているところであります。 5 ◯総務部長(布袋嘉之君)国の特定地方行政機関の事務等の移譲に関する法律案についてでございますが、この法案は、十一月十五日に閣議決定されましたものの、翌日に衆議院が解散され、法案提出には至っていないところでございます。  法案全体としては、出先機関の事務権限等を丸ごと受け入れるための組織として、九州広域行政機構を提示しております九州地方知事会の主張を取り入れたものとなっていると考えておりますが、移譲対象となる事務等の詳細は別に政令で定めることとされ、出先機関の丸ごと移譲となっていないこと、また、必要な財源確保のための仕組みが不明確であることなどさまざまな課題があるほか、市町村の理解がいまだ得られていない状況にあり、引き続き国において十分な検討がなされる必要があると考えております。  九州広域行政機構についてお尋ねがございました。  九州広域行政機構は、政府民主党の国の出先機関改革の動きに対応し、国のブロック単位の出先機関について、その権限、人員、財源を丸ごと受け入れるための受け皿として設立することを目的としたものであります。  現在の統治機構を国の本省、国の出先機関、県、市町村ととらえれば、九州広域行政機構の考え方は、国の出先機関が同機構に置きかわるものであり、統治機構が現在よりも複雑になるものではないと考えておりますが、九州広域行政機構については、国、県、市町村においてそれぞれ受けとめ方に差異があり、十分な意見集約がなされているとは言えず、今後、そのあり方等についてさらに議論がなされることを期待しております。  次に、九州広域行政機構の構想は、国の出先機関改革の受け皿づくりを検討する中で、本格的な広域行政の仕組みが導入されるまでの当面の過渡的な制度として設計したものでございます。  このような構想をもとに国から地方への権限移譲が進み、地方分権が進展していけば、国の役割は国家の存立に必要なものに限定し、内政に関するほとんどの権限を現在の都道府県の圏域を越えた広域的な行政主体が担うという、いわゆる道州制に近い姿に近づいていくことも将来的には十分に可能性があるものと考えております。  次に、九州市長会が取りまとめた九州府構想についてでございますが、九州圏域で政策を立案・実行していく点では、九州広域行政機構と相通ずるところがありますものの、九州府構想が目指すとしている道州制の実現については、法制度や税財政制度などに関し、整理すべき課題も多いものと考えております。 6 ◯危機管理局長(平田浩和君)離島での災害を見越した備蓄の現状についてでありますが、災害時用の備蓄につきましては、まずは各家庭において、三日分の食料、飲料水等を備蓄することを国でも要請しておりまして、また、本県の離島の一部市町村では、七日程度の日用品の備蓄をするなどの取り組みを推進しているところであります。  また、離島の公的備蓄につきましては、十六市町村におきまして、飲料水、毛布など災害救助物質を中心に備蓄しておりますほか、日赤におきましても毛布などの災害救援物資を大島支庁や各市町村社会福祉協議会などに備蓄しているところでございます。  このほか流通備蓄につきましても、各自治体の実情に応じ、食品販売業者などとの間で協定を締結するなど災害時の物資確保に努めているところでございます。  今後とも離島の特殊性を十分に認識しながら、有効な物資備蓄の促進に努めるとともに、市町村、事業者等との連携の強化・充実に努めてまいりたいと考えております。 7 ◯保健福祉部長(松田典久君)与論島における災害救助法等の活用状況等についてでございます。  災害救助法につきましては、生活必需品の給与を行いますとともに現在、八世帯分の応急仮設住宅の建設や百十世帯の全世帯について住宅の応急修理が進められております。  また、被災者生活再建支援法については、百八十世帯に支援金が支給されることとなっており、さらに、被災者生活支援金及び住家災害見舞金については、十二月中に支給できるよう手続を進めております。  なお、今回の災害では、短期間に台風の来襲が連続し、定期船の欠航が多かったこと、与論町に被害が集中したことなどから、資材や人手が不足したため、特に応急処理については、早急な対応が困難な状況であったと聞いております。  県としましては、これまでも地域の実情に応じた対応を行っており、今後とも被災者の方々が一日も早く通常の生活に戻られるよう、国や与論町と連携を図りながら支援してまいりたいと考えております。 8 ◯農政部長(中西 茂君)平成二十四年産サトウキビにつきましては、三つの大型台風が相次いで襲来し、大きな被害が発生したため、現時点の生産量見込みは四十七万三千トンで、前年比一〇三%と、過去最低となった昨年に次ぐ不作となる見込みでございます。  また、奄美地域では、葉の損傷程度が著しいことから、大幅な糖度の低下も懸念されております。  県では、被災された農家に対して営農や資金の相談窓口を設けて対応しておりますが、被災後の経営安定を図るためには、農業共済制度への加入が重要であると考えております。  サトウキビ共済は、自然災害等による減収量が二割を超える場合に共済金が支払われる公的保険制度でありますが、平成二十三年産サトウキビの県平均加入率は四九・二%となっており、島別にも大きな差がある状況でございます。  今後のサトウキビ農家の経営安定に資するため、農業共済組合におきましては、市町村、農協、糖業会社等関係機関・団体等から成るサトウキビ共済関係団体協議会等を通じまして、制度内容の周知や加入の推進に努めているところであり、県といたしましても農業共済組合に対し、加入率向上に向けた目標設定と過去の被害状況に応じて農家ごとに共済掛金率を設定する仕組みの導入などの具体的な対策を講じるよう指導しているところでございます。  今後ともサトウキビ共済の積極的な加入促進により、農家の経営安定を図ってまいりたいと考えております。 9 ◯県民生活局長(平田武志君)子ども・子育て関連三法の成立に伴う今後のスケジュールについてでございます。  国は、平成二十七年度の制度運用開始を目標に平成二十五年四月に子ども・子育て会議を設置し、制度の基本指針や施設基準、給付の水準等の具体的な内容を検討することとしております。  これを受けまして県では、平成二十五年度に子ども・子育て支援に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、地方版子ども・子育て会議を設置し、平成二十六年度には、国が定める基本指針等の具体的な内容や市町村計画を踏まえた子ども・子育て支援事業支援計画を策定することとなっております。  次に、放課後児童クラブの補助基準額の算出についてでございます。  補助基準額は、年間平均児童数に基づき算定することとされております。国の見解によりますと、塾や習い事あるいは疾病等による欠席日数を積み上げ、年間平均児童数の算定から除く必要はないとされており、全国的にも同様の取り扱いとなっております。
     本県におきましては、この国の考え方を踏まえた算定方法とするよう各市町村に通知しているところでありますが、今回調査しましたところ、塾や習い事、疾病等により欠席した児童を除いて算定した市町村もありました。  こうしたことから、県としましては、国の考え方を踏まえた算定方法につきまして、改めて各市町村に通知し、その周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 10 ◯企画部長(稲原 浩君)車検のための島外への輸送費補助についてでございます。  小規模離島の車両は、島外で車検を受けざるを得ないという事情があることについて、離島に関する各般の要望の際に国にも説明いたしているところでございます。  県といたしては、現在、輸送コスト支援制度の創設を国に要望しており、制度検討の際にはこうした経費も対象となるよう国に働きかけてまいりたいと考えております。  公設公営のブロードバンドの維持管理費に係ります財政支援についてでございます。  十島村においては、平成二十年度から二十一年度にかけて、国の補助事業を活用し、ブロードバンド基盤を整備の上、運営を行っておりますが、現在、各家庭の利用料を無料としていることなどもあり、ネットワークの維持・管理費が村の財政の負担となっているところであります。  県といたしましては、離島など条件不利地域におけるブロードバンドサービスの提供は、情報通信格差を是正することになりますことから、地方公共団体が整備した情報通信基盤の維持・管理費に対する支援策の拡充が図られるよう、引き続き県開発促進協議会や全国知事会等を通じ、国に対して要望してまいりたいと考えております。  県の離島振興の体制強化についてでございます。  本県では、これまでも離島振興施策の推進に当たっては、離島振興課が中心となって、関係部局と連携を図りながら、総合的な取り組みを進めてきているところであります。  離島を有する都道県で離島振興に特化した所管課を設置しているのは本県のみであり、今後とも企画部と関係部局が連携し、離島の実情を踏まえた施策の推進に努めてまいりたいと考えております。  鹿児島中央駅東口についてでございます。  中央駅東口につきましては、交差点の集中や市電を含めた複雑な信号処理などを主な要因とする交通渋滞の緩和が課題であると考えております。  このため、昨年二月には、県、鹿児島市、JR九州等関係者による連絡会議を設置し、駅周辺の交通混雑の改善に向けた協議を行ってきており、その結果、一番街への横断歩道などにおける誘導員の配置等の対策を実施いたしますとともに、中長期的な課題といたしまして、市電用信号処理の改善などについても検討を進めているところであります。  県といたしましては、今後とも駅前周辺の交通問題の改善に向けて、関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 11 ◯土木部長(栗原淳一君)最近の県営住宅の応募倍率の傾向等についてです。  県営住宅の直近五年間の平均応募倍率は、鹿児島市で約八倍、鹿児島市外では約四倍、県全体では五倍前後で推移しています。  なお、特に年度間によって大きな差異は見られないところです。  本県の空き家の現状については、住宅・土地統計調査によると、平成二十年度は約十三万戸、住宅総数に占める割合は約一五%となっております。  また、戸数の内訳は、賃貸用が約四万九千戸、売却用を含むその他が約八万一千戸となっております。  次に、民間活用型住宅セーフティネット整備推進事業についてです。  民間活用型住宅セーフティネット整備推進事業は、民間賃貸住宅の空き家について、子育て世帯や高齢者世帯等を優先募集すること等を条件に改修工事費を国が事業者に直接補助する制度です。  本県においては、県営住宅の応募倍率も高い中、公的住宅の補完という性格も有することから、制度の概要について県のホームページに掲載しているところであり、今後も事業者向けの説明会を行うなど周知を進めることとしております。  次に、居住支援協議会の概要等についてです。  居住支援協議会は、住宅セーフティネット法に基づき、住宅を必要とする世帯が民間賃貸住宅へ円滑に入居できるよう、関係団体が情報提供のあり方等について協議を行う組織です。  本県においても県、鹿児島市、県内不動産関係団体、県社会福祉協議会等を構成員として本年八月に設立したところです。  今後、補助の対象となった住宅が入居者を募集する際、住宅を必要とする世帯に十分な情報が伝わるよう、当協議会においても取り組みを進めてまいります。  次に、鹿児島中央駅東口へのペデストリアンデッキの整備についてです。  ペデストリアンデッキは、駅前広場内の歩行者の安全性の確保や利便性の向上、交通の円滑化などが図れる一方、良好な都市空間の形成や歩行者の動線の的確な把握などの課題があるものと考えております。  県としては、一番街側への設置については、駅前広場周辺の都市機能の充実向上や都市景観に配慮した一体的なまちづくりの視点から、鹿児島市を中心にJR九州や地元商店街等との間で十分検討する必要があると考えており、今後の動向を注視するとともに必要に応じて助言等を行いたいと考えております。  次に、中型・小型クルージング船の浮き桟橋についてです。  錦江湾においては、桜島フェリーのよりみちクルーズや民間による小型遊覧船等が運航されております。  このうち小型遊覧船は、潮の干満の影響を受けやすいことから、浮き桟橋の設置は、利用者の利便性の向上を図る一つの手段と考えています。  一方、その設置に当たっては、他の船舶の支障にならないことや整備による効果の検証などが必要です。このことから、小型遊覧船に対応した浮き桟橋の設置については、これらの課題や利用者のニーズ等を勘案しながら検討する必要があると考えております。 12 ◯観光交流局長(福壽 浩君)錦江湾クルージングの魅力についてでございます。  錦江湾に浮かぶ桜島は、本県のシンボルであり、その雄大な景観は、本県の観光振興の核となる貴重な資源であります。  また、南に開かれた錦江湾は、大型観光船クルーズの寄港地としてすぐれた立地条件を有しておりますほか、カンパチ養殖体験等のブルーツーリズムやヨットなどのマリンスポーツ等の適地でもございます。  桜島フェリーのよりみちクルーズや民間の遊覧船の運航は、桜島など雄大な自然と市街地の景観が近くに広がる錦江湾の魅力を観光客の方々などに楽しんでいただける取り組みであると考えております。 13 ◯持冨八郎君 自席から県民生活局長に再質問いたします。  先ほど放課後子どもプラン推進事業費補助金交付要綱について質問いたしました。県は、利用者数ではなくて適切に通知しているというお話でしたが、私はこの一年半ぐらい、いろんな形で問い合わせをしました。うちの地方議員からも問い合わせをしておりました。そのたびにこれは利用者数でするんだということを言われてまいりました。  そこで、一回確認いたします。今後は、登録者数でいいのかということです。  なぜかといいますと、登録者数と利用者数にしますと、十九人と二十人では約九十万円の補助金の差があるんです。地方の小さなクラブにとっては大変大きな金額であります。登録者でいいのかということを明確に答弁してください。  それから、十七年十二月十五日、先ほど言われましたが、国から通知があったんです。これを受けて、県は、十八年の二月十三日に数式を提示して利用者数なんだということを言っているんです。だから、先ほどお話があったように登録者数としている市町村が九、利用者数としているところが二十八と分かれているんです。県の指導が徹底していなかったんじゃないかと、こう思うわけです。  自治体で違いが出たことについてはどのように考えているのかお答えください。 14 ◯県民生活局長(平田武志君)今回調査しましたところ、そういう市町村におきまして考え方の違うところも出てまいりました。したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたとおり県としましては、国の考え方を踏まえまして、改めて各市町村に通知して、その周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 15 ◯持冨八郎君 先ほど各県の状況はどうなっているかということも聞きましたが、答弁がなかったんですが、九州各県はどちらでやっているんでしょうか。 16 ◯県民生活局長(平田武志君)九州各県につきましては、おおむね国の見解に基づいた取り扱いをやっているということでございます。    [持冨八郎君登壇] 17 ◯持冨八郎君 今の問題につきましては、本当に答弁が違っております。しっかり担当者に聞いてください。私は地方議員から何回も要請を受けて、確認もしました。「利用者です」と言ってきたんです。それを途中から変更しているんです。そして九州各県は、全部登録者数でやっているんです。うちの地方議員が、それは困るということで、厚生労働省にも電話して、そして九州各県にも電話をして、一つずつ確認しました。そういうことを担当者に改めて言って先月末、この問題を出した後に担当課から市町村に「今後は登録者数でいいですよ」というファックスが行っているんです。  この子ども・子育て三法は、実施主体は市町村でありますけれども、県はサポート役を果たしていかなければなりません。少子化が進む中で、国も子育て支援に全力を挙げようということで取り組んでいるわけでありますので、県がブレーキになることはやめていただきたいと思います。  時間の関係でコメントは後に回しまして、質問を続けます。  高齢者元気度アップ推進体制づくり事業について伺います。  同事業は、高齢者の健康づくりや社会参加活動について、地域商品券等に交換できるポイント制度であり、高齢者の介護予防への取り組みを促進するとともに、地域の活性化が期待でき、本会議でも何回も提案し、実現した事業であります。  県内で取り組みが進んでいる徳之島町を会派で視察し、町職員、社会福祉協議会、各種団体の方々と意見交換をしました。  徳之島町では、県が想定していた対象者の一割を大きく超え、七百三十三名、約二割の方が登録しており、グランドゴルフやカラオケの会の代表からは「家に閉じこもっていた人が出てくるようになった」、「交流が活発になり、みんな元気になった」等の喜びの声が聞かれました。この事業が全県に普及することが重要であると実感いたしました。  そこで、県内の市町村の取り組みの現状、課題、今後の取り組みについて伺います。  次に、ドクターヘリについては要望といたします。  昨年十二月二十六日、県民の待望久しかったドクターヘリが運航を開始して一年になります。県民の安心安全に大きく貢献しておりますので、今後とも安全運航に努めるとともに、奄美地方を中心とした二機目の導入の早期実現を要望いたします。  次に、福祉有償運送について伺います。  本会議等で何回も取り上げてまいりました。急速な高齢化に伴い、要介護者や障害者など自分の力での外出や移動が困難な人、いわゆる移動制約者がふえている現状を考えると、この制度が定着することは大事なことであると思います。また、タクシー業界等周囲の理解も必要であり、運営協議会の役割も重要であります。さらに、活動範囲が市町村の区域を超えた場合には、広域の運営協議会の設置も必要であると考えます。そこで、県内の福祉有償運送の実施自治体や登録業者等の現状についてお示しください。  また、運営協議会の運営上の課題、未設置の自治体への取り組みについて伺います。  さらに、広域での対応、県の役割について伺います。  次に、骨髄バンクドナー助成制度について伺います。  さきの通常国会で、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供を推進する法律が成立いたしました。造血幹細胞移植という治療法は、骨髄などを提供してくださる善意のドナーがいて初めて成立しますが、せっかく骨髄バンクに登録されても、最終的に骨髄提供まで至らないケースが四割程度あると言われております。その理由としては、骨髄提供者─ドナー─の通院・入院時における休業補償がないなど、ドナーの負担が重いことが挙げられております。ドナーへ費用補助することにより、より多くの命が救われることになります。本県においてもドナー助成制度を立ち上げるべきではないかと考えますが、見解を伺います。  また、造血幹細胞移植を推進するためには、何よりも県民の理解が必要であります。同推進法第十条では、国とともに地方公共団体も理解を深めるための必要な施策を講ずるものとすることとなっております。県として、広報周知にどのように取り組むのか伺います。  次に、障害のある子どもへの支援について伺います。  先日、特別支援学校のPTAの方々と意見交換する機会がありました。障害を持つ子どもたちとかかわる中で、葛藤や苦労されている現状をお聞きしました。  そこで、保護者の方々から特に要望があった点について伺います。  第一点は、未就学児を持つ保護者の方は、障害があるという理由だけで施設が敬遠するため、通えるところがなく「もっと未就学児に対する支援を充実してほしい」と要望されましたが、現在の取り組みと課題についてお示しください。  第二点は、子供が小さいときは親も元気でサポートできますが、大きくなるに連れ、親の体力も落ち、サポートできなくなります。だから、高校を卒業した後の就職などが心配で、作業所などを充実してほしいと要望がありました。作業所などの現状をお示しください。また、工賃向上の現状はどのようになっているのか伺います。さらに、作業所を維持するためには、販路の拡大が不可欠ですが、現状と県の取り組みついてお示しください。  次に、教員の資質向上について伺います。  時事通信社と小野田正利大阪大学大学院教授の学校運営上の問題に関する共同調査によると、学校だけで解決することが困難な保護者対応トラブルが、五校に一校以上の割合で起きていることがわかりました。  さらに、仕事上での困難や克服しなければならない問題では、不登校、いじめなど生徒指導上の問題が七六・二%、次いで、保護者への対応が七一%であり、保護者対応問題が教育現場で大きな課題となっております。  教員が、子どもの学力向上や生徒指導だけでなく、保護者への対応に追われている実態が見えてまいります。  そこで、第一点は、ストレスによる精神疾患になる教職員も多く、教職員のサポート体制が求められており、教育委員会が環境整備をする必要があると考えますが、取り組みについて伺います。  第二点は、学校が統廃合する中で、校長の数が減少し、教頭を何校も勤めなければならない現状です。学校長と意見交換する中で「以前は、派遣社会教育主事の制度を利用して管理職の能力を身につける訓練がなされていたが、廃止されたことも大きな要因ではないか。さらに、管理職への登用をおくらせたり、新たな制度を導入したりすることも考慮しなければならない時代ではないか」との意見がありました。  教頭への登用を四十歳代以上にすると、管理職に合格した教員がいることで学校運営がしやすくなるとともに、教頭を四回も五回も勤務する機会が少なくなると考えられますので、ぜひ登用年齢の改善をすべきと考えますが、いかがでしょうか。また、ほかの自治体では実施している副校長制度を活用すべき時期ではないでしょうか、見解を伺います。  次に、いじめ対策については、代表質問で質疑が交わされましたので、要望に変えます。  今回の緊急調査の結果、いじめの数値が大幅にふえていました。小さなことも見逃さないという意味では理解ができますが、いじめはどこにでも起き得るという意識を持って、緊張感を持って対応していただくように要望しておきます。  次に、ストーカー対策について伺います。  神奈川県の逗子市で女性が元交際相手の男性に刺殺された事件がありました。ストーカーによるメールを使った嫌がらせについて、三十三都道県で迷惑防止条例に禁止規定がないことが新聞報道でわかりました。  また、男性から短期間で約千回のメールが送られながら、ストーカー規制法では、施行された二〇〇〇年にはメールが普及しておらず、大量のメールやブログなどは該当しないという課題も明らかになりました。  全国では、年間のストーカー認知件数が約一万四千件で推移しており、早急な対応が求められております。  そこで伺う一点は、本県のストーカー事件の現状と対応についてお示しください。  兵庫県警本部では、把握したすべての男女間のもめごとをデータベースで一元管理し、県警本部と全署で情報共有する仕組みを構築。また、相談者に定期的に連絡し、異常がないかを確認する安心コールシステムを実施するなど独自のストーカー対策により効果を挙げております。  そこで、第二点目は、知事がいつも言われる安心安全の鹿児島のためにも、兵庫県警のような独自の取り組みを提案いたしますが、見解を伺います。  次に、ゾーン30の取り組みについては、代表質問で質疑が交わされましたので、要望いたします。  地元一本桜公園周辺については、バイパスが完成し、一段と交通量が多くなっております。通学路でもあり、車の通り抜けが非常に多くなっていることから、一日も早い実現を要望し、二回目の質問といたします。 18 ◯保健福祉部長(松田典久君)高齢者元気度アップ推進体制づくり事業についてでございます。  この事業につきましては、今年度二十二市町村が実施を予定し、このうち十三市町が事業を開始しており、本事業の実施により、引きこもりがちな高齢者のサロン活動への参加が増加したり、地域ボランティア活動が活発になるなど健康づくりや社会参加の促進につながっていると聞いております。  より多くの高齢者の参加を促すためには、高齢者の多様な社会参加活動に対応できる受け皿の拡充を図る必要があります。  県としましては、今後とも未実施市町村に対し、市町村導入ガイドラインの活用等により、事業の導入促進を図りますとともに、市町村と連携しながら、高齢者の積極的な社会参加を促す環境づくりに努めてまいりたいと考えております。  福祉有償運送についてでございます。  十一月末現在、二十四市町村に運営協議会が設置され、そのうち二十市町村で四十五団体が事業者として登録されております。  運営協議会の課題といたしましては、新たな事業者及び利用者の登録が少ないことなどが挙げられております。  県といたしましては、毎年運営協議会の設置状況を確認しますとともに、市町村に対する助言や情報提供を行うなど未設置の市町村においても協議会の設置が促進されるよう努めております。  事業者の活動範囲が市町村の区域を越える場合には、他の市町村の運営協議会での合意や広域の運営協議会の設置などによる対応がありますことから、県といたしましても市町村の実情に応じた取り組みを支援してまいりたいと考えております。  骨髄バンクのドナー助成制度についてでございます。  公的な骨髄移殖において、ドナーは入院費等の自己負担はないものの、現在、休業補償などの制度的な配慮はなされておりません。骨髄バンク事業を推進するに当たりましては、多くのドナーの確保が重要であり、休業補償や特別休暇制度などドナーが骨髄を提供しやすい環境づくりが必要であると考えており、本年九月に公布されましたいわゆる造血幹細胞移殖推進法を踏まえた国の今後の対応等について、注視してまいりたいと考えております。  ドナー登録等の広報周知につきましては、鹿児島骨髄バンク推進連絡会議及び県赤十字血液センターとの連携のもと、街頭キャンペーンやポスター、県ホームページ及び県政広報番組などを活用した普及・啓発に引き続き努めてまいりたいと考えております。
     障害のある子供への支援についてでございます。  未就学の障害児については、市町村が身近な療育の場としての児童発達支援事業所への通所により、日常生活の基本的な動作の指導や集団生活への適応訓練等を行っていますほか、障害児等療育支援施設が県事業により、在宅の障害児への訪問療育等を行っております。  このような中、県内の児童発達支援事業所は年々増加しているものの、関係事業者がない市町村もあり、また、事業所によっては、障害児の特性に応じたきめ細やかな支援が十分ではない状況にもございます。  県としましては、市町村、保育所、幼稚園などの関係機関と障害児等療育支援施設を含むネットワークの整備に努めているところであり、今後とも障害児等がより身近な地域で適切な支援を受けることができるよう、地域療育の充実に努めてまいりたいと考えております。  障害児就労支援の現状と取り組みについてでございます。  就労を支援する県内の事業所は、本年四月一日現在、一般就労が可能と見込まれる障害者を支援する就労移行支援事業所が五十一カ所、一般就労が困難な障害者を支援する就労継続支援事業所が百六十八カ所あり、これらの事業所において障害者約四千人の就労を支援しております。  このうち就労継続支援事業所の県内における平均工賃月額は、平成二十三年度は一万三千五百七十一円で、年々向上しております。  県におきましては、本年七月に平成二十六年度までの三カ年を対象期間として工賃向上計画を策定したところであり、この計画に基づき、個々の事業所が設定した目標を達成できるよう、専門家の派遣等による技術指導を通じた生産技術の向上や企業や官公需による受注機会の拡大などの支援を行うこととしております。  さらに、市町村、事業者団体、地域の三業界とも連携し、障害者就労施設等での工賃の水準が向上するよう、官民一体となった取り組みを推進してまいりたいと考えております。 19 ◯教育長(六反省一君)教職員のサポート体制についてでございます。  県教委といたしましては、校長や教頭に対してメンタルヘルスに関する研修を実施し、心の健康のための校内研修や相談しやすい環境づくりについて指導いたしますとともに、担任が問題を一人で抱え込むことなく、全校体制で解決するよう指導しております。  また、教職員の相談窓口として、医師によるメンタルヘルス相談や教職員よろず相談等を設置し、よろず相談では、相談員に臨床心理士を加えるなどの改善を図ったところでございます。  さらに、ホームページにストレスチェック調査表を掲載し、ストレスのセルフケアの取り組みも推進しております。  なお、精神疾患により休職しております教職員の復職に際して、希望者には、試し出勤を実施するほか、校務分掌の軽減など今後とも全職員でサポートする体制づくりに努めてまいります。  教頭の登用年齢についてでございます。本県では、識見や資質、人物等を総合的に評価し、真に管理職としてふさわしい者の登用に努めております。  小・中学校において、これまで三十歳代で教頭に登用された者で長期にわたり教頭に在職している状況もございますが、ここ数年、四十歳未満で登用された教頭は減少し、本年度は一人のみとなっております。  また、管理職任用標準試験の合格者を初め意欲的に学校経営に参加する教職員がふえることは、学校の活性化にもつながっております。  今後とも教頭の登用は、退職者数の推移や年齢なども勘案しながら、計画的に進めてまいります。  副校長の任用についてでございます。  平成二十三年度に副校長の職を小・中学校に導入している都道府県は十一都県でございます。九州管内では宮崎県が、一体型小・中一貫教育校の小学校のほうに一校、大分県が、併設型中・高一貫教育校の中学校のほうに一校、福岡県、長崎県、沖縄県は、特に大規模等の小・中学校の合わせて三十三校など特定の学校に配置している状況でございます。  副校長制度につきましては、副校長が校長から命を受けて校務の一部をみずからの権限で処理することができ、校長の職務を分担することを目的とした制度でございますが、今後、既に導入した都府県の成果等を把握しながら、本県への導入の必要性について研究してまいります。 20 ◯警察本部長(杉山芳朗君)ストーカー対策についてであります。  本年十月末現在、ストーカー相談件数は二百十一件で、前年比マイナス五件と減少しておりますが、ストーカーに係る事件検挙は二十七件で、前年比プラス八件。ストーカー規制法上の警告は二十件で、前年比プラス十七件といずれも増加しております。  ストーカー相談に対しましては、その危険性・緊急性を検討し、積極的な事件化と警告、関係者に対する必要な支援を行うとともに、すべてのストーカー事案を情報管理システムで集約し、他府県警察とも情報を共有するなど組織的な対応を図っているところであります。  なお、兵庫県警察の取り組みも承知しておりますが、当県におきましても平成二十二年八月から危険度に応じ、被害者と定期的に連絡をとる制度を実施しております。    [持冨八郎君登壇] 21 ◯持冨八郎君 もう時間がなくなってまいりましたので、最後に一言だけ申し上げたいと思います。  昨今、第三極が話題になりますが、所詮、選挙のための野合と言わなければなりません。また、選挙事情で政党を変わったり、選挙区を変わったりということが多々見受けられますが、住民を忘れた自己中心的な生き方であります。住民の苦楽に寄り添い、住民のために働くという政治家の覚悟が問われております。  公明党は、まさに大衆とともにの立党精神を掲げ、五十年になります。全国の三千名の議員のネットワークを生かして、日本再建のため、福祉向上のため、懸命に働くことを決意し、一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 22 ◯議長(金子万寿夫君)次は、中重真一君に発言を許可いたします。    [中重真一君登壇](拍手) 23 ◯中重真一君 おはようございます。霧島市・姶良郡区選出の中重真一です。  いつも傍聴席の寂しい私の一般質問ですが、本日は地元から数名の方が来てくださいました。また、いつも来てくれる妻も議会庁舎には来ているとは思いますが、七月に生まれた長女も一緒に来ているため、泣いて迷惑をかけてはいけないということでモニターでの傍聴をしていると思われます。よい答弁をいただけなければ、もうすぐ五カ月になる娘が泣くかもしれませんので、御配慮いただきたいと思います。  早速、質問に入ります。  私の県議としてのテーマであり、継続的に質問しております市町村への権限移譲について、まずお聞きいたします。  先日、霧島市議会と地元県議会議員との意見交換会が行われました。市を取り巻く幾つかの課題について意見交換等を行う会議でしたが、その中の一つが市町村への権限移譲についてでありました。霧島市議会からは、一、権限移譲に伴い必要となる財源措置を確実に講じてほしい。二、地方の自主性・裁量性を拡大し、自治体の特性に応じて事務が行えるよう、県から市への権限移譲においては、移譲の時期、具体的な財源措置など必要な事項について、市側に十分な情報提供と協議を行ってほしい。三、厳しい行財政環境や超高齢化の進行の中で、移譲される権限の内容によっては、人員体制等も含めて課題を抱えることも予想されることから、市の実情に応じた効率的な権限移譲が行われるようにしてほしいといった要望も行われました。  今定例会の提案理由説明において、知事は、市町村への権限移譲については、権限移譲プログラムに基づき、三十四市町村と協議が調った十九法令に係る事務を平成二十五年四月から移譲するため、事務処理の特例に関する条例の改正条例案を今議会に提案しているところであります。今後とも、市町村の御意見を十分伺いながら、本県独自の権限移譲を積極的に進めてまいりますと力強く述べられております。  そこで、まず、権限移譲プログラムにより、来年四月から移譲される三十四市町村と協議が調った十九法令に係る事務について、主なものをお示しください。  また、権限移譲プログラムでは、市町村合併により誕生する人口十万人以上の市に対し、特例市・中核市並みの権限など思い切った移譲を行うとされております。知事が言われた本県独自の積極的な権限移譲に当たると思われますが、これらの市に対する権限移譲の状況についてお聞かせください。  さらなる権限移譲を進めていく上で、特に人的支援を充実させることが、よりスムーズな権限移譲につながると考えます。これまで扱っていなかった業務を県から移譲を受けることにより、新たに市町村が行うのが権限移譲の本質であります。  建築確認事務等について、既に県職員を派遣するなどの取り組みは行われておりますが、市町村職員の関係部署への受け入れなど、人的交流がさらに進むことが必要ではないでしょうか。移譲業務に係る市町村職員の能力向上が権限移譲においては大変重要であると考えます。  そこで、今後の権限移譲の取り組みについて、移譲に係る研修など人的支援を含め、どのように進めていくのかお示しください。  次に、不活化ポリオ及び四種混合ワクチンについてお聞きいたします。  小児麻痺と呼ばれるポリオは、平成十二年に日本において根絶宣言が出されましたが、パキスタンやアフガニスタンなどの南西アジアやナイジェリアなどのアフリカ諸国においては依然として発生しているため、世界的にポリオワクチンの予防接種が続けられています。  そのような中、我が国のポリオワクチンの予防接種については、従来の生ポリオワクチンにかわり、本年九月から単独の不活化ワクチンが、また十一月からはポリオワクチンを含む四種混合ワクチンが定期接種として導入されたところであります。  生ワクチンは、ポリオウイルスの病原性を弱めてつくったものです。ポリオに感染したときとほぼ同様の仕組みで強い免疫ができます。免疫をつける力がすぐれている一方で、まれにポリオにかかったときと同じ症状が出ることがあります。それに対し不活化ワクチンは、ポリオウイルスを不活化し、免疫をつくるのに必要な成分を取り出して病原性をなくしてつくったものです。ウイルスとしての働きはないので、ポリオと同様の症状が出るという副反応はありません。  さて、私は、月に一度、地元霧島市や姶良市の小児科の先生方と意見交換を行う場を数年前から持っておりますが、そこで不活化ポリオワクチンが入手困難であるというお話をお聞きしました。その中の霧島市内のある小児科の開業医の先生に具体的な数値を教えていただけるようお願いしたところ、このペーパーを送ってくださいました。原文のまま読みますので、先生方の生の声をお聞きください。  ポリオ不活化ワクチンの供給不足について。  これまでのポリオ生ワクチンにかわって不活化ワクチンが導入されました。霧島市では十月から接種開始となりましたが、十一月中旬以降供給不足が深刻です。定期接種ワクチンではあり得ない事態が起こっているとしか思えません。当院では十二月八日以降の予約が全く受け付けできない状態になっています。十一月に接種した子供の次回の接種ができない状況です。  当院では、十月ポリオ接種二百十八名、十一月二百四十五名なのに対して、例えば当地のワクチン卸業者一社のポリオワクチン入荷は、十月三百五十本、十一月百四十四本、十二月入荷予定は百十五本と、十月に比べて極端に減少しています。当院に配給される本数ではなく、業者支店に入荷する総本数であり、当地の他のすべての卸業者も同じ傾向であるということです。  十月から接種開始して十一月は一回目接種の子と、十月に一回目接種した子の二回目接種が重なり、十二月は一回目、二回目、三回目接種が重なり、少なくとも十二月までは接種本数が増加することは自明なはずが、入荷本数が減少していれば当然、接種が滞ることも明らかです。卸業者に入荷する本数のうち何本当院に配給してくれるかもわからず、予約を受け付けできる状況にはありません。一番被害を受けるのは接種を受ける子供たちです。定期接種なのに行政もこのような事態を把握しているのか、把握していれば緊急に事態の改善をお願いします。とのことです。  厚生労働省のホームページを見ますと、単独の不活化ポリオワクチンは、平成二十四年度内に接種対象者全員の接種を完了できる十分な供給量が確保される見込みです。接種希望者が集中した場合、一時的に接種が受けにくくなる状況が生じることもあり得ますが、平成二十四年度中には十分な量のワクチンが順次製造・出荷され、接種を完了していただける見込みです。  四種混合ワクチンについては、平成二十四年八月以降生まれの方が年度内に必要回数の接種を完了いただける十分な量が確保される見込みです。しかしながら、使用されるワクチンがどちらかに偏ったり、医療機関において必要量以上のワクチンを購入すること等があった場合、地域によっては供給量が不足することも懸念されます、とあります。  ただ、この不活化ポリオワクチンは、初回接種三回、追加接種一回、合計四回の接種が必要ですが、初回接種三回は生後三カ月から十二カ月に三回、二十日から五十六日までの間隔をおいて接種する必要があります。逆を言えば、前の接種から八週─五十六日─を過ぎてしまえば、その前に接種したワクチンは無駄になるということです。そういった事態だけは避けなければなりません。  厚生労働省の見通しが甘かったのか、本県においてだけの現象なのかわかりませんが、不活化ポリオワクチンが入手困難である状況は事実であります。県内のワクチンの流通状況及び今後の見通しについてお聞かせください。  次の質問に入ります。  近年、温暖な鹿児島は、冬から春にかけてのスポーツキャンプ地として、県及び市町村が力を入れて誘致活動を行っております。その結果、昨日の自民の代表質問でもありましたが、昨年度は県内で、プロ、アマを問わず、スポーツキャンプ・合宿を行った県外からの団体数、参加人数、延べ人数の全てにおいて、平成十一年度の調査以来、過去最高を記録したと聞いております。  先月、私は、霧島市スポーツ団体誘致歓迎実行委員会の事務局を務める霧島市観光課の担当者とホテル関係者とで、関東地区において、スポーツキャンプ・合宿の誘致活動を行ってまいりました。  女子サッカーの浦和レッズレディース、実業団女子ソフトボールの太陽誘電、ヤマハ発動機ジュビロ、三菱重工相模原ダイナボアーズ、サントリーサンゴリアス、NTTコミュニケーションズシャイニング・アークス、クボタスピアーズ、以上ラグビー。そして、日本サッカー協会代表部、審判部に伺い、誘致のお願いや情報収集、意見交換を行ってきました。さまざまなコネクションを活用したり、中には電話でアポイントをとっての飛び込みのような訪問もありましたが、いずれも丁寧に対応していただきました。  その結果、来年三月のキャンプの確約をいただけるチームもあり、現在、冬季キャンプについて検討中ということで、大まかな見積もりをその場で聞かれるチームも複数ありました。改めて、本県のスポーツキャンプ・合宿の潜在力に気づかされると同時に、大変有意義な誘致活動であったと思います。  先ほど列挙しましたが、たくさんのチームや団体を訪問しました。その中で特に印象に残った訪問の一つが、女子なでしこリーグ所属浦和レッズレディースへの訪問でした。電話でアポイントをとった飛び込みのような訪問にもかかわらず、本県の気候やグラウンド等の施設の状況を丁寧に聞いていただいた上で、女子サッカーのキャンプの現状を教えてくださいました。  ワールドカップの優勝にロンドンオリンピックの銀メダルという、なでしこジャパンの大活躍により、近年特に人気の高まった女子サッカーも、シーズン前の春季キャンプについては、数チームで千葉県などにキャンプに行ったことはあるが、特に定まった地域はないということでした。これまでにJリーグのキャンプを多く受け入れ、施設もノウハウも整っている鹿児島は魅力的なキャンプ地ではあるが、できれば、単独でキャンプを行うより複数のチームでキャンプを行い、途中で練習試合などを行える環境が整えばさらに魅力的な地になる。他のチームにも話をして一体的な誘致を行ってはどうかと御提案いただきました。  男子のJリーグより開幕日の遅いなでしこの春季キャンプは、Jリーグと重ならずにキャンプの日程を組むことが可能です。大変貴重なお話を聞くことができたとうれしかった反面、複数のチームの総合的な誘致、また、今後、なでしこリーグに所属するチームの春季キャンプを鹿児島へとプロデュースする大局的な働きかけは、単独の市町村でできる話ではありませんでした。チームやその上部組織への情報収集や意見交換等を行いながら、そういった総合的な誘致を行うことこそ、県の役割ではないでしょうか。  そこで、まず、プロのスポーツキャンプの実施状況と今後の誘致に関する県の取り組みについてお示しください。  次に、スポーツキャンプ・合宿を生かした競技力向上についてお聞きいたします。  キャンプや合宿で訪れるトップアスリートの一流のプレーを地元の選手や特に子供たちが直接見ることは、競技力向上に大いに資するものだと考えます。ふだんはトップアスリートの姿はテレビで試合を観戦するだけですが、キャンプ・合宿においては、貴重なその練習風景をじかに見ることができます。本県に来ているトップアスリートたちも、練習時に観客がふえることは張り合いも出ますし、全体的な歓迎ムードも高まるのではないでしょうか。  私もこれまで長年、スポーツキャンプ・合宿に携わってまいりました。競技団体がスポーツ教室を開く等の取り組みは一部ありましたが、競技力向上に積極的につなげようとした動きは少なかったように思えます。スポーツキャンプ・合宿と競技力向上をリンクさせることは重要なことであると考えます。  今後、本県で開催が予定されている次期国体も含めて、どのような取り組みを考えているのかお示しください。  都市計画道路新町線の整備について質問いたします。  霧島市は、県本土の中央部に位置し、鹿児島空港や九州縦貫自動車道などの高速道路、JR日豊本線などが交差する南九州の交通の要衝であります。  しかし、市街地においては、県道国分霧島線、北永野田小浜線を初め、朝夕や週末・休日の道路の混雑は大変なものです。特に、都市計画道路新町線の第一工業大学前の交差点から奈良田団地交差点間のJR日豊本線を立体交差するおよそ五百メートルの未整備区間の影響で、県道国分霧島線の第一工業大学前の交差点は、市民プール方面からの車、要するに大隅方面からの車ということになりますが、朝夕は慢性的に渋滞する状況であり、また、向花五差路の交差点は、その構造の複雑さも影響して常に混雑している状況であります。  そういった現状の中、新町線の整備促進の要望が、地元霧島商工会議所だけでなく鹿屋商工会議所からも提出されておりますが、都市計画道路新町線が大隅地域からの空港へのアクセス道路として重要な役割を期待されていることを考えれば、当然のことと思います。  この件につきましては、去る第三回定例会において田之上議員からも一般質問がございました。県当局は、新町線の整備の必要性について十分な認識があること、事業化について検討していく旨の答弁がありました。  地元霧島市にとりまして本道路は、空港とのアクセス性を高め、交通混雑の緩和や産業振興を図る上で極めて重要な道路であり、一刻も早い整備が望まれます。そして、長年にわたる市民の待望の道路であります。  そこで、都市計画道路新町線の未整備区間の事業化について検討していくということでありましたが、現在、事業化に向けてどのように取り組まれているのかお示しください。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 24 ◯知事(伊藤祐一郎君)市町村への権限移譲についてのお尋ねがございました。  市町村への権限移譲につきましては、権限移譲プログラムに基づきましてその積極的な推進に努めてきておりまして、平成二十五年四月からは、三十四市町村との間で新たに十九法令・二百十七事務について協議が調ったところであります。  今回、移譲される主な事務といたしましては、旅券法に基づくパスポートの発給申請・交付等の事務が五つの市町へ、また、福祉のまちづくり条例に基づきます特定公共施設のうち、駐車場施設の新設等に係る届け出処理等の事務が十二市町へ、それぞれ移譲されることとなっております。  人口十万以上の市についてのお尋ねがございましたが、十万市につきましては、思い切った権限移譲を進め、各市におきまして自立性の高い行政運営が可能となることにより、地域の中核となる都市の形成を図ることといたしておりまして、五十六法令・八百一事務を移譲対象として示しているところであります。  来年の四月時点につきましては、霧島市で二十法令・二百二十四事務、薩摩川内市で十七法令・二百二十四事務、鹿屋市で十七法令・二百十二事務が移譲されることとなりますが、引き続き、さらなる移譲に向けた具体的な協議を進めてまいりたいと考えております。  権限移譲に係る人的支援についてでありますが、移譲の前に、市町村職員に対する受け入れ研修、また建築確認事務など専門性の高い事務についての県職員の派遣を行ってきているほか、移譲後も市町村職員の技術習得のための研修会等を実施しているところであります。  今後とも、市町村の意見を十分に踏まえた上で、研修等の充実を図りつつ、住民に身近な事務は可能な限り住民に身近な市町村で実施することが望ましいとの基本的な考え方に基づきまして、積極的な権限移譲を進めてまいりたいと考えております。 25 ◯保健福祉部長(松田典久君)不活化ポリオ及び四種混合ワクチンについてでございます。  不活化ポリオワクチン及び四種混合ワクチンの流通状況は、現在、一時的に不足している状況にありますが、国におきましては、改めて平成二十四年度内に接種対象者全員の接種を完了できる十分な供給がなされる見込みであることを確認しておりまして、現在の状況は今後、改善するものと考えております。  県といたしましては、これまでも市町村に対し、四種混合ワクチンの供給の見込みや不足が生じた場合の対応について周知しますとともに、医薬品卸売販売業団体に対して、ワクチンの在庫の偏在が起こらないよう依頼しておりますが、今後ともさらに、市町村や医療機関等と連携を図りながら、計画的な予防接種が実施されるよう努めてまいりたいと考えております。 26 ◯観光交流局長(福壽 浩君)プロのスポーツキャンプ誘致の取り組みについてでございます。  スポーツキャンプ・合宿の誘致につきましては、観光交流局内に総合窓口機能を置きまして、スポーツや観光関係の団体との連携のもと、プロスポーツや実業団等のキャンプ・合宿誘致に取り組んでいるところでございます。  このような取り組みの結果、ことしの春、県内におきましてキャンプを行ったプロチームは、サッカーではJリーグ、なでしこリーグ、韓国Kリーグ、中国スーパーリーグで十四チーム、プロ野球では国内の二軍と韓国のプロで四チームと、これまでで最高の計十八チームがキャンプを行ったところでございます。来春のキャンプにおきましても、国内外から今春と同数のプロチームが県内でキャンプを行う予定となっておりまして、現在、各チームと最終の日程調整等を行っているところでございます。  今後とも、市町村や関係団体等と一層の連携を図りながら、引き続き国内外の各チームを訪問してセールスを行うなど、スポーツキャンプの誘致活動に取り組んでまいりたいと考えております。 27 ◯教育長(六反省一君)競技力向上につながるトップアスリートの活用についてでございます。  トップアスリートの一流のプレーを地元の選手及び子供たちが直接見ることは、スポーツに対する興味・関心を高め、競技人口の底辺拡大や選手の発掘・育成・強化につながり、将来的には本県の競技力向上にもつながるものと考えております。  次期国体も見据えて今年度から取り組んでおりますジュニア育成地域推進事業やジュニアスポーツ普及事業において、今後、トップアスリートを活用した実技指導や研修会等を実施してまいりたいと考えております。また、そうした取り組みの中で、スポーツキャンプ・合宿の見学やキャンプ・合宿に訪れたトップアスリートの活用も検討してまいります。 28 ◯土木部長(栗原淳一君)都市計画道路新町線の整備についてです。  都市計画道路新町線は、大隅地域から鹿児島空港へのアクセス道路としての機能を担うとともに、霧島市街地の渋滞緩和や地域産業の物流の効率化にも資する重要な路線であると認識しております。  当路線のうち、JRの線路をまたぐ第一工業大学付近の五百メートルのバイパス区間が未着手となっており、当区間の整備により一体的な効果の発現が期待できるものと考えております。  県では、現在、地元霧島市と連携し、事業化に向けた協力体制の確保に取り組んでいるところであり、引き続き地元の理解と協力をいただきながら進めてまいります。    [中重真一君登壇] 29 ◯中重真一君 権限移譲につきまして、三問とも知事から答弁いただきました。非常に積極的な答弁であったと思います。
     人口十万人以上の中核市における権限移譲をより強力に進めていただきたいと思っております。人的支援につきましても、特に研修等において市町村職員の能力向上を図っていくということでありました。よりスムーズな移譲を進めるためには、これまで以上の人事交流が不可欠であると考えます。人事交流をより進め、最終的には県職員の市町村職員への身分移譲まで進むことが地域主権の将来の姿であると思っています。これからも私の取り組むテーマとして伺ってまいります。着実に市町村への権限移譲が進むことを望んでおります。  不活化ポリオ及び四種混合ワクチンについて、現在不足しているのは間違いないが、今年度中には不足も解消される見通しであるとのことでありました。それを聞いて少しは安心しましたが、ただ、現在不足していることにより、五十六日以内に次の接種ができない事態だけは避けていただきたいと思います。  先日、私は、長女の定期接種に付き添いました。不活化ポリオと三種混合、ヒブに肺炎球菌の四つ同時の接種でありましたが、ワクチンが安定的に供給されているときはそういった同時接種も可能ですが、ワクチンが不足しますと難しくなります。答弁の中にもありましたように、県と市町村、医療機関がしっかりと情報を共有し、この過渡期の定期接種が早く安定したものになることを期待しております。  スポーツキャンプ・合宿について、県におかれましても誘致のさまざまな取り組みをされていることを理解いたしました。その上で、市町村単独ではできない、団体上部組織や複数のチーム、そういったところへの働きかけ、そして県全体的な誘致のプロデュース、取り組み、そういったものを県にぜひ今後とも引き続きお願いしたいと思います。  ことしの冬のキャンプでは、今年度Jリーグを制したサンフレッチェ広島も霧島市でキャンプを行います。今年度も昨年同様たくさんのチームがこの鹿児島に来てくださるということでございます。多くの県民の方にその姿を見ていただき、先ほど教育長のほうから、競技力向上に積極的にトップアスリートを活用していくという前向きな答弁をいただきましたが、ぜひ本県の競技力向上につながっていくことを期待しております。  都市計画道路新町線につきまして、地元との連携を深め、協議を行っているということでございました。  私が初めて市議になったのは平成十四年でございますが、そのずっと以前よりの住民が待ち望んでいる道路でございます。この道路が整備されれば、霧島市内の道路渋滞が解消されるということにとどまらず、大隅地域等からの空港までの定時性が大幅に確保されます。早期の整備を強く要望いたします。  次の質問に入ります。  脱法ドラッグによる事件・事故が後を絶ちません。  十一月二十二日午前十時二十分ごろ、東京都練馬区高松町の区立小学校に、上半身裸の男が校門を乗り越えて侵入。近くにいた四年生の児童約四十人を追いかけ回し、女子児童一人に覆いかぶさるなどしました。女児は膝をすりむくなど軽傷を負いました。容疑者は脱法ハーブを吸ったと供述しています。  十一月二十五日には大阪府で、脱法ハーブを吸いスーパーの駐車場で運転中に車にぶつかり傷をつけたとして、器物損壊容疑で会社員の男が逮捕されました。広島県警においては、二十代の男性巡査が脱法ハーブを吸引したと見られるといった報道もありました。  脱法ハーブをめぐっては、全国で吸引者の意識障害に伴う救急搬送が続発。吸引後に車を運転し、幻覚などの影響で通行人を死なせたり、負傷させたりしたとされる事故も相次いでおります。  さきの六月議会において、脱法ハーブの現状として、本県での脱法ハーブ使用に伴う事件・事故の発生状況等を伺いましたところ、脱法ドラッグ使用による事件・事故の発生は把握していないが、インターネットや他県店舗でお香、ハーブなどと称して販売されたものを購入した者がそれを吸引して嘔吐するなど体調不調を訴え、一一〇番通報された事案は数件把握しているとの答弁でありました。また、県内において脱法ドラッグの販売店は確認されていないということでありました。  私は先日、霧島市内のアダルトショップや無人の販売所を地元の補導員の方、本日傍聴席に来ていただいておりますが、一緒に見て回りました。お香やハーブといった類いのもの自体、販売されていない状況に胸をなでおろすとともに、県当局や県警の指導の効果であると評価するものであります。脱法ハーブについては、現行法上では取り締りが厳しい状況である中で、本県においてはしっかりと対処がなされていると感じました。  厚生労働省もようやく、麻薬に似た幻覚症状や興奮作用がある脱法ドラッグについて、薬事法の指定薬物と成分構造が類似していれば一括して規制対象とする包括指定の導入を決めたとの報道がありました。早ければ省令を一月中旬に公布し、二月に施行するとされています。包括指定の対象物質は大麻と同様の作用があり、ハーブ系ドラッグに広く使われる合成カンナビノイド類の七百七十五種、うち一種類は既に麻薬に指定されており、実質的には七百七十四種を指定するとのことです。  二〇〇七年四月に施行された改正薬事法では、治療や研究目的以外で指定した薬物の製造や販売、輸入を罰則つきで禁じました。しかし、指定薬物の成分構造を一部変えて合法とうたう脱法ハーブなどの流通が後を絶たず、薬物の指定は成分構造や健康被害の調査などで時間がかかることもあり、摘発が追いついていない現状でした。包括指定が導入されれば、自治体や警察が速やかに違反品を摘発できるようになり、薬物乱用の歯どめになるものと期待しております。  薬物問題を考えるとき、安易に使用され、より依存性の高い薬物に手を染めるきっかけとなる、ゲートウエードラッグとしての危険性を持つ脱法ドラッグをしっかり取り締まることは、今後も重要であると考えます。  そこで、まず、六月議会以降、本県で脱法ハーブや脱法ドラッグの使用に伴う事件や事故の発生はないか。また、警察としては、その危険性をどのように認識され、対策をとっているのかお聞かせください。  包括指定が導入されることにより、県の役割もこれまで以上に重要になってくると思われます。包括指定に伴う県の対応や取り組みについて伺います。  次に、振り込め詐欺や振り込め詐欺以外の特殊詐欺についてお聞きいたします。  振り込め詐欺等の被害の発生については、今もなお全国的な社会問題であり、老若男女を問わずいろんな手口による被害が発生しているようであります。  警察庁のホームページを見ますと、振り込め詐欺と振り込め詐欺以外の特殊詐欺の本年の被害総額は十月末で二百八十億円を超え、過去最悪だった平成十六年の数字を突破しております。最近の報道によりますと、東京都内に拠点を置く詐欺グループの主導役と見られる男が逮捕され、詐欺グループの口座には約三十億円の入金があったとありました。  また、本県におきましても、ロト6の当選番号が事前にわかると持ちかけられ、当選番号がわかるには供託金が必要であるとして、計十五回にわたり四千万円の現金を振り込むという被害が発生したとの報道もありました。  これらの報道を見ますと、振り込め詐欺と言えばオレオレ詐欺と思いがちですが、最近では未公開株や社債の売買勧誘など、新手の詐欺が次から次にあらわれております。被害額がふえているのも、社債などの投資を装った劇場型の詐欺がふえているのが大きな要因であると考えられます。  少しでも早い段階で相談していれば被害に遭わなかったのではないか、または被害額が少なくて済んだのではないかと、どうしても考えてしまいます。そのためには、全国で起きている振り込め詐欺や振り込め詐欺以外の特殊詐欺について、その手口をいち早く、そして広く県民に知らしめることも大切ではないでしょうか。  そこで、まず、本県における振り込め詐欺等の被害の現状及びその手口の特徴などについてお示しください。  振り込め詐欺や振り込め詐欺以外の特殊詐欺の被害防止に向けて、どういった取り組みを行っていくか、あわせてお聞かせください。  自転車は、子供から高齢者まで通勤や通学、買い物等で利用される大変便利な乗り物です。また最近は、健康志向、ゼロエミッション、経費節減などの観点から、自転車の利活用は確実にふえております。しかし、便利な自転車も正しく乗らなければ危険であったり、時には大きな事故を起こしたりすることにもなります。自転車は道路交通法上、軽車両に該当し、原則として道路の左側を走行することとなっており、違反行為には自動車と同様に罰則があります。また、事故を起こした場合には被害者への賠償責任も発生します。  先月、奈良県では、自転車でバイクと接触事故を起こし現場を立ち去った六十代の男性が運転免許証の停止処分を受けたとの報道がありました。また、今月に入っても、千葉県野田市の市道で近くに住む七十代の男性に自転車が衝突、男性は転倒して道路に頭部を強打し、意識不明の重体との報道もありました。野田署は重過失傷害の疑いがあると見て、自転車に乗っていた三十代の男性から話を聞いているとのことです。  自転車による交通事故の割合がふえていることを受け、東京都荒川区など、自転車運転免許制度を導入している自治体や高校も出てまいりました。  本県においても、携帯電話、ヘッドフォンを使用しての自転車運転行為は危険であり、交通事故に直結するおそれが高いことから、県道路交通法施行細則の改正を行い、罰則の対象とするなどの対策をとられています。しかし、スマートフォンを片手に自転車を運転している姿やヘッドフォンを着用しての運転などを、まだまだ目にすることは多いのではないでしょうか。私自身、先日、スマートフォンを扱いながら飛び出してきた自転車とあわや衝突しそうになる経験もいたしました。まだ罰則の対象になっているということを知らない方も多いのではないかと思います。  昨年十二月、自転車の取り締まりについて質問した際、街頭活動における指導取り締まりを一層強力に推進し、悪質・危険な違反につきましては積極的に検挙してまいりたいという本部長の答弁がありました。  そこで伺います。  自転車が関係する交通事故の発生状況の推移と自転車側の主な事故の要因についてお聞かせください。  自転車の交通違反の指導警告と検挙状況について、あわせてお示しください。  自転車利用者に対する法令遵守について、どういった取り組みを行っているかお示しください。  前回も申し上げましたが、高校生の自転車の交通マナーが向上しているとは言いがたい状況が続いております。法改正後、県教委において、学校現場における指導はどのように行われたのか。また、今後どのような取り組みを行っていくのかお聞かせください。 30 ◯警察本部長(杉山芳朗君)まず、脱法ドラッグについてでございます。  近年、規制薬物に類似した化学構造や薬理作用を有するいわゆる脱法ドラッグが大きな社会問題となっており、このたび厚生労働省において、指定薬物としての包括指定制度を導入する運びとなったということは承知しております。  六月議会以降、脱法ドラッグの使用により、体調不良を訴えて病院へ緊急、いわゆる救急搬送された事案として把握したものはございますが、事件・事故の発生については把握しておりません。  県警察といたしましては、脱法ドラッグが麻薬や覚醒剤と同様に、幻覚や興奮などの薬理作用があり、また意識障害やけいれんなど健康被害の危険性があることから、今後とも、県の薬物主管部局と連携しながら、販売業者の発見活動や薬物乱用防止教室などを活用した広報・啓発に努めるとともに、麻薬や指定薬物に該当する物品を販売している店舗等を把握した際には、取り締まりを徹底してまいりたいと考えております。  次に、振り込め詐欺等についてであります。  本年十月末現在のいわゆる振り込め詐欺の認知件数は九件、被害金総額は約一千百万円であり、前年同期比で認知件数がマイナス五件、被害金額がマイナス約千三百万円となっております。ただ、三月には、出水市や阿久根市におきまして、妊娠示談金名目のオレオレ詐欺が連続発生するなど、依然予断を許さない状況にあります。  また、ロト6の詐欺事件等、対面を伴わない点で振り込め詐欺と共通性を有するその他の特殊詐欺でございますが、これは十月末現在の認知件数が十六件、被害総額が約一億円で、前年同期比で認知件数が三件の増加、被害総額が約七千三百万円の減少となっております。これらの詐欺は、振り込め詐欺と比べますと被害金額が大きく、極めて憂慮すべき状況にあります。  なお、この十六件の内訳ですが、競馬の勝ち馬情報提供名目によるものが一件、それ以外の残り十五件は、いずれも未公開株や社債等の金融商品等の取引名目によるものとなっております。  県警察といたしましては、事件捜査とあわせまして、新たな犯行手段等に関するタイムリーな情報発信、オレオレ詐欺対策となります家族同士の合い言葉活用の呼びかけ、犯行グループから押収したターゲット名簿登載者を対象とした面接による注意喚起、多額振り込み者に対する金融機関職員による注意喚起声かけの依頼等の対策を進め、被害の未然防止に努めているところであります。  最後に、自転車関係でございます。  本年十月末現在の自転車が関係する交通事故は、昨年より百三十四件少ない六百八十三件発生しておりまして、全交通事故の約九%を占めております。特徴といたしまして、自動車やバイクとの事故が約八割を占め、自転車側の主な原因は、安全不確認や動静不注視といったものになっております。  また、十月末現在で制動装置不良自転車を一件検挙しているほか、無灯火や二人乗り等で二千七百八十件の指導警告を行っております。  県警察といたしましては、朝夕の街頭指導やマナー向上キャンペーンの実施、自転車安全利用モデル校の指定などに取り組んでいるところであります。  今後とも、関係機関・団体と連携して交通マナーの向上に努めるとともに、悪質・危険な違反につきましては検挙・指導を行ってまいりたいと考えております。 31 ◯保健福祉部長(松田典久君)包括指定に伴う県の対応や取り組みについてでございます。  薬事法による指定薬物とは、人の身体に使用された場合に幻覚や多幸感、興奮等を引き起こすおそれがあると厚生労働大臣が指定した薬物で、疾病の診断、治療等の用途以外の販売授与などを禁止しております。  指定薬物は、現行法におきましては個々の物質ごとに指定されておりますが、脱法ドラッグは、指定後に成分構造の一部をわずかに変えることで規制の対象外となっております。  今回の包括指定は、成分構造が似た複数の類似物質を一括して大幅に規制することができ、脱法ドラッグの取り締まり強化と摘発の迅速化が期待されております。今回の変更を踏まえ、県としましては、今後とも、薬事監視やインターネット監視をさらに強化し、不正流通の把握や啓発活動を積極的に行ってまいりたいと考えております。 32 ◯教育長(六反省一君)高校生の自転車交通マナーについてでございます。  平成二十一年の法改正後、県教委では、県内全ての高等学校に対し、自転車運転中の携帯電話やイヤホン等の使用禁止などの指導を徹底するよう機会あるごとに促してきたところでございます。  また、法改正後に中・高校生交通マナーアップ事業により、マナーアップ指導員を通学路に配置し、直接生徒に指導を行うなど、登下校時の交通マナーの向上に取り組んでいるところでございます。  県教委といたしましては、交通安全協会等と連携した自転車の実技指導が全ての高等学校で実施されるよう指導してまいりますとともに、小・中学校の指導者を対象に今年度から始めました自転車実技講習会に来年度からは高等学校の指導者も参加させるなど、関係機関・団体と連携して、高校生の自転車事故の防止、交通マナーの向上に取り組んでまいりたいと考えております。    [中重真一君登壇] 33 ◯中重真一君 脱法ドラッグについて御答弁いただきました。  六月議会以降、事件・事故の発生はないということでありましたが、やはり救急搬送されるといった事例はあったということでございます。恐らくインターネットでの購買もしくは他県で購入した、そういった事例だと思いますが、そういったものも含めて、今後、脱法ドラッグが本県に出回らないようにしていく努力が必要であると考えております。  包括指定が導入されれば、自治体や警察が速やかに違反品を摘発できるようになります。一方、成分構造を分析して規制対象とすることから、県の役割も非常に大きくなってまいります。具体的な法律の内容が示されていませんのではっきりとしたことはわかりませんが、現在、本県が持っている機器や人員の配置で対応できるのか、そういったことも不安であります。  都道府県に過度の負担がかからないような制度設計になるよう国には考慮していただき、その上で一刻も早く脱法ドラッグが撲滅されますことを心から願っております。  振り込め詐欺と振り込め詐欺以外の特殊詐欺において、まだまだたくさんの被害が出ている本県の現状であるということを理解いたしました。振り込め詐欺以外の特殊詐欺において、未公開株または競馬の配当金、少し考えればそういったことはあり得ないといったものでの被害でございます。手口も複雑化しておりますが、しっかりとした啓発活動を行い、各人それぞれが自分は常に狙われている、もうけ話を教えてくれる他人はいない、甘い話は必ず疑うといった意識を持つことで被害はなくすことができると思います。  全国的に見て被害状況は過去最悪となっております。今後もしっかりと被害防止に向けた取り組みを進めていただきたいと思います。  自転車の交通マナーにつきまして、検挙一件、警告二千七百八十件。引き続き、必要な指導取り締まりを行っていただいていると理解いたします。  自転車の交通マナーの向上については、効果がすぐにあらわれるような速効性のある取り組み、そういったものはなかなかないと思います。地道な取り組みの積み上げによって少しずつその効果はあらわれてくると考えます。  先ほど申しました自転車運転免許制度、自治体だけでなく高校で取り組んでいるところも幾つかございます。県警におきましては、街頭での取り締まりもされておりますが、他の地域で行っているようなマスコミとリンクした大々的な街頭取り締まり活動を行っていただければ、少しでも県民の啓発活動につながってくるのではないかと思います。いろいろな施策を考え、他の地域の施策にもしっかりとアンテナを張りつつ、継続的な取り組みをしていただくことを要望いたします。  あと一分残りました。  さて、今月一日には湧水町二渡地区におきまして、星のさんぽ道イルミネーションの点灯式がございました。一・七キロメートルのイルミネーション、メルヘンの世界でございます。ニュースも悲しいニュースが多い世の中ではございますが、たまには皆さん、湧水町二渡地区にメルヘンの世界を見に行かれてはいかがでしょうか。補助金なしのまちづくり事業、現在は地元の野菜やそばを販売しております。ぜひその売り上げ貢献にも寄与していただければと思います。  以上もちまして、私の質問を終わります。(拍手) 34 ◯議長(金子万寿夫君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午後 零時  三分休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 35 ◯議長(金子万寿夫君)再開いたします。  下鶴隆央君に発言を許可いたします。    [下鶴隆央君登壇](拍手) 36 ◯下鶴隆央君 鹿児島市・鹿児島郡区選出、無所属の下鶴隆央です。  現在、国政におきましては、次に政権を担う政党を選択する総選挙が行われております。選挙中ということで、国政の意思決定は一旦とまらざるを得ないわけでございます。このようなときだからこそ、私は、県民の皆様の生活を少しでも前に進めるべく、改めて県政を前に進める質問ができるよう肝に銘じ、質問に入ってまいります。  今回の選挙の争点はさまざまあるかと思いますが、近年の選挙において常に争点になるのが、医療・介護を含め、いかにして持続可能な社会保障制度を構築・維持していくかであります。すなわち、選挙の際に給付の充実を約束すること自体は簡単でありますが、しっかりと財源の裏づけのある持続可能な制度の構築こそが、責任ある政治の姿として求められると私は考えます。  医療の面においては、今後加速する少子高齢化社会の到来に向け、医療の質の確保と財源を含む持続可能な制度の両立に向け、病気、疾病の早期発見・早期治療並びに予防こそが非常に重要であります。  そこで、本日の私の質問におきましては、前半では、持続可能な責任ある仕組みをつくるという観点から、疾病予防の充実について質問してまいります。  また、県財政が依然予断を許さない状況にあること、そして無駄を削減し財源を捻出すべきということから、外郭団体の埋蔵金を県に返還・寄附すべきことを主張してまいります。  また、中長期的に持続可能な仕組みを構築するためには、財源の確保が必要不可欠であります。そこで、質問の後半では、私が重点的に取り組んでおります、鹿児島に稼げる仕事をつくるという観点から、本県の誇る伝統的工芸品をいかに県外の方へ売り込んでいくか提案を行い、また、今後、成長産業である再生可能エネルギー分野における産業育成・観光振興について提案を行ってまいります。  それでは質問に入ります。  まず、疾病予防について質問してまいります。  今後、少子高齢化社会が加速する中で、医療費も急増の一途をたどっております。  平成二十二年度の国民医療費は約三十七兆円、一人当たり二十九万二千円という額に上っており、GDP─国内総生産─における比率も八%に迫る勢いとなっております。ここ十年で二割以上の増加であり、医療費の問題は大きな課題と言えます。  本県においては、より重要な問題であり、人口一人当たりの国民医療費は、全国で高知、長崎に次いで本県は三番目に高い水準にあります。また、平均入院日数も高知に次いで全国二位と長く、全国平均の四割も長い水準にあります。今後、持続可能な仕組みを構築し、また医療の質を確保していくに当たっては、疾病予防、すなわち早期発見・早期治療が必要になってくると考えます。  さて、疾病予防、早期発見・早期治療においては、一次予防、二次予防、三次予防という考えがあるそうでございます。すなわち一次予防というのは、生活習慣等の改善を行い、ふだんから気をつけることで、そもそも病気にかからないようにすること。そして二次予防においては、一旦病気にかかったものの、それを早く発見して早く治療し、重症化を防ぐということ。そして三次予防においては、一旦病気にかかって治癒した方が再発しないようにすることというのがあるそうでございます。  やはり、本来は生活習慣の改善等、そもそも病気にかからない一次予防が非常に重要ではございますが、なかなか生活習慣の改善というのは一朝一夕にはいかないものでございます。また、生活習慣を改善しようというきっかけは、本来であれば病気にかかる前に気づくのが理想ではありますが、通常は少し病気にかかってから気づくということも多いのではないでしょうか。  そこで、本日は、各種ある予防のうち二次予防の観点を中心に伺ってまいりたいと思います。  まず一点目、本県において、他県と比較して死亡率が高い疾患について伺ってまいります。  死因別の年齢調整後の死亡率の統計によりますと、各種ある死因のうち、本県が他県に比べて高いのは脳血管疾患、こちらは男性で全国六位、女性で八位、腎不全、男性で八位、女性で六位、そして糖尿病、男性で十八位、女性で十三位といった病気の死因が多くなっております。  そこでまず、これら本県において死亡率の高い疾患について、県としてどのような予防の取り組みを行っているのかお答えください。  二点目は、歯科の定期検診について伺います。  こちらの質問については、平成七年の第四回定例会で前原議員が、そして平成十年の委員会にて松里議員が定期検診への組み込み等を提言されておられます。私もそれに倣いまして、歯科検診の定期検診への組み込みを主張するものあります。
     現在、歯周病検診は、四十歳以降十年刻みで行っていると聞いておりますが、歯周病並びに虫歯を早期発見し、早期治療するためには、これでは不十分ではないのかと考えます。  そこで、歯科の定期検診も、例えば希望する市町村には何らかの助成を出すなりして、もっと多い頻度で行っていくべきと考えますが、県の考えをお示しください。  続いて三点目、認知症の早期発見・早期治療の充実に向け、質問・提案を行ってまいります。  先般の自民党園田議員の代表質問並びにそれに対する答弁でもありましたとおり、我が国並びに本県における認知症患者数は急増の一途をたどっております。  この認知症という病気は、現在の医療水準では完治することは困難でありますが、ただ、進行をとめ、また和らげることはできます。したがいまして、何より早期発見・早期治療が非常に重要と言えます。  そのためには、まず早期発見、すなわち認知症はどういう症状が出るのか、この症状を理解し、そしてどこの医療機関に相談すればいいのかということを知っている人をふやすこと、いわば、気づきの目をふやすことが重要であると考えます。  そこで質問いたします。  認知症の症状を理解し、また、どこに相談すればよいかわかっている人材をふやすための現在の取り組みをお示しください。  また、本県においては、単身世帯の高齢者も多く、通常は、ふだん接する家族の方への普及啓発ということになるのでしょうけれども、この場合、家族への普及啓発だけでは不十分であります。そのために、単身世帯の高齢者と接する機会の多い、例えば宅配業者、配送業者等への協力依頼、そして知識の普及啓発を行うべきと考えますが、県の考え方をお示しください。  さて、早期発見の場としてもう一つ期待できるのが、ふだんのかかりつけ医です。なぜなら、高齢者の方々は何らかの形でそれぞれのかかりつけ医にかかっていることが多いからです。  ところで、現状、健診や介護予防の場における認知症の発見方法として、ほかの疾病のチェックリストを含めた中で、認知症に関しては三項目程度のテストが行われていると聞いております。しかし、私はこれだけでは発見に不十分で、漏らしてしまうのではないかと考えます。なぜなら、三項目程度では、例えばもう面倒だから全部丸かバツかでつけてしまえというふうにならないとも限らないと考えます。  そこで、質問並びに提案いたします。  かかりつけ医の方々に対し、簡易に、かつしっかりと認知症の発見できる仕組みの整備が必要だと考えますが、県の姿勢並びに取り組みを示してください。  四点目として、特定健診、がん検診の受診率向上のため、例えば献血のように、イベント会場等で受けやすくする仕組み並びに県有文化施設、自主事業の空席を生かした受診するインセンティブ付与策について提案してまいります。  現在、特定健診の受診率は、本県は三二・七%と、全国平均の三二・〇%をわずかに上回ってはおりますが、厚労省が掲げている目標六五%にはほど遠い状況にございます。県、そして市町村も必死に普及啓発、そして告知の努力をされていることと思いますが、私は、その普及啓発、告知によって、それでは受けてみようと受けてくれる、いわば意識の高い層の掘り起こしは相応にできており、今後は、従来の手法で掘り起こせない層への、従来の枠組みを超えた新たな受診率向上への取り組みが必要だと考えます。  それでは、現在受診しない方々の理曲、どういう理由で受けないかということを厚労省がとったアンケートをひもといてみますと、一番挙げられているのが、「忙しくて受ける時間がない」というのが一二%でしたり、ほか「日程が合わない」、「そもそも健診をやっているのを知らなかった」、「場所が不便だ」、「受診の仕方がわからない」、「関心がない」、そして「健康だから」、いわば面倒だということなんでしょうけれども、このあたりを含めますと、大体三分の一の方々がこのような理由になっております。  したがいまして、これからは、とにかく健診を受けやすくすること、そして、そもそも健診というのは病気を早期発見して、自分の健康のために受けるものですが、それ以外のインセンティブの付与ということができないかと考えております。  そこでまず、受けやすくする仕組みという観点から提案いたします。  献血のように、イベント会場等に例えば検診車が乗り入れたり、健診ブースを設置したりと、そういった市町村の取り組みを推進していくべきと考えますが、県としての姿勢、取り組みを示してください。  また、私は、大きな支出を伴わずに受診率を向上させるインセンティブとなる仕組みとして、県有文化施設並びに宝山ホール、みやまコンセール等の自主事業への優待・招待の活用を提案いたします。この提案を行う理由・利点は二つあります。  一つは、大きな追加支出を必要としないことです。例えば、常設展、企画展ともに、プレゼントしますと、本来購入したであろう方が購入しないことによる減収は確かにあるでしょうけれども、全体から見たら微々たるものだと思います。  そして、県文化センター、みやまコンセール等の自主事業に関しましては、現在、平均で五割から六割ぐらいのお客さんの入り、充足率だと聞いております。逆に言えば、四割程度の空席が発生しているわけであります。これらの自主事業に関しましては、例えば、本年度予算でいえば、県文化センターが五千三百万円かかるところに対して収益は三千五百万円、つまり千八百万円の赤字分、みやまコンセールでしたら六千二百万円の費用に対して収益予想が二千五百万円、三千七百万円の赤字分等々を、既に指定管理者への委託ということで県から投入しているわけであります。すなわち、ただ単に投入するだけでなく、例えば公演を行う二週間前に、あいている分の一定枚数をインセンティブ付与に活用するといった取り組みを行えないものかと考えております。  そして、理由の二点目は、自分のためでなく、お子さん、お孫さんのために受けてみようという気になるかもしれないというところです。例えば受診することによってこれらの優待・招待を受けられるとなれば、自分は見にいかなくても例えば孫にあげたい、そうしたら孫が喜んでくれるという、そういう喜ぶ顔を見たいとか、そういう理由で受けてくれる可能性が上がるのではないかと考えております。  以上のように考えますが、この提案に対する県の考えをお示しください。  以上、一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 37 ◯知事(伊藤祐一郎君)疾病予防の充実についてのお尋ねであります。  県におきましては、脳血管疾患、糖尿病、腎不全などの生活習慣等に起因する疾病を予防いたしますため、市町村、医師会、栄養士会や産業界などと連携しながら、健康増進計画に基づき、県民の主体的な健康づくりの支援に努めているところであります。  特に、偏った食生活や運動不足など生活習慣の改善を図りますため、かごしま健康イエローカードキャンペーンを展開しておりまして、具体的には、健康づくりボランティアの訪問等による食生活の改善、ウォーキング大会の開催等による運動習慣の定着、健康教室の開催による栄養指導・運動指導などに取り組んでいるところであります。  また、生活習慣病は早期発見が重要でありますことから、特定健康診査・特定保健指導など、各種検診の受診率の向上やかかりつけ医受診によります定期的な健康管理の推進に努めているところでありまして、今後ともその充実に努めてまいりたいと考えております。 38 ◯保健福祉部長(松田典久君)歯科定期検診についてでございます。  歯周疾患は、そしゃく、栄養摂取はもとより、食事や会話を楽しむといった生活の質の向上や、糖尿病など全身の健康状態とも深く関係しますことから、早期発見・早期治療が重要であると考えております。  県内の市町村においては、健康増進法に基づき十年ごとの節目検診として、歯周疾患検診を行っておりますが、一部の市町村では、検診対象年齢を引き下げたり、毎年度受診可能とするなど独自に受診機会の拡大を図っているところであります。歯周疾患は、この公的検診とあわせて、かかりつけ歯科医による早期治療と専門的な予防ケアを継続することが重要であると考えております。  県としましては、今後とも、市町村や歯科医師会等の関係団体と連携しながら、口腔機能の重要性や歯周疾患の予防に関する正しい知識の普及啓発を図り、定期的な歯周疾患検診の定着に努めてまいりたいと考えております。  認知症の早期発見の取り組み状況についてでございます。  認知症の早期発見につきましては、認知症に対する正しい知識の普及啓発が重要でありますことから、家族や住民に対し、パンフレット等を活用した普及啓発や相談窓口の設置、及び認知症サポーターの養成により、地域において早期に認知症に気づく環境づくりに努めております。  また、認知症の発見の機会が多い医療・介護従事者に対し、認知症の理解を深める研修を実施しますとともに、かかりつけ医に対しては、認知症への対応力向上のための研修を行うなど、認知症の早期発見に取り組んでおります。  また、高齢単身世帯や高齢夫婦世帯が多い本県におきましては、新聞配達員や郵便配達員を初め、宅配業者などの高齢者宅を訪問する事業者の活用は、高齢者の日常的な見守りに有用であると考えております。  また、高齢者と接する機会の多いかかりつけ医が、的確かつ簡便に認知症の把握ができるよう、県においては、認知症の専門分野において評価されているチェック表をかかりつけ医研修に取り入れ、認知症の診断への活用を図っているところであります。今後とも、認知症に対する理解の普及促進を図るなど、早期発見・早期対応に努めてまいりたいと考えております。  特定健診、がん検診の受診率向上についてでございます。  特定健診やがん検診につきましては、これまでも受診率の向上を図りますため、実施主体である市町村におきまして、保健センター等での集団健診と個々の医療機関での個別健診を組み合わせた受診機会の多様化や保健推進員等による受診勧奨訪問、特定健診とがん検診の同時実施など、各種の工夫を凝らして実施されているところであります。  特定健診につきましては、イベント会場等での集団健診につきましても補助の対象となりますことから、県といたしましては、今後とも、市町村に対し、両健診の受診率向上が図れるような工夫ある取り組みを進められるよう助言・指導してまいりたいと考えております。  また、健診率の向上につきましては、各市町村において、地域の実情等を勘案して鋭意取り組まれておりますが、その中で、より積極的にインセンティブをつけますために、商工会等と連携いたしましたクーポン券の配布、また、ポイント付与による健康グッズ等のプレゼントなどに取り組んでいる市町村もありまして、県立文化施設の自主事業等の活用もその一つと考えられます。  県といたしましては、今年度から、市町村と連携いたしまして、高齢者元気度アップ・ポイント事業に取り組み、各種健診の受診率向上にもつながる仕組みをつくっておりまして、実施する市町村においてそのインセンティブのつけ方を工夫されるよう支援してまいりたいと考えております。 39 ◯下鶴隆央君 自席から再度質問いたします。  県有文化施設を生かした受診のインセンティブ付与について、自主事業の活用、優待・招待等の活用について現状どのようにお考えになるのか、もう少し明確にお答えください。 40 ◯保健福祉部長(松田典久君)先ほど、県立文化施設の自主文化事業への招待券の付与をインセンティブとして活用する件につきまして御提案ございましたけれども、受診率向上のための取り組みにつきましては、健診の実施主体であります、市町村におきましてまず検討されるものと考えておりまして、県といたしましては、市町村に対しまして、先進事例等を紹介するなど情報提供に努めてまいりたいと考えております。    [下鶴隆央君登壇] 41 ◯下鶴隆央君 続きまして、県の外郭団体について、内部留保、すなわち埋蔵金を県に返還・寄附すること、並びに公益法人への移行に当たり、当該団体の必要性を改めてしっかりとチェックすべきことを提案してまいります。  本県の県債残高を鑑みれば、本県財政はまだまだ予断を許さない状況にあります。このような状況下においては、各種事業の必要性を毎年しっかりとチェックすることはもちろん、活用できる財源は全て活用する必要があります。  かつて小泉内閣で財務大臣を務めた塩川正十郎氏は「母屋でおかゆをすすって辛抱しているのに、離れで子供がすき焼きを食べている」という表現で、国の特別会計に改革が必要なことを指摘しました。すなわち、一般会計を見るだけでは財政の全容は把握できず、特別会計などもつぶさにチェックすべきということであります。  この例は、一般会計に対する特別会計の例ですが、同様に、外郭団体の中身もしっかりとチェックする必要があります。そして私は、県外郭団体が抱え込んでいる内部留保─埋蔵金─を県に今、公益法人移行前に返還・寄附すべきと主張いたします。  現在、公益法人改革に伴う移行期限を平成二十五年十一月末に控え、県の外郭団体も公益に移行済み、または移行手続中だと思いますが、一旦移行してしまうと、埋蔵金を県に返還・寄附することは事実上困難になってしまいます。したがって、まさに今、議論が必要であります。  財団法人鹿児島県地域振興公社は、平成二十四年三月末日時点で、資産約九十億円から負債約二十五億円を除いた正味財産が約六十五億円あり、うち十四億八千八百万円をほかの外郭団体へ貸し付けているなど、潤沢な埋蔵金を保有しております。  それを踏まえて伺います。  県地域振興公社の公益法人への移行スケジュール並び現状、そして埋蔵金の県への返還・寄附の検討状況、検討結果を示してください。  次に、外郭団体の公益法人への移行に当たり、単純にそのまま移行するのではなく、この機会に、本当にその外郭団体は必要かどうか、必要性を検討すべきであると万之瀬川水源基金を例に質問いたします。  そもそも外郭団体並び外郭団体経由で事業を行うことは、支出の詳細が見えにくくなる、本来、毎年度事業の必要性を判断すべきところ、その目的を持った外郭団体があるからですとか、ずっとそこ経由で事業をやっているからといったことで、そのまま行われてしまうという弊害もあります。  この万之瀬川水源基金ですが、通常、基金というと、特定の目的のために積み上げた基金の運用益で事業を行うところ、この基金は、運用益は年三万二千円で、その五百倍に当たる一千五百万円を鹿児島県と鹿児島市で補助金として投入し、事業を行っているものです。基金という名称からは非常に理解しがたい形態となっております。  そこで、三点質問いたします。  一点目は、この万之瀬川水源基金の存続理由、並びに公益法人に移行するに当たって必要性の検討はされなかったのか、示してください。  二点目、万之瀬川水源基金が行っている万之瀬川流域における水源涵養事業がありますが、県内にはさまざまな水系、流域があるのに対し、ここにたしか昭和五十七年ごろから継続して予算がついているその理由を示してください。  三点目、当該事業が必要だというのであれば、なぜ県が直接やらずに外郭団体経由で行うのか、その理由を示してください。  以上、二回目の質問といたします。 42 ◯農政部長(中西 茂君)財団法人鹿児島県地域振興公社にかかわる御質問でございます。  県の地域振興公社の新たな公益法人への移行につきましては、これまで公社におきまして、平成二十五年四月に公益財団法人へ移行する方向で、公益目的事業比率や収支相償、遊休財産額の保有の制限など、公益認定の基準に沿って検討されてきており、本年十月に開催されました理事会において、組織体制や事業の見直し、保有財産のあり方等が決定されたところでございます。  今後、公社では、本年十二月中に県知事に移行認定の申請を行い、来年三月までに県公益認定等審議会の諮問・答申を経て、県知事の認定通知を受け、来年四月一日に移行登記を行う予定といたしております。  新法人への移行に当たりましては、公社の各事業の継続・廃止を検討の上、事業廃止に伴って不要となる用地取得等事業推進準備金十二億円及び県土地開発公社への貸付金十四億八千八百万円を合わせました二十六億八千八百万円につきましては、県民のために広く活用してもらうという観点から県に寄附することが決定されたところでございます。  県としましては、今後とも、県地域振興公社の新法人への移行が円滑に進むよう助言・指導してしてまいりたいと考えております。 43 ◯環境林務部長(新川龍郎君)万之瀬川水源基金についてでございます。  万之瀬川から鹿児島市域への導水関連事業の円滑な推進を図るため、昭和五十六年に、当時の加世田市など水源地域で構成する万之瀬川流域水利用対策協議会と県及び鹿児島市の三者により、万之瀬川取水に関する協定が締結されております。県と鹿児島市は、この協定に基づきまして昭和五十七年に、万之瀬川流域の水源涵養林の整備等を行う市町に対して経費を助成する財団法人万之瀬川水源基金を設立したところでございます。  当該法人の助成金の財源につきましては、毎年度、県と鹿児島市が折半して負担してきておりまして、平成八年度までは貸付金の運用益で、その後は貸付金の金利低下のため補助金との併用で、また平成十四年度以降は、ペイオフの本格実施もあって、補助金で対応してきているところでございます。  なお、万之瀬川水源基金につきましては、公益法人制度改革に当たって、県公益認定等審議会において、当該法人の必要性も含め、事業の公益性が認められ、ことし四月に公益財団法人に移行したところでございます。 44 ◯下鶴隆央君 自席から再質問いたします。  まず、県地域振興公社の埋蔵金についてですが、県への寄附の内容として、土地公社への貸付金十四億八千八百万円、そして用地取得等事業推進準備金十二億円、合計二十六億八千八百万円という答弁でした。  まず、この用地取得等事業推進準備金の十二億円の内訳を示していただきたいというのが一点。  そして、この地域振興公社の決算書を見ますと、例えば投資有価証券というもので国債を十七億円保有しております。固定負債として、退職の引当金ですとか長期借入金が五億円ほどありますので、それを除いた十一億円余りは、私は県のほうに返還・寄附すべきではないかと考えますが、それに対してのお考え、並びになぜこの土地公社への貸付金並びに用地取得等事業推進準備金のみになったのかということをお聞かせください。 45 ◯農政部長(中西 茂君)まず、用地取得等事業推進準備金の内訳でございますが、土地が九億五千四百万円、現金が二億四千六百万円となっております。  寄附額についてのお尋ねであったと思いますが、寄附につきましては、公社は公益法人制度改革の趣旨及び県の方針等を踏まえまして、可能な限り県へ寄附する方向で、今後実施する事業に必要な正味財産の整理を行いまして、移行後の公社経営が適切かつ継続的に実施するために必要な正味財源を残すということで寄附額が決められ、そして臨時の理事会を開催し、同意が得られたわけでございます。  そういうことで、県としましては、今回の寄附額は妥当なものであると考えておりますし、今後、新法人に移行した後におきましても、当然に経営の効率、健全化、組織の簡素化、こういうことを絶えず検証していただいて、公益法人としての役割が適切に遂行されるよう今後とも助言・指導してまいりたいと考えております。 46 ◯下鶴隆央君 私が今、質問いたしました投資有価証券について、国債で保有している十七億円については、公社の事業継続のために必要だから残すという旨の答弁だと思いますが、確かに財産目録を見ますと、農地保有合理化事業のうち二億円あたりは、地域振興公社の今後継続してやっていく目的に付随するものですから残すのは妥当だと思いますが、この国債十七億円分について、どういう事業に使うのかがよくわからないんですね。  そもそもこの地域振興公社は、県のほうから例えば緑地管理を随契で受けていたり、県立公園の管理を指定管理者でいう随契に当たる特定で受けていたりと、そして県も一〇〇%出資ですし、もともとこの内部留保というのは県民の税金で築かれた部分が大きいのではないかと考えます。であるならば、この国債の十七億円分は、果たして今後の公益移行後の地域振興公社がいかなる目的のためにこれだけの額のものを保有していくのか、今の答弁ではわからないので、ぜひそこを明確にお示しください。 47 ◯農政部長(中西 茂君)まず、全体で、現在、正味財産が六十七億円あるんですけど、これにつきましては、地域振興公社が設立されたのが昭和四十三年でございますけど、それ以降、公社としましてさまざまな事業を展開してきているわけでございまして、農用地の造成でありますとか、学校施設の敷地造成等々、あるいは現在の谷山にございます鹿児島の顔であります、にわ都市の分譲とか、そういうことをしてこの基金を造成してきているわけでございます。そういうことで、公社自体がこれまでの事業活動の中で、運用も含めましてこういう資金を蓄えてきたということでございます。  それから、国債の問題もございましたけど、今回の事業の見直しによりまして、公社といたしましては、理事会での説明によりますと、寄附による収益の減が約二千二百万円ぐらいあるということでございます。それと、今後、新たな増収についてもいろいろ検討するということで、今回の寄附額による減収があるわけですけど、その中で、新たな公益法人として業務をやるには適切な寄附額だと聞いております。    [下鶴隆央君登壇] 48 ◯下鶴隆央君 続きまして、本県の誇る伝統的工芸品について、由来・特徴などの物語を知ることができ、また、着る、つくるなど体験することができるPR施設をビジネスマン向けに鹿児島中央駅周辺に設置することを提案いたします。  本県には、薩摩焼、大島紬、川辺仏壇など全国に誇る伝統的工芸品が数多くあります。我々鹿児島の人間にとっては、郷土の誇る伝統的工芸品は身近なものでありますが、それでは県外の方にとってみてはどうでしょうか。  薩摩焼を焼き物、陶磁器という点で見れば、全国各地にさまざまな名産品としての焼き物が存在します。大島紬の場合も織物、絹織物という観点で見れば同様であります。したがって、県外の方に数ある焼き物、織物の中から、薩摩焼、大島紬などを選んでもらうためには、まず安価な小物などを使ってもらうという入り口を広げる取り組みに加え、そもそもの入り口である、一度使ってもらう、買ってもらうという点までこぎつけるために、由来・特徴などの物語を知ってもらい、また、着る、つくるなど体験してもらうことが差別化に当たって重要だと考えます。  そこで質問いたします。  県外の方々に本県の伝統的工芸品を売り込んでいくに当たって、選んでいただくための差別化として、物語を伝え、体験していただく取り組みを行っていくべきと考えますが、県の姿勢と取り組みを示してくだきい。  さて、これらの伝統的工芸品は、県内それぞれの産地で歴史的に発展してきたものであり、本当の物語を伝え、本当の体験をしていただくためには、それぞれの産地に来ていただくことが理想です。課題は、そこまでどうやってつなげていくか、入り口の部分です。まず、興味を持ってもらい、使ってもらい、将来的には好きになってもらって、「それでは本場の産地に行ってみよう」と思っていただけるようになる最初の入り口の部分であります。  昨年の九州新幹線全線開通により、鹿児島中央駅周辺には出張で数多くのビジネスマンの方がやってくるようになりました。せっかく鹿児島に来ていただいた方々に、例えば帰りの新幹線の待ち時間で、または直帰などで時間がとれる方には「一本延ばそうかな」と思っていただけるような、気軽に体験でき、また魅力を伝えられるPR施設をつくることで、鹿児島の伝統的工芸品のファンとなる入り口をつくることができるのではないかと考えます。  また、これらの方々は購買力を有する方々でもあります。中央駅の体験型PR施設で体験してもらい、奥さん、旦那さんへのお土産にしてもらって、家庭でその話題をしてもらう。そうなれば非常に理想的だと思います。  そこで質問いたします。  鹿児島中央駅周辺に、薩摩焼、大島紬など伝統的工芸品の物語を伝え、体験できるPR施設を設置すべきと考えますが、県の考えを示してください。  また、将来的には、現在活用方法を検討中である中央駅西口工業試験場跡地の活用が決まった際には、その一部として、今申し上げた体験型PR施設を設置できればと考えますが、県の考えを示してください。  続きまして、再生可能エネルギーの産業育成・観光振興への活用について質問してまいります。  東日本大震災、そして福島原発事故以降、原発依存からの脱却並びに再生可能エネルギーの積極的導入が重要な課題となっております。今後、再生可能エネルギーの導入が進んでいくことが見込まれる中、本県として再生可能エネルギーの導入を積極的に推進していくことはもちろん、今後の成長分野として、この分野における産業育成・観光振興に取り組んでいくべきだと考えます。それにより、鹿児島に稼げる仕事をつくることができると考え、以下三点、質問並びに提案してまいります。  まず、七ツ島メガソーラーに見学施設・学習施設の設置を事業者へ働きかけていくことを提案いたします。  ことし四月、鹿児島市七ツ島の石播用地に国内最大級となるメガソーラー発電所を建設することが、京セラ、IHI、みずほコーポレート銀行の三社から発表されました。石播用地の有効活用は、造成以来四十年にわたる懸案課題であり、活用の見通しが立ったことは非常に喜ばしいことであります。
     一方で、この石播用地は、もともと製造業─造船業─を誘致し、何千人もの雇用を創出することを目指したものであります。雇用という面から見れば、このメガソーラー発電所というものは、稼働開始後はそこまで人数を必要としないものであります。  昨年、企画建設委員会の行政視察で北海道稚内市に、当時、国内最大級であったメガソーラー発電所を視察にまいりました。その際、説明の対応をしてくださった職員さんは、説明のために数キロメートル先の事務所からわざわざやってきてくださいました。つまり、現場への常駐者はそこまで必要ないということであります。  そこで私は、雇用創出の観点から、見学施設・学習施設の設置を事業者に働きかけ、また、観光コースの一環として県外から観光客を呼べるようにするべきと考えます。そうすれば、その学習施設で働く人の雇用、加えて観光業への波及効果も期待できます。また、周囲には、焼酎、薩摩揚げ、かるかんなど、本県の特産品の製造工程を見て体験することのできる観光施設もあり、一体として魅力あるコースを提案できるのではないかと考えます。  今回、七ツ島に建設予定のメガソーラーは、国内最大級ということで、そのネームバリューからも学習旅行の一定の需要があると考えます。  そこで質問いたします。  七ツ島メガソーラー発電所への見学施設・学習施設の設置について、積極的に事業者へ働きかけていくべきと考えますが、県の考え並びに現在の取り組みを示してください。  次に、再生可能エネルギーを産業育成の観点から、発電設備の研究開発・販路拡大に積極的支援を行うことを提案いたします。  再生可能エネルギーにも種類がありますが、その中でも例えば小水力、小型風力、そして温泉熱といった比較的小規模なものについては、中小企業でも十分に参入できる分野です。本県は農業県でもあることから、小水力発電の適地は多く、また小型風力、温泉熱についても適地が多いところです。  したがって、本県の中小企業がこれらの発電設備の研究開発に取り組む際には、例えば近くの適した場所に設置し、実証実験をしながら、より効率的かつ安価な競争力のある発電設備を開発していくのに非常に適していると言えます。そのようにして、すぐれた発電設備を研究開発していき、将来的には県外に販売していくことで、鹿児島の中小企業に所得、雇用が生まれると考えます。  そこで質問いたします。  小水力、小型風力、温泉熱といった再生可能エネルギー発電設備の研究開発並びに販路拡大に向け、積極的な支援を行っていくべきと考えますが、県の姿勢並びに取り組みを示してください。  続いて、本県に存在する各種の再生可能エネルギー発電施設の見学コースをパッケージ化して、環境学習型の修学旅行、学習旅行の誘致を行うことを提案いたします。  本県は、再生可能エネルギーの自給率がたしか全国五位という現状に加え、各種再生可能エネルギー施設が存在し、またその適地が多いことが挙げられます。  既にある山川の地熱、笠沙の風力、それに加え、今後、七ツ島には国内最大級の太陽光ができ、例えば南薩の農業用水路等に小水力の設置が進み、指宿の温泉街に温泉熱が設置されれば、南薩地域で全ての種類の再生可能エネルギー施設がそろうことになります。  従来は、これらに興味を持って再生可能エネルギー施設を見学するとなっても、山奥に一つだけ存在するなど、あらゆる種類を効率よく見て回ることはできませんでした。それに対し、先ほど申し上げた環境が整えば、環境学習型の学習旅行を誘致する際に非常に強力なパッケージになると考えます。  そこで質問です。  再生可能エネルギー発電施設見学コースをパッケージ化し、環境学習型の修学旅行、学習旅行誘致を行っていくべきと考えますが、県の姿勢を示してください。  以上、三回目の質問といたします。 49 ◯観光交流局長(福壽 浩君)県外の方に対する伝統的工芸品のPRについてでございます。  県外の方々への伝統的工芸品のPRにつきましては、鹿児島ブランドショップ東京店での展示・販売、県外事務所での展示等のほか、全国各地で行っております物産展等におきまして、伝統的工芸品の歴史的背景や技法等を紹介した産地組合のパンフレットの配布、また、職人によります説明等を取り入れたPRを行ってきているところでございます。  さらに、新たな取り組みといたしまして今年度から、「指宿のたまて箱」号の客室乗務員による大島紬ベストの着用や、JR博多駅ビルにあります大型生活雑貨店での販売等の取り組みを行ってきているところであります。  また、これに加えまして、東京ドームでのテーブルウェア・フェスティバルでは、「かごしまの用と美」と銘打ったテーブルセッティングに伝統的な工芸品を活用し、PRをすることとしております。  今後とも、身近に見て、触れてもらう取り組みを進め、県外の方々に本県の伝統的工芸品への理解と親しみを持っていただけるよう努めてまいりたいと考えております。  伝統的工芸品のPR・体験施設の設置についてでございます。  鹿児島市内におきます伝統的工芸品のPR・体験施設的なものといたしましては、現在、大島紬や薩摩切子など伝統的工芸品の製造体験等ができます民間施設や、展示販売を行います百貨店、ホテル等がございます。また、黎明館や維新ふるさと館などの文化施設でも本県の伝統的工芸品の製造工程や歴史などを紹介しております。  さらに、JR鹿児島中央駅の総合観光案内所では、伝統的工芸品を紹介した観光マップや特産品のパンフレットが設置されております。  御提案のございましたビジネス客を購買対象とするPR・体験施設の新たな設置につきましては、その費用対効果、スペースの確保、管理などの課題もございますことから、鹿児島中央駅周辺に近接いたします商業施設や生活雑貨店での展示・販売、PRなどの取り組みができないか、伝統的工芸品の関係者等とともに可能性を検討してまいりたいと考えております。  再生可能エネルギー施設を見学する環境学習型修学旅行誘致についてでございます。  本県への修学旅行におきます環境学習につきましては、世界自然遺産の島・屋久島での生態系学習やトレッキングやカヌーなどの体験学習等が行われてきております。  新学習指導要領の改訂についての中央教育審議会の答申の中では、環境、資源・エネルギー問題などの現代社会の諸課題についての学習の充実を図ることとされたところでございます。  また、お話にございましたように、再生可能エネルギーへの関心が高まる中、本県でも地熱発電、風力発電、小水力発電、太陽光発電などの施設も設置されてきております。  今後、本県への修学旅行誘致に当たりましては、環境・教育部門や関連施設などの御意見も踏まえながら、修学旅行のメニューの中に、再生可能エネルギー施設の見学も含めた組み合わせなどを提示してまいりたいと考えております。 50 ◯商工労働水産部長(田中和彦君)七ツ島メガソーラーへの学習・見学施設の整備についてでございますが、このメガソーラー発電所につきましては、ことし七月に京セラなど七社が設立した鹿児島メガソーラー発電株式会社がIHI用地において、来年秋の完成を目指して現在、建設を行っているところでございます。  この発電所につきましては、地球環境先進県としての本県のイメージアップや環境学習のための視察者の増加なども見込まれるものと期待しておりまして、学習・見学施設が整備されますことは県としても望ましいことと考えております。事業者からは、施設の整備についても前向きに検討を行っていると伺っているところでございまして、県としては、事業者の動向も踏まえながら、必要な協力を行ってまいりたいと考えております。  再生可能エネルギーを生かした産業育成についてでございますが、県におきましては、製造業の振興を図る上で、環境・新エネルギーなどの新成長分野への参入支援を重要なテーマとして位置づけ、県内中小企業が行う再生可能エネルギー関連製品の研究開発や国内外への販路拡大等を支援しているところでございます。  これまで、製品開発につきましては、小水力発電装置やシラス断熱材を用いたバイオマスボイラーの研究開発に対して助成を行っておりますほか、販路拡大につきましては、小型風力発電機や太陽熱集熱器などの県外展示会への出展に対して助成を行っております。  また、十一月には、県民の皆様にPRする場として、県庁北駐車場屋上に県内企業が新エネルギー製品等の展示を行う県庁エコガーデンを設置したところでございます。  今後、再生可能エネルギーの利活用が急速に進展することが見込まれますことから、県としましては、引き続き、県内の環境・新エネルギー産業の振興を図ってまいりたいと考えております。    [下鶴隆央君登壇] 51 ◯下鶴隆央君 るる質問し、答弁をいただいてまいりました。  まず、疾病予防に関して、やはり本来は、それぞれの方々が自分のことですので、生活習慣の見直し、そして運動すること等に取り組んでいただけるのが一番でありますが、まず、その気づきとなる、例えば二次予防的な観点で、少しこういうところにふぐあいが見られます。だから今から生活習慣を改善しよう。そして運動に取り組んでいこうと、そういう気づきの場となる受診率の向上に今後とも積極的に取り組んでいただきたいと思います。  また、認知症につきまして、本当に今後大きな問題になってくるものだと考えております。私はかつて認知症については、ただ単に物忘れをする病気だろうと思っていました。物忘れをする病気であれば、周りが根気強く何度も何度も言えばそれで済むのではないか、そういうふうに考えておりました。しかし、皆様御存じのとおり、現実はそうではございません。温厚だった方が周りに攻撃的になったり、そして家族であればあるほど、それに対して優しくできない自分にいら立ちを覚え、みずからを責め、さいなみ、そして周りの家族も悩み苦しんでいくものになります。現状の医療水準をもってすれば、やはり早期発見・早期治療以外に道はございません。  ぜひこれまでの認知症サポーターの取り組みを、より気づきの目をふやすという観点から、先ほど質問いたしました、家族だけではなく宅配業者等々への協力依頼、普及啓発を積極的に取り組んでいただきたいと思います。  外郭団体につきまして、地域振興公社の内部留保─埋蔵金─につきまして、再質問も含めて質問させていただきました。答弁がありましたけれども、やはり、なぜ十七億円もの有価証券、国債を保持したまま移行するのか納得ができません。今回の理事会の決議で、土地公社に貸し付けていた十四億八千八百万円を含めて二十六億円余りを県に寄附するという決議、これ自体は非常によいことだと思いますが、裏を返せば、なぜ今まで外郭団体にこれだけの資産が眠っていたのか、そこを考えるべきだと思います。  今回これが明らかになったのは、質問でも申し上げましたとおり、公益法人に移行すれば返還・寄附が事実上困難になる。だからこのタイミングで見直そうということでチェックをかけた結果だと思われますが、であるならば、今このときに、もっと踏み込んで検討すべきではなかったのかと、そして、まだ移行していないわけですから、本当に公社の事業遂行に必要な財産かどうかということをちゃんと検討していただきたいと強く要望いたします。  そして、伝統的工芸品のPRについて、中央駅自体に設置することは難しいが、中央駅周辺の商業施設等で検討していきたいという前向きな答弁がありました。これから、ある程度値段が張るものを売っていくに当たっては、やはり由来ですとか歴史といった物語を知ってもらって、そして一度体験してもらうということが必要になるかと思います。鹿児島にたくさんのビジネスマンがやってくる中で、せっかく来ていただいた方を手ぶらで帰すのはもったいないと思います。ぜひ体験できるコーナーづくりに取り組んでいただきたいと思います。  そして最後に、再生可能エネルギーを産業育成に、そしてまた観光振興にという取り組みで、質問の中で、例えば南薩地域に全部の施設ができれば、これだけで観光コースとして使えるんじゃないかという夢を語らせていただきましたが、ぜひ五年後、十年後にはそれが現実になっていることを願っておりますし、また、それに向けた積極的な取り組みを期待するものであります。  以上、疾病予防、そして外郭団体の埋蔵金、伝統的工芸品のPR、再生可能エネルギーの産業育成・観光振興への活用について伺ってまいりました。  今後とも、県民の皆様の生活を前に進め、守り、そして責任ある政治を実現するために、守るべき福祉の質は守り、そして捻出すべき財源をしっかりと捻出していき、そして何より、鹿児島で生まれ育った若者が鹿児島で働き、家庭を持ち、子供を産み育て、そして老後まで安心して暮らしていける、その原点となる鹿児島に稼げる仕事をつくることの実現に向け、より一層努力していくことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 52 ◯議長(金子万寿夫君)次は、永田けんたろう君に発言を許可いたします。    [永田けんたろう君登壇](拍手) 53 ◯永田けんたろう君 お許しをいただきましたので、自由民主党県議団の一人として一般質問を行ってまいります。  先般十月二十五、二十六日に、鹿児島・香港交流会議が開催されました。この会議には、伊藤県知事、そして金子議長、それから渡邉鹿児島商工会議所副会頭、そして森鹿児島県商工会連合会会長、それから永田鹿児島経済同友会代表幹事─この方は鹿児島銀行の前頭取であります─、そして行政のほうから福壽観光交流局長、この六名の方々を初め、企業・団体の方々約百二十名ぐらいの一行で参加いたしました。  私は、小園しげよし議員、園田豊議員、藤崎剛議員、まえの義春議員らとともにこの一行に参加させていただいたわけでありますが、四年前の交流会議に一回参加させていただいておりますので、私としては四年ぶりの香港への来訪でありました。  四年ぶりに訪問した香港の感想といったものは、本当にこの変わりゆくまちの姿というものを間近に見ることができて、一つの感動を覚えたわけであります。既に、香港国際空港は閉鎖されて、香港西部ランタオ島にチェクラップコク国際空港が新たに開港されておりまして、飛行機はそちらのほうに着陸いたしました。四年前に香港に行ったときには、前の国際空港に飛行機が着陸するときは、高層ビルの合間を縫って降下していくようなスリリングな風景があったわけですけれども、今回はそういった風景も目にすることはなく、新しい国際空港に着陸したわけであります。  この国際空港、六年の歳月をかけて約二百億ドルの総工費でできた空港だとお聞きいたしましたから、日本円にいたしますと、現在では一兆六千四百億円ぐらいの総工費になるのかなと思ったわけであります。仁川空港、シンガポールのチャンギ空港と並んで、アジアのハブ空港として発展しているこの空港のさまを間近に見たわけであります。  さらに、香港でお聞きいたしましたところ、香港・マカオ大橋が現在建造中であるということをお聞きいたしましたが、この香港・マカオ大橋は、香港とマカオと広東省を結ぶ海上橋梁ということでありまして、全長三十四キロメートル、世界最長の大橋であるとお聞きいたしております。総工費は九千四百五十億円を見積もっているとのことでありましたが、我が国の瀬戸大橋の約三倍ぐらいの長さの橋をあの海の上にかけていくのかと思いましたときに、この香港というまちの、イギリスから中国に領土返還され、一国二制度の中でたくましく生き続けてきている、発展する躍動といったものを感じたわけでありました。大変いい経験をさせていただいたと今でも感謝申し上げております。  このようなことを申し上げまして、鹿児島・香港交流会議につきまして感じたことを質問としてまとめておりますので、以下、質問させていただきたいと思います。  伊藤知事は、「香港はアジアへのゲートウェイ」であるということをおっしゃっておられますが、この言葉の意味するところを教えていただきたいとお願い申し上げます。  また、香港と日本の貿易の実績状況についてお聞かせください。その中で、鹿児島県の香港との貿易の実績状況はどうなっているかということも教えていただきたいと思います。  また、輸出品目についてはどのような特徴があるのか、このことについても教えてください。  さらに、ことし五月に、我が国の農水省と香港貿易発展局は、協力についての覚書協定を結んだということをお聞きいたしました。ことし八月には、この覚書協定に基づいて、フード・エキスポ二〇一二が開催されたわけでありますけれども、この締結の好影響もありまして、大変な大盛会であったということをお聞きいたしております。特に、北海道や宮城県からは多数の参加者があって、そして目に見えた実績があったということをお聞きいたしましたが、このフード・エキスポ二〇一二には本県も参加しているとお聞きいたしておりますが、本県の参加状況とその実績はどういうものであったか、お聞かせいただきたいと思います。  さらに、このフード・エキスポにおいて、丹下副知事がトップセールスを行ったと聞いております。丹下副知事、出番です。副知事の感想を後で聞かせてください。  最後に、香港は非常に自由な雰囲気の中で伸び伸びと発展してきたまちでありますが、一国二制度の影響といったことは免れないわけでありまして、今回、香港に行きまして、中国大陸─いわゆるあそこは共産党の一党独裁でありますから─からのいろいろな規制といったものが感じられるなといったことを思った次第であります。そういう中国からの規制といったものが、今後の香港のまちにどういう影響を与えていくのか。  さらに、我が国との貿易のあり方、短く言えば、鹿児島県との交流のあり方について、どういった影響を及ぼしていくんだろうかということも感じたところでありますが、このような状況の中で、今後、本県としては、どのような展望を持って香港との経済交流を続けていこうとしているのか教えていただきたいとお願い申し上げます。  これで、第一回目の質問といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 54 ◯知事(伊藤祐一郎君)「香港はアジアへのゲートウェイ」の意味についてのお尋ねがございました。  香港は、中国への返還後も特別行政区として、法の枠組みが国際基準に則した形で整備されており、海外展開を図る企業にとりまして、アジアへの拠点を置きやすい環境にあります。このため、香港には世界の上位行の百行のうち約七五%が支店を置くなど、アジアにおける金融の中心であり、世界第一位の国際港湾貨物処理能力を持つ物流のハブ機能や、要求が高い洗練された多くの消費者が存在いたしておりまして、香港のトレンドがアジアの他の都市に影響力を持つと言われているところであります。  また、中国本土との経済緊密化の取り決めにより、中国本土へのビジネスの展開の拠点となっているところでもあります。こうした意味で、香港は中国及びアジアへの経済活動等の展開を図る上で、ゲートウェイあるいはショーウインドーと言われているところであります。 55 ◯観光交流局長(福壽 浩君)香港との貿易の実績状況等についてでございます。  財務省の貿易統計によりますと、昨年の香港と日本との貿易額は三兆五千四百億円余りで、うち日本からの輸出額がそのほとんどの三兆四千二百億円を占めております。輸出品の上位三品は、電気機器、一般機械、化学製品でございまして、輸出額全体の約半分となっております。  また、鹿児島税関支署管内におきます香港との貿易取り扱いは、その全てが輸出でございまして、輸出額は約十一億円、動物の原皮や農水産物がその九割を占めております。  我が国から香港への輸出の特徴といたしましては、農林水産物・食品の輸出額が一千百億円余りで、世界各国への農林水産物・食品の輸出総額の四分の一を占めておりまして、最大の輸出先となっております。  本県からは、牛肉、豚肉などの畜産物を初め、ブリ、カンパチなどの水産物、サツマイモやキンカンなどの農産物、薩摩揚げや醤油、焼酎、黒酢などの加工食品が輸出されているところでございます。  我が国の農水省と香港貿易発展局との協力に関する覚書についてでございますけれども、本年五月十四日に、当時の鹿野農林水産大臣と香港貿易発展局のフレッド・ラム総裁との間で署名されました覚書におきましては、日本産農林水産物・食品の香港への輸出促進に関しまして、新たなビジネスチャンスを創出するための定期的会合や情報交換、輸出に関する説明会やセミナーの実施、香港貿易発展局主催の国際見本市の活用及び日本からの食品関連訪問団のサポート、食品技術面における相互協力の検討及び香港からの調査・研究ミッションへの協力などについて、共同して取り組むことが表明されております。  香港との経済交流に向けた展望についてでございますが、本県の今後の産業・経済の振興を図りますためには、大きな経済発展の可能性を有し、富裕層が増加しております香港あるいは中国本土を初めとするアジア諸国のマーケットをターゲットに、本県で産出いたします農林水産物や食品を中心とした輸出促進や経済交流を図ることが重要であると考えております。  香港におきましては、例えば食品安全条例による輸入業者の登録義務など、コンプライアンス向上のためのビジネスに関する規制がふえてきていると聞いておりますが、依然として自由なビジネス環境にございまして、アジアの経済・金融の拠点でありますことから、本県がアジアへの展開を図る上で重要な地域であると考えております。  今後とも、これまで香港との交流会議を核として、経済、観光、文化、青少年交流等の各般にわたりまして培ってきたネットワークを最大限に活用し、香港を拠点としたアジアへの経済交流の促進に努めてまいりたいと考えております。 56 ◯副知事(丹下甲一君)香港フード・エキスポ二〇一二についてお答えいたします。  本年八月に開催されましたアジア最大級の食品見本市である香港フード・エキスポ二〇一二におきまして、二十六カ国から一千百十企業・団体が出展いたしましたが、日本はパートナー国として初めて指定されたこともございまして、過去最大の二百二十五企業・団体が出展したところでございます。本県からも十三企業・団体、四十名の関係者が参加し、鹿児島県ブースを中心に、県産農水産物、加工食品、焼酎などのPRや商談を行ったところでございます。  私が香港を訪れましたのは、昨年十月に実施されました鹿児島県香港貿易商談会に続いて二度目でございますが、いずれのプロモーションにおきましても、本県からの輸出産品が安心・安全で清潔・丁寧との安定的な評価をいただいたものと感じているところでございます。  香港は、これに近接します人口約一億人を擁します広東省に対しまして大きな影響力を持つばかりでなく、中国という巨大なマーケットへの重要なアクセスポイントでありますことから、今後とも県産品輸出拡大を図る上での戦略的拠点であるということを改めて深く認識したところでございます。    [永田けんたろう君登壇] 57 ◯永田けんたろう君 香港との本県の貿易状況をお聞かせいただきましたが、県からの香港への輸出が十一億円、その九〇%が農水産物であるということでありました。まさに、昨年五月、農水省と香港貿易発展局が締結いたしました協力に関する覚書協定、このことはこういったことからいきますと、本県としては非常に、この覚書を活用して、この波に乗っていくべきであると感じるわけであります。どうか今後、当局の皆様のこのことを意識した形での貿易、あるいは香港との交流を進めていただきたいとお願い申し上げます。  また、この十月、鹿児島・香港交流会議に出席いたしまして、関係部・関係課の方々は大変御苦労なさっただろうなと感じたわけですけれども、御苦労さまでしたと申し上げておきたいと思います。  次に、質問の第二点でありますけれども、錦江湾の湾奥に眠っている鉱床について質問させていただきます。  岡山大学と九州大学の研究グループによる錦江湾湾奥の調査によりますと、錦江湾湾奥の若尊火山でたぎりが発生している場所があるそうでございますけれども、この若尊火山周囲にレアメタルが大量に確認されたということを四月二十日の南日本新聞が報道しておりました。見出しによりますと、「鹿児島湾奥部『若尊』周辺 レアメタル鉱床確認 アンチモン九十万トン埋蔵か」と書いております。  このレアメタルにつきましては、我が国は現在、ほとんどを中国から輸入しているそうであります。中国は、二〇〇九年以降、レアメタルの発掘によって環境が無残に破壊されつつあるといったことを問題視いたしまして、このレアメタルの輸出規制といったことを徐々に強めていったそうでありますが、その後、我が国に対しましては、尖閣諸島における中国漁船の衝突事故、これは衝突ではなくて体当たりだったんだろうと思うんですけれども、この体当たり事件以降、レアメタルに対する輸出規制がにわかに強まっていったとお聞きしております。  したがいまして、レアメタルの輸入が困難になってきているということで、我が国の半導体とか、あるいはハイブリッド自動車とか、こういったものに対する生産に大きな影響が出ているといったことは、当時、新聞でもいろいろと報道されていたと記憶しているわけでありますが、中国のレアメタル規制といったものは我が国に対してだけではなく、アメリカ、EUひとしく、中国のレアメタル輸出規制に対しては非常に困っておりまして、WTOに対して日米欧で共同して提訴しているといった状況が続いているとお聞きいたしております。  我が国は、中国からの輸入だけに頼っていられない状況を判断して、オーストラリア、カザフスタンあるいはベトナムなどに、いろんな外交チャンネルでのアクセスを行いまして、こちらのほうからのレアメタルの輸入を増加しているそうであります。  さらに、レアメタルを必要としない磁石の開発といったことも相当進んだと聞いておりまして、これらのいろんな努力やいろんな交渉の結果、最近はレアメタルに対する需要は、日本と中国に限っていいますと、需給バランスが我が国にとっては有利な方向に傾斜しているといった状況であるとお聞きしているわけであります。しかし、世界のレアメタル輸出の九〇%を占めている中国の動向は、まだまだ私たちの国に対しては大きな影響を持っている。こういう状況は変わらないと思うわけであります。  そこで、日本においてレアメタルが採掘できるとしたら、これは大きく国益にかなうものでありますし、また、これが自国で供給できるといった道につながることであれば、決して悪い話ではないわけであります。  岡山大学の山中准教授は、錦江湾湾奥の若尊火山のレアメタル鉱床の確認について、「この鉱床発生のメカニズムを研究したい」と言っておられるんですね。日本でも奄美沖とかあるいは小笠原諸島とか、こういったところにレアメタル鉱床が何カ所か既に発見されておりますが、「レアメタル発生のメカニズムを検証して、そして新しい鉱床の発見へのヒントを探したい」と言っておられます。  こういう状況の中で、錦江湾における鉱床発掘についてお尋ねしたいと思いますが、錦江湾の海底火山若尊周辺で、レアメタルの一つであるアンチモンを含む鉱床が確認されたということでありますが、この鉱床確認に至るまでの経緯について教えていただきたいと思います。  また、この鉱床に含まれていると推測される鉱物は何か。「アンチモン九十万トン埋蔵か」と報道されておりましたから、アンチモン九十万トンですよということになると思うんですが、ほかの鉱物はないのかと考えているわけでございます。その埋蔵量はどのくらいかということをお尋ねしたいと思います。  今回、鉱床が確認された箇所において、現時点で試掘権設定の許可を受けた者があるのかどうか。試掘権の設定に関して、我が県としてはどのような立場で対応していきたいと考えているのか、教えていただきたい。  次に、国においては、我が国の海洋に関する施策を推進していくために、平成二十年三月に海洋基本計画を策定しました。その中で、海底熱水鉱床やメタンハイドレートなどの海洋資源の開発については、民間企業と連携を図りつつ、商業的規模での設計や経済的評価までは国が率先して実施する。その結果、採算に合うという結果を得たならば、その成果については民間に引き継ぎ、商業化を促進するという方針を打ち出しております。  また、この計画の目標達成に至るまでの調査・開発の道筋とそのために必要な技術開発などを具体的に定めたものとして、平成二十一年三月に海洋エネルギー・鉱物資源開発計画を作成しております。
     これらの計画の中にある商業化を促進するとは、企業による採掘のことを言っていると思いますが、錦江湾の海底にあると推測される鉱床に関連して、採掘権の申請がなされた場合、許可を行うのは誰になるのか教えてください。  実際に採掘がなされるとした場合にはどのくらいの投下資本が必要になるのか、わかっていたら教えていただきたいと思います。  採掘がなされる場合には、県の産業界にとっても大きなメリットがあると思うわけですが、錦江湾における採掘について、県としてはどのような姿勢で臨んでいこうとしているのか教えていただきたいとお願いします。  以上で、二回目の質問といたします。 58 ◯商工労働水産部長(田中和彦君)錦江湾における鉱床の関係でございますが、錦江湾奥部におきましては、古くから海底火山の存在が知られておりまして、平成三年には鹿児島大学の研究グループが、火口底の堆積層内に輝安鉱及びヒ素硫化物の存在を確認いたしております。また、平成十五年には、火山噴火予知連絡会において、海底火山若尊として活火山に追加されております。  このような中、岡山大学などの研究グループは,当該火口底におきまして、平成十九年、二十年に調査を行いまして、発見した熱水の噴出孔から無人潜水艇により採取した岩石を分析しまして、平成二十三年四月に熱水噴出孔の周辺にアンチモンや金を含む輝安鉱を主体とする鉱床が存在する可能性が高い旨を発表したところでございます。  岡山大学によりますと、アンチモンの埋蔵量はおよそ九十万トン、また、金の埋蔵量は二十五トン程度と推定されると発表されております。  試掘権の関係でございますが、鉱業法に基づく試掘権の設定につきましては、これまでこの海底活火山若尊周辺部において許可を受けた者はおりません。  海底活火山若尊周辺部は、霧島錦江湾国立公園内に位置しまして、希少生物サツマハオリムシが生息する若尊海山海域公園地区にも近接いたしております。加えまして、錦江湾ではマダイ等を対象とした一本釣り漁業やエビ類を対象とした底びき網漁業、カンパチ・ブリ等の魚類養殖が行われております。  このため、県といたしましては、現時点で試掘権が設定された場合、鉱物の採取行為が霧島錦江湾国立公園の自然景観や生物多様性の保全に支障を来すおそれがあるほか、鉱物の採取に伴う海水の汚濁等により、漁業の利益を損なうおそれがあるものと考えております。  商業化に向けた採掘の関係でございますが、採掘を行うためには、鉱業法第二十一条の規定により経済産業大臣の許可を受ける必要がございます。  海底熱水鉱床の開発につきましては、お話がございました海洋エネルギー・鉱物資源開発計画に基づきまして、現在、国が沖縄海域と伊豆・小笠原海域におきましてモデル鉱床を設定し、資源量の把握を初め、周辺の生態系環境への影響や採鉱・製錬技術等の検討を進めている段階でございまして、今後、実証試験を実施する海域を選定した上で、開発された技術の実証実験や経済性の評価等を行うこととされております。  このため、県としては、錦江湾における鉱床採掘については、現段階では投下資本などの試算はできないわけでございますが、いずれにいたしましても、霧島錦江湾国立公園の自然景観や生物多様性の保全に支障を来さず、また、鉱物の採取に伴う海水の汚濁等による漁業の利益を損なうおそれがないような技術の開発が前提になるものと考えております。    [永田けんたろう君登壇] 59 ◯永田けんたろう君 錦江湾湾奥のレアメタル鉱床採掘については、まだまだいろいろな課題があるみたいであります。国のほうでこれらの課題を解決していくための技術開発が今後進んでいくものと思いますけれども、その時点において錦江湾湾奥におけるレアメタル、アンチモンが採掘され、あるいは金も採掘されるということになりますと、夢のある話であります。  もう少し時間をかけて見守る必要があるような気もいたしますが、ただ、知事、岡山大学の山中准教授は、我が国における海底鉱床の発見、確認に至るまでのメカニズムが若尊火山、この周辺にはあるんじゃないかと考えているみたいです。したがいまして、近々、鉱床の試掘に対する許可を国に出すと言っておられますので、このことが県に対しても通知があるんじゃないかと思っておりますが、そのときには、試掘に対する御協力をぜひよろしくお願い申し上げておきたいと思います。  三番目の質問に入ります。  マリンポートと、マリンポートを経由して中央港区に至るいわゆる臨港道路についてであります。  マリンポート建設と臨港道路建設は、不可分の関係にあると私は考えております。臨港道路は、鹿児島にあります鹿児島港から谷山港までの幾つかの各港を結ぶ物流道路としての位置づけがなされております。この物流道路が完成しないと鹿児島の経済・物流は発展しないというのがその前提にあるわけでありまして、あわせて、産業道路の渋滞緩和も位置づけているところであります。  しかしながら、マリンポートについては、皆様御存じのように、二期工事は凍結という結論を今のところ出しております。この結論を受けまして、臨港道路は何かしらないけれども、棚上げ、棚ざらしにされてきたような気がしないでもありません。しかしながら、国土交通省といたしましては、この臨港道路を虫食いでありますけれども、着々と建設を進めているみたいであります。  現在は、中央港区におきまして、木材港というんでしょうか、荷物の揚げ場をまたぐ橋梁を建設中であります。この橋梁、名前はまだありませんが、橋梁Cというのだそうです。この橋梁Cが完成いたしますと、これはマリンポート大橋の直近まで参りますので、まさに鴨池港からマリンポートを経由して、そして中央港区に至る、当初予定されたルート、これをどうするんだといったことが喫緊の課題になってくると考えております。  国交省といたしましては、鴨池港と中央港区のミッシングリンクをつなぐルートをどうしても急がないといけないといったことを喫緊の課題として捉えているみたいでありますので、県に対してもその旨での相談が来ているのではないかと考えるわけであります。今後、橋梁あるいは道路建設についての議論がまた復活していくのではないかと思うわけでありますが、このようなことを背景にいたしまして、以下、四点ほど質問してまいりたいと思います。  木材港に建設中の橋梁─先ほど申し上げましたC─は、今、建設中でありますけれども、国土交通省から完成予定はいつとお聞きしているか教えてください。  橋梁Cが完成しますと、鴨池港へのミッシングリンク、つなぎ線が必要となります。次なるルートが建設されないと、橋梁Cの効果は薄いと考えております。産業道路入り口付近の渋滞の緩和にもつながらないと考えるわけであります。  マリンポート二期工事については当面凍結となっている現状があることから、橋梁Cからマリンポートかごしまを経て鹿児島港区と結ぶ現在のルートのほかに、新栄町地先を経由するルートもあると思いますが、このルートについて、どのような検討がなされているのか、検討がなされていたらお聞かせください。  また、新栄町地先を経由するルートの場合、どのような課題が考えられるか教えていただきたいと思います。  さらに、マリンポートかごしまと鴨池港区を結ぶ臨海道路のルートを変更する場合については、当初、マリンポート建設のときにこのルートはいわゆる計画上で設定されておりましたので、このルートを変更する場合については港湾計画の変更の手続が必要となると思いますが、どうでしょうか。この変更手続に要する期日はどのくらいか。橋梁Cの完成が迫っていることを考えますと、この手続は急ぐ必要があると思いますが、考えをお聞かせください。  次に、橋梁Cの区間は港湾計画では四車線であり、現在は暫定二車線で整備を行っております。将来的には四車線が必要だと考えますが、現在検討中の臨港道路については、鴨池港とマリンポートを結ぶ当初のルート案以外に四車線を確保できるのかどうか。住宅地などを通過するルートではおぼつかないような気がいたします。お考えをお聞かせいただきたいと思います。  以上、三回目の質問といたします。 60 ◯土木部長(栗原淳一君)まず、橋梁Cの完成予定についてです。  木材団地と金属団地を結ぶ橋梁、いわゆる橋梁Cについては、平成二十年度に国直轄事業として工事に着手し、整備が進められているところであり、平成二十六年の供用を予定しております。  次に、橋梁Cから鴨池港区間のルートについてです。  鴨池港区と中央港区を結ぶ臨港道路については、港湾計画において、マリンポートかごしまを経由するルートとしているところです。  マリンポートかごしまの二期計画については、一期事業の工事完了後において改めて検討することとしており、鴨池港区と中央港区を結ぶ臨港道路のルートについては、走行性や経済性のほか、周辺環境や景観に対する影響など課題の抽出も含め、幅広く検討を行っているところです。  港湾計画変更の手続についてです。  港湾計画は、港湾の開発、利用及び保全等に関する事項を定めた計画であり、臨港道路などの施設の配置や規模を変更する場合、計画の変更が必要であるとされています。このうち、臨港道路の計画を変更する場合は、走行性や経済性のほか、周辺環境や景観に対する影響などを整理した上で港湾計画の変更手続を始める必要があり、その手続におおむね一年を要すると考えております。  県として、まずは今年度から着手した鴨池港区から中央港区間の臨港道路の計画調査において、ルートや道路の構造、周辺環境へ与える影響などについて検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、臨港道路の車線数確保についてです。  木材団地から金属団地を経て鴨池港区に至る臨港道路については、港湾物流の円滑な処理や臨海部の交通混雑の緩和を図るため、港湾計画において四車線としております。このうち中央港区と鴨池港区を結ぶ区間については、橋梁Cと同様、前後の道路の整備状況を踏まえるとともに、四車線の確保を念頭に置きながら、整備効果の早期発現が図られるよう、まずは二車線での整備を検討してまいりたいと考えております。    [永田けんたろう君登壇] 61 ◯永田けんたろう君 土木部長に御答弁いただきましたが、鴨池港からマリンポートを経由して中央港区に至る臨港道路については、このルート変更をする場合は港湾計画の変更手続が必要になると、それについては一年ぐらいの時日を要するということでありました。であるとすれば、橋梁Cが完成して、そしてこれが供用開始されるときはもう間近に迫っているわけでありますから、この変更手続に速やかに入っていただきたいとお願い申し上げておきたいと思います。  さらに、新たにルートをお考えであれば、その新たなルートについての調査・研究、そしてそれの公表についても速やかにすべきであると考えております。よろしくお願い申し上げておきたいと思います。  最後に、道路行政について質問してまいります。  道路を新築したり改築したりする場合の構造基準は、道路構造令において定められているとお聞きいたしております。ところが、今回、県道の構造の技術的基準を定める条例骨子案ができております。拝見させていただきましたが、この条例制定の背景と意義についてお尋ねしたいのであります。  県道の構造の技術的基準を定める条例、これがなぜ条例制定をしないといけないのか。条例制定に至るまでの経緯など含めて教えていただきたいと思います。  道路の改良工事を進める上では、当局と生活者である住民との間にさまざまな意見の違いが出てくることがあります。スムーズに改良工事が進まない場合が相当多いような気がいたします。これは用地交渉も含めてそういった状況があるわけでありますが、道路の改良工事を進めるに当たって、住民の理解が得られない原因はどのようなことがあるか、教えていただきたいと思います。  また、このような場合の問題解決のために、例えば国のほうで計画段階から地域住民の意見を取り入れるPI方式を導入する場合がありますが、県道の場合にはこのような手法がとれるのかどうか、どうお考えか教えていただきたい思います。  さらに、道路行政を円滑に進めるためには、地域住民との合意形成が何よりも大事だと考えております。この合意形成にもっと努力すべきであると私は考えておりますが、どのようにお考えか教えていただきたいと思います。  道路行政の中で、改良工事のような大がかりな、そして大きな予算を使い、そして長い年月をかけるものもありますけれども、一方、補修とか修繕といったような軽微なものもあります。改良工事を進めながらも、住民からの要望である軽微な修繕とか補修に対しては、速やかに対応していただきたいという希望を持って質問するわけでありますが、私はどちらも大切であると思いますけれども、道路予算の内訳の中で、平成二十四年度の補修費の占める額と割合はどのくらいか、まずこのことをお尋ねしたいと考えます。その要望箇所と対応箇所数も教えてください。  補修、修繕といったものは小さいことでありますから、ついつい見過ごされがちであります。しかしながら、安全面などで急を要する場合が多いような気がするわけであります。このようなケースについて即応していただくと、住民の反応は驚くほど大きいもののようであります。  この補修とか修繕とかいった対応は、大きな予算は伴わないかわりに要望箇所数が大変多くなります。また、要望も多岐にわたります。しかも対応を急がなければなりません。このような道路補修工事への対応については、地域住民の要望に即応するためには、組織上で明確な位置づけをして対応しなければならないと考えております。このような場合、どのような体制で取り組んでいるのか教えていただきたいと思います。  軽微なものであるから誰かが行うであろうといったようなことはないかもしれませんけれども、野球で例えるなら、平凡なフライが上がってきた。そうすると、誰かが拾うだろうと、みんながそのボールの行方だけを見ていると、ボールはぽつんと落ちてしまうわけであります。そういうことはないとは思いますけれども、しっかりした体制でこのようなことについても取り組んでいただきたいとお願い申し上げたいわけであります。  また、道路の苦情相談受け付けとして、道の相談室による電話受け付けがあるとお聞きいたしております。道の相談室による電話相談件数、この一年間で何回ぐらいあったのか。住民の間ではこの制度が余り知られていないように思うんですが、住民への啓蒙をどのようにしておられるのか教えてください。  また、電話を受けた後の処理体制はどのようになっているのか、教えていただきたいと思います。  今回、コンクリート製の天井板の崩落事故のあった中央自動車道笹子トンネルは、九人が圧死するというまことに悲惨な結果になってしまいました。この笹子トンネルと同じようなタイプのトンネルが本県にもあるのかどうか。あるとすれば、その箇所数を教えていただきたいと思います。  さらに、この笹子トンネルの崩落事故を一つの教訓として、トンネルの保守点検についてどのように行っていくのか教えてください。  あわせて、今回の事故を受けてどのような対応を考えているのか、教えていただきたいと思います。  これで、四回目の質問といたします。 62 ◯土木部長(栗原淳一君)県道の構造の技術的基準等を定める条例の制定についてです。  県道の構造の技術的基準等を定める条例については、いわゆる地域主権改革一括法において道路法が改正されたことから、新たに制定するものです。  これまで、道路を新設または改築する場合の技術的基準等については、道路法に規定される道路構造令において、国道、県道及び市町村道の種別を問わず全国一律に定められておりました。道路法の改正により、県道及び市町村道については、道路管理者である地方公共団体が道路構造令を参酌し、道路の構造の技術的基準等をそれぞれ条例で定めることとなっております。  本県においては、県道について、歩道幅員などの独自基準を盛り込んで条例を定めることとしており、地域の実情に応じ、より効率的な道路整備ができるものと考えております。  次に、道路事業の進め方についてです。  道路事業を進めるに当たっては、ルートの選定、用地の買収、工事の施行などそれぞれの段階において、住民の理解を得るまでに期間を要している場合があります。このようなことから、計画段階から地域住民の意見を広く聞き、できる限り反映させることは重要であり、いわゆるPI方式は有効な一つの手法であると考えております。  県としては、これまでも地元説明会などを通じて、地域住民との合意形成に努めてきたところであり、今後とも、地元説明会などを通じて住民の意見や要望を伺いながら、道路事業の推進に努めてまいります。  道路の補修費と対応箇所についてです。  道路の補修については、緊急性や交通量、沿道状況等を考慮し、優先度の高い箇所から計画的に実施しているところであり、本年度は各地域振興局等からの要望のあった約三百八十カ所のうち約百八十カ所について実施することとしており、残りの箇所についても次年度以降で対応したいと考えております。  また、平成二十四年度の土木部の道路予算は約三百七十八億円であり、このうち舗装や橋梁などの補修に関する予算は約五十七億円で、道路予算に占める割合は約一五%となっております。  地域住民からの要望への体制についてです。  県管理道路の維持管理については、各地域振興局等にパトロール班と作業班を配置し、道路の異常や破損状況などを把握するとともに、簡易な応急措置などを実施しています。また、夜間・休日などの勤務時間外においては、機動力を備えた民間業者に委託し、迅速に対応できるよう体制を整えております。  地域住民からの要望に対しては、速やかに職員が現地を確認し、対応策を検討の上、できるだけ早急に補修を行うようにしております。  道の相談室についてです。  道の相談室は、道路に関する相談・意見等を一元的に受け付け、国・県などの各道路管理者が速やかに対応できるよう九州地方整備局に設置されております。  平成二十三年度における鹿児島県が管理する道路の相談件数は約百八十件となっており、受け付けた相談等は、県庁を通して各地域振興局に連絡し、対応する仕組みとなっております。  なお、道の相談室については、国や県のホームページや道路情報板等を通して、住民への周知を図っているところであります。  トンネルの点検についてです。  県管理トンネルは、強制換気方式としてジェットファン方式を採用しており、今回崩落事故のあった中央自動車道笹子トンネルのつり天井板と同じタイプのトンネルはございません。  トンネルの保守点検については、通常の定期パトロール時に目視点検を行っているほか、年一回の定期点検において、ジェットファンのつり金具を直接さわって行う触診等により、腐食や損傷などの確認を行っております。  今回の事故を受け、つり金具のある附属施設を有する県管理トンネル十四カ所について、コンクリートのひび割れや空洞の有無をハンマーによる打音で確認する点検を緊急に開始したところです。    [永田けんたろう君登壇] 63 ◯永田けんたろう君 補修の要望箇所は、三百八十カ所あったということで、そのうち百八十カ所を実施するということでありました。予算としては約五十億円、道路行政予算の土木部の総額の三百七十八億円に対して一五%を充てているということでありましたが、軽微な補修でありましても、実際そこで生活している住民にとっては大変大きな課題であるわけなんですね。例えば道路に小さな陥没ができているだけでも、夜間に単車、自転車等で走行中にそこにタイヤをとられて転倒すると、打ちどころによっては大変な問題になるといったようなことも考えられます。  ですから、補修、修繕といったことについては、先ほど申し上げましたように、道路維持課の仕事になるんだろうと思いますけれども、道路維持課の中に明確に対応する班を位置づけて、そして誰が対応するのか。どういったような形で報告が上がってくるのかといったようなことをしっかりとシステム的にまとめておいていただきたいとお願い申し上げておきたいと思います。  笹子トンネルについての崩落事故は本当に悲惨なものでありました。今後は、トンネルだけでなく橋梁も、あるいはまた一般道路につきましても、補修を必要とする時代になってくると言われております。このような事故を繰り返すことがないように、当局の皆様方の施設に対する点検、これは抜かりなくやっていただきたいとお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)       ───────────── 64    △ 請願・陳情の委員会付託 ◯議長(金子万寿夫君)次に、請願・陳情の委員会付託であります。  お諮りいたします。  配付いたしております請願・陳情特別委員会付託表に記載の陳情につきましては、同表のとおり、関係の特別委員会に審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 65 ◯議長(金子万寿夫君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  次に、ただいま特別委員会に審査を付託することに決定いたしました陳情を除く請願・陳情につきましては、配付いたしております請願・陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 66    △ 日程報告 ◯議長(金子万寿夫君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問であります。       ───────────── 67    △ 散  会
    ◯議長(金子万寿夫君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...