鹿児島県議会 2012-06-12
2012-06-12 平成24年文教警察委員会 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過
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午前十時開会
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◯成尾委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから文教警察委員会を開会いたします。
この際、御報告いたします。
傍聴について一名の方から申し出がありました。これを許可いたしました。
本日は、教育委員会及び学事法制課関係の審査等を行います。
初めに、議案第六三号鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件を議題といたします。
まず、教育長の総括説明を求めます。
2 ◯六反教育長 おはようございます。
それでは、第二回県議会定例会に提出しております議案等につきまして、お手元に
県議会定例会提出議案等の概要という資料をお配りさせていただいております。これに基づき御説明をいたします。
概要の一ページをごらんいただきたいと思います。
初めに、予算以外のその他の議案についてでございます。
鹿児島県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件でございます。
知事の権限に属する事務の一部、具体的には、
市町村立小・中学校の教職員に係ります児童手当の認定関係の事務でございますが、これを市町村が処理することとするために所要の改正をしようとするものでございます。
二ページでございます。
主要施策の進捗状況につきまして、
県教育振興基本計画の五本の柱に沿って御説明をいたします。
初めに、一の規範意識を養い、豊かな心と健やかな体をはぐくむ教育の推進でございます。
1)道徳教育の充実の
道徳教育総合支援事業は、道徳教育に関する教職員の資質の向上及び県民の理解と意識の向上を図ることを目的に、心の教育振興会議の開催や、心のノート等の教材等の活用を通して、道徳教育の推進を図ることとしております。
2)生徒指導の充実についてでございます。
スクールカウンセラー配置事業につきましては、中学校百二十三校、高校十一校の計百三十四校に
スクールカウンセラーを配置し、生徒や教職員の相談を受け、課題の解決を図ることとしております。
次の
スクールソーシャルワーカー活用事業では、社会福祉等の専門家でございます
スクールソーシャルワーカーを二十三市町に配置し、関係機関との連携を図り、問題行動等の背景にあります環境への働きかけや、保護者、教職員に対する相談・情報提供等を行い、問題行動等の改善を図ることとしております。
また、
いじめ問題等対策事業、そして次のページの三ページになりますが、心をひらく
生徒指導力向上事業、二十四時間態勢で臨みます、
かごしま教育ホットライン24、高校不登校生等対策事業などを引き続き実施をいたしまして、教職員の生徒指導力の向上と組織的な生徒指導体制、相談体制の充実に取り組んでまいります。
3)体験活動の充実につきましては、
青少年研修センターにおきまして、子どもの日に施設を開放して、青少
研GOGO若葉フェスタを開催し、創作活動など多様な体験活動等を通して、青少年の健全育成を図ったところでございます。
4)子ども読書活動の推進につきましては、子どもの読書活動を推進する社会的機運の醸成を図りますため、ホームページ等で実践事例の紹介を行いますとともに、広報リーフレットを小学校一年生、中学校一年生の保護者等へ配布したところです。
また、記載してございませんけれども、奄美図書館では、去る四月二十二日に開館以来の総入館者数が五十万人を突破し、記念セレモニーを実施したところでございます。
次の四ページでございます。
5)体力・運動能力の向上の地域スポーツ人材の活用実践支援事業につきましては、県下の中学校四十一校、高校二十四校の運動部活動へ地域のすぐれたスポーツ指導者を派遣し、直接、児童・生徒の指導に当たり、体力・運動能力の一層の向上を図ることとしております。
また、
中学校武道等地域連携推進事業につきましては、新学習指導要領において、中学校第一学年及び第二学年で新たに必修となりました武道及びダンスが円滑に実施できますよう研修会を開催したり、中学校八校程度を実践校として指定いたしまして、地域の指導者や団体等の協力を得て授業等の研究を行ったりするなど、学校における指導の充実をさらに図ることとしております。
二番目の能力を伸ばし、社会で自立する力をはぐくむ教育の推進の1)確かな学力の定着についてでございます。
「かごしまっ子」すくすくプランの小学校低学年三十人学級の実施でございますが、平成二十四年度は、八十一校に教員を百十一人配置をし、二十二校に非常勤講師を二十五人配置したところでございます。
五ページをお開きください。
五ページの
中学校免許外教科担任解消事業につきましては、本県におきまして、小規模校が多く、教科数に見合った教員を配置できないこともありまして、免許教科外で授業を担当する教科担任が生じますことから、できるだけその解消を図りますため、専門の免許を持った非常勤講師を配置することとしておりまして、本年度は延べ百五十二人の配置を行ったところでございます。
全国学力・学習状況調査につきましては、全国一斉にことし四月十七日に実施されたところでございます。
基礎学力向上推進事業につきましては、引き続き、すべての小・中学校における基礎・基本の定着度について調査を行い、その分析結果をまとめ、各学校における指導方法の改善・充実を図りますとともに、各学校の学力向上のための取り組みを支援することとしております。
また、基礎・基本定着度調査等の分析結果をもとに、基礎学力を児童・生徒に確実に身につけさせるために、各教科・学年で達成したい基礎的・基本的事項や活用に関する問題を示しました鹿児島ベーシック・チャレンジを改訂することとしております。
六ページでございます。
鹿児島県
授業力向上プログラムにつきましては、小・中・特別支援学校におきまして、校種間の連携を図りながら、学力向上に向けた取り組みの充実を通して学習指導法の改善を進め、確かな学力の定着を図ってまいります。
新教育課程説明会につきましては、高等学校・
特別支援学校高等部の教員等を対象に、学習指導要領の改訂に伴います新教育課程の円滑な実施を図りますために、改訂の趣旨や内容、移行措置等について周知を図ってまいります。
次の
グローバル人材育成促進事業につきましては、高等学校における外国語教育の充実を図りますために、指導改善に取り組みますとともに、高校生の海外留学を促進してまいります。
県立高校学力向上推進プログラムにつきましては、生徒の進路実現のため、教職員の教科指導力や進路指導力の向上を図りますとともに、生徒の学ぶ意欲の向上に向けた取り組みを進め、進学等に対応できる学力の育成に努めてまいります。
2)特別支援教育の推進でございます。
鹿児島養護学校の移転整備につきましては、来年四月の移転開校を目指し、昨年度に引き続き建設工事を進めてまいります。
鹿児島聾学校の移転整備につきましては、平成二十七年度の移転開校を目指して、実施設計を行うこととしております。
七ページの
中種子養護学校高等部の施設整備につきましては、高等部の生徒増に対応して必要な校舎増築の建設工事を行うこととしております。
医療的ケアのための
特別支援学校非常勤看護師の配置につきましては、医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍をいたします、すべての特別支援学校において、児童生徒への日常的・応急的な医療的ケアを行いますために、特別支援学校十二校に常時二十四人の看護師を配置するため、三十五人を非常勤職員として委嘱したところでございます。
県立高校における
特別支援教育支援員の配置につきましては、県立高校において、発達障害等、特に配慮を要する生徒のニーズに応じた支援を充実させるために、非常勤の
特別支援教育支援員を配置してまいります。
また、
特別支援教育総合推進事業につきましては、特別支援学校の施設整備や就学指導体制など、特別支援教育に関する課題等を検討し、総合的な推進を図りますとともに、発達障害を含むすべての障害のある幼児・児童・生徒を支援いたしますために、小・中学校等における特別支援教育の体制整備を図ることとしております。
大島養護学校高等部訪問教育の拡充につきましては、現在、与論高校の校舎を活用して実施しております大島養護学校の訪問教育を、平成二十五年度から徳之島高校及び沖永良部高校においても同様に実施するために必要な整備を行うこととしております。
八ページになります。
3)キャリア教育の推進についてでございます。
未来を拓くキャリア教育の推進につきましては、経済団体等と連携をいたしまして、中・高校生を対象にインターンシップを実施いたしますとともに、学校において企業経営者等の講演会を実施してまいります。
また、県立高校七校にキャリアガイダンスカウンセラーを、十五校に就職支援員を引き続き配置するなど、高校生の就職支援のさらなる充実を図ることとしております。
4)郷土教育の推進につきましては、郷土鹿児島に誇りを持ち、鹿児島の魅力を語れる子供たちを育てるために、郷土素材を生かし、郷土理解を深めさせる体験的な学習の促進や伝統文化の継承、読み物教材の活用など、郷土教育の推進を図ることとしており、第一回
読み物教材作成委員会を五月三十日に開催したところでございます。
三の信頼される学校づくりの推進の1)公立高等学校の活性化についてでございます。
大隅地域高校振興事業につきましては、大隅地域における高校教育の充実・振興を図りますために、大隅地域の公立高校の在り方検討委員会のとりまとめを踏まえた高校のあり方を具体的に検討することとしております。
かごしま専門高校パワーアップ・プロジェクトにつきましては、専門高校において、学科間、学校間、学校・地域間の連携をもとにした特色ある教育活動を推進し、将来の地域産業を担う人材の育成を図ってまいります。
九ページをお聞きください。
2)の教職員の資質向上についてでございます。
平成二十五年度鹿児島県
公立学校教員等選考試験につきましては、障害者の積極的な社会参加を促進するため、障害者特別選考の受験者に対して、一次試験における教職教養試験等の免除を行うこととしております。
また、中学校における免許外教科担任の解消や小・中学校のより一層の連携、特別支援教育等の充実を図りますため、複数の教員免許状や資格等を保有している受験者の申請により加点を行い、その確保に努めることとしております。
その他、英語の実技試験において、より高度な技量を持つ者を採用するため、
英語実技試験免除基準を引き上げることとしております。
3)安全・安心な学校づくりについてでございます。
地域ぐるみ学校安全体制推進事業につきましては、県下七地区九会場において、スクールガード・
防犯ボランティア等研修会を開催いたしますとともに、スクールガード・リーダーを配置する市町村への助成を行い、学校の安全体制の整備に取り組んでいるところでございます。
十ページでございます。
4)の教育環境の整備・充実についてでございます。
本県公立学校施設の耐震改修状況につきましては、ことし四月一日現在の耐震化率の推計値は、公立小・中学校が九〇・四%、公立高校が九一・〇%、県立高校が九二・七%、特別支援学校が一〇〇%、公立幼稚園が七五・〇%、全体では九〇・六%となっておりまして、昨年度と比べて五・九ポイント上昇いたしております。
学校施設は、児童・生徒が一日の大半を過ごす活動の場でありますとともに、災害時は地域住民の避難場所としての役割を果たしますことから、市町村に対しまして、今後とも、早急に施設の耐震化を進めるよう指導・助言してまいります。
また、県立高校につきましても同様に、耐震化の実施に努めてまいりたいと考えております。
新たな奨学制度準備事業につきましては、現在、経済界、高校・大学関係者、保護者、学識経験者などの外部有識者から、新たな奨学制度に対する御意見を伺っているところでございます。今後、これらの意見や県議会での御論議も参考にしながら制度設計を進め、あわせて、新制度に対応する貸与返還システムを整備することとしております。
次に、四の地域全体で子どもを守り育てる環境づくりの推進の1)地域住民が支援する地域の中の学校づくりの推進でございます。
地域ぐるみで学校運営を支援する体制を整備し、地域全体で子供を守り育てる環境づくりを推進するかご
しま学校応援団推進プロジェクトを展開し、実践事例集を
市町村教育委員会等に配布するなど、積極的な学校支援の取り組みをお願いしているところでございます。
十一ページをお開きください。
2)家庭の教育力の向上についてでございます。
家庭教育を支援していこうとする機運の醸成を図りますために、六月五日に
家庭教育学級研修会を開催したところでございます。
五番目の生涯にわたって学べる環境づくりとスポーツ・文化の振興の1)生涯学習環境の充実についてでございます。
かごしま県民大学につきましては、県立学校での生涯学習県民大学講座といたしまして、七十六校七十六講座が開設されることとなっております。
2)生涯スポーツの推進についてでございます。
鴨池公園運動施設改修事業につきましては、老朽化が進んでおります鴨池公園内の運動施設について、耐震診断や改修設計等を行い、施設の安全性の確保と利便性の向上を図ることとしております。
また、県民が主体的、継続的に
スポーツレクリエーション活動に親しむことを目指します、健やかスポーツ一〇〇日運動を推進してまいります。
十二ページになります。
3)競技スポーツの推進についてでございます。
競技力向上対策の推進につきましては、第三期競技力向上五カ年計画の二年目といたしまして、これまでの成果と課題を踏まえ、各競技団体における指導体制の整備・充実等を重点事項として計画を進めているところでございます。
その一環といたしまして、岐阜県で開催されます、ことしの国民体育大会において活躍が期待されます強化指定校や職場、強化指定選手の代表に対しまして、去る五月八日に強化指定証の授与を行い、選手を激励したところでございます。
また、記載しておりませんが、次期国体開催に向けて計画的な競技力向上に努めることとしており、選手の発掘・育成・強化はもとより、指導者の確保・養成、競技団体の育成支援など具体的な計画を策定することとしております。
鹿児島県
国民体育大会施設整備等基金造成事業につきましては、第七十五回国民体育大会の施設整備、運営等に要する経費の財源に充てますため、基金を設置したところでございます。
4)文化財の保存・活用につきましては、国の文化審議会が去る四月二十日、国の重要文化財として鹿児島県前原遺跡出土品の指定を、国の登録有形文化財として鮫島博家住宅主屋ほか三件の登録を文部科学大臣に答申をいたしました。申請どおり指定されますと、本県の重要文化財は三十六件、登録有形文化財は百五件となります。
教育行政の着実な推進の1)開かれた教育行政の推進につきましては、移動教育委員会を開催をいたしまして、教育委員の活動に対する県民の理解を深めていただくこととしております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
3 ◯成尾委員長 総括説明が終わりましたが、総括説明に対する質疑につきましては、県政一般でお願いいたします。
次に、議案について教職員課長の説明を求めます。
4
◯豊島教職員課長 よろしくお願いいたします。
お手元の議案等説明書をごらんいただけないでしょうか。一番後ろのほうに書いてございます。
議案第六三号鹿児島県事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例制定の件について御説明をいたします。
小・中学校の県費負担教職員の手当の認定事務の迅速化・効率化の観点から、平成十八年十二月の県議会におきまして県の事務処理特例条例を改正していただき、知事の権限に属する児童手当の認定権限を市町村長に移譲し、最終的には、この権限を小・中学校長までおろしたところでございます。
平成二十二年度から子ども手当制度が創設されたことに伴いまして、子ども手当の認定等の事務はこれまで各教育事務所が処理していたところでございますけれども、今回、児童手当法の一部が改正されたことから、改めて、事務処理特例条例の改正によりまして、市町村長に権限移譲しようとするものでございます。
なお、改正後の児童手当法に基づきます事務の権限移譲につきましては、平成二十四年十月一日から施行することとしております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
5 ◯成尾委員長 説明が終わりましたので、議案に対する質疑をお願いいたします。
6 ◯二牟礼委員 今回のこの権限移譲につきましては、これまで教育事務所で行われていたものを各市町村にということですが、業務量としてどの程度であったのかと、教育事務所での処理の頻度といいますか、それについて教えてください。
7
◯豊島教職員課長 平成十八年の旧児童手当の場合にも市町村で認定業務をしていただいておりました。その後、平成二十二年度から子ども手当になりまして、これは児童手当の支給要件に該当しないため教育事務所でやっておりました。今回また児童手当ということで権限の移譲ということの流れでございます。
それで、今、その業務量の負担の件でございますけれども、人数的に申し上げますと四千八百人ほどの受給者がございまして、新規の認定件数としては、大体八百件前後という状況でございます。業務量と申しましても、そのほかの住居手当などいろいろなものもございまして、その中の一つとしてやっております。今度、それぞれ学校に移譲いたしますけれども、それぞれほかの認定等もございますので、それほど業務量が特段ふえることはないのではないかと思っております。以上でよろしいでしょうか。
8 ◯二牟礼委員 この議案書の一ページの附則に、この第二条の特例条例についてはという説明があります。議案書の一ページ、附則の二に、第二条の取り扱いが長々と規定されているのですが、よくわからない表現なものですから、何を言わんとしているのか簡潔に説明いただけますか。
9 ◯成尾委員長 暫時休憩いたします。
午前十時二十四分休憩
────────────────
午前十時二十四分再開
10 ◯成尾委員長 再開いたします。
11
◯豊島教職員課長 今回、十月一日からそれぞれ市町村に移譲するということでございまして、その前日までということで九月三十日までに市町村に移譲されます。今回なぜ十月一日からと申しますと、児童手当の一部改正を踏まえまして、改めて市町村と協議を行いました。その上で今回、移譲するということでございますけれども、市町村におきまして、事務委任規定の整備等の準備に必要な期間がございましたので十月一日にしております。それまでにお願いいたしまして、十月一日から移譲という流れだと思っております。
12 ◯二牟礼委員 要するに、施行日前の場合は、申請した行為は教育事務所が行って、それ以降は市町村長に対してなされた申請とみなすということですか。
13
◯豊島教職員課長 十月一日から移譲いたしますので、九月三十日までは、小・中学校の場合には教育事務所で認定業務等を行うということでございます。
14 ◯成尾委員長 ほかに質疑はございませんか。
[「なし」という者あり]
15 ◯成尾委員長 ほかにありませんので、これで議案に対する質疑を終了いたします。
これより、議案の採決に入りますが、まず、取り扱い意見をお願いいたします。
16 ◯鶴田委員 議案第六三号につきましては、必要な条例改正ということであり、適当と認められますので、原案のとおり可決ということでお願いをいたします。
17 ◯成尾委員長 ほかに御意見ありませんか。
[「なし」という者あり]
18 ◯成尾委員長 それでは、議案第六三号につきまして、採決いたします。
ただいま、議案第六三号につきましては、可決との御意見がありましたので、原案のとおり可決すべきものとすることに御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
19 ◯成尾委員長 御異議なしと認めます。
よって、議案第六三号につきましては、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上で、議案の審査を終わります。
続いて、請願・陳情の審査をお手元の請願・陳情文書表により行います。
まず、新規の請願第四〇〇二号を議題といたします。
教職員課長の説明を求めます。
20
◯豊島教職員課長 よろしくお願いいたします。
請願第四〇〇二号は、教育予算の拡充を求める意見書の採択要請についてでございますが、二ページをお開きいただけないでしょうか。
第一項につきましては、離島・山間部の多い本県におきまして、教育の機会均等を保障するため、国の定数基準を改め、複式学級の解消に向けて適切な措置を講ずるよう求めるものでございます。
三ページでございますが、状況説明でございますが、国におきまして、平成二十三年六月に公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議が設置されまして、今後の少人数学級の推進等に係る検討が行われております。その中で、複式学級の改善のあり方についても検討項目の一つとされております。
現在、本県におきましては、小学校の変則複式学級におきまして学年間で授業内容等に大きな違いがありますため、独自に定数を措置いたしましてその大半を解消するとともに、中学におきましては非常勤講師の配置や教員の学校間兼務発令等を行うなど、複式学級の学習指導等の充実に努めているところでございます。
また、県教委では、国の動向を見ながら文部科学省に対して、指導上の困難を伴います複式学級の解消につきまして、県単独で要望しているところでございます。
第二項ですが、少人数学級を推進し、具体的学級規模を、OECD諸国並みの豊かな教育環境整備のため三十人以下学級とするよう求めるものでございます。
状況説明でございますけれども、現在、国におきまして公布・施行されました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律を踏まえまして、平成二十三年六月に公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議を設置いたしまして、今後の少人数学級の推進等に係る検討が行われているところでございます。
県教委におきましても、国の動向を注視しながら文部科学省に対しまして、今後も少人数学級の実施など、個に応じたきめ細やかな教育の充実や新たな教育課題に対応するため、学級編制標準及び教職員定数の改善につきまして、県単独及び全国都道府県教育委員長協議会・教育長協議会を通じて要望しているところでございます。
第三項でございますが、教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、義務教育費国庫負担制度の国庫負担割合を二分の一に復元しようとするものでございます。
状況説明でございますが、義務教育費国庫負担制度につきましては、政府・与党の合意に基づきまして、これを堅持するという方針のもと、平成十八年度から国庫負担の割合が三分の一とされ、減額分につきましては税源移譲及び地方交付税により財源措置されているところでございます。
県教委におきましては、義務教育の機会均等と教育水準の維持向上のため、今後とも引き続き、確実かつ十分な財源措置が講じられることを、全国都道府県教育委員長協議会・教育長協議会等を通しまして、国に対して要望しているところでございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
21 ◯成尾委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
22 ◯二牟礼委員 まず、この一に関連しまして、小学校の変則複式学級が現在、県内でどの程度、何校において、複式ですので、これもクラスと言うのか、何校において何クラスあるのか教えてください。
そこに独自に定数を措置とありますが、その独自に措置されている数、その大半を解消するとなっていますけれども、どのような方法によって解消され、大半ですから、解消されていないところがどの程度あるのか、また、中学校におけるこの非常勤講師の配置や教員の学校間兼務発令とありますので、その現状についてもお示しください。
23
◯豊島教職員課長 複式学級についてでございますが、基本的にと申しますか、複式学級の組み合わせですが、低学年一・二年、中学年、高学年という、一・二年、三・四年、五・六年という複式があると望ましいのですが、学校によりましては、例えば二年・三年や、四年・五年などの複式を組まざるを得ないという状況もございます。
そこで、そうした場合、教育課程や時間数の違いから、なかなか複式が難しい状況がございますけれども、全部で変則複式が四十七ございます。(「四十七校ですか」という者あり)四十七学級でございます。その中で三十六学級を解消をしております。割合でいいますと七七%ほど解消しているということでございます。
複式の件につきましては、よろしいでしょうか。(「中学校」という者あり)
それから、中学校の免許外教科担任解消事業などそういうものでございますけれども、教員の配置定数は法律で決められております。それで、中学校におきましても小規模校の場合には、全教科の免許をそろえるとやはり十人の先生の配置が必要になります。標準法によりますと、やはり六学級以上ないと十人以上の先生を配置できないということになっております。
そういう学校は、本当に大体約半数が十人以上は配置できないという規模の学校でございます。それを解消するための一つといたしまして、
中学校免許外教科担任解消事業がございまして、今年度は百五十二件、大体県下で、週六百六十時間ほど配置をしております。
それだけではなくて、兼務は今年度が三十件、学校間兼務でございます。二つの学校にまたいで行っていただいて専門の授業をしていただくのが、今年度は三十件あります。
また、免許外担任の許可制度がございまして、今年度が百十七件でございます。これもできるだけ少なくしようということで努力いたしまして、一番多いときは千人を超しているころもありましたが、今年度は百十七件ということでございます。
それともう一つ、臨時免許もございますけれども、今年度は現在のところ百十四件ということでございます。
このように、免許外や臨免などございますけれども、本当に教える力があるということを、私どもである程度、大学の専攻等を見て発行しておりまして、また教育センターでも事後研修なども行われております。
また、後ほど出てくるかもしれませんけれども、こういうようなことを少しでも解消できればということで、複数免許を持っている者の採用などを今後、積極的に進めていきたいと思っております。
以上でございます。
24 ◯二牟礼委員 複式について解消したというのは、例えば、一年生と三年生の児童がいて、これが解消するとなると、一年生と三年生にここにあります先生の定数が配置されたということで、解消されたという理解をすればよろしいですか。
25 ◯豊島教職員課長 その解消されたという解釈と申しますか、意味ですけれども、二つ一緒のクラスでやるのを分けますので、もとに戻した、その学年ごとに戻したということでございます。
26 ◯二牟礼委員 そうしますと、これは言えば本県独自の教職員の加配になるのですか。その場合、その予算措置はどのようになっているのですか。
27 ◯豊島教職員課長 県の県単定数と申しますか、それからの予算を使わせていただいております。
28 ◯二牟礼委員 二番目に関連しまして、ここには、県教委では、今後も少人数学級(三十五人以下学級)の実施など要望しているとありますけれども、現在、小学校一、二年生について、鹿児島では実施されているわけです。この三十人学級というのは、小学校の場合は一年生から六年生までありますけれども、一年生から六年生まででしょうか。中学校も一年生から三年生まででしょうか。要望されている三十人学級の対象学年は、どこまでですか。
29 ◯豊島教職員課長 今現在、正式に少人数学級となっておりますのは、三十五人ということで小学校一年生だけでございます。二年生は、今年度の法改正、制度の改正はありません。やっていない県に加配等をしているということでございまして、要望につきましては、二年生以降の制度化と申しますか、そういうところを三十五人以下を要望しております。
30 ◯二牟礼委員 ですから、小学校六年生までですか。それとも中学校も一年から三年までですかとお尋ねしているわけです。
31
◯豊島教職員課長 中学校三年までということでございます。
32 ◯二牟礼委員 三番目の義務教育費国庫負担制度について、三分の一になって税源移譲、地方交付税での財源措置がされていると私どもも認識はしているのですけれども、この間、県教委としては、きちんとここに確実に十分に措置されてきていると理解をされているのでしょうか。
33
◯豊島教職員課長 県下一万七千弱の先生方がいらっしゃいますので、給料その他等きちんと支払われておりますので、十分に措置されていると認識しております。
34 ◯下鶴委員 まず、第一項について伺います。
文科省に対して、複式学級の解消について県単独で要望しているという状況説明でありますが、このような複式学級を抱えている県は、離島、島嶼、山間部を持つ県で、共通する課題ではないかと思います。要望の際に、ほかの県との連携はどのように行っているのでしょうか。というのが、本県単独で要望するのもいいのですけれども、やはりそれよりも、同じ課題を抱えるところと一緒に要望したほうが説得力、効果を持つのではないかと思うものでして、そこの状況を教えてください。
35
◯豊島教職員課長 全国の状況でございますけれども、この複式学級の割合は、鹿児島県は突出して多い状況でございます。
鹿児島県では、小学校におきまして複式学級の割合が一二%、二十三年度でございますけれども、中学校におきまして複式学級の割合が一・五八%ということでございます。ほかの県と比べまして非常に多い、二番目のところが八%、一%程度でございますので、ほかの県と比べまして非常に多いということでございます。
今、委員御指摘のとおり、開促協の折に教育委員会単独でお願いをしているのでございますけれども、今後の課題といたしまして、他県との連携なども、また進めていかなければならないということで検討させていただければと思います。
36 ◯下鶴委員 わかりました。
ぜひ、要望の実現に向けて、いろいろなあらゆる手を尽くしていただければと思っております。
続いて、第二項については、こちらも要望中ということになっているわけですけれども、この要望も実現に当たっては、本県で行っている三十人学級の具体的な効果を示せれば、より説得力が増すのではないかと思っています。三十人学級化による効果について、本県でもいいですし、また要望の際には他県の事例もあわせて、これだけ効果があるんですよというそういう測定、把握は行っているものでしょうか。
37
◯豊島教職員課長 本県におきましては、平成十七年度から一年生、翌十八年度から二年生が「かごしまっ子」すくすくプランということで三十人学級を行っております。その中で、実施している学校の状況等を聞きますと、成果としては、学習面につきましては、一人一人の学習状況が把握しやすく、個に応じた指導ができる、きめ細やかな指導ができるということです。また、低学年ですので、生活面につきましては、あいさつや時間のけじめ、基本的生活習慣などの定着が図られたということです。
それから、教師のほうですけれども、一人一人の実態把握ができることから、個に応じた指導ができる、保護者等につきましても、一人一人の児童生徒に目が行き届き、きめ細やかな指導がされているという評価をいただいているということを、実施している学校からは聞いております。よろしいでしょうか。
38 ◯下鶴委員 三十人学級に伴って、きめ細やかな生活面、学習面含めて指導ができたということを教職員側、そして保護者側、お持ちだということですが、やはり要望を実現していくに当たっては、できれば、今の定性的なあらわし方もいいですけれども、定量的なあらわし方ができれば、より説得力を増すのではないかと思っています。現状、何らかの数値での把握は行っているものがあるのですか。
39
◯豊島教職員課長 今、アンケートという形でいろいろ聞いたりしておりますけれども、委員がおっしゃるような目に見えるというか、そういう数字的なものでの把握は、今現在のところやっておりません。そういう要望をするに当たって、必要であればまた今後、研究させていただきたいと思っております。
40 ◯下鶴委員 これは意見ですけれども、やはり要望を実現させていくに当たっては、少人数学級になったらきめ細やかな指導ができますというのは、ある意味もう当たり前のことであって、それがやはりそれだけかかる費用に対して、それだけの効果があるからぜひやってくださいということを言っていかないと、なかなか実現につながらないと思うので、ぜひそこは定量的な把握を前向きに検討していただければと思っております。以上です。
41 ◯大久保委員 請願の資料で、教育条件の国際比較、OECDの比較がいろいろ出ていますけれども、これについてはOECDにもいろいろある中で、先進国の数と比べたときには、日本の場合は、数字的な面でおくれをとっているとか何かあるのでしょうか。
42
◯豊島教職員課長 先進国もいろいろございますけど、財務省が毎年出しております日本の財政関係資料というものがございます。その中で教育関係のこともいろいろ記述がありますけれども、例えば、子供一人当たりの国や地方への教育への支出割合は他の先進国と遜色のない水準である、教員一人当たりの児童生徒数は主要先進国とは遜色のない水準である等、先進国の中でもそんなに遜色はない水準の中で教育にお金をかけているということは、一応財務省の資料の中にはございます。
43 ◯大久保委員 それから、少人数学級のメリット等々に関連して、請願では三十人、それからこちらの県教職員課の資料では三十五人以下ということで、三十人がいいのか三十五人がいいのか、少人数学級を実現するには具体的な数字は決め手はなかなかなかろうかと思いますけれども、文部科学省のヒアリング調査においても三十人、三十五人、いろいろ意見が分かれているようです。数字には決め手がないとは思いますけれども、そういう中で、少人数学級にするメリットはきめ細かい教育を施すという部分があるのでしょうけど、余り数が少な過ぎるとデメリットみたいなものもあるという指摘もあるようですが、そのあたり何か話としては押さえられていないですか。
44
◯豊島教職員課長 小学校低学年におきましては、先ほど申し上げましたとおり、入門期におきます基本的生活習慣や、先生が一年生一人一人に本当に目が届く等ございます。三十五人がいいか三十人がいいかという話でございますけれども、社会性やコミュニケーションをするためには、やはりある程度の人数は必要だと思っております。それが三十五人がいいのか三十人がいいのかというのは今、即答できませんけれども、また学習内容次第でも、やはりたくさんで学んだほうがいい、少人数で学んだほうがいいなど、いろいろあるところでございます。
今回、文科省に要求を出されておりますのは三十五人以下学級ということでございまして、とりあえず三十五人以下学級で要望いたしまして、その後また次の段階ということだと思っております。
45 ◯成尾委員長 ほかに質疑はありませんか。
[「なし」という者あり]
46 ◯成尾委員長 ほかに質疑がないようですので、質疑を終了いたします。
それでは、採決に入りますが、まず、取り扱い意見をお願いいたします。
47 ◯鶴田委員 請願第四〇〇二号につきましては、教育予算の拡充等を求める意見書の採択要請についての請願であります。
第一項の複式学級の解消につきましては、国として、第二項の少人数学級と同様の検討の中で項目として取り上げられており、また、第二項の少人数学級の推進及び第三項の義務教育費国庫負担金の負担割合の復元等につきましては、前年度も同様の内容の請願があり、その後、情勢の変化もないため、いずれも意見書を提出する状況には至っていないのではないかと考えまして、不採択をお願いいたします。
48 ◯二牟礼委員 いずれも採択でお願いします。県教委自体も独自に要望しているわけですので、それを後押しするというのは議会としての任務だと思いますので、お願いします。
49 ◯下鶴委員 請願第四〇〇二号につきましては、まず、第一項と第二項につきましては、必要性自体は相応に考えられるものの、費用の問題、そしてまた現在、国に対して要望中ということから、推移を見守る必要があると考え、継続審査でお願いいたします。
また、第三項につきましては、義務教育の教育水準並びに費用については国が責任を持って保障すべきものでありますので、採択でお願いいたします。
50 ◯成尾委員長 請願第四〇〇二号の各項につきましては、継続審査の意見、採択を求める意見及び不採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。
請願第四〇〇二号第一項及び第二項を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
51 ◯成尾委員長 挙手少数であります。
よって、請願第四〇〇二号第一項、第二項につきましては、継続審査すべきことは否決されました。
それでは、請願第四〇〇二号の第一項及び第二項につきまして採決いたします。
請願第四〇〇二号第一項及び第二項を採択することに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
52 ◯成尾委員長 挙手少数であります。
よって、請願第四〇〇二号の第一項及び第二項につきましては、不採択とすべきものと決定をいたしました。
第三項につきましては、採択と不採択の両意見がありますので、採択についてお諮りいたします。
第三項を採択すべきものとすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
53 ◯成尾委員長 挙手少数であります。
よって、請願第四〇〇二号第三項につきましては、不採択とすべきものと決定をいたしました。
次に、継続審査分の陳情の審査を行います。
陳情第四〇〇一号、陳情第四〇〇三号、陳情第四〇〇六号、陳情第四〇〇七号第一項、陳情第四〇〇七号第四項及び陳情第四〇〇七号第五項を一括議題といたします。
その後の情勢の変化などにつきまして、関係課長の説明を求めます。
まず、陳情第四〇〇一号及び陳情第四〇〇三号につきましては、同様の趣旨の陳情でありますので、義務教育課長の説明を求めます。
54 ◯西川義務教育課長 よろしくお願いいたします。
資料の四ページをごらんください。
陳情第四〇〇一号でございますが、これは、旧徳之島農業高校跡地又は徳之島高校に養護学校分校又は分教室の設置を求めるというものでございます。
また、陳情第四〇〇三号でございますが、これは、徳之島農業高等学校跡地に、障害のある子供たちが地元の学校で学び、特別支援教育が受けられるように、大島養護学校の分校を設置することを求めるというものでございます。
これら二件の陳情について、共通の情勢の変化がございましたので、執行部の意見について御説明いたします。
特別支援学校の分校又は分教室を設置するということについては、平成二十二年度から与論高校において実施している高校校舎を活用した大島養護学校の訪問教育について、一定の成果が得られましたことから、平成二十五年度から同方式を徳之島高校及び沖永良部高校において同様に実施することとしたところであり、今後、これらの成果等も踏まえつつ、児童生徒の在籍見通しや施設整備のあり方、関係機関との連携などを含めて、研究すべき課題と考えているところでございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
55 ◯成尾委員長 次に、陳情第四〇〇六号につきまして、保健体育課長の説明を求めます。
56 ◯吉田保健体育課長 同じく四ページでございます。
陳情第四〇〇六号は、学校給食に関する陳情でございます。
これは、子供たちが食材を通して内部被ばくを受けることを回避するために、各学校、給食センターでで使用している食材の産地及び放射性核種、量を県ホームページで掲載することを求めるものでございます。
これにつきましては、その後の情勢の変化はございません。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
57 ◯成尾委員長 最後に、陳情第四〇〇七号第一項、第四項及び第五項につきまして、総務福利課長、義務教育課長及び高校教育課長の説明を求めます。
58 ◯前原総務福利課長 陳情第四〇〇七号は、希望するすべての子どもたちに豊かな高校教育の保障を求めるものでございます。
総務福利課関係は第五項でございますが、これにつきましては、その後の情勢の変化はございません。
以上でございます。
59 ◯西川義務教育課長 義務教育課関係は第四項でございます。
これは、高等部を設置していない特別支援学校への高等部設置及び高校への特別支援学級や分教室の設置に向けた教育諸条件の整備を求めるものでございます。
これに関しまして、情勢の変化がございましたので、執行部の意見を御説明いたします。
特別支援学校の高等部につきましては、平成二十三年度末では、県下の十五校中十二校に設置されていたところですが、本年四月には、中種子養護学校に高等部が設置されるとともに、本県初の鹿児島高等特別支援学校が開校したところでございます。
高等学校内の特別支援学校の分教室を設置するということにつきましては、平成二十二年度から与論高校において実施している高校校舎を活用した大島養護学校訪問教育について、一定の成果が得られましたことから、平成二十五年度から同方式を徳之島高校及び沖永良部高校において同様に実施することとしているところであり、今後、これらの成果等も踏まえつつ、児童生徒の在籍見通しや施設整備のあり方、関係機関との連携などを含めて、研究すべき課題と考えているところでございます。
以上です。よろしくお願いいたします。
60 ◯海江田高校教育課長 高校教育関係の第一項について御説明いたします。
第一項につきましては、大隅地域における高校振興の取り組みについて、地区検討委員会で地区住民の声を広く集約し、それを踏まえて、大隅地域における公立高校の在り方検討委員会で十分時間をかけて論議を行うことというものでございます。
これに関しまして、情勢の変化がございましたので、執行部の意見について申し上げます。
大隅地域の公立高校の在り方検討委員会におきましては、地元の行政関係者、学校関係者及び保護者等から成る地区検討会と協議を重ねながら、高校教育の充実・振興に、地域振興という新たな視点を加えた大隅地域全体の高校のあり方の検討を行っていただいたところでございます。
平成二十四年三月にとりまとめを提出していただいているところでございます。
県教委といたしましては、このとりまとめを踏まえまして、大隅地域の公立高校のあり方を検討することとしておりまして、高校教育のより一層の充実・振興につながるように努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。よろしくお願いします。
61 ◯成尾委員長 以上で、所管課長の説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
62 ◯二牟礼委員 陳情四〇〇七号に関連して、大隅地域の公立高校の在り方検討委員会のとりまとめが出されておりまして、私どもの代表質問に対しまして、知事は、「所要の財源確保に努めながら、準備が整ったところから順次実施に移す」と、教育長は、「とりまとめの方向性を踏まえ、適宜、地元市町の首長、学校関係者との協議を行いながら、個別具体的な検討を進め、魅力ある高校づくりが実現できるよう取り組んでまいりたい」と答弁されております。順次、適宜、取り組んでいかれるということですけれども、今後のスケジュールといいますか、どのような形で具体的に進めていくことになるのか教えてください。
所要の財源確保に努めながらとなりますと、高山高校の併設型の中高一貫教育や、あるいは跡地への交流拠点施設の設置等、かなり具体的な検討を要すると思いますし、財源も多額に上ると思います。大体どのような形で具体化をしていくものか、地元の方も期待をされていると思いますが、今の時点の考えをお聞かせください。
63 ◯海江田高校教育課長 後もって御説明をさせていただく時間もまたとっておりますけれども、それぞれの地域で高校のあり方について望まれる、とりまとめの方向性もいろいろ違っている状況もございます。そういうことも含めまして、個別具体に検討しながら発表していくということを考えておりますけれども、現時点で、一つ一つについてどういうスケジュールでということまで、今の段階で申し上げられるような状況ができておりません。ということで御了解いただければと思います。
64 ◯二牟礼委員 ここに何かあるみたいです。また後で、お願いします。
65 ◯永井委員 四〇〇一号及び四〇〇三号に関連して、確認の意味でお尋ねさせてください。
陳情の趣旨にある、特別支援学校のない離島、そういう地域においての特別支援教育の充実は、やはり保護者の方を含めて、大きなテーマであると同時に課題であります。現在、与論高校で行われている訪問教育のスタイルをモデルに、来年度、徳之島高校及び沖永良部高校での御計画をされていると聞いていますが、空き教室の整備、またあわせて保護者の方や、いろいろな協議の手続を進めておられると思いますけれども、現在の取り組み状況と今後の御計画をまずお聞かせいただけませんか。
66 ◯西川義務教育課長 徳之島高校それから沖永良部高校について来年度から訪問教育を実施するということで、今、検討を進めております。
具体的には先月、両島に担当者が赴きまして、今後の計画について若干御説明と要望等を伺う機会等をつくらせていただきました。
また、具体的には高校校舎を活用しますので、設備面での改修等必要になってまいります。どの場所を使うのか、そういったことも含めて今、検討しているところでございます。
明確にいつまでにどういった形でと決めているところではございませんけれども、なるべく早く、どういった条件でできるのかということについては御説明できる環境を整えて、来年度入学して来られる方が必ずしも同校で訪問教育を受けるということを現時点で決めていらっしゃるわけではないので、きちんと選択していただけるように説明をしてまいりたいと考えております。
67 ◯永井委員 保護者の方との語らいもされたと聞いていますけれども、その保護者の方の中にはこの陳情の方々も含まれていると思いますが、その保護者の方の御意見、今、この陳情の趣旨は分校、分教室という形になっています。訪問教育について現実的に可能なスタイルで、より充実を図るということに関しては御理解をいただいていると聞いていますが、その保護者の会で出ている話、また懸念されて、少しもっとこういう工夫をしてほしいなど、その辺の実情を教えていただけませんか。
68 ◯西川義務教育課長 保護者の方々に御説明に伺った際に、自分たちの島で高等部の教育を受けられるという意味で大変大きな前進だと考えているというお言葉、お話をいただいております。そういう意味では評価をしていただいていると考えておりますが、その際に御要望としてありましたのは、与論高校の場合ですと、午後の時間に福祉施設におきまして作業等をしております。そこでどのような活動をされているのかということについて、実態のわかるような情報をいただけないかという要望がございました。
そういった要望につきましては、速やかに調査といいますか、実態把握をいたしまして情報提供できるようにした上で、先ほど申し上げたとおりですけれども、早々に選択していただけるような形で御説明してまいりたいと考えております。
69 ◯永井委員 それと確認ですが、分教室の設置についての明確な児童生徒の推移を含めて、徳之島のこの表を見ますと、将来的にもそれなりに児童生徒の数が多いという趣旨で書かれておられますけれども、県教委では、分教室をつくる場合の設置の基準的なものを何かお持ちですか。
70 ◯成尾委員長 この際、御報告いたします。
傍聴について四名の方から申し出があり、これを許可いたしました。
71 ◯西川義務教育課長 分教室の設置の基準というものは正式には設けておりません。ただ、分教室という意味ではなくて、通常の特別支援学校における学級の設置の場合、一般に、高等部の標準学級の場合は八名の生徒で一学級を構成するということにしておりますので、それが一つの目安になろうかと思います。ただ、特別支援学校ではなくて高校校舎を活用するという場合には、その場で活動する条件、例えば作業学習をする場合の別の特別教室、そういったものの条件が出てまいりますので、生徒数の見込みや、あるいは施設面での条件など、そういったことも踏まえて検討していく必要があると考えております。
72 ◯永井委員 わかりました。
今後も保護者の方々との協議を重ねられて、せっかくそういう形の充実を図られるわけですので、その御意向に可能な限り取り組んでいただいて、やはり特別支援教育の充実というものをぜひ図っていっていただきたいと、そのことを強くお願いいたします。もう一度改めて、そういう地域における特別支援教育の充実について、課長の思いを最後に聞かせていただいて、終わりたいと思います。
73 ◯西川義務教育課長 地域において小学校、中学校という時間を過ごして、やはり高等学校の三年間を地域で過ごさせたいという保護者の方々の思いは非常に強いものがあると感じております。
特別支援教育の趣旨は、障害を持っている子供たちの力を最大限伸ばしていくことが最大の課題、目的でございますので、どういった条件で教育を行っていくことが本当にその子供たちにとっていいのかということは、しっかり我々としても専門的な考え、見地に立って検討していく必要があると思っております。まずは保護者の方々の御要望、あるいは子供たちの本人の要望ということもしっかり踏まえて、特に離島地域での特別支援の充実ということについてハードの面とそれからソフトの面、両面で充実させていく必要があると、そういうことを進めていきたいと考えております。
74 ◯永井委員 よろしくお願いいたします。
75 ◯成尾委員長 ほかに質疑はありませんか。
[「なし」という者あり]
76 ◯成尾委員長 ほかに質疑はないようですので、質疑を終了いたします。
それでは、採決に入りますが、まず、取り扱い意見をお願いいたします。
77 ◯鶴田委員 まず、継続分の陳情第四〇〇一号、それから第四〇〇三号につきましては、現在、与論高校で実施している訪問教育、この方式を二十五年度から徳之島高校でも実施するということの説明がありました。生徒の在籍見通しや施設整備のあり方等、関係機関との連携なども含めて、執行部において今後、研究すべき課題があるということでありますので、継続審査の取り扱いでお願いをいたします。
続きまして、陳情第四〇〇六号でありますけれども、その後の情勢の変化がないということでありまして、継続審査ということでお願いをしたいと思います。
それから陳情第四〇〇七号でありますけれども、まず、第一項の大隅地域の公立高校のあり方の関係であります。これは既に論議が終了しておりますので、不採択でお願いをいたします。
それから第四項、このことにつきましては、本年四月に中種子養護学校に高等部が設置をされ、さらに本県初の高等特別支援学校が開校するなど、体制整備が進められているところであります。さらに、平成二十五年度から、ただいま申し上げました徳之島高校及び沖永良部高校で訪問特別支援教育が実施をされるということであります。今後、生徒の在籍見通し、また、施設整備のあり方等々執行部がさらに研究をする課題があるということでありますので、この第四項、継続審査でお願いをいたします。
最後に第五項、奨学金でありますけれども、現在、情勢の変化がないということでありますので、引き続き継続審査でお願いをいたします。
以上であります。
78 ◯二牟礼委員 四〇〇一号、四〇〇三号、四〇〇七号については、採択でお願いします。
特に、なかなか理解ができないのですけれども、四〇〇七号の一項については終了しているから不採択ということですが、議会の意思が出て、採択で出ておけば、十分時間をかけて議論を行うことということでありますので、終了したから不採択というのはなかなか私には解せないです。むしろ先ほども申し上げましたけれども、議会の意思として、陳情に対しては積極的に陳情者の趣旨を受けとめるという姿勢が必要ではないかと思います。これは陳情採択しておけば、このとおり十分な議論が行われて、とりまとめが出されたわけですので、何か議会の意思が余りにも後退しているというか、そんな印象をぬぐえません。それは意見です。取り扱い意見です。
79 ◯成尾委員長 ほかにありませんか。
80 ◯下鶴委員 四〇〇七号に関しましては、第一項については、今、二牟礼委員からもありましたけれども、地域住民の声を広く集約し、踏まえて、十分に時間をかけて論議を行うことというのは当然のことでありますので、議論が終了した、公立高校の在り方検討委員会の答申が出た状況では、やはり採択として議会の意思を示すべきだと考えます。
四項、五項については継続でお願いいたします。
81 ◯成尾委員長 それでは、陳情第四〇〇一号及び陳情第四〇〇三号につきましては、継続審査の意見と採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。
これら二件の陳情を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
82 ◯成尾委員長 挙手多数であります。
よって、陳情第四〇〇一号及び陳情第四〇〇三号につきましては、継続審査すべきものと決定をいたしました。
次に、陳情第四〇〇六号につきましては、継続審査との御意見でありますが、継続審査すべきものとすることに御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
83 ◯成尾委員長 御異議ありませんので、陳情第四〇〇六号につきましては、継続審査とすべきものと決定をいたします。
次に、陳情四〇〇七号の一項につきましては、採択を求める意見及び不採択を求める意見がありますので、第一項を採択することに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
84 ◯成尾委員長 挙手少数であります。
よって、陳情第四〇〇七号第一項は不採択とすべきものと決定をいたしました。
次に、陳情第四〇〇七号第四項及び第五項につきましては、継続審査の意見と採択を求める意見がありますので、まずは継続審査についてお諮りいたします。
陳情第四〇〇七号第四項及び第五項につきまして、継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
[賛成者挙手]
85 ◯成尾委員長 挙手多数であります。
よって、陳情第四〇〇七号第四項及び第五項につきましては、継続審査すべきものと決定をいたしました。
以上で、請願・陳情の審査を終了いたします。
この際、お諮りいたします。
採択した請願・陳情につきましては、委員会の審査における意見や提案について政策への反映状況を確認する必要があります。このため、前年度の定例会において採択した請願・陳情につきまして、この処理経過及び結果報告を次回の第三回定例会の当委員会において調査することとし、その調査のための資料を要求したいと思いますが、御異議ございませんか。
[「異議なし」という者あり]
86 ◯成尾委員長 御異議ございませんので、そのように決定をいたします。
次に、県政一般であります。
それでは、まず、特定調査事項の教員の資質向上についての調査を行います。
義務教育課長及び教職員課長の説明を求めます。
87 ◯西川義務教育課長 よろしくお願いいたします。
お手元、特定調査事項関係資料をごらんください。
調査事項は、教員の資質向上についてということで、調査内容について、各種研修と不祥事対策について二つございます。私のほうから各種研修等への取り組みについて御説明させていただきます。
資料一ページをお願いいたします。
初めに、基本的な研修の体系について御説明させていただきます。
教職員には、時代の要請や本県の伝統的な地域特性等を踏まえて、時代を超えて変わらない資質能力、時代の変化に主体的に対応できる資質能力を、生涯を通じて身につけることが求められます。これらの資質能力をそれぞれのライフステージに合わせて身につけることができるよう、教職員の研修を実施しておるとこでございます。
この趣旨については、一ページの一番下のところにその趣旨を説明させていただいているところです。
この研修について大別いたしますと、経験年次別の研修、職務別研修、希望研修、その他資質能力の向上に資する各種事業ということで本県では実施しているところでございます。
資料の左側の図をごらんいただければと思います。
まず、経験年次別研修は、法定の研修として、初任者研修、十年目経験者研修がございますが、それに加えて本県では、五年経験者の研修をしております。また、二年目、三年目の教員についても研修を実施しているところではございます。
それから職務別研修としましては、各種主任・担当者レベルでの研修を実施するとともに、新任教頭研修会、経験者教頭研修会、新任校長研修会など、充実に努めているところでございます。
左側の図でいきますと、米印がついているところが該当者悉皆の全員参加の研修になっておりまして、囲んであるところは、今申し上げました経験年次別研修、職務別研修でございます。さらに、その下に、四角囲みに教育課題解決に向けての研修というものがございますが、これは、県の総合教育センターを初めとしまして、さまざまな場所におきまして、専門的な内容に関する研修を中心に、各種の派遣研修や短期の講座等などを実施しております。こうした研修を通じまして、それぞれの段階におきまして資質能力の向上が図られるような機会を設けているところでございます。
続きまして、今回テーマになっております学力の向上ほか三つのテーマについて、個別にどういった取り組みがあるか御説明させていただきます。
資料の二ページをお願いたいします。
児童生徒の学力の向上という観点につきましては、教員の授業力の向上を重視して施策を実施しているところでございます。
小・中・特別支援学校につきましては、
授業力向上プログラム、資料でいきますと一番上の囲みのところでございますが、これを本年度から実施しているところでございまして、例えば授業の公開、あるいは学力向上推進員というものを委嘱しまして、授業力向上の取り組みを進めていただいているところでございます。
また、地区別の授業力向上実践研究会の開催など、そうしたものを通じて、授業における指導力の向上に取り組んでいます。
また、高等学校におきましては、外部講師による指導など、授業改善プログラム、真ん中の囲みでございますけれども、を中心に教科指導力の向上に取り組んでいるところでございます。
さらに、県総合教育センターにおきましては、授業研究サポート事業としまして、各学校における校内研修ですとか、授業研究への支援を行っているところでございます。
続きまして、三ページをお願いいたします。
生徒指導上の諸課題に対応するための各種研修の実施状況でございます。
生徒指導上の諸課題に対応するための研修に関しましては、先ほど冒頭御説明させていただきました経験年次別の研修におきましても、研修のテーマとして取り上げておりますけれども、これに加えまして、例えば、子どもサポート体制整備事業ですとか、地区別高等学校生徒指導連絡協議会などの機会を設けまして、学校現場における個別的な課題を踏まえた対応のあり方について情報交換、討議などを行うようにしております。
また、こちらにつきましても、総合教育センターでは短期研修講座あるいは、心をひらく生徒指導力向上講座、いじめ問題研修会等を実施いたしまして、生徒指導の担当者を初めとした教職員の研修機会の充実に努めているところでございます。
三点目に、安全指導に係る各種研修への取り組みについてでございます。
安全指導に関する各種研修の実施状況について、小・中学校の学校安全担当者を対象としまして講習会を開催し、核となる教員の育成を進めることで、防犯教室、防災教室、交通安全教室などにおける実践的な指導の充実に努めております。
今年度の開催予定等については、資料の四ページをごらんください。
また、学校保健等に関する課題につきましても、指導者の資質向上に努め、児童生徒の健康増進と安全に関する望ましい資質や能力の育成を進めております。
以上のほか、このたびの特定調査事項に関するテーマ以外に関しましても、教職員の研修会の機会の充実に努めておりまして、例えば、学校図書館運営あるいは教育メディアの利活用につきまして、資料の六ページ、それから人権教育に関する研修の実施状況につきまして、資料の七ページ、八ページに実施状況等のデータを載せております。
以上、研修の取り組みの状況でございます。よろしくお願いいたします。
88
◯豊島教職員課長 続きまして、不祥事対策ということについて御説明を申し上げます。
資料の真ん中からまたページが新たに一ページから始まっておりますけれども、一ページをごらんいただきたいと思っております。
それでは、不祥事対策につきまして、六月四日に開催いたしました第一回不祥事根絶委員会の資料に基づきまして御説明をさせていただきます。
一ページをお開きください。
この委員会は、五月十一日の教育委員会臨時会におきまして、不祥事発生の原因分析、根絶のための施策の立案・提言等をしていただくために設置をされたものでございます。
この委員会における、不祥事発生の原因分析、根絶のための施策の立案・提言等を受けまして、県教委といたしまして、これまでの取り組みに加え、さらにより実効性のある取り組みを実施することとしております。
二ページをお開きください。
委員につきましては、犯罪心理学者や元警察官、
スクールカウンセラーなど七人の外部の有識者で構成をしております。委員長は、委員の互選によりまして、久留一郎鹿児島純心女子大学大学院教授でございます。
それでは、三ページをお開きください。
右側ですけれども、三ページから六ページまでは、不祥事防止や職員の人権意識の高揚、メンタルヘルス対策といたしまして、これまで県教委が取り組んできているものを記載をしてございます。
三ページでは、服務規律の厳正確保に関しまして、定期的な通知の発出や不祥事発生の際の緊急指導につきまして、また、教職員向けに配布しております服務指導のための資料やセクハラ防止のためのしおり、人権意識高揚のための資料について記載をしてございます。
四ページをお開きください。
このページには、県教委が実施しております各種研修会におきまして、服務規律に関する指導等を行っていることや、各市町村立学校を所管しております教育事務所の所長会について記載をしてございます。
なお、県立学校の場合には、県教委が直接、服務を監督いたしますけれども、市町村立の学校におきましては、直接の服務監督権者が市町村教育委員会となっておりまして、これにつきましては、県教委と市町村教委が連携をいたしまして教職員の指導に取り組んでいくことになります。
五ページでございます。
平成十九年三月には、懲戒処分の指針を策定いたしまして、二十三年三月には、平成十三年に策定いたしました懲戒処分の際の公表基準も改正するなどいたしまして、不祥事発生の抑止と県民の皆様への説明責任を果たすよう努めているところでございますけれども、重大な不祥事の根絶には至っていないところでございます。
このほか、五ページから六ページにかけまして、教育長等職員の倫理要綱、県立学校セクハラ防止の指針、相談事業等について記載をしております。
各学校におきましては、すべての学校で研修等のあり方を工夫しながら、不祥事防止に取り組んでいるところでございますが、課題といたしまして、学校組織としての不祥事防止体制の確立、個に応じました指導の徹底や相談体制の充実、使命感・職責感を高める本質的な指導の継続などが挙げられているところでございます。
七ページをお開きください。
本県におきます懲戒処分の状況でございますけれども、七ページから十八ページまでが本県におきます懲戒処分の事例分析でございます。このうち十三ページまでが、全般的な懲戒処分に関するものでございまして、十四ページから十八ページにかけましては、教職員として最も許されない重大な非違行為といたしまして、わいせつ行為等と、窃盗・着服など金銭に関するものを特に取り上げております。
七ページの折れ線グラフでございますけれども、平成十四年度二十一件で最も多かったわけでございますが、それ以降、十件前後で推移をしております。
下の段の年度ごとの表でございますが、平成二十三年度の件数が十六件と前年度より八件増加しておりますが、これにつきましては、平成二十三年度に速度違反につきまして厳格な取り扱いを行うこととしたことによるものでございます。
八ページをお開きください。
懲戒処分の理由別件数を表であらわしておりますけれども、特徴的なことを申し上げますと、平成二十一年度を除きまして、わいせつ行為等が毎年度発生しております。
九ページをお開きください。
十ページにかけまして、被処分者の校種、年齢を掲載しておりますけれども、校種では中学校の教職員、年代では三十代が最も多くなっております。
十一ページをお開きをください。
(五)の職種別には、やはり教諭の占める割合が多いわけでございますけれども、管理職におきましても、管理監督責任以外に、本人の行為によりまして処分を行われたケースがあることを示しております。
十二ページをお開きくさだい。
発生時期についてでございますが、わいせつ行為等が六月から八月及び十一月から二月、窃盗が四月及び七月から九月に発生していることなどを記載をしております。
十三ページでございますが、被処分者の性別に関するデータでございますが、八割強が男性職員であることを示したものでございます。
以上が、不祥事全般にわたるものでございます。
次に、十四ページをお開きください。
わいせつ行為等に関するデータでございます。
被処分者の年齢・校種につきましては、先ほどの説明と同様、三十代、中学校の教職員が多くなっております。
十五ページでございますが、十五ページからめくって十六ページにつきましては、被害者に関するデータ、自分の学校の児童生徒であるかどうか、小学生か中学生か、行為を行われた場所等について示しております。
十七ページでございますが、わいせつ行為等に至った動機につきまして、把握できたものについてお示しをいたしました。
十八ページ、最後でございますが、窃盗・着服につきまして、被処分者の職、年齢、校種、場所、動機等についてお示しをいたしました。
以上、私ども県教委の取り組みや、懲戒処分に関する分析等につきまして、第一回不祥事根絶委員会で説明いたしまして、各委員による意見交換等が行われました。
各委員からの主な発言内容でございますけれども、学校単位での不祥事防止対策の取り組みを行う体制づくりが必要である、わかっていたらやめるという気づきを促すような研修が必要である、悩みがある教職員向けの相談窓口があることを周知徹底するべきである、問題が小さいうちに安心して相談できる体制づくりが必要、相談を受ける側の技術を養うことが必要、妻帯者のわいせつ行為が多いと家庭的な問題も含まれるのではないか、不祥事を起こす者につきましては想像力の欠如がある、つまりこれをすればどうなるということを察知する能力に欠けている等、個別のケースにおきまして何をすれば防げたのかを分析して、今後、再発防止策につなげる必要があるということ、また、根絶委員会を設置したこと自体が意識の高まりにつながるということなどが意見として出されました。
よろしくお願いいたします。
89 ◯成尾委員長 説明が終わりましたが、この件につきまして、質問や意見等がありましたらお願いいたします。
90 ◯下鶴委員 資料の九ページにある被処分者の校種について伺いたいのですが、このデータを拝見すると、小学校に比べて中・高のほうが割合的にもおおよそ二倍、三倍ということになるわけですけれども、その原因というところは何か分析があれば教えてください。
91 ◯豊島教職員課長 この原因の分析につきましては、また今後、第二回、第三回検討委員会ございますけれども、その中でそれぞれの御専門の先生には伺うこととしております。原因につきましては特定するものは今の段階ではございません。
中学校が多いということで、多感な時期の子供たちを相手にする等いろいろあると思いますけれども、そのあたりの分析は、また第三回を終わりまして発表させていただきたいと思っております。
92 ◯下鶴委員 わかりました。
これだけの差が出ていると、小学校も中学校も高校も教員というのは同じだろうと思っているもので、なぜこれだけの差が出るのかということは、やはり再発防止を考えた上で必要な分析を加えていただきたいと思います。
続いて、資料七ページの懲戒処分の種類別件数等ありますけれども、これらの懲戒を受けた教員で、人事委員会等へ不服の申し立て等を行っている例があれば教えてください。
93 ◯豊島教職員課長 現在のところ、この被処分者から人事委員会等へのそういう意見の申し出というのは今、ないということでございます。
94 ◯下鶴委員 はい、わかりました。
続いて、資料十五ページのわいせつ行為等に係る懲戒処分について伺いたいのですが、やはり、わいせつ行為は言語道断であるというのはもちろんのこと、特に、教員としての地位を利用した自校の生徒へのわいせつ行為は処断されるべきだと考えています。自校の生徒に対して六件ありますが、これに対して具体的にどのような処分が下されたのか、教えてください。
95 ◯豊島教職員課長 指針に基づきますと懲戒免職でございますけれども、その六件が全部懲戒免職になったかどうかというのは、確認をさせていただきたいと思います。少しお時間をください。
96 ◯下鶴委員 はい、わかりました。それは今、確認をお願いします。
それで今のところの最後に、資料十八ページの着服について、またこちらも、やはり窃盗も着服も、他人の財物を窃取するというのはもちろん教員として言語道断ですけれども、こちらも同じく地位を利用して着服を行うということは、より悪質ではないかと考えていますが、この着服の二件について、こちらも処分と、そしてまたこの着服については、生徒さんたちから集めているお金に穴があくわけですから、これの弁済についてどのようになっているのか、そしてまた、刑事告発はどのようになっているのかについて教えてください。
97 ◯豊島教職員課長 着服の件についてでございます。この二件につきましては、下の四十代の高等学校につきましては懲戒免職ということでございました。上の小学校についても、懲戒免職ということでございます。二人とも弁済をしていると聞いておりますので、刑事告発はしていないと聞いております。
98 ◯下鶴委員 教員の部分に限らず、前々から若干、個人で疑問に思っているので伺いたいのですけれども、弁済をしたから刑事告発をしない、ということがよくあります。もちろん弁済をするのは重要なことではありますが、免職という処分も下るわけですけれども、では、とったら返せばいいのかという話はもちろん違うわけです。なぜ刑事告発をしないのか、少なくとも教育委員会として、弁済があったから告発をしないという判断を通常されているかと思うのですが、その理由についてもう少し教えていただけないですか、日ごろ疑問に思っているものでありまして。
99 ◯豊島教職員課長 懲戒免職の場合には、もちろん退職金、その他等は支払われることはございません。それから、懲戒免職ということで名前の公表その他等ございます。そのときの判断だと思いますけれども、社会的制裁、そういうものを受けたということで告発はしなかったのだろうと思っております。
100 ◯下鶴委員 もちろん実際、告発されてから、警察、検察が取り調べるに当たっては社会的制裁の度合い等々が考慮されるかと思うのですが、それを考慮するのは、取り調べ機関であって、告発した後は、実態として懲戒免職等の社会的制裁を受けたから刑事処分が下るかどうかということは、取り調べ機関が判断される話であって、やはりなぜ告発まで至らないのかと思います。ほかにいろいろな理由があればわかるのですが、実際に着服をしていて、明らかに刑事罰相当の行為をやっていて、かつ、特に着服というのは、これらのPTA特別会計も模試代金も、教員を信頼して預けているわけですから、それを裏切って着服して、ばれたから返しました、それについては刑事責任は問わないです、ということはやはり納得いかないものがあるので、その刑事告発をしない理由がほかにあれば正直なところを教えていただきたい。
101 ◯豊島教職員課長 先ほど申し上げました理由もあると思いますけれども、その際、私どもの顧問弁護士とも相談いたしまして、そのときの判断だと思っております。
今、委員から御指摘の点につきましては、やはり厳しく臨まなければいけないと思っておりますので、今後、研究をしていきたいと思っております。よろしくお願いします。
102 ◯下鶴委員 わかりました。
今後、個別具体的な事案が出てきたときなどに、また、この話は教育委員会に限らず職員全般に共通する話ですので、ぜひまた私もいろいろ考えていきたいと思っております。以上です。
103 ◯おつじ委員 十六ページですが、セクシュアル・ハラスメントの勤務校で対生徒というのは具体的にどういう事件ですか。
104 ◯豊島教職員課長 勤務校の対生徒ということで、学校の中で生徒に対するセクシュアル・ハラスメントということです。
105 ◯おつじ委員 これをお聞きしたのは、部活動で器械体操が物すごく高度になっていて、女子の器械体操も男子の先生が指導します。女子ではもう指導ができなくなっていて、ほとんど強い学校の指導者が男子の職員になっていて、そして私たち体操協会でも大変困った時期がありました。かっこいい男の先生の場合、女子生徒が落ちてくるのをつかまえたら何も言わないのだそうですけど、その後にちょっと体格のいい人がしたら、落ちたら死ぬかもしれない、そういう状態で自分たちが支えたら、先生はセクハラだと言って教育委員会に言いに行くということがあって、そして一時、女子の器械体操は、インターハイに行けなかった時期があります。ばからしくて、ばからしくてというか、自分は体を張って子供を支えるのに、そんなことを言われて、教育委員会に言いに行く、親に言うなどと言われて、男子の指導者が全部手を引いた時期がありました。女子は、必ず県から一校ずつ試合に出られるのに、インターハイに行かなかった、行けなかったというか、その学校の器械体操部がなくなって、二年間女子の器械体操ができなくなった時期がありました。
それから、私の教え子が大変困った時期もありました。教え子が自分の子供の学校に行って、出席簿をおしりの下に敷いて座っていたので、先生が、こんなのに座ってと言っておしりをぱっとさわったら、先生はセクハラだと言ったそうです。その教え子は、あなたが悪い、とPTAに出て言ったところ、その子はそのまま黙っていたといいます。やはりいろいろなところでそういう子供たちの反応があり、今の法律では本人がセクハラだと思ったらセクハラになるそうで、そして指導者が大変困っている。
川内のバスケット部も一回、男子の先生が何かありました。運動部の場合は本当に、女子のチームを男子が受け持つと、指導するときに手をさわらないと、体をさわらないといけない場面があります。ですから、これも何か部活動で起こったのかと思ってお聞きしました。やはり私たち体育の指導者をしていた者としては本当に心を痛めてるのですが、そういうところの事案があったときに教育委員会ではどう思われますか。
インターハイに出られなかった時期すらあったという事例があります。だから器械体操の指導をする男子の先生はほとんどいなくなりまして、今はもう指導できないという状態にまで陥っています。ですから、私立しか残っていないという状況です。公立高校は、ほとんどそういう体を張って指導する監督がいなくなる実情がありますが、そのことについてどう思われますか。
106 ◯成尾委員長 一つは、高校のセクハラがどのような内容だったのかということを教えていただく、それから、今あったように、そういう意味では男性の先生がなかなか活動できなかったりするという話がありますので、それについてお考えというか、今、取り組んでいらっしゃること等があれば教えてください、ということだと思います。
107 ◯豊島教職員課長 十六ページの勤務校の対生徒の具体的な事案につきましては、少しお時間をいただきたいと思います。今の部活動等におきます指導についてでございますけれども、セクハラの定義でございますけれども、職場におきまして、職員またその他の者を不快にさせる性的な言動をいうというのがセクシュアル・ハラスメントの定義でございまして、私どももいろいろな通知の中で、やはり人格や尊厳を侵害し、職場環境の悪化を招くことであることから、一人一人のセクハラの意識を高めるという指導をしております。
また、職員等から相談があった場合には、迅速かつ適切に対処するということで指導しておりますが、そういう部活動等の指導のあり方につきましては、異性の生徒に対する指導は、やはり最大限に配慮する必要があるのではないかと思っております。済みません、答えになったかどうかわかりませんけれども。
先ほどの勤務校の対生徒でございますけれども、勤務校におきまして、男子職員が女生徒の体に触れた等、そういう件でございます。
108 ◯おつじ委員 これ以上言っても仕方がないことで、こういう行為をすること自体、私も絶対いけないと思っていますが、部活動において、どうしても生徒を守るためにやらなければならない場合はあります。私が聞いたのは、川内のどこかのバスケット部の指導者が指導するときにしたことが新聞に載ったことがあったので、何年か前、もう相当前でしたが、そのことではないかという思いがあってお聞きしました。部活動の先生方は本当に苦労しておられるし、本当に困っておられるという現状だけはお伝えして、終わります。
109 ◯二牟礼委員 八ページに、管理監督責任とは、所属職員に対する監督責任を問われたものであるということで、四件ほどありますけれども、これは具体的にどういう例ですか。管理監督責任が問われたもの、懲戒となっているのですが、どういう場合ですか。
110 ◯豊島教職員課長 管理監督責任と申しますのは、職員が何か起こしたときの校長の指導上の責任ということで、管理監督の責任を問うたものでございますけれども、例えば、その四件のうちの平成二十一年の二件のうちの一件は、先ほどございました所属職員による着服の際、校長も懲戒処分にしたということでございます。
あとの三件の事例につきましては、少しまたお時間をいただければと思います。
111 ◯二牟礼委員 それは所属職員に対する監督責任と、今の例は本人の行為だから、所属職員に対する監督責任を問われたものではない、と思うものですから、どんな例かと伺いました。
なぜかといいますと、十一ページには、被処分者の職ということで、管理監督責任を問うたもの四件も見受けられるが、管理職自身の行為によって処分されたもの七件がこれを上回っているとありまして、責任を問われたものと管理職自身の行為は区別されて表記されているものですから、具体的にはどのような場合に懲戒処分を受けるのかと思ったものですから。
112 ◯豊島教職員課長 十一ページで説明したほうがわかりやすいでしょうか。十一ページの表で管理監督責任が校長が三、事務長が一、その上が、その他義務違反、わいせつ等ございますけれども、管理監督責任と申しますのは、委員が先ほど言われたとおり、職員が何かをしたときに、やはり校長の監督の責任を問うて処分をしたものでございますし、その上の七件につきましては、そういう例で言いますと、校長、教頭自身が窃盗したり等、そして処分をしたものということでございます。
113 ◯二牟礼委員 それはわかるわけです。ですから、管理職が懲戒を受けるような責任を問われた例というのは、どのようなものがあるのでしょうかという質問です。
114 ◯豊島教職員課長 先ほども申し上げましたけれども、一つの例が、十八ページにございますが、一番下の二百万円模試代金等の着服ございますけれども、この際に校長に対して懲戒処分を行っております。非常に社会的な影響、金額等大きかったものですから、校長まで管理監督責任を問うたものでございます。
115 ◯二牟礼委員 私どもの代表質問において、教職員の不祥事の背景等について質問した際に、モラルや使命感・職責感の欠如、これは一般的だと思いますが、私生活上の問題や職場における人間関係などとあります。先ほどの根絶委員会での議論の中で、そういった研修といいますか、体制づくりあるいは相談窓口の問題が議論になったとお聞きしましたけれども、そういったものがこの原因を見ましても、一番最後の十八ページの窃盗などの例を見ましても、借金返済、経済的に困窮、自分が自由に使える金が少なかった等、まさにこういう私生活上の問題です。
あるいはそのほかの問題も、以前から児童や幼児に興味を持っていた、職場のストレスがあった、学校、家庭の悩みがあり精神的に不安定であったなど、そういう職場における人間関係、不安定さというものも要因として挙げられるわけです。その辺の把握をするというか、そういった方々、教職員の日常的な私生活上の問題、あるいは職場における人間関係をきちんと受けとめられるような体制づくりは、どういうふうにされてきているのか。また、これから、これは提言を受けようが受けまいが行わなければならない問題だと思うのですが、そういった取り組みはどのようにされようとしているのか、それから、相談窓口とありますが、それは学校においては何かそういったものを設置されているのでしょうか。
116 ◯豊島教職員課長 職員の不祥事につきましては、その職員のモラル、使命感・職責感の欠如や、私生活上の悩み、職場における人間関係の悩み、いろいろなものが複雑に絡み合って起きているのではないかと思っております。相談体制等そういうことでございますけれども、それぞれの学校におきましては、私どもの通知、またはマスコミ等のいろいろな報道、その他等を事例に挙げまして、本当にそれぞれの学校では指導してくれていると思っております。
その中で、いろいろな研修会で申し上げていますのは、全体指導もそうですけど、一人一人の個人的な服務指導と申しますか、個人面談と申しますか、そういうものを大切にしてくださいということを申し上げております。年代によってそれぞれ悩みも違うだろうし、また、個人個人に接することによりましていろいろなことがキャッチできるかもしれないということで、個人別の指導をお願いをしております。
今、委員が言われたとおり、それぞれの学校におきまして相談体制と申しますか、そういうのはあったりなかったりでございますけれども、管理職を中心といたしまして、より身近にいる教頭が、職員室におりますので、いろいろなことで積極的に話をするような、情報収集するような、よく小さな合図を見逃すなとか言いますけれども、そういうようなことのないように指導をしております。
また、今後、根絶委員会でいろいろな提言をする中で、それぞれの学校の中にまた相談体制というそういう組織を設置したほうがいいなど、そういうようなアドバイスを受けましたら、それをもとに私どもで検討いたしまして、またそれぞれのアイデアとして出させていただきたいと思っております。以上でございます。
117 ◯前原総務福利課長 資料の六ページの上段に、現状の相談体制が書いてございますけれども、この教職員よろず相談につきましては、校長を経験して退職された方、この方を非常勤として雇用しておりまして、県立図書館に相談室がございます。相談につきましては、電話で相談したり、あるいは相談室を訪問していただいて直接面談ということもございます。
それからメンタルヘルス相談につきましては、メンタルヘルスカウンセラーを三人、これも非常勤ですけれども、専門の方ということで相談員を設置しております。
特に、教職員よろず相談につきましては、さまざまな悩み、不安なことなど何でもということで、そこに職場、家族、健康とございますが、職場であれば、例えば、新しく教頭あるいは校長になったときにどうすればいいだろうかということで、相談員が校長経験者ですので、自分の経験に基づいたり、あるいは自分が知らないものであれば後で回答をするという形で対応をしておりまして、ただ、これが全職員にこういう相談室があると周知徹底されているかどうか不確かな部分がございましたので、ことしの四月にございました市町村教育委員会の職員の研修会でチラシをお配りして、これを持って帰られたらコピーをして、各学校に拡大コピーをしてお配りくださいということで周知を図っているところでございます。
今後、これを拡充するかどうかにつきましては、根絶委員会の検討状況によってまた検討させていただきたいと思っております。
118 ◯二牟礼委員 ことしの五月二十一日に、大隅地区の県立学校の男性教諭と学年主任、さらにそこの校長が処分されました。これは最初、昨年の六月、教諭が飲み会の帰りにセクハラをした、わいせつをした。そして、学年主任が校長からこの教諭の監督を指示されていたにもかかわらず、別の女性にわいせつした。校長は二件のセクハラを把握しながら、生徒に動揺を与えたくないということで県教委に報告しなかったというものです。女性職員二人がことし三月下旬、県教職員課に相談して発覚した、こういう事件があるわけですけれども、生徒に動揺を与えたくない、校長から教諭を監督しろと言われて、その監督するべき人がわいせつ行為をする、もう言語道断です。
そうした、学校でこういった問題を隠そうとするような雰囲気はないですか。去年の六月と九月にあったわけですが、もう半年以上報告もされていない。卒業生が出て行けば、この問題は卒業した人には全くこういった新聞紙上でしかわからないわけです。生徒に動揺を与えたくないと、その教員がいること自体が動揺です。もってのほかだと思いますけれども、こういったことについてどのように思われますか。
119 ◯成尾委員長 ここで、昼食等のため、暫時休憩いたします。
再開は、おおむね一時十五分といたします。よろしくお願いいたします。
また、整理しておいていただいて、いろいろと答えていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
午前十一時五十八分休憩
────────────────
午後一 時 十三分再開
120 ◯成尾委員長 再開をいたします。
121 ◯豊島教職員課長 午前中お時間をいただきました件と、最後の質問に答えさせていただきます。
午前中の最後、資料の十一ページになりますけれども、管理監督責任ということで校長三、事務長一ということの御質問でございましたけれども、これは校内における不適切な会計処理、着服等に伴いました、それぞれ校長、事務長の処分でございます。
それから、十五ページの自校の生徒の六件という件でございますけれども、これは基本的にわいせつ行為は懲戒免職ということは午前中お話しさせていただいたのですが、この六件うち四件が懲戒免職でございまして、二件が停職ということでございます。以上でございます。
続けてよろしいでしょうか。
122 ◯成尾委員長 どうぞ。
123 ◯豊島教職員課長 最後に、二牟礼委員からの御質問でございますけれども、今回、隠そうとするようなことがあったのではないかという御質問でございました。一件目につきましては、隠そうと思ったのかもしれませんけれども、そのときの校長の判断で、自分の指導、校内において職員の指導で立ち直りと申しますか、その職員を指導しようと思ったものでございます。
二件目につきましては、一件目報告しなかったこともありまして、報告しにくかったという件でございまして、明らかに隠そうとするようなことが否定できない状況でございました。この二つのことをあわせまして、本当に厳しい処分ということで、マスコミ等にございましたけれども、減給という処分をいたしました。
ふだんから校長会その他等におきまして、事故、不祥事その他等につきましては、きちんと報告するように指導をしております。今回、残念ながら結果的に報告がなかったわけでございますけれども、また、校長会等におきましても、職員の不祥事、事故その他等については、きちんと速やかに報告するような指導を今後は続けていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
124 ◯二牟礼委員 今、最初の例については、立ち直りの機会を与えたということでありますけれども、そうしたことをすること自体が、わいせつ行為を受けた教諭の立場はどうなるのですか。後の例は女子職員とありますけれども、女子職員の立場はどうですか。最初は六月、次は九月ですから、それぞれもう半年以上です。わいせつを受けた教諭は、あるいは女子職員は、その男性教諭に対して何のおとがめもない中で半年以上、生徒指導に当たらなければいけないわけです。
それを、校長が立ち直りの機会を与えたなど、そういうことには決してなりません。その教諭自体はどんな教育をすればいいのですか。その男性教諭はどんな顔をして生徒指導に当たっているのですか。それに気づかない校長というのもまた問題です。そう思われませんか。
125 ◯豊島教職員課長 校内におきましては、その該当の男性教諭二人につきまして、本当に継続した指導、厳しい指導をしていたと聞いております。それから、被害者の女性ですけれども、周りの職員へのフォローはきちんと校長、教頭含めましてやっていたと聞いております。
126 ◯二牟礼委員 だから、その姿勢がおかしいわけです。女性教諭にどんな顔して、どんなフォローをするのですか。何の処分もせずに、県教委に本来報告すべきことを報告せずに、どんなフォローをするのですか。そんないい加減なことをやっているから、この管理職の責任が問われるわけです。
極端に言えば、問題が起きても、問題行動を起こしても何のおとがめもないような学校の雰囲気が、でき上がってしまっているということではないですか。そういうことでしょう。女子職員が言わなかったらどうなっていたのか。これはまだずっと明らかにされないということではないですか。そういった隠す体質があるから一向におさまらないのではないですか。
127 ◯豊島教職員課長 今回この件につきましては、校長に対しまして本当に厳罰、本当に厳しい指導をしたつもりでございます。先ほども申し上げましたけれども、今後、校長会その他等で、きちんとそういう報告義務違反が絶対ないように、指導を続けていきたいと思っております。
以上でございます。
128 ◯二牟礼委員 もう一点だけ、この不祥事根絶委員会の提言を早く受けてと、七月ごろには提言をというお話でしたけれども、早期に提言を受け、より実効性のある取り組みを実施してまいりたいということでありますが、これはどんな形での提言になるのですか。ここには不祥事発生の要因分析や未然防止対策等を検討していただいているとありますが、どんな提言を期待されているのですか。
129 ◯豊島教職員課長 第一回目の会議におきましては、今お手元にある資料で、それまでのいろいろな不祥事の現状やデータをお示しいたしました。その中で、先ほど申し上げました御意見等が出ました。
第二回目は、さらに不祥事発生の原因分析や具体的な対策について意見をいただきまして、それが三回目につながると思っています。第一回目のときにも意見が出ました相談体制、またいろいろな校内での不祥事対策のそういう組織のあり方等、そういうものが提言いただけるものと思っております。それをまたさらに具体化いたしまして、学校に指導していきたいと思っております。
以上でございます。
130 ◯酒匂委員 まず、基本的なところを少しお伺いしたいのですが、七ページですけれども、下の表で免職、停職、減給、戒告という懲戒処分の種類がありますが、事例でいいですけれども、例えば免職はこういう場合が多い、停職はこういう場合等、過去の処分に合わせて幾つか事例を挙げてわかりやすく教えてもらえますか。
131 ◯豊島教職員課長 懲戒免職、停職、減給、戒告、上から重い順番でございます。
免職といいますと、職を失うということになるわけですけれども、先ほど申し上げましたわいせつ行為や重大な刑事事件、そういうときに免職という形になります。
停職で多いのが、飲酒運転等で停職六カ月などがございます。
それから減給につきましては、今回もございましたけれども、セクハラなどで減給措置する。
そして戒告と申しますのは、そこまで至らないけれども、やはり厳しい指導が必要であるということに対しまして戒告ということで、将来戒める、今後のことについて厳しく指導するという意味で戒告をしております。
132 ◯酒匂委員 わかりました。その一番下のところに、全教職員数と被処分者の割合がありますけれども、平成二十三年度が〇・〇九%ですが、九州各県と比較してどういう状況でしょうか。
133
◯豊島教職員課長 八ページをごらんいただけないでしょうか、めくりまして一番上ですが、これが全国の状況でございます。全国が大体〇・一二%、〇・一%程度ということでございますが、鹿児島県におきましては、二十三年度は件数が多くて〇・〇九%でございました。それまでは〇・〇四から七ぐらいを推移しています。今、九州というお尋ねでしたが、手元にデータがないものですから全国と比べさせていただきました。
134 ◯酒匂委員 わかりました。
教職員の不祥事等に対する県民または国民の目が、近年特に厳しい気がします。今、聞いたお話の中では鹿児島県は全国平均よりは低いということで、一つ安心する点ではありますが、五ページにあります公表基準、これとの兼ね合いも少しお聞きしたいと思います。
なぜかといいますと、やはり名前が出るということは、一つの大きな不祥事発生の抑制になるのではないかと思っているからです。そして先ほど七ページで事例を伺ったみたいに、例えば飲酒運転は今、ほかの県では免職までしようという公務員の規定を考えたり、例えば今、二牟礼委員が言われたセクハラなど、本当に考えられない事例もあるわけです。
ですから、今度せっかく不祥事を根絶する委員会もできますので、この公表基準を停職、減給ぐらいまでもう一つ厳しくするようなことも、一つの手だてとしては考えてもいいのではないかと思うわけです。今、聞けば、例えば飲酒、セクハラなどはもうあってはならない話でありまして、懲戒免職だけでいいのか、そこも改めて検討していただけたらと思っていますが、また何かコメントがあればお願いします。
135
◯豊島教職員課長 五ページの六番の公表基準の一部改正でございますけれども、二十三年度からでございますが、懲戒免職の場合には所属、氏名、すべて公表をいたします。その他の分につきましては、地区名、校種、年齢、それまで三十歳代とか四十歳代とかそういう表現でしたが、年齢まで公表をするようにいたしました。
その公表基準の見直しを行いましたのも、他府県、九州の状況などを見まして改正したものでございます。今、委員の御意見を今後また研究させていただきたいと思っております。
以上でございます。
136 ◯酒匂委員 せっかく今回、不祥事根絶委員会と、根絶という名前をつけていらっしゃいますから、やはり踏み込んだ対応をしないと、また例年どおりの件数が出てきて、全国よりも低いかもしれませんが、同じような件数がまたこれから一年、二年、三年と上がってくるようでは、せっかく根絶委員会をつくったことはもう意味がなかったとなってしまう可能性もありますので、ぜひ御検討方をお願いします。
137 ◯おつじ委員 最初の資料の一ページですが、新任校長研修会、そして新任教頭研修会とあります。それで、鹿児島県の校長の平均期間、何年なのか、そして教頭の平均期間をまず教えてください。
138
◯豊島教職員課長 今、管理職の在任期間の御質問だったと思いますが、小・中学校と高等学校では若干違いますけれども、小・中学校の校長の登用年齢の平均が大体五十三から五十四歳ぐらいでございます。ですので、残り六年ぐらいですので、二校から三校ということでございます。高等学校の登用年齢は五十五歳から五十六歳が一番多い平均年齢でございます。校長でございますが、大体二校ぐらい在職かと思っております。
小・中学校の教頭の平均登用年齢が大体四十五歳ぐらいでございます。ですので、校長との差を考えますと大体七、八年ぐらいということでしょうか。ですので、二校から三校経験することになります。高等学校の教頭の登用平均年齢が大体五十歳でございますので、校長との差を考えれば大体六年ぐらいということになるでしょうか。
以上でよろしいでしょうか。
139 ◯おつじ委員 はい。
今回、偽造紙幣の方は四校で何年ですか。教頭というのは本当に大変で、最初に学校のかぎをあけるのは教頭、かぎを締めるのも教頭、夏休みも冬休みもありません。、その方が何年教頭をしていましたのか、四校目ということですので、三年ずつして十何年です。だから、この研修会も新任でなくてやはり途中でもしておられるのかどうか、それをまず教えてください。
140 ◯西川義務教育課長 経験者教頭の研修を実施しております。先ほど説明の中での新任の教頭、新任校長の研修を御説明させていただきましたが、それに加えて、経験者の方の研修も実施しているところでございます。
141 ◯おつじ委員 校長の場合は六年で二校と言われましたが、私は、校長の任期は大概二年などとかいろいろあるのを、この間お聞きしたら、今は三年以上になっているというお話でした。五十九で校長になって、六十まで、たった二年で自分の色を出せるとは思いません。ですから、やはり四年、三年間自分の生徒を持って、一年間どういう学校にしようということで、四年は校長先生、教頭先生、必要ではないかという気持ちを私は持っています。
ですから、二年ぐらいでかえる、そして退職前二年間を校長として退職されるという例が鹿児島県はたくさんありますが、もっと校長先生の思う、描くすばらしい学校像ができるような年数を鹿児島県もしてほしいと思います。教頭先生として四校、十何年も教頭されたと、間でそういう研修もあるということですけれども、そういうものに対して、やはりもう少し配慮が必要だったのではないかと思いますが、どうでしょうか。
142
◯豊島教職員課長 校長の在職年数の件でございますけれども、確かに委員おっしゃるように、本当にどしっとした学校経営をするためには、ある程度の年数が必要だと思っております。また、教頭との兼ね合いもあったりして、まれに短くなる場合もございますけれども、最近は少しずつ長くという状況になっております。
それから、先ほどの教頭の経験年数の件でございますけれども、過去、退職者が多かったりする時代がございまして、たくさん登用した時代もございます。また今後、やはり教頭として、厳しい採用試験の中で教員をやりたいということでなった方々ですので、本当に子供に対する愛情、やる気、モチベーションをいつまでも高くするような何らかの方策を、私たちも立てなければいけないと思っていますし、それとまた同時に、そういう教頭の人事管理につきましても今後、工夫をしなければいけないと思っております。
以上でございます。
143 ◯おつじ委員 やはり、先生になるために本当に子供たちが好きで、その地域が好きで、子供たちのために自分の生活も犠牲にして頑張っておられる方々がたくさんいる中で、こういうことが出てくるので、先生方がともすると世間の方々に誤解をされている部分があります。本当にすばらしい先生がほとんどの鹿児島県ですので、やはり自分の教育信念やいろいろなものをお持ちで、やりたいことがたくさんあって、子供たちのためにどういう教育をしたらいいか、どんな学校づくりがいいかという思いがある中で、二年ではできないという思いがいつもしていました。今言われたような形ですばらしい学校経営ができるように、また教頭先生も自分に誇りと自信を持って教頭職がやれる、そういう環境づくりをぜひしていただきたいと思いますので、それを要望して、終わります。
144 ◯吉野委員 県教委で不祥事が続きまして、従来教育長から、二度とこういうことが起きないように今後気をつけますという言葉も、随分聞かされました。しかしながら、やはりこういうことがあるということで、今回、外部の方たちを入れての一つの協議会、委員会をつくられたことは、私はこれは了とします。ぜひ不祥事根絶委員会から建設的な結論というか、一つの建設的な施策なりが出ることを大いに期待しております。
そこで、今、おつじ委員からもありましたように、私もいろいろと聞くところによりますと、いろいろな問題があるのでしょう。時代が変わってきまして人々の考え方も、社会の考え方、あるいは保護者の方たちの先生方に対する、あるいは子供に対する考え方等々も変わってきて、今は随分学校現場の先生方は御苦労されているだろうと、ストレスも大変だろうということは私は理解しているつもりでございます。だからといって許されることではないような事案が多過ぎますので、これは厳に戒めなければいけないと思っています。
そこで、今も出ましたように、例えば管理職と言われる、学校では校長、教頭、事務長さんですか、その中で教頭先生のストレス、仕事が非常に多いと、大変だということは聞いております。それは経なければならない経験なのかもしれませんが、もう一つ、これは恐らくさかのぼれば太陽国体のころからの人事というか、採用のひずみがずっと続いていて、一時期管理職が少なくなって、また教頭先生等たくさん採用せねばならなかったことがあった。あるいは想像以上に学校の統廃合が続いて、校長職のポストが少なくなっているということも多分要因としてあろうかと思うのですが、教頭先生が、今も議論がありましたように四校動かれると、これは決して特異な例ではないと思います。
それで私は思うに、もっと先生方、これは教頭先生に限らず先生方全員が、教職というものに対する一つのプライドを持ってほしいし、質を高めてもほしいし、そのためにはやはり待遇といいますか、特に管理職である先生方に対する待遇はもう少しよくしてもいいのではないかと、個人的に思うものですから、その辺の見解を少し承りたい。
例えば一つの事例で言いますと、昔であれば例えば教頭先生を何年かすると校長になっておられたような、システム上ですが、それが今、さっき言ったようなもろもろの理由で、なかなかポストがない。そうすると教頭さんをずっとしなければならない。それはストレスでしょうし、そこで恐らく、他県でどうか私わかりませんけれども、校長、教頭の間に、例えば副校長という制度もあってもいいわけですが、ただ、鹿児島県ではそういう制度はしかれていません。これは一つのアイデアというか案ですが、別にこれは私のオリジナルな案でも何でもないわけで、恐らくそういう考え方も県教委ではなされたこともあろうかと思います。
そういうそのシステムをつくる、あるいはこれはもう一つついでにお聞きしますが、朝、学校に行ってかぎをあけるのが教頭先生で、夕方、クラブ活動その他全部が済んでから、またかぎを締めて帰るのも教頭先生だということです。場合によっては土曜日、日曜日に学校がオープンすれば、やはりそれも教頭先生がやると聞きました。これがまず事実なのかどうか伺いたい。そして仮にそうであれば、このかぎのあけ締めぐらいは何かほかに、だれかにやってもらうようなことは校長の権限でできるものなのかどうか教えていただきたい。僕は二、三いろいろ質問と意見を求めましたけれども、まずそれらのことについてお答えいただけますか。
145
◯豊島教職員課長 御意見ありがとうございます。
まず一番最初にお話しいただいたのが待遇面のことでございましょうか、待遇面につきましては非常に厳しい財政の中で、給料面では一応我慢していただいている、ということがございます。
それから、副校長等の新しい職の件でございますけれども、それにつきましては、他府県の導入状況などを研究させていただきまして、今後どういう形にできるのかということを、また研究をさせていただければと思っております。
それと、かぎの件でございますけれども、確かに朝かぎをあけまして、最後の職員を見届けてかぎを締めるというのが、多くの学校で教頭の仕事となっております。やむを得ない事情のあるときには教務主任の先生や、校長にかわっている場合もございますけれども、基本的には多くの学校で教頭先生が朝晩のあけ締めはしているという状況がございます。その件につきましても、先ほど申し上げましたけれども、今後、何かいいアイデアがないかということをまた私どもで検討していきたいと思っております。
146 ◯吉野委員 ありがとうございます。重ねて質問します。
かぎのあけ締めという、大事なことでしょうけれども、しかし、何も教頭先生がしなくてもと素朴に思いますが、これは何か規則上、管理職が扱わねばならないという規則か何かがあるのかどうか伺いたい。先ほど私、冒頭申しましたように、事務長さんはいるけれども、管理職というのは校長、教頭だけです。そうすると、本来、主任という制度があります。恐らくこれは昔、主任制度をつくったときに、日教組その他いろいろな反対で、主任はあくまで管理職ではないという言葉が、文言が入っているのだろうと思います。だから、管理職だけがかぎを扱うという規定がもしあるならば、校長、教頭でなければ扱えないだろうと思います。
しかし、それは例えば運用のあり方で、校長の権限なりで、主任という方でもいいし、別の先生でもいいと思います。あるいは学校によっては、今どういう制度になっているか知りませんが、用務員の方が朝はあけて、夕方は教頭先生が締めていくなどということも運用面では聞いたこともありますが、いかがなんでしょうか。まず、管理職でなければ扱えないのか、あるいは、そういう規定にはなっているけれども、これは運用で、校長の判断でそれぐらいのことはできるのかどうか教えてください。
147 ◯成尾委員長 この際、御報告いたします。
傍聴について三名の方から申し出があり、これを許可いたしました。
148
◯豊島教職員課長 かぎの管理を校長なり教頭なりがしなければいけない、という明文化された規則等そういうものはございません。ですので、学校の管理責任者として、やはり管理職が扱っている実態があると思っております。また、勤務時間もございますので、締めるのはもちろん勤務時間の後になりますので、そういう面でも教頭が対応しているのではないかと思われます。
149 ◯吉野委員 これ以上はもう議論しませんが、言わんとすることはおわかりいただけていると思いますので、これはぜひ、もし運用面でできるのであれば、県教委としてはそういう指示を、指導を各学校にするのも一つの方法だろうと思います。私は教頭先生の負担を少しでも軽くしたほうがいい、と同時に、あわせてさっき申しました待遇面をよくすべきだと思います。
ただ、待遇面という意味では、確かに今、県の財政がこういう状況ですから、我々議員はもちろんのこと、教職員の方たち、県の職員の方すべてが給料を下げています。これはみんなで合意してやっていることであります。しかしながら、必要なものはやはり必要なわけで、もしそういう待遇面その他を改善することによって、こういう不祥事その他がなくなったり、あるいはまた違った意味での活力が生まれて学校現場のシステムがよくなれば、私は今だからこそやるべきことだろうと思います。
私が聞く話では、給料を下げられて、場合によっては現場の教頭先生の給与が、例えば養護教諭の先生、手当がつく先生たちと比べると逆転現象を起こしているようなことも聞いています。別に何もお金がすべてという意味ではなくて、冒頭言いましたような資質や、あるいは職責に対するプライドを持つという観点からすると、これではやはり、少しおかしいと私は思わざるを得ないです。そのことを指摘というか、申し上げておきたいと思います。
それともう一つは、これも財政が伴うこと、財源が伴うことではありますが、特に若い先生方が、教員をずっと続ける間で、資料にもありましたようにいろいろな研修期間は設けておられます。それはそれで大変いいことだと思いますが、違った形での俗に言う一般世界をまた見るというか体験するという意味でも、これは県の職員にも言えることですが、民間企業に行って研修するという制度があります。たしかいつぐらいですか、平成八年ぐらいかと、これは私の記憶が間違いなければ、平成八年ぐらいにそういうシステムを県教委でもつくられたはずです。例えば、企業名を出して恐縮ですけど、山形屋に行く、あるいは鹿銀に行って企業研修する等、やはりこれは結構、私は意味あることだと思います。そして若ければ若いほど、先生方がこういう民間企業での研修を受けられる体験は大変有意義だろうと思います。それで、今でもやっておられると思いますが、それに対する現況を説明していただけますか。
150 ◯西川義務教育課長 県では、民間企業等派遣研修という形で、企業や福祉施設に教職員の方を派遣し、研修を受けていただくといった事業を継続してやっております。開始年度は、今、手元にないのでわかりませんが、二十四年度、今年度は、七名の教員の方がこの民間企業等派遣研修で研修を受けておりまして、企業に三名、福祉施設に四名行っているところでございます。
151 ◯吉野委員 私の思う数字からすると、絶対数が少ないです。やはりそれもどういう年代の方が、企業に七名行かれたか、私、今の答弁ではわかりませんけれども、あえて回答していただかなくてもいいです。やはり若いうちに、そして極端に言えば、採用された先生方が最初の三カ月ぐらいは全員行くぐらいの研修をしてほしい。ただ、それはどういうことかというと、その間の三カ月分あるいは半年の間は、先生方の余分がそれだけたくさんいなければならないということになりますから、それだけ県教委は財源的な担保をされなければなりません。しかし、これは初年度だけやれば、その数が回っていけばずっといくわけです。
教育長に一言申し上げますが、今、伊藤知事も財源のことでは大変頭を悩ませておられて、さっき言いましたようにみんなの給料を削っているわけですから、そういう中でこういうことを事業化していくというのはなかなか大変なことだと思います。しかし、こういう時期だからこそ、こういう時期というのは、これだけ世間に対しても申しわけないというか、不祥事が続くようなという意味ですが、こういうものが検討委員会なり、根絶委員会等々で議論もなされて、そしてこれが有効であろうという結論がもし出たら、教育長も積極的にこのことは県教委を挙げて取り組んでいただきたい。例えばさっき言った副校長の制度、つまり教員の資質を上げるためにもそれなりの待遇を担保するという意味の制度、あるいは企業派遣をして、若い、できるだけ若い先生たちにもっともっと広くあちこち見てもらう研修、個人的には、自衛隊ぐらいに三カ月か半年行ってもらえば一番いいと思っていますが、それはいろいろありましょう。
ただ、財源を含めてそういうものを制度化するような対策を、ぜひ、そのときは知事部局を我々議会も応援しますけれども、教育長が体を張ってやるぐらいのことをされたらいいと思います。今の私のコメントについて答えなり、それぞれ聞かせてください。
152 ◯西川義務教育課長 データから申し上げます。今年度、民間企業等派遣研修に行っていらっしゃる先生方は、年代としましては三十代から四十代前半の先生方が行かれているところでございます。
それからこの派遣者数ですが、平成十八年ごろは十数名おりましたけれども、徐々に減っているところがありました。ただ、ここ数年また増加して、希望者もふえてきているところですので、研修に行っている間の対応はもちろん出てまいりますけれども、そういったことは充実させていきたいと考えております。
153 ◯吉野委員 単純に何人行っただけが問題ではなくて、私はたくさんのできるだけ若い先生に、新採であればなおいいとは思っています。そして今行っておられる先生方は、本当に優秀でと言ったら少し語弊がありますけれども、あの先生だったら行かなくてもいいというような先生が意外と行っていて、あなたみたいな人が行かなければという先生が行ってないだろうと思います。これはぼくは極めて独断と偏見で言っていますけど、そういう意味で、漏れなく若いうちに行くようなシステムとしてつくらなければだめだと思います。今の件に関しては以上です。
今の私の先ほどの見解に対して、教育長は何かコメントございますか。
154 ◯六反教育長 たくさんの御助言をいただきましてありがとうございます。
今回、不祥事の根絶委員会というものを設置をいたしました。
これまでの数年の経緯を見てみますと、懲戒処分の件数等が増減を繰り返しておりまして、その間、たくさん御意見がありましたとおり、過去は懲戒処分が発生したたびに指導通知等を行って、職場でも研修ということをやってきているわけでございますけれども、一向に懲戒処分の件数は減少の方向に行っていない、減少したかと思えば翌年度にはまた増加をするということを繰り返している状況でございます。
また、今年度に入りましてからも、例を見ないような事件、それから同一学校で二件連続してセクハラが起こるといったことがございました。
今までの取り組みを延長するということではなくて、全く新たな取り組みも必要なのではないかということで、外部の委員の方々に率直に、今の教育現場で起こっていることを要因分析をしていただいて、その上で対策を、こういう対策をとってはどうかという御提言をいただこうということで、この不祥事根絶委員会というものを設置をいたしました。
恐らく、職員個人の倫理観、職責感等々に属するようなことに起因する不祥事から、職場ということ、学校ということに起因する不祥事、それから教職という子供を指導する立場の職業ということから職員が陥りやすいスポット等々に起因する不祥事、いろいろあろうかと思いますので、専門家の方々の分析をもとに、それぞれの不祥事に対してこういう対策をとってはどうかと、先ほど来、相談体制などいろいろなことが出てまいりましたけれども、そういったような提言が恐らく出てくるであろうと考えております。
そうした、いただいた提言につきましては、もちろんそれを実施することが不祥事の根絶につながるということでございますので、提言を真摯に実施に移していくということで今後、対応していきたいと思っております。
155 ◯成尾委員長 この件に関しまして、ほかに質問等はありませんか。
[「なし」という者あり]
156 ◯成尾委員長 ほかにないようですので、この件に関する質問は終了いたします。
ここで、暫時休憩をします。
午後一時五十四分休憩
────────────────
午後一時五十四分再開
157 ◯成尾委員長 再開いたします。
特定調査につきましては、これで終了いたします。
次は、その他の県政全般に係る一般調査についてであります。
先般、奄美地区への行政視察を実施したところでありますが、これらに関し、委員の方から御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。
158 ◯下鶴委員 先般の行政視察で奄美高校の旋盤など置いてある部屋を見せていただきましたけれども、やはり安全を確保しなければいけない状況からすると、部屋が狭くて、けが等の危険性があるのではないかと率直に感じたところであります。
そこで、二点伺いたいのですが、一点目は、あのような工業実習を行う旋盤等の安全を確保しなければいけない機器について、設置基準、部屋の広さに対する基準というものはないものかどうか。そしてまた具体的に、やはりあそこのところは危険性があるのではないかと思っているのですけれども、何らかの拡張を行うお考えはないのかどうかということをお聞かせください。
159 ◯木場学校施設課長 先般、奄美高校を御視察いただいたところでございますけれども、工業系等の高校におきまして旋盤等を設置してあるわけですが、その設置基準につきましては今、手元に資料がございませんので、後ほどまた答えさせていただきます。通常はそういった旋盤等を設置する場合には十分にその安全性が確保できる広さ、それから設置に当たってのレイアウト、そういったものを考慮して整備をしているところでございます。
奄美高校につきましては、大島工業高校と統廃合という形で、大島工業の工業科等も移ってきましたので、それに対応して、見込んだ上で一階に旋盤等を設置するということで計画して整備しているところでございます。
他の工業高校につきましても、旋盤等を設置して実習等を行っておりますけれども、それについても安全性の確保を第一に考えまして整備をしているところでございまして、奄美高校におきましても、他の高校と比較して遜色はないものとは考えております。
現場でいろいろ御意見等があるようでございますけれども、それにつきましては現場ともきちんと協議をしながら、より安全性が確保ができるように、今後とも必要な措置はやっていきたいと考えております。
それから旋盤の設置基準につきましては、現在はないということでございます。
160 ◯下鶴委員 やはり本当にけが人が出てからでは遅いということになります。そこでもう一点伺いたいのが、設置基準はないという話ですけれども、それでは、過去本県において実習中のけが、もしくは他県の類似工業高校等において実習中のけがなどの状況について、把握並びにまたそれを生かした設置のあり方などを検討されたことは今まであるのですか。
161 ◯木場学校施設課長 過去ずっとどうだったかということは今、手元に資料はありませんけれども、最近におきまして実習中にそういったけががあったといったようなことは報告は受けておりません。
162 ◯下鶴委員 他県の事例などの調査研究等はどうですか。
163 ◯木場学校施設課長 本来、実習施設等を整備するときには、安全性を第一に考えて整備するべきものでございまして、本県においてもそういった観点から整備をしております。現在のところ、こういった事故がある、危険であるといったような報告は、私どものところは受けておりませんので、他県の事例を研究しているという状況ではございません。
164 ◯下鶴委員 そうすると、確認ですけれども、現在、現場の教員の方々もしくは生徒、保護者の方から、この設置は危ないから何とかしてくれという要望は上がってきていないという理解でいいですか。
165 ◯木場学校施設課長 そのとおりでございます。
それから付言させていただきますと、学校施設を整備するに当たりましては、現場とも事前に十分な協議をしながら整備をしておりますので、それについては未然にそういった危険性がないようにということで設置ができているものと考えております。
もしその後にいろいろな事情の変更で、危険な状態になる等そういったものがありましたら、私どもとしても現場と協議・調整をしながら、必要な整備を図っていく、そういった姿勢で臨んでおります。
166 ◯海江田高校教育課長 工業だけに限りませんけれども、いろいろな実習を行うような形が専門高校ではよくございます。そういった場合に必ず実習助手や教員がついて、危険がないように、例えば工業の場合は工具等の配置、そういったところまで含めてしっかりと見届けた上で実習させる必要があると思いますので、生徒が一人でどうこうすることがないように、必ず教師、実習助手がつくような形で実習を行うということが基本だと考えております。
167 ◯永井委員 今、御説明いただいたことも重ねてお尋ねしたいと思っていたのですが、御説明があったように、奄美高校を新校舎に建てかえをしていただいて、新しい学校の施設で行われていると同時に、並行して再編計画の中で工業高校が再編されて、新たな奄美高校としてスタートしたわけです。ですから、最初の奄美高校の設計の段階で工業高校の再編という前提で設計された学校ではないので、機械電気科のスペースがきれいに確保されてスタートしていない状況で御無理されている中でのいろいろな実情があると思っています。
それと、今の旋盤機械の問題があると同時に、パソコンの必要性という点も現場でも出ていました。改めてそういう意味で、何というか、再編で新たなスタートを切った学校でありますので、やはり施設整備に関しては、ぜひ積極的にやっていただきたいと思います。もう一度そのことを御答弁いただけませんか。
168 ◯木場学校施設課長 奄美高校の整備につきましては、再編がありまして工業高校も一緒になるといったことがありましたけれども、それがわかった時点で私どもも、その設計をどういうふうにしたらいいかということも十分に考えながら整備を行ったつもりでございます。
ただ、再編して間もないところにつきましては、現場もなかなかなれていない、そういった部分もあろうかと思います。私どももきちんと現場と協議をしながら、必要な整備を図っていきたいと考えております。
それからパソコンに関しまして、私どもは現在、県立高校につきましては大体四十二を一セットといたしまして、すべての高校に整備しているところでございます。ただ、商業系など大規模な高校につきましては二セット、つまり八十四整備しているところもあります。
それに加えまして、文書デザインなど、実際の商業系で使わなければならないものにつきましても整備をしています。
そしてさらに、産業教育関係でパソコンを整備する場合があります。パソコンと言っていいのか、CADなどを動かすパソコンでございますけれども、それにつきまして、奄美高校は他校よりも非常に充実しているところでございます。
奄美高校は、できて間もないということもありまして、実際には他校よりも充実しているパソコンについて、どのように共有して使っていくか、そういったところも現場の課題の一つかと私どもも考えております。必要なパソコンにつきましては私どもはきちんと整備をいたしますので、現場でも、それを十分効率的に活用していただくと、そういったことをやっていただきたいと考えております。それにつきましては私どもも現場ときちんと協議しながら、より充実した教育ができるように図ってまいりたいと考えております。
169 ◯永井委員 わかりました。
現場の中でそういう要望もあったのも事実ですので、今おっしゃったように現場との協議をされて、充実する点があればぜひ重ねて行っていただきたいと思います。
それから、奄美高校の中でこれは個人的に感じているのですが、報告の中で、部活動への加入率を上げるということで取り組んでおられる報告がありました。いいことだと思います。その中で、部活動の中でもいろいろな分野がありますけど、やはり指導者によってその部活動の充実というのは多々、差異があるのが実情だと思います。
そういう意味で奄美高校、ある意味で新設校として始まった部分、これは一例ではありますけれども、大島工業高校にはラグビー部があって、奄美高校にはなかったわけです。ですから、その再編のときにその協議があって、同好会的なものからスタートしてもらって、今は部員数も随分確保できているという話を聞いていますけれども、やはり再編された新しい学校での、そういう部活動の充実は、ある意味では学校形成の中で大切な部分だと思います。そういう意味で、やはりそういう指導者の配置についても、配慮をしていただきたいと思いますが、その点について何か県教委のお考えがありますか。これは全県下がいろいろな部門であるから大変だと思いますが、やはりそういう新たなスタートをとったところには、ある程度の配慮をしてほしいと思うのですけれども、お考えをお聞かせください。
170
◯豊島教職員課長 ありがとうございます。部活動の活性化は、本当にそのまま学校の活性化につながって非常に大切なものだと思っております。また今お話があった件につきましては、今後、校長と連携をとりまして、人事作業の中でどういう種目の指導者が要望なのかということを踏まえまして、対応していきたいと思っております。以上でございます。
171 ◯永井委員 ぜひ学校の実態、実情の中での声をまた把握していただきたいと思いますので、お願いいたします。
それと続けて、与論高校に行ったときの訪問教育の充実のお話を賜りました。
保護者の方との意見交換をして、それなりの回転する中での充実が図られている、そういうお話は賜ったのですが、その説明の中で、訪問教育の対象は、対象生徒が二名以上というお話が、あのとき報告があったように記憶しているのですけれども、その二名という対象の前提にした基準は何ですか。
172 ◯西川義務教育課長 通常、訪問教育は、病院や御家庭に教員が伺って授業をする、指導するというものでございます。与論高校は、それを高等学校の校舎という場所を使ってやるという方式ですけれども、その際、通常の場合は二時間を週三回すると、可能な場合は一回スクーリングをするというのが、訪問教育の授業時数という意味での共通の仕組みになっております。
与論方式の場合は、二人の生徒さんがいらっしゃって、現時点では毎週午前中三時間、金曜日は四時間という授業をしておりますけれども、それだけの時間数を訪問教育の仕組みの中で確保するために二人以上ということを前提として、与論方式という方法をとっているところでございます。
173 ◯永井委員 そうしますと、自分は少し誤解していましたが、今、与論高校は対象児童がお二人おられます。その方々が卒業されるので、一時的に今の訪問教育を活用した姿というのは閉じて、将来的にまた対象児童が発生したときには再開と思っていました。現状でお話ししますと二名以上でないとならないとなると、与論の場合、来年度以降、対象児童がお一人のときも当然あるのですか。
174 ◯西川義務教育課長 与論方式と言っている場合は二人以上ということを前提にしておりますけれども、今、中学三年生が一人おります。来年度、仮にその子が入ってこられた場合に、与論高校のあの教室を使って授業をするということはできると思っております。ただ、冒頭申し上げましたように、訪問教育というスキームを使っておりますので、二時間かける三回と、あと週一回のスクーリングという時間数の枠組みでは、その限度ということになろうかとは思っております。
175 ◯永井委員 仮に教室を活用する形は検討されるとしても、仮に教室がないところ、今はまだ徳之島、沖永良部もつくっていないわけですが、そういうところにお一人のそういう希望する対象児童がいたときは、そのときは訪問教育は一応行っているのでしょう。
176 ◯西川義務教育課長 はい、現在でも与論以外で訪問教育を行っている例がございまして、その場合は御家庭に伺うか、入院されている病院に伺うかということをしております。
177 ◯永井委員 そういう意味で、訪問教育の延長の中で今、学校施設の空き教室を活用したりして与論方式をやって、これから徳之島、沖永良部もそういう充実を図っていくとすれば、お一人でもやはり対応ができる、そういう形で検討を進めてもらいたいと思いますが、その点はどうですか。
178 ◯西川義務教育課長 今、御提言いただきましたように、一名になった場合にどういう形でできるかというのは研究課題だと思っております。今の与論方式のメリットは毎週、平日の午前中に学校でという、その状況がメリットだと思っています。通常の訪問教育でも例えば学校に来ていただけるという状況であれば、時間数の工夫などをして、現在とある程度近い形で、つまり一定の授業時間を学校で過ごせるという状況がつくれないかと思っておりまして、そういったことを検討しているところでございます。
179 ◯永井委員 そういう対象児童が少ない中での分校や、そういうところがない地域での特別支援教育の充実ですので、やはりその点はぜひ検討していただきたいと、そのことを強く要望して、終わります。
180 ◯二牟礼委員 私ども視察で那間小学校にお伺いしまして、教室の後ろに張り出してありました、わたしのゆめという、こういったものがあります。三年生で水泳選手になりたい、二年生でパイロットになりたい、一年生はネックレス屋さんになりたい、ケーキ屋さんになりたいと書かれています。
普通は、ここはみんなどこも書いてあると思いますが、その下に、そのためにこの一年で取り組むことということで、その児童のコメントがあるわけです。水泳選手になるためには体力を頑張る、パイロットになるためには飛行機の本を読むとありまして、そのまた下に、家の人からの励ましということで、体力を頑張るというのは、途中でやめずに続けることが大事です、応援するから頑張ってねとあります。先生からのコメントで、体も心もきたえてだれよりも速くすいすいと泳げるのを見たい、飛行機のパイロットになりたいという人には、親からは大空を飛べるなんて気持ちいいかも、頑張ってと、先生からは、毎日のいろいろなことがパイロットへの夢につながっている、頑張ろうとこういうふうにあるわけです。
そして、振り返るということで、一学期、二学期、三学期とありまして、とても努力した○、努力した△、もう少し△と、こういうふうになっています。私はこれを見て、那間小学校の保護者の皆さんとの連携が、非常に充実しているというのを感じました。また少人数学級、二十名前後ということもあって、一人一人の子供さんによく指導が行き届いているということもあるとは思いますが、これを見まして、三年生でしたが、これはどこでもやっているのですかと、私が聞いたら、どこでもやっているのではないでしょうかということでした。どこでもやっているのかということを教えてください。また、非常にこれはよく、生徒の目的意識、あるいは将来に対する進路指導に対して、目的意識がない、非常に漠然として学習意欲がわかないなど、そういうものがあるとよく言われますが、それを解消する点では、児童生徒と保護者と先生と三者が非常にお互いにコミュニケーションを図ることによって、それが高まっていくのではないかという思いがしましたけれども、そのことについてどう思われるか、この二つまず教えてください。
181 ◯西川義務教育課長 子供がその学年学年でどういった夢を持っているかということを書かせるということは、恐らく全部、もちろん全部ということを把握しているわけではありませんけれども、されているのではないかと思います。
ただ、那間小学校のように、振り返りというような機会を設けたり、あるいは毎学年でそういうことを積み重ねていくような指導、また、委員御指摘のように、教員あるいは地域の方々、保護者からコメントをつけることによって、そういう見守られながら教育を受けているということを実感できる機会になっていると思いまして、それが非常にすぐれた取り組みではないかと思っております。
私は、那間小学校にお伺いして、その地域の学校に対する支援の非常に強さというのを感じましたので、そういった特性というのは生かして、今後の、特に夢を語るという意味では道徳教育やそういった場面というのは考えられるところでございますけれども、進めていきたいと思っております。
182 ◯二牟礼委員 それで、これと似たような方式をどこもとっていらっしゃるのか、ここの独自の問題なのか、独自で取り組んでいらっしゃるのかと、その辺はどうでしょう。
183 ◯西川義務教育課長 私がこれまで何校か学校に伺わせていただきました、小学校の低学年等ではそういった夢を書いて掲示をするということは、多くの学校でされていたように記憶しております。先ほど申し上げたように、すべての学校でやっているのかどうかといった調査等はしておりませんので、その点での説明というのはできかねますけれども、そういった状況でございます。
184 ◯二牟礼委員 児童生徒さんがこういう夢を持つというところまではありますが、保護者と先生と、そしてまたそれを振り返って点検していくという、検証していくというのは、いろいろ先ほど特定調査の中で教員の資質向上の欄にも、授業力向上、そういうところにも確かな学力を定着させる、あるいは高校の生徒の進路実現のために、あるいは生徒の学習意欲の向上のためにとうたってあるのですけれども、その手法をやはり考えないと、こういった動機づけというのは非常に私は重要だと思います。校長先生も大変、もうまことに私どもも圧倒されるぐらいの情熱を持って語られていまして、これもその一つかと思いましたので、できるものならこれを全体の小学校のモデルにしてほしいと思いました。どうでしょうか、皆さん。
185 ◯西川義務教育課長 今、高等学校等を含めて御指摘ありました。何らかの形で本県の小・中・高等学校、特別支援学校も含めて、学校、地域、保護者との連携は強くされているだろうと思っています。
今、那間小学校の例を挙げていただきました。特に小学校において、進路を具体的にイメージするというのは、なかなか低学年では難しいものがあります。そういった中で身近な夢というものをきっかけに、学習意欲につなげていくという非常に有意義な取り組みだと思っていますので、ぜひいろいろな形で情報を提供していきたいと思っております。
186 ◯おつじ委員 奄美高校で定員割れがすごい数でした。百九十四人が定員割れになっています。いろいろあると思いますが、やはり少子化もありますけれども、これについてどのように今後、対策をとっていかれるおつもりなのかお聞かせください。
187 ◯海江田高校教育課長 奄美高校につきましては、ことしの状況でございますけれども、三学年合わせて充足率が〇・七七、七七%といった状況でございます。高校の場合、基本的に四十人学級ということでやっておりますので、一クラス四十人の枠組みの中で募集定員を決めている状況がございます。そうしたときに、離島の場合、四十人単位ごとでなかなか生徒が集まりにくいという状況にございますので、大島地区あるいは熊毛地区、大体七割から八割といった充足率になっているという現状でございます。
特に、離島の場合は、一つの島ごとに中卒者の状況等も年々でかなりふえたり下がったりの状況が厳しいというところもございますので、そういった状況も今後とも見ていきたいと思っているところでございます。なかなか充足率が上がらないということにつきましては、充足率が上がらないから即、例えば学級減というようなところができない状況もございますので、これ以上、下がらないような形で、できるだけ努力をしていきたいと思っております。
188 ◯おつじ委員 与論高校は進学率をすごくアップして、国公立に十五人合格させて、資格もいろいろ取らせて、先生方が努力しておられます。奄美高校がしておられないというのではなくて、与論高校のすばらしい状況も見せていただきました。やはり奄美高校に行きたいという中学生が、何か県外に、鹿児島市内に進学する数が相当いるという話もお聞きしましたので、そういう子供たちが、自分たちはそこに残って奄美高校に入りたいという学校づくりをお願いしておきます。
そして先ほど出た部活動のことですが、見ていたら、ハンドボール部がありました。ハンドボールというのは、バスケットやバレーなどに比べて高校数が四、五校しかないですけど、女子のハンドボールの部員がたくさんおられて、指導者がハンドボールをしておられて相当優秀な選手だったということをお聞きしました。だから、そういうのがなくならないような教員指導、異動をよろしくお願いして、終わります。
189 ◯成尾委員長 要望でいいですか。
190 ◯おつじ委員 はい。
191 ◯成尾委員長 ほかにありませんか。
[「なし」という者あり]
192 ◯成尾委員長 ほかに質問がないようですので、行政視察につきましてはこれで終了いたします。
ここで、教育委員会から三点、説明事項があります。
まず、新たな奨学制度について、福利厚生監から説明を受けたいと思います。
193 ◯志戸福利厚生監 それでは、新たな奨学制度につきまして、お手元に配付してございます、右肩上に資料一と表記がございます資料に基づきまして御説明いたします。
一ページをお開きください。
最初に、新たな奨学制度導入の考え方につきまして、御説明いたします。
本年三月に策定されましたかごしまニューライフプランにおきまして、若者世代から働き盛り世代の子育て・教育の安心などを実現するために必要な施策・取り組みといたしまして、高校卒業後の教育にかかる経済的負担を軽減する取り組みの拡充などが提言されたことを踏まえまして、大学生などを対象としました新たな奨学制度を導入することといたしております。
かごしまニューライフプランにおける提言の関係部分を抜粋しておりますので、二ページをごらんください。
若者世代から働き盛り世代の子育て・教育の安心の部分でございますけれども、アンダーラインを引いてございますけれども、大学進学など高校卒業後の教育を中心に経済的負担への対応が困難となることが懸念されることから、行政には、教育の機会均等を確保する観点から、教育にかかる経済的負担を軽減する取り組みの拡充が求められることなどが示されております。
二つ目のくくりでございますけれども、鹿児島の可能性を生かした働く場の創出・確保につきましては、本県の優位性を生かした観光関連産業、農林水産業・食品関連産業の振興を図ることが必要といったことが示されております。
また、三つ目のくくりでございますけれども、若者世代の仕事の安心につきましては、若者世代には、早い段階から、就労体験の拡充など実社会との結びつきを強める中で、勤労観や職業観を十分に養い、使命感と高い志を持って社会に参画するという姿勢を身につけることが求められているといったことなどが示されております。
このようなプランの提言をもとにいたしまして、一ページに制度設計の考え方と制度設計例をお示ししてございます。
まず、新たな奨学制度の一つの柱でございます、教育の機会均等の確保及び教育にかかる経済的負担の軽減につきましては、奨学金の制度でございまして、五つの制度設計例をお示ししてございます。
まず最初に、貸与枠の拡充について御説明いたします。
三ページを恐縮ですが、お開きいただきたいと思います。
三ページの表の左側につきましては、本県の現行の奨学金制度の内容を記載し、中央部分は日本学生支援機構の第一種の無利子の奨学金、右端のほうには、同じ支援機構の第二種の有利子の奨学金の制度内容を記載してございます。
貸与枠の拡充の前に、まず要件について、一番上の要件について御説明いたします。
本県制度では、対象を県内に生活の根拠を有する者の子弟としておりまして、記載のような一定の収入要件と成績要件がございます。
支援機構の無利子につきましては、収入要件は本県と同様でございますけれども、成績要件は若干緩和されている状況でございます。
右側の有利子でございますけれども、有利子につきましては、収入要件、成績要件ともに緩和されている状況でございます。
先ほど申し上げました貸与枠の拡充につきましては、本県の定員は百人となっておりますが、ここ三カ年平均で、要件を満たした応募者数につきましては二百十八人となっておりまして、二倍強程度の倍率となっております。
一方、支援機構の定員は記載のとおりで、無利子につきましては一定の倍率がある一方、有利子につきましては収入基準等の要件を満たせば全員採用決定を受けている状況となっております。
次に、制度設計例の二点目に、貸与額に係る選択制の導入及び貸与上限月額の引き上げについて御説明をいたします。
本県におきましては定額制になっておりまして、国公立、私立の大学別に自宅、自宅外といった四種類の月額を設定しております。
一方、支援機構の無利子につきましては、本県と同額の定額制の貸与額のほかに、三万円の貸与額も設定されております。
有利子につきましては、三万円から十二万円までの五段階で貸与額を選択できる制度となっておりまして、応募者それぞれのニーズに合った貸与が可能となっております。
三点目は、入学一時金の貸与制度の新設についての制度設計例でございますけれども、これについて御説明いたします。
本県及び支援機構の無利子につきましては、入学一時金の制度はございませんけれども、有利子につきましては、奨学金利用者のうち希望者につきまして、十万円から五十万円までの五段階で一時金を選択できる制度となっております。入学金などの入学時における必要経費などに対しまして、それぞれのニーズに応じて貸与が受けられるようになっております。
なお、支援機構の有利子の利率につきましてでございますけれども、上限三%と定められておりまして、毎年度支援機構のほうで運用利率を決定しているところでございます。
次に、四点目の大学院生を対象とした奨学制度の新設について御説明いたします。
本県におきましては大学院生を対象とした奨学金の制度はございませんが、支援機構では無利子、有利子、それぞれ記載のとおりでございますけれども、要件、定員、貸与額ともに異なっておりまして、大学院生のそれぞれのニーズに対応した貸与が行われております。
次に、五点目の返還減免制度の導入について御説明いたします。
本県におきましては返還減免の制度はございませんが、支援機構では、記載のとおりでございますけれども、無利子の大学院生のみを対象といたしまして、在学中の業績をもとに機構が認定した者に対しまして、奨学金の全部または一部を免除する制度がございます。
他県等におきます減免制度につきましては、四ページの資料で御説明いたします。
一番上の支援機構のほかに、都道府県では福井県と香川県の二県で返還減免制度を導入いたしております。
福井県につきましては、大学院でございます、大学院修了者を対象といたしまして、県内に本社を有する特定の産業の業種におきまして研究開発業務に従事し、七年間勤務した場合に、全額返還を減免する制度でございます。
香川県につきましては、大学等卒業者を対象といたしまして、卒業後県内に三年間居住し、就業している者を対象に、一部の返還を免除する制度でございます。
本県における返還減免制度でございますけれども、下のほうに書いてございますが、医師や獣医師、看護職員等を対象に、記載のような一定の勤務要件等を満たした場合に、原則として全額を返還免除する制度がございます。いずれも、本県の地域医療を担う医師の育成、あるいは獣医師の確保及び畜産の振興、県立病院の看護師等の安定的な確保を目的としている修学資金制度でございます。
なお、一番下のほうに参考までに、本県で過去に実施しておりました大学等卒業者を対象とした奨学金の減免制度を記載してございますが、要件としましては、卒業後三年以上、県内に居住した場合、償還金の半額を免除するといった制度でございましたけれども、平成十年度をもって廃止されております。
恐れ入りますけれども、一ページにお戻りいただきたいと思います。
下のほうの二つ目の柱でございます、若者世代の仕事の安心の確保という考え方のもとに、専門教育を受ける生徒等への研修支援事業の新設といった制度設計例をお示ししてございます。
具体的には、鹿児島の若者に食、農、それからものづくりなどの分野におきまして、自己のスキルアップを図るために県内外の企業、事業所などで研修や実習等を受ける、専門教育を受けている生徒を想定しておりますけれども、このような者に対しまして一定額を助成することにより、勤労観・職業観を育成するとともに、将来の鹿児島の産業振興を支える人材育成に役立たせようとするものでございます。
以上、新たな奨学制度の導入の考え方や現行の奨学制度の現状、あるいは制度設計例などにつきまして、御説明いたしました。
しかるべき時期に制度内容を決定いたしまして、平成二十五年四月からの新たな奨学制度の導入ができるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
194 ◯成尾委員長 以上で、説明が終わりましたが、この件につきまして、質問がありましたらお願いいたします。
195 ◯下鶴委員 一点伺います。資料三ページに、現行制度と旧育英会、現日本学生支援機構の対比がありますけれども、新しい奨学制度をつくるからには、現行の例えば国等の、もしくは学生支援機構等の制度で満たされない需要というものが大前提になろうかと思います。
そこで、今どのような調査研究をしているかということを伺いたいのですけれども、県内の奨学金を受けたいという方で、例えば日本学生支援機構の第一種無利子を受けたいけど、受けられなかった、もしくは学生支援機構の対象とする要件から外れているけれども、実際は家庭の事情で進学できない、こういう子たちにチャンスを提供したい等、そういうニーズがあるのかどうかというところで、学生支援機構の奨学制度で満たされないニーズがあるかどうかという調査研究では、現行どのように行っているのですか。
196 ◯志戸福利厚生監 日本学生支援機構の制度との比較で、そういったニーズがあるかといったような委員からのお尋ねでございますけれども、支援機構の一種につきましては一定の倍率がございましてなかなか厳しい、一種は無利子でございますけれども、なかなか受けられないといった状況はございます。先ほどの繰り返しになりますけれども、第二種につきましては、要件を満たせば一〇〇%貸与を受けられるといった制度になってございます。
三ページごらんいただきますように、基本的に県の奨学制度と学生支援機構の無利子のほうは、ほぼ要件、貸与額、入学一時金がないといったようなことなど、同じような、似たような制度でございます。第二種につきましては極めて、額が選択できる、額の幅が月額が十二万円まで等いろいろございます。それにまた入学一時金の制度もございますので、ニーズ的には有利子のほうがあろうかと思いますけれども、これは有利子ということで、なかなか経済的に厳しい家庭等はやはり無利子、あるいは県の奨学制度を利用するといった形になっていようかと思います。
197 ◯下鶴委員 この新しい奨学制度の趣旨自体は非常にすばらしいことだと思っています。実際自分もこの旧育英会の一種、無利子を受けて、こういう奨学金のお世話になっている者として、こういう制度の拡充は非常に喜ばしいと思っています。その反面、やはり県の税金を使うことになるわけですので、同じ費用をかけてどれだけの効果を出せるかということは考えていかなければいけないと思っていますので、特に学生支援機構の制度と類似の要件、重なった制度を設計されるのであれば、その大前提として、県内にこれだけ無利子を受けたいニーズがあったけれども、例えば支援機構の枠が狭まっている等でこれだけはじかれているから、ここを何とかしなければいけないという、やはりそういう材料を整備してほしいと、これは要望ですけれども、ここの調査研究をぜひお願いします。
以上です。
198 ◯成尾委員長 要望でよろしいですか。
199 ◯下鶴委員 はい、要望です。
200 ◯成尾委員長 ほかにございませんか。
[「なし」という者あり]
201 ◯成尾委員長 ほかにないようですので、この件につきましてはこれで終了いたします。
次に、大隅地域の公立高校の在り方についての検討の方向性について、高校教育課長から説明を受けたいと思います。
202 ◯海江田高校教育課長 大隅地域の公立高校のあり方につきましては、三月に検討委員会からとりまとめをいただきまして、県教委としまして個別に具体的な検討を始めているところでございます。現時点で県教委として考えております検討の方向性について御説明をさせていただきたいというふうに思います。
資料二、一枚プリントをお配りしていると思います。ごらんいただければと思います。
まず、一番上にあります有明高校についてございますが、とりまとめにおいて、他校への統合を進め、跡地については広域交流拠点となる施設などの配置を図り、地域振興に努めるとされております。ということで、地域振興に向けた具体的な検討の方向性が示されていますことから、有明高校を他校に統合し、跡地活用についても検討を進めるとしているところでございます。
高山高校につきましては、併設型中高一貫教育導入という具体的な検討内容がとりまとめに示されていましたことから、六年間の計画的・継続的な教育を行う県立初の併設型中高一貫教育の導入に向け、その基本理念など、有識者の意見を参考にしながら検討を進めるとしたところでございます。
南大隅高校につきましては、平成二十四年度の入学者数が三十二人と大隅地域で最少の入学者数となったというようなところがございます。早急な活性化策の検討が必要とされております。とりまとめを踏まえまして、情報処理科のさらなる充実を図るため、学科のあり方や教育課程等を検討するとともに、自転車競技を生かした特色ある学校づくりの検討を進めるとしているところでございます。
なお、他の高校につきましても、大隅地域の公立高校の在り方検討委員会のとりまとめを踏まえて、今後、さらに個別、具体に検討を行ってまいります。
今後、県教委としましては、とりまとめの方向性を踏まえまして、適宜地元市町長、学校関係者等との協議を行いながら、さらに個別具体的な検討を進め、大隅地域における魅力ある高校づくりが実現しますよう取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
203 ◯成尾委員長 以上で、説明が終わりましたが、この件につきまして、質問がありましたらお願いいたします。
204 ◯二牟礼委員 先ほどに続きましてですけれども、今の説明の資料二の有明高校、これは、とりまとめにおいては現状維持は困難とあるわけですが、他校に統合というのは目標年度があるのかどうかということが一つ。
高山高校については、中学校の段階から県内外の生徒を集めて併設型中高一貫教育導入とあるわけですけれども、有識者の意見を参考にというのが資料二には出ていますが、これの意味するところ、何かまた委員会など設置されるのかということ。
それと、財部・末吉・岩川につきましては、平成三十二年の三月の中学校卒業予定者が二十三年三月に比べて百四十七人減少となっているわけです。三校統合を視野に入れてということになっていますが、有明高校とのとりまとめからすると、平成三十二年という少し先の話であります。どこまで視野に入っているのか、具体的な視野というのが何年ごろ、五年後、あるいは三十二年までになど、そういう視野の範囲というのがわかれば教えてください。
205 ◯海江田高校教育課長 まず、有明高校について、目標年度ということでございますけれども、ことしのまた七月十日で進路希望調査も実施することも考えております。その辺の状況を見ながら、具体的に二十五年度からというようなところまで、現在の段階ではまだ考えていないところでございます。検討はしておりますけれども、まだそれを申し上げる段階ではございません。
高山高校につきまして、有識者の意見を参考にしながらということを加えておりますけれども、県内外から生徒が集まる学校というところでございますので、どういう学校にすればそういう子供たちが集まるのかということにつきまして、魅力ある学校づくりということで、基本的なコンセプトを考えていかなければなりません。もちろん事務局として、今そういうことを考えているところでございますけれども、私どもが考えたことで果たしていいのかどうかということもございます。県内外といいますか、そういう専門家の先生方にもまた見ていただきまして、本当にそれで大丈夫なのかといったいろいろな形で、角度から御意見をいただいて、より質の高いものができればと思っております。そういう趣旨でございます。
それから、曽於につきまして、三校統合を視野にというとりまとめをいただいているわけですけれども、委員会の中では、例えば二校統合を先にやって云々などという御意見もあったというところでございます。三校統合、二校統合をどういう形で進めるのか、今後の曽於の生徒数の減少といったことも見ながら、考えていかなければいけないと思います。
三十二年ということがありましたけれども、それにつきましては、そこと比べてこれだけ子供が減るというような、一つの資料としてお出ししたものだと思っております。どんどん子供も中卒者の数が減っている状況にございますので、そういったことも考えながら、実際どうするのか、三校統合でいくのか、二校先行統合というような形でいくのか、そういったことも含めて現在、検討させていただいているところでございます。
206 ◯二牟礼委員 ぜひ今後、地元の首長さんや学校関係者など十分な協議を踏まえて、よりよい魅力ある高校づくりが進むようにお願いを申し上げて、終わります。
207 ◯鶴田委員 それではまず、この大隅地域の公立高校のあり方、取り組み、大変に評価をしております。私も一般質問等でも取り上げさせていただきましたので、重複を避けながら、幾つかお伺いをしたいと思います。まず、検討委員会の方式として、地域協議会を結成をして、そこでいろいろと協議をしたものを検討委員会でいろいろと方向性を出していくという、大変に時間をかけながら、いい取り組みをしていただいたと思っていますが、今後、地域の協力が不可欠な中で、地域の受け皿をどんなふうに考えていらっしゃるのかまず教えてください。
208 ◯海江田高校教育課長 先ほど申し上げましたけれども、私ども、それなりの案といいますか、考え方がまとまり次第、適宜地元の首長さん、あるいは学校関係者等と協議をさせていただきたいと思っております。
ただ、これまで例えば地区の協議会といった形で検討をお願いしてきた、過去の再編におきましてそういう経緯もございますけれども、具体的にそういう会をこちらからお願いするのかどうか、そこは考えておりません。また、地区の首長さんの御判断の中でそういうことが必要であれば、こちらから拒むということではございません。地区の御判断で私ども対応させていただきたいと考えております。
209 ◯鶴田委員 わかりました。
例えば私の地域などは、一応とりまとめができた時点で協議会を解散したという話も聞いてます。ただ、これまでの経緯上、やはり地元の首長あるいは学校だけではなくて、やはり同窓会もあり、PTAも当然入ってくるわけですし、そういったこともぜひ加味しながら、なるべく広い受け皿のもとで進められたほうが、新しいスタートも切りやすいのではないかと考えておりまして、その辺はぜひ御検討をお願いしたいと思います。
それからもう一つ、この地域にある専門高校、鹿屋農高、鹿屋工業、串良商業ですけれども、例えば工業などは非常に就職率が高くて、定数も満たっているところも多いですけれども、農高などが非常に厳しいです。ですから、今後、例えば景気等の社会情勢によって、やはりこういったところは非常に変わっていくところがあると思っておりまして、今後、あり方というのを専門高校においてはどんなふうに考えていかれるのか、それを少し教えていただければと思います。
210 ◯海江田高校教育課長 とりまとめの中では、鹿屋市内の学校、鹿屋高校、鹿屋工業高校、串良商業高校、そういったところにつきましては、各学校の連携といったことを通して少しでも活性化できればといったことが書かれているようでございます。
その中で、鹿屋農業高校でございます。委員御指摘のとおり、農業科、県全体で非常に充足率が落ちてきているという状況もございますけれども、大隅地区の農業高校の中心校、あるいは鹿児島県全体の農業高校の中心校という部分もございますので、とりまとめの中では、生産・加工・流通を一体的に学べる体制や学科の新設について検討すべきという中身になっております。
具体的に学科再編までいくのか、学科再編を行うとなりますと、例えば施設設備といったこと、お金のことも考えないといけないところもございますので、そういったところも踏まえながら、今ありましたとおり、社会情勢、経済情勢等も含めながら検討をさせていただきたいと思っているところでございます。
211 ◯鶴田委員 わかりました。
この鹿屋農高は非常に伝統もありまして、最近は特に、自分のところでつくった米やあるいはそういったものを加工した六次化に対するいろいろな取り組みもやっています。評価が高いと思います。当初、自営農家を育てるということで、ずっと取り組みが明治から始まっていると思いますが、ぜひ適宜、時代の要請に応じた取り組みをしていただきたいということと、人・農地プランなどで非常に農家の収入的にも、ある程度充実したような政策も打ち出されつつありますので、そういったところも含めて、各中学校などでのアナウンス、これもお願いできればと思っています。
そこで、次に、お伺いしたいのですけれども、先ほど課長の御答弁の中で、七月十日の今の中学校三年生の意向調査等をということが出ました。やはりこのとりまとめの中で、これを見ながら自分の進路を決めていくということがあると思いますが、今後、来年の受験、試験に向けて、このとりまとめをどのように反映をさせていかれるのか、何かそのお考えがあれば教えていただきたいと思います。
212 ◯海江田高校教育課長 例えば高山高校それから南大隅高校につきましては、募集定員としましては二学級分ございましたけれども、実際問題、一学級分生徒が集まりませんで、一学級になっているという状況もございます。こういうとりまとめをいただきまして、今、高山高校、南大隅高校につきましては検討の方向性ということで話をさせていただきましたけれども、私どもとしまして、このまま例えば高山高校、南大隅高校を廃止するといったことを現時点で考えているということではございません。これらの高校が生きるような形でいきたいと考えているところでございます。
有明高校につきましても、非常に生徒数の面で厳しい状況もございますけれども、先ほど申しましたとおり、七月十日の状況等もまた見ていきたいと考えているところでございます。
検討する中で、二十五年度にどうこうという話が今後、出てくる可能性は全くないとは、この段階で申し上げられませんけれども、全体的なスケジュールも見ながら、また考えていきたいと思っております。
213 ◯鶴田委員 わかりました。
これだけのとりまとめが出て、やはり地域とじっくりと話してつくり上げていくべきことと、それからスピーディーに取り組まなければならない状況もあると思いますので、そこは私も質問でも申し上げましたけれども、ぜひ適宜御対応をお願いしたいと思います。
最後に、一点です、これまでも同窓会あるいはPTAで各生徒さんに対する支援策、例えば通学費に対する助成、それから資格試験の受験料の助成などいろいろやっているのですけれども、このことに対してどのように考えていらっしゃるのか伺いたい。
それから先般マスコミで、クーラーの設置の問題で、夏が特に暑くなりまして、もう三十六度とか八度とか、特に夏期の課外授業などはクーラーなしではとても勉強できないという印象があって、その議論がずっと続いていると思いますが、そういった中で、高校によってはPTAや同窓会でクーラーを設置しているところがあります。しかしながら、これに対していろいろと疑義が差し挟まれるような動きがあるやに聞きましたけれども、そこに対する考え方はどんなふうになっているのでしょうか。
214 ◯海江田高校教育課長 私どものほうでは、特にこれまで再編をやってくる中で、特に小規模校につきまして存続を図りたいという気持ちの一つのあらわれということに感じておりますけれども、同窓会、PTA等でいろいろな形で御支援をいただきまして、先ほどありました通学費の補助ということも含めまして御支援をしていただいております。その件につきましては非常にありがたいことで、感謝を申し上げたいと思っております。今後とも、学校が続く限りそういう形で動いていただければ、本当に子供たちにとりましてもありがたいことだと思っているところでございます。
クーラーにつきましては、学校施設課長からお答えいたします。
215 ◯木場学校施設課長 県立高校への空調の設置でございますけれども、今、保健室や図書室など特殊なところにつきましては、県で空調を整備、設置しているところでございます。普通教室につきましては、県では設置をしておりません。
ただ、六十四県立高校がございますけれども、このうちの三十二校につきまして、同窓会またはPTA等によって空調設備が整備されております。これは、同窓会等が自発的に学校等に設置をしたいと希望したことに対しまして、県で設置許可というものをいたしまして、それで普通教室に空調が設置されているところでございます。これにつきましては、法令等に全く違反するものではありませんで、適正な手続がなされてやっているわけでございます。
これにつきまして、県で整備すべきではないかといったような議論、意見があるわけでございますけれども、議会でも答弁をさせていただいておりますように、普通教室等にすべて公費で整備した場合に、非常に多額の経費がかかるといったこと等もありまして、現在のところは計画をいたしておりません。
繰り返しになりますけれども、今、同窓会等で設置されている空調につきましては、適正な手続がなされているもので全く問題はないと考えております。
216 ◯鶴田委員 わかりました。
マスコミの中で、やはり全国的な状況でも東京など、公費でつけているところはほとんどない状況です。ただ、やはり同窓会等がつけるのは、私は非常にいいと思っております。設置したクーラーはこれは学校に寄附をされるものなのか、それから電気代はどんなふうになっているのか。これはいかがですか。
217 ◯木場学校施設課長 設置されました空調につきましては、学校に寄附というわけではありませんで、あくまでも同窓会等設置者の所有物であり、設置に関して使用許可を県が出しているといった状況でございます。
それから、空調の運転に係る電気代。そういった維持管理経費につきましては、設置者である同窓会等が一切負担するといった約束のもとに設置許可をいたしておりまして、現在のところ、公費ではなくて設置者である同窓会等の負担ということになっております。
218 ◯鶴田委員 わかりました。
地域ぐるみで高校教育をするという動きがある中で、私は非常にその取り組みはいいと思っています。
それから支援策ですけれども、例えば我が地域におきましても、うちの高校は資格試験などの受験料を、わずかだけれども助成してくれるということのメリットを言われる親もたくさんいらっしゃいますし、また通学費に関しましても、例えば内之浦あるいは佐多、こういったところは、もう地元の高校に出しても鹿屋に出しても鹿児島に出しても一緒だと、であれば鹿児島に出そうというような動きがずっとありました。ところが、通学費の助成等でやはり地元に出すメリットを感じられて、ずっとそういうふうにやっている方もいらっしゃると思いまして、そういうところをぜひいろいろ相互連携をとって取り組めるような助成、アドバイスなど、それもお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。終わります。
219 ◯成尾委員長 ほかにございませんか。
[「なし」という者あり]
220 ◯成尾委員長 ほかにないようですので、この件につきましてはこれで終了いたします。
最後に、次期国体に向けた競技力向上計画骨子の内容について、保健体育課長から説明を受けたいと思います。
221 ◯吉田保健体育課長 次期国体に向けた競技力向上計画骨子案について御説明いたします。
資料三をごらんください。この計画は、八年後の次期国体で天皇杯・皇后杯の獲得を目指すために、中長期的に強化を推進するために策定し、教育委員会、スポーツ推進審議会、県議会、文教警察委員会で意見を聴取した上で、教育委員会で策定することとしております。
策定の目的としましては、かごしま県民スポーツ振興条例、スポーツ振興かごしま基本方針の内容を計画的に推進し、さらに平成三十二年の第七十五回国民体育大会において本県選手団が開催県にふさわしい成績をおさめることができるよう、選手強化を推進し、競技力を高め、力みなぎる・かごしまの実現を図るための基本的な計画を策定することとしております。
一ページ目をごらんください。
第一章では、鹿児島県の競技力の現状と今後の課題を掲げ、初めに、国民体育大会における鹿児島県の現状と課題、次に、鹿児島県の小・中・高・大学・一般・企業等の競技力の現状と課題について述べております。
三つ目に、鹿児島県の指導体制の現状と課題を挙げ、競技力向上のために優秀な指導者の養成や資質の向上が十分になされていないこと、優秀な指導者がその実力を十分に発揮できる環境が必ずしもできていない現状などがあるため、今後、指導者の養成や資質向上を図る上で指導者の核となる人材の養成を行い、地域で活躍している指導者のスキルアップを図ることなどが必要と考えております。
四つ目に、鹿児島県において競技力向上を図る上での今後の課題のまとめとして、次期国体で開催県にふさわしい成績をおさめるためには、現在行っている第三期競技力向上五カ年計画の取り組みに加え、中長期的な視点に立って、次期国体で活躍ができる選手の発掘・育成や指導体制の整備などに計画的に取り組む必要があると述べております。
第二章は、今後八年間を見通した競技力向上の基本的な考え方の基本方針として、三項目、育成期、強化期、充実期に分けた計画期間と重点項目、各期に合わせた目標を掲げ、開催年の目標は天皇杯・皇后杯とも一位としております。
二ページをお開きください。
第三章では、今後の具体的な取り組みについて述べており、一の推進体制の確立として、競技力向上対策本部の設置、競技団体の運営体制・指導体制の強化及び関係団体等との連携の強化に取り組むこととしています。
二の指導体制の確立として、指導者の計画的な養成及び資質の向上を図り、競技団体ごとの一貫指導体制や競技を越えた強化ネットワークを構築するために、一貫指導体制の確立、指導環境の整備・強化に取り組むこととしております。
さらに、指導方法、強化策についての情報交換会を実施し、スポーツドクター・トレーナー等の活用を図り、医・科学面からのサポートに取り組んでいくこととしております。
三の選手の発掘・育成・強化について、次期国体で活躍ができる選手の発掘・育成・強化を図るために四項目挙げてあります。
四の諸条件の整備については、競技力向上に積極的に取り組むために必要な用具・練習拠点等の対策を行っていきます。
第四章は、総合計画の推進として、鹿児島県競技力向上対策本部は、この基本計画に基づき、県、市町村、県教育委員会、市町村教育委員会、県体育協会、各競技団体、学校体育団体、企業、地域クラブ等と連携を図りながら、競技力向上のための事業等を実施し、実施状況の分析・評価を行い、計画の推進と進捗状況の把握について、計画の推進・見直しを行うこととしております。
今後は、骨子をもとに計画案を作成して、七月の策定を予定しております。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
222 ◯成尾委員長 ここで、速記の関係もありますので暫時休憩をいたします。
再開は、おおむね三時十五分といたします。
午後三時 四分休憩
────────────────
午後三時十五分再開
223 ◯成尾委員長 再開いたします。
224 ◯二牟礼委員 次期国体に向けて、八ページの諸条件の整備で、用具・練習拠点の整備、強化に必要なものを計画的に整備するとありますが、今年度五十億円施設整備基金を造成してあるわけです。これについては具体的に何にどう充てる、あるいは施設整備の目標額を決めて積み立てる等、そういうことにはなっていないという説明でありましたが、やはり三十二年国体となりますと、もうじきですから、どこでどういった競技を行って、競技施設、あるいは用具等に何が必要かということを今の段階からもう具体化をしておかないと、手続が要りますので、施設整備の大きなものになると何年もかかるものも出てくるわけです。
そういった意味では、早急に必要な計画、必要なものの計画をまずつくって、その必要額も定めて、そして目標額、年次ごとの積立額も決めていかないと、五十億円ぽんと積んで、これは一般財源です、ふるさと創生資金も一般財源ですから、五十億円のうち四十億円、十億円は一般財源です。もうこれは県の職員の賃金カットや我々の歳費のカットです。こんなものから積み立てられているわけです。それでは困るので、やはり目標額を決めてやってほしいと思いますが、具体的な計画づくりはどこまで進んでいるのか。そして、いつごろまでにどういった計画を策定される予定なのか教えてください。
225 ◯吉田保健体育課長 ただいま委員が御指摘のとおりですけれども、今年度に入りまして、県庁舎で次期国体の開催プロジェクトチームを立ち上げてございます。丹下副知事がトップで、それで県知事部局の主だった方々が集まっていただきまして、国体に向けてのいろいろな話し合い、提言について話し合っているところですけれども、ただいま八月の第二回の総会に向けて基本方針を策定する計画、準備段階に入っております。プロジェクトチームで十分もんで、開催の基本方針等を次の第二回の総会に出す予定にしております。
それで、先ほどございました会場地の選定等もその中に、基本方針に入ってございまして、それを第二回の総会にかけて承認されたら、具体的な各市町村へおろして、それから希望等をとって、各競技団体等にもおろしまして、同じく希望をとって、市町村、それから各競技団体のヒアリングを行う計画になっているところです。
その段階がきちんと決まってから、各会場地が決まりましたら、委員が御指摘のように、用具や必要なものが具体的に出てくると思いますので、そのときに策定ができていくのではないかと考えております。それでよろしいでしょうか。
226 ◯二牟礼委員 知事部局でというお話ありましたけれども、キャップが副知事であるのはいいでしょうけど、その中に皆様方の教育委員会からも参加されているのですか。
今、そこで決めて、競技団体の意見を聞いたり、市町村の意見を聞いたりとおっしゃいましたが、何か順序が逆な気もします。いろいろ競技団体の要望や、あるいは市町村の要望等、そういうものを拾い上げて、その中で、では会場はどこに、今の会場で十分足りると、あるいはこれはもう隣の県の競技場を借用しないとだめだなど、そうなるような気もしますが、よくわからないですが、その辺の考え方はどうでしょうか。
227 ◯吉田保健体育課長 最初の御質問の件ですけれども、県から、トップサブにうちの三角次長が入っていらっしゃいます。保健体育課は事務局になりますので、提案を出すような形になります。
先ほどございました御質問ですけれども、一応、教育委員会だけでこの話を進めても、それはもうやはり県全体で取り組まなければならないものだから、少し荷が重いではないですけれども、失礼しました、もっと県庁全部で話し合ったほうが、大きくしたほうが、よりスムーズにいくだろうということでできたのが、プロジェクトチームだと認識しております。この中で話し合って、それでスムーズに持っていこうというのがただいまの考え方でございます。よろしいでしょうか。
228 ◯二牟礼委員 ですから、競技団体の要望やあるいは市町村の要望、例えば会場を持っていて、ここをぜひ国体の会場として使ってほしい等あるわけです。プロジェクトで案をつくってから、皆さんどうでしょうかとおろすよりも、最初で競技団体や市町村から要望を聞いて、それをもとにしてつくられたらどうですか、その手順はないのですかということです。
229 ◯吉田保健体育課長 済みません、私の説明が不足しておりました。
基本方針をプロジェクトでつくって、出しますけれども、出したときに、基本方針にのっとって各市町村の希望を聞いてという形になります。同じく競技団体にも聞いて、それから選定に入っていくという形になります。よろしいでしょうか。
230 ◯二牟礼委員 よくわからないけど、いいです。
231 ◯成尾委員長 いいですか。
232 ◯二牟礼委員 いいです。
233 ◯おつじ委員 一ページの第一期、第二期、第三期、このとおりにいけばもうすばらしくいいのですけど、絶対このようにはいかないと思います。去年が三十八位ですから、今回、二十四年度から二十六年度までに二十位台を確保しつつ、そして二十七年、二十九年が十位台、最後が一位になっていくのはもう大変すばらしいことです。私はいつも言っていますが、これに向けて、指導者の配置や、各競技団体からの意見を早く聞かないともう間に合いません。来年、結局教職員を異動させたら、もうあと七年です。高校総体まで六年です。全国高校総体が一年前に来るわけですから、こんなことをしていたら、もう計画倒れになってしまう気がしてならないですけど、今の段階で具体的に動いていることといったら何がありますか。
234 ◯吉田保健体育課長 今年度、競技力向上について始めたことでよろしいですか。
235 ◯おつじ委員 賜杯、国体に向けて、何でも具体的に動いていることで結構です。
236 ◯吉田保健体育課長 四月に各競技団体の代表の方を集めていただきまして、選手の発掘・育成・強化のところのジュニアスポーツ普及事業を御説明いたしました。各競技団体の方々にスポーツ教室を開いていただいて、その競技の魅力を子供たちに教えてほしい、そこから底辺を広げていこうということで、その取り組みを御説明いたしました。
それで、各競技団体の方々に説明いたしまして、各競技団体から計画をお持ちいただきました。それから、うちの保健体育課の担当でヒアリングを行いまして、それに対するお金を出すという形で今、取り組んでおります。
237 ◯おつじ委員 もう何しろ本当におくれていますので、一日も早く競技団体と、指導者の数などいろいろ出ていますし、五十七年から前回六十六回の山口まで、どの競技が幾ら得点をとったというものもデータとして出ていますけど、今、本当にずっととっている競技、そして全然とっていない競技、いろいろあると思います。その競技の取り組む状態は、いろいろその競技によって違っていますし、いろいろ問題点もあります。指導者が一人しかいない競技もありますし、全然いない、さっき言った器械体操などは、公立高校にはそういう部はなくなってしまって、団体は組めないですけど、松陽高校に一人いますけど、れいめい高校が男子も女子もしてくださっているので、どうにか団体もインターハイに行ける状態です。競技によって違うので、やはり指導者が少ないところには、採用していらっしゃれば、その人を強い学校に異動させて、七年間はその人でいくなど、もう本当に具体的に環境づくりをしていかないと絶対、間に合いません。太陽国体みたいに一般の選手をばっととってきて、優勝するということは、もう不可能なわけですから、少年男子・女子で稼ぐしか鹿児島県の場合はないので、そこのところの環境づくりをしっかり一日も早く、来年度の教職員の異動では、そのことがちゃんと形になって出てくるようにしていただくことをお願いして、終わります。
238 ◯成尾委員長 国体について、ほかに質問ありませんか。
239 ◯酒匂委員 施設整備の関係でお聞きしたいのですけれども、国体に向けて確実に整備をしなければいけない施設は何かありますか。
240 ◯吉田保健体育課長 鴨池の陸上競技場が太陽国体のときにも開会式の会場になりましたが、あそこがメーン会場という形で、整備がなされないといけないと思っております。
鴨池の陸上競技場は、国民体育大会施設基準の日本陸上競技連盟公認の第一種の競技場になっておりまして、第一種の競技場を継続するために、どうしても第三種の補助の競技場を整備しなければならないということで、今、補助競技場の整備の計画をしているところでございます。あそこだけは、もう確実に整備がなされると考えております。
陸上競技場は今年度、耐震診断が入る予定になっております。耐震診断が入りましてから、耐震補強、それから内部の部屋の改修等もそのとき同時に改修されると思っております。
以上です。
241 ◯酒匂委員 ほかに何か施設で、体育館等大きいもので、国体までに整備する予定が何かありますか。
242 ◯吉田保健体育課長 はい。新設の総合体育館は一応計画がされておりまして、報道もされておりますが、総合体育館も整備されると思っております。
それから野球場も、野球の会場になるかもしれません。まだ予定も立たないですけれども、もし会場になったときには、きちんと野球ができるように、またあわせてプロ対応も可能なようにしたいと考えています。四月に二試合、プロ野球が開催されまして、前回、一昨年は非常に御指摘がありまして、いろいろ整備等がなされなければならないということでしたが、今回は二試合とも全く苦情等ございませんでしたので、それなりの成果はあったのではないかと思っております。
以上です。
243 ◯酒匂委員 はい、わかりました。
幾つか大きな施設があるようですので、またいずれ、この一番最後のページにあるみたいに、この中にも施設のことも入ってくるだろうと思っています。大変期待しておりますので、またいいものをぜひつくってください。
244 ◯吉野委員 私は、余りこの方面のことは詳しくなくて、とんちんかんなことを言うかもしれません。特に、隣にいるおつじ先生にしかられるかもしれませんが、国体に対する考え方です。各県聞いてみると、ほとんど主催県が天皇杯をとったり、皇后杯をとったりしているそうです。それはそれで制度上、主催県は全種目エントリーできるなど、そういう得点上の配慮があるから当然点数が高くなるというのは、それぐらいは私もわかっています。
ただ、私は、何が何でも優勝せんがために、決してそういうことは今お考えではないと思うけど、かつての太陽国体のときに極めていびつな教員採用をしたり、そのことが今日まで、先ほども議論しましたが、教頭先生だけが随分余って、余ってという表現は変ですが、多くおられるような、こういういびつな、後々まで何十年も影響を与えるようなことがあっていいのかと思います。
もちろん一つの目標を持って、国体が今度あるということを目標にして施設の整備をしたり、運動の強化をしたり、そういう先生方を育てるということはいいことだと思います。それは別に私、やぶさかではないです。しかし、どこかに何らかのコンセプト、基準があるべきことで、もう過去の国体を踏襲するようなことはあってほしくないと思いますし、だから、これはいろいろな考え方がありますから、一回そういうことも含めて議論をすべき場があっていいだろうと思います。
例えば、この機会に天皇杯も皇后杯もとろう、そのためにはとにかく選手を強化し、先生たちの異動も含めて、深慮遠謀がおつじ先生おありですから、こういう手法をとってやりなさいというのも、それは一つの考え方だと思います。しかし、今度は逆に、まだまだ体育の施設というのはすべての種目において充実していないわけで、これを機に、余り日ごろ日の当たらないような、あるいはスポーツ人口の少ないような競技に、施設なり何なりつくって選手を育てよう、もちろんそういう考え方だと、即効性としての点数にはなりにくいだろうと思います。しかし、僕は、それも一つの考え方だろうと思います。そういうふうにして、余り日ごろ脚光も浴びない、競技人口も少ない、でも、そういう施設なり何なりつくって、広くいろいろなスポーツが鹿児島県ではできるというのも、将来的にはすばらしいことだろうと思います。そういう考え方でいくと、決してその際には、僕は天皇杯も皇后杯も目標にしていないわけです。だから、そういう考え方も一つあっていいのかと思います。
だから、従来どおりの考え方だけで、何でも天皇杯・皇后杯、とらなければ恥ずかしいということはないのであって、節度のあるという表現は少し語弊がありますが、いろいろな考え方がありますから、一回、さっき言ったプロジェクトか何かのチームで、そういう根本から、コンセプトから、鹿児島県はこういうコンセプトでやろうではないか、広くいろいろな競技人口をふやそう、天皇杯・皇后杯は、できるだけもちろん向かって努力はしますけれども、そのためにいびつな、後々までに弊害が残るような人間の採用の仕方云々というのは、もうあってはならないと思いますし、そういうことも含めて、もっとほかにもたくさんあるだろうと思います。
私はまだこの分野に関してはもうど素人ですから、これ以上のことを言えませんけれども、ただ、そういうコンセプトをしっかり議論することもいいのではないかと思います。そして私みたいな極めてマイノリティーの考え方かもしれませんけれども、少数派かもしれませんけれども、でも、そういうことも少し配慮していただきたいと、しかられるのを覚悟で申しました。以上です。
何かあれば、どなたか答弁してください。
245 ◯吉田保健体育課長 御指摘のとおりでございまして、太陽国体のときには教員団という部がございまして、それで教員を大量に入れたというのは事実でございまして、その解消に何年もかかったというのは、本当に事実でございます。
今回の次期国体に向けては、今、委員の御指摘のとおり、そういう不正とか何とかというのはもう絶対ないように、正々堂々と天皇杯・皇后杯を目指したいと思っております。
それから、コンセプトにつきましては、十分、プロジェクトチームでまた議論していければと思っております。大事なことだと思います。どうもありがとうございました。
246 ◯成尾委員長 ほかにないようですので、以上で、教育委員会からの説明事項につきましては終了いたします。
それでは、その他の県政一般について質問をお願いいたします。
247 ◯吉野委員 学事法制課長、きっと引き継いでおられると思いますが、去年この文教委員会で県立短大の学長をここに委員会にお呼びしまして、お招きしまして、いろいろな議論がなされました。
簡単に言えば、これは学習指導要領云々は、あるいは新しい教育基本法は、別に大学にそれが及ぼすかどうかは別として、少なくとも、新しい教育基本法の中に、国旗・国歌を尊重し、それを掲揚するようにというのは小・中・高では当然のことのように行われています。しかるに、県費を八億円ぐらいつぎ込んでいる県立短期大学におかれては、卒業式・入学式のときに国旗を掲揚しない、国歌を歌わないと、それが当然のように今日までなされてきていました。
それは少しおかしいのではないかということで、これはさきの一般質問でもその質疑があり、知事の考えと言ってもいいでしょうが、県の姿勢としては、それはあってはならないことだ、当然のことながら、国旗を掲揚し、国歌たる君が代を斉唱するのは当たり前だというコメントも出ております。
そういうことを踏まえて、これは以前からこの文教委員会では随分議論はなされてきたのですが、一向に改善されていなかった。それで学長に来ていただいて議論をし、去る卒業式、私はもちろん出ておりませんし、招待もされていませんが、国旗はちゃんと講堂に掲げる、今回からは掲げると、教授会でそれも決まったという御説明がありました。一応私たちはそれは了としました。
しかしながら、国歌の君が代に関しては歌わない、これは教授会でも歌わないみたいなことを言われたので、それはいかがなものかと思いつつも、そのときはそれで一応済ませました。済ませたというより、もちろん我々は強く要望しました。
それで質問です。
さきの卒業式、多分そういう状況だっただろうと思いますが、入学式等もあったと思いますが、何かその後のことで学事法制課長は把握しておられますか。
あるいは今後、国歌斉唱に関しましても、当然のことながら県立短期大学でやっていただきたいと思うのですが、何かその後そういう議論がなされたか。あるいは、教授会でそういうことが議論をされたか等々、聞いておりますでしょうか。
248 ◯前村学事法制課長 県議会の議論、十二月議会、それから三月議会、いろいろ私も議事録等を読まさせていただいたり、前任の課長から引き継ぎを受けてございます。
前回の三月議会で当時、学長がここに来て、いろいろ議論がありまして、この場の議論を教授会に伝えるというような答弁がなされているようでございました。私も、その後どうなったかということで県短に確認しまして、四月十三日に教授会があったそうでございますが、そのときに種村県短学長がこの委員会の議論を報告したと聞いております。
私ども、卒業式等での国歌の取り扱いについて、設置者の県としてどのように受けとめるかという御質問だと思いますが、十二月議会で、総務部長が答弁いたしましたとおり、式典会場内への国旗等の掲揚や国歌の斉唱は、卒業式や入学式において当然に対応されるべき要素であるという県の考え方を示し、このことは県短にもお伝えしております。
県立短期大学では、平成二十三年度の卒業式から国旗を会場壇上に掲揚し、卒業式については従来どおり螢の光を斉唱したということでございます。これは教授会におきまして、こういった県議会での議論やさまざまな議論を踏まえて、自主的に判断されたものと認識しております。
今後のことでございますけど、県立短期大学において判断された国旗の取り扱いと同様、国歌の取り扱いにつきましても、今後も県立短期大学において、また自主的な判断がなされるものと考えているところでございます。
以上でございます。
249 ◯吉野委員 私の質問は、さきの入学式があっただろうと思いますが、その様子がどうだったかを、もし知っておられれば教えてほしいということです。
はい、その件で、どうですか。
250 ◯前村学事法制課長 入学式につきまして、私も来賓ということで出席いたしまして、会場の壇上に国旗は掲揚されてございました。
以上でございます。
251 ◯吉野委員 国旗は卒業式から、今度から掲揚するということでしたから、恐らく卒業式、恐らく入学式もそうだろうとは思います。国歌に関しては相変わらず斉唱はなかったですか。
252 ◯前村学事法制課長 入学式におきまして国歌の斉唱はございませんでした。
253 ◯吉野委員 わかりました。まず、事実関係は一応把握しました。
課長の今さっきの答弁で、国旗・国歌に関して県立短大のそのありようを見守るという表現をされました。
254 ◯前村学事法制課長 はい。
255 ◯吉野委員 課長のお立場は見守るだけなんですか。強く私ども委員会でも要請しておりますし、課長から、県議会本会議場でも答弁があったようなことを強く要請するお立場ではないのですか。
256 ◯前村学事法制課長 先ほど御答弁申し上げましたのは、県立短期大学において判断された国旗の取り扱いと同様、国歌の取り扱いについても、今後も県立短期大学において自主的な判断がなされるものと考えているということで御答弁申し上げました。
257 ◯吉野委員 だから、私はそれでは足りないと、あなたの……(「委員長」という者あり)待ってください。あなたの職責は、それを指導するお立場ではないのですかと聞いているのですが、やはり見守るだけですか。
258 ◯前村学事法制課長 三月議会の一般質問でもその辺のやりとりがございましたけど、大学における学問の自由を保障するために、大学の自主性は尊重されるべきであると考えておりまして、自主的な判断がなされると考えているところでございます。
以上でございます。
259 ◯二牟礼委員 この問題については、私も三月議会の議事録を読ませていただきまして、種村学長から、「私自身は、教授会で国歌斉唱ということが決まれば、学長として歌うことはやぶさかではありません、ただ、県立短期大学は御存じのように教授会自治が確立しておりますので、教授会で決定されたことを学長はやはり無視できません、それを尊重しながら、管理運営に努めていかなければならない」と答弁されています。これに対して吉野委員は、今おっしゃったようなことを述べられておりますけれども、私は今の学事法制課長の答弁で十分だと思います。それを言いたかったところです。
260 ◯吉野委員 それを言いたかったわけですか。
261 ◯成尾委員長 いいですか。
262 ◯吉野委員 はい。私の意見を申し上げます。
県ははっきりとした姿勢を出していますので、私としては、課長がお立場上、もうできないというのであれば、去る学長を呼んだときの議会でもいろいろな議論が出ました。県立短大で自主的にできないのであれば、八億円の県費を、すべて県費を出している学校ですけれども、いろいろな方法でそれはありましょうから、教職員、職員は県の職員ですから、県の指導に反することはないわけですが、教員が、つまり教授会がそういうことをやらないということであれば、またそれなりに議会も対応をするというような議論がそのときもなされました。別に今、きょうはこれ以上は申しません。私はこの件に関しては以上です。
引き続き、もう一点。去る六月六日です。三笠宮寛仁殿下が御薨去されました。県教委にお聞きしたいのは、半旗を掲げるという行為ですが、これはいろいろな見解がありましょうから、若干そこをお尋ねするのですが、各学校等では半旗を掲げるということはなかったように聞いております。仄聞しております。すべてを私は確認したわけではございません。これは学校長の裁量というよりも県教委から言うか、あるいは国からの指導があるのかと、また私は推測しますが、このあたりに関してどなたか答弁できますか。
例えばの話です、どなたかがお亡くなりになったときに、国を挙げて、あるいは学校を挙げて半旗を掲げるという行為は当然あってしかるべきことですが、今回の三笠宮寛仁殿下の御薨去に関しまして、そういう行為は何か県教委でとられたのかどうか。あるいは、それをもしとるとするならば、どういうシステム上の手続があるのか、これは各学校の校長の判断によるものなのか。その辺の御説明をいただけますか。
263 ◯成尾委員長 暫時休憩します。
午後三時四十七分休憩
────────────────
午後三時四十七分再開
264 ◯成尾委員長 再開いたします。
265 ◯六反教育長 今回の三笠宮殿下の薨去の際に、半旗について県教委が指導をするということはなかったと記憶しております。
私の過去の経験で申し上げますと、内閣府など国から、いついつは半旗を掲揚されたいという要請が各都道府県に参って、県として半旗を掲げ、また関係機関にもそういった連絡をするというのが、一般的に行われているやり方ではないかと考えております。
今回、そういった半旗掲揚について国からいろいろな指示があったということは、私は聞いていないところです。
266 ◯吉野委員 私が確認したかったのは、国から何らかの指導等が、あったのかどうかという確認と、あるいは手続上、それがあるなしにかかわらず、県教委の立場で各学校にそういうことを指示が出せるものかどうかという点。あるいはまた、各学校単位で学校長の判断でそれができるのかという、そういう質問ですけれども、これはどなたか答弁できますか。
267 ◯成尾委員長 暫時休憩します。
午後三時四十八分休憩
────────────────
午後三時五十一分再開
268 ◯成尾委員長 再開いたします。
269 ◯前原総務福利課長 皇族方の御逝去に対しましての弔意を示すことにつきましては、先ほど教育長が述べましたけれども、県の教育委員会であれば文科省からのそれなりの通知、そういうものを待って対応しております。
それから県の教育機関等につきましても、同じように、そういう通知の流れがあれば、県の教育委員会から各教育委員会に流しております。
県教育委員会の出先の単独事務所もありますけれども、教育事務所等につきましては、知事部局と同じ合同庁舎内にございまして、同じように知事部局の取り扱いを参考に処理しておりますので、県庁と同じ取り扱いということでございます。
270 ◯吉野委員 何か聞くところ、まだいろいろな意見というか、考え方がはっきりしていないような部分もありますので、後日で結構です、何かこういう規定になっています等あれば、また教えてください。
そしてもう一つ、あす、もしかしたら、私の勘違いだったら大変申しわけないですが、あすではなくて十四日は御葬儀、告別式というのか、違う表現をするかもしれませんが、あります。そのときは、もしかして半旗を掲げるような指導がなされているのではないかと思いますが、もしわかっていたら説明してください。
271 ◯前原総務福利課長 先ほど申し上げたとおりの取り扱いをしていますが、今、調べたところ、内閣官房長官から、国の機関等につきまして、文部科学事務次官から御葬儀の当日における弔意表明という通知が出ておりました。
これにつきましては、葬儀そのものが六月十四日の予定になっておりまして、先ほど委員が言われましたように、各府省においては弔旗を掲揚すること、ということが掲げてございますので、当然県庁もやりますし、教育機関につきましても同じような通知をする流れとなっております。
272 ◯吉野委員 はい。十四日に告別式、違う表現をされるのかもしれませんが、我々で言う告別式、ある予定だと聞いておりました。そしてそのときには、半旗を掲げるようにという指導がなされるようなことも私、仄聞しておりましたので、ぜひ、これはもう間違いないと思いますが、皆さんのほうから各県内の学校その他にはきちんと指導をされるように、これは申し上げておきます。
私からは以上です。
273 ◯おつじ委員 鹿児島県教育委員会は本年度から、義務教育課に臨床心理士の相談員を常駐させたとの新聞報道を見ました。九州では初ということで大変いいことだと思いますが、専門的な対処が求められる中で、学校の派遣要請に素早くこたえることがねらいだということですが、まだ二カ月しかたっていないのですが、この要請の事例がありますか。
274 ◯西川義務教育課長 この四月から、県義務教育課におきまして臨床心理士を配置させていただいております。既に何件か、学校に赴きまして個別相談に応じる等々の対応をしてまいりました。
また、さまざまな研修等の機会というのも各地域でも開催されますが、その際に、生徒への相談のあり方や、さらには教職員のメンタルヘルスも含めて指導・助言してほしいという要請がありまして、個別の学校への訪問に加えて、そうした研修の機会での説明ということにも対応しているところでございます。
275 ◯おつじ委員 まだ二カ月程度ですが、そういうふうにたくさんの事例があるということで大変いいことだと思います。これからも、一人ではなくて、さっきから、吉野委員ではないですが、経費が伴うことですので、でも、今のこの時代、本当に子供たち、いろいろなもの、私たちの時代には考えられなかったストレスなどいろいろなものを抱えておりますし、素早く対処して不登校を免れた子供たちもたくさんいると思いますので、よろしくお願いします。次に、起立性調節障害という病気があるそうです。私も自分が指導していたときに、急に成長、十センチとか二十センチとか身長が伸びたときに貧血を起こす子、部員がいて、こういう病気を知りませんでしたので、甘えだと言って厳しく指導して試合にも出しました。今考えたら、かわいそうなことをしたという思いがありますが、これに対して県の認識や支援策、予防策はとっておられるのかどうかお聞かせください。
276 ◯下田生徒指導監 今、委員からありました起立性調節障害につきまして、そのために体調を崩し、学校の学習活動に支障を来している児童生徒がいるということは承知しているところです。
昨年の十一月に鹿児島市の高校の保健部会、養護教諭の部会ですけれども、そこで、市内の公立高校において起立性調節障害の生徒がいるのかどうかということも含めて、話をされたようです。
今、委員が怠学ということで指導してきたこともあったという話もされましたけれども、遅刻、欠席がちの児童生徒につきましては、その原因がいじめ、学業不振等の学校生活、それから親子関係による家庭生活、あるいは起立性調節障害のように病気等というものが考えられます。その原因をきちんとしっかり把握しながら、例えば、全職員で事例研究会を持ってきちんと情報を共有する、それから例えば、今、義務教育課にも常駐しておりますけれども、
スクールカウンセラー等による専門家の面談を受ける、それから、医療機関と連携して対応することが基本となっているところでございます。
以上です。
277 ◯おつじ委員 まず、やる気をなくすそうです。病気だとわからないで、怠慢、甘えなどと言って見逃されている部分もたくさんあるように聞いております。まだこういう子供に対しても、県内に何人いらっしゃるのか調べておられないということですので、そういうところからも、やはり早目に対応すれば治るそうですので、それによって学校をやめることがないようにしていただきたいと要望しておきます。
もう一つ、済みません。このごろよく新聞に出ていますが、県産小麦粉で焼いたパンが給食に出て、すごい子供たちが笑顔で食べているのが、指宿の事例が最初に出て、今度は四回にわたって、県内小麦粉産への挑戦の四日目の記事で、さつま町の地産地消の給食の中で、ぜひ町産小麦粉のパンを使いたいという、そういうさつま給食センターの職員の方が要望して、さつま町の小麦でパンを焼いて給食に出て、子供たちが、いつものパンよりおいしい、焼きたてだし、と好評だったということです。そしてその職員の方々が、小麦粉の栽培は鹿児島には向かなくて、山崎さんというさつま町の方が、本当に大変な中でつくってくださった小麦粉だから、みんなで食べようというようなことをされたそうです。パン組合もこの学校給食が好評だったので、この動きを県全体に広げていきたいというコメントを出しておられます。
県産小麦粉での給食、なかなかこの小麦というのが、ちょうどとれる時期に梅雨に入って、とても難しいそうです。ですから、去年の場合は、本当に予定よりも半分以下しかとれなかったそうですけど、それでも子供たちのあの笑顔が見たいということで、それでパン組合の皆さんたちも各地方に行って、小麦をつくってくださいと言って回っているそうですが、給食にそういうものを県内、県全体にというこういう動きを、県教委としては後押しする考えはないのか。この新聞記事は、大きく出ていましたから、全部読まれたと思います。それに対しての感想をお聞かせください。
278 ◯吉田保健体育課長 ただいま委員からありました鹿児島産の小麦粉の件ですけれども、県といたしましては、以前から地産地消をずっと推進しておりまして、地元でとれた小麦粉を使ったパンを給食に出すということは、本当にいいことだと考えております。
ただ、今、委員からもありましたように、収穫量等が安定供給ができない、また、品質の問題、それから安全性、そういうところをいろいろ考えたときに、それを一気に全県下に鹿児島県産の小麦粉を使ったパンを出す、というのは難しいのではないかと考えております。
ただ、一月に学校給食の日というのがございますが、そのときにそういう小麦粉、鹿児島県でとれた小麦粉を使ったパンを提供するということは可能ではないかと考えております。
以上でよろしいですか。
279 ◯おつじ委員 安全・安心という点においては、きちんとそういう機関を通して粉に引くようにするので、必ず大丈夫だそうです。何かそこがおかしいのではないかといって、県内小麦粉でのパンを給食に出すのはいかがなものか、という何か意見もあったというのを聞きましたが、パン組合の皆さんが言われるのには、そういう安全性についてはきちんとしてあって、そのルートを通ってからしか販売はされないので、課長が言われたような、安心・安全がどうなのかというところの心配は絶対ないということです。ただ、梅雨期に当たって、その量が安定的に確保できないというのはわかりますけど、そういうところの誤解がないようにしていただきたいと思います。
そして、やはり地産地消ですし、自分たちの周りでとれた小麦粉で、本当においしい、そんなに苦労してでも子供たちの笑顔が見たいといって一生懸命、その小麦粉をつくってくださっている方たちのことを思ったら、やはり学校給食にそういうものができるような努力はしていただきたいという要望をして、終わります。
280 ◯成尾委員長 要望でよろしいですか。
281 ◯おつじ委員 はい、要望でいいです。
282 ◯二牟礼委員 簡単に二点ほどお伺いします。
一つは、これは代表質問でも質問した鹿屋中学校元校長のわいせつ事案に対してですが、私も監査委員で中身については承知していますので、質問はしませんけれども、県教委の姿勢についてお伺いしたい。
というのは、先ほどの大隅の県立高校のわいせつに関してもですけど、被害者の女性の立場というものが考慮されているのか疑問です。鹿屋中学校の元校長の事案についても、答弁を聞いていますと、刑事事件では不起訴が確定した、元校長本人も否定、否認している、控訴審で争われている状況であるなど、これはすべて元校長の立場です。もともとこれが発生した要因というのは、ドライブに誘ったという、県教委自身が文書訓告までした不適切な指導にあるわけですから、それがいまだに解決していないわけです。どれほどその女子生徒の立場に立っているのかというものが伝わってこないわけです。先ほどの鹿屋の女子教諭、女子職員の例からもです。
それは同じ教職にある者として教職員の立場を何か擁護されているような形に見えるのは、私はまずいと思いますので、いや、そういうことではないと思いますけれども、そういうふうに受けとられますので、ぜひその点については、被害者の側に立った対応について、県民に伝わるように答弁も対応もしていただきたいというのがあります。お考えがございましたら、どうぞ。
283
◯豊島教職員課長 どちらの立場かという御質問だと思いますけれども、私ども県の教育委員会が教職員を懲戒処分等する際には、もう当然のことですが、本当に慎重に対応をいたしております。例えば、もしそういう事案が出ましたら、当事者から事情聴取を行い、事実関係を詳細に把握をいたします。そして、事実認定を行いまして、また、場合によってはその現場まで出かけていきまして、その聴取した内容等を確認することもございます。
そうした事実認定をもとにいたしまして、過去の事例と照らし合わせて、また、必要に応じまして顧問弁護士とも相談いたしまして、本当に公平・平等の原則のもと、量定を決定をいたしております。
刑事事件になっている場合には、その捜査状況を待ちまして、こちらの把握している事実と異なる点がないか等、そのあたりは慎重に対応をしております。
今回の事例でございますけれども、私ども教職員課で事情聴取を行いました。生徒はわいせつ行為を主張いたしまして、元校長はわいせつ行為を否定するという立場というのは、当初から変わっておりません。また、今もございましたけれども、刑事事件におきまして、二度不起訴になりまして、わいせつ行為という事実を認定することができなかったものでございます。
このような状況の中から、懲戒処分をしなかったものでございますけれども、ただ、車の中での教育相談は不適切であったということで文書訓告をしております。
このように、公平な立場で事実を判断しており、どちらの立場というのは絶対にないと思っております。
以上でございます。
284 ◯二牟礼委員 最初に申し上げましたように、中身をここで議論するつもりはありません。けれども、答弁からして、答弁の中で女子生徒というのは一回も出てきませんでした。そして今度の大隅高校の例についても、先ほど少し議論をしましたけれども、加害者の教員に対しては立ち直りを指導したとおっしゃいました。受けた女子教諭、女子職員の立場についてはケアをしたとおっしゃいますが、これがずっと続いているわけですから、私から見た場合、本当に被害に遭った方の立場というものが伝わってこないということです。中身をここで議論するつもりはありませんということです。
やはり被害者の立場に配慮しているということが伝わってくるような答弁といいますか、物の言い方というか、そういうものはぜひしていただきたいと、もうこれは要望にかえておきます。
もう一点は、居所不明児、鹿児島県内は十年度四人、十一年度三名ということで七名と、これは新聞の報道になされておりまして、義務教育課では、虐待や事件性が疑われる例はないが、市町村教委や民生委員、児童相談所と連携して情報を集め、対処したいとなっていますけれども、現在、七名の方への対処はどのように把握され、対応されているのかということについてお聞きします。
285 ◯下田生徒指導監 今、委員の御指摘になりました、新聞報道等でもありました七名の居所不明の、児童生徒につきましては、学齢簿の存在する市町村教委と連携しまして、いろいろ確認をしたところでございます。
そうしたところ、先ほど委員からもございましたけれども、事件性につながっているものではなく、保護者と一緒に、例えば経済的なことや、いろいろなDVなどで居所不明になっていると把握したところでございます。
286 ◯二牟礼委員 ですから、対処したいということでしたので、把握はされているでしょうが、それに対しては、今は居所不明ですけれども、把握されているということですから、その先で何らかの対応というものはなされているのかどうかという点についてはどうなんですか。
287 ◯下田生徒指導監 つきましては、警察との連携や、児童相談所との連携等、そういう形で連携をとっているところでございます。
288 ◯二牟礼委員 いま一つです。だから、その子供たちが、いいですか。
289 ◯成尾委員長 暫時休憩します。
午後四時十四分休憩
────────────────
午後四時十五分再開
290 ◯成尾委員長 再開いたします。
291 ◯下田生徒指導監 居所不明の生徒につきましては、行った先で学齢簿が起こせますので、そういうところでこちらのほうに情報は入ってこないという状況になっているところでございます。
292 ◯下鶴委員 私からは一点、鹿児島からサッカーJリーグ昇格に向けた施設整備について伺いたいと思います。
御承知のとおり、鹿児島からはヴォルカとFC KAGOSHIMAというチームが地域リーグ、九州リーグでJリーグ昇格を目指しているわけでありますが、Jリーグ昇格に当たっては、そこからJFL、そしてJリーグのJ2に上がっていくという成績をおさめるのはもちろんのこと、あわせて、Jリーグが定める施設、ホームスタジアムを整備することが昇格の条件として求められているところであります。
本県においては、二〇二〇年の国体に向けた施設整備を行おうとしているところでもありますし、また、現状、プロサッカーの試合で使っている鴨池陸上競技場、こちらが更新時期を迎えていて補修等の必要があるという状況で、そこも含めて伺いたいと思います。
先般、Jリーグが定めるホームスタジアムの基準に現状、鴨池陸上競技場が適合しているかどうか、Jリーグから何か検査があったと聞いておりますけれども、その状況について、県でどのように報告を受けているか教えてください。
293 ◯吉田保健体育課長 ただいまの件でございますが、県のサッカー協会がスタジアムの検査という形でJリーグから人員派遣がございまして、そして検査を行っております。それで、ホームスタジアムとしての項目が百八十二項目設定されているようです。そのうちの三十四項目が適合しなかったという情報をいただいております。
以上でございます。
294 ◯下鶴委員 今、全百八十二項目のうち三十四項目が鴨池陸上競技場は、現状不適合であるという答弁でした。
そうすると、この三十四項目について、まず、鴨池陸上競技場の改修で適合させようとした場合に、幾らぐらいかかるのかという見積もりが必要になってくるかと思いますが、この見積もりについては現状とっていますか。もしくは、今後、大まかな額でも把握するスケジュールは立っていたりしますか。
295 ◯吉田保健体育課長 先ほどの酒匂委員からの質問の中でもお答えしましたが、まず、あの鴨池陸上競技場は耐震診断を行うことになっておりまして、その耐震診断の結果によっていろいろまた状況が変わってまいります。まず耐震診断をする。その後、先ほどありましたように、Jリーグの試合ができる高規格なグラウンド整備、会場整備、そちらのほうにも、今回出ました結果を参考にして、計画を立てていきたいと考えておるところです。
以上です。
296 ◯下鶴委員 基準を満たすには、耐震化の度合いもありますけれども、鴨池陸上競技場の改修で対応するのか、それとも別個、新規に対応するのか、いろいろオプションはあるかと思います。その大前提として、鴨池陸上競技場の改修で幾らかかるのかということは、やはり把握しなければいけないと思いますので、耐震化の診断が終了次第、速やかに行っていただきたいと、これは要望いたします。
それで、先般三月の一般質問で同様の質問をさせていただいたときに、伊藤知事からの答弁でありましたのが、県内のチームがいまだJリーグに昇格する状況に至っていないことから、その動向を見守る必要がある、また、県民の方々の間に、機運の醸成に努めるということでした。この二つの、機運の醸成並びにJリーグに昇格する状況に至っているかどうかという二つのキーワードが示されたわけでありますが、まず、機運の醸成ということですけれども、私、この日曜日に、ふれあいスポーツランドであったヴォルカとFC KAGOSHIMAの九州リーグの頂上決戦であり、また鹿児島ダービー、見てきましたけど、非常に大きな盛り上がりを見せていて、去年同じく九州リーグの試合を見たときと比べて、やはりお客さんもふえていて、盛り上がってきているのではないかと思っています。また、署名活動も始まっていると聞いているのですが、県として、この機運が醸成されたと判断するのは、例えばどういうところから判断されるものですか。
297 ◯吉田保健体育課長 ただいま委員からございました質問ですけれども、非常に難しい問題でございまして、ありましたことはすべて承知しております。現在、九州リーグでトップを走っているヴォルカとFCが全勝対決をして、二─〇でヴォルカが勝ったのではないでしょうか、そこも把握しております。テレビ等でも報道でもございまして、鹿児島ダービーが非常に盛り上がったということも十分把握しております。
署名運動等もいろいろ承知していますけれども、どこで醸成されたかというのはなかなか判断できない状況にありますが、これだけは言えることがございます。ホームスタジアムというのは、原則として一つのホームタウンに一つという形で、結局、一チームしかホームスタジアムとしての認可ができないという状況にございますので、現在、ヴォルカとFC KAGOSHIMA、あと一つ、また入っているようですけれども、その三チームがJリーグの加盟を目指しているということです。その状況がきちんと、どこが一番いいのか、それから、まとめることができるのかどうかという、そういうところもいろいろなことを考慮しなければ、なかなか判断が下せないという状況にあるようですので、今、状況を見守っているというところであります。
298 ◯下鶴委員 今、機運の醸成はどうしても総合的な判断になろうかと思いますし、また、複数チームがあることも承知しておりますが、同時に、やはり並行してスタジアムの設備整備のスケジュール観は、早目早目に進めていかなければならないのではないかと思います。一点指摘したいのが、当たり前ですけれども、スタジアムは、思い立ってあしたできるものではありません。例えば今、Jリーグにしても、町田ゼルビアというチームは成績を残したけれども、スタジアムが間に合わなかったので、その年はだめでした。翌年いい成績がとれて、スタジアム整備が間に合って上がれたからいいのですが、例えば今、JFLにいるAC長野パルセーロというところは、JFLに上がって、地域から頑張って昇格の成績をとったはいいものの、スタジアムが二〇一六年ないし一五年までできないから、実質、それまではどれだけいい成績をとっても上がれない状況になっているわけです。
もちろん地域リーグから上がったときには、そうそうそんなにすぐいい成績をとるのは難しいとは思います。ただ、やはりいまだJリーグに昇格する状況に至っていない、何をもって至っている、至っていないという判断は難しいと思いますけれども、そこのところは考慮した整備計画を立ててほしいというところが一個、要望としてあるところです。そのスケジュール観です。昇格する条件に至るか至らないかというところは、やはり県でも持っていただきたいと思っているところです。これは要望です。
299 ◯成尾委員長 要望でいいですか。
300 ◯下鶴委員 はい、要望です。
301 ◯成尾委員長 ほかに質問ありませんか。
[「なし」という者あり]
302 ◯成尾委員長 ないようですので、県政一般を終了いたします。
以上で、当委員会に付託されました議案などの審査はすべて終了いたしました。
委員長報告につきましては、特定調査事項を含め、文案は当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「なし」という者あり]
303 ◯成尾委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。
次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条に基づく閉会中の委員会活動についてお諮りいたします。
請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件については、一、警察行政について、一、教育振興対策についての二項目とすることに御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
304 ◯成尾委員長 御異議ありませんので、そのように決定をいたします。
これをもちまして、文教警察委員会を閉会いたします。
御苦労さまでした。
午後四時二十五分閉会
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