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2011-06-27 平成23年第2回定例会(第5日目) 本文
2011-06-27 平成23年第2回定例会(第5日目) 名簿

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  1. 鹿児島県議会 2011-06-27
    2011-06-27 平成23年第2回定例会(第5日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯副議長(池畑憲一君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、特別委員会の委員長及び副委員長の互選結果報告  一、一般質問    下 鶴 隆 央 君    遠 嶋 春日児 君    岩 崎 昌 弘 君    大 園 清 信 君  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 特別委員会の委員長及び副委員長の互選結果      報告 ◯副議長(池畑憲一君)報告いたします。
     さきに設置されました特別委員会の委員長及び副委員長については、互選により、行財政改革特別委員会の委員長に松里保廣君、副委員長に青木寛君、原子力安全対策等特別委員会の委員長に中村眞君、副委員長に二牟礼正博君を決定した旨の報告がありました。  以上で報告を終わります。       ───────────── 3    △ 一般質問 ◯副議長(池畑憲一君)次に、一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  下鶴隆央君に発言を許可いたします。    [下鶴隆央君登壇](拍手) 4 ◯下鶴隆央君 おはようございます。  鹿児島市・鹿児島郡区選出、無所属の下鶴隆央でございます。  四月の県議会議員選挙におきまして、二度目の挑戦で初当選させていただきました。お支えいただいている皆様に心より御礼申し上げますとともに、一万六百五十一人もの県民の皆様に御期待いただいているその責任を改めてかみしめ、その御期待にしっかりとこたえてまいりたいと考えております。  また、こうして初当選後、早速、質問の機会をいただきましたことに、先輩議員の皆様方に心より感謝申し上げます。  最初の質問ということで、今回の選挙におきまして、自分が街頭演説等で県民の皆様にお訴えさせていただいたこと、そして約束させていただいたことを中心に、五点質問させていただきます。  今回、三十一歳、最年少議員として、特に若者世代の代表として、鹿児島の未来を、子どもたちの未来をつくる、その思いを必ず実現していく、それこそが自分に与えられた使命だと考えております。その思いを込めまして、早速質問に入らせていただきたいと思います。  本日、私の質問におきましては、まず、地方分権時代における地方議会の姿について、知事の見解を伺います。  そして、鹿児島に稼げる仕事をつくるという観点から三点、県産品の高付加価値化、IT産業、コンテンツ産業の振興、「イチバン」をつくる研究支援、そして最後に鹿児島県出身人脈の有効活用について、それぞれ各関係部局に伺ってまいります。  四月の統一地方選におきまして、当県議会におきましても新たな構成となりましたが、同時期に行われた選挙においては、他地域では、議員報酬削減を掲げた地域政党が躍進し、減額を実施する例が相次いでおります。  三月の出直し名古屋市議会議員選挙では、議員報酬半減を公約に掲げた河村市長率いる「減税日本」が二十八議席を獲得、第一党に躍進いたしました。その後、四月には、議員報酬半減条例を可決し、市議の議員報酬が年八百万円となったところであります。  そして、大阪府でも統一地方選に先立ち、橋下知事率いる「大阪維新の会」が、議員報酬について議会で争点化し、結果、議員報酬の三割削減―月額九十三万円を月額六十五万円とするもの―を可決していましたが、統一地方選では五十七議席を獲得し、過半数を占めるに至ったところであります。  これら地域政党、そして議員報酬削減の公約が支持を集めた背景には、報道記事では、議員の活動が見えないという住民の声が紹介されているところであります。  本県では、県議会議員の議員報酬は、条例で定められている月額八十二万円であるところ、厳しい県財政にかんがみ、削減の試みがなされてきており、現在では、一〇%削減の月額七十三万八千円となっております。また、条例に定める報酬月額についても、県特別職報酬等審議会から減額改定とすべき旨の答申が出たところであります。  現在の議員報酬は、その月額から推測するに、通常のサラリーマンでいうところの給料、すなわち生活給としての部分と、政策調査立案費用の部分とが一体になっているものだと思います。  私が思うに、議員の活動が見えない、そして議員報酬への不満が出る背景には、県民の皆さんから見て、生活給部分政策調査立案費用の部分との区別が明確でない、わかりにくい点があるのではないかと考えております。  議員報酬は、政務調査費と異なり使途の報告義務がありませんから、報酬のうちどれだけを生活給として取り、そしてどれだけを政策調査立案費用に使ったかは、県民の皆さんからすると見えない、わかりにくいというわけです。  そこで、私は、議員報酬は生活給部分に限定するものとし、それに応じた議員報酬の減額を行うべきだと考えております。  一方で、地方分権の進展に伴い、地方議会の政策立案能力の向上・拡充に対する期待並びに要請は、年々高まっているところであります。  平成十七年十二月九日、第二十八次地方制度調査会答申「地方の自主性・自律性の拡大及び地方議会のあり方に関する答申」においては、「地方公共団体の自己決定権の拡大に伴い、議会の政策形成機能の充実が求められている」と明記されており、また、平成二十一年六月十六日、第二十九次地方制度調査会答申「今後の基礎自治体及び監査・議会制度のあり方に関する答申」においては、「議会の機能の充実・強化に伴い、議会の議員が果たすべき役割はますます重要なものとなっている」と明記されているところであります。したがって、われわれ県議会議員がその職務の対象とする政策分野が広範にわたることもあわせ、政策調査・立案補助体制の整備が急務であります。  そこで、議員の政策調査・立案機能を高めていくために、国における政策秘書制度のような政策立案に係る一定の資格要件を満たした者を鹿児島県版政策秘書として、各議員の政策立案補助につけるという制度の検討も一考に値するのではないかと考えております。  以上、私見を述べさせていただきましたが、地方分権に長く携わっておられる知事の専門家としての見解をぜひ伺いたいと思っております。  地方分権時代に対応する県民の声にこたえることのできる議会・議員の政策立案機能拡充に対する地方自治の専門家としての知事の見解をお聞かせください。  ここで、一回目の質問といたします。よろしくお願いいたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 5 ◯知事(伊藤祐一郎君)地方分権時代における議会の姿についてのお尋ねであります。  分権型社会におきましては、みずからの判断と責任におきまして地方公共団体が住民の負託にこたえていく必要があり、地方議会につきましては、執行機関の監視機関としての役割に加えまして、地域の住民の方々の意向を反映をいたしまして、さまざまな形で政策を立案する、そういう機能が今後ますます重要になると考えているところであります。  国におきましても、御指摘ございましたように地方制度調査会等におきまして、さらなる機能の充実・強化についての検討がなされておりますが、本県議会は、全国の議会の中でもさきだっての対応だったかと思いますけれども、平成十九年六月に「政策立案推進検討委員会」を設置されるなど政策立案機能の充実・強化に努められておられまして、そして、結果的に議員提案などの形で条例が制定されますとともに、多岐にわたる分野について我々執行機関に対します政策提言がなされております。そしてまた、そのほとんどは予算においても反映させてきているところであります。  議会は、二元代表制の一翼を担いまして、県民に一番近い立場にあり、県民を代表する議事機関でもあります。今後ともこのような政策提言や政策立案形成機能を充実していくことが必要かと思いますが、それを支える仕組みをどうするか、今、全国の都道府県におきまして、いろいろ工夫を重ねておられるところではないかと思います。  この政策形成機能を充実するための仕組み、例えば政策をつくるための政策担当課の充実等々の動きになろうかと思いますが、そこはまた議会のほうでいろいろと御議論をいただきまして、しかるべき方向を模索していただければ、我々としてもありがたいと考えております。    [下鶴隆央君登壇] 6 ◯下鶴隆央君 ただいま知事より御答弁いただきました。  政策立案スタッフについては、現在、政務調査費でその人件費に充てることができますが、各会派内規では人件費の上限を設けていると聞いておりまず。  全国的に見れば、政務調査費について、人件費に係る不正請求事例もあり、人件費に関しては特に慎重な取り扱いが要求されることから、現在の各会派の取り組みは妥当であり、非常に素晴らしい取り組みだと考えております。  一方で、そうするとなかなか政策スタッフの雇用が難しいというところも出てくるかと思います。そこで、しっかりと本当に政策調査・立案能力のあるスタッフを雇用していることをわかりやすく県民の皆さんに御説明できるようにするためにも、地方議員版政策秘書制度について、私自身今後とも研究、提案していきたいと考えております。  また、議員自身の政策調査・立案能力につきまして、これからの地方分権時代に求められる政策調査・立案機能を持った議会の一翼を担うべく、私自身これから日々研さんに励んでいきたいと考えております。  続きまして、二回目の質問に移ります。  平成二十二年度文部科学省学校基本調査によると、鹿児島県は、高校卒業者県外就職率が四七・一%、若者の二人に一人が県外に出ていくという状況であり、また、この数値は、全国四十七都道府県で一番高い、いわば若者が全国で一番出ていくという状況です。  ちなみにこの県外就職率、全国平均は一九・六%ですので、鹿児島県は全国平均の倍以上、県外に若者が流出しているということになります。なお、男子に限るとさらにその傾向は著しく、県外就職率は実に五八・一%、こちらも全国ワーストという状況です。  それでは、なぜ鹿児島で生まれ育った若者が県外に出ていくのか。その背景には、一つは、県民所得が他県に比べて低いという状況があるかと思います。  内閣府がまとめた平成二十年度県民経済計算によると、鹿児島県は、一人当たり県民所得全国四十二位、全国平均より二割以上低く、東京の約半分という状況です。  そしてもう一つは、そもそも仕事が少ないという状況があります。厚生労働省の平成二十三年四月一般職業紹介状況職業安定業務統計によりますと、鹿児島県の有効求人倍率は〇・五三と、全国四十七都道府県で下から十番目という状況です。  実際に私自身も大学時代に鹿児島県出身者が集まる県人寮で過ごしておりましたけれども、現在、東京方面で働いているその友人たちから、「本当は帰りたい。それでも、仕事と稼ぎが……」という声をたくさん耳にしております。  これから鹿児島の未来をつくっていくに当たっては、鹿児島に稼げる仕事をつくり、鹿児島が育てた優秀な人材を呼び戻す、若者、将来の子どもたちが鹿児島で働ける環境をつくる、それこそが最も重要であり、すべてのスタート地点だと思います。  そこで、本日は、鹿児島に稼げる仕事をつくるという観点から、鹿児島県の基幹産業である一次産業、鹿児島が勝負できる分野であるIT産業、コンテンツ産業、産業をつくるための「イチバン」をつくる研究支援について伺ってまいります。  農林水産省平成二十一年度生産農業所得統計によりますと、鹿児島県は農業生産額四千億円を超え、全国第四位の農業県であります。  本県では、基幹産業である農業の高付加価値化について、先輩議員の皆様、そして県当局の皆様、これまでさまざまな取り組みをされてきたことかと思います。一年生議員として、まだまだ不勉強なところも多いのですが、私なりに考えている点につき、この機会にぜひ質問させていただきたいと思い、取り上げさせていただきました。  そこで、まず、鹿児島県の基幹産業である一次産業における「県産品の高付加価値化」について、三点伺います。  一点目は、鹿児島黒牛について伺います。  株式会社日経サーベイが二〇〇八年に行った地域ブランド戦略サーベイという調査がございます。この調査は、バイヤー側、消費者側それぞれに、各種地域ブランドについてどれだけ魅力を感じるか、どこに魅力を感じるかという点から調査したものです。  この調査をひも解くと、消費者側における知名度並びにブランドイメージが低いという課題が浮き彫りになります。  具体的には、全国には松坂牛などさまざまなブランド牛がありますが、鹿児島黒牛バイヤー側の調査では九位。対して消費者側の調査では十三位、それより落ちるという状況です。バイヤー側には相応の評価をいただいておりますが、消費者側の評価がそれに追いついていないという状況です。  それでは、バイヤー側鹿児島黒牛の何を評価しているかと言えば、一番は価格水準並びに供給の安定であり、この項目では、全国の数あるブランド牛を抑え、大差をつけて一位を獲得しております。  対して知名度という点が低くなっております。すなわち知名度がいま一つなのが、ブランド化という点で課題と言えるのではないかと思います。  しかし、裏を返せば消費者における知名度を上げることさえできれば、今よりもより高く売ることができる、一気に可能性が広がるとも言えるとも思います。  そこで、鹿児島黒牛につき伺います。  一点目、消費者における知名度を高め、より高く販売することのできるブランドとしての力を高める取り組みについてお示しください。  二点目、鹿児島黒牛の品質自体を高める取り組みをお示しください。  続いて、二点目は、お茶について伺います。  お茶につきましては、先日、お茶の一大産地でもあります南九州市区選出の柚木議員も質問されていらっしゃいました。重複する箇所もあるかと思いますが、私なりの問題意識で質問させていただきたいと思います。  お茶に関しても同じ調査からですが、鹿児島黒牛と全く同じ傾向、課題が見えてまいります。  この調査では、かごしま知覧茶としての調査ですが、バイヤー側の調査では四位。対して消費者側の調査では七位。バイヤー側順位と消費者側の順位で差が見られるところであります。  そしてバイヤーがどこを一番評価しているかと言えば、同じく価格水準並びに供給の安定という点であり、この点では全国の数あるお茶の中で二位に位置しております。それに対して、こちらも同じく知名度という点が低い状況にあります。  かごしま知覧茶、知覧のお茶と言えば、この鹿児島では知らない人はいないと思います。それでは、全国ではどれくらい知られているでしょうか。この同じ調査によりますと、かごしま知覧茶を知っているという方、わずか一二・六%。八人に一人しか知らない、こういう状況です。  お茶についても、消費者における知名度を上げることさえできれば、より高く売ることができる、一気に可能性が広がると言えると思います。  そこで、お茶につき伺います。  一点目、消費者の認知度を高め、より高く販売することのできるブランドとしての力を高める取り組みについてお示しください。  二点目、現在、お茶については、特に、安全・安心が求められています。この点に関して、消費者に対してアピールする取り組みについてお示しください。  続いて三点目、かごしまブランドについて伺います。  制度開始以来、本年五月末までに十六品目二十四産地が指定されております。  かごしまブランド、すなわち消費者が認めるブランド、つまり指定されている産品は、品質がよい、安全・安心、イメージがよいなど、消費者が同じ種類のほかの品目に比べて、よりお金を払ってでも欲しいという本当の意味でのブランドに育てていく必要があるかと思います。そうすることにより、生産者の方々の稼ぎがふえ、長期的には新規参入も含め、稼げる仕事をつくり出すことができると考えます。  そこで、かごしまブランドについて伺います。  一点目、指定された産品は、かごしまブランドに指定されたことによる高付加価値化、すなわち高く売れるということが実現しているか。またその実現のための取り組みについてお示しください。  二点目、かごしまブランドについて、消費者における認知度、品質についての評価など消費者に対する効果測定は行っているのかどうか。そして、行っている場合は、その結果もあわせてお示しください。  さて、仕事をつくる雇用創出効果ということでまず、連想されるのが、製造業であります。しかし、製造業は、原材料を運んできて、そして加工品を創出して運ぶという運送コストがかかることから、本県は東京・大阪といった大消費地からの距離というハンディキャップに悩まされてきたところでもあります。  その点、IT産業並びに映画、アニメ、漫画、ゲームといったコンテンツ産業は、輸送コストが限りなくゼロであることから、本県が距離的なハンディを負うことなく勝負できる非常に有望な分野であると言えると思います。  そこで、まず、IT産業について、県としての誘致の取り組みについてお示しください。  また、東日本大震災以降、企業が生産拠点の分散志向を強めており、あわせて顧客データ等を保管するデータセンターについても拠点分散の動きが加速すると考えられますが、データセンターについて、県としての誘致の取り組み、方向性についてお示しください。  続きまして、コンテンツ産業について伺います。  コンテンツ産業とは、映画、アニメ、漫画、ゲーム、コンピューターソフトウエアなど情報の内容に関する産業のことを指します。  経済産業省が平成十九年九月に発表したコンテンツグローバル戦略報告書によりますと、コンテンツ産業の市場規模は、平成十七年の数値で、日本国内で十三・七兆円、世界では百四十六兆円にも上り、鹿児島県の県内総生産約五・三兆円と比較しても非常に市場規模の大きい産業であります。  これら映画、アニメ、漫画、ゲーム、コンピューターソフトといったコンテンツ産業は、先ほど申し上げましたとおり本県が距離的なハンディを負うことなく勝負できる非常に有望な分野であります。そして、その担い手、つくり手であるクリエイターの方々、その卵の方々が鹿児島にもたくさんいらっしゃいます。  そこで、コンテンツ産業について、二点伺います。  一点目、コンテンツ産業のつくり手、担い手の育成について、これまで県でどのように取り組んできたか。そして今後の取り組みの考え方、方向性についてお示しください。  二点目、コンテンツ産業は、それ自体が雇用をつくり出すことにとどまらず、観光客を誘致する効果も期待されるところであります。  例えば埼玉県にある鷲宮神社は、人気漫画・アニメの舞台となったことから、初詣の参拝客が従来の五倍の四十五万人にまで増加し、地元の商工会とも連携した取り組みを行った結果、地元に相当の経済効果をもたらしているそうです。  ほかにもさまざまな漫画、アニメ作品について、ファンの方々が、作中で描かれている場所、舞台になっている場所を訪ねるということも多く行われていると聞いております。  先日、藤崎議員が質問されたオタク観光、マニア観光という点とも共通するところも多いのではないかと考えております。  そこで伺います。  鹿児島を舞台としたコンテンツの作成促進並びにそれらを生かした観光客誘致について、県として行っている取り組みについてお示しください。また、既に行っているのであれば、その取り組みが県外観光客にどの程度知られているのか、把握していればお示しください。  さて、戦後我が国の高度経済成長を支えたのは、物づくり、そしてその基礎となる科学技術であります。この科学技術の開発支援に関しまして一躍脚光を浴びたのが、昨年の事業仕分けでした。  スーパーコンピューター研究開発予算について、「世界一でないといけないのか。二番ではだめなのか」と言われてしまいましたが、先日、その次世代スーパーコンピューター「京」が、ドイツで開催中のスーパーコンピューターに関する国際会議で、演算速度世界第一位を獲得したというニュースが発表されました。  このスーパーコンピューター「京」は、指標となるプログラムの演算回数で一秒間に八千百六十二兆回を達成したとのことで、世界一に輝いたのは非常に喜ばしいことだと思います。
     科学技術の研究開発、そしてその拠点は世界各地で産業クラスタ、産業集積の中心となっており、産業、そして雇用をつくり出している例が多く知られています。  例えば、IT産業で有名なシリコンバレーは、スタンフォード大学が人材、技術の中心となり発達したものですし、お隣中国では、北京では北京大学、上海では復旦大学を中心に大学サイエンスパークを国策として推進しており、産業の育成が図られているそうです。  すなわちすぐれた「イチバン」を誇る研究開発拠点ができれば、関連する技術者が集まり、産業がつくられる。そして会社、仕事もできるというよい環境、よい循環ができるのではないかと考えます。  ところで、科学技術の研究開発費については、文部科学省が科学研究費補助金として、平成二十三年度実績で総額一千五百億円の支援を大学等に対して行っているところです。  また、日本学術振興会では、国際的に卓越した教育研究拠点の形成を重点的に支援し、もって国際競争力のある大学づくりを推進することを目的とし、グローバルCOEプログラムとして実施しており、同じく支援を行っているところであります。  総額千五百億円もの支援。しかしながら、その予算枠の多くを東大、京大といった旧帝国大学、そして都心に位置する大学が占めており、鹿児島に関しては、鹿児島大学の九・三億円、鹿屋体大学の〇・七億円など合計しても総予算の百五十分の一という状況です。  また、グローバルCOEに関しましても、平成十九年度から二十一年度までの三年間で合計百四十件ほどが採択されていますが、鹿児島からは採択されておりません。  もちろんすべての研究分野に万遍なく予算を配分するのでは、都心部の大学との競争ではなかなか勝ち目が薄いところではあります。  しかしながら、鹿児島特有の鹿児島が「イチバン」を目指せる分野、例えば農業、畜産、水産、宇宙関連産業、焼酎などに絞り、将来の産業、雇用の創出が期待される研究開発については、県が独自の支援策を講じていくべきだと考えますが、この点に関しまして、現状の取り組み、そして今後の姿勢をお示しください。  続きまして、県出身人脈の有効活用について伺います。  先ほど申し上げましたとおり鹿児島県は、若者が一番県外に出ていく、県外流出ワースト一という現状がございます。  しかし、それは裏を返せば、全国で一番、県出身のセールスマンを持っているということでもありまず。  自分の周囲を見てみても、鹿児島が嫌いだから出ていったという人間は一人もいません。機会があれば、ぜひとも故郷・鹿児島のためにできることをしたい。そう思ってくれている人が、ほぼ一〇〇%なのではないかと思います。  そこで、最後に、県出身人脈の有効活用について二点伺います。  まず、かごしま応援寄附金について伺います。  地方分権の進展に伴い、自治財政権の確立に向けた取り組みが各地で行われております。  ところで、全国的に見て、地方税財源には地域による偏在が大いに見られるところでもあります。これを鹿児島県の立場で見た場合、鹿児島県が、県民の税金を使って育てた若者が、いざ働いて活躍し、税金を納めるときには、鹿児島ではなく東京、大阪といった都心部に納める。その結果としての税源の偏在がございます。その偏りを解消する一つの方法として、二〇〇八年の税制改正において、いわゆる「ふるさと納税」が導入されたところであります。  教育県、人材輩出県として、鹿児島県としては、歳入確保の一環として、そして故郷と県出身者の絆を深める機会として、ぜひとも積極的に取り組んでいくべきだと考えます。  そこで、かごしま応援寄附金について、一点目、これまでの実績はどうなっているか。  二点目、寄附金を募るために行っている取り組みについてお示しください。  次に、薩摩大使について伺います。  薩摩大使については、昨年の議会でも上野議員が質問されていらっしゃいます。  私としましても非常に関心を持っている分野でありますので、こちらも重なるかもしれませんけれども、私なりの問題意識で質問させていただきたいと思います。  先駆的な取り組みとして始めたこの薩摩大使ですが、昭和五十九年の制度開始から三十年近くの年月がたち、また、今やどこの県も同様の取り組みを行っていることから、マスコミ等への露出という点でなかなか目新しさが少なくなっているように感じます。そして約一千名の方々が任命されており、それ自体はよい取り組みだと思うのですが、それがゆえに同じくマスコミ露出における珍しさ、ニュースバリューが少なくなっており、効果が見えにくくなっているのではないかと考えております。  そこで、薩摩大使について二点伺います。  一点目、具体的にはどの様な活動を行っているか。  二点目、観光、企業誘致などその成果はどうなっているか。  この二点についてお示しください。  以上、二回目の質問といたします。よろしくお願いいたします。 7 ◯農政部長(中西 茂君)県産品の高付加価値化への取り組みについて、三点質問がございました。  まず、鹿児島黒牛についてでございます。  鹿児島黒牛につきましては、専門の食肉流通業者からは、高い評価は得ているものの、首都圏における販売店が少ないことなどから、一般消費者の認知度は必ずしも高くない状況にございます。  このため、県としましては、県内観光業界と連携をいたしまして、県外からの観光客に対しましてPRに努めますとともに、首都圏で開催される全国各地のブランド牛が集う食肉フェアに参加し、試食宣伝、販売を行いますとともに、首都圏における販売指定店の拡大及び広報媒体を活用した一般消費者への情報発信などによりまして、大消費地での知名度アップを図っているところでございます。  また、香港を初めとする東アジア等への牛肉輸出についても、県内の五つの輸出事業者等から成る「鹿児島県食肉輸出促進協議会」を組織しまして、鹿児島黒牛の輸出促進に積極的に取り組み、さらなるブランド力の向上に努めているところでございます。  鹿児島黒牛の品質を高めるための取り組みにつきましては、肉用牛改良研究所及び畜産試験場におきまして、華春福号などに代表される産肉能力にすぐれた種雄牛の造成や肉質やオレイン酸を初めとするうまみ成分に関連する遺伝子解析とその検証及び肉質を保持した肥育期間の短縮技術の確立などについて研究を進めているところであります。  また、来年十月、長崎県で全国和牛能力共進会が開催されますが、この大会は、飼育技術や肉質の高さが客観的に評価される場でもありますことから、日本一の座の奪還を目指しまして、知事をトップとする県推進協議会を去る四月に設置し、現在、出品対策に鋭意取り組んでいるところでございます。  次に、かごしま茶についてでございます。  かごしま茶につきましては、高品質茶の生産を図るため、県としましては、優良品種への改植、品質を重視した茶園管理技術の徹底に努めますとともに、かぶせ茶など特徴のある茶づくりを推進しているところでございます。  また、消費者の認知度を高め、かごしま茶の銘柄確立を図るため、関係機関・団体と一体となりまして、大消費地等のかごしま茶販売協力店における販路促進、郷土菓子とセット販売を行う百円茶屋のイベントなどへの出店、首都圏のラジオ放送による情報発信などに取り組んでいるところでございます。  安心・安全なかごしま茶につきましては、県と関係機関・団体と一体となりまして、生産履歴開示システムの導入、生産から加工までの工程を自主的に点検するかごしま茶生産工程管理制度の実施、かごしまの農林水産物認証取得の推進などを内容とするクリーンなかごしま茶づくり運動を展開しているところでございます。  このような取り組みについても全国各地のかごしま茶販売協力店や各種イベント、首都圏等の日本茶インストラクターや茶商を招いた茶産地ツアー等を活用して広報宣伝することなどによりまして、安心・安全なクリーンなかごしま茶のPRに努めているところでございます。  次に、かごしまブランドについてでございます。  県では、品質にすぐれ、計画的、安定的な生産出荷等の基準を満たした十六品目二十四産地をかごしまブランド産地と指定し、付加価値を高める取り組みを展開しております。  具体的には、生産性と商品性を高める技術指導やかごしまの農林水産物認証の取得による安心・安全なものづくり、果実の糖度等品質基準の導入によりまして、消費者の高い信頼を得られる産地づくりを進めております。  また、知事トップセールスや量販店でのフェアの開催、大手食品会社と連携した販売促進活動の展開等によりまして、かごしまブランド産品の認知度向上と定着化に努めているところでございます。  その結果、ブランド産品は、例えば東京市場の平成二十二年五月の価格を市場平均と比較してみますと、加世田のカボチャは約二倍、かごしまマンゴーは一・三倍となっているなど他産地と比較して有利な価格で取引されており、市場関係者などからも一定の評価を得ているところでございます。  消費者のかごしまブランドに対する認知度、品質評価につきましては、これまでかごしまフェア等で実施した来場者アンケートや、平成二十二年度からは、大消費地に設置した二百人の消費者御意見番からも御意見等を伺っております。  その結果によりますと、約半数の方が「かごしまブランドを知っている」と回答しており、中でもいわゆる鹿児島らしさを発揮できるかごしま黒豚、サツマイモなどの産品は、味がよい、ぜひ買ってみたいなど高い評価を得るなど認知度も高い。一方では、いまだ十分に浸透していない産品もあることから、これらの結果を各産地へ提供し、産地のレベルアップにつなげるとともに、かごしまブランド確立運動の推進に活用しているところでございます。  県としましては、今後とも安心・安全で品質にすぐれたものづくりを進めるためにも、鹿児島を全面に出した販売戦略の展開等によりまして、かごしまブランドの認知度と付加価値の向上に努めてまいりたいと考えております。 8 ◯商工労働水産部長(白橋大信君)IT、コンテンツ産業の振興につきまして、幾つかお尋ねがございました。  まず、IT産業、データセンター等の誘致についてでございます。  IT産業やデータセンターなどは、消費地から時間的、距離的制約を受けにくい業種であり、本県にとって立地可能性の高い業種でありますことから、これまでも企業誘致に取り組んできたところであり、過去五年間において、ソフトウエア業やインターネット付随サービス業など十六件の立地があったところであります。  また、今年度は、東日本大震災の影響により、奄美市にソフトウエア開発を行う企業の立地が決定したところであります。  県では、去る三月にも本県の情報関連産業向けの立地環境等を紹介したパンフレットをデータセンターを運営している企業を含むIT企業など約千社に提供したところであり、引き続き積極的な企業誘致活動に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、コンテンツ産業の人材育成についてでございます。  コンテンツ産業は、その潜在力と波及効果の大きさから、国の新成長戦略等において、我が国の主要な成長分野として位置づけられております。  本県では、県内のコンテンツ制作者の技術の向上を図るため、かごしま産業支援センターにおいて、県内のIT関連企業の担当者等を対象として、コンテンツ素材の制作やウエブコンテンツ制作などの研修会を実施しており、平成二十三年度は九つの講座を開設することとしております。  県としましては、今後ともかごしま産業支援センター等と連携して、コンテンツ産業の人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。 9 ◯観光交流局長(福壽 浩君)鹿児島を舞台にしたコンテンツの作成についてでございます。  本県の素材を取り上げたアニメーションや映画等のコンテンツといたしましては、大河ドラマ「篤姫」や「龍馬伝」、映画「海猿」や「半次郎」、「奇跡」を初め屋久島をモデルにしたアニメ「もののけ姫」、甑島を舞台にした漫画「Dr・コトー診療所」など多数ございます。  県では、観光関係者等と一体となりまして、大河ドラマの誘致活動やロケ支援、テレビや映画撮影のコーディネートを行いますNPO法人かごしまフィルムオフィスの人材育成への支援等行ってきております。  さらに、例えば「篤姫」の放送に当たりましては、展示施設篤姫館の設置や県内宿泊施設等での篤姫御膳などのメニューの開発、講演会やイベントの開催、ガイドの育成、旅行エージェントとのタイアップによります旅行商品造成など大河ドラマの持つ高い情報発信力を活用いたしまして、観光客誘致に努めてきたところでございます。  こうした取り組みによりまして、平成二十年度は多くの観光客が来鹿いたしますとともに、関連グッズやお土産品開発などの経済効果もあったところでございます。  コンテンツを活用した誘客促進の効果についてでございます。  本県の素材を取り上げたコンテンツを活用した誘客の効果につきましては、例えば大河ドラマ「篤姫」の際には、鹿児島市の篤姫館では、目標の三十万人に対して約六十七万人の入館者、いぶすき篤姫館では、目標の十五万人に対して約十七万人の入館者となったところでございます。  篤姫関連施設入場者に対します抽出調査によりますと、「大河ドラマを見て来た」と答えた方々の割合は七七%であり、また、「篤姫」の経済効果は二百六十二億円との地元シンクタンクの試算もございまして、話題性のあるコンテンツの誘客効果は非常に高いものと考えております。  このため、今後とも引き続き関係者と連携をとりながら、本県の素材を取り上げた映画やテレビ番組等の誘致や制作・企画支援などを図ってまいりたいと考えております。  薩摩大使についてでございます。  薩摩大使の方々には、その社会的地位や人的ネットワークなどを活用して、本県観光や特産品等のPRを行っていただきますとともに、企業誘致アドバイザーや各種審議会等の委員への就任、かごしま応援寄附金への協力などさまざまな面で御協力をいただいてきております。  大使からの提案を受けての成果といたしましては、関西・中国地域での教育旅行の誘致活動の強化や黒豚、黒酢など鹿児島の黒をテーマにしたプロモーションの展開などの事例がございます。  企業誘致に関しましては、企業誘致アドバイザー六名のうち薩摩大使は四人でございますけれども、産業動向を踏まえました誘致のあり方等について適宜アドバイスをいただいているところでございます。  また、最近では、九州新幹線全線開業をにらんだPR活動に際しまして、キャンペーンソングの制作や観光、食をPRする「さくらWeek」等におきまして、歌の披露や応援メッセージ、トークショーなど薩摩大使であります歌手、俳優、作曲家の方々に御協力をいただいたところでございます。  今後とも本県の最新情報の提供など鹿児島の応援団としての大使の活動を支援しますとともに、薩摩大使制度のさらなる有効活用に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 10 ◯企画部長(六反省一君)県内大学等の産業分野の研究に対する支援についてでございます。  県内大学等の産業分野の研究に対する支援といたしまして、これまで本県の主要産業であります焼酎等醸造関係産業の持続的な発展を図りますために、鹿児島大学に県及び焼酎メーカー等による寄附講座「焼酎学講座」を設置いたしましたほか、県が地域再生計画を策定し、経済産業省等の所管する競争的研究資金を大学等が獲得するための後押しをするなどの取り組みを行っているところでございます。  本県産業の振興を図る上で、産学官連携による共同研究など大学等が果たす役割は大きなものがあると考えておりまして、県としても地域特性を生かした新たな産業の創出等の観点から、今後とも必要な支援を行ってまいりたいと考えております。 11 ◯総務部長(三橋一彦君)かごしま応援寄附金についてでございます。  本県では、ふるさと納税制度創設時に県と市町村が一体となって「かごしま応援寄附金募集推進協議会」を設立し、主に県外の都市部にお住まいの本県関係者の方々に対しまして、募集活動に取り組んでいるところであります。  この協議会を通じました寄附金の受納実績は、三年間で計二千三百六十六件、一億九千九百万円余りであり、福井県が実施した昨年度分の全国調査を見ますと、法人からの寄附を含めるなど特殊な要因のある県を除けば、実質的に本県が最もふるさと納税制度の趣旨にのっとって寄附金をいただいている県であると考えております。  また、協議会を経ず市町村へ直接お申し込みいただいた寄附金の累計額も三億七千四百万円余りとなっているところであります。  寄附金の募集の取り組みについてでございますが、県の東京・大阪事務所に専従職員を配置いたしますとともに、福岡事務所及びかごしま遊楽館を含む県外事務所に勤務する全職員をふるさと納税推進員として位置づけ、募集活動を行っております。  専従職員を中心に県外在住の本県出身者及び関係者等を対象として、県人会への出席や企業訪問を行いますとともに、県内におきましてもお盆の帰省時期に合わせまして、鹿児島中央駅や鹿児島空港でのPR活動を行っております。  また、寄附をいただいた方々には、継続的な寄附をいただけるよう寄附金の活用状況等をお知らせしておりますほか、五千円以上寄附していただいた方には、県内の観光・文化施設等において入館料等の割引が受けられる「かごしま応援者証」を発行するなどの取り組みを行っております。  今後とも本県関係者の人脈等を大事にし、郷土の情報発信に努めながら、かごしま応援寄附金の積極的な募集活動を行ってまいりたいと考えております。    [下鶴隆央君登壇] 12 ◯下鶴隆央君 それぞれ御答弁いただきました。  一次産業並びにかごしまブランドについてですが、ブランドは、消費者が認めて初めてブランドと言えるということをぜひしっかりと認識していただき、これからも積極的な取り組みを期待いたします。  近代マーケティングの父と称されるフィリップ・コトラーは、「すぐれたブランドは、平均以上の収益を継続的に確保するための唯一の手段である」と述べています。  生産者の皆さんの稼ぎがふえる稼げる仕事をつくることのできるかごしまブランドづくりに全力を尽くしていただくことを期待しております。  続きまして、IT、コンテンツ産業です。IT、コンテンツ産業は、鹿児島が勝負できる非常に有望な分野であり、雇用並びに税収に対する効果も大いに期待されるところであります。ぜひとも積極的な取り組みを期待いたします。  また、観光に関して、さまざまな観光客誘致、誘客の取り組みをされていることかと思いますが、ぜひともPR、プロモーションを行う際には、どこで行った、どのような取り組みが、効いているか・効いていないかという効果測定をぜひとも行っていただき、今後の取り組みに生かしていただきたいと期待しております。  そして、鹿児島県出身人脈の活用について。かごしま応援寄附金については、ぜひこれからも、より多くの県出身者に接触・アプローチができる形での取り組みを工夫していただき、継続して行っていただくことを期待いたします。  できることはぜひ協力したいという県出身者は非常に多いはずだと思います。実際に私自身、学生、社会人と東京で暮らしていた際、周りのほかの県の出身者の方々からよく「鹿児島出身の人は、本当にみんな郷土愛が強いですよね」という声を数多く耳にいたしました。  そして、薩摩大使については、とにかく効果検証をしっかりと行っていただきたいと思います。投入した費用に効果はしっかりと見合っているかどうか。  そして、薩摩大使という取り組みにプラスして、県民一人一人、県出身者一人一人を鹿児島の魅力を伝えるセールスマンという考え方を導入してはいかがでしょうか。  例えば高校卒業時に就職する子もいる、進学する子もいる、そして県内に残る子も、県外に出ていく子もいると、進路はいろいろですが、その子どもたちに、例えば知事名義の手紙を送るというのはいかがでしょうか。  「ずっと鹿児島を好きでいてほしい」、「ぜひ周りの知り合いに鹿児島の魅力を伝えてほしい」、こういう手紙がもし知事から来たら、ずっと後年までその子の記憶・印象に残ると思いますし、受け取った子どもたちは、折に触れて鹿児島のPRをしてくれると思うのです。  私自身も東京で過ごしていたころ、夏休みなどで帰省して戻る際には、必ず鹿児島のお土産を買っていきました。それは、周りの友達に鹿児島の魅力、おいしいものをぜひとも知ってほしかったからです。  そして、みんなで集まって飲むときも、有楽町の遊楽館でキビナゴとかつけあげとかを買って、もちろん焼酎を買ってきて飲んだものです。後輩たちには、「将来みんな偉くなるんだろうから、そのときはぜひ鹿児島をよろしく」と、まあこれは半分冗談ではありますけれども、それでも少しは鹿児島を印象づけることができたのではないかなと考えております。  一介の学生、社会人でもこのようにこつこつできることがあります。行政は禁止、予算での補助などさまざまな政策ツールを有していますが、この名誉というのは一番安くでできる政策ツールだと思います。
     ぜひとも行政の持つ、知事の持つ名誉を生かした積極的な取り組みに期待しております。  以上、地方分権時代における議員の姿、鹿児島に稼げる仕事をつくるための県産品高付加価値化、IT産業、コンテンツ産業振興、「イチバン」をつくる研究支援並びに県出身人脈の有効活用につき質問させていただきました。  平成に入ってからのこの二十年余り、地方分権の動きは着々と進展しつつあります。  分権ということは、地方の実情に合った取り組みを地方みずからの手で行えるようになるということですが、同時にそのお金をどこから持ってくるのか、財源の確立という責任も負うことになります。  昔、自分が、「鹿児島がみずから財源を確立する、そういう時代が来るんだ」と、周りにそういう話をすると、周りの政策に関係する方々はだれも本気で取り合ってはくれませんでした。  一方で、鹿児島を何とかしたい。そして、将来は鹿児島が育てた人材が帰ってこれる鹿児島、活躍できる鹿児島をつくりたい。自分はその先駆けでありたい。その思いで今、ここに立っております。  地方分権、それは国家統治のあり方を根本から見直す大きな改革であります。同じ改革が、百四十年前、この国にありました。それは明治維新です。当時、この国を守るために、強い国をつくるため、三百諸藩の体制から一転して中央集権体制をつくり上げた。これを主導したのは、言わずと知れた西郷隆盛公、大久保利通公を初めとするこの鹿児島の先人たちであります。  そして、百四十年後の現在、同じくこの国の未来を守るために、地方の実情にそぐわない非効率化した部分を見直すという地方分権の流れが進んでいます。ぜひともこの地方分権の流れも我々鹿児島が率先して全国の模範となるべく先導していこうではありませんか。  そのためには、地域経済の活性化、とりもなおさず鹿児島に稼げる仕事をつくることが必要不可欠であります。  鹿児島に稼げる仕事をつくれば、鹿児島で生まれ育った若者が鹿児島で活躍することができます。しっかりと稼ぎがあり、そこから税金を納めていただいて、医療、介護、福祉、教育等々必要なところにしっかりと責任を持ってお金が回る仕組みをつくることができると考えます。  もちろん一朝一夕には行かないでしょうし、また、困難も多いことかと思います。しかし、それでも私は信じています。鹿児島の力を、そして県民皆さん一人一人の力を。  県民の皆さん一人一人の思いを受け、県議会議員、そして県当局含め、県全体で一丸となって取り組めば、必ず「力みなぎる・かごしま」を、そして鹿児島の未来をつくることができると確信しております。  県民の皆さんの負託を受け、今ここに送り出していただいている県議会議員として、これからの四年間、一生懸命に鹿児島の未来を、子供たちの未来をつくるために全力を尽くして働くことをお誓い申し上げ、初めての質問を閉じさせていただきたいと思います。  御清聴いただき、まことにありがとうございました。(拍手) 13 ◯副議長(池畑憲一君)次は、遠嶋春日児君に発言を許可いたします。    [遠嶋春日児君登壇](拍手) 14 ◯遠嶋春日児君 私は、薩摩川内市区選出の県民連合所属の遠嶋春日児でございます。初めての質問でございます。どうかよろしくお願いいたします。  まず最初に、三月十一日に突然襲った東日本大震災において、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、とうとい命を奪われた方々に心よりお悔やみを申し上げます。  私は、四年前の県議会議員選挙に初挑戦をいたしました。当時は、川内原発三号機増設のための環境影響調査が最終段階にあり、その後の四年間で、県議会を含む各方面で議論が行われ、調査結果の当否、そして、増設の可否が議論されるという大変重要な県議会議員選挙でございました。  また、薩摩川内市川永野地区への公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場の建設計画が、突然発表される直前の選挙でもありました。  今回の選挙で、届かなかった声を何とか県政へ反映させようと、多くの皆さんの必死の闘いの結果、何とか議席を得ることができましたことに心より感謝を申し上げますとともに、この四年間、届かなかった多くの市民、県民の皆さんの声をしっかり届ける責任の重たさを痛感しているところでございます。  今後四年間、精いっぱい市民、県民の皆さんと県議会及び県政が有機的に結びつく実感を得られるよう、全力で頑張りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、川内原発一号機・二号機の安全性についてお尋ねいたします。  川内原発一号機は、一九七九年一月着工、一九八四年七月運転開始で、二十七年目に入っており、二号機は、一九八一年五月着工、一九八五年十一月運転開始で、二十六年目に入っています。この一・二号機の建設に際しての立地可能性調査、特に地質調査に関して、当時大変大きな問題があったことは御存じのことと思います。  一九六四年に当時の通産省から委託を受けて鹿児島県が地質調査を実施いたしました。この調査では、全く同じ地層について、当時の通産省地質調査所が発行した五万分の一地質図では、中生層―四万十層群、主として砂岩、泥岩、チャート、玄武岩、斑れい岩などが複雑に重なり合った地層―としており、鹿児島県は古生層―古期岩層―と判断する食い違いを見せていたのです。  つまり、鹿児島県は、およそ一億年前の地層を三億年前の地層としたのであります。  このことは、原子炉設置予定の久見崎地区の岩盤が原子炉を設置するに十分適しているように、故意に古くしたのではないかという指摘があります。  通産省地質調査所の記述には、原子炉設置予定地の基礎岩盤は、多数の小断層が存在することを明記しております。  この通産省地質調査所によりますと、川内川を挟んで両岸は、久見崎町側の中生層―四万十層群―と港町側の古生層とに分かれており、川内川沿いは明らかに断層であることが指摘されていました。  しかしながら、当時の鹿児島県の調査では、両岸は同一の地層であり、断層の存在を否定しました。川内川沿いの断層は、同地質調査所の記述どおりだとすると、第四期に動いた可能性もあり、活断層であることが否定できません。  四万十層群の東北側を走る仏像構造線は、東海から近畿を通り、四国を経由して九州中部を横断し、薩摩川内市網津町浜田・草道付近を通り、川内川を貫通していましたが、川内川沿いの断層により寸断され、大きく西にずれたと推定されています。  このことから、川内川沿いの断層は、水平方向に大きく移動しており、極めて大きい断層であることが想定されます。しかも活断層であることも否定できません。  これらの知見は、元和光大学教授で理学博士・地質学専攻の生越忠氏が、当時の通産省地質調査所による調査結果と御本人の現地調査をもとに、川内原発建設予定地の地質を分析した内容によります。同氏は、神戸市の六甲アイランドの地盤が軟弱であり、新交通六甲アイランド線の見直しを指摘されましたが、無視をされてしまいました。  しかし、阪神淡路大震災でその指摘の正しさが証明されたのです。「生きているうちに自説が証明されるとは思わなかった」と同氏はおっしゃっています。  さらに、同氏は、柏崎・刈羽原発を建設する際にも「周辺は揺れ動く大地である」と指摘し、原発をつくるべきではないと訴えられました。  しかし、このときも無視をされ、御存じのように中越沖地震で同原発が大きな被害を受け、海や空へ放射能が漏れ出たのでございます。  このように正しく指摘をしたにもかかわらず、原発をつくる側の恣意で結論をねじ曲げるまではいかないにしても、甘く評価した結果が、今回の福島原発の大惨事につながったのであります。  そもそも国の地質調査委員会が作成した全国地震動予測地図では、福島第一原発での三十年以内に震度六強の地震が起こる確率は〇・〇から〇・八%であり、川内原発の確率は〇・一から二・三%と、福島第一原発よりもおよそ三倍も地震が起きる確率が高かったのであります。  そういう意味で、巨大地震は、いつ、どこで起きてもおかしくないと言わざるを得ません。川内原発も地質的に言ってもその可能性は十分あるのです。  そこでお尋ねします。今回の大惨事を受けて、川内原発一・二号機の断層及び活断層に対する評価について、どのような認識をお持ちですか。  原子力安全委員会の斑目委員長が、二〇〇七年の浜岡原発差し止め訴訟で中国電力側の証人に立ち、以下のような発言をしております。「非常用ディーゼル発電機が二台同時に壊れて、いろいろ問題が起こるためには、そのほかにもあれも起こる、これも起こる、あれも起こる、これも起こると、仮定の上に何個も重ねて初めて大事故に至るわけです。何でもかんでもこれも可能性がちょっとある、そういうものを全部組み合わせていったら、物なんて絶対につくれません。だからどっかでは割り切るんです。」その後に続けて「あんな不気味なの」とつけ加えております。  その結果が、今回の大惨事につながったと深く反省をしているかと思いきや「想定を超えた。想定が悪かった。想定について世界的な見直しがなされなければならない」と他人事のように言い放っているのであります。  ちなみに世界の原発は、地震地帯を避けて建設しており、百四基原発を持つアメリカでも、地震がない中・東部に集中しております。世界ではなく、日本の良識が問われているのであります。  生越忠氏が言うように、地震大国日本には、原発立地は適さないのです。これ以上つくるべきではなく、既存の原発も徹底した安全対策が必要です。  そこで、さきに行われた福島第一原発の地震・津波による被害を受けたことに対する緊急安全対策についてお尋ねいたします。  今回の対策は、津波を前提にしたものです。しかしながら、五月二十五日の東京電力発表では、福島第一原発三号機は、地震による揺れで緊急時冷却システムの配管が破損した可能性があることを示唆いたしました。  また、同一号機・二号機でも原子炉格納容器に七センチメートルから十センチメートルに相当する穴が、地震によって生じた可能性に言及しております。そうなってきますと、津波対策だけでは、今回の大惨事に対する対策にはならず、地震による破損も想定した対策を講じなければなりません。  福島第一原発の型式は、沸騰水型原発です。川内原発を含む加圧水型原発のアキレス腱は、蒸気発生器と言われております。今回の九州電力による緊急安全対策は、すべてがこの蒸気発生器が正常に動いていることを前提にしております。アキレス腱である蒸気発生器が破損した場合、すべての前提が崩れ去り、大変深刻な事態が生じることになります。地震によって蒸気発生器が破損した場合の想定をした対策が必要と思いますが、どうお考えでしょうか、お聞かせください。  現在、川内原発一号機が定期点検に入っております。五月十日からおよそ二カ月ほどかけて検査を行い、七月末には定期点検が終了することになっています。  福島第一原発の大惨事はいまだに進行中であり、被害は三カ月経った今でも拡大しつつあります。事故対策の前提である状況把握ができていないためにさまざまな事態収集に向けた取り組みが、全くと言っていいほど進んでおりません。  六月十六日、佐賀県の玄海町議会で、原子力安全・保安院の原子力発電検査課課長は「現段階で明らかになっている原因を考え、運転中でも可能な対応として緊急安全対策を指示した」、「今後は、地震そのものによる被害や東電の対応を詳しく検証し、抜本対策に結びつけたい」と言っています。要するに詳しい原因はわかっていないということです。  このような状況下で、原子力安全・保安院や経済産業大臣が、「安全上支障はない」と地元に対して再稼働の協力を要請することは、安全性をおろそかにしていると断ぜざるを得ません。  そこで、県知事にお尋ねいたします。川内原発一号機の再稼働について、九州電力からの要請があれば了としますか、お聞かせください。  現在、川内原発周辺で、原発事故を想定した防災訓練が行われています。現在行われているのは、一九九九年に発生した東海村JCO臨界事故を受けて作成された原子力災害対策特別措置法に基づいています。  今回の東日本大震災による福島第一原発の大惨事は、JCO臨界事故を遥かに凌駕する未曾有の事故です。レベル七だったチェルノブイリを超えていると言っても過言ではございません。  今回の原発震災を受けて、防災訓練の見直しが必要と思います。また、この特別措置法によりますと、緊急事態応急対策拠点いわゆるオフサイトセンターを設置し、現地で事故の対応や住民の避難指示などを行うことになっています。  福島第一原発では、この施設は同原発から約五キロメートルの距離に立地しており、地震と津波によって全く機能せず、およそ六十キロメートル離れた福島県庁に移さざるを得ませんでした。  川内原発では、オフサイトセンターは原発から十一キロメートルの場所に立地しております。同場所は、地盤が弱く、ほぼ海抜ゼロメートルであることなどから、震度六強の地震が発生した場合、使用不能になる可能性が十分にあります。  また、住民の避難訓練も行われていますが、その対象地域は二キロから四キロメートルの範囲内であり、二から六キロメートルの範囲が屋内退避となっています。  今回の東日本大震災では、立入禁止区域―警戒区域―が原発から半径二十キロメートル以内、二十から三十キロメートル圏内を避難指示区域にしました。川内原発の防災訓練と比較すると、余りに乖離があり過ぎます。現状では、緊急時には全く対応できないことが予想されます。  そこでお尋ねします。東日本大震災の大惨事を受けて、京都府が決定したように地域防災計画の抜本的見直しを行うつもりはありませんか。また、現行の防災指針にあるEPZ、範囲およそ八キロメートルから十キ口メートルを、京都府は暫定的に半径二十キロとするなど府民の立場に立って積極的な対応を行っていますが、当県でも同様の対応をすべきと思いますが、見解をお示しください。  原子力発電は、他の発電手段に比較すると発電コストが低いとされています。このことも原子力発電所を推進する大きな根拠にされていました。本当に発電コストは安いのでしょうか。  よく言われているのは、一キロワット時当たり約五円前後だと思います。この発電コストには、当然入れるべき経費が含まれていません。原子力発電の付随施設である揚水発電のコストを入れるだけで単価は四円ほど上がり、ほぼ倍になります。これだけで他の発電手段とほぼ同額かそれ以上になります。  さらに政府は、バックエンド費用―使用済み核燃料の各種処理費用等―をおよそ十九兆円と試算し、それを発電コストに反映していますが、実際のバックエンド費用は、政府試算の約四倍の七十兆円を超えると言われています。これに立地自治体への交付金や補助金、さらには、今回のような原発震災への巨額な賠償費用等を含めると、原発の発電コストが安いどころか、他に群を抜いた高コスト発電というほかありません。  今回の東日本大震災で多くの犠牲をこうむることになった深刻な事態をしっかり受けとめて、この原発震災を境に原発に頼ることをやめるべきです。  そこで、県知事にお尋ねいたします。原発三号機増設計画の白紙撤回、増設同意の撤回を意思表示するおつもりはありませんか。  以上、お尋ねして、一回目の質問にいたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 15 ◯知事(伊藤祐一郎君)原発問題に関連いたしまして、地域防災計画の見直しについてのお尋ねであります。  県の地域防災計画の原子力災害対策への見直しにつきましては、現在、見直し検討委員会におきまして、防災対策上の課題を抽出いたしますとともに、福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた複合災害への対応や環境モニタリングのあり方などにつきまして、検討作業を進めているところであります。  なお、EPZにつきましては、防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲でありますが、基本的には、国の見直し状況を踏まえて検討してまいりたいと考えておりますが、京都府のように暫定的に見直すという方法があることも十分念頭に置いているところであります。  川内原子力発電所三号機増設に対します同意の白紙撤回についてのお尋ねであります。  川内原子力発電所三号機増設計画につきましては、安全性の確保を大前提とした上で、県議会の議決や附帯決議等を踏まえ、エネルギーの安定供給性や地球温暖化対策、地域振興に対する期待などさまざまな点を総合的に勘案して、昨年十一月、国に対しまして異議のない旨、回答したところであります。  今回の福島第一原子力発電所の事態を受けまして、原子力発電所の安全性に対します国民の信頼が大きく揺らいでいる状況におきましては、私としては、増設に係る諸般の手続を進める状況にはないと判断し、今後の諸手続は停止することといたしております。  また、三号機の増設につきましては、環境影響評価、重要電源開発地点の指定、原子炉設置変更許可等さまざまな手続が求められておりますが、そのような手続を適正に踏まえて行った同意自体につきましては、見直す考えは持っていないところであります。 16 ◯危機管理局長(平田浩和君)断層及び活断層に対する評価についての御質問がございましたが、川内原子力発電所につきましては、建設時に陸域、海域とも活断層等の調査が厳正に行われておりまして、国の安全審査を経た上で設置されているものでございます。  また、平成十八年九月に耐震審査指針が改訂されておりまして、耐震安全性の評価について、基準地振動の策定と施設の耐震性評価を行うこととされましたことから、九州電力は、発電所周辺のボーリング調査、海上音波探査などの地質調査を実施し、その結果を踏まえて耐震安全性の評価を行い、平成二十年三月に中間報告を、平成二十年十二月に最終報告を国に提出しているところでございます。  中間報告につきましては、原子力安全・保安院が平成二十二年一月七日付で、原子力安全委員会が平成二十二年三月十八日付で妥当であるとの見解を公表しているところでございます。  次に、川内原発における緊急安全対策についてでございますが、今回の福島第一原子力発電所事故は、津波によりすべての電源が失われ、原子炉などを冷却することができなくなったことが原因とされておりまして、国においては、津波による電源喪失時においても原子炉施設の冷却機能を回復するなどの緊急安全対策を九州電力など各電力会社に指示をしまして、その対策が適切に講じられ、法令上の安全基準を満たしていることを確認しているところでございます。  また、九州電力は、川内原子力発電所の原子炉建屋や蒸気発生器などの安全上重要な設備について、基準地振動により耐震解析を実施し、その耐震安全性については、平成二十二年三月、国により妥当であることが確認されているところでございます。  定期検査後の再稼働についてでございますが、県といたしましては、原子力発電所につきましては、安全性の確保が大前提であり、一号機の運転再開については、まず、国がその安全性を十分に保証するとともに責任を持って地域住民の方々に十分な説明を行っていく必要があると考えております。  また、九州電力といたしましては、定期検査終了後の発電再開に当たっては、地元の理解を得ることが必要であると考えているとしておりますことから、地域住民の方々への十分な説明を行っていただきたいと考えているところでございます。    [遠嶋春日児君登壇] 17 ◯遠嶋春日児君 川内原発一号機・二号機建設の際の地質調査で、コアの差しかえ事件というのがありました。当時のボーリング調査の作業員が、約九カ月にわたって、第一次調査の際に原発予定地の地下に存在する軟弱あるいは脆弱な岩石や断層破砕帯などを実際より少なく見せかけるために、何本かの予備のボーリングをおろし、そこから得られたコアのうちの硬い岩石の部分を、正式のボーリングから得られたコアのうちの軟らかい岩石の部分と差しかえるとか、正式のボーリングで岩石がやわらかかったり、断層にぶつかったりしたためにコアを採取できなかった部分に差し込むという操作がたびたび行われた。しかも、そうした操作は、作業員の現場監督者の指示で意図的に実施されたとしています。このことは、他の複数の作業員も証言しております。  そして、この事件は、当時の衆議院の予算委員会や科学技術振興対策特別委員会、参議院の科学技術特別委員会でも議論されております。これらを通して、断層があることは認めましたが、死断層で問題がないと、当時の調査の生データの公開もされないままうやむやにされてしまっております。  再度申し上げますが、最近の日本列島の地震活動期に入っている状況を見たときに、川内川沿いの断層、仏像構造線の存在などにより、当川内原発も地震・津波による被害の危険性を大いに包含しており、このようなところにこれ以上巨大な原発を増設することは自殺行為です。白紙撤回を改めて求めます。  さらに、川内原発の敷地内に使用済み核燃料がたまり続けております。既に川内原発では対症療法であるリラッキング、要するに使用済み燃料を入れる間隔を狭くして収納量をふやすと。このリラッキングを二回行っております。玄海原発も容量が足りなくなるためにリラッキングが予定されております。  六ケ所村の再処理工場本格稼働の見通しが立たない中で、使用済み核燃料の処分は深刻な状態であり、九州電力は本年度中に中間貯蔵施設の設置を具体化したいとしております。新たな核施設を九州内につくらざるを得ない状況は、何としても避けるべきです。  そういった観点からも三号機増設は絶対に許されるものではありません。安心・安全があって初めて地域の発展、鹿児島県の発展がある。安心・安全はすべての社会生活、社会活動の大前提だと思います。そういった意味で、改めて三号機増設の建設に白紙撤回を求められるよう、知事には英断を下されるよう切望いたしまして、次の質問に入ります。  薩摩川内市川永野町に建設を計画している産業廃棄物管理型最終処分場のことについてお尋ねいたします。  御存じのように廃棄物を排出するところは、一般家庭と事業所があります。現行の廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、一般家庭から排出するものは一般廃棄物と言って市町村が処理責任を負っています。事業所から排出する廃棄物は産業廃棄物と言い、その処理は原則として排出者となっています。  さかのぼって、一九九三年に環境基本法が制定されました。その目的は、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに、人類の福祉に貢献することとうたっています。  その理念にのっとり、二〇〇〇年に循環型社会形成基本法が制定されました。この法には、循環型社会の形成推進を図るために、事業者は、基本原則にのっとり、その事業活動を行うに際しては、原材料がその事業活動において廃棄物等となることを抑制するために必要な措置を講ずるとともに、原材料等がその事業活動において循環資源となった場合には、それについてみずから適正に循環的な利用を行い、もしくはこれについて適正に循環的な利用が行われるために必要な措置を講じ、または循環的な利用が行われない循環資源についてみずからの責任において適正に処分する責務を有するとうたっています。  ここで言う循環型社会の形成推進の最大の目的は、資源の循環活用であり、限りなく廃棄物を少なくするということでございます。そして、やむを得ず出てきた廃棄物については、排出者が責任を持って処理しなければならないとしているのでございます。そしてこの産業廃棄物の処理は、環境基本法にあるように、現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに、人類の福祉に貢献する立場で適正に処理されなければなりません。  以上のことにより、産業廃棄物の処理、その施設としての産業廃棄物管理型最終処分場建設については、一般住民がその建設に責任を持つものではないことは明白ですが、やむを得ず民間あるいは公共団体がその整備をするに当たっては、建設予定地周辺の住民の十分な理解がなければならないことは、上位法である環境基本法の理念にあるとおりです。  そこで、具体的にお尋ねいたします。  薩摩川内市川永野町における公共関与型産業廃棄物管理型最終処分場建設計画について、県が言う地元四自治会を含む住民に対して十分な説明責任を果たしていると思いますか。  水俣市において、民間が計画した産業廃棄物管理型最終処分場建設計画に対して、当時の、現在もですが、水俣市長が当該業者に出した意見書の中に、全国都市清掃会議による産業廃棄物最終処分場整備の計画・設計・管理要領が引用されております。  それによりますと、立地選定の際の候補地の選定の考え方の中の地質、地形の項に雨水量の多い地域や用水の水源、取水位置が直下流にある地城は避けるべきであり、地下水についても水脈、水位及び利水状況などを調査し、悪影響がある地域は避けることが望ましいとあります。  また、災害等に対する安全性の項に地滑り地帯、がけ崩れ危険地帯は避けるべきであると同時に、地震、水害に対しても安全でなければならないとしています。
     さらに、立地調査の項の考慮すべき基本的な地質などの条件に、山間最終処分場の場合として最終処分場を地質面から評価・検討する際に、基本的に考慮すべき地質条件として以下の五項目が挙げられるとしています。  それは、一、活断層―第四期断層―、二、地質断層、三、被圧水を含む地下水の賦存状況、四、地質的な弱線、特に水みちとなる弱線、五、地滑り、崩壊地、軟弱地盤を挙げています。  一の活断層の箇所では、活断層は地震の関連で注目されるもので、地震により地表の変異が生じ、また地震動により、構造物が損傷を受けたり、あるいは埋め立て盛り土が崩壊を生じたりする可能性がある。この点から、活断層の存在、最終処分場との位置関係を考慮する必要があるとしています。  二の地質断層の箇所では、埋立地を横断する断層と主要構造物に係る断層とに分けており、埋立地を横断する断層では、遮水工からの漏出に伴う地下水汚染のリスクの視点から断層の影響を評価する必要があるとし、主要構造物に係る断層では、断層が幅広い粘度、角礫化帯を伴う場合は、構造物基礎の支持力、剪断強度が問題となる。また、断層に接する岩盤に破砕作用の影響で割れ目が密に発達する場合には、透水性が問題になる場合が大きく、場合によっては支持力、剪断強度も問題となるとしています。  三の地下水の箇所では、地下水の高まりは、浸出水の漏出に対するバリアとして有効である。ごく定性的に地下水が高い可能性がある山か否かを判断するとしています。  四の地質的な弱線の項では、以下のような地質条件、地質的弱線は、浸出水の漏出経路、水みちとなる可能性があり、そのような地質条件が存在する場合には十分な調査が必要となるとして、断層、不整合、異種岩帯の境界を挙げています。  五の地滑り、崩壊地、軟弱地盤の項では、最終処分場建設地の山体斜面が不安定化しやすい地質的要素を内在している場合には、設計・施工に際して十分な検討と対応が必要となる。これらの場合、最終処分場の建設、稼働、維持管理の段階を問わず問題を生じる可能性が大きいとしているのであります。  県及び公社は、整備地の半径二キロメートル以内には活断層がない、地質調査結果概要のパンフレットでは、半径三キロメートル以内に活断層はないとしていますが、当初示された企業作成の資料によりますと、活断層が半径二キロメートルのところまで伸びていることが記載されています。地質断層としての芹ヶ野断層は、一・五キロメートルほどのところまで伸びています。  九州電力は、川内原発三号機増設を計画する際に、三号機予定地からおよそ十五キロメートル離れたところに存在する五反田川断層を活断層として耐震設計を行っています。このことは、本県議会三月議会において、二牟礼議員の緊急質問に対して危機管理局長が「基準値振動については、十三の活断層のうち影響の大きい五反田川断層マグニチュード六・九など三本を考慮して策定されている」と答えているように、この五反田川断層は、十五キロ離れた川内原発に大きな影響があるとされているのでございます。  どうしてわずか二キロメートルしか離れていない処分場に影響がない、あるいは存在しないと言えるのでしょうか。さきに引用した候補地選定に際しての考慮事項をしっかり調査したのか理解に苦しみます。  そこでお尋ねいたします。  県は、最終候補地に当地を決定したと発表した際、候補地は市町村から推薦があった箇所が八カ所、企業から推薦があった箇所が六カ所、個人から推薦があった箇所が五カ所、県独自で調査した箇所が十カ所あったとしています。  経緯から判断しますと、薩摩川内市川永野地区は、もっとも遅く候補になったと考えますが、この二十九カ所から、現地調査を含め、どのような調査・検討を行って絞り込みをしたのか教えてください。  当該整備地は、冠嶽、標高五百十六・四メートルの中腹に当たります。冠嶽は、この周辺では最も高い山であり、整備地の横を阿茂瀬川が流れ、勝目川から隈之城川に続き、川内川に合流します。この間、隈之城地区の田畑に自然豊かな水を供給しております。また、川内川から南の大半の水道水は、地下百五十メートルから四百五十メートルのボーリングを掘り、汲み上げた水を利用しています。いずれも冠嶽の地下水や表流水に由来する水でございます。重要な水源地となっております。この水の恩恵にあずかっている人口は三万人から四万人に及びます。この地下水が、産廃処分場の何らかの破損で汚染された場合は甚大な被害をこうむることが懸念されます。  そこでお尋ねいたします。  これらの不安を解消するために、住民が求めている追加調査を実施するつもりはありませんか。  二〇〇七年五月の発表を受けて、地元六自治会四水利組合が組織を立ち上げ、わずか一週間で九千名の署名を集め、その後の二カ月ほどでおよそ二万名を超える署名を集めました。県が言う地元四自治会のうち三自治会も反対を貫いていましたが、三億円の支援金の話が出されて変化いたしました。  世帯数に関係なく四等分し、それを分配するという話が流布をし、自分がどれだけもらえるのか計算をする人が出てきました。「虫のいい話だけど、産廃は反対だがお金は賛成」と。これはある住民の方々が言っていらっしゃったことです。一自治会が賛成に回り、もう一つの自治会も三対二ほどで賛成になりました。自治会内では、三年近く隣の人と話もしたことがないというほど亀裂が深まっております。自治会を割る動きもありましたが、説得して回避しました。最初から反対だった大原野自治会はいまだに反対しています。  そこでお尋ねいたします。  大原野自治会、現在二十九世帯ですがここに対して今後どのように対応していくのか教えてください。  大原野自治会を脱退した人々が新たな自治会として東大谷自治会、自称二十七世帯を結成いたしました。工事着工を目前にした新自治会の結成ですが、支援金の配分を含めて、今後この自治会にどのように対応されるのか教えてください。  県及び公社は、工事着工を当初四月としていましたが、既に二カ月以上が経過をしています。着工に至っていません。工事着工がいつになるのか教えてください。  整備地の土地取得に関して地元住民が監査請求を行いました。監査委員会が、支払いは正当として請求を却下したことを受けて、住民訴訟を起こしたことが報道されました。また、地元三団体、大原野自治会、鎖国寺、冠嶽水系の自然と未来の子ども達を守る会の三団体が、工事の差しとめ請求の訴訟を起こす準備をしてるようですが、どのように認識し、どのように対応されますか。  県が言う地元四自治会以外の自治会や地域住民にも、産廃処分場が建設された場合のさまざまな影響が及ぶと思われます。これらの人々の十分な理解を得ることも必要かと思いますが、今後、どのような対応をされるおつもりか教えてください。  次に、教育問題についてお尋ねいたします。  昨年の十二月に、朝日新聞社が、文科省の報告をもとに二〇〇九年度中に休職した全国の教職員が五千四百五十八人で、過去最高を更新したと報道いたしました。  それによりますと、精神疾患での休職者が一九九三年度から増加に転じ、十七年連続でふえているとしています。その結果、人数ではこの二十年間で五倍になっているとしています。増加の理由を文科省は、「保護者や地域住民の要望の多様化や長時間労働、複雑化する生徒指導などさまざまな要因が重なっている」と述べています。  また、一橋大学名誉教授で教育社会学の久冨善之教授は、「精神疾患による休職者の出現率が高い沖縄県、大阪府は全国学力調査の結果が下位で、行政や市民による圧迫感が強い可能性がある。また、東京都と大阪府は知事部局が教育行政に強力に介入をしている。東京、大阪に広島県も含めた三都府県教委は、教育現場への管理が厳しい点が共通している」と述べています。  経済協力開発機構―OECD―の国際的な学習到達度調査―PISA―で常時トップ、経済の国際競争力も四年連続一位にランクするフィンランドでは、一生懸命という言葉があるのだろうかと思うほど生活はのんびりしていて、職場も学校もリラックスしていると言われております。教職員も生き生きとしており、子どもたちも楽しく学校生活を送っているそうです。子どもたちは、午後一時、二時には授業が終わり、家路に着く。塾などはないそうです。二カ月半の夏休み中は、一切宿題がないなど、実にゆったりした時間の中で生活をしているそうです。  そこでお尋ねいたします。  学校教育は、教職員が心身ともに健康であって初めて教育効果が上がるものと考えますが、いかがでしょうか。教育委員会の認識をお示しください。  鹿児島県でも超勤・多忙化の実態は深刻な状況にあります。しっかり子供と向き合い、さまざまな子供のシグナルをしっかり受けとめる余裕がなければ、相互の信頼関係も成り立たず、教育効果を含む、ともに成長していく営みも阻害されてしまいます。  そこでお尋ねいたします。  県教委として、学校現場の多忙な状況を改善するためにどのようなことに取り組んでいますか、お聞かせください。  以上で二回目の質問を終わります。 18 ◯環境林務部長(内門公孝君)産業廃棄物管理型最終処分場の建設に関しまして、数点お尋ねがございました。  まず、住民に対しての説明責任についてでございます。  管理型最終処分場の整備に当たりましては、関係自治会の方々の理解を得ながら進める必要があると考えております。  このため、関係自治会の方々に対しましては、これまで候補地選定の経緯や立地可能性等調査の結果、基本計画、基本設計の概要などにつきまして、自治会ごとの説明会や戸別訪問による説明を行いますとともに先進地視察などを実施してきたところでございます。  また、知事が関係自治会の方々と二度にわたりまして、管理型処分場の安全性や環境保全協定の締結、県の責任のあり方、さらには地域振興策などについて、県の考え方を説明し、意見交換を行ってきたところでございます。  さらに、薩摩川内市の方々に対しましては、立地可能性等調査結果や基本計画、基本設計の概要などにつきまして、県政かわら版や公社だより、ホームページに掲載いたしますとともに産業廃棄物セミナーや先進地視察などに取り組んできたところでございます。  県といたしましては、このような取り組みによりまして、管理型最終処分場についての理解が得られるよう最大限の努力を傾注してきたところでございまして、今後とも十分な説明責任が果たせるよう取り組んでまいりたいと考えております。  管理型産廃処分場の候補地の調査についてでございます。  公共関与による管理型処分場の候補地につきましては、市町村や企業などから推薦のありました二十九カ所につきまして、整備地の一般的要件であり、敷地面積や埋め立て容量、アクセスの利便性、用地の権利関係、地形、地質、周辺環境への影響などについて、既往の地形図や地質図などによる文献調査や職員による現地調査などを行った上で、四カ所に絞り込んだところでございます。  さらにこの四カ所につきまして、比較検討を進め、薩摩川内市川永野地区がくぼ地という地形や強固な岩盤を生かし、埋立地を屋根で覆うことによりまして、浸出水の処理や廃棄物の飛散などこれまで管理型処分場の整備に当たって常に懸念されてきた問題にほぼ対応できると考えられることから、ここが最も適地であると判断して、候補地として選定したものでございます。  岩盤の強度などについての追加調査についてでございます。  整備地の地質や岩盤の強度につきましては、十分な現地踏査を行い、地質状況を把握した上で、地質の専門家の意見もお聞きしながら、立地可能性等調査において埋立地内の基礎岩盤で三カ所、整備地及びその周辺で四カ所、さらに基本設計におきまして、整備地内で五カ所のボーリング調査を行ったところでございます。  これらの調査結果をもとに、処分場の基礎岩盤は硬質な安山岩塊状部で、百メートルクラスのダムが構築できるほどの強度があり、管理型処分場の基礎岩盤としては十分な強度を有していると判断しておりまして、追加調査を行うことは考えていないところでございます。  大原野自治会の理解に向けた今後の対応についてでございます。  管理型処分場の建設に賛同いただいていない大原野自治会につきましては、これまで立地可能性等調査の結果や基本計画、基本設計の概要などにつきまして、戸別訪問により説明を行いますとともに、自治会からの質問については、文書で回答をしてきたところでございます。  また、昨年十二月以降三回にわたりまして、自治会からの質問に対する回答の説明会を開催しているところでございます。  県といたしましては、大原野自治会に対しましては、引き続き先進地視察や説明会の開催、公社だよりの配布などによりまして、管理型処分場の安全性などについて理解が得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  東大谷自治会への対応についてでございます。  東大谷自治会につきましては、五月と六月の二回にわたりまして、候補地選定の経緯や立地可能性等調査の結果、施設構造などについて説明会を開催したところでございます。  県としましては、東大谷自治会に対しては、引き続き先進地視察や説明会の開催、公社だよりの配布などによりまして、管理型処分場の安全性などについて理解が得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  なお、自治会活動など支援金の取り扱いにつきましては、まずは東大谷自治会の方々に管理型処分場の建設に理解をいただくことが必要であると考えておりまして、今後、東大谷自治会と環境保全協定の締結に向けた協議の中で検討してまいりたいと考えております。  管理型最終処分場の工事着工の時期の見通しについてでございます。  管理型処分場の着工時期につきましては、四月に環境省からの内示を受けまして、補助金交付申請を行ったところでございますが、その交付決定を経て工事に着手することといたしております。  三団体が起こす裁判への対応についてでございます。  管理型最終処分場の土地取得に関する公金支出について、住民監査請求を行った方々が監査結果を不服として、六月二十四日に住民訴訟を提起されましたことは、報道で承知をいたしております。  今後、訴状が届き次第、内容を検討することといたしておりますが、裁判におきましては、法律などに基づきます適正な公金の支出であることなどについて県の考えを主張してまいりたいと考えております。  住民理解に向けた今後の対応についてでございます。  管理型最終処分場の整理や管理運営に当たりましては、関係自治会の方々の理解を得ながら進める必要があると考えております。  このため、今後とも関係自治会の方々につきましては、説明会の開催や先進地視察、公社だよりの配布、さらには、環境保全協定に基づき設置された安全監視委員会の調査・検討などを通じまして、管理型処分場の安全性や管理運営などについて理解がいただけるよう取り組むことといたしております。  また、薩摩川内市の方々につきましては、産業廃棄物セミナーの開催や公社だよりの全世帯への配布、ホームページを活用した情報提供などによりまして、管理型処分場の安全性などについて、さらに理解がいただけるよう取り組むことといたしております。 19 ◯教育長(原田耕藏君)教育問題につきまして、学校現場の多忙化改善の取り組み等についてでございます。  教職員は、教科指導や生徒指導など日々のさまざまな教育活動を通して、児童生徒に大きな影響を与える立場にありまして、学校教育は、よりよい成果を上げるためには、児童生徒の教育に直接携わる教職員の心身の健康が大切であると考えております。  学校教育におきまして充実した教育活動が展開されるためには、教職員が児童生徒と向き合う時間を多く確保することが重要であると考えております。  このため、県教委では、学校への調査物について、関係課で調整しながら、廃止等行ってきており、本年度は二十八件を廃止いたしますとともに、調査の時期を変更したり、回数を削減するなど二十八件を見直しております。  また、調査物の年間スケジュールをお示しいたしまして、計画的な事務処理を行えるようにしております。  さらに、研究指定校のあり方を見直しますとともに、会議や行事の見直し、精選、校務処理の簡素・合理化などの指導を行っているところでございます。  今後とも市町村教育委員会や各学校に対しまして、学校現場の負担軽減に努め、教育活動が一層充実するよう指導・助言してまいりたいと考えております。 20 ◯遠嶋春日児君 時間がありませんので、質問を一つだけさせていただきたいと思いますが、産廃処分場の件で、先ほど私も演壇から申しましたけれども、県の原発に絡む断層の存在、具体的に言えば五反田川断層ですが、あと企業が当初使っていた資料の中には、芹ケ野断層も記載がありました。片やリサイクル対策課のほうは断層はないというふうに言っている。この辺の矛盾があるわけですが、その辺についての認識は、特に今までの主張と変更はないんでしょうか。お尋ねします。 21 ◯環境林務部長(内門公孝君)五反田川断層のことでございますが、立地可能性等調査におきまして、五反田川断層を確認いたしておりますが、この断層は、文献調査においては、今後、顕著な活動を示す断層ではないと評価されまして、また、空中写真でも断層変移地形を伴っていないことから、建設に当たって問題となるような活断層ではないと評価したところでございます。    [遠嶋春日児君登壇] 22 ◯遠嶋春日児君 今回の産廃処分場建設計画に当たっては、地元住民に対する説明のあり方に問題があると言わざるを得ません。これまでも前薩摩川内市長が県に対してその姿勢をただしたこともあり、薩摩川内市議会でもたびたび指摘されております。また、マスコミでも住民に対する十分な説明責任を果たしていないという指摘がなされております。  地元住民は、安心・安全な施設を求めて納得のいく説明を求めているわけですが、肝心の疑問点が何ら科学的に解明されないことにいら立ちと怒りを持っております。厳しい家計の中からのカンパやバザーの売り上げ、各自治会からの支援金などで資金をつくり、なけなしのお金をはたいて自分たちで調査を行っています。  災害地形学が専門の奥西一夫京都大学名誉教授が理事長の国土問題研究会に調査を依頼し、疑問点の解明を行っております。  それによりますと、本件処分場予定地の南斜面において、安山岩の岩盤に急に消失をし、巨礫を含む崖錘層に変化する場所が存在しており、しかも、この境界部は高角になっており、安山岩帯側には、高角のX字型の亀裂が見られたことから、明らかに断層破砕帯の剪断亀裂と判断されるとしています。つまり、断層が存在することを指摘しているのですが、県は、先ほど言ったような回答の御認識であります。  その重要な判断材料でもある熱水変質粘土の分析を県に再三依頼しているようですが、行われておりません。科学的な調査に対する質問に対しては、科学的な調査を行って回答されることを申し添えます。  また、住民側は、施設の採算性についても詳細な積算根拠を求めているようですが、鹿児島県は明らかにしないと聞いております。採算性は重要な要素です。  佐賀県の公共関与による廃棄物処理施設の菖蒲処分場、現在はクリーンパークさがと言っているようですが、この菖蒲処分場は、資源のリサイクル化が進み、ごみの搬入量が計画より大幅に減る見通しとなったために、稼働期間の十五年間で四十九億円の赤字を出す見込みとなり、財団財政を補てんするための高度処理関連の費用として三十六億円も県が負担することになり、総計八十五億円の追加負担をせざるを得ない状況になったと聞いております。  佐賀の古川知事は、「今日の状況を予測できなかったのは残念だが、難しかったのではないか」と述べています。ちなみに佐賀県は、ごみの搬入予定を実施計画では四万六千百五十七トンとしていましたが、県の最新の計算では二万六千五百九十三トンとなり、約半分になるとしています。  先日、インターネットで調べたところによりますと、さらにこの数が一万九千トン台になるように表示しておりました。大変深刻な状況だと思います。当県でもこのような事態にならないよう、十分な検討を求めます。  最後に、最近になってようやく正当に評価をされるようになった、地質学者で神戸大学名誉教授の石橋克彦さんが、中越沖地震の翌年の二〇〇八年十一月に科学技術社会論学会で講演された中に以下のような内容があったことを御紹介して、私の質問を終わりたいと思います。  「現在、日本における原子力は、国策として莫大な人とカネと組織が注ぎ込まれ、大多数の国民にとって絶対的な善である点において、敗戦前の帝国軍隊に似ている。その状況で、柏崎・刈羽原発の地震被災は、大自然から発せられたポツダム宣言にも擬せられる。これを無視すれば、ヒロシマ、ナガサキに次ぐ第三の大量被爆である原発震災が近づくかもしれない。一方、電力会社、政府、御用学者が大自然を客観的・真摯に見ようとせず、既定路線に固執して詭弁を弄し、マスメディアが無批判に大本営発表を報道じ、芸能人が宣伝に動員され、国民のほとんどが原発は必要で安全と信じている現状は、アジア太平洋戦争中の狂気の日本に酷似している。早期に行うべきことは、前提の安全規制の欠陥を抜本的に改めた上で、既存の原発の原発震災リスクを総点検し、リスクが高い順に段階的に閉鎖・縮小する実際的なプログラムを考えることである。」  おわかりのようにこれは東日本大震災の前におっしゃっている内容でございます。彼は、その後、続けて「根拠のない自己過信と失敗したときの底の知れない無責任さによって節目節目の重要な局面で判断を誤り、起きては困ることは起こらないことにする意識と、失敗を率直に認めない態度によって、戦争も原発もさらなる失敗を重ねた。そして、多くの国民を不幸と苦難の底に突き落とした」と、こういうふうに述べております。  私たちは、自然と現実をしっかり直視して、誤りのない進路を選択しようではありませんか。  今回の県議会での、また、県当局にもそういう立場で英断を決せられるように心からお願いいたします。  私も薩摩川内市で一生懸命頑張ります。本当に皆さん、この国難と言うべき状況をともにみんなの力で克服しようではありませんか。  以上で終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 23 ◯副議長(池畑憲一君) ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午前十一時五十七分休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 24 ◯副議長(池畑憲一君)再開いたします。  岩崎昌弘君に発言を許可いたします。    [岩崎昌弘君登壇](拍手)
    25 ◯岩崎昌弘君 ことし四月の統一地方選挙で、新しい定数五十一名の県議会議員に選出されました。その喜びを市民、県民の皆様にお伝えすると同時に、責任の重さに身が引き締まり、五十名の先輩、同僚議員の皆様と力を合わせて、県民の皆様に全力で尽くしていくことをお誓いして、質問に入ります。  さて、三月十一日に起きました東日本大震災と大津波で、たくさんの犠牲者と甚大な被害が起きました。心からお見舞い申し上げたいと思います。また、収束を迎えない福島の原子力発電所の被害の問題に心を痛めております。一日も早い東日本の復興を願ってやみません。  さらに、同じ原子力発電所を特つ鹿児島県として、安心・安全がますます重要な課題でありますので、特段の施策が求められています。まずそのことを申し上げておきたいと思います。  また、三陸海岸地域には、「これより下に家をつくるな」という記念碑が今もたくさんあると言われます。しかし、防潮堤の整備などが行われ、その下にもたくさんの家が建てられていたことから、今回、津波の被害に遭いました。昔の人たちが残したことが正しかったのであります。海に近い、あるいは便利さに負け、自然の持つ脅威を説く先人の知恵が生かされなかったと思います。  稽古照今という言葉があります。昔のことを考えて今を照らし、その知恵を、記録を生かすことが大事だと思います。鹿児島に残る記録をいま一度調査して、今後の安全対策に生かすべきと考えますが、まず、知事の見解をお聞かせください。  ところで、私自身のことで恐縮でありますが、五月の連休に、地震と津波によって甚大な被害を受けた宮城県仙台市や石巻市などを、何かボランティアでもできないかという思いで訪ねてまいりました。特に、津波の直撃を受けた地域の惨状と丘陵地の造成宅地の地すべり現場などを見て、改めて地震・津波の威力のすごさと言葉にはあらわせない悲惨な現場を見てまいりました。  そこで、本会議でも東日本大震災に関連する質問は多く出されていますので、重複するところもありますが、私個人も川内原発から三十キロメートル圏内に、また丘陵地を造成した団地に住んでいる環境にあることから、二点に絞って、県民の安心・安全を願って質問いたします。  一点目は、原発の安全神話が崩れた今日、原発の安全対策や、防災対策重点地域―EPZ―の拡大を含む防災対策の強化などが求められています。  特に、EPZの現行半径十キロメートル圏の拡大については、先日の代表質問、本日午前の遠嶋議員の一般質問でも、国の防災指針の見直しを待って検討したい旨の答弁がありました。国の安全指針との整合性や財源等との問題だろうと思います。  しかし、今回の原発事故では、EPZを越え、半径二十キロメートル圏内が警戒区域になり、三十キロメートル圏内は緊急時避難準備区域、三十キロメートル圏以上であった飯舘村等でも計画的避難区域となっています。  そこで、まず県として、今回の事故を踏まえて、県原子力防災計画の課題をどのようにとらえておられ、さらには、EPZの拡大を国にどのように働きかけておられるのか、伺います。  また、国から県や薩摩川内市等に対して、原子力発電施設等緊急時安全対策交付金や放射線監視等交付金が年間幾ら支給されているのか。その使途についてもあわせてお示しください。  さらに、川内原子力発電所周辺環境放射線調査については、県と九州電力で分担されてEPZ内を主体に実施されていますが、三十キロメートル圏内の未調査自治体についても、九州電力に調査依頼等されて実施できないのか、伺います。  二点目は、東日本大震災後の宅地危険度判定で、危険、要注意と判定された宅地が二千五百件以上とのことで、丘陵地の造成宅地の地すべりが盛り土宅地に集中していることが報道されています。  国も、阪神大震災や中越地震で地すべり被害が発生したため、平成十八年に宅地造成等規制法を改正され、県で、危険な大規模造成地の調査と防災区域の指定がなされるようになったようでありますが、現在のそれらの状況と県内の危険造成地についてどのようにとらえておられるのか、伺います。  次は、種子島に自衛隊を誘致することについてであります。  沖縄県で米兵がさまざまな問題を起こしたことがあります。そのたびごとに地位協定の見直し問題が議論されてきました。多少の見直しがありましたが、本質的に、地位協定で本国に帰還し、問題をうやむやにされることも少なくありませんでした。米軍基地の問題の本質がここにあるのだと思います。そんな中で、どこの自治体も基地を受け入れるのに積極的になることはあり得ないと考えます。馬毛島の問題も、そうした背景があるのは県民の多くが感じていることだと思います。  日本は、北方領土をロシアに、竹島を韓国に実効支配されています。尖閣諸島をも、中国の前に風前のともしびと言っても過言でない状況であります。  沖縄の基地問題で日米の対立が生じて、そのすきができたとの指摘をする論調も、あながち無謀とは言えません。本来、戦後六十年以上外国の軍隊が駐留すること自体が、世界的にも異常な状態であります。しかし、日米の安保条約なくしては、日本の安全や外国の侵略に対応できないのもやむを得ないことでもあります。  そこで、県民が東アジアの緊張緩和、周辺事態に備える意味で、自衛隊の誘致で安全保障上の責任を果たすことの選択ができないものかと考えます。  また、先般、小川防衛副大臣が県庁を来訪され、昨年十二月策定の防衛大網を踏まえ、我が国の南西方面の対処態勢、災害対処態勢強化のため、南西地域に自衛隊施設の整備を陸上空母離着陸訓練―FCLP―とあわせて考えている旨の話があり、その後、国は、米国での日米安全保障協議委員会―2プラス2―の共同文書に馬毛島訓練を明記したことが発表されました。地元の反対を無視した頭越しの民主党政権のやり方は、到底許容できるものではないと思います。  ところで、以前、中種子町議会は、自衛隊の誘致決議を行ったことがあります。中身は、中種子町野間にある合わせて三十七万九千六百八十七平方メートルの旧種子島空港跡地に誘致したいとのことであったと思います。米軍基地とFCLPは、西之表市ほか三町の抵抗がありますが、日本の自衛隊なら、その家族の定住を含めて、種子島への経済波及効果はもとより、周辺の災害復興、重病人の輸送など、いざというときの県民の安心・安全に多大な貢献ができると考えます。  自国の領土の保全は自分たちの力で行う、安全保障上の意識改革になると考えますが、県有資産でもある旧種子島空港跡地の活用策ともなる自衛隊誘致について、伊藤知事のお考えをお聞かせください。  次は、県住宅供給公社の経営についてであります。  全国的に住宅着工戸数が落ち込む中にあって、県住宅供給公社は、分譲促進等のため土地の割引や各種キャンペーンなど実施しながら、経営健全化に向けた取り組みをされ、平成十八年に策定された経営健全化計画の分譲目標数もクリアしつつも、借入金の利子負担や地価下落を受けた販売価格割引等によって、依然として厳しい経営状況であるようであります。  さて、私個人として、関係する妙円寺団地に住み、住宅公社には三十年近くお世話になっております。それゆえに住宅公社の経営健全化を願い、今までも一般質問等を何回となくさせてもらっていますが、そのたびに、「住宅公社の経営健全化が着実に進むよう指導・助言を行ってまいりたい」との答弁でありました。  また、私が申すまでもなく、住宅公社の経営健全化のためには、分譲事業の促進、それも妙円寺団地とガーデンヒルズ松陽台の戸建て区画が多く残り、大規模用地が広く残っている二団地の分譲促進が今後の経営を大きく左右すると思われます。県としては、住宅公社支援策ではないと言われますが、両団地に対して公営住宅政策が進められているところでもあります。  ところで、ここに来て松陽台団地住民の方から、知事や鹿児島市長、さらには県議会へ、公営住宅建設反対を旨とする要望書・陳情書が提出されています。実は、一年ほど前に私ども妙円寺団地でも、商業施設予定用地に賃貸マンション建設が始まり、周辺住民の反対で業者が撤退する事案がありました。どう見ても住宅公社の事前の説明不足と対応のまずさを指摘せざるを得ない事案でありました。  そこで、県住宅供給公社の経営健全化を願って質問いたします。  一点目は、住宅公社が平成十六年度に五億円の債務超過に陥ったところで、伊藤知事が再建可能と判断されて、平成十八年三月に経営健全化計画を策定し、平成十八年度に県から百十五億円投入されました。しかし、平成二十一年度決算で経常損失が二億六千五百万円、債務超過も十七億七千六百万円となっています。知事として住宅公社の現状をどのようにとらえておられるのか、伺います。  また、組織運営はトップが重要であります。現在の住宅公社についても、肥薩おれんじ鉄道と同じように民間人からの登用ということは考えられないのか。さらに、ガーデンヒルズ松陽台団地の公営住宅建設問題についての見解もあわせて伺います。  二点目は、経営健全化計画では、計画の実現を確実に軌道に乗せるため、平成十八年度から平成二十二年度までの五年間を重点取り組み期間とされていましたが、その進捗状況と平成二十二年度決算について、事業損益、経常損失、債務超過額をどのようにとらえておられるのか。また、今後の取り組みと計画では、「計画目標と実施状況に乖離が生じた場合には、必要に応じて見直しを行うものとする」とありますが、計画見直しの考えはないか伺います。  三点目は、県住宅供給公社の経営状況は大変厳しい状況にありますが、さきに述べた一年前の妙円寺団地の建設トラブルについて、県はどのように把握され、指導されたのか、具体的に説明ください。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 26 ◯知事(伊藤祐一郎君)原発の安全対策等についてのお尋ねがございました。  県地域防災計画の原子力災害対策編の見直しにつきましては、現在、検討委員会におきまして、防災対策上の課題を抽出し、福島第一原子力発電所事故の教訓等を踏まえた複合災害への対応のあり方などにつきまして検討を進めているところであります。  なお、EPZについてのお尋ねがございました。  EPZの拡大など防災対策の強化につきましては、本県としても、国に対しまして、これまで、原子力発電関係団体協議会などによりまして三回にわたり要請を行っております。EPZにつきましては、当面暫定的に、他府県に見られるように、EPZの範囲を二十キロメートルとすることも一つの選択肢であると考えているところであります。  なお、県と九州電力におきまして、それぞれの役割分担に従って行っております周辺環境の放射線影響調査につきましては、見直し検討委員会において、適切な環境モニタリングのあり方などについて検討を行うこととしているところであります。 27 ◯危機管理局長(平田浩和君)災害の記録を生かした防災対策についてお尋ねがございました。  今回の東日本大震災の惨禍を踏まえ、津波による被害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、去る六月十七日に津波対策の推進に関する法律が成立いたしましたが、この法律におきまして、国は、調査研究の一環といたしまして、津波に関する体験の記録を収集し、その成果の普及に努めること、また、国及び地方公共団体は、その成果等を踏まえ、国民が津波発生時に迅速かつ適切な行動をとることができるよう、防災上必要な教育及び訓練、防災思想の普及等に努めなければならないとされているところでございます。  本県におきましても、例えば、桜島の大正大噴火の際に見られた数々の前兆現象等についての記録が残されておりまして、その内容は現在でも防災対策上の参考になると思われますことから、今後、国が収集する国民の津波に関する体験の記録や本県に残る災害の記録を、県民が災害から身を守るための防災教育の普及・啓発に生かしてまいりたいと考えております。  次に、交付金の支給額と使途についてでございますが、原子力発電施設等緊急時安全対策交付金は、原子力発電所等による災害が発生した場合など、緊急時における周辺の地域住民の安全確保のために要する費用に充てられ、具体的には、防護服、放射線測定器などの防災資機材の整備費、オフサイトセンターの維持管理費などに充てられておりまして、平成二十二年度交付実績額は約一億一千七百万円となっているところでございます。  放射線監視等交付金は、原子力発電所等の周辺における放射線量及び空気中、水中、その他の環境における物質中の放射性物質の濃度変化の状況を調査、原子力発電施設等の周辺の地域における地震に関する観測などの費用に充てておりまして、平成二十二年度交付実績額は約一億二千三百万円となっているところでございます。  続きまして、種子島空港跡地の活用策ともなる自衛隊の誘致についてでございますが、本県は、台風の常襲地帯でありますとともに多くの有人離島を有しており、自衛隊には、大規模な災害発生時における救助活動や離島急患搬送などに協力をいただいておりますことから、自衛隊の存在は、防災面で県民の安心・安全を確保する観点から重要なものと考えているところでございます。  なお、自衛隊の配備につきましては、国の平成二十三年度以降の防衛計画の大綱等に基づきまして、国の判断により行われるものでございますが、新たな配備に当たりましては、国が計画する配備予定地の自治体及び住民の理解を得ることが必要になるものと考えているところでございます。  種子島空港跡地の活用につきましては、種子島の振興・発展につながる活用を図る必要がありますことから、地元と連携を図りながら、長期的視点に立って検討を進めているところでございます。 28 ◯土木部長(渡 正昭君)造成宅地防災区域の指定状況等についてでございます。  大規模盛り土造成地の調査や造成宅地防災区域の指定につきましては、本県では、鹿児島市が平成十八年度に調査を行い、その結果に基づき平成十九年度に、面的に宅地造成工事規制区域を追加指定いたしましたことから、造成宅地防災区域の個別指定は行っておりません。また、その他の市町村につきましては、調査等は行っていない状況にございます。  造成宅地防災区域を指定しました場合、宅地所有者等は宅地の災害防止に努めなければならないとされ、費用負担が生じることなどから、これまで全国的にも一例しか指定された事例はございません。  大規模盛り土造成地の耐震化につきましては重要と考えており、今後、東日本大震災を踏まえ、国や各県の状況等を注視してまいりたいと考えております。  次に、県住宅供給公社の関係で幾つかお尋ねがございました。  まず、公社の経営状況等についてでございます。  県住宅供給公社の平成二十一年度決算につきましては、事業収支が約一千二百万円の赤字、経常収支が約二億六千五百万円の赤字といずれも計画を下回っており、また、債務超過額も約十七億八百万円を計上するなど、依然として公社の経営は厳しい状況にあると認識しております。  民間の人材の採用につきましては、今後の公社経営のどのような分野において、民間のどのようなノウハウを活用することが公社にとってプラスになるかを十分検討する必要があると考えております。  本県の県営住宅につきましては、戸数を確保することに重点を置いた住宅供給から、良好な住環境を備えた住宅へと移行することが求められていると考えており、自然環境に恵まれた郊外部での建てかえを進めることとしております。  松陽台におきましては、これまでも一定戸数の県営住宅を移転してきたところであり、新たな開発を要しない一定規模の土地の確保ができますことから、県営住宅の建てかえ先としてふさわしい場所であると考えております。  県といたしましては、県営住宅の整備については、引き続き、地元への説明会を行うなど、住民の理解が得られるよう努めてまいりたいと考えております。  続きまして、公社の経営健全化計画についてでございます。  経営健全化計画の進捗状況につきましては、平成二十二年度までの五年間で、目標の三百五十区画を上回る三百六十七区画を販売しております。また、人件費等固定経費につきましては、職員数や職員給与の削減等により、平成十七年度の五割程度の水準となっております。  しかし、住宅着工戸数が低迷している中、宅地需要を喚起するため土地の割引や各種キャンペーン等を実施し、減収や販売経費の増加が生じておりますことから、平成二十一年度の経常収支黒字化は達成できなかったところでございます。  なお、平成二十二年度決算につきましては、七月中旬の理事会で承認されることになっておりますが、現状では、販売区画数では目標を達成しているものの、経常収支としては依然として厳しい状況となる見込みでございます。  経営健全化計画は、平成三十八年度までの長期にわたる基本的な計画でありますことや、見直す場合には社会経済情勢、特に不動産市況の動向を見きわめる必要があり、先行きが不透明な状況を踏まえますと、現時点での見直しは困難と考えておりますが、毎年の事業計画の中で、健全化計画の達成に向け取り組んでまいりたいと考えております。  妙円寺団地における建設トラブルについてでございます。  県住宅供給公社が賃貸マンション建設用地として建設業者に売却した用地に係る建設中止の経緯につきましては、公社の報告によりますと、昨年七月に建設業者がマンション建設工事に着手しましたところ、周辺住民の方から、説明会開催等の申し入れが公社に提出されたものであり、最終的には、公社と建設会社との間で慎重に協議した結果、事業の継続は困難と判断して、土地の売買契約を解除し、マンション建設事業を中止するに至ったものでございます。  本件につきましては、一連の問題解決の過程において、住民の方々に丁寧な説明をし、理解を得るよう努めることを公社に対して指導したところでございます。 29 ◯岩崎昌弘君 自席から、住宅公社問題について土木部長に再質問させていただきたいと思います。  まず、最後に説明がありました妙円寺団地の問題であります。  これは私もタッチいたしておりましたので、存じておりますけれども、ちょっと今の説明とは違うんじゃないかと、ということは、松陽台団地と全く同じような形であります。その賃貸マンションが建つ場所については、その建設が始まるまでは、サブセンター、商業用地ということで、団地の地図等にも、説明資料等にも書いてあったわけです。  それを、その目的の変更を地元の、特にそのサブセンターの近隣の方々にも説明しなかった関係で、周りの方々が、何でだと、買うときはそれこそ商業用地じゃなかったのかと、それがいつ、何でマンションが建つのかということからトラブったわけであります。  そして、私も間に入りましたので、どうにかうまく調整ができないかといううちに、私どもに何も説明もないまま、もう撤退しますということでありました。恐らく補償費も払われていると思いますので、それが恐らくこの松陽台団地の方の話を聞いても、それこそ快適な団地をそれこそ見ておったら、いつの間にか公営住宅ばっかりになってくると、これはどういうことかというところから恐らく松陽台団地の方々も、ああいう形で反対をされているのではないかと思います。  ということは、やはり物事をする前に必ず手順を踏んで、しっかりと早く入った方々に対してそれこそ丁寧な説明をされていけば、ここまでトラブることはないし、そしてまた妙円寺団地のほうにあっても、契約を解除するということもなかったのではないかと私は思うところから、質問をさせていただきました。  それと、さきにも述べたように、組織運営は結果判断が重要であります。特に、トップについての問題、これは本当は知事にお答えをいただきたかったんですけれども、どう見てもトップがしっかりしないと、先ほども言ったようなトラブルもうまく収束ができないわけであります。  そこで、住宅公社法では民間人登用が可能なのかどうか、まずそのことについて一点。  それと、固定経費の削減にもそれこそ一生懸命取り組まれていると思いますけれども、販売の促進のためには必要最小限の職員の人数が必要と考えます。  そこで、現在の職員の数と、その中で県職員の数、そしてまた臨時職員等の数もあわせてお願いをいたします。 30 ◯土木部長(渡 正昭君)お尋ねの中で、まず民間人の登用の関係でございます。  地方住宅供給公社法によりますと、取引上、密接な利害関係を有する者につきましては欠格とされておりますけれども、その他、民間人についての定めは特にございません。  それから、公社の職員等の数でございますけれども、現在、平成二十三年度時点で常勤役員が二名、それから職員につきましては十一名、その他嘱託臨時職員が四名、全部合わせて十七名となっております。その中で、県派遣の役員が一名となっております。職員につきましては、県派遣はおりません。  以上でございます。    [岩崎昌弘君登壇] 31 ◯岩崎昌弘君 それぞれ答弁いただきました。  原発問題ですが、川内原発から三十キロメートル圏内外にある私たちの地域では、正直言って、今までは原発が話題になることはほとんどありませんでした。しかし、福島原発事故後は違います。原発の安全性や避難、健康問題など、福島で発電所立地地域以外の市町村にも重大な被害が発生し、住民生活にも大きな影響を及ぼしているところから、原発に対する不安の声が聞かれ、関心も高まっています。  確かに今まで、原発の安全神話に基づいて、法律でも原子力発電施設等の周辺地域に対してのみ、地域防災の配慮と地域振興が図られてきたこともあったと思います。もちろん、今まで以上に周辺地域への必要な措置を講ぜられることは言うまでもありませんが、今回の原発事故被害は国の想定を大きく超えており、県の原子力防災計画の早急な見直し、それには、答弁にもありました、国へ働きかけておられるEPZの拡大が重要であります。  先ほど知事の答弁では、二十キロメートル圏までとありましたが、せめて三十キロメートル圏内の市町の未策定自治体にも原子力防災計画を策定していただいて、避難方法や経路、情報の提供、環境放射線調査など、住民の安心・安全のため早急に実施していただきたいと強く要望いたします。  造成宅地の問題ですが、危険な大規模造成地の調査は鹿児島市以外は着手されていないようであります。全国で約千カ所あると言われている危険な大規模造成地であります。シラス土壌の本県でもあります。財政的な問題もあると思いますが、恐らく鹿児島市以外はそう多くはないかもわかりませんけれども、県としての早急な調査着手を希望します。  自衛隊誘致の問題ですが、今議会では代表、一般質問でも米軍の馬毛島問題が取り上げられ、伊藤知事は、地域の方々の意向に沿って対応する旨述べられております。また、本議会でも反対決議が近々されますし、一昨日の自民党県連大会でも反対の特別決議がなされています。  しかし、自衛隊誘致については、地元の大部分の方々は賛成であろうと思います。旧種子島空港跡地は、県庁舎敷地の約四倍あると言われます。大部分が県有地でありますので、国防、災害対応、地域活性化などはもちろんのこと、本県の財源確保にもつながると思います。馬毛島は宇宙往還機着陸場として、今は宇宙往還機は実用段階にはありませんが、粘り強く国へお願いしてもらい、種子島へは自衛隊の誘致を積極的に取り組んでほしいと思います。  住宅供給公社の問題ですが、販売促進など職員の方々が努力されて健全化に取り組まれていることは、私なりに見ています。住宅の分譲や賃貸などを手がけながらも経営的に改善が進まず、平成十八年に経営健全化計画を策定され、県から百十五億円の投入がなされながら、どうも五年たっても金利負担等で計画目標がうまくいっていない。そこで、結果判断が急がれるところから、トップの話まで出しました。  債務超過問題は、解消どころか増加しています。県内住宅着工戸数も、現在の社会情勢では厳しい状況にあります。そうなると、早急な県住宅供給公社に対する経営、組織のあり方等に対しての英断も求められるのではないかと考えます。  それでは、次の質問に入ります。  高速道路無料化社会実験の中止による影響等についてであります。  一昨年の総選挙で政権交代した民主党連立政権は、マニフェストの目玉政策として高速料金の無料化をうたいながら、財源の手当ても政策目的もはっきりせず、国民の支持も厳しい中、とりあえず高速道路を段階的に原則無料化するとの方針のもと、昨年六月二十八日から、地方の三十七路線五十区間で高速道路を無料化する社会実験が開始されました。県内では、南九州西回り自動車道と東九州自動車道の二路線が対象となっておりました。  国は、社会実験の実施に当たっては、実験の前後に交通量、渋滞等の変化を計測するとともに、地域経済への効果やほかの公共交通機関への影響等について、調査分析するとのことでありました。ところが、東日本大震災が発生したため、その復興財源に活用するとのことで、無料化の社会実験は今月十九日をもって中止となりました。  そこで、政治的に利用された政策で、財源、政策目的、受益者負担の公平性などから、高速道路の無料化社会実験の中止は歓迎するところでありますが、今回の実験結果が本県の総合的な交通体系と道路政策の構築に生かされることを願って、質問いたします。  一点目は、県内二路線で行われた無料化社会実験の調査分析は、どのような形でいつごろ発表されるのか、わかっていたらお答えください。  また、交通量については、先日の中重議員の質問で答弁がありました。開始六カ月間は南九州西回り自動車道が二倍の増、国道三号線が四割の減、東九州自動車道が二・四倍の増、国道十号線が二割の減とのことでありました。  そこで、それによる渋滞等はどのような状況であったのか。並行している国道三号線、十号線の状況もあわせてお示しください。  二点目は、今回の無料化社会実験におけるバス・鉄道会社への影響はどうであったのか。また、国道三号線、十号線沿線の商工業者への影響はどうであったのか。  さらには、影響を受けた商工業者支援策についてあわせて伺います。
     三点目は、約二年三カ月続けられた土日・祝日千円の割引料金制度と、約一年間の無料化社会実験は、本県観光にとってはプラスの影響があったと思いますが、どうであったか、具体的にお示しください。  また、両制度とも先日十九日で終了したわけですが、これからの本県観光産業に及ぼす影響をどのようにとらえておられるのか、伺います。  四点目は、無料化社会実験における環境への影響をどのようにとらえておられるのか、伺います。  五点目は、無料化社会実験によって、国が直轄事業として整備を進めている南九州西回り自動車道や東九州自動車道などの事業量に減少などの影響はなかったのか。また、鹿児島東西幹線道路の進捗状況についてもあわせて伺います。  次は、農業委員会等への女性参画についてであります。  国が発表した二〇一〇年世界農林業センサスの調査結果によれば、国内の農業就業人口は二百六十万六千人で、五年前に比べ二二・三%の減少で、減少率は過去のセンサスで最も大きく、特に女性の減少幅が大きくなっております。理由として、近年、稲作地帯を中心に集落営農の取り組みが進み、女性の作業が軽減された結果、その労力を農産加工などに振り向けるケースが多くなったためと見られるとのことでありますが、それでも、農業就業人口の半数は女性であります。それら女性農業者の支えが本県の農業振興にも欠かせなくなっております。  さて、ことしは三年に一度行われる農業委員の第二十一回統一選挙が県下でも実施されます。申すまでもなく、農業委員会は、農地の権利調整や農業経営の合理化など農業振興対策、日常の啓蒙及び宣伝・相談活動など、農政の普及などを積極的に推進することによって、農業・農村の発展と農業者の経営確立に寄与している組織であります。  ところで、専門紙の報道によりますと、今回の農業委員統一選挙では、認定農業者の選出など多くの課題はあるが、農業委員会系統組織にとって最重点は、女性委員の選出とのことであります。  本県でも、平成二十年三月策定の鹿児島県男女共同参画基本計画で、農林水産業における男女共同参画の促進や、政策・方針決定過程への女性の参画の拡大を重点目標として、さまざまな分野での女性の参画を展開されていることと思います。しかし、農山漁村での女性参画は穏やかに進んではいるが、農作業等のほか家事・育児・介護などが女性の負担になっており、女性を取り巻く環境は依然として厳しいとも聞きます。  そこで、農山漁村の一層の活性化に欠かせない女性の活躍を期待するところから、質問をいたします。  一点目は、農業委員の女性登用についてでありますが、国は、平成二十六年度までにすべての農業委員会で二人以上登用するように指導がなされているようでありますが、本県の現状とそれに対する見解を伺います。  二点目は、本年実施される農業委員の選挙に対し、国から、女性委員が一人もいない農業委員会をなくすようにとの指導があったやに聞きますが、今回の県内での農業委員の選挙の実施状況を伺います。  また、農業委員は、地域から選ばれる選挙委員と、議会推薦などで市町村長が選ぶ選任委員がいるわけで、選挙で女性が選ばれる環境づくりと、首長の方々も積極的に女性を推すべきと思いますが、今回の改選で女性委員の登用率アップを図るため、県としてどのような取り組みをなされてきたのか伺います。  三点目は、農業における男女共同参画の促進で、知事が認定する女性農業経営士と市町村から認定される女性の認定農業者の計画目標値最終年度は平成二十二年度であったと思いますが、どのような結果であったのか。また、今後の新たな目標値設定などはどのようにされるのか伺います。  四点目は、本県の基幹産業は言うまでもなく農業であり、それを支える組織が県内各農業協同組合―JA―であります。その県内JA組織では、地域農業に女性の声を生かすため男女共同参画運動に積極的に取り組まれていると聞きます。  そこで、県内のJA役員に占める女性の割合が全国と比較してどのようになっているのか。また、県として、この問題に対して現在までどのように取り組まれてきたのか、今後も含め答弁ください。  次は、吹上浜の砂浜再生についてであります。  私の住む日置市は、吹上浜に代表される豊かな自然環境、歴史・文化遺産など貴重な資源を数多く有しています。その日置市の景観を代表する吹上浜海岸は、薩摩半島の西部に位置し、北はいちき串木野市、南は南さつま市にわたる、東シナ海に面した全長約四十キロメートルの砂浜海岸で、鳥取砂丘、九十九里浜と並ぶ日本三大砂丘の一つで、「日本の渚百選」にも選ばれ、県立自然公園に指定された、日置市民にとって自慢の海岸でもあります。  さて、その自慢の吹上浜も、一般質問等で先輩議員も含め、私も何回となく申し上げていますように、県内のほかの海岸と同じく、海岸侵食による浜がけ形成や砂浜の後退、侵食がとまりません。確かに、江口海岸では、サンドバイパス工法等によって江口漁港内のしゅんせつした砂などを投入したり、ほかの場所でも一部が、寄り州除去で発生した砂をサンドリサイクル事業として海岸に投入されていることに対しては、評価もいたすところであります。  ところで、渡土木部長も御承知のとおり、砂丘は、貯砂機能だけでなく、高波浪や津波に対する自然の防波堤として、遠浅の海もですが、消波機能があると言われます。さきに述べた東日本大震災の津波については、後日検証されるかもわかりませんが、昭和五十八年秋田県沖での日本海中部地震の津波では、海岸砂丘のあった地域で背後地の被害が少なく、砂丘のない地域で津波の被害が発生したとも言われています。  そこで、国土保全はもちろんのこと、景観、自然環境の保全等の観点からも積極的な吹上浜の砂浜再生を望むところから、質問いたします。  一点目は、今までの質問に対する答弁では、保全対策について、国が深浅測量などを実施し、平成十八年度からは、砂移動のメカニズムを把握するため、海浜の将来地形変化の予測等の調査もあわせて実施しながら、海岸侵食の原因究明等に努めている旨の答弁でありました。原因究明なくして砂浜の回復・保全は図れないと思いますが、吹上浜の海岸侵食の調査結果はどのようになっているのか、これからの対策も含め伺います。  二点目は、江口海岸には平成十八年度からサンドバイパス工法等によって砂を投入していただき、一定の効果を県も認めておられます。江口海岸は地びき網やサーフィンの名所でもありますので、継続的な砂投入の事業実施を望みますが、現在までの実施状況と効果についての見解、さらには、これからの砂浜再生にどのように取り組まれるのか伺います。 32 ◯土木部長(渡 正昭君)お答えの前に、訂正がございます。  先ほど住宅供給公社の職員数につきまして、十三名と申し上げましたけれども、十一名が正しい数字でございます。役員を含めて十三名の誤りでございました。  また、職員総数につきましては、十九名と申し上げましたが、これにつきましては、二名減の十七名が正しい数字でございます。おわびをして訂正させていただきます。  さて、高速道路無料化社会実験の中止による影響等についてのお尋ねのうち、無料化社会実験の調査分析等についてでございます。  無料化社会実験につきましては、国において、時間便益や物流コストへの影響などの経済効果、二酸化炭素排出量及び他の交通機関への影響等を分析し、検証結果を本年三月末に公表するとされておりましたが、これまでのところ公表されていない状況にあります。  無料化社会実験開始から六カ月間の高速道路本線の渋滞状況につきましては、東九州自動車道において、加治木インター付近や隼人西インター付近などで九回渋滞が発生したところでございます。南九州西回り自動車道におきましては、鹿児島西インター付近で一回発生したところでございます。  なお、並行する国道の渋滞状況につきましても、これまでのところ公表されておりません。  無料化社会実験による道路整備への影響等についてでございます。  南九州西回り自動車道及び東九州自動車道の本年度予算につきましては、事業の推進に必要な額が確保されたところであり、高速道路無料化社会実験による事業量への影響はなかったものと考えられます。  鹿児島東西幹線道路の進捗につきましては、現在、国において、鹿児島インターから建部インター間約二・二キロメートルの平成二十四年度供用を目指し、新武岡トンネルの工事が鋭意進められております。  新武岡トンネルにつきましては、田上、建部両側から掘削が進められており、延長一千五百メートルのうち、これまで約一千メートル余りの掘削を終えております。  県といたしましては、高規格幹線道路など本県の骨格をなす道路の整備に必要な予算が確保され、本県の高速交通網が一日も早く完成するよう、引き続き国に要望してまいりたいと考えております。  吹上浜の砂浜再生についてでございます。  県では、平成十四年度以降、航空写真撮影や深浅測量などの調査を継続しており、それ以前の国による調査結果と同様に、部分的な侵食や堆積の傾向が認められますが、海岸線全般には大きな変化は見られない状況でございます。  今後とも、中長期的な海岸の変化状況を把握するため、観測を継続してまいりたいと考えております。  江口海岸におきましては、平成十八年度から平成二十一年度にかけて、江口漁港のしゅんせつ土砂や河口の掘削土砂を合計四万七千六百立方メートル投入いたしました。測量結果を比較しましたところ、堆積傾向が見られますことから、一定の効果はあったものと考えております。  今後とも、利用可能な土砂等については有効利用を図るよう努めてまいりたいと考えております。 33 ◯企画部長(六反省一君)無料化社会実験の公共交通機関への影響についてでございます。  無料化社会実験に伴いますバスや鉄道事業者への影響につきましては、現時点で国の調査結果が示されておりませんが、県においてバスや鉄道事業者に対して聞き取りをいたしましたところでは、「高速道路へつながる一般道の渋滞により、定期路線バスで遅延が発生した」という意見や、「肥薩おれんじ鉄道などの社会実験区間に近接した交通機関を中心に、輸送実績の減少などの影響があったと思われる」との意見があったところでございます。 34 ◯商工労働水産部長(白橋大信君)無料化社会実験の商工業者等への影響についてでございます。  無料化社会実験が行われた高速道路に並行している国道三号、十号沿線の七商工会等に聞き取り調査を行ったところ、五商工会等において、交通量の減少に伴い、コンビニエンスストア、飲食店、ガソリンスタンド等で利用者の減少が見られたとのことでありました。  無料化社会実験終了翌日に国土交通省が実施した交通量調査によりますと、県内の南九州西回り自動車道など無料化社会実験区間の交通量は、実験前の水準に戻っており、今後、国道三号、十号沿線の飲食店等の利用者の回復が見込まれるのではないかと考えております。  県としましては、経営に影響を受けた商工業者につきまして、商工団体等による経営相談の実施、売り上げ減少に対応したセーフティーネット対応資金や経営革新支援事業、経営改善のための専門家派遣などにより、引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。 35 ◯観光交流局長(福壽 浩君)高速道路無料化等の本県観光への影響についてでございます。  ETC割引や高速道路無料化社会実験の本県観光への影響を全体としてどうとらえるかということにつきましては、国から関連データ等が公表されておりませんため明確には申し上げられないところでございますけれども、本県の観光統計によりますと、平成二十一年三月のETC割引制度の実施後、県外からの宿泊者の交通手段は、鉄道、バス、航空機などが対前年で二割程度落ち込む中、自動車は五・六%増加しております。  また、ゴールデンウイークがございます五月の宿泊者数は、対前年一〇%の減でございましたが、観光施設への入り込みは逆に四・四%増、シルバーウイークがあります九月の宿泊者数は対前年五%減でございますが、同じく観光施設への入り込みは三二・五%の増でございました。  このように、ETC料金割引上限千円を利用しまして、土曜日、日曜日、祝日の重なります時期を中心に、遠隔地から本県への自動車での入り込みの増加が見られたところでございます。  今後の本県観光産業への影響についてでございますが、ETC料金割引制度の上限千円の終了によりまして、割安感がありました家族などによります遠隔地への自動車旅行の需要減退が生じ、本県への入り込み客の減少が懸念されているところでございます。  このため、県といたしましては、夏場に向けまして、新幹線開業効果や企業等の長期休暇取得への動きを踏まえまして、JRとの「九州新幹線で行こう!キャンペーン」や「かごしま夏のもう一泊得々キャンペーン」を展開するなど、引き続き本県の誘客対策を強化することといたしたいと考えております。 36 ◯環境林務部長(内門公孝君)高速道路無料化社会実験による環境への影響についてでございます。  高速道路無料化社会実験につきましては、県内二路線二区間で実施されたところでございますが、この社会実験によるCO2排出量など環境への影響につきましては、今後、国土交通省及び環境省が、社会実験で得られたデータをもとに協力して検証を行うことといたしておりまして、その結果を注視してまいりたいと考えております。 37 ◯農政部長(中西 茂君)農業委員会などへの女性参画についてでございます。  まず、農業委員への女性登用についてでございます。  平成二十二年十月現在、女性の農業委員数は五十六人で、農業委員総数八百八十七人の約六%を占めており、二人以上の女性委員がいるのは、四十四農業委員会のうち十五委員会となっております。  現在、農業・農村においては、加工や直売、食育活動などで女性が重要な役割を果たしていることから、今後とも、女性農業委員の積極的な登用を促進してまいりたいと考えております。  今回の農業委員統一選挙は、本年七月までに二十七農業委員会で実施されることになっております。県としましては、農業会議などと連携しまして、女性農業委員との意見交換会や研修会において助言・指導を行うとともに、特に、女性が一人も登用されていない農業委員会への登用率アップに向けた重点的な働きかけを行っているところでございます。  女性農業経営士数などの目標達成状況についてでございます。  平成二十二年度末において、女性農業経営士の認定数は三百三十二人で、目標値の三百三十人を達成しており、女性の認定農業者数は五百三十四人で、目標値の六百人に対して達成率約九割であり、女性の経営参画が進んできております。  新たな目標値の設定につきましては、各指標の達成状況や目標達成に向けた取り組み状況等について、関係機関・団体とも検証・協議しながら、おおむね五年後の目標値を本年度中に策定する予定であります。  農協役員に占める女性の割合についてでございます。  全国との比較ができる平成二十年度末のデータでは、全国の農協役員数に占める女性の割合が三・〇%であるのに対し、本県における割合は二・七%となっておりますが、平成二十三年五月末現在では四・一%と女性登用が進みつつあるところでございます。  県としては、これまで、国が策定した第三次男女共同参画基本計画や、農協系統組織が決定した女性のJA運営参画目標などに基づいた女性の登用が進められるよう、毎年度、各農協における女性登用の計画の策定状況や計画の進捗状況等について、把握・指導しているところでございます。  今後とも、県農協中央会を初め、関係機関・団体とも連携しながら、女性の委員や役員等への登用が促進されますよう助言・指導に努めてまいりたいと考えております。    [岩崎昌弘君登壇] 38 ◯岩崎昌弘君 それぞれ答弁いただきました。  高速道路無料化社会実験の中止の問題ですが、中止三日後の地元紙に、全国の対象区間で平均交通量が実験中に比べ四六%減った。また、南九州西回り道でも美山―伊集院間で五一%減とのことで、もとの交通量に戻ったとのことでもあります。確かに、私が県庁に来るときの武岡トンネル入り口は、前と後では渋滞が緩和されているような気がします。  高速道路は、高速で短時間に人や物が移動し、利用料金で高速道路網の維持補修、整備もなされ、加えて、地域交通、産業への深刻な影響があってはならないわけで、繰り返しになりますが、政治的人気とり政策は今後、絶対にあってはならないと思います。  農業委員会等への女性参画ですが、実は昨日、日置市の農業委員の選挙がありました。私の出身地である日吉町でも選挙があり、初めて、知り合いの女性が選挙で選出されました。今回当選した女性みたいに、みずからの奮起も大事ですが、行政も、地域も、選挙で女性が選ばれるような環境づくりに努める必要がありますし、選任委員にあっては、積極的に女性を登用すべきであると思いますので、県としても、今後とも、男女共同参画推進の面から、市町村などと連携を図った取り組みをお願いいたします。  吹上浜の砂浜再生でありますが、以前の答弁とほとんど変わっていないようであります。財政的な面もあろうと思いますが、県内のほかの砂浜も含め、砂浜の再生に取り組んでほしいと思います。  ところで、本議会、伊藤知事の提案理由説明でも触れていただきました、宝暦年間の薩摩義士による木曽三川の治水工事を機縁とする岐阜県との姉妹県盟約の締結四十周年記念式典と、両県民の交流の集いを盛大に開催していただき、岐阜県の多くの友人と改めてきずなを深めさせていただきました。また、私が関係する青少年健全育成に取り組む民間団体である関ヶ原戦跡踏破隊実行委員会も、ありがたいことに両県知事から、両県交流促進に貢献したとのことで感謝状をいただきました。改めて伊藤知事にお礼申し上げます。  さて、薩摩義士の功績を紹介するドキュメンタリー番組が先日、地元民放局から放映されました。また、薩摩義士の功績が、伝統文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛することを強調した改正教育基本法にふさわしい教材であると判断され、ある教科書会社の中学二年生の国語教科書に新しく、「武器無き出陣」という教材で採録されるとのことでもあります。それも、縁もゆかりもない美濃の人たちを助けるために、無私・滅私ですべてをささげて働いた薩摩義士の精神が、改めて現在の社会にも求められるような気もいたしますし、今回発生した東日本大震災の復興支援のために私たちがどうあるべきかについての示唆を与えてくれているような気がいたします。  これからさらに薩摩義士への理解が深まることを期待するとともに、私個人としてもさらに顕彰活動に努めていくことを申し上げ、最後に、私がキャッチフレーズとする「まっすぐな思いをまっすぐに県政へ」の取り組みで四年間頑張ってまいりますことをお誓いをして、質問を終わります。(拍手) 39 ◯副議長(池畑憲一君)次は、大園清信君に発言を許可いたします。    [大園清信君登壇](拍手) 40 ◯大園清信君 去る四月十日の県議会議員選挙におきまして四期目の当選を果たすことができましたことに、支援者の皆様初め、県民の皆様に心よりお礼を申し上げます。負託を受けた議員として、私の思いであります「燃える鹿児島、心いやす県政」を目指して、「身に私を構えず」、「人の艱難を見捨てず」の信念で県民の皆様の福祉向上に誠心誠意尽くすことを改めてお誓いして、質問に入ります。  なお、答弁の内容によっては再質問をさせていただきますので、再質問のないような前向きの答弁をお願いいたします。  東日本大震災関連と今後の県の対応についてお伺いいたします。  まず、三月十一日の東日本大震災でお亡くなりになられた方々、行方不明の方々に謹んで哀悼の誠をささげ、被災を受けられた方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧・復興を心からお祈りいたします。  三月十一日午後三時十五分ごろ、文教警察委員会の審査を終え、控室に戻りテレビのスイッチを入れた瞬間、自分の目を疑いたくなるような光景が目に入ってきました。午後二時四十六分発生の地震による大津波が発生し、多くの港の建物、漁船を初め、町全体をのみ込んでいく黒い波、まさに私たちがこれまで経験したことのない、大災害が起こったのであります。  テレビで映し出される光景にくぎづけとなり、これまでの大震災の経験から、今回の災害はこれまでと比べものにならない大きな被害をもたらしているのは明らかでした。その中に、その後大きな問題を残すことになった福島原発ものみ込まれていたのでした。  災害のたびに、医療人として、議員として何ができるのか考えさせられます。これまで、阪神・淡路大震災では、四カ月経過して淡路島を訪問し、危機管理、集団災害での災害医療やトリアージ、ヘリ出動の重要性など多くのことを学び、当時在職しておりました県立大島病院で県内初の「救急医療・災害対策マニュアル」を作成し、新潟県中越沖地震では、皆川優太君二歳が救出された日に現場に入り、三泊四日体育館生活での医療支援をする中で、救出された優太君に「決してあきらめてはいけない」との思いや、DMATの活動状況、避難所生活での医療支援のあり方について学びました。  今回の大震災は未曾有の大災害であったと思いますが、しかし、三陸地方の大津波については、作家の吉村昭さんが「三陸海岸大津波」という本で、三陸沖沿岸のこれまでの大津波について微細に書いておられるのを見ると、過去の教訓が生かされなかった災害とも言えます。  今回の大震災において、私は、日本医師会が派遣するJMATの一員として、鹿児島県医師会チームの第二陣として三月二十日から三泊四日、医療支援に参加しました。JMAT配置により九州医師会は北茨城市と指定され、北茨城市立総合病院の支援に入りました。病院は地震で建物が被害を受け、三月十一日から十二日にかけて入院患者約九十名は、延べ八チームのDMATにより、他医療機関へ安全に転院がなされたということです。  今回の医療支援については、他の三県に比べると被害が少なかった茨城県ではありましたが、私たちが支援に入った茨城市立総合病院においては、病院の医師、看護師初め職員は、昼間は避難所の巡回を中心とし、夜は当直もあり、疲労もピークに達していたように思われます。  そこで、私たちの医療チームは、昼間は外来患者の診療に当たり、夜は当直ということで、病院の職員の方々には夜、極力休んでもらいました。昼間や夕方のあいた時間に災害現場を視察しましたが、港や海岸沿いの船や家は二重三重に重なり、あるはずのないところに船や車があるのを見て、大津波の怖さを肌で感じました。  また、北茨城市長を訪れた際、市長から、「ぜひ福島県のいわき市を見てほしい」と言われ、県医師会長と現地を視察しましたが、言葉では言いあらわせない惨状を見たとき、この光景が茨城県以北の東北三県に連なっているのかと思ったら、復旧には相当の日月を要し、行方不明者の捜索には手間取るだろうと感じました。  今回の大震災でお亡くなりになられた方々や行方不明者の無念の思いを思うとき、命の大切さ、そして防災対策の重要性をひしひしと感じ、その思いにしっかりとこたえる責任があると自分に言い聞かせることでした。  この大震災を経験して、以下、今後の県の取り組みについて質問いたします。  まず、知事にお伺いいたします。  災害はいつ起こるかわかりません。東日本大震災も三月議会の委員会の最中に起こっています。もし本会議開会中の今、県内において震度七の地震が発生したら、直ちに初動体制を確立し、被災者の救援など災害応急対策に全力を傾注すべきであると考えますが、知事の指揮命令のもと、県はどのような体制で災害に対処しようとされるのかお示しください。  次に、知事は、最初の知事選挙マニフェストの中で、危機管理の大切さを理解され、総括危機管理監を置き、危機管理局を創設するとされました。それを受けて現在、危機管理局は、総括危機管理監兼危機管理局長のもとに、危機管理防災課、原子力安全対策室、消防保安課の二課課内一室の陣容となっていますが、災害時に危機管理局の果たす役割は大変大きく、災害時の情報伝達のかなめとも思います。  今回の福島原発事故の重大さを思うとき、原子力安全対策室は課と同格に引き上げるなど、局長のもと、局の陣容を拡大・充実することが大切だと思いますが、御所見をお伺いいたします。  また、川内原子力発電所において事故が発生した場合は、済生会川内病院の放射線被曝治療施設で治療が行われると思いますが、現在の治療施設での治療マニュアルと専門医師の状況、そして、受け入れ可能な被曝患者数をどれほど見込んでいるのか。さらに、後方支援病院としての鹿児島大学についてはどのような現状にあるのか、お示しください。  去る五月二十六日霧島市において、新燃岳の大爆発を想定しての県総合防災訓練が行われ、私も訓練の様子を見学しました。今回の訓練は、東日本大震災の教訓を生かされて行われたものと思いますが、今回の訓練の目的、意義、そして訓練の成果・反省、参加者の声はどうであったのかお示しください。  次に、DMATは、災害時における医療支援チームとして、災害発生直後から約三日間の医療支援を目的として設立され、災書現場に出動し、現場における医療活動を実施しています。今回の東日本大震災においても、各県からDMATが出動し、各地城においてその活動がなされました。DMATは、災害現場において、外傷を受けた急性期の傷病者の対応に当たるだけでなく、災害直後の総合的な医療支援活動ができるものと思います。  今回、本県のDMATは、一チームが宮城県で診療に従事し、他の二チームは福岡で指示待ちのまま、結局、現地への出動要請がないまま鹿児島に帰ってこられましたが、県としては、今回のDMATの派遣をどのように評価されているのかお伺いします。  また、今回の経験から、災害現場への出動と現地での活動がスムーズに行われるよう、県とDMAT指定病院等が、DMATの運用等に関して情報交換等を行う場が必要と思いますが、県の取り組みをお伺いします。
     最後に、教育長にお伺いします。  今回の大震災では多くの方がお亡くなりになり、行方不明になっておられます。家族との、そして親しくしていた者との突然の別れなど、震災地の子供たちに「今回の現実を受けとめてください」と言っても無理があろうかと思います。一日も早く子供たちの心の傷がいやされる施策を願ってやみません。  今回の大震災の様子は毎日マスコミで流れ、本県の子供たちの目にも焼きついていることと思います。県内の各学校では、この機をとらえて、命の大切さをしっかり教える教育や避難訓練にどのように取り組んでいかれるのか、お示しください。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 41 ◯知事(伊藤祐一郎君)県の総合防災訓練について、私のほうからお答えをさせていただきます。  県の総合防災訓練は、災害発生時におきまして、防災関係機関が相互に緊密な連携のもとに救出、救護、避難誘導などの災害応急対策が迅速・的確に行われるよう防災体制の確立を図りますとともに、県民の防災意識の高揚を図りますため、県民防災週間の五月の第四週に実施しているところであります。  今回は、七十六団体、約千四百人が参加いたしまして霧島市で実施いたしましたが、その訓練におきましては、昨年十月の奄美豪雨災害やことし一月以降の新燃岳噴火活動の活発化などを踏まえまして、火山爆発に対する集団避難訓練や自主防災組織等によります要援護者施設の避難支援訓練なども新たに実施したところでありまして、関係機関相互の緊密な連携のもとに実効性の高い訓練ができたものと考えているところであります。  また、訓練終了後、参加団体から、今後の課題等についての意見もいろいろといただいたところでありまして、それらの意見につきましては、次年度以降の訓練実施に生かすことによりまして、関係機関の災害対処能力の向上につなげてまいりたいと考えております。 42 ◯危機管理局長(平田浩和君)地震発生時の初動体制についてでございますが、地震発生時の初動体制につきましては、県地域防災計画で、迅速かつ的確な災害応急対策を推進するため、あらかじめ地震の規模等により職員の参集・配備基準を定めておりまして、仮に県内に震度七の地震が発生した場合、県災害対策本部を設置し、全職員が参集して災害応急業務に従事することになっております。  県災害対策本部では、災害発生後速やかに、知事を本部長とする本部会議において応急対策実施の基本方針を決定しまして、国、防災関係機関、他の都道府県などと連携・協力して震災対策を実施いたしますとともに、市町村などが処理する応急対策を支援し、かつ総合調整を行うこととしているところでございます。  また、被害が甚大で広範囲に及ぶ場合は、防災ボランティア、事業所の自衛防災組織、広域ネットワークを有する各種団体、企業などとの協力を得るなど、状況に応じた応急対策を実施する体制を確立することとしているところでございます。 43 ◯総務部長(三橋一彦君)危機管理局の陣容の拡大・充実についてでございます。  危機管理局は、全庁的な危機管理体制の総合調整機能を担っておりまして、局長のもとに、防災や消防、原子力安全対策等を所管する二課一室を配置しているところであります。  同局の組織体制につきましては、これまでも所管業務の状況を踏まえた対応を講じてきておりまして、本年四月には防災対策監を配置し、大規模災害発生時における被災状況の情報収集や市町村等との連絡調整などを行う体制を強化したところであります。  また、この六月には、東日本大震災等を踏まえ、必要となる震災や原子力災害等への対策を盛り込んだ県地域防災計画の全面的な見直しのための体制整備を図る観点から、危機管理防災課内に防災企画班を配置し、必要な人員を配置したところであります。  県としては、さまざまな危機管理事象への適切な対応を図るため、今後とも必要な組織体制の確保に努めてまいりたいと考えております。 44 ◯保健福祉部長(西中須浩一君)二次被曝医療機関の状況についてでございます。  二次被曝医療施設に指定しております済生会川内病院におきましては、検査機器などの維持管理を行いますとともに、院内の対応マニュアルを作成し、それに基づき、放射線科医師を中心とした診療チームを整備しております。あわせまして、必要な研修を行い、資質の向上に努めております。  なお、受け入れ被曝患者数についての具体的な想定はしていないところであります。  一方、済生会川内病院の後方支援病院であります鹿児島大学病院におきましては、対応困難な患者を受け入れますほか、緊急時における人的支援を行うための体制整備を行っております。  東日本大震災におけるDMAT派遣についてでございます。  今回の本県DMATの出動につきましては、速やかに三医療機関に出動要請を行ったところであります。  なお、派遣に当たりましては、国との調整により、鹿児島市立病院は被災地域内における医療活動を行ったところであります。また、鹿児島市医師会病院と鹿児島徳洲会病院は、福岡空港の広域搬送拠点医療施設における後方医療支援を行ったところであります。両活動ともDMATの任務であり、高く評価できるものと認識しております。  DMATとの情報交換等の場の設定についてでございます。  県におきましては、昨年九月にDMAT指定病院会議を開催し、各指定病院から、派遣要請や研修、訓練のあり方などについて意見を聞いたところであります。さらに、今年度は、DMAT指定病院や災害医療拠点病院などの関係機関の実務担当者との会議を開催し、今回の東日本大震災における対応なども踏まえまして、DMATの効果的な派遣を行うための運用方針などに関する協議を行うことにしております。 45 ◯教育長(原田耕藏君)大震災を受けての命の大切さの教育及び避難訓練の実施状況についてでございます。  今回の大震災を受け、県教委におきましては、これまで以上の災害を想定した避難経路の確保と訓練を実施するよう緊急指導を行ったところであり、各学校では、津波発生時の避難場所や避難方法の見直し、地域と連携した新たな避難訓練の実施等、具体的な取り組みが進められております。  また、各学校では、児童生徒への過度の不安を与えないよう配慮した上で、児童生徒にみずからが生きていることの意味を考えさせる授業や、児童生徒が震災の災害状況等について調べ、被災地への支援のメッセージを作成する活動など、さまざまな取り組みが行われております。  今後とも、大震災から教訓を得つつ、子供たちに命の大切さを伝え、また、子供たちの命を守る教育に取り組んでまいりたいと考えております。 46 ◯大園清信君 保健福祉部長に一点お尋ねします。  済生会川内病院、そして鹿児島大学病院の被曝医療施設についての充実ということについては、私も川内のほうには行ってみたんですけれども、受け入れ可能な数等もはっきりしていないと。  そういう中で、やはり部長としてはこの施設の充実についてもう少し積極的な視点を持っておかれないと、もし災害が起きたときのそういった状況については、私は対応できないと思うんですけど、今の病院の現状が果たして本当に満足できるものなのかどうか、そこについて部長の見解をお伺いします。 47 ◯保健福祉部長(西中須浩一君)二次被曝医療機関の状況についてのお尋ねでございましたけれども、先ほども答弁いたしましたように、現在、二次被曝医療施設として済生会川内病院と後方支援病院の鹿児島大学病院を指定しております。  施設につきましては、済生会川内病院については必要な機器を配備していると思っておりますし、鹿児島大学病院は後方支援病院として今後どういう形で器材を準備していくかということにつきましては、先般策定いたしました新しい地域医療再生計画で、緊急被曝医療を含む災害医療体制の再生という形で国のほうに要請しております。  今後、関係機関と協議をする中で、器材の整備を含めまして検討してまいりたいというふうに考えております。    [大園清信君登壇] 48 ◯大園清信君 それぞれ御答弁いただきました。  災害時の危機管理体制は大変重要です。災害は天災であっても、その後の復旧、対策のおくれによる被害は人災です。災害対策は常日ごろから行い、訓練もいろいろな災害を想定して実のあるものにしてほしいと思います。  先般の新聞等で、千年に一回の今回の災害であると言われておりますけれども、私は、吉村昭氏の本を見るからには決してそういうものではなく、この二百年に起きた災害のその繰り返しであったと思っております。そういう意味では、ぜひいろいろな想定をしての訓練を行ってほしいと思います。  知事が創設された危機管理局は、防災や、いざ災害が起きた際には、知事の指揮命令系統を円滑にするための最大の局であります。ぜひ危機管理局については、今回の大震災を教訓としてなお一層の充実をお願いいたします。  また、今回の総合防災訓練の後に、私は救命救急士会の会員の皆さんと意見交換する機会がありました。その席上で聞かれた声は、訓練は、訓練のための訓練で、時間が来ると「はい、きょうはこれで終わり」。「参加したからにはもう少し時間をかけて真に迫った訓練をしたかった」、また、「その後の検証もなかった」と、余りいい話は聞かれませんでした。ぜひしっかりと訓練の検証をし、生かしていただきたいと思います。  また、今後、DMATの出動の必要性を理解してもらうためには、DMATの協議会を立ち上げ、協議会と、県の保健福祉部を初め、関係機関との情報交換も必要であると思っております。  次は、ドクターヘリ導入についてお伺いいたします。  ドクターヘリ導入については、県は、本年十二月を目途に、県内唯一の救命救急センターを備えた鹿児島市立病院をドクターヘリ受け入れ病院として、現在、準備を進めておられます。救急医療に携わる医師として長年の夢でもあり、また県議会に入っての目標でもあり、大変大きな期待を持っております。  現在、市立病院では、ドクターヘリ導入に向けてフライトドクター・ナースの研修、養成をされると聞いていますが、県内のフライトドクター・ナースの現状はどうなっているのか。  また、県内の救急医療は、他県のように一医療施設ですべての診療科を備えた医療施設がないことが本県の大きな課題でもあります。そのために、ドクターヘリで搬送される患者の疾患ごとの受け入れ医療機関でのネットワークづくりが急がれます。  現在、鹿児島市では、心臓疾患にはCCUネットワークがつくられており、曜日ごとに担当病院が決められています。そこで、脳卒中、腹部疾患、整形外科疾患ごとの二十四時間救急医療体制を早急につくり上げ、その体制のもと、ドクターヘリ搬送患者の受け入れ病院を指定することが大切であろうと思いますが、疾患別の二十四時間救急医療体制の早期構築の必要性について。さらに、本県におけるドクターヘリ搬送については、ドクターヘリの基地ヘリポートが拠点病院に遠く、その間の医療継続を行うためにはどうしてもドクターカーの運用が望まれます。市立病院でもドクターカーの運用を検討されていると言われておりますが、ドクターカー運用についての考え方をお示しください。  また、ドクターヘリ運航については、朝、溝辺空港から浜町ヘリポートにドクターヘリを移し、浜町に待機する方式がとられることが現状では最善の策と思います。  ところで、市立病院では、新築移転の際、屋上ヘリポートは整備されるとのことですが、ヘリ格納庫整備については不透明です。今後のヘリ格納庫整備について、県の考え方をお示しください。  次に、新地域医療再生計画についてお伺いします。  県は、国の交付金を活用した医療体制の充実を図る県地域医療再生計画をまとめ、厚労省に提出した旨のマスコミ報道がなされました。計画の内容は、大震災の発生を受け、緊急被曝医療体制の整備など、大災害に備えた施策案が主な柱となっています。  そこでお伺いしますが、交付金申請約二十四億四千万円のうち、川内原子力発電所災害時に放射能除染や被曝線量評価などを行う二次被曝医療機関に県が指定する済生会川内病院の設備充実や、後方支援を担う鹿児島大学病院に除染施設や放射線測定機器を整備するなど、原発関係の事業費をどれぐらい見込んでおられるのか。  次に、原発事業費以外の内容の中で、災害拠点病院へのヘリポート整備、僻地医療の充実、周産期医療設備の整備などを重点施策に挙げられていますが、現在の災害拠点病院の数とヘリポートが整備されている病院の数をお示しください。  また、種子島の現在のヘリポートについては、拠点病院から遠く、移転の声が強く上がっています。医療関係者からは、病院に近い榕城中学校跡地が適地との声が聞かれていますが、見解をお伺いいたします。  次は、臓器移植についてであります。  平成二十二年の改正臓器移植法施行により、臓器移植の普及・啓発は国及び地方自治体の義務となり、それにより地方自治体は、住民に広く臓器移植、臓器提供の知識、情報を伝え、理解を得る施策を実施するようになっています。これまで、臓器移植普及活動は日本移植者協議会を中心になされていますが、本県においても、鹿児島県移植の会が中心となって活動されています。  ところで、腎臓移植者と血液透析患者とのQOLや社会復帰、生存率等においては、移植者のほうが大きくまさっています。会員の中には、移植を受けてそれまでの闘病生活が一変し、新たな生活が始まった喜びを感じておられますが、その移植はほとんど県外でなされています。「どうして鹿児島ではもっと移植が進まないのか」、会員の皆様の疑問の声です。本年三月、移植の会の方々と勉強会をし、本県の現状について課題を聞く機会がありました。  そこでお伺いしますが、第一点は、本県における臓器移植は過去三年間についてどのような状況になっているのか。また、本県における臓器移植の中心的医療機関についてもお示しください。  第二点は、臓器移植で大変重要な役割を果たす都道府県コーディネーターは、臓器提供現場での対応のほか、提供施設への普及・啓発や体制整備が重要な職務となっています。本県において臓器移植が進まない大きな要因として、コーディネーターに課題があるとされています。また、コーディネーターの勤務体制が他県ではほとんど常勤で、本県は週三日のパートタイマーと聞いています。これでは、鹿児島県における提供施設の協力や県民の理解は進まず、臓器移植はふえないと思います。  このことに関して、県はどのような見解を持っておられるのか、今後どのように改善していかれるのかお示しください。  次は、県こども総合療育センターについてであります。  昨年六月一日、県内の障害を持つ子供たちの診断・治療・療育、そして相談の総合窓口として、県こども総合療育センターが開設されました。開設と同時に多くの利用者があり、診療まで五カ月待ちの状況であると聞いています。  まず、この一年間のセンターの活動状況と利用状況、また、設置から一年経過し、県はセンターの課題をどうとらえて、どのように改善していくこととしているのかお示しください。  私は、県こども総合療育センターの立ち上げから、この一年のセンターの運用状況を見守ってきました。しかし、利用者の皆さんや桜丘養護学校の保護者の皆様から、センターの多くの課題、センターへの要望もなされております。多くのセンター利用者に対応したり、地域療育支援施設などへの地域支援等の役割も多岐にわたり、現在の療育センターのスタッフでは無理があるとの声が聞かれます。  設置から一年が経過していますが、発達障害児等の診療や地域療育支援体制の構築に当たって、センターの果たすべき役割にかんがみ、スタッフ体制は十分であるのか。また、療育センターでは、障害を持つ子供たちが特殊な疾病構造を有している点で、特にスタッフにはその道の専門性が求められます。県立病院間同士で職員を異動するのとは事情が異なり、専門職の長期配置も必要となります。スタッフの長期配置について、県の考え方をお伺いします。  次に、同センターは、県立整肢園の廃止に伴って設置されたものです。整肢園廃止の際、県は、センター内の手術施設や入院ベッドは廃止するが、リハビリの充実については約束をされました。三月議会に青木議員から、肢体不自由児の診療、リハビリについての質問があり、部長が答弁されていますが、「部長の答弁は現状とはそぐわない」との声が聞こえてきています。私自身も、部長の答弁には少し無理があると思います。  現在、本県では、ほとんど肢体不自由児の手術は行われていませんし、リハビリも十分になされていません。また、センターと民間医療機関との役割分担もうまくなされていません。この現状を御理解いただき、今後、リハビリの充実を図るために、非常勤の小児整形外科医の確保、理学療法士の増員も図るべきと考えますが、見解をお伺いします。  最後に、センターと地域支援を効率的に実施するためには、二次圏域の構築が大切です。二次圏域の構築に重要な役割を果たすのが、地域療育支援事業者との間を取り持つコーディネーターではないかと思います。療育先進県においては、コーディネーターには県と市町村から予算惜置がしっかりなされていますが、本県においてはまだなされていません。療育センターの機能を有効に運営、活用するために、今後、コーディネーターへ予算措置もすべきと考えますが、見解をお伺いします。  次に、児童生徒の健康管理についてお伺いします。  学校現場において、児童生徒の健康や生命を守ることは何よりも大切なことです。しかし、時として学校現場における突然死や突発的事故も発生しております。そのため、教育委員会として、心臓検診を初めとした学校検診の充実を図り、成果を上げてこられています。  しかし、その状況の中、これまで突発的な事故を含めて、平成二十年、二十一年、二十二年度における学校現場や学校関係の諸行事等での死亡、重症事故の発生件数についてお示しください。  また、去る四月、地元中学校での入学式で生徒さんが気分不良を訴えたため、私は保健室で対応しました。その際、「血圧計、聴診器、パルスオキシメーターはありませんか」と尋ねると、ないとのことでした。現在、児童生徒の中には、ぜんそくを初めとしたアレルギー疾患や糖尿病の方もいると報告されています。  そこでお尋ねですが、現在の小学、中学、高校でのアレルギー疾患、糖尿病の現状について、さらに、学校現場での血圧計、パルスオキシメーターの配置状況はどのようになっているのか。今後はすべての学校現場にこれらは備えるべきものと考えますが、考え方をお伺いします。  最後に、養護教諭は、養成の課程で医学の基本的知識や手技は習得されていると思います。学校現場において健康管理や不慮の事態の対応は、医療がわかる養護教諭であろうと考えます。児童生徒の健康管理をさらに充実させ、緊急の際の対応には、養護教諭のスキルアップを図る必要があります。そのため今後どのように取り組んでいかれるか、御所見をお伺いいたします。  次は、栄養教諭の現状についてであります。  国民が生涯にわたって健全な心身を養い、豊かな人間性をはぐくむことができるために、食育を総合的、計画的に推進することを旨として平成十七年六月、食育基本法が制定されました。  豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を習得するには食育が何よりも大切で、「食育の上に知育、徳育、体育が形成される」とされています。食育とは、食に関する知識の習得であり、食を選択する力の習得、そして健全な食生活の実践です。  本県においては、伊藤知事が食育の大切さを理解され、栄養教諭を北海道に次いで多く配置されました。本県は全国に誇る食料基地であり、鹿児島の子供たちは地産地消をじかに体験できる環境にあります。そういう中での栄養教諭の役割は大きいと思いますが、先日、ある栄養士会の会で栄養教諭の姿が見えないとの意見がありました。  そこでお伺いしますが、県内の現在の栄養教諭の配置状況と栄養教諭の仕事内容について。そして、栄養教諭を配置して本県の児童生徒にどのような変化が見られたのか。さらに、栄養教諭のスキルアップのためにどのような研修がなされているのか、お示しください。  最後に、IHI跡地とマリンポートかごしまについてお伺いします。  鹿児島市七ツ島一号用地B区は、専用埠頭つきの百二十六・八ヘクタールの大規模用地で、県は、昭和四十九年に既に株式会社IHIに百三十億二千万円で売却しています。平成十四年三月にIHI九州事業所が操業停止後、ことしではや十年を迎えようとしています。  この間、県は、IHI跡地の活用に向けた取り組みもなされ、工業専用地域と指定されたこの用地については、他の民間企業への売却、賃貸の推進による有効活用を要請していると聞いています。しかし、なかなかIHI跡地の活用がなされません。県はこのことをどのようにとらえているのか。  今回の東日本大震災後、企業は、災害時における企業のリスク軽減を図るため、企業の分散化を図るとされています。そういう中、IHIへの企業立地についての申し入れはないのか、あわせて、今後どのような企業立地に向けた展開をされるのか、お示しください。  次に、マリンポートかごしまは、県民に鹿児島おこしの起爆剤となるのではないかとの大きな期待を持たれ、建設されました。しかし、今のマリンポートかごしまの活用策を見ると、本当に巨額を投じて建設してよかったのか疑問に思います。  私は過去の一般質問で、「県議会挙げてマリンポートかごしまの建設に賛成したのであれば、燃える桜島と対峙する島として、燃え上がるようなマリンポートかごしまでなければならない」と述べています。  また、マリンポートかごしまが神社の本殿であるならば、旧南港沿線の産業道路やマリンポートかごしまにかかる橋までのアクセス道路は参道であり、特に、旧南港付近の産業道路は表参道であります。しかし、旧南港付近の景観、環境整備は、鹿児島を訪れた観光客にどのように映るでしょうか。  県がマリンポートかごしまを、大型観光船の玄関口として観光客を迎え、そして県民の心の憩いの場所と考えるのであれば、マリンポートかごしまの活用策と周囲の環境についてはもっと前向きな取り組みが必要と思いますが、知事の見解をお伺いいたします。 49 ◯保健福祉部長(西中須浩一君)県福祉行政について、数点お尋ねがありました。  まず、ドクターヘリ関連でフライトドクター・ナースの状況についてでございます。  本県でのフライトドクター・ナース養成研修の受講修了者は、現在、鹿児島市立病院の医師一名と看護師四名であります。同病院では、ドクターヘリ運航開始に向け、救命救急センターの医師及び看護師の増員とあわせまして、養成研修の計画的な受講を進めているところであり、フライトドクター七名、ナース七名の体制で運航することにしております。  疾患ごとの受け入れ医療機関のネットワークについてでございます。  重篤な傷病者の救急医療は、鹿児島市立病院において二十四時間体制で対応しており、同病院で対応が困難な疾患等につきましては、鹿児島大学病院、鹿児島医療センター及び民間病院との協力体制のもとに三次救急医療が確保されております。  今後、医療、消防等の関係機関によって組織されますドクターヘリ運航調査委員会等におきまして、救急医療機関を中心とした、さらなる医療連携・協力体制を構築してまいりたいと考えております。  ドクターカーの運用についてでございます。  今回の暫定運航期間におけるヘリポートから鹿児島市立病院等までの患者搬送につきましては、ドクターヘリに搭乗して初期治療を行った医師と看護師が引き続き救急車両に同乗することとしており、必要な医療機能は継続されるものと考えております。  格納庫の整備についてでございます。  格納庫などの整備内容につきましては、病院の立地状況やヘリの運航形態等により異なるものと考えております。鹿児島市立病院の移転開院後の運航スキームにつきましては、出動要請を受けて、医師等が直ちに飛び立てる場所にヘリを配置するという国庫補助の要件を満たすよう、市に検討を依頼しているところであります。  次に、新地域医療再生計画についてでございます。  本県の地域医療再生計画につきましては、事業の緊急性、必要性等を勘案し、緊急被曝医療を含む災害医療体制の再生などの三つの課題を重点的に取り組むこととし、緊急被曝医療体制の整備につきましては、約九億九千万円の事業費を見込んで申請したところであります。  災害拠点病院につきましては、現在、十一カ所の病院を指定し、その搬送拠点となるヘリポートにつきましては、災害拠点病院からおおむね六キロメートル圏内に整備されております。今回の地域医療再生計画におきましては、必要に応じて、災害拠点病院等により近い場所に場外ヘリポートの整備を行うことにしております。
     災害拠点病院であります田上病院もその整備対象となっておりますが、ヘリポートの設置場所につきましては、医療機関や自治体などの関係者や地域住民の意見や要請を幅広く聴取しながら、決定されるものと考えております。  次に、臓器移植に関してお尋ねがありました。  まず、臓器移植の現状についてでございます。  本県における過去三年間の移植件数は、心停止下における腎臓三件、角膜十件のみとなっております。本県における脳死下での臓器提供施設は、鹿児島大学病院と鹿児島市立病院の二施設であり、また、臓器移植施設は、鹿児島大学病院と鹿児島徳洲会病院の二施設が腎臓に対応可能となっております。  臓器移植の課題についてでございます。  臓器提供につきましては、個人の死生観などにかかわりますことから、臓器移植に関する正しい情報を県民に提供し、理解を進めることが大事であると考えております。このため、県では、臓器提供意思表示カードなどの配布を行いますとともに、臓器移植の推進役となる県臓器移植コーディネーターを設置しております。このコーディネーターは、啓発活動を行いますとともに、臓器提供施設の訪問、医療従事者等との意見交換、患者・家族への説明等を行ってきております。あわせまして、県では、コーディネーターをサポートするため、県内の二十六の医療機関の医師等に院内移植コーディネーターを委嘱し、総合的に普及・啓発を図っております。  県といたしましては、今後とも、臓器移植コーディネーターの活動を促進しますとともに、あらゆる機会を通じて、臓器移植の意義等に関する啓発を患者団体、医療関係者等と連携して進めてまいりたいと考えております。  こども総合療育センターに関して、数点お尋ねがありました。  まず、こども総合療育センターの活動状況及び利用状況についてでございます。  平成二十二年四月開設後の一年間の利用状況につきましては、診察が初診六百九十八人、再診が延べ二千八百八十人の合計三千五百七十八人、療育指導が千八百七十九件、相談支援が千九百三十四件となっております。  また、地域支援活動につきましては、処遇検討会への参加等が百九回、巡回療育は二十六回となっております。さらに、地域の人材育成のための研修会を地域振興局・支庁単位で十四回開催したところであります。  センターにおける課題と今後の改善策についてでございます。  こども総合療育センターは、自閉症やアスペルガー症候群などの多様な障害を持つ児童やその保護者に利用していただいており、さまざまなニーズにこたえるため、多様な人材を配置して対応してきたところであります。現時点におきましては、医療や療育機関などとの機能分担、機能連携の構築、より専門性の高い療育指導を担う人材の育成・研修、利用者増への対応などが課題であるととらえております。  今後とも、利用者の動向等を踏まえ、関係機関とも連携・協議を進めながら、課題に対応してまいりたいと考えております。  センターにおけるスタッフ体制についてでございます。  こども総合療育センターには、小児発達専門医や臨床発達心理士などの専門スタッフを配置し、発達障害児等の診断や療育に対応いたしますとともに、地域の療育支援体制を構築するため、地域活動経験の豊富な保健師やケースワーカーなどを配置しているところであります。  利用者の増加への対応やきめ細やかな地域支援を行うため、これまでも逐次、臨時医師やケースワーカーの増員など体制の強化を図ってきたところであり、開設後一年間の状況を踏まえつつ、今後とも、受診状況やセンターに対する利用者のニーズなどを見ながら、対応していく必要があると考えております。  センタースタッフの長期配置についてでございます。  こども総合療育センターの心理士、理学療法士、作業療法士などのスタッフの配置期間につきましては、センターの専門性や特殊性を勘案して、必要な配慮をしてまいりたいと考えております。  肢体不自由児のリハビリ体制等の充実についてでございます。  こども総合療育センターにおきましては、小児整形外科医、理学療法士などの専門スタッフを配置し、肢体不自由児の診療や運動機能訓練などの維持リハビリを行っております。  肢体不自由児の療育につきましては、理学療法のほか作業療法や言語訓練等の対応も必要であり、今後とも、患者、保護者の動向やニーズなどを勘案しながら、対応してまいりたいと考えております。  コーディネーターへの予算措置についてでございます。  地域での療育支援体制を構築するためには、各地域において障害児に必要なサービスの調整等を行うコーディネーターの役割は大変重要であると考えております。このため、県では、障害児等療育支援事業を県内九カ所の社会福祉法人等に委託し、地域の障害児やその保護者への療育指導及び相談に対応しており、当該法人の療育専門職員がコーディネーターの役割を担っているところであり、当分の間は現体制でまいりたいと考えております。 50 ◯教育長(原田耕藏君)教育行政についてお答えいたします。  児童生徒の死亡、重症事故の発生件数についてでございますが、平成二十年度以降では、平成二十一年度に部活動の大会中に重症事故が一件、平成二十二年度に、授業中に天窓からの転落による重症事故が一件発生をいたしております。  児童生徒のアレルギー疾患等の現状についてでございますが、文部科学省が平成十九年四月に公表したアレルギー疾患に関する調査研究報告書によりますと、アレルギー疾患のうち、アレルギー性鼻炎を持つ児童生徒の本県での割合は、小学生一〇・七%、中学生一〇・九%、高校生七・三%となっております。また、ぜんそくにつきましては、小学生八・三%、中学生五・九%、高校生三・七%、アトピー性皮膚炎につきましては、小学生五・九%、中学生四・八%、高校生三・一%などとなっております。  なお、アレルギー疾患のうち、アドレナリン自己注射など緊急時の対応が必要な児童生徒は、県教委の調査で、平成二十二年十二月現在、小学生五人、中学生二人、高校生五人の合計十二人となっております。  糖尿病につきましては、県内の小・中学校のデータを取りまとめた資料はございませんが、県立学校につきましては、平成二十二年度の尿検査結果によりますと、十二人となっております。  学校における血圧計等の配置状況についてでございます。  学校の保健室の備品につきましては、国が示した実施基準におきまして、血圧計、体温計、ベッドなど、最低限備えることが適当である品目が規定されております。  学校における血圧計の配置状況は、県立学校で一〇〇%、市町村立学校で九三・五%となっております。  血中酸素濃度を図るパルスオキシメーターにつきましては、同基準には規定はございませんが、県立学校で二一・二%、このうち特別支援学校には八六・七%、市町村立学校では〇・五%の配置となっております。  保健室における備品につきましては、健康相談、救急処置等に対応できるよう、各学校がその実情に応じて、学校医とも相談しながら、適宜整備するよう指導してまいりたいと考えております。  養護教諭の研修についてでございます。  県教委では、養護教諭を対象に、疾病や障害のある児童生徒、生活習慣や心の問題を抱える児童生徒等に対応するため、新規採用時を初め、経験年数に応じた専門的な研修の場で資質の向上に取り組んでおります。  研修では、これらの児童生徒の健康管理や緊急の事態に対応できるよう、医師、臨床検査技師、救急法指導員などの専門家を講師として、心肺蘇生法、疾病の理解と応急処置、学校における救急処置に関する研修も実施いたしております。  児童生徒の健康課題は多様化、深刻化しておりまして、課題解決に向けた養護教諭の役割はますます重要となっておりますことから、今後とも、関係機関と連携しながら、養護教諭のスキルアップを図ってまいりたいと考えております。  栄養教諭の配置状況等についてでございます。  平成二十三年度は、小学校に百二名、中学校に五十六名、県立学校に十三名の合計百七十一名を配置いたしております。  主な職務内容といたしましては、食に関する指導と学校給食の管理であります。  食に関する指導といたしましては、年間指導計画の作成や教職員と連携した児童生徒への指導、食について配慮を必要とする児童生徒への個別的な指導などがございます。  学校給食の管理につきましては、旬の食材、地場産物、地域の郷土食などを活用した献立作成等による食文化の理解、栄養管理や食中毒防止に向けた衛生管理などがございます。  栄養教諭の配置の効果についてですが、栄養教諭は、担任教諭等と連携し、食に関する指導や給食指導及び家庭への啓発活動を行っております。中でも、小学校では、食事、運動、睡眠など生活リズムの大切さについて、中学校では、調和のとれた食事と適切な運動の大切さについて重点的に指導いたしております。  これらの指導を通して、児童生徒や家庭での食に関する関心が高まり、毎日朝食をとる子供がふえたり、残食や偏食が減るなど、食に関する正しい知識と望ましい食習慣が身につくことで、肥満や過度なダイエットの防止、基礎体力の向上につながっていくものと考えております。  栄養教諭の研修についてでございますが、栄養教諭は、栄養に関する専門性と教育に関する資質をあわせ持つ教育職員として、その専門性を発揮しながら、特に、学校給食を生きた教材として活用した、食に関する指導の充実に努めてきているところでございます。  県教委では、新規採用者研修や経験年数に応じて行うステップアップ研修、パワーアップ研修を通して、実践的な指導力と専門職としての資質の向上を図っておりますほか、文部科学省が主催する食育指導研修や食の安全講習会への派遣を行っております。また、各市町村が専門家等を招聘して実施いたします学校給食担当者研修や調理技術講習会などにも参加いたしまして、スキルアップに努めているところでございます。  今後とも、研修の機会の充実に努め、スキルアップを図ってまいりたいと考えております。 51 ◯商工労働水産部長(白橋大信君)IHI跡地の活用についてでございます。  IHI跡地は、全国的にも数少ない百ヘクタールを超える面積や大型船の専用バースを有するなど、すぐれた工業用地であり、雇用機会の確保や地域の活性化のためにも、企業立地による活用を進めることは重要であると考えております。  これまで、県では、IHI跡地について、新聞広告やパンフレット等に掲載するほか、企業訪問や企業立地懇話会などの際に積極的にPRに努めているところでございます。  東日本大震災の影響等により、企業のリスク分散の動き等が見られますが、これまでのところ、IHI跡地に企業からの立地希望等の申し入れはないところでございます。  IHI跡地につきましては、一括分譲に限定せず、一定のまとまった土地利用が見込まれる事業者の立地も考えており、今後とも、IHIとも連携し、東日本大震災に伴う企業のリスク分散の動きも見ながら、企業誘致に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 52 ◯土木部長(渡 正昭君)マリンポートかごしまの活用策と周辺の環境についてでございます。  マリンポートかごしまにつきましては、県民や観光客が憩い、海と触れ合える緑地空間として整備いたしますとともに、災害が発生した場合の対応空間等として活用することとしており、一期一工区の供用開始以来、ことし五月までに百二十五隻の観光船が寄港し、来園者数も二百五十万人を超えるなど、多くの県民や観光客に利用されております。  御指摘の旧南港から金属団地周辺につきましては、スクラップの取り扱いなどが、商業地や観光地としての景観にはそぐわない状況もあるものと認識をしております。  マリンポートかごしまは、錦江湾の資源を生かした観光の振興やアジアの時代の交流拠点の形成、鹿児島市の都市全体の発展を図る上で必要な施設であると考えており、その機能をより一層発揮させるため、周辺の環境対策も行いながら、引き続きその整備に取り組んでまいりたいと考えております。 53 ◯大園清信君 保健福祉部長に一点お伺いします。  臓器移植についてですね、今、鹿児島の現状では、コーディネーターの役割が問われている時期だと思うんですよね。そういう中で、先ほどの答弁を聞いても、なかなか、コーディネーターについての配置も含めて、どうにかしようという心意気が感じられていないんですよね。  ですから、保健福祉部長としましては、鹿児島がおくれているということを考えたら、この問題については、やはりコーディネーターでなければ臓器移植の推進も、また各医療施設との連携もできないわけですので、やはりそこはそことしてですね、私は考えるべきだと思うんですけれども、部長の考え方を再度お伺いします。 54 ◯保健福祉部長(西中須浩一君)先ほど臓器移植の課題について答弁いたしましたけれども、臓器移植の問題につきましては、このコーディネーターの役割というのは十分認識しております。  そういうことで、先ほど議員の質問の中にもありましたように、週に三日程度という話も十分認識しておりまして、今現在、県の医師会とか、それから臓器提供の医療機関の鹿大の先生方、そういう方々と、今後どういう体制でやっていけばいいのかというのを内々議論をしているところでございます。    [大園清信君登壇] 55 ◯大園清信君 それぞれ御答弁をいただきました。  できればですね、マリンポートかごしまあるいは周辺環境整備については、知事のお気持ちをお伺いしたかったところですけれども、恐らく知事の気持ちは土木部長と同じだと思っております。  私も議員になって十年、この問題については委員会等を含めて言ってきました。そして、今度の産業道路沿線には植樹もされておりますけれども、私は、頭隠してしり隠さずという言葉はありますけれども、しり隠して頭隠さずの反対はちょっとおかしいのかなと。やっぱり抜本的にここの問題をもう少し、本当に大型観光船から含めて多くの外国人、そしてまた日本の観光客が往来する大通りでありますし、そういった面についてはやはりもう、やりますとかそういうんじゃなくして、いついつまでにやるというようなしっかりした計画をつくらなければ、皆さんがいつも「観光かごしま」と言うような、この言葉は鹿児島には私は当てはまらないと。そして、まして桜島をバックとしたウォーターフロントの計画を含めて、錦江湾の活用についても、もう少し全庁挙げての思いも持っていただかないと。ただ言葉だけで言われても、現実は全然改善されていないということを見ると大変寂しい思いもいたします。  また、ドクターヘリ導入については、十二月を考えると日程的に大変きつい作業であろうと思います。市立病院に対しては、県としてぜひ全面的なバックアップをしていただき、ドクターヘリを鹿児島上空で安全に運航し、救急医療を本当に底上げしていただくように願うものであります。  また、ドクターカーも救急車とは全然違うわけですので、救急車に医者や看護師が乗るのと違う、ドクターカーにはドクターカーなりのすばらしい整備がなされているわけですので、そういったことも含めて、市立病院がされるんであったら、県のほうも少しバックアップするぐらいの思いをしていただき、伊藤知事が言われている医療、福祉、環境をぜひこの一年の間に整備していただきたいと思っております。  また、新地域医療再生計画については、原発関係事業費は約九億円ということで、私、安心しましたけれども、やはりこういう鹿児島の地域的なおくれもあって、どうしても地域医療もよくしなきゃならないと。そういう中で、もし余力があれば、種子島の産科医療については、施設の老朽化、助産師不足もあわせて大変危機的な状況にありますので、検討方をよろしくお願いしたいと思っております。  そしてまた、助産師についても、今、産婦人科医の不足の中で、産前、出産、産後のすべてにかかわっているわけですので、助産師会もいろいろな要望等を県にされていると思います。助産師会も自助努力もしますけれども、県ができるバックアップもぜひ考慮していただきたいと思います。  また、きょうは大変部長も災難の日かと思いますけれども、臓器移植についてはいろいろ課題も多いと思います。しかし、私は、本当に医療の底上げという中では、臓器移植を行うためにはコーディネーター、そういったものが大事だろうと思っております。  また、県こども総合療育センターにつきましては、現在、議会で取り組んでおります政策立案推進検討委員会では今後、検討され、九月末を目途に提言がなされるものと思っております。それまでいろいろ我々もお願いもすることでありますけれども、やはり整肢園を閉鎖するときの状況をもう一回思い出していただき、リハビリの姿、そして本当に最終的に、障害を持つ子供たちがこのセンターに大きな期待をしているわけですので、どうか前向きに取り組んでいただきたいと思います。  いろいろお願いもしましたけれども、我々も一生懸命勉強する中で、県民の皆さんが本当に何が幸せなのか、それも踏まえて我々もいろいろな課題に取り組んでいきたいと思います。財政的なものは大変厳しい中で、できるもの、できないものもあろうかと思いますけど、優先順位を決めてよろしくお願いしたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) 56 ◯副議長(池畑憲一君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 57    △ 日程報告 ◯副議長(池畑憲一君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問及び議案の委員会付託であります。       ───────────── 58    △ 散  会 ◯副議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十六分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...