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  1. 鹿児島県議会 2011-06-24
    2011-06-24 平成23年第2回定例会(第4日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(金子万寿夫君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    柴 立 鉄 彦 君    田 中 良 二 君    柚 木 茂 樹 君    永 井 章 義 君  一、特別委員会の設置及び特別委員の選任  一、請願・陳情の委員会付託  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(金子万寿夫君)まず、一般質問であります。
     通告に従って、順次発言を許可いたします。  柴立鉄彦君に発言を許可いたします。    [柴立鉄彦君登壇](拍手) 3 ◯柴立鉄彦君 おはようございます。  昨年度は、一年間おかげさまで副議長をさせていただきました。御指導に感謝申し上げますとともに、そのため久しぶりの本会議登壇となりました。どうぞよろしくお願いをいたします。  まず、観光行政についてであります。  観光の振興を図ることは、二次産業の乏しい本県にとって大きな重要課題であります。伊藤知事も、観光の振興が本県の振興につながるとよく言われます。私も全く同感であります。なぜなら、県外や国外から多くの観光客が本県を訪れることは、単に宿泊するホテルや旅館が潤うだけでなく、宿泊先に到着するまでにさまざまな交通機関があり、エージェントがあり、そしてまた本県での豊富な食材を生かした食があり、そのほか、県産品を加工した多くの土産品や温泉施設の利用など、いろいろな分野に多くの消費が生まれる経済効果のまことに大きい総合産業であるからであります。また、消費が拡大することで新たな雇用も生まれてきます。  九州新幹線が全線開業した今こそ、鹿児島が大きく飛躍発展する絶好の機会であり、この機会をとらえて、今後さらなる鹿児島の発展に向けて事業を展開していかなければなりません。  これまでの質疑と一部重複するかもしれませんが、私なりの提案も含めて、以下質問してまいります。  まず、第二十八回全国都市緑化かごしまフェア―花かごしま二〇一一―について伺います。  この「花かごしま二〇一一」は、本年三月十八日から五月二十二日までの六十六日間、県立吉野公園をメイン会場、鹿児島ふれあいスポーツランドをサブ会場として開催されました。折しも東日本大震災の直後であり、当初の出だしの状況から、入場者減になるのではと大変心配されました。しかし、結果的には、目標の八十万人を上回る九十六万人の入場者があり、イベントとしては成功だったと私は評価したいと思います。  実は、この「花かごしま二〇一一」開催に向けましては、私がこの県議会本会議で最初に開催をお願いいたしましたので、この機会にこれまでの経緯を少し述べてみたいと思います。  私がまず最初に取り上げましたのは、今から八年前の平成十五年三月六日の本会議の一般質問でありました。すなわち、「都市緑化フェアは、昭和五十八年―一九八三年―、大阪府の服部緑地を第一回として、本年―その年は平成十五年でありますが―第二十回大会は大分県で開催されますが、平成十六年は静岡、平成十七年は福岡で開催されることが決定している。ぜひ平成十八年以降の本県開催に向けて名乗りを上げるべきではないかと思うが、どうか」といった質問でありました。  当時は須賀知事のときでありましたが、この私の質問に対して当時の直江土木部長は、「大会規模が大きいことや、開催場所や費用の確保、交通アクセス、宿泊施設など検討すべき課題が多いと考えており、県としては、大分などの事例を踏まえて、総合的な見地から研究する必要があると考えている」との答弁でありました。この答弁から私なりに、都市緑化フェアの本県での実現に向けてはかなり厳しいと感じ、実現まで何回もお願いをし、質問していこうとそのとき強く思った次第であります。  次の二回目の質問は、それから二年後の平成十七年九月二十八日でしたが、ちょうど伊藤知事御就任二年目の年であります。  平成十五年三月六日本会議での質問と同趣旨の質問に加えて、そのとき私は初めて、平成二十三年予定の新幹線開通記念行事として検討していただきたいとただしたところでありましたが、当時の加藤土木部長の御答弁は、大分は既に終わっていたにもかかわらず、前回の直江土木部長の御答弁と残念ながらほぼ一緒でありました。  その後、約半年経過した二〇〇六年―平成十八年―二月二十四日の我が党の代表質問に伊藤知事が答弁され、初めて、「都市緑化フェアの開催については、開催場所や財源の確保など解決すべき課題もありますが、平成二十三年の新幹線全線開業に合わせた開催に向けて検討を進めてまいりたいと考えている」との答弁をされたのであります。  私が「都市緑化フェア開催を本県で」と本会議で初めて取り上げてから三年後の平成十八年二月、ようやく実現に向けて動き出したことで、私は、同じ県議会定例会の三月一日の本会議で質問する前にこの場で、「知事、前向きな御答弁ありがとうございました。大変うれしく受け取りました」と述べたことが今でも昨日のことのように思い出されます。  その後、二〇〇九年―平成二十一年―六月二十五日の本会議質問で、私は、かごしまフェア開催に向けての知事の決意を伺いました。知事は御答弁の中で、「鹿児島を訪れる多くの方々が、メイン・サブ会場はもとより県内各地の協賛会場にも訪れ、花と緑の名所や観光地を満喫していただくとともに、『本物。鹿児島県』の魅力をアピールする絶好の機会にしていただきたいと考えており、県民と一体となって、鹿児島らしいフェアの成功に向けて全力で取り組んでいきたい」と決意を表明されました。  そして本年、平成二十三年五月二十二日、九十六万人の来場者があり、成功のうちに無事終了いたしました。私が本会議で初めて取り上げてから、八年後でありました。  そこで、知事にお伺いいたします。  まず、今回の「花かごしま二〇一一」を総括して、知事はどのようにこの大会を評価されているのか、御自身の思いも含めてお伺いいたします。  二点目、私は、今後も新幹線全線開業効果を維持・拡大させることが本県にとって大変重要だと考えています。地域の活性化を図る上でも、「花かごしま二〇一一」のようなイベントを継続的に実施すべきだと思います。そこで、成功裏に終了した「花かごしま二〇一一」の開催を機に、規模を小さくしてでも、メモリアルイベントとして来年以降もミニ花博として取り組む考え方はできないものか、お伺いいたします。  また、その他のイベント開催について、助成なども含めて、今後の取り組み方についてもあわせてお伺いいたします。  次に、今後の本県の観光動向についてであります。  九州新幹線全線開業は、直前の東日本大震災の影響を受けて、本県への観光客の客足が予想以上に鈍るなど大変心配される状況でありました。しかし、四月中旬ごろから五月の大型連休へかけて、客足も徐々に持ち直しているとのことであります。JR指宿枕崎線の「指宿のたまて箱」号の乗車率を見ても、新幹線効果が出ているようであります。  私自身、中央駅西口の武町に住んでおりますので、機会があるとよく中央駅に出かけて、新幹線の利用客の動向を見るようにしています。最近は九州以外からの熟年のツアー客が多く見られるようになりました。  そこで、県として今後の本県観光の動向をどのように見込まれておられるのか、お伺いいたします。  次に、本県の観光振興策としての助成についてお伺いいたします。  過日、私は京都の観光地を調査にまいりました。一つは、親鸞聖人生誕七百五十周年の西本願寺への全国各地からの門徒の方々による参拝の状況とにぎわい状況、地元の受け入れ対応、もう一つは、京都を訪れる修学旅行生の状況を目で見て知ることでありました。いずれも私にとりましては大変な人数だと感じましたが、タクシーの運転手さんによりますと、これでも東日本大震災の影響を受けて通常より少ないとのことで、驚いてしまいました。さすがに、年間五千万人の観光客が訪れる京都ならではと感じた次第であります。  その中で、修学旅行で栃木県から来ている中学校の先生と話す機会がありました。伺いますと、例年は東北地方に行くのが、ことしは震災の影響で関西に変更したとのことでありました。  本県は、新幹線開業もあり、本県への修学旅行が増加しているとも聞いています。また、関西から関東・東北方面への修学旅行を西日本方面に変更しているとも聞いていますが、本県として実態をどのように把握されているのか、お伺いいたします。  また、長崎県は、修学旅行の団体に対して一部助成を企画しているとも聞いておりますが、本県としても、さらなる受け入れ促進のための県内対策として、例えば、大量移動手段としての県内バス事業者等への助成は考えられないものか、お伺いいたします。  次に、高速道路を利用して本県に入ってくる県外からの貸し切りバスへの助成についてであります。  私は、後援会活動の一つとして、地元の後援会の方々と貸し切りバスで年一回、名所めぐりを実施しています。その中で頭の痛いのが、バスの高速道路通行料が高いことです。  本年、本県は、観光振興の一つとして大隅地域への観光振興策として、レンタカー利用者に対して、一定の条件を付してレンタカー料金を一部助成する制度を創設いたしました。また、鹿児島空港を利用した海外への本県からの団体客にも、一定の条件を付した助成制度があります。ならば、本県の観光振興策として、さきの修学旅行生を対象とした制度を考えるとともに、本県へバスで来る一般の団体客をふやすために、他県から本県へ貸し切りバスで来られるツアー客への助成として、例えば、「三万円を上限として高速道路の料金は県が負担します」との制度は考えられないものでしょうか。  六月二十日以降、高速道路の無料化実証実験廃止などがある中で、本県にとって県外から多くの貸し切りバスを受け入れることは、観光業界にとっても、本県の旅行業者の育成のためにも、誘客対策として思い切った事業をやる必要があると思うのであります。人が集まると消費が拡大いたします。他県に先駆けて観光かごしまの意気込みを見せる必要があると思います。このような私の考え方についてどのように思われるか、お伺いいたします。  次に、魅力ある観光地づくり事業についてお伺いいたします。  魅力ある観光地づくり事業は、新幹線全線開業後も県内の受け入れ体制の整備を進める上で重要な事業であると考えます。折しも去る六月十三日付で、「知らなかったかごしまを発見!」というサブタイトルのついた鹿児島観光ガイドブック「ディスカバーカゴシマトラベル」を配布していただきました。「きっかけは九州新幹線」という目次で、県下四十三市町村のおすすめ観光ガイドや、日ごろから知事が提唱されているスローライフの楽しみ方まで、「何もないようですべてがある鹿児島」の魅力がこの一冊に詰まっていて、これまで観光地として認知度が低かった地域についても広くPRできるガイドブックではないかと思いました。そして、今後、このガイドブックの中身が広く観光業者も含めて多くの観光客に認知されることで、これからの本県の観光振興に結びつけばと思った次第であります。  そこで、今後の魅力ある観光地づくりについて、ソフト・ハードの面からどのように展開されていくおつもりなのか、お伺いいたします。  また、今まで余り認知されていなかった大隅地域における事業をどのように進めていかれるのか、あわせてお伺いいたします。  次に、上海・鹿児島路線の増便に向けての取り組みについてであります。  本県の観光振興策としては、外国との交流を図ることもまた大変重要なことであります。先ほど述べました京都のタクシー運転手さんの「それでも観光客が少なくなっている」という言葉からも、外国人の観光客が東北大震災と福島原発によって少なくなったことも大きな要因であると伺いました。  このような中で、本県と上海との路線がこれまでの週二便体制から週四便体制に充実されることとなったのは、本県の観光振興の上でも実にうれしいことであります。当初は、去る三月末からの予定であったということでありますが、大震災発生により、今回、八月一日から週四便化運航が実施されると伺いました。  そこでお伺いいたします。  まず、第一点として、この運航により利便性が高まるとともに、提供座席が従来の二倍になるとのことであります。週四便運航を定着させるためには搭乗率の確保が重要でありますが、その見通しと県の取り組みについてお伺いいたします。  次に、二点目として、訪日中国人、いわゆる上海を中心とした中国人のインバウンド向上に向けての取り組みについてであります。  昨年大きな伸びが見られた中国からの訪日観光客は、東京、大阪、京都などのいわゆるゴールデンルートに集中しています。今後、本県への中国人観光客の集客を図る上で、今回の上海路線四便化は大きな契機になると考えます。  そこで、上海を中心とした中国からのインバウンド向上に向けてどのように取り組んでいくお考えか、お伺いいたします。  第三点として、民間の国際交流の促進についてであります。  私はことし二月、香港で行われました旧正月の香港ニューイヤーナイトパレードに行ってまいりました。きっかけは昨年七月、鹿児島市で毎年開催されている「おぎおんさあ」の女みこしを見た香港政庁の方が、毎年旧正月に開催されている香港最大のお祭り、ニューイヤーナイトパレードに日本を代表して鹿児島から女みこしとして参加してほしいとの依頼があったからであります。  その要望にこたえる形で、鹿児島から五十名の女性が女みこしとして参加し、香港の女子大学生五十名、合計百名の女みこしがパレードに参加いたしました。この女みこし参加をきっかけとし、鹿児島の特産品も販売し、本県の積極的な民間の交流をPRしたところであります。  このような民間での交流をさらに進めることで本県の国際交流活動を拡大することが、観光振興にも結びついていくと思うのであります。  そこで、本県の民間交流の取り組みについて今後どのように考えておられるのか、お伺いいたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 4 ◯知事(伊藤祐一郎君)「花かごしま二〇一一」の総括についてのお尋ねがございました。  かごしまフェアは、九州新幹線全線開業に合わせまして、去る三月十八日から五月二十二日までの六十六日間、吉野公園をメイン会場、鹿児島ふれあいスポーツランドをサブ会場とし、また、県内各地に協賛会場等を設けて全県的に開催したところであります。  期間中、約九百種類、百十万株の花と緑で彩り鮮やかに修景した両会場には、当初の目標を大きく上回る約九十六万人の方々が来場され、鹿児島らしさやおもてなしの心にあふれた、すばらしいフェアであったという評価をいただくなど、「本物。鹿児島県」の多彩な魅力の情報発信につながったものと考えております。  これも、県議会の皆様方を初め、ボランティアの方々や出展・協賛をいただいた企業・団体など、多くの方々の御支援、御協力のたまものでありまして、心から感謝を申し上げます。  花と緑は、日常生活に安らぎと潤いをもたらしますとともに、美しい景観の創造や地球温暖化の緩和など、さまざまな効用がありますので、私たちは、花と緑の持つ役割を認識し、一人一人が身近なところから緑化活動を展開していくことが必要であると考えております。  このフェアを契機といたしまして、県民の緑化意識の向上や緑化知識の普及などが図られ、県民協働の輪が広がり、花と緑に包まれた個性的で魅力あふれるまちづくりの取り組みが促進されることを期待しているところであります。 5 ◯土木部長(渡 正昭君)「花かごしま二〇一一」のメモリアルイベントについてでございます。  かごしまフェア後のイベントにつきましては、吉野公園において、フェアに参加された方々を中心にボランティア組織が来月一日に立ち上がる予定であり、今後、県民の緑化意識の向上や緑化知識の普及につながるガーデニングやハンギングバスケットなどの教室を、指定管理者と連携し、既存のイベントとあわせて実施することとしております。  また、他の県立公園やフェア協賛会場等におきましても、県民の方々や管理者等と協働で、県民の緑化意識の向上などが図れるような各種イベントの開催について検討してまいりたいと考えております。 6 ◯企画部長(六反省一君)イベントへの取り組みについてでございます。  イベントの開催につきましては、財団法人鹿児島観光コンベンション協会が窓口となって、観光パンフレット等の提供や大会準備資金の貸し付け等の支援が行われております。  また、県におきましても、全国大会等が開催される場合、その規模や目的、公益性などを勘案し、必要に応じて、所管部局において大会運営費の助成等を行っております。  さらに、今年度は、新幹線全線開業効果の拡大・波及を図りますために、全国から九州新幹線などを利用して多くの誘客が見込まれるイベントに対して、開催経費の助成を行っているところでございます。  イベントの開催は、観光の振興や地域の活性化につながりますとともに、全国に誇れる「本物。鹿児島県」の多彩な魅力を国内外に情報発信する絶好の機会にもなると考えておりまして、今後とも、全線開業効果の維持・拡大の観点からも、さまざまなイベントが県内で開催されるよう取り組んでまいりたいと考えております。  上海・鹿児島路線の増便についてでございます。  鹿児島・上海線につきましては、八月一日から増便されることとなり、水曜日、土曜日の週二便体制から、月曜日、金曜日を加えました週四便体制となります。増便により、平日の二泊三日や週末旅行等での利用が可能となり、利便性が格段に高まりますほか、九州新幹線全線開業により時間的距離が大幅に縮まりました福岡空港との組み合わせなど、上海周辺からの観光客を誘致しやすい環境が整うこととなります。  県といたしましては、この週四便体制が維持されますよう、今年度大幅に拡充いたしました鹿児島空港国際化促進事業予算を活用し、新たに、中国東方航空への増便に対する運航支援を行いますとともに、テレビCM放映や新聞広告等による、県民を含めた南九州域内利用者への広報宣伝、中国で新たに発刊されることとなった九州観光旅行雑誌を活用した鹿児島の認知度向上など、イン、アウト双方からの利用増に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 7 ◯観光交流局長(福壽 浩君)本県観光の動向見込みについてでございます。  東日本大震災の発生によりまして、本県におきましても宿泊キャンセルが相次ぎまして、三月の観光客の入り込みは、前年比二五%減と大きく落ち込んだところでございます。  県の観光動向調査によりますと、四月からは、関西・中国方面や北部九州からの個人旅行による宿泊客が増加するなど、徐々に持ち直してきているところでございます。五月につきましては、集計中でございますけれども、ゴールデンウイーク期間中に満室の宿泊施設が見られるなど、鹿児島地区、指宿地区を中心に前年実績を上回り、県全体では十五カ月ぶりに対前年比プラスとなる見通しでございます。  今後、夏場に向けまして、高速道路割引制度の廃止による本県へのマイカー客の入り込み減が懸念されます一方、新幹線開業効果や企業等の長期休暇取得への動きによりまして誘客が期待されますところから、JRとの「九州新幹線で行こう!キャンペーン」、あるいは「かごしま夏のもう一泊得々キャンペーン」を展開するなど、引き続き本県への誘客対策を強化してまいりたいと考えております。  本県への修学旅行についてでございます。  県教育旅行受入協議会によりますと、平成二十二年の本県への教育旅行の延べ宿泊者数は、十二年ぶりに七万人を超えまして約七万七千五百人となり、対前年比で一七%の増加となっております。  三月に九州新幹線が全線開業いたしましたことから、早速新幹線を利用して四国からの教育旅行が実施され、また、カンパチの養殖体験が好評の垂水市では、昨年度の三校に対しまして、今年度は十一校を受け入れ予定となるなど、増加が期待されるところでございます。  今年度の特殊要因といたしまして、お話にありましたように、東日本大震災の影響によりまして、関西方面の学校を中心に、関東・東北方面への修学旅行を九州方面へ変更する動きがございまして、その大半は長崎県に流れております。同県に比べまして本県の場合は、博多駅から引き続き新幹線を利用すると費用がかさむこと、福岡からバスを利用すると、限られた日程の中、時間を有効利用できないといったことが課題であると考えております。  修学旅行へのバス助成についてでございます。  観光かごしま大キャンペーン推進協議会におきましては、平成二十一年度から、本県への観光客が少なくなりますいわゆるオフ期対策として、県内貸し切りバス県内宿泊施設利用団体企画旅行商品の造成を促進することを目的に、県内バス事業者への一部助成を行ってきております。  教育旅行に係るバス利用につきましては、当該助成制度の対象となっていないこと、また、県外バス利用の旅行の取り扱いなどの課題もございますけれども、他県の最近の誘致動向も踏まえまして、県教育旅行受入対策協議会等の関係者とともに、教育旅行の本県への受け入れ促進のための施策のあり方を検討しているところでございます。  高速道を利用する県外からの貸し切りバスへの助成についての御提言でございますが、貸し切りバスの高速道路料金の一部を県が負担するという形での助成は、高速道路を利用する他の交通機関との関係などの面から、困難な面があると考えております。  魅力ある観光地づくり事業の今後の展開についてでございます。  魅力ある観光地づくり事業につきましては、これまで、NHK大河ドラマ「篤姫」ゆかりの地であります指宿市今泉地区の修景整備や、昨年放送されました「龍馬伝」で話題となった霧島市塩浸温泉の園地整備、出水市の薩摩街道景観整備など、地域が持つ歴史や文化に着目した観光地づくりを進めますとともに、観光ボランティアガイドの育成などソフト面での充実とあわせて、その魅力がさらに高まるような取り組みを進めてきたところでございます。  また、夕日や景観がすばらしい魅力ある観光周遊ルートの形成を目指しまして、錦江湾しおかぜ街道や薩摩サンセットライン等におきまして、展望施設などの整備を行ってきたところでございます。  今後とも、「かごしまよかとこ百選」の選定箇所における整備や「かごしまよかとこ博覧会」で発掘いたしました着地型観光メニューの活用・周知を図りながら、ソフト・ハードの両面から魅力ある観光地づくりに取り組んでまいりたいと考えております。  大隅地域の今後の観光事業の展開についてでございます。  大隅地域におきましては、これまで、充実した運動施設等を活用したスポーツ合宿の誘致や、地域資源を生かした観光メニューづくりなどを実施してきておりますが、同地域の観光地としての認知度はいまだ低い状況にあると考えております。  このようなことから、今年度は、魅力ある観光地づくり事業におきまして、新たに、大隅の広域観光ルートとして「大隅まるごと体験ライン」を設定し、重点的に整備を進めますほか、大隅地域の魅力を盛り込んだ、仮称でございますけれども、「おおすみ新観光百選」を作成し、広く県内外に情報発信することとしております。  また、大隅地域までのアクセスにつきましても、鹿児島中央―鹿屋直行バスの実証運行や山川・根占航路の再開に加え、今年度はレンタカー無料プラン事業を実施しているところでございます。  今後とも、地元市町や観光関係者との連携を図りながら、大隅地域の魅力を高める事業を展開いたしますとともに、同地域の認知度の向上や誘客の促進を図ってまいりたいと考えております。  上海を中心とした中国からの誘客についてでございます。  中国からのインバウンド向上対策といたしましては、これまで、中国語の九州観光旅行雑誌「南国風」創刊の協力や中国人旅行ブロガーなどの招聘、上海や北京でのセールス活動、商談会などの実施により、東日本大震災による風評被害の払拭対策とともに、本県の豊かな自然や温泉、食などの魅力をPRしてきたところでございます。  七月の中旬には、上海路線週四便化のPRとあわせまして、上海及び周辺エリアで本県観光関係者によりますセールスを計画しておりまして、上海から鹿児島空港に入り、九州内を新幹線で移動した後、福岡空港から帰国する鹿児島イン・福岡アウトの行程や、七月からマルチビザが取得可能となる沖縄と組み合わせた行程など、新しい流れを形成するルートの提示などによりまして、上海路線増便を契機とした中国からのさらなる誘客を図りたいと考えております。  民間国際交流の促進についてでございます。  本年二月に香港で開催されました旧正月ナイトパレードには、本県から、「おぎおんさあ」女みこしの皆様が香港の女子学生とともに参加し、香港のメディア等の好評を博しますとともに、同時期に開催いたしました鹿児島フェアにも参加し、本県のPR活動に一役買っていただいたところでございます。さらに、このパレード参加が契機となりまして、本年七月の鹿児島での「おぎおんさあ」に香港の学生が参加することとなりました。  香港との間では、このほか、香港かごしまクラブの関係者のおはら祭への参加や、南大隅町のチームの香港国際ドラゴンボートレースへの参加など、さまざまな民間交流が行われております。  このような人と人、地域と地域の友好関係を基盤とした民間交流を通じまして、本県の魅力の情報発信が行われますことは、観光交流の拡大にも大いに資するものでありまして、今後とも、県国際交流協会などと連携して、こうした民間によります国際交流の取り組みを促進してまいりたいと考えております。
       [柴立鉄彦君登壇] 8 ◯柴立鉄彦君 いろいろ御答弁をいただきました。  「花かごしま二〇一一」に対する知事の思いも聞かせていただきました。新幹線全線開業を機に、本県として観光振興にかける思いは伝わってまいりました。  今回の「花かごしま二〇一一」に私自身は都合五回出かけました。その中で感じたことは、鹿児島県民は本当に花が好きであるということであります。花博のメモリアルイベントとしての県の姿勢については、残念ながら私が納得できる答弁ではありませんでした。しかし、花好きな鹿児島県民のためにも、せっかくの「花かごしま二〇一一」のミニ版を今後ぜひ続けていただきたいと、これからも要望してまいりたいと思います。  そのほか、多くのイベント開催に向けても、今後の県当局としての御努力もお願いしておきます。  私が提案した県外からの貸し切りバスの団体客への高速料金の一部補助・助成は、初めて提案したことでもあり、すぐ実行につながらないことは重々承知いたしております。しかし、もし本県が全国に先駆けて実施するとなると、他県より割安な鹿児島に行きましょうと乗り出してくるエージェントも多くなると思いますし、地元のエージェントも鹿児島を売り込みやすくなるのではないでしょうか。団体客は消費額が違うのであります。前向きな考え方を今後、期待するものであります。  また、最近、広島からマイカーで南九州観光に来られた御夫妻の話を披露しておきます。  熊本、宮崎では有名な観光地への道案内がわかりやすく、道に迷うことはなかったが、鹿児島ではとてもわかりにくかった。特に、ぜひ行きたかった知覧の特攻基地への案内板が少なく、大変苦労したとのことであります。  知覧は、全国でも有名な特攻基地があったところで、全国から本県を訪れる方はぜひ訪問したいスポットの一つであります。にもかかわらず、今でもこのようなお話があるというのは全く残念であります。恐らく鹿児島市内の案内看板ではないかと思いますが、もう一度、再点検をしていただき、設置するところを県外観光客の目線に沿って、対策をとっていただくように要望しておきたいと思います。  次の質問に入ります。  東日本大震災に関連して、二点お伺いいたします。  まず、水道施設の耐震化についてであります。  御承知のように、水道施設は、ライフラインとして私たちが生活していく上で必要かつ重要な施設であります。私たちは日ごろ水道の蛇口をひねると水が出る。当たり前のことであり、日常そのライフラインの維持のありがたさを余り意識していないところがあります。  しかし、今回の東日本大震災における被災地の状況を見ますと、各市町村の水道施設は大津波と大地震により壊滅的被害を受けました。現在でも復旧のめどが立っていない状況も各地域で見られると伺っています。  被災された方々にとって早速一番困るのが水であり、水の確保のために本県からも厳しい環境の中で応急給水の支援で駆けつけ、現地の方々に感謝されたと伺いました。  大地震や水害などの災害が発生しますと、必ずといっていいほど被害を受けるのは水道施設であり、災害の規模によっては長期間被災者の方に不自由をかけることになります。ですから、今こそ地震や災害に強い水道施設が必要とされると思います。  そこで、本県の水道施設の現況を伺いますと、大部分は、昭和三十年代から四十年代にかけて市町村が上水道事業、簡易水道事業として構築し、拡張された水道施設であるとのことです。特に、水道管路施設は法的耐用年数の四十年を超え、既に老朽化が進んでおり、更新の時期に来ていると伺いました。今後は、水道の管路施設の更新と同時に耐震化を進めていく必要があると思います。  水道管に耐震化が本当にできるのかとお思いの方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。技術の進歩した現在は、立派にそれができるのです。しかしながら、現在でも水道施設の大部分を占める水道管路施設の耐震化は、地方に行くほど遅々として進んでいないと聞いています。  水道管路施設の耐震化については、導水管、送水管、配水管に至るまで耐震化を図る必要があります。現在、使われている耐震用鋳鉄管などは、阪神・淡路大震災や今回の東日本大震災においても、地震の縦揺れ、横揺れでも対応可能ということで、破損や継手部の抜けなどがなかったと伺っています。  ですから、今後、水道施設の大部分を占める水道管路施設の更新、耐震化に際しては、水道施設の長寿命化計画、減価償却など、利用する住民の負担軽減を図ることなどを考慮しながらも、先行投資もしっかりと備える必要があると思います。  そこで、県民の生活を守っていく上で安心・安全な水道施設、災害に強い水道施設づくりを積極的に、着実に進めるために、水道事業者である市町村に対し、指導施策等について、県として果たす役割について、以下お伺いいたします。  第一点として、現在、市町村における水道管路の耐震化整備率、いわゆる耐震適合率はどのようになっているのか、お伺いいたします。  また、県下の市町村のうち最も高いところ、そして低いところはどのような状況になっているのかもあわせてお伺いいたします。  第二点として、水道施設の耐震化が進んでいない要因を県としてどのように認識されているのか、お伺いいたします。  第三点として、水道施設の更新、耐震化を計画的かつ積極的に推進して耐震化率の向上を図るために、県として市町村に対してどのような指導をされているのか、お伺いいたします。  二点目は、エネルギー問題に関してお伺いいたします。  御承知のとおり、今回の東日本大震災により、東京電力福島第一原発は一号機から四号機まで壊滅的な被害を受け、放射能による汚染が今でも続いており、一刻も早く対策をとる必要があります。この重大な事故を受けて、国民の間に原子力発電に対する不信感が増大し、政府としても、エネルギー政策の転換やエネルギー源の再検討を迫られています。  そのような中で、そのエネルギー源として自然エネルギーの果たす役割が一層クローズアップされています。その中の一つが、太陽光発電エネルギーであります。  中でも、住宅用太陽光発電普及推進事業は、本県として、これまで補助金制度を創設し、太陽光発電を取り入れたい一般家庭にとって、とてもありがたい制度となっております。  この県の補助金制度の中身は、一キロワット当たり三万五千円の補助となっており、十キロワット未満のシステムが補助対象となっております。また、鹿児島市の市民の場合は、市としての補助制度として、一キロワット当たり四万五千円で三キロワットまでが上限となっており、その価格は十三万五千円となっております。さらに、国の補助として、一キロワット当たり七万円、補助上限十キロワット未満となっています。  ここで、一般家庭で対象システムとして、例えば、四キロワットの住宅用太陽光発電システムを導入した場合、鹿児島市の家庭では、県からの補助金が十四万円、鹿児島市からの補助金が十八万円、国からの補助金が二十八万円となり、合計六十万円の補助金があるわけです。また、鹿児島市以外の一般家庭においては、仮に各市町村での補助制度がなくても、四キロワットのシステム導入で、県と国から合計三十二万円の補助がこれまでありました。  本県では、この補助制度の導入を平成二十一年度、平成二十二年度、総額八億二百万円で予算化し、実に五千四百四十九件の申請がありました。これは、昨日の持冨議員への答弁でも同じようなことであります。国の補助としては、一戸当たり十四万七千円余りとなっており、導入家庭では本当に助かっているという声があります。  本県では、この太陽光発電システムを平成二十二年度、十二月の県の補正予算で二億円予算化したところ、その際、千五百件以上の申し込みが新規にあったと伺っています。一戸当たりの導入のための工事費が二百五十万円から三百万円程度ということでありますので、二億円の補正予算が、結果として四十億円以上の経済波及効果を県内に生んだと言えるでしょう。  私はこの事例を伺っていただけに、平成二十三年度予算としてこの補助制度がどれだけ予算化されているのか楽しみにしておりました。ところが、予算書のどこを見てもこの補助制度の予算数字がないのです。私は鹿児島市や国も調べて見ましたら、補助単価や予算総額は若干の減はあるものの、いずれも予算化されており、本県の住宅用太陽光発電普及事業への取り組みに愕然とし、憤りすら感じたのであります。  知事は、もちろんこの事実を御存じだと思いますが、今、一番大きな問題となっている電力エネルギー、中でも太陽光発電に対する本年度の県の姿勢について、いま一度御所見をお伺いいたします。  この住宅用太陽光発電普及推進事業については、一日も早く県として独自の補正予算を組むことが、地元への経済波及効果も含めて大事なことであると思いますが、この点については、昨日、持冨議員も質問されました。御答弁によりますと、国の動向を踏まえながら検討してまいりたいとのことでありましたが、国の動向は実際のところ進んでいるわけであります。県としては、もう少し踏み込んだ前向きな姿勢はできないものか、再度お伺いいたします。  次に、かごしま材の利用拡大について伺います。  本県では、戦後、昭和二十年代から昭和四十年代にかけて先人たちが植林し、営々としてはぐくんできた人工林がいよいよ本格的な利用期を迎えてきました。今こそ、この資源を地域の活性化に積極的に生かしていくことが重要であります。  地域材を利用拡大していくことは、林業、木材産業ばかりでなく、畳や建具業など住宅関連産業などの幅広い分野で地場産業の振興や雇用の創出につながりますし、中山間地域の過疎化対策にもなります。また、間伐などの森林整備や地球温暖化防止にも大きく貢献するものであり、今後、住宅、公共施設等への利用をこれまで以上に推し進めていくことが絶対に必要であると考えます。  このような中、県においては、今年度から、住宅分野におけるかごしま材の利用拡大を図る目的で、かごしま材を積極的に利用して家づくりに取り組む工務店の登録制度、いわゆるかごしま緑の工務店登録制度を創設しました。  そこで、かごしま緑の工務店が建築し、かつ、かごしま材の使用量が全体の五〇%以上で新築の場合は十立方メートル以上、増改築の場合は五立方メートル以上の場合などの条件によっては、建築主に最大四十万円の助成をする、かごしま木の家づくり推進事業を創設いたしました。  県産材の需要量はここにきて少しずつ伸びているとはいえ、県内需要の一定割合を占める県外産を今後どう県産材に置きかえるのかが課題となっており、この制度の創設はまことに時宜を得たものであります。  私自身、地元で育てた木を地元で使うことが、木にも人にも地球にも一番よいことだとかねてから思っていることでもあり、全国的に見て、住宅着工の落ち込み等により需要全体が減少傾向にある中で、かごしま材の利用拡大のための新たな切り口として大いに期待しております。  そこでお伺いいたします。  かごしま緑の工務店の登録が四月から、木の家づくりの助成制度の申し込みが五月からスタートしていると聞いていますが、これまで、家を建てようとする人たちや工務店等に対し、この制度の趣旨や内容についてどのように周知し、普及・啓発を図ってきておられるのか、お伺いいたします。  また、これまでの緑の工務店の登録状況や住宅助成制度の申請状況はどのようになっているのか、あわせてお伺いいたします。  次に、かごしま材の利用拡大を図るためには、こうした登録制度とあわせ、工務店が必要とする木材を安定的に供給できる加工・出荷体制の整備が不可欠であると思います。製材業界等と連携して一体的に進める必要があると考えますが、どのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 9 ◯知事(伊藤祐一郎君)太陽光発電等の新エネルギーについてのお尋ねがございました。  太陽光発電等の新エネルギーにつきましては、二酸化炭素の排出量削減による地球温暖化対策の推進や化石燃料代替エネルギーの確保等の観点から、さらなる普及・拡大を図ることが重要と考えております。  このため、県におきましては、本年三月に新エネルギー導入ビジョンを改定し、太陽光発電を初めとする新エネルギーの二〇二〇年度の導入目標を定めているところであります。  とりわけ太陽光発電につきましては、二〇〇九年度比、九・五倍の導入目標を設定いたしますとともに、公的施設等への計画的な導入や民間事業者へのCO2削減のための省エネ設備導入の助成、新エネルギーフェア等による、県民、事業者、行政が一体となった普及・啓発活動等に取り組んでいるところであります。  今後とも、同ビジョンに基づきまして、太陽光発電を初めとする新エネルギーの導入を促進してまいりたいと考えております。 10 ◯保健福祉部長(西中須浩一君)県下の水道施設の耐震化についてでございます。  本県における水道管路の耐震化の状況につきましては、平成二十一年度末で、基幹管路である導水管、送水管及び配水本管の耐震適合率は二二・二%であり、全国平均の三〇・三%と比べて約八ポイント低い状況であります。  なお、県内で最も高いのは鹿児島市の五七・三%で、十一の市町村が一〇%以下となっております。また、約半数の市町村は、耐震適合性の評価が完了していない状況であります。  水道施設の耐震化が進まない要因につきましては、小規模な簡易水道が多く、集約化による効率的な施設改善が困難でありますことや、耐震化に多額の経費を要することなどが考えられます。  水道施設の耐震化の推進につきましては、国の指導に基づき、各市町村に対しまして、水道事業の経営基盤の強化や耐震化の内容を含む、地域水道ビジョンの策定を指導してきたところでありますが、現在の策定状況は、四十三市町村のうち十九市町村にとどまっている状況でございます。  県といたしましては、今後とも、耐震化を推進するため、各市町村に対しましてさらに地域水道ビジョンの策定を促しますとともに、老朽化した基幹管路を優先的に整備するなど、国庫補助事業を活用して計画的に水道施設の耐震化が推進されるよう、引き続き指導してまいりたいと考えております。 11 ◯環境林務部長(内門公孝君)住宅用太陽光発電に対する助成についてでございます。  住宅用太陽光発電に対する助成につきましては、地球温暖化対策や経済対策の観点から、平成二十一年から二十二年度に総額八億円余り、うち一般財源七億円の予算を集中的に計上いたしまして、設置経費の助成を行い、その導入促進を図ったところでございます。  同事業の実施によりまして、約五千五百件、二万三千キロワットの住宅用太陽光発電設備が導入されまして、県民の新エネルギーの導入に対する意識の醸成が図られるとともに、CO2削減に寄与するなどの効果があったものと考えております。  太陽光発電設備につきましては、国も太陽電池の発電コストを二〇二〇年には現在の三分の一、二〇三〇年には六分の一にまで引き下げることにより、なお一層の導入促進を図ることといたしておりまして、住宅用太陽光発電の助成につきましては、こうした国の施策の動向も踏まえながら、検討してまいりたいと考えております。  かごしま緑の工務店登録制度等についてでございます。  かごしま緑の工務店の登録やかごしま木の家づくり助成制度につきましては、工務店や木材業者を対象に県内七カ所で説明会を開催するとともに、ポスター、パンフレットの作成・配布や新聞の活用等によりまして、県民への普及・啓発に努めてきたところでございます。  その結果、かごしま緑の工務店につきましては、目標を上回る百八十社を登録したところでございます。また、かごしま木の家づくり助成制度の申請は、六月二十日現在で二十七件となっておりますが、緑の工務店の登録が順調に進んでおりまして、建築主からの問い合わせもふえておりますことから、今後、申請件数は伸びていくものと考えております。  かごしま材の加工・出荷体制の整備についてでございます。  かごしま材の加工・出荷体制の整備につきましては、これまで、国庫補助事業等を活用いたしまして、製材工場の規模拡大やプレカット加工施設の整備、需要者ニーズに対応した新たな製品の開発などを支援してきたところでございます。  今年度からは、こうした取り組みに加えまして、地域の中核工場と中小規模の製材工場が連携した共同出荷体制や、製材品を低コストで乾燥できる簡易乾燥施設の整備を進め、品質の確かなかごしま材をより安定的に供給できる体制づくりに取り組むことといたしております。  今後とも、緑の工務店登録制度など、木材の需要喚起の取り組みとあわせまして、加工・出荷体制の整備を一体的に推進することによりまして、かごしま材のさらなる利用拡大を図ってまいりたいと考えております。    [柴立鉄彦君登壇] 12 ◯柴立鉄彦君 御答弁をいただきました。  太陽光発電につきましては、知事の前向きな御答弁ありがとうございました。  水道施設の耐震適合率につきましては、先ほどお示しいただいたように、本県は全国平均を下回っておりますので、今後とも、耐震適合率の向上に向けて、県として、また各市町村への指導と整備のための財源確保に向けての御努力をお願いしたいと思います。そして、何よりも水道施設の耐震化への認識と御理解を県民の方々に啓蒙していただきたいと、そのように思います。  かごしま材の利用拡大につきましても御答弁をいただきました。  時間がありませんので、最後に一言だけ要望させていただきます。  国が平成二十一年度の創設された三年間の基金事業である森林整備加速化・林業再生事業は、平成二十三年度で終了することになっております。このまま事業が終了いたしますと、森林・林業再生に向けた本県でのせっかくの取り組みが立ち消えとなることが危惧されています。  本県としても、この基金事業は森林・林業の再生を図るかなめの事業として認識されまして、ぜひ今年度以降の拡充・延長を国に要望していただきますよう強くお願い申し上げておきます。  以上で、私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 13 ◯議長(金子万寿夫君)次は、田中良二君に発言を許可いたします。    [田中良二君登壇](拍手) 14 ◯田中良二君 薩摩川内市区の田中良二です。県議として九回目の一般質問をします。  本年三月十一日、世界史に残る大災害となりました東日本大震災における地震・津波災害、いまだに収束しない福島第一原発の重大事故は、まさに我が目を疑うような衝撃でありました。多くの被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。  原発立地自治体として薩摩川内市ではさまざまな議論が交わされており、私は、市民の皆様から多くの質問、要望を受けていますが、特に福島第一原発事故については、マスコミからもたらされる膨大な映像と活字が情報源であり、公的な整理された情報が極めて少ない状況であります。  そこで、東日本大震災について、特に原発に関することについて、今回から、極めて基本的事項から質問を開始し、今後の特別委員会等で議論を掘り下げていきたいと考えております。  防災対策に関して、六項目質問いたします。  まず、福島第一原発事故に関する情報伝達について質問します。  私が原発事故に関して最初に手にした資料は、三月十八日に九州電力が市内四十八地区コミュニティ会長への説明会で配布しましたカラーコピー一枚でした。テレビの映像などから、事態の深刻化は感覚的にはわかるものの、市民に対して状況と見通しをうまく伝えられないもどかしさを感じていました。  四月二十七日には、「本県初め、原発が立地する九道県知事が情報公開を経済産業省に要請」との報道がありましたが、三月十一日以来、福島第一原発事故の経過、原因等に関する国からの情報を本県が最初に受けたのはいつか。また、どのような内容なのか。  また、国から本県への直接説明の経過について。本県として、原発の安全性に関し、国に対してどのような要請活動をしてきたのか。そして、その要請にこたえる国からの具体的対応がなされているのかについてお尋ねします。  次に、津波観測について。  今回の大震災では津波災害が甚大でありますが、本県における津波観測と県当局への連絡システム、確認の観点から、国の津波観測計について、本県内の設置状況はどのようなものか。川内港、川内原発付近に国の津波観測計は設置されているのか。津波観測情報の県当局への連絡システムと県民広報の方法はどのようなものか。  次に、去る六月十七日に成立しました津波対策の推進に関する法律に関して、本県として今後、ソフト面、ハード面においてどのようなことに取り組むべきなのか、地域防災計画の見直しとのかかわりを含めてお尋ねします。  次に、SPEEDI―緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム―について。  SPEEDIの存在については、三月二十三日に原子力安全委員会が福島第一原発事故に関する影響予測試算を公表するまで余り知られていない状況でしたが、このシステム開発と運用の経緯についてお尋ねします。  また、本県のシステム上のかかわりはどうなっているのか。これまで本県の原子力防災訓練において、シミュレーションよるテスト訓練はなされてきたのか。県地域防災計画・原子力安全対策編における情報伝達体制とSPEEDIのかかわりはどうなっているのか、お尋ねします。  次に、東日本大震災に対する派遣支援に関して、本県から医療、行政、消防、警察職員などを派遣され、極めて困難な環境のもとで懸命の支援活動を実行されていることに敬意を表します。  このような中で、自衛隊の皆様が国民の期待にこたえ、感動的な活躍を続けているとの報道もありますが、本県からの自衛隊派遣の支援状況はどのようなものか、お尋ねいたします。  次に、原発防災の避難道路についてですが、私は、一期四年間の中でも、電源地域の交通基盤整備を訴えてきましたが、当局におかれましては、川内原発関連道路を重点的に整備推進され、住民から感謝の声があります。一方、福島第一原発の重大事故を受け、EPZ―原子力防災対策を重点的に実施すべき地域―川内原発から十キロメートル内の基盤整備を求める声はますます強くなっているのも事実であります。
     特に、社会基盤整備の重点事業であります橋梁について、川内原発から十キロメートル内の県道橋梁の数について。また、長寿命化調査はすべて実施されているのか、調査後の補修実績と今後の対応方針について。なお、川内原発から三キロメートル内にあります船間橋付近の歩道整備計画とあわせてお答えいただきたい。  次に、自主防災組織について。  今回の未曾有の大災害であります東日本大震災もそうでありますが、本県におけるゲリラ的豪雨などの災害においても、現場における素早い判断と行動、地域の自主防災に対する具体的な取り組みがますます大切になってきています。  そこで、本県の自主防災組織の数、組織率について、自主防災組織の結成の取り組みについてお尋ねいたします。  次に、原子力発電所の定期検査と、定期検査後の運転再開について質問します。  現在、原発の安全性の保証について、定期検査後の運転再開に対する理解について、全国的な問題として広範な議論を呼んでいます。本県内でも、福島第一原発の事故を受けて、EPZの範囲を越えて、薩摩川内市の呼びかけで、三十キロメートル圏内の九市町合同で、原発の緊急安全対策などについての意見交換会が開催されています。  佐賀県の玄海原発二号機、三号機は定期検査中で、運転再開していませんが、玄海町議会の過半数は再開に賛成、玄海町長は七月初旬には再開に賛成の意向を伝えるとの報道がありました。そして六月二日、三日、佐賀県議会原子力安全対策等特別委員会においては、運転再開について意見を聞く自治体の範囲、運転再開の判断基準などについて、活発な議論の状況が報道されています。  冒頭に申し上げましたように、三月十一日以来マスコミ情報が多い中で、市民の関心が高い項目ですので、基本的なことから質問してまいります。  まず、定期検査について。  川内原発一号機は五月から定期検査に入っているわけでありますが、そもそも原発の定期検査に関する根拠法令は何か。  運転再開の判断について、現状として情報が錯綜し、あいまいになっているようですが、本来だれが決定すべきものなのか。  また、県、薩摩川内市、九州電力が締結しています川内原子力発電所に関する安全協定と、定期検査あるいは定期検査後の運転再開は関連があるのか、お尋ねします。  ここで、知事に三項目お尋ねいたします。  国による説明に関連しまして、五月二十一日には、知事の考え方として、国による原発の安全性の保証と、国による三十キロメートル圏内の住民に対する公開の場での安全性の説明を求めるコメントがありました。去る六月六日には、本県に対して原子力安全・保安院から、「川内原発一号機は、緊急安全対策によって安全性が確保され、運転再開に支障がない」との説明があったようですが、知事としてこの報告をどのように受けとめていらっしゃるのか。  また、さらに、国に対して説明を求めている点があるのか。県として、再度国から説明を受ける予定があるのか、お尋ねいたします。  これまでの経過として、経済産業大臣が原発立地道県に赴き、原発の安全性の保証と運転再開に係る理解について、地元への説明を行うべきとの意見が出ていたわけですが、六月十八日には、それらについて説明し、運転再開の協力要請のために、六月二十五日、六月二十六日に原発立地自治体を訪問するとの経済産業大臣談話がありました。このような国の方針について、また本県としての対応について、考え方をお示しください。  次に、三項目ですが、運転再開についての議論において、地元への説明、地元との意見交換、あるいは地域住民への理解などの言葉が使われています。そして、EPZ拡大の議論と相まって、説明と理解を得る対象は関係市町村の首長、議会、住民へと拡大の方向にあり、一体だれが、いつ判断すべきなのか、地元としての判断の中心軸が見えにくくなっていると考えます。  原発関連の自治体のエリアとしては、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法、電源立地地域対策交付金交付規則、県地域防災計画・原子力対策編などに関して種々あり、エリアとしては必ずしも一致しておりません。  また、関係市町村、県議会における広範な議論の中から、さまざまな判断、見解が示されることを大いに望むところですが、運転再開のことを含め、原子力行政において原発立地市町村、本県における薩摩川内市の意向は重いと考えますが、見解をお示しいただきたい。  五月二十一日には、知事から、再開について九州電力が説明すべき地元の範囲としては、三十キロメートル圏内の市町村で、市町村長、議会、地域住民への説明が必要との発言報道がありましたが、九州電力が現在実施している説明活動について、どのような報告を受けているのかお尋ねします。  次に、福島第一原発についてお尋ねします。  私が市民の皆様から一番多く質問を受けていることですが、福島第一原発より震源に近い女川原発や福島第二原発、東海第二原発は安全に停止している中で、なぜ福島第一原発だけが電源・冷却機能の喪失となり、重大事故が発生しているのか。他の原発の違いなど、現在示されている原因をお答えいただきたい。  次に、浜岡原発についてですが、国は、浜岡原発について、緊急安全対策は適切であると評価した後で、運転停止を中部電力に要請しました。  国が停止の根拠とするデータは何か。また、そのデータは、本県初め、全国の地域防災計画・原子力対策編の基礎資料とされているものなのか。  浜岡原発だけの停止要請に関して、福島第一原発、浜岡原発、玄海原発など、地震の確率論と原発の安全性について、国から本県に対してどのような説明がなされたのか。  そして、県当局としてどのように受けとめ、整理されているのか、お尋ねします。  二項目の財政問題について質問します。  これまで、行政刷新大綱に基づく積極的な改革の取り組みによって、本年度当初予算編成における財源不足額を解消されたことは、評価するものであります。  一方で、検討すべき課題も数多くありますので、まず公共事業費について。  六月十七日には、「本県の本年度公共事業費の一千十四億円のうち約一〇%、百億円が執行困難か」との報道がありました。理由として、国が公共事業費の総額を前年度比約五%減としていたものを、さらに東日本大震災の被災地へ重点配分のため、五%留保して配分との説明でした。  「削減率は、国の直轄事業より補助事業が大きい」とありましたが、国の直轄事業と補助事業について、おのおの削減額と削減率は国のトータルとしてどれぐらいの試算か。  本県では、これから公共事業費百億円の減額補正となるのか。九月以降のいつになるのか。「さまざまなプロジェクトの進捗に影響が懸念される」とありましたが、具体的にはどのような事業に影響が考えられるのか。  次に、いわゆる一括交付金、地域自主戦略交付金について。  初年度五千百二十億円の九〇%、四千六百四十四億円が、継続事業の事業量等配分として一次配分され、本県分は百三十五億円との説明を受けています。残り一〇%の二次配分について、配分の金額は幾らか。東日本大震災関連の留保分の影響を受けているのか。また、配分算定方式の客観的指標とは。現在、国が考えている客観的指標は、本県にとっては有利なのか不利なものか、お尋ねします。  一括交付金の目的は、一括交付金の対象となる事業の範囲で自由に事業を選択し、箇所づけ等に国の事前関与を廃止し、地方の自由裁量権を拡大するということで、書かれている目的は立派ですが、本年度の配分実績額は不十分な状況のように思われます。このような一括交付金の現実について、当局の所見を伺います。  次に、基金取り崩しによる歳入見通しについてお尋ねします。  歳入構造として、平成十九年度と平成二十三年度の当初予算ベースの比較で、県税収入は一千五百六十四億円から一千百九十九億円になり、三百六十五億円、実に二三%の減、一方、基金繰り入れは百九十六億円から一気に二・三倍の四百五十一億円になり、二百五十五億円の増であります。  景気対策交付金を基金として積み立てて、取り崩すことは、県民サービス維持の財源担保としては重要であり、大いに活用すべきものであります。これまで、国の経済対策において積み立てた基金のうちで、費消期限が定められた基金の数と、平成二十二年度末の基金残高の総額について。また、平成二十三年度までの費消期限のある基金の数と、平成二十三年度の取り崩し総額について。同様に、平成二十四年度までの費消期限のある基金の数と、平成二十四年度の取り崩し見込み総額についてお尋ねします。  また、基金が終期を迎えた後の歳入確保について、考え方をお示しいただきたい。  以上で、一回目登壇の質問を終わります。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 15 ◯知事(伊藤祐一郎君)東日本大震災に関連いたしまして幾つかの御質問ございました。  原子力安全・保安院の説明についてでありますが、原子力安全・保安院から本県に対しまして、川内原子力発電所の緊急安全対策等について説明を行いたい旨の申し出があり、六月六日に担当者が説明を受けたところでありますが、その内容といたしましては、福島第一原子力発電所事故の概要、緊急安全対策の概要、原子力発電所の安全確保に関する今後の対応であった旨の報告を受けているところであります。  川内原子力発電所につきましては、安全性の確保が大前提でありまして、川内原子力発電所一号機の定期検査終了後の運転再開に当たりましては、まず、国がその安全性を十分に保証いたしますとともに、責任を持って地域住民の方々に公開の場で十分な説明を行っていく必要があると考えているところであります。  原子力発電所の運転再開についてのお尋ねの中で、去る六月十八日の経済産業大臣は、「原子力発電所の安全性につきまして、立地地域及び国民の皆様に丁寧に説明し、理解と協力を得たいと考えている。また、必要があれば、私自身が立地地域に伺って直接御説明を申し上げたい」と言っておられるところであります。これは一つのスタートであると考えておりまして、今後、国がそのように対応されることを期待いたしております。  原子力発電所につきましては、先ほど申し上げましたように、安全性の確保が大前提でありまして、国が責任を持って、まず立地市や地域住民の方々に十分説明を行い、理解していただく必要があると考えているところであります。  第三番目といたしまして、安全性等について説明する対象地域についてのお話がございました。  従来のEPZは、おおむね八から十キロメートルと想定されているところでありますが、今回の福島第一原子力発電所の事故を受けまして、その対象地域を拡大する方向で検討が行われることは、私としては当然だと考えておりまして、また、その地域の方々を対象に説明する機会が設けられることが望ましいと考えているところであります。  御質問の中にございました、最終的に、薩摩川内市の意向がこの点におきまして重いのではないかという御指摘でございますが、もともと立地する地元市町村でもありますので、この再開等につきまして、薩摩川内市の方々の御意向を最も尊重されるべきことは当然であると考えております。 16 ◯危機管理局長(平田浩和君)東日本大震災について幾つかお尋ねをいただきました。  まず、福島第一原発事故に関する情報伝達についてでございますが、福島第一原子力発電所の事故に関する国からの連絡については、首相官邸と都道府県や市町村などを結ぶ緊急情報ネットワークシステムによりまして、事故発生については当日、事故の進展経緯等につきましては翌日に受信したところでございます。  なお、この緊急情報ネットワークシステムの情報につきましては、各都道府県、市町村、マスコミにも同時に送付されますとともに、首相官邸ホームページにおいて公表されていたところでございます。  次に、去る六月六日の原子力安全・保安院からの説明につきましては、保安院から本県に対しまして、川内原子力発電所の緊急安全対策等について説明を行いたいとの申し出があったことから、説明を受けたものでございます。  原子力発電所については、安全性の確保が大前提であり、本県といたしましても、国に対してこれまで、原子力発電関係団体協議会により、四月五日、五月三十一日、六月八日の三回にわたり要請を行いましたほか、九州地方知事会により、六月十六日から十七日にかけて要請を行ったところでございます。  県といたしましては、今後とも、国に対し、原子力発電所の安全対策等について要請を行ってまいりたいと考えております。  続きまして、津波観測計の設置状況等についてでございますが、津波観測計の本県内の設置状況につきましては、気象庁、海上保安庁、国土交通省港湾局及び国土地理院が合わせて十カ所に設置しておりますが、川内港、川内原子力発電所付近にはなく、最寄りの設置箇所は阿久根市となっているところでございます。  津波情報につきましては、津波到達予想時刻や津波観測地点での観測値が、光専用回線を通じまして気象台から県に提供され、県では、その情報を同じく光専用回線を通じまして、市町村、消防等に自動伝達しております。  また、津波警報・注意報につきましては、市町村において防災行政無線、広報車等を通じて住民に広報いたしますとともに、県においても、警察や海上保安庁と連携いたしまして、海岸近くの住民等に対しまして、消防・防災ヘリ等により上空から広報を行っているところでございます。  続きまして、津波対策の推進に関する法律についてでございますが、この法律は、東日本大震災の惨禍を踏まえ、津波による被害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、津波対策を推進するに当たっての基本的認識を明らかにいたしますとともに、津波に対するソフト面及びハード面における対策を推進するために必要な事項を定めたものであります。  県といたしましては、国や市町村と連携を図りながら、この法律の趣旨及び内容を踏まえたハード・ソフト両面の津波対策を、現在、見直し作業を行っている県地域防災計画に可能な限り反映させることにより、総合的かつ効果的な津波対策の推進に努めてまいりたいと考えております。  SPEEDIシステムについて幾つかお尋ねをいただきました。  SPEEDIシステムは、原子力発電所周辺環境の放射性物質の分布状況や被曝線量などの予測のために開発され、昭和六十年から運用を開始してきております。また、平成十四年には本県を含む十九道府県に広がっておりまして、さらに、全国のオフサイトセンターとも接続をされております。  本県におきましては、オフサイトセンター、それから環境放射線監視センター、県庁災害対策本部に予測結果の表示設備を設置しているところでございます。  本県では、例年実施してきております原子力防災訓練におきまして、このSPEEDIを活用してきているところでございます。  それから、県地域防災計画・原子力災害対策編におきましては、「緊急時環境放射線モニタリング活動において、SPEEDIネットワークシステムを放出源の情報、気象情報から得られる情報とともに総合的に解析して、防護対策についての判断に資するものとする」というふうにしているところでございます。  また、予測結果につきましては、オフサイトセンターに集まった国、関係市、関係機関の間で情報を共有し、協議の上で、住民避難等の防護対策の実施に反映させることとなっております。  県内からの自衛隊派遣の状況についてのお尋ねでございましたが、県内自衛隊の被災地への派遣状況につきましては、海上自衛隊鹿屋航空基地からは、三月十一日から五月二十四日までの間、ヘリコプター九機、人員約百十名をもって避難者の捜索や救援物資の輸送などを実施し、陸上自衛隊につきましては、三月十四日以降、国分の普通科連隊は約五十名ずつ、川内の施設大隊は約二十名ずつ、いずれも約一カ月交代で避難所への給食や給水、物資輸送などの支援を実施中であると聞いているところでございます。  自主防災組織の結成促進の取り組み等についてでございますが、本県の自主防災組織の数は、平成二十三年四月一日現在で三千八百十六組織で、組織率は七三・三%となっておりまして、年々着実に伸びてきているところでございます。  県では、自主防災組織の結成促進や活動の活性化を図りますため、県防災研修センターの活用や自主防災組織の育成指針の作成、防災啓発研修会の開催によりまして、地域防災活動の重要性について広く周知を図っておりますほか、平成十七年度からは、防災活動の主導的役割を担います地域防災推進員の養成に努めているところでございます。  さらに、平成二十一年度から、各地域振興局・支庁ごとに自主防災組織設立促進協議会を設置いたしまして、自主防災組織結成促進の機運醸成を図りますとともに、防災に係る地域課題解決のための方策を検討しているところでございます。  今後とも、市町村と連携を図りながら、自主防災組織の結成促進により一層取り組んでまいりたいと考えております。  それから、原発の定期検査についてでございますが、原子力発電所の定期検査については、根拠法は電気事業法第五十四条で実施することが義務づけられております。  定期検査後の運転再開につきましては、定期検査の最終段階で国が実施いたします総合負荷性能検査に合格した後、国からの合格証の交付をもって営業運転再開となっております。  それから、川内原子力発電所に関します安全協定では、定期検査等の実施計画並びにその結果について連絡があることになっております。  続きまして、九電の地元説明についてでございますが、九州電力におきましては、今回の福島第一原子力発電所の事故を受けた緊急安全対策について、薩摩川内市、いちき串木野市、阿久根市の市長さん、市議会並びに地域住民の方々に対しての説明や、訓練視察などを実施するとともに、それ以外の市町村に対しましても、市町村長や市町村議会等に対しての説明を行っているというふうに聞いているところでございます。  福島第一原発の事故についてでございますが、福島第一原子力発電所では、非常用発電機が海側のタービン建屋の中にありましたため、津波によりその機能が失われましたが、福島第一原子力発電所以外の原子力発電所では、非常用発電機が頑丈といいますか、堅牢な原子炉建屋の中にあったことから、損壊を免れたというふうに聞いております。  また、福島第一原発では、すべての交流電源が停止したため、炉心への注水ができなくなったわけでございますが、福島第一原発以外では、外部電源または非常用電源などにより電源が確保され、炉心冷却が可能であったというふうに聞いております。  さらに、海水ポンプにつきましては、福島第一原子力発電所ではすべてのポンプが津波で壊れましたが、福島第一原発以外では、一部のポンプが残存したということでございました。  これらのことによりまして、福島第一原発は電源及び炉心冷却機能が失われ、重大な事故につながったと保安院のほうから聞いているところでございます。  浜岡原発の停止要請についてでございますが、今月六日の原子力安全・保安院の説明によりますと、マグニチュード八程度の大地震が三十年以内に発生する確率が八七%であることにつきましては、文部科学省の地震調査研究推進本部の長期予測データであるとの説明を受けたところでございます。  このデータにつきましては、原子力安全委員会が定めている防災指針に記載がありませんことから、本県を初め、他県の地域防災計画・原子力災害対策編の基礎資料とされていないところでございます。  浜岡原子力発電所だけの要請につきましては、今月六日、原子力安全・保安院から、「浜岡原発は、大規模な津波が高い確率で襲来すると予想され、極めて切迫しており、他の発電所と全く異なる環境のもとにある。地震発生に伴う大規模な津波襲来の切迫性と津波による今回の事故を踏まえ、一層の安心のため、防潮堤設置や原子炉建屋の水密化工事などの中長期対策が完了するまでの間、全号機の運転を停止することを求めた」との説明を受けました。その際、停止要請の判断根拠について、国が責任を持って具体的に示すとともに、国民に説明するよう要請したところでございます。 17 ◯土木部長(渡 正昭君)川内原発の避難道路についてでございます。  県が管理いたします橋梁約二千四百橋につきましては、長寿命化修繕計画に基づき、損傷度の大きい橋梁から補修を行っているところでございます。  川内原発から十キロメートル内には三十三の橋梁があり、このうち、何らかの損傷の認められる橋梁は十一橋となっております。また、これらのうち最も損傷の著しい汐入橋につきましては、平成二十一年度に補修を終えたところであり、残る橋梁についても継続的な点検を行い、計画的に補修を実施してまいりたいと考えております。  川内港の船間橋付近の歩道整備についてでございます。  船間橋は、船間島地区と港町地区を結ぶ臨港道路の一部として昭和四十四年に整備されております。船間橋を含む二百七十メートルの区間につきましては、緊急時の避難ルートにもなっておりますことから、今年度、橋梁の前後二百四十メートルの歩道を整備することとしており、残る部分につきましても、今後、事業手法の検討を進めることとしたいと考えております。  続いて、財政に関するお尋ねのうち、公共事業費の削減が与える影響についてでございます。  直轄事業につきましては、南九州西回り自動車道、東九州自動車道、川内川河川激特、鹿児島港、大隅地域や奄美地域の大規模畑かんなどについて、おおむね事業の推進に必要な額が内示されましたが、執行段階で五%留保する方針が示されており、今後、その影響を注視していく必要があると考えております。  県事業につきましては、重点事業である地域高規格道路などに必要な額が確保されましたものの、港湾事業や畑かん事業の進捗に影響が出ることが見込まれております。また、地域密着型事業につきましても、全般的に事業の進捗に影響が出ることが見込まれるところでございます。  県といたしましては、今後とも、国に対して必要な予算の確保を求めますとともに、めり張りをつけた社会資本の整備が図られるよう努めてまいりたいと考えております。 18 ◯総務部長(三橋一彦君)財政に関するお尋ねのうち、まず公共事業費についてでございます。  平成二十三年度の国の一般会計における公共事業関係費につきましては、前年度比で五・一%減の五兆四千七百九十九億円となっておりますが、全国知事会の試算によれば、この公共事業関係費のうち、直轄事業が前年度比三・五%、約一千億円の減となっているのに対しまして、補助事業につきましては前年度比六・六%、約一千九百億円の減となっているところであります。  本年度の本県の公共事業費につきましては、現在、東日本大震災に対応するために、国の公共事業費の五%が留保されますとともに、地域自主戦略交付金を含めた地方向け補助金の措置も十分でないことから、当初予算計上額に対しましておおむね百億円程度減となることが見込まれております。  国費が確保できなかった公共事業につきましては、通例三月補正予算で減額補正を行ってきているところであります。  次に、地域自主戦略交付金の二次配分についての幾つかのお尋ねがございました。  地域自主戦略交付金につきましては、東日本大震災への対応のための五%留保分を除いた総額二百二十億円が二次配分され、本県に対しましては五億四千七百万円の配分があったところであります。  二次配分の算定に用いられました客観的指標は、道路延長や河川要改修延長、耕地面積、第一次産業就業者数などにおける全国比率が用いられますとともに、財政力の弱い団体に対する割り増し措置もなされているところであります。  客観的指標のうち、社会資本整備関連の指標による本県の全国シェアは二・四%となっておりまして、昨年度の社会資本整備総合交付金の本県シェア二・一%と同程度となっております。他方、農山漁村整備関連の指標のシェアは三・四%であり、昨年度の農山漁村地域整備交付金の本県シェア五・二%に比べ、低くなっている状況にあります。  次に、一括交付金の本来の目的と現実についてでございます。
     国庫補助金等の一括補助金は、ひもつき補助金を段階的に廃止し、地域の自由裁量を拡大することを目的として、本年度から導入されたものであり、継続事業を考慮した配分とされたことなどは、全国知事会等が行った提言に配慮されているところであります。  しかしながら、国の予算におきまして、地方が必要な予算総額が十分確保されている状況にないこと、地域自主戦略交付金の採択に要件が課せられており、自由度の拡大が十分でないこと、従来の個々の補助金の申請事務に比べ、内閣府への事業実施計画の提出といった事務がふえていることなどの問題点があると考えております。  このため、全国知事会における一括交付金プロジェクトチームより、政府に対し、地域自主戦略交付金の制度改正要望を提出しているところであり、平成二十四年度の予算編成に向けて改善が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  基金取り崩しによる歳入見通し等についてのお尋ねがございました。  国の経済対策により措置された交付金等を活用し、造成した各種基金は二十基金ございまして、平成二十二年度末の残高見込みは四百九十七億円となっております。  これらの基金のうち、平成二十三年度末に終期を迎えるものは十四基金ございまして、平成二十三年度における取り崩し額は三百一億円と見込んでいるところであります。また、平成二十四年度に終期を迎える基金は二基金ございますが、平成二十三年度中の取り崩し額を加味いたしますと、この二基金につきまして、平成二十四年度に活用可能な額は二億円程度と見込まれているところであります。  これらの基金は、平成二十年に発生いたしました世界金融危機等の厳しい経済状況の中で、国の緊急経済対策として措置されたものでございまして、雇用対策や医療再生、介護基盤の整備等を推進するため、期限を設けて速やかな事業執行が求められたものでありますことから、その全額が取り崩された時点で当該事業は終了するものであります。  その上で、なお引き続いて行う必要がある事業につきましては、国に対して十分な財源措置を求めていく必要があるものと考えております。  また、基金の終期を迎えましても、積立金の残高が見込まれているものにつきましては、事業期間の延長等について国に求めてまいりたいと考えております。    [田中良二君登壇] 19 ◯田中良二君 それぞれに御答弁いただきました。  原子力発電所に関する防災対策について、福島第一原発事故の経過、原因等に関して、情報は早く、正確に、一斉に伝達されるべきでありますが、事故発生から三カ月余り、国の情報開示、伝達のおくれが国民の不信、不安を招いている大きな原因であります。国に対しては、迅速な徹底した情報公開をさらに強く求めるとともに、本県でも、答弁にありましたような国からの情報をいかに県民、県議会に伝達するかなど、災害情報の伝達体制の検証が必要であると考えます。  また、川内港、川内原発付近に国の津波観測計は設置されていないとのことですが、津波対策の推進に関する法律第五条第一項には、国の津波観測体制の強化が規定されていますので、今後の県地域防災計画見直しの中で、全県的な視点から、設置要請すべき箇所の検討が必要と考えます。  知事からは、原発の定期検査後の運転再開について答弁をいただきました。  改めてエネルギー政策が国策であることは言うまでもなく、知事の答弁の中にも「国の責任」という言葉がありましたが、今こそ原子力行政における国の責任が厳しく問われています。  私は、国の原発の安全基準に係る立法責任、安全性の保証責任、許認可権限に附帯する電気事業者監督責任、国民の不安を払拭すべき説明責任を問うと同時に、現在、我が国にある原発については、五十四基すべてに関する統一的議論、個々の原発の立地条件、運転実績などの個別議論など、短期、中期、長期の時間軸を持ちながら、あらゆる角度からの国の説明と議論が必要であると考えます。  財政問題については、東日本大震災の復興は国策として最優先すべきことであります。同時に、持続可能な地方財政確立に向けて、一括交付金の改善を含めて、国の地方財政対策を強く望むものであります。  基金に関しては、費消期限のある基金の数は二十基金、基金残の総額は四百九十七億円の多額の基金残との答弁でした。  本年度検討される行財政運営に関する新たな大綱におきましては、あるべき歳出構造の検討とあわせて、基金繰り入れ歳入、あるいは法定外普通税、核燃料税など電源関連歳入の見通しを含めて、歳入構造について踏み込んだ議論をお願いいたします。  次に、かごしま製造業振興方針について質問します。  現状として、本県高校卒の就職者の約半数が県外就職であり、本県の定住人口増加のためにも、本県内での雇用の創出が強く求められているところですが、今回、かごしま製造業振興方針が策定されたことは評価できることであります。  まず、製造業振興に関するこれまでの実績について、今回の製造業振興方針の特色についてお尋ねします。  また、公共関与による管理型最終処分場とのかかわりについて、管理型最終処分場は、はや五年目の経過と手続に入り、本年着工、平成二十五年度中の供用開始予定ですが、今回のかごしま製造業振興方針における位置づけ、意義についてお尋ねします。  最後に、実現に向けた取り組みについてお尋ねします。  また、実現に向けた取り組みに関連し、製造業振興と電力の安定供給について、東日本大震災以降、産業界から、日本のものづくりにおける電力不足の懸念が強まるなど、我が国の安定的な電力供給の必要性が議論されています。  また、東日本では、現在、余震や電力供給の不安から、西日本への生産活動のシフトの動きがあり、本県でも県外からの問い合わせがあると聞いております。  製造業振興においても、電力の安定供給が本県が東日本からの企業の受け皿になること、本県内への企業立地を促進し、さらに日本企業の海外転出をとめることにつながるものと考えますが、当局の見解をお示しいただきたい。  次に、コミュニティ活性化について質問します。  近年の少子化、高齢化の急激な進展により、地方における維持・存続が困難な集落、過疎地域はふえ続けています。地方行政の重要な課題として、道州制など国家の枠組みの議論とあわせて、基礎的自治体を支えるコミュニティ活性化であると考えます。  まず、本県の限界集落の数は平成十八年と平成二十二年の比較でどう変化しているのか。  昨年から施行されました改正過疎法において、本県の過疎市町村数、第三十三条に規定する、みなし過疎地域あるいは一部過疎地域の市町村数についてお尋ねします。  また、限界集落、過疎地域の課題について、それらの課題に対して、新たな過疎地域自立促進県計画、過疎地域自立促進市町村計画には、改正過疎法の趣旨がどのように活用、反映されているのかお尋ねします。  次に、宝くじ収益を原資とします助成事業であります財団法人自治総合センターのコミュニティ助成事業について質問します。  おのおのの自治会、地区コミュニティにおいては、自主財源とあわせて、公的な補助制度を工夫しながら活用していますが、コミュニティ活性化の手法として、本年度活用されているコミュニティ助成事業のメニューと内容についてお尋ねいたします。  以上で、二回目登壇の質問を終わります。 20 ◯商工労働水産部長(白橋大信君)かごしま製造業振興方針につきまして、幾つかお尋ねがございました。  まず、本県の製造業振興の実績についてでございます。  本県の製造業の振興につきましては、かごしま将来ビジョン等に基づき、自動車、電子、食品等の誘致活動や、地域特性を生かした産業創出等に取り組んできたところであります。  これにより、本県の製造品出荷額は平成二十一年で一兆七千百五十一億円となっております。また、平成二十一年度までの過去五年間で見ますと、企業立地件数は百三十五件、新規雇用者数は三千二百六十五人、産学官の共同研究数は五百六十九件、地域資源活用事業計画など法認定が必要な事業計画の認定数は、二百七十三件となっているところであります。  次に、製造業振興方針の特色等についてでございます。  かごしま製造業振興方針におきましては、地域資源を生かした新産業育成やアジアへの販路開拓支援などの施策を推進することとしております。この方針の推進により、東アジアに近接するという本県の地理的優位性を最大限に生かしながら、自動車、電子、食品に加え、環境・エネルギー産業など次世代の基幹産業となる企業の誘致や、県内企業の育成、地域資源を活用した新製品の創出等を目指すこととしております。  次に、公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場については、企業の生産活動に必要不可欠な施設であると認識しており、製造業振興方針におきましても、企業誘致の推進や立地企業へのフォローアップに必要な環境整備として位置づけた上で、その着実な整備と利活用の促進を掲げているところでございます。  次に、製造業振興方針の実現に向けた取り組み等についてでございます。  かごしま製造業振興方針における目標の達成に向けては、本県の恵まれた一次産品を活用した食品加工業の振興などの取り組みにより、県内製造業の商品開発や販路開拓の支援に努めるとともに、自動車、電子、食品に加え、今後、成長が期待される環境・新エネルギー産業等への積極的な企業誘致活動を展開するなど、関係機関・団体と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。  電力の安定供給につきましては、東日本大震災の影響等により、東日本を中心に、生産拠点の国内外への移転や分散の動きなどが見られる中、国内での生産活動の再開や継続のためには、企業の受け入れ地域における電力の安定供給は重要な課題であると考えております。  九州電力では、去る九日の記者会見におきまして、火力発電所で使用する燃料の追加調達により、八月上旬までの供給力は確保できる見通しとなったことを公表したところであり、今後とも、九州電力において、電力の安定供給に向けた努力を継続していただきたいと考えております。 21 ◯企画部長(六反省一君)いわゆる限界集落及び過疎市町村の数についてでございます。  平成十八年度及び平成二十二年度に過疎市町村を対象に国が行いました集落状況調査のうち、本県分につきましては、六十五歳以上が半数以上を占める集落は、十八年度の七百三十集落から八十九集落ふえ、八百十九集落となっております。また、そのうち、集落機能の維持が困難な集落は、十八年度の百一集落から九集落ふえ、百十集落となっているところでございます。  本県におきましては、四十団体が過疎地域として公示されておりますが、そのうち、市町村合併の特例といたしまして、合併後の全域を過疎地域とみなす、みなし過疎市町村が一団体、また、合併前に過疎地域であった区域のみを過疎地域とみなす、一部過疎市町村が六団体となっております。  過疎地域の課題と県計画及び市町村計画への反映についてでございます。  過疎地域におきましては、人口減少と著しい高齢化に直面し、雇用の場や生活交通の不足など多くの課題を抱え、地理的・地形的条件の厳しい地域では、集落機能の維持が困難な集落が発生しているところでございます。  こうした課題の解決のため、改正過疎法におきましては、過疎債の対象にソフト事業を追加するなど、ソフト対策の充実・強化を図ったところであり、県計画におきましては、医療従事者の確保ための取り組みや地域密着型のビジネスへの支援など、ソフト対策を可能な限り盛り込んだところでございます。  また、市町村におきましても、コミュニティバスの導入や、空き家を活用した移住・定住促進対策など、地域の実情に応じたソフト対策の充実・強化を市町村計画に盛り込んでいるところでございます。  コミュニティ助成事業についてでございます。  この事業は、宝くじ受託事業収入を財源に、財団法人自治総合センターが宝くじの社会貢献広報事業の一つとして、市町村等が行う地域文化の振興、コミュニティ活動の支援など、地域振興のための事業に対して助成を行うものでございます。  本県におきましては、今年度は、市町村等からの申請に対し、コミュニティセンターや自治会集会所など施設の建設整備へ助成を行うコミュニティセンター助成事業や、地域のコミュニティ活動に必要な備品の整備を行う一般コミュニティ助成事業、商店街の活性化などに助成いたします、活力ある地域づくり助成事業など、合わせて七十九件、一億九千七百二十万円の助成決定を受けているところでございます。  県といたしましては、今後とも、本事業の活用により地域の活性化が図られるよう努めてまいりたいと考えております。    [田中良二君登壇] 22 ◯田中良二君 それぞれに御答弁いただきました。  かごしま製造業振興方針に関連しましては、過去五年間の企業立地に係る実績として、百三十五件、三千二百六十五名の新規雇用者数等の実績報告がありましたが、引き続き積極的な雇用の場の創出に努めていただきたい。  また、産廃管理型最終処分場については、環境サイドからの議論が集中する傾向にありますが、本県の製造業振興、産業発展の観点から、管理型処分場の必要性と整備促進のさらなるアナウンスをお願いいたします。  コミュニティ活性化について、過疎法の延長、合併特例の延長につきましては、私自身ちょうど四年前、平成十九年六月議会の初質問で、初提言したことであり、時間の経過の早さを感じております。本年五月三十一日、企画建設委員会の行政視察で南さつま市の長谷集落を訪問し、住民の皆様と意見交換をしました。十五世帯二十七名、高齢化率は極めて高い集落ですが、集落内外の人々との交流で笑顔があふれているのが印象的でした。  コミュニティ活性化につきましては、県政の基礎的な重要施策として、コミュニティ助成事業の予算確保、制度広報など、引き続き、コミュニティの自立支援策を推進されるようお願いいたしますす。  最後になりますが、私は三月十一日以来、福島第一原発事故に関して、一刻も早い事態の収束、事故原因の究明、国が原発の新たな指針をつくること、その指針による徹底検証、稼働中の原発の安全対策を訴えてきましたが、現在もその考えに変わりはありません。  国においては、原発の新たな安全支援策とあわせて、新たなエネルギー政策として、あらゆる電源に関する中長期的な総合政策を示すべきであると考えます。  改めて、一刻も早い福島第一原発事故の事態の収束、東日本の復興を祈りながら、二期目四年間も、改革の視点を持って行動と政策提言を続ける決意を申し上げ、一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 23 ◯議長(金子万寿夫君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午前十一時五十八分休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 24 ◯議長(金子万寿夫君)再開いたします。  柚木茂樹君に発言を許可いたします。    [柚木茂樹君登壇](拍手) 25 ◯柚木茂樹君 南九州市区選出、無所属会派の柚木茂樹でございます。  まずは、初当選後の初めての定例会で一般質問の機会をいただきましたことを議長並びに先輩議員各位に感謝申し上げます。  質問に入る前に、このたびの東日本大震災で亡くなられた方々と被災されました方々に心からの御冥福と御見舞いを申し上げたいと思います。  復興が完了する最後の日までの支持と、被災された方々に一日も早い安息の日が訪れることを切に願うものであります。  さて、さきの統一地方選挙で歴史と権威ある鹿児島県議会議員の栄誉を与えられました。少なからず疲弊していくふるさとを見るにつけ、少しでもまちづくりのお手伝いをしたいとの思いが出発点でありましたが、議席を与えられたその責任の重さを感じるとともに、いま一度、県議会議員として奮起せねばならぬと決意いたしております。  私を支えてくださった方々は、個人の利益の見返りは一切求めない、ふるさとを愛するがゆえ、ふるさとを憂うがゆえに私に熱い思いを託されたと思っております。この方々の思いにこたえるために、解決すべき課題は現場にある、そして現場にこそ解決のヒントがあるとの信念から、現場に生きる人々の思いを肌感覚で受けとめながら、声なき声を真摯に聞いてまいりたいと思います。  そして、私を支えてくれた人々がそうであるように、自分に対しては無償で、深くふるさとを愛し、ふるさとの未来を思う人こそが、ふるさとのまちおこしができる人々と信じております。このような人々とともに語り、考え、現場の課題を見詰め、この課題に向けて行政に提言してまいりたいと思っております。今はまず、このようにふるさとを思う人々に心から感謝いたし、牛歩の前進であっても、負託にこたえてまいりたい所存です。  前置きが長くなりましたが、通告に従い質問させていただきます。  まずは、原子力発電を補完する再生可能エネルギー、とりわけ風力発電についてであります。  さきの三月十一日の東日本大震災による福島原発事故は、想定外規模の災害とはいえ、原子力発電が、いざ有事となると、安全性の点で国の根幹を揺るがす影響が出ることが明らかになりました。  今、日本のエネルギー政策の今後の方向性が問われています。国の代替エネルギーへの方向性が不透明な中で、現下での県としての今後の取り組む姿勢はどうあるべきか、今後の考え方を伊藤知事にお示しいただくよう質問いたします。  さて、原子力エネルギーの代替としては再生可能エネルギーがありますが、主なものとしては、太陽光、水力、風力、地熱、太陽熱、バイオマスなどが挙げられます。今後、これらの地域に潜在する再生可能エネルギーの開発、利用促進は非常に大切と考えます。本県では、風力、地熱、バイオマス等のエネルギーが有力かと思われます。設置・技術面では産官学民の連携も必要ですが、最も大切なのはそれを推進する政治姿勢、政治判断だと思います。  私は、今後のエネルギー政策は一極集中ではなく、複数ある可能性を持った再生可能エネルギーなどで、地域に眠る資源を掘り起こし、その優位性を利用した地域分散型の複合体の集まりで全体を支えていくべきだと考えております。今回の福島原発事故は、電力の供給をどのように進めていくのか、その分岐点になると思っております。百七十万県民の生命と生活、財産を預かる伊藤知事の英断が求められております。  そこで、自然エネルギーですが、その弱点は自然によるところの不安定性と制度上の問題等が考えられます。風力の場合、風が一定方向で、かつ一定量の風力が恒常的にあって初めて発電が可能です。つまり設置可能な場所が限られます。また、制度上の問題として、県の条例に基づく風力発電設置の建設等に関する景観形成ガイドラインに抵触するケースがあります。  現在、知覧峠の稜線上に、風力発電設置に非常に有効な場所が調査段階で挙がっておりますが、この景観ガイドラインで建設が頓挫しております。本県は他県に比べて厳しいガイドラインの基準を設けていますが、福島原発事故の影響を踏まえて、いま一度ガイドラインの基準を見直し、風力発電を推進するお考えはないかお尋ねいたします。  続きまして、河川の管理についてお尋ねいたします。  昨今も大雨により水害が至るところで発生いたしております。安全な県土、県民の生命と財産を守ることは政治の第一義の使命であります。洪水や土砂崩れのおそれのある地域に住む人々にとっては、何を先においてもその原因改善への対応を望んでおります。  平成五年、平成九年と過去二回浸水した南九州市川辺地区のある住民は、そのたびに家具や畳を処分し、大変な思いをいたしました。しかし、平成十一年度に床上浸水対策特別緊急事業の指定を受け、万之瀬川永田地区堤防の大規模改修と九電井堰を改修いたしました。それ以来、浸水を免れております。その人のいわく、「あのとき行政と議員が懸命になって県や国に働きかけてくれた。おかげで今は安心しておれます。行政には多くの不満もありますが、このことに関してはどれだけ感謝しても感謝し足りません」とおっしゃっております。  そこで質問いたします。  行財政改革を進める中、厳しい財政事情にあって、河川整備における基本的な考え方、姿勢を示してください。  また、堤防の決壊など災害現場の対応は優先されると思いますが、未然災害対策として堤防のかさ上げや寄り州の除去等、それらの重点化及び予算の配分はどのようになっているのか、その判断の考え方と基準があるのかお尋ねいたします。  続きまして、県道路公社と有料道路の無料化ということでお尋ねいたします。  指宿スカイラインの建設は、総事業費二百七十七億円で、県道路公社が昭和四十七年、鹿児島県による六十六億二千万円の全額出資で設立され、事業開始、完成されたものであります。現在、鹿児島インター―山田インター間は有料、山田インター―谷山インター間は無料、谷山インター―頴娃インター間は有料、頴娃インター―指宿インター間は無料となっております。  ところで、全国での地方道路公社にあっては、その使命を終えたものや道路事情の変化によって、政治的判断で無料化し、解散をしている公社も多くあります。鹿児島県道路公社の売り上げは、二〇〇七年度で二十二億円、対する必要な年間経費は二億円ほどかかっております。  そこでお尋ねいたします。
     鹿児島県道路公社の概要と借入金返済及び県への償還見通しについてお示しください。  また、県は行財政改革に取り組んでおり、本年度はついに財源不足額がゼロとなり、財政調整に活用可能な基金百七十二億円が見込まれるまでになりました。伊藤知事県政にあって大変評価されるところであります。  そこで、公社等外郭団体の見直しはどうなっているのかということでありますが、これまで公社組織の見直しが行われたのか、この経過と結果はどうなっているのか。また、今後の公社のあり方をどう考えているのかをお尋ねいたします。  私は、指宿スカイラインの谷山インターから頴娃インターに至る二十九・二キロメートルの有料区間は無料化を図るのが、より得策と考えております。  その理由として、まず、観光道路として機能向上を挙げることができます。九州新幹線全線開通後の効果検証が各方面でなされており、指宿方面へは、観光特急「指宿のたまて箱」効果もあり、観光、レジャー目的の県外客の人気を得ております。さらにここに、無料化によりレンタカー利用者やツーリング観光者が、海岸線の国道二百二十六号か山並みを駆ける指宿スカイラインかとの選択肢もふえ、沿線である南薩地域への周遊効果も期待でき、おのずから地域への経済効果の波及につながると思います。  次に、道路事情による道路渋滞緩和効果が得られると思います。鹿児島市から指宿市へ通じる国道二百二十六号と接する、川辺からの国道二百二十五号、そして知覧方面から平川で接する県道二十三号付近は、一時的に渋滞いたしております。無料化によりこれらの渋滞緩和・解消につながると思います。  これらのことから、指宿スカイラインの一部無料化に向けた考えはないか、お示しください。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 26 ◯知事(伊藤祐一郎君)再生可能エネルギーの推進についてのお尋ねであります。  東日本大震災の発生を受けまして、政府におきましては、エネルギー基本計画を基本的に見直し、自然エネルギーと省エネルギーという新たな二つの柱を育てることなどを表明いたしております。  太陽光発電などの新エネルギーに代表されます再生可能エネルギーにつきましては、出力が不安定なことやコスト面などの課題がありますが、再生可能エネルギーの進展は、エネルギー自給率の向上や低炭素社会の実現にとりまして重要であると考えております。  県といたしましては、本年三月に改定いたしました新エネルギー導入ビジョンに基づきまして、公的施設等への計画的な導入を促進いたしますとともに、民間事業者への省エネ設備導入助成や新エネルギーフェア等による県民、事業者、行政が一体となった普及・啓発活動の実施等によりまして、その導入促進を図ってまいりたいと考えております。 27 ◯企画部長(六反省一君)風力発電施設の景観形成ガイドラインの見直しについてでございます。  本県の緑豊かで美しい自然景観は、「本物。鹿児島県」を代表する資産の一つであり、県民共通の財産として可能な限り保全し、将来の世代に引き継ぐべきものと考えております。  一方、県内の風力発電施設は、最近十年間で百二十基ふえて合計百二十九基となり、北海道、青森県に次いで全国三位の設置数となるとともに、今後も県内でさらに約百基の設置計画があるところでございます。  風力発電施設につきましては、風況の関係から、山の稜線付近に建てられることが一般的でございまして、その景観上の影響は広域に及ぶことが予想されますため、県といたしましては、風力発電施設の建設と地域の自然や文化的景観との調和が図られるよう、風力発電施設の建設等に関するガイドラインを一昨年末に制定したところでございます。これまで、このガイドラインに基づきまして、その後三件、二十七基の風力発電施設が適合してきておりまして、今後ともこのガイドラインの適正な運用と景観の保全に努めてまいりたいと考えております。 28 ◯土木部長(渡 正昭君)河川整備の基本的な考え方についてでございます。  本県における河川整備につきましては、これまでのはんらん実績や流域の状況などを総合的に勘案し、浸水被害の軽減を目的とした河川改修などを進めているところでございます。  河川整備を進めるに当たりましては、近年発生した著しい住宅浸水被害の解消を第一とし、その他、現在の治水安全度や流域の資産状況、地域の意向などについても総合的に判断しているところでございます。  今後とも、安心・安全な郷土づくりのため引き続き河川整備を進めますとともに、河川情報の提供などのソフト対策も含め、総合的な治水対策の推進に努めてまいりたいと考えております。  寄り州除去などの災害防止対策についてでございます。  県管理河川の寄り州除去や小規模な堤防かさ上げなどにつきましては、はんらんを未然に防止する重要な対策でありますことから、地元からの要望箇所を含め、寄り州の状況や堤防高の現地調査を行い、治水上緊急性の高い箇所から順次実施しているところでございます。  今後とも、寄り州除去など防災対策につきましては、予算上の制約はございますが、治水上、緊急性の高いものについてはできる限り対応してまいりたいと考えております。  道路公社の経営状況と組織見直し及び二期区間の無料化についてでございます。  県道路公社は、国土交通大臣の許可を得て借入金で有料道路を建設し、料金収入により償還を行っております。指宿有料道路の料金収入は、平成二十一年度実績で二期区間が約一億六千万円、三期区間が約二十億円となっており、平成二十九年度までには借入金の償還や県出資金の返済を終える見込みでございます。  公社の組織につきましては、公社等外郭団体見直し方針に基づき、これまで、総務管理部門を県土地開発公社や県建設技術センターと統合いたしましたほか、役職員を縮減するなどの合理化に努めてきたところであり、今後とも経営の健全化に努めてまいりたいと考えております。  指宿有料道路につきましては、道路整備特別措置法に基づき、料金収入により、建設に要した借入金の償還等を行っており、現時点で二期区間を無料化することは考えておりません。 29 ◯柚木茂樹君 自席から二点ほど質問いたします。  公社の概要ということで、役員の数を減らすなど行政改革に取り組んだという御答弁はございましたけれども、現在、役員が何名で、その中に県の職員及び県のOB職員は何名いらっしゃるのか。概要ということでお尋ねいたします。  また、指宿スカイラインの件です。一部無料化ということで、そのお考えはないということでありますが、この一部無料化に当たるところ、谷山インターから頴娃インターに至る二十九・二キロですが、そこの売り上げ収入は幾らになるのか、全体の何%になるのか、お示しいただきたいと思います。 30 ◯土木部長(渡 正昭君)お尋ねのありました役職員についてでございます。  県のOBにつきましては四名、それから職員につきましては二名が在職してございます。  それから、お尋ねのありました料金収入の比率につきましては、手元にデータがございませんので、正確な数字を直ちに申し上げることができません。御容赦ください。    [柚木茂樹君登壇] 31 ◯柚木茂樹君 それぞれ御答弁をいただきました。  原子力発電にかわる再生可能エネルギーについてでありますが、鹿児島県にも川内原発があり、福島原発と同様のケースは想定しがたいとは言い切れません。安全性が強く叫ばれる中、原子力発電を補完する再生可能エネルギーの積極的な導入を図るべきであります。  風力発電に関しては、鹿児島県は全国でも有数の風の宝庫であります。知事の最初のマニフェストにも風力発電の促進を記載されておりますが、全国でも厳しい景観ガイドラインを設定しているのが現状です。景観性の重要性も理解できますが、県下一円ではなく、ガイドラインの線引きを例えば桜島、開聞岳など重要拠点とは分けて規制すべきと考えます。知事の柔軟な対応を期待いたします。  河川の管理についての御答弁もございました。  水害の危険性の高い箇所に住む住民にとっては、その不安は大変なものであります。市町村にも住民から、堤防のかさ上げや寄り州の除去など、その改修・改善の要望が多くあります。要望には緊急性の低いものもあるかもしれませんが、窓口となる県の職員は、予算がないという対応が多いようです。  行政・財政改革に取り組む中、厳しい財政事情ではありますが、改革の枠を外してでも予算措置すべきであります。そして、未然災害対策として堤防のかさ上げ、寄り州の除去等の重点化、予算の配分は客観的かつ合理的にやるべきであります。市町村と強く連携し、要望のあった住民に対しては、行政の信頼の意味からも、予算対応できない場合であっても、納得のいく説明の上、理解を得るべきだと思います。善処方をお願い申し上げます。  県道路公社については、それぞれの改革が逐次進んでいるようでありますが、県民から見て理解のできる見直しを今後、注視してまいりたいと思います。  また、先ほど質問いたしました谷山インター間においては、私の調べでは全体の約一割の収入であります。総体的に勘案して、これはやはり無料化を考えるのが得策と思います。行政側の善処を希望いたします。  続きまして、二回目の質問をいたします。  三業種にわたり、合わせて七項目ほどお尋ねいたします。  まず、お茶の振興についてでありますが、お茶の生産体制は昔と比べて一変いたしております。お茶娘による手摘み風景も今は昔、現在は大型機械の摘み取り機で一気に片づけてまいります。害虫防除も乗用の大型機械で行います。私は、これを第一期の変革期と考えておりますが、これは、管理技術の向上により、家族で多くの茶畑を管理できるようになったということであります。今は家族労働で七ヘクタールの管理は可能だと思います。  しかしながら、機械化は多くの出費を必要とします。さきの乗用型摘み取り機は六百五十万円、乗用型防除機は三百五十万円ほどの価格ですが、ほかにも肥料散布機、剪枝機、トラックなど、数えると驚くほどの出費項目があります。したがって、現在は、お茶づくり一本の専業家でないと経営的にやっていけない業種となっております。  このことは、荒茶の価格が高値で推移し、生産量を多く確保できれば、十分に出費に対する返済も可能で経営は成り立つのでありますが、しかしながら、荒茶茶価で近年、様相が変わってきております。私は、第二の変革期にあると思っておりますが、さきの機械化により生産量がふえたことに加え、リーフ茶の需要減少が進行しております。つまり、供給過多による荒茶の茶価の低迷の時代に入っているのです。全国レベルでは、荒茶の生産量は九万トン弱に対し消費は八万トンで、約一万トンが余っております。  ちなみに、家族で三ヘクタールつくれば食べられた時代から、今では五ヘクタールも必要と言われております。このことから、これまでとは違う新たなお茶の振興策が必要と考えます。  そこで、お茶の振興について、三点お尋ねいたします。  まず一点目は、現下でのお茶についての主な取り組みはどのようになっているのか。また、お茶の振興に関する法律成立後の今後の振興策をどのように考えるのか、お示しください。  二点目は、今後のリーフ茶需要の見込み及び荒茶価格の動向をどう見ているのか、見解をお示しください。  三点目に、現在、鹿児島茶の約七割が荒茶販売と聞いており、仕上げ茶販売へのシフトの必要性が考えられると思いますが、どのような施策展開があり、今後どのようなことが考えられるのか、お示しください。  次に、養蜂について質問してまいります。  養蜂業を取り巻く環境は、みつ源作物の減少や経営者の高齢化、後継者不足、ハチみつの輸入増大等、さらには諸資材の高騰で、以前にも増して厳しくなっております。  ところで、ハチによる花粉交配は、施設園芸ではイチゴ、メロン等を中心に、露地園芸ではカボチャ等で利用され、着果率、品質の向上だけでなく、産地化、ブランド化に大きく貢献しております。物理学者のアインシュタイン博士は、「ハチが地球上からいなくなると人類は四年しか生きられない。地球は滅びる」と言っているように、ハチは目に見えないところで人類と、とりわけ農業に多大の貢献をいたしております。  また、輸入に関しては、国産純正ハチみつは五千トンに対し、外国産ハチみつは四万トンでありますが、国産純正ハチみつにあっては、前年度に対し三〇%の値上がりでありながら、その需要は高く、販売好調で在庫がとても足りない状態です。経済政策からみても、もっと、みつ源作物作付面積を拡大する必要があります。  一方で、国の食料・農業・農村基本法に基づく同基本計画では、ハチのこのような農業に対する効果がありながら、記載がありません。このことは、国において養蜂に対する認識と理解が低いことを象徴的に示しております。私は、この基本計画のどこかに一箇所でもハチの記載があることは非常に重要と考えております。  そこで質問いたします。  一点目は、養蜂業及び養蜂に対する推進についてどのような取り組みがあるのか、主なものをお示しください。  二点目は、養蜂に関し、食料・農業・農村基本法での同基本計画における位置づけについて、記載の必要はないのか、県としての見解をお示しください。  最後に、国指定伝統的工芸品について質問いたします。  鹿児島県では、国指定伝統的工芸品として、本場大島紬、薩摩焼、そして川辺仏壇が経済産業大臣より指定を受けております。この指定に基づき、伝統的工芸品産業の振興に関する法律によると、「伝統的工芸品が、民衆の生活の中ではぐくまれ受け継がれてきたこと及び将来もそれが存続し続ける基盤があることにかんがみ、このような伝統的工芸品の産業の振興を図り、健全な発展に資することを目的とする」とあります。  経済産業省の指定を受けた本県の三工芸品は、いずれも地域を支える重要な産業であるとともに、鹿児島県がPRする紛れもない「本物」でもあります。県内外に伝統的工芸品の魅力をアピールするとともに、より販路拡大を図るべきだと考えます。  ここで、伝統的工芸品の一つである川辺仏壇について、その現状に触れたいと思います。  仏壇産業は、川辺地区にあっては、かつてその地区の基幹産業でありました。平成六年をピークに百十七億円あった売上高は現在十七億円弱、一五%まで落ち込んでおります。仏壇産業の衰退とともに、徐々に川辺のまちも活気を失ってきているように感じます。  衰退した原因には複数ありますが、一九九五年ごろから始まった海外製金仏壇の輸入が大きいと思います。仏壇企業が日本から海外へ進出し、現地の安い労働力による安価な仏壇を製造、逆輸入することで、ほとんど日本にしかない仏壇市場に金仏壇を売りさばいているのです。現在では、金仏壇市場の八割以上が中国製、ベトナム製金仏壇となっております。  価格破壊の競争に打ち負けた全国の仏壇産地は、川辺に限らず、彦根仏壇、八女福島仏壇、その他の産地も押しなべて衰退いたしております。どの産地も後継者も育たず、技術の継承もままならなくなっております。  ところで、川辺仏壇の生産工程は、他産地と違い、木地、宮殿、彫刻、金具、まき絵、塗りと、それぞれの部品をたくみがつくり、それを仕上げ屋さんが組み立てるという分業制であります。今、その七工程の一つでも途絶えると、川辺仏壇の技術の継承はできません。後継者が育たない中、タイムリミットは十年と言われております。  そこで、このような現状下で、不当な販売に対し、公正競争規約の実現が目前となっております。これに関しては、消費者から全国の消費者センターに苦情相談情報として、「伝統工芸品の仏壇との説明を受けて購入した仏壇が、それと似せた大量生産品であることがわかった。解約してほしい」などの報告が多くあったためであります。つまり、公正競争規約の必要性は、原産国表示と品質表示の規定であり、消費者庁がこの規約を認証することで公的なルールとして効力を発揮するものです。うそや隠し事の不当な商取引があったときに、それを正していくのも政治の役目です。この公正競争規約の推進を見守り、期待したいものです。  そこで、国指定伝統的工芸品を広くPRし、販路拡大を推進する立場から質問をいたします。  まず、国指定伝統的工芸品振興のための県の主要な取り組みについてお示しください。  次に、川辺仏壇についての現状をどのように認識し、県はその振興にどのような取り組みをしているのかお示しください。  二回目の質問とします。 32 ◯議長(金子万寿夫君)ここで、土木部長から、先ほどの柚木議員の質問に対する追加の答弁の申し出があります。 33 ◯土木部長(渡 正昭君)先ほどお答え申し上げました公社職員の数でございますが、一部間違っておりました。  県のOBにつきましては四名でございますが、職員につきましては一名と申し上げましたが、二名でございました。  また、二期の料金収入につきましては、全体の七・四%となっております。  以上、御報告申し上げます。 34 ◯農政部長(中西 茂君)茶業振興に関しまして幾つか御質問をいただきました。  まず、茶業振興の取り組みでございますが、近年、茶業をめぐる情勢は、荒茶価格の低迷や資材価格の高騰等によりまして、農家の経営状況は厳しい状況にあるところでございます。  このような中、本県では現在、平成二十一年度に策定いたしました、かごしま茶産地力向上プランに沿って、品質、量とも日本一を目指しまして、販売戦略の強化、担い手の育成と足腰の強い産地づくり、消費者に信頼される茶づくりを柱としまして、乗用型摘採機等の導入による低コスト生産や優良品種の育成・普及による高品質化、かごしまの農林水産物認証取得の推進による安心・安全なお茶づくりなど、各般の施策に取り組んでいるところでございます。  一方、国におきましては、本年四月に制定されましたお茶の振興に関する法律に基づき、現在、生産者の経営の安定、消費の拡大や輸出の促進などとともに、お茶の文化の振興にも取り組むための基本方針を策定しているところでございます。  県としましては、今後示される基本方針の内容を同プランに反映させるなどいたしまして、本県茶のさらなる品質、生産力、知名度の向上などに努めてまいりたいと考えております。  リーフ茶の需要等についてでございます。  全国におけるリーフ茶の消費は長期にわたり減少傾向にあり、最近の十年間で一人当たり購入量が約二割減少しております。また、本県茶市場での一番茶価格も、十年前の平成十二年のキロ当たり二千八百九円から、二十一年には千六百七十六円と六割の水準まで下落したところですが、ここ二年間は、本県における品質重視の茶園管理が進んだことや、県外主産地における霜害等もあり、やや回復基調にあるところでございます。今後のリーフ茶の需要につきましては、炭酸飲料の増加等による消費者のリーフ茶離れや長引く景気低迷等の影響もあり、厳しい状況が続くものと見込まれております。  また、荒茶価格につきましては、需要動向を初め、国内産地の生産動向や品質格差等にも大きく影響されるものと考えており、一概に価格動向を見きわめることは困難でありますが、引き続き、高品質な荒茶生産に努めることにより、かごしま茶の評価を高めていく必要があるというふうに考えております。  仕上げ茶についての御質問がございました。  本県茶業のさらなる発展を図るためには、高品質の荒茶生産に努めることに加えまして、より付加価値の高い仕上げ茶の販売割合を高めていくことが大切であると考えております。そのためには、かごしま茶に対する消費者の認知度を一層高めることにより、販路を拡大し、かごしま茶の銘柄確立を図ることが重要であります。  具体的には、関係機関・団体と一体となって、知事のトップセールスを初め、大消費地等でのかごしま茶販売協力店における販売促進、郷土菓子とセット販売を行う百円茶屋のイベントなどへの出展、新幹線全線開業に伴う鹿児島フェアにおけるPR活動を展開するとともに、お茶大使や首都圏のラジオ放送による情報発信などに取り組んでいるところです。  さらに、本年十一月に霧島市で全国お茶まつりが開催されますことから、かごしま茶の魅力を全国に向けて積極的に情報発信してまいりたいと考えております。  次、養蜂業推進の取り組みについて御質問いただきました。  養蜂業につきましては、ハチみつやローヤルゼリーなど健康保持に有用な食品の生産や、イチゴやメロンなどのミツバチによる花粉受精の効率化など、重要な役割を担っている産業であり、養ほう振興法に基づき、その振興が図られているところでございます。  県としましては、県養蜂協会等と連携しまして、蜂群の適正配置やハチみつ等の増産及び花粉受精の効率化を図るため、養ほう振興法や県のみつばち転飼条例に基づき、蜂群の飼育場所の調整や、みつ源増殖のためのレンゲ種子の購入に係る支援、及びレンゲを食害するアルファルファタコゾウムシの防除実証事業に取り組んでおります。また、家畜伝染病予防法に基づき、ミツバチの幼虫を死滅させる伝染病である腐蛆病の検査など、疾病対策にも取り組んでいるところであります。  養蜂の食料・農業・農村基本法における基本計画への位置づけ等についての御質問でございます。  国が、食料・農業・農村基本法に基づき、おおむね五年ごとに定める基本計画につきましては、国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図るため、食料・農業及び農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な方向性を示しているものであり、国によりますと、養蜂を初め、個別の作物ごとの具体的な振興方策につきましては、それぞれ個別の振興法や振興計画にゆだねられているということでございます。  養蜂振興につきましては、蜂群の適正配置や、みつ源の増殖及び農作物等の花粉受精の効率化を図るために制定されました養ほう振興法と、県内における飼育場所を規制するために県が定めた、みつばち転飼条例に基づき取り組んできたところでございます。今後とも、これらの法律及び条例に基づきまして各種事業等を実施するなど、本県の養蜂振興に努めてまいりたいと考えております。 35 ◯観光交流局長(福壽 浩君)国指定伝統的工芸品の主要な振興策についてでございます。  本県の国指定伝統的工芸品であります大島紬、川辺仏壇、薩摩焼の振興に当たりましては、県といたしましては、これまで、物産観光展でのPRや販売促進に努めますとともに、工業技術センターによる技術支援、県伝統的工芸品産業振興資金による低利融資などの支援を行っているところでございます。今年度は新たに、各産地組合がさらなる販路開拓を図るために行う市場調査や首都圏等で開催されます物産展への出展などに対する支援を行うこととしております。  今後とも、各産地組合や特産品協会等関係機関と連携しながら、鹿児島の新特産品コンクールの実施やふるさと特産運動推進指導員の活動を通じまして、消費者ニーズに対応した新商品の開発や販路開拓、産地間交流によります新分野への展開などの取り組みを促進し、伝統的工芸品の振興を図ってまいりたいと考えております。  川辺仏壇の振興についてでございます。
     川辺仏壇につきましては、生活様式や住環境の変化、また、お話にありましたように外国産仏壇の流入などの影響によりまして、生産数量、生産額ともに減少傾向が続いておりまして、従業員の高齢化や後継者の減少などが課題となっていると認識しております。  こうした中で、仏壇業界におきましては、経済産業省の支援を受けまして、業界の自主規制であります公正取引規約の設定に向けた取り組みを進めておりまして、近く消費者庁への認定申請を行う予定であると伺っております。  公正取引規約の設定によりまして、消費者が適正な商品選択を行いますとともに、外国産仏壇との差別化、川辺仏壇の優位性が図られることが期待されますことから、今後、規約が認定されました場合には、県といたしましても、認定された規約の周知を図りますとともに、引き続き、産地組合や南九州市等と連携しながら、県内外での内見会、物産展等でのPRや販売促進、小型精密仏壇等の新商品の開発支援など、川辺仏壇の振興を図ってまいりたいと考えております。 36 ◯柚木茂樹君 自席から質問いたします。  茶業についてでありますが、先ほど答弁で、今後、新しい施策によってといいますか、方向性といいますか、日本一の品質と量を目指すんだとおっしゃいましたが、農家はですね、単価掛ける量なんですよね。日本一の量を目指すということは、茶畑面積を鹿児島県も推進し、ふやしていくということでしょうか。  もしそうなりますと、私が先ほど言っておりますように、需要と供給のバランスの問題があるんですが、このまま荒茶価格の低迷を続けるということにつながるんですが、それで、荒茶価格の見きわめはいろいろな状況から困難であるという答弁がありましたが、そのことも含めて、見解をもう一回お願いしたいと思います。 37 ◯農政部長(中西 茂君)先ほど申し上げましたが、鹿児島では、かごしま茶産地力向上プランを策定して進めているところでございます。その中で、今、御質問ございましたけど、県におきましては、平成三十年度を目標に荒茶の生産量を、十九年現在で二万四千トンぐらいなんですけど、これを三万トンまで持っていくという長期目標を立ててやっております。  その中で、今おっしゃるように、量がふえることによって価格が低下するのではないかという、そういう御指摘もあったわけですけど、その中で当然、品質の高い差別化が図れるような品質を求めるということと、それともう一点は、これも先ほど申し上げましたように、荒茶だけではなく仕上げ茶、今、大体三割でございますけど、この仕上げ茶のほうにも銘柄確立を図った上で割合を高めまして、さまざまな多角的なやり方をやっていきたいというふうに考えております。    [柚木茂樹君登壇] 38 ◯柚木茂樹君 ただいまお茶についての答弁をいただきました。  私の今回の質問は、お茶振興のこれまでの施策が、荒茶の供給過多によって茶価の低迷が今後も続くと想定される中、合理的かつ時宜を得たものかということであるということです。  私は、抜本的には、お茶の生産調整をしない限り茶価の低迷は避けられないと思っております。市場原理での自然淘汰を待つと、真っ先に追い込まれるのは二、三ヘクタールほどの中規模専業農家です。なぜならば、茶以外に収入もなく負債を抱え、経営的にも最も苦しい立場だからです。片や、体力のある五ヘクタール以上で茶畑を持つ農家は、さらにふやしてこの難局を売り上げ増で乗り切ろうとしております。また、二十、三十アールの兼業農家は、永年作物でもあり、ほかに収入のあることから、なかなか転換には踏み切りませんが、この荒茶安値の状態が続けば、いずれは茶づくりをやめていきます。業界では、二番、三番茶の摘み取りをやめる、あるいは中刈り等で生産調整をやる動きもありますが、これも抜本的解決にはなりません。  今、やはり全国レベルでの生産調整の制度をつくらない限り、茶価の回復はないものと考えております。例えば、かつてミカン栽培で転作を促すため抜根助成による生産調整で意欲のあるミカン農家を守ったように、お茶についても同様に、後継者のいる三ヘクタール程度の意欲ある農家を守るべきです。今、県がやるべきは、伸ばしていくべき意欲ある生産者を支援する制度だと考えております。県としても、全体の生産、全体の流通を見据えた中で、生産者の育成という観点に立った施策展開を期待したいと思います。  養蜂については、さきに述べました課題のほかにも、答弁にありましたように、レンゲにつく害虫、ミツバチ大量死、蜂群崩壊症候群の発生など、問題は山積みであります。これらの課題対応もお願いしたいところですが、国のほうでは農業者戸別所得補償制度で、地力増進作物のレンゲをまくと十アール当たり八千円が支給される、水田利活用自給力向上事業があります。市町村とも連携の上、みつ源作物の作付面積の拡大の推進を期待しております。  伝統的工芸品の販路拡大推進は、鹿児島県の本物を守ることでもあります。厳しい環境であればあるほど、今以上に推進すべきであります。  川辺仏壇について、今回の質問は、その現状を行政や先輩議員に認識していただくことも目的でありました。衰退した危機の中にも復興のチャンスはあります。外国産の安い仏壇も、人件費の高騰から価格設定が厳しくなっております。そこに公正競争規約の施行は明るい兆しと言えます。  川辺仏壇は、産地としての売り上げは日本一と思っておりますが、これまで、他の産地へ部品を売る下請産地として伸びてきました。それは、川辺でつくられたパーツを使い、他の産地の名で販売されるということです。しかし、他の産地も、今は川辺以上に後継者不足、収入減に陥っております。そこへいくと川辺仏壇は踏ん張っていて、生産機能技術を維持しております。販売戦略次第では今こそ、これまでの下請的産地から脱して、今までの川辺の部品を使いながら他の産地の名を冠して売っていた仏壇を、川辺仏壇の名で売れる時代が来たと考えたいのです。  名実ともに日本一の仏壇産地になる可能性が高いと思います。今後十年が勝負と思います。地元業界の自助努力が第一ではありますが、ぜひとも川辺仏壇の現状と将来の可能性に目を向けて、行政の支援をいただきたいと思います。私も地元業界とともに知恵と汗を出しながら、行政へ支援政策について提言をしてまいりたいと思います。  以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 39 ◯議長(金子万寿夫君)次は、永井章義君に発言を許可いたします。    [永井章義君登壇](拍手) 40 ◯永井章義君 本日の最後となりました。改選後、初めてでありますので、新たな思いで質問をさせていただきます。  まず初めに、防災対策に関してお伺いいたします。  三月十一日、東日本において未曾有の大震災が発生いたしました。改めて心から、お亡くなりになられた方々への哀悼の意をささげるとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い生活再建と被災地の復旧・復興を願うものであります。  本県でも、新燃岳や桜島、昨年の梅雨期の豪雨災害、奄美の集中豪雨、台風の襲来等、災害が切れ間なく訪れております。現在も梅雨期にあり、近年は、気候の変化に伴い、降雨量も多いように感じます。多くの県民の方々にとっても、災害に対する対応は大きなテーマの一つであります。代表質問等でもありましたので重複は避けますが、ハード面とあわせ、ソフト面での対応も求められております。  昨年十月の奄美豪雨災害の傷跡も、まだその多くが残っております。三月の奄美大島情報通信体制等検証報告書において、三十六の提言がなされております。着実な防災対策の推進をお願いいたします。  その中で、確認の意味も含め、お尋ねいたします。  昨年の災害以降、台風の襲来もありました。また、梅雨期の大雨もあり、新たな崩落や、崩落の危険性のある場所を見かけます。急傾斜や治山事業等での対応もありますが、市町村と連携した土砂災害危険箇所や土砂災害警戒区域等の地域の方への周知について、どのように取り組んでおられるのかお示しください。  また、近年の降雨量も多大な傾向にあります。そのことを踏まえた河川の対応も求められております。本県として、想定の基準を明確にし、しっかりとした整備を重ねてお願いいたします。  奄美豪雨災害で特筆される点は、通信網の寸断による情報収集・伝達がおくれたことでありました。そのような中、地域コミュニティFMが活躍したことは御報告のとおりであります。ぜひエリアの拡大に努めていただきたいと思います。  私自身が情報を知り得たのは当日の朝、四時と五時のエリアメールでありました。多くの通信手段を介して情報の伝達は必要であると思いますが、緊急速報エリアメールのサービス提供は一社のみであり、他社の協力も求められると思いますが、現状はどのようになっているかお示しください。  また、災害発生時における情報収集の集約が指摘されており、県庁及び地域振興局・支庁との連携、迅速な災害応急対応のため、市町村や関係機関との体制づくりにどのように取り組まれているのか、お示しください。  教育現場での取り組みについてお尋ねいたします。  今回の東日本における地震・津波災害に際して、日ごろから避難訓練をしていたところとそうでなかったところでは大きな差異が生じている実情があります。本県として、学校現場における災害時を想定した避難訓練はどのような状況であるか、お示しください。  災害時において、地域の自主防災機能の充実が求められています。また、災害時における相互扶助の精神の啓蒙は大切なことです。奄美での結いの精神、また、東日本での多くの互助の姿があります。このことは地域で暮らす中で大切な部分であり、元来、家庭や地域社会の中で培われていくものでありますが、学校教育現場の中での啓蒙も求められていると思います。本県教育委員会としての相互扶助の精神啓蒙について、どのように取り組んでいかれるのかお示しください。  また、台風に対する備えについてお伺いいたします。  本県は台風の常襲地帯であります。このごろは余り直撃も少なく、何となくなれっこになっているような感もありますが、昨年の奄美豪雨も、大型台風と秋雨前線との交差によるものでありました。  ことしも台風一号、二号が本県を襲来いたしました。近年では、温暖化の影響もあり、台風が大型化しているように思われます。また、直撃も十分想定されます。その場合に当たり、本県は多くの海岸線を有しており、多くの集落や地域が存在しています。高潮や満潮時と重なると大きな被害をもたらす懸念があります。  本県として、防潮堤等の海岸保全施設のありようについて、どのような認識で取り組まれているのかお示しください。  台風二号も強い潮風を伴った台風で、後に多大な農作物を初めとする潮風害に見舞われました。県では、農作物の被害対策についてどのように取り組んでいるのか。また、本格的襲来シーズンを前に、人的被害等を未然に防ぐため、いま一度、事前の対応・対策について、市町村を初め、関係機関と認識を共有しておく必要性を感じますが、本県のお考えをお示しください。  消費者行政の推進についてお尋ねいたします。  消費者行政の推進については、平成二十一年九月に消費者庁が設置され、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けて、全国的にさまざまな施策が推進されているところであります。  本県においては、平成二十二年四月、副知事を本部長とする消費者行政推進本部を設置するとともに、県民生活局に消費者行政推進室を設置するなど、より一層の積極的な取り組みを行っております。これまで、県消費生活センターを除くと鹿児島市だけであった市町村の消費生活センターも、県の働きかけもあり、現在十一市までふえているなど、高く評価するところであります。  こういう中で、県民の消費生活の安定及び向上を目的に、消費者の権利の尊重及びその自立の支援を基本理念とした、平成二十三年度から平成二十七年度までの五年間を計画期間とする新たな県消費者基本計画を本年三月に策定しています。  また、第一回定例会の施政方針で知事は、「県消費者行政活性化基金を活用し、県及び市町村の消費生活相談窓口の充実・強化を図る」、また、「県の相談窓口である県消費生活センターを本年一月から県住宅供給公社ビルに移転・開所し、相談コーナーや図書・展示室の拡充など、相談者の利便性向上を図った」と述べておられます。  そこでお尋ねいたしますが、このような状況を踏まえて、新たな県消費者基本計画においてどのような課題に取り組むこととされているのか、お示しください。  あわせて、県消費生活センター移転に伴う相談者の利便性の向上などの効果についてお示しください。  離島における物流等の諸課題についてお尋ねいたします。  離島における物資の供給はその多くが海上輸送等にゆだねられており、輸送コストの負担もあり、平均して一三・四%と高い現状があり、離島の割高な物価の解消は長年の課題であります。今日まで、東京小笠原諸島で行われている制度的海上輸送経費への助成制度の創設を求めておりましたが、本年五月より、離島ガソリン流通コスト支援事業により、離島のガソリン販売店において七円から十五円の助成制度がスタートしたことは大きな喜びであると同時に、恒常的な改善を願うものであります。  現状として、各販売店において毎日の販売量を記載し、一カ月分をまとめて申請し、二カ月後に助成を受けることになっており、販売店において事務手続が多くなったことと、小規模小売店において資金繰りに負担がかかっているようにも思われます。また、制度そのものが予算措置であり、単年度的要素もあり、恒常的制度の確立が求められていると思います。  一案でありますが、全国の離島の自治体で形成する全国離島振興協議会があります。例えば、そこを窓口として離島を有する自治体から出資を願い、基金を設置し、支援制度を確立し、あわせて、自治体が負担した分については国が交付税措置をする仕組みはできないのでしょうか。考えをお聞かせください。  余談になりますが、ガソリンの価格を全国の消費量の価格で平準化するとします。平成二十二年度の全国のガソリンの販売数量は約五千八百七十万キロリットルです。うち、全国離島のガソリン販売数量は推計で四十万キロリットルです。今回の流通コスト支援事業の三十一億円を全国の販売価格から捻出すると、一リットル当たり約〇・〇五円です。離島の約二十円高い現状を解消するために全国の販売価格で調整するとすれば、一リットル当たり約〇・一四円御負担いただければ、全国の価格はほぼ平準化することになります。ただ、流通形態が複雑であり、現実的には難しいことであろうと思います。  そういう実情を考えると、やはり税制で改善することが望ましく、根本的には、従前から要望を重ねている揮発油税の軽減という措置が一番現実的施策ではないかと思います。本県も、開促協を通じ、国に要望を重ねておられますが、基本的な考えと取り組みをお聞かせください。  税制に関連して、離島における消費税の軽減税率についてお伺いいたします。  この課題については、以前質問させていただき、伊藤知事にも御理解をいただき、全国知事会において議論を賜り、平成二十一年七月の地方財政の展望と地方消費税特別委員会の提言書の中に、「地理的条件等により総体的に物価が高い離島地域において、欧州でも例があるように、軽減税率を活用すべきとの議論もある」との文言を明記していただきました。感謝申し上げますとともに、その実現を切に望むものであります。  現在、政府税調の動向を見ますと、調整は難航しているようでありますが、当面の社会保障改革に係る安定財源を確保するため、二〇一五年度までに段階的に消費税率を一〇パーセントまで引き上げると、修正案に明記されています。その議論の中で、消費税の逆進性や、物価の高い地域での軽減税率の活用についての議論の姿が見えてきません。  私自身、消費税率の改定に異を唱えるものではありませんが、消費税率の二けたを目指すのであれば、フランスやイギリス、スペインなどの欧州で行われている制度の例があるように、我が国でも措置がとられるべきと思いますが、国での議論の動向はどのようになっているのか伺います。  制度が確定してからの改善は難しいものがあります。ぜひ改定のこのときに、法制化された国と地方の協議の場などでの議論と、施策としての実現を願うものでありますが、本県のお考え、取り組みをお示しください。  次に、郵便小包の料金体系についてお伺いいたします。  南西諸島における経済交流、物流の多くは、鹿児島を含め、北へ向かっておりますが、古くから同様の文化圏である沖縄との交流も大きなウエートを占めております。そのような中、郵便小包もよく利用されるわけでありますが、現状として、鹿児島へ送るよりも沖縄に送る料金が高い実情があります。例えば、与論島にお住まいの方が福岡や大阪へ送る場合よりも、すぐお隣の沖縄へ送る料金のほうが高い現状があります。このことには大きな矛盾を感じざるを得ません。  この案件についてはかつて国会でも議論されており、一時期、改正が行われております。今日までの料金の変遷について調べてみますと、平成七年までは全国は三つの地帯に区分されており、鹿児島県は第一地帯、沖縄県は第二地帯と区分が別でありましたが、平成九年十二月に料金等の改正が行われ、鹿児島県と沖縄県は第一地帯となり、同一地帯としての料金体系で行われておりました。  ところが、平成十六年十月に料金等の改正が行われ、重量距離制からサイズ距離制に改正され、あわせて全国の地帯区分も七つの地帯に見直され、鹿児島県は第一地帯、沖縄県は第三地帯となっております。ちなみに、第三地帯は北陸、東海地域と同地帯であります。これは、日本郵政公社が平成十九年十月の民営化に備え、民間業者の料金体系を考慮し、料金体系等を改正するとともに、地帯の見直しも行った結果でありますが、現状でも、物流については、奄美群島から沖縄へは船便にて搬送されており、不合理に思えてなりません。  ぜひ、かつて行ったように、沖縄県と連動してこの実情の改善に努めていただたいと思いますが、本県のお考えをお示しください。  次に、小型飛行機の障害者の方々への対応についてお尋ねいたします。  昨年十月末より、JALグループによる鹿児島・奄美路線は、収支改善、コスト縮減のため、すべての航空機がQ400とサーブ機のプロペラ機で運航されております。路線の維持等やむなきところでありますが、先般、車いすの方と同乗することがありました。従前はジェット機の場合はボーディングブリッジを通してスムーズに優先搭乗されておられましたが、プロペラ機ではそのことはかないません。  実情は、Q400の場合、後ろの搭乗口からフォークリフトを利用して乗降されておられます。奄美空港では、狭いながらも雨風を避ける車いす専用のリフトで搭乗されておられましたけれども、鹿児島空港では、手すり的なものはついていますが、雨風は避けることができないパレット改修型で乗降されておられました。  その日は強い雨が降っていました。係員の方もかっぱを着て、車いすを支え、傘を差しながらおりてこられました。また、おりられた後も、係員の方が後ろから傘を差しながら、エプロンを車いすを押して来られました。その姿を見たとき、このことは改善すべきと痛切に感じました。  後日、車いすでの乗降を経験した方にお伺いしたところ、パレット改修型では雨の日のことや支えがしっかりないこともあり、係員の方がおられますが、ある種の不安や怖さを感じておられるとのことでありました。  そこでお伺いしますが、本県の各空港においては、車いすの方への対応の設置はどのような状況か、お伺いいたします。  また、鹿児島空港にも風雨を避ける車いす専用リフトはあるようでありますが、使い勝手が悪く、便数も多いこともあり、パレット型を活用されているようでありますが、バリアフリー法の趣旨である障害者の方の移動の円滑化の促進を考えた場合、この現状は改善すべきであると思います。その場合、改善に当たっては、運航会社に義務づけられているものなのか。また、行政的に支援することはできないのか。本県としてのお考えをお伺いいたします。  以上、一回目といたします。    [知事伊藤祐一郎君登壇] 41 ◯知事(伊藤祐一郎君)防災対策に関連いたしまして、災害応急対応のための体制づくりについてのお尋ねがございました。  昨年十月の奄美豪雨災害におきましては、通信手段や電気・水道などのライフライン関係が広範囲にわたって途絶し、その復旧に時間を要するなど、被災地の住民生活に甚大な影響が生じたところでありまして、また、県や市町村によります被害状況の把握や、応急対策に係る各種情報の収集も難航したところであります。  このようなことから、県と市町村が災害に係る情報を共有し、互いに調整・連携して対処するための県の災害対策本部に加えまして、大島支庁長と奄美大島の市長村長などで構成いたします現地対策合同本部を設置し、国の関係機関の助言も得ながら、県と市町村が一体となって被災者への対応や円滑な災害復旧などに取り組んだところであります。  合同本部は、県の地域防災計画に位置づけられてはおりませんが、市町村をまたがる広域災害におきまして、迅速かつ効率的な災害応急対応のために有効に機能することが奄美豪雨災害で実証されましたことから、奄美大島情報通信体制等検証委員会におきましても、「合同本部と市町村等との連携をより深める取り組みを行う必要がある」との提言がなされたところであります。  県といたしましては、今後、合同本部の県地域防災計画への位置づけや、同本部の機能を高めるための訓練の実施を検討するなどいたしまして、迅速な災害応急のための体制づくりにさらに努めてまいりたいと考えております。 42 ◯土木部長(渡 正昭君)土砂災害危険箇所等の周知についてでございます。  本県には土砂災害危険箇所が一万六千二百四カ所あり、これまで、十八市町一万百三十八カ所の土砂災害警戒区域等を指定しております。このうち、土砂災害危険箇所につきましては、市町村と連携して、危険箇所表示板の設置等により住民への周知を図っております。  また、土砂災害警戒区域等につきましては、市町村と共同で住民説明会を開催し、市町村によるハザードマップ作成に当たっては、地図データ等の提供などの支援を行い、警戒避難体制の整備の促進を図っているところでございます。  今後とも、市町村と連携し、土砂災害危険箇所等の県民への周知に努めてまいりたいと考えております。  海岸保全施設整備の考え方についてでございます。  本県におきましては、台風や季節風に伴う高潮による被害が多数発生しておりますことから、海岸保全施設の整備に当たっては、高潮対策を優先して実施しているところでございます。施設の設計につきましては、ルース台風などの既往最高潮位や、波の打ち上げ高さなどに基づき行っているところであります。  今後とも、地球温暖化の影響の把握に努めながら、地域の安心・安全のため、海岸保全施設の整備に努めてまいりたいと考えております。 43 ◯危機管理局長(平田浩和君)緊急速報エリアメールの現状についてのお尋ねがございました。  緊急速報エリアメールは、気象庁が配信いたします緊急地震速報や地方公共団体等が配信いたします災害避難情報などを、特定エリアの携帯電話に一斉に配信するもので、現在、電気通信事業者の一社がサービスを提供しておりまして、県内では奄美大島の五市町村が導入し、住民に情報提供を行っているところでございます。  なお、平成二十四年の春以降には、別の通信事業社一社が緊急速報メールの提供を始めると聞いているところでございます。  次に、台風によります人的被害等の未然防止対策についてでございますが、予想される進路から、本県に上陸または影響を及ぼすおそれのある場合は、市町村等に対しまして、通信設備の事前点検を要請いたしますとともに、初動体制の確立、住民への迅速・的確な情報伝達や注意喚起など、厳重な警戒を要請しているところでございます。  また、今後の予想進路、防災上の警戒・注意事項に関する情報の共有化を図りますため、鹿児島地方気象台に依頼して、県の災害対策本部室で開催いたします台風説明会の映像を市町村にもライブで配信いたしまして、防災対策に活用してもらっているところでございます。  今後、本格的な台風シーズンを迎えますことから、市町村や関係機関と連携いたしまして、住民への情報伝達体制や避難体制の確立など、人的被害等を未然に防止するための防災対策に万全を期してまいりたいと考えているところでございます。 44 ◯教育長(原田耕藏君)学校における避難訓練の状況についてでございます。  県内すべての公立小・中・高等学校及び県立学校におきましては、さまざまな災害を想定して防災体制を整えますとともに、児童生徒が安全かつ迅速に避難できるよう、訓練を実施をいたしております。  県教委では、東日本大震災を受けまして、これまで以上の災害を想定した避難経路の確保と訓練を実施するよう指導したところであり、各学校におきましては、避難方法の見直しを図りますととともに、津波発生時の避難場所を高台に変更した訓練や、地域と連携した訓練等の取り組みを進めているところであります。  今後とも、児童生徒みずからが正しい判断と臨機応変な行動がとれるよう、指導に努めてまいりたいと考えております。  助け合いの精神をはぐくむ教育についてでございます。  子供たちが、多くの人々の善意や支えにより、日々の生活や現在の自分があることに感謝し、それにこたえることができるように指導していくことは極めて重要であると考えております。  学校教育における取り組みといたしましては、心のノートなどの補助教材を活用しながら、助け合いや支え合いの精神をはぐくむ道徳教育が進められておりますほか、総合的な学習の時間や特別活動等におきましても、地域の高齢者との交流活動やボランティア清掃等を通じ、公徳心や社会連帯の精神の涵養を図っているところであります。  今後とも、家庭、地域と一体となって、児童生徒が人と人とのつながりを大切にし、助け合う心をはぐくんでいけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 45 ◯農政部長(中西 茂君)台風等による農作物被害への対応についてでございます。  台風二号では、大島地域を中心に葉たばこ、ソリダコ等のしおれや、サトウキビの茎や葉が折れるなど、約十六億五千万円の被害が発生したところでございます。
     台風災害に対する県の対応としましては、防風ネットの補強、排水溝の点検・整備等の事前対策や、台風通過後の散水による塩分の除去などにつきまして、現地において、市町村、農協等と連携して指導を行いますとともに、県ホームページへの掲載などを通じまして周知に努めているところでございます。  また、被災農家に対する資金の円滑な融通や償還条件の緩和につきまして、金融機関へ要請いたしますとともに、営農・資金相談窓口を設置いたしまして、栽培管理や農業経営資金に関する相談活動を実施しているところでございます。 46 ◯県民生活局長(灰床義博君)新たな県消費者基本計画の概要についてでございます。  平成二十三年度からの五年間を計画期間とします県消費者基本計画につきましては、新たに市町村、国、関係機関・団体等とのネットワークの構築を加えた五つの消費者施策の展開方向を掲げております。具体的には、最近の複雑・悪質化する消費者問題に対応するため消費生活相談体制の強化や、幅広い世代を対象とした消費者教育・啓発の充実を図ることとしております。  また、事業者の違法な行為に対しましては、引き続き厳正な法執行に取り組むこととしているところであります。  さらに、増加傾向にあります高齢者の消費者トラブルにつきましては、民生委員や地域包括支援センターなどによる見守り体制の活用を図ることとしております。  今後とも、関係者間の連携をより一層強化しながら、消費生活の安定・向上に努めてまいりたいと考えております。  次に、県消費生活センターの移転に伴う効果についてでございます。  本年一月に移転・開所しました県消費生活センターは、相談コーナーなどを拡張するとともに、一階から三階に分かれていた相談室などをワンフロア化したところであります。この結果、相談者のプライバシーなどに配慮した相談が行えるようになったことや、図書・展示室での情報収集が容易になったことなど、相談者の方々の利便性の向上が図られたところであります。  また、隣接する鹿児島中央警察署との連携を密にしていることにより、悪質事業者に対する抑止効果も生じているものと考えております。  今後とも、県消費生活センターを中心に、消費生活相談が県民の皆様方により身近なものとなりますよう、周知広報に努め、消費者被害の未然防止などに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 47 ◯企画部長(六反省一君)離島における物流等の諸課題についての、まず一つ目の離島ガソリン流通コスト支援事業についてでございます。  本土と離島のガソリン価格の格差を軽減するためには、お話がございました基金設置も一例かと存じますが、さまざまな手法が考えられますが、今年度、離島ガソリン流通コスト支援事業が創設され、五月一日から、ガソリンの流通形態に基づいて、七円から十五円の値引き販売が行われているところでございます。  同事業は、国の予算の範囲内での支援でございますことから、県としては、離島の住民の負担軽減のためには、揮発油税等の恒久的な軽減措置が望ましいと考えておりまして、引き続き、県開発促進協議会等を通じて、国に要望してまいりたいと考えております。  消費税の軽減税率についてでございます。  政府・与党社会保障改革検討本部の成案決定会合が示しました一体改革成案の案では、消費税の逆進性の問題に関しましては、「複数税率よりも、給付などによる対応を優先することを基本に総合的に検討する」とされております。  県といたしましては、離島地域における消費税の軽減税率の導入は、税制上も合理的な制度であると考えておりまして、今後、消費税を引き上げることになり、国において逆進性の問題が検討される時点で、離島への軽減税率の問題を整理することが現実的ではないかと考えているところです。  社会保障と税の一体改革につきましては、国と地方の協議の場でも議論されているところでございますが、県といたしましても、離島地域での消費税の軽減税率導入に向けた検討がなされるよう、今後とも、県開発促進協議会等を通じて、国に要望してまいりたいと考えております。  郵便小包の料金体系についてでございます。  郵便小包料金は、平成九年に、沖縄特別振興の観点から、沖縄県の強い要望で沖縄県と九州一円が同一区分の料金となっており、その際、大島郡町村会長及び旧名瀬市長が沖縄県に要望書を提出いたしております。その後、民営化前の平成十六年に、郵政公社は、同業他社と料金の地帯区分を合わせるために、九州から沖縄県の料金区分を分離したと聞いております。  県としては、まず地元や沖縄県の意向も踏まえながら、その対応を見きわめてまいりたいと考えております。  小型航空機の障害者への対応についてでございます。  鹿児島空港及び県管理七空港での車いす利用搭乗者への対応について、日本エアコミューター―JAC―に確認いたしましたところ、喜界、与論を除く六空港では、車いす専用リフトとフォークリフト利用によるパレット改修型リフトの双方を、喜界、与論の両空港は、パレット改修型のみを配備しているとのことでございます。  車いす専用リフトは、機体への取りつけ移動を人力で行わなければならず、時間を要しますことから、便数が多い鹿児島空港ではその大部分が、両方を配備している離島空港でも半数以上がパレット改修型を利用しているとのことでございました。  バリアフリー法では、交通事業者に対し、「障害者等の移動等円滑化のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない」としておりますが、ボーディングブリッジを使わない搭乗については、具体的な基準を定めておりません。JACでは、航空機内に義務づけられた通路幅の確保などの基準はすべて達成しており、基準のないボーディングブリッジを使わない搭乗についても、「バリアフリー法の趣旨、サービス向上の観点から安全性の確保に努めてきたが、今後もさらなる改善に努力したい」としております。  搭乗の際の移動円滑化は、一義的には航空会社が実施するものでございますが、県といたしましても、活用可能な支援制度の情報収集・提供を行いますなど、車いす利用者の環境改善が図られるよう対応してまいりたいと考えております。    [永井章義君登壇] 48 ◯永井章義君 それぞれ御答弁いただきました。  防災対策は、現在の大きなテーマでもあります。基準の見直し等も含め、幅広い想定のもと、対応をお願いいたします。  また、検証結果における提言に対する市町村、関係機関との対応を重ねて要望いたします。  また、教育現場での取り組む課題もあります。本県らしい取り組みをお願いいたします。  また、台風四号、五号も現在発生しております。事前の対策も含め、しっかりした対応をお願いいたします。  消費者行政の推進については、県民の消費生活の安定及び向上のため、引き続き、きめ細やかな取り組みを推進されるようお願いいたします。  今、企画部長からいろいろお話しいただきました。離島は、地理的要因において幾つかの課題があります。海上輸送経費などの輸送コストをいかに軽減するかというのも一つのポイントです。今回の流通支援事業の創設は喜びでありますけれども、やはり恒常的な対策、引き続きの助成が行われることを望みます。価格も含め根本的解消には、やはり税制での措置であると思います。消費税についても重ねてお願いいたしましたが、ぜひ軽減税率の実現を強く願うものであります。  郵便小包の料金体系については、経緯等を含め、お話を聞きましたけれども、やはり現実的には、流通は鹿児島に集出荷して再発送しているんじゃなくて、船便でそのまま、かつてと同じように流通の姿があるとすれば、不合理を感じてなりません。やはり沖縄県との協議が必要だと思いますが、ぜひ連携をとって、改正というものを目指して取り組んでいただきたいと思います。  小型飛行機における障害者への対応については、御説明を賜りました。現状の改善は利用者の方から望まれていることだと思います。運航会社とぜひ協議の上で、改善への取り組みを重ねてお願いいたします。  質問に移ります。  伝統工芸品の振興についてお尋ねいたします。  伝統工芸品は、長い歴史を通じ培い、伝えられた工芸品であり、地場産業として地域産業を支えてきた大切な部門でもあります。しかしながら、生活様式や雇用の変化により、著しく衰退の道を歩んできました。  先ほど柚木議員から川辺仏壇のお話がありましたけれども、大島紬も同様であり、ピーク時では生産反数二十八万反余り、生産額では二百八十六億円余りと、現在の奄振予算を上回る、地域経済を支えてきた産業でありますが、現在では生産反数も一万反を切り、生産額も九億円近くと、大幅な減産の推移をたどってきております。  現在、大島紬組合も体質改善を図り、産地主導による販売の促進に努めているところであり、基本は、いかに販路・販売を広げていくかという点にありますが、今後とも、催事を含め、本県の温かい支援をお願い申し上げます。  一方で、伝統的技術、技法のしっかりした継承の必要性が求められており、人材育成も一つの課題であります。今日まで、伝統的工芸品産業振興協会において、各分野の高度な技術を習得された方に、伝統工芸士の称号を贈り、その社会的地位を高め、産地固有の技術、技法の研さんに努め、そのわざを次代に継承していくための中核の人材として位置づけてこられましたが、現在では伝統工芸士の数も増加の傾向にはありません。  そのような中、伝統的技術、技法を明確に位置づけ、しっかりと継承していく意味合いも含め、大島紬をユネスコ無形文化遺産への登録を推進しようという機運もあります。これは、結城紬が二〇一〇年ユネスコ無形文化遺産リストに登録されたことも一つの要因であります。  無形文化遺産は、人々の慣習、描写、知識及び技術並びに、それに関する器具や加工品、文化的空間のことを言い、世界遺産は建造物など形があり、動かないものであるのに対して、無形文化遺産は、一つには口承による伝統及び表現、また芸能、社会的慣習、伝統工芸技術など、形にならない、人間が持つ知恵や習慣などが含まれます。  また、国の重要無形文化財は、一つには芸術上特に価値の高いもの、二つ目に、工芸史上特に重要な地位を占めるもの、三つ目に、芸術上価値が高く、または工芸史上重要な地位を占め、かつ地方的特色が顕著なものが指定の基準になっております。ちなみに、結城紬は一九五六年に指定されております。  旧文化財保護法の指定基準には「衰亡のおそれ」という記述があったようでありますが、現法では削除されており、大島紬も基準を十分満たしているように思います。そのことが、付加価値を高め、伝統的技術、技法の継承にもつながる一面もあるように思います。  伝統的工芸品振興は、いかに販売を促進するかが基本ではありますが、無形文化財、無形文化遺産登録も一つの方策であると思いますが、本県のお考えをお聞かせください。  次に、鳥獣害対策及び特殊病害虫対策についてお伺いいたします。  農産物の生産振興のため、各種基盤整備、土壌改良、かんがい排水事業等に取り組み、生産性の向上に努めているところでありますが、その阻害要因の一つに鳥獣被害、特殊病害虫被害があります。本県においても、イノシシ、シカ、タヌキ、特に猿の被害対策は抜本的取り組みが求められているところでありますが、今回は、渡り鳥であるヒヨドリの対策についてお伺いいたします。  従前は、渡り鳥のヒヨドリを見かけると、その季節が訪れたとの感じでありましたけれども、昨年の秋以降、気候の変化がもたらしたのか、その異常な多さに驚きました。いろいろな地域をお伺いするときに、農家の方がヒヨドリを追い払うことに苦労されておられました。お尋ねすると、果樹作物はもちろんのこと、ブロッコリーやキャベツ等の野菜やバレイショの葉が食い荒らされ、多くの農産物に被害が発生しておりました。  ヒヨドリは渡り鳥でありますので、南西諸島だけではなく県内においても被害が発生していると思いますが、県内の状況はどのようであったかお示しください。  対策として、防鳥ネット等による被害防止でありますが、農家の方々の取り組みもそれぞれであり、助成制度の周知も必要に思われます。農地が隣接していなくても、三戸以上の共同体であれば助成の対象になると思いますが、制度の概要、周知についてお示しください。  また、防鳥ネットの効果もいま一つであり、根本的には捕獲ということになります。有害鳥獣捕獲の許可については、許可権者は市町村長であると思いますが、県内市町村の対応はどのようになっているのかお尋ねいたします。  捕獲は銃器、網によりますが、免許が必要となります。農家の方が免許取得において費用がかかると思います。県としてのしっかりした対応をお願いいたします。  あわせて、奄美群島及び沖縄や小笠原においては、地域の固有種、亜種がおり、国は、ヒヨドリの狩猟による捕獲を禁止しております。しかし、農林業被害防止目的で行う捕獲は可能であるのかお尋ねいたします。  気候の変化等もあり、今後の予測は難しい面もありますが、今年度も被害が想定されるとすれば、対応について、事前に市町村も含めた対応の協議が必要であると思いますが、お考えをお示しください。  特殊病害虫対策についてお尋ねいたします。  南西諸島には、亜熱帯性気候も相まって多くの特殊病害虫が存在しており、熊毛地域や県本土への蔓延防止とともに、根絶が強く望まれております。その中にアリモドキゾウムシとイモゾウムシがあります。  アリモドキゾウムシについては、現在、喜界島において根絶事業に取り組んでおられるところでありますが、他の地域の方々から、根絶に向けて密度抑圧と不妊虫放飼法という技法が確立しているのであれば、もっとスピード感を持って展開してほしいとの強い要望があります。ミカンコミバエと違い、行動範囲が狭く、根絶に時間を要している現状もありますが、不妊虫の増殖を拡大し、展開を広げることはできないのでしょうか。喜界島での取り組みの状況、今後の展望を含め、お示しください。  あわせて、イモゾウムシについてでありますが、フェロモン剤の開発など、根絶へ向けての技法がいまだ確立されていないように聞きますが、沖縄県での取り組み状況はどのようになっているのか。また、今後の方向づけはどのようになっているかお伺いいたします。  最後に、特別支援教育の充実についてお伺いいたします。  本県として、特別支援教育の充実には重きを置き、高等特別支援学校については、県立鹿児島東高等学校の施設の一部を活用し、平成二十四年四月の開校を目指し、整備が進められているところであり、離島における充実においては、昨年度から与論高校の校舎を活用した大島養護学校の訪問教育が開始され、種子島の中種子養護学校についても来年度、高等部が開始される等、取り組みが進んでおられ、感謝を申し上げるところであります。  しかしながら、離島には、特別支援学校自体が設置されていない地域も多く現存しており、特に、高等部教育を希望する生徒の方や親御さんの悩みは大きなものがあり、現状の改善が強く望まれるところであります。  その一つの地域に徳之島三町があります。実情は、他の離島の方々と同様に、体調面での配慮が必要な児童生徒は家庭での訪問教育を選択し、特別支援学校への就学を希望する児童生徒は、親元を離れ、島外の特別支援学校へ入学せざるを得ません。  現在、離島等からの特別支援学校へ就学する児童生徒については、寄宿舎を設置している学校へ受け入れる対応をとり、寄宿舎の居住費や帰省に際しての交通費に対する補助等、負担軽減の支援は行われておりますが、経済的な負担はもとより、精神的負担は大きなものがあります。御家族によっては、島内と島外の二重の生活を余儀なくされたり、御家族で移り住む選択をされている方もおられ、このような方々にとって、地域への特別支援学校の分校、分教室の設置は切なる願いであります。  徳之島の現状は、支援学級、訪問教育、島外の養護学校で学ぶ小・中・高校生が全学年の合計で数十名おり、また、分校、分教室が設置された場合に入学を希望する方が、未就学児を含めると四十五名いらっしゃると伺っています。このことは十分考慮すべき現状にあると思います。  昨年、本県議会にも一万数千名の署名を添えて陳情が出されました。また、本議会にも改めて陳情が提出されております。  さきの議会での教育長の御答弁で、「今後、生徒の在籍見通しや施設整備のあり方、関係機関との連携等も含めて、研究すべき課題であると考えており、現在、県教委において、他県における設置状況等の調査等を行っているところである」とのことでありましたが、まず、その調査結果についてお示しください。  特別支援学校に求められる専門性や少人数の学習集団における学習効果の課題もあると思いますが、徳之島三町の実情は十分考慮すべき現状であると思います。ぜひ、地元市町村、関係機関、地域の方々と協議の上、徳之島高校または旧徳之島農高跡地への養護学校の分校または分教室の設置を強く望むものでありますが、本県のお考えを改めてお伺いいたします。 49 ◯教育長(原田耕藏君)大島紬の無形文化財等の指定についてでございます。  大島紬は、長い伝統と泥染めなどの独自の技法を誇る本県の代表的な伝統的工芸品であり、昭和五十年には通商産業大臣により、国の伝統的工芸品に指定されております。  一方、文部科学大臣の指定する国の重要無形文化財につきましては、現在の製作技法等が昔からのものと合致しているか学術的に検討がなされた上で、原材料や製作器具など、文化財としての細かい指定要件が定められております。  また、無形文化遺産につきましては、国が重要無形文化財に指定したものの中から、ユネスコ無形文化遺産委員会へ推薦を行うこととなっております。  大島紬につきましては、古い伝統を守りながらも、長い年月の中でたび重なる改良がなされてきておりまして、今後の対応につきましては、国などとも協議していく必要があると考えております。  特別支援教育の充実についてでございますが、他県における特別支援学校の分校、分教室の設置状況でございます。  平成二十二年度末現在、全国におきましては、特別支援学校の分校が三十五道府県に百三校、分教室が二十八都府県に九十一教室設置されております。このうち、高等部を独立して設置している分校、分教室につきましては、分校が十府県に二十校、分教室が十県に三十一教室となっておりまして、一学年の平均在籍生徒数は十二・六人となっております。  なお、このうち離島におきまして、高等学校に特別支援学校の高等部を併設している例は、分校では該当がなく、分教室では長崎県に一教室、沖縄県に一教室の計二教室となっております。  徳之島への分校、分教室の設置についてでございますが、現在、特別支援学校の設置されていない離島などからの特別支援学校に就学する児童生徒は、寄宿舎を設置しております鹿児島養護学校や串木野養護学校への受け入れや、児童福祉施設への入所による中種子養護学校や大島養護学校への受け入れ等を行っておりますほか、通学が困難な児童生徒に対しましては、教員を派遣して訪問教育を実施するなど、実態に応じた対応を行っております。  分校、分教室の設置につきましては、特別支援学校に求められる高度な専門性や学習効果が少人数の学習集団において得られるか、なお精査する必要があると考えておりまして、この点はお尋ねの徳之島においても同様でありますことから、今後、児童生徒の在籍見通しや施設整備のあり方なども含めまして、研究すべき課題であると考えております。 50 ◯農政部長(中西 茂君)ヒヨドリの被害等についてでございます。  本県におけるヒヨドリの被害につきましては、例年、かんきつ類を中心に被害が発生しておりますが、昨年は、これらの果樹に加えまして、出荷前のキャベツやバレイショの新芽を食害するなど、野菜にまで被害が拡大しているところでございます。  平成二十二年度の被害額につきましては、現在取りまとめているところでございますが、北薩、熊毛、奄美の三地域の被害が大きく、県全体で二十一年度の約六千万円を大幅に上回る見込みとなっております。  鳥の侵入を防ぐ防鳥ネットにつきましては、国の鳥獣被害防止総合対策交付金のほか、県単事業を活用して整備ができることになっておりまして、その要件といたしましては、市町村が鳥獣被害防止計画を策定していること、受益農家が三戸以上であることなどでございます。  県としては、これまで、市町村、農業団体等を対象にこれらの事業説明会を開催しており、さらに、本年度は、被害対策の助言・指導を行う鳥獣被害防止対策集落指導員を各地域振興局・支庁に配置し、さらなる制度の普及啓発に努めているところでございます。  特殊病害虫対策についてでございます。  喜界島におけるアリモドキゾウムシの根絶事業は、島を四つの防除地区に分けて、防除効果を確認しながら順次拡大しており、本年度の実施面積は、全島の八割に当たる四千五百ヘクタールを予定しております。このうち、平成十六年度から誘殺剤等による密度抑圧と不妊虫放飼を組み合わせた防除を実施しております第一防除地区では、野生虫の密度が低下し、一定の防除効果があらわれているところでございます。  しかしながら、がけ地など、人手による防除が困難な箇所での手法を検討する必要があるため、本年度、無人ヘリコプターを活用した不妊虫放飼を試験的に開始したところであります。  奄美群島の他の島への展開につきましては、地形的条件が厳しいことなどから、今後の喜界島での効果の検証を踏まえた上で検討したいと考えております。  なお、昨年度、徳之島で行ったサツマイモ圃場での被害軽減試験で薬剤防除に効果が認められたため、今後、当該防除方法の普及を図ることといたしております。  イモゾウムシの根絶事業は、現在、沖縄県の久米島等で実施されておりますが、フェロモンが開発できないことなどから、防除技術はいまだ確立されていない状況でございます。一方、イモゾウムシに効果の見込める誘殺剤が最近開発されており、沖縄県ではその実証試験を検討していると聞いております。  特殊病害虫対策につきましては、今後とも、国や地元市町村等と連携して、蔓延防止と防除対策に取り組んでまいります。 51 ◯環境林務部長(内門公孝君)ヒヨドリの有害鳥獣捕獲についてでございます。  ヒヨドリの有害鳥獣捕獲につきましては、被害への迅速な対応のため、許可権限を県から市町村に移譲いたしますとともに、被害の発生前でも捕獲許可ができるようになっておりまして、平成二十二年度の捕獲実績は、県内十市町で約八千七百羽余りとなっております。  また、奄美群島では、農林業被害防止を目的とする場合は、許可を受けてヒヨドリの捕獲を行うことが可能となっております。  県におきましては、これまでも、説明会等によりまして制度の周知に努めますとともに、鳥獣被害防止対策協議会におきまして助言等を行っており、今後とも、市町村と連携しながら、ヒヨドリの被害防止対策に努めてまいりたいと考えております。    [永井章義君登壇] 52 ◯永井章義君 それぞれ御答弁をいただきました。  大島紬のユネスコ無形文化遺産登録に対するお考えの答弁を賜りました。  やはりその手順、基準、まだまだいろんな工夫と研究が必要だなというのを感じましたけれども、ただ、そのことが工芸品の振興に直接かかわるものではないかもしれませんけれども、現状を見ると、やっぱり付加価値を高め、または伝統的技術、技法、また人材の確保、将来的にこの課題は必ず発生すると思うんです。そういうこととやっぱり連動する今後の検討課題だと思いますので、ぜひ国との協議、また産地との考え方、取り組み等をよろしくお願い申し上げます。  ヒヨドリ対策について、現状を御説明いただきました。
     現状として北薩、熊毛、県下でも被害が広がっているということでありました。被害が発生してからではなかなか間に合わない部分があります。やはり事前の協議が必要であると思います。今、捕獲についての御説明もいただきましたけれども、やはり市町村との事前の協議が必要のような気がします。またあわせて、農家の方々への防鳥ネットの対策なども、制度的な周知も必要だと思いますので、ぜひお願いいたします。  特別支援教育の充実について、他県における設置状況の御説明を賜りました。  徳之島の実情については、なかなか難しい部分がありますけれども、教育長から御説明いただいた中に、長崎県と沖縄県だったですかね、高等部の分教室の設置がそれぞれ一つずつあるということでしたが、その状況等もまた研究をともにしながら、改善へ向けて、どういう形のものが可能なのか、その例も含めながら、ともに可能性を求めて、重ねてお願いしたいと思います。  徳之島においての、親御さんを含めて、地域の切なる思いというのは受けとめていただいていると思いますので、ぜひこのことは重ねてお願い申し上げます。  以上、幾つかの点について質問させていただきました。  財政厳しき折でありますけれども、それぞれの課題、事業、施策が進展しますことを心から願いまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)       ───────────── 53    △ 特別委員会の設置及び特別委員の選任 ◯議長(金子万寿夫君)次に、特別委員会の設置の件を議題といたします。  お諮りいたします。  特別委員会の設置については、配付いたしております特別委員会設置案のとおり設置いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 54 ◯議長(金子万寿夫君)御異議なしと認めます。  よって、特別委員会は、配付いたしております特別委員会設置案のとおり設置することに決定いたしました。       ─────────────   特別委員会設置(案)  行財政改革特別委員会  一、付託事項    行財政改革に関する調査  二、設置期間    調査終了まで  三、委員の定数    十三人  四、閉会中の委員会活動    特別委員会は、閉会中も付託事項について調査を    行うことができる。   原子力安全対策等特別委員会  一、付託事項    川内原子力発電所の安全対策等に関する調査  二、設置期間    調査終了まで  三、委員の定数    十五人  四、閉会中の委員会活動    特別委員会は、閉会中も付託事項について調査を    行うことができる。       ───────────── 55 ◯議長(金子万寿夫君)次に、ただいま設置することに決定いたしました特別委員会の委員の選任を行います。  お諮りいたします。  特別委員の選任については、配付いたしております特別委員名簿のとおり指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 56 ◯議長(金子万寿夫君)御異議なしと認めます。  よって、特別委員は、ただいま指名いたしましたとおり選任することに決定いたしました。       ─────────────   特別委員名簿  行財政改革特別委員会    堀 口 文 治  柚 木 茂 樹    桃木野 幸 一  松 田 浩 孝    き 久 伸一郎  まつざき 真琴    堀之内 芳 平  与   力 雄    外 薗 勝 蔵  た け 昭 一    松 里 保 廣  青 木   寛    吉 野 正二郎              (十三人)  原子力安全対策等特別委員会    遠 嶋 春日児  井 上 章 三    田 中 良 二  吉 留 厚 宏    まつざき 真琴  岩 崎 昌 弘    桑 鶴   勉  鶴 田 志 郎    日 高   滋  外 薗 勝 蔵    成 尾 信 春  小 幡 兼 興    中 村   眞  山 田 国 治    二牟礼 正 博              (十五人)       ───────────── 57    △ 請願・陳情の委員会付託 ◯議長(金子万寿夫君)次に、請願・陳情の委員会付託であります。  お諮りいたします。  受理いたしました請願・陳情は、昨日、常任委員会に付託いたしましたものを除き、お手元に配付いたしております請願・陳情文書表のとおり、ただいま設置することに決定いたしました原子力安全対策等特別委員会に審査を付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 58 ◯議長(金子万寿夫君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 59    △ 日程報告 ◯議長(金子万寿夫君)六月二十七日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問であります。       ───────────── 60    △ 散  会 ◯議長(金子万寿夫君)本日は、これで散会いたします。        午後三時九分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...