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  1. 鹿児島県議会 2011-03-09
    2011-03-09 平成23年文教警察委員会 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過        ……………………         午前十時開会        …………………… ◯小園委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから文教警察委員会を開会いたします。  本日は、警察本部に係る陳情の審査及び県政一般を行います。  それでは、陳情の審査をお手元の請願・陳情文書表により行います。  まず、継続審査分の陳情第四〇四六号を議題といたします。  その後の情勢の変化などにつきまして、刑事企画課長の説明を求めます。 2 ◯田中刑事企画課長 それでは、執行部の意見を申し上げます。  継続中の陳情第四〇四六号「取調べの全面可視化」を求める陳情につきましては、昨年十二月の文教警察委員会において執行部意見を申し上げましたが、その後の情勢に変化はございません。  なお、国の捜査手法・取調べの高度化を図るための研究会では、これまで十二回の会合を開催し、治安水準を落とすことのない取り調べ可視化のあり方のみならず、新しい捜査手法の導入も視野に入れた今後の我が国の捜査のあり方について調査・研究が行われているものと承知しているところでございますので、その検討の状況を踏まえつつ、県警察といたしましても適切に対応してまいりたいと考えております。  以上で執行部の意見を終わらせていただきます。 3 ◯小園委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。 4 ◯柳 委員 昨年の十二月議会でも、委員会の場で質問させていただきましたけれども、世界の状況を見たときに、もう既に全面可視化を取り入れてやっている国があるわけですね。  現在、捜査手法・取調べの高度化を図るための研究会で十二回の会合が行われているということでしたが、もっと具体的に、この十二回の会合の内容についてお聞きしたいんですが、どういった議論がここで行われているのか。世界の状況を踏まえて、日本で全面可視化についての具体的な会合の中身について教えてください。 5 ◯田中刑事企画課長 先ほど申し上げましたとおり、最終が十二回ということで、ことしの二月二十三日開催されております。十回以降の会議を見てみますと、十回目がアメリカ、ドイツ、フランス、イタリアの海外調査、十一回が警察官二名のヒアリング、十二回が韓国の代表を招いて、司法制度の専門家の意見を聞いているということを承知しております。 6 ◯柳 委員 その専門家の意見をお聞きしているんですけれども。 7 ◯田中刑事企画課長 詳細については、承知しておりません。 8 ◯柳 委員 詳細について承知していないということは、おかしいんじゃないかなと思うんですが、今こういった会議が行われていて、鹿児島県警としても、今どのようなことが具体的に議論されているのかということを把握していらっしゃらないということですか。
    9 ◯宝満刑事部長 現在承知している範囲では、全面可視化を導入している諸外国の捜査の手続の構造と日本の構造が異なっている。例えばイギリスで見ますと、基本的に逮捕状とか捜索差押許可状なくして逮捕します。そして、取り調べにつきましても、平均的におよそ三十分ぐらいの取り調べで、しかもその内容は相手の主張を聞くのみ。日本では、「疑わしきは被告人の有利に」という理論がございますけれども、イギリスの場合は、アリバイ等をきちっと説明できなければ、「疑わしきは被告人の不利に」となる。しかも、本人が自分の事実を早期に認めるほど減刑事由となる。こういうように、取り調べ自体の持つ重みが日本とイギリスではもう格段に違う。  かつ、イギリスでは、無罪率につきましても二五%ということで、日本の無罪率と比較にならない。また本人が認め、量刑が決まれば、その後、事実認定について詳しく追及されることはない。そのような実態が、日本とイギリス、今可視化を導入している国と事情が異なっているということで、そういう面も含めて、捜査手法・取調べの高度化を図るための研究会の方々が、その国々の実態を聞き取りしながら、日本の制度にどういう形で導入する、あるいは日本の捜査のあり方を見直すかということを議論されている、その段階であると承知しておりますので、その中身が果たして具体的にどんなものなのかというところまでは、まだ各県に知らされていないというのが実態でございます。  県警としましては、当然、この議論の結果を踏まえて、警察庁から何らかの方向性が示されてくると思っておりますので、それに従って適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。 10 ◯小園委員長 何か補足がありますか。 11 ◯田中刑事企画課長 国家公安委員会主催の研究会でございますけど、この公表については、委員の了承を得た上で、警察庁のホームページで掲載するとなっております。現在のところ、七回まで公表されていることを承知しております。 12 ◯柳 委員 わかりました。七回まで既にもう公表されているということですね。  このことは、恐らく県民の皆さんは御存じないと思うんですが、こういう研究会が既にもう十二回行われていて、七回までが公表されており、自由にだれでも見ることができるんですよということを、県警として県民の皆さんにお知らせしているんですかね。 13 ◯田中刑事企画課長 現在のところ、警察庁のホームページに掲載されているということについては、県警としては公表しておりません。 14 ◯柳 委員 もう既に十二回行われていて、非常に県民の皆さんも志布志事件大変関心があるわけですので、こういったことを県民の皆さんにお知らせをしないというのは、私は少しおかしいんじゃないかなと思うんです。実際どういうふうに動いているのか、世界の状況も踏まえて、鹿児島県も今こういうふうにして動向を見守っているんですよということぐらいは、きちんと報告をすべきだと思うんですが、そこはどうですか。 15 ◯宝満刑事部長 この研究会の議論の中で、私が承知している範囲で言いますと、さまざまな意見が出ておりまして、その意見は全く同じ方向性を向いていない部分もございまして、今の段階でそれを積極的にするまだ時期じゃないんじゃないかという判断もございまして、積極的な広報を控えているところでございます。 16 ◯柳 委員 その時期が来たら判断をされて、県民の皆さんにお知らせをするということもあるわけですか。そして、この研究会があとどれくらい行われていくのか教えてください。 17 ◯田中刑事企画課長 一応期限は定められておりませんけど、大体二年をめどにと結論をだすと承知しております。  公表の有無については、公表結果を待って、公表するかどうか検討していきたいと思っております。 18 ◯宝満刑事部長 その内容を公表するかしないかは、鹿児島県警だけの問題ではないわけです。これは日本全国捜査関係者にかかわる問題でございますので、当然のことながら、警察庁と連携を深めながら、警察庁からその方向性が定まって公表すべき時期がきましたら、公表する、しないをひっくるめて対応してまいりたいと思っております。 19 ◯柳 委員 わかりました。  今、全面可視化ではないですよね。一部可視化が行われていて、実際の公判廷において、一部可視化、録音・録画したテープなどを使用したことがあるのか、教えてください。 20 ◯田中刑事企画課長 本県の場合は、一部録音・録画については、昨年、一昨年を含めて十件ほど実施しております。  録音・録画した材料については、検察庁に送致しておりますので、検察庁でそれを見て判断して対応しております。 21 ◯柳 委員 済みません、よくわからなかったんですが、例えば鹿児島の裁判員裁判において、一部可視化で入手したものを使っての公判があったのかどうか。 22 ◯宝満刑事部長 公判の件につきましては、既に警察の段階を離れておりまして、これは検察庁の所管でございますので、その部分についてのコメントを警察がすることは妥当でないと判断いたしますので、差し控えさせていただければと思います。 23 ◯柳 委員 もう一点、お聞きしようかと思ったんですが、実際に公判でそれが使われて、検察側から何か苦情とか、そういったクレームがついたことがあったのかをお聞きしたかったんですが、それもお答えできないということですか。 24 ◯田中刑事企画課長 その件については、承知しておりません。 25 ◯柳 委員 わかりました。  いずれにしましても、海外で既に、法律も違う、仕組みも違うというところはあるんですが、実際にこうやって全面可視化で動いている国が既にあるわけですので、とにかく冤罪を生まないための全面可視化の導入でありますので、一部可視化ではやはり不十分だと思うんです。志布志事件のような事例があるわけですね。冤罪という、本当に人の人生を左右する大変な事態になるわけですので、私は何としても全面可視化を早急に導入すべきだと思っております。  以上です。それに対して何かコメントがあれば、お願いいたします。 26 ◯田中刑事企画課長 コメントと言われても、ただいま申し上げたとおりでございます。 27 ◯小園委員長 よろしいですか。 28 ◯柳 委員 はい。 29 ◯小園委員長 ほかにありませんか。 30 ◯松田委員 一点いいですか。  今、二年間めどで研究会をされていると。国が方向性を検討している中で、県として進めたいとかどうかという仕組みの問題です。国が決定したら、県としては当然そのように流れてくるんでしょうけど、国に先んじて県がやるということは可能性としてできることなんでしょうか。 31 ◯宝満刑事部長 鹿児島県警が先んじて先行して独自の方向を出すということは、今のところ考えておりません。捜査手続の中で取り調べというのは、日本の捜査の中ではかなり重要な部分を占めるところでございますので、これは全国に影響するという面もございまして、今コメントしたとおりでございます。 32 ◯松田委員 よくわかります。県として考えていないのはわかるんです。ただ、県で判断をして、変えることが可能なのかどうかをお聞きしているんですけど。制度的に国が検討して、鹿児島県はこう行きますよということを協議して進めるという今の意見はよくわかるんですが、可能性としてはどうなんですか。 33 ◯笠原警察本部長 取り調べにつきましては、先ほど刑事部長等からも答弁がありましたけれども、捜査の中で非常に大きな要素を占めるものでございます。  捜査に当たりましては、刑事訴訟法でありますとか、犯罪捜査規範といったような法令に従って、我々は捜査をしているところでございます。その取り調べを全面に可視化にするとかいうことにつきましても、もしやるということになれば、しかるべき改正が行われて、それに基づいてやることになるだろうと思いますので、それに先駆けて鹿児島県だけが突出してやるということは、なかなか困難であると考えております。 34 ◯松田委員 了解しました。まずは国の考え方を待つしかない、待つしかないというか、その中で議論が高まる、また国民の意識もいろいろな議論があるでしょうから、現状としては先ほどお話があったみたいに、まだ方向性が、それぞれの委員の方々の意見もばらばらと言ったら失礼かもしれませんが、それぞれ違っているという状況として認識しました。 35 ◯小園委員長 ほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 36 ◯小園委員長 ほかにないようですので、質疑を終了いたします。  それでは、採決に入りますが、まず取り扱い意見をお願いいたします。 37 ◯吉野委員 継続分の陳情第四〇四六号につきましては、「取調べの全面可視化」を求める陳情でありますが、現在国において、捜査のあり方について調査・研究が行われており、その状況を見守る必要がありますことから、継続審査でお願いしたいと思います。 38 ◯小園委員長 ほかにありませんか。 39 ◯柳 委員 陳情第四〇四六号につきましては、早期の全面可視化の必要性を訴えます。したがって、採択でお願いいたします。 40 ◯小園委員長 ほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 41 ◯小園委員長 陳情第四〇四六号につきましては、継続審査の意見と採択を求める意見がありますので、まず継続審査についてお諮りいたします。  陳情第四〇四六号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。    [賛成者挙手] 42 ◯小園委員長 挙手多数であります。  よって、陳情第四〇四六号については、継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、陳情一〇一七号を議題といたします。  この陳情は、委員会への付託日から一年を経過しておりますことから、審査未了の扱いについても審査いただきますよう、よろしくお願いいたします。  その後の情勢の変化などにつきまして、会計課長の説明を求めます。 43 ◯林 会計課長 継続中の陳情第一〇一七号警察学校跡地の活用策についてでございますが、前回の定例会以降、現状に変更はございません。  以上で執行部の意見を終わらせていただきます。 44 ◯小園委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。 45 ◯松田委員 前回と今回の説明の中で、鹿児島市とも協議していきたいということで、協議の実態があったのか。あれば、その中身についてお知らせください。 46 ◯林 会計課長 この陳情が出された後、鹿児島市とは今日までに約十回ほど協議の場を重ねております。 47 ◯松田委員 中身についてもお伝えいただければ。 48 ◯林 会計課長 県では、警察学校跡地の活用策につきまして、県財産管理運営委員会等で売却の方針等が示されているわけでございますが、一方、鹿児島市議会にもこのグラウンド等についての有効活用について陳情が出されておりまして、そういった観点から鹿児島市との協議を進めているわけでございますが、現在のところ、鹿児島市におきましても、有償で購入するという予定はないということで、そういう協議がずっと継続しているという状況でございます。 49 ◯小園委員長 いいですか。 50 ◯松田委員 結構です。 51 ◯小園委員長 ほかにありませんか。 52 ◯山口委員 八・六水害の後、警察学校には貯留槽を設置していると思うんですけれども、その施設は今も残ったままなんですかね。 53 ◯林 会計課長 貯留施設については、そのまま残っております。 54 ◯山口委員 県も財政は厳しく、有償でどこかにやりたいでしょうし、鹿児島市も欲しいかもしれませんけど、だんだん財政が厳しくなって、有償とまではいかないというのが現状じゃないかなと思うんですね。あの地域は高台になっていまして、周辺に広場がないということ等で、町内会の皆さん等が、スポーツとか、あるいは高齢者のグラウンドゴルフとか、そういう部分に活用したいという思いもあると思うんですね。交渉は県と市しかないと思いますので、安全柵をしっかりつくって、当分は町内会等に管理をお任せして、周辺の市民の皆さんが、いい意味で活用できる広場にしておくほうが僕はいいんじゃないかなと思いますので、そういう部分も頭に入れて、今後市あるいは町内会とのお話し合いをぜひやってもらいたいと思いますので、要望として申し上げておきます。 55 ◯小園委員長 ほかに質疑はありませんか。    [「なし」という者あり] 56 ◯小園委員長 ほかにないようですので、質疑を終了いたします。  それでは、採決に入りますが、まず取り扱い意見をお願いいたします。  なお、審査未了の扱いとする場合は、その旨を申し述べてくださるようにお願いいたします。 57 ◯吉野委員 継続分の陳情第一〇一七号につきましては、基本的にはその後の情勢に変化はないとのことでありますので、引き続き継続審査でお願いいたします。 58 ◯小園委員長 ほかに御意見はありませんか。    [「なし」という者あり] 59 ◯小園委員長 それでは、採決いたします。  陳情第一〇一七号につきましては、継続審査すべきものとすることに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 60 ◯小園委員長 御異議ありませんので、陳情一〇一七号につきましては、継続審査すべきものと決定いたしました。  以上で、陳情の審査を終了いたします。  次は、県政一般であります。  それでは、まず特定調査事項の地域警察の体制強化についての調査を行います。  地域課長の説明を求めます。 61 ◯熊丸地域課長 それでは、私から、特定調査事項の地域警察の体制強化について御説明させていただきます。  これまで本県警察では、犯罪発生件数が増加するなど治安水準が著しく低下し、治安の分水嶺にあると言われた平成十五年以降、治安回復に向けて、人的基盤の強化や組織の効率化、業務の合理化など、さまざまな施策に取り組んできました。しかし、この間も社会情勢や治安情勢は大きく変化し、警察に求められている業務も多種多様化しているところです。  一方、現在の本県警察における地域警察の体制は、昭和四十年代の治安情勢や、機動力・通信網・交通アクセス等が十分に整備されていない時代をベースに構築されたものであり、県内に配置された交番・駐在所の位置や数も、昭和五十年代からほぼ変わっていない状況にあります。  そこで、地域警察の持つ機能が有効に発揮されているかなどについて点検したところ、現下の体制は、昼間の勤務を主体とした駐在所や、勤務員数の少ない交番が多く、夜間や休日の体制が弱いことや、事件・事故への迅速な対応が困難であるなどさまざまな問題が抽出されたため、限られた警察力の中で、将来にわたって、より質の高い安全を県民の皆様に提供し、安心して暮らせる地域社会を実現するためには、地域警察の再編整備により、県下全域的にその体制強化を図る必要があると判断いたしました。  この再編整備事業では、まず基本方針となる再編整備基本計画を策定するに当たり、県民の御意見を反映させるべく、昨年五月に警察本部長の諮問機関である部外有識者七人による鹿児島県警察における地域警察の体制強化を考える懇話会を設置しまして、同懇話会委員による交番・駐在所の視察や審議などを行っていただき、昨年十月に再編整備による体制強化の必要性やその方向性、交番・駐在所のあり方、地域住民等の理解の獲得など、本県警察における地域警察の体制強化についての意見を取りまとめた提言書をいただいたところであります。  この提言書の趣旨を踏まえて基本方針を成案化し、これを基本計画案として本県警察のホームページ上に掲示して、県民の皆様からの御意見を募集し、寄せられた御意見をも踏まえて、本年二月二日に本県警察の再編整備事業の基本方針となる鹿児島県警察における地域警察体制の強化に向けた再編整備基本計画を作成したところであり、お手元に配付させていただいております。  この再編整備基本計画は、再編整備の検討に至った背景、地域警察の体制強化に向けた再編整備事業、地域警察力の強化に向けた総合的な取組み、地域警察体制の不断の見直しの四つの項目から成る本文十三ページと、末尾に添付した資料編十二ページで構成しております。  それでは、お手元に配付しております特定調査事項資料の一ページをごらんください。  本県における刑法犯認知件数は、平成八年ごろから徐々に増加し、平成十一年に一たんは減少したものの、平成十三年には約二万件となったほか、平成七年には六〇%を超えていた検挙率は急激に低下し、平成十三年には全国傾向と同様に戦後最悪の水準となりました。このため、本県警察においても、警察庁が平成十五年に示した緊急治安対策プログラムに基づき、犯罪抑止や治安基盤の確立に向けたさまざまな施策を推進しながら、平成十七年四月には県民との治安回復の共通ビジョンとして位置づける「あんしん・かごしま」創造プログラムを策定し、これに基づくさまざまな施策に取り組んできたところであります。この結果としまして、刑法犯認知件数は減少し、平成二十一年には一万二千件台となるとともに、その検挙率は四〇%近くになるなど、数字であらわされる指数治安は回復基調にあると言える状態になっていますが、県民の体感治安はいまだ十分なものではなく、また本県の治安上の問題としては、依然として夜間や休日の体制が弱いなどの課題が残っているところであります。  以下、その点について御説明いたします。  資料二ページをごらんください。  そこで、本県で発生した事件・事故等を昼夜間別に見てみますと、刑法犯につきましては、夜間の発生が全刑法犯の約四五%を占めている状況にあります。殺人や強盗事件などの凶悪事件につきましては、平成十七年から二十一年の五年間に計三百四十五件発生し、昼夜間別では夜間の発生は昼間の約一・七倍にも上り、夜間発生率が高い状態にあります。交通事故では、夜間は約一万四千件と、昼間の約三割の発生となっていますが、交通事故による死者数の対比では、夜間は昼間の約七割に及んでおり、死者を伴う重大事故の夜間発生傾向が、他の事故と比較して高い状態にあります。  資料の三ページをごらんください。  凶悪犯罪などの重要事件や誘拐などの特異事件が発生した際に、犯人の迅速な検挙と被害拡大の防止などを目的として、多数の警察官を集中動員して検問等を行わせる緊急配備につきましては、夜間の発令件数が昼間を上回っている状況にあります。  県内の大手コンビニエンスストア四社の店舗数の推移をグラフであらわしております。平成二年に三店舗であったものが、昨年までに四百五十件を超える店舗数となっており、県民生活の夜間化の象徴の一つであると言えます。  このように、刑法犯認知件数等であらわされる治安は回復基調にあるとはいうものの、夜間においても昼間と同様に県民の脅威となる事件・事故が発生し、県民生活の夜間化の進展も著しい状況にあります。  資料四ページをごらんください。  次に、県民が感じる体感治安について、県政モニターに対するアンケート結果を見てみますと、「現在の鹿児島県の治安が良く、安全で安心して暮らせる県であると思いますか」の問いに対して、半数以上の方が「治安が良く、安全で安心して暮らせるとは思わない」「どちらともいえない」「わからない」と回答しており、いまだ治安の回復や向上を体感できていない状態にあると言えます。また、近くの交番や駐在所の地域警察官の活動について、「不満」と回答した方々の理由は「パトロールしている姿を見ない」「交番・駐在所が不在となることが多い」「巡回連絡に来ない」との回答が六割以上を占めております。
     このような治安情勢の変化や県民の要望等がある中で、地域警察官は住民の意見・要望にこたえた活動やすべての警察事象に即応する活動を行うとともに、市民との良好な関係を保持することが求められております。  資料五ページをごらんください。  交番と駐在所は、昼と夜の人口や世帯数、行政区画、事件・事故の発生状況等の治安情勢に応じて配置し、交番は原則として都市部の地域に設置し、配置された地域警察官は二十四時間・交代制で警察活動を行い、一方、駐在所は都市部以外の地域に設置され、駐在所事務所に併設された住宅に家族とともに居住し、昼間の勤務を主体とした活動を行います。  そこで、本県の地域警察の体制を見てみますと、昭和三十年代に県下四百二十八施設あった交番・駐在所を、鹿児島市内を中心とした地域施設の集約により地域警察官の集中運用を図るため、夜間体制の確立に向けた見直しを行い、昭和五十年代には約二百九十施設としたものの、それ以降、県下全域的な体制の見直しは行われず、現在に至っている状況にあります。  交番・駐在所の比率につきましては、本県の交番の設置比率は二四%であり、全国の四七%を大きく下回るとともに、九州内の同規模県である長崎・熊本との比較においても、夜間警戒力を保持する交番の設置比率が低い状態にあります。  六ページをごらんください。  さらには、本県は駐在所の設置比率の高さから、毎日制で勤務する地域警察官の比率が高く、全国・他県等と比べても、これが大きな要因となって夜間体制が脆弱となっているところです。  このほか、交番につきましても、定員五人未満の交番が全交番の約三割を占め、県民の要望や多発する事件・事故に適切に対応しがたい体制の交番を多く抱えていると言えます。  これらのことから、社会情勢や警察事象は夜間化や多様化が進展しているにもかかわらず、本県の地域警察の体制は、これらに的確に対応しているとは言いがたい体制であると言えます。  資料の七ページ、八ページをごらんください。  これまでの本県における再編整備は、建てかえ時期の到来した交番や駐在所を中心に、隣接交番等との統合などにより、限られた地域において強化を図ってきたところでありますが、平成二十年に再編整備を実施した四つの地域における事件・事故の発生件数はおおむね減少しているほか、平成二十一年に実施した交番同士の統合により大型交番を新設した例では、再編前後一年間の比較で刑法犯認知件数や交通事故発生件数が約二五%減少するなど、夜間を中心としたパトロールを強化した結果と思われる治安上の効果が認められました。  そこで、本県警察におきましては、このような限られた地域ではあるものの、再編整備による治安上の効果を認めた上で、変化する治安情勢や夜間化の進む県民生活、あるいは県民の要望に的確に対応するために、長年見直しの行われていない地域警察の体制について、再編整備による強化の必要性を強く認め、実施に向けた検討に至った次第でございます。  資料九ページをごらんください。  再編整備による地域警察体制強化のイメージ図です。この再編整備においては、そのねらいとして、現下の治安情勢に的確に対応し、地域住民の安全と平穏を確保するため、一つ目は、夜間化する警察事象に迅速かつ的確に対応するために夜間体制を強化させること、二つ目は、県民の要望にこたえるとともに多角的な活動を推進し、なおかつ施設の整備を含めた交番機能を強化させること、三つ目は、同時に発生する複数の事件・事故や重大事件等に的確に対応できる体制を強化させることを柱に、交番・駐在所の新設、統合及び廃止、管轄区域や人員・装備資機材の配置見直しの方法により、地域警察の体制強化を図ることとしています。  そのための方法の一つは、交番・駐在所の新設及び廃止であります。  資料十ページをごらんください。  警察事象等の夜間化が進行している駐在所管内の地域につきましては、これらの駐在所を廃止して、交番の新設あるいは隣接交番への統合により交番の管轄する地域に変更することで、同地域の夜間警戒力の強化を図ります。  交番としての機能を十分に発揮していないと考えられる勤務員の少ない交番につきましては、人口の推移や事件・事故等の発生状況を総合的に勘案して、隣接施設との統合により大型化を図ることで、常に複数勤務員が確保されるような体制を保持し、その機能の強化を図ります。  都市化の進展が著しく、警察事象の増大する交番につきましては、隣接する交番や駐在所との統合により交番を大型化して、頻発する事件・事故への的確な対応や住民の皆様の要望等を踏まえた多角的な活動を推進できるよう、さらなる機能強化を図ります。  この他の方法といたしまして、管轄区域や人員・装備資機材の配置の見直しを行います。  この再編整備において、交番・駐在所の活動がより地域に密着できるよう、人口・世帯数、行政区画、事件・事故等の発生状況などの治安情勢だけではなく、それぞれの地域が持つ実情や特性に応じた管轄区域となるよう見直すとともに、警察事象等に応じた警察力のバランスのよい配分や、それぞれの交番や駐在所等が持つ機能を有効に発揮させるため、人員・装備資機材の配置見直しを行います。  資料十一ページをごらんください。  今後のスケジュールでありますが、これからこの再編整備基本計画を踏まえ、地域における各種会合や警察活動を通じて地域住民等の意向も含めた地域実態について十分把握した上で、警察本部と各警察署による具体案の協議や再編整備によってもたらされる効果等の検討を行い、本年の夏ごろまでに実施計画の素案を取りまとめることとしております。その後、この素案を関係機関・住民の皆様等に示して十分な説明を行い、その理解の獲得に努めた上で、来年二月ごろまでに鹿児島県警察における地域警察の体制強化に向けた再編整備実施計画として策定したいと考えております。  また、再編整備の実施につきましては、来年三月から順次実施していくこととしており、実施後は治安情勢の変化や県民の意識調査などその検証を行い、その結果により、より治安の向上等に効果的な活動の推進について検討することとしています。  再編整備の実施に当たりましては、それぞれの地域が持つ特性に配慮するとともに、特に地域住民の皆様に対する説明では、再編整備の趣旨や夜間警戒力が向上すること、交番において多角的な活動が推進され、今以上に県民の要望にこたえる活動が推進されることなど、再編整備によりもたらされる効果や関係機関・住民との連携方策等について丁寧に説明を行い、住民の皆様が「交番や駐在所が廃止され、警察力が及ばなくなるのでは」などという不安の解消に努め、その御理解と御協力が得られるよう努めてまいりたいと考えております。  また、この再編整備とあわせて職員の資質向上にも努め、より地域住民に信頼される交番・駐在所の運営に努めてまいりたいと考えております。  最後になりますが、この再編整備事業は、中・長期的視点に立って地域警察体制の全県的な見直しを行い、地域警察の持つ機能を最大限に発揮させる体制を構築するとともに、時代の変化に的確に対応した地域警察を確立することで県民の日常生活における安全と平穏を確保し、皆様の期待と信頼にこたえることを目的としております。すべての県民が「あんぜん・あんしん」をひとしく享受し、安全で安心して暮らせる地域社会の実現に向け、皆様の本再編整備事業への御理解と御協力をお願い申し上げます。  以上をもちまして、説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 62 ◯小園委員長 以上で説明が終わりましたが、この件につきまして質問をお願いいたします。 63 ◯吉留委員 一点質問があるんですが、私のところは御案内のとおり、昨年の四月から一カ所駐在所が廃止になるということで、何回か地域の方とも話し合いを持ちまして、県会議員がだらしないからこんなことになるんだという物すごいおしかりを受けました。県警本部や千歳串木野署長もお越しいただいて、住民の方にお話を聞いてもらって、私も二回、地域を一軒一軒回って、御理解をしてもらって、そこまで言うならしょうがないという形で、賛成じゃないんだけど、しょうがないなということで御理解いただいて、その後、警察の対応もよくて、おさまっております。  私はそのときも申し上げたんですが、駐在所の役割というのは、安全保障の中には軍事的プレゼンスという言い方がありますが、いわゆる存在することによって地域に安心感を与え、また抑止力の一つとして、短期的にはよく見えないかもしれないけど、十年、二十年の単位で見れば非常にあるんじゃないかということを申し上げましたし、地域の方もそう申し上げていらっしゃいました。あることが存在することでみんなの安心になる。駐在所は過疎地域がほとんどであり、駐在所もなくなったのかと言うと、よく郵便局、小学校、農協、駐在所という言い方をしますが、要するに地域の柱の一つがなくなるということに物すごい不安感があって、なかなか警察の人には住民の方は言いにくいから、県会議員にそういうお声が直接来るわけです。私のその地域は警察の代々の警察官の方がうまくやってくれて、地域の行事にも積極的に家族ともども参加してもらって、非常にうまくいっていた地域ですから、非常にうまくいっていたからこそ、逆にもう要らないんじゃないかというような感じでなってしまったのかなとも思うんですが、逆に警察とうまくやっていたのに何でという声が住民の方に非常に多いというのが実情であります。  そこで、お聞きしたいんですが、これはきのうの案件でも僕は申し上げたんですが、二千九百七十三人という鹿児島県警察職員定数、条例改正では二千九百七十六人になりますが、その定員の中でやりくりせんといかんから、夜間に犯罪が多くなるからシフトするんだと。例えば、二百人、三百人増員したら、今のままというか、ある程度駐在所・交番を残してもいいんだという話なのか、それとも、いや二百人、三百人増員しても、そもそも日本国の治安の対処方針が変わったんだと。だから、二百人、三百人増員しても、全部駐在所・交番を廃止していくという方向なのかということをお聞きしたい。僕は、駐在所・交番は、ないよりはあったほうが非常にいいと思いますけどね。外国に余りないから、むしろ日本の交番・駐在所の制度をまねしようということがあるぐらいですから、その辺はどうでしょうか。 64 ◯熊丸地域課長 増員の関係ですけど、今回の再編整備事業は、夜間体制の強化、交番機能の強化、有事即応体制の強化ということを柱に交番・駐在所の新設・統合等をやりまして、地域警察の体制を強化しようというものでございます。仮に地域警察官の増員がなされた場合におきましても、現在駐在所の管轄する地域での犯罪事象の夜間化が顕著な場合には、交番の管轄する地域に統合することを検討しなければならない、あるいは、より交番の機能を充実させるために、さらなる交番の大型化についても検討していかなければならないものと考えております。 65 ◯吉留委員 なかなかお答えがしにくいかもしれませんけどね、例えば県単独で警察官を増員できるという話だから、例えばあと二百人、鹿児島県で単独で県費で増員し、三千二百人に定員がなった場合に、それでも再編計画で駐在所を廃止していくという話になってくるものかなということをお聞きしているんですよ。 66 ◯熊丸地域課長 そのとおりでございます。基本計画に基づいて、全体的な交番・駐在所のバランスといいますか、治安情勢に応じた検討をしてまいるということでございます。 67 ◯安山生活安全部参事官兼生活安全企画課長 今、地域課長から説明があったとおりですけれども、最初に地域課長から御説明いたしました本県の課題を解消できる数の増員が地域警察に実際あれば、今の駐在所を廃止する必要はないと思われます。ただ、その増員が可能かどうかと、それはまた別な問題になりますけれども、必要な人員が確保できれば、廃止はしなくてもいいんじゃないかと考えます。 68 ◯吉留委員 要するに、二百六十三カ所、駐在所・交番があるわけですから、複数の方もいらっしゃるから単純には言えないんですけど、極端な話、三百人増員したら、要するに三百人を夜間体制に振り分けて、従来の駐在所・交番は現状どおりしてもいいということですよね。ないより、当然あったほうが僕はいいと思うんですけどね。各地域に拠点があったほうが、組織的にも、さっき言った犯罪の抑止という面でも効果があると思うものですからお聞きしていたものですから。 69 ◯長嶋警務部長 増員の話が出ましたので、あわせて含めて申し上げますと、今、吉留委員おっしゃったように、増員が一定数認められて、夜間体制の強化が図られるということであれば、地域に根差した交番・駐在所は存在していくべきだろうと考えております。しかしながら、実は警察官の定員は、地域だけの問題ではなくて、刑事部門にしてもしかり、交通部門にしてもしかりで、現状では警察官はかなり厳しい勤務をしているのが実態でございまして、一方何人増員すればいいのかという問題も実はございます。そういった中で、国に政令上の定数もふやしてもらうよう働きかけ、かつ、県でも増員を図っていただくということで、私どもも現在動いているところでございます。  いずれにしましても、現状の犯罪の傾向を見ますと、夜間の体制をしっかりと確保していかないといけないので、当面、増員要望等含めて、こういった問題についても対応していきたいというのが現在の考え方でございます。 70 ◯小園委員長 いいですか。 71 ◯吉留委員 はい。 72 ◯長田委員 何点かあるんですけれども、資料の二ページを見まして、鹿児島県の凶悪事件の昼夜間別発生状況の中で、夜間が過去五年間で二百十七件ということで伸びており、現在夜型社会になってきており、夜間体制の強化が必要という趣旨はよくわかっております。ことしに入ってからも、肝付町で中学生のコンビニ事件があって、私が思うに、恐らくこの犯人の中学生は、夜間体制が非常に弱いということをわかっているとも考えられるわけです。  そこで、まずお伺いしたいのは、現在の警察の夜間体制についてですけれども、現在夜間に何人ぐらいの地域警察官が勤務しているのか教えてください。 73 ◯熊丸地域課長 地域警察官の夜間体制でございますが、現在、県下の各警察署に約一千名の地域警察官が勤務しております。県下全体で見ますと、夜間は一晩当たり大体二百三十人が勤務している状況にあります。 74 ◯長田委員 例えば、鹿児島市は何人ぐらい勤務しているのかということと、先ほど吉留委員から話が出ましたけど、地方の小さい警察署がどうなっているのか、そのあたりを教えていただけませんか。 75 ◯熊丸地域課長 鹿児島市内と、それ以外の地区の体制でございますけれども、鹿児島市内について申し上げますと、現在、中央署、西署、南署の三署がありまして、このうち夜間に勤務しているのは交番、パトカーで警戒活動を行う自動車警ら班などの交代制勤務であり、一晩に約百人が勤務しております。また、これら以外の警察署においても、同じように交番、自動車警ら班等の勤務員がおり、夜間の警戒活動等に従事しておりますけれども、これらの個別の配置人員、夜間体制等につきましては、その地域の治安維持に少なからず支障が出るおそれがあるということで、公表を差し控えさせていただきたいと思います。 76 ◯長田委員 よくわかりました。大体中央署と西署、南署では百人ということでございますので、そこまでは求めませんが、いわゆる地域警察官の勤務は交代制勤務であるのか、また、どのような勤務内容なのか、例えば、夜間は二人以上でペア勤務をするのか、その辺を具体的に教えていただけないですか。 77 ◯熊丸地域課長 地域警察官の勤務体制と、夜間警らのときのペアを組んで従事するのかという件でございますけど、まず勤務体制の関係でございます。地域警察官は、三交代の交代制勤務になりますけど、それと昼間に勤務する毎日制勤務、駐在所の方々がこれに当たると思います。交代制勤務の勤務員は、交番、自動車警ら班に配置されております。それと毎日制勤務員は、主に昼間に勤務するわけですが、これは駐在所勤務員が、先ほど申し上げましたように当たります。  夜間については、事件・事故等における的確な対応、あるいは交通事故や事象・事故防止等を図ることを目的として、原則として二人一組で、ペアで警ら等に従事しております。 78 ◯長田委員 よくパトロールとか見るときには、二人で車両に乗っていらっしゃるのをよく見るんですよね。だから、大体二人ぐらいなのかなということもあって、聞いたんですけれども、三交代制ということでよくわかりました。  そうしますと、人員にすき間がないというか、しっかりとした体制を確保するとすれば、一晩で一つの警察署で最低四人の地域警察官が必要となるということになると私は考えるんですけど、そのあたりはどうでしょうか。 79 ◯熊丸地域課長 一つの警察署について必要とされる夜間の地域警察官の数ですが、これについては、それぞれの地域で治安情勢あるいは人口・世帯数、いろいろ違いますので、必要とされる最低人員につきましても、一律にお示しできないと考えております。 80 ◯長田委員 一律に一概に言えないとは思うんですけど、夜間体制を強化するということであれば、そういったシフトにまた枠組みを変えたりしていっていただきたいということを御要望しておきます。  三交代制という話があったんですけれども、最低十二人以上の地域警察官が必要であると考えていいのかということと、再編整備をした場合、すき間がない、しっかりとした体制になると考えていいのかということを教えていただけませんか。 81 ◯熊丸地域課長 最低何人かということですけれども、必要とされる交代制勤務員の数は、先ほどと同様で、事件・事故の発生状況とか、地域の特性によって異なりますので、一律にお示しできないと考えております。  また、間隙は生じないのかということですが、この再編整備によって、地域警察による夜間の警戒体制は当然強化されるわけですから、今以上に間隙の生じにくい体制になるものと考えております。 82 ◯長田委員 今の地域警察官のシフトとか、勤務体制というのはよくわかったんですけど、先ほど説明の中で、四ページにあったんですけれども、県政モニターの「不満である理由は何ですか」という中で、「パトロールしている姿を見ない」と「交番・駐在所が不在となることが多い」ということが大方寄せられているわけですね。この辺に対するこれからの対策を教えていただきたいと思います。 83 ◯熊丸地域課長 県民の方々の「パトロールしている姿を見ない」、あるいは「交番・駐在所が不在となることが多い」と、いわば二律背反的な要望ですけど、こういったものに同時にこたえるために駐在所・交番の再編をやっていくわけでございます。ですから、再編整備によりまして、こういった異なる要望にも同時に対応できる体制になると考えております。 84 ◯長田委員 地域の声イコール県民の声ですから、非常に大事なことですよ。交番・駐在所を再編整備することは、警察側のことだけでなくて、県民のことも踏まえてのことだと思うのですが、実際そういう声が上がっていますから、これからもしっかりと対応していただきたいと思います。  それと、最後に、先ほどの十一ページで関係機関・住民への説明を、平成二十三年の夏ぐらいから行うということですが、この辺が一番難しいところになってくるんじゃないかなと考えているわけですね。このあたりの説明をどういう形で考えているのか。住民の説明会に来れない方々も出てくる中で、大事なことは、やはり啓発・広報だと思うんですよ。いわゆる警察のミニ広報紙とかいろいろあると思いますし、そういったものでしっかり啓発・広報していくことが大事だと思うんですけど、そこらあたりをもう少し具体的な形でお示ししていただきたい。 85 ◯熊丸地域課長 我々警察としましても、住民への御説明を最重要と考えております。  具体的にどういう説明を行うのかということでありますが、ケースによって異なると思いますけれども、地域住民の方々の不安あるいは混乱を招かないように、関係住民の方はもっともですけれども、自治体の方、地域の代表者あるいは防犯ボランティアなどの関係機関・団体の方々に対しまして、丁寧な説明をしていきたいと考えております。  その内容につきましては、再編整備の趣旨、内容、それにもたらされる効果、あるいは住民との親和性の向上に向けた取り組み、あるいは再編後の連携の向上に対する方策などについて十分な説明をしてまいりたいと考えております。  また、住民の方へのお知らせ、広報につきましては、ミニ広報紙とか警察署の機関紙、あるいはホームページ等もございますので、そういうメディア媒体を活用して、効果的な方法でやりたいと考えております。 86 ◯長田委員 ぜひ、今おっしゃったように、住民の方々だけでなくて、それ以外の方々にも啓発・広報をしていただきたい。交番・駐在所が再編されると、地域の方々は不安や疎遠に感じますから、夏から始める説明会では、必ず懇切丁寧な説明を一回ないし二回、三回と重ねていくよう、ぜひよろしくお願い申し上げまして、私からは以上でございます。 87 ◯松田委員 まずは表記上の問題といいますか、気になるところからお尋ねしますが、四ページのアンケートの結果、これは見方の問題だと思うんですが、治安がいいと思っている人が四八%、「そう思わない」が一〇%ですから、頑張っていらっしゃるなと思っています。「どちらともいえない」をどうはめるかによって視点が変わるという実態ですが、むしろ、この状態の中で頑張っているんだというのを入れた上で、二問目にしても「ある程度満足」が三六%もあるということを踏まえた上で「どちらともいえない」をはめるのか、はめないかで視点がすごく変わってくる出方だと思うんです。これは分析の仕方で全然変わっちゃう部分なので、これは普通に冷静に見たときに、誘導とまでは言いませんけど、そういうふうに印象づけられるのかなと感じました。出ている文書を今さらというのはありますけれども、それが一つ感じたことです。  九ページを最初見たときに、あれっと思ったんですが、交番機能の強化、このイラストが一人の警官のイラストというのが何なんだと思って。大型交番にしたいのであれば、大型交番のイラストを入れるべきだと私は思いました。もう出ているものを今さらというのは失礼なんですが、これは一つ、まず御意見として申し上げます。  質問に入りますけれども、戻って五ページと六ページ、本県の地域警察官の、全体の警察官の割合は、何%ぐらいですか。単純に言うと、先ほど一千名弱、六百七十三と二百三十三の数というのは全体の中の何%か。 88 ◯熊丸地域課長 警察官一千名おりますので、大体三〇%ということでございます。 89 ◯松田委員 熊本県は何%ぐらいですか。 90 ◯安山生活安全部参事官兼生活安全企画課長 熊本県の数字につきましては、ただいま手元に具体的な数字はございませんけれども、大体全国、全警察官の中における地域警察官の数の割合は、ほぼ同じでございます。 91 ◯松田委員 大体三〇%と見たときに、交番の数で裏の交代制の数を割りますと、鹿児島県が一つの交番として一〇・八人、熊本県が一三・五人と私は今計算しました。これは、なぜこんなに違うのか、何か説明ができましょうか。熊本は、もともとの基数が大きいんですかね。 92 ◯安山生活安全部参事官兼生活安全企画課長 施設の数、交番の数は少ないですが、そこに勤務する勤務員の数あるいはパトカーの勤務員、そういった地域警察官が多いということでございます。 93 ◯松田委員 六ページの交代制の方の六百七十三人は、交番に勤務される人の数としていいんですかね。 94 ◯大塚生活安全部長 ここに掲げてございますけれども、鹿児島県は交代制の交番が六百七十三名であり、熊本県は七百八十三名であり、このことは熊本県の交番の数は少ないが、一つ当たりの交番の勤務員が多いということであります。それから、鹿児島県の場合は六百七十三人で、施設の数が多いということであり、勤務員が少ないということになります。そして、下のほうに毎日制の駐在所が書いてございますけれども、それぞれ勤務員が、鹿児島県は二百三十三名で、熊本県は百十八名ということで、鹿児島県は駐在所が熊本県に比べましても多いわけですね。そのようなことで両方合わせますと、大体鹿児島県で九百名程度、それから熊本県も同じぐらいの九百名程度でございますので、熊本県は交番が大型化されていると考えていただいて結構だと思います。 95 ◯松田委員 了解しました。つまり、むしろ駐在所の数が多いので、そちらに人員が少し行っている関係で、どうしても、大型化したいけど人数が足りないということでありますね。気がついた部分で申し上げました。  一つ思うのは、これまでの再編整備されてきた経過が重要かと思っております。阿久根署、南九州署、曽於署管轄の駐在所を交番管轄に、それから西署管轄の玉江交番を統合し大型交番ができました。今後は基本計画にのっとって、住民説明するという段取りで、きちっとこれから先は行くと思いますけど、これまではどちらかというと、六月議会で決定したら、七、八月で現場で意見を聞きながら、多少反対もあるけど押し切ったと言ったら失礼ですけど、進んできたように思います。先ほど吉留委員からもありましたけど、地元との意見聴取をする中で、御苦労されたと思いますが、一番出てきた、否定的な意見と肯定的な意見をお示しいただければと思います。 96 ◯安山生活安全部参事官兼生活安全企画課長 最近廃止しました金山駐在所の例で申し上げますと、地元の住民の皆様の御意見は、総論はよくわかりますが、各論になりますと、それは困るということです。その否定的な意見は、「やはり駐在所は安全のよりどころだと。それがなくなると非常に心配である」、「いろいろな地域の行事に親子で参加してくれた人たちがいなくなると地域が寂れる」、そういった意見が非常に多うございます。  肯定的な意見は少ないわけですけれども、期待を込めて「夜のパトロールをよろしくお願いします」とかそういったものはありますが、全面的に賛成しますよということは、住民説明の中ではなかなか得られないというのが実情でございます。ただ、それにつきましては真摯に説明いたしまして、できるだけ御了解、御理解をいただくようにしてきたのが今までの実情でございまして、廃止しました駐在所の跡につきましては、警察としましても特に力を入れまして治安維持、いろんな行事等の参加をしております。  金山駐在所の例にとりましても、先般、非常によく警察官が回ってきているという反応も出ております。そして、これはまた別な駐在所でございますけれども、今まで地域の行事に参加してくれる機会が少なかったけれども、交番になってから、より積極的に参加してくれるようになってきたという声もございます。 97 ◯松田委員 よくわかりました。平成二十二年度は、うちの伊敷四丁目交番の件で、さまざま御意見もお伺いしました。一つあるのは、廃止した後どうなるのというのが余り見えないことだったので、玉江交番を廃止した後こうなりますというのが言えるものなら、住民の方の説明の受け取りもスムーズなんですが、廃止した後、結局緑ヶ丘等に人員が配置されますといっても、建物は変わらなく、見た目の実感がないものですから、なかなか御理解をいただけないという印象を受けました。  こういう形で最初に計画が出て、今後は、まずは地域の意見をお伺いしましょうと、その上で結論を出しましょうという段取りになってきますから、より難しくなるとともに、逆にしっかり住民と議論というか、意見交換ができて、さっきおっしゃったみたいに見える化の形でこういうふうにしていきますよと丁寧に説明ができますので、これはいい方向だとは思っております。  平成二十二年度の伊敷四丁目交番に関しては、現場に町内会長に話が来たのはいついつで、この結果こうでというふうに直接僕たちもお聞きしたものですから、議会にいた側でもありますし、「いやいや、こうですよ」という説明をするのも苦しかったんですけれども、こういうことに取り組んでいるんだということもまた、大きくアピールをしていただきたいなと思います。  その上で、総論賛成、各論反対というのは、これから再編をどんどんやればやるほどあり得ることは、もう想像しえますので、それを丁寧に扱っていただきたいと思います。提言書も読ませてもらいましたが、提言に添えての中でも、住民との対話を強くおっしゃっておりますので、この点はお願いしたいと思います。  あと一点、ホームページ上で御意見を募集された中で、四点ほど意見が来ておりました。気になったのは、パブリックコメントの回答で、監視カメラの増設に対して、検討するという内容でしたけれども、これは具体的にこういうふうにするというお考えがあるのかどうか、お聞かせください。 98 ◯熊丸地域課長 県警ホームページ上で、パブリックコメントとして四件意見が寄せられているわけですが、内容としましては、基本計画に賛同する御意見や、高齢化が進む地域あるいは交通のアクセスが限られた地域に対する配慮、それと委員が言われた監視カメラの設置の検討というのが寄せられております。こういった寄せられた御意見を踏まえまして、最終的に再編基本計画を策定したわけでございます。 99 ◯安山生活安全部参事官兼生活安全企画課長 防犯カメラの関係につきまして、お答えいたします。  防犯カメラの効果につきましては、例えば鹿児島市では御着屋交番がございますけれども、あの管内に県内に先駆けて街頭監視カメラをつけておりますが、設置後、非常に犯罪が激減しております。それから、先般、熊本県で女児を殺害したという痛ましい事件がございましたけれども、あれも店舗側が設置していた防犯カメラによって早期に犯人を検挙したということで、警察としましては、住民の意見がパブリックコメントにありましたように、防犯カメラの効果があると考えておりますので、現在、各事業者等に対しまして、防犯カメラを設置してくださいという依頼を積極的にやっております。その際は、防犯カメラを設置した場合に、個人情報の流出があるといけませんので、そういった規定の設置もあわせてお願いをしているところでございます。 100 ◯松田委員 ありがたいことだと思います。今の御答弁のような内容も含めて警察のコメントが入るといいなと思います。言っている意味わかりますか。せっかく御意見をいただいたわけですから、「検討し、安全で安心して暮らせる鹿児島の実現を目指してまいります」でなくて、こういう事情もありますと、こういうふうにしていきますというのがここに書かれると、意見を言った人は「おっ、頑張るんだな」と思います。コメントにそういう丁寧さが欲しいなと思っているところです。今後、現場で応対する場合も、警察側のコメントとして、今おっしゃったような形で丁寧に話をしていただくと、「あ、だよね」と思われると思います。どうしても顔が見えないただの意見ですから、なかなかうまくは言えないかもしれませんけれども、そういう形で今後さらに住民とのやりとりを丁寧に取り組んでいただいて、いい形になるようにしていただきたいということを要望にかえて、終わります。 101 ◯小園委員長 ほかにありませんか。 102 ◯川野委員 少し見方を変えて、私の立場は、総体的に地域警察官が少ない、不足しているんじゃないかと思います。なぜかといいますと、四ページ、交番・駐在所に対する活動に対して、住民はパトロールを見ないとかいろいろ言っていますけど、これを地域警察官の交番の警察官の目から言わせてもらうと、パトロールに出ていけないから住民は姿を見ない。住民から見れば交番・駐在所が不在となることがある。ところが、交番の警察官から言わせてもらうと、パトロールには行けない人数じゃないですかと。逆にパトロールに出ていくから、住民が来たときに不在になるんじゃないですかと。家庭訪問に来ないんじゃなくて、家庭訪問に出ていけないんですよと。届出や相談などへの対応が不十分、夜間勤務が多い、ぼやっとした頭で昼間対応ができるかと。こういうことを考えていくと、やはり交番・駐在所の警察官の増員は必要じゃないかなと思っています。  再編計画の中に、検挙数が減少傾向にあるが、再編したから検挙率が上がるというわけじゃないと思うんです。総体的に警察官の数が足りないと思っています。警務部長から、もし増員が認められたらという話もありましたけれども、それじゃ警察官の数というのは、どれぐらいの数がおれば満足度があるんだろうかと考えるわけなんです。これだけふやしてくれという増員計画の話も出てこない中で、約二千九百名の警官で十分なのかと思いながら対応されていることだろうと思います。  一つ提案ですけれども、警察官の過不足について、やはり現場の警察官の意見を十分聞いてもらうというのが一番大事じゃないかと思います。例えば、交番への住民の不満に対しては、現場の交番から言わせてもらうと、これだけ人がいたらいいんですよ、これだけの人数を抱えたら、我々はこんなに立派にできますよと言えるんじゃないかと思います。  この再編計画の四ページに地域警察官の任務が書いてありますけれども、この任務を何人の警察官だったら十分対応できるのかと。とてもこれだけのことを一人じゃできませんし、二人でも三人でも無理だと思います。ですから、こういう目標があるんだったら、これに対する満足度、成熟度についてはこれだけの警察官が必要なんですと、やはり現場の声を聞いて、きちんとした体制をとっていただきたいなと思います。  体制を変えるだけじゃ、どうしても無理があると思います。体制プラス人的体制もきちんとやっていただくことが必要じゃないかと思います。地域に行くと、一番の住民のよりどころは警察官なんです。治安がいいということは、そこの地域に警察官がいるという半面でもあるわけなんです。警察官が減らされると地域の人が不安を持つということだろうと思います。夜間パトロールも必要ですし、三人体制のところは非常に無理が来ている。これを十人、十五人にしたら、もっと楽に回れる、治安もよくなる、住民の不安もよくなる、こういうことだろうと思うんです。  ですから、警察本部では、交番・駐在所の警察官の意見を十分聞いて、その中でやはり適正な定員というのがどれぐらいだということを我々の委員会にも出してもらうと、我々はそれについていろんな意見もありますし、また当局とも話ができるわけですから、ぜひその辺の資料をつくっていただきたいと思います。今の現状では警察が足りないと私は認識しています。ですから、警察官をふやすためにはどういう努力をすればいいかということについては、現場からの声を吸い上げた形で我々は物を申すしかないと考えております。  私は、姶良警察署はモデルになると考えているわけですけれども、交番機能をつけていただきながら、警察署の中の本部体制はどうなっていくべきなのか、その辺をまた教えていただければいいかなと思っております。  交番の再編は、非常に関心を持っているわけですけど、この体制を維持するためにも、警察官はこれだけの人数はどうしても必要だと思っております。こういう意見に対して、警務部長どうでしょうか。 103 ◯長嶋警務部長 先生のありがたいお話をお伺いしまして、先ほども触れさせていただいたんですが、体制の強化という観点から、地域のみならず、いろんな部門でニーズはあるわけでございまして、そのあたりにつきましても、増員と体制、組織をどうしていくかということについて、今の御提案もございますので、我々としてもいろいろと努力をしながら、増員を図っていきたいと考えております。よろしくまた御指導をお願いいたします。 104 ◯川野委員 今、県庁の事務系の職員は定数削減に取り組んでおりますけれども、その流れに沿って警察官の定数削減することは、逆行していくんじゃないかと思います。警察官というのは、住民と一対一に向き合うのが役目ですから、それなりの人数はどうしても確保しなくちゃいけないと思います。雇用対策もいろいろありますけれども、真っ先に警察が手を挙げて、おれたちも雇用をしたいなと言えるぐらいの感覚を持っていただければ、もっとうれしかったんですけどね。これは要望です。
    105 ◯小園委員長 ほかにありませんか。 106 ◯山口委員 団塊の世代で昔を知っている一人として、昭和四十年代は、駐在所は自転車でまだ警らをしていました。当然、無線もございませんでしたし、道路も砂利んこ道でありまして、そういう時代から現状を見ますと、パトカーが装備され、白バイも装備され、無線も持って、距離的に言いますと、昔の十キロが今では一キロ、それぐらいの行動半径が大きくなっているんじゃないかなと思います。そういう時代的背景を考えれば、交番所・駐在所の統合、そして合理的な業務運営という部分では私は賛成でございます。  そこで、警察職員の定数が改正されて二千九百七十六人になりますけれども、これは歴史的に警察職員は漸次ふえてきているんですか、その辺はどうなんでしょうか。 107 ◯花田警務課長 警察職員の定数はふえてきております。 108 ◯山口委員 先ほど、国が指定する定員と、県でもある面ではやろうと思えば増員ができるという話がありましたけど、国の定員というのは県民人口に対して何%と、そういう割合で算出されているんですか。 109 ◯花田警務課長 この警察政令定数でございますが、これは必ずしも人口だけじゃなくて、その県の犯罪の発生状況、交通事故の発生状況、治安情勢等も見て配分されているところであります。 110 ◯山口委員 奄美の豪雨災害のときに、無線の不通のところがあったりしましたけど、警察無線という立場でいきますと、こういう交番の集中化と駐在所の集中化の中で、無線の通らない山間僻地も多々あると思うんですけど、その辺に対する準備体制はどう考えていらっしゃいますか。 111 ◯木山警務部参事官 無線関係については、県警の組織とは若干違いますけれども、通信部がございまして、そこで県内の不感地帯を調査して、対処いたしております。 112 ◯山口委員 駐在所を大型交番化、統合していくわけですけど、大半のところが半島部であったり、離島であったり、過疎化・少子化・高齢化の地域で、だんだん限界集落から、もう廃村というように新聞も書くところがありますけれども、先ほどの無線なり機動力の部分では、細心の注意を払って組織の見直しをすべきじゃないかなと思いますので、先ほど住民説明会等々ありましたけれども、しっかりとその辺の対応をされて、新しいステップの県警の組織をつくり上げていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  終わります。 113 ◯小園委員長 ほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 114 ◯小園委員長 ほかにないようですので、この件に関する質問等はこれで終了いたします。  ここで、暫時休憩いたします。         午前十一時三十四分休憩      ────────────────         午前十一時三十五分再開 115 ◯小園委員長 それでは、再開いたします。 116 ◯吉留委員 これから多分、交番・派出所が統合ないし廃止になっていく地域があるかと思いますので、代々の駐在所の警察官の方や交番の警察官の方が頑張ってうまくいっていた地域ほど、逆に「何で」という意味での反対というか、リアクションが大きいと思いますので、逆に何も反対がないところがあれば、それは逆におかしいと思いますので、十分住民の方と話し合いをして、また、そこの選出の県議会議員とも十分協議してやっていただきたいということを要望しておきます。  また、警察OBの方がそれぞれいらっしゃいますので、十分協力をいただいて、住民の方とも話し合いをして、御理解いただくようにしていただきたいと思います。 117 ◯小園委員長 ほかにございませんか。    [「なし」という者あり] 118 ◯小園委員長 ただいま吉留委員から、地域警察の今後のあり方について意見・要望がありましたけれども、これを本委員会としての意見・要望とすることに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 119 ◯小園委員長 御異議なしと認めます。  全員の御賛同が得られましたので、ただいま吉留委員がお話をされました地域警察の今後のあり方等につきましてを本委員会の意見・要望として、こちらのほうで取りまとめさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  ほかにございませんか。    [「なし」という者あり] 120 ◯小園委員長 特定調査につきましては、これで終了いたします。  次は、県政全般に係る一般調査についてであります。  県政一般について、質問をお願いいたします。 121 ◯長田委員 薬物乱用について、幾つかお尋ねしたいことがありまして、先般、鹿児島県警で、大学生等に対する薬物の危険性に対する意識調査をされたわけでございまして、大学が六校、短期大学が四校、専修学校十六校、計二十六校で、回答数が二千八百三十八人からいただいているわけなんですけど、全体の学生数に対して何割ぐらいの人から回答をいただいたのか教えていただけないですか。 122 ◯西窪組織犯罪対策課長 御質問のアンケートの件でございますが、今回の意識調査につきましては、県下の大学、専修学校など二十六校、合わせて約二万四千人を対象に実施いたしまして、回答をいただいたのが二千八百三十八人であり、全体の約一二%でございます。 123 ◯長田委員 私はそのことがすごく懸念というか、危惧しているんですよね。つまり、回答した方はわずか十数%ということは、これは警察からお願いしたわけでございますが、もう少し率先して回収に当たるような作業を大学・短大・専修学校にするべきだと思うんですけど、そのあたりをされたわけですかね。そのあたりは、どうなんですか。 124 ◯西窪組織犯罪対策課長 アンケートの実施方法でございますけれども、これは大学あるいは専修学校に依頼して行ったというのではございませんで、調査員が学校の正門付近で学生一人一人に聞き取りで実施しております。その際に応じない学生もおれば、その調査に応じる学生もいるということでございます。 125 ◯長田委員 これは、調査員がされているから、二千八百三十八人からの回答となっておりますが、私はいい調査だと思っていますので、今後ぜひこういう調査を継続的にするときには、ぜひ大学に県警と連携していただいて、できるだけ多くの回答数があれば、事例が多ければ多いほど、データとして出てきますから、そのことはまず要望したいと思います。  私も一般質問でもしたことがあるんですけれども、「薬物に関心があるか」という質問に対して、「非常にある」、「ある程度ある」で合計が二二・三%だったわけですよ。また、「違法薬物を所持したり、使用している人は今いますか」という質問に対して、三・六%の人が「いる」という回答で、さらに、「簡単に手に入る」、「何となく手に入る」が全体の約三六%あるということですけれども、これは薬物が思った以上に広がっていると私は認識しているんです。  そこで、薬物乱用防止教室を小・中・高校などでやっているんですけれども、一般質問で武議員から質問があり、重複するところもあるかもしれませんが、大学生などでもやっていらっしゃるんですか、そのあたりを教えていただけないでしょうか。 126 ◯南田少年課長 薬物乱用防止教室につきましては、小・中・高、その他専修・専門学校等が対象でありまして、大学については行っておりません。 127 ◯長田委員 大学について行っていないということですけれども、この資料の中に、「薬物に関して意見がありましたら、御記入ください」という質問に対して、「薬物乱用防止教室をふやしたほうがいい」という大学生のアンケートの結果がでているわけですよ。「もっと薬物乱用防止の授業をふやしたほうがいい」という声があったり、「留学生を対象とした薬物乱用防止教室を開催してほしい」というような声があるんですけど、今後そのあたりをぜひするべきであると思うんですが、そのあたりどうですか。 128 ◯西窪組織犯罪対策課長 先ほど少年課長から申し上げました薬物乱用防止教室は、少年を対象に行ったものでございますが、成人であります大学生について、昨年、鹿児島大学で一回、二百五十人を対象に行った教室がございます。  それと、大学生等に対する今後の広報・啓発活動の件でございますけれども、今回の調査結果を踏まえて、より一層、中・高生はもとより、大学生を含めて薬物乱用防止教室等の啓発活動を実施していく必要があると感じております。 129 ◯長田委員 今、前向きな御答弁ということで、ぜひ小・中・高校生だけじゃなくして、大学生、短大生、専修学校生の方々にも、鹿児島大学で一回だけ、二百五十人ということでございましたが、すべての大学とか専修学校とか短大でしていただきたいんです。  僕は薬物乱用防止教室の中で、少しだけ問題点があると思っており、ぜひ取り入れていただきたいのは、薬物を実際に使用したことがある方、そして現在、社会復帰をされている方々の講演とか、そういった方々をそういう教室に招ければ、もっと説得力があって、いい影響が出てくるんじゃないかと思うんですけど、薬物乱用防止教室の具体的な内容を教えていただけないですか。あわせてそのあたりも検討していただきたいと思うんです。 130 ◯南田少年課長 現在行っております薬物教室につきましては、まずビデオを見ていただきまして、事例等に関するビデオ、次にパワーポイントを使いまして、いわゆる薬物の薬理作用等の説明、それから法令の内容、それから体に及ぼす影響というようなものを順次行っております。また、時間があれば、参加した学生からの感想等を感想文にしていただいているという状況でやっております。  今委員が言われました、そういう経験のある人を使うことにつきましては、本人のプライバシー等や名誉に関する部分がありますので、慎重な運営が必要かと考えております。 131 ◯長田委員 確かにプライバシーもあるんですけど、なぜ私はこういう意見を言ったかというと、この主な回答の中にも実は書いてあったんですよ。薬物を使った人の講演を聞いたことがあるけれどもと、物すごい、ぞっとしたという声があったりしたもので、プライバシーもあるんですけれども、実際大学生、短大生、専修学校生からの声があるということもまた踏まえて、御理解いただきたいというのが私からの要望でございます。  それで、「薬物根絶に向けて警察に何を望みますか」という質問に対して、複数回答で二千百七十三人が「取り締まりの強化」を一番に上げられているんですけれども、そのあたりの取り締まりの強化を県警としてはどのようにされていらっしゃるのか教えていただけないでしょうか。 132 ◯西窪組織犯罪対策課長 取り締まりの強化についてでございます。  まず一点は、本県の場合は地理的な特徴から、過去に大量の覚せい剤等が密輸入された事案も発生しておりますので、海上保安庁、税関等との連携を緊密にした上で、水際対策を強化して、密輸入を防ぐ、あるいは検挙するということでやっております。  それともう一つは、本県のこれまでの薬物乱用者の検挙状況を見ますと、末端の乱用者が県内には非常に多いということから、この末端乱用者の検挙を徹底するとともに、密売ルートを摘発することに力を入れて、今後やっていきたいと思っております。 133 ◯長田委員 まさに今おっしゃったように、水際対策はすごく大事だと思うんですね。私は三年ぐらい海外、オーストラリアとカナダとアメリカに滞在していたんですけど、留学生やワーキングホリデーの人が、薬物に依存して、帰ってこれなくて、そのまま向こうに滞在してしまっている日本人が結構いました。そのころはMDMAははやっていなかったですが、マリファナとか、ガンジャと言われたんですけど、それをよく税関に見つからないように入れて帰るということを聞いたこともあったもので、だから水際対策は物すごく大事なことだと思います。  最後に、このアンケート結果に対して、県警がどういう認識を持たれたのかというところと、今後の薬物対策について、その意気込みを教えていただけませんか。 134 ◯西窪組織犯罪対策課長 調査結果につきましては、先ほど委員のお話にございましたとおり、全体としては薬物に対する規範意識は堅持されておりますけれども、一方では、約三六%の学生が「薬物の入手は難しくない」という回答をするなど、若者の身近に違法薬物の存在がうかがわれますし、また、違法薬物の使用に関して、約七%の学生が「他人に迷惑をかけなければ個人の自由である」という薬物の使用を容認する回答もございまして、看過できない状況であると認識しております。  今後、この調査の結果につきましては、これから実施いたします薬物乱用防止のキャンペーン、あるいは薬物乱用防止教室等の広報・啓発活動を一層充実させて、薬物の危険性・有害性について、正しい知識の周知を図っていきたいと思っております。 135 ◯長田委員 ぜひ、今御答弁いただきましたように、そういった方向に努めていただきたいですし、大学生、短大生、専修学校生は、高校生・中学生より関心が高い世代だと思いますので、そのことをしっかりとお願いします。  もう一点、手短に、別な質問を申し上げますが、きょうの地元紙に、海外で鹿児島に非常に関心がある観光客が四割程度いると書いてあったですよ。これを見たときにふと思ったのは、これはありがたいことでもあると同時に、鹿児島県は東アジアを中心に呼び込もうという観光の戦略がある中で、治安の部分で、今後どうなるかなと少し懸念するところがあるんです。  先ほど交番・駐在所の話が出ましたが、海外から来た方々に中国語、韓国語、英語で対応できるような警察官を、今後研修していくべきじゃないかなと思うんですけど、そのあたりについてどういう取り組みをされているのか、わかる範囲でお教えいただけませんか。 136 ◯花田警務課長 県警におきましては、まず部内に語学に堪能な者を通訳員として指定しておりますほか、語学に対応できない部分については、部外の通訳人を委嘱しているところであります。今後、交番等の勤務員等につきましても、可能な限り、そういう研修ができればいいなと思っているところであります。 137 ◯長田委員 要望にかえますけれども、中国人の個人発給ビザが緩和されるなど、外国から個人で鹿児島に来たときに、頼りになるのは警察の方々であり、例えば「ここはどうか」という道案内があると思うので、今もされているということでございますが、そのあたりをしっかりとお願いしまして、以上で終わります。 138 ◯吉野委員 今の薬物の件でお聞きしますが、青少年の犯罪の傾向にしろ、健康食品ブーム、またコンビニの数がふえている云々のいろんな部分で、我が国はアメリカを十年、二十年追っている部分が割とあるんですよね。今アメリカは、青少年だけじゃなくて、大人もそうですけれども、薬物は犯罪にも直結していますし、大変な問題になっており、日本だってそうなるのかなと思うんです。  先ほど、いろんなアンケートをとるとか、いろんな啓発ビデオを見せるとか、それも当然そうでしょうが、効果的なことは、罰則規定を重くすることが絶対抑止力になると思うんです。こういう問題は国会での議論でしょうが、それをやろうという意見もあるだろうし、逆にそれに反対するような勢力といいますかね、あるのかどうかわかりませんが、わかっている範囲で、こういう厳罰化の方向に対する考え方について、どういうふうになっているか、もしわかっていたら教えていただけますか。 139 ◯西窪組織犯罪対策課長 薬物に関する罰則の強化につきまして、現在、国で検討されているとか等は聞いておりません。ただ、私も新聞等での知識でございますけれども、大麻は有害性が非常に弱いから使用を認めたらいいんじゃないかというようなことを、例えばインターネット等で書き込んでいる人等もいるという状況でございます。 140 ◯吉野委員 私もアメリカに長くいたものですから、州によって法律が随分違いまして、マリファナを所持していても、罰則のない州もあることを知っております。私がいたころですから、随分前ですけれどもね、アメリカには大学の先生たちが、生徒と一緒に吸っているような大学もあるんですよ。それは今でも変わらないと思います。  私はボストンにいましたけど、公園をたまたま歩いていると、アメリカは顔だけでアメリカ人か外国人か、わからないところがあるんだろうと思うんですけれども、すれ違う人が、平気で「マリファナを持っていないから売ってくれ」とかいうのが結構あるんですよ。私は、たばこも吸いませんので、そんなもの所持してませんが。  私が言わんとするのは、州によってそれはあるんです。そして、その当時でも、今まさに言われたように、中毒性がないんだとか、害はたばこよりもないんだとかという説もありましたよ。しかし、どうもそれは間違いじゃないのかなという説のほうが今、強いんじゃないですかね。中毒性もあるし、そして今度はマリファナをやった人たちというのは、必ず次の刺激を求めて、次なるものに出ていくという、これは恐らく統計をとれば必ず証明されることだと思いますので、今言ったようなインターネットその他で出ている説に対しては、それなりの資料を出して大いに論破すべきです。資料を求めるのは簡単なことだと思いますよ。インターネットその他で出ている説が蔓延するような傾向は非常に遺憾であると私は思います。 141 ◯小園委員長 ここで、昼食等のため、暫時休憩いたします。  再開は、おおむね午後一時十五分といたします。         午前十一時五十六分休憩      ────────────────         午後 一時 十三分再開 142 ◯小園委員長 それでは、休憩前に引き続き再開いたします。  御質問はありませんか。 143 ◯尾辻委員 このごろ、本当に考えられない事件が起こっていますけど、十二月議会のときもお尋ねしたんですけど、子ども一一〇番の家に保護された子供は余り数がない、ほとんどないということですが、不審な方に声をかけられた子供の数はどのぐらいあるのか教えてください。 144 ◯安山生活安全部参事官兼生活安全企画課長 昨年一年間で申し上げますと、子供が不審者から声をかけられた、あるいはつきまといを受けた件数は百九十七件で、前年比三十二件ふえております。 145 ◯尾辻委員 三十二件は大きいと思うんですね。私の友人のお孫さんが、バスで池田小学校に通っているんですけど、いつもはどちらかが迎えに行っているらしいんですけど、その日たまたまおくれてしまって、一人で帰っていたら、単車のおじさんに声をかけられて、それ以来、もう一人で歩けないというか、怖がっていたということも聞きます。また平之町の西千石に暴力団の事務所があったときに、警察の皆さんが二十四時間体制で、寒い中、住民の皆さんの安全を守るために頑張ってくださっており、そのころは山下小学校の児童の皆さんは集団で登校していたんですよ。このごろはもう事件が薄れて、暴力団の事務所が出ていかれたこともあって、一人で走っていったり、帰ったりしているんですね。こういう事件があったときは、学校側も気をつけて、親がついていったりしましたが、この頃はもう一人で、暗くなっても走ったりしているのを見ると、何かあってからでは遅いなと思うんですけど、そういう指導を学校とどういうふうに連携をとっておられるのか、お聞かせください。 146 ◯安山生活安全部参事官兼生活安全企画課長 子供が不審者から声をかけられた、つきまといを受けたという場合の対処についてでございますけれども、これについては警察と学校が連携しまして、不審者対応訓練をしております。  それに加えまして、本年度は緊急雇用事業で、警察が民間の警備業者に委託しまして、キッズガード隊と名前をつけておりますが、そのキッズガード隊が警察官が手の回らない学校にも行きまして、不審者対応訓練もしており、その中で対応の指導をしております。 147 ◯尾辻委員 事件のあった、その前後だけが学校としてもすごく気をつけられて、集団登校、集団下校、親がついての登下校をしますが、一年ぐらいたってしまうと、そういう体制をとられないで、一人で走って帰ったり、登校したりしているのを見ますと、事件が起こってからでは遅いので、ずっと継続的にされるほうがいいんじゃないかなと思いましたので質問させていただきましたし、学校側ともう少し連携をとってしていただきたいということを要望しておきます。  もう一件、一週間ぐらい前に会があってホテルに行ったら、福井商業高校の高校生が何百人か修学旅行で来ておられたんですが、そのホテルの周りは、照国神社の辺で、暴走族がすごくて、修学旅行の子供たちが寝られないことも多々あるということをお聞きしたんです。そこで、年末年始は雪が降っていましたが、年末年始暴走族の検挙はどうだったのか、お知らせください。 148 ◯小蓬原交通指導課長 昨年十二月三十日から本年一月三日まで年末年始の暴走族取り締まりを、警察官延べ四百九十名、車両二百二十八台の体制で実施しております。結果的には、県内において集団暴走事案の発生はありませんでした。それも委員指摘のとおり、降雪・降雨の関係が影響したんじゃないかなということであります。ただ、薩摩川内で整備不良を一台検挙した実績があります。 149 ◯尾辻委員 今回は、普通の車でも危なくて走れないので、自分の命は大切にして走らなかったのかもしれませんが、九州新幹線全線開通で、修学旅行の方々が鹿児島に来ていただけるし、また、その来ていただいた方たちが鹿児島ってすばらしかったよっていうPRをしていただくことで、鹿児島に活気が出てくるんだと思うんですね。暴走族が夜中走り回って寝られなかったとか、外に高校生が出た場合に危ない目にあうとか、そういうことがないように、未然に防いでいただきますようにお願いをいたします。  そして、一つはお礼ですが、先般、私はこの席で道路の信号機の関係で、道路の右折を一車線にしてしまって、真っすぐは一車線で大変混雑しているということをお願いいたしましたけど、二車線にしていただいて、今スムーズに行っています。どうもありがとうございました。 150 ◯小園委員長 よろしいですか。 151 ◯尾辻委員 はい。 152 ◯小園委員長 ほかにございませんか。 153 ◯松田委員 「あんしん・かごしま」創造プログラム二〇一一で、四番目が様々な危機事象への適切な対応ということで、新幹線全線開業、花博に適切に対応されていると思うんですが、具体的に新幹線開業、花博に関してどういうふうに警備等進められるのか、その辺をお知らせください。 154 ◯花田警務課長 私からは新幹線全線開業に伴う全般的な対策について御説明申し上げます。  全線開業されますと、より人・物の往来、それから流通量が確実に増大するなど、治安情勢の変化があると思います。  そこで、県警では、治安事象の増加が予想されます鹿児島中央駅構内、あるいは周辺地域の警戒を強化するために、これまでも鹿児島中央駅前交番の勤務員を逐次増強してきましたが、三月四日に内示をいたしました今春の人事異動においても、さらに交番の増強を図ることをしております。  また、天文館や鹿児島中央駅周辺の繁華街対策として、制服警察官によるパトロール等を強化するとともに、今年度に引き続きまして、来年度も緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用した繁華街クリーンアップ活動推進事業や、街頭犯罪等対策事業を民間の警備業者に委託しまして、繁華街等の巡回パトロールを実施することとしております。 155 ◯松田委員 花博関係もありましたら、お願いします。 156 ◯今村交通規制課長 花博の交通対策で答弁させていただきます。  花博は、三月十八日から五月二十二日までの六十六日間開催されます。交通の事前対策としまして、交通情報板による公共交通機関利用の広報をやっております。  それと、交通規制課が委託しております、道路交通情報センターのラジオ広報により、できるだけ公共交通機関の利用をお願いしたいという広報をいたしております。  信号機の関係でございますけれども、メーン会場のルートとなる交差点、県道鹿児島吉田線の菖蒲谷、雀ヶ宮など、もろもろの十三交差点の信号機を右折ができるように、その右折矢灯の改良をしたり、またすべての信号をLED化にしております。サブ会場へのルートとなる交差点、県道小山田谷山線の中山小前と山田交差点、四交差点も同じく右折矢灯とLEDをやっております。  これで、信号機の改良等三つの事前対策によりまして、できるだけ渋滞を醸し出さないようにと考えております。  開催期間中の交通対策としましては、メーン会場の吉野公園前の道路を基本的にはシャトルバスでの輸送となっておりますので、吉野公園前の道路を駐車禁止ではなく、駐停車禁止という規制を実施いたします。要するに、一般の方たちの乗りおりについても原則認めないですよということを徹底したいと考えております。  サブ会場のほうでございますけれども、中山方向と山田方向から来場する場合、一般車両の駐車場がございますので、一般車両で入場されるわけですけれども、中山インターからの入り、それと山田インターからの入りを分離するために、駐車場を別々に誘導する対策をとっております。  以上が、大体花博に対する交通対策ということで御理解いただきたいと思います。
    157 ◯熊丸地域課長 新幹線開業と花博に伴いまして、当然各種イベントが開かれますので、雑踏警戒ということで、お話しさせていただきます。  新幹線全線開業につきましては、鹿児島中央駅、川内駅、出水駅でそれぞれイベントが開催されるということで、雑踏事故が懸念されるということでございまして、それぞれの警察署が主体となって警備体制を構築しまして、雑踏事故、事件・事故に対する迅速かつ的確な対応等をとる予定でございます。  新幹線全線開業あるいは花博に伴いまして、特別警戒といいまして、三月五日から三月二十一日まで、これは花博の開催から四日間が含まれるわけですけれども、それと雑踏警備につきましては、三月十一日から三月十三日までの間実施するということでございます。  主催者側の予測では鹿児島中央駅三日間で十五万人を見込んでおり、警備体制として、警察官が延べ約二百五十人、主催者側の自主警備員延べ約二百二十人で警備します。川内駅は、警察官延べ四十人、自主警備員延べ五十人と、出水駅は警察官が延べ五十人、自主警備員七十人の体制で、万全を期してまいりたいと考えております。 158 ◯松田委員 ありがとうございます。  警備の裏方さんは大変なときになりますけれども、ぜひ力を発揮していただきたいと思います。  吉野会場、中山の会場では、地元住民の方々に、またいろいろ御苦労もかけると思うんですよね。地元住民の方もスムーズにいくように、体制・対応をお願いしておきたいことを要望しておきたいと思います。  資料で、私が聞きたかったことを幾つか続けてお話をします。  五ページ、銃器の押収状況で、全部で六丁、うち暴力団が二丁ということですけど、暴力団は多分、何らかの流通があるんだろうなと思うんですが、四丁はどういう流通があって入るんだろうかというのが気になるんですが、そこら辺の説明をお願いします。 159 ◯西窪組織犯罪対策課長 昨年押収した銃器六丁のうち、二丁につきましては、御質問のとおり、暴力団関係者からの押収でございますが、残りの分につきましては、元軍人さん等の遺品として発見されたものがほとんどでございます。 160 ◯松田委員 ということは、犯罪性は特にないというか、そういう感覚でよろしいでしょうか。 161 ◯西窪組織犯罪対策課長 推定でございますが、犯罪に使用する目的で所持していたということはないと考えております。 162 ◯松田委員 はい、ありがとうございます。  続きまして、六ページ、昨日も話題に少し上がりましたけど、行方不明少年の関係について、十二月現在、未発見者九名となっております。行方不明の場合に、発見するまでの警察の対応は、どういうふうにされているんでしょうか。 163 ◯南田少年課長 各警察署で届け出を受けた場合に、それが例えば自殺願望があるというような特異家出人の場合には全国に手配いたします。通常の家出人等の場合には、通常県内あるいは立ち回り先の手配を行っております。 164 ◯松田委員 家出人捜索となって、一カ月、二カ月、三カ月と時間が経過し、要望があった場合のその後の対応は、何か定期的に各県警で調査されるんですか。 165 ◯南田少年課長 保護者との定期的な連絡はとっておりますけれども、特に事件性がない以上は、特異な捜索はやっておりません。 166 ◯松田委員 私は奄美に住んでいたものですから、奄美の行方不明者が、どういう風貌でどうのこうのというメールが入るんですよね。もういいかげん切ろうかと思うんですけど、まだ入ってくるんですけど。私は奄美と鹿児島県警メールは持っているんですが、ああいう形での通知というのは、鹿児島市内のメールだと、火災関係は入ってくるんですけど、行方不明が入ってくるサイトはあるのかどうか教えてください。。 167 ◯安山生活安全部参事官兼生活安全企画課長 先ほど少年課長が少年関係について御説明しましたけれども、成人も含めて一般的な対応でございますが、行方不明という分類は、幾つかございますけれども、事件・事故に遭うおそれがあるものにつきましては、マスコミにも報道をお願いして、ラジオ等で報道してもらったり、県警察が発信しています県警メールで、情報があればお寄せくださいというお願いをしておりますし、このほか県内のガソリンスタンド等に手配するなどして、行方不明者の発見に努めているところです。 168 ◯松田委員 メールの発信は、割と効果的ではないかなと思うんです。奄美のほうが、少し優しいのか、事件性がないようなものも来ますし、「発見できました」という返信もちゃんと来ておりますが、県警メールのほうは、あまり見ないよなと自分自身が思っているからかもしれませんが、さらなる取り組みをお願いしたいと思います。  最後に、飲酒運転の取り締まりの状況の中で、あのような事故があっても、まだふえているということはもう本当にいかんなと思うんですけれども、同乗者、それから飲んだ席にいた人まで厳しい処分が下るようになったと思うんですが、そこら辺の規制についての変更点を教えてください。 169 ◯小蓬原交通指導課長 飲酒運転の周辺者三罪についていは、車両提供、酒類提供、要求・依頼同乗であり、これがいわゆる三罪ということでございます。  ちなみに平成二十二年中は九名検挙しており、前年に比べて四件の増加でございます。 170 ◯松田委員 ぜひ強化すべしだと思っております。周辺の人たちまで影響が出るんだよということで、死亡事故は少なくなったにせよ、減らしていかないといけないと思います。現状を踏まえ、しっかり厳しくやっていただきたいと思いました。  以上でございます。 171 ◯小園委員長 ほかにございませんか。 172 ◯柳 委員 二点質問いたします。  本会議でも取り上げたことがあるんですが、性犯罪被害者への支援についてお尋ねしますけれども、女性が被害に遭うこの性犯罪は、ここのところ全国的に見れば非常に増加をしております。しかし実際にはなかなか申告をしない方がたくさんいると思うんですね。  警察庁が二〇〇九年の犯罪統計を出しており、ここで全国の性犯罪の認知件数、強姦とか強制わいせつが八千九十件という数字が出ていますが、法務省の調査によると、この申告率はわずか一三%程度ということで、実際は六万件にも達するだろうということも言われております。なぜこの申告率が低いかというのは、よく言われている二次被害、あるいは三次被害を恐れて泣き寝入りをしている事例が非常に多いからだと思うわけですね。  鹿児島県は減少傾向にあると聞いていますけれども、去年、おととし、強姦とか強制わいせつの件数はどれぐらい上がってきているのか、まず教えてください。 173 ◯田中刑事企画課長 平成二十一年中の性犯罪について申し上げますと、強姦の認知数が十三件、強制わいせつの認知件数が四十九件、合計六十二件となっております。平成二十二年中は、強姦は十一件、強制わいせつは二十九件、合計四十件という数字が出ております。 174 ◯柳 委員 ありがとうございます。  減少傾向にあるということは、数字では出ているんですけれども、全国の例を見ましても、もう想像もつかないような件数が上がってくるわけですよね。本県でも、数字が下がったからといって、決して楽観視してはいけないだろうなと思うんですね。警察にまず通報、申告するということは敷居が高いですし、行政に訴えるということも非常にためらわれると、そういうことも本当によくわかるんです。全国の例を見ますと、NPO関係がネットワークをつくっていまして、捜査機関への申告をためらった人たちが、そういったNPOの窓口をたたいているという例もたくさん聞いています。  NPO法人の全国被害者支援ネットワークというのがあるんですが、ここに加盟をしている四十四の団体がありまして、二〇〇九年度に受けた約二万件とも言われている被害相談のうち、性犯罪の被害が一九%に当たる三千九百件と出ているんですね。このように民間への相談件数は、明らかに増加傾向にあるようです。捜査機関への申告をためらって、泣き寝入りの多さが指摘をされているわけですが、こういった実態を鹿児島県警としてはどう認識していらっしゃるのか、まずお尋ねします。 175 ◯田中刑事企画課長 委員のご指摘のとおり、性被害の被害者は非常に精神的なショックがあり、周囲に知れないようにするということで、被害申告をためらっているという実情はあるかと思います。そのようなことで、性犯罪被害の潜在化を防ぐという意味で、性犯罪被害一一〇番の相談電話を設置したり、女性警察官が事情聴取に当たるなど、被害者が相談しやすい環境を考えております。  また、そういう届け出があった場合、心情的に非常に配意して、現場臨場では警察車両や、警察官とわからない工夫をして現場に行ったり、事情を聞く場合も、警察署でなくてほかの場所で聞くなど、配意しております。 176 ◯柳 委員 いろんな配慮をしていただいているようですが、引き続き、繊細な部分ですので、やっていっていただきたいんです。  最近は現場でそういう細かい配慮を大変していただいているとは思うんですが、実際警察に訴えに行って、二次被害を受けたということがあるので、二次被害防止対策として、細かい取り組みをしていかないといけないと思うのです。そこで、他県にもありますようなワンストップの支援サービスが本県にはあるのですかね。 177 ◯花田警務課長 まず、あるかないかということから先にお答えしますけど、このワンストップ支援センターは、まだ鹿児島県にはありません。  このワンストップ支援センターにつきましては、支援員が常駐しまして、性犯罪被害者の相談に応じるほか、そこで医師の検査や治療を受けたり、警察に通報したり、カウンセラーや弁護士を紹介するなど、一カ所でさまざまな支援を提供することで被害者の負担軽減を図るとものと認識しており、これについては私どもも関心を持っているところです。 178 ◯柳 委員 実際被害に遭った人の話を聞きますと、まず警察に行って、それからまた病院に行って、そしてまた弁護士をどこかでか捜しています。しかも、専門の弁護士の方になりますと、数もまた限られてきますし、特に若い女性は、女性の弁護士がいいといった要望が強いです。ですので、鹿児島県も被害者が二次被害、三次被害を受けないような支援の体制づくりをぜひ早急に取り組んでいっていただきたいと思うのですが、その辺の今後の計画はないのですかね。 179 ◯花田警務課長 ワンストップ支援センターにつきましては、今警察庁が愛知県でモデル事業をやっております。そのあたりの成果等も何らかの形で示されると思いますので、その成果等も大いに参考にしていきたいと思っております。 180 ◯柳 委員 ぜひ参考にしていただいて、いち早く鹿児島県にそういった支援の体制ができますように、強く要望しておきたいと思います。  もう一点、最近孤独死ということがあるのですが、私がかかわっておりますNPOが、路上生活者にいろんな支援をやっていますけれども、一たん路上にいた人が生活保護の申請をして、畳の生活を送るのですが、長い間、人とのかかわりを持てなかったために、社会復帰するまでのリハビリ期間がすごく大事になるわけですね。せっかくそうやって畳の暮らしに上がっても、コミュニケーションが全くとれないために、社会と孤立したままで、そこで亡くなってしまうという例が、鹿児島市でも何件も起きています。  まず、そういった実態をどれぐらい把握していらっしゃるのかなと思います。そういう独居の方が亡くなられて発見されるまでの期間、最長でどれぐらいあるのかなと思うんです。例えばそのアパートを、亡くなった方の後片づけに入るボランティアの人がいますが、夏場は特にとても耐えられないような悪臭の中で片づけをしており、そのにおいはなかなか取れないらしいんですね。  その地域で民生委員とか、集合住宅であれば管理者とかいらっしゃると思うんですが、社会と孤立したところでの発見となると、かなり時間もたってからの発見が多いとか聞くんですが、その辺は把握していらっしゃいますか。 181 ◯田中刑事企画課長 期間については、統計をとっておりませんのでわかりませんが、孤独死と言えるかどうかはわかりませんが、六十五歳以上のひとり暮らしの死体取り扱い件数は、昨年は四百七十体、一昨年が四百四十五体となっております。 182 ◯柳 委員 今、この数値を聞いただけでも驚きますが、よく地域との連携と言われますが、そこが重要なことだろうと思います。例えば、生活保護を受給して、ひとり暮らしを始めた方がいらっしゃるとすれば、そこの見守りの体制ですね、これも先ほどの警察官の人数にも大きくかかわってくるんだろうと思いますが、細かく一軒一軒訪問をできればいいですが、そこが限界がありますので、地域の民生委員とか、自治会の方々と連携をしていくしかないので、そこのつながりをしっかりとっていただきたいと思います。そうすることで、不幸にして病気で亡くなったりとかあるとしても、少なくとも亡くなる少し前に発見ができれば、貴重な命が救われるわけですので、そういうつながりを強化していただくように、地域との連携をぜひ強く図っていっていただきたいと思います。これは要望で結構です。  以上です。 183 ◯小園委員長 よろしいですか。 184 ◯柳 委員 はい。 185 ◯小園委員長 ほかにございませんか。 186 ◯山口委員 鹿児島市に一極集中の状況が如実にあらわれていまして、朝夕のラッシュがだんだん年々厳しくなっています。はっきり言えば、青信号は青で、黄信号も青で、赤が黄色というような状況で、もうどんどん突っ込んできます。  それで、最近はよく団地内も、交番の皆さんがミニパトカーで巡回しながら、チェックしていますけれども、再任用制度を利用して、朝夕の交通ラッシュ時に規制をかけるという考えはないですか。  制服警察官が立っておられると、黄になったらブレーキを踏みます。警察官が立っておられないと黄は注意して走ればいいということで突っ込んで行きますし、ぎりぎりの赤も黄色だということで行くので、できたらそういう交通ラッシュの交差点あたりには再任用制度の警察官を配置をされて、スムーズな交通の流れになるような体制も必要ではないかと思いますけれども、再任用の警察官をそういう部分で雇用できるのか、また将来的にそういう考えはあるのか教えてください。 187 ◯花田警務課長 委員がおっしゃるとおり、警察官OBを再任用して、その経験とか技術とかを活用することは、現場の執行力の確保とか、後継者の育成に大変効果的であります。ただ、再任用制度は、警察官の一般職員の定数の枠内での再任用でございますので、そうするとどうしても新規採用者とのバランスを考慮しながら運用する必要があります。  なお、今、私どもでは、経験とか指導力があり、体力・気力が充実した職員を選考して再任用し、努めて現職時代の経験が生かせるようなポストに配置しております。 188 ◯山口委員 定員の枠内にあるとするならば、なかなか難しいと思いますが、地域の皆さんに奉仕という部分でできないかと思いますので、再任用はプラスアルファ的な要素でしていただければと考えます。交通渋滞ほど地域に迷惑をかけていることはないわけですから、そういうことも一つ頭に入れてもらって、新年度以降対処していただきたいと思います。  もう一点お願いします。  四月から国体の準備室ができますが、柔道・剣道となりますと、過去、吉松選手、田之上選手など、県民に広く名の知られた名選手がいましたし、剣道も末野さんがいらっしゃいました。十年後の国体のレギュラー選手を考えると、警察本部の警察官の皆さんが指定になってくるのと思いますので、採用枠の問題等いろいろありますけれども、武道の採用を続けていく必要があると思いますが、まだ具体的でないかもしれませんけど、国体に向けた警察本部としての取り組みの方針がありましたら教えてください。 189 ◯花田警務課長 武道採用でありますが、警察官の現場執行力を確保するために、質の高い術科訓練が必要であり、その指導者となるべき人材を平成十二年度から武道採用枠という設けて、いい人材を採用しております。  これまでに柔道を二十二名、剣道を二十名、合計四十二名を採用しております。この者たちは、県警において柔道・剣道の指導者としてだけでなくて、いろんな大会におきまして、県の代表、あるいは県警の代表として活躍をしてくれております。  現段階におきまして、十年後の国体を見据えて、武道採用枠をふやすという計画は具体的にありませんけど、引き続き武道に秀でた者の採用に努めてまいりたいと思います。恐らく十年後の国体では、県警の武道採用で採用された者が大活躍してくれることを期待しております。 190 ◯山口委員 最近は全国レベルでのV奪還という記事が新聞に踊らないものですから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  次に中学校の自転車通学に対する安全教育についてお尋ねしますが、自転車通学の交通事故件数を集計されていますか、あったら教えてください。 191 ◯柏木交通企画課長 昨年中の事故件数は一万五百三十一件で、そのうち自転車に関する事故が千百二十件あり、一〇・六%を占めております。  中学生が関与する事故は百十六件で、そのうち自転車事故は九十七件、八三・六%を占めています。 192 ◯山口委員 警察本部長も入ってつくられました第九次鹿児島県交通安全計画案の中では中学校において、自転車の安全運転や、安全教育をするようになっています。鹿児島県内で一番自転車通学が多い中学校は樋脇中で、生徒百七十八人中百七十人が自転車通学しています。だから、こういう中学校での安全運転なり、安全教育をどの時点でなさっておられるのか、また、所轄の警察署が出られて、そういう指導をされているのか、その辺を教えてください。 193 ◯柏木交通企画課長 中学生を対象としました自転車交通安全教室は、平成二十二年度中は二百五十二回、四万三千三十六人を対象に実施しております。  交通安全教室の中身は自転車の実技指導を中心に、参加・体験・実践型の交通教育を実施しております。各警察署で、計画的に自転車通学の多い中学校等を選定して、随時実施しております。  また、毎年大体三十校から四十校ぐらいを自転車安全利用モデル校として指定し、特に警察も力を入れますし、学校を含めて地域の方々にも自転車安全運転の指導、広報・啓発を徹底してやっております。平成二十二年度中は県内三十六校を指定してやっております。四月からは、指定を変えて取り組んでいこうと計画しております。 194 ◯山口委員 教育委員会に行って調べましたら、自転車通学を許可されている中学校が百五十七校あります。在籍者数が三万一千八百九十二名で、許可を受けて自転車通学している生徒が一万一千六百五十四名おり、四〇%近い生徒が、許可校の中で自転車通学をしています。特に四月以降はまだ体力のない一年生が入ってまいりますので、しっかりと教育をして、トラブルのないようにお願いしたいと思います。  もう一件、去年の第二回定例議会で、有給休暇取得の取得率の向上について、一年間かけて頑張っていただきたいという要請をいたしまして、聞くところでは、それぞれ指示がなされているやにお聞きをしています。その前段で、警察本部全体で長期休暇に陥っている職員が何名ぐらいいらっしゃるのか、その病名の中で、例えばメンタル的な病気がどれぐらいあるのか、集計がありましたら教えてください。 195 ◯池之上警務部参事官 昨年度、一カ月以上の療養休暇を取得した職員は四十七名でございます。うちメンタルヘルスでの休みは十三名です。 196 ◯山口委員 一年間、有給休暇の取得の奨励をしてきましたが、平成二十一年と平成二十二年の取得状況は若干なりとも上向きになられたのか、その辺を教えてください。休みをとらないと、なかなかリフレッシュはできませんので、しっかりと有給休暇をとっていただいて、体力を増進、健康も増進するということが望ましいと思いますので、状況がわかっていたら教えてください。 197 ◯花田警務課長 平成二十二年中の職員一人当たりの年次有給休暇の平均消化日数は約四・八日であります。平成二十一年が平均四・七日であったので、わずかですが、取得日数はふえている状況であります。なお夏季休暇を含めると、平均八・八日取得している状況です。  平成二十一年と平成二十二年で、一人当たりの年次有給休暇の取得日数が十日を超える所属がふえております。ただ事件・事故の捜査や処理で人と時間を要するということで、どうしても思うように取得ができなかった所属もあります。 198 ◯山口委員 最後にお願いですが、土・日を挟んで四日休暇とか、ロングランな休みをとって、心身ともに安らぎを求めるとか、家庭サービスをするとか、そして自宅で警察をもう一回検討していくと、業績などでプラスになっていくんじゃないかなと思いますので、次年度以降も、ぜひこの有給休暇の取得の向上について御努力をしていただきたいと思います。  以上で終わります。 199 ◯小園委員長 ほかにございませんか。    [「なし」という者あり] 200 ◯小園委員長 ほかに質問がありませんので、これで県政一般に関する質問を終了いたします。  以上で、警察本部関係の審査を終わります。  それでは、このメンバーによる文教警察委員会は本日が最後になります。  当席及び副委員長から、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。  委員並びに警察本部の皆様方には、一年間、熱心な質疑と円滑な委員会運営に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。  一年間の委員会審査を振り返りますと、高齢者の万引き、交通安全対策、薬物乱用防止対策、新幹線全線開業に伴う諸対策などにつきまして、質疑をさせていただいたと思っております。  行政視察では、伊佐警察署、新しくなりました警察学校、開聞防犯パトロール隊、年末には委員会初めて県警察本部、公安委員会との合同の年末巡視のお時間を私どもにもいただきまして、天文館の様子を視察をさせていただきました。笠原本部長には、特段の御配慮をいただいたと思っております。ありがとうございました。  また、昨年から口蹄疫や奄美の災害、南大隅の災害、霧島の災害、また新燃岳の噴火等がありまして、本当に県警察の皆様方には適切な対応をしていただきました。特に口蹄疫の対応等につきましては、寒い中、現場に出向き警備に当たっていただいて、本県への侵入を防ぐことができたと思っております。本当に御苦労さまでした。  さて、三月十二日、いよいよ新幹線の全線開業がやってまいりますし、また、花かごしま二〇一一もやってまいりますので、鹿児島を訪れる県外・国外の旅行者がふえ、犯罪も増加することが予想されております。日本一安全で安心な鹿児島づくりのために、県民ボランティア団体、市町村、関係機関・団体とさらに連携を深められまして、「あんしん・かごしま」創造プログラム二〇一一に基づく取り組みを、さらに推進していかれますようにお願いを申し上げたいと思います。  本日は、地域警察の体制強化についても、特定調査事項として議論をさせていただきました。地域住民とのきずなという言葉を私は考えたところでございました。可視化の問題など、いろいろと問題がありますけれども、これからの日本の社会をぜひ明るくするように、一生懸命御努力をいただきたいと思っております。日本警察の礎を築いた川路大警視の「聲無キニ聞キ 形無キニ見ル」という言葉を、ここ一年間の委員会審議を振り返りながら思い出したところでございました。  人間関係が大変希薄化をして、ネット犯罪が増加する中、答えは現場にあるような気がいたしております。いろいろなことはありますけれども、県警察として萎縮せずに、鹿児島県民は県警察を頼もしく思っていると私は思っております。誇りを持って、県民の安心・安全のためにさらに頑張っていただきますように、心からお願いを申し上げます。  ありがとうございました。(拍手)  それでは、川野副委員長、お願いいたします。 201 ◯川野副委員長 副委員長として、一年間、大変お世話になりました。笠原本部長を初め、職員の皆さん方にも大変お世話になりました。  私自身、文教警察委員として大変勉強になるところもたくさんございました。議員として、住民の幸せを祈るのが議員であり、政治であると言われますけれども、私自身まだ模索の状態で住民と接しているわけですけれども、一番大事ことは、毎日毎日が心配がなく、安心して、そしてまた安全に暮らしていける、これが住民の一番幸せの原点でないかと思っております。  これからも、皆様方には地域の声、現場の声を大事にしていただきまして、さらに地域安全のために頼れる警察として一生懸命職務に励んでいただきたいと思います。  本当にありがとうございました。(拍手) 202 ◯小園委員長 最後になりましたけれども、執行部を代表しまして、笠原警察本部長にごあいさつをお願いしたいと思います。 203 ◯笠原警察本部長 県警察を代表いたしまして、委員の皆様に一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
     小園委員長、川野副委員長を初め委員の皆様方には、この一年間、大変お世話になりました。  先ほど委員長からもお話がありましたように、昨年の歳末には、委員長を初め委員会として天文館を御視察いただきまして、勤務に対して督励をいただきました。このように、非常に精力的に取り組んでいただきましたことに対しまして、改めて心から御礼を申し上げたいと思います。  この間、皆様からいただきました厳しくも温かい御指導あるいは御助言につきましては、今後の県警察の運営に十分に生かしてまいりたいと考えております。  本県の治安情勢は予断を許さない状況にありますが、私どもは日本一安全で安心な鹿児島づくりを目指し、県警察の総力を挙げて取り組んでいくこととしておりますので、今後とも皆様の御支援・御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。  最後に、皆様のますますの御健勝と御活躍を祈念いたしまして、大変簡単ではございますが、私の御礼のあいさつとさせていただきます。  本当にどうもありがとうございました。 204 ◯小園委員長 ありがとうございました。  あすは、午前十時から、教育委員会及び学事法制課の審査を行います。  本日の委員会は、以上をもちまして散会いたします。  御苦労さまでした。         午後二時四分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...