令和 4年 第3回定例会(9月) 令和4年第3回
大分県議会定例会会議録(第4号)令和4年9月15日(木曜日
) -------------------------------議事日程第4号 令和4年9月15日 午前10時開議第1 一般質問及び
質疑 -------------------------------本日の会議に付した案件日程第1 一般質問及び
質疑 -------------------------------出席議員 43名 議長 御手洗吉生 副議長
古手川正治 志村 学 井上伸史
吉竹 悟 清田哲也 今吉次郎 阿部長夫 太田正美 後藤慎太郎 衛藤博昭 森 誠一 大友栄二 井上明夫 鴛海 豊 木付親次 三浦正臣 嶋 幸一 元吉俊博 阿部英仁 成迫健児 浦野英樹 高橋 肇 木田 昇 羽野武男 二ノ宮健治 守永信幸 藤田正道 原田孝司 小嶋秀行 馬場 林 尾島保彦 玉田輝義 平岩純子 吉村哲彦 戸高賢史 河野成司 猿渡久子 堤 栄三 荒金信生 麻生栄作 末宗秀雄
小川克己欠席議員 なし
-------------------------------出席した県側関係者 知事 広瀬勝貞 副知事 尾野賢治 副知事 吉田一生 教育長 岡本天津男
代表監査委員 長谷尾雅通 総務部長 若林 拓
企画振興部長 大塚 浩 企業局長 磯田 健 病院局長 井上敏郎 警察本部長 松田哲也
福祉保健部長 山田雅文
生活環境部長 高橋 強
商工観光労働部長 利光秀方
農林水産部長 佐藤 章
土木建築部長 島津惠造 会計管理者兼
会計管理局長 廣末 隆 防災局長 岡本文雄 観光局長 秋月久美
人事委員会事務局長 後藤 豊
労働委員会事務局長 田邉隆司
------------------------------- 午前10時 開議
○
古手川正治副議長 おはようございます。 これより本日の会議を開きます。
-------------------------------
○
古手川正治副議長 本日の議事は、お手元に配布の議事日程第4号により行います。
-------------------------------
△日程第1 一般質問及び質疑
○
古手川正治副議長 日程第1、第70号議案から第98号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。太田正美君。 〔
太田議員登壇〕(拍手)
◆
太田正美議員 皆さんおはようございます。7番、自由民主党、太田正美です。 9月11日日曜日に3年ぶりの大分県
県民スポーツ大会が開かれました。私も久しぶりに選手として水泳競技に出ました。大会役員ではなく、選手で出ました。これまで水泳をすることで、自分の健康寿命、また、現役で仕事がやれる基本になっていると思います。人によっては年寄りの冷や水と言われる方もいますが、可能な限り続けていきたいと考えています。 それでは、質問に入ります。 商工行政をめぐる諸課題について、旅の高付加価値化について。 コロナ禍で最も大きな打撃を受けたと言っていいのが観光業界です。5月、6月の宿泊客数は前年比で約2倍と、ようやく回復の兆しが見えてきたものの、コロナ前にはまだ及ばない状態です。 そのような中、令和6年春の
デスティネーションキャンペーンの開催決定は久しぶりの明るい話題となりました。過去にも大きな経済効果をもたらした国内最大級の
観光キャンペーンが再び本県に戻ってくることになります。観光業界、さらには経済界、行政が一丸となり、その効果を最大限に引き出せるよう取り組んでいかなければなりません。 県では、今回の
デスティネーションキャンペーンのポイントとして、大分・福岡連携による新たな旅の提案、
ポストコロナを見据えた新たなステージへの挑戦、地域への愛着を育むおもてなしの実現の三つを挙げています。 九州最大の人口を誇り、九州の玄関口でもある福岡との連携では、どのような相乗効果が生まれるのか期待が膨らみます。また、本県の魅力の一つでもあるおもてなしの力を改めて確認し、発揮する絶好の機会にもなります。 中でも、
ポストコロナを見据えた新たなステージへの挑戦は最も重要なポイントです。新たなステージには様々な意味があると思いますが、その一つは、コロナ前から言われていた旅の高付加価値化ではないかと思います。難題ではありますが、コロナ禍の苦境の中にあっても反転攻勢に備え、積み重ねてきた取組の成果を発揮していきたいところです。 昨年度予算化した
観光産業リバイバル推進事業では、食、観光消費、二次交通、
インバウンドをテーマに、地域が一体となって観光の課題解決を図る取組が展開されています。同じく
宿泊施設受入環境整備緊急支援事業では、多くの宿泊事業者が今後の誘客に向け、施設改修を含めた受入環境の整備を行ってきたところです。 様々な取組が生まれ、観光業界の地力アップにつながっているのではないかと期待するところです。 旅の高付加価値化は、来訪者の満足だけではなく、観光事業者の収益増にもなります。こうしたことを踏まえ、さらなる旅の高付加価値化に向け、どのように取り組んでいくのか、知事に伺います。 以降、対面席で行います。 〔太田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕
○
古手川正治副議長 ただいまの太田正美君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。 〔
広瀬知事登壇〕
◎
広瀬勝貞知事 太田正美議員には、先日の
県民スポーツ大会で水泳選手として御出場されたということであり、主催者として御出場に心から敬意を表し、また、感謝申します。順位は問いません。 ただいま、旅の高付加価値化について御質問いただきました。 観光産業は、宿泊や飲食、物販、交通など関連産業の裾野が広く、その復興は県経済の浮揚に重要な役割を果たしています。そのために県では、
旅行需要喚起策として、九州や隣県に対象を拡大した新しいおおいた旅割に加え、コロナに対応した食事処の個室化や
ワーケーション向け通信環境整備等に取り組む宿泊事業者を支援してきました。 こうした取組もあり、
県内宿泊客数は今年に入り7か月連続で前年同月を上回っていますが、コロナ禍前の水準にはまだ回復しておらず、本県観光業の復興に向け、取組のさらなる上積みが必要であると認識しています。 コロナ禍を受け、密を避けた個人や少人数旅行の増加、キャンプや
グランピングなど
アウトドア活動の人気の高まりといった旅行ニーズの変化が見られます。こうした新たなニーズに的確に対応し、観光消費額を増加させるためにも、旅の高付加価値化に取り組むことが重要です。御指摘のとおりです。 県内の宿泊施設は、事業者の努力により、7月の
民間調査会社の
都道府県魅力度ランキングにおいて、魅力的な
宿泊施設部門で第1位を獲得するなど全国的に高い評価を得ています。そうした魅力的な宿泊施設に
本県ならではの
観光コンテンツ等が組み合わさることで、観光客の満足度を一層高め、滞在日数の延長や
リピート頻度を高めることができ、地元での消費額の増加につながるものと考えます。 県内には世界に誇る自然が多くあり、
自然体験型観光資源に事欠くことはありません。例えば、九州の屋根に位置する久住高原には、大自然を24時間満喫できる
グランピング施設があります。広大な景色や満天の星空を独り占めできると人気を博しており、こうした
自然体験型コンテンツをしっかりと発信していきます。 また、宇宙港やホーバークラフトなど、唯一無二の素材を生かした
観光コンテンツの開発に向け、観光事業者を対象に宇宙港をキーワードとした
観光ビジネスの検討講座を開催します。 さらに、大分空港を起点とした
MaaS実証実験を行うなど、デジタルを活用したストレスフリーな
移動環境整備にも取り組みます。 加えて、
おもてなし人材の育成も大切です。現在検討を進めている本県独自の
アウトドアガイド認証制度では、安全確保や自然環境の解説はもちろん、心に残る特別なサービスを提供できるガイドを育成します。 まずは、来年5月10日に
デスティネーションキャンペーンの前哨戦として、全国の旅行会社等を招いた
宣伝販売促進会議を開催し、
本県ならではの取組をアピールします。 おんせん県おおいたを旅する感動を多くの観光客に味わってもらえるように、関係者一丸となって引き続き努力していきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 デスティネーションキャンペーンのような大
規模キャンペーンの実施から旅行会社等の商談会の開催、また、情報誌の発行、
ホームページやSNSなどの
インターネットを通じた情報発信まで、観光客の誘客手段には様々なものがあります。 中でも、デジタル技術が進化し、社会に広く浸透する状況下では、誘客においてもデジタルの占めるウェイトが明らかに大きくなっていると思われます。その代表とも言えるのが
デジタルマーケティングです。単に
ホームページなどで情報を発信するだけにとどまらず、
インターネットなどから得られる属性等の様々なデータを活用し、より効果的に情報発信や広告を行う手法が自治体にも広がっています。 本県においても、従来型の手法に加え、
インターネットを通じた情報発信を行ってきたところであり、各種の調査なども含めれば多くの
ビッグデータが蓄積されています。コロナ後はますますデジタル化が加速し、その比重が増していくものと考えます。
デジタルマーケティングを活用した誘客対策の現状と今後の取組について、観光局長に伺います。
○
古手川正治副議長
秋月観光局長。
◎
秋月久美観光局長 本県では、これまでもSNS等を活用した情報発信や調査分析等に取り組んできました。特にコロナ禍での旅割を活用した誘客活動においては、その中断や対象エリアの変更にも迅速に対応することができ、デジタルの優位性を改めて認識したところです。 今年度は、観光客の
消費動向調査などから得られた興味や関心度合いを踏まえ、年齢層や来県回数等に応じてターゲットを設定し、各ターゲットに訴求力のあるコンテンツや媒体、配信頻度等を工夫した
デジタルマーケティングを本格的に展開します。 例えば、若い世代には、SNSで見栄えの良い四季折々の絶景やおしゃれなカフェ、インパクトのある
アバター体験などを
インスタグラム等で配信予定です。また、リピート率の高いシニア世代には、フグやカキなど旬を迎える食材を各地の特色ある温泉とともにユーチューブなどで配信します。ターゲットの反応を踏まえ、配信内容等を柔軟に見直すことで、旅行意欲を高め、
オンライン予約サイトに誘導し、大分への旅につなげていきます。 また、旅行者の反応などから得られたデータを基に、よりターゲットに魅力的なプロモーションを企画するなど、戦略的な
デジタルマーケティングを進めていきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 今、ほとんどが国内の旅行者なんですが、一方で、円安が進んだ中で、
インバウンドのお客さんには日本の旅行商品がすごく魅力的なんですよね。国内は非常に物価高で大変なんですが、逆に
外国人旅行者にとっては円安の影響ですごく魅力的な旅行商品がいっぱいできていると思うので、そういう意味でも積極的な
インバウンドに対する働きかけ、また、外国の旅行業者に対する接点をもう少し厚めにお願いしたいと思いますが、その辺はどうお考えでしょうか。
○
古手川正治副議長
秋月観光局長。
◎
秋月久美観光局長 言われるとおり、
インバウンドがこれまでずっと受入れが整わなかった中で、徐々に水際対策が緩和されています。6月10日からは2万人を受け入れ、さらに5万人で、先々にはもっと広がるだろうと言われています。 ただ一方で、PCR検査の問題であったり、ツアーの中で添乗員が付かないといけないとか、そういった問題もありましたが、徐々にそこも緩和されています。 私どもとしても、国に対してさらなる緩和をお願いしていますが、議員の言うとおり、県自身のPRもとても大事です。現在、大分県では、各地域戦略国に
戦略パートナーを設置しており、渡航ができない中にあっても、しっかりとそれぞれの国の旅行会社に対してアプローチしています。今年はまた、留学生に協力していただいて、
ネイティブ目線での情報発信なども取り組むようにしているので、しっかりと
インバウンドを取り込めるように観光事業者の皆さんと一緒になって努力していきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 ぜひ積極的な取組をよろしくお願いします。 コロナ融資後の対応について伺います。
民間調査会社の調べによると、
新型コロナウイルスの企業活動への影響が継続している企業は73.7%に達し、また、今年7月単月の売上高がコロナ禍前の2019年7月の売上高を下回った企業は54.3%あったとのことで、多くの企業が依然とし、コロナ禍前までの状況に回復できていないようです。 加えて、コロナ禍に追い打ちをかけるように原材料高が加速し、先行きの不透明感が漂っています。また、熊本・大分地震や豪雨災害で被災した地域などでは残債も抱えており、先行きが見通せない状況にあります。 そのような中で、コロナ対応の無利子、無担保融資を借り入れた多くの企業が
据置期間満了による元本償還を今後本格的に始める時期になりますが、コロナにより経営が弱っている中で原材料高が追い打ちをかけ、さらに元本償還となると、経営が立ち行かなくなる懸念があります。 また、県内の本年上期の倒産の状況を見ると、件数は前年同期と同数で、負債総額は減少している状況であり、県制度資金などの無利子、無担保や低利での融資などにより急場をしのぐことができているような状況にあると考えられます。一方で、本年2月には負債総額10億円を超える宿泊業者の倒産が発生し、報道によれば、7月に発生した3件の倒産は全て
コロナ関係倒産であり、今後、コロナ禍の影響を受けた企業経営の悪化による倒産はこれから顕在化していくのではないかと思います。 もちろん、中小企業側でも体質改善していかなければならないことは分かっているものの、外的環境から必ずしも進んでいない中小企業も多いと思われます。 こうした状況の中で、今後、金融対策を始めとする何らかの対策を講じる必要があると考えますが、
コロナ関連融資による支援策の今後について、
商工観光労働部長の見解を伺います。
○
古手川正治副議長
利光商工観光労働部長。
◎
利光秀方商工観光労働部長 県内では、
コロナ関連倒産が令和2年5月から本年7月末までの2年3か月で29件発生しています。コロナ禍の影響の長期化による今後の動向などを引き続き注視していきます。 倒産は、地域経済や雇用に大きな影響をもたらします。そのため、厳しい経営環境にある企業の事業継続に向けた支援策を講じていくことが引き続き重要であると考えています。 これまで無利子、無担保融資などで企業の資金繰りを支援してきました。コロナ禍が長引く中、無利子融資の据置期間や無利子期間の終了などによる負担金返済や利子支払の開始は企業にとって重荷となるおそれがあります。 このため、最長5年間、元金返済なしで繰り返し借換え可能な短期資金や、借換えで緩やかな返済が可能な長期資金を昨年度に創設しました。また、金融機関や
信用保証協会に対し返済期間や据置期間の延長も含め、柔軟な対応の継続を繰り返し要請してきたところです。金融機関などは、条件変更などの相談にほぼ全て対応していただいていると承知しています。 また、コロナ後を見据え、金融機関の継続的な伴走支援による生産性向上などを図る低利資金を創設し、企業の経営改善も促進しています。 さらに、物価高騰に伴う原価率上昇に悩む企業向けの
低利資金制度も今議会に提案しています。今後とも中小企業などのニーズを踏まえ、事業継続、発展のための
資金繰り支援を行っていきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 12月になると、どうしても資金繰りが苦しくなる中小企業者が出てくると思います。その辺、きめ細かな対応をどうぞよろしくお願いします。 次に、福祉、医療をめぐる諸課題について質問します。 医師の働き方改革について。 本県において、
新型コロナウイルスの感染が初めて確認されてから2年半が経ちました。この間、次々と変異株が発生し、収束にはまだまだ時間がかかる状況です。 感染収束の特効薬がない中、県では、県民に対して基本的な感染対策の徹底を呼びかけるとともに、
ワクチン接種を推進し、
感染拡大防止、重症化予防に努められており、また、感染状況に応じて入院病床や
宿泊療養施設の確保に奔走していただいています。今夏のように
感染拡大局面においても、大きな混乱なく
医療提供体制が維持できているのは、知事を始め、執行部の御尽力によるものと深く敬意を表する次第です。 もちろん、こうした取組は、医師を始めとした医療従事者の献身的な対応に支えられていることは申すまでもありません。昼夜を問わず検査や診療、
ワクチン接種などに従事し、長時間の勤務をいとわず、県民の生命と健康を守る姿勢には頭の下がる思いです。県民の皆さんも新型コロナを経験して、改めて医療従事者のありがたさを再認識していると思います。 こうした中、令和6年4月から時間外労働を原則年960時間までとする上限規制が医師に対しても適用されることとなり、特例として、一定の条件に合致する場合は年1,860時間まで認められますが、その特例も令和17年度末までに解消しなければなりません。 こうした医師の働き方改革が推進される背景には、他職種と比較しても突出した長時間労働の実態があります。医師は、昼夜を問わず患者への対応が求められるほか、日進月歩の医療技術への対応や、きめ細かな患者対応といったニーズの高まりにより長時間労働に拍車がかかっています。 このように、これまでの
医療提供体制は医師の長時間労働により何とか支えられてきたと言っても過言ではないわけですが、不規則な勤務時間に長時間労働が加わることで、医師自身の健康を損なうおそれも指摘されています。 医療の質、安全の確保の観点からも、医師の長時間勤務の是正に向け、医師の働き方改革を確実に進めていく必要があると考えます。県として、医師の働き方改革にどのように取り組んでいくのか、知事に伺います。
○
古手川正治副議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 コロナ禍において、医療関係者の昼夜を分かたぬ御尽力には私も頭が下がる思いです。 さて、平成31年4月に施行された働き方改革関連法では、多くの業種で時間外労働の上限規制が直ちに適用されましたが、医師については、御指摘のとおり、長時間労働の実態や働き方の特殊性から令和6年3月末までの5年間猶予が与えられています。 少子高齢化の進展により、医療需要が今後ますます複雑多様化していくことが考えられるわけであり、医師の働き方改革は労働時間の短縮のみならず、安心で質の高い医療との両立が重要と考えます。そのため、県では次の三つの取組を進めています。 一つは、やはり何といっても医師の確保対策です。 医師不足により特定の医師が過重労働にならないように、自治医科大学に加え、
大分大学医学部の地域枠制度などにより
地域勤務医師の拡充に努めています。順調に養成が進み、今年度は昨年度から14人増となる49人の医師が地域で診療に当たっています。また、診療科ごとの医師の不足状況にも目を配っており、小児科や産婦人科に加え、今年度からは救急科も研修資金の貸与対象としたところです。 二つは、医療機関の
勤務環境改善への支援です。 県が設置している
医療勤務環境改善支援センターでは、労働時間とみなされる業務範囲の明確化や
勤務間インターバルの確保などについてアドバイザーが助言を行っており、昨年度は115件の相談に対応しています。 また、女性医師の増加を受け、出産や育児など
ライフステージに応じた働きやすい職場づくりを推進するために、産休・育休明けの円滑な職場復帰に向けた
支援プログラムを作成したり、短時間
正規雇用制度の導入を支援しています。 三つは、
タスクシフトの促進です。 医師の勤務時間を短縮するためには、医師でなくても行うことのできる業務を他の職種へ移管することも有効です。
県立看護科学大学では、特定の医療行為を行えるナース・プラクティショナーを養成しており、現在、35人が県内の医療機関等で勤務しています。また、昨年度からは特に医師の時間外勤務が多い三つの救急病院を対象に、看護師や救急救命士などへの
タスクシフトの取組も支援しています。 安全で質の高い
医療サービスを将来にわたり提供していくためにも、医師が心身ともに健康で、そのポテンシャルを十分に発揮できるように、医師の働き方改革をこれからもしっかり進めていきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 よく分かりました。よろしくお願いします。 次に、
社会福祉施設等における物価高騰の影響について。 原油等の燃料価格の高騰は、様々な分野に影響を及ぼしています。
物価高騰相当額はサービスの値段に上乗せするのが原則ですが、例えば、
社会福祉施設等では国が決定する公定価格によりサービスを提供していることから、自由に価格に上乗せすることが困難です。 幼児教育・保育施設や高齢者施設、障がい者福祉施設、
児童養護施設などの
社会福祉施設は規模の小さい事業所が多く、電気代等の高騰が経営を圧迫しているのが現状です。 本来ならば、実情を反映して国が公定価格を上げるのが筋ですが、国は臨時改定の動きを見せていないため、急場をしのぐための緊急対策が必要です。 県では、そのような状況下でも安定的に
社会福祉サービス等を提供するため、今定例会において緊急的に
電気代高騰分を一部補助する補正予算を提案していますが、実際には対象施設数が多いこともあり、実際の支援には煩雑な手続が必要になるのではないかと懸念しています。 そこで、お尋ねします。
社会福祉施設等における物価高騰の影響について、どのように分析し、逼迫する事業者に速やかに支援が波及するよう、どのように取り組まれていくのか伺います。
○
古手川正治副議長
山田福祉保健部長。
◎
山田雅文福祉保健部長 今般の物価高騰による
社会福祉施設等への影響を把握するため、この7月に抽出調査を実施しました。回答のあった施設の今年4月から6月の電気代は、昨年同時期と比べ、平均で約2割高くなっており、これは国の
消費者物価指数の伸び率と同程度でした。 電気は、利用者への
サービス提供等に欠かせないものであり、運営費に占める割合が高い電気代の高騰が長期化することは、施設等の安定運営に甚大な影響を及ぼすおそれがあります。このため、負担軽減を図る緊急支援策を本定例会に提案したところです。 一方で、1万1千か所を超える施設に対し、一日も早く支援を届けるためには、手続の簡素化とあわせ、電子申請の活用が有効です。申請に必要な添付書類は、電気代が確認できる画像データのみとし、それをスマートフォンやパソコンから送信していただくことで、申請者の負担軽減と審査事務や支給事務の迅速化を図りたいと考えています。 また、今後も見据えると、電気使用量を抑える省エネ設備の導入も効果があるため、今回、その支援制度もあわせて創設し、しっかり後押ししていきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 物価高騰はいろいろな面でも影響が出ているので、いち早い対応をよろしくお願いします。 次に、歯科健診の受診についてお尋ねします。 骨太の方針2022では、全ての国民に歯科健診を義務付ける生涯を通じた歯科健診、いわゆる国民皆歯科健診の具体的な検討が盛り込まれました。直ちに実施するわけではありませんが、健診の対象や頻度を拡大して歯周病などを早期に発見し、他の病気の誘発を抑えることで医療費全体を削減する狙いもあるとされています。 現在、歯科健診の受診義務は、1歳半と3歳の子ども、小中学校に通う児童生徒の学校健診などに限られ、大学生や社会人は対象外となっています。歯科疾患の多くは自覚症状を伴わず、ある程度進行した状態で歯科受診に至るのが実情であり、歯を失い、食生活に支障を来してしまう例も少なくありません。 本県の調査によると、20歳以上で定期歯科健診を受けている人は26.5%にとどまり、40から50代で歯周病予防に有効な歯間ブラシなどの使用者は47.5%と半数に届かない状況にあります。 本県でも平成25年に歯と口腔の健康づくり推進条例を施行し、平成28年には当初目標の80歳で20本以上の50%超えを達成したんですが、歯周病罹患者の割合は増加しています。近年、歯の健康維持が全身の健康にも影響を及ぼすことが分かってきており、歯周病の発生や進行を防ぐには定期的な健診が効果的です。 成人に対する健診の場として、県内で歯周病検診を実施している市町村の割合は平成30年で66.7%であり、九州内では熊本と並んで4番目に高い状況です。しかしながら、全国的には80%以上が過半であり、本県でも全市町村での早期実施が望まれます。 そこで、お尋ねします。健康寿命のさらなる延伸のためにも歯科健診、とりわけ歯周病検診の受診の促進が不可欠と考えますが、
福祉保健部長の見解を伺います。
○
古手川正治副議長
山田福祉保健部長。
◎
山田雅文福祉保健部長 歯科疾患の中でも、特に歯周病は自覚症状がほとんどないまま進行し、よくかまずに早食いになることで肥満や糖尿病のリスクを高めます。さらには誤嚥性肺炎や脳梗塞等の全身疾患を引き起こす要因にもなるため、日頃の口腔ケアと定期的な歯周病検診が重要です。 こうしたことから、歯周病検診を行う市町村は徐々に増加しており、さきほどの平成30年66%から今年度は全市町村で実施されています。 各市町村では、40歳などの節目となる年齢の方に無料クーポンを配布し、受診を促していますが、残念ながら、受診率は伸び悩んでいます。その理由としては、必要性を感じないとか、時間がないといったことが挙げられています。 そこで、必要性の理解を深めるため、歯科医師会と連携して公開講座や街頭キャンペーンなどの普及啓発を行っています。 さらに、時間がない働く世代に対しては、健康経営事業所への出前講座等を通じて口腔ケア指導を行うとともに、歯周病リスクの理解を促しています。こうした取組を進め、歯周病検診の受診率の向上を図っていきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 よく分かりました。よろしくお願いします。 次に、がん検診の受診について伺います。 コロナの影響はいろいろなところに波及しています。40年近く日本人の死因のトップを占めるがんについては定期的な検診が不可欠ですが、コロナによる受診控えなどで検診を受ける人が減少し、コロナ前の水準に戻っていないようです。 具体的には、県地域保健支援センターでは、コロナ前の令和元年に比べ、令和2年で受診者が25%減少、昨年は少し回復したものの、まだ20%弱下回っており、依然として低い水準であるとのことです。 がんの罹患率には年によって大きな変動はないと考えられることから、このままでは通常なら見付かっていた初期のがんが多数見逃された可能性があり、また今後、進行がんの患者の急増も懸念されます。県でも受診率の向上に努めているようですが、県民受診率はいまだ50%に達しておらず、実施主体である市町村と共に早急な対策が求められます。 他県では、未受診者に受診を促す個別の通知を送ったり、検診を休日や夜間に実施するなど工夫を凝らしていると聞いています。こうしたことを踏まえ、がん検診の受診控えに対し、市町村共々どのようにその受診率向上に取り組んでいかれるのか、
福祉保健部長に伺います。
○
古手川正治副議長
山田福祉保健部長。
◎
山田雅文福祉保健部長 がん検診受診率の向上は重要な課題であり、市町村ではこれまでも乳幼児健診におけるチラシの配布や、地域の健康推進員等の活用による検診の周知などに取り組んできました。 また、受診者の利便性を高める取組として、多くの市町村で特定健診との同時実施や夜間休日検診を行っています。 さらに、子育て世代に対する無料の託児付き検診やスタッフ全員が女性のレディース検診を実施している事例もあり、安心して受診できる機会の提供に各市町村が創意工夫を凝らしています。 コロナ禍をきっかけに、密を避けるための予約制の導入やWebによる申込みを可能とするなど、忙しい働く世代でも受診しやすい環境づくりも進んでいます。 こうした中、先週、県と市町村の意見交換会を開催し、乳幼児健診と同時に行う子宮がん検診など、県外の先進的な取組事例を情報共有したところです。今後とも市町村や関係機関との連携を強化し、がんの早期発見に向け、検診を受診しやすい環境づくりを進めていきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 コロナの影響により、がん治療において、例えば、手術が先送りされているなどの事例があるのではないかと心配するんですが、県内の医療機関の現状や課題についてはどう認識されているのか伺います。
○
古手川正治副議長
山田福祉保健部長。
◎
山田雅文福祉保健部長 そこのところは、医療現場が大変逼迫しているということで私どもも心配しており、新型コロナの入院患者受入病院に対して毎月聞き取りを行っています。その中には、今、議員御指摘のとおり手術を延期しているというケースもあります。ただ、それは延期しても構わないような軽い症例で、がんで至急手術を要するようなものへの影響はないとのことです。 病床使用率も、ここに来てやっと50%を切って少し落ち着いていますが、ピーク時には医療機関同士が連携して、例えば、救急患者の受入れを役割分担をあらかじめ決めてスムーズに行うといったようないろんな工夫を凝らしていることも伺っています。 県としても、こういった手術等が円滑に行われるように、コロナと一般療養の両立ができるようにしっかりと取り組んでいきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 よろしくお願いします。 次に、災害への備えについて、火山防災対策について伺います。 本県には、鶴見岳・伽藍岳、九重山、由布岳の三つの活火山があります。このうち、別府市と由布市にまたがる鶴見岳・伽藍岳においては、7月8日5時10分に火山性地震が多発しているとして、噴火警戒レベル1の活火山であることに留意から県内で初となるレベル2、火口周辺規制への引上げが気象庁から発表されました。幸いにも7月9日以降、揺れは観測されておらず、7月27日にはレベル1に引き下げられましたが、火山災害は風水害や地震など他の自然災害と比べると発生頻度が低いことから住民の関心は高くないように感じています。 しかし、身近に活火山があり、噴火等が発生すれば甚大な被害が生じることをしっかりと認識しておく必要があります。平成3年の長崎県雲仙岳の噴火では、火砕流により行方不明者を含む43人が犠牲になりました。また、記憶に新しい長野県、岐阜県にまたがる御嶽山の平成26年の噴火では、噴石等により行方不明者を含め63人もの方が犠牲になりました。 こうした被災事例がある中で、火山災害や警戒レベルの引上げを経験している自治体では、山の日等の各種イベントや動画配信などで住民への啓発活動が行われています。 本県においては、今後30年以内の発生確率が70から80%とされる南海トラフ地震等の地震・津波対策や、毎年のように発生している風水害の対策については、様々な媒体により啓発活動を実施しています。 火山対策についても、住民への啓発活動を強化し、防災意識を高める必要があると考えますが、これまでの取組と今後の方針について防災局長にお尋ねします。
○
古手川正治副議長 岡本防災局長。
◎岡本文雄防災局長 7月に鶴見岳・伽藍岳で噴火警戒レベル2への引上げが発表されましたが、関係機関との連携や地元住民の御理解等により、特に大きな問題は発生しなかったと認識しています。 本県の三つの活火山のうち、常時観測火山に位置付けられている鶴見岳・伽藍岳と九重山では、平成26年以降に火山防災協議会を設置し、対策を講じてきたところです。 具体的な取組としては、避難計画の策定を始め、火山ハザードマップの作成や登山口情報看板の設置等を行っています。加えて、避難の基本となる火山防災訓練についても、九重山では昨年度に実施済み、鶴見岳・伽藍岳でも今年度に実施予定です。 一方、議員御指摘のとおり、本県の火山災害に対する県民の関心度は高いとは言えず、啓発活動の強化が必要であると考えています。 火山活動が活発な地域では、火山との共生等をテーマにしたシンポジウムの開催や子ども向けの体験教育プログラム等を実施しています。今後はこれらを参考にしながら、火山防災への理解醸成に努めていきます。あわせて、不測の事態に備え、火山災害警戒区域内の避難促進施設の指定等にも引き続き取り組んでいきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 私は由布岳の麓に住んでいます。由布岳に登山する方がこの秋多いのですが、ほとんどの方がヘルメットをかぶらないで、普通の帽子で登山している状況です。だけども、実際噴火等がいつ起こるか分からない状況においては、日頃からヘルメットをかぶって登山するとか、そういう広報活動も非常に重要なのではないかと思いますが、その辺の取組についてはどのようにお考えでしょうか。
○
古手川正治副議長 岡本防災局長。
◎岡本文雄防災局長 今、議員から御指摘がありましたが、他県でも、火山活動が活発な地域においてはそういったところが非常に住民の方々に周知されているので、今後、CG等の検討も視野に入れながら啓発活動を強化していきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 由布岳みたいな急峻な山では、一方で落石が結構あるんですよね。上に登っている方が踏み外したり、滑落とかも起こっているし、火山だけではなく、日頃の事故防止としても、非常にヘルメットは重要なのではないかと思っているので、取組をよろしくお願いします。 次に、洪水ハザードマップ作成の支援と活用について伺います。 近年、地球温暖化による気候変動などにより、1時間当たりの降水量が50ミリから100ミリを超えるという激しい雨が1.4倍に増加するなど、異常気象と言われる極端な気象現象の発生が頻発化し、洪水や土砂崩壊による自然災害が激甚化しています。 頻発化、激甚化している水害や土砂災害から県民の命と暮らしを守り、本県の経済社会活動を将来にわたって持続的に発展させるためには、河川改修やダムの整備、砂防・治山ダム等による土砂災害対策などのハード対策と、地域住民一人一人の防災意識を高め、洪水時の迅速かつ的確な水防活動及び警戒、避難を行うソフト対策の両面から取り組むことが必要です。 そのような中、平成27年に水防法が改正され、洪水に係る浸水想定区域について、これまでの100年から200年に1度の雨量の想定から千年に1度の想定し得る最大規模の洪水に係る区域に拡充して公表されることになりました。 本県でも、洪水により相当な被害を生ずるおそれのある一部の河川については、最大規模の降雨により河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域を洪水浸水想定区域として新たに指定し、これを基に該当する市町が災害時の対応や避難場所の位置等の情報を具体的に記載した洪水ハザードマップを作成したところです。一方で、まだまだ住民に対し周知が不足しているなどの課題もあると聞いています。改めて住民に周知し、活用してもらうことが大変重要です。 また、中小河川において多くの浸水被害が発生したことにより、昨年、水防法が改正され、洪水ハザードマップの作成対象が中小河川にまで拡大され、今後取組を進めると聞いています。これが整備されることで、市町村長による避難指示等の発令や住民等の主体的な避難が円滑に行われるなど、その効果が期待されます。この早期作成には、県からの技術的な支援等が不可欠であると考えます。 そこで、お尋ねします。各市町における早期作成に向けた支援と、既に作成済みのハザードマップのさらなる周知、活用に向けた取組について
土木建築部長に伺います。
○
古手川正治副議長 島津
土木建築部長。
◎島津惠造
土木建築部長 大規模な洪水被害を防止、軽減するためには、河川整備とあわせて、住民が早期に自らリスクを察知し、主体的に避難できるよう行政が浸水範囲や避難場所など必要な情報をあらかじめ提供しておくことが重要です。そのため、令和3年までに水位周知河川など84河川の洪水ハザードマップを作成しました。 こうした中、近年、多くの浸水被害が中小河川でも発生している状況を踏まえ、県では、作成対象をまず優先度の高い255河川に拡大し、ハザードマップ作成の基礎となる浸水想定区域図を作成しています。今後、順次、各市町村へ成果を提供した上で、ハザードマップ作成費用も助成していきます。 加えて、作成にあたっては避難場所の選定、避難経路の設定や見直し等の考え方について助言を適宜行うなど、早期作成へ向けた技術的な支援もあわせて行っていきます。 また、ハザードマップの周知活用も重要な課題です。今後も防災局や市町村等と連携し、マイ・タイムラインの普及促進を図る中で、ハザードマップを活用しながら、防災教育や避難訓練を実施することによって住民一人一人の確実な避難行動につなげていきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 ハザードマップが、100年、200年に1度の雨が千年に1度に変わったということは見たら分かるんですが、実際、感覚的にどう違うのかは、住民がなかなか認識しづらい部分もあります。特に最近の線状降水帯が発生した状況においては、いきなりそれが起こってくるということで、そういうソフト面の認識、防災意識の高まりを、自分の住んでいるところはどういう状況にあるのかをしっかり住民に知らせる必要があるのではないかと思うので、その辺の徹底もよろしくお願いします。 次に、公金納付のキャッシュレス対応について伺います。 今回の
新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活様式に大きな変化をもたらしました。非対面、非接触が日常の様々なシーンで浸透し、一部のコンビニエンスストアなどでは精算時に店員が現金に触る場面がなくなっています。このような状況も追い風となり、国内ではキャッシュレス化が急速に進んでいます。 キャッシュレスのメリットは、現金の準備や持ち歩き、財布からの出し入れが不要になるだけではありません。家庭ではポイントの還元も受けられるし、企業でも現金を管理するためのコストの軽減や現金出納の電子化による経理作業の効率化など、経営の合理化につなげることもできます。さらには、今後
インバウンドが再開すれば、受入地域がその恩恵を享受することが見込まれますが、そのためにはキャッシュレスに対応した店舗を増やしていくことが重要です。 経済産業省が今年6月に公表した我が国の2021年のキャッシュレス決済比率は、対前年比プラス2.8ポイントの32.5%となりました。ここ数年、堅調に上昇しており、国は2025年までに4割程度、将来的には世界最高水準の8割まで上昇させることを目標にキャッシュレス決済を推進していくとのことです。 このような中、今年の通常国会において、情報通信技術を利用する方法による国の歳入等の納付に関する法律、いわゆるキャッシュレス法が成立しました。5月に公布され、11月に施行されます。今後、国に納付する行政手続の手数料などをクレジットカード、電子マネーなどのキャッシュレスで支払えるように順次対象を拡大していく方針です。行政のキャッシュレス対応により、民間のキャッシュレスの一層の拡大へ拍車がかかると考えます。 本県では、2月に大分県キャッシュレス実施計画が公表されました。計画では、6年度までに県への公金納付のキャッシュレス対応に取り組むこととしていますが、ただ単にキャッシュレスに対応した機材等を入れるだけでなく、県民の利便性の向上と行政の効率化にしっかりとつながる取組にしなければなりません。今後の取組について総務部長に伺います。
○
古手川正治副議長 若林総務部長。
◎若林拓総務部長 民間の分野で様々な決済サービスが普及している中、県では、6年度までに公金納付のキャッシュレス対応の完了を目指し、取組を進めています。今年度は県庁舎の本館、新館、また、佐伯総合庁舎等の納付窓口でキャッシュレス対応を開始しました。 取組を進めるにあたっては、まず、県民の利便性の向上が重要と考えています。電子申請においても、支払までオンラインで完結できるようにするとともに、納付窓口においてはクレジットカードのみでなく、電子マネーやコード決済など様々な決済手段に対応していきます。 また、窓口に端末を置くだけでなく、県の業務の効率化にもつながるよう、あわせてPOSレジを導入しています。手書きの領収書からレシートに切り替える、また、現金出納簿を電子化する、自動釣銭機を導入することなどにより、現金管理の効率化も図っています。今後は、同一庁舎内の納付窓口の集約や窓口業務の委託なども含め、取組を進めていきます。 引き続き様々な工夫をしながら、キャッシュレス対応に効果的に取り組んでいきます。
○
古手川正治副議長 太田正美君。
◆
太田正美議員 私のところも宿泊業を営んでおり、以前はほぼ現金で、チェックアウトが終わると、その現金を数えるのに非常に時間と労力を費やしていましたが、今、そういう意味ではほとんど現金がありません。ほとんどカードか、ペイペイとか、いつの間にかそういう時代に変更になっているのが現状なので、やはりそういうところを--ただ、高齢者がなかなかその波に乗れていけない現状もあると思うので、その辺の取組もあわせて検討していただきたいとお願いし、私の一般質問を終わります。今日はありがとうございました。(拍手)
○
古手川正治副議長 以上で太田正美君の質問及び答弁は終わりました。小嶋秀行君。 〔小嶋議員登壇〕(拍手)
◆小嶋秀行議員 30番、県民クラブの小嶋秀行です。早速、一般質問を分割方式で行います。知事始め、執行部の皆さん、どうぞよろしくお願いします。 初めに、宇宙港化する地域の今後の広域的まちづくりについてお聞きします。 7月26日の報道によると、アメリカのシエラ・スペース社のジョン・ロス副社長が県庁を訪れ、2026年にも大分空港を宇宙ステーションと地球を結ぶ無人往還機の帰還先とする計画があり、将来的な有人機利用も視野に入れているとのことでした。打ち上げ拠点と考えられる種子島との距離が近いことも今回の判断につながったようです。 既に、ヴァージン・オービット社が1年に複数回、宇宙港として大分空港を利用することが見込まれており、この新たな利用が固まれば、名実ともに大分空港が宇宙港として国際的に不可欠な位置付けになるものと思います。 思いがけないと言えると思いますが、二つの会社が大分空港を宇宙港として活用するとなれば、どれだけの空港の使用頻度となるのかはまだ不明ながらも、業者による利活用が頻繁になるに従い、大分県、大分空港がさらに注目されることが期待されます。 その上、とりわけ空港が立地する国東市や、大分から空港までの動線上にある別府市や日出町、杵築市などにもさらに明るさが増すことになるし、内外から訪れる多国籍のお客様も増加し、注目が集まることとなりますが、この点、宇宙港化する地域にふさわしい、将来に向けた広域的まちづくりがどのように進められるかについても関心が高まるのではないかと予測します。 私は、宇宙港の実現により、産業創造、観光・文化振興、研究・教育振興が期待でき、ビジネス関連の産業の集積はもとより、打ち上げに伴って欧米などから訪日する事業家や投資家、エンジニアらが長期滞在する需要への対応や、進学や宇宙関連産業への就職を想定した人材育成の拠点づくりなど、宇宙港を核とし、これからの可能性は大きく広がっていくものと思います。 こうしたことを踏まえ、県としてどのように産業を集積させ、にぎわいを創出し、広域的なまちづくりを進めていくのか、宇宙港を核とした振興策について知事の御見解を伺います。 また、このまちづくりに欠かせないのが、アクセスの改善です。既に、ホーバークラフトの運航は目前ですが、大分空港・宇宙港将来ビジョン(素案)における2050年度の乗降客数目標である約320万人を達成するためには、鉄道の建設も必要ではないかと思います。採算性も考慮が必要と考えますが、将来に向けて、上下分離方式で杵築駅から少なくとも空港までの間の線路建設を検討してはいかがかと考えますが、
企画振興部長の御見解をお聞かせください。 以下、対面席から質問します。 〔小嶋議員、対面演壇横の待機席へ移動〕
○
古手川正治副議長 ただいまの小嶋秀行君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。 〔
広瀬知事登壇〕
◎
広瀬勝貞知事 小嶋秀行議員から宇宙港に関する御質問をいただきました。 まず、宇宙港を核とした振興策について、私からお答えします。 宇宙港については、現在、ヴァージン・オービット社に加え、シエラ・スペース社及び兼松株式会社とのアジア初となる水平型宇宙港実現に向けた取組を最優先に進めています。 県では、今、宇宙港の夢を大きく広げるため、県民の声もお聞きして、大分空港・宇宙港将来ビジョンを策定中であり、三つの方向性で、宇宙港を核とした振興策を進めています。 一つは、宇宙関連産業の創出・集積です。県内企業が開発した衛星測位技術を活用したごみ収集を効率化させるシステムが関東の自治体で採用されるなど、衛星データの活用事例が増えてきました。宇宙ビジネスは、衛星製造や、宇宙エンタメ、通信など、産業の裾野も広いことから、引き続き、県内企業の参入支援や創業、企業誘致に取り組みます。また、将来的には、バイオ・素材分野等において、宇宙ステーションが研究開発や製造の拠点となることも期待されています。宇宙の拠点と地球とをつなぐ宇宙港周辺において、関連産業の集積や活性化が進んでいくのではないかと考えています。 二つは、新たな観光需要の創出です。打ち上げ時には多くの観覧客が大分空港を訪れることが考えられますが、空港のみにとどまることなく県内を周遊できるよう、観光資源の磨き上げを進めます。また、衛星会社など、関係者の長期滞在や、海外富裕層の来県も想定されます。この点は、先日、提携する米国企業2社の幹部が来県した際に、県内の宿泊施設や神社仏閣、現代アート作品などを体験され、受入環境に対して高い評価をいただいたところです。 三つは、教育・研究の振興にも夢が広がります。超小型人工衛星の研究開発を行う東京大学の教授と連携し、この夏、模擬人工衛星の実験教室を開催するなど、STEAM教育やものづくり教育の取組を始めています。また、令和6年度に宇宙コースが新設予定の国東高校では既に、英国で宇宙港計画を進めているコーンウォール州との交流を行っています。今後も、国内外の宇宙関係の研究者、技術者と、研究・教育分野での連携を進めます。 こうした方向性を持って振興策を進める上で、グローバル化の視点を持つことが大変重要だと思います。宇宙ビジネスは国を超えて展開されることから、地域が外国籍の企業や技術者などを受け入れられるよう、言語対応など、ビジネス環境の整備を進めることが必要です。また、既に交流が進む英国の宇宙港との連携など、国際的なネットワークの構築も大切です。このようにして、本県がアジアにおける宇宙ビジネスの中核拠点として認められるよう、引き続き取組を進めていきます。 もう一つ、宇宙港へのアクセスについて御質問いただきました。この点については、担当の部長からお答えします。
○
古手川正治副議長 大塚
企画振興部長。
◎大塚浩
企画振興部長 宇宙港へのアクセスについてお答えします。 宇宙港となる大分空港の利便性を高めるためには、多様なルートでアクセスできることが重要です。 その中で、議員御提案の空港最寄り駅であるJR杵築駅から大分空港への鉄道路線の建設も、将来的な選択肢の一つであると考えています。 具体的な空港アクセスとして鉄道の導入を考えるにあたっては、事業継続に必要な採算性を確保するための一定程度の安定的な利用者ニーズが前提となります。 そのためにも、国際線を含めた新規路線の誘致等による航空ネットワークの拡充や、宇宙港の実現、ホーバークラフト導入による新たな空港利用需要の創出などにより、まずは空港利用者数の増加を図っていきます。
○
古手川正治副議長 小嶋秀行君。
◆小嶋秀行議員 振興策について、ありがとうございました。我々、素人からいろいろ、ああであろうこうであろうと申すよりも、やっぱり行政の企画部門のこれからの検討が、どういうものを目指してこれを進めていくのかという観点からは非常に重要であると考えます。そういう意味では、今、知事からお答えいただいた3点、これはビジョンの中にも含まれている内容かもしれませんが、このような3点を中心に進めていただくことがこれから先の空港の発展には大きいものがあろうかと考えます。 ただ、さきほど言ったように、アクセスの関係については、まず1点伺いたいのは、いわゆるビジョンの中で、320万人を2050年度には目指したいと書かれています。途中では250万人という話ももちろんあるし、これまでは200万人をちょっと超えたぐらいが実績だったと思いますが、320万人を目指すことになると、やはりホーバーフェリーでは、あるいはバスだけでは、あるいは自家用車だけでは、私は賄い切れない可能性が出てくると考えます。 そういう意味では、今回、選択肢の一つと言っていただきましたが、これは積極的に今後検討していただいて、そして、私が言いたいのは、鉄道は上下分離方式と言いましたが、架線を引かずに、ディーゼル機関車を最初は通行させますが、将来的には水素エネルギーを活用した軌道を造っていくようなことも展望としては持てるのではないかと思いますが、まず320万人の背景、考え方、それから、そういう鉄道を造る上において、エネルギーの問題については水素を活用するという選択肢もいかがなものかについてお尋ねします。
○
古手川正治副議長 大塚
企画振興部長。
◎大塚浩
企画振興部長 2050年の320万人の目標数値については、ターゲットとすべき路線を国内線、国際線でそれぞれ見定めて、その路線ごとに乗降客数を積み上げて試算した積み上げ方式で算出したものです。まずは、やっぱり私どもとしては、10年後の260万人を確実に達成していくために全力で取り組んでいきたいと考えていて、そうした中で、さらにその上の目標、今、320万人を掲げていますが、またそこも見えてくるのかなと。そうした取組の中で、乗降客数の増加に合わせた形で、アクセスをどうしていくのかを考えていきます。 今、もう一つお尋ねにあった、いろんな交通モードに技術革新は、今後起こるんだろうなと思っています。そういったことにもしっかり注視しながら、視野を広く検討していきます。
○
古手川正治副議長 小嶋秀行君。
◆小嶋秀行議員 ありがとうございました。これから先、進んでいく上においては、まだまだ検討課題も生まれてくると思っているし、私自身としては、アクセスの改善をもっともっとしていかない限りは、目標に掲げている数字を達成できないことになってしまう可能性があるので、この辺に注視して、ぜひ今後積極的な検討をいただければと考えています。よろしくお願いします。 続いて、豊予海峡ルートについて伺います。 本件は、かなり長い間、論議が行われており、既に本県及び愛媛県等を中心に豊予海峡ルート推進協議会を発足し、2年交代で大分、愛媛が事務局を担う形で、昨年は、国に対し、大分県、愛媛県ほか、広島県、山口県など近隣5県と各県商工会議所連合会、四国、九州経済連合会などと共同して要望活動が行われています。 以前は調査費を計上して具体的な調査事業などが行われていたと記憶しますが、近年は大がかりな調査や推進に関する予算計上はほとんどない状態が続いているのが実際のところです。 一方、大分市では現在、様々な観点から研究や調査が進められており、最近では、令和4年3月に豊予海峡ルート推進に関する論集を発行し、数多くの有識者による推進のための見解などが示されています。特に、この論集では、日本の将来の一翼を担うであろう日本青年会議所においても、将来の本県を描く上で重要なプロジェクトと位置付けて、積極的な発言をされているし、大学教授始め、多くの有識者の積極的な意見が盛りだくさん掲載されています。 私は、これまでの30年の日本の経済や社会を失われた30年とやゆする風潮がある中で、これから先の30年をどのように描くかが問われていると考えます。かつてあった、単に公共事業に偏重した予算の在り方という観点ではなく、将来世代に渡すこの国を、第二国土軸構想をベースに、その姿をどう描くかという観点から、見解を伺いたいと考えた次第です。 そこで、お尋ねします。例年の予算計上をやめるべきだという意見もある中、県として、豊予海峡ルートについて、どのような対応を実際に取られているのでしょうか。豊予海峡ルートの現状と課題について、知事の御見解をお聞かせください。
○
古手川正治副議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 御質問の豊予海峡ルートは、四国や関西との人・物の流れの促進による本県経済の発展や災害時におけるリダンダンシーの確保の面において、重要であると考えています。 そこで、県では、九州の東の玄関口としての拠点化戦略において、豊予海峡ルートを含む太平洋新国土軸構想を、本県の将来の発展を支える交通体系の一つと位置付けています。 本県としては、夢のあるプロジェクトとして掲げた灯を消すことなく、関係県等で構成する推進協議会等を通じて、国に対し、引き続きその必要性を訴えていきます。 国の国土形成計画においても、海峡部等を連絡するプロジェクトについては、長期的な視点から取り組むと明記されています。 ただし、豊予海峡をつなぐ橋梁やトンネルの建設は、技術的、経済的観点から、近い将来での実現は困難であり、まずは充実したフェリー航路により海峡間の人と物の流れを増やして、交流の軸を太くすることが重要です。 そのため、船内のレストラン等で利用できるクーポンの配布など、フェリー事業者による利用促進のための企画商品の造成等に対する支援や、豊予海峡を挟んでの関係団体間交流の支援等に取り組んでいます。 このように、まずはフェリーを活用して豊予海峡間の人・物の流れを活発化させ、交流をさらに促進する好循環を生み出せるよう、引き続き取組を推進していきます。
○
古手川正治副議長 小嶋秀行君。
◆小嶋秀行議員 ありがとうございました。私が一番気になっていることは、大分市主体で考えるということではないにしても、大分市が毎年1千万円ほど計上して、ほぼ5、6千万円から7、8千万円ぐらいの予算で研究なさっているという話を聞きます。 さきほど言った論集の発表の中には、今、知事がお答えした技術的に困難であるというところについても、可能性は全くないことはないと、B/C(ビーバイシー)もいいんだという話まで既にいろんなセミナーなどでは進められています。そういう意味からすると、可能性が全くないわけではないなとは我々も感じるところです。 ただ、私がこの話をしようと思った背景には、これまで四全総だとか五全総だとか、いろいろ国の形成計画の協議をされてきて、そして、かねてからその形成計画の中には一極集中を止めようということが大きな狙いにあるという話で、それが今は第七次まで形成計画が来ていると認識しています。その中にも、一極集中はやめましょうねという話が掲載されているわけですが、そういう観点に立つと、やはり今後、県としても、ある意味では積極的に研究を進めていく必要があるのではないかと私自身としては考え、今日の質問に至ったところです。 今後また、長い期間かかる話だと思うので、その折々に議論したいと考えているので、どうぞよろしくお願いします。何かありましたら。
○
古手川正治副議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 せっかくの御質問ですから、県と市の関係を御心配のようですが、県としては、むしろ豊予海峡の問題については随分前から研究を進めていました。いろんなことについて、研究はだいぶ進んできていると思います。 ただ、その後、どうやって海峡からの交流を盛り上げていくかについては、まだまだこれからの課題があるというところで、我々が先行して進めていた研究は一段落したので、そっちはそれで置いておくとして、これから交流を進めていくためのいろんな方策について市が研究していただいていると、これはこれで結構なことではないかと思っています。 機が至れば、両方の成果を合わせながら前に進めていくことになってくるのではないかなと考えています。時間的にも、それから内容的にも、協議しながらやっていると考えていただきたいと思います。
○
古手川正治副議長 小嶋秀行君。
◆小嶋秀行議員 ありがとうございました。私も愛媛県に伺って、関係部門とお話ししましたが、今の大分県とほぼ同じ認識でした。 ただ、平成4年には大分県も第二国土軸構想推進のシンポジウムを開いたり一生懸命やっておられたので、そういうノウハウ、いろんな蓄積があるでしょうから、それらをぜひ今後有効に使っていただいて、国との協議などについても積極的に進めていく必要があるのではないかという思いを持っているので、どうぞよろしくお願いします。 それでは次に、ネット、あるいはメディア・リテラシー教育と呼ばれるものについてです。 様々な情報が氾濫する中で、これからを生きる青少年には、必要な情報を取捨選択できる能力を身に付けることが求められています。わけても教育分野や消費者分野における対策は重要な課題です。 現在、高等学校では、令和4年度から必修化された情報Ⅰという教科で、教育分野を含む社会一般の情報化について広範な教えを行っています。そこで、この情報Ⅰの教科書を発行する主な出版会社5社の内容を調べましたが、出版会社ごとにその内容は異なり、どの教科書を採用して授業に使うかによっては、情報化社会への理解の深まりに差異があるようにも感じました。 もとより、教科書のみでネット・リテラシーだけを教えているわけではないことは十分承知の上ですが、子どもたちを取り巻く情報化社会の変化、発展の中で、各種情報に対する正常なアクセスや判断力、発信力を培うためには、よりリアルな学び、視聴も含めて、必要ではないかと思います。 小中学校を含むネット利用の低年齢化の中で、ネット・リテラシー教育にどのように取り組まれているのか、現状と課題を含めて、基本的な考え方をお聞かせください。 また、リアルな学びに関し、群馬県では、ネットによるいじめに関する動画を編集、制作して、生徒がその動画の視聴に基づいて共に学び合う機会が設けられています。実際をイメージしやすい動画の活用は、児童生徒に限らず、高齢者層も含めた幅広い世代にも有効です。 特に、ネット・リテラシーの学びは、持続的、計画的、体系的なものでなければならないと考えます。本県でもリアルな学びのため、動画を活用してはどうかと思いますが、この点、教育長の見解をお聞きします。
○
古手川正治副議長 岡本教育長。
◎岡本天津男教育長 2点についてお答えします。 まず、ネット・リテラシー教育についてです。 ネット利用の低年齢化や情報化が進む中、ネット・リテラシーを含む情報モラル教育は、ますます重要になっています。 各学校では、学習指導要領に基づいて、小、中、高を通じ、児童生徒の発達段階に合わせて、各教科はもとより、特別活動や生徒指導等において情報モラル教育を行っています。 例えば、小中学校では、道徳科で情報に関するマナーや規範について、社会科や技術・家庭科では、情報流出等の
インターネットの特性について指導しています。 このほか、学校からの要望に応じて、情報モラル出前授業を実施しています。昨年度は59校で、保護者を含め約9千人が参加しています。今年度は95校に拡大し取り組んでいます。 一方、ネットを介したトラブルは、依然発生しているため、子どものためのネットあんしんセンターを開設し、児童生徒、保護者の相談に対応しています。 また、家庭でのルールづくり等を啓発する講演会を行うなど、未然防止も図っています。 今後とも情報化社会をたくましく生きる力を育むため、教員研修の教科はもとより、GIGAスクール構想の推進とあわせて、情報モラル教育の充実に努めていきます。 それから、次は、動画の活用についてお答えします。 令和2年度に大分県内で
インターネットやSNSなどで誹謗中傷が行われた、いわゆるネットいじめの件数は269件で、いじめの全認知件数に占める割合は2.1%となっています。
インターネット、SNS上でのいじめは、匿名性が高く外部から見えにくい、早期発見、早期対応が難しいなどの課題があります。児童生徒に対する情報モラル教育の取組が重要だと考えています。 情報モラル教育の必要性は、学習指導要領にも記載されており、県教育委員会では、専門家によるネットトラブル講演会やスクールロイヤーによるいじめ予防事業などの取組も行っています。 また、小中高校別に児童生徒向けの動画教材や指導案を作成しており、学校現場でも活用されています。さらに、文部科学省が制作した児童生徒向けの動画教材も、県教育委員会の
ホームページを通じて閲覧できるようにしていて、こちらも活用されています。 今後、児童生徒及び教員のタブレットにこれら動画のアイコンを表示して、よりアクセスしやすい環境を整えたいと考えています。
○
古手川正治副議長 小嶋秀行君。
◆小嶋秀行議員 いろいろ方法がというか、様々やり方はあろうかと思います。教育委員会として、そこまで随分、セミナーを開いたりだとかいうことで進められていることについては、改めて認識しました。 それで、私は実は群馬県へ行ってきて、群馬県のネット・リテラシーの一端のそういういじめの問題の動画について見ました。県としては初めてのやり方だと言われていましたが、授業でそれを共に見ながら、共に考えることが必要ではないかと言われていました。そういう話を聞いてきて、なるほどなということでありました。 今の教育長の答弁では、
ホームページで見ることはできるということであったように今受け止めましたが、授業の中でそういうことをきちっと使って、お互いが考え合うということ。それで、リアルに、こんなことってあるよねと子どもが感じるような状況をつくって、学び深めることが重要ではないかなと私は考え、今日こういう提案をしたので、ぜひその点については御理解いただきたいし、問題は、さきほど話があったように、令和2年度の269件、2.1%とはいえ、このネット上でのいじめなどの相談件数が低減していくことが大事だと思うので、その点、集中的な取組をぜひお願いしたいと要望します。よろしくお願いします。 それでは次に、アーバンスポーツの環境整備と人材育成についてお聞きします。 本件については、さきの東京2020オリンピック以降、日本各地で本格的に注目を浴びており、県議会では、大友議員を始め、これまでに何度も一般質問が行われています。その論議を踏まえて、少し踏み込んだ点についてお尋ねと提案もしたいと思い、あえて質問項目に挙げました。 昨年の第3回定例会の論議では、アーバンスポーツを「する」スポーツとして施設情報の発信に努めるとともに、関係団体等とも連携し、その振興を推進していくと、県から前向きな答弁がありました。 私は、この答弁を高く評価した上で、県が3か所のスケートボード練習場の情報を
ホームページに掲載したということだったので、早速、その練習場を調査してみました。 まず、日田市が設置する大原公園スケートボード場は、本格的な練習場として整備されていました。 次に、大分市のT-Waveは、田ノ浦海水浴場の国道を挟んだ反対側にあり、太陽光発電施設の中で平坦な場所に、いろんな設置型の起伏、変化をフレキシブルにセットできる練習場で、雨天時やナイターに対応していました。 最後の大分スポーツ公園アーバンスポーツエリアは、昭和電工ドーム大分の東駐車場の一部を、スケートボード、BMX、インラインスケートの練習場としてエリアを区切っていますが、特に構造物は設置されていません。 東京2020大会で正式な競技として実施された競技種目だけに、これから潜在的なものを含め、競技人口が増加傾向にあると考えられる中で、本格的な練習場の確保はとても重要と思いますが、大原公園スケートボード場を除いて、本格的な練習場というには少々難がある感じでした。 提案ですが、例えば、大分市中心部においては、高架化後の鉄道残存敷を活用した公園が整備されつつあります。そういったアクセスのよい場所に、気軽にアーバンスポーツに触れられる環境があればいいなと思います。 そこで、お尋ねします。アーバンスポーツの練習環境の整備及び、本格的かつ正式な競技会場の設置に関する基本的考え方について
企画振興部長に伺います。あわせて、アーバンスポーツのそれぞれの競技ごとの指導者の育成と、競技人口の拡大についてお聞かせください。よろしくお願いします。
○
古手川正治副議長 大塚
企画振興部長。
◎大塚浩
企画振興部長 アーバンスポーツは、新しいスポーツであることから、競技上の安全性確保や周囲へのマナーアップに加え、認知度を高めていくことが重要であると考えています。 県では、今年度、安全にスケートボードを体験し、マナーを学べる場として、市町村と連携し、県内9か所で出張型のスケートボード体験スクールを開催しています。 また、来月には、日本最大級のキッズ向けスケートボードコンテストも大分市のパークプレイス大分にて本県で初めて開催します。 練習環境の整備や本格的な競技会場の設置、また、指導者の育成については、こうした体験スクール等での実績のほか、競技人口の状況や競技自体の盛り上がりなどを踏まえて、考えていくものと思っています。 県としては、市町村と連携して、こうした様々な取組を通じて、まずはアーバンスポーツの認知度向上を図るとともに、競技人口の拡大などにもつなげていきたいと考えています。
○
古手川正治副議長 小嶋秀行君。
◆小嶋秀行議員 9か所の体験場所、あるいはパークプレイスの関係については、私も十分情報をキャッチしていませんでしたが、今、競技人口の数あるいは盛り上がりがどうかということが話にありましたが、この競技人口そのものについては、今どのような把握がされていますか、その辺について伺います。 私が、今回この質問をしようと思った一つの理由に、散歩で大分の駅南辺りを回っていると、子どもたちが5、6人集まってスケートボードをやっていますが、散歩する人が来るとずっとよけて遠慮しがちに、僕らがいなくなると大胆に滑ったりとかいうことをしている姿をよく見かけていて、やっぱり練習場がないんだなということで、こういうところですると危ないなとずっと感じています。であるならば、練習場をしっかり確保してあげる、それから、練習した上では正式な競技場を確保してあげることが必要ではないかと思いが募ってきたのが一つの大きな理由です。 そうであれば、そうであるだけに、しっかりとした指導者もつくっていくことは、これは県の仕事かどうかは、様々考え方はあろうかと思いますが、やっぱり初期の段階といえば、指導者を県主導で育成していくことも必要ではないかと思います。さきほど指導者の育成については触れていただけなかったので、その点についても改めて伺います。
○
古手川正治副議長 大塚
企画振興部長。
◎大塚浩
企画振興部長 まず、競技人口をどう把握しているかについては、正確なデータは持っていませんが、やはり今、議員御指摘のとおり、私どもも、スケートボードを持って親子で近くの公園というのは見かけるようになったかなとは感じています。 今、私ども、このスケートボード協会とよく連携して、いろんな競技人口の普及などについて、どういう形で進めていったらいいか競技協会と連携を取っているので、そうした中で、指導者の育成などについても話をしてみたいと思っています。
○
古手川正治副議長 小嶋秀行君。
◆小嶋秀行議員 それがいいと思います。というのは、やっぱり協会の皆さんと十分連携を取って、今後の課題が何なのかをはっきりさせていくことは正しいことだと思います。 東京2020オリンピックであれだけ注目を浴びた競技ですから、今後、大分県内からも選手が派遣できるような、そういう思いも持つ必要があるのかなという気がしているわけで、そういう意味では、指導者がどれくらいの規模で大分県内に存在するのか、私は存じ上げませんが、指導者をしっかりと育成していただいて、安全に、なおかつマナーをしっかり守って、こういうアーバンスポーツを楽しむ青少年の育成にしっかり取り組んでいただきたいと考えているので、その点、どうぞよろしくお願いします。 それでは最後に、本年6月から気象庁が開始した、線状降水帯発生予測の活用についてお聞きします。 今のところ、予測確率は25%程度と言われていますが、この気象庁の取組が次第に確率、精度を上げて発表されるように大いに期待します。 7月から8月には、東北地方等で大変な大雨の状況が報道されていましたが、これから九州北部地域でも台風も近づいているということで、大雨が予想される折には線状降水帯発生予測に沿った防災対策が取れるという意味では、非常に重要な取組と思います。 もとより、この線状降水帯の発生予測は、6時間前を建前にしていますが、その理由は、高齢者等の逃げ遅れによる被害の減少対策に第一義が置かれています。特に、ここ最近の大雨被害では、大がかりな降雨は比較的深夜帯に多く発生しており、先日も一夜が明けてみれば、大規模な範囲で床上浸水が発生していて、助けを求める住民が多くいたとの報道がありました。 このように明るいうちならまだしも、避難が極めて困難な夜間、深夜の大量降雨になる前に避難を誘導するという観点から、線状降水帯発生予測の取組は今後欠かせないと思います。 こうした大雨による災害等への対応は市町村が主体となりますが、県には、県庁に防災局が設置され、全県の情報を把握しています。また、振興局の局長は、それぞれの地域に居住し、24時間体制で災害に備えています。 振興局のほかに、教育事務所、土木事務所と関連機関もあり、線状降水帯発生予測を活用し、住民避難を始め、学校の休校判断や、道路の通行止め等の判断を早めに行うなど、これらの地方機関や市町村との密な連携によるリアルで本格的な避難対策を講じることが求められます。 そこで、線状降水帯発生予測をどのように今後活用する体制が取られているのか、防災局長に具体的に伺います。
○
古手川正治副議長 岡本防災局長。
◎岡本文雄防災局長 線状降水帯による短時間の記録的な大雨で、過去には逃げ遅れによる人的被害が発生しており、本県の風水害対策において喫緊の課題となっています。 こうした中、本年6月から運用が開始された線状降水帯発生予測は、現時点で精度は高くないものの、極めて重要な情報であると認識しています。 また、本県を含む九州北部地方では、全国初の発生予測となった7月15日以降、これまでに計3回発表されています。その際の対応として、防災局では大分地方気象台と連携し、県や市町村等の関係機関を対象に速やかに説明会を開催するなど、防災気象情報や防災体制等の情報を共有しました。 加えて、大雨等の警報発表前であっても、県防災センターや振興局に災害対策連絡室を設置し、市町村に対して明るい時間帯に避難情報を発令するよう呼びかけました。 市町村においても早めに自主避難所を開設し、高齢者等の早期避難を促してきました。 今後とも線状降水帯発生予測の空振りを恐れることなく積極的に活用し、関係機関との連携も強化しながら、豪雨災害による人的被害ゼロを目指します。
○
古手川正治副議長 小嶋秀行君。
◆小嶋秀行議員 大量の降雨がこれまであって被害が多かった地域、特に大分県内でいえば、西部地域とか、県南地域もそうですが、西部地域は今まで非常に多くの災害に見舞われています。 今回こうやって気象台が、線状降水帯が6時間先に発生する可能性がありますよと発表して、外れる場合ももちろんあるのですが、その外れのときにどういう状態であるかを、雨の降り方、それから低気圧の進路がどうだとか、角度も含めて、そういう精細、正味なデータをしっかり受け取るためには、判断する人が現場にいなければならないと感じるわけで、県庁の防災局のあのモニターの上では、なかなか詳細は把握できないであろうと思うし、振興局の中で、しっかりとそういう状況を把握して、雨の降り方を身に感じながら、これは早めの段取りを市町村と協議するためには、かねて言ってきたように、判断する専門家が欠かせないのではないかなと私は思っています。 かねて言っていますが、そういう専門家という観点からいえば、気象台から情報が出されるので、大体しっかり把握できていると言われてきてはいますが、現実に現場で把握する、現場で感知するという観点からいえば、現場に気象予報士というような知見があって、そこでこれはどういう動きなんだとしっかりと把握できて、知事が協議できる、そういう環境を整える必要があるのではないかと考えています。 せっかく気象台が、線状降水帯が出るかもしれないよと言ったときに、いつ出るんだろうと聞くのは、そこにいる気象予報士に具体的なことを聞くことができる環境づくり、これが今求められていると、私はこのように考えています。その点、気象予報士の採用、あるいは雇用については、非常に人事上の問題もいろいろあるだろうと思いますが、季節的なそういう人たちの活用を私は検討すべきではないかなと思っていますが、その点、いかがお考えでしょうか。
○
古手川正治副議長 岡本防災局長。
◎岡本文雄防災局長 平成30年3月に気象庁から報道発表がありましたが、大雨や台風など、豪雨となる可能性がある場合には、気象庁防災対応支援チーム--JETTという形で気象庁職員が県の防災センターへ派遣されることとなっています。 今年度も台風が何度か近づいてきましたが、その際も、それはJETTとしてはありませんが、気象庁の気象台の職員が県の防災センターに来て、Web会議等で市町村と情報が共有できるようになっています。 また、平成30年の中津市耶馬溪で山崩れが発生した際のように、災害発生時には必要に応じて、さきほど言ったJETTといった気象庁の職員を現場へ派遣していただいて、そちらで現在の気象状況とか、避難にあたっての危険度とか、そういったものを国土交通省のTEC-FORCE--こちら緊急災害対策派遣隊といいますが、そちらの一員となって一緒に活動するような形が既に整えられています。
○
古手川正治副議長 小嶋秀行君。
◆小嶋秀行議員 ありがとうございました。恐らくそういうことはあるだろうと私も思っていたし、実際にそういう話を聞いたことはありました。ただ、そういう状況であるが、あえて私がさきほど言ったように、現場で雨の状況を感じられる状況がないと、気象庁から気象予報士が防災局に派遣されたと、それでWebでやることも無駄ではありませんが、やっぱり雨の降り方は現場に行かないと分からないということが言えるだろうと私は思います。 なお、これから気象庁は、今後10年を目標に、現在の地方ごとの予報ではなく都道府県や市町村単位などの対象範囲を絞り込む形で線状降水帯の発生を予測できるように今研究されているし、今後そういうふうに進めていこうと、10年先ではありますが、そういうことにしようとしているようですから、そうなれば少しは改善されるのかなと思います。明け方に大雨が降ることはこれまで数多くあったので、高齢者の避難については早めに対応していくことが必要だと思うので、現場で状況が分かる人を配置するのが必要だということも、実は名古屋大学の坪木教授、気象学の方がこう言われています。予報情報は、災害の警戒レベルにひもついておらず、住民は避難行動の判断が難しい。災害の危険性や避難の必要性がどれほど高いかを自治体が情報発信する必要があると指摘しています。地域特性を理解した気象台や気象予報士らが自治体に対応方法を助言するシステムをつくるのが効果的ではないかと話したと言われています。 私はこのことが一つの背景になって言っていますが、今後、本当につぶさに状況が把握できる状況をつくっていただいて、被害者ゼロを目指していただきたいと考えているので、ぜひ今後もまた議論しますが、進んで検討いただければと考えます。 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○
古手川正治副議長 以上で小嶋秀行君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩します。 午前11時53分 休憩
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○御手洗吉生議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問及び質疑を続けます。森誠一君。 〔森議員登壇〕(拍手)
◆森誠一議員 皆さんこんにちは。10番、自由民主党の森誠一です。今回も一般質問の機会をいただいたこと、先輩、同僚議員の皆様に感謝します。 また、本日も議場に傍聴にわざわざお越しくださいました。ありがとうございます。本日は大分県酪農業協同組合の関係の方、組合長ほか来てくださっています。本当にありがとうございます。 それでは、知事を始め、執行部の皆さんよろしくお願いします。 まず、芸術文化の振興について伺います。 芸術文化は私たちに喜びや感動を与え、豊かな人間性や創造性を育むものです。我が国においては、その重要性から、平成13年に文化芸術振興基本法が施行されました。本県においても、平成16年に大分県文化振興条例を制定、翌年に大分県文化振興基本方針が策定されました。 平成29年の基本法の改正では、新たに文化芸術の振興にとどまらず、観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業、その他の各関連分野でも文化芸術の活用が盛り込まれ、翌平成30年には障害者による文化芸術活動の推進に関する法律が施行されるなど、芸術文化を取り巻く環境変化に対応してきた経過がうかがえます。 本県では、短期戦略として、平成28年に策定された大分県文化創造戦略を3年ごとに見直しており、来年度からが3期目の戦略となるとのことで、現在、新たな戦略の準備が行われているとお聞きしています。2期戦略では、カルチャーツーリズム推進により、国内外から人を呼び込む魅力的な地域づくりの促進と、地域振興の担い手となる人材育成、活用を図るとされ、四つの重点戦略が策定されています。ただし、コロナ禍にあって、戦略の実現には非常に御苦労があったでしょうし、実現困難な施策もあることと思います。一方で、今回の経験を踏まえ、ウィズコロナに向けた新たな課題や施策が議論されていると思います。 「創造県おおいた」を掲げ、芸術文化の創造性を活用して様々な行政課題に対応する取組を推進している本県において、県立美術館や県立総合文化センターなど芸術文化ゾーンでの取組、国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭、ラグビーワールドカップ、そして、昨年の東京2020オリンピック・パラリンピック大会、本年の東アジア文化都市事業への取組など、これまでの経験を踏まえ、今後、芸術文化振興施策をどのように展開していこうとしているのか、知事の見解を伺います。 また、次期文化創造戦略策定にあたって、具体的にどのような方向性を考えられているのか、あわせて伺います。 続いて、大分県ゆかりの芸術文化を生かした取組について伺います。 8月6日の大分合同新聞に、「東京で見つけた「大分」八重洲の由来、麒麟の像、国会議事堂の設計者」という記事が掲載されました。東京駅のある八重洲は、臼杵に漂着したオランダ船リーフデ号の乗組員であるヤン・ヨーステンさんに由来すること、国会議事堂の設計者は国東市出身の吉武東里先生であることなどです。 そして、今回、私がクローズアップしたいのが、豊後大野市出身で彫塑家、渡辺長男先生です。東洋のロダンと呼ばれた朝倉文夫先生の実の兄であり、旧渡辺家は現在の朝倉文夫記念館の近くにありました。 新聞やテレビでも最近取り上げられ、渡辺長男先生や朝倉文夫先生の作品は東京だけでなく全国各地に展示されています。今日、皆様のお手元にもその資料をお配りしています。特に、日本の道路の起点である日本橋の獅子と麒麟の像は、渡辺先生の作品として秀逸であると評価されています。 残念ながら、これらの郷土の方々の作品が東京など多くの場所で皆さんに親しまれていることを大分県の皆さんが御存じないことが現実で、寂しいところです。 OPAMでは一定のサイクルで収蔵品の展示、コレクション展を開催していただいています。福田平八郎先生や高山辰雄先生を始めとする郷土の芸術家の作品も定期的に紹介されています。2年前のアジア彫刻展の際に、朝倉文夫記念館で開催された渡辺長男、朝倉文夫、大塚辰夫の三兄弟展は非常に価値のある作品展であったと思います。また、渡辺長男先生単独の作品展は22年前の2000年に東京都多摩市の旧多摩聖蹟記念館で行われています。渡辺長男先生を始め、芸術文化振興における大分県出身の芸術家とその作品ゆかりの都市との交流など、OPAMを飛び出し、ゆかりの地を結び付けた企画なども期待しています。 こうしたことを踏まえ、大分県ゆかりの芸術文化をいかした今後の取組について、
企画振興部長の見解を伺います。 あとは対面席から行います。 〔森議員、対面演壇横の待機席へ移動〕
○御手洗吉生議長 ただいまの森誠一君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。 〔
広瀬知事登壇〕
◎
広瀬勝貞知事 森誠一議員から、芸術文化の振興について御質問いただきました。 芸術文化は暮らしに心の豊かさや喜びをもたらし、創造性を育む上でも大変大事です。本県では、文化の香り高いふるさと大分の創造に向けて、様々な施策を展開しています。 そうした中、新型コロナの感染拡大により、本県でも芸術文化公演や伝統文化行事が中止、延期を迫られるなど、大きな影響を受けました。今なおその影響は続いていますが、このコロナ禍の中で、芸術文化は、私たちに安らぎや勇気、明日への希望を与えてくれるものであり、改めてその重要性を認識しています。 我々の生活にとって大事な役割を果たしている芸術文化の振興については、次の三つの取組が重要だと考えます。 一つは、芸術文化による地域の元気づくりです。 豊後大野の大分アジア彫刻展を始め、別府の混浴温泉世界、国東・豊後高田の現代アートの取組は、地域の魅力発信にとどまらず、そこで暮らす人々の誇りにもつながっています。カルチャーツーリズムなどを通じ、芸術文化による地域磨きに継続して取り組み、再来年のJR
デスティネーションキャンペーンにもつなげていきます。 二つは、次代を担う人材の育成です。 今年、大分県では、東アジア文化都市事業に取り組んでおり、音楽や美術、伝統文化、生活文化など、様々なジャンルで県内各地の幅広い世代の皆さんが参加して、文化を楽しんでいただいています。こうした本県の特色ある文化を次の世代にしっかりと引き継いでいけるように、活動を発表する場づくりや、子どもたちが芸術文化に触れて、参加できる機会を設けていくことも大事なことだと考えています。 三つは、障がい者の芸術文化活動の推進です。 昨年、本県で行われた東京2020聖火フェスティバルでは、特別支援学校の生徒と障がいのある作家とがコラボした手形アート作品に取り組みました。おおいた障がい者芸術文化支援センターと連携しながら、こうした障がい者の個性と能力を発表、鑑賞する場をさらに充実していきます。 以上のことも踏まえ、現在、第3期となる戦略の策定を進めています。文化振興県民会議では、若い世代の担い手育成や文化活動をコーディネートする人材の必要性、あるいは芸術文化の産業への活用など、様々な立場から多くの御意見をいただいています。また、
ポストコロナを見据えた芸術文化の振興や、デジタル技術の進展への対応、芸術文化を通じた国際交流の推進などにも今後取り組んでいかなければならないと考えています。 県民会議を始め、いろんな方と議論を重ねて、戦略を練り上げて、「創造県おおいた」の実現につなげていきます。 もう一つ、大分県ゆかりの芸術文化を活用した取組について、大変興味深い御質問をいただきました。これは残念ながら部長から答えます。
○御手洗吉生議長 大塚
企画振興部長。
◎大塚浩
企画振興部長 大分県ゆかりの芸術文化をいかした取組についてお答えします。 県立美術館では、本県出身作家の作品を中心に、南画や日本画、洋画、彫刻、工芸など、約5千点の作品を所蔵しています。本県が輩出した我が国彫刻界草創期を代表する偉大な彫刻家である渡辺長男先生の作品も24点所蔵しています。 これらの所蔵品の魅力を紹介するため、年6回程度、様々なテーマでコレクション展を開催しており、渡辺長男先生の作品についても、「虎」や「子育観音」などを展示してきています。 県立美術館では、世田谷美術館と共同企画した高山辰雄展など、県出身作家とゆかりのある県内外の美術館との間で作品の相互貸出しを行っており、幅広く鑑賞者に楽しんでいただいています。 今後も他の機関とも連携を強化し、魅力的な展覧会を企画しながら、大分の伝統や文化、県ゆかりの美術作品を県内外に広く発信し、認知度の向上にも努めていきます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 ありがとうございました。戦略の策定にあたって、三つポイントがあると。その中で、人材育成にさきほど知事も触れていただきました。正に芸術文化の人材育成を担う大分県の最高学府である大分芸術文化短期大学。この創設を具申したのが朝倉文夫先生でした。そういった御縁もあって、今回、この地図に朝倉先生、渡辺長男先生の作品を中心にプロットして写真を掲載したのと、裏面には東京にある朝倉先生や渡辺先生の作品、また、右側には東京以外の県外にあるもの、また、右下には大分県内にある作品を私なりにまとめてみたところです。ぜひまたこれからブラッシュアップ、アップデートしていけたらなと思うのと、なかなかこういった資料がなく、自分なりに作らせていただいたので、東京に行く際とかには皆さんにも御活用いただければありがたいなと思うし、正に野外美術館というか、大分の偉人の功績が残っていることが非常に誇らしいことだと考えています。 先日は練馬区の美術館で、朝倉文夫先生の長女である朝倉摂先生の生誕100年祭が開催されました。来月からまたアジア彫刻展が行われるのですが、朝倉文夫先生の生誕140年が来年となっています。カルチャーツーリズムを素材として渡辺先生、朝倉先生の作品を取り上げても、とても面白い企画が出てきそうですし、これはSNSなどで多くの皆さんを巻き込んだイベントの可能性があるかと思います。 また、渡辺先生、朝倉先生のコレクションの収集も今後、大分県の重要なミッションになると思います。ぜひともこれらに前向きに取り組んでいただきたいと思いますが、見解を伺えればと思います。
○御手洗吉生議長 大塚
企画振興部長。
◎大塚浩
企画振興部長 県立美術館においては、生誕などの節目となる展覧会について、これまでも糸園和三郎先生の生誕110年や、岩澤重夫先生の没後10年など、その機会を捉えて開催してきています。 今、話があった朝倉文夫先生の生誕140年も大変貴重な機会です。情報発信だとか、いろんな企画は今後考えられるのではないかと思います。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 ありがとうございました。ぜひとも大分のこういった財産をいかした取組を今後も続けていただきたいし、特に渡辺長男先生についてはこれまでの歴史の中で余りクローズアップされなかったところがありますが、作品は本当に秀逸なものです。重要文化財である日本橋の麒麟と獅子の像が渡辺長男先生の作品ということをもっともっとアピールしていけたらいいのではないかと思うので、今後とも情報発信をよろしくお願いします。 それでは次に、畜産振興に関する課題について伺います。 まず冒頭ですが、知事におかれては酪農家の窮状に御配慮いただき、6月補正に引き続いて、今回、緊急支援策を議会に提案していただいています。この場をお借りして感謝します。 畜産業を構成する主な蓄種は肉用牛、乳用牛、養豚、養鶏、そして、養蜂などです。産出額から畜産業を見ていくと、九州の農業産出額は全国の19%の1兆7千億円で、そのうち畜産業は47%の約8千億円です。大分県においては、農業産出額1,200億円のうち、36%の430億円を占めています。お手元の資料の数字を今読み上げています。 品目別に見ていくと、肉用牛が117億円、豚が105億円、生乳が79億円、ブロイラーが62億円、鶏卵が38億円などとなっています。 農業戦略会議においても、耕蓄連携事業や担い手対策が議論され、具体的な施策がスピード感を持って進められています。 主な品目を見ていきます。肉用牛においては、10月の全国和牛能力共進会が目前となりました。本県も力を入れていただいており、上位入賞により、さらに大分県のブランド和牛が飛躍することを関係者と共に願っています。一方で、現在、ロシアのウクライナ侵攻や円安など様々な要因により飼料価格が高騰するとともに、毎月行われている子牛市場の平均価格も下落しており、生産現場では先行き不安の声が上がっています。 養豚においては、クラスター事業など生産拡大施策の成果として、ここ数年80億円台で推移していた産出額が、令和2年に前年から22億円増の105億円となり、農業産出額における3番目の100億円品目となりました。 酪農においては、高齢化などにより飼養戸数や搾乳頭数の減少が続いている中、乳価に対して生産原価が大きく上回っており、生産すればするほど赤字が拡大するという深刻な状況になっています。酪農は他の蓄種に比べ輸入粗飼料への依存度が高く、経営安定制度などもない中で、国際情勢による影響が直撃しています。 さきほど数字でも示したとおり、大分県の農業産出額の4番目は生乳の79億円であり、現在の状況が続くのであれば、現在、80数戸の酪農家の中には廃業を考えざるを得ない状況にある生産者がおられると聞いています。本県として酪農という産業をどう守っていくのか、そのような重要な局面にあると考えています。 もちろん、産地間競争や生産者の高齢化、消費志向の変化など様々な要因もありますが、農林水産業による創出額2,650億円の達成を目指し、畜産部分からも挑戦と努力が報われる農林水産業の実現を目指していくべきと考えます。 こうしたことを踏まえ、本県の農業産出額を牽引する畜産業の振興施策についてどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。 続いて、獣医師の確保について伺います。 畜産振興における獣医師の関わりは非常に重要であるのは言うまでもありません。県においても、農林水産部では畜産振興、畜産研究部、農業大学校や家畜保健衛生分野で、生活環境部では食品・生活衛生、動物愛護分野で獣医師が活躍してくださっています。しかしながら、このような畜産振興を担う公務員獣医師や、牛や豚などの地域の家畜の健康を守る産業獣医師の不足が非常に深刻となっています。 獣医師養成を担う獣医学部は6年制で、設置している大学は国立大学10校、公立大学1校、私立大学6校の計17大学で、1年当たりの卒業生は約千人です。うち8割が獣医師資格を取得するとのことです。獣医師資格を取得した獣医師のうち、4割は小動物診療で、国家公務員、地方公務員が2割強、その他、民間企業や産業獣医師として活躍しています。 獣医学部自体が医学部と同レベルの偏差値になっており、狭き門で合格が難しいことや小動物診療を希望する方が多いことなど、公務員獣医師の人材の確保が難しい現状があります。 公務員獣医師不足は処遇にも課題があります。医師と同じ6年制大学卒でありながら、その俸給制度が大きく異なること。本来、動物の命を育む意識を持って学んだ技術を、BSEや鳥インフルエンザなどの疾病対策において、殺処分時には最前線で活動しなければならないことなど、精神的にも大きなプレッシャーがあります。 再任用制度など、いろいろ工夫しながら人材確保に努められている状況は十分承知していますが、処遇改善やリクルートを含め、しっかりと取り組んでいかなければ、現場が立ち行きません。 本県として公務員獣医師確保にどのように取り組んでいくのか、総務部長に伺います。
○御手洗吉生議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 まず私から、畜産振興についてお答えします。 畜産業は県農業を牽引する基幹的な産業であり、議員御指摘のとおりです。県としても、さらなる飛躍に向けて、強力に後押ししていかなければならないと思っています。そのため、生産基盤の強化と流通、販売の取組を確実に進めていきます。 まず、生産基盤の強化では、高齢化が進む肉用牛において、キャトルステーションの整備により、労働力不足の解消と、空きスペースを利用した増頭を図っていきます。 また、新規就農希望者に対し、初期投資軽減のための事業支援や継承情報の共有を行って、就農しやすい環境をつくっていきます。 一方で、不安定な社会情勢を背景に、飼料費が高騰しており、短期、長期的な取組が必要となっています。 まず、短期的には、セーフティーネットである配合飼料安定基金の生産者積立金の一部支援に加え、特に経営状況の厳しい酪農経営においては、輸入粗飼料の高騰に対して、粗飼料費の一部助成を本議会で提案しています。 長期的には、自給飼料の増産によって、酪農の輸入粗飼料依存度を低下させることが重要です。このため、飼料用トウモロコシや牧草の収穫を担うコントラクターの育成を図るなど、耕蓄連携による粗飼料供給体制づくりを進めていきます。 加えて、肉用牛や養豚、養鶏などにも利用可能な飼料用米の供給に向けて、県内流通の体制整備を図っていきます。 これからはデジタル化も必須です。分娩・疾病情報等を電子化し、分析情報とICT機器の連携を行うことで、肉用牛繁殖成績の向上や事故率低減につなげて、収益向上を図っていきます。 次に、流通、販売の取組では、国内外の需要の変化を捉え、ブランド力の強化と消費拡大を積極的に進めていきます。 おおいた和牛では、間もなく開催される全共で日本一を目指して、それを契機とした国内PRのさらなる強化を図っていきます。 また輸出は、景気回復で需要が伸びているアメリカに向けて、畜産公社の機能を充実し、拡大に努めていきます。 県産豚肉「米の恵み」は、ブランド統一と規模拡大をあわせて推進し、畜産公社出荷頭数は平成29年度の9万2千頭から令和3年度は11万2千頭に拡大しました。今後も県内でのPR強化による販路拡大を推し進めていきます。 牛乳については、生乳の需要減退が大きな課題であることから、消費拡大や食育活動を引き続き支援していきます。 議員御指摘のとおり、畜産業こそ挑戦と努力が報われる産業であることから、さらなる成長に向けて、関係団体と一丸となって生産者所得の向上につなげていきます。森議員にもぜひよろしく御支援のほどお願いします。
○御手洗吉生議長 若林総務部長。
◎若林拓総務部長 獣医師の確保についてお答えします。 家畜防疫対策や公衆衛生など、獣医師の役割はますます重要になっており、県ではこれまで様々な獣医師確保対策を講じてきました。 処遇面で申すと、初任給の引上げに加え、初任給調整手当の支給年数を15年から20年に延長するなど、これは他県に遜色のない水準と考えています。 また、大学への個別訪問やインターンシップの受入れに加え、県での一定年数勤務等により返還免除となる修学資金を高校生の段階から周知し、積極的な活用を進めています。 さらに、採用選考の受験者数を増やす観点から、年4回試験を実施しているほか、資格保有者には、その要望に合わせ個別に受験日を調整するなど、柔軟な対応も図っています。 こうした結果、動物病院等で勤務している獣医師が受験しやすくなり、昨年度も本県での人材の確保につながったこともありました。 今後とも卒業生による出身大学へのきめ細かなリクルートや動画等を活用した公務員獣医師の魅力発信など、その確保に向けた取組を粘り強く行っていきます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 ありがとうございました。知事からも畜産業に対するエールと力強いお言葉をいただきました。私自身も大分県畜産協会長としてしっかりと努めていきます。共によろしくお願いします。 全ての畜産業が今、飼料高、燃油高などの様々な影響を受けており、国や関係機関に繰り返し現在の窮状を訴えています。今こそ全ての国民の食、すなわち命を育む産業を守っていくための政策が必要だと思います。 さきほどもいろんな政策を知事からも聞きましたが、食料安全保障の観点から畜産業をいかに守っていくかが大切です。改めてその視点からの見解を伺います。 また、特に酪農において、生乳の消費拡大の機運醸成、これはぜひとも県庁からの発信もお願いしたいし、県庁の皆さんにもぜひ消費拡大に努めていただきたいと思いますが、知事、いかがでしょうか。
○御手洗吉生議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 私から、畜産と食料安全保障の関係についてお答えします。 畜産は、もちろん肉や卵や牛乳など国民生活に欠かせない食品の安定供給以外にも、その堆肥が多くを輸入に頼る窒素、リンの貴重な供給源となっており、輸入に過度に依存しない食料安全保障の観点から、非常に重要な産業だと考えています。 こういった点から、県内各地でバランスよく畜産経営が営まれていることは本県農業の強みであり、この基盤を維持、発展させるため、本年は6月、9月補正で自給飼料増産や堆肥高品質化等に対する思い切った支援策を打ち出してきました。 今後もキャトルステーションの活用や事業継承、デジタル化の推進などの生産基盤の強化等、ブランド力の向上や輸出の拡大、さらには全共への取組の強化など、流通対策、これをあわせ行うことにより、畜産業の振興を図っていきます。 酪農については部長からお答えします。
○御手洗吉生議長 佐藤
農林水産部長。
◎佐藤章
農林水産部長 私から、生乳の消費拡大の造成についてお答えします。 県においても、これまでの農林水産祭等の各種イベントを通じ、県産牛乳のPRを行ってきました。 加えて、昨年末、牛乳や乳製品の需要の減少があり、そのときに知事と生産者の方々が一緒になって、「毎日飲もう、さらにもう一杯の牛乳を」とPRしました。県庁においてもそのときに販売して、大体牛乳が約6,200本ぐらい、それから、バターは約120本ぐらい売上げがありました。 今後ともこうした県によるPRを引き続き積極的に行っていきます。それから、生産者の方々が自らPRを行うことも多くあると思うので、それについても幅広く支援を行っていきます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 ありがとうございました。今の乳価だと、今年は冬を越せるだろうかと、本当に生産現場は非常に今大変な状況になっています。ぜひとも、酪農だけではないんですが、今の状況に応じた政策を引き続き共に考えて実践する必要があるかなと思うので、よろしくお願いします。 獣医師確保について、さきほど答弁いただきましたが、大分県庁内において生活環境部、そして農林水産部、それぞれの部局で獣医師が活躍されていますが、今の獣医師の充足状況とか課題などがあればお聞かせください。お願いします。
○御手洗吉生議長 高橋
生活環境部長。
◎高橋強
生活環境部長 生活環境部の現在の獣医師の状況です。全部で46人の公衆衛生の獣医師がいます。そのうち再任用職員が3人、非常勤の会計年度職員が9人、そういう状況です。 課題ですが、議員御指摘のように、新規採用職員がなかなか採れないのが大きな課題で、その原因としては、やはり公衆衛生獣医師の認知が余り広がっていないのが一番大きな問題だと考えています。 それで、獣医師系大学の学生からも意見を聞きましたが、一つは、公務員獣医師の仕事内容が余りよく分からないという状況、それからもう一つは、獣医学教育の中で、やはり行政の意義とか、あるいは魅力、そういったものが余りPRされていない状況があると聞いています。 それから、もう一つの課題がもしあるとすれば、新採の職員がいないので年齢構成がどうしても高くなるということで、偏りが出てくる状況があると思います。 対応については、さきほど総務部長から言いましたが、広報を一生懸命やっています。生活環境部においては、動物愛護センターの職員が実際に働いている場面を動画にして、それを公開したり、あるいは大学に対するリクルート活動をやっているような状況です。それから、年齢の偏りにより技術の承継の問題が出てきますが、それについては、経験豊かな職員のOBをしっかり配置してOJTをやるといったようなことを努めてやっている状況です。
○御手洗吉生議長 佐藤
農林水産部長。
◎佐藤章
農林水産部長 私から、農林水産部の状況についてお答えします。 農林水産部の獣医師については、今70人います。そのうち、再任用職員が3人と、再雇用職員等が8人です。年齢構成でいくと50歳以上が約4割で、新規職員の確保について全力で今取り組んでいます。 採用にあたっては、さきほど
生活環境部長からも話がありましたが、公務員獣医師の魅力が分かりづらいことと、やっぱり給与面の待遇がよい職場を学生は選ぶことを大学や学生から意見をいただいています。 そういった中で、農林水産部としては修学資金の制度を充実させているので、そういった内容を具体的に載せた募集ポスターを作成して、それを今年新たに大学とか県内の高等学校に掲示しています。 また、今年から高等学校にも出向いて、修学資金の話とか公務員獣医師の役割等について具体的に説明しています。今後も引き続き獣医師の確保について取組を幅広く行っていきます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 ありがとうございました。獣医師の仕事は非常に大切な仕事だし、県にとっても重要な職種であると思います。大学へのリクルートを含めて、積極的な動きが必要だと思うので、今後ともこの件については私もテーマとして取り組んでいくので、よろしくお願いします。 それでは次に、ものづくり産業について伺います。 ものづくり産業の人材育成について、本県は製造業が県内総生産の内訳で最大となる約24%を占め、製造品出荷額は九州2位、様々な業種の製造業が県内各地に立地するものづくり県です。 その製造業を取り巻く環境が大きく変わっています。米中対立やコロナパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻は、国境を越えて複雑に絡み合うサプライチェーンのリスクというグローバル化の負の側面を世界に突き付けました。実際、半導体に代表される供給不足により、工場稼働の停止や製品の納期の大幅遅延などの事態が頻発しています。 そうした中、県では今年4月にものづくり未来会議おおいたを立ち上げ、本県の基幹産業である半導体、自動車、コンビナートの三つの企業群について、2030年、2050年を見据えた議論を開始しました。 会議では、人材育成やカーボンニュートラル、SDGsへの対応が議論の中心になるようですが、特に人材育成について考えることは次のような観点から大変有意義であると思います。 まず、熊本県に世界最大の半導体ファウンドリ企業TSMCが立地したことにより、半導体人材の不足が顕在化していることがあります。九州では国と各県が連携し、九州半導体人材育成等コンソーシアムを立ち上げ、人材育成に着手しましたが、人材をめぐる競争が激化することは必定です。 また、製造業に限定した話ではありませんが、IT人材、デジタル人材の不足が大きな課題とも言われています。国の調査では、IT企業などで働くIT人材が2030年には最大79万人不足、ユーザー企業も含めたデジタル人材は既に230万人不足しているという報告もあり、これを埋めることは容易ではありません。 ものづくり未来会議では、半導体、自動車、コンビナートの企業関係者がメンバーとなっており、それぞれの企業会等でも連動した議論が行われると聞いています。こうした厳しい環境の中で、大分のものづくり産業はどういう人材を求めようとしており、そのニーズに対し、県としてどのような対応が必要と考えているのでしょうか。具体策の検討はこれからだと思いますが、考えられる方向性について知事に伺います。 続いて、サプライチェーンの強靱化について伺います。 様々な社会情勢変化の影響は、ものづくり産業のサプライチェーン全体に広がっています。2021年に行われた強靱なサプライチェーンの構築に向けた事業者における今後の取組についての調査によると、約半分の企業が調達先の分散を挙げ、また、国内生産体制の強化、標準化、共有化、共通化の推進の割合が増加しています。世界的な半導体不足などにより生産活動が影響を受ける中で、国内のサプライチェーンの強化に対し、経営資源を投下しようとする動きが広がっています。 九州半導体人材育成等コンソーシアムにおいても、本年度、企業取引の課題の分析や、ユーザーのニーズ整理、物流、インフラの実態整理が行われています。そして、来年度以降は大手と地場企業など国内企業間の事業のマッチングや、設計などの九州への新規立地誘致などに取り組むとしています。 今回提案されている補正予算案においても、半導体関連企業等の誘致によるさらなる投資を呼び込むため、必要な用水の確保に関する調査のための予算2,300万円が計上されています。本県への投資を呼び込むため、県内のサプライチェーンの強靱化についてどのような取組を行っていくのか、
商工観光労働部長に伺います。
○御手洗吉生議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 初めに私から、ものづくり産業の人材育成についてお答えします。 本県のものづくり産業は、半導体、自動車、コンビナート等、多様かつ重層的な構造を有しており、その産業バランスは我が国のものづくり産業の縮図と言ってもいいと思います。この産業を支えているのは、正に人材です。 労働力確保がますます難しくなる中で、デジタル化や脱炭素化といった大きな変化に対応するためには、成長を生み出す人づくりが重要です。 このため、本年4月にものづくり未来会議おおいたを立ち上げ、企業会代表や有識者と共に2030年、2050年を見据えた産業のありたい姿に思いをめぐらせ、それを実現するための人材育成等について議論しています。 幸い、ものづくり産業には多様な人材が集まって、それぞれが大事な役割を果たしています。その中で、今後の企業、産業の発展のために不可欠な人材像を想定すると、やはり喫緊の課題であるDX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)等の新たな分野に挑戦する企画、開発を担う人材が挙げられます。 短期的に即効性が高い対策は、社員の学び直しです。各企業会が抱えている人材に共通する課題を洗い出して、その解決に向けた実践的なセミナーや、共同研究による技術交流の充実を図るリスキリングを支援していきます。それが一つです。 中長期的には、大学や高専における若い人材の育成が不可欠です。これが二つです。 さきの全国知事会議で取りまとめた政府要望を受けて、国はデジタルやグリーン分野等の専門人材育成の機能強化を図る大学等の支援制度を来年度概算要求に盛り込んでいます。 大学でも、普通、教員の増員等については、スクラップ・アンド・ビルドということですが、それではこういう喫緊の課題に大学が応えられないということで、純増でいいではないかと、純増ででも認めてくれという要求を出しており、そういうものを踏まえて、大学でも人材育成の強化をしてもらおうということです。 県では、半導体分野の企業が社員を講師として大学等に派遣し、半導体産業の魅力の発信や企業の優れた技術を紹介する講義の実施など、できる取組から進めていきます。先生も企業からお借りしようということです。 また、県立工科短期大学校では、来年度の学科改編で、製造ラインへのIoT導入等に対応できる人材を育成していきます。 未来会議では、県内高校生へのSTEAM教育の推進状況についても報告があり、子どもたちの今後の成長が楽しみです。 また、多様な人材が活躍できる環境づくりに取り組むことの重要性についても、様々な意見をいただいています。SDGsやグローバルの視点を取り込んだ企業経営や、女性が自ら望む形で活躍できるようなジェンダー平等の実現、オープンで流動的なキャリアの在り方等は、企業会と共に、さらに考えていきたいテーマです。 今後も未来会議で人材育成について議論を深めていき、年度末をめどに取りまとめて、本県のものづくり産業の持続的な発展を支える人材の育成につなげていきます。
○御手洗吉生議長
利光商工観光労働部長。
◎
利光秀方商工観光労働部長 サプライチェーンの強靱化についてお答えします。 ものづくり産業は、半導体などの部素材供給不足などにより、大きな影響を受けています。サプライチェーンの強靱化は、ビジネス上、そして、経済安全保障上もますます重要な課題となってきているものと認識しています。 このため、例えば、半導体産業では、台湾企業との商談会や展示会への出展などによる国内外の取引拡大を支援してきました。九州半導体人材育成等コンソーシアムにおいては、県内企業がワーキンググループの座長となるなど、企業間の取引強化や国内交流促進を通じたサプライチェーン強靱化の議論を開始しており、調査事業にも着手しています。 また、自動車産業においては、カーメーカーなどの部品の現地調達に向けた商談会への出展などを支援してきました。大分県産業創造機構には、EVなどの電動化分野に参入を図る企業への相談窓口を開設しており、国が設置した九州拠点との連携を深め、きめ細やかに対応していきます。 サプライチェーンの強靱化にあたっては、企業誘致の環境を整えておくことも非常に重要であると考えています。このため、関連産業のさらなる呼び込みに備え、用水の安定的な確保に向けた調査の補正予算を提出しています。 引き続き、ものづくり産業の集積の強みをいかし、県内サプライチェーンの強靱化に取り組んでいきます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 ありがとうございました。知事が言われたように、ものづくり人材、人材育成と、また、サプライチェーンの強靱化、これはセットで行っていくことが非常に重要だと思います。 その中で、熊本と大分を結ぶ中九州横断道路、TSMCは正に沿線の5分ぐらいのところに立地することになります。現在、急ピッチで工場建設が行われており、熊本県は周辺道路の渋滞を予想し、そのための道路整備計画にも取り組んでおられるということです。 中九州横断道路はシリコンアイランド九州の重要な横軸であり、今後、半導体関連企業等の進出も期待され、人材育成、用水調査などと並行し、中九州横断道路沿線における工業団地の造成も視野に議論を進めていくべきだと考えますが、見解を伺います。
○御手洗吉生議長
利光商工観光労働部長。
◎
利光秀方商工観光労働部長 中九州横断道路の整備は、半導体関連を始め、県内に投資を呼び込む好機と捉えています。道路周辺の既存の用地に加え、例えば、廃校であったり、工場跡地であったり、そのような土地の利活用も含めた適地の確保などを各市に提案しています。 本年度、県としては補助上限額を引き上げるなど支援を手厚くしたので、正にそういった制度も活用していただきながら、市町村と共に用地のさらなる確保や整備に努めます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 関連企業誘致にあたり、県の力も借りながら市町村と一体となってやることが必要であり、スピード感も必要だと思います。 昨日から台湾で半導体分野の国際展示会が行われており、今朝のテレビにも出ましたが、熊本県は熊本県のブースをきちんと持って対応しているという話もありました。こういった積極的な取組をぜひ大分県も今後も続けていただければと思っているので、よろしくお願いします。 時間がないので次に移ります。 土木技術者の確保と育成について伺います。 土木技術とは自然環境や社会環境を開発、整備するために必要とされる全ての技術であり、いにしえより受け継がれ、我が国の発展を支えてきました。頻発する災害や国土強靱化に対応するために非常に重要な技術です。 しかしながら近年、土木技術者不足が深刻となっています。自治体においても、一部は通年採用が行われていますが、応募者が少ないということです。また、測量設計コンサルタントや土木建設事業者においても、土木技術者の高齢化や新規の技術者が採用できていないことで、施工管理が限られた技術者に集中し、オーバーワークになってしまうなど、事態は深刻です。 これらのことは、これまでの議会においても多くの議論が行われてきましたが、土木技術人材の不足の状況について、本県としてどのように課題を認識し、その対策を講じようとしているのか、
土木建築部長の見解を伺います。
○御手洗吉生議長 島津
土木建築部長。
◎島津惠造
土木建築部長 産学官で構成するおおいた建設人材共育ネットワークが令和3年度に実施したアンケートでは、事業者の約9割が技術者不足と回答しています。少子高齢化が進展する中、建設産業に求められる役割を果たしていくためには、生産性向上を図りつつ人材確保に取り組んでいく必要があると考えています。 人材確保には、給与、休暇、希望の新たな3Kの実現が重要です。このため、県では設計労務単価の引上げや週休2日工事の普及を始め、ICT機器の導入、女性が活躍する場の拡大等に取り組んでおり、業界が進める就労環境改善を支援しています。 この変わりつつある建設産業の実態とその魅力を、体験講座やSNS、動画配信等により、若者を中心に県内外へ強く訴えています。 こうした中、来年4月、大分大学理工学部に土木の専門科目を履修するコースが設置されることとなりました。県内の土木技術者確保につながることを期待しており、人材育成に向け、大分大学との連携を深めていきます。 今後も産学官一体となって、土木技術者の確保にしっかりと取り組んでいきます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 新たに大分大学でのコースの設置というのは非常に明るいニュースだと考えています。 再質問ですが、現在、県庁において、一般土木と農業土木の技術者がこれまでもいらっしゃるんですが、今は総合土木という状況ですが、現在の充足状況と今後の採用方針について、総務部長、教えてください。
○御手洗吉生議長 若林総務部長。
◎若林拓総務部長 過去3か年にわたる充足状況ですが、4月1日時点で見ると、令和2年度は一般土木、農業土木とも欠員はありませんでした。令和3年度は一般土木で3人の欠員、農業土木では欠員はありませんでした。令和4年度で申すと、一般土木で1人、農業土木で2人の欠員という状況になっています。 対応ですが、やはり人材確保を進めていくことが必要かと考えています。受験者を確保していくという観点から、大学、又は高校でのリクルート活動のほか、採用試験の日程の前倒しや社会人採用試験の導入にも取り組んでいます。 引き続き公務員として働くことの魅力発信など、リクルートに努めていきます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 県庁においても、また、いろんな業態においても、技術者不足が深刻だということなので、次の項目で高校における土木教育について伺います。 県内において土木系学校を設置している高校は、中津東、大分工業、鶴崎工業、日田林高及び国東高校で、土木系コースを設置しているのが佐伯豊南高校となっています。また、三重総合高校においては2年生から総合選択制科目の測量を履修でき、普通科、メディア科学科、生物環境科、それぞれから希望する生徒が、1学年当たり10人程度が学んでいます。 国東高校においては環境土木科が設置されて3年が経過し、来春に1期生が卒業となります。先日、木付議員と高校へ行き、状況を伺いました。学科設置以来、自治体や業界から注目されています。 環境土木科の進学や就職について伺ったところ、15人の3年生に対して、9月1日時点で求人が150社以上から来ているということでした。内訳を見ると、ゼネコンなどの建設系、測量コンサル系などです。また、3年間学んだ技術を生かすことのできる国家公務員、地方公務員、測量専門学校を目指し受験に備えている生徒もいるとのことです。 残念ながら、国東高校の3学年とも定員を満たしている状況ではありませんし、これは学科としての実績、立地や認知度などいくつかの要因があるかと思います。ただし、社会的な要請が大きいことは明らかです。 社会的ニーズが高く、地域で必要とされ、活躍する土木人材の育成に、教育委員会として積極的に取り組んでいくべきだと考えます。アンケート調査等でニーズ把握等もしていると聞いていますが、土木技術者の育成について教育長の見解を伺います。
○御手洗吉生議長 岡本教育長。
◎岡本天津男教育長 土木系人材の育成については、業界の人材不足や災害対策の観点からも必要性は十分認識しています。そのためにも、まずは県内に設置している土木系学科、コースの定員確保が重要な課題だと受け止めています。 現在、それぞれの土木系学科、コースにおいては、中学生の体験入学はもとより、中学校の教員を対象とした進路説明会を開催するなど情報発信に努めていますが、広報活動をさらに充実させて、より一層の理解促進に努める必要があると考えています。 各高校では、県内企業の協力の下、ドローン操作を体験するなど専門性を高めるとともに、県内建設業に対する理解促進に努めています。 しかしながら、昨年度建設業への就職が内定した69人のうち、県内就職者は44人にとどまっています。そのため、今後は関係機関との連携をさらに強めて、県内企業、県内就職に対する理解をより一層深める取組を行っていきます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 特に県南地区において要望が強いのが、三重総合高校にぜひコースを設置してほしい、これは川野文敏豊後大野市長を中心に、教育長のところにも先日伺って、10人でもいいから土木系コースを設置していただけないだろうかとお願いしたところです。 さきほど話したように、2年生、3年生、今18人が測量科目を選択しているし、専門の先生による授業が行われていると聞いています。総合選択制の三重総合高校なので、その仕組みをいかして、すぐにコース設置が難しいのであれば、学びを深めるため、例えば、オンライン授業を活用するとか、大分工業から実習の先生を招聘して指導を受けるとか、そういった生徒の学びをサポートする仕組みができないのか、それについて伺います。
○御手洗吉生議長 執行部に申します。再質問に対しての答弁は簡潔にしてください。岡本教育長。
◎岡本天津男教育長 測量の授業を選択している生徒の希望や学校の考えを聞きながら、御提案があったICT等を活用した専門性向上、あるいは資格取得の支援などについて検討します。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 ありがとうございました。特にこの人材育成については、建設業界とか土地改良事業団体連合会が毎年知事を始め、皆さんに要望しています。また前向きに捉えていただいて、仕組みづくりをお願いします。 それでは、次の質問に移ります。 豊後大野市における道路整備について伺います。 豊後大野市における道路整備に関しては、以前からいろんな場面でお願いしています。現在、三重新殿線バイパスを始めとする道路改良事業を着々と進めていただいています。しかしながら、管内の整備率はいまだ70%に届いておらず、県平均を大きく下回っています。 その中で今回は、最も重要な路線である三重新殿線バイパス整備における課題について伺います。さきほどの農業の裏面に資料を示しています。 大野川を渡河する橋梁の橋脚工事など、未開通区間である牟礼前田工区の供用に向け着々と工事が進んでいます。全線開通のめどが立ってきたところで、今後、大きな課題であるのが三重の商業集積地の国道326号赤嶺地区における接続の改善です。秋葉内田工区の整備が進んだことで、内山観音付近の--これは宇目側から来たところですが、交差点からスムーズに三重新殿線バイパスに入れるようになり、交通量も増加してきました。しかしながら、赤嶺高架橋南交差点が立体交差になっていないことと、複雑な形状により、今も県民の皆様からたくさんの抜本的対策に関する御意見をいただいています。 全線供用に向け、以前から懸案である赤嶺高架橋南交差点の立体交差整備なしにはスムーズな交通体系が確保されると言えないと考えています。事業の進捗を含め、
土木建築部長の見解を伺います。
○御手洗吉生議長 島津
土木建築部長。
◎島津惠造
土木建築部長 全長約10キロメートルの三重新殿線バイパスは、市中心部と中九州横断道路千歳インターチェンジのアクセス改善を目的として整備を進めており、これまで約7キロメートルが開通しています。 残る牟礼前田工区約3キロメートルは、三重町側から順次整備を進め、昨年度から大野川を渡河する延長226メートルの橋梁の下部工に着手し、来年度には上部工の発注を予定しています。まずは、この牟礼前田工区の整備に全力で取り組み、全区間の早期供用を図っていきます。 議員御指摘の赤嶺高架橋南交差点付近の約600メートルは、立体交差として計画していますが、立体化には新たに三つの橋梁が必要となるなど多額の事業費を要するため、全区間の開通を優先し、暫定系で供用しています。 本年3月の秋葉内田工区の供用に伴い、当該交差点の交通量が増加傾向にあるため、利用者の声を伺いながら、より円滑な通行確保に向けて即効性のある対策を検討します。 立体化については、今後の交通状況を見定めながら、事業化に必要な整備効果の検証を進めていきます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 ありがとうございます。この高架橋南交差点ですが、信号も長いし、カラー舗装もされていますが、例えば、下りてきて右折する方とかがどこに行っていいか分からなくて危なかったという話も聞いています。抜本的な対策としては立体交差整備が必要だと思います。 この交差点は部長も行かれたと思いますが、課題があると思います。再度そのことについて伺います。
○御手洗吉生議長 島津
土木建築部長。
◎島津惠造
土木建築部長 当該交差点については、平成25年8月に供用しています。その後、平成28年に、今、議員から御指摘があったカラー舗装とかポストコーン、あるいは右折レーンを新たに設置して安全対策を講じています。 今回、新たな工区の開通により交通量がまた増加しているので、まずは利用者への聞き取りや現地調査を改めて行った上で、交差点付近の現時点における問題点を改めて検証していきます。それを踏まえ、例えば、路面標示の追加や道路標識の改善など、必要な対策を講じていきます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 ありがとうございました。ぜひとも改善できるように前向きに検討をお願いします。 それでは、最後の質問に移ります。 ネットワーク・コミュニティ維持に向けた取組について伺います。 県はこれまでネットワーク・コミュニティを地域政策の柱として推進しており、県内各地域で地域振興協議会を設立され、小学校区や中学校区の単位で自治会連携のネットワークの構築により、住み慣れた地域で暮らし、ネットワークの中でお互いが助け合える仕組みづくりが行われています。 一方で、高齢化する地域の状況には歯止めがかからず、ネットワーク・コミュニティの維持が難しくなっている地域の話も聞いています。それぞれにおける共通した課題は、子どもや若い世代がその地域に暮らしていないということです。地域の拠点施設の整備、改修や伝統文化の継承などの事業メニューを活用することで、地域活力の維持に一定の効果はあると思います。しかしながら、次の世代につなぐ施策についてはどうでしょうか。空き家活用などは移住政策としては一定の効果があると考えますが、地域にルーツのある若い世代が、地域に暮らしたい、定住したいというときに、そのニーズに対応できているのでしょうか。 例えば、近年、同居を望まない若い世代が増加している中で、しかしながら、自分が生まれた中学校区に住み続けたいので、一定期間市営住宅などで暮らすが、その後、家賃を払うくらいであれば、自分の家を建てたいというニーズがあります。 しかし、農村地域には宅地がなく、農地から転用手続を取らなければならないことや、上水、下水の整備などハードルが様々あり、結局、市街地の宅地に建設する方が多いということです。地域に定住したいというニーズに社会として、政策として応えられていない実態があるのではないでしょうか。 地域で生まれ、地域に住みたいという思いを実現することのできる定住政策は、いわゆる近居と言われる、近過ぎず遠からずの住宅政策が効果的であるし、そのための宅地造成など市街地でない地域の過疎対策として必要であると考えます。 こうしたことを踏まえ、子どもや若い世代の近居の促進を含め、ネットワーク・コミュニティの維持に向け、今後どのように取り組んでいくのか、
企画振興部長の見解を伺います。
○御手洗吉生議長 大塚
企画振興部長。
◎大塚浩
企画振興部長 ネットワーク・コミュニティは、住み慣れた地域に住み続けたいという住民の思いをかなえるため、小規模集落を対象に、一つの集落の機能を複数の集落で補い合う取組です。 県では、地域活動の拠点整備や集落支援の専門家派遣などにより、組織の立ち上げや運営を支援しており、高齢者サロンや有償ボランティアの家事支援など、ネットワーク・コミュニティに取り組む集落が県内各地に広がっています。 集落維持のためには、ネットワーク・コミュニティの取組とあわせ、地域の担い手の定住も大切です。このため県では、子育て世帯の家屋改修支援などにより、三世代同居や近居のニーズに応えています。 また、今年度から空き家バンクの充実など、空き家対策を強化しています。昨年度の空き家バンクの実績では、473件の成約のうち、6割が県民の利用となっています。空き家の有効活用も図りながら、地域の担い手の定住をサポートしていきます。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 ありがとうございました。定住政策ということでテーマを捉えたんですが、先日、土木建築部から資料をいただき、各市町村の住宅着工件数のデータを見て、年ごとの住宅着工戸数について私も分析してみました。 人口に対してどれだけの住宅着工戸数があるのかや、各市においてどれぐらいの新規の住宅が建設されているのかを調べていくと、まだ全ては分析できていないんですが、それぞれの市町村の人口動態との関連が見えてくるようになりました。そういった意味で、新規の住宅着工については各市とも確実にあるんですが、私はそれがどこに建てられているかが課題ではないかなと思います。 それまで市営住宅とかで、割と便利な水回りや、トイレ、バスなどが備わったところに住んでいた方が、今言われたように、空き家を改修してということになると、またそこで十分な環境が整わないという場合もあるんではないかと考えています。 そういった意味で、ネットワーク・コミュニティのこれまでの取組に合わせて、やはりソフト事業だけでなくて、しっかりとしたそういった担い手を定住させる仕組みづくり、それはやはり宅地造成等を積極的に市町村等と働きかけていくことが周辺部ほど大切だと私は考えているのですが、その点について見解を伺います。
○御手洗吉生議長 大塚
企画振興部長。
◎大塚浩
企画振興部長 宅地造成については、費用対効果とか、特定個人の財産形成に対する公平、公正性など、いろんな課題があると思っています。それぞれの市町村で住宅政策等を考える中で、県として応援できるものがあれば当然応援する。基本的にはそういう考え方ではないかと思っています。
○御手洗吉生議長 森誠一君。
◆森誠一議員 最後に、ネットワーク・コミュニティの事業に取り組んでいる集落では、やはり高齢化が進んで先細りの状況になっているところが多い。今年3月に策定されている地域コミュニティ組織に係る施策ガイドブックを拝見したのですが、どこも悩みは次の支援員がいないこと。高齢化が進んでいることが多くのネットワーク・コミュニティでの課題となっているようです。ここにやはり抜本的な対策を打つ必要があるのではないか、私はそれが住宅政策ではないかと考えているので、また今後も議論していきます。(拍手)
○御手洗吉生議長 以上で森誠一君の質問及び答弁は終わりました。末宗秀雄君。 〔末宗議員登壇〕(拍手)
◆末宗秀雄議員 皆さんこんにちは。昼の食事もした後で、だいぶ眠たい気持ちも分かるので、ごゆっくり休む人は休んでください。また、傍聴に来ていただき、手を振ってくれてありがとうございます。しっかり頑張ります。 今年は何といっても、世界が
新型コロナウイルスでパンデミックの真っただ中、2月24日にロシアが突如ウクライナに侵略し、世界が震撼する戦争が勃発しました。プーチン大統領による身勝手な侵略戦争ではありますが、一刻も早く終わらせなければなりません。 歴史の中で、ナポレオンは英雄、プーチンは大極悪人という違いについて、いろいろ考えさせられるところがあります。また、「虎は死して皮をとどめ人は死して名を残す」という日本のことわざがあります。正にウクライナの今現在の実情、また、行動がそれを表しており、ウクライナ国民に対して心から尊敬する次第です。 さて、国内では9月27日、安倍元総理の国葬ということで、今、世論が二分されている状況ではありますが、ちょうどそれと一緒になって、エリザベス女王の国葬、夕べから今朝見ていると非常に厳粛に行われて、また、国家が本当に国葬に向けて、一体感というのがおうかがいできます。そして、日本の天皇もエリザベス女王の国葬には出席するわけですが、そこで問題なのは、イギリスの国葬には天皇陛下が行って、日本の国葬には天皇陛下は出席しないのではないかと今言われています。それから見たら、そういう国葬は必要ないのではないかと私は思っています。 国葬というのは、日本では天皇陛下、そして、天皇を務めた上皇たちがおられますが、その人たちに限っておけばこういう議論も行われず、そういう事件があっても平和裏に進んでいくのではないかと。天皇だけで十分ではないかと日本国民は納得するのではないかと私は思っています。 褒めることが私は余り好きではないので、よくオリンピックのレガシーとか、ラグビーでワールドカップのレガシーとか言われますが、安倍元総理の負のレガシーをよく思い起こします。とにかく忖度政治、要するにうそつき官僚をつくって、うそつき役人が出世する、そういう構図が日本に出来上がりました。正に公務員に対する国民の信頼が大きく失墜しました。これは今後何十年も取り返しのつかない失敗ではなかったかと思っています。特に広瀬知事を私は眺めているので、広瀬知事は高級官僚として通産省の中で務めました。恐らくその頃と今の忖度政治、随分違うのではないかと、そういう感想を持って前段とします。 これから質問に入ります。 まず第1に、人口減少対策についてですが、急速な少子高齢化と人口減少の進行は、社会保障制度や活動、社会生活などに大きな影響を及ぼすことから、国・地方にとっても地方創生が大きな課題となっています。 大分県人口ビジョンでは、このまま何もしなければ2100年には45万8千人と、人口減少がさらに進行するものと推計しています。一方で、県民の結婚、妊娠・出産、子育ての希望の実現など自然増を図り、あわせて若者の流入、定着など社会増を促進することで、2100年でも90万から100万人程度の人口を維持できるとされています。そのため、自然増、社会増の取組により人口減少に歯止めをかけていくことが重要です。 こうした中、6月1日時点の人口推計見通しによれば、令和4年10月1日の人口は110万6千人で、前年に比べ7,749人減少すると推計されています。内訳として、自然減が8,106人、社会増が357人とのことですが、目標を下回り、依然として人口減少状態が続いています。 もともと昭和30年代後半からの高度経済成長に伴い、若者を中心に農山漁村などの地方の人口が都市部へ流出した結果、地方では過度の人口減少により地域社会の基礎的な生活条件の確保にも支障を来すなど、いわゆる過疎問題が生じていました。これに昨今の急速な少子高齢化が追い打ちをかけ、人口減少に歯止めがかかっていません。 本県では、住み慣れた地域で元気に暮らせるよう、そして、地方に人をつくり人を育て、仕事をつくり仕事を呼び、人と仕事の好循環で地域を活性化しようと様々な施策を推進してきましたが、特に過疎化が進む地方部においては、なかなか人口増に向けては効果が出ていないように感じます。 そのような中、令和2年国勢調査では豊後高田市、中津市、別府市、日出町の4市町が転入超過となっており、特に豊後高田市と中津市は20代以降の年齢区分で転入超過が多くなっています。両市とも企業誘致に成功していることに加え、豊後高田市では子育て支援策や移住政策が充実していることがその要因ではないかと聞いています。このように思い切った施策を打ち出すことが人口減少の歯止めへとつながっていくのではないでしょうか。 折しもコロナ禍により私たちの社会生活に大きな影響を与え、価値観の変化により地方回帰の傾向も強まってきています。こうした流れもしっかりと捉えていくことが大切です。 そこで伺います。過疎化が進む地方部にも波及するよう、思い切った人口増に向けた施策を展開していく必要があると考えますが、知事の考えをお聞きします。 〔末宗議員、対面演壇横の待機席へ移動〕
○御手洗吉生議長 ただいまの末宗秀雄君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。 〔
広瀬知事登壇〕
◎
広瀬勝貞知事 末宗秀雄議員から御質問いただきました。初めに前段の独白がありました。謹んで承りました。 御質問は、人口減少対策についてでした。 県では、急速に進む人口減少に正面から向き合って、自然増、社会増の両面から全力で対策を講じてきました。 自然増対策では、出会いから結婚、妊娠・出産、子育てに至るまで、切れ目のない支援が大切です。出会い応援では、サポートセンターの開設以来、125組のカップルが誕生しています。国に先んじて開始した不妊治療助成は、保険適用外の先進医療に対し助成するなど、さらなる充実を図っています。加えて、保育料の減免や子育てほっとクーポンの配布など県独自の対策を次々と打ち出し、子育て世帯の負担軽減に努めてきたところです。 健康寿命の延伸も重要です。全国一の参加率を誇る高齢者の通いの場や、2千を超える健康経営事業所での健康づくりが功を奏し、全国順位は男性1位、女性4位に躍進しました。 社会増対策では、特に県内各地での魅力ある仕事づくりや移住促進が重要です。地域の隅々まで仕事を生み出す農林水産業は、主要園芸品目への重点支援等により成長産業化を図るとともに、担い手確保の取組を強化し、昨年度の新規就業者は県外からも含め、過去最多の469人となりました。 地域経済を支える商工業では、中小・小規模事業者の生産性向上やDXを支援するとともに、企業の国内回帰の流れを捉え、昨年度は過去最多の企業誘致が実現しました。さらに、ドローンやアバターなど先端技術を活用した新産業の創出や、成長著しい宇宙産業にも果敢に挑戦しています。 移住施策も好調です。コロナ禍での地方回帰の流れを追い風とし、転職なき移住や移住希望者へのIT技術の取得支援等を進めた結果、昨年度の移住者数は過去最多の1,416人となりました。 こうした取組の成果とあわせ、水際対策の緩和による外国人材の流入等によって、本年10月の社会動態は、平成19年以来15年ぶりに転入超過となる見込みです。 社会動態の成果が見えてきた一方で、自然動態はコロナ禍での婚姻数減少等により本年の出生数は過去最低を更新する見込みとなるなど、苦戦が続いています。もとより、人口ビジョンでは息の長い取組を通じた自然増を目指しているところであり、引き続き粘り強く取り組んでいきます。 平成27年に設置したまち・ひと・しごと創生本部会議では、市町村長と知恵を出し合いながら多くの議論を重ね、人口減少対策を進めてきました。これからも市町村と連携しながら、実績に新たな施策を積み上げ、難局を打破し、人口減少に少しでも歯止めをかけていきます。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。
◆末宗秀雄議員 人口減少に少しでも歯止めということですが、私が思うに150年以上前か、明治維新以降、日本が富国強兵、殖産興業、それによって地方の次男以降、人口を都会の工場にとにかく集めて、そして、地方の人口で日本の国を興していくという興業、また、軍事も含めてですが、そういう時間が150年以上続いてきました。150年も経ったのだから、とにかく少しずつの努力ではなくて、根本的に日本の計画として改革しないと、地方の過疎化と人口減少、正に風前のともしびという感じがします。それを大分県、そしてまた、知事は九州知事会の会長でもあるので、日本という国に強く働きかけていただきたいという思いです。 そして、その方法としては、今まで人口減少はソフト事業が多い。大分県でいえば企画振興部を中心にして、何というか、ソフト事業ですね。それを今から直接人口を増やすには、家とか、地区や地域にハード対策として持っていかないと、その転換が非常に難しいのではないかと思います。例えば、農村だったら土地は山ほど空いている。その空いている土地に住宅団地をいっぱい造って、そして、土地はただでやるから、その代わり家だけは自分で建ててくれとか、何か思い切ったやり方をしないと、過疎化と人口減少が二つ重なっているから対応できないのではないかという気がしています。そこらあたりで答弁をよろしくお願いします。
○御手洗吉生議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 今、2点御提案があったと思います。 一つは、人口集中から今度は思い切った人口分散を図ったらどうだということですが、思い返してみると、日本の人口が1億人を超えたのは、人口が都市に集中して高度成長をなし遂げたあの頃だったと思います。そういう意味から言うと、むしろ人を地方に分散させた方が人口増につながるんだということが言えるかどうかと。人はみんな集中したいんだが、それをいろんなことで無理して分散させることが人口増につながることなのかどうかは、もうちょっと検証しないとというところがあります。人口増という観点からだけだと、そういうところを検証しなければならない。 それからもう一つは、地方が非常に疲弊しているから、地方にもっと人が住みつくように、ハードだけではなくてソフトも含めて思い切った対策をやる。これは大変に私も魅力的な施策だなと思いますが、こっちも今、農業をやるならば、水産業をやるならば、あるいは地方で工場を造るならば相当な応援をしますよというやり方でだいぶ力を入れているつもりです。今、都会に工場を造ることは、相当、土地にもお金がかかるし、税金もかかるということで、分散をやろうという動きがあるわけです。それはハードもソフトも含めてです。国を挙げてやっていますが、だからといって地方にみんなが喜んで来る兆しがあるかというと、これはなかなかなくて、むしろ今度、コロナで東京、大阪には危なくて住めないから、あんなところは人の住むところではないというので、地方に戻ってくることが多くなってきているのかなという気もします。 そういう意味では、議員御提案の一極集中から地方への分散、それから、ソフトを含めて政策を打ち出すこと、どちらもそれが本当に効果があるのかどうかについては、もうちょっと検証してみないと分からないところがあるのではないかなという気がします。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。
◆末宗秀雄議員 知事が言うのもよく分かります。第一、日本の適正人口がいくらか分からないんだから、本当に日本がどのくらいを目指していくのか、目標も立てていないし、ただひたすら人口減少を少なくしようというだけの目標で今やっていますから、そこらあたりの検証もなかなか難しいなとは思います。とにかく頑張る以外ないので、よろしくお願いします。 それでは次に、コロナの関係ですが、
新型コロナウイルス感染症においては、やっと最近、山を越えたように見受けられます。その中で、オミクロン株BA.2系統からBA.5系統等の新たな変異株への置き換わりの影響等により、多くの地域で過去最多の新規感染者数を記録するなど、全国的に急速に感染拡大しています。このままでは社会全体が停止状態に陥ってしまうことから、さらなる感染拡大を防止しながら、社会経済活動との両立を図っていくとともに、今後も新たな感染症が発生することを想定した社会づくりを着実に進めていくことが重要です。 こうした中、国では、BA.5系統への置き換わりを見据えた感染拡大への具体的な対応として、
ワクチン接種のさらなる促進、メリハリのある感染対策、保健
医療提供体制の確保に取り組むとともに、
新型コロナウイルスと併存しつつ、平時への移行を慎重に進めていくとしています。また、今月には内閣感染症危機管理統括庁の設置など、次の感染症危機に備えるための対応の具体策が決定し、今後、法律案が国会に提出される予定になっています。 私はかねてから、今回の感染症を2類相当としているのがネックとなっているのではないかと思っています。 感染症法は感染症を1から5類、指定感染症、新感染症などに分類し、講ずるべき措置を細かく定めています。新型コロナは新型インフルエンザ等感染症の分類で、2類相当の扱いとされており、結核やジフテリアと同等で3類のコレラより重い、2番目に厳重な対処が求められています。 2類相当では、診療などにかかる費用が全額公費負担となる一方で、診察を許される医療機関が限られ、
医療提供体制逼迫の一因になっているとされています。人の命を救うことは医者の本分であって、全ての医療機関で本来診療を行うべきです。 季節性のインフルエンザは5類の位置付けとなり、一般外来で受診できるほか、流行の状況は定点観測から推計され、全数報告の義務はありません。コロナへの対応を一般の医療に少しずつ近づけ、医療現場の負担を軽減していく必要があると考えます。 ただし、分類の見直しには問題もあります。仮に季節性インフルエンザと同じ扱いとなれば、外来窓口での3割負担が発生します。まだ治療薬が十分でない中で公費負担にならなくなってしまうと混乱が生じてしまいますから、無償にすべきと考えます。また、検査体制や保健所機能など整理すべき課題は多いと思われます。 もちろん国が決めるべきことですが、保健所の逼迫など現場の実情が分かっているからこそ、国に対して声を上げていくべきと考えます。こうしたことを踏まえ、コロナ対応の平時への移行について知事の見解を伺います。
○御手洗吉生議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 政府もだいぶ末宗議員の考えと近くなってきたのではないかなと思います。 2年半にも及ぶ
新型コロナウイルスにより、本県の社会経済は相当に傷んでいます。社会経済活動の停滞が今後も長引くことになると、家計の厳しさも増し、また、本県経済の大宗を占める中小企業・小規模事業者の経営は耐えきれなくなるものと心配されます。感染対策に万全を期すことはもちろんですが、社会経済の再活性化も喫緊の課題です。 感染力が非常に強いBA.5による第7波の感染者は僅か2か月半で10万人を超えていますが、
ワクチン接種の進展もあって、重症者は20人余りにすぎず、重症化リスクは大きく低下しています。 さらに、これまでの経験により、コロナに対する感染防止策や感染後の療養等について、多くの知見が蓄積されてきました。また、新たなワクチンや治療薬の開発、実用化が進むなど、コロナへの対応力は格段に高まっています。そうしたこともあり、海外では感染対策の緩和が主流となっています。我が国もそろそろ感染対策と社会経済の再活性化の両立に向けた具体的な行動に踏み出すべきではないかと考えます。そのための感染症法上の見直しを含めた出口戦略の提示については、かねてより九州地方知事会としても国に対して要望してきたところです。 また、全国知事会でも必要十分な診療、検査体制の構築や、医療、予防接種に係る公費負担の在り方の検討を含め、感染症法上の取扱いの見直しに向けたロードマップを早急に示すように要望しています。 そうした中、先週、海外からの入国制限の緩和や陽性者の療養期間の短縮などとあわせて、全国一律での全数届出の見直しが決定されました。これらは、オミクロン株の特性を踏まえた平時への移行に向けたステップと考えますが、届出対象外となる方のフォロー体制の確保や医療費の公費負担の継続など、全ての感染者が安心して療養できる環境整備が不可欠です。そこのところがまだ不明確というところもあります。 こうした観点に立って、医療関係者の意見も伺いながら、平時への移行に向けた検討を進めたいと考えています。国から提示された基本的な内容を基にして、我々の心配、さきほど言ったように負担の問題や届出の問題について、どうやってフォローできるかということも手直ししながら考えていきたいということです。 コロナとの共生に向けては、今後も様々な課題を解決していく必要があります。そのためには、国に対して主張すべきは主張しながら、地方がそれぞれの地域の実情に応じて責任を持って対応していくことが重要だと思っています。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。
◆末宗秀雄議員 知事の今の答弁で、国に対して主張すべきは主張すると。主張をこの前、全国知事会でやったが、厚生労働省が一枚上手で、何か問題をすり替えて、保健所の職員が忙しいのに全数把握だけに絞って、2類と5類の話はしなかった。しっかり主張すべきは主張していただきたいのでよろしくお願いします。 それともう一点、大分県は何年前だったか覚えていませんが、保健所を随分廃止しました。それで今回のようなパンデミックになって、保健所を廃止したのがどういう影響を与えているのか、ちょっと見解をお聞きします。
○御手洗吉生議長
山田福祉保健部長。
◎
山田雅文福祉保健部長 平成20年に保健所の体制の見直しを行いました。そのときは地域医療圏の見直しを行って、それに合わせた形で保健所の体制を再編成したということです。 それまで12だったと思いますが、保健所があったものを、県が6、大分市保健所と合わせて7という形だったと思いますが、そのときは逆に集約化することで専門性の高い職員がそれぞれの保健所に複数確保できて、個々の保健所の体制としては強化されました。そのとき保健師の数自体は大きく減っていなくて、管理部門とか管理職の職員数を削減したということです。 それによって感染症に対する対応が脆弱になったということではなくて、逆にそれぞれの保健所の体制が強化されたことによって有効な手が打てる体制ができたと私どもは考えています。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。
◆末宗秀雄議員 答弁はよく分からなかったのだが、まあいいや、次に行こう。 農政に行きます。国営かんがい排水事業について。 私の地元である宇佐市においては、国営かんがい排水事業により築造された日出生ダムや日指ダムを源に県営事業等により整備された水路が張り巡らされ、水稲を中心とした農業が展開されてきています。 こうした中、昨年11月26日、宇佐市を流れる二つの水路、広瀬井路と平田井路が歴史的に価値のある施設として世界かんがい施設遺産に県内で初めて登録認定されました。南一郎平ら先人たちが力を注いできたかんがい事業や農業水利施設の大切さが世界でも認められたことであり、大変喜ばしいことです。地元では早速、地域振興に向けた組織を設立し、朝ドラの誘致を始め、登録を生かした地域の活性化に取り組んでいます。登録に御尽力された方々にこの場を借りて敬意を表します。 農業の構造改革には、その基礎となる生産基盤がしっかりと整備されていることが重要ですが、宇佐平野の水路は整備からかなりの年月が経過しており、老朽化の進行に伴い、維持管理に多大な労力が費やされているとともに、機能低下による用水の安定供給が不安視されています。 このような中、ダムや幹線水路等の基幹的農業水利施設について再整備を検討するため、国による国営かんがい排水事業の地区調査が進められていると聞いています。現在、国の調査が具体的にどのように進んでいるか、そして、今後の展望について
農林水産部長に伺います。
○御手洗吉生議長 佐藤
農林水産部長。
◎佐藤章
農林水産部長 駅館川地域は、昭和33年の大干ばつを契機に総合開発事業に着手し、ダムなど基幹的農業水利施設や農地の大規模整備を行い、県下最大の農業地域を形成してきました。農業施設は整備から40年以上が経過し、老朽化が進行しており、将来を見据えた農業水利システムの再構築に向け、県からの要望を踏まえ、令和元年度より国が地区調査に取り組んでいます。 現在、県や市を中心に作成を進めている営農計画を基に、今後、国が水利用計画や水利施設整備計画の作成及び概算事業費、事業効果の算定を行い、令和5年度をめどに取りまとめられる予定です。 営農計画では、日本有数の園芸団地育成や大規模経営体による徹底した圃場の汎用化を行い、麦、大豆を本作化することで、大型食品企業と連携した産地を創出することなどといったことを盛り込む予定です。 地区調査が次の段階に進むには、営農計画の実現に向けた調査の取りまとめが重要です。担い手の多様な水需要に対応した農業水利システムとなるように、国や市、地元としっかり協議、調整を行っていきます。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。
◆末宗秀雄議員 どうもありがとうございます。国、県、市を挙げて、その計画を実現していただきたいと思います。 ちょっと1点、令和5年に計画ができるという話だが、何年ぐらいの計画でやる予定なのか。それと、地元負担はいくらで検討しているのか。その2点を伺います。
○御手洗吉生議長 佐藤
農林水産部長。
◎佐藤章
農林水産部長 何年ぐらいの整備かというのは、今、営農計画をつくっていますが、その営農計画を基にして、どれだけの整備が必要なのかということで事業の規模が決まってくると思います。その事業の規模が決まらないと、なかなかどのくらいという年限は今の段階では言えないと思います。ただ、どちらにしても、せっかく大きな農地が広がっているところなので、ここにはきちんとしたもうかる施設として整備が行われるような形を整えていきます。 それから、地元負担については、国の集積を行うことによって、集積率に応じて地元負担の軽減という措置があります。促進事業ですが、これについてもしっかりと今後協議していく中で、国とも協議していきます。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。
◆末宗秀雄議員 地元負担をなるべく軽減していただきたいと思っています。 次に入ります。 さきの世界かんがい施設遺産のように、国際的な機関等による遺産等の登録制度は広範に及んでいます。世界遺産はその最たるものであり、県内を見ても、ジオパーク、エコパーク等の認定が行われており、多くの地域がこれをいかした地域振興に取り組んでいます。このうち、今回取り上げたいのは世界農業遺産についてです。 世界農業遺産は、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、それに密接に関わって育まれた文化などが相互に関連して一体となった世界的に重要な伝統的農林水産業を営む地域であり、国際連合食糧農業機関、FAOにより認定されます。県内では、平成25年5月に国東半島宇佐地域がクヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環のシステムが評価され、認定に至っています。 県では、農林水産部に世界農業遺産地域の振興を図る組織を置き、各種振興策を取っているのですが、県の事業評価等を見ると、認知度が向上しない等苦戦が続いているようです。その要因を考えると、例えば、世界遺産やジオパークであれば、その見どころがあり、それを目的とした観光が成り立ちますが、農業システムが評価された世界農業遺産には分かりやすい見どころが存在せず、観光という面では大変難しい課題があります。 このため、県においても地域の農産物のブランド価値を上げるべく、認定商品制度を設けるなどの取組を進めてはいますが、その効果はどうなのでしょうか。今後もこの農業システムを守り続ける農家の所得向上につながっているのでしょうか。 こうしたことを踏まえ、県として世界農業遺産という世界的ブランド価値を付加し、活用して何を売り出していこうとしているのか、その振興戦略について
農林水産部長の見解をお聞きします。
○御手洗吉生議長 佐藤
農林水産部長。
◎佐藤章
農林水産部長 世界農業遺産では、これまで次世代への継承と地域の元気づくりの二つのビジョンを掲げ、様々な取組を行っています。 議員御指摘のとおり、システムを認証する世界農業遺産は、分かりやすい観光名所には欠けています。その価値を広く伝えるという面では、観光というよりも、むしろ地域産品の魅力を伝えることが有効と考えています。本地域では、正に地域を象徴する産品として、GI制度の登録を受けている七島藺や、システムのコンセプトそのものである乾しいたけなどがあり、その価値を伝える主役となっています。このため、農家所得向上にもつながる取組として、世界農業遺産地域ブランド認証品や応援商品などを活用し、ブランド向上を促進しています。 成果として例えば、七島藺加工品がNHKの全国放送に取り上げられたり、乾しいたけではJR九州が運行するななつ星のコースにしいたけほだ場の散策が組み込まれるなど手応えを得られています。今後もブランド認証品を中心に、特徴を前面に出しながら売り出していきます。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。
◆末宗秀雄議員 部長の答弁を今聞いていて、真面目な答弁だが、何か発想力がないなと思う。とにかくそういう発想では、なかなか観光までを含んでの振興は難しいのではないか。 例えば、僕は京都に10回近く行ったことがあるかな。京都で一番見どころといったら、皆さん何が一番印象に残っているかなと思ったら、僕が一番見どころで思ったのは、京都市から50分ぐらい山に登ったところに、川の中で食事をする川床料理というのがある。夏場とか春からね。あれはなかなか、この中は涼しいのでいいなと思いました。山と川だったら大分県も山ほどあるからね、そういう発想が何かないか。京都は寺院が山ほどあるが、僕が一番印象を持ったのはその川床料理だった。とにかくいっとき大分県中を眺めながら、発想を豊かにしていただきたいと要望しておきます。 次に、DX問題。 現在、効率化や利便性等の観点から行政のDXが重要視されており、県でも積極的に取り組んでいると思います。特にこのコロナ禍において、Webサイトでの感染状況確認のほか、特別定額給付金の申請や
ワクチン接種予約など住民が行政と関わる機会が増えたこともあり、オンラインで申請ができるなど、そのメリットを享受された方も多いと思います。 しかし、物事には両面があり、ペーパーレスや人との接触が不要なオンライン申請・予約への期待が高まる一方で、高齢者を中心とした、いわゆる情報弱者への配慮も忘れてはなりません。機器を持たない、あるいは操作方法が分からない方には使い勝手が悪く、かえって不便になってしまいます。 一概にデジタルにすればいいというものではなく、紙を使った方が利便性の高いものはこれまでどおりとするべきです。行政のDXを進めるにあたっては、こうしたいわば光だけでなく、影の部分にも十分配慮して進めるべきと考えます。 こうしたことを踏まえ、行政のDXを進めるにあたり、いわゆる情報弱者に対してどのように支援していくのか、総務部長の見解を伺います。
○御手洗吉生議長 若林総務部長。
◎若林拓総務部長 県では、誰もがデジタル化の恩恵を享受できるよう、また、スマートフォン等に不慣れな方への配慮もしながら、行政のデジタル化を進めています。 行政手続の申請については、当面は紙で申請を希望される場合には、それも当然受付を継続することとしていますが、あわせて、将来デジタル社会が到来することも見据えて、不慣れな方でも電子的な申請を安心して利用してもらえるよう取り組むことが重要と考えています。 具体的には、
ホームページの申請手順の案内をより分かりやすく充実していくほか、今年5月からは電話窓口を設置し、利用者からの問合せにも対応しています。こうした県民から改善意見があった場合には、それを反映し、より使いやすいシステム、仕組みに改良していくことが大事と考えています。 また、高齢者等を対象としたスマホ教室の開催などを実施し、最終的には地域で気軽に電子機器やサービスの利用方法を教え合う体制づくりに結び付けていくことも重要と考えています。国が実施するデジタル活用支援員に加え、県独自の支援員も育成することにより、各市町村における体制づくりに取り組んでいます。 こうした取組を通じて、県民誰もがデジタル技術を活用し、よりよく暮らしていける環境づくりを進めていきます。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。
◆末宗秀雄議員 今の時代の流れみたいな、模範答弁みたいな感じもしたんだが、このDX化、デジタル、今はやりのサイバー攻撃というのがある。例えば、アノニマス、キルネット。キルネットというのは、この前、日本政府に戦争を仕掛けたとか言っているあの集団なんだろうが、恐らく総務部長が今言われたような程度の形では、このサイバー攻撃は防げないのではないかと思う。大分県の能力では、この世界的なサイバーに全然追い付かない。 今、例えば、日本の国がサイバー攻撃から守られているのは何かといったら、ファックスなんですよ。こういうデジタルは、今言ったキルネットとかアノニマスにしたら非常にもろいと言われている。例えば、中国だったら3万人ぐらいサイバーの専門の職員がいて頑張り、日本は540人というから、もう守れないことは自明の理だと思います。守れる形を取ってからこういうDXをやらないと、恐ろしい損害を生じる可能性があると思います。そこらあたりの見解を。
○御手洗吉生議長 若林総務部長。
◎若林拓総務部長 サイバーセキュリティーについてでした。 議員御指摘のとおり、DXの時代において、サイバーセキュリティーへの備えは大変重要と考えています。県でも、セキュリティーについてはポリシーを策定するとともに、何らかシステムのダウン等が生じた場合の復旧についてのICT-BCP等も策定しています。 引き続き、国全体のサイバーセキュリティー対策の強化等も動向を見据えながら、県においても講ずべきサイバーセキュリティー対策についてしっかりと取り組んでいきます。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。
◆末宗秀雄議員 サイバー対策も取り組むのはいいんだが、例えば、半日で復旧したならいいです。まあ1週間経ってもいいです。それが6か月サイバー攻撃でダウンしたとか、結局良くならなかったとか、そういう可能性があるわけです。そこらあたりを本当に制度の中で組織立てて、きちっと頭の中で、例えば、8か月ぐらいダウンするようなときはどう持っていくとかいう対策をあらかじめ講じておかないと、そういうDXだ何だととぼけたことを言ってもだめですよ。 それと、私がこの質問をするとしたら、ある課から提案があって、実は県の職員録とか、あれはペーパーレス化で活用できるものではありません。もともと作って出さなければ、あんなタブレットに入れて持ち歩いていて、一年中使えるわけないです。スマホに入れればまだどのくらいかいいが、そういうこともしなくて、要するに紙が必要なのを紙に頼らないという形で職員録を作ったが、やり直すというから僕は感心しているんだが、そういうペーパーレスが必ずしも万能ではないと思うが、そこらあたりをちょっと含んでお願いします。 次に、旧統一教会との問題……(「回答を」と呼ぶ者あり)はい。
○御手洗吉生議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 DXに関連してセキュリティーの御心配をされていますが、そのとおりだと思います。それから、いろんな国と比べると、DXのセキュリティーについては、日本の国自体、弱いところもあると思います。もちろん、そこを強化する動きもあるし、あわせて地方のDXもセキュリティーを強化しようという動きもありますが、これはいずれにしても、軍拡と同じように競争なのですから、万一のときにどうするか。被害を最小限に食い止め、可及的速やかにシステムを回復する、そういうデータを盗まれることを最小限に食い止める。それから、最大限に早くするということを、言われるように危機管理として考えておく。絶対はないのだから万一のときにはどうするのだということを考えておくことが必要であり、そういう点を今から行政のDX導入にあたっても、民間には行政以上に大きなシステムもあるわけですから、そういうものについてやっておかなければいけないし、我々は行政としてそこのところはきちっと考えていかなければならないと思っています。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。
◆末宗秀雄議員 知事どうもありがとうございます。本当に気合の入った回答が来ました。 それでは最後に、今話題の旧統一教会問題です。 まず、旧統一教会との間に、関連団体への後援も含め、県としての関係性があるかないか、簡潔にお願いします。
○御手洗吉生議長 若林総務部長。
◎若林拓総務部長 こちらで平成29年4月から令和4年7月まで過去5年分を調査しましたが、後援などを行った事実はありませんでした。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。
◆末宗秀雄議員 実は、僕は平松知事のときだったか、広瀬知事になってからか分からないが、日韓トンネルの案内が僕に来たことがある。知事にも恐らく行っていると思うが、知事については、個人的に統一教会の問題について関わりはどんな具合ですか。
○御手洗吉生議長 広瀬知事。
◎
広瀬勝貞知事 ありません。
○御手洗吉生議長 末宗秀雄君。