大分県議会 > 2021-06-23 >
06月23日-04号

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  1. 大分県議会 2021-06-23
    06月23日-04号


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    最終取得日: 2023-06-13
    令和 3年 第2回定例会(6月)     令和3年第2回大分県議会定例会会議録(第4号)令和3年6月23日(水曜日)  -------------------------------議事日程第4号            令和3年6月23日              午前10時開議第1 一般質問及び質疑  -------------------------------本日の会議に付した案件日程第1 一般質問及び質疑  -------------------------------出席議員 43名  議長        御手洗吉生  副議長       三浦正臣            志村 学            井上伸史            吉竹 悟            清田哲也            今吉次郎            阿部長夫            太田正美            後藤慎太郎            衛藤博昭            森 誠一            大友栄二            井上明夫            鴛海 豊            木付親次            古手川正治            嶋 幸一            元吉俊博            麻生栄作            阿部英仁            成迫健児            浦野英樹            高橋 肇            木田 昇            羽野武男            二ノ宮健治            守永信幸            藤田正道            原田孝司            小嶋秀行            馬場 林            尾島保彦            玉田輝義            平岩純子            吉村哲彦            戸高賢史            河野成司            猿渡久子            堤 栄三            荒金信生            末宗秀雄            小川克己欠席議員 なし  -------------------------------出席した県側関係者  知事        広瀬勝貞  副知事       尾野賢治  副知事       黒田秀郎  教育長       岡本天津男  代表監査委員    首藤博文  総務部長      和田雅晴  企画振興部長    大塚 浩  企業局長      浦辺裕二  病院局長      井上敏郎  警察本部長     竹迫宜哉  福祉保健部長    山田雅文  生活環境部長    磯田 健  商工観光労働部長  高濱 航  農林水産部長    佐藤 章  土木建築部長    島津惠造  会計管理者兼会計管理局長            森山成夫  防災局長      梶原文男  観光局長      秋月久美  人事委員会事務局長 法華津敏郎  労働委員会事務局長 稲垣 守  -------------------------------     午前10時 開議 ○御手洗吉生議長 おはようございます。 これより本日の会議を開きます。  -------------------------------御手洗吉生議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第4号により行います。  ------------------------------- △日程第1 一般質問及び質疑 ○御手洗吉生議長 日程第1、第58号議案から第71号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。衛藤博昭君。  〔衛藤議員登壇〕(拍手) ◆衛藤博昭議員 おはようございます。9番、自由民主党の衛藤博昭です。 初めに、このたびの定例会においても貴重な一般質問の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。 議会の諸先輩、同僚諸氏に、そして、中継を御覧いただいている皆様、日頃の活動を支えていただき議会に送り出していただいている支援者の皆様方に厚く感謝、御礼申し上げます。 昨年来、新型コロナウイルスの感染拡大により、医療関係者や経済的に大きな打撃を受けた方々をはじめとした多くの県民の皆様方が大変な御苦労をされています。現時点では第4波の感染拡大は落ち着きを見せていますが、福岡県や宮崎県など九州でもインド株の感染者が散見され始めました。感染拡大が小休止状態の今だからこそ、今後来るであろう第5波にしっかりと備えていく必要があります。 その一方で、ワクチン接種も急ピッチで進んでいます。インド株による第5波を乗り切ることができれば、ワクチン接種の効果が現れる来年には潮目が変わり、人の流れが復活するアフターコロナの世界が見えてくる可能性が高くなってきました。 今年度の福祉保健生活環境委員会に所属しているので、第5波の議論は常任委員会でさせていただき、今回の一般質問では半年後に視界に入ってきたアフターコロナの世界に向けて何を備え、将来にどのように希望をつないでいくかという議論ができればと思います。 それでは初めに、大分空港海上アクセス整備事業をテーマに、ホーバークラフト運航による収支見通しと経済波及効果について伺います。 県は、昨年11月に空港アクセス改善策として、平成21年に廃止したホーバーフェリー事業を令和5年度中を目標に復活させる計画を発表しました。今議会において船舶購入費の一部や参考資料としてお配りした資料1に記載の場所に事業用地の取得費が計上されるなど、計画は着々と進んでいます。 昨年、本計画が発表された際には、突然の発表であったため、大変驚いたと同時に、幾つかの懸念が湧き上がってきたことを思い出します。 まず初めに、我々が懸念したことは事業の継続性です。かつてのホーバーフェリー事業廃止の理由の一つに採算性が挙げられます。事業を再開したものの、運営開始後にやっぱり採算が合わないのでまた廃止するという事態は許されるものではありません。 今般、復活するための計画が示されていますが、事業の詳細な採算性及び継続性については、1度廃止された事業だからこそ事前に徹底的に検証される必要があります。事業運営の結果が出るのは短くても5年から10年以上はかかるので、将来的に負の遺産と決してならないように十分な収支計画を作成しなければなりません。 これまでの収支計画は、ある程度の想定の域を出なかったため、大まかな推計であったと思います。今回の予算で船舶の建造事業者が決定し、装備品の仕様等が定まった時点で速やかに収支を公表すべきではないでしょうか。例えば、運航主体である第一交通産業株式会社とも合意した収支見通しに織り込まれている部品費と実際にサプライヤーとの間で将来に契約合意をした部品価格との間に乖離が生じるケースも考えられます。このようなケースが生じた場合はどのように対応するのでしょうか。 上下分離方式において部品費を含むメンテナンス経費を運航側が負担するケースでは、場合によっては合意内容に大きなそごを来すことになりかねません。本年3月の第1回定例会の代表質問において古手川議員がホーバー事業について長期的に安定して事業を続けられる仕組みづくりをどのようにするのかとの質問を行いましたが、採算面においては上下分離方式を採用することにより安定的な収支が確保できるようになるとの答弁のみでした。 しかしながら、上下分離方式は事業負担の一つのスキームにすぎません。上下分離方式を取れば、収支が改善されるという解決策ではありません。採算面における事業の継続性については県民の皆様にさらに丁寧に説明を行っていく必要があると思うし、我々県議会も詳細な条件が分からなければ、事業の継続性の審議ができかねます。まずは、現段階の収支の見通しを明らかにしていただければと思います。 一方で、この事業による経済的な波及効果についても検証の必要があります。 今議会の開会に先立ち、知事は県政諸般の報告として、20年間での経済波及効果を約614億円と試算され、県経済の底上げに期待できると公表されました。 ホーバークラフト目当ての観光客の増加も見込まれるかもしれませんが、空港利用者の増加の見込みがあるのかということと、ホーバークラフトアクセスポートが立地する西大分地区の発展がどうなるのかが経済波及効果の肝であると考えます。 現段階でどのような収支見通しを立て、今後の経済波及効果をどのように分析しているのか、知事の御見解を伺います。 続いて、西大分地区の住民との合意形成について伺います。 次に気がかりな点は地域住民との合意形成です。ホーバークラフトの特性上、どうしても運航による音の問題は発生します。アクセスポートの立地について大分市内中心部までのアクセスのよさや、大分駅、西大分駅や別府方面に近いことを理由に西大分地区を選定されたと思いますが、住宅地も近く、多くの住民がいる地域でもあります。騒音に対する不安は根強いのではないでしょうか。これまでも議会答弁において住民説明会の開催を行うとの回答がありましたが、具体的にいつ頃をめどに行う予定でしょうか。 事業実施のためには住民の協力は不可欠です。騒音対策などを含め、どのような形で住民と合意形成を行うつもりなのか、御見解を伺います。 以降は対面席より質問します。  〔衛藤議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○御手洗吉生議長 ただいまの衛藤博昭君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 衛藤博昭議員ホーバークラフトの運航について御質問をいただきました。 まず、私から収支見通しと経済波及効果についてお答えします。 大分空港は本県唯一の空の玄関口であり、地域発展のための重要な交通基盤です。観光振興や企業誘致など本県の地方創生を加速させるためには、課題である空港アクセスを改善し、その活性化を図ることが重要です。 そのため、県ではホーバークラフトによる海上アクセスの導入に向けた取組を進めており、昨年11月にはプロポーザル方式により第一交通産業株式会社を運航事業者として決定し、基本協定を締結しました。 ホーバークラフトの導入にあたっては、議員御指摘のとおり、事業の継続性を確保することが何よりも大事です。このため、運航事業者の選定に際し、事業継続に必要な経営基盤や収支計画における採算性について、経営診断の専門家や高速船の運航事業者等による選定委員会において入念に確認を行いました。 今回の運航スキームでは上下分離方式を採用しており、運航事業者は初期投資を大幅に抑えることが可能となります。また、運航事業者が持つべき人件費や修繕費などの運航経費については、ホーバークラフトを実際に建造している海外の造船事業者からの情報を基に、実態に即したものとしています。 一方、運航事業者から片道1,500円という以前に比べて非常に利用しやすい運賃による事業提案をいただきました。また、ホーバークラフト利用需要調査では、平成30年度の国内線利用者数約187万人を対象として、年間30万人から40万人台を見込んでおり、これであれば十分に収支採算性が確保できるものと考えています。 今後、造船事業者を決定し、船舶の装備品やメンテナンス体制などが決まれば、改めて収支見通しを整理します。 次に、経済波及効果については、20年間で約614億円との調査結果が得られました。これには、国内唯一の速くて楽しいホーバークラフトへの乗船を目的とした、他空港からの利用転換や新たな観光需要の創出も見込んでいます。 加えて、アジア初の水平型宇宙港が始動すれば、大分空港の利用者数とともに、ホーバークラフト利用者数もさらに増えていくものと夢を膨らませています。 なお、ホーバークラフトの発着地となる大分市西大分地区においては、宇宙港大分を象徴する魅力的なターミナルを整備することとしています。ここを新たな交通結節点として、地域住民や観光客が気軽に訪れ、食事や散策等を楽しめるにぎわい空間を創出するなど、周辺地域の活性化も図っていきます。 こうした取組を通じ、空港と宇宙港、そして、ホーバークラフトが一体として長く愛される存在となるよう力強く取組を進めます。 その他の御質問については、担当部長からお答えします。 ○御手洗吉生議長 大塚企画振興部長。 ◎大塚浩企画振興部長 西大分地区の住民との合意形成についてお答えします。 ホーバークラフトの導入にあたっては、地域住民の理解と協力を得ながら取組を進めていくことが何より大切と認識しています。そのため、発着地となる西大分地区においても、心配される発生音やその対策について、シミュレーション結果も踏まえ丁寧な説明を行いたいと考えています。 これまでに西大分の19地区の自治委員や自治会長を個別に訪問し、事業の重要性などについて説明しています。 住民説明会については、新型コロナの感染が県内で急拡大したため、4月末に予定していた開催を延期しましたが、自治委員の皆様などと相談し、感染対策を徹底した上で、7月中の開催を目指します。その後も必要に応じて説明会を開催し、丁寧な説明に努めます。 加えて、地域住民などを対象にターミナル施設のワークショップを開催する予定であり、周辺地域のにぎわい創出やバリアフリーなどに対する意見を施設に反映できるよう、地域と協力しながら取組を進めます。 ○御手洗吉生議長 衛藤博昭君。 ◆衛藤博昭議員 ありがとうございます。今の御答弁について幾つか。 まず、部品費等については海外の造船事業社からの情報を基にということですが、事前に見積り等を事業者から取る分には全く問題ないと思うし、当然取ってしかるべきだと思います。この際に気をつけないといけないのが、見積りの有効期限だと思います。特に海外メーカーはその辺、非常にシビアなので、見積りの有効期限が切れたら、そこからぼんと高いのを出してくるケースは間々あります。実際に見積りを事前にきちんと取得しているのかと、見積有効期限をきちんと確認されているのかを教えていただければと思います。 それと、予定運賃1,500円で第一交通は可能というお話がありました。1,500円になると、今のエアライナーがちょうど1,500円です。その場合に、多分、エアライナーは事業的には相当乗客が減って、かなり大きなダメージを受けると思います。エアライナーが事業を継続できなくなった場合は、代替交通がなくなってしまうという問題が生じます。この辺のエアライナーとの兼ね合いをどのように考えているんでしょうか。 続いて、614億円の経済波及効果、これは多分いろんな細かい中身の積み上げがあると思うんですが、多分三つとか、四つとか、五つとか大項目があって、その積み上げだと思うんですが、それぞれの積み上げの金額の内訳を教えていただけますか。 ○御手洗吉生議長 大塚企画振興部長。 ◎大塚浩企画振興部長 まず、部品を海外から調達することについての見積りです。 議員おっしゃるように、この見積りをしっかり確認しているかについては、もちろんしっかり確認しているんですが、有効期限がいつまであるのかは現時点で詳細を聞いていないので確認します。 二つ目、1,500円の運賃がどうか、今運航している大分交通の事業者への影響をどう考えるのかですが、今1,500円と申し上げたのは、あくまでも事業提案での数字です。やはり私どもも大事と考えているのは、大分空港の利便性を高めることがそもそもの目的なので、それを確保するためには、陸路と海路、このホーバーですね、両方のネットワークが維持されることが大事なのではないかと思います。そうしたことで、運賃設定については、運航事業者の収支が安定すること、そして、利用者にとって利用しやすい価格帯であることが大事になると思います。その辺を踏まえて検討します。 それと、経済波及効果について、それぞれの内訳がどうかということです。 ざっくりと申し上げると、まず、建設に伴う初期投資が約50億円、修繕経費や人件費などのランニング経費が95億円、そして、ホーバーができることは国内唯一ということもあって、これができることによる観光の増加、あるいは他空港からの乗換えなどを新規の波及効果として469億円ということです。 ○御手洗吉生議長 衛藤博昭君。 ◆衛藤博昭議員 ありがとうございました。一番必要なのは見積りの有効期限、これからの確認になるとさきほどおっしゃっていました。これは結構大きくて、ここの乖離が出ると、最初の協定の合意内容などかなり影響が出てくる部分だと思うので、そこはしっかり御確認いただいて慎重にお進めいただければと思います。 ホーバーに関しては県民の皆様の御関心も高くて、私どもにも本当に多くの質問をいただきます。そういった部分もあわせて追加で伺いますが、お配りした参考資料の1を御覧ください。 今回の事業用地は西大分地区ではあるんですが、交通のハブである西大分駅からは大体徒歩20分ぐらいと、かなり離れた場所に計画されています。 まず、発着場への2次交通はどのように考えているんでしょうか。 また、予定地の周辺道路は裏通りで結構狭くて、すぐそばを走る県道大在大分港線は交通量が多い道路なので、渋滞の発生も懸念されます。予定地周辺の渋滞対策はどのように考えていますか。 また一方で、西大分駅周辺に目を転じると、駅の目の前にはかんたん港園という公園、これは県有地です。この場所を転用したらアクセスの利便性も高いのではという意見もあります。 この県有地を活用せず、新たに西大分駅からも離れた民有地を買い上げて今回の用地を選定した理由をお聞かせいただけますか。そして、西大分駅という交通拠点と発着場の組合せ、今後の活用をどのようにお考えでしょうか。 最後に、事業の継続性について。 さきほど損益分岐点となる年間の乗客数は伺ったので結構です。さきほどの4点について御答弁をお願いします。 ○御手洗吉生議長 大塚企画振興部長大塚浩企画振興部長 まず、発着場からの2次交通についてです。 ホーバークラフトの利便性を高めていくことについては、このターミナルからの2次交通を充実させることが重要だと思います。 このターミナルについては、人の流れの基幹拠点、交通結節点、いわゆるハブとして整備したいと考えています。ここを基点にして、例えば、バス、タクシー、自転車、レンタカーなどの移動手段を目的地に応じて利用できるようにしたいと考えています。もちろん、西大分駅は最寄り駅なので、こちらとの接続もしっかり考えていきます。 それと、かんたん港園をなぜ候補地にしなかったかについてですが、このターミナルの発着地については、旅客の上屋、艇庫、車路、ロータリーなどに加え、自家用車からの利用転換を図り、安定的な収支を確保する観点から、500台程度の無料駐車場を整備するという十分な面積の土地が必要であろうということからです。もちろん、かんたん港園についても発着地の選択肢の一つとして検討しましたが、十分なスペースということで現在の予定地としました。 それと、今後の活用についてですが、ターミナルの発着地と西大分駅、あるいはかんたん港園など、そこの回遊性をどう高めていくかについては、例えば、MaaSなどもぜひ導入してみたいと思っています。この検討の中で、またその辺の回遊性を高めることもやっていければと思っています。 ○御手洗吉生議長 衛藤博昭君。 ◆衛藤博昭議員 ありがとうございます。周辺の渋滞対策についてはどうでしょうか。
    御手洗吉生議長 島津土木建築部長。 ◎島津惠造土木建築部長 西大分発着地周辺の渋滞対策についてお答えします。 ホーバークラフトの発着地までのアクセス道路については、その一部が市道となっていることから、本年1月に開催した知事と大分市長との政策協議の場において、両者が協力しながら検討を進めていくこととしています。 その後、まずは交通量調査や交差点の解析を行いました。対象の道路は既に2車線で整備されていることから、現時点で大規模な改築は想定していませんが、交差点処理の在り方等について、市と協力しながら住民の皆様の御意見を伺った上で、引き続き対策の検討を進めていきたいと考えています。 ○御手洗吉生議長 衛藤博昭君。 ◆衛藤博昭議員 ありがとうございます。近隣の渋滞対策については、私も通るんですが、大在大分港線の抜け道としても中が使われていたりして、かなり狭くなっています。大塚部長の答弁の中にもハブとして整備したいというお話がありました。そうなると、必然的に周辺の交通量が増えてくるわけなので、そこの渋滞対策はぜひしっかり取り組んでいただければという点を要望します。 次に、コロナ禍における産業政策をテーマに、国内サプライチェーンの構築に向けた企業誘致の課題について伺います。 1年前の令和2年第2回定例会において、一般質問に登壇し、サプライチェーンの再構築に伴う大分県への企業誘致について質問しました。さきの答弁の中で知事からは、今後の誘致戦略について、生産拠点の国内回帰の誘致にあたっては、本県の強みである産業集積を生かした取組も進めていくとした上で、まず一つ目に、コンビナート企業をはじめ、中国や東南アジアなどに生産拠点を有している県内進出企業のうち、国内回帰を検討する企業や、二つ目として、リスク分散を図るため取引相手に国内での生産を打診する企業に働きかけるとともに、三つ目として、九州の東の玄関口としての優位性を生かし、流通業務団地等への物流企業の誘致のチャンスを広げる旨、主に想定される対象として三つを例示して御答弁いただきました。 この戦略の下、昨年は本県においても補助制度等のPRを行い誘致を実践してきたと思います。経済産業省においても、昨年11月にサプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金の採択を行いました。非常に多くの企業から希望があったと伺っています。本県においても実際に誘致活動をしてみれば、企業側の事情もあるので、当初の想定を超えることは必ず出てくるかと思います。 一方で、後ほど申し上げるとおり、半導体をはじめ、原材料となる素材系の産業群において、このコロナ禍によりサプライチェーンの脆弱性が至るところで目につき、報道等でも耳にすることとなりました。本県は、鉄鋼、石油化学、半導体、非鉄金属、セメントなどの素材型製造業も多く立地しており、国内サプライチェーンの再構築に向けてこうした優位性を生かした連携と、関連する企業の国内回帰を引き続き図っていくべきと考えます。 この1年間の誘致活動の成果と見えてきた課題はどのようなものがあるのでしょうか。今後の誘致方針とあわせてお聞かせください。 次に、県内の半導体産業の振興について伺います。 米国においては本年1月にジョー・バイデン氏が新たに大統領に就任しました。前任のトランプ大統領がアメリカ・ファーストを掲げ、中国との対立を深める中、伝統的に中国と融和的な民主党に政権が交代すれば、米中対立が和らぐのではないかとの期待も一部にありました。しかしながら、一部の期待に反し、政権交代後も米中対立はより一層深まりを見せています。さきのG7においてもこの流れは止まらず、ハーバード大学グレアム・アリソン教授が唱えた、覇権国と新興国は対立し衝突するというトゥキディデスの罠が説得力を増すような状況が進行しています。 バイデン大統領は本年2月の大統領令で、1、半導体製造や先端パッケージング、2、電気自動車用バッテリーを含む大容量バッテリー、3、レアアースを含む重要鉱物、4、医薬品及び医薬品有効成分の4分野に関するサプライチェーンの脆弱性を評価するとともに、強化に向けた政策案を100日以内に提言するよう指示し、先月その報告書が発表されました。とりわけ、半導体については4月の日米首脳共同声明において、半導体を含む機微なサプライチェーンについての連携が合意されています。 国内では、5月21日に自民党において半導体戦略推進議員連盟が立ち上がり、国内の半導体工場の新増設を国家事業として進めるため、米国や欧州に匹敵する規模の予算措置を早急に講じるべきとの決議を6月3日に菅内閣総理大臣に提出したとの報道がなされました。 本県においては、おおいたLSIクラスター構想を唱え、長年にわたり半導体産業の蓄積に努めてきました。さきに述べたような国際状況や国内の動きを踏まえて、本県の半導体産業の現状と今後の対応について伺います。 ○御手洗吉生議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 国内サプライチェーンの構築に向けた企業誘致の課題について御質問をいただきました。 地方創生実現のため、企業誘致の地域間競争が激化していることから、社会情勢の変化などに対応しながら、企業のニーズを的確に捉えて取り組むことが大変大事になってきています。 県では昨年、生産拠点の国内回帰の誘致にあたって、国の補助金制度創設と歩調を合わせ、県の補助制度を拡充しており、複数の企業が国に申請を行いました。残念ながら採択まで至りませんでしたが、国に継続を強く要望した結果、補正予算で事業化され、先日、募集が締め切られました。これにも複数社が応募したと伺っているので、採択された際にはしっかりと支援していきます。 サプライチェーンの脆弱性があっても、国内回帰の動きは一朝一夕に進んでいくものではありません。企業が大分に投資したいと思うような環境整備を続けていく必要があります。 例えば、災害に強いことも設備投資を行う上での重要な判断になると思います。コンビナートの強靱化に向けて、与党の後押しもいただきながら、県として長年にわたり粘り強く国に要望してきました。そうした努力で実現した大分市臨海部の護岸強靱化は、臨海部進出企業が今後も安心して活動を続けるためのベースになると考えています。 また、2050年カーボンニュートラルのように、企業活動に密接に関わって、待ったなしの変革が求められる動きもあります。そのときに、大分であればそれが実現できるという環境を整えることも、困難ではありますが、取り組む価値は十分にあると思っています。コンビナートで発生する副生水素等を、CO2削減の切り札として有効活用する水素の地産地消の実現に向けた検討や、港のカーボンニュートラル化の動きへのフォローも続けていかなければなりません。 加えて、県内立地企業の活動支援も重要な誘致活動と思っています。コロナ禍で対面による活動が制限される中、企業がビジネスチャンスを逃すことがないように、Webを活用した商談会なども積極的に後押ししています。LSIクラスター形成推進会議では、毎年実施している台湾企業との商談会を中止せずに、Webに切り替えて80回の商談を実施し、その半数以上が取引に結び付いています。こうした取引が将来の投資につながることを期待しています。 昨年度の誘致は4年ぶりの30件台と低調でしたが、後半には製造業を中心に持ち直しました。また、誘致件数には含んでいませんが、宇宙港は産業集積が評価された結果です。 地道な努力を怠ることなく、今後も本県の強みである産業集積を活かした企業誘致を進め、企業が投資したい、進出したい大分県であり続けられるよう、企業に寄り添って全力で取り組んでいきます。 もう一つの御質問については、担当部長からお答えします。 ○御手洗吉生議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 県内の半導体産業の振興についてお答えします。 本県は多くの大手半導体メーカーが進出し、半導体製造や製造装置生産等への地場企業の参入が進み、電子部品の2019年県内製造品出荷額は2,609億円に至っています。 産業振興に取り組むLSIクラスター形成推進会議では、さきほど知事からも言及しましたが、コロナ禍においても、Webによる台湾との商談を続けた結果、成果を上げています。 さらに、フォーラムや交流会を開催し、最新動向を団体としてもフォローしています。県庁もDX推進の流れでデザイン思考の取組を進めていますが、推進会議では既に一昨年度に、デザイン思考を会員企業に促すセミナーを実施しています。 国は今月4日、半導体・デジタル産業戦略を発表し、今後の政策の方向性を示しました。本戦略のポイントの一つは、産業基盤の確保のため、一般的な民間事業支援の枠を越え、国家事業として取り組むこと。二つは、日本企業に限らず海外企業も含め、我が国へ根ざす事業者による産業基盤の定着を進めること。今後、この戦略に基づく国の動きも注視しながら、本県の半導体産業がさらに発展するよう、足並みをそろえて取り組んでいきます。 ○御手洗吉生議長 衛藤博昭君。 ◆衛藤博昭議員 ありがとうございます。まさに知事がおっしゃっていたとおりだと思います。国内回帰は一朝一夕にはできない、本当にそのとおりだと。特に製造業の関係は施設の導入からやらないと、2、3年は最低でもかかるということで、だからこそ、今種をまくことが必要で、そのために昨年来取り組んでいただいていることに改めて感謝申し上げます。 ある大手の進出工場の方から伺ったんですが、さきほどもお話があったカーボンニュートラルの流れや、SDGsの推進の中で、CO2フリーの電気を使うことを求められるということで、太陽光の発電を買うように切り替えたら、かなり割増しになったと。今までの価格から数十%の割増しになったと。それでも、この世の中の流れであったり、投資家からの要求であったりという部分で対応せざるを得ないと。 また、こういった部分にもしっかりと目配りしていくのがこれから視野に入れながらやっていかなければいけないところかなと。県として、こういうところのサポートも視野に入れる必要があるのかなと考えています。 続いて、アフターコロナの観光産業復活に向けた政策展開について伺います。 新型コロナウイルスワクチン接種が進む中、菅内閣総理大臣は11月末までに希望者への接種完了を目指すと表明するなど、今後の経済活動の再開に向けてワクチンの接種が現在加速度的に進められています。イスラエルやイギリス、アメリカなど諸外国の例を見れば、ワクチン接種は大きな効果を上げ、社会経済活動を取り戻す国が増えてきています。我が国、そして本県も昨年の2月から様々な活動が制限され、長い期間苦しんできました。まだまだ予断は許せませんが、希望者全員へのワクチン接種の完了という潮目がいよいよ見えてきました。このまま接種が順調に進めば、来年にはアフターコロナの世界を迎える可能性が高くなってきています。 人の流れが復活すれば、観光もよみがえってきます。熊本地震が起きて観光需要が落ち込んだ際には、まずは県内、次に隣県、九州、全国、そしてインバウンドという流れでの回復が起こりました。時間軸で考えて、回復までに一番時間がかかると思われるインバウンドについては、ある大手旅行会社の分析では令和元年並みに回復するのは令和6年頃という見方もあるそうです。これを遠い未来と見るのか近い未来と考えるのかで今後の政策展開は180度違ってくると思います。 大分県議会商工観光労働企業委員会では、本年3月に参考人招致を行いました。大分経済同友会が令和2年10月に行ったアフターコロナを見据えた大分県観光の再生に向けてという提言について、担当された委員会の方々からお話を伺いました。資料2と右肩に記載された提言書を参考資料としてお配りしていますので、御覧ください。 本提言書では主な提言として、カルチャーツーリズムの一層の推進と、テックツーリズムへの挑戦の2点が示されています。その中でも印象的だったのが、5ページに記載されている令和7年、2025年に向けてのロードマップです。それぞれのイベントを点々と論じるのではなく、時間軸の中に落とし込んで点を線に変えていくロードマップが提案されていました。その中には、今後挑戦すべき課題としてデスティネーションキャンペーンの再誘致や大分空港における有人宇宙旅行などが挙げられています。 平成27年に大分県はデスティネーションキャンペーンに採用されました。日本一のおんせん県おおいたを標榜し、全国にPRを行い、行政と民間が一体となった取組は高く評価され、経済波及効果も大きく、すばらしい成果を上げました。 このデスティネーションキャンペーンの経験を踏まえて、県は平成30年に国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭を開催し、アート、食、歴史といった多様な文化体験を融合した独自のカルチャーツーリズムを県内各地で展開しました。さらに国は、こうした本県の成果から学び、令和2年に文化観光推進法を制定し、そして先頃、大分県立美術館が同法上の文化観光推進拠点に認定されたと伺っています。 国の提唱する文化観光は、大分県が取り組むカルチャーツーリズムと同じです。単なる博物館・美術館観光の域を超えて、県内に宿泊しながら別府、湯布院、国東半島の芸術祭や温泉、食、文化財を巡る、新たな観光コンテンツです。このようなカルチャーツーリズムこそ、本県の観光産業復活の起爆剤となり得ます。これらを活用し、大規模な政策展開に向けて動き出すべきではないでしょうか。御見解を伺います。 次に、新たなコンテンツを活用した観光戦略についてお尋ねします。 カルチャーツーリズムに関連して、本年2月に耶馬溪トンネルホテルというイベントがありました。これは中津日田道路の耶馬溪道路区間において、開通前のトンネルにキャンピングカーで宿泊できるという企画でした。インフラツーリズムを体現したすばらしい催しであると思うし、県の事業が観光のリソースになった好事例でもあります。このように県行政が行う全ての事業が観光のリソースになるポテンシャルを秘めていることを認識し、アフターコロナの観光戦略を描いていく必要があると考えます。 来年からの潮目の変化を考えれば、アフターコロナの観光戦略を考えるこれからの半年間は、戦略を定め、政策を練り上げていく重要な時期になるのではないでしょうか。カルチャーツーリズムやテックツーリズムなど、さきほど申し上げたような従来のコンテンツに加えたプラスアルファのツーリズムを選定することも一案と考えます。今後の県の観光戦略についての考え方を伺います。 ○御手洗吉生議長 秋月観光局長。 ◎秋月久美観光局長 まず最初に、アフターコロナの観光産業の復活に向けた政策展開についてお答えします。 本県では、国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭やラグビーワールドカップなど、大規模イベントを契機に、カルチャーツーリズムやスポーツツーリズムの推進に取り組んできました。 議員御指摘のとおり、こうした取組が点で終わることのないよう、県内に広がりを持った展開としていくことが重要と考えています。 例えば、カルチャーツーリズムでは、今年3月に民間事業者と共にデザイン会議を立ち上げ、OPAMと各地域の芸術文化体験を組み合わせたツアー造成など、芸術と観光の融合について議論しています。 ツーリズムの推進にあたっては、時代の潮流を的確に把握し、県民の皆様や観光事業者、有識者の御意見を聞きながら、インバウンドの復活も見据え、計画的に取り組むことが大事と思っています。 今後は2022年に人工衛星打ち上げを目指している宇宙港の開港や2023年に開催されるツール・ド・九州など、大きなイベントが控えています。これらを活用した誘客も推進していきます。 続いて、新たなコンテンツを活用した観光戦略についてです。 中津日田道路で実施された耶馬溪トンネルホテルは、道路に宿泊できるだけでなく、地元食材を使ったディナーを提供するなど、地域づくりと観光振興が一体となったインフラツーリズムの新しい取組として注目を浴びました。 今年度、県では、宇宙港の開港に合わせた海外富裕層向けのツアーや、ツール・ド・九州に合わせたサイクリスト向けのツアーの造成を行うこととしています。 また、コロナ禍において需要が高まりつつある、自然の中でアクティビティを楽しむアドベンチャーツーリズムや、県内及び近隣県で旅行を楽しむマイクロツーリズムなどの旅行需要もしっかり取り込んでいきます。 今後もこうした本県の強みを生かした取組を積極的に推進していきます。 ○御手洗吉生議長 衛藤博昭君。 ◆衛藤博昭議員 提案の中にあったデスティネーションキャンペーンの再誘致についても、これからしっかりと検討して判断が必要になると思います。 実際に平成27年のデスティネーションキャンペーンの成果と、それに対する県の評価はどのようなものか、改めて伺います。 ○御手洗吉生議長 秋月観光局長。 ◎秋月久美観光局長 デスティネーションキャンペーンについてですが、このキャンペーンは観光客の増加による経済波及効果はもちろんですが、まず、県民の皆さんが観光関係者と一体となっておんせん県おおいたを全国にアピールできたことをはじめ、県民総参加のおもてなしの機運が高まったこと、地域の素材の発掘や磨き上げなど観光の意識が向上したこと、全国の旅行会社とネットワークが構築できたことなどが効果として挙げられます。 こうしたデスティネーションキャンペーンの経験が国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭やラグビーワールドカップの成功につながったものと評価しています。 ○御手洗吉生議長 衛藤博昭君。 ◆衛藤博昭議員 ありがとうございます。デスティネーションキャンペーンについては、現状、2023年まではほぼ決まっているそうです。これから誘致に取り組んでいくとしたら、最短でも2024年、2025年といったスケジュールになってくると思います。そういった時間感覚も念頭に置きながら、また、評価も高く、成果も見込める事業です。前回から10年弱の間が空いているので、まだ県庁の中にも前回の取組の中で御経験された方々が残っていると思います。そういった時期にまた経験をしっかりと引き継いでいくのも一つの方法だと思うので、そういった点もお含みおきいただきながら検討を進めていただければと思います。 最後に、松岡スマートインターチェンジについて伺います。 大分市東部地域の幹線道路である国道197号や県道大分臼杵線、鶴崎大南線などでは慢性的な渋滞が発生しています。このような慢性渋滞は、日常生活や産業活動に悪影響を与えており、地域の活力ある発展の妨げとなっています。現在、都市計画道路庄の原佐野線下郡工区や国道197号鶴崎拡幅などの道路整備が進められていますが、エリア全体の慢性的な渋滞の解消のためにはさらなる対策が求められています。 一方で、平成30年11月の大分スポーツ公園におけるサッカー日本代表戦で大規模な渋滞が発生し、大規模イベントにおける大分スポーツ公園へのアクセスに関する渋滞問題が顕在化しました。それを踏まえ、イベント規模に応じた大分スポーツ公園の利用に伴う渋滞対策会議や大分スポーツ公園パーキングナビの運用等を実施していますが、今後の公園施設の利活用促進や利用者の利便性等を考えると、大分スポーツ公園へのさらなるアクセス対策は重要な課題です。 折しも県が大分市と共同で設置した県都大分市交通円滑化検討会において、東九州自動車道大分松岡パーキングエリアのスマートインターチェンジ化を目指す基本方針が取りまとめられました。地元住民の一人としてもアフターコロナを見据え、大分スポーツ公園の利活用を促進し、地域に発展や利益をもたらしていく松岡スマートインターチェンジの早期実現を期待しています。 そこで、県として大分松岡パーキングエリアのスマートインターチェンジ化の効果をどのように考えるのかお示しいただき、事業化の見通し、現在の具体的な取組について、大分市との連携状況を含めてお聞かせください。 ○御手洗吉生議長 島津土木建築部長。 ◎島津惠造土木建築部長 整備効果については、これまでの検討会において、乙津や皆春などの北側エリアを中心とした高速道路10分到達圏域の拡大や、大分スポーツ公園へのアクセス強化、イベント時の混雑緩和などを確認しています。 さらに、事業化の要件となる費用対効果が1を超えること、大分市内における高速インターチェンジの利用者が全体として増加することが見込まれています。 今後、県と市が連携しながら、国、NEXCOを加えた勉強会において必要性等が確認されれば、国による準備段階調査の実施へと進んでいきます。 その後、学識経験者等を加えた地区協議会において実施計画書を策定し、国の連結許可を受けて事業化となります。 今年度は、勉強会の基礎資料となる接続ルートの概略検討を大分市が実施し、関係機関と協議を行う予定となっています。 県としては、これまでの別府湾スマートインターチェンジや由布岳スマートインターチェンジの経験を生かし、市の事業化に向けた取組をしっかりと支援していきます。 ○御手洗吉生議長 衛藤博昭君。 ◆衛藤博昭議員 松岡パーキングエリアのスマートインターチェンジ化は、おっしゃるとおり事業主体は大分市です。しかしながら、地元のニーズが非常に強いことに加え、鶴崎地区の渋滞緩和への寄与、それに加え、臨海工業地帯の企業からはかなり以前からも要望をいただいたんですが、高速道路へのアクセス改善という要望が長年根強くあります。こういった部分の高速道路へのアクセス時間の短縮など、地域のみならず県経済に対するプラスのインパクトも非常に大きい事業です。 以前の御答弁で、県としては技術的な助言との言及にまだとどまってはいますが、松岡スマートインターチェンジの、例えば、渋滞対策として、そこに接続する周辺の県道の整備だとか、県の協力が必要なこともまだまだ多くあります。今後とも積極的なお力添えをお願いできればと思います。 以上をもって私の一般質問は終了します。本日は大変ありがとうございました。 ○御手洗吉生議長 以上で衛藤博昭君の質問及び答弁は終わりました。守永信幸君。  〔守永議員登壇〕(拍手) ◆守永信幸議員 28番、県民クラブの守永信幸です。今回、一般質問の機会を与えていただいた先輩、同僚議員の皆様に心から感謝申し上げます。 昨日の新型コロナウイルスの新規感染者がゼロということで、地域でのクラスターがどのように変化するのか、不安要素は残りながらも、各指標としてはステージ1等々に落ち着きつつあるようです。この間の執行部の皆さんの御努力、そして、職員の献身的な取組に心から感謝申し上げます。ただし、今後、人の往来が増える中で衛生管理に注意を払うよう呼びかけ続けなければならないでしょうし、それぞれが御自身の健康を維持しながら、県民の健康を守る取組を継続していただきたいと思います。 早速質問に入ります。 障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくりについてお尋ねします。 最初に地域共生社会について質問します。 これまでインクルーシブという考え方について、教育現場では多く議論されてきました。私は、教育にとどまらずインクルーシブな社会を実現させるために、社会全般で議論される必要があると考えています。 県議会では、2016年に制定された障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例を踏まえ、2017年から2年間にわたり、特別委員会を設置して、日常生活における合理的配慮の在り方や就学、就労における合理的配慮の在り方、障がい者が芸術・文化活動、スポーツ交流活動等に参加できる環境づくりについて調査、研究し、提言を行ってきました。また、今年3月には大分県手話言語条例を議員提案で制定するなど、特に障がい者差別の解消には力を入れてきました。 しかし、障がい者差別の解消というと、障がい者に対する支援と捉えられてしまい、他人事のように受け止められてしまう実態があるのも事実だろうと感じています。障がいのある方々にとって生きやすい社会は、年を重ねて体に不自由を感じる方々や、ストレスの多い社会に生きづらさを感じている方々などにとっても、より居心地のよい地域共生社会の構築につながっていくものと考えています。 こうした障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくりに則した地域共生社会の構築に向け、県民の皆様の深い理解をいただくための取組について、知事の考えを伺います。 次に、相談体制について伺います。 障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例の施行とともに発足したのが、大分県障がい者差別解消・権利擁護推進センターです。このセンターは、障がい者に対する不当な差別をなくし、それぞれの持つ権利を擁護するための相談窓口です。2016年の開所初年度は、1,161件の相談数がありました。翌年度は、一旦594件に落ちたものの、3年目は626件、4年目が979件と増え、5年目となる昨年度は1,291件となっています。 コロナ禍での不安を訴える人もおられ、障がいのある方々や家族からの不安や、寂しさ、ときには不満や憤りを話す相手を求めての電話が多いと聞きました。センターの相談員の皆さんが親身に話を聞き、対応していることで信頼を得て、年を追うごとに相談件数が増加していると感じました。相談事業に直接・間接的に関わる関係者の皆さんに心からお礼を申し上げるとともに、今後も県民の皆さんが心豊かに暮らせるよう、この取組を支えていかなければならないと思っています。より多くの方にセンターを利用していただくには、相談体制のさらなる拡充も必要と考えます。 大分県障がい者差別解消・権利擁護推進センターにおける相談体制の現状と体制の強化について御意見を伺います。 次に、JR駅の無人化について伺います。 全国で終日無人となっている駅の数は、2001年度末時点で4,120駅だったものが、2019年度末には4,564駅にまで増加しており、率にして全体の48.2%を占めるとのことです。大分県下には85の駅がありますが、そのうち無人駅は2019年度末で47駅、55.3%となりますから、全国平均よりも高い率となっています。さらに、JR九州はスマートサポートステーション(SSS)を打ち出しており、今後計画しているSSS体制が完備されると、大分市内の13の駅のうち11の駅が無人となってしまいます。これら11の駅の1日当たりの平均乗客数は1,092人ですから、決して利用者が少ないわけではないと思います。 2021年4月6日付けの新聞記事で、JR6社が無人駅で車椅子利用者がスムーズに列車を乗り降りできるよう、運転士や車掌による介助を検討しているとの報道とあわせて、国土交通省でも夏までに乗務員が介助する際の指針を作るとも報じられていました。駅の無人化に伴うガイドライン等を作ることも大事ですが、それを生かして運用できるようにすることがより重要です。県としても県民の困り事を受け止めて、解消に向けて働きかける行動が、県民の信頼に応えるためにも欠かせない取組だと考えます。 本県では、障がいのある方々がJR九州を相手取り、駅の無人化によって移動の自由を侵害されたとして損害賠償を求める訴訟をしていますが、多くの方がこの問題について、障がい者だけの問題と捉えているのではないでしょうか。 車椅子を利用する方は階段があれば一人ではどうすることもできません。しかし、駅での様々な障害は決して障がい者だけのものではありません。高齢者やベビーカーを使う方にとっても、階段は大きな障害となります。また、誰もが注意を怠れば危険と隣り合わせとなります。例えば、歩きスマホでホームから転落することも考えられるし、ホームから線路上に物を落とした場合など、どのように対処すればいいのか分からないでしょうし、慌てて線路上に拾いに降りてしまう方もいるかもしれません。そばにいる人も、危ないと思っても、列車が近づいてくる気配がなければ、黙って見守るかもしれません。駅の無人化は、障がいのある方々にとってだけでなく、ふだん利用する誰もが、突然困惑する状況に置かれる可能性のある様々な課題をはらんでいると考えられます。みんなで一緒に考えなければならない課題なのです。 ぜひとも県の主導で、障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例の精神にのっとり、駅の無人化についてJR九州と障がい者を含む利用者、行政が意見交換し、様々な情報を共有する場を設けることが必要だと考えるが、御意見を伺います。 残りは対面席から質問します。  〔守永議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○御手洗吉生議長 ただいまの守永信幸君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 守永信幸議員から地域共生社会について、種々御質問をいただきました。まず、私から地域共生社会の構築についてお答えします。 県では、障がいのある人もない人も相互に尊重し合いながら共生する社会の実現を目指し、次の三つの取組を進めています。 一つは、障がい者への県民理解の促進です。 平成29年度から企業等を対象とした出前講座を実施し、障がいに応じた接し方や障がい者を雇用する上での配慮等を学んでいただいています。 昨年度は、高校の先生方にも対象を拡大し、ワークショップや車椅子体験など、内容も充実させたところです。参加者からは、障がいを特別なことと考えていたが、障がいのある方と関わる心のハードルが数段下がったなどの感想をいただきました。 二つは、スポーツや芸術を通した障がい者との交流です。 世界最高峰と称される大分国際車いすマラソンでは、これまでに78もの国、地域から延べ約1万2千人の車椅子アスリートが大分のまちを駆け抜け、約10万人ものボランティアがアスリートとの交流を深めてきました。今年の第40回記念大会では、大会の提唱者で障がい者の社会参加に力を尽くした中村裕博士の偉大な功績を、県民と共に振り返る機会も設けたいと思います。 芸術においては、令和元年に開所したおおいた障がい者芸術文化支援センターが、障がい者アーティストと小学生との交流事業やOPAMでの展示会などを行っています。この間、センターの支援もあり、県内在住のアーティストの作品が商品パッケージやJRの記念切符に採用されるなど、地域でその才能を発揮する障がい者も増えております。 三つは、障がい者とのコミュニケーションの円滑化です。 大分県手話言語条例の制定を機に、県民が手話を身近に感じ、魅力あるものと思えるよう情報発信に力を入れます。 先月、早速、この条例を手話等で紹介する動画を県のホームページに掲載したところです。 今後は、聴覚障がい者が意思疎通で不便を感じること、例えば、コンビニで店員に支払方法などを伝えるための指差しカードや、店員が伝えたいことを手話で学べる動画を8月から提供します。 さらに、県民が手話に関心を持ち、手話を学びたいと感じるよう、民間企業のノウハウを活用して、ポスターや動画の作成、テレビコマーシャルやSNS広告等による普及啓発を9月から始めることとしています。 今後とも、障がい者に対する理解が一層深まって、障がいの有無にかかわらず、県民同士が共に支え合い、安心して心豊かに暮らすことのできる大分県づくりに取り組んでいきます。 その他の御質問、大変大事な御質問をいただきましたが、これについては担当部長から答弁します。 ○御手洗吉生議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 相談体制の拡充についてお答えします。 障がい者差別解消・権利擁護推進センターでは、3人の常勤相談員と、弁護士や社会保険労務士などからなる7人の専門相談員で相談業務に対応しています。 様々な相談に対し、情報提供や助言はもとより、県とも連携して関係者間の調整に当たっており、相談件数の増加は、こうした真摯な対応や継続した周知・啓発活動により、着実に認知が進んできた結果と考えています。 今般の改正障害者差別解消法では、民間事業者にも障がい者への合理的配慮が義務づけられることから、今後さらなる相談件数の増加や複雑化が想定されます。このため、今年度から専門家や当事者である障がい者の代表からなる相談事例検討委員会をセンター内に設置し、個別案件の対応を精査することにより、相談業務の質の向上を図ることとしています。 課題としては、障がい者差別に特化した相談窓口を設けている市町村が九つと半数にとどまっており、相談件数も低調なことです。 今後は、身近な市町村でも対応できるよう、相談窓口の設置を働きかけるとともに、職員研修や相談事例の共有化を通じて市町村との連携を強化し、体制の充実に努めます。 ○御手洗吉生議長 大塚企画振興部長。 ◎大塚浩企画振興部長 JR九州の駅の無人化についてお答えします。 鉄道駅については、障がい者や高齢者の方々をはじめ、全ての人が不自由なく利用できる環境を整えることが重要と考えています。 駅への要員の配置などについては、基本的に鉄道事業者において適切に判断されるべきものですが、県ではこれまでもJR九州に対し、無人化にあたっては、必要な安全対策などを講じるよう働きかけてきたところです。 現在、国土交通省において、障がい者団体からの要望や、鉄道事業者による取組事例などを踏まえ、駅の無人化などに係るガイドラインの策定が進められており、県としてもその内容について注視しています。 議員御指摘のとおり、そのガイドラインをどのように運用していくかも重要です。 JR九州大分支社では、必要に応じて障がい者団体などと意見交換を行っているところであり、県としてもガイドラインの適切な運用も含め、これまで以上に利用者の要望に耳を傾け、利用実態に応じた対策を実施するよう、JR九州に働きかけていきます。 ○御手洗吉生議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 ありがとうございます。まず、地域共生社会の実現に向けてですが、知事が言われた三つの観点での御指摘、ぜひ充実していただいて、誰もが暮らしやすい社会をつくっていく観点で議論を進めていければと思っているので、何とぞよろしくお願いします。 次に、2番目の障がい者差別解消・権利擁護推進センターについてですが、相談体制の受け止め方、そういったことに工夫を凝らしていくというお話がありました。この相談員の方に少しお話を伺ったのですが、障がいを持つ方々はコンプレックスを感じていたり、周囲に遠慮してしまうことから、メンタル的にもかなりの負担を抱えているケースが多いと伺いました。 合理的配慮といっても、どのような配慮が必要とされているのかは人それぞれと思います。余計なおせっかいということも最近耳にしなくなったような気がしますが、困っている方を見かけたときに、声をかけて助けが必要なのかどうかを尋ねる勇気を周囲の方に持っていただくことが大事だろうと思います。そして、障がい者の差別解消には、お互いに見守られていることを感じながら、自分が見守る立場に立ったときに、幼い方々や不自由さを感じている方々に声をかけてあげられるというつながりを持つことが大切と思います。 相談センターも、その場で何もかもが解決できるわけではなく、困り事の解決のために所管する関係機関につないでいくことが、その役割の一つだろうと思っています。相談体制の拡充とあわせて、関係機関との連携やお互いの状況を知るための意見交換の場が必要だとも感じました。関係機関の連携についてはどのようにお考えか伺います。 それと、鉄道の無人化に関することですが、豊肥本線の大分駅と滝尾駅の間に新駅を造ろうという話が出ていることは、以前、一般質問でも触れました。新駅建設促進期成会も発足し、新駅を設置して地域の活性化につなげようという地元住民の気持ちが発せられています。新駅が今すぐできるということではないでしょうが、このような段階からでも、どのような駅を住民が求めているのか議論する場があれば、新たにできる駅を無人とせずに、地域のボランティアによって駅の運営をしていくことについて体制づくりの議論もできるのではないかと思います。 様々な意見が出される中で、地域に必要とされる施設の機能をあわせ持つ施設として議論することが、地域の住民で地域を活性化する議論に結び付くのではないかと思っています。例えば、こども食堂を駅の施設に併設して、子どもたちが立ち寄れる場をつくっていくことも考えられるかもしれません。既存の駅の運営についてモデル的な考えができてくれば、様々な工夫も可能となってきます。三者での意見交換の場を設ける上では、このような観点での議論も含めて、大分県をより暮らしやすくするための議論の場としていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 また、様々な議論をする上で、さきほどはJRの指針ガイドラインづくりについて、障がい者団体と意見交換をするという表現がありましたが、障がい者に限らず、私たち一般の方々もあわせて議論していく場が必要なのではないかと感じているので、その辺について考えがあればと思います。 ○御手洗吉生議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 私からは、関係機関の連携についてお答えします。 障がい者差別解消・権利擁護推進センターでは、個別の相談に応じて一件一件、丁寧に対応しています。例えば、相談者から、父親から暴言を受けたという相談があったら、そのお父さんに連絡を取って詳しく聞いたり、場合によっては、その相談者の主治医に連絡を取ったり、あるいは障がい者に対する支援制度についての相談を受ければ、市役所の担当課につないだり、あるいはタクシーの障がい者割引がないようなときは、タクシー会社に連絡を取ったり、一件一件、個別に丁寧に対応しています。 また、さきほどの答弁でも申しましたが、センター設立から5年が経過して、相談業務の一層の質の向上と外部専門家の意見を反映させるため、今年度新たに相談事例検討委員会を立ち上げることにしました。委員会では、福祉や医療、当事者団体の代表など、見識や人脈を有する専門家に御参加いただき、相談事例の検証等を通じて関係機関とのネットワークづくりを進め、連携強化による相談機能の一層の充実を図ることとしています。 ○御手洗吉生議長 大塚企画振興部長。 ◎大塚浩企画振興部長 JRの駅をどう考えるのかということだと思います。単なる交通手段ではなくて、地域にとってはいろんな活性化につながるなど、いろんな見方があるんではないかということです。さきほど新駅の事例もありましたが、まずはその身近な駅をどう考えていくのか、利用していくのかについては、当然、事業者であるJR九州、そして、新駅であれば大分市、地域住民の方々、こういった方々とどういう駅にしていくかを検討していくことが大事ではないかと思います。 今、新駅の例を出しましたが、そのほかの駅についても、とにかく地元の皆さんがその駅をどう考えるかが大事になろうかと思います。その上で、県として必要に応じて関与するところが出てきたら積極的に関与していきます。 ○御手洗吉生議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 ありがとうございます。それぞれ様々な工夫をしていけば切りがないということもありますが、ぜひアンテナを高く持って進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。 次に、高齢者の情報化社会への対応について伺います。 新型コロナワクチンの予約などで、高齢者の中で混乱が生じたのは報道等でも耳にしたところですが、スマートフォンやパソコンなどを使って予約することについては、尻込みされる方が多いと聞きましたし、チャレンジして訳が分からなくなったとおっしゃる方もおられました。実際にスマートフォンでの予約などを御家族の方が代行されたケースが多いのではないかと思われます。 このワクチンの予約に限らず、様々な情報をインターネット上で知らせることが増えてきています。ペーパーでのお知らせでは皆さんへの情報到達に時間がかかり、内容によってはインターネットを利用する方に比べ不利益を被る場合も出てきます。 スマートフォンなどを使いこなしている高齢者も少なくないとは思いますが、ちょっとしたガイダンスがあれば足りる、機器の操作に慣れた若者と違い、多くの高齢者がインターネットなどで情報を入手し、正確に理解するためには、端末の操作方法を身につけていただくとともに、インターネットを使って情報を提供する側が高齢者に分かりやすいものにする必要もあると思います。 そこでお尋ねします。端末の操作方法については、通信事業者の責任が大きいとは思いますが、インターネットを使って情報を提供するときは、誰もがアクセスしやすいようにするべきだと考えます。情報弱者である高齢者に対して、県としてどのように支援するのか伺います。 次に、健康寿命の延伸と運動習慣についてです。 健康寿命の延伸対策で、高齢者の健康管理や生活習慣の改善に大分県として積極的に取り組んでこられたのを見てきました。本県での取組として、集会所に集まって、保健師などの指導で簡単な運動をするなど、地域での様々な工夫がなされてきたのを数年前に常任委員会の所管事務調査等で拝見しました。 それらの取組は、この1年間あまりのコロナ禍の下でどのようになっているのでしょうか。保健所の保健師さんが多忙を極める中、現地の対応ができない状況もあるだろうと推察しますし、また、三密を避けることから、集会所に集まることもできなくなっている地域もあるでしょう。感染力の強い変異株に対しては1密であっても感染を免れないとしたら、なお一層、健康寿命の延伸のために運動を始めて、そして継続させていくことは容易ではないと思います。 コロナ禍における健康寿命延伸のための高齢者の運動習慣の開始、定着についてどのように対処していくのか伺います。 既に運動習慣は身につけている高齢者も多くおられます。若いときからスポーツをしている方や、スポーツの楽しさを知った方々が長く継続していくには、大会などへの出場や好成績を目標にすれば、日常的に練習して、体を動かす習慣をつくることにもなると考えます。 私が居住する大分市の津留地区では、グラウンドゴルフの大会が毎年行われています。津留地区の19の自治会にチーム編成を呼びかけ、津留地区ふれあいグラウンドゴルフ大会として開催しています。その大会での上位3チームが、城東・原川両中学校区の四つの自治連合会で開催する城東原川体育文化協会グラウンドゴルフ大会に津留地区の代表として出場できる仕組みになっています。 この地区大会を一つのきっかけとして、ほぼ毎日グラウンドゴルフの練習をされる自治会もあります。グラウンドゴルフであれば公園での適度な運動量となるので、楽しく運動ができると好評を博しているように感じています。 私は、スポーツ大会は運動習慣の維持・向上に資するものであり、ひいては健康寿命の延伸につながるものと考えます。そこで、高齢者のスポーツ大会を振興すべきと考えるが、いかがでしょうか。 ○御手洗吉生議長 高濱商工観光労働部長。 ◎高濱航商工観光労働部長 私からは、高齢者の情報化社会への対応についてお答えします。 情報発信は、目的や内容、届けたい相手に応じて最適な方法で行うよう努めています。相手に期待する行動を取っていただくためにはどうすればいいのかを考えることが重要であり、紙媒体のほうが効果的な場合もあります。 インターネットは、70歳台では74%、80歳以上でも58%と多くの方が利用していることから、高齢者への情報提供にインターネットを使うことも増えてきています。インターネットを通じて情報を提供する際には、視覚的な配慮やスマートフォン等の機器の操作に不慣れな方への対応など、誰もが恩恵を享受できるようにすることが大事です。このような観点で、情報発信とリテラシーの両面から、高齢者に配慮した対応が必要と考えています。 まず、県のWebサイトは、文字サイズ、色、音声読み上げ機能などJIS規格によるアクセシビリティの確保に取り組んでいます。 また、通信事業者と連携して、地域の公民館や高齢者サロン等で、インターネットでの交流や情報検索方法などの講座も計画しています。 高齢者にも配慮しながら、誰一人取り残さない情報化社会の実現を目指します。 ○御手洗吉生議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 私からは2点お答えします。 まず、1点目は健康寿命の延伸と運動習慣についてです。 高齢者の健康維持には、運動に加え、食事、口腔ケア、社会参加が重要です。そこで、県では地域住民同士で体操や栄養改善などの介護予防に取り組む通いの場の普及を市町村と共に推進してきました。 現在、令和元年度の県内の通いの場は2,889か所に上り、高齢者の参加率は16.3%と全国1位となっています。このような取組の効果もあり、本県では全国より高齢化が進む中、要介護認定率は全国平均よりも低く推移しています。 しかし、御指摘のとおり、コロナ禍で、こうした取組の継続が難しいばかりか、日常生活での様々な活動に自粛が見られています。このため、県では昨年度より、しんけん元気プロジェクトとして、自分の健康状態を確認できるフレイルチェックシートや、健康維持のために日常で取り組めることをまとめた動画などを配信しています。 また、通いの場の活動を安全・安心に継続できるよう、感染対策のポイントを動画やリーフレットで分かりやすく発信しています。さらに、今年度はオンラインを活用した通いの場での活動を推進する予定です。 今後も市町村等と連携して、健康寿命の延伸に向けて運動習慣の開始・定着に、より効果的な取組を進めていきたいと考えています。 続いて2点目、高齢者のスポーツ大会の振興についてです。 議員御指摘のとおり、高齢者にとって、スポーツ大会など仲間と楽しみながらの活動は、人生を豊かにし、健康の維持増進にもつながり、非常に有益です。 こうしたことから、県では毎年、スポーツの参加機会の充実につながる取組として、豊の国ねんりんピックを開催しています。昨年度はコロナ禍により、残念ながら中止しましたが、例年は5千人を超える高齢者に御参加いただき、日々の活動成果を御披露いただいています。 また、地域における活動についても、老人クラブが開催するスポーツ大会の経費助成や高齢者団体がスポーツを含めた生きがい活動を新たに始める際の支援も行っています。 人生100年時代、高齢者にいつまでも健やかで心豊かに暮らしていただけるよう、関係者の御意見も伺いながら、高齢者の健康寿命の延伸と生きがいづくりに向けた実効性ある取組に努めていきたいと考えています。 ○御手洗吉生議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 ありがとうございます。 まず、最初の1問目に関連してですが、先週の土曜日、6月19日の新聞記事で、高齢者の交流を後押しするために、県がインターネット体験講座を始めたと報じられていました。さきほどのお話とも関連すると思いますが、7月までに6市7会場で実施するとの報道でしたが、どのくらいの人数が受講される見込みでしょうか。 より多くの方々に技術を身につけてもらい、その能力を維持していただくには、身近に指導できる方が存在することが肝心だと思います。指導者的な人材育成も考えておられるのか伺います。 それと、新型コロナ禍の下で、高齢者は万が一感染した場合に重症化するリスクが高いといわれ、外出を避ける方々が多くなっていると思います。私の母は施設に入っていますが、施設などでは感染防止のために外来の面会は避けるようにと言われているので、しばらく面会していないのですが、それでも介護に携わるスタッフの方々がおられるし、一人きりになることはありません。様子を施設の方が知らせてくださるので安心もできるのですが、在宅で介護や支援を受けている方などの中には、コロナ禍で外出を避けてきたことによって、今までできてきたことができなくなってしまい、外出ができないほど不自由な状態になれば、これまで通っていた集まりにも通えなくなってしまうことになります。これは大きな問題だろうと思います。 ワクチン接種が一定程度進んだ段階で、従来のような健康づくりの取組も再開されると思われますが、この1年間で体力が急に損なわれた方々を支援する団体の体制整備について、問題はないのでしょうか。在宅介護を担う団体の支援を含めて、施策を練る必要があるのではないかと思いますが、どのようにお考えですか。 それと、スポーツの関係ですが、さきほど津留地区のグラウンドゴルフ大会について触れましたが、グラウンドゴルフのような種目であれば、さほど危険な種目ではないから、近所の公園で気軽に練習できるし、大会を開催するにしても、学校のグラウンドなど広い場所を借りることができれば開催可能です。経費も多大にかかるものではありません。 しかし、野球やテニスなどの競技を続けている方々も自主的に大会を開催していますが、専用の施設が必要な競技の場合は大会開催に経費がかかっているようです。それぞれの身近な大会として地域ごとに開催することが難しく、大会への出場機会が少ないのが正直なところではないかと思います。 大会開催への一定の支援があれば、一般高齢者の参加可能な大会を新たに開催することにより、参加の機会も増え、運動を継続する意欲にもつながると思うし、健康寿命の延伸につながると考えます。さきほど老人会に対しては助成しているお話もありましたが、それを広げていく考えはありませんか。 ○御手洗吉生議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 3点についてお尋ねがありました。 まず、1点目のオンライン交流体験会です。 これについては、先週の6月17日から県内7会場で順次開催していますが、参加定員は合計135人を見込んでいます。 この高齢者向けの指導者的な人材の育成についてどう考えているかということですが、まさに今回の講習会は、地域で介護予防活動に取り組む通いの場のリーダーを中心にお声かけをしており、指導者育成も兼ねたものと考えています。講習会に参加したリーダーには、指導者的立場で通いの場の仲間たちに学んだノウハウを伝えていただくようにお願いしています。 続いて、在宅介護の方の外出控えに伴う体力の低下についての支援についてです。 まさに議員が言われたとおり、感染への不安からデイサービスなどの利用を控えることにより、心身の機能の低下を来した高齢者がいらっしゃることは承知しています。こうしたサービスは、高齢者の自立した生活維持のためには必要不可欠なものであり、コロナ禍でもこうしたデイサービス等の利用を継続していただくことが非常に重要になっています。このため、県では事業所に対して利用を控える場合に本人と相談して訪問サービスに切り替えるなど、柔軟なサービス提供を呼びかけています。 また、今年度は感染対策の徹底を図ることにより、利用を控えていた方が安心してサービスの利用を再開できるように、半年間、介護報酬単価の上乗せが実施されています。 介護予防の取組も含め、現場の声を聞きながら、高齢者の心身の健康の維持向上に向けて、これからも適切な措置を講じていきたいと考えています。 3点目、高齢者のスポーツ団体、スポーツ活動への支援です。 さきほどお答えしたとおり、県では高齢者の団体が新たにスポーツを始める際の立ち上げ経費について支援を行っています。既に活動しているスポーツ団体の支援については、スポーツ以外の活動とのバランスや、市町村もそういった活動を奨励しているので、そういう支援の状況等を勘案して、慎重に検討していく必要があるのではないかと考えます。 ○御手洗吉生議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 ありがとうございます。ワクチンの接種等によって、新型コロナウイルス感染症の発症が安定し、ほぼ平常どおり、通常どおりの事業展開ができるようになった際に、改めて気がつくことも多くあるのではないかと思いますが、様々な観点から高齢者をはじめとする県民の健康状況をチェックしていただき、速やかに対応できるようにしていただければと思います。 特にその際に、人材不足は当初から悩みの種だったわけですから、今回、様々なサービスの在りようを変えていく中で、人が足りなくなってきている、若しくは改めて始める中で人が足りないこともあるかもしれません。そんなことにも、ぜひお心遣いいただければと思います。 次に、県の人材育成について伺います。 馬場議員からも県職員の働き方改革について質問がありましたが、行財政改革で職員定数を大きく削減して財政健全化の道を邁進してきたわけですが、これ以上削減することは厳しいと感じて、2012年以降は定数削減そのものは行わずに、経費削減努力を積み重ねてきました。この10年間もコスト削減努力の成果として一定程度の財政調整用基金が維持されたわけですし、コロナ禍を乗り越えた先に県下の景気回復に向けて行動を起こす上でも、また、万が一、国からの交付金が削減されるような措置が行われた場合にも対応できる体制を目指してきたわけです。 この点は、知事の姿勢を評価すべきだと思っています。しかしながら、県民ニーズが多様化する中、業務のスクラップは難しく、新たな課題への対応は求められ、オン・ザ・ジョブ・トレーニング、いわゆるOJTによって人を育てるだけの余裕がない職場がほとんどになっていないだろうかと心配しています。 県民への行政サービスの水準を維持していくためには、県職員の意欲や能力を向上させることが欠かせません。県政運営を担う人材の育成について知事の考えを伺います。 次に、県職員の長時間労働について伺います。 新型コロナウイルス感染症は、新規感染者の確認も1桁台が続き、油断できないとはいうものの、沈静化に向けての期待感も高まっています。しかしながら、1年数か月もの長い期間、様々な対応に追われたわけですから、この業務に関わる職員の疲弊度は大変な状況でしょうし、家族の皆さんにも様々な我慢を強いている状況ではないかと思います。 また、通常業務に就かれている職員も、コロナ禍の影響を大きく受けているわけですから、ストレスがかかる状態に置かれているのだと思います。ちょうど今、県下の各職場で健康診断が行われているようですが、職員の健康管理について通常と違った環境にあることを意識されているのでしょうか。 先般、2018年に自死された県職員の公務災害が認定されました。非常に残念な案件であったと感じているし、この職員の御冥福をお祈りするとともに、今後このような悲劇を繰り返すことがないようにしなければなりません。 このような事態が発生するのも、人を育てる余裕がなくなってしまっていることからくるのではないかと感じています。コロナ禍の今は、さらにメンタルヘルスをどのようにフォローするのか問われているのではないでしょうか。 私は2019年第4回定例県議会の一般質問で、長時間労働の把握について、暦上の一月単位ではなく、直近の30日間の中で長時間労働の連続性に着目してチェックすることについて再質問しました。その際の総務部長の答弁では、システムには前月の結果も残っているので、システムの結果を見ていけば、連続した30日についても基本的には把握できると考えている。いずれにしても、現行のシステムを有効に活用して、健康管理にも使っていきたいと答えています。さきほどの事案についても、亡くなったのが6月10日だったのですが、5月11日から6月9日までの1か月の時間外労働時間が102時間だったとの認定がなされているようです。 自然災害が頻発し、コロナ禍など予期せぬ災害も発生する中、長時間労働の連続性をチェックできる体制は整えられているのかを伺います。 ○御手洗吉生議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 初めに私から、県政運営の担い手育成についてお答えします。 私は常々、人材は県庁にとってかけがえのない財産であると申し上げており、職員一人一人が心身ともに健康で、志高く、職務に精励できるようにすることは、私の重要な責務であると認識しています。 近年、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大や頻発・激甚化する自然災害など、国内外でこれまで想定できなかったようなことが次々と発生し、いつ何が起きてもおかしくない、いわば不確実性の時代を迎えています。 このような時代にあって、県民ニーズに沿った行政サービスを提供していくためには、世の中のめまぐるしい変化に対し、臨機かつ柔軟に対応できる人材を育成していくことが非常に大切です。 変化に的確に対応していくことは難しく感じられますが、これは実は県民中心の県政を実践することにほかならないと思います。 私は、職員研修等で機会あるごとに、県民の心を県行政の心として、県民の期待に応えるよう求めてきました。ときに変動する県民の心を柔軟に捉えていくことも、県民中心の県政にとって大事なことです。職員はよくこのことに努力していただいていると思います。 また、時代の変化という意味では、職員構成の変化に対応した人材育成という観点も重要です。県庁においては、女性職員や35歳以下の若手職員が年々増加しており、その割合は10年前と比較してそれぞれ1割程度増加しています。このような状況の変化を踏まえ、女性職員や若手職員が活躍できる体制を構築していきます。 女性職員については、妊娠、出産という女性特有のライフイベントを踏まえ、ライフステージに応じて活躍できる環境の整備が重要です。このため、早い時期から予算や人事等の管理部門、政策立案等の企画部門へ積極的に配置するとともに、キャリア形成意識の醸成を図る研修を実施するなど、長期的展望に立ったキャリア形成を支援していきます。 若手職員については、県税・土木事務所など、県民と直接接する機会が多い職場に、早い段階で配置することや、国や他の自治体との人事交流など、人事管理を通じた人材育成にも取り組んでいます。 あわせて、職場や現場において、上司や先輩職員から実践的な指導をしてもらうOJTも、若手職員の成長には非常に大切なので、これもしっかりと行っていきます。 県庁として、不確実性の時代にあって、多種多様な県民ニーズや状況の変化に適切に対応できるよう、人を育て、人を活かす組織づくりを進めていきます。 ○御手洗吉生議長 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 私からは、県職員の長時間労働の把握体制についてお答えします。 新型コロナへの対応が長期化するなど、職員の業務負担が増加する中、職員のメンタルヘルスケアは大変重要であると認識しています。 特に長時間勤務者については、パソコンの稼働時間から勤務状況を把握する勤務時間管理システムにより、各部局の主管課、所属長、班総括等が把握できるようにしています。 このシステムでは、勤務状況をカレンダー形式で表示することもできるので、長時間労働が連続している状況についても簡単に確認できると考えています。 また、勤務実態をより的確に把握できるよう集計機能を強化するなどの改修も行っているほか、時間外勤務が月30時間を超えると、決裁画面上で色やメッセージで注意喚起されるようになっています。 これで把握した長時間勤務者については、月45時間、80時間、100時間等の区分に応じて、産業医による面談を行うほか、ストレス自己診断の実施や精神科医等による相談窓口の強化などによりフォローを行っています。あわせて、恒常的に時間外勤務が多い所属については、定数配分を増やすなど人員配置の強化も行っています。 今後とも、システムの有効活用等により、個々の職員の勤務実態をしっかりと把握し、長時間勤務の縮減と職員の健康保持を図っていきます。 ○御手洗吉生議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 ありがとうございます。人を育て、人を活かす組織づくりをしていきたいというお言葉がありましたが、ぜひそういう体制をつくっていただきたいと思います。 再質問しますが、少数精鋭で業務をこなし、県民へのサービスも充実させるとした場合に、職場における人材育成の機能をしっかりと持たないと、即戦力的な採用だけでは業務の在り方にもばらつきが出てくるし、住民と上司や上部機関との板挟みに追い込まれ、悩みを抱え込んでしまうケースも心配されます。 知事はよく、常に風通しのよい職場環境をつくると言われますが、風通しがよいこととあわせて、職場内で知り得た情報を基に、互いにカバーし合いながら経験を積み重ねていける環境をつくらなければならないと思います。 OJTを実践するには、指導に当たる者が対象者の仕事を細やかに見て、適切な管理、調整を行える状況でなければなりません。職場のフラット化を知事が導入すると言われたときに、緩やかなライン性という表現をされました。私はその言葉を聞いて、ラインの中でお互いの業務が見える体制は維持されるものと捉えました。しかし、現状を見たときに、パソコンで書類を作成し、決裁システムで回覧する事務の流れの中で、周囲の職員がどうしても気づきにくい事態に陥ってしまうのではないかと心配しています。 回覧の仕組みがブラックボックスの中ですし、あまりよく見ずに回覧印をつけば、次に流れてしまう状況を考えると、それぞれの職場で朝礼でもして、何をしているといったことを発信しなければ分からない状況ではないかと思うのですが、その実態はどのようになっているのでしょうか。総務部長がどのように把握され、何が課題と考えているのか伺います。 ○御手洗吉生議長 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 パソコンを活用した仕事が中心となる中で、なかなか周りの職員の仕事の状況が把握できなくなっているのではないかという御指摘かと思います。 御指摘のとおり、職員の仕事についてはパソコンを使うことが中心となっており、決裁についても電子決裁なので、かつてのような仕事の進め方という意味での業務把握は難しくなっている面はあると思います。 一方で、パソコンを使うシステム化により、例えば、e-オフィスのスケジュール機能等によって、それぞれの職員が自分の仕事がどういう状況になっているかを記載することによって、逆に職員の抱えている仕事の状況が見える化する面もあるし、また、そういった状況を各班員同士が見合って話し合うこともあると思っています。 いずれにしても、そういうシステム化を図ることも大事ですが、何といっても上司と部下、あるいは職員同士がしっかりとコミュニケーションを図っていくことが何よりも大事であり、そのための基本となるのは、知事もおっしゃっていますが、明るく風通しのいい職場づくりだろうと思っているので、引き続きそういった環境整備に努めていきたいと考えています。 ○御手洗吉生議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 ありがとうございます。 今後の大分県政の運営を考えたときに、職員の能力開発が重要であるわけですが、現状を見たときに、自分の業務をこなすだけで精いっぱいなのが通常であって、災害などがあれば、通常業務を後回しにして緊急対応に時間を割かねばならない状況です。新人に対して指導も細やかにしたい気持ちはあっても、一緒に考える時間が取れないケースが少なからずあるのではないかと心配しています。 職員の新規採用時に指導やアドバイスする職員をつけているとはいえ、同じ職場の職員でなければ状況が見えない中で、新人の抱える悩みの解決策を導き出すのは困難なはずです。同じ職場で指導者が副任としてついて指導する、若しくは担当者の副任として新規採用者を配置して徹底したOJTが実施できる環境づくりをするなど、合理的な増員を検討すべきだと考えますが、広瀬知事はどのようにお考えでしょうか。 ○御手洗吉生議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 不確実性の時代になって業務量が大変増えていることは事実で、昨年は7月豪雨災害がありました。あるいは、県内の災害はもちろんですが、熊本県等々、ほかの県でも大きな災害があり、ほかの県からは、大分県も大変だろうが一部助けてくれないかという話があって、職員同士が応援に行く、あるいは応援に来てもらうとか、そういうこともあるわけです。 コロナの場合も、某県では医師や看護師が足りないということで、関連のスタッフが向こうに応援に行くということで、県だけの問題ではなくて、九州全体、あるいは全国で応援し合うケースもあり、非常に大変になってきていることは事実です。 そういう中で、大事な人材を育てていくことは、的確な県の仕事をするために欠かせないことで、いろいろ苦慮しているところですが、新人に対する研修が一番大事で、新人研修については、できるだけ一堂に集まってもらって研修する時間を取っています。加えて、配属先でOJTについて特に配慮するようにしています。 一つは、同じ班に在籍する先輩職員を指導担当者にして、業務内容を直接指導してもらうことにしています。加えて、所属長に対しては、明るく風通しのよい職場をつくるようにということで、その一環として、新規採用職員の悩みをよく聞くとか、健康状態をよくチェックするとか、あるいはいろいろ仕事上の激励になるような発表をさせるとか、そういうことで、とにかく早く仲間として自立できるような配慮をするということを言っています。 繁忙期になると、そう言われてもなかなかOJT、新人の教育ができない場合もあります。そういう繁忙期に仕事をうまくこなすのを見ること自体もOJTとして大事なことかという気もしますが、それが長引いて全く面倒を見てもらえないということになると大変ですから、そこのところは今、総務部長が申したように、勤務時間の管理等々を通じて適切な、また、必要ならば定員管理を進めて、仕事の配分をしっかりやっていくということではないかなと思っています。 ○御手洗吉生議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 ありがとうございます。ぜひ貴重な宝を有益に使っていただけるように、引き続きの努力をお願いします。 最後に、建築物の耐震診断と改修工事の事業についてお尋ねします。 土木建築部の事業で、住宅耐震化総合支援事業による耐震診断事業が2006年度から、耐震診断を基にした改修事業が2008年度から継続して実施されています。この事業では1981年以前に設計・建築された住宅の耐震性が劣ることから、耐震診断と耐震改修について補助対象としてきたわけです。お手元に資料を配付していますが、建築基準の見直しは2000年にも行われており、地耐力に応じた基礎構造の規定や筋交いや壁の種類に応じた補強金具の指定など細やかに示されています。2016年の熊本地震では、1981年以降の耐震基準で建設された住宅でも大きな被害を受けており、耐震診断とあわせて耐震改修を行う必要性があるのではないかと思います。 このことについては、2016年第2回定例県議会で原田議員が質問しています。その際、土木建築部長からは、熊本地震により新耐震基準で建てられた木造住宅が倒壊した原因等について、現在国で調査が行われており、今後の状況を注視していきたいと答弁されています。 そこで質問ですが、国の調査状況を踏まえ、1981年から2000年の期間に建築された住宅の耐震診断や耐震改修の必要性について、県としての認識を伺います。 特に1981年以前に建築された建物は既に40年以上の年数を経過し、居住者の世代交代とあわせて、県下でも建て替えるケースが増えているように感じられます。一方で、1981年以降に建築された建物でも、一定の年数が経過する住宅も修繕やリフォームを検討する時期に差しかかっているのではないかと考えられます。耐震性の診断をするには、よい機会だと思いますし、それを不安に思う住民の方々の背中を押す施策として、積極的に呼びかけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○御手洗吉生議長 島津土木建築部長。 ◎島津惠造土木建築部長 熊本地震に関する国の調査結果では、1981年以降の新耐震基準はそれ以前の旧耐震基準と比較して、今回の地震に対する倒壊防止に有効であったという分析がなされています。 具体的には、無被害や小規模な被害等の木造住宅の割合が旧基準で約54%であるのに対し、新基準では約85%となっています。 現在、県内には、旧基準で耐震改修が必要な木造住宅が約7万棟あると推計しており、まずはこれらの住宅について、耐震診断及び改修を引き続き進めていきます。 一方で、議員御指摘のとおり、1981年から2000年の間に建てられた木造住宅においても一定の被害を受けており、2000年に改正された新たな基準に適合することは、さらなる被害の抑制につながると認識しています。 このため、昨年度から耐震アドバイザーの派遣対象を2000年以前の住宅にまで拡充し、新たな基準への適合状況の確認と耐震に関する相談に応じています。 あわせて、リフォームなどの機会を捉えた耐震性向上についても、工務店等を通じて、引き続き積極的に呼びかけていきます。 ○御手洗吉生議長 以上で守永信幸君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩します。     午後0時01分 休憩  -------------------------------     午後1時 再開 ○三浦正臣副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問及び質疑を続けます。森誠一君。  〔森議員登壇〕(拍手) ◆森誠一議員 皆さんこんにちは。10番、自由民主党、森誠一です。今回の質問の機会をいただいた先輩、同僚議員の皆様に感謝するとともに、本日も傍聴にお越しくださった皆様、また、インターネットで傍聴してくださっている多くの支援者の皆様に感謝し、一般質問をします。 冒頭、私ごとで恐縮ですが、先週の6月18日、公益社団法人大分県畜産協会の会長を拝命しました。昨日も畜産業に関する、また和牛振興に関する課題等をいただき、時代の変化に対応しながら、畜産のあるべき姿、また伸び代のある産業だと考えており、しっかり課題解決に臨み、振興に努め、大分県の発展につながるよう努力していきたいと思いますので、皆様の御指導をよろしくお願いします。 では早速、質問に入ります。 まず、教育県大分の創造に向けた学校と地域との連携について質問します。 その中で、1番目として、部活動における学校と地域の協働・融合について伺います。 学習指導要領では、部活動について、生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養など、学校教育が目指す資質、能力の育成に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際、学校や地域の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行い、持続可能な運営体制が整えられるようにするものとすると示されています。 文部科学省は昨年9月1日、学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について、生徒にとって望ましい部活動の環境の構築と学校の働き方改革も考慮したさらなる部活動改革の推進の第一歩として、学校と地域が協働・融合した部活動、部活動改革の具体的な実現方策やスケジュールを明らかにしました。これは、本日皆様のお手元の資料2ページのスケジュールのとおりとなっています。 具体的には、令和5年以降、休日の部活動を学校部活動から地域部活動へ転換し、休日の部活動における生徒指導や大会の引率については、学校の職務として教師が担うのではなく、地域の活動として、地域人材が担うこととしています。これは令和5年度以降、休日の部活動の段階的な地域移行を図るとともに、休日の部活動の指導を望まない教師が休日の部活動に従事しないこととするもので、これらの方針は、これまで我が国における部活動の歴史においても大きな転換点となるものです。 一方、この実現には様々な課題があり、部活動現場の生徒や部活動顧問の声や思いをしっかり把握することはもちろん、学校と地域との関わり、日本中学校体育連盟、いわゆる中体連や全国高等学校体育連盟、高体連などの組織との関係など、全体をコーディネートしながら、地域の実情に応じた施策を講じていく必要があります。 今回の部活動改革は、学校という狭いフィールドだけでなく、地域という広いフィールドで部活動を支援することにより、学校を核にした地域活動の活性化につながることも期待でき、まさに学校教育と地域活性化の両面から注目できる取組です。 そこで、現状をどう認識し、県としてこの学校と地域が協働・融合した部活動への転換を通じ、学校と地域の協働・融合を今後どのように進めていくか、知事の見解を伺います。 続いて、運動部活動の地域移行に係る指導者確保について伺います。 本年度から、中学校運動部活動については、全国47都道府県で各2か所、20の政令指定都市で各1か所、合計114か所で地域運動部活動推進事業として休日の地域部活動の全国展開の調査研究事業が実施されています。文化部活動についても各県1か所で地域移行に関する調査研究が行われ、合わせて20件程度の地域文化倶楽部創設事業が実施されます。今日、ここでは中学校の運動部活動を例に、地域移行に関する議論をさせていただきます。 令和2年度、県内の中体連に登録する運動部活動の数は1,413部、これは今日のお手元の資料1ページに載せており、部活動生徒数は1万8,191人、部活動顧問の先生の数は1,892人、また、外部指導者は541人、部活動指導員は76人となっており、大分県の中学校の生徒数は2万9,212人なので、運動部活動に所属する生徒は62%います。教師の数は2,519人なので、約75%の先生方が運動部活動に関わっていることになります。 また、国からは、今回の施策を実施する上で課題となっている教師の兼職兼業について、学校以外の主体が実施する部活動、地域部活動について、地域部活動において休日の指導を希望する公立学校の教師については、兼職兼業の許可を得た上で、地域部活動の運営主体の下で従事することが考えられるとし、そのガイドラインが本年2月17日、文部科学省から示されました。 教師への意向調査では、約7割の方が土日の部活動指導を望まないという数字も出ています。単純に県内で運動部活動を指導いただいている顧問の先生約1,800人の教師のうち、7割の1,300人の先生が土日の部活動指導をしないとなった場合、子どもたちの運動環境を考えると非常に心配になり、そこをしっかり見据えた取組が必要だと思います。教師の働き方改革が重要なのは十分に理解している一方で、部活動に頑張る、頑張りたい子どもたちの気持ちに応えていくべきだと思います。これまでも学校現場の大きな課題だった部活動改革における指導者の確保をどのように考えているか、御見解を伺います。 続いて、部活動改革の推進体制について伺います。 今回の部活動改革は、学校と保護者、そして、地域の連携の下、部活動に取り組む生徒の環境をいかに整えていくかが一番重要な課題であり、生徒にとって望ましい仕組みづくりをしていかなければなりません。そのためには、それをマネジメントし、合意形成を促す組織が必要となります。 今回の事業においても、中学校の現場では、学校長の方針が地域移行を実践することを前提とし、顧問の先生、生徒、保護者、指導者の理解がなければならないし、しっかり連絡調整し、合意形成をするためのマネジメント組織が必要です。 今回、調査研究事業を行っている大分市野津原地区と豊後大野市朝地地区の2地区では、総合型地域スポーツクラブがマネジメント組織に関わっていますが、このような組織が各学校区にあるわけではありません。また、市町村段階では教育委員会の方針が明確に示され、地区中体連や高体連などの理解と協力が必要になります。 県段階においても、教育委員会はもちろん、全庁でこの改革を認識した上で取り組むことが必要だと思います。特に、教育委員会においては、学習指導要領の「部活動が学校教育の一環であること。教育課程との関連が図られるよう留意すること、学校や地域の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫をし、持続可能な運営体制が整えられるようにする。」という記述を踏まえた上で、総合的にマネジメントしていくことが必要です。 所管課が、義務教育課、高校教育課、文化課、社会教育課、体育保健課など複数にまたがることから、芯の通った学校組織を体現するべき教育改革・企画課がしっかり組織に横串を刺して改革を進めていかなければ、研究事業の成果は現れないし、一部の学校での取組に終わってしまいます。 また、国の段階においても大きな変革を促すのであれば、中体連などの全国組織を動かしていくような覚悟がなければならないと思います。令和5年度以降の部活動の段階的な地域移行を考えると、このような改革の中で、学校ごと、地域ごとにタイムラグが発生することが考えられます。その渦中の生徒や先生、指導者、保護者が仕組みの違いに振り回され、不幸な思いをすることは絶対にあってはなりません。 県として信念を持って各地域における推進体制と、県全体としての推進体制をいかに構築していくかが重要となってきます。令和5年度からの地域移行を見据え、県としての考え方をお聞かせください。 あとは対面から行います。  〔森議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○三浦正臣副議長 ただいまの森誠一君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 森誠一議員から、部活動における学校と地域の協働・融合について御質問いただきました。 部活動は、教育的意義の高い活動ですが、教職員の献身的な勤務に支えられており、従来の方法で将来にわたり活動を続けるには、学校の働き方改革などの課題があると認識しています。これからは、全てを学校の教職員が担うのではなく、生徒への指導に意欲を有する地域人材の協力の下、生徒にとって望ましいスポーツ・文化活動を地域が支えていくことが大切だと思います。 現在、指導経験のない教師に代わり専門的指導ができる外部人材を部活動指導員として配置したり、学校に部活動がない種目に取り組みたい生徒が総合型クラブで活動するなど、地域との連携に取り組んでいます。 また、本年度から県内2地域のそれぞれ中学校1校を対象に、全ての運動部活動を平日も含め、各地域の総合型クラブへ移行し、その成果や課題について調査研究を進めています。 そのうちの一つに、朝地フレンドクラブがあります。クラブと連携する豊後大野市立朝地小中学校では、剣道部が既にクラブで活動しており、残る三つの部活動についても、今後、段階的に移行すると伺っています。 私は、今回の調査研究地域の取組が成果を上げ、他の地域に波及するよう期待しており、県としても所要の支援を継続したいと考えています。 今後、部活動における地域との協働・融合を進めるに当たり、関係者の意識改革が不可欠であるとともに、県や地域などの関係者が改めて役割を確認していくことが重要だと思います。 部活動の改革は、地域や活動内容により、それぞれの状況が異なることを踏まえると、その改革に当たっては、各地域で調査研究を行いながら、段階的に着実な取組を進める必要があると思います。 その上で、今回の調査研究の成果や課題も見極めながら、地域人材の協力を得て、生徒にとって望ましい部活動の実現に向け、さらなる取組を進めることが関係者に求められています。これからは、これまで以上に学校、地域が連携することにより、地域全体で子どもの育成に取り組み、地域を担う人づくりと活力ある地域づくりの推進につなげていくことが大事だと考えています。 その他の御質問については、教育長から答えさせていただきます。 ○三浦正臣副議長 岡本教育長。 ◎岡本天津男教育長 まず、運動部活動の地域移行に係る指導者確保についてお答えします。 運動部活動については、これまで外部指導者や部活動指導員を配置してきましたが、中でも、教員に代わり、単独で指導や引率できる部活動指導員の確保に努めてきました。しかしながら、別に本業を持ち、会計年度任用職員として働く部活動指導員は、本業の勤務時間との調整や労務管理が難しく、必要な指導者を確保しにくい実情もあります。 県では、本年度から運動部活動の地域移行に向けた調査研究を進めており、指導者の確保は重要な論点の一つと考えます。 総合型クラブに加え、スポーツ少年団や民間企業など関係団体とも連携しながら、人材の育成からマッチングまで、民間人材活用の仕組みの構築の在り方も含め、幅広く研究を進めていきたいと思います。 次に、部活動改革の推進体制についてです。 議員の御指摘があったとおり、この部活動改革は、生徒、学校、教師、保護者、地域、指導者といった多くの関係者の理解と協力が必要不可欠です。また、部活動の教育的観点や地域資源の活用、働き方改革、各自治体や各種団体との調整など、広範にわたる横断的な視点を持った対応が求められます。 このような認識の下、部活動の地域移行に向けた調査研究の成果や課題、国全体の改革の動向などを見極めつつ、生徒をはじめ、関係者にとって望ましい環境を整えていく必要があると思います。この政策課題に対し、教育庁内に関係課などで構成するプロジェクトチームを立ち上げることとしており、各市町村とも議論を重ねながら、今後具体的な検討を進めていきたいと思います。 ○三浦正臣副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。部活動改革、さきほど話したように、現場では歴史的な改革になるのではないかという話になっており、それだけ生徒たちに対する影響、また、地域にとっての影響も大きいと思います。 そこで、一番気にかかるのが、今までは先生が、実は放課後は無償で部活動指導を行っていたということがありますが、それを例えば、民間の方に指導していただくとなった場合、そこには当然、さきほどマネジメントする組織が必要と言いましたが、そこからその指導者に対する何かしらのお礼だったり、対価だったり、指導してくれる方への謝金も必要になってくると思います。 そこで、現在の部活動ガイドラインに基づいて、その指導に係るコストを私なりに試算してみたのがこの表で、学校数、部活動数が上の現状で、それを基にコスト計算をしてみました。活動日数については、月20日で、土日はどちらかというガイドラインになっているので、年間240日で平日土日としています。大分県の今の方針だと、土日だけでなく、平日も地域移行をしていくと。これは工藤教育長もそう言われていたと聞いており、それが引き継がれていると思うので、あえて平日土日も分け、計算しています。 活動日数に時間当たり単価を掛けると、④にあるように指導者1人当たりの年間指導コストは、右から2番目の枠にある66万5千円となり、これを県全体の顧問数、学校の先生が今顧問についており、その数が必要なので、掛けると12億5千万円となり、これを生徒1人当たり部活動生徒数が1万8,191人なので、それで割ると、1年当たり6万9,164円、これを月々にすると5,763円、これを誰が負担するのかということになると思います。 これが、例えば、4時からの部活動に民間の方がそのまま行けるのかという課題もあるし、誰が実施していくのか、指導者確保といった課題がある中でコストも必要だし、この費用負担を誰がするのか、そのあたりをどうお考えですか、教育長に伺います。 ○三浦正臣副議長 岡本教育長。 ◎岡本天津男教育長 今、御指摘いただいた指導者の確保に係る経費を初めとする費用負担は大変大きな問題があると認識しています。 国は、生徒の活動機会の保障や受益者負担の観点から、保護者が負担すること、あるいは会場使用料など、地方自治体が減免措置を講ずることなどが適切としています。 一方、これまでそのような対応が行われていなかった実態等を踏まえ、今後、国は支援方策についても検討すると言っており、本県においては、今回の調査研究により得られる成果や課題を検証し、国、県、市町村、保護者などの役割を確認していくとともに、国の動向も注視しつつ、指導者の確保を含めた部活動改革を進めていきたいと思います。 ○三浦正臣副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 この表によれば、今、外部指導者の数を上の表の下から2番目に載せていますが、541人、全体の部活動数は1,413部あります。外部指導者はボランティアとしての関わりであり、保護者会等が幾らかを負担しているという考え方で、実際に会計年度任用職員として活動されているのは76人、私の地元豊後大野市では1人ということになっています。そういう措置もいまだ十分なされていないこの改革がずっと言われている中、そして今度、令和5年から段階的な移行となると、この費用負担の問題を解決しない限りは前に進まない、それぐらいの覚悟を持って当たらなければならないと思います。知事、この費用負担等についてどう感じられますか。 ○三浦正臣副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 私も費用負担についてどういう方針かということに疑問を持って聞いていましたが、今のところ、費用負担については方針がないと。つまり、保護者に負担してもらおうという方針だということで、それでは成り立っていかないのじゃないかと思います。今はどちらかというと、先生のボランティアに頼っているところがあり、それで成り立たなくなったから今度移行しようということなので、そこの手当をしないと先に進めなくなると思います。 これから文部科学省も、そこをいろいろ考えていくだろうと思いますが、我々としても関心を持って文部科学省によく話を持っていく、聞いてみる必要があると思います。 ○三浦正臣副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございます。知事がそういう認識をいただいていることは、非常に我々も心強いところです。 さきほど申したように、生徒たちのことが一番だと思うし、生徒たちの環境づくりに関しては、我々大人の責任だと思います。これが中学校から今度、高校部活動にも対象になるので、それも見据えた上で、この研究事業及び令和5年からの実際に移行していくスケジュールについてもしっかり教育委員会、また、全庁で考えてほしいと思います。それは予算措置も含めてということで要望しておきます。ありがとうございました。 では次に、住宅政策について伺います。 人口減少に対応した住宅政策について、まず伺います。 昨年改定された大分県人口ビジョンにおいて、県は目指すべき将来の方向として、自然増と社会増の両面からの取組をこれまで以上に進めることで、人口減少カーブをできる限り緩やかにし、2100年までには増加に転じさせるとしています。 このビジョンにおいて、自然増対策として、県民の結婚、出産、子育ての希望の実現のため、具体的には、妊娠、子育てに係る経済的負担軽減に向けた子育て支援の充実や広域的な出会いの場づくり、男性の子育て参画の促進等により、2人目の壁を突破し、結果として合計特殊出生率の向上に向けた取組を行うこととしています。 一方、社会増対策としては、地域の魅力を育み、人が集う地域を構築し、人口減少を和らげ、転入転出の均衡を図ることや、先端技術の挑戦を通じた仕事づくり、若者の転出の多い福岡県での拠点施設を活用した情報発信などにより、人口減少に歯どめをかけることができるとされています。こうした自然増、社会増の両面からソフト事業を進める一方で、人口を増やしていく観点から両者に共通する住宅政策を展開し、住むところの基盤を構築することは重要だと思います。 県では、平成29年3月に大分県住生活基本計画を策定しており、この計画において、住宅政策の視点として、居住者、住宅、地域の三つの観点からの取組が述べられています。 居住者の観点からは、高齢者、子育て世帯などの居住ニーズに対応した県民の暮らしの安心を支える住宅・住環境の整備、住宅の観点からは長持ちする良質な住宅の形成とリフォームなどによる住宅市場の活性化、地域の観点からは、おおいた暮らしの魅力向上と地域文化の継承といった自然増や社会増による人口減少にも対応し得る取組が基本目標に掲げられています。 これを横断的視点から重点施策として、子育て世帯などへの多様な居住支援の充実、既存住宅流通の活性化、日常の災害対策や被災時の住宅確保などの充実の三つの取組が上げられています。 合計特殊出生率は4年ぶりに改善したものの、出生率は9年連続減と人口減少が進んでいく中、住宅政策も時代と状況に合わせて変化していく必要があります。人口減少社会対策に対応すべき住宅政策をさらに進めていくべきと思います。 折しも、さきほど申した計画の見直し時期に重なることもあり、今後どのような計画に改正していくのか、非常に注目しています。人口減少を食い止めるという視点も踏まえ、計画の見直し状況と今後の住宅政策の充実をどのように図っていくか、知事の御見解を伺います。 続いて、3世代同居等の実現に向けた住宅制度について伺います。 近年の内閣府の親子の近居・同居に関する最近の調査では、親世代の子どもとの同居や近居に対する意向は、同居したいが34.8%、近居したいが29%、同居か近居のどちらかをしたいが9.6%、同居も近居もしたくないが18.9%、一方、子ども世代の視点からの理想の家族の住まい方に関する調査結果を見てみると、同居したいが20.6%、近居したいが31.8%となっており、親の意向を見ると74%が近居若しくは同居したい、子どもの意向は52%が近居または同居を望むということです。 現在、政府は世代間で支え合うライフスタイルを選択肢として広げ、出生数の上昇、ひいては少子化対策に資するとして、3世代同居や近居の実現に向けた施策を推進しています。しかし、その政策効果はまだ十分ではなく、さらなる充実が必要と思われます。 人口減少を食い止める視点から、3世代同居・近居施策の実現に向けた住宅制度の拡充が必要と考えます。県として今後、どのような施策を講じようとしているのか、御見解を伺います。 ○三浦正臣副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 まず私から、人口減少に対応した住宅政策についてお答えします。 県では昨年、少子高齢化・人口減少対策として、第2期まち・ひと・しごと創生大分県総合戦略を策定し、自然増・社会増の両面から全力で取り組んでいます。この取組を進める上で、県民生活を支える基盤としての住宅や住環境の整備は大変重要であり、これまでも大分県住生活基本計画に基づき、住宅政策を推進してきました。 具体的には、子育て満足度日本一に向けた子育て世帯のリフォームや、健康寿命日本一に向けた住宅のバリアフリー化など、人口減少対策に資する取組を支援しています。 こうした中、コロナ禍により生活様式や働き方は大きく変わり、地方への移住や都会と地方の2地域居住など、大都市集中から地方分散への新たな価値観をもたらしており、住生活を取り巻く環境も大きく変化しています。 今年度の計画の見直しに当たり、このような背景を踏まえながら、新たなニーズに対応した住宅政策を展開していきます。 まず、自然増対策では、何といっても子育て支援のための施策の充実です。住宅リフォームの促進により、子育てしやすい環境を整え、家事負担の軽減を図るとともに、テレワークスペースの確保も進めます。 公営住宅では、子育て世帯向けの改修を進めるとともに、市町村と連携して保育園などを併設した住宅の整備に取り組みます。 社会増対策では、移住・定住をさらに促進するため、地方移住の受皿となるよう、空き家バンクの一層の活用や、空き家改修の支援を市町村とともに進めていきます。 賃貸住宅では、住宅確保に配慮が必要な高齢者などの円滑な入居を促進するため、住宅セーフティネット機能も充実させていきます。 さらに、地域経済を支える裾野の広い住宅産業の活性化を図り、雇用の拡大による人口増にもつなげたいと考えています。 このほか、県産材を使用した木造住宅やカーボンニュートラルの実現に向けた省エネ住宅の普及促進、老朽化マンションの適正管理などへの対策も進めていきます。 これらの施策を取りまとめ、専門家や県民の御意見を伺いながら、今年度中に計画の見直しを行います。 ○三浦正臣副議長 島津土木建築部長。 ◎島津惠造土木建築部長 私から3世代同居等の実現に向けた住宅制度についてお答えします。 共働き、ひとり親世帯が増加傾向にある中、世代間で助け合いながら、子育てしやすい住宅を整備することは、人口減少の抑制に資するものと考えています。この観点から、議員御指摘の3世代同居や近居の施策は有効と認識しています。 まず、3世代同居については、それぞれの世帯で生活空間を確保したいというニーズがあることから、キッチン、浴室、トイレなどの増設費用の2分の1、最大75万円を助成する事業を平成28年度から実施しています。 次に、近居については、子育て世帯の住宅に対して、祖父母のためのバリアフリー改修が補助対象となるよう、今年度から制度を拡充しました。 なお、県営住宅においても、親世帯若しくは子世帯がお互い近くに住みたいというニーズに応えるため、優先的に入居できるよう配慮しています。 今後も、子育てしやすい住宅の整備を推進するため、市町村と連携し、助成制度の周知に努めながら、多様化する子育て世帯のニーズに合わせ施策を進めていきます。 ○三浦正臣副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。多様化する子育て世帯、また親世帯のニーズの把握という面で議論します。 例えば、私の周りだと近居している人が多く、もともと自分の住んでいる学校区内で、親は実家にいるが、普通の市営住宅を借りて近くに住む、またそういったニーズがあるのと、もう一つ、自分の分譲宅地があれば、本当は校区内に住みたいが、田舎であまりなく、どうせ家を造るなら大分市に造ってしまおう。それで親元から離れてしまうケースが結構あります。なぜ自分の家の近くに造らないかというと、農地はあるが、農地を転用する手続が3年もかかり、結局チャンスを逃してしまう。結局、親元から離れた大分市に住んでしまうパターンもあります。 そういった、近居とか同居に対する意向がどうなのか。例えば、サービス型高齢者住宅に親世帯が住む、では、その近所に住もうかというニーズもあるわけで、そういったニーズ把握が十分されていないところ、昨年12月に行われた国土交通省の住宅局の懇談会において、親子近居・同居世帯に対するWebアンケートが実施されており、間もなくこの結果が出ると聞いています。そういった本当のデータを基に、しっかり今回の住生活基本計画の見直し等に、また高齢者住宅の施策、計画であっても、そこに近居施策をくっつけていくことは大事です。大分県の計画にはそれがないので、そういった部分でしっかり見直してほしいという要望をして、次の質問に移ります。よろしくお願いします。 次に、子育て支援施策の充実について、まず一昨日、清田議員等の質問にあった里親支援等について伺います。 里親の皆さんは様々な事情により、家庭で生活できなくなった子どもを自分の家庭に迎え入れ、温かい雰囲気、そして、大きな愛情で養育してくださっています。 県内には、家庭で暮らすことができない児童が約500人おり、そのうち、約65%が児童養護施設、乳児院といった施設養護、約35%が里親やファミリーホームといった家庭養護となっています。 県では、平成14年度から里親委託を積極的に推進し、当時1.2%であった委託率は、令和元年には34.4%と、全国の21.5%の委託率を大きく上回り、現在は全国6位の委託率となっています。この背景には、専従職員の配置や組織新設による体制強化、児童養護施設や里親との連携があったからこその結果であり、全国的にも注目されています。 また、昨年3月に策定された大分県社会的養育推進計画でも、今後の里親等への委託の推進に向けた取組として、里親のリクルートなどのフォスタリング体制の強化や、ファミリーホーム設置促進などにより、令和11年度までに委託率40%を目標に取組が行われています。 一方、里親養育においては、成長段階における信頼関係の形成や、発達障がいの行動に対する理解など、対処が難しいことが負担となっています。このような里親の負担感を一時的に解消できるレスパイトケアなどの体制強化が今後さらに重要になってきます。 特に、これまでも日常の養育相談を受けている児童家庭支援センターでのレスパイトケア機能の充実が里親の大きな支援につながります。 里親支援についての課題と、今後の取組についてお聞かせください。 ○三浦正臣副議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 里親支援についてお答えします。 虐待等により、親元で暮らせなくなった子どもたちが特定の大人と信頼関係を築き、健全な家庭環境の下で愛情を注がれ、健やかに成長できる里親制度の活用を、本県は全国に先駆け推進してきました。 里親委託の推進には、多様な里親の確保と委託後の養育支援が不可欠です。里親養育では、委託直後の試し行動や虐待等に起因する子どもの心理的問題などから、対応に苦慮する行動が起こりやすいとされています。 こうした里親の相談に応じるため、今年度から里親担当の児童福祉司を増員し、支援体制を強化しました。また、里親同士が情報交換を行う里親サロンを通じ、各々が抱える悩みの解消を図っています。また、昼夜問わず子どもの養育に当たる里親には、身近な地域で相談できる場所や、子どもを一時的に預かるレスパイトの仕組みが必要です。 このため、今年3月に締結した家庭養育推進に関する日本財団との協定を契機に、県内に3か所ある児童家庭支援センターを日田市と佐伯市にも開設し、地域の里親支援拠点として活用したいと考えています。 ○三浦正臣副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。今、部長から日本財団との協定締結の話がありました。調べてみると、日本財団から最長5年間で5億円規模を想定した助成が大分県内の民間団体等に対して行われるということで、本年度に関しては5,139万円という助成になっているようです。この内容について部長にお尋ねします。 ○三浦正臣副議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 日本財団との連携した取組についてお答えします。 日本財団は非常に従前から社会的養育に造詣が深いということで、大分県の積極的取組に注目し、今回、全国初の家庭養育推進自治体モデル事業に係る協定を締結しました。 日本財団との取組については、さきほど申した児童家庭支援センターの新設についても5億円の一部の助成金をいただけることになっています。 それから、里親リクルートを行うNPOの活用ということで、行政ではなく、民間の力を使って全国的な里親リクルートを行うNPOがあり、そういうノウハウを活用し、大分県でもこの里親リクルートを強化しようと、新たにNPOを立ち上げました。 それから、里親が増えると乳児院の入所児童が減少するので、逆に乳児院の多機能化、機能転換といったことにも取り組む予定にしています。 議員から御質問のあった、今年度の事業5千万円については、その一部ということで、現在ある児童家庭支援センターの里親レスパイトの機能を強化するための追加の助成、それから、さきほど申した里親リクルートに取り組むNPOに対する助成が5千万円計上されています。 ○三浦正臣副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。知事も佐伯の里親の皆様とのお話を聞かれ、それが今年度の政策にすぐ実現されているということで、その部分は本当にすばらしいと思っています。 私も佐伯の里親の皆様とも議論した中で、レスパイトのことは非常に重要になってくると感じ、ぜひ今回、日本財団との連携により、その環境がしっかり整えられることを切に願っています。 それでは、次に医療的ケア児支援法について伺います。 ちょうど1年前の一般質問においても、コロナ禍における医療的ケア児への支援について質問しました。 本年6月11日、国会において、全会一致で医療的ケア児支援法が成立し、6月18日交付、9月18日から施行されることを受け、今回取り上げます。 医療的ケア児支援法は、医療的ケア児の家族の負担を軽減し、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職を防止する目的で策定されました。関係者の喜びと期待は非常に大きいものがあります。 本県においても、障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例や、大分県手話言語条例など、県議会でも多くの条例を策定し、障がいや医療的ケアの有無にかかわらず安心して子どもを産み、育てることができる社会を目指していることは周知の事実です。 それに加え、医療的ケア児支援法が施行されることにより、これまで児童福祉法で地方自治体の努力義務とされてきた医療的ケア児への支援が責務に変わります。 責務規定とは、これまでの努力義務よりはるかに強く、強制力が働くものです。また、法では、政府は必要な財政上の措置を講ずるとされています。各自治体が国と連携し、法的責務を果たすため、医療的ケア児支援事業を進めていくことにより、これまで地域によって格差のあった支援体制が是正され、全国どこでも医療的ケア児が一定水準の支援を受けることが期待されます。 また、各都道府県における医療的ケア児支援センターの設立についても明記されており、医療的ケア児とその家族が何か困り事があった際には、ワンストップで対応できるような仕組みづくりに向け、本県における今後の取組も注目されます。医療的ケア児支援法の成立を受け、県として今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。 ○三浦正臣副議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 医療的ケア児支援法についてお答えします。 今般成立したこの法律は、医療的ケア児が心身の状況に応じて適切な支援を受けられるよう、相談体制の整備と保育所や学校での支援の充実を柱としています。県内には在宅の医療的ケア児が約130人いますが、県では、令和元年度より家族からの相談対応や支援調整を行うコーディネーターを46人養成し、今年度中に73人まで増員予定です。 新たに法に定められた医療的ケア児支援センターを含め、相談体制のさらなる充実策を検討していきます。 新法では、保育所や学校において、看護師等の配置による医療的ケアの充実が求められています。保育所については、訪問看護等を活用して体制を整備していきます。学校については、全ての特別支援学校に看護師を既に配置しており、その指導の下に教員も喀痰吸引等が行えるよう研修に取り組んでいます。 新法の目的が十分に果たされるよう、保護者や関係者の意見を伺いながら、市町村と連携して取組を進めていきます。 ○三浦正臣副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。今回の法案は理念法ということもあり、特に学校、また保育園とか放課後デイみたいなところの部分でのしっかりとした財政の裏づけがある上での支援が必要だということです。実際、私も医療的ケア児を抱えるお母さん方とも話をしていますが、ここでもレスパイトの仕組みが必要となってくるし、18歳を超えた医療的ケア者と言われる皆さんの実態把握も重要になってくると思うので、引き続き、この課題は取り上げていくので、この法の成立を受け、県もしっかり対応していただきたいとお願いします。 では、次に移ります。最後の質問です。 社会課題解決型ベンチャーへの支援について伺います。 お手元の資料で、馬の絵が載った資料があるかと思いますが、それも参考に見ていただきたいと思います。 政治、経済、産業、文化、教育などの社会の様々な分野において発生している解決すべき課題をソーシャルテーマと捉え、課題を解決する過程で行われる提案や活動、行為を事業として行う企業が社会課題解決型ベンチャーと位置づけられ、ユニコーン企業と言われるものに対し、ゼブラ企業と呼ばれています。 起業から10年以内で企業価値が1千億円以上の未上場のテクノロジー企業を指すユニコーン企業、これは今やスタートアップ政策を語る上では重要なキーワードです。国の未来投資戦略2018において、ベンチャー支援の強化項目において、このユニコーン企業を令和5年までに20社創出するとの政策目標を掲げていますが、ユニコーン企業を増やすことのみがスタートアップの政策としての成功例かというと疑問があると思います。 一方、ゼブラ企業と言われる企業は、社会貢献を第1目的とし、株主や出資者に対する配当と利潤の追求を第1とする今までの、さきほど申したユニコーン企業とは一線を画した存在で、市町村をはじめ、地域づくりを推進する団体や顧客など、彼らのステークホルダー全てに何らかの利益を享受させることができる特徴を持っています。 先日、総務企画常任委員会の調査で、豊後高田市に伺った際、長崎鼻での活動や、地域の加工販売施設と連携しながら課題を解決していこうと取り組む株式会社Founding Baseという企業の方の話を伺うことができました。 企業のノウハウを生かし、市が採用した地域おこし協力隊の皆さんの活動をマネジメントし、地域の魅力の掘り起こしと効果的な対策を提案実践し、地域活力を向上させ、ひいてはその収益を地域に還元するビジネスモデルを実践しています。 このような社会課題解決型ベンチャーの取組は、県内各地でも広がりつつあります。コロナ禍で経済が低迷する中、企業利益の追求と社会課題の解決の両立を図るゼブラ企業に対し、スタートアップ支援はもちろん、ビジネスモデルの構築に向け、県として支援していくことは一考に値すると思います。こうしたベンチャーの起業を促進することは、これまでにない地域課題の解決法になるのではないかと考えます。 今後、ゼブラ企業と言われる社会課題解決型ベンチャーへの支援について、県としてどのように取り組んでいくか、お聞かせください。 ○三浦正臣副議長 高濱商工観光労働部長
    ◎高濱航商工観光労働部長 少子高齢化や人口減少、コロナ禍などにより社会変化が加速度的に進む中、社会課題は多様化、複雑化しており、これらに行政が対応するだけでなく、ビジネスの力で持続的解決を目指す企業が新たな担い手として活躍する事例が出始めています。 県内では、議員言及の企業のみならず、漁場を荒らし、可食部が少なく、値打ちのないムラサキウニを食用に育成、販売する循環型ビジネスや、子育て中の薬剤師と薬局をマッチングし、薬剤師不足を解消するビジネス等が生まれています。県では、ビジネスプラングランプリや女性起業家支援、補助金等により、企業の取組を後押ししています。 そのような中、課題は資金調達環境と認識しており、ゼブラ企業は、ユニコーンのように必ずしも短期的な急成長が期待できないため、短期的リターンを期待する投資家からは投資対象外とされ、その結果、銀行からの融資に頼らざるを得ず、成長に向けた投資を行うことが困難な状況と認識しています。国へも要望しつつ、県としても金融機関等と作成した資金調達ハンドブックなどにより、支援者側の意識を変えるとともに、起業家側の金融リテラシーも高めています。今後もゼブラ企業を含めた地方の起業家への資金調達環境の改善に向け取り組んでいきます。 ○三浦正臣副議長 森誠一君。 ◆森誠一議員 ありがとうございました。社会課題と言うと人口減少とか、例えば、厄介者である副産物といったものを活用しながら、それをビジネスとして前向きに解決していく手法で、学生起業家が非常に多いと聞いています。さきほど申したFounding Baseという会社もほとんど20代前半の方々、大卒の方々でした。そういった、今まではNPOとかが地域づくり等をやっていましたが、今は株式会社としてそういう課題解決をしていこうという取組が県内でも結構進んでいます。公共財産を生かしてその地域を活性化させようという取組も行われており、また、インパクト投資と呼ばれる社会的インパクトがあるところに投資する投資家も現れていることもあるので、これら今後の地方創生において重要なキーワードになると思うので、引き続き支援体制等の確立をお願いします。 ありがとうございました。(拍手) ○三浦正臣副議長 以上で森誠一君の質問及び答弁は終わりました。吉村哲彦君。  〔吉村議員登壇〕(拍手) ◆吉村哲彦議員 皆様こんにちは。36番、公明党、吉村哲彦です。今定例会、一般質問最後の質問者となりました。まさに陸上のアンカーです。その責務を果たせるようしっかり頑張っていきます。よろしくお願いします。 今、学校現場ではGIGAスクール構想の下に、教育のICT化が加速しています。今回、玖珠町くす星翔中学校ではオンライン授業も展開、子どもたちの学びの機会を確保するなど、現場においてその活用が図られています。 今後、地域や人材による格差が出ないよう好事例を横展開し、ハード面の整備、人材育成、ICT支援員の拡充等、必要な施策をしっかりと進めていただきたいと思います。 さて、内閣府より令和2年度の青少年のインターネット利用環境実態調査結果が発表されています。近年、ネット利用の低年齢化が報じられています。少し内容を紹介します。 インターネットを利用している青少年の割合は、高校生98.9%、中学生が97.4%、小学生の低学年、6歳から9歳では82.4%、そして、通園中の0歳から6歳では57.8%となっています。利用する端末、中でもスマートフォンは、子ども専用のものを使っている割合が11歳から12歳にかけて保護者共用との割合が逆転しており、高校生では99.1%が子ども専用のものとなっています。 このような中、インターネットに関する啓発や学習を受けた経験は、青少年では86.5%であり、学年が上がるほど割合も増加傾向にあります。その機会としては、学校、幼稚園、保育園等が中心のようです。しかしながら、低年齢層の子どもについては19.1%と非常に低くなっています。 さらに、保護者がインターネットに関する啓発や学習を受けた経験は、青少年の保護者では79.1%、そして、低年齢層の子どもの保護者では57.9%と意外に低くなっています。同じくその機会としては、青少年の保護者は学校等の保護者会やPTAの会合などが多く、低年齢層の子どもの保護者については、テレビ、本、パンフレットなどとなっています。 インターネットは今や生活に結び付いています。今回の新型コロナウイルスワクチン接種においても、高齢者向け接種の予約に全国で多くの市町村がネット予約を試みています。高齢者向けのネットリテラシーの確保についても、十分検討を進めていく必要があります。 情報弱者を現状で置き去りにしないためには、ネットリテラシーの普及啓発が重要です。ネット、SNS上での個人に対する誹謗中傷も社会問題となっています。高齢者から小さな子どもたちも利用機会が増えているインターネットの利便性と危険性をしっかりと学べる場を提供するべきではないでしょうか。 総務省が行っているeネットキャラバン等も活用し、県民、特にネットリテラシー啓発・学習の機会の少ない低年齢層の子どもの保護者や高齢者など幅広い世代にネットへの理解促進を図る機会をさらに広げてはいかがでしょうか。県の考えを伺います。 ○三浦正臣副議長 ただいまの吉村哲彦君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 吉村哲彦議員にネットリテラシーの向上について御質問をいただきました。 デジタル社会の進展により、年齢を問わず誰もがインターネットに触れる機会が拡大しています。議員御指摘の就学前のお子さんの約6割にも驚きましたが、高齢者も60代で9割、70代で7割、80歳以上で約6割の方がインターネットを利用しています。コミュニケーションや情報収集など生活に不可欠となっているインターネットの利用にあたり、トラブルを避け、そのメリットを享受して豊かに生活を送ることができるように、リテラシーの向上を図ることは重要です。 年齢層により課題が異なることから、各層に合った対策が求められます。 児童生徒については、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、1人1台端末の整備が一気に進んだことから、学校を中心に、教員やICTアドバイザー等の活用によりリテラシーの向上に取り組んでいきます。 低年齢層の子どもの保護者や高齢者への理解促進の取組は、学校単位以上にきめ細かく働きかけていく必要があります。 低年齢層の子どもについては、98%の保護者が子どものネット利用について、大人の目の届く範囲内でとか、時間・場所を指定するといった管理をしていることから、その保護者への取組が大事です。御提案のあったeネットキャラバンの活用や、子どものためのネットあんしんセンターを運営する公益財団法人ハイパーネットワーク社会研究所と連携して取り組みます。インターネットの使い方や、子どもの発達段階、兄弟の有無など状況が家庭ごとに異なることから、環境に応じて子どもと話し合いながら自分たちの家庭に適したルールづくりなどを働きかけていきます。 高齢者では、家族や友人との連絡や情報収集、ショッピングなどで利用を楽しむ方がいる一方で、使ってみたいが操作が分からない方も増加傾向にあります。そのような方に対しては、高齢者サロンごとにオンライン交流体験会を開催し、デジタルの楽しさや使い方を伝えていきます。また、通信事業者と連携して、地域の公民館等で無料講習会も計画しています。 今後、デジタル庁の創設など、行政のオンライン化が拡大していくことから、子どもから高齢者まで幅広い世代を誰一人取り残さないようネットリテラシーの向上を図っていきます。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 知事ありがとうございました。各年齢に合った対策を取っていただけるということで少し安心しています。 さきほども申しましたが、このeネットキャラバンも数年前までは県も年間30回程度活用していたように思います。現在はコロナ禍においてオンデマンドや、また、オンラインでも講座を行っているようなので、ぜひともあらゆる機会を講じながら、あらゆる人を取り残すことなくネットリテラシー向上に今後も力を入れていただければと思います。 次は、新型コロナウイルス感染症の各対策について伺います。 国内において変異株による新型コロナウイルス感染症が確認されて以降、県内においても感染が拡大してしまいました。この間、昼夜を問わず対応に当たっていただいている職員、医療関係者、あらゆる皆様に心から感謝申し上げます。 現在、その感染スピードは落ち着きを見せているものの、一時はステージ4となった指標もあり、非常に緊迫した状況でした。今までにない感染拡大に学校でのクラスターや家庭内感染も発生、大きな不安を覚えた県民も非常に多くいらっしゃったことと思います。 ワクチン接種も各市町村と連携を取りながら、あらゆる支援を講じ、一日も早く行き渡るようよろしくお願いします。ワクチン接種でいえば、アメリカ疾病対策センターは、新型コロナウイルスワクチンの接種を完了すれば、屋内外を問わず、マスクを着用しなくてもよい、このような新しい指針を発表しています。 しかしながら、マスク着用の有無でワクチン接種の状況が分かり不要な差別につながるのではないかといった懸念や、今後、日本国内においてもワクチン接種を終えた方がマスクをつけずに出歩くことで、本人は感染せずともウイルスを運んでしまうことで感染拡大のきっかけをつくるのではないか、このような不安の声も聞かれます。今まで以上に必要な情報が正確に伝わるよう、よろしくお願いします。 さて、さきほども少し触れましたが、第4波ともいえる今回の感染拡大では家庭内感染も多く確認されました。家庭内感染に限ったことではありませんが、保護者が感染し、子どもだけが陰性となるケース、また、介護をする人が陽性となり、被介護者、介護が必要な方が陰性で自宅に取り残されてしまう、このようなケースが心配されます。 特に、子どもに関して政府は宿泊施設、医療機関、児童相談所や児童養護施設において一時保護をするといった案を示し、そのための財政措置も取られているようです。子どもだけではなく、障がい者や介護が必要な方を含め、そうした方々をケアする人が陽性になった場合、県としてどのような対策、体制を執っているのでしょうか。 また、実際に子どもの一時保護をするようなケースは発生しているのでしょうか。県の見解を伺います。 ○三浦正臣副議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 保護者や介護者の感染についてお答えします。 本県では、保護者や介護者が入院せざるを得ず、保護や介護が必要な方が自宅に残される場合には、専門機関と連携して、個別の事情を十分考慮して対応しています。 例えば、医療的ケアが必要な子どもが残された事例では、親の入院先とは別の子どもの対応ができる専門医療機関が、感染していない子どもを受け入れてケアに当たったケースがあります。 また、介護が必要な親が残された事例では、ケアマネジャーが調整し、訪問介護や短期入所施設を利用して、介護を継続することができました。 一方、授乳中の母親が感染した場合などは、母子を引き離す弊害が懸念されることから、親子で一緒の療養も選択肢となります。 なお、児童相談所が一時保護を行った事例としては、保護者が感染し、障がいにより特別な養育が必要な子どもが残されたケースがあります。 今後も、保護者や介護者が感染した場合には、関係機関と緊密に連携し、子どもや要介護者が安心して保護、介護が受けられるよう、個別丁寧に対応していきます。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。現在多様なライフスタイルの中で、一つでも多くの不安要素を取り除くことは非常に重要なことだと思っています。加えて、その内容をしっかりと知ってもらう、うちの場合どうなんだろうといった不安を取り除き、それを知ってもらうことも重要だと感じるので、ぜひとも可能な範囲で周知できる部分に関しては周知をお願いします。 次に、新型コロナウイルス感染症の後遺症について伺います。 大分県における累計感染者数は3,400人を超えています。この中にも現在後遺症と思われる症状に苦しまれている方がいらっしゃるのではないでしょうか。 国は感染症とその後に現れる症状について、関連性は明らかではないとしつつも、呼吸苦、症状・頻度・期間、そして、味覚・嗅覚障害の3点について、調査、研究を行っています。 イタリアの大学病院の研究では、2か月後の時点で何らかの症状がある方が87.4%と発表、オックスフォード大学の研究では23万人を調査し、34%の方が精神や神経の病気であると診断されています。 厚生労働省のホームページに公開されている診療の手引きにおいても倦怠感、味覚・嗅覚障害、呼吸困難、咳等について、いわゆる後遺症として触れられています。 しかしながら、後遺症について世の中の理解は進んでいるとは言い難く、後遺症で苦しんでいるにもかかわらず、その苦しさを周りから理解されずに辛い思いをされている方が県内にもいらっしゃるのではないでしょうか。 県は新型コロナウイルス感染症の後遺症について、相談を受ける窓口などを開設し、対応する必要があるのではないかと考えますが、県の見解を伺います。 ○三浦正臣副議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 新型コロナウイルス感染症の後遺症についてお答えします。 県内においても、回復された方の一部に対して行った調査では、半数を超える方に味覚障害など何らかの後遺症が認められました。 これまで本県では、感染者が入院や宿泊療養を終えた際に、リーフレットをお渡しして、4週間の健康観察をお願いしています。その中で、各保健所を相談窓口として、体調不良等があれば気軽に相談するよう伝えており、相談を契機に医療機関への受診調整を行った例もあります。 また、メンタル面の不安を感じる方に対しては、こころとからだの相談支援センターにつないで対応しています。 後遺症に適切に対応するためには、感染の経緯や療養状況を把握している保健所が総合的に調整を行うことが必要です。 今後とも、後遺症についてお気軽に御相談いただけるよう、療養解除時などに保健所等の相談窓口の周知を徹底していきます。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 1点、私ども公明党の国会議員が国会で示したデータにおいて、1,500人のデータなので、あまり大きいとは言えないかもしれませんが、コロナ後遺症のために退職を迫られた例もあると発表しています。 このようなコロナに関連する差別は絶対にあってはならないことだと思いますが、後遺症による差別に対してどのように対応を考えているのか、福祉保健部長の見解を伺います。 ○三浦正臣副議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 後遺症による差別は、後遺症自体があまり世間に知られていない、周知が行き届いていない部分もあると思います。 通常、コロナが治って退院すれば、それで全快したと思われがちですが、現実には県の調査でも半数以上の方に後遺症が残っているという事実があるので、こういった情報を県民の皆様にもきちんと周知して、不当な差別に結び付かないように取り組んでいきます。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。今、部長からもありましたが、県民に周知が行き届いていない、後遺症があることが知られていない、これが一番重要なことだと思います。これをしっかり周知していく、また、相談窓口もある意味、県として、後遺症があるんだということを周りに周知する一つの方法にもなり得るかと思います。ぜひともいろんな方に知っていただく意味でも今後ともよろしくお願いします。 では続いて、精神疾患について伺います。 精神疾患患者数は近年、大幅に増えており、2017年には約419万人に達しています。とりわけ、鬱病が最も多く、その30%を占めています。そのために、心の病に対する理解促進や、一人一人に合った心のケアが急務です。 現在、コロナ禍において、全国の精神保健福祉センターに寄せられた新型コロナウイルスに関する心の相談件数は、昨年4月から12月で2万2,128件となっており、心の健康に対して大きな懸念が高まっています。まさに、コロナ禍は人の心の健康さえも奪いかねない状況です。 もう一つ気がかりなのは自殺者の増加です。令和3年3月に厚生労働省、警察庁が公表した令和2年中における自殺の状況によると、令和2年は前年に比べ全国的にも自殺者が増えており、本県でも6人増の192人となっています。全てがコロナ禍で説明がつくものではありませんが、精神的な不安要因として大きく影響していると考えられます。 加えて、感染症治療の現場で対応する職員、医療関係者、その御家族の皆様の負担も心身ともに非常に大きなものとなっていると思います。 重篤な精神疾患を引き起こす前に、一人で抱え込まないカウンセリングを受けやすい相談体制の確保と早期に医療機関への受診を促すことも重要です。また、精神疾患患者の心身の状態に即した医療の提供ができる体制づくりも必要ではないでしょうか。県として、県民一人一人の不安解消、心の健康を守るためにどのような取組を行っているのでしょうか、御見解を伺います。 ○三浦正臣副議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 精神疾患についてお答えします。 県では、様々な不安な悩みを抱える県民が気兼ねなく相談できるよう、保健所やこころとからだの相談支援センターで、対面や電話等による相談対応を行っています。 また、昨年10月に開設した精神科救急情報センターでは、夜間・休日における本人や家族からの精神疾患等に関する相談対応や、緊急を要する場合の受診調整を行っています。 昨年の新型コロナ陽性患者発生以降は、対応をさらに強化してきました。 まず、こころの不安・悩みなど19の分野にわたる相談窓口を豊の国こころの“ホッ”とラインとして県のホームページに一括して掲載し、周知を図っています。 あわせて、コロナ患者が発生した医療機関や福祉施設などで公認心理師等が職員と個別に面談し、業務量の増加や誹謗中傷等による精神的な負担の軽減を図っています。 さらに、全国的に若者の自殺が増加していることから、SNS相談の再開や、学校や警察等の関係機関との連携を強化します。 新型コロナの収束が見通せない中、今後も県民の不安や悩みにしっかり寄り添い、心の健康が保たれるよう取り組んでいきます。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。引き続き対策をぜひお願いします。 ここで1点提案したいんですが、AMEDが国の方針の下、開発したKOKOROBO(ココロボ)というアプリサイトがあります。これはセルフメンタルチェックができるもので、一問一答というか、パソコン上でクリックしていけばできるんですが、そういった診断結果によって、最終的には地域の医療機関や高度医療機関へつなぐことを想定し、現在、実証実験もされています。自分で自分の心の状態を確認する予防的な取組として、行政や学校などで周知しながら活用するなど行ってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ○三浦正臣副議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 心に不安や悩みのある方が相談機関や医療機関を利用するのは非常にハードルが高いといわれていることから、このような時や場所を選ばずに、パソコンやスマホでも心の状態がチェックできるシステムは非常に有用ではないかと考えています。 県としても、不安や悩みを抱える方の目に留まるように、県のホームページ等でも紹介することを検討します。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。私も自分で一度利用してみました。軽度ということで、少し心の健康を図らないといけないと感じたところですが、本当に自分のペースで好きなときにできる、また、人目につかないというのは非常にやりやすいなと感じました。ぜひよろしくお願いします。 もう一点伺いたいんですが、国は精神障がい者にも対応した地域包括ケアシステムを構築するために、メンタルヘルス・ファーストエイドの考えにより、心のサポーターを養成するとしています。これは令和3年から5年まではモデル地域で行って、令和6年から全国展開すると発表されていますが、大分県としてどのように取り組んでいこうと考えているのでしょうか、見解を伺います。 ○三浦正臣副議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 心のサポーターについては、小学生や高校生、あるいは高齢者まで、非常に多くの方がメンタルヘルスに関心を持ち、身近な家族や友人の心の問題を解決するための手助けをするような仕組みと伺っています。大変意義のあることと考えています。 今後、国から研修プログラム等の詳細が示される予定と聞いているので、事業内容を精査して今後の対応を検討していきます。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。 では、次の質問に移ります。次は、コロナ禍における健康づくりについて伺います。 国では昭和39年より体力・運動能力調査を行っています。先日、4月23日、昨年度の調査結果が発表されています。 昨年6月から11月にかけて行われた今回の調査では、新型コロナウイルス感染症の影響のため、2019年度と比べ対象者が15%にとどまっていることから、スポーツ庁も以前とは単純比較できないとしつつも、全ての年齢階層及び男女に共通する傾向については認めにくい状況ではあるが、小学生を除くほとんどの世代で前年度と比べ僅かに低い。コロナ禍が国民の体力、運動能力に及ぼした影響については、令和3年度以降の調査においても引き続き分析していく、このように発表しています。 そこで、コロナ禍における現役世代の運動不足解消について伺います。 コロナ禍の外出自粛により現役世代の運動機会の減少が顕著になっていると思われます。この世代の方にとって、健康面にすぐには影響しにくいものの、年数を経て表面化したときには手遅れとなることも多く、大分県の目指す健康寿命日本一に向けての大きな課題の一つであると考えます。その上、幼児を抱える世帯は、不要不急の外出自粛要請により、ますます外で運動する環境から遠ざかってしまいます。県として、コロナ禍での現役世代の運動不足解消についてどのような対策をお考えなのか、伺います。 ○三浦正臣副議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 現役世代の運動不足解消についてお答えします。 現役世代の運動不足は、メタボをはじめとする生活習慣病のリスクを高め、健康寿命の延伸を阻害する要因となっています。 したがって、県では、現役世代がコロナ禍であっても運動できる環境の整備に特に力を入れています。 具体的には、健康経営事業所の拡大による事業所ぐるみの健康づくりの推進、市町村の健康づくりイベント等を活用した歩数1日プラス1,500歩の実現に向けた取組などを進めています。 おおいた歩得(あるとっく)については、コロナ禍にもかかわらず、ダウンロード数が5万8千件に達し、所持者の平均歩数も年々増加しており、密を避けた安全な運動として、ウオーキング志向が高まったものと考えられます。 また、この8月には、歩数に応じてくじゅう連山をバーチャルで縦走できるような機能を追加するなど、より楽しく達成感を得られるよう、バージョンアップする予定です。 今後とも、新型コロナの感染予防に配慮しながら、現役世代の運動不足解消に取り組み、健康寿命日本一の早期実現を目指していきます。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。 では、もう少し世代を絞って伺いたいんですが、健康づくりの観点より伺います。 例えば、子育て世代に向けてですが、託児サービスつきのスポーツ教室、このようなものを開催する県内団体や、逆にそれを利用する子育て世代への補助、助成を行うなど、子育て世代、特に小さな子どもを育てている世代が運動しやすい環境をつくるために、このような具体的な施策を検討していってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。 ◆吉村哲彦議員 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 子育て世代のサポートということで、私も子育てをしていた頃は大変苦労した記憶がありますが、最近は子育て世代を対象とするスポーツを含めたイベント開催の際に、結構託児所を設けるような主催者も増えていると聞いています。また、県下の16の市町では、行事の参加やリフレッシュするときに一時的に子どもを預けることのできるファミリーサポートセンターを設置しています。さらには、保育所も乳幼児を一時的に預かるようなサービスを提供しており、こういった制度を上手に使いながら運動する時間を確保していただければと考えています。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。私も子育て中です。少し大きくなったので多少違いますが、私以上にやはり妻が、運動能力はたけていましたが、妊娠、出産を経て、どうしてもスポーツをする機会から遠ざかる。子どもが4人いるので、10年ほど遠ざかっているんですが、一度遠ざかってしまうと、逆になかなかスポーツ習慣を獲得しにくいと強く感じます。ぜひとも若い頃に身につけたスポーツ習慣を継続させる、そのような意味でも、子育て世代がよりスポーツしやすい、関わりやすい、このような体制づくり、さらに進めていただければと思います。よろしくお願いします。 次に、児童生徒の運動不足解消について、これは教育長に伺います。 コロナ禍による部活動等の中止や体育施設の休業等、感染対策を取る中で、児童生徒の運動機会の確保は非常に重要な課題であると考えます。 県教育委員会では、教育の場で減少した児童生徒の運動機会の確保に向け、どのような対策を考えているのでしょうか。 ○三浦正臣副議長 岡本教育長。 ◎岡本天津男教育長 昨年度は、臨時休業が明けた直後から、ストレッチやジョギングなど個人で実行できる様々な運動の組合せを図示した運動取組カードの配布をするなど、学校外でも運動するきっかけづくりを進めてきました。 また、部活動では全国大会が中止になる中、これまでの活動の成果を発表できる場を確保するため、関係団体と連携し、ルール変更など実施方法を工夫して、中体連郡市大会や高校県体、高校野球県大会を開催しました。 現在も、感染防止対策の観点から運動に制約がある中、小学校体育専科教員等を中心に体育活動の工夫、改善を進め、運動好きな児童生徒を増やして、運動の日常化、習慣化につなげています。 例えば、体育授業の球技においては、身体接触を避けるために児童生徒の活動範囲を限定することや、全員に等しく活躍する場を与えるなど、楽しみながら運動量を増やす工夫を講じています。 今後も、コロナ禍においても自らが意欲的に運動に取り組むことができる児童生徒を育成していくことにより、運動機会の確保につなげ運動不足の解消を図りたいと考えています。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。まさに、学生はちょうどこのスポーツにおいても一番急激に伸びていく時期だと思うし、また、自分が気づかなかった才能に気づけるのが体育の授業だったりすると思っています。水泳の授業をどうするかという部分で、新聞等でも今報道がされていますが、ぜひとも子どもの置かれた環境にしっかり目を向けながら、運動に心が向くように、足が向くように、対策をお願いできればと思います。 では次に、水源の確保に向けた取組について伺います。 現在、水道事業の料金収入は、人口減少社会の到来等のため、有収水量は2000年をピークに減少しており、2065年にはピーク時より約4割減少するといわれています。 このように、人口減少という大きな課題により、水道事業の経営状況は年々厳しくなっています。県のホームページには、大分県の水道普及状況は令和元年度末で92.2%であり、全国の水道普及率98.1%と比べ、非常に遅れているとし、市部町村部別に見ると、市部が92.8%に対し、町村部が79.6%であり、依然として都市部、非都市部の地域格差は大きいと、このような認識を示しています。 そのような中、県は水道事業の指針となる大分県水道ビジョンを策定し、水道事業の効率化と人材育成に向けた取組を推進するとしています。 国も、都道府県に対し、市町村への情報提供や情報共有・意見交換に向けた検討の場を設けるなど、積極的に関与する役割を期待しています。 県はこれまでも集落の水問題解決に対する支援策として、平成21年度からは地域給水施設整備支援事業、平成25年度から小規模給水施設普及支援事業、平成30年12月には実態調査、そして、令和元年度からは小規模給水施設水源確保等支援事業を行っています。 これらの事業により、様々な効果があったと思いますが、いまだに県内には地下水を引いているものの、水質が悪く洗濯も行いづらい状況の地域があります。私も現地の方からお話を伺ってきましたが、市町村に要望を行っても財政の面から水道の整備は厳しいとの回答で非常にお困りの御様子でした。県内にこのような課題がほかにはないのでしょうか。生活のために必要な水の確保に非常に苦しんでいる方がいるのは間違いのない事実です。 今後、水源確保に向けた取組をどのように行っていくのか、また、市町村への助言等を含めこのような地域を今後どのようにするのか、御見解を伺います。 ○三浦正臣副議長 磯田生活環境部長。 ◎磯田健生活環境部長 水源確保に向けた取組についてお答えします。 水道未普及地域の水問題については、特に水源の確保等を最重要課題と捉えて、市町村と共に平成21年から取り組んできました。 昨年度までに、困窮度や緊急性の高い13市町69地区について、ボーリング工事、あるいはろ過装置の新設等の補助を行いました。 これら県の取組もあり、15の市や町で、水道未普及地域における施設整備について、それぞれ独自の市町の補助制度が新たに創設されたところもあります。 今年度も、水源の確保のほか、取水施設の改良、配水管の更新等の要望があり、5市町20地区での支援を既に予定しています。 小規模給水施設水源確保等支援事業は3年目になります。水問題を有する地区のうち、地元の合意形成や財政負担の課題があり、5市町24地区が今年度末の時点で未整備地区として残る見込みとなっています。 今後の水源確保等に向けた取組に対する支援の在り方については、さらに詳しい調査状況分析を行うとともに、市町村の取組状況も踏まえ、検討していきます。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。実際に聞いてきた声ですが、その地域は家を売りたくても水の問題があるゆえに家も売れないと。若い方も水の問題があるので、その地域に住みたくても住めないということで空き家が増えている。なおかつ、私もこれはなと思ったのは、この地域の1キロ手前までは水道が来ているそうなんです。僅か1キロ伸ばすためにも、これも財政の問題で伸ばせないと聞いていますし、水道が伸びた場合にはその地域全体の世帯が引き込みますよという約束までできているにもかかわらず、やはりできないと。これは市町村の財政の問題があるので、一概にどうということではありませんが、非常に苦労しているのは事実です。洗濯の苦労でも、白いシャツ、白いタオルを家で洗えないと。家で洗ってしまうと、鉄分が多いために、1、2、3回洗っただけで真っ黒になる。実際にそのタオルも見せていただいたんですが、確かに新しいタオルだが数年使ったような色合いになっていました。 その地域に住まれている方からすれば、これは非常に大きな課題だと思っています。市町村が主体ではありますが、ぜひとも県としても取組を進めていただければと思うので、引き続きよろしくお願いします。 続いて、教育行政について伺います。 県では公立学校教職員の人材育成方針を定め、人材の確保等に力を入れていることと思います。 しかしながら現在、教員不足が深刻な状況となりつつあり、人材の育成確保が大きな課題となっています。全国的にも教員採用試験の受験者数減少への対応が叫ばれています。 文部科学省の分析では、民間企業等の採用状況が好転していること、また、新規学卒者の採用者数の増加等により、教員採用選考試験に不合格となった後に、講師を続けながら再チャレンジする人が減ったのが理由ではないかと、このような分析もしています。また、多くの場面で報道されるようになった教育現場の大変な労働環境に対し、教師を志す人が少なくなっていることを指摘する声も多くあります。さらに現在はICT化の加速など教育現場において大きな変化を求められています。 大分県の現状を見ても、文部科学省の令和2年度公立学校教員採用選考試験の実施状況によると、その競争率は3.2倍で、都道府県で12番目の低さとなっています。さらに教員にぜひなってほしい、このような人材が教員を目指さないのではないか、この可能性に警鐘を鳴らす専門家もいらっしゃいます。まさに、大分県で教員になりたい、こう感じてもらうための取組も急務ではないでしょうか。 これまで受験年齢制限の緩和や、小中学校連携教諭枠、併願制度の導入など、年々採用試験を受験しやすくなる工夫はなされていると思います。しかしながら、受験しやすい環境づくりを進める一方、受験者数の減少は気がかりです。 県として、一般企業や他県との人材確保競争をリードし、教員を目指す方から選ばれる大分県をどのようにつくろうとしているのか、見解を伺います。 また、昨年より本格的に取り組んでいる他県教諭特別選考について、その現状も伺います。 ○三浦正臣副議長 岡本教育長。 ◎岡本天津男教育長 教員採用選考試験については、これまで採用延期制度の導入や実技試験の見直しなど、受験しやすい環境づくりと、大学への訪問、オンラインによる説明会の実施など、積極的な広報活動に取り組んできました。 加えて、適切な休養日等を設定した部活動改革や、安心して産休に入ることができるよう、産休代替教員の早期配置を行うなど、教員が働きやすい職場環境づくりも推進してきました。 今年度採用した教員の中には、業務改善、ワーク・ライフ・バランスの意識が高く、働きやすいと感じたので大分県を選んだとの声も見られるようになっています。 他方、35人学級の導入による定数増も控え、教員確保には一層注力する必要があると考えています。 今後とも、公正、公平、透明性を確保しつつ、受験者から本県が選ばれるような環境づくりと広報活動の工夫を行っていきます。 今年度、他県教諭特別選考で採用した、小学校10人、中学校5人、高等学校13人、特別支援学校1人の合計29人ですが、いずれも即戦力として学校現場で活躍していただいており、引き続きこの制度による試験を実施していきます。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。今最後の部分、教育長から即戦力だというお話がありました。 では、この他県教諭特別選考で大分に来てくださった即戦力の皆さんの給与体系について、どのような扱いになっているのか、伺います。 ○三浦正臣副議長 岡本教育長。 ◎岡本天津男教育長 他県教諭特別選考の教諭の給料号給については、他の新規採用教諭の場合と同様に、初任給の基準号給にその者の採用前の前歴期間を加算して決定しています。 最初から県外採用された者との給与格差については、基本的には各県で給与の取扱いに大きな違いはないものと考えています。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。 実は、次のような事例を伺っています。これは直接伺ってきたんですが、県名は避けます。四国で19年間教諭を勤めた、今40代の方です。給与については、四国では100号給でいただいていました。が、大分に来た際に84号給に下がっていると。これはご本人の計算もあるので、一概に正確とはいえない部分もありますが、事務の方とも計算した結果、四国にいたときと今とでは、号給が16下がっているので、月額でいうと約2万円から2万5千円ぐらい低いんではないかという事務の方からのお話があったそうです。 金額はいいんですが、ちなみに、四国と大分の100号給の金額は、今、教育長がおっしゃったように千円程度しか変わらないので大きな差はないんです。大分で19年間教諭を勤めた、同じような40代半ばの方に対しては、大体100号給の方もいらっしゃると、そのぐらいの号給になるのも十分にあり得るというお話も伺っています。 前職が評価対象だと思うんですが、その証明ができずに号給が下げられているのではないかという本人の話もあったんですが、そもそも20年近く前の前職を証明する書類を手にすることが困難な状況も考えられるし、100号給で頑張っていた方が大分に来て84まで下げられるという状況は果たしてどうなんだろうかと、これは個人的にも疑問を感じるところです。 ほかにも、これは都市部なので、またこれも一概には言えませんが、都市部から来てくださった先生は地域手当がつかなくなる、このような関係で、さらに大きく給料が減ったという声もありました。 地域手当については仕方のない部分もあるかもしれませんが、教諭として働いてきて、人事評価を重ねて実績を積んできた、この部分はしっかりと評価をすべきだと思いますが、このような事案についてどのようにお考えでしょうか。もし考えがあればよろしくお願いします。 ○三浦正臣副議長 岡本教育長。 ◎岡本天津男教育長 今お話しいただいた複数の案件ですが、それぞれ別途確認します。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。これは問題提起でした。ぜひともそういった課題がないように、29人いらっしゃるので、いろんな場合があると思います。一つ一つ確認いただければと思います。お願いします。 最後に、夜間中学について伺います。 夜間中学は昭和20年代初頭に設置されています。昭和30年頃には設置中学校の数は80校を数えていますが、現在は12都府県に36校が設置されています。中でも高知県、徳島県で設置された夜間中学は県立となっています。 平成28年12月に義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律が成立し、同法第14条において、全ての地方公共団体に、夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることが義務づけられました。 文部科学省でも、夜間中学が少なくとも各都道府県・指定都市に1校は設置されるよう、その設置を促進しています。 自主夜間中学も運営されていますが、公立との大きな違いは中学の卒業資格を得ることができない点にあります。あらゆる理由で中学校教育を受けることができなかった方がより豊かに生きる社会づくりのためのセーフティーネットとしても重要な役割を担うものであると考えます。 しかしながら現在、県内を含め九州内には公立の夜間中学は設置されていません。2010年の国勢調査で示された義務教育未就学者数は12万8,187人となっています。県内の義務教育未就学者数をどの程度把握されているのでしょうか。 また、県教育委員会では夜間中学についてのアンケート調査等を行っていますが、その周知や回答数はいまだあまり進んでいないと伺っています。県として、公立夜間中学についてどのように考えているのか、その見解を伺います。 ○三浦正臣副議長 岡本教育長。 ◎岡本天津男教育長 平成28年の教育機会確保法の成立を受け、県では、平成29年度に夜間中学検討会議を設置、以来、市町村教育委員会の代表やフリースクールの代表、日本語指導教室関係者などを構成員として検討を行っています。 県内の義務教育未就学者は、平成22年の国際調査によれば998人おられると理解しています。また、既に夜間中学を設置している自治体においては、生徒の8割程度は外国籍の方であると聞いており、まずはニーズ把握が重要だと考えています。 そのため、県教委では、平成29年度から県下全域の民生委員やフリースクール、コンビニエンスストアなどに、幅広い方を対象としたアンケート用紙を3万6,500枚ほど配布しました。さらに、昨年度は日本語指導教室の生徒にも直接調査を実施しました。 今年度はより詳細に外国籍の方などの実態を把握したいと考えており、国際交流関係団体等の協力の下、SNSなどを活用しながら、居住地や年齢、学歴、国籍、就学の可否などを精査したいと考えています。 他県の動向等も注視しつつ、引き続き市町村と協議しながら、検討を重ねていきます。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございます。外国籍の方が多いというお話もありました。同じく、平成22年の国勢調査の数が998人と思いますが、その中には外国籍、大分県においては41人の方が未就学というデータも残っています。ぜひとも幅広に情報共有していただければと思います。 最後になって申し訳ありませんが、知事に1点伺います。 夜間中学校についてどのように考えるかを伺いたいんですが、設置に向けての知事の思いを伺います。 と申しますのも、私が長年関わってきた方に、小学校から中学校までずっと不登校だった方がいらっしゃいます。その方が、何かをきっかけに外に出られるようになって、高校の定時制に通い、そこから勉強に目覚め、今、大学生として頑張っています。それが一つのきっかけとなって、その御家庭そのものが非常に明るくなった状況を見てきました。 まさに、やり直しのできる大分県というのは非常に重要だと思います。ニーズは様々ありますが、夜間中学校というのがやり直しができる大分県をつくる第一歩になるんではないかなと。九州初の夜間中学校の設立に向けて、知事の考えをお伺いできればと思います。 ○三浦正臣副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 大変大事な御指摘だと思います。真面目にいろいろ考えてみなければならないテーマだなと思いますが、他方、義務教育課程の小中学校の整備もまだまだやらなければならないことがたくさんあるもんですから、いろいろニーズも踏まえながら検討していきます。 ○三浦正臣副議長 吉村哲彦君。 ◆吉村哲彦議員 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。以上で一般質問を終わります。 ○三浦正臣副議長 以上で吉村哲彦君の質問及び答弁は終わりました。 次に、上程案に対する質疑に入ります。 発言の通告がありますので、これを許します。猿渡久子君。  〔猿渡議員登壇〕(拍手) ◆猿渡久子議員 日本共産党の猿渡久子です。 まず、県政諸般の報告について、その一つ目としてPCR等検査体制の拡充について伺います。 新型コロナウイルスを封じ込めるためには、ワクチン接種を急ぐとともに、これまでも繰り返し求めてきたように、高齢者施設、障がい者施設などに対する社会的検査を抜本的に拡充することと、無症状者に焦点を当てた大規模検査で感染を封じ込めることが重要と考えています。東京大学の児玉龍彦名誉教授は、街の中の無症状者を検査で見つけ、減らすのが対策の主戦場だと訴えています。広島県では4月に入って実施した全県モニタリング検査で、5月上旬までに約3万4千人を検査し、130人以上の無症状者を発見したとのことです。 大分市や別府市、宇佐市ではPCR検査センターや抗原検査センターを設置するなどの動きが広がっています。このような取組を県として支援することが必要ではないでしょうか。加えて、県が率先して無症状者も利用できるPCR検査センターを設置するなど、幅広く検査を行う取組を進めていくべきだと考えます。 また、迅速診断キットを保育園などの福祉関係の事業所や学校に配付したことは評価しますが、放課後児童クラブには配付していません。放課後児童クラブは、学校の臨時休業中も苦労しながら役割を果たしてきました。クラスや学年が違う子どもたちが一緒に過ごしたり、夏休みなどに長時間過ごす放課後児童クラブは、体制的にも弱く、感染リスクが高いので、学校並みに位置づけるべきだと思います。市町村として配付する自治体もありますが、県として配付し、支援員を中心に活用できるように体制を整えるべきだと考えます。あわせて県の見解を伺います。 二つ目に、コロナ禍の東京オリパラの事前キャンプについて伺います。 知事は県政諸般の報告において、全国的には都市部を中心に緊急事態宣言等が続いており、また、新たな変異株の脅威も心配され、今後も油断できないと見解を述べています。まさにその都市部で実施されようとしているのが、東京オリンピック・パラリンピックです。 東京オリパラは中止すべきだ、新型コロナ対策と五輪は両立できない、感染症対策に全力を集中すべきだと日本共産党は1月から繰り返し国などに求めてきました。 大分県として、東京オリンピック・パラリンピックの中止を国に求めるべきだと考えます。6月19、20日の朝日新聞の世論調査では、中止と再延期を望む声を合わせると62%、オリパラの開催によるコロナ感染再拡大に不安を感じるが83%、共同通信の同時期の世論調査では、ある程度不安を含め、不安を感じるが86.7%に上ります。どの調査でも不安の声が大変大きい状況です。政府などは観客の上限を1万人と決めたとのことですが、感染爆発の大きなリスクがある上、医療への多大な負荷を掛けるものです。国民の命を最優先し、感染症の封じ込めに全力を挙げるべきときです。大分県内での事前キャンプも予定されていますが、このような状況の中ではオリンピック・パラリンピックは中止しかないと考えます。大分県の見解を求めます。 ○三浦正臣副議長 ただいまの猿渡久子君の質疑に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 猿渡久子議員の御質疑にお答えします。私からはPCR等検査体制の拡充についてお答えします。 県内の感染状況は、県民の皆様の御協力により、おかげさまで1日当たりの新規感染者数が今月4日以降は1桁が続くなど落ち着いてきました。 改善の要因の一つは、迅速な検査による積極的疫学調査の徹底と考えます。本県では、感染者の行動履歴等を丁寧に聞き取り、接触者等を速やかに把握するとともに、幅広にPCR検査を実施しています。そして、感染の原因を突き止め、留意すべき点を随時判断し、県民への呼びかけを行っています。 無症状者への大規模PCR検査については、専門家の見解では、市中における感染状況の把握には一定の効果がありますが、感染拡大の防止には週2回以上の検査が必要といわれています。 このため、本県では、限られた検査能力や費用対効果等も踏まえ、PCR検査は症状のある方を対象としています。その上で、一たび感染が確認されれば、濃厚接触者のみならず周辺の接触者に対し、無症状者を含め幅広に検査を実施しています。高齢者施設や学校等でクラスターが発生した際も、こうした検査を何度も繰り返すことにより、この封じ込めに成功しています。 抗原検査についても、大分駅前の大分市抗原検査センターにおいて、感染者の発見に一定の成果を上げていますが、これも陽性者の大部分は症状のある方と伺っています。 抗原検査は、症状が出た時点での速やかな検査が有効であることから、県では、クラスターの早期探知のため、今年2月に抗原検査キットを高齢者等の入所施設に配付し、施設内で直ちに検査できる体制を整えました。 さらに先月には、若年層にも感染が広がりやすい変移株の特性を踏まえ、小中高校に加え、市町村には幼稚園、保育園向けの検査キットを配付しました。 なお、御心配をいただいたこの検査キットは、放課後児童クラブでもお使いいただけるようにしています。 新型コロナ感染症への切り札となるワクチン接種についても、県営接種センターにおいて、幼稚園教諭、保育士に加え、放課後児童クラブの支援員も接種対象としており、8月中の接種完了を目指します。 国内では、さらに感染力が増した新たな変異株の出現もあり、依然として油断のできない状況が続きます。今後とも、一日も早い感染の収束に向けて、臨機の対策とワクチンの早期接種に全力を挙げて取り組んでいきます。 私からは以上ですが、その他の御質問については、担当部長から答弁させていただきます。 ○三浦正臣副議長 大塚企画振興部長。 ◎大塚浩企画振興部長 コロナ禍の東京オリパラ事前キャンプについてお答えします。 東京2020オリンピック・パラリンピック大会に向けて、選手の皆さんは日々鍛練を積み重ねており、大会はその努力を発揮する場となります。 大会の運営主体となるIOC、IPC、東京2020組織委員会は、安全・安心な大会の開催に向けて、選手など全ての大会関係者に、新型コロナウイルス感染症対策を定めたプレイブックを示し、これの遵守を求めています。 例えば、選手などは出国前96時間以内に2回、そのうち1回は72時間以内にそれぞれPCR検査を受け、陰性を確認した上で日本へ入国します。入国後も14日間、毎日PCR検査を受け、健康フォローアップを行わなければなりません。 事前キャンプでは、選手などの行動はホテルと練習場所間のみに限定し、その際には専用バスで移動するなど、他者との接触を可能な限り回避することにしています。 県としては、安全・安心の確保を第一に、しっかりと対策を講じながら、世界のトップアスリートによる事前キャンプを実施し、さらなるスポーツ合宿を呼び込み、地域活性化や国際交流の進展につなげていきます。 ○三浦正臣副議長 猿渡久子君。 ◆猿渡久子議員 ありがとうございます。迅速診断キットを放課後児童クラブにということで安心しました。 デルタ株についても衛生環境研究センターで検査できるようになったとのことで、これもよかったと思います。 この衛生環境研究センター、衛環研の体制強化を私たちは求めていきましたが、増員などが行われたんでしょうか。保健所や衛環研、本庁など含めて、増員したり応援体制を取ったりしているかと思いますが、そういう中でも、第4波でもかなりの長時間労働をされているんだと思うんですね。その時間外勤務の実態について御説明いただきたいと思います。 それと、入国した選手に今説明いただいたような体制を取っても陽性者が出ていますが、検査やゲノム解析の充実や、検疫や検査の強化、また、入国者の停留期間を2週間に延長するなど、水際対策の強化を国に求めるべきだと思います。この点で知事の見解をお聞かせください。 オリパラについてですが、やはり私はオリパラの強行で命を危険にさらすべきではないと思います。これはギャンブルみたいなものです。大分県として声を上げるべきだと、国の言いなりではだめだと私は思います。政治判断が迫っている時期ですが、いつでも中止することはできると考えています。命より大切なものはありません。 また、事前キャンプで大分県内に来る選手など、関係者、合わせて224人と聞いていますが、毎日PCR検査をするとのことです。私たち、介護従事者などへの社会的検査を繰り返し求めてきて、限られた検査能力を云々と今、知事も答弁いただきましたが、そういう中で社会的検査までには至っていない。そんな中で、オリパラ関係者は毎日検査できるのかと、矛盾を感じます。介護従事者など、一般にも検査を充実すべきだと思います。 別府市のPCR検査センターは8月末までの予定ですが、県として無症状者も利用できるPCR検査センターを設置するなど、また、委託なども含めて幅広く検査する体制をさらに充実すべきと考えます。再度見解を求めます。 ○三浦正臣副議長 和田総務部長。 ◎和田雅晴総務部長 まず、私からPCR検査を行う衛生環境研究センターの超過勤務の実態についてお答えをします。 令和2年度の衛生環境研究センターの1人当たりの一月の時間外勤務時間数は11.3時間となっています。コロナの影響がそれほどない令和元年度が一月当たり6.4時間であったので、4.9時間の増という状況になっています。 衛生環境研究センターについては、職員を兼務配置で増員しており、例えば、令和2年4月には獣医師職員15人を兼務職に配置する等、検査体制の強化を図っています。 ○三浦正臣副議長 大塚企画振興部長。 ◎大塚浩企画振興部長 まず、水際対策を政府にしっかりするようにということです。本当にここはおっしゃるとおりだと思います。安全対策をしっかりすることが安全・安心の大会につながるということですので、そこは基本中の基本だろうと思っています。しっかりやっていただきたいと思っています。 それと、オリパラについて、命の危険にさらすのではないかということです。ただ一方で、パラリンピックに出場する選手の中には、自分が出場して懸命に競技する姿を同じような境遇にある方に見てもらい、何かを感じてもらいたい、あるいは、自分たちのことに対する理解を世間の方にもっと深めてもらいたいという思いを持って出場される選手もいるんではないかなと思っています。ここはいろいろとあろうかなとは思っています。 それと、PCRを毎日やることについて、限られた検査体制の中でできるのかということですが、今、選手等への毎日のPCR検査については、県外の検査機関に委託するということです。 ○三浦正臣副議長 山田福祉保健部長。 ◎山田雅文福祉保健部長 社会的検査を幅広くやるべきではないかという御質問です。 さきほど知事からも答弁したように、無症状者へのPCR検査の効果を考えると、例えば、広島県で無症状者も含めて幅広くPCR検査を行った結果が、無症状者の場合の陽性率が1%に満たない、有症状者の陽性率が9%近いということで、約10倍ほどの違いがあります。 したがって、感染防止対策のためには、そもそもPCR検査を週に2日程度、頻回にやる必要があると。なおかつ無症状者に対するPCR検査は、今申したように、非常にヒットする確率が低いということで、限られた検査能力や費用対効果を考えると、やはりなかなか難しい。その代わり、福祉施設、高齢者施設等でもしも陽性の患者が出れば、その周辺の従事者、あるいは入所者も含めて、何度も繰り返しPCR検査を今行っています。そういった形でやるのが一番効果的ではないかと考えています。 ○三浦正臣副議長 猿渡久子君。 ◆猿渡久子議員 オリパラについては、アスリートにとってもフェアな大会にならないと私は考えています。時間の問題があるので次に移ります。 次に、一般会計補正予算(第6号)についてです。 今回の補正予算には、ホーバークラフトの購入費などが提案されています。新しいホーバークラフトはバリアフリーといいながらも、車椅子のまま乗れるのは1人という説明を受けました。車椅子1台分しかないのはあまりにも少な過ぎる。論外だと思います。県民の税金を80億円前後も使って行う事業であり、1隻14億円もかけて購入するのですから、県民の利益と福祉の向上に役立つものにしなければならないと思います。いろいろな障がいを持つ当事者の皆さんの御意見を聞いて、その具体的な御意見をしっかり生かして事業を進めるべきであり、改善を求めます。いかがでしょうか。 ○三浦正臣副議長 大塚企画振興部長。 ◎大塚浩企画振興部長 ホーバークラフトの導入にあたっては、高齢者や障がい者などの利便性を確保するとともに、運航事業者の経営面にもやはり配慮する必要があると考えています。 今回調達するホーバークラフトには、障がい者などに配慮し、車椅子スペースを確保するとともに、車椅子から移動可能で、高齢者や妊産婦にも配慮したバリアフリー客席を設けるなど、国の基準を上回る対応を予定しています。 そのほか、乗り降りしやすいスロープの設置や、船内の段差の解消など、障がい者などの円滑な利用が図られるようにしていきます。 いずれにしても、今後、造船事業者を決定し、船舶の設計を進める中で、運航事業者や障がい者団体などの意見も伺いながら、バリアフリー対策を進めていきます。 ○三浦正臣副議長 猿渡久子君。 ◆猿渡久子議員 これまで、障がいを持つ皆さん方が空港バスでは車椅子利用者の使用は困難だと一生懸命声を上げてきました。そういう中で、車椅子1台分でバリアフリーですとは自信を持って言えないと私は思います。障がい者や高齢者の方の活動範囲、今後一層広がると思います。乗降用のスロープ、これは80センチ以上と聞いていますが、大きい車椅子は80センチではぎりぎりだと。今後、電動車椅子が主流になるので、障がい者団体としては85センチ以上を求めていると聞いています。この点も改善すべきだと思うんです。 それで、車椅子専用スペースは一つであっても、折り畳み式の座席を必要に応じて折り畳んで車椅子のスペースを作るということも考えられると思うんです。そういうことも考えて、必要に応じて車椅子スペースを確保する、十分に確保できるようにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ある障がい者の方から、国道197号や新しい別府港の事業については、身体障がいや視覚障がい、内部障がいなど、いろいろな障がいを持つ当事者と一緒に現場を歩いてヒアリングしながら事業を進めていると、ホーバーの事業はなぜそういうやり方をしないのかという声を聞いています。 障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例を持つ県として、当事者、関係者の具体的な意見を十分反映し、多様性を尊重したものにするようあわせて求め、再答弁を求めます。 ○三浦正臣副議長 大塚企画振興部長。 ◎大塚浩企画振興部長 今いろいろ御指摘をいただきました。そういうことも含め、これからしっかりバリアフリー対策を進めて、本当に皆さんに使っていただけるホーバークラフトにしていきます。 ○三浦正臣副議長 以上で猿渡久子君の質疑及び答弁は終わりました。 これをもって一般質問及び質疑を終わります。 ただいま議題となっている各案は、お手元に配付の付託表のとおり所管の常任委員会に付託します。 なお、他の委員会にも関連のある案については、合い議をお願いします。  -------------------------------付託表件名付託委員会第58号議案令和3年度大分県一般会計補正予算(第6号)総務企画 土木建築第59号議案大分県税条例の一部改正について総務企画第60号議案大分県使用料及び手数料条例の一部改正について総務企画第61号議案大分県の事務処理の特例に関する条例の一部改正について総務企画第62号議案保護施設等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について福祉保健生活環境第63号議案大分県医療施設耐震化促進基金条例の廃止について福祉保健生活環境第64号議案指定障害福祉サービスの事業に係る申請者の要件並びに人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例等の一部改正について福祉保健生活環境第65号議案大分県減災社会づくりのための県民条例の一部改正について福祉保健生活環境第66号議案大分県新型コロナウイルス感染症対応中小企業事業資金調達支援基金条例の一部改正について商工観光労働企業第67号議案大分県産業振興条例等の一部改正について商工観光労働企業第68号議案工事請負契約の変更について農林水産第69号議案工事請負契約の変更について土木建築第70号議案大分県立学校職員及び大分県市町村立学校県費負担教職員定数条例の一部改正について文教警察第71号議案大分県立学校の設置に関する条例の一部改正について文教警察  ------------------------------- ○三浦正臣副議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 お諮りします。明24日、25日及び28日は常任委員会開催のため、29日は議事整理のため、それぞれ休会としたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○三浦正臣副議長 御異議なしと認めます。 よって、明24日、25日、28日及び29日は、休会と決定しました。 なお、26日、27日は県の休日のため、休会とします。 次会は、6月30日定刻より開きます。日程は決定次第通知します。  ------------------------------- ○三浦正臣副議長 本日はこれをもって散会します。お疲れさまでした。     午後3時12分 散会...