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  1. 大分県議会 2016-03-01
    03月08日-07号


    取得元: 大分県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    平成28年 第1回定例会(3月)      平成二十八年             大分県議会定例会会議録(第七号)      第一回平成二十八年三月八日(火曜日)  ------------------------------- 議事日程第七号     平成二十八年三月八日           午前十時開議第一 一般質問及び質疑  ------------------------------- 本日の会議に付した案件日程第一 一般質問及び質疑  ------------------------------- 出席議員 四十三名  議長        田中利明  副議長       麻生栄作            阿部英仁            志村 学            衛藤博昭            大友栄二            吉冨英三郎            井上明夫            木付親次            古手川正治            土居昌弘            嶋 幸一            毛利正徳            油布勝秀            衛藤明和            濱田 洋            元吉俊博            末宗秀雄            御手洗吉生            井上伸史            近藤和義            後藤慎太郎            木田 昇            羽野武男            二ノ宮健治            三浦正臣            守永信幸            藤田正道            原田孝司            小嶋秀行            馬場 林            尾島保彦            玉田輝義            平岩純子            久原和弘            戸高賢史            吉岡美智子            河野成司            荒金信生            佐々木敏夫            堤 栄三            桑原宏史            森 誠一 欠席議員 なし  ------------------------------- 出席した県側関係者  知事        広瀬勝貞  副知事       二日市具正  副知事       太田豊彦  教育長       工藤利明  代表監査委員    米浜光郎  総務部長      島田勝則  企画振興部長    廣瀬祐宏  企業局長      日高雅近  病院局長      田代英哉  警察本部長     松坂規生  福祉保健部長    草野俊介  生活環境部長    諏訪義治  商工労働部長    西山英将  農林水産部長    尾野賢治  土木建築部長    進 秀人  会計管理者兼            阿部恒之  会計管理局長  人事委員会            河野盛次  事務局長  労働委員会            小嶋浩久  事務局長  財政課長      大友進一  知事室長      岡本天津男  -------------------------------     午前十時 開議 ○麻生栄作副議長 これより本日の会議を開きます。  ------------------------------- ○麻生栄作副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第七号により行います。  ------------------------------- △日程第一 一般質問及び質疑 ○麻生栄作副議長 日程第一、第一号議案から第二三号議案まで、第二五号議案から第四七号議案まで及び第一号報告を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。油布勝秀君。  〔油布議員登壇〕(拍手) ◆油布勝秀議員 おはようございます。十二番、自由民主党の油布勝秀でございます。今回、また質問の機会を与えていただきました先輩、同僚議員に感謝申し上げます。 また、傍聴席には友人が何名か来ていただいております。本当にありがとうございます。 執行部の皆さんにおいては、明確なる答弁をお願い申し上げます。 それでは、早速始めます。 最初に、人口減少対策について伺います。 去る一月二十六日付の大分合同新聞朝刊に、「県内人口が五年間で三万人減」というトップ記事が掲載されました。私も当然の現象として厳しく見ていましたが、報道によると、減少数、減少率ともに過去三十年間で最も大きく人口減少が加速していることが明らかにされました。しかも、市町村別では大分市だけが人口がふえ、残る十七市町村は軒並み減少するという悲しい現実に直面しました。 国の地方創生は遅きに失した感じがあります。これは大分市への一極集中がさらに進んでいることのあらわれでもあり、専門家の増田寛也氏が警告するように、市町村の消滅が現実のものとなりつつあると言わざるを得ません。 国立社会保障人口問題研究所の推計をもとにした県の人口推計によると、このままいくと大分県の人口は十九年後の二〇三五年には辛うじて百万人を維持し、二〇四〇年にはとうとう百万人を切り、九十五万五千人、二〇五〇年にはわずか八十五万七千人となり、今世紀末の二一〇〇年には何と四十四万二千人になるという衝撃的な数字が並んでいます。これは県としての機能が消滅してしまうことを意味しています。これでは道州制が実現した暁には、多くの市町村が埋没してしまうことになるでしょう。 知事を初め、執行部の皆さんが人口減少問題に取り組んでいるようですが、県の浮沈をかけて、最優先で対応してほしいと思います。 この問題は、県政の中でも命がけで取り組むべきもので、今日、将来を問わず、最大の課題ではないでしょうか。県は新年度から一部組織を改正し、新しく少子化対策等の関係課を設置するようですので、その成果を期待しております。 そこで、質問します。人口減少問題における県政の最大の課題は何だと認識していますか。そして、そのために、どういった決意で取り組んでいくのでしょうか。また、取り組みに当たっては、県庁組織も縦割りではなく、総合的、横断的な対応が必要と考えますが、ご見解を伺います。 これより先、対面席で行います。  -------------------------------  〔油布議員対面演壇横の待機席へ移動〕 ○麻生栄作副議長 ただいまの油布勝秀君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 油布勝秀議員から人口減少問題という大変重要な問題についてご質問を賜りました。 昨年十月に人口ビジョンというのを策定いたしましたけれども、その人口ビジョンによりますと、今世紀末、今お話がありましたように、このまま放置しておりますと、大分県の人口が四十四万人になるというところを、何とか百万人近くを維持できるようにしたいものだということで、人口減少に歯どめをかけながら、今世紀末を迎えたいというビジョンを示しているところであります。 このビジョンを達成するには、地方創生に向けた取り組みの充実・強化、とりわけ人口減少対策につきまして、申すまでもありませんけれども、自然増と社会増の両面で取り組まなければならないわけであります。 自然増対策では、人を大事にし、人を育てるということが重要であります。結婚や妊娠は個人の自由な選択でありますけれども、県民希望出生率の実現を目指したいと思います。 これまで「子育て満足度日本一」を掲げて、子育てしやすい環境づくりに取り組んでまいりましたけれども、最近の状況はそれだけでは不十分でありまして、結婚から妊娠・出産・子育てまで、切れ目のない支援を行っていくということが大事であると考えております。 今おられる方に元気で長生きしていただくということも大変大事であります。「健康寿命日本一」というのを目指して、県民総参加の健康づくり運動、こちらの方もしっかりと進めていきたいというふうに思っております。 社会増対策では、仕事をつくり、仕事を呼ぶということであります。地域密着の産業であります農林水産業や雇用効果の大きい商工業、観光・ツーリズムなど、さまざまな分野に働く場を確保しなければなりません。こうして自然増対策社会増対策を充実するとともに、大分県の魅力を発信しながら、若者の県内定着だとかUIJターン促進に力を入れていかなければならないと思います。 自然増対策社会増対策は、いずれも高いハードルで、地方創生は大分県からという気持ちを持って、この高いハードルに挑戦をしていかなければならないというふうに考えております。 こうした人口減少対策を進めるに当たりましては、関係する分野がご指摘のとおり多岐にわたるために、総合的、横断的に取り組むことが必要であります。 庁内では、昨年五月に、地方創生の総合戦略を所掌する、まち・ひと・しごと創生推進室を新設いたしまして、全庁的な調整を行うとともに、人口増プロジェクトチームを立ち上げて、部局横断で取り組んでいるところであります。また、地方創生交付金事業の司令塔にもなっております。 さらに、二十八年度は、自然増・社会増に向けた取り組みを強化するために、組織を再編いたしまして、「こども未来課」、「雇用労働政策課」を設置いたします。 市町村との連携では、大分県まち・ひと・しごと創生本部を設置いたしまして、情報共有や意見交換を重ねて、連携事業にも取り組んでいるところであります。 また、県内さまざまな分野を代表する県民で構成する「安心・活力・発展プラン二〇一五推進委員会」におきましても、人口減少対策を含めた地方創生の議論を行って、総合戦略のPDCAサイクルをしっかりと回していきたいというふうに思っております。 人口減少対策、大変厳しい課題ではありますけれども、オール大分で進めていって、人口ビジョンの達成に努力をしていきたいというふうに思っているところであります。 ○麻生栄作副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 ありがとうございました。 次に、少子化対策について。 人口が大幅に減ることの弊害は、皆さんが十分ご承知のように、財源を支える税収の減収や国からの地方交付税の減額といった財源問題を初め、若い労働力や農業の担い手不足による生産性の低下によって、農林水産業の行き詰まり、景気低迷による地域経済の没落、限界集落や消滅市町村の続出、子供が少なくなったことによる社会の躍動感の欠如など、挙げれば切りがありません。 私は、昨年九月の定例会でこの問題を取り上げました。私が提言したことに対し、これまでどのような検討がなされてきたのでしょうか。 私が最も提案したかったことは、子供がふえる社会です。昔、中学生は金の卵と呼ばれましたが、今では生まれた子供は全て金の卵です。金の卵は将来、大きな大きな金の卵を産むのです。これこそが先行投資なのです。新しい制度改正は歓迎しますが、きれいごとや机上の空論では、この危機に対処できるはずがありません。 私は、再度提案します。あらゆる統計を見ても、子供を産めない、結婚できない理由として、八〇%以上の方が経済力の問題を挙げています。何を持ってしてもだめなら仕方がありませんが、金で解決できるのであれば、そのための制度をつくってあげましょう。結婚を希望する未婚の若者が和気あいあいと集える場所を全ての市町村に設置し、結婚するカップルには、お祝い金として五十万円を用意する。 さらに、結婚しようにも給料が二人とも低く経済的にやっていけないのなら、結婚を条件に県や市町村が給料アップや転職をあっせんする。 さらに、出産に当たって、第一子には百万円、第二子には二百万円、第三子には三百万円を祝い金として拠出するといった、思い切った、わかりやすい施策を実施すべきです。 県は、将来の出生率二・〇を目標としていますが、一組の夫婦が二・〇七人の赤ちゃんを産まないと人口は減り続けると言われています。 県の予算については、まだまだ随分無駄遣いがあると思います。県庁と、その関係団体の職員の数の見直しや県議会の定数の見直し、各事業の全面見直しなど、これまでにかなり進めてきたといっても、それで十分だと胸を張って言えるでしょうか。 人口減少の要因に核家族化があると言われています。二世帯、三世帯同居することは、働く若い者にとって、多少の支障があるとしても、育児や生活において大いに役立つものです。そうした複数世帯の同居にも本格的な支援をすれば、そこここに子供の声がするようになると信じております。 以上、私の提案を踏まえ、少子化対策についての県のご所見を伺います。 ○麻生栄作副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 少子化対策につきまして、大変貴重なご見解も交えながらご質問をいただきました。 少子化の流れを緩和するためには、ご指摘のとおり、若者の出会いの場づくりや経済的な支援といったものが大変重要だと考えます。 今年度から始めましたバスツアーなどによる若い世代の婚活支援でございますけれども、確かにうれしいことに、なかなかの好評でありまして、新年度は、開催回数を大幅にふやすとともに、婚活セミナーの同時実施など、内容の充実も図っていきたいというふうに思っております。 また、異なる企業や団体間をつなぐ婚活コーディネーターを新たに配置するとともに、地域での出会いの導き役となる婚活サポーターを全市町村で養成するなど、新たな出会いを応援する取り組みを強化いたします。 また、経済的な支援でございますけれども、こちらの方も充実を図っていきたいと思います。 これまで市町村とも連携をしながら、子供の医療費を、原則として就学までは入院・通院ともに無料と、小中学生にあっては、入院を無料というふうにしております。また、三歳未満児の保育料につきましても、第二子を半額、第三子以降は無料としているところであります。 これらに加えて、今年度から、病児保育や一時預かりなど、地域の子育て支援サービスに利用できるおおいた子育てほっとクーポンを、子育て世帯にお配りいたしまして、その経済的負担の軽減も図っているところであります。 また、不妊治療費の助成制度を全国トップレベルの内容に拡充いたしまして、不妊に悩むご夫婦が、効果の高い体外受精等の高額な治療を受けやすくしたところであります。 また、子育て世帯高齢者世帯が行う住宅改造に対する従来の支援に加えまして、新年度からは、三世代同居に向けた住宅リフォームについても助成の対象としているところであります。 さらに、低所得の新婚夫婦に対しまして、新居の家賃や引っ越し費用を宇佐市、竹田市など五市町が助成することにしております。 ご提案いただきました結婚の祝い金につきまして、県内状況に基づきまして試算をしてみますと、年間約五千四百組に一律五十万円を交付するというためには、約二十七億円が必要となるわけであります。あわせまして、議員からご提案のありました出産祝い金、こちらの方を言われるように出すといたしますと、これも試算をいたしますと百六十四億円というふうになりまして、合わせますと百九十億円ということになります。ちょうどただいま提案を申し上げております二十八年度当初予算の福祉保健部こども関連の予算全額が百八十五億円でございますから、それに匹敵する金額になるわけであります。 そういうことで、今の福祉保健部の予算を毎年倍増するという余裕はなかなかないということで、悩ましいところであります。 そこは無理かもしれませんけれども、ご説明申し上げましたように、結婚とか妊娠とか出産とか子育てと、ステージごとに、きめ細かく必要な応援をしながら、何とか子供を生み育てやすい環境をつくって、目標の二・〇七、合計特殊出生率二・〇七を達成できればというふうに思っているところであります。 ○麻生栄作副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 ありがとうございました。 私が言うのは、人口がどんどん減っていくと。その中で、子供がふえる社会、これこそが今言う百九十億円かかるかもしれないけど、先行投資なんだと、これが。一番悩んでおる人口減少の歯どめをするのに一番必要なお金だと思っております。 そこで、非常に財政上厳しいかもしれないけど、そういうものを今後計画して、そういう形のもので対処していく。 私も、補助金漬けというのはよくないんですけど、今、あがなうものはお金しかないんですね。だから、そういうものでちゃんとしたリズムが乗るまでは県のそういう計画のもとで人口をふやしていってもらいたいなと思っております。 次に、TPPについて質問します。 TPPは、関係国が大筋合意しましたので、各国が署名し、我が国の国会にも批准の承認について近く提案される予定です。しかし、このTPPの外交交渉は、常時、秘密裏に行われ、途中経過は全く知らされず、合意した後から少しずつ内容がわかりつつありますが、県民はもとより、私たち議会人でさえ、その正体は依然として曖昧なままです。 TPP交渉に参加するに当たって、我が自由民主党は交渉参加の判断基準を明確にしました。 それは、「一.政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。二.自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。三.国民皆保険制度を守る。四.食の安全安心の基準を守る。五.国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。六.政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。」以上、六項目となっています。 特に、「「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。」とは、主要農作物の米・小麦・牛豚肉・乳製品・砂糖のいわゆる重要五品目について、関税を維持するということを指します。ところが、関税率の引き下げが段階的に行われるなど、必ずしも聖域は守られていないようです。 現行の日本の輸入関税率は全体として低く、日本の農産品市場は世界の市場の中でも十分に開かれた市場です。しかし、日本にも例外的に高関税率となっているものがあります。それがさきの重要五品目なのです。これは日本農業にとって譲れない、食料自給率の向上のために必要な品目や農業生産が高い分野の品目であり、絶対に守らないとならない品目です。しかし、聖域が脅かされていることは事実です。 国も、これまでと同じように農家の保護に躍起になっているようです。 そこで、県に伺います。 一、県の把握している情報では、重要五品目のうち、特に大分県の農業にとって大きな影響を受ける品目は何で、どのくらい生産額の減少が予想されますか。 二、国の対策はもとより、農業者や水産業者の保護のために、県としても独自に何らかの対策を進めるのか、国の対策とあわせて、その救済策をお示し下さい。 三、TPPは全体で二十一の分野があるそうですが、県民生活の影響について、県はどのように捉えているのでしょうか。また、県民生活への影響が心配される分野があればお示しください。 ○麻生栄作副議長 尾野農林水産部長。 ◎尾野賢治農林水産部長 TPPについて二点お答えをいたします。 本県農林水産業の生産額への影響は、国に準じて試算した結果、約十二億円から二十二億円と予測しております。 このうち、いわゆる重要五品目の中で大きな影響が見込まれる品目は、牛肉、豚肉で、牛肉は最大約九億円、豚肉は最大約六億円と見込んでおります。 次に、経営安定に向けた対策としては、例えば、牛肉、豚肉については、輸入量の急増に対し、関税を引き上げるセーフガードが措置をされております。 また、国は、いわゆる牛・豚マルキン事業を充実し、経営損失に対する補填率や国庫負担の引き上げを行うこととしております。 こうした影響緩和策、これは国がしっかりやっていくということになっておりますけれども、確実に運用されるよう我々も注視をしてまいります。 その上で県として大事なことは、生産性の向上や高付加価値化を図ることと考えております。 畜産では、飼料コストを削減できる飼料用米SGS、飼料米の濃厚飼料というふうにお考えください--の生産拡大や、生乳以外の所得を確保できる黒毛和牛の受精卵移植等に取り組みます。 園芸では、規模拡大を進めるため、施設整備や機械導入等を支援する予算を拡充をいたします。 また、付加価値の向上に向け、飼料用米を給与したオレイン酸含有率の高い豚肉のブランド化養殖クロマグロ産地加工施設の整備等を支援いたします。 成長する海外マーケットにも挑戦をいたします。商談活動を強化し、豊後牛や養殖ブリ等の販路開拓に取り組んでまいります。いずれにいたしましても、TPP協定の影響を最小限に抑えるよう、国に対しては実効性ある経営安定対策を強く求めてまいります。その上で、我々も農林水産業競争力強化にしっかり努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○麻生栄作副議長 西山商工労働部長。 ◎西山英将商工労働部長 私からは、県民生活への影響についてお答えいたします。 TPP協定は、関税削減のみならず、サービスや投資の自由化を進めて、さらに知的財産分野など幅広い分野で連携を進めるものであります。 県民にとっては関税削減による輸入品等の価格低下に伴って、実質所得が増加することになります。 また、貿易の自由化、円滑化が進むことで企業業績が向上すれば、賃金や配当を通じて家計所得の向上が見込まれるというふうに考えております。 他方、従前より関税以外の分野、例えば医療や食の安全、安心などの面で国民、県民から不安の声があったのもまた事実であります。 ただ、医療分野につきましては、混合診療の全面解禁など公的医療保険制度に影響を与える規定は含まれておりません。 また、食の安全、安心につきましても、我が国の検疫や遺伝子組み換え食品表示等の制度変更が求められることはございません。 県としては、政府に対し、今後とも県民の不安払拭のための詳細な情報提供を求めていきたいと考えております。 TPP協定は、県内企業が海外展開に挑戦する絶好の機会となることから、関係機関と連携しまして、意欲ある企業に対し、海外マーケットの獲得やアクセス向上を支援してまいる所存であります。 ○麻生栄作副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 ありがとうございました。今から非常に厳しくなってくると思いますが、ひとつよろしくお願い申し上げます。 それでは次に、予防医療について質問させていただきます。 厚生労働省の推計によると、平成二十三年度の大分県の国民医療費は総額四千三百四十五億円で、県民一人当たりにすると三十六万四千円です。全国第四位という不名誉な順位にあります。 これは全国に比べ、本県の予防医療の水準が低いことを意味し、大いに改善する必要があると思います。 最近、県当局はもとより、県下各地で予防医療の観点からいろいろな試みが行われているようですが、他県に比べ何かが足りないと思わざるを得ません。高齢化率が他県より高いといった条件もあるようですが、それにしても、せめて全国中位ぐらいに底上げすべきだと思います。 予防医療については、最近は、各種団体、グループなどで取り組みを行うところがふえているようです。県当局は、このような取り組みをもっと奨励すべきだと思いますが、このような予防医療の取り組みを今後どのように強化していく方針でしょうか。県の方針を伺います。 また、自然治癒で治るのに医者から大量の投薬を受けている人が多い中で、県民の中には、医者の診療を受けず頑張っている方々もいます。医療保険をきちんと支払っていながら、実質的に医療費ゼロ円の方たちです。保険料を減免するとか、報奨金を出して、そういう人たちには報いる制度を設けるべきだと思います。予防医療の周知のためにも検討してはいかがでしょうか。 予防医療に努めている団体などに、ある一定の報奨制度があるようですが、実際に貢献している個人に対しても、予防医療の貢献者として、ぜひ何らかの措置をお考えください。医療費の適正化に向けた個人への報奨制度についてどのように考えているか、県のお考えを伺います。
    ○麻生栄作副議長 草野福祉保健部長。 ◎草野俊介福祉保健部長 予防医療について二点お答えいたします。 まず、取り組みの強化についてでありますが、健康的な生活習慣を継続して実践するには、一人よりも、団体やグループで取り組むことが効果的であります。 地域では、食生活改善推進員や愛育班といった住民組織が、健診の受診勧奨や、地区の公民館での減塩や体操等の健康教室の企画・実施など、地域ぐるみでの活動を推進しています。 また、県では、協会けんぽと連携し、健診受診率向上など、事業所ぐるみでの健康づくりを実践する健康経営事業所の認定を行い、その拡大を図っています。 議員ご指摘のように、こうした取り組みは医療費適正化につながるため、今後とも介護予防に加え、疾病予防に取り組む団体やグループの活動を積極的に支援していきます。 次に、医療費の適正化に向けた報償制度についてご説明申し上げます。 新長計策定に当たっての県民意識調査の県民が重視する幸福感の項目では、健康状況がトップとなっており、県民の皆さんは健康であることに幸せを感じ、健康であることは、本人を含め家族や周囲の方々にとっても一番のご褒美であると思います。 医療機関を受診していない人に対する報奨制度を設けることは、本来、医療が必要な方の受診の抑制や、その結果として疾病の重症化につながる可能性もあることから、今後の検討課題としたいというふうに考えております。 なお、疾病予防や早期発見、健康づくりにつながる自助努力を実践する県民に対し、保険者がインセンティブを提供する取り組みは、医療費適正化の観点からも有効であると考えており、県内では七市において、健康診断の受診や健康関連イベントへの参加などに対し、ヘルスケアポイントの付与を行う事業を実施中です。 今後は、四月に行政や各種関係団体と「健康寿命日本一おおいた創造会議」を設置するなど、健康づくりへの機運醸成を図り、健康寿命日本一への取り組みを通じて、医療費の適正化を図ってまいります。 以上であります。 ○麻生栄作副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 ありがとうございました。よろしくお願いします。 次は、新大分空港について。 現在の大分空港は、国東市にあり、県庁所在地の大分市や各地域から遠距離に位置し、利用者はいまだに不便をかこっています。大分市からバスなどで約一時間もかかります。 また、県南地域は高速道路の整備で宮崎空港へ、竹田市近辺は熊本空港へ、日田市周辺は福岡空港を利用する人が多いありさまです。現在の羽田線の年間利用者数は百二十万人ほどしかなく、北九州空港や宮崎空港より利用者が少ない状況です。 そこで、私は思い切った提案をします。大分空港を大分市近辺の別府湾上に海上空港として建設することです。 実現すれば、東九州自動車道が近くなり、ほとんどの県民が新しい空港を利用することが可能となります。現在の空港は先端産業のテクノポリス地帯にあることから、より便数の多い貨物専用として、もし県民の理解が得られるならば、航空自衛隊の補給基地や、その他、ヘリコプター、民間機なども比較的に自由に利用できる多機能空港として整備してはどうでしょうか。 東九州新幹線は、昭和四十八年から基本計画のままです。四国を結ぶルートも夢物語です。新大分空港はそれに比べ可能性は高いと思いますが、検討をお願いします。今後の大分空港のあり方について、県のご見解を伺います。 ○麻生栄作副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 大分空港のあり方につきまして、大変興味深いご提案をいただいたところであります。 私も、やはり大分から随分遠いなという感じで、なぜああいうところに空港をつくったのかという関心がありましたから、早速、昭和四十六年、空港が現在の場所に移転したときの経緯を調べてみたところであります。 大分市や日出町、あるいは杵築市の沿岸部を初めとする七つの候補地が上がりまして、航空の安全性、建設費等の経済性、あるいは交通の利便等の立地条件の三つの観点から、国が現在地に決定したということであります。 その際、三方が広く海に開けて、特に、飛行の安全性にすぐれた点が評価されたというふうに聞いております。 議員ご提案を実現しようとしますと、三方が陸地に囲まれておりまして、鶴見岳を擁し、あるいはまた、大分の臨海工業地帯の工場群もあるという、そういう別府湾に飛行の安全性を確保できる場所があるかどうかという問題が実はあるわけでございます。 いやいや、大阪湾でも東京湾でも、湾の中に飛行場があるじゃないかということで話をしましたら、専門家は、大阪湾は別府湾の三倍の広さ、東京湾は別府湾の二・九倍の広さということで、やはり湾として、そういうところとは安全性において、やっぱり比べ物にならないという問題があるということであります。 また、別府湾の特徴を企業誘致等々で我々売り込みをしているのは、水深が深くて、すぐ岸の近くまで船を近づけられるということでございますけれども、それを逆に言いますと、その別府湾で広大な土地を埋め立てるか、あるいはフローティングの飛行場をつくるということになりますと、これが事実上可能かどうかということについても検証する必要があるというようなことでございます。 ということで、やっぱり期待を込めて調べてみたのですけれども、結論的には、やはり現在の大分空港の利用者増に向けた施策の、アクセスの改善とか、あるいは利用者増の対策等をやっていかなければならないということでございます。 お地元の国東市の皆さんに感謝しながら、引き続き大分空港を使わせていただきたいというふうに思っているところであります。 ○麻生栄作副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 ありがとうございました。私は別府湾にということで、海上空港をということを言ったんですけど、こちらの大分の大在の方から坂ノ市のあちらの方向、結構あいた土地があります。これは今後の課題だと思っておりますので、ぜひとも県当局がそういうふうな調査をして、可能な限り、やっぱり中心部の近いところに、利便性は非常に悪い。東京からお客さんが来たときに帰ってくるのに「遠いなあ」と、その言葉をほとんどの方が言うんですね。だから、将来考えた方がいいです。 だから、私はこれをきょうを皮切りに県当局は検討していただければありがたいなと思っております。よろしくお願いします。 それでは、トリニータについて。 私がさきに本壇で心配しましたように、大分トリニータはついにJ3に降格してしまいました。私は後援会南支部の支部長として支援してまいりましたが、大きなショックを受けております。 幸い、知事の英断によって社長を県から送り、有能な監督も決まりました。選手も十六人が残留し、新人十一名を迎え、新体制が整ったことは喜ばしい限りです。しかし、このチームを再建し、J1まで昇格させることには、尋常な手段では不可能です。関係者が命がけで経営し、選手が試合が終わったら全員立ち上がれなくなるぐらい激しく戦うことができる力をつけてもらい、メンタル面も鍛え抜く必要があります。 ホームでの試合は大銀ドームを使うようですが、これは考え直すべきです。大銀ドームは世界的にも立派なスタジアムですが、J3が使うようなレベルのピッチではありません。選手たちにはかわいそうですが、市内にはJ3が使うにほどよいピッチは点在しています。 高校球児が甲子園を、高校ラガーマンが花園を、大学球児が神宮球場を目指すように、J1を目指すならば、それまでの間、大銀ドームは使わせないなど、やはり目標を持たせることです。大分トリニータの大銀ドームの使用料は無料と聞いています。甘えは許されません。四万人収容なのに観客がわずかではもったいないです。 大分トリニータの強化について、県当局に考えを伺います。 また、県が社長を出すことを受け入れたということは、それだけ責任が重くなったということです。新社長は「これまでより約三億円の減収が予想される」としているようですが、そんな甘い数字の見込みで済まされるのでしょうか。まだ、負債は完済されたとは聞いていません。 そこで、現在の財務管理表と今後の収支計画を明らかにすべきだと考えます。情報を正しく公開してこそ、三位一体の経営となるからです。私もトリニータを今後も全面的に支援する気持ちに変わりはありません。一年でも早くJ1への昇格を祈っております。 現在の財務状況と今後の収支計画について、どのように把握しているのかをお伺いします。 ○麻生栄作副議長 廣瀬企画振興部長。 ◎廣瀬祐宏企画振興部長 大分トリニータについて二点お答えをいたします。 まず、大分トリニータの強化についてです。 榎社長は、今季の大分トリニータに大事なこととして、一年でのJ2復帰に向けたチームの強化、地域に出向く活動など、チームの露出機会の確保、観客やサポーターの満足度向上の三つを掲げています。 また、原点回帰を今季のスローガンに掲げ、片野坂新監督のもと、J3に降格した原因を分析し、チームの立て直しを図っています。 一つは、フィジカル面の強化という原点に戻り、徹底した走り込みを行っています。最後まで諦めずに走るチームを目指すとしています。 二つは、育成型チームとしての原点に戻り、アンダー18の若手選手を育成し、トップチームの選手層を充実していくことです。 昨季のアンダー18プレミアリーグウエストで三位となったチーム、選手の中から三人をトップチームヘ昇格させています。 三つは、チームの一体感をつくり出せるメンバーを集めたことです。新キャプテンにサンフレッチェ広島から元日本代表の山岸選手を迎えたほか、コーチングスタッフは全員トリニータの元選手に一新をしています。 なお、Jリーグの公式戦を開催するスタジアムですけれども、Jリーグ規約に定めるピッチ寸法など諸条件を満たす必要があり、県内には大分銀行ドームしかありません。 次に、大分トリニータの経営についてお答えをいたします。 大分トリニータの前期決算見込みは、収入約九億六千万円、支出約九億四千万円、純利益は約二千万円の黒字となっています。 今期の収入は、J3降格に伴い、Jリーグ配分金、チケット収入、スポンサー収入の大幅な減少が予想されます。一方、ダイハツ九州を初め、大口スポンサーに引き続きご支援いただけるほか、シーズンパスも目標に迫る売り上げであり、前期の収入に比べ約三億円の減少にとどまる見込みと聞いています。 こうした支援は、1年でJ2復帰への大きな期待からとも考えられるところであります。J2復帰に向けて、しっかり頑張ってもらいたいと思います。 支出の面では、戦力強化と経営再建の二兎を追うこととし、収入の範囲内で戦える体制を整えるとともに、運営経費等の削減を進めております。 県としては、大分FCは経営再建の途上にあることから、経営状況について、同社と連携を密にしながら引き続き注視し、意見を出してまいります。 なお、Jリーグは、Jクラブ経営の透明性向上のために、クラブ別の経営情報を発表しているところであります。 以上ですが、油布議員には後援会大分南支部長として、引き続きご支援をお願いいたします。 ○麻生栄作副議長 油布勝秀君。 ◆油布勝秀議員 ありがとうございました。しっかり頑張って応援させていただきます。 何といいますか、やはり今までがいい形の中でトリニータが歩いていけたと思ってもいいです。思いがけないJ3に落ちたということで、やはり支援する方々は本当に一年やそこらで帰れるんかなと心配されているんですね。 だから、それだけに目標を持ったり、それだけ自分にむちを打ってせんと、J2に帰ることができないんじゃなかろうかと周りの方は心配しているわけですよね。非常にいいことなんだけど、たかをくくっていると、また同じような形になるんじゃなかろうかということをみんな応援しておる方々が心配しております。 部長、そこら辺をしっかり県民にも、そういう後援会の皆さんに私は声を大にして応援、支援していただきたいなと思っておりますので、ひとつよろしくお願いします。 以上で私の質問は終わらせていただきます。(拍手) ○麻生栄作副議長 以上で油布勝秀君の質問及び答弁は終わりました。後藤慎太郎君。  〔後藤議員登壇〕(拍手) ◆後藤慎太郎議員 二十二番、県民クラブ、後藤慎太郎です。傍聴の皆さん、遠路はるばるありがとうございます。 それから、広瀬知事、執行部の皆さん、どうかよろしくお願いします。 では、早速、質問に移らせていただきます。 まずは、国民文化祭について伺います。 本県にとっては、二十年ぶり二度目の国民文化祭となり、また、全国障害者芸術・文化祭も開催されます。平成三十年は、別府アルゲリッチ音楽祭、県立総合文化センター、大分県民芸術文化祭が二十周年を迎え、そのほかにも、さまざまな芸術文化の祭典が予定されています。 文化庁は、来年度以降について、従来とは異なる新たな形態による事業を企画、実施することが適当であるとして、大きく見直す方針を示しています。これを踏まえ、前回とは違う新たな国民文化祭の開催が待たれるところです。 その一方で、二年後に迫る大分開催については、身近なイベントとして捉えていない県民の方も多いのではないでしょうか。全ての県民が主体的に携わることはなかなか難しいですが、開催を機に、大分県民であることへの誇りを共有し、大分県が誇る芸術文化の価値の高さを改めて認識できる機会となることを私は期待しています。 一昨年開催された国民文化祭あきた二〇一四について、先日、話を伺いました。秋田県のテーマは、「発見×創造 もうひとつの秋田」で、伝統と現代の融合に力点を置き、男鹿のなまはげなど登録数全国一を誇る無形民俗文化財に焦点を当てました。また、グランドフィナーレのオリジナル・ミュージカルでは、中学、高校の教育関係者が企画の段階から加わり、多くの高校生が三年間かけて準備した成果は、大変すばらしいものになったそうです。そのほかにも、秋田県の発酵食文化や鍋文化も、食文化という視点から新たに企画に取り組んだと聞きました。昨年開催した鹿児島県でも、食や温泉をテーマにした多くの企画が実施されています。 大分県におきましても、各地で盛り上がるアートイベントなどを軸に、音楽、演劇、美術、文学などそれぞれの分野でさらなるレベルアップを図るとともに、大分独自のテーマとして、県内各地の温泉文化やキリシタン文化、とり天、鶏飯などに焦点を当てた食文化や各地域の醸造文化なども考えられるのではないでしょうか。また、十一月に相次いで開催される臼杵の竹宵、竹田の竹楽、日田の千年あかりと別府の竹工芸とのコラボなどにより観光客を誘致するなど、一定の経済波及効果を生むことも可能だと思います。 あわせて、国内外で活躍する大分県出身の文化人やアーティストの方々に、舞台演出やおもてなし等でかかわっていただくことにより、大分の新たな発見もできるのではないでしょうか。そうしたことが、翌年のラグビーワールドカップやオリンピックなどの文化プログラムにつながっていくのではないかと思います。 さまざまな文化に触れることにより、将来を担う子供や若者たちが、この国民文化祭を通じて、芸術、文化をより身近なものとし、大分県のよさを知り、郷土に誇りを持ってもらいたいたと願っています。 そこでお尋ねします。 国民文化祭を開催するに当たり、どのようにして大分県らしさを演出するのか。また、県民全員参加、特に子供や若者たちが大きな関心を持って参加するような機運を醸成することが重要だと思いますが、そのためには何が必要であるとお考えなのか、知事の見解を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。  -------------------------------  〔後藤議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○麻生栄作副議長 ただいまの後藤慎太郎君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 後藤慎太郎議員から国民文化祭についてご提言も交えながらご質問をいただきました。 美しく豊かな自然の恵みと古来からの地域固有の歴史に育まれ、特色のある文化を培ってきた大分県には、県立美術館の開館を機に、全国から注目が集まっております。 こうした中、二十年ぶりの開催となる国民文化祭では、大分県らしさを存分に発揮するとともに、国民総参加のお祭りにできればいいなと考えているところであります。 一回目の国民文化祭は、「二十一世紀へ文化をおこす豊の風」をテーマに開催をいたしました。今、県内には、お茶や生け花などの伝統文化はもとより、神楽や盆踊りなどの伝統芸能が継承されております。また、別府アルゲリッチ音楽祭や大分アジア彫刻展など、国際的な芸術イベントも歴史を重ね、国内外から高い評価を受けております。さらに、別府混浴温泉世界や国東半島芸術祭、竹田アートカルチャー、国見アートギャラリーなど、芸術文化による新たな地域づくりも広がってきております。 二回目となる今回の国民文化祭では、このように、県内にようやく根づいてきたさまざまな芸術文化が、一斉に花開いて、街にあふれ出す、そんな文化祭を目指したいと思っております。 次に、県民総参加についてであります。全国障害者芸術・文化祭と同時に開催するということで、子供からお年寄りまで、障がいのある方もない方も、県民の誰もが参加できる文化祭を目指したいと思います。県民には、出演者として、また観客として、文化祭を身近に楽しんでもらうほか、舞台のスタッフやボランティアとしても、大会を支えていただきたいと考えております。 中でも、若者や子供たちの参加が重要です。前回大会で活躍した皆さんには、これまで県の芸術文化をリードしていただきました。今回も、芸術文化に携わる若者が多く参加し、そして活躍することで、これからの大分県の芸術文化を担っていただきたいというふうに期待をしているところであります。 県立美術館の開館記念展には、県内全ての小学生を招待いたしました。子供たちの感想文を読み、そのみずみずしい感性に驚かされるとともに、芸術文化に触れる機会をふやすことが大変大切だというふうに感じたところであります。文化祭に向けて、市町村や学校等としっかり連携して、多くの子供たちにかかわってもらうことで、機運の醸成を図っていきたいというふうに思います。 来月には、両文化祭合同の実行委員会を立ち上げて、芸術文化祭や障がい者芸術の関係者を初め、県議会、教育機関、経済界など幅広い方々のご意見を伺ってまいりたいと思います。 その中で、大会の基本構想を初め、県民総参加に向けた機運醸成の取り組みを検討して、開催の準備に万全を期していきたいというふうに考えているところであります。 ○麻生栄作副議長 後藤慎太郎君。 ◆後藤慎太郎議員 ありがとうございました。 私いろいろ調べましたら、大分県を代表する、大分県が輩出した文化人の方がたくさんいらっしゃいます。やはりそういう方を間近に感じて、子供たちが一緒にこの文化祭に取り組めれば、間接的にはなるかもしれませんけど、少子高齢化に向かう大分県で、人口が定着するとか、そういったことにもつながるんじゃないかというふうに思っていますので、ぜひよろしくお願いします。 それでは、続きまして、地域の公共交通についてお尋ねします。 本県では、人口減少、少子高齢化が加速しており、中山間地域では過疎化、大分市でも中心部の空洞化が進み、生活の中にさまざまな問題を生み、深刻な影響を与えています。その問題の一つに、地域の公共交通があります。 生活の足となる地域の公共交通の現状は、人口減少やマイカーの普及等により、地方では路線バスの撤退による公共交通空白地域の発生や拡大、運行頻度の減少などをもたらし、公共交通の利用人員は減少の一途をたどっています。それに伴い、地域の公共交通を担う民間事業者の経営も悪化しています。 今後、さらに高齢化が進む中で、車を運転できない人、または運転免許を返納する人などもふえることが想定され、自家用自動車以外の交通手段の確保が難しい中、県民の移動手段として公共交通の確保は早急に取り組まなければならない課題であると私は考えます。 大分県では公営のバス会社はありませんが、他県の公営バス路線では、不採算路線がある中でも多額の税金を投入しながら維持している実情があります。このことからも、大分県の民間バス事業者がいかに大きな使命を担っているかがわかります。 平成二十六年に改正された地域公共交通の活性化及び再生に関する法律では、地方公共団体が中心となり、まちづくりと連携し、面的な公共交通ネットワークを再構築することになっています。この中で、地方公共団体は、交通事業者、地域住民らと協議会を組織して計画を作成、実施していくこととされています。 そこで質問をします。地域公共交通活性化再生法に基づき、大分県の地域公共交通網形成計画を策定するに当たり、どのような将来像や計画の実現を考えているのか、お聞かせください。また、現在パブリックコメントを実施している大分県地域公共交通網形成計画(案)では北部圏と豊肥圏を対象地域としていますが、その他の地域についても今後計画を策定していくことになるのか、お伺いします。 続けて、民間バス路線についてですが、地域住民の利便性を図るため、コミュニティーバスやデマンド交通を導入している自治体もありますが、財政的な負担が大きいと思われます。今後、これ以上、公共交通空白地域を増加させないためにも、民間の路線バスが維持でき、あるいは撤退した路線を再開できるような取り組みが必要であると考えますが、県の見解をお聞かせください。 ○麻生栄作副議長 廣瀬企画振興部長。 ◎廣瀬祐宏企画振興部長 私から、交通政策について二点お答えをいたします。 まず、地域公共交通網形成計画についてであります。 地域公共交通活性化再生法が一昨年改正され、従来、市町村に限られていた公共交通の維持・確保のための計画の策定について、県においても可能となったところであります。 そこで今年度、交通事業者、学識経験者、市町村等で構成する大分県地域公共交通活性化協議会を設置いたしまして、地域公共交通網形成計画の策定に向け検討を始めたところでございます。 計画策定により、利用者増を図るとともに、計画の国認定を受けることで、路線維持の補助要件が緩和されるメリットがあります。このため、まずは、利用者が減少し、国補助の対象外となるおそれのある幹線バス路線を多く抱える北部圏と臼杵市を含む豊肥圏を対象として策定しているところであります。 計画では、持続可能な交通ネットワークの構築のための各種施策を盛り込むこととしています。 具体的には、圏域内に交通結節点を設定し、地域間を結ぶ幹線バスと地域内バスの円滑な接続、バス路線の延伸、鉄道とバスのダイヤ調整などに取り組みます。 関係市町や交通事業者と密接に連携し、計画の実現を図ってまいります。 対象地域の拡大につきましては、来年度は南部地域を対象に策定する予定です。そのほかの地域につきましても、実態を把握しながら順次策定を進めてまいります。 次に、民間路線バスについてお答えをいたします。 地方創生の上でも、バス路線維持は大切であり、三点で、バス事業者、市町に対する支援に取り組んでいます。 一つは、安定的な運行の確保です。バス事業者が運行する幹線バス路線について、約二十路線に対し赤字補填するとともに、同路線に導入するバリアフリー型の新規車両の減価償却費を補助しています。民間バス路線の撤退を引き継いで市町が運行しているコミュニティーバスなど、約三百路線についても助成しているところであります。 二つに、利便性の向上です。バス停上屋の改良やバス停標識の整備などに助成しています。また、バス時刻表の検索サイトやバスの運行状況がわかるバスロケシステムの経費に対しても助成しているところであります。 三つに、利用者増の取り組みです。県、運輸支局、バス事業者等関係者が連携して、メディアを通じたPRやバスの日のイベント開催、市町に出向いての運行ルートやダイヤ設定等のノウハウ提供などを実施しています。 引き続きこうした取り組みを行いまして、関係者とともにバス路線の維持、確保を図ってまいります。 ○麻生栄作副議長 後藤慎太郎君。 ◆後藤慎太郎議員 ありがとうございました。 私も仕事柄、農村で作業していますと、時々しかバスが通らないようなところがいっぱいあります。しかし、やっぱりそういうところでも人が住んでいまして、そういうところの方が病院に今タクシーで行っているような現状がありまして、何とかこれできないもんかなと思いながらいつも農作業をしています。 それから、実際にバスに、私自身も時々乗ると、やっぱり不便だなと思うこともあります。ですから、バスを使う機運が高まるような、そういったイベントなんかも県の方で考えていただければ、またバスの利用者なんかもふえるんではないのかなと私は考えていますので、またいろいろとご相談させてください。 それでは、次に行きます。 国道一九七号大分東バイパスの整備についてお尋ねします。 このバイパスは、もともと大分市内の交通混雑の緩和を図るため、昭和五十一年に白木から細までの都市計画道路として計画決定された大分外郭環状道路の一部です。大分東バイパスとしては、残すところ久土から細までが未整備区間となっており、この区間の整備については、これまでもさまざまな要望活動が行われてきたところです。 鶴崎地区の国道一九七号の四車線化は既に決定しており、東部地域の長年の懸案事項であった交通渋滞は多少なりとも改善されると思いますが、一方、久土-細区間については、計画時からはかなり状況が変化しています。また、現下の厳しい財政状況を踏まえますと、当然、即時着工などは困難な状況であるということは理解できます。 しかし、この道路は大分市東部地域、つまり鶴崎、大在、坂ノ市、佐賀関の発展のために重要であると私は考えます。大分市東部の沿岸部にはさまざまな企業が多く進出、集中しており、大在埠頭にはコンテナターミナル、佐野には大分流通業務団地もあるため、大分県の産業経済の発展に寄与できる潜在能力を秘めた地域であると感じております。 ところで、私は先日、防災士試験に合格しました。防災について改めて考える機会を与えていただきましたが、やはり心配になるのは、今後五十年以内に九〇%の確率で起こると言われている南海トラフ大地震です。大分県の被害想定は、死者約二万二千人、最大避難者およそ十七万人としています。この被害想定と東日本大震災の教訓により、昨年六月、大分県広域防災拠点基本計画が策定され、東部地域に近い大分スポーツ公園が広域防災拠点施設となっています。こうした点を踏まえて、県が策定した大分県道路啓開計画マップを見ますと、大分市東部人口や地域の実情、地理上の制約があるにもかかわらず、啓開ルートが少ないことに気づきます。 そこでお尋ねします。大在、坂ノ市を初めとした東部地域には、現在約十四万人の県民が暮らしており、その人々の日常使用する道路として、引き続き大分東バイパスの整備が必要であると考えます。また、南海トラフ大地震が起きた場合、大分市東部沿岸は津波等の被害がかなり大きく、沿岸の主要な幹線道路は絶望的です。災害時の代替道路としても、久土から細、できれば神崎あたりまでバイパスを伸長させる必要が私はあると思いますが、見解を聞かせていただきたいと思います。 ○麻生栄作副議長 進土木建築部長。 ◎進秀人土木建築部長 国道一九七号大分東バイパスについてお答えをいたします。 同バイパスは、平成十三年に供用開始されまして、市道城原久土線と一体になって環状道路を形成いたしており、大在公共埠頭、流通業務団地、大分スポーツ公園等を結び、東部地区の企業立地や渋滞緩和などに効果を発揮しております。 南海トラフ巨大地震の際には、東部地区の国道一九七号は坂ノ市地区、馬場地区の一部が浸水すると想定されていますが、同路線は幅員が広く、迅速な啓開作業が可能な道路でありまして、有事の際は、計画に基づき最優先で啓開し、緊急車両の通行や支援物資の輸送など緊急輸送道路としての機能を確保することといたしております。 現在、東部地区におきましては、産業の活性化や通学路の安全対策、交通の円滑化等の観点から臨港道路細馬場線や国道一九七号大志生木拡幅を進めておりまして、本年度からは長年の懸案であった一九七号鶴崎拡幅に着手したところであります。 大分東バイパスの延伸につきましては、これらによる交通状況の変化や、経済状況、産業の立地動向等も勘案しながら検討すべき課題であるというふうに考えているところでございます。 以上でございます。 ○麻生栄作副議長 後藤慎太郎君。 ◆後藤慎太郎議員 ありがとうございました。 生活の面から言いますと、今、ちょうど久土でとまっているんですけど、あそこから木田の方まで行く間に、小佐井小学校、坂ノ市中学校、それから東高校とありまして、人口もふえているものですから、交通量もふえていまして、危ないという方もいらっしゃいますし、やはり見ていますと、子供なんか通学路として、その割にはやっぱり車が多いかなと。朝、夕はかなり多いものですから、そういうこともまた考えていただきたいと思います。 それから、私が言いました災害道路としての活用方法なんですけれども、私が防災士に通って、改めてふと思って、いつでしたか、一月か二月か、夜、通ってみました。今、防災計画で出ているのが、たしか夕方六時に津波が起こったという想定であったと思うんですけれども、私は真夜中の、満月の日に海の方に行きました。そうすると、やはり、何というんですか、それに津波が押し寄せるような不安感、こういうのを住民の方が考えてみますと、避難計画の中では高台に逃げるというのがあるんですけど、あの真夜中に山の上に、子供とかお年寄りが逃げていけるかなという不安な面を感じまして、もし道路なんかの伸長が難しい場合でも、高台に逃げるような避難計画を考えている地域に関しては、真夜中でも、例えば蛍光灯だとか、それから非常用の防災灯だとか、そういう高台に誘導できるような、そういった仕組みが必要なんではないかなとも思っております。実際、私が夜、あの中を山を上がるというのはなかなか難しいんではないかというふうにも思いましたし、それから、やっぱり人間ですから、心理的には早く逃げたいと。そう思ったら、どうしてもあの海沿いの道は車でいっぱいになったりすることもあるんじゃないかという気もしたもんですから、そういったこともまた想定して、災害計画等をつくっていただければというふうに思いましたので、質問させていただきました。引き続きよろしくお願いします。 最後は、将来を見据えた大分県農業についてお尋ねします。 私は、大分県の農業にかかわる全ての人々がいつか報われる日が来ることを願っています。大分県の農業のため先頭に立って奮闘される広瀬知事以下、農業関係部局の皆さんはもちろんのこと、振興局の普及指導員の皆様の人々の努力と苦労には頭が下がります。 私は、大分県の農業の現状を憂いているからこそ、前回の質問では、主に大分県における中山間地域の集落営農法人や農地と農村の今後のあり方について質問しました。きょうは、経済活動としての産業の一面から、農業について質問をしたいと思っています。 古くから「ヒト・モノ・カネ」の三つは、経営や事業の三要素と呼ばれてきました。社会構造が変化した現在は、第四の要素として、情報、時間、文化などをつけ加えることもありますが、基本は「ヒト・モノ・カネ」であり、この三要素のうち一つでも欠けると、経営や事業の成功は危ぶまれると言われています。 私は、これを我が県の農業を取り巻く環境に当てはめてみるとどうだろうかと考えてみました。 例えば、大分県の農業予算、これがつまり「カネ」ですが、その費用対効果である農業算出額を見てみると、余り思わしくないと評価されるでしょう。今年度策定された「おおいた農林水産業活力創出プラン二〇一五」では、農林水産業、農山漁村が生み出す価値に着目した総合指標、農林水産業による創出額を掲げています。私は、農業産出額だけではなく付加価値額や交付金等を総合的にという考え方に納得していますので、これは今後の取り組みを注視していきたいと思っております。 また、前定例会の質問の中でもありましたが、「農は国の大本なり」という言葉がありました。私も同じ意見です。特に農業、農村の振興のためには、農地や農業水利施設などの農業生産基盤は最も必要なことだと思っていますし、これが「モノ」に当たると思います。 そして、「ヒト」についてですが、これはもちろん農業全般の担い手であります。 では、その「ヒト」にかかわる農作業事故と労災保険制度について質問します。 平成二十五年の農作業死亡事故は、全国で三百五十件発生し、そのうち約六五%が農業機械作業に係る事故です。内訳は乗用型トラクターなどの転落、転倒によるものが百十五件と最も多く、そのほかでも熱中症によるものが二十四件発生しています。年齢別では六十五歳以上が七七・七%を占めています。大分県の死亡事故は四件で、平成二十一年からの五年間の死亡事故件数は四十一件となっています。 実は私も五年前、農作業中の事故で左足の指を切断し、手術などで一カ月ほど入院しました。このように、死亡に至らずとも、農作業事故は私の周りでも結構起きています。農業就業人口に占める六十五歳以上の高齢者の割合は年々上がり、機械も大型化している状況の中で、事故防止のための取り組みを今後さらに強化すべきだと思います。 また、労災保険制度についてですが、私は自分の農作業事故で、初めて農業者の労災制度の実態を知りました。私の場合は、社会保険労務士を通じて労働保険事務組合に加入をしていましたので、中小事業主等という要件で労災適用となりました。しかし、調べるうちに、農業に従事する人の多くが労災に加入していないこと、そもそも加入が難しいことがわかりました。農業への適用は昭和四十年に特別加入制度が認められました。お手元にお配りしている資料にもありますように、現在、対象者は特定農作業従事者、指定農業機械作業従事者、中小事業主等となっています。 中小事業主等は比較的加入しやすいのですが、大分県には、雇用者のいない小規模の農業経営者が多いのが現状です。しかし、加入のための窓口が、大分県には農協系の組合二つと自治体に一つだけで、しかも、その管内の農業者しか加入できません。農林水産省に問い合わせたところ、全国農業者の労災加入率はおよそ五%であり、平成十九年のJA全中の調査では大分県における認定農業者の加入率は三・四%でした。 農業はほかの産業と比較しても事故発生率が極めて高い危険業種と言われていますが、労災は、一時金や療養、休業、遺族給付などの補償があるため、ほかの産業との所得格差が大きい農業者にとって、このような補償は必要不可欠であると思います。 労災は国の制度でありますが、大分県でも農業への新規参入者や農村への移住者をふやすことは喫緊の課題であり、新たな担い手が安心して仕事に従事するためにも特に必要なことだと思います。 そこでお尋ねします。ほかの産業と比較してもおくれている農業の労働安全衛生教育の周知徹底を図り、農作業の安全講習会を繰り返し開催する必要があると私は考えますが、県としては、この問題についてどのように考えているか、お聞かせください。 また、農作業事故については、労災加入が進んでいないため把握することが難しいと思われます。特に県にとって貴重な農業従事者を確保、育成するためにも、労災保険特別加入団体や労働保険事務組合の設立促進と新規就農時の労災加入を啓発していくことが重要だと思いますが、この問題についてもお答えください。 次は、農業高校再編後の人材育成についてです。 高校再編に伴う農業系学科の再編については、環境や流通、加工を含めた、幅広い農業教育を推進しようとしているのだと感じ取れます。しかし、農業基盤の整備事業を担う農業土木が余り重視されていないのではないかと感じています。 県内の農業土木科は、大規模農業土木事業の減少や農業土木科への入学希望者の減少などの社会情勢の変化に伴い、宇佐産業科学高校の平成二十二年三月卒業生をもって廃止となりました。 その後の農業土木系人材の育成は、工業科の土木経営学科で技術の習得などを継続していると聞きました。大分県職員の採用についても、以前は農業土木と土木に区分して採用していたものが、現在では総合土木として一括採用となっています。 しかし、このように、農業土木と一般土木を一くくりにしてしまって本当によいのでしょうか。 農業土木には一般土木とは違い、水田の排水対策や畑地のかんがい等の技術と経験が必要であり、また、農業経営全般からの地域農業の現状や農業を取り巻く諸問題、農地の集積集約化、農地農村の多面的機能など、多くの知識・技術の習得が重要となります。このようなことから、私は農業土木科を再度設置してみてはどうかと考えております。 そこでお尋ねします。工業系高校で実施しているという農業土木に関するカリキュラムは、九州他県の農業高校のそれと遜色はないものでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。 次に、先ほど述べましたが、農業で必要なものとして農業生産基盤について質問します。 農業生産基盤の整備は、大分県農林水産振興計画の中で効率的な生産基盤の整備に向けての取り組みが明記され、今年度、大分県農業農村整備長期計画も策定されると聞いています。 TPP関連政策大綱に基づく施策のため、国庫事業等で水田の大規模化や構造改善事業等にもかなりの予算が割かれているところです。 本県は中山間地域率が高く、山合いでは狭小で日当たりの悪い湿田も多く見受けられます。こうした水田は作業効率も悪く、生産費の高くなる圃場でもあります。そのような水田にはシートパイプやベストドレーン、またはFOEASなどの排水かんがい対策を水田整備事業等でできるだけ早く導入する必要があると思いますが、財政的理由からなかなか難しい状況にあると思います。 ここで、ある集落営農法人の事例を紹介させていただきます。 その法人は中山間地域の中で、耕作者がいない田畑を請け負い、かなりの面積を耕作しております。年々農地を集積していますが、主な作物は水稲、小麦、大豆などのいわゆる穀物全般で、農産物の中で最ももうからないと言われる作物です。それでも農地農村を守るために経営安定対策交付金等を活用しつつ、年々コストの削減を図り、オペレーターの雇用と育成を図りながら、厳しい経営の中、農地を守り続けています。 ところが、昨年は小麦等の経営所得安定対策として農業者に交付される直接支払交付金のうち、数量払い分の交付決定額がゼロ円でした。これは、ほかの法人でも同様のことが起こっています。原因は、昨年産の大分県全体の小麦収量が余りにも低かったことによりますが、特に排水対策等の基盤整備の進んでいない湿田ではこういったことが起こっていると考えられます。 要するに、条件の悪い中山間地域では、法人が幾ら頑張って耕作し続けても、もうからず、貴重な担い手の経営を苦しめ、さらに経営を圧迫させているのです。 私は、我が国の農地、国土を守るためには、TPPの影響等も考えると大規模な基盤整備事業等が必要だと思っています。ただし、そのためには、地域の選定や耕作者となる担い手の選択と集中を行う必要があり、今後はそうした議論が必要になってくるものと感じています。 そこで、今後の大分県の農業生産基盤の整備についてどのような方針で取り組んでいくのか、お聞かせください。また、基盤整備の事業に係る農業土木のさらなる技術の向上と継承に向けての取り組みが必要であると思いますが、これについてもお聞かせいただければと思います。 ○麻生栄作副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 後藤慎太郎議員から農業課題についてさまざまご質問をいただきましたけれども、逆になって大変恐縮でございますけれども、私の方から、まず、農業生産基盤の整備につきまして答弁をさせていただきます。 人口減少によりまして国内消費が減少する一方で、TPP合意など国際化が進みまして、海外との競争が強まるということが想定されます。そういう中、本県農業を振興していくには、何といってもやはり競争力を強化して、攻めの農業に転換していくということが大事だと思います。 このため、次の方針をもって農業農村の整備を進めていきたいと思っております。 一つは、生産性の向上ということであります。農地の集積、大区画化による低コスト化や水利施設を利用した大規模産地づくりを進めていきたいと思います。杵築市の集落営農法人は、一区画二ヘクタールに整備した圃場で大型機械の導入と水稲の直まきに取り組みまして、米六十キロ当たり一万円を下回る低コスト生産を実現しております。 また、大蘇ダムを活用する大規模なかんがい施設の整備によりまして、今後、竹田市西部地区では、キャベツやレタス等、露地野菜の一大産地化を進めて、産地間競争を勝ち抜いていきたいというふうに考えております。 二点目は、収益力のある力強い担い手の育成ということであります。営農形態の改革による経営力の強化や農地の再編整備による新規参入を進めていきます。 収益力を高めていくには、経営の多角化が有効でありまして、そのためには、中山間地域においても、地下水位制御システム、お話のありましたFOEASでございますが、これが効果的な手段だというふうに思います。こうした手段により、水田の汎用化を進め、高糖度カンショ等の新たな園芸品目を導入して、認定農業者や集落営農法人等の収益力を高めていきたいと思います。 また、畑や樹園地の再整備を行う宇佐市安心院地域におきましては、実需者とつながった醸造用ブドウやドリンク用茶の企業参入を促進してまいりたいというふうに思います。 一方、過疎化や高齢化が進む地域では、老朽化した水路の維持管理や作業効率が悪い農地での営農継続が課題となっております。 このため、計画的な水路の改修や地形条件に応じた圃場の区画整理など、地域農業を支える基盤整備を実施しているところであります。 こうした方針で進めてまいりますけれども、今後は、担い手の明確化や営農体系に応じた農地のゾーニング等、地域が目指すべき将来像を県からも積極的に提案して、本県農業の体質強化を図っていきたというふうに考えているところであります。 また、農業土木の技術を向上させ、継承していくには、農業者や地域農業に深くかかわり、専門的知識を持って現場でしっかり実行できる人材を育てていくということが大変大事であります。このため、市町村や土地改良区の職員に対する研修を充実させるとともに、来年度の県職員採用試験では、優秀な人材の確保、育成のための農業土木分野の専門性も評価する仕組みを導入いたします。 私からは以上でございます。 ○麻生栄作副議長 尾野農林水産部長。 ◎尾野賢治農林水産部長 私からは農作業の安全対策についてお答えをいたします。 新規就農者を初め、担い手の確保が喫緊の課題である本県にとって、農作業の安全対策は大変重要と認識をしております。 このため、県では、春と秋に農作業安全確認運動期間を設け、振興局単位でオペレーター研修等を実施しております。 また、生産組織の栽培講習会等においても普及指導員による農作業事故防止の啓発を行っているところです。 今後は、高齢者に対する啓発強化とともに、事故防止対策をマニュアル化できるGAP手法もさらに普及していきたいと考えています。 労災保険については、JA大分中央会が、先ごろ実施したアンケートでは、個人農家においても六割が加入したいという意向を持っております。 また、中央会も、これまで県が働きかけてきた結果、労災保険の特別加入団体等の設立に向け、具体的な検討に入っております。県も引き続きバックアップするとともに、設立後は、農業者に対して加入を奨励していきたいと考えております。 ○麻生栄作副議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 農業土木教育についてお答えをいたします。 農業土木科の志願者が減少したことから、平成二十年をもって募集を終了しましたが、全国的にも減少傾向にあり、九州各県でも現在、農業土木科を設置している県は三県四校のみであります。 本県の農業科を設置している高校九校では、必修科目として農業土木分野の用排水施設やかんがい施設などの耕作基盤整備について、全員に学ばせております。 工業高校では、他県の農業土木科と同様に測量士補や土木施工管理技士の資格を取得ができます。また、公務員の土木職を目指す生徒に対しては農業の知識などの個別指導を行って、今年度は県内外の自治体に十二名が合格をしたところであります。 今後は、工業の土木科と農業科を併設した総合選択制高校において、生徒の希望を勘案しながら農業土木分野の科目を学べるようにカリキュラムを工夫をしたり、工業高校の土木科に農業系の外部講師を招聘するなど、農業土木の技術者の育成につなげていきたいと考えています。 以上です。 ○麻生栄作副議長 後藤慎太郎君。 ◆後藤慎太郎議員 皆さん、ありがとうございました。 あと四分残っていますので、農業についてちょっと話を聞いていただきながら、先ほどの話を伺いたいと思います。 まず、知事が言われた土地改良の関係ですけれども、やはり大分県は、山合いが確かに多いんですけれども、しっかりこういったことで頑張って、私は海外に輸出するものは、物ではなくて、むしろ日本人が持っている農業の技術だとか、仕組みだとか、そういったものを輸出すればどうかなというふうに常々思っています。そして、大分県がその先頭に立って、農業産出額だとかそういうもんではなくて、大分県が、先日もお話がありましたけど、台湾に行ってダムをつくったように、そういった技術を世界に持っていって、大分県の農業が世界を救うぐらいの、そういう感覚でこれからの農業を考えていただければ、私は大分県の農業にかかわっている者としては大変すばらしい功績が生まれてくるんではないかと、そういうふうに思っております。 それから、広瀬知事を特段持ち上げて言うわけではないんですけど、前回の質問もなんですけれども、やはり中山間地域の集落営農法人に対して、広瀬知事は大変、どう言ったらいいですかね、よく思っていただくといいますか、重要だということを認識していただいていますので、この前、農業新聞には出ていましたけど、改めて地域農業経営サポート機構も今回つくっていただけると、こういったことは日本でも例がない。私はこれがうまくいくと、これが大分型の集落営農法人の、これは日本に先駆けてできるんではないかというふうに思っていますので、これについては引き続きしっかりと私も見ていきたいと、そういうふうに思っていますので、どうか集落営農法人を見捨てずに、しっかりとサポートしていただきたいと思います。 質問ではないんですけど、要望として、農業法人が大変だと思う一つが、固定資産税とか、それから償却資産税なんかが結構市から来るわけですね。これは市にいつかお願いに行こうと思っているんですけど、僕は認定を、例えば県の特認なんかで認定した集落営農法人なんかは、こういった固定資産税とか、それから、減価償却資産の免税をすると、実効性があってなかなか農業法人からは喜ばれるというふうに思うので、そういったことも検討していただきたいというふうに思っていますので、引き続きよろしくお願いします。 それから、尾野部長に答弁いただいた労災の件なんですけれども、これは三月はこういう農業事故の特別月間なものですから、ぜひこの労災の問題はしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っています。農協しか今窓口がないんですけど、私、わかっていて農協に一応問い合わせをしたら、農協の担当窓口の人もわからないもんですから、ハローワークに電話してくださいと私は言われました。ハローワークに連絡してくれというのも、そのぐらい農協にとっては余りメリットもないもんですから、なかなか事務をするというのも難しいんだろうとは思うんですけれども、やはりこういった問題をしっかりやっていって、それから先ほど言われたJGAPなんかも、普及GAPじゃなくて、やはりJGAPぐらいをそういった認定農業者にしっかり取らせる、そういったことで私は農業法人の育成を図っていただきたいというふうに思いますし、それをすることで大分県農業がさらに私は強くなるんではないかというふうに思っております。 それから、工藤教育長の言われた農業土木科の関係ですけど、私自身がトラクターよりも、どっちかというとユンボに乗るのが好きなんですよね。やはりユンボだとかトラバース測量だとかできたら、絶対に農業者としては僕は成功すると思っているもんですから、こういったのも農業高校の時代から一生懸命農業土木と一緒になってやると、私は農業の人材というのは大分県でかなり優秀な人材が生まれるというふうに思っているもんですから、こういったことも検討していただきたいというふうに思っております。 もう時間がありませんので、この程度にとどめたいと思いますけど、また引き続き、次、質問できるときがありましたら、農業問題をゆっくりさせていただきたいというふうに思っています。ありがとうございました。(拍手) ○麻生栄作副議長 以上で後藤慎太郎君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩いたします。     午前十一時四十五分 休憩  -------------------------------     午後一時 再開 ○田中利明議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問及び質疑を続けます。井上明夫君。  〔井上(明)議員登壇〕(拍手) ◆井上明夫議員 皆さん、こんにちは。自由民主党の井上明夫でございます。私にとって二度目の一般質問となりました。質問の機会を与えていただきました同僚議員、先輩議員の皆さんに感謝申し上げます。 そして、本日は、大分県の西の玄関口であり、広瀬大分県知事のふるさとでもある日田市から多くの皆さんに傍聴においでいただいております。お忙しい中、大変ありがとうございます。 それでは、ただいまより、観光、産業、教育、福祉、環境という幅広い視点から質問を行います。 まず大きな一点目として、観光振興という観点からの質問を行います。 県やJRグループなどによる大型観光企画「おんせん県おおいたデスティネーションキャンペーン」が、昨年七月から九月までの三カ月間、「いやします。ひやします。おんせん県おおいた」をキャッチコピーとして開催されました。 本県では、平成七年以来二十年ぶりの開催ということで、マスコミでも大きく取り上げられ、関係機関のみならず広く県民の間にも浸透し、観光を基幹産業とする県内の自治体からは多くの期待が寄せられました。 広瀬知事も平成二十五年九月の定例記者会見で、「本県での開催は、二十年ぶり二回目ということで、大変大きな効果が期待されます。特に、PRの下手な大分県としては、これを絶好の機会と捉え、大分を売り込んでいきたいと思っているところです」と、少しユーモアも交えてお話しされています。 そこで伺います。デスティネーションキャンペーン終了後には、実行委員会や日本銀行大分支店による総括も行われたようですが、県として、このキャンペーンが県内の観光産業にどのような効果を与えたと捉えているのか、また、キャンペーンの成果を今後どのように生かしていこうと考えているのか、当時の記者会見での期待や意気込みも振り返っていただきながら、広瀬知事のご所見をお聞かせください。 続いて、インバウンド対策について質問します。 日本政府観光局によれば、昨年の外国からの訪日観光客数は四七・一%増の千九百七十三万人、また、日本国内の宿泊施設に泊まった外国人の延べ宿泊者数は、前年比四八・一%増の六千六百三十七万人となり、過去最高を更新しています。 近年急増しているインバウンド、いわゆる訪日外国人旅行客をいかにして県内の観光地に呼び込むかについては、これからの県内の観光地の生き残りを左右する重要な問題です。 現に最近では、県内各地の観光地で近隣のアジア諸国からの観光客をよく目にします。私自身、JRのゆふいんの森号を時折利用するのですが、日本人は大抵少数派で、まるで外国の列車に乗っているかのような雰囲気さえ感じます。 しかし、そうした一方で、「外国人観光客は確かに多いが土産物は売れない」という観光地の声も聞きます。 県内の多くの観光地では、まだまだインバウンド対策が十分とは言えないのではないでしょうか。特に、町なかの表示や標識などの道路案内、土産物の説明や商品展示をもっと工夫し、外国人観光客に満足していただけるような対応をとれば、本県の観光地としての評価も高まると考えます。外国語表示をふやし、おもてなしの見える化を図ることでインバウンド対策の強化につながると思いますが、県の見解をお尋ねいたします。 あとは対面席より質問をいたします。  -------------------------------  〔井上(明)議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○田中利明議長 ただいまの井上明夫君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 ただいまは大分県の西の玄関口の井上明夫議員からデスティネーションキャンペーンについてご質問を賜りました。私の方からお答えを申し上げさせていただきます。 昨年夏のデスティネーションキャンペーンでは、観光客数前年比一五%の増、経済効果百億円を目標に掲げまして、官民一体で取り組んだところであります。その結果、全国から多くの観光客が訪れまして、宿泊客数が九・一%の増、観光施設の入場者の数が二六%の増と、あわせて経済効果の方も目標を大きく上回る百三十三億円というところになりました。 国の宿泊旅行統計調査等をもとにした日銀大分支店の報告によりますと、二〇〇八年以降では奈良県に次いで二番目の成果を挙げるなど、成功裏に終えることができたと考えております。 私は、二十五年九月の記者会見で、お話しのように、絶好の機会だということで売り込んでいきたいというふうに申し上げたとおりでございますけれども、実際に多くの観光客を県内各地へ呼び込むことができまして、成果を上げたというふうに思っているところであります。 デスティネーションキャンペーンが観光産業に及ぼした効果もいろいろあります。一つは、旅館、ホテル、酒造組合など異業種間の連携が進んで、総合産業としての観光業というのが一歩も二歩も前進したんではないかなと、こう思っているところであります。二つ目は、弱いと言われておりました二次交通の面で、別府と由布院を結ぶバス「ゆふりん号」の運行など新たな取り組みが生まれたことであります。そして、三つ目は、観光施設のリニューアルや新しいアトラクションなど新規の設備投資が行われたことなどが挙げられると思います。経済効果のほかに、こういった効果もあったと思っております。 このように、将来の県観光に向けて資産を創り出すことができたことから、今後は、昨年策定いたしました新ツーリズム戦略に沿いまして、それらを活用した次のような取り組みを進めてまいりたいと思います。 一つは、地域の観光素材磨きということであります。観光資源にいろいろ磨きをかけて、お客さんを呼んでいきたいということであります。三隈川の屋形船ナイトクルーズ、あるいは別府混浴温泉世界などの特別イベントや観光ルートづくりに地域みずからが取り組んだところであります。観光客がふえ、お金が落ちることで、観光関係者のやる気が高まっております。これを機に地域企画型の商品や、周遊観光を促す取り組みをさらに進めていきたいというふうに思います。 また、県民総参加のおもてなし機運も高まってまいりました。おもてなしサポーター十二万人の協力や、コンビニなどでの観光案内、トイレクリーンアップ作戦など、観光客を温かく迎えました。今後は、サポーター登録を継続していただいております五万人に引き続き活躍していただくとともに、おもてなし研修の充実などにより観光客の満足度向上を図ってまいりたいと思います。 次に、誘客と情報発信であります。デスティネーションキャンペーン前年の全国宣伝販売促進会議や主要都市での商談会などを通じまして、全国の旅行会社などとのネットワークができました。これを最大限に生かしていきたいと思います。早速、ニュースレターによる旬の情報提供や、観光客ニーズに応じた商品企画の働きかけなどを行っているところです。 観光振興は、デスティネーションキャンペーンが終わったこれからが、まさに正念場だというふうに思います。この流れをとめることなく、国内誘客とインバウンドヘの対応を着実に進めて、本県の観光の振興を図っていきたいというふうに思っているところでございます。 もう一つのご質問につきましては、部長から答弁させていただきます。 ○田中利明議長 廣瀬企画振興部長。 ◎廣瀬祐宏企画振興部長 インバウンド対策についてお答えをいたします。 インバウンド対策には、これまでも力を入れており、平成二十七年の外国人宿泊者数は、前年比七〇%増の六十八万人と過去最高を記録いたしました。全国平均の伸び率四八%を大きく上回っております。 新ツーリズム戦略では、インバウンドの加速に向け、海外に向けた情報発信や誘客活動に加え、多言語対応など受け入れ態勢を充実することとしております。 特に、多言語対応では、宿泊施設や小売店、飲食店、交通機関向けの多言語表示マニュアルを現在作成中です。このマニュアルを活用してもらって、接遇の向上はもちろんのこと、食事や入浴マナーの表示、個店の魅力を伝える表示、写真つき英語メニューや指さし会話集等、多言語表示の普及を図ってまいります。 また、これまで整備しましたWi-Fi環境を活用して、アプリケーションによる観光施設や飲食施設等の多言語案内にも取り組むこととしております。このほか、通訳ガイドの育成や外国人観光案内所の充実を図ってまいります。来年度、新たに宿泊施設向け二十四時間対応の通訳サービスの提供を開始いたします。 このように、外国人観光客が安心して旅行できる環境を引き続きしっかりと整えてまいります。 ○田中利明議長 井上明夫君。 ◆井上明夫議員 ご答弁ありがとうございます。デスティネーションキャンペーンですね、宿泊者数、入場者、それから経済効果、非常に目標を上回る効果があったということでございました。まさに今後、情報発信によるネットワーク化を含めて、今後が大事であると思っております。 シンフロといって、動画ですね、シンクロナイズドスイミングを温泉でやる、あのシンフロも、十月五日にユーチューブで公開されて二カ月で百万回ヒットということで、大分県の知名度も上がったのではないかと思っております。 一方で、このキャンペーンに対して市町村や観光協会など四十七団体に行ったアンケート調査では、二十五団体が「キャンペーンは成功」と答えているんですが、半数近い二十二団体は「どちらとも言えない」と答えておりまして、地域によってキャンペーンの効果に対する温度差がちょっと感じられたのかなという気もいたしております。 今後大事なことは、このキャンペーンをきっかけに大分県のファンとなる人がふえて、そして、湯布院とか別府といった既に非常に知名度の高い観光地があるんですが、それ以外の大分県内全域に観光客が多く足を運ぶようになってこそ、デスティネーションキャンペーン成功ということではないかと思います。そのことが、二〇一九年のラグビーワールドカップ、それから二〇二〇年のオリンピック、パラリンピックですね、そのようなときに多くの人が大分県を訪れるということにつながっていくのではないかと思います。 デスティネーションという意味は、目的地ということだそうでありますので、大分県が文字どおりデスティネーション、すなわち目的地となるように、官民一体となっていかなければならないと思っております。 それから、表示の見える化については、マニュアルの多言語化とか通訳サービスとかいろいろご紹介ありました。 私がちょっと一例として考えるのが、観光地の商店に海外のお客さんが来たときに、どうしてもいろんな外国語を店の人に話しなさいと言っても、なかなかすぐにどうなるものではないんですが、商品の説明や食材のレシピとかが多言語であると、やはり売り上げも違うというふうに思います。そして、そういうふうな取り組みを県内全体に広げることで、大分県に行くとそういうことが非常にわかりやすいということで、大分県のおもてなしの質の向上につながって、他県に先んじるのではないかと思っております。 そして、昨年十一月に我々の会派、調査会でタイを訪問した際、実はAPU卒業生の代表者十人と意見交換をする機会がありました。タイ国出身のAPU卒業生は約三百人おられて、同窓会組織も非常にしっかりしているということで、私、フェイスブックをしておりますんで、参加者の何人かと友達になりましたが、メッセージがきちっとした日本語で来て、読み書きが大変上手でありました。 APUにはタイからだけでなくて、さまざまな国からの留学生が在籍しておりますので、彼らに協力してもらいながら、まちなかの観光案内表示とかパンフレット、地域の産品の説明書きとか食品のレシピ、そういう手づくりで多言語表示にするといった取り組みを進めてはどうでしょうか。県内の自治体や観光協会に希望をとって、県がAPUの学生に依頼すれば、彼らにとってもアルバイトになるんではないかと。喜んで協力いただけるんではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。 ○田中利明議長 廣瀬企画振興部長。 ◎廣瀬祐宏企画振興部長 本県の特徴であります留学生、特にAPUの留学生や卒業生の方々には、本県の魅力をPRするCM動画の制作でありましたり、海外の旅行会社の招請ツアーや、先ほどありましたように、現地でのプロモーションにおける通訳や観光PRなどで、既にさまざまなそうした場面で活躍してもらっております。 今後も、今、議員ご提案の件も含めまして、インバウンドの情報提供、あるいは県内での多言語対応などにつきまして、留学生を活用して、官民一緒になって、どういう活用をしていただけるかというところを知恵を出していきたい、そういう留学生の活用の幅を広げていきたいというふうに考えております。 ○田中利明議長 井上明夫君。 ◆井上明夫議員 ぜひただいまの点、今後の活用をよろしくお願いいたします。 平成二十七年の国別の訪日観光客数、多い順に、一番が香港を含む中国、二番が韓国、三番が台湾、四番がアメリカ、五番がタイ、以下、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、フィリピンの順で、非常にアジア・太平洋地域の国が上位を占めております。 また、大手旅行会社の調査によりますと、日本に旅行する外国人観光客の中には非常に何度も来る、いわゆるリピーターですね、そういう方が多くて、その人たちは、やはり新たな発見を求めて地方に行くという傾向があるようです。 APU、そのほかの留学生の皆さんとのつながりの中で、アジア・太平洋各国からの学生や卒業生に大分県の魅力を発信してもらえば、観光客の増加のみならず、県産品、農産物など海外輸出にもつながっていくのではないかと思っております。 デスティネーションキャンペーンの余韻が残っているうちに、あらゆる方法で国内外に向けて大分県の観光地の魅力をどんどん発信することを県として後押ししていただきたいと思います。 それから、観光客がフェイスブックなどを使っていろんな情報を発信しております。観光地の情報がリアルタイムで世界中に発信されますので、非常に重要性は無視できないということですが、先ほどちょっとご答弁にもあったんですが、インターネットに無料で接続できる公衆無線LAN、いわゆるWi-Fiですね、この環境整備は、これは大分市、別府市、由布市が共同運用を三月一日から始めているということですが、そのほかの自治体でも予算の計上をしていくところもあるようですけれども、県全体の観光振興を図るという意味で、新年度に向けた県のWi-Fi環境の整備の取り組みはどのようなものがあるか、お尋ねいたします。 ○田中利明議長 廣瀬企画振興部長。 ◎廣瀬祐宏企画振興部長 Wi-Fi環境の整備につきましては、今年度、県立美術館や大分銀行ドームなどの県有施設に整備を進めるとともに、宿泊施設や観光施設、これは海外からの観光客の希望が多い宿泊施設や観光施設、交通拠点、小売、飲食店等への設置助成を行うことで導入促進に努めてきました。この結果、大分市、別府市、由布市といった市での取り組みも含みまして、また、民間が導入を進めたことも含めまして、県内では大体目安となる千スポットで利用が可能になってきております。 そこで、来年度ですけれども、来年度は、そのWi-Fi環境を活用してアプリケーションによる観光施設や飲食施設等の言語案内に力を入れていきたいというふうに思っています。Wi-Fi環境、Kyushu Free Wi-Fiプロジェクトと連動するような導入をやりましたので、一度接続認証すれば、県内はもとより、今、九州内、あるいは全国で簡単に利用できるようになっております。ですので、その環境を来年度は生かして、観光施設、飲食施設等の多言語案内アプリケーションを使った、そうした案内の方に力を入れていきたいと考えております。 ○田中利明議長 井上明夫君。 ◆井上明夫議員 最近ではインバウンド対策でWi-Fi環境を整備するということ、観光地にとっては必須のインフラ整備と日本中でやっております。県としても非常に力を入れていくということでございますので、観光客の利便性の向上に向けて、今後もぜひ整備を進めていただきたいと思います。 続いて、大きな二点目として、大分県産の木材の利用促進について質問いたします。 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の新たな整備計画案は、法隆寺の五重塔のたるきを連想させる水平ラインのひさしが特徴的で、「木と緑のスタジアム」をそのコンセプトに掲げています。 新国立競技場の建設には、多くの国産材が使用される方針が決まっております。屋根だけでも約千八百立方メートルの国産材が使われる見込みだそうでございます。 こうした中、既に秋田県は、ブランド力向上のチャンス、秋田杉の売り込みに官民一丸となって取り組みたいとの意向を表明しておりまして、ほかにも鳥取県とか、あと東日本大震災で被災した林業地など、多くの県や地域において新国立競技場の建設に使用される木材として売り込みをかける動きが活発化しております。 杉の素材産出額が全国第三位の本県としても、ぜひ名乗りを上げ、業界はもちろんのこと、県も一体となって県産材を売り込むなど、県産材の利用促進に向けた絶好のチャンスとして、こうした取り組みを進めるべきと考えますが、知事の見解をお聞かせください。 続きまして、また、二〇一二年のロンドンオリンピックでは、森林管理の認証を行う国際的機関である森林管理協議会、略してFSCが環境への影響を適切に管理していると認めた森林で生産された木材、そういうものが競技場建設に利用されました。ことし夏のリオデジャネイロオリンピックでも同様の方針が掲げられておりまして、建築資材に木材を使用するこだわりは大会ごとに高まっております。 東京オリンピックの方針はまだ示されていませんが、このFSC認証や日本の独自基準である緑の循環認証、略してSGECと言いますが、それを受けた木材が使用される見通しだと聞いております。 これらの森林認証制度というのは、林業は自然を破壊するというような世論を受けて、一九九〇年前後から各地で設けられた民間主体の環境ラベリング制度の一種です。適正に管理された森林から産出された木材に認証マークをつけて、持続可能な森林の利用と保護を図ろうとするもので、木材産出地域の森林管理を評価する制度であることから、木材認証制度とも呼ばれています。独立した第三者機関が評価・認証した木材は、製材や流通過程で区別され、認証木材にはロゴマークがつけられますので、消費者がFSCのマークが入った製品を買うことで、適切な森林保全を間接的に応援できるという仕組みです。こうした仕組みは既に全世界に広がっており、木材貿易のパスポートとまで言われ、もはや世界標準化しているとも言える状況です。 ところが、我が国で森林認証を取得した森林はごくわずかです。といいますのも、日本ではやはり人工林は切ったら植えて循環して育てるのが当たり前というような状況で来たと。よその国のように違法伐採がほとんどないということもあったと思いますが、そういう状況でありますので、FSC認証の森林は日本でおよそ三十九万ヘクタール、SGEC認証でも百二十六万ヘクタールしかなく、日本の森林面積の六・六%程度にしか達しておりません。しかも、我が国の場合は、必ずしも認証森林において木材の生産を行っているとは限らないため、現在出荷されている認証木材の量は決して多くありません。 その点を考えると、本県が他県と比べて認証材の生産量が多いという状況をつくっていけば、他県との競争において優位に立つことができると考えます。 秋田県では、売り込みのPRと同時に、認証材を供給するために必要な第三者機関の認証の取得を官民が協力して行うことを決めたということでございます。 そこでお伺いします。本県の認証森林の面積と認証材の流通状況はどのようになっているのでしょうか。また、今後県として、県内の認証森林や認証材をふやすことについてどのように考えているのか、あわせて見解をお聞かせください。 ○田中利明議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 まず私から、県産材の利用促進についてお答えを申し上げます。 先人の努力によりまして造成された県内の人工林二十一万ヘクタールでございますが、毎年百六十万立方メートル成長しております。この貴重な資源をいかに活用していくかということが、本県林業にとりましてはまことに大事な課題になるわけであります。 こうした中、五十六年ぶりに我が国で開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、メーンスタジアムである新国立競技場を初め、関連施設でも多くの木材が使用されることになっております。この木材に国産材を活用するということは、日本の木材利用の技術力や木の文化などを世界にアピールする絶好の機会でもあります。本県にとっても県産材利用拡大の大きなチャンスだというふうに考えております。 先月示されました新国立競技場の木材活用方針では、シンボルとなる大屋根やひさしのほか、内装でもエントランスやラウンジなどで全国の杉を使用することにしております。有明アリーナや選手村などを建設する東京都の方も国産材の利用を促進するという方針を示しております。 木材生産量全国五位、井上議員によりますと、杉の生産は全国三位ということでございますが、その本県にとりましては、これらの木材に県産杉やヒノキを売り込むということは大変大事なことでございまして、今週末には県木材協同組合連合会とともに、新国立競技場の発注者である日本スポーツ振興センターや施工業者の大成建設を初め、東京都などに対しまして、県産材活用を提案することにしております。 木材加工の技術面でもセールスポイントがあります。本県には、県立美術館の外壁に使用された大断面の杉乾燥材の生産技術や、ヒノキの無垢材を使ったフローリングのトップメーカーがあるほか、新JAS基準では全国二例目となる杉のツーバイフォーパネルの生産も始まったところであります。こうした技術的な強みも生かしながら、売り込みをかけていきたいというふうに思っているところです。 CLTの方も仮設構造物等への活用が検討されておりまして、県産杉材によるCLTの生産に向けて連携している鹿児島県の山佐木材でも、大会需要に対応するため生産準備に取りかかっており、これらへの販促活動も本格化させなければならないというふうに考えております。 また、オリンピック施設だけではなくて、インバウンド観光客を見込んだ宿泊施設等の建設ラッシュも始まっております。県産材がこれらの需要にも食い込んでいけるように、東京での「木と住まいの大博覧会」への出展など、業界と一体となってPR活動を強化していきたいと思います。 こうした取り組みによりまして、東京オリンピック、あるいはパラリンピックが県産材利用拡大の一大契機となるように努めてみたいと思っているところでございます。 もう一つ、森林認証制度につきましては、担当部長からお答えいたします。 ○田中利明議長 尾野農林水産部長。 ◎尾野賢治農林水産部長 本県の認証取得森林は、FSCでは電力会社が約四千五百ヘクタール、SGECでは日田市森林組合やトライ・ウッド等が約二万四千ヘクタールで、合計二万八千五百ヘクタールとなっております。 認証材の流通については、製材加工や販売などの過程で分別管理が必要なこと、また、現時点では認証のメリットが見えないことから、本格的な流通には至っていない状況です。 このような中、東京オリンピック・パラリンピックでは、新国立競技場を初め各種競技場等で森林認証材を活用していく方針が先般示されたところです。 これを受け、県森林組合連合会では認証森林の拡大に向け、協議会を設立し、認証材分別管理マニュアル等の作成を進める予定です。 また、約四割の森林が既に認証を取得している日田市では、森林所有者を初め、原木市場や製材工場に対して認証制度についての研修会も開催されたところです。 県としては、オリンピックはもとより、その後の需要も見据え、関係者の合意形成など、認証取得に向けた動きを積極的に後押ししていきたいと考えております。 ○田中利明議長 井上明夫君。 ◆井上明夫議員 大分県産材の売り込みに関しましては、早速、今週末に行っていただけるということで、トップセールスをぜひよろしくお願いいたします。 それから、森林認証でありますが、なかなか各県進んでいないというところではあります。その中で山梨県が、山梨県の人工林のうち三五%が県有林ということなんですが、十四万ヘクタールがFSCを認証して、五輪向け認証材三万立方メートルの供給を目指すということを発表しておりまして、そういう先進事例もあるところでございます。ぜひ今度、県内でも広げることにお力添えをいただきたいと思います。また、大分県の県有林もぜひ認証取得を目指していただきたいと思います。 結局、今回、新国立競技場に使用される木材ということで、認証森林であるとか認証材が注目されておりますけれども、世界的な流れからいきますと、将来的には認証材であることが当たり前のことということで、認証材しか流通しないという時代もやがてやってくるのではないかという可能性もあります。そういう時代が近づいてきて慌てることのないように、まず第一に木材業界が努力しなければならないのですが、ぜひ県として一体となって取り組むことを進めていただきたいと思います。 それから次に、大きな三点目として、大分あったか・はーと駐車場利用証制度について質問します。 障がいの有無によって分け隔てられることのない社会を目指す、障害者差別解消法が四月から施行されようとしていますが、障がい者の社会参加を保証する現行制度の一つに、障がい者用駐車場、いわゆる車いすマーク駐車場があります。 バリアフリー新法などによって、建物の規模等に応じ、一定数の車いすマーク駐車場の設置が義務づけられ、現在では、建物の入り口付近には必ずと言っていいほど、この駐車場を目にします。 そうした環境が整う一方で、健常者がその駐車場に車をとめるマナー違反が社会問題として取り上げられてきました。法令上も、どのような人が車いすマーク駐車場を使えるのか必ずしも明確ではなくて、公共施設や民間施設を問わずに、施設管理者は頭を悩ませ続けてきたと聞いております。 こうした中、平成十八年七月に、佐賀県がパーキング・パーミット制度の運用を開始しました。パーキング・パーミット制度とは、車いすマーク駐車場を利用できる対象者を明確化した上で、その方々に利用許可証を発行するという制度でありまして、本県では二十三年十二月から、大分あったか・はーと駐車場利用証制度として運用が開始されております。現在、三十四の府と県でも同様に導入されて、全国的な広がりも見られるわけですが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックでは、世界中から障がい者アスリートや観光客が我が国を訪れます。 本県は車いすマラソン大会開催三十五回の実績もありまして、県民の皆さんの障がい者に対するまなざしは大変温かいものと承知しておりますが、導入から四年が経過した、このあったか・はーと駐車場利用証制度の効果をどのように捉えておられるのでしょうか。また、あわせて、この制度の普及啓発を通じ、長い間社会問題となってきたマナー違反に歯どめはかかったのでしょうか、見解をお伺いします。 ○田中利明議長 草野福祉保健部長。 ◎草野俊介福祉保健部長 大分あったか・はーと駐車場利用証制度についてお答えいたします。 平成二十三年十二月に、車いすマーク駐車場を利用できる対象者を障がい者や歩行が困難な方、妊産婦などと明確にした上で、その方々に利用許可証を発行する、あったか・はーと駐車場利用証制度を創設いたしました。 これにより、施設管理者はマナー違反の判別が容易となり、適正利用について、的確に注意を促すことができるようになりました。 さらに、利用証を掲示する制度であることから、妊産婦や健常者と間違えられやすい内部障がいの方等は、気兼ねなく駐車できるようになったところであります。 加えて、車いすマーク駐車場に隣接するスペースをプラスワン区画として確保してきたことにより、歩行困難者等が利用できる区画が増加しました。 また、制度の普及に努めた結果、一月末時点で約千二百の施設にご協力いただき、約二千二百の区画を確保しております。 現在、なお、利用証を持っていない人の駐車があるということも聞いていますが、制度の普及に伴い、マナー違反は減少してきたと認識しています。 いずれにしても、マナー意識は強制すべきものではなく、制度の目的や「こころ」のユニバーサルデザインの普及などを通じて向上を図っていくものだと考えております。 以上であります。 ○田中利明議長 井上明夫君。 ◆井上明夫議員 施設数の増加であるとか利用証の発行枚数が多くなる、次第に広がりは見られているようですが、ただ、まだまだ一般的にはこの制度の知名度がちょっと低いんじゃないかなという気もしておりますので、より一層の周知、啓蒙をお願いいたします。 大分県は、今議会で障がいのある人もない人も心豊かに暮らせる大分県づくり条例を提案しています。その「心豊かに暮らせる」という部分にかかわるこの制度を県として積極的に広めていっていただきたいと思います。 それから、四点目として、教員の確保について質問します。 地方創生において人を呼び込むことというものは非常に重要とされておりますが、教育に携わりたいという志を持った本県出身者が、新卒で採用試験を受けるときのそれぞれの事情によって、他県の教員採用試験を受け、そのまま他県で教職についているケースがあります。そのような方の中には、大分県に帰って教職につきたいと考えている方もいらっしゃると聞きますけれども、現状では、なかなか他県で教職につき豊富な経験を積んでいる方であっても、新卒の方と同様な採用試験を受けなければなりません。一部に一次試験免除など優遇措置はあるんですが、最後は新卒の人と同じ土俵で評価されるということになります。郷土のために県外での経験を生かしたいという大変ありがたい意思があっても、そのような思いの方に応えられるような採用環境は十分に整っているとは言いがたい状況になっております。 県外での教員経験者の採用枠をいま一度見直し、郷土で教鞭を振るうことを希望される方々の門戸を広げ、貴重な教員人材を確保できる制度となるよう、採用制度の見直しを検討してはどうかと考えますが、教育長の考えをお聞かせください。 ○田中利明議長 工藤教育長。 ◎工藤利明教育長 教員の確保についてお答えをいたします。 今後十年間で教職員の約半数が定年退職を迎える状況のもと、学力・体力の向上など本県の教育課題に対応できる人材確保は大変重要であります。 平成二十年の事件後、教員採用選考試験については、公平・公正・透明性を旨に、人事委員会との共同実施を初めとする試験制度の徹底した見直しを行ったところであります。 その後も大分の教育を担う優秀な教員を確保するために、常に実施内容の検証を行い、専門性と人間性を重視した三段階選抜や他県の正規教員の経験者に対する全国の都道府県でも六例しかない一次試験の全てを免除する制度の導入を行ってまいりました。 今後の大量退職に対応する採用に当たっては、各県と競合することも考慮しながら、さまざまな経験を積んだ者が受験しやすい環境を整えることも重要と考えます。 そのために、今後さらに貴重な人材を確保できる制度とするために、他県での経験年数の短縮も検討していきたいと考えております。 以上です。 ○田中利明議長 井上明夫君。 ◆井上明夫議員 ただいま答弁いただきまして、また、他県での経験者の受け入れにも非常に考慮していただいているということはわかりますが、一定の枠をつくって、他県での経験者を積極的に採用することを充実させていただきたいと思います。 大分県の教育界に外で学んだ経験者を受け入れることにより、多くが県内の大学の出身者である教員の中に新しい血液が入り、考え方の幅が広がるのではないでしょうか。 大分県では、江戸時代に日本における代表的な私学の咸宜園が全国から多くの人材を受け入れたという歴史があります。他県で得た教員としての経験を郷土のために生かしたいという人材の確保のために、ぜひ今後、検討していただきたいと思います。 最後の大きな項目として、おおいたうつくし作戦について質問します。 現在、日本中で植栽されている桜の七割以上はソメイヨシノという品種です。美しい花が枝に群がって咲くことから、人々に好まれ、桜といえばソメイヨシノのことを指すほど、広く一般に知られています。 ところが、ソメイヨシノにはてんぐ巣病という病気にかかりやすいという欠点があります。配付させていただいた資料がこの資料ですね。この写真がてんぐ巣病の実態を示しております。 てんぐ巣病は伝染性の病気で、病気にかかった枝は花をつけず、しかも次々に他の木に伝染して被害を拡大させます。てんぐ巣病は樹勢の衰退や短命化を引き起こすとともに、花をつけないので美観を損ねるということから、非常に問題になっております。 確実な防除法は、残念ながら確立されておりませんので、患部を切除するということが有効な対策とされております。名所と言われる青森県弘前公園では、てんぐ巣病の枝を徹底的に排除することによって、六十年とされるソメイヨシノの寿命を百三十年以上に伸ばしております。 県内も非常にあちこちで、この被害の深刻なものが見受けられます。ただ植えるだけで適切な管理をしないということで、年々拡大していると聞いております。県内各地の桜の名所がこれによって消えゆく運命にあるかと思うと、大変残念でなりません。 できるだけ早期に発見して、被害に遭った枝を取り除くことで対応できますので、ぜひ日本の春を代表する桜の管理が必要であるということを私たちは理解しなければならないと思っております。 今議会には、ごみゼロおおいた作戦を進化させた、おおいたうつくし作戦の推進基本プランである大分県環境基本計画の案が上程されております。計画案は、「県民共有の財産である豊かな自然を将来に継承するため、県民が誇れる優れた自然景観を保全する必要がある」としています。 一新したうつくし作戦の名のもとで、先ほど申し上げた桜の保護管理活動の輪を「平成の花咲爺運動」として大分の地から発信し、それを全国に広げていくことを提案したいと考えますが、うつくし作戦の指揮をとる生活環境部長の見解をお聞かせください。 ○田中利明議長 諏訪生活環境部長。 ◎諏訪義治生活環境部長 おおいたうつくし作戦についてお答えします。 うつくし作戦は、これまでのごみゼロおおいた作戦の成果を生かしまして、身近な環境保全活動から、さらには地域の活性化につながる活動まで幅広く展開し、本県の豊かな天然自然を将来の世代へ確実に継承する県民運動であります。 その取り組みの一つとして、植樹活動を地元住民と行うといったこれまでの環境保全活動に加えまして、新たに祭りを開催するといった地域活性化につながる活動を推奨しております。例えば、県南の例で恐縮でございますが、津久見市四浦の河津桜の整備が人を呼び込み、地域を元気にしている例もございます。 また、このうつくし作戦では、地域活動のネットワークを構築するため、新たに地域連絡会を保健所管内ごとに設け、環境保全団体や企業、行政などで連携を強化しているところであります。 議員ご提案の活動の輪を広げる手法として、例えば、この地域連絡会のネットワークを活用し、地域が主体となって貴重な地域資源である桜を保全していくということは、まさにうつくし作戦が目指すところの地域活性化の姿と考えられるのではないかと思います。 今後、うつくし作戦を県民運動としてさらに浸透させ、大分の恵み豊かな自然を守り継承しながら、地域を活性化させる取り組みを支援してまいります。 以上でございます。 ○田中利明議長 井上明夫君。 ◆井上明夫議員 今後、地域で連絡会を通していろいろ計画していただけるということでございます。やはり地域の桜を初めとする自然は地域の人で守らなければいけませんので、ぜひこのてんぐ巣病に関しても、地域の人に理解していただいて、保護管理活動ができることが望まれると思っております。 大分空港道路沿線にも多くのソメイヨシノが植えられておりまして、ここでもてんぐ巣病の被害が目立っております。多くの観光客の皆さんの目に触れるルートであって、ここに見事な桜並木が整備されているかというのは、最初に取り上げた観光振興の観点からも重要なことではないかと思っております。 一般の皆さんにとって、桜を切ることに抵抗がある場合には、大分県には造園協会もありますので、専門家の協力も得られるのではないかと思っております。大分県からてんぐ巣病撲滅の県民運動を始めて、それが全国に広がることになれば、より意義深いおおいたうつくし作戦になっていくと思います。 いよいよお花見シーズンも近づいておりますが、将来にわたって県民がすばらしい桜をめでることができますように、今後、いろいろな活動を推進していただくことをお願いとご提案いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○田中利明議長 以上で井上明夫君の質問及び答弁は終了いたしました。荒金信生君。  〔荒金議員登壇〕(拍手) ◆荒金信生議員 三十九番、自由民主党の荒金信生でございます。 さて、前回私が一般質問をさせていただいた平成二十六年の第三回定例会から、およそ一年半が経過しようとしています。この間、振り返りますと、東九州自動車道の二年前倒しによる県内全線開通、県立美術館の開館、さらには、おんせん県おおいたデスティネーションキャンペーンの開催など、本県が大きく躍動し、前進した時期でございました。 また、二〇一八年の県民文化祭の開催内定や二〇一九年のラグビーワールドカップの大分開催決定など、ビッグイベントの誘致も決まり、この先、我が県を国内外にアピールできる絶好の機会に恵まれることも確実となりました。まさに、県政のさらなる飛躍に向けた基盤や足がかりが集中的に整備された期間であったわけですが、こうした基盤を生かし、本県の地域活性化を図るためには、やはり地方創生に向けた取り組みが鍵を握ります。 昨年の県政十大ニュースでもトップに取り上げられましたとおり、いよいよその地方創生がスタートを切ったわけですが、今議会に提案されている二十八年度当初予算案では、おおいた地方創生推進枠として過去最高の二十三億円が計上されています。まさに「地方創生は大分県から」とする広瀬知事の強い意気込み、あるいは今後五年間で地方創生を力強く推し進めようとする執行部の真剣な思いが伝わる内容となっております。 ところで、昨年十月、日本一のおんせん県おおいたのテレビCM第三弾、シンフロが大きな話題を呼びました。さらに今年一月には、日本テレビのあるバラエティー番組がシンフロを取り上げ、女性芸能人が別府温泉でシンフロに挑戦する様子が放映されました。こちらも多くの反響があったとのことで、おんせん県おおいたのPR効果は相当大きかったものと推察いたしますし、泉都別府選出の議員として、県の巧みな広報戦略を大変心強く感じているところでございます。 本県の地方創生や、温泉を軸に据えた地域活性化は着実に進みつつあると、私も実感している一人であります。 広瀬知事を初め、執行部の真摯な取り組みには大いに敬意を表するところでありますが、しかし一方で、知事も常々おっしゃっているとおり、地方創生には地域間競争という側面もございます。各自治体が躍起になって地方創生に取り組む中、激しい地域間競争に勝ち抜いていかなければなりません。いかにして本県に人を呼び込み、本県を活性化させていくのか、そのために有効となる政策・施策が必要であります。 広瀬知事におかれましては、今後五年間のまち・ひと・しごと創生の着実な事業展開を通じ、ステップアップ大分の実現、新長期総合計画の政策実現に向け、引き続きしっかりと手腕を振るっていただきたくお願い申し上げ、質問に入らせていただきます。 ここから先は対面席に移らせていただきます。  -------------------------------  〔荒金議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ◆荒金信生議員 では、引き続き質問させていただきます。 地球上に存在する泉質の大半を別府八湯、すなわち浜脇、別府、亀川、鉄輪、観海寺、堀田、柴石、明礬温泉で楽しむことができることを前回の一般質問でも触れさせていただいたところです。温泉の泉質は、湧出量と並び、その温泉地の魅力を示すバロメーターであると言えます。 先々月、大分合同新聞に、別府八湯の泉質を伝える特集が組まれました。別府八湯で楽しむことができる七つの泉質のそれぞれの効果や代表的な温泉施設などが見開き二ページにわたって大きく取り上げられました。 いい機会ですので、お手元に資料を配付させていただいておりますが、別府に七種類ある泉質について、それぞれ簡単にご説明させていただきます。別府が温泉のデパートと呼ばれるわけがおわかりいただけると思います。 まず、単純温泉です。これは日本で最も多い泉質と言われています。単純温泉は、その名前から、成分が単純な温泉と誤解されることがありますが、そうではありません。環境省が定めている温泉の成分量がそれぞれ基準値未満であるだけで、一概に質の低い温泉とは言えないことをご理解ください。むしろ、刺激が少なく、子供からお年寄りまで安心して楽しめますので、温泉の入門編としてお勧めできる泉質と言えます。別府の至るところにありますが、市営の湯都ピア浜脇温泉などがこれに当たります。 次に、塩化物泉です。これは塩分が主成分の温泉で、なめると塩辛いことが特徴です。日本では二番目に多い泉質と言われています。皮膚に塩分が付着することで保温効果が高まり、湯冷めしにくいため、熱の湯とも呼ばれています。また、飲用すれば、萎縮性胃腸炎や便秘に効果があるとされており、市営の北浜温泉テルマスや、ひょうたん温泉で楽しむことができます。 三つ目は、炭酸水素塩泉です。これは女性に喜ばれる温泉の一つです。アルカリ性の温泉が多く、肌がすべすべになることから、よく美肌の湯や美人の湯と表現されます。皮膚の脂肪分などが化学反応により乳化するため、独特のぬるぬるとした感触を味わうことができ、入浴後は肌がすっきりきれいになります。別府八湯には比較的多く存在する温泉で、市営の海門寺温泉や田の湯温泉など、そうした肌ざわりを実感することができます。 四つ目は、硫酸塩泉です。名前だけを見ると何となく強烈そうな印象を受けますが、無色透明・無味無臭の温泉です。昔から中風、脳卒中の湯や傷の湯と呼ばれ、動脈硬化や切り傷などに効果があり、効能が高いと重宝されてきました。血圧を下げ、痛みを和らげる鎮静作用もあるとされています。別府八湯では比較的珍しい泉質で、市営の柴石温泉やべっぷ昭和園で効果をお試しいただけます。 五つ目は、含鉄泉です。名前から想像できるように、鉄分を多く含んだ温泉で、源泉は無色透明なのですが、空気に触れると酸化するので、温泉として入る際には赤色や黄色、赤茶色などに変色していることが多いのが特徴です。有名な血の池地獄がまさにこれに当たります。飲用すれば貧血に効果があるとされ、ある書籍によりますと、日本全体の温泉のわずか一%しか存在しないとされ、大変珍しい温泉でもあります。しかし、さすがは別府、市営の鶴寿泉や明礬の山田屋旅館でこの貴重な泉質を堪能することができます。 六つ目は、酸性泉です。塩酸や硫酸、ホウ酸を多く含み、ヨーロッパ諸国ではほとんど見られない泉質です。酸の働きによる殺菌作用が高いため、水虫やアトピー性皮膚炎などの慢性皮膚疾患に効能があります。また、酸の作用で肌の古い角質が剥がされやすくなるため、直しの湯や仕上げの湯とも呼ばれている、女性にお勧めのお湯です。泥湯で有名な別府温泉保養ランドや、明礬の岡本屋旅館で効果を試していただけます。 最後の七つ目は、硫黄泉です。硫黄泉は何といっても、あの独特のにおいです。温泉地に来たという旅行気分にさせてくれる温泉ですが、明礬温泉を代表する泉質となっています。湯の花ができる泉質として知られています。硫黄泉は殺菌力が強く、表皮の細菌やアトピーの原因物質を取り除いてくれることから、慢性湿疹やアトピー性皮膚炎に効能があるとされています。 ただし、酸性泉にも同じことが言えるものですが、皮膚の弱い方などは、いわゆる湯ただれを起こすことがありますので、注意が必要です。別府では、湯屋えびすなど、明礬一帯の温泉で楽しめるほか、明礬から離れた堀田温泉エリアの白糸の滝温泉もこの硫黄泉に分類されています。 このように、七つの泉質それぞれに触れてみますと、私自身、改めて別府八湯の魅力や、その多様性を再確認させられる思いですが、別府八湯温泉道初代実行委員長であり、全国の温泉事情にも詳しいことで知られる斉藤雅樹先生も、「一つの地域にこれだけ多くの泉質が存在していることは他の温泉地にはない魅力だ。また、酸性からアルカリ性まで幅広い温泉がそろい、青色や白色、褐色など見た目も多彩。こうした他に類を見ない特徴、強みを生かした温泉のPRや楽しみ方も提案できる」と、別府八湯の魅力を高く評価されると同時に、まだまだPRの余地があることを示唆されています。 ところで、「他人の正目」という言葉があります。当事者よりも第三者の方が物事の真相や価値などをはっきり見分けられるという意味の慣用句ですが、果して我々大分県民は別府八湯を中心とした別府の魅力を客観的に理解できているでしょうか。「灯台もと暗し」とも言いかえられますが、余りに身近過ぎて、かえってその価値を見失ってはいないでしょうか。 昼と夜で違った顔を見せる湯煙の眺望や、今触れさせていただいたバラエティーに富んだ泉質は、その地域の人にとっては当たり前であっても、訪れる人から見れば、大変魅力的に映るものです。 我々地元の目線を一旦リセットしてみて、そうした外からの目を意識しながら、おんせん県おおいたの素材や個性を再検証してはどうかと一昨年の一般質問でも提案させていただきました。 その際、知事からは、「旅行の専門家でさえ、大分県にこんなにも豊富な観光資源があることは知らなかったという反応が多く、驚いた。まだまだ情報発信が不足していた」という答弁があったところです。その一般質問からちょうど一年後、昨年七月から九月にかけて、県内では二十年ぶりとなるおんせん県おおいたデスティネーションキャンペーンが開催されました。経済波及効果は目標の百億円を大きく上回る、およそ百三十三億円に達し、大きな盛り上がりを見せました。統計データのそろう過去のデスティネーションキャンペーンと比較してみても、本県における宿泊数の伸び率は、奈良県に次いで二番目に高く、日銀大分支店による県内宿泊・飲食サービスの業況判断も公表が始まった平成十九年以降、最高水準に達するなど、数値の面でもはっきりとした成果があらわれています。 県立美術館のオープンや東九州自動車道の県内全線開通、大分駅ビルの開業など、本県の話題性が増していたことも追い風になったとは思いますが、何より県民が一体となって、オール大分で行った積極的な情報発信や多様な誘客イベントが奏功し、大分に行ってみたい、大分に行ってみようと多くの方に思っていただけたことが大きかったのではないかと考えています。 一方、課題や反省の声も少しずつ耳に入ってきています。 私の地元の別府市観光協会は、「デスティネーションキャンペーンは業者を通じて旅行を手配する人には効果をもたらしましたが、今はインターネットを使う割合も大きい。旅行会社に加え、個人客への効果的なPRが必要と再認識した」と振り返っています。 また、デスティネーションキャンペーンの盛り上がりを一時的なものにとどめることなく持ち続けさせていくためには、キャンペーンを通じて獲得した大分の認知度向上や、十二万人を超えたおもてなしサポーターに代表される県民の観光に対する意識の高まりを生かしながら、今後、中長期的な観点に立った観光施策を進めていくことが重要だとする意見もあります。 ここで再び、我が町別府と別府温泉に視点を戻します。 別府の温泉のすばらしさについては、これまで述べたとおりですが、別府八湯の周辺には、城島高原パークやハーモニーランド、アフリカンサファリや、うみたまご、さらにはシャーロット騒動でも話題を呼んだ猿の高崎山自然動物園など、ファミリー向けのレジャー施設が数多く所在しています。また、扇山ゴルフ倶楽部、城島高原ゴルフクラブ、別府ゴルフ倶楽部など、ゴルフ場や、少し足を延ばせば、宇佐神宮、六郷満山などシニア向けの観光資源にも囲まれています。 さらには、別府八湯は、そこで暮らす市民の生活を感じながら外湯めぐりを楽しめるという個性も持ち合わせています。共同温泉、いわゆるジモ泉や市営温泉など八十八カ所をめぐる別府八湯温泉道は、日本全国から多くのファンが訪れることで、その知名度を日々増しているところであります。 一方、日本各地の温泉街は、いわば秘境的で日常生活から分離されたものが比較的多く、純粋に温泉を堪能し、ゆっくりくつろげることがセールスポイントです。もちろん、そうした温泉街のよさもありますが、昨今の子育て世代の観光ニーズは、限られた休暇の中で、いかに楽しく過ごし、リフレッシュするかにあると聞きます。 例えば、四国では、大型のテーマパークが北端の香川県丸亀市にしかありません。一方、愛媛の道後温泉は、日本最古の温泉とされ、その風情や歴史を感じる旅を提供してくれるものの、レジャー目的の子供連れには、やや物足りない観光旅行になっていると聞きます。 別府は、先述のとおりです。おんせんプラスアルファの楽しみ方を提供できるさまざまな観光資源に恵まれています。大人は宿泊先の温泉でゆっくりできますし、子供は日中思い切り遊園地で遊ぶことができます。 先ほど、「他人の正目」、「灯台もと暗し」と申し上げましたが、我々にとって当たり前のことが、他県の皆さんには大きな魅力になり得ます。 デスティネーションキャンペーンの期間中における公共交通機関の利用者の増加率を見ても、フェリーは九・三%と飛行機の八・四%を上回っていることから、四国からの誘客はまだまだポテンシャルを秘めているように思います。四国からの子育て世代の誘客に力を入れ、夜は温泉にゆっくりつかり、日中は子供と一緒に遊園地や動物園へと、別府の持つ観光力を大々的にPRすれば、眠っているニーズを掘り起こすことができるのではないでしょうか。 また、別府市観光協会も言及しているように、これからは個人客への効果的なPRが必要です。子育て世代は忙しい合間を縫ってインターネットで旅行先を探します。そうした世代のアンテナに触れるような旅行商品の組み立てや、積極的・効果的な情報発信が求められていると思います。 さらに、先ほども申し上げましたとおり、別府はシニア世代の求心力を持ち合わせています。ゴルフ場もありますし、宇佐神宮も近いという地の利があります。国東半島峯道ロングトレイルで、間もなく開山一三〇〇年の節目を迎える六郷満山に触れながら、トレッキングやウォーキングの醍醐味を味わう、温泉宿で疲れを癒やすといった楽しみ方も提供できます。 また、昨今は長期滞在型の旅行商品のニーズが高まっていると聞きますので、例えば、古くからの湯治文化を復活させ、別府八湯が誇る泉質やその効能を前面に打ち出し、長期滞在型保養サービスを売り出すのも一考の余地があるのではないでしょうか。 その取り組みの中核を担うのは、やはりおんせん県おおいたの中核を担う泉都別府であります。温泉博覧会、いわゆるオンパクは別府温泉が発祥の地です。平成十三年の取り組み開始以来、今ではオンパク的手法によって地域活性化を試みる動きは全国に広がり、NPO法人ハットウ・オンパクのノウハウが各地で生かされています。 本県全体の宿泊増や連泊の促進を牽引し、あるいは魅力ある広域観光圏づくりや長期滞在の拠点となり得るのは、さきに述べましたように、まだまだそのポテンシャルを内に秘めている別府であり、オンパクの発祥地である別府のほかにありません。 そこで、広瀬知事にお伺いします。 本県で二十年ぶりに開催されましたデスティネーションキャンペーンは、大きな盛り上がりを見せた一方で、今後の観光振興のさらなる飛躍に向けた数多くのヒントをもたらしたはずです。二〇一八年の国民文化祭、二〇一九年のラグビーワールドカップ大分開催など、立て続けに控えているビッグイベントを成功させるためにも、デスティネーションキャンペーンによる成果を一過性のものとせず、そこで見えてきた課題や反省点をしっかり分析するとともに、おんせん県おおいた、とりわけ泉都別府の魅力やポテンシャルを再検証することを通じ、温泉を活用したさらなる誘客促進を図るべきだと考えますが、温泉を活用した誘客促進についての知事の見解をお聞きいたします。 以上です。 ○田中利明議長 ただいまの荒金信生君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 ただいま荒金信生議員からは、別府八湯のすばらしい魅力をご紹介いただきながら、オンパクの手法もヒントにして、温泉を活用した誘客促進等についてご質問を賜りました。 デスティネーションキャンペーンは、観光客の増加と観光産業の振興につなげるだけでなく、どのようなことで観光客が喜んでくれるのか、どうやって今後の観光振興を図っていくのかなど、これからの地域や観光のあり方を考える機会でもあったと思います。このデスティネーションキャンペーンの成果を生かして、温泉を活用した誘客を促進するため、昨年十月に策定いたしました新たなツーリズム戦略に基づいて、私どもは三つの方向で取り組みたいと考えております。 その第一は、温泉を活用した観光素材磨きということであります。観光客の関心を引きつけていくために、温泉そのものの魅力を掘り下げ、大分ならではの温泉の楽しみ方を新たにつくり上げていきます。砂湯、蒸し湯、冷泉などの多様な温泉を生かした機能温泉浴や温泉めぐり、美容と健康によい温泉の活用法や入浴法を研究・開発してまいります。ただいま八湯の泉質についてご紹介ございましたけれども、そういったものをきめ細かくPRしながら利用してもらうということも大事だと思います。 また、デスティネーションキャンペーン用に開発いたしました地獄のプロジェクションマッピングや湯煙ライトアップ等にも引き続き取り組んでまいりたいと思います。 第二は、温泉プラスアルファによる誘客ということであります。本県は、豊かな食や自然、特徴ある歴史・文化、多様な観光施設などがあります。これらを日本一の温泉と組み合わせて、観光商品として販売するということで、誘客を促進したいというふうに思います。 「日本一のおんせん県おおいた 味力も満載」ということで、デスティネーションキャンペーンでは、温泉プラス食の新たな組み合わせやモデルコースを民間事業者と一緒になって商品化し、好評を博したところであります。 別府市のロボケアセンターでは、世界最先端のロボットスーツを活用した機能回復訓練と温泉滞在観光を組み合わせたHALFITツーリズムに取り組んでおります。 第三は、温泉観光の魅力の情報発信であります。昨年制作いたしましたシンフロ動画は、現在、再生回数が百二十万回を超えておりまして、国内外で大変な話題になっております。 また、昨年度から始めた二十二歳の温泉入浴を無料にする「お湯マジ」キャンペーンでは、今年度も既に一万四千人を超える若者が参加し、SNSでの情報拡散が進んでおります。引き続き、温泉に着目した注目度の高いPRに努めていきたいと思います。 おんせん県おおいたの中心は、何といいましても、国際観光温泉文化都市、別府市であります。別府市が本県の温泉観光を牽引し、国民文化祭やラグビーワールドカップの開催に向けて、国の内外に存在感を示せるように、官民一体となって、温泉を活用した誘客促進にこれからも力を入れていきたいというふうに考えているところであります。 ○田中利明議長 荒金信生君。 ◆荒金信生議員 ありがとうございました。以上で終わります。(拍手) ○田中利明議長 以上で荒金信生君の質問及び答弁は終了しました。 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○田中利明議長 ご異議なしと認めます。 よって、本日の一般質問及び質疑を終了します。  ------------------------------- ○田中利明議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 次会は、明日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知いたします。  ------------------------------- ○田中利明議長 本日は、これをもって散会いたします。     午後二時二十五分 散会...