• "総合文化センター設置"(1/1)
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  1. 大分県議会 2012-12-01
    12月05日-03号


    取得元: 大分県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    平成24年 第4回定例会(12月)平成二十四年十二月五日(水曜日)  ------------------------------- 議事日程第三号      平成二十四年十二月五日           午前十時開議第一 一般質問及び質疑  ------------------------------- 本日の会議に付した案件日程第一 一般質問及び質疑  ------------------------------- 出席議員 四十三名  議長        志村 学  副議長       元吉俊博            小野弘利            久原和弘            三浦正臣            守永信幸            藤田正道            原田孝司            小嶋秀行            馬場 林            尾島保彦            後藤政義            竹内小代美            玉田輝義            深津栄一            酒井喜親            首藤隆憲            吉冨幸吉            平岩純子            江藤清志            古手川正治            土居昌弘            嶋 幸一            毛利正徳            油布勝秀            衛藤明和            濱田 洋            三浦 公            末宗秀雄            御手洗吉生            桜木 博            麻生栄作            田中利明            渕 健児            近藤和義            阿部英仁            井上伸史            荒金信生            佐々木敏夫            戸高賢史            吉岡美智子            河野成司            堤 栄三 欠席議員 なし 欠員   一名  ------------------------------- 出席した県側関係者  知事        広瀬勝貞  副知事       二日市具正  副知事       小風 茂  教育委員長     岩崎哲朗  代表監査委員    米浜光郎  総務部長      奥塚正典  企業局長      堤  隆  病院局長      坂田久信  教育長       野中信孝  警察本部長     大沢裕之  企画振興部長    塩川也寸志  福祉保健部長    永松 悟  生活環境部長    直野清光  商工労働部長    山本和徳  農林水産部長    阿部良秀  土木建築部長    畔津義彦  会計管理者兼            平田茂雄  会計管理局長  人事委員会            山本清一郎  事務局長  労働委員会            山蔭政伸  事務局長  財政課長      長谷尾雅通  知事室長      草野俊介  -------------------------------     午前十時三分 開議 ○元吉俊博副議長 これより本日の会議を開きます。  ------------------------------- ○元吉俊博副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第三号により行います。  ------------------------------- △日程第一 一般質問及び質疑 ○元吉俊博副議長 日程第一、第一一六号議案から第一五五号議案まで及び第五号報告を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。守永信幸君。  〔守永議員登壇〕(拍手) ◆守永信幸議員 皆さん、おはようございます。四番、県民クラブの守永信幸です。 本日は、先輩議員や同僚議員の皆様に一般質問に立つ機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。精いっぱい頑張りますので、よろしくお願いいたします。 また、十一月二十三日に国立競技場でJ2のプレーオフの決勝戦が行われまして、一対〇とかなりはらはらいたしましたけれども、勝利をおさめて、J1復帰が決定いたしました。広瀬知事もかなり安心されたんじゃないかと思いますけれども、本当におめでとうございます。 そしてまた、この勝利に向けて頑張った選手の皆さんの苦労も理解できますし、それを支えたスタッフの皆さんの苦労も理解できるわけですが、まず、県民の多くが期待を寄せてきたといった部分も含めて、その期待にこたえられるように、まだまだ幾つも多くのハードルがございますので、乗り越えていただきたいと思っております。 では、早速、質問の方に入らせていただきます。 大分県では、市町村合併に力を入れ、これまで強力に推進した結果、二〇〇五年から二〇〇六年にかけて、五十二の市町村が十二の市に合併することになりました。 合併を推進するために、合併特例債を初め、合併後の十年間については、合併前の市町村ごとに普通交付税を算定し、それを合算した額を交付するという合併算定がえ等の特例措置を設けて、その間に行財政の効率化を進め、いってみれば猶予期間を設けて健全な運営を目指すように進めてきたということなんですけれども、この平成の大合併から間もなく十年が経過しようとしています。その手厚い財政支援が間もなく終わろうとしているわけですけれども、合併市においては残された期間で一層の財政の健全化が求められているという状況だと思いますけれども、リーマンショック以降続く不況の長期化という想定外の状況もありますし、少子化による人口減少、高齢化に伴う対策の必要性など地域の課題というのは山積しております。最低限必要な財源を確保していかなければならないといった課題も抱えた中での財政運営ということにもなっています。このため、県では、合併市とともに研究会を立ち上げて、合併しても削減できなかった経費、そして、合併後の十五年間だけでは削減効果があらわれにくいような経費、合併によって新たに発生してしまった経費等について、十一月末までに調査を行って、国への要望など対応策を講じるとの報道がございました。この調査結果について、いつごろまとまるのか、この調査結果を踏まえてどのように対処していくのかを、まず伺っておきたいと思います。 この合併については、合併時に、合併のメリットとして、行政能力の向上、行財政の効率化、住民生活の利便性の向上、住民サービスの高度化、地域づくりの進展などということが説明されてまいりました。果たして、これらのさまざまなメリットといったものがどの程度実現できたのか。残念ながら、合併によって役場と住民の間が距離的にも心理的にも遠くなってしまったという声を多く耳にするように感じます。 本県は自治体の減少率が九州で二番目になるんですか、長崎が一番というふうに聞いてますけれども、そのように合併を強力に主導してきたと言えるわけですが、合併後の各市に対するフォローを十分に行ってきたと言えるかどうか若干疑問に思う部分もあるんですが、この際、合併後の市の姿が当初予定したとおりなのか否か、これを、何が予定どおりに行われて、何が予定どおりにできなかったのか、行政サイドからの視点だけでなく、住民や地域の企業の意見、満足度を含めたアンケート調査などを行うなどして、合併後の十年間を総括し、県として次の十年の施策に反映していく責任があるんじゃないかと考えますが、いかがお考えでしょうか、お尋ねしたいと思います。 あと、以下の質問については対面席から質問させていただきます。  〔守永議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○元吉俊博副議長 ただいまの守永信幸君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 守永信幸議員には、平成の大合併に関するご質問を賜りました。 あれから十年、そして、県内初の合併市が誕生して八年が経過しようとしております。 市町村合併は、社会情勢が大きく変化する中で、地域住民の真摯な議論を経て、地域の将来を思う苦渋の決断によって実現されたというふうに考えております。 県では、このような地域の思いをしっかりと受けとめまして、合併市が強固な行財政基盤を手に入れて、真に地方分権の担い手となって、新しいまちづくりはもとより、将来にわたって住民サービスを維持向上させていけるように積極的に支援をしてまいりました。 とりわけ旧町村部の振興には力を注いでまいりました。毎年度三百五十億円程度の予算を確保いたしまして、旧町村部に優先的な配分を行って、お話がありましたように、役所が遠くなった分、例えば、中心部と結ぶ道路網の整備等を進めるとともに、地域活性化総合補助金を創設いたしまして、コミュニティービジネスの立ち上げや地域おこしのイベント開催などを支援してまいったところであります。 また、全国に先駆けて小規模集落対策に着手いたしまして、地域資源を活用した加工品開発や小規模集落応援隊の活用など、集落の実情に応じた取り組みも進めてまいったところであります。 さらに、国の合併推進体制整備の補助金約五十二億円に加えまして、県単独で支援した総額約八十六億円の合併推進交付金は、電算システムや消防庁舎、あるいはケーブルテレビの整備などに活用されて、新市の円滑な立ち上げや住民生活の利便性向上に役立ったものと認識しております。 一方、合併市におきましても、おのおのの財政見通しを踏まえた行財政改革を推進し、財政調整用基金の積み増しなど将来に備えた堅実な財政運営に努めています。 しかしながら、本県の合併市における交付税の合併算定がえによる割り増し額は本年度分で約二百二十八億円と見込まれておりまして、これがすべてなくなるということになりますと合併市の財政運営に大きな影響が生ずるところであります。 そこで、議員ご指摘のように、本年九月に合併市とともに研究会を立ち上げまして、旧町村部の拠点施設である支所の運営経費など合併市特有の財政需要について調査、分析を進めているところであります。今後、平成二十七年度から合併算定がえの効果が段階的に減少することを見据えまして、交付税の算定において合併市の財政需要が適切に反映されるように、国への要望等を行っていきたいというふうに考えております。 少子・高齢化の進展など市町村を取り巻く環境は、合併したか否かにかかわらず、その厳しさを増しております。このような中、合併市には、強化された行財政基盤を生かしつつ、地域のきずなを守ることが求められております。 県といたしましても、これまで三度にわたる合併影響調査や中間評価を行いながら施策に反映してきたところでありまして、引き続き合併市や地域住民のご意見をきめ細かく伺いながら、しっかりと支援をしていきたいというふうに考えております。 ○元吉俊博副議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 地域の声をきめ細やかに聞いて施策を講じていくということで、特に知事におかれましては、各地域でふれあいトーク等をされる中でいろんな住民の声というのもお聞きになっているかと思います。そういった中で、いろんな、合併によってこう変わってきたという声もお耳には入っているだろうと思うんです。その意見というのは大切にしていただきたいというふうに思ってますし、やはり、ほかの県を訪ねていったときに、いろんな細やかなことが伝達できるというような事象、例えば、ことしお訪ねしたところで三春町というのが福島県にあるんですけれども、そこは、例の放射性物質の拡散の関係で安定沃素剤をいち早く住民に配布をした町なわけなんですけれども、住民に細やかに対応ができたということの背景に、「うちは合併しなかったんで」という言葉が役場の方から出てきたんです。ですから、住民との距離が、やはり合併してない町村単位で見たときには密接にあった。しかし、それが合併することによって距離が遠くなってしまったという部分が、そこの裏返しとして表現されたんだろうと思うんですけれども、やはり合併をした以上は、合併をしたメリットを最大限に引き出すという努力が必要でしょうし、そのために住民がそこに住めなくなったということになってしまっては本末転倒ですので、合併した市町村の周辺部も含めて、住民が安心して住んでいけるという形をつくっていくために、期限切れになる十年、十五年目までに何とか形を整えていく。しかも、住民サービスを低下させないということが重要であろうと思っています。ぜひそういう取り組みをお願いしたいと思いますし、新聞で若干、報道はあったんですけれども、合併算定がえ期間の終了後に、合併市の今後の財政の見通し、それと、県及び当該自治体として今後どのように対応していくつもりなのか、何か具体的にございましたら教えていただきたいと思います。 ○元吉俊博副議長 奥塚総務部長。 ◎奥塚正典総務部長 お答えをいたしたいと思います。 合併算定期間が終了した場合の市の今後の財政見通し、あるいは県、自治体の今後の対応というようなことでのご質問だと理解をいたしますが、普通交付税の合併算定がえによる割り増しは、本県の場合、平成十六年度に合併をいたしました八団体が、平成二十七年度以降、段階的に縮減をされまして、平成三十二年度に終了いたします。それからまた、平成十七年度に合併をいたしました四団体についても、一年おくれて同様の状況となります。 本年度の算定では、先ほど知事が申し上げましたとおり、合併市全体で約二百二十八億円の割り増し増となっております。このうち割り増し額が大きいのは、佐伯市が約四十二億円、豊後大野市が約三十三億円となっております。県では、合併算定がえのこの段階的縮減やその終了を見据えた行財政基盤の確立については、あらゆる機会を通じまして市に助言をしてまいってきたところでございます。 一方、合併市におきましても、行財政改革等を推進いたしまして、平成二十三年度の決算では、地方債の残高でございますが、六年連続で減少をいたしておりますし、一方、貯金に当たります各種基金は七年連続で増加をしております。しかしながら、合併市では、今後ますます増嵩することが予想されます社会保障の関係費、また、多様化する住民ニーズに適切に対応していくための経費が必要でございますので、人件費の抑制を含めました不断の行財政改革の推進が不可欠であると考えております。 県といたしましては、合併市が中長期的な視点で持続可能な行財政運営が行えるよう、今後とも積極的な助言を行っていくとともに、今回設けました研究会での調査研究を踏まえまして、交付税の確保に努めてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○元吉俊博副議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 わかりました。 非常に財政的には厳しくなるといった状況もわかるんですし、今後さまざまな行政ニーズが地域にあるんだということも調査をしていけばわかっていくだろうと思っています。 その中で、やはり大分県の場合、不思議と県外から見えた方が、定年退職後、大分に落ちつくというケースが少なくない話を伺うんです。それだけ暮らしやすいんだろうと。いわゆる、現役のときに大分に赴任して、いいところだから、退職後、そこに住みたいということなんだと思うんですが、やはり、いろんな方々が、大分が暮らしやすい、そして大分に住みたいと思える状況をつくることによって、今、人数が減少していく、人口が減少していく中で、いろんなことが、後手後手に回ってしまうような現象も解決できるんじゃないかと思ったりもしますんで、ぜひ、行政コストを削減するという中で、削減ばっかしに目が行ってしまって、住民ニーズをいかに満足して、そこに住みやすい環境をつくっていくかということ、そこにやはり職員の皆さんも苦心しながら一生懸命になっているわけですから、その職員がやる気を持てるような夢をぜひ描いていただきたいと思いますので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。 では、次の質問に移りますが、災害に強い大分県を目指した防災訓練についてお尋ねをしたいと思います。 原子力規制委員会が原発事故に事前に備える防災対策重点地域を原発から三十キロ圏というふうに拡大する方針を示したことを受けて、これまで愛媛県のみで実施されてきた伊方原発事故を想定しての訓練が十月二十三日に初めて四国四県と山口県、大分県、この六県が参加する中で実施されました。 この訓練での事故想定は、地震が発生し、運転中の原発全基の原子炉が自動停止した後、全交流電源を喪失する事態が発生、非常用炉心冷却設備による冷却機能も喪失をし、原子炉格納容器からの放射性物質の放出による影響が発電所周辺に及ぶおそれが生じたという想定で行われました。 また、十一月十一日には、佐伯市、臼杵市を実施会場として、南海トラフ巨大地震による大規模な津波を想定しての避難訓練が行われています。このように防災、減災に向けての訓練が行われることは非常によいことだと思います。 そこで、これらの避難訓練の結果についてどのような検証をされたのでしょうか。明らかになった問題点等があればお伺いしたいと思います。 伊方原発の事故を想定した訓練では、大分県には放射性物質の影響がないという想定で、情報を受けた県が県内の関係機関に速やかに情報を伝達するという訓練だけに終わったようですが、今後、大分県にも放射性物質による影響が及ぶという想定で訓練を行う必要もあるのではないかと考えますし、特に放射性沃素を多量に含んでいる場合に、甲状腺被曝を避けるための安定沃素剤の配布体制のチェックなどはぜひやっておくべきことだろうと思われます。 さらに、東日本大震災と同様に、津波と原発事故が同時に発生した場合の訓練、こういったものも必要というふうに考えるんですが、今後、このような訓練をどのように拡充していく計画なのかを教えていただきたいと思います。 次に、災害発生時の住民への情報伝達のあり方についてなんですが、七月十二日の竹田市を襲った豪雨災害の発生時には、たけたケーブルテレビが災害報道に活躍した話を知事はご存じでしょうか。 たけたケーブルテレビでは、午前七時に職員がケーブルテレビ局に駆けつけて、七時十五分には緊急放送を開始しています。午前十一時からは全面文字放送を開始し、市の災害対策本部の情報を流したそうですし、データ放送も災害情報に全面的に切りかえて、スタッフ総出で災害現場の取材に当たり、資料映像を収集したと伺っています。道路そのものが寸断されていたため、思うように取材ができなかった状況はあるものの、被災現場の情報が収集され、竹田市の被災の概況が把握できたというふうにも聞いています。 さらに、被災後についても、ボランティアセンターの現状を取材し、七月十八日からは市民に周知するための放送を行うなど、市民への情報提供に力を発揮したというふうに伺っておりますし、ケーブル網の被災もあったようですけれども、これも早いところでは七月十三日に復旧をする、遅いところでも七月十七日には復旧するということができたようです。 このようにいち早く復旧できた背景には、大分県デジタルネットワークセンター株式会社というのが県下の各ケーブルテレビ局の出資によって設立をされて、各局相互にサポートできる体制を整備してきたということがあるようです。この株式会社には県も出資をしているんですけれども。 また、大分市では、市内の各避難所にケーブルテレビの接続端子が整備されておりまして、テレビやパソコンといった端末を接続するだけでつながるようになっているそうなんです。しかも、ケーブルテレビの特徴というのは双方向での情報交換が可能であるということで、例えば、避難所Aで得た情報をすべての避難所で即座に共有することも可能となるわけなんです。 災害時によく話に聞くのが、連絡のとれない人を捜して避難所を訪ねて歩いたり、情報伝達のために避難所をめぐり歩かなければならなくなったというようなことを耳にしました。それがケーブルテレビを利用することで、全避難所が情報を共有することができ、すぐに連絡を取り合うことができるということが可能だと聞いています。 十一月十一日に実施された先ほどの津波想定での避難訓練では、報道機関はこの訓練に参加をしていませんでしたが、今後の訓練では報道機関も参加してもらう必要もあるのではないかというふうにも考えます。 また、今回の竹田の水害等でケーブルテレビの有用性というものも証明されたわけですから、県防災会議への参加だとか、災害対策本部との連携についてももっと積極的に考えてもいいのではないかと思うのですが、いかがお考えでしょうか、教えていただきたいと思います。 ○元吉俊博副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 防災訓練についてのご質問でございました。 今回の総合防災訓練は、南海トラフの巨大地震、津波を想定しまして、県南地域を会場に、四十九の関係機関、住民約一万二千人が参加して行われたものであります。 情報伝達や住民避難訓練のほかに、避難所運営訓練、あるいは孤立地域を想定した沿岸部や離島への備蓄物資搬送訓練海難救助訓練など実践的な訓練を行いました。 私も米水津宮野浦地区の訓練を視察しましたけれども、悪天候の中、お年寄りから小さなお子さんまで多くの住民が高台の避難所での訓練に参加しておられまして、その意識の高さをとても頼もしく思ったところであります。 一方で、足元が悪い中、いかに迅速かつ安全に避難をするか、あるいはまた、避難所での妊婦さんや介護が必要な方々のスペースをどう確保するか、幾つかの課題もいろいろ浮かび上がってきたところであります。今月十八日に関係機関が集まりまして、実務的な検証を行って、今後の防災対策に役立てていくということにしております。 次に、愛媛県の原子力防災訓練への参加についてでございますけれども、この訓練につきまして、大分県といたしましても、伊方発電所で事故が発生した際に、その情報を速やかに入手して、関係市町村へ伝えて、そして対応していくということができるかどうかというところでございまして、そういう意味で参加をしたところであります。 今回、愛媛県が行われました緊急時通信連絡訓練では、通報の受信から県内市町村等への伝達までの訓練を行ったことで、愛媛県と構築しております情報連絡体制の実効性を確認できたというふうに考えております。 十一月二十日でございましたけれども、伊方発電所構内で電気自動車の火災事故というのが発生いたしました。そのときには、確認書に基づきまして、愛媛県が所要の事実確認を行いまして、発生から二時間後、愛媛県民へ公表する時刻と同時刻に、遅滞なく本県にも連絡がありましたことをご報告申し上げたいというふうに思います。 また、放射性物質の放出による影響や防護措置のあり方につきましては、現在、原子力規制委員会で議論されているところでございます。県といたしましては、その結果を踏まえて、訓練を含めて、どのような対策を講じていくか。これは、むしろそういう想定を積極的に想定をしながら、幾つか検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。今、原子力規制委員会での議論をよく注目して、そこを踏まえてやりたいというふうに考えているところであります。 防災訓練は、地域住民の防災意識の高揚、関係機関等の連携強化を目的として実施しておりまして、防災対策として不可欠なものであります。 今後とも、これまでに得られた課題を多角的に検証するとともに、福祉施設と連携した要援護者の避難や流通備蓄事業者からの物資供給など訓練内容を拡充していきたいというふうに考えております。 また、地震、津波だけでなく、さまざまな災害に対応できるよう、より実践的な訓練を実施し、住民、県民の安全、安心の確保を図っていきたいというふうに考えているところであります。 また、お話のありました竹田市の大水害の際でのケーブルテレビの活躍については、私も伺っておりましたけれども、改めてスタッフの皆さんのご苦心、ご苦労に敬意を表したいというふうに思っているところでございます。 このケーブルテレビについてのご質問につきましては、関係部長からお答えさせていただきます。 ○元吉俊博副議長 直野生活環境部長。 ◎直野清光生活環境部長 それでは、ケーブルテレビの活用についてお答えを申し上げます。 災害時におきましては、避難勧告、あるいは指示、あるいは避難所の情報を的確かつ迅速に伝達することが必要であります。また、市町村の防災行政無線、あるいは防災メール、インターネット等多様な手段を確保することが重要であります。報道機関の果たす役割も非常に大きいというふうに考えております。このため、テレビ、ラジオ等の報道機関も県の防災会議の委員に就任していただいておるところでございますし、ケーブルテレビにつきましては、市町村の防災会議に参加しているところもあります。被災現場の詳細情報を映像等で伝えるケーブルテレビの有用性につきましては、豪雨の際の竹田市の例にもありますように、防災対策推進委員会幹事会において市町村へ紹介してまいりたいというふうに考えてもおります。 それから、災害対策本部との連携につきましては、現在、県の防災情報システムを改修中でございまして、本年度内に避難勧告等の情報を災害対策本部から報道機関へ伝達する公共情報コモンズに連携をするということにしております。住民への災害情報の多様な伝達手段を確保するためにも、ケーブルテレビにもこの公共情報コモンズヘの加入を促していきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○元吉俊博副議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 ありがとうございます。 今の知事の回答、ぜひ積極的に、より確実に防災訓練が、万が一のときにその訓練の効果が発揮できるように取り組みをお願いしたいと思っています。 また、十一月二十日に具体的な事故の案件で伝達もされたというお話も伺ったんですけれども、伝達した内容を大分県なりに準備をするような体制、そういったものがあったのかなというのをちょっと今疑問に思ったのですが、例えば、今回の訓練での情報伝達であれば、気象情報そのものは愛媛県からのファクス情報で確認をするというような内容だったと思います。事故がまずあったという情報を得てから、大分県独自に気象台と連絡を取り合いながら、今の風向きはどうなのか、大分県として気象的な情報というのは独自に得られるでしょうから。前回の三・一一の震災を受けての福島第一原発の事故の際も、各自治体で悩んだのが、風向きはどうなのか、放射性物質が飛んでくる可能性があるのかどうか、その判断に非常に悩まれたようにも報道でもありましたし、大分県独自として準備をする、そういった訓練も必要だったのではないかというふうにも思ったりもしましたので、今後、十八日に会議を持たれるというふうなことでもありますので、そういうふうな議論もできればと思っています。 また、ケーブルテレビについては、各自治体での防災会議に加入しているというふうなお話であったんですけれども、せっかくケーブルテレビ各社が参画する、県も出資している会社があるわけですから、県の防災会議としても連携をとれるような、いわゆる会議の会員にしていくという取り組みをする方が、より、その体制が、連携がとれるんじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺もぜひ検討をお願いしたいと思っています。 次の質問に移っていきたいと思いますが、障害者の雇用促進についてお尋ねしたいと思います。 障害者雇用率制度については、身体障害者及び知的障害者について、健常者と同じ水準で雇用される機会を創出するために、常雇いの労働者の数に対して一定の割合で障害者が雇用されるように設定されているわけですが、この法定雇用率というのが、現行では、一般の民間企業で一・八%、国及び地方公共団体で二・一%となっています。これが来年の四月以降は、一般企業で二・〇%、国及び地方公共団体で二・三%へと引き上げられていきます。 二〇一二年六月一日現在の状況を厚生労働省で取りまとめた結果が十一月十四日に公表されていますが、その結果によりますと、大分県の知事部局では雇用率が二・四%となっておりますので、来年度以降の基準もクリアしているということになります。これは、障害者を対象とした採用枠を設けて積極的に雇用を促進してきた成果であると思いますし、これについては知事に大変敬意を表したいと思っています。 しかし、一方で病院局については、数少ない未達成機関の一つとなっています。また、大分県教育委員会においても未達成となっている状況です。これら二つの機関で未達成となっているのには何か要因があるのかどうか、見解をそれぞれお伺いしたいと思います。 また、民間における障害者雇用率についても、厚生労働省からの報告では大分県は二・一%となっており、雇用率としては法定雇用率を超えている状況ですから、かなり努力されているというのがわかるわけですが、そこでお尋ねしたいのが、四肢の障害を持たれた方に比べて、視覚や聴覚に障害を持った方の場合、作業内容が限定されることや作業時の危険の察知の問題、ほかの労働者の方々とのコミュニケーションが難しいといった理由で雇用の場がかなり制限される状況があるのではないかと心配しています。 本県では、障害者雇用率制度の対象とならない小規模な企業による障害者雇用も多く、また、特例子会社が九州で福岡に次いで多いということで、公表される雇用率以上に障害者の雇用が進んでいると考えられますけれども、しかし、障害の種別により求人が偏ってしまうある種のミスマッチが発生しているのではないかと思っています。 障害者の雇用状況を障害の種別に見た場合に、就労希望者の数と企業が受け入れられる人数がどのような状況か、把握していらっしゃるでしょうか。 視覚や聴覚障害者の就労に厳しい実態があるのであれば、障害者全体の雇用率を引き上げる対策とあわせて、その雇用の妨げとなっている課題を取り除く対策を県としても講じる必要があると考えますが、その見解をお伺いしたいと思います。
    ○元吉俊博副議長 坂田病院局長。 ◎坂田久信病院局長 病院局の障害者雇用率についてお答えいたします。 障害者の雇用につきましては、公的医療機関として率先して促進していく必要があると認識しております。 病院局におきましては、平成二十二年の法改正までは障害者雇用率を達成しておりましたが、医師、看護師等の特定職種に関する除外率が一〇%引き下げられたことなどによりまして、法定雇用に必要な人数が三名増加したことなどによりまして未達成となっております。 この間、法定雇用率を達成できますよう新たに三名の障害者を雇用いたしましたが、雇用中の障害者の退職などもありまして、達成には至っておりません。そうしたことから、現在も大分障害者職業センター等を通じまして求人中でありますが、引き続き配置部署の拡大も含めまして、雇用の促進に努めてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○元吉俊博副議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 県教育委員会の障害者雇用率についてお答えします。 県教育委員会の本年六月一日現在の障害者雇用率は、昨年度の一・六二%を上回る一・八五%となっています。 未達成要因としては、県教育委員会の職員の九〇%を占める教員への採用が進んでいない点が挙げられます。 教員につきましては、児童生徒を指導するという業務の特殊性や免許を必要とするということから採用に困難性があるものの、九州各県に先立ち、障害者特別選考を実施してきました。しかしながら、受験者が少なく、採用者数が採用予定者数に達していない状況であることから、障害者団体と連携するなど制度周知をさらに徹底し、受験者数の拡大を図っていきたいと考えております。 教員以外の職につきましては、教育事務や実習助手、非常勤の事務職の障害者選考を継続してまいります。 これらの取り組みを着実に実行することにより、障害者雇用の促進を一層図っていきたいと考えております。 ○元吉俊博副議長 山本商工労働部長。 ◎山本和徳商工労働部長 視覚や聴覚障害のある方の雇用促進についてお答え申し上げたいと存じます。 視覚や聴覚の面での障害のある方につきましては、情報障害という特性から、その職域の限定でございますとか、コミュニケーションの面での克服すべき課題等がございまして、なかなか厳しい就職環境にあるものと認識してございます。 そこで県におきましては、ハローワーク大分に配置しております手話相談員による職業相談を初め、障害者就職面接会の実施でございますとか、委託訓練におけるパソコン科等の技能習得など、視覚や聴覚の面での障害のある方に対する就業支援を行っているところでございます。また、障害者就業・生活支援センターにおきましては、生活相談を含めたきめ細かな就業支援を行っております。 一方、国におきましても、障害者への画面読み上げソフトなど就労支援機器の貸与でございますとか、企業への作業施設の設置、整備に対する助成等がございます。これらによりまして、障害の特性に合わせた支援を行っているところであります。 県といたしましては、これらの支援制度の活用につきまして一層の周知を図りますとともに、本年度から就労継続支援事業を開始されておられます大分県盲人協会や大分高齢・障害者雇用支援センター、盲学校や聾学校等関係機関との連携を一層密にいたしまして、視覚や聴覚の面での障害のある方の雇用促進に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○元吉俊博副議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 状況はわかりました。 それぞれの機関におかれましては努力をお願いしたいと思っております。 また、雇用の状況そのものについても、ぜひ積極的に情報収集して、ミスマッチがないように、また、障害の種別によって雇用機会が失われるということのないように取り組みをお願いしたいと思っています。 ところで、関連する話になるんですけれども、各企業にこういった聴覚障害、視覚障害の方の雇用を積極的に取り組めというふうにしていくためには、大分県の職場においてもそういった方々が働きやすいような環境、受け入れられる環境をつくっていくことが必要じゃないかと思うんですが、今の大分県の職場を見たときに、採用試験は受けられるようになってますけれども、実際、職場に配置されたときに、働きやすいような職場環境になっているのかどうか、お尋ねしたいと思います。 ○元吉俊博副議長 奥塚総務部長。 ◎奥塚正典総務部長 知事部局は、先ほど雇用達成率は法定を上回っているということでございますが、職場環境についてはどうかというお尋ねでございます。 環境につきましては、できるだけ努力をいたしまして、どういうところが課題なのか、さらに雇用をふやすにはどうしたらいいのかというのを常々頭に置きながら、より広く雇用できるように検討を今後とも進めてまいりたいと思っております。 ○元吉俊博副議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 ぜひ積極的に取り組みをお願いしたいと思います。 特に、今の職場を見ていくときに、どうしてもスペースが狭いという中で、もし車いすの方がそこで働こうとしたときには、果たして車いすが行き来できるだろうかとか、先ほど、視覚障害、聴覚障害の方が働きづらいというふうな話もしましたけれども、実際問題、そういう方を受け入れる環境が整うだろうかといった部分でのチェックもお願いしたいと思ってますし、健常者として県に入って、それから障害を持ってしまうという方も少なくはないわけです。そういった方々も安心して働き続けられる環境を持つということが、やはり皆さんが安心して働く職場環境ということになるだろうと思いますので、そういった観点でぜひ取り組みをしていただければと思っています。一応、要望ということでお願いしたいと思います。 次の質問に移りますが、中小企業の再生支援についてなんですけれども、長期にわたる不況や円高による製造業の海外シフト、新興国の経済発展、また、テレビやネットによる無店舗販売といったことが二次産業、三次産業の産業構造を劇的に変化させ、その変化への対応がおくれた中小企業の再生といったものが非常に厳しい状況にもあるようです。 来年三月末で中小企業金融円滑化法が終了する予定ですが、昨日、古手川議員の質問でもありましたけれども、この中小企業金融円滑化法というのは、二〇〇九年の十二月に施行され、リーマンショック後の中小企業の再生に資するために、中小企業や住宅ローンの借り手から申請があった場合に、貸付条件の変更などを行うように金融機関への努力義務を課したものです。 施行後、東日本大震災も発生し、その影響による業績不振などによって中小企業の経営に影響を与え、二十三年四月と二十四年三月にこの円滑化法の施行期限の延長が行われています。その延長した期限が来年三月末に迫っているというような状況なんですが、ただ、今の現状を見た場合に、企業の再生も依然として厳しいままというようにも伺っています。 大分県商工会連合会が発行している「かるふーる」という機関紙があるんですけれども、その二百六十三号、十一月発行分ですが、これに相談を促す広告も記載されていましたので、実は、ここ、大分県中小企業再生支援協議会にお伺いして、どういう状況だろうかといったこともお話伺ったんですが、このお話を伺ったところ、一年以内に再生計画を策定することが条件変更の要件であるということで、改善計画が策定されていない企業だとか、改善計画が策定されているけれども、計画に達せず、条件変更を繰り返している企業が多く存在するということが気がかりだとおっしゃっていましたし、国が中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージを策定しているということから、円滑化法が終了しても金融機関の対応が急変することはないと思われるものの、円滑化法による返済猶予依頼、いわゆるこの法律に基づいて返済猶予を依頼するということができなくなることなど、また、数度の条件変更を繰り返して将来の見通しが不透明な企業、そういった企業に対して、やむを得ず金融機関の対応が厳しくなるということも予想されるというふうに言われていました。しかしながら、経営者みずからの経営意識が十分でなく、早期の抜本的な経営改善への取り組みを促す必要があるというふうに言っておりました。 中小企業を取り巻く情勢というのは厳しいものがありますから、このような状況において、中小企業の再生を図るために、関係機関で連携して取り組むために、大分県としてどのようなことに取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。 ○元吉俊博副議長 山本商工労働部長。 ◎山本和徳商工労働部長 お答えいたします。 県では、近年の厳しい経営環境を踏まえまして、経営改善や事業再生に取り組む中小企業を制度資金によりまして積極的に支援してきております。しかしながら、中小企業の経営力向上を図るためには、金融だけではなく、経営との一体的な支援が必要である、また、各支援機関による個別支援だけではなく、連携による支援が必要であるというふうに認識しております。 こうした考え方のもと、大分県では地域金融勉強会を開催いたしまして、地域金融機関との連携を図ってきておるところでありますけれども、来年三月末の金融円滑化法終了を見据えまして、大分県中小企業サポート推進会議を本年十月に設立したところであります。 このサポート推進会議は、県、信用保証協会、県内金融機関、商工団体のほか、中小企業再生支援協議会等で構成されておりまして、地域の支援機関が一体となって中小企業の経営改善や事業再生を支援することとしているところであります。 今後は、このサポート推進会議における支援を実効性の高いものとし、事業再生につなげていくため、支援等に係る情報共有によりまして構成機関の再生スキルの向上を図るとともに、連携意識のさらなる強化に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上です。 ○元吉俊博副議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 時間が少なくなってまいりましたので、済みません、ぜひ積極的な中小企業支援のための取り組みをお願いしたいと思います。 最後に、新規高卒者の早期離職対策についてお尋ねしたいと思います。 県下の高校再編が進む中で、実業系の学科を持った高等学校が二十七校三十八学科、今あるわけでございますが、幸いにも就職希望新規卒業者の就職内定率というのは、二十三年度末の調査では九八・七%と全国十位、九州では一位ということですが、卒業後三年経過時点の離職率、これは二〇〇九年の卒業生で三三・一%となっています。この数字を教育長はどのように見られるでしょうか。私は、この高さが非常に気になっています。 実業系の学科に進んだからには、その道について自信を持って卒業できることが大事だと思っていますし、実業系学科を卒業する生徒が、三年できちんとその道で鍛えられ、その道のプロとして企業からも注目を浴びる人材へと育っていくことができる環境を整えていくべきだろうというふうに思っています。そういった面から見たときに、大分県高校の実業系の生徒をどのように育てていくかというスタンスについてお尋ねしたいと思います。 ○元吉俊博副議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 お答えをします。 本県の就職後三年間の離職率は三三・一%で、ここ二年間で一〇ポイント以上改善をいたしまして、九州、全国平均を下回っていますが、さらに改善をしていく必要があると考えています。 特色ある取り組みとして、国東高校の農業科では、高校で全国三例目となるJGAP認証を取得し、安心、安全な農業生産技術を習得しています。また、鶴崎工業高校では、ロボット製作等を通して高度な技術、技能を習得し、全国大会で優秀な成績を上げるなど、各専門高校は学科や地域の特性を踏まえたスペシャリストの育成に取り組んでいます。 専門高校では、三年間を見通したキャリア教育推進計画を立てて、職業観を養うための講話やインターンシップ等を通じて、職業人としての基礎となるコミュニケーション能力の育成や企業理解を深める取り組みを進めています。 また、卒業生に対しても、企業訪問等を通じた支援を行うとともに、経済団体や企業等と職場定着促進に向けた情報収集、意見交換等を行っているところです。 今後とも、これらの取り組みを通じて早期離職者防止に努めてまいりたいと考えています。 ○元吉俊博副議長 守永信幸君。 ◆守永信幸議員 まだまだ議論したいことはいろいろあるんですが、ちょっと時間がなくなってしまいましたので、高校に入った生徒がその三年間で自信を持って卒業できるような教育システムを目指して取り組んでいただきたいことをお願いして、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○元吉俊博副議長 以上で守永信幸君の質問及び答弁は終わりました。土居昌弘君。  〔土居議員登壇〕(拍手) ◆土居昌弘議員 おはようございます。二十番、土居昌弘。 ただいまから一般質問を始めますが、まず、質問の冒頭に、お礼を申し上げたいと思います。それは、この夏の九州北部の水害についてです。 大分県では、現在、被災したところの復旧工事に全力で取り組んでいただいております。また、去る十一月二十八日には、知事みずから中津、日田、玖珠、竹田を訪れて、復旧の現状と地元自治体の要望をしっかりと聞いて、今後の復旧、復興へつなげていこうとされております。 私は、県民の暮らしの現場に目を向けた県のその真摯な姿勢に頭が下がります。深く深く感謝申し上げます。どうか今後ともその姿勢を大事にされまして、被災された地域の復旧、復興に当たっていただければと思っております。 それでは、質問に入ります。 まずは、肉用牛の振興についてです。 五年に一度開催される日本最大の和牛の祭典、第十回全国和牛能力共進会が去る十月二十五日から二十九日まで長崎県で開催されました。五日間で約四十九万人の来場者が詰めかける中、全国三十八道府県から出品された代表牛四百八十頭が日本一の座を競いました。私たち大分県議会自由民主党・無所属の会でも駆けつけて熱い戦いを見守りました。審査の結果、宮崎県が九部門のうち五部門で一位となり、総合成績で前回の鳥取大会に続いて二連覇を果たしましたが、本県の代表牛も第一区と第五区で一等となり、農林水産大臣賞を獲得するとともに、出品した九部門のうち八部門で優等賞に入賞するなど、総合三位の好成績をおさめることができました。 しかし、一方で、本県の肉用牛を取り巻く情勢は厳しさを増すばかりでございます。高齢化による飼養戸数の減少に加え、長引く景気の低迷で牛肉消費が落ち込み、卸売価格の下落は一向に回復の兆しが見えないのが現状です。これに追い打ちをかけるように、飼料代の高騰、さらにはBSE対策として実施してきた牛肉の輸入規制も緩和される方針が決定、今後、価格の安い輸入牛肉の増加で国内の卸売価格の下落がさらに進むことが懸念されます。 今回の長崎大会での県勢の活躍は非常に喜ばしいことではありますが、上位入賞できなかった肉牛部門の課題はもとより、今大会の結果をこれからの肉用牛振興にしっかりと生かして、農家の経営安定につなげていく取り組みが重要であると考えます。 そこで、今回の共進会の快挙を弾みとして肉用牛振興にどう取り組むのか、見解を伺います。  〔土居議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○元吉俊博副議長 ただいまの土居昌弘君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 土居昌弘議員から肉用牛の振興についてご質問を賜りました。 全国和牛能力共進会では、全九部門中二部門で優等賞一席の農林水産大臣賞を獲得しまして、総合でも、宮崎県、鹿児島県に次いで、三位のすばらしい成績をおさめることができました。宮崎県や鹿児島県とは飼養頭数に格段の差がある中で、大健闘だと思います。出品者や関係者のご努力に対しまして、改めて敬意を表したいと思います。五年後の宮城大会では、ぜひとも日本一を目指していただきたいと思います。 県といたしましては、今回の成果を豊後牛のブランド力向上や産地の活性化につなげていくことが大事であるというふうに考えます。そのためには、これまで取り組みの弱かった川下の流通対策を強化するとともに、川上の生産対策を加速する必要がありまして、次の三点の対策を柱に肉用牛の振興を図っていきたいというふうに考えております。 第一に、流通対策であります。 県内のホテル、旅館、飲食店等の取り扱い認定店は十九年の六十五店舗から百八十七店舗まで拡大しましたけれども、これらの店にさえ豊後牛を安定的に提供できていないことが課題でありまして、流通量、品質、価格面で取り扱い店のニーズにこたえられるように、食肉業者や関係団体と一体となって供給体制を見直さなければならないと考えております。 大阪南港市場におきましても、この五年間で出荷頭数が四百四十二頭から七百三十二頭にふえましたけれども、まだまだ少ないと言われておりまして、流通関係者からのさまざまな意見を取り入れた産地づくりを進めて、出荷量の拡大に努めたいと思います。 また、牛肉に対する嗜好も変化していることから、うまみ成分であるオレイン酸を新たな売りにした販路拡大にも取り組みたいと思います。 さらに、先月、香港で始まりました「大分フェア」では、海外で初めて豊後牛を提供しました。経済成長著しい東南アジア等への輸出に取り組むことで、新たな販路開拓につなげていきたいと考えております。 第二は、肥育対策であります。 市場ニーズに対応するためには、十分な出荷量と安定した品質の確保が必要であります。そのため、牛舎等の施設整備や肥育牛の増頭を支援するとともに、農家への技術指導を徹底して肉質の向上に努めます。あわせて、オレイン酸含量を高める肥育技術の普及にも取り組みたいと思います。 第三は、繁殖対策であります。 市場性の高い子牛の生産をふやすために高能力雌牛の導入を支援するとともに、耕作放棄地等を活用した放牧や飼料稲など自給飼料の利用を推進しまして低コスト生産による繁殖基盤の拡大を図ります。 また、生産者の期待をいただいておりました但馬系種雄牛の「光星号」が今度の共進会で高い評価を得たところでもありまして、引き続き優秀な種雄牛の造成に力を入れまして、子牛市場の活性化を図りたいというふうに思っております。 こうしたさまざまな取り組みによりまして、生産者や関係団体と一体となって豊後牛のブランド化を推進していきたいというふうに考えております。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 流通対策、肥育対策、繁殖対策ということで答弁いただきました。 私は、今後の大分県の畜産政策を考えた場合、肉質を全国に誇れる豊後牛、これを確立するということが大切ではないかと思っております。繁殖対策でございます。例えば、種牛の造成のあり方の問題、よく農家の方から、県は生産者の意見を聞きながら造成してよと強く望まれております。畜産研究所が研究のための研究になっていて、農家のための研究所になっていないという辛らつな意見までいただきます。研究所のデビュー前の種牛、待機牛の表を見ても、つける気にならないとおっしゃいます。市場性に乏しいというのが皆さんの評価でございます。 そこで再質問いたしますが、市場性のある種雄牛を造成していく、これをどのようにして造成していくのか、この観点に絞って、畜産行政の方向を伺います。 ○元吉俊博副議長 阿部農林水産部長。 ◎阿部良秀農林水産部長 お答えをいたします。 種雄牛の造成ということで、これは非常に重要な課題であるわけでございますけれども、これは県内外から優秀な繁殖雌牛を、例えばドナー牛として購入いたしまして、そして受精卵移植技術を活用した種雄牛の造成、そういった取り組みもやっぱり必要ではないかというふうに思っております。 これについては、やはり畜産研究部を中心に、効率的な手法について現在検討を重ねているところでございまして、これは当然、先ほどご指摘にもございましたように、生産者の皆さんが本当に使いやすいということが何よりも肝心でございますから、生産者の皆様方のご意見を十分お聞きした上で、生産者、そして農業団体、行政、一体となって取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 ありがとうございました。 その姿勢を忘れずに取り組んでいただければと思います。 十一月二十八日の日本農業新聞に十月の全農の全国四十三市場の子牛取引結果が出ていましたが、一頭当たりの平均価格は、玖珠市場、豊肥市場ともに、もちろん全国平均以下でございます。 今、大分県では、もうかる農業を実践しています。ぜひとも畜産分野にもこのもうかるという経営的視点を取り入れて、これまでの県の縛りをほどいて、政策を結い直し、再構築して、もうかる畜産を目指してほしいです。そして、畜産農家の方々を笑顔にしていただきたいと思います。ぜひともよろしくお願いいたします。 次に、障害者の工賃向上に向けた取り組みについてお伺いします。 本県では、平成二十年三月に大分県障害者工賃倍増五カ年計画を作成し、障害者福祉施設での工賃の向上に取り組んできました。計画の平成二十三年度の目標は、一人当たりの平均工賃月額二万七千円。これは、実現の可能性を勘案し、平成十八年度の平均工賃月額一万三千四百八十九円の約二倍と設定したものです。ところが、平成二十三年度の平均工賃月額の実績は一万四千四百六十二円と、平成十八年度のわずか七%の増加にとどまりました。これを県の施策評価では、一万四千四百六十二円を目標額二万七千円で割った五三・六%もあったと成果指標で示していますが、本来は、わずか七%の達成率であったと猛省すべきだと思います。 平成二十五年四月から障害者優先調達推進法が施行され、官公需の優先的発注や公契約の競争参加資格に法定雇用率を満たしていることを条件にするなど障害者の工賃向上に向けた追い風が吹いています。 そこで、県のしっかりとしたサポートをお願いするとともに、障害者の工賃向上に向けた県の見解をお伺いします。 ○元吉俊博副議長 永松福祉保健部長。 ◎永松悟福祉保健部長 障害者の工賃向上についてお答えいたします。 障害者が自立した生活を送るためには、工賃水準の向上を図ることが必要でございます。そのため、工賃倍増五カ年計画に基づく取り組みを進めてまいりましたが、残念ながら計画の達成状況は著しく不十分との評価になりました。 事業所の多くが小規模であり、商品開発や販路開拓などのノウハウが乏しく、まとまった受注が難しいなどの課題がございます。このため、今年度新たに三年間を期間とする工賃向上計画を策定し、企業的経営手法導入のためのアドバイザー派遣や営業ノウハウを学ぶ研修の実施、さらには共同受注できる仕組みづくりを進め、事業所の工賃向上の取り組みをしっかりサポートしてまいります。 また、今回、決算特別委員会審査報告書の意見や議員のご指摘も踏まえ、障害者優先調達推進法の施行を機に、官公需の一層の拡大を市町村や国の機関に働きかけるとともに、公契約の入札参加資格について障害者就労施設等からの調達を要件にするなど、事業所の受注機会を拡大するため、法律を最大限活用してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 ありがとうございました。 新たに計画を始めるということで、これまでの反省を踏まえて、どの作業に力を入れるのかとか、アドバイスを受ける際に、その心構えと準備とか、例えば工賃向上の成功事例集をつくるとか、こういう取り組みもやっていただければと思います。 そこで、ここでは二点に絞って県の考え方を再度伺いたいと思います。 まずは、県とか市町村からの発注についてです。 県下の障害者施設からは、今年度も地元の自治体から仕事をいただけないという声をよく聞きます。県では施設への仕事の発注が増加しているようですが、その姿勢が県下の市町村まで広く伝わっていないんではないかと危惧しております。これをどのようにして伝えていくのか。そして、仕事をどのようにして掘り起こしていくのか。これについて、まず一つお伺いします。 もう一つは、障害者施設の仕事は、あくまでも福祉的就労だということです。ここが賃金向上に向けた取り組みをすることによって、福祉の世界の負担になるおそれがあると思います。例えば、竹田市にある「やまなみ」では、二十二年度の平均工賃は一人一万三千五百三十一円。そこで、計画に沿って仕事をふやしました。ふやした仕事は施設外就労、主なものは草刈りです。農家の方々が休んでいる真夏の日中も草刈りをいたしました。頑張って、平成二十三年度の工賃は一万八千五百八十四円までなりました。ところがです。精神を患って通っている皆さんが、過労のため心身ともに疲れ果ててしまって、体調を崩されました。皆さんからは、もっと話や相談をする時間が欲しいという声が上がりました。それを受けて「やまなみ」は、今年度は、賃金向上に関する加算金が減ることも覚悟の上で草刈りを減らしております。賃金向上計画、これでいいのかどうかです。この辺を県はどのように整理されているのか、お伺いします。 ○元吉俊博副議長 永松福祉保健部長。 ◎永松悟福祉保健部長 まず、官公需の拡大についてでございます。 先ほど答弁しましたとおり、来年の四月から施行されます障害者優先調達法によりまして、県や市町村は物品や役務の調達目標を定めた方針を作成し、実績を公表することが義務づけられております。これを契機に、発注の少ない市町村に成果の上がっている事例などを紹介し、視察等に出向いていただくよう働きかけるなど、官公需の発注促進に向け、県といたしましてもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 それから二点目でございますが、工賃向上の取り組みの対象となります就労継続支援B型事業所、旧授産施設でございますが、企業などで一般就労が難しい障害のある方に生産活動の場を提供し、就労に必要な知識や能力向上を図るための訓練及び生活支援を行う事業所でございます。このため、B型事業所におきましては、障害のある人の一人一人の作業適性や意向を大事にするとともに、日々の体調に最大限の配慮をすることが何よりも大切だと考えております。その上で、計画的に生産活動の機会を提供して工賃向上を目指すことが必要であると考えております。やはり、基本的には、そこで通所される方のニーズに適切に対応する、その上で工賃向上を目指していく。順番としてはそういうことだというふうに考えております。 以上でございます。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 ありがとうございます。 例えば、経営のアドバイザーの方が全く福祉の世界はわからないということでは困りますので、しっかりと勉強されて、それぞれの施設に行っていただければと思います。 いずれにしましても、この計画は問題が幾つもあります。就労支援B型と生活訓練に取り組んでいる事業所は、生活訓練の方々をB型に移行しなければなりません。つまり、より重度な方々も一緒にして平均工賃は計算されると思います。これで平均工賃上げようというのはちょっと難しいんではないかと思いますし、そして、さまざまな問題が行き着くところは、工賃を上げることが果たしてより豊かな生き方に結びつくと言えるかどうかということです。生きがいや働くというのは、単に貨幣価値に交換できないと私は考えています。工賃が低かろうと、その人にとってはとうとい仕事もあります。そもそも工賃倍増をうたって小手先の施策で何とかしようとする国もおかしいんですけれども、この根本のところを再度考えてみる必要もあるようです。その辺のもやもやが残ったままですが、今後も議論を重ねながら曇りを晴らしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、本県では、児童福祉法に基づく児童養護施設や生活保護法に基づく救護施設、また、老人福祉法に基づく養護老人ホーム、さらには、障害者自立支援法に基づく障害者自立支援施設など社会福祉施設を経営する法人に対する自動車税を免除するとともに、障害福祉サービス事業のうち就労移行支援事業及び就労継続支援事業を行う社会福祉法人に対する自動車税を免除しています、現状。社会福祉施設については、社会福祉法人に限らず、施設を経営する法人であれば免除することになっていますが、障害福祉サービス事業については、社会福祉法人に限って免除するということになっています。つまり、社会福祉法人と同じサービスをするNPO法人は免除されません。 長期総合計画においても、NPOとの協働を推進する本県です。社会福祉法人と同じ障害福祉サービス事業を行うNPO法人に対する自動車税も免除すべきだと思います。九州各県においても、既に福岡県、宮崎県、鹿児島県がNPO法人に対する自動車税を免除している例もあります。この辺の見解をお伺いします。 ○元吉俊博副議長 奥塚総務部長。 ◎奥塚正典総務部長 社会福祉法人等に対する自動車税の課税免除についてお答えをいたします。 本制度は、原則といたしまして社会福祉法人が経営する第一種社会福祉事業の高い公益性に着目をいたしまして、昭和四十九年度に創設をされたものであります。 その後、平成十八年度の障害者自立支援法の施行によりまして、それまで第一種社会福祉事業として授産施設で行われていたものが、就労移行支援事業や就労継続支援事業といたしまして第二種社会福祉事業に位置づけられたため、本県ではこれまでとの均衡から、この事業を社会福祉法人が経営する場合に限って、引き続き課税免除の対象としているものでございます。 課税免除につきましては、もとより、その運用に当たって、まずは公平性の原則にのっとり、また、政策効果と税の減収規模との比較などを含めまして、慎重な検討が必要と考えております。 障害福祉サービス事業は、人員や設備など一定の基準を満たしますと営利法人、非営利法人ともに事業への参入が可能でありまして、また、事業の種別、内容も多岐にわたっております。 仮に障害福祉サービス事業を課税免除とする場合には、NPO法人を含めまして、どこまでの経営主体を対象とするのか、また、どの範囲の事業を対象とするのかについての検討が必要であります。しっかりと研究してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 ありがとうございました。 研究してまいるということですので、ぜひいい方向に結果が出ればと思っております。 私は、県が、例えばNPOの応援基金をつくるという話も聞いておりますが、県政の首尾一貫性がちょっと欠如しているんじゃないかと感じています。私たちの暮らす公共を支えてくれるNPO法人、これが社会福祉法人と同じサービスをしているのに、県税の優遇措置がないというか、公益性が高いと認められないというのは、ちょっと不思議な感じもいたしますので、ぜひともご検討をお願いいたします。 次に、民生委員の配置についてお伺いします。 民生委員は、生活困難者の相談に乗り、必要な支援につなぎ、行政や社協などと連携しながら、個人と地域の福祉の向上に取り組む行政委嘱のボランティアでございます。 私の知り合いの民生委員さんも、毎日と言っていいほど、受け持たれた地域の方を訪ね回っています。しかし、受け持たれている地域が広く、大変苦労されています。知らない人のところまで出かけて行って相談を行っているということです。そして、その方が、私が民生委員をやっているために住民に迷惑をかけているんではないかと悩んでもいました。私は、この話を聞いて、地域の実情に応じて民生委員を柔軟に配置する必要があるんではないかと考えています。 住民が安心して地域で暮らしていけるためにも、身近な場所で人々の生活を支える民生委員はとても重要であります。しかしながら、民生委員の定数は世帯数で決められています。 そこで、平成二十五年十二月一日に民生委員が一斉改選されますが、地域の世帯が減少し、担当する地域が広範、広域にわたる場合に、定数を増員していただきたいと思うのですが、ご見解をお聞かせください。 ○元吉俊博副議長 永松福祉保健部長。 ◎永松悟福祉保健部長 民生委員の配置についてお答えいたします。 民生委員の配置は、市町村ごとの世帯数に応じて、国が定める基準に基づき、県が地域の実情を踏まえ、決定しております。その定数は、中核市である大分市を除き、千八百六十五人でありまして、一人当たりの受け持ち世帯数は、九州で一番少なく、国の基準内でもあることから、増員は考えておりません。しかしながら、高齢化や過疎化の進展に伴い、ひとり暮らし高齢者の見守り、災害時要援護者の避難支援、子育て家庭の孤立防止など民生委員に期待される役割は増加しております。このため、担当地域が広範囲にわたる場合や担当する世帯数の差が大きい場合には、民生委員協議会による調整が必要であると考えております。 県といたしましては、民生委員の負担を軽減するため、市町村社会福祉協議会、地域包括支援センターなど関係機関とのネットワークづくりや地域ケア会議等の充実強化に市町村と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 地域ケアを高めるために連携を深めていくということも大事ですが、やはり民生委員は地域にとっては大切な方々です。近年では、災害が起こるたびにその役目が追加されるという民生委員、過疎・高齢化社会を迎える地域では、その役割はさらに重大です。しかしながら、例えば竹田市です。竹田市では、選定基準を国の基準の一番低い百二十にしています。しかし、過疎化が進むため、平成十九年度の改選で姥岳地区が四名から三人になりました。二十二年度の改選で入田地区が四名から三名になりました。そして、このままなら、二十五年度に竹田市南部か北部で、また一名の減という予定です。法的に補充ができないのであれば、県として何とかこの辺を見ていただきたい。同等の役目を持つボランティアを配置するなどして加勢をしていただきたいと思っていますが、この辺をしっかりと検討していって、地域の福祉向上のためにご尽力いただければと思っております。 次に、大蘇ダムについてです。 大蘇ダムについては、知事は、本県議会の提案理由説明で「一定の方向性が見出されたことから、農業用水の供給を心待ちにしている農家の皆さんの思いをしっかりと受けとめ、国営事業に伴う新たな県負担について受け入れたい」と述べられました。県も県負担を含む対策内容について十分検討してきたと思いますが、今回の知事の表明は、まさに大蘇ダムの一日でも早い完成を待ち望んでいた地元の思いを踏まえたものであり、私の思いも全く同じでございます。 また、昨年五月の渇水時において大蘇ダムからハウス等へ水の供給ができたことや、本年の竹田市を襲った豪雨災害においても、水路等取水施設が被災する中、早急に大蘇ダムからの補水を行い、営農を行うことができたことなど、改めて大蘇ダム用水の必要性を認識しているところでもございます。 一方、国営事業の実施となれば、もう一つの受益地は熊本県です。熊本においては、「受益面積について見直しをしたい」とか、「現状の大蘇ダムのままでよい」という意見があると聞いています。 つきましては、このような熊本県の状況を踏まえ、県として負担を受け入れるに至った経緯を説明していただくとともに、今後の大蘇ダム対策を踏まえた竹田地域の農業振興についてどう考えているのか、お伺いします。 ○元吉俊博副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 私はこれまで大蘇ダム対策工事につきましては、国の責任で実施していただきたいというふうに申し上げてきたところですけれども、国の方からは、「これまでの経緯だとか、あるいは国の財政状況等を考えると、国営事業以外での対応は難しい」という話があったところです。国営事業ということになりますと、今度は追加負担が県の方に生じるわけでございまして、私もその点でいろいろ思い悩んだところですけれども、特に次の三つの点について検討して判断をしたところであります。 一つ目は、国がダムの早期完成の方向性を示すということであります。 去る九月十八日でございますけれども、私は、郡司農林水産大臣と面談いたしました際に、大臣の方から、早期完成に向け、前向きな回答をいただいたところであります。 二点目は、対策工事の工法についてでございまして、十分検証しなければならないというふうに考えております。 国との協議に加えまして、県独自で技術的検証を行って、耐久性等を確認したところであります。この耐水性、耐久性が実は今度の問題の発端でございましたので、そういった意味で、ここのところの技術的な検証も十分に我々としても行う、できるだけのことをやってきたということであります。 三点目は、将来の維持管理費についてでございます。 これが少なくとも増加しないように考えてもらわなきゃいかぬというふうに思っております。国からは、施設等の見直しによりまして農家負担は増加しないという旨の回答がありまして、これらのことから、一定の方向性を見出すことができたかなというふうに考えて、今回の判断に至ったものであります。 他方で、現状のダム機能では計画水量の約四五%しか供給することができないということから、国の立ち会いのもとで、熊本県と今後の対策工事の必要性について協議をしたところでございます。熊本県の方は、「現状のダム機能の範囲内で受益面積を調整する。だから、対策工事の実施はもう望まない」というお話でありました。 県といたしましては、地元農家の皆さんが一日でも早く安心して農業に取り組むことが何よりも大事であるというふうに考えておりまして、本県の必要水量の確保のために、国の提示するダム全面の対策工事とそれに伴う県負担の受け入れを最終的に判断したということであります。 今後の竹田地域の農業振興についてでありますけれども、ダム完成によりまして潤沢な水を生かした農業を展開することが可能となるわけでございます。これが地域の皆さんが何よりも望んでいたところでございます。 畑については、主力作物であるトマトの産地拡大等に加えまして、キャベツなど露地野菜の計画的な栽培が可能となりまして、県内最大の高原野菜の適地としてのメリットを十分に発揮できるようになると思います。 また、水田は、慢性的な水不足が改善されまして、水管理労力の軽減によりまして担い手への農地集積が図れるようになると思います。 こうした取り組みは、地域の農業経営の安定に資するとともに、後継者の育成だとか、あるいは企業誘致にもつながることから、大蘇ダムの完成は、竹田地域の農業振興はもとより、本県の農業、農村の発展にも大きく寄与するものというふうに確信をしているところであります。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 本当にありがとうございました。 受益者の皆さんが切望していた明るい未来が近づいた感がします。深く感謝いたします。しかし、このダムが完成しますと竹田市の負担が生じてきます。 そこで、完成後の維持管理に関する竹田市の負担軽減策、これを県はどのように対応していくのかについてお伺いします。 ○元吉俊博副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 おっしゃるとおり、対策工事とともに、完成後の維持管理も重要な課題だというふうに思います。特に大蘇ダムにつきましては、受益地が大分と熊本、二県にまたがること、火山灰地での難しい工事となること、これがあったもんですからこれまで時間がかかったわけでございますから、火山灰地での難しい工事となるということもよく考えていかなきゃならないということで、そういったことから維持管理については特別な技術的な配慮がしばらくの間は要るんじゃないかということで考えております。このために、郡司農林水産大臣と面談いたしました際に、大蘇ダムを国が直轄管理するようにお願いをしてきたところであります。 国直轄管理に向けては、今後、国において管理内容や受益面積等多岐にわたる検討が必要となりますけれども、国直轄管理ということができれば、竹田市を含めて維持管理に係る地方負担の軽減が図られるということになりますので、県としても引き続き国の方に要望していきたいというふうに考えております。 今、そのことについて直接判断をする時期ではないと思いますけれども、時間をかけて粘り強く要望していきたいというふうに考えておるところであります。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 ぜひとも、竹田市と県とが一緒になって、負担軽減策を国に引き続き要望していただければと思います。何とぞよろしくお願いいたします。 次に、中九州自動車道の整備についてお伺いします。 先月、大分、熊本両県の知事並びに議長がそろって国土交通省に中九州自動車道の早期整備に向けた要望活動を行っていただきました。そのことに対して、地元住民は大きな期待を寄せています。と申しますのも、これまで熊本が余り乗り気じゃなかったんではないかというような気配を感じておりますので、熊本県知事も広瀬知事と一緒になってというところに期待をしている次第でございます。 そこで、中九州自動車道の早期完成に向けた県の今後の見解を伺います。 ○元吉俊博副議長 畔津土木建築部長。 ◎畔津義彦土木建築部長 お答えいたします。 中九州横断道路は、大分、熊本の県庁所在地を結び、両県の連携を促進するとともに、沿線市町村の活性化を支援する重要な道路でございます。また、大規模災害の際には九州を東西に結ぶ緊急輸送道路としての役割を担うことから、一日も早い整備が求められております。このため、県といたしましては、現在事業中の大野-竹田間の早期完成と竹田-県境間の事業化に向けた区間指定を国にお願いしてまいりました。 こうした中、七月の九州北部豪雨によりまして阿蘇市滝室坂付近で国道五七号が被災し、通行どめにより社会生活へ大きな影響が生じました。これを受けまして、十一月には、滝室坂付近に中九州横断道路にも活用可能な形で災害に強い道路を整備するよう、大分、熊本両県知事と議長によりまして国へ合同要望をいたしました。これが事業化されますと、県境付近の整備に弾みがつくものと期待をいたしておるところでございます。 今後は、沿線市町村や熊本県との連携をさらに深めながら、中九州横断道路の整備促進に向け、国へ強く働きかけてまいります。 以上でございます。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 ありがとうございました。 大分県並びに熊本県、連携を深めて、引き続き要望のほど、よろしくお願いします。 十一月二十日には、大分、熊本両県の関係自治体で構成する中九州地域高規格道路期成会も財務省に予算確保の要望をしております。早く竹田まで、そして荻に、それから熊本へというのが私たちの願いでございます。引き続きましてご尽力のほど、何とぞよろしくお願いいたします。 次に、中山間地域の高校の活性化についてお伺いします。 竹田市には、竹田高校と三重総合高校久住校の二校の県立高校がございますが、少子化が進む中、定員はどんどん少なくなっています。少子化がさらに進んでいけば、将来的には学校の存続が危ぶまれることになり、地域の力、元気もなくなっていくんじゃないかと市民の皆さんは不安を抱いております。 島根県では、平成二十二年度入学生から離島や中山間地域の高校で県外からの入学生を積極的に受け入れており、隠岐島前高校では平成二十四年度の入学生のうち県外生が二十一人ということであります。 本県においても中山間地域の高校に県外からの入学生を受け入れてはどうかと思いますが、見解を伺います。 特に、久住校には、定員三十七人の男子寮と定員十二人の女子寮もあります。受け入れ体制も既に整っていると私は思いますが、いかがでしょうか。 ○元吉俊博副議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 お答えします。 島根県立隠岐島前高校で見られる県外生の受け入れは、地元自治体による寮費の半額助成や島民による県外生の身元引き受け制度、大学進学を支援する公営の学習塾設立など、全島挙げた協力体制によって行われているものと認識をしております。 一般的に、中山間地域の高校が生徒を全国公募する場合、このように、県外生が親元から離れた土地で安心して暮らし、学べる環境が必要不可欠であります。 議員ご提案の久住校においても、寮の維持管理や運営体制の整備、また、生徒の身元引き受けとなる地元住民の協力などの課題もあり、現時点で県外生の受け入れは考えておりません。 今後とも久住校が、地域特性を生かし、畜産を中心とした農業教育に力を入れ、米や野菜の生産なども総合的に学ぶ学校として充実発展していくよう努力してまいりたいと考えております。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 では、一つ質問いたします。 久住校の件は、また今後も検討を続けて、さまざまある課題をどのようにして乗り越えていくのかというところで知恵を絞っていただきたいと思いますし、私も頑張っていきたいと思います。 質問は、竹田高校についてです。県外の生徒の県内高校への志願要項についてお伺いします。 県の条件では、基本的に県内に家族と住んでいないと県内の高校は受験できません。ただし、中津市と日田市は、福岡県との関係が密なため、隣接する県外地域の取り決めで、福岡県の隣接中学校から県外者の志願手続なしで大分県の隣接高校を受験できます。しかし、豊肥地区にはその制度がございません。竹田は、昔から熊本と交流がありました。竹田高校にも、昭和五十年ごろまで、産山や波野、小国から生徒が来ております。 そこで、今ある県外からの入学生徒を緩和できないのか。県外からの生徒受け入れ、それを決めている要項を緩和できないのかということについてお伺いします。 ○元吉俊博副議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 確かに、中津と日田地域について、県外からの生徒を一定程度受け入れております。これ、例えば中津に関して言いますれば、歴史的に豊前の藩ということで、中津とその隣接の町村が一体的な社会、あるいは経済的な状況の中で形成されたものでございます。 私の方といたしましては、県内の高等学校というのは、基本的に大分県の子供たちのためにあるというふうに考えております。そういう意味で例外的な措置ということでございまして、現在のところ、豊肥地区について、県外生の子供を受け入れるという考えはございません。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 実は、竹田市、十月一日現在で、中学三年生、来年、高校一年生、その数が百八十七人です。今の中二、再来年の高校入学生が百三十人です。過疎・少子化が深刻で、死活問題でございます。昨日の一般質問の問題と同じでございます。しかしながら、その流れに抗して、竹田市で受ける高校教育というすばらしい環境を後世の人にも残していきたいという思いもございます。 熊本県教育委員会では、県立高校の定員五%以内なら要件なしに県外からの生徒を受け入れています。例えば、荻の緑ケ丘中学校、ここからは、毎年と言っていいほど阿蘇の高校に進学する生徒もいます。しかしながら、熊本と隣接する豊肥地区には、熊本の生徒を呼べません。ここに不公平感を感じているのも現状でございます。また、熊本と同じ条件を豊肥地区に設定することで、豊肥地区内のそれぞれの学校の特色が強調され、個性ある学校づくりが可能になるんではないかと思っていますが、この辺について、ちょっとお伺いします。 ○元吉俊博副議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 現在、原則として、県外からの受験につきましては、審査をして許可をするという手続をとっておりますけれども、その中で一番重要視しておりますのは、子供が学ぶということだけではなくて、生活という面できちんとサポートできるかということでございます。したがって、県外から本県の学校を受ける場合に、保護者の転居等を原則としております。そういった面もありまして、今の時点で県外からの受験、そして県外から竹田高校に入ってくるのを直ちに検討すべきという段階ではないというふうに思っております。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 引き続きまして議論させていただきたいと思います。 次に、県立美術館について質問いたします。 現在、平成二十七年度の開館に向けて、いいちこ総合文化センターと呼ばれる県立総合文化センターの向かいに県立美術館の整備が進められています。そこで、隣接する県立総合文化センターとあわせて県の芸術文化の拠点づくりを行うために県芸術文化ゾーン創造委員会が八月に設置され、十一月十七日の第三回委員会終了後には中間答申が県に提出されました。 委員会の中では、両施設を拠点に、県内各地の美術館、また、アート拠点、県内の文化ホール、県内市町村などとネットワークづくりが必要であること、また、芸術には、文化的な価値だけではなく、社会的、経済的な価値を持つ必要があることなどが議論されたと聞いております。 こうした取り組みを行うためには美術館と文化センターとを芸術文化ゾーンとして同一の主体が管理することが必要であり、県全体の総合的な文化振興を行うため、財団法人大分県文化スポーツ振興財団が指定管理者として管理することが望ましいと言っております。しかし、指定管理については、知事が以前、「管理者に任せっきりになる」という答弁をいたしております。「そういうおそれがある」と述べております。 そこで、中間答申を受けての知事のお考えをお聞かせください。 ○元吉俊博副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 八月に大分県芸術文化ゾーン創造委員会を設置いたしまして、県立美術館と総合文化センターが連携した企画運営の展開及び両施設が連携するための組織、管理体制について諮問をしたところであります。 芸術文化に関しまして深い知見のある委員の皆さん方から多岐にわたって含蓄のあるご意見をいただいて、県としての責任の大きさに身の引き締まる思いがしたところであります。来年の二月に最終答申をいただくということで、楽しみにしております。 私はかねてより、芸術文化活動は教育やまちづくりなど他の分野の活性化に大きな役割を果たすものと考えておりましたけれども、委員会の議論を聞く中で、芸術文化には、その活動を通して、子供たちが地域に誇りと愛着を感じるようになったり、あるいは高齢者の方々が生きがいを持つようになるなど社会的な価値があること、また、観光面での新たな需要や地場産品の付加価値の創出という経済的な価値があることを再認識したところであります。 委員会では、企画運営に関しましては、美術と音楽、演劇、舞踊などさまざまなジャンルの芸術文化を融合することで人々に新たな発見、感動を与える事業の実施だとか、あるいは医療・福祉、教育、産業など多様な分野との幅広い連携を進める必要があるといったようなこと、さらには、そのための組織、管理体制は一体的なものですべきであるというようなご意見をいただいております。 先月開催されました第三回委員会で、県の平成二十五年度の組織改正等に反映できるように、組織、管理体制について中間答申をいただきました。県直営と民間委託の両方の強みを生かしながら県と連携して両施設を一体的に管理運営していくために、大分県文化スポーツ振興財団の体制を強化した上で指定管理者とすることが望ましいという答申内容になっております。 これまで財団は、文化ホールの管理運営に加えまして、各種の自主文化事業にも取り組んでまいりました。しかし、今後、美術館を含めて、委員会の求める事業や幅広い分野との連携などに取り組むには、現在の組織や事業を抜本的に見直す必要があるだろうというふうに考えておりまして、県としましても、財団の機能、体制の強化にしっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。 その上で、今回の中間答申を真摯に受けとめまして、美術館及び総合文化センターの両施設について、このように見直し、強化された財団を管理者として指定するとともに、県としましても、文化を活用して医療・福祉、教育、産業など諸課題に対応することを重要政策として位置づけまして、財団と一体となって本県の芸術文化振興を図っていきたいと考えております。 決して財団に任せっきりにならないように、財団と一体となって芸術文化の振興を図っていく、そういう県側の体制づくりもやっていかなければならないというふうに考えているところであります。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 ありがとうございました。 美術館と文化センター、組織、管理体制を一体的なものにしていこうということと、県は、財団と一体となって、責任持ってかかわっていくということがわかりました。 もう少し聞きたいと思います。 ならば、美術館の設置条例は新たに制定するのでしょうか。それとも、総合文化センター設置条例を改正して、その中に美術館部門を盛り込むのでしょうか。そのあたりをお聞かせください。 ○元吉俊博副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 まだ最終的にどういう形になるかでございますけれども、今、私考えておりますのは、施設としては、美術館は、今、県立の総合文化センターがありますけれども、それと違ったもう一つの施設ができるということでございますから、施設としては単独の施設であるということで、条例の制定を考えていかなければならないかなと考えております。 もちろん、管理につきましては、先ほど申し上げましたようなことで、一体的にやるということが必要だと思いますけれども、施設としてはそういうことになるということで、それを一体的に一つの条例で定めるのか、別々でやるのかというあたりについては、これから技術的にちょっと検討することになるだろうと思います。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 中間答申にありますように、両方の施設がビジョンを共有し、連携しながら、県全体の芸術文化の拠点となる、このことを目指してどの方がいいのか、ご検討していただければと思います。 では、その条例上の美術館の名称です。 九月議会の田中議員の質問には、知事は、年内には案を固めたいと答弁されましたが、固まったでしょうか。 ○元吉俊博副議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 前回の議会で、美術館の名称につきましては、大分県と美術館という言葉を入れまして、大分県立美術館か、あるいは大分県美術館か、どちらかではないかというふうに、そこまでは申し上げたと思います。 その後でございますけれども、芸術文化ゾーン創造委員会で委員の皆さん方から、指定管理の場合でも、設置者として県が組織を支え、責任をとるという姿勢を示すべきであるという意見をいただいておりますので、そういう意味では大分県立ということの方がわかりやすいかなというふうに思っております。 また、一体的な組織管理が必要だとされておりますもう一方の文化ゾーンの方は大分県立総合文化センターというふうになっておりますから、それとの整合性を考えても、やっぱり大分県立という方が有利かなということで、今、条例上では、大分県立美術館というふうにしたいというふうに考えております。この前の宿題のお返しでございます。 また、県民の皆さんに親しみを持って呼んでいただけるような愛称についても、今後考えていきたいというふうに考えております。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 ありがとうございました。 県の責任を示すために、大分県立美術館ということでございます。普遍的な名称、オールドスタイル・イズ・ベストではないということですか。これから愛称を募集したり、ネーミングライツとかも考えられますので、検討していただければと思うんですが、県民の美術館らしい親しみやすい名称がいいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。 次に、現在、別府市、国東市、竹田市においてもアートを使ったまちづくりの取り組みが行われております。今後、県下各地に広がっていくのを楽しみにしておりますが、また、商店街とも一体となった取り組みもございます。 そこで、芸術文化ゾーンと地元の商店街がどのような連携を行うのか、お伺いします。 ○元吉俊博副議長 塩川企画振興部長。 ◎塩川也寸志企画振興部長 芸術文化ゾーンと商店街との連携についてお答えいたします。 文化施設が近隣商店街等と連携し、地域経済の活性化やまちづくりに貢献することは大変大事なことだと思っております。そこで、本年七月からは、大分市中心部の商店街を県民のアートで彩る「まちなかアートギャラリー」を実施しているところです。また、九月には、総合文化センターの公演に合わせて、公演チラシを商店街の協力店舗に持ち込めば割引サービスを受けられる取り組みなど、連携の試行を行ったところです。 今後、総合文化センターでは、十二月十八日から二十四日までの一週間、「ハートオブクリスマス二〇一二」と題して、近隣商店街や県内公立文化施設等と連携し、アートや音楽、ダンス、演劇等のイベントを開催することとしております。商店街からは二十五店舗が参加予定となっておりまして、多少PR不足に終わった九月の試行時の反省も踏まえ、各所にイベントプログラムを配布するなど、来場者を商店街に誘客する取り組みを行うことといたしております。 こうした取り組みを契機として、芸術文化などのイベントにおける連携を、大分市内だけではなく、県内各地の商店街、あるいは地域に広げたいと考えております。 以上でございます。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 大分市の中心市街地に県立美術館を新たに建てるということの意味の一つに、私は、そこに新しい暮らし方を提案できる可能性があるんではないか、そう考えています。街に開かれている美術館です。街で過ごす、街で買い物をする、街で食事をする、実にさまざまな街での暮らし方に芸術文化を絡めていく。それは、先ほど答弁いただきましたようなイベントや商品の割引だけではなくて、商店街の個店、また、街角や通り、その魅力づくりに発展していく可能性があります。そして、その空間で過ごせる豊かなひととき、これを創造し、提供することができるのです。頑張っていただきたいと思います。 さらに、美術館建設に当たっての街全体の経済効果を高めるために、美術館の駐車場については、来館者については一定時間無料や割引料金にするなどのサービスを行い、周辺の商店街への回遊性を高めるべきだと考えますが、見解をお伺いします。 ○元吉俊博副議長 塩川企画振興部長。 ◎塩川也寸志企画振興部長 美術館、あるいはその周辺の駐車場に関するご質問にお答えいたします。 大分市内中心部に立地いたします今度の新美術館にとっては、来館者の周辺商店街等への回遊性を高めることは大変大切な役割だと考えております。このため、周辺商店街と連携を図りながら、展覧会等の美術館の事業と連動したアートイベント等を実施し、街のにぎわいづくりにも取り組むことが必要だと考えております。 美術館駐車場の割引などのサービスにつきましては、現在のいいちこ総合文化センターの駐車場の利用の形、それから近隣の民間駐車場との均衡も考慮した上で検討することといたしたいと思います。 また、駐車場利用者の商店街への回遊性を高める取り組みの一例として、現在、総合文化センターでは、駐車場利用者が周辺商店街で買い物をすれば駐車料の割引が受けられる商店街の共通駐車場制度に参加しております。 今後、周辺商店街、あるいは駐車場の関係者とも話し合いながら、どういった取り組みができるのか、検討を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○元吉俊博副議長 土居昌弘君。 ◆土居昌弘議員 私は、町中に投資して駐車場を確保するということは、新しい暮らし方を提案すること、そのことの後押しになると考えていますし、さらに割引を実施することでその実現性は高まると考えています。そして、そのことは街全体の経済効果を高めます。私は、これこそが行政の仕事だと感じています。 県立図書館は三時間無料です。町中にある長崎県美術館の駐車場も割引がございます。ぜひともそういう駐車場の割引を活用して、県民が芸術文化に親しみやすい環境を築いていただきたいと思っています。そして、大分県の誇る文化芸術ゾーンのある街をつくり、県民生活に浸透させていっていただきたい。 私たちが豊かな県民に育っていくために、県民の創造性をはぐくみ、その表現力を高めていくために、そして、ヨーゼフ・ボイスの言葉ではないですが、すべての県民がある意味で特別な芸術家だと胸を張って言える大分県になるようご尽力していただきたい、そう願いまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○元吉俊博副議長 以上で土居昌弘君の質問及び答弁は終わりました。 暫時休憩いたします。     午後零時四分 休憩  -------------------------------     午後一時三十四分 再開 ○志村学議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問及び質疑を続けます。馬場林君。  〔馬場議員登壇〕(拍手) ◆馬場林議員 こんにちは。八番、県民クラブの馬場です。よろしくお願いいたします。 今回、質問の機会を与えていただきましたことに対して、先輩、同僚議員に感謝を申し上げます。 中津では、七月の豪雨災害で、まだまだ復旧、復興が進んでおります。先日も山国川沿いをずっと通ってみると、まだ災害のままの状況もあったり、それから、青の洞門や深耶馬、あのあたりでは、もうお店を再開されたりというような状況もあります。 もう一つは、中津の駅をおりますと、今、黒田官兵衛の旗が随分と立っておりまして、二十六年にNHKの大河ドラマになるということで、のぼりがたくさん立っております。ぜひ、中津は唐揚げだけではなくて、ハモもありますし、黒田官兵衛もありますので、お越しいただければと思います。 それでは、質問に入りたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 初めに、梅雨前線豪雨災害からの復旧、復興について四点伺います。 七月三日から五日にかけての豪雨に続き、七月十四日にかけて、これまでに経験したことがないような大雨となった九州北部豪雨は、大分県においても大規模な洪水や土砂崩れ等による甚大な被害をもたらしました。 被害状況については、人的被害として、死者三名、行方不明一名、住家被害として、全壊、半壊、床上浸水など二千八百二十九棟、非住家被害として、五百八十七棟となっています。 また、農林水産、土木等の被害箇所と被害額については、農業関係一万七百六十八カ所、百五十四億七百万円、林業関係千四百八十四カ所、五十億四千八百万円、漁業関係二十一カ所、六億五千八百万円、道路橋梁関係七百七十四カ所、七十三億四千七百万円、河川関係千三十三カ所、百六十五億三千四百万円、商工労働関係三百八十五カ所、十七億八千七百万円などとなっています。 豪雨災害直後から、知事を初め県職員の皆様方が昼夜を分かたず対応に当たられたこと、そして膨大な査定業務を短期間にやり遂げられたことに対して、敬意を表し、感謝申し上げます。 さて、県では、八月二十七日に復旧・復興推進計画を策定し、本計画に基づいて現在も県内各地で復旧、復興が急ピッチに進められています。農地、道路、橋梁、河川等の査定もほぼ終了し、これから本格的な復旧工事が進められていくと思います。 そこでまず、現在の全体的な復旧、復興の進捗状況についてどのようになっているのか、お尋ねいたします。 二点目は、被災された中小企業者の方々に対する支援についてです。 土砂であふれた被災直後の状況の中で、「二度の水害で心も折れてしまいそう」という被災者の方の言葉を聞き、返す言葉を見つけることができませんでした。私も、耶馬渓町や本耶馬渓町でボランティアに参加させてもらいました。家の中の家財道具を出し、畳を出し、床下の泥を出しながら、「大変だけども、みんなの力で再建できるように」と思い続けて、させていただきました。また、お客さんの励ましの声などで、「もう一度、この地で頑張ろう」と取り組んでいる姿も見ました。被災地を離れて、他の地域で営業されるお店もあります。「営業はしたいけれど、一からやり直すことは厳しい」というお店もあります。「もう再開はできない」というお店もありました。被災から五カ月たっても、被災状況の違いなどで復興もそれぞれ違う状況になっています。 非住家の商店、旅館など中小企業者の店舗や設備等が被災した場合には、それらに対する支援として各種金融制度や経営に関する特別相談窓口が開設されています。しかし、激甚災害指定を受けた地域が、より一層、地域の振興や雇用の維持等に努めるためには、東日本大震災で創設された中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業や宮城県が独自の支援策として創設した中小企業施設設備復旧支援事業、商店復旧支援事業、観光施設再生支援事業と同様の支援策が必要と考えています。 そこで、大分県独自でそのような中小企業者に対する支援策をつくる考えがないかどうか、お尋ねいたします。 三点目は、市町村復旧事業の受託についてです。 十一月二十八日に水害対策会議が開催され、十一月二十一日現在の復旧・復興推進計画の進捗状況が報告されています。その中で受託実績については、現在、玖珠町で二カ所、基本協定が締結され、協議中が四カ所となっています。 そこで、今後の見通しについてお尋ねいたします。 四点目は、山国川の改修計画についてです。 先日、山国町、耶馬渓町、本耶馬渓町で被災された方の思いや願いをお聞きしました。その声を少し紹介したいと思います。 「ここで生活したいが、住めない状況はつらい。この地域で安心して生活できるようにしてほしい」「集落から人が出ていくことはつらい」「ひとり暮らしの高齢者への対応を」「被災した家屋などへの防犯対策をしてほしい」「避難所の見直しを」「来年の梅雨にどう対応するのか」「砂防ダムがあってよかった。たまった土砂を取り除いてほしい」「橋のかけかえや河床掘削をしてほしい」「被災した店舗等にも支援する制度をつくってほしい」「耶馬渓ダムの治水機能は果たせたのか」「洪水の原因として、短時間の大水量、橋のダム化、他の原因が考えられるが、はんらん原因の調査やそのメカニズムを科学的に分析して河川管理計画をつくってほしい」「山国川の河川、橋梁については、国、県、市と管理が分かれているので、改修がおくれるのが心配。山国川全体の改修計画を」など、たくさんお聞きしました。 被災されたすべての方の声をお聞きしたわけではありませんが、私がお聞きした中で感じたことは、山国川の管理者がそれぞれ違っても、全体的な改修計画をつくることが必要ということです。これは、山国川だけではなく、県下の河川についても言えることだと思います。 山国川について言えば、本流と山移川の合流地点から下流が国の管理で、それよりも上流が県の管理となっています。橋梁についても、国、県、市の管理に分かれている状態だと思います。原形復旧にしても改良復旧にしても、三者の連携がとても重要になると考えています。 そこで、山国川全体の改修計画はどのようになっているのか、お尋ねいたします。 あとは対面席で質問させていただきます。  〔馬場議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○志村学議長 ただいまの馬場林君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。  〔広瀬知事登壇〕 ◎広瀬勝貞知事 答弁に当たりまして、このたびの梅雨前線による大水害に当たりましては、多くの方々が被害をこうむられました。改めてお見舞いを申し上げますとともに、馬場議員もご参加をいただいたそうでございますけれども、多くの皆さん方にボランティアとして大変お力をいただきました。また、そのほか多くの皆さんに物心両面から大変なご支援を賜りました。改めて、皆さん方のお力添えに敬意を表し、また、感謝申し上げる次第でございます。 さて、今回の未曾有の水害につきましては、被災直後に全庁挙げて水害対策会議を立ち上げまして、全体像をまとめた復旧・復興推進計画に沿って全力で取り組んでまいったところであります。 その際、三点に特に配慮して、復旧、復興を進めてきたところです。第一は、被災者の立場に立って、国の制度などで対応できないところをできるだけきめ細かく支援すること、第二は、道路、河川や農地など複合的な被災箇所は、連携を図って総合的に行うということ、そして第三は、復旧、復興の全体像とその段階的な進捗をお示ししながら、県民の皆さんや被災市町に安心をしていただくということであります。 次に、主な進捗状況についてご報告を申し上げます。 まず、被災者への支援について、被災住宅の再建に向けての支援金や県内外の多くの皆様からの義援金により、被災された方々には生活再建を進めていただいております。農林水産業、商工業等への支援では、農業共済制度による被害補償も進んでおり、また、商工業への特別融資制度等によりまして事業の再生を図っているところであります。医療福祉施設や教育文化施設等の復旧も一部を除き完了したところであります。 公共土木施設の復旧、復興につきましては、道路、河川、砂防の復旧工事の災害査定がほぼすべて終了いたしまして、順次、工事に着手しています。年内には、被災箇所の八割を工事発注する予定であります。大きな被害を受けた中津市の国道二一二号線につきましては、一部を除き、来年一月末には全面通行できる見込みであります。河川の復旧については、来年の梅雨どき前までに間に合わせたいと考えているところであります。また、河道掘削や築堤などの改良によりまして再度災害を防止するための緊急事業として、山国川や花月川、玉来川等が先月二十七日に採択されたところでありまして、今後の進捗が見込まれます。復旧だけではなくて、改修も含めてやろうというものであります。 農地農業用施設につきましては、国による災害査定が公共土木施設を優先したことから、査定の完了は年末になる見込みでありますけれども、来年の作付にできる限り間に合うように復旧工事を急ぐ必要があると考えております。漁港施設では、中津市の小祝漁港ほかについて、年度内の復旧に向けて取り組んでいます。 復旧、復興工事の早期実施に向けては、これまで、農業土木、林業、土木の県職員による業務支援や受託工事などを通じまして被災市町を全面的に後押ししているところであります。 先月二十八日には、被災市町に伺いまして、二回目の水害対策会議を開催し、進捗状況の説明と意見交換を行ったところであります。この中で、ただいま議員からご指摘のあったような住民の皆さんの不安や要請について、いろいろ、市町を通じて伺ったところであります。 また、農地の復旧工事に必要な表土等の広域的な確保や人的支援などについても要望があり、早速、対応を検討しているところであります。 このように、被災地の声をしっかりと聞き取りながら、被災市町と一体となって、引き続き復旧、復興に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 私からは以上でございますけれども、その他のご質問につきましては担当部長から答弁をさせていただきます。 ○志村学議長 山本商工労働部長。 ◎山本和徳商工労働部長 被災された中小企業の方々に対する対応につきましてお答え申し上げたいと存じます。 被災された中小企業の皆さんに対しましては、過去、最低利率となる極めて低利な融資制度等の活用によりまして、経営再開が一日も早く進むように、商工団体とも連携して支援をしているところであります。 国に対しても、資金繰りの支援のために、セーフティーネット保証四号の指定を要請いたしまして、中津市、日田市、竹田市が指定を受け、資金繰りの支援に万全を期しておるところでございます。こういった制度を活用して、個別の相談対応をしっかり行っていくという方針でございます。 なお、お尋ねの災害対策としての直接支援につきましては、国民すべてにかかわることでございまして、まずは、国が責任を持って、公共性や公平性、財源負担等に国民的な合意を得て、制度構築すべきものと考えております。 事業用資産に対しましては、事業者自身の責任範囲でございますとか、補助金を負担する国民の理解といった点が課題というふうに考えます。 質問の中でお話のありました東日本大震災関連の各種事業につきましても、東日本大震災関連の新たな立法であります復興財源確保法に基づきます国の財源が活用されているものと承知しております。 しかしながら、各地で大規模災害が起きている現実もございます。このため、先月、今回の豪雨災害被災三県の発案で、国に対しまして、九州地方知事会から、生業に必要不可欠な店舗、建物等も支援対象とするように、被災者生活再建支援法の改正を求めているところでございます。 以上でございます。 ○志村学議長 畔津土木建築部長。 ◎畔津義彦土木建築部長 私からは二点についてお答えをいたします。 まず、市町村の復旧事業の受託についてでございます。 協議中となっております残りの四カ所につきましても、十一月までに受託に関する基本協定を各市と締結したところでございます。 今月中には本年度の予算と工事内容に関する実施協定を締結いたしまして、来年一月から順次、各土木事務所で復旧工事を発注したいと考えております。 今後、受託箇所の早期復旧を図るとともに、引き続き各市町の復旧、復興を支援してまいりたいと考えております。 続きまして、山国川の改修計画でございます。 河川の改修につきましては、上下流で整合を図ることが必要であるため、山国川におきましても国と県が連携して進めております。 国管理区間では、これまでも河川整備計画に基づき、流下能力が低い区間の築堤等を実施しておりますが、本年七月の洪水被害を受けまして、さらに整備を推進するとしております。 県管理区間につきましては、来年度までに整備計画を策定すべく、現在、被害状況を踏まえた河川整備の方向性を検討するための調査を進めているところでございます。 また、今回の甚大な被害状況にかんがみまして、調査と並行して下流部から河川改修に取り組んでまいります。 具体的には、耶馬渓町において、市道の柳ケ平橋のかけかえを受託するとともに、周辺の河道拡幅などの改良復旧を実施してまいります。 その上流の下郷地区に至る区間におきましては、河道掘削を先行しながら、改修の事業化に向けた検討を進めてまいります。 さらに、山国町にかけての区間につきましても、緊急対策として、浸水被害のおそれのある箇所の堆積土砂の除去等を行ってまいります。 今後とも、国や市と連携しながら、効率的かつ効果的な河川整備に努め、防災減災対策を推進してまいります。 以上でございます。 ○志村学議長 馬場林君。
    ◆馬場林議員 答弁、ありがとうございました。 一点目の復興、復旧の状況がとてもよくわかりました。住民本位で、三つの原則で、そして八〇%の工事が受注されていくというふうになっていると思いますが、どうか、これから工事が本格化すると思いますが、住民が安心して暮らせるために、その工事をなるべく早くお願いしたいというふうに思います。 そして、途中経過も含めて住民の方に説明をいただけると安心されるのかなというふうに思いますので、その点もつけ加えさせていただきます。 二点目の中小企業の方に対する支援の件なんですが、知事会でも法の改正を求めて要望しているというふうに伺いました。これは、商店とか、それから旅館とか、多分、中津だけではなくて、日田市も竹田市もそういう商店があったと思うんですけれども、住家の場合は、それぞれ補助が、全壊の場合、建てかえ、約三百万、それから大規模の半壊の場合が、建てかえる場合、二百五十万、それから床上浸水というふうに分けて支援がされる制度が住家の場合はあるんですが、ただ、商店とかの場合には、それが全くゼロとなっているというような状況もありますので、やはり、店舗とか、それから設備とか、何百万とやっぱりかかるというふうにあると思います。そうすると、お金の多少は別にしても、そういう支援金の制度をつくっておくというのは県民の理解が得られるんではないかというふうに思うわけです。 これは毎年あるというふうに、なければ一番いいわけで、そういう仕組みとしては、やはり県独自でも、ある程度つくる必要があるんではないか。住家の場合は、国ができない部分は県がフォローしていく。してない分はしていくという部分ありますので、その部分はすごく商店や食堂を経営されている方が訴えられた部分でありますので、その辺の部分は、もちろん国に法改正でできれば一番いいんですけれども、それができないときには、県は検討するということ、金額の多少にかかわらず、できないのかというのを伺います。 ○志村学議長 山本商工労働部長。 ◎山本和徳商工労働部長 お答えいたします。 今回の北部九州の豪雨災害において被災された事業者さんの中でそういった気の毒な、大変気の毒なケースがあることは私自身も、県としてもしっかり認識をしておるつもりでございます。 その上で対応といたしましては、まずもって、国の方にしっかり、大もととなる制度についての見直しについて、これを求めていく。その検討に今回の我々が体験したさまざまなケースも提供していくというようなことを、まずもって対応していきたいと思っております。 それは、今お話のありました国の被災者生活再建支援制度につきましても、個人資産であります住宅への直接支援の可否につきましては約十年に及ぶ長い議論の末に決着したものでもありますし、そういった議論を注意深く眺めながら、県としていち早く対応したことが今回も役に立ったというような経験を私ども持っております。こういったことを、大分県のみならず、日本の全体の問題としても議論していきたいというふうに考えております。 ただ、足元、しっかり、県内の企業の支援というのは必要でございます。これにつきましては、例えば、先ほど申し上げました、これまでにない低利の特別融資制度を創設させていただいております。これがどうにも使いにくいというようなケースは、例えば、今回の豪雨災害を契機とするものではなくて、もっと、いろいろな経営上の課題がおありになるんだと思います。こういったものにできるだけ私どもとして考え得る支援と知恵を差し上げながら後押しをしていくというのが、今、足元、私どもとして心していきたいというふうに考えるところでございます。 以上でございます。 ○志村学議長 馬場林君。 ◆馬場林議員 住家の場合は十年かかったというお話もありましたが、ちょうど村山総理のときに阪神大震災が起こって、そのときにはほとんど支援金制度というのはなかったんだと思うんです。東北大震災等を含めて出てきたんではないかというふうに思います。 もう一つ言いたいことがあるんですけれども、義援金が各地から多分たくさん集まっているんだと思うんですが、義援金についても、個人経営の商店とか、食堂をされている方とか、旅館をされている方とか、そういうところの方々に配分をされている市もあるのかしりませんが、全体的には県が配分される中にはそういう方は対象になっているのかどうかです。 そして、やはり地域の振興や雇用面も考えると、そういう方々含めて義援金も届いたらいいなというふうに思うんですけれども、その辺はいかがなもんでしょうか。 ○志村学議長 永松福祉保健部長。 ◎永松悟福祉保健部長 義援金の配分についてでございます。 これは、義援金配分委員会というのをつくりまして、県と、それから日赤、それから共同募金会、県の社会福祉協議会等の代表でつくりまして、基本的には、亡くなった方、それからけがをされた方、それから住居をなくした方、全壊であるとか半壊であるとか、それから床上浸水という形で配分しておりますので、個人の商店については、それが住居と一体となっているというところについては配分したところですけれども、店舗だけ、工場だけというところには、県の配分委員会では対象にはできてない。ただ、各市町村においてどういう取り組みをしたかというところが詳しくわかりませんけれども、県としてはそういう配分の方針を決めて配分いたしました。 ○志村学議長 馬場林君。 ◆馬場林議員 市町村の取り組みになるかもわかりませんけれども、その辺の実情もわかれば、また教えていただければありがたいと思います。 四点目の山国川の改修計画についてになりますが、先日、国土交通省のホームページを開いてみますと、山国川だけではなくて、番匠川だとか花月川もありましたし、大分県内の一級河川の整備方針といいますか、国土交通省が出しているのがありました。 一つ、山国川に例をとって言いますと、山国川は明治から現在まで六回の洪水が起きている。最近は、平成五年の台風で床下、床上浸水が起きて、そして、これを受けて、よくテレビにも出ましたけれども、青の洞門のあの護岸の工事が、改修事業を実施しているというところまでホームページに載っておりました。 国が管理したり県が管理したりするというのは、私たちは、生活の中ではほとんど実感としてはないことなんです。こういうことが起きると、ああ、そうだったのかというようなことがわかったわけですが、先ほどご答弁をいただきましたが、山国川の、国は別にしても、県の計画をつくっていくというふうにお話がありました。 そのホームページの中では、昭和四十三年に工事実施基本計画がつくられている。四十三年、随分前につくられているんだというふうに思ったんですが、計画がつくられているけれども、今回、県がつくろうというときに、被災者の方からもあったんですが、洪水の原因検証、そして、それをもとにした改修計画になるのか、そういう検証というのもやって行われるのかどうか、お尋ねをいたします。 ○志村学議長 畔津土木建築部長。 ◎畔津義彦土木建築部長 お答えいたします。 当然、今回の洪水を検証した上で改修計画を検討するということになります。 以上でございます。 ○志村学議長 馬場林君。 ◆馬場林議員 ありがとうございました。 あと二点ほど。 その中で、昭和六十年に耶馬渓ダムが完成しております。治水、利水、いろんな目的でつくられているんですが、今回の豪雨に対してダムの放流が与えた影響というのは、洪水の水位をかなり上昇させたのか、それとも食いとめていたのか、その辺の影響について、わかる範囲でお願いをしたいというふうに思います。 それから、もう一つは、先ほどのお話のあった橋はもう流されて、あそこで仕事をされていた方が流されて、まだ行方不明です。あの橋は流されたままになって、今も通るたびに見るわけですが、それはもう建てかえていくということになっていくと思うんですが、ただ、県の管理の護岸、そして橋は市の管理。もっと下流行くと、国の管理、または市の橋、いろんなパターンがあると思うんですが、橋梁を市と協議をされて今から対応されていくと思うんですが、基本的にはどのような、護岸が先に計画されて、そして、あと、橋になるのか、また、橋だけつくるというわけにはいかないでしょうから、その護岸の連携というのはどのようにお考えなのか。時期も含めて、もしおわかりであればお願いいたします。 ○志村学議長 畔津土木建築部長。 ◎畔津義彦土木建築部長 まず、耶馬渓ダムの効果ということですけれども、詳細は聞いておりませんが、今回の洪水につきましても、耶馬渓ダムで一定の洪水をとめたというふうに、効果があったというふうに聞いております。 それから、柳ケ平橋を中心とする橋梁の復旧と護岸の関係という問いでしたけれども、当然ながら私どもの県管理の区間につきましては、私どもの県と市が、例えば柳ケ平橋の復旧について協議をいたしまして、今回そこを、改良を加えて、約二十メーターほど拡幅する方向で今計画を進めております。実際の現地の方は、その柳ケ平橋の前後含めまして、橋梁と、それから護岸とあわせた復旧になるということを予定しております。また、国の管理区間におきましても、当然、市と国がそういう協議を進めていくというふうに考えております。 以上でございます。 ○志村学議長 馬場林君。 ◆馬場林議員 ぜひ、国と市との間に県が入っていただいて、その辺の調整含めて、地元の声もお聞きしながら進めていただければというふうに思います。 それでは、二点目の観光振興について伺いたいと思います。 まずは、大分県ツーリズム戦略についてお尋ねいたします。 八月に大分県ツーリズム戦略が策定され、「日本一のおんせん県おおいた 味力も満載」をキーワードに官民挙げて戦略を推進していくとされています。 大分県内の各地域では、地域の自然、食、歴史、伝統文化などの資源を磨き、さまざまな取り組みが行われています。大分県民の皆さんが訪れたいと思う魅力的な地域もたくさんあります。 大分県民の方々が、大分県内の各地域のことを知り、訪れて、各地域でさまざまな体験をしてほしいと思います。そして、大分県の各地域を訪れた県民の皆さんが大分県のすばらしさを他県の方々に発信すれば、すごい力になると思います。 そこで、大分県ツーリズム戦略の重点についてどのようになっているのか、お尋ねします。 二点目は、黒田官兵衛の大河ドラマへの対応についてです。 平成二十六年一月からのNHK大河ドラマが「軍師官兵衛」に決定されました。 黒田官兵衛は、一五四六年に播磨の国、姫路で生まれ、一五六七年ごろ、姫路城代となっています。その後、織田家臣として豊臣秀吉の与力となり、本能寺の変の後、中国大返しや四国、九州平定戦などで活躍し、秀吉の天下統一に貢献しています。一五八七年に秀吉より豊前の国六郡十七万石を与えられています。中津城の築城を開始し、豊前の宇都宮氏、耶馬渓の野仲氏、その他の勢力を鎮圧しています。一五八九年に息子の黒田長政に家督を譲って、如水軒と号しています。一六〇〇年の関ケ原の戦いでは徳川家康方として行動し、別府市の石垣原で大友軍に勝利をしています。関ケ原の戦いの後、黒田長政は、徳川家康から筑前の国を与えられています。一六〇四年、黒田官兵衛は、京都伏見藩邸で亡くなっています。五十九歳でした。 黒田官兵衛の概略を述べましたけれども、ドラマ化に当たっては、姫路市や福岡市とともに大分県も焦点になると考えられます。 大河ドラマは、観光客の増加などにより地元に大きな経済効果をもたらしていますので、この好機をしっかりととらえた観光戦略が大事であります。 そこで、大分県ツーリズム戦略ともかかわりますが、今後、県の取り組みとしてどのようなことを考えられているのか、お尋ねいたします。 ○志村学議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 初めに私の方から大分県ツーリズム戦略についてお答えを申し上げます。 大分県は、国内屈指の観光地である別府、湯布院はもちろん、県内の至るところに温泉を初め、豊かな天然自然、その中ではぐくまれた新鮮で安全な食材、さらには貴重な歴史的文化遺産、地域の伝統文化など、訪れた人々が心をときめかせる魅力いっぱいの観光素材に恵まれております。 大分県ツーリズム戦略では、数ある観光素材の中から日本一の湧出量と源泉数を誇る温泉と世界に誇れる豊かな食にスポットを当てまして、「日本一のおんせん県おおいた 味力も満載」をキャッチフレーズとしたところであります。全国的にも話題になっております「おんせん県」を旗頭に、五つの戦略を官民挙げて推進しているところであります。 第一の戦略は、地域の観光素材磨きであります。 温泉や食、歴史文化、芸術など地域の資源を磨く県内各地のさまざまな取り組みを支援するとともに、心温まるおもてなしや受け入れ体制の整備を進めてまいります。 二つ目は、誘客であります。 国内では、圏域ごとのニーズを的確にとらえ、旅好きな女性や知的好奇心の高いアクティブシニアをメーンターゲットに誘客を図るとともに、教育旅行やMICEなど団体旅行の誘致にも力を入れます。海外では、韓国、中国を中心に、プロモーション等を通じまして魅力ある観光商品を提供していきたいというふうに思っております。 三つ目は、情報発信であります。 「日本一のおんせん県おおいた 味力も満載」を前面に打ち出して、さまざまな機会を通じて本県の観光イメージが刺さるよう効果的な情報発信に努めたいというふうに思います。 四つ目は、広域観光であります。 海外や遠距離からの旅行者は周遊型観光のニーズが高いことから、九州観光推進機構や各県と共同いたしまして、本県を組み込んだ周遊観光を推進してまいります。 五つ目は、戦略ある現場主義の推進であります。 観光を支える人材育成に力を入れるとともに、市町村や地域観光協会、民間事業者等とのネットワークを強化いたしまして、官民一体となった円滑な戦略の推進を図ります。 その中で忘れてならないのが最も身近な観光客である大分県民でありまして、昨年の県内宿泊者数は、県民が全体の一九%と、福岡県の二五%に次いで二番目に多くなっております。加えて、七月の豪雨災害の際には、多くの県民がボランティアとして、また、観光客として、被災地域を初め、風評被害に苦しむ観光地の大きな支えとなりました。今後は、県民による情報発信を活発化しながら、より多くの人に愛される観光地づくりを進めていくことが大事だと考えております。 このような観点に立って、地域振興と観光振興を一体的に推進して、地域が輝き、人が訪れ、元気で活力あふれる大分県づくりを目指してまいりたいというふうに思っているところでございます。 「軍師官兵衛」についてのご質問につきましては、我が県の軍師からお答え申し上げます。 ○志村学議長 塩川企画振興部長。 ◎塩川也寸志企画振興部長 それでは、黒田官兵衛の大河ドラマ化への対応についてお答え申し上げます。 「軍師官兵衛」は、一部ではありますけれども、本県が舞台となる初めての大河ドラマであり、その情報発信効果は極めて高く、全国の視聴者の皆さんに、官兵衛が天下人への野心を燃やしたとも言われております豊前中津と大分県を知っていただく絶好の機会ととらえております。 また、これまで取り上げられることの少なかった十六世紀後半、いわば大友時代以降の本県の歴史にもスポットライトが当てられる貴重な機会でもあるというふうに考えております。 そのためにも、NHKには、黒田官兵衛ゆかりの地やエピソードなどをできるだけ多く取り上げてもらえるよう働きかけを強めることが大切であると考えております。 早速、先月、中津市を中心に大分県や関係自治体が一緒になりまして、中津市長を会長、知事を名誉会長とする大河ドラマ「軍師官兵衛」推進協議会を立ち上げたところでございます。 今後は、兵庫県などの関係市町とも連携いたしまして、大河ドラマを契機として、全国に向けて大分県の歴史、風土の魅力発信に努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○志村学議長 馬場林君。 ◆馬場林議員 ありがとうございました。 二点だけお尋ねをしたいと思います。 一点目は、「おんせん県」ということで商標登録するといろいろ反応があったみたいですが、その反応に対しての県の対応が一つと、もう一つは、黒田官兵衛がされるので、県立歴史博物館、最近、「喫茶の世界 お茶と日本文化」というのもされてたようですが、あそこ、もう企画がされているかどうかわかりませんが、歴史博物館を使って黒田官兵衛の企画展をやるとか、ソニックで博多から大分に呼ぶ、そのソニックに何か、またはバスとか、そういうものにも少し取り組んでいただければ大分県がアピールできるのかな、または、別府市と提携して、石垣原の戦いの部分でいろんな連携ができるのかなというふうに思っておりますが、そういう歴史博物館の企画展とかいうのはいかがなものなのでしょうか、お尋ねします。 ○志村学議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 初めに、「日本一のおんせん県おおいた」についての反応でございますけれども、これまではどちらかといいますと、大分は豊の国、何でもありますということでPRをしていたわけですけれども、何でもあるというのは余りPR効果が少ないもんですから、思い切って「日本一のおんせん県」、加えて「味力も満載」ということで、温泉のない都市の味の方もしっかり入れているつもりでございますけれども、そういうことで売り出してみましたけれども、期待どおり、ほかの県から、我が県も温泉県だというような反応がありまして、そういうことのやりとりがこれまたPRになるんじゃないかということで、大いに論争をしたい、こういうふうに思っているところであります。 ○志村学議長 塩川企画振興部長。 ◎塩川也寸志企画振興部長 「軍師官兵衛」の今後の展開の考え方でございますけれども、議員アイデアいただきましたように、歴博等、あるいは資料館での関連資料をいろんな方に見ていただくということも当然ですし、それから、特にJRのキャンペーンの中では、最大限の宣伝材料と申しますか、PRの素材として活用させていただきたいというふうに考えております。 それから、必ずしも中津、いわゆる豊前六郡だけではなくて、それ以外の古戦場といったようなところ、あるいは相手方になった大友家の歴史等も踏まえまして、全大分的に、可能な限りの打ち出しを考えていきたいというふうに考えております。 以上です。 ○志村学議長 馬場林君。 ◆馬場林議員 豊前も支配をされた方ですけれども、大友も戦いには敗れたように過去にはありますが、でも、一緒にここで大分県をPRするにはとてもいいチャンスかなというふうに思いますので、ぜひお願いをしたいと思います。 それでは、三点目の教育について伺います。 まずは、教育改革の成果と課題についてお尋ねいたします。 教職員採用汚職事件からことしの六月で四年が経過しました。教育委員会は、「この事件で教育の信頼を大きく失った。教育行政プロジェクトチームによる改革案を実施することが信頼回復になる」と、この四年間、改革案に沿って矢継ぎ早にさまざまな施策を進めてきました。 県教委内部で構成したプロジェクトチームによる改革の内容は、試験制度、教職員の人事管理、組織等の見直しが中心となっています。 教職員人事評価制度は、協力、協働で成り立つ学校を否定するような運用、教職員人事方針は、地域に根づいた教育や学校事情を否定しているような見直しがなされ、新たな研修などで具体的に改革が進められてきました。しかし、そこには、日々、子供たちと向き合い、教育を実践している現場の声を聞こうという思いは伝わってきません。むしろ、事件と教育現場を直接結びつけて、施策を一方的に取り組もうとしているように感じます。この四年間を振り返ったとき、このままでよいのかという疑問がぬぐえません。 学校は、一人一人の教職員が意欲的に、かつ、自主的に自分の力を発揮し、さらにチームとして子供たちにかかわる組織だと思います。そして、こまの心棒のような校長を中心に、すべての教職員がエネルギーを出し切って、大分の子供たちを育てていく組織にならなければなりません。 そこで、教育委員会はこれまでの成果と課題をどのようにとらえているのか、お尋ねいたします。 二点目は、いじめの問題についてです。 平成十八年度の大分県公立の小、中、高、特別支援学校におけるいじめの認知件数は、小学校一千二百八十四件、中学校一千二百四十九件、高等学校二百七十六件、特別支援学校四件、合計すると二千八百十三件となっています。 そして、平成二十年度の三千六百七十八件をピークに、全体の認知件数は減少傾向にあり、昨年度では、小学校千三百六十五件、中学校八百十八件、高等学校百七十六件、特別支援学校三件、合計二千三百六十二件になっています。 いじめの内容で最も多かったのは、「冷やかしや悪口」で、次に「仲間外れ、無視」「軽くぶつかる、たたかれる」などとなっています。 国公私立小中高校、特別支援学校で発生した暴力行為は二百九十五件あり、いじめと重なるものもあると言われています。 また、児童生徒のいじめによる自殺者については、平成十年度から二十三年度までの調査記録によると、大分県では、いじめが原因となっている児童生徒の自殺は記録にないということです。 そこで、平成十八年度以降のいじめの把握方法はどのようにされているのか、また、いじめの原因や特徴についてどのように認識されているのか、お尋ねいたします。 三点目は、公立高校の学科や定員についてです。 九月二十五日に二〇一三年度の公立高校と特別支援学校高等部・専攻科の入学定員が発表されました。来年度の公立高校の学科については、日田林工の土木科、三重総合のキャリアビジネス科の募集停止、由布高校普通科、大分南高普通科、別府商業高等学校情報処理科で各一学級減となっています。一方、大分東高校では、園芸ビジネス科、園芸デザイン科がそれぞれ一学級新設されました。また、公立全日制の高校の総入学定員については、四クラス、百六十人の定員減となっています。 そこで、学科の改廃については、どのような基準または方針で行われているのか、お尋ねいたします。また、入学定員の決め方について、何をもとに、どのように決めているのか、お尋ねいたします。 ○志村学議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 お答えをいたします。 まず、教育改革についてでございます。 四年前の事件以降、二度とこのようなことが起こらないよう、これまで、採用試験や人事制度、組織の見直しなどの改革を徹底して行い、責任と権限が明確で透明性の高い教育行政システムが構築されました。今後もあらゆる視点から不断の見直しを行ってまいります。 課題ですが、去る九月に、PTAや県、市町村教育委員会、学校関係者から成る「学校の組織的課題解決力向上検討会議」からの提言の中で、学校が教育目標を達成するための組織として十分機能していないという指摘を受けています。 学力、体力の向上等教育の実を上げるためには、校長のリーダーシップのもと、すべての教職員が目標達成に向け、組織的に学校経営への参画意識を持って教育活動に取り組むことが重要です。県教育委員会としては、そのために必要なしんの通った学校組織を構築するためのプランを策定したところであり、今後、プランに基づき、学校改革に果敢に取り組んでまいります。 次に、いじめについてお答えをします。 いじめの把握方法ですが、県内の各学校においては、小さないじめの兆候も見逃さないよう、日常の児童生徒観察、毎学期のアンケート調査、面談等によりいじめを把握しています。 また、県教育委員会に設置している電話相談窓口やネットいじめのメール相談窓口に寄せられた案件についても学校にフィードバックしており、多面的にいじめの把握に努めております。 いじめの原因や特徴ですが、いじめの背景には、学校や家庭、地域社会それぞれにおける要因が複雑に絡み合っています。また、いじめ衝動を発生させる原因として、心理的ストレス、いじめの被害者になることへの回避意識等が挙げられています。 いじめの特徴としては、見えにくい場面で起こったり、急にエスカレートしたり、加害者と被害者が入れかわったりすることがふえており、複雑多様化していると認識しています。 次に、公立高校の学科及び定員についてです。 学科の改廃については、基本的には、高校改革推進計画などを策定する際に、全県的な学科配置等を勘案しながら方針を定めています。 その学科の改廃を含む公立高校の入学定員は、中学校卒業予定者数の増減、入試の状況、中学生の進路希望調査、普通科と専門学科の比率、高校改革推進計画、さらには公立と私立の定員比率などをもとに、中長期的かつ全県的視点を持って策定をしています。 手順としては、策定に必要な資料を収集、整理した後、県全体の入学定員を定め、次に、各地域、各学校の定員について、先ほど述べた事項を勘案しながら教育委員会で慎重に検討を進め、決定をしています。 ○志村学議長 馬場林君。 ◆馬場林議員 時間がなくなりましたので、二点ほど伺います。 しんの通ったというプランがつくられたというのを初めてお聞きしたんですが、この教育改革、私が考えるのは、机の上でやるものではない、それから、子供は変わるということでなければ意味がない。子供がしっかり元気にたくましく生きていく力をつけようとすることが教育改革になっていく。そのために、数値目標をつくった成果主義、PDCAというのが本当にいいのか。例えば、競争する中で学校がレベルアップすると全体がボトムアップする。それは、対象が物や商品であれば、そういう経済の論理がいけると思うんですけれども、そういう数値目標化、すべてやってしまうと、教育の対象はやわらかい心を持った子供たちです。その子供たちが多様な個性を持っているわけで、その数値目標だけで、すべて教育課程がやられてしまうと、本当に、子供たちがこれから自分の人生をデザインしていくときに、とてもその成長がおかしくなっていくという部分もあると思うんです。 教育長は、教育改革について、数値目標で示していくということについてはどのようにお考えなのか、伺います。 ○志村学議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 今回、提言を受けて、私の方、プランをつくっておりますけれども、学校の教育目標について、これまで、比較的抽象的ではなかったか。子供の学校における目標をもっと具体化していこうと。具体化していく過程の中で、その具体化した目標が達成できたのか達成できなかったのか、これを図る上で数値目標というのは必要だと考えています。数値目標がなければ、抽象的なところで大体行き着いた、あるいは、文学的な表現のところでできた、できない、そういう形になると思います。 私の方も、子供たちがしっかりと学力をつけ、体力をつけ、豊かな心を持っていくという知・徳・体バランスのとれた子供に育成する、この姿勢で取り組んでいるところです。そこに至る我々の取り組みの仕方の中で、私は、学校においても数値目標を持って、それに向かって努力する、そして、どこまで到達したかをはっきりさせ、取り組みを改善していく、こういうことが必要だというふうに考えています。 ○志村学議長 馬場林君。 ◆馬場林議員 いじめの例を挙げると、先日発表されたすごい数の数字だけがひとり歩きしますと、形式になってしまって、その実態がなかなか把握できにくいというところが出てくる場面もあろうかと思います。 また、もう一つは、教育改革に取り組むときに、子供たちの課題含めて、実態をどのようにとらえるか。その実態のとらえ方というのは、どのように聞き、どういうふうにしていこうと考えられているのか。実態のとらえ方について。 ○志村学議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 子供の実態のとらえ方。 子供の力という点に関して言えば、学力、体力、それから心の問題というふうにあると思います。そのうちの学力や体力については、どの辺までできるという部分があるかと思います。それから、心の問題、あるいは道徳心、そういった部分については、数字ではつかめない。実態をどう把握するか。これはもう、現場の先生、学級担任、そして、それぞれの教務主任、あるいは、もっぱら体育を担当する先生、それぞれの分野を担当する先生など、あるいは校長も入れて、一人一人の先生が個々ではなくて、やはり組織的にどういう状況にあるのか、そういうふうにしてつかまえるべきだというふうに思います。 ○志村学議長 馬場林君。 ◆馬場林議員 また論議をしていきたいと思いますが、昨日の井上議員の質問に出ましたけれども、実態を知るというところで、地域の実態を知って学科の改廃したのかというところも問われたと思うんですが、教育委員会の協議会が行われて、そこで論議をされて、正式な教育委員会はもう承認だけであったと。 教育委員会の協議会のメンバーはどんな方なのか、その話し合いの内容はどうなのか、その辺、どんなことを論議されて、それは公開しないのかどうか、その辺、お答えください。 ○志村学議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 きのうお話をいたしました委員協議会、これは、教育委員での協議会でございます。ですので、メンバーは教育委員でございます。 月二回の教育委員会では、かなりボリュームもある、あるいは項目もたくさんある事項を審議するには時間が不十分です。その意味で、十分な議論が要る分については、あらかじめ論点整理というような意味合いもあって、ご説明をし、お話をする機会がございます。 今回の定員の策定については、大変ボリュームもありましたけれども、たまたま協議会の中で日田地域についての話が出たということで、委員会の中ではほかの部分に議論が集中したという結果だった、そういうことです。 ○志村学議長 馬場林君。 ◆馬場林議員 やはりその内容を本来なら公開すべきだというふうに思いますが、また論議をしたいと思います。 時間がありませんので、これで終わります。ありがとうございました。(拍手) ○志村学議長 以上で馬場林君の質問及び答弁は終わりました。佐々木敏夫君。  〔佐々木議員登壇〕(拍手) ◆佐々木敏夫議員 四十番、自由民主党、佐々木敏夫です。 大分トリニータのJリーグからの借入金についてお伺いいたします。 大分トリニータは、Jリーグへの借入金返済に向けた県民・サポーター、経済界、行政による三位一体の支援にこたえ、田坂監督のもと、選手層の少ない中において、J1を目指して必死に戦ってくれました。強敵に立ち向かい、最後まで走り続け、J1昇格をなし遂げたその姿は、多くの県民に勇気と元気を与えてくれました。ありがとうございました。 私も、その姿に心を打たれるとともに、力いっぱい声援を送るサポーター、特に目を輝かせて応援する子供たちの姿を見るにつけ、トリニータがいかに県民にとって大切なものとなっているか、改めて実感したところであります。 さて、大分トリニータは、ことしの十月までにJリーグからの借入金六億円を完済しなければJ1に昇格することができない状況でありました。そのような中、大分トリニータは自力で、平成二十三年一月に一億円、平成二十四年一月に二億円の計三億円を返済したことについては、青野社長はよく頑張ったと言わざるを得ません。しかし、十月までに六億円を返済しなければJ1に昇格するチャンスがないことは明白であったにもかかわらず、結果として自力で残り三億円の返済ができなかったことは、民間企業として信じがたい限りであります。 そこで、六億円の借入金についてどのような返済計画を立てていたのか、説明をいただきたいと思います。  〔佐々木議員、対面演壇横の待機席へ移動〕 ○志村学議長 ただいまの佐々木敏夫君の質問に対する答弁を求めます。塩川企画振興部長。  〔塩川企画振興部長登壇〕 ◎塩川也寸志企画振興部長 大分トリニータのJリーグからの借入金の返済についてお答え申し上げます。 トリニータは、平成二十一年度にJリーグからの融資を受ける際、一年でのJ1復帰を想定して、二十二年度から三年間で借入金を完済する経営再建計画を策定いたしました。 収入確保と経費の削減に努めた結果、何とか二十二年度に一億円、二十三年度に二億円と、約定どおり返済してきたところであります。しかしながら、早期のJ1復帰が果たせなかったことなどからスポンサーやチケット収入が伸び悩み、二十四年度の三億円償還は、自助努力だけでは困難な見通しを持たざるを得ず、複数年での分割返済等も視野に入れて検討をしていたところです。 そうした中、今シーズンから新たに導入されたプレーオフ制度でJ1昇格のチャンスが拡大される一方、Jリーグ借入金の今シーズン中の完済がその参加条件として付されたところであります。 会社としては、チームが上位の成績をおさめてもプレーオフに進出できないという事態を何とか避けようと今回の支援金要請に至ったものであり、やむを得ない判断だったと考えております。 その結果、Jリーグからの借入金を完済し、プレーオフにおいて見事勝利をおさめ、四年ぶりのJ1復帰を果たしたところでございます。 ○志村学議長 佐々木敏夫君。 ◆佐々木敏夫議員 会社として経営努力をしてきたというお話でありますが、大分トリニータの決算状況を見てみますと、平成二十二年度に一億一千万円、二十三年度に一億三千四百万円、そして二十四年度に一億二千五百万円を見込まれておると思います。 そういう中にあって、黒字を出すために、選手は練習試合ができないほど、二十五人まで選手を削減し、経費節減に会社として努めてきた、こう思っております。 選手以外の従業員につきましては、平成二十二年度に事務スタッフが三十三人、選手が二十五人のところに事務スタッフが三十三人、育成スクールコーチが二十三名の合計五十六人、人件費二億三千百万円の費用を充てております。 二十三年度に事務スタッフが、少し減して二十五人、育成スクールコーチが二十一名、合計四十六名であります。人件費は一億六千八百万円となっています。 また、Jリーグクラブライセンス交付規則によりますと、アカデミーの保有が義務づけられておりますが、人員や規模の規定はありません。 大分トリニータが破綻するかもしれないという状況下において、まず、財政再建を一番に考え、一たんここは育成スクールコーチを最低限の人数の規模に縮小し、また、人件費の経費を大幅に削減すべきだと思いますが、改めて見解をお願いいたします。 ○志村学議長 塩川企画振興部長。 ◎塩川也寸志企画振興部長 大変厳しい財政状況にあったときにアカデミーを縮小すべきではなかったかというご質問でございます。 アカデミーにつきましては、義務づけられているということはただいま、保有自体は、チームを持つ場合に義務づけられているというのは、今、議員のご質問の中にあったところですけれども、選手の確保という観点から考えてみますと、例えば、他チームから、でき上がったというか、仕上がった選手を確保する場合、やはり多額の費用が必要となることは避けられません。そこで大分トリニータのような地方クラブにとっては、トップチームでプレーできる選手をみずから育成するということは経営を行う上でも大変重要な意味を持つというふうに考えております。 例えば、トリニータのアカデミーで育成した清武選手、あるいは西川選手のように海外や日本代表で活躍している選手も多く、子供たちのあこがれともなっているところでございます。 もちろん、アカデミー自体が、例えば、経営上の見直しの対象外ということは難しいので、どの程度の範囲にするかという議論はあっていいかと思いますけれども、育成の質を保つということはチームにとって大変重要なことであり、人員や給与水準の見直しを行った上で、やはり一定水準のアカデミーを確保することは必要と考えております。 以上です。 ○志村学議長 佐々木敏夫君。 ◆佐々木敏夫議員 ただいま、アカデミーで育成された選手をトリニータに活用して、選手の育成やチームの強化に努めるということでありますが、例えば、ことしの十月に六億返済できない場合はJ1のチャレンジ権利がないんです。そうすると、三億しか払えなかった場合、あとの残りの三億は繰り越しになるんです。そうすると、ことしから二年間で五億八千万円、厳密に言うと六億に、Jリーグからの三億の返済を繰り越すと九億に借金が化けるんです。この九億を二年間で償還できる、これは皆無に等しいんです。この二年間で返済できないと、アカデミーももちろん、トリニータそのものが、事務所職員も全部解雇するしかないんです。 今、一つ一つのアカデミーのイロハと、そして、選手が二十五名で、アカデミーの育成スクールに二十名で、事務スタッフに二十三人が正しいと思いますか。部長、もう一度お聞きします。 ○志村学議長 塩川企画振興部長。 ◎塩川也寸志企画振興部長 最悪の場合、チーム自体がなくなってしまった場合、そのアカデミーとか事務サイドというようなことは言っていられないだろうというご指摘については、うなずかざるを得ない部分というのはありますけれども、ただ、そうした中にあって、チームとしては、例えば、J1に在籍しておりました平成二十一年度と、それから直近の二十三年度で比較いたしますと、トップチームを除いた職員は五十六人から四十三人、給与等も二億三千万から一億四千万余と八千万以上の削減を行い、人員削減と給与水準の大幅な引き下げを行ってきております。チーム全体の経営の中で最大限の削減努力はしてきているというふうに考えております。 以上です。 ○志村学議長 佐々木敏夫君。 ◆佐々木敏夫議員 ただ、一つ勘違いしているんじゃないか。私は、トリニータが元気で、これからも頑張っていただきたい。そのために、再建計画をしっかり見詰め直して、県として指導していただきたい。こういう思いからお話をしているわけであります。 今、職員についても、五十六人から四十六人に削減しています。また、二十四年度は四十六名から四十三名に削減しております。努力をしていただいております。しかし、努力の結果、六億の返済には届かない。途方もない債務が残るということを、まず認識をいただきたいという、こういう思いでお願いをしておるわけであります。 私が試算しますと、思い切って育成スクールコーチの二十名を、まず、倒産しないために大幅な人員を削減し、経費を抑えていただきたい。また、事務スタッフも二十三人から大幅に抑えて、今、二十四年の結果は、育成スクールと事務スタッフで、四十三名で一億五千万円の人件費がかかっております。これを私は五千万円で抑えて、一億を浮かせることで、今回、六億円が捻出できたんじゃないか。そういう努力をするチャンスがありながら、なぜ怠ってきたのか。部長、そこ、余り理解できませんか。 一億五千万円の育成スクールと事務スタッフの人件費を五千万円に抑えることで一億が浮くんです。そして、三年間で三億浮いてるんです。自主再建で三億、私の試算で三億やったら、六億返済できてるんです。 今回は、知事の英断で、すばらしい結果をいただいたんです。しかし、甘んじることなく、しっかりした目線で、そして、あしたのトリニータにつなげていっていただきたい、こういう思いです。もしお答えができるんだったら、答弁をお願いします。 ○志村学議長 塩川企画振興部長。 ◎塩川也寸志企画振興部長 ただいまの、要するに、人件費を一億五千万から五千万に削減して一億円を浮かせれば、この六億円は、県民の支援とか今回の措置がなくても返済可能だったではないかというご指摘で、数字の上ではそういうことであろうかと思います。 ただ、そこまで、例えば一億五千万の人件費を五千万に事務方とはいえ削って、それで会社として成り立つであろうかというようなことを考えますときに、我々もかなりその当時、会社の方とは議論いたしましたけれども、やはり、ある程度の機能、会社として存立し得る機能というのは持っておかなければならないというような会社サイドの判断について、もちろん我々もかなり厳しいやりとりをした中で、そういう形での会社のあり方、そして、とにかく収入を確保することによる返済計画ということで進めてまいって、その結果、今回のような形にはなりましたけれども、確かに結果よければというようなことで済む話だとは思ってはおりませんけれども、ただ、その当時、我々も大変厳しい議論をする中でこういう選択をしてきたということについてはご理解をいただきたいというふうに思います。 以上です。 ○志村学議長 佐々木敏夫君。 ◆佐々木敏夫議員 資料の配付をお願いしておりますが、トリニータの組織体制図が一番上にあります。辛抱できるかできないか。トリニータの一チームに、総務部が五名、経営企画室が四名、運営・事業部が六名、営業部が五名、強化・育成部二人。これ、どれ見ても一括してできる事業部みたいに私には見えるんです。 そういうことを考えるときに、やっぱり、組織をスリムにするのは、血を流すんです、やりたくないんです。だからそういう形になるんですけれども、トリニータを継続してやるのには大変な血を流さなければいけない。 今、民間企業でも、不景気のときは、会社を、ともに創業して、ともに歩んできた人を、ほとんど首切ってるんです。建設業者でも、大きな会社が、更生法かけて、立ち直ろうとして。今度は、最終的に倒産して、全従業員を解雇する。これが、今、現実なんです。だから、トリニータの今の幹部がトリニータを残したいのか何なのか、私はそこが問われると思います。 それでは、答えが進みませんので、次に移ります。 次に、大分トリニータの債務超過の解消についてお伺いいたします。 今のは、前段の六億を戻すためのお話です。これからは、あと二年間の債務の返済の解消についてお伺いいたします。 今回は、知事の英断により、県民・サポーター、経済界、行政の三位一体の協力によってJ1に昇格するチャンスをいただいたことに、改めて知事に感謝を申し上げます。しかし、Jリーグからの借入金を支援により何とか完済したとはいえ、まだ五億八千万の債務超過の状況にあります。クラブライセンスの期限である平成二十七年一月までの二年間にこれを解消しなければ、Jリーグへの参加が認められず、チームはJFLに降格となります。JFLに降格となれば、今回の県民、経済界、行政を挙げての支援も無駄になってしまいます。ぜひともこれを乗り切っていただきたいと考えております。 先ほど申したように、私なりに試算してみますと、現状では毎年一億五千万円の利益が想定され、二年間で三億円となります。また、選手や監督、コーチを除いた育成スクールや事務スタッフを一たん削減し、一億五千万円の人件費を五千万円とすることで二年間で二億円が確保でき、先ほどの三億円と合わせますと五億円となります。これに、J1への昇格によりJリーグからトリニータに支払われる配分金が、現在は約九千万円、J1に上がることによって約二億円と倍増すると聞いていますので、二年間J1で活躍するとして二億円を上乗せでき、合わせて七億円が確保できることから、解消のめどが立つと思っております。 また、引き続き継続してJ1で活躍するためには選手の強化が不可欠であります。七億円確保できることを見込めれば、二年間で一億円を選手強化に充てることもできます。 私は、今度こそ自力で解消しなければならないと思っています。会社として責任を持って経営計画を立て、県民に示す必要があると思います。そのためにも、その基盤である会社経営をしっかりやっていただきたいのであります。 そこで、三位一体の一翼を担う県として大分トリニータをどう指導していくのか、見解をお伺いいたします。 ○志村学議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 佐々木敏夫議員には、大分トリニータの経営につきまして大変貴重なご提言をいただきました。しっかり拝聴させていただきました。 大分トリニータは、これまで、ユニホームスポンサーや企業広告の獲得、後援会組織の拡大など収入の確保に努めるとともに、厳しい経営改善計画のもと、人員削減や給与水準の大幅な引き下げなど徹底した合理化を行い、あらゆる経費の削減に取り組んでまいりました。 こうした取り組みと県民の皆さんの懸命なサポートの結果、今期も三期連続の黒字決算が見込まれるとともに、Jリーグからの借入金を完済して、J1へ昇格するという大きな壁の一つを乗り越えたところであります。 確かに、議員ご指摘の債務超過の解消というもう一つの壁は容易なものではないと思います。まずは、このJ1昇格という好機を生かして、会社自身がスポンサーや入場料など収入の増加とさらなる経費の見直しに努めて、債務超過の解消に向けて一丸となって尽くしてもらいたいと思っております。 そのためにも、今以上に地域に愛されるチームとなることが必要であります。学校など地域との交流活動にこれまでにも増して力を注ぐとともに、地元の子供たちのあこがれとなる下部チームの強化やスクールの充実が大変重要になってまいります。 また、実力ある選手の獲得などでJ1で戦えるチームづくりも必要となります。その際も、過去の轍を踏むことのないよう、しっかりとした経営計画のもとで堅実な運営を行っていくことが大切だと思います。 そういう観点から、歳入確保、歳出削減等いろんな手を組みながら、これからの経営計画を、これからトリニータみずからつくってもらいたいと思っております。 今、議員ご指摘のような点については、もちろん我々もしっかりと頭に入れて指導してまいりたいというふうに考えているところであります。 ○志村学議長 佐々木敏夫君。 ◆佐々木敏夫議員 知事さんの力強いお言葉をいただきまして、トリニータやトリニータを支援する県民は、さぞかし喜んでいただけるものと確信いたします。よろしくご指導のほどお願いいたします。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 次に、住宅供給公社についてお伺いいたします。 住宅供給公社は、「住宅の不足の著しい地域において、住宅を必要とする勤労者の資金を受け入れ、これをその他の資金とあわせて活用し、これらの者に居住環境の良好な集団住宅及びその用に供する宅地を供給し、もって住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする法人」と地方住宅供給公社法で定められています。 これまで住宅供給公社は、高度経済成長や大分市の新産都構想による人口増加により増大する住宅需要に対応するため、大分市内の城南団地、明野団地、敷戸団地を初め、県内各地に多数の住宅建設及び住宅供給を行ってきました。 近年では、大分市の判田台と国東市の向陽台の分譲を行っており、判田台については、平成二十三年度末で八百六十八区画を販売し、分譲事業は終了したと聞いております。向陽台については、平成二十三年度末で二百六十二区画中、二百四区画の販売をしているが、あと五十八区画を残しております。現下の厳しい経済情勢の中では、完売するのは困難な状況だと思います。 ただ、民間の住宅販売が充実してきている状況や少子・高齢化、人口減少が続く中、今後の住宅需要が減少することも予想され、公社本来の目的は達成されたのではないかと思っております。 また、住宅供給公社法では、居住環境の良好な住宅及び宅地の供給業務に支障のない範囲内で、委託により住宅の賃貸その他の管理等を行うことができるとしております。県営住宅や市営住宅の指定管理委託などがそれに当たります。 そもそも県営住宅の管理委託等は本来の業務に支障がない範囲内で行うものであり、本来の目的を達しているのであれば住宅供給公社は解散してもよいのではないかと思っております。県営住宅の管理は、公社の解散とは別の次元で検討することだと思っております。他県においても、山口県や富山県など既に解散をしている県もあります。 そこで、住宅供給公社の解散について、行革の視点を踏まえて見解をお伺いいたします。 ○志村学議長 畔津土木建築部長。 ◎畔津義彦土木建築部長 お答えいたします。 公社は、良質で低廉な住宅や宅地の供給を行うとともに、県営住宅の管理業務を受託し、県の住宅政策の一翼を担ってまいりました。 まず、分譲事業につきましては、十一月末現在で残区画が五十四区画あるため、その完売と借入金の返済に全力を挙げて取り組まなければならないと考えております。 なお、ここ五年間は、年平均十区画程度の販売実績を着実に上げております。 一方、県営住宅管理事業につきましては、二十三年度の家賃収納率が九六・一%と全国第六位となっております。また、昨年度から新たに大分市ほか二市から約四千五百戸の市営住宅の管理を受託するなど、県営と市営の一体的な管理によりまして、ワンストップで入居者や入居希望者へのサービス向上を図っているところでございます。 今後三カ年を見越して昨年度策定いたしました公社等外郭団体の見直し方針では、存続の上、分譲事業の終了後は、公営住宅管理事業や賃貸管理事業を中心とした事業運営を行うこととしております。 今後も、健全経営を堅持しつつ、分譲資産の完売に努め、良好な公営住宅の管理等を通じて住民生活の安定と社会福祉の増進に寄与できるよう、指導監督に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○志村学議長 佐々木敏夫君。 ◆佐々木敏夫議員 一年間に十区画を売るということでありますと、一区画が何ぼで販売されているのかということを考えますと、五百万円として、五千万円の販売金額になるわけなんです。そういうことに対して、経費等考えると、本当に完売するまでこの公社を存続させる必要があるのかななんか思ってみるところでもあります。 どうか、今、大分県でも知事さんが先頭になって行財政改革を考えておるときに、各部、各課、各団体でしっかり見て無駄の解消に努めていただきたい、こういう思いで、お願いにとどめさせていただきます。 それでは、次に移ります。 暮らしの安全、安心という観点から幾つか質問をしたいと思います。 まず、木造住宅耐震化の促進についてお伺いいたします。 暮らしの安全、安心と言えば、住宅の耐震化が大事であります。 今後三十年以内に発生する確率が六〇%とされている南海地震は、南海トラフの巨大地震モデル検討会の報告によりますとマグニチュード九・〇クラスの巨大地震となる可能性が指摘されており、本県においても、耐震改修促進計画において平成二十七年度までの耐震化率九〇%を目標とし、耐震対策に取り組んでいるところであります。中でも、老朽化した木造住宅、特に旧耐震基準により昭和五十六年五月以前に着工した築三十年以上の木造住宅は大地震による倒壊の危険性が高く、倒壊によって人命を失わないためにも、早期に住宅の耐震化を図る必要があります。 そこで、木造住宅耐震化の促進について県の見解をお伺いいたします。 次に、県立学校施設の非構造部材の耐震対策についてお伺いいたします。 これまで、県立学校施設の耐震化につきましては、既に耐震化が終了したと伺っていました。しかし、それは、建物全体の構造設計、構造計算の対象となる構造体の耐震化であり、施設の外壁や電気、機械設備等の非構造部材の耐震化を含むものではありませんでした。 本県の平成二十四年四月一日現在の県立高等学校施設の非構造部材の耐震点検実施率は六八・八%と全国平均の七九・六%を下回っているとともに、非構造部材の耐震対策実施率は四七・九%にとどまっています。 学校施設の体育館等は、授業に使用されるとともに、震災時には住民の避難場所としても使用される場所であり、早急な点検と耐震対策の実施が必要でありますが、県の見解をお伺いいたします。 次に、市町村立学校施設の耐震化についてお伺いいたします。 市町村立学校施設の耐震化につきましては、県立学校施設と同様に早急な耐震策が求められますが、平成二十四年四月一日現在、四十七棟の小中学校施設の耐震化が終わっていない状況にあります。学校の統廃合計画により実施を見送っている施設もあるかと思いますが、児童の安全確保のためにも優先的に耐震化を実施すべきだと思います。 耐震化の実施主体は市町村ですが、県教育委員会として、児童の安全確保の観点から強力に市町村を指導すべきだと思いますが、見解をお伺いいたします。 ○志村学議長 畔津土木建築部長。 ◎畔津義彦土木建築部長 私からは木造住宅の耐震化につきましてお答えいたします。 議員ご指摘のとおり、県民の安全、安心にとって木造住宅の耐震化は非常に重要な課題だと考えております。 県では、平成十八年度から木造住宅の耐震診断補助をスタートいたしまして、二十二年度からは、費用負担の軽減を図るため、助成額を大幅に引き上げたところでございます。さらに、二十年度からは、耐震補強工事につきましても補助を行っているところです。 また、建築士から成る耐震・リフォームアドバイザーの派遣制度など、県民が安心して相談できる体制づくりも進めてまいりました。 さらに、県や市町村とアドバイザーとの連携をより一層深めるとともに、密集市街地や旧耐震基準が適用されていた時代に開発された住宅団地につきまして、住民説明会を随時開催するなど、重点的に耐震化の取り組みを進めてまいりたいと考えております。 このほか、安全、安心の確保が急がれる高齢者につきましては、寝室や居間を補強する簡易耐震を引き続き支援してまいりたいと考えております。 今後とも、こうした取り組みに加え、テレビや新聞等を活用しまして、耐震化の必要性や防災意識の啓発を行い、目標達成に向け、取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○志村学議長 野中教育長。 ◎野中信孝教育長 私の方から二点お答えします。 まず、県立学校施設の非構造部材の耐震対策についてです。 今回、決算特別委員会審査報告書でもご指摘いただいておりますが、県では、国のガイドブックに沿った早急な点検が必要であると判断し、この七月までにすべての県立学校の点検を完了いたしました。 現在、その結果をもとに、一級建築士による専門的な見地からの点検を実施しており、十二月末までに完了する予定です。 今後の対策ですが、早期着手が可能な収納棚やテレビなどの転倒、落下防止対策については、先月、担当者説明会を開催し、来年三月までに全学校で対策を講じることとしております。 施設改修が伴う場合は、必要に応じて大規模改造工事などと合わせて整備を行いますが、危険性の高い箇所については直ちに対策を講じてまいります。 次に、市町村立学校施設の耐震化についてお答えします。 県内の公立小中学校施設の耐震化率は、本年四月一日現在で七九%となっており、前年に比べ、四・九ポイント向上しています。 各市町村では、国の示した平成二十七年度までの耐震化完了の方針に基づき、実施計画を策定し、耐震化を推進しているところです。 県としては、市町村が施設の耐震化を円滑に進められるよう、公立学校施設整備期成会や政府予算等に関する提言活動を通じて財源措置の充実を国に要望しています。 児童生徒の安全確保は学校運営の最重要課題であり、県教育委員会としては、国の優遇制度を活用して、現行の耐震化計画をさらに前倒しするよう強く助言してきました。その結果、各市町村において前倒しが積極的に検討されているところであります。今後とも引き続きしっかりと取り組んでまいります。 ○志村学議長 佐々木敏夫君。 ◆佐々木敏夫議員 ありがとうございます。 子供たちの安全、安心のためにも、できるだけ早くお願い申し上げます。 次に、六次産業化の推進についてお伺いいたします。 県内には、恵まれた自然条件を生かして多種多様な農林水産物が生産されています。そして、その農林水産物が各地域で加工され、数多くの製品がデパートや空港、JRなどの土産店で販売されています。しかし、多くの加工品の中で全国的に展開できる商品は余りなく、また、加工や販売は県内の企業であっても、原材料が大分県産だけでは賄えず、品目によっては大部分を県外産の農林水産物に頼っているケースもあります。 私の地元、豊後高田市にある株式会社クローバー食品は、近年の女性の社会進出や単身世帯の増加等による調理時間の短縮化等のニーズを的確にとらえ、里芋やゴボウ、ニンジン、大根などの下ゆで野菜を真空パックして、関東、九州を中心に販路を広げています。しかし、その原料、例えばゴボウは、大部分を鹿児島県や茨城県、青森県などに頼っており、里芋は、大分県産を利用しているものの、関東地域の需要には十分こたえられていない状況にあります。このためにクローバー食品では、みずから必要とする農産物を地元から調達する方法として、地元の農家と共同で農事組合法人を立ち上げました。そして、その法人による取り組み計画は、ことし二月に、国から六次産業化法に基づく事業計画の認定を受けました。現在、県産原材料の安定供給に向け、プランナーの支援を受けながら着実に計画を進めております。 このように、地元農家と地元企業が結びついて、生産、加工、販売までのルートを確立し、お互いがウイン・ウインとなる農商工連携からのアプローチもあれば、農林水産業者みずからが生産から加工、流通まで携わっていくという二つのパターンが六次産業化にはあると思います。 クローバー食品は農商工連携のうまくいった例でありますが、先ほど述べたとおり、必要とされる原材料供給が課題となっているケースや、逆に、物はあるのに、農家と企業とのマッチングがうまくいかず宝の持ち腐れとなっているケースもあるのではないかと思っております。 県では、農林水産部が昨年十二月に「おおいた農山漁村活性化戦略二〇〇五」を改定し、「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出」を基本施策の一つに位置づけ、新たに、産業、地域間の多様な連携による六次産業化の推進を打ち出しております。 また、商工労働部では、「おおいた産業活力創造戦略二〇一二」の中で「地域資源の活用促進と農商工連携の推進」を掲げ、やはり六次産業化に取り組んでいくことを明確にしております。 私は、生産者にとっての、もうかる農林水産業と地域資源を活用した地場中小企業による新事業展開の二つの側面を持つこの六次産業化の推進に当たっては、部局の垣根を超えた横断的な支援が求められると思います。 そこで、この点を踏まえ、六次産業化の推進について知事の見解をお伺いさせていただきます。 ○志村学議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 六次産業化の推進につきまして、ご見解を交えながらお話をいただきました。 私はかねてから、部局の枠を超えた新しい事業や施策の展開を職員に求めてまいったところであります。まさにこの六次産業化は、地域資源の活用による新商品の開発だとか、あるいは販路開拓を農商工が連携して進めることで、農林漁業者の所得向上、食品加工業の発展、雇用の創出につながる重要な施策であると考えております。 これまでも農商工連携の取り組みによりまして数多くの新商品が開発されておりまして、中には、全国調味料選手権では、一昨年の豊後高田市「こうこう屋」の「かぼすこ」に続きまして、今年は佐伯市漁村女性グループ「めばる」の「佐伯ごまだし」が最優秀賞を受賞するなど、商品開発のレベルの高さを実感しているところであります。 ただ、問題がないわけではありません。県内の食品加工業は、事業所の数でいいますと三百四十七と製造業の中では第一位のシェアを占めております。従業員の数も電子部品に次いで二位と高くなっているものの、多くは小規模で生産性が低くて、マーケットニーズに対応できてない状況であります。今後、設備投資や品質管理体制を戦略的に整備して、力強い経営体に育てていくということが重要だと考えます。 また、県内産原料の需要が増加しているにもかかわらず、議員ご指摘もありましたが、産地側がこたえきれていないということもあって、加工用原料の産地育成も喫緊の課題であります。 こうした中、地場の食品加工業であるクローバー食品は、大手私鉄系の量販店や冷凍食品メーカーからの受注が増加しておりまして、県北地域にある青汁メーカーも健康食品需要の増大から生産規模を拡大しております。 また、十一月十三日には、大手飲料メーカーと県及び三市が第二期茶産地育成協定を締結しまして、新たに百ヘクタールのドリンク専用茶園の拡大に合意したところであります。 これらは、企業と産地が計画段階から強く連携することで生産構造の改革が大きく進んだ例であります。 このような取り組みを積極的に推進することによりまして、産業間連携が進展し、生産者の経営安定と雇用の拡大、食品加工業のレベルアップが達成できるものと期待をしております。 また、今年度から大分県産業創造機構に六次産業化サポートセンターを設置しまして、ワンストップで農林漁業者と食品加工業者が連携できる総合的な支援体制も整えております。 今後も農林水産部や商工労働部など関係部局が緊密に連携をして、農商工、それぞれが持つ機能と情報を共有して、地域資源を活用した六次産業化を推進することで、農林水産業の構造改革と食品加工業のさらなる成長を図っていきたいというふうに思っております。 ○志村学議長 佐々木敏夫君。 ◆佐々木敏夫議員 今、知事さんの心強い説明をいただきまして、私も安心したところであります。 今、青汁で麦の契約栽培を受託している農家は非常に喜んでおります。また、しょうちゅうメーカーでは麦の受委託をやっておられるし、そういう意味で、大分県の農業には、その方向は大変明るい兆しを得るものだと思っております。 また、一つ、農産物で例を簡単に説明させていただきます。 あっ、議長、ちょっとカボスの問題があるけん、少し時間かかりますので、よろしくお願いします。 農産物は、生産から出荷までの間に物を選別します。選別して、何割か、規格外商品が出るんです。さらに、選別されたのを商品のサイズ別に、また仕分けをして箱詰めをするんです。この仕分けや選別がすべて人件費がかかるのと、箱詰めにすると、また箱代がかかるんです。だから、価格がちょっと下がると、生産したけれども、もう商品で出荷するのは赤字が出るからやらないという、こういう現象があるやに思うんです。 そういうことから私は、加工業者と契約栽培すると、もう形が整わなくって大小かかわらず全量出荷で買い取っていただけるから、手間も加工費もこん包代もかからないんです。そういう意味では、もうかる農業は、私は、加工産業と農家の産地化を積極的に結びつけていただきたい、こういうお願いであります。 最後になりましたが、カボス振興についてお伺いいたします。 カボスは、全国生産量の九七%を大分県が占めており、本県独自の農産物と言っても過言ではありません。その果汁は独特の香りがあり、また、酸味が低く、食材の味を酸味が消すことがないため、刺身や焼き魚の薬味として、あるいは鍋料理のポン酢やしょうちゅうの風味づけなど料理の名脇役として、大分県民の食生活になくてはならない食材です。県外の方も一度カボスを使うと、必ずと言っていいほどそのファンになる魅力ある食材であります。それゆえ、生産者団体や農業団体、各市町村、県などで組織するカボス振興協議会を昭和四十七年に立ち上げ、四十年間にわたって生産振興や流通対策、販路拡大、消費拡大とさまざまな対策を講じてきたわけであります。しかし、「継続は力なり」と言いたいところでありますが、全国ブランドと言えるまでの成果は出ておらず、全国放送のテレビ番組などでスダチやユズと間違われるのも事実であります。本当に情けなく思っております。 そこで、これまでの取り組みをどう総括し、どのような課題認識をお持ちなのか、お伺いいたします。 また、全国ブランドとするためには、東京や大阪、福岡といった大消費地への露地カボス、貯蔵カボス、ハウスカボスの定量出荷体制を確立し、価格の安定を確保しながら販路、消費拡大を考えていかなければなりません。そのためには、露地物の出荷の時期には北海道や東北や沖縄など多くの地域へ季節物の露地カボスを継続的に出荷することで、だぶつきを解消し、価格安定や認知度を高める対策も必要だと思っております。 北海道では、産地と消費地の需給バランスをしっかり把握し、農産物の出荷調整をするなど価格の安定を図っております。 さらに、カボス生産農家も高齢化、担い手不足が深刻化する中、高収入となる継続出荷を支える生産体制の整備が最も必要だと思っております。 そこで、課題を克服し、全国ブランドにするための今後のカボス振興対策について見解をお伺いいたします。よろしくお願いいたします。 ○志村学議長 広瀬知事。 ◎広瀬勝貞知事 カボスの振興についてのご質問でございます。 カボスを全国ブランドとして売り込んでいくためには、大量、周年の出荷販売体制を整えることが重要であり、生産面、流通面等から次の三つの改革を進めているところであります。 一つは、生産構造の改革であります。 カボスは、農家の高齢化等により生産量が減少する中で、企業参入を積極的に推進して、平成二十年以降、八社がカボス栽培を始めて、新たに三十四ヘクタールが拡大しました。広島から参入した「ハマノ果香園」は、ことし初収穫を迎えまして、当初計画の五十トンを大きく上回る百六十トンが収穫されたところであります。これらが成園になると、既存の大型農家三戸と合わせまして、県全体量の約三割に当たる一千六百トンの出荷が見込まれて、大規模農家による大量出荷体制が整ってまいります。 中小規模農家に対しましても、こうしたもうかるカボス経営の魅力を伝えまして、生産意欲を喚起して、規模拡大を進めてまいりたいと思います。 これらの取り組みを通じて、県内外の需要に対応できる数量確保に努めたいと思います。 二つ目は、流通販売対策の重点化であります。 私も、この夏、お盆前でありましたけれども、東京で一個三百円で売られているカボスを目の当たりにいたしまして、手ごろな価格で周年、安定的に全国の消費者に届ける必要があるというふうに痛感したところであります。 そのため、県域一元出荷により量をまとめるとともに、東京、大阪で拠点となる量販店を定めて、重点的に販促活動を行っているところであります。 さらに、青果が不足する時期には果汁製品を配置、補充するなど周年でカボスの味を楽しめるようにいたしまして、大消費地での知名度アップを図っていきたいというふうに思います。 また、昨今の健康志向ブームをとらえまして、本年から、ダイエット食のレシピ本で有名なタニタ食堂と連携をいたしまして、新たな消費者層へ健康食品としてのカボスをPRしたところであります。 さらに、宮城県気仙沼や東京都目黒区と連携をいたしまして始まったサンマにカボスの取り組みは、横浜、埼玉、山形など関東から東北地域まで拡大をしているところであります。 三つ目は、果汁などの多面的な活用であります。 日本郵便株式会社とタイアップした「つぶらなカボス」が年間八十万ケースを売り上げる大ヒットを続けているほか、大手飲料メーカーの商品開発によりまして、規格外の青果が加工用原料に回って、市場価格も安定してきております。 一方で、カボスの機能性を生かした「かぼすブリ」「かぼすヒラメ」も好評でありまして、生産の本格化に伴いまして、えさに添加する素材としての新たなニーズも大いに期待されます。 こうした戦略によりまして、全国に通用するブランドに育てるとともに、企業的な経営によるもうかるカボスづくりを推進していきたい、こう思っているところであります。 ○志村学議長 以上で佐々木敏夫君の質問及び答弁は終わりました。 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○志村学議長 ご異議なしと認めます。 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。  ------------------------------- ○志村学議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 次会は、明日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知いたします。  ------------------------------- ○志村学議長 本日は、これをもって散会いたします。     午後三時三十六分 散会...