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  1. 大分県議会 2001-06-01
    06月27日-04号


    取得元: 大分県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    平成13年 第2回定例会(6月)平成十三年六月二十七日(水曜日)     ------------------------------ 議事日程第四号      平成十三年六月二十七日           午前十時開議第一 一般質問及び質疑、委員会付託     ------------------------------ 本日の会議に付した案件日程第一 一般質問及び質疑、委員会付託     ------------------------------ 出席議員 四十四名  議長     牧野浩朗  副議長    荒金信生         友岡春夫         長田助勝         末宗秀雄         麻生栄作         大友一夫         田中利明         井上伸史         渕 健児         佐藤健太郎         近藤和義         志村 学         阿部順治         矢野晃啓         安部省祐         阿部英仁         堀田庫士         馬場文人         盛田智英         諌山秀夫         和田至誠         佐々木敏夫         日野立明         古田き一郎         古手川茂樹         池田秀人         本多睦治         首藤健次         吉田忠智         久原和弘         塙  晋         小野弘利         内田淳一         浜田 博         木許 晃         高村清志         後藤史治         梶原九州男         相良勝彦         矢野征子         竹中万寿夫         加藤純子         堤 栄三 欠席議員 なし 欠員   三名     ------------------------------ 出席した県側関係者  知事          平松守彦  出納長         外山邦夫  教育委員長       立花旦子  代表監査委員      原  貢  総務部長        志水泰通  企画文化部長      安東 忠  企業局長        渡辺 武  教育長         石川公一  警察本部長       青木五郎  福祉保健部長      財前征一郎  生活環境部長      朝久野 浩  商工労観光部長     二宮滋夫  農政部長        矢野孝徳  林業水産部長      財津 功  土木建築部長      田中慎一郎  人事委員会事務局長   林 安胤  地方労働委員会事務局長 緒方末弘  総務部次長       福浦裕介  財政課長        加藤主税  秘書課長        阿南 仁     ------------------------------          午前十時四十六分 開議 ○牧野浩朗議長 これより本日の会議を開きます。     ------------------------------ △諸般の報告 ○牧野浩朗議長 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。 本年第一回定例会において採択した請願の処理結果につきましては、お手元に配付の印刷物のとおりであります。 次に、第七〇号議案職員特殊勤務手当支給条例の一部改正について及び第八〇号議案職員へき地手当等に関する条例の一部改正については、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を聴取した結果、いずれも適当と考える旨、文書をもって回答がありました。 以上、報告を終わります。     ------------------------------牧野浩朗議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第四号により行います。     ------------------------------ △日程第一 一般質問及び質疑、委員会付託牧野浩朗議長 日程第一、第七〇号議案から第八二号議案まで並びに第一号報告及び第二号報告を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。 近藤和義君。  〔近藤議員登壇〕(拍手) ◆近藤和義議員 十番、自由民主党の近藤和義です。 私は、今回、農林業の実情を通じ、農山村地域の抱える問題点について提起し、提言を踏まえながら何点かにわたって質問をさせていただきますので、知事初め矢野農政部長には特によろしくお願いを申し上げます。 長引く景気低迷は、一時回復の兆しが見え始めていたものの、ことしに入って回復から足踏み状態になっており、加えて消費者物価指数は昨年、一昨年と二年連続してマイナスとなり、政府は戦後初の緩やかなデフレ状態にあることを認定しました。日本経済を支える二次、三次産業の発展の中で、屋台骨を支える農林業はその影響を受け続け、米六十キロの価格は約一万五千円で、これは二十五年前と同じ水準であり、木材価格においてもここ二十年来では最低の状況にあります。乾シイタケも中国産に押され、採算ラインであるキロ三千円を割り込むなど、サラリーマンの賃金水準に比べると実質二分の一以下となっており、生業としての基盤が揺るぎ、今後の展望に目標を見出せない状況にあります。 先般、大分合同新聞に、本県の発展を支えてきた中山間地域の再生の手がかりを探り、二十一世紀の暮らしの条件を考える企画の一つに、「ひん死の農林業、将来への不安尽きず」として、竹田市の専業農家の実態が紹介されておりました。 その農家は、四十八歳の主人と四十四歳の妻を中心にして学生の子供が三人、それに老夫婦の一家七人家族で、米、繁殖牛、シイタケ、たばこの生産を主に農業経営を行っており、昨年の農業粗収入は約五百六十五万円で、県内でも上位にランクされる専業農家とありました。にもかかわらず、大分市の勤労者世帯の平均年収約八百二十万円と比較して、都市部のサラリーマンには及ばないとありました。 また、もう一つの農家は、主人が五十歳で中学生の子供を三人抱えており、以前は米、シイタケ、牛で暮らす専業農家でしたが、子供を育てるためには出稼ぎにより現金収入を得るしかなく、それでも足らずに借金をしているということであります。 県土の大部分は中山間地であり、これらの地域では農林業を生業にして、これまで豊かな自然を守り、地域を支えてきました。昭和三十年代には県の人口の三分の二が暮らしていましたが、現在では三分の一足らずになっております。これらの地域においては、これからも仕組みは変わるにしても農林業とのかかわりなしには生活できません。 私も、これまで農林業で生計を立ててきました。厳しい状況の中で県の農業賞をいただいたこともありますし、地域にいろいろのことを提案しながら今日までともに歩んでいますが、社会経済が発展する中で農林業はしわ寄せを受け、結果的には従来型の農林業は取り残されており、現在、地域を守る農林業従事者の置かれている現況を考えますと、農村集落の存続に強い危機感を覚えると同時に、地域ごとに農林業でひとり立ちできるようなシステムの早期構築の必要性を強く感じるのであります。 平成十二年の農業センサスによりますと、県下の農家数は五万七千七百十一戸、林家数は二万五千九百十戸であり、年々着実に減少しております。年齢構成はわかりませんが、昨年の郡部の高齢化率が約三割であることから推測して、相当数が高齢者であろうと推測されます。 県の平成二十二年を最終目標年として作成している農業・農村ビジョン21によりますと、こうした状況を見据え、農家数は最終目標を五万二百戸とし、農業就業人口も四万二千人としています。 一方で、自立できる農業経営を確立するために農業企業者五千人プロジェクトを推進しており、平成十七年の中間目標を四千八十二人とし、平成十二年度までには千三百七十二人を目標としております。 また、十三年度予算においても野菜、花卉、畜産の振興などに五百五十八億円余りの積極的な施策を展開されており、厳しい状況下で県農業の振興に並々ならぬ決意で臨まれていることは、大いに評価するとともに敬意を表するところであります。 しかしながら、農業の置かれている現況を見ますと、近年の産業構造の変革や最近のアジア地域からの農産物の輸入攻勢等により国内農業の位置づけが揺らぎ始め、次世代の若者にとって生業としての農業に魅力はない、安定した生活を求め都会へ出ていく結果となっており、このような状況下において私は、農林業の再生、活性化による中山間地域の振興を願いながらも、一方で一種の無力感を覚えるのであります。 今や農業、林業施策については、国レベルでの抜本的な対策を講じないと、一地方での努力には限界があることは承知をしております。しかしながら、中山間地域に住む者にとっては、根本的には農林業に頼るしかありません。手をこまねいていては、農山村は崩壊してしまいます。 そこで、私なりに提言を踏まえて質問をしてまいりたいと思います。 第一点は、集落の維持についてであります。 さきの国勢調査速報によりますと、県の総人口は平成七年に比べ、一万百七十八人の減となっており、郡部が一万八百三十六人の減となっております。過疎、高齢化が進む中で集落の維持について、昨年策定された過疎地域自立促進計画には一部触れられているようでありますが、具体的な動きは見えません。 聞くところによりますと、現在、県下では百三十を超える集落が危機に直面しているとのことであり、事例のように、今までは農林業を主体に維持されてきた集落も、何の対策なしには今後も維持することは困難だと思われます。 集落が積み重なって町村が構成され、その上に郡、市が、その上に県があるわけです。集落は自治行政の最小単位であります。町村においては、県と同じように中心部以外の周辺部において少子・高齢化などにより集落の存続が危機的状況に立たされております。市町村合併も避けて通れない大変重要な問題ですが、その対象となる個々の町村内においても、そういう意味では大変大きな課題を抱えているのではないでしょうか。 県行政の単位は市町村であります。そういう意味では、市町村合併と同様に、個々の市町村においても効率的行政を進める上から集落維持・再編計画を早急に樹立する必要があるのではないでしょうか。その結果が見えれば、おのずから個々の市町村の基本的な行政の方向も見えてきますし、県が講ずべき農林業等の産業振興施策も見えてくると思います。 集落対策については、基本的には市町村の責務でありましょうが、県としてはどのような所感をお持ちでしょうか、お聞かせを願います。 第二点目は、農業施策のあり方についてであります。 農業の振興を図るという観点からは、現在の施策については時宜を得たものとして大いに評価していますが、一方、地域を守る農林業という観点からしますと、本県のように中山間地域で暮らす者にとっては、農林業で自立し、安心して子供を養える生活設計の樹立が急務の課題であります。 現在、県では、農業・農村ビジョン21により農業で自立できる農業企業者や地域の農業リーダーとなる認定農業者の育成に取り組んでおります。今後の県農業の振興という観点からは大変重要であり、積極的に推進していただきたいと思いますが、計画どおりに達成された場合、十年後の一市町村の平均農業就業人口は七百二十四人で、中核となる農業企業者は八十六人となります。 ここで考えさせられるのは、農業企業者が夫婦とした場合、百七十二人で、残りの五百五十二人は農業のほかに副収入が必要となります。 私が懸念するのは、この五百五十二人の人々に対する取り組みについてであります。この五百五十二人の人々が地域で自立でき、安心して子育てができる確固たる体制はありません。何も農業・農村ビジョン21についてあれこれ言うつもりはありませんが、中山間地域を守る観点からも、市町村を取り込み、何らかの施策を講じて、ぜひ達成してもらいたいものであります。 前にも述べましたように、県独自の施策は困難であろうと思われますが、国の助成制度が創設するまで待つのではなく、そのような施策を調査、研究し、国に対して制度の創設を働きかけていくような事業展開をすべきと考えますが、所見をお伺いします。 第三点目は、農業大学校の果たすべき役割についてであります。 県は、それぞれの産業にマッチした人材を育成するため、県立芸術文化短期大学県立看護科学大学県立工科短期大学校、それに県立農業大学校を設置しております。看護科学大学を除き、各学校ともその設立目的に沿った人材を育成し、県下において活躍されていますが、農業リーダーを育成する農業大学校の卒業生で即就農した者は、ここ四年間の平均で見ると二六%で、農業団体や市町村の指導機関、先進農家研修を加えても四八%であり、本来の目的を達成しているとは言えない状況にあります。 農業の再生が課題となっている今日、せっかく専門的知識を持った五〇%余りの若者が他産業へと転出していく原因は何なのでありましょうか。学校そのものの体制には問題はないのでしょうか。他の学校は専門の教授陣を配置し、設備的にも充実されています。卒業生が希望を持って本県農業の将来を担えるようなシステムは完備されているのでしょうか。 私は、農業企業者五千人プロジェクト達成のかぎは農業大学校にかかっていると言っても過言でないと思っております。 そこで、現状のシステムに問題はないのか、また今後の本県農業と大学校との関係についてどのように考えられているのか、お伺いをいたします。 次は、有機農業の認証制度と今後の対応について伺います。 有機農産物及び特別栽培農産物に係わる表示ガイドラインが平成四年十月に制定をされました。このガイドラインは、法的な強制力を伴わなかったこともあって、表示に対する信頼が十分に得られた状況ではなかったのだと思っていますが、食品の国際基準を決めるコーデックス委員会が有機の国際基準を一昨年の七月に正式に採択したことを受けて、我が国の農水省においてもこの国際基準に沿って今回の法改正、いわゆるJAS法の改正がなされました。 その内容は、本年四月より生鮮食料品には原産地や規格の表示が義務づけられ、有機農産物としての表示ができるものは、農薬化学肥料を野菜や米なら二年間、果樹は三年以上施用したことのない圃場で生産をされた農産物であることに限られ、また、圃場については、定められた認定機関による認定検査を受けなければならないとされており、厳しい内容となっております。 従前からオーガニック農法を取り入れている欧米では、気候条件にも恵まれ、有機農産物の表示に関しては無理な条件ではないと思われますが、日本のように多雨湿潤な気候環境では大変に厳しい条件であります。特別な施設栽培や一部の作物を除いて、今日の技術ではまともに太刀打ちはできがたいと思っています。 安全、安心の志向が強まり、無農薬農産品への関心が高まる中、視点を変えれば、欧米などの農産物輸出国にとってはまた一つ有利な国際基準が成立し、日本農業にとっては一段と厳しい状況に追い込まれたと思います。 そこで、これらの問題点を踏まえながら、県農業との関係について若干の質問をいたします。 まず一点目は、大分県農業における有機農産物生産のあり方をどのような視点でとらえられているのかを伺います。 第二点目は、県下においても登録認定機関設置の動きが伝えられていますが、現段階ではこの認定機関は全国的に見ても数少ないわけであります。県下における認定機関の設置を県はどのように考えられているのか、また、現在、県内においてこれから認定を受けようと希望している生産者や農業団体等について県はどの程度掌握されているのか、あわせてお伺いをします。 第三点目は、特別栽培農産物の今後のあり方についてであります。 県下には、消費者の安全・安心ニーズにこたえて、有機質による土づくりを基本に、減農薬、減化学肥料で有機栽培に取り組んできた生産者や生産団地も数多くありますが、JAS法の基準によって有機の表示ができなくなり、これまでの努力が宙に浮く形となっています。 県産農産物の消費拡大、地産地消を図る上においても、地域の実態に即して消費者により信頼をされる安心、安全な栽培技術の確立を進めることが極めて肝要であることは改めて申し上げるまでもないことであります。 その対策として、他県では独自の認証制度を制定した自治体やJAもあるようであります。本県においても特別栽培農産物の栽培基準や独自の認証制度をつくる必要があるのではないかと考えますが、所見をお聞かせ願います。 次に、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用促進に関する法律についてであります。 この法律は、平成十一年七月に成立し、同年十一月より施行されていますが、この法律によって家畜排せつ物の野積みが禁止をされることになりました。私ども関係者も今日の環境問題からして当然のことと受けとめていますが、管理基準適用までの猶予期間は平成十六年の十月末までとなっています。 県はこの法律に対する取り組みを既に始められていると思いますが、私は、生産者の高齢化や後継者不足の中で新たな施設整備の投資負担がふえることは、本県の増頭運動にも影響が出るのではないかと懸念をいたしております。 そこで、この法により影響を受ける県下の対象農家はどれくらいあるのか、また既に堆肥舎等の設備を完了している畜産農家もありますが、今後の家畜排せつ物処理対策について、市町村も含めてどのような方向で指導、対処されるのか、部長にお伺いをいたします。 ご案内のように、多くの人の命を救った抗生物質のペニシリンは、放線菌という土壌微生物がつくり出したものであります。わずか一グラムの土の中には十億もの微生物がいると言われています。食品として安全で品質のいい農産品、食しておいしい農産物の生産に大きくかかわっているのがこの土壌微生物であります。私どもが日常食しているみそやしょうゆ、酒、あるいはキノコ類等は、この微生物や菌類の働きによるものであることは改めて申し上げるまでもないことであります。 家畜の排せつ物は、取り扱いをおろそかにすれば公害源にもなりますが、堆肥として土に還元することで土壌微生物の力を最大に引き出すこともできるわけであります。 健全なるリサイクル農業に堆肥の存在は欠かせないところでありますが、近年の効率主義や経済優先の陰に、農業においても最も基本的で肝心なことが余りにもらち外にされてきております。私は、この基本的な事柄をしっかりと見直していかない限り、低価格の輸入農産品には到底太刀打ちはできないと思っております。 そこで、堆肥の活用による農産物の健全性、優位性などについて消費者に対してPRなどを通じて十分理解が得られるよう周知をするとともに、生産者に対しても普及に努めていくことが大いに必要と思いますが、部長の見解を重ねて伺います。 最後は、セーフガードと本県の対策についてであります。 昨年の十二月議会において本議会からも政府に対して輸入野菜急増に対するセーフガード発動の意見書を提出しましたが、ご案内のとおり、ネギ、生シイタケ、イグサの三品目について二百日間の暫定発動がなされました。 セーフガードはWTOの協定によって国内産業の崩壊を防ぐために設けられていますが、定められた基準による発動であれば対抗措置はとれない決まりになっております。 現在、農産物の輸出大国であるアメリカにおいても、オーストラリアやニュージーランド、EU諸国に対してセーフガードの発動中で、紛争処理委員会でルールにのった争いが行われていますが、韓国が発動した中国産ニンニクに対しては、国際ルール無視の対抗措置がとられています。 今年中にはWTOへの加入がほぼ確実となっている中国が、我が国に対しても、自動車、携帯電話、エアコンに対して報復関税をかけてきました。経済界や消費者の一部からセーフガード中止の声も上がっていますが、中国の一方的な措置に屈して腰砕けにならないよう、ここは政府間協議をしっかりとやっていただきたいものであります。 我が国の長引く経済不況の中で、産業の空洞化がもたらした国民的な不利益ははかり知れないものがあります。より安価な労働力を求めて国内生産を空洞化させていった製造業と同じように、日本の商社による開発輸入の実態を今回の海外研修で見てきたところでありますが、食料や木材の生産拠点を次々と国外に移し、輸入することが果たして国民の利益にかなうことなのかと大いに疑問を感じましたが、また同時に、食料の生産分野まで結果として空洞化させるべきではないとの強い思いにも駆られたところであります。 かつて牛肉の自由化を前に、アマコスト駐日大使が大分に来られたときに、「貿易の自由化は、お互いに競争することでよいものをつくり、そのことが生産者にも消費者にもメリットのあることでなければならない」と申されたことがありますが、競争に敗れてしまったのでは、農業だけではなく、地域の自立も繁栄もあり得なくなります。 輸入農産物が市場にあふれる中で、輸入品に負けないように、本県のネギ産地でフェロモントラップ等の使用による減農薬栽培で少しでも消費者の信頼が得られるように、我が家だけにとどまらず地域の生産者一人一人に呼びかけながら産地全体にその輪を広げようと懸命に努力をしている二十代の青年がいることを知っていますが、このような有為な青年が刀折れ、矢尽きることのないように、地域挙げて支援する必要があると思いますし、また多くの県民、消費者に理解が得られるようなPRや、生産の持続可能な施策が望まれるところであります。 わずか二百日間の暫定発動では、その対策も十分に立てられるものではありません。政府は、本発動に向けた対策と準備、あわせて中国二国間との冷静な協議を毅然として続けるべきであります。 また、生産者、生産者団体においても、国際競争に耐えられるだけの生産体制、生産技術、流通の変革等を具体的に進めなければなりません。確かに大きな賃金格差はありますが、消費者の健康志向がある限り、野菜生産地の生き残りは私は可能であると思っています。 知事は、発動二品目の生産現地にも出向かれ、生産者を激励されています。生産者にとって大きな励みになったものと思います。 平松知事は、農業の振興なくして県勢の発展はないと常におっしゃっていますが、シロネギ生産地現地での感想も含めて、県農業再生にかける平松知事の意気込みを改めて県民に聞かせていただきますよう衷心よりお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ご清聴、ありがとうございました。(拍手) ○牧野浩朗議長 ただいまの近藤和義君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。  〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 近藤議員の私に対するご質問にお答えいたします。 輸入農産物対策と県農業の再生についてでございます。 まず、シロネギ産地を視察、激励したときの感想ということでございます。 先月の十六日に私は、西高地区のシロネギ産地を視察をし、農家の方とお話をさせていただいたのであります。 「収入が半分になったが、これからもシロネギで頑張る」、また「量から質への転換が基本である」、また「ロットをふやして、もっと有利な販売条件で売りたい」、流通問題、また「後継者が希望の持てる産地にしたい」という皆さん方のご要望、またみずからの心構え、またこのシロネギ産地維持にかける気力、気迫、こういったものが伝わってまいりまして、生産者のシロネギにかける強い意気込みを感じました。 また一方、生産の技術的な改良の面、特にまた流通の面におきましてそれぞれコストダウンを図るということで、やっぱり早期に産地の競争力を強化しなければならない。そのために行政としてもどのような対策を講じなければならないか、早急な立案を農政部に指示し、現地の皆さんと一緒に今検討をいたしているところでございます。 議員もご指摘になりましたが、ネギについては、四月の二十三日から十一月の八日まで二百日間のセーフガードの暫定措置が発動されておりますが、産地強化などの構造調整というのには余りにも短い期間であると私も考えております。 先般、また別の、九重に生シイタケの産地を見ましたけども、生シイについてもセーフガードが発動されて、東京市場の売り値は上がっているけども、生シイの農業者、生産者の手取りはそんなに変わってないと、問題は流通機構だという話がありました。 したがいまして、このセーフガードの暫定措置によって国産の値段が若干持ち直しをしても、農家の手取りがほとんど変わらないというところに一つ問題もあるということでございますので、生産面、流通面、それぞれのことについてこれからいろいろやっていくのには期間としては非常に短いので、あらゆる機会を通じまして国に対して私も強く働きかけまして、この本措置の発動をぜひともやりたい。 ただ問題は、その間じゅうに、やはりこれからのシロネギにつきましては、中国の産品との共生ということを目指してどのようなことをするかという対策を講じなければ、いつまでもこのような事態が続くわけではありませんし、それをやればまた報復関税という問題になって、中国と日本との貿易全般にわたる貿易戦争というような形、貿易摩擦ということになりますので、やはりその間においてこのシロネギ自身の流通対策、また生産の技術対策、競争力強化対策を実施して、両方の共生という立場で競争力のあるシロネギの産地育成ということを実現することが一番の方向でございます。 そこで、五月九日に行政や関係団体で構成いたします大分輸入農産物白ねぎ対策協議会を発足させまして、現在、地域と一体となって具体的な対策に取り組んでいるところでございます。 生産の面で申し上げますと、土づくり、また優良品種の導入、また同時にカンショと小玉スイカ、小さなスイカ、こういったものも夏場の補完品目として実証展示、私も現地でそういった小玉スイカ等を見たわけでございますが、そういうことも産地における農家の収入増にはあずかって力があると思っております。 また、フェロモントラップという、ご存じのようにシロネギにつく寄生虫をその雄のホルモンでおびき寄せて、これを捕獲するという、そういった装置であります。フェロモントラップの利用、また減農薬栽培の普及拡大ということでございます。 また、流通対策としては、計画的な出荷、特にこれから農協を通じて出荷する、また相対取引で出荷するにしても、農協自身もそういった出荷に対して、それが高い値段で売れるように、産地からこの引き取り人、販売人に対する対応、農協自身の販売力の強化対策も要りますし、必要な保冷庫等も要るわけでございます。こういったことを含めての鮮度保持、こういったことによる産地体制の強化、契約取引の推進、また消費者の皆さんにシロネギを大いに食べてもらう。 現地でシロネギ料理を産地のご婦人の皆さんに出していただきました。例えば、ネギをアスパラガスのようにした料理があります、「ネギパラガス」という、大変おいしかったわけでございますが、消費者に向けてのこういったネギの新しい料理、ネギ料理をもっと普及するというようなことも大切なことでございます、消費拡大に必要でございます。そういったさまざまな検討をし、実践をしていく必要があると考えております。 このように、産地一丸となって生き残りをかけ、輸入品との差別化、すみ分けを基本として、量から質へ、この意識改革を第一にいたしまして、生産、流通、消費の各段階で自主的な構造改革を強力に、早急に進めていくことが重要でございます。こういった取り組みを積極的に支援をしていきたいと、このように考えておるわけでございまして、私が先頭になってこれから産地拡大対策について取り組んでまいりたいと思っております。 同時に、農産物の流通に対しまして急速にグローバル化が進む中に、この農業をより競争力のある、足腰の強い、魅力とやりがいのあるものということにしていくためには、こうしたそれぞれの個別品目への緊急的な対応と並んで、低コスト、高品質の農産製品のものづくり、こういうものについて全般的に考えていかなければなりません。 豊の国農業・農村ビジョン21に掲げましたように、中長期的な観点から、やる気と誇りを持ってこれからの農業生産を担う人づくり、活力に満ちた地域の実現に向けたむらづくり、議員の言われる集落づくり、それから農業実践大学校等の機能強化、魅力ある大学校づくりを通じての人づくり、こういったことが一番の基本にありますので、これを今年度から積極的に行いたい。 先般開塾いたしました豊後牛飼い塾、二十一世紀農業塾、こういったことで先進的な農業経営、地域づくりを学んでいただくとともに、現在リーダーとなって活躍されている方々との交流、また地域の中核となる若手リーダーの育成と既存リーダーの資質向上が大切であります。 また、こういったリーダーを中心としてそれぞれの村の集落づくりビジョン、これが策定されて、この実現に向かって総合的な支援を行いたい、このように考えております。 そして、これからは特に消費者側から、農業の持つ国土、自然環境の保全機能などの理解、また農業の文化に対する理解、こういったものも必要であります。そのために、農業公園を利活用していただいて、この場で農村と都市との交流を活発化するということで、農業文化公園の中でこういう農村と都市の交流の事業、また農村婦人に対するいろいろな勉強、こういった学校も開くことにいたしております。 また、特に先日、私が県の農業振興対策協議会の総会で提唱いたしました、これからは地産地消、議員も言われました、県産農産物の愛用をアピールする県民食彩運動、食の彩りの運動、こういった地産地消の取り組み、また日本型食生活の普及を通じて、消費の面から食と農への理解促進に努めたいと考えております。 特に二十一世紀はアジアの世紀であるし、このアジアの世紀は、まさに農の世紀でもあります。農業の振興なくしては県勢の発展はないという考えのもとに、行政と地域と住民が一体となって自信と誇りを持って農業に取り組み、真に豊かさが実感できる農業、農村集落の構築に全力を尽くしたいと考えているところであります。 その他のご質問については担当部長より……。 ○牧野浩朗議長 志水総務部長。  〔志水総務部長登壇〕 ◎志水泰通総務部長 集落の維持についてお答えをいたします。 全国の多くの市町村で、高齢化の進行や若年層の流出による集落機能の低下などによりまして、集落の消滅、あるいはそのおそれがあるという問題が発生をいたしております。 本県は特に中山間地域が多いことから、集落の維持などの問題が重要と認識をいたしております。 集落は、自治行政の最小単位であり、水路の共同作業や伝統文化の保存など、コミュニティーとして大きな役割を果たしてまいりました。そのため、これまでも集落間の生活道路や簡易水道の整備等を初めとする生活環境整備、さらには定住団地の造成やUターン対策などを重点的に行ってきたところであります。 また、国においても今年度からわがまちづくり支援事業として、現に集落に住んでいる人々が中心となって考え、主体となって行う地域づくりに対する財政支援の強化を図っております。 県としましては、市町村合併の推進など行政の広域化の流れの中で、集落を中心とした地域の活性化はいよいよ重要性が増すものと考えており、わがまちづくり支援事業の活用などを含め、積極的に支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○牧野浩朗議長 矢野農政部長。  〔矢野農政部長登壇〕 ◎矢野孝徳農政部長 お答えいたします。 まず、中山間地域の活性化対策についてでございます。 農村地域の活性化と集落の維持発展のためには、農業企業者の育成とともに、女性、高齢者など多様な担い手や地域資源を活用した集落活動の展開が求められております。 このため、今、県におきましては、平成十二年度から一村一誇、一つの村で一つの誇りをということで、ワン・ビレッジ・ワン・プライドと言いますけども、この確立に向けまして誇りと活力あるむらづくり推進事業を創設いたしまして、市町村と連携し、農地の利用集積、あるいは農作業受託組織の育成などによります低コスト化、農地の高度利用、女性、高齢者によります園芸作物栽培や農産物の直売、加工などさまざまな取り組みを通じた農業振興を基本に、都市との交流、伝統文化の継承など、地域住民の創意と工夫によりますむらづくりビジョン策定の取り組みに対する支援を行っております。 中山間地域の活性化に当たりましては、本県が進めておりますこうした取り組みに加え、中山間地域等直接支払い制度におきます集落協定をむらづくりビジョンと連動させるなど、国の各種施策も有効に活用しながら、生き生きと安心して暮らせる地域づくりのための取り組みを今後とも積極的に進めてまいりたいと考えております。 次に、本県農業と農業大学校についてでございます。 農業大学校は、本県農業の担い手育成、農業者研修の中核拠点と位置づけております。 最近の就農者の状況を見ますと、新規学卒者が減少する一方、Uターン者が増加いたしております。 これは、他産業での経験を希望すること、あるいは親の年齢等が原因と考えられます。 農業大学校の卒業時の就農者は少ないわけでございますけども、卒業生を対象にしたアンケート調査によりますと、九四%が県内に在住し、八三%が農業を営んでおります。そして、指導農業士や認定農業者など、多くの人材が育っているところでございます。 県といたしましては、農業大学校の充実強化に向けまして、平成十年度から魅力ある農業大学校づくり事業を実施いたしまして、施設の整備やカリキュラムの充実などを行い、夢と希望を持って入学できる体制を整備いたしますとともに、平成十二年度から農大生の就農対策といたしまして、在学時に貸し付けました研修資金を、五年以上の就農条件ということで償還金の二分の一を助成する支援策を創設いたしております。 また、農業者、Uターン者、熟年者などを対象といたしました研修会を開催いたしまして、他産業に従事した人たちの就農支援も実施いたしております。 さらに、農業大学校の専攻科を修了した学生は、国家公務員等の採用時には四年制大学卒と同等の取り扱いとなり、あるいはまた一部の大学院への進学も可能となりましたので、農業大学校の専攻科の新設につきましても研究いたしまして、より魅力ある農業大学校づくりに努めますとともに、その活動を広くPRすることによりまして人材の発掘と幅広い担い手育成に努めてまいりたいと考えております。 次に、有機農産物生産のあり方についてでございます。 この農法につきましては、議員ご指摘のように生産が不安定で、労働性、収益性などから問題がございます。また、産業として自立できる農業の観点からも、県農業の基幹とはなりがたいものだと考えております。 しかしながら、消費者の安全・安心ニーズに対応するため、また環境保全の観点からも、減農薬や減化学肥料によります栽培の取り組みを推進しております。 また、農業・農村ビジョン21でも有機農産物などの生産を環境保全型農業の取り組みの一環として位置づけ、農薬や化学肥料の使用量を平成二十二年までに九年度比で四〇%削減を目標にするなど、消費者に信頼されます農産物の提供ができる産地づくりを推進することが大変重要だと考えております。 次に、登録認定機関の設置等についてでございます。 今回の法律改正で有機農産物認定の権限を民間に広く開放いたしますとともに、現在、全国で四十六団体が登録されております。また、県下におきましても、特定非営利活動法人--NPOの一団体から登録申請の動きがございます。 県といたしましては、今後とも、この制度改正の趣旨に沿いまして対応してまいりたいと考えております。 また、県下の有機農産物の認定状況でございますけども、現在、お茶で一件が認定されております、また野菜で一件が申請中でございます。 次に、特別栽培農産物への対応についてでございます。 国の示しました特別栽培農産物に係ります表示ガイドラインでは、減農薬、減化学肥料の定義は、慣行の五〇%以下と示されております。県では、この基準に合致した具体的な使用回数などの栽培基準を明らかにするために、各地域の主要な品目につきまして実態調査を行い、本年三月に大分県特別栽培農産物生産ガイドラインを作成いたしました。現在、この基準をもとに、農業団体が中心となりまして特別栽培農産物表示認証制度の検討が進められております。 次に、家畜排せつ物の処理対策などについてでございます。 家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律によりまして、改善を要します農家は、平成十一年に実施いたしました調査によりますと五百一戸でございます。このため、県といたしましては、平成十二年七月に、この法律に基づきまして家畜排せつ物の利用促進計画を策定いたしまして、専門的な技術者を養成いたしますとともに、各種補助事業や補助つきリース事業、融資などを活用しつつ、堆肥化処理施設などの整備を推進いたしております。 なお、今後とも施設整備に当たりましては、処理システムや規模等について過剰な投資とならないように、市町村、農協とも連携いたしまして、個々の畜産農家や地域の実情を十分に踏まえた適切な指導を進めてまいりたいと考えております。 次の、堆肥の活用によります健全な農産物の普及についてでございます。 県では、大分県有機質資材生産者協議会などの活動支援を通じまして、堆肥の成分表示の徹底と良質堆肥の広域流通を推進いたしております。 栽培農家に対しましては、堆肥の適正使用と利活用について指導を行いますとともに、良質な堆肥による土づくりによりまして栽培された安全な農産物の提供を通しまして、有機農産物などに対する消費者の理解を深めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○牧野浩朗議長 再質問はありませんか。--以上で近藤和義君の質問に対する答弁は終わりました。 高村清志君。  〔高村議員登壇〕(拍手) ◆高村清志議員 皆様、おはようございます。そしてまた、傍聴者の皆様、早朝から大変ありがとうございます。三十八番、県政クラブの高村清志であります。 まず冒頭、故堤隆一県議のご冥福を県政クラブといたしましても心からお祈り申し上げます。 さて、去る五月二十四日、大分総合競技場「ビッグアイ」のオープンは、子供たちに大きな夢と感動を与えていただきました。私も県民の皆様に夢と感動を与えるという気概を持って、以下四点にわたって県当局の考えをお伺いいたしたいと思います。 まずその一は、構造改革と政策自治体の創造についてであります。 ご承知のように、今日の我が国は、バブル崩壊後の約十年間に及ぶ問題先送り政策が行き詰まり、このままでは日本はじりじりと衰退していくしかないところまで追い詰められてしまったという状況にございます。今現在、我々が基本認識として持たなければならないことは、経済的な体力が何とか残っているうちに体制を立て直せるかどうか、その岐路に差しかかっているということであります。それゆえに、このことを正面から受けとめると同時に、これまでの政治手法を改めることに真っ向から取り組み、構造改革なくして景気回復なしという改革目標を旗印として政権を樹立した小泉総理に国民の期待が高まるのは当然の現象と言えるでしょう。 ところで、国民、県民は、構造改革なくして景気回復なしということを一般的にどのように受けとめているのでしょうか。私が思うに、経済にある程度の興味や知識がある人であれば、戦後この方、一貫して、不況になれば政府の公共事業上積み、あるいは日銀の公定歩合の引き下げなどの方法により十分対処できたが、どうも現状の経済構造はその昔と体質が変わってきており、これまでのような単純な手法ではどうにもならない。よって、この際、最後の手段として抜本的な構造改革を行わなければ景気も回復しないという理解ではないでしょうか。そして、大多数の方々は、構造改革なくして景気回復なしということはさておき、歴代首相とはイメージが大きく異なることや、これまで以上に首相のリーダーシップが期待できることなどから、今回は少なくとも景気を現状よりよくしてくれるに違いない、そういった期待先行の受けとめ方をしているのではないでしょうか。 いずれにせよ、かつてない内閣支持率であり、このようなことからも国民、県民の理解や大きな期待を損なわない政策運営を行ってもらいたいものであります。ただ、そういった中で心配されるのが、今回行われようとしている構造改革がどのような形で国民、県民に痛みやしわ寄せを伴うこととなるのか、またそれらに対する痛みどめの薬や対策は用意されるのか、あるいは、それらにはお構いなしで、ただ単に歯を食いしばって我慢せよということになるのかどうかであります。 いずれにしても、中途半端な形での構造改革では、これまでと同様、課題の先送りとなりかねませんが、今回の小泉内閣は、文字どおり痛みを恐れず、既得権益の壁にひるまず、過去の経験にとらわれず、果敢に改革を断行すること間違いないと受けとめるものであります。それゆえに、聖域なき構造改革の実行に伴い、国民、県民、そして社会のあらゆる領域に降りかかるであろう火の粉がもとで取り返しのつかない大火事にならないよう、実行に当たっては万全の注意と対応策の準備を抜かりなくしてもらいたいものであります。 とりわけ、現在、具体的な構造改革で論議されているのが、百兆円どころか、二百兆円とさえ指摘されている不良債権の処理、あるいは道路特定財源の一般財源化などであります。これらを無造作に実施すれば、大幅な失業者の発生はもとより、地方のさらなる過疎化の進行、さらには景気の失速を呼び、それが引き金となっていわゆるデフレスパイラルの突入など危機的な事態となることが危惧されるところであります。したがって、それを防ぐためにも、直面する景気動向に細心の注意と対策を払いつつ改革を進めていく必要があると考えるものであります。 知事も今年度の予算編成に当たり大変苦慮されたと言われておりますが、いわゆる景気回復と予算健全化の両にらみ予算こそ時宜を得た対応策であると思うのであります。同様に、我が国においても、今回の改革を実行するに当たっては、当面、構造改革と景気回復の両にらみ実行こそが重要なことではないかと考える次第であります。 今後、構造改革の具体的な取り組みが明らかになってまいりますが、この動きは国のみならず地方自治体においても必然的に対応が求められてきます。そこで問題となってくるのが自治体の構造改革についてであります。私は、今回、地方分権時代への対応という視点から、その考えを述べてみたいと思うのであります。 まず、結論から先に申しますと、本県における地方分権を推進するに当たっては、これまでのいわば国主導の事業体とも言うべき体質から、みずからが政策をつくり出し実行に移していくという政策形成機能をあわせ持つ政策自治体へと漸次変革していかなければならないということであります。 そこで、政策自治体の創造に向け、具体的にどんな改革を持って進めていくのか。それについて述べているのが、中央大学教授佐々木信夫氏の著書「自治体の公共政策入門」であります。同書によれば、自治体の機能を事業体、政策体、政治体の三機能ととらえ、その三つの面にそれぞれ次のような改革の課題が存在すると述べております。 まず第一は、事業体の側面でありますが、これは従来から進めてまいっている行政改革そのものであり、事務事業、組織、人員、予算執行の見直し、外郭団体や第三セクターの再検討策、民間を助成したり、行政サービスの有料化、例えばごみの有料化などを図ることによる行政需要の発生抑制策、あるいは外郭団体や民活のあり方を含めた公・共・私の役割分担の見直しなど、多面的な改革の対象が存在するということであります。 私は、これら見直しの視点は、結論から言えば、自治体行政の減量化方策をどこまで徹底できるかに尽きると思いますし、そのためには、行政サービスごとに経済性、効率性、有効性の三つの側面から政策評価を行い、あくまで改革すべきは改革するという決断と実行こそが重要だと考えるものであります。 第二は、政策体の側面でありますが、これは政策の立案機能を発揮する体制をいかに構築するか、どう生み育てていくかが焦点であり、これには縦割り組織を脱した統合力ある組織のあり方や政策立案のあり方など政策形成能力の向上策が、そしてまたその担い手となる職員の資質向上や政策マンとしての人材育成が、さらにはどのような政策展開が必要かをみずから政策在庫として蓄積していく仕組みづくりが求められるということであります。私は、このことについて、まさに地方分権の受け皿づくりとして一番大切になってくる課題であると認識をいたしております。 第三は、政治体の側面でありますが、これは主として住民代表の首長や議員にかかわる問題であり、選挙のあり方や議会の活性化、各種審議会のあり方や情報公開など各種諸制度の拡充強化が改革の課題となるということであります。 このような諸課題を踏まえ、私は、分権時代に対応する自治体の構造改革、とりわけ政策自治体の創造に向けては、まずは職員の意識改革、そして人材育成が重要と考えるものであります。「組織は人で持つ」、この言葉は従来から言われてきたことで、今さら否定する人もいないでしょう。県も分権時代を迎え、今後は人材に対するとらえ方、人材の鍛え方などへの発想を大きく転換しなければなりません。その場合に、こうした組織は人で持つということを改めて再認識する必要があります。 そこで知事に申し上げたいのは、職員の意識改革、人材育成はトップの責任において行うべしということであります。それは、そうした認識を上層部が持っているかどうか、実践しているかどうかで今後の自治体運営に大きな差が生まれてくるからであります。 そこでお伺いいたしますが、知事は、構造改革が推し進められようとしている中で、政策自治体の創造に向けて分権時代の県組織のあるべき姿を、人材面も含めてどのようにとらえておられるのか、またこれまで取り組んできた行財政改革の主なものとその成果についてお聞かせください。 質問の第二点は、ゆとり教育への対応と教員の資質向上についてであります。 いよいよ来年四月から新学習指導要領に基づくゆとり教育が実施されることとなります。 ところで、この間の教育行政について率直に申し上げるならば、戦後における我が国の社会経済構造が大きく変化しているにもかかわらず、それらに対応するどころか、家庭も含め、過度に受験を意識した知育偏重型教育の推進一辺倒だったと言わざるを得ません。 加えて、今日、その偏った教育の弊害もあってか、記憶に新しいところでは幼稚園の受験をめぐって殺人事件にまで発展したケース、そしてまた一方では、その昔には想像もしなかった青少年犯罪の凶悪化やいじめ、不登校などの増加など、今やこれらは深刻な社会問題となっております。 私は、こうした今日のさまざまな事象から見ても、これまでの俗に言う詰め込み方式や点取り重視と称された従来型の教育システムをこの際きっぱり、今回の改訂が目指している児童生徒個々人の個性を大切にしつつ、みずからがやる気を起こす教育システムへと見直してしかるべきであると受けとめているところであります。 しかしながら、新学習指導要領の実施を目前にした今日、同要領に基づく教育、とりわけ算数や数学、理科を中心に学習内容をおよそ三割削減するという、いわば軽くなった教科書をもって子供の学力低下がさらに一層進むのではと懸念する声が各界で起きており、深刻な社会問題にも発展しかねない状況にあると新聞紙上等で報じられています。 私は、このことについて、率直なところ、実施もしていない段階からの評価はどうかと思っています。しかしながら、学力低下を指摘する側が示している幾つかのデータに目を向け、そしてまた学習内容が削減された上、授業時間が短くなるという事実を単純に考えた場合、子供たち本人の努力があればともかくとして、何もなしにその分の学力への影響は避けられないとも考えるところであります。 この点について文部科学省は、学力低下への懸念問題に対し、「指導要領は最低基準を示しているものであり、それを超えた指導は教師の裁量で可能である」とする見解を示しております。しかしながら、このことは逆に、教師の熱意ややり方次第で学力はどうにでもなるという、いわば現場任せともとれるような極めて不明確な内容であると言わざるを得ません。 そこで、県教育委員会として、今回の新学習指導要領をどのように評価されているのか、そしてまた、先ほど来るる申し述べてきた学力低下への懸念に対し、どのような見解を持っておられるのか、教育委員長にお伺いをいたします。 次に、教育長にお伺いいたします。 新しい学習指導要領のもとでは、教職員の方々もこれまでの知識や指導方法などでは対応が難しい局面や指導要領のねらいにそぐわない事態が出てくることが多分に想定されますが、これらへの対応、とりわけ新学習指導要領の実施に向けた教職員の資質向上策をこれまでどのようにとられてきたのか、来年四月のスタートを控え、果たして問題はないのかどうか、お伺いをいたします。 あわせて、完全週五日制のもとで心配される点として、共働き家庭などにおいて土曜日に保護者のいない状態が現状よりさらに増加することが考えられますが、その対応策としての受け皿整備をどのように考えているのかについてもお伺いをいたします。 質問の第三点は、未組織労働者の地方労働委員会によるあっせんについてであります。 総務省の調査では、一九九七年における全国の雇用者総数は五千四百九十九万七千人で、そのうちパートやアルバイト、派遣社員などの非常勤労働者数は千四十五万八千人で約一九%を占めております。また、同調査における大分県の実態を見ると、雇用者総数は四十九万人で、そのうち非常勤労働者数は九万三千人、率は全国と同様に約一九%となっております。今後ともこうしたパートや派遣社員などの非常勤労働者数は、今日の経済環境からして多くの企業が一層の経営効率向上と雇用コストのさらなる軽減を求めていることからも、これまで以上に増加してくることが容易に想定されるところであります。 さらに、これらの状況下においては、個別的な労使紛争もそれに比例して増加してくるのではないかと危惧するものであります。まさにこのことを裏づけるかのように、愛知県では、パートや派遣社員など労働組合に加盟していない未組織労働者でも個別的な労使紛争をめぐる解決のあっせんを県地方労働委員会に個人で直接申請できる制度を新設し、本年度から実施に移しております。もちろん、これは全国初の制度となるものであります。 ところで、大分県における最近の労働相談がどうなっているのかを見てみますと、県地方労働委員会のあっせん件数は減少しておりますが、県が大分、佐伯南郡、日田、中津下毛の四地方振興局に設置している中小企業労働相談所に寄せられた電話による労働相談の件数は、二〇〇〇年度は過去最高の千四百件に上っており、中でも賃金や退職金、解雇に関する相談が六百件を超えていると報じられています。 また、連合大分が設置している「なんでも相談ダイヤル」にも、昨年度は九十一件、今年度は今のところ五十六件の相談が寄せられており、解雇、雇用契約に関するものがトップとなっております。 本来なら、このような労働相談は労働組合と会社とで交渉するのが当たり前のことでありますが、ご承知のとおり労働組合の組織率は、二〇〇〇年六月末現在、全国で二一・五%、大分県で二一・八%となっております。この数値は、逆に言えば、雇用労働者五人のうち四人は未組織労働者という計算になるわけであります。したがって、雇用者に問題が生ずれば、おのずと県や連合大分が設置している相談所に連絡をとるのはごく自然のことと考えられます。しかし、問題なのは、相談して事が解決すればそれでよいのですが、話がこじれ、解決の糸口が見つからなかったり、最悪の場合、泣き寝入りする人たちが出てきたとすれば、それは大きな問題となります。 いずれにせよ、大分県においてもこうした労働相談は労働組合が組織されていない中小零細企業やパート等で働く方々に多く、しかも今後はそうした方々の数もさらに増加する上、個別的な労使紛争もふえてくると私は判断するところであります。よって、まずはその対応策として、健全な労使関係の維持、発展にさらに一層、労使双方が努めなければならないことは言うまでもありませんし、労働組合も未組織労働者の組織化に向け、より積極的な支援等を行っていかなければなりません。 そして、何にも増して県当局に申し上げたいのは、これまで述べてきたように県下における未組織労働者の現状と今後の動向を十分に認識され、地方分権一括法の制定に伴い、地方労働委員会の事務が昨年四月、国の機関委任事務から都道府県の自治事務に移行したことにより県の独自判断で制度新設が可能になったことや、その第一号として既にスタートを切った愛知県の実態などを総合的に判断され、この際、大分県のさらなる労使関係の安定が県下における産業の発展を推進するという視点に立ち、パートや派遣社員など未組織労働者の個別的な労使紛争も県地方労働委員会であっせんできるよう制度の新設を求めますが、当局の前向きな見解をお聞かせください。 最後に、高齢者の生きがいづくりと社会参加についてお伺いいたします。 県は、さきに本年四月一日現在における県内の高齢化率を発表しておりますが、それによりますと、本県の高齢化率は昨年より〇・六ポイント上昇し、二一・九%と一段と高齢化が進んでおり、その高齢化は全国平均よりおよそ十年も早いスピードで進行していると見ることができます。したがって、県としても、高齢化の進行は我が国全体の問題であると同時に、大分県が高齢化の先進県であるという自覚に立ち、今後とも全国に誇れる基盤づくり、とりわけ保健福祉施策の推進を願うものであります。 そうした中で私が現在、特に関心を持っているのが、介護保険にも全くお世話にならない、元気そのものの高齢者の生きがいづくりや社会参加に対する支援についてであります。 なぜ私がこのことに関心を持ったかといいますと、もちろん高齢化社会という現象がその背景にはありますが、それにも増して、今現実に高齢者の仲間入りをしている私の先輩たちの、いわば時間的にも余裕ある生活スタイルや、一方で、年はとっても社会とのかかわりを持ち続けたいという強い気持ちに触れたからであります。それで、何とかそうした前向きに高齢期を生きようとしている高齢者のためにも、それにこたえるシステムづくりができないものかと今つくづく思っている次第であります。 ところで、この点について県の施策の展開方向を見ますと、「おおいた新世紀創造計画」並びに高齢者保健福祉施策の基本方針である豊の国ゴールドプラン21で考え方が示されていますが、その中で特に私が思っていた施策と同方向のものがありました。それは、「おおいた新世紀創造計画」で高齢者の生きがいづくりの推進としての、企業退職者などが専門的知識、技術を生かせる仕組みづくりであります。 私は、諸先輩方からよく耳にする「お金のためではない。自分たちがこれまで培ってきたいろんな資格やノウハウ等が生かされ、社会のお役に立てれば」という純粋な気持ちを酌み取った場合、例えば経営革新が急がれる中小企業等への支援、あるいは県や市町村などにおいてコスト削減が叫ばれている公共施設の維持管理にかかわる実働分野への高齢者による支援などを思いつくところであります。 そしてまた、話は飛びますが、今、全国的にも県内においても児童虐待が大きな問題になりつつあると伺います。そこで、子育て支援という側面において高齢者の力をかりるといった新しい仕組みづくりも有効な方策ではないかと思うところであり、この際、これらのことを提言として申し上げておきます。 いずれにいたしましても、景気低迷、構造改革の実施などから、当面する雇用環境には厳しい試練の道が待ち受けているようではありますが、一方で、高齢化の進行は待っていてはくれません。県としても、計画で示されている高齢者の生きがいづくりの推進に今後ともより積極的に取り組んでいただきたいものであります。 そこで質問でありますが、高齢者の生きがいづくり、とりわけ企業退職者などが専門的知識、技術を生かせる仕組みづくりについて、県は今後、具体的にどのような絵を描こうとしておられるのか、私の提言も含めて見解をお伺いいたします。 以上で私の質問を終わりますが、知事は別として、関係部長さんには、小泉総理の例ではありませんが、恐れず、ひるまず、過去の流れにとらわれず、前向きな答弁をお願いいたします。 ご清聴、ありがとうございました。(拍手) ○牧野浩朗議長 ただいまの高村清志君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。  〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 高村議員の私に対するご質問にお答えさせていただきます。恐れず、ひるまず、頑張ります。 まず最初に、聖域なき構造改革と景気回復の両にらみ予算について触れられましたので、ちょっと私の見解を述べさせていただきます。 聖域なき構造改革ということで、まああらゆる分野において事務事業の見直しを行い、予算の削減を行って国債の発行残高を減していくという方向に着手することが第一目標に掲げられておりますが、同時にまた、現在、デフレスパイラルのおそれがあると言われる景気回復も喫緊な対策をとらなければなりません。景気がさらに悪くなって各企業の体力が衰えてくれば、税収がそれだけ上がらなくなる、来年度のまた予算におきましてはさらに国債の発行を上げるか、極端な緊縮予算を組めばさらに景気は悪くなる、悪循環になりますので、私は県予算においてもこの両にらみと申し上げましたが、これはなかなか難しい問題で、クリティカルパスと言っておりますが、非常に狭い道の中を通っていく、小泉首相はナローパス、狭い道と言いました、まあクリティカルパスであります。 したがって、これをどうやってバランスをとりながらこの聖域なき構造改革をやるかというところが問題でありまして、私は恐らく、今年度の財政運営について言えば、このまま景気はさらに悪化し、株価はさらに下落を続けるということになりますと、やはり補正予算をもう一度組んで景気を下支えをしておかないと聖域なき構造改革もやれないような事態に陥ると、このように思っているものでございまして、恐らく秋ぐらいになると、また夏ぐらいの前後で、来年度予算の概算要求がまとまる段階におきましてこの補正予算対応というものもあわせて考えながら、柔軟な姿勢でこの聖域なき構造改革を進めるということが大切でありますので、そういった硬直的な姿勢に陥らないような対応について政府にも直接提言し、申し上げたいと思っておるところであります。 さて、地方分権時代の県組織のあるべき姿であります。 昨年の四月に施行されました地方分権一括法によりまして、国と地方がこれまでの上下の関係から対等なパートナーになるための第一歩が刻まれたのであります。 今月に入りまして提出されました地方分権推進委員会の最終報告でありますが、地方税財源の充実強化に大きく踏み込んだ点で、高い評価を私は与えておるものであります。また、さきの経済財政諮問会議の基本方針におきましても、地方の自立とそのための制度づくりということが大きなテーマとなっておるわけでございまして、地方分権の一層の進展が期待されるということで私は期待をいたしておるわけであります。 しかし、この分権改革を実効あらしめるためには、議員もしばしば触れられましたが、県みずからが政策をつくり出し、実行に移していくという政策形成機能をあわせ持つ政策自治体に変革しなければならないのでありまして、この議員の議論には私も全く同感であります。 これから地方分権が進みますと、みずからの責任と権限で実施をする行政の範囲が大変大きく広がるわけでございまして、それだけ県民に対する県の責任も重たくなるわけであります。独自に地域に関する施策を企画立案し、実施していかなければなりません。これは市町村も同じであります。地域住民のニーズを的確に酌み取って、国の意向や先例にとらわれず、真に住民サービスの質を向上させる解決方法を見つけ出し、果敢にこれを実行していく、これが分権時代の県組織のあるべき姿、市町村組織のあるべき姿であり、行動原理であると、このように考えているところであります。 こうした組織のあり方を求めて、私は三つの構築ということを考えております。第一番は生活者の視点に立った行政システム、第二番目は変化に柔軟な行政システム、第三番目は簡素で効率的な行政システムの構築、この三つの視点を掲げて行財政改革に積極的に取り組んでまいったのであります。 議員もご指摘されましたが、政策自治体になるための一番のキーは、職員の意識改革と人材育成であります。私は常々、分権と分財と分人ということが地方分権の三本柱と申し上げております。権限の移譲だけではなくて、財源の移譲、そしてまたよき人材が県庁、また市町村の役場に確保できる、この三つが地方分権の三本柱、一つを欠いても真の分権はできません。 特にこの人間であります。それぞれの自治体にみずから考えみずから行動する人材が確保されることによりまして、県民の皆さんが中央集権時代よりもよりよき行政サービスが受けられるということにならなければ、県民の皆さんにとって地方分権が何であるかという、意味がないのであります。ただ国と地方とが権限をとり合いっこしているという話だけでは、本当の地方分権というもののメリットが地域住民に実感がわかないのであります。地域の住民が従来よりもより、みずから考えみずから行動し、住民のニーズに合うような行政が行われるようなシステムをつくっておかなければ、分権をやったかいがないわけでありますので、よき人材なきところに真の分権なしということであります。 したがって、これからの分権時代における職員については、先見性を持ち、自己の役割を自覚しつつ、縦割り意識にとらわれず、政策形成を競い合い、チャレンジ精神に満ちた人材であるということが必要であります。これは私は、知事就任以来、職員の皆さんに終始訴え続け、これまでも最重点課題として取り組んできたところであります。 特に今年度におきまして、私は、県政の推進の一番中心に育材と育心、人材の育成、そしてまた命を大切にする心を育てるということを基本に人材の育成に力を入れておりますが、職員研修におきましても職員の意識を磨くことの意義を強調したのであります。 まさに、議員が言われましたように、職員の意識改革はトップにある私の責任であります。また、私自身の意識、考えを職員に浸透させ、その徹底を図るために、グローバルに考えてローカルに行動せよ、大局着眼・小局着手、こういった行動指針を示して、現場主義を励行し、その時点時点で県政の進むべき方向性や目標をわかりやすく提示をしてまいりました。 また、若手職員、女性職員との懇談会、また県政アイデア発表会、職員の提案を盛り込んだ一所属一改善運動という、まあ全国の県に先駆けた先駆的な取り組みを行っております。毎年一度、それぞれの部局から、その部局にかかわらず職員の皆さんが一つのアイデアを発表してもらう、その都度私は全部聞いておりますが、よき提案についてはそれを県の施策に取り入れる、またそれを中心にいろいろ議論を皆さんにしてもらうということで、こういったことから、すべての職場においてこういった改善運動が取り組まれて、具体的な事務事業の改善にとどまらず、職場の活性化や政策形成意欲の喚起につながっているところであります。 さらに、人材育成につきましては、広い視野を持って問題解決に向けて創造的に行動し、いわゆる議員の言われる政策体としての自治体、第二番目に言われました政策形成能力を持つ有能な職員をこれからつくることが大切なことであります。そのためには、職員研修所を中心に、これまでの研修に、さらに考え方を変えまして、自主的な研究活動ができるようないろんな項目を入れて、政策形成能力というものをみんなにひとつ持ってもらうということをやっていかなければならないと考えております。 今後、本格的な分権時代を迎えますので、これまで以上に職員の意識改革を図りながら、全職員が一丸となって、分権時代にふさわしい県組織をつくり上げてまいりたいと思います。 小泉内閣の聖域なき構造改革を旗印にして、経済再生プランがまとめられています。新しい日本、新しい地方構築のためには、新しい哲学と理念が求められております。その理念をつくるのは、地域におって分権を推進する我々職員であります。我々が一体となってこの新しい理念を求め、その理念をつくり上げ、その理念の実行に向かって、全国の自治体の中で分権時代におけるモデルとしての大分県政というものをつくり上げるための職員の育成にさらに力を入れてまいりたいと考えております。大変よきアドバイスをいただいて、ありがとうございました。 その他のご質問につきましては担当部長より……。 ○牧野浩朗議長 志水総務部長。  〔志水総務部長登壇〕 ◎志水泰通総務部長 行財政改革の成果等についてお答えをいたします。 新行政改革大綱に基づき、これまで、規制緩和の関係では、許認可期間の延長や添付書類の削減、押印の義務づけ廃止等千三百十六項目について見直しを行い、県民負担の軽減を図るとともに、住民生活に密着した事務は住民により身近な市町村で処理することを基本に、国に先駆けて市町村への権限移譲を積極的に進め、有害鳥獣の捕獲許可等六十一事務を移譲してきたところでございます。 また、事務事業の整理合理化では約六百三十億円を節減し、事務事業の民間委託では五百六十六事務の委託を行ったほか、住宅供給公社、土地開発公社、道路公社の三公社を大分県地域づくり機構として実質的に統合するなどにより、外郭団体を平成十年度の四十から現在では三十二に、大分県医療補助審議会などを廃止することにより、附属機関等を平成八年度の百九十から平成十二年度には百五十七にそれぞれ削減してきたところでございます。 さらに、パスポートセンターの業務時間の延長や広報紙「新時代おおいた」の全戸配布等、住民の視点に立ったサービスの向上に努めてまいりました。 今後とも、行財政改革が県民にとって真に有益なものとなるよう、県議会や行政改革推進委員会のご意見やご提言を踏まえながら積極的に取り組んでまいります。
    牧野浩朗議長 立花教育委員長。  〔立花教育委員長登壇〕 ◎立花旦子教育委員長 まず、新学習指導要領の評価についてお答えいたします。 今回の改訂は、国際化、情報化など教育を取り巻く急激な社会変化を踏まえ、新しい二十一世紀を展望して我が国の教育のあり方を示した平成八年の中央教育審議会第一次答申などを踏まえ、明治維新後の第一の教育改革、戦後の第二の教育改革に次ぐ第三の教育改革のいわば総仕上げとして行われました。 新学習指導要領は、ゆとりの中で一人一人の児童生徒に生きる力を育成するという基本的なねらいと、みずから学びみずから考える力の育成、基礎、基本の確実な定着と個性を生かす教育の充実などの基本方針に基づいて改訂されております。 社会の急激な変化に主体的に対応できる人間を育成する上で、また今日のいじめ、不登校などの問題を解決する上でも、生きる力をはぐくむこれからの教育のあるべき姿を示したものであると評価しております。 県教育委員会といたしましては、既に、昨年度からの県教育行政基本方針の中に新学習指導要領の理念、目的を取り入れ、その具体化に向けて積極的に取り組んでいるところでございます。 学力低下への懸念についてでございますが、学力とは、単に知識の量のみでとらえられるものではなく、基礎的、基本的な内容を確実に身につけ、みずから学びみずから考える力などの生きる力であると考えております。したがいまして、各教科の点数にとどまるものではなく、児童生徒が希望する学校に入学したり、希望する職業につくために必要となる力を主体的に身につけさせることが大切です。 新学習指導要領のもとでは、すべての児童生徒が共通に学ぶべき内容は基礎的、基本的なものに厳選しましたので、三割程度削減されておりますが、このことによりゆとりを持って基礎学力を向上させることができるわけで、さらには意欲的、主体的な学習がより活発に行われることになりますので、学力低下への懸念はないと考えます。 県教育委員会としましては、基礎学力の定着、向上は言うに及ばず、今後とも学力向上対策により積極的に取り組まねばならないと考えております。 以上でございます。 ○牧野浩朗議長 石川教育長。  〔石川教育長登壇〕 ◎石川公一教育長 まず、新学習指導要領に向けた教職員の資質向上策等についてお答えいたします。 教職員の資質向上のための研修は極めて重要なものと考えておりまして、県教育委員会といたしましても、これまで重点課題として位置づけております。本年度からは、教職員研修を県教育センターにおいて体系化、一元化いたしまして、ライフステージ、経験段階に応じた資質、能力の育成を目的として実施いたしております。 新学習指導要領は、児童生徒がみずから学びみずから考える力を育成することなどを目的といたしておりまして、その趣旨の徹底を図るために、既に平成十一年度から県教育センターなどにおいて、校長、教頭、教職員を対象に必要な研修を実施いたしております。 これまでも新学習指導要領の実施に向け、教職員の資質向上をあらゆる機会をとらえて積極的に行ってきておりまして、平成十四年度からの実施は円滑に行われるものと考えております。 次に、学校の完全週五日制に伴う保護者不在への対応についてお答えいたします。 学校週五日制は来年度から完全実施されますが、議員ご指摘のとおり、その実施に当たっては受け皿づくりが不可欠であります。このため、県教育委員会といたしましても、これまで土曜日、日曜日に自然体験などの機会を提供する青少年ふれあいチャレンジ体験促進事業等を積極的に推進しており、本年度からは新たに異年齢、年齢の異なる子供たちの自主企画による各種体験活動の機会を提供する大分っ子わくわく体験推進事業も実施いたしております。 また、文化活動として、県内各地で六十を超える文化財愛護少年団が地域の文化財についての学習をいたしており、スポーツ活動としては、本年度から県内三つの市町で、だれでも参加できる総合型地域スポーツクラブ育成事業を開始することといたしております。 今後とも、市町村教育委員会と協力し、学校、家庭、地域社会の密接な連携を図りながら受け皿づくりを推進してまいる所存であります。 以上でございます。 ○牧野浩朗議長 緒方地方労働委員会事務局長。  〔緒方地方労働委員会事務局長登壇〕 ◎緒方末弘地方労働委員会事務局長 未組織労働者に対する地方労働委員会のあっせんについてのご質問にお答えいたします。 現在開会中の国会におきまして、個々の労働者と事業主との間の労働関係に関する紛争について迅速かつ適正な解決を図ることを目的とする個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律案が審議されており、本法案が可決されますと、ことし十月から全国の労働局で未組織労働者と事業主との紛争、いわゆる個別的労使紛争に係るあっせん制度がスタートすることになります。 あわせて、この法案では、地方公共団体においても地域の実情に応じて必要な施策を推進するように努めるものとされ、地方労働委員会は、地方自治法の規定に基づく知事からの委任によりあっせん等ができると位置づけられております。 県地方労働委員会といたしましては、ことし四月、委員六名による個別的労使紛争処理検討委員会を設置し、ニーズの把握や取り扱い対象となる紛争の種類などについて検討いたしておるところであります。引き続き、諸般の状況を踏まえ、地方労働委員会の担うべき役割が十分果たせるよう検討を進めてまいります。 ○牧野浩朗議長 財前福祉保健部長。  〔財前福祉保健部長登壇〕 ◎財前征一郎福祉保健部長 高齢者の生きがいづくりと社会参加についてお答えいたします。 豊かで活力ある高齢社会の実現のためには、経験豊かな高齢者が社会の重要な構成員として地域社会に参加するきっかけづくりや活動の場の提供を積極的に進める必要があります。 まず、生きがいづくりにつきましては、三世代交流スポーツ大会や昔の遊びを伝承する世代間交流、ひとり暮らし高齢者への友愛訪問などに取り組んでいる老人クラブへの支援、地域のボランティア活動や伝統文化の継承を指導するシニアリーダーの養成、ボランティアの登録、あっせんを行うボランティアセンターの整備等に積極的に取り組んでいるところであります。 次に、これまで培ってきた知識や技術等を生かした臨時・短期的な就業の機会を提供するシルバー人材センターが県内に九カ所あり、二十三市町村の高齢者が利用しておりますが、引き続き未設置市町村のセンター設立を促進することとしており、また、議員ご提言の趣旨に沿って、企業退職者などのニーズの多様化にも対応してまいりたいと考えております。 今後とも、引き続きこれらの施策を推進するとともに、積極的な情報提供や広報活動に努めるなど、市町村、関係団体と連携して高齢者の生きがいづくりと社会参加を推進してまいります。 以上でございます。 ○牧野浩朗議長 再質問はありませんか。--以上で高村清志君の質問に対する答弁は終わりました。 暫時休憩いたします。          午後零時二十四分 休憩     ------------------------------          午後一時三十四分 再開 ○荒金信生副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 安部省祐君。  〔安部議員登壇〕(拍手) ◆安部省祐議員 平成十三年第二回定例会に一般質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。 質問も本日が最終日となりましたので、皆様には大変お疲れのことと存じますが、いましばらくご辛抱をお願いいたします。 先般、ビッグアイが竣工し、オープニングとして開催された高校県体の開会式は、大変見事なものであり、感動を覚えました。何よりも、本県の将来を担う高校生の大半がビッグアイという国際的に通用する場所において一堂に会し、開会式が行われたということは、歴史に残る事実であります。 当日は小雨の降る中、会場に向かう途中、先生方が主要交差点に立って指導する中、歩きながら、また自転車で、バスで会場入りする高校生の姿を見たとき、その整然とした態度は本当にすばらしいものでありました。関係各位のご努力に対し、心より敬意を表します。 ただ残念でありましたのは、会場の芝の張りぐあいの問題から、高校県体の開会式では入場行進した選手がフィールド内に立つことなく、トラック部分を一周し、そのまま観客席に着かざるを得なかったことでありますし、さらに当初予定されておりました高校県体サッカーの試合ができなかったことも、今考えても残念でなりません。 個人的な意見ではありますが、これから世界に向け情報発信する場所であるビッグアイであればこそ、なおさら、世界レベルの大会が開催される場所であればこそ、最初に県民に利用させることこそが、何かと物議を醸しておりますビッグアイを県民に近づけることになったのではないかということであります。 さらに、本県の将来を担う高校生の開会式で幕を切って落としたビッグアイであります。当然のことながら、芝の状態が悪くとも、高校生にサッカーの試合をさせるぐらいの英断が欲しかったと思います。 結果的にプロであるトリニータが先に試合をすることとなりましたが、県民の関心が非常に高いビッグアイであればこそ、県民が最初に使い、そして県民に親しまれる施設として存在感を示すことが大規模プロジェクトに求められる意義ではなかろうかと考えます。 今後、小中学生や高校生のあこがれの場所として、また大会の決勝は必ず試合をする場所として使用していけるよう関係各位のご努力を期待いたしまして、質問に入らせていただきます。 まず初めに、人口減少を食いとめるための策としての都市機能の充実とダム効果についてであります。 先般発表されました昨年十月一日の国勢調査の速報値によると、本県の人口は百二十二万一千百二十八人でありました。平成七年が百二十三万一千三百六人でありましたので、五年間で本県人口が一万百七十八人減少したことになります。 この結果が公表されるに当たり、知事は、「少子・高齢化や都市部への一極集中が進む中、一部では百二十二万人台を割る推計も出ていたので心配していたが、ほっとしている。人口では、平成七年度の国調より約一万人の減少となったが、テクノポリス関連市町村や住宅施策が功を奏した市町村などで人口が増加したほか、別府市では立命館アジア太平洋大学の誘致によって人口の減少に歯どめがかかった。また、今年度の新国民生活指標、いわゆるPLI、豊かさ指数では初めて全国十位に入ったが、今後とも県民一人一人が暮らしやすい生活優県大分県を実感できる地域づくりに邁進したい」とコメントを発表されました。 過去の人口推移を見てみますと、昭和六十年から平成二年まで一万三千二百七十二人の減、平成二年から七年までが五千六百三十六人減であったことから考えると、若干下げどまり傾向を示した値がまた加速をつけ始めたのではないかと懸念されます。 中でも、郡部における人口減少は著しく、結果的にその構成比も国調が実施されるたびに、郡部の比率が減少し、市部の比率が上昇する結果となっております。 内容的には、市町村合併などで実際の市町村間の動きが変化してはおりますが、昭和三十五年までは郡部の方が市部を上回っていた人口は、その後、市部の方に加速度的にシフトしていき、昭和五十五年に市部の比率が七〇%を超え、ついに今回は郡部二五・五%、市部は七四・五%にまでなりました。 急速に、また際限なく進む人口の都市部への集中は、本県の施策体系にもさらに見直しを進めなければならないような疑問を投げかけております。しかも、その根底には、いまだにこれまでの経緯どおり、やはり大都市部への人材供給という側面には変わりなく、県がこれまで何とか人口の減少に歯どめをかけるべく、若者の定住と過疎からの脱却を目標に掲げながらも、一向にその方向に向こうとしない人口の都市集中と過疎の進行という社会現象とも言うべき問題点となっております。 一昨年策定されました新世紀創造計画の人口見通しによると、「近年の社会移動の転出超過や出生率の低下傾向が続くものとした場合、平成二十二年には百十七万九千人になるとの国の推計がありますが、大学等高等教育機関の充実を初め、企業誘致の推進、子供を産み育てやすい環境の整備などの各種定住対策の効果により、平成二十二年の総人口を百二十三万人から百二十一万人と想定します。最近の趨勢からは百二十一万人になると見込まれますが、今後も百二十三万人を保つよう努力を重ねることが必要です」と結んでおります。 十年間の長期計画のスタートの年に、厳しいながらも施策の成果として人口が増加した市町村が存在することは、それなりの方向性に間違いがなかったことを証明しております。 しかし、人口が減少した町村をいま一度分析しますと、米水津村の一〇・八五%の減少率をトップに、宇目町、上浦町が一〇%を超え、さらに五%を超える市町村が三十一にも上っております。 地域の教育の中核である高等学校が生徒減により統廃合されていく現在、長計に書かれている政策以外にもさらなる打開策をとらなければ、郡部の過疎地の人口比率はさらに加速度的に低下することは目に見えており、県土の均衡ある発展に支障をもたらすことは言うまでもないことであります。 それにも増して、郡部から市部へシフトしてきている人口が、結果的に本県では総数で減少するということは、さらなる問題点として重要性を増してきております。 そこで、これまで一般質問でも何度も取り上げられております人口流出に対するダム効果、つまり他の大都市に流出する人口を県都大分市や中核都市でとめてしまおうという施策をいま一度検証してみたいと思います。 県下の高等学校に視察に参りましても、年々、専門学校に進学する率が上昇し、高校卒業と同時に県内に就職する高校生は減少してきております。この傾向をどのように分析すればよいのでしょうか。やはり当然のことながら、地場に就職させたいと考える親は多いことでありましょう。しかし、就職口がないとするならば、さらに上位を目指して専門学校に行き、とりあえず次をねらうということもあり得る話であります。こうしたことが、結果的には卒業後、大分に帰ることをより難しくすることにつながり、若者流出に拍車をかけているのではないでしょうか。 もちろん、若者の志向を一律に判断し、対応策を練ることは不可能でありますし、年々その欲求が多種多様に変化してきていることが指摘されております。ただ言えることは、生活の利便性という点だけで考えるならば、どうしても郡部よりは都市部へ、さらには大都市へという傾向が加速されてしまうことであります。 都市の魅力やアピール度も、現に大分から福岡までの鉄道、バス路線は年々強化され、便数の増加はもちろんのこと、時間短縮とも相まって、その利便性が向上し、逆に大分に住んでいても大都市福岡に買い物や刺激を求めて出かける人々が増加している現象を見ますと、今後のキーワードが存在しているように思われてなりません。 知事はこれまで、文化、スポーツ、商業等の都市機能の充実と県民生活の基幹となる県立病院、社会福祉介護研修センター、県立図書館などの整備を図り、さらにはOASISひろば21やビッグアイを整備するなど、県都大分市の拠点性を高め、県外への人、物の流出を防止するための一種のダム効果策を実施してきました。特に、来年開催されるワールドカップサッカーも、そういった意味では重要かつ効果的なものとなります。 さらに、現在進められている駅高架事業や庄ノ原佐野線、駅南区画整理事業は、その有機的なつながりをつくり出し、都市の魅力をさらにアップさせるものとして大いに期待される事業であります。こうした一連の事業は、大分市を福岡、博多のミニ版として整備する中で、人の流出に歯どめをかける事業の一つとして大いに期待されるものであります。 しかしながら、このような事業だけで本当にダムとしての効果が最大限に発揮できるわけではありません。しょせん、大都市と競争しても、地方中小都市である県都大分市がその規模や人口からしておもしろみに欠けることは言うまでもありません。 そこで、新世紀創造計画の大前提である人口問題について、若者の定住を図り、人口減少を最大限に食いとめる策である都市機能の充実とダム効果について知事の見解をお伺いいたします。 次に、そのダム効果を最大限に発揮するため、またビッグアイが完成し、ワールドカップサッカーを初め、二巡目国体へとつながるビッグイベントが開催される際の顔的存在とも言える県都大分市の問題についてであります。 最近、大分駅南地区や日豊線沿いを通ってみますと、以前には家があった場所も取り壊しが進み、さくで囲まれた空き地が随分と目立つようになりました。事業の進捗が目に見える状況となってきたと思います。 さらに、高速米良インター付近も、国道一九七号バイパスが整備される中でその様相を一変させてきております。 また、一方で、駅高架事業の推進により、文化財調査が進むにつれ、大友館の跡が発掘され、当時の姿がわかり始めるなど、この一大事業は大分の過去の栄華を発掘し、さらには新時代の新しい顔をつくり出すという二つの面で興味深い姿をつくる事業となっております。 残念ながら来年のワールドカップサッカーには間に合いませんが、平成二十年の二巡目国体開催時には、全国から来県する人々に新装なった大分駅や駅南の姿を見ていただきながら、庄ノ原佐野線経由でビッグアイに向かう姿を想像すると、大きな希望がわいてくるような気がいたしますし、大分の魅力発信の一翼を担うことになると期待も膨らむばかりであります。 しかし、懸念材料もあります。これだけの大規模な史跡が出てきますと、当然のことながら発掘作業も相当な時間がかかるため、事業そのものの進捗がおくれることへの懸念であります。 さらに、もう一点気になるのが、現在事業中の庄ノ原佐野線が大分川を渡らないということであります。 先ごろ、七月四日に開催されるキリンカップサッカーの交通規制が発表されました。それは、会場周辺の二キロメートルに交通規制をかけ、大会関係者、地元住民以外の車の乗り入れを禁止し、観客の大半をシャトルバスによって送迎し、さらにシャトルバスの運行される区間内、大分駅から会場までの路線は、大分駅付近の金池二丁目交差点から加納西交差点の間の第一車線を、午後二時から午後七時までと午後九時から午前零時まで観客を乗せたシャトルバスが通行するため、バス専用レーンにするというものであります。 そうでなくても、恒常的に混雑しております大分臼杵線に規制をかけることは初めてのことであり、実際その様子を見てみなければ判断がつかないことではありますが、平日の、しかも大分市の中でも混雑度の高い大分臼杵線に規制をかけることがどのような結果をもたらすのか、注目に値するところであります。 仮に、県警から出されております当日は、関係車両や観客を運ぶシャトルバスの運行によって相当の渋滞が予想されますので、車の通行の自粛をお願いします。当日は、平日の帰宅時間と重なりますので、通勤の際はマイカーの利用を控え、できる限りバスや電車等公共機関の利用をお願いします。営業トラック等につきましても、交通規制時間中はできる限り規制区間を通行しないよう、通過コースの変更にご協力をお願いします。本大会は、来年のワールドカップ開催成功に向けて大分県を挙げて取り組んでいますので、規制時間中は現場警察官の交通整理にご協力ください-というお願いが功を奏し、当日は何もなかったように過ぎたとしても、これから幾度となく当然のことのように、四万三千人収容する大会等が開催されるビッグアイには大きな期待とともに開催時における規制が重くのしかかり、しても迷惑、しなくても大渋滞というような、結果的に道が混雑するのみで、我々はビッグアイが完成し、迷惑だという声が起こらないとも限りません。 当然のことながら、新規の道路体系も検討し、道路整備も急がなければなりませんし、庄ノ原佐野線も県民に計画を知らせている以上、その早期完成が求められている道路でもありますので、その完成目標時を明らかにし、事業実施をしなければならないことは言うまでもありません。 さらに、もう一つつけ加えさせていただくならば、大分川を越えた下郡工業団地から先は、大分市が施行しております下郡区画整理事業で現在豊肥線をアンダーで越える道が完成しております。しかし、この道は二車線であります。庄ノ原佐野線との整合性がとれてない事実も指摘せざるを得ません。 現状では、庄ノ原佐野線の事業は総事業費三百六十五億円をかける大規模プロジェクトでありながら、仮に現在の事業区間、大道から国道一〇号線まで完成したとしても、単に駅南を通過する大規模な道路が完成したのみで、上野のトンネルや大分川架橋などの周辺整備ができて初めてその機能を発揮することを考え合わせるならば、駅高架のための工事用道路にしかすぎないといった感をぬぐい去ることはできません。 また、もう一つの大事業である駅高架事業について、いま一度疑問を提起したいと存じます。 この事業も、用地関係はかなりな姿をあらわしてまいりました。その期待が膨らむばかりであります。しかし、いま一つ、事業の現実の姿が明らかになっていない部分もあります。 当初、検討段階では西大分駅以西を起点とする案がありましたが、西大分駅周辺の市街地整備が具体化していないこと、西大分駅南側は丘陵地が迫っているために開発の余地が少ないことを理由に、事業効果が薄いという判断から、起点が生石椎迫線の中島踏切よりと決定されました。 事業区間内には、現在、立体交差で越えている陸橋が三カ所あります。これをいつの時期に切りかえるのか、また切りかえる際の交通をどのように処理するのかといったものを早期に情報提供し、事業に協力していただきながら、低迷する経済活動の一助として役立てていくことや、交通の円滑化に資するためにも、基本的なスタンス、工程を明らかにしていく必要があると言えます。 さらには、今回区間から外れた白木から中島踏切までの区間は、中島踏切を含め、踏切が二カ所、基準値、つまり高さをクリアできない御幸ガードの三カ所が存在しております。 御幸ガードは県施行、中島踏切は市施行という話は出されておりますが、当然のことながら、駅高架の陸橋切りかえの際にこの二カ所にも影響が出てくることは必至の状況であります。 なおさら、事業効果が薄いと判断された西大分駅周辺南側は丘陵地であるため、その高低差が大きく、周辺住民に与える影響ははかり知れないものがあります。 一方、御幸ガードについては、現在、掘り下げ案によって地元との交渉がなされているようでありますが、結論にまで至っておりません。 この双方の工事とも概算で幾らになるのか、当局に聞きましたところ、中島踏切が約四十億円、御幸ガードが約三十億円とのことで、それぞれ市、県が負担するとのことであります。合計で七十億円かけて事業を緊急に実施しなければならないこの二カ所も、まちづくりとして本当に住民に受け入れられるものであるかといえば、そうではありません。 県が起点側決定理由で言うように、背後地が丘陵であるという中島踏切と隣に祓川が流れている御幸ガードはそれぞれ高さが低くなればなるほど水処理問題と隣接地の高さ問題に苦慮することとなり、さらにもう一方で、大変危険性の高い西大分駅構内の踏切が残されることとなり、「すぐそこまではよくなったけど」という声が地元から出されるのは、まず間違いないところであります。 投資額とその効果を見きわめなければならないのは言うまでもありませんが、駅高架事業は百二十億円の試算でありました。しかし、今回、事業区間ではない部分に七十億円をかけ、単純に立体交差のみを行うというのはいかがなものでありましょうか。 まして、西大分駅周辺は開発の可能性が薄いため完全に取り残されていくことは明白であり、逆に高架事業によって地域整備をしたいとの地元の声もだんだん高まってきております。 県財政が厳しさを増す中、最小限の投資で最大限の効果を得なければならないことは言うまでもありませんが、その差額である五十億円をどのように見るかという意識、また将来をにらんで、若干むだとも言える投資もこの際、決断すべきではないかという点に集約されるのではないでしょうか。 一つの事業で取り残される地域が発生するという事実は地域切り捨てともとられないように、将来に向けた計画を明白にし、そして県民に情報開示し、意見を問うという方法をとらなければならないと思います。 そこで、これまでの経緯はそれとして、フレキシブルに再検討する体制がなければ、必ず将来に禍根を残すことになることは言うまでもないことであります。 以上、当面する庄ノ原佐野線、大分駅高架事業の二つに焦点を当てて検証しましたが、将来像を含め、早急に事業を進捗もしくは再検討しなければならない事項が多いということを指摘し、事業の現況並びにその方向性についてお伺いをいたし、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○荒金信生副議長 ただいまの安部省祐君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。  〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 安部議員の私に対するご質問にお答えいたします。 都市機能の充実とダム効果であります。 私は、定住人口の確保と交流人口の拡大を県政の最重要課題と位置づけまして、これまでも各種施策を積極的に展開してまいったのであります。 地域の道路、上下水道、住宅等の生活基盤整備を進めるとともに、地域の基幹産業である農林水産業の振興、またダイハツ、サッポロビール、キヤノンマテリアル、こういった雇用型企業の誘致に努めてきたところであります。 また、東九州自動車道、九州横断自動車道、中津日田道路、中九州横断道路等の高速交通体系の整備、日豊本線の高速化、情報通信基盤の整備、ギガビットネットワークの整備に全力を今、傾注をしておりまして、これは定住人口と同時に交流人口もふやす手段として非常に強力なものでありますので、このインフラ整備に力を入れてまいりました。 近年は、スポーツ公園、立命館アジア太平洋大学、農業文化公園等交流拠点の整備も進んでまいりまして、留学生の定住、また交流人口、こういったことでさまざまな施設の整備に当たりましては、各圏域の中核都市と周辺地域との連携、補完を視野に置いて、地域の一体的な振興を目指してきたところであります。 昨年の十月一日の国勢調査の速報値によりますと、これらの施策と相まって、住宅政策、企業誘致、大学の誘致など特色ある地域づくりに取り組んだ市町村の中には、例えば安岐町、杵築市、三光村、こういったところでは人口が増加し、あるいは人口の減少に歯どめがかかった例も見られるところであります。大分市におきましては人口が増加しており、結果といたしまして、ある程度のダム効果も発揮されたのではないかと考えているところであります。 しかしながら、議員のご指摘にも見られますが、大分市のダム効果が必ずしも十分に発揮されてない面もあります。 大分市につきましては、県都としてふさわしい機能を備えるため、県立病院や県立図書館、総合文化センター・OASISひろば21、インテリジェントタウン等の整備に取り組んだところであります。 今後、駅の高架化、庄ノ原佐野線の整備、大分駅周辺の総合整備、中心市街地の活性化、情報発信拠点の整備、また流通業務団地の整備、IT関連の新産業の創出、こういったことで高次都市機能のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。 このような努力は積み重ねますものの、大分市を大都市と同等の存在、いわば第二の東京、福岡にしていくことは、第一、不可能でもありますし、私はその必要性はないと思っております。大分市は、大都市にない大分市ならではの魅力を擁する地方都市として、大きな魅力を持つ都市として機能を備えていくことが大切であります。各十一の都市も同じに考えるべきと考えております。 このため、周辺地域との共生ということを視野に置きながら、大分市の持つ豊かな自然や多彩な文化などをキーワードにした都市づくりが望まれるところであります。こうしたこともありまして、平成十五年に全国都市緑化おおいたフェアを大分市と共同で開催して、県都の魅力あるまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。 私の意見といたしましては、大分市への一極集中に伴うダム効果と言われますけれども、肝心なことはその内容でございます。 ここに国勢調査の最近の統計がございますが、平成八年から平成十二年までの流動人口調査でございますが、大分市に県内の各市町村から転入した人と大分市から各市町村に転出した人、それの差、つまり、それが全体で六千八百七十二人、これだけの人間が各市町村から大分市に流入をしております。 県外から大分市に入ってきた人はこの五年間で六万二千人おりますが、大分市から県外に出た人は六万七千人、したがって県外には大分市から流出している人が五千三百十二人おるわけでありますから、大分市のダムというのは、下流から水を吸い上げて、上流から来る方には水を出していると、こういうことになります。したがって、大分市が各都市から人口を吸い上げただけということのダムでいいものだろうかと私は思うのでありまして、むしろ他県の地域から大分に移り住んで人口がふえていくということが大切であります。 そしてまた同時に、これからは周辺の道路を整備していけば、ビッグアイも大分のダム効果をふやすためにつくったわけじゃございませんで、むしろ、交通がよくなれば、大分の郊外の挾間町や野津原町、また津久見、そういったところに人間が住んで、それから大分に通う、また大分のビッグアイの試合を見に行くということになっていくんで、東京を見ればいい例でありまして、東京の都心は全部空洞化して、千葉、埼玉、神奈川、遠くは鎌倉から通っている人が多い。いわば、東京周辺の地域に住宅ができて、そこから東京に通う。 大分市内も今、荷揚町小学校はもう一学級しかありません。大分市内はもう空洞化が進んでおりますから、だんだん、大分市に人間が住むんじゃなくて、遠くは日出から、また県南から電車で通うと。皆、住宅は環境のいい周辺部に住んで、大分市はビジネスセンターということになることの方が、大分市のためにも、大分県のためにも望ましいわけでございますので、やたらと大分に一極集中に伴うダム効果ということで大分を整備する必要はないというのが私の基本的な考え方であります。 したがって、そういうことを考えながら、大分市を中心に放射線状の道路をつくり、そして大分市にいろんなセンターをつくり、ビジネスセンターをつくり、企業を誘致して、通う人は皆、郊外から、県の各地域から通っていくということが大分のバランスある人口配置、またバランスのとれた県土の発展ということになろうかと考えておりますので、その方向に向けて大分市の魅力をふやしていくような対策に取り組んでまいりたいと考えております。 その他のご質問については担当部長から答弁……。 ○荒金信生副議長 田中土木建築部長。  〔田中土木建築部長登壇〕 ◎田中慎一郎土木建築部長 庄ノ原佐野線、大分駅高架事業の現況等につきましてお答えをいたします。 両事業につきましては、地元の方々の全面的なご協力によりまして用地取得が順調に進んでおるところでございます。 庄ノ原佐野線につきましては、現在、国道二一〇号線から国道一〇号線までの二・二キロメートルの区間につきまして、平成六年度から事業着手以来、平成十二年度末までで全体の七〇%の用地を取得いたしております。大道側から二百五十メートルの間を一部供用しておりまして、今後とも用地の取得に合わせまして、順次交通開放していく予定でございます。 また、大分川架橋を含む国道一〇号から下郡側の事業化につきましては、現事業区間の進捗状況などを勘案しつつ、大分市など関係機関とも調整を図りながら検討してまいりたいと考えております。 次に、大分駅高架事業につきましては、平成八年度に事業着手以来、平成十二年度末までの用地取得は約九〇%に達しております。 また、文化財調査につきましては、大友館や御蔵場跡と見られる遺構が発掘されておりますので、現在、工法等につきまして関係機関と協議をしているところでございます。 今後とも、残る用地の取得に全力で努めてまいりますが、工事そのものはJRが主体となり、今年度、JRの専用線となります大分川橋梁の完成、それから車両基地の造成等を予定しておりまして、十四年度中には高架本体工事に着手できる見込みとなってございます。 なお、生石から西大分駅に向けましての事業区間につきましては、平成八年度に事業決定をする際に、周辺の土地利用、事業効果等を検討した上で決定したものでございまして、ご理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。 ○荒金信生副議長 再質問はありませんか。--安部省祐君。 ◆安部省祐議員 どうも、ダム効果につきましては知事の明確な方向がわかりましたので、この方向からして、道路体系もそうなんですけども、大分市に入るまでは非常に道路がいいです。入った途端に--幾らビジネスセンターといっても、入った途端に道路が渋滞してしまってとまってしまう。そうすると、なかなかビジネスとして機能が成り立ちにくいというような部分もありますので、この辺も含めてこれからいろいろ検討していただきたいというように思います。 ひとつ、これはもう要望で結構だと思うんですけども、庄ノ原佐野につきましても、駅高架事業につきましてもそうなんですけども、駅高架事業につきましては、今、駅が単に高架されるという、また線路が上がるというだけでなく、それに側道がつく関係で一つのバイパスとしての機能がかなり高い部分が出てくるんではなかろうかなというふうに思っております。そうしますと、当然のことながら、今、道路、何本かありますけども、高崎大分線まで何とかつくってもらって、それからバイパスへ流すという形をつくり上げると、もっと一〇号線に負荷がかからなくなると、そういったようなことも考えられると思います。 そしてまた、先ほど申しましたけども、ビッグアイで四万三千人というキャパがございますから、これからすべていろんな人を含めて五万人というような感じでやりますと、一つの市と同じような人口がそこに集中する。そうしたときに、現在の大分臼杵線、これ調べましたら、十二時間でも約三万台、車が通るようなところです。そこに規制をかけて、このままずっといくというような形をとると、大変これ迷惑だなあというような話も出てくるでしょうし、今言うような新しい道路もつくらなきゃならないし、またそういう市という感覚でいくならば、新たに鉄道なり何なりを近くまで引っ張っていって、歩いていただくとか、タクシーで運んでいくとかいうような形を総合的に判断をする一つの部署というのが必要になるんじゃないかと私は思っております。 ですから、ただ土木は土木でビッグアイを管理するというだけでなくて、一つの全体の流れを見渡した中で、そしていわゆる五万人動くものについてどういうふうに対処していくか、そして処理していくかというようなことを今後検討する部署をひとつきちんとした形でつくっていただいて、その中で総合的な判断をしていただきたいと、このように思います。 以上、要望でございます。ありがとうございました。 ○荒金信生副議長 以上で安部省祐君の質問に対する答弁は終わりました。 志村学君。  〔志村議員登壇〕(拍手) ◆志村学議員 自由民主党の志村でございます。 通告に従いまして、三点にわたりましてご質問をさせてもらいます。どうぞご答弁をお願い申し上げます。 まず、ローカル外交についてであります。 二十一世紀は大交流時代と言われています。現在、人、物、金、情報などの国境を越えた移動が地球的規模で拡大しており、情報通信分野の革新により、そのスピードも一段と加速してきております。このようなグローバリゼーションの進展は、我が国を取り巻く諸情勢に大きな変革をもたらし、必然的に地方も大きな変化が求められております。 平松知事は、このような国際化の胎動を先見の明を持って受けとめられ、地方の特色を生かしたローカル外交を早くから積極的に進められてきました。特に、知事がこれまで進めてきた一村一品運動は各国の地域の活性化にも大いに参考になるものがあるとの認識から、アジア各国から多くの方々が本県を訪れ、地域づくりを中心とした交流が盛んに行われており、昨年十月に開催された第七回アジア九州地域交流サミットには、十二カ国から三十七の自治体等が本県別府市に集まり、二十一世紀のアジアを創造する人材育成と環境」のテーマのもとに地域活性化についての意見交換がなされ、各参加者の関心の高さがうかがわれたところであります。 ことしに入ってからも、一月には平松知事がカンボジアを訪問し、プノンペン市で政府関係者や各県知事など百五十名が参加した一村一品運動トップセミナーで講演を行ったほか、四月末には、タイのバンコク市でタクシン・シナワット首相を初め政府関係者や各県知事など四百二十名が参加して開催されました一村一品セミナーに平松知事が招聘され、「一村一品運動と地域活性化」と題して講演をし、その反響が大変大きかったとお聞きしております。 また、五月には、大分県北京観光ミッションで北京を訪問した際、中国国家外国専家局と共催した「中国・大分一村一品運動セミナー」でも講演して、政府職員を初め多くの聴講者からの共感を得られたとも聞いております。 さらに、本年五月二十日には中米グアテマラ共和国のアルフォンソ・ポルティージョ大統領一行十名が、また今月九日から十一日にかけてカンボジアのフン・セン首相一行二十一名が来県され、一村一品運動の現場等を視察されました。 このように多くの諸外国と交流が行われている状況は統計データからもうかがえ、公式訪問や研修などの目的で大分県庁各部各機関を訪れた外国人は、平成十一年度ではこれまでで最多の七十五カ国、四千三百九人に上り、五年前の二千三百六十三人に比べ約二倍で、十年前の八百七十六人に比べ約五倍となっております。 ちなみに、ローカル外交は市町村でも活発になってきており、本県の十三市町が十一カ国二十三市等と姉妹・友好都市提携をし、さらに新たな提携も検討されているところであります。 このように大分県では、他の地方の県では例がないほど諸外国の賓客が来訪し、ローカル外交が積極的に行われ、大分県の情報発信がなされていることは大変喜ばしいことと考えております。 世界の多くの地域と交流し、それぞれの地域が持つ地域づくりのノウハウ等を交換し、学び合うというローカル外交は、自分たちの地域の発展にとっても大きなインパクトになるという直接的効果のほか、多岐にわたる分野での民間交流を促進する契機となり、国際性豊かな人材を育成し、多彩な文化の共生する活力ある地域社会を創造することになるものと確信をいたしております。 このため、私も長年にわたり中華民国・台湾との友好親善に努めてまいりましたし、二十一世紀の大分県を担う若者にはグローバルな感性を身につけてもらう必要があるとの考え方から、高校生の中華民国・台湾など海外への修学旅行のお手伝いも積極的に取り組んでまいりました。 大分県では、今後、二〇〇二年の日韓共催ワールドカップや二〇〇三年の第二十回全国都市緑化おおいたフェアなど大きな交流事業も予定されております。アジアの世紀と言われる二十一世紀を迎え、大分県の国際交流、特にアジア地域とのローカル外交を今後どのように進めていくお考えなのか、平松知事のご所見をお伺いいたします。 次に、食料問題についてであります。 我が国の食料自給率の動向を供給熱量ベースの総合自給率で見ると、昭和四十年度の七三%から年々低下し、昭和六十二年度には五〇%、平成五年度は未曾有の米不足の結果、三七%までダウン、平成十年度には、やや回復するも四〇%の低自給率であります。このところ、米、大豆、野菜、果実などでは国内生産が増加した一方、芋類、牛乳、乳製品、魚介類等で減少したことなどから、平成十一年度も四〇%と依然として自給率は向上いたしておりません。 また、食料自給率を国際的に比較してみますと、穀物自給率をFAO--国連食糧農業機関の平成十年のデータをもとに試算いたしますと、日本は世界百七十八の国と地域の中で第百三十六位となっており、OECD加盟の先進国二十九カ国の中で日本は何と二十八位であります。食糧安全保障の観点から見ましても、将来が危惧されるところであります。 国内に目を転じて都道府県別食料自給率を見てみますと、大分県は、平成十年が五五%であるのに、平成十一年は四五%と、一年で一〇%もダウンをしております。 こうした状況から国は、昨年三月に閣議決定された食料・農業・農村基本計画において、平成二十二年度を目標年次とする食料自給率の目標を提示いたしました。具体的には、供給熱量ベースの総合自給率で四五%、穀物自給率で三〇%、主食用穀物自給率で六二%を目標とし、さらに参考として、金額ベースの総合食料自給率目標が七四%という内容であります。 今後は、この食料自給率目標の達成に向け、国はもとより、県、市町村、生産者、食品産業の事業者、さらには消費者や関係団体を含めた国民的運動として取り組む必要があると思われます。 そこで、次の点について提案とお伺いをいたします。 それは、日本人が古来から美徳としてきたもったいないの精神であります。このことを改めて周知徹底する時期ではないかと思うのであります。 我が国では、昔から持っていたすぐれた生活観の一つに、物を粗末に扱うことを嫌い、質素倹約をよしとし、つつましい生活をすることに美徳を感じてまいりました。このことは、日本人はいかなる物にも神が宿り、その物に無限の恩恵を受けているとの認識から、日本人は世界の中で固有の歴史観と生活観を持ち、何事をなす場合もおかげさまでという感謝の念が常に存在していたのであります。 また、我が国では、昔から稲の苗を一つ一つ植え、他の作物も畝に丁寧に植えてきましたが、西洋では一般的にはばらまき方法で、随分と荒っぽい農法であります。我が国は、苗の一つ一つを大切に扱い、手を入れれば入れるほどよい収穫が得られ、篤農家と言われる人々を生み出しました。このことは、いかにも我が国の勤労観をよくあらわしています。 働くは、他、すなわちはたを楽にするに通じ、「おかげさまで」という言葉は、農耕を行う場合の相互の協力や助け合いによってお互いを生かし合っていく上で大切なキーワードであります。 日本人は昔から、食事をするときに「いただきます」「ごちそうさま」と言う習慣があります。それは世界に類のないことであり、その言葉の裏には、自然の恵みをもたらしてくれる神様や作物をつくる農家の仕事への感謝の念がおのずとこもっております。まさに粒々辛苦のたまものであり、お米を粗末にすると罰が当たるとよく言われてきたのも、そうした食料に対する考え方のあらわれであります。 また、我が国は、「足らぬと思えば足ることなし。足れば足らざることもなし」と言われるごとく、物欲を超越した足るを知る精神で天地の恵みに感謝してまいりました。したがって、食事は飽食を慎み、むだなくいただき、感謝することが生活の基本となっておりました。 ところが、最近の我が国の食事は、ただただ五感の快楽を求め、その欲望は肥大化し、大量の食料を求め、美味なるもののみを食し、残飯は廃棄するということで膨大なむだを生じさせており、その食品ロス、捨てるのは何と年間二千万トンにもなっているではありませんか。やがて訪れるであろう食料危機に備え、今のうちにその食品ロスに対し、もったいない精神で限りなくゼロに近いロス率を追求する必要があるのではないでしょうか。 平成八年度の厚生省資料に基づいた農林水産省における推計では、食品廃棄物の年間排出量は、一般廃棄物のうち、事業系で六百万トン、家庭系で一千万トン、産業廃棄物三百四十万トン、合わせて約二千万トンも排出されております。 また、平成十三年三月六日、農林水産省統計情報部による平成十二年度食品ロス統計調査の結果が公表されました。この調査の対象は、全国一千世帯、外食産業七百六十事業所、食品小売・卸・製造業二千八百事業所で、平成十二年八月から九月末までの二カ月間にわたり調査をし、貴重な資料が得られました。 その調査によりますと、食品の消費段階におけるロス率の世帯分については、七・七%のロス率でありました。世帯の内訳を見ますと、単身世帯では七・六%、二人世帯では七・九%、三人以上の世帯では七・七%とほとんど七%台でありますが、三人以上の世帯において、特に高齢者のいない世帯が九・三%に対し、高齢者がいる世帯では六・五%となっているのが注目されるところであります。 また、ロスの内訳を見ますと、廃棄の四・八%が食べ残しの二・九%を大きく上回っており、食品類別では油脂類一六・六%、果物類一四・九%、芋類一三・八%、野菜類一三・九%が多く、その大部分が廃棄であります。一方、魚介類は八・九%と比較的低くはなっておりますが、その原因は食べ残しであります。 地域別では、東北、近畿地方が九%台と高く、九州・沖縄では七・八%とやや低くなっておりますが、特色として、廃棄と食べ残しの割合がそれぞれ五〇%となっております。 一方、外食産業における食品ロス率は全国で五・一%ありますが、特に高いのは、結婚披露宴の二三・九%、一般の宴会では一五・七%であります。全くもったいない話であります。 食品小売、卸、製造業では、それぞれ一・一%、〇・一%、〇・一%未満と低いのですが、一般的に日持ちのしない食品のロスが高くなっております。特に芋類が八・九%と高く、加工食品の中では豆腐加工品が七・九%となっており、また家庭での食品を捨てる理由についての調査では、食べ残しでは、「料理をつくり過ぎる」「嫌いな食べ物が含まれている」、廃棄では、「古くなった」「腐敗した」、また「かびが生えた」「賞味期間が過ぎた」が多くなっております。 総じて、むだの原因は食料、食品に対する感謝の念の欠如から来るものであり、さきの世帯調査で明らかなように、高齢者と同居している家庭は、そうでない家庭に比べ、むだが少なくなっている点が注目させられるところであります。 二十一世紀の食料危機と食糧安全保障の観点から、このもったいない県民運動を平松知事をトップにぜひ推進していただきたいと痛感するところでありますが、平松知事のご所見をお伺いいたします。 次に、石川新教育長にお伺いを申し上げます。 石川教育長におかれましては、この春、新しい教育委員会制度により、委員の互選で教育長に就任されました。石川教育長は法律の専門家と承っており、新しい感覚で教育界をリードされる手腕に期待申し上げております。 「教育は人なり」と申しますように、ぜひ血の通った教育行政、教育施策を実施していただきますようお願い申し上げるところであります。 さて、六月八日、大阪府池田市におきまして、大阪教育大学附属池田小学校で未曾有の悲惨な大事件が発生いたしました。不幸にも犠牲となられました児童は、ご両親にとりましても、また国にとりましても大きな宝であり、そのとうとい命を奪われた児童に対し、衷心より哀悼の誠をささげますとともに、安らかなご冥福をお祈り申し上げます。また、けがを負われた方々の一刻も早いご快癒を願うものであります。 六月八日午前十時過ぎの悪夢の十五分間、次々と襲われた教室の中で、児童はどのように悪魔の手から逃れ、教師は児童を守り、避難、誘導されたのか、その光景は想像を絶するものがあります。その地獄のような現場から児童を守るため、担任教師は勇敢にも犯人に対し、体を張った行動をとられたものと確信するところであります。 このような事件はもう決して起こってはいけませんが、今の学校現場では、いつ、何が起きても不思議ではない状況下でもあります。この大阪の事件を受け、県教育委員会、市町村教育委員会は万全の策をとるべく協議をされたと聞き及んでおりますが、石川教育長の施策をまずお伺い申し上げます。 さて、このような事件を受け、この際、求められる教師像をもう一度、再点検するときが来たのではないでしょうか。学校における教師の役割は、児童生徒に学問を教えることから、人としての生き方などを教えることに加えて、児童生徒、学校の安全管理など幅広い対応がこれまで以上に求められるところであります。現職教員の方に対する研修の見直しはもちろんですが、ここでは、初任者、また臨時講師に対する研修制度についてお伺いをいたします。 まず、初任者研修についてであります。 初任者研修については、四月一日の辞令交付の後、平成十二年度は四月四日に各教育事務所におきまして教師としての心構えの研修を受けた後、直ちに現場の学校に配置され、そのほとんどがクラス担任教師として着任し、その後、初任者研修として年間三十日程度の校外研修を受けております。その受講者は百四十四名でしたが、百四十四名、一〇〇%の受講となっております。 しかしながら、クラスを持ちながらの研修生であり、研修生でありながらクラスを持つという極めてどちらつかずの立場であり、また、現在、初任者については、大学卒業後、即、新卒で採用される人は極めて少なく、ほとんどの人は臨時講師などを経た五、六年後、場合によっては十年以降に新採用される例が多く、したがって大学で教職課程を学んだときから随分時間もたち、学生時代の教育実習時からも相当時が過ぎており、しかも現在の社会情勢は刻々と変化しているのが実情であります。 そこで、新任教員につきましても、事前の研修を少なくとも一週間から十日ほど、全初任者が一堂に会し、つまり学校現場へ出かける前に純粋な気持ちの中で教育に対する熱い情熱の再確認など原点に戻った教育研修、またあらゆる場面、あらゆる状況を想定しながら適宜に対応できる判断、行動などの教育を徹底して行う必要があるのではないかと思いますが、教育長の所見をお伺いいたします。 次に、臨時講師に対する研修であります。 臨時講師については、採用後直ちに学校現場に赴任し、しかもいきなりクラス担任となる場合もあるのですが、平成十二年度における最初の研修は、既に夏休みに入った時点で設定されており、小学校では八月三日、中学校では七月三十一日など、それぞれ実施をされております。しかも、初任者研修の受講率一〇〇%に対し、臨時講師の場合は、小学校、中学校、高校、合計をいたしましても四百四十三名中、四百十二名の九三%と、三十一名が受講いたしておりません。採用後、いきなりクラス担任というのも問題が多いと思いますが、研修が年一回では余りにも少な過ぎるし、未受講者がいるのも問題ではないでしょうか。ましてや、生徒にとって、また父母、父兄にとりましては、クラス担任が臨時講師であろうが正教員であろうが全く同じ先生であります。したがって、臨時講師につきましても、初任者の事前研修とまではいかなくても、せめて新年度に入った四月一日から五日間程度の全体研修が必要なのではないでしょうか、お伺いをいたします。 さて、最近の教員採用状況を見てみますと、年々減少傾向にあり、今後の見通しも、少子化傾向を受け採用が増すことは望めません。しかしながら、教員採用試験を受験する人は、何としても教員となって教育界で活躍し、児童生徒への教育が一生の仕事だ、天職だと熱い心で挑戦される人が少なくありません。 私の存じ上げているある先生は、何年も何年も臨時講師をし、クラス担任の重責の中、またクラブ活動にも積極的に取り組み、夜遅くまで生徒を指導するため、やむなく学校の仕事を家に持ち帰るという状況であります。そのように体を酷使した後、さらに採用試験に備えて受験勉強をするのですが、このように児童生徒からはもちろん、父母や同僚の先生からの信頼も厚く、教育に本当に情熱を燃やされている先生が採用試験に備えての時間が少なく、一次試験に合格しない、やっと一次試験に合格したものの、正式採用にならず、翌年、再度挑戦しなければならない、そんな講師の先生が大勢いるのであります。 そして、翌年、また四月から七月にかけ受験勉強のやり直しであります。そうした先生から授業を受ける生徒から見れば、学校の一学期は、教材研究、クラブ活動、そして厳しい採用試験への準備で心身ともに疲れた先生から教わるわけですから、そこに問題がないはずがありません。 もちろん、教員採用試験に合格しないのを他人のせいにすることはできませんが、教育委員会としては、せめて、将来、大分県教育界にとって必要かつ有能な人材が思いをかなえられないままにならないための十分な配慮を、また一方、受験者としても、毎年同じような繰り返しではなく、ある時期、ここぞと命をかけるつもりで受験し、場合によっては受験を続けるか転職するかの決断を早目にする必要があるのではないかと思われます。そのためにも、受験者がそうした自己判断をしやすくするための適切な資料提供をすべきである、また教員採用試験の第一次に合格した者は、その年から五年間とは言いませんが、せめて翌年か翌々年までは一次試験を免除し、その分、学校現場での教育活動に精力を集中してもらい、教員としての研さんを積み重ねることができますよう制度改正をしたらいかがかと考えますが、こうした点につきまして石川教育長の積極的なお考えをお聞かせください。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○荒金信生副議長 ただいまの志村学君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。  〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 志村議員の私に対するご質問にお答えいたします。 アジア地域とのローカル外交についてであります。 環境問題のキーワードは、グローバルに考えローカルに行動せよという言葉があります。地球的な規模で考えて、それぞれの地域で行動するということであります。 地球温暖化条約という条約が批准されるかしないか、今その真っただ中にありますが、やはり大分県の空をきれいにするということのためには、大分で植林をして温暖化ガスを吸収する、また大分でいろいろと大気汚染防止をするということだけでは、大分の空はきれいにならないのであります。中国の空が汚れると黄砂に乗ってそのガスが大分にまでやってくるということになりますから、中国の空をきれいにしないと大分の空もきれいにならないということでございますので、昨年の植樹祭でアジアグリーンネットワーク宣言をして、中国にも植林をしてもらう、また中国においても大気汚染についての施策をとってもらう、そして中国の空がきれいになることによって大分の空もきれいになる、こういうことになるわけでございますから、常に環境問題は地球的な規模で考え、そして具体的な行動はそれぞれの地域の中で植林事業なり、環境汚染防止のための行動をとるということでございます。 この環境におけるキーワード、グローバルに考えローカルに行動せよということは、大分県における人づくりの目標でもあるわけであります。今やあらゆる分野においてグローバル化が進行していると同時に、お互いの相互依存関係も深まっているわけでございまして、グローバリゼーションとローカリゼーションが同時に進行する、まさに二十一世紀はグローカリゼーションの時代であります。地域社会においても、地域の特性を生かして国際交流を推進していくということが一番大切なことであります。 こういったことから、大分県においても、地域間外交、インターナショナルじゃなくてインターリジョナルな外交を積極的に推進をしております。地域住民と地域住民の草の根交流がその地域と地域、国と国との平和の維持のためにも大変大切なことであります。 二十一世紀はアジアの世紀でありまして、世界の成長センターとして注目を集めるアジア、地理的に近く、歴史的、経済的にも交流の蓄積があるアジアとの共生を深めていくことが、これからの日本、これからの大分県に特に大切なことであります。九州各県とも連携いたしまして、アジアとの交流を深め、九州・アジア経済文化交流圏を構築して、アジア・九州が一体的になっていく中で大分県の新しい発展を図ってまいりたいと考えております。 今後、その実現に向けて、以下三点を重点に取り組んでまいりたいと考えております。 第一は、相互利益を基本とした地域づくり国際交流の推進であります。大分県の一村一品運動は、一つの理念、一つの地域開発の哲学でもあります。アジア、世界の多くの国や自治体で地域活性化の手法として取り入れられておるところでありますが、引き続きこの運動の輪を広げてまいりたいと考えております。 議員も紹介いただきましたが、カンボジア王国、タイ王国ではこの一村一品運動を貧困克服対策、地域振興対策の有力な手法として国を挙げて取り組んでいるとのことでございますので、これにも積極的に協力をしてまいりたいと考えているところであります。 また、アジアの州または県、また市の首長が一堂に会しまして地域振興策を話し合うアジア九州地域交流サミットが、来年はカンボジア王国で開催をされることになっております。こうしたサミットを通じまして、アジア各国との地域交流のネットワークをさらに強化してまいりたいと思います。 また、アジア各国と結ぶ空の便につきましても、既に大分-ソウル間が定期便として週三便、今就航しておりますが、近く上海-大分のプログラムチャーター便が週二回始まることになっております。四月二十一日に第一便が上海に向けて飛び立つわけであります。行く行くはこれは定期便にいたしたいと、このように考えておるところであります。 引き続き、アジアの主要都市との間の定期便の開設にも努力をしてまいりたい。台湾あたりをその次ぐらいにぜひ考えたいと思っておるところであります。 第二は、環境面でのアジアとの共生、エコアジアの推進であります。環境対策には、冒頭に申し上げましたように、地球的規模で考え、地域で取り組むことが必要であります。昨年、大分で開催されました第五十一回全国植樹祭でアジアグリーンネットワーク宣言を行って、アジア各国が協力して植林する取り組みが始まったところであります。このような人類共通の生存基盤である環境問題にアジア各国と手を携えて取り組み、エコアジアの構築を目指したいと考えております。 第三番目でありますが、これからの日本は少子・高齢化が進む中でございまして、人材が不足して、これを補う形での多国籍化が進むことになると思われます。大分県もその例外ではありません。 大分県におきます留学生の数でございますが、平成十五年には約二千五百名に上ると今想定をされております。全国有数の留学生受け入れ県となります。留学生が安心して学べる受け入れ環境の整備、すべての外国人が暮らしやすい地域社会の形成に努めなければなりません。 一番大きな問題は、言葉であります。 バイリンガルな社会というものもこれからつくっていかなければならないと思っております。 留学生が県内の企業に残り、また大分の農林業を守るため、日本の農林業を守るため、アジア各国に人材を求める時代が到来することになろうと思います。 さまざまな文化が出会い、お互いを認め合い、共存する地域をつくり、相互理解によるアジアとの共生を図らなければならないと思うのであります。このためには、将来のアジアを担う若い学生の相互交流をさらに活発化していくことも大切なことであります。 先般、大分合同新聞の報道によりますと、志村議員におかれましては、県内各高等学校の台湾への修学旅行実現に対するご尽力が評価をされまして、台湾政府観光局より表彰を受けられたという報道を私も読みまして、大変意義のあることと思い、高く評価する次第でございます。 来年は、ワールドカップサッカーが日韓共催で初めてアジアで開かれるわけであります。スポーツ、文化交流をこれを機に促進いたしまして、地域レベルでの友好と親善を深めて、県民の皆さん一人一人が国際認識を高める契機となることも期待をいたすわけでございます。 このような国際交流、ローカル外交の取り組みによりまして、グローバルに考えてローカルに行動する人材を育成して、世界に開かれ、世界と共生する、特にまたアジアと共生する大分を築いてまいりたいと考えております。 先般の農業のセーフガード要綱もございましたが、これからアジアとの共生というのは必ずしも親善友好ではありません。貿易摩擦をいかにして解消するか、中国の農家の皆さんが大分にやってきて一村一品運動を視察して、シイタケの産地を見て、今や中国はシイタケについては大変輸出力を持った産業になってきました。 これからは、大分県の生シイタケの産地の皆さん、シロネギの産地の皆さんが中国を訪れ、中国のシロネギ産地、また生シイタケの現地を見学し、中国のシイタケ農家の方とお互いに交流して、両方の産品の共生の道を探る、こういったこともこれからのローカル外交では大変大きな役割を果たすものだと私は考えておるわけでございまして、あらゆる面からの交流を進めてまいりたいと考えているところであります。 次に、もったいない県民運動の推進であります。 議員もご指摘をされましたが、中長期的に世界の食料事情が逼迫することが予想される中で、我が国の食料自給率の向上を図ることは極めて重要な課題でございます。議員ご指摘のとおりであります。 食料自給率の低下の要因といたしましては、国民生活の多様化、高度化によって米の消費が減少し、畜産物や油脂の消費が増加するなど食生活が大きく変化したこと、その変化に国内生産が対応し切れなかったことが考えられますが、今後は、このミスマッチの解消に向けまして、生産、消費両面からの対策が必要になってまいると考えております。 このように低下した自給率の中にあって、なお膨大な食料の廃棄が行われておる、食べ残し等に象徴されるように食料廃棄が行われておる現状、また生産者が丹精込めてつくった農産物を消費段階で簡単に廃棄してむだにしてしまうという状況には、私も憂慮を覚えるものであります。 かつて日本文化の基層、もとにありました、基層にあった物を大事にするという精神が廃れてしまい、「自足自立」「もったいない」という言葉に今やまた再び新しい、新鮮な響きすら感じるようになってきております。 しかし、先ほど議員も言われましたが、結婚式の残す料二三・九%、大変これは大きな問題ですが、なかなかこれは難しくて、それじゃ自分の子供の結婚式は、これを下げるために全部サンドイッチにしていいか、といってやりますと、一回の結婚式にあの家はサンドイッチだけだったということになるから、これはやっぱり山ほど残ってもたくさんごちそうを出す、帰りには折り詰めを出すというのが、これが日本の人心の機微でございまして、結婚式は全部サンドイッチで、食べ物が一切、残渣がなくなるというような結婚式を果たしてやるでしょうか。これはなかなか難しい問題であります。 また、パーティーにおける残渣率一五・七%であります。政経パーティーで集まったお客さんがサンドイッチだけで、物がなくなって帰ると、これは有権者の皆さんに申しわけない。やっぱり山ほど出して、皆さん食べ残すぐらいでいいパーティーだったと、こういうことでございますから、なかなかこれはすべて、記念式典のパーティー等も同じであります。 そこはなかなか人情の機微でございまして、特に東洋的な儀式においては、料理は山ほど出して残してもらうと、これは韓国でも中国でもそういうしきたりでございます。必ずそのとおりと、フランス料理もしかり、山ほど料理が出て食べ残す。これは、一つのもてなしの心、むだのコストということを言った人もおります。まあこれがいいとは言いませんが、なかなかそこは難しい問題でもございます。 こうした中で、県におきましては、食料自給率向上だけでなくて、県民の健康増進、生活の質の向上の観点も踏まえて、農村や農業や食に対する理解の促進を通じた消費面での取り組みも進めております。 米の分野につきましては、従来から毎月十八日に「ごはんで元気デー」と、「ごはんで元気で」という大分便をもじっておりますが、の推進をしております。これは単なる消費拡大ではなくて、米食を通じて日本農業の基本にある米づくりの営み、さらには日本の食文化を理解することでもあります。 学校給食につきましては、子供たちが食生活を正しく理解し、望ましい食習慣を身につけるとともに、食事に対する感謝や喜びの心をはぐくむことを目標としておりますが、この中でも米飯給食を推進しているところでございます。 加えて、現在、あすなろ平成塾というのがございまして、各振興局別に小中学校を中心とした農業体験クラブというものがありまして、県下各地で児童の皆さんに田植え経験をしてもらう、農家のご苦労に思いをいたし、ありがたくいただく、食べ残さない精神を身につけさせる取り組みを行っているところでございまして、まあ私考えますと、地産地消という運動とこのもったいない運動というものがコインの表裏であると、このように考えておるわけであります。 そこで、本年度から県産農産物への理解と消費拡大の推進、生産者と消費者との交流を通じた県産農産物の愛用促進を図るため、農と食をつなぐ地産地消運動、いわゆる県民食彩運動、食の彩りの運動に取り組むことにいたしております。 この運動の柱といたしまして、昨年三月に閣議決定をされた食生活指針というものがございます。その普及定着に努めてまいりたい。 皆さんもお読みになったと思いますが、内閣で決めた食生活の指針がありまして、「食事を楽しみましょう」、第二番目が「一日の食事のリズムから健やかな生活リズムを」、第三番が「主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」、四番目が「ごはんなどの穀類をしっかりと」、五番目が「野菜、果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて」、その次が「食塩や脂肪は控えめに」、その次が「適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を」、その次は「食文化や地域の産物を生かし、時には新しい料理も」、その次、「調理や保存を上手にして、むだや廃棄を少なく」、もったいない運動がここに入っておるわけです。それから最後が「自分の食生活を見直してみましょう」、これが閣議決定された食生活の指針というものでございます。 こういった十の実践項目がありますから、これを国民運動として国も推進しますので、これをもとにして大分県の食彩運動を展開したいと考えております。広報誌を活用した啓発活動を行うほか、普及定着のためのボランティアを募集、登録しまして、地域に根差した活動として進めていくことにいたしたい。 ご提案のもったいない県民運動につきましても、生産から消費までを含めたこの幅広い地産地消運動の中で取り組んでまいりたいと考えておるところであります。 その他のご質問につきましては、担当部長より答弁をいたさせます。 ○荒金信生副議長 石川教育長。  〔石川教育長登壇〕 ◎石川公一教育長 まず、学校における安全確保対策についてお答えいたします。 県教育委員会といたしましては、事件当日、直ちに各学校に緊急連絡を行い、国から通知された児童生徒の安全確保及び学校の安全管理についての点検項目の再確認や緊急時における速やかな連絡・避難体制等について改めて指示をいたしました。 また、教職員による校内の定期的な巡回など、日常の児童生徒の安全確保と学校の安全管理について庁内協議を直ちに行いまして、校長会議等を通じて周知徹底を図ったところでございます。 市町村教育委員会におきましても、地域における子ども連絡所の周知、来校者の確認や声かけの励行、保護者や自治会などとの連携を図るなど、学校や地域の実態に応じた対策を講じております。 今後とも、警察などの関係機関との緊密な連携を図りながら、このような痛ましい事件の再発防止に向けて、児童生徒の安全確保と学校の安全管理を十分指導してまいりたいと考えております。 次に、初任者研修についてお答えいたします。 この研修は、昭和六十三年度に法制化されたものでありまして、一年間にわたって初任者の実践的指導力と専門的力量を高めることを目的として実施いたしております。 議員ご指摘のとおり、最近における採用状況を見てみますと、初任者は学校現場での数年間にわたる教育実践を積んだ講師経験者がほとんどでありますが、教育に対する情熱や教員としての適切な判断力等を身につける研修も初任者研修の中で実施いたしております。 なお、任命権者として採用前の研修を実施することは、基本的に初任者が教員としての身分を保有していないことから、制度的には困難であると考えております。 次に、臨時講師に対する研修についてお答えいたします。 正式採用された教員だけでなく、臨時講師についても、資質、能力の向上を図るための研修は不可欠であります。県教育委員会としては、教科指導、生徒指導等の充実を目指しており、その実施時期については、従来から授業への支障が最も少ない夏季休業中に行うことといたしております。 また、各学校においても、校長などによる校内研修により円滑な職務の遂行や実践的指導力の向上に努めております。 臨時講師の採用が三月末の定期人事異動後に決定されることなどから、四月早々の研修の実施は困難でありますが、今後は、議員ご提案の趣旨を踏まえまして、実施時期等について検討させていただきたいと考えております。 次に、教員採用試験についてお答えいたします。 教員の採用に当たっては、これまでも、得意分野を持ち、個性豊かで情熱を持つ教員を採用するため、学力試験だけではなく集団面接も取り入れ、模擬授業を課するなど、多様な選考を行っております。特に面接では、学校評議員や民間の方々にも入っていただくなど幅広い観点から評価をいただき、より人物重視の立場に立って教員採用をしてまいりました。 教員の採用は選考によることとなっておりまして、その性格上、年度ごとに決定するものと考えております。議員のご提案につきましては、研究させていただきますが、実施は困難ではないかと考えております。 なお、今年度から一次試験での不合格者につきましては、本人の希望により、成績を三段階で開示することといたしておりますので、ぜひ活用していただきたいと考えております。 以上であります。 ○荒金信生副議長 再質問はありませんか。--志村学君。 ◆志村学議員 石川教育長にお尋ね申し上げます。 今の答弁、もっともだとは思うんですが、やはり制度とか条例というのは、前例とか、あるいはそういうものだからというふうに決めてしまうと、もうこれ以上進みません。実は実態に合った形でどうするか、どう変更するかをもう少し積極的にやっぱり考えるべきじゃないかと思っております。実情にそぐわなければ、実情に合うように制度等法律を変えていけばいいわけであります。 小泉総理も誕生して、改革を一生懸命やっておりますが、やはり国民に支持があるからこそできるわけでありまして、その米百俵もですね、教育にかけてやろうと、こういう英断をもってやった。そういうことからすると、石川教育長、また立花教育委員長も法律家でありますから、もうどこをどうすればどうなるというのは十分知ってる方でありますから、よく実態を調査して、研究じゃなくて検討し、ぜひご協議いただきたいと、このようにきょうは要望をさせてもらいます。どうぞよろしくお願いします。 ○荒金信生副議長 以上で志村学君の質問に対する答弁は終わりました。 これをもって一般質問及び質疑を終わります。 ただいま議題となっております各案件及び今回受理した請願五件は、お手元に配付の付託表及び請願文書表のとおり所管の常任委員会に付託いたします。 なお、他の委員会にも関連のある案件につきましては、合い議をお願いいたします。     ------------------------------付託表件名付託委員会第七〇号議案職員特殊勤務手当支給条例の一部改正について総務企画 文化警察第七一号議案大分県税条例の一部改正について 〃 第七二号議案災害被害者に対する県税の減免等に関する条例の一部改正について 〃 第七三号議案大分県税特別措置条例の一部改正について 〃 第七四号議案大分県警察本部の内部組織に関する条例の一部改正について 〃 第七五号議案大分県勤物の愛護及び管理に関する条例の制定について福祉保健 生活環境第七六号議案大分県食品衛生条例等の一部改正について 〃 第七七号議案大分県産業振興条例の一部改正について商工労働 観光企業第七八号議案大分地区新産業都市建設協議会条例の廃止について土木建築第七九号議案訴えの提起について 〃 第八〇号議案職員へき地手当等に関する条例の一部改正について文教第八一号議案大分県立学校職員及び大分県市町村立学校県費負担教職員定数条例の一部改正について 〃 第八二号議案大分県高等学校定時制課程及び通信制課程修学奨励金貸与条例の一部改正について 〃 第一号報告平成十二年度大分県一般会計補正予算(第五号)について関係委員会第二号報告大分県税条例等の一部改正について総務企画 文化警察     ------------------------------ ○荒金信生副議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 お諮りいたします。明二十八日及び二十九日は常任委員会開催のため、七月二日は議事整理のため、休会といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○荒金信生副議長 ご異議なしと認めます。 よって、明二十八日、二十九日及び七月二日は休会と決定いたしました。 なお、三十日及び七月一日は、県の休日のため休会といたします。 次会は、七月三日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知いたします。     ------------------------------ ○荒金信生副議長 本日は、これをもって散会いたします。          午後二時五十八分 散会...