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  1. 大分県議会 1997-09-01
    09月17日-02号


    取得元: 大分県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    平成 9年 第3回定例会(9月)       平成九年           大分県議会定例会会議録(第二号)       第三回平成九年九月十七日(水曜日)     ----------------------------- 議事日程第二号        平成九年九月十七日     午前十時開議第一 一般質問及び質疑     ----------------------------- 本日の会議に付した案件日程第一 一般質問及び質疑     ----------------------------- 出席議員 四十七名  議長  古手川茂樹  副議長 日野立明      壁村史郎      友岡春夫      阿部順治      矢野晃啓      志村 学      安部省祐      佐藤 錬      阿部英仁      堀田庫士      馬場文人      盛田智英      諌山秀夫      和田至誠      荒金信生      佐々木敏夫      岩尾憲雄      古田き一郎      長尾庸夫      牧野浩朗      仲道俊哉      長田助勝      池田秀人      後藤利夫      本多睦治      首藤健次      堤 隆一      久原和弘      賀来和紘      塙  晋      小野弘利      江藤清志      内田淳一      相良勝彦      浜田 博      吉山和人      木許 晃      古屋虔郎      重野安正      挾間 正      菅 正雄      山田軍才      竹中万寿夫      平田宣彦      冨沢泰一      緒方喜代美 欠席議員 なし     ----------------------------- 出席した県側関係者  知事     平松守彦  副知事    帯刀将人  出納長    池辺藤之  教育委員長  加藤知孝  代表監査委員 原  貢  総務部長   外山邦夫  企画部長   曽根崎和人  企業局長   工藤義見  教育長    田中恒治  警察本部長  関  一  福祉保健部長 小野進一郎  生活環境部長 笠置邦秀  商工労働         永松博文  観光部長  農政部長   相良 浩  林業水産部長 藤田賢水  土木建築部長 吉永一夫  人事委員会         山田裕彦  事務局長  地方労働委員         神田尚三  会事務局長  財政課長   植松浩二  秘書課長   二宮滋夫     -----------------------------     午前十一時二十六分 開議 ○古手川茂樹議長 これより本日の会議を開きます。     ----------------------------- △平松知事の台風十九号による被害状況に関する報告 ○古手川茂樹議長 日程に入るに先立ち、知事より、昨日の台風十九号による被害状況について報告したい旨の申し出がありましたので、これを許します。 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 昨日、本県を襲った台風十九号による現時点の被害状況についてご報告申し上げます。 ご案内のとおり、台風十九号は、九州地方を中心として大きな被害をもたらしましたが、本県におきましても家屋の浸水等千百七十棟、県道別府一の宮線の土砂崩れなどによる道路損壊百十八カ所、また県道山香院内線の安心院町木裳橋の流失のほか、林地、農作物等にも大きな被害が発生しており、現在、被害状況の調査を鋭意進めているところであります。 県といたしましては、九月十五日付で災害対策本部を設置し、被害状況の把握に努める一方、大分市、佐伯市、杵築市、安岐町及び院内町に県の救助内規を適用し、被害者の救援に全力を注いでいるところであります。 また、被災者の救援と災害復旧に当たりましては、自衛隊、消防団などのご支援を賜り、厚く御礼を申し上げる次第であります。 今後、被害の確定や災害査定の状況などを踏まえ、被災者の救済と災害の早期復旧に万全を期してまいる所存であります。 ただいま院内町と申し上げたのは、湯布院町の間違いであります。改めて修正をさせていただきます。失礼しました。 ○古手川茂樹議長 以上で知事の報告を終わります。     -----------------------------古手川茂樹議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第二号により行います。     ----------------------------- △日程第一 一般質問及び質疑 ○古手川茂樹議長 日程第一、第九七号議案から第一一四号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。 馬場文人君。 〔馬場議員登壇〕(拍手) ◆馬場文人議員 おはようございます。第三回の定例県議会の開催に当たり、質問の機会を与えていただきましたことに、まことに感謝を申し上げます。 まずは、質問の前に、台風十九号の襲来によりますところの、ただいま知事からご報告がございました、県下に多大な災害をこうむっております。被災者の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。県といたしましても、一日も早い復旧を願わざるを得ないものでございます。 第七回の全国和牛能力共進会岩手大会が開催をされ、大分県出品の二十三頭の全頭が優等賞に入賞されました。この中で県畜産試験場出品の「糸藤号」が大臣賞を受賞、また中津市の角さんの出品が枝肉検査で金賞という輝かしい成果を上げられたところでもあります。大分県出品二十三頭のご健闘に対し、心からエールを送りたいと思っております。 また、七月の二十三、二十四日の二日間、第三十九回自然公園大会が飯田高原で開催をされました。全国から三千五百名を超す多くの人が参加し、くじゅうの大自然の中で式典、野外活動が盛大に行われ、参加者から「これほど盛り上がった大会は初めてである」との声も聞かれました。この大会の成功に対して、知事及び関係者に心から敬意を表するものであります。 なおまた、先日行われました四県知事による衛星フォーラム、平松知事を初めとする情報化先進県の四県知事が地域情報化について意見交換を行うとともに、県内のみならず、全国に平松知事の取り組みをPRすることができ、大きな意義があったことと思われます。 そのようなことを含めまして、私の質問に入りたいと思います。 県においては、平成七年から県から市町村へ権限移譲を進め、平成七年度から平成九年度までの三年間に合計二十四事務、三百四十三項目が移譲され、それに伴って市町村が移譲された事業を遂行するための必要経費も、権限移譲交付金という形で平成九年度には三千八百万円余が交付されています。これは全国に先駆けての取り組みであり、地方分権の流れを先取りする知事の行動力に深く敬意を表するものであります。 知事はかねてから、地方分権には、分権、分財と並んで分人が必要であると主張されてきました。私は、このうち分人について質問をいたしたいと思います。 これまで市町村は、我が国の中央集権的な制度、財源や人材の中央への集中などが原因となって、ともすれば国や県の指示どおりに行政を執行しておればよいという考え方でやってきました。しかし、もはやそういう時代ではありません。私は、これからの地方分権の時代には、市町村がみずからの責任で考え、行動することが求められていると思っております。これからは、基礎的自治体である市町村が主役になる時代です。しかし、現時点での市町村にその役割を担う人材が十分にいるかというと、私は大変不安であります。そして、そのような市町村にしてしまった責任の一たんは県にもあると私は思うのであります。 県はこれまで、主に財政的な側面から、やる気のある市町村を積極的に支援する施策を行ってきました。過疎地域振興プロジェクト事業などは、全国的にも画期的なものとして私は高く評価しております。 しかし、金はあっても、問題はそれを使う人であります。市町村がよくならなければ、県庁が幾ら張り切っても、県全体はよくなりません。 そこで私は、県は、市町村を人的に支援することにもっと積極的に取り組んでみてはどうだろうかと思います。「金は用意をいたします。あとは勝手にやってください」というのは、理屈ではそのとおりだと思いますが、現実はそれではうまくいかないと思います。 過去、県では、過疎地域巡回研究チームを編成して、市町村に巡回指導に行き、そこで政策提言をするというような取り組みを行ってきました。それ自体はすばらしいことでしたが、その後を見ると、どうもそのフォローが足りないのではないか。提言をつくり上げることばかりに気をとられて、せっかく出された責重な提案をだれが責任を持って形にしていくかという点についての配慮が不足しておるような気がいたします。 また、現在、各地方振興局には総務振興課地域振興担当という人が二名程度配置され、熱心に地域の振興に取り組んでいただいておりますが、イベントの消化等に追われ、足しげく市町村の役場を訪れ、本当に地域に入り込んで、地域の人たちと一緒になってその地域のことを考えるという当初の目的が十分に達成されているのか、疑問視する声もあります。 中には、せっかく振興局に勤務をしているのに、大分市内から通勤している人も多いようです。プライベートなことなので強制できることではないのはよくわかっていますが、地域で生活していなければ、その地域のことは本当にはわからないのではないかと思います。そして、何年かたつとまた、どこかへ転勤していくわけです。それでは、本当の意味で県と市町村が協力していくことはできないのではないでしょうか。 本年七月八日に出された地方分権推進委員会の第二次勧告は、その第五章「都道府県と市町村の新しい関係」の中で、「従来は、都道府県が市町村に対して一般的に優越的な地位にあり、市町村の事務に関与したり、市町村を指導したりすることが当然であるかのような様相を呈してきた。このような状況を踏まえ、新しい都道府県と市町村の関係は、それぞれの性格に応じた相互の役割分担を明確にし、都道府県と市町村が上下の関係にあるものではないことに特に留意しながら、対等・協力の関係として新たに構築していくこととする」としています。 文章だけを見ると、県と市町村はお互いが自分の分野からはみ出さないようにしていく方がよいというように読めますが、私は、この勧告が言っている新しい対等・協力の関係というのは、お互いの立場をよく理解し、お互いに尊重し合った上で、これまで以上に協力し合っていくというものだろうと考えます。そのようなお互いの意識なしには、表面上は協力しているように見えても、結局、裏ではお互いに相手に対して不満を言って、うまくいかないのは相手のせいにしてしまいます。これでは、県全体は決してよくならないと思います。 そこで、地方分権の時代にあって市町村が責任ある基礎的自治体となるためには、市町村職員の人材確保、人材育成が肝要と考えますが、これについて知事の基本的なお考えをお伺いいたしたいと思います。 また、私は次のような提案をしたいのですが、これらについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。 まず一に、振興局の職員、特に局長は地域に居住することを原則とし、それが可能な人材を充てていただきたいと思います。 二つ目、振興局の地域振興担当を廃止し、その人材を市町村に派遣してはいかがでしょうか。県から各市町村へ、少なくとも一名ずつの若手あるいは中堅職員を継続的に派遣し、その形態は対等・協力の関係を重視し、研修派遣ということで人件費は県の負担とし、ポストについては市町村の意向を尊重していただきたいと思います。 三つ目、交流人事の成功のかぎは、派遣される職員がいかに真剣にその地域のことを考えられるかにかかっていると思われますので、人事交流については、職種にとらわれず、派遣される本人の希望を重視していただきたいと思います。 以上三点にわたり積極的なご答弁を期待いたしております。 私は、これは天下りではないと思いますし、逆に本当の対等・交流にしていかなければならないと思います。 次に、県立三重農業高校久住分校についてであります。 県立三重農業高校久住分校は、昭和二十三年の創立以来、今年で五十周年を迎えます。この間、卒業生は二千三百余名と、竹田・直入地域や県内はもちろん、全国各地で活躍しております。 久住分校は、県立竹田高校定時制として発足し、昭和三十六年には全日制久住分校となり、昭和四十五年には県立三重農業高校に所属を変更しました。 施設設備も昭和五十年代に入り、校舎改築、体育館、柔剣道場、農業実習施設設備など年々充実しており、地元住民の一人として、県及び教育委員会のご配慮に感謝申し上げる次第であります。 さて、学校におけるいじめの問題に加え、昨今、神戸の中学生による連続児童殺傷殺人事件、奈良県の女子中学生殺人事件など、人の命の価値を何とも思っていないような残虐な、心痛む事件が頻発しております。このことは何をあらわしているのでしょうか。 私には、知識偏重、学力至上主義の戦後の教育において、自然や生き物の命を大切にする心の教育が欠如していたツケが、当然の結果としてあらわれてきたように感じられます。 ところで、教育とは一体何なのでしょうか。いわゆる学力を高めることだけが本当の教育なのでしょうか。 最近、中央教育審議会の答申などにおいて「生きる力」ということが言われ始めました。その言葉を使って言うと、私は、教育とは、大人たちが、子供たちがみずから生きる力と他者とともに生きる力を学べる環境を与えてやることだと思います。 危機が起こっても自分で自分の衣食住を確保していける力、自分以外の自然や人間と仲よく共生することによって自分もより豊かに生きていける力こそ、大人たちが子供たちに学ばせなければいけない力です。しかし、昨今の教育は、そのような場を子供たちに提供しているでしょうか。 そのような見方で久住分校を見てみると、生徒たちは、人間が生きていく上で最も基本となる食糧生産の方法を実地で学び、近隣の牧野のいろいろな共同作業、また国道周辺のごみ拾いなどの地域活動をボランティアで手伝い、花いっぱい運動で地域づくりに参加し、また特にシクラメンの栽培技術は相当なもので、販売の当日には行列ができるほどです。 また、何より、くじゅう連山の懐に抱かれた自然いっぱいの場所で育つ生徒たちには、自然を大切にし、他人を尊重する気持ちが育っています。 久住地域にとって、分校はなくてはならない存在です。 これからの日本を考えたとき、非常に重要な存在意義を持つと思われる久住分校も、平成九年度の生徒数は全校で九十四名と少なくなっており、存続が危ぶまれているとのうわさも聞きます。しかし、教育は経済活動ではありません。効率は追求していかなければなりませんが、それ以上に、何のための教育かというところが重要だと思います。 以上のような私の意見へのご批判も含めて、教育長さんに、学校教育の目標とすべきものと久住分校の意義をどのようにお考えか、また分校の今後について県教育委員会としてどのように検討しているのか、お伺いをいたしたいと思います。 二つ目、また、農政部長さんに、農業の振興という観点から県の農政の中に農業高校をどのように位置づけているか、また今後、教育委員会と連携を図りながら、どのように農業高校の問題に取り組んでいくつもりか、あわせてお伺いをいたします。 次に、本県の高齢者福祉対策についてであります。 私は平成九年度、福祉保健生活環境委員会の委員として、去る四月二十四日から六月六日までの間、延べ八日間にわたって県内各地の福祉施設、関係機関を視察いたしました。この間、老人福祉施設や養護施設、精神障害者通所授産施設介護研修センターなどで社会復帰に向けて努力されている方や入所者のお世話をされている方々にお会いし、それぞれの立場で懸命に努力されている姿に接し、深く感銘を受けたところであります。この場をおかりして、関係者の方々に対し、改めて敬意を表するものであります。 さて、本日は、高齢者福祉対策に関する次の二点について質問をいたします。 大分県では、平成九年四月一日現在、六十五歳以上の高齢者数は二十四万二千人、高齢化率は一九・五%となっており、全国十位--平成八年十月一日現在--の高齢化県となっております。 また、国立社会保障人口問題研究所の推計によりますと、大分県の高齢化率は、平成十二年には二一・六%、二十二年には二五・三%、三十二年には三〇・三%に達するものとされ、ほぼ三人に一人が六十五歳以上の高齢者になるという超高齢社会が近づいております。 中でも、七十五歳以上の後期高齢者の比率は大幅に伸びることが予想されていることから、介護を必要とする寝たきりや痴呆の高齢者は今後ますます増加していくことが見込まれる中で、高齢者の介護問題は県政の最重要課題となっております。 このような高齢社会への対策として大分県では、寝たきりや痴呆性老人の発生を予防し、高齢者の生活の質を高めるとともに、高齢者介護の負担軽減を図ることにより、だれもが高齢期を豊かに送れる地域社会を実現するため、平成六年三月に豊の国新ゴールドプランを策定し、目標年度の平成十一年度に向けて、その着実な推進が図られているところであります。 しかしながら、高齢者保健福祉サービスの多くは住民に最も身近な市町村によって提供されておりますことから、市町村の果たす役割は非常に大きなものであります。 現在、市町村では老人福祉計画に基づき在宅サービス施設サービスなどの基盤整備が進められておりますが、平成十二年度からの介護保険の導入を視野に置いて、今後ますます人材の養成、確保が急がれるところであります。 今のところ、新ゴールドプランはおおむね順調に進んでいるということですが、一方では、提供するサービスの種別や市町村間で目標の達成状況にばらつきがあると聞いております。市町村においては、設置目標に対して年次計画を策定し、毎年計画的に進めているということですが、同プランの達成状況及び目標達成に向けての対策はどうなっているのか、部長にお伺いをいたします。 次に、在宅高齢者住宅改造助成事業についてであります。 本格的な高齢社会を迎え、高齢者にとって心身の機能が衰えても、住みなれた地域や家庭で家族や近隣の人々に囲まれて安心して生活を送れることが最も幸せなことであり、そのためには高齢者に優しい住宅環境の整備を図ることが重要であります。 また、高齢者に適した住宅の改造は、在宅福祉を推進する上でも、寝たきり防止や家族の介護の負担軽減に大変に有効であります。 大分県では、平成六年度から九州で最も早く在宅高齢者住宅改造助成事業を実施し、さらに当初の補助基準額百万円を百二十万円に増額するなどして、県民に大変好評であると聞いております。 この制度が発足から三年を経過した現在、県では住宅改造助成事業の効果等について追跡調査を行ったということですが、これまでの事業の実績と具体的な効果はいかがであったのか、またこの事業に対する今後の取り組みについて部長にお伺いをいたします。 以上をもちまして、私の質問のすべてを終わらせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。(拍手) ○古手川茂樹議長 ただいまの馬場文人君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 馬場議員の私に対するご質問にお答えいたします。 その前に、お話のございました台風十九号の被害につきましては、先ほどご報告申し上げたとおりでございますが、被災者の皆様方に心からお見舞いを申し上げますと同時に、この災害復旧、また被災者の救助に万全を期してまいりたいと考えているところでございます。 また、お話がございました、岩手県で開かれました和牛能力共進会におきまして、県産の豊後牛が非常に好成績を上げたと。このことは五年前、本県で開かれました和牛能力共進会以降、畜産関係者の皆様方の格段の努力が実を結んだものでございまして、私としても大変うれしく思っているところでございます。今後とも畜産、特に豊後牛の充実のために努力してまいりたいと考えているところでございます。 さて、市町村職員人材育成等についてのご質問であります。 私はかねがねから申し上げているとおり、地方分権は手段でありまして、目的ではない。この目的は、住民に身近な行政は身近な行政主体が行って、住民のニーズをきめ細かく把握し、これに対応することができると。これは、現在の中央集権型のやり方ではなくて、地方分権へ移行した方がよりベターにできるんではないかということから地方分権が必要であると、こう申し上げているわけでございます。 そのためには、議員のご指摘もございましたように、まず権限をできるだけ地方に移譲する、またそれに伴う財源を移譲する。分権と分財--分財という言葉は、大分県で青年期を過ごした福沢諭吉先生のお言葉でございますが、分権、分財、そしてもう一つ、それを市町村において、また都道府県において行政をしっかりやることができる能力を持った人材を地方はしっかり確保できると--分人ということを申し上げているわけでございまして、議員のご指摘のとおりであります。 特に、この一番、行政の基礎的な単位であります、また基礎的な団体である市町村の行政能力を高める、また市町村役場に有為な人材が確保できる、また職員の質を向上する、これが地方分権の一番の基本ではなかろうかと私も考えているところでございます。 市町村は、これまではややもしますと、議員がご指摘のように、国や県への依存体質ということからなかなか脱却できなかった点のあることも否むことができないと、このように思うわけでございまして、今日の地方分権ということで推進委員会の答申が出ておりますが、おおむね国と市町村ではなくて国と都道府県との間の権限移譲、また財源の確保ということが一番中心になっているように見えまして、どうも国と地方の知事との綱引きというようなことが一般の住民の方に見えるんではないか。これではよくないんでありまして、まさに市町村に権限や財源、そして有為な人材を確保することが一番大切であると、そう考えまして、県は県として、私は独自に県の権限を地方の市町村に移管する、それに必要な財源もつけて移管するということをこの二年間続けてやっているわけでございまして、地方自治、地方分権も教育から、人づくりからであります。そういった意味で積極的に、県の権限もできるものは町村に移譲するという方向を今考えているところでございます。 同時にまた、これからは各行政においても市町村の枠組みを超えた広域的な対応を迫られる分野--消防、また産業廃棄物等々いろいろとございます。それらを踏まえてこれからいろんな施策を企画、立案し、調整し、実施していくような政策能力を備えた人材を確保しなければならないと、このように思うわけであります。そのためには職員の皆さん一人一人が意識改革して、みずからの基礎的な業務遂行能力はもちろんでございますが、自分で政策を形成していく、また管理する、また情報化、国際化の対応能力、こういったものをしっかりと持った人材が求められることになるわけであります。 また、特に市町村長がリーダーシップを発揮して職員の自己啓発、各種研修への参加、職場の人材養成の意識の醸成、こういったことで何よりも人づくり、マンパワーの強化を計画的に図っていただきたいと申し上げているところであります。 県としては、これまで各市町村と一体となりまして市町村の職員の研修に取り組み、支援してまいったところでございまして、特に平成三年度に大分県市町村職員研修運営協議会というのをつくりまして、この中で現在、新規採用の職員、中堅の職員、幹部の職員の研修のほかに、専門研修など体系的な研修を年間を通じて行っているところでございます。 また、県と市町村との間における人事交流でございますが、より視野の広い柔軟な対応能力を有する人材の育成に役立つということで、県からも要請があれば市町村に派遣するし、市町村の方も県に来ていろいろ勉強してもらうということで、平成元年度から今年度までの間に実務の研修生を二十一市町村から受け入れたところでございまして、その数も十五名に上っているわけであります。 また、これまでに十七市町村に助役等も要請によって派遣をいたしているところで、ただいまのところ六名の方を助役に派遣をいたしております。 今後とも、市町村の自主性、自立性を尊重しながら地方分権を実のあるものにするために、市町村の意向を十分に踏まえまして、議員ご指摘のように上と下との関係ではなくて、対等・協力のパートナーシップということの精神のもとに職員の研修、人事交流などについて前向きに対応してまいりたいと、このように考えておるところであります。 その他のご質問につきましては、担当部長より答弁をいたさせます。 ○古手川茂樹議長 外山総務部長。 〔外山総務部長登壇〕 ◎外山邦夫総務部長 地方振興局職員の現地居住についてであります。 振興局が本来の機能を発揮できるよう、その職員の配置については適材適所の観点から配慮するとともに、特に地方振興局長については、現場の統括者として全員現地に居住し、地域振興に積極的に取り組んでいるところであります。 今後とも、市町村と一体となって地域振興を推進する上で振興局の果たす役割は極めて大きいものがありますので、ご提言の趣旨を踏まえながら引き続き努力してまいりたいと考えております。 次に、県から市町村への派遣についてでございます。 地方分権が進む中で、市町村における人材の確保、育成は極めて重要な課題であります。したがいまして、これまでも市町村の要請に応じて、事務、技術の職種にとらわれることなく職員の派遣を行ってきたところでありますが、今後とも市町村の意向を十分踏まえるとともに、本人の熱意等をも見きわめながら人事交流に対処してまいりたいと考えております。 なお、地方振興局地域振興担当については、管内市町村との連携のもとに、地域の特性を踏まえた地域振興施策を積極的に展開していくことが重要でありますので、所期の目的が十分達成されているか検証しながら、より効率的かつ機動的な体制づくりに今後とも努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○古手川茂樹議長 田中教育長。 〔田中教育長登壇〕 ◎田中恒治教育長 久住分校の意義についてお答えをいたします。 学校教育は、学業のみならず、学校生活全般を通して、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力など、すなわち生きる力をはぐくむとともに、調和のとれた個性豊かな人づくりを進めていくことが何よりも大切でございます。 久住分校につきましては、議員ご指摘のように校内や地域における花いっぱい運動などの特色ある教育活動を実施いたしますとともに、地域の恵まれた自然環境を生かして大船山や黒岳への清掃登山などのボランティア活動を行うことによりまして、豊かな人間性を培う教育を重視した学校づくりを進めていることは大変意義のあることと考えております。 なお、久住分校を含めた高等学校の今後のあり方につきましては、本年四月、大分県公立高等学校適正配置等懇話会を設置し、去る平成五年五月の県学校教育審議会の答申を具体化するための方策につきまして現在鋭意ご協議願っているところでありますので、その結果を踏まえながら検討してまいりたいというように考えております。 以上でございます。 ○古手川茂樹議長 相良農政部長。 〔相良農政部長登壇〕 ◎相良浩農政部長 農業高校の位置づけにつきましてお答えをいたします。 県農業の発展を図るためには、農業に夢を持ち、意欲的に取り組む若者をいかに確保するかが重要でございます。特に農業高校は、農業の持つ使命や役割を教えるとともに、県農業を支える人材育成に寄与しており、その必要性は大きなものがあると考えております。 県といたしましては、農業高校を初めとする教育機関と連携を深め、青年農業者の確保対策を推進いたしているところでございます。 具体的には、小学生から「あすなろ平成塾」による体験学習などにより農業に親しんでもらうとともに、本年度から小中学校の指導主事等を対象に、農業の現状などを理解してもらうための研修会を実施いたしております。 さらに、農業教育支援事業によりまして、行政、普及、農業高校などで構成する推進会議を開催し、青年農業者の育成目標や施策を検討するとともに、農業系高校のカリキュラムの中で、地域農業の実態など農業に対する啓発を行っているところでございます。 また、県内の農業系高校で将来農業経営を志す学生を対象にアグリメイト・クラブを組織し、農業体験研修やプロジェクト活動などを行い、次代の県農業の担い手を養成するための支援をいたしております。 今後とも、教育機関と一層の連携を深め、青年農業者の育成、確保に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○古手川茂樹議長 小野福祉保健部長。 〔小野福祉保健部長登壇〕 ◎小野進一郎福祉保健部長 まず、新ゴールドプランの達成状況等についてお答えを申し上げます。 市町村で年次計画を策定して実施しております主な事業では、ホームヘルパーが平成八年度計画一千二百六十六人に対しまして実績が一千二百八十四人、デイサービスセンターは計画百二十五カ所に対しまして実績が百二十二カ所、在宅介護支援センターは計画六十四カ所に対しまして実績六十二カ所などとなっており、市町村ごとに若干のばらつきはございますものの、いずれもほぼ計画どおり進捗をいたしております。 また、施設関係では、ショートステイの専用居室が平成十一年度の目標七百四十床に対し実績六百四十二床、特別養護老人ホームが目標三千九百九十床に対し実績三千六百九十床、老人保健施設では目標三千三百七十一床に対し実績が三千百六十五床などとなっておりまして、おおむね順調に推移していると考えております。 なお、県の各福祉事務所に福祉サービス連絡調整会議を設置いたしておりまして、市町村間でばらつきが生じないよう進行管理に努めているところでございます。 さらに、介護保険の導入を間近に控えて、全市町村においてひとしく必要なサービスが提供できるよう、市町村長さん等を対象にしたトップセミナーを開催するなどして、計画の着実な実行について一層の理解を求めてまいりたいと考えております。 次に、在宅高齢者住宅改造助成事業の実績等についてお答えを申し上げます。 まず、実績といたしましては、平成六年度八十件、七年度が二百四十一件、八年度が三百二十六件となっております。 改造の場所では、トイレが一番多く、次いでふろ場、廊下、食堂、玄関などの順となっておりまして、段差の解消、手すりの設置、出入り口の拡張などを行っております。 次に、全世帯を対象にした調査結果でありますが、高齢者本人では九三%の方が「満足をしている」と答えております。介護者も八一%の方が「負担が軽減された」と答えております。 また、個別の意見といたしましては、手すりの設置で介助が楽になったとか、本人も伝い歩きができるようになり、前に比べまして元気になったとか、トイレ、おふろが利用しやすくなったなど、高齢者並びにその介護者の方々の生活の質が高まっていると考えております。 今後とも、全市町村に設置いたしております住宅改良のヘルパー、これはチーム制でありますが、この住宅改良ヘルパーを活用いたしまして、事業の効果がより高まるように推進を図ってまいりたいと考えてございます。 以上であります。
    古手川茂樹議長 ご質問はありませんか。--以上で馬場文人君の質問に対する答弁は終わりました。 暫時休憩いたします。     午後零時十三分 休憩     -----------------------------     午後一時三十二分 再開 ○日野立明副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 久原和弘君。 〔久原議員登壇〕(拍手) ◆久原和弘議員 二十九番、社会県民クラブの久原であります。通告に従いまして質問さしていただきたいと思います。 これまで知事は、一村一品運動に始まり、若者の定住と過疎からの脱却、また三つの共生として人間と自然の共生、都市と農村の共生、アジアとの共生を掲げ、グローバルに考えローカルに行動するなど各種のスローガンを掲げ、県政のリーダーとしてさまざまな政策を推進してきたと思います。 私は昨年十二月議会の一般質問で、若者の定住と過疎からの脱却をどう実現していくのかという視点で問題提起をいたしました。今回は、知事が常々言われておりますグローバルに考えローカルに行動するということについて質問したいと思います。 最近出版された知事の著書「私の日本連合国家論」、岩波書店も早速読ませていただきました。そこで、著書を引用しながら質問させていただきます。 「グローバルに考えローカルに行動する」「ローカルにしてグローバル」、これはいずれも、地球規模の大きな視点で物事を考え、そして地方みずからの発想から地域づくりなどの行動は地域レベルで実践していく、視点は世界へ、行動はあくまでも地域で、と理解しております。この理念そのものは私も理解できるものでありますが、現実の局面としては、その行動には必ず何らかの制約がつきまとうものと考えます。 何事にも「分相応」という言葉があります。中小零細企業が大企業並みの交際費や研究費を使ったら、その会社がどうなるか、だれが考えてもわかることであります。 そこで私は、県民が多くの関心を寄せている二つの県の事業を例にとって、このグローバルに考えローカルに行動するという知事の理念との整合性を検証すべく質問を行いたいと思います。 まず第一に、スポーツ公園とワールドカップサッカーについての質問であります。 この件について各方面でさまざまな議論を呼んでいるようですが、なぜ大分県のような小さな県が開催に手を挙げたのか、知事は著書の中でこう述べています。「大分県は、ワールドカップを誘致する前からアジア各国と交流したきた」、中略、「単にスポーツ交流だけではなく、観光価値や企業誘致などの産業面での経済交流につながる。ただ、これらは付随的な要素であり、一番大きな要素は、県民が郷土に誇りを持つことにある。県民だけではなく、九州全体にも大きなインパクトを与える。ワールドカップの開催時には、あえて大分大会とは言わない。千四百万人の九州大会となる。このときには、さきに述べた九州各県が県境を取り払い、九州府として一つの地域連合国家が実現するかもしれない。特に、二十一世紀を担う子供たちの夢を実現することであり、負担がかかるからやらないというのでは、九州が、そして大分が取り残されてしまうことになる」と述べています。 「一番大きな要素は、県民が郷土に誇りを持つことにある」、確かに誇りを持つことはいい。しかし、一期計画で五百八十億円、二期、三期を含めると一千億円を超えると言われている大事業であります。 先ほど「分相応」という言葉を使いましたが、大分県開催が果たして分相応になっているのか、他の開催県における平成九年度一般会計当初予算額、すなわち財政規模を比較してみました。大分県の六千八百十三億円に対し一兆円以下の県、市は、宮城県の八千五百七十三億円、札幌市の八千三百六十一億円、神戸市の九千五百四十七億円で、残る新潟県、茨城県、埼玉県、静岡県、横浜市、大阪市はすべて一兆円以上の県、市であります。 しかし、一兆円以下の県、市でも、宮城県は政令指定都市の仙台市四千百五十五億円、札幌市は北海道二兆九千七百三十七億円、神戸市は兵庫県一兆八千八百九十六億円が控えています。大分県では、県都大分市がありますが、千三百七十億円と、県と市合わせても一兆円には遠く届きません。 さらに、財政の状況を示す自主財源比率、歳入に占める税収の率は最下位、逆に地方債の率は最も高く、すべて最悪の数字を示しています。開催地における財政状況から見ると、大分県は他と比較すると大きく水をあけられている状態であります。 また、「負担がかかるからやらないというのでは、九州が、そして大分が取り残されてしまうことになる」と結んでいますが、過疎市町村率全国一、高齢化率は九州トップ、農業県である本県の農業粗生産額はお隣の宮崎県の約半分で低迷し、人口も自然減少率が九州一と減少の一途をたどっています。本県が九州の犠牲になって、そこまでの力を示し、使命感を持たなければならないのでしょうか。果たして県民が知事と同じように考えているのか、県民の意思はどうなのかと考えてしまいます。 大分県開催が決定した直後の今年一月、ワールドカップ開催について大分合同新聞社がアンケート調査を行っています。 その中で、「大分開催を歓迎する」が二九・二%、「歓迎しない」が六九%、実に三分の二以上の人が大分開催に反対の意思表示をしています。そして、これらの数字を裏づけるように、「県は何を考えているのか。あんなものをつくってしまうと後々までお荷物になるぞ」と、一般市民の方から、まるであいさつがわりのように言われることがふえてきました。ワールドカップサッカーの誘致に県全体が盛り上がり、それに向かって突き進んでいたはずなのに、県民の本当の意思はどうなのでしょうか。 私自身も確かめたいという思いから、大分市の平和運動センターの皆さんにお願いして、開催地となる大分市内で八月二十六日から九月一日までの間、独自に電話アンケート調査を行ってみました。アンケートは、電話帳から無作為抽出で四百七十名に聞き、有効回答四百四十六名、回答率九四・八九%というものでした。 まず、「一、ワールドカップサッカーに関心があるかどうか」という質問には、「関心がある」百四十九名、二三・四%であります。「関心がない」二百九十七名、六六・六%、実に七〇%近くの人が関心がないのであります。 「二、ワールドカップの大分開催に賛成ですか」には、「賛成」が百九十八名、四四・三九%、「反対」が百二十三名、二七・五八%、「どちらでもよい」百二十五名、二八・〇三%。 賛成の理由としては、まず第一に「大分の知名度の向上」、そして「世界のレベルのサッカーを見ることができる」「経済効果への期待」の順になっています。 反対の理由としては、圧倒的に「建設費がかかり過ぎる」とし、次に「県の財政を圧迫し、他の分野への予算がなくなる」、三番目は「環境破壊が心配」ということでした。 大分県開催については、前述の新聞社によるものとは逆に、半数近くの人が賛成しています。 しかし、もう少し詳しく見てみると、賛成百九十八名のうち、ワールドカップサッカーに関心を持って賛成している人は百六人、しかもそのうち十四名の人は、規模の見直しや大会後の施設が広く県民に利用できるようにといった条件つきの賛成であります。 また、「ワールドカップサッカーには関心がないけれども、大分県で開催することには賛成」という人は九十二人、同じく「条件つきの賛成」の人は、うち二十六人となっています。条件つき賛成を除くと、「大分県開催に賛成」は百五十八人、三五・四三%にまで減ってしまい、条件つき賛成の人と同じ理由で「反対」と答えた人を「反対」の人に足すと百六十三人、三六・五五%と、賛成、反対がほぼ同数にまでなってきます。 時間の関係で詳しく述べられませんが、総じて言えることは、ワールドカップサッカーに県民の関心は低く、反対の立場の人はもちろん、賛成の人も、建設費の問題や大会後の施設の維持管理や運営、利用など懸念する声が多かったのであります。 そこで質問ですが、一、巨額の地方債、すなわち膨大な借金を県民が背負い、また今の子供たちまで負担させることになるのですから、返済が毎年大変な額に上るわけですが、具体的にどのように返済していくのか、明らかにしていただきたいと思います。 二、スポーツ公園に重点的に配分した分、当然他の施設が玉突き的におくれてくる、あるいは縮小を余儀なくされるということも出てきます。特にこれから高齢化に伴い、福祉の施設や人材の確保に多大な経費が必要になることは明らかですが、その財源が足りないというような心配はないのか、明確にお答えいただきたいと思います。 三、市町村の負担の問題です。平成六年度の決算によると、大分県は市町村からの分担金及び負担金が、全国レベルに比較して約一・六倍に達しています。県ばかりか市町村にまで負担を及ぼすようなことになると、県財政ばかりでなく市町村財政にも影響が出るようなことになるのではないでしょうか。 四、これだけの施設をつくるわけですから、その後の維持経費も相当な額に上ると思われます。これまでの大型プロジェクトで建設した施設は、赤字経営のため、年に一億から数億円の維持経費が県より支出されています。スポーツ公園のメーンスタジアムで一体どれくらいの収入と支出を見込んでいるのか、具体的に数字を示していただきたい。この見込みの甘さが赤字経営を生み出しているのではないでしょうか。 五、メーンスタジアムは、県民の使用も当然考えていると思いますが、果たして一般県民が使用できる条件を保障できるのか、具体的に使用料を幾らにするのか、明らかにしていただきたいと思います。 六、大分市平和運動センターの調査でもわかるように、関心のない人が六六・六%、約七割の市民が関心を持たない状況の中で、どうやって県民に誇りを持たせようとしているのか、啓発活動について具体的に説明していただきたいと思います。 次に、立命館アジア太平洋大学について、前項と同じ視点で質問してみたいと思います。 著書の中では、その特徴と理念について次のように述べています。 「立命館アジア太平洋大学(RAPU)の特徴は何といっても真に国際的な大学であることで、日本大学生五〇%、留学生五〇%という学生構成は類を見ない」、中略、「大学の理念は次の四点だ。一、アジア・太平洋諸国と共同で創造する、いわゆるアジア立大学を目標とし、アジアの人々の心をつなぐ大学とする。二、アジアから世界に発信する大学であること。世界的に評価される教育研究を通じて、その成果を広く社会に還元していきたい。三、アジアを舞台に世界で活躍する人材を育成すること。四、アジア・太平洋研究に関するセンター・オブ・エクセレンス(知的拠点)を目指す。留学生を募るといっても、黙っているだけでは優秀な学生は集まらない。国によって経済状況も異なるであろうし、家庭からの仕送りが困難な場合もあり得る。そこで、大学運営への助言のほか、奨学金の助成、卒業後の就職の世話など、幅広い支援策を用意したいと思っている」。 なるほど、知事の言うアジアとの共生、二十一世紀はアジアの時代、AU--アジア連合構想も理解できるものであります。 しかし、先ほど紹介した後半部分で指摘しているように、アジアの各国と日本との所得格差は大変なものがあります。極端な例かもしれませんが、同著書の中で知事も述べられているインドネシアのホーロー食器製造では、一日八時間働いて給料は五ドル、経費を差し引かれると、手取りはわずか一日二ドルという状況です。 アジア各国の一人当たりGDP--国内総生産を日本を一〇〇として比較してみると、一九九四年度調査ではシンガポール六四、韓国二三、フィリピン二、中国はわずか一であります--経済企画庁調査局「アジア経済一九九六年」より。 さらに、国民所得で比較してみると、これも日本を一〇〇とすると、韓国は二三、タイは五・六、フィリピン二・六であります。 私が心配しているのは、この物価高の日本で、留学生か勉学に専念できる環境が整備されているのかということであります。 大分地域留学生交流推進会議の「外国人留学生の生活実態調査 平成八年三月」が手元にあります。平成八年三月現在、本県における外国人留学生は二十二カ国、二百七十六名、大学別では別府大学の八十九名を筆頭に、大分大学六十六名、日本文理大六十四名となっています。 アンケート調査で、「大分に留学が決まったとき、心配や不安に思ったことは」という質問では、一位に「学習上のこと」、二位が「生活費」、以下「宿舎」「保証人の問題」と続きます。 また、「一番困っていることは」という質問には、一位「学習上のこと」、二位は「生活費」であります。 そこで、アルバイトについての調査項目に目を向けると、「アルバイトをしているか」という質問に、三九・四%の人が「している」と回答しています。その理由は、「アルバイトをしないと生活ができない」が一番であります。就学を装い働く外国人が急増し、社会問題化したため、アルバイトについて学校側も厳しく規制しているにもかかわらず、全体の三分の一以上の留学生か働いているのであります。 この現実を見ると、知事も指摘しているように、国によって経済状況も異なるし、家庭からの仕送りも困難な場合があり得るというよりも、留学生が経済的にもっと切迫した状況に置かれているようであります。 そこで、留学生問題について質問いたします。 ①知事の言われるよう、留学生に対する奨学金等の助成が不可欠であります。具体的にどの程度の助成を考えているのか。 ②アジア太平洋大学の開校によって新たに一学年四百名、四学年で千六百名の留学生がふえることになるが、本県の他の大学における留学生について、今現在もいるわけですから、これらの留学生に対する助成についてはどのように考えるのか。 ③卒業後の就職の世話をするといっても、就職をお願いする企業等どの程度、見込みを持っているのか。 ④千六百人の学生に一人ずつ保証人が必要となるが、どのように対応するのか。 ⑤千六百人の学生のうち何人がアルバイトをすると見込んでいるのか。その場合、別府市及び周辺地域のアルバイト、パートの労働者の雇用や賃金に影響を与えることがないか。留学生と地域住民との友好関係を確立するためにも、この点を明らかにしていただきたいと思います。 以上、私は、グローバルに考えローカルに行動するという視点で、立命館アジア太平洋大学、スポーツ公園について質問いたしましたが、大分県の方言で「算入に合わぬ」という言葉があります。本県の力量を考えると、発想の正しさは認めるとしても、いざ実行する段になると算入に合わぬという感じがしています。すなわち、グローバルに考えローカルに行動するのではなく、グローバルに考えグローバルに行動しているのが今の大分県ではないかと考えておりますが、知事の所見を伺いたいと思います。 次に、環境影響評価条例、すなわち環境アセス条例について質問いたします。 平成九年第二回定例会、社会県民クラブの賀来議員が「全国では神奈川県を初め六県が条例化しているが、大分県では要綱にとどめおくというのはなぜか」との質問に、「二年後に施行される環境影響評価法及び政省令との整合性を図るので、当面、要綱で」という回答でありました。 本県における環境政策は全国と比較して、アセス条例まで整備している六都道府県、北海道、神奈川、埼玉、岐阜、東京、兵庫を初め、要綱を定めておる都道府県は四十七都道府県のうち三十六都道府県に上ります。条例及び要綱の未整備の県は岩手、奈良、佐賀、熊本、そして大分であります。しかし、環境基本条例は奈良、佐賀、熊本は制定していますし、岩手も環境保全計画を平成四年三月には策定しています。となると、特定事業に限定しているものはあったにしても、大分県は環境政策の分野ではおくれている県ということになります。 知事の言う自然と人間の共生、ともに生きる都市と農村、環境と人間のかけ声はむなしく聞こえてまいります。オゾン層の破壊、地球温暖化、森林破壊、酸性雨、生物種の絶滅、人口爆発と貧困等、まさに二十一世紀は環境を柱とした調和社会を目指す以外に人間の生きるすべはありません。 既にヨーロッパでは、マイカーでの通勤禁止や都市部への乗り入れ規制がふえ、車も赤信号で停車したときにはエンジンをとめます。 ごみを燃やすとダイオキシンが発生すると、ごみ焼却場の数は日本の千八百五十四カ所に対してアメリカ百四十八カ所、ドイツではわずかに五十三カ所しかありません。環境より経済から、経済より環境という価値観の転換が現実の政策の中にあらわれています。 日本とドイツは、国土面積もほぼ同じであります(日本は三十七万平方キロ、ドイツは三十五万平方キロ)。第二次世界大戦の敗戦国から驚異的な経済復興を遂げたという点など共通点も多いのですが、ごみ焼却場の数は日本がドイツの三十五倍も多くなっているのであります。なぜこのような違いが出てきたのかというと、それはドイツの国策にあります。 ドイツでは、4R運動が徹底しています。4Rというのは、一、リフューズ--要らないものは断る、二、リデュース--買う量や使う量を減らす、三、リユース--再利用する、四、リサイクル--再資源化する、であります。しかも、包装廃棄物規制により、企業は包装材の回収を義務づけられています。 「森林は地球の肺」とか、「森林は地球の酸素ボンベ」あるいは「森林は地球の水がめ」などと言われています。しかし、乱開発や乱伐採などで世界の原生林の七六%が失われたと言われています。しかも、酸性雨による森の被害は深刻なものになっています。中でも杉やヒノキなどの針葉樹の被害が目立ちます。その原因は工場からの排煙や自動車の排気ガスなどで、石油燃料の消費にあることは既に広く知られているのであります。 日本では現在約七千万台の自動車があります。国民の約二人に一台の割合です。今急速な経済発展を遂げているお隣の国、中国は現在二百人に一台の割合で自動車を所有していますが、今後中国が毎年一〇%前後の経済成長を繰り返し、日本と同じレベルで自動車を保有するとなると、中国の自動車保有量は何と六億台という途方もない数になります。世界じゅうの自動車メーカーが、この膨大なマーケットに照準を合わせています。しかも六億台の自動車がすべてガソリンを消費し、排気ガスを排出することになると、地球規模での環境破壊に拍車をかけることは間違いありません。では、「中国の皆さん、あなたたちは現在の生活で我慢しなさい。私たち日本人は飽食の生活を堅持しますから」というのでは通用しません。私たちのライフスタイル、生活様式を変えるときが来ているのではないでしょうか。 そこで、アセス条例を既に定めている兵庫県の例を見たいと思います。 「環境の保全と創造に関する条例」という名称で、平成七年七月十八日に制定されたものでありますが、この条例はまず前文に、現代社会における環境問題の危機的状況を認識し、社会全体の取り組みの重要性を明記し、理念を明らかにしているのであります。 具体的内容を紹介しますと、第四節第六十七条から七十三条までにおいて「自動車公害の防止」を掲げ、第七十二条では「自動車を運転する者は、自動車を停止している場合には、当該自動車の原動機をみだりに稼動させてはならない」と規定しています。つまり、エンジンをかけたまま駐車することを禁止し、その上、違反者には罰則規定まで県条例で定めているのであります。 このように、都道府県段階において独自で行える環境政策を積極的に実施することこそが、地球規模で考え地域レベルで行動する、すなわちグローバルに考えローカルに行動することではないのでしょうか。二十一世紀の私たちの子や孫にこの地球を安心して渡す責任が私たちにはあります。そしてアジアとの共生を声高に叫ぶのならば、幸か不幸か環境政策最後進県の大分県が今こそ、要綱の設置などとお茶を濁すのではなく、日本一のアセス条例を制定したらどうでしょうか。もちろん一朝一夕にいくとは考えられませんが、必ず県民の理解と協力が得られることと思います。 そこで私の質問ですが、環境政策の基本的な対応が、全国的に見ても本県の場合は大きくおくれていると思うが、その認識に立っているのかどうか。 ②環境政策は現代社会の中で最も重要であるという認識を持っているのかどうか。 ③スポーツ公園、立命館アジア太平洋大学の環境アセスメントの開示に県は積極的な姿勢が見られなかったが、これは県の環境政策に対する消極性が背景にあるのではないか。希少な動植物の保護や環境保全に問題があるとすれば、直ちに計画を見直す勇気が必要なのではないか。 自然と人間の共生、またアジアとの共生を言うのであれば、法や省令の施行をまつのではなく、大分県独自に環境影響評価条例、すなわち環境アセス条例の制定に直ちに取りかかるべきではないかと思うが、どうでしょうか。 最後に、大分・ソウル線の航空便の運航再開についてお伺いいたしたいと思います。 本年の六月より運休されていた大分-ソウル間の航空便が十二月より再開されることになりました。この大分空港唯一の国際路線は、日韓共催となったワールドカップサッカー、国際化を目指す立命館アジア太平洋大学構想に欠くことのできないものとされています。同じく運休中の熊本・ソウル線、長崎・ソウル線に先駆けていち早く再開されることは、ひとえに知事を初めとする関係者の皆さんのご努力のたまものであると心から敬意を表すものであります。しかし、運休の原因となった採算ラインの問題は、依然として解決されたわけではありません。 そこで、今後の大分・ソウル線の運航について質問いたしたいと思います。 ①大分・ソウル線の運航再開までの経緯からすると、今後の採算ラインの維持のため、従来の協力体制以上のものが必要となるのは間違いありません。県として対応を明らかにしていただきたいと思います。 ②前に述べたワールドカップサッカー、立命館アジア太平洋大学のために大分・ソウル線を維持したいという思いはわかりますが、今月九日の記者会見の中で執行部は「大韓航空も自助努力をする。県も利用率七〇%を目指す。しかし、なお赤字が出て厳しいようなら相談に応じなければならないだろう」と、暗に県の財政支援をにおわしています。大韓航空という一企業の経営に税金を投入することの是非の論議がありますが、県執行部の見解をお伺いしたいと思います。 以上、通告に従って質問いたしました。知事並びに関係部長の積極的なご答弁を求めたいと思います。 ご清聴、ありがとうございました。(拍手) ○日野立明副議長 ただいまの久原和弘君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 久原議員の私に対するご質問にお答えいたします。 スポーツ公園と立命館アジア太平洋大学の推進についてであります。 私は、知事就任以来、県民福祉の向上を目指しまして、物もゆたか心もゆたかな豊の国づくりという目標を掲げて県土づくりに取り組んでまいったところであります。とりわけ少子化、高齢化、過疎化の進行などに的確に対応した施策展開にも積極的に取り組んでまいったところでございます。 また一方、県民の価値観や生活様式が多様化して、経済偏重ではなくて文化の時代、ゆとり志向の時代、また情報化の進展ということで、対アジアなどとの国際性を高めていくことが地方自身の活性化にとってもこれからは不可欠になるだろうという、時代の変化に対応した政策も求められておりまして、これらに対応した重要な施策としてワールドカップサッカー、スポーツ公園、立命館アジア太平洋大学の事業を考えたところであります。 まずサッカーでございますが、世界で二億人がプレーをし、十億人のファンを持つスポーツと言われております。四年ごとに開かれるワールドカップサッカーについてはオリンピックをしのぐイベントと言われておるところでありまして、来年の一九九八年、フランス大会があるわけでありますが、その大会に向けて今日本がウズベキスタンに勝ちまして、十九日にはアラブ首長国連邦と試合をやることになっております、だんだんとその機運が非常に盛り上がってきておりますし、特に若者のこのフランス大会出場に向けての日本チームの声援は熱狂的なものがあることは、テレビでごらんのとおりであります。 このような大会を本県で開催をいたしますことは、二十一世紀を担う大勢の若者や子供たちの大きな夢をかなえることになるし、そういったことで大分にそういう試合ができる、そしてまたいろんな国際イベントがここで行われて世界じゅうの人が集まるということ自身がまた、県土に対する自信と誇りにもつながっていくのではないかと、電話のアンケート調査で賛成の多かったところの人にも、そういう気持ちがあるんではなかったかと私は思うのであります。 また、これを開催するときには、スポーツ公園構想を考えております。その中でこれを開催するということでございまして、ただこのワールドカップサッカーのためのスタジアムだけではなくて、二巡目国体のメーンスタジアムということをにらんで複合的な立場でこの施設を考えているところもご理解を賜りたい。 この二巡目国体につきましても、今の市営競技場はもはや、あの時代の一巡目の国体のときにはよかったですが、これは狭いわけでありますから、どうせこれはつくらなければならない。そのメーンスタジアムと、このワールドカップサッカーを前倒しにこれを使ったらいいんではないかというのが、このワールドカップサッカー誘致に、スタジアムをつくるときに私の頭に浮かんだ考え方であります。 それで、これまで不可能でありました国際的なスポーツイベント、大規模な文化イベントといったもののニーズにこたえられるようにこれを整備をしたいと、このように考えておるところでありまして、この二巡目国体のメーンスタジアムとワールドカップサッカーという二つの、二〇〇二年、二〇〇八年の事業というのを頭に置いた施設であることもご理解を賜りたいと考えているところであります。 次に、立命館アジア太平洋大学でございますが、これは本県の若者の多くの人が大学等の進学について本県を離れておるという数字はご案内のとおりであります。これにこたえて本県の高等教育の充実を図るということで、高等学校を出た生徒さんが行けるような大学もいろいろつくっていきたいということで、芸術短期大学に新しい学部をつくるとか、看護大学をつくるとか、また中津に新しい職業能力開発短期大学校をつくるということで考えておる、その一環としてこういった大学、アジアとの関係を大きく前進させるような大学をつくることも若者の定住に寄与すると、このように考えておるところであります。 また、二十一世紀はアジアの時代と言われております。今いろいろ円の不安、またタイのバーツの不安もありますが、将来的に必ず二十一世紀はアジアが成長センターになることは疑いを入れないところであります。将来を担うアジアの人材が大分の地で学ぶことによって、そこを卒業した学生たちの幾分かが大分にまた定住する、またその大学を出た人がアジア各地における中堅指導層として、管理者層として各地域に点在して、またそういう人が大分にやってくる、また交流ができる、経済交流になる、また企業誘致の発端にもなるというようなことになりますので、この立命館アジア太平洋大学は大分県の活性化、大分県の過疎化、また人口増加ということにも寄与するわけでございまして、大分がアジアの人材育成拠点となると同時に、大分県の中における活性化、若者の定住にも大変大きな役に立つ。特に人口が減少しつつある別府市におきましては、この大学は三千二百人の学生、また職員を入れて約四千人弱の大学になるわけでございますので、こういった点で別府自身についても大きな活性化になると、こう考えるところでございます。 したがって、この大学をつくることによって人的交流を初め学術的な交流、議員が言われましたセンター・オブ・エクセレンスというアジア学をここで勉強して海外に情報発信する、また文化交流、経済交流、企業誘致、こういったアジアに対する大分県の知名度を高め、アジアからの投資を促進させるということにも相なるわけで、大きな効果になろうかと考えております。 直接的な経済効果についてのご質問がございました。 ワールドカップサッカーについては、それだけ開催をして試合を行うということで、経済波及効果につきましてはこれまでも申し上げましたように六百億円を超えると試算をされておるところでございます。立命館アジア太平洋大学については約四千人弱でありますが、定住人口の増加によって一年間の消費支出は五十三億円の増加ということが推計をされておるところであります。ワールドカップサッカー試合以外に、これから新しい国際試合も行われることになりますし、また二巡目国体でこれがメーンスタジアムになって国際的な陸上競技等々が行われてきますので、この経済波及効果は長きにわたって出てくるわけでございますので、その金額を入れれば、その施設の波及効果は大変大きなものと言わざるを得ないのであります。 また、これからは国境がなくなる、ボーダーレス社会ということになるわけでありますので、農林水産業、地場産業の振興に当たっても、これからアジア各国と水平分業、垂直分業といったことにしていかなければならないと、九州・アジア経済圏の中で生き延びていくことになろうと、このように思います。 そういったことで技術力の向上が求められるわけでございますので、そういった人材を日本で養成していく、また大分で養成していく必要があります。アジア太平洋大学はこれに非常に大きな役に立つ、またスポーツの交流もこれに役に立つ。また、企業誘致も、国内企業だけではなくて外国の企業も対象としながらこれからは進めていかなければならないと考えておりますので、地方においても直接、海外の地域や企業に情報収集やローカル外交を進めていかなければならない。大分港のFAZ、いろんな港湾を、これからガントリークレーンをつけて外貿埠頭をつくり、今四便行っておりますが、こういった外貿埠頭をつくってコンテナ船が大分にたくさん来れる。この大分の地名度を高めていく上においても、このワールドカップサッカーや立命館アジア太平洋大学があるということが大変大きな、誘致のための魅力づくりにもなる。 現在、アジアの外貿埠頭で一番活発に動いておるのは高雄と釜山であります。横浜はもう二十三位ぐらいになっております。したがって、釜山や高雄との交流をこれから貨物船でも進めていかなきゃならぬということになりますので、こういったところにも知名度を上げていかないとこのFAZ、外貿埠頭が有効に使えなくなると、この意味でもこの二つのプロジェクトは大きな役に立つと、このように考えているわけであります。 したがいまして私は、あくまでも考え方はグローバルで、そして行動はしっかり地についたローカルな行動でなけりゃならぬし、一方で、ローカルこそグローバル、ローカルな味を出せば出すほどそれが国際的にも評価されていくと。一村一品運動というのは、大分県の最も大分的なものに磨きをかけていくことによって国際的にも評価されるような産品になっていくということでございますので、グローバルに考えてグローバルに行動するではなくて、ローカルこそグローバルということを私は頭に置いております。 これからのいろんな投資につきましても、需要があるから新しいものをつくるという需要追随型ではなくて、大分の場合は高速道路にしましても、新しい施設にしても初めから--横浜-東京の間に需要があるから高速道路をつくる、臨海道路をつくるではなくて、この後進地域、過疎地域においてはこれから新しい事業をつくり出すために新しいプロジェクトを始めていくと、大分県のテクノポリスにおきましても、初めからあすこに需要があってテクノポリスをつくったわけじゃありません。テクノポリスに指定して空港を整備し、道路を整備してキヤノンやソニーやいろんなものをつくって、国東半島に今テクノポリスがつくられつつあるわけでございます。 そういった意味で、これからはやはり新しい大分県を創造する性格を持つような施策を推進することが、グローバルに考えローカルに行動するという、まさにこの延長線上にあるものと考えるのであります。 また、議員がしばしばご指摘されておるように、事業実施に当たって財政上の問題、これが大変大きいことは私も十分認識をいたしておるわけでありまして、大分県の長期的な財政負担につきまして、これを平準化を図る、そして健全化の財政の枠組みの中でこの計画は全部考えられております。詳細につきましては、個々の質問で担当部長から説明をいたさせますが、この健全財政の枠組みの中で最大限これを効率的に使って、こういった二つのものを実行していきたいというのが私の考えでございまして、決して算入に合わぬとか、分不相応のプロジェクトというような考えではないんではないかと私は考えておりますので、何とぞ何とぞ、ご理解のほどを賜りたいと存ずる次第であります。 今後ともなお一層、県民の皆さんのご理解を得ながら、本県の発展のために尽力してまいりたいと考えております。よろしくお願いします。 その他のご質問につきましては担当部長より……。 ○日野立明副議長 外山総務部長。 〔外山総務部長登壇〕 ◎外山邦夫総務部長 まず、地方債の返済についてお答えいたします。 スポーツ公園の第一期事業費五百八十億円のうち県債は三百五十四億円でありますが、元利償還費に交付税措置のある有利な起債である地域総合整備事業債などを積極的に活用することにいたしております。 県債の償還につきましては、借り入れに当たって各県情報等も詳細に収集し、より低金利での発行を心がけるほか、通常十年償還であるものを借換債の活用により二十年償還に延ばすなど、償還の平準化に努力しているところであります。この結果、スポーツ公園に係る県債の償還につきましては、ピークの平成十七年度には約三十五億円となりますが、これは平成九年度予算における公債費六百九十三億円の約五%であります。 他の施設への予算上の影響についてでありますが、スポーツ公園の整備に当たりましては、事業実施年度においては国庫補助金、市負担金、償還時に交付税措置のある有利な地方債及び県立文化・スポーツ施設整備基金からの繰入金等を主な財源として使用し、一般財源を極力圧縮することにより、他の事業に影響を及ぼさないようにしております。 また、低金利での発行や償還の平準化等、種々の対策をとることにより、後年度の地方債の償還時においても、スポーツ公園整備そのものが財政運営に大きな支障を来すことのないよう配慮してまいりたいと考えております。 なお、高齢化に伴う福祉施策としましては、平成五年度に全国に先駆けて介護研修センターを設置したほか、豊の国新ゴールドプランの着実な推進により、老人保健施設、特別養護老人ホームなどの施設整備状況は全国的に見ても上位に位置しているなど、従来から積極的に取り組んでいるところであります。 今後とも、新行政改革大綱に基づく事務事業の見直しによる経費の節減合理化を図ることにより財源を確保し、福祉、保健、医療の充実、県民生活に直結した生活基盤の整備、農林水産業や中小企業対策など県政の重要課題について、バランスのとれた施策を講じてまいりたいと考えております。 市町村の負担金の問題についてでありますが、分担金や負担金は、道路整備や土地改良事業等の県営事業の財源に充てるため、その事業により利益を受ける団体から、法律、条例及び議会の議決に基づき徴収することとなっております。 平成六年度決算における市町村からの分担金等の総額は約百三十六億円で、このうち七三%が建設事業に充当されており、これは、本県がいまだインフラ整備の途上にあり、普通建設事業費の歳出総額に占める割合が全国第七位と高いことによるものと考えております。 また、県と市町村の普通建設事業費を比較すると、市町村のウエートは約三六%で全国四十一位と低いことを考え合わせると、本県の社会資本整備が、市町村の要望を受けながら県が事業主体となっているものが多いためと考えられ、市町村にとっても事業費の一部を負担することで大きな事業量が確保できるほか、さらに技術職員の配置や新たな組織の設置をせずに済むなど大きなメリットがあるものと考えております。 今後とも、市町村負担については、受益の限度内における適正な負担を求めつつ、県、市町村ともに協力しながら県内のインフラ整備を進めることとし、県の財政状況のいかんによって市町村に特別な財政負担を求めることは考えておりませんので、よろしくご了承お願いしたいと思います。 以上でございます。 ○日野立明副議長 吉永土木建築部長。 〔吉永土木建築部長登壇〕 ◎吉永一夫土木建築部長 メーンスタジアムの収支の見込みについてのご質問でございますが、現在、スタジアムの実施設計を行っているところでございまして、施設の内容等につきましてまだ確定していないところもございますが、近々、民間の有識者を含む委員会を設置しまして、管理運営形態あるいは管理運営主体といったものについて調査、検討してまいりたいと、こういうぐあいに考えております。 今後、供用開始後の維持管理につきまして、極力民間の協力をいただきながら外注等の方法等を活用することなどにより経費の節減に努め、過度な公費負担が生じることのないような運営方策を検討してまいりたいと考えております。 続いて、メーンスタジアムの使用料についての件でございます。 基本的な考え方といたしましては、他県の類似の施設の事例を参考にプロスポーツやコンサート等、入場料収入を伴いますイベントにつきましては相応の使用料を設定する必要があると考えておりますが、県内の各種のスポーツ団体や学生等の利用につきましては、本県の競技スポーツと生涯スポーツの振興というスポーツ公園の基本理念から、公共施設として広く県民の皆様が利用しやすい使用料を設定し、安心して利用できるよう配慮してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○日野立明副議長 曽根崎企画部長。 〔曽根崎企画部長登壇〕 ◎曽根崎和人企画部長 まず最初に、ワールドカップサッカーの啓発活動についてお答えいたします。 議員ご指摘のように、ワールドカップサッカーに対する県民の声にも一部に厳しいものがありますが、若者を中心に大方の県民の皆様は、ワールドカップサッカーに大きな期待を寄せているものと考えております。 来年のフランス大会への出場権をかけたアジア最終予選も始まっており、日本代表が勝ち進めば、ワールドカップに対する県民の関心もさらに盛り上がってくるものと考えております。 県といたしましては、今後とも、ワールドカップサッカーの開催意義、開催を契機としたスポーツ文化の振興を初めとする地域への波及効果などについて県民に周知徹底を図るため、広報用パンフレットやポスターの作成、配布、新聞やテレビなどさまざまな広報媒体の活用、さらには韓国とのサッカー交流、各種のサッカー大会の開催、各種講演会の開催等に積極的に取り組むことにしております。 また、二〇〇二年ワールドカップサッカー大分県開催準備委員会を中心として、今年度から作成することにしておりますマスタープランづくりに、「大分開催を成功させる議員連盟」、民間の「大分開催を成功させる会」、県内のすべての市町村、さらにはサッカー協会、体育協会などスポーツ団体、経済団体、民間団体等の意見を聞きながら、県民の皆様に幅広く参加していただくことにより、大分県らしさにあふれた県民総参加のワールドカップの実現を目指すことにしております。 こうしたことを通じまして、県民の皆様にワールドカップを身近なものとして、これまで以上にご理解を求めてまいりたいと考えております。 次に、留学生に対する奨学金等についてでございます。 立命館では、アジア・太平洋地域の優秀な留学生を確保するためには、国費留学生の確保と民間団体等、既存の奨学金制度の活用に加えまして、独自の奨学金制度の創設が必要になってくると考え、アドバイザリーコミッティ等の企業の協力を得て準備を進めているところであります。 新大学における留学生の内訳につきましては、国費などの公的奨学金対象者が五%、新大学独自の奨学金対象者が三二・五%、民間の財団などの奨学金対象者が三二・五%、残りの三〇%は自費留学生となると想定しております。このうち新大学独自の奨学金は、国費奨学金に準じて年額二百五十万円程度を考えております。 次に、他の大学における留学生への助成についてでございます。 県内の大学に在住する私費外国人留学生に対する支援措置としまして、現在、月額三万円の奨学金を年間四十人に支給するとともに、全員に教材費補助としまして月額三千円の図書券交付と国民健康保険料の半額補助を行っております。 今後、立命館アジア太平洋大学の開学に伴い留学生の増加が見込まれることや、依然として物価高等により私費外国人留学生の生活が厳しい状況にありますことから、奨学金などの私費外国人留学生に対する助成制度の拡充について、他県の状況も調査しながら検討してまいりたいと考えております。 卒業後の支援についてでございますが、立命館では、特に留学生の就職につきまして、アドバイザリーコミッティやサポーティンググループなどの企業を中心に、在校時からインターンシップによる企業での実習などにより、国内や海外の企業への就職についてさまざまな取り組みを行っていくと伺っております。 次に、保証人についてでございます。 留学生の入国及び在留資格の審査については、昨年十二月の法務省令改正によりまして身元保証書の提出が既に不要となっており、現時点では受け入れ供給機関における入学やアパートへの入居等に当たって必要な場合がございます。 入学時などの保証につきましては、現在、立命館において留学生の負担とならないような方向で検討しているところであり、またアパートの入居の保証につきましても、大学や学内の組織が機関保証する例がこれまでにも見受けられるほか、本年四月には福岡県、福岡市及び北九州市の地域国際化協会が直接保証人になる制度を発足させているところでもあり、今後、これらの例を参考にしながら、県におきましても関係団体と協議してまいりたいと考えております。 アルバイト学生の見込み等についてでございます。 立命館におきましては、留学生か経済的な負担を気にすることなく真に学業に専念できる環境を提供するため、既存の留学生支援策の活用はもとより、独自の奨学金や土質で低廉な宿舎を確保するための制度の確立等について準備を進めているところであり、また新大学の学生の生活様式などにつきましても調査を行っているところであります。 県といたしましては今後、それらの動向を見ながら、地元経済界を中心とする立命館アジア太平洋大学設置期成同盟会と対応について協議してまいりたいと考えております。 最後に、大分・ソウル線の運航再開についてでございます。 本路線は大分県唯一の国際定期便であり、本県の国際化を目指す上からも、また立命館アジア太平洋大学開学等により必要性がますます高まってくることからも、維持、定着を図っていかなければならないと考えております。そのためには、何といっても利用率のアップを図ることが肝要でありますので、県といたしましても関係団体と協力しながら、修学旅行の利用拡大、サッカーなどのスポーツや文化交流の促進、韓国内での大分県観光のPRや誘客促進キャンペーンなど旅客需要拡大のための対策に、これまで以上に全力を挙げて取り組むこととしております。 また、本路線の再開後は大韓航空も利用率のアップや経営努力に努めることとしておりますが、双方努力しても本路線の収支状況が好転しない場合には、本路線の重要性にかんがみ、大分航空ターミナル株式会社、大分県観光協会、別府市の協力を得て、空港の使用料等運航に要する経費の一部について一定額を限度として負担するなどの財政的な支援を行うことで、本路線の維持、定着化を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○日野立明副議長 笠置生活環境部長。 〔笠置生活環境部長登壇〕 ◎笠置邦秀生活環境部長 まず、環境政策に対する認識につきましてお答えいたします。 今日の環境問題は、住民一人一人の身近な環境問題から地球規模の環境問題に至るまでの広範囲にわたり、また将来の世代にも影響を及ぼす重要な問題であると認識しております。県におきましてはこれまでも、社会生活環境の整備を県政の重点課題に掲げ、いち早く沿道景観条例の制定などを行うとともに、公害の未然防止を図るための特定工場における硫黄酸化物の排出量の総量規制、それから自然環境の保全を図るための小田の池周辺の土地の買い上げなど、個別の環境保全施策についても積極的な対応を行ってきたところでございます。 さらに、これらの環境保全施策を総合的かつ計画的に推進するため、自然環境の保全と快適環境の創造を長期的目標とした環境基本計画の策定を本年度中に終えることとしております。 なお、これとあわせまして、現在、環境基本条例の制定につきましても鋭意検討を進め、早急に制定に向けて努力したいと考えております。 次に、環境影響評価条例の制定についてお答えいたします。 環境影響評価法は、我が国の環境影響評価制度の根幹ともなるものであります。県といたしましては、平成十年六月までに施行予定の政省令をまって、それに規定されます対象事業の規模、またスクリーニングの判定基準等の整合性を図りつつ、可能な限り速やかに環境影響評価条例を制定したいと考えております。 しかし、条例の制定までには所要の手続等に相当の時間を要しますので、この間の環境影響評価制度を担保するためにも、当面、要綱によりまして環境影響評価の指導を行いたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと思います。 以上でございます。 ○日野立明副議長 再質問はありませんか。--久原和弘君。 ◆久原和弘議員 質問というよりもですね、私今いろんな立場で、既に事業は実施されている、いろんなことがあるんですが、聞いてみるともう「検討している」とか、「他県を参考にして」とか、「動向を見ながら今後協議したい」とか、最後の環境評価条例の問題についても、「相当の時間を要す」とかいうような、そんな表現で、表現そのものが物すごく抽象的なんですよね。それでやはりできるだけ、私まあ後でそれぞれのところにまた聞きたいと思いますから、もうちょっと具体性を持たせてやっていただきたいと思います。 特に、ソウル線の関係なんかいうのは、私はまあちょっと遠慮しながら、企業の体制支援の問題について一企業の経営に税金を投入する、この是非の論議があるというような書き方をしておるんですが、本当に企業なんかに、一企業にこういうことをするのはどうなのかというような問題もあろうかと思いますけど、ぜひそういう意味では全体的に収支バランスがとれるような努力を今後進めていっていただきたいと思います。 以上であります。 ○日野立明副議長 以上で久原和弘君の質問に対する答弁は終わりました。 長尾庸夫君。 〔長尾議員登壇〕(拍手) ◆長尾庸夫議員 平成九年第三回定例会に当たり、県政の諸課題について知事並びに関係部長に質問をいたします。 質問の第一は、財政問題についてお伺いをいたします。 先般発表されました平成八年度普通会計決算見込みによれば、歳入決算額は六千八百九十三億円、歳出決算額は六千六百二十八億円で、歳入、歳出とも総額では前年度と比較して大きな変動はありませんが、歳出で特に目を引くのが義務的経費の中の公債費で、前年度と比べ一二・六%と大きく伸びております。歳出全体に占める構成比は九・四%で、前年に比べ一・〇ポイント増加をしております。 また、経常収支比率は前年より一・五ポイント上昇し、公債費比率も二・一ポイント上昇しており、これらの数値から見ると、県の財政にとって公債費が大きな負担となり、財政の硬直化が次第に進んでいると思われます。 さらに、県債の前年度末残高は六千九百七十億円で、七年度と比較をして七百六十億円増加をし、初めて歳入決算額を上回ることになりました。 ここで平成元年度決算と比較をしてみると、歳入総額では一・四倍でありますが、県債は二・四倍で、県債残高の倍率は二・二倍となっております。 また、県債を財源として実施する普通建設事業のうち、補助事業が一・五倍、単独事業が二・三倍となっており、このような建設事業により県立図書館、コンベンションセンターあるいはマリンカルチャーセンター等さまざまな公共施設が完成をし、これらの施設が県民に利用されるようになり、さらに景気の停滞期には経済対策の一環としての役目を果たしたことも明らかでありますが、一方で県債残高の増嵩の要因となったものだと考えられます。 現在、来年十月に迫っている国民文化祭向けの県立文化ホール、またワールドカップサッカーや二巡目国体の開催のためのスポーツ公園を建設中であるし、若者の県内の定住対策、あるいは環アジア・太平洋地域交流の役割をも果たす立命館アジア太平洋大学に対する助成をするなど、今後とも多くの財政援助を伴う大型事業を進めております。 また、道路、港湾、学校施設など、社会資本の整備もおくれている本県にとっては最重点事業として推進せねばなりません。 しかし、その一方で、これらの事業の財源には県債を充てることになるでありましょうし、それは県債残高を増加させ、将来の公債費の増加に結びつくこととなります。 公債費の財源である県税は、平成八年度決算額が一千五十億円で、五年前の平成三年度の一千八十三億円の水準にも達しておりません。現在の景気の状況から見て、今後も大幅に伸ひることは期待できません。地方交付税の増額についても、国の財政構造改革論議の中で、必ずしも楽観し得る状況ではありません。 そこでお尋ねをいたしますが、平成八年度の決算における公債費、県債残高についてどのように分析をしておられるのか、また、今後の公債費の推移についてどのような見通しを持っているのか、これらを踏まえて今後の財政運営をどのように考えているのか、お伺いしたいのであります。 さらに、民生費については、平成九年度予算では県民一人当たり二万七千百円と九州の中で最低クラスであり、福祉分野が大型事業の犠牲になっているという一部の声がありますが、これについてどのようにお考えになっておるのか、あわせお尋ねをいたします。 次に、二〇〇二年ワールドカップサッカーについてお伺いいたしますが、前段、久原議員から質問もありましたが、重複部分もありますだけに、やはりこれは関心の高い問題だとしてそれなりのご答弁をお願いをしたいと、こう考えておるところでございます。 二〇〇二年ワールドカップサッカーについて、県議会としても議員連盟を結成して、大分開催の成功に向けた支援活動を行ってきているところであります。 先ごろ、来年のワールドカップ・アジア最終予選が始まり、我が日本代表は東京で行われた緒戦を見事に白星で飾り、フランスへの第一歩を踏み出しました。テレビや新聞の報道によれば、会場は大変な盛り上がりであったようで、国と国とが名誉をかけて争うワールドカップともなると、予選といえどもさすがに違うものであります。 二〇〇二年には、このようなワールドカップの本大会がここ大分の地で開催されると思うと、確かに期待が膨らんでまいります。 私は、ワールドカップサッカーが二十一世紀の初頭を飾るビッグイベントであり、大分を世界に情報発信する上で大きな波及効果が期待できると考えております。 大会開催中には、世界じゅうから多くの観戦客やマスコミ関係者が大分にやってくると言われております。開催地としては、遠来のお客を温かく迎え、大分のすばらしさを心の土産にしてもらうことが何より大切であります。そのためには、スタジアムの整備ばかりでなく、観客のスムーズな輸送や宿泊、観光ルートの設定、練習場の確保、医療・警備体制の確立、さらには人心の温かみと世界に通ずるマナーなど、これから解決しなければならない課題が山積をしております。もちろん、こうした準備は一朝一夕にできるものではなく、二〇〇二年に向けて一歩一歩着実に進めていくことが肝要であります。 しかしながら、最近のサッカーを取り巻く環境は必ずしも順調とは言いがたい状況にあります。開幕当初は全国が熱狂の渦に巻き込まれた感のあるJリーグにおいても、今やかつての人気にはほど遠い現状であります。また、大会の会場となる大分スタジアムについても、いわゆる豪華ドームは税金のむだ遣いではないかとの声も一部から聞こえております。 こういう状況の中、今議会において、二〇〇二年のワールドカップサッカーを主管するため新たに設立をされる財団法人日本組織委員会に対して二億四千万円を出損する補正予算が提案をされております。県財政がますます厳しさを増す中、県民の多くが、ワールドカップの開催に伴う財政負担がさらにふえるのではないかとの懸念を抱いているのもまた事実であります。 そこで、こうした県民の懸念を払拭し、二〇〇二年のワールドカップサッカーを大分県民が一体となって支援をし、成功に導くためにも、次の点について知事のご所見をお伺いしたいのでございます。 その一は、二〇〇二年のワールドカップサッカーは、大分県を含めて国内十カ所で開催をされることはご案内のとおりでありますが、横浜市や大阪市のような大都市に比べて財政規模が小さく、また埼玉県や茨城県のようなサッカー王国に比べて、サッカーがそれほど盛んとは言いがたい本県のような地方都市で開催をするという意義について、また将来のビジョンを含めて、お聞きしたいのであります。 次に、今回、財団法人設立に当たって出捐する二億四千万円がどのような性格を持っているのか、また将来、財団法人が解散する際に出捐金は全額返済されるという説明があったが、間違いなく返済されるのかどうか、さらに将来、開催経費が膨らんで追加の財政支援が求められるというようなことはないのかどうか、あわせお尋ねをいたします。 次に、豪華ドームとの批判もあるスタジアムについて、ワールドカップサッカーが開催できる最低基準をクリアすれば、あえてドーム型の屋根は必要ないのではないかという指摘も多く、またスタジアムの管理運営経費やワールドカップ開催後の利活用についても多くの県民に不安や懸念が広がりつつありますが、知事のお考えをお聞きしたいのであります。 次に、農政問題についてお伺いをします。 農協の広域合併と経営体制の確立についてでありますが、現在の農協を取り巻く環境を見ると、新食糧法の施行や農業基本法の見直し、日本版ビッグバンなど農業政策、金融政策の大幅な転換が具体化されつつある今日、農家に及ぼす影響はかなり大きなものが予想されます。 県では昨年三月、新農業プラン21を見直し、平成十二年度に農業粗生産額二千百八十億円を目指しておりますが、この計画を達成するためには、地域農業をマネジメントする中核組織としての農協の経営基盤を確立し、事業、機能の強化を図ることが重要であろうと考えます。 加えて、我が国の金融システム改革の大きな流れの中で、信用事業を行う農協も、他の金融機関と同様に早期是正措置の導入に伴う厳しい対応を迫られておりますが、県下の農協は財政基盤が弱く、経営改善の一層の努力が求められていると聞いております。 申すまでもなく、農協は、他の金融機関とは異なり、協同組合活動の中で農家組合員のために営農指導事業を行うとともに、その農業経営と生活を支えるために信用、共済事業等を行っているのであります。 このような農協の経営基盤を強化し、多様化する組合員ニーズに対応するために、県は農協の広域合併を支援しておりますが、西暦二〇〇〇年を目指した全国系統の組織再編への対応において、現行の合併構想でかかる危機を乗り切れるのかどうか。また、ビッグバン対応など著しい環境変化に対応していくためには、組合長を初めとする農協役職員の今まで以上の経営管理能力の向上が必要であり、さらに広域合併後は組織規模や事業の拡大、預貯金量の増大等により、労務、財務等においてより高度な経営能力が求められます。それらに対する指導と、経営基盤強化のための広域合併の進捗状況についてお伺いをします。 次に、財政構造改革会議最終報告による本県の農業農村整備事業への影響についてであります。 平成七年度に見直しが行われました新農業プラン21は、平成十二年度までに本県の一戸当たりの生産農業所得を、昭和六十二年度対比の三倍にするとしておりますが、これらの目標達成のためにも、耕地面積の七割を占める中山間地域の振興策がぜひ必要であります。しかし、残念ながら中山間地域は農業生産基盤の整備、農村環境の整備が平たん地域に比べてかなりおくれており、農業農村整備事業の積極的な推進が不可欠であります。 このようなことから、本県においても中山間地域の活性化のための事業を推進しており、通常予算に加えて、ウルグアイ・ラウンド予算等農業農村整備予算を積極的に受け入れしてきたところであります。 ところで、去る六月三日、政府・与党の財政構造改革会議最終報告において、公共事業費の対九年度比七%マイナス、平成七年度から実施されておるUR対策について、二年間の期間延長とUR公共事業費を削減し、公共と非公共の割合を五対五とする内容が決定しているようであり、これにより農業農村整備事業の進度が相当おくれ、とりわけ中山間地域の整備が取り残されるのではないかと危惧するのであります。 そこでお伺いをいたしますが、財政構造改革会議最終報告が実施されることによって、現在進めている本県の農業農村整備事業はどのような影響を受けることになるのか、またこれに対して県はどのように対処するお考えか、お聞きしたいのであります。 質問の四は、全国植樹祭の開催についてお伺いをします。 森林や自然に対する人々の関心がますます高まる中で、二十世紀の締めくくりであり、同時に来る二十一世紀への橋渡しとなる記念すべき西暦二〇〇〇年に第五十一回全国植樹祭が本県において開催されることが正式決定されたとの発表がありました。 昭和三十三年に第九回の全国植樹祭が昭和天皇、皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、別府市の志高湖畔において開催をされて以来、四十二年ぶりの国民的一大行事となるわけであります。 幸い、本県は豊かな自然環境に恵まれ、県土の七二%に当たる四十六万ヘクタールもの広大な森林を有しております。 言うまでもなく、森林は、木材の供給はもとより、県土の保全、水資源の涵養など、県民の生活環境にかかわる多方面において多様な公益的機能を発揮しており、最近では森林レクリエーションなど保健休養機能の重要性が特に注目をされております。 本県では、平成三年の台風十九号等により、県西北部を中心にして、かつてない森林災害をこうむりました。この復旧作業の中では、災害直後の平成四年から毎年行われた神奈川県の湘南学園の生徒によるボランティアでの応援や、グリーンパスポート事業等による下流域からの市民ボランティアの支援は、森林所有者や関係者に大きな勇気を与えることになりました。 今後とも、森林の整備については農山村の人々のみに任せるのではなく、このような都市住民を初め、流域の上下流が一体となった県民総参加による緑の保全整備が極めて重要だと考えております。 平松知事はかねてから、ポスト工業化社会として、森林などの自然環境を基盤とした豊かな定住圏を目指した森林化社会の構築や、人と自然、文化、産業が共生をする適正共生社会の実現を提唱されております。 私は、未来を背負って立つ青少年の心身ともに健全でたくましい成長を願うとき、県内全域に広がる緑豊かな森林は、自然の体験、教育の場の提供など、まさに心の豊かさをはぐくむための受け皿として最高のフィールドかと考えております。 このようなときに全国植樹祭を本県で開催することは極めて意義深く、まことに時宜を得たものであります。 本来の開催目的である森林に対する愛情の醸成、森林資源の確保、環境の緑化を推し進めるのはもとより、二十一世紀に向けて物心ともに豊かな豊の国大分県を目指すため、教育や福祉など多方面にわたる波及効果のある植樹祭となることを期待しております。 そこでお尋ねをいたしますが、本年四月に全国植樹祭準備室が発足をし、開催に向けて万全を期して取り組んでいるものと思いますが、具体的に、いつ、どこで、どのような規模で開催するのか、また現在の準備状況についてお尋ねをいたします。 なお、会場の整備に当たっては、今さら申し上げるまでもありませんが、自然環境等には十分配慮するよう強く要望をいたしておきます。 質問の最後は、商店街振興対策についてであります。 中心商店街は本来、その地域において最もにぎやかであるはずであり、生活必需品の供給が行われるとともに、情報の集発信の役目も果たしていると考えられます。 しかるに、近年、一般消費者の消費ニーズの変化に加え、各地に見られる郊外型大型店の出店によって、従来栄えていた中心商店街の店舗では客足が遠のき、厳しい経営を余儀なくされております。 このような状況の中で、経営に見切りをつけたり、後継者がいない商店主は閉店するところも出てきており、中心商店街でありながら空き店舗が散見される状態となり、一層魅力を欠く商店街に変化しつつあります。このままでは小売商店が壊滅をし、中心となる商店街がなくなるのではないかと心配をされます。 各地域の商店街においても集客について懸命の努力はいたしておりますが、資本力の差はいかんともしがたく、活性化に苦慮しているのが実情ではないでしょうか。 大型店は商品の品数が多いということも上げられます。しかし、既存商店には、永年の蓄積による商品に対する深い知識と専門店ならではの品があります。 郊外型大型小売店の魅力を見るとき、まず車社会の今日、駐車場の大きさが上げられるのであります。何度も店の周りを回り、ようやく見つけた駐車スペースに細心の注意を払いながら駐車をする、あるいは駐車違反を気にしながら店に駆け込む状態では、落ちついて品定めをすることができず、少々の距離であれば、郊外であっても楽に駐車することができる大型店に出かけるのであります。 このような時代変化と消費者ニーズにこたえる商店街づくり、または中心商店街の活性化のため、行政は今後どのような指導と対策を考えておられるのか、お伺いします。 次に、先日、NHKのテレビで、東京都足立区の一つの商店街において、その商店街の店主を株主とする株式会社を組織して、新たな事業を展開しつつ商店街の活性化に取り組んでいる姿が放映をされました。 商店街振興会の会長が社長となり、各商店主が役員や社員となって、空き店舗を利用して、そこの商店街にない種類の店を開店するとともに、病院や大きなビルの売店を請け負い、在庫のない注文が入った際には商店街の専門店から配達をする、さらに弁当の宅配や大型店のメンテナンスなど行動範囲の需要に対して敏感に対応して商店街の活性化に努めているというものであります。 長年かけて築き上げられた人の考え方、商業哲学を変更させ、商店街の振興のために奮い立たせるのは容易なことではなく、一度や二度の研修会などに参加させたとしても目的効果が得られるものではなく、反復して刺激を加える必要があると思っております。この考え方に対するご所見と県が支援できることはないのかどうか、東京事務所所長として敏腕を振るわれました商工部長にお尋ねをいたしまして、私の質問を終わります。(拍手) ○日野立明副議長 ただいまの長尾庸夫君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 長尾議員の私に対するご質問にお答えいたします。 まず、ワールドカップサッカー大分開催の意義でございます。 ワールドカップサッカーは、オリンピックと並ぶ世界最大のスポーツイベントでございます。しかも、オリンピックとは異なりまして複数の都市で開催されるということから、過去の大会におきましても地方都市での開催が多く見られるところでありまして、これがまた、開催によって世界の開催地の地方都市が多く活性化したという実績も上がっておるところでございます。 また、来年度のフランス大会では、十カ所の開催の中で八会場が大分市よりも人口の少ない都市で開催されることになっておることも注目を引くところであります。こういった中小都市で開催が望まれるということが、このサッカーの持つ活性化の意義も理解しているんではないかと、このように思うわけでございます。 また、大分県は、サッカー王国と言われております静岡県、また埼玉県ほどではございませんが、もともとサッカー熱も高いところでございまして、ワールドカップサッカー招致の際には大分誘致のために県民の一割に当たる十二万人の方が署名をいただきまして、この開催実現の大きな力となったところでありますし、この議会におきましても「成功させる議員連盟」をおつくりいただいて、各県の議会のご賛同も得たところであります。 また、サッカー協会にあります、どこの県が一番選手の登録数が多いか、サッカー協会の都道府県別の選手の登録数というのがございます。人口比でいきますと、大分県は全国で第九番目でございます。 そういったことで、また県民のチームの大分トリニティも今奮戦をしておりますし、別府市の少年チームの境川フットボールクラブが全国準優勝ということで、競技レベルも少年から青年に至るまで着実に上昇をしているところである、まあポテンシャルも高いと、このような場所でございます。 そこで、ワールドカップサッカーの開催の意義でございますが、まず第一番目は、このサッカーのメーンスタジアム等を含めまして、サッカーというこの競技のみならず、これは二巡目国体、こういったことも含めて両にらみで、二十一世紀を展望したスポーツの殿堂という意味でこのメーンスタジアムを考えておるところでありますし、このメーンスタジアムで行われる二巡目国体とワールドカップサッカーが大分県全体の産業、経済、文化、地域の活性化に貢献することが期待されるのであります。 経済効果から見ますと、サッカーだけに限って大分で試合が行われるというときになりますと、延べ十二万人の観客が見込まれる、外国から約四万二千人が大分県を訪れる。また、延べ三千人を超えるマスコミ関係者も来られると。議員もご指摘のように世界じゅうに大分の情報が発信をされる、大分という名前が頭に刻み込まれ、それがまた将来の観光効果にもなってくる。 また、このメーンスタジアムを利用して将来、中国と韓国と日本、日中韓の国際試合をやりたいということを韓国のサッカー協会の会長の鄭夢準会長が、現在のスポーツ公園の視察の際に私に提案をされました。したがって、このワールドカップサッカーのみならず、これからそういった日本、中国、韓国の国際試合もここで行われるでありましょうし、またJリーグ等の試合もここで開催することができます。 そういったことでさまざまな波及効果を持つ施設となるのであります。 第二番目は、このたびのワールドカップサッカーがアジアで最初であると、ファースト・イン・エージアというのがこのうたい文句であります。しかもそれが日韓共催と、コリア・ジャパンという非常に新しい形になりました。このことは、これからの一番大切な日韓両国の外交関係を解きほぐす、日韓親善にも大変寄与すると。 先般、日韓首脳会談が別府で行われました。橋本総理と金泳三大統領が別府で会談しましたが、この開催に当たっても日韓共催のワールドカップサッカーの会場に大分が決まっているということもここに決めた大きな、有力な原因になったと聞いております。また、金大統領も、そのことについて言及をされておりました。 そういった意味でこのワールドカップサッカーをやることにより、アジアはもとより韓国にとって親密な、経済、観光、文化面の交流が進んでくることになるということであります。 第三番目は、ワールドカップサッカーの開催のときには、競技運営のサポートを初め語学のボランティア、これはアジア、アフリカ、中近東、ブラジル、すべて各国の共通競技であります。サッカーはコモンランゲージ、共通の言語であるということでございますので、いろんな国の方の語学ボランティア、またプレスセンター、市内での案内、こういった意味でボランティアが活躍して、その数が千五百人を超えると予想をされております。こういったボランティアとして県民の方も参加していく、さまざまな場所でこういった人との交流ができるということで、これから大分の若い方々が国際人としての育成も期待をされることになるということで、こういった世界最大のイベントを成功することが県民に自信と誇りを植えつけることになるんではないかと、このように考えるわけであります。 第四番目は、九州唯一の開催地でありますから、九州全体のスポーツ人が大分に集まる。今後また、大きなメーンスポーツ競技場でやっていくのでありますから、非常に大きな起爆剤に、大分県の観光や集客の起爆剤にもなる。 また同時に、そのためには大分と宮崎を結ぶ東九州自動車道、また大分から竹田を通って熊本に行く中九州自動車道、また日出のバイパス、こういったインフラの整備もこれに付随して早急に整備をする必要がありますし、各省庁に予算の重点配分をお願いするときも、この二巡目国体、ワールドカップサッカーが大分で行われるということが非常に有力な、強力な理由にもなるわけであります。ワールドカップサッカーに間に合わせるように、東九州自動車道の大分から津久見間はもう完成してもらう、また蒲江から宮崎までに至る東九州自動車道も早く着工して供用開始にこぎつける、こういった道路の整備、また大分空港の国際化に向けての整備等々いろいろと、公共事業の配分はこれから厳しくなりますが、このワールドカップサッカーということは、その公共投資を大分に振り向けるという意味において大変大きな根拠にもなるわけでありますので、こういった意味の効果も大変大きいものがあります。 国体をやれば、その県の道路がよくなるということをよく昔から言われました。ワールドカップサッカーはまた、さらにそれより多い公共事業投資への誘導の根拠にもなり得ると、こう考えるのであります。 こういった意味で、今年度は大分県の開催準備委員会を発足させまして、行政、企業、住民の方と一緒になって全体のワールドカップに必要なインフラの整備、また施設の整備等のマスタープランづくりも考えたいと思っております。 いずれにしても、ワールドカップサッカーの開催を一過性のイベントに終わらせることなく、開催を契機に地方における国際化、産業振興、人材の育成、スポーツ文化の振興といった地域の活性化、そしてそれに伴う各インフラの整備に努めてまいりたいと考えておりますので、今後とも、県議会を初め県民の皆様方のご理解とご支援を切にお願いするところであります。 次に、日本組織委員会への出捐金についてであります。 二〇〇二年ワールドカップサッカーを日本で開催する運営主体として、財団法人日本サッカー協会及び開催自治体などが財団法人二〇〇二年FIFAワールドカップ日本組織委員会--仮称でございますが、を設立することになっております。現在、会長就任について鋭意、私も副会長として努力をしているところであります。どなたにしてもらうか、今いろいろとお願いをしているところであります。また大分県としても、開催自治体の一つとしてワールドカップサッカー開催の一翼を担い、他の九つの自治体ともども基本財産五千万円、運用財産一億九千万円を出捐するものであります。 この出捐金の返還につきましては、原則としてその全額が返還される旨、財団法人を構成する関係者の間で合意がなされているところであります。 なお、大会の収支でございますが、収支の均衡を前提に文部省の認可を受け、運営の主体となる財団法人日本組織委員会が設立されるところでございまして、過去の大会におきましても赤字が生じたことはございませんので、追加の財政支援が求められることはないものと考えております。 次に、大分スタジアムの利活用でございます。 スポーツ公園のメーンスタジアムにつきましては、学識経験者、スポーツ関係者を含む専門家の方々のご意見もいただきながら、ワールドカップサッカーのFIFA基準をクリアしまして、かつ、当初立候補した十五自治体の中から選ばれるために開閉式屋根などの導入によって他よりすぐれた施設とすると同時に、これは二巡目国体のメーン会場としても十分使えると、こういう複合目的によって考えたところでございまして、国内と国際的なスポーツ・文化イベントの会場として県民にこれから十分利用していただく、後世長く百年の計としてつくると、このように考えたところでございまして、定時性、快適性を備えた設備でございます。 この設計案につきましては、できるだけ低廉なものにしようということで、平成六年度の設計・施工一体型の提案コンペ--提案競技をやらせまして、本体と屋根構造が一体となった合理的な複合体として設計をされておるために、国内のこれと似ておる類似の施設と比べましても、比較的に安価で全天候型のスタジアムの建設ができるという利点があるように思います。 日本の代表的なスタジアムとして、FIFAの調査団からも高い評価を受けました。その意味で二十一世紀のスポーツ大分にふさわしい、また二巡目国体のメーンスタジアムとしてもふさわしいものになると考えております。 この具体的な利用策でございますが、本県の競技スポーツ、生涯スポーツ、こういうことからサッカー、陸上競技を中心として国内、国際レベルの大会、小、中、高の大会、また高齢者、障害者等の大会にもぜひ利用していただけるように配慮をしてまいりたい。 また、スポーツイベントのほか、ウオールカーテンを中につくりましてジャズやポップス等のコンサートも開ける、また見本市、物産展にも利用できる。その際、開閉式ドームということになりますと、これは定時性ということができることであります。大きなイベントをするときに雨が降るか降らないか、これがもう一番大きな、主催者としての悩みであります。国体における開会式が天気であるかどうかということでもう九割、成功が保障されるわけでございますが、開閉式になりますと、雨天にかかわらず開催ができるという点は大変プラスになるんじゃないかと、このように思うわけであります。 次に、スタジアムの管理運営経費でございますが、現在、他県の運動公園スタジアムについて鋭意調査を行って、参考にすべきものは設計作業の中に反映をさせる、またその他の設備につきましても維持経費の安い芝を取り入れるということで、効率性、経済性に十分配意して今検討を行っているところでございます。 その他のご質問につきましては、担当部長より答弁をいたさせます。 ○日野立明副議長 外山総務部長。 〔外山総務部長登壇〕 ◎外山邦夫総務部長 公債費と今後の財政運営についてであります。 公債費の伸びの主な要因は、平成四年度以降の経済対策に伴う起債の元利償還金の増などによるものでありますが、増加額の七割程度は交付税で措置されております。交付税で措置される分を差し引いた実質的な公債費の負担割合を示す起債制限比率が二〇%を超えると地方債の発行が制限され、財政運営に支障を来すこととなりますが、従来から交付税措置のある有利な地方債の発行に努めていることから、本県の場合、一一・〇%にとどまっております。 なお、近年は、相次ぐ経済対策等により各県とも起債制限比率等の財政指標は上昇傾向にありますが、七年度の本県の指標はおおむね全国平均程度となっているところであります。 次に、県債残高についてでありますが、発行の抑制に努めながらも、依然として先行き不透明感か残っていた県内景気に配慮して、道路等の社会資本の整備に積極的に取り組んだ結果、八年度末の残高は六千九百七十億円、七年度に比べて七百六十億円の増となっております。 残高の構成比について見ますと、国県道の改良やふるさと農道、林道の新設などの道路関係三四・八%、河川改修、砂防、急傾斜対策などの防災関係二二・四%等で、主として県民生活に必要な基盤整備を行うために充てられたものであります。 次に、今後の公債費の推移についてでありますが、これまでの発行額に九年度発行予定額、さらに十年度以降の大規模プロジェクト関係発行予定分を加えたものに係る一般会計の公債費は、六年後の平成十五年度にピークを迎えることとなり、名目上約一千億円程度となりますが、うち半分程度は交付税等で措置されますので、実質負担は五百億円程度と見込まれます。 このため、平成九年度予算では、県債発行額の抑制を図るほか、借り入れに当たっては、通常十年償還であるものを借換債の活用により二十年償還に延ばすなど、償還の平準化に努力しているところであります。 今後とも、新行政改革大綱に基づく行財政の簡素合理化や、事業の厳選、事業量の年度間平準化などに配慮するとともに、地方財政計画に即した健全な財政運営に努めてまいりたいと考えているところであります。 以上であります。 ○日野立明副議長 小野福祉保健部長。 〔小野福祉保健部長登壇〕 ◎小野進一郎福祉保健部長 民生費予算についてお答えを申し上げます。 民生費の予算の中でも特別養護老人ホーム入所者の措置費あるいは生活保護費などにつきましては、市については市の予算に計上され、県の予算には計上されない仕組みになっております。 大分県の場合、県の人口に占める市部の人口の比率が七四%と高く、これに対し町村部の人口は二六%と、九州では七番目となっております。そのため、県の一人当たりの予算額は表面上、九州各県に比べると低くなってはおりますが、平成七年度の決算におきます、町村部人口に対する一人当たりの県の民生費で比較をいたしますと、九州で二番目と上位に位置しているところであります。 また、個々の福祉サービスにつきましても、介護保険の導入で重要視されております、痴呆性老人向けの毎日通所型のデイサービスセンターの整備率はただいま全国第一位となっておりますし、さらにホームヘルプサービスやデイサービス、ショートステイといった、いわゆる在宅三本柱の総合利用率も全国第七位となっております。 一方、生活保護の保護率は九州では第五位と低くなっておりますが、これはむしろ好ましいことではなかろうかと考えております。 このように民生費予算につきましては、県民一人当たりの額による比較だけではなくて、県民に対する福祉サービスの度合いなどを勘案し、総合的に判断することも必要ではなかろうかと考えておりますので、どうぞご理解をいただきたいと思います。 以上でございます。 ○日野立明副議長 相良農政部長。 〔相良農政部長登壇〕 ◎相良浩農政部長 まず、農協の広域合併と経営体制の確立についてお答えを申し上げます。 議員ご指摘のとおり最近の農協経営は、新食糧法の施行や超低金利政策などで厳しい状況にあります。また、金融システム改革に向けた対応も喫緊の課題となっております。このような環境変化に対応するためには、理事会機能の確立と常勤理事の経営管理能力の強化が求められておりまして、専門的業務に精通した学識経験理事の登用も積極的に進めているところでございます。さらに、研修の充実や検査などによる指導を通じて、経営者責任についての意識の向上を図ってまいりたいと考えております。 次に、合併の進捗についてでございますが、農協の経営基盤強化を目指した十二農協構想に基づき、未合併の六地区について中央会とともに合併に向けて鋭意支援、指導を行っておりますが、現在、三地区で、平成十年四月一日の新農協発足に向けた協議が続けられているところでございます。 また、西暦二〇〇〇年を目指した組織再編に対して、JAグループ大分では同年までに十二農協構想を実現するとしており、県としてもその支援を行うこととしておりますが、系統二段階の実現に備えた、自己完結能力のある新たな合併農協の構想策定に向けてJAグループを指導してまいりたいと考えております。 次に、農業農村整備事業についてお答えを申し上げます。 ご指摘の財政構造改革会議の最終報告を受けて、公共事業費の削減、土地改良長期計画の四年延長などが閣議決定されたところでございます。このため、年度予算総額の減、継続地区への重点配分による新規採択枠の抑制によりまして、新農業プラン21に掲げております農道、圃場整備などの整備率達成が厳しくなることが考えられます。 しかしながら、本県は中山間地域の占める割合が高く、この地域の活性化を図るためには農業農村整備事業の推進が不可欠であり、農林水産省においても平成十年度概算要求において、担い手育成圃場整備、中山間総合整備など中山間地域活性化のための事業を重点的に要望していることから、今後とも予算獲得に向け国に強力に要望していくとともに、効率的執行に努め、農業農村整備事業の推進を図っていく所存でございます。 以上でございます。 ○日野立明副議長 藤田林業水産部長。 〔藤田林業水産部長登壇〕 ◎藤田賢水林業水産部長 全国植樹祭の開催についてお答えいたします。 開催の時期につきましては、気候や植樹の適期などを考慮し、平成十二年の四月下旬から五月中旬を基本に、共催者であります国土緑化推進機構と協議を進めてまいりたいと考えております。 式典会場につきましては、将来にわたって広く県民の皆様方に利用されることが望ましいと考え、森林と人との共生を求めて整備を進めております大分県県民の森平成森林公園の大野町藤北地区を予定しております。 また、開催規模につきましては、一万二千人程度の参加を想定して進めております。 最後に、準備の状況でございますが、今年度は式典会場に至る道路の開設と会場の土工事及び遊歩道の整備等に取りかかることといたしており、現在、関係する土地所有者に対し、地元大野町とともに用地の買収について協議を開始したところでございます。 以上でございます。 ○日野立明副議長 永松商工労働観光部長。 〔永松商工労働観光部長登壇〕 ◎永松博文商工労働観光部長 中心商店街の活性化対策についてお答えをいたします。 県といたしましては、これまでも商店街のアーケード、カラー舗装、駐車場整備やイベントへの助成などハード、ソフト両面から支援するとともに、平成七年には地域商業活性化のための指針を定め、魅力ある商店街づくりを進めているところであります。 しかしながら、まず商業者が活性化意欲を持つことが大変重要でありますので、本年度から県と商工団体等による商店街活性化支援チームを派進いたしまして、商店街活性化のための制度、成功事例の紹介、相談、啓発を随時実施しているところであります。 さらに、来年度に向けて国は、中心商店街活性化のための総合的な対策を予算要求中でありますが、その中でも、まず市町村が中心市街地の範囲や商業振興の基本方針等を定めることが前提となっておりますので、これまでも促進しておりましたまちづくりの観点による市町村の計画策定を進め、中心商店街の活性化を図ってまいる所存であります。 次に、商店街をリードする人材育成についてでございます。 議員ご指摘のリーダー育成研修につきましては、本県では商店街振興組合連合会が主体となりまして、若手後継者を対象に、将来の地域商業リーダーを育成する豊の国商人塾を昭和六十二年に開設し、これまで二百人を超える卒塾生が県内各地で活躍をしております。 県といたしましても、研修内容を一層充実させるために平成八年度から、二十一世紀商業創造人材育成事業により助成をしているところであります。 また、商店街活性化のためには、商業者がみずから活性化事業に取り組む実践の中でそれぞれの商店街リーダーを育成していくことも大切でありますので、今後とも、商店街活性化支援チームの派遣などにより商業者の意欲喚起に努め、研修、実践の両面からリーダーの育成を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○日野立明副議長 再質問はありませんか。--以上で長尾庸夫君の質問に対する答弁は終わりました。 牧野浩朗君。 〔牧野議員登壇〕(拍手) ◆牧野浩朗議員 質問の機会をいただきましたので、諸課題について、通告に従い、数点にわたりお伺いをいたします。 二十一世紀を目前に控え、地方分権が一段と進んでまいりますが、これからの大分県は、知事の言われる人と自然との共生、都市と農村との共生、アジアとの共生が県政の大きな方向になると思われます。また、大分駅高架化事業等の大規模プロジェクトが国に認知されたことなど、さらに発展した大分県の幕あけの条件も整いつつあります。 このような状況のもと、ご案内のように県政における重点施策の中でも交通体系の整備、とりわけ東九州自動車道の早期整備は緊急の課題になろうかと思います。東九州自動車道は、既に供用または建設中の九州縦貫自動車道及び九州横断自動車道と一体となった循環型高速道路網の形成を図るとともに、東九州地域の産業、経済及び文化の飛躍的発展と生活の向上に欠くことのできない重要な路線でございます。 また、国際化の流れに沿った各種施策の推進の上から、さらには空港や港湾の整備効果を高めるためにも、循環型の高速道であります東九州自動車道の果たす役割は極めて大きいものがございます。 このような中にあって、昨年十二月の国土開発幹線自動車道建設審議会において、東九州自動車道の津久見-蒲江間が整備計画区間へ、蒲江-延岡間が基本計画区間へそれぞれ格上げされたところでございます。 一方、国においては、財政構造改革で公共事業費削減や道路財源の転用が検討されるなど、道路整備を初めとする地方の社会資本整備の必要性を無視するような極めて厳しい状況にございます。 既に着工している大分米良-宮河内間は平成十一年度末までに、宮河内-津久見間はワールドカップサッカーの開催までの工事完了を目指しており、また津久見-蒲江間については本年十一月までの施行命令を目指しておりますが、そこで第一、東九州自動車道における工事着工区間の事業進捗状況と整備計画区間、基本計画区間の今後の事業進捗はどのようになるのかをお伺いいたします。 次に、港湾の整備についてお伺いをいたします。 まず、中津港についてであります。 県北・日田地区はこれまで、県北国東地域テクノポリスなど産業振興策の推進によって交通体系の整備を初め産業基盤、生活基盤の整備に取り組んできた結果、産業の集積が進んできております。 このような状況を受けて、平成七年には大分県北・日田地方拠点都市地域に指定され、地域の自立と均衡のある発展に向けた取り組みがなされているところでございます。 また、ダイハツ工業株式会社の自動車工場の中津への進出やサッポロビール工場の日田市での建設着工など県北地域には大型企業の進出が続いており、地元では地域の産業発展のてことなるものと大いに期待しているところでございます。 また、こうした基幹となる産業の進出による波及効果として関連企業の進出も期待でき、これに加え、豊後高田市で進めている大分北部中核工業団地の分譲が開始されるなど、今後、県北・日田地域では産業の集積が一段と進むことが予測されており、より高度な産業基盤、物流ネットワークの形成が必要になってくるものと考えております。 こうした中、東九州自動車道、北大道路や中津日田地域高規格道路などの高速交通網結節点に位置している中津港は、背後地における産業や物流の急速な拡大に対応し得る地域の物流拠点として、大型の内貿、外貿ターミナルの整備が急がれている状況であります。 現在、大分県下の重要港湾は南から佐伯港、津久見港、大分港、別府港の四港であり、別府以北には物流拠点となる重要港湾はない現状でございます。県勢の均衡ある発展の観点からも、中津港の内・外貿ターミナルの整備が要請されているわけでございます。 このような情勢を踏まえ、県はかねてから中津港の整備促進と重要港湾昇格を国へ要望してきたところでございますが、先日発表された平成十年度の運輸省の予算要求において、中津港が重点投資流通港湾に選定されております。 今回の選定結果を見ますと、全国千九十四ある港湾の中で、地方港湾としては中津港と新潟県の姫川港の二港のみが選定されております。これは、公共事業予算の削減など厳しい環境の中で、関係各位の運動によって中津港の重要性が国において認められたものでありましょう。 ついては、今回、中津港が重点投資流通港湾に選定されたことについて県としてどのように受けとめているのか、また今後、中津港の整備の見通しについてお伺いをいたします。 次に、別府港についてであります。 国際観光温泉文化都市別府市は、温泉を初め城島後楽園、アフリカンサファリ等、観光資源が豊富に存在し、大分県を代表する観光地として温泉と海を生かした観光振興を図っているところでございます。ところが、昭和二十五年に別府国際観光温泉文化都市建設法が制定され、諸施設の整備を促進する体制が整ったにもかかわらず、海のゲートウエーとも言うべき別府港には国際観光船が寄港可能な埠頭がなく、外国人観光客の受け入れの面で大きなネックとなっております。 国際観光船誘致につきましては、かねてから別府市を中心とした大分県国際観光船誘致促進協議会が誘致に当たっており、これまで何度か国際観光船が寄港しておりますが、入港に際し別府港の岸壁が不足することから、大分港への入港を余儀なくされる状況が見られました。 本年十一月には大型クルーザー「飛鳥」が別府港に入港の予定となっておりますが、別府港では、現在使用中の船舶を当日だけ沖待ちさせて「飛鳥」を入港させる予定と聞いております。別府観光のより一層の振興を図るためには、旅客船バースを早期に整備し、受け入れ態勢の充実を図ることが必要でございます。 また、本年三月、国により新しく創設された国際交流インフラ推進事業、これは国際交流の促進と我が国経済の国際競争力を強化するため、港湾、空港、道路ネットワーク等の総合的な施策、事業を推進する対象地域を選定し、本年度から十年間、重点投資を行うというものでありますが、別府港を含む別府湾ベイエリア地域がこの対象地域に指定されたことから、今後地域内の総合的なインフラ整備が図られるものと期待をしているところでございます。 そこで、今後、別府港の整備方針についてお伺いしたいのであります。 次に、倒産防止対策についてお尋ねをいたします。 景気は緩やかな回復基調にあるとされていますが、県下の経済情勢を見ますと、特定の業種、企業は好調であっても、全体的には停滞感を払拭できない厳しい状況にあります。中でも、規制緩和による大型店の進出や消費税引き上げの影響を受けている中小零細小売業、公共事業の落ち込み及び住宅着工の減少による建設関連業種の低迷が続くなど、県下の中小企業を取り巻く経営環境は一段と悪化をしております。 県下の倒産状況を県内信用調査機関の調査結果で見ますと、一月から八月までの累計では件数で九十五件、負債総額三百十五億七千五百万円に上り、平成以降、件数、負債総額ともに最悪のペースで推移しているところであります。 その内容を見ますと、倒産原因別では、放漫経営による倒産が三十一件あるものの、販売不振二十五件、既往のしわ寄せ九件など不況型倒産が三十四件と最も多くなっているほか、連鎖倒産が十三件発生しており、大型倒産の影響も色濃く出ております。 調査機関によりますと、今後も県内中小企業全体の景気回復感が高まるような展開は考えにくいことから、年間の倒産件数で三年連続百件台は避けられない状況であると報じられております。 このような非常に厳しい状況の中、県はこれまでにもソフト、ハード両面にわたる各種の対策を講じてきており、今議会に提案されている補正予算案においても中小企業金融対策費十五億円が計上されておりますが、現在の状況を見ますと、その実効性に疑問を持たざるを得ません。 企業倒産を防止するには、本来的には個々の企業の自助努力により主体的に健全経営を維持すべきものと考えますが、平成以降最悪のペースで推移している県下の倒産状況にかんがみ、県ではどのような倒産防止対策を講じているのか、ここであえて所見をお伺いしたいのであります。 次に、県民の八七%を超える人々が利用している水道水の安全対策についてお尋ねをいたします。 大分県は全国的に見ても豊かな水に恵まれており、これらの水は水道の水源としても利用され、私たちの生活に欠かせないものになっております。したがって、その水は衛生的であって、私たちの日々の生活の安全、安心を保障するものでなければなりません。 生命に深いかかわりのある水は、水道の普及により安全性が確保されてきているとは思いますが、昨年六月に埼玉県の越生町において、水道水が原因で町民の七割に当たる八千八百人もの人が集団下痢症状を起こしております。これは、水道の原水に病原性微生物であるクリプトスポリジウムが混入して、その浄水処理が不十分であったことが原因のようであります。 このクリプトは千分の五ミリほどの原虫で、人間などの哺乳類の口から体内に入り、腸の中で増殖し、腹痛を伴う下痢を引き起こすものであります。感染した場合、有効な治療薬はなく、十日前後で自然治癒するということではありますが、免疫力の低下した人の場合、平成五年、米国で起こった事例のように死亡することもあるとのことでございます。 また、厄介なことに、この原虫は、水の中ではオーシストと呼ばれるかたい殻に包まれた形で存在するために、通常の塩素消毒ではほとんど効果がなく、死滅させることができないと聞いております。 ところで、先日、新聞で、全国九十四の水道水源を対象に厚生省が実施した調査の結果が発表されておりましたが、それによりますと、六県六水源水域でクリプトが検出されております。本県の場合、大分川からはクリプトは検出されなかったものの、同じように下痢などの症状を引き起こす病原性微生物のジアルジアが検出されたと報じられております。 大分川に水道水源を求める私ども別府市民といたしましては、とても無関心ではいられません。安全な水を安心して飲みたい、これは県民皆の願いであります。きれいな水は自然から無尽蔵にもらえるものと思っておりましたが、産業活動の進展や生活様式の変化に伴い、大半の水道水を賄っている河川等の汚れを心配しているのは私ばかりではないと思います。 そこで、クリプトやジアルジアといった病原性微生物は、水道水源となっている大分川以外の河川等に、例えば別府市内の朝見川や春木川などでも検出される可能性は十分にあると思われますが、いかがでしょうか。 次に、クリプトについて、通常の塩素消毒では効果がないということでありますが、現在行われているろ過等の処理方法で問題はないのか、県の指導方針についてお尋ねをいたします。 また、このような新たな病原性微生物を検査することは技術的にも非常に難しく、特殊な機器、装置などが必要と聞いておりますが、本県での検査体制についてどのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。 最後に、義務教育、特に中学校の教科書選定についてお尋ねをいたします。 私には、中学生の子供がおります。私の子供を含め、将来を担う青少年の健全な成長をこの上なく念願している一人でございます。大分県の発展も、県民子弟の勉学いかん、努力いかんにかかっていることは間違いのないことでございます。 この場合、本県の青少年が社会に出て活躍するための基礎は教育にかかっていると言っても決して過言ではなく、小学校、中学校、高等学校、さらには大学などにおける教育をいかに受けたか、その教育内容が問われるのであります。もとより、教師の資質、教育方法、熱意などが大きく影響することは論をまちません。 教師が教育するに当たって、指導要綱に沿ってであろうことは容易に理解できるところでありますが、生徒たちは教師の言葉と教科書によって知識をふやしていくわけでありますから、それだけに教師の資質向上は重要な意味を持ち、また教科書の選別にはより慎重でなくてはなりません。いかに教師が熱心で人格高潔、知識が豊富で優秀であっても、教科書もまたすぐれたものでなくてはなりません。生徒に与える影響が異なってくることになるからでございます。 現在、県内の中学校で生徒が勉学に使用する可能性のある教科書を英語、国語、社会の三科目で見た場合、国語については五社五種、英語、社会はそれぞれ七社七種あり、県の教育事務所ごとに設置された教科書地区選定協議会で教科ごとに二種を選定の上、地区採択協議会に回付し、この地区採択協議会で投票により一種が選定されることになっております。 この選定された教科書をそれぞれの中学校の教科担任教師が使用して、生徒に対して授業を行っているのでありますが、ちなみに平成八年度において採択された教科書を地区別に見ますと、ここで仮にA社、B社と表現しますと、国語はA社一地区、B社五地区、社会科のうち歴史はC社一地区、D社五地区と、地区によって分かれております。 ところが、理科、美術、保健体育については、県内どの地区も同一の教科書を選定しております。 ところで、この教科書について、出版社ごとに内容表現が異なっているのは当然でありますが、社会科のうち歴史教科書はどの教科書にも欠陥があると、歴史教育に関心の深い団体からクレームがつけられていることはご案内のとおりでございます。 特に現代史に関して、旧軍隊が利用したとされる慰安婦問題や南京大虐殺など、史実が確定していないことや史実がないということがはっきりしたものなどが、外国の圧力に屈した形で取り上げられており、またその表現もまちまちであります。 とりわけ、慰安婦問題につきましては「従軍」なる造語が加えられ、いかにも旧軍隊が徴発したかのような錯覚を起こさせる記述となっております。これが外国では「性的奴隷」と翻訳されてしまい、権威ある教科書に記載されたということによって外国に与えるインパクトが大きく、東南アジア諸国はもとよりアメリカにおいても、日本をさげすむ風潮が生まれております。我が国が世界をリードする立場にあるこのときに、我が国に対する悪評が蔓延することはまことにゆゆしきことでございます。 また一方、中学生といえば思春期真っただ中、性に最も関心の強い時期であります。この時期に刺激的な事項を扱うことが果たして適当であるのか、大いに疑問とするところでございます。 教科書は、一度採択されますと、同一教科書を四年間使用することになっておりますが、現在の中学生は殊のほか刺激的な社会環境になじんでおるとはいえ、この間に中学生の性的違法行為が発生しないように願ってやまないのであります。 もっとも、現在使用されている教科書はいずれも文部省の検定をパスしたものでありますが、この検定そのものに疑問を投げかけなければならないことは無論でありますし、虚偽の記述は速やかに削除されなければなりません。 さらに、いかなる国においても自国の歴史は美化しようとするのが普通であり、歴史上の事実であるものであっても、教科書に記載しなければならない必然性には疑問を持たざるを得ません。 ところで、教科書の採択に当たっての県教育委員会の役割は、高校についてはそれぞれの高校で選定するに当たって指導、助言をすることとされており、新規採択申請書が提出されたものにつきましては、審査の上、適当でないと判断したものを返付し、別の教科書を選定させることができるようになっております。 一方、中学校においては、市町村教育委員会に対し指導、助言を行うにとどまっており、選定の再検討を促す方法はないというのが現行の制度であります。 地区の自主性を尊重し、地区の特色を生かすための方法としては一応理解するところでございますが、事、生徒の将来に大きな影響を及ぼすと考えられるものにつきましては、もっと高所からの視点で指導されてしかるべきと考えるのであります。 義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律第十条によれば、「県教育委員会は、市町村の教育委員会の行う採択に関する事務について、適切な指導、助言又は援助を行わなければならない」と規定されており、これは義務規定と解するのであります。教科書選定に当たっては高い次元からの視点で採択されるべきであり、県教育委員会のより強い指導が要求されるものと考えます。 特に、社会科においては歴史記述に格差があり、地区採択協議会で選択をしたとはいえ、県内中学校がそれぞれに選択した教科書によって授業が行われたとき、県民の間に歴史認識が異なるものとなる懸念があります。これについてのご見解をお伺いしたいのであります。 また、現在、新しい視点に立った歴史教科書作成の動きが活発になっておりますが、いかに優秀な教科書であっても、現行方法によっては、新しい教科書の中学校での使用はおぼつかないのではないかと危惧するところであります。これについてのご見解をあわせてお伺いをいたします。 以上、執行部各位の真摯な答弁を期待申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○日野立明副議長 ただいまの牧野浩朗君の質問に対する答弁を求めます。 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 牧野議員の私に対するご質問にお答えします。 中津港の整備でございます。 平成十年度の運輸省の概算要求におきまして、物流の効率化、コストの低減を図る観点から、今後国が重点的に投資を行っていく港湾として中枢・中核国際港湾、いわゆる国際ハブ港湾のことでございますが、この中枢・中核国際港湾を十九港指定しました。それに加えて、新しく重点投資流通港湾ということで中津港を含む十四港湾が選定をされて、整備予算が要求をされております。その十四港の中に中津が入っていることは、議員ご指摘のとおりでございます。 今回、公共事業を取り巻く環境が極めて厳しい中で中津港が重点投資流通港湾に選定されましたことは、県議会を初めとして、地元の方々が決起大会を現地で開いていただいて大いに強い要請を中央に発信したという熱意のおかげでございまして、私も、二年越しの港湾局との折衝がこういう形で実を結んだことにつきまして、県議会の関係者の皆さん、地元の皆さんにも心からお礼を申し上げたいと思っております。 中津港の東九州北部における流通拠点としての重要性がこれによって国に認められたものであると、こう解しております。したがいまして、これからの中津港の整備促進につきまして、国の政策的、また財政的な支援の裏づけが得られたものと理解するものであります。大変意義の大きいものであると思います。 今後の中津港の整備でありますが、重点投資流通港湾に選定されましたことから、しゅんせつ等の本工事への早期着工が課題となるわけでございますので、地元の漁業者の方々を初め関係者の皆さんのご理解とご協力をいただきながら事業促進に全力を挙げて取り組み、またダイハツ誘致の条件をクリアしていきたいと、こう考えているところであります。 さらに、将来、重要港湾への昇格を実現しなければなりませんが、議員もご指摘のように財政構造改革、行政改革の流れの中で、これまでの重要港湾全体を見直したらどうかという意見も今あるわけでございますので、それに新しく重要港湾を一つつけ加えるということは大変厳しい情勢ではございますが、引き続き早期昇格に向けてさらに私も粘り強く要望してまいりたいと考えているところであります。 次に、別府港の整備でございます。 国際観光港別府港湾は、本県の観光の海のゲートウエーということで県と市が一体となって開発を進める、特に国際観光船の誘致に力を入れるということはこれまでも努力してまいったとおりであります。 特に、議員がご指摘の国際観光船が寄港できる埠頭でございますが、別府港の石垣地区に今計画をされておりまして、岸壁等を国が整備をし、また背後の埠頭用地等の埋め立てを県、市共同で進めるということで進んでおるわけであります。 この埠頭の整備は、国の第九次港湾整備五カ年計画に位置づけられて調査を進めておりますが、このたび建設省と運輸省の連携によりまして国際交流インフラ推進事業というのに選定をされまして、整備の促進が図られることになりました。ワールドカップサッカー二〇〇二年、国際観光客もこの船で来れるように間に合わせたいと考えているところであります。 さらに、この国際観光用のバースの整備促進につきましては、平成元年から別府市漁業協同組合との交渉を進めてまいりましたが、去る八月の二日に、組合の臨時総会におきまして漁業補償受け入れの決議が行われましたことから、この埋め立ての法手続を早期に終了して、工事に着工したいと考えているところでございます。 その他のご質問につきましては、担当部長より答弁をさせます。 ○日野立明副議長 吉永土木建築部長。 〔吉永土木建築部長登壇〕 ◎吉永一夫土木建築部長 東九州自動車道の事業の進捗状況についてのご質問でございます。 大分米良から宮河内間は、用地買収がほぼ完了いたしまして、工事も全区間発注済みでございます。 また、宮河内から津久見間につきましても、ほぼ計画どおり進捗しておりまして、用地買収は約八〇%済んでございます。そして、トンネルあるいは橋梁等の大規模工事につきましてはすべて発注済みとなっておりまして、ワールドカップサッカー開催までには供用開始できるよう、日本道路公団に対しまして強力に働きかけているところでございます。 また、今回新たに整備計画区間に格上げされました津久見から蒲江間につきましては、現在、日本道路公団におきまして施行命令に必要な調査を行っておりますが、一日も早く施行命令を出していただくよう関係機関に強く要望いたしているところでございます。 さらに、既に基本計画区間であります宇佐以北から県境の区間です、並びに今回の国幹審で新たに基本計画区間となりました蒲江以南の区間につきましても、早期に整備計画区間に格上げされますよう建設省に強く働きかけてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、公共事業を取り巻く状況は極めて厳しいものがありますが、県内の高速道路整備が大幅に進展するよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○日野立明副議長 永松商工労働観光部長。 〔永松商工労働観光部長登壇〕 ◎永松博文商工労働観光部長 倒産防止対策についてお答えをいたします。 県下の倒産状況は極めて厳しい状況で推移をしており、今後も予断を許さないところであります。 県では緊急倒産防止連絡協議会を設置いたしまして、倒産防止対策について協議を重ねてきたところでございますが、今般、行政による各種支援策の実施、経済団体による指導、金融機関の連携、信用保証機関による地場中小企業への積極的な保証の付与等を内容とする中間報告が取りまとめられたところであります。 県といたしましては、同報告に基づきまして関係機関に協力を求めるとともに、中小企業活性化資金の拡充を図るほか、商業、建設業などの業種別対策、連鎖倒産防止対策等、各般の施策を総合的に講じてまいります。 以上でございます。 ○日野立明副議長 笠置生活環境部長。 〔笠置生活環境部長登壇〕 ◎笠置邦秀生活環境部長 水道水の安全対策につきましてお答えいたします。 議員ご指摘のとおり、クリプトスポリジウム等による水道水源の汚染につきましては、厚生省の調査結果から見て、県民の健康と生活の安全を守る上から深い関心を持っており、検査体制の整備を初め今後の取り組みにつきまして検討してまいりたいと考えています。 汚染が心配されます水道原水につきましては、国の定めた暫定対策指針に基づきまして濁度を〇・一度以下に浄水処理すれば、既存の処理施設でもクリプト等が除去できますので、市町村に対しまして国の指導指針による適正な維持管理に万全を期するよう、市町村水道担当課長会議や水道維持管理講習会等々あらゆる機会を通じまして指導の徹底を図ってきているところでございます。 次に、検査体制につきましては、自己検査が困難な水道事業体が検査を依頼することとなっています、国の指定機関でございます大分県薬剤師会検査センターにおきまして、来年一月から検査ができるようになりますので、河川を水源とする市町村に対しまして、検査を実施するよう指導してまいりたいと考えております。 なお、緊急時の行政検査及び小規模水道施設や飲用井戸等の設置者からの依頼につきましては、県の衛生環境研究センターにおきまして対応できますよう、検査体制の整備について検討していく所存でありますので、ご理解賜りたいと思います。 以上でございます。 ○日野立明副議長 田中教育長。 〔田中教育長登壇〕 ◎田中恒治教育長 まず、教科書による歴史認識についてお答えをいたします。 現在、我が国の小学校、中学校、高等学校などにありましては、学校教育法によりまして文部大臣の検定を経た教科書を用いて学習をすることとなっております。このことは、全国的な教育水準の維持、向上、教育の機会均等の保障、適正な教育内容の維持、教育の中立性の確保などの要請にこたえるために実施しているものでございます。 現在、中学校で使用されている社会科、歴史分野の教科書は、いずれも国の検定を合格したものでありますので、議員ご指摘のような懸念はないものと考えております。 次に、新しい教科書の使用についてお答えをいたします。 教科書の採択は、議員ご指摘のように市町村教育委員会に属しております。しかしながら、県教育委員会といたしましては、採択の基準や選定に必要な資料などを提供することによりまして、採択権者において公正、的確に採択が行われるよう指導、助言及び援助を行っているところでございます。今後とも十分意を尽くしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。 以上でございます。 ○日野立明副議長 再質問はありませんか。--以上で牧野浩朗君の質問に対する答弁は終わりました。 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○日野立明副議長 ご異議なしと認めます。 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。     ----------------------------- ○日野立明副議長 以上をもって、本日の議事日程は終わりました。 次会は、明日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知いたします。     ----------------------------- ○日野立明副議長 本日は、これをもって散会いたします。     午後三時五十六分 散会...