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  1. 大分県議会 1989-09-01
    09月20日-03号


    取得元: 大分県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-13
    平成 1年 第3回定例会(9月)       平成元年           大分県議会定例会会議録(第三号)       第三回平成元年九月二十日(水曜日)     ----------------------------- 議事日程第三号        平成元年九月二十日     午前十時開議第一 一般質問及び質疑     ----------------------------- 本日の会議に付した案件日程第一 一般質問及び質疑     ----------------------------- 出席議員 四十四名  議長  今永 親  副議長 相良補三郎      首藤健次      荒川九州男      岩屋 毅      釘宮 磐      佐々木敏夫      麻生一三      岩尾憲雄      日野立明      長尾庸夫      吉武正七郎      三浦良隆      佐藤佑一      安部紀昭      仲道俊哉      古手川茂樹      長田助勝      友岡春夫      壁村史郎      池田秀人      阿南結城      後藤国利      後藤利夫      矢野竹雄      本多睦治      永吉 凱      麻植敏秀      山田軍才      赤瀬孝夫      甲斐信一      宮本憲一      緒方喜代美      阿部浩三      美口光男      相良勝彦      浜田 博      吉山和人      木許 晃      古屋虔郎      福田正直      柴田 明      重野安正      松木信善 欠席議員 二名      工藤秀明      堤 隆一 欠員   一名     ----------------------------- 出席した県側関係者  知事     平松守彦  副知事    芳山達郎  教育委員長  田口舜一  人事委員長  河野 浩  総務部長   橋本 晃  企画総室長  吉田 哲  企業局長   鈴木一正  教育長    嶋津文雄  警察本部長  梅沢五郎  福祉生活部長 美根公平  環境保健部長 安東 保  商工労働         帯刀将人  観光部長  農政部長   岩尾忠重  林業水産部長 徳地公生  土木建築部長 佐藤春郎  監査事務局長 小河 敦  地方労働委員会         森 利光  事務局長  総務部次長  飯田益彦  財政課長   武居丈二  秘書課長   魚返敬之     -----------------------------     午前十時三十五分 開議 ○相良補三郎副議長 これより本日の会議を開きます。     ----------------------------- ○相良補三郎副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第三号により行います。     ----------------------------- △日程第一 一般質問及び質疑 ○相良補三郎副議長 日程第一、第八五号議案から第九四号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑にはいります。 発言の通告がありますので、順次これを許します。 吉武正七郎君。 〔吉武議員登壇〕(拍手) ◆吉武正七郎議員 平成元年第三回定例会に当たり、地方の時代の旗手として活躍されている知事に敬意を払うとともに、今後ますますのご活躍を期待申し上げます。 過疎に苦労しながらも懸命に努力を続けている地域の出身議員として、地域振興にかかわる当面の課題について知事並びに関係部長に若干の質問をいたします。 最近、ベトナム難民の漂着や外国人不法就労の問題が盛んに報じられて世人の関心が非常に高まっているので、「百聞は一見にしかず」と去る八月二十一日に有志相図り、大村難民一時レセプションセンター--この正式の名称は「アジア福祉教育財団難民事業本部大村難民一時レセプションセンター」という長いものでございますが、ここに視察に行ってまいりました。ちょうどそのときは五島に一隻、沖縄に一隻漂着したときで、頭を痛めて、てんやわんやしていましたが、そのときですら定員二百人のところに四百三十一名の難民を収容していて、狭い二百十六平方メートルの集会場--これはわずか六十五坪強でございますが、そこに百三十人以上詰め込んで、足の踏み場もない状態でございました。とても生活指導の行われる状態でなく、食事も三度に分けてとらせている状態で、さらに二隻分の難民を収容するとすればテントを張っても間に合わないがと、頭を痛めておりました。そのうち難民の漂着が次々と報じられる中で一週間後には、調査の結果、ベトナム難民を装った中国人の不法入国が初めて明らかになり、それ以後、次々と偽装難民が発覚しています。 こうした中で政府は、インドシナ難民対策連絡調整会議を開き、インドシナ難民受け入れ方針を決定する一方、六月にジュネーブで開かれたインドシナ難民国際会議で合意されたスクリーニング、すなわち難民性の審査と言いますが、を導入することになり、中国やベトナムに対して不法入国者の身柄引き取り、不法出国者取り締まり強化を申し入れていますが、一方、ベトナム強制送還者は引き取らないという態度をとっているという現実であります。 したがって、私がこれから申し述べることは、偽装難民経済難民等はしばらくおいて、本来の難民にかかわることのみと解釈していただきたいと存じます。 昭和五十年のインドシナ三国における政変後、ベトナムから小舟で海上に脱出し、航海中の船舶に救助されて本邦に到着するベトナム難民、いわゆるボートピープルは後を絶たず、これらボートピープルは従前は本邦に到着と同時に、日本赤十字社や各宗教団体が管理運営する施設に直接収容されていましたが、政府は一時庇護上陸許可制度の新設に伴い、一時庇護のための上陸許可を受けたボートピープルなど難民を収容する施設を設け、所要の調査、健康診断、必要な治療などを行った上、民間の一時滞在施設に移送するなど一時庇護のための上陸許可制度の実効を期し、難民に対する援助などの活動の一層の合理化に資するとともに、人道的な立場に立って難民問題に関する国際協力を推進するため、昭和五十六年七月十七日の閣議了承をもって難民一時レセプションセンターを国が設置し、これらの業務を法務省に所管させ、同センターの運営を財団法人アジア福祉教育財団に委嘱することに決定しました。 このことに基づき、大村難民一時レセプションセンターは昭和五十七年二月に開設され、以来昭和六十二年十二月末日までに収容した難民は三千二百三十五名であり、そのうち三千百六名を民間の一時滞在施設または姫路定住促進センター国際救援センターなどへ送り出しています。 大村センターに入所した難民を各年別に見ますと、昭和五十七年に一千九名、五十八年に七百九十九名、五十九年に五百七名、六十年に四百三十七名、六十一年に三百三十六名、六十二年に百四十七名となっておりまして、年々漸減傾向にありましたが、最近になって急に増加の傾向に転じております。これは、南ベトナム等の本来の意味における難民のほかに、いわゆる経済難民と別称される北ベトナムの少数民族の集団等のように、よい生活がしたい、あるいは働いて送金したいといったような出稼ぎ的集団がふえたためで、国のあらゆる施設もその収容能力をはるかに超えて、日本語研修などの本来の機能の維持が全くできなくなってしまっています。 これに対して国は、法務、外務省を中心にプレハブ建設による収容能力の拡充や難民性審査制度の導入、さらにまた難民の取り扱いや今後の処置などについて、経済難民不法入国者とするなどを柱とする新たな難民政策を決めています。 一方、竹田地方は過疎に悩み、労働力の不足もようやく顕著になってきました。 そこで、定住促進センター国際救援センターなどで一定の教育を受けた難民を収容する施設を竹田に建設していただけないものでしょうか。ぜひ建設していただきたいと懇願するものであります。 その施設に一定の教育を修了した上でその意思のある者を収容し、雇用を希望する職場に通うか事業所に送り迎えさせれば、労働力の不足の解消の一助にもなり、「難民をあなたの町にも職場にも」という標語の実践にもつながり、難民問題に対する国際協力を推進することになると思うのですが、いかがでしょうか。 難民やその収容施設に対しては、法務省、外務省、文部省、労働省あるいは国連難民高等弁務官事務所がいろんな形の交付金、委託費、援助費、手当などを支給、負担することになっています。収容施設についても住宅確保奨励金を利用できると思います。このことは、民間団体または市が働きかけるより県が働きかける方が適当ではないかと思いますが、知事の所存をお伺いいたします。 次に、竹田-高千穂-日向線国道昇格についてでございますが、先般の四四二号線国道昇格の際、知事を初め一区、二区の国会の先生方の非常なご協力とご尽力によりまして達成された経緯がございますので、したがって二区に対しては義理というか、借りがあるというか、そういったことで心苦しいのですが、次の理由により、あえて質問する次第であります。 その一は、この路線が熊本、宮崎、大分の三県にまたがる路線であり、熊本、宮崎でも熱心に国道昇格のための運動を続けているため、協調する必要があることです。 その二は、この線が整備されれば、竹田において四四二号線に接続し、ちょうど九州を斜めに横断し、いわば四四二号線の延長のごときもので、完成の暁には交通、物流、観光の幹線道路となる非常に重要な路線であり、沿線地域の振興に大きな意義を持つものであるからであります。 なお、この路線はヒストリーロード、すなわち「歴史街道」とても名づくべきでしょうか。高千穂は、高天原を地上になぞらえた場合の絶対の候補地であります。日向市は、神武天皇東征の際の出港の美々津の地であります。竹田市は、十二代景行天皇九州平定の際の行宮のあった地であります。くしくも神話時代から有史時代につながる過程において結ばれています。 昭和六十年八月二十三日に日向市において第一回総会が開催されましたが、この会は「重要地方道竹田-高千穂-日向線国道昇格促進期成同盟会」と命名され、関係市町村は三県二市四町三村で、道路延長百七十一キロメートル、県内で二十三キロメートルであります。以来、去る七月二十五日までに五回の総会が開かれています。 昭和二十七年に道路法が制定されまして、今までに十一回の国道指定が行われているわけでありますが、当初は一級、二級国道と区分されておりましたので、頻繁に国道への昇格指定が行われておりましたが、三十九年にこの区分が廃止されてからは、おおむね五年に一回ぐらいの割合で国道昇格が行われているようであります。最近は、五十六年に八十三路線、五千五百キロメートルが指定されて以来七年ほど、国道への昇格は行われていないわけです。この間に六十二年に高規格幹線自動車道一万四千キロメートルが決定されまして、このときに一般国道から幹線道路の方に六千四百キロメートル格上げになっております。 この当時、一般国道は四百一路線、四万六千五百キロメートルと発表されておりますので、現在の一般国道は約四万キロメートルということになります。昭和四十九年に、一般国道は五万キロメートルとするという構想が打ち出されておりますので、その差約一万キロメートルについて逐次国道昇格指定が行われるものと思われます。期成会におきましては再三、建設省に陳情を続けております。高規格幹線道路の指定や一般国道についての全面的見直しなどの問題もあるようですが、近い将来この問題は本格的に取り組まなければならないものであります。その節は、過去のいきさつはそれといたしまして、全面的なご尽力をお願いいたします。この路線の国道昇格に対する存念をお聞かせ願いたいと思います。 次に、カボスのハウス栽培についてであります。 私は昭和六十二年の十二月議会において、カボスの試験研究について質問いたしました。その後、ハウス栽培についても助成の希望を述べてまいりましたが、竹田など気温の低い山間部では貯蔵産地として貯蔵施設を助成するとのことでありました。 当時、竹田市におけるハウス栽培の実情は、昭和五十八年、県省資源省エネルギー対策事業で新設二棟十五アールのハウスがつくられております。その節は県補助を五割いただいておりますが、県補助はそれぎりで打ち切られております。 その後は、昭和六十年度、改良資金を借り受けて一棟六アールのハウス、六十一年度は自己資金で二棟十七アールの設置が行われました。昭和六十二年度からは市の五割補助で二棟十五アール、ついでながら申しますと、六十三年度に一棟六アール、本年度一棟六アールと拡大に取り組んでおりますが、市は三カ年を期限として市単カボス等ビニールハウス設置事業として、補助率は木造構造の場合五割、鉄骨パイプは三割、いずれも加温施設は対象としておりません、という内容の補助事業でもあり、しばらくはその実績を見て検討すべきであると思ったのですが、市の補助事業も本年で切れますし、また、次のような事情も浮き彫りにされてきました。 竹田市では、過去、県の目指す高技術による高所得と消費者の周年供給要望にこたえるための周年出荷体制の確立に力を注いでいますが、中でも県の指定でもあり、過去の推移もあって貯蔵による延伸出荷に重点を置いて県や国の助成を得ながら体制づくりを進め、ようやく五百トン貯蔵体制の確立にまでこぎつけました。しかし、貯蔵を強力に進めた結果、収穫期が九月に集中するようになって新しい問題が生じてきました。 その一は、収穫期限が一時的に集中するため、家族労力で対応できず雇用に頼らざるを得ない状況下に置かれ、長期貯蔵による所得増加分が雇用労賃に吸収され、規模が大きく貯蔵比率の高い専業農家ほどその負担が大きく、経営が苦しくなっていることです。 その二は、規模が大きい農家が増加しておりますが、大きくなるほど貯蔵と通常出荷のみでは労力が偏り、収益が上がらないこと。このため、家族労力のみで対応し、しかも年間を通じて所得を得るような経営に切りかえる必要が出てまいりました。この実現にはハウス栽培が必要になってくるわけであります。 その三は、産地として名が通っている竹田市に対するハウス物の出荷要請が年とともに高まり、消費者の声を無視できない状況に追い込まれております。県の補助を受けられないために施設化が進まず、市場からの要請に対応ができないと見限られて販売戦略に支障が出始めていることです。 その四は、標高が高いと温度が上がらず生産コストもかかるので採算性が低く、竹田はハウス栽培に向かないので貯蔵産地向きだということになっておりますが、しかし、市内の先進農家が自力で取り組んだ実績を見ますと、それほど温暖の差は影響がないことが実証されております。逆に品質、すなわち色、味、香りの面にすぐれていることがわかり、価格的にも他の先進産地より高く取引されていて、採算面では十分な成果を上げております。そのため、周辺農家には希望者が多くなっております。 その五は、近年、竹田市は寒さや逆に暖冬による被害や原因不明の着花不良などの現象による収量の増減が大きく、栽培農家に不安感が増大しております。 以上のことから、防災営農、労力配分や経営の改善の上からもハウス栽培を取り入れることが必要でありますが、その施設化には十アール当たり約四、五百万円の経費が必要で、裕福な農家以外は自力では取り組めないのが実情です。 前にも申しましたように、竹田市では市単独の補助事業を六十二年から三年間の期限つきで対応しましたが、市単独では予算に限度があり、県の補助事業を導入して産地体制の強化に努めたいので、竹田市もハウスの振興地帯に加えていただきたく、地域を挙げてお願いいたす次第であります。 市の補助を受けてハウスをつくる場合、補助率の関係で必然、木造構造でということになりますが、木造の場合、自分の所有木材を利用できる反面、ビニールハウスに比べて建設費が二割程度高くなり、固定用のくぎなどで毎年ビニールが破れるために再利用できずコスト高になるとともに、ビニール張りに多くの労力を要する等の欠点があり、農家はパイプハウスを希望する旨の意見を持っております。したがって、県の補助事業によるパイプハウスの希望が多いのが現実であります。県の特産カボス生産拡大特別対策事業で実施を希望するのは、補助率が五割で補助率が高い、なお、鉄骨パイプ加温施設が補助対象になる等が理由であります。これらの理由をご勘案の上、何分よろしくお願いいたします。 以上三点について知事並びに関係部長さんの温かい答弁を期待し、以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○相良補三郎副議長 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 吉武議員の私に対するご質問にお答え申し上げます。 まず、難民問題であります。 ご案内のとおり急増する難民問題に対処するために、国は去る十一日にインドシナ難民対策連絡調整会議を開きまして、難民と経済難民を区別するスクリーニングの制度を導入するとともに、本来の難民に対しては受け入れ施設の拡充や日本定住のための日本語教育、就職のあっせん対策の充実などの方針を決定したところであります。 議員ご提案のインドシナ難民の雇用対策でございますが、現在、難民事業本部並びに国際救援センター等に入所している難民に対しましては、国レベルで職業あっせんや職業訓練を行うとともに、難民を雇用する企業に対しましては、住宅確保奨励金など各種給付金を支給するなどによりまして就職のあっせん、促進が図られているところであります。難民の認定を受けた者が、例えば大分県において働くことを希望する場合には、県といたしましても難民事業本部と連絡しながら就職のための必要な援助を行っていくことが国際的、また人道的な立場からも必要であると考えておるところであります。 しかしながら、難民を単純労働者として積極的に大分県に受け入れることにつきましては、西ドイツの例などもございまして、また言語や習慣の違い、県の今後の雇用状況の見込み、受け入れ地の意向などの問題もありますので、これらを十分に考慮しながら慎重に検討していくことが必要であろうと、こう考えておるところであります。 難民の受け入れ施設を竹田市に建設または誘致したらどうかというご意見でございます。まことに傾聴すべき意見でございますが、この問題につきましてはいろいろと考えなきゃならぬ問題もございますし、また、市長さんや住民の方々の意見もございましょうから、一つの提案として受けとめさせていただきたいと存ずる次第であります。 次に、竹田-高千穂-日向線国道昇格であります。 この次の国道昇格の時期、また規模は、今国において明らかにされておりませんが、建設省におきましては近く、幹線道路網との調整を図りながら国道ネットワークの再編成についての検討を始めると聞いております。したがいまして、これから検討を始めるので、国道昇格の時期がもうちょっと先になるんじゃないかという感じもいたすわけでございます。 いずれにいたしましても、国道昇格は高規格幹線道路の整備とともに県勢の振興発展に極めて重要でございますので、県といたしましては前回、県を挙げまして、また県議会議員の皆さんのご協力を得まして、昭和五十六年度の国道昇格の際に大分、竹田、小国、中津江を結ぶ、それから大川まで行く国道四四二号-北滝ロマン道路と言っておりますが、この路線が国道昇格に相なったのでございます。まあ、そういった経過もございますので、この次の国道昇格は、選挙区で言うと二区の方ということでございますから、バランス上、次回は別府-耶馬渓-行橋ルート、これを第一義的には考慮しなければなるまいと、こう私は考えているところでございますが、議員のご指摘もございましたように竹田-高千穂-日向ルートというのも大変重要性がございますので、これはまた宮崎との共同作戦でできるだけ多くの路線が国道昇格できますように宮崎県とも協力しながら引き続き国に働きかけてまいりたいと、このように考えておるところでございます。 その他のご質問につきましては、担当部長より答弁をいたさせます。 ○相良補三郎副議長 岩尾農政部長。 〔岩尾農政部長登壇〕 ◎岩尾忠重農政部長 カボスのハウス栽培についてお答えをいたします。 本県特産のカボス振興に当たりましては、平成七年までに栽培面積一千ヘクタールを目標に産地拡大を図っておるところでありまして、増収技術の普及と周年出荷体制の確立に努めているところであります。 ご案内のように、周年出荷を行うためにはハウス栽培による前進出荷と貯蔵による年末から年明けまでの出荷が必要となりますので、産地の気象条件などによりハウス栽培産地貯蔵産地とを区分して、昭和六十年度から平成元年度まで特産カボス生産拡大特別対策事業を実施してきたところであります。しかしながら、議員ご指摘のように経営規模が特に大きく、貯蔵用の収穫時期に労働力が集中するなどの点も考えられますので、実態把握に努めまして、今後のカボス振興対策の一環として前向きに検討さしていただきたいと考えておりますので、ご了承賜りたいと思います。 ○相良補三郎副議長 日野立明君。 〔日野議員登壇〕(拍手) ◆日野立明議員 私は、大分県の農政問題と地熱開発の問題、大きく分けて二点について質問をいたします。 大分県の農業政策の大筋の方向はどのように動いているか、これをマクロの立場からとらえると次のように考えられます。 平松県政の発足以来、知事は、県政基本方向として農、工、商、観光を四本の柱として構想し、各種の施策を展開、推進してきたが、農政について言えば、知事が「農業の振興なくして県勢の発展なし」との理念のもとに各般の施策を推進してこられたにもかかわらず、全国的な傾向の中とはいいながら、本県農業はやや伸び悩みの感がするのであります。これは、あるいは工業政策の相対的な伸長からもたらされる印象かもしれないが、ともあれこの時期に農業再生の年を言わざるを得ない状況や県農政を白紙の視点から見直すとする姿勢を打ち出さざるを得ない付近には、本県農業の現状に対していささか物足りなさを感じているものと受けとめざるを得ないと思います。その裏づけというべき農業事情を見るとき、うまい米づくり即自主流通米の拡大基調についていけない県内産米の質的な問題、施設農業面積の伸び悩み、肉用牛飼育頭数の減少、農業後継者の減少、高齢化、かんきつ事情の深刻化等、いずれも県農業の振興上、深刻な課題であると考えておるのであります。 こうした実態を踏まえ、平松知事が謙虚な姿勢をもって農業再生の要を自認し、その抜本的な見直しの姿勢を打ち出したことを評価しながら、我々も最大の協力を示すべきであると痛感をいたしております。 ところで、このような局面を踏まえながら知事が打ち出した再生への足がかりは、例の地域農業確立対策であると理解をいたしております。一、二年がかりで調査作成した核案は、全般的に新鮮味に乏しく、斬新な発想に欠けるとの批判もありますが、一応、権威者による労作の集大成として評価すべきであると思います。核案は、県内を十二地域に区分し、地域ごとに特性を生かした農業振興を図るとするものと理解をいたしているが、この基調案から演繹される中長期計画は、地域独自のものを全県的なものと整合性を考慮したものとして策定されつつあるものと期待される。 ともあれ、この確立対策は今後の県農業の進路を方向づける基本であると認識すると同時に、核計画を実施、推進する際にまず必須な条件はその受け皿の整備であると痛感する。その受け皿たるものこそ農業団体の再編成、すなわち現状五十八農協を地域確立対策と整合する十二の農協として整備することであると考える。この組織再編により、いわばハードな条件整備が整えられたことになり、初めて県農業は地域的な基盤をすっきりさせながら新しい方向の模索を可能とすると思われる。よって、当面する大分県農政のマクロな立場での動きは県農政の課題をどのようにして早急に解決するかが問題であり、この取り組みいかんが直ちに本県農業の将来的あり方を左右することになると思われる。 ここで、以上の大局的な動向をとらえながら、次の諸点について知事の所見をお伺いいたします。 国の農政は、巷間の攻撃材料とされるにふさわしい貧困、無定見的で外圧屈服であると思われるか、国との相関関係において農政を推進する立場での知事の所見を聞きたい。 知事は昨今、生産農家とのひざ詰め談義の考えを打ち出しておりますが、その動機は何であるのか、また、ねらいとするものはどの辺にあるのか。なお、こうした知事のアクションの根底にあると思われる県農業への危機感や県政における農政の位置づけについての基本姿勢を示されたい。 また、この際でございますので要望でございますが、私は二十年間、地方の議会議員をしておりましたが、かつての知事が町の役場あるいは農協等々に足を踏み入れたようなことは聞いていないわけでございますが、この際そのような所にも足を踏み入れて、切実な農民の願いを取り入れていただきたいとお願いをするものでございます。 地域農業確立対策の試案の扱いについてでございますが、当該地域ごとの地元側とのコンセンサスをどのように進めておるのか。目下立案中と伝えられている中長期振興計画は地域ごとに目標を樹立しているのか、また県全体の計画は地域ごとの単純トータルとしてとらえるのか、相乗効果を付加して想定するのか、その策定の基本方向をお伺いいたしたい。 地域計画の受け皿となる農協の地域別広域化の動きは、現在の大野郡及び西高両地域に限られているようであるが、他地域における県事務所や組合長会の動きは全くと言ってよいほど見られないようであるが、全県の普遍的な展開にこそ意義があると思われる。この構想がこうしたアンバラな行動で果たして効果的であり得るのか、一斉行動、全面展開による全県下的な盛り上がりこそ追求すべきではないのか、農政部長にお聞きいたしたい。 農協組織の広域再編成のねらいは、地域別農業の確立と関連する必須課題であると同時に、農協の経営基盤の健全化にあることは論をまたない。現状の農協が営農指導の弱体の批判に甘んじながら、いわゆる経営第一主義に走り得ない実情をどのように受けとめているか、農政部長にお聞きいたしたい。 ここで、十二の各地域ごとの問題を取り上げるといとまはないが、若干の問題を取り上げて県の対応をお聞きいたしたいと思います。 まずは、うまい米づくりでございますが、全県的に、特に東北、山陰を中心とする自主流通米のシェアは拡大基調であり、国もやがては六〇から七〇%を自主流通米に乗せる方針と言われる。このことは、やがて来るべき食管法の撤廃、自由化への展望の布石であり、それなりの議論も別個に存在すると思われますが、現状における自主流通米は六十キログラム当たり五千円から七干円高になっております。しかるに、我が県の自主流通米はわずかに六十三年二二・三%であり、九州各県の中でも最下位と低調で、いわば安い米価に甘んじている現状である。このことは、裏返して申しますと、県産米の優良銘柄の不存在を意味するものであり、残念なことだと思います。 ところで、コシヒカリの栽培導入の動きである「コシ」の銘柄は不動のものとして全国共通であり、これに便乗しようとする意図もわからぬではないが、本県産米の長期的展望から見たとき、確立できるものであろうか、疑念と憂慮を抑え得ないものである。 そこで、次の諸点について要望を含めながら質問をいたします。 県の農業センターの宇佐施設においては、開設以来数十年来、水稲を中心とする研究を継続をしておりますが、一言で言うとどのような成果をおさめられているのか、お伺いをいたしたい。 本県の農業は一般的に農林二二号とクジュウとなっているが、この品種の食味の全国的な消費市場における評価はどのような水準にあると自己評価をしているのか。また、農林二二号の短稈化試験に取り組んでいるとのことでございますが、成功の見込みはあるのか。また、その場合、反収見込みはどのようになるのか、お伺いをいたしたい。 次に取り上げたいのは、農業の施設化の問題である。 野菜を中心とする施設栽培の拡大こそは、その可能性と必要性において全県下共通の重要課題であり、ある意味において本県農業の活路を開く唯一のキーポイントであると考える。本県の施設面積は現状わずか六百から七百ヘクタール程度であり、隣県熊本、宮崎県に比べ格段の後進性に甘んじている。高品質、高価格、高技術のスローガンを充足する最短距離にあり、また、水田転用作目の選択を最も容易とするこの施設農業の立ちおくれこそ、本県農業政策の著しい後進性を象徴するものであると言わざるを得ないわけであります。この際、おくればせながら最大の重要課題として取り組むべき目標でなければならないと思われる。特に国東、豊肥地区を中心とするフライト野菜の拡大要請の時期に直面しており、後期水田転用対策のビジョンと絡めて、この事業の抜本的な取り組みが期待されている。 そこで、次の諸点についてお尋ねをいたしたい。 県は、施設農業が県農業の将来に占める位置づけをどのように考えておられるか。施設化に伴う資本投下の緩和策として、思い切った助成措置や農協との提携による施設リース方式の普及等が考えられるが、県の対応策があればお聞かせ願いたい。 施設化に伴うバイオ技術の導入や導入品目に対する技術指導が不可欠となるが、技術者の確保について現状、不足傾向にあると言われているが、要望を含めて対策をお伺いいたしたい。 九州各県における施設園芸の現状とこれらの市場取引の額及び本県の位置づけを示されたい。本県における施設園芸普及のネックや問題点はどこにあるのか、お伺いをいたしたい。 本県の施設農業化の急速な促進を図るための緊急施設農業推進要綱の制定及び推進体制の整備を図る考えはないか、お聞かせいただきたいと思います。 質問の第二点でございますが、この質問につきましては、昨年の第四回定例県議会で質問をいたしたわけでございますが、地元の不安解消のためにいま一度質問をいたします。 財団法人農業資源エネルギー協会が九重町の湯沢地区で実施されております自然エネルギー実験公園建設計画及び地熱開発について質問をいたします。 当計画について調査の範囲内での経過などを述べ、県当局の考え方をお尋ねをいたします。 この計画の趣旨または目的の概要は、地域に賦存する各種のエネルギー源を開発利用することによって地域条件に適合した新しい第一次産業の振興を図るとともに、地域全体の自然的魅力を醸成していく、そのため、モデル地区を選定確保し、自然エネルギーの複合利用、森林資源の培養及び山地ハイテク産業の実験を試みる自然エネルギー実験公園を建設し、地域の総合的魅力を創出する、その自然エネルギー源としては風力、小水力、水質系バイオエネルギー及び温泉熱などを複合的に利用するが、特に風力を中心とした観光的色彩も加味する、こうあるわけでございます。 九重町湯沢地区を選定した理由としては、各種の自然エネルギー源が存在、豊かな森林資源や観光・レクリエーション地を有するなど多くの実験要素を秘めているため全国的にもモデル地区としてもすぐれている、以上のような説明が町当局、農業資源エネルギー協会よりなされ、関係者へ協力要請、六十一年八月、用地約八十ヘクタールの売買契約が成立し、十月には九重自然エネルギー実験公園建設に関する協定書が九重町と協会との間で締結、昭和六十一年十月より約三年間に反ぶ事業計画及びスケジュールが町並びに地元へ説明をされました。 その後、風車建設が自然景観上、県との協議が成立せず、六十二年三月より地熱調査のボーリングが開始され、同年八月三日に至り地下千八百五十六メートルの地点で折れたリグピットの先端が坑内に詰まるという掘削トラブルを起こし、掘削続行を中止し、得られたデータを海外の地熱調査専門会社に依頼している。その結果が六十三年三月に報告書として公表、結論としては「最深部の千八百五十六メートルでは坑底温度摂氏百九十八度を確認した」-以下省略。この報告書以降は、現地より諸資材の搬出、作業員の引き揚げにより長期間にわたって現場は放置された状態で、地元民は開発を断念したものと思われていた。 ところが、放置されて約九カ月後の六十三年十一月、突然地元説明会が開催され、調査の結果などに関するコンピューター解析作業に一年以上を要し、調査作業がおくれていたが、コンピューター解析の精度を高めるため調査井の復元試験調査実施の中し入れがあり、同年十二月より諸準備に入り、平成元年二月中旬より再掘削が開始されている。その後の協会の報告では、掘削は順調に進み、同年四月四日、二千八百七十メートルで坑底温度摂氏二百六十度を記録し、掘削を中止、噴気テストを実施する作業内容に変更し、二日後の四月六日には関係者を案内して、噴気テストが実施された。 こうした流れを見ると、極めて順調な作業スケジュールであるが、一方、再掘削が開始された平成元年二月中旬前の二月八日付の読売新聞、朝日新聞、各種経済新聞によって、フジタ工業と「わざ」は共同で九重町において地熱開発事業で試掘の結果、一時間当たり百二十トンの蒸気と百トンの熱水噴出を確認、一本の井戸で二万キロワットの出力が可能で、同地域では二十五万キロワット級の発電も可能、長期噴気テストの上、九州電力と企業化について協議したいなどの内容が発表された。 この報道によると、私は最初の掘削で既に成功していたのではないかと思う。仮にそうでないとすれば、なぜコンピューター分析の結果のみであえて大企業のフジタ工業が発表したのか、大変疑問があります。 その他にもわかりにくい点が多くあります。 まず、町または地元との協議では、第一次産業の振興を目的とした自然エネルギー実験公園の建設ということで説明しておきながら、前に述べたとおり、六十三年三月の報告書以降は地熱発電のための調査に終始しているとしか考えられないわけでございます。 第二点は、協会が調査を進めているにもかかわらず、新聞公表はフジタ工業、「わざ」の共同試掘となっている。 第三には、日本の地熱発電所の状況は、昭和四十一年運開の岩手県松川発電所が最初で、自家用を含めて総出力二十一万五千百キロワットであります。また、現在建設途上の九電八丁原二号機が五万五千キロワット、鹿児島県の山川での石油資源株式会社が三万キロワットで平成六年運開予定、同県の霧島での新日本製鐵株式会社が三万キロワットで平成七年の運開の予定、さらには九重町の出光地熱開発株式会社の五万五千キロワットなどの計画中のものを含めても、総出力全国で三十八万五千百キロワットであります。これらは長い年月を要しての結果でありますが、同協会やフジタ工業、「わざ」の調査はわずか二年間であり、日本全体の地熱発電所出力に相当するような二十五万キロワットの発電所が可能かということであります。 第四には、これまでの地熱調査のための井戸掘削を初め、これまでに要した経費は十三億数千万円と伺っておりますが、これらの経費はすべて協会に理事を出している企業からの寄附金であるということでございます。寄附をした企業の目的が明確にされていない点であります。 そこで、次の五点についてお尋ねをいたします。 最初に、大分県が認可した財団法人農業資源エネルギー協会の設立目的、役割及び事業計画とその計画の進捗状況並びに認可に際して条件があれば、あわせて説明願いたい。 二点目は、地熱調査井掘削申請に対し、許可した内容及び目的、申請者名並びに掘削実施者をお尋ねいたします。 三点目は、概略経過で述べてまいりました協会の説明、報告、またはフジタ工業、「わざ」の新聞公表などから総合的に判断すると、協会は本来の役割を果たしていないのではないかと思うが、協会とフジタ工業、「わざ」との関係を明確にしていただきたい。 四点目は、今年七月末にはフジタ工業は、大分県九重町及び熊本県小国町で計画している地熱発電所建設事業を米国のベクテル・グループに全面発注するなどの公表を行っていますが、公表に当たっては当然県を初め町、地元へ協議、相談があるべきと思うが、実際はどうなのか。これまで県が対応してきた状況、また発電所計画に対する基本的な考え方を示していただきたい。 五点目には、フジタ工業などによるこうした公表が行われる中で、地元地域住民の将来の協力が極めて心配であります。県としては、国立公園内でもあり、保安林でもある当地域の開発に対し九重町では当初より自然エネルギー実験公園の建設には協力を約している実態の中で、この地域の開発に対する基本的な考え方をお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。(拍手) ○相良補三郎副議長 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 日野議員の私に対するご質問にお答え申し上げます。 農政問題であります。 最近における農業を取り巻く社会経済情勢は、国際化、高齢化、情報化の進展、また地方農山村の過疎化の進展など大変厳しいものがあるわけでございます。こうした情勢の中で牛肉・オレンジの自由化の決定、米の自由化圧力などによりまして、食糧、農業問題について国民各界各層の関心が高まってまいりました。日本における農業、農政のあり方といった視点からの議論が幅広く行われるようになったものと理解をいたしております。 今後の県農政の推進に当たりましては、これまでもご答弁申し上げましたが、これからは画一的農業を廃しまして、地域の特色を生かした地域別農業の確立、大分は大分方式、北海道は北海道方式、東北は東北方式と、それぞれの地域の農業というものを確立していきたい。そのためには、これからはこれまでの施策を一回白紙に戻して、ゼロベースから抜本的な施策を見直して考えていきたい、今後の農政の振興施策を構築したい、このように考えておるところでございます。 本県の厳しい現状を踏まえて、こういった地域農業確立対策会議の提言を踏まえ新農業振興計画をつくりまして、大分県農業の生き残りをかけて、活性化をかけて施策を進めてまいりたい。その際にはまた、国の農業政策全般に対しましても積極的な発言をし、反映をしてもらいたいと考えておるところでございます。 私がこのたび各農業の現地を見て歩くという動機でございますが、県農業を取り巻く内外の情勢の厳しさを一段と認識をいたしておるわけでございまして、これではひとつもう一度私も地域の皆様方の実態と意見を聞きまして、また、今ご要請のありました農協、また町の役場にも踏み込んで皆様方と一緒にお話を聞かせていただく、こうして県下各地を行脚してまいっていきたいと考えております。もちろん、これによって今すぐ大分県農業が再生できる妙案が出てくるとは思われませんが、具体的なお話を聞く中で、また農政部挙げて現場主義に徹してもう一度新しい農業計画をつくってこれにかけていく、こういう意味でこういった行脚を続けてまいりたいと思っておる次第であります。 次に、県政における農政の位置づけでありますが、私は、農工商観の一体的な推進を県是といたしておりますが、中でも農業は本県の基幹的な産業であるのみならず、自然、文化、県土保全-文化におきましても農業なくして地域文化はないわけでありますから、こういった根幹的な機能を有するもの、こう認識をいたしております。県の農業の振興なくして県勢の振興はない、これは私の信念でございますので、今後とも新しい農業の確立を目指してあらゆる努力を払ってまいりたいと、このように考えておるところであります。 ただ、問題は、議員のご指摘のように受け皿でございます。行政ばかりで幾ら頑張っても農政の進展はありません。やはり農協、また農民の方々、三位一体でこそこの大分県農業の再生もできるのであります。そういった意味で農協の皆さん方の意識改革、また農民の皆さんのやる気、経営的な視覚に立った農業経営、こういった点もあわせて一緒にやってもらわないと大分県農業の再生はできないと、このように考えておる次第でございます。 その他のご質問につきましては、担当部長より答弁をいたさせます。 ○相良補三郎副議長 岩尾農政部長。 〔岩尾農政部長登壇〕 ◎岩尾忠重農政部長 まず、地域農業確立対策会議の提言の扱いについてであります。 提言につきましては、地域の方々の意見、考え方等を組み入れて取りまとめていただいたわけでありまして、現在策定しております新農業振興計画の基本となることはもちろんでありますが、地域の関係者の方々にも十分ご理解をいただくことが大切でありますので、市町村長、農協長等によるトップセミナーや市町村、農協の企画担当者の研修会などを開催いたしまして、地域農業確立対策会議の座長をお願いしました東大の今村教授から直接講演をいただくとともに、地域ごとに推進会議を設置いたしておりまして、地域のコンセンサスを得ながら浸透を図っているところであります。 また、新農業振興計画につきましては、地域ごとの振興目標、振興手法を具体的に明らかにしてまいりたいと考えておりますが、地域間の協調、連携を図ることによって相乗効果を高め、さらには技術開発や人づくりといった県レベルで担うべき課題もありますので、計画書は全体計画と十二地域別の地域計画とに分け、両者の整合性を持った内容として策定してまいる考えであります。 次に、農協の広域合併についてでありますが、農協の広域合併は昭和六十一年の県農協大会において農協関係者みずからが決議し、これに基づいて県下十二地域に農協広域合併研究会が設置され、今日までそれぞれの地域で取り組みがなされ、機運も醸成されてきております。合併は地域の実情に即して関係者が自主的に推進することが基本であり、地域によって早い遅いの差はありますが、本年一月の県農協大会におきましても、将来十二農協を目指す合併構想が決議されておりますので、県といたしましては今後ともできる限りの支援をしてまいる所存であります。 次に、農協経営の実情についてであります。 農協は、本来の事業機能である営農指導事業と、これと有機的な結びつきを持つ信用事業や共済事業等を行っておりますが、今日の農村社会の構造変化に伴う組織基盤の変容などに即応していない部分もあり、現在そのあり方が問われているところであります。これらのことから広域合併が進められているものでありまして、県といたしましては、地域農業振興のかなめとなる農協が今後十分な機能を発揮し、魅力ある事業活動が展開できるよう広域合併の早期実現を支援しているところであります。 次に、うまい米づくりについてであります。 水稲の試験研究は、農家の経営安定を図ることを基本に多収性から品質及び機械適応性へ、さらに良食味米の育成選定へと移行してまいっております。こうした中で農林二二号、クジュウ、黄金晴、トヨサチなどを選定し、県の奨励品種として普及してまいっております。 お尋ねの食味につきましては、農林二二号は、財団法人日本穀物検定協会の米の食味ランキングで最も高いAランクに、また、クジュウはこれに次ぐA′ラフンクに位置づけられておりまして、いずれも高い評価を受けております。しかしながら、この農林二二号、クジュウにつきましては、草丈が長く、比較的倒伏しやすいため収量の低下や作業性に劣るなどの欠点があることから、バイオテクノロジー技術を活用して、短稈で、しかも昧のよいオリジナル品種の育成に取り組んでいるところでありまして、短稈化による倒伏防止あるいは作業性の向上等が増収に結びつくものと考えますので、その早期実現に全力を挙げて鋭意取り組んでいるところであります。 次に、農業の施設化についてであります。 施設園芸の拡大は、稲作依存型からの脱却を図り、高付加価値型農業を展開する上で緊急な課題でありますので、現在策定中の新農業振興計画の中でも重要な柱として位置づけてまいりたいと考えております。 次に、施設化に対する助成措置でありますが、おおいた高冷地野菜拡充事業、地域農業確立総合対策事業などで農協リース方式を取り入れた事業も実施してまいりましたが、今後は一層事業内容の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、野菜技術者につきましては、農業改良普及員や営農指導員の技術向上研修に加えて、より高度な技術を習得するため試験研究機関での長期研修などを拡充するとともに、農協の野菜技術者の専任化を図るなど、行政、農業団体が一体となって技術者の確保に努めてまいりたいと考えております。 施設園芸の現状でありますが、現時点での最新データでは、昭和六十一年度でありますが、それで見ますと、野菜栽培面積に占める施設野菜の割合は九州平均一五・一%に対しまして本県は九・一%で、本県の面積は七百九十二ヘクタールとなっておりまして、また、野菜共販額に占める施設野菜の比率は九州平均六〇%に対し本県は五〇%と整備がおくれておりますが、平成元年度には地域農業確立総合対策事業の中で施設化に対する助成措置を前年の一億四千六百万円から二億二千三百万円へと大幅に拡充するなど、県としても力を入れているところでございます。 施設化の推進につきましては、大分県野菜振興方針により地域ごとに重点品目を定めてその推進を図ってまいったところでありますが、本県は地形が複雑で産地規模が小さく、流通ロットが小さいことから有利販売ができにくいなどの条件もありますので、今後は新農業振興計画の策定にあわせてこの方針の見直しを行うとともに、これらの条件を克服するために行政、農業団体、生産者が一体となって組織的な取り組みをしてまいりたいと考えておるところでありますので、ご了承賜りたいと思います。 以上であります。 ○相良補三郎副議長 吉田企画総室長。 〔吉田企画総室長登壇〕 ◎吉田哲企画総室長 財団法人農業資源エネルギー協会の設立目的などにつきましてお答えいたします。 この法人は、本県に賦存するローカルエネルギーを農業分野へ利用するための技術開発を行うとともに、工業技術を導入した農業生産の新技術を確立するための調査研究を行い、県内におけるローカルエネルギー利用の促進と農業生産技術の向上に資することを目的及び役割といたしております。 なお、具体的な事業展開は、久住町と九重町の二地区で行っておりまして、このうち久住町におきましては、風カエネルギーを中心とする代替エネルギー利用によるハイテク農場を建設し、バイオ技術を利用してトマトなどの施設栽培の試験研究を行い、既に数例の成果の報告があり、そのほか野草薬草農園の展開も今後計画されております。 また、九重町におきましては、議員ご案内のとおり湯沢地区において自然エネルギーの複合利用、森林資源の培養などによる自然エネルギー実験公園を建設するため、協会が理事の一員である「わざ」に地熱資源の探査を要請し、一本の地熱調査井で二万キロワット級の熱田の発掘と噴気テストの成果があったとの報告を受けております。 なお、法人設立の許可に際しましては、民法や県の規則を遵守し、設立目的を逸脱することのないよう指導したところでございます。 次に、協会の役割と「わざ」、フジタ工業との関係についてでございますが、フジタ工業、「わざ」の二社は協会の理事の関係会社でございまして、協会はこれらを含む会社からの出資及び技術の提供を受け、自然エネルギー実験公園など協会の施設においてローカルエネルギーの農業分野への利用技術など自然エネルギー利用技術の開発などの調査研究を行いまして、その研究成果、調査結果を普及する関係にございます。 湯沢地区の自然エネルギー実験公園計画につきましては、協会と「わざ」の協定によりまして、「わざ」が掘削した熱井から熱水等所要の供給を受けまして、研究開発を行うことになっております。 なお、協会はこのように二者の支援を受けておりますが、現在のところ、寄附行為の範囲内で事業活動を行っているものと考えております。 次に、発電所計画についてでございます。 フジタ工業による地熱発電計画につきましては、議員ご指摘のように県などへの説明を経ず新聞報道が数度にわたりなされたことは甚だ遺憾でございます。このためフジタ工業に説明を求めましたところ、いまだ構想段階ということでありましたので、そのような構想があるとしても、地元の同意はもちろんのこと、環境アセスの問題、我が国の電力需給の動向などクリアすべき課題に十分配慮しながら早急に具体的な計画案を示すよう指導したところでございます。 なお、本県は全国有数の地熱資源県でございまして、この貴重な資源を地域で有効に生かすことが必要だと考えておりますが、具体的には地元九重町とも十分連携をとりながら慎重に対処してまいりたいと考えております。 湯沢地区開発に対する基本的考え方についてでございます。 事業の推進を図る上で九重町や地元住民との密接な協力関係が不可欠であることは議員ご指摘のとおりでございます。したがいまして、協会に対して、当初からの計画である自然エネルギー実験公園の建設の円滑な推進のため、今後とも広く地元関係者との誠意ある協議や話し合いを積極的に行うよう強く指導するとともに、他の事業者による新たな計画が示された場合におきましても同様の方針で臨みたいと考えておりますので、ご了承賜りたいと存じます。 ○相良補三郎副議長 安東環境保健部長。 〔安東環境保健部長登壇〕 ◎安東保環境保健部長 九重町湯沢地区の地熱調査井の掘削許可についてお答えをいたします。 昭和六十一年八月二十九日付で、九重町湯沢地区の自然エネルギー実験公園計画における温室栽培等の施設の利用に供する地熱エネルギーを確保するため、温泉掘削許可申請が提出されました。申請者は、財団法人農業資源エネルギー協会の理事との関係会社であります株式会社「わざ」でございます。また、掘削実施者も「わざ」でございます。県といたしましては、許可申請を受けて現地調査を行い、県温泉審議会の答申を得まして、昭和六十一年十月十七日付で申請どおりの許可をいたしております。 以上でございます。
    ○相良補三郎副議長 暫時休憩いたします。     午前十一時四十九分 休憩     -----------------------------     午後一時六分 再開 ○今永親議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 浜田博君。 〔浜田議員登壇〕(拍手) ◆浜田博議員 第三回定例会に質問の機会を与えていただきまして、心からお礼を申し上げます。通告に従いまして質問をしてまいりたいと思います。 まず最初に、一村一品運動についてであります。 「一村一品運動」と言えば「大分県」、「大分県」と言えば「一村一品運動」とまで言われますように、この運動がここまで盛り上がったのは、この運動の提唱者であります平松知事の指導力によることはだれしも認めるところであります。ところで、この一村一品運動が提唱されて以来十年、この十年間に一村一品運動は全国のむらおこしにはかり知れないインパクトを与えてまいりました。しかし最近、この運動の趣旨を理解せず、一村一品運動さえすれば即むらの活性化につながるという短絡的な考え方をする人もあり、このままでは運動の真意が伝わらないし、せっかく盛り上がっているむらおこし運動に失望と挫折感を与えかねません。 そこでもう一度、一村一品運動とは何であったのか、その光の部分、影の部分をしっかり分析をし、今後のあり方を模索、新たな飛躍を目指す必要があると考えます。 この運動の趣旨は、市町村ごとに一つの特産物をつくり、このものづくりを通して市町村の活性化を図り、あわせて人づくりも行おうとする点にあったと考えます。大分県は農業の就業人口割合が全国平均をはるかに上回る農業県であり、従来どの県でも衰退産業として切り捨て、見限ってきた第一次産業中心の一村一品運動が県民に自然に受け入れられたこと、この発想のユニークさが大分県の枠を超え、全国的にも受け入れられていったと思うわけでございます。 成果として、いわゆるその光の面として、第一に、一次産業を中心とした競争を通して各市町村が活性化を目指し、一本化され、まとまったことであります。第二に、一村一品運動により、大分県の知名度が上がり、後進県、人材流出県といった汚名が消えて、県民にやればできるという自信を回復させたことであります。第三に、一村一品運動が誘い水になり、先端産業などの企業が参入しやすくなった付随効果が上げられると思います。最大の効果は、一村一品運動が大分の土壌の下で開花しました。その趣旨が地方衰退に悩んでいた全国各地に受け入れられ、地域活性化対策の救世主となったことが上げられると思います。 一方、この運動の影の面としては、他県が見捨てた一次産業を中心に活性化を展開したことから、他の地域でもまねがしやすく、加えて農産物は原料的なものが多いために付加価値が低く、つくったものは腐りやすく、運送や販売に手間がかかるという重大な欠陥があることであります。また、高度成長時代の大量生産、大量販売方式を支えてきた現在の流通組織では、一村一品運動のような多品種少量生産物は扱いにくく、相手にされない実態があろうかと思います。さらに、最近では新たな問題として、一村一品運動の先進市町村と後進市町村の間にあつれきも生じているような状況もありますし、両地域の経済格差は広がりつつあると考えます。 そこで、これからの一村一品運動はどうあるべきか。もう一度、一村一品運動を再組織するか、あるいは脱一村一品運動を目指すか、このいずれかが考えられるのではないかと思います。 まず、再生を目指す一村一品運動対策としては、物まねされない付加価値の高い商品をつくり出さなくてはならないと思います。そのためには、技術力を高め、新たな情報をつけ加えた一・五次商品などの開発が望まれます。そのためには、人材面や資金面なども考慮して、一村一品から一地方一品へとその運動を高めることも大事な戦略ではないでしょうか。 一方、脱一村一品運動として最近大きな流れが見られます。イベント開催、リゾート開発、大学誘致など地方活性化を行う流れであります。脱一村一品運動として今後大きなかぎを握ると見られているのは、中小企業による活性化運動だと思います。この中小企業の活動が異業種間交流などを通じて活発になれば、いずれは一村一品運動と並んで地方活性化運動の強力な担い手となることは間違いないと考えます。 大分県の産業は、二次産業が弱い上に素材供給型のため産業のすそ野が浅いと言われます。すそ野を広げるため組み立て加工型産業の育成、誘致が求められ、そのためには新しい技術、情報の獲得、育成、開発などを早急に支援できる体制が必要となってきます。すなわち、工業面からの情報の受信、発信のネットワーク体制の確立が求められるのであります。 情報化、国際化の進展で再び東京へと人、物、金の一極集中、東京が情報の質と量の面で厚みを増し、情報の発信・受信基地として成長してまいりました。情報面で大きく立ちおくれた地方は、地方の時代から地方試練の時代を迎えようとしています。 再生一村一品運動を進めるにしても、脱一村一品運動を進めるにしても、大切なことは産業全般にわたる情報の受信、発信を支援できる体制、すなわち情報ネットワークの構築であろうと思います。どのような商品が売れるかを素早くキャッチし、それを的確に生産者に知らせ、そして商品を買い手に届けるという情報のキャッチ、伝達、発信が即時に行えるネットワークの構築であります。ニーズに合わせ、生の情報を処理し、加工できる人材が必要となります。結局、地方の活性化に成功するかどうかは人づくりにかかっていると考えるのであります。県の一村一品運動の究極の目的は、まさにこの人づくりにあったはずであります。この運動の原点に立ち戻り、新たな地方の時代を真剣に模索すべきではないでしょうか。一村一品運動の十年間を振り返りながら、この運動の提唱者であり、強力な指導者である知事のこの運動に対するご所見、これから進むべき方向性についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。 次の質問にはいります。 別府市の楠港一帯開発計画とコンベンションホールの関連について質問をいたしたいと思います。 大阪に本社のある仲谷特殊紡績と別府市が大規模ウォーターフロント開発に取り組むことで合意したと新聞報道がなされました。報道によりますと、別府市楠港一帯で三十階建ての超高層タワーを建設、ホテル、高級分譲マンション、ショッピングセンター、コンベンションホールなどを整備するという。総事業費は約三百億円、同社と別府市のほか大分県、大手商社などで第三セクターを設立、十カ年計画で開発を進めるとなっていますが、県としてはこの件に関しどこまで関知しているのか、お伺いをいたしたいと思います。 また、県は、さきに二十一世紀を展望した別府港湾開発十カ年計画を作成、民間活力を導入して別府市に国際観光都市にふさわしい都市機能を整備するということになっていますが、今回のウォーターフロント開発はその民活導入の第一号と考えてよいのか、その計画との関連性についてお聞きしたいと思います。 楠港周辺の海面二万四千五百平米を埋め立て、そのうち一万七千平米にビル群を建設する計画のようですが、規模が大きいため、一期から三期程度に分け、十カ年計画で進めるということで、中央の大手資本の進出も予想されています。 さて、その計画の中でコンベンションホールの建設も上がっていますが、今ご存じのように別府市民が一番望んでいる、早期実現を期待しているコンベンションホールについては、県が長年、大型観光施設調査会の中で検討を加えてまいりました。もう早急に結論を出すべき時期に来ていると考えますが、現在どのような審議状況になっているのか、お伺いをいたします。 さて、関連して、現在、別府市議会の中でも大きな論議を呼んでおりますが、別府市市民ホール建設の問題であります。 今建設を予定している地域は天皇在位記念公園内と聞いていますが、果たして公園規制等実現可能なのかどうか、県との協議はどの程度なされてきたのか、ご説明をいただきたいと思います。 いずれにしても、県が建設を予定しているコンベンションホール、別府市の計画している市民ホール、それぞれの機能分担、さらには建設後の運営の問題等十分な協議をして建設にかからなければならないと思うわけでございます。今後、別府市とこの問題についてどのような協議をし、県としてのコンベンションホール建設の早期実現を図る考えなのか、担当部長の見解をお伺いしたいのであります。 続いて、次の質問にはいります。 教育問題ですが、学校事故についてお伺いをいたします。 県内で最近、学校事故が頻発をし、その中で裁判になった事例もあるようでございます。学校における事故の問題についてお伺いをいたしますが、一般的に重大な事故が起こって、ほぼ子供の側が教育委員会なり学校の措置に不満なときには、国家賠償法による損害賠償の裁判を起こすことになるわけであります。国家賠償法、いわゆる憲法十七条に「何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。」とありますが、そのことを受けて第一条に「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」、及び第二条では「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。」とあり、それを根拠に裁判に持ち込まれるわけであります。県下において、このいつ起こるとも限らない学校事故が裁判に持ち込まれた事例がどのくらいあるのか、まずその状況、経過をお知らせいただきたいと思います。 裁判は時間も費用もかかると同時に、国家賠償法は公務員に過失があったときのみに賠償する制度、すなわち過失責任主義のため、子供は学校や教師に過失ありと証明せねばなりません。子供であるだけに非常に困難でありますから、裁判に持ち込まれるのは日本弁護士連盟の調査では三%程度と見ています。逆に言えば、九七%は泣き寝入りさせられているということになるわけでございます。 一方、裁判の判決の傾向は、福祉国家論が叫ばれているごとく、被害者に有利な判決にするためには公務員の故意または過失か、公営物の設置または管理に瑕疵ありとせざるを得ず、しかも公務員の故意または過失にしても、その賠償の責任は地方公共団体で負い、教師個人や教育長個人が負うのではないことも含め、原告側に有利な判決傾向となっています。 例えば、体育の跳び箱で負傷したのは助手をつけなかった教師が悪い、体育館の天井裏にはい上がり落下したのは、天井裏にはいれないようにしなかった管理者の責任であるというような判決であります。そうしますと、裁判に敗れた教師はそれだけで済むかという問題が生じてまいります。その間の精神的な負担とか教育者としての責任を含めますと、教師が事故を恐れて教育活動そのものに対し萎縮したり、消極化していくという傾向はないだろうか。 教育とはチャレンジであります。掛け算、割り算のわからない子供がわかる努力をすることもチャレンジであり、難しい体育でも化学実験でもチャレンジであり、それが解けたときに知的興味、知的好奇心が生まれてくるのであります。現在、教育で最も欠如していると言われる創造性の養成の根幹でもあるのであります。しかるに、事故を恐れてためらっていれば、教育は萎縮すると考えます。 そのあらわれとして、最近、当然学校行事でやるべきものまでPTA行事に持ち込んでいった事例もあるように聞いています。子供のいたずら、悪ふざけ、反抗等も子供の成長段階の一つの過程でありますから、教育が萎縮し、消極化することは、教師の賠償の責に任じなくてよいことと無関係に、教育界全体にひそかに流れている風潮と見るべきものではないかと思います。だから、教育をチャレンジととらえたときに、チャレンジ否定をするということは教育否定につながるわけであります。 学校事故は教師の注意義務にも限界があり、注意義務だけで事故は防止できるものではありませんが、チャレンジは事故を生む可能性が非常に強いわけで、学校という場所が常に事故を起こす可能性のある危険な場所でもあるわけであります。しかし元来、学校というものは安全で楽しい場であるというのが原則でなくてはならないと思います。事故が起こって裁判になれば、教師と子供、父母が法廷で敵、味方になるという極めて非教育的状況になるわけでございますから、これをできるだけ避けなければなりません。 現在の法体系で言う、資本主義経済原理の一つとしての過失責任主義の体系にあることが基本的に問題ではないかと思います。だから、国家賠償法第一条、二条に見るごとく、過失があるから賠償する、過失がないから賠償しないとなりますから、過失の有無が争われることになるわけでございます。教師の注意義務を超えて起こる不可避的な事故を過失とされるところに問題があると思います。したがって、学校事故に関する限り、無過失責任主義の法律が整備されることが望ましいと考えますが、教育長の見解をお伺いしたいのでございます。 学校事故が教師の注意義務の範囲を超えた不可避のものであるならば、この憲法の理念のもとに無過失責任主義の立場に立って、教育委員会や学校、教師の過失を裁判によって争うことなく国が賠償する制度を早急につくるべきだと思います。児童の最善の利益のために、無過失責任主義により裁判によらず解決させる道を開くためあらゆる機会を通して国に要求すべきだと思いますが、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 加えて、事故が起こって被害者に対する負担の問題であります。当事者が個人的に、例えば校長が個人でお見舞いをしたり、教職員がお金を出し合ってお見舞いをしている事例もあるようでございます。 そこで、学校事故見舞い金条例または細則等を県においてあらかじめつくる考えはないか、また市町村に対し行政指導する考えはないのか、お伺いをいたしたいと思います。 続いて、人事院勧告についてお伺いをいたします。 人事院は今回、国会と内閣に対し、一九八九年度、平成元年度の国家公務員給与をことし四月一日にさかのぼって、定期昇給分を除き平均三・一一%引き上げるよう勧告いたしました。好景気で明るさが増した民間の春闘状況を反映して、前年度の二・三五%を〇・七六%上回っております。勧告内容も、初任給や若年層に手厚い改定をしているほか、単身赴任手当の新設、期末勤勉手当のアップ、調整手当の支給対象地域の見直しなどを求めています。県の人事委員会としての作業は現在どこまで進んでいるのか、勧告時期、さらには勧告に対する基本的な考え方をお伺いしたいのであります。 最後に、昨日も質問が出されておりましたが、半導体関連産業とフロンの問題についてお伺いをいたします。 今、全国各地で問題となっている生導体産業は、クリーンと言われてきましたが、決してクリーンではない状況があらわれております。有毒化学物質のトリクロロエチレンやフロン、有毒ガスや放射線の大量使用で河川や地下水、土壌の汚染、ガス爆発による火災なども発生をしております。フロンが成層圏のオゾンを壊すと指摘しましたアメリカのローランド教授の最初の論文発表から十五年がたちました。仮説が国際的に認められ、国際会議が何度も開かれ、そして日本にも販売中止に踏み切る小売店も出て、フロン規制の動きは加速度的に広まってまいりました。千葉県内の中堅スーパーがフロンガスを使ったスプレーなどの商品を売らないと宣言をいたしました。 さきに、地球を取り巻くオゾン層を守るために聞かれたヘルシンキ国際会議で、「二〇〇〇年までのできるだけ早い時期に特定フロンを全廃する」との宣言を採択いたしました。流れとして一気に全廃にまで進めようというものであり、来春のロンドン会議で条約上の規制が正式に決まる見込みであると言われております。 我が国のフロンの使用量は、この二年間に二四%もふえたと言われています。その半分は代替品の開発がおくれている半導体などの洗浄用のものであり、日本は年間二兆九千億円もの半導体を生産しており、その工程で毎年五万トン以上の洗浄用フロンを使ってきたと言われています。しかし、世界に通用する代替品やフロンを使わない半導体生産技術の開発が世界市場で生き残る道であることを知っているハイテク企業は、国の行政より早く、昨年より次々と脱フロン宣言をしています。 日本がその進んだ技術力で安全かつ大気に分解される新しいフロンを開発できれば国際的にも大きく貢献できるはずであり、積極的な施策が望まれるところであります。 そこで質問ですが、県下においてフロンを半導体関連企業において洗浄剤として使用している実態についてご説明をいただきたい。 さらに、工場周辺の大気、河川、地下水、土壌などの汚染度について検査、有毒な化学物質、放射性物質などの安全性チェック、有害廃棄物処理問題など、環境破壊、汚染防止についてその対応策をどのように講じているのか、お伺いをいたしたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○今永親議長 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 浜田議員の私に対するご質問にお答え申し上げます。 一村一品運動についてであります。 一村一品運動の将来につきまして非常に貴重な示唆を賜ったところでございます。私が提唱いたしております一村一品運動でありますが、三つの原則を頭に置いて行ってまいりました。 第一番目は、ローカルにしてグローバルといいますか、ローカルであればあるほどグローバルとでも言ってもいいんでありますが、それぞれの地域が地域の特色を持った産品、それはカボスやシイタケのような農産品でも、また別府湾ちりめんといったような水産物でも、またログハウスといったような林産物でも、また観光でもよい、まあ民謡でもよい、それぞれの地域の特色のあるものに磨きをかけて、全国のみならず世界にも通用する、ローカルな特産品でグローバルにも通用する、こういったものでございまして、いわば一つのその地域にしかない文化を掘り起こそうという一種の文化運動、こう言ってもいいのであります。 第二の原則は、自主自立の精神でございまして、何を一村一品にするかは別に条例とか規則によって決めたのではありませんで、各地域地域がみずからのリスクとアカウントで決めていく、県はあくまでこの一村一品の研究開発、またマーケティング、知事はセールスマンということで大いに東京でも売ったのでありますが、こういった研究開発、マーケティング、こういった地域のやる気を支援する、こういうことを原則として行ったのであります。 第三の目的は、議員ご指摘のようにものづくりを通じて地域に誇りを持ち、チャレンジ精神に富む人の開発でございます、人づくりであります。 こういった三原則で行いまして、これまで十年たったわけでありますが、第一番目のものづくりでありますが、市町村が選定した一村一品が現在二百数十品目、昭和六十三年度の販売が一千億を突破するというようなことでございます。しかしながら、先ほど議員が言われたように多種少量でございますから、流通機構に乗せるのにはかなりいろいろ問題点のあることも事実でございます。そこで、一村一品株式会社というのをつくりまして、ひとつ一村一品の品物にふさわしい流通機構をバイパス方式、現在の既存のチャネルとはまた別の方式で考えていきたいということでございます。現在考えておりますのは、全国各地域で大分を愛する会員、レッツ・ラブ・オオイタ会員というのをつくりまして、今度オークラでも、やってくる方々全部会員にして、そういった方々に直接大分のいろんな特産品も買ってもらう、また別府を初め観光地にも来ていただく。こういった会員組織でいたしますと三万人つくって一人が一万円買えば三億円と、こういうことになりますので、三万人目標のレッツ・ラブ・オオイタ、大分を愛する会員制というやり方でひとつ新しいチャネルをつくろうということも検討いたしておる、こういった流通問題のことをこれから考えていきたい。 第二番目は、地域づくりグループ、いわゆる人づくりでございますが、私が塾長である豊の国づくり塾の塾生ももう七百人ぐらいになりまして、県下各地でいろんなイベントやいろんな事業を進めるようになりました。また、マスターズ・コースというクラスもつくりましたし、各市町村が既に二十カ所、二十町村におきましてまたそれぞれの塾ができてきております。したがって、人づくりも大変活発でございます。これがまた、他県の地域づくりにも影響を与えておりますし、さらに諸外国、ロサンゼルスで今度、「ワンビレッジ・ワンプロダクト・デー」ということでロサンゼルス市長さんもこれから大分と交流しよう、またソ連の方からもひとつこの大分の事業を勉強したい、また中国やフランスやイギリスからも交流が進んでおりますので、こういった人づくりを通じて議員の言われる世界的な情報ネットワーク、こういったものをこれからつくっていきたい、このように考えているところであります。 第三番目はハイテク、私はローテクと言うんですが、このハイテクを地域に役立つ技術に活用していく、ローカルテクノロジーということでこれも一村一品運動の精神が浸透いたしまして、例えばパソコンネットワークについても大分県の独特の「コアラ」というパソコンネットワークは今やもう全国的な会員がはいって非常に活発に利用されておりますし、マリノポリスの音響給餌ロボットというのはもう大分県独自の技術開発をいたしたわけで、だんだん中小企業、工業面においても地域独自の技術が開発されてきた、こういったことでいろんな成果が出てきておりますので、これからの方向はものづくり、人づくりなど地域活性化の原動力でありますが、これを息長い運動として続けていく必要があろうと思っております。 今後とも、一村一品運動による地域の創意工夫、自立自助、人材育成、それと行政の諸施策を車の両輪として、二十一世紀を目指した地域の活性化を図ってまいりたい。究極は議員が言われたような人づくりでございますので、あえてネーミングをすれば一村一品から一人逸品-逸品というのは秀逸の「逸」を書きまして、一村一品からこれから一人がそれぞれ特色のある人間として育っていく、逸品を育てる、一人逸品と、こういったことで大分県が全国に向けて、また世界に向けての情報の発信基地になるということでこの運動をさらに深化、深め発展させてまいりたいと考えているところでございます。 その他の質問につきましては、担当部長より答弁をいたさせます。 ○今永親議長 佐藤土木建築部長。 〔佐藤土木建築部長登壇〕 ◎佐藤春郎土木建築部長 別府港の楠港一帯の開発計画についてでございますが、現在、二十一世紀を展望しました別府港全体の港湾計画の見直し作業中でございます。この計画案では、別府市の旧別府港桟橋でありました楠港は埋立地となりまして、浜脇地区再開発事業と一体となった都市再開発用地としての土地利用が考えられております。このため、埋め立てによる土地造成は別府市が事業主体となって行うこととなっております。したがいまして、埋立予定地への進出を希望している企業があることは聞いておりますが、具体的な事業計画はこれから別府市と進出予定企業との間で検討されるものと理解しておりますので、今後はウォーターフロント開発にふさわしい企業ができるよう別府市を指導しながら適切な土地利用を図ってまいりたいと考えております。 また、この計画案の中には、楠港跡地の開発以外にも餅ケ浜地先に沖合人工島を建設するなど幾つかのウォーターフロント開発を盛り込んでいるところでございます。 なお、今後、これらの計画を実施するに当たりましては、積極的に民活の導入も行い、国際観光温泉文化都市にふさわしい事業の実施を図ってまいりたいと考えております。 次に、別府市の市民ホールの建設についてでございますが、別府市の市民ホールの建設につきましては、建設主体である市が主体的に判断すべき問題でありまして、県といたしましては今後、別府市から正式協議がなされた段階で建築規模、利用形態等について都市公園法、建築基準法、大分県風致地区条例等の関係法令の中で審査してまいることとなっております。 なお、この施設の建設候補地を別府公園内等に予定しておりますことにつきましては、本年六月、市から相談がございまして、関係法令と照らし、建設可能な条件を伝えているところでございます。 以上でございます。 ○今永親議長 帯刀商工労働観光部長。 〔帯刀商工労働観光部長登壇〕 ◎帯刀将人商工労働観光部長 コンベンションホールについてお答えをいたします。 別府地域大型観光施設調査会では、コンベンションホール建設に向けまして現在、建設場所、建設主体、運営主体等の課題について検討を行っておりまして、ことしに入りましても一月と九月に調査会を開催をいたしたところでございます。 なお、この調査会でコンベンションホールの建設場所、管理運営について地元側が早急に市民のコンセンサスづくりを行うことを確認をいたしております。 次に、コンベンションホールと市民ホールとの問題でありますが、類似の機能を持つ面があることも想定されますので、議員ご指摘のとおり両施設の機能分担をどのようにするか等についての調整も必要であると考えております。今後、調査会の調査結果もまって、本県観光振興の立場からどう具体化するか、別府市と十分協議をしてまいる所存でございます。 以上でございます。 ○今永親議長 嶋津教育長。 〔嶋津教育長登壇〕 ◎嶋津文雄教育長 学校事故についてお答えをいたします。 まず、県及び市町村を相手にして裁判に持ち込まれた件数でありますが、ここ十年間で十件あります。そのうち七件は、既に和解等で解決をいたしております。しかし、三件につきましては、したがってなお係争中でございます。 次に、学校事故に関する無過失責任主義の法律整備についてでありますが、学校事故は、時には責任の有無を法廷で争わなければならない場合もありますが、多くは学校と保護者の信頼関係の中で話し合いによる望ましい形で解決を図っております。議員ご指摘の学校事故を恐れて平素の教育活動が萎縮または消極化することのないように努めているところであります。 また、学校事故に伴う補償につきましても、国家賠償法があり、日本体育・学校健康センター法による救済制度等もあって、ほとんどの学校事故は救済措置がとられておりますので、早急に無過失責任主義の法律を整備しなければならないという考えに至っておりません。したがいまして、学校事故についてのみ無過失責任主義による新たな賠償制度を要望することは困難であると考えております。 次に、学校見舞い金条例等の制定についてでありますが、現行の日本体育・学校健康センター法による救済制度の拡充整備を図ることによって、ご指摘のような危惧される問題が生じないよう極力努力いたす所存であります。 なお、学校事故につきましては、事前の予防対策はもとより、安全管理等の指導を徹底するとともに、不幸にして起こった学校事故につきましては、保護者等との信頼関係のもとで誠意を持って解決するよう努力いたす所存でありますので、ご了承賜りたいと存じます。 ○今永親議長 河野人事委員長。 〔河野人事委員長登壇〕 ◎河野浩人事委員長 人事委員会勧告についてお答えを申し上げます。 まず、本年度の人事委員会勧告の時期についてでございますけれども、現在、地方公務員法に規定する給与決定に関する諸条件につきまして鋭意分析検討を行っているところでございまして、その時期につきましては、昨年の勧告と同時期に予定をしております。 次に、勧告に対する基本的な考え方でございますけれども、人事委員会の給与勧告制度は、従来から申し述べておりますとおり、公務員の労働基本権の制約に対する代償措置として設けられているものでございまして、この勧告が給与改善のための唯一の手段となっているということを認識しております。したがいまして、この給与勧告制度の趣旨が十分理解され、尊重されることが必要であるというふうに考えております。 以上でございます。 ○今永親議長 安東環境保健部長。 〔安東環境保健部長登壇〕 ◎安東保環境保健部長 まず、半導体関連産業とフロンについてお答えいたします。 フロンは、洗浄剤として多くの産業分野で使用されておりますが、半導体関連産業では常温で液体のフロン113等がプリント基板、ICリードフレームなどの電子部品の脱脂やほこりの除去に使用されております。本県におきましては、半導体関連企業十一社が洗浄剤としてフロンを使用いたしておりますが、六十三年度の使用量は五十三・四トンで、県全体で使用されるフロンの一九・五%となっております。 フロンについては、オゾン層の保護が地球的規模の環境問題となっておりますことから、県といたしましても各企業の実態に即した削減指導を行ってまいる所存でございます。 次に、半導体関連企業の公害防止対策についてでありますが、企業周辺の大気、水質等の汚染の防止につきましては、公害関係法令に基づく立入検査等によりまして指導を行いますとともに、周辺の環境調査につきましても必要に応じて実施をしてまいったところでございます。特に地下水につきましては、今年十月から半導体関連企業の周辺にも定点を設けまして綿密な調査を行うことにいたしております。 また、化学物質の安全管理につきましては、関係法令に基づきましてきめの細かい指導を行いますとともに、化学物質の使用量の多い企業に対しましては、市町村におきまして公害防止協定により安全管理の徹底を図ることにいたしております。 さらに、有害な産業廃棄物につきましても、人の健康の保護と生活環境の保全を図るため、企業みずからの責任において適正に処理するよう強力に指導をいたしておるところでございます。 本県におきましてはこれまで半導体関連企業によって特に問題となるような環境汚染は生じておりませんけれども、今後とも公害防止対策に万全を期すよう関係企業に対する指導を強めてまいりたいと、かように考えております。 以上でございます。 ◆浜田博議員 議長。 ○今永親議長 浜田博君。 ◆浜田博議員 自席からですが、教育長に質問と言うよりも、ちょっと要望をいたしたいと思います。 先ほどの学校事故の関係なんですが、全国の自治体の中でも条例なり支給細則等ができているところがあるわけですね。神奈川県の藤沢、厚木、それから東京中野区や江東区にも見舞い金の支給細則ができております。ぜひ取り寄せていただいて-先ほど裁判にかかわる、かかわらないとは別に、九五%は泣き寝入りの状況で事故はやはり起こっているわけですから、そういった見舞い金に対しては、教師個人なり校長なりが非常に個人的に負担をされている部分もたくさん聞いております。このことも含めて、やはり自治体にはこういった見舞い金条例というのは細則なりが私は必要ではないかという観点で質問しているわけですから、ぜひとも検討をしていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 さらにまた、子供の権利を真に保障するということで学校の営造物の徹底した再点検ですね、事故は常にそういったものと兼ね合いがありますから、十分に措置をお願いいたしたいと要望しておきたいと思います。 以上です。 ○今永親議長 岩屋毅君。 〔岩屋議員登壇〕(拍手) ◆岩屋毅議員 平成元年第三回定例会に質問の機会をいただき、まことにありがとうございました。私は、当面する県政の諸問題の中から教育問題を中心に知事並びに執行部のご所見を伺ってまいりたいと思います。 まず、平松知事に今後の県政運営の基本姿勢についてお尋ねしたいと思います。 本県は、知事ご就任以来の多年にわたる積極果敢な施策の展開により、全国でも一躍注目を浴びる存在として浮上してまいりました。実力的にはまだまだ発展途上県の域を脱しておらないと思いますが、多くの県民が発展への望みに胸を膨らませて未来を見詰めるようになったことは、平松県政最大の功績であると私は思います。 一昨年、県議会の海外視察に参加させていただき、アメリカのケネディー宇宙センターを視察する機会を得ましたが、そのとき建物の壁面に彫り込まれてあった言葉が今鮮明に思い出されます。「イフウィキャンドリームイッツ ウィキャンドゥイッツ」--夢見ることができれば実現することができる、とそこには書かれておりました。知事がかつて紹介されたテキサス魂、「キャン・ドゥ・スピリット」もほぼ同様の意味だと思いますが、いかにも自由とチャンスの国アメリカらしい、胸躍るような言葉だと思います。落ちぶれたりといえども、自由世界のリーダーとして世界をリードし続けるアメリカ、そのアメリカの活力を支えてきたものは、かつても、そして今でもこのアメリカンドリームの精神ではなかったかと思います。若人が希望に胸を膨らませ、働き盛りが未来に確信を持ち、お年寄りが老後に安心を抱いたときに初めて地域に活力が生じます。逆に、人々が夢見る力をなくしたときに、国も地方も急速に衰退の道をたどっていくような気がするのです。 知事はこれまで、県政の究極の目標は人づくりであると唱え、一村一品運動に代表されるさまざまな形での精神作興運動に力を注いでこられました。本県特有のマイナス文化であるアカネコ根性やヨダキーイズムとも果敢に闘ってこられました。後進性を逆転の発想とやらで逆手にとって、自助努力による地域の活性化を熱心に唱えてこられました。それまでやる気をなくしつつあった若人が夜ごとに集い、なべを囲んではむらおこしに、そして地域の将来に話の花を咲かせるようにもなってまいりました。もちろん、本県の置かれた現状はまだまだ厳しく、知事の闘い、我々の闘い、県民の闘いはこれからこそが正念場だと思いますが、私たちがこれからも郷土の将来に大きな夢を抱き続けることができるならば大分県の将来は必ず明るく開けてくるものと、私は確信いたしております。 だれもが生まれ育ったふるさとを愛しています。そして、だれもが誇り高き郷土を築き上げたいと望んでいます。この大分県の至るところで、たとえ小さくても、そのための懸命な営みが始まったときに最大限の助言を行い、場合によっては大きな援助の手を差し伸べる、それが行政の仕事であり、政治の果たすべき役割だと思います。 県民の行政ニーズは日ごとに多様化し、複雑化しつつあり、県政の抱える難問も山積しておりますが、知事におかれましては今後も八面六臂、縦横無尽のご活躍、ご奮闘を願わなければなりませんし、私どももその一助たるべく、これから懸命の努力をしていかなければならないと思っております。 そこで知事にお伺いしたいのは、大分県の、そして今後の平松県政のグランドデザインについて、いや夢と言いかえた方がいいかもしれません。本県の目指すべき大方向についての抱負を語っていただきたいと思います。大分県の将来像をどのように描くのか、そのために世界には何を訴え、中央には何を働きかけていくのか。さらに、隣県とは何を語らい、県内の諸問題にはどう対応していくのか。そして、県民の皆さんに今訴えたいことは何か、知事のニュードリームを語っていただければ幸いです。 さて、知事は、県政の究極の目標は人づくりであるという基本理念のもとに、「うつくしい県政」を標榜して、次代の大分県を支える青少年の健全育成に熱心に取り組んでこられました。今ここで大分県の将来を展望したときに、解決すべき課題は山のように積まれておりますが、つまるところ、人材の育成こそがすべてのかぎを握っていると申し上げても過言ではありません。 もとより、教育は国家百年の大計であることは論をまたないところでありますし、二十一世紀の本県の発展のその成果いかんによって大きく左右されるでありましょう。本県教育の現状をかいま見るとき、県当局を初め多くの教育関係者の皆さんのご努力によって日々刻々と事態が改善しつつあることは大変喜ばしいことではありますが、遠い将来を展望したとき、抱えている問題の大きさと根深さに一抹の不安を禁じ得ないのは、決して私一人ではないと思います。 私は、本県教育の健全な発展を願う立場から、以下数点にわたって知事並びに執行部のご所見を伺ってまいりたいと存じます。 まず、教育行政の広報活動についてであります。 教育委員会の掲げる教育目的を達成するためにも、また教育施策の円滑な遂行のためにも、その内容を広く県民の皆さん、とりわけ保護者の皆さんに知っていただく必要があることは申し上げるまでもありません。従来まで「教育おおいた」が関係者に配布されていましたが、先ごろ、小、中、高の生徒を持つ保護者を対象に広報紙「教育だよりおおいた」が発行されたことは、大きな前進として高く評価したいと思います。今後は、より一層その紙面を充実して、よりわかりやすく、より親しみやすいものにしていっていただきますよう要望しておきたいと思います。 また、ことしから三カ年計画で県下各地で「地域の教育を語る懇談会」が開催されることも、時宜を得た試みとして高く評価いたします。しかしながら、県下六つの教育事務所単位で計六カ所の開催でありますから、一年に二カ所ずつというのはペースとしてはかなり緩やか過ぎるのではないかという感じもいたします。県民の皆さんの教育に対するニーズも高度に、また多岐にわたっているものと思われますし、ご要望のほとんどは比較的早期の対策を必要とするものではないかと予想されますので、ペースアップが可能であれば、ぜひご検討いただきたいと思います。 また、せっかくの開催ですから、この際県民の皆さんの生の声を極力吸い上げていただくよう、運営面で十分な配慮をしていただきたいと思います。ともすれば、この種の会は行政が描いた献立どおりのセレモニー的なものになりかねないので、地域の生の声、本音の部分を十分拾い上げていただくような工夫を重ねてお願いしておきたいと思います。 次に、国際化時代に対応する教育施策の充実についてであります。 本県は、知事の肝入りでローカル外交先進県として全国の注目を集めているところであり、近々に国際交流センターも正式に発足の予定で、今後はその成果が大いに期待されているところでもあります。もとよりローカル外交、民間外交の主体は人そのものでありますから、今後は教育分野においても、いかに国際化時代に対応し得る人材を育成するかというのが教育施策の大きな柱の一つにならなければなりません。既に青少年婦人課所管で高校生の海外派遣事業も実施され、一定の成果を上げているところですし、AET-外国青年による英語指導も好評だと聞いておりますが、このほかに教育委員会としての独自プランがあれば、お聞かせいただきたいと思います。 また、実際に生徒を指導する立場にある教員についても、十分な対策が講じられなければなりません。教員の海外研修も実施されておりますが、他県と比較いたしますと、まだまだ不十分なような気がいたします。これが拡充についてもぜひご検討いただきたいと思います。 次に、いわゆる合選問題についてであります。 この問題については長年にわたって議論されてきたところですが、ご案内のようにさきの学校教育審議会の答申を受けて制度の改革が行われたことは、大きな前進として一定の評価をいたしたいと思います。もちろん、今般の改革の内容については地域的なご不満や幾つかの問題点があることも指摘されておりますが、全体として見れば、これまでの議論を踏まえてかなり細かい配慮がされているものと考えます。乱暴な言い方をすれば、七十点だった制度が八十五点くらいまでには前進したものと受けとめていいと思いますし、積み残しの問題、今後新しい制度から発してくるであろう新たな問題については、制度の定着をまって中長期にわたって検討し続けることが必要であることは申し上げるまでもありません。制度の改革に基づいて、中学校段階における進路指導等にも大きな変化が予想されますが、あくまでも進路選択の主人公である生徒並びに保護者に混乱がなきよう最善の努力をしていただきたいと思いますが、県教委としての基本的な対策をお聞かせください。 次に、職業系高校の再配置問題についてであります。 この問題についても、学校教育審議会の中で引き続き検討が加えられているものと思います。まず、検討作業の今後の基本的なスケジュールをお示しください。 申し上げるまでもなく、急激な産業構造の変化や人口構成上の変化、さらには過疎問題等も絡み合って、職業系高校の再配置、適正配置の必要性が生じてきております。もちろん、それぞれの学校はそれぞれの地域のニーズにのっとって配置されてきたものであり、長年にわたって地域住民の皆様との密接な連携によって維持されてきた歴史を持っておりましょうから、軽々に統廃合を提起するわけにはいかないでしょうが、今後の生徒数激減をもにらみ合わせた対策を早急に講じておく必要があると考えます。私はこの際、統廃合にちゅうちょすることなく思い切った検討を加えてみるべきだと思います。 職業系高校こそは時代の要請に敏感に対応できる体制をとっておきませんと、何のための職業教育かと言われても仕方のない状況にあると思います。学校そのものの統廃合による専門課程の複合化のみならず、就学分野の改廃や新分野の開設によって、より魅力ある、そして時代に即応した職業系高校群を再編成することが必要ではないかと考えます。 この問題は、ある意味では合選問題以上に複雑で難しい問題だと思われますが、生徒や保護者の切実なニーズにこたえるためにも、ひいては本県における足腰の強い各産業の育成のためにも極めて重要な課題であると思われます。それぞれの地域における各論について触れることは避けたいと思いますし、それは今後の審議をまたなければなりませんが、県教育委員会としてこの問題に今後どのように対処していくおつもりか、その基本的な考え方を伺っておきたいと思います。 また、余談になりますが、将来の統廃合によって残される校舎屋については、これを広く県民に開放して、生涯教育の拠点にしたり地域のコミュニティーセンターとして、あるいはまた授産施設等の福祉施設として有効に利用するといったようなことも考えていくことができると思いますので、今後の作業の過程の中で検討課題の一つにしておいていただくよう要望しておきたいと思います。 さて、本県教育の健全な発展を考えたときに、どうしても気がかりな問題があります。私は、いたずらに物議を醸すつもりは毛頭ありませんが、包み隠しのない、正直で真摯な議論をするためにあえて問題提起をしてみたいと思います。 例えば、教員の選挙運動の問題であります。 さきに行われた参議院選挙は、自民党の歴史的な大敗、社会党の大躍進という結果をもたらしましたし、本県においても残念ながら例外ではありませんでした。有権者の皆さんの厳格なご審判の結果でありますから、政権党としてはこの事態を深刻に受けとめ、重大な反省をしなければならないことは申し上げるまでもありません。 ここで、本来は教育とは無関係のこのような話を持ち出さざるを得ないのは、この選挙においてまたしても教組のローラー作戦なるものが横行し、新聞紙上をにぎわすまでに立ち至ったという憂慮すべき事実があるからであります。 申し上げるまでもなく、公立学校の教員は、全体の奉仕者としての公務員の立場から政治的に中立であることが要請されるだけでなく、教育者であるということから、他の公務員以上に政治的中立性が要求されています。法律上も公立学校の教員は地方公務員ですが、教育公務員特例法により政治的行為はより厳しく、国家公務員と同様に制限することとなっており、公職選挙法により教育者としての地位を利用した選挙運動も禁止されています。にもかかわらず、多くの公立学校教員が明白な違法行為である選挙運動に奔走するのは、教職員団体からの指示が行われているからにほかなりません。実際には「教職員の政治活動」というとらの巻をつくって組合員の先生に配り、教員が選挙で積極的に選挙運動をするよう勧めているのが現状であると聞いています。 もちろん、教員といえども有権者の一人です。先生だからといって政治的な意思の表現まで妨げられるものでは決してありませんし、私は、つまらない党利党略から政党支持の問題について申し上げているのではありません。問題は、これら教員による一連の選挙運動を県民の皆様方、生徒や保護者の皆さん方がどのように受けとめているかにあります。 さきの大分市役所幹部の例を引き合いに出すまでもなく、公務員の違法な選挙運動に対しての県民世論は今後ますます厳しくなることが予想されます。学校現場に掲示されている特定政党候補者のポスターをかいま見る児童・生徒の心情、自宅にまで集票に来る教師に接する保護者の心情は、察するに余りあります。明白な違法行為がなし崩し的に、組織的に繰り返されてきたことによって、今や学校の先生は特定政党の運動員だというのがほとんどの親や生徒の一般的な認識になっています。教育公務員は遵法と政治的中立を堅持した姿勢で児童・生徒に接してこそ真の教育がなされるのであって、教育現場に政治色を持ち込んだ偏向教育は一切排除されなければなりません。その後、この種の運動形態が改まったとは聞いておりませんが、このような状態が今後も放置されるとするならば、教師に対する不信がひいては県教育に対する不信へと増幅し、ゆゆしき事態に発展することもないとは言えません。 文部省でも、各種選挙に当たり、「教職員の選挙運動について」という通達を毎回、都道府県及び指定都市の教育委員会あてに出して、教育の政治的中立の原則を重視し、教職員が違法行為をして国民の信頼を損なうことがないよう厳正な措置をとるよう訴えているはずですが、県教育委員会はこの問題をどのように認識しているのか、そして今後どのように対処していくおつもりなのか、伺っておきたいと思います。 次に、本格実施を目前に控えた初任研問題についてであります。 初任研に対する県教育委員会のこれまでの積極的な取り組みは高く評価するところですが、残念ながらここにも気がかりな点がございます。 県教育委員会は、さきに「初任者研修制度試行のまとめ」を発表しておりますが、それによりますと、参加教員の評判は上々で、研修に参加してよかった、勉強になったという声が多かったようで、一定の成果が上がっていることは何よりだと思います。 しかし一方、問題点として挙げられた項目の中で目立っているのは、団体との板挟みになって悩んでいる、団体はいろいろ知っているが、校長は全く知らない、団体が研修にはいってくることはいいことか、という教職員団体の反対運動との板挟みにあって苦しんでいる教員の声であります。多くの団体幹部が腕章やワッペンをつけたまま研修会場に押しかけ、傍聴と称して事実上の監視をしているというのが初任研試行の実態のようで、会場への立ち入りに抵抗した当時の学校教育課長が団体側に陳謝をさせられた事実もあったように聞いています。研修受講者の多くはこの傍聴に一応に不快感を示しているようで、これは言ってみれば参加者の発言権の侵害であり、講話内容に対する制約でもあります。 このような教員研修に対する不当な介入は、通常五経年研修と言われている教職経験者研修講座や新任教務主任研修でも行われているようで、これでは研修の所期の目的が達成されるかどうか、甚だ疑問であると言わざるを得ません。初任研は、法律で定められ、国からの補助も得ている正規の研修でありますし、言いかえれば義務研修、命令研修であると理解しておりますが、この点についての見解と今後の傍聴行為に対する対処について県教育委員会の所見を伺っておきたいと思います。 さきの問題にしろ、この問題にしろ、個々に接触すれば立派な先生方が多いのにもかかわらず、一たび団体という枠の中にはいってしまうと途端に理解に苦しむ言動に走らされることについては、まことに残念でなりません。県民の信頼があってこその教育、生徒や保護者の信頼があってこその教育でありますから、団体がこの頑迷固陋なイデオロギー性と偏向姿勢から脱却しない限り、真に県民、国民の理解を得る教育環境の形成は難しいと考えますし、それは先生方ご自身にとっても不幸なことであるばかりでなく、余計なことではありますが、先生方の支持を受けておられる政党の将来にとっても不幸なことであるような気がいたします。 余談になりますが、私は、自民党の改革に確信を持っていると同時に、社会党の将来にも大いに期待をいたしております。本来でありますと、健全な野党勢力との政権交代は大いにあってしかるべきで、それができないできたことが多くの問題を生んできた原因の一つでもあると思っております。しかし、社会党の皆さん方が従来までのように組合員による組合員のための政治闘争に終始される限りにおいては、到底国民の大多数の皆様の信頼と支持を得ることは難しいのではないかと考えます。その改革の第一歩をまず教育現場から始めていただければ幸いです。 以上、大変耳ざわりで、余計なことを申し上げましたが、団体関係者の皆さんの今後の賢明なる対処に期待するとともに、県教委の毅然たる対応をお願いしておきたいと思います。 最後に、私学育成についてであります。 県は従来より、私学振興の重要性にかんがみ、知事による学校訪問を行ったり、私学振興フォーラムを開催するなどして積極的に取り組んでいただいておりますが、この点は高く評価したいと思います。実際に、それぞれの私学も特色ある学校づくりに熱心にお取り組みいただいており、学業に、スポーツに、文化活動に目をみはる成果を上げておりますし、とりわけスポーツ部門においては私学勢の活躍には目覚ましいものがあり、国体の上位入賞者もしくは予定者はほとんどが私学の生徒であり、チームであります。たびたび議会でも議論になっております本県スポーツの低迷を打開するかぎは私学が握っていると言っても過言ではありませんし、そういった意味で今後はより一層大きな成果が期待されているところであります。 私は、私学の振興なくして大分県教育の正常化も発展も望めないと考えております。本県私学がさらに振興され、公教育とのいい意昧での役割分担がなされ、公私の均衡のとれた教育環境が形成されることが必ずや大分県教育の充実と発展につながるものと確信しております。 しかしながら、もとより教育の成果は一朝一夕にして上がるものではなく、本県私学が力を蓄えていくにはまだかなりの時間を必要といたします。さきにも触れました今後の生徒数の激減を考えた場合に、果たしてその時間的猶予が与えられているのかどうか、一抹の不安を感ぜずにはいられません。これまでの本県私学の努力を決してむだにしないためにも、私学振興に関してはより一層充実した対策をとられますよう強く要望しておきたいと思います。とりわけ高校入学定員の公私比率の問題については今後、私学枠の拡大に特段の配慮をする必要があろうかと思います。 さきに開催された県公私立学校教育協議会では、現行どおり七九対二一の公私比率に決着したようでありますが、十年後には五千人規模の中学卒業者減が予想される中にあって、今の段階からこの公私比率問題については十分な検討が加えられるべきと考えます。私学の経常費補助の増額も含めた今後の私学振興策について基本的な考え方を伺っておきたいと思います。 以上、大分県教育が健全な姿の中で充実、発展し、本県から人材が雲のごとく輩出されんことを念じながら質問させていただきました。私も、甚だ微力ではありますが、かけがえのない郷土大分発展のために今後とも全力で働かせていただくということを固くお誓いを申し上げ、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○今永親議長 平松知事。 〔平松知事登壇〕 ◎平松守彦知事 岩屋議員の私に対するご質問にお答え申し上げます。 今後の県政運営の基本姿勢、グランドデザインということでございます。 これまで講じてまいりました県政の諸施策に対しまして十分なご評価を賜ったところでございますが、ご案内のとおりこれからは国際化、情報化、高齢化、また東京一極集中の進展、こういったことで本県を取り巻く経済社会情勢は急激に変動をいたしております。我々はまさに一つの時代の転換期の中にある、これから迎えると、こういうことになるわけでございます。こういった中で二十一世紀に向けてどういうことが一番大切かというと、やはり真の地方分権と地方自治の確立、このことが地方にとっても、また中央にとっても、日本にとっても最大の課題と私は考えております。地方がよくならなければ日本はよくならない、また民主主義の定着もない。今の日本のような東京がコンピューターの本体で地方が端末である、こういった投げ方を続けていくと大変危険な状態になると私は考えております。 そこで、本県のこれからの目指すべき大方向ということでありますが、二つございます。 第一番目は、地域コスモスという考え方であります。 これからはボーダーレス・エコノミー、まあ国境のない経済、またグローバリゼーションということで、金融で見てもわかるように国境がなくなるわけであります。国と国とのカーテンがなくなると残るのは地域、地方が残るわけでありまして、これからはそれぞれの地域が特色を発揮して一つの宇宙、コスモスを形成してその地域がダイレクトに世界各国と交流していく、こういう地域小宇宙の時代、こういうことになると思います。 日本は一民族、一国家、一言語というようなことを言っておる時代はこれは神話でありまして、日本もやはり各地域ごとに特色ある文化かあり、特色ある世界があるわけでありますので、これからは国際と言うんではなくて県際、県境が一つの国境になる、また市町村際。国際というのは国と国との交際でありますが、これからは国境が県境になる県際化、また市町村際化、また民際化、民間がダイレクトに交渉していく、こういう時代になっていく、このように私は考えております。 第二番目は、これからは物と並んで真の豊かさを求める社会の実現であります。 私は、GNP社会--グロス・ナショナル・プロダクション、県民所得の向上も必要でありますが、それぞれの地域で人々が真の充足感を持って老後を送る、このことが一番の豊かさでありますから、そういった意味でGNS-グロス・ナショナル・サティスファクションの社会の実現、これを目指すべきだと考えております。 その実現に当たっては、グローバルに考えローカルに行動する、頭は国際的な視野に立ち、行動は地域に根差す、こういったことで大分ならではの文化や価値、産業、いわば「しかない文化」、大分しかない文化、大分しかない産業、「しかない文化」を創造する、世界のあらゆる地域や人々に草の根の交流を呼びかけて、世界に開かれた社会を形成したいと考えております。 具体的に、今度は県の皆さん方に訴えたいデザインとしては四つございまして、一つは、先ほどからるる申し上げる、あすの見える農業、林業、水産業の確立、第二番目は、若者が定住できる生き生きとした農山村づくり、過疎対策、第三番目は、大分県のテクノポリス、マリノポリスに見られるハイテクとローテク、ローカルテクノロジーの調和ある発展、第四番目は、リゾート時代に対応した、自然を大切にし、大分独特の健康、研究、生きがい、こういったソフトコンプレックスを形成していく、こういうことに力を入れたいと考えておるところであります。 特に私が最後にこれからの大きな夢として考えたいのは、頭脳立県、頭脳村と申しますか、そういう村をつくっていきたい。一つは、音楽家、作家等日本じゅう、また世界の芸術家が集まる文化村というもの、第二番目は、この前、江崎玲於奈さんも来られましたが、こういった世界的水準の研究者、科学者が集まる研究村、第三番目は、世界各国から地域づくりその他で世界の国際家の人が集まる国際交流村、こういったものを県下各地域につくっていったらどうかと、こういうのが私の一番大きなデザインであります。 だんだんとこういうものをこれからつくろうと今考えておりますが、いずれにいたしましても今年度末を目途として策定作業を進めております大分県長期総合計画におきまして、これまでの施策を新しい発想と新しい希望、ニューコンセプト、ニュードリームの見地から見直して、私も行政官でありますから単なる夢物語ではいけないんで、これらの夢が白昼夢に終わらないように、結実させていくように取り組んでまいりたいと考えているところであります。 第二番目は、私学振興についてであります。 本県教育の振興にとって私学の果たす役割は極めて重要であることは議員ご指摘のとおりでございまして、私も二十一世紀を展望する「物もゆたか心もゆたかな豊の国づくり」のためには人づくりが不可欠でありまして、私学の特色ある教育に大いに期待をいたしておるところでございます。 先ほど浜田議員にもお答えしたように、これからは一村一品と並んで一人逸品-逸品の逸は秀逸の「逸」と書いて、これからは一人一人が特色ある人材になっていくことが大切なことであります。そのためには、私立学校みずからが建学の精神にのっとり独自の理念のもとに特色のある教育を推進して、県民にとりまして魅力あるものとなるように努力しなければならないことは当然でございます。特に議員ご指摘のようにここの十年間がひとつの大きな正念場、私学にとっても山場でありますので、これからが一番大切な時期だと考えております。 県といたしましても、教育条件の維持向上、父母負担の軽減、経営基盤の健全性確保を基本方針として、運営費の補助や授業料減免補助などを充実いたしますとともに、特に今言われた目をみはるべきスポーツ活動、また最近はテキサス大学やヨーロッパなどとの学生のホームステー、国際交流、こういった特色ある教育に対する助成、こういうことで私学の振興に努めておるところであります。 幸いに、私学協会においては津村会長さんほか皆様方、大変熱心に取り組んでおられ、「一私学一特色」ということで努力をされていることは私も高く評価をいたしているところであります。 さらに、私学に対して県民の理解を深めることも必要でございますので、私学振興フォーラムを毎年開催をしたところでありまして、本年度は特にその中で私学の特色を展示する私立学校展も行うことにいたしておるところであります。 また、議員からご指摘のございました高等学校の定員の公私比率の問題につきましても、今後の大分県公私立学校教育協議会の場におきまして、実情を踏まえ、私学の立場も十分頭に置いて十分な検討がなされるものと考えているところであります。今後とも、魅力ある私学づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 その他のご質問につきましては、担当部長より答弁させます。 ○今永親議長 田口教育委員長。 〔田口教育委員長登壇〕 ◎田口舜一教育委員長 職業系高校の再配置問題についてお答えします。 本県の高等学校における職業教育は、これまで広く地域の産業を支える有為な人材を育成し、地域の産業経済の発展に貢献してまいりました。しかしながら、現在の先端技術の進歩や経済社会の急激な変化、さらには今後予想される生徒数の減少傾向等職業教育に直接かかわる諸問題につきましては、将来を見通した適切な対応が求められているところであります。 県教育委員会といたしましては、社会の変化等に主体的に対応でき、自己教育力のある指導性、柔軟性豊かな職業人の育成の確立が肝要と考えております。そのために、昭和六十二年末に学校教育審議会から建議をいただいた「県立高等学校における職業系学科のあり方」の趣旨を踏まえ、基礎、基本の教育を重視しながら現在基本的な計画を作成しており、具体的な作業を進めておる中で緊急かつ重要なものから順次実行したいと存じます。 また、今後の問題でありますが、魅力のある職業教育の推進のため、長期的な展望に立って新分野の導入による新しい学科の設置や専門学科の複合化による学科の再編及び教育課程の弾力的な運用等による学習内容の改善を含め、総合的に検討してまいる所存であります。 次に、教職員の選挙運動についてお答えします。 公務員は選挙運動等の政治的活動が制限されており、特に教育公務員につきましては教育の中立性を保持しなければならない立場にあります。県教育委員会におきましては、これまで国政レベルの選挙や統一地方選挙が行われるたびに服務規律の確保について県立学校長及び市町村教育委員会を通じて指導の徹底を図っており、さきの参議院議員選挙に際しましても、教職員の選挙運動の禁止等についての通知により、改めて趣旨の徹底に努めたところであります。今後ともさらに関係法令の周知徹底を図り、県民の不信や疑惑を招くことのないよう強く指導してまいる所存でありますので、ご理解を賜りたいと存じます。 ○今永親議長 嶋津教育長。 〔嶋津教育長登壇〕 ◎嶋津文雄教育長 まず、教育行政の広報活動についてお答えをいたします。 県教育委員会といたしましては、教育行政を推進するため、広報誌の発行やテレビ放映など各種の広報活動を行ってまいっているところであります。今年度は、本県教育の現状を保護者を初め広く県民一般に理解していただくために、新たに「教育だよりおおいた」を発行することといたしたところであります。 また、広報活動は、一方的に情報提供を行うだけでなく、積極的に県民各層の声を聞く公聴活動の場も必要であります。このことから、「地域の教育を語る懇談会」を実施することといたしたところであります。 社会が急激に変化、多様化する中で県民の教育に対する意向を的確に把握することが求められている折から、議員ご指摘のように実施方法、発言者、会の進め方など種々細かな配慮を行い、有意義な懇談会となるよう努力いたしたいと存じます。 また、来年度以降につきましては、本年度の実施状況や関係者のご意見を踏まえながら、さらに県民の声が反映されるよう努力してまいる所存であります。 次に、国際化時代に対応する教育施策の充実でございますが、今日、教育の場におきましても、国際的視野の育成と異文化理解の促進、いわば人の国際化を図ることが重要な課題となっております。そのために、好評を得ております英語指導助手--AETでございますが、を毎年増員し、今年度も七名増の二十四名と、その充実強化を図っているところであります。 ご案内のとおり国際化に対応する人材の育成のためには、学校における外国語教育の充実とともに、海外派遣事業の拡充が必要であるとの考えに基づき、生徒につきましては関係機関と協同し、教員につきましても今年度は海外派遣枠の拡大を図るとともに、その他諸制度を活用するなど、その充実に努めているところであります。 また現在、生徒、教員の海外派遣を含め国際交流の場の拡大等について、長期的な展望に立ち検討を進めているところであります。 次に、合選問題についてでございますが、ご案内のようにこのたびの制度の改定は、大分県学校教育審議会の答申の趣旨を踏まえ、生徒の遠距離通学の解消や一人一人の生徒の個性や能力に応じた学校選択の幅の拡大などに留意し、高校教育のより一層の振興を図ることを基本方針として行ったものであります。 また、今回の改定につきましては、これまでに関係教育委員会や中学校関係者を対象に説明会を開催し、関係中学校を通じまして生徒や保護者の皆さんへ改定の趣旨の説明を行うとともに、進路指導につきましてもその徹底を図るよう指導しているところであります。今後とも、各教育事務所ごとに実施いたします高校入試説明会等を通じまして一層の理解を求めてまいる所存であります。 最後に、初任者研修についてでございますが、初任者研修は、新任教員に対しまして実践的指導力と使命感を養うとともに、幅広い知見を得させることを目的に実施しているものであります。教育公務員特例法に基づく規定により新任者に義務づけられた研修であります。平成元年度におきましては計画どおり順調に実施されており、初任者の実践的指導力の向上はもとより、全教職員の研修意欲が旺盛になるなどの効果を生じております。 議員ご指摘の傍聴等の問題につきましては、県教育委員会といたしましても努力を重ね、漸次正常化されているところであります。今後とも、あるべき研修の姿となるよう引き続き一層の努力をしてまいる所存でありますので、ご了承賜りたいと存じます。 ○今永親議長 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○今永親議長 ご異議なしと認めます。 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。     ----------------------------- ○今永親議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。 次会は、明日定刻より開きます。 日程は、決定次第通知いたします。     ----------------------------- ○今永親議長 本日は、これをもって散会いたします。     午後二時三十六分 散会...