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  1. 熊本県議会 2045-06-01
    06月12日-03号


    取得元: 熊本県議会公式サイト
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    平成57年 6月 定例会┌──────────────────┐│  第 三 号(六月十二日)    │└──────────────────┘ 昭 和 五十七年 熊本県議会六月定例会会議録   第三号―――――――――――――――――――――――――――昭和五十七年六月十二日(土曜日)   ――――――――――――――――――――   議事日程 第三号  昭和五十七年六月十二日(土曜日)午前十時開議 第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)   ――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第一 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)      ―――――――○―――――――出席議員(五十二名)                 西 岡 勝 成 君                 深 水 吉 彦 君                 阿曽田   清 君                 橋 本 太 郎 君                 松 家   博 君                 岩 下 榮 一 君                 下 川   亨 君                 林 田 幸 治 君                 三 角 保 之 君                 岩 永 米 人 君                 児 玉 文 雄 君                 山 本 秀 久 君                 古 本 太 士 君                 渡 辺 知 博 君                 八 浪 知 行 君                 杉 森 猛 夫 君                 鏡   昭 二 君                 高 田 昭二郎 君                 柴 田 徳 義 君                 広 瀬 博 美 君                 浜 崎 三 鶴 君                 古 閑 一 夫 君                 魚 住 汎 英 君                 馬 場 三 則 君                 木 村 健 一 君                 平 川 和 人 君                 北 里 達之助 君                 金 子 康 男 君                 荒 木   斉 君                 井 上 栄 次 君                 竹 島   勇 君                 今 井   洸 君                 米 原 賢 士 君                 古 閑 三 博 君                 井ノ上 龍 生 君                 永 田 悦 雄 君                 宮 元 玄次郎 君                 甲 斐 孝 行 君                 八 木 繁 尚 君                 幸 山 繁 信 君                 池 田 定 行 君                 岩 崎 六 郎 君                 沼 川 洋 一 君                 水 田 伸 三 君                 杉 村 国 夫 君                 今 村   来 君                 浦 田   勝 君                 小 谷 久爾夫 君                 橋 本 盈 雄 君                 増 田 英 夫 君                 中 村   晋 君                 酒 井 善 為 君欠席議員(二名)                 小 材   学 君                 倉 重 末 喜 君   ――――――――――――――――――――説明のため出席した者         知事      沢 田 一 精 君         副知事     藤 本 伸 哉 君         出納長     松 下   勝 君         総務部長    原 田 富 夫 君         企画開発部長  岡 田 康 彦 君         福祉生活部長  山 下 寅 男 君         衛生部長    清 田 幸 雄 君         公害部長    山 内   新 君         商工観光労働         部長      八 浪 道 雄 君         農政部長    坂 本 清 登 君         林務水産部長  大 塚 由 成 君         土木部長    梅 野 倫 之 君         有明地域開発         局長      伴   正 善 君         公営企業管理者 松 永   徹 君         教育委員会         委員長     本 田 不二郎 君         教育長     外 村 次 郎 君         警察本部長   廣 谷 干 城 君         人事委員会         事務局長    下 林 政 寅 君         監査委員    井   輝 男 君   ――――――――――――――――――――事務局職員出席者         事務局長    川 上 和 彦         事務局次長   衛 藤 成一郎         議事課長    小 池 敏 之         議事課長補佐  辻     璋         主幹      山 下 勝 朗         参事      光 永 恭 子      ―――――――○―――――――  午前十時二十四分開議 ○議長(幸山繁信君) これより本日の会議を開きます。      ―――――――○――――――― △日程第一 一般質問 ○議長(幸山繁信君) 日程に従いまして日程第一、一般質問を行います。発言の通告があっておりますので、これより順次質問します。 なお、質問時間は一人九十分以内の質疑応答でありますので、さよう御承知願います。岩永米人君。  〔岩永米人君登壇〕(拍手) ◆(岩永米人君) おはようございます。八代郡選出の岩永米人でございます。おかげをもちまして四回目の一般質問の機会を得ることができました。これひとえに議員各位のおかげでございまして心から御礼を申し上げる次第でございます。 それでは、通告に従い順次質問をさせていただきます。 一九八〇年代は、いわゆる地方の時代と言われているわけでありますが、残念ながら、そのかけ声もだんだん下火になってきたような気がいたします。しかしながら、私は終始一貫、議員活動の柱といたしまして、地方の時代を名実ともにわれわれの時代とするために、微力ではございますけれども一生懸命努力しているつもりでございます。私は、地方の時代創造の二大要素といたしまして、地域産業経済の振興と人材の育成を掲げ、過去三回の一般質問におきましても、県当局の基本的な考え方並びに具体的な施策につきまして内容を伺ってまいりましたけれども、今回も重ねて質問をさせていただきたいと思います。したがいまして、過去三回の一般質問と多少交差するところがあるかもしれませんが、その後事態も進展をいたしておりますので、今回も積極的な御答弁を期待するものであります。 まず、地域産業経済の振興についてであります。 わが八代郡の主要産業は農業であります。なかんずくイグサが基幹作目であります。八代郡の生命線でありますイグサにつきましては毎回質問をいたしておりますが、今回は特に第一番目に質問をさせていただきたいと思います。 イグサの概況を参考までに申し上げますと、昭和五十七年度の全国作付面積は約七千五百二十九ヘクタール、本県が約五千四百二十一ヘクタールで何と七二%、また生産量は全国約八万二千三百六十四トン、本県五万九千六百三十一トンとなっており、いかに本県が他県を圧しましてナンバーワンの地位にあるかおわかりいただけると思うのであります。ちなみに第二位の福岡県の作付面積は千二百八十ヘクタールとなっております。 しかし、これだけの生産量を誇りながら、昭和四十八年のオイルショック以後だんだんと下降線をたどり、生産量に見合った収入を上げていないのが現状であります。しかしながら、生産者の方々、農業団体の方々並びに県当局の出荷調整等熱心な御努力が功を奏しまして、最近は多少価格の上昇も見られ、将来に一筋の明るい光が見えてきたような次第であります。そこで、なお一層の努力を払い生産量全国一の実績に相応した高収入が確保できるようにしなければならないのであります。 私は、まず何よりも大事なことは、全国の畳需要に見合った計画的生産の徹底的な実施と、品質向上を中心とする生産性の向上並びに需要の安定的拡大を組織的に推進することではなかろうかと思うのであります。 第一に、需要に見合った計画的生産でありますが、このことにつきましては、短期的にも長期的にも生産物を供給する側に課せられた主要命題であるわけであります。現状は、需要の減退と生産過多であり、その打開策としてもまさに積極的に取り組むべきものと考えるのでありますが、いかがでございましょうか。短期的には生産抑制もやむを得ないと思いますけれども、長期的にはできるだけ需要を伸ばして生産拡大ができるようにすることが必要であると思いますが、いかがでしょうか。 第二に、生産性の向上とイ業農家経営安定についてでありますが、生産費の上昇が続く中で、需給の不均衡から価格が低下し、農家経営は残念ながら悪化しているのが実情であります。それゆえに生産条件改善合理化を積極的に推進する一方、優良生産品による適正価格の確保が必要で、それによって低コスト、高品質の理想を実現し、農家経営の安定化を図らなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。その具体的対策をぜひお聞かせいただきたいと思います。 第三は、品質の向上と需要拡大についてでありますが、イ業の安定的振興を図るためには、良質のものを安定的に供給することにより需要拡大を図ることが肝要であり、市場の信頼を高める意味でも必要であると思います。残念ながら、多少の反省はあるにいたしましても、イ業界の動向というのは、それに沿わないような観があるわけでありまして、真剣に現状打開を念願とするならば、業界内部で品質軽視の大量生産安値競争を続けていたのでは目的達成はきわめて困難であろうと思うのであります。粗悪品を供給して畳離れに拍車をかけるのか、優良品を供給して需要拡大を図るのか、真剣に考える時期が到来しているのであります。抜本的対策をぜひお聞かせください。今後の競争は優良品生産による代替商品、すなわちカーペット等との競争であるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。 第四は、イグサの付加価格をいかに高めて高収入を上げることができるかどうかという問題であります。これは、イグサの多角的利用を促進し、イグサの有効利用と付加価値の増大を図り生活に役立つ新製品を開発するかどうかの問題であります。ちなみに、どのような製品が考えられるかといいますと、ざっと列挙するだけでも、上敷き、センターラグ、寝ござ、テーブルマット玄関マットあるいはカークッション、座布団、いす用シーツ、民芸品など多数あるのであります。 私事を申し上げまして恐縮でございますが、私は学生時代、東京で下宿生活をしておりましたけれども、郷里におります母が寝ござを送ってくれました関係で、あの夏の寝苦しい東京の夜を比較的快適に過ごすことができたのであります。寝ござ一つをとりましても、市場はまさに無限であります。付加価値を高める諸方法につきまして、農政部長の卓越した御所見を何とぞお聞かせいただきたいと思うのであります。 それから、これは第一回目の一般質問にちょっと触れた問題でございますけれども、畳表需要拡大の一方法として、県民大掃除の日の制定が考えられるわけでありますが、先般の県環境美化条例の施行によりまして、その実施が一歩前進したと私は思っておりますが、この点につきましては、林務水産部長さんの頼もしい御意見、また御所見を承りたいと思うのであります。 それでは、農政部長また林務水産部長さんの御答弁をいただいた後に再登壇をさせていただきます。  〔農政部長坂本清登君登壇〕 ◎農政部長坂本清登君) 農政問題、中でもイ業振興対策について、最初に、イグサの需要に見合った計画的生産についてというような御質問でございますが、お答え申し上げたいと思います。 第一次のオイルショック以降、住宅の新築や畳の張りかえ需要が減少いたしましたため、畳表の需要が停滞しまして、イグサ生産が過剰基調となり、生産費に見合った価格が実現せず、イ業経営が厳しい環境に置かれてきましたことは御指摘のとおりでございます。イ業経営を安定させるためには、需給の均衡化、品質の向上、コストの低下が最も重要な課題であると存じます。 まず、需給の均衡につきましては、全国的な問題でありますので、全国イ生産団体連合会が中心となりまして関係農家の協力を求め、昭和五十六年産及び昭和五十七年産イグサ作付におきまして前年比一〇%程度の自主調整を実施してまいったところでございます。 また、本県におきましては、経済連と関係農協が中心となり、昨年八月から本年三月まで畳表の月別出荷量の調整を実施してまいりましたが、県といたしましても予算を計上して指導を図ってきたところでございます。その結果、現在では価格面でかなりの回復が見られているところでございます。 今後の需要につきましては、なお厳しい環境が続くと考えられますので、当面五十八年産作付面積の決定につきましては、全国団体と十分協議を行い、価格の動向を見ながら引き続き面積の自主調整を指導し、需給均衡を図ってまいりたいと考えております。 長期的には、昭和四十年代前半から建築されてきております住宅の畳表張りかえ時期が到来しつつあると思われますので、産地の生産団体、消費地の畳関連業界と緊密な連携のもとに、積極的な張りかえ需要の喚起あるいは畳表のPRを行いまして、現在の縮小均衡から拡大均衡に転ずることができるよう努力してまいりたいと思っております。 次に、生産性の向上とイ業農家の経営安定についてでございますが、本県イ業の中心地であります八代地方を初め本県の生産地帯は、灌漑排水、圃場整備等生産基盤の整備が進められまして、省力機械化が積極的に導入されているため、一戸当たりの経営規模も他県に比べて著しく大きく生産性も比較的高くなっております。 生産性の向上を図るためには、イ業の機械化一貫作業体系の確立が重要課題でありますが、移植作業につきましてはまだ機械化が行われておりません。したがって、県ではこの解決のため、農業機械化研究所と一体となりまして、移植機の開発と実用化に努力してまいりましたが、この実用化につきましては、いま一歩のところまで来ております。なるべく早期に移植機の完成を図り、機械化一貫作業体系を完成するよう努力する考えでございます。 また、イグサの生産費の中で最も大きい割合を占めます燃料費は年々上昇の一途にございます。これまで乾燥室の改善を中心に燃料費の節減を指導し、約一割の節減が実現しておりますが、さらに本年度から三カ年計画で、農業試験場八代支場におきまして省エネルギーイグサ乾燥技術実用化促進事業を行うこととしております。抜本的な省エネルギー技術の確立による生産費低減イ業農家の経営安定を図る考えでございます。 次に、品質の向上と需要拡大についてでございますが、良質の畳表を生産するためには、まず良質原草の生産が基本でございます。しかし、近年、古い産地を中心に、植えつけや刈り取り時期などにつきまして、耕種基準によらず生産者それぞれの長年の経験と勘による栽培管理がかなり見られます。基本に忠実な農家と比べまして、これらの農家の原草の品質が低下している事例があるわけでございます。今後は、耕種基準による適正な栽培管理が行われますよう指導を強化する考えでございます。 畳表の品質対策につきましては、まず県畳表格付条例による日本農林規格検査格付枚数を本年度はさらに増加しまして、百六十万枚を目標として実施することとしております。また、団体の自主検査の検査規格も、昨年八月、日本農林規格に準じて改正いたしましたので、今年度はこの検査が徹底するよう指導を強化する考えでございます。 畳表のたるみ問題につきましては、公的な分析機関におきまして、その原因と見られる縦糸の検査分析を実施し、優良縦糸の導入を指導する考えでございます。なお、生産者の商品生産意識を高めるため、重量表示、生産者番号の表示の徹底を図るとともに、縦糸に本県独自の証糸、すなわち色糸の導入を実施したいと考えております。 御指摘のように、カーペット等の上敷きは、畳表の粗悪品の供給と関係しており、カーペット等との競争に打ちかつためには品質向上対策が必要でありますので、今後の需要拡大を図るためには、特に、飛び込み表等の下級表の生産抑制を行って、「くまもと表」の銘柄の確立を図り、主産地としての信頼を高めてまいりたいと考えております。 次に、イグサの付加価値問題についてでございます。 イグサの付加価値を高めるために、昭和五十六年度から三カ年計画でイグサ新製品開発事業を実施しているところでございます。本県で生産されている織り込み花莚は、現在では染色技術、デザイン等に問題があり、また、これらについての指導者が少なく、これを育成することが急務であると考えております。 このため、昭和五十六年度におきましては、関係市町村及び関係団体の技術者を対象に、専門家による染色及び加工の基礎理論と実技の長期研修を実施してきたところでございますが、本年度も新たに、センターラグカークッション等につきましての技術開発と試作を進めてまいる考えでございます。また、デザインにつきましては、流行や生産面の効率性等を踏まえた独創的なデザインの製作を専門機関に委託して試作を開始しておりますが、早急に製品化し、流通についても十分留意して販売が円滑にいくよう努力したいと考えております。  〔林務水産部長大塚由成君登壇〕 ◎林務水産部長大塚由成君) イグサの需要拡大に絡んでの大掃除の日の制定についてのユニークな御提案でございますが、郷土の清掃浄化は、美しい熊本づくりの上で大きな課題として取り組んできたところでございます。 昨年、環境美化条例が制定されましたことに基づきまして、県民総参加による清掃美化活動の実現を目標に、各県事務所を通じて体制づくりを図り、昨年は県下それぞれ適当な日に清掃を実施いたしましたが、ことしは思い切って県下一斉清掃に踏み切ってみたいと思います。その結果を踏まえて、各方面の御意見を伺って趣旨の徹底を図り日を定めて、以後の定着化を図っていきたいと考えておりますので、よろしく御指導をお願い申し上げます。  〔岩永米人君登壇〕 ◆(岩永米人君) いつもながらの農政部長さんの気まじめな御答弁に心から感謝を申し上げる次第でございます。 この畳表需要拡大の問題は、ひとり農政部だけが力んでみましても、やはりほかの部の協力がなければなかなか進まないと思います。その一つは、やはり土木部の密接な協力、そしてまた応援がなければできないと思います。住宅建設等を含めまして今後一層の需要拡大のためにがんばっていただきたいと、かように思うものでございます。 また、もう一つは流通の問題がございます。やはり本当に流通の使命に燃えたりっぱな流通業者を県としても育てていただきたい。これがやはり畳表が、東京、大阪、ひいては北海道、いろいろなところに順調にさばかれていく大事なことではなかろうかと思うのであります。 また、林務水産部長さんのお答えがございましたけれども、何とか本年度中に来年の何月何日にやりますと、そのぐらいの積極的な御答弁があるやに期待いたしておりましたけれども――実施は来年度で結構でございますので、そういう答えが欲しかったなと心の中で思ったわけでございますが、どうぞよろしくお願いをいたします。 それでは、引き続きまして農政部長さんに、本県茶業の振興と特殊農産物の振興について質問をさせていただきます。 昨年本県で行われました茶の全国品評大会におきまして、本県茶生産者の方々が賞林水産大臣賞並びに産地賞受賞の栄に輝き、本県茶業の優秀性を全国に鳴り響かせ万丈の気を吐かれたことは、これはひとえに生産者、農業団体の方々の並み並みならぬ御努力と、農政部の熱心かつ適切な御指導のたまものでありまして、本県茶業振興のためまことに御同慶の至りであります。 そこで、このようなことを申し上げますとおしかりを受けるかもしれませんけれども、私は、このことを国民体育大会方式に終わらせてはならないと思うのでありますが、いかがでございましょうか。すなわち、御存じのように国体は、開催県が必ず優勝あるいは準優勝の好成績をおさめるようになっております。しかしながら、その翌年は成績がふるわないというのが実情であります。 ことしは埼玉県で茶の全国品評大会があるわけでありますが、私は、この大会におきましても、本県茶が優秀な成績をおさめることが銘柄確立の上に絶対不可欠の要素であると確信をするものであります。もちろん、生産者、農業団体、流通業界の方々、そして県当局も、それぞれの決意で取り組んでおられると思いますが、その具体的な方法について農政部長さんの御所見を承りたいと思います。 ちなみに付言をしておきますけれども、茶は主として山間地の作目であり、山間地の過疎対策が強く叫ばれている今日、茶業の振興というのは後継者対策の面からも大変重要な課題であると思いますので、力強い御答弁を願いたいものであります。 続きまして、特殊農産物について質問をいたします。本問題も第一回目の一般質問で取り上げたものではありますが、山間地の過疎対策あるいは老人対策として脚光を浴びてきたような感がありますので、あえて再び取り上げたような次第であります。 山間地の過疎対策としてでありますが、住民の方々が従来の林業に精を出す傍ら、比較的狭い土地で高収益を上げる方法として、特殊農産物の栽培が取り上げられる傾向にあるのではないかと思われますので、特に、わが八代郡内の山間地域、泉村、東陽村、そして坂本村に限定して結構でございますので、その現況と今後の見通しについてお聞かせをいただきたいと思います。 また、老人対策としてでありますが、最近の平野部の御老人の方々はゲートボールを熱心に楽しんで全く暇のないような毎日でありますけれども、それに比べますと山間部の方々は、家屋が点在をいたしまして集合するにも簡単にできないという関係上それほど盛んではないようであります。したがって、特に山間部の御老人の方々が時間を持て余さないように工夫をすることが必要でございますが、特殊農産物の栽培は、老人の体力で、しかも一日数時間の労働で可能なものが多いと聞いておりますので、そのような観点からも積極的に取り組まなければならないと思うのでありますが、いかがでございましょうか。もちろん山間部で熱心にゲートボールを楽しんでおられる老人の方々でも、たとえば朝夕二時間ぐらいずつの労働をして多少の収入でもおかせぎになった方がかえって健康増進に役立つのではないかと思うのでありますが、いかがでございましょうか。 農政部長さんの御答弁の後、再び登壇させていただきます。  〔農政部長坂本清登君登壇〕 ◎農政部長坂本清登君) 茶業の振興についてお答えいたします。 「くまもと茶」の銘柄の確立を図るためには、御説のとおり毎年度開催されます全国茶品評会で継続的に多数の上位入賞を果たすことがきわめて重要であると考えます。このため、五十七年度埼玉県で開催されます全国大会での上位入賞を目指し、県茶業協会、県経済連、関係市町村など関係者が一体となりまして、昨年の経験を踏まえ、品評会出品茶生産の基本技術の一層の普及、定着を進めております。 本年度の出品茶につきましては、すでに四月、五月の一番茶の製茶時期を中心に、摘採作業の適期実施、形状、香気の確保、各工程の温度管理などを適確に行うように重点指導を実施してまいったところでございます。 また、上質茶生産のためには晩霜害対策が不可欠の条件でありますので、本年度は新地域農業生産総合振興対策事業等によりまして、防霜ファンの設置を最重点対策として実施し、あわせて茶加工施設、土づくりのための堆肥製造施設等の拡充に努めてまいりたいと存じております。 なお、五十六年度の大会を契機に県茶業青年団が結成され、また後継者を中心に県下各地で研究グループが組織されつつありますので、そのグループに対し、栽培、加工両面にわたる研修の実施などにより積極的な後継者の育成を図るよう努めてまいりたいと考えております。 次に、特殊農産物の振興についてでございますが、泉村、東陽村、坂本村は過疎山村地域であり、特産物としてのショウガ、茶などの産地形成がなされておりますが、平たん地に比べまして相対的に営農が困難な地域でございます。しかしながら、本地域には薬用植物や山菜等が豊富に自生しており、その自然条件が特殊農産物に適しておりますことから、県では昭和四十九年以来、有望と思われます薬用植物、山菜等八品目につきまして試作展示を行い、適地性の検討と栽培技術の確立に努めてまいりました。この結果、薬用植物のサフラン、ミシマサイコ、香辛料のワサビ、サンショウにつきましては栽培技術が確立され、粗収益は十アール当たりサフランで三十万円、ミシマサイコで二十五万円程度の実績を上げ、産地の形成と拡大が図られているところでございます。 今後有望と見られますものに、薬用植物ではオウレン、トウキ、キハダ、山菜ではゼンマイの四種がありますので今年度から普及に移したいと考えております。また、泉村におきまして五十七年度から、薬用植物のシャクヤク、ハンゲの試作を開始いたしましたが、今後早急に栽培技術の確立を図るよう努力してまいる所存でございます。 特殊農産物の流通につきましては、日本特殊農産物協会、県特殊農産物振興協会、市町村等と緊密な連携を図りながら、契約栽培と農協系統組織による共販の推進を指導してまいりたいと考えております。 なお御質問で、山村における老人対策について触れられておりますが、特殊農産物は地域における新しい作物でありますので、主要な栽培管理作業については基幹労働力が必要であると考えます。しかしながら、補助的な軽作業につきましては、経験豊富な老人の方々の丁寧な管理作業を行うことによって高い収益を上げることも期待されますので、家族ぐるみの労働によって、生きがいと収益を両立できるならばきわめて好ましいことと考えております。答弁を終わります。  〔岩永米人君登壇〕 ◆(岩永米人君) 積極的な御答弁に心から感謝を申し上げる次第でございます。 これまた私事で恐縮でございますが、私も一カ月に一遍ぐらいの割合で上京いたしますが、必ずお茶をおみやげに持っていくことにしております。大変軽く持ち運びしやすいという関係もございますけれども、飲んでいただいた方が、「ほうこんなにうまいお茶が熊本にあるんですか」と異口同音に感謝をしてくれるわけであります。したがいまして、もちろんここにおられる議員先輩各位におかれましても、また執行部の方々におかれましても、しょっちゅう上京しておられ、また関西方面にも行かれるようでございますが、何とぞ熊本のお茶をひとつおみやげに持っていっていただきまして、本当に県民総ぐるみでやはり宣伝をしていかなければならないんじゃないかと思います。私も一生懸命その点はがんばっていきたいと思っております。 それから特殊農産物でございますけれども、本当にいま部長が答弁をなさいましたように、老人でなければできないようなきめの細かい仕事もあるわけであります。非常に根気の要る仕事でございますし、そういう意味からもぜひ講習会等を頻繁に開くようにして、農業団体と密接な連携をとって今後ともぜひ進めていただきたいと心からお願いをいたしておきます。 続きまして、人材の育成について質問をいたします。 おかげさまで私は厚生常任委員会の副委員長という立場で、昨年度、県の少年保護育成審議会の委員をさせていただき、いろいろと勉強をさせていただきました。こんなことを申し上げますとまた怒られるかもしれませんけれども、そこでは、いろいろな問題が生じたときに、それにいかに対処するかということが主に議論されたような気がしたわけでありまして、いかにしたらそのような問題の発生を未然に防ぐかという積極的な論議は、前者に比べて少なかったような気がしたわけであります。 私は、少年の健全育成の問題は、医学にたとえますならば、あくまでも予防医学であるべきでありまして、臨床医学は第二義的なものではなかろうかと思うのであります。私は、児童生徒が健全に心身ともに発育発展するためにはそれが理解できる年齢に達したときに、もちろん家庭でもそして学校でも、自分は何のために生きるのかという、すなわち生きる目的、あるいは生きがいと言っても結構でございますけれども、その生きる目的あるいは生きがいをはっきり持たせる教育をすることが一番大事なことではなかろうかと思うのであります。この目的がはっきり定まれば、目標を失って無気力になったり、あるいは非行に走ったりということがなくなってくるのではないかと思うのであります。 これが予防医学の大前提であろうと思うのであります。このことがあやふやですと、なぜ自分は勉学にいそしまなければならないのか、なぜ苦しい思いをして体を鍛練しなければならないのか、児童生徒にはさっぱりわからないのではないかと思うのであります。まことに哲学めいた抽象的な質問で恐縮でございますけれども、まずこの点について教育長さんの御所見を承りたいと思うのであります。 次に、これはたびたび本会議においても質問されている事柄でありますが、基礎学力の向上あるいは基礎学力の修得について質問をいたします。 初歩的な概念の定義がわからないために、次々に進む授業についていけない、したがって、授業がおもしろくないどころか、教室の中に座っていることがもう苦痛でたまらない、まるで牢獄の中に入れられているような感じがするという児童生徒が意外に多いという指摘を受けたことがございます。これは、その児童生徒の成長過程におきましてまさにゆゆしき問題であります。これが極限にまで来たときに非行という問題が起こるわけでありまして、非行を未然に防ぐためには、何といっても基礎学力の修得を、これでもか、これでもかというふうに熱心にやらなければならないと思うのであります。この点についての現状認識がどのようになっているのか、もし徹底していないのであるならばその対策はどうあるべきであるのか、率直に御所見を伺いたいと思うのであります。 三番目に、児童生徒の体力水準について質問をいたします。 体力は、言うまでもなく一生涯の活力の源泉であります。それは本人にとりましても社会にとりましても、かけがえのない貴重な財産であり、本県教育水準向上にとりましてまことに重大な問題であります。ある統計調査によりますと、男女児童生徒ともに全国水準を若干下回っており、特に女子が劣っているというのは残念でございます。 そこで、体力向上のためのいろいろな方法が考えられるわけでありますが、その一つに、小学校に体育専門の教師を配置することがよい方法ではなかろうかと思うのであります。本問題は、すでにわが八浪議員が指摘されているところではございますけれども、最近、せっかく体育の専門大学を優秀な成績で卒業しておりながら、目指す教職につけない前途有為の青年が多く存在するわけでありますからその青年たちに大いに活躍していただくためにも、もう一度この問題は真剣に考えるべきではないかと思うのですが、率直な教育長さんの御答弁を承りたいと思います。 すべての活動の源泉は何といっても体力であります。体力があればがんばりがきくわけであります。したがって勉強にも力が入るわけであります。 これと関連することでありますが、次に、学校スポーツの振興とその指導者の養成について質問をいたします。 卑近な例で恐縮でございますけれども、これはまだほんの一例にすぎないと思いますが、八代郡のある町のある小学校に非常にサッカーの指導に熱心な先生がおられまして実に適切な指導をしてくださるという評判であります。また、その先生は、スポーツをやる児童生徒は勉強も当然のことながら熱心にしなければならないという信念を持っておられますので、教えを受けておる子供たちがそれこそ両方に精を出して、親はこんなにありがたいことはないと心から感謝していると聞いております。このような先生は恐らく全県下にかなり多くおられると思いますけれども、まことに結構なことで本当にありがたいと、このように思うわけでございます。 しかしながら、問題は、そのような先生が転勤になった後、残された児童生徒は一体どうなるのかということであります。同じような先生があらわれれば問題はございませんけれども、現状はそうはいかないのが常でございます。熱心な先生が去った後、生徒たちが放置されて練習に身が入らない、せっかく身についたよい習慣がもとに戻ってしまう、そういう例が県下無数にあるということは御案内のとおりだろうと思います。そのような先生が去った後でも生徒たちに自主的に部活動をしろと言っても、高校生ならいざ知らず小中学生にはちょっと無理なような気がするわけであります。熱心な先生の御苦労、そしてお骨折りというものが水泡に帰してしまうわけであります。この労に報いるためにも真剣に考えなければならない問題であります。 何とかしなければならない問題でありますが、聞くところによりますと、学校当局はこの善後策に余り熱心ではないということを聞いております。いろいろな対策があるとは思いますが、それには常日ごろから、教師、非教師を問わずスポーツ指導者の養成を積極的にしておかなければならないと思うのですが、いかがでございましょうか。特に、非教師である一般の方々の中に、意外と情熱にあふれたすぐれた指導者がいるのではないかという気がするのであります。これらの方々に日ごろから要請するなどして、いざというときに御協力をいただくのも、社会連帯感という上からも大事なことではなかろうかと思うのであります。特に、非教師であるスポーツ指導者の養成を中心にいたしまして、その対策をぜひお聞かせ願いたいと思います。 それでは、人材の育成の最後の問題に、郷土教育について質問をさせていただきます。 先日、熊日の社説「郷土教育推進に注目する」を読みまして、わが意を得たりという気持ちになった次第であります。社説は、「熊本はわが郷土である。われわれは熊本に生まれ、美しい自然と豊かな文化にはぐくまれて毎日の生活を営む。そしてみんなとともにこれらを愛し、すぐれた伝統を継承してよりよき文化を創造しようとする。郷土はこうして発展し、国家や社会の進展に貢献する。「地方の時代」と言われるが、身近な郷土の自然や文化を知らずして地方の発展は望み得ない。次の世代を担う小中学生の段階から、学校教育の中で、郷土を知る学習、すなわち「郷土教育」の重要性が認識され始めているのも地方志向という時代の要請があるからだ」と述べております。熊本市教育委員会は、これらの要請にこたえまして本格的に郷土教育の推進を決定したそうでありますが、心の底から拍手を送りたい気持ちであります。 そこで、教育長といたしましては、本問題につきどのように現状を認識しておられるのか、また県下全域にどのように推進をされていくのか、積極的な御答弁をいただきたいと思うのであります。 教育長の御答弁の後に再登壇をさせていただきます。  〔教育長外村次郎君登壇〕 ◎教育長(外村次郎君) お答えいたします。 五点ございますが、まず第一点の生きがいを持たせる教育についてでございます。 これは御高見のとおり、非行が生じてからの対策よりは未然防止が先行すべきでございまして、一人一人の子供の持つよさ、すぐれた個性や能力を引き出し、これを伸ばし、生き生きとした学習態度を身につけさせることがまず肝要なことと考えております。また、子供たちが、人生とは何か、あるいは何をなすべきかなど自己を見詰め、社会的責任を自覚し、生きがいを見出していくよう指導しなければならないと考えております。特に、これらは単に知識にとどまらず日常の生活態度にあらわれることが必要でございまして、そのためには、心を打たれ感動するような体験の場を与えることが大切と考えております。親や教師あるいは友人の生き方に学んだり、読書や学習体験などからもそれがなされるよう、周囲や教師の配慮が重要であると思っております。クラーク博士の名言は、今日の青少年に最も必要な言葉ではないかと考える次第でございます。児童生徒が将来への目的や志を明確にいたしまして、心身ともにたくましく生き抜き、社会有為の人材となるよう教育委員会においても一層努力してまいりたいと考えております。 第二に、基礎学力の向上についてでございますが、御指摘のように、青少年の非行化の要因の一つには、基礎学力が身についていない、つまずいたためにといったようなことがしばしば見られるわけでございます。基礎に確実な力をつけ、学校生活に喜びを持たせることが大切なことと考えております。 昭和五十六年度の公立高校入試の結果を見てみましても、たとえば「最近の科学の進歩は著しい」、この「著しい」という漢字が読めない者が全受験者の二五・七%を占めております。また「要点をカンケツにまとめる」という「簡潔」というかなを漢字で書かせた出題におきまして、六六・八%が誤っておる実態がございます。 基礎学力の充実、向上の方策といたしましては、現在、基礎学力向上推進地域を県下に八地域指定いたしまして、その地域の小中学校が一体となって、その修得、向上に取り組んでおります。これを順次県下全域に広めてまいりたいと考えております。また、授業時数の確保、反復練習の徹底、学習形態の工夫、評価の研究と活用、また何よりも大事な、それらを支えるものとして校内研究体制の確立、こういったことにつきまして学校を指導しておるところでございます。 なお、特におくれた子供の指導につきましては、担任教師によります相談活動を重視いたしまして、また子供を学習面だけでなく全人格的に見て、その長所を見つけ伸ばしまして、自信を持って学校生活が送れますよう注意をいたしておるところでございます。各学校におきますこの面についての認識と取り組みも最近非常に高まってまいっております。その効果を期待しておるところでございます。 第三点の体力向上のことに絡みましての体育教員の問題でございますが、小学校に体育の専科教員を配置いたしますことにつきましては、教職員の定数が公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等で定められておりまして、特別な別枠の配置は困難でございますが、体育指導の中心となる教員の配置につきましては十分意を用いてまいりたいと考えております。本年度も新規採用者の中に、体育の専門課程を卒業し、小学校教諭の免許を有する者を数多く含んでおります。今後さらに御提言の趣旨に近づきますよう一層の努力をしてまいりたいと考えております。 第四点の学校スポーツの問題でございますが、小中学校の教育におきまして、体育、スポーツ活動の持つ役割りは大きなものがございまして、教師と子供が一緒に汗を流し心を通わせ、ともに活動することは大変有意義なことと考えております。しかし、御指摘のように、数多い運動種目の専門的な指導力を持つ教師の数は必ずしも十分ではございませんで、外部からの方をコーチとしてお願いし、部活動を推進している学校も多い状況にございます。その数は、昭和五十六年の調査でございますが、小学校で千四百四十四の部に千三百五十二名、中学校では千四百九十二の部に八百六名となっております。 教師につきましては、体育・スポーツ研究協議会の開催等によりまして、部活動の指導者の養成、資質の向上、また運動部活動のあり方等について研修を深めておるところでございます。また大学の方にスポーツ指導のできる教員を養成していただくよう一段の御配慮をお願いするなど努めておるところでございます。外部の指導者の方々に対しまして、今後とも御協力をお願いいたしますとともに、発育途上にあります児童生徒の生理面、心理面等も配慮した指導をいただきますよう講習会も開催いたしまして充実を図っておるところでございます。 なお、体育協会等でバレーボールやバドミントンなど競技別にスポーツ指導員が養成されておりまして、現在その数が県内で約一千二百名になっております。今後これらの施策の充実を図りまして青少年の健全育成に努めてまいりたいと考えます。 最後に、郷土教育の推進でございますが、この重要性につきましてはまさに御指摘のとおりでございます。小学校におきましては、低学年におきまして地域学習、中学年で郷土と他の地域との関係、高学年で郷土の史跡、遺物や先人の努力などの学習を取り上げておりまして、それらを通して郷土への理解を深め、郷土愛の育成に意を用いているところでございます。現在、教材といたしましては、県の教育研究会の社会科部会の手に成ります「わたしたちの熊本」、また「熊本の人物」等が広く使われておりますが、市町村によりましては独自の副読本も作成されておりまして、教育委員会といたしましても、これらを推奨し援助しておるところでございます。 また、新しい教育過程では、特に特別活動や学校創意の時間の役割りが重視されておるわけでございますが、その中におきまして郷土に関する学習が多く試みられるようになってまいりました。郷土の風土や遺跡、史跡、文化財等の実地調査や研究、あるいは伝統芸能の体験等特色のある実践活動が目立ってまいりました。その広がりと定着を図ってまいりたいと考えます。今後も指導者の育成や教員の研修を課題といたしまして一層努力してまいる所存でございます。よろしくお願い申し上げます。  〔岩永米人君登壇〕 ◆(岩永米人君) 御丁寧な御答弁ありがとうございました。もう少し具体的にいろいろと御説明いただき御答弁いただければありがたいと思ったわけでございますが、何とぞよろしくお願いをいたしたいと思います。 ちょっと所見を述べさせていただきたいと思いますが、特に郷土教育についてでございますけれども、もちろんわが国にも、また西欧諸国あるいは世界じゅうどこでもそうだと思いますけれども、広場ですとか、あるいは学校の校庭、いろいろなところに先人、偉人、哲人の銅像が建っているわけであります。何のために建っているのか。その人が自分のやった功績を誇らしげに人々に見てもらうために、そのように申し出たわけではないわけでありまして、私たち残された後輩が、そのことを顕彰して碑を建てたのではなかろうか、また銅像を建立したのではないかと思うわけであります。それにはいろいろ教育効果があると思います。なるほど自分の村から、自分の町から、自分の県からこんなりっぱな人が出たんだな、自分もそういう人のようにりっぱなことをしてみたい、これが物を言わぬ大変な教育効果であります。したがって、私は、日本における銅像の数いろいろありますけれども、西欧諸国に比べると少ないと思います。したがいまして、今後いろいろな機会を通じて教育委員会がその点の啓発もしていただき、大いにそういう尊敬に値する人物ならばいろいろと施策をめぐらしていかなければならないと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。もちろんこれは御答弁は要りません。私の所感をちょっと言っているわけでございまして、今後も郷土教育というものをやはり徹底してやっていかなければならない。やはり自分の生まれたところ、自分の育ったところに誇りを持たなければ人間は馬力がかからないと思うんです。何といってもそういう教育が今後本当に大事なことになっていくのではないかと確信するのは私一人ではないと思うのであります。どうぞよろしくお願いをいたします。 それでは最後に、八代郡の各町村内の早急に解決されなければならない諸問題について質問をさせていただきます。 まず竜北町でございますが、これは泉村、東陽村、鏡町にもちょっと関連をいたしますけれども、清流氷川の改修についてであります。県の水防計画書にも示されている重要水防区間の整備の進捗状況並びに今後の見通しについての御所見をぜひお聞かせいただきたいと思います。 また、何カ所か洪水期における危険個所があると思いますので、早期手当ての方をよろしくお願いいたしたいと思います。これは要望にとどめておきます。 竜北町には、氷川のほかに八間川が貫流いたしておりますけれども、おかげさまで急ピッチな改修が進んでおります。しかしながら、まだまだでございますので、その点今後の大幅な予算措置も要望をいたしておきます。 それでは次に、坂本村についてお願いを申し上げます。県道中津道八代線の改良工事についてであります。 本路線は、坂本村中津道より球磨川右岸に沿って八代市に通ずる産業、文化、経済上重要な道路であり、特に村の中央部を縦断している関係上、全線にわたり子供たちの通う通学路にもなっております。県は昭和四十五年より改良工事を実施いたしておりますが、生名子―古田間約四・七キロございますけれども、これは軽自動車しか通過できない。もうマークⅡあるいはそれ以上の車になりますととても通行できない、そういう非常に狭い道路でございます。したがって、日常生活の不便はもとより、国道二百十九号線の再三の災害による交通どめ、あるいは渋滞時の迂回路としても全く機能していない実情であります。特に近年、高速道路が北から八代市まで、南からはえびの市まで開通したことに伴いまして、国道二百十九号線への車の流入が激しく、その渋滞と交通事故の増発はまことに目に余るものがあるのであります。したがいまして、地形上難工事が強いられるところもあるわけでありますが、何とか早く改良が完成するよう切実に思わざるを得ないのであります。土木部長の力強い今後の見通し並びに抱負についてぜひ伺いたいと思うのであります。 次に、荒瀬ダム下流の坂本部落の水害対策につきましては、第一回の一般質問で質問いたしましたけれども、その後、残念ながら余り進展をしていないようでございます。住民の方々の不安感をなくす意味からも、県は現地に来られまして、幾らかでも水かさを少なくする方策、たとえば下流に下代瀬地区というところがございますけれども、そこの川底を掘削するなど、そういうことをやるというような説明会をぜひ開くように要望をいたしておきます。またダムの上流地区の水害対策につきましても、これまた要望をいたしておきます。 それでは引き続きまして、東陽村の幹線道路について質問をさせていただきます。 県道五木宮原、宮原甲佐線は、国道三号線と国道二百十九号線を結び、国道間のバイパス的役割りを持つ約二十四キロメートルに及ぶ県南山岳地域の最も重要な幹線道路であり、単に沿線地域内の開発道路としての役割りのみにとどまらず、広く県南部、特に城南山岳地域の動脈であり、広域的な視野からも、新しい時代の流れに即応した自然林の活用、森林資源の開発、生活圏、経済圏の整備、また過疎対策等から見てきわめて重要な使命を持つ幹線道路であります。 この道路はまた、川辺川ダム、五木ダムの建設関連道路としての整備も進められておりますが、その反面、特に東陽村内の改良のおくれが大きく懸念をされているところであります。特に幅員が狭く、また線形も悪いところが多うございますので、その整備がどうしてもおくれがちでありますが、今後の見通しについて、これまた土木部長さんの力強い御答弁をいただきたいと思うのであります。 それでは最後に、泉村の問題につき質問をいたします。 関係者の方々並びに、これはきのうの代表質問でも知事がお答えになったわけでございますが、県当局の御熱心な御尽力によりまして、昭和五十七年五月十五日、泉村を含む九州中央山地が国定公園の指定を原環境庁長官より受けることができたのであります。まことにありがたく同慶の至りであります。このことによりまして、観光面における飛躍はもちろんのこと、いろいろと波及効果が考えられるわけであります。 そこで、指定後の計画につきまして御説明をいただき、五家荘五木地域がわが熊本における三大観光拠点の一つといたしまして、今後とも順調な、そして飛躍的な発展を遂げることができますように、そのお取り組み方をぜひお聞かせ願いたいと思うわけでございます。 それでは御答弁をいただいた後、登壇をさせていただきます。  〔土木部長梅野倫之君登壇〕 ◎土木部長(梅野倫之君) 御答弁いたします。 まず氷川の問題でございますが、現在、氷川では重要水防区域といたしまして、宮原町地区が百メーター、竜北地区が八百メーター、鏡地区が千六百メーターを指定しております。本年度は、宮原地区及び竜北地区について改修を完了いたしまして、鏡地区につきましては六百メーターを施行するようにしております。残りの千メーターにつきましては昭和五十八年度に施行を予定しております。その他、氷川については中小河川改修事業で、老朽化しました堤防、護岸の補強に努めており、今後とも危険個所の早期解消を図ってまいりたいと考えております。 次に、坂本村地内の県道中津道八代線でございますが、本路線は、御承知のとおり球磨川と国鉄肥薩線にはさまれました地形的に非常に厳しい条件の個所が多いわけでございます。したがいまして建設費が高くなっております。しかしながら、沿線には役場を中心として人家集落が多数存在しておりまして、本路線が唯一の日常生活道路となっており、早急な整備が必要なことは十分認識しているつもりでございます。 このような観点から、県といたしましても従来から整備促進に努力してまいったところでございますが、現在までに古田工区が昭和五十一年度、生名子工区が昭和五十六年度にそれぞれ完成し、供用を開始したところでございます。 御指摘の生名子から段を経て古田に至る四・七キロメーターにつきましては、おっしゃるように幅員が狭く三・五メーター未満の狭隘道路でございます。現在、古田工区から段までの約一キロメーターを昭和五十二年度から着手いたしております。鋭意努力を重ねており、昭和五十七年度も引き続き用地補償及び一部工事を促進する予定でございます。 一方、生名子から段間は、昭和五十七年度から新規事業として延長三・七キロメーターの改良工事に着手したばかりでございまして、本年度は約一キロメーターの用地買収をする予定として考えております。この区間に要する事業費は約十四億円でございまして、道路用地を必要とするため早期完成は困難な状況でございます。しかしながら、本路線は九州縦貫自動車道建設とも深い関連がございますし、関係者と調整を図りながら、その進捗状況を踏まえて積極的に努力してまいる所存でございます。 次に、東陽村内の県道宮原五木線及び宮原甲佐線の整備でございますが、まず主要地方道宮原五木線は、八代郡宮原町の国道三号線を起点といたしまして、東陽村内を経て球磨郡五木村までの延長三十六キロメーターで、東陽村内における最も重要な動脈であるとともに、球磨地方と熊本都市圏とを結ぶ主要道路でもございます。また、おっしゃるように川辺川ダム関連道路としても早急な整備が望まれているところでございます。しかし、東陽村内の現況は、延長が十七・六キロメーターのうち改良済み延長が七・三キロメーターで、改良率は四一・四%と未整備区間がまだ相当残っている現状でございます。 このようなことから、県といたしましても、本路線の整備を積極的に促進するために、現在、鹿路工区、鶴木場工区及び久木野工区の三工区、総延長八・三キロメーターの整備促進を図っているところでございます。 次に、主要地方道宮原甲佐線についてでございますが、本路線は東陽村字畑中地区から泉村を経まして甲佐町へ通ずる幹線道路でございます。その整備状況は、実延長が二十二・七キロメーターに対しまして、改良済み延長は八・七キロメーターとなっておりまして、その改良率は三八・三%でございます。 このような現況にかんがみ、その整備促進を図るため、まず道路改良事業といたしましては、東陽村の畑中、泉村の松の原及び甲佐町の寒野の三工区を、また特殊改良第一種事業といたしまして、泉村宮の崎、同村の尾園及び中央町払川の三工区、合わせまして総延長九・六キロメーターを補助事業で実施しているところでございます。 お尋ねの東陽村内は、昭和五十五年度から畑中より椎屋間の約三・九キロメーターの改良に着手し、昭和五十六年度までに用地補償及び一部本工事を実施しております。昭和五十七年度も引き続き用地及び本工事を促進することにしております。 御質問の今後の見通しでございますが、必要な予算の確保につきましては、国における行政改革をめぐる厳しい財政環境の中でございますが、県議会を初め関係者の御協力を得ながら積極的に整備促進を図ってまいりたいと考えております。  〔商工観光労働部長八浪道雄君登壇〕 ◎商工観光労働部長(八浪道雄君) お答えいたします。 五家荘地域は、平家伝説の里の地といたしまして、その知名度は高く、また地域内には秘境と呼ぶにふさわしい風景と美しい自然が残され、まだ行ったことのない秘境としてあこがれの対象となっておりまして、潜在的な観光需要は大変大きいものがあると考えております。 この地域の観光開発の方向につきましては、昭和五十五年度に実施いたしました専門家による五木・五家荘地域観光振興計画調査で、自然と歴史をテーマにいたしまして、訪れる人々の心を深い感動で満たす観光拠点づくりを提言いたしております。 その主なものは、一つには、山人の暮らしをしのぶ場として、五家荘の歴史、平家落人伝説にまつわる資料、昔の人々の生活を伝える道具などを展示します「山びとの生活館」といったような資料館を建設すること。二には、この地域に残っておりますつり橋の周辺に、茶屋、駐車場、休憩所などを整備しまして、周遊できる散策コースを整備すること。三に、五家荘の各集落に、建物や料理でそれぞれ特色を出す民宿を育成し、周辺に自然探勝道を設けるなど宿泊拠点として整備すること。四に、歴史、史跡の発掘や古くから伝わっております祭りの活性化のほか、五家荘らしい心のこもったサービスにより観光客の期待に十分こたえる体制をつくり上げること等が提案されております。 これまで県といたしましては、この地域の幹線道路の整備のほか、園地、遊歩道、展望所、そのほか各地の観光標識など観光基盤施設の整備を進めてまいったところでございます。 本年五月、この地域が九州中央山地国定公園に指定されましたのを契機といたしまして、国定公園施設整備五カ年計画によりまして、野営場、遊歩道、駐車場、園地など利用施設の整備を一層推進してまいることといたしております。本年度は、その中でも観光客の利用が多い「せんだん轟」の駐車場の整備を、国定公園施設整備事業といたしまして進めますほか、車の通行がスムーズになりますように単県事業として観光関連道路の整備に着手することといたしております。 いずれにいたしましても、今後この地域の魅力ある観光地づくりを進めるに当たりましては、観光関係者はもとより地元の人々で構成されております「創る会」を中心に、五木・五家荘地域観光振興計画調査の提言等をも十分参考にしながら、創意工夫をこらし、みずからの力で観光地づくりを進めていただきますとともに、県といたしましても地元と十分連携をとりながら、この地域の観光振興に積極的に取り組んでまいる所存でございます。  〔岩永米人君登壇〕 ◆(岩永米人君) 土木部長さん、それにまた商工観光労働部長さんの御答弁に心から感謝を申し上げる次第でございます。 もちろん最後に取り上げました八代郡内の各町村の諸問題は、ほんの一例でございます。まだまだたくさんしていただかなければならないところ多々ございまして、どうかそういう意味合いからも、きょう特に取り上げましたその問題につきましては、鋭意今後とも御努力をくださるように切にお願いを申し上げる次第でございます。 本日は、終始ローカル問題になりまして、議員各位におかれましては本当に御協力をいただきありがとうございました。また執行部の方々にも、そしてこの議場内におられるすべての皆様方に心から感謝をいたしまして、第四回目の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(幸山繁信君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明十三日は日曜日のため休会でありますので、会議は明後十四日午前十時から開きます。日程は、議席に配付の議事日程第四号のとおりといたします。 本日はこれをもって散会いたします。  午前十一時三十七分散会...