令和6年 2月 定例会 第 4 号 (2月19日) 令和6年
熊本県議会2月
定例会会議録 第4号令和6年2月19日(月曜日
) ――――――――――――――――― 議事日程 第4号 令和6年2月19日(月曜日)午前10時開議 第1
一般質問(議案に対する質疑並びに県の
一般事務について) 第2 議案等に対する質疑(第1号から第79号まで) 第3
知事提出議案の
委員会付託(第1号から第79号まで) 第4 休会の
件 ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1
一般質問(議案に対する質疑並びに 県の
一般事務について) 日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第79号まで) 日程第3
知事提出議案の
委員会付託(第1号から第79号まで)
知事提出議案の上程(第80号) 日程第4 休会の件 ――――――○――――――
出席議員氏名(47人) 星 野 愛 斗 君 髙 井 千 歳 さん 住 永 栄一郎 君 亀 田 英 雄 君 幸 村 香代子 君 杉 嶌 ミ カ さん 立 山 大二朗 君 斎 藤 陽 子 さん 堤 泰 之 君 南 部 隼 平 君 本 田 雄 三 君 岩 田 智 子 君 前 田 敬 介 君 坂 梨 剛 昭 君 荒 川 知 章 君 城 戸 淳 君 池 永 幸 生 君 竹 﨑 和 虎 君 吉 田 孝 平 君 中 村 亮 彦 君 髙 島 和 男 君 末 松 直 洋 君 前 田 憲 秀 君 松 村 秀 逸 君 岩 本 浩 治 君 西 山 宗 孝 君 河 津 修 司 君 楠 本 千 秋 君 橋 口 海 平 君 緒 方 勇 二 君 髙 木 健 次 君 髙 野 洋 介 君 内 野 幸 喜 君 山 口 裕 君 岩 中 伸 司 君 城 下 広 作 君 西 聖 一 君 鎌 田 聡 君 渕 上 陽 一 君 坂 田 孝 志 君 溝 口 幸 治 君 池 田 和 貴 君 吉 永 和 世 君 松 田 三 郎 君 藤 川 隆 夫 君 岩 下 栄 一 君 前 川 收 君
欠席議員氏名(2人) 西 村 尚 武 君 増 永 慎一郎 君 ――
―――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名 知事 蒲 島 郁 夫 君 副知事 田 嶋 徹 君
知事公室長 内 田 清 之 君
総務部長 平 井 宏 英 君
企画振興部長 富 永 隼 行 君 理 事 小金丸 健 君
企画振興部 球磨川流域 府 高 隆 君 復興局長
健康福祉部長 沼 川 敦 彦 君
環境生活部長 小 原 雅 之 君
商工労働部長 三 輪 孝 之 君
観光戦略部長 原 山 明 博 君
農林水産部長 千 田 真 寿 君
土木部長 亀 崎 直 隆 君
会計管理者 野 尾 晴一朗 君 企業局長 竹 田 尚 史 君 病院事業 竹 内 信 義 君 管理者 教育長 白 石 伸 一 君
警察本部長 宮 内 彰 久 君
人事委員会 西 尾 浩 明 君
事務局長 監査委員 藤 井 一 恵 君
選挙管理 委員会 松 永 榮 治 君
委員長 ―――――――――――――――――事務局職員出席者 事務局長 波 村 多 門
事務局次長 村 田 竜 二 兼
総務課長 議事課長 富 田 博 英 審議員兼 濱 田 浩 史
議事課長補佐 ――――――○―――――― 午前10時開議
○議長(
渕上陽一君) これより本日の会議を開きます。 ――――――○――――――
△日程第1
一般質問
○議長(
渕上陽一君) 日程に従いまして、日程第1、16日に引き続き
一般質問を行います。
杉嶌ミカさん。 〔
杉嶌ミカさん登壇〕(拍手)
◆(
杉嶌ミカさん) 皆様、おはようございます。熊本市第一選挙区選出・自由民主党・
杉嶌ミカです。 質問......(発言する者あり)はい、ありがとうございます。 質問に先立ちまして、本年元日に発生いたしました
能登半島地震においてお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。被災された皆様の生活が一日も早く平穏に復することをお祈り申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきたいと思いますが、私は、上天草で生まれ、3歳から歌手になりたいという夢をこの熊本でかなえ、音楽を通して、多くの企業、市町村、各地域の
子供たちの前で歌わせていただいたことで、20年間皆様に支えていただきました。 そこでつながれた御縁もあり、昨年4月に
県議会議員に初当選させていただきました。何分まだまだ議員を始めて9か月余りですので、勉強中のことばかりですが、本日
一般質問の機会を与えていただきました議員の皆様、執行部の皆様に心から感謝申し上げます。 これまでの音楽のステージとは違う緊張感のステージに、ここ1か月は緊張しっぱなしでしたが、与えられた60分を大切にして、県民の皆様の声をしっかり代弁できるように頑張りますので、どうぞ最後までよろしくお願いいたします。 初めに、次世代を担う子供への
文化振興策についてお尋ねします。 熊本は、
文化芸術が非常に盛んであり、文化人も多く輩出しています。私が携わっている音楽、歌の世界でも、先日お亡くなりになられた
八代亜紀さんをはじめとして、森高千里さん、WANIMAさん、EXILEのNESMITHさんなど、数多くの著名人がいらっしゃいます。 こうした
文化芸術に関わりの深い熊本で、私も歌手として20年間の活動をしてきました。決して簡単に歌手になれたわけではありません。上天草で生まれ育った私は、3歳から歌手になりたいと夢を描いていましたが、今ほど様々な情報に接する機会や手段もなく、田舎ですから
コンサートなど行くことも困難で、高校時代は、歌手になるなど幻のようにしか感じられませんでした。それが、田舎を出て大学に進んでからは、様々な方との出会いや音楽の世界に触れ、歌手の道へと進むことができました。本当にありがたいことです。
文化芸術の体験を
子供たちに触れてもらうことは、将来の選択肢、心の教育を広げていけることだと思います。しかし、都市部と地方では、こうした
文化芸術を体験できる環境に大きな差があるのが現状です。 これまで、私は、県内外の学校公演に約200校行かせていただきました。公演が終わると、
子供たちや保護者の皆様、時には先生方からも温かいメッセージをいただきます。心が元気になりました、家族に感謝していなかったので感謝を忘れないようにしたいです、楽しくてストレス発散できましたなど、様々な感想をいただきます。 音楽を通して
子供たちが心を育み、笑顔になってくれる姿に、私も毎回感動を覚えます。また、公演から数年経過しても覚えていてくれて、声をかけてくれます。音楽を通して、このように多くの皆様とつながっていくことを経験してきました。 音楽だけでなく、
文化芸術の振興は、人と人とのつながりを生み、心を育むことができます。人が成長し、社会人として生きていく上で、とても大切なことだと思います。しかしながら、生徒数、
地域格差などによって
文化芸術に使える予算や学校の考え方が大幅に違うことで、
子供たちに体験してもらえる
文化芸術の
クオリティーや機会に格差があるのが現状です。
新型コロナが5類となった現在、これまで自粛となっていた
文化芸術という専門的な分野で、
子供たちの豊かな成長を育むためにもしっかり予算をかけていただき、県内各地域の
子供たちが、
クオリティーの高い
文化芸術に触れる機会の確保に努めていただきたいと思います。 また、
文化芸術の分野は、
新型コロナウイルスの影響を大きく受けています。現在叫ばれている
人材不足という課題がありますが、
舞台芸術に欠かせない音響や照明といった特殊な職種も、
人材不足が大きな問題となっています。 例えば、
子供たちが様々な楽器に触れる機会を創出することや音楽に限らず様々な
文化芸術を体験することで、担い手の創出や
子供たちの夢を育むことにもつながります。 さらに、
子供たちだけでなく、大人の方もそうですが、時間に追われ、余裕なく毎日の生活を送る現代社会において、
文化芸術に触れることは、人生を彩り、より豊かにし、時代も人種も超えて人々をつなぎ、感動を与える力、共感し、平和にまで導く力など、様々な力を有することにつながり、より人間らしく生きる原動力にもなり得ます。今の熊本には一番必要なことであると思います。 そこで質問です。
子供たちの健全な発育、発達を促し、生きる力を養い、人生をより豊かに過ごしていけるような世の中になることが私の願いです。 次世代の
子供たちにとって
文化芸術に触れる機会を増やし、振興していく環境が必要であると考えますが、熊本県の
文化振興に対する考えと具体的な取組について、
企画振興部長にお尋ねします。 〔
企画振興部長富永隼行君登壇〕
◎
企画振興部長(
富永隼行君)
文化芸術は、日々の生活に潤いや感動をもたらし、多くの方が触れることで、地域に活力を生み出す源泉ともなります。 本県においては、国際交流が急速に進みつつある中、多くの方々に熊本を文化的な地域と感じていただけるよう、県全域で
文化芸術の振興を強化することがますます重要になると考えております。 議員御指摘のとおり、
文化芸術の振興には、特に次世代を担う
子供たちが文化に親しみ、継続的に関わっていくことが不可欠です。 県では、これまでも、
子供たちが
文化芸術に触れる機会の創出に取り組んでおり、例えば、県内各地の
子供たちが
文化芸術に触れ、身近に感じてもらえるよう、各地の
小中学校等に、
県立劇場から
クラシック音楽や邦楽の演奏家を派遣する
アウトリーチ事業を実施しております。昨年度末までに、延べ490か所に演奏家を派遣し、参加者も3万3,000人に達しています。 また、
県立劇場では、
海外オーケストラの公演に、県内の
小中高校生を無料招待する取組を行っています。これにより、
子供たちの豊かな感性を養うとともに、将来的に
実演芸術を担う人材育成にもつなげていきます。 さらに、平成25年度からは、市町村の
文化協会など関係機関と連携した、
子供たちを主役とする
くまもと子ども芸術祭を、毎年度、地域を変えながら開催しています。地域の
文化芸術の担い手の発表や
地域間交流の場を確保することで、
子供たちが、日頃各地域で取り組む
文化芸術活動に誇りを持ち、活動の継続につながることを目指しています。 このような
文化芸術振興の取組は、長期的な視点を持ちつつ、本県を取り巻く状況の変化も把握しながら、絶えずよきものとなるよう改善していく必要があると認識しています。
くまもと子ども芸術祭についても、各地域での開催をきっかけに、培われた各地域の
文化芸術活動の盛り上がりが地域間の
文化交流の活性化に結びつくよう、その
仕組みづくりについて検討を進めているところです。 県では、今後とも、次世代を担う
子供たちをはじめ、県内全域の全ての世代の方々が、生涯にわたって
文化芸術活動を楽しんでいただけるような
環境づくりに全力で取り組み、
文化芸術の振興を進めてまいります。 〔
杉嶌ミカさん登壇〕
◆(
杉嶌ミカさん)
文化芸術は、地域に活力を生み出す源泉との認識の下、次世代を担う
子供たちはもちろん、全ての世代が生涯にわたって
文化芸術を楽しめる
環境づくりに取り組むとの御答弁をいただきました。 また、
子供たちを主役とする
くまもと子ども芸術祭の開催や県内各市町村と連携した
アウトリーチ型の講師の
派遣事業等にも取り組んでいただいているようで、とても重要な取組であり、ぜひ継続した取組をお願いしたいと思います。 しかし、県内の全ての学校に同じようにアプローチしていくことは難しいため、
地域格差が課題であると思います。 さらに、全ての
子供たちに
文化芸術に触れる機会を確保するためには、学校での取組にももっと力を入れていただきたいと思います。 現在、小学校の部活動は、地域移行が進められているように思いますが、専門的な指導者の数が足りない
文化芸術の分野は取り残されてしまっています。
文化芸術は、興味がある子供だけが触れることができ、興味がない子供には、それが難しい環境にあるのではないでしょうか。 ぜひ、子供の頃から
文化芸術に触れる機会を増やし、豊かな心の教育につながるように、
教育委員会の皆様にも取り組んでいただきたく思います。 さらに申し上げますと、
コンサートなどのイベントは、経済効果にもつながります。お隣の福岡県では、毎週のように
コンサートや町全体を活用した
イベント等が開催されており、参加料の収益だけでなく、宿泊、交通、観光、飲食、特産品などへの波及効果が期待できます。 今後、熊本は、TSMCの影響もあり、海外との交流が増えることが予想されます。それぞれの国の文化を知り、その文化に触れることで、言葉の壁を乗り越えた交流や国際的な熊本の発展にもつながると思います。ぜひ、幅広い視野を持って熊本の
文化芸術の振興にしっかり取り組んでいただきますようお願いいたします。 最後に、これまで、熊本のみならず、日本の
文化芸術に多くの功績を残された
八代亜紀さんですが、お亡くなりになってから
県民栄誉賞を受賞されました。私は、御存命のときに受賞していただきたかったと思っています。今後は、ぜひ
県民栄誉賞の授与の時期についても御検討いただくことをお願い申し上げまして、次の質問に移ります。 次に、3月の
熊本県知事選挙における
投票率向上に向けた取組について質問をいたします。 これまでの
熊本県知事選を少し振り返ると、前々回2016年の投票率は51%、前回2020年は45%と投票率が落ちている状況であります。
県選挙管理委員会の分析においても、長期的に見て、近年は投票率が低下傾向にあるということです。これは、政治や選挙への興味、関心、期待の薄れが原因と考えられるのではないでしょうか。 私は、昨年4月の
統一地方選挙で選んでいただき、
県議会議員として活動させていただいております。議員の経験もなかった私は、一昨年5月の
県議会議員補欠選挙に初めて選挙に出るという経験をしたわけですが、同年代や若い世代の皆様とお話をさせていただくと、選挙があることを知らない、選挙には行ったことがない、投票の仕方が分からないなどの声を多くいただきます。 誰を選ぶかの前に、選挙について何も知らない、興味がない
若者たちの姿を目の当たりにし、こんなにも政治に関心がないのか、さらには議員の成り手不足にもつながる重大な課題だと感じ、とても悲しく思いました。 政治に参画することは、
自分たちのふるさとや暮らし、環境に関わりを持ち、責任を持っていくことだと思います。不平や不満はたくさんあるはずです。誰か任せにしている時代は終わりにして、みんなの力を合わせて未来をつくっていくときだと思います。 そして、これから新時代の熊本を創造していくためには、県民の皆様の多様な声が重要です。18歳から選挙権を持つことができるようになった現在、未来を担う若い人たちこそ、もっと気軽に、身近に投票に行けるように、選挙の情報、投票の重要性、候補者の情報等を広く伝える
情報発信が必要であると思います。 また、選挙に行きたくても行けない方もいらっしゃる現状もあります。私は、
視覚障害者の方からお話を聞かせていただいたところ、全ての投票所に点字を置いているわけではないので、置いていない場合、投票所の
事務従事者に代筆してもらうことになる、ただし、自身の政治的な考えを第三者に知られたくないとの思いから、それが嫌で選挙に行かないという意見を聞かせていただきました。 なお、この点について県選管に確認したところ、全ての投票所において
点字投票に対応することになっており、
投票管理者に申し立ててもらえれば、点字用の
投票用紙を交付するとのことでした。しかし、そのことを当事者である
視覚障害者の方やそのサポートをする方が知らなければ、投票所に足を運ぶことにはつながらないと思います。 なかなか気づかないことですが、様々な視点で、選挙に行きたくても行けない方々への対応も検討していただくことが必要であると思います。 そこで質問です。 今回の知事選における
投票率向上のため、若い世代へ周知や全ての人が投票しやすい
環境づくりについて、どのように取り組んでいかれるのか、
選挙管理委員会委員長にお尋ねします。 〔
選挙管理委員会委員長松永榮治君登壇〕
◎
選挙管理委員会委員長(
松永榮治君) 民主主義の根幹をなす選挙は、有権者が自らの意思を政治に反映させる大切な機会であります。有権者へ
選挙参加を促し、
投票率向上を図ることは、
政治参加を進める大変重要な課題と認識しております。 まず、若い世代については、投票率がほかの世代に比べて低いという課題があります。今回の
県知事選挙では、若い世代が
選挙情報に接しやすいように、インターネットやSNSを活用した啓発を重点的に行います。特に、最近飛躍的に
ユーザー数を伸ばしている
各種動画配信サービスを活用します。 また、
子育て世代に向けた新たな取組として、県内全ての小学校を通じて、
親子連れで投票所に行くことができるという、それを周知するチラシを配布します。投票の動機づけになるだけでなく、子供の将来の
選挙参加にもつながる取組であると考えます。 次に、障害のある方や投票所に行くことが困難な高齢者などの
投票機会を確保することも重要であります。投票しやすい
環境づくりとして、点字や音声による
選挙情報の周知、
市町村選挙管理委員会における投票所の
仮設スロープの設置、投票所における移動支援や移動式の期日前投票所の設置などに取り組んでまいります。
県選挙管理委員会としましては、引き続き、
市町村選挙管理委員会と連携し、投票率の向上につながるよう、しっかりと取り組んでまいります。 〔
杉嶌ミカさん登壇〕
◆(
杉嶌ミカさん) 有権者へ選挙の参加を促し、
投票率向上を図ることは
政治参加を進める重要な課題であるという認識の下、しっかり取り組んでいただけるとの答弁をいただきました。 今回、SNSを活用した取組を重点的に実施していただけるとのことで、とても期待をしているところです。取組を実施するだけでなく、しっかり検証をしていただき、より成果の高い取組となるようにお願いいたします。 また、子供は選挙権がないので、ターゲットにはならないと思われがちですが、
子供たちこそ、選挙に触れる機会や政治や議員との関わりを早い時期から持つべきだと思います。今回の
県知事選挙も、
子供たちにとって選挙を身近に感じる機会になると思います。今回は、県内全ての小学生に
親子連れで投票所に行くことができることを周知するチラシを配布されるとのことで、とてもいい取組であると思います。 さらに、投票しやすい
環境づくりとして、様々な障害がある皆様の視点で取組を進めていただけるようですが、
投票管理者に申し立てれば、
点字投票用紙が交付されることが知られていないように、せっかくの取組が障害者の方々にきちんと伝わっていないという現状もあると思います。実際に、障害をお持ちの方が、選挙の情報を得る、候補者の情報を得る、投票所に行って投票をするということは、残念ながら全てハードルが高い状況にあると思います。これまで以上に、全ての人が選挙に参画できる
環境づくりに、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 次に、
動物愛護の取組について質問いたします。 私は、自分が心の病を抱えていたとき、自分を変えたくて、心の支えに1匹の犬を飼いました。老犬になればなるほど、飼い続ける責任、命を預かるという重さを知り、動物を愛する皆様とつながる中で、私にとって衝撃的だったのは、思ったよりお世話が大変だから、やっぱり要らない、旅行に行くからなどと、すさまじい理由で捨てられていく
ペットたちの存在を知ったことでした。また、あわせて、野良猫、野良犬の現状、
動物愛護センターの役割、
ボランティアさんたちの存在も知りました。 熊本県では、2018年3月に第3次熊本県
動物愛護推進計画を策定し、様々な取組が行われていますが、
ボランティアさんに頼っての活動となっている現状があります。例えば、野良猫を増やさないために、野良猫を捕獲し、
不妊去勢手術をして元の場所に戻す
TNR活動や新しい飼い主を見つけるための譲渡会、さらには、新しい飼い主が見つかりやすくするための定期的なシャンプーやお散歩、人間への不信感を取り除くための活動、しつけなど、多くの活動に取り組んでいただいています。 しかし、
TNR活動では、捕獲して手術に連れていく負担、さらに、手術の費用も一部
ボランティアさんが負担している現状です。
ボランティアにも限界があり、
人材不足や生活費が高騰する中で、このままの状態では持続可能な取組にはなりません。 さらに、動物とは、決して犬や猫だけの話ではありません。
ワンヘルスという言葉が最近よく聞こえるようになってきました。人と動物の健康、環境の健全性を一つと捉え、一体的に守ろうという取組で、国連が掲げるSDGsの目標の多くに関わっている考えです。 動物は、私たちの心の支えになってくれると言われています。また、動物は、
子供たちに命の大切さを教えてくれます。動物は、私たちの暮らしをより豊かにしてくれるパートナーとなっている一方で、適正な管理、知識や
愛護思想の欠如等から様々な問題も生じています。人と動物が共存できる豊かな
熊本づくりを目指していきたい、そう考えます。 そこで質問です。 熊本県において、新たな
動物愛護センターが今年の3月にオープンする計画となっておりますが、新たな施設においてどのように
動物愛護の取組を進めていかれるのか、
健康福祉部長にお尋ねいたします。 〔
健康福祉部長沼川敦彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(
沼川敦彦君) 平成28年に発生した
熊本地震において、私たちは、人や動物の命の大切さと、動物が人間にとってかけがえのない存在であるあることを改めて学びました。 この経験を生かすため、平成30年に第3次熊本県
動物愛護推進計画を策定し、人と動物が共生する
地域づくりを進めてきました。 そして、3月には、その拠点となる新たな
動物愛護センター、
アニマルフレンズ熊本が開所します。 新センターは、保護犬、猫の健康や安全に配慮した飼育室や治療施設を備え、保護犬との交流もできるドッグランや100人収容可能な研修室も有しています。 また、推進体制としては、開所時から獣医師を含む県職員5人を配置するほか、4月には、会計年度任用職員の獣医師、愛玩動物看護師も配置します。 今後、センターの機能と推進体制をフル活用して、
動物愛護の取組を強化してまいります。 まず、啓発、教育の面では、研修室やドッグランを活用して、飼い主の方を対象にした適正飼養やしつけ方に関する教室を定期的に開催するほか、新たに、小学校の見学旅行などを受け入れ、命の大切さを学ぶ教育を実施します。また、多目的広場を活用して、
動物愛護団体等と協働した愛護啓発イベントや譲渡会を積極的に開催してまいります。 さらに、飼い主のいない猫への対策については、これまでの避妊去勢手術への助成制度から切り替えて、新センターで職員が無料手術を行うこととしており、御協力いただく方の負担を軽減するとともに、より多くのニーズに応えられるようになります。あわせて、地域で猫を適切に管理する地域猫活動への理解を促進し、活動団体を増やせるよう、新たに研修会等の開催にも力を入れてまいります。 加えて、今後、譲渡する犬、猫には全てマイクロチップを装着し、災害等で迷子になった際の返還促進や遺棄防止を図るとともに、飼い主をはじめ、広く県民の皆様にマイクロチップ情報登録制度の普及啓発にも努めてまいります。 新年度に入って整備が整い次第、これらの事業を順次開始することとしており、5月にはオープニングイベントを開催する予定ですので、ぜひ多くの方々に保護犬や猫に会いに来ていただきたいと考えております。
アニマルフレンズ熊本という愛称には、動物を友として共に生きていくという思いが込められております。ここを拠点として、
ボランティアをはじめとする県民の皆様や関係団体とともに、人と動物が共生するくまもとの実現を目指してまいります。 〔
杉嶌ミカさん登壇〕
◆(
杉嶌ミカさん) これまでも、
動物愛護センターの運用については、多くの議員、県民の皆様が関心を寄せているところであります。3月に新たにオープンする
動物愛護センター、
アニマルフレンズ熊本の事業内容等について、詳細に御答弁をいただきました。 新体制では、獣医師を含む県職員5人を配置いただくほか、獣医師や愛玩動物看護師も配置していただけるとのことで、今後のセンター機能の充実にしっかりと努めていただきたいと思います。 また、これまでの飼い主がいない犬や猫への去勢避妊手術費用の一部助成という制度から、今後は無料で手術ができるようになるということですが、これは本当にありがたく、今後の
動物愛護活動の促進につながっていくと思います。しっかり検証していただきながら進めていただきたいと思います。 さらに、譲渡される全ての犬や猫にマイクロチップを装着されるとのことですが、現状では、犬や猫に装着されているマイクロチップの中には必要な情報が入っていないということもあるようですので、せっかく取り組まれる事業です。しっかりと確認を行っていただきたいと思います。 最後になりますが、
動物愛護センターの名称について、
アニマルフレンズ熊本という名前は、
子供たちにもなじみやすく、とてもいいと思います。
熊本県議会の中にも
動物愛護議連が設立されましたので、私たちも、
ボランティアの皆様、県民の皆様、そして行政の皆様と今まで以上にしっかりと連携してまいります。 県におかれましても、県民の皆様に広く啓発を行い、動物と共存する熊本の実現に向けて、共に取り組んでいただきますようお願いいたしまして、次の質問に移ります。 次に、子供の権利擁護に係る現状と課題及び今後の取組についてお尋ねいたします。 令和5年4月、子供を取り巻く社会問題に取り組むために、こども家庭庁が創設されたと同時に、こども基本法が施行されました。また、同年12月には、こども大綱が決定されました。こども大綱は、こども基本法に基づく日本初の大綱であり、幅広い子供施策を総合的に推進するため、今後、5年程度の基本的な方針や重要事項を一元的に定めるものです。 こども大綱では、全ての子供、若者が身体的、精神的、社会的に将来にわたって幸せな状態、ウエルビーイングで生活を送ることができる、こどもまんなか社会の実現を目指しています。 熊本においても、こどもまんなか熊本の取組が進められているところではありますが、このこどもまんなか熊本の実現には、やはり
子供たちの権利を擁護し、
子供たちの声、当事者の声をいかに政策に反映させ、取り入れていくかが重要であると考えます。 私は、自分のこれまでの活動の中で、児童養護施設でお仕事をさせていただく機会が幾度となくありました。施設を訪問するたびに、この熊本にも、家族と離れて施設で暮らす
子供たちがいる現状を知りました。 さらに、
子供たちを支援している施設の方や里親支援を行う機関の皆様ともお会いして、いろいろな課題を聞かせていただきました。その中でも、施設の中で悩みや言いたいことを言えずに困っている子、自分の夢を諦めている子など、
子供たちが必要とする支援がなかなか届いていないのではないかと感じました。 熊本には、児童養護施設や里親家庭などで生活する社会的養護が必要な子供が約650人います。少子高齢化が叫ばれる中、この社会的養護が必要な
子供たちにどのような支援をするべきかを考えるとき、この
子供たちの声、当事者の声こそ必要であると考えます。 そのための取組として、今、国においても子どもアドボカシー制度が推奨されています。子どもアドボカシー制度とは、子供が意見や考えを表明できるようにサポートすることであり、
子供たちの様々な意見を聴き取り、受け止めて、
子供たちの声がなかったことにならないように伝える手助けをする制度です。 この意見表明をサポートする人はアドボケイトと呼ばれています。とてもすばらしい取組であり、今後県としても推奨していく制度だと思います。 熊本県においても、児童養護施設等において、このような子供の権利擁護の取組が行われているようですが、現状と課題、また、今後の取組について、
健康福祉部長にお尋ねいたします。 〔
健康福祉部長沼川敦彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(
沼川敦彦君) 子供の権利が保障される社会の実現を目指すためには、子供の声を聞き、意見を尊重することが重要です。しかし、虐待などにより社会的養護を必要とする
子供たちは、心身に様々な影響を受けている場合が多く、児童養護施設等では、集団生活の中で職員や他の児童への遠慮から、自分の意見を表明しづらいという課題があります。 そのため、令和4年6月に児童福祉法が改正され、令和6年度から、都道府県等において、子供の意見を聴取し尊重するなどの児童養護施設等の子供の権利擁護に向けた
環境づくりなどを行うこととされました。 本県では、改正児童福祉法の施行に先立ち、子供の権利を尊重し、本人の処遇改善等につなげるため、令和4年度から子供の意見表明に関するモデル事業に取り組んでいます。 具体的には、説明会を開催するなど児童相談所や児童養護施設、ファミリーホーム等の関係職員の理解促進を図るとともに、子供の意見表明を支援する人材の確保、育成を行うため、アドボケイト養成講座を実施し、これまでに、弁護士や社会福祉士、保育士など、121人が受講されました。このうち、既に19人の方々にアドボケイトとして一時保護所や児童養護施設等で活動いただき、子供への意見聴取等の取組を行っております。 この結果、令和5年12月末までに、生活や人間関係、処遇など子供が抱える悩みや疑問などについて、延べ181人から意見を聴き取り、児童相談所や児童養護施設等に伝えることで、子供の意見を尊重した処遇改善等につなげております。 これらの取組は、モデル事業として一時保護所や一部の児童養護施設等に限って、事業の成果や課題を検証している段階です。 今後は、この検証結果を踏まえ、県内全ての社会的養護の
子供たちを対象とした本格的な実施に向け、子供の最善の利益を目指した
仕組みづくりを進めてまいります。 今後も、引き続き、こども大綱が目指す、全ての子供、若者が、将来にわたって幸せな状態、ウエルビーイングで生活を送ることができる社会の実現に向けて、関係機関と連携を図りながら、子供の権利擁護の推進にしっかりと取り組んでまいります。 〔
杉嶌ミカさん登壇〕
◆(
杉嶌ミカさん) 熊本県においては、令和4年度から、モデル事業として、子供の意見表明、アドボカシー制度について取り組んでおられるとのことでした。 社会的養護を必要とする
子供たちの支援は、喫緊の課題であると思います。質問でも申し上げましたが、これまで、様々な政策に
子供たちの声、当事者の声が十分に届いていなかったところを、今後は、
子供たちの声を、意思をしっかりと反映させていただく必要があり、まさしくこどもまんなかの実現を目指していかなければならないと思います。 現在、まだまだモデル事業の段階ではあると思いますが、関係者の皆様からは、18歳以降の受皿や支援がなく、支援が途切れてしまうおそれがあることや、アドボケイト、支援者の人材育成にも課題があるとの声をいただいております。アドボケイトとして子供との信頼関係を構築し、意思や意向を聴き取り、関係者に伝えていくことは、決して簡単にできるものではありません。数回の研修で簡単にできるようなことではないことは、皆さんも容易に想像いただけると思います。スペシャリストとしての人材育成にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 また、子供を取り巻く環境には多くの課題があります。連日、ニュースでは、
子供たちが犠牲となる悲しい事件や事故が報道されています。特に、子供の虐待死は本当に信じがたいものばかりです。記憶に新しいものでは、4歳児に有害な化学物質を与えて中毒死させたり、5歳児を浴槽で水浴びをさせて放置して死亡させたり、事実であれば、本当に耳を疑うような事件ばかりです。 そして、このような虐待により施設などに引き取られる
子供たちは年々増えています。こうした
子供たちをこれ以上増やさないためにも、全ての
子供たちが未来に夢が持てるような熊本の実現、必要な支援が必要な人に届けられるような
環境づくりに取り組んでいただきますようにお願い申し上げます。 さらに、虐待やネグレクトから
子供たちを救うことに加えて、虐待をしてしまう大人たちのほうにも同じように苦しむ状況があり、対策が必要であると思います。
子供たちだけでなく、保護者等の心のケアにもしっかりと目を向けて、本当の意味での誰も取り残さない社会づくりに向けて取り組んでいただきたいと思います。 次の質問に移ります。 次に、産後ケアに係る本県の取組についてお尋ねいたします。 令和5年12月に閣議決定したこども未来戦略において、「少子化は、我が国が直面する、最大の危機である。」という基本的考えの下、具体的な施策が示されました。 この中で、結婚、妊娠、出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであって、これらについての多様な価値観、考え方が尊重されるべきであることを大前提とした少子化対策の基本的方向性には賛同するところであります。 また、子ども・子育て政策を抜本的に強化していく上で、1、若い世代が結婚、子育ての将来展望を描けないこと、2、子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境があること、3、子育ての経済的、精神的負担感や子育て世帯の不公平感が存在すること、この3つの課題が重要であり、全国どの地域に暮らす若者、
子育て世代にとっても、経済的な不安なく、良質な雇用環境の下で、将来展望を持って生活できるように、引き続き、地方創生に向けた取組を促進するとともに、特に、地方において若い女性が活躍できる環境を整備することが必要であり、地方における分厚い中間層の形成に向けての取組を支援していかなければならないとされています。 女性の就業継続や第2子以降の出生割合は、夫の家事、育児時間が長いほど高い傾向にあります。日本の夫の家事、育児関連時間は2時間程度と国際的に見ても低水準であります。 また、子供がいる共働きの夫婦について、平日の帰宅時間は女性よりも男性のほうが遅い傾向にあり、保育所の迎え、夕食、入浴、就寝などの育児負担が女性に集中するワンオペになっている傾向もあります。 自分の国は子供を産み育てやすい国だと思うかとの問いに対し、スウェーデン、フランス及びドイツでは、いずれも約8割以上が「そう思う」と回答しているのに対し、日本では、約6割が「そう思わない」と回答しています。 また、日本の社会が結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会の実現に向かっているかとの問いに対し、約7割が「そう思わない」と回答しています。 私も、1人の子供を産み育てた1人の母親としての実体験から申し上げますと、働きながら、家のことをしながら1人の命をお腹の中で育てることは、それだけでも体に負担がかかるし、生活も今までどおりにはいかない制限がある中で、とても大変でした。 そして、出産は命がけでした。恐怖や不安しかありませんでした。やっとの思いで生まれてきた我が子、とてもいとおしいのですが、出産を終えたばかりの体と心には大きな負担がかかります。 母親になったプレッシャーも大きく、きついとか、休みたいなどは言ってはいけない、言ってしまったら駄目な母親になってしまうと、1人で抱え込んでしまいましたし、誰かに助けてと言うことすらできませんでした。3時間置きに授乳が必要で睡眠不足になり、赤ちゃんが大きな声で泣き叫んでも、なぜ泣いているのかすら分かりませんでした。 私の実体験から申し上げますが、こうした母親の心身のサポートである産後ケアは絶対に必要であります。 冒頭申し上げましたこども未来戦略においても、産後ケア事業について、支援を必要とする全ての方が利用できるようにするための提供体制の確保に向けた取組を進めるなど、子育て家庭の産前産後の心身の負担軽減を図る観点から、実施体制の強化等を行うこととされました。 熊本県においても取組がなされているようですが、母親からは、利用したくても、まだ産後ケア事業が実施されていないという声や自分が利用してもいいのかと迷う声が聞かれます。今後、必要とする全ての方が利用できる体制づくりがより一層求められています。 そこで質問です。 出産後の母親の心と体を支え、育児に不安なく向き合うために必要な産後ケア事業に県はどのように取り組むのか、また、支援に関わる市町村職員の人材育成と提供体制の強化にどのように取り組んでいくのか、
健康福祉部長にお伺いいたします。 〔
健康福祉部長沼川敦彦君登壇〕
◎
健康福祉部長(
沼川敦彦君) 出産後は、母親にとって、体の回復を要するだけでなく、慣れない子育ても始まり、疲労や育児不安が大きくなる時期であることから、心身のケアや育児のサポートなどを行い、安心して子育てできる環境をつくることは重要であると認識しております。 特に、多くの女性が経験すると言われる産後の鬱状態は、継続すると子供の虐待の誘因になることが国の調査でも指摘されており、産後から子育て期にかかる切れ目のない支援は喫緊の課題です。 そこで、県では、妊産婦や子育て世帯が必要な支援を受けられるよう、市町村によるこども家庭センターの設置に向け、支援を行ってきました。その結果、市町村において順次設置が進んでおり、センターに配置する保健師等を中心に、寄り添ったきめ細かな支援ができる体制が整ってきています。 このような中、国では、産後ケア事業について、産後の心身の不調等の理由を問わず、必要とする全ての方が利用できるユニバーサルなサービスとして、令和6年度末までに全国展開を目指すとされました。 本県の産後ケア事業については、令和5年9月1日現在で25の市町村が実施しており、来年度中に全ての市町村が事業に取り組むことを目指しているところです。 このため、県では、産後ケアの重要性や補助制度等に関する説明会などを充実させるとともに、直接市町村を訪問し、事業実施に係る課題の把握や個別の相談、先進事例の紹介を含めた助言などを行い、市町村における体制構築に向けた支援を行っております。 また、市町村の保健師等を対象とした産後ケア事業の研修会や意見交換を充実させ、産後の母子の心と体の適切なケアを担う人材育成にさらに力を入れていくこととしております。 一方で、市町村から事業を受託する産科医療機関や助産所には、病床や助産師等の確保といった課題もあることから、県医師会や助産師会等と実施体制に係る意見交換も始めたところです。 今後も引き続き、市町村や関係団体と連携し、必要とする全ての方が産後ケア事業を利用でき、安心して子育てができる
環境づくりに取り組んでまいります。 〔
杉嶌ミカさん登壇〕
◆(
杉嶌ミカさん) 熊本県の産後ケアの取組について、詳細に御答弁をいただきました。 特に産後の鬱状態は、子供への虐待やネグレクトの誘因になるため、産後から子育て期の切れ目ない支援は喫緊の課題であるとの認識を持っていただいていることも理解できました。 令和5年9月1日現在、産後ケア事業は、県内の25市町村で取り組まれているとのことでしたが、それ以外の市町村では、まだ実施されていません。要するに、現在は、住んでいるところによって産後ケアサービスを受けられる人と受けられない人がいる現状であると言えます。同じ子育てをしているのに、住んでいるところが違うということで、このような格差が生じています。 また、子供が減少している地域においては、産後ケアはおろか、出産する病院もない状態の方々もいらっしゃいます。国を挙げて少子化対策に取り組んでいる現在、ぜひ、県も主体的に、きめ細やかな出産、子育ての支援、応援をしていただきたいと思います。 さらに、産後の子育てについては、決して母親だけが関わるものではありません。産後ケア事業の取組を推進することと併せて、父親の育児参画の推進や家族、地域全体で
子供たちを育てていく視点も忘れてはいけません。 幅広い視野で、県内のどこに住んでいても、必要とする全ての人が必要な支援を受けられるようしっかりと取り組んでいただきますようにお願いして、この質問を終わらせていただきます。 最後に、こども誰でも通園制度について要望させていただきます。 こども家庭庁は、保育所などの利用要件を緩和し、親が就労していなくても、時間単位などで子供を預けられるようにする新たなこども誰でも通園制度の本格導入に向けて、全国でおよそ150の自治体でのモデル事業を実施する計画であり、令和8年度からは、法律に基づく新たな通園制度として、全ての自治体で実施する方針となっています。 この新たな制度の対象となるのは0歳6か月から満3歳未満の子供で、保育所や認定こども園、幼稚園、地域子育て支援拠点、児童発達支援センターなどで実施されるとのことです。 また、提供体制を確保するため、1人当たりの利用時間の上限を月10時間とするほか、慣れるまでに時間がかかる子供への対応として、初回などに親子通園を取り入れることも可能とすることです。 この制度ができれば、子供にとっては、保育の専門職がいる環境で家庭とは異なる経験ができたり、同世代の子供など家族以外の人と関わる機会が得られたりするほか、親にとっても、育児負担の軽減や孤立感の解消につなげることなどが期待されます。 一方で、制度の本格実施に向けては、保育現場の人員配置の在り方や利用可能枠の定め方、障害やアレルギーのある子供を受け入れる体制の整備など、引き続き検討が必要な課題もあります。 県においては、市町村や保育現場等の声を聞き、制度がより効果的なものとなるように、課題等について国へ要望していただきたいと思います。 また、今後、県内でも当然導入が進められる制度であるため、制度の受皿となる保育現場の様々な課題、例えば保育士などの職員配置基準の改善が必要です。 さらに、子供が身近な人と関わる中で、大切な信頼関係の構築や保護者との愛着形成に重要な役割を果たす現場で働く保育士等の心のゆとりの確保など、取組が求められます。 この制度の実現に向け、県においても、保育現場における働き方の見直しなどにしっかりと目を向けながら、保育人材確保にも取り組んでいただきたいと思い、要望させていただきます。 以上をもちまして私の質問は全て終了いたしました。 私は、約1年間、
県議会議員として活動をさせていただき、人生初めての
一般質問に取り組む中で、改めて、執行部の皆様、県議の皆様が、県民の皆様の声に応えるべく、それぞれの役割で取り組んでおられることを実際に見て、学ばせていただきました。 私は、これまで、政治や行政の仕事にそれほど興味、関心は高くなく、
自分たちの住む地域の計画や制度などは決定されてから知ることが多く、一般の私たちでもまちづくりに参画できること、パブリックコメントに参加し、声を上げ、意見を届けることができるということすら知りませんでした。 県議として活動させていただくことは、たくさんの学びや気づきの連続です。私は、そのインプットした知識や情報を、今、政治や政策に興味を持てない方々、問題があるけれども誰に相談していいか分からない方々とつながりを持って、しっかりとアウトプットしていくことも、今の時代には議員の大切な仕事であると感じています。 今後も、県民の皆様の多様な声を県政にお届けできるようしっかり取り組んでまいります。引き続き、どうぞ皆様の叱咤激励をよろしくお願いいたします。 そして、これまで4期16年にわたり熊本のために命を注いでいただきました蒲島知事には、その功績をたたえるとともに、感謝の意を心からお伝えしたいと思います。 私は、知事に
一般質問での質問はいたしませんでしたが、今回、知事の任期の最後にこのような立場で立ち会わせていただき、熊本県民として本当に光栄でございます。残りの任期が終わるまで、くれぐれもお体を御自愛いただき、知事を引退されましても、私たちと一緒に熊本を盛り上げて、若者を支えていただきますようお願いいたします。 そして、執行部の皆様も本当にありがとうございました。また、本年度御退職される方々、長い間お疲れさまでした。 全ての方々に感謝を申し上げ、私の
一般質問を終わらせていただきます。 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
○議長(
渕上陽一君) この際、5分間休憩いたします。 午前10時58分休憩 ――――――○―――――― 午前11時9分開議
○議長(
渕上陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 城戸淳君。 〔城戸淳君登壇〕(拍手)
◆(城戸淳君) 皆様、おはようございます。自由民主党・玉名市選出・城戸淳でございます。 私からも、令和6年1月1日に発生しました
能登半島地震でお亡くなりになられた方々、また、被災された全ての方々にお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。 さて、昨日は、1万3,000人のランナーが出場した熊本城マラソンが開催をされました。私は、ライオンズクラブ337-E地区で、アクアドーム付近を給水や歩道整備で
ボランティアを行ってきました。県議会からは、ゼッケン2808番の溝口先生、そして4482番の髙野先生、さらには3742番の鎌田先生が参加をされました。やはりすごかったのは、溝口先生が3時間台で走られていたことだと思います。そして、髙野先生、鎌田先生も4時間で走られて、気持ちよく走られていたのを目に浮かべました。天気もよくて、本当に大成功の大会であり、来年も楽しみであります。 実は、また、来週25日は、玉名いだてんマラソンがあります。私も坂梨県議も、共に走ってまいります。 そして、蒲島知事におかれましては、4期16年間県政を引っ張っていただき、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。 それでは、5回目の質問を始めさせていただきます。 まずは、プロスポーツと連携した地域活性化について質問をいたします。 昨年、バスケットボール男子日本代表が、自力でパリ五輪への出場を決めました。これは、歴史的にも初めてのことです。関係者によると、昨年、バスケットボールのワールドカップが沖縄で開催されたことも要因の一つと言われています。 日本バスケットボール協会の三屋裕子会長が、男子バスケットの五輪出場に向けて、ワールドカップを国内で開催できるように取り組んだことを明らかにしています。そして、沖縄にすばらしいアリーナが完成し、たくさんの日本人が日本代表を応援したことも、選手たちを後押ししたと考えられます。 その代表に選ばれていた馬場選手は、大会後、男子プロバスケットボールリーグの長崎ヴェルカに入団することが報道されました。この長崎ヴェルカは、ジャパネットグループが2019年に立ち上げたプロバスケットボールチームです。このジャパネットグループが手がけるビッグプロジェクトが、今年10月に開業が予定をされている長崎スタジアムシティで、プロサッカークラブ、V・ファーレン長崎のホームとなる2万人収容のスタジアム、プロバスケットボールクラブ、長崎ヴェルカのホームとなる6,000人収容のアリーナ、日本初のスタジアムビューホテル、ショッピングモール、オフィスが整備され、1万3,000人の雇用創出を見込んでいます。 ジャパネットグループの髙田旭人社長は、スポーツと地方創生は相性がよいと言い切り、通信販売事業に並ぶ2つ目の柱として、スポーツ・地域創生事業に総力を挙げて取り組んでいます。 民間の様々なノウハウを活用し、プロスポーツを通じた地域活性化につなげていくことは理想的だと思います。 このほかにも、昨年5月には、佐賀県で8,000人収容のSAGAアリーナが完成し、プロバスケットボールB1リーグの佐賀バルーナーズの試合などで多くの誘客が図られるなど、プロスポーツが地域活性化に大きく貢献をしています。 また、大リーグのドジャースに移籍が決まった大谷選手から全国の小学校に野球のグラブが贈られ、喜びの声が上がっています。大谷選手を目指して野球を始める子供もたくさん増えると思います。これは一例ですが、プロ
スポーツ選手など、トップレベルの選手が人々に与える影響はとても大きいと感じます。 本県では、近年、プロ野球チームが誕生したほか、サッカー、バスケットボールのプロチームが活動をしています。また、バドミントンやハンドボール、ラグビーなどの全国レベルで活躍する熊本にゆかりのある選手やチームがあります。 さらに、福田穣選手は、玉名市出身でマラソンのプロランナーとして活躍をされております。昨年2月に初開催となった玉名いだてんマラソンでも、市民と一緒に走ってくれました。こうしたトップ選手を応援するファンのコミュニティーが形成されることが、地域の活性化にもつながってくると考えられます。 本県においては、アリーナや野球場の構想の話はあっておりましたが、昨年9月の議会において、蒲島知事から、任期内での構想策定は困難との答弁でございました。 しかし、プロスポーツが地域に与える影響は大きく、施設整備だけではなく、ソフト面での取組も進めていくことも重要であると考えます。 そこで質問をいたします。 本県はプロスポーツと連携して地域活性化にどのように取り組んでいるのか、
観光戦略部長にお尋ねをいたします。 〔
観光戦略部長原山明博君登壇〕
◎
観光戦略部長(原山明博君) プロスポーツのチームや選手の活躍は、本拠地や出身地など地域への誇りや愛着を生み出すとともに、多くの人々を勇気づけ、
子供たちに夢や希望を与える力があります。一昨年12月に
県民栄誉賞を受賞した本県出身のプロ野球選手、村上宗隆選手のWBCでの活躍は、熊本県民にも大きな誇りと元気を与えてくれました。 また、プロスポーツチームは、県内外から訪れる試合観戦者の交通、飲食、宿泊や関連グッズの購入等により、地域に大きな経済効果を生み出します。 本県では、こうしたプロスポーツの力を生かし、競技の普及や交流人口拡大、本県の認知度向上等を図ろうと、3つのプロスポーツチームと地域活性化連携協定を締結しています。 まず、平成24年3月に、当時県内唯一のプロスポーツチームであったサッカーのロアッソ熊本と、その後、平成25年9月に、バスケットボールの熊本ヴォルターズと、そして令和3年2月には、野球の火の国サラマンダーズと協定を締結しています。 県では、この協定に基づき、ホームゲームにおける県有施設使用料の減免や、各チームが行う県内各地の
子供たちを対象としたスポーツ教室や交流イベント、無料招待試合、ホームゲームやアウエーゲームでの観光物産展開催などの支援を行っています。 これらの取組もあって、3つのプロチームは、多くの県民から愛される存在になってきているものと思います。なお、県庁内においても、職員約1,000人が属する県庁プロスポーツ応援団を設置しており、県庁一丸となって、これらのチームを応援しています。 このように、県民が一体となってプロチームを応援する機運が高まる中で、昨年は、ロアッソ熊本が天皇杯ベスト4進出、熊本ヴォルターズが2シーズン連続プレーオフ進出、火の国サラマンダーズが九州アジアリーグ3連覇を果たすなど、すばらしい成績を収めています。 地域のプロチームが好成績を上げることで、観戦者やスポンサーの増加につながり、得られた資金をチームの強化に充てることができます。それにより、また新たなファンの獲得が進み、さらなる経済効果を生むという好循環が期待されます。 県としては、引き続き、プロチームと連携し、プロスポーツの盛り上がりが地域活性化につながるよう、しっかりと取り組んでまいります。 〔城戸淳君登壇〕
◆(城戸淳君)
観光戦略部長から答弁をいただきました。 プロスポーツの各チームと地域活性化連携協定を締結し、支援をしているとのことでした。特に、スポーツ教室や交流イベントはとても分かりやすい取組だと思います。今後とも、地域活性化につながる取組を積極的に展開していただきたいと思います。 こうしたソフト面でも取組の効果を最大化するためにも大切になってくるのがやはりハード、つまり施設の整備だと思っております。 県内で、菊陽町に九州最大規模のアーバンスポーツ施設が整備される計画があることが明らかになっております。オリンピックの種目にも選ばれたスケートボードやスポーツクライミングなどのアーバンスポーツの施設が2026年度開業を目指し、昨年完成した菊陽町の総合体育館の北東側にできるとのことです。 玉名におきましても、スポーツ施設の整備の要望は強く、官民がしっかりと連携して誘致活動に頑張っていく所存でございます。 それでは、続きまして、質問に参りたいと思います。 悪質な不法投棄に対する対応策と産業資源の循環に向けた本県の取組について質問をいたします。 昨年11月30日、荒尾市内の山中に大量に不法投棄されたタイヤの撤去作業が、県産業資源循環協会荒玉支部によって行われました。私も事前に現場を視察しましたが、撤去作業当時は、視察をしたときよりも多くのタイヤが不法投棄されていることが明らかになりました。何よりも驚いたのは、この日回収されたタイヤが500本にも上ったということです。 御存じのように、使用済みタイヤは、回収する市町村がなく、通常の家庭ごみとして捨てることはできず、専門の業者やタイヤ販売店等に相談することになります。理由は、タイヤの多くは、タイヤ販売店等から産業廃棄物として排出され、家庭からの排出が想定されていないこと、製造業者でのリサイクルの取組が行われていること、タイヤの中に様々な物質が含まれているからなどです。 使用済みタイヤの適正な処分については、廃棄物処理法において、産業廃棄物である廃タイヤを、その排出事業者自ら、または当該排出事業者から委託を受けた者により「適正に処理しなければならない。」と定められています。 さらに、不法投棄を行った者には罰則があります。個人罰則は、5年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方。法人の場合は、両罰規定により、実行者とは別に、3億円以下の罰金と定められております。 今回、500本という大量の使用済みタイヤが撤去されました。これだけ多くのタイヤが不法投棄されているということは、犯人は意図的に行ったと考えられます。 問題は、不法投棄されやすい場所が分かっていても、投棄した犯人が分からないという点だと思います。本来、不法投棄された廃棄物の撤去義務は、投棄した本人に課せられますが、誰が捨てたか分からない場合は、土地や建物の占有者、管理者が撤去費用を負担することもあります。今回、多額の処理費用や専用の機材が必要となるため、特例的に産業資源循環協会が善意で撤去作業を行っていただきましたが、私は根本的な対策が必要だと思っています。 不法投棄を防止するための一般的な対策としては、ロープやフェンスを設置することや防止看板を設置する、定期的に見回りをするというものが考えられますが、今回の場所は、駐車スペースと山の境界に腰の高さの柵があり、その上にネットを張っていましたが、ネットが破られ、不法投棄が常態化しているのが現状です。また、電気が通っていないため、監視カメラを設置するのも難しいのではないでしょうか。 私もタイヤの撤去作業に参加させていただきましたが、傾斜を下りた山中にタイヤが堆積しており、タイヤの中には土や雨水が入り込んでおり、とても大変な作業だと感じました。 こうした廃棄物の不法投棄を放置すれば、場合によっては土壌汚染や水質汚濁といった環境悪化につながることも考えられます。 使用済みタイヤを処理する場合、一般消費者がタイヤ販売店に持ち込んだ場合、タイヤ販売店は、一般消費者から使用済みタイヤを引き取る際に、適正な処理に必要な料金を徴収することができることになっています。そのほか、運送業者や解体業者といった業者が産業廃棄物として使用済みタイヤを適正処理するケースもあると思いますが、適正処理に必要な料金は、タイヤの保管や管理に関する費用と収集運搬業者の運搬委託費、さらに中間業者の処分委託費用を合算したものとなります。 ここでの中間処理業者は、タイヤを切断したり破砕加工をしたりする業者のことです。 中間処理された使用済みタイヤは、チップ化したり粉末化したものを原材料とする場合や、工場などで熱源として利用される場合もあります。もちろん埋立てなどの形で最終処分されるものもありますが、環境を保護し資源を有効活用するためにも、できる限り再利用することが求められています。これは、エネルギー効率の向上という観点からも有効だと考えられます。 また、走行によって摩耗したトレッドゴムを新しく貼り替えることでタイヤの機能を復元し、再利用するリトレッドタイヤの普及が高まっております。国内のリトレッド率は18%と言われております。 こうした資源の節約や環境の保護の取組と逆行する行為が、不法投棄と言えると思います。 令和4年12月定例会で島田稔先生が
一般質問された際の答弁の中で、県では、不法投棄に関する情報提供を広く受けるために廃棄物110番を設置し、24時間365日体制で通報を受け付けているとのことでした。 また、市町村や警察、海上保安庁、産業資源循環協会で構成する廃棄物不法投棄対策連絡会議により、県内全域での合同パトロールを実施するなど、連携した対策も取り組んでいるとのことです。 そこで質問をいたします。 現在、廃棄物110番では、どのような通報が、どれくらい寄せられているのか、また、合同パトロールなどの取組は現在も続けられているのか、悪質な不法投棄に対する県としての対策はどのように進めていくのか、さらに、使用済みタイヤの再利用など資源の循環という観点で、県としてどのような取組を進めていく考えなのか、
環境生活部長にお尋ねします。 〔
環境生活部長小原雅之君登壇〕
◎
環境生活部長(小原雅之君) まず、不法投棄への対応策についてお答えいたします。 本県において、不法投棄事案は、この10年間は毎年200件程度確認しており、依然として後を絶たない状況です。 議員御指摘の廃棄物110番には、年間20件程度の情報提供があり、内容は、不法投棄に関する通報が多数を占めております。 不法投棄は、生活環境の保全に支障を来し、原状回復に多大な費用と時間を要します。このため、未然防止策や早期発見による被害の拡大防止策が重要となります。 そこで、県では、県警や市町村、産業資源循環協会等で構成する廃棄物不法投棄対策連絡会議により、継続的に県内全域での合同パトロールを実施しています。 あわせて、各保健所に廃棄物監視指導員を配置し、不法投棄が多発した箇所のパトロールも行っております。 このような取組を通して、不法投棄者には厳正な指導や処分を実施し、県警とも連携して、不法投棄現場の原状回復に向け、粘り強く対応しております。 次に、議員御指摘の使用済みタイヤの再利用など、資源の循環についてお答えいたします。 使用済みタイヤを燃料やタイヤとして再利用するなど、廃棄物をリサイクルし、資源として循環することは、循環型社会の形成に向け、大変重要な取組だと思っております。 このため、県では、県内のリサイクル産業を育成し、資源循環を推進するため、リサイクル製品の認証制度を設け、循環型社会の形成に努めています。 この制度では、現在、リサイクル製品で一定の基準を満たすプラスチック製品や肥料など8製品を認証しており、これらの認証製品をパンフレットや雑誌広告などにより周知するとともに、利用の促進に取り組んでいます。 さらに、事業者による廃棄物の排出抑制やリサイクル等に資する施設整備へ助成し、リサイクル率向上に向けた取組を支援しています。 このような取組を通して、県民の間で資源循環に向けた動きが醸成されるよう、しっかりと進めてまいります。 県としましては、今後とも、県警や市町村、産業資源循環協会等と協力し、不法投棄対策を講じていくとともに、事業者等と連携し、循環型社会の形成を推進してまいります。 〔城戸淳君登壇〕
◆(城戸淳君)
環境生活部長より答弁をいただきました。 不法投棄に対する粘り強い対策を継続していただきたいと思います。また、資源の循環という観点からも、事業者への支援など積極的に取り組んでいただきたいと思います。 それでは、続きまして、次の質問に移ります。 半導体産業の
人材不足の解消について質問をさせていただきます。 昨年12月、台湾の明新科技大学の学長らが熊本県庁を訪問され、木村敬前副知事と意見交換をされました。その中で、学長は、熊本を半導体の第二のふるさとにしたいと語られました。 私は、明新科技大学の学長夫妻、副学長夫妻、そして日本プロジェクトオフィスの担当者と玉名市内の高校を回り、校長先生と意見交換をいたしました。さらに、熊本高専、熊本工業高校も訪れ、半導体人材の育成について意見を交わしました。 ここでスクリーンを御覧ください。(資料を示す) これが、台湾・新竹にある明新科技大学の半導体学部の校舎です。5階建てです。1階から4階までが、違う4つの半導体生産ラインが設置されているそうです。 次のスライドが、そのTSMCと同じ半導体生産ラインで学生たちが製造技術を学ぶ様子を写しています。この明新科技大学の半導体学部には、半導体企業で実際に使われている製造ラインが企業から提供されております。学生たちは、大学の先生から半導体の理論を学びながら、学部に整備された製造ラインで半導体の製造工程を身につけ、即戦力として企業で活躍していくとのことでした。 そして、この半導体学部に、今年から日本人コースを新設し、30名規模で日本人を受け入れ、中国語、英語、半導体を学び、即戦力として世界で活躍できる人材を育成したいということでした。 玉名で、玉名女子高、北稜高校、玉名高校、玉名工業高校の校長先生がコースの説明を聞いたとき、工業関係の生徒でなくても進学できるのかといった質問もありました。問題ないとのことです。高校にとっても、卒業生が台湾の大学に進学し、世界で活躍することになれば、意義は大きいものではないかとの話もありました。 また、半導体の製造は細かな作業が多く、台湾でも女性が活躍している分野だと話していました。ミニTSMCと言われる明新科技大学の半導体学部に整備されている半導体の製造装置の機械は日本製のものが多いため、日本の学生を受け入れることで、日本人が半導体の製造に関わる道を開きたいと話している姿が印象的でした。実際に、学費は年間60万、寮費は年間13万と、経済的な負担も理系の国内の大学より抑えられる点も魅力の一つだと感じました。 また、大学の中国語センターで、高校卒業後、9月入学までの期間、中国語を学ぶことで、中国語の授業にも十分に対応できるように工夫されている点も安心できると感じました。 今後、半導体産業の
人材不足が指摘される中、こうした台湾の大学と連携する中で、
人材不足を解消する道が開けるのではないかと感じました。こうした台湾の大学は企業との結びつきも強いため、必要とされる人材の育成が効果的に進められています。 そこで質問いたします。 今後、半導体産業が集積している熊本の強みをさらに伸ばしていくに当たって、県としてどのような人材が不足すると考えているのか、また、
人材不足の解消に向けて、台湾の大学等との連携も考えられるが、県としてどのように取り組んでいく考えなのか、お尋ねをいたします。 〔
商工労働部長三輪孝之君登壇〕
◎
商工労働部長(三輪孝之君) まず、半導体産業の集積を進める上で、不足すると思われる人材についてお答えします。 TSMCの進出に伴い、半導体関連産業の人材需要は高まっており、人材の育成と確保は喫緊の課題であると認識しております。 オール九州の産学官連携組織である九州半導体人材育成等コンソーシアムの調査によると、九州の半導体産業における
人材不足は、年間1,000人程度にも及ぶとされています。具体的に、人材の不足感が大きくなる職種としては、短期的にも中長期的にも、工場で製造機械を操作するオペレーターや製造ラインの管理改善を担う生産技術職が挙げられ、また、短期的には研究開発職などとされています。 次に、半導体関連産業の
人材不足の解消に向けた県の取組についてお答えします。 県では、知事をリーダーとする半導体産業集積強化推進本部に部会を設け、国や教育機関、地場企業などとも連携しながら、3つの取組を柱に、人材の育成と確保を進めています。 まず、1つ目が、学校卒業後に、県内企業に就職してもらうための取組です。働く人が安心して働き続けられるブライト企業のPRや、中小企業に専門家を派遣し、企業の採用力向上を図る取組を進めています。 2つ目が、県外から移住して働いてもらえるような取組です。東京、大阪、福岡を主なターゲットとして、UIJターン就職支援センターによる県内企業の紹介等の支援や就職セミナーの開催など、UIJターンの促進に取り組んでいます。 そして、3つ目が、産業人材を育成する取組です。今年度から、半導体関連産業への理解促進を図るため、産業界や教育界の協力の下、小中学生に対する出前授業を行っています。また、県立技術短期大学校では、本年4月に半導体技術科を開設し、新たに採用する半導体に精通する指導員の下、将来の熊本の半導体関連産業を担う技術者や研究者の育成を図ることとしています。 熊本大学でも、4月に、文理融合の新学部、情報融合学環などが開設され、県も、トップレベルの教員の招聘や地域企業との共同研究に携わる学生を支援しています。 また、県
教育委員会では、高校生の半導体関連産業に対する理解促進を図るため、今年度から、県立高校を対象として、企業見学や出前授業を実施しています。さらには、台湾の大学への進学や留学などの連携も始まっています。 今後とも、新生シリコンアイランド九州の実現に向けて、台湾の先進事例も参考にしながら、産学官で幅広く連携し、人材の育成と確保に全力を挙げて取り組んでまいります。 〔城戸淳君登壇〕
◆(城戸淳君)
商工労働部長より答弁いただきました。 県では、3つの取組を柱に、人材育成と確保を進めるとの答弁をいただきました。 就職や県外からの移住、産業人材の育成と、すぐに取り組めるものと時間のかかるものがあるかと思いますが、丁寧に取組を進めていただきたいと思います。場合によっては、地域や国を越えた協力も必要だと思いますし、教育界と経済界としっかりと協力しながら、人材育成と確保に力を注いでいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 それでは、続きまして質問させていただきます。 特別支援教育のニーズ拡大への対応と分校設置について質問をさせていただきます。 本県の特別支援を必要とする児童生徒数は増加傾向にあり、各自治体の小中学校では、特別支援学級のための教室や教員の配置に苦心しているところも増えております。保護者からは、専門性の高い教員に指導してほしいという声も上がっており、特別支援学校のニーズは高まっているのが現状だと考えられます。 県では、地域ごとに特別支援学校を設置し、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱の児童生徒などに対する教育を実施してこられました。 私の住む玉名市には、県の設置する特別支援学校がないため、荒尾支援学校に通っている児童生徒がおられます。小中学部生の場合は、通学バスを使っている児童生徒が多く、高等部生は、公共交通機関で通うことが基本となっております。 地元の保護者からいただく意見としては、高等部生はどうしてバスで送迎してくれないのかというものがあります。県としても、生徒の自立を促すために公共交通機関での登下校を基本としているとのことですが、結果として、保護者が送迎をするために正社員を辞めた事例もあるとのことでした。個別の事情を抱える生徒の場合、高等部生もバスで送迎しているとのことですが、保護者が正社員を辞めて子供を送迎している実情に対しては、行政としても柔軟な対応ができないかと感じております。 一方、小中学校の場合は、地元の学校の特別支援学級に通う児童生徒が増えてきております。その際に、少ない人数の児童生徒に対応するために教室と先生を確保する必要がありますが、教員不足の現状がある中、地元の要望どおりに教員を配置することが難しくなってくるのではないかと危惧しております。 玉名市
教育委員会に伺ったところ、玉名市で特別支援学級に通う児童生徒は、令和5年5月時点で、小学校164人、中学校67人、小学校40学級、中学校19学級が設置されているとのことでした。ちなみに、平成30年5月の時点では、小学校98人、中学校38人ですから、ここ数年で増加傾向にあることが分かります。 一方で、全体の児童生徒数は減少しているため、地域によっては、小学校の統廃合が進んでいるのが現状です。玉名市でも、豊水小学校と大浜小学校が令和7年4月に統合することが決まり、そのための準備を進められております。 私は、これだけ多くの特別支援学級に通う児童生徒がいる中で、特別支援学校を分校という形で増やすことが、教員不足の問題を解消し、支援を必要とする児童生徒に質の高い教育を受ける機会を提供できるのではないかと考えます。 昨年、教育警察常任委員会で見学しました松橋西支援学校は、小学部と中学部が一つの校舎で、松橋高等学校内に高等部がありました。そして、上益城分教室は、甲佐高等学校内に位置しているとのことでした。 また、荒尾支援学校の場合は、児童生徒の増加に伴って、重複障害以外の高等部の生徒は岱志高校に通う形となっており、こうした事例を参考にできると思います。 そして、廃校になる小学校を特別支援学校の分校として活用することも一つの方法ではないかと思います。 そこで質問いたします。 県は、拡大する特別支援学校へのニーズにどう対応していくのか、地域の実情を踏まえて、具体的に分校や分教室を設置する計画はあるのか、さらに、交通網がない地域の知的障害特別支援学校高等部生徒の通学手段の確保について、教育長にお尋ねします。 〔教育長白石伸一君登壇〕
◎教育長(白石伸一君) まず、拡大する特別支援教育のニーズと対応についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、近年、特別支援学校や特別支援学級で学ぶ児童生徒数は増加しており、特に特別支援学級の児童生徒数は、特別支援教育制度開始以降の15年間で約5.3倍となっており、その傾向は顕著です。 県
教育委員会では、児童生徒数が年々増加する中で、個々の児童生徒の学習状況や学校生活における困難さに応じた指導・支援体制を確保していくことを目的として、今年度から、多様な学びの場整備事業に取り組んでいます。現在、県内3市町を指定して事業実施中でございますが、中には、特別支援学級で個々に応じた指導、支援がなされた結果、学校生活における困難さが軽減し、特別支援学級ではなく、通常の学級で学ぶことが適切な事例等が見受けられます。 学びの場の判断は、本人、保護者の意向を踏まえ、市町村
教育委員会が総合的に判断することとなっており、県
教育委員会としましては、適切に判断できるよう支援し、児童生徒にとって最適な学びの場や支援体制を確保することが重要と考えています。 議員御提案の分校の設置については、まずは、多様な学びの場整備事業の進捗や荒尾・玉名地域の将来的な人口動態等を見極めた上で、その必要性について検討してまいります。 次に、公共交通網が整備されていない地域における知的障害特別支援学校の高等部生徒の通学手段確保についてでございます。 現在、知的障害特別支援学校12校のうち、小中学部を設置している7校で通学バスを運行しており、義務教育段階の小中学部を優先して乗車させています。高等部の生徒は、卒業後の自立と社会参加を見据え、可能な生徒は、公共交通機関等を利用しながら、自分で通学することを基本としています。 これまでも、自分で通学することが困難な生徒のうち、保護者等の傷病や自家用車を所有されていないなどの事情を抱える児童生徒の通学については、保護者等から聞き取りを行い、個別に対応しているところでございます。 県
教育委員会としましても、特別な事情がある生徒について、今後どのようなことができるか調査検討してまいります。 〔城戸淳君登壇〕
◆(城戸淳君) 教育長より答弁いただきました。 県として多様な学びの場の整備事業に取り組んでおり、通常の学級で学ぶことが適切な事例があったとのことでした。私も、通常の学級で学ぶことが適切な事例もあると考えます。 一方で、特別支援学級が増加している現状や、より専門性の高い教員の指導を受けたいという保護者の声も無視できないと感じております。多様な学びの場を整備していただくと同時に、市町村と連携を図りながら、分校や分教室の必要性についても前向きに検討を進めていただくことを要望したいと思います。 また、高等部生徒の通学手段についても、個別の通学事情も再度確認をいただきながら、対策を考えていただくことをお願いしたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 有明海沿岸道路の整備促進について質問いたします。 有明海沿岸道路・荒尾道路の中心くい打ち式が、2月12日、荒尾総合文化センターで開催されました。国直轄による荒尾道路の整備がいよいよ進められます。 この有明海沿岸道路は、高規格道路として異例のスピードで予算措置が進み、現在、国において、長洲―玉名間の計画段階評価を進めていると聞いております。国会議員を中心として、沿岸地域の首長、経済団体、議員などが一致団結して取り組んでいることをとてもうれしく感じております。 そうした中、TSMCの熊本工場が完成したという報道がありました。既に台湾から多くの技術者が熊本での生活を始めていると聞いております。工場が稼働するのに合わせて、関連企業が、熊本をはじめ九州の各地に進出する動きが始まっており、熊本市でも、工業団地を整備する場所を探しています。 今後、熊本県を中心に九州で半導体産業を再構築していくためには、インフラ整備と渋滞の解消が大きな課題になってくると考えます。県でも、TSMC周辺の道路整備を加速化されると同時に、空港アクセスの改善や道路ネットワークの構築に取り組んでいくことと思います。 玉名市におきましても、廃校になった小学校の跡地に関連会社が工場を新設したり、工業団地の整備などが進められていますが、玉名の場合は、高速道路の菊水インターを中心に企業誘致が進んでいるのが現状です。 今後も、TSMCは、第2工場が決定し、そして第3工場も整備していくと思われます。こうした誘致を勝ち取り、さらに、TSMCと取引のある企業を誘致するためにも、本県の道路ネットワークの整備は非常に重要であります。 そして、沿岸地域に企業を誘致するには、有明海沿岸道路の絵姿を示すことが企業誘致への近道だと考えます。 そこで質問いたします。 現在異例のスピードで整備が進む有明海沿岸道路の長洲―玉名間の早期実用化に向けてどのように取り組んでいくのか、
土木部長にお尋ねをいたします。 〔
土木部長亀崎直隆君登壇〕
◎
土木部長(亀崎直隆君) 有明海沿岸道路は、佐賀、福岡、熊本の3県にまたがる広域的な経済交流圏を創出し、九州の循環型高速交通ネットワークを形成する重要な道路です。 本県においても、熊本都市圏と荒尾・玉名地域の交流促進や産業の活性化に大きな役割を果たすことが期待されます。 まず、本路線の進捗状況についてでございますが、三池港インターチェンジ連絡路におきましては、荒尾市の土地区画整理事業に合わせて、大島高架橋工事が重点的に取り組まれており、今年度の補正予算により、新たに橋脚2基の工事が進められております。 また、事業化に向けた手続の一つである計画段階評価が完了している荒尾―長洲間におきましては、今年度、荒尾道路が県内で初めての整備区間として事業化され、本格的な測量などに着手する環境が整い、今月12日には、中心くい打ち式が開催されました。 次に、長洲―玉名間についてですが、昨年12月に計画段階評価に着手され、事業化に向けた取組が着実に進められております。 計画段階評価の進捗に合わせて、この区間に新たに設置されるインターチェンジへのアクセス道路の整備に向け、地元市や町と連携して取り組んでまいります。 さらに、国による計画段階評価完了後は、本県が、手続の主体として、当該区間の都市計画決定に係る説明会の開催や関係機関との協議などを速やかに進めてまいります。 このように、長洲―玉名間の早期事業化に向けまして、国と緊密に連携しながら、県としての役割をしっかりと果たしてまいります。 〔城戸淳君登壇〕
◆(城戸淳君)
土木部長より答弁をいただきました。 驚くほど順調に進んでいる有明海沿岸道路の熊本県側の整備ですが、今後、県の役割も大切になってくると感じております。国との連携はもちろんですが、沿線自治体との連携も緊密に取りながら、長洲―玉名間の計画段階評価を着実に進めていただきたいと思います。 そして、先週行われた荒尾道路の中心くい打ち式では、くい打ち式から道路完成まで、従来8年はかかるとの話がありました。ただ、有明海沿岸道路の整備に関しては、その8年という記録を縮めるという意気込みで話もされました。産業の活性化に向けても期待の高い有明海沿岸道路ですが、将来的な道路ネットワークを整備するという観点からも、急ピッチで整備を進めていただきたいと思っております。 それでは、最後の質問をさせていただきます。 食料安全保障の基盤となる農地の確保と地域計画の策定について質問をいたします。 1月26日召集の通常国会で、農林水産省は、食料・農業・農村基本法改正案など6法案を提出する方針が示されました。四半世紀ぶりの見直しとなる基本法改正案ですが、見直しの方向として、4つの柱が示されています。 中でも「平時からの国民一人一人の食料安全保障の確立」の項目は、食料安全保障の状況を平時から評価する新たな仕組みへの転換や、食料の確保に向けた対策を不測時に政府一体で実行する体制や制度の構築などが主な施策として挙げられています。 我が国における食料の安全供給は、国内生産の増大を図ることを基本に、輸入及び備蓄を適切に組み合わせて、その確保を図るというのが基本的な考え方です。 しかし、気候変動、食料需要の拡大、ウクライナ情勢などを背景に、輸入する食品原材料や生産資材の価格高騰を招き、また、化学肥料の輸出規制や国際物流の混乱などに直面し、食料安全保障の強化が喫緊かつ重要な課題となっております。 玉名地域では、2020年までの10年間で、耕作面積が約1割、基幹的農業従事者数が約3割減少をしております。県全体でも同様の傾向で、今後も継続することが懸念をされます。 こうした状況を踏まえ、食料安全保障の基盤となる農地の確保が最も重要と考えており、生産者の減少に備えて、10年後、20年後、誰が、どこの農地で、どんな作物をどのように栽培するのかという見通しを立てていくことが必要不可欠になります。 このような将来の地域農業の在り方を明確にするのが、市町村が策定する地域計画であり、まさに今、地域の農業に関わっている人たちで話し合っておかなければ、将来にわたって農地を確保し、食料安全保障を実現することはできません。 圃場整備、集約化、あるいはスマート農業などの省力化を進める必要があるかもしれません。農業の初心者を受け入れ、研修や人材育成に力を入れる自治体もあるようです。 本県は、TSMCはじめ、半導体関連企業の集積により農地が減少する地域もあり、今後さらに営農への影響も指摘されます。県として、その影響について注視する必要があると考えます。 そこで質問です。 食料安全保障の基盤となる農地の確保については、その核となる地域計画の策定がとても重要と考えますが、県として、各自治体や地域とどのように連携しながら推進するのかを
農林水産部長にお尋ねをいたします。 〔
農林水産部長千田真寿君登壇〕
◎
農林水産部長(千田真寿君) 国が目指す食料安全保障に向けて、県では、生産力や産地力を強化する観点から、農地の集積や担い手の育成などに全国に先駆けて取り組んでまいりました。さらに、耕畜連携による自給飼料の生産拡大など、国の食料・農業・農村基本法の改正に向けた議論に先んじた取組を進めています。 一方、人口減少や農家の高齢化等を背景に、耕地面積や農業従事者数は減少傾向にあり、さらに、TSMCをはじめとする半導体関連企業の進出が加速化している状況を踏まえると、食料安全保障の基盤となる農地の確保はその重要性を増しています。 県としても、目指すべき地域農業の在り方を明確化する地域計画は、農地を集約し、担い手が適切に利用していくために、極めて重要であると認識しています。 現在、市町村においては、令和6年度までの策定を目指し、地域計画の作業が本格化していますが、その中で、地域の農地をどうまとめて誰が利用していくかを示す目標地図を作成する必要があることから、農業委員会や農地中間管理機構などの関係機関との連携が重要です。 このため、県では、市町村や農業委員会などと構成する農地集積推進チームにおいて、計画策定が円滑に進むよう、策定手順や先行事例の情報共有を行っています。加えて、意見集約に向けた助言や、くまもと農地GISを活用し、基盤整備の状況を見える化した地図の提供など、積極的な支援を行っているところです。 このような支援を行う中で、県内各地において、対象となる農地の範囲の見直しや農地利用の現況地図の作成が進んでいるほか、玉名地域においては、先行している地域の話合いに他の市町村担当者が参加し、意見集約の進め方の参考とするなど、計画策定に向けた着実な取組が見られます。 一方で、高齢化が進展する中山間地域などでは、農地の受け手の見通しが立っていない地域も少なくありません。こうした地域に対しては、地元の意向も踏まえ、将来の地域農業を担う地域営農組織の設立や法人化に向けた支援を行うとともに、農地など経営資産の移譲を希望する農業者と地域外からの参入を希望する農業者をつなぐ経営継承の取組を進めてまいります。 県としては、食料の安全保障の基盤となる農地と担い手の確保に向けて、市町村における地域計画の策定をしっかりと支援してまいります。 〔城戸淳君登壇〕
◆(城戸淳君)
農林水産部長より答弁をいただきました。 地域計画策定の重要性を共有すると同時に、県としても、関係機関と連携しながら、地域計画を策定する市町村の支援をしっかりと行っていくとの答弁でした。 その中で、農地の受け手の見通しが立っていない地域も少なくないとの指摘もありました。それぞれの地域に合った形で、農地と担い手の確保に向けた取組を進めていただきたいと思っております。 これで全ての質問が終わりました。 ところで、皆さん、人生の中でいろんな人の影響を受けたことだと思っております。私も、実は、子供の頃から、おやじが政治家で、そういう環境で、影響を小さい頃から受けてまいりました。 ただ、大学のときは、文化人の桜井さん、そして、最近では、
スポーツ選手の峰選手などもおりますが、そして、一番私が影響を受けたのは元総理大臣、田中角榮先生でございます。多くの著書を読み、非常に感銘を受けました。私も、若い人に影響を持ってもらえるような人間に頑張っていきたいと思っております。 最後になりますが、この県政のよき流れと県の安定のために、私は自民党としての気概を持って3月の選挙には頑張ってまいります。 これをもちまして終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
渕上陽一君) 以上で通告されました
一般質問は全部終了いたしました。 これをもって
一般質問を終結いたします。 ――――――○――――――
△日程第2 議案等に対する質疑(第1号から第79号まで)
○議長(
渕上陽一君) 次に、日程第2、目下議題となっております議案第1号から第79号まで等に対する質疑を行いますが、ただいままで通告はありません。よって、質疑なしと認めます。 ――――――○――――――
△日程第3
知事提出議案の
委員会付託(第1号から第79号まで)
○議長(
渕上陽一君) 次に、日程第3、目下議題となっております議案第1号から第79号までにつきましては、さきに配付の令和6年2月
熊本県議会定例会議案各委員会別一覧表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託して審査することといたします。 〔各委員会別一覧表は付録に掲載〕 ――――――○――――――
知事提出議案の上程(第80号)
○議長(
渕上陽一君) 次に、お諮りいたします。
知事提出議案第80号が提出されましたので、この際、これを日程に追加し、議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
渕上陽一君) 御異議なしと認めます。よって、
知事提出議案第80号を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。
知事提出議案第80号を議題といたします。 ―――――――――――――――――― 第80号 収用委員会予備委員の任命について ――――――――――――――――――
○議長(
渕上陽一君) お諮りいたします。 ただいま議題といたしました議案に対する提出者の説明は省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
渕上陽一君) 御異議なしと認めます。よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。 ――――――○――――――
△日程第4 休会の件
○議長(
渕上陽一君) 次に、日程第4、休会の件を議題といたします。 お諮りいたします。 明20日及び21日は、議案調査のため、22日は、各特別委員会開会のため、26日から28日までは、各常任委員会開会のため、29日及び3月1日は、議事整理のため、それぞれ休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
渕上陽一君) 御異議なしと認めます。よって、明20日から22日まで及び26日から3月1日までは休会することに決定いたしました。 なお、23日から25日まで、3月2日及び3日は、県の休日のため、休会であります。 ――――――○――――――
○議長(
渕上陽一君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 次の会議は、来る3月4日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第5号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午後0時8分散会...