熊本県議会 > 2023-09-26 >
09月26日-06号

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  1. 熊本県議会 2023-09-26
    09月26日-06号


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    令和5年 9月 定例会               第 6 号              (9月26日)  令和5年   熊本県議会9月定例会会議録     第6号令和5年9月26日(火曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第6号  令和5年9月26日(火曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)    ――――――○――――――出席議員氏名(49人)            星 野 愛 斗 君            髙 井 千 歳 さん            住 永 栄一郎 君            亀 田 英 雄 君            幸 村 香代子 君            杉 嶌 ミ カ さん            立 山 大二朗 君            斎 藤 陽 子 さん            堤   泰 之 君            南 部 隼 平 君            本 田 雄 三 君            岩 田 智 子 君            前 田 敬 介 君            坂 梨 剛 昭 君            荒 川 知 章 君            城 戸   淳 君            西 村 尚 武 君            池 永 幸 生 君            竹 﨑 和 虎 君            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            前 田 憲 秀 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            河 津 修 司 君            楠 本 千 秋 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            山 口   裕 君            岩 中 伸 司 君            城 下 広 作 君            西   聖 一 君            鎌 田   聡 君            渕 上 陽 一 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            池 田 和 貴 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    木 村   敬 君     知事公室長  内 田 清 之 君     総務部長   平 井 宏 英 君     企画振興部長 富 永 隼 行 君     理    事 小金丸   健 君     企画振興部     球磨川流域  府 高   隆 君     復興局長     健康福祉部長 沼 川 敦 彦 君     環境生活部長 小 原 雅 之 君     商工労働部長 三 輪 孝 之 君     観光戦略部長 原 山 明 博 君     農林水産部長 千 田 真 寿 君     土木部長   亀 崎 直 隆 君     会計管理者  野 尾 晴一朗 君     企業局長   竹 田 尚 史 君     病院事業            竹 内 信 義 君     管理者     教育長    白 石 伸 一 君     警察本部長  宮 内 彰 久 君     人事委員会            西 尾 浩 明 君     事務局長     監査委員   藤 井 一 恵 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   波 村 多 門     事務局次長            村 田 竜 二     兼総務課長     議事課長   富 田 博 英     審議員兼            濱 田 浩 史     議事課長補佐    ――――――○――――――  午前10時開議 ○議長(渕上陽一君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○議長(渕上陽一君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 松村秀逸君。  〔松村秀逸君登壇〕(拍手) ◆(松村秀逸君) 改めまして、皆さん、おはようございます。熊本第一選挙区・自由民主党・松村秀逸でございます。どうぞよろしくお願いします。 質問に入ります前に、さきの岸田内閣改造におきまして、熊本県選出の木原稔衆議院議員が防衛大臣、そしてまた、松村祥史参議院議員国家公安委員長防災担当大臣として、また、馬場成志参議院議員は総務副大臣として就任されました。今後、熊本のため、国家のため、しっかり頑張っていただけるものと思います。ますますの御活躍を御祈念申し上げたいと思います。 本日で9回目の質問でございますけれども、まだまだ緊張しておるところでございます。 それでは、通告に従いまして質問に移ります。 熊本都市圏の新たな3つの高規格道路早期実現に向けて質問いたします。 熊本県は、九州中央自動車道南九州西回り自動車道中九州横断道路等、隣県につながる高規格道路の整備が大きく前進しております。しかしながら、熊本都市圏においては、それらの道路と熊本市中心部を結ぶ道路で、政令指定都市でワースト1位という慢性的な渋滞が発生している現状であり、その解消が喫緊の課題となっております。 そのような中、県と熊本市が令和3年6月に策定した熊本県新広域道路交通計画におきまして、熊本市中心部から高速道路までを約10分、熊本空港までを約20分で結ぶ、いわゆる10分・20分構想を掲げ、定時性と速達性を兼ね備えた熊本都市圏北連絡道路熊本都市圏南連絡道路熊本空港連絡道路を新たな高規格道路として位置づけました。 そして、令和3年11月には、地方自治法の規定に基づく熊本県・熊本市調整会議が開催され、有料道路制度の活用を含めた検討を進めながら、熊本都市圏連絡道路早期実現に向けて取り組むこと等が合意され、令和4年8月には、熊本都市圏の自治体や経済界が一体となり、計画の早期実現に向けて建設促進活動に取り組むため、熊本都市圏連絡道路建設促進協議会が設立されました。 さらに、令和4年10月には、国、県、熊本市の道路管理者3者に学識経験者経済界関係者を加えた熊本都市道路ネットワーク検討会が開催され、地域との合意形成を図りながら、計画の早期実現に向けて取り組むこととされました。 そして、令和5年9月3日には、令和5年度熊本都市圏連絡道路建設促進協議会総会が、熊本県知事及び熊本市長主催の下、国会議員、県議会議員、熊本県各市長村長や国土交通省等、たくさんの関係者の参集の下に開催され、早期実現に向けての議案3項目が、全員賛成の上、採択、決議されました。 熊本都市圏連絡道路の実現効果は、熊本都市圏における交通課題の解消をもたらすだけではありません。世界的半導体企業であるTSMCの本県進出を契機とし、経済安全保障の一翼を今後本県が担っていくに当たり、必要な環境整備が図られることも意味しており、今後の九州全体の経済発展にも大いにつながるものと考えます。 このため、国や県の指導助言を生かしながら、県と熊本市をはじめとする沿線自治体が一体となって、計画の早期実現に向けて、今後国に対する要望や協議を進めていく必要があると考えます。 また、一方では、ルート選定有料道路としての活用策の検討等、今後の事業化に向けて、様々な可能性を含めて検討を重ね、地域住民の皆様の理解を得る必要があります。 県として、今後どのように計画を進めていかれるのか、土木部長にお尋ねいたします。  〔土木部長亀崎直隆君登壇〕 ◎土木部長(亀崎直隆君) 熊本都市圏の3連絡道路につきましては、定時性と速達性を兼ね備えた道路ネットワークを形成することで、熊本都市圏の渋滞解消に寄与するだけでなく、県民生活の利便性向上などの生活面や物流の効率化などの産業面でも大きな効果が期待されます。 これまで、国の協力をいただきながら、県と熊本市が連携して、ルートや構造、有料道路制度の活用を含めた事業手法など、様々な観点から検討を進めてまいりました。 そして、これまでの検討結果を踏まえ、この秋には、客観的かつ専門的な立場で助言をいただく有識者委員会を県と熊本市で設置し、住民参加型の道路計画検討に着手したいと考えております。 この住民参加型の道路計画検討とは、道路計画策定プロセスを明確化するとともに、アンケート調査などにより地域や道路の解決すべき課題を住民の皆様と共有し、御意見を把握しながら複数のルート帯案の比較評価を行い、ルート帯や主な道路構造など、最も優位な概略計画を決定するものでございます。 この道路計画検討と併せて、県と熊本市で有料道路制度の活用を含めた事業手法の検討について、迅速に取り組んでまいります。 また、3連絡道路早期実現には、県民の皆様の機運醸成も不可欠です。このため、昨年8月には、熊本都市圏の市町村や経済界の皆様と熊本都市圏連絡道路建設促進協議会を設立し、官民一体となった取組を進めてきました。今月3日の総会では、熊本都市圏のみならず、県内全ての市町村の皆様に参画していただくこととなりました。 県としましては、このオール熊本の機運の高まりを受け、熊本都市圏連絡道路早期実現に向けて、全力で取り組んでまいります。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 今、土木部長に進め方について答弁をいただきました。 この秋には、客観的かつ専門的な立場で助言をいただく有識者委員会を設置し、住民参加型の道路計画検討に着手し、ルート帯や道路構造についても検討を行うとのことでございます。ぜひ、早期実現に向けて、スピード感を持って作業を進めていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 また、アンケート調査等により地域や道路の解決すべき課題を住民と共有し、有料道路の活用を含めた事業手法の検討についても熊本市と連携して取り組むということでございます。 道路は、重要な社会のインフラの一つであり、この便益を複数世代にわたって受け続けていくという観点から、有料道路化が望ましいのではないかと、私は以前から考えています。有料道路化することにより、移動時間を短縮したい方は高規格道路を利用し、お急ぎでない方は一般道を利用することで、高規格道路の渋滞抑制につながり、また、高規格道路の利便性も向上します。 さらに、大規模災害発生時には、高規格道路を使用するのは緊急車両のみとするなど、危機管理上の有効利用も視野に入れますと、熊本都市圏の防災機能を高めることにもつながり、ぜひ、有料道路化について、関係者間でしっかり議論を重ねていただくようにお願いします。 また、熊本都市圏連絡道路に加えて、中九州横断道路についても早期の整備が必要であると考えています。 特に、大分から熊本北インターチェンジまでの全線の開通と熊本北インターチェンジから下硯川インターチェンジまでの都市計画決定及び事業化を一日も早く進め、中九州横断道路全線の早期完成を期すよう要望いたします。 さらに、西環状道路仮称砂原インターチェンジまでを完成させることにより、TSMCの進出及び半導体関連企業の本県集積に伴う熊本港の利用拡大を通じた海上輸送の積極的活用にも資することとなり、熊本の経済発展にもつながるものと考えますので、こちらについても早期完成を願っているところでございます。 続きまして、少子化対策強化に資する産科医師不足の解消策と周産期医療提供体制の充実策についてお尋ねいたします。 私は、日本の将来を考えたとき、宝である子供を産み育てることが、今後の繁栄、経済の発展、そして老後の安心できる社会保障制度の確立のため、大変重要政策であると考え、今まで結婚支援等少子化対策について質問を重ねてまいりました。 しかし、全国的に少子化傾向に歯止めがかからない状況が続いています。昭和56年の出生数は、全国で約157万人でしたが、令和4年の出生数は77万747人で、前年より4万875人減少しており、今年前半においても減少傾向が継続しているとのことで、令和5年においても、過去最低の出生数となることが見込まれています。 国としても、また、県としても、少子化対策に力を入れているところでありますが、産科に関しては、人吉・球磨地域中核病院である人吉医療センターが、2022年2月に産科を休止しています。 また、八代地域では、八代市にある熊本労災病院が、出産を取り扱う産科を2024年3月末で休止するとの報道があっています。熊本労災病院では、熊本大学病院からの医師派遣がなくなり、医師不足のため、後継の医師を探しているものの、現時点では見つかっておらず、常勤医師1人では産科を維持できないとのことです。 さらに、有明地域では、荒尾市民病院が、地域の医師の高齢化等の課題を背景に、周産期医療体制の維持や充実を目的として、荒尾市内の産科診療所と連携し、妊娠35週目以降の妊婦の健診や分娩を荒尾市民病院に一本化する取組が10月から始まります。 少子化対策の充実強化が求められる中で、県内の各地域で産科医師が不足している状況であり、人吉・球磨地域や八代地域においても、妊婦が安心して出産できる体制を整備するため、早急にかつ真剣に産科医師不足の解消策を検討するべきであると考えます。 県としては、地域周産期中核病院への支援等を早急に行い、周産期医療提供体制の強化を図ることが必要であると考えます。 また、併せて、周産期医療に必要な人材育成等を積極的に進め、質の高い周産期医療を提供することが求められます。 これまでも、県として必要な対応はされていますが、現実には、そもそもの産科医師不足が原因で、改善の見通しが立たないようです。 産科医師不足の中、阿蘇地域、人吉・球磨地域に続いて、来春以降は、八代地域においても、地域周産期中核病院がなくなるという厳しい状況に対し、これを打破するための強力な施策が今こそ必要なのではないでしょうか。 今後、出産期を迎える方々や今から子供を計画的に産み育てようと考えている若い夫婦の方々が、それぞれの地域において、安全で安心して出産できる体制を整備することは、少子化対策の観点からも大変重要な取組です。 また、公的医療機関のみならず、産科クリニックについても、阿蘇郡市、山鹿市においてはゼロという状況です。人吉・球磨地域阿蘇地域から熊本市内まで車で約1時間半以上かかるため、緊急を要するような出産の場合に、その対応が間に合わない危機的な状況が発生する可能性も否定できません。今後、何らかの形で解決策を検討すべきです。 このような状況下では、これから出産を考えている人や若い夫婦が出産を控える可能性もあり、ますます少子化が加速化することになるのではないかと懸念されるところです。 全国的な少子化傾向の中で、県としても、産科医師不足を解消するために、産科医師に対する補助拡充や医学部学生医療従事者に対する啓発等、一層の取組が求められると考えます。 少子化対策を強化するためにも、産科医師不足を解消し、併せて周産期医療提供体制の充実を図り、県内各地域において産科医師ゼロを解消することが望まれます。 出産を望む全ての人が、それぞれの地域で安心して子供を産み育てられる環境を整えるため、地域周産期中核病院の機能がない人吉・球磨地域阿蘇地域、山鹿地域、今後なくなる可能性のある八代地域、それぞれの地域に対する支援をお願いするところです。 少子化対策強化に資する産科医師不足の解消策と周産期医療提供体制の充実策について、今後どのように取り組まれていくのか、健康福祉部長にお尋ねいたします。  〔健康福祉部長沼川敦彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(沼川敦彦君) まず、産科医師不足の解消策に係る県の取組についてお答えします。 本県における医療施設で働く医師数を、人口10万人当たりで比較しますと、熊本市以外のほとんどの地域で全国平均を下回っており、地域における医師の確保は、大変厳しい状況にあります。 そのため、県では、これまで地域医療拠点病院等に対し、自治医科大学卒業医師修学資金貸与医師、熊本大学に設けた寄附講座医師の派遣を行ってきました。 こうした取組に加え、産科医療を担う医師の確保については、将来に向けた人材の確保、育成の観点から、専門研修において産科を選択する医師に対して支給される手当の一部を助成しており、昨年度は5人分を支給しました。 また、即戦力となる産科医師を確保する観点から、熊本大学が行う県外に勤務する医師の誘致活動に対して支援を行っております。 さらに、人材維持の観点から、産科医師に分娩手当を支給する医療機関に対して手当の一部を助成しています。 県としましては、こうした支援策を引き続き推進するとともに、産科医師の確保に向けた取組を強化してまいります。 次に、周産期医療提供体制の充実策についてお答えします。 産科医師や分娩施設などの医療資源が限られる中でも、質の高い周産期医療を提供していくことは重要です。 そのため、県では、ハイリスク妊産婦や新生児に対し高度な医療を提供する熊本大学病院熊本市民病院から成る総合周産期母子医療センターを中心に、それを支える地域周産期母子医療センター及び地域の周産期医療を担う中核病院による連携体制を構築しております。 また、地域の周産期医療を担う中核病院のない地域においては、平成21年度より、地域の産科等を担う医療機関と周産期母子医療センターとをつなぐ専用の携帯電話を配備し、母体や新生児の容体急変に即座に対応できる体制を確保しております。 さらに、今年度からは、くまもとメディカルネットワーク画像共有機能等を活用した母体のモニタリングシステムの導入に向けた準備を進めております。 これらの取組を通じて、産科医師の確保や周産期医療の充実に努め、安全、安心な周産期医療体制を維持してまいります。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 健康福祉部長より答弁をいただきました。 これまで、私は、結婚支援の充実による少子化対策等、質問を重ねてきました。 参考のため申しますと、出生後のハイリスク要因である低出生体重児、極低出生体重児の出生割合は、全国的平均から見て、それよりも高い状況で推移しているということで、そしてまた、産科医師偏在指標についても、全国平均12.8に対して、熊本県は8.2ということで、全国で最も低く、47位の医師少数都道府県とされており、産科医師が不足している現状に対して、その機能拠点化や、やっぱり集約化を図ることは、当面の対処策としてやむを得ないかもしれませんが、そもそも目指す姿として、今回質問させていただきましたとおり、県内のそれぞれの地域で、子供を安心して産み育てられるための環境を実現することが大事であろうと思います。 国や県がこれまで取り組んできた産科医師の確保について、効果があったかどうか冷静に検証した上で、足りないものも補って対策を立てていただきたいと思います。 今日のたしか産経新聞でしたかね、出産の費用について、東京で1人通常分娩で60万円、そして熊本では36万円しかかからないということで、他県と比較して出産費用が非常に安いと。これが全国で一番低いというのが、今日新聞に載っておりましたので、そこら辺の安い部分も影響しているのかなというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いします。 それと、今後またICTを使ったメディカルネットワークを利用した母体のモニタリング等の導入に向けても準備を進めていくということでございます。 今後、産科医師の確保や、また、周産期医療の充実に努めて、安心、安全な周産期医療体制を維持してまいるという答弁でしたので、ぜひよろしくお願いします。 続きまして、坪井川遊水地の管理及び利活用についてお尋ねいたします。 坪井川遊水地は、坪井川に隣接し、昭和55年8月に発生した水害を契機として、熊本市中心部及び坪井・壺川地区の水害防止を図るため、坪井川の治水対策として整備されたものと聞いています。 遊水地についての質問は、平成27年9月、平成30年11月の質問に続き、今回3回目になります。 1回目の質問では、この遊水地の周りの堤防を、地域の皆様が日頃ジョギングや遊歩道として、あるいは遊水地付近の高校生や中学生が通学路としてなど、たくさんの方々が利用されておられることを説明しました。 その上で、この堤防沿いの斜面にヨシ等の雑草が背丈以上に生い茂り、草むらから不審者の出没等もあるため、除草のお願いをしましたところ、迅速に対応いただき、草刈り、防草シート敷設等が現在でもなされており、大変感謝しているところでございます。 しかし、最近、治水のための遊水地であるにもかかわらず、遊水地の中心部のほか、全体的にも雑木が生い茂り、また、木にカズラが巻き付いたりと、年々雑草、雑木が大きくなっている状況です。 このままでは、遊水地が本来の目的である治水対策としての機能を果たせなくなるのではないかと心配しているところです。地域住民の方々からも、このことについて、様々な意見や要望をお聞きしています。 現在、遊水地の一部は、熊本市が借り上げて、運動公園として管理、利用しており、この公園は、休日になると駐車場も満車の状態で、若者や子供たちがたくさん集まり、親子が過ごす憩いの場として、また、必由館高校サッカー部練習場としても利用されております。 最近では、近くの竹山にイノシシの出没が増え、地域自治会も頭を悩ませておられます。 今後、この遊水地にイノシシや猿等が生息するようなことになれば、利用者への被害発生等、大変な事態になります。そういったことが起こらないよう、早急な対策が必要ではないかと考えます。 雑木を伐採するとしたら、大変手間がかかり、面積もかなり広大であるため、費用も相当かかるかと思われます。 しかし、このままの状態を放置しておくと、荒れ地が増え、後で手がつけられなくなると思います。何らかの形で整備していただかなければと考えているところです。 整備方法としては、伐採または野焼きの二通りしかないと思います。伐採をするとしたら、湿地帯で足場も悪く、費用と手間がかかります。野焼きは、草が枯れた頃に焼くと、費用と手間はあまりかかりませんが、近所からの苦情が出る可能性があり、地域住民の理解を得るためにも十分な説明が必要になるかと思います。 しかし、野焼きの後の状態は、自然と木が枯れ、春は草の芽生えでとてもきれいになります。野焼きの後の利活用が円滑にできるよう、できるだけ緑地を整備し、地域住民が自由に使える運動場の設置や家庭菜園として利用すれば、その後の管理もしやすく、荒れることも少なくなるのではないかと考えます。 また、このような地域のメリットを地域の方々に十分に説明することで、野焼きに対する理解や協力も得られるものと思います。 利活用計画の中で、自然環境保全ゾーンと自然との触れ合いゾーンがありますが、保全ゾーンの中で見直し等も含め、今後の坪井川遊水地の管理及び利活用の方法について、県としてどのように取り組んでいかれるのか、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長亀崎直隆君登壇〕 ◎土木部長(亀崎直隆君) 坪井川遊水地は、下流の熊本市街地の浸水被害を軽減することを目的に、豪雨出水時の洪水を一時的に貯留する総面積約56ヘクタールの洪水調節施設として、平成9年度に完成しました。 この遊水地には、熊本市が都市公園を設置しているゾーンのほかに、自然環境をできるだけ保全するゾーンと、自然環境をできるだけ保全しつつ、自然と触れ合うための整備を行うゾーンを設定し、遊水地本来の洪水調節機能を発揮しながら、自然環境の保全にも配慮した利活用に取り組んできたところでございます。 これまでも、著しい土砂堆積がないかなど、日常の巡視や点検、管理を行っておりますが、完成後25年ほどが経過し、都市公園として利活用されているゾーンを除いて、雑木等が広く繁茂する状況が見られます。 そこで、まず年内に、雑木等の繁茂の状況について、より詳細な測量調査を行うこととしております。その測量の調査結果に基づき、治水機能を保持していくための適切な対応方法を検討し、必要な対策を実施してまいりたいと考えております。 また、遊水地の有効かつ効率的な利活用の在り方につきましても、ゾーニングの見直し等も含め、検討していくことが必要と考えております。その検討に当たりましては、この遊水地が、より多くの地域の皆様に親しまれる存在となるよう、熊本市や地域住民とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。 今後とも、坪井川遊水地について、治水の機能を保持していくことを前提に、自然環境の保全にも配慮しつつ、持続可能な管理及び利活用に向けて、しっかりと取り組んでまいります。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 遊水地の管理について答弁をいただきました。 年内に雑木等の状況、洪水調節機能に影響を与える要因になっていないか、調査をしっかりとやっていただくということでございます。どうぞよろしくお願いします。 調査の結果、適切な対応、方法を検討し、対策を実施するということで、また、利活用とゾーンの見直し等も含め検討が必要であるということも答弁いただきました。 地域住民に親しまれる存在となるよう、そして本来の遊水地機能が十分発揮できるよう、そして管理及び利活用を検討いただくということで、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。 続きまして、食料自給率向上に向けた生産振興と地域営農組織の育成についてお尋ねいたします。 令和4年2月24日から、ロシアの一方的ウクライナ侵攻による影響を受け、世界の食料不足に伴う食料価格高騰で、世界の食料安全保障が危ぶまれる中、日本においても、食料自給率を向上させなければならないのではないかとの声があり、常日頃私も食料自給率を上げるべきと考えている一人でございます。 現在、日本の農業者は、平均年齢68.4歳であり、高齢化が著しく進み、生産基盤が弱体化し、2022年の食料自給率は、カロリーベースで38%と、極めて低い水準にあります。 一方、他国の食料自給率は、直近の2020年で、カナダ221%、オーストラリア173%、フランス117%、米国115%、ドイツ84%、英国54%と、先進各国においては、非常に高い水準を維持している状況です。 1965年当時の食料自給率では、日本は73%、英国で45%、ドイツ66%であり、その後現在に至るまで、他国の食料自給率は上がり、反対に我が国では、当時の半分にまで減少している状況です。 また、さらに日本においては、化学肥料や種子の多くを海外に依存しているため、一部の専門家からは、日本の食料自給率は、実質的に10%程度しかないという指摘もあるところです。 このような状況の中、食料安全保障という観点から考えますと、自国生産にもっと力を入れるべきであると考えます。特に、主食の米や麦、大豆等の生産拡大とその種子の安定生産が必要であることは言うまでもありません。 国では、平時からの国民一人一人の食料安全保障の確立など、食料・農業・農村基本法の見直しを検討している段階であると聞いています。厳しい農業環境の中にあっても、後継者育成を進め、若い世代が将来に希望を持てるような農業政策を国にはお示しいただければ幸いに存じます。 食料生産の一翼を担う熊本県においては、2015年から2020年の5年間で、基幹的農業従事者が1万3,382人減少し、5万1,827人となりました。 今後、食料安全保障の観点から食料自給率を上げる必要性が高まる中にありながら、基幹的農業従事者全体に占める年齢65歳以上の割合は61.4%まで増加し、高齢化が進んでいます。 熊本県としては、米や麦などの土地利用型農業の担い手育成のため、地域営農組織の確保、育成に力を入れておられることは十分承知しておりますが、稼げる農業に加え、食料の安全保障に向けては、これらの組織が着実に営農が継続できる対策が必要であると考えています。 日本の食料自給率向上の一翼を担う県の立場として、土地利用型作物の今後の生産振興や地域営農組織の確保、育成について、どのように取り組んでいかれるのか、農林水産部長にお尋ねいたします。  〔農林水産部長千田真寿君登壇〕 ◎農林水産部長(千田真寿君) まず、米、麦、大豆などの土地利用型作物の生産振興については、需要に応じた生産とそれを下支えする種子の安定供給の2点が重要なテーマであると考えています。 1点目の需要に応じた生産では、米については、需給のバランスが取れた計画的な生産が行われている一方、麦、大豆については、国産需要の高まりに十分対応できず、生産の拡大が課題となっています。 そこで、県では、麦について、作付拡大に必要な機械導入と品質向上につながる排水対策を支援しています。さらに、大豆において、産地を増やす足がかりとなる乾燥調製設備の導入を支援するための予算を今定例会に提案しています。 また、小麦の製粉業者や大豆の加工メーカーなどの実需者との協議を定期的に行い、品種や生産量等のニーズを把握し、県産小麦、大豆の利用の拡大も進めています。 具体的には、製粉業者による県産小麦を使った商品開発の支援、加工メーカーと連携した豆腐、納豆に適した大豆品種の検討などを行っています。 2点目の種子の安定供給については、令和元年度に熊本県主要農作物種子の生産及び供給に関する条例を制定し、将来にわたって米、麦、大豆の優良な種子の安定的な生産と供給を確保することとしており、現在、必要量のほぼ全量を県内産で賄うことができています。 なお、生産資材高騰の影響を受けている種子農家が低コストで生産できるよう、機械導入に対する支援のための予算を今定例会に提案しています。 次に、地域営農組織の確保、育成についてです。 県では、これまで、国の事業も活用しながら、地域営農組織の設立や法人化に力を入れて取り組んでまいりました。 その結果、法人化した地域営農組織は、令和3年度までの約10年間で、34法人から141法人と大幅に増加し、経営規模が100ヘクタール以上の法人も8組織設立されるなど、土地利用型作物の生産振興を担う基盤が整ってまいりました。 一方で、昨年度、地域営農組織を対象として行った調査において、構成員の高齢化や資材価格の高騰などを背景に、後継者の確保や財務基盤の強化等が営農継続上の課題として挙げられました。このことも踏まえ、今後の組織を担う人材の確保、育成や経営の安定向上に向けた支援に取り組んでいます。 具体的には、人材の確保、育成に関して、県立農業大学校と地域営農組織が連携し、土地利用型の大規模法人への就農を希望する学生の現場研修や、JA中央会との連携により、組織内リーダーの育成研修などを開催しています。 また、経営の安定向上については、各広域本部、地域振興局の農業普及・振興課が中心となり、地域営農組織の経営状況を分析し改善策を検討する相談会や高収益作物の導入に向けた試験栽培等に取り組んでいます。さらに、スマート農業の導入といった各組織共通の課題に対応した研修会を開催するなど、地域営農組織の抱える課題に丁寧に対応し、着実に営農継続できるよう支援しています。 県としては、食料安全保障において、農業産出額全国5位の食料供給県である本県の役割は大きいと認識しており、今後も、土地利用型作物の生産振興と地域営農組織の確保、育成について、しっかりと支援してまいります。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 農林水産部長に答弁をいただきました。 麦、大豆の国産需要の高まりに十分対応できず、生産の拡大が課題となっているという中で、麦については、作付拡大に必要な機械導入と品質向上につながる排水対策に支援、大豆については、産地を増やすための乾燥調製設備の導入を支援する予算を今定例会に提案しているということでございます。 また、ニーズの把握のために、需要拡大を進め、製粉業者による県産小麦を使った商品開発、販売促進等の活動の支援、加工メーカーと連携した豆腐、納豆に適した大豆品種の検討などを行っていくということでございます。 種子の生産体制維持のため、また、生産資材高騰を受けている種子農家の機械導入に対しても、補正予算を今定例会に出してあるということです。 また、人材育成については、今後、大規模法人への就農を希望する学生の現場研修や、組織内リーダーの育成研修を開催しており、食料安全保障において、農業県熊本の役割は大きいので、今後も、土地利用型作物の生産振興と地域営農組織の確保、育成にしっかりと支援していくとの答弁をいただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。 続きまして、コロナ禍後の中小企業、小規模企業に対する経営支援についてお尋ねいたします。 新型コロナウイルス感染症につきましては、終息したわけではありませんが、感染症法上の位置づけが、今年5月、2類から5類に変更となりました。夏祭りや通常の行事等もコロナ禍以前の状況に戻りつつあります。人の動きも増え、経済も回復の兆しが見えつつあります。しかしながら、小規模企業や中小企業、業種では飲食業等におきましては、まだまだ厳しい経営を強いられている方々も多数おられるようです。 コロナ禍で実施されたいわゆるゼロゼロ融資について、企業から金融機関への融資額の返済が本格化しておりますが、全国的には、既に返済に窮しての企業倒産が大変多く発生しているとの報道もあっているところでございます。 本県におきましても、他県よりは少ない倒産ですが、昨年と比較して企業倒産が増えているようでございます。 これまでに多くの中小零細企業等が経済対策としての融資を受けてきましたが、今後の返済が円滑になされるよう、各企業に対する資金計画への支援や助言等、企業倒産の続発を抑制するため、今まで以上に、よりきめの細かい支援が必要になっていくのではないでしょうか。 特に、コロナ禍において発生したロシアのウクライナ侵略に伴い、資材、原材料費等の物価高騰による倒産危機や円高による大幅な利益減等、大変厳しい状況に追い込まれておられる事業者は多いのではないかと容易に推測されます。 私は、平成29年12月の一般質問の場において、事業承継支援及び創業支援について、また、稼げる中小企業の創出に向けた取組についてお尋ねをしました。 さらに、令和元年9月の一般質問の場においても、中小企業、小規模企業の事業承継問題に関連して、事業者の廃業を防ぐために、また、後継者の育成のために、県としてどのような対策を行っておられるのかをお尋ねしました。 その際、県からは、経営指導員等、具体的には、令和元年度から設置された特任経営指導員を指し、中心的な役割を果たすものと考えていますが、事業者に寄り添いながら支援を行っていくとの答弁をいただきました。 県内におけるコロナ禍後の事業者の事業継続を支援し、県内経済の回復が順調に進むよう、また、喫緊の課題である事業承継の問題に対する対応を含め、特任経営指導員の果たすべき役割が大きいものと考えます。 特任経営指導員については、事業承継を行った方からは、事業承継に向けての書類の確認など、細かいところまで親身になったサポートをしていただき、スムーズに事業承継ができたという声や、地元の商工会からは、特任経営指導員による定期的な研修等を通じ、会員のスキルアップにつながっており、会員数も増加するなど、組織強化にもつながっているとの声も聞いており、現在、商工会の活動に不可欠な存在となっています。 特に、地域におきましては、中小企業者の廃業、休業等は、地域の弱体につながることが懸念され、事業継続や適切な事業承継によって、地域経済や雇用の維持を図る必要があります。 特任経営指導員については、熊本地震からの復旧といった課題対応の役割を担い、熊本地震復興基金を財源としていることから、令和5年度が当初計画で設置の最終年度と伺っています。 熊本県においては、中小企業、小規模企業で働く人がほとんどです。事業継承を促進し、地域経済を活性化させることにより、地域の雇用を支えるという重要な役割を担う特任経営指導員の設置継続は、中小企業支援の根幹をなすものとして、私は必要不可欠であると考えます。 コロナ禍の対応を含め、これまでの特任経営指導員による取組の成果と令和6年度以降の特任経営指導員の設置継続について、商工労働部長にお尋ねいたします。  〔商工労働部長三輪孝之君登壇〕 ◎商工労働部長(三輪孝之君) 特任経営指導員については、グループ補助金等により被災事業者のハード面の復旧のめどが立ち始めたことから、令和元年度より、熊本地震からの復興期における事業経営の維持強化のための支援を重点化するため、商工団体における専門性の高い経営指導員の配置拡充を支援することとしたものでございます。 具体的には、県商工会連合会では、県内9つの広域単位で、県商工会議所では、熊本、八代の2か所に計13人を配置して、事業者の支援に取り組んでいます。 配置されて以降、特任経営指導員は、各地域の被災事業者の経営支援を行うとともに、熊本県復興経営サポートオフィスと連携しながら、事業者それぞれの課題に応じた様々な支援を展開してきました。 また、各地域での事業セミナーや日本政策金融公庫と連携した事業承継マッチング支援相談会の開催にも御活躍いただいており、市町村と連携して、事業者名を公表して後継者を募集する、いわゆるオープンネームでの事業承継支援の取組は、成約事例がマスコミにも大きく取り上げられるなど、着実に成果を上げています。 コロナ禍において、幅広い業種の事業継続につながった事業復活おうえん給付金について、3万件を超える膨大な申請を迅速かつ的確に処理することができたのは、給付事務の業務を担った特任経営指導員の存在が大変大きかったものと考えています。 このように、特任経営指導員の活動は、熊本地震からの復興期における事業者の支援として、コロナ禍における緊急的な対応も含め、十分な成果をもたらしたものと高く評価しております。 次年度以降については、県内事業者を取り巻く環境変化を念頭に、今後の商工団体における事業者支援の在り方の議論の中で、これまでの特任経営指導員の実績も踏まえながら、総合的に検討したいと考えています。  〔松村秀逸君登壇〕 ◆(松村秀逸君) 商工労働部長から答弁をいただきまして、来年廃止予定の特任経営指導員の成果と継続についてお尋ねしたわけでございますけれども、非常に地震の後の特別なあれで、特に事業承継等もマスコミに取り上げられるような成果が上がったということでございます。 そしてまた、そういう中で、コロナ禍の後、今非常に企業の方々は苦しい状況でございます。この復活支援等にも対応していただいて、この特任経営指導員の役割は大変大きかったのではないかというふうに思います。そういう意味で、今後、ぜひまた引き続きお願いしたいと思います。 特に、地域経済の維持にとって欠かせない取組の一つである事業承継というのは――地域の商店街がシャッター街になってしまったり、また、空き家店舗が増えたりすることは、地域経済の活性化に大変水を差すものでありますので、特任経営指導員のこれまでの成果をしっかりしていただき、また、商工団体と事業者支援の在り方を議論して、また検討するということでございます。 ぜひ、来年度も、この特任経営指導員の人数が13名ということでございますけれども、予算等の都合もあれば、調整はあってもいいんですが、できるだけ残していただくようよろしくお願い申し上げます。 次に、要望として1つ、2024年問題に伴う農産物輸送の遅延、遅配等に対する懸念解消及び農業者の収益減対策について要望をさせていただきます。 これについては、自民党代表質問でも山口先生がしていただきましたけれども、少し私からもお願いしたいと。 トラック運転手の時間外労働の上限規制に伴ういわゆる物流における2024年問題については、様々な業界への影響が懸念されていますが、特にその影響を大きく受けるのは、農産物の輸送分野ではないかと考えられます。 特に、農業県である本県におきましては、これまで、東京や関東以北の大消費地に農産物輸送が円滑に行われていたため、県内の農産物生産者は、東京圏等の消費者の旺盛な購買意欲に支えられて農家所得を維持してきた面があります。 今後、東京圏等の大消費地への農産物の輸送について、遅延、遅配等が頻発するようなことが生じますと、本県の農産物は貴重な販路を失うことになり、生産者の所得にも大打撃となることが懸念されます。 また、運送業における担い手不足や運送経費の高騰等により、農産物の輸送コストが上昇した場合には、運送を依頼する荷主がコスト上昇分を負担することとなると思われます。 物流における2024年問題を引き金とし、燃油や生産資材の高騰で農業経営が厳しい中、農産物の輸送コストが高騰し、ひいては農家所得が大幅に減少するようなことになると、現状でも農家の廃業が続き、後継者が減少している中にあって、さらに担い手不足等の問題がますます深刻化し、県内の農業生産力そのものが落ち込むことになりかねません。 食料安全保障という観点からも、稼げる農業を実現し、農業の担い手確保を着実に進めていくことは時代の要請であり、物流における2024年問題を克服するための各種施策の実行を今以上に加速化していく必要があると考えます。 2024年問題は、まさに目前に迫った危機であります。 熊本の農業が物流における2024年問題を乗り越え、今後も発展していくことを切に願う者として、県産の農産物輸送に支障がないよう対応し、県内農家の農業経営が維持、確保されるよう取り組まれることを強く要望いたします。よろしくお願いします。 以上で私の質問は終わります。 3期目初めての質問でございましたけれども、何か大変緊張しておりました。やっとこれで終わりました。 皆さん、御清聴、誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。(拍手) ○議長(渕上陽一君) この際、5分間休憩いたします。  午前10時57分休憩    ――――――○――――――  午前11時7分開議 ○議長(渕上陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 亀田英雄君。  〔亀田英雄君登壇〕(拍手) ◆(亀田英雄君) 皆さん、こんにちは。八代市・郡区選出・無所属の亀田です。県議会議員になって初めての一般質問をいたします。ふだんは八代弁しかしゃべりませんが、今日は、星野君に分かるように、極力落て着いて日本語でしゃべりたいと思いますので、よろしくお付き合いをお願いいたします。 出身は、八代市の坂本町で、令和2年7月には、これまでにない豪雨災害を経験し、球磨川流域は壊滅的とも言える被害を受けました。現在、様々な方面からの支援を受けながら、災害からの復旧・復興工事が行われています。 どのような厳しい天候にも昼夜をたがわず継続して工事を実施していただき、すばらしいスピードで復旧、復興が果たされることに対しまして、心からお礼を申し上げます。 また、荒瀬ダム撤去問題では、蒲島知事をはじめ、県議会の皆様には大変お世話になりました。御理解をいただきました。ダム撤去後のまちづくりが進められていた中であの災害でしたので、何とも残念な思いがあります。 県議会での質問登壇は、これまでとは勝手も違いますし、これまでにない緊張感であります。 前期までのことはよく分かりませんし、これまで登壇された方の質問と重なるところもあります。物すごくローカルな話もいたしますし、皆さんに分からない話もあるかと思いますが、私なりに多くの住民の声を届けたいという気持ちからの質問でございますので、寛大な心で御理解いただきますようお願いを申し上げ、質問に入らさせていただきます。 それではまず、大項目1の県南の振興について質問いたします。 熊本県の均衡ある発展は、従来知事へ課せられた命題であると考えます。それでも県南に住む者からすれば、県北は優位であり、県南地域は県北の勢いに遠く及んでいないように思えて仕方がありませんし、そのことは、私だけの感覚だけではなく、多くの方の率直な意見、感覚であると思っています。 そこへ来て今回の台湾からの企業進出です。ますます県北は発展し、その格差は増大していくように思います。 TSMCの進出によるよい効果を県全体へ広げるとの言葉を聞くようになりましたが、このことも、格差があることを裏づけているようでもあります。 広大な熊本県を単純に県北と県南と一くくりにして話をしますが、県南地域に住む私どもにしてみれば、やきもきする話でもあります。 そこで質問です。 蒲島知事は、県南の状況についてどのように考え、その在り方についてどのように思われているのか、知事は、県南をどのような地域にされたいのか、知事が思う県南の理想像というものはどのようなものなのか、その思いをお尋ねいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 県南地域には、県内有数の温泉や酒蔵、不知火海や球磨川などの豊かな自然を生かした数多くの観光資源があり、地方創生をさらに進めていくための十分なポテンシャルがあると認識しています。 特に、地域の中核を担う八代市には、九州の各都市を結ぶ幹線道路、また、高速道路インター、首都圏や関西圏とつながる新幹線停車駅、さらにはアジアとの交流拠点となる八代港を有するなど、県内、国内外への交通の要衝となっています。 私は、県全体の発展には、県南地域の振興が不可欠と考え、知事就任以来、様々な取組を推進してまいりました。 具体的には、食を通じて地域活性化を図る県南フードバレー構想推進の拠点として、フードバレーアグリビジネスセンターを八代市に整備し、地域の農産品を使った多くの新商品を開発してきました。また、八代港の機能強化と新規航路誘致の取組を進めた結果、国際クルーズ船の就航や台湾航路のさらなる利用促進が図られてきました。 さらに、八代市においても、新八代駅周辺の開発や新たな工業団地整備などを進め、県南地域の浮揚に向けたリーダーシップを取っていくとされています。 県としても、市町村の現状や課題、さらには発展に向けた方向性を共有し、今後もしっかりと連携、支援していきたいと考えています。 また、県南地域を襲った未曽有の災害である令和2年7月豪雨災害は、過疎化、人口減少に苦しむ球磨川流域に激甚な被害を与えました。 私は、単に復旧を目指すのではなく、豪雨災害からの復興を地域の再生、発展につなげていかなければならないと考えています。 そのためには、私は、新たな復興の理念の下、地域の皆様とともに、心を一つにして、復旧、復興に取り組んでいく必要があると考えました。その新たな復興の理念が緑の流域治水であります。 緑の流域治水は、球磨川流域の新たな治水の方向性であるとともに、同時に、球磨川流域の豊かな恵みを享受し、将来にわたって持続可能な地域の再生、発展を目指すものであります。 引き続き、緑の流域治水の理念の下、球磨川流域の創造的復興を成し遂げることで、県南地域全体の発展につなげていきたいと考えています。  〔亀田英雄君登壇〕 ◆(亀田英雄君) 知事から御丁寧に答弁をいただきました。 私が県議会議員になって何を尋ねたいかと思ったときに、やはりこのことが、知事は県南をどうされたいのかということが一番に尋ねたかったものですから、何となく、やっと私の思いがかなったような気がいたします。 県南、県北といっても広大で、様々な地域性もある中で、丁寧に答えていただいたというふうに思います。 県南地域のポテンシャルを認識いただき、交通の要衝である八代市とこれまでの取組を進め、今後とも連携を進めたい、緑の治水という理念を持って、持続可能な地域の再生を図りたい、県南地域全体の発展につなげていきたいということであったろうかというふうに思います。 私は、知事が県南をどのようにされたいのか、荒瀬ダム撤去を決断された知事の心のひだ、胸のうちをもう少しのぞいてみたい気持ちもあったのですが、そのような気持ちから知事が思う県南の理想像と通告したのですが、県全体の発展には、県南地域の振興が不可欠、復興を地域の再生、発展につなげていかなければならないと改めて述べていただきましたので、ひとまず了としたいと思います。 今後、このことをもって様々にお話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 今議会でもTSMCの進出に関して様々質問がありましたが、TSMC進出がもたらす効果とは、最近よく聞く言葉です。と同時に、それはどのようなものなんですかという話も多く聞きます。漠然として分からないということです。 TSMCの進出がもたらす効果について、県としてどのようなことを想定されているのか、具体的に御説明ください。また、そのことによって、県南地域の活性化にどのような影響があると予想されているのか、商工労働部長にお尋ねをいたします。  〔商工労働部長三輪孝之君登壇〕
    商工労働部長(三輪孝之君) まず、TSMC進出がもたらす効果についてお答えします。 現在菊陽町で建設中の新工場に対する投資金額は約1兆円と、県内でも過去最大の大型投資です。その効果は、新工場への直接投資にとどまらず、関連企業の新たな投資を呼び込むことで、企業間の取引拡大や雇用の創出、県内の空港や港の利用促進、さらには交流人口の拡大など、様々な分野に及びます。 既に、TSMC進出決定以降、半導体関連企業の新設、増設に伴う立地協定件数は32件、物流関係も3件に上っており、この中には、株式会社テラプローブの増設など、県南への投資も含まれています。 このような新たな投資により、企業間の取引の活性化による売上げの増額や材料、製品の搬送の増加に伴う物流の促進などが見込まれ、さらなる経済波及効果が期待されます。 また、新たな雇用が創出され、県内の大学、高校の新卒者の県内就職率の向上や働く世代の移住、定住などにもつながります。 このほか、地方自治体における固定資産税などの税収増も期待されるとともに、ビジネス客や観光客などの交流人口拡大による旅館、ホテル業や飲食業への影響も大きいものと考えています。 次に、県南地域の活性化における影響についてお答えします。 JASM新工場は、まだ稼働しておらず、現時点では波及効果は限定的ですが、半導体は裾野の広い産業であり、保守、メンテナンス、物流、倉庫など、様々な業種の企業が関係することから、将来的には、県南地域も含む県内各地の企業に影響が及ぶものと考えています。 県南の中心である八代市においては、交通結節点としてのインフラの強みを生かし、新たな工業団地の整備の検討を開始され、地域経済の活性化につなげる意向を示されました。 特に、八代港における台湾航路については、半導体製造に用いる化学品や設備等の輸入が見込まれることから、8月からは、1便で往路と復路の2回寄港するダブルコールが再開されました。 また、台湾の桃園空港と阿蘇くまもと空港を結ぶ定期便の就航の影響もあり、多くの台湾の方々が人吉・球磨地域や天草地域などの観光地を訪問する新たなツアーを企画する動きが出ていると伺っています。 八代市は、平成30年に台湾の基隆市と友好交流協定を結ばれていますが、先週、人吉球磨観光地域づくり協議会が、高雄市などの観光団体、台湾高雄観光圏と観光発展及び地域活性化に関する包括連携協定を締結されるなど、交流の輪が広がる動きも注目されています。 県南地域を含む県内全域にTSMCの波及効果を高めることは、県政の重要な課題であり、今定例会の地域活力創生特別委員会でも御審議いただきますが、県としては、県南地域の皆様の思いをしっかりと受け止め、市町村や商工団体ともこれまで以上に連携して、地域活性化に全力を挙げて取り組んでまいります。  〔亀田英雄君登壇〕 ◆(亀田英雄君) TSMCのよい効果ということについて伺いました。 御丁寧に詳細にお話しいただいたものと思っています。改めての話ですので、そがんとは分かっとるどという声も聞こえてきそうですが、改めて議会という場できちんと整理をして話をしていただきました。 関連企業の新たな投資など、様々な分野へのもたらす効果を期待され、県南地域の企業にも大きな波及効果を予想され、少しずつ動き出しているようです。 私も、皆さんと同じように、今回の進出は、新たな人流によって経済効果が高められるまたとない千載一遇のチャンスであると思っていますし、大いに期待したいところです。 県として、そのような整理をして何かを期待しているのであれば、それをかなえるために、何か動かさなければいけないというふうに思います。 他県では様々な施設の整備が行われていて、特に、近くの佐賀県では、SAGAアリーナが完成し、このアリーナは、文化会館と合わせると1万人規模でのMICEの開催が可能になっています。 この規模でないと採算の取れるイベントが打てない、国際的な会議は招けない、集客能力のある芸能人などは呼べないと聞き及んでいます。 そのためには、各自治体の取組を県が応援するというスタンスではなくて、県による主体的な仕掛けが絶対必要だと思います。 これは私個人の思いなんですが、八代市が進めようとしているコンベンションホールについても、県として協力、協働できないかとも思います。せっかく建設するのですから、県も協働していただき、よりよいものを造ってもらえないか、県南へしっかりとした見える形で人を呼び込む導線をつくっていただけないかということです。 そのことが、天草シーラインを後押しし、肥薩線復活への呼び水になり、県南における横軸が形成されていくのではないでしょうか。また、クルーズ船の増大、インバウンドのさらなる呼び水になるのではないかと考えています。 先日は、施設の建設を村上選手も期待しているという知事のスピーチがありましたが、県南に住む多くの人も知事に期待しています。 先日の文化協会との懇話会の中で、箱物は人を元気づけるというお話もありました。知事におかれましては、先日の本田議員への答弁は、どうか、どうか考え直していただきたいと切にお願いをいたします。 また、違う視点で、前回の議会において、髙野議員から県南に大学誘致の話がありましたが、誘致がすぐには難しいようであれば、県立大学の県南移転はできないものかと、考えられないのかと提案をいたします。教育や文化で盛り上がれば、まさに創造的復興の旗印になるのではないかと期待をいたします。 観光、教育、文化と様々に言いましたが、知事が県南をどのようにリードされたいのかにかかっていると思います。 蒲島知事におかれましては、主体的な行動によって今回のチャンスを必ずつかまえて、県民の期待に、特に県南の住民の期待に応えていただきますよう強く要望しまして、この項を終わります。 大項目の2、令和2年7月豪雨災害からの復旧、復興について伺います。 あの豪雨災害の発生から丸3年がたちました。今思い出しても最悪の記憶であり、夢であったらどんなによいかと思うばかりです。 それまでは、球磨川の増水は年中行事みたいなもので、つからないと梅雨は明けないと当たり前のように思っていました。 そのような中でも、毎年至るところで防災工事が行われ、もう生活を脅かすようなことはないだろうと思えるように整備された中でのことでしたので、第一報の坂本支所前を流れる濁流の映像は、まさかという思いでしかなく、ヘリコプターで知人が助けられている模様も、災害を伝える映像も、まるでどこかほかの地域のニュースではないかと、人ごとのように見ていました。 そんな絶望的で計り知れない未曽有の災害も、関係する全ての皆さんのおかげで着々と復旧しています。 そのような工事の進捗がある一方で、地域の人口減少の現実ということから目を離すことができません。工事のスピードを上回るように人口が減り、急速に過疎化が進んでいると思っています。 先日の新聞報道は、球磨村を取り上げていて、見出しには「遠い復旧 やまぬ離村」とありました。 記事には「子育て世代の離村も相次ぐ」として、子育て世代のこれほどまでの流出は思っていなく「村にとって大きなダメージだ」と、松谷村長のコメントも紹介されています。 子育て世代の不安、悩みは坂本町も同じです。合併する前は一つの自治体であった町の小学校の入学生がいない。来年も厳しい見込みであり、このことは連鎖していくものと思われます。 ちなみに、八代市のホームページによりますと、坂本町の17歳までの子供たちの数は、令和2年3月末に181人、令和5年の3月末には88人で、現在の数より減った数のほうが多く、減少率は51%となっています。これは物すごい数字です。あと数年後には地域に子供がいるのだろうかという心配しかありません。 さらに、坂本町には、関係者の努力はあってはいますものの、地域に医者がいない、医療の確保ができていないという現実は、ここに住み続けるには将来に大きな不安があります。 さらに、地域の高齢化が進む現実に、何とかしてほしいとの声が強く寄せられています。 このような現実は、被災地において時計の針が早く進んだということで、近い将来の周辺過疎地域のどこにおいても発生する重大な課題ではないかと予想します。 知事は、五木村の振興は待ったなしと申され、五木村に20年間で総額100億円規模の財政支援の枠組みを示されました。英断であると高く評価をいたします。それでも待ったなしの状況は、五木村だけではありません。私の地元の坂本町でも待ったなしの状況です。 このような現実を踏まえ、被災地における著しい人口減少の認識を伺うとともに、子供の著しい減少、また、医療の確保ができていないという現実にどのように対応されていかれるのか、知事に伺います。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 令和2年7月豪雨は、球磨川流域を中心に、人口減少と高齢化が加速する地域を襲った未曽有の大災害でした。 豪雨災害直後の令和2年国勢調査において、球磨村では、村外の応急仮設住宅等への転出などを理由に、全国1位の人口減少率となり、八代市坂本町でも、球磨村同様、高い人口減少率となっています。 また、議員御指摘のとおり、17歳未満の子供の数も大幅に減少しており、地域の持続可能性が危ぶまれております。 豪雨災害を契機とした人口減少は今も進んでおり、私は、復旧、復興が遅れれば、今後の地域の存続が危ないのではないかという強い危機感を抱いています。 現在、被災地では、一日も早く安全、安心な地域を実現するため、宅地かさ上げや輪中堤の整備などが進められています。また、市町村において、新たな住まいの確保に向けて、高台への宅地造成や災害公営住宅の整備などの取組が懸命に進められています。 これらの復旧、復興の取組は、子供・子育て世帯が安全にかつ安心して子供を育てることができる環境の確保につながるものと考えています。 医療の確保については、町内2つの診療所が被災しました八代市坂本町において、現在、移動診療車を活用した巡回型オンライン診療や服薬指導、薬剤配送が、八代市による実証事業として行われています。 また、令和7年末の完成が目指されている新たな八代市坂本支所において、医療等活用スペースを設けることが検討されています。 県としましては、八代郡医師会等と連携しながら、坂本町における医療提供体制の維持と再構築の取組をしっかりと支えてまいります。 先日、私は、八代市坂本町の復興商店街にある鮎やなに伺いました。開店直後から、名物のアユを求めて来られた多くのお客様で、店内は活気にあふれていました。 私は、あそこでお客様や従業員の方々と直接触れ合い、地域のかけがえのない宝と復興を支える方々の御努力を肌で感じ、一日でも早く復旧、復興を成し遂げ、地域を再生していく決意を新たにいたしました。 県として、国や市町村、そして地域の皆様と一緒になって、引き続き、時間的緊迫性を持って、そしてスピード感を持って、被災地の復興を全力で進めてまいります。  〔亀田英雄君登壇〕 ◆(亀田英雄君) 知事からもありましたように、坂本町では持続可能なまちづくりができるのか、将来において大きな不安があります。子供たちの保護者も将来の不安と向き合いながら、何とか学校を存続させようという気持ちが強く、地域の財産を利用して特色のある教育をと、さらには、球磨村が取り組んでいる義務教育学校などの可能性なども様々発信しているのですが、どうも対策が見えてきません。保護者も坂本が好きで、地元の学校に出したい思いがあり、そこに住み続けたいのに、違う選択をせざるを得ない現実があります。 医療の確保にしてもしかりです。医療を地域に確実に担保していただくことを強く要望します。 坂本町では、関係者に様々努力をいただいていますものの、確実な対策が確実な情報として見えてこないことに不安があります。今は、知事の力強い言葉、新たな決意を伺いましたので、それにすがりたいというふうに思います。 最後に、もう1つ、国道の通行止めについて何かの配慮をいただきたいと要望いたします。 知事もアユを食べに行かれたということで、皆を励ましてもらいました。それでも地域内で営業される店舗は死活問題であります。何とかして土日の通行止めの解除ぐらいできないものか、協議を願えませんでしょうか。何とぞよろしくお願いをいたします。 県内には様々な課題が山積していますが、知事には被災地の課題も認識していただきましたし、力強い言葉もいただきました。最大の支援をいただきますようお願いしまして、この項を終わります。 議会初日、知事から、令和2年7月豪雨災害への対応について説明がありましたが、引き続き、被災者一人一人に寄り添いながら、関係者と連携し、住まいの再建が実現できるように全力で取り組んでいくこと、緑の流域治水の取組への理解を醸成するため、球磨川流域の創造的復興に向けた取組を加速させていくとのお言葉をいただいたところです。 治水工事事業の着工式も行われており、工事は順調に段取りよく進められていく様子を伺ったわけですが、そこで質問をいたします。 直面する復旧・復興工事における具体的な課題はないのか、あるとすれば、課題に対する今後の対応、考え方について、球磨川流域復興局長にお尋ねをいたします。  〔球磨川流域復興局長府高隆君登壇〕 ◎球磨川流域復興局長(府高隆君) 令和2年7月豪雨により甚大な被害を受けた市町村は、一日も早い復旧、復興に向けて、懸命に取り組んでおられます。 この復旧、復興の前提となる緑の流域治水の取組は、ハード対策のみならず、ソフト対策も一体として進めることが重要です。 このため、住民の避難行動に関する取組や戸別受信機の配備など防災情報伝達手段の確保といった流域市町村等が実施するソフト対策について、球磨川水系防災・減災ソフト対策等交付金により積極的に支援しています。 さらに、緑の流域治水の取組の推進には、流域住民の皆様の御理解、御協力が必要不可欠であり、そのためには、情報発信が非常に重要です。 現在、球磨川流域の地形や河川の特徴、緑の流域治水の取組内容などを分かりやすく伝える動画のユーチューブ配信や球磨川流域の小中学校、高校での出前授業の実施など、幅広かつ積極的な情報発信に取り組んでおります。 一方で、八代市坂本町や球磨村などが直面する災害を契機とした人口減少の加速化は、特に大きな課題であり、この人口減少に歯止めをかけるためにも、復旧、復興の歩みを一日も早く進める必要があると認識しております。 また、整備が進んでいる災害公営住宅等における住民同士のコミュニティー形成なども、これからの課題と思っております。 このため、県では、球磨川流域復興基金を活用し、住民イベントの開催など、地域コミュニティー形成に資する活動経費の助成について、新たにメニュー化しました。 今後も、市町村のニーズをきめ細かく酌み取り、迅速に対応してまいります。 先月から今月にかけて、宅地かさ上げ、輪中堤事業や遊水地事業、引き堤事業の着工式が各市町村で開催されました。これにより、地域の皆様に事業の進捗を広くお伝えし、復旧、復興に向けた安心感につながったと考えています。 引き続き、緑の流域治水の取組と地域の復旧、復興が確実に進むよう、国、流域市町村等としっかりと連携し、令和2年7月豪雨災害からの創造的復興に取り組んでまいります。  〔亀田英雄君登壇〕 ◆(亀田英雄君) 課題の認識について、多岐にわたって答弁をいただきました。 緑の流域治水には、住民の理解、協力が必要であり、情報発信が重要であるとありました。 住民側も、情報を伝える、聞く作業を始めていますが、いま一度の点検、努力をお願いしたい部分です。 さらには、再度人口減少の話が出てきました。とてつもなく大きな課題ですので、引き続きの迅速な取組を重ねてお願いいたします。 次の質問に移ります。 この豪雨災害のときは、八代市のサーバーがダウンしたこともあり、今思い出してもぞっとするような思い出です。それでも、最近では様々な改良がなされて、早め早めの対応がなされています。 そこで質問です。 熊本県は、防災センターを建設し、様々な災害に対して対応できるような防災体制を構築していますが、災害時に一人一人の命を守る令和2年7月豪雨災害を教訓としたより効果的な防災対策について、知事公室長にお尋ねをいたします。  〔知事公室長内田清之君登壇〕 ◎知事公室長(内田清之君) 令和2年7月豪雨を教訓とした防災対策についてお答えいたします。 県では、災害の教訓を踏まえ、自助、共助、公助それぞれにおいて、防災対策が講じられるよう取り組んでおります。 まず、自助の取組では、一人一人が災害から自分や家族の命を守り、逃げ遅れゼロを目指すこと、これを実現することが大切です。 このため、マイタイムラインの普及を進めております。7月豪雨後、ガイドブックを県内全世帯に配布し、SNSでの作成支援動画の公開等を通して、県民に対して広く普及を図っております。 また、教育現場では、ガイドブックを全中学生に配付するとともに、小中学校においてマイタイムラインを作成する防災モデル授業を昨年度から開始しております。今年度末までに40校で実施するなど、児童生徒を通じたマイタイムラインの普及促進を進めております。 さらに、お一人で作成が困難な方に対しましては、地域の自主防災組織で作成をサポートしていただけるよう、自主防災組織に対するマイタイムライン作成講座を市町村と連携して実施しております。これまで1,494組織が受講されています。 次に、共助の取組につきましては、地域ぐるみで命を守るため、マイタイムラインを活用した住民参加型避難訓練のほか、地域防災のリーダーとなる防災士の養成や地区防災計画の作成支援など、地域防災力の強化に向けた取組を進めております。 その結果、防災士は、7月豪雨前の2,813人から、令和5年8月時点では4,018人となっており、今年度も新たに200人を養成することといたしております。 また、地区防災計画の作成地区につきましては、7月豪雨で大きな被害を受けられました球磨川流域市町村においては、令和2年4月の9地区から令和5年8月時点で289地区に増加しております。 今後も、支援員の派遣やハザード情報を提供するなど、市町村と連携して計画作成を支援してまいります。 最後に、公助の取組です。 7月豪雨においては、通信網が遮断し、情報収集、発信に非常に支障が出たことから、行政機関相互の通信網を多重化するため、民間の光回線や防災行政無線に加え、令和7年度までに、新たな衛星通信システムを整備することとしております。 また、市町村では、避難等の情報を住民の皆様に確実に伝えていただくため、戸別受信機や防災ラジオの配備を進めていただいており、必要な世帯に対する配備が完了しております。 このほか、毎年度出水期までに、全市町村を対象とした豪雨対応訓練を実施しています。 これは、令和2年7月豪雨と同規模の大雨が降った場合の被害を想定し、警察や消防、自衛隊等の関係機関も参加する実践的訓練で、7月豪雨以降3巡目の訓練を終了したところでございます。各市町村の体制構築や迅速な避難所の開設、避難情報の発令など、災害対応力の強化が図られたところでございます。 県の新たな防災拠点であります防災センターにおきましては、熊本地方気象台の職員や県警、自衛隊の情報連絡員も、災害発生のおそれが出てきた段階から常駐いたしまして、最新の気象情報や救助部隊の状況などの情報をリアルタイムで共有し、災害対応に当たっております。 このように、今後も、自助、共助、公助における防災力の強化をしっかりと図ってまいります。  〔亀田英雄君登壇〕 ◆(亀田英雄君) 災害の教訓を踏まえ、自助、共助、公助の観点からそれぞれ伺いました。 新たなハードの整備、市町村の対応力の強化、熊本地方気象台職員や自衛隊の情報連絡員の登用など、以前より確立されたものがあると思います。 異常気象と言われる昨今では、線状降水帯が発生すると、必ずと言っていいほど災害が発生します。確実な防災対策、的確な防災情報の発信は、持続可能なまちづくりには欠かすことのできないものです。 正確な情報収集に、発信する指示の精度を上げることは、即人命に関わる話ですので、できるだけの、考えられるだけの高みを目指していただきますようお願い申し上げまして、この項を終わります。 次に、第3項目め、林業の振興について伺います。 今回の災害で改めて指摘されたのが、山林の荒廃ということです。 災害直後の住民自治協議会の調査においても、森林の手入れ不足を指摘する声が多くあり、災害は山から起きたとも言われました。 私自身、二十歳からこれまで林業に関わってきましたが、林業の変遷を目の当たりにしてきました。 一方、山の仕事のやり方も大きく変わりましたし、40年前は、木材の値段も今の倍ほどありましたし、林業で生計を立てる人も多くいました。四季折々の中で山の仕事が回っていましたが、今は高齢化して山に入る人は誰もいません。 このような現実の中で、県においても様々な取組を進められているようであります。 そこで質問です。 林業の活性化について、基本的な考え方を農林水産部長にお尋ねします。 続きまして、森林の持つ公益的機能の最大化について質問いたします。 森林の持つ公益的機能を最大化にするためには、森林が健全に保たれるための諸施策を強力に推進することが必要ではないかと思っていますが、このための基本的な考え方、施策などについて、農林水産部長にお尋ねをいたします。 次に、自伐型林業の推進については、令和4年6月議会において一般質問されており、木村副知事より現在の取組を紹介され、その活動の促進に向けて支援を行っていくとの答弁があっています。 先般は、山江村で自伐型林業の研修が行われました。少しずつ自伐型林業に意欲的に取り組まれる人も増えてきています。 そこで質問です。 県の自伐型林業に対する取組について、その後の展開も含めてお尋ねをいたします。 以上、一括して農林水産部長にお尋ねをいたします。  〔農林水産部長千田真寿君登壇〕 ◎農林水産部長(千田真寿君) まず、1点目の林業の活性化について、県の基本的な考え方をお答えします。 先人たちが築き上げてきた本県の民有林は、杉、ヒノキの約8割が利用期を迎えています。 県では、この森林資源の循環利用が、林業の活性化と健全な森づくりにつながり、SDGsの達成や2050年カーボンニュートラルの実現にも貢献するものと考えています。 このため、間伐や着実な再造林をはじめとした森林整備を推進するとともに、ICTなどの先進的な技術の導入により、林業、木材産業の生産性向上が図られるよう支援しています。 また、くまもと林業大学校を核に、長期・短期課程などの様々な研修を通じて、林業を支える人材の確保、育成にも取り組んでいます。 さらに、公共建築物の木造化、内装の木質化を進めるとともに、民間建築物に係る建築物木材利用促進協定制度を活用して、県産材の利用拡大を図るほか、木材輸出や木質バイオマスの分野でも、その利用を促進しています。 加えて、山村における就業の場の確保や林家の収入確保のため、シイタケやタケノコなどの特用林産物の生産量の拡大や品質向上にも取り組んでいます。 このほか、森林空間を健康、観光等の分野に活用する森林サービス産業の創出など、これまでにない新たな取組も始めています。 これらの施策の実施に当たっては、国の補助金や森林環境譲与税等を最大限活用するとともに、森林管理による二酸化炭素吸収量を国が認証するJ-クレジットによる民間資金の活用にも取り組んでいるところです。 今後も、これらの施策を総合的に推進し、森林資源を循環利用していくことで、森林の価値を高め、地域林業の活性化につなげてまいります。 次に、2点目の森林の有する公益的機能の最大化についてお答えします。 森林は、木材の生産のみならず、水資源の涵養、山地災害や地球温暖化の防止など、多面的な機能を有しています。 近年、県内の森林で皆伐が増加傾向にある中、再造林が行われない箇所や被災した作業道、鹿による食害などが散見されます。 県としては、このような課題に対応していくため、皆伐後の確実な再造林や下刈りを支援するとともに、県の林地保全に配慮した林業のガイドラインに基づき、安全な道づくりやケーブルクレーンによる木材搬出などを普及してまいります。 また、鹿による食害に対しては、林地の周囲への被害防止ネットの設置等の対策を講じるとともに、狩猟の規制緩和や市町村と連携した一斉捕獲等に取り組んでいます。 さらに、間伐等と併せて、治山施設の整備を通じ、森の防災力を高めることで、森林の有する公益的機能の最大化が図られるよう努めてまいります。 最後に、3点目の自伐型林業の推進についてお答えします。 自伐型林業は、自家労働による小規模な経営形態のことであり、地域の林業の担い手として活躍が期待されていることから、県では、間伐などの森林整備について、森林組合等と同様の条件により、補助事業による支援を行っています。 しかしながら、自伐型林業に新たに参入される方々には、作業における技術の習得や安全面の確保に課題があります。 このため、県では、新たに参入される方を対象に、チェーンソーの操作方法などの技能養成研修を実施するとともに、本年度からは、小型の林業機械や装備品の購入等に対し支援を行っています。 加えて、これらの方々が技術の研さんを行えるよう、活動のフィールドとして県有林の活用を検討しているところです。 これら自伐型林業の取組は、きめ細やかな森林の管理や移住者の定住を促進し、地域活性化にもつながることから、県としても引き続き支援を行ってまいります。  〔亀田英雄君登壇〕 ◆(亀田英雄君) 県の様々な取組を伺いました。 先進的な技術、人材の確保、育成に関する取組はとてもありがたい話ですが、最大の林業の活性化は木材価格の上昇です。そのためには需要が増すことが一番ですので、公共施設の取り入れもよろしくお願いをいたしたいというふうに思います。 様々な情報の提供に努めていただき、林業に携わる人が増えていくような取組をぜひお願いいたします。 鹿の食害は、下草がないことで土石が流出しますので、大雨の後の林道を通行してみればよく分かります。 生態系が正常に保たれていることで、山の持つ保水力が保たれる様々なデータが公表されています。何より鹿の食害は、植林した苗が育ちませんので、大きな課題です。引き続きの取組をお願いをいたします。 自伐型林業は、最近注目を集め、各地で取組が進められています。このやり方の一丁目は、壊さない作業路の開設です。災害を引き起こさない作業路の工夫は、通常の林道にも応用できますので、ぜひ担当者にも一度は聞いてもらいたい話です。 各種補助金もなんですが、今部長から答弁をいただいたように、県有林などでの取組ができれば、そこでモデルケースとして自伐型林業の育成、周知ができますので、とてもよい話です。ぜひ進めていただきますようお願いを申し上げます。 自分に合った仕事で生活ができるだけの対価が得られるのであれば、人は必ずそれをやるはずです。よろしくお願いをいたします。 通告の4点目、買物難民・弱者対策について伺います。 買物難民、買物弱者という言葉は、これまでも県議会一般質問で取り上げています。 これまでの議会においては、高齢化と過疎化が進む地域における生活支援の取組という切り口で、県の取組の大きな考え方の中に埋もれた答えになり、課題を解決するような効果的な対策、施策は見えにくいものがありました。 そのような中に、災害時に買物支援として移動販売を取り組まれた業者には感謝しかありませんが、今後の経営に不安の話も聞きます。せっかくの厚い志も、経営が成り立たなくては続きません。 買物難民・買物弱者対策は、周辺部だけの問題ではなく、中心部にも確実にあります。免許を返上して買物に行けなくなった買物大好きな私のおばなどは、移動販売の車が来る日をそれは楽しみにしています。 移動販売の事業者は、病院や施設とも連携して、そのネットワークで買物に困っている人たちをうまくカバーする努力もされているので、安心して暮らせる環境づくりには欠かせない事業者になりつつあります。 そこで質問ですが、県として、買物難民・弱者対策についてどのような認識があるのか、そして、この重要な課題について、もっと具体的な対策は考えられないのか、健康福祉部長にお尋ねをいたします。  〔健康福祉部長沼川敦彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(沼川敦彦君) 日常の買物が困難ないわゆる買物弱者の問題については、少子高齢化や人口減少を背景に、過疎化が進む地域を中心に、商店や公共交通の撤退により、対策の必要性が高まっているものと認識しております。 そのため、本県の地域福祉の基本的な方向性を定めた第4期熊本県地域福祉支援計画において、買物支援、移動支援を、福祉による地域づくりの3本柱の一つである地域の結いづくりの中に位置づけ、取組を進めております。 具体的には、県内での地域福祉活動全般を支援する地域福祉総合支援事業や中山間地域等の高齢者を対象とした高齢者を支える地域活動支援事業で、移動販売や買物代行の仕組みづくりなどを行う民間の団体、事業者へ補助を行っています。 実際の活用事例としては、移動販売車の購入や出張販売所の開設、ショッピングセンターへの送迎などに利用されているところです。 また、買物弱者対策は、見守り活動としての一面もあり、地域住民の孤独、孤立を予防する効果も期待できます。 国は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、住み慣れた地域で、医療、介護だけでなく、生活支援なども一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を目指しております。 県としても、誰一人取り残さない持続可能な地域づくりを目指して、買物支援をはじめとする地域の包括的な支援・サービス提供体制の主体となる市町村を支援してまいります。  〔亀田英雄君登壇〕 ◆(亀田英雄君) 部長の答弁では、買物弱者に対する対策の必要性を述べられ、これまでも取組を進めているということでありました。 さらに、補助金の中身にまで踏み込んで答弁をいただき、実際の活用事例を紹介され、民間の団体、事業者への補助を行っているということで、今後の事業の展開、対策につながるものだと大変うれしく思います。 私は、補助は民間にはできないと聞いておりましたので、大変うれしく思っています。それでも、補助メニューの浸透はいま一つではないかと思いますので、自治体職員、事業者の背中をしっかりと押していただきますようお願いを申し上げます。 買物がきちんとでき、栄養価の高い食材を食べるということが健康の第一歩です。今、この最低限のことができない住民が多く、今後はさらに増えていきます。 これまでも、買物支援として様々な事業や対策がなされていますが、お弁当の配達はすぐ飽きるとか、現状の課題があるようであります。 移動販売車は、自宅のすぐそばで買物ができるので、重い買物袋を運ぶ苦労が少ない、買物本来の品物を見て選べる喜びがあります。 また、交通事故原因の高い高齢者の免許返上がなかなか進まないのは、買物ができなくなることにもあると思います。 そのようなことから、移動販売は、医療費削減、事故対策にもつながる事業ではないかと考えます。 国においても取組を推進する動きがあっているようですし、危機感のある自治体での取組も始まったようです。 少しの補助で取組の展開ができるとの話もありますので、ぜひ様々に情報を共有していただき、誰一人取り残さないくまもとというコンセプトの充実したサービスが県内各地で受けられるように、的確で弾力的な補助を運用していただきますようお願いして、この項を終わります。 最後に、県南地域における安心、安全な周産期医療の確保と環境整備について要望をいたします。 このことは、先ほど松村議員からも質問されたことですし、先日幸村議員から質問の中で要望された件ですが、数件不安の声が寄せられましたし、情報が目まぐるしく動きますので、重ねて要望をいたします。 7月末に、労災病院が、出産を扱う産科を2024年3月までに休止するという報道がありました。 現在、熊本労災病院は、八代、人吉・球磨地域の両地域で唯一、緊急の帝王切開などの出産時のリスクが高い妊婦を受け入れる中核病院に指定されています。 そのような中で、地元の開業医からも心配の声の中で嘆願書が提出されました。 今月22日には、八代市の「熊本総合病院に産科」と報道がありました。その数日前のとある会議で耳にしていた情報でしたが、あまりにも目まぐるしい動きに驚いています。 産科医を派遣する病院を集約、将来はハイリスク妊婦を受け入れる県南の拠点ということですが、熊本総合病院には周産期医療の両輪となる小児科はありませんし、ハイリスク妊婦を受け入れる環境は未整備で、熊本労災病院の支援を受けるともあります。 情報は錯綜している感じさえある中で、病院を変わることになるこれから出産を控える母親の不安はいかばかりかと思っています。 そこで、県としまして、今後とも県南地域における安心、安全な周産期医療の確保と環境整備について御尽力いただきますようにお願いを申し上げ、要望とさせていただきます。 どうにか質問が終わりました。御協力ありがとうございました。 ちょっとばたばたしました。初めての質問ということで、ちょっと時間の配分を怠りました。 これまで質問に長い時間を使いましたし、職員の皆様は丁寧に対応いただきまして、真剣に答弁をいただきました。全ての職員の皆さんにお礼を申し上げます。 さらに、議場の皆様には御清聴をいただきました。心から感謝申し上げまして、今回の一般質問を終わります。 どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(渕上陽一君) 昼食のため、午後1時10分まで休憩いたします。  午後0時7分休憩    ――――――○――――――  午後1時8分開議 ○副議長(内野幸喜君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 池永幸生君。  〔池永幸生君登壇〕(拍手) ◆(池永幸生君) 自由民主党・合志市選出の池永です。一般質問の場を得ましたことに感謝します。1時間の限られた時間ですが、各項目に対して取り組みますので、執行部の皆様の的確な答弁をお願いいたします。 八代弁が蔓延している議場だと思いますけれども、私は東京の生まれです。ここで改めて東京弁で話をするならばと思いましたけれども、9か月しか東京にはおりませんでした。だから、東京弁は――やはり熊本弁でしゃべりをして、坂田先生の八代じゃなくて、西合志弁でしゃべらせてもらいたいと思います。 世界に目を向ければ、ロシアのウクライナ侵攻や隣の国のミサイル実験、また、中国によるアジア、アフリカへの援助等、日本を取り巻く環境は予断を許しません。また、国内では、コロナ禍の影響で経済の停滞は否めません。 そのような中にも、熊本において、TSMCやソニーの進出、2本の高規格道路が姿を見せてきました。このことをチャンスと捉え、今こそ伸び行く熊本、すばらしい熊本を皆さんとともに目指していく時期に来たと思います。 いろんな計画は失敗の許されない事柄ばかりです。今回は、通告の後に報道がなされ、私の質問もかすむような感じになったかに思いますけれども、最後まで慎重な質問をしたいと思います。 まず最初に、最低賃金引上げに伴う事業者への支援等について質問をいたします。 今熊本は、最低賃金及び人手不足にあえいでいます。労働局の45円の最低賃金引上げは唐突であり、事業主、雇用主にとっては大きな痛手で、各企業は、4ないし5%報酬が上がることで、経営が大きく左右すると思われます。材料の価格が上がり、様々な物価の上昇、その影響を受けての最低賃金の変動と思われますが、あくまで最低賃金であり、上限は決められていません。 商工会会員の方々の声の中には、賃金を上げるためには、扶養の見直しを早急にしてほしい、社会保険と所得税の範囲を見直してもらいたい、人手不足にも関わってくる、中小企業向けに法人税等の軽減対策を取ってほしい、雇用に対する支援が欲しいとの声があります。 パートさんのほとんどが扶養の範囲内での勤務を希望されており、賃金が上がることで、1ないし2日間の出勤を減らさなければならない状態にあり、人手不足のおそれがあるなどの声もあります。 なお、いわゆる年収の壁については、昨日の新聞紙上で、130万円を超えても連続2年までは扶養内にとどまれる旨の報道があっており、今後の改善が望まれます。 最低賃金法によれば、地域別の最低賃金は、地域における労働者の生計費、賃金水準、経営者の賃金支払い能力の3要素を考慮して定めなければならないとあります。 今年の最低賃金は、労働者の生計費を重視し、さらには、地域間競争や格差是正という要素が強く考えられた異例の結果と思われます。 令和5年度の熊本県の最低賃金が、物価高騰を反映して過去最大の上げ幅になったことは、テレビ、新聞でも大きく報道され、多くの関心を集めたところです。45円、5.3%の高い伸び率となり、900円目前の898円まで達しました。 これまで、日本の商工会員は日本経済を支えてきました。約95%がその中に入り、経済を支えてきました。しかし、大手企業に人が集まり、中小企業、零細企業にはなかなか人材が集まりません。 多くの賃金を払えば解決する問題でしょうが、そうもいきません。抜本的な社会構造とか国民意識の改革が進まなければ、この問題は解決できないのではないかと、私は商工会の一員として危惧しています。 最低賃金は、実際に労働現場に携わったことがない人たちが決め、人手不足もそう感じられない方々が机上で論じられている事柄ではないでしょうか。 高い物価上昇率が続く中、労働者の生活を守るためには、最低賃金の引上げが必要であることは、中小企業、小規模事業者の経営者の認識も一致しております。 今年度の最低賃金の審議に関しては、厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会で激しい論議が行われた結果、特に、生計費を重視して、熊本県を含むCランクの地域においては、これまでにない39円という高い目安額が地方に示されました。 日本の経済は、今まさに大きくさま変わりをしようとしています。私たちの菊池方面ばかりでなく、熊本全体が変わっていくことでしょう。 ここ数年、高校生の県内就職率は60%台を維持しており、熊本の企業が選ばれていることは大きく評価できますが、少子化やコロナ禍で進学を選んだことで、就職者総数は約3,200人と、コロナ前の約4,000人から大きく減少しており、企業の人手不足の解消にはならないのではと思います。 何らかの具体性のある国や県の取組が急務であり、そのことにより、一歩でも問題解決に向けた経済の維持発展につながるのではないでしょうか。 中央審議会において、物価高騰を十分に考慮して高い目安額が決定されましたが、報道によれば、地方においては、物価高に加え、人手不足に伴う隣接県への人材流出を防ぎ、全国最下位グループとなることを避けるために高い引上げが相次いだとのことです。また、本県特有の事情としては、TSMC進出の全県下への波及効果への期待もあったとのことであります。 最低賃金は、国の法律に基づく制度でありますが、地域の経済力や雇用情勢等を反映したものとなるので、県にとっても大きな関心を持って議論の推移を見守っておられることと思います。 そこで、今年度の最低賃金の議論を踏まえての県の見解を商工労働部長にお伺いします。 次に、私が会長を務める合志市商工会を含む県内49商工会の連合会では、新型コロナウイルス感染症の経営に与える影響調査を令和2年3月から開始して、令和5年6月調査で20回目を数えました。これまでの県議会でも何回か、その調査結果が国や県等のコロナ対策や事業者支援策の参考になっていることをお話ししました。 新型コロナも5類に移行となり、その影響も徐々に小さくはなってきていますが、原材料高、物価高の影響、価格転嫁の状況、人手不足の影響、賃上げの状況、さらにはTSMC進出の影響など新たに生じた課題についても、追加調査がタイムリーに行われています。 このような中、最低賃金に関しても、審議会で議論が始まる前の6月末の時点で一度アンケート調査が行われ、8月の大幅引上げを受けて、緊急調査が行われました。 調査結果によれば、最低賃金898円に対する受け止めでは、「高すぎる・やや高い」が合計で34%となり、「低すぎる・やや低い」の合計14%の約2倍の割合となりましたが、半数の43%の事業者は「妥当である」と前向きに評価しています。 また、今回の大幅引上げを受けて、最低賃金を下回る従業員がいるので引き上げる予定であるとの回答が31%、約3分の1の事業者が法律に違反しないように対応する必要があり、最低賃金を下回る従業員はいないが、最低賃金を参考に引き上げる予定であるとの割合17%と合計して、48%の事業者が事業所内の最低賃金を引き上げる予定であることが分かりました。 さらに、引上げを受けての今後の経営方針では、引上げ対応予定の事業者の回答のうち、価格転嫁等により対応していくが最も多く、次いで、経営に影響ないので特に対応しない、人材教育、DXデジタル化等により生産性向上を図る、助成金や補助金を活用して生産性向上を図るとの回答が続いています。 今回の9月定例会で、中小企業者生産性向上緊急支援事業に関する関連予算が提案されており、社会環境の変化の中、自らが企業努力を進め、賃上げを実現し、人材確保に努めようとしている企業の後押しとなるものであり、評価できます。 ただ、県内企業アンケート結果から分かるように、最終的には価格転嫁が必須となりますが、それを実現するためには、消費者や取引先のマインドが変わることが重要だと思います。 昨日の新聞に掲載された帝国データバンクの調査によると、回答した企業のうち、多少なりとも価格転嫁ができていると回答した企業の割合が全国で最も少なかったとあります。 そこで、消費者や取引先の価格転嫁の促進に向けて、県としてどのように取り組んでいくのか。 以上2点、商工労働部長に伺います。  〔商工労働部長三輪孝之君登壇〕 ◎商工労働部長(三輪孝之君) まず、今回の最低賃金の改定に対する県の見解についてお答えします。 本県の最低賃金は、10月8日から、議員御紹介のとおり、過去最大の45円の引上げとなる898円となります。 今回の改定は、公益、労働者、使用者それぞれの代表15名で構成する熊本地方最低賃金審議会において、全国的な物価高騰に加え、TSMC進出による経済効果、若者の人材流出防止等の地域の実情を踏まえて審議された結果であり、尊重いたします。 審議の中では、労働者側の代表委員からは、改定後の最低賃金は、人間らしい生活を送るには十分とは言えないという意見であった一方で、使用者側の代表委員から、引上げの理由の一つにTSMC進出の経済波及効果を挙げているが、現段階では全県にまで波及していないなどの意見が出されたと伺っており、労使双方が納得できる着地点には至っておらず、その難しさを感じております。 国においても、目安制度の在り方について、最低賃金のあるべき水準の設定などが議論されておりますが、商工団体においては、最低賃金法の抜本的な見直しを求める動きもあり、今後とも、中小事業者や労働者の方々の声をしっかりと伺うとともに、国の動向を注視してまいります。 次に、価格転嫁の促進に向けた取組についてお答えします。 信用調査会社の東京商工リサーチの4月の調査によると、企業の4割が価格転嫁ができず、また、価格転嫁した企業の5割で利益率が低下したとの結果が出ています。 議員御指摘のとおり、価格転嫁を実施するためには、取引先や消費者の理解が必要不可欠です。 そのため、県では、昨年度に続き、コストの上昇分を適切に価格転嫁できる環境整備のため、事業組合等に対し、専門家派遣や価格転嫁への理解を深める広報等に要する経費を支援し、取引の適正化に取り組んできました。 しかし、物価高騰等に加え、最低賃金の引上げも重なり、事業継続に向けて、生産性の向上を図るとともに、価格転嫁の取組をさらに進めていかなければなりません。 そのためには、取引先や消費者のさらなる理解促進に向けて、県内経済界を挙げて取り組むことが必要であると考えています。 その点を踏まえ、県では、国関係機関や経済団体等が相互に連携協力し、適切な価格転嫁に向けた機運醸成を図ることを目的とした協定を締結する予定です。現在、年内での協定締結を目指し、準備を進めているところです。 また、物流の2024年問題も念頭に、消費者や取引先の理解促進に向けた商工団体の取組を支援するため、今定例会に関連予算を提案しています。 今後とも、適切な価格転嫁に向けた機運を醸成し、中小企業における賃上げに着実につなげることで、成長と分配の好循環を生み出せるよう、しっかりと取り組んでまいります。  〔池永幸生君登壇〕 ◆(池永幸生君) 御答弁をいただきました。 三輪商工労働部長の顔が岸田総理とかぶって見えます。歩き方もそっくりなんですね。もう岸田さんがここにおるんじゃなかろうかなと思っておりますけれども、本当に商工団体からも抜本的な見直しを求める動きがあります。価格転嫁は、商工会会員には難しいことでもありますが、大手企業は、いとも簡単に価格転嫁をされております。今後も支援のために力添えをお願いします。 年収の格差も2年間の措置と聞いております。2年間だけではなく、長く3年、4年、5年と継続していくことが一番大事ではなかろうかと思っております。 続いて、働き方改革について質問をさせてもらいます。 これまで、日本人は、がむしゃらに働くことにより、日本の社会の仕組みや経済を構築してきました。私自身も、社会の高度成長の中で育ってきました。 外国から見たときに、日本は、体を惜しまない、時間を惜しまない働き方で、恐ろしい国だと思われてきました。世界から、日本の経済を止めるには働く意欲をそぐことだとも言われてきました。 その日本の就業時間、労働環境が大きく変化してきました。改正された働き方改革関連法の内容は多岐にわたりますが、主な改正点は次のとおりです。 時間外労働の上限規制、月60時間超の時間外労働に対する割増し賃金の引上げ、有給休暇取得の義務化、労働時間の確実な把握、フレックスタイム制の拡充、高度プロフェッショナル制度の導入、勤務間インターバル制度の普及促進、産業医機能の強化、同一労働同一賃金の実現。 時間外労働の上限も、原則月45時間、年360時間となり、建設業では、工事現場に着くまでの時間も就労時間に入れるなど、就労環境の改善という点では理解していますが、経営者にとっては悩ましい改正だと感じています。 私が役員をしている会社でも、毎日現場は動きます。製造工場などは働く場が決まっていますが、職種によっては、働く場が毎日、毎週変わり、その現場までの往復時間までも就業時間に入るとなれば、実質的な労働時間は短縮されてしまうと思われます。 この改正法は、霞が関でつくられたものと思います。その方たちは、自分の机を持ち、決められた時間で就業されていることでしょう。しかし、日本の経済は、そのような方ばかりで成り立っているのではないのです。今合志市の商工会長をやっていますが、多くの企業、事業主の方が不安の声を上げておられます。 さきの報道では、最低賃金の話が出ていました。価格転嫁ができる企業はよいでしょうが、できない企業はどうすればよいのでしょうか。 今、2024年問題も話題になっています。長時間働くことで生計を立てておられる方も多くおられるでしょう。 日本の中で95%を占めるのが中小企業で、何か手を打たなければ、日本の経済が停滞するのではないかと感じます。 この改正法はおかしい、私たち小企業が潰れることを黙認するのか、今でも収益が厳しい中でどうやって生き延びるのかといった声が聞こえてきます。 そこで、小企業のそのような声が聞こえているのか、商工労働部長にお尋ねいたします。  〔商工労働部長三輪孝之君登壇〕 ◎商工労働部長(三輪孝之君) 働き方改革関連法に対する小企業の方々の声を聞いているのかという御質問についてお答えします。 エネルギー価格や原材料、物価の高騰が続く中、中小企業者や小規模事業者の経営環境は厳しく、議員御指摘のような声は、個々の事業者からも直接お聞きしております。 商工団体からもそのような声を踏まえた要望や政策提言を受けており、今月いただいた県商工会議所連合会からの知事への要望の中でも、働き方改革への対応という大きな課題に直面しているとの認識を示されております。 国の働き方改革は、労働者が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにするための改革で、成長と分配の好循環を構築し、一人一人がよりよい将来の展望を持てるようにすることを目指すものです。 しかしながら、経営者の視点で見れば、時間外労働の上限規制の導入や年次有給休暇の取得義務化など、従業員の労働時間が短縮されることにより、事業活動への負の影響を懸念する声も聞かれます。 そのような経営者の御不安に対応するため、国においては、働き方改革を進める中小企業が生産性向上や業務効率化に取り組む場合や魅力ある職場づくりを推進する場合の助成金を創設するとともに、全都道府県に働き方改革推進支援センターを設置し、働き方改革に関する無料相談を行っています。 県においても、職場環境の改善に積極的に取り組む企業等へ専門家を派遣して、勤労者セミナーを開催しています。また、ブライト企業の認定において、働き方改革の観点に沿った取組を評価する制度も導入しています。 今後とも、商工会、商工会議所などの商工団体との連携を密にして、事業者の方々の声をしっかり伺いながら、必要な支援策を講じてまいります。また、必要に応じて国へ要望を行うなど、個々の事業者に寄り添った取組を進めてまいります。  〔池永幸生君登壇〕 ◆(池永幸生君) 答弁いただきました。 日本の事業者、経営者は、二重三重の苦難を強いられております。改革で労力時間が少なくなった上に、事業承継の問題、そして金融問題と多岐にわたります。今後も、連携を密にし、支援策を取り組んでほしいと思います。 続いて、渋滞対策について質問をさせてもらいます。 これまで、多数の議員の皆さんが、TSMCの進出に伴う渋滞の懸念や解消について質問をされてきました。あえて私が取り上げる必要はないとも思いましたが、違った角度から渋滞解消を提案させていただきたいと思い、取り上げさせてもらいました。 皆さんが心配されるように、私も以前から菊池地区の渋滞対策に取り組んできました。 私が市議のときから、何か方法はないものか、何か手だてはできないかと、県の道路局長に要望書を提出するなど、当時考えられることに取り組んだことを鮮明に覚えています。信号の時間調整が行われるなど、少しは効果が見えたように思います。 そこにTSMC関連の数千人規模での進出です。ただでさえ渋滞がひどい地区に、数千人規模の企業の進出で、ますます渋滞は加速し、ひどい状況は避けられないと思います。 そして、TSMCの第2工場の進出も現実味を帯びてきました。合志市には、ソニーの次期投資に向けた土地の確保も決定しました。 県は、県道を多車線化して対応しようとしていますが、今県が努力すべきは、各企業のトップの方たちとの問題解決に向けた話合いではなかろうかと私は思います。 そんなことはできないと片づけないで、話を聞いていただきたい、そう思い、質問をさせていただきます。 1点目は、二輪車通勤の促進です。 現在は、1人1台の車の利用で渋滞を招いていますが、二輪車の活用でかなりの渋滞がなくなると思います。企業にお願いし、取り組んでもらうことも一案だと思います。 陸上自衛隊の第8師団は、通勤距離により、最も近い人は自転車、次にバイク、遠い人は四輪車と、通勤手段を変える取組を行っていると聞きます。 それから、慶応大学院ビジネススクールの受講生が、合志市の交通渋滞の課題について研究され、渋滞緩和に向け、自転車の利用促進を提案されています。 実態調査及び県警公表のデータ分析から、渋滞の原因は、短い距離でも車を利用する地域の習慣とセミコンテクノパークを中心とする半導体工場の誘致と指摘されています。 一方、合志市内には、自転車が走れる歩道が多く、安全性も高く、企業側の協力で実現可能と提案されています。 そこで、二輪車や自転車の利用促進といった、すぐにできることから取り組まれてはいかがでしょうか。 2点目は、鉄道を利用したバス路線の設定です。 現在、原水駅からセミコンまでバス路線が設定されていると思います。また、セミコンまでの新たなバス路線の実証にも取り組まれているとの報道もありました。 熊本県に引っ越してこられた方々への調査では、熊本市内に住まわれる方が多く見られる傾向にあります。そうであれば、原水駅と合志市にある御代志駅を活用することが重要ではないでしょうか。各企業と話し合い、通勤用バスのレンタルや契約をする方法、バス路線を通勤等に活用する方法です。 原水駅だけではなく、御代志駅からもセミコンまでのバス路線を設けることでバス利用を促進し、渋滞の緩和になるかと思いますが、いかがでしょうか。 そして、3点目ですが、企業の始業・終業時間を変動することによる渋滞の緩和です。 各会社の始業、終業の時間が一緒になることで渋滞が発生していると思われます。始業・終業時間を変えることで、大きく変わると思います。 8月2日の熊日新聞の1面に東京エレクトロンの記事が載っていました。2,500人規模での時差出勤をされるとのことで、もちろん交通渋滞の緩和が狙いだと思います。 また、ソニーは、分散退社に取り組まれるとのことで、各企業が知恵を出し合い、渋滞対策を進められておられます。 今後は、このような取組が必要になると思いますが、いかがでしょうか。 以上申し上げましたが、県と企業の方との話合いの中で、一つでも取り組むことができるなら、渋滞緩和に向かって進むことができるのではないかと思います。 進出企業は、各自治体にわたっています。これまで各自治体が取り組んできましたが、今こそ県が動き、各企業の方々と問題を共有して協議し、解決に向けて動き出す時期に来ていると思います。 そこで、以上3点について、県の見解を企画振興部長に伺います。また、このほかにも、渋滞解消に向けた取組等がありましたら、併せて御教示願います。  〔企画振興部長富永隼行君登壇〕 ◎企画振興部長(富永隼行君) セミコンテクノパーク周辺の渋滞対策については、これまでも、周辺企業、交通事業者、地元自治体等と議論を重ねてきましたが、議員御指摘のとおり、各企業と連携を密にし、より一層進めていく必要があると考えております。 まず、1点目の二輪車や自転車の利用促進についてお答えします。 セミコンテクノパークに立地する企業の中には、二輪車や自転車で出勤する社員のために、既に駐輪場等の自転車利用の環境を整備している企業や自転車利用の促進に向けた議論を進めている企業もあるとお聞きしています。 県としては、渋滞緩和につながるこのような取組の情報収集を行うとともに、好事例を周辺企業に周知してまいります。 次に、2点目の鉄道を活用したバス路線の設定についてお答えします。 鉄道と接続するバス路線の設置については、自家用車の利用を減らし、渋滞の緩和に効果があるものと考えます。 現在、JR原水駅からセミコンテクノパークへは、セミコン通勤バスが運行していますが、利用者は着実に増加し、8月には、月に1万8,000人を超える利用がありました。 議員御提案の御代志駅からのバス路線の設定については、運行距離や定時性、利用者が見込めるルート設定などの課題がありますが、ニーズや問題点を把握しながら、企業や交通事業者の皆様と連携し、運行の可能性を探ってまいります。 また、バス路線に関するその他の取組として、議員御紹介のとおり、県では、9月11日から15日まで、菊陽町西花立を始点とし、光の森を経由する通勤バスの実証運行を行いました。この実証には、延べ824人の利用があり、安定的な利用者が一定数見込まれることが判明しました。 今後、効果の分析や本格運行に向けた検討を行い、第2弾の実証運行を年明けにも予定しております。実証運行を通じて、企業や関係市町と協力しながら、本格運行を目指してまいります。 なお、バス路線の効果的な活用には、JR豊肥本線の輸送力強化が不可欠と考えています。 県としては、車両の増結等による輸送力の強化をJR九州に対して要望してまいります。 3点目の企業の時差出勤についてです。 通勤の時間や場所を分散することは、渋滞緩和に効果があると考えています。一部の企業においては、時差出勤等に取り組まれ、その効果も出ているとお聞きしています。 県でも、時差出勤等を検討する企業に対して、社内規程の整備等必要な取組に関する相談窓口を紹介しています。 引き続き、周辺企業の理解を得ながら、時差出勤等が広まるよう、各企業の取組を後押ししてまいります。 今後も、関係市町や企業等との連携をさらに密にし、様々な施策を組み合わせながら、渋滞緩和に向けてしっかりと取り組んでまいります。  〔池永幸生君登壇〕 ◆(池永幸生君) 様々な取組が考えられます。今質問しましたことは、私の考えであり、ほかにも考えられることがあると思います。 進出企業の方の多くが熊本市内在住を望まれるならば、いろいろな取組も必要かと思われます。関係市町や企業と連携を取りながら、渋滞解消に向けて取り組んでいただきたいと思います。 また、御代志駅と言ったのが、入り口が藤崎宮前になります。やっぱりあそこから鶴屋までの真っすぐの道をミニ台湾通りとするならば、より活性化するのではなかろうかな、そんな提案もさせてもらいたいと思います。 続いて、教員の保護者対応に係る負担感軽減について。 学校をめぐる問題の一つに、教員不足、教員への成り手不足が挙げられます。これまでも改善がなされてきたと思いますが、成り手不足の原因の一つに、長時間労働が当てはまると思います。 もちろん、各クラブ活動などを見ておられるかもしれませんが、苛酷な労働時間を考えれば、かつて先生という聖域であった職業が失われた、そう言えない職業になったと思われます。 成り手不足の要因には、児童生徒への対応の難しさ、また、保護者への対応の難しさも含まれていると思います。保護者への対応する時間や説明に費やす労力も、成り手不足に大きく影響しているのではないでしょうか。 モンスターペアレンツという言葉が使われるようになり、久しくなります。私たちが子供の頃にはあまりありませんでした。もちろん、我が子を大事に、そして、よりよい条件で教育を受けさせたい、その思いで学校や教師と話合いを持たれることは大事であり、必要なことと思います。 人手不足は、いろんな形で経済や雇用に影響を及ぼしています。しかし、学校教育において、人手不足の解消は最も大事であり、子供たちを育てる意味からも大切なことではないでしょうか。 既に、県教育委員会では、スクールローヤー制度を導入、弁護士が学校からの相談を受ける体制を構築されていますが、さらに一歩踏み込んで、保護者と先生との間に各教育委員会で弁護士さんを雇い入れることで解決に向かうならと提案します。先生に対応を求められるのではなく、その代理人で解決できないでしょうか。 先生方は、学校で何か問題が起きれば、その対応に全力を注いでおられます。しかし、学校をめぐる問題では、いじめなどあってはならない大きな問題もあり、先生の対応等が取り上げられています。先生方も、弁護士さんなどが対応されることで、多忙の中でもよりよい教育ができるのではないかと思います。 教育全般にわたり、毎日努力をされている各教育委員会で、こうした対応ができるかどうか、教育長に伺いたいと思います。 子供は、国の宝、また、県の宝です。子供たちに十分に向かい合える時間を持ってもらうために必要と思い提案しますが、いかがでしょうか。  〔教育長白石伸一君登壇〕 ◎教育長(白石伸一君) 教員の保護者対応に係る負担感軽減についてお答えいたします。 県教育委員会では、法律の専門家を活用し、教職員の生徒指導力の向上及び学校等が抱える諸課題の解決を図るため、令和2年10月からスクールロイヤー活用事業を実施しております。 この事業は、弁護士が教職員を対象に、保護者対応等をテーマに実施する研修事業、学校の個別相談に助言する相談事業などで構成されています。 このうち、相談事業では、年間を通じて各学校からの相談を受け付けており、いじめ問題に関することのみならず、繰り返し教職員に過剰な要求をされる保護者への対応に関することなど、その相談内容は多岐にわたっております。 各学校等においては、弁護士からの具体的な助言に基づき、問題解決を図っています。また、問題が訴訟等にまで発展する可能性のある場合には、顧問弁護士による助言をいただいているところであります。 さらに、保護者に対する直接の対応としましては、県任用のスクールソーシャルワーカーが直接保護者と面会し、相談や助言を行っております。 議員御提案の弁護士が学校の代理人となり保護者対応等を行う取組についてですが、学校における保護者からの相談や対応の内容は様々であるため、今後、既存の事業の効果を検証するとともに、市町村教育委員会や県弁護士会等の意見もお聞きしながら、必要性について研究してまいります。  〔池永幸生君登壇〕 ◆(池永幸生君) 考えられることは、学校側が弁護士さんを雇う、いろんな相談をするということですけれども、反対に、保護者のほうから弁護士さんを雇う、それも一つの問題があるのではなかろうかな、ただし、弁護士さんと弁護士さんなら話が早く進むのではなかろうかな、解決が早く進むのではなかろうかなと思っております。 ソーシャルワーカーやスクールローヤーの方々の助言を受けながら、様々な事柄に取り組んでほしいと思います。 不足する教育現場について。 亀田議員の質問と真逆になりますけれども、今、合志市では人口増が続いています。現在でも、人口増により、学校、学級、そして学童保育の場が不足しています。 学校を造る場所がない、そのため、財務省から土地を譲り受け、小中一貫校、楓の森小・中学校がオープンしました。一貫校といっても、小学校にも中学校にも校長先生がおられ、別々の運営をされております。 これまで、小中一貫校は過疎の市町村に導入されてきましたが、人口増により、造る場所がないという理由で建築複合型の学校ができたと聞いています。 合志市と話をする場でも、敷地がないゆえにプールを潰して教室を増やすしか考えられないなど、子供たちにとって大事な学びの場所を取り上げるような方法が考えられていることは、残念な気持ちになります。 もちろん、合志市の全ての地域で困っている状態ではありませんが、将来的には、学校・学級不足問題は全市に及ぶでしょう。 学校、学級が足りない、そして教員不足が言われる中で、困っている学校、困っているエリアに対しては、特別な措置を考えることはできないでしょうか。エリアとしては、菊陽町、大津町も考えられるかもしれません。 御存じのように、合志市は南北で状況が異なり、特に南地区で学校不足が言われています。ほとんどの土地が住宅となり、用地がないのが現状です。 学校が、学級が、そして先生が不足している現状である今、子供たちの大事な教育の場が不足することは避けなければならないと思います。 そこで、人口が増えている地域に対しては、1学級当たりの人数を増やすなどの要件の緩和、特例的な措置が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。教育長の御意見を伺います。  〔教育長白石伸一君登壇〕 ◎教育長(白石伸一君) 人口が増加している地域における1学級当たりの児童生徒数の特例措置についてお答えいたします。 小中学校の1学級当たりの児童生徒数は、法律で定められており、特に小学校においては、よりきめ細かな指導を充実させる観点から、令和3年の法改正により、1学級当たりの児童数が40人から35人に段階的に引き下げられることになっております。 議員御提案の特例措置でございますが、1学級当たりの児童生徒数が法定事項であることから、県独自で定め、運用することは困難な状況でございます。 一方で、TSMCの進出等に伴い、合志市などでは、児童生徒数が増加し、教室不足や校舎の新築に係る土地の確保が難しいなど、特有の課題が生じていることも伺っており、現在、国に対して、施設整備等の教育環境整備に対する支援を要望しているところでございます。 今後、県教育委員会としましても、学校や学級の不足が懸念される地域において、子供たちの教育の場を確保するためにどのような対応ができるか、課題の解決に向けて、引き続き国への要望を行うとともに、地元市町村と一体となって協議、検討を進めてまいります。  〔池永幸生君登壇〕 ◆(池永幸生君) 教育長より御答弁をいただきました。 以前にも、政府に対して、池田議員、そして溝口前議長から要望書が出されております。より早く35人学級にしてほしい、分かりますけれども、今私が歩いているところでも平家の校舎を壊しております。やはり二層、三層という形でやらなければならない、そんな状況に置かれているのが今の合志市ではなかろうかなと思います。 県独自での措置は難しいとのことですが、実際に施設が不足している。国の支援だけでなく制度を緩和してほしいと、国に県として取り組んでいただくようお願いをいたします。 国道387号須屋付近の4車線化について。 昨年7月に公表されたJASM周辺の基幹道路整備構想の中で、優先検討区間として国道387号須屋付近の4車線化が位置づけられました。 国道387号は、建設予定の中九州自動車道路の西合志インターチェンジへの主要なアクセス道路となるものです。また、朝夕の渋滞が激しく、早期の4車線化が必要と思われます。 合志市では、御代志地区の開発も進んでいます。そして、辻久保の開発もこれから進んでまいります。 御代志地区では、合志市による土地区画整理事業に伴い、熊本電鉄御代志駅南の交差点改良が先月完成し、クランク交差点による渋滞も緩和されました。一方で、当地区では、今後商業施設の建設も予定され、北側2キロ先の辻久保地区にもショッピングモールが建設されると聞いています。これらのことを考えれば、交通量の増加がますます懸念されます。 このようなことから、国道387号の4車線化による整備は、JASM関連のみならず、様々な観点からも喫緊の問題と考えます。 私の住んでいる須屋から黒石間においては、特に朝夕の渋滞が激しく、早期の事業着手が必要と考えますが、現在の検討状況と今後の予定について、土木部長にお伺いします。  〔土木部長亀崎直隆君登壇〕 ◎土木部長(亀崎直隆君) 国道387号は、国道3号から中九州横断道路の西合志インターチェンジを経て、菊池方面に向かう幹線道路で、セミコンテクノパーク周辺の基幹となる道路ネットワークに位置づけて、須屋付近の4車線化に向けた検討を進めております。 議員御指摘のとおり、以前より、須屋交差点から黒石団地付近にかけては、熊本市方面からの4車線が2車線に絞られる、いわゆるボトルネック箇所であることに加え、沿線住宅地から本線にアクセスする車両が集中し、特に朝夕の通勤時間帯に著しい渋滞が発生しております。 このボトルネック箇所の4車線化を進めるための最大の課題は、九州縦貫自動車道の路面直下に立体で交差する新たな2車線の車道や歩道を確保するための構造物を設置することです。 その際には、1日3万台以上の高速道路の走行車両の安全性を確保する必要があり、路面に変状を生じさせない構造と確実な施工が求められます。 このため、現在、道路管理者であるNEXCO西日本と技術的な協議を重ねているところです。 この立体交差の技術的な検討と併せて、施工時の現況交通の切り回し等を考慮した上で、渋滞解消に効果的な整備区間を設定し、速やかに事業化に向けた検討を進めてまいります。 いずれにしましても、半導体関連企業の受入れ環境の早期整備には、国の強力な財政支援が不可欠であることから、引き続き国への要望を重ねてまいります。  〔池永幸生君登壇〕 ◆(池永幸生君) 計画の中に取り組まれ、検討されるとのこと、期待しています。 朝7時から渋滞が始まっています。解消するためにも、半導体関連の会社が集積することで、よりひどい渋滞を招く可能性が予想される中にも、ぜひしっかりとした計画の下で進めてもらいたいと思います。 主要道路である九州縦貫道を止めることなく造られるということですが、技術面で難しいこともあるでしょうが、慎重な検討を重ねられ、取り組んでもらいたいと期待いたします。 今、気温の上昇により各地で大きな災害が起きています。世界を挙げて取り組まなければ、もっと大きい災害が起こるのではないかと懸念いたします。 熊本でも、今年もまた雨による被害が出ました。これからも被害が発生するのではと思われます。より一層の努力をすることで、解消に取り組むべきと思います。 知事が、山口議員や竹﨑議員の質問の中で、新空港構想を発表されました。私も、これからはスピードを持った流通が最も大事と思います。ほかの空港も取り組まれるでしょうが、ぜひとも計画にのっとった進行を行ってもらいたいと思います。 様々な質問をさせてもらいました。中には取り組むことが難しい質問もあったと思いますが、前向きに取り組んでもらうことを強くお願いします。 スリーランホームランを打つつもりでしたが、結果が先に出てしまい、壁の問題もありましたし、そして6車線化の問題もありました。その結果が出ているけれども、質問しなければならない、つらいところでございましたけれども、御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(内野幸喜君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明27日は、午前10時から会議を開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第7号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時1分散会...