令和5年 9月 定例会 第 4 号 (9月22日) 令和5年 熊本県議会9月定例会会議録 第4号令和5年9月22日(金曜日
) ――――――――――――――――― 議事日程 第4号 令和5年9月22日(金曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について
) ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について) ――――――○――――――出席議員氏名(49人) 星 野 愛 斗 君 髙 井 千 歳 さん 住 永 栄一郎 君 亀 田 英 雄 君 幸 村 香代子 君 杉 嶌 ミ カ さん 立 山 大二朗 君 斎 藤 陽 子 さん 堤 泰 之 君 南 部 隼 平 君 本 田 雄 三 君 岩 田 智 子 君 前 田 敬 介 君 坂 梨 剛 昭 君 荒 川 知 章 君 城 戸 淳 君 西 村 尚 武 君 池 永 幸 生 君 竹 﨑 和 虎 君 吉 田 孝 平 君 中 村 亮 彦 君 髙 島 和 男 君 末 松 直 洋 君 前 田 憲 秀 君 松 村 秀 逸 君 岩 本 浩 治 君 西 山 宗 孝 君 河 津 修 司 君 楠 本 千 秋 君 橋 口 海 平 君 緒 方 勇 二 君 増 永 慎一郎 君 髙 木 健 次 君 髙 野 洋 介 君 内 野 幸 喜 君 山 口 裕 君 岩 中 伸 司 君 城 下 広 作 君 西 聖 一 君 鎌 田 聡 君 渕 上 陽 一 君 坂 田 孝 志 君 溝 口 幸 治 君 池 田 和 貴 君 吉 永 和 世 君 松 田 三 郎 君 藤 川 隆 夫 君 岩 下 栄 一 君 前 川 收 君欠席議員氏名(なし
) ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名 知事 蒲 島 郁 夫 君 副知事 田 嶋 徹 君 副知事 木 村 敬 君 知事公室長 内 田 清 之 君 総務部長 平 井 宏 英 君 企画振興部長 富 永 隼 行 君 理 事 小金丸 健 君 企画振興部 球磨川流域 府 高 隆 君 復興局長 健康福祉部長 沼 川 敦 彦 君 環境生活部長 小 原 雅 之 君 商工労働部長 三 輪 孝 之 君 観光戦略部長 原 山 明 博 君 農林水産部長 千 田 真 寿 君 土木部長 亀 崎 直 隆 君 会計管理者 野 尾 晴一朗 君 企業局長 竹 田 尚 史 君 病院事業 竹 内 信 義 君 管理者 教育長 白 石 伸 一 君 警察本部長 宮 内 彰 久 君 人事委員会 西 尾 浩 明 君 事務局長 監査委員 藤 井 一 恵 君 ――
―――――――――――――――事務局職員出席者 事務局長 波 村 多 門 事務局次長 村 田 竜 二 兼総務課長 議事課長 富 田 博 英 審議員兼 濱 田 浩 史 議事課長補佐 ――――――○―――――― 午前10時開議
○議長(渕上陽一君) これより本日の会議を開きます。 ――――――○――――――
△日程第1 一般質問
○議長(渕上陽一君) 日程に従いまして、日程第1、一般質問を行います。 発言の通告があっておりますので、これより順次質問を許します。 なお、質問時間は1人60分以内の質疑応答でありますので、さよう御承知願います。 吉田孝平君。 〔吉田孝平君登壇〕(拍手)
◆(吉田孝平君) 皆さん、おはようございます。自由民主党・宇城市・下益城郡選出の吉田孝平でございます。 今期1回目の質問をさせていただきます。そして、通算9回目ということでございまして、今回は、一般質問の
トップバッターをさせていただくことになりました。 私、今回、質問の中で国際スポーツのことを質問させていただきますけれども、国内のスポーツも大変な盛り上がりを見せております。私、野球をしておりますので、先日、オリックスがパ・リーグを3連覇しまして、我らの阪神タイガース、18年ぶりのセ・リーグ優勝を果たしました。私、阪神ファンではございませんが、
トップバッターの近本選手、近本選手は、空振り三振をなかなかしなくて、チャンスを広げるバッターでございます。近本選手のような、チャンスを広げる、そして後につなぐような質問をさせていただきたいというふうに思いますので、最後までの御清聴をお願い申し上げたいと思います。 それでは、質問に移りたいと思います。 今年行われた、また、この秋に行われる
国際スポーツ大会の開催についてお尋ねいたします。 今年度は、既に行われた
ラグビー日本代表国際テストマッチ、
世界マスターズ水泳選手権に加え、10月、11月には、
サイクルロードレース、マイナビ ツール・ド・九州2023、
バドミントン熊本マスターズジャパンという4つの
国際スポーツ大会が本県で開催されます。 折しも、1年前の9月議会において、私は、
ラグビーワールドカップのレガシーとして、
ラグビー日本代表国際テストマッチの誘致について質問したところ、招致の実現に向けて全力を尽くしますとの答弁をいただきましたが、正直、開催に向けての条件が厳しく、開催できないのではないのかなと思っていました。 そのような中、去る7月15日に、日本代表とオールブラックス・フィフティーンとの国際試合が開催されました。 この試合は、県内外から多くの観客が来られるなど、非常に盛り上がり、熊本県ラグビー協会をはじめ、県や熊本市など関係者の皆様の御尽力に、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。 本県では、日本代表戦が開催されたのは、2017年に熊本地震からの復興を応援する目的で
ルーマニア代表を迎えて開催されて以来で、
ラグビーワールドカップでは日本戦が組まれませんでしたので、6年ぶりとなり、国際試合開催は、ラグビーファンはもとより、多くの県民の方が待ち望んでいたと思います。 2019年に本県で開催された
ラグビーワールドカップや
女子ハンドボール世界選手権大会でも、それぞれ約100億円の経済波及効果があったことを見ても、
国際スポーツ大会の開催は、宿泊、飲食など、大きな効果を本県にもたらしてくれています。特に、コロナ禍で大変な思いをされました宿泊・飲食業にとっては、国際大会などの開催を通じて、少しでも波及効果を受けることが大変重要なことだと思われます。 そこで、今回の
ラグビー日本代表国際試合において、どのような成果があったのか、また、今後の
国際スポーツ大会開催の成功に向け、どのような課題があったのか、お尋ねいたします。 いよいよ来月には、
国際サイクルロードレース、マイナビ ツール・ド・九州2023、11月には、
国際バドミントン大会、
熊本マスターズジャパンが開催されます。 このような中、マイナビ ツール・ド・九州2023については、国内チームを含め、8か国から18チーム、108名の選手が参加し、10月6日から10月9日までの4日間、福岡、熊本、大分で、
世界トップレベルの
自転車ロードレースが繰り広げられます。
日本政策投資銀行が試算したところ、3県での想定観戦者数は12万4,000人、経済波及効果は約30億円、このうち
熊本阿蘇ステージでは、観戦者数2万6,000人、経済波及効果6億8,000万円を見込んでいると聞いています。 この
サイクルロードレースは、競技内容を知らない方もいるかもしれませんが、簡単に説明しますと、自転車版のマラソン競技で、一般公道などで100キロメートルを超える長距離を走る競技となっております。 見どころは、個人競技ではありますが、各チームで出場していますので、チーム戦となり、エース級の選手を空気抵抗の負担を軽減させ、ゴール前に温存していた力を発揮し、優勝に導くチーム戦となっています。その駆け引きが見どころではないかと思われます。 また、
国際バドミントン大会、
熊本マスターズジャパンは、2023年から2026年までの4年間熊本で開催、世界のトップ選手たちが集い、11月14日から19日まで、国内外から約500人の選手、関係者が本県を訪れ、6日間の開催で1万7,000人の観戦者数を目標とされています。 バドミントンは、皆さんも御存じだと思いますが、出場選手には熊本県出身の選手もいますし、本県の企業所属の選手も出場します。来年のパリ・オリンピックの出場に関わる重要な大会であり、大いに盛り上がるのではないかと思われます。 そこで、間近に迫った2つの
国際スポーツ大会開催に向けての機運を高め、大会を成功させるためにどのように取り組まれるのか、観光戦略部長にお尋ねします。 〔
観光戦略部長原山明博君登壇〕
◎観光戦略部長(原山明博君) まず、
ラグビー日本代表国際試合における成果と今後に向けた課題についてお答えします。 この試合は、現在開催中の
ラグビーワールドカップフランス大会に向けた
日本代表強化試合であり、当日は、目標の2万人に迫る1万9,586人の方々に観戦いただきました。選手たちの気迫あふれるプレーは、多くの県民の方々に感動と元気を与えたと思います。また、福岡や東京をはじめ県外からの観戦者が約6割を占め、経済波及効果は約5億8,000万円と試算しており、一定の成果を上げることができたと考えています。 一方、今後に向けた課題としては、駐車場の事前予約制や
パーク・アンド・バスライドなどを導入した結果、目立った渋滞は発生しませんでした。しかしながら、試合終了後、バス乗り場への観客誘導に一部混乱が見られたほか、
パーク・アンド・バスライド用の駐車場出口付近で一部渋滞が発生しました。 今回の経験を生かし、今後の
国際スポーツ大会等では、より円滑な運営ができるよう、しっかりと対策を検討してまいります。 次に、間近に迫った2つの
国際スポーツ大会の成功に向けた機運醸成についてお答えします。 まず、ツール・ド・九州については、九州初となる大規模な
自転車ロードレースであり、多くの方々の興味、関心を高める取組を進めています。 SNSの活用はもとより、火の国まつりや博多どんたくの
オープニングパレードでの宣伝、JR九州車両内での広告、熊本市中心市街地でのつり看板設置など様々な方法を駆使し、県内外への周知に努めています。さらに、レース会場となる阿蘇地域においても、
サイクルイベントの実施や商店街での
タペストリー装飾など、地域での機運醸成に努めています。 次に、
国際バドミントン大会、
熊本マスターズジャパンについては、特に
バドミントンファンへのPRに力を入れており、7月に東京で開催された
ジャパンオープンや全国のスポーツ店でのPR、
バドミントン部のある県内小中高校への観戦呼びかけ等を実施しています。また、
再春館製薬所バドミントン部を応援団に任命し、県内各地で大会の面白さをアピールしています。さらに、テレビCMや新聞広告、熊本市中心市街地のビジョン放映等を活用し、県民の機運醸成を図っています。 今後も、スポーツ大会の成功に向け、全力で取り組み、交流人口を拡大するとともに、国内外へ地震や豪雨災害から復興する本県の姿を発信してまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) ラグビーの国際試合に関しましては、県外から6割の観戦者が来られたということで、宿泊や飲食業など一定の経済効果があったということで、大変うれしく思います。 ただ、しかし、課題がございまして、やはり交通アクセスに関しては、
パーク・アンド・バスライド、これが、メインの場所であるグランメッセがコンサートで使用ができなかったということもございまして、少し混雑があったのではないかと思われます。また、タクシーが、最後尾は1時間待ちだったという話も聞いております。これらの課題解消に向けて、また御検討していただければと思っております。 それから、ツール・ド・九州、
あとバドミントン国際大会が続きますけれども、バドミントンは、皆さんなじみが多少あると思いますけれども、ツール・ド・九州に関しては、ほとんど見たことない方が多いと思います。特に、もう来月に迫っていますので、機運醸成に努めていただくようにお願いしたいと思います。 それでは、続きまして、次の質問に移らせていただきます。
県内中小企業者に対する支援についてお尋ねいたします。 令和2年2月下旬に
新型コロナウイルス感染者が本県で初めて確認されて以降、令和5年5月の感染症の位置づけが5類に変更されるまでの間、何と8回の感染拡大の波が訪れました。 本県では、中小企業、小規模事業者への影響が大きく、中でも深刻な影響が出たのは、
生活関連サービス業、娯楽業及び宿泊業、
飲食サービス業であります。私も、特に
飲食サービス業の方から相談されることが多くあったのを記憶しております。 国においては、ワクチン確保や医療体制の整備等を行うとともに、事業者の事業継続を目的に、持続化補助金や月次、一時金などに代表される直接的な給付金制度等による支援をはじめ、地方公共団体が地域の実情に応じきめ細やかな支援が行えるよう、極めて自由度の高い
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を創設し、これまで本県に対して11回、総額約113億円が交付されています。 本県では、この財源をフル活用し、影響の長期化等による感染拡大や経済状況のフェーズを適切に捉え、中小事業者の支援を担う商工団体の相談・支援体制を強化した上で、国に先んじて実施した実質無利子無担保で融資する仕組みのゼロゼロ融資に代表される資金繰り支援をはじめ、事業復活おうえん給付金や一時金等の様々な支援事業をちゅうちょなく実施し、県内事業者の事業継続、さらには発展を強力に支援してきたところであります。 その結果、コロナ禍の間となる令和2年度から令和4年度の倒産件数は、
株式会社東京商工リサーチの調べによると、合計167件と、例年と比較しても低く抑えられており、国や県の支援策は、その効果を発揮しているものと評価されます。 一方で、コロナ融資の返済が本格化する中で、物価高に伴う原材料や人件費などのコスト高騰により、厳しい経営にならざるを得ない事業者もおられます。 信用調査会社の
帝国データバンク熊本支店によると、今年1月から6月までの上半期で、県内での倒産件数が44件となり、前の年の同じ時期より29件、率にして51%増え、この10年で最多となっています。 人件費が上昇傾向にあり、燃料費などの高騰も重なって、事業経営が困難になる企業が増加しており、こうした倒産は、今後も増えるおそれがあります。仕事はあるのに、人材不足により仕事がこなせないといったお声もよく聞くようになりました。 さらに、8月14日、
熊本地方最低賃金審議会は、今年度の県最低賃金について、過去最大となる45円引き上げ、時給898円とするよう答申されております。 最低賃金の上昇が、労働者側にとって、また、人材確保の面からも歓迎すべきことであるものの、経営者側からは、売上げ回復や価格転嫁が十分に進んでいない事業者において、非常に厳しく、国や県には支援を求める声も届いている状況にあります。 それに加え、本県は、平成28年4月の熊本地震、さらには令和2年7月の県南豪雨災害と、二重苦、三重苦と続いている中で、事業者は大変な経営を強いられている現状であります。 本来、ウィン・ウィンであるものであり、給料が安いために人材が集まらなく、もうけが出ない、もうけがないために給料を高くすることができない、人材が集まらないといった、いわゆる鶏が先か卵が先かという議論であるものの、自助努力を重ねながらも、県内にはお困りの事業者もおられます。 そこで、県として、こうした声にどのように応えていくのか、商工労働部長にお尋ねいたします。 〔
商工労働部長三輪孝之君登壇〕
◎商工労働部長(三輪孝之君) 本県では、議員御指摘のとおり、
新型コロナウイルス感染症や物価高騰の影響により厳しい経営を強いられている事業者の事業継続を強力に後押しするため、様々な県独自の支援策を実施してきました。 幅広い業種を対象とする事業復活おうえん給付金については、3万件を超える事業者の方々に、約80億円の支援を行いました。 このほか、コロナ融資の返済の本格化による借換えニーズに対応するため、国のサポート保証を活用した経営改善資金の創設、商店街などの町なかのにぎわい回復に向けた支援などを実施してまいりました。 コロナ5類変更後、人流、物流は回復傾向にありますが、物価高や人材不足などの影響により、事業者を取り巻く環境は、依然として厳しい状況にあると認識しています。 さらに、先月には、
熊本地方最低賃金審議会から、過去最高の
最低賃金引上げの答申があり、これを受け、事業者の方々からは、物価高騰等の影響で利益が上がらない中、人件費が上昇することに負担を感じ、国と県に支援してほしいとの声が上がっています。 こうした状況を踏まえ、本県としては、生産性向上に資する国や県の事業を積極的に活用し、経営基盤の強化に取り組む意欲ある中小企業者を後押しすることにより、持続的な賃上げを実現するとともに、人材不足の解消にもつなげていく必要があると考えており、そのために必要な予算を今定例会に提案しています。 引き続き、商工団体と連携を密にし、中小企業者の方々に寄り添い、必要な施策をちゅうちょなく実施することで、県経済の維持発展に努めてまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) これからまた、TSMCの進出によりまして、人材確保、さらには賃上げによる資金確保等、さらに厳しくなると予想されます。 既に商工団体等からも御要望が上がってきていると思いますが、倒産件数も増えている状況でございます。引き続きの御支援をお願いしたいと思います。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 TSMCからの出向者等への対応についてお尋ねいたします。 2021年10月に台湾のTSMCが熊本県に新工場を建設すると発表されて以降、2022年の4月に着工した工場建設も大詰めを迎えており、先日、一部で供用を開始し、2024年末には本格的に供用開始になると聞いております。 このことにより、TSMCから本県への出向が8月から本格化しており、TSMCの社員が約400名、最終的に、家族を含め、約750人の方が来熊される予定であります。 主に住まれる地域は、熊本市が6割で、菊陽町が3割、合志市、大津町で1割の方が居住されるということであります。 それに合わせるかのように、今月から、
チャイナエアライン及び
スターラックス航空による熊本と台北を結ぶ定期便が就航するようになりました。
スターラックス航空は、計画段階では週3往復でしたが、観光やビジネス需要へのさらなる期待から、定期便就航前に週5往復と異例の増便で運航することになり、さらに、10月29日からは、毎日運航すると発表されました。直行便でありますので、熊本から台北まで約2時間30分で行けるようになりました。 また、法務省の在留外国人統計によると、2022年12月現在の4市町に居住する台湾の方は265人ですが、今回の来熊で、当該市町に居住する台湾の方が約4倍まで急増するとのことです。 そのような中、出向者等が熊本で生活を始めるに当たっては、住民票の届出などの諸手続に始まり、様々な困難やお困り事が出てくることが想定されます。また、出向者等の大部分は、日常会話レベルの日本語能力に不安を抱えている方々であるため、地域とのコミュニケーションがうまく取れず、地域の中で孤立してしまうことも想定されます。 そのような中、先日、熊本市東区に新築された
熊本インターナショナルスクールの校舎において、TSMC従業員の家族向けのオリエンテーションが開催され、通学や学校での注意点などの説明がありました。この新校舎に約130名の子供たちが学ぶ予定で、教育現場の準備も着々と進んでいます。 また、各地域や民間団体なども、台湾の魅力を伝えようと、台湾関連の商品を販売したり、台湾の文化などを知っていただくためのセミナーを開いたりと、歓迎ムードはさらに高まってきていると思われます。 台湾から熊本県に居住される方々のほとんどが初めての方ばかりと思われます。楽しみで来られる方もいるかもしれませんが、子育て世代の方では、不安を抱え来熊される方もいるのではないかと思います。 約750名の方ですが、県としては、受入れ体制をさらに強化し、日常生活における不安を取り除くことが必要ではないでしょうか。 その上で、来熊される方から、台湾に居住されている方々に対して、口コミやSNSなどを利用し、本県のすばらしい文化や観光施設、おいしい食事などを伝えていただくことで、知人、友人などが観光に訪れ、さらなる経済波及効果にもつながるのではないかと考えます。 そこで、台湾の方々が、地域住民との間で相互理解を深めながら、本県での生活に早くなじんでいただくため、県としてどのような取組を実施しているのか、観光戦略部長にお尋ねいたします。 〔
観光戦略部長原山明博君登壇〕
◎観光戦略部長(原山明博君) 県では、日本人と言葉や生活習慣の異なる台湾の方々が円滑に生活できるよう、まずは、TSMCから出向者を受け入れるJASM側のニーズを聞き取り、対策を検討する体制を整えました。 具体的には、JASMと県、関係市町との定例会を本年4月から週1回開催しており、ここで出された要望や課題について、県庁内や関係市町内で共有し、連携を図りながら対応策の検討を行うこととしています。 これまでも、
TSMC出向者等の来熊時期や人数等の情報を速やかに把握し、必要となる住民登録や運転免許切替え等の諸手続を円滑に行うための支援等を行いました。 また、8月からの受入れ本格化に合わせ、出向者等への直接的な支援策として、外国人のための
生活ガイドブック(繁体字版)の改訂や
県外国人サポートセンターへの
台湾相談ホットラインの設置を行い、JASMを通して周知を図っています。 このホットラインには、これまで15件の相談があり、例えば、未就学児の預け先の相談に対し、近所の認定こども園を複数紹介したり、日本語を勉強したいとの相談に対し、市町村などが運営する日本語教室や県が来月から開設する
初級日本語オンライン教室を紹介したりするなど、きめ細かに対応しています。このオンライン教室には、台湾の方々から多数の応募があっており、ニーズの高さを感じています。 また、台湾の方々に、熊本での生活に早くなじんでいただけるよう、官民一体となった様々なイベントが行われます。既に開催された今月初めの熊本市上通での歓迎イベントを皮切りに、29日から10月1日までKUMAMOTO台湾祭が、10月14日には台湾・熊本友好歓迎ウエルカムイベントが、熊本市中心市街地で開催される予定です。 さらに、県内各地のイベントや観光情報等について、JASMや県公式LINEなどを通して情報を伝えるとともに、県南や天草地域を含め、広く県内各地を巡る県内周遊観光モニターツアーを実施します。参加者の皆さんに熊本の魅力を体感していただくとともに、参加者自らSNSや口コミでその感想などを台湾などへ伝えていただくことで、さらなる誘客につなげてまいります。 今後とも、TSMCの本県進出を契機に、台湾をはじめ様々な国、地域の方との交流を促進し、共に生きていく多文化共生社会に向けた取組をさらに進めてまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) 第2工場の建設も予定されておりまして、数年後には、さらに来熊される方が増えてくると予想されます。 先日、私の地元宇城市三角町戸馳に、台湾の地方創生担当大臣、あと青年団の方々約30名の方が、農家ハンターのほうに視察研修に来ていただきました。お互いの活動報告、あと意見交換をさせていただきまして、その後、夜は一緒に食事させていただきました。 農家ハンターということで、ジビエ料理とか結構出したんですけれども、本当皆さん、おいしいと言っていただいて、楽しく過ごしていただきましたけれども、やはりちょっと大人数でありましたので、通訳の方が1人しかいないということもあって、なかなか私たちもコミュニケーションが取れないということもございました。 少人数でコミュニケーションを取るというのも大事だと思いますし、やはり一番は、言葉が不安に思っていらっしゃる方が多いと思いますので、できるだけ早く日本の文化になじんでいただくように、御支援をお願いしたいと思います。 それでは、続きまして、ゼロカーボン社会の実現に向けた取組ということで、まずは、バイオディーゼル燃料の推進についてお尋ねいたします。 本県は、平成24年九州北部豪雨災害や熊本地震、そして球磨川流域を中心に甚大な被害をもたらした県南豪雨災害と、想定をはるかに超える災害が発生しており、全国でも毎年のように豪雨災害等が頻発している状況です。 その背景には地球温暖化の影響があると言われ、本県は、2050年CO2排出実質ゼロというゼロカーボン社会の実現に向けて、様々な分野において、持続可能な削減対策に取り組まなければなりません。 ゼロカーボン社会の実現に向けた熊本県の戦略の一つに、化石燃料からの転換を推進するエネルギーシフトがあります。中でもバイオディーゼル燃料は、植物由来の廃食油を原料として作られる燃料であり、軽油の代替燃料として、重機やトラクター、トラックなどのディーゼルエンジンで使用可能な燃料となります。 ガソリンや軽油などの化石燃料を使用すると、地球温暖化の原因の一つである大気中のCO2が増加しますが、軽油の代わりにバイオディーゼル燃料を100%使用すると、植物が吸収したCO2が排出されるため、実質CO2の排出はゼロになるということであります。 また、軽油にバイオディーゼル燃料を5%、30%、50%混合したものもあり、利用促進に取り組まれていると思われます。 そのような中、航空会社では、バイオディーゼル燃料の利用が進んでいるという話も聞きますが、別の業界関係者からは、安全性はどうなのかといった声も聞かれます。 そこで、県内での利活用は進んでいるのか、また、県は、今後どのように推進していくのか、環境生活部長にお尋ねいたします。 次に、ゼロカーボン社会の実現のためには、天然資源の消費の抑制を図り、もって環境負荷の低減を図る循環型社会への転換を進める必要があることから、プラスチックごみの削減等も重要であると考えられます。 そのためには、化石燃料由来のプラスチックの使用削減により、温室効果ガスの排出を抑え、地球温暖化対策につなげることが求められます。 なお、海洋プラスチックごみによる環境汚染を防止するためにも、プラスチックごみの削減は重要な取組だと考えられます。 令和4年4月には、プラスチックごみの排出削減等に向けて、設計・製造、販売・提供、排出・回収・リサイクルの各段階でプラスチックの資源循環を図ることを目的としたプラスチック資源循環促進法が施行されました。飲食店や小売店などの使い捨てプラスチックを提供する事業者に対し、プラスチック製品の使用削減やプラスチック代替製品への切替えなどが求められています。 私たちの生活の中でも、買物の際は、レジ袋の有料化に伴い、エコバッグを持参する方が多くなり、また、よく使用しているストローなども、紙製やバイオマスプラスチック製などをよく見かけるようになりました。 しかしながら、日本の人口1人当たりのプラスチックごみの排出量は世界でも上位であり、やはり一人一人が意識を持ち、その削減に取り組まなければいけないと思います。 そこで、プラスチック製品の使用削減や代替製品への切替えといったプラスチックごみの削減について、県ではどのように取り組んでいくのか、同じく環境生活部長にお尋ねいたします。 〔環境生活部長小原雅之君登壇〕
◎環境生活部長(小原雅之君) まず、バイオディーゼル燃料の推進についてお答えいたします。 本県では、県内で回収された使用済み天ぷら油などの廃食油を原料とした高純度バイオディーゼル燃料について、地産地消のエネルギーとして、利用促進に取り組んでいます。 現在、金融機関の移動店舗車、製造工場内で使用する運送トラック、建設会社の油圧ショベルなど、民間企業で高純度バイオディーゼル燃料の利活用が始まっています。 また、県でも、農業研究センターなどの農業用機械に利用しています。 これらの取組において、軽油との使用感の違いや機械の故障といった問題は確認されていませんが、県民の認知度が高まっていないこともあり、高純度バイオディーゼル燃料の利活用は、まだ限定的なものとなっています。 そこで、県では、パンフレットや地元経済誌を活用し、高純度バイオディーゼル燃料の基礎的な情報や利活用事例等に関する情報発信を行っています。 今後は、重機を取り扱うリース業界を対象に、直接出向いて安全性などの説明を行うなど、さらなる認知度向上に努め、利活用の推進を図ってまいります。 次に、プラスチックごみの削減についてお答えいたします。 プラスチック製品の使用を削減するためには、消費者だけでなく、プラスチック製品を提供する事業者側の理解が深まることも重要です。 既に県内では、竹などを主原料としたストローやお米由来のバイオマスプラスチックが製造されるなど、民間企業の動きが始まっています。 現在、県では、これらのプラスチック代替商品を紹介するパンフレットを作成するなど、飲食店や小売店等における代替製品の導入促進に取り組んでいます。 また、本年2月から、プラスチックごみの削減に取り組まれているお店を募集し、くまもとプラスチックスマート登録店として県のホームページ等でPRを行っております。 今後も、商工関係団体等と連携し、登録店の拡大を図るとともに、消費者である県民に対しても、紙製のストローや木製の食器を提供しているお店の利用を呼びかけるなど、身近なところでできる取組を促してまいります。 ゼロカーボン社会の実現には、一人一人の行動の積み重ねが重要です。今後も、バイオディーゼル燃料等への転換やプラスチックごみの削減が進むよう、県民の皆さんの御理解と御協力をいただきながら取り組んでまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) バイオディーゼル燃料に関しましては、故障などの問題は聞こえていないということでございますが、地元の建設業の方に聞くと、やはり高額な重機等でございますので、いわば補償がないということで、まだ今のところ扱うのは難しいという話も聞いております。また、バイオ燃料のほうが普通の軽油よりも高いということも一つあると思います。まあ、時間はかかると思いますが、利用促進に御尽力いただくようにお願いしたいと思います。 それと、プラスチックごみの削減に関しましては、やはり一人一人が意識を持つことが重要だと思います。意識を持っていただくように、県からもしっかり発信をしていただくようにお願いしたいと思います。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 県動物愛護センターの整備状況と今後の活用についてお尋ねいたします。 近年、犬や猫などの動物を、単なるペットとしてではなく、大切な家族の一員であるとの認識が広まっており、動物に関する県民の意識は変化していると思われます。 私が子供の頃は、中型犬や大型犬を庭や玄関先で番犬として飼育されている家庭が多く見られました。また、野良犬や野良猫もたくさん見かけることが多く、野良猫は今でも見かけますが、野良犬はほとんど見かけなくなり、中には、子供の頃、野良犬に追いかけられて犬が嫌いになったという人もいました。 今では、マンションなどでも飼育が可能な猫や小型犬が多く飼われるようになる中、犬や猫から得られる恩恵が精神的な関係性になり、少子高齢化社会を背景に、子供のような存在として家族の一員の役割を担うようになりました。 一方で、近年、動物虐待や多頭飼育崩壊などの事件が増加しています。報道でもありましたが、不衛生な環境で飼育されていた62匹の小型犬が保健所に保護された多頭飼育崩壊の事例も、ある意味動物虐待であると思われます。 蒲島知事は、犬猫の殺処分ゼロを目指すことを3期目のマニフェストや熊本復旧・復興4カ年戦略に掲げ、さらに、第3次熊本県動物愛護推進計画で「命を大切にし、やさしさあふれる人と動物が共生するくまもと」の実現に向けて、動物愛護及び管理に係る施策の強化に取り組んでこられました。 そのような中、動物愛護の中核拠点となる新熊本県動物愛護センターの整備が、現在、私の地元でもあります宇城市松橋町の松橋不知火浄水管理センター北側において、令和5年度末の完成に向けて建設中であります。 今でこそ地元区の御理解、御協力をいただいて順調に建設が進められていますが、最初にこの地区に建設予定の話が出たとき、やはり臭いや騒音の問題があるため、宇城市、また、地元の区長をはじめ役員の皆様が、地域住民の方々の御理解を得るために大変な努力をされたことを聞いております。時には、宮崎県にある動物愛護センターまで視察に行かれたとの話も聞いております。 この宮崎県の動物愛護センターは、2017年に新しく建設され、命の教育を推進するとともに、教育施設としての活用を図っています。さらに、県下の小学校の中高学年を対象に「第一次「人と動物のつながりといのち」」「第二次「いのちを育て・つなぐ」」という教育プログラムが2時間構成で実践されています。 子供にとって、勉強、スポーツも大事でありますが、豊かな人間性や社会性、規範意識を身につける命の教育は、最も大事な教育だと私は思います。 これまでの動物愛護センターは、処分を念頭に置いた施設で、犬猫を個体管理する施設ではなく、長期収容もできず、さらに、駐車場も不足していたため、譲渡の推進、施設を利用した活動などをすることができませんでした。 また、動物への心ないいたずらが、暴力や犯罪などの反社会的行動に関連してくる等の話も聞くことがあり、無差別殺人などの重い罪を犯した容疑者に犯行の理由を聞くと、動物虐待からエスカレートしたという話も聞かれます。 新しく完成する新動物愛護センターは、譲渡を推進するための適正な飼育管理とともに、県内の動物愛護の拠点として、大きな役割を期待されています。多くの方々に新動物愛護センターを存分に活用していただき、命の大切さについて、子供の頃から学べるような取組もしてほしいと思います。 そこで、新センターの現在の整備状況と竣工後の活用に向けた取組について、健康福祉部長にお尋ねいたします。 〔健康福祉部長沼川敦彦君登壇〕
◎健康福祉部長(沼川敦彦君) 新たな動物愛護センターは、議員御紹介のとおり、地元の皆様の御理解と御協力の下、宇城市松橋町で整備を進めております。 新センターは、県産木材をふんだんに使ったぬくもりを感じる施設で、保護した動物の個体管理ができ、空調設備や治療室等も有するため、健康や安全に配慮した飼育が可能となります。 また、100人収容可能な多目的スペースや人と保護犬との交流の場ともなる屋根つきドッグラン、大型バスの駐車場等も整備するため、小学校の見学旅行など、多くの方々においでいただけるようになります。 既にドッグランは完成し、現在、本館の内装工事や外構工事を行っているところです。今年度末には開所式を行い、新年度に入って、県民の方々の受入れ準備が整い次第、オープニングイベントを開催する予定です。 また、多くの皆様に親しんでいただける施設となるよう、愛称の募集を行った結果、県内外から400件を超える応募があり、現在選定を進めているところです。 開所後は、新センターの機能を生かし、県民の皆様を対象にした動物愛護の啓発、保護動物の譲渡会、飼い主の皆様を対象にした適正飼養講習会やしつけ方教室など、積極的に実施してまいります。 特に「命を大切にし、人と動物が共生するくまもと」を実現するためには、子供の頃から命の大切さを学び、動物愛護の精神を養うことが重要です。 これまでも、小学校等に出向いて出前講座を行ってきましたが、新センターにおいては、見学旅行や研修会等を受け入れ、命の貴さや動物との共生への理解など、年齢に応じた学びの提供を計画しております。 教育委員会や市町村等とも連携し、新センターが命の教育の拠点となるよう取り組んでまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) 先日、議会棟の駐車場で、ここにおられる斎藤議員と星野議員が、2人でしゃがんで何かをされていましたので、見に行くと、足を骨折した野良猫、人に全く懐いていない猫を2人で一生懸命餌でつりながら、籠に保護されているのを見かけまして、その後どうなったかというと、動物愛護センターのほうでは引き取れないと、もういっぱいで引き取れないということで、ボランティア団体のほうが引き取っていただいたということで、本当お二人の行動には感心させられたところでございます。 一方で、現在の愛護センターのほうでは保護できないという状況でございまして、新センターは大変重要であり、待ち遠しい施設になると思われます。答弁でもありましたように、命の教育の拠点として活用されることをお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。 多様な学びの場の整備についてお尋ねいたします。 私の地元の松橋町では、県立松橋高校とともに、松橋支援学校、松橋西支援学校、松橋東支援学校と3つの支援学校が設置され、従前から特別支援教育の充実が図られてきました。さらに、今年の4月からは、松橋西支援学校の高等部が松橋高校の一角に移転され、先日、教育警察常任委員会でも両校の視察に来ていただき、私も、地元議員として御案内いただき、参加してまいりました。 校舎は一緒ですが、それぞれにお話を伺うことができ、支援学校の校舎に松橋高校の生徒が遊びに来られるという話も聞かれたところです。 今後は、この2校の生徒が、各種行事などで共に行動しながら、相互理解をさらに進め、共生社会の実現に向けたモデル校となることを期待しております。 その一方で、特別支援教育を受けている児童生徒数は、国の法改正等により特別支援教育が明確に位置づけられた平成19年度と令和5年度を比較すると、約3.4倍となっています。 特別支援学校の児童生徒数の増加とともに、小中学校の特別支援学級の児童生徒数も増加の一途をたどっており、特別支援教育のさらなる充実が必要であるとの声を聞いています。 日本社会が少子化傾向にある中、唯一過去最高の在籍者数を更新しているのが特別支援学校であります。 また、特別支援学級は、その者の障害の状態、その者の教育上必要な支援の内容、地域における教育の体制の整備の状況、その他の事情を勘案して、特別支援学級において教育を受けることが適当であると認める者を対象とされています。 そのような中、文部科学省が令和4年12月に公表した通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果についてでは、学級担任の判断でありますが、学習面または行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合は、小中学校で推定値8.8%であったとのことです。 学校では、様々な指導や支援をしていただいているのは承知していますが、教育的支援を必要とする児童生徒に対し、さらに充実した特別支援教育が必要ではないかと感じています。 そこで質問です。 これらに対応するため、教育委員会では、今年度から多様な学びの場整備事業の取組を始めたとのことですが、本事業の取組はどのようなものか、また、その進捗状況はいかがか、教育長にお尋ねいたします。 〔教育長白石伸一君登壇〕
◎教育長(白石伸一君) 議員御指摘のとおり、特別支援教育を受ける児童生徒数は、法改正以降、大幅に増加しています。 特別支援教育を行うに当たっては、児童生徒一人一人の発達段階や障害特性等を踏まえた教育的ニーズの把握や分析等がなされた上で、学びの場の選択が行われることが重要でございます。 そのため、県教育委員会では、今年度から、個々の児童生徒の状況に応じた学びの場を判断するための基準の検討、学びの場の整備、教職員の指導力の向上の3本の柱で取り組む多様な学びの場整備事業を実施しています。 1つ目は、学びの場の適正選択事業です。 これは、市町村教育委員会が、障害のある児童生徒の能力や可能性を最大限に伸ばせる最適な学びの場について検討する際、その教育的ニーズを的確に見極め、総合的に学びの場を判断する基準となる考え方を示すものでございます。 2つ目は、学びの場整備事業です。 これは、通級による指導が必要な児童生徒が、県内のどの地域においてもその指導を受けられるようにするため、教員が複数の学校を巡回して対象の児童生徒を指導する巡回型の通級指導教室を段階的に整備するものでございます。 3つ目は、特別支援教育研修充実事業です。 これは、通常の学級担任を含む全ての教職員の特別支援教育に関する専門性を向上させるため、研修の仕組みづくりを行うものです。 次に、現在の進捗状況でございますが、学びの場の適正選択事業と学びの場整備事業では、市町村に対して公募を行い、八代市、南関町、錦町をモデル地域として指定をしました。 今後、モデル地域内の児童生徒や学校の状況などを調査しながら、課題の整理及び改善策を検討してまいります。 特別支援教育研修充実事業においては、今年度は、特別支援学校の全教職員を対象に、自立活動を中心とする実践的研修を年間5回程度実施することとしており、専門性の向上に取り組んでいます。 今後、小中高等学校等の教員に向け、研修の充実を図ってまいります。 引き続き、誰一人取り残さない教育を実現するため、個々の児童生徒が最も適した学びの場で学ぶことができるよう、しっかりと取り組んでまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) 障害のある子供、障害のない子供ができるだけ同じ場で学んでもらうことも重要でありますし、教員が不足しております。子供たちの選択を増やすことも大事だと思われますので、また、市町村の教育委員会ともしっかり連携していただいて、環境整備に努めていただくようにお願いいたします。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 子供と家族が一緒に休める環境整備についてお尋ねいたします。
新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、イベント等が再開されています。体験活動等に家族で参加することは、子供の心身の発達に有意義であると思われます。しかし、土日祝日に勤務する保護者は、平日に休みでも、子供は学校があるため、このような活動に子供と一緒に参加できないのが実情であります。 政府は、経済財政運営と改革の基本方針2017において、地域ごとにキッズウイークを設定し、学校休業日の分散化、有給休暇取得促進等に官民一体で推進することとしました。 また、本年6月の全国知事会の休み方改革PTにおいて、従業員が子供の休みに休暇を取りやすくする環境づくりや家族の休暇に合わせて子供が学校を平日に休むことができる環境整備に取り組むことなどの提言が出されました。 鳥取県では、昨年度から、ゴールデンウイークの合間などを学校休業日とし、連休を長期化させる取組を進められています。 愛知県では、平日に学校外での体験や学びの活動を子供が保護者等と一緒に行うとき、年に3日まで登校しなくても欠席とならない制度を創設し、今月からスタートされました。 また、本県においても、人吉市では、家族の時間づくりプロジェクトとして、おくんち祭りが開催される10月9日前後に、市内全ての小中学校において、学校休業日を設定されています。 多様な働き方に合わせ、休み方を選択し、充実した余暇を過ごすことは、労働生産性の向上につながりますし、休みの分散化により、平日においても観光産業などを中心とした経済効果も期待されると思われます。 子供たちにとっても、家族との時間が増え、ふだんできない体験活動などに参加することで、視野を広げることも可能になります。 そのことを踏まえ、本県でも、学校において、子供と家族が平日一緒に休め、体験的な活動等ができる環境づくりについてどのように考えるのか、教育長にお尋ねいたします。 〔教育長白石伸一君登壇〕
◎教育長(白石伸一君) 子供と家族が一緒に休める環境整備についてお答えいたします。 学校の休みの分散化などにより、子供が保護者等とともに校外で体験的な学習活動等を実施できるようにすることは、議員御指摘のとおり、子供たちがふだんは参加できない行事等へ参加し、視野を広げることにつながるとともに、家庭教育力の向上、地域経済の活性化にも資するものと考えます。 このようなことから、県教育委員会では、本年4月、全ての県立学校に対し、休業日の取扱いを弾力化し、学校長の判断により、夏季休業日等の分散化を可能とする制度を導入しました。 これを受け、探求的な学びに積極的に取り組んでいる宇土高校、宇土中学校では、生徒が自ら考え、行動できる能力を高める契機となる体験的な学習活動等に取り組めるよう、本年度から、夏休みの一部を分散し、10月下旬から11月上旬にかけて、祝日等を含め9連休とする取組を行う予定でございます。 引き続き、本制度の周知を図り、各学校における活用を促進してまいります。 また、親が祝日や休日に仕事をしている場合などに、子供と家族が平日に一緒に休み、体験的な学習活動等ができるよう環境整備を図るためには、職場においても休暇を取得しやすい環境をつくるなど、学校と地域が一体となった休み方改革への取組も必要でございます。 今後、県教育委員会としましては、先行事例の状況も参考に、学校をはじめ関係団体などの意向も踏まえながら、具体的な検討を進めてまいります。 〔吉田孝平君登壇〕
◆(吉田孝平君) 他県ではもう既に進められておりますが、様々な御意見があるというふうなことも聞いております。 私は、夏休みの分散化は進めていってもいいんじゃないかというふうに思っております。特に、幼少期というのは、親と一緒に過ごすことは本当大事なことだと思います。このことに対しましては、やはり市町村の教育委員会もございますので、しっかりと連携をして環境整備に努めていただければと思っております。 今回、
トップバッターということでございまして、先頭バッターホームランとはいきませんでしたが、自分の中でチャンスを広げることができたのかなというふうに思っております。次回は、満塁ホームランとまではいきませんが、ホームランを打てるように、また頑張って質問させていただきたいと思います。 それでは、これをもちまして私の一般質問を終わらせていただきます。 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
○議長(渕上陽一君) この際、5分間休憩いたします。 午前10時57分休憩 ――――――○―――――― 午前11時7分開議