熊本県議会 > 2022-03-04 >
03月04日-05号

  • "療養支援体制"(/)
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  1. 熊本県議会 2022-03-04
    03月04日-05号


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    令和4年 2月 定例会               第 5 号              (3月4日)  令和4年   熊本県議会2月定例会会議録     第5号令和4年3月4日(金曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第5号  令和4年3月4日(金曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)    ――――――○――――――出席議員氏名(47人)            前 田 敬 介 君            城 戸   淳 君            本 田 雄 三 君            南 部 隼 平 君            坂 梨 剛 昭 君            荒 川 知 章 君            西 村 尚 武 君            島 田   稔 君            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            岩 田 智 子 君            池 永 幸 生 君            竹 﨑 和 虎 君            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            前 田 憲 秀 君            磯 田   毅 君            西   聖 一 君            河 津 修 司 君            楠 本 千 秋 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            山 口   裕 君            渕 上 陽 一 君            田 代 国 広 君            城 下 広 作 君            鎌 田   聡 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            井 手 順 雄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    木 村   敬 君     知事公室長  小 牧 裕 明 君     総務部長   白 石 伸 一 君     企画振興部長 高 橋 太 朗 君     理    事 水 谷 孝 司 君     健康福祉部長 早 田 章 子 さん     環境生活部長 藤 本   聡 君     商工労働部長 三 輪 孝 之 君     観光戦略部長 寺 野 愼 吾 君     農林水産部長 竹 内 信 義 君     土木部長   村 上 義 幸 君     会計管理者  手 島 和 生 君     企業局長   國 武 愼一郎 君     病院事業            渡 辺 克 淑 君     管理者     教育長    古 閑 陽 一 君     警察本部長  山 口 寛 峰 君     人事委員会            青 木 政 俊 君     事務局長     監査委員   藤 井 一 恵 君     選挙管理     委員会    松 永 榮 治 君     委員長  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   手 島 伸 介     事務局次長            横 尾 徹 也     兼総務課長     議事課長   村 田 竜 二     審議員兼            富 田 博 英     議事課長補佐    ――――――○――――――  午前10時開議 ○議長(小早川宗弘君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○議長(小早川宗弘君) 日程に従いまして、日程第1、一般質問を行います。 発言の通告があっておりますので、これより順次質問を許します。 なお、質問時間は1人60分以内の質疑応答でありますので、さよう御承知願います。 髙野洋介君。  〔髙野洋介君登壇〕(拍手) ◆(髙野洋介君) 皆さん、おはようございます。八代市・郡選出・髙野洋介でございます。昨日まで代表質問が行われ、本日より一般質問が始まりました。そのトップバッターを務めさせていただきますが、大変緊張しておりますけれども、精いっぱい60分間頑張ってまいりますので、どうぞ皆様よろしくお願いをいたします。 私質問恒例の今日は何の日シリーズから入りたいと思いますが、いろいろ調べましたけれども、見当たりませんでした。ですので、今日は、別の形でお話をさせていただきたいと思いますが、今日は3月4日、北京にてパラリンピックが開幕いたします。出場される選手、関係者の皆様方は、日頃の成果を十分発揮されまして、皆さんがベストパフォーマンスで競技を終わられますように祈念いたします。 ただ、そんな中、ロシアによりますウクライナ侵攻が今現在も続いております。この行為は明らかな国際法違反で、断じて許すことはできません。 先日、本会議におきましても、ロシアのウクライナ侵攻に対する決議が満場一致で可決されました。これからどのような状況になるか全く想像できませんが、国際社会、日本政府によるロシアに対して強い制裁をしていただき、一日も早いロシア軍のウクライナからの撤退を求めまして、通告書に従いまして質問に入らせていただきます。 まず初めに、県職員の時間外勤務と定員管理について質問をいたします。 私の問題認識を申し上げますと、熊本地震豪雨災害からの復旧、復興、新型コロナウイルスへの対応など、県に求められる役割が増えている中で、職員の時間外勤務が多過ぎるのではないか、職員の皆さんは一生懸命頑張っておられる中で、業務量と職員数のバランスが取れていないのではないかということです。 特に、今年度は、監査委員を務め、様々な所属の業務状況を確認させていただく機会がありましたが、依然として業務が増大し、職員の皆さんの負担が増大している状況を感じました。 新型コロナウイルス対策を担当されている所属では、最前線で対応に当たられている各保健所や検査を担われている保健環境科学研究所も、相当大変な状況だろうというふうに思っております。 また、令和2年7月豪雨に伴う災害復旧工事では、職員1人が担当する工事件数が通常よりもかなり多くなっているという話も伺っております。 さらに、増加している児童虐待に対応されている児童相談所では、以前から時間外勤務が多いように伺っております。子供たちの安全、安心、時には命にも関わるという業務ですので、その大変さはなおさらだというふうに思います。 しかし、時間外勤務が多い状況であるのであれば、それは業務量が増えていること、職員の皆さんの負担が増えていることに間違いはなく、働き方改革も進めながら、県に求められる役割を適正に果たしていくためには、是正を図っていくものだと考えています。 昨年11月の総務常任委員会の中で、時間外勤務の状況について質問をした際に、執行部から、申請ベースで、4月から11月までのトータルで80時間を超えた職員が延べ597名、100時間を超えた職員が244名いたというような回答がありました。これは少しずつ改善されているとのことでしたが、私は、依然として多過ぎると感じました。 対応策を検討するに当たっては、どのような業務において時間外勤務が増えているのか、その状況分析がまずは重要だと思います。 ついては、まず、職員の時間外勤務の状況について、総務部長にお尋ねします。 新型コロナウイルスへの対応、令和2年7月豪雨災害への対応、児童虐待など通常業務への対応について、それぞれ時間外勤務がどのような状況なのか、回答をお願いいたします。  〔総務部長白石伸一君登壇〕 ◎総務部長(白石伸一君) 職員の時間外勤務の現状についてお答えいたします。 令和3年度における時間外勤務実績について、産業医による保健指導等の対象となる月80時間を超えた延べ職員数で比較いたしますと、令和4年1月末までの速報値でございますが、まず、新型コロナウイルス対策に中心的に当たっている健康危機管理課、各保健所、保健環境科学研究所などでは、延べ299人で、対象職員の約8%となっております。 次に、令和2年7月豪雨災害からの復旧・復興業務に従事する球磨川流域復興局や県南地域の広域本部、地域振興局などの関係所属では、延べ45人で、対象職員の約1%となっております。 最後に、児童虐待などに対応する児童相談所を含めた通常業務に従事する各所属では、延べ380人で、対象職員の約1%となっています。 職員全体における時間外勤務の状況につきましては、令和2年7月豪雨関係への対応が徐々に落ち着いてきていることもあり、全体としては、前年度同期の延べ1,355人と比べ724人と、5割近く減少しております。一方、新型コロナウイルス第5波、第6波等へ対応する所属を中心に、一部では、月80時間を超える時間外勤務を行う職員が増加している状況でございます。 そのため、今後も引き続き、時間外勤務の多い職員に対しては、産業医の面接による保健指導等を通じて健康管理を徹底するとともに、職員の重点配置をはじめ、あらゆる手法により時間外勤務の縮減に努めてまいります。  〔髙野洋介君登壇〕 ◆(髙野洋介君) 総務部長から答弁がありましたけれども、まだまだ多いというふうに私は感じております。先ほど、質問の中で、100時間を超える職員が244名いたということでございますが、調べたところによりますと、1月末時点では307人に増えております。ここは、非常に私は懸念しております。本当に職員さん頑張っておられますが、分かっているのであれば、それなりのきちんとした対応をする必要があると思いますし、今保健所等では、知事部局はじめ、いろんな場所から、休日といいますか、土日に応援に行ったりされておられます。ですから、そういったところは非常に評価はできますが、やっぱり今一番問題なのは、コロナウイルスへの対応。 私も、先日、保健所に行かせていただきましたけれども、保健所の皆さん、相当疲弊されておられます。で、ここで問題なのは、応援がどれだけ行っても、最終的に判断するのは保健師であり、医者が判断しなければいけない部分があるということでございますので、そこの解消も図っていかなければいけないということも申し添えておきたいというふうに思っております。 本当に職員さん、非常に頑張っておられますが、体を壊したら元も子もありませんので、先ほど総務部長が言われた数字を基に、今度は知事に伺いたいというふうに思いますけれども、知事には、県職員の増員についてお尋ねをしたいなというふうに思っております。 県では、これまで、行財政改革を背景に、職員数の削減に取り組んでこられましたが、毎年のように各地で発生する自然災害鳥インフルエンザなど、緊急時の余力を確保しておく視点も含め、職員数を見直し、拡大するタイミングに来ているのではないかと思います。 知事も、皿を割ってチャレンジをと言われますが、時間外勤務の状況などを見ますと、そのような余裕がないというのが現状ではないでしょうか。 職員数の増員に伴う人件費負担の増加への懸念も理解します。そのため、私自身、市町村を含めた地方公務員の増員については、必要な財政措置を国に働きかけるなど、この問題については、責任を持って今後も対応していく考えでございます。 また、今後、定年引上げが予定されていますが、これにかかわらず、必要な組織体制をしっかりと確保していく必要があると思います。加えて、今後、人口減少が進む中、優秀な人材を確保するためには、採用方法を工夫していくことも必要になるでしょう。 このように、財源の問題も含め、様々な検討課題があるとは思いますが、熊本地震豪雨災害新型コロナウイルスへの対応など、県に求められる役割が増加し、それに伴い時間外勤務が増大しているこの状況を踏まえ、県職員の増員に関する考えについて、知事にお尋ねいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 県職員の増員についてお答えします。 本県は、今、熊本地震新型コロナウイルス、令和2年7月豪雨災害という3つの困難に直面しており、これらの困難の克服に全庁一丸となって取り組んでいます。 様々な逆境の中においても、職員は、チャレンジ精神を持って、新たな課題に取り組み、着実に成果を上げており、日本一の挑戦する集団であると誇りに思っています。 こうした取組を継続し、熊本のさらなる発展につなげていくためには、時間外勤務の状況にも留意しながら、一人一人のワーク・ライフ・バランスを実現していくことが重要だと考えています。 そのため、業務見直しの徹底はもとより、災害対応等への職員の重点配置任期付職員の採用、他県職員の派遣要請など、あらゆる手法を活用して体制確保に取り組んでいます。 特に、新型コロナウイルス感染症対策には、感染拡大の波による業務の増大に応じて、柔軟に職員の重点配置を行っています。 また、感染症対策を担う保健師や被災市町村復旧事業等を支援するための土木職、農業土木職、そして児童虐待防止対策を担う社会福祉職などの職員数の増員も行っています。 さらに、数年先を見据えた土木職の前倒しの採用などにも取り組んでおり、来年度は、専門職を30名程度増員する予定であります。 また、議員御指摘のとおり、引き続き必要な体制を確保していくためには、今後の人口減少の中での優秀な人材の確保や予定される公務員の定年引上げに対する適切な対応も重要と考えています。 今後も、TSMCの進出やアサリの産地偽装問題への対応など、新たな行政課題に全庁を挙げて取り組んでいく必要があります。 県としては、求められる役割をしっかりと果たすことができるよう、人員体制の確保に積極的に取り組んでまいります。 また、県政の諸課題に迅速かつ的確に対応し得る総職員数の在り方について、中長期的な視点からしっかりと検討してまいります。  〔髙野洋介君登壇〕 ◆(髙野洋介君) 知事から答弁をいただきましたが、答弁の内容といたしましては、ワーク・ライフ・バランスを実現していくことが重要と、そしてまた、来年度からは、専門職を30名程度増員する予定というふうな答弁をいただきました。 ぜひ、知事はじめ執行部の方々に分かってもらいたいのは、いろんな今専門職の方々いらっしゃいますが、土木を例に出しますと、今土木の状況は、いろんな最先端の技術やいろんな工法等々が今一生懸命開発されておりまして、日々進歩しております。ですから、ある程度そういった専門職の方々は、そういう情報をしっかりキャッチし、それを学ぶことによって、それぞれの職員のスキルも上がっていくと思います。 ですから、そういった面も含めて、ある程度仕事に余裕がなければ、そういう勉強もできないというふうに思いますし、橋を1つ架けるにしても、地盤から勉強しなければいけません。今職員の中に地盤から勉強している若手の職員はほとんどいらっしゃいません。ですから、やっぱり自分たちの責任持った仕事をするためには、それぞれやっぱり建設会社とか業界の方々と対峙する機会が多いと思いますので、そこで県職員は全然知らぬとたいと思われるようなことがないように、スキルアップするためには頑張っていただきたいと思いますし、採用の工夫もぜひやってもらいたいというふうに思います。 この議場にも、オリンピックに出られた選手もいらっしゃいます。一芸を私は見てもらってもいいんじゃないかなと思っております。それぞれの方々がいろんな貴重な経験をされる、それをぜひ県庁内の中に入ってもらって、いろんな経験を県庁や内外にしっかりと分かってもらう、広報していくことも県に与えられた役目かなというふうに思いますので、ぜひ、30名程度増員する、プラスアルファして、一芸という形の発想も、ぜひ知事には入れていただきたいなというふうに思っております。 何せ今は、新型コロナウイルス災害復旧が、やっぱりこの県の一番の課題だというふうに思いますので、ぜひそこは取り組んでいただきたいと思いますが、先ほど総務部長への質問の中で、児童虐待の話もさせていただきました。で、分かってほしいのは、児童虐待に取り組む、また、あの児童相談所の職員さんは、休みの日でも携帯電話は常に身につけていらっしゃいます。休みの日でも、枕元に携帯電話を置いて、いつ出動ができてもいいような態勢を取っておられて、日々本当に休まる時間はないというふうな話も伺いましたので、いろんな職場の方々の御意見を踏まえて、状況を把握してもらって、ワーク・ライフ・バランスを実現していただきたいなというふうに思いますので、しっかりと今後も取り組んでいただきたいというふうに思っております。 次に、魅力ある学校づくりに向けた職場環境について、これも人に関することでございますけれども、今度は、教育長のほうにお尋ねをさせていただきたいというふうに思っております。 監査委員として、県内の県立学校を訪問いたしまして、各学校の業務や職場環境に関する話を直接お聞きする中で、学校現場の問題や大変さを実感いたしました。 県立学校では、いまだに長時間勤務の実態が根深く残っていることを感じましたし、一部の先生の負担が非常に大きい学校があり、臨採職員の割合など、教職員の配置上の問題もあるように思われます。 先日も、文部科学省が行った教師不足に関する実態調査の結果が公表され、全国の公立学校で2,000人を超える教員が不足していることが大きく報道されました。 熊本県でも、昨年5月1日現在、小学校で36人、中学校で42人、県立高校で11人、特別支援学校で39人の合計128人の教員が不足しており、深刻な状況にあります。 教員不足が生じる背景には、様々な問題があると思いますが、私は、学校現場の長時間労働の問題も大きいのではないかと感じています。長時間労働を解消することが、教員の活力を高めるとともに、教員離れを食い止め、教員不足の解消にもつながっていくのではないかと思います。 他県では、積極的に元教員を活用したり、教員免許は持たないけれども教員業務をサポートする人々を任用する取組が行われていると聞いています。学校現場で多様な人材を活用することも、教員不足の解消にもつながっていくのではないかと思います。 そこで、まず、今回、熊本県で128人の教員不足が生じる中で、来年度からの教職員の配置上問題はないのか、どのように対応していくのか、教育長にお尋ねします。 次に、長時間勤務の解消についてです。 学校現場における長時間労働は、全国的な問題になっていますが、教職員の大きな負担となり、心身の健康を害したり、教育に対するモチベーションの低下につながっています。 教員不足が社会問題化する中、教員の成り手を確保するには、学校で働く教員の背中を見て、子供たちが自分も先生のような教員になりたいと憧れを持つようにすることも大切だと思います。そのためには、教職員の負担を軽減し、子供たちに生き生きと向き合う時間を増やしていくことが必要です。 このような点を踏まえ、学校における長時間勤務を改善するため、どのような対策を講じていくのか、教育長にお尋ねします。 以上、魅力ある職場づくりが魅力ある学校づくりになればという思いから、大きく2点、教職員の適正配置と長時間勤務の解消について、教育長にお尋ねいたします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) まず、1点目の教職員の適正配置についてですが、教職員の配置は、教職員定数に関する標準法に基づき、学級数を基本に決定しており、その他教育上の必要性等に応じ、加配を行っております。 しかしながら、近年における小中学校の大量退職や特別支援学校の新校開設などにより、臨採教員の確保が難しくなっているため、十分な配置ができず、教員不足の状況にあります。 また、教員不足臨採教員の割合との関係については、特に臨採教員の割合が高い特別支援学校において、教員不足の割合も高く、大きな課題であると認識をしております。 当面の対策として、現在、教員の業務支援を行うスクールサポートスタッフや特別支援学校サポーターの配置、再任用教職員の大幅増員などの対応を行っておりますが、この教員不足を直ちに解消するのは困難であると認識をしております。 今後は、臨採教員の割合が高い特別支援学校において、正規職員の採用を計画的に増やすとともに、即戦力となる早期退職した元教員の採用や校長経験者のアドバイザーとしての配置など、多様な人材の活用を図ってまいります。 このように、あらゆる対策を講じることで教員不足の解消に努めてまいります。 その上で、学校の事情を丁寧に把握し、学力向上やいじめ、不登校など、様々な教育ニーズに対応するため、適正な人事配置を行ってまいります。 次に、2点目の長時間勤務の解消についてですが、県教育委員会では、令和2年6月に、熊本県立学校教育職員の在校等時間の上限等に関する方針を定め、長時間勤務の改善に取り組んでおり、全体としては減少傾向にあります。 しかしながら、県立学校における教職員の約3割は、時間外在校等時間が月45時間を超えている状況にあるなど、働き方改革をさらに進めていく必要があります。 このため、働き方改革推進プランに基づき、今年度から教員の負担が大きい分野ごとにプロジェクトチームを設置し、重点的に対策に取り組んでおります。 例えば、給食費や学校徴収金業務に関しては、現在教員が行っている現金の取扱いや煩雑な業務を自動的に管理するため、新たなシステムの令和5年4月の導入に向けた予算を今定例会に提案しております。 また、課外や部活動に関しても、子供たちの夢を支えながら、教職員の負担も軽減できるよう、全体の在り方を見直していきます。 今後も、学校における働き方改革に全力で取り組み、子供たちとしっかりと向き合うことができる魅力ある学校づくりに取り組んでまいります。  〔髙野洋介君登壇〕 ◆(髙野洋介君) 教育長から御答弁いただきましたが、先生たちが不足している中で、来年度も不足するということでございます。恐らく、学校では、それぞれの先生たちがサポートをしながらやられるというふうに思いますので、ぜひ、来年度、もうすぐすぐ定員を満たすようなことは、物理的に難しいというふうに私も思っております。それは、やっぱり教員の資格を持っていなければ教壇に立てないということで、なかなか今教員不足ということは解消できない中で、それぞれの学校がどういうふうな取組をするかということを、しっかりと教育長としても調査してもらって、いい取組、また、よくない取組というのをしっかりと分析していただきたいなというふうに思っております。 ただ、構造的な問題が私はあるというふうに思います。例えば、長時間の残業が多いから学校で働く教員が不足するのか、また、あまりにも今世の中が、子供たちにもいろいろ教えないかぬ、先生たちは保護者の対応もせないかぬ、いじめの対応もせないかぬということで、今までよりもいろんなことを取り組まなければいけないところがあり過ぎて、ブラック企業というふうに言われるのかというのも非常に難しいところがあると思いますが、1つ例を出しますと、やっぱり残業を減らすためには、給特法の改正も必要ではないかなというふうに思っております。昭和の時代にできた法律を改正する必要もあるというふうに思います。 といいますのが、今、初任給といいますか、基本給にプラス4%上乗せして、残業代はそれで見てますよというような制度ですが、それをしっかりともう一回、この時代に合っているのかということを国に提言してもらって、多分文科省もいろいろと調査をされると思いますけれども、しっかりと、そこの熊本県の意見も文科省にはしっかりと伝えていただきたいと思っております。 実は、今日、うちの2番目の娘が、中3が卒業式でございます。八代市立中学校は今日卒業式で、ちょうど今頃卒業証書をもらっている時間じゃないかなというふうに思いますが、小学校、中学校のときにどういった先生に出会うかによって、教員になりたいということも決まるというふうに思います。やっぱりそれぞれ先生たち、熱意を持ってやられますが、その熱意が、しっかりと子供たちと向き合って、子供たちがそれを受け止めて、そういう憧れを持てるような先生たちが、一人でも生徒たちが増えるような、そういう環境にしていただきたいなというふうに思いますので、そういった意味を込めて質問させていただきました。 本当に大変だと思いますけれども、これからもしっかりと取り組んでいただきますようによろしくお願い申し上げまして、次の質問に入ります。 続きまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための宿泊療養施設の活用について質問します。 新型コロナウイルス感染症、特にオミクロン株につきましては、令和3年11月30日に国内で初めて感染者が空港検疫において確認されて以降、3か月の間に国内のほとんどの地域でデルタ株からオミクロン株に置き換わっています。 このオミクロン株の特徴といたしましては、デルタ株と比較しますと、重症化する割合は低いものの、感染力が強く、発症までの期間が短いことなどが分かってきています。 また、このオミクロン株による今回の第6波の特徴としては、当初は、年代的に10代から30代が多かったわけですが、最近では、10歳未満の子供から高齢者まで、幅広い層に広がっています。 本県におきましては、令和4年1月21日にまん延防止等重点措置が適用され、飲食店に対して営業時間短縮の要請がなされるなど、県民挙げて感染拡大の防止に取り組んでいるところです。 ここで、私自身の体験を述べさせていただきます。 私も、本年1月下旬に新型コロナウイルス感染症の陽性となりました。PCR検査の結果が判明するまでは自宅で待機するようにと指示を受けました。自宅で待機している数日の間に、大切な家族に感染させてしまうのではないかと不安を感じました。 このような思いを抱かれる方は、私だけではないと思います。例えば、感染が家庭内に広がることによって、日常生活が少なからず影響を受けることは想像に難くありません。 ところで、県では、受入れ病床の逼迫を防ぐため、宿泊療養施設を設置し、いわゆる軽症者等を受け入れ、療養生活の支援に取り組んでおられますが、受入れの対象は、陽性が確定している人であると聞いています。したがって、濃厚接触者となった人については、施設への入所は困難なようです。 しかしながら、これらの人々が、短期間であるにせよ、自宅で待機され、その後陽性が判明した場合に、同居する家族に感染させてしまう可能性も否定できません。 そこで、家庭内感染拡大の防止の観点から、宿泊療養施設への早期の調整及び重症化リスクが高い家族がいる濃厚接触者の宿泊療養施設への積極的な受入れについて、木村副知事にお尋ねいたします。  〔副知事木村敬君登壇〕 ◎副知事(木村敬君) お答え申し上げます。 まず、宿泊療養施設への早期の調整についてでございますが、県では、第6波による急激な新規感染者の増大に対応するため、2月に宿泊療養施設を新たに2か所開設いたしまして、全体で9施設で運営しております。これによりまして、受入れ可能の室数は、それまでの1,000室から1,335室へと増えて、療養者の受入れ体制を拡充しております。 オミクロン株は、議員御指摘のように、非常に感染力が強く、家庭の中で誰かが感染すると、瞬く間に家族全員に感染してしまう可能性があるため、早い段階から家庭内における感染拡大を防ぐことが極めて重要でございます。 そのため、保健所において、患者の家族構成、居住環境などを聞き取りまして、迅速かつ丁寧に行うことで、宿泊療養施設への入所が必要な方を的確に把握し、遅くとも陽性判明の翌日には受け入れておるところでございます。 次に、議員御提案の核であります陽性判明前の方ですとか濃厚接触者の宿泊療養施設への受入れにつきましては、厚生労働省にも再三確認しているのですが、やはり、感染症法の規定上、陽性患者が対象のため、現在認められておりません。 しかしながら、議員御指摘のとおり、重症化リスクが高い家族などと同居される濃厚接触者を宿泊施設で受け入れることは、感染防止の観点からも、一定の意義があると考えられることから、国に対して、今後とも制度の柔軟な運用を働きかけてまいりたいと考えております。 今後とも、宿泊療養施設における適切な療養支援体制を整えるとともに、保健所と連携を密にいたしまして、家庭内の感染拡大の防止に努めてまいります。貴重な御提言ありがとうございました。  〔髙野洋介君登壇〕 ◆(髙野洋介君) 木村副知事から答弁をいただきましたけれども、陽性判明前の方や濃厚接触者の宿泊療養施設への受入れは、陽性が判明しなければならないということでございますが、私、1月の27日に体調の変化がありまして、29日に陽性が判明いたしました。28日にPCR検査を受けたわけでございますが、それから判明するまで約1日、この間に、もう自分の中では、感覚としては、コロナにかかったんじゃないかなというような感触は得ました。喉の痛みがいつもと違う、発熱は止まらない、で、体は痛い、頭痛もする。もうオーソドックスなオミクロン株の特徴を全てこの体で感じたわけでございます。感染者は、まずそこを考えるんですね。家族にうつしはせんだろうか、また、それまで自分と接触した人も感染をさせとりゃせんだろうかというような形で、非常に不安を覚えますので、私は、理想とする部分は、発熱外来に行って、PCR検査を受けて、その足で宿泊療養施設に行って、そこで判定を待つ。そこで陽性になれば、そのまま宿泊ホテルでしっかりと療養する。そして、陰性だったら自宅に帰るというような流れが、私は一番家庭内感染を防ぐ1歩目かなというふうに思いますので、そういったことを、ぜひ体験者として語りますので、木村副知事には、厚労省のほうにも、県独自のそういうやり方も検討してもらって、九州内で唯一延長された熊本県でございますので、例えば蔓延防止期間中は、そういうことも認めてもらえんだろうかというような提案のほうを国のほうにしていただきたいなと思っております。 といいますのが、今PCR検査を受ける方は、3パターンいらっしゃると思います。 1例目は、私のように感染の疑いのある方、もう1人は濃厚接触者の方、もう1パターンは、エッセンシャルワーカーの方々。で、やっぱり濃厚接触者は別として、そういう体調の変化がある方については、そういった形をしたほうが私はいいというふうに思いますので、ぜひお願いしたいと思っております。 私が感染したのが、熊本県ナンバーで言いますと2万7,127番。今県全体として、5万人を超えています。ということは、35人に1人感染しているというような計算になりますので、私が発症して、もう1か月ちょっとになりますけれども、それでもう2万3,000人の感染者が増えているということでございますので、しっかりそこは考えていただきたいと思っております。 また、3月2日現在、全療養者が7,424人、入院が391人、自宅療養が5,662人、施設療養者が140人、また、調整中が937人、宿泊療養者は294人でございます。木村副知事が今先ほどおっしゃいましたけれども、ホテルは1,335室確保している中で、たった294人しかホテル内に入っていない。もっとやっぱりそれぞれの家庭環境あると思います。家庭内の環境もあります。家に部屋が2部屋しかないところは、私は困難だと思います。感覚として、保健所から電話があって、自宅にされますか、どうされますかと言われて、すぐすぐその判断ができる余裕はないんですよね。もう高熱で39度5分まで上がって、そこで判断できる余裕はない。けど、どっかではやっぱり家族にうつしたくないから、家にいたらどうなんだというようなところもあります。ですから、そういったそれぞれの家庭環境、家庭内の状況も違うと思いますので、そこは、先ほど木村副知事が丁寧にとおっしゃいましたけれども、そこが肝だと思いますので、家庭環境もそうですし、家族構成もそうです。だから、そういったところを踏まえて、しっかりとそこは対策をしていただきたいと思っております。 あと、非常に大事なことを言いたいと思いますけれども、ホテルに行かずに自宅にいる方、それは、家の方々は濃厚接触者に当たりますので、買物にも行けません。ですから、そういった状況もあるので、どういった形でそういう自宅待機者の方々を支援するかという視点もぜひ入れてもらって、買物にも行けないんですよね。だから、身寄りのない方には、もう飢え死にしてください、餓死してくださいと言うのと一緒ですから、そういったところをどこで行政がタッチするのか、また、地域としてどういうふうに支え合っていくのかということも含めて、今回の私の感染を一つのきっかけにしてもらい、そして参考にしてもらって、いつでも私は経験を皆様方にお伝えさせていただきますので、ぜひ皆さん、コロナにかからないように、かかったとしても冷静な対応をしていただきますようにお願いをいたします。 とにかくきつい、そしてつらい10日間でございましたので、こういう経験はなるべくなさらないようによろしくお願いをいたします。怪しい人が何人かいらっしゃいますけれども、そこは注意されてください。 続きまして、消防学校の施設整備についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 6年前の熊本地震では、死者273名、家屋全半壊約4万3,100棟に及び、また、令和2年7月豪雨で、県南を中心に死者67名、家屋全半壊約4,600棟と、広範囲かつ甚大な災害が発生しました。 これまでの想定をはるかに超える大災害が、いつどこで発生してもおかしくない状況となっています。こうした大災害が発生した際、自らの危険も顧みず、最前線で人命救助に当たられているのが消防職員や消防団員です。 消防職員は、県内12消防本部に約2,400人、また、消防団員は、県内に約3万人おられ、地域防災の要として活動しています。 消防職員や消防団員には、先ほどの熊本地震や令和2年7月豪雨災害など、激甚化、大規模化する災害に加え、高層ビルや大規模倉庫の火災等、特殊な火災への対応なども求められております。 そのため、消防職員や消防団員の日々の訓練の充実強化が必要であり、県内唯一の教育訓練施設である消防学校の役割は、ますます重要となっています。 昨年7月、総務常任委員会で消防学校を視察しました。熊本地震による被害を受け、建て替えられた屋内訓練場だけではなく、校舎や寄宿舎、訓練塔など、現在整備中の実践的訓練施設の整備状況も含め、学校全体を見せていただき、どのような訓練を行っているかなど説明をいただいたところです。 新しい訓練施設が整備される一方で、校舎と寄宿舎については40年前に建てられており、寄宿舎の間仕切りのない6人相部屋は狭く、コロナ対策には不向きです。また、洗面所や洗濯機が男女兼用となっており、女性訓練生は使用をためらうことがあるなど、時代にそぐわない状況も出てきているというふうに感じたところです。消防職員や消防団員にしっかりと訓練に取り組んでもらえるよう、校舎や寄宿舎の環境を見直し、新型コロナウイルス感染症対策にも配慮した施設の整備が必要と考えたところです。 加えて、消防学校は、熊本地震や令和2年7月豪雨の際には、県外からの消防の応援部隊の活動拠点や宿営地等にもなったと聞いています。応援職員の活動拠点としての役割を担えるような施設を充実させることも必要ではないでしょうか。 そのようなことから、私は、9月の総務常任委員会におきまして、消防学校を国土強靱化の観点から整備を進めるための財政措置等については、国へ要望するよう提案したところです。 この県の要望を受け、総務省におきましては、金子総務大臣の下にしっかりと御対応いただき、来年度から、災害時の応援職員の受入れ施設等を消防学校の建て替えに合わせて整備する場合に、有利な地方債が適用できるように制度化されたと聞いています。 そこで、県として、今後、消防学校の施設、特に校舎や寄宿舎の整備をどのように進められるのか、総務部長にお尋ねいたします。  〔総務部長白石伸一君登壇〕 ◎総務部長(白石伸一君) 消防職員や消防団員の県内唯一の教育訓練機関である消防学校は、校舎や寄宿舎など施設の多くが建築後40年を経過し、雨漏りなど老朽化も見られる状況となっています。また、熊本地震や令和2年7月豪雨災害では、緊急消防援助隊の活動拠点や宿泊地となりましたが、校舎及び寄宿舎は、対策会議を実施する十分なスペースが確保できないことや、トイレ、シャワーの不足など、応援職員の受入れ機能が十分ではありませんでした。さらに、議員御指摘のとおり、女性訓練生の受入れや新型コロナウイルス感染症対策にも配慮した環境整備も必要と認識しております。 こうした状況の中、校舎及び寄宿舎については、国の有利な財政措置がなかったことなどもあり、まずは、耐震不足の訓練塔の建て替えや実践的な火災訓練施設の整備を優先し、その後に校舎等の整備を検討することとしていました。 昨年の総務常任委員会による消防学校の視察やその後の委員会からの御提案を受け、10月の政府提案において、消防学校校舎等を整備する際の財政支援の要望を行いました。 総務省では、近年、災害が激甚化、広域化する中で、応急対策の重要性を踏まえ、来年度から、消防学校の整備に当たり、応援職員受入れ施設等を整備する場合、交付税措置率が70%ある緊急防災・減災事業債の対象とする見直しが行われました。 このため、県では、これまでの予定を前倒しして校舎及び寄宿舎の整備を行うこととし、整備に関する基本構想、基本計画を策定するため、今定例会に関係予算を提案しております。 この基本構想等の策定に当たっては、女性訓練生の受入れ環境などに配慮した施設とするとともに、大規模災害時の応援職員の災害対応拠点としても十分活用できるよう検討してまいります。  〔髙野洋介君登壇〕 ◆(髙野洋介君) 白石総務部長から御答弁いただきましたけれども、基本構想、基本計画を策定するため、今議会に関係予算を提案されているということでございますけれども、この際には、やっぱり金子総務大臣のお力添えは大変大きかったかというふうに思います。 これまで、寄宿舎や校舎に対しては、全く国の協力がなかったということでございます。本当に、金子大臣はじめ、その周りの方々、秘書グループをはじめ、本当に熊本県にゆかりのある方々がたくさん御協力をいただいたおかげで、この体制も整ったというふうに思いますので、ぜひ、熊本地震、また、令和2年の豪雨災害を経験した熊本県がまず率先して、こういった施設を第1号に造ってもらって、他県のそういった参考になるような、そういうすばらしい施設を、いろんな見方、配慮をした上で、すばらしい施設を建てていただきますようによろしくお願いをいたします。 続きまして、TSMCの進出と県南地域への波及効果についてお尋ねいたします。 昨年11月9日に、TSMCとソニーが、半導体製造受託サービスを提供する新会社を設立し、菊陽町への工場建設を発表されました。 そして、先月15日には、トヨタ自動車グループの自動車部品大手デンソーも出資することを公表しました。 これにより、今回の投資額は約9,800億円、雇用予定人員も1,700人と、さらに規模を拡大したとのことで、ますます本県経済の浮揚とさらなる発展につながるものと大いに期待しています。 ただ、今回のTSMCの菊陽町への進出につきましては、報道等では数多く取り上げられているものの、県南地域からすると、まだまだ他人事のようで実感がないという声を聞く機会が多いように感じます。 知事は、11月議会の際、TSMCの進出の効果を県内全域に波及させる取組を進めるとの方針を示されました。 県南地域には、南九州の物流拠点としての八代港に加え、人材育成の面でも八代工業高校や熊本高専八代キャンパス等があり、本県半導体産業の発展を支えるポテンシャルは高いと考えています。 さらに、八代市は、台湾の基隆市と平成30年に友好交流協定を締結し、産業、経済、文化、観光等、幅広い分野で交流を進めております。 また、今回のTSMCの進出決定を踏まえ、八代市役所内には、全庁横断組織として、八代港利活用促進等推進本部が設置され、八代港の活用や人材育成などの検討を進められており、機運も徐々に高まっていると感じています。 私も、ぜひ、このTSMCの進出の効果を県南地域にも取り込み、地域経済の活性化やにぎわいづくりに結びつけたいと考えています。 そこで、TSMCの進出効果をどのように県南地域に波及させようと考えているのか、木村副知事にお尋ねします。  〔副知事木村敬君登壇〕 ◎副知事(木村敬君) お答えいたします。 議員御指摘のとおり、県は、TSMCの進出の効果を県内全域に波及させるとの方針でおりまして、半導体産業集積強化推進本部を設置し、全庁一丸となって取り組んでおります。 県南地域におきましては、まず、やはり八代港の利用拡大が期待されます。新工場が半導体の製造工程で必要とする薬液ですとかガスなどの輸入が行われますので、国際貨物の増加が見込まれます。既に、八代港には台湾への国際コンテナ航路が就航して、多くの貨物の輸出に活用されておりますが、TSMCの進出を契機として、八代港の拠点性をさらに高めていく必要があると考えております。 そのため、県では、国際航路の新設、増便などを行う船会社への支援を行うことで、物流機能の強化を図り、県南地域への経済効果を着実に広げてまいります。 また、加えまして、八代市は、先ほど議員も御指摘いただきましたように、港を通じて台湾の基隆市と友好交流協定を締結され、既に台湾との関係を深められております。この絆を最大限活用いたしまして、台湾とのビジネス、観光、文化面などでの交流を、県南地域から県全体へと広げていきたいと考えております。 また、県南地域にも、様々な半導体関連企業が立地されております。既に、TSMCやその関連企業などとの取引拡大を目指した動きが始まっております。 具体的には、芦北町に立地する株式会社テラプローブが、設備の増設を公表いたしまして、去る1月21日に、県と地元芦北町との3者による立地協定を締結しております。 このように、県南地域での半導体関連企業の動きを関係機関と連携して積極的に支援してまいりたいと考えております。 さらに、教育委員会、そして国とも連携しまして、マイスター・ハイスクール事業に既に指定されております指定校であります八代工業高校ですとか熊本高専八代キャンパスなどにおいて、半導体産業をはじめとした県内産業を支える人材育成を積極的に推進していくとともに、卒業生の優秀な人材を地元企業に就職させる取組を、こちらも積極的に進めてまいります。 地方創生に向けたこのチャンスを生かすためにも、県としては、引き続き、庁内はもとより、市町村、企業、関係機関ともしっかり連携して、県南地域を含みます県全体でその効果を実感していただけるよう、波及効果の最大化に取り組んでまいりたいと考えております。  〔髙野洋介君登壇〕 ◆(髙野洋介君) 木村副知事から答弁をいただきましたけれども、しっかりと取り組んでいくということでございます。ただ、なかなか、相手が民間企業ということで、情報がなかなかつかめない部分はあると思いますし、やっぱりそこは一旦冷静になりながら、いろんな分析をしながら、八代港を含め、いろんな利活用の方法を考えていただきたいと思っております。 そのためには、まず、港の話をされましたけれども、港が使いやすい、また、魅力ある港をつくるために、しっかりとこちらも土木部と連携して取り組んでいただきたいなというふうに思います。 それでは、最後の質問に入らせていただきます。 2050年ゼロカーボンに向けた県の取組と率先行動についてお尋ねします。 私は、今年度、有明海・八代海再生及びゼロカーボン社会推進特別委員会の委員長として、国内外の情報を収集し、議会で対策を協議し、地元の意見にも耳を傾けてまいりました。 11月にイギリスで開催されたCOP26では、世界の平均気温上昇を産業革命前に比べて1.5度以内に抑える目標に向かって、さらに取組を進めることが確認されました。さらに、今週発表されたIPCC報告書でも、食料や健康などへの影響について警鐘が鳴らされる中、全世界で温暖化対策が進められています。 日本においても、昨年4月に、当時の菅総理が、温室効果ガスの46%削減を目指すこと、50%削減の高みに向けて挑戦を続けることを表明され、10月に決定され、国の地球温暖化対策計画にもこの目標が明記されました。 今後、脱炭素社会の実現に向けて、国の施策が打ち出されていくとは思いますが、その一方で、私たちのところには、ゼロカーボンの必要性は理解しているものの、何をすればいいのか分からないという県民の皆さんの声が寄せられています。国の施策だけでなく、県において、例えば、県民一人一人が日常の中で取り組めることを示すなど、地域の実情を踏まえた丁寧な取組を積み重ねていく必要があると思います。国の取組をただ待つのではなく、国をリードする取組が必要だと思います。 そこで、知事に質問いたします。 知事がゼロカーボン宣言をして2年が経過しましたが、ゼロカーボンに向けて、国をリードして取り組む決意と、具体的にどのように県民や企業、市町村をリードしていくのか、お尋ねします。 また、故事にも、まず隗より始めよとありますが、一事業所でもある県庁として、どのように率先行動に取り組むのか、環境生活部長にお尋ねします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 私は、2019年12月、国に先駆けて、2050年県内CO2排出実質ゼロを宣言しました。また、昨年7月には、2030年度の温室効果ガスの削減目標を、国の目標を上回る50%と定めました。 水俣病の教訓も踏まえ、本県が率先してゼロカーボンに取り組み、地球環境の安全保障に貢献していきたいと考えております。 目標の実現に向け、県としては、CO2削減に向けた具体的な取組や効果を見える化し、県全体に波及させてまいります。 まず、家庭での取組については、CO2削減のための行動と効果、経済的なメリットを見える化したゼロカーボン行動ブックを作成しました。すぐに行っていただきたい取組から将来的な目標までを、ホップ、ステップ、ジャンプと段階的に示し、県民運動を展開してまいります。 企業に対する取組としては、昨年7月から、県内企業や電気事業者等と検討会を行っており、CO2削減に大きく貢献する設備の導入の検討が進んでおります。このような取組を中小企業にも波及させ、県全体での取組に発展させてまいります。 市町村に対しては、地球温暖化対策実行計画の策定を支援しており、今後さらに支援を強化してまいります。また、環境省が新たに全国100か所程度を選定する脱炭素先行地域の創出に向け、水俣市の環境センター周辺など、市町村と連携した先行地域づくりを進めるとともに、市町村独自の取組もしっかり支援してまいります。 さらに、市町村の模範となるよう、県自らもCO2削減の率先行動に取り組んでまいります。 2030年や2050年は、遠い将来のことではありません。持続可能な熊本の未来をつくるため、できることを全て行っていくことが、今を生きる私たちの使命であります。 この思いを、県民や事業者の皆様、そして市町村とも共有し、ゼロカーボン社会・くまもとの実現に全力を挙げてまいります。  〔環境生活部長藤本聡君登壇〕 ◎環境生活部長(藤本聡君) 県の率先行動についてお答えいたします。 令和元年度のデータになりますが、県庁は、県内で13番目に温室効果ガスの排出が多い事業所となっております。一事業者としても、ゼロカーボンに向けた取組を率先して進めていく必要があります。 そのため、来年度、県有施設での新たな取組として、球磨川流域の県南広域本部、芦北、球磨の各地域振興局におきまして、初期投資ゼロモデルにより再エネ設備を導入することとしており、今定例会に関係予算を提案しております。 具体的には、駐車場を民間事業者に貸し付け、ソーラーカーポートを設置するとともに、蓄電池の役割を果たす電気自動車を導入いたします。この電気自動車は、災害時には、災害対策本部や避難所等へ電気を供給する非常用電源としても活用できます。 また、国の脱炭素先行地域の選定に向け、水俣市に設置しております環境センターにおいて、隣接する水俣病資料館などと連携し、脱炭素化に向けた計画策定等を進めてまいります。 ゼロカーボンの実現には、県民や企業、市町村など、あらゆる主体での取組が必要不可欠となります。 県としましても、県全体での取組が加速するよう、県有施設への再エネ導入などを県の率先行動として、積極的に進めてまいります。 ○議長(小早川宗弘君) 髙野洋介君。――残り時間が少なくなりましたので、発言を簡潔に願います。  〔髙野洋介君登壇〕
    ◆(髙野洋介君) 知事からと環境生活部長から答弁をいただきましたけれども、知事が言われました見える化した行動ブック、私も見せていただきましたけれども、非常に分かりやすい形であります。これにはいろいろ特別委員会でも賛否が分かれましたが、私はすばらしい出来だと思いますので、そこをしっかりと県民の方に配っていただきますように、よろしくお願いをしたいと思っております。 あと、環境生活部長から御答弁をいただきましたけれども、県が率先行動として積極的に進めてまいるということでございますので、知事もおっしゃいました模範となるような形で、ぜひ県庁を挙げて取り組んでいただきたいと思いますし、県庁が取り組む、そして市町村が取り組む、次は我々議会のほうも、しっかりとこれに向けては取り組んでいかなければいけないというふうに思います。 例えば、議会棟のところに何かそういう分かりやすいものを設置しながらやるとか、やっぱり県民に対しても、分かりやすく、県議会としてもこうやってやっているんだということが分かるような、そういう取組も必要かなというふうに思いますので、これは、議会事務局、また、知事部局とも連携しながら考えていかなければいけないというふうに思いますので、よろしくお願いしたいなというふうに思っております。 本当に駆け足で60分間やってまいりましたけれども、精いっぱい取り組んだつもりでございます。ただ、分かりづらいところがあったと思いますけれども、そこはおわびいたしまして、通告書全て終わらせていただきました。 本日の質問、誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(小早川宗弘君) この際、5分間休憩いたします。  午前11時休憩    ――――――○――――――  午前11時10分開議 ○副議長(山口裕君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 田代国広君。  〔田代国広君登壇〕(拍手) ◆(田代国広君) 自由民主党を降格して、無所属になりました田代国広でございます。無所属で初めての一般質問ですけれども、意外と違和感を感じません。もともとが組織無所属で来たわけでございますから、古巣に戻ったような気がいたしておりまして、今日はそういった感覚で質問ができたらいいなと思っております。 私は、昭和60年に初めて大津町議会議員として地方議会に参画しましたが、ずぶの素人ですから戸惑うことばかりでした。当時、全国町村議会事務局から「議員必携」という本を買わされましたが、その中には、議員としてのイロハが書かれており、議員としての参考書的な存在でありました。また、ある研修会で講師の方から、二元代表制の一翼を担う議会の役割は、チェック機能を果たすことであり、そのためには与党ではチェック機能が果たせないから野党的立場に立ちなさいと指導を受け、このことを私自身深く理解し、認識して今日に至っております。 そして、空港アクセス鉄道の事業に関して、自民党と私の考えに隔たりが生じ、愛する自民党を苦渋の決断をして離党することを選択した次第です。 今後は無所属として活動しますが、その基本は野党的立場であり、今日の一般質問も苦言を呈するかもしれませんが、御理解いただければ幸いです。 通告書に従って、今から本題に入ります。 空港アクセス鉄道は、平成30年12月12日の第18回高速交通ネットワーク整備推進特別委員会に三里木、原水、肥後大津の3ルートが示され、三里木ルートが費用対便益比1.5で、他のルートより優位な数字が示され、当時委員長でありました私も特に違和感もなく容認いたしました。それは、信頼する県執行部が提示した数字ですので、その信憑性を疑う余地はなかったからです。 ところが、令和2年6月の委員会で、調査会社からの調査結果を見て驚きました。最初に示された原案は一かけらもなく、全くと言っていいほど変わった三里木分岐案が示されました。その内容は、高架からトンネル工法に変更した結果、当初の380億円が税込みで504億円となり、当初より124億円増え、さらに分岐直進が分岐乗換えになり、結果として、費用便益分析について、正確な分析結果を示すことが困難となり、具体的な数値の算出には至りませんでした。さらに、現行の需要予測モデルに基づく予測結果を前提に算出すると、その利用者便益がマイナスという評価になる可能性があり、経済合理性上著しく妥当性を欠くと記されておりました。 私は、この時点で、本来ならば、この三里木分岐は中止すべきだと感じたところであります。なぜならば、この事業は、普通の公共事業ではありません。経済活動の一環です。したがって、仙台空港の鉄道会社は、株式会社をつくっております。それにはJR東日本が3億5,000万も出資しているんです。さらにはまた、山形県が5,000万円、そして110の団体や自治体が出資をして株式会社が成り立っております。それでも、当初は1万人の予測が7,000人しか乗らずに、毎年8億円の赤字を計上しておりましたけれども、やっと平成30年になって、目標の1万人に到達して黒字化となりましたけれども、このコロナ禍で、また恐らく厳しい運営を強いられておると思うものであります。このように、仙台の場合は、県下挙げての私は待望久しい鉄道事業であったというふうに思います。 これと比較して、我が熊本県のこの鉄道を考えますと、株式会社は理想ですけれども、残念ながら株式会社はできません。なぜならば、誰も出資をする人がいないんです。既に、JR九州も出資をしないことを明言しております。なぜ出資しないか。利益が出ないからです。明らかじゃないですか。したがって、この事業は、もうこの時点で、本来ならば、マイナスと数字が出た時点で、私は中止をするのが正しい政治判断のような気がいたします。と同時に、この原案の出し方に極めてずさんな感じがいたします。当初は直進でした。それが乗換えに変わったんです。そして、高架がトンネルに変わりました。この2つは、非常に、この事業を判断するにおいて、極めて重要なポイントだったんです。それが変わったんです。そして、124億円も増えまして、当然、費用対便益はマイナス、これはもう大いに誰でも分かることなんです。 この事業を考えるときに、私は、この資料を持っておりますけれども......(資料を示す)この中には、最初のこれは資料ですけれども、肥後大津ルートの場合「トンネル区間が長く、地下水や地盤状況により、補助工法が必要となる可能性があり、大幅な事業費増や長い事業期間を要する恐れがある。」と書いてある。こうして大津の場合はトンネルを否定していながら、令和2年にはトンネル工に変えたんです。その結果、100数十億円の増額となりました。 もともと私の知り合いで、美咲野に宮園さんという方がいらっしゃいますけれども、その方はゴルフする仲間ですが、ゴルフした後の反省会で、非常に鉄道に詳しいんです。私は聞いたんです。あなたはどこで仕事してたんですかて。そしたら、JR西日本におって新幹線あたりを担当したとおっしゃいまして、その方いわく、三里木からの分岐は、高架では白川の橋が極めて高くなると、これは技術的には可能ですけれども、したがってトンネルが理想だということ、自らもトンネル工法を採用して、この積算をされております。 こういったことから考えると、当初からトンネルは分かってたんじゃないかと。なぜトンネルにしたかというと、商業施設や住宅があるから用地交渉が厳しいから、それは最初から分かってたはずなんですよ。それをせずに、我々が特別委員会でゴーサイン出したからトンネルに変えたような気がしてならないんです。非常に出し方にもずさんというか、議会軽視というか、私の経験では考えられないようなことであります。そういったことを含めまして、本当に、やっぱりこの事案は、私は速やかに中止をしていただきたいというふうに思います。 その後続きますが、622万人を想定した試算、最初の原案は何だったのか。三里木分岐を認めるための原案だったのか。その後の調査結果が令和3年6月に示されましたが、中間駅利用者が2,700人から400人へと激減し、中間駅の必要性は全くなくなったと言ってよいのではないでしょうか。また、全体で5,000人の利用が計上され、その算出の前提が、熊本国際空港が目標に掲げる2051年度に622万人まで増加することを基に算出され、33年後の累積資金収支の黒字化が可能であり、採算性は確保されると記されています。 この622万人という数字は、あくまでも空港運営会社の目標であり、これを前提に算出するならば、7掛けで算出するのが自治体を預かる首長としての判断だと私は思います。なぜ100%でこの数字を利用したのか。それは、これ以外に、この事業を推進するための費用便益がプラスにならないからではないでしょうか。 最初の原案の出し方、途中での大幅な計画変更、空港運営会社が目指す622万人の目標を前提とした費用便益の算出方法などなど、大きな疑問と多少の憤りさえ感じるものであります。なぜならば、今から生まれてくるであろう子供たちに負の遺産だけは残してはならないと思うからであります。 少子高齢化社会を迎え、かつて経験したことのない未知の世界へと先進国は向かっています。その先頭を走っているのが日本であります。人がいて初めて経済活動が発生します。人のいないところに経済は波及しません。人口が減少することは、経済活動が縮小し、それが少子化を加速させる、いわゆる負のスパイラルを心配される経済学者も多数おられます。 また、国連の調査、世界人口推計2019年版によると、多くの先進国が人口減少社会に入っており、先頭を走る日本は、2050年には1億500万人となり、現在より2,000万人減少し、辛うじて1億人を維持しますが、その50年後の2100年には7,500万人と推計されており、現在より5,000万人減少し、さらには世界が人口減少社会に入ると示されております。このような事象を考えますと、空港運営会社が目指す622万人の達成は不可能に近いと思います。 このような視点から、知事が認める622万人を100%前提とした取組に大きな疑問を感じており、この案件に対し、私は、速やかに廃止すべきと総括しますが、議案提出の最高責任者たる知事はどのように総括されるのか、知事の見解を求めるものであります。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 空港アクセス鉄道についてお答えします。 2051年度に航空旅客者を622万とする目標値については、鎌田議員の質問に答弁しましたとおり、熊本国際空港株式会社が民間の専門的知見に基づき算出されたものであります。コンセッションの際、具体的な路線誘致策とともに、実現可能性の高い提案となっているかなど、その観点で審査され、高い評価を受けた上で、新たな空港運営会社として選定されています。 この622万人の目標値は、今から30年後のものです。新型コロナウイルスの影響による短期的な落ち込みを乗り越え、長期的なこの目標値の実現に向け、熊本国際空港株式会社と連携して取り組んでまいります。 また、三里木ルートの検討につきましては、令和元年度以降、鉄道整備に関し多数の実績と豊富な経験を有する独立行政法人鉄道・運輸機構に委託し、調査を進めてきました。 トンネル工法への見直しや事業費の変動等については、それぞれの調査において、専門的な最新の知見等を踏まえ、深度化を図ってきた結果です。JR九州との同意などの状況の変化やこれまでの調査結果については、その都度、本会議における議案説明や質問に対する答弁、常任委員会、特別委員会の場で、丁寧に説明を行ってまいりました。 一方で、昨年の11月定例会で表明したとおり、TSMCの進出等による人や物の流れの変化を可能な限り調査に反映し、空港周辺地域の可能性を最大化するため、ルートの追加調査を行うこととしました。 追加調査の結果についても、これまでと同様に、県議会や空港アクセス検討委員会において丁寧に説明を行い、県民の皆様の理解の促進につなげてまいります。 空港アクセス鉄道の整備は、熊本地震からの創造的復興の総仕上げと考えており、熊本の将来の礎として、最大限の効果が発揮できるよう、早期実現に向け、引き続き検討を進めてまいります。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 詳細な説明があったということを何回も聞きましたが、私は、詳細な説明はあっていないんじゃないかと思うんですよ。だから、あんな三里木分岐なんか、分岐から直進が乗換えとか、あるいは高架、トンネルとか、そういった説明なしにしてやられているじゃないですか。こうしたいと思います、どうですかの説明受けてませんよ、一回も。 そして、問題は、622万人構想。もう既に、この資料によると、空港運営会社が作った資料は、2017年を基準として、2022年の今年は392万人を予想しているんですよ。2017年は、国内線合わせて334万人ですよ。だから、60万人増えるのが今年度の空港会社の試算ですよ。もう第一歩でつまずいているんですよ。 しかも、問題は、人口減少社会です。そして、この運営会社が目指す新しい空港路線、10幾つ上がっておりますけれども、特に中国をターゲットにしているような気がするんですね。中国も人口減少社会に入るんです。なぜかというと、一人っ子政策です。1979年でしたかね、一人っ子政策。2015年まで続いたんです、36年間。これによって、中国の人口が大幅に今減少しつつあるんです。国連は、1.7で試算しました。それによると、2100年で10億5,000万人です。今が14億で、3億5,000万人。ところが、中国の地元のシンクタンクの試算では、1.1から1.2だそうです、出生率が。一人っ子政策で、どうしてもやっぱり男を取りますね、一人っ子の場合は。跡取り、後継者。女性を排除するというか、そういった、特に女性との大変バランスが悪くて、極めて深刻な今状況になりつつあるんです。したがって、その人口シンクタンクが試算したのでは、1.2で試算しますと、2100年には6億4,550万人か、6億8,000万人ぐらい減るんですよ。もう半分以下ですよ。そうなったとき、果たして海外から百何十万人という数字が出てきますか。 一般的に、さっきも言ったように、人口が減るということは、計画を縮小するんです。計画が縮小することによって、さっき言ったように、少子化の加速化、負のスパイラル、そっちの心配するのが一般的な考え方なんです。このあなた、人口が減っている中で、それを622万人を前提に試算するということは、私から言わせればギャンブルですよ、これはもう。私、だから7掛けでしろと言ったんですよ。その根拠は何かというふうに聞いたんです。根拠を示せと言ったんです。憲政の常道は、安心、安全、安定だと。そのためには、7掛けをすべきじゃないかと。100%なんてギャンブル族だて。おまえは7掛けで一遍試算したかて。試算もしてません。試算すれば赤字て分かってるからか知りませんけれども、こんな大事なことを試算してないんです。ギャンブルじゃないですか。その空港会社は、国交省が認めた数値かもしれませんが、あくまでもこれは目標ですよ。私は、出すこと自体に常識を疑いますよ。もっと安全、安心、安定を考えるならば、100%の数字はあり得ないでしょう。前提ということは、これはもうこれで確定しとるわけですからね。極めて私から見れば非常識と思えてなりません。 もう既に第一歩でつまずきました。そして、地球は人口減少社会に向かっていくんです。かつて人類が経験したことのない未知の世界に行くわけですから、少しやっぱり国交省のその数字をうのみにするのじゃなくて、自分たちの目や耳や頭で考えてすべきだと思うんですけれども。したがって、そういったことからして、私は、速やかにこの三里木分岐は廃止をすべきだというふうに総括をしたところであります。 次に、アクセス検討委員会について質問を行います。 検討委員会とは何か。私は、付託された案件のよしあし、すなわち、事業の是非を検討するのが検討委員会の本来の役割であると思っております。 ところが、今回の検討委員会の目的には「有識者等から幅広く意見を聴取し、事業の推進を図ることを目的とする。」と記されており、この検討委員会は、推進を図る検討委員会、すなわち推進委員会の位置づけであると解してよいのではないでしょうか。 私は、この目的の文言を見たとき、強い違和感を覚えました。なぜならば、この案件は、ある意味では議決権を有する県議会の特別委員会に付託されています。最終的な議決権を有する県議会の特別委員会に付託されている案件に対し、なぜ検討委員会が必要なのでしょうか。しかも、事業推進を図る目的の検討委員会が。この発想は、議会軽視そのものと私は思います。いや、議会軽視よりも、むしろ議会冒涜、あるいは侮辱と言えるのではないでしょうか。議会を尊重するならば、このような発想は浮かばないはずです。蒲島執行部の議会に対する軽視以外の何物でもないと、強い憤りさえ感じます。 知事が目指す政策の1丁目1番地は、県民の総幸福量の最大化と思いますが、それには県民所得の向上が不可欠であります。そのためには、負の遺産は絶対に避けなければなりません。それを思うとき、このような現状、つまり、事業の是非の検討が不十分なまま推進を図るというやり方では、空港アクセス鉄道に関する限り、県民の幸福量の最大化に逆行する施策の推進であると思えてなりません。 もう三里木分岐乗換えは終わりました。空港アクセス鉄道を必要と言うならば、肥後大津駅からの直進しかありませんが、負の遺産を残さないためにも、事前に検討委員会を設置し、そこで十分に議論して、その答えを議決権を有する議会の特別委員会に委ね、その結果の下で政策を決定するのが憲政の常道だと思いますが、今回の検討委員会イコール推進委員会の設置について、知事の見解を求めるものであります。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 空港アクセス検討委員会につきましては、空港への新たなアクセス整備の推進に向け、鉄道延伸案の是非等も含めて幅広く意見を伺うことを目的に設置したものです。 また、専門的知見が必要な調査に関しては、鉄道・運輸機構に委託し、その調査結果等を検討委員会に報告の上、有識者や交通事業者、経済界などの委員から幅広く意見を伺っています。 検討委員会については、これまでに4回の会議を開催しており、三里木ルートの調査結果や鉄道とその他の交通モードとの比較などについて、それぞれの立場から、多様で貴重な御意見をいただき、検討に反映してきました。 現在実施中の追加検討についても、調査結果を取りまとめ次第、空港アクセス検討委員会に説明し、御意見をいただくこととしております。 また、調査結果や検討委員会での意見を含めた検討状況については、これまでも県議会の場で丁寧に説明を行ってまいりました。最終的には、様々な意見を踏まえ、知事である私が事業化を判断し、必要となる予算案について、議会に御審議いただくことになります。 今後も、県議会への説明を尽くし、県民の皆様の御理解をいただきながら取組を進めてまいります。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 私が聞きたいのは、高速特別委員会に付託された案件を、なぜ他に付託しなければならないかということですよ。特別委員会が当てにならないからですか。おかしいですよ。最初に検討委員会をつくって、その答えを踏まえて、それを委員会に付託したというなら分かるんです、手順としてですね。既に、議決権を有する委員会に付託したわけですから、これはやっぱりそれを任せるというか、尊重してもらうのが、私は、執行部の妥当なやり方と思います。 知事は政治学者と伺っておりますけれども、私たち二元代表制の一翼を担う地方議会としては、あなたには執行権が、我々には議決権があるわけですから、議決機関に一度委ねた案件は、私は、当然最後までその議決に任せるのが妥当な判断だと思います。 しかも、検討委員会の中の発言を聞いていますと、推進委員会ですから、誰一人として否定的な意見は言っていません。あなたたちが喜ぶようなことばかり言っとる。ただ一人まともなことを言った人は、JR九州の支社長の赤木委員さんだけです。あの人は、さすが鉄道のプロですから、やっぱり心配されているんです。何と言ったかというと、鉄道は9割が固定費、需要予測をしっかりと検証した上で、投資いわゆる鉄道建設を考えるべきと指摘されているんです。 これが、検討委員会ならば、是非を検討するわけですから、もっといろんな意見があるはずなんです、否定的な意見が。しかし、推進を図る委員会ですから、委員の皆さん方も、そういった立場でこの委員会で発言されているんです。私は、赤木さんと会いました。会っていただきました。空港運営会社の新原社長にも電話したんですけれども、あの方は逃げられた、用があると言って。 ですから、検討委員会、推進じゃなくて是非を検討する委員会を、ぜひ、今度新しく3つのルートが言われてますけれども、つくられるならば、ぜひそうした委員会をつくってもらいたいと思います。いかがですか。県議会は、再質問はあんまりせぬけん――ということをぜひお願いしておきたいと思います。 恐らく、今度3つのルート案が示されておりますが、この検討委員会が、またそれを検討するみたいなんですけれども、ぜひ、是非について、するかしないか、よしあし、推進じゃなくての検討委員会、あるべき姿だと思いますよ、それが。それをつくっていただくことをぜひ強く求めておきたいと思います。 次に、肥後大津駅との整合性について質問を行います。 平成29年3月、肥後大津駅に、県の協力により、JR九州の御理解の下、愛称阿蘇くまもと空港駅としての看板が掲げられ、その除幕式が、県主催で、JR九州の青柳社長をお招きして盛大に行われました。このことは、本県が、肥後大津駅を空港の玄関口として、愛称ではありますが、阿蘇くまもと空港駅の看板を掲げたということであり、この空港駅を基点として、阿蘇の観光振興はもとより、様々な波及効果により空港のインバウンド効果を期待した施策であったと私は思っております。 蒲島県政になって特に目につくのが、空港を活用した県政の浮揚であります。 まず、空港ライナー運行でありますが、空港ライナーは、阿蘇くまもと空港駅を発着とし、駅の維持管理は町が負担しており、駅で働く人は、町のシルバー人材センターから派遣されています。私の知人によりますと、県外の人の言葉として、熊本県はすごい、無料で乗せてくれると感謝されているそうです。 また、大災害を想定して、政府は、地域の防災拠点構想を示しましたが、本県は、速やかに意思を示し、九州の防災拠点として認められ、熊本空港の存在価値が高まりました。 このように、蒲島県政は、空港を活用した県政の向上に一定の成果を上げられましたが、今回の空港アクセス鉄道の三里木駅分岐は、阿蘇くまもと空港駅の看板に対し、どのような説明がつくのでしょうか。私には、この答えが見つかりません。なぜならば、政策の整合性がないと思うからであります。 空港アクセス鉄道という冠がつくならば、愛称阿蘇くまもと空港駅、本名肥後大津駅から一直線であることこそが、その整合性にかなうものではないでしょうか。 民間の空港運営会社が目指す空港は、搭乗者以外の方にも空港に興味を持っていただく魅力ある空港であり、それを現実にするには、肥後大津駅からの直進は極めて重要であります。 例えば、阿蘇方面はもとより、南阿蘇鉄道が肥後大津駅への乗り入れが確実視されており、また、熊本方面からも分岐乗換えではなく直進ですから、阿蘇方面、熊本方面の両方から一定の集客が期待できます。また、肥後大津駅からは、路線バスが菊池・山鹿方面へも運行されており、魅力ある空港として評価されれば、そういった方面からも、高齢者の方々なども、月に1~2回は空港で心身を満たし、また、豊かにし、週末は子供連れの若い人たちで活気あふれる空港になることを大いに期待するものであります。 また、観光立県熊本を標榜するとき、阿蘇の観光振興が最も大きな役割を担っていると思います。これらのことを考えると、肥後大津駅からの直進こそが、空港アクセス鉄道とその整合性が図られる唯一の道ではないかと思います。 さらに、今年の元旦の熊日新聞には、JR九州の青柳社長の「肥後大津分岐 提案へ」と大きく報じられましたが、鉄道事業の専門家の発言ですので、大きな反響があったようです。すばらしいお年玉をもらったと、私はもとより、多くの地元町民の方が喜ばれたことは容易に想像できます。この発言を真摯に受け止め、速やかに、かつ前向きに検討されることを期待するものであります。 肥後大津駅を基点とした空港アクセス鉄道に思いをはせ、阿蘇観光の振興やJR九州の理解により、少なくとも1時間に1本、熊本駅から空港まで快速電車を運行できれば、大幅な時間の短縮になり、そして利便性の向上につながり、空港のインバウンド効果が図られる可能性が大きいと思います。 以上、私は、肥後大津駅、愛称阿蘇くまもと空港駅との整合性が最も高いと考えますが、知事の見解を求めるものであります。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 空港アクセス鉄道のルートについては、平成30年度に、三里木、原水、肥後大津の3つの駅から分岐する案について検討を行いました。その結果、中間駅を設置することで、空港と同様に本県の長年の課題であった県民総合運動公園のアクセスが改善し、その需要を取り込める三里木ルートを軸に検討を進めてきました。 しかしながら、TSMCの進出等により、空港周辺地域においては、人や物の流れが大きく変化することが見込まれます。 空港アクセス鉄道についても、それらの状況の変化を踏まえ、空港周辺地域の可能性を最大化する必要があります。そのため、セミコンテクノパークへのアクセス改善や沿線住民の利便性の向上、さらには熊本都市圏のみならず県内全域の交通ネットワークの強化につなげることを目指し、追加の検討を行うこととしました。 具体的には、これまで検討を進めてきた三里木ルートに加え、セミコンテクノパークに最も近い原水駅で分岐する原水ルートや、議員御指摘の豊肥本線の電化区間の終点である肥後大津駅から分岐する肥後大津ルートについても調査を実施しています。 各ルートの概算事業費を算出するとともに、需要予測を行い、収支採算性の確認や費用便益分析、いわゆるB/Cを算出します。 三里木ルートを含めた3つのルートについて、空港周辺の状況の変化を可能な限り反映させた上で、いずれの案が最も効率的で効果の高いルートであるか、様々な観点から検討を進めてまいります。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 政策には整合性が必要だと思いますね。ここで言う整合性は、まず第1には、やっぱり費用対効果が第1だと思ってるんですよ。それと、冠が阿蘇くまもと空港アクセス鉄道という冠であるならば、当然、阿蘇くまもと空港駅からの直進が、一番整合性が取れるというふうに思うんですよ。だから、阿蘇くまもと空港駅を私は言ってるんです。ただ、条件としては、やはり費用対効果です。これがもう絶対第1条件です。結果としてマイナスならば、これはゴーサインは出せません。622万人を前提とするならば、7掛けで収支がとんとんならば、そしたらゴーサイン出していいんじゃないかと思うんですよ。恐らく、県民の方々も、それならば御理解いただけると思います。100%はあり得ません。これはギャンブルです。 そして、もう1つ、今度期待するのは、飛行機の搭乗客は、そんなに期待できないと思うんですよ。どこでもですね、アクセス鉄道って。ただ、大津の場合は、先ほど触れましたように、熊本や阿蘇からも直線で来れますし、そして菊池、山鹿辺りからもバスが行ってる、路線バスが。意外と安かったんです。聞いたんですよ、バスの運転手に。山鹿は幾らかかるかて。そしたら、1,000円以上かかると思ったら920円と言ったから、ああ、意外と安いなと。これならば往復で3,000円かからず行けますし、5,000円もあれば、ショッピングしたりしながら、1日これは楽しめるなと思ったんです。 ですから、この空港会社の目指している魅力ある空港、すなわち商業施設とか、あるいは広場ですね。広場が何千平米か計画されておりますし、そういったものが、本当に多くの方々から理解され、高い評価を受けたならば、この大津からの直進は、私は採算が合うかもしれないと思っているんですよ。 ですから、その辺のところのやっぱり採算をしっかりと検証して――ですから、あの検討委員会は、もうどうでもいいんじゃないんですか。専門の調査会社に調査されて、もう決める判断はそれしかないわけですから。いかにしてその採算が合うか合わないかですね。そのほうが税金の無駄遣いをせぬで済むと思いますよ。 そういったことも含めて、できれば、三里木とか原水とか3つ言うと、それぞれの方々がやっぱり淡い期待を持つんです。しかし、進むのは1つしかないわけですよね。JR九州の社長さんがあのときおっしゃったんですから、私は、あらゆる観点、視点から検討しても、大津からの1つに絞ったほうが、もう皆さんもすっきりして、そしてそれをするしないは、あくまでもさっき言ったように費用対効果、これをしっかりと注視するということが大事であるというふうに思うことを申し上げておきたいというふうに思います。 次に、もうアクセス鉄道は終わりまして、新たな町道の県道昇格について質問を行います。 県道341号大津西合志線とそれにつながる主要地方道大津植木線は、菊陽町の原水工業団地の前を通り、大津町を南北に縦断する国道325号に至る県内有数の交通量の多い県道路線であります。 国道325号との交差点から県道である通称ミルクロードまでは、翔陽高校前を通る三吉原北出口線という町道であり、大津町が管理しております。県道である大津西合志線、大津植木線と町道三吉原北出口線は、国道325号との交差点で分断されていますが、基本的には一直線の路線であり、物理的にも県道の大津西合志線、大津植木線の延長線上に町道三吉原北出口線があると考えるのが妥当ではないでしょうか。 また、この路線は、以前から通行量が非常に多かったのですが、特に熊本地震からの創造的復興に伴い、北側復旧ルートとして整備されたトンネルが開通したことにより、以前にも増して県内外からの通行車両が増加しています。 特に、朝は顕著で、朝7時過ぎから渋滞が始まり、国道325号を挟んで東西からの車で大渋滞となります。このことは、県道大津西合志線、大津植木線と町道三吉原北出口線の一連の道路が、町外の方々にとっても極めて重要な路線であることを物語っているのではないでしょうか。 さらに、今後は、TSMCの進出の影響も加わっていきます。新工場が完成した暁には、今以上に交通量が増加することによって、道路の傷みもさらに激しくなり、道路維持の負担増加が懸念されます。 以上のようなことから、私は、この一連の県道、町道は、一体的に管理するのが妥当であると考えるものです。 この現状に鑑み、当該町道三吉原北出口線の県道への昇格を求めるものですが、土木部長の見解を伺うものであります。  〔土木部長村上義幸君登壇〕 ◎土木部長(村上義幸君) 道路は、高速道路、国道、県道及び市町村道が互いに結びつき、一体となって機能を発揮するものです。このうち、県道は、地方的な幹線道路ネットワークを構成し、高速道路や国道を補完する役割を有しております。 県は、これまで、数次にわたり県道のネットワークの見直しを行っており、最近では、平成7年度から平成9年度の間に、町道などを新たに県道に認定しております。これは、平成4年度に、当時の社会情勢の変化を踏まえ、国が全国の幹線道路ネットワークの見直しを実施したことを受けたものです。 このことから、新たな県道認定を含む県道ネットワークの見直しにつきましては、今後の国の動きを注視しながら検討してまいります。その際には、交通量は法的要件ではなく、市町村の中心部を連絡するなどの要件を勘案しながら、ネットワークとしての必要性を検討することとなります。 なお、この地域の渋滞対策につきましては、県や大津町などが連携し、菊池南部総合交通研究会を設置しており、様々な角度から交通渋滞対策の検討を進めております。 議員御質問の町道との交差点付近につきましても、この検討範囲に含まれており、今後の検討により対策が必要となった場合は、県と町が連携してしっかりと取り組んでまいります。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) 何か国の方針で、ネットワークとかなんとかでそういうふうなことになったと今聞いたんですけれども、大津も菊陽町も人口は増えている地域なんですね。ですから、どういった視点から、今回の県道再編あたりをされたかはよく分かりませんが、それを一律で採用するのはいかがなものかと思えてならないんですよ。 私は、この道路は、当然大津西合志線と思っていたんです、この一般質問を書くときまで。そうしたら、途中からは大津植木線になっているんですね。びっくりしました。何でかと。この一直線の道路が、なぜ途中で――昔は、大津西合志線を横断して、そして菊陽町の4つの集落を通って、そして大津の旧国道57号線に出て、これが大津植木線だった。それを、こっちを廃止して、この道路を西合志大津線の直進道路を大津植木線にしとる。何でこんなことをするんですか。知事が言う県民の幸福の最大化を考えるならば、もっと住民に、地域に寄り添ってやる、そういった政策実行が私は大事だと思うんですよ。この県道の感覚、土木の感覚は、私から見れば極めて傲慢というか、勝手というか、非常に住民を無視したやり方に見えるんですね。やっぱり住民の方々は、それを望んでいないわけですから、従来の大津植木線を残して、そして、この大津西合志線は一直線ですから、これを真っすぐするのが妥当と申しますか、常識的な路線名じゃないですか。 ですから、今の大津西合志線は、名前はうそです。これは、合志か西合志菊陽線になるわけです。分断されているところは大津じゃありませんから。そういうことをやっているんですよ。住民がそれを望んでいるならいいですよ。しかし、住民は、なぜそうしなきゃならないんだと。大津の役場も、何回もこの路線を県のほうに陳情したらしいんですよ。ところが、いまだにほったらかしというか、答えられていませんが、ぜひ、もう少し、その道路行政をやる上において、地域の住民の方々の意向をもう少し尊重するような、そういった姿勢が私は行政に求められるというふうに思っております。 ぜひ、もう一回、この路線名の西合志大津線は、一直線で大津の325号に行くと、そして大津植木線は、従来どおり、この西合志線を横断して旧4つの集落を通る、そして旧57号線、今の県道に、大津の県道に出る。前の路線名にできれば戻してもらいたいということを強く求めて、次の質問に入ります。 第100回全国高校サッカー選手権大会が、昨年12月28日から今年1月10日にかけて行われました。 本県の代表、県立大津高等学校は、3年ぶり18度目の全国大会出場を果たし、大津高校サッカー部としての歴代最高記録であるとともに、熊本県勢初の準優勝という快挙を成し遂げました。県民に大きな感動と勇気を与えたことは、皆様も御承知のとおりであります。 1月10日の青森山田高等学校との決勝戦には敗れて、惜しくも優勝は逃しましたが、地方の小さな公立高校の快進撃は注目を集め、ベスト8進出8校の中で、公立高校は唯一大津高校だけだと、前橋育英高校との準々決勝をテレビで観戦中に報道されました。この時点で公立高校では日本一であり、率直にこの快挙を喜んだものであります。 私は、今回のサッカー部の快挙のゆえんを2冊の本との出会いから理解することができました。その本とは、大津高校サッカー部総監督の平岡和徳氏の著書でした。1冊のタイトルは「年中夢求」とあり、ここで言う夢求とは、夢を求めることであります。もう一冊は「凡事徹底」とあり、大津高校の綱領とは別の校訓的な存在で、当たり前のことを人並み以上に徹底してやり抜くということです。 この2冊を新聞で知り、自ら購入をと思いましたが、貴重な本だと思い、議会図書室での購入を求めたところ、速やかに購入されました。私は、直ちに読ませていただきましたが、総監督平岡和徳氏の人間性に心を打たれ、20数年間という時間は要しましたが、今回の快挙はなすべくしてなったのだと、そんな感じさえいたします。これ以上語れば長くなりますので、皆さんも、図書室にありますので、ぜひ御一読いただければ御理解いただけると思います。 さて、このように、大津高校サッカー部が華々しい活躍をして、全国にその名を知らしめたわけですが、しかし、その一方で、大津高校全体のことを考えますと、課題も見受けられます。 例えば、入学者の状況ですが、普通科体育コースは、入試の倍率は高く、今回の後期一般選抜では7倍を超える人気となりました。しかしながら、学校全体では定員割れが続いております。大津町は、県内でも数少ない人口増加の地域であるにもかかわらず、生徒募集に苦戦されているようです。大津町には、大津高校、翔陽高校と2つの県立高校がありますが、熊本市内の高校など、地域外の高校を選ぶ生徒も少なくないのではないでしょうか。 令和4年度に創立100周年を迎える大津高校は、サッカー部だけではなく、インターハイや全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会への出場経験を持つバスケットボール部や創部56年の歴史を持つ吹奏楽部など、これまでにも多くの部活動が輝かしい実績を上げてきました。 また、世界でも高い評価を受けている画家の坂本善三氏は、旧制大津中学校、現大津高校の出身であります。その魂は普通科美術コースに脈々と受け継がれ、生徒の感性を重んじた指導が行われております。 そして、学業も、国公立大学に毎年30名前後の合格者を出すなど、進学実績も上げておられます。 このように、歴史と伝統を持ち、文武両道の大津高校を、次なる100年に向かって、必ずや発展させなければと校長先生は語っておられます。そのために、今回の全国大会準優勝の勢いを大津高校全体のアピールにつなげ、全国レベルの部活動はさらに磨きをかけ、加えて、生徒一人一人の夢をかなえる教育を通じて魅力化を図り、それを外に向かって印象づけていくことが、定員割れを解消する上で必要不可欠であると思います。 以上を踏まえ、大津高校のさらなる魅力化をどのように図っていかれるのか、教育長の見解を伺うものであります。 ○副議長(山口裕君) 教育長古閑陽一君。――残り時間が少なくなりましたので、答弁を簡潔に願います。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 大津高校は、普通科、理数科、さらには体育や美術コースを有し、多様な教育ニーズに応えることができる学校で、様々な部活動の活躍に加えて、進学面でも多くの実績を上げております。 大津高校の魅力化の方向性につきましては、スクールミッションを策定する過程で、地域の方々と意見交換を重ね、各学科やコースの特色を生かし、多様で専門的な学びやキャリア教育の推進、さらには全国レベルの部活動等を通じ、クリエイティブな思考力と豊かな感性を育む教育を目指します。 また、大津町は、大空港構想Next stageの進展やTSMCの進出など、大いに発展が期待される地域です。 このような地の利を生かし、企業等々と連携した探求的な活動や教科横断的な学びであるSTEAM教育にも新たに取り組むとともに、県立高校のフロントランナーの役割を担うイノベーションハイスクールとして新たに指定を行います。 今後、新しい時代を見据えた大津高校のさらなる魅力化に向けて、大津町と連携しながらしっかりと取り組んでまいります。  〔田代国広君登壇〕 ◆(田代国広君) この高校の問題につきましては、教育委員会に大変お世話になりました。非常にいいアドバイスをいただきまして、できたことを、この場をお借りして感謝申し上げておきたいと思います。 平岡先生は、非常に、サッカーだけではなくて、すばらしい人間性を持った方なんです。そして、習字がうまくて、小学5、6年のときは全国の最優秀賞を取っておられます。そして、やっぱり学業とスポーツを連動させて、すばらしい人間形成を図るというのが目的とされておるようでございますので、今後とも、ぜひ平岡先生にも注目していただきたいと思いますし、そしてまた、大津高校をよろしくお願い申し上げます。 これで私の質問を終わります。(拍手) ○副議長(山口裕君) 昼食のため、午後1時10分まで休憩いたします。  午後0時10分休憩    ――――――○――――――  午後1時9分開議 ○副議長(山口裕君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 楠本千秋君。  〔楠本千秋君登壇〕(拍手) ◆(楠本千秋君) 皆さん、こんにちは。天草市・郡選出・自由民主党・楠本千秋、7回目の質問をさせていただきます。議員各位には、食後の大変な時間ですけれども、御辛抱いただきまして、お付き合い願いたいと思います。そして、執行部の皆様には、眠気の覚める明快な御答弁をお願いしまして、始めさせていただきます。 一昨日、本議会において、ロシアのウクライナへの侵攻、決議をいただきました。一日も早い平和を希望します。 新型コロナが猛威の中、対応に日夜尽力いただいている皆様にお礼と感謝を申し上げたいと思います。 天草の感染状況ですけれども、昨年の9月26日、222例からゼロ更新を続けていました。1月の6日に223例目が出まして、それからこの60日間で1,000名を超す感染が報告されております。6波の猛威を感じながら、昨日、蒲島知事は、熊本県の蔓防を国に要請されております。大変御苦労されていると思います。 昨年の12月25日に、御所浦の皆様が待ち望んだ御所浦診療所の落成式が田嶋副知事をお迎えして挙行されました。副知事にはお世話になりました。ありがとうございました。 新しい病院は、鉄筋コンクリート造りの2階建て、待合室も個室対応があり、診察室は3部屋、そのほかに眼科診察室に歯科診察室、2階には、事務室、研修室、スタッフルーム、医師控室と、すばらしい病院です。御所浦の皆様の安心、安全に貢献するものです。蒲島知事、そして関係各位に感謝を申し上げたいと思います。 御所浦の皆様の安心、安全に大きく貢献、前進しました。しかし、まだ課題が残ります。それは、休止中の御所浦架橋の問題。まずは、町を一つのつながりのある地域に、これは御所浦島民の願いであります。立派に整備していただいた病院の受診も、天気のよい日ばかりではありません。本当に御所浦の皆様が安心して生活できる環境づくりに取り組んでいかなければなりません。 御支援をお願いしまして、通告に従いまして、まず、天草の観光戦略についてお尋ねをいたします。 天草地域の振興には、テーマ、課題が多くあります。最初に、観光についてお尋ねをいたします。 天草は、宝の島と言われます。県に御尽力いただきました﨑津集落の世界遺産、群生するイルカ、きれいな海と山、おいしい海の幸に山の幸、そして恐竜が生きていた白亜紀の地層がある学びの島、恐竜の島と言われる御所浦島があります。 観光振興にとって、交通アクセスは大変重要な課題です。世界遺産に通じる国道389号、通称サンセットラインには、大型バスが通行できない2つのトンネル、小田床隧道と桑ノ木隧道があります。小田床隧道は、3号トンネルが開通することで間もなく解決しますが、残りの対応にはまだまだ数年以上の年月がかかることになります。 また、上天草の大矢野地区の交通渋滞は、来島いただいた観光客の皆様や宝の島天草へのリピーター客に影響しております。 さらに、遠方からの来島者に期待される空路、天草エアラインも、いろいろと運航に支障を来すこともあり、対応が求められております。 天草地域の宿泊の状況を見てみますと、平成27年は53万201人、平成30年は59万3,756人、令和2年は48万3,830人となっております。県内ほかの地域がコロナ禍のため半減している状況の中、天草地域は2割弱の減少で頑張っております。この状況には、県の支援の効果が如実に現れているのではないかと考えているところです。 天草市において、来島者へのアンケート調査が実施されております。天草観光の訪問場所では、道の駅、イルカウオッチング、夕日スポット、展望所が増加中で、訪問目的の中では、食事、ドライブ、温泉、歴史探訪、イルカウオッチングの人気が高いそうです。 また、最近は、県内各地で漫画、アニメを活用した地域活性化の取組が盛んに行われております。 人気漫画『ONE PIECE』と連携した熊本復興プロジェクトでは、9体目となるゾロ像が大津町の大津中央公園に設置され、復興や観光につながると、住民の皆様に歓迎されております。10体目となるジンベエ像については、牛深海賊団をはじめ各地域で盛り上がりを見せており、期待感の高さを感じます。 このように、漫画、アニメコンテンツは、地域の活性化を図り、新たな観光、経済活動を創造するための大きな可能性を有しております。 そこで、県として、コロナ収束後の天草観光にどのように取り組んでいかれるのか、観光戦略部長にお尋ねいたします。  〔観光戦略部長寺野愼吾君登壇〕 ◎観光戦略部長(寺野愼吾君) 天草の観光戦略についてお答えいたします。 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、観光客の旅行志向は、過密から分散へ、都市から自然へと変容しつつあり、県においても、マイクロツーリズムやスポーツ、アウトドア、ワーケーションといった新たなトレンドに対応した観光コンテンツの創出に取り組んでおります。 議員御紹介の天草の多くの宝は、こうした観光コンテンツから成る新たな観光スタイルを確立する上で、天草地域のアドバンテージとなります。 天草が誇る海の幸、山の幸は、食事が重要なポイントとなるマイクロツーリズムの需要獲得にとって大きな魅力となります。また、年間を通して野生のイルカを間近で見ることができるイルカウオッチングは、アウトドア志向の高まりから、多くの観光客を引きつける天草観光の柱として、その存在感が高まっております。 県と地元関係者が連携して商品化を行いました天草西海岸クルーズは、名勝妙見浦や天草版青の洞窟、伏魔洞をふだん見られない海上から眺望できることから、新鮮な驚きとともに話題となりまして、観光客だけでなく地元の方からも多くの問合せをいただいております。 また、ワークとバケーションの両面を持ち、関係人口創出の新たな取組として注目されているワーケーションについては、天草の無人島での合宿研修の実証や海洋プラスチックの回収を通じてSDGsを学ぶプログラムの開発を行っております。関係人口、交流人口の拡大に天草の観光資源をフルに活用することで、観光振興だけでなく、移住、定住の促進にもつなげてまいります。 さらに、来年10月に開催されます国際サイクルレース、ツール・ド・九州と連動したサイクリング周遊型旅行商品、ディスカバー九州の販売を通じて、天草地域の魅力を幅広く発信してまいります。また、サイクリングを核として、その他のアクティビティーや地元の食などを組み合わせた旅行商品の造成を行い、サイクリングファンにとどまらず、より多くの観光客を呼び込んでまいります。 また、議員御指摘のとおり、天草が持つ豊富な観光資源と漫画、アニメを掛け合わせることで、新たな魅力の創出やファン層の拡大などが期待されます。 例えば、天草には、世界遺産に登録されたキリシタン文化をはじめとする歴史や風光明媚な景観がございます。この特色を漫画などのコンテンツと結びつけ、天草への誘客キャンペーンを展開することも考えられます。 県としても、昨年10月に設立されたマンガ協議会とも緊密に連携しながら検討を進め、天草の魅力向上にしっかりとつなげてまいります。 このように、宝の島天草の持つポテンシャルを最大限に発揮し、地元市町や観光事業者などと力を合わせ、ウィズコロナ、ポストコロナ時代の新たな観光需要を確実に取り込むとともに、観光資源のベストミックスによる相乗効果で、観光による天草振興に全力で取り組んでまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 観光戦略部長に御答弁いただきました。 食に関するキャンペーンの取組であるとか、天草の海を生かした新たな取組と、これから今まで以上に宣伝をしていただきたいと思います。 できたら、希望を言いますと、やはりジンベエザメは、海の生き物、海の天草にマッチしたキャラクターと思われますので、いかがでしょうか。天草振興の観点から、知事には十分御配慮いただきますようお願いしたいと思います。 次に、天草地域の農業振興に係る諸課題2点についてお尋ねをいたします。 まず1点目は、国の新規就農支援制度の見直しについてお尋ねをします。 天草市の総農家数は3,885戸で、そのうち販売農家1,880戸、自給的農家2,005戸、主業経営体は384戸です。また、基幹的農業従事者は2,512名で、65歳以上の高齢の従事者は72%、熊本県内の61.3%に比べ、高齢化が進み、担い手の確保が大きな課題です。 天草市においては、担い手確保のため、これまで、関係機関がそれぞれ新規就農者に対する支援を行ってきた取組を、今後は、天草市新規就農サポートセンターが、募集から研修受入れ、営農定着まで、構成機関の皆さんとともに、一貫して支援する取組をスタートさせております。 それとともに、天草市独自事業として、次世代を担う農業者となることを志す者に対し、就農直後の経営確立を支援する資金として、新規就農給付金をはじめ、新たに親元で就農を目指す方に親元就農給付金を創設するなど、担い手確保に努めております。 国においては、人、農地に関する制度で、イの一番に取り組む人対策、中でも新規就農者の育成、確保の見直しが検討されていると聞きます。 国の今までの制度では、新規就農者が経営を開始すれば、年間150万円を3年間、中間評価を受けてこのまま続ければ、年間120万円を最長2年間支援されます。 しかし、この制度では、生活費を補助する色合いが強い支援で、交付期間が過ぎてしまうと、途端に経営が厳しい状態になってしまう経営者もいると聞きます。 今回、新規就農者の支援制度、国と地方一体での支援策を検討されているということですが、どのような見直しなのか、熊本県としてどのように取り組まれるのか、お尋ねをいたします。 続いて、2点目は、果樹の生産基盤の強化についてお尋ねをいたします。 天草地域は、温暖な気候を活用した有数のかんきつ産地で、デコポンに河内晩柑、ポンカン、温州ミカンといった多彩なかんきつが生産されております。かんきつを中心とした果樹の生産額は約27億円であり、果樹は天草地域の産出額の2割を占める重要な作物です。 しかし、全域が中山間地域で傾斜が多く、狭小で不整形な園地が点在しており、非常に生産性が低く、厳しい環境のため、果樹農家数は10年間で約30%減少しております。急速な担い手不足とともに、果樹農家の半数近くが70歳以上で、30代以下はわずか2%と、県内果樹産地の中でも特に高齢化が進んでおります。 今後は、限られた担い手でも産地を維持できるよう、省力化、機械化が可能な園地づくりが必要であると考えます。しかし、樹園地の基盤整備は、傾斜地のため事業費が高く、また、永年性作物で収益を得るまでに年数を要することなどから、ハードルが高いと聞いております。 このような中、若い担い手がいる天草下浦・志柿地区では、単県事業で果樹園地の集積と併せた小規模基盤整備モデル園づくりに取り組んでいただいております。 今後、担い手農家が将来にわたり夢と希望を持ち、次世代につないでいくためには、さらなる展開が必要です。 そこで、天草地域の果樹振興において、労働生産性を高めるため、生産基盤の強化に県はどのように取り組まれるのか、農林水産部長にお尋ねをいたします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) まず、1点目の新規就農支援制度の見直しについてお答えいたします。 国は、年間最大150万円を交付する事業を中心に支援を行ってきました。しかし、49歳以下の新規就農者の減少に歯止めがかからないことなどを理由に、令和4年度から大幅に制度を見直すこととされております。 具体的には、研修時と就農後の交付制度に加えて、親元就農者を含む新規就農者が機械、施設等を導入する際、事業費1,000万円を上限に、国と県で最大4分の3を補助する事業が新設されます。これは、県が国に長年要望していた親元就農者への支援強化にも対応したものです。 また、研修農場の整備や就農相談員の設置等、地域における新規就農者へのサポート体制の充実を図る事業も新設されます。天草市の取組のように、市町村、農業団体、地域振興局等の関係機関が一体となった受入れ体制づくりを進めている本県において、さらなる体制強化につながるものと考えております。 県といたしましては、今回の国の制度見直しは、新規就農者の経営安定化、地域農業の維持発展に資するものと受け止め、関連予算を今定例会に提案しております。 今後、天草地域をはじめ、県内において多くの就農希望者が確実に就農、定着できるよう、国の事業も活用しながら、相談から研修、就農、就農後の各ステージに応じた支援をしっかりと講じてまいります。 次に、2点目の果樹の生産基盤の強化についてお答えいたします。 県では、平成29年度から、園地集積と併せて、園内道の整備や傾斜緩和などを行う小規模なモデル園地づくりに取り組んでまいりました。 議員御紹介の天草市下浦・志柿地区では、高性能な防除機や運搬車などによる省力化、機械化が可能な園地となり、生産性が高まったことで、担い手が意欲を持って営農に取り組まれております。 この取組を通じて、ある程度まとまった規模で基盤整備を進めるには、産地全体の中長期の将来像を作成し、共有することが重要であることが明らかとなりました。 このため、各地域の果樹産地協議会を母体とした産地の将来像の作成と、それに基づいたより労働生産性の高い基盤整備団地づくりを支援する予算を今定例会に提案しております。 天草地域においても、本事業の活用に向けた産地協議会での検討を早期に開始し、より低コスト化、省力化を図ることができるまとまりのある基盤整備につなげてまいります。 今後とも、天草地域の担い手が夢と希望を持って果樹生産を続けられるよう、関係機関と連携し、生産基盤の強化を進めてまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千明君) 農林水産部長に御答弁いただきました。 国の新しい制度、令和4年度から、事業費1,000万円を上限の大幅な見直しということです。国と連携されて、新規就農者のサポートもどうぞよろしくお願いしたいと思います。安定した収入、いかに稼げる農業ができるか、答えはなかなか難しいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。 それから、単県事業で取り組んでいただいている地域は、オレンジラインと言われております。労働生産性を高め、生産基盤の強化により、将来天草のかんきつ産地を代表する夢の取組だと思います。予算も本年度計上されているということですので、ぜひ取組の強化をお願いいたします。 次は、健康対策について。 前回は、市町村が取り組むユニークな健康づくり事業や効果を上げている事業等について、県において支援していただくよう要望いたしました。 今回は、長寿社会の健康対策、人生100年時代の健康づくりについてお尋ねをいたします。 寿命には、平均寿命と健康寿命があります。世界の平均寿命は、1位日本、84.3歳、2位がスイス、83.4歳、3位は韓国、83.3歳で、最下位は、183位のレソト王国、50.7歳だそうです。ちなみに、レソト王国は、アフリカ南部で、首都はマセル、人口は214万2,000人の国です。 健康寿命とは、WHOによって提唱された新しい健康指標で、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことだそうです。 世界の健康寿命は、男子は、1位が日本、72.6歳、2位シンガポール、72.4歳、3位スイス、72.2歳、最下位は、やはり183位のレソト王国、42.3歳です。女性も、1位は日本、75.5歳、2位韓国、シンガポール、74.7歳、そして最下位は、183位レソト王国、46.4歳です。 日本の健康寿命を見てみると、男性は、1位大分県の73.72歳、2位は山梨県の73.57歳、3位は埼玉県の73.48歳。女性、1位三重県、77.58歳、2位山梨県、76.74歳、3位宮崎県の76.71歳です。上位に熊本の名前はありません。 知事は、県民の総幸福量の最大化の基本は健康である、そして、県民一人一人が身も心も健康であり、人生100年くまもと健康づくりをオール熊本で取り組むと、新聞の私の提言シリーズで話されています。 そこで、蒲島知事に、健康寿命を延ばすための取組と知事の思いをお尋ねします。 それから、知事の思いをどのような形で取り組んでいかれるのか。健康寿命を延ばすための具体的な取組について、健康福祉部長にお尋ねをいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕 ◎知事(蒲島郁夫君) 私が掲げる県政の目標は、県民の総幸福量を最大化することです。その基本は、県民一人一人が健康であることだと考えています。 特に、さらなる高齢化が進む中で、健康寿命を延ばすことは、私たちにとってますます大切なことと考えています。 そこで、健康寿命を延ばすことを目的に、有識者等で構成する本県独自の人生100年くまもとコンソーシアムを令和2年に設立いたしました。このコンソーシアムでは、医療費などのデータ分析を行い、本県の健康課題として、全国と比べて高血圧や脳梗塞などの循環器病が多いことや特定健診受診率が低いことなどが明らかになりました。 コンソーシアムからの提言に基づき、現在策定中の循環器病対策推進計画においては、発症予防と早期発見に取り組むこととしています。さらに、循環器病の予防や特定健診受診率向上に向け、マスメディアを活用した普及啓発の取組なども進めています。 また、健康づくりを進めるためには、県民一人一人が自分の健康は自分で守るという意識を強く持つことが必要です。 私自身、塩分を控えた食事や毎日のラジオ体操など、健康づくりを心がけた生活をしています。県民の皆様も、ぜひ、ウオーキングなどのできることから健康づくりを始めていただきたいと思います。 今後も、県民の健康寿命を延ばし、心豊かに長寿を楽しむことができる社会の実現を目指して、人生100年くまもと健康づくりに取り組んでまいります。  〔健康福祉部長早田章子さん登壇〕 ◎健康福祉部長(早田章子さん) 健康寿命を延ばすための具体的な取組についてお答えします。 県では、平成30年に策定した第4次くまもと21ヘルスプランに基づき、健康寿命の延伸と生活の質の向上を目標に、健康づくりの取組を進めています。 この目標を達成するためには、住民に身近な市町村において、より効果的な取組が行われることが重要です。 そのため、県では、市町村が実施する健康づくり事業の支援に積極的に取り組んでいます。 今年度は、特定健診の対象者を年代やこれまでの受診歴からきめ細かく分類し、効果的な受診勧奨を実施している菊池市などの取組を掲載した事例集を作成するなど、優良事例の横展開を図っています。さらに、熊本大学の専門家などにも御協力いただき、糖尿病予防に関するリーフレットや動画を制作し、市町村が科学的根拠に基づいた住民への保健指導に活用できるよう支援しています。 また、県民一人一人の健康づくりの意識を高めるためには、普及啓発も重要です。そのため、県では、健康無関心層と言われる若い世代に向けた情報発信などに取り組んでおり、今年度は、糖尿病や循環器病などについて分かりやすく説明した動画を制作し、インターネット上で公開しています。なお、この動画の総再生回数は、公開から1か月で15万回を超え、多くの方々に御覧いただいています。 さらに、新聞に、健康寿命、私の提言と題し、蒲島知事をはじめとした県内の著名人に、自らの体験を交えた健康寿命延伸に関するメッセージをお寄せいただいています。 今後も、健康寿命の延伸を目指して、県、市町村、県民が一体となって、オール熊本で健康づくりを推進してまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 知事と健康福祉部長に御答弁いただきました。 知事も、毎日のラジオ体操や塩分を控えた健康食で健康づくりを実践されとるということですけれども、大変すばらしいことです。どうか、皆さんもまねをしてみたいと思いませんか。健康は、家庭や地域、そして職場を幸せにします。知事の健康は、熊本を幸せにすると思います。どうか頑張っていただきたいと思います。 国の令和3年の社会保障費は35.8兆円です。医療費は12.1兆円、介護費3.5兆円を合わせると15.6兆円、社会保障費の43.4%を占めており、健康対策に取り組むことが重要であります。 前回の調査で、健康寿命36位から1位に大躍進の大分県の取組は、若いうちから健康をテーマに、ホームページには「めざせ!健康寿命日本一」です。健康アプリの「おおいた歩得」には、登録6万4,000人、協力企業店舗は360以上だそうです。100歩歩くことで1ポイントもらえ、温泉の入浴料金や飲食店でのドリンクサービスの特典があるそうです。 昨日は、代表質問の本田議員の話にも、ナンバーカードでのポイントの話が出ました。3月1日発刊の「自由民主」2970号に、「ドクターKの知って得する健康豆知識」の中に、健康ポイント制度が新たな健康増進策となるとあります。 天草では、8年前から健康づくりポイント制がスタートし、多くの自治体の見本となっています。今は、スマートフォンのアプリを活用した健康対策が効果的だというような流れだそうです。くまもとスマートライフプロジェクトは「健康寿命をのばそう!」で、登録者は2万5,000人です。 熊本県が健康寿命を延ばすには、県自体の取組も重要ですが、県と県内自治体、そして民間企業がスクラムを組んで、健康づくりを大きな施策として、住民の幸せを高める支援制度が必要です。健康寿命を目指し頑張っていただきたいと思います。 次は、通学路の交通安全対策についてお尋ねをいたします。 令和3年6月28日、千葉県八街市において、下校中の小学生の列にトラックが衝突し、5名が死傷する痛ましい交通事故が発生しています。この事故を受けて、通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策が、令和3年8月4日、第2回交通安全対策に関する関係閣僚会議で決定され、通学路の合同点検が全国で行われました。 県内の点検は、学校、各教委、道路管理者及び警察本部で10月までに調査が実施され、新聞報道によりますと、県内では、10月末現在で1,740か所での対策が必要とあります。全国では7万2,000か所だそうです。 国においては、千葉県の事故を受けた対応として、国土交通省が「通学路の安全確保に特化した補助金を新設する方針を固めた。」との報道があります。特に「歩道の拡幅やガードレール設置など、自治体が実施するハード整備事業をスピードアップさせる」ことが狙いとあります。 子供たちの通学路の交通安全対策には、関係機関のみならず、地域や企業、全ての協力支援なくして解決できませんが、今回調査いただきました関係機関の皆様に、今後の取り組む方向につきましてお尋ねをいたします。 最初に、合同点検の結果を踏まえて、教育委員会として、子供たちの交通安全対策についてどのように取り組まれるのか、教育長にお尋ねをいたします。 次に、県が道路管理者として対応される子供たちの交通安全対策についてどのように取り組まれるのか、土木部長にお尋ねをいたします。 最後に、警察として、点検箇所を含む子供たちの交通安全対策についてどのように取り組まれるのか、警察本部長にお尋ねをいたします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) まず、県教育委員会における合同点検の結果を踏まえた通学路の交通安全対策についてお答えをします。 今回の調査結果として、見通しが悪い、交通量が多い、歩道が狭いなど、教育委員会として対策が必要な箇所は1,147か所でした。 このため、現在、市町村教育委員会や学校において、通学路の変更やボランティア等による見守り活動、交通安全教育など、主にソフト面の対策を中心に迅速に取組を進めております。 今年度末までに9割を超える箇所について対策が完了する見込みです。残りの箇所についても、関係機関と連携の上、見守り体制を整えるなどの対策について、令和4年度中の完了を目指します。 今後、県教育委員会としては、引き続き、市町村教育委員会に対して、市町村が作成している通学路交通安全プログラムに基づく合同点検を定期的に実施し、関係機関と連携して、地域全体で通学路の交通安全対策を進めていくよう要請してまいります。 また、より安全に安心して通行できる通学路の実現のためには、ソフト、ハード両面からの対策が重要であることから、今後も、道路管理者や警察との連絡会の場において、進捗管理を行うなど、計画的かつ継続的に通学路の交通安全対策に取り組んでまいります。  〔土木部長村上義幸君登壇〕 ◎土木部長(村上義幸君) 県が管理する道路における対応についてお答えいたします。 昨年の合同点検の結果、県が管理する道路では、対策が必要な箇所として185か所が抽出されました。 これらに対して、ドライバーに歩行者の通行空間を認識させるカラー舗装、歩行者と車両を分離する防護柵の設置、歩道の新設、交差点改良など、道路の状況に応じて対策を選定しています。 年度内には、これらの対策箇所を道路の整備に関するプログラムへ追加する準備を進めているところですが、直ちに対策が実施できる38か所につきましては、既にカラー舗装工事などに着手しており、今後、全ての箇所で早期に安全性の向上を図ってまいります。 なお、新たに用地取得が必要となる歩道新設や交差点改良などの箇所につきましては、地域の方々の合意形成や御協力を得る必要があるため、当面は応急的な対策を行うこととしております。 県としましては、通学路をはじめとする子供が移動する経路の安全性の確保は、非常に重要なものと認識しており、引き続き、優先的、重点的に取り組んでまいります。  〔警察本部長山口寛峰君登壇〕 ◎警察本部長(山口寛峰君) 県警察では、通学路の交通安全対策について、交通安全施設等の整備や交通指導取締りなどに日々取り組んでいます。 今回の通学路の点検結果では、県警察により対策が必要な箇所として、ハード対策、ソフト対策合わせて467か所抽出されました。 まず、ハード対策については、点検結果も踏まえた上で、標示が薄くなっている横断歩道や停止線の補修など、県警察が管理する交通安全施設の整備を重点的かつ計画的に推進してまいります。 次に、ソフト対策については、千葉県八街市の事故を踏まえ、子供たちの登下校時間帯における飲酒運転、速度超過、横断歩行者妨害等の取締りを通学路で重点的に実施していくとともに、交通違反の未然防止を主眼とした広報啓発を実施することにより、ドライバーに注意喚起し、違反させない環境を醸成してまいります。 加えて、子供たちが自らの命を自ら守る教育の一環として、映像シミュレーター等の各種交通安全教育資機材の活用やスタントマンの実演により交通事故を疑似体験するスケアード・ストレイト等の体験型の交通安全教育を通じて、記憶に残る学習を推進しています。 さらに、学校、自治体等との連携を強化することによって、この体験型学習の機会を増やし、子供たちの防衛行動を促進し、被害防止を図ることとしています。 今後も、子供たちの安全確保に向けた加害防止と被害防止の両側面の対策を推進し、子供たちの安全対策を図ってまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 教育長、土木部長警察本部長に、詳細な交通安全対策について御答弁いただきました。 特に、学校、自治体等の連携で、体験型学習により子供たちの防衛行動を高める取組はすばらしいものと考えます。熊本県内各地域で、子供たちに痛ましい事故が起こらないように、通学路の交通安全確保は非常に重要と認識いただき、関係機関が連携し、ソフト面とハード面の早急な対応を優先的、重点的に取り組んでくださいますようお願いいたします。 次に、投票環境向上に向けた取組についてお尋ねをします。 私たちは、18歳になると、みんなの代表を選挙で選ぶことのできる権利を有します。これが選挙権です。そして、その後、一定の年齢になると、今度は選挙に出てみんなの代表になる資格ができます。これが被選挙権です。私たちみんながよりよい社会づくりに参加できるように定められた大切な権利です。 人口減少を背景に、投票所は統廃合が進んで、令和3年に執行された衆議院選挙における全国の投票所数は、平成12年の衆議院選のときから約13%減っております。 私たちの熊本県議会議員選挙の投票率ですが、昭和26年4月、88.55%、昭和38年の4月、78.77%、平成3年の4月、65.36%、平成23年の4月、52.42%、前回の平成31年4月は46.53%と、減少の推移であります。 令和元年9月議会の一般質問において、誰もが投票しやすい環境の整備についてお尋ねをいたしました。委員長からは、民主主義の基盤である選挙において、高齢者や交通の便が不便な地域にお住まいの方々の投票機会の確保は重要である、市区町村選挙管理委員会では、地域の実情に合わせ、投票所までの送迎や移動式の期日前投票所の導入に取り組んでいる、取組の経費については、国または県の費用負担の対象とされている、こうした制度のさらなる活用により、投票機会の確保に努め、誰もが投票しやすい環境に市区町村選挙管理委員会と連携し取り組むとの答弁をいただきました。 昨年10月の衆議院選挙では、バスなどを活用した移動期日前投票所で投票した有権者が、過去最高の1万2,910人だったと総務省から発表されています。これは、平成29年の衆議院選挙時の462人と比較して28倍となっており、総務省はさらなる活用を自治体に呼びかけるとあります。 そこで、令和元年9月議会での私の質問以降の県や自治体の取組状況、成果について、そして今後どのように取り組まれるのか、選挙管理委員長にお尋ねをいたします。  〔選挙管理委員会委員長松永榮治君登壇〕 ◎選挙管理委員会委員長(松永榮治君) 投票環境の向上に向けた県及び市町村の取組状況についてお答えいたします。 国政選挙、地方選挙を通じて、投票率の低下傾向が続く中で、有権者が投票しやすい環境を整備し、一層の投票率向上を図っていくことは、重要な課題であると認識しております。 特に、人口減少が進む中で、投票所の数も減少傾向にあり、議員御指摘のとおり、交通弱者のための投票所への移動支援や移動式の期日前投票所の設置などの取組を、市区町村選管と連携しながら、着実に進めていく必要があると考えております。 前回議員から御質問いただいて以降、県選管としては、市町村の担当職員を集めた研修会などにおいて、こうした取組を既に実施している団体から具体的な事例を発表していただくとともに、移動手段の確保が難しい複数の市町村に個別的に検討を働きかけてまいりました。 この結果、昨年の衆院選においては、令和元年の参院選と比較して、投票所への移動支援に取り組む市町村が3団体から6団体へ、移動式期日前投票所の設置を取り組む市町村は、1団体から3団体に増加しております。 また、こうした取組のほかに、全市町村における投票所のバリアフリー対策や、人口が集積している市町においては、大型ショッピングセンターへの期日前投票所の設置なども進めております。 今年の夏には参院選、それから来春には県議会議員選挙を控えており、引き続き、市区町村選挙管理委員会と連携して、有権者一人一人の状況に応じた投票機会の創出と利便性の向上に努めてまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 選挙管理委員長に御答弁いただきました。 投票所への移動支援や移動式の期日前投票所の設置に取り組む市町村が増加したということ、本年は参院選、来春には県議会選も予定されております。どうか市町村と連携されて、有権者の投票機会に努められ、投票率アップに期待したいと思います。 次に、畜産振興についてお尋ねをします。 熊本の黒毛和牛について。 これまで、牛のお話と長崎の全国共進大会から始まり、生産基盤の強化と繁殖農家支援、それから全国共進会鹿児島大会に向け、種牛と繁殖雌牛の改良、公務員獣医師の確保、また、ウイルスによる感染症、EBLの清浄化に向けた取組について質問をいたしました。 今回は、EBLの対策状況、全国和牛能力共進会鹿児島大会への取組、そしてくまもと黒毛和牛のブランド向上の取組についてお尋ねをいたします。 1点目は、3年間の調査を踏まえたEBL対策についてお尋ねをいたします。 令和3年2月議会では、9,000頭規模の調査や東海大学と連携した発病に関与する遺伝子の解明、36農場への重点指導を進めることについて御答弁をいただきました。 現状として、令和2年のEBL発生頭数は、全国で4,197頭、熊本で422頭と、いまだ増加している状況です。天草地域では、県下でもいち早く全頭検査を行い、対策に取り組んでいますが、清浄化はなかなか難しい状況です。 EBL清浄化は、農家単独では解決できません。各地域の組合、民間獣医師、家畜保健所など関係機関が一体となっての取組、また、中長期的な視点で、計画的に、そして着実に対策を講じていく必要があります。 そこで、現在の本県におけるこれまでの調査を踏まえ、EBL対策の進捗状況についてお尋ねをします。 2点目は、2022年、本年間近に迫った全国和牛能力共進会鹿児島大会への取組です。 令和3年2月議会において、農林水産部長は、これまでの最高位を獲得できるよう、関係団体や生産者と一丸となって、しっかり取組を進めるという力強い言葉をいただきました。 そこで、今回、改めて10月の大会に向けた出品候補牛の状況や意気込みについてお尋ねをいたします。 3点目は、昨年3月にブランド統一を果たしたくまもと黒毛和牛の消費拡大への取組です。 新型コロナ感染症拡大の影響により消費が低迷している県産牛肉のブランド向上は喫緊の課題で、昨年から、統一ブランド、くまもと黒毛和牛の認知度向上のため、くまもと黒毛和牛等を購入すると、いいにく、つまり1,129人に県産牛肉が当たるくまもとの牛肉キャンペーンや新ロゴマークの普及拡大とともに、販売促進を進めていただいているところです。 今後、さらに全国トップブランドを目指すためには、首都圏や全国共進大会でのPR等が重要だと考えます。 そこで、くまもと黒毛和牛のブランド向上の取組状況や今後の取組についてお尋ねをします。 以上3点につきまして、農林水産部長にお尋ねをします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) まず、1点目のEBL対策についてお答えいたします。 これまで、家畜保健衛生所による抗体検査等の調査により、地域や農場ごとの陽性率や感染リスクの高い牛を把握し、対策の進め方が明らかになりました。対策に意欲的な36農場に対して、感染牛の分離飼育や吸血昆虫対策、高リスク牛の優先的淘汰について重点的な指導を行い、天草地域では2つの農場が清浄化を達成いたしました。 先進的な取組を行った天草地域に続き、球磨や阿蘇地域においても、競りで販売する子牛や放牧牛の検査などの取組を進めております。また、東海大学と連携して進めてきた研究においては、品種間や個体間の発症抵抗性の差に関与すると思われる遺伝子が複数見つかっており、将来的にはEBLを発症しない系統の造成も期待されます。 今後も、EBL清浄化に向け、これまでの取組を継続するとともに、調査結果や優良事例を活用し、地域一体となった取組に対する技術的支援を進めてまいります。 次に、2点目の本年10月に開催される全国和牛能力共進会鹿児島大会への取組についてお答えいたします。 本県からは、9つの出品区のうち8つに出品することとし、県歴代ナンバーワンの種雄牛である美津福重を中心に交配した候補牛が生産されております。7月末の県代表の決定に向け、定期的に巡回し候補牛を調査しており、いずれも良好な発育を示しております。注目される肥育牛の部では、サシの入り具合に影響する血液中ビタミンAの測定結果や超音波診断の情報を生産者と共有し、最高の状態で出品できるよう指導を行っております。 今後も、関係者一丸となって巡回指導を進め、この鹿児島大会での上位入賞を果たすべく、残り7か月余り全力で取り組んでまいります。 最後に、3点目のくまもと黒毛和牛ブランド力向上の取組についてお答えいたします。 昨年3月からこれまでに、議員御紹介のいいにくキャンペーンをはじめ、店頭でのフェアやマスメディアを活用したPR強化などを実施してきました。夏のいいにくキャンペーンでは、例年の2倍の8,000通を超える応募がありました。また、熊本の牛肉が売りやすくなったと統一ロゴマークを歓迎する食肉事業者の声も聞こえており、取組に対する手応えを感じております。 全国区のブランド牛肉となるためには、発信力の高い首都圏での知名度向上が不可欠です。そのため、来年度は、首都圏へのくまもと黒毛和牛の供給を拡大するため、東京食肉市場への生体出荷にチャレンジしたいと考えております。 さらに、全国和牛能力共進会鹿児島大会では、全国から集まる流通事業者に向けて、そのおいしさや本県の豊かな生育環境などを強くアピールいたします。 これらオール熊本の取組を進めることで、くまもと黒毛和牛をトップブランドに押し上げてまいります。  〔楠本千秋君登壇〕 ◆(楠本千秋君) 農林水産部長に御答弁いただきました。 EBLですが、天草で2つの農場で成果が出ているようですね。いいお話です。今後も、関係機関一体となって努力されるようお願いします。 それから、鹿児島大会、これもいいお話ですね。天草の美津福重が熊本県のナンバーワン種雄牛との紹介です。ぜひ、この熊本の天草の美津福重を全国に紹介いただきますよう頑張っていただきたいと思います。 そして、くまもと黒毛和牛、すばらしいことに統一ブランドの成果が出てきているみたいです。いいにく、頑張っていただきたいと思います。しかし、一番の宣伝は、5年に1度の全国共進大会、特に肉牛の部8区で成果を出すことが、くまもと黒毛和牛をトップブランドにすることだと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 和牛甲子園というのが今開催されております。これは、全国の農業高等学校で飼育された和牛を対象に毎年開催されて5回目です。1回目は、平成30年に、参加8県、15校、21頭が、今年の大会には、全19県、35校、50頭の参加があっております。どうか未来につなぐ高校生にもしっかり応援をしていただきたいと思います。 最後に、要望をさせていただきます。 平成28年4月の熊本地震、令和2年7月の豪雨災害と、熊本県は自然災害に見舞われ、甚大な被害を受けられた多くの被災者の大変な状況に、一日も早い復興を願い、日夜取り組んでいただいております。 天草地域においても、昨年の8月11日から48時間で500ミリの記録的豪雨により、亀川ダム建設後初めての緊急放流のサイレンが吹鳴、下流一帯に緊張が走りました。 この記録的な豪雨により、本渡町の大矢崎地区では、地滑りの兆候で周辺住民に避難勧告を出され、大変心配しました。大事には至らず、現在、災害対策工事が行われております。 この大雨で県有施設ののり面が崩壊し、その土砂で水路が埋まり、隣接した水田や事業所が被害に遭うという事態が発生しました。 県は、被害を受けられた方々の要望に応じ、土砂撤去などの安全対策を実施しましたが、事業所等が営業できなかった2か月以上もの期間に対する支援はありませんでした。 自然災害が頻繁に起こる中、今後も公共施設等の絡む災害も考えられます。そのような場合において、県として適切な被災者対応が必要と考えます。個々の災害状況に応じ、被害者に寄り添った対応をお願いし、要望といたします。 これで準備しました一般質問全部終わります。最後までの御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山口裕君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明5日及び6日は、県の休日のため、休会でありますので、次の会議は、来る7日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第6号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時7分散会...