熊本県議会 > 2021-12-10 >
12月10日-04号

  • "九州横断道路"(1/2)
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  1. 熊本県議会 2021-12-10
    12月10日-04号


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    令和3年11月 定例会               第 4 号              (12月10日)  令和3年   熊本県議会11月定例会会議録     第4号令和3年12月10日(金曜日)  ―――――――――――――――――   議事日程 第4号  令和3年12月10日(金曜日)午前10時開議 第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)  ―――――――――――――――――本日の会議に付した事件 日程第1 一般質問(議案に対する質疑並びに県の一般事務について)    ――――――○――――――出席議員氏名(47人)            前 田 敬 介 君            城 戸   淳 君            本 田 雄 三 君            南 部 隼 平 君            坂 梨 剛 昭 君            荒 川 知 章 君            西 村 尚 武 君            島 田   稔 君            松 野 明 美 さん            山 本 伸 裕 君            岩 田 智 子 君            池 永 幸 生 君            竹 﨑 和 虎 君            吉 田 孝 平 君            中 村 亮 彦 君            大 平 雄 一 君            髙 島 和 男 君            末 松 直 洋 君            松 村 秀 逸 君            岩 本 浩 治 君            西 山 宗 孝 君            前 田 憲 秀 君            磯 田   毅 君            西   聖 一 君            河 津 修 司 君            楠 本 千 秋 君            橋 口 海 平 君            緒 方 勇 二 君            増 永 慎一郎 君            髙 木 健 次 君            髙 野 洋 介 君            内 野 幸 喜 君            山 口   裕 君            渕 上 陽 一 君            田 代 国 広 君            城 下 広 作 君            鎌 田   聡 君            坂 田 孝 志 君            溝 口 幸 治 君            小早川 宗 弘 君            池 田 和 貴 君            井 手 順 雄 君            吉 永 和 世 君            松 田 三 郎 君            藤 川 隆 夫 君            岩 下 栄 一 君            前 川   收 君欠席議員氏名(なし)  ―――――――――――――――――説明のため出席した者の職氏名     知事     蒲 島 郁 夫 君     副知事    田 嶋   徹 君     副知事    木 村   敬 君     知事公室長  小 牧 裕 明 君     総務部長   白 石 伸 一 君     企画振興部長 高 橋 太 朗 君     理    事 水 谷 孝 司 君     健康福祉部長 早 田 章 子 さん     環境生活部長 藤 本   聡 君     商工労働部長 三 輪 孝 之 君     観光戦略部長 寺 野 愼 吾 君     農林水産部長 竹 内 信 義 君     土木部長   村 上 義 幸 君     会計管理者  手 島 和 生 君     企業局長   國 武 愼一郎 君     病院事業            渡 辺 克 淑 君     管理者     教育長    古 閑 陽 一 君     警察本部長  山 口 寛 峰 君     人事委員会            青 木 政 俊 君     事務局長     監査委員   藤 井 一 恵 君  ―――――――――――――――――事務局職員出席者     事務局長   手 島 伸 介     事務局次長            横 尾 徹 也     兼総務課長     議事課長   村 田 竜 二     審議員兼            富 田 博 英     議事課長補佐    ――――――○――――――  午前10時開議 ○議長(小早川宗弘君) これより本日の会議を開きます。    ――――――○―――――― △日程第1 一般質問 ○議長(小早川宗弘君) 日程に従いまして、日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。 坂梨剛昭君。  〔坂梨剛昭君登壇〕(拍手) ◆(坂梨剛昭君) 皆さん、おはようございます。自由民主党・玉名市選出・坂梨剛昭でございます。 今年も早いもので、あと少しで1年が終わります。私自身、この世に生を受けて48年、議員として使命を受けて約2年と8か月がたちました。改めて、家族、両親、そしてこれまで多くの皆様に支えていただいた、そして今の自分があるんだということに感謝をし、1年1年を、そして1日1日を大切にしなくてはならないとこの場に立ち感じております。 私の好きな言葉で、白血病の息子と父親の親子愛を描いた「カシコギ」という小説の中の一節があります。あなたがむなしく過ごした今日という日は、昨日亡くなられた人がどうしても生きたいと願ったあした、この言葉を聞いたとき、命ははかないものであり、何事にも代えられない貴いものであると感じました。 今回は、質問6項目中、命に関わる質問を2つ入れております。最後までよろしくお願いいたします。 最初の質問は、危機管理体制についてお尋ねいたします。 天災は忘れた頃にやってくる、この言葉は、科学者で随筆家の寺田寅彦さんの言葉でありますが、近年においては、忘れる暇がないほど、各地で大規模の自然災害が発生しております。何百年に1度という災害は、いつ起きても不思議ではない、そんな時代に突入したのかもしれません。 我が県においては、復興半ばである5年前の熊本地震、県南を中心に襲った昨年の豪雨災害、そしてコロナ、今、三重苦を乗り越えるために、蒲島知事は、不退転の決意を持って先頭に立ち、復興という出口に一歩一歩歩き続けておられます。 皆様も御承知のとおり、日本は世界でも有数の自然災害国であり、地震で言いますと、日本の国土の広さは全世界の1%にも満たないのに対し、世界で起こるマグニチュード6地震の2割は日本で発生しています。その他の自然災害で、被害額も、全世界の被害総額2割弱を日本が占めているのです。 災害とは、地震、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、津波、噴火、そのほか異常な自然現象によって生じるものであり、多岐にわたります。熊本においては、ほとんど該当しますが、昨今の災害経験から、災害に対し、県民意識は高く、要支援者個別計画をはじめ、マイタイムラインの普及により、今年の豪雨時でも、多くの方々が避難に向け事前に行動をされました。 さて、災害発生時、住民に直接対応することとなる各市町村においては、その都度首長が対応の最前線に立たれ、危機管理力が試されてきますが、やはり組織として最大限に機能することが最も重要になってまいります。 首長が出張時、また、病気療養中などで不在の場合、様々なタイミングで災害が発生しても、組織として対応できるよう、危機対応型体制を整えることが重要であります。 具体的には、各首長の高い防災意識の下、自衛隊や消防OBなど、災害対応の専門官の配置、さらには災害対応職員の育成とスキルアップを合わせ、個々の能力を上げていくこと、そして定期的に研修などを幅広く取り入れていくことにより、結果、全体の危機管理能力の向上と、組織として、また、個々としても動ける体制が整っていくものと考えます。 そこで質問をいたします。 各市町村の危機管理能力の向上のため、これまで述べてきた点について、県が行っている支援、取組を知事公室長にお尋ねをいたします。  〔知事公室長小牧裕明君登壇〕 ◎知事公室長(小牧裕明君) 災害対応においては、議員御指摘のとおり、最前線で指揮を執る市町村長とそれを支える職員の災害対応力を高め、組織として最大限機能することが重要です。そのため、県では、様々な支援を行っています。 まず、市町村長に対しては、例年、防災・危機管理トップセミナーを実施しています。今年度は、専門家による講義や昨年の7月豪雨災害を指揮した首長による講話などを通じ、防災意識をはじめ、災害発生時にリーダーとして必要な指揮能力の向上を図ることとしています。 また、災害対応において、市町村長が判断に迷わず速やかに指揮を執れるよう、熊本地震での経験を踏まえ、自衛隊や消防OB職員など、防災の専門性を有する外部人材配置の有効性について、市町村説明会などでお伝えしています。 その結果、現在、21市町村で危機管理監や防災官として任用されています。 加えて、大規模災害が発生した場合には、県の幹部職員を派遣し、市町村長の補佐や国、県との調整を行い、現場で直接意思決定ができる体制を構築しています。 次に、市町村職員災害対応力向上については、災害発生時に市町村職員誰もが適切に対応できるよう、情報伝達や初動対応といった災害対応訓練を実施しています。 特に、今年は、例年実施する総合防災訓練に加え、昨年の豪雨災害後最初の出水期までに、実践的な訓練を7回にわたり実施しました。 この訓練では、ハザードマップに基づき、昨年と同規模の豪雨が降った場合に生じる被害を想定して、県が独自に市町村ごと訓練プログラムを作成しました。さらに、その訓練のシナリオを事前に提示しないブラインド型とすることで、実際の災害発生時に近い状況で実施しました。 このような実践的な訓練を、全ての市町村において、また、警察、消防、自衛隊、さらには気象台などの関係機関参加の下に実施することは、全国的にも例のない取組です。 県としては、こうした取組を通じて、個々の市町村の危機管理能力向上はもとより、県全体としての災害対応力の向上と県民の安全、安心の確保に向け、引き続きしっかりと取り組んでまいります。  〔坂梨剛昭君登壇〕 ◆(坂梨剛昭君) 知事公室長より、危機管理の体制について、力強い答弁をしていただきました。 自衛隊や気象台など関係機関が参加の下、実際の災害時に近い状況での訓練をはじめ、防災の専門性を高めるための人材の配置、さらには県として独自に市町村ごと訓練プログラムを作成し、地域の実情に合わせた危機管理体制づくりは大変重要だと思います。 災害が発生した場合、行政は、司令塔として県民の命、財産の保護、混乱した状況を速やかに収拾させていく責任があります。県庁自体が被災するかもしれない、職員自身が被災者になるかもしれない、今後、様々な困難な状況も踏まえ訓練していただきますよう、また、災害時に備えていただきますようお願いし、次の質問をさせていただきます。 二級水系の流域治水への取組と県管理河川の管理についてお尋ねをいたします。 歴史を振り返るならば、先人たちは、豊かな自然を育む河川から、利水や舟運など多くの恩恵を受け、現在の暮らしの礎を築いてきました。時代は流れ、近年は、気候変動の影響により想定外の水害が頻発、今や想定外は想定外ではなく、私たちの想像を超える水害は、いつ、どこで起こるか分からないのが現実です。 今年は、例年より早く梅雨入りし、8月中旬の大雨、また、昨年7月の豪雨の状況を踏まえると、気候変動の影響により雨の降り方が変わってきているのかと自分自身でも実感しているところです。 私の地元玉名市においても、今年の豪雨で二級水系の境川などにおいて河川の氾濫が発生するなど、住民は、水害に対して、これまで以上に不安を感じているのではないかと思います。今改めて、地域の安全、安心を確保するため、治水の考え方を見直す転換期に来ているのかもしれません。 国においては、気候変動による降雨量の増大や水害の激甚化、頻発化による水害リスクの増大に備えるため、河川管理者だけではなく、河川流域全体のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させる流域治水への転換を図られました。 既に、全国の一級水系では、本年3月、流域治水プロジェクトを策定、現在、計画的に進められております。さらに、今年5月には、流域治水関連法として、特定都市河川法など9つの法律が一体的に改正され、流域治水を推進する法的根拠が整備されました。 そこで、1点目のお尋ねです。 昨年度の県議会で、西山議員が、県内中小河川における今後の流域治水の取組について質問されました。その際、土木部長は「中小河川においても、流域全体の関係者が協働して、水害を軽減する流域治水の対策を推進」していくと答弁されています。 私も、住民の安全、安心につながる流域治水の取組を、関係者と連携し、強力に推進する必要があると考えます。 そこで、一級水系の県が管理する河川については、既に国と連携し、流域治水の取組が進められていますが、二級水系について、流域治水の取組状況をお尋ねいたします。 次に、県管理河川維持管理における住民参加の促進についてです。 私の周りの幾つかの地域で、河川内の草木の伐採など、河川の維持管理ボランティアに多くの住民の方々が参加されています。先日は、県管理河川の行末川や友田川の河川敷において、玉名市岱明町三崎地区のボランティアの方々によって、大がかりな伐採、除去作業が行われました。私も参加しましたが、管理用道路の往来もままならない状況から、見違えるほどきれいになりました。 これからも、良好な河川空間を継続的に保全していくため、ふるさとを大切にしたいと思う地元住民の方々や河川を愛護する有志の方々のお力をいただき、行政と地域住民が力を合わせて河川環境を維持していく仕組みを強く推し進めていくことが大変重要だと考えています。 現在、県においては、住民の方々による除草などの取組に対して、ごみ袋の支給や事故に備えた傷害保険への加入などの支援を行うくまもと マイ・リバー・サポート事業に取り組んでいると聞いています。 さきに述べた玉名市岱明町の例ほど大がかりな取組を県内各地で直ちに進めることは難しいとは思いますが、日頃から住民が川に関わる機会をつくっていくことは、流域治水を進めるに当たり、大変重要だと考えています。 そこで、2点目のお尋ねです。 河川の維持管理の住民参加を促進するため、県ではどのように取り組んでいくのか。流域治水への取組の質問も含め、2点について、土木部長にお尋ねいたします。  〔土木部長村上義幸君登壇〕 ◎土木部長(村上義幸君) まず、1点目の二級水系における流域治水の取組についてお答えします。 気候変動による災害の激甚化、頻発化を踏まえ、流域全体で総合的かつ多層的に取り組む流域治水を推進していくことが重要と考えています。 このため、県では、県内の二級河川81水系を6つの圏域に分けて、流域の市町村や関係機関で構成する流域治水協議会を本年8月までに設立いたしました。 現在、各協議会において、水害による被害軽減のため、住民の皆様など、流域のあらゆる関係者と協働して取り組む対策を検討しております。 今後、年度末までに、圏域ごとの流域治水プロジェクトを取りまとめることとしております。 例えば、玉名圏域では、境川、尾田川などの河川整備のほか、水田の貯留機能の向上、マイタイムラインの普及促進などについて検討を進めております。 引き続き、流域の安全、安心の確保と持続可能な社会の実現に向け、二級水系の流域治水を強力に推進してまいります。 次に、2点目の河川の維持管理における住民参加の促進についてお答えいたします。 まずは、玉名市岱明町三崎地区をはじめ、日頃から河川の維持管理に御参加いただいておられる皆様方に対し、心から感謝を申し上げます。 県としましても、日頃から住民が川に関わる機会をつくっていくことは、河川の維持管理上も、流域治水を推進するためにも重要であると考えております。 このため、河川と身近に接し、河川を愛護する心を育むために、児童を対象にした一日河川パトロールに取り組んでおります。また、住民の皆様に河川の維持管理に直接参加していただくくまもと マイ・リバー・サポート事業にも取り組んでおり、これまで、市町村広報誌やチラシなどを活用して制度の周知に取り組み、令和2年度末の参加団体数は、10年前と比較して約1.6倍、165団体と、着実に広がっております。 今後は、より多くの方々に、川を身近に感じ、親しみを持っていただけるよう、県民の皆様に対し、これらの活動事例をメディアを通じて発信するなど、地域それぞれの魅力ある河川づくりにもつなげてまいりたいと考えています。 あわせて、住民の皆様の流域治水への参画につきましても、様々な機会を捉え、しっかりと促進してまいります。  〔坂梨剛昭君登壇〕 ◆(坂梨剛昭君) 土木部長より、流域治水への取組と管理河川の維持管理について答弁をいただきました。 気候の変動による災害の激甚化、頻発化への対策は急務であり、凄惨なる状況、100年に1度、観測史上最高などの言葉は、毎年のように聞いている状況であります。きっと長い年月をかけて私たち人間がやってきたそのツケが回ってきたのかもしれません。だからこそ、今を生きる私たちの力で乗り越えなければなりません。その使命感を持ち、ぜひ、被害軽減のため、流域治水プロジェクトをまとめていただき、持続可能な二級水系治水への取組もお願いをいたします。 さらに、河川の維持管理については、今後も恒久的に膨大な予算を要します。河川と共に生きる、地域と共に管理していく、その意識の向上と参画していただく企画、対応をよろしくお願いいたします。 次の質問に入ります。 農地の基盤整備に向けた県の支援についてお尋ねをいたします。 農地は、先人のたゆまぬ努力により、我々が生きるための必要不可欠な食料生産の場として、また、農家のなりわいの場として、これまで維持されてきました。 しかしながら、現在、農家の減少や高齢化に加え、農作物の自由化による世界の大量生産農家との価格競争や食生活の変化、また、度重なる自然災害の発生などにより、農業を取り巻く情勢は厳しさを増すばかりです。このままでは、生活の維持さえも厳しい農家が増え、我が国の農業は衰退していくのではないかと危惧をしております。 このような現状を打破するため、次なる変革への挑戦として、先進農業、すなわち国が策定したみどりの食料システム戦略に掲げられています環境負荷の軽減にも配慮しつつ、農地の集積、集約化やスマート農業の導入、農業の高付加価値化などを進めていく必要があります。そのために、私は、農地の大区画化などの基盤整備が必要不可欠であると考えております。 県内では、各地で農地の基盤整備が進められており、例えば、私の地元である玉名地域の中でも、長洲町では、近年基盤整備に取り組んでおられ、農地の大区画化などの農作業の効率化や生産性の向上など大きな効果が出ており、地域農業の維持発展につながっております。 一方で、まだまだ整備すべき農地は多く残されており、例えば玉名市の旧岱明町の平野部では、一見すると農地の区画は整っており、整備が完了しているように思えますが、1反から2反程度の狭い区画、幅が狭い農道、土水路で用水と排水が兼用の水路など、江戸時代から明治時代の干拓当時のままであり、効率的な営農や水稲以外の作物導入が困難な地区が多く残され、周辺の長洲町、横島町と比べると整備が遅れている状況です。 また、整備が完了した地域においても、高齢化や農家自体の減少など、今後の農業情勢の変化を想定すると、中長期的には、より先進的な農業に対応できるよう、農地の大区画化や水田、ハウス、集落の再配置など、土地利用を効率化するための再整備がいずれ必要になってくるのかと思います。 しかし、基盤整備を求める声がある一方で、整備後の営農ビジョンが描けず、具体的に進めるには至っておりません。地域の農家の方からは、整備に向けた具体的なイメージが湧かない、また、高齢の方からは、先祖伝来の農地を改変するのには抵抗があるなどの声も聞いており、さらには地元を支える市町村も、技術職員が少なく、なかなか手が回っていないなど、様々な課題があると感じております。 これらの課題解決に向け、ここで質問いたします。 今後10年、20年先の将来も見据え、地域の実情を把握している市町村などと連携し、事業制度や優良事例の情報提供など、地元の農家を積極的にバックアップし、夢のある農業経営を実現できる基盤整備を進めていくべきと考えますが、県としてどう支援していくのか、農林水産部長に伺います。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) 農地は、農業産出額全国第6位を誇る本県農業を支える重要な生産基盤です。しかしながら、農家の減少や高齢化、農業のグローバル化など、農業を取り巻く情勢は大きく変化しております。 県といたしましては、これまでも、将来を見据え、地域農業の変革にしっかりと対応できる基盤整備に取り組んでまいりました。 例えば、玉名市の野口地区では、平成2年度から大区画を取り入れた圃場整備を実施し、整備を契機に設立された営農組合が法人化され、水稲や小麦、大豆などを組み合わせた県内でも有数の大規模経営が展開されております。 また、荒尾市の川登地区では、平成25年度から農地中間管理機構を活用して、圃場整備と併せて8割以上の農地を担い手に集積し、全国的なモデル地区となっております。 さらに、長洲町の第二腹赤地区では、平成29年度に着手した圃場整備を契機に、地域の新たな担い手として民間企業が参入し、ミニトマトの生産を行っております。 今後も、地域が目指す理想的な農業を実現できる基盤整備の推進が必要と考えておりますが、その一方で、農家には事業制度に関する情報が届きにくく、それを補うべき市町村もマンパワーが不足しているという状況にあります。加えて、未相続や所有者不明農地の増加など、基盤整備の推進には多くの課題もあります。 そこで、県では、随時農家からの基盤整備に関する相談に対応しております。そして、課題解決に向け、地域における構想段階から市町村や土地改良区、JA、農業委員会農地中間管理機構など関係機関と連携し、地元の農家の皆様が自ら地域農業の将来ビジョンを描くことができるよう、先頭に立って支援しております。 その際、周辺地域での優良事例や一歩先行く全国の事例の紹介、さらには負担軽減につながる補助制度の提案など、地域の皆様の基盤整備への理解が深まるよう、丁寧に取り組んでおります。 今後も、これらの取組を推進し、地域が描いた夢のある将来ビジョンを実現することができるよう、市町村などとしっかりと連携し、農地の基盤整備を進めてまいります。  〔坂梨剛昭君登壇〕 ◆(坂梨剛昭君) 農林水産部長より、戦える農業大国熊本に向けて答弁をいただきました。 農業を取り巻く情勢は毎年のように変化し、その対応に農業者は日々奮闘されている中、行政として、未来へのビジョンが描けるように支援していくことは大変重要かと思います。 平野部、中山間地、地域によって事情は違いますが、その地域が目指す理想的な農業、また、強い農業の実現に向けて、基盤整備、さらには再整備も視野に入れて、大区画化での規模拡大経営ができる状況にこれからは転換していくべきと私は考えております。 基盤整備には膨大なる時間を要します。10年、20年先を見据えた支援、優良事例を参考にし、これからも担う農業者への夢ある将来に向けて、市町村とともにしっかりと連携し、基盤整備を進めていただきますようお願いをいたします。 ここで、排水機場の一元管理について要望をさせていただきます。 昨年の豪雨では、玉名市においても、床上、床下浸水被害が多数の地域で発生をいたしました。原因は様々ではありますが、主に河川本線の増水により水位が上昇、内地に降った雨は自然排水ができず、一面はため池のようになりました。 その後、早々に、区長はじめ地域住民の方から、治水対策に向け、排水機場設置の陳情をいただきましたが、対象である被害戸数が足りず、計画には至りませんでした。 今年の8月の大雨では、緊急対策として、国交省、農水省が管理している高性能ポンプ車を配置、結果、浸水被害もなく乗り越えることができましたが、地域や個人からしてみたら、被害戸数が多い少ないは関係なく、生まれ育ったふるさとと生命と財産を守るため、この現状をどうにかしてほしいと願っておられます。 想定外の水害はいつ起きてもおかしくない中、今後は、排水機場とポンプ車などの併用を含め、緊急に治水対策を講じていかなければなりません。 現在、玉名市には、市や土地改良区が管理している排水機場が数多くあり、おのおのが災害時にはフル稼働をしています。 排水機場には、それぞれ受け持つ範囲がありますが、大水害が発生したときは、連携して運転することが被害を最小限に抑える手法だと私は考えます。 現在、排水機場は、管理人による長年の経験と感覚で運転されており、おのおのの排水機場が連携して運転されているとは言い難い状況です。 そのような状況を踏まえ、私としては、受益地内を面として捉え、排水機場の樋門など、様々な排水施設を組み合わせていくこと、例えば、AIの導入により、気象や水位など様々なデータに基づき、今後は排水機場の能力を最大限発揮できるよう要望をさせていただきます。 次に、自死防止対策について質問をいたします。 出口が見えないゴールに向け、私たちは、コロナの収束に向けて、比類なき挑戦を今も続けています。希望と言われたワクチンにおいても、世界では多くの国で接種後再拡大するなど、今なお対応策に追われている状況です。 日本においては、日本人の特性なのか、マスク着用に抵抗感が少ない習慣、さらには小まめな手洗いなど、節度あるこの行動は、世界でも注目され、今後、ウィズコロナとしても見本的習慣になるのかもしれません。 しかし、見えない敵との戦いは、やはり脅威であり、私たちは、無意識に、また、意識的に行動を制限、その引換えとして、経済力の低下につながりました。 経済力の低下は、生活力の低下へとつながり、今も多くの人々を苦しめていること、そして最大の懸念課題は、その先にある自ら死する自死者数にあります。 政府は、先月、自殺対策白書で、職に就いている女性の自殺者数が、2020年、約1,700人、2019年までの5年間の平均と比べ3割近く増加していると発表、これは、コロナ感染拡大により、非正規労働者の割合が多い女性の雇用環境が悪化したこと、失業や減収などの影響を受けたことが背景にあると思われます。 若年層に至っても、厚生労働省によると、2020年の自殺者のうち、小学生が14人、中学生が146人、高校生が339人、合計499人に上り、統計開始以来最多となりました。 自殺は、誰にでも起こり得る社会的な問題であり、その中身はとても複雑と言います。失業者であれば、仕事を失い、生活のためにと債務を抱えてしまう。家族との関係が悪化してしまい、精神的に追い詰められ、鬱になり、最後は危機的な経路を選択してしまう。対策として、回避するための様々な支援はあるにしても、心身ともに追い詰められた状況では、冷静な判断ができないと言います。 若年層にあっても、生きる阻害要因が大きくなっていること、促進要因が少なくなっていること、自分自身であることに意味を感じられず、自己肯定感が低くなっている、また、死にたい、そして消えたいといった声が多く、自分らしく生きるという難しさの壁にぶつかっているのではないでしょうか。 年代や住んでいる地域、また、環境によって問題の組合せも異なるため、それぞれの実情に合った対策を行う必要が出てくるのではないかと思われます。 県の状況においては、令和2年、対前年比で自殺者数は増加している中、関係機関は、今も全力で支援、また、対応していただいております。しかし、改めて社会的問題として捉え、一人一人の命の重さを注視していただき、さらなる対応策に力を注いでいただく必要があります。 ここで質問させていただきます。 新型コロナウイルス感染症は、私たちが知らないうちに精神的不安へと結びつけていることがあります。これまでの自死との関係性について、今後詳細に、月別、男女別、年齢別など、全国での比較統計を作成し、データを活用していくなど、可能な限りリスク低減に結びつけていく必要があると考えます。 また、今後、ハイリスク者の支援に活用するため、各種データを収集し、分析し、対策を講ずるべきと考えます。 さらには、よりハイリスク者の自死防止対策としては、警察、医療機関、福祉、さらには地域などが連携し、情報を共有して、適切にハイリスク者への支援につなげる仕組みが必要と考えます。 これらを踏まえ、県におけるこれまでの取組と今後の対策について、健康福祉部長に考えを伺います。  〔健康福祉部長早田章子さん登壇〕 ◎健康福祉部長(早田章子さん) まず、これまでの取組についてですが、県では、自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題であるとの認識の下、熊本県自殺対策推進計画に基づき、医療、福祉、教育、警察等の関係機関と連携して対策を進めてまいりました。 具体的には、電話等による相談支援やその兆しに早期に気づき、助言する自殺予防ゲートキーパーの養成、自殺の連鎖を防止するための自殺者の御遺族を対象としたグループミーティングの開催、市町村や民間団体等が実施する自殺対策事業への助成などに取り組んできたところです。 このような中、本県の自殺者数は、平成11年の554人をピークに減少傾向にありましたが、令和元年から増加に転じ、令和2年は、前年より16人増え、296人になりました。特に、29歳以下の若年層は、前年より14人増の43人となり、2年連続で増加しています。 また、令和2年は、前年と比較し、経済問題等を原因とする自殺が増加しています。これは、コロナ禍にあって、失業、倒産、多重債務などの経済的要因が複雑に影響しているためだと考えられます。 このような状況を踏まえ、今後の対策としては、まず、対策の要である相談支援を充実するため、電話相談の時間延長や相談員の増員などにより、相談体制を強化してまいります。 また、若者対策として、SNSによる相談の拡充や若者版ゲートキーパーの養成に取り組んでいくとともに、経済的な悩みを抱える方を支援するため、多重債務者等の相談会に臨床心理士を派遣し、カウンセリングを行います。 さらに、鬱病や自殺未遂者などのハイリスク者への対策としては、鬱病を早期発見し、早期治療につなぐためのかかりつけ医研修の充実を図ります。 また、本県独自の取組として、救急救命された自殺未遂者を精神科医療につなぐくまもと自殺予防サポートネットワークが構築されています。このネットワークと連携し、自殺を図られるほど深刻な悩みを抱えた方々のニーズを酌み取り、福祉や法律などの専門機関による支援に確実につないでまいります。 今後も、医療、教育、警察等の関係機関との連携強化を図りながら、自殺の原因等のデータを分析し、原因に応じた対策を講じるなど、県民の命を守るための自殺対策に全力で取り組んでまいります。  〔坂梨剛昭君登壇〕 ◆(坂梨剛昭君) 健康福祉部長より答弁をいただきました。 自死は、これまでも社会的問題として長年の難題であります。質問でも申し上げたように、その理由はとても複雑で、誰にでも起こり得る問題です。相談をされる方は、救ってほしいというメッセージであり、ただし問題は、相談さえできない方が多くいるという現実です。 県として、電話相談の時間延長、若者対策のSNS、ゲートキーパーの養成、専門機関での支援など、対策をしていただいているのは大変心強く思っています。ぜひ、踏みとどまる勇気、そのことを、行政として、各支援機関として、そして最後は、人が人を支え合うことのできる地域づくりに思案し、対策を講じていただきますようよろしくお願いいたします。 次に、高齢者の交通事故防止対策について質問をいたします。 今年も、残すところあと僅かとなりました。春は花見、夏は花火、秋、冬においても様々な催物があり、イベントごとは私たちの1年を彩ります。 私は、肌寒いこの季節になりますと、神楽祭りを思い出します。笛の音色や太鼓の鼓音、とても幻想的で、古来から伝わる舞を見ては、地域の方々と五穀豊穣と幸せを願う、すばらしいお祭りです。 しかし、これらのイベントは、今年もほとんど中止となりました。不思議なもので、季節感を感じることのできるイベントごとが少ないと、振り返る思い出が少ないからか、1年があっという間に過ぎるような気がいたします。 しかし、現在において、徐々にコロナも収まりつつあり、少しずつではありますが、イベントごとも開催されるようになってきました。これからもコロナ新型の飛来や第6波の心配はございますが、街ではにぎやかな声も聞こえ始め、日常に戻りつつある光景がうれしく感じます。 これからは、年末年始を迎え、人出も増えていくでしょう。そして、同時に交通量も増えていき、年末年始に向け、各地では交通安全運動が始まってまいります。飲酒運転はもちろんですが、交通事故、そして接触事故には特に気をつけていかなければなりません。 これらを踏まえ、5問目の質問は、交通事故防止の取組の中でも、高齢者事故防止に向けた対策についてお尋ねをいたします。 まず、高齢者の免許所持状況についてでありますが、2021年9月現在の推計で、総務省統計局では、我が国の総人口が前年に比べ51万人減少している一方、65歳以上の高齢者人口は22万人増え3,640万人と、総人口に占める割合は29%となり、過去最高となりました。運転免許保有者数においては、2020年度、65歳以上が1,900万人以上、全体の運転免許保有者数の23%を占めているのです。 高齢者の保有者数が以前と比較して多くを占めている状況を反映してか、高齢者が運転中に起こした悲惨な事故報道を近年多く目にするようになったと感じています。 皆さんも記憶しておられるとは存じますが、2019年池袋暴走事故において、今年9月、90歳の高齢者運転手に実刑判決が下されました。 この事故は、幼い子供と母親の命が犠牲となり、9人が重軽傷を負いました。当時、テレビやマスコミでも注目され、映された凄惨なる映像を多くの国民が見ては、高齢者運転に関する課題に関して、改めて考えるきっかけとなりました。 この事件は、決して他人事ではない、多くの人が自分事として考えさせられた結果、事故発生以後、運転免許証の自主返納をする高齢者が増加。2019年の運転免許自主返納数は60万件で、うち75歳以上の返納数は35万件となりました。 高齢者の事故の主な原因として、ブレーキとアクセルの踏み間違い、判断ミスによる逆走行、車線の変更時の確認ミスなど、動体視力の低下によるリスク、体力や筋力の低下によるリスク、判断力の低下によるリスク、このリスクを少しでも避けるために、現在の取組としては、70歳以上の方は、運転免許更新時の高齢者講習が法律で義務づけられ、75歳以上の場合は、高齢者講習の前に運転適性を調べる講習予備検査を受けなくてはなりません。 高齢者だけではありませんが、事故は、起こそうとして起こす人はいません。だからこそ、事故というものは、被害者だけではなく、加害者にとってもとてもつらいものになります。 しかし、核家族化が進む中、1人1台の車社会である現代において、免許返納は、地方になればなるほど移動手段の確保が難しくなり、生活苦に直面してしまいます。だからこそ健康であることが一番でありますが、ここにおられる皆様も私も、同じだけ年を取っていき、免許返納について、いずれ適切な判断をするときが来ます。 県警の本年10月末時点の統計によりますと、歩行中、自転車乗車中の死者は、65歳以上の高齢者がいずれも半数を占めており、これも加齢に伴う能力の低下が原因と思われることは、加害者となる場合と同様であり、リスクの高い高齢者をより早く発見し、適切な見守りにつなげることが必要であると考えます。 そこで質問をいたします。 高齢者が加害者、被害者となる事故防止に向け、県警察の取組を警察本部長に伺います。  〔警察本部長山口寛峰君登壇〕 ◎警察本部長(山口寛峰君) 高齢運転者をはじめ、高齢者の交通事故防止対策については、現在、全国警察において、最重点課題として取り組んでいるところです。 県内の令和3年10月末における交通事故死者数は、前年同期比マイナス7人の31人で、うち高齢者の死者数は、同じくマイナス7人の18人、全死者に占める高齢者の死者数の割合は、マイナス7.7ポイントの58.1%と、全てにおいて減少しております。 一方で、県内の人口及び運転免許人口が減少傾向で推移する中、高齢者人口、高齢者運転免許人口は増加傾向にあります。 平成23年の指数をそれぞれ100としたときの令和2年における高齢者人口は118、また、高齢者運転免許人口は148と、人口の増加に比べて運転免許人口の増加が顕著であります。 このような現状を踏まえ、県警察における高齢者対策としては、交通上危険な行動を取る高齢者に対する交通安全指導を行うキャッチ&アクション制度、シミュレーター等を活用した参加・体験型の交通安全教育、県警ひまわり隊による戸別訪問活動による交通安全指導及び反射材の直接貼付、看護師の資格を持つ安全運転相談員による相談対応などの対策を推進しており、今年度から新たに運用を開始した運転技能自動評価システムであるオブジェにより、高齢運転者に対する運転継続支援を行うとともに、運転免許証の自主返納の勧奨も並行して行っていくこととしております。 県警察としては、今後も官民一体となった高齢者対策を強力に推進していくとともに、本年3月に県議会で議決された熊本県の交通安全水準のさらなる向上に関する宣言決議を踏まえ、さらなる交通死亡事故の減少を目指して取り組んでまいります。  〔坂梨剛昭君登壇〕 ◆(坂梨剛昭君) 警察本部長より答弁いただきました。 質問でも述べましたが、運転免許証返納は、地方になればなるほど、生活をする上で必要不可欠な高齢者は多くおられます。そのような課題もあるということを踏まえていただき、関係機関とも連携を取りながら、運転免許証の自主返納の推奨を行っていただきたいと思います。 今後、悲しい事故が起こらないよう、交通死亡事故の減少に向け、全力で取り組んでいただきますようお願いをいたします。 次に、児童虐待防止対策について質問をいたします。 今年の8月、大阪・摂津市で、3歳の男の子が、同居していた母親の交際相手から虐待を受け、亡くなるという悲しい事件が起きました。報道で流されたその虐待内容は信じられないものであり、常人ではとても理解できず、胸を締めつけるものでした。 一般に3歳という年齢は、自立心が芽生え、多感な時期に入り、できること、できたことを褒めてもらいたい、わがままを言っては、それが親に対して構ってほしいというメッセージでもあり、子供としては一番甘えたい時期の一つです。 ですが、今回の事件では、家庭の中で一番信頼する母親から助けてもらえず、交際者とはいえ、大人という絶対的な存在から受ける虐待という恐怖は、想像を絶するものだったと思います。 3年間という短過ぎる人生を生きた男の子、その男の子が見たこの世の世界はどうだったんだろう、そう考えると、私も、子を持つ親として胸が苦しくなり、今を生きる大人として、また、議会人として、無力感さえも覚えます。 私は、2人の子供に恵まれ、長女が9歳、長男が7歳、まだまだ甘えたい盛りで、現在も子育て奮闘中です。無邪気な笑顔で、うれしいこと、悲しいこと、喜怒哀楽を子供らしく素直に表現し、毎日毎日を一生懸命生きる子供を見ては、平穏な日々でも幸せを感じさせてくれます。 しかし、子育ては、私が想像していた以上に大変で、改めて私を育ててくれた両親に感謝、自分自身も親としてまだまだ成長していかなくてはならないと日々反省をしています。 経験をされた方ならば分かるかと思いますが、子育ては、関われば関わるほど大変で、成長していけばだんだんと手は離れていきますが、幼いときは、一日中終わりはございません。家庭環境や地域環境、もちろん人それぞれではありますが、子育ては、自分では分からないうちに心身ともに病み、子供がそこにいるだけでストレスを感じる、自分の時間を奪われる、自分の欲求が満たされない、そのときに、この子がいなければ、この子は要らないなど、急に憎悪に駆られるときが来る。これに理屈はなく、誰もが陥る可能性があるということ。違いは、その感情が表に出るか出ないか、理性を保つか保たないかであると思います。 今回の事件では、事件が起こる前から、虐待のおそれがあるという趣旨の通告など、摂津市に情報が寄せられていました。 摂津市は、第三者からの暴力を止められないネグレクト、育児放棄と判定、継続的に面接を行うなど、見守りを行っていたとのことです。児童相談所とも協議しながら情報を共有していたようですが、結果として、虐待死を防ぐことはできませんでした。 今回のような悲しい虐待死は、二度と起きてほしくない、起こしてはならない、その思いを強く願いまして、質問をさせていただきます。 現在、県では、令和2年3月に、第2期くまもと子ども・子育てプランや熊本県社会的養育推進計画を策定しており、その中で、児童相談所の強化や市町村の子ども家庭支援体制の構築など、児童虐待防止対策の充実を掲げておりますが、その進捗状況と今後の取組について、健康福祉部長にお尋ねいたします。  〔健康福祉部長早田章子さん登壇〕 ◎健康福祉部長(早田章子さん) 児童虐待の未然防止、早期対応は、喫緊の課題であり、児童相談所の体制強化や市町村における子ども家庭支援体制の構築が重要であると認識しています。 まず、児童相談所の体制強化については、毎年、児童福祉司など専門職を増員しており、児童福祉司については、蒲島知事就任後、17人増員し、現在40人体制としております。 また、平成31年4月から、中央児童相談所の組織を見直し、昨年4月からは、八代児童相談所にも新たに班を設置し、体制強化を図るとともに、スキルアップのための研修も実施しています。 今後も、職員の増員や専門性の向上など、さらなる体制の強化を図ってまいります。 次に、市町村の子ども家庭支援体制の構築についてお答えします。 児童虐待の未然防止、早期対応を図るためには、子供とその家庭の実情の把握や必要な支援を行う子ども家庭総合支援拠点が市町村に設置されることが重要です。 現在、12の市町で設置されており、20を超える市町村で設置に向けた準備が進められているところです。今後も、研修等の実施により、設置の促進に取り組んでまいります。 さらに、市町村と児童相談所をつなぎ、専門性を生かした相談対応を行う児童家庭支援センターの設置も推進しており、今年度新たに3か所設置したことで、現在8か所となり、県内全域をカバーできる体制を構築することができました。 今後は、それぞれの地域で、市町村、児童家庭支援センター、児童相談所の3層構造の体制を確立し、相互に情報共有、連携強化を図りながら、児童虐待の未然防止、早期対応に全力で取り組んでまいります。  〔坂梨剛昭君登壇〕 ◆(坂梨剛昭君) 健康福祉部長より答弁をいただきました。 児童虐待は、私たちの身の回りで起きているかもしれない、とても身近な問題です。大きく分けて、虐待は、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクトの4つになりますが、その全ては、成長過程にある子供にとって、障害が残る可能性やトラウマとして残り、社会への適応障害、最悪は命を落とすことも考えられます。 ぜひ、県として、児童虐待の未然防止、早期対応として、全市町村への支援拠点の設置に向け、取り組んでいただきたいと思います。 アメリカや諸外国では、犯罪や虐待のサインは見逃さない、見て見ぬふりはしない、疑わしきは通報するという意識が人々に浸透しています。日本においては、しつけと虐待の境界線が非常にグレーなところがあり、その意識が低いような気がいたします。 助けてと言えない子供は必ずいます。身体的にも、言動や行動などでも、どこかで信号を出していることを私たちが気づいてあげる意識を持ち、地域として、子供の安全は社会全体として守る体制が必要と思います。 今後、悲しい事件を起こさない、答弁で言われた3層構造体制を早期に確立していただきますようお願いをいたします。 最後に、要望をさせていただきます。 毎年9月に開催される熊本県民体育祭は、コロナ禍により、昨年に続き、今年も中止となりました。 県民体育祭は、一躍時の人となった玉名市出身金栗四三先生が、県下の青少年たちに希望と健康を与えたいという強い思いから開催されました。 現在の開催体制は、県下市町村が10区分化され、輪番制により、担当の市町村が対応し、開催をされております。 輪番制にしていくことによるメリットは、各自治体の地域活性化につなげていくこと、さらにはスポーツ環境の強化、施設の改修などがあり、開催地の経済効果にもつなげていくことができるということです。 しかし、一方で、各自治体では、輪番制問題、日程問題、開催方法、運営などに限界が来ているとの意見も出ているのではないでしょうか。人的・予算的負担、各競技の会場の確保、宿泊者数の受皿、市町村行政の業務負担など、長年変わっていなかった開催体制に対して、見直す時期が来ているように思います。 県民体育祭の趣旨は「広く県民の間にスポーツを普及し、県民の健康増進とスポーツ精神の高揚を図り、明るく豊かな県民生活」に「寄与」するとあります。県下で最大のスポーツの祭典である県民体育祭を、より持続可能な大会として続けていくためにも、各自治体、体育協会、スポーツ協会などと十分に協議し、意見交換をしていただき、熊本県民体育祭というすばらしい大会を継続し、開催していただくよう、要望とさせていただきます。 以上で全ての質問、要望が終わりました。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(小早川宗弘君) この際、5分間休憩いたします。  午前11時休憩    ――――――○――――――  午前11時11分開議 ○議長(小早川宗弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 島田稔君。  〔島田稔君登壇〕(拍手) ◆(島田稔君) 自由民主党・荒尾市区選出の島田稔です。 今回、私にとって3回目の質問となります。発言通告どおり、4件の一般質問を行います。知事はじめ県執行部の方々の明確なる答弁を期待するところです。 昨日の12月9日で、熊本県内の新型コロナウイルスの新規感染者が、25日連続でゼロとなっています。このまま新型コロナウイルスが鎮静化し、県民の皆様が日常の生活を取り戻されることを祈念しながら質問に入ります。 最初の質問は、中期的な財政収支の試算を踏まえた今後の財政運営についてであります。 私は、昨年11月議会の一般質問で、本県の当面の財政運営について質問をいたしました。その内容は、熊本地震からの創造的復興、新型コロナウイルス感染対策、7月の豪雨災害の三重苦に見舞われており、9月補正後の本年度一般会計の総額は、熊本地震が発生した平成28年以来2度目の1兆円超えとなった、今後策定する球磨川流域の復旧・復興プランによっては、事業費が大幅に膨らむ可能性もある、また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済状況の悪化により、国では、地方交付税の原資となる国税が減収となり、さらに地方税も大幅な減収となる見込みであるため、財源不足額が拡大するのではないか、これを穴埋めする臨時財政対策債は、リーマン・ショック時に次ぐ規模となるなど、地方財政全体として厳しい状況が見込まれ、本県への影響も少なくはないものと考える、そこで、こうした地方財政全体の動向を踏まえつつ、今年度中の県税収減に伴う財源不足への対応等も含め、本県の当面の財政運営について、当時の総務部長にお尋ねをいたしました。 答弁では、まず、今年度の対応については、現時点では減収幅が見通せないが、引き続き税収の動向を掌握して、当初予算を大きく下回る場合には、決算剰余金や減収補填債の活用などにより、財政運営に支障がないよう適切に対応する、次に、来年度については、一般行政経費や県単独投資のマイナス20%シーリングに取り組むとともに、これまで以上に事業の選択と集中を徹底しながら、当初予算の編成を進める、このような状況でも適切な財政運営が可能となるよう、中期的な財政見通しを策定して、財政調整用4基金を80億円程度確保するとともに、通常県債残高を現在と同水準とするとの蒲島県政の方針を堅持することを目標に、将来を見据えた取組を進めるとの答弁をいただきました。 答弁どおり、中期的な財政収支の試算を本年10月に策定し、公表されたところであります。 皆さん御存じのこととは思いますが、この中期的な財政収支の試算は、蒲島知事の1期目就任直後である平成20年6月あるいは熊本地震後の平成29年5月など、これまでも節目の時期に公表されてきました。私は、このような中期的な試算を通して県財政の健全性を掌握することは、とても重要で意味のあることだと思います。 先ほども少し触れましたが、過去には、平成20年6月の試算結果を踏まえて、平成21年2月に財政再建戦略を策定し、人件費の削減をはじめ、公共事業や各種団体への補助金の削減、見直しなど、歳入歳出両面からの厳しい改革に取り組んだという事例もあります。そのため、今回試算結果が公表されるに当たって、多くの県民の方々が、どのような内容になっているのか注目されていたのではないかと思います。 今回は、蒲島県政4期目の折り返しを迎えるに当たって、平成28年熊本地震、新型コロナウイルス感染症、令和2年7月豪雨災害という3つの課題への対応を踏まえた中期的な財政見通しが示されました。 結果は、令和4年度から令和8年度までに、毎年度14億円から52億円、5年間の累計で186億円の財源不足が生じる結果になっております。 私自身は、これを見て、決して楽観できる数字ではなく、県財政は大丈夫かと感じたのが率直なところであります。 県として、3つの課題のみならず、少子高齢化など様々な課題に取り組む必要がある中、今回の結果に対して、不安を抱く県民も少なからずおられるのではないでしょうか。 そこで、今回の試算結果を県としてどのように認識をしているのか、また、来年度の予算編成を含め、今後の財政運営をどのように行っていこうと考えておられるのか、知事にお尋ねをいたします。  〔知事蒲島郁夫君登壇〕
    ◎知事(蒲島郁夫君) 県では、本年10月に、令和4年度の予算編成方針と併せて、中期的な財政収支の試算を公表しました。 この試算は、熊本地震、新型コロナ、7月豪雨災害の3つの課題への対応による影響を踏まえた財政見通しを明らかにし、その上で、蒲島県政4期目の総仕上げに向けた予算編成の基礎とするためのものであります。 先ほど議員から御紹介がありましたが、1期目の就任直後の平成20年6月に行った試算では、その後の4年間で824億円の財源不足が生じる結果でした。このときは、直ちに財政再建戦略を策定し、私自身の給与月額100万円カットをはじめ、職員の給与引下げや人員削減、公共事業や各種団体への補助金の削減、見直しなど、皆様に御理解、御協力をいただきながら、徹底した行財政改革に取り組みました。 また、未曽有の災害である熊本地震の後の平成29年5月には、計画的かつ迅速に創造的復興への取組を進めるために、改めて中期試算を行い、節目ごとに県財政の健全性の確保に努めてまいりました。 このような取組を通して、知事就任前の平成19年度末に約1兆700億円あった通常県債残高は、令和2年度末には約8,700億円となり、約2,000億円の削減を実現いたしました。 本県が、2度の大きな災害や新型コロナウイルス感染症に対して、国の支援を最大限に活用しながらちゅうちょなく取り組むことができているのは、これまでの財政再建の取組の成果だと考えています。 今回の試算では、令和4年度から5年間で、186億円の財源不足という結果になりました。これは、平成20年度の試算による財源不足額、4年間で824億円と比べると相当小さくなっています。財政の健全度を判断する指標も、イエローカードとも言うべき早期健全化基準を大きく下回る見込みであることから、当時のように、直ちに財政再建戦略を策定する状況にはありません。 一方で、将来的には、社会保障関係経費や熊本地震など災害関連の県債償還の本格化に伴う公債費のさらなる増加が見込まれます。また、今後の景気動向や新たな政策課題への対応など、現段階では見通せない課題が生じることも想定されることから、今後の財政運営は決して予断を許さない状況であると認識しています。 そのため、令和4年度の予算の編成においても、単独投資事業でマイナス20%など、厳しいシーリングを設定しながら、歳入の確保、歳出の見直しの両面から精査を行い、財源不足を解消していきたいと考えています。 今後も、事業の選択と集中の徹底や将来負担を考慮した予算編成を進め、将来にわたって健全な財政運営に取り組んでまいります。  〔島田稔君登壇〕 ◆(島田稔君) 中期的な財政収支の試算を踏まえた今後の財政運営について、知事から答弁をいただきました。 令和4年度に蒲島県政4期目の折り返しを迎えるに当たり、1つに、3つの課題への対応による影響を見極めること、2つに、その上で4期目の総仕上げに向けた予算編成の基礎とすること、3つに、将来にわたって健全な財政運営を目指すことを目的として、中期的な財政収支の試算を行い、公表したものであるとの答弁をいただきました。 令和4年度から令和8年度までに、毎年度14億円から52億円、5年間の累計で186億円の財源不足が生じる結果となった、しかしながら、平成20年度からの3か年取り組んだ財政再建戦略の際の平成20年6月の試算の5年間の累計財源不足額は824億円であり、当時と比較すると財源不足額は小さく、健全化判断比率も、早期健全化基準を大きく下回る見込みであることから、直ちに財政再建戦略を策定する状況ではない、しかしながら、将来的には、社会保障関係費や公債費のさらなる増加、新たな政策課題への対応など、今後の財政運営については予断を許さない状況との知事答弁でした。 令和2年度に、財政調整用4基金が一旦ゼロになりました。令和3年度一般会計当初予算編成の中で、財政調整用4基金を一気に、80億円を目指したようですが、54億円を積み増すことができています。令和3年度において、一般行政経費や県単独投資のマイナス20%シーリングに取り組んだためだと考えています。 熊本市を除く荒尾市など県下市町村は、一般財源不足の折は、いつでも取崩しができる財政調整基金の積み増しをするのに必死であります。1億、2億積み増しするのに、一丸となった行財政改革、それこそ乾いたタオルを再度絞るような思いで取り組んでいます。改めて、県政の場に出て、県財政規模の大きいがゆえにできることだと考えています。 今後もなお一層、答弁にもありました事業の選択と集中に取り組み、将来にわたって健全な財政運営に取り組まれることを要望して、この質問を終わります。 次の質問は、関川災害復旧助成事業の進捗状況と今後の見通しについてです。 昨年7月3日から4日にかけて、県南の人吉・球磨、八代、芦北を中心に線状降水帯が形成され、球磨川や佐敷川水系が氾濫、土砂災害も発生し、甚大な被害となりました。死者65名、そして今なお行方不明者2名、建物の被害約9,000棟とのことであります。 犠牲となられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様が日常をできる限り早く取り戻されることを心よりお祈りを申し上げます。 同じような甚大な被害が、県北地域でも発生をしました。昨年7月6日から8日にかけての豪雨では、玉名郡南関町から荒尾市、そして福岡県大牟田市へと流下する県管理の関川流域でも河川が氾濫し、過去最大級の浸水被害が発生しました。 関川は、南関町役場周辺の中心部を通り、荒尾市では北部の市街地を流れ、福岡県大牟田市に入れば名称が諏訪川となる、全長約26キロの二級河川です。 7月6日から翌7日にかけての2日間の降水量は、荒尾市で約500ミリ、南関町では約760ミリに達し、関川の竜瀬橋水位観測所において、氾濫危険水位を約80センチ超過する最高水位2.27メートルを記録して氾濫。浸水面積は、2市町合わせて約205ヘクタール、流域の220戸の家屋が浸水、道路や河川など公共土木施設の被害も相次ぎました。 最下流に当たる大牟田市の諏訪川流域では、市が設置された令和2年7月豪雨災害検証委員会の報告書によると、内水氾濫などにより1,800戸を超える家屋が浸水しており、熊本県から福岡県にわたる流域全体で大きな被害が発生をしました。 この甚大な被害についての対応は、国と県と地元自治体との連携が不可欠であることから、地元選出の国会議員、地元自治体の首長及び市議会、流域の農業従事者、そして地域住民の方々と一緒に、私も地元県議として、被害地域の視察を行いました。 目の当たりにした光景は想像を絶するもので、驚きの連続であるとともに、大きな落胆に襲われました。 こうした事態を受けて、関川の復旧については、災害復旧助成事業に採択され、3月27日、田嶋熊本県副知事、山口熊本県議会副議長をはじめ関係者列席の下、関川災害復旧助成事業着工式が執り行われました。 関川の事業予算は、30億5,000万円で、工期は、2020年度から23年度までの4年間とお聞きしております。 発災後1年5か月が経過し、現在、原形復旧の工事を先行して進めているとのことですが、私は、地域の皆様の安全、安心のため、全ての工事の一日も早い完成を切に願っております。 そこでまず、関川災害復旧助成事業の進捗状況と今後の見通しについてお尋ねします。 また、近年は、気候変動の影響を受け、各地で豪雨災害が激甚化、頻発化しており、昨年の豪雨を超えるような災害が再び発生することも考えられます。関川流域の住民の安全を確保するためには、さらなる河川改修を実施していく必要があると思いますが、今後の河川整備の取組について、土木部長に併せてお尋ねをします。  〔土木部長村上義幸君登壇〕 ◎土木部長(村上義幸君) 関川災害復旧助成事業の進捗状況と今後の見通しについてお答えします。 関川においては、昨年の大きな被害を踏まえ、同規模の降雨が発生しても、家屋の浸水被害を防ぐことを目標に事業を進めています。 これまでに、被災した護岸などの復旧工事に着手しています。また、並行して、下流河川を管理する福岡県と協議を行ってまいりました。このたび協議が終了し、堤防整備、河川の拡幅、河道掘削といった改良工事の発注準備を進めております。 年内には、地元の皆様に対する事業説明会の開催を予定しており、事業への御理解と御協力をいただきながら、令和5年度の事業完了に向けて、スピード感を持って取り組んでまいります。 次に、今後の河川整備の取組についてお答えします。 議員御指摘のとおり、気候変動の影響により、昨年を上回る豪雨が発生する可能性もあることから、助成事業の完了後も引き続き、関川のさらなる改修を進めていくことが重要です。切れ目なく抜本的な改修に取り組むことができるよう、福岡県と連携して、河川法に基づく長期計画及び中期計画を取りまとめてまいります。 また、抜本的な改修が完了するまでの間も、住民の皆様の安全、安心を確保していく必要があります。 現在、福岡県や関係市町などで構成する協議会を設置しており、流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水の協議を行っているところです。今年度中には流域治水プロジェクトを策定し、避難体制の強化などの命を守る取組も加速してまいります。 引き続き、関川の沿川住民の皆様の安全、安心のため、全力で取り組んでまいります。  〔島田稔君登壇〕 ◆(島田稔君) 関川災害復旧の助成事業の進捗状況と今後の見通しについて、土木部長から答弁をいただきました。 関川では、昨年の大きな被害を踏まえ、昨年と同規模の降雨が発生しても、家屋の浸水被害を防ぐことを目標に事業を進める、復旧工事に着手しながら、並行して下流の福岡県と協議を行い、堤防整備、河川の拡幅、河道掘削といった改良工事の発注準備を進めていく、年内には地元の皆様への事業説明会を開催予定で、御理解と御協力をいただきながら、令和5年度までの事業完了に向けて、スピード感を持って工事を進めるとの答弁でした。 関川流域に、私が市議会時代に大変お世話になった大先輩がおられまして、結果的に床上浸水になったということで、後日、お見舞いかたがた行ってきました。 その先輩がおっしゃるのは、1階のベッドに休んでいた、そしてトイレに起きるためにベッドから足を下ろしたら、チャポッと音がしたそうです。したがって、音を立てずにしんしんとしんしんと水が入ってくる、改めて水害の恐ろしさを感じたところでございました。 そういうことで、関川流域の住民の皆様方の安心、安全、そして生命と財産を守る観点からの復旧、復興をよろしくお願いを申し上げる次第です。 次の質問は、関川災害復旧助成事業に関しての田んぼダムについてであります。 熊本県は、昨年7月の豪雨災害を受け、球磨川流域の新たな治水対策として、田んぼダム実証実験事業に取り組み、田んぼダムの効果等を客観的な評価をするため、効果等検証委員会を立ち上げています。 田んぼダムは、水田の既存の排水ますに専用の堰板を設置し、雨水を一時的にためて河川への流出を緩やかにする仕組みです。 本年度から来年度までの2年間、人吉・球磨地域の7市町村のモデル地区の水田約296ヘクタールで、専用の堰板を設置し、実証実験を実施、水田の水位や排水路の流量を観測して貯水効果などを検証するほか、水稲や周辺の畑作物への影響も調べるとのことであります。 先ほども述べましたが、昨年7月の豪雨で、私の地元の関川流域でも河川が氾濫し、過去最大級の浸水被害が発生し、甚大な被害が発災したことから、被害軽減のために田んぼダムの効果に期待をしているところです。 そこで質問ですが、田んぼダム実証実験事業の取組状況について、併せて関川流域など県内各地域への取組推進について、農林水産部長にお尋ねをいたします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) まず、1点目の田んぼダム実証実験の取組状況についてお答えいたします。 貯留効果の検証につきましては、モデル地区に6月末までに堰板の配付を行い、農家の御協力を得て、7月からデータの観測を開始いたしました。 今年は、7月から9月にかけて、時間最大20ミリ以上の降雨が5回あり、水位や流量の観測ができました。現在、貯留量や流出抑制量などを算定し、貯留効果を解析しております。 次に、農作物への影響の検証につきましては、湯前町や水上村で10筆の水田を選定し、水稲の生育収量調査や耕作者から栽培管理の聞き取りを行いました。 その結果、収量等に明確な差は見られず、田んぼダムで水をためたことによる影響は確認されませんでした。また、畑作物への影響確認につきましては、今年度中に水田に貯留した場合の隣接農地への地下水の浸透量調査を行うこととしております。 さらに、実証実験を行う中で、新たな課題として、排水ますの老朽化等による破損や欠損が確認され、堰板が設置できない箇所が散見されました。 また、農家の方々は、水田の水管理のため、堰板の取り外しを頻繁に行う必要があるため、煩わしさから外したままの事例も多く、堰板の設置率が4割程度にとどまりました。 この問題に対応するために、排水ます製造会社の御協力を得ながら、営農用と田んぼダム用の機能を分離できる熊本型排水ますの開発に着手したところです。 次に、2点目の県内各地域への取組の推進についてお答えいたします。 県内45市町村を対象に、田んぼダムの認知度や必要性などのアンケート調査を行いました。その結果、9割以上の市町村は、取組を認知しており、約5割の市町村が、流域治水の一環として必要と回答されました。 議員からお尋ねのありました関川地域では、南関町が田んぼダムに取り組みたいとの意向を示されており、まずは、関川流域で県営事業として農地整備を実施中の上長田地区約15ヘクタールの水田で取り組むこととしております。 今後、実証実験の結果を踏まえて、効果を広くPRするとともに、恩恵を受ける下流域の方々の理解促進や多面的機能支払制度を活用した農家への支援など、農家の方々のやりがいや機運醸成を図り、田んぼダムの取組を県内全域へ普及拡大してまいります。  〔島田稔君登壇〕 ◆(島田稔君) 田んぼダムの取組について、農林水産部長から答弁をいただきました。 田んぼダムの実証実験事業の状況については、貯留効果の検証で、モデル地区に6月末までに堰板の配付を行い、7月からデータの観測を開始したということでございます。 関川流域で、農地整備中の南関町上長田地区で、約15ヘクタールの水田で取り組みたいとのことであります。昨年7月豪雨では、私の地元の関川流域で河川が氾濫し、過去最大級の浸水被害が発生しました。被害軽減のため、実証実験後、ぜひとも県内各地に田んぼダムを広められるようお願いして、この質問を終わります。 3点目の質問は、有明海沿岸道路と熊本県新広域道路交通計画との関連についてです。 有明海沿岸道路は、有明海沿岸の都市を結ぶことにより、地域間の交流連携を強化するとともに、深刻な渋滞箇所が存在する国道3号、国道208号の混雑緩和や交通安全の確保を目的として計画された地域高規格道路です。 地域高規格道路とは、自動車専用道路またはそれと同等の機能を有する質の高い道路であり、60キロ以上の高速サービスを提供する道路です。 有明海沿岸道路は、佐賀県鹿島市から福岡県大牟田市までの延長約55キロ、そして大牟田市から熊本市までの延長約30キロと合わせて約85キロの地域高規格道路となります。 近年、熊本県側については、沿線自治体が中心となり、熊本県知事が顧問をされている有明海沿岸道路建設促進熊本県期成会及び民間団体を中心とした有明海沿岸道路「荒尾・玉名地域」整備促進期成会、また、県議会においても、福岡、佐賀の両県議会の皆様とともに有明海沿岸インフラ整備3県議会連絡会議を結成し、建設促進を求める要望活動を国に行ってきたところです。 このような中、有明海沿岸道路の大牟田市三池港インターチェンジは、供用開始後に発生した高潮浸水による通行止めなど、災害発生時における機能確保に向けた改良工事の一環として、2015年度から、三池港インターチェンジ連絡路として、荒尾競馬場跡地までの整備着手が決定したところです。なお、関係者の努力により、この連絡路は、国直轄による整備が決定しております。 しかしながら、連絡路の予定コースに軟弱地盤が存在し、地質調査に時間を費やし、工事着手が遅れていましたが、調査も終了し、2021年度予算で、三池港インターチェンジから荒尾競馬場跡地までの延長2.7キロに8億8,400万円の事業予算が確保され、荒尾側に4億4,000万円、大牟田側に4億4,400万円であり、双方からの着工となります。 なお、大牟田市から長洲町間については、14年度に計画段階評価が完了し、15年度に都市計画決定されております。 熊本県内の北部から中央部にかけては、南北に走る自動車専用道が九州縦貫自動車道の1本しかなく、経済や観光の活性化及び災害時の代替ルートとしての役割が期待されているため、今後も、大牟田市から熊本市までの延長30キロについて、早期整備、早期事業化に向け、一歩一歩前進させなければなりません。 ここまでが私が理解している有明海沿岸道路の現況です。 このような中、熊本県と熊本市は、今後20年から30年の広域的な道路整備の基本的な方向性を示す熊本県新広域道路交通計画を本年6月に策定をしました。この計画は、1993年に策定し、98年に見直した熊本県新広域道路整備基本計画から20数年ぶりに今回新たに策定されたものです。 策定された概要によれば、熊本市と大牟田市を結ぶ有明海沿岸道路、熊本県側については、九州縦貫自動車道や熊本環状道路等と一体的に循環型高速交通ネットワークを形成する路線として、新広域道路交通計画で高規格道路に位置づけられました。 さらに、同計画で、新たに構想路線に位置づけられた有明海沿岸連絡道路も、有明海沿岸地域と熊本都市圏をつなぎ、有明海沿岸地域のさらなる発展に大きな効果が期待をされます。 平成28年熊本地震では、九州縦貫自動車道をはじめ、幹線道路の被災、寸断により深刻な交通渋滞が発生し、救助活動や支援物資の輸送及び緊急車両等の通行に重大な支障を及ぼしました。 災害発生時のリダンダンシー確保の観点からも、有明海沿岸道路は、災害発生時の命の道として、極めて重要な役割を担う路線です。 また、有明海沿岸地域の広域交通の拠点となる都市や空港、港湾等を効率的かつ効果的に連絡する有明海沿岸道路と九州縦貫自動車道や中九州横断道路を連結すれば、有明海沿岸都市圏の規模は一層拡大するとともに、有明海及び八代海沿岸から九州全域につながる高速交通ネットワークが形成されるというものです。 そこで、有明海沿岸道路と熊本県新広域道路交通計画との関連についてですが、新計画によれば、この有明海沿岸連絡道路は、本員の私見ではありますが、玉名市の大浜地区及び天水地区辺りから西環状道路につながり、熊本都市圏に入るものと考えます。これにより、将来的に有明海沿岸道路や有明海沿岸連絡道路は、九州の縦軸の機能だけでなく、長崎、熊本、大分を結ぶ横軸の機能を併せ持つ高規格道路になるものと思います。 有明海沿岸道路と連絡道路の両方を一体的に整備することが望まれるところですが、県内の有明海沿岸道路の整備は、ようやく三池港インターチェンジ連絡路の工事着工が決定したばかりであり、荒尾市から長洲町の区間は、既に国の計画段階評価が完了し、15年度に都市計画決定されているにもかかわらず、いまだ事業化に至っていません。 このような状況の下、熊本県新広域道路交通計画を踏まえ、今後の有明海沿岸道路の将来構想の実現についてどのように取り組まれるのか、土木部長にお聞きをいたします。  〔土木部長村上義幸君登壇〕 ◎土木部長(村上義幸君) 有明海沿岸道路は、九州の循環型高速交通ネットワーク形成に不可欠な道路であり、地域の交流促進など、多様な役割を担う道路と認識しています。 そのため、今回策定いたしました新広域道路交通計画においても、有明海沿岸道路を高規格道路としてしっかりと位置づけを行ったところです。 また、熊本の拠点性向上やダブルネットワークの構築など、広域的な役割が期待される道路として、有明海沿岸連絡道路を構想路線に位置づけました。 これらの計画や構想を実現し、県全体の発展につなげるためには、まずは、高規格道路である有明海沿岸道路の整備を加速していくことが不可欠です。とりわけ、三池港インターチェンジ連絡路の早期整備とともに、既に都市計画決定している荒尾―長洲間の早期事業化が重要であると考えております。 県としましては、引き続き、国直轄による有明海沿岸道路全線の早期整備を要望してまいります。あわせて、連絡道路につきましても、国や関係自治体と連携し、地域の実情に応じて必要な検討を進めてまいります。  〔島田稔君登壇〕 ◆(島田稔君) 衆議院選挙が10月に行われました。選挙戦の中で、地元で多くのミニ集会、演説会など開催をいたしました。 ミニ集会、演説会では、一方的な主催者だけの話ではなく、参加された市民の方々から、地域づくりについて意見、要望など拝聴するいい機会でもありました。 その中で、有明海沿岸道路に多くの発言がありました。1つは、大牟田市三池港インターチェンジから荒尾競馬場跡地までの連絡路は、本年度予算が確保できたようだが、いつ供用開始になるのか、2つは、荒尾競馬場跡地から長洲町間は、2015年度に都市計画決定しているのに、いまだに事業化に至らないのはなぜか、3つは、有明海沿岸道路は、大牟田市から熊本市までの延長30キロだが、熊本市に入れば、様々な課題、難題があるのではないか、そのことが有明海沿岸道路が動かない原因になっているのではないか、いろんな意見が出たところでございます。 このような中、熊本県新広域道路交通計画が6月に策定されました。今回、有明海沿岸道路と熊本県新広域道路交通計画との関連について質問をしたところであります。 4点目の質問は、県内児童生徒の不登校及びいじめの課題についてであります。 この質問は、不登校といじめの2点に分けて質問をいたします。 最初の質問は、不登校の原因とその対策についてです。 文部科学省の令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査で、新型コロナウイルス下の学校に様々な影響が出ていることが浮き彫りになっています。 全国の国公私立小中学校で、2020年度に不登校だった児童生徒は、前年度比8.2%増の19万6,127人で、過去最多だったとのことであります。 文部科学省は、不登校の主な要因として、無気力、不安や生活リズムの乱れなど本人に係る状況59%、友人関係や学業不振など学校に係る状況23%、親子関係など家庭に係る状況14%、その他5%となっています。文部科学省は、コロナ禍が子供たちの生活に変化を与えたと分析しています。 新型コロナ感染拡大を受け、全国の学校では、昨年3月から一斉休校が実施され、多くの学校が5月まで休校が続き、その後も、夏休みの短縮、修学旅行や運動会、文化祭の中止、そして長期休校が明けても、感染予防のため、授業中にも距離を取り、給食も黙食で交流を制限され、学校生活は一変しており、学校生活が楽しいと思えなくなっているのではないでしょうか。 制限つきの学校生活で、不登校が増加したと言われております。孤立感を深める子供と多忙化に拍車がかかる教員、学校現場に新たな課題が重くのしかかっているように感じております。 一方、熊本県内の国公私立の小中513校で、2020年度、不登校だった児童生徒は、前年度比312人増の2,996人に上っており、全国と同様に、8年連続で増加しています。内訳は、小学校889人、前年度比118人増、中学校2,107人、前年度比194人増となっています。 そこで、増え続ける県内児童生徒の不登校の原因とその対策について、教育長にお尋ねをいたします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) まず、県内における不登校の原因についてお答えをします。 全国と同様の傾向があり、無気力、不安や生活リズムの乱れなど本人に係る状況が最も多くなっております。 また、増え続けている原因としては、いわゆる教育機会確保法が平成29年に施行され、学校に登校するという結果のみの目標にせず、不登校児童生徒それぞれに合った学習環境を保障するという本法の趣旨が浸透したことも背景にあるのではないかと考えております。 次に、不登校対策についてですが、県教育委員会では、平成25年度以降、不登校児童生徒の増加を喫緊の課題として捉え、未然防止対策としての学校等におけるつながりを深める居場所づくりの充実や初期対応としての愛の1・2・3運動プラス1に取り組んでいるところであります。 今年度は、不登校対策重点取組事項を新たに定め、特に次の2点について取組を進めているところです。 1点目は、スクールカウンセラー等の専門家の活用についてです。 県内の不登校児童生徒の約半数が、90日以上欠席している状況にあります。このように、一旦不登校になると長期化する傾向にあることから、スクールカウンセラー等の専門家を活用した取組が大変重要であります。 このため、専門家の支援を受けていない不登校児童生徒が約1割いるという現状を改善するため、教育プランにおいて、専門家からの支援を受ける割合を100%にするという指標を定め、市町村教育委員会及び県立学校とともに取組を進めております。 2点目は、多様な教育機会の確保についてです。 県内の不登校児童生徒の約6割が家庭で過ごしており、必ずしも教育的な支援が十分ではありません。 このため、ICTを活用した学習支援に取り組むとともに、市町村の教育支援センターに対する設置支援やフリースクール等との合同による連絡協議会の開催など、関係機関と連携を強化しながら教育環境の充実に努めております。 さらに、本県独自に不登校支援シートを作成し、進学時に引き継いでいくことで、小中高の切れ目のない継続した支援にも取り組んでまいります。 県教育委員会としましては、誰一人取り残さない教育の実現に向けて、市町村教育委員会や民間と連携しながら、今後も、不登校児童生徒の支援や多様な教育機会の確保にしっかりと取り組んでまいります。  〔島田稔君登壇〕 ◆(島田稔君) 不登校対策について、教育長から答弁をいただきました。 県内における不登校の原因は、国と同様で、無気力、不安や生活リズムの乱れなど本人に係る状況が最も多いようです。 不登校対策については、未然防止としての学校等における居場所づくりの充実や初期対応としての愛の1・2・3運動プラス1に取り組んでいるとのこと。誰一人取り残さない教育の実現に向けて、市町村教育委員会や民間と連携しながら、不登校児童生徒の支援や多様な教育機会の確保にしっかりと取り組んでいくとのことであります。 増え続ける不登校児童生徒の対策に全力で取り組んでいくことを要望し、この質問を終わります。 次に、県内児童生徒の不登校及びいじめの課題についての2点目の質問は、いじめ問題についてであります。 文部科学省の令和2年度問題行動・不登校等調査によれば、小中高、特別支援学校が認知したいじめは、全国で9万5,333件減の51万7,163件、前年度比15.6%減となり、2013年度以来7年ぶりの減少となっています。深刻ないじめである重大事態も、514件、前年度比28.9%減と、ともに減っているようです。 文部科学省は、いじめの認知件数が急減した理由として、1、一斉休校で授業日数が短縮され、児童生徒が対面でやり取りする機会が減ったことや、2、教員がコロナ関連のいじめを警戒して指導を徹底したことなどを挙げています。 コロナ禍で、子供同士が物理的な距離を取り、授業や学校行事、部活動が制限され、やり取りが減ったことが影響したものと見られると分析しているようです。 しかしながら、全体の認知件数が減る中、パソコンや携帯電話などでの中傷や嫌がらせは、前年度から946件増え1万8,870件で、近年は増加の一途をたどっています。特に、小学校は、前年度から32%増の7,407件に上り、内閣府の調査では、インターネットの利用率は、調査対象である10歳から17歳まで全ての年代で、令和2年度に88.3%を超えており、こうした外的な要因も影響したと見られます。 熊本県内国公私立小中高、特別支援学校の616校が認知したいじめは、前年度比862件減の5,677件で、3年ぶりに減少となりました。文部科学省同様、県教育委員会も、コロナ禍で学校行事や部活動などが制限され、児童生徒の接触が減ったことなどが影響したとの見解のようです。 阪神大震災や東日本大震災では、子供のストレスは2~3年後に噴出したとし、今後も不登校もいじめも増える可能性があると指摘する専門家もいるようであります。 コロナ禍以前の日常を回復する動きが本格化する中、いじめ対策について、教育長にお尋ねをいたします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 県教育委員会におきましては、熊本県いじめ防止基本方針を、昨年11月に、より具体的な内容に改定をいたしました。 この改定を踏まえまして、いじめの早期発見や早期解決などの従来の対応に加えまして、専門家と連携した新たな取組を進めております。 まず、いじめに関する情報の一元化を図るため、全ての学校に情報集約担当者を設置し、いじめ対策に係る学校内における組織体制の充実を図っております。 また、いじめ防止等リーフレットを作成し、学校における早期発見からいじめ解消に向けた対応について、時系列にそのポイントや留意点を細かくまとめております。 教職員向けには、いじめ対応セルフチェックシートを同リーフレットの中に掲載し、日常的に活用できるようにしております。 加えて、熊本県弁護士会と連携して、スクールロイヤー活用事業の中で、いじめ予防授業や教職員研修の実施など、取組を進めているところでもあります。 県教育委員会としましても、今後、空振りは許されるが、見逃しは許されないを合い言葉に、困っている児童生徒に寄り添い、いじめの積極的な認知と丁寧な対応に取り組んでまいります。 ○議長(小早川宗弘君) 島田稔君。――発言を簡潔に願います。  〔島田稔君登壇〕 ◆(島田稔君) いじめ対策について、教育長から答弁をいただきました。 根深いものがありますが、教育委員会、学校関係者総力を挙げていじめ撲滅のため頑張っていただきたいと思います。 以上で発言通告どおり4件の質問を終了しました。 本年は、コロナ禍で大変な1年でした。来年こそは、コロナを制圧し、いい1年にしたいと念願しております。 1年間、県議会の先生及び知事はじめ県職員の皆様方には、大変お世話になりました。いいお正月をお迎えになられることを御祈念し、降壇をいたします。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(小早川宗弘君) 昼食のため、午後1時10分まで休憩いたします。  午後0時11分休憩    ――――――○――――――  午後1時9分開議 ○副議長(山口裕君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 西村尚武君。  〔西村尚武君登壇〕(拍手) ◆(西村尚武君) 天草市郡選出・自由民主党の西村尚武でございます。本日は、お許しをいただきまして、一般質問をさせていただきます。 私の地元牛深では、新聞でも報道されましたが、ハイヤ大橋に損傷が見つかり、8月27日午後6時から現在まで、自転車、歩行者は通れるものの、車両は全面通行止めの交通規制となっています。 ハイヤ大橋は、市民の足として、それ以上に水産業の物流の要になっていまして、現在、この交通規制が大きな障害となっています。そのような中、11月19日に県より連絡がありまして、今年の12月下旬には応急工事を完了し、車両の通行を再開するとのことでした。12月は、水産物運搬等の繁忙期でもあり、この通行再開は、地元にとりまして大変ありがたいことです。執行部の皆様、議員の皆様に御礼を申し上げます。 また、県南議連の議員の皆様には、ハイヤ大橋の本修理に関しまして、国のほうにも要望書を出していただきました。重ねて御礼を申し上げます。本当ありがとうございます。 では、通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。 まず、過疎地における仕事づくりについて質問させていただきます。 今年4月1日より、新たな過疎法であります過疎地域の持続的発展の支援に関する法律が施行され、先般、熊本県過疎地域持続的発展方針の下、県内28団体において、新たな過疎計画が策定されました。 今後も少子高齢化や人口減少が見込まれる中で、過疎地域が大きな発展を遂げて、脱過疎地域となることはかなり難しい現状ですが、私が特に大きな問題だと捉えておりますのは、この過疎地域における仕事の確保という部分です。 このことは、移住、定住の促進にも通じる部分でございまして、移住される上では、住居の確保と、もう一つの大きな要因となるのが仕事、つまりなりわいの確保ということであり、それらが充実することで、移住者数の増加も見込まれます。 さらに、仕事がないということから、生まれ育ったふるさとを離れなければならない若者もたくさんおられ、仕事の確保は、域外に人口が流出することを防ぐ手段になると言っても過言ではありません。 私の出身であります天草地域を例に取りますと、ハローワークの求人情報では、圧倒的に福祉関係の求人が多く、仕事を探すにしても、技術や経験がないとマッチングに至らず、就業できないケースが多い反面、農業や漁業、とりわけ水産加工業などは、ハローワークには掲載していないながらも、短期でのパートをしてくれる方がいれば、すぐにでも雇用したいという声も多いという状況が発生しています。 さらに、専門技術の承継という部分でも、過疎地域には大きな問題が発生しております。例えば、大工や左官工など、技術を持つ職人は高齢化する一方で、それらの技術を承継する担い手がいないため、既に、地域内で工事をするにしても請負人が見つからず、計画どおりに進捗できない状況が発生しているということも耳にしております。 そのような社会情勢を踏まえて、国では、特定地域づくり事業協同組合制度というものを開始されているようでございます。木村副知事も、この制度設計には深く携わられたと聞き及んでおります。 そこでお尋ねいたします。 この制度の具体的な内容を御教示いただくとともに、熊本県での活用の見込みはどのようになっているのか、見込みがあるならば、どのような内容となり、過疎地域においてどのような効果が見込まれ、地域の課題解決につながるものであるのか、お尋ねします。 さらに、過疎地域が県内自治体の半数以上を占めている現状においては、財政的な支援なども含めて、市町村に委ねるのではなく、熊本県としてある程度のイニシアチブを取ることが必要ではないかと思います。協同組合の立ち上げや実動する上での関係構築は市町村が行うにしても、市町村もマンパワーや財政的な体力も厳しくなる中で、県としての支援や後押しを必要と考えます。 そこで、県としても、コミットする度合いを深めていただきたいと考えるところです。いかがでしょうか。 以上、企画振興部長にお尋ねします。  〔企画振興部長高橋太朗君登壇〕 ◎企画振興部長(高橋太朗君) 過疎地域における仕事づくりについてお答えをいたします。 御質問にありました特定地域づくり事業協同組合制度は、人口の急減に直面している過疎地域において、地域づくり人材を確保し、地域社会の維持及び地域経済の活性化を図ることを目的に、昨年6月に創設された制度です。 具体的には、過疎地域等では、事業所単位で見ると年間を通じた仕事が少ないため、季節ごとの労働需要を組み合わせることで、年間を通じた仕事を創出いたします。その上で、事業者が協同で設立した組合において、職員を無期雇用し、それぞれの事業者に派遣するものです。 本県においては、本年9月、五木村複業協同組合が設立され、11月から職員2名の派遣が始まっています。また、県内13の市町村において、本制度の活用を検討されています。この制度により、過疎地域等の条件不利地域において、新たな雇用を生み出し、人材の確保や移住、定住が促進されると考えています。 県としては、現在、本制度を有効に活用するため、過疎市町村を対象とした説明会の開催や本制度に関心がある事業者への個別説明のほか、手続に必要な書類の作成支援などを行っています。 さらに、来年度は、新たに専属の支援員を置いて、市町村や事業者へきめ細かに支援することを検討しています。本制度を積極的に活用しながら、持続可能な社会の実現を目指してまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 制度や現状についてはよく理解できました。 現在、市町村としては、県が認めた場合、補助金を出さないといけなくなり、認定主体と補助主体がばらばらであるという制度上の疑問があります。市町村で予算を通す上で、それぞれの議会への説明責任もありますので、県としては、この制度がどれぐらいの人口規模だと有効なのか、制度を運用している全国の自治体ではどのようなことが課題感となっているかなどをしっかり検証した上で、市町村と情報を共有し、連携しながら制度を運用していただくことをお願いしたいと思います。 この制度がうまく回っていけば、過疎地において仕事を確保することで、人材が外に流出することを抑えられ、移住による人口確保も図られ、さらに専門的な技術が承継される可能性もあります。 熊本県としても、移住の推進は、市町村との協力の下、様々なイベントの開催やPRを行っているところですが、別の視点により地域における仕事を確保することで、移住の推進につながるものもあろうかと思いますので、県と市町村の連携による今後の展開に期待するところであります。 次に、コロナ後を見据えた県産水産物の流通対策について質問させていただきます。 本県は、漁業生産額で全国12位、特に養殖生産額は全国4位となるなど、国内でも水産業が盛んな県であります。 このうち、天草地域は、本県の漁業生産量の約5割を占めており、本県漁業の中心となっています。特に、私の地元牛深は、本県で最大の漁港である牛深漁港を有しており、棒受け網漁業やまき網漁業などの漁船漁業により漁獲された水産物が大量に水揚げされるだけでなく、本県有数の魚類養殖業の産地でもあり、全国2位の生産量を誇るマダイやシマアジをはじめ、ブリ、カンパチなど様々な種類の魚が養殖されています。 また、水揚げされた豊富な水産物の加工も盛んに行われています。特に、養殖魚においては、三枚おろしなどに加工され、国内のみならず、海外への輸出も盛んに行われており、県内最大の水産基地としての役割を担っています。 一昨年に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大とその影響の長期化は、本県水産業にも大きな打撃を与えており、外出自粛などによる外食需要やインバウンドの減少などに伴い、出荷量や価格が低下し、昨年だけでも39億円の売上げ減少が見られています。また、養殖魚を中心とした県産水産物の輸出額も、昨年度は18億円と、一昨年度の25億円から3割程度減少していると聞いています。 牛深でも、ヒラメなどの高級天然魚の価格低下や養殖マダイや養殖ブリの出荷量減少や価格低下などの大きな影響がありました。これが資材関係や運送業等の関連業者にも波及し、結果、地域全体が元気がない状況にあります。 今までも、不漁による漁獲量の減少や豊漁による価格の低下などは経験してきました。しかし、コロナ禍が国民生活全般に影響を及ぼす中で、水産物は、これまでに経験したことのないほどの消費低迷に見舞われています。改めて、水産物をどうやって売っていくのかを考える状況にあります。 また、コロナ禍が長期化したことで、消費者の生活にも変化が現れ始めています。私自身も、コロナ以前は外食も多く、夜の宴会にも多数出席していましたが、コロナ禍の長期化で、家での食事が当たり前となり、外食したいとの気持ちも弱くなっています。 仕事面においても、コロナ以前は直接会って商談等を行っていましたが、最近はリモートによる打合せが増加するなど、私自身の生活も新たな生活様式へ変わってきたことを実感しています。 私は、令和3年2月議会において、コロナ禍の影響が最も大きい養殖魚の流通対策について、農林水産部長に質問を行いました。その際、県では、行き場を失った養殖魚の出荷量の回復を最優先に、需要喚起や消費拡大、輸出回復など、スピード感を持って取り組んでいるとのことでした。また、増加する家庭消費への対応やリモートでの商談に活用できるPR動画などを作成していくということでありました。 このような県の支援や国、市町による支援もあり、最近は水産業への影響も縮小してきていると感じており、漁業者も大変喜ばれています。 10月には、新型コロナウイルスの第5波による緊急事態宣言なども解除され、現在では国内ワクチン接種者も人口の8割程度となるなど、感染対策も進んでいます。このまま収束に向かい、一日でも早い経済活動が復活することを願っています。 しかし、コロナ禍で浸透した新たな生活様式は、コロナ後も続いていくと思われます。 そこで、県産水産物の流通対策として、現在、県はどのようなことに取り組んでいるのか、また、コロナ後に向けてはどのように取り組んでいくのか、農林水産部長にお尋ねします。  〔農林水産部長竹内信義君登壇〕 ◎農林水産部長(竹内信義君) 本県水産業への新型コロナウイルス感染拡大による影響額は、1月から8月までを昨年と比較すると、26億円から15億円となるなど、減少傾向にあります。 県では、影響の最小化を図るため、昨年度から、切れ目なく水産物の需要喚起や消費拡大に取り組んでおります。 このうち、需要喚起につきましては、マスメディアを活用した広報に加え、県海水養殖漁協や県鮮魚販売組合連合会と連携して、九州一円の大手量販店や鮮魚店260店舗でのキャンペーンを10月と11月に実施いたしました。来年1月には、新たなキャンペーンを展開する予定です。 消費拡大に向けましては、価格低下が続く養殖マダイにつきまして、県海水養殖漁協が行う学校給食などへの約16万食分の提供を支援する予算を今定例会に提案しております。 一方で、令和2年度の調査では、消費者の3人に1人が、調理の時間、回数が増えた、うち6割以上が、この傾向は続くと回答されております。さらに、ネット販売の利用機会が増えたという人も4割に達するなど、議員御指摘のとおり、国民の生活様式は大きく変化しており、家庭内での調理の増加やネット販売に対応していくことは重要だと考えております。 まず、家庭内での調理の増加につきましては、より需要が期待でき、簡単に調理が可能な水産加工品の開発や、その販売活動に取り組む漁協を支援してまいります。 県海水養殖漁協では、養殖マダイを用いたアヒージョの缶詰などの新商品を開発し、商談を開始されています。天草漁協では、高い鮮度で冷凍可能な急速冷凍機や干物製造機など、加工機器の整備を進められています。 ネット販売につきましても、漁協の取組を支援することにより、天草漁協では、今月から、すり身などの詰め合わせや生きたクルマエビのネット販売を開始しました。水俣市漁協では、全漁連の通販サイト、ギョギョいちへのアオサの出品が決まるなど、これまでの市場での流通以外の新たな動きも出てきています。 このほか、世界の消費者に県産水産物をアピールするため、県が作成した英語や中国語のPR動画を活用し、加工業者などで組織された熊本県水産物輸出促進協議会と連携して、県産水産物の輸出回復を図ってまいります。 このように、コロナ後も見据え、漁業団体をはじめ関係者の皆様方と連携して取り組んできたことが、ようやく現実的な動きとして見えてきたところです。県では、この新たな動きが加速するよう、引き続き全力で取り組んでまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 御答弁をいただきました。 現在の水産物の流通は、主に業務用大量販売であります。これからも大きく変わることはないと思いますが、コロナ後の新たな生活様式への移行を考えますと、個人の家庭内消費に力を入れていくということも大事だと思います。家庭で調理しやすいように加工して流通させるということは、現在の課題となっている魚離れの解消にもつながることだろうと思います。 水産物の加工を促進するためには、加工機器や加工場を新たに整備する必要があります。しかし、コロナ禍で漁家経営が悪化している漁業者が新たに取り組むことは、非常に厳しいと考えます。また、日頃より消費者の皆様に直接販売をしていない漁業者に対して、取った魚をネット販売するように勧めたとしても、なかなか難しい状況です。 このような中、コロナ後を見据えた県産水産物の流通対策を進めていくためには、日頃より県産水産物の加工や流通に取り組んでいる漁協の役割が非常に重要になります。 県では、漁協と連携して県産水産物の流通対策を進めていかれるとのことであり、私自身も、漁協による流通対策を強化すべきであると考えています。 県においては、県内の中小漁業者を守るためにも、しっかりと漁協と連携して、県産水産物の流通対策を進めていってください。 次に、熊本天草幹線道路の整備について質問させていただきます。 本年6月に熊本県新広域道路交通計画が策定され、その基本方針に4つの構想が示されています。 1つ目は「九州各県を結ぶ循環型高速交通ネットワークの形成」で、「九州各県主要都市を150分で結ぶ高速交通ネットワークの構築」や「広域観光周遊ネットワークの構築」とあり、「150分構想」と記されています。2つ目は「地域や拠点間を連絡する道路ネットワークの形成」で、「県内主要都市を90分で結ぶ幹線道路ネットワークの構築」や「周遊型観光ネットワークの構築」「物流拠点と港湾や空港、高速IC等の交通拠点間のアクセス機能の強化」とあり、「90分構想」と記されています。3つ目は「熊本都市圏における円滑な交通ネットワークの形成」で、「10分・20分構想」、4つ目は「災害に強い道路ネットワークの形成」で、「ダブルネットワーク構想」と記されております。 御存じのとおり、熊本都市圏と県内主要都市を90分で結ぶ90分構想において、天草地域は、県内で唯一未達成地域となっています。90分構想という言葉自体、随分前から聞いてきた言葉で、昭和60年に細川県知事が最初に示された構想だと記憶しています。その構想が現在も引き継がれていることなのかと思っております。 計画の中では「道路整備の基本的目標として掲げた「150分構想」「90分構想」の実現に至っていないが、九州中央自動車道や中九州横断道路、熊本天草幹線道路の整備が本格化している。」とあり、令和3年4月1日時点での整備状況も記されています。 熊本天草幹線道路については、計画延長70キロメートル、供用延長17キロメートル、事業中延長28.7キロメートルで、着手率は65.3%となっていて、松島有料道路3.3キロメートル、松島有明道路10キロメートル、三角大矢野道路3.7キロメートルの17キロメートルが供用されており、現在は、県が、本渡道路1.3キロメートル、大矢野道路3.4キロメートル、国により、宇土道路6.7キロメートル、熊本宇土道路3.8キロメートル、宇土三角道路13.5キロメートルの整備が進められていると記されています。 そのうち、熊本天草幹線道路の1つの整備区間となっている本渡道路約1.3キロメートルについてですが、令和4年度中の完成を目指し、着々と工事が進められており、関係者の御努力に敬意を表したいと思います。 この本渡道路は、平成25年度に整備区間に指定され、平成29年10月28日に着工されました。また、令和元年10月26日に開催された熊本天草幹線道路の早期完成を求める天草島民集会では、その会場において蒲島知事が、令和4年度中の完成を目指すと力強く宣言されております。 その知事の力強い言葉に、会場は大きくどよめき、この事業に対する天草島民の大きな期待を感じた瞬間でもありました。 現在、天草上島と下島をつなぐ橋は、天草瀬戸大橋1橋のみであり、朝夕の時間帯を中心に慢性的な渋滞が発生しております。 バイパス機能を有する本渡道路、第二天草瀬戸大橋が完成すると、災害時等における代替路としての機能はもとより、地域の産業、経済活動に大きく寄与すると期待されております。 また、国においては、今年度、宇土三角道路が事業化され、熊本宇土道路、宇土道路と合わせ、3つの工区の整備が進められています。 県においても、平成30年5月に供用された三角大矢野道路3.7キロメートルに続く大矢野道路が平成31年に事業化され、熊本市南区から上天草市大矢野町までの区間約27キロメートルで事業が進められています。 天草の農水産物の運搬は、大部分がトラック輸送となっており、産業発展のためにも重要な部分を占めています。また、観光面においても、車で訪れる人がほとんどであります。この区間が早期に完成することで、さらなる移動時間の短縮、速達性及び定時性の向上が図れます。 去る11月21日には、現地に赴き、金子総務大臣とともに、第二天草瀬戸大橋の本渡港南川地区泊地の航路をまたぐ橋桁の送り出し架設を視察いたしましたが、平成29年10月の着工式以降、4年程度で橋の全容が確認できるようになり、工事の進捗の速さを実感しました。 さらに、11月27日には、熊本天草幹線道路の早期完成を求める天草島民集会が開催されました。コロナ禍のため、オンラインを活用した開催となりましたが、大会では、経済界や地元消防からも、この道路の早期整備への熱い思いを訴えられました。最後に、第二天草瀬戸大橋を含む本渡道路の令和4年度完成など3項目が決議され、頑張ろう三唱で幕を閉じました。 この天草島民集会に出席し、天草島民の悲願である熊本天草幹線道路の全線開通に対する思いを実感し、県内で唯一達成できていない天草地域の90分構想実現に向けた早期整備が必要であると再認識いたしました。 そこで、90分構想実現に向けて県が進めている本渡道路と大矢野道路の進捗状況について、土木部長にお尋ねします。  〔土木部長村上義幸君登壇〕 ◎土木部長(村上義幸君) 熊本天草幹線道路は、県内幹線道路ネットワークの横軸をなし、天草地域の90分構想の実現をはじめ、地方創生の取組を進める上で不可欠な道路です。 議員御紹介のとおり、国施行区間においては、今年度、宇土三角道路が事業化されました。これにより、熊本市南区から宇城市三角町までの全区間で整備が進められています。宇土市区間におきましては、橋台の姿が現れており、今年度には新たにトンネル工事に着手すると国から聞いております。 まず、本渡道路の進捗状況についてお答えします。 本渡道路は、延長約1.3キロメートルのうち、天草上島と下島間の海上部を結ぶ約1.1キロメートルが橋梁となっております。 本年8月には、橋台及び橋脚の29基全てが完成しました。現在、橋桁の架設工事を進めており、来年3月には、全ての橋桁がつながります。その後に、舗装、安全施設等の工事を予定しております。引き続き、本渡道路の令和4年度開通に向けて、全力で取り組んでまいります。 次に、大矢野道路の進捗状況につきましては、これまで、調査設計や地元説明会などを行ってきたところです。 上天草市から県に職員を派遣していただくなど、地元の御協力をいただきながら用地取得に取り組んでおり、令和4年度の工事着工に向けて、着実に進めてまいります。 今後も、地元期成会や県議会、県選出国会議員の皆様の御支援をいただきながら、引き続き、90分構想実現に向け、熊本天草幹線道路の早期整備にしっかりと取り組んでまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 御答弁をいただきました。 本渡道路に関しては、令和4年度開通に向けて全力で取り組む、大矢野道路に関しては、令和4年度の着工に向けて着実に進めるとの力強い御答弁をいただきました。 本渡道路に関しましては、昨年末に御逝去されました中村天草市長の悲願でもありました。偶然ですが、明日、故人の一周忌が営まれます。よい報告ができるだろうと思っております。天草地域が長年念願でありました90分構想の実現も、遠くないと実感いたしました。 牛深地域は、県内唯一の第3種漁港でありますが、天草の農水産物の運搬は、大部分がトラック輸送となっており、産業振興に欠かせないものです。また、救急搬送の場合は、搬送時間が重要です。命の道とも言えます。一日でも早い実現を願います。 次に、子供を安心して産み育てられる環境について質問させていただきます。 知事は、第2期くまもと子ども・子育てプランで「社会全体で、子どもと子育て中の家庭を応援し、だれもが子育てに希望が持てる社会をつくっていかなければな」らないと決意を示し、「当事者に寄り添った妊娠・出産への支援、質の高い幼児教育・保育の安定的な提供体制の構築」など「切れ目のない支援を充実」すると述べられております。 また、「待機児童解消や少子化対策、子育てに不安や孤立感を感じる家庭へのサポート等、子育て支援の更なる強化が求められるほか、結婚し、子どもを産み、育てたいという個人の希望の実現に向けた支援等、新たな課題も浮上して」いると、取り組むべき課題も挙げられています。 子供は、社会の希望であり、未来をつくる宝。子供たちが健やかに育っていける環境をつくることが大切なことだと私も思います。 環境づくりは、行政だけではつくれません。民間の協力なしではかないません。また、県民の意識の変容を促すことも、必要な部分であると考えているところです。 今回の一般質問では、第2期くまもと子ども・子育てプランの終期となる令和6年度までに、子供たち、子育て世代を取り巻く環境をどのようにつくっていくのかを質問させていただきます。 まずは、幼児教育についてですが、幼児教育は、子供の基本的な生活習慣や態度を育て、好奇心や探求心を養い、創造性を豊かにするなど、小学校以降における生きる力の基礎や生涯にわたる人間形成の基礎を培う上で重要な役割を担っています。 そのため、文部科学省では、保育者の専門性の向上や小学校教育への円滑な接続など、幼児教育の質の向上に向けた取組を進めています。 それらを踏まえて、第3期くまもと「夢への架け橋」教育プランにおいても「就学前教育の充実と小学校以降の教育との連携強化」を掲げてあります。 本県には、800を超える認定こども園、幼稚園、保育所等がありますが、教育、保育の質の向上に対する取組に温度差が見られることや小学校入学時にスムーズなスタートが切れないなどの課題があると聞いています。 また、園を訪問し、教育、保育内容や指導方法などの改善について助言を行う幼児教育アドバイザー等が配置されている自治体は、一部であり、市町村における幼児教育、保育の質の向上に向けた体制づくりにも差があるのではないかと思います。 このような状況を解決するために、本県では、令和2年4月に熊本県幼児教育センターが設置されました。 そこで、幼小接続を含めた幼児教育、保育の質の向上に向けて、幼児教育センターとして具体的にどのような取組を行っておられるのか、教育長にお尋ねします。 次に、妊娠、出産、子育て支援についてでありますが、県は、母子保健法で規定されている母子健康包括支援センター、日本版ネウボラと言われる子育て世代包括支援センターについて、全市町村に設置するという数値目標を第2期子ども・子育てプランにおいて掲げられています。 国の方針によれば、令和2年度までに全市町村への展開を目指すとされていたようですが、なかなか思うようには進んでいないようです。 そこでまず、現在の設置状況についてお尋ねします。 次に、市町村における児童等に対する必要な支援を行う体制の関係整理、イメージ図が、以前開催された全国児童福祉主管課長会議資料に示されておりますが、リスク程度が低いものを子育て世代包括支援センターが、やや高くなれば市町村子ども家庭総合支援拠点が、さらにリスクの高い案件については児童相談所が担当するようになっております。また、子育て世代包括支援センターでは、妊娠前から出産後における様々な支援に各市町村が取り組んでおられます。 先般、熊日新聞で、県内の産後ケア事業について、10市町の事業内容の紹介がされていました。産後ケア事業が市町村に努力義務化されたことによるものと認識しているところです。市町村との連携なくして、子供、子育て家庭への必要な支援は行き届かないと考えるところです。 そこで、県としても、できるだけ早く、全市町村における子育て世代包括支援センターの設置や産後ケア事業の実施市町村の増加を図るべきと考えますが、どのように推進していこうとお考えかをお尋ねします。 もう1点、これまで、本県においても、特定不妊治療費助成事業を行ってきていただいておりますし、一般不妊治療については、市町村に手厚い補助をすることで全県域に事業の広がりを生んだものと、知事に感謝しているところです。 特定不妊治療に関しては、現在、国において、来年4月の医療保険適用に向けて検討を進めていると聞いております。保険適用になれば、本人負担も随分軽減されるものと思いますが、現在実施されている助成事業が今後どうなるのか、もし財源が浮くのであれば、その財源を子育て世代のための新しい支援策に充てられるのではないかとの期待もしております。 そこで、本県における不妊治療助成の実施状況や今後の見通しも含めて、妊娠、出産に関する支援策の充実についてどのようにお考えか、健康福祉部長にお尋ねします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) まず、幼児教育についてお答えをします。 令和2年4月に義務教育課内に設置しました熊本県幼児教育センターは、本県の幼児教育の拠点として、健康福祉部等の関係部局との連携強化や全ての幼児教育施設、小学校等に対する支援など、一体的に教育、保育の質の向上を図ることを目的としております。 幼児教育センターでは、幼小接続を含めました幼児教育、保育の質の向上に向けて、主に次の3点について取組を進めております。 1点目は、教員、保育士等を対象とした研修の充実であります。具体的な事例を基にした演習やワークショップ等を取り入れて、園長などの階層別に専門性向上に向けた研修を実施しております。 2点目は、認定こども園、幼稚園、保育所等に対する4名のアドバイザーによる訪問支援です。令和2年度から、70施設、延べ200回派遣し、保育参観による助言などを行っております。 3点目は、幼小接続に対する取組の充実です。本年7月、幼稚園等と小学校との引継ぎのポイントを、本県独自にくまもとスタンダードとして取りまとめ、全ての小学校に配付をいたしたところです。この資料を活用して、教員、保育士が一堂に会し、円滑な接続について理解を深める研修を実施しており、今年度は700名を超える教員等が参加予定であります。 また、お尋ねのありました各市町村における幼児教育推進体制づくりにつきましても、幼児教育アドバイザー配置等の促進を図るとともに、大津町や山鹿市などをモデル地域として指定し、その研究成果を県内市町村に普及する取組を行っております。 今後も、安定的な質の高い幼児教育の実現に向けまして、関係各課及び市町村とさらに連携を強化し、総合的かつ着実な推進に努めてまいります。  〔健康福祉部長早田章子さん登壇〕 ◎健康福祉部長(早田章子さん) まず、子育て世代包括支援センターの設置状況についてお答えします。 市町村が設置する子育て世代包括支援センターは、妊娠期から子育て期にわたる様々なニーズに寄り添い、切れ目のない総合的な支援をワンストップで提供する重要な拠点であり、本年4月時点で27市町村に設置されています。 次に、子育て世代包括支援センターや産後ケア事業の推進についてお答えします。 産後ケア事業は、市町村が、出産直後の産婦や赤ちゃんに必要な心身のケアや育児のサポート等を行うものです。この産後ケア事業をセンターによる支援と併せて実施している天草市などでは、母子が抱える多様なニーズに応じた様々なサービスを提供するなど、効果の高い支援が行われています。 このため、県では、全ての市町村におけるセンター設置と産後ケア事業の実施を目指しており、市町村との意見交換会や研修会を通じて、先進事例の横展開や人材育成などを進めています。 最後に、不妊治療助成の実施状況及び妊娠、出産に関する支援策についてお答えします。 人工授精などの一般不妊治療については、本県独自の少子化対策総合交付金により、市町村が助成した金額の4分の3を県が助成しており、令和2年度は716組の御夫婦を支援したところです。また、体外受精などの特定不妊治療については、国の助成制度を活用し、令和2年度は846組の御夫婦を支援しました。 不妊治療の医療保険適用は、国において、来年4月からの適用開始に向けた検討が行われており、現在実施している助成事業につきましては、国の動向を見極めながら、支援の隙間が生じないよう検討していく予定です。 県民の皆様に安心して妊娠、出産、子育てをしていただくためには、市町村のきめ細かな母子保健サービスと県の専門的、広域的な支援を車の両輪として、ともに充実させていくことが重要です。 今後も、安心して子供を産み育てることができる支援体制の充実を目指し、市町村や関係団体と連携、協力しながら、しっかりと取り組んでまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 御答弁いただきました。 熊本県は、面積も広く、それぞれの市町村で地域資源にも違いがあり、その地域に住む県民の環境は、当然ながら地域ごとに異なっております。 資源を有効活用するには、医療や療育体制整備と同様に、1次、2次、3次圏域ごとにそれぞれの役割を果たし、整備されることになると思います。天草に仮称第二瀬戸大橋が完成すれば、今より3次圏域へ時間が短縮されることになりますが、まだまだ改良が必要な区間が残っていることも事実です。知事におかれましては、これからもさらなる御尽力をいただきますようお願いいたします。 天草では、湯島、御所浦の離島がございます。離島ゆえの不便さは、私たち以上でございます。通院、通所のサービスも、船で渡らねば利用ができません。今後も御配慮をお願いします。 県、市町村、関係機関が、それぞれの役割を果たし、連携を取って様々な施策を推進することで、全ての子供が健やかに育ち、夢を持ち、その夢が実現できる熊本となるよう、今後とも御尽力をいただきますようお願い申し上げます。 次に、教育におけるICT端末の活用についてお尋ねします。 今回のコロナ禍をきっかけに、学校現場が大きく変わりました。特に、文部科学省がGIGAスクール構想を前倒しし、全国の小中学校において1人1台端末の導入が進み、本県でも、市町村立小中学校に加えて、県立学校でも導入が進んでいます。 報道などによると、コロナ禍においても、分散登校やオンライン学習など、学びを止めない対応ができたと聞いていますし、通常時でも、これまでの教室の風景とさま変わりし、机の上には、鉛筆や教科書、ノートに加えて、タブレットや比較的小さなパソコンなどICT端末が置かれるようになり、黒板も、大型モニターやプロジェクタータイプの電子黒板になったと聞いています。 ICT教育日本一を目指す本県としては、これまでも様々な取組を進めているところかと思いますが、ICT端末導入から半年以上が過ぎて、いろいろな面が見えてきたのではないでしょうか。 そのような中、先日の新聞報道において、いじめや不適正なサイトの閲覧などが取り上げられておりました。これまでも、子供たちが持っているスマートフォンを使って、SNSを通じて誹謗中傷を行ってしまったり、また、不適切な動画を閲覧したりするケースがあると見聞きしておりました。 ICT端末は、教育のための道具ですので、教職員が子供たちに正しい活用方法を教えていけば、文部科学省が提唱するGIGAスクール構想の「子供たち一人一人に公正に個別最適化され、資質・能力を一層確実に育成できる教育」につながっていくものと思います。 そこで、教育長に質問です。 本県におけるICT端末の活用に関する現状と課題、それに対する対応をお尋ねします。 あわせて、実際の利活用がスタートして感じられる効果についてもお尋ねします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) まず、ICT端末の活用の現状についてお答えをします。 これまで、市町村立学校に約13万台、県立学校に約3万台の学習用端末を導入し、この9月には、本県における児童生徒1人1台端末の環境が実現いたしました。 次に、教育面の効果としましては、例えば、教科書等のQRコードを使った解説動画の視聴や端末を活用した小テストの実施など、習熟度に応じた個別最適な学習が可能となりました。また、児童生徒の意見やデータを即座にグラフ化し、グループで共有するなど、ICTの特性を生かした協働学習が行われ、子供たちの主体的、対話的で深い学びにつながっております。さらには、コロナ禍におきましても、学びを止めることなく、分散教室による3密を避けた授業やオンラインによる家庭学習等が実施できるようになりました。 そのような中、特に次の3点の課題が懸念されており、それぞれに対策を講じているところであります。 1点目は、ICT活用による市町村間あるいは学校間に格差が生じないようにするという点であります。 このため、昨年度、教育情報化推進基本方針を策定し、学校情報化認定制度という客観的な指標を用いながら、ICT活用のレベル向上を図っております。また、県教育委員会の指導主事による学校への訪問研修にも力を入れた結果、学校情報化認定制度の優良校として、11月末時点で、県立学校で9校、市町村立学校で50を超える学校が認定を受けるなど、着実に取組が進んでおります。 2点目の課題は、教員のICT活用能力の向上という点です。 このため、全国でいち早く教職員向けの研修を体系化したパッケージを本県独自で策定し、習得レベルや教科に応じた研修体制を整えてきました。国の調査では、教員がICTに関する研修を受講した割合が全国1位になるなど、効果が出てきております。 3点目は、全国的には、学習用端末を使用したいじめの問題が発生しているという点です。 このため、本県では、市町村や学校に対して現況調査を実施し、類推可能なパスワードなど、セキュリティー対応が不十分なケースにつきましては、速やかに見直すよう指導し、年内には県内の全ての学校で改善ができる見込みであります。 今後も、ICT教育日本一の実現に向けまして、様々な先進事例を横展開していくとともに、ウィズコロナを見据えながら、学習面、さらには働き方改革につながる校務面におきましても、ICTを活用したよりよい教育環境が整備されるよう、しっかりと取り組んでまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 御答弁をいただきました。 GIGAスクール構想につきましては、文部科学大臣メッセージから抜粋しますと、令和時代のスタンダードとしての1人1台端末環境をつくり、「これまでの我が国の150年に及ぶ教育実践の蓄積の上に、最先端のICT教育を取り入れ、これまでの実践とICTとのベストミックスを図っていくことにより、これからの学校教育は劇的に変わ」るというものです。 その中でも「忘れてはならないことは、ICT環境の整備は手段であり目的ではないということ」「子供たちが変化を前向きに受け止め、豊かな創造性を備え、持続可能な社会の創り手として、予測不可能な未来社会を自立的に生き、社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成していくことが必要で」ある、「その際、子供たちがICTを適切・安全に使いこなすことができるようネットリテラシーなどの情報活用能力を育成していくことも重要で」あると述べられています。 本県のICT教育日本一の実現に向けて取り組んでいただきますよう御期待申し上げます。 次に、熊本県読書バリアフリー推進計画について質問させていただきます。 令和元年6月に視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律、読書バリアフリー法が施行されました。 この法律は、視覚障害、発達障害、肢体不自由その他の障害により、読書が困難な方々の読書環境の整備を推進し、障害の有無にかかわらず、誰もが読書に親しむことができるようになることを目的としています。 また、国において、令和2年7月に視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画、読書バリアフリー基本計画が策定されました。 さらに、地方公共団体においても、読書バリアフリー法に基づき、それぞれの地域の実情を踏まえた視覚障害者等の読書環境の整備を推進することが求められています。 これらの国の動向を踏まえて、熊本県においても、基本的な施策の方向性を示し、取組を推進するための指針となる熊本県読書バリアフリー推進計画を策定していくことが報道されました。 デジタル化が進展している今日の社会において、視覚障害者等の読書環境の整備を図ることは大変重要であり、また、熊本県読書バリアフリー推進計画は、今後、本県における読書が困難な方々にとって、大いに期待される計画と捉えています。 そこで、教育長にお尋ねします。 熊本県読書バリアフリー推進計画の策定について、現在の状況及び今後どのように取り組んでいかれるのか、質問いたします。  〔教育長古閑陽一君登壇〕 ◎教育長(古閑陽一君) 議員御指摘のとおり、読書バリアフリー法に基づき、本県における視覚障害者等の読書環境の整備を推進していくため、熊本県読書バリアフリー推進計画を策定することとしております。 先月、学識経験者等から成る策定協議会を立ち上げまして、1回目の協議会を開催いたしました。 次に、今後の取組についてですが、この計画には、基本的な方針や総合的かつ計画的に講ずべき施策等について定めていく必要がございます。 今後、来年4月までに計画案の取りまとめを行い、パブリックコメント等を実施した上で、来年6月の策定、公表を目指して取り組んでまいります。 県教育委員会としましては、障害の有無にかかわらず、多くの県民が読書に親しむことができるよう、今後も関係機関と連携しながら、読書環境のさらなる整備に努めてまいります。  〔西村尚武君登壇〕 ◆(西村尚武君) 御答弁いただきました。 この推進計画は、始まったばかりではございますが、視覚障害者、発達障害、肢体不自由により読書が困難な方々が読書に親しむことができるというすばらしい計画だと思います。一人でも多くの方がこのチャンスを利用できるよう推進していただきたいと思います。 しかし、専門家の中には、視覚障害者等の読書環境の整備が一層推進されることになろう、しかし幾つかの課題があると言う方もおられます。地方公共団体、とりわけ都道府県の計画策定が努力義務にとどまるということであります。国立国会図書館による調査研究では、障害者サービスの現状に都道府県間で大きな開きがあることも明らかになっている、努力義務ではあるが、各都道府県には、当該都道府県内の市町村のモデルとなるべく、率先して計画を策定し、施策を実施してほしいというものです。 しかし、本県では、熊本県読書バリアフリー推進計画を策定されるとのことです。大いに期待していきたいと思います。 以上で用意しました質問を終えることができました。 今年も残り僅かになりました。今年は、コロナ禍、令和2年7月の球磨川豪雨災害からの復旧、復興、発災から5年経過しました熊本地震からの復旧、復興、直近では、鳥インフルエンザへの対応と、県の執行部の皆様はじめ職員の皆様も、大変な1年であったと思います。 思い起こせば、迅速な、適切な対応をなされてきたと思います。コロナに関しては、新しい変異株であるオミクロン株も発生し、海外の状況を見ていますと、第6波が心配される中で油断できない状況でありますが、必ずやよい方向に向かうであろうと信じております。 本日は、御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山口裕君) 以上で本日の一般質問は終了いたしました。 明11日及び12日は、県の休日のため、休会でありますので、次の会議は、来る13日午前10時から開きます。 日程は、議席に配付の議事日程第5号のとおりといたします。 本日は、これをもって散会いたします。  午後2時8分散会...