佐世保市議会 > 2024-06-24 >
06月24日-04号

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  1. 佐世保市議会 2024-06-24
    06月24日-04号


    取得元: 佐世保市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-14
    令和 6年  6月 定例会           6月定例会議事日程            第4号                 令和6年6月24日(月曜)午前10時開議第1 一般質問-----------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程に同じ-----------------------------------出席議員(32名) 1番 柴田英樹君    2番 本田博之君 3番 新川英之君    4番 諸國麻椰君 5番 古賀豪紀君    6番 宮田京子君 7番 黒川英朗君    8番 甲斐義博君 9番 田山藤丸君    10番 鶴 大地君 11番 宮島武雄君    12番 松尾俊哉君 13番 小田徳顕君    14番 久保葉人君 15番 角田隆一郎君   16番 山下廣大君 17番 永安健次君    18番 山口裕二君 19番 崎山信幸君     21番 久野秀敏君    22番 永田秀人君 23番 柴山賢一君    24番 大村哲史君 25番 林 健二君    26番 田中 稔君 27番 松尾裕幸君    28番 長野孝道君 29番 市岡博道君    30番 大塚克史君 31番 小野原 茂君   32番 古家 勉君 33番 山下隆良君欠席議員(1名) 20番 佐藤文子君-----------------------------------説明のため出席した者 市長        宮島大典君   副市長       西本眞也君 副市長       田中英隆君   基地政策局長    北村敬男君 防災危機管理局長  山元義崇君   企画部長      杉本和孝君 地域未来共創部長  中尾健一君   総務部長      田所和行君 行政経営改革部長  坂口篤史君   財務部長      東 隆一郎君 経済部長      長嶋大樹君   農林水産部長    高増 剛君 都市整備部長    溝口勝利君   土木部長      森山良一君 港湾部長      大塚 健君   市民生活部長    中西あけみ君 文化スポーツ部長  吉田裕一郎君  保健福祉部長    辻 英樹君 子ども未来部長   岡 雄一君   環境部長      吉田敏之君 会計管理者     中嶋康子君   水道局長      中島勝利君 消防局長      合志直喜君   教育委員会教育長  陣内康昭君 農業委員会会長   赤木行秀君   代表監査委員    宮崎祐輔君 選挙管理委員会委員長           和田 隆君-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長      池田真二君   事務局次長兼議会運営課長                             細井章子君 課長補佐兼議事調査係長           岳本雅也君     10時00分 開議 ○議長(林健二君)  出席議員は定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 一般質問 ○議長(林健二君)  日程第1一般質問を行います。 順次質問を許します。11番宮島武雄議員。 ◆11番(宮島武雄君) (登壇) おはようございます。公明党の宮島武雄です。よろしくお願いいたします。 佐世保市の歴史は、農業に非常に関係が深く、弥生時代には稲作がされていたと思われる四反田遺跡、中世には武辺氏による荘園、武辺胤明氏のことです。江戸時代には平戸藩による相浦新田や、明治時代には大潟新田の干拓など稲作との結びつきが深いところでありますと、農業委員会作成の「農業委員会の概要」の中に記されておりました。このことからも分かるように、本市にとって農業はとても深い関わりがあり、本市の発展を支えてきた産業の一つです。また、私たちの生活においても、必要不可欠な食物を供給する重要な産業であります。 今回は、その農業を活用した本市の取組についてお伺いいたします。 小項目一つ目の社会的支援が必要な方々の農福連携等への参画の推進についてです。 農福連携については、昨年3月定例会で一般質問させていただきました。その際は農業と障がいのある方の連携の視点からの取組と課題、今後の推進についてお伺いいたしましたが、今回は農業と高齢の方、生活に困窮されている方、ひきこもりの状態にある方々との連携の視点から質問させていただきます。 御承知のとおり、農福連携は、農業と福祉が連携し、障がいのある方が農業分野を通じて自信や希望や能力、それに生きがいを創出し、社会参画を実現する取組であり、また、農業分野における喫緊の課題である労働力の確保に資するといった、双方によい効果をもたらす取組が農福連携です。 現在、農福連携等と表現されており、関係する省庁は、農林水産省、厚生労働省、法務省、文部科学省の4省で、その農福連携等を強力に推進していくために農福連携等推進会議が平成31年4月に設置され、令和元年6月には農福連携等推進ビジョンが策定されました。 農福連携に取り組む主体数については、令和4年度の農林水産省の調査によると6,343件で、令和元年からこの3年間で2,226件の増加となっており、農福連携等推進ビジョンにおいて、令和元年度末から本年度末までに取り組む主体を新たに3,000創出するとの目標を設定されております。 地域で暮らす一人一人の社会参画を図り、地域共生社会の実現を拡大する観点から、関係省庁による連携強化等を通じ、障がいのある方のみならず、高齢の方や生活に困窮されている方、ひきこもりの状態にある方などへ対象者を広げ、ユニバーサルな取組として進められています。 本年5月、農政の基本理念や政策の方向性を示す改正食料・農業・農村基本法が成立しました。農政の憲法と言われる同法の本格的な見直しは、1999年の制定以来初めてとなるとのことで、同法の第46条には、「国は、障害者その他の社会生活上支援を必要とする者の就業機会の増大を通じ、地域の農業の振興を図るため、これらの者がその有する能力に応じて農業に関する活動を行うことができる環境整備に必要な施策を講ずるものとする。」と記されていました。国としても、障がいのある方やそのほかの社会生活上、支援を必要とする方々が農業活動を行うための環境整備を進め、地域農業の振興を図ることに力を入れていることが見受けられます。 さて、新型コロナウイルス感染症が5類に移行されて1年が過ぎました。コロナ禍の影響で人と人の交流が希薄化していた状況も大分回復に向かっているように思いますが、日常生活や社会生活において、高齢の方、生活に困窮されている方、ひきこもりの状態にある方は、今もまだ孤立しやすい状況にあるのではないかと考えます。 そのような状態に陥らないようにするためにも、地域における人と人との交流を目的とした多様なつながりの場をつくることが必要であり、生きがい、やりがいを生み出すための働く場所、社会とつながる居場所の確保が必要だと考えます。 また、内閣府の令和6年度版高齢社会白書によれば、団塊の世代が75歳以上となる令和7年には、65歳以上の人口は3,653万人に達すると見込まれており、その後も65歳以上の人口は増加傾向が続き、令和25年に3,953万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されております。 総人口が減少する中で、65歳以上の人口が増えることにより高齢化率が上昇を続け、令和19年には33.3%となり、国民の3人に1人が65歳以上になると見込まれております。 また、65歳以上で独り暮らしされている数については、総務省の国勢調査を基に割り出した数字になりますが、65歳以上の男女それぞれの人口に占める割合は、昭和55年では男性が4.3%、女性が11.2%でありましたが、令和2年のデータでは、男性が15%、女性が22.1%となっておりますことから、この40年間で独り暮らしされている65歳以上の割合が、男性で約3.5倍、女性で約2倍になっていることになります。さらに、令和32年には、男性が26.1%、女性が29.3%になると見込まれている状況です。 高齢の方が生涯にわたって健やかでより充実した生活を営まれるためにも、社会参加の機会を確保することが必要であると考えます。障がいのある方のみならず、これからの高齢の方や生活に困窮されている方、ひきこもりの状態にある方々への就労や社会参画の支援を図る取組として農福連携等を進めることはとても重要であり、農業はそういった方々への状況に応えることができる、大きな役割を果たす産業だと考えます。 そこで、本市における社会的な支援が必要な方々の農福連携等への参画の推進について、現状や課題、また、今後どのような取組が必要かをお伺いいたします。 次に、小項目二つ目、地域と学校が連携する農業体験の取組についてですが、昨年の9月定例会に教育環境の整備について一般質問させていただきました。その中の環境教育の取組のところで教育長から、地域の特性を生かした教育活動を支援する特色ある学校づくり推進事業を展開しており、環境の浄化を目的としたアマモ場の再生活動や川の水質調査などの環境問題に触れる体験活動や、大豆の栽培、茶摘み体験、米作り体験などの農業体験活動を通じて自然や環境について学ぶ機会を設定する学校もあると御答弁いただきました。教育長のお話のとおり、既に農業体験に取り組んでいる学校もあるようです。 地域と学校が連携する農業・農村体験について調べてみたところ、文部科学省のホームページに、「地域と学校が連携して取り組む子ども農業・農村体験活動ハンドブック(学校活動編)」が掲載されていました。それによりますと、子どもたちが毎日少しずつ成長する農作物と向き合うことで、自分と命との関わりに触れる大切さを学ぶことや、地域が支える農業・農村体験によって、子どもたちがこれまでに会ったことのない人や暮らし、生業、考え方の中に分け入った体験ができること、土にじかに触れ、身体を動かし、子ども同士あるいは大人と子どもがふだんとは異なる価値観で一緒に作業するといった、子どもたちの成長の上で重要な機会を多く含んでいることなど、子どもたちの健やかな成長のために必要な内容が掲載されていました。 また、効果として、地域と学校による農業・農村体験は、子どもたちが農業・農村を理解するだけでなく、子どもたちの体験を介して親や家族、先生など大人たちが農業・農村への理解が深まるまたとない機会となり、活動に携わるPTAや地域住民の農業・農村への関心を高めることができるとございました。 都市化が進んで、多くの子どもたちが都市部で生活をし、公園や広場等の遊び場も限られ、また、電子機器の普及も進み、子どもたちの遊ぶスタイルが、外で遊ぶから家で遊ぶといった個別的な環境で過ごす傾向が見られます。そのような自然や社会との関わり離れを解決するためには体験型学習を取り入れ、農業を通じて環境の大切さや物質の循環、食や地域社会との関わりを学び、水や土、太陽といった自然に触れ、生命の貴さや自然との共生を大切にするといった心を育む教育を進めることが必要ではないでしょうか。また、そのような地域と学校が連携した取組から、子どもたちの将来に必要な人格形成を進めることができるのではないかと考えます。 そこで、本市の地域と学校が連携する農業体験の取組の現状と今後の展望について、お伺いいたします。 以上が1回目の質問となります。よろしくお願いします。 ◎保健福祉部長(辻英樹君) (登壇) 御質問のうち、社会的支援が必要な方々への農福連携等への参画の推進について、保健福祉部の取組における現状や課題、今後の対応に関しましてお答えさせていただきます。 まず、障がい者福祉の分野におきましては、障がい者の方々の自立と社会参加を促進する取組を行っており、その支援を担っていただいている就労支援事業所は、現在市内に76施設ございます。 そのうち農業関係の生産活動に取り組まれている14の事業所において、障がい者の方々が農作物の生産や販売、農作業の一部を請け負う施設外就労に従事されるなど、多様な活動が行われております。 また、就労支援事業所等から出品をしていただいた農産物や農産加工品を含む商品の販売等を行う福育マルシェも定期的に開催をされているところでございます。 このように、就労支援事業所等においては、多種多様な生産活動を組み合わせ、事業を展開されておりますが、農作業に当たっては、障がい者の方々が持つそれぞれの特性を配慮する中で、従事できる時間帯や求められる技術などの面で工夫が必要であり、作業内容や環境とのマッチングの難しさが課題として挙げられるところでございます。 次に、高齢者福祉の分野におきましては、高齢者の方々の自立した生活と社会参加のための取組として、まず、独り暮らしなど社会的なつながりが薄い高齢者の方々に関しましては、現在、保健師の戸別訪問等により、その生活状況の実態の把握に努めているところでございます。 そうした中で自立し、お元気で生活されている高齢者の方々に対しましては、介護予防活動の一つとして、各地域における通いの場への参加について御案内をいたしております。この市内全域にございます通いの場につきましては、地域住民の方々の自主活動の場ともなっておりまして、地域で生活される高齢者の方々の孤立を防ぐことにもつながっている状況でございます。 なお、このような取組におきまして、農業分野との具体的な連携に至っているケースは現在のところございません。 次に、生活困窮者の方々に対しましては、生活困窮者自立支援法で定める認定就労訓練事業により、市の認定を受けた二つの事業所において、訓練を通じた就労支援を行っていただいております。 このうち吉井町にございますNPO法人そよみにおかれては、農業分野に関連する訓練事業を実施されております。具体的には、一般就労への不安を抱える生活困窮者の方々に対しまして、事業所が借り受けた近隣の耕作放棄地での稲作や野菜作りなど、就労に必要な知識及び能力の向上を図る内容となっており、令和3年2月の事業認定以降、令和4年度に4人の実績がありますものの、令和5年度から現在に至っては、利用がない状況でございます。 利用状況が低調である原因につきまして、自立相談支援機関として相談窓口となっております佐世保市社会福祉協議会にも聞き取りを行っておりますが、生活困窮者の方々はその多くが経済的に困窮をし、差し迫った状況にありますことから、速やかに困窮から脱却しようと、ハローワークでの一般就労を希望される方が多いためではないかと推察をしているところでございます。 また、本市では、身近な地域において包括的な支援体制の整備を図るための重層的支援体制整備事業に取り組んでおります。当該事業におきましては、社会とのつながりをつくるための支援として、相談者本人のニーズを踏まえた住まい・就労・居場所などにおける地域資源とのマッチングを行う参加支援事業を位置づけておりまして、その具体的な取組として、農作業の場や機会を活用することも考えられるところです。 ただいま申し上げましたように、福祉の分野におきましては、日頃から社会的支援が必要な方々に対しましては適切な対応に努めているところでございますが、今後とも、今回議員から御指摘をいただきました農業分野との連携という点についても広く視野に入れながら、必要に応じ関係機関や庁内関係部署等との情報の共有、調整等に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◎農林水産部長(高増剛君) (登壇) 社会的支援が必要な方々への農福連携への参画の推進について、農業分野に関わる内容に関しましてお答えいたします。 農林水産省においては、社会的に支援が必要な者、農業経営体等と農村、企業や消費者それぞれにとって意義あるものとして農福連携を推進しております。 農業分野から見ますと、本市農業従事者の平均年齢は67.9歳で、60歳以上の占める割合は80%を超えており、農業従事者の減少や高齢化等により人手不足が懸念されている状況でございます。 担い手となる農業経営者が減少する中で生産量を確保するには、1人当たりの農業経営規模を拡大する必要がありますが、経営面積を拡大するためには、農作業に従事する新たな労働力の確保が重要でございます。 このような中、労働力の確保という点で福祉事業所との連携は非常に有効なものであり、本市におきましても、県北振興局を中心に、JAや管内市町など関係機関で構成する県北地域雇用労力支援協議会に参画し、関係機関と連携して研修会の開催など、不足する労力確保に向けて取り組んでおります。 また、本市の独自事業として、令和元年度から実施している農場への簡易トイレ設置に対する支援は、障がい者を含む労力を確保したい農業者からの要望もあり、毎年計画的に導入し、農場環境の改善に取り組んでいます。 長崎県の集計では、令和5年度に県内の農業者が福祉事業所等と連携し、農作業の委託を行った実績は61件で、そのうち本市の農業者が13件、県内比率としては21.3%となっております。県内の取組件数は増加傾向ですが、本市の取組件数はほぼ横ばいの状況となっております。 本市農業者における農作業の委託先である福祉事業所は、そのほとんどが障がい者就労施設となっておりますが、近年、本市の取組件数が増加しない要因の一つに、障がい者の高齢化や指導員の人材不足が挙げられます。当該施設が農業者からの委託を受け、農作業に取り組む場合、作業員となる障がい者とその指導員が一緒に農作業を行う必要がございます。これは農作業の内容が的確に作業員に伝わっているか確認しながら作業を進める必要があるためであり、また、慣れない場所での作業を行う作業員の不安などを取り除き、円滑に作業を実施するなど、双方のリスク軽減のためには重要と考えております。 一方、高齢者の雇用についてでございますが、公益社団法人佐世保シルバー人材センターによると、ミカンの収穫作業など農作業の依頼を受けている状況はあるものの、件数は僅かと聞いております。依頼がある農作業は長時間労働や重労働が多く、さらに作業場所が遠いなどの理由により、農作業に対応できる高齢者が少なく、作業受託できないことがあるとお聞きしております。 以上のように、農業における労力不足を補うために有効な農福連携ではありますが、作業内容や作業環境により受託、実施することが難しいなど、課題も多いと考えます。 現在、JAながさき西海では、農業で働きたい人と生産者をつなぐスマートフォンアプリ「1日農業バイトデイワーク」や無料職業紹介制度など、農業・農作業を障がい者、高齢者、生活困窮者などをはじめ、様々な人に向けて間口を広げております。この取組は、社会的な支援が必要な方のみならず、農作業の労力となる多くの人と農業をつなぐものであり、本市といたしましても、県北地域雇用労力支援協議会の一員として、今後も取り組んでまいります。 いずれにしましても、労力を必要とする農業者側と、障がい者等社会的な支援が必要な方の就労や健康、生きがいづくりの場を生み出したい福祉事業者側が円滑に連携できるよう、関係機関と一体となり、広く周知を図ってまいる所存です。 以上でございます。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 1項目めの二つ目、地域と学校が連携する農業体験の取組について、現状と展望についてお尋ねをいただきました。 各学校におきましては、地域の特色を生かし、地域と学校が連携をして子どもたちの学びを支え、児童生徒の学びの充実や心身の健やかな成長を目指した教育活動を行っております。農業体験をはじめとする体験活動にいたしましても、地域や専門家の方に参画していただくことで子どもたちにとってより深い学びにつながるものと考えております。 本市の地域と学校が連携する農業体験活動の取組を幾つか御紹介いたします。小学校5年生社会科では、我が国の食料生産に関する学習があり、その中に農業も位置づけられております。この学習と関連させ、地域の田んぼで農家の方々に御協力をいただきながら、実際に田植や稲刈り、脱穀といった米作り体験を行っている学校もございます。 また、地域の特色に応じて、総合的な学習の時間などで茶摘み体験、ミカンやサツマイモの栽培などの農業体験活動を充実させている学校もございます。 近くに田畑のない市街地の学校におきましては、敷地内の学校園やプランターなどを使って野菜などを育てたり、JAグループや地域の農家の方に種もみや苗を頂いてバケツで稲を育てたりするなど、地域と連携して活動している学校もございます。 これらの農業体験活動につきましては、農家の皆様の御協力や農業団体などによる支援、コミュニティ・スクールの機能を生かした地域人材の活用などにより、充実した活動につながっております。 このような学校と地域が連携した農業体験を行うことは、次のような教育的意義があると考えております。 まず1点目は、豊かな人間性の形成です。児童生徒を取り巻く環境や社会環境の変化によって、自然や生命との触れ合い、人との関わりが希薄になりつつある現代社会において、農業体験活動は、生命の貴さや自然との共生、自分を支えていただく人の存在を実感できる価値ある活動でございます。 2点目は、食育の推進です。学習指導要領に示されております現代的な諸課題に対応する資質・能力の一つに、食に関する力が挙げられております。農業体験活動を通して、食べ物が食卓に並ぶまでの一連の流れを実感したり、育てた野菜を調理したりする活動を通して、食に関する意識や感謝の心を育むことが期待されます。 3点目は、キャリア教育、ふるさと教育の推進です。体験を通して、子どもたちは職業観や勤労観を身につけると同時に、住んでいる地域のよさに気づき、ふるさとへの愛情や誇りが高められるものと考えております。 このように、学校と地域が連携した農業体験活動は、子どもたちの学びの充実に資するところが非常に大きいものであると認識しております。 今後の展望といたしましては、各学校におきまして、地域の特色を生かした農業体験活動がさらに充実するよう継続して支援し、子どもたちの農業への興味・関心を高め、意欲的に関わろうとする態度を育成してまいりたいと考えております。 取組の一例といたしましては、児童生徒の1人1台端末を利用して、農林水産省が農業や農村の大切な役割や魅力を広く伝えるために制作しております農業学習コンテンツなどを学習用サイトに掲載し、子どもたちの農業体験を支える環境を整えてまいりたいと考えております。 また、今年度から、ふるさと教育をさらに充実すべく、佐世保市ふるさと教育協賛制度を実施いたしております。これは佐世保市少年科学館が取り組むふるさと教育の趣旨に賛同する企業及び団体が協賛され、地元学習等に寄与していただくものです。子どもたちがふるさとへの愛情や誇りを持てるような取組を計画しておりまして、その一つとして農業体験の実施も検討しているところでございます。 教育委員会といたしましては、今後も学校での教育活動においてはもちろんのこと、地域・家庭と連携して、子どもたちに豊かな心や人間性、社会性を育む教育を継続して推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆11番(宮島武雄君) (登壇) 質問に対して、保健福祉部長、農林水産部長、教育長から御答弁いただきました。ありがとうございました。 保健福祉部長からは、福祉分野における取組と課題、また、高齢福祉分野における取組については、保健師の戸別訪問による生活状況の実態把握や、介護予防活動の一つとして通いの場の御案内、認定就労訓練事業については、農業分野に関連する訓練事業の実施など詳しく御説明いただきました。 また、農業分野との具体的な連携に至っていないことや、農業分野の訓練事業に関しても、令和5年度からは利用はない状況のお話もありました。 農福連携とは、先ほど述べましたとおり、地域で暮らす方々の社会参画を図り、地域共生社会の実現を拡大する観点から対象者を広げた取組です。 政府は今月11日、孤独・孤立対策に関する新たな重点計画を決定しました。単身高齢者支援の強化が欠かせない状況です。農業分野との連携も視野に入れながら、必要に応じ、関係機関や庁内関係部署等との情報共有や調整等を図ってまいりたいと御答弁をいただきましたので、関係機関等との丁寧な連携による今後の取組に期待したいと思います。 また、農林水産部長からは、本市の農業者についての現状や課題、農場環境の改善に向けた取組、農作業委託についての現状や農作業に対する高齢の方の雇用のことなど、詳しく御説明いただきました。 御紹介のありましたJAながさき西海が進められている「1日農業バイトデイワーク」等の取組はとてもよい取組だと思います。 また、農福連携は、農業における労力不足を補うために有効であるものの、作業の内容や環境によって受託・実施に至るまでには難しい課題も多いとのお話もありました。 確かに農福連携等に踏み切れない背景には、お話にありました様々な不安はあると思います。しかし、一方で、農福連携等に取り組む農業経営体の約8割が収益性向上に効果ありと回答されています。本市としても、県北地域雇用労力支援協議会の一員として今後も取り組み、農業者側と生きがいづくりの場を生み出したい福祉事業者側の円滑な連携ができるよう、関係機関と一体となり、広く周知を図ってまいると御答弁いただきましたので、今後の農業を活用した前進する取組に期待をしたいと思います。 教育長からは、本市の地域と学校が連携した農業体験活動の紹介と、農業体験活動を通じて、子どもたちにとって大切な豊かな人間性の形成、食育の推進、キャリア教育、ふるさと教育の推進について、また、今後の展望についても御答弁いただきました。 児童生徒の1人1台端末を利用して農業学習コンテンツなどを学習用サイトに掲載するといった子どもたちの農業体験を支える環境の整えや、ふるさと教育をさらに充実させるための農業体験の実施の検討などの御説明をいただきました。本当にすばらしい取組だと思います。未来を担う子どもたちを思った取組、子どもたちを中心とした取組に敬意を表します。今後も期待をするとともに、引き続き未来を担う子どもたちのための施策をお願いしたいと思います。 農業は、私たちの生活において必要不可欠であること、農業がもたらす役割の重要性を今回の質問を通じて、私も学びました。 また、国も取り上げている課題ですが、農福連携等について、知られていない、踏み出しにくい、広がっていないといった課題が、本市においても同じようにあることが分かりました。 ところで、ユニバーサル農園のことは皆さん御存じでしょうか。これは、誰もが農業体験を通じて農業の持つ多面的な機能を享受でき、障がいのある方、生活困窮されている方やひきこもりの方、触法された方やそのほか、子どもから高齢の方までの多世代・多属性の方々が交流・参画する農園のことです。 そのユニバーサル農園には、社会参加を促す効果や予防・リハビリの効果、癒やしを提供する効果や学びを促す効果などが見込まれるとのことです。 また、ユニバーサル農園を導入するに当たり、農業訓練的な農業体験の提供といった条件があるようですが、農林水産省も農福連携対策等により支援するとされており、農地の農業的利用の維持と農地の保全においてもさらなる効果が見込まれるそうです。宮島市長、本市においても、こういった取組が必要ではないでしょうか。 そこで、農福連携等への参画の推進、学校における農業体験とユニバーサル農園について総括した御所見を宮島市長にお伺いいたします。 以上が再質問になります。よろしくお願いいたします。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 宮島武雄議員から、農福連携や学校における農業体験、また、ユニバーサル農園について所見をということでございますので、私から総括して答弁をさせていただきます。 まず、学校における農業体験活動についてでございますが、教育長の答弁にもありましたように、学校、地域、家庭と連携して、子どもたちのよりよい未来のために取り組んでいくということでございましたので、市といたしましても、子どもたちがふるさと佐世保への愛情や誇りがさらに持てるよう、教育委員会を支援してまいります。 次に、農福連携等への参画の推進についてお答えをいたします。 先ほど保健福祉部長から答弁をいたしましたが、障がい者や高齢者等の社会的支援が必要な方々につきましては、自立と社会参加のための支援策の中で、その分野によっては民間事業者等を通じた農業との連携による取組も見られます。 一方で、こうした方々の特性や取り巻く環境はもとより、支援に対するニーズ等に関しまして多様化・複雑化していますことから、議員御指摘の農業との連携に際しましても、より柔軟かつきめ細やかな対応が求められているなど、課題も多いものと捉えております。 そのような中、国が提唱するユニバーサル農園につきましては、誰もが農業体験を通じた農業の持つ多面的な機能を享受でき、障がい者、生活困窮者、ひきこもり、その他の子どもから高齢者までの多世代・多属性の者が交流・参画する農園とされ、様々な社会的課題を解決する可能性が期待されております。 農業体験を通じた様々な人々との交流に当たりましては、地域での支え合いや生きがいづくりにつながるとともに、子どもたちの豊かな心や創造性の涵養に資するものであり、支援が必要な方々や農業生産者の方々はもとより、それぞれの地域や民間事業者等においても広く連携しながら、工夫あふれる取組として実施していくことが肝要だと考えております。 このようなことから、御提案をいただきましたユニバーサル農園に関しましては、今後、国等の関係機関をはじめ、生産者や民間事業者など多方面における動向や御意向等についても注視をしながら、まず、当面は現行の各種取組に係る課題への対応等を整理するなど、庁内関係部署による研究を進めてまいりたいと考えております。 ◆11番(宮島武雄君) (登壇) 宮島市長から、農福連携等への参画の推進、学校における農業体験とユニバーサル農園について総括した御所見をいただきました。ありがとうございました。 このほど佐世保市社会福祉協議会が本年度から新たに取り組む地域支援のモデル事業、「つながる農園」の記事を目にしました。世知原の山間部で農業に関心のある人たちが世代を超えて稲作をして交流するとのことです。居場所や生きがいづくり、ひきこもり対策等の取組に加え、耕作放棄などの地域課題も見据えた取組の内容でした。 記事を見て、これは農福連携等やユニバーサル農園につながる取組だと思いました。そのような農業を活用した取組をこれから広げていけるかどうか、私は大事なことだと思います。農業を英語でアグリカルチャーといいます。文化を英語でカルチャーといいますが、耕すという意味も含まれています。 冒頭申しましたが、佐世保市の歴史は農業に深い関係があり、佐世保市の文化は耕すを大事にしてきた都市だと思います。農業は単なる食料の生産・供給という側面だけでなく、環境やエネルギー、健康など、私たちが生きていく上で最も基本的な部分と深くつながっていると思います。その農業をどういう方向に持っていくのか、今後の本市の農業を活用した、つながる取組に期待をして、質問を終了いたします。ありがとうございました。 ○議長(林健二君)  6番宮田京子議員。 ◆6番(宮田京子君) (登壇) 市政会、宮田京子でございます。 今回は大きく二つの項目について質問させていただきます。 まず1項目め、本市における社会教育の現状と課題についてお尋ねしていきます。 この社会教育という言葉ですが、一方で生涯学習という言葉があって、この二つはともすれば似たような意味合いで使われがちなので、先に整理をしておきたいと思います。 教育というのは、その場面という点で家庭教育、学校教育、社会教育と三つに分けられます。そして、この三つの教育の場面において何度も繰り返し学び続けることで成長し続ける様子、これを生涯学習といいます。 国は教育基本法の精神にのっとり、社会教育法という法律を定めています。この中で、国及び地方公共団体の任務として、社会教育が学校教育との連携の確保に努めるとともに、家庭教育の向上に資することとなるよう、必要な配慮をすることと定めてあります。つまり家庭教育、学校教育、社会教育、これらはそれぞれに密接に関係し合うものとして法律に明確な形で位置づけてあるわけです。 さて、学校の現場では、全国の不登校児童生徒の数は約30万人になったと、昨年10月文部科学省から公表されました。本市の人口23万人、これを大きく上回る数の子どもたちが学校に行けていない、これが今の日本の現状であります。 本市においても、不登校児童生徒の数が674人と新聞報道されたことにより衝撃を受けた地域の方も数多くおられます。もちろん学校に行けないことがそのまま悪いことという意味では決してありません。ただ、その年齢で学ぶべき学びの場を享受できていないことは子どもたちの不利益につながるのではないか、それが大きな問題なわけです。 この学びの場という点で言えば、本市においては、夜間中学の開設を予定されているほか、不登校経験のある児童生徒を受け入れる「学びの多様化学校」の設置に向け、研究を進められています。これは本県における初の導入計画であり、画期的な施策と言えます。 そういった取組を評価しつつ、ここでは、子どもたちが学校に行けるような環境をいかにつくるか、不登校を出さない社会の在り方とは何か、そういった視点から、本市の社会教育の現状と課題を探ってみたいと思います。 まず、社会教育を推進するに当たって、社会教育委員がおられます。教育委員会が委嘱するもので、必要に応じて意見を求める場とされています。会議は年6回開催されていると聞いていますが、その議事録は公開されていません。諫早市など他の自治体では公開されています。また、壱岐市では、教育委員会からの諮問に対し答申を行った議事録も公開されています。 ところが、本市においては、佐世保市、社会教育、議事録など関係するワードで検索しても出てきません。実際に社会教育の場面で活動しておられる方から、私も直接お話をお聞きする機会がありまして、そういった方々は熱い思いで携わっているわけですが、一方で、社会教育の現状を憂うる地域の皆様のお声もありまして、社会教育の活動がいま一つ地域社会へ浸透し切れていない現状もあるように思います。 また、社会教育活動の主要な事業の一つに徳育推進会議の活動があります。これは平成24年、本市が徳育推進のまちづくりを宣言し、5か年の行動計画の策定と併せ、民間の推進母体として、佐世保徳育推進会議を設立されたものです。 昨年10月には第14回徳育推進フォーラムも開催され、また、約10万世帯全てに徳育カレンダーの配布するなどの活動の一端を知ることはできます。 しかし、5か年計画は既に終了し、活動開始から令和4年度をもって10年が経過いたしました。本市の社会教育の活性化に果たす役割や位置づけを総括すべきタイミングではないかと思います。 そこで、本市の社会教育におけるこれらの現状と位置づけについてお尋ねをいたします。 二つ目に、国が述べるとおり、社会教育は学校教育との連携の確保に努めるべきものであり、不登校児童生徒の問題に社会教育が果たす役割は大きいと考えます。市としては、約700名近い不登校児童生徒がどのような支援機関につなげられているのか、社会教育と学校教育の連携の実態についてお尋ねをいたします。 三つ目に、子どもたちの豊かな心を育む地域社会づくりが求められている中においては、社会教育の専門家である社会教育主事の活動に期待するところが大きくなってくると思います。社会教育主事・社会教育士などの有資格者については、教育委員会事務局への配置が義務づけられており、また、社会教育活動の拠点である各地区コミュニティセンターにおいては配置することが望ましいとされていますが、本市においては、教育委員会あるいは28地区のコミュニティセンターに社会教育の有資格者はどの程度配置されているのでしょうか。 続いて、四つ目の質問です。本市のまちづくりの基本となる第7次総合計画後期基本計画が本年度からスタートしました。この中に社会教育はどのように位置づけられているのか探してみました。学校教育の充実、生涯学習の推進という項目はありますが、明確に社会教育法の理念を落とし込んだ表現は見当たらないように思います。もっと社会教育の重要性を明確にすべきと思いますが、いかがでしょうか。 続きまして、2項目め、長串山公園の老木化対策と観光の活性化についてお尋ねをいたします。 鹿町町の長串山公園は、西海国立公園内に位置し、10万本のツツジが植栽され、花の時期には多くの入場者でにぎわう風光明媚な花の名所となっています。石岳展望台、弓張岳展望台などと並び、本市が指定する九十九島八景の一つです。 この地に最初にツツジが植えられたのは今から50年以上前となる昭和44年、1969年のことです。この年に開催された第24回長崎国体を記念して植えられました。それから実に55年という時間が経過しています。 長串山公園の最盛期の美しさは、全国版の報道番組のトップで紹介されるほど実にすばらしいものでした。私も、その様子を海から見たことがあります。瀬渡し船に乗っているときに、遠くの山の斜面がいつもは青々とした緑一色の山肌なのですが、そのときは斜面一帯がピンクの花の色で埋め尽くされていて、それはそれは見事でした。まさに雲のじゅうたんと呼ぶにふさわしい姿でした。 ところが、「最近はツツジがきれいに咲かない」というお声をあちこちで聞くようになりました。「あまりきれいではないもんね」という負のイメージが人々のうわさに上っているわけです。その原因は、花木自体の老木化、病気、海に面していることから塩害、花木自体が成長して巨大化していくことによる密植など様々な複合的な原因があるのでしょうが、ここでは何らかの事情で枯れている状態、枯れかかっている状態を総称して老木化という表現を使わせていただきます。 対策として、指定管理者のほうで昨年度は30本程度植え替えをされたそうです。しかし、10万本という花木の規模を考えると、通常の公園管理の範疇では追いつかない話だと思います。このような事態をそのまま見過ごすわけにはいきません。50年という時間の長さから考えても、抜本的な対策が必要なときに来ているのではないでしょうか。 そこで、このような場合の取決めはどのように規定されているのか、長串山公園の管理及び運営に関する基本協定書を拝見しましたが、大規模な植え替え等に関する記述はありません。 そこで、まず10万本に及ぶツツジの花木の現状と年間の公園利用者数の推移など公園管理の実態、そして老木対策をどう考えておられるかお伺いいたします。 二つ目に、公園遊具やキャンプ場などの施設・設備についてお尋ねします。 長串山つつじまつりは、長くても年間に一月程度であり、祭り以外の期間も、この公園を利用していただくために様々な遊具が設置されています。それらの設備も老朽化が著しいと聞きますが、その現状と使用状況をお伺いいたします。 あわせて、ビジターセンター内で実施されているレストランや売店などの自主事業の状況もお示しください。 三つ目に、長串山公園を軸とした観光の活性化についてお尋ねをいたします。 北部エリアの小佐々地区から鹿町、江迎に至るルートは、北九十九島を望む夕日の美しいところです。それは地元に住む我々でさえ、はっとするほどの美しさです。まさに海に面したリアス式海岸の北松浦半島という地形の織りなす景色、これは得難い美しさです。 このエリアには、長串山のほかにも、小佐々地区にはかつてあじさいまつりを行っていた冷水岳、本土最西端の地である神崎鼻、鹿町地区には、藤棚が設置された大西山、鹿町温泉やすらぎ館、近年は若い人たちが積極的に取り組んでいる口ノ里の棚田づくり、そして、江迎地区には白岳自然公園など、スポット的に多くの自然に由来する名所、観光拠点が存在します。 そこで、この一帯の地理的にも中心に位置する長串山公園を基軸として連携させる方法、例えば共通の割引券で周遊したり、スタンプラリーで幾つかをつなぐことによって、点から面へと広がる規模感でアピールしていくなどなど、この地域の観光の活性化を一体的に企画することができないか、市のお考えをお伺いいたします。 以上で1回目の質問を終わります。よろしくお願いします。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 1項目め、本市における社会教育の現状と課題についてお答えいたします。 まず、社会教育委員と徳育推進会議の現状と位置づけでございますが、本市の社会教育委員は、社会教育法第15条に基づいて委嘱し、同法第17条に基づき、社会教育関連施策の形成・推進について、様々な見地から御助言をいただいておるところでございます。年6回の定例会議におきまして、学校やPTA、地区自治協議会、教育会など、学校教育や家庭教育を含む広い分野から9名の委員の方々に幅広く御助言をいただいております。 また、10年ほど前から、この社会教育委員の皆さんを中心に、委員を退任された方なども含む約20名の有志の方々と共に自主研究会を立ち上げられておりまして、地域や人づくりのための方策などについて、月1回議論されているほか、社会教育フォーラム開催などに取り組んでおられます。 こうした自主研究会の活動は本市独自のもので、県下の社会教育委員の活動においても極めて貴重な取組でありまして、教育委員会といたしましても、その活動をサポートし、共に議論しながら施策の推進を図っているところでございます。 次に、徳育推進会議は、平成24年に行った徳育推進のまちづくり宣言の具現化に向け、民間の事業推進母体として設立され、官民協働のパートナーとして活動いただいております。 具体的な取組としまして、徳育フォーラムの開催や徳育カレンダーの全戸配布といった事業を展開されておりまして、学校教育や社会教育の関係団体や企業などから成る構成メンバーの方々により、地道な普及・啓発活動を続けていただいております。 本市の徳育推進事業は、徳育は人の内面から自然と発現していくものであるということを考慮し、市民の皆様の自発的な取組を支援、啓発することを第一義に考え、官民協働で実践しておりますが、より多くの市民の皆さんに広がっていきますよう、改めて従来の取組の見直しを図ってまいりたいと考えております。 続いて、不登校児童生徒の問題に社会教育が果たす役割としまして、不登校児童生徒がどのような支援機関につなげられているか、また、社会教育と学校教育の連携の実態についてお尋ねがございました。 各学校におけるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、また、本年度から市立中学校10校に開設いたしました校内教育支援センターのほか、学校外では青少年教育センターやすこやか子どもセンター、また、子ども発達センターなどの機関が相互に連携し、不登校児童生徒やその保護者などの内情に丁寧に寄り添いながら、多様な学びの機会を提供するとともに、相談などの支援を行っております。 また、夜間中学の早期開設を目指すとともに、不登校児童生徒の増加やニーズの高まりもあり、学びの多様化学校、いわゆる不登校特例校についても、現在、研究を進めているところでございます。 不登校に関しましては、それぞれの背景・理由が異なるため、児童生徒一人一人丁寧に取り組んでいくためにも、教員の校務の精選が求められているものと考えております。こうした意味においても、授業の補助や登下校の見守りなど、地域が学校を支え、役割を分担する地域学校協働活動のような取組が重要であると考えております。 次に、社会教育主事など有資格者の適正配置についてお尋ねがございました。社会教育主事は教育委員会事務局に置くこととされる専門的職員で、社会教育関係者に対する専門的な助言・指導を担うほか、地域人材などの連携のための調整や、関係者の具体的な活動を触発していくコーディネーターとして、積極的な役割を果たすことが期待されております。 現在、本市の正規職員における社会教育主事有資格者、また社会教育士については、教育委員会事務局に4名を配置しております。 また、コミュニティセンター職員におきましては、会計年度任用職員としまして、現在、全28館のうち18館に21名の有資格者を配置しているところでございます。 最後に、第7次佐世保市総合計画におけます社会教育の位置づけについてお答えいたします。第7次総合計画後期基本計画におきまして、子育て支援と教育の充実は未来への最も重要な投資であり、まちの魅力をつくり出すものと考え、子ども政策と教育政策で構成されるひと分野を計画の最上位に位置づけております。 このうち教育政策では、「学校教育の充実」のほか、社会教育に係る施策である「豊かな心を育むまちづくり」、「生涯学習の充実」を掲げ、それらの施策の方向性としまして、学校・地域・家庭・行政の連携促進としての地域学校協働活動の充実、青少年の健全育成、生涯学習の環境整備、生涯学習の充実などを盛り込んでいるところでございます。 以上でございます。 ◎都市整備部長(溝口勝利君) (登壇) 2項目めの長串山公園に関するお尋ねにつきまして、私からお答えをさせていただきます。 長串山公園のつつじ園につきましては、指定管理者において日常的な管理を行っておりますが、つつじ園の一部に樹勢が弱まっているエリアが見られ、その原因といたしましては、近年の気温が高く、雨が多いなどの異常気象をはじめ、様々な要因があるものと推察をいたしております。 このような状況を踏まえ、施肥の回数を増やしたり、密になった枝の間引き、枯れた株の植え替えを実施しておりますが、抜本的な改善に向けては、専門的見識を有する佐世保市造園建設業協同組合などから御意見を拝聴しながら、将来的には全体的な植え替えの検討も必要と考えているところでございます。 次に、年間の公園利用者数の推移でございますが、長串山公園の主な事業といたしまして、つつじまつりとキャンプ場を運営しておりますが、つつじまつりの入園者数は、令和元年度以前はステージイベントが開催されていたこともあり、年間2万人を超える年もありましたが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響から、祭りの中止やビジターセンターの一時閉館により、2,000人程度まで急激に落ち込みました。令和3年度以降は祭りの再開により1万2,000人程度まで回復をいたしておりますが、令和元年度と比較すると約7割の入園者数にとどまっており、利用料収入が減少している状況でございます。 一方、キャンプ場につきましては、コロナ禍前は利用者数が少なく、年間100人から200人程度であったため、キャンプ場機能の廃止を検討することといたしておりましたが、コロナ禍で密が避けられるレジャーといたしまして、ここ2年ほどは500人程度で推移をいたしております。 なお、キャンプ場の利用者数のほとんどがフリーテントサイトとなっており、常設テントにつきましては、老朽化も進んでいることから、現在は利用を停止しております。 次に、遊具につきましては、市内で最長を誇るローラー滑り台をはじめ、複合遊具もあり、週末には家族連れの方々に御利用いただいており、毎年の点検や修繕等の実施により、利用可能な状態を維持しております。 次に、レストランや売店などの自主事業の状況についてでございますが、コロナ禍前は通年でレストランを営業されておりましたが、コロナ禍以降は、来園者数の減少に加え、従業員の確保が難しいこともあり、営業日を限定して運営され、コロナ禍前と比較いたしますと、売上げは半分程度まで回復が見られるものの、減少している状況となっているものでございます。 以上でございます。 ◎経済部長(長嶋大樹君) (登壇) 北松浦半島エリアの観光の活性化につきまして答弁いたします。 議員から御提案がありました長串山公園を軸とした観光の活性化でございますが、現状の長串山公園では、春のツツジの開花時期に多くの観光客が訪れています。佐世保観光コンベンション協会発行のマーケティングレポート最新5月号でも、「なぐし山公園 佐世保」のキーワードは検索増加率の1位でございまして、長串山公園は春の観光スポットとして定着いたしております。 このため、春の情報発信を重点的に進めるほか、キャンプ場や夕日と景観の魅力、そして神崎鼻や白岳、冷水岳など各公園についても、外遊びや体験が展開できる場所として、年間を通して一体的なPRを進めてまいりたいと考えております。 当エリアにおいて、観光課では、令和6年度から観光地域づくりに向け、北九十九島エリアマネジメント事業に着手をいたしました。当事業は、北九十九島を囲む江迎町、鹿町町、小佐々町のエリア内における観光資源や体験型観光に取り組む団体、空き家を活用して宿泊施設や飲食店等の整備を進める団体を結び、エリア全体で観光誘客を図り、滞在へつなげることを目的といたしております。 今年度は、エリア内でまちづくりに取り組む団体等の調査を行いまして、連携の可能性を探り、地域づくりにおける課題や地域内で活用可能な空き家等の調査を進めているところでございます。 以上でございます。 ◆6番(宮田京子君) (登壇) それぞれに御答弁をいただきましたので、それぞれに再質問させていただきます。 まず、一つ目の社会教育についてですが、本市の社会教育をコーディネートする社会教育委員の皆様の御活動は、県下でもより積極的である旨の御答弁をいただきました。となると問題は、社会教育の担い手、すなわち地域全体で支え取り組むはずの、例えば、地域学校協働活動のような社会教育の取組が当事者である地域の方々になかなか見えにくいという点です。もっと発信の仕方、見せ方、アプローチの仕方を工夫されて、直接携わっていただきたい地域の皆様により分かりやすくお示しすることが社会教育の活性化の一助になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 また、小項目二つ目の不登校児童生徒への対応ですが、市教育委員会が運営する小中学校ポータルサイトには、不登校の予防と対応という項目があるものの、内容については何も公開されていなくて、御覧になった市民の方からも疑問の声が寄せられたところです。 他の自治体では、既に新たな不登校を生まないためにという取組は、例えば不登校未然防止、早期対応マニュアルなどといって、一般向けに公表されています。本市においては、このポータルサイトにおいて、いつ頃どのような内容を公表されるのでしょうか。 また、学校と地域の連携という点ではコミュニティ・スクールがあるわけですが、これをどの程度まで進めるお考えでしょうか。地域学校協働活動について、社会教育課はどのように取組を進めているのか、お尋ねいたします。 次に、小項目の三つ目、コミュニティセンターの社会教育主事ですが、全てが会計年度任用職員であって、正職員は一人もいません。その技術のスキルアップは十分にできているのでしょうか。 小項目四つ目ですが、島根県浜田市や大阪府阪南市では、社会教育推進計画というのがつくられています。また、京都府では、令和6年度、社会教育を推進するために、「人がつながる地域づくり」というリーフレットを発表され、行政から社会教育を発信する仕掛けがなされています。 浜田市の計画では、市が取り組んでいる社会教育事業も明記してあって、これを見れば社会教育への取組が一目で分かるようになっています。分かりにくいという市民の皆様の声に応えるためにも、計画づくりは有効ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 では、2項目めの長串山公園についてですが、経済部長から、近隣の各公園などとともに年間を通して一体的にPRをしていくという御答弁をいただきました。 そして、本年度から始まった北九十九島エリアマネジメント事業、これはその範囲を今テーマとしている江迎町、鹿町町、小佐々町に加え、相浦、高島も含めて広範囲に考えて、エリア全体で目的を滞在型観光へつなげるとのお考えです。いずれにしても、北九十九島一帯の観光活性化に向け、計画をスタートされたことは大いに期待が持てるところです。 そこで、私がその軸としてはどうかと考える長串山公園のツツジの老木化対策ですが、都市整備部長から、抜本的な改善に向けては専門的意見を拝聴しながら、将来的には全体的な植え替えの検討も必要というお考えをお示しいただきました。 また、施設についても老朽化が進んでおり、利用停止となっている施設もあること、それに伴い、利用者数も減少している現状など、当局も十分に問題意識を持っていただいていることを理解いたしました。 このように、花は老木化が進行し、施設・設備も老朽化。これでは幾ら指定管理者が熱意を持って公園管理に取り組もうと思ってもなかなか厳しいものがあるのではないかと思います。長串山公園の運営は、今まさに過渡期に来ていると思われます。55年の歴史を持ち、その間、旧鹿町町の皆様が大切に守り育てて、現在の佐世保市管理に至っています。長串山公園が現在置かれている状況、課題を当局は十分に認識されているわけですが、それを踏まえて、今後の運営をどのように考えられるかお伺いをいたします。 以上2回目の質問です。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) まず、社会教育の活性化に向け、地域学校協働活動のような取組について情報発信を工夫すべきではとの御指摘をいただきました。 現在、コミュニティスクールだよりや地域・学校行事を集約したカレンダーの作成・配布、また毎月のコミュニティセンターだよりなど、工夫を凝らした内容で地域への情報発信が図られております。 このような地域の情報をより効果的に発信するためのポータルサイト立ち上げに向けた準備を進めているところでございまして、今後、市のホームページやSNS、広報させぼなどを活用して、効果的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。 次に、小中学校ポータルサイトにおける不登校の予防と対応についての情報配信についてでございます。 これまで教職員向けのリーフレットを配布しておりましたが、保護者向けのリーフレットがございませんでしたので、今年度初めて作成の上、公開する予定で現在、準備を進めているところでございます。 次に、コミュニティ・スクールについては、学校や地域の課題解決に向けて、学校、家庭、地域が共同体として進めようとするものでありまして、本市においても地域学校協働活動と一体的な推進を図っております。 現在19の学校において、コミュニティ・スクールとその実行体制としての地域学校協働本部を設立し、学校と地域の相互支援に取り組まれているところでございまして、将来的には市内全校への設置に拡大してまいりたいと考えております。 次に、コミュニティセンター配置の社会教育主事のスキルアップについてお答えいたします。 コミュニティセンター配置の社会教育主事においては、県や市が主催する研修会などを受講させることでさらなるスキルアップに努めているところでございます。 あわせて、コミュニティセンター職員の社会教育主事講習受講に係る費用を予算化しておりまして、今後においても、有資格者の配置を促進していくことといたしております。 いずれの地区のコミュニティセンター職員においても、地域の生涯学習、ひいてはまちづくりの拠点であるコミュニティセンターにおいて学びの視点で地域の人をつなぎ、コーディネートするという役割を担っているところでございます。 最後に、議員から、社会教育推進計画を個別に策定している自治体があるとの御紹介がございましたが、本市の教育振興基本計画は、社会教育推進計画の機能も併せ持った実行計画として昨年度策定したものであることから、これを基に取組を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎都市整備部長(溝口勝利君) (登壇) 長串山公園の運営に関する再質問につきましてお答えをさせていただきます。 議員御懸念のとおり、施設の老朽化や利用者数の減少など、運営面で抱える課題につきましては認識をいたしているところでございます。 指定期間が満了する令和7年4月以降につきましては、これまでの指定管理制度を継続する予定としているものの、地域の資源を生かした魅力づくりを推進していくためには、将来的な公園全体の運営の在り方を検討する必要があると考えてございます。 例えば、民間事業者による公園活用のアイデアを取り入れていくこともその一つと考えておりますので、ツツジの全体的な植え替えも含めた将来的な運営の在り方につきましては、いましばらくお時間をいただきたいと考えているところでございます。 いずれにいたしましても、当面は適切な管理運営に努めながら、北九十九島エリアの魅力的なコンテンツの一つとして生かしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆6番(宮田京子君) (登壇) 再々質問への御回答ありがとうございました。 それでは、3回目の質問に入ります。 社会教育推進計画を策定している自治体は結構見受けられますが、本市においては、教育振興基本計画第4期にそれを含めているという見解です。確かに本市の教育振興基本計画の中には、学校教育の充実、生涯学習の充実と並んで、豊かな心を育むまちづくりと項目が並びます。しかし、社会教育の充実といった明確な文言があるわけではありません。そこで、社会教育活動への入口としては、計画まではいかないにしても、リーフレットのような何らか形があったほうがよいと思いますので、これは意見として申し述べておきます。 子どもの学力調査では、常に秋田県と福井県がトップを競っています。これらの地域では、子どもたちが塾に通う割合、通塾率は低く、家庭は3世代同居の世帯構成が多いと言われます。その因果関係は明確に実証できる性質のものではないでしょうが、子どもたちの心によりよい影響をもたらすものは何かを考えるときに示唆的なものを感じます。 まさに社会教育とは、言葉を変えれば核家族化や単身世帯の増加といった社会構造の中で、地域の中に現代版3世代同居の形をつくり出していくこと、さらに言えば、人として共に生きる共同体づくりへの取組そのものではないかと思います。子どもたちが安心して学校に通えるような地域の共同体づくりが進み、本市が社会教育実践の先進地となるよう、さらなる活性化を図るべきと考えます。市長のお考えをお伺いいたします。 長串山公園の今後の運営についてでございますが、これまでの指定管理者制度を継続しつつ、新たに民間事業者のアイデアを取り入れることも一案として、公園全体の運営の在り方を検討する必要があるとの見解を示していただきました。 私は申し上げておりますように、長串山公園は、小佐々、鹿町、江迎とつながる海岸線のちょうど中央に位置し、この一帯の観光活性化の軸になるものと考えております。そのためにも、つつじ園の老木化対策は必須です。いましばらくお時間をということですので、検討を前に進めていただくことを強く意見として申し述べておきます。 そして、経済部長から御答弁いただきました北九十九島エリアマネジメント事業が今後どのように進展していくのか、期待を込めて注視しておきたいと思います。 最後に、長串山公園の今後の在り方、さらに小佐々から鹿町、江迎に至る海岸線、北松浦半島エリアの観光活性化について、市長の御所見をお伺いいたしたいと思います。市長の御提案をいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
    ◎市長(宮島大典君) (登壇) 宮田京子議員御質問の社会教育の活性化を図ることについて、私の考えを述べさせていただきます。 本市の教育大綱の基本理念として掲げておりますのは、新しい時代を生き抜くためのたくましさと豊かな心を育むとともに、郷土佐世保を愛し、社会に貢献する市民を育成するということでございます。 また、これに基づき、家庭や地域社会が目指す姿として、保護者と地域住民が連携し、共に人と人とのつながりをつくり、学び支え合う社会を実現することといたしております。 このような人のつながりを大切にする価値観は、子どもたちであればクラスや学年、学校、大人においても会社組織や団体など、それぞれが所属するグループや立場を超えたコミュニケーションの機会を数多く経験することで育まれていくものと考えます。多彩な地域文化や価値観に触れながら、人づくりの機会をつくり出していくのがコミュニティ・スクールや地域学校協働活動なのだと思います。 昨年10月に本市の教育大綱を見直すとともに、第7次総合計画後期基本計画と併せて、教育委員会において教育振興基本計画を改定されたところであり、令和6年度は本市教育政策の一つの節目でもございます。今後も、全ての子どもたちが幸せと生きがいを感じながら、未来を切り開くために必要な力を身につけることができるよう、学校や地域の皆様のお力もお借りしながら、教育委員会と連携し、取組を図ってまいりたいと考えております。 次に、長串山公園と観光活性化についてのお尋ねにお答えをいたします。 まず、長串山公園につきましては、整備から一定の期間が経過をしており、ツツジだけでなく、施設の老朽化や公園運営にも課題があることは認識をいたしておりますので、公園運営の在り方の検討を進めるよう指示したところでございます。 また、北松浦半島エリア内には、長串山のほかにも、議員御紹介のように、地域の特色ある景観や文化を生かしつつ観光地域づくりに取り組む団体などがおられます。私は、北九十九島の環境を生かした観光の振興を図ることを鹿町アジェンダに掲げておりますが、当市が進めるシティブランディング・プロジェクトでも、北九十九島エリア滞在促進をオンリーワン価値創造プログラムの関連事業として進めているところです。 このプロジェクトでは、北九十九島の環境を生かした観光、江迎町の宿場町アップデートプロジェクト、本土最西端の景勝地を生かした観光の三つのアジェンダを進めながら、地域分散型の滞在と、地域によって育まれた景観や文化、既存の体験等の組合せでオンリーワン価値の創造と地域による魅力あるまちづくりを支援してまいります。 ○議長(林健二君)  13番小田徳顕議員。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) 日本共産党の小田徳顕です。 通告に従いまして質問をいたします。 石木ダム建設事業について伺います。 ダム建設予定地である石木・川原地区は、家屋撤去などを伴う行政代執行が可能な状況にあります。しかし、国土交通省によると、ダム建設で実際に住民が居住している家や土地の行政代執行が行われたことは、この日本では過去に一度もありません。川原の住民は、家や土地の明渡しに同意していません。それは建設の理由とされる佐世保市の水の確保や、川棚町の洪水の防止が客観的な根拠に乏しいこと、今後の人口減少、節水機器の普及、石木・川原地区の生態系が壊されることを危惧しているためで、こうした中で、今年度は石木ダム建設事業の再評価をする年に当たります。 再評価について改めて説明しますと、事業が採択されて5年間を経過した時点で未着工である、あるいは事業の着手後10年以上経過をしながら、まだ継続中である、こういうものを対象にして、その事業がその時点においても適正であるのかないのかということを評価する。そして、その結果、事業の継続もしくは中止などの方針を決定する、こういう趣旨のものです。 石木ダム建設事業に関しては、計画から半世紀の時間が経過して、当然事業の必要性、あるいは目的が変わってきています。石木ダム建設事業が始まったときは、針尾工業団地の利水も計画に含まれていました。佐世保市においても、人口動態の変化、あるいは社会環境の変化、昨今SDGsによって環境や人権に対する意識も高まってきています。よって、都度、その評価を厳しくやり直していく必要性が高まっていると思います。半世紀前の計画を客観的に厳しく公正な再評価をするということは、事業者としての義務だと思います。ところが、これまでの再評価というものが公正な形で本当に誠実に履行されてきたかというと、私は疑問を持たざるを得ない状況です。 この公共事業の再評価というものはどういうふうな形で始まったのかというと、1997年の流行語大賞にもノミネートされた「時のアセスメント」という言葉を当時の北海道の堀達也知事が年頭の挨拶で使ったのが始まりです。「時のアセスメント」、これは堀氏がつくった言葉ではなくて、脚本家の倉本聰さんが知事や職員との会話の中で使われた言葉です。 1997年の北海道の道政執行方針で「時のアセスメント」という言葉を使われました。その一部を御紹介します。  成熟社会を迎えて、従来の社会システムが様々に問い直されております。これまで、行政は、決して間違いを起こさない、あるいは、起こしてはならないということに自らがとらわれてきたと思います。「間違いは許されない」といった固定観念が、行政の先送り体質や硬直的なものの考え方をつくりだしてきました。しかし、時代の転機にある今日、行政自身もそうした観念から自らを解き放ち、虚心坦懐な姿勢で臨むことが必要であると考えます。  行政が一度始めた施策は、時の流れの中で、施策の価値や効果が変化しても、なかなか見直しが行われず、突き進んできた面がありました。今や変化のテンポはますます速まり、社会情勢や道民の皆さんの意識、価値観も大きく変わり、施策の当初の意義や実効性、事業の優先度や投資効果も変わっているものがあります。  私は、様々な事情から停滞したり、時間がかかり過ぎている施策に、「時」という客観的な物差しをあて、時代の変化を踏まえて再評価するシステムとして、「時のアセスメント」を実施してまいります。立ち止まり、そして考える。「時のアセスメント」は限られた財源の下で、道民の皆さんの多様なニーズの中から、より重要性、緊急性の高い新たな施策を展開していくためのものでもあります。時の流れという、過去から現在の検証を通じて、新しい未来を創造していく多面的な政策として、行政自らがこうした施策の再評価作業をすることによって、私を含め、職員が、時代に即した新たな感覚で行政を進めていきたいと考えております。  変革の時代の、一つの模索として取組みを重ねつつ、行政自らの新たな仕組みとして成熟させていきたいと考えております。 こう述べられました。四半世紀前のことです。情勢の変化が速い現在では、「時のアセスメント」の持つ意味がより重要になっているのではないでしょうか。 石木ダム建設事業も、計画からもう半世紀がたっています。それこそこの「時のアセスメント」という物差しでしっかり見るべきです。住民らは再三にわたって、事業が本当に必要であるかについての説明を求めてきましたが、いまだに満足いく説明がなされていません。そのような中、工事を進める県は、2025年度のダム完成を標榜してきました。しかし、住民がそこに暮らしている限り、決してダムを造ることはできません。 このような状況を受け、知事は2月の定例県議会において、今年度、事業再評価を行う予定であることを表明されました。知事は、住民らの抗議活動が工期や事業費に影響を与えていると述べられ、長崎県公共事業評価監視委員会の中で審議を行うとのことでした。 この事業再評価については、佐世保市の利水においても同様で、事業再評価は5年に1度、事業の是非を見直す検証を行うこととされており、前回の再評価は2019年度であることから、今年度が実施年度に該当します。 また、今年度から水道事業は、厚生労働省から国土交通省に移管されています。 まずは再評価に係る市長の認識を伺います。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 小田徳顕議員の御質問、石木ダム建設事業の再評価に係る私の認識についてお答えいたします。 慢性的な水源不足は市政における最重要課題の一つであり、石木ダム建設事業は、今後の市政を進めていく上での要の一つであります。 そのような中で、再評価におきましても、国が定めるルールに基づいて、公正かつ公平に進めていくべきものだと認識をしており、再評価の実施主体であります水道局に対しましても、その旨指示をしているところでございます。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) 再評価は事業を継続するべきか否かを問う重要な機会であり、推進ありきではなく、公平に行われるべきものです。市長が水道局に指示をなさったということですが、今年度の再評価の実施予定について伺います。 ◎水道局長(中島勝利君) (登壇) 今年度の事業再評価の実施予定につきまして、私からお答えさせていただきます。 事業再評価は、国庫補助の継続に際し、国が定める再評価実施要領に基づき行う必要があり、原則として5年に1度行うこととされております。 今年度から所管省庁が、先ほど議員もお触れになりましたが、厚生労働省から国土交通省に移管され、再評価につきましては、国土交通省所管公共事業の再評価実施要領に一本化されておりますが、実施につきましては、5年ごとに行うということについて変わりなく、本市においては、今年度が実施年度に該当するものと認識しております。 実施予定についてのお尋ねでございましたが、今年度中に再評価を行う必要があると考えておりますものの、現時点におきまして、具体的な実施時期及びその内容については未定でございまして、これから検討していくことになるものと考えております。 以上です。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) 国土交通省の要領では、再評価を行うに当たって事業評価監視委員会を設置し、意見を聞き、その意見を尊重しなければならないとされています。 石木ダム建設事業は、計画から既に50年以上が経過しており、常に多くの疑問が投げかけられている事業であることから、事業評価監視委員会での審議は中立、公正に予断を持たずに行われるべきであると考えます。 佐世保市の過去の再評価では、佐世保市上下水道事業経営検討委員会に諮られていますが、同委員会は水道ビジョンの策定にも関わっており、ビジョンでは、石木ダム建設以外に有効な方策が残されていないなどが記されていることを踏まえると、石木ダムありきで公正な審議が期待できないのではないかと懸念するところです。市が今後の再評価の検討に当たって、事業評価監視委員会をどのように進めていこうと考えておられるのか伺います。 ◎水道局長(中島勝利君) (登壇) 事業評価監視委員会の諮問の進め方についての御質問にお答えをいたします。 国土交通省の実施要領におきましては、「再評価の実施主体の長は、再評価に当たって事業評価委員会を設置し、意見を聞き、その意見を尊重するものとする」と定められております。 本市水道事業におきましては、水道局が担います上下水道事業における事業評価監視委員会の役割を担う諮問機関といたしまして、佐世保市上下水道事業経営検討委員会を設置しておりまして、先ほどお触れになりました水道ビジョンのほか、石木ダム建設事業を含む各種事業の計画策定に関することを所掌事務としております。 したがいまして、同委員会の委員につきましては、大学教授等の学識経験者のほか、本市の地域経済、観光、市民生活などの水道需要者側を代表する団体から選出された委員等で構成しているところでございます。このようなことから、過去の事業評価は同委員会に諮問してきたところであり、適切な再評価が行われてきたものと認識をしております。 しかし、先ほど答弁いたしましたとおり、今年度の実施につきましては、委員会の進め方も含めまして、これから検討していくことになろうかと考えております。 以上です。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) 石木ダムは、治水を含めた多目的ダムです。事業の是非については、治水・利水を含めた総合的な検証と評価が行われるべきであると考えます。佐世保市が単独で評価を行っても、治水事業や環境への影響等のダム全体としての必要性が評価できるものではありません。 また、国土交通省の実施要領を見ると、評価監視委員会の設置について、市町村は都道府県の事業評価監視委員会に依頼する方法も取り得るものとするとされています。まさにこれから長崎県が治水について審議を予定している委員会であり、ここに依頼することで、市の利水も含めた総合的な評価が可能となり、より公正な審議が期待できるのではないかと考えます。 これからの検討であるとのことですけれども、県の委員会に依頼するということを選択肢に含めることは考えておられないでしょうか、伺います。 ◎水道局長(中島勝利君) (登壇) 県の事業評価監視委員会に諮問を依頼してはどうかという御質問にお答えをいたします。 繰り返しになりますが、本市の再評価についてはこれからの検討となりますので、御指摘の点を含めまして、現時点で具体的に定まった考えを持っているわけではございません。 ただし、国の実施要領では、事業評価監視委員会への意見聴取は評価の実施主体が行うものと定められており、治水事業の実施主体は長崎県でございますが、利水事業の実施主体は本市水道事業管理者でございます。事業再評価は、社会経済情勢等の適合が大きな目的の一つと認識しておりますので、その再評価を実施するに当たりましては、本市の水事情の実態及び実情に即した適切な評価が行われることを重要視しております。事業評価監視委員会につきましても、このような地域の実情に即した審議が行える委員会への諮問が求められるものと理解をしております。 以上です。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) これからの検討ということでありますが、今年度が再評価の年であるということはあらかじめ分かっていたことです。石木ダムが佐世保市の最重要事業であるならば、事前にどのように進めていくべきかについて検討しているべきものではないでしょうか。今から検討を始めるというような悠長なことでよいのでしょうか。見解を求めます。 ◎水道局長(中島勝利君) (登壇) 石木ダム建設事業は本市の最重要事業の一つでもありますので、水道局におきましても事業進捗の確保をするべく、常に準備・検討を行っているところでございます。しかし、この再評価につきましては、議員からも御案内がありましたように、長崎県におきましても今年度、事業再評価の実施を予定されております。石木ダム建設事業は、長崎県の治水事業を主体とした事業でございまして、県において定められた工期や事業費に基づいて、本市の利水計画や費用対効果分析を行う関係にございますので、県に先行して本市が再評価を行うことはできません。 また、今年度から所管省庁が国土交通省に代わっており、再評価に係る検討内容や委員会の進め方等について確認していく必要もあると考えております。したがいまして、どうしても今後の長崎県の再評価の状況を見てからでないと、本市の利水計画の検討に必要な前提条件や国との協議に必要な情報が出そろいませんので、現段階で具体的な方法論について検討することが難しいという状況でございます。 以上です。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) 状況はおおむね理解をいたしました。 前回の再評価についてですけれども、傍聴室が別室に設けられ、モニターを通しての傍聴でしたし、資料の配付も行われていませんでした。モニターでの傍聴は、途中で通信が途切れたり、音声が聞こえにくかったりと不具合も生じ、傍聴者からは多くの苦情が寄せられました。再評価は、公共事業の透明性の確保を目的の一つとされたものであり、傍聴に対する配慮は十二分に行われるべきものです。このことについては、県の再評価の予定にかかわらず検討できることです。前回再評価での反省点を踏まえて、次回再評価ではどのように対応する予定であるのかをお示しいただきたいと思います。 ◎水道局長(中島勝利君) (登壇) 委員会審議の傍聴に関する今年度の対応についての御質問でございました。 国の要領では、再評価に当たっての委員会審議は公開の場で行うことが原則であるとされております。その公開の在り方につきましては、直接傍聴の形式に限らず、様々な方法が存在しますが、どのような形で公開を行うかにつきましては、今後、諮問機関において議論され、決定されるものと認識をしております。 議員御指摘の前回の再評価につきましては、闊達な議論と充実した審議を図るために、報道関係以外につきましては、別室の傍聴室にてモニターを通じて傍聴していただくという判断になったものでございますが、委員会当日の事務局側の運営におきまして、通信の不具合等により御迷惑をおかけした部分もあったことは、私も報告を受け、把握をしております。 今回の再評価につきましては、傍聴の方法や場所等、公開の在り方につきましては、今後諮問させていただく委員会の中での議論で決定されることになるものと認識をしておりますが、あわせまして、事務局の運営を行う場合におきましては、委員会の決定に準じて十分に準備をしてまいりたいと考えております。以上です。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) 真に公正な審議を行うには、治水を含めて総合的に行うほうがいいのではないかと私は考えます。県の事業評価監視委員会では、利水の見識が不足するというならば、その分野に精通した専門家を交えればよいのではないでしょうか。事業継続ありきの考えではなく、公平・公正な評価を行う意思があるならば、その方法は幾らでも考えられると思います。 繰り返しになりますが、本当に必要な事業であるかについて多くの疑問が投げかけられている事業であり、今も反対を続ける住民がおられるのですから、住民らが納得できるよう、公平・公正な審議をしていただき、勇気ある決断ができるように進めていっていただくことを望みます。複数の市民団体から、県・市に対して請願や要請が出されていると思いますが、まさにこの思いから出されたものであると思います。現段階では具体的な答弁ができないというのであれば、最後に、再評価に当たって、予断を持たず、公平・公正に進める意思があるのか伺います。 ◎水道局長(中島勝利君) (登壇) 再評価に当たっての進め方の公平公正性に対する本市の認識への質問がございました。 まずもって、事業の必要性につきましては、県の治水、本市の利水のほか、環境影響等を含めた総合的な内容に対しまして、高い公益性と緊急性を認める司法判断が既に確定しているところでございます。 一方で、再評価は、国の実施要領に定められております事業をめぐる社会経済情勢の変化や費用対効果、代替案立案可能性等について審議をしていただくことになります。本市といたしましては、司法判断を下地としながら、その後の社会経済情勢の変化等に適合させるための必要な修正や見直しをかけていくのが再評価の中で求められているものと認識をしております。 当然この再評価を進めるに当たりましては、国が定めたルールに従いまして、冒頭市長が申しましたとおり、公正かつ適正に進めていく必要がございますので、過去の再評価を参考に、国や県の意向を確認しながら適切に対応してまいりたいと考えております。 以上です。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) 石木ダム建設事業にはこれまで多くの時間と経費が投じられてきました。それだけ多くの市民負担があったということです。冒頭述べたとおり、13世帯の住民が暮らし続けている限り、ダムが完成することはありません。完成する見通しがない事業をさらに延長し、市民負担を重ねていくことは、市民にとって不利益であると考えます。 他方、川棚町では、これまで50年以上、石木ダム建設に翻弄され、苦しめられてきた住民がいます。常にダムに頭を悩ませながら人生の大半を過ごされています。いつまでもこのような状況を続けてよいはずがありません。 県や市は、事あるごとに司法判断が示されたとおっしゃいますが、ダム建設の見通しが立っていない中での司法判断であり、現実的にダムができるかどうかとは別問題です。再評価は、このような今の状況を見詰め直すよい機会です。単なる行政手続として進めるのではなく、佐世保市民や川棚町の住民福祉を考えて真摯に臨むべきものです。 以上の点を踏まえ、最後に、市が再評価を進めるに当たっては、公平で総合的な審議の下、市民や住民の疑問に答えられるような形で行われるべきであると指摘し、質問を終わります。 ○議長(林健二君)  暫時休憩をいたします。     11時48分 休憩     13時30分 再開 ○副議長(久野秀敏君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。1番柴田英樹議員。 ◆1番(柴田英樹君) (登壇) 市政会の柴田英樹です。 通告に従いまして、順次質問を行います。 質問は、大きく二つの項目について進めていきたいと思います。 まずは、ICT教育とその課題について、質問を行います。 現代社会において、ICT教育は重要な役割を果たしており、特に学校教育におけるICTの活用は、児童生徒の学習意欲向上や学習効率の向上に大きく寄与しています。 しかし、その実現には多くの課題が存在します。特にGIGAスクール構想の実施においては、評価と検証の問題、1人1台端末の目的外使用、教職員のICTスキル向上など、様々な側面での取組が求められています。 今回は、これらの課題に焦点を当て、具体的な質問を通じて、現状の問題点とその解決策について議論を進めていきたいと思います。 GIGAスクール構想は、全ての児童生徒に1人1台端末を配付し、高速大容量の通信ネットワークを整備することで個別最適化された学びを実現することを目的としています。この構想により、日本の教育現場は大きな変革を遂げようとしています。 しかし、OECDの調査によると、日本の学校におけるデジタル機器の使用時間は依然として低く、ICT活用の面で他国に後れを取っている現状があります。このような背景から、GIGAスクール構想の導入後の評価と検証は不可欠です。 GIGAスクール構想の評価と検証に関して、具体的なデータの収集と分析も重要です。これには、端末の利用頻度や学習成果の向上度、教職員や児童生徒からのフィードバックなどが含まれます。しかし、現状ではこれらの評価がどのように行われているのか明確ではありません。また、評価結果を基に、どのような改善策が講じられているのかも重要なポイントです。これらの点を明らかにすることで、今後のICT教育の方向性をより明確にすることができます。 そこで、お答えいただきたいのですが、GIGAスクール構想が導入されてからの具体的な成果についてどのように評価し、検証されているのか、また、その評価結果を基にした改善策はどのように進められているのかについて教えてください。 続いて、1人1台端末の目的外使用に関する問題は、ICT教育において避けて通れない課題となっています。特に授業中に児童生徒がゲームやSNSにアクセスするなど、学習に関係のない用途で端末を使用するケースが報告をされています。これにより周囲に悪影響を及ぼし、学習の集中が妨げられ、教育効果が低下する可能性があります。 佐世保市教育委員会でも、ICT機器の適切な使用を確保するためのモニタリングが強調されていると思いますが、情報モラル教育の充実が叫ばれる中で実際にどのような対策が取られているのか把握することが重要となります。 1人1台端末の目的外使用に対する対策としては、技術的な制約を設けることが有効ではないでしょうか。具体的には、フィルタリングソフトを用いて不適切なサイトへのアクセスをブロックしたり、使用履歴をモニタリングするソフトを導入したりすることが考えられます。 また、これらの技術的な対策だけでなく、教育現場における情報モラル教育の強化も重要です。情報モラル教育を強化することで、児童生徒がICT機器を正しく使用し、学習に集中できる環境を整えることができます。 さらに、教職員の役割は特に大きいと言えます。教職員が児童生徒の端末使用を適切に監督し、必要に応じて指導を行うことで学習環境を整えることができます。 また、教職員自身も、ICT機器の適切な使用方法や情報モラルについて十分な理解を持つことが求められます。このためには、教職員向けの研修やセミナーを定期的に開催し、最新の知識とスキルを提供することが重要です。 そして、保護者との連携も不可欠となります。家庭においても、児童生徒の端末使用状況を把握し、必要に応じて適切な指導を行うことが求められます。保護者向けの説明会やワークショップを通じて、家庭でのICT機器の使用に関するルールづくりを支援することが有効です。これにより、学校と家庭が連携して児童生徒の健全なICT機器の使用習慣を育むことができます。 以上のような総合的な対策を講じることで、1人1台端末の目的外使用を防ぎ、ICT教育の効果を最大限に引き出すことができます。これにより、児童生徒が学習に集中できる環境を整え、情報モラルを持った将来の社会人としての基礎を築くことが期待されます。 そこで伺いたいのですが、学校における1人1台端末の目的外使用の実態についてどのように把握をしており、その対策としてどのような施策を講じているのか教えてください。 続いて、ICT教育の成功には、教職員のICTスキル向上が欠かせません。教職員がICTを効果的に活用できなければ、児童生徒への指導も不十分なものとなり、教育効果が期待できません。GIGAスクール構想では、教職員のスキルアップを図るための研修やサポート体制の整備も重要な要素として位置づけられております。 特に佐世保市では、スマート・スクール・SASEBO羅針盤という情報共有インターネットサイトを活用し、教員同士のICT活用の情報共有が行われております。 しかし、これらの取組がどのように行われているのか、その実施状況と効果についての検証が必要だと考えています。教職員のICTスキルの向上のための研修やサポート体制は、教職員が新しい技術や教育方法を習得し、実際の授業で活用するために重要です。これには定期的な研修やワークショップ、ICT支援員の配置などが含まれます。 また、研修の効果を測定し、必要に応じて内容を改善していくことも重要です。これにより、教職員が自信を持ってICTを活用できるようになり、児童生徒の学習環境も向上します。 さらに、スマート・スクール・SASEBO羅針盤の活用により、先進的なICTの活用事例を共有し、教職員間での学び合いを促進することも求められます。 そこでお尋ねしたいと思いますが、教職員のICTスキルを向上させるための研修やサポート体制はどのようになっているのでしょうか。また、その課題と改善策について教えてください。 次に、新たな地域公共交通について、質問を続けます。 佐世保市の公共交通は、市民の日常生活に欠かせない重要なインフラとなっております。高齢化社会の進展や環境保護の観点から、公共交通の利便性と持続可能性を向上させることは急務と言えます。 これに伴い、佐世保市では、スマートバス停とバスロケーションシステムの導入、MaaSの導入計画、そして、高齢者や免許返納者向けの公共交通サービスの充実が検討されております。 近年、技術革新が進む中で、公共交通の分野でも、デジタル技術を活用した新たな取組が始まっております。佐世保市では、既にバスロケーションシステムが導入されており、利用者の利便性向上と運行管理の強化が図られております。 バスロケーションシステムは、リアルタイムでバスの位置情報を提供し、利用者がバスの到着時間を正確に把握できるようにするものです。これにより、バスの待ち時間のストレスが軽減され、より効率的な移動が可能となります。また、運行管理者にとっても、バスの位置を常に把握できるため、運行異常時の迅速な対応が可能となります。私も利用していますが、バスに乗る機会がとても増え、とても便利なシステムだと実感しております。 しかし、バスロケーションシステムとスマートバス停の導入には、多くの課題が伴います。例えば、システムの維持管理にかかるコストや、技術に慣れていない高齢者への配慮が必要です。 また、導入後の利用者からのフィードバックを収集し、システムの改善を続けていくことも重要です。 特にスマートバス停については、設置場所や設置基準の明確化が求められております。さらに、システムの利用促進のためには、広報活動や市民への教育も不可欠です。 そこで、何点かお伺いしたいのですが、まず、スマートバス停とバスロケーションシステムの導入状況や、これらのシステム導入後の利用者の満足度や運行管理体制の改善について、具体的な効果や課題について教えてください。 次に、これらのシステムの導入によりどのような問題が解決されたか、また利用者からのフィードバックや意見にはどのようなものがあるのか、お伺いをします。 さらに、スマートバス停のさらなる増設やバスロケーションシステムの機能拡充の計画はあるのでしょうか。あるのであれば、その際の優先地域や具体的な設置基準について教えてください。 次に、MaaSについてお伺いします。 MaaSは、複数の交通手段を一つのサービスとして統合し、ユーザーにシームレスな移動体験を提供する新しいモビリティーの形だと言われています。佐世保市でも、このMaaSの導入が検討されており、地域の公共交通網の効率化や利用者の利便性向上が期待されております。 MaaSは、スマートフォンアプリを通じて交通手段の予約や検索、支払いを一元管理し、利用者が最適な移動手段を簡単に選択できるようにするものです。しかし、MaaSの導入には、技術的な課題があり、運営体制の整備も必要です。システムの構築には多額の費用がかかるだけでなく、複数の交通事業者間の連携やデータ共有が不可欠です。また、利用者が新しいシステムに適応するための教育や広報活動も重要です。これらの課題を解決するためには、市と交通事業者、そして市民が協力し合うことが求められます。 そこで伺いたいのですが、佐世保市におけるMaaS導入の具体的な進捗状況と導入に向けた課題や問題点は何でしょうか。 また、MaaS導入により期待される効果や市民の生活にどのような変化がもたらされると考えているか、教えてください。 最後となりますが、高齢者人口の増加に伴い、運転免許証を自主返納する高齢者が増えております。これにより、高齢者の移動手段の確保がますます重要になっています。 佐世保市では、高齢者や免許返納者向けの公共交通サービスを充実させるため、様々な施策が検討されています。これにはコミュニティバスの導入やデマンドタクシーも含まれます。 さらに、佐世保市はすり鉢状の地形をしており、交通が不便な地区が多いという特性があります。この地形的な課題により、特に高齢者や移動が困難な市民にとって、公共交通の利便性向上は非常に重要です。 坂道や急な勾配が多いため、自家用車を手放した高齢者にとっては日常的な移動が大きな負担となります。高齢者向けの公共交通サービスを充実させるためには、サービスの利用促進とそのための情報提供が課題となります。高齢者が新しいサービスを利用するためには、利用方法の周知やサポートが必要です。また、高齢者がサービスを快適に利用できるようにするためのインフラ整備や利用者のフィードバックを基にしたサービス改善も重要です。さらに、地形的な課題を克服するために、交通手段の多様化や柔軟なサービス提供が求められます。 そこで、お尋ねをします。高齢者や運転免許証の自主返納者など交通弱者に向けた公共交通サービスの現状と、その利用促進のために行っている具体的な施策について教えてください。 また、佐世保市の地形的な課題を考慮した上で、今後、さらに高齢者の移動手段を確保するための新しい取組や計画はあるのでしょうか、併せてお答えいただければと思います。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 1項目め、ICT教育とその課題についての中で、一つ目のGIGAスクール構想の評価と検証についてお答えいたします。 議員御案内の国のGIGAスクール構想を受けまして、本市におきましては、スマート・スクール・SASEBO構想を作成し、取り組んでまいりました。本計画は、児童生徒に新しい時代を生き抜く創造性や社会性を身につけさせることを主たる目的として、いつでもどこでも様々な学習に活用できる文具として、端末を活用するものでございます。 目的の一つに、時間や距離の制約から解放された学びを掲げておりますが、一例を申し上げますと、先般、小佐々中学校におきまして、日本本土最端中学校交流会を開催いたしました。これは日本本土内の東西南北の4端に位置する北海道の2中学校と鹿児島県の1中学校、そして最西端の小佐々中学校がオンラインでつながり、合同学習を行ったというものでございます。 4校には直線距離で4,270キロメートルの隔たりがございますが、互いに心を通わせながら、それぞれの学校やふるさとを紹介し合い、学び合う、感動的な学びの機会が実現いたしました。 また、個々の学習状況に応じた学習の実現も目的の一つでございます。現在、理解度に応じて出題されるAI型ドリルを市立全小中学校に導入し、個別最適に学びを進めるなど、児童生徒がそれぞれの目的に向かって、自らの学びを追求することが可能となってまいりました。 これからも日常的な端末の活用を推進しながら、これまで以上に学習効果の高い学びの実現に向け取り組んでまいりたいと考えております。 次に、1人1台端末の目的外使用とその対策についてでございます。 技術的な対策といたしまして、現在、児童生徒に配付した端末にはフィルタリングソフトを導入し、学習に必要がないサイトについては閲覧制限を行っておりまして、ゲームやSNSにアクセスすることはできない仕組みといたしております。 また、デジタル技術を使って、社会に積極的に参画する能力となるデジタルシチズンシップを育成するための有識者による教職員向けの研修を実施し、ICTモラルを含めた児童生徒の望ましい情報活用能力の育成を図っているところでございます。 教育委員会といたしましても、技術的な対策の精度を上げていくとともに、子どもたちのあり余る探求心を学習に向かわせる授業づくりの工夫についても、今後も模索してまいりたいと考えております。 また、家庭との連携につきましては、現在実施しておりますいのちかがやく月間、この6月のことでございますが、この月間中に長崎県教育委員会が作成されましたSNSノート・ながさきという教材を使いまして、SNSの使い方について、保護者と連携した学びを実践しているところでございます。 次に、議員御案内の教職員のICTスキル向上のための取組についてでございます。その取組としまして、本市が参画しておりますGoogle for Education パートナー自治体の強みを生かし、令和2年度より同社のバックアップを受け、全教職員を対象としたICT利活用研修を実施してまいりました。 また、ICT支援員18名を配置し、教員のICT活用の補助や機器の管理について、支援体制を構築しております。 あわせて、スマート・スクール・SASEBO羅針盤を開設し、全ての教職員がそれぞれの授業アイデアを投稿したり、閲覧したりできるようにすることでICT活用推進を支援してまいりました。 これらの取組の結果、毎年度、文部科学省が実施しております学校における教育の情報化の実態等に関する調査におきまして、授業にICTを活用する能力などの本市の教員のICT活用指導力は、全ての項目で全国でも上位の結果となっており、本市小中学校のICT活用を推進する原動力となってございます。 また、本市が独自で行っている調査におきましても、授業で毎日ICTを活用している教員の割合が、令和2年度51.5%であったものが、令和5年度94.4%と大きく上昇しておりまして、教員の意識も高まってきている状況にございます。 これまで申し上げましたとおり、GIGAスクール構想における効果は様々でございますが、先ほどお伝えした教員のICT活用指導力に係る調査結果において、他の数値と比較しますと、協働的な学習の場面でICTを活用する項目の数値がやや低い実情がございます。主体的で対話的かつ深い学びの実現に向けた授業自体の改善が喫緊の課題になってきたと認識しております。 このような課題を解決するために、教員の能力向上を目的とした、より具体的で個別の課題に即した研修を実施するとともに、最先端の取組やデジタルコンテンツなどの情報収集を図るなど、より効果的な学びの在り方を引き続き研究してまいる所存でございます。 以上でございます。 ◎地域未来共創部長(中尾健一君) (登壇) 2項目めの新たな地域公共交通についてお答えいたします。 まず、スマートバス停とバスロケーションシステムの導入状況とその効果について、お尋ねがございました。議員御案内のとおり、これらはいずれも、乗りたいバスの位置情報がリアルタイムで確認できる便利なシステムで、バス利用に対する利便性を大きく向上させています。 バスロケーションシステムは、スマートフォンのアプリを使ってこれらを確認できるもので、令和5年2月からサービスが開始されており、アプリのダウンロード数は令和6年6月現在、約3万3,000となっております。 スマートバス停は、このバスロケーション機能と時刻表を併せてデジタル表示したもので、佐世保バスセンターをはじめ、京町、ハウステンボス、長崎空港など利用者の多い市内18か所、市外2か所のバス停に設置されています。 システム導入後の利用者の反応は、「バス遅延状況を確認でき、バス停での待ち時間が減少した」また、「乗車予定のバスが遅延しているのか、通過済みなのかが確実に把握できる」など、その効果を評価する声がほとんどで、現時点においては大きな問題点は確認されていないということでございました。 また、運行管理体制の面でも、運行状況の問合せや時刻表の貼り替えが減少し、社員の負担軽減につながったこと、また、運休の場合の迅速な情報発信が可能となったことを効果として挙げられております。 本市といたしましても、スマートバス停とバスロケーションシステムは、利用者の利用実態の面、交通事業者の負担軽減の面からも効果は大きいものと考えておりますが、今後、増設や拡充の計画につきましては、議員御懸念のとおり、導入経費や維持管理、あるいは電源確保等の課題もあり、現時点では流動的とのことで、利用者数や設置条件等も考慮しながら設置箇所の選定や時期等について検討していきたいとのことでございました。 次に、本市におけるMaaS導入の具体的な進捗状況と課題や問題点についてお答えいたします。 まず、MaaSとは、議員御案内のとおり、複数の交通手段を一つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ移動の概念で、運賃等の決済と併せて運用する例が多いとされております。複数の交通モードから最適なルートを選択するという効果と、当該ルートに係る決済を一括で完了できるという、大きく二つの効果が存在いたします。 本市でのMaaS導入実績といたしましては、本市と株式会社ゼンリンの包括連携協定による取組の一つとして、西九州エリアの地形、歴史、文化をつなぐストーリー型周遊ルートにMaaSを設定したSTLOCALを導入しております。 また、長崎県のMaaS導入実績といたしましては、トヨタファイナンシャルサービス株式会社が提供するアプリmy routeが導入されており、県内交通事業者の連携により、1日乗車券や観光と交通の各チケットを一括購入できるデジタルチケットの販売等が行われております。 また、本年8月からは、九州7県と経済団体、九州各地の交通事業者など約60の事業者が加盟した一般社団法人九州MaaS協議会によるmy routeのサービスが開始予定でございまして、県境や複数の交通事業者をまたぐ乗車券をワンストップで購入することが可能となる予定です。 次に、MaaS導入により期待される効果や市民生活の変化についてお答えいたします。 まず、期待される効果についてでございますが、冒頭に申し上げましたとおり、MaaSは複数の交通モードから最適なルートを選択することで効果が得られることから、本市を訪れる観光客にとっては大きな効果をもたらすものと考えられます。周遊に係る事前調整のストレスが解消され、観光客の増加に大きく寄与するのではないかと考えております。 一方、日常的な市民生活に関してその効果を見た場合、目的地への交通手段が限られている現状においては、ルート選択が限られ、効果は限定的になると考えられます。また、決済手段を含めて考えても、導入コストに見合うパフォーマンスを求めることは現段階では難しいのではないかと考えているところでございます。 次に、高齢者向けの公共交通サービスについてお答えいたします。 まず、現状についてでございますが、議員御案内のとおり、路線バスの運行がない、いわゆる交通不便地区においては、中通地区などで運行するコミュニティバスや、三川内地区などで運行するデマンドタクシーを使って対策を講じているところです。いずれも既存のバス路線につなぐという考えの下に運行しております。 利用促進としては、西肥バスとさせぼバスにおいては、満75歳以上の方が無料で乗車できる敬老パスや、満65歳以上の方が1か月7,000円で利用できるリフレッシュパス65、松浦鉄道においては、満65歳以上の入会者を対象とした1,500円で全線乗り降り自由の1日乗車券、佐世保市タクシー協会においては、満65歳以上の免許返納高齢者が運転経歴証明書を提示すると、料金が1割引きとなるサービスが実施されております。 また、路線バスにおける高齢者等の利便性向上のための取組として、低床バス車両を導入されており、本年4月現在で西肥バスが182台、させぼバスが6台、全体の約7割で低床車両が運用されている状況でございます。 今後の新しい取組や計画につきましては、現在、行き先をバス停に限定しているデマンドタクシーについて、区域内であれば到着地を柔軟に設定できる制度変更ができないか検討中であり、また、これに加え、現在策定中の地域公共交通計画の中で、自家用有償旅客運送の導入について検討することとしております。 これにつきましては、永安議員の御質問でもお答えいたしましたとおり、全国にその事例が存在しておりますので、本市の地形や利用実態に合った形で効果的な制度設計ができればと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆1番(柴田英樹君) (登壇) それぞれに御答弁いただき、ありがとうございました。 これまで述べてきましたとおり、ICT教育の進展や公共交通の改善は、佐世保市の未来に大きな影響を与える重要な課題です。GIGAスクール構想の評価と改善策、1人1台端末の適切な利用促進、そして教職員のICTスキル向上は、持続可能な教育環境を築くために必要不可欠です。 また、スマートバス停やバスロケーションシステムのさらなる推進、高齢者向け公共交通サービスの充実は、市民の日常生活の利便性を大きく向上させます。 これらの取組が円滑に進むよう、引き続き市民の声を反映しながら全力で取り組んでいただくことを期待しまして、私の質問を終わります。 ○副議長(久野秀敏君)  22番永田秀人議員。 ◆22番(永田秀人君) (登壇) 22番、市民クラブ会派の永田でございます。 本日は大きく2項目、市職員の人材確保対策について、子ども・教育政策に関する子どもの意見反映についてという、この二つを質問項目として上げさせていただきました。順次質問させていただきます。 まず、一つ目の市職員の人材確保対策についてでありますが、小項目の一つ目として、4月実施の市職員採用試験の効果と課題についてといたしました。 市職員採用試験4月実施については、去年から先行実施枠と銘打ちまして採用試験を実施しておられます。 今年度の募集要項を手に取ってみましたけれども、この先行実施枠の説明については、例年6月のみ実施していた採用試験を先行して実施し、早期に最終合格を発表するとしながら、既卒の方については早ければ8月採用も予定しており、公務員試験対策不要の試験なので、民間企業との併願を考えている方にもお勧めの試験ですといった言葉が並んでおります。募集内容は大卒の事務職、技術職、それからUJI枠も加えておられます。人数が明記されているのは、保育士と薬剤師が1名程度、獣医師が2名程度と書いている以外は若干名となっているのも、この辺は選考することを前提にこういう形になったのかなと考えております。こういった採用募集の中身について、特に技術職については、以前から獣医師などを筆頭に欠員が続いているため、これは議会としても認識しているところでありますが、事務職も含めた先行実施枠をされたのは、全国的に公務員志望者が減っているといったことを意識されたのではないかと思っております。 いずれにせよ、こういった取組が求める人材の確保につながっているのか、これが一番気になるところであります。昨年6月に、この先行実施枠の結果について職員課にお尋ねしたところ、事務職は求める人数以上の応募があったけれども、土木職などは募集定数以下の応募だとお聞きしました。募集した人材全てを満たすまでにはいかなかったと聞いております。その後の6月の採用試験もあっていますけれども、4月の先行実施枠がどれぐらい効果があるのかが気になるところでありまして、今年も再度、この4月の採用試験(先行実施枠)を実施されているところでありますので、昨年以降一定の成果は上がっているということで続けていると思っております。 そこで、4月の採用試験(先行実施枠)が人材確保にどの程度の成果があり、課題等はどうなっているのか確認します。 まずは、昨年と今年の4月の採用試験の結果がどのような状況なのか、お答えいただきたいと思います。特に早期に採用が内定したけれども、その後、採用を辞退することもあるのではないかと思っておりますので、そのあたりも含めてお答えいただきたいと思います。 その上で、昨年度と今年度の結果を受けまして、4月の採用試験(先行実施枠)をどう評価されているのか、今後も続けていくつもりなのか、そういった部分、改善や見直しの余地があるとお考えなのかといった点をお答えいただきたいと思います。 続きまして、小項目の二つ目は社会人経験者枠の導入の意図についてですが、これは、今年度、大卒事務職の受験資格のうちの年齢を昭和59年4月2日以降生まれの方、つまり今年の4月1日時点で39歳の方までを対象とし、上限を引き上げるといった中身でございます。 欠員が続いている土木職・建築職のUJI枠は、さらに上の55歳未満の方まで対象を広げていますけれども、事務職についても、ここまで採用枠を広げられたのはどういった考えによるものなのか気になっております。今後、この採用枠拡大の効果について評価をしていくためにも、社会人経験者枠で目指しておられる点、どういった考えで導入したものなのかをお答えいただきたいと思います。 また、小項目が前後してしまいましたけれども、先行実施枠に関してもう一点、他都市の取組との相違点についてお聞きしたい。 4月の採用試験実施に関していろいろと資料を見ておりましたら、他都市のほうで、同じような4月の採用試験をやっているところがあり、沼津市が採用試験を4月中旬に実施して、技術職の応募が倍増して欠員が埋まったようだということを雑誌の記事で読みました。具体的な数字までは探せなかったんですけれども、思った以上に効果があったということで、佐世保市の場合、技術職は若干埋まり切っていないとお聞きしていましたので、こういった部分は本市とは何が違うのか、他都市と同じことをしていて大丈夫なのか、対策になるのかという気もいたします。 沼津市をはじめとします他の都市の取組と佐世保市との違い、また参考にすべき点があるのかどうか、こういったことを佐世保市として調べ、また考察することが必要だと思いますが、そういったことがなされているのか、なされているのであれば今後の取組への反映などをお考えなのかどうかお答えいただきたいと思います。 二つ目の大きな質問項目は、子ども・教育政策に関する子どもの意見反映についてでございます。 令和5年4月にこども基本法が施行され、また、こども家庭庁が発足しました。それから既に1年経過したわけでありますが、このこども基本法第11条では、国・地方公共団体に対して、子ども施策に関する子ども等の意見の反映のために必要な措置を講ずることを求めております。 また、こども家庭庁の正式発足に先立つ令和4年11月、こども家庭庁設立準備室というところから都道府県及び政令市の担当部局宛てに、「こども基本法に基づくこども施策の策定等へのこどもの意見の反映について」といった、タイトルがついた文書が出されております。 この文書の中で私が注目しましたのは、子どもへの意見聴取は施策の内容や目的などに応じて、多様な手法を組み合わせながら実施することが重要と書いてある点です。さらに、積極的に意見を言える子ども、言いたい子どもだけではなく、脆弱な立場に置かれた子どもをはじめ、様々な状況にある子どもや低年齢の子どもを含めて、多様な子どもの声を聞くことといったことを留意点として示されています。 これはこども基本法に先立つ、児童の権利に関する条約の精神に即したものであると思いますし、こういった視点は大変重要かつ有意義であると考えております。 そこで、現在、佐世保市が進めている取組の中で子どもの意見反映という考えがどの程度実現されているのか確認し、また改善の余地がないのか、議論したいと思っております。 そこでまず、小項目の一つ目、次期「新させぼっ子未来プラン」策定に関してお聞きします。 本市では、子ども・子育て政策の基礎となります新させぼっ子未来プランが今年が更新時期になっており、現在、次期計画策定に向けて、様々調査が行われていると認識しています。今回、その中に子ども自身に対するアンケートも含まれておると、このように聞き及んでおります。 そこで、今考えられているアンケートはどういった実施方法を考えられているのか、お答えいただきたいと思います。 それから、このアンケートについては、2月26日に開催されました第27回佐世保市子ども・子育て会議、こちらのほうで説明があっておりまして、委員からもいろいろ質疑があっておりました。この中で、子どもに関するアンケートに関して、学校経由でアンケートをすると聞いたけれども、その場合、学校に来られていない不登校の児童生徒の声は聞けないのではないですかといった質問があって、そのときは明確な答えがなかったと思っております。その点についても御回答いただきたいと思います。 それから、アンケート以外の意見を聞く方法、これについてもお考えをお聞きしたいと思います。冒頭で述べました、こども家庭庁設立準備室が出した文書では、子どもからの意見聴取の手法について、例えば、児童館や子ども向けの施設、青少年向けの施設など日頃から子どもと直接接している職員であったり、子どもや若者の支援・参画といったものに関わっている民間の団体、それから学生や若者といった人材、そういった様々な人材をファシリテーターやサポーターとして活用するということが例として挙げられております。 そういったアンケート以外の、子どもたちとの日常的な接点から意見を酌み上げるという手法について、次期新させぼっ子未来プランの策定作業において実施していくお考えはおありなのかどうか、お答えいただきたいと思います。 続きまして、小項目二つ目、夜間中学開設準備についてお聞きしたいと思います。 現在、佐世保市教育委員会は、来年4月に向けて夜間中学の開設を目指しており、これは先ほど午前中の質問の中でも出ておりましたけれども、さらに、不登校特例校の展開も視野に入れておられるということは、3月定例会で説明があっておりました。 この3月の時点での方針決定に先立ちまして、佐世保市教育委員会は夜間中学に関するニーズ調査を行っているという説明もあっておりましたが、3月定例会では、そこの詳細確認までは行っていなかったため、資料を改めて佐世保市教育委員会から頂きました。その資料によりますと、ニーズ調査は回答が50人から寄せられて、そのうち夜間中学に入学したい、もしくは入学させたいという回答が7人、14%、条件等によっては入学したい・入学させたいという方が25人、50%に上り、合わせて、32人、64%の方から利用したい・させたいという意向があったということになっておりました。 佐世保市教育委員会は、このニーズ調査の結果も踏まえて、まず来年、夜間学級(夜間中学)を開設して、将来的に学びの多様化学校を設置したいという考えだと理解しております。 私としましては、この準備段階で当事者であるこの夜間中学への入学を希望される児童生徒の意見がどのように、そしてどこまで反映されるのかが気になっております。 ところで、昨年実施分のニーズ調査の回答者の属性を見てみましたら、現在不登校となっている学齢生徒の回答に、条件によっては入学したいという方がいらっしゃるのですが、その回答した人の年齢を見ると、40代、50代という方が含まれておりまして、学齢生徒の本人ではなく、回答したのは不登校、もしくは夜間中学に実際通う御本人なのか、その周りの御家族・支援者なのか迷ってしまう中身になっていました。 こういった夜間中学に関する調査は、長崎県も令和2年度に行っておられまして、最初の設問で、夜間中学で勉強したい人は誰ですかと聞いてあり、回答者が当事者なのか、それ以外なのかが分かるようになっていましたが、佐世保市教育委員会の調査ではこのあたりの設問の作り方がまずかったようで、調査の回答者が、夜間中学を利用する当事者なのかどうか分からない形になっていたようです。 こういう点を見ますと、佐世保市教育委員会が昨年行った調査は正確性が不十分といいますか、当事者の声をどれぐらい聞いているのか、不明瞭だと思います。 そこで、まず、昨年のニーズ調査が一体どういった手法でどういった方に対して実施されたのか、お答えいただきたいと思います。 そして、その上で、昨年のニーズ調査では、入学したい、もしくはさせたいという回答を64%の方からいただいていますけれども、そのうちの50%は条件等によっては、というのが前置きされている。つまり、条件が合わなければ入学しないということでございますので、その条件がどういったものなのか把握するためにも、追加の調査が必要ではないかと思うところであります。佐世保市教育委員会として、夜間中学のニーズについて、追加調査などを行う考えはないのか、お答えいただきたいと思います。 小項目三つ目に子ども・教育政策全般に関してともしておりますが、こちらは答弁いただいてから再質問で触れたいと思いますので、よろしくお願いします。 ◎総務部長(田所和行君) (登壇) 1項目め、市職員の人材確保対策についてお答えをいたします。 まず、4月実施の市職員採用試験の効果と課題についてですけれども、この先行実施枠の試験は令和5年度に初めて実施したものでございます。 4月に実施した経緯といたしましては、本市では、これまでにも事務職においては、公務員試験対策不要の試験方法を取り入れたり、技術職についても教養試験を廃止して専門試験のみとするなど、就職活動を行う学生の負担を軽減するとともに、公務員だけではなく、民間志向の学生でも受験が可能となるような取組を行ってきたところでございますが、昨今における大学生の就職活動のスケジュールを鑑みた際に、特に新卒については、就職活動の早期化等の実態を踏まえた中で、民間志向の学生も含めて広く関心を持ってもらい、少しでも公務員に興味がある学生に佐世保市を受験してもらいたいという目的で実施したものでございます。最近では、他の自治体においても、この先行採用枠の採用試験を実施しているところが増えている傾向にあると思われます。 あわせて、近年、最も採用者数が多い事務大卒の応募者数が減少傾向にあり、令和4年度は過去最低を記録したこと、また技術職においては、職種によっては定員割れが発生し、人材確保が困難になってきたことも先行実施枠の試験を行うに至った理由の一つでございます。 お尋ねの昨年度と今年度の先行採用枠試験の実施状況でございますが、全職種の受験者数で昨年度が122名に対し、最終合格者は28名、今年度が同じく135名と43名でございました。 4月の先行実施枠の試験の課題といたしましては、早めに内定が出せる反面、その後に他の自治体等との併願もできることから、採用辞退者も一定発生しており、昨年度においては、事務大卒の数字でございますが、合格者25名に対して10名の辞退者が発生している状況でございます。なお、今年度は現時点で辞退の申出はあっておりません。 この状況は、昨年6月の通常実施枠の採用試験では、同じく事務大卒で合格者14名に対して辞退者2名という状況と比較すると、4月の先行実施枠試験の実績はまだ1年のみのため、これだけで評価することは難しくはありますが、辞退者が多い傾向があるとしても、早期に一定の内定者を確保できることでその後の採用計画を早めに追加修正ができるなど、先行実施枠試験を実施するメリットは大きいと考えております。 一方で、技術職については、一部の職種については先行実施枠試験をもってしても必要数の確保に至っていない状況であり、大学への募集情報の発信やインターンシップの積極的な受入れなどにより知名度を上げていく必要があるものと考えております。 人事院の人事行政諮問会議の中間報告の中でも記載されておりますが、現在、官民を問わず、人手不足感は高い状況にあるとのことでございます。 また、過去においては、景気が冷え込み、民間企業等の採用が落ち込むとその反動で公務員志望者数が増加するという傾向が見られたようでございますが、少子化や都市部への人口流出が進んでいく中で、今後、他の公共団体だけではなく、民間企業等との間での人材獲得競争がさらに激化することが見込まれるものと推察をしております。 以上のことからも、4月に実施しております先行実施枠試験については有効な手法の一つとして、今後も継続していく方向で考えているところでございます。 次に、社会人経験者枠の導入についてでございますが、この導入の目的といたしましては、新卒者を中心とした募集だけでは必要な人材の確保が年々難しくなってきていること、また、近年では特に若年層を中心として、転職に対する意識が変化をしてきており、民間等に就職した方も公務部門への転職ニーズが一定見込まれ、民間等で培われた知識、経験を行政の分野で活用していただくことで市民サービスの向上にもつながるのではないかと考えたものでございます。 議員から沼津市の事例の紹介がございましたが、同市は、若手職員が自主的に集まって、効果的な採用試験の在り方について検討・提言を行っており、採用試験の時期の前倒しのほか、専門試験の廃止、面接回数を減らす等の取組が実施され、応募者が増加したと聞き及んでおります。 沼津市が実施されている専門試験の見直しなど、就職活動を行う学生に負担をかけない工夫も必要である一方で、行政という法令に基づいて指導・監督する役割を果たすための専門知識も必要であり、そういった適切な人材をどのように確保すべきか、本市においてもあらゆる方法を排除せずに検討し、他都市で結果が出ているものは積極的に取り入れていきたいと考えているところでございます。 ◎子ども未来部長(岡雄一君) (登壇) 質問2項目め、子ども・教育政策に関する子どもの意見反映についてのうち、小項目一つ目の次期新させぼっ子未来プラン策定に関してお答えいたします。 議員御案内のとおり、本市における子ども・子育てに関する施策を総合的に推進するための5か年間の計画である第2期新させぼっ子未来プランは、今年度が計画の終期となっておりまして、現在、令和7年度を始期とする次期計画の策定作業を令和5年度から進めております。 次期計画の策定に当たっては、こども基本法第11条におきまして、「国・地方公共団体は、こども施策を策定・実施・評価するに当たり、施策の対象となるこどもやこどもを養育する者等の意見を反映するために必要な措置を講ずるもの」と定められていることから、施策に対する子ども等の意見の反映は必須となっております。これは子ども・若者の意見を聞くことで、子どもや若者の状況、ニーズをより的確に踏まえた実効性のある計画になるとともに、子どもや若者にとって自らの意見が十分に聞かれ、自らによって社会に何らかの影響を与え、変化をもたらす機会となり、自己肯定感や自己有用感、あるいは社会の一員としての主体性を高めることにつながるものとされております。 議員からお尋ねがありました一つ目、現在考えているアンケートの実施方法はどのようなものかにつきましては、これはこれまで行ってきた取組を含めましてお答えさせていただきます。 まず、本年3月、市内在住のゼロ歳から5歳の子どもを持つ保護者を対象に、子ども・子育て支援に関するニーズ調査を実施いたしました。この調査は、平成27年度の第1期目となる新させぼっ子未来プランの策定時から継続的に実施している定点観測調査でございまして、子ども・子育て支援法に基づく教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の量の見込みとその提供体制の確保を図るための調査となります。 実施方法は、住民基本台帳から無作為に抽出した約3,000名を対象に調査票を御自宅へ郵送し、調査用紙の返送または市のアンケートシステムを活用したオンラインによる回収で行いました。 次に、本年5月末、市内の小学生及び中学生とその保護者を対象としたアンケート調査に着手しております。この調査は、本市における子どもの生活状況や家庭状況の実態、本市の子ども・子育て支援に関するニーズ等を把握するために実施するものでございまして、教育委員会及び教育現場と連携し、GIGAスクール構想において児童生徒に配付されているタブレット端末を活用したオンラインによる実施としております。 続きまして、二つ目、不登校の児童生徒の声についてどのように意見を聞き、反映させるのかというお尋ねについてお答えいたします。 こども家庭庁が公表しているこども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン及び多様なこども・若者の意見反映プロセスの在り方に関する調査研究では、多様な子ども・若者の意見を聞き、政策に反映していくために、表出されやすい意見だけでなく、声を聞かれにくい子ども・若者の意見を聞くことが重要であり、意見を聞くことができない子ども・若者が存在することを意識し、可能な限り工夫を行うこととされております。 本市といたしましても、不登校の児童生徒など声を上げにくい子ども・若者の意見聴取の方法について、前述の国が策定したガイドラインなどを参考にしながら取り組んでまいりたいと考えております。 最後に、アンケート以外での子ども・若者の意見聴取方法についてでございますけれども、現在、本市の附属機関である学識経験者、子育て支援団体及び子育て当事者などで構成された佐世保市子ども・子育て会議におきまして、令和5年9月から新たに大学生3名を委員として起用し、子ども・若者の視点から意見を聞く取組を行っております。 また、市内の一般企業で働く既婚者、未婚者及び子育て中の20代から30代を対象としたグループインタビューを実施し、アンケート調査では拾えない働く若い世代のリアルな意見を聞くことで、本市における子ども・子育てに関する実態や子育て世代のニーズ等を把握する取組を行っております。 そのほかといたしまして、子どもたちと日常的な接点があるさせぼ子ども食堂ネットワークや子育てサークルネットワークさせぼなどの子育て支援団体と連携を図りながら、アンケート以外での意見を酌み上げてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 2項目め、子ども・教育政策に関する子どもの意見反映についての二つ目、夜間中学開設準備に関しての御質問についてお答えいたします。 まず、令和5年12月に実施いたしましたニーズ調査の方法及び対象者についてでございます。本市に夜間学級、いわゆる夜間中学を開級する上での基礎調査として、どの程度の入学希望者がいらっしゃるのかを事前に把握するために、年齢や入学の意思などを入力していただく簡易的なアンケートをどなたでも回答できますよう、ウェブ上で実施をいたしました。 このアンケートは、本市ホームページに掲載して実施をいたしておりまして、市運用のSNSとリンクさせることで広く周知をすることができました。SNSで発信した直後に30件近くの回答をお寄せいただきまして、市民の皆様の夜間中学への関心の高さがうかがえました。この調査から一定のニーズを把握することができたところでございます。 次に、追加の調査が必要ではないかとのお尋ねがございました。このニーズ調査では、最終的に50件の回答をいただき、そのうち32件に入学の意向を確認することができました。 また、電話番号やメールアドレスを御記入いただいておりました28件につきましては、直接連絡を取って、1件1件丁寧に聞き取り調査を行い、一定の御意見をいただいたところでございます。 入学希望者の現状や入学の意向の確認だけではなく、仕事との両立のことなど入学に対する不安や悩み、それぞれの切実な思いをお聞きすることができております。お話を伺う中で、「入学を迷っていたが、今の電話で背中を押してもらえた」、また、「不安が大きかったが、まずは入学説明会に参加してみることにした」などの声をいただき、お一人お一人の思いに寄り添った聞き取り調査の必要性を改めて実感いたしました。 いずれにいたしましても、夜間中学を待ち望んでいる方々の思いを形にできますよう、引き続き開級に向けた準備に力を注いでまいりたいと思います。 以上でございます。 ◆22番(永田秀人君) (登壇) 1回目の答弁ありがとうございました。 まずは、順次再質問したいと思います。まずは職員の人材確保対策に関してですが、答弁をお聞きしまして、事務職も含めて、人材確保が難しくなりつつあるということが感じられました。それに対して、市当局としましても様々な取組をされているということも理解してございます。 ただ、一連の取組でも技術職など十分には充足できていないということを考えますと、やはりまだ何か足りないようだという感じもいたします。沼津市の欠員が埋まったという話も聞いておりましたので、なおさらその思いが強くなっております。 いろいろなポイント、視点があるとは思いますけれども、私個人としましてはやはり採用後の働き方・処遇といったものも見直していく必要があるのではないかと思っております。特に今SNSなどで個人が情報発信できる環境が整っている中で、増加する中途退職者が辞めた後に、職場としての佐世保市はどうだったかをどのように発信しているか無視できないと思っておりまして、そう考えるとなおさら一人一人の処遇に十分配慮していく必要があるように思っております。 今気になっている例としては、現在、臨時給付金事務局が設置され、何人か専任もおられますけれども、兼務配置の方々について、「それぞれの職員にとって労働強化になってるんではないのか」という声をお聞きしました。 具体的な例としては、日中は臨時給付金事務局の仕事をしておられて、終わって時間外に本来の業務を行うといった仕事の仕方をされている方がいらっしゃるようだと聞きまして、これが事実であれば、まさに行政内でダブルワークをしているということでありますので、短期間ならば何とかなるかもしれないけれども、長期間にわたりますとかなりの労働強化、負担が相当増えると思います。 こういった兼務に関しては、異動の内示が議会にも参ります。これを見ますと、給付金事務局に関する兼職配置については、頻繁に職員の入替えがあっておりまして、おそらくそれも兼務の期間が長くなると、職員が潰れかねないといった配慮ではないかと受け止めております。 こういった状況の背景には、国がコロナ禍以降、単年度限りの給付金の支給を繰り返してきたことも背景にございますが、単年度だから取りあえず兼務でというやり方を続けて、職員の負担が実際どうなっているかを考えないと、いつか破綻するではないのかと危惧しておりますし、最近、議会で繰り返し取り上げられている若年層の早期退職が増えていることを見ますと、もしかしたら既に破綻しかけているのではないかとさえ思います。 こういったものも含めまして、個々の職員の労働環境、処遇面の改善についてどのようなお考えなのか、お答えいただきたいと思います。 それから、社会人経験者の採用枠についても答弁いただきましたけれども、やはりこれも人を確保するための知恵を絞った一つの形だと思います。社会人経験者、いわゆる中途採用の場合、前の仕事との処遇の格差の問題、前の職場の経験・知識をどう活用するかといった課題があります。また、本人が転職時に持っていた、前の仕事と違う仕事がしたい、こういう仕事がしたいんだという意欲を踏まえた配属決定なども必要だと思います。そういった考えるポイントは多岐にわたり、単なる人数の確保策というだけでなく、多様な人材をしっかり生かしていく手だて、ここにも目配りが必要だと考えております。 そこで、新たな社会人経験者枠を導入するに当たり、そういった配慮はされているのかお答えいただきたいと思います。 それから、人材確保に関連する話題としましては、従来の定数削減計画も無理が来ていると思います。これは私見ではありますが、能登半島地震以降、復興作業や避難所運営などに当たる人材が不足しているといった話も聞きますので、こういったことを踏まえても、市として人員に対する在り方を再考する必要が出てきているのではないかと考えております。 この人員体制の議論に関連して、佐世保市では現在、労働団体、職員団体との協議事項の範囲について、地方労働委員会と裁判で争われておりますが、働く環境について広く関係者の意見を聞くという意味では、労使で協議することについてもやはりきちんと見直していく必要があるのではないか。現在、市としては、ここから先は協議事項でないとしていることを地方労働委員会から指摘されて、これに対して反論している状況でありますが、この労使協議の範囲についても、これまでの考え方を見直していく必要があるのではないのかなという思いを持っております。この点についてもお答えいただきたいと思います。 さて、大項目、子ども・教育施策への子どもの意見反映について移りたいと思いますが、こちらも再質問いたします。 次期新させぼっ子未来プランの策定に向けた意見聴取については、いろいろなチャンネルで取り組んでいく考えを確認できました。 ただ、ここまでのお話ですと、子どもの中でも10代中頃から後半にかけての高校生の年代、こういった子どもたちの意見がどこまでカバーできているのかというのが課題のように思われます。 特に次期プラン策定後、個別の施策を進める際に改めて対象となる子どもの意見を聞くということも必要になるのではないかと思いますが、今回のアンケートと同様、どうしても佐世保市教育委員会経由、小中学校経由で意見を聞くことが多くなるのではないかと思ってしまいます。そうすると、佐世保市教育委員会で関わっていない高校生や中学卒業後に進学しなかった子どもの声をどう聞いていくのかも気になります。 そこで、こういった10代後半の子ども・若者に関する施策についての意見聴取を、どのようにお考えなのかお答えいただきたいと思います。 そして、子どもの意見聴取に関しては、メール等の活用についてもお聞きしたいと思います。今の夜間中学に関しては特に、不登校に関する目配りもあると聞いております。この不登校やひきこもりに関する専門家へ話を聞いた際、子どもや若者からの意見聴取や相談受付に関しては、メールなどネット・スマホ経由のテキストベースのやり取りが有効であるといった意見を見聞きしております。 スクールソーシャルワーカーの経験者の方とお話ししたときにも、小学校の二、三年生ぐらいだったら既にタブレットを使いこなしており、メールなどでやり取りはできるといった話を聞きました。 また、子どもによっては電話や直接面談する形よりも、メール・チャットといったテキストベースのやり取りのほうが精神的なハードルが低いという意見もあるようです。 今回の子ども未来部の次期プラン策定に関して、タブレットでアンケートを集めているわけですが、子ども・教育制度全般についても、今後、恒常的な相談受付などでタブレット・スマホを活用することもお考えなのかどうか、お答えいただきたいと思います。 ここまでは子ども未来部に関してお聞きしたいところでありますが、佐世保市教育委員会に関しては、夜間中学のニーズ調査について再質問したいと思います。 現在、既にニーズ調査に関しては追加調査がされているということ、それから、今後予定される説明会でも聞き取りをされていくのだろうと認識しました。 ただ、現時点では、調査の対象者が昨年のニーズ調査でつながった人に限られていると思うわけでありまして、そうすると改善の余地があると思います。 夜間中学に関しては、県の令和2年度の調査の中では、ニーズは外国籍の方の比重が高くなっておりました。今回の佐世保市教育委員会の調査は日本語のみで行われているようでありますので、外国籍で夜間中学に関心のある方がこのニーズ調査につながれたのかは気になっております。 また、外国籍の方については、御家族の中に日本語を話せる方がいるかいないかでも差が出ますし、また文化的な慣習の違い、これが夜間中学の利用に影響するということも考えられます。そういう点でも、夜間中学の対象者になると思われる外国籍の方の意見を聞く必要があるんではないかと思っております。 さらに言えば、このニーズ調査は、先ほどの教育長の回答によると、ホームページを通じて、また市のSNSとリンクさせ、ネット経由で実施した調査でありましたので、インターネットの利用ができない方には情報が届いていない可能性がございます。いわゆるデジタルディバイドの問題でございます。 特に県外の夜間中学では、高齢者の中に学び直しのニーズがあるとお聞きしております。子どもの意見反映という枠から少し外れてしまう部分でありますけれども、高齢者も含めた夜間中学の潜在的な対象者、こういった方々のニーズ・意向を調べる必要があるのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。高齢者やネットを使えない情報弱者、こういった方への周知や意見聴取について、佐世保市教育委員会としてのお考えをお答えいただきたいと思います。 それから、ニーズ調査については、結果の公表についてもお聞きしたいと思います。先ほどから取り上げていますこども家庭庁設立準備室の文書の中には、子どもの意見を聞くに当たっての留意点として、聞かれた意見がどう扱われたのか、子どもにフィードバックすることや、広く社会へ発信していくことという記載がございます。子ども未来部長の答弁にも、先ほどそういった、プラスの効果があるという話があったと思っております。聞きっ放しはいけないということでありますが、佐世保市教育委員会の昨年度のニーズ調査については、結果の資料を請求して頂くことはできましたが、市のホームページなどに掲載はされていませんでした。公表がされていないということでありますけれども、これはどういったお考えなのかお聞かせください。 また、今後の調査については、ホームページでの結果の公表や、お答えされた方に個別にメール等でお知らせするなど、フィードバックについて考えられているのかも併せてお答えいただきたいと思います。 ◎総務部長(田所和行君) (登壇) 1項目め、市職員の人材確保対策についてにおける職員の働き方や処遇の見直し等に関する再質問について、お答えいたします。 職員の働き方の面につきましては、ICTやデータ活用等も含めたデジタル化のほか、業務や組織を大胆に変革するDXといった手法を活用して働き方そのものの見直しや、男性の育児休業の取得促進など、ワーク・ライフ・バランスの充実を図っていく必要があるものと考えておりますが、本市では、一例として休暇制度に関して、本市の子育て支援に係る政策との兼ね合いも踏まえつつ、これまでも子の看護休暇や育児休業制度の見直しのほか、国に先んじて不妊治療休暇(出生支援休暇)を設けるなど、職員が妊娠、出産、子育てしやすい環境づくりという観点から適宜見直しを行っているところでございます。 一方で、処遇面につきましては、特に技術職を中心に、民間企業では初任給の引上げ等が行われており、このことが公務部門を志望する学生が減少傾向にある一因ではないかと認識をいたしております。 地方公務員の給与制度は、地方公務員法において、社会一般の情勢との適応、あるいは国や民間との均衡といった、いわゆる情勢適応の原則や均衡の原則が設けられていることから、本市では、国あるいは人事院勧告に準拠した給与制度とすることで民間の実態が一定反映されたものになっているものと考えておりますが、実態としては民間に追いついておらず、処遇面において競争力が弱い部分もあろうかと思います。 この処遇面における対策に関して、特に人材確保が困難となっている獣医師に関しては、令和4年度から給与面での処遇改善を図ったところでございますが、本市では、他の技術職においても欠員状態が続いている職場や職種があることから、その解消に向けた方策については今後も検討していく必要があると認識をしているところでございます。 なお、議員から御質問のありました社会人経験者の処遇につきましては、給与面において初任給計算時の前歴換算での優遇措置を講じており、採用後の配置につきましては、それまでの知識、経験を生かすことができる所属への配置を行うといった措置は行っているものでございます。 今後はこれに加えて、職員のやりがいやエンゲージメントの向上といった観点から、頑張った職員が評価され、報われるといった仕組みをより強化するなど、様々な手法について検討を行い、めり張りのある処遇を行っていくことや、スペシャリストとして特定の分野で知識・経験を発揮できるような人事制度の構築などを通じて魅力的な職場となるよう努めていきたいと考えているところでございます。 こうすることにより、先ほど議員から御指摘がありました職員の早期退職に関しても一定歯止めがかかり、離職防止につながっていくのではないかと考えているところでございます。 また、長崎県労働委員会との訴訟との関連で、労使協議の範囲の見直しについての御質問がございましたが、この件は現在係争中の案件でありますので、この場での発言は控えさせていただきたいと思います。 ただし、本市といたしましては、給与や休暇制度の見直しを行う場合など、職員の勤務・労働条件に関する部分については、地方公務員法をはじめとした関係法令に基づいてしっかりと交渉していくというスタンスであることに変わりはなく、現在においても、その部分に関しては関係団体との交渉を適宜適切に行っているところであることは申し述べておきたいと存じます。 以上でございます。 ◎子ども未来部長(岡雄一君) (登壇) 議員からお尋ねがありました一つ目、高校生などの10代後半の子ども・若者に関する施策についての意見聴取はどのように考えているのかということについてお答えいたします。 今回、次期計画の策定におきまして、こども基本法第10条に、市町村は、国のこども大綱及び都道府県が策定するこども計画を勘案するように定められており、本市といたしましても、長崎県こども計画の策定状況について、動向を注視しているところでございます。 長崎県に確認しましたところ、現在、県では、10代後半の子ども・若者の意見聴取につきまして、高校生を対象としたアンケート及び高校生・大学生との意見交換などを7月頃から実施する予定であり、本市におきましては、県が実施するアンケート調査等の結果を踏まえながら計画に反映させてまいりたいと考えております。 続きまして、二つ目、恒常的な相談受付にタブレットやスマートフォンを活用することも考えているのかというお尋ねについて、お答えいたします。 現在、児童生徒に配付されているタブレット端末にはお悩み相談の機能を有しておりまして、市の教育委員会をはじめとした関係機関が対応している24時間子供SOSダイヤルやメール相談などの相談先の一覧を掲載し、恒常的な相談受付が行われております。 今回実施した小学生及び中学生のアンケート調査結果を検証しまして、今後も教育委員会と協力・連携しながら、引き続きタブレット端末の活用に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 再質問の1点目、まず、外国籍や高齢者の方々の潜在的ニーズの調査についてお答えいたします。 本市では、誰一人取り残さない多様な学びの機会の保障を目指しておりまして、そのためには、一人でも多くの方に夜間学級の存在を知っていただくことが必要であろうと考えております。議員御指摘のとおり、外国籍や高齢者の方々にも夜間学級の情報を十分にお届けすることが開級までに解決すべき課題の一つであると捉えております。 解決策の一つといたしまして、佐世保市在住の外国籍の方々にお知らせできますさせぼEチャンネルの活用を予定しております。させぼEチャンネルは、本市の様々なローカルニュースを英語でお届けするバイリンガル情報サイトでありまして、市内在住の外国籍の方々が多く閲覧されておりますウェブサイトになります。インスタグラムやフェイスブックなどのSNSともリンクをしておりまして、2,500人を超える方々がフォローされているため、市内在住の外国籍の方々へ周知する方法の一つとして期待をしております。 また、高齢者の方々へのアプローチの方法といたしましては、させぼ市政だよりでのテレビ放送やチラシの班回覧に加えて、佐世保市民生委員児童委員協議会会長会などに事務局職員が訪問し、周知についてお願いをさせていただく予定でございます。 テレビ放送やチラシの班回覧によって全世帯に周知をし、さらに各地域にお住まいの高齢者の御事情に精通されております民生委員・児童委員の皆様方のお力もお借りしまして、開級についての情報を広げていくことで、インターネット利用ができない方などにも情報をお届けできるようになるのではないかと期待しております。 次に、2点目、ニーズ調査の結果の公表及びフィードバックについてお答えいたします。 夜間学級を開級するに当たりましては、入学者の思いや事情などを取り入れること、活用することが非常に重要であろうと思っております。今後、夜間学級の特設ホームページを開設し、ニーズ調査の結果も含めた夜間学級の情報について随時発信していくこととしておりまして、今後、開催予定の入学説明会につきましてもホームページに掲載し、広く周知していきたいと考えております。 入学説明会では、入学希望者やその御家族お一人お一人の思いを直接聞き取ります。さらに入学を希望される方々とは、後日、個別の面談を実施する予定でございます。個別の面談で得られた情報等を基に基本方針や制度を策定し、あわせて、市民の皆様へも夜間学級の開級に向けての進捗状況などをホームページでお示しするよう努めてまいります。 なお、こども家庭庁が策定しておりますこども・若者の意見の政策反映に向けたガイドラインには、子どもや若者自身の意見が聞かれ反映されることは、子どもや若者、社会にとって大きく二つの意義があると示されております。一つ目は、ニーズをより的確に踏まえることができ、施策がより実効性のあるものになるということ、二つ目は、自己肯定感や自己有用感、社会の一員としての主体性を高めることにつながり、民主主義の担い手の育成に資することができるということでございます。 子どもや若者にとって、自らの意見によって社会に何らかの影響を与え、変化をもたらすという経験は、今まさに求められている資質・能力の育成に必要不可欠なものであると考えております。入学希望者の声を夜間学級の在り方として反映することによって、生徒の自己肯定感や自己有用感も育んでいきたいと考えております。 また、その入学希望者の声を反映した学級の在り方についても、ホームページ等で市民の皆様に広く発信し、フィードバックをしてまいります。 いずれにいたしましても、まずは入学説明会に、より多くの参加者に御出席いただけますよう、積極的に周知を図ってまいります。さらに、入学を希望されている方から御意向を伺うことはもちろんでございますが、入学を悩まれている方、迷われている方にも直接お会いいたしまして、思いや悩みに丁寧に寄り添いながら、固定概念にとらわれない新しい学級づくりを目指してまいります。市民の皆様から応援していただき、誇りに思っていただけるような佐世保市の夜間中学校の開級に向けて、今後も研究、協議を進めてまいりたいと思っております。 以上でございます。 ◆22番(永田秀人君) (登壇) 御答弁いただきました。ありがとうございました。 思うところを述べさせてもらって終わりにしたいと思います。まず、人材確保に関しましては、答弁の中で、処遇に関して、人材確保面での競争力の弱い部分があるというお話がありました。なかなか悩ましい部分があり、特に人事院勧告準拠という枠組みの中ではできることに限界があると思っておりますが、だからこそ職員一人一人の働き方に丁寧に目配りしていく必要が増しているのだと思っております。市長にはその辺についての目配りをお願いしたいと思っております。 それから、人事院という言葉が出ましたけれども、先日、人事院総裁がNHKの番組の中で、国家公務員の人手不足に関連して、定数を増やすことも政府として検討する時期に来ているという発言をしておりました。これまで公務員というのは定数を抑えて、財政改善が必要という方向であったものが、国のほうでも無理が来ているという話になっている。 これまでの行財政改革というのは、私は地方自治体のほうが国以上に進んでいる、進めてきたと認識しておりますので、国がここで公務員定数抑制方針を見直すようであれば、当然自治体でも同様のことを考える必要があるのではないのかと思っております。今後の国の動向を見ながら、改めて機会を見て要請いただきたいと申し添えたいと思います。 労使協議の件につきましては、勤務労働条件に関する部分はしっかりと協議すると、交渉するといった話でありますが、それは当然であり、現在、係争中でありますのはその範囲について職員団体と齟齬が生じているためで、ここがスタートであります。私としては、第三者機関である労働委員会の意見を踏まえて考えるべきだと強く申し上げたいと思います。 こちらにしても、こういった労働面での争議が長期化することが、新規採用募集にも影響していないのかと思っていることも申し添えたいと思います。その上で、訴訟に関することは今後の動向を注視していきたいと思っております。 さて、子ども、そして教育施策に関してでありますが、先に夜間中学に関してお話ししたいと思います。夜間中学の開設の次の事業としては、不登校特例校、多様な学びの場の創設といったものがあると認識しておりますけれども、子ども施策に関心のある方と話す際には、不登校特例校の設置よりもフリースクールなどに支援するほうが先ではないかといった声もあったり、また同じように、設置するにしても子どもの意見をどう聞いていくかが大事といった意見もお聞きしましたので、将来的に不登校特例校、多様な学びの場といったものを目指すのであれば、不登校の当事者、家族、支援団体といった意見もしっかり聞いて、参考にすべきだということをお話ししておきたいと思います。 それから、学校の中で、子どもの意見を聞かれる方はいろいろいらっしゃいます。先生以外でも、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーといった方がいますが、複数校兼任している現状では、子どもの意見を十分聞けるのかという点に引っかかりがございます。教育委員会としても、随時、段階的に拡大し、人を増やしてきていることは理解しておりますけれども、まだまだその辺について改善点があるような印象もあります。 スクールソーシャルワーカーの兼任者の方からは、「私たちは職員会議に入れないんです」という話も聞いており、全部に入る必要はないのかもしれないですけれども、学校内部でスタッフ間の情報・課題の共有について、改善の余地があるのではないのかなと感じますので、その辺についても、今後、手直ししながら進めてもらえればと思っております。 それから、子どもの意見聴取と政策への反映の部分について、子ども未来部長の答弁の中で、意見を聞くことができない子ども・若者が存在することを意識し、可能な限り工夫を行うといった言葉がありました。本当に大事だと思っております。そこについて、やはり引き続き頑張っていただきたい。 特に10代後半の聞き取りについて、県の取組を見てからということは、仕方がない、当然だと思いますけれども、県が十分できていないこともあり得るので、ぜひ県の取組についてしっかり見ていただいて、穴があったら埋めていただく、そういうところも含めて取り組んでいきたいと思っております。 子どもの意見を聞く、それを政策に反映する部分については、子どもの権利条約との関係で議論されている分でありますが、子どもの権利条約が国連総会で採択されたのは1989年。そして、日本が批准したのが1994年でございます。もう今年で30年目となりますので、30年かかってやっとこの精神の具体化に着手したと思っています。ですが、やはりそうすると、国の指針は当然でありますが、市としてはそれに準じるだけでなくて、子どもの権利条約の精神にのっとって対応を深化させることを期待しまして、今回の質問を終わります。よろしくお願いします。ありがとうございました。 ○副議長(久野秀敏君)  暫時休憩いたします。     14時56分 休憩     15時20分 再開 ○議長(林健二君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。19番崎山信幸議員。 ◆19番(崎山信幸君) (登壇) 30分しか時間がありませんので、順次質問をいたします。よろしくお願いいたします。 1項目め、本市の基地政策についてでございます。 本年、令和6年度から第7次佐世保市総合計画における後期基本計画がスタートしました。その中には市長のマニフェスト、99の政策も反映され、新たな佐世保市の方向性として進められると認識をしております。また、それらの政策・施策の実施に当たりましては、施政方針でも述べられたように市民目線、対話重視を基調としながらも大胆な市政運営に当たられると思っております。 そこで、後期基本計画において機構改革による政策体系の変更に加えて、基地政策がこれまでの行政経営からまち分野へと変更になっております。このことは市長とされても本市の特徴である自衛隊基地・米軍基地の所在をまちづくりに積極的に生かしていこうとの考えから、このような形を取られたものと理解しております。 昨年4月に長崎県の県庁組織の中に危機管理部ができました。その中に基地対策・国民保護課もできました。佐世保市議会としても、県に対しましては基地に特化した部署をつくってほしいという要望をしておりましたので、評価するところであります。 県におかれては、これまで基地に関する佐世保市の問題・課題に対し、国への要望活動に同行していただくことはありました。しかし、県においては、基地に関する施策や事業というものは、ほぼほぼなかったと認識をしております。今後は様々な施策や事業が展開されることを期待する中、昨年から大石知事と宮島市長のトップ会談形式による県・佐世保市政策ミーティングを立ち上げられ、協議項目として基地を生かしたまちづくりが盛り込まれていると承知しております。そのミーティングも直近5月に開催されたと聞き及んでおりますが、このような取組がスタートしたことは、県とされても佐世保市との連携をより一層強化し、互いに協力して各種施策を推進していくことで、佐世保市・県北地域の発展につなげたいとの意思を好意的に捉え、期待をしています。 しかしながら、これまで歴史を踏まえ、重要なポイントとして基地問題・基地政策に関しては佐世保市が主導権をしっかり握っておくべきです。佐世保市は佐世保市の考え、ポリシーがあって、佐世保市のやり方があります。国防政策に対するスタンスといったことも含めて県には十分御理解をいただき、しっかりと御協力をいただきたいと思っています。 県との協力として、これまで佐世保市の発展のためとして様々な施策・プロジェクトが立ち上がりました。冷静に振り返ると、結果的に佐世保市の基地経済を底上げするような果実が得られていると私は思っておりません。 代表的なものとして、西九州新幹線では、苦渋の選択の結果、短絡ルートを認めざるを得なかった事実があります。私もいろいろな企業の方と話をする中で、新幹線はもう現実的には佐世保市には見込めないという一種の喪失感を感じることが多くあります。実際に長崎に新幹線が開業した現在、人の流れというのは誰が見ても県央・長崎で、佐世保市への流れは寂しくなってきた感があります。 先日、県から頂いた資料の中でも、県央の人口はほぼ減っておらず、佐世保市は大きく減ってきているという事実を突きつけられ、佐世保市の経済を考えたときにこの状況をそのまま放置し、苦渋の選択のままでいることはできません。まさに打開策としてIRを一つの起爆剤として経済効果、インフラ整備等を進めようとしましたが、残念ながらIRもなくなりました。 先般の新聞報道では、大村市の市長はIR整備計画の再申請を県に求められたようですが、大村市は空港を抱え、24時間空港化を目指し、経済効果に結びつけようとの考えの中で当然の行動なのかなと私は思っております。個人的には佐世保市もまだ食い下がってもよいのではないかとの思いは持っておりますが、ここでIRの議論を行うつもりはございません。佐世保市に残された道は何があるのか、企業立地ということになりますが、県内においても熾烈な誘致合戦を展開している現実がある中で、工業用水をふんだんに有する自治体に勝つことは容易なことではありません。諫早市がそうですね。 このような状況にあることを考えたときに、本市経済の下支え、佐世保市には基地があるんです。まさに基地なんです。私としてはもう一度しっかりと米軍基地・自衛隊基地の存在とその価値を見直すことが必要だと思っております。だからこそ市当局とされても基地を生かしたまちづくりを進めていくのだと思っております。 具体的に市民や企業が基地の所在による効果をさらに多く享受し、生活を向上させるといういわゆる基地経済の向上に向けての取組について、役割も含め、まずはどのように進めていこうと考えておられるのかお尋ねをいたします。 次に、昨年9月の私の一般質問の中で、防衛産業の活性化というキーワードを出して市当局からお答えをいただきましたが、当然、防衛産業の中には、国・米国国防総省が抱えている防衛産業というレベルの問題があることは私も十分認識しています。 そのような中で、今年5月に県から頂いた資料、日本海事新聞によるとSSKの親会社である名村造船所が日本の防衛予算の増加や地政学的なリスクの高まりによって海上自衛隊の艦艇や海上保安庁の巡視船の修繕ニーズが拡大しており、造船業、新たな成長局面が期待できるというような前向きな意向が示されておりました。 国の動きとしても、岸田総理が先般、アメリカに渡って日米首脳会議を行った中で、米軍の艦船を日本で修理することなどを議論する作業部会の設置について合意がなされており、今月11日には艦船整備作業部会の初会合が開催されております。この動きは米側も積極的にやっていきたいという意思の表れであると思いますし、また、そういう流れを増やしていく、いきたいということだと思っております。 この流れ・動きがすぐに結果に結びつくのは難しいし、ある程度の年数がかかると思いますが、佐世保市にとってはすごいチャンスだと思っております。またとないチャンスなんです。市当局とされてこのような動きをどのように捉えておられるのか、私としては、昨年の一般質問で防衛産業に関してその実態、中身を把握することから取り組むべきということが市当局として踏み出される第一歩の扉・入口を開いたつもりですが、ここから先の動きをどのように戦略的に考えておられるのかお尋ねをいたします。 2項目めでございます。人口減少・人口流出、雇用の人手不足でございます。 なかなかすっきりと解決策が見えない人口減少・人口流出問題ですが、御承知のとおり、本市の人口も平成大合併により2010年に26万1,000人となりましたが、この年をピークに減少し、2024年4月の推計人口は23万873人となっており、極めて厳しい人口減少状態が続いています。 その中でも特に問題となるのが経済活動を担う15歳から64歳の生産年齢人口の減少です。また、出生数の減少から、これから生産年齢人口となる14歳以下の人口も減り続けています。とりわけ人口流出において本市においては転出者が転入者を上回る転出超過が続き、その数は2023年には1,860人、全国市区町村の中でワースト5位、移動傾向年代別で見ると20代、30代で全体の6割、若年層の流出が本市の大きな要因となっています。 株式会社長崎経済研究所が「長崎県内の将来人口推計~2050年のすがた~(概要版)」を出しております。佐世保市の将来人口の推計、6年後、2030年、21万6,000人、16年後、2040年、18万6,000人、厳しい数字となっております。 先般、開発を手広くされている企業の経営者の方と話をする機会がございました。九州熊本、承知のとおり台湾半導体企業TSMCの進出により多くの人材が今熊本に流れております。資格を持たない人においても時給3,000円とのことです。単純に計算をして1日6時間働いて1万8,000円です。10日で18万円、20日で36万円、企業においては大卒初任給で約30万円弱というところまで上がっているとのことです。かなりの人材が福岡から流れているとのことです。流出している福岡にもかなりの企業があります。流出する人材をどこから確保しなければなりませんか。九州の二大都市、福岡、熊本が必死に人材確保をしてくる際、賃金で人材確保に走り出す、そういうことになると地方は勝負できません。この流れに巻き込まれると、本市においても若年層の流出を止めることがかなり難しくなるのではないでしょうか。そうなると人口流出のスピードは早まり、6年、7年後には本市の人口が20万人を切る可能性があるのではないかと心配をします。本市企業の人手不足は間違いなく深刻な状態になってきます。 人手不足の対策のうち、外国人労働者について、初日の一般質問で、永安議員が質問され、一連のやり取りをされましたが、さきの3月定例会において田中議員と労働者不足のやり取りがなされた際、当局が示した内容で人手不足を抱える市内の中小企業に対して、デジタルツールを活用して人手をかけずに業務効率化や生産性向上を支援する中小企業デジタル化支援事業やIT分野に関心のある市民向けのプログラマー育成講座などを開発するデジタル人材育成事業を実施し、IT人材不足を抱える市内企業とのマッチング支援も行っていると答弁がなされました。 そこで、答弁されたそれぞれの支援事業・育成事業の内容をいま一度説明してください。また、それぞれの支援によって人手不足はどのように解消されると想定されているのかお示しをしてください。 3項目め、本市の交流人口についてです。 2項目めで話をしたように、地方においては今後ますます人口減少が進んでいくものと考えております。人口減少が社会に与える影響は非常に大きいものとなっています。本市もそれに直面していると思います。 新幹線により大村市、諫早市の県央地域、長崎市は他県とのアクセスが容易になり、また、新幹線効果に併せ、市街地の再開発など新たなまちづくりが進められています。加えて、長崎市においては、出島メッセなどコンベンション施設やヒルトン、マリオットなど外資系ホテルの開業をはじめ、JR長崎駅の新駅ビル誕生など、人の往来が活発化する要素が多分にあり、実際、長崎駅やその周辺は平日・休日とも来訪者の方々で大変にぎわっている印象を受けます。 さらに長崎市では、本年10月に長崎スタジアムシティが開業を控えるなど、100年に一度の変革期と言われており、成長・発展が続いています。スポーツにおいては、長崎県初のプロバスケットボールチームであるB3からB1まで一気にかけ上がった長崎ヴェルカ、7年ぶりのJ1昇格の期待が高まるV・ファーレン長崎の活躍など、長崎県全体で見ると明るい要素であります。 しかし、集客施設の開発は諫早市、長崎市に集中しており、本市への集客効果は限定的なものとなるのではないでしょうか。人口減少対策として長期的には少子化対策を行い、子どもの数を増やしていくことも重要であると思いますが、効果が出るまで相当な時間がかかると思います。では、どうするのか。現在の悪循環に歯止めをかけ、経済を回していくためにはどうするのか、私は一つの手段として、現状において交流人口の拡大にもっともっと力を注ぐべきだと思います。 御承知のとおり、交流人口とはその地域に訪れる人のことです。訪れる目的には観光に限らず、レジャー、通勤・通学、ショッピングなど様々なものが挙げられます。先日、長崎県と佐世保市で来年開催される自転車の国際レース、ツール・ド・九州を佐世保市に誘致する方針であることが示されました。交流人口の拡大を図るという意味では非常に期待が持てるものではないでしょうか。 このようにどうしても交流人口はイベントなど、観光要素が大きいものが頭に浮かんできますが、交流人口の拡大を図っていくため、各部局が危機感と意識を持ってそれぞれ取組を進めていくことが非常に重要であると私は思っております。 そこで、お尋ねをいたします。 本市においては、観光をはじめクルーズ客船や誘致の受入れ、スポーツ、移住など様々な分野で交流人口拡大に向けた取組がなされていると思いますが、具体的な取組についてそれぞれ部長よりお示しください。 1回目を終わります。 ◎基地政策局長(北村敬男君) (登壇) 質問の1項目め、基地政策について、基地経済の向上に向けての取組並びに基地を生かした今後のまちづくり計画についての御質問にお答えいたします。 議員御案内のとおり、第7次総合計画後期基本計画におきましては、基地政策をまち分野へ変更し、基地の所在を生かしたまちづくりの推進を図っていくこととしております。また、長崎県におかれましても、基地に関係する問題・課題に対しまして積極的に関与していくために、令和5年度から基地対策・国民保護課を組織されており、そのスタートに合わせ、本市と県において職員を相互に派遣し、基地に関する情報共有を図り、本市と県が連携した取組も進めているところでございます。 一方、長崎県知事と佐世保市長で立ち上げられました県・佐世保市政策ミーティングにおきましても、基地の所在を生かしたまちづくりは協議項目の一つとなり、県と本市が協力してその取組を推進していくこととなっております。 県と本市の連携した取組といたしましては、国の防衛費が令和5年度から大幅に増額されましたことを踏まえ、県と本市それぞれがどのような施策を展開すべきなのか、また、国への要望内容や要望の在り方などを検討するため、県と本市の職員による意見交換の場というものを設けております。その中で今年度の取組としまして、知事、市長と防衛政策に詳しい国会議員との意見交換を実施すること、基地経済に係る調査を行い、あわせて、国の基地関係予算をより多く本市に取り込むための提案をいただく業務を委託事業として実施すること、そして艦船修理や受注機会拡大に関する企業や関係者などとの意見交換を実施していくこと、この3点が県と本市の間で確認をされております。 これら三つの取組について御説明いたしますと、まず、知事と市長による国会議員との意見交換に関しましては、国防・安全保障に知見を持っておられる国会議員に国の動向や地方自治体や企業に求められていることなどの助言をいただき、本市並びに県の基地に関する政府施策要望をより効果的なものにすること、また、県内・市内企業の受注拡大につなげていくことを目的としております。 次に、基地経済調査・提案業務に関しましては、昨年9月定例会におきまして、防衛産業に関して、その実態・中身を把握して取り組む必要があるのではないかとの崎山議員の御指摘も踏まえまして、本市において今年度実施することを決定いたしました。県とされましても基地経済の調査等を行うことの必要性を認識されており、積極的な関与の姿勢の一つとして補助金制度を創設され、今年度、本市がこの補助金を活用し事業を実施しております。現在、調査・提案業務の受託事業者の決定に向けた作業を進めているところでございます。 この基地経済調査・提案業務の内容について申し上げますと、調査業務につきましては、本市に所在する基地の発注状況及び企業の受注状況や市外の企業が受注している要因分析、艦船修理に関するサプライチェーン調査、経済効果分析や企業が抱える受注増のための課題の聞き取り、これらを実施することとしております。一方、提案業務につきましては、調査業務で得られた結果を踏まえ、本市の経済活性化に資する効果的な提案を求めることで、企業や行政の事業展開につなげていきたいと考えているところでございます。 また、この業務に関しましては、委託業務となりますが、専門的知見・スキルが要求されるとの判断から、より優れた業者選定を行えるように公募型プロポーザル方式により実施いたします。 次に、艦船修理や受注機会拡大に関する企業や関係者などとの意見交換に関しましては、昨年9月定例会で議員からも御指摘がありましたように、防衛産業を担う市内の企業から様々な情報を得ながら、本市並びに県としての方策・施策の検討を行い、また、企業側にも国が求めているものなどの情報提供を行ってまいります。日米間の防衛装備品に関する協力が加速している状況を踏まえ、防衛産業を担う市内企業の事業展開・事業拡大に必要とされる行政からの支援等に関するお考えを伺う機会を多くつくれるよう鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 また、議員からは、米軍の艦船を日本で修理することを議論する作業部会の初会合が開かれたことなどを踏まえ、市としてこれから先の動きをどのように考えているのかとのお尋ねでございました。 米海軍艦艇の共同維持整備の分野については、本市に大きく関係するものでございます。この分野の協議が進められていく背景としましては、米側としては艦船修繕に係る費用抑制や艦船運用の効率化を、そして日本側としては防衛産業に関係する企業の事業拡大を見込んだものと考えております。 今後、防衛省と米国国防総省との間で開かれる艦船整備作業部会の中で対象となる艦船や整備拠点などが具体化していくものと考えておりますことから、本市といたしましてもこれらの動きを経済活性化につなげる好機と捉え、企業側との意見交換を行ってまいりますとともに、先ほど申し上げました今年度実施いたします基地経済調査から見えてくる本市防衛産業の強み、弱みに対する支援策の検討など、県並びに市議会からの御理解、御協力を得ながら取り組んでまいりたいと考えております。 議員御承知のとおり、我が国の防衛力そのものである防衛生産・技術基盤を強化し、防衛産業による装備品等の安定的な製造等を確保するため、防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する法律、いわゆる防衛生産基盤強化法が令和5年10月1日より施行されました。法の施行以降、同法に基づく基盤強化措置をはじめとする各種施策について、防衛装備庁主催により企業向けの巡回説明会が全国で実施されております。 その説明会の中では、同法第4条に規定します装備品安定製造等確保計画を防衛大臣に提出し、認定を受けることで必要な経費が国から支払われる制度のほか、貸付制度についての説明や個別相談などが実施されております。令和5年度は全国11か所で巡回説明会が開催され、延べ約390社、約500名の参加者であったとのことで、本市でも昨年12月に開催をされております。また、今年度に入りましても既に7回開催されており、7月には長崎市の出島メッセ長崎においても開催予定となっております。 このように国とされても積極的な動きを展開されておりますことから、本市としましてもその本気度を十分理解しつつ、今後の取組が遅きに失しないよう、様々な機関・団体との関係構築や適時適切な情報収集に当たっていきたいと考えております。 いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、基地の所在によりもたらされる効果をさらに多く享受し、市民生活の向上につなげていく、つまりは我が国の防衛政策に十分に貢献しつつ、地域経済の成長が達成できるようなまちづくりの推進が図れるよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎経済部長(長嶋大樹君) (登壇) 2項目め、これからの人口減少・人口流出における雇用の人手不足につきまして、今後の対策等についてお答えいたします。 まず、改めて人手不足の現状ですが、ハローワーク佐世保が公表しております月間有効求人倍率は、平成28年度以降、おおよそ1.3倍から1.5倍の高水準で推移しておりまして、景気動向が回復傾向にある中で慢性的な人手不足が大きな課題となっております。議員御案内のとおり、人口流出の状況は労働力人口の減少に多大な影響を与えるものであり、企業支援の観点からもその対応策が求められております。 このような中、本市においては、人材不足対策としてデジタル化や設備導入などによる企業の生産性向上とUJIを含めた就職支援などの雇用機会の確保の両面から支援に取り組んでまいりました。 議員お尋ねの中小企業デジタル化支援事業でございますが、この事業は市内中小企業のデジタル化を促進し、労働生産性の向上を図ることを目的とした事業でございまして、ITツールを導入する事業に要する経費の一部に補助を行うものでございます。令和3年度から令和5年度までの3か年で146件、約3,900万円の利用実績となっております。サービス業や建設業、製造業など様々な業種の企業からお申込みをいただいておりまして、主に顧客管理やウェブ会議システムの導入、作業や会計などの業務管理に活用されてございます。ITツールの導入により業務効率を上げることで人手不足解消の効果が期待できることから、多くの企業で取り入れられたものと思っております。 次に、デジタル人材育成事業でございますが、社会全体のデジタル化の進展に伴い、全国的にデジタル人材が不足すると予測される中、特に地方においては、都市部にエンジニアが集中するため、従業員の定着が図られないなど、より人手不足が深刻化すると言われております。 そこで、本市におきましては、デジタル人材不足の解消のため、市内IT企業等と連携してDX推進の担い手となりますデジタル人材の育成・確保を図るべく、令和5年度から事業を実施しております。この事業は、プログラミング講座の開催と就職マッチング支援の二つで構成されております。 内容といたしましては、IT分野に関心のある市民向けにプログラミングの基礎的技術習得の機会を提供いたしまして、講座終了後に就職を希望する受講者に対し、佐世保市の無料職業紹介所でございますさせぼお仕事情報プラザによる、市内企業との就職マッチングを行うものでございます。昨年度の実績といたしましては、27名が講座を受講されておりまして、受講者のうち10名がさせぼお仕事情報プラザによる就職支援を希望され、さらにそのうち5名が市内企業のシステム部門などに採用されてございます。受講者の満足度も非常に高く、また、企業もデジタル人材不足の緩和につながることから、今後も人手不足対策の一つとして注力したいと考えております。 これらの二つの支援事業のほか、生産性の向上の取組として、市内企業の設備導入を支援する先端設備等導入促進補助金を実施いたしております。この事業は、先端設備の導入により労働生産性や付加価値額の向上を図るものでございまして、昨年度実績で28件、約5,700万円の活用があってございます。計画ベースではございますが、最長5年の計画期間で全体として15.6%の労働生産性の向上が見込まれております。 いずれにいたしましても、本市の人口流出が続く中、企業の人材確保のためには、女性や高齢者、外国人など多様な人材の活用も必要となってまいりますので、今後も引き続き国や県、市内企業等とも連携を強め、環境整備による企業の魅力向上や人材不足を補う業務効率化の推進、潜在労働力の掘り起こしなど、様々な対策の検討に危機感を持って取り組んでまいります。 続きまして、3項目めの本市の交流人口についてお答えいたします。 交流人口の拡大の取組につきましては、議員御案内のとおり、各部が積極的に取組を進めております。具体的な取組の一例を挙げさせていただきます。 まず、経済部では、本市の二大観光地でありますハウステンボスや西海国立公園九十九島、世界遺産、日本遺産等の地域資源を生かしまして国内外からの誘客を図っております。昨年の本市の延べ観光客数は速報値でございますが、493万6,000人と前年と比較いたしまして15%の増となっております。SASEBO JAM FESTIVALやさせぼシーサイドフェスティバル、YOSAKOIさせぼ祭りなどの観光イベントにおきましても県外からの誘客に努め、多くの方に御来場をいただいております。 加えまして、近年では、映画やドラマ、アニメ作品等におきまして県内が舞台となり、本市において撮影が行われる機会が増えておりますことから、今年度から作品舞台地を訪れる観光、いわゆるコンテンツツーリズムをこれまで以上に推進しております。去る6月20日には、本市においてジャパン・フィルムコミッション総会が開催され、県外から多くの方に御来訪いただいたほか、現在は映画「きみの色」が8月に公開が予定されておりますことから、それに合わせましてロケ地マップの製作等、さらなる誘客の取組を進めているところでございます。 また、本市は県北地域の商業拠点として中心的な役割を担っておりまして、平戸市や波佐見町、有田町などを商圏として捉え、SASEBOまち元気協議会をはじめとした市内商店街や事業者の皆様とにぎわい創出に向けた取組を行うことで来街者の増加を図っており、中心市街地がにぎわい、元気を維持することが交流人口増加につながるものと考えております。 以上でございます。 ◎港湾部長(大塚健君) (登壇) 港湾における交流人口拡大の取組についてお答えいたします。 港湾施策のうち、クルーズ客船の誘致並びに受入れにつきまして、本市の交流人口拡大を図る上で重要な施策の一つであると認識いたしております。6月1日に浦頭地区に第一船となるコスタ・セレーナが寄港し、市内外から多くの方にお越しいただいたことからも、クルーズ客船寄港の効果は大変大きいと考えており、引き続き三浦・浦頭の両地区におけるクルーズ客船の寄港増を目指してまいります。 また、三浦地区一帯での、みなとオアシスにおける港を中心としたにぎわいづくりにも力を入れており、イルミネーションにより夜間のにぎわい創出を図り、ヒカリノミナトSASEBOのほか、先月10日のクイーン・エリザベス初寄港時に開催したクイーン・エリザベスフェスティバルなど、港を中心としたにぎわいづくりによる交流人口拡大と市内への経済波及効果が広がるような取組を促進してまいります。 以上でございます。 ◎文化スポーツ部長(吉田裕一郎君) (登壇) スポーツの分野における交流人口の拡大につきまして答弁いたします。 令和4年度に策定いたしました新たなスポーツ施策の方向性を示す佐世保市スポーツ推進計画における四つのビジョンのうちの一つに「スポーツ×地方創生」を掲げ、競技大会の開催だけでなく、アーバンスポーツの活用やプロスポーツチームとの連携など、まちのにぎわいづくりにつながる取組を進めてまいります。 例えば、プロバスケットボールチーム、長崎ヴェルカとのマザータウン協定締結を契機とした連携イベント等の実施や、「ながさきピース文化祭2025」プレイベントとして開催される長崎県のダンスコンテストと同時開催で、ブレイキンやスケートボードのイベントを企画しているところでございます。 また、間もなく本市で一部競技が開催されます全国高等学校総合体育大会(インターハイ)や日本スポーツマスターズ2024長崎大会におきまして、全国各地から選手や家族を含め多くの来訪が見込まれることから、観光や物産分野と連携して本市の魅力を存分にPRしたいと考えております。 さらに議員御案内のとおり、来年はIR誘致活動の中で結びつきを強くした九州経済連合会と協働で、世界各国から強豪選手が集まる自転車競技であるツール・ド・九州のエキシビジョンで市街地を周回するクリテリウム誘致を進めているところでございます。 以上でございます。 ◎地域未来共創部長(中尾健一君) (登壇) 交流人口の拡大について地域未来共創部におきましては、令和3年度からワーケーションを切り口とした事業に取り組んでおります。ワーケーションとは、ワークとバケーションを合わせた造語で、テレワーク等を活用し、ふだんの職場とは異なる場所で仕事をしながら休暇を取るというもので、観光庁などが推進している取組でございますが、本市においてもガイドブック作成やツアー受入れを実施するなど、都市部の企業やフリーランス人材等のワーケーションを促進し、関係人口・交流人口の増加に努めております。 また、本年度につきましても、西九州させぼ広域都市圏として取り組んでおります移住サポートプラザ内にフリースペースを設け、テレワーカーなどが作業できるようなコワーキングスペースとして、また、イベント会場等として活用できるよう開放し、活発な交流が生まれる拠点となるよう整備することを検討いたしております。 このように各部局が様々な取組を実施し、交流人口の拡大に努めているところでございます。 以上でございます。 ◆19番(崎山信幸君) (登壇) それぞれにありがとうございました。 1項目め、基地でございますが、佐世保市としての基地政策をまちづくりにつなげるというのは、ざっくりとした言い回しに聞こえないこともない。そのまちづくりに対しまして、市当局のどのような部局が今後関わってこられるのか分かりませんが、要は基幹的・基盤的な産業をつくれるかどうかというところだろうと思っております。なぜならば今後、企業誘致は簡単にはできないと私は思っているからです。 そうなってまいりますと、本市における防衛産業について、特に主要な企業であるSSKの新たな事業展開への移行や国の動きをきちんと捉えて、時間がかかるかもしれませんが、戦略として確立しながら国や関係機関などに対して動いていかないと前進はありません。例えば、中央に要望活動に行ったときに、相手方として誰にお願いをするのが効果的なのか、戦略的に実施していく必要があると思います。これまでどおりの要望活動スタイルでは他の自治体との差別化は図れません。私的に申し上げれば危機感をどのような手法で伝えていくのかということです。これまでの要望活動の動き方に加え、ターゲットを適時模索しながら、キーパーソンとなる方々に会っていかなければならないと考えますが、市の考えはいかがでしょうか、お伺いいたします。 また、以前、基地の所在というものについて前市長と話をさせていただいたことがあります。かたくなにおっしゃったのは、基地の所在というのは一義的に国防とのこと、言わんとすることは十分理解できます。佐世保の基地政策の基本方針は、基地との共存共生です。そしてその方向性の1番目には、我が国の防衛政策への積極的な協力・支援を掲げています。この積極的という言葉には重みがあります。市当局と議会で議論を重ねて佐世保市の国防に対するスタンスを内外に強く発信するために積極的な協力・支援とすることで決着しました。 しかし、どうでしょう、その気持ちが国にきちんと伝わっているのでしょうか。実際、私どもが中央に行ったとき、防衛施策にたけた国会議員の先生がよく言われるのは、「佐世保市はもっといろいろなことを国に要求してもいいんですよ」と言われます。それだけ佐世保市は国防を担っている重要都市であるという認識での発言だと推察するわけです。本市としてもそのような認識を持ちながら思い切った要望活動をしていかなければなりません。 そこで、一つ手法として、旧軍港市である横須賀市、呉市、舞鶴市、そして佐世保市、この四つの市で検討し、要望活動を進めてはいかがでしょうか。 御承知のとおり、旧軍港4市は明治期の海軍鎮守府設置を契機としてまちができ、発展をしてきました。そして戦後、同じような道をたどってきました。4市には海上自衛隊の地方総監部があり、多くの艦船が配備され、岸壁が使用されているという共通点があります。これまでも4市がスクラムを組んで基地問題をはじめ、観光・文化遺産などの取組を進めておりますが、もう一度我々の鎮守府という歴史的なものを踏まえながら、防衛政策への貢献度から、他の自治体とは異なる我々4市だけへの国からの支援を求める活動を私としてはやっていくべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。市長のお考えをお伺いいたします。 2項目め、これは指摘ということでございます。私、過去に平成29年9月定例会、平成30年3月定例会、平成30年6月定例会、平成31年3月定例会、この議場において私はそれぞれに人口減少問題を取り上げてきました。五、六年前の話です。当時は人口減少に対する危機感はまだ若干遠く、今後の課題として受け止められたようです。しかし、現在はどうでしょう。人口減少・人口流出、このスピードについていけない状況を迎えています。若年層の人口流出は、簡単に歯止めはかからないと私は思っております。逆に五、六年後、大変な状況になっているかもしれません。 雇用の機会の確保、まさに大事です。子育て等で一旦職を離れた方々や、まだまだ元気な高齢者の皆様が活躍できるシステムづくりを早急に確立していただきたい、期待をしております。これは指摘をさせていただきます。 3項目め、交流人口拡大のために各部局において様々な取組を実施されていることは理解いたしました。ただ限られた部局だけの取組では効果は限定的なものでしょう。地域において交流人口が増加するということは新たな訪問者が地域を訪れることであり、訪問者が地域において観光や体験や飲食を行い、宿泊し、ショッピングやお土産購入などの消費行動を行うことにより経済効果が生まれ、地域経済へ大きく寄与すると考えます。当たり前の話です。 さらに交流人口が拡大していけば、SNS等においても発信される機会が増加していき、佐世保市のさらなる知名度の向上、来訪者の増加、地域消費の拡大という好循環につながり、地域経済の発展に結びつくものと思っております。 市長の99の政策、「佐世保出身者やインフルエンサーを活用した魅力発信のコラボ強化」は、私も佐世保市のさらなる向上には必須だと思っております。来年の西海国立公園指定70周年、これから誘致に努力をされるツール・ド・九州と、交流人口拡大を図るには非常に期待ができると思っております。ここに食の祭典などを掛け合わせて、さらに人を呼ぶ仕掛けとして本市観光名誉大使、EXILEのTAKAHIROさんにも積極的にお願いして御協力いただくことも一案だと思います。もちろんその際、湾クラブのポロシャツを着ていただくことは言うまでもありません。 また、かなり来場者が見込まれる長崎スタジアムシティによって、さらに長崎市のほうに人が流れていくことは大いに予想されます。であるならば日頃から佐世保市を大事にされているジャパネットたかた前代表取締役社長高田明さん、現在は株式会社A and Liveの代表取締役をされております。長崎市に流れる人々に何とか佐世保市へ目を向けていただく仕掛けができないか、時々お会いになって御協力をお願いされてはいかがですか。新たなアイデアが生まれる可能性が大いに私はあると思います。 長崎市では、長崎市出身、誰もが知る福山雅治さん、本年当初、長崎ランタンフェスティバルで長崎を強く発信されました。10月には長崎スタジアムシティこけら落とし、無料招待コンサートを行うとのことで、2万5,000人に対し、何十万人と応募が来ているらしいです。著名人の活用、長崎市にできて佐世保市にできないことはないと私は思っております。 交流人口の拡大は、様々な地域社会に多大な恩恵をもたらします。今後は答弁をいただいた部局だけではなく、ぜひオール佐世保市役所として交流人口の拡大に向けた取組をさらに進めていただき、本市の経済活性化を期待いたします。 そこで、市長にお伺いをします。 今後、本市が生き残っていくための方針、向かうべき方向性などについての御見解をお聞かせください。 2回目を終わります。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 崎山信幸議員の1項目め、本市の基地政策について、基地経済の向上に向けての取組並びに基地を生かした今後のまちづくり計画に係る再質問にお答えをいたします。 本市基地政策方針におきましても、その方向性の一つとしまして、本市の地域特性である基地の所在を積極的に生かしたまちづくりの推進を掲げておりますとおり、本市の経済の活性化を図るためには、基地の所在を生かすことが非常に重要であると考えており、それを強く推し進めるために、先ほど基地政策局長から答弁がありましたとおり、本市の基地経済に係る本格的な検討・研究を開始したところであります。 この基地経済の大きな構造的特徴としまして、その起点がほぼ全て米軍と国の公的支出にあるという点がございます。基本的には、自衛隊や米軍による雇用や諸活動に伴い生じる支出がもたらす経済活動を、いわゆる基地経済と捉えております。そのことを踏まえますと、基地所在自治体としまして、まずもっては国あるいは米軍との関係性というものが非常に重要な要素であると考えております。 したがって、我が国の国防・安全保障上の政策において、本市としてしっかりとそれに協力していくことを基本としつつも、同時に本市の経済活動を拡大させていく必要があることも踏まえますと、議員御指摘のとおり、まずは国に対しての様々なアプローチが必要になると考えております。 これら国へのアプローチの具体的な姿としましては、一つに政府施策に関する要望がございます。前畑弾薬庫の移転返還を中心とする佐世保港のすみ分けの推進、あるいは早岐射撃場の覆道式化といった基地政策上の要望の多くは基地所在による負担軽減を求めて行うものではございますが、一方で、その実現には多額の国の予算を要するという面もございます。本定例会終了後、この夏の国の予算概算要求の前に、九州防衛局を含めた防衛省、外務省といった関係省庁に対し、それらの実現についてしっかりと求めてまいりたいと考えております。 また、国の政策形成プロセスに当たっては、当該省庁のみならず、関係する国会議員の皆様の御理解というものが重要になってまいります。私自身これまでに培ってまいりました人脈を活用し、あるいは市議会の皆様の御協力も仰ぎつつ、既に多くの国会議員の皆様と様々な協議を重ねてきているところでございますし、加えて、先般の県知事との政策ミーティングにおきましても確認いたしましたとおり、今後、知事も交えての防衛政策に関係の深い国会議員の方々との意見交換なども進めることとしております。 それら個別の協議の具体につきましては、申し述べることは控えますが、私といたしましては、市長就任以来、事案に応じてのいわゆるキーパーソンと呼ばれる方々に対するアプローチについて意を用いてまいりました。 議員御指摘のとおり、今後さらに佐世保市が我が国の国防における重要な都市と位置づけられていくことを背景に、これらの活動を重ねることによりまして、本市自身が国の防衛政策上の主要なステークホルダーとしての立場を確固たるものとし、かつ高めていくことにつながるものと考えております。 また、旧軍港4市としての取組についても御提案をいただきました。これにつきまして実際に昨年度、自衛隊組織体制の改編に伴い、舞鶴地方総監の廃止が検討されているという情報を踏まえ、4市合同で4市所在部隊の体制維持・強化と防衛産業基盤の強化に係る緊急要望を防衛省等に対し実施いたしました。私も佐世保市単独ではなく、海上自衛隊の地方隊を有する4市が結束して国に対し要望を行うことは非常に効果的であると実感を持っているところでございます。 引き続き防衛政策への4市の貢献度を前面に押し出し、4市共通の要望事項はもとより、本市独自の課題解決についても、他の3市の御理解と御協力を得ながら国に強く求めてまいりたいと考えております。 なお、改めて申し上げるまでもなく、これらの国や国会議員へのアプローチに当たっては、市議会の皆様の御協力が絶対的に不可欠でございますので、引き続きお力添えを賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。 次に、交流人口拡大のために本市の様々な取組を踏まえ、今後本市が生き残っていくための本市の方針、向かうべき方向性についてという御質問でございました。 本市のみならず、どの自治体においても幅広い分野にわたって地域経済への波及効果を見込める交流人口の拡大に力を入れております。その都市間競争に勝ち残るためには、二大観光地、ハウステンボスや西海国立公園九十九島に加え、世界文化遺産黒島の集落、日本遺産鎮守府、窯業圏などの歴史・文化資源や、佐世保バーガー、レモンステーキ、九十九島ひらまさといった地元ならではの食のブランドなど、オール佐世保の地域資源を最大限に生かした本市の魅力向上策が不可欠でございます。 議員御案内のとおり、来年は西海国立公園指定70周年の節目の年であり、四大行幸啓でもあります、ながさきピース文化祭2025は県外からも多くの来場者が期待されるイベントでございます。まさに本市の文化や魅力を全国に発信できる絶好の機会でもありますので、このチャンスを逃さぬようグラミー賞を受賞したドラマー、パーカッショニストの小川慶太さんや、数多くのダンス大会で優勝されているブレイクダンスのTAISUKEさんなど、佐世保市にゆかりのある著名人等の協力も視野に入れながら準備を進めてまいります。 また、民間団体が主体となって実施するYOSAKOIさせぼ祭りやさせぼシーサイドフェスティバル、SASEBO JAM FESTIVAL等の既存イベントをさらに盛り上げ、それらのイベント等と連携を図ることでその効果をより高めて、一人でも多くの方に本市へ足を運んでいただけるよう、あらゆる機会を捉えて本市が持つまちの特色や魅力などを市内外に宣伝し、売り込むことによって人や企業に関心を持っていただくよう尽力してまいります。 さらにお話の観光名誉大使など著名な方々へのアプローチを検討するとともに、これまでも取り組んでまいりましたクルーズ客船の誘致や企業誘致などと同様、私が自ら先頭に立ち、危機感を持ちながら積極的なトップセールスを行っていくなど、佐世保市ならではの創意工夫を盛り込んだ取組に一層努力してまいります。 ◆19番(崎山信幸君) (登壇) 市長、答弁ありがとうございました。 今回は、今後の佐世保市について若干厳しい目で指摘をさせていただきましたが、1項目めもそうですけれども、基地を生かしたまちづくり、防衛産業の確立、私は必ず佐世保市を支えていくものであると信じております。 また、昨年の観光客数速報値で493万6,000人、前年比115%ということでございますが、IRで予想された年間見込み客は673万人でありました。運営の経済波及効果は3,328億円という数字が出されておりました。これはあくまでも見込みでございますが、これを埋めるというものは早々簡単にはいきません。簡単なことではないと思います。基地政策もそうですが、オール佐世保で頑張るしかないんです。このことを確認して今回の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(林健二君)  以上で本日の日程は終了いたしました。 次の本会議は明日10時から開きます。 本日はこれをもって散会いたします。     16時18分 散会...