佐世保市議会 > 2024-03-06 >
03月06日-05号

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  1. 佐世保市議会 2024-03-06
    03月06日-05号


    取得元: 佐世保市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-14
    令和 6年  3月 定例会           3月定例会議事日程            第5号                 令和6年3月6日(水曜)午前10時開議第1 一般質問(個人質問)第2 第70号議案 工事請負契約(変更契約)締結の件(前畑崎辺道路道路改良(その3)工事)第3 第3号報告 工事請負契約(変更契約)締結に係る市長専決処分報告件-----------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程に同じ-----------------------------------出席議員(33名) 1番 柴田英樹君    2番 本田博之君 3番 新川英之君    4番 諸國麻椰君 5番 古賀豪紀君    6番 宮田京子君 7番 黒川英朗君    8番 甲斐義博君 9番 田山藤丸君    10番 鶴 大地君 11番 宮島武雄君    12番 松尾俊哉君 13番 小田徳顕君    14番 久保葉人君 15番 角田隆一郎君   16番 山下廣大君 17番 永安健次君    18番 山口裕二君 19番 崎山信幸君    20番 佐藤文子君 21番 久野秀敏君    22番 永田秀人君 23番 柴山賢一君    24番 大村哲史君 25番 林 健二君    26番 田中 稔君 27番 松尾裕幸君    28番 長野孝道君 29番 市岡博道君    30番 大塚克史君 31番 小野原 茂君   32番 古家 勉君 33番 山下隆良君-----------------------------------説明のため出席した者 市長        宮島大典君   副市長       西本眞也君 副市長       田中英隆君   基地政策局長    北村敬男君 行財政改革推進局長 吉田裕一郎君  企業立地推進局長  川口康博君 防災危機管理局長  山元義崇君   契約監理室長    森田知之君 企画部長      杉本和孝君   総務部長      田所和行君 財務部長      東 隆一郎君  観光商工部長    長嶋大樹君 農林水産部長    高増 剛君   都市整備部長    溝口勝利君 土木部長      田島克巳君   港湾部長      大塚 健君 市民生活部長    中西あけみ君  保健福祉部長    辻 英樹君 子ども未来部長   岡 雄一君   環境部長      吉田敏之君 水道局長      中島勝利君   消防局長      坊上 選君 教育委員会教育長  陣内康昭君   農業委員会副会長  阿波茂敏君 代表監査委員    宮崎祐輔君   選挙管理委員会委員 江口茂広君-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長      池田真二君   事務局次長兼議会運営課長                             細井章子君 課長補佐兼議事調査係長           岳本雅也君     10時00分 開議 ○議長(林健二君)  出席議員は定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 一般質問・個人質問 ○議長(林健二君)  日程第1一般質問を行います。 これより個人質問を行います。 順次質問を許します。24番大村哲史議員。 ◆24番(大村哲史君) (登壇) おはようございます。 冒頭でありますが、1月1日の能登半島地震におきまして、私の父方が金沢、親戚が珠洲市、まさに真っただ中のところで御支援をいただきまして心より感謝申し上げます。ありがとうございました。 それでは、質問させていただきます。 させぼバス株式会社の在り方について質問いたします。 させぼバス株式会社は、その必要により佐世保市が100%出資し、設立した責任があることから、株主として会社運営の考え方などを伺いたいと思います。 現在、市では、次期公共交通計画の策定が進められており、先般2月21日に開催された地域公共交通活性化協議会において、次期地域公共交通計画素案の中間報告がなされています。その素案をたたき台として、令和6年度にこの協議会での議論を経て、令和7年度から地域公共交通計画としてスタートを目指しているところであります。 公共交通を取り巻く環境がスピードを増して変化していく現状を捉えると、今後の予測も年々大きく変化していると考えられることから、これから策定に取り組む公共交通計画によって、本市の公共交通体系はこれまでにない大きな転換を図る必要があるのではないかと思っております。 この協議会の中で、西肥バスから令和6年4月1日からのダイヤ改正について説明されておりますが、運転士不足と運転士の改善基準告示改正、いわゆる2024年問題への対応をするため、二つの路線の廃止と8.8%の減便案が示され、また今後、時期は未定であるものの、運転士の給与改善や燃油等の物価高騰に対応するための運賃改定も予定されているとのことであります。 運転士不足は全国的な問題となっており、国においても、運転士確保につながる規制緩和や補助制度の創設などあらゆる方策を検討されているものと思いますが、コロナ禍以降、運転士の減少スピードが確実に加速していると感じているところであります。 市内の路線バスについて、平成31年3月のバス運行体制一体化後、西肥バスの路線を一部させぼバスが運行を担い、2社体制でバスの運行が維持されてきておりますが、先般の活性化協議会で示された資料によると、3年間を計画期間として、令和4年に佐世保市地域公共交通持続化実施計画がスタートしたものの、この2年間で何と23名の運転士が減っており、計画どおりの運行ができないという状況になっているということであります。 いかに運転士を確保していくかという点に関しては、事業者自身も恒常的に募集をかけ、させぼバスにおいては、先月18日にバス運転体験会のイベントを開催し、会社の認知度向上と運転業務の魅力発信など、鋭意工夫と努力をなされているところでありますが、新規採用以上に退職者が上回り、なかなか増員につながっていないのが実情と理解しております。 そこで、まず、運転士の現状と、これまでの運転士確保のための市の取組や国・県の支援等を含め、今後の取組についての考えをお尋ねいたします。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) させぼバス株式会社の在り方について、運転士の現状やこれまでの運転士確保のための市の取組などについてお答えいたします。 現在、市内路線バスの運転士不足が深刻化しており、御案内のとおり、西肥バスからは、本年4月1日のダイヤ改正で二つの路線廃止と前年比8.8%の減便案が示されました。 公共交通機関における運転士不足については、路線バスだけではなく、地域鉄道やタクシー、航路など全てで深刻化しており、全国的な喫緊の課題となっております。 公益社団法人日本バス協会の資料によりますと、令和4年の全国のバス運転者数は11万4,000人で、令和12年には9万3,000人まで減少する見込みとなっています。これは令和4年の運送規模を基準とすると、必要となる運転者数12万9,000人に対しておよそ3割の3万6,000人が不足することとなり、必要数が確保できなければ、乗合バスの減便、路線廃止等が進行すると予測されております。 市内のバス運転士においても減少が止まらず、運行体制一体化時点では、させぼバス、西肥バス合わせて295人いた運転士は年々減少しており、令和6年2月時点では240人と、5年間で55人、約19%の減少となっております。 両事業者におかれましては、既に運転士確保のための対策として、大型二種免許取得費用の一部を会社が負担するといった運転士養成制度に取り組まれており、市は、この事業者負担額の3分の1の額を補助しております。 また、西九州させぼ移住サポートプラザを通じて、バス運転士就業を希望される移住者の仲介を行うほか、市内で頑張る若者を支援する佐世保市奨学金返還サポート制度の中で、路線バス運転士に就業した場合に年額15万円を上限として10年間、就業後に返還する奨学金額の2分の1の額を補助することといたしております。 そのほか、市のパブリシティーでの広報や退職自衛官への再就職先の紹介など様々な取組を継続して行っておりますが、運転士不足の解消には至らない状況でございます。 国におかれましても、運転士確保のための対策が講じられており、免許取得制度について、大型二種免許取得の年齢要件を従来の21歳から19歳で取得可能となるよう緩和されており、また、交通事業者が行う大型二種免許取得費用への補助や広報業務等への補助が創設されております。 そのほかにも、地域交通の担い手不足や移動手段の不足といった深刻な社会問題に対応するため、自家用車や一般ドライバーを活用した新たな運送サービスの提供を可能とする制度が導入されることとなり、また、外国人労働者を受け入れるため、在留資格の特定技能の対象にバスやタクシー運転手など自動車運送業についても追加する方向で検討されております。 県におかれましても、長崎県バス協会を通じた大型二種免許取得への支援が行われておりますので、今後、事業者に対し、市の支援と併せ、これら国・県の補助制度についても積極的な活用を促していきたいと思います。 ◆24番(大村哲史君) (登壇) これまでの運転士確保に向けた取組の継続と、国・県等の新たな制度などあらゆる手段を活用し、引き続き精力的に取り組んでいただきたい。 一方で、運転士の高齢化が進む中、安定した人員を維持する上でも若い人材の継続的な確保が必要であり、そのために二つの大きな要素として、運転士の就労環境・給与の処遇改善が不可欠であろうと考えております。 就労環境で申し上げると、させぼバスには現在、女性運転士が2名いらっしゃると聞いておりますが、女性の就業が人員不足の緩和につながるのではないかと考えております。また、利用者から、女性運転士は接客の対応が丁寧で柔らかいといった好評価も聞こえております。バス利用者の満足度もより高まるのではないかと思っております。 しかしながら、現状を考えると、させぼバスの本社、営業所等は旧交通局時代の老朽化した建物を使用しているため、トイレや休憩所など特に古く、女性の就労目線に立つと、就労環境整備のための改修も必要ではないかと思われます。 また、就労条件で申し上げると、若い人材が運転士という業務を生涯の職業として選択しやすくなるよう、給与等の改善が不可欠であろうと考えております。 そこで、市が所有する旧交通局施設における就労環境改善のための改修の考えと、給与等に関して、全国平均と比較したときのさせぼバスの運転士の年齢構成や給与はどの程度の水準になっているのか、現状についてお尋ねをいたします。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) 旧交通局施設における就労環境改善のための改修の考え及び全国平均と比較したときのさせぼバスの運転士数、年齢構成、給与水準についてお答えいたします。 佐世保駅前本庁舎や営業所などの旧交通局施設につきましては、普通財産として市が所管しており、西肥バス及びさせぼバスへ交通事業の用に供するため、経営状況を勘案した上で無償貸付けを行っております。いずれの施設につきましても築50年以上経過し、全体的に老朽化が進んでいる状況であり、現在、調査を行っている次期地域公共交通計画の策定過程において、当該施設の在り方の方向性についても検討することといたしておりますが、駅前本庁舎については、佐世保駅前が交通ネットワークの重要な結節点となっており、佐世保駅周辺全体での再整備の観点も必要となってまいります。 また、改修時のバスの運行への影響や改修期間における代替措置を含めた検討が必要となることから、施設整備に関する方向性の決定には時間を要することが予想されます。 なお、施設の無償貸付けに当たっては、させぼバスと市有財産賃貸借契約に基づき、建物の老朽化や天災等に起因する大規模な改修を除き、施設の維持補修は事業者負担としており、維持管理の中でさせぼバスによる改修が可能となっていますが、費用が多額となる場合はさせぼバスの経営への影響もあることから、収支状況を確認の上、させぼバスとも協議しながら検討していきたいと考えております。 また、嘱託職員を含むさせぼバスの運転士数については、直近の令和6年2月1日時点で90名、平均年齢は58.3歳、年齢構成は59歳以下が50%、60歳以上が50%となっております。 正規運転士の年平均給与額は、令和4年度実績では約355万円となっております。全国の状況としましては、厚生労働省が賃金の実態を明らかにするために行っている令和4年賃金構造基本統計調査によりますと、バス運転者の平均年齢は53.4歳、年齢構成は、59歳以下が75%、60歳以上が25%となっており、年平均給与額は約399万円となっております。 なお、この賃金構造基本統計調査につきましては、会社全体の集計ではなく、営業所単位での無作為抽出により集計されており、貸切バス運転手やマイクロバス運転手を含むバスを運転する仕事に従事する者をバス運転者とされています。このため、単純比較はできないものの、一応の目安として比較すると、させぼバスの運転士の給与額は全国平均に比べて下回っており、年齢構成においても、させぼバスは60歳以上の就労割合が高く、運転士の高齢化が進んでいる状況でございます。 ◆24番(大村哲史君) (登壇) 施設の改修については、施設の所有者ですから積極的に検討していただくようお願いいたします。 全国の平均給与額は約399万円に対し、させぼバスは、正社員の平均給与額が355万円。約40万円程度の格差があるのではないかと考えられます。ただ、長崎県の平均が全国を下回っているため、全国平均までとはいかないまでも、この賃金格差を少しでも縮小していくには、会社収益が伸びてこなければ賃金に反映できないというわけであります。 また、今後ますますバス利用者も減少していくことが予想され、コロナ禍により大きく落ち込んだ収益と物価高騰等に対応するためにも、運賃改定は必要だと思います。 させぼバスの経営部門は、路線バスの乗合事業、貸切バス事業、駐車場事業しかなく、運転士不足に伴い、西肥バス路線の受託運行や貸切バスの受注についても縮小せざるを得ない状況となると、今後、経営状況の悪化が一層進むのではないかと非常に心配しております。 そこで、させぼバスにおける現状について、現在、どのような経営状況であるかをお尋ねいたします。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) させぼバスにおける経営状況についてお答えいたします。 平成31年3月24日から、バス運行体制の一体化の方針に基づき、市交通局を廃止し、西肥バス、させぼバスの2社体制で運行が開始されました。当時、運転士不足とバス事業者の経営状況の悪化へ対応し、将来にわたって持続可能なバス路線を維持するため、効率的な運行体制の構築を目指したものでございました。 当時の収支シミュレーションでは、補助金収入を除く経常収支比率について、一体化前の市交通局を含めた3社合計で、令和元年度は85%を見込んでおりましたが、実績はそれより改善し、89%でございました。しかしながら、令和2年2月から感染が拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、4月には全国的に緊急事態宣言が発出され、国内外の経済活動に多大な影響を受けました。これにより、バス事業においても極端な経営状況の悪化に陥り、2社合わせると、計画終了の令和3年度では令和元年度より経常収支比率が16%悪化している状況となっております。現在においても、いまだ回復に至っていない状況でありまして、さらには人口減少が確実に進行する中で、また、燃油費や人件費等の上昇も伴って、コロナ禍以前の経営状況に戻ることが見込めない状況でございます。 また、直近の令和4年度の経営状況報告書によりますと、約8,500万円の当期純利益となっておりますが、令和5年度の中間報告によりますと、年度当初計画時の収支見込みにおいては約900万円の黒字を予定されていたものの、半年の経過を見た中で、昨年11月時点では約1,500万円の黒字になる見込みとなっております。このことから、令和5年度末の収支決算見込みにおいては、年度当初の見込額に比べ収益が増える傾向ではあるものの、令和4年度の決算額に比べ利益が大きく減少する見込みとなっております。 また、物価高騰等による運行経費の増加への対応や運転士の給与改善を図るため、バス事業者においては、令和6年度中のバス運賃改定を検討されており、改定の時期にもよりますが、実施されれば一定の収入増にはつながるものの、させぼバスにおいてはほとんどの路線が西肥バスからの受託運行であるため、収支の改善は限定的になると考えております。 ◆24番(大村哲史君) (登壇) 令和5年度の決算予想では、令和4年度に比べ利益が大きく減少する見込みとなっているようであります。 運賃改定による収支改善の要素はあるものの、運転士不足により、令和6年度以降も西肥バス路線の受託運行が減少してくると、赤字には至らないまでも、給与改善が進まず、さらに運転士確保が難しくなってくるのではないかと思われるわけであります。今後、させぼバスの経営状況が悪化した場合、西肥バスとさせぼバスの2社で支えているバス路線の維持もできなくなり、市民生活や、特に経済活動にも多大な影響が生じることとなります。 させぼバスの経営の安定は必須であります。そこで、株主の立場として、させぼバスを存続させるための支援をどのように考えているのか、お尋ねをいたします。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 大村哲史議員から、させぼバス株式会社への支援に関しまして御質問がございました。私から答弁をさせていただきます。 先ほどの企画部長答弁にもありましたとおり、人口減少の進行や、コロナ禍以降、ライフスタイルの変化も相まって、バス利用者数は減少の一途をたどり、バス運転士についても、西肥バス、させぼバスともに大きく減少しており、議員御指摘のとおり、現行の2社体制でなければ路線バスの運行が維持できない状況と認識しております。 このため、現状においては2社体制での路線バス運行は必要不可欠であり、株主の立場といたしましても、させぼバスの会社経営が持続できるよう、路線バス維持のため必要な支援について、経営状況を確認しながら、これまで同様行ってまいりたいと考えております。 そのためには、させぼバスの経営状況をしっかりと把握、分析する必要があることから、株主の視点を持って客観的な立場から経営判断を行うため、企画部長を社外取締役として就任させており、ガバナンス強化をはじめ、会社運営についても関与し、議会に対しましても経営状況を御報告しているところでございます。 また、バスの運転士不足が加速する中で、減便や路線数の縮減に伴い、市民生活にも支障が生じてきているため、私の99の政策においても、「コミュニティバスオンデマンド交通の充実強化」を掲げており、バスの運行を補完する移動手段の確保を進めることが早急に必要となっておりますが、運行の主体となるタクシー事業者においても、事業者数、運転手も減少している状況にございます。 2024年問題や、今後さらに進むことが確実となってくる人口減少社会を見据えると、運転士確保や利用者の増加も一層厳しくなることが予想されるため、住み続けたい、住んでみたいと感じる、選ばれるまちを目指すためにも、社会基盤である持続可能な公共交通のネットワークを形成することが重要かつ喫緊の課題であると認識しております。 このため、市民の皆様の御協力を得ながら、地域の関係者との共創を通じた地域公共交通のリ・デザインの理念の下、地域や交通事業者とともに、あらゆる輸送資源を総動員した抜本的な対策としての交通ネットワークの形成に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆24番(大村哲史君) (登壇) ありがとうございました。 はっきり言って事業者の存続が必須なんですね。それで、現状はもうお分かりだと思うんですが、させぼバスは6台しかバスがない。そして、ハード面においても、昭和30年代に造った木造を移築したような建物。耐震なんてとんでもない、そういう建物で営業をやっている。経営状況が状況だったので、改修工事も行っていない。また、それと同時に--これは危惧するところ--当局が管理する電源、電気関係も点検はしているんでしょうが、そういう心配もある。女性の運転士を入れるのもトイレの問題がある。 この環境下で、運転士は来るのかなと非常に危惧するところであります。ましてや赤字に転落でもしたときには、まず、赤字の会社に社員は来ません。 今、市長から決意をお聞きしました。バス路線維持に必要な支援を行っていきたいと答弁いただきました。ぜひ市としても時期を逸さないよう、バスのみならず、公共交通の維持にも必要な限り支援に取り組んでいただきたいと思います。 人口減少に伴う人材不足については、昨年の9月定例会の私の一般質問において、就業者数の減少ということで農業の担い手不足や高齢化、あるいは2024年問題の労働規制強化による輸送・物流・建設部門への影響など、今後あらゆる分野での人材不足が顕著に現れることが確実になるということを申し上げました。 先般には、2023年に生まれた子どもの出生数が過去最少の75万8,631人。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口の見込みにおいて、76万人を割るのは2035年と見込んでいたのです。12年早まったとの新聞報道がなされております。これほど少子化が想定よりも早いペースで進んでいる中で、9月定例会で申し上げたとおり、今後はこれまでのようにもっと便利にどこでも同じように発展させたいという状況では全くなくなったと考えております。これが現実的だと思うわけであります。 バスの運行を現状どおり維持するとした場合、運転士をもっと確保しなければならない。そのためには、ほかの産業に近いレベルに給与等を引き上げ、就業魅力を高めなければならない。それには会社の利益による賃金への反映が必要となる。しかしながら、人口減少が加速する中、バス利用者も減少し、収益自体が下がってくる。つまり今までどおりの運行維持は不可能であるということは明らかであります。このことを念頭に置き、現在、策定に取り組まれている次期地域公共交通計画において、人口減少社会を見据えた持続可能な公共交通ネットワークの構築を事業者や地域と議論を重ね、検討していくよう、よろしくお願いいたします。 また、我々市民も、これまで当たり前に運行されていたバスの便数も、運転士の人数、労働時間という資源が限られていることから、冒頭申し上げたとおり、今後は当たり前でなくなってくる。限られた運行の中で自分の移動の都合をダイヤに合わせるといった自助努力も必要になってくるとの認識を持つべきだと思うのであります。バスの運転士も、路線バスの維持のため一生懸命尽力していることを市民にも理解していただきたい。利用者が全くいないバス路線を維持するために市の財源を使うとなると、空気を運ぶために税金を投入するということになりかねません。やはり運転士の所得改善につながるバス事業の利益向上のためにも、市民が日頃から積極的に公共交通機関を利用することが大事であろうと思うわけであります。 また、75歳以上が無料で利用できる敬老パスに関して言えば、対象者数に対し、令和4年度は約55%の交付率であり、その利用分として、市からバス事業者へ毎年4億7,000万円程度の負担をされておりますが、全額ではなく、敬老パス利用運賃相当額の約7割程度であり、3割程度の運賃相当額をバス事業者が負担されているという状況であります。バスの運賃は、そもそも輸送サービスの享受に対する対価であり、運賃収入によりバス事業が成り立っていることに鑑みると、敬老パスの利用については受益者負担として、一部自己負担を求めるべきではないか。私の周りでも、利用者からそのような意見をよく聞かされます。ぜひバス事業の経営改善のためにも、敬老パスの有料化を検討していただくということを意見として申し上げます。 最後になりますが、このバスは、我々を含む市民みんなのバスという意識を持たなければならないと思います。市民生活を身近で支える路線バスは、地域社会における公共交通の根幹であり、将来においても持続可能な移動手段としてあり続けなければならない。国として重要かつ喫緊の課題解決に向け、市から国に対し引き続き運転士確保の取組拡充を強く求めていただきたいということを申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(林健二君)  26番田中稔議員。 ◆26番(田中稔君) (登壇) 自民党市民会議の田中でございます。 まず初めに、震災に遭われました能登半島地方の皆様にお悔やみ、お見舞いを申し上げたいと思います。一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 2024年度の一般会計当初予算については、宮島市長が就任されて初めての本格予算だったこともあり、公約の中で政策の一丁目一番地と位置づけられた子ども・子育て支援などをはじめ、予算の配分には大変御苦労されたのではないかと拝察をいたします。さきの代表質問、また個人質問において、それぞれ人口減少という同様のキーワードで税収への影響などについて質問され、この件については一定の理解をいたしました。私は労働者不足という角度から少し掘り下げて、通告に従い、質問させていただきます。 人口減少問題、これは大変大きな問題でございます。これから人口減少が急激に進む中、このままでは経済社会システムが維持できなくなるとして、有識者のグループが、人口を8,000万人の規模で安定させて成長力のある社会を構築することを目指し、官民挙げて対策に取り組むようにとの提言を発表したというニュースを拝見いたしました。この提言では、このまま急激な人口減少が続けば、市場の縮小によってあらゆる経済社会のシステムが現状を維持できなくなり、先行して人口が減少する地方において、消滅する自治体が相次ぐという指摘がされております。 このような中、日本各地の小さな集落では、高齢化や移住する人がいないために集落の人口が減り、地域社会としての機能が衰えて限界に達してしまう、いわゆる限界集落問題が既に起こっております。現在、47都道府県全てで日本人の人口減少が確認をされたり、出生数が過去最低の80万人を下回ったりと、人口減少に歯止めがかからない状況が続いております。 本市は、転出超過が1,860人となり、全国の市区町村の中でワースト5位であるという結果が発表されました。そこで、まずは本市の人口の現状について伺いたいと存じます。 次に、本市の地域経済における人手不足等の現状と取組について伺います。 人口減少の影響は、長期的かつ非常に多岐にわたることが予想、想定されており、人口減少が長期的に与える様々な影響やリスクを想定した上で長期的な視点に立ち、まち・ひと・しごとの社会全般に関して政策・施策を検討していく必要がございます。 今後も人口減少が進行した場合、本市のような地方都市や、そこで暮らす人々の生活への様々な影響が懸念をされており、幾つか例を挙げますと生活関連サービス、特に小売、飲食、娯楽、医療機関等のサービス産業の縮小や税収減による行政サービス水準の低下、地域公共交通の撤退・縮小などがございます。 先ほど答弁された企画部長と重複いたしますが、私が事前に頂いた資料によりますと、公共交通の運転士数を見ると、西肥バスとさせぼバスを合わせた路線バス事業では、令和元年の運行体制一体化時点で295名いた運転士は5年間で55名減少し、タクシー事業においても、法人タクシーの運転手は、令和元年度時点から令和4年度末の時点までに約250名減少し、事業者数も2割以上減少している状況でございます。 私たちが子どもの頃は、なりたい職業のナンバーワンがバスの運転士だったと思っております。路線バス事業に関しましては、この数年間で加速度的に運転士の数が減少しており、実際、令和4年度に3年間の計画期間とした佐世保市地域公共交通持続化実施計画を策定されたものの、翌年の令和5年度には8.2%、令和6年度も8.8%の減便が見込まれております。計画時点では、運転士の減少を見込んだ計画とされているものと理解をいたしておりますが、想定以上の速さで運転士が減少しており、公共交通計画を策定しても計画どおりの運行や取組ができなくなるのではないかと懸念をしているところでございます。 また、タクシーに関しましては、私自身も肌で感じるところがございます。経済対策も兼ねまして夜のまちに繰り出すこともあるわけでございますが、いざ帰ろうとして、タクシーを見つけようとしても流しのタクシーすら見当たらず、空車のタクシーに出会うまで一苦労するようになりました。 余談ではありますが、報道で、自動車大手、春闘満額回答という記事を見られたと思いますが、企業間での人材の奪い合いが想定をされ、その結果として、優秀な人材が公務員として就職しないなどの問題が起きるのではないかという心配もしております。 我々が日常生活を送るために必要な様々なサービスは、一定の人口の規模の上に成り立っているわけでございまして、このようなサービス産業の撤退が進んだ地域では、雇用機会の減少へとつながり、さらなる人口減少を招きかねないといった悪循環に陥ることが危惧をされております。 この人口減少問題の中でも特に大きな問題となるのが、年齢的な面から見て、社会を支える中核層となる生産年齢人口の減少、つまり15歳から64歳までの人口が減少していくことでございます。内閣府によりますと、生産年齢人口は2020年時点の約7,400万人に対しまして、2065年には約4割近く減り、約4,500万人となる見通しであるとのことで、この予測を見ただけでも、人手不足の問題は待ったなしの状況であることは明白であります。生産年齢人口が減少するということは、労働力人口の減少、ひいては人手不足の深刻化に結びついていくのではないかと心配が絶えません。 私自身も議員活動をする中で、このような人手不足あるいは人材不足に関する様々な話を最近よく耳にするようになりました。具体的な例を幾つか挙げてみますと、例えば人材がいない、会社に入ってもすぐ辞めてしまう、あるいは人材不足により工期内に物を仕上げることができないため仕事があっても受注することができない、82歳の左官が現役で頑張ってくれているが、この方が辞めてしまうと後継者がいないなどでございます。 このほかにも、今までは市外にある会社に佐世保市から通勤をしていたが、交通費もかかるため、会社がある自治体に移住したいという話もされておりました。 また、俗に言うあごあしまくらつき、食事代、交通費、宿泊費つきという好条件の下で、今、震災のあった能登半島等々でボランティアが活動をされておりますけれども、これが賃金を頂いての仕事においても、好条件の下、優秀な技術者、人材が災害の復興のために引き抜かれてしまっているという状況も散見されます。このような話を耳にすると、人手不足、人材不足の問題に大きな危機感を抱かざるを得ません。 このように、人口減少が進む中、本市の地域経済の動向として、有効求人倍率や高校生・大学生の市内就職率などの各種データとその対応策について伺いたいと思います。 次に、本市の成り手不足の現状と取組について伺います。 人手不足とは、企業などが業務を行うに当たって必要な人材が集まらず、業務が思うように行えない状態のことを申します。我が国の人手不足は年々深刻化しており、様々な業界で対策を講じる必要が出てきておりますけれども、その背景には少子高齢化や団塊世代の一斉退職、非正規雇用の待遇の低さなど様々な問題があると言われております。 この人手不足が原因で起こり得る問題としてまず考えられるのは、企業などが廃業したり、倒産したりする可能性が高くなるということでございますが、仮に廃業や倒産を免れたとしても、人手が足りなくて十分なサービスを提供できないことから、企業の評価が下がってしまう可能性も考えられます。このことは、特に中小企業ほど深刻さを増していくと思われており、さらに地方では、有効求人倍率が上がっているにもかかわらず雇用に結びつきにくいという状況にあるとのことでございます。これは、終身雇用が当たり前だった時代と異なり、よりよい条件や職場環境を求めて転職する人も増えており、特に若い人たちの流出が進んでいることが、その要因の一つであるとのことでございます。 また、先月発表された2024年版九州経済白書によりますと、2030年には九州、山口県、沖縄県の九つの県で約49万5,000人、長崎県では約6万2,000人の働き手が不足するとの推計が示されました。 この働き手不足、人手不足の問題につきましては、様々な分野、業種で顕在化あるいは深刻化してきている状況でございます。例えば超高齢化を迎えるに当たり、医療現場での人材需要が急激に高まりを見せる一方で、看護師などの人材の供給が追いついていないというふうに言われております。 令和4年度の厚生労働白書によりますと、日本人の平均寿命は、2020年(令和2年)に女性が87.71歳、男性が81.56歳となり、2040年(令和22年)にかけて約2歳延びると推計をされております。つまり2040年に65歳である男性の4割が90歳まで、女性の約2割が100歳まで生存すると見込まれており、まさに人生100年時代が射程に入ってきている状況でございます。 このような少子高齢化の進行度などに加え、新型コロナウイルス感染症の流行により、一時的あるいは局所的に医療提供体制が逼迫する事態が生じたり、感染防止対策により介護施設などにおける業務が増大して、人手不足がさらに深刻化しているということでございます。これは、本市においても同様なことが言えるのではないかと思います。 また、近年、台風、集中豪雨、地震など、我が国でも多くの災害が発生し、場合によっては大規模な火災が発生する事態をよく目にするようになりました。このような災害や火災の現場で活躍していただくのが地域の消防団の方々でございます。消防団員は本業の仕事を持ちながら、一たび災害が発生するといち早く現場に駆けつけて、消防職員と共に初動対応に当たるという任務をはじめ、地域における消防・防災体制の中核的存在として、地域住民の安全・安心の確保のために消防団が果たす役割はますます大きくなっております。 しかしながら、この担い手は年々減り続けているとのことでございます。総務省消防庁によると、消防団員の数は、昭和20年代には全国で200万人を超えておりましたが、平成2年度には100万人を割り込み、令和4年度になりますと78万人余りまで減少しているとのことで、その理由としては、退団する人数が増えている一方で、新たに入団する人数が減少傾向にあることが挙げられます。この消防団員の減少についても他人事ではないはずでございます。 そこで、看護師など及び消防団員の成り手不足の現状と取組について伺います。 以上で1回目の質問を終わります。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) 人口減少と労働者不足についての質問のうち、1点目のこれまでの本市の人口推移や将来推計について、国が5年ごとに実施する国勢調査の数値を基にお答えいたします。 本市の人口は、1985年までは約25万人前後で推移しておりましたが、2000年には約24万人となりました。その後、平成の大合併の流れの中、2005年の吉井町・世知原町との合併により、同年には24万8,000人、2006年の宇久町・小佐々町、2010年の江迎町・鹿町町との合併により、2010年には26万1,000人となりましたが、この年をピークに人口は減少しており、2024年2月の推計人口は約23万2,000人となっております。 また、将来推計については、参考までに国立社会保障・人口問題研究所による2050年までの将来推計人口を申し上げますと、さきの代表質問でも述べましたとおり、前回の推計よりおよそ10年前倒しした形で本市の人口減少の速度が加速すると推計されております。 次に、本市の自然動態、社会動態、移住者数の動向についてお答えいたします。 国の人口動態調査及び長崎県異動人口調査報告によりますと、過去5年間の自然動態の動向につきましては、本市は、死亡者数が出生者数を上回る、いわゆる自然減が続いており、2019年が1,322人、2020年が1,404人、2021年が1,622人、2022年が1,812人、2023年が1,996人の減少となっております。これは出生数が、2019年では1,947人に対し2023年では1,558人となるなど減少傾向にあること、そして、死亡者数が2019年では3,269人に対し、2023年では3,554人となるなど増加傾向にあることが要因でございます。 次に、国の住民基本台帳人口移動報告による日本人のみの本市の過去5年間の社会動態の動向につきましては、本市は、転出者が転入者を上回る、いわゆる転出超過が続いており、その数は、2019年が1,443人、2020年が1,784人、2021年が1,511人、2022年が1,229人、2023年は1,860人となっており、議員御披瀝のとおり、全国の市区町村の中でワースト5位でございます。 2023年の移動傾向を年代別に見てまいりますと、20歳から29歳までの年代の転出超過が770人、30歳から39歳までの年代の転出超過が334人です。全体の転出超過数の約6割をこの年代の転出が占めており、いわゆる若年層の流出が本市の社会減の大きな要因となっております。 以上が本市の人口の現状でございます。 ◎観光商工部長(長嶋大樹君) (登壇) 2点目の本市の地域経済における人手不足等、取組については、私からお答えいたします。 議員御案内のとおり、生産年齢人口の減少によります人手不足は、本市においても喫緊の課題となっており、市内中小企業者の皆様が深刻な人手不足によって大変御苦労なさっていることは十分認識しているところでございます。 議員御質問の景気の動向については、日銀長崎支店が去る2月19日に発表いたしました県内の金融経済概況によりますと、現在、長崎県の景気は緩やかに回復しているものの、先行きについては、企業の人手不足感の強まりや海外経済・金融をめぐる不確実性の高まり、物価上昇などの影響を注視していく必要があるものとなっております。 また、本市の景気動向につきましても、令和5年10月に佐世保商工会議所が調査をいたしました佐世保市内経営動向調査報告によりますと、新型コロナウイルスの影響が甚大だった令和2年当時と比較いたしまして、近年の物価高騰の影響はありますものの、回復基調にある状況とのことでございます。 こうした中、事業所におけます雇用状況については、ハローワーク佐世保が本年2月に公表いたしました本市における月間有効求人倍率を見ますと、令和5年12月現在、全業種全体で1.56倍となっております。 この有効求人倍率については、平成28年以降、1.5倍程度と高い水準で推移しておりまして、慢性的な人手不足だったものが、コロナ禍では事業活動の停滞による求人の減に伴う変化はあったものの、再び高い水準に戻り、さらに人手不足が深刻化している傾向にございます。 また、全国における有効求人倍率が1.37倍、県全体としては1.31倍と、全国的に人手不足の現状にある中で、本市が全国平均を上回る状況にございます。 生産年齢人口の確保に欠かせない、注視すべき新規学卒者の採用状況でございますが、令和4年度新規学卒者について、高校生における就職率は29.4%、うち市内就職は42.6%、大学生等における就職率は84.9%で、うち市内就職は12.1%となっております。 とりわけ高校生の市内就職率は、平成30年度から増加傾向にございますが、コロナ禍であった令和2年度、3年度には50%を超えておりましたが、コロナ禍が明けて都市部の企業から求人が増加しているため、令和4年度には50%を切るという結果となっております。 次に、人手不足の状況に対しまして、本市の取組についてでございます。 第7次総合計画後期基本計画において、人材不足に鑑みまして、施策の方向性として、経営基盤の強化と生産性向上と新たな付加価値の創出及び新しい働き方改革の推進と人手不足への対応支援を掲げてございます。 その対応といたしましては、人手不足の課題を抱える市内中小企業に対して、デジタルツールを活用して人手をかけずに業務効率化や生産性向上を支援する中小企業デジタル化支援事業や、IT分野に関心のある市民向けのプログラマー養成講座などを開催するデジタル人材育成事業を実施しておりまして、IT人材不足を抱える市内企業とのマッチング支援も行っております。 また、令和5年2月に長崎労働局と佐世保市雇用対策協定を締結いたしまして、雇用に関わる国との連携体制の中で、就職を希望する多くの方々に情報を届けられるよう取り組んでいるところでございます。 こうした連携に加えまして、商工労働課が所管しておりますさせぼお仕事情報プラザでは、移住を決める際に重要な仕事探しや女性の再就職に当たって、本人に寄り添った支援を行うことで、市外からの流入人口の増加やミスマッチの回避に取り組んでいるところでございます。 今後も人口減少の傾向は続くものと見込まれておりますので、若者の定着促進だけでなく、女性、高齢者、また、近年増加してきております外国人労働者など多様な人材、多様な働き方に対する取組が必要になってきていると思われます。 特に、外国人労働者の活用については、現在も増加傾向にございます。今後も業種を問うことなく、様々な場面で需要が高まるものと考えられており、国におきましても技能実習制度の見直しが図られておりまして、新制度の検討が進められているというところでございます。 外国人労働者の雇用には様々な制約がございますので、新たな制度が導入された場合に、企業が円滑に外国人労働者の受入れを進められるよう、本市といたしましても、情報収集や、外国人雇用受入れ団体の支援機関でございます長崎県中小企業団体中央会などの関係機関と連携に努めてまいります。 人手不足の現状におきましては、企業が求職者から選ばれるための労働環境の整備や働き方の見直しが求められておりますし、企業側もこうした状況を打開する対応が求められております。 佐世保工業会を例に挙げますと、新卒者の採用確保に向け、企業説明会や見学会を実施されているところでございます。本市といたしましては、このような試みを支援するとともに、今後も官民一体となって人手不足の解消に向けた取組を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎保健福祉部長(辻英樹君) (登壇) 3点目の本市の成り手不足の現状と取組についての御質問のうち、看護師の成り手不足についてお答えをいたします。 まず、本市の現状についてでございますが、令和3年度に実施いたしました市内医療機関への調査では、医療従事者の中で、病床を抱える病院を中心に看護師が不足しているとの回答が最も多く、その数は100名を超える結果となっております。 一方、佐世保市立看護専門学校の入学者数と志願者数を見ますと、入学者数では、令和3年度が74名、令和4年度が70名、令和5年度は77名で増減は見られますものの、いずれも定数の80名を下回っておりまして、志願者数におきましては、令和3年度の164名に対し令和5年度は136名と減少している状況でございます。 その背景としましては、少子化の影響が特に大きいものと考えておりますとともに、本市におきましては、看護師養成学校の閉校も重なっていくなど、議員御指摘のとおり、将来にわたり、さらなる成り手不足への懸念が高まっているところでございます。 こうした看護師の成り手不足につきましては、医療提供体制として、市民の安全・安心な暮らしに直接影響を与えかねないことから、本市といたしましても、看護師の確保を目指し、医師会等との連携により継続的に取組を進めているところでございます。 その具体の取組の一つ目としましては、医療への興味のきっかけづくりとしまして、市内の中学校、高校において、医師や看護師などに命の大切さや仕事のやりがい等について御講演をいただき、将来、医療従事者を目指す学生の増加につなげるという取組、二つ目に、今年度からの新規事業であります修学資金貸与支援事業におきまして、医師、看護師を目指す学生に対し、将来の勤務を条件に奨学金を貸与する二次救急輪番病院に財政支援を行うというもので、学生等の流出防止や転入促進を図るという取組、三つ目に、佐世保市医師会内に無料職業紹介所を開設いたしまして、医療機関や介護施設の求人者と看護師をはじめとする求職者とをマッチングする仕組みを構築し、医療従事者の雇用機会の創出につなげるという取組などを実施しているところでございます。 また、佐世保市立看護専門学校におきましても、小学生を対象とした看護セミナーの開催、高校の文化祭でのPR活動なども実施しているところでございます。 現状といたしましては、現在の看護師不足が直ちに医療提供体制にほころびを生じるような状況にはないと考えてございますが、中長期的視点から包括的に医療人材の確保に取り組むことで、看護師の成り手不足という問題に対しましてもより効果的な対策となりますよう、今後とも鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎消防局長(坊上選君) (登壇) 本市の消防団の成り手不足の現状と取組につきましては、私からお答えいたします。 消防団員の数につきましては、議員御案内のとおり、全国的に減少傾向にあり、本市においても、令和元年には1,692人、令和5年には1,422人と、この5年間でも270人減少しているという状況に大変強い危機感を感じているところです。 一昔前の昭和世代では、地域の商店など自営業者の方、また、農業や漁業などを営む方々が消防団員の成り手の主体であり、消防団員であることが一つの誇りとされていた時代もございました。しかし、現在では、地域の若者を勧誘してもなかなか入団の意思を示してくれない、また勧誘しようにも適任者がいないというような声が多く聞かれており、特に近年はそうした傾向が強く、消防団員を安定して確保していくことはなかなか困難な状況となっております。 また、消防団には自らの意思で入団していただくものであり、入団後は、権限と責任を有する非常勤特別職の地方公務員として、いざというときには高い志を持って活動してくださる方でなければなりません。このことからも、消防団員の確保に当たりましては根本的な難しさを抱えているのも事実でございます。 このような中、これまで全国的にもPR広報を中心として、様々な加入促進活動が展開されてきたところですが、従来型の手法だけではなかなか結果に結びついていないのが現状です。 そこで、本市の対策としまして、これまでの広報手法の充実に加え、消防団の活性化に向けた意見交換会を開催するなど、これまでにない新しい取組にも着手しているところでございます。これは青年の部と壮年の部に分かれ、各分団の代表者として、それぞれ60名の方々に御参加いただき、加入促進対策や活性化対策について意見交換を行っていただく中で、現役団員の皆様の生の声を伺いながら、今後の政策に生かしていこうとするものでございます。 現時点におきましては、成り手不足の解消につながるような決定的な打開策を見いだせておりませんが、今後も引き続き消防団と連携し、市民の皆様に消防団の活動を理解していただくとともに、入団しやすい魅力ある組織づくりに邁進しながら消防団員の確保に取り組んでまいります。 ◆26番(田中稔君) (登壇) 答弁をいただきました。特に消防団員の加入促進についてはいろいろ努力をされているということはよく理解をいたしましたけれども、なかなか難しい問題だと感じました。 それでは、再質問させていただきたいと思います。 人口減少の現状を踏まえた「99の政策」の今後の展開について伺いたいと思います。 厚生労働省は、今後、我が国が本格的な人口減少社会に突入することを踏まえ、これからの人口減少社会への対応と人手不足の下での企業の人材確保に向けて、まさに時間との闘いであると警鐘を鳴らしております。ここ100年でこれまで経験したことのない急激なペースで人口が減少し、この人口減少社会は必ず超高齢社会を伴うとともに、経済などに極めて深刻な影響を及ぼすなど、国の存続そのものにも関わる深刻な問題であるとまで言及をしております。 このような中、国土交通省及び厚生労働省は、令和6年度予算の概算要求において、建設業の人材確保・育成に多角的に取り組むための予算措置を講じるとの発表がなされております。 このように、国においては人口減少社会への対応に向けた動きが見られる中、本市のような地方自治体の行政において何かできることはないのでしょうか。市長は、マニフェストとして99の政策を掲げられておりますが、本市における人口減少の現状や将来予測を踏まえた上で、人手不足、人材不足の問題に対する99の政策のこれからの展開について、市長の御見解を伺いたいと思います。 また、人口減少問題は、サービス関連業や建設業界だけの問題ではございません。我が国の水道事業において、現在の水道施設は、昭和の高度成長期あたりから急速に集中整備されておりまして、この時代に造られた施設が、これから老朽化によって一斉に更新の時期を迎えることになります。その経費は、市民から支払われる水道料金で支えなくてはなりませんが、人口減少社会の中では料金収入は目減りしていく一方となりますので、施設を維持していく財源が確保できず、水道供給の持続性が危惧されるようになってきていることが全国的な課題となっております。 昨年8月の日本経済新聞にあった「水道料金、人口減で各地値上げ」というタイトルの記事では、30年後には水道料金の単価が3倍になるという地域もあるとのことでございます。岡山市では、2024年度に料金を20.6%引き上げるという方針も示されているところでありますが、このように施設の老朽化や人口減少の課題は、佐世保市においても同様に抱えられているものと思いますし、本市は特に水源不足がいまだに解消されていないという問題も抱えております。過去にも、突発的な渇水対策により多額の支出を強いられ、それが経営を圧迫し、水道料金を値上げせざるを得なかったという事実があるように、他都市は抱えていないリスクまで抱えているのでございます。 そこで、まず、本市の水道経営に関する現在の状況と今後の見通しについて伺いたいと存じます。2回目の質問を終わります。
    ◎市長(宮島大典君) (登壇) 田中稔議員からの再質問、人口減少の現状を踏まえた「99の政策」の今後の展開について、お答えをいたします。 議員御指摘のとおり、我が国全体が人口減少社会を迎えておりますことから、人口減少対策は、国の責任として、政府の総合的かつ体系的な政策の手だてが必要だと考えております。 そのような中、議員から、本市のような地方自治体の行政としてできることはないかとの御質問をいただきました。人口減少は、国内需要の減少による経済規模の縮小、社会保障制度の持続可能性、生産年齢人口の減少による労働者不足など、経済と社会に大きな影響を及ぼすものと考えております。 人口減少が進んでいる主な要因はやはり少子化であり、少子化が進む理由としては、結婚や出産に対する意識の変化や経済的負担などを含む子育てを取り巻く生活環境への不安などが挙げられます。 私は、人口減少による影響を緩和するためには、行政として、まずは子どもを欲しいと望む人々にとって子どもが産み育てやすい環境を整備し、出生率の低下に歯止めをかけることが重要だと考えております。だからこそ私のマニフェストである99の政策では最重要課題、人口減少対策の要として、子育て支援、教育の充実を冒頭に掲げておりますし、また、令和6年度からスタートする第7次総合計画後期基本計画におきましても、子ども政策と教育政策とで構成される「ひと分野」を計画の最上位に位置づけているところでございます。 先日の施政方針及び代表質問でもお示ししたとおり、「「選ばれるまちSASEBO」を創るシティブランディング・プロジェクト」のうち、子育てという柱の中で子育て世代にやさしいまちをつくり、子どもを育てやすい、選ばれるまちを目指してまいりたいと考えております。 また、議員御指摘のとおり、人口減少が進む地方では、今後ますます人手不足、人材不足が深刻な課題となってくることは、私も強く認識しているところでございます。 そのような中、先ほどの観光商工部長の答弁にもありましたとおり、現在職に就いていない女性の新規就業の促進、人手不足に直面する中小企業等の人材の確保やデジタル人材の育成、デジタル技術の導入などによる業務の効率化・省力化などは労働供給の確保と生産性の向上に寄与し、人手不足の解決の一助となると考えております。 当該プロジェクトの柱の一つに産業も設けておりますが、このことも踏まえ、グローカル産業育成プログラムの中において、妊娠・出産等で離職した女性の市内就職を促進する労働雇用対策、人材育成や人材確保に取り組む中小企業等への支援、デジタル人材育成・就職支援を行う戦略産業推進プロジェクトや農畜産物のスマート化・高品質化のための機械・施設等の導入に対する支援を行うスマート化・高品質化支援事業などを実施することとしております。 産業の振興は、地域経済の活性化による市民所得の向上や雇用の場の確保による人口の定着化など、持続可能な地域社会を構築する上で大きな推進力となるものであり、本市が経済活動の場として市内外の皆様から選ばれるまちとなるように目指してまいります。 ◎水道局長(中島勝利君) (登壇) 人口減少を踏まえた本市水道事業経営の現状と見通しについてお答えをいたします。 本市の給水人口は、直近10年で8.24%ほど減少しており、特にコロナ禍以前は、前年比マイナス0.5%から0.8%程度の減少率であったのが、コロナ禍以降はマイナス1%から1.4%と減少率が大きくなっております。 それに伴いまして、給水収益もここ5年は減少傾向にあり、平成30年度時点で約56億円ありましたが、令和4年では約53億9,000万円と2億1,000万円以上の減収となっております。 他方、御案内のとおり、施設の老朽化は年を追うごとに進んでおりますので、その維持管理や更新に係る経費が必要となってまいります。加えまして、近年の物価や人件費等の上昇が拍車をかけておりまして、令和6年度当初予算は、損益計算書におきまして損失を計上しており、短期的には厳しい見通しとなっております。 中長期的な見通しにつきましては、まずもって近年の水需要実績を見ますと、コロナ禍となった令和元年から2年度中にかけては、業務営業用水を中心に大きく落ち込んでいる一方、一般家庭での1人当たり使用水量は大きく増加しております。これはステイホーム等の諸対策が影響したものと考えられますが、令和3年度から4年度にかけては、家庭での水使用がやや落ち着き、業務営業用水はやや回復に転じております。しかし、現在もコロナ禍以前の水準からは離れておりまして、今後も一定水準までは回復していくものと思われますが、ここに物価変動が複合的に重なってまいります。コロナにつきましては、令和5年5月から5類に引き下げられたばかりで、今年度の実績が初めてのコロナ後の実績となりますし、物価につきましても国において対策が講じられており、その成果はこれから見えてくる段階でありますので、現時点において中長期的な見通しを定量的にお示しすることが非常に難しい状況であると認識しております。 このような中で、議員から御指摘がありましたように、全国的な動きとしましては、持続性の確保を図るための経営戦略におきまして、社会情勢の変化を盛り込んだ対応が進められており、その中で水道料金の改定を行っている事例も見受けられます。 本市におきましても、経営戦略の策定につきまして、令和4年11月から、附属機関であります上下水道経営検討委員会に諮問をしておりまして、経営の持続性の様々な対応策につきまして、議論・検討を進めている状況でございますので、経営の持続策としての方向性が見えた時点で改めてお示しさせていただきたいと考えております。 ◆26番(田中稔君) (登壇) 答弁をいただきました。 それでは、再々質問をさせていただきます。 我が国の人口減少のスピードは、これから十数年間は年々高まり、人口減少を止めることは簡単ではございません。出生率の回復が遅れれば遅れるほど将来の定住人口は減少することになるため、早急な対策が必要であると思っております。 人口減少対策の起爆剤として期待されていた九州・長崎IRは、昨年12月末に不認定という残念な結果が国から通知をされました。大塚議員の代表質問と質問が重なるところもありますけれども、ここだけはどうしても言いたいということで再度言わせていただきますが、本市は、長崎新幹線の短絡ルートの決定をはじめ、基地や国防といった国策に対する本市の協力性、貢献度を踏まえると、もっと国や県に対して声を上げていいものと思います。 特に人口減少対策、子ども政策、企業誘致、ふるさと納税など、どれ一つ取っても、人口減少社会の中では、今後、自治体間の競争が激しくなってくることが予測されます。戦いです。世の中がこうだから仕方がないという捉え方ではなくて、こういった状況の中において、いかに打開策を見つけていくかを、自分のこととして危機感を持って取り組んでいただきたいと思いますし、我々議員もそのようにやりたいと思っております。 市長は子育て政策を一丁目一番地に捉えられておりますけれども、少子化によって、最近、まちから子どもの声が聞こえなくなりました。また、小学校の廃校が行われ、将来的には小中学校の統廃合が予定をされております。クラブ活動では、学校単位で編成できず、他校との合同で活動しなければならない小規模校も出てきております。 出生率を高め、また、UJIターンなどで本市への移住を促進し、人口減少に歯止めをかけていくためには、そもそも市民が経済面で安定し、魅力あるまちとしていく必要がございます。そのためには企業誘致、観光振興等で自治体間競争にも勝っていかなければなりません。 この競争をしていく中で、同じことの繰り返しになりますが、新幹線やIRは起爆剤となり得るものでございましたが、本市にとっては残念な結果に終わっております。 このような中で、最後に残されている希望は水の確保にほかなりません。市民生活の安定、企業経済活動の活性化、また企業誘致を図る上で、水は絶対的に必要となる社会基盤でありますし、水源不足の解消が図られることで水道事業経営の安定化も図られるのではないかと期待するところでございます。 この水源確保の唯一の方策である石木ダムは、昭和50年に事業がスタートして以降50年近くを迎えておりますけれども、いまだにダムの姿が見えておりません。事業主体である長崎県は、令和7年度完成に向けて努力をする旨の説明を繰り返し続けておりますが、まだ現地に家屋は複数残っており、コンクリートの打設も始まっておりません。私も議員になる前はものづくりの会社に携わっておりました人間ですから、重機を入れて作業できるような工事のスペースを確保して、河川の流れを切り替えて、そこからコンクリートの打設をするのでしょうから、あと2年間でダムが完成するのが不可能なことは誰が見ても明らかでございます。知事もそのことは分かっていらっしゃるのではないでしょうか。令和7年度完成を見直すべきだと思いますが、県の事業ではありますが、いかがでしょうか。 県が令和7年度完成に縛られているのはなぜでしょうか。だからといって、このまま安易に工期延長が繰り返されることも、佐世保市民にとっては許容できるものではありません。既に佐世保市民は、50年近く水を待たされており、その間に物価は上昇を続ける一方で、水不足が足かせとなって都市の発展は思うように進まず、市民は有形無形を問わず多くの損失と負担を抱えてきているのでございます。工事が進まないからといって、ただ安易に市民を待たせ続けるのではなく、ダムが完成するという目に見える形での進捗や具体的な手段を示す時期に来ているのだと私は考えております。 なぜなら、既に石木ダムが必要不可欠であることは、最高裁判所の判断として司法的決着を迎えているのですから、長崎県は我々佐世保市民に対し、完成までの具体的な手だてを示し、実行に移すべきであります。 歴代の知事や市長が住民と話合いを重ねてきた結果として司法判断に至ったわけでございますから、それを引き継いだ今の市長は重責を担っておられるわけでございます。行政の長として市民の利益を最優先に考え、いたずらに時間を重ねることがないよう、知事に対して言うべきことは言う、求めることは厳しく求める、そういう姿勢を示していくべきではないでしょうか。それができるのは、従来から信頼関係があられる宮島市長だと思っております。 そこで、最後にお尋ねをいたします。今後の国・県要望の全体的な在り方をお示ししていただくとともに、石木ダムの早期完成に向けた長崎県へのアプローチをどのようにしていこうとお考えになっているのか、決意のほどを示していただきたいと思います。 以上で質問を終わります。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 人口減少対策の起爆剤としていたIR不認定や新幹線の短絡ルート、基地に対する国策への協力を踏まえた政府及び県要望の在り方について、そして、石木ダムの早期完成に向けた長崎県へのアプローチについて、私の考えをとのことでございました。 長崎県内はもとより、九州全体の活性化につながる起爆剤として、県市一体となって取組を推進し、実現を切望していたIRの不認定により、地方創生の推進につなげられなかったことは甚だ残念でなりません。 議員に御指摘いただいたとおり、過去を遡れば、九州新幹線西九州ルートが佐世保を通らない短絡ルートとなったのは、県北住民の苦渋の選択の結果であります。 また、県の課題でもあります基地の関係につきましては、我が国の安全保障の重要性に鑑み、基地が所在するどの地方自治体よりも国策に協力してきたという自負がございますが、その性質上、市単独では解決できない課題が山積しております。 IRが不認定となった今、今後の本市の発展のためには、まずはこれまでの長年にわたる政府及び県への要望事項について、確実かつ早期に実現させることが必要不可欠であります。 例年、市議会と一体となって、政府及び県へ要望活動を行っておりますが、来年度の要望活動につきましては、IRの不認定に対する思いや、さきに述べた過去の経緯等をしっかりと政府及び県に対し伝えつつ、事業の推進はもとより、その確実かつ早期の実現につきまして、議会の皆様方と共により強力に要望をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 また、石木ダム建設による水源不足の解消は、子育て政策や経済対策等の諸政策を支える上で、早期に達成をしなければならない市政の重要課題であると考えております。 その事業の進め方としましては、私は、県との強力な連携体制により一体となって進めていくことが、早期完成に向けた最善の道筋だと考えております。 そのような考えから、市長就任以来、県知事との情報共有や意思疎通は緊密に行っており、その中で、地元住民の皆様方の生活再建や地域振興の枠組みを整え、円滑な事業進展を図るべく、先頃、石木ダム地域振興対策基金の新たな設立を行ったところであります。 なお、厳しい状況にある工期などにつきましては、令和6年2月の定例県議会において、来年度実施を予定している長崎県公共事業評価監視委員会で御審議されるとの県知事の答弁がございましたので、その内容及び結果について注視していきたいと考えております。 今後も、早期完成に向けて何が必要であるのか、どういう方策が有効であるのかといったことを地元川棚町も含めた協力関係の中でしっかりと構築していくことが、確実な進捗を得るための最良の進め方ではないかと考えておりますので、先ほど申し上げました要望活動と併せまして、議員各位のお力添えをよろしくお願いいたします。 ○議長(林健二君)  11番宮島武雄議員。 ◆11番(宮島武雄君) (登壇) 公明党の宮島武雄です。 通告しておりました2項目について質問させていただきます。 1項目め、教育に関する課題についてお伺いいたします。 我が国の教育基本法の第1条に、「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。」とあり、第2条には、「教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。」と記されています。 その一つ目には、「幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと」、二つ目には、「個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。」、三つ目には、「正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。」、四つ目には、「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。」、そして五つ目には、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。」とあります。 また、教員については、第9条に、「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」とありました。 このように定められている法律の下で、本市におかれても、子どもたちの健やかな成長のために努められている一方で、教育現場におかれては様々な課題を抱えられているのではないか、懸念しているところです。 現在の教育に関する主な課題について、文部科学省が示されていました。その内容等を確認したところ、まず、子どもの読解力などの低下が取り上げられており、学ぶ意欲と学習習慣が必ずしも十分でない状況にあること、そして、小中学生の規範意識も低下傾向にあることが課題に取り上げられていました。 また、特別支援教育については、LD(学習障がい)等の発達障がいのある児童生徒が、小中学校の通常の学級にも在籍していると考えられており、発達障がい等の障がいのある児童生徒に対する支援体制の整備が必要であるとともに、特別支援学校教諭免許状保有率の向上や教員研修の充実等による教員の専門性の向上についても必要とされていることが課題に取り上げられていました。 令和5年度における本市の教育は、心豊かな佐世保っ子を育むために、基礎・基本の定着と確かな学力の向上、地域の特性を生かした特色ある学校づくりの推進、豊かな心を育む教育の充実を重点目標として掲げ、進めてこられたと思いますが、文部科学省が示す教育に関する課題について、本市の教育現場におかれてはいかがでしょうか。同じような課題はありませんか。 今回、特に私が確認したい点は、本市の未来を担う子どもたちの学力の向上と特別支援教育に関する取組です。必要となる確かな学力を誰一人取り残すことなく高めることの重要性と、様々な支援を必要とする児童生徒が年々増えている現状にあるということ、以上のことから、的確に適切な教育支援を行うことが求められているのではないかと考えます。 そこで、本市の教育に関する確かな学力の育成及び特別支援教育の推進における課題と、その課題解決に向けた取組についてお伺いいたします。 2項目め、地域の避難所となる学校施設についてお伺いいたします。 1月1日の午後4時10分頃、石川県能登地方を震源とする地震が発生し、同県志賀町で震度7の揺れが観測されました。気象庁によると震源の深さは16キロメートル、地震の規模、マグニチュードは7.6と推定され、気象庁は、同地方に一時、東日本大震災以来となる大津波警報を発令し、輪島市で1.2メートル以上の津波が観測されました。 地震発生から2か月が過ぎました。お亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。 能登地方の対応や防災・減災をめぐっては、長期間にわたる避難所での生活を余儀なくされていることを踏まえ、先般の衆議院予算委員会での質疑の中で、公明党の高木陽介政務調査会長が、避難所として活用される公立学校体育館への空調設置が重要だと指摘され、財政支援を含めた見解を求められたことに対し、岸田文雄首相は、公立小中学校などの体育館への空調設備の新設については、今年度から2025年度までの間、国庫補助割合を引き上げて自治体の取組の後押し、必要な予算措置も進め、設置が速やかに進むよう支援していくとの答弁をなされました。 御存じのとおり、体育館は学力向上の場の機能だけでなく、生活を支える避難施設としての役割も果たし、学校と地域をつなぐ建物として存在しております。よって、空調設置やWi-Fi環境整備などの一定の備えを講じることが必要であると考えます。 体育館への空調設置については、昨年9月定例会で質問した折、断熱性の確保、維持管理のコストの課題もあって、既存施設への空調設置は現段階では非常に難しいとの答弁でしたが、その空調設置に至る条件に必要な断熱性の確保について、前向きな検討はできないのでしょうか。国庫補助の割合が引き上げられるこの機会を活用し、体育館への空調設置を進めることができれば、前回も述べましたが、熱中症対策を講じた体育館での授業の展開が可能となります。 また、Wi-Fi環境整備を進めることができれば、教職員の方が端末を活用し、さらに進んだ学力向上につながる取組ができるのではないでしょうか。 災害発生時においては、避難者の健康維持と寒暖対策を講じるとともに、災害情報の入手や人命の安否確認も含め、避難所生活が長期化することを想定した場合、空調やWi-Fi環境の整備が必要になるのではないかと考えます。 そこで、体育館への空調設置とWi-Fi環境整備への取組について、教育の観点と防災の観点からお伺いいたします。 以上が1回目の質問となります。よろしくお願いします。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 1項目め、教育に関する課題につきまして、まず、確かな学力の育成の課題と課題解決に向けた取組についてお答えいたします。 将来の予測が困難な時代を迎え、子どもたちを取り巻く環境も変化し続ける中、新しい時代に求められる学力観が大きく転換されております。端的に申し上げますと、いわゆる内容重視の教育から資質・能力重視の教育へと転換されたところでございます。 旧来の学習指導を想起いたしますと、学習内容を身につけさせることに重きが置かれ、ややもすると知識を暗記することや正解主義に偏ったものも散見されておりました。 そのような中、現行の学習指導要領におきましては、全ての子どもを自立した学習者に育てることに軸足が置かれ、育むべき資質・能力を「実際の社会や生活で生きて働く知識及び技能」と、「未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力」、「学んだことを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力、人間性」といった三つの点で整理し、一体的に育成することが求められております。 新しい時代に求められる資質・能力を高めるためには、主体的に考え、多様な立場の者が協働的に議論し納得解を生み出すなど、より質の高い学びが必要であることから、主体的、対話的で深い学びの視点からの授業改善が強く求められているところでございます。この授業改善を確実に推進すること自体が、確かな学力を育成する上での課題ではなかろうかと認識をしているところです。 この課題解決のための取組といたしまして、まずは、各学校がそれぞれの学校内で主体的に進めております授業改善研修の支援に努めているところです。具体的には、各学校への授業研究の講師としまして、教育委員会事務局の指導主事を派遣し、授業改善において必要なことや留意点など、学校の実情や要請に合わせて指導・支援を行うなど、現行の学習指導要領の着実な実施に寄与しております。 また、教職員の意識改革や新しい学力観への理解の深化を図る取組といたしまして、授業づくりのポイントをリーフレット等にまとめ教職員に配布することで、目指すべき指導の在り方、範とすべき授業の姿を示し、周知を図っておるところでございます。 各学校においては、このような資料などを活用しながら、子どもが主役の授業、子どもたちができた、分かったと喜びを実感できる授業を目指し、授業改善を推進しているところでございます。 また、質の高い授業実践を広げる取組といたしまして、市教育センターにおきましても、よりよい授業の追求のための研究体制を整え、お互いの授業を高め合い、磨き合う環境を構築しております。今年度は24回の公開授業を行いまして、研修で学んだ成果はそれぞれの学校へ広げる取組も併せて行っているところでございます。 また、誰一人取り残されず、全ての児童生徒の可能性を引き出す学びを実現するために、児童生徒の1人1台端末を効果的に活用した授業実践を広げる取組を行っており、研究校を指定いたしまして、ICTを効果的に活用した授業実践の公開や、全国的に著名な講師を招聘したオンライン研修を実施することで先進事例を学ぶ機会を提供したところでございます。 今後も児童生徒の確かな学力を育成するために、教職員の授業改善に資する支援を充実してまいります。 次に、特別支援教育の推進における課題と課題解決に向けた取組についてお答えいたします。 本市におきましても、特別な支援を必要としている児童生徒は増加傾向にあり、またその特性は多様化し、これまで以上に特別支援教育の充実が求められております。 そのため、特別な支援の対象となる児童生徒を的確に把握すること、また、適切な指導や必要な支援を組織的に行う体制のさらなる充実が課題であると認識しています。 特別な支援の対象となる児童生徒を的確に把握するための取組といたしましては、まず、教育委員会事務局職員による幼稚園や保育園の訪問や、就学時健康診断などにおいて支援を必要とする幼児の観察から始めております。その上で就学支援委員会を開催し、医療、教育、福祉等25名の専門家からの意見をいただきながら、一人一人の教育的ニーズを踏まえた就学の場を保護者の皆様に提案している状況でございます。 また、就学後は、各学校において、一貫して的確な教育的支援を行うために個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し、必要な指導・支援に活用するとともに、保護者や関係機関との連携を図る一助といたしております。 続きまして、適切な指導や必要な支援を組織的に行うための体制のさらなる充実に向けての取組についてでございますが、まず、それぞれの学校で行われる校内支援委員会の充実を図っております。この校内支援委員会は、特別な配慮を要する児童生徒への支援の在り方について協議をする組織でございますが、特別支援教育コーディネーターを推進役として、全職員の共通理解や外部機関との連携により、児童生徒の特性に応じた手厚い指導・支援に努めております。 また、市教育センターにおいては、特別支援教育に関する教職員のさらなる資質向上を図るために研修の機会を設定し、児童生徒の支援が一層充実できるよう進めているところです。 このような教職員の資質向上に努めている一方で、学校には教職員に請け負わせることができない医療的なケアを必要とする児童生徒も在籍するなど、支援のためのマンパワーも必要となっております。 そこで、看護師免許を有する方を含む特別支援教育補助指導員を市内小中学校61校に50名配置しまして、児童生徒のニーズ、保護者の願いに応えるよう努めているところでございます。 いずれにしましても、一人一人の学びを深めるための適切な指導や必要な支援の充実を図ることで、未来を担う子どもたちの可能性を最大限に引き出す教育を推進してまいります。 次に、2項目めの地域の避難所となる学校施設についてお答えいたします。 今般の能登半島地震におきまして、多くの市民の皆様が長期間、避難所生活を余儀なくされる中、学校施設、特に体育館が避難生活の拠点となったことは、私ども教育関係者にとりましても、体育館が単なる学力の向上の場としてだけではなく、地域社会の安全・安心の拠点としても非常に重要な役割を果たすことを改めて認識したところでございます。 議員御質問の体育館の空調設置についてでございますが、御案内の国庫補助割合は、従来の3分の1から2分の1へ引き上げられておりますものの、国庫補助の適用を受けるには断熱性を確保することが要件となってございまして、空調の設置工事と断熱工事の2工事分の事業費が必要となってございます。 私どもといたしましては、現在、令和7年度までの事業といたしまして、特別教室等への空調設置を進めておりますことから、まずはこの設置を完了することに注力していきたいと考えております。 また、令和5年9月定例会でも答弁しましたとおり、学校施設の老朽化に伴う対策が必要な時期を迎えておりまして、安全性を確保すること、いわゆる質の担保を限られた財源の中で優先して行っている状況でございます。 御案内の補助率の引上げは、令和7年度までの時限的なものとなっておりますが、今後、期限の延長や新たな補助制度の創設など、情勢が変化することもあると考えております。まずは空調設置について、国庫補助の要件である断熱性を確保するための新しい技術や財政負担低減のための手法について、引き続き調査研究を進めてまいりたいと考えております。 次に、Wi-Fi環境を活用した学習についてでございます。 児童生徒につきましては、貸与しております児童生徒1人1台端末を運動場や体育館においても利用できるよう、携帯電話などと同じLTE通信としておりまして、Wi-Fi環境に接続しなくても端末を活用した学習を実践しているところでございます。 教員につきましては、児童生徒の成績など機微な情報を取り扱うことから、校務用端末をWi-Fi環境に接続することはできませんが、LTE通信端末を指導者用端末として活用することで、児童生徒と同様に運動場や体育館などで端末を活用した学習指導を実践しております。 今後も、学校施設を通じた教育の質の向上と地域社会への貢献を図るため、様々な角度からの検討を重ね、児童生徒の安全・安心な学習環境の充実を目指してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎防災危機管理局長(山元義崇君) (登壇) 2項目めの地域の避難所となる学校施設の学校体育館の空調やWi-Fiの御質問について、防災の面からお答えいたします。 本市での避難所の開設につきましては、現状として、夏場の出水期における大雨や台風等の一定程度予測可能な災害に対応しているのが主な状況でございまして、市民の皆様が特に明るいうちに安全な避難行動ができるよう、できる限り早めに避難情報を発出し、地区コミュニティセンターや学校体育館等の公共の避難所を開設することを基本として取り組んでおります。 また、本市としましては、公共の避難所以外の親類宅やホテル等への分散避難についても推奨しており、市民の皆様それぞれが、まずは安全に避難できることを第一にと考えております。 議員御質問のWi-Fi環境につきましては、各地区のコミュニティセンターで令和5年3月1日から公共Wi-Fiサービス(Sasebo City Free Wi-Fi)の利用が可能となっており、市民の皆様が避難所を御利用された場合でも、自由に利用が可能となっております。 一方で、コミュニティセンター以外の学校体育館につきましては、空調やWi-Fi環境は整っておらず、特に空調につきましては、避難者の健康面への影響も考慮し、大型の扇風機の配備、あるいは空調設備のある教室を可能な範囲で使用させていただくなどで現状は対応しているところでございます。 議員御案内のとおり、今年元日に発生した能登半島地震のような大規模災害の場合、多数の避難者や避難の長期化が想定され、学校体育館の避難所としての役割も重要となってまいります。 このような状況において、本市では空調の対策としては、企業や民間団体等との協定によりその対応を図ることを想定しており、具体的には建設機械レンタル会社2社と冷暖房機器を当市が求めた場合に優先的に御提供いただくことや、一般社団法人冷凍空調保安協会と災害時に拠点となる公共施設や避難所等の冷凍空調設備の資機材の調達・提供等について、同じく優先的に対応していただく協定を結んでおります。 一方で、Wi-Fi環境整備に関する協定については、現在のところ未締結という状況でございますが、平成23年に発生した東日本大震災を教訓に、一般社団法人無線LANビジネス推進連絡会が災害時に公衆無線LANを無料で開放するサービスであります「00000JAPAN」というものを提供されており、今回の能登半島地震や熊本地震等において、避難所における通信環境の確保を行っておられます。 また、他都市の状況として、個別に大手携帯キャリアと災害時における避難所への公衆無線LAN協定を締結されているケースもあり、さらに、今回の能登半島地震を踏まえ、長崎県におかれましては、県の防災対策を見直す必要があるとの考えを去る2月19日開催の長崎県防災会議で示されており、県内各市町とも協議会を設置し、情報共有や意見交換を進めたいとの話があっているところでございます。 本市といたしましてもこの機会を捉え、Wi-Fi環境も含めた有効な通信手段の確保といった観点で大規模災害時の対策を検討していきたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆11番(宮島武雄君) (登壇) 1項目めの再質問に入る前に、2項目めの地域の避難所となる学校施設について、意見を述べたいと思います。 教育の観点から、教育長から答弁いただきました。体育館が単なる学力向上の場としてでなく、地域社会の安全・安心の拠点としても非常に重要な役割を果たすことの再認識と、空調設置については、国庫補助の要件である断熱性の確保が必要なため、本市の財政負担も大きくなることから、新しい技術と財政負担軽減の手段がないか、引き続き調査研究を進めるとのことでした。断熱性の確保を含め、一歩前進した調査研究を進めていただきたいと思います。 また、Wi-Fi環境整備については、児童生徒の情報を取り扱うことなどから、接続と活用が難しいとのことでした。内容については理解いたしました。 現在、活用されているLTE対応の1人1台端末については、屋内外でも学習に取り組めるとのことで、私も高く評価しております。教育の質の向上や地域貢献を図るため、様々な角度からの検討と児童生徒の安全・安心な学習環境の実現を目指すとの教育長の前向きな答弁に期待をしております。 防災の観点から、防災危機管理局長から答弁いただきました。避難所として体育館を開設するときは、避難者の健康面への影響を考慮した大型扇風機の配備や、可能な範囲で空調が設置されている教室を使用するなど、工夫した対応をされているとのことでした。 空調対策としては、建設機械レンタル会社や一般社団法人冷凍空調保安協会等と協定を結ばれているとのことで、これは市民の皆様への安全と安心につながる大切な取組だと思いました。 また、市民の皆様が明るいうちに安全に避難行動ができるよう、早めの避難情報の発出については本当にすばらしい取組だと思います。 最後のお話の中で、県が防災対策を見直す考えを示していることに触れ、情報共有や意見交換の際、Wi-Fi環境も含めた有効な通信手段の確保といった点から大規模災害時の対策を検討していきたいと考えているとの前向きな答弁がありました。期待しております。ぜひ検討していただきたいと思います。 それでは、再質問いたします。 確かな学力の育成については、着実な授業改善に向けた取組、教職員の意識改革や新しい学力観への理解の深化を図る取組等といった具体的な取組を講じられており、全ての子どもを自立した学習者に育て、生きて働く知識や技能とともに、臨機応変に対応できるような思考、判断、表現の力、それに学んだことを人生や社会に生かそうとする学びの力など、全て未来に羽ばたく子どもたちにとって必要なことを重点とした育成や課題への取組を実施されていることが分かりました。 また、特別支援教育についても課題を明確に捉え、就学支援委員会の開催や、的確に教育的支援を行うための個別の教育支援計画・個別の指導計画の作成、特別支援教育コーディネーターを推進役とした校内支援委員会の設置、特別支援教育に関する研修会など必要な支援の取組を適切に展開されていることも、教育長の答弁で分かりました。 特に医療的ケアを必要とする児童生徒の在籍に合わせ、看護師免許を有する方を含む特別支援教育補助指導員が配置されていることはすばらしい取組だと思います。安心して通学ができ、保護者の不安要素の解消にもつながります。その取組に敬意を表します。 ただ、そのような特別支援教育補助指導員の配置が61校に50名とのことでした。本市には、小中学校合わせて70校ございます。より充実した支援を講じるためには、70名の特別支援教育補助指導員の配置が必要ではないでしょうか。ぜひ増員に向け、頑張ってほしいと思います。 総じて、児童生徒の確かな学力を誰一人取り残すことなく高める取組と、個別の支援が必要な児童生徒への教育支援を充実させるための取組を実施されているお話でした。引き続き子どもたちの未来のためによりよい支援をお願いしたいと思います。 もう一つ、教育に関することで気になることがあります。それは、教育を進める教職員の現状です。教員をめぐる現状についても、文部科学省が項目別に示しておりましたので、ここで少し確認したいと思います。都市化や核家族化の進行等を背景に、家庭や地域社会の教育力の低下に伴い、子どもの基本的な生活習慣の育成等の面で学校や教員に過度な期待が寄せられており、保護者の中には教員に対して、一定目に見える教育成果を上げることを求める傾向が強まっていると分析されております。 また、教員に対する信頼については、教員の中には、子どもに関する理解が不足していたり、教職に対する情熱や使命感が低下している方も少なからずいるといった指摘もあり、一部の教員による不祥事も依然として後を絶たない状況にあるといった指摘もありました。たとえ一部の教員の問題であっても、保護者や国民、市民の厳しい批判の対象となり、それが教員全体に対する社会の信頼を揺るがす要因となっていることは言うまでもないことです。 そのほか、教員が多くの業務を抱えていることから、使命を果たすことに専念できず、ストレスに感じることも少なくないことや、昨今の教員同士の希薄化、学びの共同体としての機能が十分に発揮されていない状況にあることも取り上げられていました。 本市の先生方はみんな、心身ともに健康でしょうか。先生が健康であり、元気であれば、子どもたちは健康であり、元気であると思います。先生に元気がなければ、子どもたちも元気がありません。児童生徒への確かな学力、教育支援の充実を図るには、先生が要になる人と考えますが、この点についてはいかがでしょうか。 例えばスポーツ部門において、選手の能力を最大に引き出し、活躍の場を与え、そしてチームを優勝に導く、これは監督の手腕にかかっています。同様に、学校におかれては、子どもたちの学力向上等は先生方の手腕にかかっていると言っても過言ではないと思います。その大事な先生は悩んでいませんか。誰にも相談できず、問題を抱えていませんか。もし万が一、先生方に悩みがあったり、疲弊しているのであれば対策を講じる必要があります。例えば匿名でも相談できるような相談窓口の設置や、LINEでも気軽に投稿や相談ができるような先生のつぶやきの広場といった本市独自の教職員の相談窓口の設置が必要ではないでしょうか。もしそのような窓口の設置があればストレス解消につながり、新たな活力を生み出すきっかけになると考えます。 そこで、本市の教職員を対象とした良好なメンタルヘルスを保つための取組と今後の方向性について、お伺いいたします。 以上が再質問になります。よろしくお願いいたします。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 教育に関する課題についての再質問をいただきました。 私は、教師という職業は、一人一人の子どもたちと向き合い、可能性を信じて支援し、子どもたちと共に自身も成長できる働きがいのあるものであると考えており、子どもたちの自己実現の瞬間、また成長する場面に立ち会うことができますことは教師としての最大の喜びであると思っております。 そのために、子どもと向き合う時間や授業を準備する時間など、教職員が集中して服務に専念できる環境を整えることが必要であることから、働き方改革を推進してまいりました。これまで他市に先駆けまして、全校へのスクールサポートスタッフの配置やスクールロイヤー制度の導入、給食の公会計化などを進めてまいったところでございます。 また、要である教職員が心身ともに健康であるということは、子どもたちの元気や笑顔にもつながると考えており、そのためにも教職員のメンタルヘルスケアは重要であると認識しております。 現在、ストレスセルフチェックを実施するなど心身の状況の把握を継続的に行い、管理職が状況に応じて職場や業務の改善や個別の支援を行うとともに、必要に応じて専門機関へつなぐなどの対応をしております。今後も、教職員の悩みなどに対して手厚くサポートできるように、県の教育センターが設置しておられます相談電話など外部機関の活用を促進させるとともに、御提案の市独自の相談窓口の開設につきまして情報収集を図るなど、鋭意研究を始めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆11番(宮島武雄君) (登壇) 教職員に対するメンタルヘルスケアについて、本市独自の相談窓口の開設については情報収集を図るなど、鋭意研究を始めていくとの教育長の答弁でございました。 先生の立場、役割、そして子どもたちに対する熱意、これは教育長が一番御存じのことと思います。聞くことは学ぶこと。相手の声に耳を傾け、心を寄せれば必ず伝わります。先生と子どもたちの間で、また先生同士の間で温かい言葉のキャッチボールができるような、本来あるべき姿につながればと思います。学校が抱える諸課題の解決につながればと思います。繰り返しとなりますが、先生が要になる人です。ぜひとも前向きに研究を進めていただきたいと思います。 最後に、宮島市長にお伺いいたします。本定例会の施政方針の中で、市長は、大好きなふるさと佐世保をしっかりと未来の世代へ引き継いでいくのが市長である私の責務であり、子育て支援・教育は未来への最も重要な投資と、熱い思い、深い決意を込められてお話しされています。宮島市長、本市の子どもたち、教育への取組を待っています。未来を担う本市の子どもたちを健やかに育む教育について、市長の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終了いたします。ありがとうございました。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 宮島武雄議員から、未来を担う本市の子どもたちを健やかに育む教育について、私の所感をということでございましたのでお答えさせていただきます。 議員御案内のとおり、私も施政方針で述べたところでございますが、子育て支援・教育の充実は未来への最も重要な投資であり、そのまちの魅力をつくり出すものと考えております。 そこで、令和6年度から始動するシティブランディング・プロジェクトにおきましても、子ども・子育てを重点項目として力強く推進してまいります。 教育は人をつくり、地域をつくる崇高な営みでありまして、一人一人の豊かで幸せな人生と社会の持続的な発展に向けて重要な役割を担っているものと認識をいたしております。 昨年10月に本市の教育大綱を見直すとともに、第7次総合計画後期基本計画の最上位に教育政策を含むひと分野を位置づけました。また、教育振興基本計画も改定されるなど、令和6年度は本市教育政策の一つの節目でもございます。 今後も、全ての子どもたちが幸せと生きがいを感じながら、未来を切り開くために必要な力を身につけることができるよう、教育委員会と連携を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(林健二君)  暫時休憩いたします。     12時16分 休憩     13時30分 再開 ○副議長(久野秀敏君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 個人質問を続行いたします。7番黒川英朗議員。 ◆7番(黒川英朗君) (登壇) 自民党市民会議の黒川英朗でございます。通告に従い質問をさせていただきます。 今回の質問は1、大塔町脇崎交差点の渋滞対策について、2、宇久島内の観光客受入れ体制について、3、「大谷グローブ」の取扱い状況について、以上の三つについてお伺いいたします。よろしくお願いいたします。 初めに、1、大塔町脇崎交差点の渋滞対策について。 私は、昨年6月当選後、初めての個人質問として、地元の最も重要な問題の一つである桜馬場交差点の渋滞対策を取り上げました。こちらについては、当局の皆様の今後の御対応を引き続き注視しておりますが、今回はそれに付随して、同じ市道尼潟循環線上にある脇崎交差点、また、それに関連して、食品団地入口の交差点についても、渋滞問題を取り上げたいと思います。 初めに、大塔町の脇崎交差点について、慢性的な渋滞が発生しており、その対策について伺います。 脇崎交差点は、国道35号と市道尼潟循環線が交差しており、国道の両方向、卸団地、そして黒髪の各方面からのそれぞれの交通量が非常に多い、市内でも有数な交通量を誇る交差点です。周囲には、銀行、レストラン、家電量販店、ハンバーガーショップなどがあり、それぞれの店への車の出入りも頻繁にある交差点です。同交差点においては、JR佐世保線のガードがあるため道幅が狭く、渋滞が発生しやすい形状にあります。特に朝7時台から8時台にかけては、市道尼潟循環線の日宇、黒髪方面から、国道へ向かう車の渋滞が激しく、さらに悪天候時には、信号待ちの車列が約700メートルも離れたもみじが丘入口の交差点さえも越えることもあります。脇崎交差点付近には、さつき台団地入口、大手通販会社の厚生施設、また病院等もあり、それらの車の出入りに支障を来す場合も少なくありません。 また、黒髪、日宇方面へ数百メートルしか離れていない食品団地入口の交差点においても渋滞が発生しています。脇崎交差点方面から食品団地側へ曲がる右折帯がないため、一旦、右折待ちの車が1台でも停車すると、なかなか曲がることができず渋滞が発生してしまいます。 いずれの交差点も、大塔小学校や日宇中学校の多くの児童生徒が毎日利用する通学路でもあります。今後、近隣のひうみ団地の開発が進めば、さらに児童生徒の数は増加することとなり、通学する子どもたちの安全の確保もさらになされなければなりません。 また、本市の東部地区と市中心部とを結ぶ公共交通機関であるバス路線の多くは、国道35号の日宇バイパス入口から脇崎交差点までの間を、最短ルートである日宇バイパスを通らず、JR佐世保線とほぼ並行する市道尼潟循環線を迂回するルートで運行されています。食品団地入口バス停の時刻表によると、現在のダイヤでは、上下合わせて、平日7時台には計21本、8時台には計16本ものバスが発着しています。加えて、多くの私立学校のスクールバスや幼稚園の園児バス等も、同ルートで運行されており、慢性的な渋滞発生により、定時運行が阻害され、公共交通機関としての利便性が著しく低下している現状があります。 さらに、午前中に大村議員が取り上げたとおり、バスの減便が実施された場合、さらに利便性が低下するのは確実な情勢です。まずはそれぞれの交差点の現状について、当局はどのように認識しておられるのかお伺いします。 2、宇久島内の観光客の受入れ体制について。 宇久における振興策については、今定例会においても、柴山賢一議員や古家勉議員が取り上げられ、また、観光振興策についても、これまで様々な観点から多くの議員の皆さんが質問をなされてきていますが、今回、私は、観光客の受入れ体制の充実を図る観点から、1、宇久島内の公衆トイレ、2、宇久ターミナルビルの仮眠室についてそれぞれお伺いいたします。 2項目めの1、宇久島内の公衆トイレの現状について。 まずは、宇久島内各地に設置してある公衆トイレの現状について伺います。 宇久は、五島列島の最北端に位置し、佐世保から西へ約60キロに位置し、数多くの美しい自然、海岸、海水浴場、歴史遺産等があり、それらの観光スポットや公園等の多くには公衆トイレが設置してあります。しかしながら、その多くが設置されてから相当の年数が経過して、老朽化しています。また、管理が行き届かない等の理由により閉鎖されていて、使用できないものも少なくありません。 宇久は、多くの本土地区とは異なり、公共施設が少なく、また、コンビニエンスストアもありません。そのため、観光客が用を足す場合、どうしても公衆トイレを利用する割合が高くなります。宇久島の玄関口である、宇久ターミナルビルに隣接して盛州公園という立派な公園があります。ここは、宇久島にゆかりのある平清盛公の弟に当たる平家盛公にちなんだ公園で、船で宇久島に降り立った観光客がまず最初に目にする公園です。その中にある公衆トイレは、本格的な瓦ぶきのコンクリート造りの大変立派な建物です。しかし、残念ながら、最近、入口はずっと閉ざされたままで、そこには閉鎖中の残念な貼り紙が貼られています。 私は、そのほかに、城ヶ岳、大浜、乙女ノ鼻、神浦バス停をはじめとして、宇久を訪れるたびに、島内ほとんどの公衆トイレを見てまいりました。しかしながら、現在利用可能な公衆トイレも、平成の大合併以前に建てられたものであり、昼間でも薄暗く、多くが洋式ではなく和式トイレ、また、水洗式ではなく、くみ取り式の施設もあります。私も実際にくみ取り式のトイレを実に何十年ぶりかに利用してみましたが、やはり推して知るべしの状況でした。 また、私が以前、島の西部に位置する神浦地区を訪れた際、急に腹の調子が悪くなり、神浦バス停の待合室内に設置してある公衆トイレへやっとの思いで駆け込んだところ、使用不可であったため、慌てて近くの民家に駆け込み、事情を説明し、トイレを使用させてもらったという苦い経験もありました。 初めて宇久を訪れた観光客、特にトイレの清潔さを重要視する女性や子どもたちは、島内の公衆トイレの現状を目の当たりにして、宇久へ再び来ることをどうしてもためらってしまうといった事例もあったと聞き及んでいます。 令和6年2月1日現在の宇久の推計人口は1,677人。今後、さらなる人口の減少が予想される宇久の現状を考えた場合、公衆トイレ管理の費用対効果の面で、公衆トイレのある程度の集約化はやむを得ず、数が減ったにしても、気持ちよく利用でき、管理が行き届くものを整備すべきと考えます。 そこで、まず、宇久島内の公衆トイレの現状について当局へお尋ねします。 2項目めの2、宇久ターミナルビルの太古の仮眠室の現状について。 次に、宇久ターミナルビルの太古の仮眠室の現状について伺います。 宇久の航路については、佐世保港と宇久をはじめ、上五島各地とを結ぶ、昼間に運行されるフェリーや高速船のほかに、深夜23時45分に博多発福江行き、途中、宇久に未明の朝4時頃に着くフェリー太古があります。宇久ターミナルビルには、昼間利用されている1階の待合室のほかに、2階に、深夜に発着する太古の利用客のために、専用の仮眠室が設置してあります。この仮眠室は男女別々の部屋で、それぞれ3名のみ利用可能、エアコン完備、清掃は行き届いているとはいえ、畳敷きの広さ四畳半、ベッドは1人用のみ、加えて、いわゆる雑魚寝用が2人分、合計3人分のそれぞれ毛布と枕があります。 私も先日、実際に、深夜に博多から太古に乗り、ひどい船酔いで苦しみながらも、朝4時に宇久に到着後、この仮眠室を利用してみました。大部屋での大人数での利用であればともかく、僅か四畳半の広さでの見ず知らずの3人との利用は、男の私自身でさえ、若干の違和感を覚えずにはいられませんでした。その仮眠室を利用しない人は、1階の待合室の椅子に座り、朝まで過ごすこととなります。きらびやかな商業施設やポートタワーが建ち並ぶ夜のベイサイド博多埠頭ターミナルから、これまた、豪華な内装を誇るフェリー太古に乗船し、約4時間もかけてようやく降り立った未明の宇久ターミナルビルの仮眠室の現状があまりに残念な状態に思ってしまう観光客も決して少なくないと思います。 そこで、太古専用の仮眠室の現状についてお伺いいたします。 3、「大谷グローブ」の取扱い状況について。 この質問については、主人公である小学生の皆さんにも内容をきちんと分かってもらうため、また、市役所の皆さんや市議会議員の仕事をきちんとお伝えするために、小学生の皆さんにも分かりやすい言葉で、質問と回答をそれぞれやり取りを行ってまいります。 今回の質問は、「大谷グローブ」をプレゼントされた経緯や、子どもたちや学校の様子、また、佐世保市のこれからのスポーツの在り方などについてお尋ねいたします。 さて、皆さん御存じのとおり、去年から今年にかけて、メジャーリーグで活躍されている大谷翔平選手より、日本中の小学生の皆さんへ、すてきなグローブのプレゼントがありました。子ども用で、右利き用が二つ、左利き用が一つ、合計三つのグローブが佐世保市内の小学校などにも届けられました。ここで改めて、大谷選手から小学校などへ届けられたメッセージを読み上げてみたいと思います。  ロサンジェルス・エンゼルス・オブ・アナハイムのメジャーリーガー、大谷翔平です。この手紙は、このたび私が学校に通う子供たちが野球に興味を持ってもらうために立ち上げたプログラムをご紹介するためのものです。  この3つの野球グローブは学校への寄付となります。それ以上に私はこのグローブが、私たちの次の世代に夢を与え、勇気づけるためのシンボルとなることを望んでいます。それは、野球こそが、私が充実した人生を送る機会を与えてくれたスポーツだからです。このグローブを学校でお互いに共有し、野球を楽しんでもらうために、私からのこの個人的なメッセージを学校の生徒たちに伝えていただければ幸いです。  この機会に、グローブの寄贈をさせていただくことに感謝いたします。  貴校のますますのご発展をお祈り申し上げます。  野球しようぜ。大谷翔平。 以上のメッセージが添えられています。 佐世保市内のそれぞれの小学校などでは、このメッセージとともに、「大谷グローブ」が学校集会などで紹介され、グローブを実際に代わる代わる触ってみた子どもたちは笑顔にあふれ、さらに、それを見守っていた先生たちもとても喜んでいたようです。私が聞いた話でも、グローブを手に取って使い心地を確かめてみた子ども、「柔らかい」、「格好いい」、「手になじむ」とつぶやく子ども、サインをじっと見詰める子どもなど、様々な反応があったようです。 私も、ある小学校で実際に触らせていただきましたが、大人である私自身も心が大いにときめきました。 そこで、まずは1回目の質問として、「大谷グローブ」がどのような形で送られたのか。また、子どもたちの様子はどのようであったのかお尋ねいたします。 以上、1回目の質問を終わります。 ◎土木部長(田島克巳君) (登壇) 1項目めの御質問、大塔町脇崎交差点周辺の渋滞対策についてお答えさせていただきます。 大塔町、脇崎交差点及び食品団地入口の交差点で発生している渋滞に関し、どのような認識を持っているのかということでございました。 まず、脇崎交差点でございますが、この交差点は、大塔町に位置し、桜馬場方面から卸団地方面に通じる市道尼潟循環線と、国道35号が十字に交差する交通の要所で、近隣には銀行の支店や家電量販店、飲食店を含む大型の商業施設群が密集し、また、近接地ではグランアヴェニールひうみの大規模宅地が開発されており、特に交通が多い場所でございます。 市道尼潟循環線は、多くの便が運行するバス路線でもありまして、特に朝夕の通勤・通学時間帯は交通量が多く、12時間交通量は約8,300台、国道35号も12時間交通量は約3万4,000台と、大きな交通ストレスがかかっている場所です。 このことから、この脇崎交差点は、長崎県交通渋滞対策協議会においても主要渋滞箇所に指定されている状況でございます。 市道尼潟循環線は、大塔小学校の通学路にもなっており、朝夕の時間帯は多くの児童も通る路線でもございます。 このような交通量などを勘案し、信号制御等、交通環境を丁寧に把握し、対策が講じられている場所でもあります。早岐警察署交通課によりますと、当該交差点の信号機は、全感応式という信号機であり、主道路である国道35号、そして従道路である市道尼潟循環線の両方に車両感知器が設置されており、車両の滞留状況に応じ、青信号の時間を変化させることができる最新の信号機となっているということでございます。 このような中、議員御指摘の桜馬場方面から脇崎交差点へ向かう車両の混雑状況について、土木部におきまして調査をいたしましたところ、朝の時間帯においては、桜馬場方面から卸本町方面へ直進する車両が比較的多く、右左折をする車両はそれほど多くはございませんでした。 このことから、渋滞の原因は、直進車であると考え、これらの影響でおもちゃ店付近まで350メートル程度の滞留が発生しているという状況が確認されました。 議員御指摘のとおり、1回の青信号でははけ切れない渋滞が発生している状況です。 次に、昼の時間帯においては、直進と左折車が比較的多くなります。大型商業施設やスーパーマーケットへの買物目的の車両が一定数いると思われ、交差点からドラッグストア付近まで150メートル程度の滞留が確認されたものの、1回の青信号ではけ切れないという状況までは至っていない状況でございます。 夕方の時間帯においても同様で、ドラッグストア付近まで150メートル程度の滞留が確認されておりますが、昼の時間帯と異なり、直進、右折、左折と全方向の車両が一定数いる状況で、昼間より早く車両の滞留がなくなっている状況でございます。 特に朝の時間帯に渋滞が発生しているという状況に鑑み、現在、地元の日宇地区自治協議会からも、道路車線の追加の要望項目がなされておりますが、当該交差点は、JR高架橋と近接しておりまして、道路構造令に沿った拡幅を行おうとした場合、JR高架橋への影響が生じることから、抜本的な対策が難しい状況にあります。このことは、地元の日宇地区自治協議会に対しましても説明をしておりまして、御理解をいただいているものと認識をしております。 次に、脇崎交差点から桜馬場方面へ450メートルほどの距離にある食品団地入口の交差点についてでございます。 こちらの渋滞状況につきましては、朝、昼、夕刻ともに一定数の通過車両があるものの、桜馬場方面からの車両が、もみじが丘団地入口の信号などで途切れることから、脇崎交差点側から食品団地への右折が可能となり、直進車の通行が阻害されないため、信号待ち1回で車両が通過してしまう状況で、現段階においては、渋滞を確認することはできませんでした。 以上でございます。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) 2項目めの、宇久島内の観光客受入れ体制につきましてお答えいたします。 初めに、公衆トイレの現状についてお答えいたします。 現在、宇久島内にある公衆トイレは18か所あり、そのうち観光マップで紹介しております公衆トイレは、使用できないもの2か所を含め計12か所でございます。また、使用できる公衆トイレのうち、洋式トイレは2か所のみとなっております。 公衆トイレは、人口の多い島の南側半分の地域に主に所在しており、西海国立公園区域内は長崎県、都市公園やバス停、公共施設駐車場などに併設のトイレは本市が所管しております。 議員御指摘のとおり、トイレの多くが整備後約30年を経過しており、経過年数や立地条件から、施設の老朽化が著しく進んできている状況がございます。 例えば、平成2年度に宇久ターミナルビル前に、島の玄関口として盛州公園と一体的に整備を行ったトイレは、数年前から経年劣化が原因と思われる便槽への浸水が発生しており、修理には多額の費用を要することや、すぐ近くのターミナルビル内のトイレを活用できることもありまして、閉鎖をしております。 また、島の西部には、議員からも御案内がありました神浦バス停に併設したトイレがあり、地元地区が清掃することを条件に設置したものでございますが、数年前に、地元地区の総会において、人口減少、高齢化の進展などにより、清掃等維持管理を継続していくことが困難との理由から閉鎖となっております。 このように、宇久島内の公衆トイレは、観光や住民の利便性向上などから整備が進められてきていますが、建設からかなりの年数が経過するとともに、改修が行われてきていないため、和式のトイレが多く、くみ取り式も残っており、人口減少などの問題から、維持管理も難しくなってきている状況がございます。 本市といたしましては、公衆衛生やバリアフリーの観点から、何らかの改善が必要との課題意識は持っており、議員御提案のトイレの集約化も含め、検討を深めてまいりたいと考えております。 次に、宇久ターミナルビルの仮眠室の現状についてでございます。 宇久ターミナルビルは、船の大型化による岸壁の新設に伴い、平成2年5月に供用が開始されております。当初は、博多からのフェリーが2隻体制で、上りと下りを交互に運行しておりましたので、現在のように早朝に到着する便はなく、仮眠室を整備する必要はございませんでした。しかし、平成4年10月からフェリーが1隻体制と変更となり、現在の早朝4時前後に入港することとなりましたので、急遽、宇久ターミナルビルの1階に男女共用の仮眠室を設けることとなりました。 その後、2階にあった飲食店が撤退されたタイミングで、男女別に四畳半の和室の仮眠室を整備し、現在は、エアコン、テレビ、簡易ベッド、フリーWi-Fiも設置するなど、利便性の向上に努めているところでございます。 小値賀町の状況についても確認をいたしますと、男女別に6畳の和室の仮眠室が整備されており、エアコンはありますが、テレビや簡易ベッドはなく、宇久の仮眠室とあまり変わらない状況でございました。 しかしながら、御指摘の部屋の狭さや施設の老朽化も含め、仮眠室の在り方につきましては、今後、利用者などの意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 3項目めの「大谷グローブ」の取扱いについて、本市における寄附の経緯、また寄附を受けた子どもたちの状況についてお答えいたします。 まずは、本市をはじめとする全国の小学生に対し、スポーツに対する興味・関心を高め、夢や憧れを与えるために、グローブを寄附していただきました大谷翔平選手に対しまして、心より感謝を申し上げたいと思います。 本市におきますグローブの寄附の経緯でございますが、昨年11月、県の教育委員会を通しまして、スポーツ庁より、大谷選手のグローブ寄附についての連絡と、寄附を希望する学校数の調査の依頼がございまして、市内の小学校及び義務教育学校に対し調査を行いましたところ、全46校より寄附の希望がございました。 その後、グローブの納品、配送を担当されます企業のほうから、場所や期日の調査がございまして、本市におきましては、令和6年1月16日に、総合教育センターへの配送を希望し、1月22日の小学校の教頭研修会におきまして、全ての学校においてお配りをしたところでございます。 なお島部にございます3校につきましては、教育委員会のほうから直接送付をいたしました。 このような経緯によりまして、大谷選手からの「野球しようぜ」というメッセージとともに、右利き用を二つ、左利き用一つの三つのグローブが各学校に届いております。 次に、子どもたちの状況でございますが、子どもたちはテレビなどで、学校にグローブが寄附されることを知らされた際には、「いつ届きますか」、「まだですか」と、目を輝かせながら先生たちに質問するなど、心待ちにしていたということでございます。実際に学校に届いた際には、子どもたちは大変喜び、早速手にはめて感触を確かめたり、大谷選手の投球フォームをまねたりするなど、大きな反響があったと聞いているところでございます。 以上でございます。 ◆7番(黒川英朗君) (登壇) それぞれに御答弁いただきましてありがとうございます。 それでは再質問をさせていただきます。 初めに、大塔町の脇崎交差点におきましては、JRのガードが妨げになっており、道路の拡幅が難しいということは十分に承知しております。しかしながら、先ほどから述べてまいりましたとおり、慢性的な渋滞の発生の改善を望む地元住民の声は決して少なくはありません。道路の拡幅が難しいというのであれば、ほかの方法、例えば信号の制御の変更等の方法による改善の可能性がないのか、改めて伺います。 また、食品団地入口の交差点横では、閉店したパチンコ店跡に24時間営業の大型量販店の出店が計画されており、今後、さらに渋滞が悪化することが確実な状況です。この交差点においては、脇崎交差点方面から食品団地側へ進入する右折帯がなく、頻繁に渋滞が発生しておりますが、今後、この大型量販店の建設期間中のみならず、オープン後のさらなる渋滞の発生が懸念されます。事業者においては、ある程度の安全対策はなされるものとは思いますが、それに対し、当局は、今後、どのような対応を行うのか併せて伺います。 次に、宇久の再質問でございますが、宇久の観光客受入れ体制について、これまで述べてきたとおり、宇久島内の多くの公衆トイレが使用できない、または老朽化が進んでいる状態にあります。公衆トイレは宇久の観光にとっては必要不可欠な施設です。また、宇久ターミナルビルの仮眠室も狭く、老朽化が進み、利用しづらい状況にあります。これらは、島を訪れる観光客の受入れ体制が十分とは決して言えないのではないでしょうか。 そこで、今後のトイレ及び仮眠室の改修予定について伺います。 三つ目、「大谷グローブ」についての再質問ですが、それぞれの学校のグローブの取扱いについては、いろいろな問題も考えられます。例えば、佐世保市以外では、ある市長が市役所正面にグローブを飾り、批判を受けた問題、あるいは、特に大きな小学校には、全員がグローブを触るチャンスがなかなか回ってこないといった問題が起きているようです。 「大谷グローブ」の使い方は、私たち大人が口を挟むことではなく、あくまでもそれぞれの小学校において、みんなで使い方のルールを決めて、仲よく使うべきことであり、大谷選手もきっとそれを望んでいると思います。 それらの問題について当局はどのように捉えているのか、また、このグローブのプレゼントが子どもたちにとってどのような影響を与えるのかについてお尋ねします。 以上、再質問を終わります。よろしくお願いします。 ◎土木部長(田島克巳君) (登壇) 大塔町、脇崎交差点及び食品団地入口の交差点の渋滞対策に関する再質問にお答えいたします。 まず、大塔町、脇崎交差点について再検討をということでございました。先ほど申し上げましたとおり、特に朝の時間帯において渋滞が発生している状況であることは十分認識をしております。抜本的な対策は難しいものの、可能な範囲で対策を講じていきたいと考えております。 既に信号制御につきましては、現段階で最も高度なシステムが採用されておりますので、それ以外の部分においてできることを検討していきたいと考えております。具体的には、まず当該交差点に係る詳細な調査について、国道35号の所管である国土交通省の協力を得ると同時に、当該結果を得た後に、調査の分析を行い、交通管理者である早岐警察署と共に、合理的な対策について速やかに検討を行ってまいりたいと考えております。 次に、食品団地入口の交差点について、大型量販店の開発計画があるとの御指摘でございました。議員御案内のとおり、仮に大型量販店が出店するとなれば、交通環境が大きく変わることが想定され、これに伴い、住民生活に大きな支障を来すようであれば、当然に何らかの対策が必要になると考えております。 開発行為につきましては、開発許可が下りるまでは非公開というふうなことになっておりますので、個別具体の事案としての答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論といたしまして、大規模小売店舗立地法や都市計画法の対象になるのであれば、これらの法律に基づく手続として、自治体の関与が認められておりますので、この中で協議・調整を図ることが可能となってまいります。 都市計画法第32条においては、当該協議を公共施設の適切な管理を確保する観点から行うこととされており、当該法律の趣旨に従い、自治体としては、出店計画や集客見込み、駐車場台数、車両流入見込みなどを基に、公共施設の適切な管理、すなわち住民生活に支障を来さない道路交通環境について、事業者と協議を行い、必要な措置の内容や、当該措置内容の実施に係る役割・主体、措置を講じる期限などについて詳細に打ち合わせることになるものと考えております。 議員御指摘の食品団地入口の交差点に係る大型量販店に関する対応に特化して、現段階で申し上げることはできませんが、具体的な状況、各段階における手続の内容に応じ、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) 老朽化している公衆トイレや宇久ターミナルビルの仮眠室に係る今後の改修予定についての再質問にお答えいたします。 観光地として、宇久島のPRを進め、より多くの観光客の皆様をお迎えするに当たり、島の玄関口として第一印象を感じていただく宇久ターミナルビル、そして島内の公衆トイレの環境は、再び訪れてみたいと思っていただくための重要な要素になると考えますが、必ずしも十分とは言えない現状であると認識しております。 現在のところ、宇久島内にある公衆トイレは、整備目的や区域によって管理者が異なることから、それぞれの考えの下、維持管理が行われており、いずれの管理者におきましても、今後の方向性は何も決まっていない状況でございます。 本市では、令和5年度から地元住民の皆様と宇久地域の将来について意見交換を行っており、その中におきましても、公衆トイレや宇久ターミナルビルについては改善が必要との御意見をいただいているところです。 令和6年度も引き続き地元住民の皆様と意見交換を行う予定でございますので、それぞれの管理者も含め、公衆トイレにつきましては集約化や適正配置など、島内全ての公衆トイレの在り方について議論するとともに、宇久ターミナルビルの仮眠室につきましては、必要なターミナルビル機能の検討を行い、住民サービスの向上はもとより、観光客の受入れ体制の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 3項目めの再質問、学校におけるグローブの活用状況や課題、子どもたちへの影響についてお答えいたします。 現在、小学校の体育の授業におきましては、ベースボール型の単元の中で、まずは軟らかいボールなどを使用しながら、素手で練習を行う場合が多く、本格的にグローブを使用するのは中学校以降となってございます。そのため、実際にグローブを一度も使用したことがない子どもたちが多いという現状がございます。 そのようなことから、今回のグローブの寄附をきっかけとしまして、先生方がグローブの使い方を直接教えたり、全校集会などの場面で、野球部やソフトボール部の子どもたちが実際にキャッチボールを行っているところを見せたりするなど、積極的な活用に向けた取組を行っているケースがございます。 また、学校以外の方に対しましても、学校内に展示コーナーを設け、子どもたちだけでなく、保護者や地域の方に対しましてもグローブに触れる機会をつくったり、近隣の中学校や社会体育の野球チーム等に貸出しを行ったりする取組もございます。加えて、子どもたちのアイデアを生かしながら、活用の方法について自分たちで考えさせる取組もあり、それぞれの学校がそれぞれの実態に応じて、大谷選手の思いに応えることができるよう、様々な活用がなされております。 次に、活用についての課題でございます。 学校に問合せを行ったところ、やはり議員御指摘のとおり、特に大規模校におきましては、3個しかないグローブをすぐに全員が使用することが大変厳しいといった意見がございました。このために、学年や学級で、日ごとや週ごとに輪番で巡回をしたり、休み時間等に積極的に貸出しを行うなど、子どもたちが少しでもたくさんグローブに触れることができるよう、各学校が工夫をしながら活用を行っているところでございます。 今後、学校からも、また新たな課題等が出てくるようでございましたら、他校の取組等を紹介するなど、必要に応じて教育委員会としても助言を行ってまいりたいと考えております。 最後に、今回のグローブの寄附が子どもたちに与える影響についてお答えをさせていただきます。 子どもたちにとっては、たった1度のスポーツの体験であっても、その楽しさやできる喜びを感じることで、興味・関心を大きく高め、その後のスポーツ習慣につながることがございます。今回の大谷選手からのグローブの寄附によりまして、これまであまり野球に関心のなかった子どもたちが、野球のみならず、体を動かす様々なスポーツを楽しむきっかけになることが期待されると考えており、そのことがまさに大谷選手の願いでもあるのではないかと思っております。 本市といたしましても、子どもたちが様々なスポーツの特性に触れ、その楽しさやできる喜びを感じ、生涯にわたってスポーツになれ親しんでいく基礎を培うことが大切であると考えておりまして、このような機会も一つの契機としながら、スポーツの振興に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆7番(黒川英朗君) (登壇) それぞれに御答弁いただきまして、ありがとうございました。 それでは、再々質問を行わせていただきます。 再々質問につきましては、2番目の宇久の件、そして3番目の「大谷グローブ」について行わせていただきます。 まず、宇久の件でございますが、最後に、観光をはじめ、今後の宇久地域のビジョンについて宮島市長へお伺いいたします。 これまで述べてきましたとおり、宇久の皆さんは、本土地区と約60キロも離れた島であり、なかなか佐世保市政や宮島市長を身近に感じることができない状況にあります。ある意味、ほかの合併地区以上に疎外感を感じておられる住民の方もおられるようです。宇久もほかの地区同様、佐世保市にとって重要な大切な地域であることは言うまでもありません。これからの宇久振興のビジョンについてどのように考えておられるのか、宮島市長の考えをお尋ねいたします。 次に、「大谷グローブ」の件についてですが、それぞれの小学校などへの「大谷グローブ」のプレゼントについては、子どもたちのスポーツをしたいとの気持ちをより大きくし、ひいては佐世保市のスポーツがもっと盛んになることにつながると考えます。 宮島市長は、99の政策、すなわち、佐世保がもっと元気になるための99の方法などで、スポーツについても述べられています。 そこで、宮島市長に、これからの佐世保市のスポーツがもっと盛んになるための考え方、スポーツの在り方などについてお尋ねいたします。 以上、よろしくお願いします。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 黒川英朗議員より、観光をはじめとする今後の宇久地域のビジョンについての御質問でございました。 初めに、宇久地域における観光の現状についてでございますが、令和5年に宇久地域を訪れた観光客は、観光統計上2万8,129人で、前年の令和4年の1万4,540人と比べますと1万3,589人増え、約2倍の伸び率となっております。これは、コロナ禍前の令和元年の1万9,027人と比較いたしましても約1.5倍に増えている状況でございます。 一般社団法人宇久町観光協会が提供をしております各種体験型旅行商品の利用者数を見てみますと、令和4年度の642件の利用実績に対し、令和5年度は、11月時点において885件となっており、宇久地域を訪れる観光客が確実に増加していることが分かります。 これは令和3年度に観光PR動画「宇久島」が、ポルトガル国際観光映像祭を含む観光映像大賞3冠を達成したこと、また、この動画に出演をされていた女優の塩田みうさんや、元サッカー日本代表の大久保嘉人さんに、宇久島観光大使に就任をいただいたことなど、宇久町観光協会及び関係者の皆様の積極的な取組が、多くのメディアに取り上げられた効果であると考えております。 宇久地域には、先ほども御紹介がございましたが、白い砂、青い海が象徴的な大浜海水浴場、五島列島を見渡すことができる城ヶ岳、水辺線に沈む真っ赤な夕日を望むことができる火焚崎、緑の草原とエメラルドグリーン色の海と一体となった風景が人気の対馬瀬鼻灯台など、西海国立公園の大自然に抱かれた美しい景観がございます。 また、農業、漁業などの島の当たり前の暮らしを体験できる民泊は、宇久地域でしか体験できない唯一無二の魅力であり、さらに、希少なレンコダイを使用し、御当地グルメとして話題となりました宇久島鯛めしなど、地元ならではの食や営みに触れることで、訪れた人々の心を癒やしてくれます。 このように、宇久地域は、滞在型の観光地としてのポテンシャルが特に高いエリアであると考えており、今後も、国や長崎県などと連携を図りながら、情報発信と魅力創出に努め、宇久地域のブランド化を目指してまいりたいと考えております。 このように、明るい兆しの一方で、宇久地域は人口減少、少子高齢化が市内で最も深刻化している地域でございます。人口減少対策には特効薬はなく、行政だけの取組には限界がありますので、地域、行政、大学など関係する皆様と、地域の課題や特性を情報共有するとともに、それぞれが強みを生かしながら、相互に連携した対策を講じる必要があると思っております。 柴山議員の代表質問でもお答えをいたしましたように、本市では、宇久地域を人口減少対策のモデルケースの一つとして位置づけ、課題解決に向けた地域の皆様とのワークショップや大学生によるフィールドワークなどを行い、様々な支援制度の活用も視野に置きながら、新たに設置いたします地域未来共創部におきまして、宇久地域の未来のまちづくりに向けたアクションプランを、令和6年度に策定し、宇久地域全体の振興を図ってまいりたいと考えております。 次に、「大谷グローブ」に係るスポーツの振興についてのお尋ねがございました。 まずもって、全国の小学校に御自身のメッセージを添えてグローブを寄附していただいた大谷選手の心意気と思いやりには大変感服をいたしているところでございます。 近年、子どもを取り巻く環境や生活習慣の変化により、運動離れや体力の低下につながっていると言われております。今回のグローブの寄附は、子どもたちにとりまして、野球に触れるきっかけになることはもちろんのこと、野球のみならず、様々なスポーツに興味・関心を持つきっかけになるとともに、それぞれの夢に向かって挑戦する気持ちを大切にすることを学ぶ機会になるものと思われます。 これを機に、実際にスポーツの楽しさや喜びに触れることで、子どもの運動習慣の定着、体力の向上、ひいては生涯スポーツ、またスポーツの振興につながるものと期待をしているところでございます。 本市の今後のスポーツ振興につきましては、本年4月の機構改革において、新たに創設する文化スポーツ部に、本市スポーツ行政を所管するスポーツ振興課を移管いたしまして、スポーツ施策の方向性を明確にした佐世保市スポーツ推進計画に基づき、市民の皆様が身近にスポーツに親しむことができる環境整備、さらにはスポーツの力を活用して、地方創生、健康増進、地域における交流促進など、他の施策との連携を図りながら、総合的、一体的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(久野秀敏君)  9番田山藤丸議員。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) 自民党市民会議の田山藤丸です。 先月、地元相浦地区で、春を告げる愛宕市が開催されました。2日間とも、日中は天候に恵まれ、多くの人出でにぎわい、新たな催しも開催されるなど、新旧が融合する面を見ることができました。改めて、450年余りの歴史と伝統をこれまで継承されてきた先人の方々に敬意を表しますとともに、地域の特色をますます輝かせることで、将来にわたり、次の世代へとつないでいくことができればと強く感じる次第です。 御多用の中お越しいただいた宮島市長にも、心より感謝申し上げます。 さて、今回は大きく2項目、本市のまちづくりと産業政策についてお伺いいたします。 まず1項目め、総合グラウンドの再整備を契機としたまちづくりについて質問を行います。 昨年12月、本市にとって看過できない二つの発表が行われました。代表質問などでも相次いで取り上げられていましたが、国立社会保障・人口問題研究所による統計発表で、本市が深刻な人口減少、特に若年人口の流出という危機に瀕していることが改めて浮き彫りになったことです。将来、佐世保市の人口は減少していくので、何か新しい行動を起こそうとしても負担が大きくなる。市内で設備投資しても、地域経済は成長しないのではないか。家庭の負担が重くなるのだったら、結婚や出産、子育てをするのは難しくなるのではないか。このような、何とも言えない強い不安が個人や企業などの新たなチャレンジを阻害し、それが閉塞感という形で広がっていくことを大変危惧しています。この人口減少は、全国の地方都市においても同様であり、2014年の増田寛也氏をはじめ、日本創成会議による、いわゆる増田リポート、地方消滅が残念ながら現実味を帯びてきているということ、急激な少子高齢化、人口減少に歯止めがかかっていない状況を表わしています。 また、本市におけるハウステンボスへの統合型リゾート、IR誘致の不認定が国から発表されました。IRは、客単価が高い旅行者を呼び込む集客効果を見込み、コロナ禍で傷んだ観光産業や地域経済を立て直す、まさに起爆剤として大いに期待されていました。さらに、カジノ事業の収益の一部、GGRが納付金として自治体の収入となることで、例えば、老朽化した公共施設のリニューアルなど、様々な施策を行うための新たな財源を生み出すプロフィットセンターとして切望されていたところです。 このように、人口減少の鮮明化、IRの不認定といった逆風をはね返し、本市の未来を切り開く新たなビジョンと大胆な施策が今こそ必要だということは言うまでもありません。まずは、本市の将来に市民が感じている不安を払拭し、希望を感じることができる持続可能な施策やまちづくりをしっかり提示していくことが大切だと思います。 そこで、本市の人口目標を達成するために想定される具体的な施策、特にまちづくり分野における具体策について、当局の見解をお伺いいたします。 次に、宮島市長は施政方針の中で、人口減少対策を本市の最重要課題と捉え、特に、子育て支援・教育の充実を一丁目一番地に掲げられました。中学校給食費の無償化や第2子以降の保育料無償化など、子育て世代の負担を軽減し、不安を払拭していく政策のパラダイムシフトは、本市の将来をかけて、避けては通れない道であると大いに賛同いたします。 しかしながら、まちづくりの分野においては、施政方針や当初予算の中に、将来に希望を感じるような宮島市政らしい新たな施策はあまり感じられませんでした。市長が掲げている選ばれるまちを実現していくためには、ハードとソフトの両面の相乗効果によって、市民の住みやすさを向上させる取組、突破力のあるチャレンジが求められているはずであります。その先にこそ、本市のシビックプライド、誇りと愛着が醸成されていくのではないでしょうか。そしてそれは当然に、行政の力だけで達成されるわけではありません。市民の共感を集め、地域や企業など多様な主体によって成し遂げられるまちづくりであるべきですし、二つのポイントが想定されます。 一つ目は、ターゲットの明確化を図ることです。 子育て世代、若者、女性に選ばれ、交流人口を呼び込むまちづくりを大胆に進めていただきたいと思います。誤解なきように申し上げるとすれば、そのことが結果として、全ての世代にとって持続的に住みやすい魅力的なまちになることを意味しています。 二つ目は、道路効果の最大化を図ることです。 県北地域では、佐賀県の伊万里市や唐津市を経由して、福岡都市圏へとつながる動脈、西九州自動車道の一部4車線化と延伸事業が進んでいます。この沿線都市としての道路効果を最大化し、交流人口を増やすための仕掛けづくりが求められています。私が知る限りでありますが、そのことを強く訴えている沿線市長は、まだお見受けしていませんので、宮島市長には、中核市の市長として、リーダーシップを発揮していただきたいと思います。 前置きが長くなりましたが、以上二つのポイントを踏まえつつ、具体的にお尋ねいたします。 私は、これまで、老朽化した総合グラウンドの再整備を契機とした相浦地区の複合的なまちづくりについて、議会で繰り返し提案を行ってきました。その背景には、地元有志による約5年に及ぶ調査・研究活動があります。 そこで、昨年10月より、佐世保市スポーツを活かしたまちづくりに資する施設整備に向けた基本調査が行われてきましたが、民間事業者の意見はどのようなものだったのか。機能の複合化など、まちづくりの視点も含め、調査の進捗状況についてお尋ねいたします。 特に複合化については、総合グラウンドの戦略的な再整備に当たり、ショッピングや宿泊・温浴施設、飲食・物販など、民間の集客施設を一体的に整備することで、新たなにぎわいの創出を図ること、同じ敷地内の消防局所管西消防署の建て替えも急務なことから、これもスポーツ施設と一体的に整備して、避難所の開設や災害備蓄を行うなどの取組も有効ではないでしょうか。 加えて、路線バスや松浦鉄道などの公共交通と結節させて、開発計画とも連動したフィーダーサービス、交通系ICカードの利用促進や運賃の割引、高速道路を使った速達性のバス路線との連結を図るなど、公共交通の利用促進につながる交通モードとの複合化も考慮するべきと考えます。 いずれにしても、今年度の成果をどのように令和6年度以降へと具現化させていくのか。総合グラウンドの再整備に係る時間軸も含めてお尋ねをいたします。 次に、2項目め、水産業を取り巻く諸課題と成長産業化について質問を行います。 本市にとって、産業力の強化、再構築は喫緊の課題です。長引く造船不況、コロナ禍による観光業の低迷、IR不認定といった本市の地域経済にとって楽観視できない状況を打開するための取組を加速化させていく必要があります。九州は熊本県菊陽町に進出したTSMCをはじめ半導体ブームに沸いていますが、残念ながら本市は現時点でその恩恵を受けられていません。 しかし、足元を見詰め直すと、本市は日本海、黄海及び九州西部の多様で豊かな海洋に囲まれた全国屈指の水産都市であり、青物、青魚と言われるアジ、サバ、イワシなど多獲性魚種の供給基地として重要な役割を果たしています。 結論から申し上げれば、今こそこの水産業を伸ばし、本市経済の牽引役として後押しをするべきではないでしょうか。 一方で、本市の水産業においても、人口減少による人手不足が顕著となってきました。漁業者の減少もさることながら、漁獲物を水揚げする水産市場においても、選別作業員の不足が深刻化し、水揚げ作業の長時間化で鮮度低下による魚価の下落が懸念されている状況にあります。水産市場では、取扱数量、金額ともに前年度より増加し、水揚げは好調とのことですが、主流のまき網漁業は集魚灯を使用した夜間の漁業が標準的であり、その漁法の特性から、漁獲物は複数魚種が入り交じっていて、サイズ構成も様々となります。それらを水産市場では、生鮮、加工、養殖事業などの多様な用途に対応するため、魚種別、サイズ別の選別及び仕分を行うことで、付加価値化などを図られています。よって、どうしても人海戦術に頼らざるを得ない性質があり、人手不足の解消は待ったなしです。 そこで、水産市場の選別作業員の不足について、国や県と連携し、速やかな対策を講じるべきと考えますが、当局の御見解をお尋ねいたします。 以上で1回目の質問を終わります。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) 1項目めの官民共創のスポーツを生かしたまちづくりについてお答えいたします。 本市の人口目標の維持のために想定される具体策について、特にまちづくり分野における具体策についての御質問でした。 まちづくりは一朝一夕に実現できるものではなく、今後10年、20年あるいは30年先の未来に向けた投資という長期的な視点で展開していく必要がございます。 そのような視点から、施政方針において示したシティブランディング・プロジェクトにおいても、令和6年度を助走期間と位置づけ、まずは市長の99の政策をベースに、未来に向けた具体策を練り上げるために必要な調査・研究に着手することとしており、新たなまちづくりについても、その中で検討していきたいと考えております。 次に御質問があった今年度実施中のスポーツを生かしたまちづくりの検討状況についてでございますが、これは昨年6月定例会の田山議員の相浦地区の複合的なまちづくりについての御質問に対して、まずは実現可能なスポーツを通じた地方創生の取組とはどのようなものが考えられるのか、またそのために必要な施設はどのようなものなのか、調査に着手したいとの答弁に基づき着手したものでございます。 今回の調査は、スポーツ推進計画における四つのビジョンの一つである「スポーツ×地方創生」の視点から、本市の特性に応じたスポーツを生かしたまちづくりの方向性を定めるための基礎的な調査でございます。 調査に当たっては、本市の特性や他都市の事例などを考慮し、一つ目に、アーバンスポーツやeスポーツをはじめとした遊びの要素を取り入れた「若者を中心としたにぎわいづくり」、二つ目に、現状では本市にプロスポーツチームは存在しないものの、将来に向けて二人三脚でまちのアイデンティティーを育んでいけるチームとともに、見るスポーツとするスポーツの好循環を創出する「スポーツチームをコンテンツとしたシティプロモーション」、三つ目に、既存のスポーツ施設を有効活用した「スポーツコミッションなどによる合宿や大会の誘致」といった三つの戦略を仮定した上で、民間事業者に対し、それぞれの実現可能性や戦略に応じて、総合グラウンドの再整備を行うとした場合の参画意欲などについて、サウンディングを実施いたしました。 現在、まだ業務期間中ではありますが、スポーツを生かしたまちづくりによって、本市が選ばれるまちとなるために必要な視点として、例えば、ある競技種目に特化した施設整備を行うことや、他都市にはない全天候型施設を整備して特色を出していくといったことが、施設整備や機能面での差別化のポイントになることが分かった一方で、単に施設整備などのハード面の取組のみならず、地域の競技団体、スポーツチーム、学校などのステークホルダーとの連携や本市の歴史や風土をバックボーンとしたストーリー性をつくり上げていくことが肝要であるといったヒントが得られたところでございます。 議員御指摘の複合化については、飲食施設や物販施設、合宿誘致のための宿泊施設といった施設の複合化のほか、既存のスポーツ施設をイベントやコンサートといった別用途で活用するといった機能の複合化のアイデアを聞くことができました。また、能登半島地震後の避難所としてスポーツ施設が活用されていることを見ても、有事の際の活用も想定する必要があると思いますし、同様の視点で、民間事業者から、太陽光発電や蓄電設備を備えることで、災害レジリエンスとカーボンニュートラルを推進するといったアイデアもあったことから、スポーツ施設を検討するに当たっては、避難施設としての活用も視野に入れ検討すべきと考えます。 さらに、総合グラウンドの公共交通アクセスを懸念する意見もあったことから、中高生など、マイカーで来場できない世代の利用促進を図るためにも、交通事業者との連携も検討すべき要素であると考えます。 最後に、今年度の調査結果を令和6年度以降の総合グラウンドの再整備にどのようにつなげるのかといった御質問にお答えいたします。 今後は、新年度に新たに設置する文化スポーツ部を中心に、本市のスポーツを生かしたまちづくりの方向性を定めつつ、令和6年度から着手する、仮称でございますが、スポーツ施設の再編計画において、総合グラウンドに求められる機能を整理するものと認識しております。 また、総合グラウンド再整備の具体化の時期につきましても、再編計画において、佐世保市全体の施設の老朽度や利用率、財政状況などを勘案しながら検討していくことになると考えております。 ◎農林水産部長(高増剛君) (登壇) 水産業を取り巻く諸課題と成長産業化に対応する御質問についてお答えいたします。 まず、本市の水産業における人手不足の状況でございますが、漁業者数につきましては、高齢化が進む一方で、新規漁業者の参入が少なく、漁業者数の減少が課題となっており、令和4年度の統計では、10年前と比較して、20%以上減少した1,428名となっております。 一方、本市における漁獲量、漁獲高につきましては、漁獲量が9万トン、漁獲高は168億円で、過去10年間の平均と比較いたしますと、漁獲量は17%増、漁獲高は7%増となっております。 この増加の要因でございますが、一つは本市の漁獲の6割を占めるまき網漁業の漁獲物であるアジ、サバ、イワシなどの資源量が近年増加していること、二つ目として漁船の大型化や人工衛星と連動したシステムの導入など、漁業DXの導入により、操業の効率化が進んでいることが考えられます。 漁業の働き手が減少する状況ではございますが、生産面においては一定漁獲が維持できていると考えております。 ここで、まき網漁業について簡単に御説明しますが、長崎県の北西部海域を主な漁場とし、アジ、サバ、イワシを漁獲対象とした比較的大型の漁業種類で、通常は7隻、それぞれに30名ほどの乗組員で一つの船団が構成されております。本市にはこのまき網経営体が約30ほどあり、西日本では随一の規模を誇りますが、近年、その乗組員の確保が難しくなりつつあり、外国人の技能労働者の導入が急速に進んでいるところでございます。 このまき網漁業においては、漁獲が好調な状態ではございますが、議員御案内のとおり、水産市場でその漁獲物を水揚げし、競りにかけるまでの選別、つまりは仕分ける工程での人手不足についても問題となっており、水産市場の流通における目詰まりの一因となっています。 水産市場は、卸売業者である佐世保魚市場が生産者から漁獲物の販売委託を受け、仲卸業者などに競りをかけて販売が完了します。沿岸漁業の漁業者においては、自ら箱詰めした漁獲物を出荷し、そのまま競りにかけるのですが、規模の大きいまき網漁業においては、1日のおおよその水揚げが80トン、20キログラムの箱に換算すると4,000箱にも上るため、荷受け業者へその工程を委託しております。また、水揚げされる漁獲物は、アジ、サバのほか、その他多くの種類の魚が交った状態で水揚げされ、競りにかける前に、水産市場に設置されている2基の選別機で選別作業が行われます。しかしながら、この選別には、1基当たり約30名の作業員が必要であり、年々その確保が難しくなっています。 この選別作業には、目視によって業種や品質を判別することや、就労時間が、しけや盛漁期などに左右されるなど不規則であるということもあって雇用が確保できず、高齢化が進むとともに、作業員が不足している状況にあります。特にまき網魚種の豊漁となる時期などは十分な人員が確保できないため、市場の荷さばき時間の長時間化が発生しており、それに伴う鮮度低下による魚価の下落を懸念される漁業者が、松浦や長崎など他地区の水産市場での水揚げを選択されていると伺っております。また、水揚げを待つ場合でも、長時間の順番待ちや翌日回しになるなどの影響が出ており、生産者からは、受入れ能力の増強を望む御意見もいただいております。 この荷さばき作業員の不足につきましては、その他の業種では活用が進んでいる特定技能外国人の雇用が考えられますが、先日の長野議員の代表質問に対する市長答弁にもありましたとおり、現在の国の特定技能制度では、荷さばき作業のみでの活用はできない状況にございます。このことにつきましては、本市水産市場のみならず、長崎、松浦、唐津など、西日本の水産市場共通の問題でもございます。本市といたしましても、今後、水産市場での荷さばき作業での制度活用の拡大ができるよう、長崎県や県内の関係市町、水産関係団体と連携し、国に対して制度の緩和を求めていきたいと考えております。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) それぞれに御答弁いただきましてありがとうございました。 2回目以降は、一問一答で再質問を行いたいと思います。 まず1項目めについてです。 企画部長より、人口目標の達成につながり、IRの不認定に代わる施策は、一朝一夕に実現できるものではなく、令和6年度は調査・研究・検討のための助走期間との答弁がありました。IR誘致に係る検証や総括は求められる作業だと認識しますが、一方で、並行して、本市の目玉となるような新たな地域振興策、次の世代に向けた魅力あるまちづくりの推進を速やかに進めていただきたいと思います。 また、機能の複合化については、複数の民間事業者から様々なアイデアが返ってきていると理解をいたしました。令和6年度は、企画部と新たに創設される文化スポーツ部との連携を中心として、各部局横断的な検討を期待したいと思います。 皆さんは、愛媛県今治市にある里山スタジアムを御存じでしょうか。里山スタジアムは、JR今治駅からバスで15分のところにあり、地域の中核的な商業施設、イオンモール今治新都市に隣接をしています。 それまでFC今治の本拠地だった夢スタジアムの隣に、2021年着工、今治市が土地を無償で貸与し、建設費用は今治夢スポーツが用意。約40億円をかけて完成をさせました。 FC今治を運営する今治夢スポーツは、サッカー日本代表の監督だった岡田武史氏が会長を務め、新スタジアム検討の中で、たとえ試合がない日でも、365日、サポーターや地域の人々が集まりにぎわう場所として、新スタジアムをリブランディングしたとのこと。ちなみにこのリブランディングとは、企業が保有しているブランドを見直し、時代の変化や消費者ニーズに合わせて再構築することを指しています。 新スタジアムの名称を、里山のように人々の心のよりどころとなるような場所にしていくとの思いが込められているそうです。本市においても、このリブランディングが不可欠と考えます。そして複合化には様々な意味がありますが、岡田武史氏は、単なる寄せ集めではなく、共通の理念やコンセプトがあり、人口減少が進む今日だからこそ地域の共助や、安心して暮らせるコミュニティが共創されるベーシックインフラとしてスポーツ施設は整備されるべきだと述べておられます。 質問を次に進めてまいりますが、理念やコンセプトのほかに、大切な要素として財源の課題があります。 そもそも佐世保市は、先日の代表質問で大塚議員、本日の個人質問で田中議員も触れられておられたように、放射能漏れ事故を起こした原子力船むつの受入れで国策に協力し、その後、九州新幹線西九州ルートでは、佐世保寄りルートが計画されていたものが、長崎県の強い求めにより、短絡ルートに変更。いずれも本市にとって苦渋の選択の結果で生まれたものです。その後も、IRの不認定と続き、日本の安全保障政策において中核的役割を果たしている佐世保市にもかかわらず、悔しいと申しますか、非常に歯がゆい状況となってはいないでしょうか。私は、本市の都市基盤の維持向上を図ることは、日本の将来や防衛につながる、佐世保を守れずして日本を守ることはできない、そういった意味からも、国に対して、本市が取り組むまちづくりへの支援を今まで以上に強く求めていくべきだと考えます。 また、これまでも一般質問で取り上げてきましたが、陸上自衛隊相浦駐屯地の水陸機動団をはじめとした隊員の方々から、生活環境の改善に関する切実な要望を頂戴しています。その内容は、駐屯地近傍への大型商業施設や娯楽施設の誘致、大型遊具と駐車場を有する拠点公園の整備など多岐に及びます。折しも、第7次総合計画後期基本計画において、政策・施策体系の中に基地政策を行政経営分野からまち分野へと変更し、基地と共存することで、市民が基地の所在による効果をさらに多く享受し、生活を向上させていくことができるまちを目指すことが強調されました。 総合グラウンドの再整備を契機とした複合開発は、人口減少対策として、あるいはIRに代わる魅力あるまちづくりの方策の一つとして、一定の規模感を持って大胆に取り組む必要があると思います。 そこで、本市の特徴を生かした防衛省の補助事業をスポーツ施設の整備に活用できないかお尋ねをいたします。とりわけ単体施設に対する補助制度というよりも、まちづくり全体の構想と実施に適用される防衛省のまちづくり支援事業も視野に財源の検討を行うべきと考えますが、当局の御見解をお聞かせください。 ◎基地政策局長(北村敬男君) (登壇) 防衛省の補助事業、とりわけまちづくり支援事業を相浦地区総合グラウンド再整備などのスポーツ施設の整備に活用できないかとのお尋ねにお答えします。 まず、防衛省のまちづくり支援事業の趣旨としましては、自衛隊等の防衛施設が所在する地方公共団体が住民の需要及び防衛施設の存在、自然環境・歴史・文化等の地域の特性を踏まえつつ、その障害の緩和に資する施設の整備を通じて、防衛施設の存在を前提としたまちづくりを行う場合に、国がその費用の一部を補助し、防衛施設の存在に対する住民の理解を深めることで、防衛施設とその周辺地域との調和を図るというものであります。 他の防衛補助事業と大きく異なる点としまして、ハード整備のみならず、その前段となります構想・企画の段階から補助を受けて実施するというところに特徴がございます。 具体的には、事業に係る基本構想、基本計画、実施計画という3段階の計画策定が必要とされていることから、これを10分の9の補助を受けながら実施していくことになります。その後、策定した構想等に基づく施設整備を10分の7.5の補助を受けて実施していくというスキームになっております。 現在、当該制度の活用について、庁内で検討を進めることとしておりますが、ここに至る経緯としましては、本市の最重点課題として、市民と米軍関係者との交流の場となるスポーツ・文化施設を国において直接整備していただきたい旨、国に要望しておりましたところ、その回答としまして、国による直接の施設整備は難しいことから、防衛省の補助事業であるまちづくり支援事業を活用して整備されてはどうかとの提案を受けたものでございます。 まちづくり支援事業の活用については、どういった施設であれば整備可能であるかについて、八つの類型が定められており、いずれかに該当する必要があります。 他都市における、この制度の活用事例を見ますと、青森県三沢市では、敷地面積2万2,497平方メートル、延べ床面積9,461平方メートルの三沢市国際交流スポーツセンターを平成29年度に48億円余りで整備をされております。単なるスポーツ施設ではなく、国際交流スポーツセンターということで、八つの類型の一つであります国際文化交流を促進するための体育施設または教養文化施設という条件に合致したものと思慮しております。 議員御提案の総合グラウンドの再整備を中心とした事業への活用につきましては、八つの類型のいずれかに合致することが基本条件となりますが、まずは本市のまちづくり構想策定において、どのようなまちづくりを目指し、その実現のためにどのような施設整備が必要になるのかということが土台になるものと考えております。 今後としまして、これまでの経緯を踏まえ、また議員がお触れになられた自衛隊員を含めた地域住民の生活環境の向上といった点も踏まえつつ、来年度より、庁内にワーキンググループを立ち上げ、本格的な検討を行うこととしております。 当該制度は、一つの市町村につき1回しか活用できない非常に貴重な財源でありますので、本市の将来の姿を見据え、まちづくりの方向性について議論し、効果的な制度活用につなげてまいります。 以上でございます。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 今の答弁の中で、このまちづくり支援事業については、1回のみの適用との内容でございましたが、他都市では、市内複数エリアの施設整備を一つの計画として進めている事例もありますので、ぜひ、総合的、前向きな検討をよろしくお願い申し上げます。 次に、県市の連携について質問したいと思います。 本市の総合グラウンドは、総合運動公園であり、その再整備には、県北地域や西九州の連携中枢都市圏といった広域の視点が欠かせません。今後は、同じようなスポーツ施設を全ての自治体において維持管理していくことは難しくなることも予想されます。本市の総合グラウンドが一定の大会や記録会にも対応力を有することで、平戸市や松浦市などの広域ニーズにも応えていくならば、西九州自動車道を活用しての利用の促進や、大会の企画、誘致、地元産品の販売など、様々な連携事業の拠点となり得るのではないでしょうか。 また、大石知事は、基本政策の中で、IR誘致に対応する佐世保県北地域の都市構想立案と掲げておられました。IRが不認定となった今、IRに代わる佐世保県北地域のまちづくりの具体像を県市一体となって描き出すときではないでしょうか。総合グラウンドの再整備には、例えば、先ほどの防衛省や国土交通省などの補助を適用することで、イニシャルコストの財政負担を軽減することができる一方、スポーツ施設はランニングコストも生じてきます。そこで、本市の総合グラウンドの広域性を踏まえ、例えば、野球場や陸上競技場など、一部の施設の維持管理について、県に対し、一定の関与を求めていくべきと考えますが、当局の御見解をお聞かせください。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) スポーツを生かしたまちづくりにおいて、長崎県の関与を求めていくべきとの御質問にお答えいたします。 御指摘のIRに代わる新たなまちづくりについては、現時点ではまず長崎県に対して、認定を得られなかった理由について説明を求めているところであり、新たなまちづくりへの長崎県の関与についても、その後の協議になろうかと考えております。 一方で、今後、総合グラウンドに必要なスポーツ施設の規模やグレードを検討する中で、議員御指摘のとおり、長崎県全体を見渡した中で、佐世保市民のみならず、県北地域の県民ニーズや大会をカバーする役割を担うのであれば、それはIRに代わるまちづくりの視点とは別に、長崎県に対して一定の関与を求めていくべきかどうか検討すべきと考えております。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) 御答弁ありがとうございます。 知事は、日頃より県北地域の振興についてお話をされていると思いますが、その具体策の一つとして、総合グラウンドの再整備とまちづくりが県市連携の象徴的なプロジェクトとなり得るのではないかと私は思っております。そのような検討がなされていくことを期待したいと思います。 本市は、第7次総合計画後期基本計画の中に、「的確な分析による行政経営の推進」として、「戦略的なプロジェクトの企画立案」を盛り込みました。そこには「新たな時代に即した「選ばれるまち」の求心力を創る「シティブランディング」を高めるため、政策の枠組みに捉われず、分野横断的な事業の企画を積極的に検討するとともに、円滑な施策間の調整を通じて、各種プロジェクトを着実に推進する」、また、「本市のみならず、西九州させぼ広域都市圏域内の経済波及効果や雇用創出効果、交流人口及び関係人口の拡大が期待できるような取組について検討する」としています。 そこで、宮島市長が掲げるシティブランディング・プロジェクトの主要事業として、総合グラウンドの再整備を契機とした複合開発によるまちづくりを、官民共創で進めるべきと考えますが、市長の御所見をお尋ねいたします。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 田山藤丸議員より、IRに代わる県市連携した佐世保県北地域の新たなまちづくりとして、また、シティブランディング・プロジェクトの一つとして、総合グラウンド再整備を契機とした複合開発によるまちづくりを進めるべきとの御質問でございました。 このたびのIR不認定は、甚だ残念であるものの、IRに代わる新たなまちづくりについて歩みを進めなければならないという認識については、施政方針でも触れたとおりであります。 また、IRの誘致の取組で培った県市及び九州経済界等の関係性を生かし、これからの佐世保市、県北地域のまちづくりに進めていくことは、知事とも思いを一つにしているところです。 議員御質問のスポーツを例にいたしますと、市政会の久保議員の代表質問でお答えをしたように、まちのにぎわいにつながるマラソン大会や自転車ロードレース等の大規模なスポーツイベントの誘致に県と連携して取り組んでまいりたいと考えているところです。 今後も、スポーツ分野に限らず、様々な分野で県市連携のまちづくりを進めていける関係性を継続、発展させていきたいと考えております。 一方で、IRにつきましては、その経済効果や雇用効果において極めて大きなインパクトがある取組であったことから、それに代わるまちづくりについては、何か一つの取組というものではなく、本市の歴史・文化や地域資源を最大限に生かし、地域に根差した産業を磨き上げるといった、まさにオール佐世保の視点で選ばれるまちをつくり上げていく必要があるという考え方から、シティブランディング・プロジェクトを始動させたところです。 そのような視点からも、私の99の政策の一つでもあります「スポーツや文教機能を活かした相浦地区の複合開発」は、佐世保ならではのストーリー性を持ったオンリーワンの視点で取り組むことによって、シティブランディング・プロジェクトとして推進していくべきプロジェクトになるであろうと認識しているところであります。 また、民間事業者のノウハウや投資を呼び込むという意味でも、議員御指摘の官民共創でつくり上げる視点も重要であると考えておりますし、地元でもそのような視点でまちづくりを検討されているともお聞きをいたしております。 今後も、民間事業者との意見交換や地元からの提案・要望をお聞きするなどしながら、引き続き検討していきたいと、そのように考えております。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) 市長、御答弁ありがとうございました。前向きな御答弁をいただいたと思っております。 私は、この新たなまちづくりが、シティブランディング・プロジェクトの四つの柱の全てを網羅できる事業となり得ると考えています。 先日は、韓国の四つの大学の野球チームの関係者約120名が1月中旬から2月末まで、総合グラウンド野球場や長崎国際大学でキャンプを実施され、市内のホテルなどに宿泊をいただき、国際交流や地域経済の活性化につながったとお聞きをいたしました。相浦地区は、事業フィールドとして可能性を有していると確信をしておりますので、民間事業者の参入意欲があるうちに、タイミングを逃すことなく、前向きな検討を進めていただきたいと思います。 続いて、2項目め、農林水産部長より御答弁をいただきました。 水産市場における選別作業員の不足については、先日、地元の金子容三代議士が、衆議院予算委員会の農林水産関係の部会の中で、主要な市場の業務に外国人労働者が本格的に就労できるよう、特定技能制度の見直しを政府に求めておられました。同じく、水産市場を有する長崎市や松浦市、県とも連携して、国に対し積極的な働きかけを行っていただくよう申し添えておきます。 さらに、本市の水産市場で大きなネックになっているのが冷蔵・冷凍施設の不足です。選別作業員の不足に加えて、ストック機能が圧倒的に足りておらず、せっかくの好調な漁獲を生かし切れていない、もったいない状況にあります。 そこで、本市が整備して、現在公売を行っている、水産市場の背後地にある水産加工団地に冷凍・冷蔵加工施設を速やかに誘致し、水産市場の水揚げや、水産業の振興に寄与する好循環を今こそ生み出すべきだと考えますが、当局の御見解をお尋ねいたします。 ◎農林水産部長(高増剛君) (登壇) 水産加工団地への冷蔵・冷凍施設の誘致についての御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、現在の水産市場においては、先ほどの荷さばき作業員の不足と併せ、豊富な漁獲物に対応できる背後のストック、水産加工施設や冷蔵・冷凍施設などが不足している状況にあり、生産者から見た場合、近隣の松浦市場や長崎市場と比較すると、機能性の面で不利な状況であると認識しております。 まき網漁業の漁獲物は通常の鮮魚流通とは異なり、生鮮で流通するものはごく僅かで、多くが一旦凍結し、冷蔵保管した上で、食品、加工、養殖餌料などに仕分を行い流通します。したがって、水揚げには凍結は不可欠な機能になりますし、仕分の目詰まりが解消したとしても、新たな問題となります。 現在の水産市場では、近隣に民間の冷蔵庫が3社あるものの、現在の規模では増加した水揚げに対応できないため、仲卸業者は、水揚げした水産物の一部を鹿児島などに輸送し、凍結を行うなど、水産市場内の施設だけでは処理できない状態が恒常化していると伺っております。 そのような状況を受け、漁業者や市場関係者などからは、水産市場の近隣や背後地などに、冷蔵・冷凍施設設置の要望が強く、本市といたしましても、早急な対応が必要だと考えております。 御案内のとおり、現在水産市場の背後にある水産加工団地は、整備済みの5区画について、水産市場の活性化、水揚げに貢献するような業種である水産加工業、水産物を扱う冷蔵・冷凍倉庫業を対象に、令和5年8月から最低制限価格を提示した上で、入札ではなく先着順で、公告による募集を現在行っているところでございます。 また、昨年8月には東京、今年2月に大阪それぞれで、年に一度開催される全国規模の水産展示会であるシーフードショーの基調講演の最後に、主催者の了解を得て、私のほうで水産加工団地の公売についての御紹介をいたしました。加えて、令和5年12月からは、企業立地推進局から情報提供を受け、九州管内で年商10億円以上の水産加工業を営む事業者66社に電話による誘致活動を行っており、そのうち反応がありました13社に資料の送付をさせていただいたところでございます。しかしながら、現在、いまだ契約に至っていない状況でございます。 水産加工団地への誘致に当たっては、県及び市の企業誘致に係る助成制度も活用できることから、引き続き、企業立地推進局と連携し、誘致活動を行っていきたいと考えています。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 当局の強い問題認識と現在の取組状況を確認することができました。その上で、水産加工団地についても、まさに機を逸することなく、前のめりになっていただいて、営業活動や企業のマッチングに動いていただきたいと思います。 次に、これまで捕る漁業について、水産市場の課題から質問させていただきましたが、同様に、水産資源を積極的に増やすための取組として、つくり育てる漁業、つまり養殖漁業の推進も重要となってきています。 本市では、種苗研究の拠点として、水産センターの機能強化事業に取り組んでいますが、本市のブランドとして定着している九十九島の養殖カキについて、近年生産の不安定化が危惧されています。今年の九十九島かき食うカキ祭り(冬の陣)においても、カキの生育が遅れて、開催が1週間後ろ倒しになりました。 そこで、対策の進捗と今後の方向性についてお尋ねいたします。 ◎農林水産部長(高増剛君) (登壇) 養殖カキの対策についてお答えいたします。 本市は九十九島や大村湾といった豊かな漁場を有し、多種多様な魚介類の養殖漁業が盛んでございます。 本市ではこれまで水産センターの試験研究においても、この養殖漁業を推進してまいりましたが、さらなる推進のため、令和元年度から水産センターの機能強化事業に着手し、現在、その整備を実施しているところでございます。 そのような中、令和4年度に、九十九島かきにおいて、夏場の高水温を原因とする大量へい死が発生し、九十九島かき食うカキ祭りが開催できず、水産のみならず観光産業にも大きな影響が出たところでございます。 この夏場の高水温対策につきましては、水産センターにおいて、当時の高水温を生き抜いたカキ同士を掛け合わせた高温耐性のカキを生産し、漁業者へ配付いたしており、その後、現在まで大きな被害は生じておりません。 また、近年は、平均海水温の上昇によるカキの身入りの本格化の遅れが生じており、カキの販売期間が短縮傾向にあります。 今後は、早期に身入りが期待できる新たな品種のカキ生産の研究にも着手してまいりたいと考えております。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 ただいま品種改良に取り組んでいただいているということでございますので、今後の引き続きの取組に期待をしたいと思います。 さらに同じく、近年の海水温の上昇などから、赤潮の発生が増加傾向にあります。赤潮とは、水中に生存している微細な生物、特に植物プランクトンが異常に発生し、水の色が著しく変わる現象です。赤潮が起きると、水中の環境が急変するため、その水域の生物に被害を与え、毒性を持つプランクトンも存在することから、養殖漁業に多大な被害をもたらすことがあります。 そこで、本市の赤潮対策について、取組をお尋ねいたします。 ◎農林水産部長(高増剛君) (登壇) 本市の赤潮の被害対策についてお答えいたします。 赤潮による漁業被害対策についてですが、近年の温暖化に伴う海況変化や、時に甚大な漁業被害をもたらす赤潮の被害を軽減するためには、その原因である有害プランクトンの早期発見、早期対策ということが非常に重要でございます。 このため、令和4年度から赤潮の原因となるプランクトンの発生をリアルタイムで監視できる漁業DX技術を活用した赤潮監視測定装置を漁場に設置いたしております。この赤潮監視装置につきましては、漁業者がスマートフォンや専用ホームページを通じて、赤潮発生の兆候を即座に察知できることから、初期の段階から対応が可能となり、漁業者からは高い評価とともに、設置台数の増台の要望も受けているところでございます。 これを受け、次年度以降、西九州させぼ広域都市圏の市町とも連携することで、設置台数を増やし、海域としての活用を検討いたしております。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 赤潮対策につきましても、さらなる取組を期待したいと思います。 次に、本市における陸上養殖について、私も令和4年12月定例会の一般質問で取り上げました。水産センターでの研究成果も出てきていると思いますが、実際に事業を担っていただける事業者の誘致、佐世保市を選んでいただくメリット、インセンティブとして、水産センターでの研究データの蓄積やフィードバックなどが図られるべきだと考えますが、水産センターでの陸上養殖に係る最新の研究成果と、陸上養殖の推進について、当局の御見解をお尋ねいたします。 ◎農林水産部長(高増剛君) (登壇) 陸上養殖の推進の進捗状況についてお答えいたします。 本市では令和4年度から、陸上養殖の推進について調査、検証の取組を強化し、陸上養殖勉強会の開催と水産センターでの陸上養殖推進に係る研究開発を実施いたしております。 この陸上養殖勉強会は、昨年11月に第3回目を開催し、市内の漁業関係者に加えて、市内外から陸上養殖に関心のある企業10社にも御出席いただき、市内開設に向けたより具体的な議論を進めております。 また、陸上養殖推進に係る研究開発につきましても、本市水産センターと長崎大学と連携を図り、研究を進めているところでございます。 水産センターにおける陸上養殖の研究開発の進捗でございますが、まず、閉鎖式循環システムの検証と生産における課題解決に向けた実証試験を、高級魚として需要の高いクエにおいて実施しているところでございます。 この閉鎖式循環システムは、魚がふんとして排出する亜硝酸が水槽内に蓄積し、水質が悪化することが課題でございましたが、水槽の外部にそれを吸収する藻類の培養槽を設置し、低減化につなげた試験が、養殖勉強会の関係者から高い評価を得ており、今後さらに研究を進めてまいりたいと考えております。 また、カワハギが、今後陸上養殖の魚種に有望であると考えており、現在、種苗開発試験を実施いたしております。カワハギ種苗につきましては、これまで全国的に生産の事例が少なく、ほかの魚種に比べて、ふ化直後の大きさが2ミリと小さく、これまでふ化直後に、大量にへい死してしまうといった課題がございました。今年度から採卵方法などを改良したことで、これまで、その後の生残率が大きく上昇する3ミリを超えるサイズを10万尾単位で生産することに成功し、今後、市内の漁業者への供給まで結びつけられればと考えております。 これらの試験結果につきましては、まだまだ検討すべき課題などがございますが、今後蓄積した知見を陸上養殖に参入される事業者に対してフィードバックができるよう、引き続き取り組んでいるところでございます。 本市といたしましては、今後も新たな可能性としての陸上養殖の推進に引き続き取り組んでいきたいと考えております。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 陸上養殖、大変本市にとっても有望な新しい漁業といいますか、これから期待される分野だと思いますので、ぜひ引き続き力を入れていただきたいと思います。 それでは、最後に市長へお尋ねいたします。 施政方針の中では、水産加工団地への企業誘致の推進に努め、水産業を本市の基幹産業の一つとして重点化していきたいと述べられていました。水産加工団地については、分譲価格のハードルや浄化槽が整備されていないといった、事業者にとって進出の妨げになっている課題があります。 そこで、市長として、水産加工団地への企業誘致や、水産業を本市の基幹産業として成長させていく意気込みについて、御所見をお伺いしたいと思います。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 水産加工団地への企業誘致の推進についてお答えをいたします。 水産加工団地への企業誘致につきましては、私のマニフェストにも、また、令和6年度の施政方針にもお示ししておりますとおりで、水産市場の現状及び課題を考えますと、早期に解決しなければならないと認識しております。 これまでは条件を分譲のみとしてきたことから、価格が合わずに断念した企業もあったと聞いておりますが、今後は、分譲だけではなく、賃貸契約も視野に、水産市場との連携及び活性化が見込める業種の企業に広く案内するなど、柔軟な対応で企業誘致を進めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、水産加工団地全てに企業が参入し、水産市場と連携することで、漁業者の水揚げが増加し、水産市場がさらに活性化する、このような好循環を生み出すことにより、コロナ禍以来、低迷している本市の水産業界全体がより発展できるように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) 市長、御答弁ありがとうございました。 この水産加工団地の誘致についてでありますけれども、当局も非常に頑張っていただいていることは十分理解をいたします。しかしながら、確かに行政のスキーム的には、1期目に造成をいたしましたところを、まずは分譲して、いわゆる土地の売価をもって2期目の造成につなげるというようなスキーム--これ理解できるわけでありますけれども、やはり事業というものにはタイミングがあると思います。先ほど申し上げてきたとおり、水産市場はそのような非常にもったいない状況にありますので、まずは、1期目に造成したところに企業を誘致していただいて満床にすると。そうすることによって、中長期的に、本市に新たな雇用であったり、税収を生み出すことができると思っていますので、ぜひ引き続き、対策、取組をお願いしたいと思います。 そして、今回の質問に当たりまして、実は小学生の子から、私のほうにメールが送られてきました。私のSNSを見て、水産について質問されるんですねというような内容だったんですけれども、先日、市長のほうにもこういった水産業振興、いわゆるお魚屋さんの問題であったり、そういったところを問題提起されたということでございます。私、非常に励まされました。本市の水産業、今日は取り上げませんでしたけれども、物流の課題もあります。こういった様々な課題の中で、現場は大変頑張っておられます。私、水産業の将来、そして佐世保市の未来に希望を感じることができました。引き続き水産についての取組を進めていただきたいと思います。 最後に、今回の質問に際しまして、本当にぎりぎりまで準備、そして御調整、お力添えをいただきました当局の皆様に心から感謝を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(久野秀敏君)  暫時休憩いたします。     15時27分 休憩     15時50分 再開 ○議長(林健二君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 個人質問を続行いたします。10番鶴大地議員。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 皆様、こんにちは。御存じかもしれませんが、鶴大地と申します。最後の登壇者となりました。 佐世保市政に非常に関心がある人も傍聴されているというところで、逆に急に緊張するようになったんですけれども、しっかりと努めてまいります。 最後の登壇というところで、これまでのやり取りも踏まえた上で、先輩・同僚議員の質問もあっておりますので、それも受けながら、引用させていただきながら、4点の項目で伺ってまいりたいなと思いますので、今回もどうぞよろしくお願いいたします。 まず大項目の一つ目、「シティブランディング・プロジェクト」についてでありますけれども、本件につきましては、長野議員、そして久保議員の代表質問、また田中議員、先ほどの田山議員の個人質問を受けまして、質問をさせていただきたいと思います。初めに、まずその問題点として、私が思うところを説明させていただきたいなと思うのですけれども、まず一つ、シティブランディング・プロジェクトの全体というところにおいて、久保議員の質問の中で明らかになった人口23万人を維持することを目的としているとの御答弁があったと認識をしております。では、それらのシティブランディング・プロジェクトというものがその目的を果たす中で、それぞれのプロジェクトがどのような社会課題を解決するための取組なのかがなかなか分からない、読み取れませんでした。 さらに、これまでの既存事業をフォルダ分けして、改めて名称をつけたようにも感じた部分があります。全てが新規事業、拡充事業で構成されるわけはないとは思いますけれども、そのあたりがこれまでの説明で分からなかったというところで、深く掘り下げていきたいなと思います。さらにそのプロジェクトを構成する四つのプログラムの中でも、特にシビックプライドに関して、私もかねてより質問を繰り返してきましたけれども、シビックプライドということが言葉としては、あまり言いたくはないのですけれども、形骸化をしているのではないかと。前市長とはどのような思いがシビックプライドなのかというやり取りをしてきましたけれども、改めて、宮島市長の思うシビックプライドというものを明確にすることで、それらを解決していけるのではないかなと思っています。 そして、何を目指すのかというところであります。佐世保市民や佐世保に関係する方々、能動的な市民としてシビックプライドを持っていただいて、そういう方が何を起こすのかというところがまだ不明瞭であると思っています。 さらに、シビックプライド醸成プログラムと呼ばれる、皆様の示していらっしゃるものが、それらの市長が考えるもの、そして能動的な行動というものに、どのように寄与するのかというところを明らかにさせていただきたいなと思っています。 そこで、三つの質問とその質問の意図、目的というものをお伝えさせていただきたいと思いますけれども、まず一つ目、事業の妥当性を確認させていただいて、シティブランディング・プロジェクトの推進力を持つためにも四つの柱というものを選定した理由や具体的な根拠を伺います。 次に二つ目、シビックプライドという広い理念が想定される言葉において、佐世保市という中でのシビックプライドを見いだすために、宮島市長が考えるシビックプライドについて伺います。 次に三つ目、プロジェクトの進捗を管理する上で、シビックプライド醸成プログラムを含む四つのプログラムに関し、何を指標としてはかっていくのかということについて、3点伺いたいと思います。 続いて大項目の二つ目、広報力向上の取組について、要旨は読んでいただければお分かりのとおりだと思いますけれども、本件に関しても、柴山議員の代表質問を念頭に伺ってまいりたいと思います。 こちらも問題点を共有させていただきますと、佐世保市の広報戦略の策定から3年がたっているということで、その効果であったり、これからどうするのか、時の広報戦略を見返すと3年から5年でローリングするということも書いてありますので、これからの展望がどうなっているのか分からないところを明らかにしていきたい。 次に、市としての広報の重要性は認識をされているというところは分かりました。しかしながら、現状値がどうなのか、さらにその現状値は目標値に対してどこまでいっているのかが分からないので、改善サイクルがどのように機能しているのかが分からないというところが問題であろうと思います。 そして、一方通行的な広報、情報発信というものが非常に多い。これは致し方ない部分もあると理解はしておりますけれども、実際住民のニーズに合致していないケースがあるのではないか。結果的に、住民の市民の方々の関心を引き出せずに、広報紙が読まれない、ホームページを見ないといったようなアクセスの低迷の問題につながる可能性があると思っています。 それらを受けて、質問を2点させていただきます。まず、広報力向上を目指すに当たり、現状を明確にするために、広報活動における具体的な分析結果と現状評価についてお伺いいたします。 そしてもう一つ、広報力向上に取り組むと表明をされていますけれども、具体的に何がどのように向上することを指しているのか、また、広報力が向上することでどのような状態を目指しているのか伺います。 次に、大項目の三つ目、地域通貨「させぼeコイン」について、こちらもかねてより、eコイン、させぼe振興券であった頃から繰り返し質問をしてきたところでありますけれども、さきの1月臨時会における企業経済委員長の報告にもあったとおり、ユーザー数及び加盟店舗数の目標未達というものが発生をしています。 また、我々の周り、市民の声として、社会指標というところを見ても、外貨獲得、域内循環と呼ばれるものの効果の発現がまだ感じられていません。そのあたりも問題として見た上で、今回の質問においては、させぼeコインのこれからの普及の促進、活用の機会の充実、また、させぼeコインによる市民の行動変容を起こすという行動変容促進、また、地域経済域内で循環させることを目的に質問をしていきたいと思います。 まずは最新の現状把握のために、ユーザー数、加盟店舗数、流通額、発行ポイントの現状値、さらに目標値との差、さらにそれをどう改善していくのかということについてお尋ねをいたします。 そしてまた、売上データの分析についても、市内の販売額、使用エリアのトップスリーもお答えいただきたいと思います。 そして、外貨獲得とはいうものの実際にどの程度外貨を獲得しているのか。その外貨獲得及び域内循環の現状と効果についてお尋ねをいたします。 続いて、大項目の四つ目、公共工事の効果検証について、こちらは要旨のとおり、公共工事における費用対効果測定及び効果の発現の検証について、たくさんのところに関わるのですけれども、今回は絞って主に土木政策に着眼してお伺いをしたいと思います。市民生活に密着する土木事業ですので、これらを否定することではありません。この持続性を担保していくためにも、持続性を確立するために、お尋ねをしていくものです。 問題としては、図らずもなのですけれども、質問通告をした2月21日に、日経新聞にこういう記事が出ました。国の公共工事において、費用対効果が着工後に悪化する事例が相次いでいる。道路やダムなど、1,221事業中605事業で費用対効果指数が低下しており、事業計画段階に重要視された費用対効果が継続して検証されていないというようなものでした。 視点をまた戻し、本来、ここで質問する予定だった佐世保市においても私は同様との考えを持っていて、その問題点としてはやはり明確な目標、そして指標が土木政策にないことであろうと思います。 私も1期目のときは都市整備委員会の副委員長をさせていただきまして、それらを思い返しても、やはり予算審査の中でも工事の手法、方法というものは、それでいいのかというような議論はされても、その効果というものを議論したことは、多くはなかったなと思っています。 それができないのは、やはり目標値が明示されないというところが原因の一つではないかと、仮説として問題提起します。 さらに言えば、公共工事の目標というのが不明瞭、曖昧な場合、当然その効果測定を行う際に、どのような指標を用いてはかるべきかも迷走するわけです。そこが明確にならない結果、効果測定ができないことから事業効果をはかることもできないというような悪循環を起こし、最終決算のときにどうだったのか--できたか、できませんでした、しかはかれないというような状況になっているのだろうと思っています。 さらに、それによって公共工事と呼ばれるものの優先順位が不明瞭になってしまうということも危惧されるのではないかと思っています。 当然先ほどの話に通じるのですけれども、目標や指標が不明確でありますので、事業比較による優先順位が不明瞭、不明確となる。結果、要望順というような根拠でしか事業計画を行えない場面が出てくるというところは、私も課題であろうと思っています。 さらに、長期的な検証の機会が少ないということも問題ではないでしょうか。そもそも、単年度の予算である財政の性質上は、効果測定というのは、短期的な視点で行わざるを得ないというところは一定の理解はするのですけれども、公共工事の効果というのは、長期にわたって発現するものでありますので、長期的な検証の機会創出が必要ではないかと、一つの問題として思っています。 さらに、その評価も行政機関によって行われることが多数であり、外部に評価をというところはなかなか聞かないものですから、客観性に欠ける可能性があるのではないかと思っています。 というところで、それらの問題に対して、今回の質問では本市における公共工事のEBPMというものを確立したい、また、公共工事における財源の持続可能性というものを維持できるように議論を深めていきたいなと思っています。 それでは、質問の内容といたしまして、一つ目、国の公共工事における費用対効果の低下についての見解をお伺いいたします。そして二つ目に、明確な目標や指標を設定する可能性についてお伺いをいたします。そして三つ目に、長期的に効果検証を行う可能性についてお伺いをいたします。最後に4点目、事業根拠や効果検証の基礎となるデータ収集や評価を外部活用することについて、御見解をお伺いいたします。 以上、1回目の質問を終わります。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) まずは、1項目めのシティブランディング・プロジェクトのうち、四つの柱を選定した理由というお尋ねでございました。 本市の最重要課題である人口減少対策には、二つの取組がございます。 一つ目は、自然増対策としての加速化する少子化に対するまちづくりであり、二つ目が社会増減対策としての地方回帰や、まちの活性化を図るまちづくりでございます。 まずは、子どもを望まれる全ての方が安心して産み育てられる環境づくりを推進していくことは、私がマニフェストとして掲げる一丁目一番地であり、これを「子育て」として、本プロジェクトの柱の一つに位置づけました。 次に、本市にはハウステンボスや九十九島など、魅力ある地域資源を有しており、裾野が広い観光関連産業等との強い結びつきもございます。人口減少に伴う経済的側面の課題を外貨で補完する観点からも、地域資源を磨き、生かすことは、交流人口の創出や関係人口構築につながることから、「地域資源」を柱の一つに位置づけております。 また、どんなに魅力ある地域資源があったとしても、これに市民の誇りや愛着、共感が伴わなければ、結局は市民が転出したり、戻ってこないという結果を招きかねません。市民のシビックプライドを醸成することは、本市への定住の気持ちに加え、主体的な外部への情報発信等により交流人口、関係人口を獲得する広がりにも期待が持てます。 シビックプライドを佐世保の文化の一つとし、市民が本市の人口減少対策における課題の当事者として共に活動していただきたいとの思いから、「文化」を位置づけております。 最後に「産業」についてですが、例えば、出産、子育てへとつながる結婚について、国立社会保障・人口問題研究所の調査結果によりますと、結婚相手に求める要素として経済力を重視・考慮する人が増える傾向や、夫婦が理想の数の子どもを持たない理由で最も多いのが、子育てや教育にお金がかかり過ぎるという経済的理由が明らかになっております。 そして、市に対するシビックプライドがあっても、働く場がないと定着しないことからも、市民の経済力向上につながる仕事づくりが重要であると考え、市民の収入増加と地元経済活性化の観点から、「産業」を柱の一つに位置づけました。 以上、四つのプログラムを総合的に推進し、「選ばれるまちSASEBO」の求心力を高める取組を推進いたします。 また議員からは、私が考えるシビックプライドとはどのようなものかという御質問がございました。 この件につきましては、議員もかねてから御関心を持って御発言をいただいておりますけれども、私が思うシビックプライドにつきましては、一言で申し上げますと、佐世保のまちは我がまちであるという誇り、愛着、自負心の下、このまちをよりよくしていきたいと思う気持ちだと思っております。まちのよいところはさらに伸ばし広めていく、課題があれば、どうにか解決できないかと努力していく。よいところも課題も全部まとめて受け入れて、このまちのために何とかしたいという気持ち、そんな思いがシビックプライドであり、そんな人々をもっと増やしていきたいと私は思っております。 また、シビックプライド醸成プログラムや、ほかの柱などの指標についてお尋ねがございました。その点につきましては、本年4月からスタートする第7次総合計画後期基本計画で定めました施策のKPIを軸に、各プログラムで実施する一つ一つの取組は評価してまいります。 加えて、本プロジェクトを推進する体制として、今年4月から設置するこどもまんなか推進会議及び次代のまちづくり推進会議において、アクションプランの策定作業の中で各指標について検討してまいりたいと考えております。 ◎総務部長(田所和行君) (登壇) 2項目め、広報力向上の取組についてお答えをいたします。 議員から大きく2点の御質問をいただきました。初めに、広報に関する分析結果と現状評価についてでございますけれども、個別の広報媒体ごとに申し上げますと、まず、広報させぼでは、読者アンケートによる満足度は98%を上回っておりますけれども、広報させぼをお読みいただけていない方もいらっしゃると思われる中においては、この数値を市民全体の満足度として捉えられるかなどの詳細な分析にまでは至っておりません。 ホームページについては、コロナ禍において急激にアクセス数が伸び、令和3年度は840万件を超えるアクセス数でございましたが、その後は減少し、令和5年度においては、令和3年度の約半数となる410万件程度と見込んでおります。 市政全般の情報を配信する市公式SNSについては、フォロワー数等の状況を見ますと、LINEの友達登録数が最も多く、約2万3,000人となっているものの、いずれのSNSもその伸びが鈍化しており、LINEについても令和2年度に年間約7,700件あった新規登録数が令和5年度には2,000件を下回ることが見込まれる状況でございます。 広報の取組に関する評価につきましては、ホームページのアクセス件数やSNSのフォロワー数の動向等を見ますと、議員御指摘のような市民のニーズに合致していない、あるいは市民の関心を引くことができていないという状況も想定されるところではございますが、これまでは広報の取組を客観的に評価できるデータを有しておりませんでした。 そこで、広報及び広聴と市民ニーズなどを客観的なデータとして分析することを目的に、本年1月から2月にかけて、広報と広聴に関する市民アンケートを実施するに至ったところでございます。 このアンケートの結果について一部御紹介をいたしますと、広報させぼやホームページなどの情報提供に満足しているかとの問いに対して、とても満足している、ある程度満足しているとの回答は71.5%でございまして、先ほど述べました広報させぼの読者満足度とは、20ポイント以上の差となっております。 アンケートの結果については、現在詳細を分析中でございますが、広報の現状と市民ニーズの間に一定の乖離があることを確認いたしたところでございます。 次に二つ目、広報力の向上と目指すべき状態について御質問いただきました。 広報力向上という点におきましては、まずは、市が発信する情報が市民の皆様に広く見ていただけるように、新たな視点で取り組んでいきたいと考えておりまして、その一つの取組として、広報全体のイメージを市政への関心が相対的に低いのではないかと考えられる若年層にターゲットシフトする、あるいは、各種SNSにおいて対象者を意識した広報展開を進めることなどを検討いたしております。 その結果として、広報の満足度はもとよりホームページや各種SNSの登録者数、アクセス数などが増えていく状況を広報力が向上した状態として、つくり上げたいと考えております。 目指すべき状態につきましては、全ての市民の皆様に広報に御満足いただくとともに、広報が市民の皆様に広く届き、内容がニーズに合致するなど、市民の皆様に十分に関心を持っていただいている状況であると捉えております。 特に、市からの情報が市民の皆様の心に届く、共感が得られるような広報に取り組み、市政の円滑な推進や、佐世保市全体の活性化につなげられるよう目指してまいりたいと存じます。 いずれにいたしましても、この4月からは第7次佐世保市総合計画後期基本計画がスタートいたしますことから、先ほど述べましたアンケートの詳細な結果分析などを踏まえた上で、現行の佐世保市広報戦略を改定し、その評価、効果検証のための数値化可能な目標等の設定も含め、令和6年度のできるだけ早い時期に、具体的な取組の方向性として形にしたいと考えております。 以上でございます。 ◎観光商工部長(長嶋大樹君) (登壇) 3項目めのさせぼeコインの普及促進と活用機会の充実、今後の展望について私からお答えいたします。 現在の利用状況と当初の目標値につきましては、アプリダウンロード数は目標5万件に対しまして実績が約4万5,000件、加盟店舗数は目標2,000店舗に対し、実績が約1,600店舗、流通金額は目標36億4,000万円に対しまして、現状約34億3,000万円、発行ポイントについては目標3億7,000万円に対して約3億4,000万円となっております。 目標未達の要因といたしましては、チャージ方法が限られていたこと、スマートフォンを使い慣れている若年層の利用が少ない、また、利用できる店舗が少ないなどの様々な要因が考えられ、加えて事業広報不足も一因にあると分析をいたしております。 まず、チャージ方法の改善策といたしましては、令和6年度より、させぼeコイン利用者が十八親和銀行に開設している口座からのチャージ機能を追加することとしておりまして、利便性の向上、利用者の増加を期待しているところでございます。 次に、若年層への普及促進につきましては、新規ユーザー獲得のため若年層に人気のお店への加盟登録案内など、使いやすい環境の整備や送金機能の追加により、家族や知人間でのコイン送金が可能となりますことから、積極的な活用を見込んでおります。 また、今後の機能追加といたしまして、加盟店や商店街といった単位で独自ポイントを設定できるようになります。それぞれの加盟店等において販売促進ツールとして活用していただくことにより、利用者にとっても新たなポイント獲得の機会となり、さらなる好循環が生まれることを期待しているところでございます。 次に、議員御質問の売上データ等の分析についてお答えいたします。 加盟店の売上金額トップスリーの業種は、全てスーパーでございます。大野地区、大塔地区、相浦地区のスーパーでございまして、それぞれ約7,000万円の売上げとなっており、ふだん使いの決済手段として利用が進んでいるものと認識しております。 エリア別に利用状況を見ますと、大塔エリア等の東部地区については、最も加盟店売上金額が多くなっておりますが、エリア人口に対するユーザー数が少ないといったことから新規ユーザー獲得のための施策を検討する必要があると考えております。 ユーザー数が最も多い相浦エリア等の西部地区では、加盟店の平均売上金額が最も高くなっておりまして、その要因といたしましては、加盟店数が他地域より少なく、利用が集中しているものと考えられます。 次に、京町エリア等の中部地区では、エリア人口に対するユーザー数が最も多く、加盟店数も多いエリアとなっており、ユーザー数及び加盟店ともに普及が一定進んでいるものと捉えております。 世知原エリア等の北部地区については、加盟店数及びユーザー数が最も低く、ほかの地域と比較して普及が進んでいない現状が見て取れますことから、東部地区と同様に、新規ユーザー獲得のための施策を検討する必要があるものと認識をいたしております。 域内での流通金額については、令和6年2月末時点で28億7,000万円でございます。その経済波及効果額は40億5,000万円と試算をいたしております。そのうち域外からの外貨獲得額は合計約2億9,000万円でございまして、その経済波及効果は約4億800万円と試算し、一定の外貨獲得効果があったものと認識をいたしております。 以上でございます。 ◎土木部長(田島克巳君) (登壇) 4項目めの公共工事の効果検証について、4点の御質問についてお答えいたします。 まず、国の費用対効果の問題に対する見解ということでございました。 国の公共工事における個別の評価につきましては差し控えたいと思いますが、全体としての費用対効果の算出においては、計画と実績に差が出ることはあり得るものの、その割合が高い状態は適切でないと考えております。 一般論として、コストの増加は事前予測が難しい場合もありますが、便益における計画と実績の乖離の大きい事例は、その見積りが甘かったものとの指摘は免れません。誤った政策判断を行わないためにも、その精度を上げるための取組が必要だと考えます。 次に、明確な目標や指標を設定するということに対する見解ということでございました。指標の設定に関し、評価の対象を明らかにするために、土木事業を大きく三つの性質に分けることができるのではないかと考えてございます。 一つ目は、大型事業や構造物を新設する事業で、本市で言いますと前畑崎辺道路や東山手上部線などがこれに当たります。これらは新たな価値を創出するという性質上、便益と費用をしっかりと評価してございます。 二つ目は、維持・保全系の事業でございますが、これらは、理論上は、もともと費用対効果が1であったものを元に戻すという性質ですので、理屈の上では費用対効果は1となり、評価上の目標は明確となっております。 したがって、これら二つの性質の事業につきましては、既に明確な指標が存在しますので、改めて確認の必要はないと考えております。 三つ目が改良系の事業でございます。こちらは、現在確かに明確な指標はございません。これらは小規模で、かつ事業箇所が多いという性質に加え、数値ではかり切れない住民満足度が存在すること、ユニバーサルサービス的な対応が必要であるなどの特性があります。仮に指標を設定するとした場合、膨大な事業箇所において新たな便益設定が必要となる可能性が高く、また、費用と効果が見合わないものであっても直ちに不要と言い切れないものも存在することから、現段階で、それぞれの事業箇所において明確な指標設定を行うことは難しいものと考えております。 また、道路に関しては、道路整備プログラムに基づき、全要望路線1,096路線を約270に絞り込む評価を行い、その上で、各地域で優先順位の選択を行っていただいており、住民の皆様の納得のいく形で整備が進められているものと認識をしております。 一方で、今後の厳しい財政状況の中で、持続可能な土木施設の整備を行っていくことを考えた場合、現状の評価、対応を前提としながらも、必ずしもその規模が必要かどうか、解決すべき課題の解消方法がほかにないのかなど、いわゆる最小コストで最大の便益を得るための工夫、意識の転換を図ることは、将来に向けて非常に必要なことだと考えております。 次に、長期的効果の検証を行う可能性についてでございます。大変重要な視点で、将来に向けて適切な政策判断を行う上で当然に必要な考え方と思いますが、先ほども申し上げましたとおり、明確な指標設定になじまないものと、どのように取り扱うかについては、もう少し検討が必要でございます。 その意味で、4点目の御質問になりますが、外部協力による評価あるいは評価方法を研究していくことは有用だと考えております。適切な指標を得ることができれば効果は高いと思います。 一方で、形式にこだわり過ぎると、評価そのものが目的になってしまう場合もあり、本来獲得すべき事業効果への意識が低減しないようにしなければなりません。EBPMの本質は、目的・成果獲得を実現できる根拠を客観的に証明して目的達成の確実性を高めること、すなわち、手段の相当性を実施者が合理的に理解し、これに基づく行動変容を得ることにあります。 土木部における総合計画後期基本計画の策定過程におきましては、まず、このような考え方、つまり、最小コストで最大の便益を得るための工夫を促す意識構造を部全体で確認し、その上で、それぞれの事業における目的・目標に従った事業推進の方法論について検討を重ねてまいりました。 例えば、離合できないため道路拡幅をしてほしいというふうな要望があった場合、拡幅という手段を限定すると、工期や事業費が大きくなってしまいますが、標識や路面標示などで交通の流れを変えることによって問題を解決できる可能性も出てまいります。 つまり、市民目線で便益を最大限獲得するため、ハード整備を目的にせず、課題を解決することに目的を置くということを意識改革の頂点に置き、よりリスクの高いものから、できるだけコストをかけず、より多くの課題を解決するというふうな行動指針をコンセプトに掲げ、それぞれの事業を見直したということでございます。 令和6年度からは、このような運用方針により事業を展開することとしておりますので、一方ではこのような取組を進めながら結果を求めていきつつ、これらによって得られた成果を踏まえ、議員御提案の新たな指標の設定、評価方法について、外部協力も視野に入れながら、例えば、まずは一定規模以上の事業に限り評価をするということなど、実施可能な方法、段階を踏まえ、検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 4点御答弁をいただきました。 まず、公共工事の効果検証についてというところで先に意見を述べさせていただきたいのですけれども、先ほど目的をお伝えしたとおり、公共工事のEBPMの確立と、また、公共工事における財源の持続可能性の維持をしたいというような思いでしたので、さらに深掘りをというところではありません。あくまでも一番おそれるのは行政の無謬性というところですから、自己改善機能を組み立てることが非常に重要だと思っておりますので、引き続き、先ほどの見解を受けて、継続して見守られればなと思っております。 それでは再質問に入りますけれども、まず一つ目のシティブランディング・プロジェクトについて、市長に御答弁をいただきました。 四つの柱というところでのロジックであったり思いは十分に分かったところでありますし、シビックプライドについて改めて市長の思いを御答弁いただいたところでございます。 しかし、プログラムの指標について、二つの推進会議によるアクションプラン策定の中で今後検討しますよというところに関しては、いろいろな手法はありますけれども、やはり指標がないと戦略というのはつくれないと思いますので、そういったところから妥当性が明確にならないのは非常に危ないかなとは思います。 しかし、RUN-UPという言葉もあるとおりで、そのあたりは一定、少しですけれども理解はしているところです。 さらに、シビックプライド醸成プログラムを構成する13の事業を見た中で、例えば、主要文化施設管理運営事業--アルカスの管理運営とか施設改修--が入っていたりとか、ALTの派遣事業が入っていたりとか、実際それでシビックプライド醸成につながるのかという疑義はあります。それは皆様が提案をされていく中のものでしょうけれども、その妥当性がいまだに分からないところはあります。 また、実際に構成事業を見た中で、マイナスシーリングを受けたような事業が入っていて、予算優遇があったようには思えず、実際、ではプログラムを積極的に推進しようという体制に関して、予算面から見ても、疑義があると思っています。 そこで再質問なんですけれども、シティブランディング・プロジェクトというものの実効力を高めるために、プログラムの構成事業の妥当性をしっかり担保する考え方とか、また、予算優遇などといった今後の計画の在り方や推進体制というような思いを市長にお伺いいたします。 続いて、広報力向上の取組について御答弁をいただいて、現状、そして課題というものを明確にしていただいたと思っています。実際アンケートをしたら、佐世保市広報への満足度が71.5%だったと。そしたら、総合計画において示された広報させぼの満足度とは20ポイント以上の差が生じているというところで、ここは総合計画調査特別委員会の中でも実際そうなんでしょうかと問題提起をしていたところがいよいよ浮き彫りになったなと思っています。 これは再質問ではないのですけれども、一つ意見として、若年層へのターゲットシフトというのは、当然少ないところに目を向けるということなので、一つの戦略ではあるものの、少し慎重にしていただきたい。当然、市の情報を取得できるのは、全世代、市民全員の権利でありますので、非常に若い方々の言葉にというところで見づらくなるようなことがないようにというところは、意見を言う場ではないですけれども、意見として申し伝えておきたいなと思います。 そして、これらをさらに高めていくというところで今後の考え方がありましたけれども、心に届く共感とか、佐世保市全体の活性化につながる広報とか、そういう抽象的な言葉ではアクションは生まれないと思います。実際、そのあたりもアクションをどのようにつくっていくのかというところで少し提案をしながら、そのあたりの見解を伺っていければなと思うのですけれども、まず問題としては、情報過多の時代において、市民理解が高まる広報として、プッシュ型広報の一つであるLINEを使うべきかとは思っております。 そして、そのLINEというのが、13歳から69歳の利用率--ウェブで出ていた総務省の資料によると、9割を超える方がLINEの利用をしているという調査結果の公表もありました。 実際、先ほどLINEの話もありましたけれども、令和4年は1,775件の登録、そして令和5年は2月時点で1,675件と、登録数は実際横ばいとなっていて、新たな策が必要であるというように思っているところです。 ここでもう一度提案をしながら少し確認をしていきたいんですけれども、市民の情報ニーズとの乖離を改善するために、対象者を明確にする戦略と呼ばれるターゲティングというものを徹底するべきであろうと。さらに、広報紙も含めたホームページのデザインの強化をすべきではないかというところでも、改善点として思っています。 その手法として三つ、一つ目が公式LINEの受信属性の選定--例えば、私であれば30代男性というようなフィルターをかける、タグをつけること--ができると、その中で私に適したような情報が集まるようになれば、非常に公式LINEというものが有益になってくるのではないかと思います。 さらに二つ目がホームページの年齢別に推奨基準をつくるというようなことはどうかと思っています。これもターゲティングの手法ですけれども、今ホームページを見ても、非常に情報があふれていて、私は議員として新着情報を見るのですけれども、市民の方がそれを全部するかといったら非常に疑問のあるところです。それらを改善するためにも、あなたはここだけ見ておけばいいということは適正ではないですけれども、ここだけはおすすめとして見ておいてねというようなものをポータルサイトとして出していくようなこと。 そして三つ目に、広報紙のデザイン強化として、やはり高齢者の方々が広報紙の最後のほうの情報ページを見ても文字が小さ過ぎて読みにくかったりすると思うのです。そのあたりもフォントをちゃんと意識するということ、逆にそういった文字の羅列は若者には分かりづらい話で、一例ですけれども、例えば漫画とかを使って分かるようにするというようなことも手法として考えられるのではないかなというところで、三つの取組の見解を伺いたい。 また、先ほどLINEの話をさせていただきましたけれども、LINEの改善点というところも重要であろうと思います。なぜならば先ほど言ったとおり、13歳から69歳の利用率が9割を超えているから、このLINEに力を入れない手はありません。 ということで、三つの取組を策として例示できればなんですけれども、私は、LINEにこういう機能があれば--私は登録しているのですけれども--さらに登録するなと思うのが来庁予約。実際に行くけれども、やはり待ち時間が多かったりすることに対して、公式LINEから、私はこういう目的で行きますよということでチャットボットも含めてやり取りをすれば、個人情報も含めて、当然行政としても、この人、鶴大地さんが何をしに来られるのかというのは分かっているわけですから、非常に業務量も減るというようなプラスはあるのではないかというところで、来庁予約システムを導入してはどうかと思います。 さらに二つ目で、これは私、一番重要かなと思うのですけれども、ごみ、いつ捨てていいかなというのを非常にいつも悩む。私が捨ててはいないのですけれども、資源ごみいつだっけというような議論にはなるんですけれども、例えば今、チャットボットで資源ごみを確認すると、環境部のPDFのデータだけ送られてくるのです。そうではなくて、私がどこに住んでいますというデータを先に入れておくのか、もしくは、チャットボット上で確認することによって、何日だよというような返信があれば、私は登録がより進むのではないかなと思っています。 またさらに、公式LINEというものと区別をつくっておくべきです。確かに情報というのは、みんなの権利ですと先ほどお伝えはしたものの、公式LINEでしか得られないような限定の情報--とても重要なことではなくてもいいわけです。例えば、観光課の職員がふだん回られた中でのお勧め情報とか、非常に有益だったりするが、絶対的な情報ではない--みたいなものを出していったりとか、非常に有益ではないかなというところで、今、それぞれ6点、提案をしたのですけれども、それらも含めて全てということではなくて、見解をお答えいただければなと思っています。 また、続いて地域通貨「させぼeコイン」についてでありますけれども、目標未達を四つ出していただきました。これまでもこの問題には取り組んでこられたと思うのですけれども、その進捗を改めて確認しなければならないと思います。実際、これまでのチャージというものに関して私もずっと意見をしてきたところでございます。チャージの方法というのは特に重要なんですね。なぜならば、そこにお金を入れる一番最初の入口なので、ここで外れた人はもうこの事業には入ってきません。なので、そこは非常に重要なものとして私は策を練るべきだと思っています。 だからこそ、我々ほとんどの人が使っているクレジットカードのチャージというのは、やはり考えておくべきかなと思っております。皆さんの言葉を借りるならば、利便性の向上ということのために、クレジットカードからのチャージを導入することが可能であるのか、その検討状況をお伺いをいたします。 また、させぼeコインの活用方法の横展開は重要ですよと、単純に円の代替というだけでは、この事業は多分補助金が尽きれば終わりますと以前から指摘をしていたところでありますし、今でも私は変わらず思っています。なので、ポイントというものの利用を横展開して、いかに市民の生活に溶け込ませるのかが重要だと考えます。 だからこそ、例えば、健康ポイントであったりとか、そもそも給付金についてはさせぼeコインで使っていただく。使う範囲が狭まるため非常に難しいというのはありつつも、当然域内循環が生まれるわけですから、そういったものに対しても活用をしてはどうか。新たな活用方法における当局によるこれまでの検討の状況を御報告いただければと思います。 以上、2回目の質問を終わります。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 本プロジェクトにおける構成事業及び予算優遇についての御質問でございました。 プログラム構成事業につきましては、例えば、シビックプライドに関しますと、その醸成のための機会や場の提供なども含めた総合的な取組が必要となってまいります。 そのため、プログラムを構成するものは、これから取り組む新規事業と、既存事業等を合わせたものとなっております。 本プロジェクトは、本市の最重要課題である人口減少対策に係る取組であり、その予算配分は、プロジェクト推進において非常に重要な要素となると考えております。 令和6年度は、おっしゃいましたとおりにRUN-UP(助走)期間として、その先行事業を上げさせていただきました。 今後の展開につきましては、こどもまんなか推進会議及び次代のまちづくり推進会議のトップである両副市長とも連携をし、選ばれるまちという共通目標の下、政策の枠を超え、事業の構築を図るとともに、各事業のブラッシュアップを行いながら、プロジェクトに位置づけるべき構成事業の整理も含め、推進を図ってまいります。 その際は、行政サービス全体のバランスを図りつつ、私の求めるまちづくりの方向性である本プロジェクトの推進について、より予算を重点配分すべく、既存事業の見直し等も図りながら、精査を重ねる意向でございますので、市民の皆様、各議員各位のより一層の御指導と御協力をお願いいたします。 ◎総務部長(田所和行君) (登壇) 2項目め、広報力向上の取組に関する再質問にお答えをいたします。 まず議員からは、ターゲティングの徹底とデザイン強化についての三つの御提案をいただきました。 まず一つ目のLINEに受信属性選定機能を付加するということにつきましては、現在LINEの登録者が受け取りたい情報を選択して受信できる機能を設けることを考えておりまして、先ほど述べたアンケートの分析結果を踏まえつつ、発信情報の種別整理など、実現に向けて具体的な検討に入ってまいりたいと考えております。 二つ目、ホームページの年齢別推奨記事の配信につきましては、一定のジャンルにおいてポータルサイト的に情報をまとめていくことを検討いたしており、議員御提案のような年齢別に推奨するサイトについても、サイト構築の際の一つの視点として考慮してまいりたいと存じます。 三つ目の広報紙のデザイン強化につきましては、先ほど申しました若年層へのターゲットシフトも含めた、より読んでいただけるような取組として、令和6年4月号からデザインをリニューアルすることを考えておりまして、議員御提案の内容も念頭に取組を進めてまいりたいと存じます。 また、議員からは、市民理解を高めるためにプッシュ型広報の手段の一つであるLINEを効果的に活用するため、市公式LINEの登録数増加につながる機能拡充の方策として、これも三つの御提案をいただきました。 まず一つ目、LINEにおける来庁予約システムにつきましては、既に市の相談窓口における導入に向け準備を進めておりまして、令和6年度の早い時期に、まずは女性相談、あるいは妊婦相談など、主に電話で予約を受け付けているサービスから導入をいたしたいと考えており、その他の行政サービスについても順次、LINE上で予約ができるよう対応してまいりたいと考えているところでございます。 二つ目、居住エリアごとのごみ収集日に関する御提案でございますが、議員から御紹介いただきましたとおり、現在は、LINEを入口として市ホームページに掲載しているごみ収集カレンダーを御案内しておりますけれども、チャットボット機能を使うことで、迅速でストレスなく必要な情報にアクセスでき、利便性が高まると考えられますので、これも実施する方向で、よりよい手法を考慮してまいりたいと考えております。 三つ目、公式LINE限定情報の発信についてでございますが、情報に関する市民ニーズや配信方法なども含めて、先ほど述べました情報を選択して受信できる機能をLINEに付加していく中で、併せて取り組んでまいりたいと考えております。 このLINEにつきましては、議員御提案のような取組を進めることで登録者数が増加し、ひいては佐世保市全体の広報力向上にもつながっていくものと思いますので、それぞれ取組を進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◎観光商工部長(長嶋大樹君) (登壇) クレジットカードでのチャージ機能及び新たな活用手法の検討状況についてお答えをいたします。 現在、チャージ方法につきましてはセブン銀行ATMとチャージ機での入金のみとなっており、キャッシュレス決済ツールであるにもかかわらず、現金が必要となります。 先ほど申し上げましたが、令和6年度からは十八親和銀行口座からのチャージが可能となり、自宅でもお店でもチャージができる環境が整いますので、利用者の利便性は改善するものと考えております。 なお、クレジットカードでのチャージについては、利用者の利便性向上につながるものとの認識をしておりますが、現時点では決済手数料等運営事務局のコスト負担が大きくなると見込んでおります。 今後につきましても、さらに利用者の利便性向上に向けては調査研究を進めてまいりたいと考えております。 次に、新たな活用手法の検討状況につきましては、令和6年度に実施する事業といたしまして、環境部においてさせぼeコインアプリを活用したポイント発行事業を予定いたしております。 その他のポイント事業といたしましては、健康ポイントや給付金事業、交付金納付など、各担当部署と検討を進めたものの、現在実施には至っていない状況でございます。 現在実施中のアンケート調査の結果を踏まえながら、引き続き庁内においてさせぼeコインアプリの利活用方法についての説明を行い、新たな事業の実施に向け、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 3点御答弁をいただきました。 まず一つ目、シティブランディング・プロジェクトについて、一例としてシビックプライド醸成の事業に関して、それらの目的としては、機会や場の提供が必要なので、それらの事業が選定されたんだという御答弁がありました。 そうであれば、同様の文化というものの機会であったり場の提供ということであるならば、同様の意義を持つコミュニティセンター推進事業や管理運営事業なんかもそこに含まれてくるのではないか--それを入れてくださいということではなくて、やはりその妥当性というところが読み取りづらいなと私は思っているというところであります。非常に前向きな取組なのだろうと、そのような答弁をされているのですけれども、そういったところのずれというのがもったいないなと思っております。 最後なのですけれども、このシティブランディング・プロジェクトに関しては総合計画の政策枠を超えた取組ができることが強みというお答えをいただいておりますので、明日以降の常任委員会審査からもさらに深めて、議員として、さらには市民としてシティブランディング・プロジェクトというものを見て深めていきたいなと思っています。 そして、広報力向上の取組についてですけれども、6件全てに御見解をいただきました。非常に前向きであったと思いますけれども、提案ということで、皆さんがそれらをする、しないは、その後も含めて非常に重要な検討もあると思いますので、そこは期待をしていきたいと思っております。何よりも市民にとって有益にはなるだろうと思いますので、これからもお力をお貸しいただければと思います。期待をしております。 そして最後に、地域通貨「させぼeコイン」について、チャージ方法の部分に関してクレジットカードの見解をいただきましたけれども、させぼeコインを使っている方へのアンケートを今も取られていると思いますけれども、以前、アンケートの資料を提出いただいて、やっぱりクレジットカードのチャージを望む声はあるなというところはお互いに認識をしていることだと思います。 しかし、決済手数料の大きさ、説明がありましたけれども、そこはやはり域内循環の面を考えると、課題であるなというふうには思ったところです。 させぼeコイン事業の入口となるチャージのところですから、チャージできない、不便だけれども域内循環につながる、それで本当にいいのかと。チャージをもっと広くして域内循環の数をそもそも大きくしていくということ、それが少し出てしまうというのはしようがないという面を考えれば、クレジットカードチャージというものを使って最初の入口を大きく持つということも一つの観点かなというふうには思っておりますので、深めていただければなと思っています。 そして、そもそもその後の活用手法が見いだせていないということは指摘をせざるを得ないと思っています。円の代替だけでは継続性がないということは以前の質問でもお伝えしたとおりで--時間はあったと思いますけれども、何分、一つの部署だけで整理がつかないというところでもあるので、非常にそれは難航したんだろうなと認識はしますけれども、こういうとき、これからこの事業の継続を考えるときこそ、経済政策としてのさせぼeコインを超越して、そもそも市民にとってプラスとなるような、市民幸福度を向上させるような地域通貨事業というものをいよいよ目指していかなければならないと思っています。 つまり、させぼeコインを使うことによってそのデータというものを資産に、市民のよりよい行動変容を起こしていく必要があるということです。例えば、域内循環ということでいくと、そもそもそれらでさせぼeコインを使っていただいた飲食店は円に替えるわけです。その円に替えるものも、例えば、飲食店の材料であったり飲物、お酒をさらにそのままさせぼeコインとして使っていただければ、絶対それって域外へ出ていかないですよね。例えば、材料、お酒なんかもネットで買われればまた出ていくわけですよ。それらを必ず2次利用として域内循環を強制とまではいかないですけれども、誘発していく、それにおいてそこに1.5%などのインセンティブを用意するのは、私は重要な政策であると思います。 そういった経済システムというものを、循環する経済システムをさせぼeコインというものを使ってつくっていく。さらに言えば、それらを実際使われた人がどういう購入をしたのか、例えば、私が毎日させぼeコインで肉を買ったら、「肉食い過ぎだぞ魚食え」みたいな、そういった健康増進につながるようなデータをプロットして、その人の健康をさらによりよくしていくような策を出していくと、円の代替だけではなくて、それらを使っている市民のよりよいウエルビーイング--というような質問もあっておりましたけれども--それらにつながるきっかけとなれるような事業だと私は思っています。なので、そういった購入データの2次利用というものを考えていかなければいけないと思いますし、さらには、させぼeコインでしか買えないというような--限定といいますか、人間、限定好きですから--そういったインセンティブを用意したりとか、実際、ユーザーデータというものの取得を先ほど話しましたけれども、よりよくしていくというところは重要であろうと思います。 そのあたり、提案したわけですけれども、これ一つ一つということではなくて、(終了ブザー)宮島市長のリーダーシップが非常に重要になる事業だと思いますので、これらの見解、今後の方針を伺って、私の質問を終わります。 今回もありがとうございました。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 今後のさせぼeコインの活用手法につきましてお答えをさせていただきます。 私の99の政策として「キャッシュレス地域通貨の活用」を掲げ、取り組んでいくものといたしております。本年度よりさせぼeコインのプラットフォームを活用し、ポイント還元事業等を展開し、市民の皆様や市内事業者のキャッシュレス対応を図りながら、域内消費の促進、外貨獲得につなげてきたところでございます。 また今後については、ふるさと納税ポイント「e旅ポイント」の本格実施や、観光施策における活用等の検討も進めているところでございます。 議員御提案にございました域内循環促進のためのエコシステムの構築や、させぼeコインの事業継続性や利用頻度向上等につきましては、地域活性化のためのマーケティング基盤や情報インフラとしての効果もあると考えられることから、今後取り組んでいく必要があるものと認識をいたしております。 させぼeコインは地域活性化ツールとして活用できるものと大いに期待しており、活用メリット等を部局横断的に協議できる場を設けるなど、職員の意識醸成や、国の交付金に頼らない継続した事業実施に取り組んでまいりたいと考えております。 その取組が市民の皆様や市内事業者に貢献できるインフラDXとなるよう、新たな活用手法につきましては、全庁的に研究、検討を進めてまいります。----------------------------------- △日程第2 第70号議案及び △日程第3 第3号報告 ○議長(林健二君)  次に、日程第2第70号議案及び日程第3第3号報告の2件を一括議題といたします。 当局から提案理由の説明を求めます。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 個人質問終了後、お疲れのところ大変恐縮に存じますが、ただいま上程されました議案につきまして、提案理由を説明申し上げます。 第70号議案工事請負契約(変更契約)締結の件……令和4年9月定例会で議決をいただき契約を締結しております前畑崎辺道路道路改良(その3)工事に関し、土砂の仮置き等を追加することに伴い、現契約金額2億5,121万3,600円を2億8,317万8,500円に増額するものでございます。 第3号報告工事請負契約(変更契約)締結に係る市長専決処分報告の件……契約期間に係る工事請負契約の変更契約の締結について、地方自治法第180条の規定により専決処分いたしましたので、報告するものでございます。 第70号議案につきましては、国から工事に係る防衛補助事業の変更承認が2月21日に得られ、2月27日に変更契約の仮契約を行いましたことから、また、第3号報告につきましては、今定例会の先議案件として関連する補正予算の御承認をいただき、3月1日に変更契約に係る専決処分を行いましたことから、本日、追加して提案及び報告させていただいた次第でございます。 以上、簡単ではございますが、御説明に代えさせていただきます。何とぞよろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(林健二君)  これより質疑に入ります。 質疑をとどめます。 ただいま議題となっております案件のうち、第70号議案につきましては、お手元に配付いたしております常任委員会付託案件表(第3号)のとおり、都市整備委員会に審査を付託いたします。 都市整備委員長は、審査の結果を3月13日17時までに議長に報告を願います。 以上で本日の日程は全て終了いたしました。 次の本会議は3月19日13時から開きます。本日はこれをもって散会いたします。     16時56分 散会...