令和 6年 3月 定例会 3月
定例会議事日程 第3号 令和6年3月4日(月曜)午前10時開議第1 一般質問(代表質問)第2 第12号議案 令和6年度佐世保市
一般会計予算第3 第13号議案 令和6年度佐世保市
住宅事業特別会計予算第4 第14号議案 令和6年度佐世保市
国民健康保険事業特別会計予算第5 第15号議案 令和6年度佐世保市
競輪事業特別会計予算第6 第16号議案 令和6年度佐世保市
卸売市場事業特別会計予算第7 第17号議案 令和6年度佐世保市
等地域交通体系整備事業特別会計予算第8 第18号議案 令和6年度佐世保市
土地取得事業特別会計予算第9 第19号議案 令和6年度佐世保市
介護保険事業特別会計予算第10 第20号議案 令和6年度佐世保市
交通船事業特別会計予算第11 第21号議案 令和6年度佐世保市
集落排水事業特別会計予算第12 第22号議案 令和6年度佐世保市
後期高齢者医療事業特別会計予算第13 第23号議案 令和6年度佐世保市
工業団地整備事業特別会計予算第14 第24号議案 令和6年度佐世保市
港湾整備事業特別会計予算第15 第25号議案 令和6年度佐世保市
臨海土地造成事業特別会計予算第16 第26号議案 令和6年度佐世保市
母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算第17 第27号議案 令和6年度佐世保市
病院資金貸付事業特別会計予算第18 第28号議案 令和6年度佐世保市
水道事業会計予算第19 第29号議案 令和6年度佐世保市
下水道事業会計予算第20 第30号議案 佐世保市
職員定数条例の一部改正の件第21 第31号議案 佐世保市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部改正の件第22 第32号議案 佐世保市職員の給与に関する条例及び佐世保市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例制定の件第23 第33号議案 佐世保市旅費条例の一部改正の件第24 第34号議案 佐世保市
職員退職手当支給条例の一部改正の件第25 第35号議案 佐世保市長等の損害賠償責任の一部免責に関する条例の一部改正の件第26 第36号議案 佐世保市手数料条例の一部改正の件第27 第37号議案 佐世保市
コミュニティセンター条例の一部を改正する条例の一部改正の件第28 第38号議案 佐世保市
消防団員等公務災害補償条例の一部改正の件第29 第39号議案 佐世保市風致地区内における建築等の規制に関する条例の一部改正の件第30 第40号議案 佐世保市
指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例を廃止する条例制定の件第31 第41号議案 佐世保市
介護保険条例の一部改正の件第32 第42号議案 佐世保市
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正の件第33 第43号議案 佐世保市
指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営等に関する基準を定める条例の一部改正の件第34 第44号議案 佐世保市
指定障害福祉サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部改正の件第35 第45号議案 佐世保市
障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正の件第36 第46号議案 佐世保市
指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正の件第37 第47号議案 佐世保市
国民健康保険条例の一部改正の件第38 第48号議案 佐世保市
漁港管理条例の一部改正の件第39 第49号議案 佐世保市水道条例及び佐世保市
布設工事監督者の配置基準及び資格基準並びに
水道技術管理者の資格基準に関する条例の一部を改正する条例制定の件第40 第50号議案 佐世保市水道事業及び下水道事業の設置等に関する条例の一部改正の件第41 第51号議案 佐世保市
水道局企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部改正の件第42 第52号議案
工事請負契約締結の件(
佐世保競輪場新
メインスタンド(仮称)新築(建築)工事)第43 第53号議案
工事請負契約締結の件(
佐世保競輪場新
メインスタンド(仮称)新築(電気設備)工事)第44 第54号議案
工事請負契約締結の件(
佐世保競輪場新
メインスタンド(仮称)新築(機械設備)工事)第45 第55号議案
佐世保市有財産無償譲渡の件(栗迎四区
地区集会所建物)第46 第56号議案
佐世保市有財産処分の件(旧
中里下住宅跡地)第47 第57号議案 破産事件に係る和解の件第48 第58号議案
包括外部監査契約締結の件第49 第59号議案 公有水面埋立てに関する意見の件(早岐港早岐瀬戸地区)第50 第60号議案 辺地に係る公共的施設の
総合整備計画策定の件(烏帽子辺地)第51 第61号議案 辺地に係る公共的施設の
総合整備計画策定の件(平松辺地)第52 第62号議案 辺地に係る公共的施設の
総合整備計画策定の件(高島辺地)第53 第63号議案 辺地に係る公共的施設の
総合整備計画策定の件(黒島辺地)第54 第64号議案 辺地に係る公共的施設の
総合整備計画策定の件(野方辺地)第55 第65号議案 辺地に係る公共的施設の
総合整備計画策定の件(大久保・木場辺地)第56 第66号議案 辺地に係る公共的施設の
総合整備計画策定の件(本飯良辺地)第57 第67号議案 辺地に係る公共的施設の
総合整備計画策定の件(平辺地)第58 第68号議案 事業契約(変更契約)締結の件(
中央公園整備及び
管理運営事業)第59 第69号議案 佐世保市の特定の事務を取り扱わせる郵便局の指定の件第60 第2号報告
工事請負契約(変更契約)締結及び損害賠償の額の決定に係る
市長専決処分報告の
件-----------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程に同じ
-----------------------------------出席議員(33名) 1番 柴田英樹君 2番 本田博之君 3番 新川英之君 4番 諸國麻椰君 5番 古賀豪紀君 6番 宮田京子君 7番 黒川英朗君 8番 甲斐義博君 9番 田山藤丸君 10番 鶴 大地君 11番 宮島武雄君 12番 松尾俊哉君 13番 小田徳顕君 14番 久保葉人君 15番 角田隆一郎君 16番 山下廣大君 17番 永安健次君 18番 山口裕二君 19番 崎山信幸君 20番 佐藤文子君 21番 久野秀敏君 22番 永田秀人君 23番 柴山賢一君 24番 大村哲史君 25番 林 健二君 26番 田中 稔君 27番 松尾裕幸君 28番 長野孝道君 29番 市岡博道君 30番 大塚克史君 31番 小野原 茂君 32番 古家 勉君 33番 山下隆良君
-----------------------------------説明のため出席した者 市長 宮島大典君 副市長 西本眞也君 副市長 田中英隆君 基地政策局長 北村敬男君
行財政改革推進局長 吉田裕一郎君
企業立地推進局長 川口康博君
防災危機管理局長 山元義崇君 契約監理室長 森田知之君 企画部長 杉本和孝君 総務部長 田所和行君 財務部長 東 隆一郎君 観光商工部長 長嶋大樹君 農林水産部長 高増 剛君
都市整備部長 溝口勝利君 土木部長 田島克巳君 港湾部長 大塚 健君 市民生活部長 中西あけみ君
保健福祉部長 辻 英樹君
子ども未来部長 岡 雄一君 環境部長 吉田敏之君 水道局長 中島勝利君 消防局長 坊上 選君
教育委員会教育長 陣内康昭君
農業委員会会長 赤木行秀君
代表監査委員 宮崎祐輔君
選挙管理委員会委員 大平愼一君-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長 池田真二君 事務局次長兼議会運営課長 細井章子君 課長補佐兼議事調査係長 岳本雅也君 10時00分 開議
○議長(林健二君) 出席議員は定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。
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△日程第1 一般質問・代表質問
○議長(林健二君) 日程第1一般質問を行います。 これより代表質問を行います。 順次質問を許します。30番大塚克史議員。
◆30番(大塚克史君) (登壇) おはようございます。 質問に入ります前に、元日に発災いたしました能登半島地震から2か月がたちました。今なお1万名を超える避難者の皆様方が不自由な生活を強いられております。改めてお亡くなりになられました皆様に御冥福を申し上げますとともに、一日も早く元の生活を取り戻せますようにお祈りを申し上げます。 それでは、通告に従いまして質問をいたします。 今回の通告に対しまして訂正をお願いしたいと思います。通告しておりました5項目めの持続可能な循環型のまちづくりについてのうち、ごみの減量化と適正処理の促進についてという2点目の小項目の取下げをいたします。その上で、1項目めに通告しております
新型コロナ対策の総検証を踏まえた次なる感染症流行に向けた備えについてという項目を5項目めへと移動させていただくため、順番を替えさせていただきたいと思います。したがいまして、2項目めから5項目めまでを一つずつ繰り上げた形で質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 それでは、改めて質問に入らせていただきます。 今回、宮島市長就任後の初めての予算編成ということで、令和6年度の市政運営に対する市長の考えが示された施政方針を拝見させていただきました。今回の施政方針において、改めて目を引きましたのは、市長が
人口減少対策を本市の最重要課題と認識されていることです。本市の
人口減少対策として、子育て支援、教育の充実、産業の活性化のみならず、幅広い分野での取組が必要となると認識し、また市民、事業者等の皆様と情報や問題を共有し、協力・連携を図りながら、これからの新しい時代に対応したまちづくりを進めていかなければならないという思いは、私も強く共感するところであります。 市長は、施政方針の中におきまして、大好きな
ふるさと佐世保をしっかりと未来の世代へ引き継いでいくのが市長である私の責務だと述べられました。そして、本市の可能性や魅力を最大限生かし、市民の皆様と共に未来を先取る取組として、「「選ばれる
まちSASEBO」を創る
シティブランディング・プロジェクト」を始動させ、子育て、文化、地域資源、産業の四つの柱を中心に求心力の高いまちづくりを進めていくとされています。また、第7次
総合計画後期基本計画のスタートの年として、それぞれに位置づけられた各政策をしっかりと軌道に乗せ、次のステップへ着実に歩みを進めていきたいという意向を示されております。 このような施政方針を踏まえまして、私のほうから、会派を代表して、宮島市長の市政運営の基本姿勢やまちづくりの取組方針など、5項目についてお伺いをいたします。 まずは、市長が一丁目一番地に掲げておられる子育て分野に関わる質問項目として、子育て世代にやさしいまちづくりについてと、本市における学校教育の充実に向けた取組についての2項目について質問をさせていただきます。 市長は、
シティブランディング・プロジェクトの四つの柱の一つに子育てを掲げ、まちづくりは人づくりであるという考えの下、子育て支援・教育は未来への最も重要な投資と位置づけられました。そして、本市を子育て世代にやさしいまちとしていくことで、子どもを育てやすい選ばれるまちとなることを目指しておられます。施政方針の中では、妊娠を希望される御家庭の支援から、妊娠、出産、子育てのみならず、学童期、青年期に至るまで、母子保健・
児童福祉両面から切れ目のない支援を行っていくと述べられておりました。 そこで、1項目め、子育て世代にやさしいまちづくりについて、1点目の子どもを支える
ライフステージに応じた支援の充実についてお尋ねをいたします。 さきの令和5年6月定例会における代表質問において、2022年11月、公明党として取りまとめた
子育て応援トータルプランに基づき、子育て支援の充実について質問をいたしました。この
子育て応援トータルプランは、子どもの幸せを最優先に、子どもを安心して産み育てられる社会を構築し、子育て世代の経済的基盤の安定や、
ライフステージや、子どもの年齢等に応じた支援の充実を目指し、また多様な子ども・子育て家庭への支援を行い、少子化・人口減少という未曽有の事態を乗り越えるための具体策として策定されたものです。 その際、子育て支援の充実、特に子どもの年齢等に応じた支援の充実についてとして、安心して子どもを産み育てられる社会をつくるためには経済的支援だけではなく、妊産婦への相談支援と産前・産後サポート、産後鬱防止のための産後ケア、多胎児、
リトルベビー世帯へのサポート、子育て世帯への
地域子育て支援拠点の充実化など、全ての妊婦・子ども・子育て家庭について伴走型による支援が必要であると申し上げました。 また、国においては、昨年4月にこども家庭庁が設置され、そのうちのトピックとして、
こども家庭センターの市町村への設置による
相談支援体制の強化について指摘をしたところであります。これに対し、市長からは、特に伴走型の
相談支援体制の整備及び妊娠期と出産後、子育て期における経済的支援となる給付金の支給をはじめとし、全ての妊婦・子育て家庭が安心して出産・子育てができる環境を整備すること、低出生体重児に対する専門職による支援や、令和6年4月からの
こども家庭センターの設置に向け、鋭意検討を進めていくとの答弁をいただいたところであります。 そして、今般、市長として初めての新
年度予算編成であるとともに、第7次
総合計画後期基本計画のスタートの位置づけとなる令和6年度の施政方針が出されました。その中において、特に最重要課題と位置づけられている少子化・
人口減少対策について、国は異次元の少子化対策を実現するための
こども未来戦略を策定し、若い世代の所得向上、出産・子育てに対する社会全体の構造・意識の改革、全ての子ども・子育て世帯への切れ目ない支援という三つの基本方針を掲げられていることを述べられました。 国の基本方針の一つとして示された全ての子ども、子育て世帯への切れ目ない支援については、今後3年間、集中的な取組として掲げられた加速化プランの具体的な施策の一つとして、全ての子ども・子育て世帯を対象とする支援の拡充という施策の下、妊娠期からの切れ目のない支援の拡充、幼児教育・保育の質の向上、全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充などに取り組んでいくものとされております。 さて、本市施政方針におきまして、第2子以降の保育料無償化、不妊に悩む方への
特定治療支援事業といったマニフェストに掲げておられました子育て施策に加えて、子育て世代にやさしいまちづくりのために、令和6年度は特に、妊娠後や子どもが生まれた後の支援のさらなる充実とおっしゃいました。さらに、母子保健の推進として、子どもや子育て世帯への支援体制の強化を目的とした
すこやか子どもセンターを新たに設置し、妊娠を希望される御家庭の支援から、妊娠、出産、子育てのみならず学童期、青年期に至るまで、母子保健・
児童福祉両面から切れ目のない支援を行う旨、言及されています。 これらの内容は、公明党として掲げた
トータルプランにおいて必要な施策として提案した内容、特に妊娠時から出産・子育てまでの切れ目ない支援の充実という観点から、令和5年3月から開始された
伴走型相談支援を基本とした
こども家庭センターの設置、さらには産前・産後サポート、産後ケア、
家事援助サービスの利用支援などの推進を掲げておりますが、これは市の施策として考えられている方向性と合致すると思われるものが多く見受けられます。少子化・人口減少という事態を乗り越えるためには、国、地方自治体、企業や民間団体とが密に連携し、社会全体の課題としてそれぞれが主体的に取組を進め、社会全体で支援する仕組みが不可欠であると考えます。 本市においても、市長は人口減少・少子高齢化の進展による財政の持続可能性や経済の縮小化を懸念されており、幅広い分野での取組が必要との御認識でしたが、特に子育て支援の充実は重要事項の一つと言えるのではないでしょうか。 少子化対策、子育て支援に関する政策につきましては、さきの市民クラブ、柴山賢一議員による代表質問とその答弁において、特に国の動向や
市長マニフェストに関する現在の検討状況、今後の展望などが示されましたので、私のほうからは、前回の代表質問でお尋ねしておりました、公明党の
子育てサポートプランにおいて掲げております
ライフステージや子どもの年齢等に応じた支援の充実という観点から、改めて令和6年度から設置される
すこやか子どもセンターの概要及び妊娠期から出産、子育て期に応じた支援策について、具体的な取組内容などをお尋ねいたします。 また、施政方針の中では、多様化する様々な課題に対応し、誰一人取り残さない教育を実現するため、夜間学級や学びの多様化学校などの新たな学校の創造を進め、学校教育の充実を図っていくと述べられました。 そこで、2項目めの本市における学校教育の充実に向けた取組についてお尋ねをいたします。 1点目の行政による
学校問題解決のための支援体制についてであります。 本市の令和6年度当初予算の概要が示されました。
一般会計予算はおよそ1,211億5,000万円ということでした。そのうち110億円、構成比で言いますと予算総額の9.1%が教育費ということで、本市の厳しい財源状況において、昨年度より金額にして3%ほど増額されていることから、一定の予算が確保されており、市長が政策の一丁目一番地と位置づけた子育て支援が反映されたものと感じております。ぜひ予算を有効に活用するとともに、令和6年度からスタートする第7次
総合計画後期基本計画及び第4期佐世保市
教育振興基本計画に基づき、様々な教育政策を推進していただき、将来の佐世保を担う子どもたちをたくましく健やかに育てていただきたいと願っているところでございます。 さて、本市同様に、文部科学省におきましても令和6年度予算案の主要事項が示されました。早速、その予算資料に目を通しましたが、質の高い公教育の再生ということで教職員の働き方改革や人材確保の強化、誰もが学ぶことができる機会の保障ということで不登校、
いじめ対策等に多額の予算が計上されておりました。新規事業、拡充事業と現代の教育課題等を反映した予算編成がされており、国においても将来の日本を担う子どもたちの育成はもちろんのこと、教育活動に参画する多様な人材確保も推進されるようでございます。 その中でも目に留まったものが、来年度からの新規事業として盛り込まれております行政による
学校問題解決のための支援体制の構築に向けたモデル事業というものであります。内容といたしましては、保護者や地域住民からの過剰な苦情や不当な要求等の、学校のみでは解決が難しい事案について、経験豊かな
学校管理職経験者等を
学校問題解決支援コーディネーターとして活用し、様々な専門家と連携した行政による支援体制の構築に向けた事業というものでありました。イメージとして示されていますのが、
学校問題解決支援コーディネーターをキーパーソンとした
スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、弁護士、医師などをメンバーとする専門家チームが、保護者・学校両者から意見を聴取し、解決策を整理・提示するというものでありました。また、分野横断的な問題については、福祉等の市長部局とも連携により、共に解決に当たる仕組みの構築も想定されているようであります。 人々の価値観が多様化する中、学校を取り巻く学校問題も多様化、複雑化していることに鑑み、学校だけでの対応ではなく、行政の関わりにより解決策を整理・提示することは教職員の負担の軽減にもつながり、ひいては教職員が安心できる教育環境の整備や人材の確保というところにもつながる新たな一手になるのではないかと考えたところであります。 本事業につきましては、まだ国のほうで予算案が提出されている段階でありますので、本市において導入するとかしないということではなく、質問の1点目についてあります本市における行政による学校支援の現状及び紹介いたしました文部科学省の新規事業、行政による
学校問題解決のための支援体制の構築に向けたこのモデル事業につきましての所見をお伺いしておきたいと思います。 続きまして、2点目、市長の施政方針にありました佐世保市における誰一人取り残さない教育の実現についてお伺いをいたします。 全国的にも、本市においても、不
登校児童生徒が激増しているということは、これまでの議会の答弁などでも幾度かやり取りをされているところでありますが、改めて申し上げますと、令和4年度に病気などの理由以外で30日以上欠席した不登校の小中学生が10年連続の増加、過去最多の29万9,048人に上ったと文部科学省の発表がありました。本市においても、全国同様、不
登校児童生徒は増加傾向にあり、令和4年度の不
登校児童生徒は674名で過去最多を更新し、平成28年度以降7年連続の増加であったとのことでありました。このようなことから、学校教育における不
登校児童生徒の学びの保障、学びの場の確保は喫緊の課題と捉えているところであります。 文部科学省の予算案を見ましても、誰一人取り残さない学びの保障に向けた不登校、
いじめ対策等の推進に88億円もの予算が計上されております。本市におきましても、いじめ・不
登校対策事業費としておよそ2,800万円、
青少年教育センターにおける
教育相談活動事業費としておよそ5,500万円が計上されております。国においても、本市においても、不
登校児童生徒に対する多様な学びの支援を検討されていることがうかがえます。 また、不
登校児童生徒に対する多様な学びの支援に併せ、児童生徒にとって一番身近な存在の先生方が児童生徒一人一人に寄り添い、不登校を生まないための取組も必要ではないかと思うところであります。子どもたちと先生方が生き生きと輝く本市の学校教育の充実に向けた取組を強く推進していただきたいと望むところであります。 そこで、施政方針の中にありました誰一人取り残さない教育を実現するため、
校内教育支援センターの設置及び
サテライトあすなろ教室の拡充につきまして、今後、具体的にどのような対策を講じられるのか、お伺いをいたします。 また、児童生徒と一番関わりの深い教職員の不登校などの問題に関連した資質向上対策についてお伺いいたします。 さらに、夜間学級や学びの多様化学校などの新たな学校の創造ともありましたが、夜間中学につきましては、これまで公明党会派の左藤文子議員も3度にわたり個人質問に取り上げたり、会派全員で
相模原市立大野南中学校分校夜間学級へ伺い、授業参観もさせていただくなど、
先進校視察調査もさせていただいているところでありますが、改めて夜間中学の開設に向けての今後の展望、併せて学びの多様化学校につきましても今後の展望についてお伺いをしておきたいと思います。 次に、3項目め、本市の活性化に必要な交通体制についてであります。 市長は、
シティブランディング・プロジェクトを始動させ、市民の皆様からは住み続けたい、市外の皆様からは住んでみたい、訪れてみたいと感じてもらえるような選ばれるまちを目指すとおっしゃいました。そして、中学校給食費の無償化、アーバンスポーツなど、佐世保らしいスポーツの活用など、これから様々な事業を展開されると思います。その一方で、まちの根幹を支える取組、例えば通勤、買物、市内周遊など、皆様が利用しやすい移動手段を確保し、住みやすくする活力ある地域社会の実現を図ることは本市のまちづくりを推進する上で極めて重要な取組の一つとなると考えております。 施政方針の中では、運転士不足や厳しい経営状況となっている公共交通事業において、地域の関係者との連携・協働により利便性・持続性・生産性の高い地域公共交通ネットワークの再構築を進めていくと述べられました。 そこで、1点目、
シティブランディング・プロジェクトを後押しし、下支えをする交通インフラの整備と構築についてお尋ねをいたします。 施政方針においては、「つながる想い ともに創る SASEBO(ミライ)」として、市民が佐世保の未来を共に語ることで新時代をつくっていくという市長の思いが改めて示されましたが、その市民が求める未来の姿の一つがIRではなかったかと思います。IRは、主に海外の富裕層のカジノ消費を主財源として、MICEの運営、これに付随する商業施設、エンターテインメントなどへの展開を図る拡張性の高い仕組みであります。 本市は、我が国本土最西端に位置しますが、IRがあれば交流人口も増え、これに併せて交通環境も大幅に整えられることになっていたであろうということは想像に難くありません。しかし、年末にIR不認定の報道があり、先般、私が所属するIR推進特別委員会でもその旨の報告を受けました。市長も施政方針で触れられましたとおり、この件に関する振り返り、総括はしっかり行っていきたいと思いますが、本市は、国策としての取組を逃した事例をもう一つ抱えております。九州新幹線の長崎ルートであります。遡れば、平成4年11月、九州新幹線長崎ルートの短絡ルート案が示され、本市は苦渋の決断で受け入れました。この際、短絡ルート受入れと引換えに佐世保線の輸送改善を求めていましたが、これも約14億円を投じて整備を行った効果は極めて薄く、区間によっては数分の時間増加になっているものさえあると聞いております。IRも新幹線も、本市は国策としての取組に真摯に向き合い、努力を重ねてその実現を図ろうとしましたが、これだけ国の防衛政策に寄与しているにもかかわらず、いずれも残念な結果に終わろうとしているわけでございます。 そのような中、令和4年9月23日に西九州新幹線が開業し、特に長崎市に大きな変革をもたらしています。長崎市では、長崎駅周辺整備が進み、出島メッセをはじめ、昨年11月には大型商業施設、本年1月には日本で9番目となる長崎マリオットホテルが開業、今後もジャパネットグループが進める長崎スタジアムシティプロジェクトが進んでいくこととなっております。これらは、交通インフラである新幹線の開業、これを前提としているというところに重要なポイントがあると考えております。交通インフラの整備や民間投資を呼び込むという意味で、非常に大きな意味を持っているということであります。 市長は、施政方針でIR不認定を遺憾としながらも、1日でも早く新たなビジョンを示す必要があるとの認識を示されました。IR不認定となった今、まさに大きな視点での交通インフラを再認識し、長崎市のような投資を呼び込む環境づくりの出発点とすべきではないでしょうか。本土最西端に位置する本市を埋没させるわけにはまいりません。市長が掲げる
シティブランディング・プロジェクトを後押しする意味でも、リアルなアクセスの近接性を高めて、アクティブな文化、社会的継承、グローカルな産業などを現実のものにしていかなければなりません。 そこで、投資を呼び込むための基幹的な交通インフラの整備について、市長が現時点でどのような考えを持っているのか、お伺いをしたいと思います。 まず、西九州新幹線の存在を前提としたときの鉄道の結節について、佐世保線の輸送改善の結果を踏まえた上で、どのような未来を描いていますでしょうか。特に本市は、本土最西端にあり、日本全体へのアクセスのためには、九州の玄関口である福岡市の結節あるいは長崎空港へのアクセスが重要です。西九州新幹線の利用を前提とするならば、佐世保線の武雄、大村線の大村へのアクセス、また伊万里、唐津方面への鉄道もあり、全体を俯瞰した中で、市長がどのような展望を持っておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。 また、新幹線や空港利用者の二次交通という意味においては、最短で、かつ容量の大きい道路の存在が重要になってまいります。同じく、福岡や長崎空港との道路の結節を考えたとき、どのような未来を描いているのか、これもお伺いをしておきたいと思います。 次に4項目め、持続可能な循環型のまちづくりについてでございます。 第7次
総合計画後期基本計画の政策・施策体系の見直しにおきまして、今回新たに環境政策の中にカーボンニュートラルの推進の施策が位置づけられました。環境政策は、ゼロカーボンシティの実現に向けたカーボンニュートラルの推進を図り、持続可能な循環型のまちづくりを進めていくことを目的とされています。また、施政方針の中では、カーボンニュートラルの推進については、脱炭素社会の実現に向けて、市民・事業者・市が主体的に取り組む活動や、市公共施設の脱炭素化の推進に向けたアクションプランの策定に取り組んでいくと述べられておりました。 そこで、1点目、カーボンニュートラルの推進についてお尋ねをいたします。 世界的な脱炭素の潮流や政府の方針の下に、佐世保市においてもゼロカーボンシティへの挑戦を表明し、様々な取組が進められているものと認識しております。世界各国は、気候変動による深刻な影響を回避するため、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて1.5度に抑える努力目標を掲げ、長期的に取り組んでいます。2023年には、努力目標の1.5度目標を超えた世界の平均気温日数が過去最多となったとの報道もあり、カーボンニュートラルの推進は、より一層重要性を増すものと考えております。 カーボンニュートラル社会の実現に向けては、エネルギーを効率よく、省エネルギーや、創エネルギーといった再生可能エネルギーの活用、化石燃料由来のエネルギーからの転換に加え、削減努力をしてもなおどうしても排出されるCO2について吸収・固定させる取組など、幅広い取組が必要となります。 本市においても、2050年までに市内からの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すゼロカーボンシティへ挑戦するゼロカーボンシティ宣言を令和4年2月に表明をされました。その新たな取組として、再生可能エネルギー由来の自主電源確保や水素利活用などの検討、ブルーカーボン・オフセットの調査研究などの事業を挙げられ、当面の目標としては2030年までに温室効果ガス排出量の2013年比46%削減を目指して取り組まれていますが、まず本市の取組状況、そして脱炭素社会の実現に向けた新年度の取組についてお尋ねをいたします。 また、水素エネルギーの利活用についてでありますが、ゼロカーボンシティ宣言を行った際の今後の取組と市長が掲げる99の政策において水素エネルギーの利活用検討が挙げられております。水素社会の実現に向けては、まだまだ解決すべき課題も多く、革新的技術の確立に向けた国策レベルでの検討・開発が進められている中で、人材育成も必要になっているものと認識をしております。 このような中、昨年、公明党会派におきまして、佐世保工業高等専門学校を訪問した際に、水素エネルギー社会の実現に向けたインフラ構築への研究開発や技術普及、人材育成に向けた同校の取組について説明を受けるとともに、意見交換をさせていただきました。地域社会や地元産業界に寄与できる佐世保工業高等専門学校の役割は、地元佐世保市にとって非常に大事な存在であると改めて認識したところであります。 そこで、今後、水素エネルギーの利活用検討に当たっては、佐世保市にせっかくこうした研究や人材育成を行っている教育機関があることから、積極的に連携を図り、様々な情報を得ながら水素利活用の検討を進めていかれてはいかがでしょうか。御所見をお伺いしたいと思います。 また、ブルーカーボン・オフセットの調査研究についてでありますが、カーボン・オフセットとは、日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガス排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資することなどにより、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方であります。 本市は、海に囲まれ、九十九島など豊かな自然を有しています。その強みを生かして、藻場の回復による水産振興を図りつつ、カーボンニュートラルといった社会的課題への対応を行うブルーカーボン・オフセット制度の導入の考え方について、令和4年3月定例会におきまして個人質問を行ったところであります。当局からは、令和7年度のクレジット販売を目標に制度の調査研究の実施、策定についての検討をすると答弁されておりましたが、ブルーカーボン・オフセット制度の導入について、現在の取組状況と今後の方向性についてお尋ねをしておきたいと思います。 最後に、5項目め、
新型コロナ対策の総検証を踏まえた次なる感染症流行に向けた備えについて質問をいたします。 世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症については、昨年5月から感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられました。新型コロナの5類移行により、人流、物流ともに増加しておりますが、新型コロナ自体がなくなったわけではございません。また、新型コロナに代わる次なる感染症危機にも対応していかなければなりませんし、日頃からのしっかりとした準備が重要となってくると考えております。 今回の施政方針の中でも、感染症への対策として、平時から感染症発生時に備えた健康危機管理体制の強化に取り組んでいくと述べておられましたが、そこで
新型コロナ対策の総検証を踏まえた次なる感染症流行に向けた備えについてお尋ねをしたいと思います。 全世界で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症により日本全国がパニック状態となり、国民の生命や健康に重大な影響を与え、さらに経済活動にも大きな打撃を与えました。本市では、令和2年4月1日に初めて感染者が確認されてから令和5年5月まで、5類感染症へ移行されるまでの約3年間、行動制限や営業時間の短縮など、市民生活や経済活動に重大な影響を与えました。子どもたちにも、一斉休校や学校行事の中止など、感染拡大を防止するためとはいえ、過度の負担を強いられてきました。感染拡大期には、医療が逼迫した事態となるとともに、市民の生命や健康、経済活動に重大な影響を与えただけでなく、本市の感染症対策の中核的機関である保健所の業務が逼迫し、職員が疲弊する状況が生じたことは否定できません。 全国の保健所においても、同様に新型コロナウイルス感染症への対応が行われてきたところでありますが、令和4年6月15日の内閣官房における新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議の報告書によりますと、保健所は日常業務の増加やICT化の遅れなどにより、有事に対応するための余力が乏しい状態であり、それに加えて感染拡大期における保健所業務の優先順位や保健所と医療機関、消防機関、市町村などとの役割分担や協力関係が不明確であった結果、感染拡大のたびに保健所業務が逼迫したこと、また都道府県と保健所設置市・特別区の連携や保健所業務逼迫時の全庁体制の構築、IHEAT要員など、外部からの応援の受入れについてマニュアルなどの整備並びに周知や研修の実施を行ったが、感染症を対象とした健康危機に関する実践的な訓練が必ずしも十分には行われておらず、実際には円滑に進まなかったことなどが指摘されております。 このようなことから、今後における本市の感染症対策においては、保健所や保健福祉部の職員だけではなく、オール佐世保として力を合わせて全庁的にBCP、業務継続計画を発動し、全部局の職員がワンチームとなって対応できる体制づくりが必要であると考えます。 昨年5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置づけが5類感染症に移行した今も変異を繰り返し、流行第10波との見方も広がり、我々の生活や社会に影響を及ぼす状況が続いています。また、新たな未知の感染症がいつどこで発生するか予測がつかず、次なる感染症の備えについて課題認識を持っているところであります。 市長も、99の政策の一つに「
新型コロナ対策の総検証を踏まえた次なる感染症流行に向けた備え」を掲げておられます。市民の生命や健康を守る立場の市長として、危機感を持たれていることは政策に掲げているものと思います。 そこで、1点目の新型コロナウイルス感染症対策の振り返りと課題についてお尋ねをいたします。 次なる感染症に備えるためには、本市における3年間の新型コロナウイルス感染症対策を振り返ることが重要であると考えます。この3年間で我々は多くの経験を積み、様々な課題に直面をしました。3年間における陽性者数や入院患者数の状況のほか、市の対応の経緯及びその検証において浮き彫りになった課題等についてお尋ねをいたします。 次に、2点目、感染症予防計画に基づく新たな感染症等への備えについてであります。 新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、新たな感染症などの発生及び蔓延に備えるため、保健所設置市である本市においても、感染症予防計画の策定が義務づけられ、現在策定中と聞き及んでおります。新型コロナウイルス感染症は、世界中に大きな影響を与えましたが、それは同時に我々に未知の感染症に対する備えの重要性を改めて認識させてくれたものであります。 これからは、本市が経験から学び、その学びを新たな感染症流行への備えに生かしていくことが重要であると考えますので、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた感染症の発生及び蔓延に備えるための感染症予防計画の概要と今後の取組についてお尋ねをいたします。 以上、質問を終わります。よろしくお願いいたします。
◎市長(宮島大典君) (登壇) 公明党、大塚克史議員の代表質問にお答えいたします。 まず、質問の第1項目め、子育て支援の充実についてお答えをいたします。 さきの施政方針でも述べましたとおり、本市におきましても少子化・
人口減少対策は市政の最重要課題であり、人口減少に歯止めをかけるためには、施策として子育て支援や教育の充実だけではなく、産業の活性化をはじめとした幅広い分野での取組が必要であると考えますが、その中でも子育て支援の充実を図ることが特に重要であると考えております。 議員から御案内がございました先般12月に発出をされた
こども未来戦略のほか、改正児童福祉法では、市町村は児童等に対する家庭及び養育環境の支援を強化し、児童福祉施策を推進するため、児童福祉及び母子保健に関し包括的な支援を行う
こども家庭センターの設置が努力義務化されました。国の動向、そして議員からの御意見を踏まえ、組織を見直した上で、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもを対象とすることを基本に、母子保健・児童福祉の両機能が一体的に相談支援を行う機関として、令和6年4月から
すこやか子どもセンターを子ども未来部内に設置いたします。 これまで、本市においては、子ども保健課内に設置をしておりました母子保健業務における相談支援拠点、子育て世代包括支援センターである「ままんちさせぼ」と子ども保健課の準課であり、市区町村子ども家庭総合支援拠点である、子ども子育て応援センターがそれぞれ連携の上、相談支援業務を実施しておりましたが、今後は、さらに母子保健機能及び児童福祉機能における双方の業務について十分な知識を有し、俯瞰して判断することができる統括支援員を配置する等、人員体制を拡充し、
相談支援体制の強化を図ってまいります。 令和6年度は、産前産後における
相談支援体制の充実に向けて、従来の妊娠期から子育て期の支援に加えて、妊娠・出産を望まれる方、妊娠活動期の方への支援を新たに実施いたします。特定不妊治療は、令和4年度から保険診療対象となりましたが、保険対象外となる先進医療は、現在、10割自己負担となっております。この先進医療分について、長崎県は令和5年度から一部助成する事業を実施しておりますが、本市といたしましても、県の方針に呼応し、県が助成した額を除く部分に対する経費の一部助成をいたします。また、妊娠期から出産、子育て期の御家庭に対する支援につきましては、さきの令和5年6月定例会における大塚議員からの代表質問に対してお答えしておりました、
伴走型相談支援及び出産・子育て応援給付金実施事業が、まずは支援体制の基本となってまいります。 本事業は、妊娠期から出産、子育てまで一貫して身近で相談に応じ、様々なニーズに即した必要な支援につなぐ伴走型の相談支援と、おむつ、ミルク等、妊娠・出産期に必要とする用品の購入や一時預かり等、子育て支援サービス利用に資するための経済的支援との2本柱から成り立っております。母子健康手帳を新規に交付した対象者に対して、専門職による面談を行うほか、出生後2~3か月頃に乳児家庭を全て訪問し、相談に応じるとともに、妊娠後期における妊婦の方を対象としたアンケートを行い、妊婦の方及び御家庭の不安なことや心配事を確認し、支援につなげております。 あわせて、経済的支援として、妊娠初期に給付する出産応援給付金と出産後子育て期に給付する子育て応援給付金があり、それぞれ5万円を給付しております。この経済的支援に加えて、令和6年度は新たに産前産後の家事育児支援に取り組んでまいります。これは、体調不良等により家事・育児が困難であり、かつ昼間に支援を行うことが可能な方がいない妊産婦を対象とし、食事の準備、洗濯などの家事支援や授乳、おむつ・衣類の交換、沐浴の手伝いといった育児支援を実施するものです。 また、出生後4か月児までの乳児家庭への訪問事業につきましては、全ての家庭に対し家庭訪問員が訪問し、子育てに対する不安解消を図るものですが、低出生児として出生された御家庭等、支援を要する御家庭といった特定の御家庭には助産師・保健師が訪問し、専門的な助言等を行っておりました。これを令和6年度からは、支援を要する方に加えて、第1子目を出産された御家庭についても専門職による訪問対象とすることで、育児不安の解消や養育技術の提供等により、相談支援の充実に努めてまいります。 さらに、本市においては、平成29年から出産直後の母子に対し、心身のケアや育児のサポート等のために市内産科医療機関、助産師の方々の御協力の下、産後ケア事業を実施しておりますが、令和6年度からは希望される方が利用しやすい環境を整えるため、利用負担の減免による支援を導入いたします。 これら新規及び拡充する各種事業を、
すこやか子どもセンターを中心とした支援体制により取り組み、妊娠を希望される御家庭への支援から全ての妊産婦、子育て世帯、子どもに対し、母子保健・児童福祉の両面から包括的に切れ目のない支援を行ってまいります。 本市といたしましても、国の動向を逸することなく、必要な取組の実施について意を用いてまいるとともに、今後につきましても、佐世保市第7次総合計画(後期基本計画)に掲げる子ども未来政策として子育て支援の拡充に向けた事業の実施に努め、子どもが一個の人格として尊重され、最善の利益を享受しながら健やかに成長することができ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会、子育て世代にやさしいまちづくりを目指してまいりたいと考えております。 次に、3項目めの本市の活性化に必要な交通体制について答弁をいたします。 議員御指摘のとおり、IRは民間の投資を連鎖的に呼び込むと同時に、これらに対応するための交通インフラについて整備環境を改善できる大きなチャンスでございました。残念なことに、不認定ではございましたが、市民の生活や産業活動に大きな影響を与える交通インフラ整備の必要性は不変であり、民間投資を呼び込む上でもその重要性は非常に高いものと認識しているところでございます。 まず、鉄道に関する御質問についてお答えをいたします。 議員御案内のとおり、九州新幹線西九州ルートについては、本市における原子力船むつの修理受入れや県全域の利益を優先した県北住民の苦渋の選択といった経緯を経て、佐世保を経由しないルートとして生まれたものでございます。現在は、令和4年9月23日に武雄温泉から長崎までの区間が西九州新幹線として開業しておりますが、新鳥栖-武雄温泉間の整備方針が決まっていないため、博多から武雄温泉までの区間はリレー特急で運行し、武雄温泉駅で西九州新幹線かもめに乗り換える対面乗換方式で運行されています。このため、佐世保駅から福岡までのJRを使ったアクセスということでは西九州新幹線の利用はないものと考えております。将来、九州新幹線西九州ルートが全線フル規格として整備されることとなった場合は、武雄温泉駅がJR佐世保線との重要な結節点となることから、今後の動向を注視しながら、引き続き、平成4年に長崎県が示した佐世保市からフル規格新幹線鉄道網への直通運行の具現化を強く求めてまいります。 西九州新幹線の整備に関しましては、新幹線スキームにより、JR佐世保線の武雄温泉駅から江北駅までの間で路盤改良や一部複線化が行われておりますが、長崎県とされても、県事業として令和元年度から4年度にかけて佐世保駅-有田駅間でロングレール化や路盤改良等の高速化事業とJR九州による振り子車両の一部導入がなされております。これら一連の事業効果により、佐世保-博多間では特急みどりの約6割程度のダイヤで運行時間の短縮が図られております。しかしながら、高速化事業の整備効果がダイヤに十分反映されているとは言い難いため、JR九州に対しまして、引き続き、さらなる改善を要望してまいりたいと考えています。 また、現在、佐賀-佐世保間及びJR大村線の一部区間につきましては、交通系ICカードが利用できませんが、JR九州におかれましては長崎・佐賀両県と連携し、令和6年度中に佐賀-佐世保間の全駅で、さらに令和7年度中には長崎県と連携し、JR大村線の全駅で交通系ICカードが使える環境を整備する方針が示されています。これにより、広域でのICカード利用が可能となるため、在来線利用における利便性がさらに高まるものと考えています。 伊万里・唐津方面の鉄道の利活用に関しましては、伊万里駅が唐津方面へ延びるJR筑肥線と松浦鉄道の結節点となっていることから、伊万里駅を鉄道を介した西九州させぼ広域都市圏の玄関口として捉えると、松浦鉄道の利用促進と圏域の交流人口の増加につなげる活用も想定されるのではないかと考えております。 次に、道路関係の御質問についてお答えいたします。 福岡市、あるいは長崎空港とのアクセスについては、鉄道に加え、高規格道路による結節が極めて重要です。これは、今回の能登半島地震においても複数のアクセス手段、いわゆるダブルネットワークの未整備により人的被害の拡大、被災地へのアクセス制限を誘発したことからも、堅固な道路ネットワークがいかに重要であるかを証明いたしました。 本市においても、都市間を結ぶ高規格道路が必須でありますが、その効果の発現には市街地をスムーズに通過することがまず必要となります。御承知のとおり、令和9年度に西九州自動車道(佐世保道路)が4車線全線供用されますが、これに加え、同時期までの針尾バイパス4車線化を国に求め、スムーズな市街地への流出入を実現していきたいと考えております。 その上で、今回言及されました福岡市との結節ということでございますが、図らずも去る3月1日に国土交通省から暫定2車線供用中の西九州自動車道(武雄佐世保道路)について、武雄南-波佐見有田インターチェンジまでを4車線化候補箇所に選定する旨の発表がありました。このことにより、同区間は今後、令和6年度の事業着手に向け、必要な手続が進められることとなっております。これも、交通体系整備特別委員会委員の皆様方をはじめ、市議会議員の皆様方、関係各位の御尽力の賜物であると改めて感謝を申し上げる次第でございます。引き続き、事業の進捗が図られるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。 次に、長崎空港のある大村市へのアクセスでございます。大村市は、西九州新幹線との結節点でもあり、本市への人流、物流の要となる重要地点です。福岡市とは、片側1車線とはいえ高規格道路でつながっていますが、大村市までは連続した最短の高規格道路は存在しておりません。現行の国道205号の脆弱性は周知のとおりで、日常的、防災的、経済的に大きなリスクを負っていると言わざるを得ません。これらを解決するのが東彼杵道路で、現在、環境影響評価段階にありますが、あらゆるチャンネルを通じて一刻も早い事業着手、供用の実現を求めているところです。東彼杵道路は延長15キロメートル、設計速度は時速80キロメートルの予定でありますので、ハウステンボスから東彼杵までは約11分となり、現状の所要時間約35分から大幅に速達性が向上することになります。 このように、本市の未来につながる交通インフラについては戦略性を持って取り組んでまいりますが、議員御指摘のとおり、本市の西九州ルートにおける苦渋の決断や防衛政策への貢献に比べ、本市の成長に対する国の支援は相対的に低いという印象は私自身がかねてから抱いているところであり、このことも踏まえ、国に対してしっかりと本市の立場を御認識いただき、要望の実現に尽力してまいりたいと考えております。 次に、4項目めの持続可能な循環型のまちづくりのうち、カーボンニュートラルの推進についてお答えをいたします。 近年、暑い時期が長期にわたって続くなど、地球温暖化の影響を直接肌で感じる気候が増えてまいりました。これを象徴するように、昨年7月には国連のグテーレス事務総長が、地球温暖化は終わり、地球沸騰化の時代が訪れたと発言されたことは、我々にさらなる危機感を持った取組が必要との強いメッセージが出されたものと認識をいたしております。 本市は、これまで市民・事業者への支援・啓発を図りながら、道路照明灯などのLED化や設備機器の省エネルギー化、太陽光発電設備の導入、市内事業者との連携の下取り組むカーボンニュートラルポート形成計画の策定をはじめとする温室効果ガス排出削減策や、水産資源を活用した吸収・均衡策の検討などに取り組んでまいりました。また、削減対策を進めてもなお避けられない気候変動への対応に向けては、河川や道路をはじめとする災害に強いまちづくりを進めるとともに、避難所マップなどの災害への備えや啓発などの適応策に努めているところです。 本市は、令和4年2月のゼロカーボンシティ宣言後、環境基本計画の中間見直しを行いつつ、昨年8月には環境部にゼロカーボンシティ推進室を設置するなど、庁内各部署との情報共有や旗振り役としての機能強化を図りながら取組を進めているところです。市域における温室効果ガス排出の現状といたしましては、2020年度時点において、基準年度である2013年度と比較して35.9%の削減となっており、当面の目標であります2030年度46%削減達成を目指しているところであります。 排出状況を分析してみますと、電力消費及び自動車等の運輸に伴う排出が全体の6割を超えていることから、まずはこれらの排出削減に重点を置いてまいりたいと考えており、次年度の取組の一つとして、公園施設照明灯や港湾施設のLED化などによる電力消費の削減を図ります。 また、去る1月臨時会にて御承認をいただき、準備を進めております省エネルギー性能の高い家電製品の購入を促進し、家庭における省電力化を図る事業に取り組むとともに、運輸部門での温室効果ガス排出削減に向けて宅配便の再配達を抑制する事業や、エコドライブのさらなる普及に努めてまいります。 さらに、電気自動車の普及促進に向けては、民間事業者との連携にて市所有施設へのEV充電設備の設置を進めるとともに、地球温暖化防止活動推進センター「させぼエコラボ」を起点とした情報発信や環境学習の機会創出に努めながら、市民の意識醸成を図ってまいります。 これらの取組一つ一つによる削減の数値は大きいものではございませんが、市民の脱炭素に向けた行動変容を促し、大きな成果へとつなぐ絶好の機会であり、国が進める脱炭素化につながる新しい暮らしをつくる国民運動、デコ活と連動した啓発の場として活用してまいります。 このほか、佐世保市域並びに市役所が事業所として排出する温室効果ガスの削減に向け、重点的かつ全庁横断的に取組を進めるための指針として、アクションプランを令和6年度中に策定するよう指示いたしているところです。 続きまして、議員からは、私が掲げる99の政策に関連して、水素エネルギーの利活用に係る佐世保工業高等専門学校(佐世保高専)の取組について御紹介をいただきました。市といたしましても、これまで大分や奈良など複数の高専との連携の下、水素エネルギーに係る様々な情報やつながりをお持ちの佐世保高専から取組について御説明を受けるとともに、今後の普及に向けた課題等に関する意見交換を行ってまいりました。また、昨年度開催されました水素社会実現に向けた社会インフラ構築のための研究開発と人材育成をテーマにしたフォーラムへの協力を行うなど、関係構築を図ってきたところです。 議員から御提案のように、佐世保高専がお持ちの知見は、水素分野に限らず、本市にとって有意義なものと考えておりますので、将来的な水素エネルギーの利活用をはじめとする脱炭素施策の検討に当たって、関係性を生かしてまいりたいと考えております。 また、議員から、これまでの一般質問の経緯を踏まえ、ブルーカーボン・オフセット事業の進捗についてお尋ねをいただきました。議員からも御指摘があっておりますように、本市水産業の礎となるのが魚介類の産卵場や稚魚の育成場など、海の揺り籠と称される海底に繁茂する藻場で、その保全活動が今後の水産資源の維持において非常に重要な役割を担うとともに、カーボンニュートラルの推進にも資する取組であると認識いたしております。 しかしながら、海底の海藻が消滅する磯焼けが市内各地でも進行し、その機能が失われている地点が数多く存在いたしております。これまで国の事業などを活用し、地域の漁業者が中心となって藻場の回復に努めておりますが、さらに回復を促進する新たな手段として、令和4年3月定例会にて議員より御提案をいただきましたブルーカーボン・オフセット制度の導入について、先進事例の調査研究を進めてまいりました。今年度は、クレジット販売のための藻場の回復面積の測定を実施し、国の認証機関へのクレジット販売の申請を行っておりましたところ、先日2月27日に認証決定の連絡をいただき、この後、3月19日には東京都におきまして認証式が開催される予定でございます。なお、本市のブルーカーボンクレジットにつきましては、認証式に先行して既に販売が開始をされているところです。 今後につきましては、このクレジット販売で得られた収入を基にこれらの取組をさらに促進し、新たな藻場保全活動への展開を推進するとともに、カーボンニュートラルへの貢献につなげてまいりたいと考えております。 最後に、
新型コロナ対策の総検証を踏まえた次なる感染症流行に向けた備えについてお答えいたします。 まず、1点目の新型コロナウイルス感染症対策の振り返りと課題についてでございますが、コロナ対応3年間の総検証ということでございますので、この間の経緯を含め、主な対応について御説明を申し上げます。 本市におきましては、令和2年4月1日に初めての陽性者を確認して以降、同年4月13日に保健福祉部内に新型コロナウイルス感染症特別対策室を設置し、これまで国や県の動きと連動をしながら、感染拡大のたびに感染力や重症化率が変化していくウイルスに対し、市民の生命や健康を守ることを第一として、その対策に取り組むとともに、医療機関や福祉施設など、関係機関・団体とも常に連携を図りつつ、オール佐世保の力を結集し、この未曽有の事態を乗り切ってまいりました。 2類感染症相当とされておりました令和5年5月7日までの約3年間の陽性者数といたしましては、令和4年9月から発生届の全数届出が見直されたことから、推計値ではございますが、約6万6,000人に上り、そのうち入院者数は約3,600人となっております。 この3年間の主な取組といたしましては、まず陽性者の方々への対応についてでございますが、医療機関への受診調整や入院調整、感染拡大を防止するための積極的疫学調査等を実施するとともに、自宅療養となられた方々には随時健康観察を行い、症状が悪化された際にはオンライン診療等につなぐなど、療養支援に取り組みました。 高齢者施設など入所施設への対応につきましては、施設内での感染対策への助言や集団感染、いわゆるクラスター発生時の対応及び施設運営継続のためのサポート体制など、現地に出向いての支援を行いました。そのうち、クラスターへの対応としましては、令和2年度から5年度までに高齢者施設や児童関係施設等に対し、延べ142件に及ぶ施設内におけるゾーニングや検査の実施などを通じて感染拡大防止に係る支援を行いました。 また、その一方で、併せて取り組んでまいりましたワクチン接種についてでございますが、新型コロナウイルス感染症への切り札として、市民の生命・健康を損なうリスクや医療への負荷軽減はもとより、ひいては社会経済安定につながることが期待され、本市においても、令和3年5月にワクチン接種推進体制を構築し、約120か所の医療機関等における個別接種と市内を五つの地域に分けての集団接種を開始いたしました。これまでの接種実績としましては、令和6年2月末時点で約86万回の接種件数となっており、今年度末に無料接種が終了することとなっております。 こうした経緯や対応を経て明らかになった課題につきましては、現在、「佐世保市における新型コロナウイルス感染症への3年間の振り返り」として整理し、取りまとめを行っているところでございます。その主な内容といたしましては、新たな感染の波が来るたびに陽性者数が大きく増加し、保健所が逼迫していった状況を鑑み、感染症対応に必要となる人員の確保など組織体制の強化、実効性のある業務継続計画、いわゆるBCPの策定・発動、外部委託の積極的な活用、デジタル化やDXの推進による業務の効率化などを挙げているところでございます。 次に、2点目の感染症予防計画に基づく新たな感染症等への備えについてでございますが、議員御紹介のとおり、この感染症予防計画は新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、国民の生命と健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症の発生及び蔓延に備えるため、感染症法の改正により、都道府県に加え、新たに保健所設置市にも令和5年度中に新たに定めることが義務づけられたものでございます。 そこで、本市の予防計画につきましても、国の基本指針及び県の予防計画や医療計画との整合性を図るとともに、感染症法に基づき、県に設置されている長崎県感染症対策委員会において、長崎県及び長崎市の予防計画とともに協議に付した上で、市議会文教厚生委員会協議会やパブリックコメント等を通じ、各方面からの御意見等もお聞きをしながら、現在策定の最終段階に入っているところであります。 この予防計画の主な内容といたしましては、平時からの取組として、県や市のほか、市民をはじめ、医師等の果たすべき役割及び感染症に対する差別や偏見解消のための正しい知識の普及啓発に関すること、検査体制や能力の向上として市の検査体制の充実等を図るとともに、民間の検査機関等との連携を推進すること、感染症対応のための多くの人材育成として、市職員のほか、IHEATと言われる有事の際に応援いただく地域の看護師など、専門職の方々を対象に各種研修や実践的訓練を実施するなど、人材の育成や資質向上を図ること、保健所の体制確保として、感染拡大時においても健康づくりなど地域保健対策を継続できるよう業務の一元化や外部委託、ICT活用も視野に入れた仕組みを構築することなどを挙げております。 また、このほか、本市の特性を踏まえた対応といたしましては、米海軍佐世保基地が所在するという特性を踏まえ、平時から国、県及び米海軍佐世保基地と連携体制を構築し、必要な情報交換を行うこと、離島を抱える本市の特性を考慮し、国や県と連携を図りながらその対応について協議することを挙げているところでございます。 市といたしましても、今後は、この感染症予防計画に基づき、新たな感染症等の発生や拡大時を想定した上で、医療機関等の関係機関との連携体制を含め、必要な対策をできる限り速やかに実行できるよう平時からの体制を構築するなど、私が掲げます99の政策の一つである「
新型コロナ対策の総検証を踏まえた次なる感染症流行に向けた備え」に鋭意取り組んでまいる所存でございます。
◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 2項目め、本市における学校教育の充実に向けた取組につきましては、私からお答えさせていただきます。 まず、保護者などからの過剰な苦情や不当な要求など、学校のみでは解決が難しい事案が発生した場合の支援の現状についてでございますが、本市におきましては、令和元年度からスクールロイヤー制度を導入し、いじめ、児童虐待、保護者対応など、学校だけでは解決が困難な問題に対しまして、校長や教育委員会が弁護士への相談等を実施し、法を参酌した対応を進め、事案の早期解決を目指しているところでございます。 また、弁護士を学校に派遣し、教職員などを対象とした研修会なども開催することによりまして、想定される事案等の理解の深化や未然防止を図ることも目的としており、今年度もこれまでにスクールロイヤー制度を活用した相談を20回、教職員向けの研修を12校で実施したところでございました。 次に、文部科学省によります新規事業、行政による
学校問題解決のための支援体制の構築に向けたモデル事業の御案内がございました。この事業につきましては、現在、国会審議中ということで、今後より詳しい概要が明らかになってくると思われますので、現段階の所見ということでお答えをいたします。 子どもたちを健やかに育てるためには、子どもに関わる保護者、学校、地域等の皆様が同じ思いや願いを持ち、共に手を携えて支援しなければならないと考えております。本事業で想定されておりますように、専門家がチームで
学校問題解決に対応する体制を整えるということは、保護者や地域、学校の考え方を整理し、良好な関係づくりにつながるものと考えております。そのようなことから、国の動向については今後とも注視してまいりたいと考えております。 次に、誰一人取り残さない教育の実現につきましてお答えをいたします。 まず、
校内教育支援センターの設置及び
サテライトあすなろ教室の拡充に係る今後の具体的な対策でございます。
校内教育支援センターは、登校できても自分のクラスに入ることに抵抗がある児童生徒等に対しまして、学校内に安心して過ごすことができる居場所を提供することで不登校の未然防止や登校支援を目的といたしたものです。本市におきましては、令和6年度に中学校10校への開設を予定しておりまして、教育相談や学習のサポートなどを行う支援員を各校に2名ずつ配置し、支援を充実させたいと思っております。 また、
サテライトあすなろ教室は、
青少年教育センターに設置しているあすなろ教室へ通級することが交通利便などの様々な事情により困難な児童生徒等を対象にしまして、居住地近隣のコミュニティセンターなどを活用して開設しているもので、令和3年度から運用を開始しておりますが、急激なニーズの拡大に応え、現在4か所で開設しているところを令和6年度からは最大8か所での開設に拡充する計画でございます。 なお、不登校の未然防止には、日常的な関わり方や児童生徒の変化を発見するための教職員の資質の向上も必要な要素でございます。そこで、市教育センターにおいて、不登校に関連した研修を実施しております。生活指導主任などの資質向上を図る研修、希望する教職員が児童生徒への関わり方、学級集団づくりについて学ぶ研修、若手教職員の児童生徒理解を深める研修等、今年度も11講座、延べ647名の教職員が受講いたしております。 また、オンデマンド研修動画を作成し、教職員が端末を活用して、いつでも学べる研修の環境づくりにも努めているところでございます。令和6年度は、令和5年度の研修に加えまして、教員と児童生徒の関わり方や温かい集団づくりを目的とした研修を実施しまして、最新の情報を提供することで様々な問題の未然防止、早期解決を図るよう努めてまいりたいと思っております。 次に、夜間中学校の開設に向けての今後の展望についてでございます。 夜間中学校につきましては、これまでも本市議会におきまして質問いただいておりました。夜間中学校は、これまで義務教育を修了していない方を原則的な対象としておりましたが、現在は、不登校など様々な事情により十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した方や、不登校状況にある中学生を対象とすることもできるように緩和がなされました。 このようなことから、今年度、改めて実施しました調査において、入級のニーズの把握ができたことから、令和7年4月に夜間中学校を開設する方向性で考えております。令和6年度は、市民への周知・広報活動をはじめ、入級希望者等への入学説明会も実施するほか、県教育委員会とのワーキングチーム協議を継続し、開設に向けた教育課程の作成や教職員配置について具体的に検討するよう指示しているところです。 あわせて、学びの多様化学校につきましてもお尋ねがございました。 夜間中学は、既存中学校内の学級としての開設が可能ですが、学びの多様化学校は学校としての設置が必要となります。そのために、一定の準備期間を要することとなりますが、不
登校児童生徒の増加やニーズの高まりもあることから、一刻も早い開設に向け、本校型のほか、例えば民間施設の借り上げなどによる分校型や分教室型での開設等、広い視野から設置に向けた研究を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
◆30番(大塚克史君) (登壇) それぞれに答弁をいただきました。 今回、5項目を代表質問ということで取り上げさせていただきましたけれども、この令和6年につきましても、この5項目、ほかにもたくさん施政方針を出していただきましたけれども、ぜひとも実効性のあるものにしていただきたいということを期待を申し上げておきたいと思います。 結びに一言申し上げます。 本年、結党60年を迎える公明党は、「大衆とともに」という立党精神を胸に、国会議員と地方議員が連携して生活現場の声を政治に届け、大衆福祉や清潔な政治の実現に全力で取り組んでまいりました。佐世保市議会公明党は、昭和38年以来、今日に至るまで、党員、支持者、市民の皆様からの献身的な御支援により、会派を絶やすことなく負託に応えてまいりました。これからも、厳しい現実の中で生き抜く大衆と共に歩み、結党以来培ってきたこの議員のネットワーク力と現場発の政策実現力をより一層強化して、本市議会の同僚議員の皆様と共に市民の思いに応える政治の実現に全力を挙げることを改めてお誓いをして、私の代表質問といたします。ありがとうございました。
○議長(林健二君) 暫時休憩いたします。 11時20分 休憩 13時30分 再開
○議長(林健二君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 代表質問を続行いたします。14番久保葉人議員。
◆14番(久保葉人君) (登壇) 市政会の久保葉人です。 質問に入る前に、本年1月1日に発生した能登半島地震でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、今もなお避難所で大変な生活を送っておられる方々にお見舞いを申し上げます。佐世保市も既に支援活動を行っておられますが、今後も刻一刻と変わる被災地のニーズに寄り添った支援を継続していただき、また職員の派遣に当たっては職員の心身のケアについても十分に御留意いただきますようよろしくお願いいたします。 それでは、通告に従いまして順次質問してまいります。 まず、一つ目の項目、
シティブランディング・プロジェクトについて伺います。 本定例会で、宮島市長就任後初めての新
年度予算編成となる令和6年度の当初予算案が上程されました。一般会計は1,211億5,090万円で、第7次
総合計画後期基本計画に掲げる取組の推進や、前年度当初予算が骨格予算であったことなどにより前年度当初予算比1.4%増、金額にして17億円増と過去3番目の規模となっています。また、それぞれの事業をより効果的、効率的に展開させるために各分野の政策・施策を見直されるとともに、本市が持つ多様な資源を活用し、市の可能性や魅力を最大限生かし、未来を先取る取組として、「「選ばれる
まちSASEBO」を創る
シティブランディング・プロジェクト」を始動され、関連する84事業に対して総額71億5,576万円を計上されておられます。一般会計当初予算において、令和6年度もシーリングにより総額1.6億円の減額となる事業群がある一方、新しく設けられる
シティブランディング・プロジェクトに選ばれた事業については積極的な予算編成となっております。 そこでまず、本
シティブランディング・プロジェクトを立ち上げられた背景並びにその概要についてお聞きします。 また、本プロジェクトの骨格として、子ども・子育て応援プログラム、シビックプライド醸成プログラム、オンリーワン価値創造プログラム、グローカル産業育成プログラムの四つの柱と、この四つの柱を下支えする社会基盤整備の計五つの分野を設けられ、初年度となる令和6年度は、さきにも触れましたけれども84の事業に対し71億5,500万円の予算を配分されております。本プロジェクトについて、令和6年度の方針とこれらの関連事業を選定するに至ったプロセスについてお聞きします。 一方で、プロジェクトとは、特定の目標を達成するために計画的に行われる一連の活動であり、開始と終了が明確に定義され、特定の期間内に達成すべき目標や成果物が設定されるものと解します。本
シティブランディング・プロジェクトにおいても、プロジェクトと名がつく以上、また取り巻く環境の厳しさが増す中、終期を定め、期間を区切って明確な目標を設定する必要があると思います。 そこで、本プロジェクトの終期と、終期までの今後の計画について、2年目以降、本プロジェクト関連事業をいかにして選定し、同事業に予算を配分していかれる方針なのか、また本プロジェクトの成果目標をいかにして設定されるのか、その方法と数値目標についてお聞きいたします。 次に、二つ目の項目、西九州させぼ広域都市圏について伺います。 人口減少、少子高齢化は、今や全国的な事象であり、これらがもたらす経済の停滞や公共サービスの低下などといった問題について、国をはじめ国内全ての自治体において対応が求められており、本市も例外ではなく、その対策として、今般、施政方針で挙げられた子育て支援・教育の充実や産業の活性化などの幅広い分野での取組が必要であることは認識を一にするところでございます。また、その取組手法の一つが、自治体間における共助であり、連携中枢都市圏を形成し、そのメリットを圏域内の自治体間で共有することだと思います。 連携中枢都市圏では、連携する自治体の政策の効果が圏域内で相乗的に高まり、連携によるスケールメリットを生かして、より効果的な行財政運営ができ、国からの財政支援を得ながら圏域の共通課題の解消に向けた連携事業に取り組むことができるというメリットがあります。連携する自治体の独自性を担保しつつ、圏域住民全体のサービスの向上や福祉の増進を図ることができ、より住みやすい魅力的な地域づくりが可能になるものと解します。 佐世保市は県北、西九州地域で唯一の中核市であり、域内の住民の暮らしを支えられるよう尽力していかなければならない中心地であると思います。本市は、平成30年9月の連携中枢都市宣言にて、佐世保市が近隣市町と連携し、圏域全体の経済を牽引し、圏域住民全体の暮らしを支える役割を担うという意思表明を行い、平成31年1月より本市を含む11市町と連携して事務を処理するに当たっての基本的な方針と施策分野ごとの役割分担を定めた連携協約を締結しておられます。 また、平成31年3月26日に連携協約に基づく具体的な取組について、令和元年から令和5年までを第1期ビジョンとする都市圏ビジョンを策定し、公表しております。また、次期ビジョンを令和6年から令和10年までとし、同ビジョンについては令和5年度中に策定・公表するともされています。令和2年3月には佐々町とも連携協約を締結し、現在、県北、西九州地域の12の市町で西九州させぼ広域都市圏を形成し、相互に連携した事業を遂行されている真っ最中であると解します。 そこで、令和5年度を終期とする第1期ビジョンが終了を迎えるに当たって、まず第1期に実施した46の事業のうち、特に効果があったものについて具体的な成果をお聞きします。 次に、連携中枢都市圏ビジョンには、ビジョンの目標として、圏域の人口について2040年に41万3,000人以上を維持するとされています。また、国が連携中枢都市圏に求める三つの役割、すなわち圏域全体の経済成長の牽引、高次の都市機能の集積・強化、圏域全体の生活関連機能サービスの向上のそれぞれについて、圏域の経済状況をはかる圏域内総生産額、都市機能の魅力の向上による圏域外からの人口流入をはかる圏域内の平均人口率、圏域内の転入・転出人口による圏域人口の社会動態を指標とするKPIが設定されているとのことですので、これらの目標やKPIの達成状況を踏まえ、第1期ビジョンの評価についてお聞きします。 また、令和6年度から新たに5年間の第2期ビジョンが始まるに当たって、第2期についての考え方や目指すべき将来の姿など、展望についてもお聞きします。 次に、三つ目の項目、まちのにぎわいづくりについて伺います。 市長は、施政方針で
総合計画後期基本計画のくらし分野に文化やスポーツの力を最大限生かすことで活力や生きがいを育み、自由で心豊かな市民生活の実現を目指す文化スポーツ政策を新たな政策として設けられ、また文化スポーツ部を新設し、誰もが多様な文化やスポーツにより気軽に楽しめる環境を整えると述べられております。また、
シティブランディング・プロジェクトにおける文化の取組として、本市の持つ歴史、文化、伝統や食などの魅力やスポーツを通したまちのにぎわいづくりに触れ理解すること、そしてこれらの魅力を市内外に広める取組を行いながら市の知名度向上、交流人口・関係人口の拡大にもつなげていくとのことです。 つまり、本市は、来年度新設する文化スポーツ部で文化やスポーツに親しめる環境を整え、本市の持つ文化やスポーツを通したまちのにぎわいづくりを下支えし、市内外に発信することで本市を魅力ある持続可能なまちへと牽引していかれるものと解します。 本年1月、都市整備委員会の行政視察で前橋市を訪れ、同市の取り組むまちのにぎわいづくりについて話を伺ってまいりました。同市は、中心市街地のまちづくりを時代の変遷に伴い、従来の行政主体型から官民連携による官民共創型へとシフトし、官民で議論を重ねながら将来像を共有化、可視化する前橋市アーバンデザインという計画を策定しておられました。様々な分野で熱意と実行力のあるプレーヤーを選定し、延べ200人以上の参画によるワークショップを開催し、それぞれがまちの将来像を自分ごととして議論し合い、計画にも多くの民間の意見を反映されたとのことでした。 まちのにぎわいというものは、まちに住む人たちが、あるいはまちを訪れる人たちが自発的に主体的に育んでいくものであって、行政が外からつくり出せるものではなく、まちににぎわいが生まれるか否かは市民のポテンシャル次第であると改めて気づかされました。また、一方で、行政は、まちに住む人たちが生きがいを感じることができるよう、まちを訪れてみたいと思う人たちが増えるように、まちのにぎわいづくりのための環境整備の面において下支えしていかなければいけないとも感じたところです。 そこでまず、本市はいかにして文化やスポーツに気軽に親しめる環境を整備し、まちのにぎわいづくりの礎をつくっていく方針なのかをお聞きします。 次に、文化・スポーツの全国規模のイベントを生かしたまちのにぎわいづくりについて伺います。 令和6年度並びに令和7年度に、本市で文化やスポーツ関連の全国規模のイベントが開催されるとのことです。全国規模のイベントは、本市にとってまちのにぎわいづくりの好機であり、また本市の知名度向上、交流人口・関係人口の拡大といった効果も期待できる持続可能なまちづくりへの取組にもつながるものと思います。令和6年度は、学校対抗で行われる高校生スポーツの祭典である全国高等学校総合体育大会、通称インターハイが本県を含む北部九州ブロックで開催され、本市においてはホッケーが川棚町との共同で7月26日から31日まで、空手道が8月1日から4日まで開催されるとのことです。 また、スポーツ愛好家の中でも競技志向の高いシニア世代を対象としたスポーツの祭典である日本スポーツマスターズ2024長崎大会が長崎県内8市2町計24会場で開催され、本市では空手道が9月21日から、バレーボール、自転車競技、軟式野球、ボーリングが9月28日から10月1日までの大会期間の中で順次開催されるとのことです。 また、令和7年度には、文化庁が所管する地域の文化資源等の特徴を生かした文化の祭典で、天皇皇后両陛下が訪問される4大行幸啓の一つである国民文化祭、全国障がい者芸術・文化祭「ながさきピース文化祭2025」が本県で開催され、本市ではアルカスSASEBOで開会式が行われるほか、太鼓、オーケストラ、お香、将棋、俳句といった分野での祭典が9月14日から11月30日までの78日間開催されるとのことです。 大会に向けては、如才なく準備を進めておられると思いますけれども、本市として、これら全国規模のイベントをいかにまちのにぎわいづくりに生かしていかれる方針なのかをお聞きします。 次に、四つ目の項目、クルーズ事業について伺います。 新型コロナウイルス感染症が収束し、日本国内での国際クルーズ客船の運航が始まり、ちょうど1年がたちました。コロナ禍の間、佐世保港においては感染症対策が進められ、三浦地区においては陰圧室の設置やターミナル内の換気機能の強化が図られてきました。また、コロナ禍に整備された浦頭のクルーズセンターにおいても、館内に陰圧室を設けるなど、安全・安心な受入れに向けた機能が強化されています。コロナはもちろんのこと、仮に今後新たな感染症が発生した場合であっても対策が講じられていると伺っており、常にクルーズ客船の受入れ体制のアップデートを図ってこられていると解します。 そして、既に報道されているとおり、新型コロナウイルス感染症の影響で延期されていた浦頭地区の佐世保クルーズセンターの供用が今月より開始される運びとなり、既存の三浦地区と併せて、多くのクルーズ客船を佐世保港に受け入れる環境がようやく整ったとのことです。浦頭地区は、令和2年3月に岸壁が完成し、同年7月にはターミナルも完成しましたが、コロナの世界的な蔓延で休止状態を余儀なくされていました。あれから実に丸4年、これまでの市長並びに港湾部等関係各位の御苦労をおねぎらいし、また御努力に感謝いたします。私も佐世保市民の一人として、今後の展開へ多大なる期待を寄せております。 また、供用開始に当たっては、クルーズの乗船客に本市をアピールするため、今年度から令和6年度にかけて佐世保クルーズセンターのそばに佐世保クルーズ・フェスティバル・ビレッジを新設し、同敷地内には本市江迎町の千灯籠まつりの灯籠タワーを再現した建物を3基設置されるとのことでもあり、クルーズ客船の乗船客のみならず、誰もが一度は訪れてみたくなる本市の新たな観光スポットとなるのではないかと今から楽しみにしております。 今まさに大きな動きを見せている浦頭地区ですけれども、これからクルーズ客船を受け入れるに当たり、CIQの対応をはじめ、客船の受入れ体制など、供用開始に向けた進捗がどのようになっているのか、お聞きします。 また、三浦地区は市街地に近く、徒歩圏内にショッピングモールや飲食店などが多数存在しますが、浦頭地区では状況が大きく異なります。浦頭地区においても乗船客向けの飲食店等が一定必要ではないかと思われますが、お考えをお聞きします。 さらに、浦頭のクルーズセンターが供用開始されれば、既存の三浦地区と併せ、本市のクルーズ客船受入れ拠点が2か所となりますが、今後、両拠点をいかにすみ分け、使用していくのか、CIQに係るスタッフ等の布陣も含め、運用方針を伺います。 あわせて、三浦、浦頭の両地区を起点とした市街地・観光地までの動線と交通手段、またそれぞれの目的地における滞在時間の延伸策についてもどのようにイメージされているのか、お聞きします。 以上で1回目の質問を終わります。
◎市長(宮島大典君) (登壇) 市政会、久保葉人議員の代表質問にお答えをいたします。 まず、1項目めの
シティブランディング・プロジェクトについてお答えいたします。 全国的な少子高齢化・人口減少の深刻さがより一層厳しさを増す中、本市の人口も全国と同様に今後も減少が進むものと予想されておりますことは、先日の代表質問でも答弁させていただいたとおりでございます。私は、今回の施政方針において、
人口減少対策を本市の最重要課題と捉え、これからの新しい時代に対応したまちづくりを進めていく必要があるとの認識を示しました。本市の人口減少の現状を踏まえると、これまでの延長線上の対策だけでは時代の変化には対応できないとの危機感の下、10年後、20年後を見据えた本市ならではの
人口減少対策を行うことが急務であると考えております。 今回の施政方針の中で、私は「「選ばれる
まちSASEBO」を創る
シティブランディング・プロジェクト」を始動させ、中長期を見据えながら本市の可能性や魅力を最大限生かした、未来を先取る取組に挑戦したいと表明しました。これは、市民の皆様にとって住み続けたいと思える魅力あるまちづくりを進めていくと同時に、市外の方々には住んでみたい、訪れてみたいと思っていただけるようなまちをつくっていくことで、市内外から多くの人が集い、にぎわい、まち全体を活性化させたい、そしてまちの活性化を継続させ、さらに多くの人に選ばれ続けるといったまちの好循環をつくっていくことが大切だという思いから始動させるものであります。
シティブランディング・プロジェクトは、子育て、文化、地域資源、産業の四つの柱を中心に令和6年度からスタートいたします。一つ目の柱は、子育て支援・教育の充実により子育て世代に優しいまちをつくり、子どもを育てやすい選ばれるまちを目指す子育ての取組。二つ目の柱は本市の持つ歴史、文化、伝統や食などの魅力やスポーツを通したまちのにぎわいづくり、本市の魅力の発信を行いながら誇りと愛着を持つまちを形づくり、選ばれるまちを目指す文化の取組。三つ目の柱は佐世保ならではの多彩な地域資源を活用したオンリーワンのまちの価値を創造し、来訪先や投資先として選ばれるまちを目指す地域資源の取組。四つ目の柱は地域に根差した産業を磨き上げ、世界に通じるグローカル産業のまちを目指し、経済活動の場として選ばれるまちを目指す産業の取組。これらの四つの魅力、資源を掛け合わせ、本市の資源や魅力の価値向上を図りたいと考えておりますが、令和6年度は、本プロジェクトのRUN-UP(助走)期間と位置づけております。これは、ホップ、ステップを力強く踏み、理想の未来に大きくジャンプができるよう、今このときにしっかりとしたRUN-UP(助走)を行っていく必要があるとの考え方でございます。 限られた予算の中では、本市を次世代に引き継いでいくために何を優先していくのか選択していく必要がございます。そこで、子育て支援は未来への最も重要な投資であるという考えから、まずは私が一丁目一番地として掲げる中学校3年生の給食費の無償化、第2子以降の1歳児及び2歳児に対する保育料の無償化への着手と、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の初期段階に位置する特定不妊治療に要する経費の市独自補助に着手いたします。 また、2025年に長崎県で開催される国民文化祭を地域文化の魅力向上や文化を担う人材の育成などを育む貴重な機会と捉えた国民文化祭プレイベントの実施やシビックプライドを育み、定住・Uターン人口の促進を見据えた若者の居場所・交流・活躍の場づくりとしての若者コミュニティの構築、九十九島をはじめとした多様な地域資源を有する俵ヶ浦半島全体の自然観光公園化を見据えた事業など、理想の未来に向けて大きくジャンプできるための調査研究、イベント等の先行事業に着手いたします。 さて、本市の総合計画は、市長のマニフェスト等を反映させるため、市長の任期と連動して策定される仕組みでございますが、令和6年度から令和9年度を計画期間とする第7次
総合計画後期基本計画が4月からスタートいたします。今回、私が打ち出した本プロジェクトにつきましても、本市のこれからのまちづくりの方向性として、私自身がリーダーシップを発揮しながら4月から強力に推し進めていく所存でございますが、議員から御質問がありました本プロジェクトの終期につきましては、まずは第7次
総合計画後期基本計画の終期である令和9年度までだと考えております。 そして、その数値目標につきましても、本プロジェクトが本市の最重要課題である
人口減少対策であることを鑑みますと、第7次総合計画の基本構想に掲げられた人口ビジョン、令和9年度まで23万人を維持することであると考えております。 また、本プロジェクトを推進する体制として、副市長をトップとするこどもまんなか推進会議及び次代のまちづくり推進会議を4月から設置いたしますが、当該推進会議の中でアクションプランを策定し、毎年度ローリングしていきながら各取組の進捗を図っていく予定としております。 議員お尋ねのプロジェクト関連事業の計画や予算配分につきましても、今後、アクションプランを策定し、社会情勢等を加味したローリング作業で精査、計画する中で、適宜予算編成を行いながら、議案として審議を賜りたいと考えております。
シティブランディング・プロジェクトにつきましては、私自身が先頭に立ってリーダーシップを発揮し、新時代にふさわしいまちづくりに向けたかじ取りを行っていく所存でございますので、市民の皆様、議員各位の皆様方による一層の御指導とお力添えを賜りますよう、心よりお願いを申し上げます。 次に、2項目めの西九州させぼ広域都市圏のこれまでの取組の成果、現状評価と今後の展望についてお答えをいたします。 広域都市圏の取組につきましては、連携する各市町の弱みを補完し、個性、強みを相互に生かしながら、圏域全体の振興に資する事業を展開しております。議員お尋ねの成果としましては、第一に、定期的に広域都市圏協議会を開催し、圏域内の12市町の首長が一堂に会する中で、それぞれの市町の情報を共有しながら、圏域全体の振興を共通テーマに協議する場ができたことが一つの大きな成果だと考えております。 そのほか、第1期ビジョンにおける連携事業の成果として主なものを御紹介させていただきます。 圏域市町の農水産物の特産品のPR等を行う西九州食財プロジェクトにおいては、その販売額が事業開始当初の250万円から約2億円に大幅に増加したことに加え、首都圏及び国外等へ販路が拡大した結果、農水産物の総生産額も36億円以上増加するなど、主に経済的な面での成果がございました。 また、圏域の中心的な拠点施設として、圏域内観光の周遊性を高める九十九島観光公園や、屋内遊び場をはじめとする圏域の憩いや交流を提供する佐世保中央公園の整備を行いました。そのほか、連携市町の図書館において本の借用や返却が可能になる図書館の相互利用サービスなど、圏域住民の利便性向上に寄与する事業を実施いたしております。 人口の社会増に直結する移住者数につきましては、移住定住のワンストップ窓口である西九州させぼ移住サポートプラザの広域活用により、圏域における実績としまして、年間平均約630人の移住者を獲得するなど、一定の成果があったものと認識をしております。 現状評価といたしましては、ビジョンの目標であります圏域人口について、第1期の終了時点では計画当初の約47万3,000人から1万2,000人程度の減少に抑えることを目標としておりましたが、2万5,000人程度の減少となりました。KPIの達成状況につきましては、三つの役割に設定したKPIのうち、圏域人口の社会動態は転出超過となり、達成できなかったものの、経済活性化の状況をはかる圏域内総生産額及び都市機能の魅力度をはかる圏域内の平均人口率については目標を達成することができました。また、連携事業の評価については、連携市町へのアンケート調査の結果、全46事業中34事業で一定の効果があったと評価されており、連携市町からも本圏域の事業について効果を実感いただいているものと思います。 今後の展望としましては、第2期ビジョンにおきまして、引き続き圏域の人口減少の抑制を目標としつつ、人口が減少しても域内で経済が循環し、域内の誰もが豊かに暮らせる圏域づくりを目指すことを基本的な考え方としており、目指す将来の姿として、圏域人口の目標、2040年に41.3万人以上に加え、1人当たりの所得額を向上させることを目標として掲げることとしております。そのための取組として、例えば国を挙げて推進をされております脱炭素化の取組を社会変革や経済成長につなげるグリーントランスフォーメーション、いわゆるGXといったメガトレンドを取り込んだ経済の域内循環、外貨獲得等の経済成長に係る考えを新たな視点として事業展開を行うこととしております。 次に、3項目めのまちのにぎわいづくりについてお答えいたします。 文化・スポーツには、市民生活そのものを豊かにするという観点に加え、本市ならではの文化・スポーツを振興することで、シビックプライドの醸成やまちのブランディングを進めるという効果があると考えております。以前の文化・スポーツ政策は、教育的な意味合いが強いものでしたが、人口減少、成熟社会へ向かう時代の変化とともに「選ばれる
まちSASEBO」を実現するための政策として捉え直す時期にあるという思いで、今般、機構改革を行うことを決断いたしました。 これまでは、音楽ホールやグラウンドなどのハード面の施設整備を中心に鑑賞・発表の場づくりを進めてきたところですが、今後は佐世保ならではのソフト面での充実が一層求められ、それには議員御指摘の市民主導による取組が不可欠になると考えております。 この点において、文化に関しましては、スポーツに先行し、市長部局にて人づくりにスポットを当てた事業を進めてまいりました。具体的には、市民文化活動の下支えとなる技術の向上、資金調達、広報、組織内外のコネクションづくり等における支援の方法論について、これまで市民主導の文化プログラムを累計100本以上実施する中で、一定のノウハウが積み上がってきているものと考えております。 一方、スポーツに目を向けますと、昨年、教育委員会において新たにスポーツ推進計画を策定され、これまでの競技スポーツや武道の振興に地方創生や健康といった視点を追加するとともに、市民体育祭からスポーツマンスへの移行など、新部局編成に先駆け、新たな取組をスタートさせた状況にあります。さらに、若者を中心に活動が広がっている新たな文化・スポーツ分野への対応の例として、スリー・オン・スリーやスケボーといったアーバンスポーツイベントを既存のイベントと連携し、開催しております。 今後は、文化政策で蓄積した市民活動支援のノウハウを新たに組織する文化スポーツ部において共有し、次代の佐世保らしさを形づくっていく取組についても支援の対象に取り込んでいきたいと考えております。 次に、全国規模のイベントにつきまして、令和6年度には北部九州インターハイで空手道とホッケー競技を、日本スポーツマスターズ長崎大会ではバレーボールや軟式野球など五つの競技を本市にて開催します。大会には、関係者や選手の家族等の観客を含め、多数の来訪者が見込まれております。また、令和7年度のながさきピース文化祭については、開会式がアルカスSASEBOで行われ、太鼓、オーケストラ、将棋等の全国大会や各種プログラムが本市で実施され、県下でおよそ100万人前後の参加者が想定される見込みです。 このように、全国規模のイベント誘致は、交流人口の増を通じてにぎわいづくりに直結する施策でありますが、夏から秋に開催される既存の催しとの連携及び佐世保の食や観光などの魅力が伝わるおもてなしやブース設置などを行うことで、そのイベント期間中の効果を最大化してまいる所存です。 また、中長期的な視点において、大規模イベント誘致に際しては、佐世保にお越しになるプレーヤー、アーティストや指導者と地元で活動を行う個人・団体との関係構築など、市民主導の活動とマッチングさせることで真に持続可能なまちのにぎわいづくりにつなげていく形を模索できないかと考えております。 この具体化に当たっては、文化スポーツ部最初の取組として、令和6年度に誘致いたしましたながさきピース文化祭のプレイベントとなる「長崎県知事杯ダンスコンテスト&ショーケースイベント」に合わせ、本市ならではのストリートカルチャーにスポットを当てた市民主導のタイアップイベントを実施する準備を進めているところです。 今後も、このような佐世保市らしい市民文化・スポーツの活動と大規模イベントの誘致をマッチングさせることで、持続可能なにぎわいづくりの一方針として取り組んでまいりたいと考えております。 次に、4項目めのクルーズ事業についてのうち、まず浦頭地区における供用開始に向けたお尋ねについてお答えをいたします。 浦頭地区の国際クルーズ拠点は、国、佐世保市、カーニバル社の3者による官民連携事業として整備を行い、そのうち佐世保クルーズセンターの建設についてはカーニバル社が約20億円の投資を行い、令和2年に整備が完了しておりました。このたび、本市が無償で借り受ける契約を昨年末に締結をし、直ちにCIQ等の関係機関と調整を行い、皆様の御協力を賜りながら、今月から当地区におけるクルーズ受入れが可能になるよう、態勢を整えてきたところでございます。 また、飲食店の必要性につきましては、議員御指摘のとおり、現在、センター周辺に対応できる施設はございませんので、数千人の来訪が予定される寄港の際には、佐世保クルーズ・フェスティバル・ビレッジ等において、飲食や地元物産が購入可能なキッチンカーや臨時売店を展開し、対応してまいりたいと考えております。 次に、三浦、浦頭両拠点における運用についてお答えをいたします。 まず、現状として、クルーズ船社等における浦頭地区への興味関心は高いものの、2014年から受入れ実績がある三浦地区への寄港希望が高い状況でございます。浦頭地区への寄港に対して船社が求めるものは、水域、陸域で特段の問題がないこと--具体的に申し上げますと、CIQ審査を含む円滑なターミナル運営が行われることに加え、バスの乗降、市街地や観光地へのアクセス等であり、寄港実績がない当地区において実績を重ね、円滑な受入れをPRできれば寄港地としての魅力に安心感が加わり、寄港数が増加するものと考えております。 あわせて、両拠点への同時寄港も想定されることから、これまでも議会の皆様と連携をしながら国への要望を行ってまいりましたが、円滑なCIQの対応につきまして、確実な人員配置など、引き続き要望をしてまいりたいと考えております。 また、両拠点を起点とした観光地などへの動線や交通手段についてですが、それぞれ特徴として、三浦地区は市街地及び九十九島までのアクセス、浦頭地区は本市で最も外国人団体観光客の集客力が高いハウステンボスまでのアクセスに優れていることが挙げられます。ツアー参加者以外のフリーで行動する乗客の多くは、市街地などの繁華街に向かう傾向が高いため、クルーズ客船のニーズに応じた陸上交通に加えて、両拠点を結ぶ海上交通についても関係機関と協議を進めてまいりたいと存じております。 さらには、滞在時間延長の方策といたしましては、現在、みなとオアシスさせぼにおいて、三浦地区一帯でのイルミネーションを実施しておりますが、船社からは好評を得ており、イルミネーションのさらなる魅力と知名度向上に対する期待が寄せられております。浦頭地区では、佐世保クルーズ・フェスティバル・ビレッジに千灯籠3基の点灯も予定をしており、これらの方策が滞在時間の延長につながれば市内での飲食機会の増加やハウステンボスのイルミネーションと絡めたツアーの造成などが可能にもなります。 実際にこれまでの取組が功を奏し、本年5月10日には世界的に有名なクルーズ客船クイーン・エリザベスが初寄港し、佐世保港で1泊することが決定をしており、ナイトタイムの特別ツアーも計画されております。このような実績を重ねながら、滞在時間延長のための取組を進めてまいります。
◆14番(久保葉人君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。
シティブランディング・プロジェクトにつきましては、一定理解したところです。ホップ・ステップ・ジャンプですか、三段跳び方式で、ぜひ佐世保市を選ばれるまちに導いていただければと思います。よろしくお願いします。 それでは、二つ目の項目以降につきまして再質問をさせていただきます。 まず、西九州させぼ広域都市圏につきまして伺ってまいります。 宮島市長は、昨年6月の就任後、初の定例会での所信表明において、今や国を挙げた取組とも言えるカーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略について、この流れを本市の経済成長につなげるべく取り組んでいくと述べておられます。また、同定例会での当方からの関連する質問に対しても2兆円のグリーンイノベーション基金に加え、成立したGX推進法に基づく20兆円の国債などを用いた様々な国の予算を積極的に活用しながら、継続的に事業を組成することで、新たなビジネスに取り組む契機を創出し、そのことによってこの分野に踏み出す事業者を増やし、経済効果、ひいては市内企業への雇用効果につなげていきたいとも御答弁されております。 実際に、庁内にカーボンニュートラルに向けた取組を環境保全と経済振興の両面から複数の部局で進められており、昨年8月には環境部内にゼロカーボンシティ推進室を新設なされました。今後、全庁横断的なタスクフォースの新設の是非など、適宜検討を重ねていただき、本市の取組のさらなる充実を期待するところでございます。 一方、環境保全を目的としたカーボンニュートラルへの取組については、その目的から、より広域なエリアでの対応が好ましいと思われます。また、国のグリーン成長戦略には経済成長を牽引するカンフル剤としての効果もあろうかと思われ、今後、西九州させぼ広域都市圏の新たな取組として検討するに十分値するのではないかと考えます。 そこで、西九州させぼ広域都市圏としてカーボンニュートラルへの取組を進めることについて御見解をお聞きします。 次に、三つ目の項目、まちのにぎわいづくりについて再質問いたします。 本市の文化やスポーツに親しめる環境づくりについて、4点ほど提案させていただきたいと思います。それぞれについて御見解をお聞かせください。 まず、本年4月にオープンする本庁舎13階ラウンジについてです。 本市のホームページで、13階ラウンジをより市民のニーズに合った空間にするべく意見を募集しておられました。そこで、市民が文化活動を行う場として広く開放し、本市の文化の発信拠点とすることを提案いたします。現在、本市には文化芸術関連施設としてアルカスSASEBOや市民文化ホール、島瀬美術センターなどがありますが、いずれも使用に当たっては使用料が発生すると思われますし、また施設の規模の大きさから市民が気軽に使用できる場所ではないようにも感じます。市役所という共有の場所だからこそ、市民はより気軽に足を運べ、結果、にぎわいもおのずと生まれてくるのではないかと思います。 次に、させぼスポーツマンスについてです。 本市は、令和5年度より、長年続いてきた佐世保市民体育祭を取りやめて、子どもから高齢者まで、競技施行者からスポーツ愛好家まで、市民の誰もがスポーツに親しめる環境づくりを目指し、毎年10月の1か月間をスポーツ普及月間とする、させぼスポーツマンスを始められました。初年度となる本年度は、スポーツ及びレクリエーション競技で計32競技の大会が実施されましたが、一方で、10月を前に市民の方からは「今年は開会式がないらしいよ」といった声も聞こえてきておりました。新しくさせぼスポーツマンスが始まることが市民に十分に届いていなかったのではないかと危惧するところです。 佐世保市民体育祭が、市民がスポーツに触れる契機となっていたことは確かであり、またその開会式典に参加することが競技者にとってのモチベーションになっていたことも事実ではないかと思います。本年度がスポーツマンスの初回ではありましたが、市民の誰もがスポーツに親しめる環境づくりとなったのか、その広報の在り方も含めて検証する必要があろうかと思います。 3点目が、小柳賞佐世保シティロードレース大会についてです。 本年1月7日に、実に72回目となる大会が開催されました。10キロメートル、3キロメートル、1.5キロメートルなどのコースに1,450名を超える方々が参加されたとのことです。一方で、県内に目を向ければ、本年で70回目を迎えた郡市対抗県下一周駅伝大会が今回を最後に幕を閉じました。社会の変化や価値観の多様化など、事情は多々あろうかとは思われますが、だからこそ誰もがスポーツを気軽に楽しめることができるよう、歴史と伝統のある小柳賞佐世保シティロードレース大会から変わることができれば、その期待値は高くなるのではないかと思います。例えば、コースを細分化し、誰もが無理なく挑戦できる大会にすれば参加者はさらに増えてまちのにぎわいを醸成できるのではないかと思います。 4点目が、大規模なスポーツイベントについてです。 市民マラソンや自転車ロードレースなど、大規模なスポーツイベントを開催している自治体があります。先日、五島市で24回目となる五島つばきマラソンが開催されました。県内唯一のフルマラソンということで、県内外から約400名が参加されたとのことです。また、本年1月、佐世保競輪推進議員連盟の視察で訪問しました沖縄県名護市では、毎年11月に同市を中心とした沖縄本島北部地域で2日間にわたってツール・ド・おきなわというサイクルイベントを開催されています。国際自転車競技連盟公認の男子チャンピオンレースをはじめ、市民レーサーから子どもたちまで楽しめる自転車の祭典とのことで、2018年の30回記念大会には661名の海外からの参加もあったとのことでした。 さきにも述べましたが、大規模なスポーツイベントはまちのにぎわいづくりの好機であり、また自治体の知名度向上、交流人口・関係人口の拡大といった効果も期待できます。毎年開催でなくてもいいのではないかと思います。無理のない範囲で、本市としても大規模なスポーツイベントの開催についてチャレンジしてみてはいかがでしょうか、御見解をお聞きします。 続きまして、クルーズ事業について再質問いたします。 三浦、浦頭の両地区における受入れ態勢の状況については一定理解しました。一方で、クルーズ客船の寄港にまで結びつけるためには、受入れ態勢が重要であると同時に、クルーズ船社に寄港を決断してもらうためのセールスや誘致活動がさらに重要であると考えます。先ほど御答弁いただいた受入れ態勢と誘致は一体不可分なものであり、佐世保港として、船社だけでなく乗船客やクルーにも満足していただくためにクルーズ船のカテゴリーや客層に応じた対応、受入れ態勢を武器とした誘致活動も行っていく必要があろうかと思われます。 市長は、就任後間もなくトップセールスを行われるなど、クルーズ誘致に積極的に取り組まれておられます。また、昨年10月にはクルーズ客船の誘致やプロモーション、受入れまでを一元的に行うクルーズ事業推進室を新設されるなど、佐世保市へのクルーズ寄港の増加並びに市内への経済効果を波及させるための取組に注力されておられます。私も、佐世保港に多くのクルーズ客船が寄港することを望んでいる一人として、市長の取組を応援しております。 そこで、市長が自ら新設されたクルーズ事業推進室が果たす役割と、今後、同推進室に期待する効果について伺います。また、市長が今後どのようなイメージを持って国内外に向けたクルーズ客船の誘致に取り組まれていかれるおつもりなのか、そのビジョンをお示しいただければと思います。よろしくお願いします。
◎市長(宮島大典君) (登壇) 久保議員の再質問にお答えをいたします。 西九州させぼ広域都市圏の新たな取組として、カーボンニュートラルへの対応についてお答えをいたします。 第2期ビジョンにおける取組としましては、圏域内でのカーボンニュートラルをはじめとした環境教育の充実を図ることで、その意識醸成を目的とした事業を実施するほか、先ほど今後の展望の際にも申し上げましたが、圏域全体の経済成長を目標としてGXに関連する事業構築に取り組むこととしております。その事業展開としまして、本市を含めた広域都市圏を構成する全12市町の参画により、自治体新電力を活用したGX事業構築の取組を新たにスタートいたします。 この事業は、本市が出資した自治体新電力会社であります西九州させぼパワーズが有するエネルギーマネジメントの実績とノウハウを活用し、都市圏全体のGX事業の組成を促進しようというものでございます。事業組成の初動期において、実現可能性調査などを通じた支援を行うことで、エネルギー分野における行政職員のノウハウ不足といったボトルネックを解消することや、民間企業からの事業提案(シーズ)と都市圏の各市町の地域課題(ニーズ)のマッチングを行う広域都市圏におけるGXプラットフォームの設置運営などに取り組んでまいります。この取組を通じて、都市圏全体でGX事業の組成や横展開を促進することができると考えております。 議員御指摘のとおり、カーボンニュートラルを目指す動きは世界的に加速しており、その目的から、より広域での展開が効果的であると認識しております。これらの事業を通じ、圏域における意識醸成を図りつつ、本圏域に国からの財政支援や民間投資を呼び込むことで、さらなる経済成長を目指してまいります。 次に、文化に関する具体の御提案、本庁舎13階ラウンジの市民文化活動への開放につきましては、現在、寄せられたアンケートの全市的な意見集約に入っているところですが、コンサートを開催したいという御意見も多く頂戴をしていることから、前向きに検討をいたしたいと思っております。 また、スポーツで御提案のありました市民体育祭につきましては、全市的なスポーツ啓発の視点から見ると効果が限定的との声を受け、今年度からスポーツマンスへとリニューアルされておりますが、象徴的な意味合いの式典も含め、その効果を継続的に検証いたします。あわせて、長年続いている小柳賞佐世保シティロードレース大会の運営についても、社会の変化やニーズに対応できるよう、見直しを図ってまいります。 さらに、まちのにぎわいにつながるマラソン大会や自転車ロードレース等、大規模なスポーツイベントにつきましても、誘致できるチャンスがあれば私自らがトップセールスを行い、県や関係団体と協力して誘致の取組を進めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、頂戴した個別具体のアイデアにつきましては、その意図、背景を踏まえ、「選ばれるまちSASEBО」を目指し、新部局で実現に向けたチャレンジを行ってまいりたいと思います。 4項目めのクルーズ事業についての再質問にお答えをいたします。 まず、私自ら新設いたしましたクルーズ事業推進室の役割と今後期待する効果についてですが、市長就任早々にトップセールスを行い、国内外での誘致活動を行ってまいりましたが、船社幹部の皆様との意見交換を通して感じたことは、スピード感を持って柔軟に対応するワンストップ窓口が必要だということでありました。クルーズ事業推進室を設置するまでは、船社等の窓口を港湾部が、旅行社等を観光商工部が担当する役割に分かれておりましたが、推進室に統一することで、よりスピーディーに対応できるようになりました。 窓口は、寄港調整を含め、船社との接点が多く、クルーズ情勢に詳しい港湾部が歓送迎行事など、ターミナルでの対応を担当することとし、観光商工部が寄港地観光の充実を図っていくことで、それぞれの強みを生かしながら船社や旅行社等のニーズに対して迅速に対応できる体制が整ったものと考えております。 次に、誘致に対する今後のビジョンのお尋ねがございました。 実際の取組といたしまして、中国の主要発着地であります天津港からの乗客の約半数を送客している瀋陽市におきまして、友好交流都市でございますので、瀋陽市政府の御協力の下に旅行社とメディアに参集いただき、クルーズ船社と連携した佐世保港寄港のプロモーションを今月末に実施する予定といたしております。 このように、本市がこれまでの交流で築き上げてきた関係性などを最大限に活用しながら、国内外の船社や旅行社をより積極的に訪問し、船社等との意見交換を通じて様々なニーズを的確に把握しつつ、佐世保港の知名度向上を図るため、クルーズ関連の展示商談会への出展やインフルエンサーを活用した情報発信など、誘致とプロモーションを一体的に行ってまいります。 これらの取組を着実に実行していきながら、さらにはクルーズ寄港による経済効果を市内に広く波及させていくことで、人流と物流を支えるみなとづくりを実現してまいります。
◆14番(久保葉人君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 まちのにぎわいづくりについてですけれども、環境整備の中に話題づくりもあるのではないかなと思います。小柳賞ロードレース、宮島市長が参加されれば非常に盛り上がるのではないかなと思います。その際は、教育長も出席されるとおっしゃっていますので、私もお供させていただきたいと思っております。御答弁は結構です。 以上で質問を終わります。
○議長(林健二君) 4番諸國麻椰議員。
◆4番(諸國麻椰君) (登壇) 若者議員を増やす会、代表、諸國麻椰です。 この場をお借りして、年始に発生した能登半島地震で亡くなられた方々に哀悼の意を表し、被災者の皆様にお見舞い申し上げます。 それでは、通告に従い質問に移ります。 佐世保市の総合計画、「つながる想い ともに創る SASEBO(ミライ)」をキャッチフレーズに、市民と共にまちづくりを進めるビジョンを掲げています。この一環として、
シティブランディング・プロジェクトが始動。宮島市長は、市民目線、対話を重視し、若者を含む幅広い市民の声を市政に反映する意向を示されています。4月からの組織改革で新設される若者活躍・未来づくり課にはとても期待をしております。新しい課の創設など、将来の市政への期待に胸を躍らす一方、年末年始と佐世保市にとってつらい統計の発表がありました。 今年1月に総務省が公表した日本人の人口移動報告によると、本市では転出者数が転入者数を上回る転出超過が1,860人となり、全国の市区町村別ランキングではワースト5位に、さらに国立社会保障・人口問題研究所の5年ごとに発表される最新の報告では、過去の統計予想を上回る速度で本市の人口が減少していることが示されました。特に生産年齢人口、15歳から64歳は、平成30年の推計では2040年に約11万人台になると予想されていましたが、最新のデータでは2030年には既にその水準に達する見込みで、人口減少が約10年前倒しで進行していることが明らかになりました。
人口減少対策は、多岐にわたる政策の総動員が求められる大きな課題です。限られた財源を効率的かつ効果的に活用するためには、市民目線の事業を展開する必要があります。これには市政への市民参加を促し、具体的な改善策を市民、企業、学校、行政が一体となって考えることが不可欠です。いろいろと議論の取組方法はありますが、声を上げない方の意思も統計的な手法で仮説を立て酌み取れるよう、市民の暮らしやすさや幸福感等の住み続けたい意思を数値化する指標などを検討、利用することが必要ではないでしょうか。 幾つかの指標を考えることができますが、例えば内閣府やデジタル庁が推進しているWell-Being指標というものがございます。デジタル庁が推進する国のデジタル田園都市国家構想の一環として、この指標を使ったアンケートがあり、全国の自治体での活用を目指しています。このアンケートは、市民が日常生活において感じる暮らしやすさや幸福感を数値化し、それを基に今後のまちづくりの方針や施策を考えるための重要な手段です。Well-Being(地域幸福度)は、単に健康や経済的な豊かさだけでなく、教育、居住環境、地域社会とのつながり、仕事の満足度など、生活の質を総合的に捉えた概念です。 このWell-Beingの向上は、住民が地域に定着し、活発な社会参画を促すための選択肢の一つとなります。アンケートについては、本市が独自に質問を作成する必要はなく、既に枠組みが整っています。大きく3分野、生活環境、自分らしい生き方などに分けられ、子育て、多様性と寛容性、自己効力感を含む24のカテゴリーに細分化されています。これにより、主観的な感覚を定量的なデータとして捉え、地域間比較や時間経過の分析が容易になり、本市の強みを数値で見ることができます。ちなみに、この指標は客観指標もあり、オープンデータを基に示されていて、本市の数値を客観的に見ることができます。例えば、多様性と寛容性という項目があるのですが、この数値が全国平均と比べて低いです。 なぜ低くなっているのか細かく見ることができるのですが、議会の女性議員の割合が少ないことが大きく影響しています。あまり知られていませんが、長崎県は市区議会議員の女性議員割合が全国ワースト1位、ここ佐世保市も1割弱、このような結果が指標にも影響しています。似たものとして、本市における佐世保市まちづくり市民意識アンケート調査の実施がありましたが、2018年以降、途絶えています。 このWell-Being指標等のアンケートを通じて、市民の主観的な思いも酌み取り、佐世保を好きな人々が納得する、まちの目指すべき夢のあるまちの将来像、それを実現させるための政策に反映させるためには、宮島市長が推進するエビデンス・べースド・ポリシー・メイキング、略してEBPM、根拠に基づく政策立案が必要であり、市民の主観的な思いと客観的なデータを政策立案と組み合わせることで推進することが可能になります。 そこで、1点目の質問ですが、未来を共につくる市民の市政に関する議論や関与、またEBPM推進のために市民の主観的な思いを酌み取るアンケートなどの取組に係る現状と今後についてお伺いします。 本市の未来共創における議論活性化というテーマの下、市政運営の透明性と市民参加の促進について、さらに深く掘り下げてみたいと思います。市民と共に未来を考え、具体的な提案ができる環境を整えるには、市政情報の開示が不可欠です。特に市長が推進する99の政策、総合計画、そして市の財政状況がどのように連動しているのかを市民に明確に伝えることが求められます。 例えば、東京都の都財政の見える化ボードのように、予算や財政情報をダッシュボード化し、市民が直感的に理解しやすく、かつデータとして利用できるような仕組みは、市民が市政に参加しやすい環境をつくり出す上で非常に有効です。市の財政状況に関する情報は特に重要ですが、数字だけが並べられた状態では解読するのが難しい。まずは、気軽な気持ちから使ってみようと思えるように市民がこの情報を見てすぐに理解できるようビジュアル化、可視化していただきたいです。 例えば、私が冒頭お話しした国立社会保障・人口問題研究所の人口減少の話ですが、私もできるだけ分かりやすい表現を選びましたが、言葉だけの説明を聞いていてもなかなか分かりづらかったり、具体的な数値をもっと知りたいと感じたと思います。しかし、あのデータを折れ線グラフにしたら一目瞭然、グラフの角度が急激になっており、これは人口減少率が加速していることが、見るだけですぐに分かります。このように、数値だけでは分かりづらい内容をグラフやチャートを用いて可視化していくことが必要となります。 そこで、2問目ですが、市民と共に佐世保の未来をつくり、市民が未来共創のためにワークショップなど、気軽に議論に参加するという観点において、99の政策や総合計画と財政の関係性の可視化をどのように捉えているのか、現状と今後に関する市長の認識をお伺いします。
◎市長(宮島大典君) (登壇) 若者議員を増やす会、諸國麻椰議員の代表質問にお答えをいたします。 佐世保市未来共創のためのアンケート促進についてのうち、1項目め、佐世保市の未来共創議論を活性化しEBPM促進のためのWell-Being指標の活用なども含め、現状と今後ということでございました。 私は、令和5年6月の所信表明において、よりよい行政サービスを提供するため、常日頃から市民目線、対話重視で事業を進めることの必要性を申し上げております。市民目線を意識した事業実施を推進するに当たって、その過程は大きく二つの段階に大別されると考えます。一つ目は事業立案の段階、二つ目に政策形成の段階、これらを踏まえ、事業実施の意思決定を行っています。 まず、一つ目の事業立案段階に係る現状の取組といたしまして、私が掲げた99の政策のうちの一つ、市民の意見を市政に反映させるための車座集会として、令和5年10月から「M Cafe」を開催しております。テーマ対象型と地域型でそれぞれ開催をいたしておりまして、日頃からテーマに関係した取組をされている方、その地域にて自治活動をなされている方々から貴重な御意見を傾聴しつつ、意見交換においては私の思いも織り交ぜながら対話をいたしております。また、幅広く市民の声を聞く機会として、広報させぼを用いたアンケートや、ホームページからの市長への手紙なども実施し、それぞれから見えてくる本市の課題を事業立案につなげる取組を行っております。 次に、二つ目の政策形成段階における現状の取組といたしましては、第7次佐世保市
総合計画後期基本計画を一つの例で申し上げますと、事業立案段階における市民の声を反映した計画案を行政が作成し、市議会での意見聴取、有識者・市民公募の委員で構成された審議会での諮問・答申やパブリックコメントの後に策定へとつなげております。計画の策定段階においては、行政が掲げた目標やKPIに対し、民間の主体的な取組を各団体へのヒアリングを経て書き込みを行うなど、市民の市政への参画が一定程度実現できていることもございます。同様に、今年度、第2期西九州させぼ広域都市圏ビジョンを策定しているところでございますが、この策定過程におきましても、長崎、佐賀両県内の5市7町の産学官民で構成された西九州させぼ広域都市圏ビジョン懇談会において様々な御意見をいただき、ビジョンに反映させるなど、都市圏での取組への市民や企業の参画も行っております。 また、令和4年度及び5年度につきましては、教育機関との連携による若年世代に向けた文化事業の企画・実施の実現を主な目的として、市内の大学生に本市の文化振興委員に就任していただき、よりよい事業立案・実施につなげるなど、若年層の参画の機会も一部で実施しております。 このように、様々な政策・施策を立案・形成していく各場面において、市民の市政への関与・参画の機会を創出しているところではございますが、人口減少の大きな要因とされている若年層の転出超過は、いまだ改善されていないのが現状であります。 そのようなことからも、令和6年度からはこのような市民の市政への参画機会を特に若い世代に広げるべく、地域未来共創部を組織をいたします。学校や地域の垣根を越えた横断的な新たなコミュニティを組成し、コミュニケーションを活性化させることは、本市の課題や市政への関心を持っていただくきっかけとなり、定住や長い目線でのUターン等につながるものと考えております。 次に、EBPMとWell-Being指標に関してでございますが、私の99の政策におきましても、御案内のとおり、「EBPM、デザイン思考を取り入れた施策構築」を掲げております。人口減少、少子高齢化社会において、限られた財源をより効果的な事業に充て、行政サービスを持続的、安定的に提供することは非常に重要なことと認識をしております。よりよい政策立案、事業立案を行うためには、目標に対しての現状把握、問題や課題を正しく認識することが非常に重要です。平成30年度までは、本市が独自に佐世保市まちづくり市民意識アンケート調査を実施し、多様化する市民意識や意向を把握し、当時の第6次佐世保市総合計画に反映させることを目的に実施しておりました。 第7次佐世保市総合計画がスタートしてからの現状の取組といたしましては、施策ごとにKPIを設定した事業を推進していることからも、各施策・分野ごとに市民の意識や意向を伺うアンケート等を実施し、課題の特定や手段の検討につなげているところです。 議員御案内のWell-Being指標につきましては、全国の自治体と共通項目での質問、かつ同時期での回答という条件下でのアンケート手法であるため、市民の主観的な思いを都市間で比較が可能であるものでございます。加えて、データに基づいた客観的な結果との比較も実施可能であることから、現状行っております施策や分野ごとの本市独自のアンケートとは違った視点での課題認識に通ずる可能性も感じられることから、非常に有意義なものと認識しております。まずは、指標の活用に向けて着手してまいりたいと思います。 次に、2項目めの99の政策と総合計画と財政の関係性の可視化についてお答えをいたします。 1項目めでは、市民と共に佐世保の未来をつくるために、市民の皆様に市政に関与していただくことが必要ではないかとの御質問であり、この2項目めでは、そのために総合計画や財政がどのような関係性にあるのかなど、市民の皆様に分かりやすく伝えていくこと、可視化していくことが必要ではないかとの御質問であると思います。 議員御質問のとおりに、市民が佐世保の未来を描き、未来共創のために議論に参画し、市政に対して提案できるような環境を醸成していくためには、総合計画と財政がどのような関係にあるのかなど、市民の皆様に対して分かりやすく伝えていくこと、また市民の皆様がデータとしても活用できるような情報としていくことは非常に重要なことと認識しております。 本市の現状としましては、市ホームページ上に予算編成方針や予算・決算の状況、財務諸表などを掲載し、いわゆる情報発信という点では一定の対応を行ってきており、以前から作成してきております決算状況等をまとめた佐世保市財政白書におきましては、一部でグラフ等を活用して視覚的にも情報をお伝えできるように対応を進めてきているところでございます。データとして掲載している情報としては、佐世保市オープンデータサイトにおいて、一般会計財政の推移や市税の推移、一般会計歳入・歳出年度別比較などをエクセル形式で掲載しておりますが、よりデータとしての活用性を高める取組など、関係部局において対応を進めているところでございます。 他方、市民と共に市政をつくり上げていくために、市民にとって分かりやすく伝わるようにグラフを使いながら視覚的に訴える、あるいはホームページ上でもそういった情報にたどり着きやすい工夫をするなど、御質問にありましたような可視化をさらに推進していくことは非常に重要なことだと考えております。特に市の予算の状況や新たな事業への取組などについては、今年1月に開設をいたしました市長公式ユーチューブチャンネルの「NEWS M SASEBO」において、私自身の言葉で市民の皆様に分かりやすくお伝えをしていくなど、市政情報発信の中で力を入れていきたいと考えていた部分でもございます。 今後、どのように取り組んでいくのかという点におきましては、例えば総合計画や佐世保市の政策の方向性と予算編成の状況を説明用の資料としてまとめたものもございますので、佐世保市財政の可視化という視点も持って、ホームページ上にもっと見やすく掲載するなど、速やかに取り組むことができるものもあると考えております。 まずは、ホームページなどの既存の広報手段の中で、既存の資料などを有効に活用しながら、対応可能なところからでも始めるよう、具体の取組に着手したいと考えているところでございます。
◆4番(諸國麻椰君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 「NEWS M SASEBO」は、私も早速チャンネル登録いたしました。若者にアピールするためにはとてもよい媒体だと思います。これからも、若者に向けたいろいろな企画をしていただきたく、私も全面協力いたします。 さて、2問目の可視化の取組は、業務の透明性を高めるだけでなく、効率化にもつながります。特に現在の業務の関係性を明確にするには、スムーズな情報の可視化に向けた重要な一歩です。既に実施されているものの、ホームページ上で見つけづらかったり、分かりづらい情報を整理し、改めて公開することで行政運営を健全化し、労働力不足にも対応します。また、その際、基となったデータの公開を一緒に行うと思うのですが、機械判読性の高い状態でお願いいたします。例えば、市民意識アンケートの結果がPDF形式でのみ公開されているため、データの分析が困難です。より多くの人が簡単に分析できるよう、今後は機械判読可能な形式でのデータ公開をお願いいたします。 では、先ほどの答弁を受けて、1問目に関して再質問をいたします。 Well-Being指標アンケートについては、全国一律の調査結果を活用し、独自の項目を加えた上でのアンケートも実施可能で、ほかの項目と同じく、ダッシュボード上で可視化ができる仕組みとなっています。人口規模、産業構造、近隣自治体との比較、年代別人口動態などの類似点に基づいて比較され、レーダーチャートを通じて、そのまちの特徴を視覚的に比較、分析することが可能です。これらの効果を最大限活用するためには、各自治体が自らアンケートを行う必要があり、ウェブアンケートに回答しにくい層の対応を考えつつ、まずは一歩から始めることが重要だと考えています。 初めの段階では、既存のシステムを最大限に活用しつつ、段階的にアプローチを広げていただきたいです。また、本市の各部署で行われているアンケートは、近年アンケートを取る頻度が上がり、よい傾向にあると思います。この必要性を否定するものではないのですが、部署ごとに異なる指標や方法で実施されており、本市全体的な分析や長期的な比較が難しい状況です。いろいろな指標がありますが、導入口としてWell-Being指標のような統一された基準を用いることで市全体の傾向や時間経過による変化を把握しやすくなりますので、実験的にこの制度を活用してはいかがでしょうか。 この取組は、市民の市政参加を促進するだけでなく、商業の活性化、産業界・学界・地方自治体・市民の協力体制の構築、企業間の連携やスタートアップの促進に寄与します。市が推進するアンケートや、その結果の情報の提供は、地元企業のマーケティング戦略や新規事業開発に有用なデータを提供し、ビジネス環境を向上させます。また、大学や研究機関との連携を深め、学生や研究者がデータを活用することで若者の地域への関心や定着を促進します。産学官民連携のプロジェクトやワークショップにつながれば、市民が問題解決に共同で取り組み、自らの声が地域社会に反映することを実感し、地域活動への参加を促進します。そして、インターネット上に議論の履歴が残れば、未来に向かって議論するまちというポジティブなブランディングになります。現在、佐世保市をインターネットで調べるとネガティブな関連ワードが多く表示され、若者は心を痛めていますので、この改善にもつながります。 そこで、再質問ですが、サンプル数を増やし、よりよい事業構築につなげるため、Well-Being指標アンケートの独自調査を行ってみてはいかがでしょうか。
◎市長(宮島大典君) (登壇) 再質問について御答弁をいたします。 Well-Being指標につきましては、アンケート結果が可視化され、誰でもいつでもその結果が閲覧可能な状態にあることから、市民が市政に関心を寄せる、または市政に参画していただくよいきっかけになり得るものと思っております。しかしながら、直近である令和5年度のアンケート結果によれば、本市のサンプル数が約130件と少数であることから、これを基にした活用という観点では、回答の偏りの可能性等を鑑みると、直ちにこの結果を事業に反映させる段階ではないと考えます。しかし、同様の調査項目での独自アンケートの実施により回答数が補完できれば、年代ごとや地域を絞ったデータ分析も可能となることから、EBPM推進の観点においても、本市事業立案における一つの根拠として有意義なデータになり得ると考えます。 ウェブアンケートにて回答可能な世代に対しましては、大きな費用を要さず実施できるものと考えますが、ウェブアンケートが実施できない方々への配慮は、現時点で課題として認識しておりますので、まずできる部分から着手してまいりたいと思っております。 なお、きめ細やかな施策を展開するためには、例えば子育て中の世帯に対して子育てに関するアンケートを実施するなど、対象に応じた調査も必要と考えます。そのようなことからも、Well-Being指標と既存のアンケートを併用しつつ、効果的、効率的なデータの収集、分析、事業立案といった流れになるように推進を図ってまいりたいと思っております。