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12月07日-02号

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  1. 佐世保市議会 2023-12-07
    12月07日-02号


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    令和 5年 12月 定例会           12月定例会議事日程            第2号                 令和5年12月7日(木曜)午前10時開議第1 第147号議案 令和5年度佐世保市一般会計補正予算(第8号)第2 一般質問-----------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程に同じ-----------------------------------出席議員(33名) 1番 柴田英樹君    2番 本田博之君 3番 新川英之君    4番 諸國麻椰君 5番 古賀豪紀君    6番 宮田京子君 7番 黒川英朗君    8番 甲斐義博君 9番 田山藤丸君    10番 鶴 大地君 11番 宮島武雄君    12番 松尾俊哉君 13番 小田徳顕君    14番 久保葉人君 15番 角田隆一郎君   16番 山下廣大君 17番 永安健次君    18番 山口裕二君 19番 崎山信幸君    20番 佐藤文子君 21番 久野秀敏君    22番 永田秀人君 23番 柴山賢一君    24番 大村哲史君 25番 林 健二君    26番 田中 稔君 27番 松尾裕幸君    28番 長野孝道君 29番 市岡博道君    30番 大塚克史君 31番 小野原 茂君   32番 古家 勉君 33番 山下隆良君-----------------------------------説明のため出席した者 市長        宮島大典君   副市長       西本眞也君 副市長       田中英隆君   基地政策局長    北村敬男君 行財政改革推進局長 吉田裕一郎君  企業立地推進局長  川口康博君 防災危機管理局長  山元義崇君   契約監理室長    森田知之君 企画部長      杉本和孝君   総務部長      田所和行君 財務部長      東 隆一郎君  観光商工部長    長嶋大樹君 農林水産部長    高増 剛君   都市整備部長    溝口勝利君 土木部長      田島克巳君   港湾部長      大塚 健君 市民生活部長    中西あけみ君  保健福祉部長    辻 英樹君 子ども未来部長   岡 雄一君   環境部長      吉田敏之君 水道局長      中島勝利君   消防局長      坊上 選君 教育委員会教育長  陣内康昭君   農業委員会会長   赤木行秀君 代表監査委員    宮崎祐輔君   選挙管理委員会委員長                             和田 隆君-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長      池田真二君   事務局次長兼議会運営課長                             細井章子君 課長補佐兼議事調査係長           岳本雅也君     10時00分 開議 ○議長(林健二君)  出席議員は定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △市民生活部職員の懲戒処分についての報告 ○議長(林健二君)  議事に入ります前に、宮島市長から発言の申出があっておりますので、これを許します。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 皆さんおはようございます。 貴重な時間を拝借いたしまして、誠に恐縮に存じますが、今般、職員が引き起こした不祥事につきまして御報告させていただきます。 既に、議員各位におかれましては御承知のことと存じますが、市民生活部戸籍住民窓口課に在籍していた会計年度任用職員を、去る12月1日付で懲戒免職処分といたしました。 同職員は、本年7月以降、市民の方のマイナンバーカードを悪用し、当該市民の方に付与されるべきマイナポイントを不正に取得したほか、通勤手当を不正受給するなど、公務員としてあるまじき不祥事を引き起こしたものです。 会計年度任用職員であるとはいえ、法を遵守すべき立場にある職員がこのような不祥事を起こし、市職員に対する信用を失墜させたこと、また、マイナンバー制度そのものの信頼をも揺るがしかねない事態を引き起こしたことに対しまして、誠に申し訳なく、議会をはじめ、市民の皆様に対し深くおわびを申し上げます。 今後、このようなことを引き起こさないよう、昨日、部長会におきまして、服務規律の確保について周知徹底を図るとともに、全職員に対して綱紀粛正を通達したところであり、これから再発防止と信頼回復に向け、全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。 ここに心からおわびを申し上げ、御報告とさせていただきます。----------------------------------- △日程第1 第147号議案 ○議長(林健二君)  日程第1第147号議案を議題といたします。 各常任委員長の審査報告を求めます。-----------------------------------                           令和5年12月4日 佐世保市議会議長 林 健二様                       都市整備委員長 宮島武雄          都市整備委員会審査報告書 本委員会に付託されました事件は審査の結果、下記のとおり決定しましたので、佐世保市議会委員会規則第20条の規定により報告します。               記1 第147号議案 令和5年度佐世保市一般会計補正予算(第8号)中     第1条 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出 第12款 災害復旧費 以上、原案を可決した。----------------------------------- ◆都市整備委員長(宮島武雄君) (登壇) 第147号議案令和5年度佐世保市一般会計補正予算(第8号)中、本委員会に付託されました案件につきまして、審査の結果を報告いたします。 土木部関係についてでありますが、第12款災害復旧費におきまして、令和3年8月の大雨により被害を受けた市道若竹台団地本線の復旧工事において、掘削時の大型土のうによる土留めを行う仮設工等を追加する必要が生じたことに伴う土木施設災害復旧費777万円が計上されております。 委員会といたしましては、当局の説明を了とし、採決の結果、全会一致で可決することに決定いたしました。 以上、報告を終わります。-----------------------------------                           令和5年12月4日 佐世保市議会議長 林 健二様                       企業経済委員長 田山藤丸          企業経済委員会審査報告書 本委員会に付託されました事件は審査の結果、下記のとおり決定しましたので、佐世保市議会委員会規則第20条の規定により報告します。               記1 第147号議案 令和5年度佐世保市一般会計補正予算(第8号)中     第1条 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳出 第7款 商工費 以上、原案を可決した。----------------------------------- ◆企業経済委員長(田山藤丸君) (登壇) 第147号議案令和5年度佐世保市一般会計補正予算(第8号)中、本委員会に付託されました案件につきまして、審査の概要並びに結果を報告いたします。 第7款商工費の商工費におきまして、中小企業経営向上事業費156万円、佐世保市商店街の活力回復促進事業費7,480万円、貨物自動車運送事業者等燃油価格高騰対策支援事業費9,097万円が計上されております。 委員会では、佐世保市商店街の活力回復促進事業に関して、当局から、「本事業は、国の物価高克服に向けた追加策を受けて実施するもので、商店街等が実施主体となり、市民の消費喚起や店舗の利用促進に向けて行う、プレミアム付商品券の発行や、プロモーション等に係る取組に対して支援をするものである。発行される商品券のプレミアム率を50%までという上限のみ設定したのは、実施主体ごとにプレミアム率を設定してもらい、例えば、率を低くして発行枚数を多くするなど、発行における自由度を高くするためである。経済波及効果としては、事業費7,480万円に対して、2億8,842万円の効果を期待しており、事業の実施団体としては、12団体を想定している」との説明があっております。 委員会では、まず、本事業において、支援の対象事業者自らプレミアム付商品券の購入が可能かどうか質疑があり、当局から、「過去に実施した令和3年度や4年度の事業の枠組みと変更はなく、対象事業者である商店主でも購入することが可能である」との答弁があっております。 これを受け、委員から、「対象事業者も購入が可能であるならば、例えば、対象事業者がプレミアム付商品券を購入し、商店街等で使うことなく、お客様から受け取った商品券として、プレミアム分も含めて換金することもできてしまうのではないか」とただしましたところ、当局から、「本事業は、一般の消費者に商品券を購入してもらい、売上げの向上につなげてもらうための取組であり、対象事業者である商店主などが自ら購入することは本末転倒になる。そのため、そのようなことがないように、補助金の交付申請においては、不正があった場合の補助金返還などについて誓約してもらうような対応も考えている」との答弁があっております。 また、委員会では、佐世保市商店街の活力回復促進事業を、今回、12団体が実施する見込みとなっており、他の一部の商店街等が含まれていなかった理由について質疑があり、当局から、「事業の実施に係る事前の意向調査に対して、一部の商店街等については、協議の結果、人手が不足している中、事業期間が年末からということも踏まえ、今回は実施を見送りたいとの回答があっている」との答弁があっております。 これを受け、委員から、「本事業は、財源の全額が国からの交付金であり、言わば税金を投入して商店街等の活性化を図るものである。人手不足の商店街等に対して、それを解消するようなサポートを行い、本市の商店街全体に支援が行き届いてこそ、本事業が商店街の活性化事業としての目的を達成するのではないか」とただしましたところ、当局から、「事業実施を見送られた一部商店街等に限らず、商店街等では人手不足の問題を抱えている。そのため、本事業の補助金の枠組みでは、これまで商店街等が自ら行っていた事務処理を外部委託することも可能な制度へ見直しており、外部委託も活用した上での事業の実施について案内をしている。そういった中で、今回、新たに事業の実施を決められた商店街等もあれば、残念ながら実施を見送られた商店街等もあることから、見送られた商店街等からも事業実施の手が挙がるように、今後、対応を進めていきたい」との答弁があっております。 次に、委員会では、貨物自動車運送事業者等燃油価格高騰対策支援事業に関して、当局から、「本事業は、燃油価格の高騰により多大な影響を受けている貨物自動車運送事業者に対し支援を行うものである。本来、事業者が燃油価格高騰分も価格に転嫁すべきところではあるが、価格転嫁するまでに時間を要することが見込まれることから、価格転嫁実現までの間について支援を行うものである」との説明があっております。 委員会では、まず、価格転嫁を実現するまでの間、支援を行うとの説明に関し、その実現の見込みについて質疑があり、当局から、「令和4年度にも同様な事業を行っており、その際に実施したアンケート調査では、9割程度の事業者が、希望するような価格転嫁が実現できていないとの回答であった。全国の状況としても、運送業界には多重的な下請の構造があることから、下請業者には、仕事を受けるために価格交渉の余地がない状況である。国においても価格交渉が実現したかどうか定期的に調査をされているところであり、調査の結果、下請業者の価格交渉に応じない会社については社名を公表するとしているため、公表されるデータを交渉材料に価格交渉が進められていくものと考えている」との答弁があっております。 なお、委員会では、結論に際し、委員から、補正予算が計上された3事業全てについて、「支援が必要な事業者等に対して、支援に関する情報が届いていないという事例が見受けられるため、いずれの事業も経済の活性化を期待して実施する事業であれば、市民への事業の周知について徹底をすべきである」との意見に加え、貨物自動車運送事業者等燃油価格高騰対策支援事業について、「今回の支援は、貨物自動車運送事業者が燃油価格高騰分の価格転嫁を実現するまでの間の支援とのことだが、現状では価格への転嫁は困難であり、本来、発注した業者が負担すべき部分を、行政が肩代わりするような状況が常態化してくることが懸念される。国が公表している価格交渉に関するデータについて、情報発信を強化していくなど、取組を進めていくべきである」との意見があっております。 以上が審査の概要でありますが、委員会といたしましては、当局の説明を了とし、採決の結果、全会一致で可決することに決定いたしました。 以上、報告を終わります。-----------------------------------                           令和5年12月4日 佐世保市議会議長 林 健二様                         総務委員長 宮田京子          総務委員会審査報告書 本委員会に付託されました事件は審査の結果、下記のとおり決定しましたので、佐世保市議会委員会規則第20条の規定により報告します。               記1 第147号議案 令和5年度佐世保市一般会計補正予算(第8号)中     第1条 第1表 歳入歳出予算補正のうち      歳入 全部     第2条 第2表 地方債補正(追加) 以上、原案を可決した。----------------------------------- ◆総務委員長(宮田京子君) (登壇) 第147号議案令和5年度佐世保市一般会計補正予算(第8号)中、本委員会に付託されました案件につきまして、審査の結果を報告いたします。 今回の補正予算は、一般会計において、本年3月に決定された国の「物価高克服に向けた追加策」を受けて実施する「中小企業等に対するエネルギー価格高騰対策支援」として、燃油価格の高騰が続いていることに伴い、経営環境への影響を緩和するための支援を行う貨物自動車運送事業者等燃油価格高騰対策支援事業などが計上されております。 また、災害関連として、令和3年8月の大雨により被害を受けた市道若竹台団地本線に係る土木施設災害復旧費が計上されております。 歳入につきましては、ただいま各常任委員長から報告がありました各事業に係るものとして、1億7,511万円が計上されております。 委員会といたしましては、当局の説明を了とし、採決の結果、全会一致で可決することに決定いたしました。 以上、報告を終わります。 ○議長(林健二君)  ただいまの各委員長の報告に対する質疑に入ります。 質疑をとどめます。 討論の通告はあっておりませんので、これより採決に入ります。第147号議案は原案のとおり決することに御異議ございませんか。(「異議なし」の声あり)御異議なしと認めます。よって、本件は原案のとおり可決されました。----------------------------------- △日程第2 一般質問 ○議長(林健二君)  次に、日程第2一般質問を行います。 順次質問を許します。3番新川英之議員。 ◆3番(新川英之君) (登壇) 公明党、新川英之です。 今回、2回目の一般質問となります。 我が党は明年結党60周年を迎えます。改めまして「大衆とともに」この立党精神を忘れることなく、市民の皆様の小さな声を聞き、問題解決のために一生懸命取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 では、通告に従い、順次質問をさせていただきます。 私は、本年10月11日から10月13日にかけて、会派視察にて神奈川県の相模原市に行ってまいりました。そのときに様々な意見交換をする中で、現在、相模原市議会において、一番話題に上ったのは、学校給食を作る調理場に空調設備(エアコン)をつけてほしいという話でありました。 私は23年間、米海軍佐世保基地にて調理の仕事をしてまいりましたので、現場の大変さは分かります。入社当初は空調設備がなかったので、衛生的にも働く環境的にも大変厳しい状況がありましたが、様々な調査が入り、十数年前に職場に空調設備(エアコン)を取り付けていただきました。夏の調理場の職場環境は本当に大変であることは、経験から実感をしております。 今年の夏の暑さは、連日真夏日、猛暑日などの報道がなされておりますが、11月9日の長崎新聞に掲載されたEUの気象情報機関コペルニクス気候変動サービスは、1月から10月までの世界平均気温が、1940年から統計を取って以来、観測史上最高となり、本年が記録として最も暑い夏になるのは確実だと発表されております。国際連合のアントニオ・グテーレス事務総長が、地球温暖化時代から地球沸騰化時代が来たと語ったのが衝撃的な表現で、現在の異常な暑さを表現されております。 空調設備がない大変さ、苛酷さもさることながら、熱中症の危険などすぐにでも改善対策を講じないと、命の危険が考えられる状況であります。 そこで、私は、佐世保市が学校給食を作る調理場はどのような環境で仕事をされているのかを調べてみました。 まず、初めに、佐世保市給食センターに連絡をして、視察をさせていただきました。お忙しい中、給食センターで働いている皆さんをはじめ、職場環境や書類等、御協力をしていただき、本当に感謝しております。 職員の皆様は、食材や衛生管理にも細心の注意を払いながら仕事を進められておられます。現在は中学校を中心に5,500食の給食を作られております。パンを中心にしたメニューと御飯を中心にしたメニューの2メニューを日々提供しながら、限られた予算の中で栄養がしっかり取れるように取り組んでおられます。 また、様々なアレルギーを持ったお子さんのために別のラインにて作業をされており、食の安全と安心を考え提供できる設備と職場環境で、温度も湿度も空調設備がしっかり整えてあり、仕入れ、下処理、調理、配送と一方通行に流れての作業にて、国際的に認められたHACCPに沿った衛生管理をされております。布巾の数も間違いがないように、使う前と使った後の数が合うかどうかをチェックして、間違いがないように仕事をされておられます。様々なことがあったこの10年間の積み重ねで、よりよいものを常にコミュニケーションを取りながら進めていると語られていたことが特に印象に残りました。 共同調理場の視察をして、次に、単独の調理場で働く皆さんの状況はどうなのかを調べていくと、単独の調理場の視察は衛生上難しいということでしたので、現場で働く人から状況を教えていただくために、自宅に近い小学校8校を訪問して、実際現場で働く皆様の声を聞いてまいりました。突然の訪問にもかかわらず、対応していただいて感謝申し上げます。 どの学校も厳しい現状のお話を聞きました。特に調理中は、ほこりが料理に入らないように扇風機も回すことができず、運動場に面した調理場は窓も開けることもできません。作業をするときはマスクもして、髪も落ちないように帽子もかぶります。手袋や水をはじく厚いエプロンを着ての作業になりますので、加熱している職場環境の中で仕事をしないといけない状況は、とても苛酷であります。 揚げ物があるときには本当に大変で、夏場はできるだけメニューの中に入れないように工夫をされておられます。そして、できるだけ休憩を多く取り、水分を取られ、休憩所にクーラーがついていますので、そこで交互に休憩を取りながら、熱中症対策をされておりますが、8時15分から働き始め、11時30分までに給食を作り上げて生徒に提供する前に、現場の責任者でもある校長先生に給食をチェックしてもらいます。その約3時間にて、全ての給食を作り上げないといけません。 30度を超える、ひどいときには40度になるような苛酷な環境の中で仕事をされておられますので、休憩も思うように取れないときもあるそうであります。スポットクーラーもありますけれども、冷たい空気と反対に熱い空気が出ますので、抜本的な解決策にはならず、実際に熱中症になりかけて病院に行かれた方もいます。 暑さが続いて、家に帰っても、頭痛のため寝込んでしまい、家事や育児に影響が出た方もいます。暑さの積み重ねで、頭痛や手足のしびれなどを訴えておられる方がいるとの話を、どこの学校でも聞くことができました。 大変なのが昼からの食器洗いです。50度近い熱いお湯で洗い、すすぎをする。食器を洗う時間帯は昼過ぎになりますので、一番暑いときにお湯を使い、洗わないといけない状況は本当に大変であり、苛酷な重労働です。 学生、子どものために一生懸命頑張っている方、苛酷な環境、熱中症の危険がある状況を、当局はどのように考えているのか見解を求めます。 床も、ドライ方式の学校もありますが、私が行った小学校のほとんどがウエット方式の床で、コンクリートを打っただけで滑りやすく、衛生上もドライ方式に変更していくことも大事な取組だと思います。 そして、料理を作る道程においても、食中毒の原因である菌の繁殖は、温度と湿度が一番の原因でもあります。様々な議員の皆様も指摘されておりましたけれども、食中毒の原因であるサルモネラ菌、カンピロバクター、病原性大腸菌など菌の繁殖する適温が30度から45度の間と、専門家の記事では記載されております。子どもの食の安全と安心を考えると、調理場の温度をできるだけ25度の気温、そして、湿度は80%以下を推奨されております。 資料を頂いた各小学校の単独調理場での学校給食を提供している日にち、そして、11時より記載した温度の統計を調べてみました。 6月は22日間提供して、単独で給食を作られている小学校は36校、22日掛ける36校で792回温度を測って、30度から34度までが162回ありましたので、パーセントに直せば20.4%になります。35度以上は6回ありました。 7月は夏休みもありますので、13日提供して36校、13日掛ける36校ですので468回です。30度から34度までが278回ありましたので59.4%、35度以上が8回。 8月も夏休みがありますので2日、木風小と日野小が増えますので合計38校、2日掛ける38校で76回、30度から34度までが62回ありますので81.5%、35度以上が8回。 9月が20日、38校ですが、最後の日、2校が給食の提供がなく記載がありませんでしたので、合計で758回、30度から34度が493回ありましたので65.0%になります。そして、35度以上が28回です。 25度の推奨にもかかわらず、8月、9月の30度以上が約6割にも上ります。衛生上も危険な状態だということが、これで分かります。 そして、湿度に関しては、温度と計測が同じになりますので、6月が792回計測して、湿度が80%を超えたのが162回、パーセントに直せば20.4%。7月は合計で468回、80%を超えたのが160回、34.1%。8月が合計で76回、80%を超えたのが5回、6.5%。9月が合計で758回、80%以上が82回、10.8%となります。梅雨の時期で湿気が高いのは6月、7月だということがこれで分かります。 温度、湿度は、食中毒を起こす一番の原因でありますが、温度管理はどうなっているのか。食の安全を考える衛生管理は大事な取組であります。当局はどのように考えているのか、見解を求めます。 現場で働く栄養士、調理師の皆さんは子どものために、子どもにおいしいと言ってもらうために懸命に働かれております。まさに佐世保市が推進している食育の要の皆様であります。 そこで、働く皆様の熱中症への環境整備、また食中毒を出さないような衛生管理、職場環境の観点から空調設備(エアコン)を早急に設置すべきと考え、空調設備が設置されている単独調理場がないかどうか調べました。 県内で長与町に設置されていることが分かり、すぐに視察に行ってまいりました。 長与町は、令和元年に教室、特別教室と併せて調理場にもエアコンをつけたそうであります。資金面や規模的にも佐世保市とは違うと思いますが、現場で働く方は、環境的に安心して仕事ができると言われておりました。 佐世保市も少子化で学校再編の計画がなされております。難しい状況であることは分かります。しかし、大変な状況の中で仕事をされている皆さんが、職場改善の道筋を何とかお願いしますと頼まれました。現場で働く皆さんを間近で見ている校長先生からもお願いされました。 安心して働ける環境整備には、空調設備(エアコン)は欠かせないと思いますが、当局の見解をお願いします。 次に、障がい福祉サービスの交通費助成についての質問です。 私が6月下旬に地域を回ったときに、知人の方から御相談をいただき、お話を聞かせていただきました。 内容は、お子さんが障がいをお持ちで、障害等級第3級と言われておりました。高校を卒業後、就職して働いていたそうですが、どうしても方向性の違いと職場になじめず、仕事を辞めることになり、新たに自身が得意で打ち込めるような仕事を探して、やっと就職ができ、今は毎日楽しく通っているそうであります。 私もその話を聞いて本当によかったと思ったのですが、そこで問題なのは、就職したのが就労継続支援B型の職場であり、最低賃金がとても低く、時給は仕事の能力がついてから少しずつ上がっていくような給料体系でありました。 以前の職場にあった事業者の送迎バスは今はなく、現在はJRの列車を利用しての通勤となっております。バスの利用は時間帯等が合わず、利用されておりません。とても今の給料で通勤の交通費を補填するのは厳しい状況であり、西肥バスや松浦鉄道など割引はありますが、JRの列車の障害者割引は、単独で乗車する場合は100キロメートルを超える利用がなければ割引が適用されないため、補助の対象とはならないということでありました。 現状を御相談いただいた方にお話しましたら、「100キロメートルからの補助制度だったら、ここから福岡ぐらいまで行かないと補助がないんですね。とても現実的ではない政策です」と憤慨されておりました。 事業者からの工賃も低い上に交通費に消費してしまう状況です。この物価高の中、生活をしていくことはとてもできない状況であり、親からの資金援助がなければ、どうにもならない状況を少しでも改善してほしいという切実な声でありました。 そこで、バス、松浦鉄道の支援はありますが、JRの列車にはないのは不平等であると思いますが、いかがでしょうか。支援を待っている人は本市にもいるはずであります。どれくらい障がいを持っておられる方がJRを活用して通勤されているのかを、お答えいただきたい。そして、JRで100キロメートル以下の利用における普通乗車券の割引適用のない中で、佐世保市独自のJR通勤助成制度の創立ができないものか、お伺いいたします。 最後に、男性用サニタリーボックスについての質問であります。 本年8月27日、長崎新聞にて「トイレはおもてなしの基本」という見出しで、「お金をかけなくても、ちょっとした気遣いでよいものになる」と、みんなにやさしいトイレ会議実行委員長の竹中晴美さんの記事であります。「男性用トイレにも汚物入れを」「おむつを着用して出先で処理に困る高齢者も多いという。排せつが不自由だと外出する気もなくなり、次第に引き籠もってしまう。こうした高齢者に合わせた工夫に加え、LGBTへの配慮など、時代の変化に合わせて対応していくことが大事だ」という記事が載っておりました。 男性用サニタリーボックス(汚物入れ)は、最近新聞などで見かけるようになり、私なりに調べてみました。 がん対策情報センターによる推計として、近年、2人に1人ががんと診断される時代となってきており、日本でも食文化が欧米化したことが原因で、高齢の男性を中心に前立腺がんや膀胱がんになる方が増えています。 前立腺がん・膀胱がんは、圧倒的に男性の罹患率が多いという特徴がありますが、たとえ医療によって治ったとしても、頻尿、尿漏れなどの症状が残る場合が多く、おむつや尿漏れパッドを利用している方も増えてきております。そこで、使用済みの尿漏れパッドやおむつなどを廃棄するサニタリーボックスの設置が男性用トイレにも望まれているということであります。 がん情報サービスの記事では、今後のがんの部位別発生数と将来予測として、前立腺がんが増えてくる予想となっていることが分かっています。今後このような状況でお困りの男性の方が増えてくることは、時代の流れからしても明らかであります。 先日、高齢の男性の方とお話しする機会がありましたが、その方も前立腺がんになり、尿漏れパッドをされて捨てるのに困ったとのお話を聞きました。ぜひ頑張ってくださいと激励をいただきました。 私は、市役所本庁舎にて男性用サニタリーボックス設置は可能かどうか、担当者の方に御相談をしました。ありがたいことに、設置を快諾していただき、1階の男性用トイレに11月末に設置していただき、本当に感謝しております。 しかし、誰もが安心して暮らせるまちをつくっていくためには、市役所のみに設置したのでは不十分ではないかと思います。困っている方に寄り添い、手を差し伸べていくことは大事な取組であり、今後は設置の拡大など、まちづくりを目指していくべきだと思います。 そこで、まずは皆さんが御利用になる地域のコミュニティセンターや支所などに設置して、公園や駅など公共施設に設置を広げていただきたいと思いますが、当局の見解をお願いします。 以上、質問を終わります。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 1項目めの学校単独調理場の空調設備についてお答えをいたします。 本市には現在、単独調理場38か所、給食センター5か所の合計43か所の調理施設があり、市内の70の小中学校、義務教育学校全てにおいて完全給食の提供をいたしております。 議員から御指摘がありましたように、特に近年においては、夏場に限らず、春先から夏場以降も25度を超える日が多く、暑さが厳しい状況となってございます。このような状況で調理を行っておりますが、議員からは、暑さの厳しい環境下で熱中症などの危険をはらむ中、単独調理場の調理従事者の職場環境についてどのような対策をしているのかと、1点目のお尋ねがございました。 調理中の調理場内は高温多湿になることが多く、特に夏場は温度、湿度ともに高くなります。そのような中、空調を設置していない調理場では熱中症の危険性が高くなることから、厚生労働省が定めました熱中症予防基本対策要綱に基づき、熱中症予防対策を講じております。 同要綱では、熱中症の発症リスクがあるときは、必要に応じて熱中症予防対策を実施することが望ましいと定められておりまして、その内容は、作業環境管理として、まず、高温多湿作業場所に適度な通風または冷房を行うための設備を設けることと規定されております。 議員が求められております、調理場全体を冷やすことができる空調設備はございませんが、スポットクーラー、冷風扇を設置するなどして学校ごとに様々な対応をしているところでございます。 次に、労働者の休憩場所の整備等といたしましては、高温多湿作業場所の近隣に冷房を備えた涼しい休憩場所などを設けること、近隣に氷、冷たいお絞りなどの体を冷やすことのできる物品及び設備を設けること、水分及び塩分の補給を定期的かつ容易に行えるよう、高温多湿作業場所に飲料水などの備付け等を行うことなどが規定されているところでございます。 現在、全ての調理場の休憩室に冷房を設置し、涼しい部屋で休憩を取ることができるようにしており、さらに、6月から10月までの期間につきましては、調理従事者を増員し、交代しながら休憩を取りやすくしているところでございます。 作業中の体調管理につきましては、水分及び塩分の補給を定期的かつ容易に行うために、空調を設置していない調理場には、飲料水や熱中症予防タブレットなどを備えております。 また、学校によりましては、保冷ベストやネッククーラーなどの熱中症対策用品を活用して、体を冷やすようにしているところでございます。 さらに、作業管理として、熱に慣れ、その環境に適応することを意味する暑熱順化、水分及び塩分の摂取の徹底、透湿性及び通気性のよい服装の着用、作業中の巡視などが規定されておりますが、それぞれ調理従事者に対する労働安全衛生教育により徹底を図るとともに、熱中症の症状、救急処置、予防方法などについての教育を実施しておるところです。 また、透湿性及び通気性のよい白衣を選定し、調理従事者に着用させております。 これらの対策につきましては、毎月開催しております教育委員会職場安全衛生委員会で協議をした上で実施をしてきております。 今後の対応といたしましても、調理従事者に対するアンケート調査を実施しながら、次年度以降、空調白衣の導入につきまして、同委員会で前向きに検討を進めていくように考えているところでございます。 次に、調理場の衛生管理について、食中毒防止の観点から回答いたします。 暑さが厳しく、温度・湿度が高い時期であっても、当然、食中毒を起こすことは許されることではございません。学校給食の衛生管理につきましては、学校給食法に位置づけられております学校給食衛生管理基準を基本としまして、佐世保市学校給食衛生管理マニュアルを基に、徹底した衛生管理を行っております。 議員御指摘のとおり、食中毒防止におきましては、温度・湿度の管理は重要なポイントでございます。衛生管理基準では、調理場は換気を行い、温度は25度以下、湿度は80%以下に保つよう努めることとなっております。 そこで、まず、温度の管理については、調理場の空調の有無にかかわらず、材料となる食品の受入れの検収段階から子どもたちに出来上がった給食を提供するまでの各工程におきまして、食品や料理の温度、作業時間の確認及び記録を徹底して行い、安全管理を行っております。 衛生管理基準では、「加熱処理する食品については、中心部温度計を用いるなどにより中心部が75度で1分間以上、またはこれと同等以上の温度まで加熱されていることを確認し、その温度と時間を記録すること」「あえ物、サラダ等については、各食品を調理後、速やかに冷却機等で冷却を行った上で、冷却後の二次汚染に注意し、冷蔵庫等で保管するなど適切な温度管理を行うこと。また、やむを得ず水で冷却する場合は、直前に使用水の遊離残留塩素が基準値以上であることを確認し、その数値及び時間を記録すること。さらに、あえる時間を配食の直前にするなど、給食までの時間の短縮を図り、調理終了時に温度及び時間を記録すること」となっております。これらの基準にのっとり、日々の徹底した温度管理を実施した上で、学校給食の提供を行っているところでございます。 温かいものは温かく、冷たいものは冷たく提供することを基本とし、夏場の調理においては、特に冷たい食品は冷蔵庫及び冷凍庫で保管するなどして、長時間常温放置しないこととしております。 給食センターやドライシステムの調理場については、基準で推奨されているとおり、真空冷却機を導入し、あえ物用の食品管理に適切な温度帯へ急速冷却し、その後の温度管理に努めており、規模に限りがある調理場においては専用の冷蔵庫を設置、利用するなどし、水冷後の食品も適切に温度管理をしております。 次に、湿度の管理でございますが、調理場の施設方式は、大きく二つに分かれております。 平成8年に、他都市の学校給食で発生しました腸管出血性大腸菌O-157による食中毒の死亡事故以降に設計された調理場は、床に水が落ちない構造の施設・設備などで、常に床が乾いた状態で作業を行うドライシステム、それ以前に建設された施設は、水を床にこぼすことも想定して造られたウエットシステムの二つの方式の施設でございます。 本市には、この両方式の施設がございますが、特に31か所ございますウエットシステムの施設においても、床に水を落とさない工夫をしたドライ運用を取り入れ、湿度の上昇を抑える管理を行っております。 また、年間を通して、細菌繁殖のリスクを最小限にするため、調理後2時間以内に喫食できますよう調理時間を調整しつつ、安全・安心な学校給食が提供できるよう努めているところであります。 今後も学校給食の目的と意義を達成するために、衛生管理基準に基づく学校給食衛生管理マニュアルを遵守し、安全・安心な学校給食の提供に努めてまいります。 最後に、単独調理場への空調設置の見解についてお尋ねがございました。 空調設備を導入いたしますれば、調理場内の温度・湿度を一定管理することができますが、38か所の調理場全てに冷房設備を設置することは、財政面等も踏まえて今すぐには難しいといった状況にございます。 今後の学校給食調理場の方向性につきましては、佐世保市学校給食検討委員会に対しまして、平成29年8月に、学校給食調理場の今後の在り方について諮問を行いまして、平成30年12月に、児童生徒の数の減少や学校の統廃合などを考慮しながら長期的、安定的に安全・安心な学校給食を提供するためには、共同調理場方式、いわゆるセンター方式へ移行することが望ましいとの答申を受けているところでございます。 また、議員からも御指摘がございましたが、単独調理場につきましては、現在進めております佐世保市学校再編計画の進捗状況を見ながら、それぞれに稼働期間などを整理していく必要もあろうかと考えております。 これらの計画を考慮しながら、全体の計画を整理する必要がございますので、指摘がございました調理場の空調設備の設置につきましては、その中で検討を図ってまいりたいと考えております。 学校給食は、成長期にある子どもたちの心と体を育むものであり、食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で、重要な役割を果たしております。今後も子どもたちに安全・安心な給食を提供することを最優先としながら、暑さの厳しい中でも、子どもたちの笑顔を糧に調理業務に携わっていただいております調理従事者の方々にも配慮し、少しでも働きやすい職場環境の整備に努め、引き続き学校給食を実施してまいりたいと思っております。 以上でございます。 ◎保健福祉部長(辻英樹君) (登壇) 御質問の2項目め、障がい福祉サービスの交通費助成についてお答えをいたします。 まず、就労系障がい福祉サービスの概要についてでございますが、大きく2種類に分けられております。 一つ目の就労移行支援は、一般企業への就労を希望される方に対し、定められた期間において就労に必要な知識や能力向上のために必要な訓練を提供するものであり、二つ目の就労継続支援では、一般企業での就労が困難な方に対し、働く場の提供や知識及び能力向上のために必要な訓練の提供を行っております。 なお、二つ目の就労継続支援には、雇用契約に基づき継続的に就労可能な方が利用される就労継続支援A型と、就労経験がある方で一般企業の雇用に結びつかない方や就労移行支援を利用した結果、利用が適当であると判断された方が利用する就労継続支援B型がございます。 議員お尋ねの就労系障がい福祉サービス利用者が通所される際の交通手段についてでございますが、市内の74事業所に調査をいたしましたところ、本年11月1日現在で、全利用者1,214名中、事業所による送迎が545人で44.9%と最も多く、続いて、バス御利用の方が333人で27.4%、徒歩・自転車が166人で13.7%、JR御利用の方が6人で0.5%、松浦鉄道御利用の方が4人で0.3%、その他、保護者の送迎等が160人で13.2%という結果でございました。 各公共交通機関の障がい者割引につきましては、身体障がいにおける身体障害者手帳、知的障がいにおける療育手帳、精神障がいにおける精神障害者保健福祉手帳がございますけれども、西肥バス、させぼバス及び松浦鉄道におかれましては、各手帳の提示により普通乗車運賃の半額割引を適用されておられます。 なお、本市の交通費助成事業として実施しております福祉特別乗車証(福祉パス)をお持ちの方につきましては、西肥バス、させぼバスにおける佐世保市内の路線区間では、普通乗車運賃は無料で御利用いただけます。 一方、議員御案内のとおりJRに関しましては、身体障害者手帳及び療育手帳をお持ちの方において単独で乗車されるときは、普通乗車運賃の半額割引の適用範囲が100キロメートルを超える利用に限られておりまして、また、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方に対しましては、利用距離に関係なく割引の適用がございません。 そこで、議員から御提案いただきました、JR御利用の方への本市独自の交通費助成制度の創設に関してでございますが、交通手段によって通所費用に差があることでありますとか、利用者の経済的負担といった課題につきましては認識をいたしておりますので、今後、先進他都市の事例なども調査するなど、係る制度の構築、運用に向けて実務的な検討を行ってまいりたいと存じます。 引き続きまして、3項目めの男性用サニタリーボックスについては、私からお答えさせていただきます。 サニタリーボックスにつきましては、従前から汚物入れとして、女性用トイレやバリアフリートイレへの設置が行われているところではございますが、男性用トイレへのサニタリーボックスの設置については、一般的にはまだ普及していない現状にあるものと考えてございます。また、本市におきましても、これまで市民の皆様等からの御意見や御要望なども特に寄せられてきていない状況もございます。 しかしながら、サニタリーボックスを必要とされる方々におかれましては、切実なお困り事であると認識しておりますし、市といたしましても、こうした課題に対応できる解決策について検討していくことも必要ではないかと考えているところでございます。 一方で、公共施設には、障がいのある方などが優先的に利用されるバリアフリートイレが設置をされております。このトイレには、長崎県福祉のまちづくり条例に係る整備マニュアルによりまして、より望ましい整備事例としてサニタリーボックスを置くことが示されておりまして、公共施設に整備されたバリアフリートイレの大半にサニタリーボックスが設置されているところでございます。 つきましては、まずはサニタリーボックスのあるトイレとしてバリアフリートイレを活用し、案内をしていくことが即効性のある対策として有用と考えておりますので、バリアフリートイレが使いやすい状況となることを念頭に、広報紙やホームページ等を通じ、その周知や理解の促進を図ってまいりたいと存じます。 あわせまして、市の公共施設に関しましても、今回御紹介にあったような方々がバリアフリートイレを利用しやすい環境となりますよう、各施設の所管部局にも働きかけを行ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◆3番(新川英之君) (登壇) それぞれの御答弁ありがとうございました。 それぞれの対応、検討を重ねておられることを理解いたしました。 学校単独調理場の空調設備の取組、ぜひ議論を前に進めていただきたいと思います。 先ほどもおっしゃられておりましたけれども、年々温暖化が進んでおります。熱中症の危険、衛生的にも早期実現をよろしくお願いいたします。 就労系障がい福祉サービスの交通費助成制度の早期実現を、何とぞよろしくお願い申し上げます。 サニタリーボックスは、現実に困っている方がいることを思えば、前向きに取り組んでいただきたいと思います。 また、佐世保市は観光に力を入れておられます。今後も、どんな方でも安心して旅を楽しまれるように、ぜひとも推進のほどをよろしくお願いいたします。 以上、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(林健二君)  29番市岡博道議員。 ◆29番(市岡博道君) (登壇) 今回は1項目のみということで、急病診療所の在り方につきまして、市のお考えをお聞きしたいと思い、質問をさせていただきたいと思っています。 私は過去複数回、本会議におきまして、当局に対し、急病診療所のことに関しまして質問いたしております。 特に、令和元年12月定例会、現在の施設が抱える抜本的な問題を解決するためには、急病診療所の、例えば移転、あるいは他の医療機関等への運営委託などの検討を進めるべきではないかという趣旨の質問をさせていただきました。 その折、当局からは、検討には一定の期間を要するため、長期的な課題として位置づけ、佐世保市立急病診療所運営委員会において協議を進めるとの答弁をいただいております。 あれから4年が経過をいたしておりますが、ここで、その協議の進捗状況、今後の進め方を改めてお伺いしておきたいと思います。 本題に入ります前に、少しフィードバックをしておきたいと思います。 急病診療所には幾つかの課題があると、従前から申し上げておりました。 振り返りますと、この急病診療所は、昭和50年、休日急病診療所として梅田町に開設をされ、当時は日曜日と祝日だけの診療でございましたけれども、資料によりますと年間2,900人の皆様方がお見えになったそうであります。その後、平成20年に、休日に加え平日夜間の小児科診療を開始されてからは、年間約8,100人、平成21年6月に現在のすこやかプラザの1階に移転されてからは、年間約1万2,000人の皆様方が受診にお見えになっておいでになるそうであります。さらに、平成30年度には、年間で約1万5,000人の方々が利用されているとお聞きをいたしております。 私は、平成22年9月定例会において、機構改革を切り口として、行政棟の1階に病院機能を併設しているということに関し、インフルエンザ等の感染症対策を立てる際にどこまで検討をされたのか、予算を認めたという私どもの反省を込めて質問をさせていただきました。新型コロナウイルス感染症が広がる前の話であります。 頂いた資料によりますと、平成24年以降、年間患者数は1万5,000人を超え、特にインフルエンザの感染拡大期には、待合室に入り切れないほどの患者さんが押し寄せ、行政棟のロビーがごった返している状況であったそうであります。平成27年1月2日、1日当たり過去最多患者数416名を記録、さながら野戦病院のようだったと、やゆする声もあったそうであります。 そして、令和元年12月定例会において、多くの課題を抱えている市立急病診療所の在り方について、再度、私は質問をいたしました。 さらに、当局からは、先ほども御紹介いたしましたが、種々の課題については、運営の委託と診療所の移転を含め、急病診療所運営委員会において協議を進めていくとの答弁をいただいております。 その後、令和2年4月、市内で初めての新型コロナウイルス感染者が発生をいたしました。受診控えということもあったんでしょうか。急病診療所の患者数は4,000人台へと減少をしたようであります。しかしながら、当局とされては感染症対応として、駐車場等を活用しながら診療を行っておられました。 お聞きをいたしますところ、駐車場等を活用しての診療は、過去複数回行われているようであります。大変な作業だと思っております。 令和5年5月8日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが2類相当から5類へと変更になったものの、その対策が不要になったわけではありません。行政棟の1階に位置することから、急病診療所では、感染症対策を引き続き懸命に実施しておられます。 さらに、急病診療所では患者数が次第に増加をいたしております。市内におけるインフルエンザの感染状況が警報レベルとなった今年10月には、休日における内科・小児科の患者数は前年度比3倍以上となっております。今後も患者数は増加すると思われる中で、このままでは、コロナ禍以前のような状況に戻ってしまうのではないかと危惧をいたしております。 そこで、令和元年12月定例会にて答弁をいただきました、急病診療所が抱える課題の解決に向けた取組の進捗状況について、まず、お聞きをいたします。 次に、大きな課題として、設置された場所であります。 令和元年時点での問題点としては、多い日で1日に400名を超える患者の皆様方が受診をされていたため、待合室に入り切れない状況であったこと。あわせて、インフルエンザに罹患をされた方もその中にはおいでになった可能性もあることから、二次感染といった心配もございます。加えて、コロナ禍によって浮かび上がった問題点として、新興感染症への対策が困難であるというふうにも言えるかと思います。 すこやかプラザの行政棟としての利用者は、昼間、高齢者の皆様方や子どもさんなど、一般的に残念ながら感染症に対して重症化リスクの高い方だと思われる中で、その1階に急病診療所が位置をしており、一般の方々と患者さんが訪れる時間帯は別であると思われるものの、構造的に動線分離は困難ではないでしょうか。 1階ロビーにおいては平成30年以降、障がい福祉課との間に、夜間・休日は防災シャッターを下ろすなどの対策をされているようでありますけれども、新型コロナウイルス感染症のような空気感染のおそれがある新興感染症は、今後も発生するものと想定をしており、市民の安全を守るためには速やかに移転をしなければならないと思われますけれども、いかがなのでしょうか。お考えをお聞きしておきたいと思います。 もう一点の課題として、医療従事者の方々の確保であります。 特に、医師の確保についてお伺いをいたします。 私は、二次救急輪番病院長会議にオブザーバーとして参加をさせていただいておりますけれども、近年、医師をはじめ医療従事者の方々の確保の困難さ、あるいは、働き方改革などの影響を受けて、この輪番制の維持が厳しい状況だと伺っております。特に、医師不足に関しては全国的な課題であります。一朝一夕には解決できないということは、十二分に承知をいたしておりますところであるものの、一方、急病診療所において当番をしていただく医師についても、特に小児科医の不足は顕著であります。現在、遠くは久留米大学病院から派遣をいただいていると聞いております。 さらに以前から、長崎県内のみならず福岡県、佐賀県辺りの大学病院等に派遣のお願いに行かれているとも伺っており、現在の直営による運営では、いつしか当番医の確保は破綻するのではないかと心配をしており、かなり厳しい状況だと思っております。 そこで、同様な診療施設を運営されている他自治体について、保健福祉部のほうで調査をしていただきました。 調査により回答いただいた55自治体のうち、直営で運営されておられるのは、本市を含め10か所とのことでありました。他の45自治体は、指定管理者や運営委託などにより運営をされておられます。そのうち約30か所が、それぞれの自治体の医師会にお願いをされているとのことでございます。 あくまで救急医療は自治体に責務があります。急病診療所についても、市の責任の上で実施しなければならないとは思いますものの、例えば、佐世保市医師会に運営委託をするなどの協力を仰ぐことによりまして、様々な問題の解決につながっていくのではないかと思っておりますが、いかがなのでしょうか。お考えをお聞きしておきたいと思います。 最後に、改めまして、前回の質問から4年が経過をいたしました。急病診療所に関して、今、申し上げた設置場所及び運営方法、喫緊に解決しなければならない課題だと思っております。 今後、急病診療所に関する場所、運営の課題に対し、スピード感を含めてどのように取り組もうと考えておられるのか、改めてお聞きをしておきたいと思います。 1回目の質問を終わります。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) ただいま市岡博道議員のほうから急病診療所の在り方につきまして、私の所見をとのことでございましたので、お答えさせていただきます。 まず、先ほど議員のほうからも振り返りをいただきましたが、確認の意味も含めまして、これまでの成り立ちから振り返らせていただきたいと存じます。 まず、昭和48年3月のことになりますが、当時の佐世保市内には休日に受診できる診療所がなかったことから、本市から佐世保市医師会に対し、休日の当番医制度の実施に関する要請を行いました。 これを契機に同年10月、佐世保市医師会、救急告示病院との協議会を発足し、休日診療の実現に向けた検討が開始されております。 その協議会では、在宅当番医制の実施と自治体主体による診療所設置の二通りの考え方について議論がなされ、最終的には市が休日急病診療所を設置し、医師会は医師を派遣するものとして方針が固まり、昭和50年4月、市内梅田町に佐世保市立休日急病診療所として、内科、小児科、外科を開設いたしました。 開設当初は、日曜・祝日の昼間のみ診療を行っておりましたが、昭和55年4月には、日曜・祝日の夜間診療を開始し、その後、平成17年10月に一旦夜間診療は廃止となりましたが、平成20年4月からは、小児科について月曜から金曜までの夜間診療を開始するとともに、名称も佐世保市立急病診療所に変更しております。さらに、平成21年6月には、梅田町から中央保健福祉センター(すこやかプラザ)の新築に伴い、その1階に移転の上、平成23年10月には、内科、小児科の月曜から土曜までの夜間診療を開始し、現在の診療体制に至っているところです。 これまでの間、診療所の開設、診療科や時間の拡充、すこやかプラザへの移転検討など様々な見直しに際しては、佐世保市医師会をはじめとする関係機関の方々との協議・検討を重ねつつ、合意形成を図りながら運営を進めてきたところでございます。 これらの経過に沿って患者数の推移をたどってみますと、開設当初は年間約3,000人程度でありましたが、段階的な診療時間の延長等に伴い、すこやかプラザへの移転直前には約5,000人程度となっておりました。現在の場所に移転して以降は、小児科及び内科における平日夜間の診療拡充やインフルエンザの流行等もあり、平成24年度からコロナ禍前の令和元年度までの年間患者数は、移転前の約3倍となる年間1万5,000人程度にまで増加してきています。そのうち、平成27年1月には1日の患者数が400人を超える日もあり、1階のロビーに収まり切れないほどの状況から、診療所内での二次感染が懸念される事態となりました。 その対策につきましては、平成29年度に、すこやかプラザ内における待合スペース等の増設についての検討を行っておりますが、その結果、建築基準法や消防法の規定等により、既存建物の増設は不可能との判断に至り、可能な範囲での対応として、1階ロビーと障がい福祉課の間に防火シャッターを設置することで、一定の感染対策を講じたところでございます。 その後におきましては、令和2年4月に市内での新型コロナウイルス感染症の発生が確認されて以降、外出の自粛による受診控えの影響等もあり年間患者数は約5,000人程度まで減少しておりましたが、高齢者や障がい者など、感染症に対し重症化リスクの高い方の利用が多いすこやかプラザ内に診療所を設置していることで、感染者との動線分離など適切な感染対策を講じるに当たっての構造上の問題が改めて顕著となりました。 このような問題に対しましては、医師会からも、患者はもとより医療従事者の安全確保が不可欠であるとの強い御指摘をいただいたことを受けまして、医療用コンテナの設置や高砂駐車場内を一部占用した形で自家用車内での問診、診察、会計、服薬指導等を行うなど感染対策を講じながら、初期救急医療機関としての役割を果たせるよう、継続した運営に努めてまいりました。 しかしながら、本年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行されて以降、インフルエンザの感染拡大等に伴い患者数は増加傾向が続いており、質・量ともに対応の許容範囲を超えてきている状況にあるとともに、高砂駐車場内で診察等を行っている現状につきましても、診療所として本来求められている望ましい対応とは言い難い状況と考えております。 以上のようなことから、お尋ねのありました移転の必要性につきましては、日常の生活がコロナ禍前の状況に戻りつつある中、患者数が以前の状況に戻ることも予想されますことから、感染症対策を含む今後の在り方については、移転も視野に入れた早急な検討を進める必要があるものと認識をいたしております。 また、外部への委託等を含む急病診療所の運営方法についてもお尋ねがございました。 先ほど、これまでの経緯でも触れましたとおり、診療所開設当初における休日診療の実施に向けた関係機関との協議・検討の結果、最終的には、市の直営による休日急病診療所の設置に至ったものでございます。その後においては、平成21年度のすこやかプラザへの移転時のほか、平成30年9月には、施設や人材確保などの課題を整理するとともに、改善検討の方向性を示すために設置した急病診療所あり方検討委員会において、市の直営以外の運営方法の実施に関し議論がなされましたが、まずは、市の直営により運営を継続するとの結論に至っております。 しかしながら、今後において小児科医をはじめとした医療人材の確保や、新興感染症の発生等による環境の変化への適切な対応など、本市単独での対応には限界があり、一朝一夕には解決できない課題も多くありますことから、より一層の官民連携が必要となってまいります。 そこで、急病診療所における運営方法につきましては、本市の直営ありきではなく、委託や指定管理等による手法についても研究を行う必要があり、議員御提案の佐世保市医師会への運営委託もその方法の一つであるものと考えるところでございます。 救急医療体制の確保は自治体の責務であり、初期救急医療を担う急病診療所は、市が責任を持って体制を確保する必要があることから、どのような運営体制が適切であるか、他自治体の状況も踏まえつつ、中長期的視点を持って検討すべき課題であるものと認識をしております。 最後に、今後、私がどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございましたので、前回、令和元年12月定例会での議員の御質問以降、これまでの進捗状況と併せてお答えをさせていただきます。 議員からもございましたとおりに、令和元年12月定例会におきまして、環境の抜本的な解決に向けた別の場所の新たな確保や、運営自体を他の医療機関に委託するなどの検討についての質問があり、これに対し、いずれも一定の期間を要するため長期的な課題として位置づけ、佐世保市立急病診療所運営委員会において協議を進めるとの答弁が行われているものと認識をいたしております。 現在、急病診療所の運営全般にわたっては、継続協議を行う市の附属機関として、医師会役員や市内の基幹4病院長、学識経験者などを委員とした佐世保市立急病診療所運営委員会を設置いたしております。同運営委員会におきましては、課題を短期と中長期に分けて整理し協議を進めることとしておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、その対策を最優先に検討せざるを得なかったことから課題解決の協議が進められず、具体の方針整理等には至っていない状況です。 しかしながら、議員から御指摘いただいたとおり、移転も視野に入れた感染症対策を含む今後の在り方や運営方法の検討については、私自身も喫緊の課題として、スピード感を持って取り組んでいく必要があるものと認識しております。 そこで、今後の具体的な進め方としましては、既存の佐世保市立急病診療所運営委員会に専門部会を設置し、医師会の先生方をはじめ市内救急医療体制を強固なものとするために、二次救急医療機関からの意見も参考にしながら、早急に具体的な検討を進めるよう保健福祉部に対し指示をしたところです。 その中で、既存施設における課題の再整理と移転の必要性、移転場所、施設の規模・機能等のほか、将来にわたり安定的な運営を行っていくための運営体制の在り方について、短期的に解決すべき課題と長期的な検討改善が必要な課題とを整理の上、具体的な検討を行い、できるだけ早期に佐世保市立急病診療所運営委員会として意見を取りまとめていただきたいと考えております。その意見を踏まえまして、改めて本市としての方針を整理したいと考えておりますので、いましばらくお時間をいただきたいと存じます。 佐世保市における救急医療体制を維持するためにも、初期救急医療を担う急病診療所は重要な施設であり、市民の皆様が休日や夜間に急な体調不良となられた場合に安心して受診していただけるよう、引き続き安定的な運営体制の維持に努めてまいりたいと考えております。
    ◆29番(市岡博道君) (登壇) 市長、ありがとうございました。 一定のお考えをお述べになり、お答えをいただいたわけであります。 問いかけをさせていただいたことについては、たった今、結論をというわけにはなかなかまいらないというのは十二分に承知をいたしております。おっしゃいましたように、市長も同じ気持ちだと思っているのですが、やはり喫緊の課題だと思っております。 一定のお答えをいただきました。したがいまして、再度、質問席に立たせていただきましたけれども、もう私が申し上げたいこと、今の状況、今後なすべきことは、市長も十二分に御理解をいただいていると、受け止めていただいていると理解をいたしておりますので、ここでは、若干私の気持ちというものを、時間も残っているようでございますので、お話をさせていただければと思っております。 ただいま答弁の中では、スピード感を持ってという言葉も表現としてはお使いをいただきました。早急に、できるだけ早期に専門部会を設けていただくということでありますから、その中での協議の進め方、一定の方向性を見つけていただきたいという旨のお気持ちも御披露をいただきました。大変ありがたいことだと思っております。 私としては、今の状況を考えれば、ちょっと乱暴な話かもしれませんけれども、今年度中には方向性を固めて、次年度には予算化をというぐらいのスピード感で本来はやっていただきたいという思いが強いのです。そうはいっても、そう簡単にいかないというのは十二分に分かった上でのことでありますから、市長が申されたように専門部会を設けていただき、できるだけ早期に一定の方向性を見いだしていただき、着実に前に進むという形をぜひ取っていただければと思っております。 私なりに、この作業を急いでいただきたいと思うに至った背景を幾つか、この際、お話をさせていただければと思っております。 まず、以前と違いまして、身近な医院とかクリニックにおいては、先生方の住居と併設をしているという場面が私は少なくなってきていると思っています。以前と比べてです。したがって、以前に比べますと、夜間、休日の診療がそういった場面では難しい。よって、急病診療所への受診が多くなってきているのではないのかというのも、一つの背景にあるのかなと思っています。 だとすれば、それへの対応、さらには休日夜間においても二次救急病院、ましてや総合医療センターは三次も担っていただいておりますけれども、そういったより高度な体制を整えられている病院へのコンビニ受診、つまり、本来は二次、三次で対応しなければならない患者さんが受診できなくなる可能性があること--もちろん消防救急の段階ですみ分けなり、いわゆるトリアージの強化という声もあっているものの、これも限界があると思います。そういった方々の受皿としてのしっかりとした対応が、急病診療所には求められているとも思います。 ましてや、来年度からは、働き方改革によって医療従事者、とりわけ医師の就労時間がより制限をされると聞いております。二次、三次救急病院といっても、その影響は大きいと思います。一次、二次、三次救急体制を守るためにも、急病診療所の充実は喫緊の課題だと思っています。 さらには、今年の年末年始もそのようでありますけれども、駐車場等を活用して対応をせざるを得ない。大変恐縮でありますけれども、私はあってはならない状況だと思っています。 私ども、先ほど申し上げましたように、予算を認めたという責任の一端はあるとはいえ、行政棟の中に病院機能を置くという状況は、インフルエンザ、コロナウイルス等の感染症の広がりを考えれば、残念な対応であります。市の責任で対応していただく以上、受診者の方々、ましてや通常の祝日ではドクターを含めて15人体制、繁忙期にはドクターを含めて19人体制、年末年始にはドクターを含めて50人体制で頑張っていただいている医療従事者の方々のためにも、いい環境を提供すべきだと思います。そのためにも一日も早い計画の形づくり、そしてまた、立ち上げを強く希望するものであるということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(林健二君)  暫時休憩いたします。     11時26分 休憩     13時30分 再開 ○副議長(久野秀敏君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。10番鶴大地議員。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 自民党市民会議の鶴大地でございます。 初日の登壇は久しぶりだなと思いまして、前回、最終日だったんですけれども、本当に理事者の皆様が答弁に疲れておりまして、どういう言葉で質疑をしていくべきかと思っておりましたが、今回初日というところで、午後一番ではありますけれども、ぜひとも思いを持って質問していきたいと思いますので、それぞれのお言葉で御答弁をいただければと思っております。 今回は、30分時間をいただきまして、3項目質問をさせていただく予定としております。それに合わせて、通告に従いまして順次質問をしていきたいと考えております。 まず1項目めが、令和6年度予算編成指針について。 よく予算編成方針というような言葉が出ますけれども、財務部から出ているのは予算編成指針というもので、その中に、財政の考え方であったり、予算編成方針というものが組み込まれているというところでありますので、今回は指針というところで通告をしながらも、方針といった部分に言及をして確認をしていきたいと思っております。 今回この質問の目的としましては、これまでも議会においては、この時期には予算編成方針の質問というのはありましたけれども、それを改めて踏襲するような形で確認を取っていきたいと思っております。宮島市長が、今回新年度当初予算を初めて組まれるというところもありましたので、その辺も含めて、どのように組み上げをされるのかお尋ねをしていきたいという思いでございます。 思い返せば令和5年6月定例会、私は、2期目の当選後すぐの質問においてもこの件に関してはお尋ねをしました。時期尚早であったかなというところも思いつつでありましたので、それらも踏まえた上で、今回はさらにそこを深掘りしていきたいと思っております。 そのときの答弁をお借りすれば、財務部長から四つの歳出改革のお話がございました。「デジタル技術等を活用した行政内部経費の縮減」、また、「成果に着目した事業の序列化による、改廃を含めた既存事業の大胆な見直し」、また、「予算編成のベースになる経費の性質に応じ区分している予算配分枠の見直し等による財源のシフト」、そして四つ目が、「部局長マネジメントが、より有利に働くような予算編成手法の拡充など」、これらの四つに今回は言及をさせていただきまして、予算編成指針というものに観点を置きながら、時間もたちましたので、その具体について改めて問うものでございますので、御答弁をお願いいたします。 続きまして、2項目めの学校教育における自衛隊の活用について質問をしてまいりたいと思います。 今回の質問の目的といたしましては、宮島市長は、基地を生かしたまちづくりという方針を掲げられております。教育現場においても、それらを活用してほしいというような思いで、ちょうど4年前も私はここで一般質問をさせていただき、政策提言をさせていただいたところです。それから4年たちましたので、それらの実績であったり経緯というものを踏まえながら、いま一度それらをどう生かしていくべきなのかというところで、問いを立てていきたいなと思っております。 先ほど少し触れましたけれども、令和元年12月定例会の私の一般質問において、私が自衛隊による小中学校への防災教育支援というものを提言いたしました。それで、教育長よりこういう御答弁をいただきました。「自衛隊における災害派遣従事者としての講話につきましては、貴重な体験を拝聴する機会であり、また、佐世保市の実態に合った有意義な取組であると捉えておりますので、自衛隊長崎地方協力本部が本年8月に創設されました防災に関する出張講座学習プラン事業の活用促進に向けて周知を進めてまいりたい」という答弁をいただき、その次の令和2年度からというところで実際に動いていただきました。 しかしながら、やはりコロナが猛威を振るった時期でありまして、実績でいけば非常に寂しいものではありました。実績を皆様にお伝えいたしますと、令和2年度は6件ありました。非常に少ないと思いつつも、この後どんどん減っていき、令和3年度に1件、そして令和4年度に2件、そして今年度、令和5年度に関してはゼロ件というところで、なかなか活用というのができていない現状でございます。 私としては、陸上自衛隊、そして海上自衛隊が所在するこの佐世保市として、教育においてそういった防災における自衛官の経験というものを子どもたちのより豊かな成長に活用しましょうという思いは変わっておりません。ですから、改めてこの点において確認をしたい。先ほど、理由はコロナであろうと予測は立てましたけれども、改めて減少傾向にあるこの防災教室の今後の活用の方針、そして意気込みというところに関して、ぜひ御答弁をいただきたい。 また2点目、これまで活用してきたものだけではなく、やはりより活用の場を広げていくべきであろうと考えまして、防災教室のほかに、所在する自衛隊を教育に生かす方針はないのかどうか、教育委員会としての見解をお尋ねいたします。 続いて、3項目めに入ります。教科用図書の採択について質問をさせていただきます。 この目的といたしましては、4年に1度、教科書採択が行われるんですけれども、今年度はまさしく小学校の令和6年度から使う教科書の採択のときでございました。そして来年度には、中学校の令和7年度から使う教科書の採択が行われます。まさしくこの時期は、一般質問において、教科書の採択についての考え方が問われる時期でありまして、改めて私としても、今後の子どもたちの、児童生徒の成長を教科書によって牽引をしていくというような思いでお尋ねをしてまいりたいと思います。 これまで議会においては、本日もお越しですけれども、眞木元市議が多くの質問をされておりました。平成21年、22年、23年、27年度と計5回、この教科書採択において、総論、広い視野のところから、教科、歴史であったりどういうふうな思いで採択をされているのかであったり、広い視点で議論をこの場でされてきたところであります。それらの言葉もお借りをしながら、私の観点でさらに深く掘っていきたいと考えております。 まず、教科書採択の大まかな流れを皆様に御披露する必要があるかなと思いまして、議事録をずっと眺めていると、平成27年の一般質問の際に、時の教育長が御答弁されていた言葉が非常に分かりやすくまとまっておりましたので、紹介をいたします。 具体的な流れといたしましてはという言葉から始まって、この後紹介しますけれども、より綿密な調査研究を行うため、学校現場の先生方をまず調査員として位置づける。そしてその意見を集約して、その後、全中学校長--これは今回中学校の採択の質問であったので中学校になっていますけれども、小学校であれば小学校の校長となります。もう一度言います。全中学校長及び教科部長等で構成されております選定委員会において、専門的な知見からまず検討をいただくと。 また、学識経験者、保護者代表者、そして学校代表など10名の方々から構成されます佐世保市教科用図書採択審議委員会において、調査員及び選定委員会からの調査報告に基づき、教科用図書の内容が適正かつ公正で教育的配慮が十分に施されたものであるかなど、多面的な視点や立場から慎重に御審議をいただき、教科ごとに教育委員会へ推薦していただいております。あわせて、教育委員の一人一人につきましても、教科書の閲覧や研究の時間を計画的に確保し、教科用図書の内容について十分に理解を深めた上で、教育委員会におきまして最終的な採択をされているというようなところでございます。 調査員が調査をし、選定委員会で選び、採択審議会で絞り、教育委員会が決定をする、採択をするというようなレイヤーの中で決定をされているという御認識をいただいているところであると思います。 また、先ほども少し触れましたけれども、近年の教科書採択においては、小学校が令和元年度と5年度、また中学校が令和2年度に行われまして、6年度に次の採択が予定をされています。 これまでの教科書採択の議事録を全部読みました。学校の先生方、保護者の方々、また教育委員の方々と、本当にすごく細かなところまで審議をされておりました。本当にそこに対して異論をということではなく、丁寧な審査が行われているというのを理解し、尊敬を持った上で、こうすればよりよい採択--よりよい教科書を選ぶことで、子どもたちの学力、ひいては豊かな成長を牽引できるのではないかというところで質問をさせていただきたいと思っております。 まず、3点確認をさせてください。 一つ目が、まず、学習指導要領で示す目標というのがあります。その目標を達成するために、教科書がどのように採択されているのか。二つ目に、学力調査等の本市児童生徒の現状や特性というものをどのように考えられていて、教科書が採択をされているのか。三つ目に、前回の教科書採択というものを振り返って評価をする、そういった取組はどのように行われているのか、お尋ねをいたします。 1回目の質問を終わります。 ◎財務部長(東隆一郎君) (登壇) 御質問の1項目め、令和6年度予算編成指針に関する御質問についてお答えをいたします。 本年度は、宮島市長の下、初めての新年度予算編成となることから、年度当初に策定している各部局における課題や今後の方向性をまとめた戦略ファイルの中で、99の政策と既存事業との整理・確認を行い、市長からの指示事項の反映や市長レビューを実施するなど、事業化に向けたブラッシュアップを進めてまいりました。 このような経過を踏まえ、本年度も、各部局に対し令和6年度予算編成に向けた指針を示したところでございますが、このことに関し、さきの6月定例会の個人質問において答弁いたしました今後の予算編成や財源確保策など財政運営に係る4点の歳出面の大枠の考え方について、今回の指針との関連性を含め、その後の取組についてお答えをいたします。 まず、1点目の「デジタル技術等を活用した行政内部経費の縮減」についてでございますが、ポストコロナ社会に向けての変化に対応し、デジタル技術を原動力としたまちづくりを推進するためのDX戦略に基づく事業の推進は、市民の利便性の向上、職員の業務の効率化につながる一方で、デジタル化には、システムの導入や改修、運用経費が必要となることから、効率化の成果を予算に反映させなければ、財政圧迫の大きな要因となってまいります。 このことから、今回の予算編成におきましては、本年1月より運用を開始した電子決裁システム導入によるコピー用紙等の事務経費の削減効果を予算編成に織り込み、通常のマイナスシーリングに各部局一律1%上乗せをいたしております。 次に、2点目の「成果に着目した事業の序列化による、改廃を含めた既存事業の大胆な見直し」に関しては、各部局がKPIへの寄与度を基準に事業の優先順位づけを行った上で、寄与度の低い事業をターゲットとして、廃止を含めた事業の見直しを行うというものでございます。このような予算見直しの手法の提示と併せ、今年度は、年度の早い時点で各部局に求める削減幅を示すことで、本格的な予算編成に入る前の段階から、事務事業の見直しや事業廃止などについて、より具体的に検討が進むよう取り組んでおり、各部局においては、このことを踏まえ、改革改善を図った上で予算要求を行っているところでございます。 次に、3点目の「予算編成のベースとなる経費の性質に応じ区分している予算配分枠の見直し等による財源のシフト」については、例えば公共施設適正配置・保全第2期実施計画に計上している事業については、各部局に配分する施設維持管理枠等から切り離し、財政計画と連動させつつ政策推進枠として予算配分することで、着実な進捗を図ることとしたほか、法令等の定めにより自治体として裁量の余地が少ない事業については、主管部局との協議によりその正当性が認められれば、予算枠の一律削減の対象から外し、別途の予算枠にて措置を行うなど、現状に即した予算枠の再構築を図ることといたしております。 最後に、4点目の「部局長マネジメントが、より有利に働くような予算編成手法の拡充など」についてでございますが、各部局に配分する予算枠とは一般財源の額であり、自らが国・県からの補助金や使用料等の特定財源を確保すれば、事業化できる歳出予算額を増加させることができる仕組みとなっております。 一方で、従来、事業費と人件費は区分して考えておりましたが、令和5年度予算編成から、部局長マネジメントにより実現した業務効率化等による人員の削減効果の一部については、当該部局に配分する予算枠に加算するなど、改革改善に対しインセンティブが働くような仕組みを導入いたしております。 全体の財源調整という制約はあるものの、引き続き、行革推進プランに掲げる改革改善に取り組む風土の醸成のためにも、創意工夫の動機づけにつながるような予算編成手法について、研究、検討を深めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 2項目め、学校教育における自衛隊の活用の中の防災教室の今後の活用方針についてお答えをいたします。 文部科学省の資料によりますと、防災教育の狙いといたしまして、現在及び将来に直面する災害に対して適切に判断し、行動できること、災害の危険を理解し、日常的な備えができること、そして、学校、家庭及び地域社会の安全活動に進んで貢献できることとされております。まさに自分の命を守るための知識と実践力が求められており、近年の台風、地震、突発的な集中豪雨などの自然災害の増加に鑑みますと、学校現場における防災教育の重要性はますます高まっているものと考えております。 本市市立学校におきましても、防災対策としまして、学校管理下で災害や事故等が発生した際に児童生徒などの安全を確保することを目的とした危機管理マニュアルを学校ごとに作成いたしまして、そのマニュアルに基づき教職員が的確に判断し、行動できる備えをすることで、安全な教育環境の維持を図っているところでございます。さらに、計画的に避難訓練を実施したり、地域やPTAと連携した危険箇所点検や防災教室を行ったりすることを通しまして、児童生徒の防災意識の向上を図ってきているところでございます。 各学校におきましては、防災教育の充実を図るために、必要に応じて自衛隊を含め消防などの外部機関と連携し、防災教室を実施しております。自衛隊によります防災教室では、AEDによる応急救護体験や災害派遣活動の紹介などが行われておりまして、災害に直面した際の実践的な理解や技能を高める上で有意義であると認識しているところでございます。 議員御案内のとおり、コロナ禍におきまして外部機関の活用を一時差し控えた学校もございました。教育委員会といたしましては、自衛隊による防災教室の実施内容などをまとめた資料を作成し、校長会などに紹介することで、学校が防災教室で活用できる外部機関の選択肢を広げることができるよう支援してまいりたいと考えております。 また、学校教育における防災教育以外での自衛隊の活用についての見解ということでお尋ねがございました。 現在、本市におきまして、学習指導要領及び各学校の教育目標に照らし合わせまして、一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質能力を育成するためのキャリア教育の充実を図っているところでございます。具体的な例を挙げますと、児童生徒が自己の将来に夢や希望を抱き、その実現を図るため、自らの興味関心に応じて職業調べ学習や職場体験を実施しております。 中学校における職場体験におきましては、生徒の興味関心に応じて体験先を決定しており、毎年、自衛隊にも協力をいただき、生徒の貴重な体験の場となっております。さらに、様々な職種で働いておられる方々に職業観や体験談などを話していただく職業講話を行っている学校もあり、その中におきましても、自衛官に関する講話を学校のニーズに合わせて依頼をしているところでございます。 今後も、これらの連携を通して、児童生徒が自分のよさや可能性を見いだしながら、社会の中で自分らしく生き抜くために必要となる知識や経験を得る活動を継続してまいりたいと思います。 続きまして、3項目め、教科用図書の採択についてお答えいたします。 一つ目の学習指導要領で示す目標を達成するための教科用図書の採択についてと、二つ目の本市児童生徒の学力の現状や特性を考えた教科用図書の採択についてとは重複した内容がございますので、併せてお答えをさせていただきたいと思います。 教科用図書は、義務教育諸学校教科用図書検定基準に基づいて、検定に合格した教科用図書の中から教育委員会が決定をいたしております。本市におきましては、議員御案内の教科書採択審議委員会に調査員を置き、教育委員会が採択の参考とする調査資料の作成をお願いしております。その調査資料の作成に当たっては、佐世保市独自の学習指導要領に関する観点などを設け、作成をお願いしております。 具体的な調査観点を申し上げますと、「教育基本法の理念や、長崎県や佐世保市教育振興基本計画の趣旨・内容を踏まえて、豊かな人間性の育成を図る上での特長」であったり、「学習指導要領の目標や内容等を踏まえて、確かな学力の育成を図る上での特長」などでございます。 また、それぞれの教科固有の調査観点も設けております。具体的な観点を挙げますと、算数では、基礎的・基本的な知識・技能が確実に習得されるよう工夫をされているかや、教科固有の条件として、思考の過程や判断の根拠などを、言葉や図、数、式、表、グラフなどを用いて表現し、伝え合う活動が工夫されているかなどがございます。 さらに、選定委員としまして、市内全学校の校長や教科研究部長など、採択審議委員として、さらに学校代表2名が務めるなど、市内の児童生徒の学力の現状をよく把握した者が選定委員会や採択審議委員会での審議に加わっております。学力の状況を把握した委員が、市内児童生徒の学力の現状について話題にしながら審議に加わっていくことで、児童生徒の学力を加味した教科用図書の採択に努めているところでございます。 このように、佐世保市独自の観点で調査・研究をしたり、学力の現状を加味した審議を行ったりすることで、学習指導要領で示す目標を達成するため、佐世保市の児童生徒の現状や特性に応じる教科用図書採択をするように努めているところでございます。 次に、前回の教科書採択を振り返り、評価する取組はどのように行われているかについてお尋ねがございました。 4年に1度の採択替えの折に、各学校へ新たな教科書を巡回し、現場の先生方に閲覧の上、意見を伺うようにしております。伺った意見につきましては、集約し、選定委員会の資料としており、採択の参考といたしております。また、教育委員会といたしましても、学校訪問の際に、県や佐世保市が示しております観点で、授業の中でどのように教科用図書が活用されているか、参観を通して状況を把握するように努めているところでございます。このように、現場への意見聴取や学校訪問での授業把握を通して、前回の採択を振り返り、評価する取組といたしているところでございます。 以上でございます。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 御答弁をいただきましたので、再質問へと入っていきます。一問一答でございまして、理解促進のために質問順序を入れ替えさせてください。 まず、教科用図書の採択から質問をさせていただきます。 御答弁をいただきまして、改めて教科書の目的と目標に応じてそれぞれ佐世保市の独自の観点を持ちながら採択をされているというところは理解をいたしましたし、そういったものがしっかりと機能することを、今後も期待するところでございます。 しかしながら、先ほど、前回の教科書採択を振り返るところがどのように行われていますかという問いに対しまして、新たな教科書を巡回して、そのときに過去の教科書がどうだったかを確認するという趣旨の答弁であったんですけれども、私が知るところによれば、新しい教科書を巡回する際、その前の教科書がいい悪いというものは、基本的には記録にならないようにしているというふうに聞いています。それは、あくまでも前の何々という会社があまりよくなかったからということで、次の採択のときに影響を及ぼしてはならないんです。なので、新しい教科書巡回の際に、振り返りというのは一定行われていないのではないかと感じています。 しかしながら、最終的に採択をされた教育委員会、教育委員の皆様が、参観を通して実際使っている姿を見て、よかった悪かったというところの評価に関しては、実際できているだろうなというような感想は持ったところでございます。 そこで、改めて、教育委員だけでもなくて、選定、そして採択審議委員会、もっと言えば最初の調査の段階から、自分たちが調査をしたこと、選定をしたこと、採択審議委員会で議論したことが、子どもたちの学習、そして豊かな人間性を育てるに当たって4年間どういう機能をしたのかというところは、私は振り返って評価するような場面を持ってほしいなと思います。 それは強制するものではなくて、4年に1度教科書を採択することは、皆さんの使命、権限でございまして、よりよい教科書採択においてその機能は非常に重要だと思いますので、その点に関して、前回の採択を評価するということ、次回によりよい採択をするに当たって重要であると私は考えているというところも踏まえて、来年度の中学校の教科書採択において評価を行ってはいかがでしょうか、お尋ねをいたします。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 教育委員会も、採択権者としまして教科書採択を振り返り、評価をするべきではないかというお尋ねがございました。 児童生徒の学力向上を含めて、教科用図書を使用して指導を行う教職員の指導力の向上というものが大変大きなもので、必要不可欠なものではございますが、教科用図書を用いて学習をするということから、児童生徒の学力向上等にも一定の影響を与えるものであろうということは理解できるところでございます。 そのようなこともありますので、来年度の中学校教科用図書採択に際しましては、使用期間の学力向上なども含めて総合的に振り返り、教科用図書採択自体を評価しながら採択に当たるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 教育長、御答弁ありがとうございました。 非常に難しいところなのは分かってはいるんですけれども、そういった中で、よりよい形に組み上げてもらえればと思います。 総合的に振り返るというふうな言葉がありましたけれども、なかなか漠然としたところで進んでもあれですので、いろいろな試験、テストをしながら、この教科はどうだったのだろうかというようなところでしっかりと細かい分析を入れられるように、実験という言い方をしたら失礼なんですけれども、中学校の教科書採択のときから取り組んでもらえれば、よりよい形の採択につながるのではないかなと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 そして、まず一括でお尋ねをしたところに対してそれぞれ答弁をいただいたんですけれども、1点気になるところがあって、今回の教科書採択において、どこの学校が何校採択をしているのかという、全国的なシェアというものを全部調べました。例えば、採択した算数の教科書では、全国的にメジャー--という言葉を使っていいのか分かりませんけれども--どれとは言いませんが、ある教科においては、全国シェア率が本当に極端に低い、7社とかあるうちの、もう非常に低い低いところで採択をしているような教科書がありました。 それがいい悪いという議論ではないんですけれども、それらの事実をどのように教育委員会として考えられているのか、見解であったり、今後どのようにそういったものを考えているのかという方針をお伺いしたいと思います。お願いします。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 全国的なシェアが極端に低い教科用図書の採択等も散見されるがということでございました。 県から示されております調査資料の観点等につきましても、教科用図書のシェア率は含まれておりませんし、教育委員会といたしましても、選定期間中に教科用図書のシェア率については把握していない状況でございます。また、選定過程におきましても、他市町の動向に左右されない独自の選定ということを行っているところでございます。 本市といたしましては、全ての教科書が検定を経ているものでございますので、その全ての教科書を対象といたしまして、教科用図書のシェア率の高い低いという視点で選択をするのではなく、佐世保市の児童生徒の実態に即した教科用図書を採択するということを第一に考えているところでございます。 今後も、調査観点に沿って教科用図書をしっかりと調査研究し、選定委員会や採択審議委員会において十分な検討・審議を行うことで、公正な教科用図書の選定に努めてまいりたいと考えております。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 御答弁をいただきました。 シェア率を優先して見ているものではないというところは一定理解はできますし、そのために、一番最初に何を目標値に教科書というのが採択をされているのかというところの確認を取った次第でもあります。 しかしながら、事実としてそういったものがあったので、教育委員会としてどういうふうにそれらを評価しているのかお尋ねをしたところでございました。そういった中で、これまでやり取りをしてきた中で、教科書の採択が皆さんのすばらしい経過を持って、いろいろな方々の意見を持って話をされているところでございました。 しかし、ここで一つ提言をさせていただきたいなと思うのが、教科書の採択について、それまでの間は広くいろいろな関係者の方々が議論するにもかかわらず、最後の採択するところに関しては非常にクローズなのです。採択のところが何も見えない。最後の9月1日に、ホームページに何々教科は何でしたというのがぽんと載るだけなんです。あれだけいろいろなたくさんの議論を半年かけてやっているものが反映されないというのは、本当にもったいないなと思うところでございます。なので、提言としては、ぜひともそういった教科書の採択の理由というものを公表してはどうかというところでございます。 また、文部科学省からも、初等教育課から、令和5年3月31日にこういう通知が出ています。令和6年度使用教科書の採択事務処理についての通知で、4項目めに、教科書採択に関する情報の公表について通知があっております。この中には、「保護者や地域住民等が容易にその情報を得ることができるよう、公表の時期・方法等について不断の改善を図ること」というふうに通知があっているわけでございます。 皆さんがそれらを公表することによって、こういう思いで教科書が選ばれたんだということを、保護者も含め--なかなか児童生徒はそんな思いで選ばれたから頑張ろうということはないかもしれませんが--保護者であったり教職員の方々がそれらの事項を理解して教えるということは、非常に有益ではないかなと思っておりますので、この提案・提言に関して、教育長の答弁、見解をいただきたいと思います。お願いいたします。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 議員御指摘の採択理由の公開につきましては、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律等におきまして、教育委員会は、当該教科書の種類、採択した理由、研究のために作成した資料及び会議の議事録を公表するよう努めるものとなされております。また、県教育委員会からの通知におきましても、各採択権者は、静ひつな採択環境の確保に努めるとともに、採択結果及び採択理由等を積極的に周知・公表するなど、透明性の一層の向上を図ることという記載がございます。 現在、本市におきましては、採択結果をホームページに公開するほか、採択のために作成しました資料、採択の理由を示す採択審議会の議事録等につきまして、請求に基づき公開をしている状況ではございます。 議員御案内のとおり、採択権者としての説明責任を果たす上でも、採択理由等について公表することも必要ではないかと考えております。 そこで、本年度行いました小学校の採択理由や議事録についても、急ぎ公開したいと考えております。また、来年度は中学校の採択がございますので、小学校と同様に、採択結果に併せて、採択理由や議事録についても公表してまいりたいと考えております。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 教育長、御答弁ありがとうございました。 現状を理解していただきまして、前向きに改善をしていただけるというふうに理解をいたしました。本当に期待をするところでございます。教科書というのが、子どもたちの学び、そして豊かな成長のためによりよく活用されるように、ぜひとも今後もお力添えをいただきまして、事業を進めていただければと思います。期待をいたしております。 それでは、教科書採択の質問はとどめまして、続いて、2項目めの学校教育における自衛隊の活用について質問をさせていただきたいと思います。 先ほど、これまでの経過であったり今後の活用について、教育長から答弁をいただいたところでございます。自衛隊による防災教室の実施内容等をまとめた資料というのを校長会という場を活用して紹介をしていきますというような御答弁をいただき、非常に前向きで、期待の持てるところでございました。 ですので、その点に関してはぜひとも活用いただいて、先ほどと重なるところがありますけれども、子どもたちの豊かな成長、子どもたちの安全を守るという意味で、せっかく所在をしていただいているわけですから、陸上自衛隊の方々、海上自衛隊の方々、私のように元航空自衛官もいるわけですから、そういった場面なんかも活用いただければいいかなと思っております。 そこで、再質問をしていきたいんですけれども、実質、防災講話、自衛隊を知るための職業講話、先ほど話もあっていました、そういった興味関心というものに応じて選択をしてもらうことに関しては、全然構わないんですけれども、実は学習指導要領において、領土という授業が、小学校5年生の公民にあるわけです。そこに、学習環境充実のために所在する自衛隊を活用してはどうかというふうに提案をさせていただきたいと思います。 そもそも自衛隊というのは、なぜか今まで職業講話であったり職場体験をやるにしても、こういう機材があります、我々はこういう活動、任務をやっていますということばかり話して、我々自衛官が何の目的で活動しているのかというところは、なぜか教育現場では非常に言いづらいような現状があったと、私は把握をしています。 例えば警察であったりすれば、目的として犯罪の抑止、予防、鎮圧というのがあって、交通安全があるわけです。なので、交通安全を守る警察官の方が来て、我々は交通安全を守るためにこういった取締りをしていますよということを生活の授業などでされるわけです。例えば消防に関しても、消防局の方々がこういうポンプ車がありますだけで終わることはないのではないですか。こういう火災が起きてしまう、こういう救急が必要なんですということで、機材紹介をされるんですけれども、なぜか自衛隊だけはその目的の部分が抜け落ちているんです。 なので、だからこそそういった部分を、我々のまちからは子どもたちに伝えていかなければならないと私は思っておりまして、自衛隊の国家安全保障、そして平和と独立を守ること、これに言及してということではありませんけれども、まずは、皆さんが持っている学習指導要領に、領土というものを教えなければならないと指定をされているわけですので、領土を守っている一番の最前線は自衛隊です。その自衛隊において、どういう活動、どういう目的でというような話から、実際に機材、訓練、任務の話をしていただくことは、本当にすばらしい機会になるのではないかなと。それが基地を生かしたまちづくりであり、佐世保市だからこそできる教育の在り方ではないかなと心から思っております。 そこで、先ほども何度も言っておりますけれども、文部科学省から学習指導要領に領土について、皆さんは示されておりますので、それに関する項目の学習環境の充実のために、所在する自衛隊を活用してはいかがでしょうか。教育長の見解を求めます。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 議員御提案の領土に関する項目における自衛隊の学習支援について、考えをお答えいたします。 学習指導要領におきましては、領土と国家主権を関連させて取り扱い、我が国が固有の領土である竹島や北方領土に関し、残されている問題の平和的な手段による解決に向けて努力をしていることや、尖閣諸島については日本固有の領土であることが広く認められており、解決すべき領有権の問題は存在していないことなどを取り扱うこととされております。各学校におきましては、この学習指導要領に基づきまして指導しているところでございます。 学校における外部人材の活用につきましては、現在、各学校におきまして、教育活動の質の向上を図るために必要な人的資源を確保するとともに、より効果的に活用していくことが求められているところでございます。本市市立学校におきましても、児童生徒のより質の高い学びを実現するために、多様な経験や専門性などを有する外部人材や教育資源を活用し、教育活動を充実させてきております。 そのようなことから、議員御指摘の領土に関する学習における自衛隊との連携につきましても、児童生徒の多様な学びの保障という観点から、教科の狙いや学習指導要領の目的に応じて学校が選択できる授業支援の一つになり得るであろうと考えております。教育委員会といたしましても、自衛隊から情報や資料の提供をいただき、各学校へも周知することで学校のニーズに応じた授業支援につなげてまいりたいと思っております。 いずれにいたしましても、佐世保市ならではの特色を生かした人的・物的両面における学習環境を含め、さらなる教育活動の充実を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 教育長、御答弁ありがとうございました。 本当に大きな扉が開いたなというような感覚を持っています。劇的に何かが変わるというわけでも、別に自衛隊というものを教育に活用するわけでも、自衛隊はそもそもそれが任務ではないので、それらを積極的に推進するわけではないんですけれども、やはりそういった場面に我々佐世保市として活用していくという姿勢は持っていただきたかったですし、答弁の中で、そういった前向きな見解があった、今後、連携をしていくと理解をしたところでございます。本当に期待をするところでございます。ぜひともよりよい形で使ってください。 教育というのは、本当に日本の未来への投資だと私は思っておりますので、今、どういう教育を行うかが将来の日本をつくるわけでございます。十分に理解をしてもらっているとは思いますけれども、ぜひとも思いを酌んでいただければと思って、これからも進めてもらえればと思います。 ここで、宮島市長にこの件に関して見解をお尋ねしたいんですけれども、市長は防衛大臣政務官も務められまして、防衛に関しては本当にプロフェッショナルでございます。 教育長からは、実際、自衛隊の教育支援に関しては、私としては前向きな見解をいただいたと思っています。このことは、本市が佐世保市の基地政策方針においても掲げる、地域資源としての基地の活用にも重なると思っております。宮島市長も、かねてより基地を生かしたまちづくりということを言われておりますので、教育長答弁に対する市長の所感と、基地の所在を生かしたまちづくりの取組に係る市長のお考えをお聞かせください。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) ただいま鶴大地議員のほうから、教育長の答弁についての所感と基地の所在を生かしたまちづくりに係る私の考えということで御質問をいただきました。 自衛隊の主たる任務は、我が国の防衛でございますが、本市においては、人口の維持や地域経済への貢献、あるいは大規模災害発生時の対応など、なくてはならない大きな存在であると認識をいたしております。 先ほど教育長からは、佐世保市ならではの特色を生かしたさらなる教育環境の充実を進めるとの答弁がございましたが、私としても、陸・海自衛隊の存在は、市の成り立ちに鑑みましても本市の特徴の一つであると考えており、本市の施策においてもその強みを生かしてまいりたいと考えております。 先般、11月10日に大石知事と、県と佐世保市の政策ミーティングを実施いたしまして、幾つかの新たな施策について協議いたしました。その中で、基地を生かしたまちづくりについて、今後、県と市が連携して取り組んでいくということで、知事とも思いを一つにすることができました。 引き続き、県とも連携を強め、また、市議会のお力添えも賜りながら、基地と共存し、市民の皆様が基地の所在による効果をさらに享受できるまちづくりが図られるよう努めてまいる所存でございます。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 宮島市長、御答弁ありがとうございました。 前向きな答弁として受け取りました。ぜひとも、まちづくりというところの広い言葉ではありますけれども、先ほど私もお話をさせていただいたとおり、同じ思いだと思います。教育というのはこれからの日本、そして佐世保をつくるものでございますので、基地と基地を生かしたまちづくりというところを主軸にしながらも、本日提案をさせていただいたところに関しても目を向けていただければなと。教育委員会が主導はされますけれども、市長が招集されます総合教育会議等の場面でも、議論をということではありませんが、確認をしたりといった配慮をしていただければ非常にありがたく思っております。 要望という場面ではないですけれども、そういったところを期待しながら、今後、この学校教育における自衛隊の活用というのがより進み、佐世保だからこそできる教育、佐世保だからこそ送り出せる人材というのを、この場からつくっていければなと思っております。 それでは、この2項目め、学校教育における自衛隊の活用に関しましては、質問をとどめさせていただきまして、最後に、1項目めの令和6年度予算編成指針について再質問をしていきたいと思っております。 先ほど、前回の6月定例会でお示しをいただきました歳出改革の4項目をやります、考えておりますという答弁だったんですけれども、改めてその具体というのを財務部長のほうからお考えを示していただきました。 それぞれにいい悪いという是非を言うのではなくて、改めてどういうふうな具体があったのかを確認したところでありますけれども、一つ、根拠が少し分からない部分がありますので、この場で確認をさせていただきたいんですけれども、マイナスシーリングの話がありまして、マイナスシーリングの5%に1%を上乗せするというところで、そもそもその1%の根拠がどういったものなのか、まず、お尋ねをさせてください。よろしくお願いします。 ◎財務部長(東隆一郎君) (登壇) 今回の予算編成において、電子決裁システム導入効果として、マイナスシーリングに一律1%の上乗せを行うこととした考え方でございますが、システムを導入した本年1月から3月までの3か月間の経費削減額を通年ベースに置き換えますと、約400万円となり、これが各部局に配分するいわゆる通常枠の1%程度に相当することなどを勘案し、設定したものでございます。 以上でございます。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 マイナスシーリングの1%上乗せの根拠をお示しいただいたんですけれども、実際、先ほど答弁のあった考えによる影響というのはどういうものを想定されているのか、その点もお尋ねをいたします。 ◎財務部長(東隆一郎君) (登壇) 電子決裁システムの導入効果としまして、先ほど申し上げましたとおり、ペーパーレス化によるコピー用紙等の事務経費の削減が図られるとともに、持ち回り決裁に要する拘束時間の減少を他の業務に割り当てることができるなど、1%程度の経費節減は可能であると考えておりますし、また、導入・運用コストを勘案したとき、創意工夫を凝らすことでクリアすべきものであると考えております。 以上でございます。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 御答弁をいただきました。 マイナスシーリングの今回1%の上乗せは、電子決裁システム導入の効果というところで御説明をいただいたんですけれども、私も以前からずっと議論をしていたのですが、マイナスシーリングというものをやはりいつも考えるわけです。確かに財政サイドからすれば、基本的な中期財政計画を市のパッケージに合わせていくには、やっぱりシーリング、天井というものを持って合わせにいくというところは、財政課目線からすればすごく理解できるんですけれども、実際それによって事業というものがどうなるだろうかと。事業というのは、事業を行う皆様の視点だけではなくて、その先に市民がいるんです。その市民にとってその事業というものがどうだったのかというところを、必ずそういった視点で考えなければなりません。 やはりそういった場面でシーリングをかけたからこそ生まれたのが、部局長のマネジメントの部分だと思います。先ほども、そういったところが答弁としては回答があっておりましたし、前回の質問のときもそこは示されていたところであります。 ただ、やっぱりそこに乖離が生まれているんではないかなと。財政課としてシーリングをかけて、枠配分でそれぞれに部局長にマネジメントをお願いした。その中でやりくりをしてくれと。特に今年度はそれ以上の部分を、今まではオーバーフローした分を一応査定上は見ていたのを、もう見なくなりますよというようなことさえも予算編成方針に書いてある。つまりは、もうきっちり部局長マネジメントを機能させていただいて、枠内で抑えてもらうと。これは財政計画上は当然必要なことだと思います。 ただ、実際それをやるに当たって、それぞれの部局長はどうなんだろうかという疑問を持っておりまして、突然ではあるんですけれども、一例としてお尋ねをしたいなと思っております。私にとって分からないのが、部局長マネジメントを、財政課は有利に働くと考えて予算編成手法として使っているかもしれませんが、部局長にとってはそれはどうなのか、それは本当にできているのか。 本来であれば、戦略ファイルをもって経営方針を立てているので、それは佐世保市の財務規則上も決まっている話ですので、それは十分にできているとは思いつつも、財務部長からはできています、でも、事業部局の皆さんとしてどうなんだろうなというところもありますので、ぜひともお尋ねをしたい。 部局長マネジメントとか経営方針、戦略ファイルが、今年度どのようにつくられて、来年度編成方針、予算に向き合われたのか、ぜひとも農林水産部長にお尋ねをしたいなと思いますので、御回答をお願いいたします。 ◎農林水産部長(高増剛君) (登壇) 御指名ですので、農林水産部の戦略ファイル、経営方針の考え方、そして、それを進めていくための予算の組立てを今回どのように行ってきたかについてお答えいたします。 戦略ファイルにつきましては、各部局が前年度の政策・施策の分析を行い、次年度に向けた方向性や改善内容等を記して、三役に対する報告や議論に用いている、あくまでも政策形成過程上の内部資料でございます。 農林水産部の経営方針につきましても、現在、予算要求段階ですので、申し上げられる範囲で説明させていただきます。 まず、農林水産部の経営方針でございますが、部の方針として、新規就農者の確保、生産性と品質向上による所得の向上、資源の維持の三つのKPIを掲げております。これらを達成するための予算編成の取組といたしまして、時代の様々な変化に応じて各種事業の見直しを行い、財源確保に努めてまいりました。 まず、一つ目としては、DXの導入による事務の効率化でございます。これによって人員の削減ができました。次に、KPIの寄与度に応じた各種事務事業の序列化により、2件の補助金の見直しと1件の廃止を検討しております。さらに、一定役目を終えた二つの施設がございましたが、この二つの施設の廃止を予定しております。 また、財源の確保として、国や県と連携を密にし、より有利な補助金の活用を進めるとともに、今回水産課のほうで調査を進めておりまして、ブルーカーボンのクレジットが新たに進展がございましたので、歳入に計上できるかどうか検討しておりまして、新たな取組として進めているところでございます。 何分KPIを達成していくためには、財源をどう確保していくか、本市の農林水産業の推進にとって財源をどう確保していくかが重要だと認識しておりますので、今後も、改革改善に部局長マネジメントを発揮いたしまして、努めてまいりたいと考えております。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 高増農林水産部長、御答弁ありがとうございました。 すみません、突然なところであったんですけれども、戦略ファイルというものを、皆様が事業が終わった次の年に振り返りをされて、つくられ、それらをどのように分析をして経営方針をつくられて、10月末の予算編成方針に向けて、どのように組み込まれているのかを、疑っていたわけではないんですけれども、どのように皆様がされていたのか、一例のためにお尋ねをしたところでございます。 私としては、願ってもないというか、細かなところで御答弁をいただきましたし、それらに関しては今後議会で議論されるというところであり、改めて提案があるところではあるんですけれども、事実としては受け止めたところでございます。 まず、単独事業が多い農林水産部を、私は指名というか、質問の対象者としてお尋ねをしたところでございました。そこに関しては、やっぱりどういう評価をされるのかが非常に重要だと思っています。取捨選択、一つの廃止というようなところも答弁としてありましたけれども、私はよくEBPMという言葉を使いますけれども、何をするためにそれが、完了をした、完了しなかった。完了しなかったときに、予算を追加して達成させるのか、それとも諦めるのか、そういった根拠というのが非常に重要になってきます。そこに関して今、確認はしませんけれども、そういった点も踏まえた上で取捨選択をされて、方針にどんどん組み入れていただければなと、私としては個人的には思っているところでございます。 改めてそういった部分、戦略ファイルや経営方針の一例についてお尋ねができましたので、改めて皆様がそれぞれの部局でマネジメントを機能させて、それぞれの事業課において、KPI達成のために事業を日々頑張っていただけていると理解をするところでございます。 そこで、追加でまたお尋ねをしたいんですけれども、今、農林水産部長が一例として、我々農林水産部としてはこういったことを考えていますというお考えをお示しいただきました。そういった場面で部局長マネジメントを機能させながら、それぞれの部局が予算編成をやっているというところでございます。 ぜひともここで、宮島市長は当初予算を初めて組まれるわけですので、先ほど戦略ファイルのときも、市長が指示をしたというような答弁もあっておりましたけれども、市長がどのような指示をされ、どのようなまちづくりを目指されて、重点施策に対しての予算配分をされているのかを、市長のお言葉でお答えをいただければなと思っております。よろしくお願いします。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 令和6年度予算編成指針に関し、私、市長就任後初めてとなる当初予算編成について、重点施策への予算配分など、考え方についてお答えいたします。 令和6年度は、第7次総合計画(後期基本計画)の開始の年であり、現在、総合計画調査特別委員会や総合計画審議会を含む多くの皆様方から御意見をいただきながら、その策定作業を進めているところです。そして、私の99の政策の内容も反映させた計画となるよう、様々な検討を行っております。 例えば、私が一丁目一番地と掲げている子育て支援に関しましては、子どもを核としたまちづくりを反映させ、ひと分野を計画のトップに位置づけました。また、芸術・文化・スポーツの振興に関しましては、くらし分野に文化スポーツ政策を、行政経営においては、地域の特性や若者の活躍を図る地域未来共創の取組を、それぞれ新設するなどの対応を検討いたしております。 以上のような総合計画(後期基本計画)に基づき、以降4年間、計画に掲げるまちづくりの実現に向け、しっかりと施策展開を図ってまいりたいと考えております。 特に、市政の最重要課題に位置づける人口減少対策に関し、中学校給食費の無償化については、令和6年度から新たに市立の中学校第3学年及び義務教育学校第9学年を対象に実施していくことといたしております。 また、新年度予算編成において、別枠要求扱いとしている第2子以降の保育料無償化についても、その要となる事業と考えていることから、予算編成の過程で、有効性・効率性等の観点や、必要となる財源の確保に係る調整を含め、国・県の動向も注視しながら精査してまいりたいと考えております。 そのほかの事業につきましては、限りある財源の中、財政の持続可能性を維持する上でも、原則として各部局に配分する一般財源の範囲内で予算組みを行うことになります。市税や地方交付税をはじめ、本市の次年度の一般財源の見通しについては、今後の地方財政対策の動向などにより流動的な面がございますが、いずれにしましても、歳入歳出両面における収支改善策を講じながら必要となる財源の確保及び適正配分に努め、市政発展と課題解決につながる新年度予算をつくり上げたいと考えております。 ◆10番(鶴大地君) (登壇) 宮島市長、御答弁ありがとうございました。 市長の重点施策への予算編成の考え方をお示しいただいたところでございます。人口減少対策に重きを置きながらというところもありますし、これまでも、今回の委員会においても、それに関して審査が行われるであろうと予測をしております。次の当初予算編成に当たっては、先ほども市長が最後に答弁をされておりました財政の見通しについては、本当に厳しい面があります。前回の6月定例会のときも話をしましたけれども、確かにいい事業、悪い事業というのはないと思います。我々にとっては、まちづくりをするに当たって全てがいい事業として進めているわけであります。 ただ、やはり選択をしなければならない。なので、事業をするに当たっての是非ということではなくて、それが市民にもたらす効果であったりとか、どのような社会課題を解決したいのか、そこが、私は非常に重要になってくると思っています。だからこそ、さっき言ったEBPM、要するに根拠をしっかりと積み上げて、予算編成、事業計画を立てなければならないと私は思っています。 今までは、こういうところが困っていますので、こういう対策をやります。それが一つの課題として見えていれば、予算としてはついたかもしれません。ただ、もう今からの時代は、この課題が何人の人に影響を及ぼしてしまうのかという見方で対策を絞らざるを得ない時代に入っていきます。だからこそ、そういった部分を、デジタル化であったりDXと呼ばれるもので補完していこうというような動きがあるわけです。 ただ、DXだったりデジタル化にも限界があります。物理的に人の悩みというものを解決できるような手法というのは限られておりますので、ぜひとも予算編成の折にも、財務部として、財政課としても、そこに対して伴走をしていただきたいと思っています。それぞれに伴走しながら、査定も含めてされているのはもう十分理解をしているところではありますけれども、一定事業課と今回ヒアリングをする中においては、その部分に対しては、切る、見ない、要するに予算を渡さないというような考え方があるという声も実際あるわけでございます。 それを私は全てを真実だと容認するわけではないですけれども、そういった部分も含めてしっかりと全てを機能させながら、市民にとって一番よりよい市政をつくるというところで事業を組み上げて、我々議会としては、それらをしっかりとした目で的確な判断をして議案を通していくという思いを持って、私としても予算の編成に理解を深め、今後の審査に向き合っていきたいと思っております。 今回、3項目質問させていただきましたけれども、それぞれに大きな転換期を迎えるもの、変化が起きるものというのもありましたので、ぜひとも御答弁をいただいたものに関しては、速やかにというのはプレッシャーになるかもしれませんけれども、ぜひともよりよい、必ず市民にプラスがあるという思いを持っていただきまして、改善に努めていただければと思います。 今回もたくさんの方々に御協力をいただきました。質問に当たってお力添えをいただいた方々に感謝を申し上げます。 以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(久野秀敏君)  16番山下廣大議員。 ◆16番(山下廣大君) (登壇) 自民党市民会議、山下廣大でございます。 通告に従いまして質問をさせていただきたいと思います。 まず、冒頭ではありますけれども、11月23日、私の母が急逝をいたしました。先週の通夜、告別式の際には、市長をはじめ理事者の皆様、そしてまた議会の皆様にも、多数御参列をいただきまして、心より感謝いたします。ありがとうございます。 今回の質問に当たりまして、各部署の皆様には大変お気遣いをいただきました。誠にありがとうございます。17年前、私が初当選をさせていただきまして、この場で初めて一般質問をさせていただいた際も、母は、傍聴席に来て初めて傍聴しました。その一回が最初で最後になりましたけれども、今回もしっかりと見届けてくれているのではないのかなと思います。 今回は、その母の知人から相談があり、問題を提起させていただくということになりました。市内の公立中学校のパワハラ指導についてでございます。もう既に複数のマスコミも報道されておりますけれども、今回の事案につきまして、より深くお聞かせをいただければと思っております。 佐世保市の市立中学校の教師によるパワハラ指導で、生徒たちが学校に行きたくなくなっているということを聞きました。そこで、私も直接保護者の皆様と連絡を取り合い、私の下に届いた保護者の皆様からの声を基に、今回、質問することになりました。 3月定例会の一般質問で取り上げさせていただきました幼稚園の不適切保育、そしてまた、公立中学校の部活動で発生したいじめや傷害問題、こういう事案があっておるにもかかわらず、9月、私の下へパワハラ指導ということで保護者の方々から相談がございました。これだけ大きく騒がれている中で、いまだにパワハラを行う学校があるのかと、最初は半信半疑でございました。そこから教育委員会の方々ともやり取りを行い、様々な事案が行われていた、そしてまた、行われているという事実が分かり、驚愕した次第でございます。 これから紹介するのは、教育委員会と中学校の間で事実確認が行われた分でございます。こちらに3ページで資料をまとめていただきました。5項目あります。 1項目めが、先生が生徒に対して動物に例えて中傷するというような事例、そしてまた、教科書を閉じるように指示をし、その指示に従わないからといって、後ろから頭をたたいたという記載をされております。 さらには、昼休みに生徒たちが三、四名で騒いでいるところに先生が来て、腕をつかまえて引っ張って、1メートルほど端っこに寄せた、そして生徒たちに「うるさかっさ」という指導をしたとの記述がされております。 さらには、教師がお菓子を食べている女生徒たちにエレガントだねと言って、さらに、一部の生徒には、おまえはエレファントだと言ったという記載もされておりました。これも認められております。 さらには、こういったもろもろの個人情報について、教頭がこれらの情報を不適切な取扱いをしたということも書かれております。 まずは、この5点がございました。これはまだ一部ではありますけれども、こういった事例が行われているのであるとするならば、これが日常的に行われているということであるならば、明らかに異常な事態だと私は認識をしております。 この事案に対しまして、教育委員会としては、該当の教師に、そしてまた学校に、どういった指導をなされておられるのでしょうか。さらには、この心の傷を負った生徒たちにどのようなケアをしているのか。この問題について、市教育委員会としてどのように事実確認を行ったのかをお尋ねいたします。 もう一点、2項目めでございます。保幼小連携事業の在り方についてでございます。 保育園や幼稚園というのは、小学校に入学する前の重要な時期ではございますけれども、小学校への円滑な接続を行うために、保幼小連携事業、大変重要な事業だと私は考えておりますけれども、この事業について、これまでの事業の実績や効果をお尋ねしたい。 さらには、保幼小連携事業の取組の中で行われました公開保育事業について、施設側は本事業開催に向けて、数か月大変な準備をしてこられたというふうに聞いております。一方で、行政としてはどのような関わりを持ってきたのか、準備段階における小学校の関わり、及び幼児教育センターのバックアップは十分であったと考えているのか。 そしてまた、今年行われた公開保育事業には、小学校、保育所、幼稚園からの参加人数は少数であったと聞いておりますけれども、この結果を受けて、この事業の成果が十分に得られるのかというところも踏まえて、質問させていただきます。 1回目の質問を終わります。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 答弁をするに当たりまして、まず、今般の報道につきまして私の気持ちを述べさせていただきたく存じます。 このたびの市立中学校教師の不適切指導につきまして、子どもたちを教え導く使命を持ち、高い倫理感を求められる教職員が、子どもの人権を侵害し、心を傷つける許されない指導を行ったことにつきまして、まずもって、被害に遭われた生徒さん、保護者様、関係の皆様をはじめ、市民の皆様、そして議員各位に心からおわび申し上げたいと思います。 当該教諭には、複数の生徒に対し人権に関わる不適切な言動を行ったことが確認されております。全ての教育活動の中で、倫理感、公徳心、正義感、そのようなものについて指導している教職員が、子どもや保護者、市民の皆様の期待や信頼を大きく裏切ることになったことを大変遺憾に存じております。 子どもの健やかな成長を願い、教育委員会と各学校で連携し、教育指導の充実に努めていたと思っておりましたが、それが教職員一人一人に届いていなかったということが悔やまれてなりません。今後は、教職員一人一人の教師としての使命への当事者意識を真に高める、子どもにとって安全・安心な学校をつくり出すということを最重要課題として、今後、取り組んでまいりたいと思っております。 それでは、1項目めの本市立中学校教師によるパワハラ指導についての御質問にお答えをさせていただきます。 本教育委員会といたしましては、不適切な指導があるとの情報をいただきまして、当該学校に確認をいたしました。そこで、教職員の行為や発言によって心を痛めていらっしゃる子どもたちがいるということを把握し、学校に対しまして適切に対応するよう指導いたしたところでございました。 当該学校におきましては、当該教諭から聞き取りをするとともに、養護教諭や心の教室相談員等を含めた教職員によりまして、生徒に聞き取りを行い、事実の確認を行いました。また、教育委員会といたしましても、校長、教頭に対し聞き取りを行い、心を痛めている生徒がいることを確認し、さらに詳細に調査をすることを求めたところです。 教職員の不適切な発言や指導によって心を痛める子どもさんがいらっしゃることは、看過できない事実であり、当該校に対しましては、子どもの心のケアを最優先に考えること、スクールカウンセラーによる相談や心の教室相談員による聞き取りなど、校内における見守り体制の強化等をすることを指示したところでございます。 当該教諭に対しましては、校長による面談及び指導を行い、再発防止に向けての観察及び指導を継続しておりますが、教育委員会といたしましては、詳細な調査が終わり次第、その結果を踏まえまして適正な措置を講じてまいりたいと考えております。 本市立中学校では、令和3年度には2件の体罰事案に対して県の教育委員会から懲戒処分を受けております。以来、体罰の撲滅に向けて指導を強化し、言葉による指導の徹底を図っている一方で、体罰等の有形力の行使はないものの、不適切な指導、特に人権感覚の欠如による暴言や不適切な発言などにより、児童生徒の人格や尊厳を傷つけられている事案があり、大きな課題と捉え、対応していたところでございました。 学校において教師が児童生徒を指導するという教育活動がある中で、正しく導くための指導は必要ではありますが、人間関係の優位性を背景にした児童生徒の人格や尊厳を傷つける言動は決して許されるものではありません。教職員が子どもたちにかける言葉は、子どもたちが幸せになるための大切な手だてです。教職員が教員として原点に立ち戻り、適切な指導を進められるよう、研修等で意識を高めさせてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎子ども未来部長(岡雄一君) (登壇) 2項目め、保幼小連携事業の在り方についてお答えいたします。 乳幼児期は、子どもたちが健やかに育ち、生涯にわたる人格形成の基礎を培う極めて重要な時期であり、生活や遊びの中で、直接的、具体的な体験を通して、よりよく社会で生きていくため、人として最も基本となる力を獲得していく時期です。 佐世保市では、小学校に進む前の重要な時期にいる子どもたちの育ちを大切にし、それぞれの成長に合わせた環境を提供するために、保育所、幼稚園、認定こども園などの乳幼児施設から小学校への円滑な接続を行うことを目指した保幼小連携事業を行っております。この事業は、子どもたちが主体的・対話的で深い学びを通じて、自分らしさを発揮できる環境を整備することを目指しており、乳幼児期から小学校期への育ちと学びをつなぐ重要な時期における、幼児期の教育と小学校以降の教育の質を高めることを目的としているものでございます。 佐世保市では、平成17年度から保幼小連携事業に関する取組を開催しておりまして、乳幼児教育・保育施設職員、小学校等職員を対象とした講演会、小学校等における公開授業、乳幼児教育・保育施設における公開保育の取組を開始いたしました。 また、平成24年度に、保幼小連携接続カリキュラムの作成、平成27年度に、施設ごとに異なる様式だった要録様式の統一、令和3年度には、保幼小連携接続カリキュラムガイドラインを作成するなど、乳幼児施設から小学校等への滑らかな接続のため、取り組んでいるところでございます。 これらの事業のうち、公開保育事業につきましては、乳幼児期から小学校期への子どもの発達の過程を具体的な姿を通して知ることで、乳幼児施設における教育・保育と、小学校等における教育について、互いに考え合い、保幼小連携について理解し合う重要な事業と考えておりまして、佐世保市では、平成17年度から延べ35施設で公開保育事業を実施しております。 令和5年度におきましては、7月4日の花高小学校における公開授業や、11月22日の花高幼稚園における公開保育の実施に当たりまして、対象となった施設におかれましては、長期にわたり熱心に準備を進めてこられ、行政としても複数回打合せに出向きまして、施設における保幼小連携の現状や課題、要望等を伺うなど、その取組に寄り添う形で関わり合いを持ってまいりました。 しかしながら、公開保育事業につきましては、乳幼児施設からの参加者が28名、小学校等からの参加者が6名と少数でございまして、本来、小学校等と乳幼児施設の主体的、積極的な参加が望まれる事業でありますが、参加人数について、十分であるとは言い難い状況でございました。このことにつきましては、業務負担や開催時期におけるスケジュール調整及び本事業の必要性や重要性についての理解について、課題があると感じているところでございます。 今後は、公開保育事業に対する各施設の理解について、さらなる積極的な働きかけを行うとともに、周知方法や実施方法について検討し、教育委員会と連携を図りながら、参加しやすい環境づくりに努めることで、本事業の目的である互いの教育について考え合い、保幼小連携について理解し合うことができる取組へとつなげていけるよう努めてまいります。 以上でございます。 ◆16番(山下廣大君) (登壇) 順番が前後しますけれども、まずは、保幼小連携のほうからお話をさせてください。 先ほどお話がありました、特に保育、幼稚園等の事業です。佐世保市では、これまで平成17年度から延べ35施設で公開保育事業を行ってきたと書いております。しかし、今回の公開保育事業につきましては、参加者が、乳幼児施設からは28名、ただ残念ながら、小学校から参加が6名とありました。この6名のうち、1校から3名が参加していますので、実質的には、4校から6名の教師の方々がお見えになったと。これが、重要なこの保幼小連携事業の中での事実だと私は思っております。 ほかにも様々な事業があると思いますけれども、その中で、この連携事業を、私は重要視をしているんですけれども、こういった状況で果たしていいのかと思っております。職員さんたちの連携ができていない中で連携が進まないという要因もありますけれども、小学校に要望をしても、多忙ということを理由に実現をしないというふうなお話もありました。さらには、子どもたちの育ちを大切にしたいけれども、連携できていないというお話もございました。 私としては、この保育園、幼稚園から小学校に行く過程の中で、申し送りや情報の共有、こういったものを必要としていると思うのですけれども、残念ながら十分だとは言えません。事業の成果を最大限に発揮するためにも、実施主体となる小学校側との連携強化が必要だと思っておりますし、それには、実施主体のリーダーシップが必要だと思いますけれども、これについてはどう考えておられますでしょうか。 さらには、この連携事業において、文部科学省の幼保小の架け橋プログラムというものもございます。地域ぐるみの子育て行政を主導していくということが解決の手だてだと思っておりますけれども、いかがでしょうか。 そして、再度、パワハラの問題に戻ります。 先ほど教育長のほうからお話がありました。人間関係の優位性を背景とした生徒の人格や尊厳を傷つける言動は決して許されるものではないというふうにおっしゃっておりました。もちろん、そうだと思いますし、昨日でしたか、奈良市の教育委員会で、自殺をほのめかす生徒の日記に花丸を書いて、「you can do it」と書いたということが非常に大きな問題だと取り上げられておりました。 本当に教師というのは生徒にとって唯一無二の存在だと思っております。ただ、私たちが子どもの頃から考えると、時代背景が変わっているということもありますし、多様性や特性を持つ子どもたちが増えているという現代でございます。こういった時代に即して学校が変わらなければいけない、教師が変わらなければいけない、教育委員会が時代に即して変わっていかなければいけないと思っております。 私のこの手元に、保護者の皆様に書いていただいた直筆のメモがございます。(資料掲示)こちらに関しては、時系列でしっかりと並んでおりますし、日時も克明に記載されております。この中には、「殺すぞ」といった本当に目と耳を疑うような表現も複数回出てきますし、部活動でのパワハラも日常的で、試合のときに物すごい勢いでどなり続けるので、他校の保護者さんたちが心配したり不愉快ですといった電話があったというような話も聞いておりました。 こういった教師による言動が日常茶飯事なので、生徒たちは、中学生というのは先生にどなられ、ばかにされ、話を聞いてもらえない場所であり、先生の顔色をうかがい生活する日々が日常になっている、非常にかわいそうな思いをされております。 ここに、保護者の方々が記したメモがあります。8月17日に、お盆休みが明けて1日目か2日目の部活の日に、宿題を忘れたので、その旨を伝えると、「取りに帰れ、走って取りに帰れ」と。取って戻ってきたら、「遅かったな、ひき殺されたと思ったぞ」と。「一回ひき殺されてこい」というふうに言われたと。 さらに、9月12日に、生徒同士のやり取りを見ていた先生が、いつもの調子で話しているところに割って入り、「おまえはなめているな、首を絞めて殺そうか」と言ったというふうに書いてあります。 これをもって、9月13日に朝8時頃、学校に電話をし、校長先生とお話ししたとあります。全てを話した後に、しばしの沈黙。その中で、「先生をしっかり指導し、反省させますので、お母さんが心配するようなことは二度と起きません」と言われましたと。「ただ、教師は教育のプロだから、こういうことで保護者から意見があったと伝えると、先生が萎縮してしまうので、きちんとした指導ができなくなるので困ります」と言われましたと。これは明確に書いてございます。 そして、9月14日、この件で衝撃を受けた保護者さんは、8時30分頃、教育委員会の方に電話をして、「しっかりと上席のほうに報告し、学校に指導します」という回答をいただきましたということも書いてございます。 さらには、本当に時間の都合で全部は紹介できないんですけれども、先生にも頭をたたかれましたと。どういう状況でたたかれたというのも書いてありますし、先生が生徒の様子をからかって動物に例える表現をしたりといったものもあるようです。 そして、一つ大きなものが、塾に通う生徒に、「おまえが塾に通ってもお金の無駄だ」、「幾らお金がかかるか聞いてみろ、旅行に行けるぞ」ということをみんなの前で言われたと書いてあります。この生徒さんは、私は塾に行っても行きたい高校には行けないんだ、死にたいというふうに嘆いたことがあったということであります。 さらには、英検を受けて4級に合格をされた生徒さんに向かって、「4級なんか受かっても高校受験には何の役にも立たない」と言われて、家に帰って悲しくて泣いたそうです。 さらには、学校で先生のそばにいるのがつらいということで、ドリームルーム--これはカウンセリングルームですが--に行こうとしたら、先生が追いかけてきて怖かったと。先生は入ってこれないはずなのに、このカウンセリングルームに入ってきて、教室に戻れと言われたと。この学校に心休まる場所がないと感じたということです。 そして、先生や学校への不信感により学校に行くことがストレスになり、身体的に睡眠障害や脱毛症、さらには頭痛という症状が現れたと。学校に行きたくても行けないというふうに訴え、転校を決意されたということで、実際に転校されました。 さらに、市の発達センターの心理の先生に相談をして、その先生から、改善するために学校にも話合いの場を設けていただいたらしいんですけれども、その学校のトップである校長は不参加だったと。さらに、学校と話をしたいという連絡をして、御主人と奥様と生徒さんが、校長が指定した日に学校に行ったんですけれども、日付を指定した校長は不参加だったということでございます。 12月5日のマスコミの報道を見ると、一人の先生に問題があるかのような表現をされておりますけれども、私が知る限りでも複数の先生、さらには校長や教頭の名前も上がってきております。本当にこういった問題がある中で、転校した生徒までいるという事例を踏まえて、この問題についてどのように考えられますか。 さらには、おととい12月5日に緊急保護者会が開催されたと聞きました。この開催についても、対応や出来事など詳細を把握されていますでしょうか。 今回の一件は、教育委員会、そして佐世保市の真摯な姿勢を見せることが非常に重要だと思っていますし、そういう局面だと感じます。それぞれの事案について、教育委員会の見解と、保護者の不信感に対する対応、これらの姿勢、再発防止についてお聞かせください。お願いいたします。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) まず、中学校のパワハラの件につきまして答弁させていただきます。 転校された生徒さん等の個別の案件につきましては、個人情報やプライバシーの保護等もございますので、答弁は一定差し控えをさせていただきたいと思っておりますが、子どもさんの心情を傷つけるような教職員の不適切な発言等というのは、決してあってはならないことであります。これは先ほど冒頭にも申しましたが、そこはもう間違いないことでございます。そこは、今回の対応につきましても、原点で絶対ぶれてはならないものであろうと思っております。 また、学校に対しまして、児童生徒、子どもさんや保護者の相談に対しては、十分心情に寄り添って丁寧に説明をするようにという指導をしてきたところではございました。しかしながら、いまだにきちんとした十分な説明ができていなかったり、約束をほごにするようなことがあった、または不信感を持たれているような保護者さんも少なからずいらっしゃるということにつきましては、改めておわび申し上げますとともに、今後、教育委員会事務局を含めまして、学校のほうにも再度指導してまいりたいと思っております。 それから、今回の事案に関して一昨日行われました保護者会においての意見を知っていますかというお尋ねもございました。様々な意見が出たということは私も承知しておりますが、万が一該当の教職員を擁護するような意見があったとしましても、子どもたちの心情を傷つける不適切な指導は、決して許されるものではない。一部の方が擁護されたにしても、決してそんなことで許されるものではないということは、ここで明言しておきたいと思います。 議員御指摘のとおり、今回の一件は、教育委員会といたしましても、真摯に受け止め、真剣に再発防止に取り組んでいく覚悟でございます。一昨日、市立小中学校及び義務教育学校の校長を一堂に集めまして、臨時の校長会を開催いたしました。私自身が直接全ての校長に思いの丈をお話しさせていただきました。未来の世界を担う子どもたちを教え導いているんだという教職員の矜持であるとか、喜びであるとか、在り方、そういったものをもう一度しっかりと振り返っていただきたいということと、してはならない部分、どれだけ子どもたちを傷つけているのかという部分について、具体的にお話をさせていただきました。 また、その後の校長同士の協議の中では、今回の事案に対しまして、強い当事者意識を持って、事案が発生する要因、また再発防止について熱心に協議を行っていただきました。特に印象に残ったのは、社会の変化に対応できずに、これまでの古い間違った指導方法を変えられていない教職員が多数見られているという実態、これをどう変えていくかということについても十分な協議をしたところでございました。 幾つか校長先生方の御意見を紹介しますと、「不適切な指導を防止する以前に、そのような指導が起こる要因を断ち切らなければならない」、「従前からの指導を改め、子ども一人一人に寄り添い、自ら成長や発達する過程を支援していく体制に学校を変えなければならない」、「子どもを愛し、現在及び未来の子どもたちのためにできることを実践していく」、「これまでの指導における過信や思い込みから抜け出し、子どもたちの前で謙虚にならなければならない」、こういった言葉が印象に残っているところであります。 再発防止に向けた別の側面からの取組といたしましても、教職員が社会の変化に対応していくための資質や能力の向上を意図した研修にも努めてまいりたいと思っております。 教育センターにおいて、不祥事根絶に関する講座を開き、全小中学校及び義務教育学校が参加し、各学校における不祥事根絶に係る研修を実施いたしてまいります。本年度は特に、教師になった動機といったものを基に、新任の教諭から校長・教頭といった管理職までをグループとし、信頼される教師についての意見の交換、そういったものも実施してまいります。 あわせて、各学校における年間3回の服務規律強化月間において、多くの学校が、スクールロイヤーや警察、人権擁護委員などの外部専門機関が参加する研修を実施しておりますが、今年度はその取組に加えまして、外部委員を含めた服務規律委員会において、教職員の振り返りを基に、外部委員からの意見も求め、社会の変化に対応する教職員の意識改革も進めてまいりたいと思っております。 本来、児童生徒が将来にわたって幸せな生活を送ることができるように指導をするということを目的として教職に就いた先生方だからこそ、社会の変化に対応し、子どもたちの未来に対して責任を持って指導を実践していくようにしてまいりたいと思っております。 もう一点、小学校教職員における幼児教育の理解促進についてのお尋ねがございました。 幼児教育施設における教育・保育におきましては、子どもたちは、遊びを通して頭も心も体も動かし、自らの好奇心や探究心、コミュニケーション能力などを総合的に育んでおります。その力は、小学校就学以降の学びの土台となり、子どもたちが主体的に学びに向かう原動力になるものであろうと理解しております。 したがって、小学校教職員は、乳幼児施設における教育・保育を、小学校で行う読み書きや算数などの事前訓練と捉えるのではなくて、遊びを通して育った心情や意欲、態度が小学校の学びにつながるよう、さらに理解を深めることが重要であろうと考えております。 そのためには、現在も取り組んでおります日々の情報交換や、授業における相互交流、保幼小連携の研修参加等がより充実できますよう、子ども未来部と連携をさらに密にしていく所存でございます。そのことによりまして、乳幼児施設と小学校間で、子どもの実態、教育内容や指導方法について、さらなる相互理解が深まると考えております。 教育委員会といたしまして、小学校教職員が幼児教育について理解を深めるとともに、子どもたちの心身ともに健やかな成長につながるような保幼小連携の在り方について研究してまいりたいと思います。 以上でございます。 ◎子ども未来部長(岡雄一君) (登壇) 保幼小連携に係る再質問についてお答えいたします。 まず、保幼小連携の推進には、乳幼児施設と小学校等とのコーディネートが要と考えており、コーディネート役である幼児教育センターのリーダーシップが重要であると認識しております。 議員御指摘の、令和4年度に文部科学省が策定した幼保小の架け橋プログラムにて示されている内容につきましては、保幼小連携接続カリキュラムの中で一定取組を進めてきたと考えておりますが、カリキュラムにない地域との連携の視点も取り入れながら、子どもたちの生涯にわたる学びや生活の基盤をつくる保幼小連携の推進に努めてまいりたいと考えます。 以上でございます。 ◆16番(山下廣大君) (登壇) それぞれにありがとうございます。 まず、保幼小連携事業については、いろいろと回答いただきました。ぜひ進めてほしいと思います。保幼小連携はこれからも重要でございますし、各所との連携は綿密に行っていかなければならないと思っています。 今後は、保幼小連携の推進には、小学校を受け入れている学童保育側の声も重要だと考えております。現在の推進体制の中で連絡会議などへの参画も必要だと思いますけれども、これについて、お答えいただければと思います。 最後に、パワハラ問題についてですけれども、先ほどより教育長からお言葉をいただきました。私は、教育長は、現場第一主義というよりも生徒第一主義の教育長だと思っておりますので、ぜひこの問題を力強く解決いただきたいと思います。 ただ、そうは言っても、今回の問題、9月14日には教育委員会に第一報が入ってきたと思っております。それから3か月、どうしてこういう大きな事象になる前に止めることができなかったのかということも、疑問に思っております。 先日、保護者会が行われました。これについては、一般質問の通告があった後に、一部マスコミの方々が教育委員会に取材をされた。その中で、いわゆる切取りのような形でこの事案だけが報道され、マスコミの中で問題視されて、緊急保護者会が開催されたと思っております。ですので、今回、論点がずれた保護者会が開催されたと思います。必要ならば、再度やってほしいなと思っております。 保護者の方のお声のメモがあるんですけれども、本当に9月21日に、部活動の中で全体会議をしてくださいよというようなお話もあったんです。けれども、残念ながら、それが行われなかったと。保護者全員に知る権利があったのに、保護者会を打診したけれども駄目だったというふうに書いてあります。先日の保護者会の中でも、その意見を言ったんですけれども、校長に提案したはずの意見は無視されたということが書いてあります。 そういった中で、私は今後、本当に宮島市長のリーダーシップが必要だと思います。今回、保護者の皆様や関係者の皆様とやり取りを行って、本当に心が痛くなりました。私にも娘がおりますけれども、こういう事案になったときに、保護者としては何をしてあげることができるんだろうと思っております。どこを頼り、どこで、どんな形で話を進めていけるのだろうと思います。やはり私はその中で教育委員会が指導するべきだと思っておりますし、今後も期待をせざるを得ません。 そして最後に、宮島市長にお尋ねですけれども、先ほど、市長の一丁目一番地に子育て支援がございますというようなお話がありました。先ほどの鶴議員の一般質問にも、子どもに対する教育は未来への投資というような言葉もあったかと思います。給食の無償化も必要ではありますけれども、私にとっては、子どもたちが安全・安心に楽しく学校生活を送っていける、それこそが、私としては一丁目一番地だと思っていただきたいなと思いますので、最後に、宮島市長に対して、この問題に対して総括と、そしてこれからリーダーシップを発揮し、(終了ブザー)立ち向かう姿勢をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 山下廣大議員よりの御質問で、学校における不適切な指導に関する総括として、私の考えをということでお答えをさせていただきます。 学校において、教師と子どもが信頼関係を基盤としてお互いの多様性を理解し、幸せや生きがいを感じる学校教育の推進は、これからの社会を担う次世代の育成には欠かせないものと考えます。子どもを核としたまちづくりの推進のためにも、教職員の皆様には、子どもたち一人一人にしっかりと寄り添った指導に努めていただきたいと切に願っております。 新たな社会のつくり手の育成には、保護者や地域の力は言うまでもなく、教職員の力に頼るところは大きいものがございます。教職員に対してその責務とやりがいを感じていただき、それぞれの資質向上に今後も努めるよう、教育委員会に対しても厳に求めてまいります。 ◎子ども未来部長(岡雄一君) (登壇) 保幼小連携に係る再々質問についてお答えいたします。 先ほどの答弁の際に、保幼小連携の推進に当たっては、地域との連携の視点の取り入れが肝要とのお話をさせていただきましたが、まさに保幼小連携で言う、「架け橋期」である小学校等の留守家庭児童が利用されている放課後児童クラブの声も重要でありますので、施設長会などの推進体制の中でお考えをお伺いできるよう、検討してまいりたいと考えます。 以上でございます。 ○副議長(久野秀敏君)  暫時休憩いたします。     15時21分 休憩     15時40分 再開 ○議長(林健二君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。20番佐藤文子議員。 ◆20番(佐藤文子君) (登壇) 公明党、佐藤文子でございます。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 本日は3項目にわたって質問いたします。 1項目めは、物価高騰対策と経済再生についてです。 新型コロナウイルス感染症によってパンデミックとなり、厳しい制限での生活を余儀なくされましたが、長く苦しかったコロナ禍を乗り越え、いよいよ本格的な経済再生に向けた歩みが始まりました。新型コロナウイルス感染症の位置づけが2類相当から、本年5月8日、5類感染症に移行し、コロナ禍の影響で激減した訪日外国人旅行者は、日本政府観光局によると、昨年10月の水際措置の緩和以降、堅調に増加し、コロナ禍前とほぼ同じ水準に回復しているとの記載がございました。本市にとっては、クルーズ船の寄港は待ちに待ったものであります。 しかしながら、コロナ禍での経済混乱やウクライナ危機によってエネルギー及び物価高騰が追い打ちをかけたのであります。第1次オイルショックと言われる時代では狂乱物価と表現され、現在はそれに酷似しているとの新聞記事がありました。 本年4月、鳥インフルエンザの影響もあって、卵が一時300円から400円台となり、6月には「食品値上げ3,575品目」という新聞記事に大変驚きました。地域の方々からは、飼料のコストが上昇し、子牛の値段が半値近く下落している事態に、肉用牛農家の影響を心配されるお声もあり、今後の予測がつかない不安など、厳しい実情も耳にしているところです。また、資材高騰の上、賃上げもしなければならない、簡単に人も解雇できないなど、苦境に立たされ、困惑されている事業者もいまだ少なくありません。消費者としては、やはり生活物資、とりわけ食費は日々のことであり、買わない・買えないと、生活防衛志向がさらに増してまいります。供給側としての売上げは伸びず、すぐさま価格転嫁ができない事業者は、大変苦慮されています。 今般、政府が決定したデフレ完全脱却のための総合経済対策には、各地域の実情に合わせてきめ細やかな支援策を進めることができる、重点支援地方交付金の予算が追加され、11月には、公明党会派から宮島市長へ物価高騰対策と経済再生に向けた緊急提言として申入れを行い、御対応いただいたところであります。 そこで、長引く物価高騰による影響と課題についてお伺いするとともに、これまでの政策におけるその成果を踏まえ、重点支援地方交付金の取扱いについて、現在どのように検討されているのかお伺いいたします。 その中でも、低所得世帯への支援においては、年内の予算化、ひいては給付を望まれている方が多いと考えておりますが、その点についてもお伺いいたします。 2項目めは、鯨瀬地区に係る港湾施設整備について、三浦地区みなとまちづくり計画における生活航路エリア(鯨瀬地区)の施設配置計画についてと、離島航路の現状と課題についてお伺いいたします。 港湾政策は、人流や物流の活性化による港の振興を図り、本市経済の基盤となる港湾施設の確保並びに利用促進を目的とされています。第7次佐世保市総合計画では、港湾施策の方向性の一つとして、経済活動の基盤となる社会資本の整備が位置づけられ、特に鯨瀬埠頭においては、継続的に航路運航を維持するため、また、利用者の安全性確保と利便性向上を図るため、港湾施設の再編事業に取り組むとあります。 佐世保港三浦地区の港湾整備については、昭和61年から始まり、鯨瀬ターミナル完成から既に35年経過しています。その変遷は、平成15年には新みなとターミナルが完成、平成17年度には基盤整備が終了し、土地利活用計画に基づき、平成22年にこれまであった計画の見直しをされ、三浦地区みなとまちづくり計画が決定、平成25年させぼ五番街が開業し、平成26年国際クルーズ船初寄港と佐世保港国際ターミナルビルが供用開始となるなど、長期にわたり港湾整備が行われています。 現在、佐世保駅みなと口に位置する佐世保港三浦地区では、佐世保の玄関口としてふさわしいまちづくりを推進するために策定された三浦地区みなとまちづくり計画に基づいた土地活用が進められているところであり、機能ごとに三つの区域が設定されております。 本市のシンボル的な存在になったさせぼ五番街などのみなと交流エリア、観光誘致の起爆剤となる佐世保港国際ターミナルを含む観光ゲートエリア、そして、市民のライフラインである上五島に向かう離島航路や西海市等に向かう近海航路など、日常的に利用される生活航路エリアです。 さて、着実に歩みを進められたみなとまちづくりですが、海側の施設、いわゆる生活航路エリアについては課題も残されています。老朽化が進んだ岸壁を改修され、令和5年9月から、新フェリー岸壁の1バースが供用開始されました。供用開始から1か月ほどした頃に、フェリー「いのり」の利用者の方から、「乗降タラップが2階の客室へつながっており急勾配に感じる。これでは体の不自由な高齢者や子どもなどは危険ではないか」「怖い、滑ったらどうなるのか」「新フェリー岸壁になってからなぜあのようなタラップで誘導するのか」との声が複数聞こえてまいりました。 フェリー「なみじ」「いのり」の2船が運航されていますが、「いのり」については船内にエレベーターが設置されるなど、バリアフリーの船であります。現地視察及び船会社からの御説明では、旧フェリー岸壁のときは、左舷側に着岸できていたものが、新フェリー岸壁では、右舷側に着岸している。船の構造上、フェリーをとどめおくロープが通常は使えるはずの舷門口前にかかるため、利用者及びフェリーとの設備等の安全確保のためには、2階の客室に直接誘導できる舷門口を使用している。そのため、新規タラップの角度は25度で変更はないものの、長さが13.8メートル、高さが最大3.4メートルあり、従来使用しているタラップの2.5倍の大きなタラップになった。そのため、高い、急勾配、怖いなどのお声が上がったと思われるとの御見解に、船の事情とともに状況が分かってまいりました。さらに複数回の埠頭の視察によって、可動橋から下りる車両と、タクシー乗降客がふくそうしているエリアの現状も改めて理解できました。 船会社との現地視察や意見交換で、管理体制についても少しお聞きする機会をいただいたことで、生活航路エリアの整備の重要性を私なりに理解し、先週は新上五島町の有川港の現地視察も行ってまいりました。 視察先の有川港は、ターミナルと船舶をつなぐ連絡通路であるボーディングブリッジが整備され、利用者は天候も気にすることなく、安全・安心に乗降することができます。 離島をつなぐ生活航路・船舶は非常に重要であり、ライフラインでもあります。代替手段がない海路は市民生活へ直結するものであると改めて認識したところで、本市は、離島航路の発着場が含まれている生活航路エリア(鯨瀬地区)において、ターミナルの周辺の施設配置や動線計画の見直しが行われています。 そこで、施設配置計画の検討状況及び今回発生した乗降タラップの問題、対応状況についてお伺いいたします。 3項目めは、母子保健の推進について、乳児家庭全戸訪問事業における現状と課題についてお伺いいたします。 9月定例会の一般質問では、伴走型相談支援事業などによるアンケート結果から、母子支援のニーズについてお伺いし、本市の産前産後を支援する家事育児サービスの実態についてお聞きし、家事支援の対象者の拡充について提言させていただきましたが、本市では、平成20年度から虐待予防・早期発見対応を目的とした養育支援訪問事業において、家事・育児支援を行っていただいているところです。対象者は、育児ストレスや子育てに不安や孤立感を抱える家族、あるいは虐待のおそれ及びそのリスクを抱える家族等に限定したもので、一定の研修を受けられた訪問員の方に御対応いただいているとの御説明でした。 令和6年4月には、こども家庭センターの設置が求められていますが、まだその中身については、国から具体に示されておりません。しかしながら、母子保健と児童福祉の法的な位置づけや第一義的な目的は異なるものの、両者を包含した支援体制が求められてくるのではないかと思われます。 しかし、本市は既に子育て世代包括支援センター「ままんちさせぼ」と、子ども家庭総合支援拠点子ども子育て応援センターの強い連携基盤がございますので、国から示された具体についても、迅速に御対応いただけるものと確信しております。 さて、子育てに係る様々な支援のうち、4か月児までの乳児家庭への訪問型支援は、非常に重要な事業の一つだと言えます。前段に触れました養育支援訪問事業もその一つです。本市では、母子保健法、児童福祉法に基づき、市町村の責務として、養育支援訪問事業に加え新生児訪問指導、乳児家庭全戸訪問事業、未熟児の訪問指導の4事業が対象者別に展開がなされ、保健師、助産師の専門職と共に、一定の研修を終えられた訪問員の方々に御対応いただいております。特に訪問型支援の一つ、乳児家庭全戸訪問事業「こんにちは赤ちゃん訪問事業」の目的は、様々な不安や悩みを聞き、子育て支援に関する必要な情報提供を行うとともに、支援が必要な家庭に対しては適切なサービス提供に結びつけ、地域の中で子どもが健やかに育成できる環境整備を図る支援事業であります。 新生児訪問指導、養育支援訪問事業、未熟児の訪問指導の対象者ではない広く一般を対象とされた、いわゆる市内全域の全乳児さんの御家庭は、訪問員の方を中心に訪問していただいております。その上で、伴走型相談支援事業と経済的支援、産前産後各5万円の給付金の一体的実施が昨年より開始され、本市においては、産後の5万円の給付要件としては、こんにちは赤ちゃん訪問をした後とされていることから、おそらくこの訪問数は、それ以前に比べて増えているのではないかと考えられます。 そこで、乳児家庭への訪問事業のうち、乳児家庭全戸訪問事業「こんにちは赤ちゃん訪問事業」の実情と課題についてお尋ねしたいと思います。 1回目の質問を終わります。 ◎観光商工部長(長嶋大樹君) (登壇) 1項目めの物価高騰対策と経済再生について、私からお答えをいたします。 本市におきましては、令和2年4月9日に佐世保市緊急経済雇用対策本部を設置し、事業実施に当たっては、全国及び地域の経済動向に係る情報収集はもとより、市議会や業界団体等からの要望をはじめ、地元金融機関からの情報提供や、商工会議所による市内経済動向調査などを参考にするとともに、事業者の皆様との意見交換等により、必要な対策の内容や対象の範囲、事業規模及び効果の検証を行い、国や県が行う支援策と連携しながら、切れ目のない対策を状況に応じて段階的に展開してまいりました。 また、昨年度より、エネルギー・食料品価格などの物価高騰の影響を受けた事業者や生活者に対しては、重点支援地方交付金を活用し、継続的に支援を行っておりますが、長期化している原油価格の高騰や物価高騰等の影響に対し、事業者による収益確保のための価格転嫁が追いつかず、市が負担増部分を一部担うなどの特別な支援が必要となっているため、現時点での課題として捉えております。 これに対応するためには、事業者と生活者の双方に対する支援が必要でございまして、そのためには、原油価格や物価高による直接的な影響を受ける業種や分野を見定めつつ、事業者や生活者が効果を実感できるような支援の検討が必要であると認識しているところでございます。 議員御案内のとおり、国においては、デフレ完全脱却のための総合経済対策が令和5年11月2日に閣議決定され、低所得世帯支援枠を追加的に拡大するとともに、物価高騰の影響を受けた事業者や生活者を引き続き支援するために重点支援地方交付金が追加され、令和5年11月29日に1兆5,592億円の令和5年度補正予算が成立いたしました。また先月、公明党市議団から物価高騰対策と経済再生に向けた緊急要望として、物価高騰から市民生活を守り、経済の着実な回復を図るためとして、4項目の要望をお受けしたところでございます。 このような状況の中、議員御質問の現在どのような検討をなされているのかということにつきましては、本市におきましても、今回追加されました重点支援地方交付金を活用し、事業の効果的な実施に取り組んでいくこととなります。本市としましても、従来から事業実施後においては各事業ごとに個別の検証を実施し、類似の事業を実施する際には対象事業層や規模感など実績などを参考に制度設計の精度を高めているところでございまして、効果検証と併せて関係機関や業界団体等からの情報収集やヒアリングにより、市内の現状把握に努めているところでございます。 国の交付金事業の創設意図を踏まえながら、事業者支援及び生活者支援の両立を基本姿勢としつつ、物価高騰等による直接的な影響を受ける業種、分野を見定めつつ、国・県の支援策と連動を図り、国の支援策等の隙間を埋めるような支援となるよう、市関係部局において施策の検討を行いまして、佐世保市緊急経済雇用対策本部において今回追加されました重点支援地方交付金を活用した事業を決定してまいりたいと考えております。 次に、低所得世帯支援、1世帯7万円の給付でございますが、年内の予算化、ひいては給付を望まれている方への対応についての御質問については、既に3万円を支給しております住民税非課税世帯を基本に対象者を特定いたしまして、新たに7万円の給付金を支給することとしており、年内に必要な予算を確保した上で、情報システム等に係る事前の準備作業を経て、できる限り早期に対象者のお手元に給付金をお届けできるよう努めてまいりたいと考えております。 ◎港湾部長(大塚健君) (登壇) 2項目め、鯨瀬地区に係る港湾施設整備についてお答えいたします。 平成22年に策定いたしました三浦地区みなとまちづくり計画は「心やさしい海辺のまちへ」を基本理念とし、昭和61年から取り組んでおりましたポートルネッサンス21計画のほか、国際ターミナル整備など、三浦地区の関連する事業を一体として捉え、国際色豊かなみなとまち佐世保の玄関口としてふさわしいまちづくりを推進するために策定したもので、計画区域を機能ごとに三つのエリアに区分し、その土地利用の方針をお示ししたものでございます。 議員御案内のとおり、みなと交流エリアにおきましては、今年11月にさせぼ五番街が開業10周年を迎え、市民や観光客が集うにぎわい創出の拠点として機能いたしております。 観光ゲートエリアにおきましては、本年3月に外航クルーズが再開したことにより、徐々に入港隻数も回復してきており、多くのクルーズ乗船客を迎え入れることで、にぎわいが創出されているところでございます。 最後に、生活航路エリアでございますが、離島航路や近海航路で利用される場所でありますが、鯨瀬ターミナルの老朽化に加え、狭い埠頭用地内に乗船待機場や駐車場、公園等が混在していることにより、一般利用者と荷役事業者の動線がふくそうし危険な状況にあることから、港湾施設の再配置と、以前より検討しております宿泊施設の誘致を含めたエリア内の再編計画について検討を進めているところでございます。 限られた区域の中で航路利用者の安全性・利便性向上を図ることを目的といたしまして、各施設において必要な敷地面積を確保するため、余裕を持った施設配置を計画しており、さらにフェリー利用者がターミナルから安全・安心に船舶へ乗り降りすることができるボーディングブリッジの整備についても計画いたしております。 ボーディングブリッジにつきましては、県内の重要港湾の中で整備されていない港としては佐世保港のみでございまして、佐世保港を発着する離島航路の寄港地であります有川港、小値賀港にも整備がなされている状況でございます。そのため、フェリー岸壁付け替えの計画以前からボーディングブリッジ整備に関する御要望をいただいておりましたが、先般、宇久地区の住民の方からも、佐世保港、宇久平港へのボーディングブリッジ整備についての要望書が10月2日付で改めて提出されたところでございます。 一方で、海側の施設につきましては、議員御案内のとおり、フェリー貨物の乗降に必要な架道橋の老朽化が著しく、利用しながらの大規模補修が困難であったため、先行して平成24年からフェリー岸壁路付け替え工事を進めており、令和5年9月に新フェリー岸壁の1バース目の供用を開始したところでございます。新フェリー岸壁には、現在、フェリー「なみじ」と「いのり」が係留しておりますが、旧フェリー岸壁においては、フェリーの左舷側からの乗り降りが行われていたものが、新フェリー岸壁では、フェリー右舷側へと変更されることになりました。岸壁から船舶へと乗り降りするための施設であります乗降タラップにつきましては、船舶の構造上、左右乗降口の位置及び高さが異なるということから、新フェリー岸壁の供用開始に併せ、船会社のほうで製作されたものでございます。 フェリー「いのり」につきましては、二つございます乗降口のうち、低い位置の乗降口が岸壁と船舶を固定しております係留ロープと交差してしまうということから、船社側におかれましては、船内の2階にある客室へ直接乗り降りできるもう一つの乗降口に合わせて、従来のタラップと同等の傾斜で高さを変更し製作されております。しかしながら、傾斜は以前と変わらないものの、高さが2メートル程度高くなったことで、スロープの距離が長くなり、傾斜が従来タラップよりもきつくなったように感じられ、乗り降りの際に危険であるとのことで、利用者から船社側に対して改善を求められたものと聞き及んでおります。 また、今回、そのような状況を受け、佐藤議員御自身が佐世保港と有川港のフェリー岸壁に足を運ばれ、船社と現地立会いを行い、現状を事細かに把握され、船社に対して利用者の声を届けていただく等の働きかけを行っていただいております。 そのようなことから、船社側におかれましても、現状を改善したいという御意向から、運航許可権者であります九州運輸局佐世保海事事務所と協議を行い、船首側の係留ロープを増やすことで、低い乗降口と重なっておりました係留ロープを緩めることができ、従来のタラップを使用することが可能となることから、早速11月24日から試験的な運用を行い、11月30日付で正式に認可がされたとのことです。 今後は大型の乗船タラップを使用せずに、従来のタラップを使用していくことが可能となったということで、利用者の方が安心して乗り降りできるよう、改善が図られたところでございます。 以上でございます。 ◎子ども未来部長(岡雄一君) (登壇) 3項目めの母子保健の推進についての御質問にお答えいたします。 まず、乳児家庭全戸訪問事業の現状についてですが、現在、本市では、おおむね生後4か月までの乳児全員を対象に、それぞれの状況に応じて、訪問員10名、保健師11名、委託助産師5名が家庭訪問を行っております。 令和4年度の訪問件数の実績は、訪問員が1,048件、保健師が245件、助産師が95件で、訪問対象者の状況や訪問目的により訪問者を選定しております。 具体的には、養育環境やお母さんの心身の状態により、妊娠中から継続した支援が必要であった御家庭には保健師が、若年、高年での初めての出産や低出生体重児等、子育て不安の強い御家庭には、委託助産師が訪問をしております。 なお、子育て応援給付金事業開始後の乳児家庭全戸訪問事業の状況といたしましては、令和5年9月現在、訪問率は96.8%で、昨年度の85.7%と比較いたしまして約10%上昇しております。 訪問員は専門的資格を有するものではありませんが、様々な質問や悩みに答えられるように、毎月研修を受講した上で、子育て支援の情報だけではなく、サポートの有無を確認したり、きょうだいに関する相談や、健診や保育所の相談等を受けるなど、様々な活動を行っております。 なお、訪問後、支援の必要な母子については、保健師との連絡・連携を密にし、継続した支援が重要な御家庭を早期に把握し、支援につなげる体制を整えております。 4か月健診時に行っているアンケートでは、「訪問していただくことで誰かが見守ってくれるという気持ちになった」「話を聞いていただいてよかった」という声が聞かれ、満足度は92.9%でした。 このように、核家族で孤立した育児になりがちなお母さんに寄り添うことで、安心した育児につながる大変重要な事業であると認識しております。 一方で、乳児家庭全戸訪問事業の課題といたしましては、訪問員が高齢化等で年々人数が減少しており、加えて活動範囲が広範囲であるため、訪問員1人当たりにかかる負担が増加していることから、訪問員の人員確保が喫緊の課題となっております。 訪問員の人員確保については、年に1回実施しております子育てサポーター養成講座を受講後、1年間サポーターとして活動してもらった方から希望者を募り活動をお願いしているところですが、訪問員を希望される方が少なく、新規訪問員の確保につながっていない現状です。 しかしながら、訪問員につきましては、地域の子育て支援の担い手として、また、お母さん方の身近な相談者として活躍を期待しておりまして、今後も新規訪問員の確保に努めるとともに、活動内容の軽減についても検討しながら、訪問員活動を維持していけるように努めてまいります。 ◆20番(佐藤文子君) (登壇) それぞれに御答弁ありがとうございました。 再質問に入らせていただきます。 まずは1項目めの物価高騰対策でございますが、宮島市長におかれましては、市民生活の場へ積極的に自ら足をお運びいただいており、激励とともに、市民の声を直接お聞きになりながら、日々の市政運営に取り組んでいただいていると思っております。 この長引くエネルギー及び物価高騰に対する施策、取組について、市長の御所見をお伺いしたいと思います。 2項目めの港湾についての再質問ですが、改めて申しますと、新しい乗降タラップについては、利用者の方から改善を求めた御要望も多くあったことから、船会社で検討を重ねていただき、約1か月で早期に改善が図られました。この御対応については、正直感謝もございますし、利用者の方々にとって、少しでも安心して御利用いただけるならば幸いであります。 しかしながら、バリアフリーの機能を持つ「いのり」に関しましては、右舷側に着岸した状況では、左舷側にある船内エレベーターを誰もが使用できる状況にならないことから、課題はございます。新フェリー岸壁の2バース目が供用開始される頃には、再度その点も含めて、船会社とも情報共有や検討を行っていただきたいと考えます。 また、長崎県内の重要港湾となっている長崎港、福江港、厳原港、郷ノ浦港、そして佐世保港でありますが、先ほど御答弁にあったように、ボーディングブリッジがない港は、本市、佐世保港のみであります。鯨瀬ターミナルの乗降客数の推移では、令和4年、延べ18万6,761人の方が利用されており、いよいよ経済や地域社会が活気を取り戻そうとしています。 航路利用者、企業等、船会社が、安全に、また利便性のよいものとするためには、抜本的な解決のためにも、現在、検討中と言われている鯨瀬地区の陸上港湾施設の再編に合わせた整備が予定されているボーディングブリッジと鯨瀬地区の再編計画をなるべく早く進め、まとめていただきたいと考えますが、本市のお考えをお尋ねいたします。 母子保健推進についての再質問は、訪問員の養成にはしっかりとした研修、加えて1年間のサポーターを経験した方が、約1.5か年後に訪問員として御活躍されているとのことであります。また、5万円の経済的支援となる給付の要件としているスキームが各御家庭への訪問型支援の受入れに理解と協力が得られ、これまで以上に必要な方への支援の連鎖が広がっているということが理解できました。 しかしながら、その反面、御答弁にもありましたように、訪問員の養成や維持には課題があるのも否めないという点がございます。子育て世帯が住んでいらっしゃる地域の訪問員との連携ができればよいのですが、現在は広域に支援に入られている状況や、お一人にかかる身体的・経済的負担、対応数の検証など、事業の在り方については、今後、再検討する必要があるのではないかと考えるところです。 訪問員の方々の実情を知るに当たり、支援に対する熱意は計り知れないものがおありだと思いますが、これまでと同様な質の高い訪問支援の継続及び母子保健の観点からは、助産師の訪問介入を拡充することも必要と考えます。 そこで、母子保健・児童福祉という中において、この事業を効果的かつ効率的な事業実施になるよう整理しなければならないと考えますが、当局のお考えをお尋ねいたします。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 佐藤文子議員からの再質問にお答えをいたします。 これまでも、コロナ禍や物価高騰等の中で、様々な経済対策を実施してきたところでありますが、今なお見通しが立たない物価高騰の傾向に加えて、年末年始はこれまでよりも物の値段がふだんより割高になる時期であり、市民の皆様から様々な御意見を聞き及んでいるところであり、行政に向けた期待はコロナ禍と同様に強いものがあると十分に認識をしているところでございます。 経済対策においては、スピード感を持って取り組んでいく必要があることから、低所得世帯支援につきましても、さきに申し上げましたとおりに、一日も早く対象者のお手元にお届けできるよう、所管部局へ指示をしたところでございます。 また、本市の経済対策につきましても、経済対策という枠を超えて考えることが必要であり、やはり低所得世帯や子育て世帯など、支援を必要とされる方々への配慮は欠かすことができないものであると強く認識をしているものであり、市民生活や本市経済への影響緩和や活性化に向けて、国・県の支援と併せまして、効果的な支援となるよう十分に意を用いてまいりたいと考えております。 ◎港湾部長(大塚健君) (登壇) 鯨瀬地区港湾施設整備についての再質問にお答えいたします。 鯨瀬地区の陸上側の港湾施設の再編に伴い整備を予定しておりますボーディングブリッジにつきましては、その必要性については十分認識しているところでございます。 施設の整備は、利用者の利便性向上と安全性の確保に直結するため、重要な課題であると理解しております。 ボーディングブリッジの整備につきましては、実際にフェリーを運航する船会社との調整が必要であるため、これからより詳細な調整を行う必要があります。また、陸域施設の整備と併せて行う必要があるため、陸域施設の整備計画につきましても、これまで議会からいただいた御意見なども踏まえ、関係者との調整や庁内の方針を取りまとめてまいります。 引き続き利用者の皆様の御意見を尊重し、よりよい港湾環境の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎子ども未来部長(岡雄一君) (登壇) 3項目めの母子保健の推進についての再質問にお答えいたします。 先ほども述べましたとおり、訪問員の人員確保については課題と捉えておりますが、訪問員が地域の子育ての担い手であることや、お母さん方の身近な相談者でもあることから、今後も新規訪問員の確保に努めていきたいと考えています。 そのため、訪問員の確保に向け、今後、養成講座の周知方法を見直すとともに、質の高い訪問支援の継続のため、訪問員の研修内容などの見直しも行い、引き続き本事業を継続できるように努めてまいりたいと考えております。 なお、訪問員の負担軽減につきましては、訪問対象や状況の聞き取り内容について他都市の状況等を踏まえ、今後改善していきたいと思います。 また、妊娠・出産を取り巻く情勢も多岐にわたっておりまして、助産師等の専門職による相談が必要な場合もあることから、子育て世代包括支援センター「ままんちさせぼ」等の助産師、保健師、看護師による訪問も行いながら、助産師等の専門職による訪問を増やしていくことなども検討していきたいと考えております。 なお、産後のお母さんの体調や母乳育児の悩み等については、産後ケア事業による助産師の訪問ケアの利用も可能であるため、これらの事業との連携も考慮し、今後とも、母子の心身の状態や子育て環境に応じたきめ細やかな相談と支援について取組を進めていきます。 以上のように、出産後の母子の健康と地域での健やかな成長を支援するために重要な乳児家庭全戸訪問事業については、引き続きその充実と改善に努めてまいります。 以上でございます。 ◆20番(佐藤文子君) (登壇) それぞれに御答弁ありがとうございました。 今後の取組については大変注目し期待するところでありますので、よろしくお願いいたします。 最後に、鯨瀬地区に係る港湾施設整備についてですが、特にフェリーを使用される方は、高齢者や小さなお子さんも多く、タラップ一つにしても、離島航路を使用する方にしか分からない問題でもあります。航路利用者、市民の安全・安心のためには、船会社のみの課題だけではなく、港湾管理者である本市は十分認識していただきたいところであります。 美しい港、ポテンシャルの高さから、観光や憩いの場の創出に軸足を置かれている方向性は十分理解するところであります。しかしながら、今後、長期にわたるであろう鯨瀬地区の整備によって、利用者の方への支障が最小限にとどめられるよう、生活航路として利用されている方々の視点やお声にも十分配慮され、鋭意取り組んでいただきますよう申し上げ、以上で質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。 ○議長(林健二君)  9番田山藤丸議員。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) 自民党市民会議の田山藤丸です。本日のラストバッターとなりました。どうぞ最後までお付き合いいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 今回も地域と共に取り組んでいることや、市民の皆様との対話を通じていただいた声を取り上げ、それらの現状や課題、展望について、宮島市長はじめ当局にお伺いしたいと思います。 通告は大きく3項目です。 1項目め、小規模離島の活性化について。 本年5月6日、本市の離島である高島と周辺地域の活性化を目的とした高島活性化コンベンション協会、通称ESPOが住民を主体に設立されました。ESPOとはフランス語の希望、エスポワールを基にした造語であり、役員には、島民をはじめ長崎県立大学の教授、商工会議所、金融機関、民間企業など約30名の幅広い人材が集まり、観光の創造、産業の活性化、インフラ整備を柱とした事業コンセプトを打ち出しています。その背景には、高島を数十年後も明るい未来を共有することができる元気な有人離島として存続させたいとの島民の思いはもちろん、高島出身の祖父と父のふるさとを何とか再生させたいという岐阜県にある測量会社社長の情熱と行動力がありました。 御承知のとおり、離島は様々なハンディキャップを抱えています。それら本土との格差を解消するため、生活や産業の基盤が脆弱な島々を対象に、国庫の補助により電気や水道、港湾や漁港、道路、空港などの社会資本を整備し、医療や教育などの環境改善を図る根拠法令が離島振興法です。制定以後10年ごとに延長が行われており、昨年11月、国会において改正離島振興法が成立し、今年4月から施行されました。 今回の改正の主なポイントは、小規模離島の日常生活に必要な環境維持を図る配慮規定、高度情報通信ネットワークの整備充実を特別に進める配慮規定などの新設と言われています。 そこで、高島のESPOによる取組が、離島活性化または本市の過疎地域活性化の一つの先進モデルとなるよう育てていかなければならないと思うのです。 そもそも、高島には、町内会や漁協の支部などがありますが、高齢化と人口減少による役員の負担増、みんなが現状を打開する必要性を感じながらも、具体的にどんな手を打てばいいのか分からない、そういった現状も続いておりました。町内会や漁協支部など、既存組織ともしっかり足並みを揃えながら、島の内外を問わず、より広範で客観的な意見の形成、地元と行政、大学と事業者などが三位一体となった振興策を具体的に検討し、進めていくことができる新たな受皿として、高島活性化コンベンション協会ESPOは期待されています。 そんな中で、ESPOは9月に法人登記を行い、休眠預金等活用事業をはじめ公益財団の補助金などを活用しながら、多岐にわたる実証事業などを行いつつ、来年度には本格的な事業着手の段階までこぎ着けることができたとお聞きしました。しかしながら、収益事業に向けた3か年計画のスタートアップには、行政による一定の持続化支援が必要と考えます。 そこで、小規模離島としての高島及びESPOを取り巻く現状と課題について、当局の御見解をお聞かせください。 加えて、離島における活性化プロジェクトの実施や、教育、医療など各分野の地理的なハンディを克服していくためには、デジタル環境の整備が欠かせません。残念ながら、本市における高速情報通信基盤の整備に関しては、宇久と高島が未整備エリアとして残されています。過去の一般質問でも述べさせていただきましたが、情報通信基盤は国民生活に不可欠であるため、あまねく日本全国に環境を整え提供が確保されるべきとの電気通信事業法の規定にのっとり、安定的に高速な通信環境を整えるための光ケーブル、有線ブロードバンドサービスを一刻も早く未整備エリアに届けていただきたいと思いますが、整備に向けた検討や進捗を含め、当局の御見解を改めてお伺いいたします。 また、国の動向を見極めつつ、今後の整備方針などを検討する際には、所管部局におかれては、実際に島へ渡っていただき、住民や関係者の方々との意見交換・協議を行いつつ、実際の状況や地元ニーズを把握していただくよう提案したいと思いますが、併せて当局の御見解をお聞かせください。 2項目め、相浦港の活性化について。 1項目めで小規模離島の活性化についてお尋ねしましたが、離島振興を考える上で重要となる要素の一つに、離島と本土との関係性があります。本市において既に世界遺産などを有する観光地として定着してきている黒島と、これからの新たな事業が期待される高島の玄関口として、相浦港、特にフェリーの発着場がある相浦桟橋付近の整備が大きな課題ではないでしょうか。 これまでも市議会では、相浦桟橋付近の駐車場の少なさ、相浦駅やトイレなどの整備の必要性について度々問題提起されてきました。かなり以前の話になりますが、相浦港の活性化に関連して、平成元年から2年にかけて、本市の指導により、相浦地区都市活力再生拠点整備事業、いわゆるリジューム計画の調査が行われ、地区再生計画及び街区整備計画が策定された経緯があります。 この事業は、地域の拠点となる市街地の商業地などにおいて、民間活力を積極的に導入しつつ土地利用などの基本方針を定め、都市機能の更新と居住環境の改善を進めることにより、都市活力の再生を図ろうとするものです。このリジューム計画の中では、相浦地区の現況と整備の方向性として、佐世保市の西北部に位置し従来から個性豊かな地区中心の商業ゾーンを形成してきたものの、内外の環境変化とそれらへの対応がなされてこなかったことから、現在の衰退を招いていると記載をされています。 さらに、この現状から脱皮し、将来の佐世保市の副都心、そして北松地区からの玄関口として位置づけられるためには、様々な都市機能が集積した港湾、ターミナル、商業施設、居住地周辺を含めた総合的なまちづくりを進める計画が必要であり、相浦港や相浦駅周辺の整備計画が急務との本市の方針が明確に示されていました。 残念なことにこのリジューム計画は、当時の様々な要因によって実現が図られることはなかったわけでありますが、現在では、県道相浦棚方線の整備、平成5年に水産市場の誘致が実現されて以降、相浦桟橋や相浦駅周辺の状況は当時とあまり変わっていないような気がいたします。具体的な課題として、相浦桟橋付近の駐車場については、仕事や観光などで、黒島や高島を訪れる方や、通勤、通学、通院、買物など日常生活の中で相浦桟橋付近に車を駐車して航路を利用される方も少なくありません。先般も相浦桟橋からフェリーを利用した際、日曜日で観光客の方も非常に多く、フェリー乗り場の前に車両が並んで、路線バスと車が離合できないような状況が生じていました。 また、世界遺産登録時に観光客用として相浦駅周辺と「食彩の里よかばい相浦」のほうに駐車場を確保していただきましたが、待合所から離れており、フェリー乗り場の近隣に駐車場が必要だと考えます。周辺には港湾部の土地で、路線バスの転回場もありますが、バスの減便により使用頻度が減少していることから、その周辺も含めて有効的に活用することもできるのではないでしょうか。 さらに、県道相浦棚方線の高架下の交差点付近には、以前は地域のイベントなどで活用されていた港湾用地や、観光商工部が所管する老朽化した建物なども存在をしています。これらのスペースは相浦駅と隣接の観光駐車場から相浦桟橋までの動線上にあり、今後の景観形成や機能の再編、歩道の整備のほか、民間活力を導入し、事業者へ売却もしくは貸付け、本土と離島を結ぶ新たな中継拠点の創造など、事業展開につなげていけるのではないかと思っております。 そこで、相浦港、とりわけ相浦桟橋付近について、港湾計画上の位置づけはどのようになっているのか。また、待合所周辺の新たな駐車場の確保や、港湾用地の利活用などが今後考えられないか、当局の御見解をお伺いいたします。 次に、3項目め、福祉医療制度について。 本市では、福祉医療制度について、平成22年10月より乳幼児福祉医療費の現物給付を開始し、平成28年8月からは、これまで就学前までの子どもが助成対象であったものを、小中学生まで拡大し、さらに令和4年10月の診療分から小中学生及びひとり親家庭等を対象とした福祉医療費の助成方法を償還払い方式から現物給付方式に変更しました。この現物給付方式は、保護者が一旦全額を医療機関で支払い、その後、申請書に領収書などを添付して市に対し請求を行う必要がある償還払い方式に比べて、保護者の負担軽減や利便性向上につながるといったメリットがあります。 そこで、小中学生及びひとり親家庭等を対象とした福祉医療費の助成方法を現物給付方式に変更し約1年が経過いたしましたが、その効果など現状について、当局の御見解をお聞かせください。 以上で1回目の質問を終わります。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) 1項目めの小規模離島の活性化についての御質問のうち、一般社団法人高島活性化コンベンション協会ESPOについての認識、また、市としての支援の現状と課題について、私からお答えさせていただきます。 ESPOについては、高島地域を数十年後も明るい未来が共有できる有人島として存続させることをコンセプトに設立され、インフラ整備、産業活性化、観光創造を3本柱に、多種多様な調査や実証実験の取組と併せ、財源となる助成金やクラウドファンディングを模索しながら、様々な事業展開を計画されていると聞き及んでおります。 また、議員から御案内がありましたように、来年度から一般財団法人未来基金ながさきの休眠預金等活用事業を活用し、地域間交流・共生による地域の課題解決に向けた取組を本格化されるとのことであり、多くの分野にわたる地域課題の解決、あるいは持続的な地域運営に必要な取組について、同時並行で臨んでおられるものと考えております。 現在、本市といたしましては、国・県や日本離島センターなどにおける離島振興に関する各種補助制度や休眠預金等活用事業など、公益財団において展開されている助成事業で活用が可能と思われるメニューについての情報共有、またその手続についてお手伝いをさせていただいたり、あるいはESPOとして行われる各種実証事業に参加させていただく形で、主に観光課、水産課、地域政策課において共同連携をさせていただいているところでございます。 高島においては、他の離島と同様に人口減少と少子高齢化が顕著であり、特に小規模な離島でもあることから、漁業環境の悪化や日常生活における交通、物流、教育や医療環境などの地域課題が複合的かつ先鋭的に現れているものと考えております。こうした中で、島の将来への危機意識から、純粋に地域において内発かつ主体的に設立がなされたESPOは極めて貴重な存在であると認識しています。多くの課題がある一方で、高島には豊かな自然や歴史文化など、個性と魅力あるコンテンツとなり得る素材が多くございます。相浦港から船で20分で行くことができる高島という島のよさを、同じ佐世保市民の方々でも御存じない方が多く、島の魅力を市内外にもっと知っていただくことは重要であろうかと考えております。 また、ESPOでは、既に今年度から地域間相互交流による共生事業として、独自に高島保育所と本土の幼稚園児の交流事業を行ったり、テスト事業として、日帰り体験モニターツアー等の実証事業を実施されるなど、取組を進められております。 こうしたテスト事業に伴うチャーター船や諸材料費等の附帯経費については、関係者が自己負担されていると聞いているところであり、本市においても、ESPOの取組が軌道に乗るまでの当面の伴走支援の在り方について検討を進めているところでございます。 ◎総務部長(田所和行君) (登壇) 1項目めの小規模離島の活性化についてのうち、光回線等の整備についてお答えをいたします。 光回線等のブロードバンドサービスは、地域の活性化や持続可能な経済社会を実現するために必要不可欠なデジタル基盤であると認識をいたしておりますが、本市におきましては、先ほど議員御紹介のとおり、現在、宇久島と高島の二つの離島において未整備の状況でございます。 光回線等のブロードバンドサービスは、基本的には民間事業者によって提供される通信サービスではございますが、条件不利地域については、事業の採算性等を考慮し、これまで一定の行政関与の下、整備を進めてまいりました。この二つの離島においても、そのような観点の下、引き続き進めてまいる所存でございます。 しかしながら、離島へ光回線によるブロードバンドサービスを提供するには、海底ケーブルが必要であり、初期投資や維持に多大な費用を要することから、整備を希望する民間事業者がいないというのが現状でございます。 このような中、国では光回線の世帯カバー率を2022年度末の99.8%--これは見込みの数字でございますが--から2027年度末に99.9%とする目標を掲げ、その一環として光回線等のブロードバンドサービスを対象に、不採算地域の維持費用の一部を補填する新たなユニバーサルサービス交付金制度が令和5年6月に創設されました。この制度は、ブロードバンドサービスの維持費の面で、事業者の整備負担を一定軽減し、全ての国民が安定的に高速通信サービスを利用できるようにするための制度でございます。これにより、海底ケーブル敷設のハードルが下がり、民間事業者の整備意向に変化が生じることで、光回線の整備が進む可能性も出てくるものと期待をいたしております。 現在、国の審議会において、交付金の算定方法等についての検討が進められており、令和6年3月に答申が行われ、その後、省令の改正が予定されております。 現時点では、高島への光回線の整備は難しい状況ではございますが、国の新たな交付金制度の開始に伴う状況変化を見据え、引き続き民間事業者と協議を行ってまいりたいと考えております。 また、島の情報通信環境の現状・実態を認識することは重要なことでございますので、さらなる実態把握等も行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎港湾部長(大塚健君) (登壇) 2項目め、相浦港の活性化についてお答えいたします。 まず、1点目の相浦桟橋、相浦ターミナル付近の港湾計画上の位置づけでございますが、エリア内の中心的施設であります相浦ターミナルが、黒島・高島と相浦を結ぶフェリー航路発着場として機能し、生活航路としてはもとより世界遺産観光の足として、令和4年は年間約5万8,000人の方々に御利用いただいております。さらに、黒島・高島を結ぶ海上タクシーのほか、平戸市の前津吉、佐世保市の三浦地区間を高速船「つよし」が運行している状況でございます。また、ターミナル周辺の水際線につきましては、物揚げ場として位置づけられており、漁船やプレジャーボートが多数係留している区域となっております。フェリーの発着場となっている浮き桟橋につきましては、平成25年に大規模改修を行っておりますが、以前より利用者の方々から、駐車場が不足しているとの御要望を受けております。 黒島・高島に観光客を呼び込む玄関口として、ターミナル周辺の活性化につながるような港湾用地の利活用について、その必要性を十分認識しているところでございます。 2点目の、ターミナル周辺に新たな駐車場の確保や民間事業者の新たな事業展開を考えた港湾用地の利活用が考えられないかという御質問のうち、ターミナル周辺の駐車スペースにつきましては、ターミナル前に6台分の駐車スペースを確保しているところではございますが、こちらの駐車場は送迎や切符を購入するなど、航路利用者が一時的に御利用いただくために準備しているものでございます。仕事や観光のため長時間止めることが可能な駐車スペースといたしましては、ターミナル前の民間駐車場15台では不足するということから、世界遺産の観光客受入れ対策として、関係部局が準備しておりますMR相浦駅前の松浦鉄道の敷地の一部、並びに「食彩の里よかばい相浦」の駐車場をお借りし御利用いただいている状況でございます。 しかしながら、航路利用者からは、MR相浦駅及びよかばい相浦の駐車場とターミナルまでの距離がそれぞれ約500メートルと離れているということから、遠過ぎるといった御意見をいただいており、航路利用者の利便性を踏まえますと、港湾管理者としてターミナル近くに駐車場を確保することが望ましいと考えているところでございます。 以前、相浦ターミナル近隣に新たな駐車場整備の御要望をいただいた際に、当時の港湾用地の利用状況等から、新たな駐車場用地を確保することは困難な状況でございました。しかしながら、当時の利用状況から変化もございますことから、改めて関係者と協議を行い、西浜町公民館前の路線バスの転回場も含めた既存の港湾用地を活用できないかなど調査をしてまいりたいと考えております。 また、議員より御提案があっております民間施設の新たな立地場所として港湾用地を活用できないかという点につきましては、現在使用されている関係者との調整等を含め、慎重に対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎子ども未来部長(岡雄一君) (登壇) 3項目めの福祉医療制度について御質問がありました福祉医療に関する現状についてお答えいたします。 本市の福祉医療の制度といたしましては、乳幼児、小中学生及び高校生までのお子様やひとり親家庭の親子などに対する医療費について、保険診療のうち自己負担額の上限を超える額を助成しております。 自己負担額につきましては、1か月の受診日数が1日の場合は上限800円、2日以上の場合は上限1,600円となっておりまして、院外処方の薬代は全額を助成しております。 先ほど議員からも御案内いただきましたが、改めましてこれまでの経緯を申し上げますと、平成22年10月に乳幼児福祉医療において、従前の償還払い方式から現物給付方式へと移行しております。その後、平成28年8月からは、助成の対象範囲を未就学児から小中学生まで償還払い方式での実施として拡大をいたしました。さらに令和4年10月からは、小中学生及びひとり親家庭などの福祉医療において、償還払い方式から現物給付方式へと移行しております。また、高校生等への福祉医療につきましては、令和5年4月診療分から償還払い方式での助成を開始したところでございます。 福祉医療の現物給付化につきましては、市民の皆様の直接的な医療費の負担を軽減することで、子育て世帯の満足度の向上や低所得世帯に対する経済的支援につなげることを目指し導入したものでございます。 現状といたしましては、令和4年度の現物給付方式導入以降の期間であります令和4年12月から令和5年3月までの4か月間の支払い件数と、令和3年度の償還払いでの同じ期間の支払い件数を比較しますと、導入後は、流行性の病気の影響もありますが、医療費の申請件数で小中学生においては約3万1,000件の増、パーセンテージは約103%の増です。ひとり親家庭については約5,000件の増、約46%の増となっております。 以上です。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) それぞれに御答弁をいただきましてありがとうございました。再質問を行わせていただきます。 まず、小規模離島の活性化について、企画部長よりお話がございました。これから私たち、そして子どもたちが生きていく日本、本市も例外ではありませんが、誰もが経験したことのない急激な少子高齢化とそれに伴う人口減少という構造的問題を抱えていきます。確かに、まだそれらを深刻に実感するには至っていないかもしれませんが、離島部に住んでおられる方々にとっては、まさに現実として直面している課題です。 先ほど企画部長も触れていただきましたけれども、離島が課題先進地と言われる理由はそこにあるわけです。だからこそ、過疎地における地域経済の活性化を考える上で、本土と海を隔てて、離れている離島地域の分析は、必ず役に立つと認識できますし、離島地域の経済構造を整理し、活性化策を検討することは、本土を含めた地域活性化に共通する手がかりを探る極めて重要な作業だと思います。 そこで鍵となる取組は、漁業、農業など、離島での産業高度化と、その牽引役としての観光業の位置づけです。高島活性化コンベンション協会ESPOにおいても、収益事業に向けた3か年計画の中で、高島での6次産業化など特産品販売事業や水産物のブランド化等、新たな販路拡大による水産物販売事業を長崎県立大学で水産地理を専門とする先生の漁業調査を踏まえながら、検討に着手し、飲食や宿泊などの観光事業につなげていく計画を立てておられます。将来的には、水産資源の安定的な確保のために、陸上養殖や栽培漁業にも挑戦していく可能性があるとのことです。 今後の島の経済の特徴を踏まえた活性化策を考えると、まず域内の所得を増加させること、就業者の年収を増やし、さらに雇用を増やすことで、域外への人口流出を抑制することが求められます。実際に、高島では、漁港管理用地の規制緩和により島内に水産加工場の建設が図られ、漁師の奥様たちが加工場で働くことで世帯収入のアップにつながっています。最近では、本土の相浦から高島の水産加工場に通勤される方も出てきており、離島振興法の想定とは、おそらく逆の動きも出てまいりました。 就業者を大幅に増やすことは困難としても、今よりも減らさない努力が必要だと思います。その際、通勤の船賃や商品の輸送コストなども課題であり、より実効的な支援策について検討していくべきではないでしょうか。 そこで、高島のESPOの設立総会にも御出席いただき、離島の持続化に向けて具体的に支援を講じていくとのお話をいただいた宮島市長に、高島と周辺地域のエリアマネジメントに取り組んでいるESPOへの支援を改めてお願いした上で、高速通信環境、光ケーブルの整備を含め、小規模離島の活性化について、その展望をお尋ねしたいと思います。 次に、相浦港の活性化、相浦桟橋周辺の整備についてでありますが、港湾部長、御答弁ありがとうございました。これも早急に取りかかるべきところ、あるいは相浦駅や周辺の商業エリアを含めた中長期的な地域の再生とまちづくりを行うべきところなどあると思います。港湾部長の答弁の中にもありましたが、地域の合意形成を図らなければならない点もあります。慎重さも必要です。今回を契機とし、黒島、高島への玄関口として、利便性向上など整備の促進が図られるよう、私も地域において取り組んでいきたいと思います。 今後、相浦地区は、西九州自動車道の4車線化と延伸事業により、交通アクセスが向上していきます。おそらく福岡都市圏からの車の移動も西回りルートを利用される方が出てくるはずです。先ほどリジューム計画についても触れさせていただきましたが、相浦港をはじめ、令和の時代に適合した新たな整備計画、都市の構想がともにつくられていくことを切に願っております。 以上、2項目については意見のみとさせていただきます。 最後に、福祉医療制度についてでありますが、子ども未来部長に御答弁をいただきました。 現状としては、令和4年度の現物給付導入以降、医療費の小中学生の申請件数は倍増、ひとり親についても、大幅に申請数が増えているとのことでした。それだけ政策効果も大きかったと、本市の取組を評価させていただくところです。 一方で、ひとり親家庭の市民の方から私の元に相談があり、子どものことで自宅から近い佐々町の医療機関に通院しているが、市外の病院では現物給付が受けられず償還払い方式での扱いとなっている。広域行政の時代だからこそ、連携したシステムが構築できないか。反対に、佐々町の方は、佐世保市内の医療機関を受診された際に現物給付を受けられているとの内容でありました。 また、北松地区の皆様方からも、そのような御相談を私は受けたことがございます。 そこで、佐世保市においても、小中学生及びひとり親家庭などを対象とした福祉医療費の現物給付について、近隣自治体の医療機関でも受けられるように広域連携を進めていくべきだと考えますが、当局の御見解をお聞かせください。 さらに、本年4月から償還払い方式でスタートした高校生に対する福祉医療費について、今後、現物給付方式を導入することに関しどのように考えていらっしゃるのか、当局の御見解をお尋ねいたします。 以上、小規模離島の活性化、福祉医療制度の2点について再質問です。よろしくお願いいたします。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) ただいまの田山藤丸議員の再質問にお答えをいたします。 まず、小規模離島である高島における今後の活性化についてであります。 議員御案内のとおり、今年度施行されました改正離島振興法において、小規模離島への配慮規定が新設され、またそれに伴って策定された長崎県離島振興計画におきましても、本土と比べて著しく少子高齢化が進むなど、日常生活の維持が困難になっている小規模離島に必要な生活環境の維持・改善を図っていく旨の項目が設けられました。 しかしながら現在のところ、このことに伴う補助メニューの新設等、具体の優遇措置の拡充については、県においてもいまだ国から示されていない状況とのことです。引き続き航路運賃の住民割引や輸送コスト支援を継続しつつ、対象経費の拡大などについて継続して要望しながら、国の動きを注視してまいりたいと考えております。 また、長崎県離島振興計画の中には、情報通信基盤の整備につきましても、実情に応じ、本土に遅れることなくデジタル基盤が整備されるよう、国に対し支援制度の拡充などを求めるとともに、民間通信事業者への整備を働きかけるなど、条件不利性の克服及び安全・安心な生活の実現を目指すと示されております。 議員御指摘のとおり、小規模離島における地域振興には、情報通信基盤の整備、特に光回線等のブロードバンド環境が欠かせないものであるということは十分認識いたしているところでございます。私といたしましても、機会があるごとに民間事業者等へのお願いもしているところでございますが、新たなユニバーサルサービス制度の動向を注視しつつ、引き続き情報通信基盤の整備に向けた検討を行うとともに、国の制度の詳細が分かり次第、地元の皆様の御意見をお聞きしながら調整を進めてまいりたいと存じます。 最後に、ESPOに対しての支援について改めてお願いがございました。 ESPOは地域愛に起因して立ち上がった極めて公益性の高い住民主導の取組を行う組織であり、地域活性化のモデルとして他の地域への波及効果を含めて、大きな期待を寄せているところでございます。 小規模離島の活性化に対しましては、離島振興法の基本理念に基づき、島民の方々が安心して生活できるよう、より実効的な支援策を検討してまいりたいと考えておりますので、今後とも御理解と御協力をよろしくお願いいたします。 ○議長(林健二君)  会議時間を延長いたします。 ◎子ども未来部長(岡雄一君) (登壇) 福祉医療制度について再質問にお答えします。 まず、1項目めの佐世保市外の医療機関の取扱いについてでございますが、議員御指摘のとおり、小中学生及びひとり親家庭が現物給付方式で診療を受けられるのは、佐世保市内の医療機関等に限られております。 長崎県全体の福祉医療費助成制度として実施しております乳幼児につきましては、県と県医師会等が協定書を締結し、県内全域の医療機関等を対象として現物給付を行うことができております。しかしながら、小中学生以上の現物給付につきましては、本市の単独事業として開始したことから、まずは佐世保市内の医療機関等に限って医師会等との協定書を締結し実施したところでございます。 したがいまして、近隣市町において、小中学生及びひとり親家庭が現物給付方式で診療を受けられるようになるためには、本市と近隣市町の各医療機関が属する医師会や歯科医師会、薬剤師会等との協定締結に加えまして、新たに現物給付の実施を行う病院等にシステム改修をお願いする必要がございます。また、近隣市町で現物給付方式を採用した際の本市財政負担として、現物給付化による医療費の増加や、本市のシステム改修費等も見込まれます。 いずれにいたしましても、近隣市町への現物給付の拡大につきましては、市民の皆様の市外への受診状況を分析し、持続可能な制度として設計できるかの研究を行うとともに、関係機関との調整を行いつつ、計画的な整備に向けて検討してまいります。 次に、2点目の高校生等福祉医療費の現物給付化についてお答えいたします。 高校生等への福祉医療の拡大につきましては、先ほど御説明しましたとおり、令和5年4月診療分から償還払い方式での導入を行い、本年10月から医療費の支給申請書の受付を開始し、1回目の支給を11月に開始したところでございます。 この高校生等への福祉医療の拡大につきましては、長崎県と市長会との協議の結果、県の提案で支払い方法を償還払い、負担割合を県が10割とする制度として開始したもので、持続可能な制度を確立するために、試行的に3年間実施し、医療費等のデータ等を基に検証を行い、改めて制度設計の協議を行うこととしているものでございます。 子育て家庭における利便性の向上を図り、負担感の軽減につなげるためにも、現物給付化が求められていることは十分認識をしておりますので、引き続き、県等とも協議をしながら、並行して市独自の現物給付の導入についても、財政規律を保ちつつ持続可能な制度として設計できるよう、検討を継続してまいります。 以上でございます。 ◆9番(田山藤丸君) (登壇) 再度それぞれに御答弁いただき、ありがとうございました。 私は、宮島市長が中学3年生の給食費無償化の方針を示されたことは率直に評価をしております。本来は国が行うべき政策でも、時には基礎自治体が先行して取り組むことで国を動かしていく事例もあるでしょう。離島振興についても同様の性質があるのではと感じております。 確かに離島振興法は根拠法令ですので重要な位置にありますが、その法律の成立に尽力され、離島振興の父と言われる宮本常一氏の言葉を引用すると、「離島振興法ができたから島がよくなるのではない。島がよくなろうとするときに法が生きる」と述べられておられます。 国が国家レベルの計画を考えるのに対して、実際に離島を有している基礎自治体こそが最も離島に身近で、現状を理解し、対策に取り組んでおられる、まさにそういった存在であります。 財源の問題はいろいろあると思いますが、せっかく高島で芽吹いた芽をしっかり育てていただきたいと思います。 また、福祉医療制度の現物給付方式の在り方に関しましても、宮島市長の政策の一丁目一番地である子育て支援につながるところがありますので、引き続き、広域的に県市連携で前進させていただきたいと述べさせていただき、今回の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ○議長(林健二君)  以上で本日の日程は全て終了いたしました。 次の本会議は明日10時から開きます。 本日はこれをもって散会いたします。     17時04分 散会...