佐世保市議会 > 2023-09-12 >
09月12日-02号

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  1. 佐世保市議会 2023-09-12
    09月12日-02号


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    令和 5年  9月 定例会           9月定例会議事日程            第2号                 令和5年9月12日(火曜)午前10時開議第1 第106号議案 令和4年度佐世保市水道事業会計未処分利益剰余金の処分の件第2 第107号議案 令和4年度佐世保市水道事業決算第3 第108号議案 令和4年度佐世保市下水道事業会計処分利益剰余金の処分の件第4 第109号議案 令和4年度佐世保市下水道事業決算第5 一般質問-----------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程に同じ-----------------------------------出席議員(33名) 1番 柴田英樹君    2番 本田博之君 3番 新川英之君    4番 諸國麻椰君 5番 古賀豪紀君    6番 宮田京子君 7番 黒川英朗君    8番 甲斐義博君 9番 田山藤丸君    10番 鶴 大地君 11番 宮島武雄君    12番 松尾俊哉君 13番 小田徳顕君    14番 久保葉人君 15番 角田隆一郎君   16番 山下廣大君 17番 永安健次君    18番 山口裕二君 19番 崎山信幸君    20番 佐藤文子君 21番 久野秀敏君    22番 永田秀人君 23番 柴山賢一君    24番 大村哲史君 25番 林 健二君    26番 田中 稔君 27番 松尾裕幸君    28番 長野孝道君 29番 市岡博道君    30番 大塚克史君 31番 小野原 茂君   32番 古家 勉君 33番 山下隆良君-----------------------------------説明のため出席した者 市長        宮島大典君   副市長       西本眞也君 副市長       田中英隆君   基地政策局長    北村敬男君 行財政改革推進局長 吉田裕一郎君  企業立地推進局長  川口康博君 防災危機管理局長  山元義崇君   契約監理室長    森田知之君 企画部長      杉本和孝君   総務部長      田所和行君 財務部長      東 隆一郎君  観光商工部長    長嶋大樹君 農林水産部長    高増 剛君   都市整備部長    溝口勝利君 土木部長      田島克巳君   港湾部長      大塚 健君 市民生活部長    中西あけみ君  保健福祉部長    辻 英樹君 子ども未来部長   岡 雄一君   環境部長      吉田敏之君 水道局長      中島勝利君   消防局長      坊上 選君 教育委員会教育長  陣内康昭君   農業委員会副会長  阿波茂敏君 代表監査委員    宮崎祐輔君   選挙管理委員会委員長                             和田 隆君-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長      池田真二君   事務局次長兼議会運営課長                             細井章子君 課長補佐兼議事調査係長           岳本雅也君     10時00分 開議 ○議長(林健二君)  出席議員は定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △副市長就任挨拶 ○議長(林健二君)  議事に入ります前に、西本副市長から発言の申出があっておりますので、これを許します。 ◎副市長(西本眞也君) (登壇) おはようございます。 本日は大変貴重な時間を頂戴いたしまして恐縮に存じますが、副市長就任に当たり一言御挨拶を申し上げます。 まずもって、私ごとにて先日の本会議初日を欠席させていただきましたこと、また、就任の挨拶の機会を改めていただきましたことにつきまして、おわびと御礼を申し上げます。 さて、このたび、宮島市長の御推挙をいただき、さきの6月定例会におきまして、市議会議員皆様の格別の御高配により副市長を拝命いたしましたことに重ねて厚く御礼を申し上げます。 私ごとき浅学非才の者にとりまして、このたびの副市長という大役はあまりに重く、身の引き締まる思いでございます。 顧みますと、平成28年4月に教育長を拝命し、自来7年4か月、教育行政に尽力をしてまいりました。この間の取組につきましては、先般の全員協議会の場で幾つか取り上げさせていただきました。後半は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、十分な成果を上げることができましたかどうか、甚だ心もとないものがございますが、様々な課題につきまして何とか乗り切ることができましたのは、市議会議員皆様の御支援と関係各位の御協力、御理解のたまものと、この場をお借りいたしまして重ねて御礼を申し上げます。 道半ばの事業等もございますが、後任には経験豊かな教育長が就任されますので、新しい考え方でもって取り組んでいただけるものと安心いたしているところでございます。 さて、昨今の本市を取り巻く諸情勢の移り変わりは激しく、課題も山積いたしております。特に人口減少問題、それと連動するような超高齢化社会の到来に合わせた福祉の充実、経済の活性化、そして何より子ども・子育て世代や教育への配慮、また地域における課題、加えて本市特有の米軍基地・自衛隊関連の対応等々、取り組むべき課題はいずれも今後の佐世保市の行く末を決定づける上で轍鮒の急、かつ大変重要な課題と考えております。その一つ一つが、宮島市長が掲げられている99の政策に網羅されておりますので、その実現に取りこぼすことのないよう、丁寧に、かつスピード感を持って、職員と腕まくりしながら取り組んでいく所存でございます。 私は、「不言の言を聞く」ということを座右の銘としていたしておりました。耳に届くばかりが声ではなく、口に出さない人たちの声もしっかりと受け止める努力をすることが大事かと存じます。なるべく職員の現場に出向き、市民の皆さんと接する機会を持ちながら、市長が後顧の憂いなく政策実現に円滑かつ確実に取り組まれるためのつなぎと下支えに徹するとともに、もとより市民の代表であられる市議会議員の皆様の御理解・御支援なくしては行政の遂行は困難でありますので、そのことを肝に銘じて職務遂行に当たってまいる所存でございます。 冒頭申し上げましたとおり、私自身の力には限界がございます。至らないところも多々ございますが、微力を傾けましてこの重責を果たしてまいりたいと覚悟いたしております。皆様の格別の御指導、御鞭撻を賜りますよう伏してお願い申し上げまして、就任の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。(拍手)----------------------------------- △日程第1 第106号議案から △日程第4 第109号議案まで ○議長(林健二君)  日程第1第106号議案から日程第4第109号議案までの4件を一括議題といたします。 企業経済委員長の審査報告を求めます。-----------------------------------                           令和5年9月7日 佐世保市議会議長 林 健二様                       企業経済委員長 田山藤丸          企業経済委員会審査報告書 本委員会に付託されました事件は審査の結果、下記のとおり決定しましたので、佐世保市議会委員会規則第20条の規定により報告します。               記1 第106号議案 令和4年度佐世保市水道事業会計未処分利益剰余金の処分の件2 第108号議案 令和4年度佐世保市下水道事業会計処分利益剰余金の処分の件 以上、いずれも原案を可決した。3 第107号議案 令和4年度佐世保市水道事業決算4 第109号議案 令和4年度佐世保市下水道事業決算 以上、いずれも認定した。-----------------------------------企業経済委員長(田山藤丸君) (登壇) 本委員会に付託されました各案件につきまして、審査の概要並びに結果を報告いたします。 まず、第106号議案令和4年度佐世保市水道事業会計未処分利益剰余金の処分の件並びに第107号議案令和4年度佐世保市水道事業決算について申し上げます。 初めに、第107号議案についてでありますが、令和4年度の年間総配水量は、前年度比0.8%減の2,707万3,742立方メートルとなっております。また、給水人口は23万3,828人で、行政人口に対する普及率は98.4%となっております。 次に、経営状況でありますが、収益的収支における事業収益のうち給水収益については、コロナ禍からの回復に伴って、業務営業用等は伸びた一方で、生活用は給水人口の減少により落ち込み、減となったものの、雑収益の増加などによって、事業収益の決算額は、前年度比0.5%増の62億4,805万円となっております。 一方、事業費用の決算額については、配給水費の増加等に伴い、前年度比2.1%増の58億3,309万円となっております。 この結果、4億1,496万円の純利益が生じ、その他未処分利益剰余金変動額5億386万円を加えた令和4年度未処分利益剰余金は、9億1,882万円となっております。 なお、第106号議案につきましては、未処分利益剰余金のうち4億1,496万円を減債積立金に積み立て、5億386万円を組入資本金に組み入れられるものであります。 まず、委員会では、上水道の管路の更新状況について質疑があり、当局から、「上水道の管路の総延長は約2,315キロメートルあるが、その中でも法定耐用年数の40年を経過し、老朽化が進行している管路は約797キロメートルである。令和4年度においては、そのうち11.1キロメートルの管路の更新を行っており、総延長に対する更新率としては0.48%である。毎年、管路の更新を行っているが、整備から40年経過に該当する老朽化管路が新たに発生するため、更新が必要な管路は増加傾向にある」との答弁があっております。 これを受け、委員から、「管路の更新に当たっては、老朽化管路の増加スピードを考慮した上で進めているのか」との質疑があり、当局から、「令和4年度に新たに40年経過した管路は約44キロメートルであり、これに対して更新した管路は約11キロメートルであるが、年度によっては、老朽化管路の増加が10キロメートル程度と少ない年度もある」との答弁があっております。 これを受け、さらに委員から、「年度によって、40年経過した管路の発生に増減があることは理解するが、そういった増減を織り込んだ上での更新を計画した場合、現状の更新のスピードを加速させなければならない状況にあるのではないのか」とただしましたところ、当局から、「指摘のとおり、少しでも多くの老朽化管路の更新を進めなければならない状況にある。一方で老朽化管路は毎年発生することから、実際の更新に当たっては、その中でも、破裂や濁水の発生リスクが高い場所を選定しつつ、計画的に進めていくことで、更新率の向上に努めていきたい」との答弁があっております。 これを受け、委員から、「リスクの高い場所から優先的に更新するなど、計画的に老朽化管路の更新を進めているとは思うが、今の答弁では、老朽化管路の増加スピードに更新のスピードが追いつくことができるのか不透明である。老朽化管路の増加スピードに追いつくことを意識し、順次計画を見直しながら更新を進めてもらいたい」との意見があっております。 以上が審査の概要でありますが、結論に際し、一部委員から、「石木ダム建設事業に反対する地元住民の理解が進んでおらず、関係する事業について毎年繰越金が発生しているが、令和4年度中に市長や水道局長が現地に赴き対応したという事実は確認できなかった。石木ダム建設事業を進めたいとする一方で、取組や進め方が十分であったのか疑義があることから、第106号議案及び関連議案である第107号議案について反対である」との反対討論がありましたが、採決の結果、いずれも賛成多数で原案のとおり可決並びに認定することに決定いたしました。 次に、第108号議案令和4年度佐世保市下水道事業会計処分利益剰余金の処分の件並びに第109号議案令和4年度佐世保市下水道事業決算について申し上げます。 まず、第109号議案についてでありますが、下水道事業の進捗に伴い処理区域が広がったことから、処理区域内戸数は前年度比0.2%増の7万4,551戸となった一方で、年間有収排水量としては、前年度比0.1%減の1,401万3,355立方メートルとなっております。 また、行政人口に対する普及率は、前年度比0.2ポイント増の60.6%となっております。 次に、経営状況でありますが、収益的収支における事業収益のうち、下水道使用料については、コロナ禍からの回復に伴って業務営業用は伸びた一方で、生活用は処理区域内人口の減少により落ち込み、減となったことから、事業収益の決算額としては前年度比1.4%減の47億8,438万円となっております。 一方、事業費用の決算額につきましては、資産減耗費などの減などに伴い、前年度比0.6%減の46億7,703万円となっております。 この結果、1億735万円の純利益が生じ、令和4年度未処分利益剰余金は2億5,367万円となっております。 なお、第109号議案につきましては、未処分利益剰余金のうち、1億735万円を建設改良積立金に積み立て、1億4,632万円を組入資本金に組み入れ、資本の増強を図られているものであります。 委員会といたしましては、以上2件につきまして、当局の説明を了とし、採決の結果、いずれも全会一致で原案のとおり可決並びに認定することに決定いたしました。 以上、報告を終わります。 ○議長(林健二君)  ただいまの委員長の報告に対する質疑に入ります。 質疑をとどめます。 これより討論に入ります。13番小田徳顕議員。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) 日本共産党の小田徳顕です。 第106号議案令和4年度佐世保市水道事業会計未処分利益剰余金の処分の件並びに第107号議案令和4年度佐世保市水道事業決算について、反対の立場で意見を申し上げます。 そもそも調査の結果、建設の必要が生じた場合、改めて書面による同意を受けた後着手するという覚書を住民と交わしていたにもかかわらず、同意なしに計画を進めてきた長崎県の責任は重いものです。石木川原の住民は、ダム建設にいまだに合意をしていません。行政代執行しなければ成り立たないような事業への支出には同意できません。 以上、反対の討論といたします。 ○議長(林健二君)  22番永田秀人議員。 ◆22番(永田秀人君) (登壇) 22番、市民クラブ会派の永田でございます。 第106号議案と第107号議案について、会派内では意見が分かれているところでありますが、私は反対の立場で討論させていただきます。 委員長報告でも触れられておりましたが、石木ダム建設事業に関して、令和4年度に、市長・水道局長は現地にどういう対応をされましたかとお聞きしましたが、令和4年度中は現地に赴いたことがないと、こういった話でありました。 さらに、前任の朝長市長任期中の訪問状況も確認していたんですが、16年の任期中、前半8年は現地に通われておられましたが、後半8年は一度も行かれていないようであります。その頃、ダム建設に関しては訴訟で係争中という面もあるようではありますが、それは県が当事者の訴訟でありますから、理由づけとしては微妙だなと思うところであります。 なお、大石県知事は、任期1年目の昨年度に現地へ数回、足を運んでおられます。「お願いして実現しよう石木ダム」、こういうスローガンが掲げられて久しいものがありますが、反対地権者の理解を得るには、佐世保市自身がその姿勢をしっかり示し続けなければならないと考えますが、そういったことになっていないのが昨年度の取組だと思っております。 そういった考えから、令和4年度の水道局の石木ダム事業に関する姿勢、進め方は承認することができず、この第107号議案とそれに関連する第106号議案、いずれについても反対するものであります。 以上、賛同を求めて討論を終わります。 ○議長(林健二君)  討論をとどめます。 これより、まず第106号議案令和4年度佐世保市水道事業会計未処分利益剰余金の処分の件を採決いたします。本件は、原案のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。(賛成者起立)起立多数であります。よって、本件は原案のとおり可決されました。 次に、第107号議案令和4年度佐世保市水道事業決算を採決いたします。本件を認定することに賛成の議員の起立を求めます。(賛成者起立)起立多数であります。よって、本件は認定することに決定をいたしました。 次に、第108号議案及び第109号議案の2件を一括して採決いたします。以上2件は、原案のとおり可決及び認定することに御異議ございませんか。(「異議なし」の声あり)御異議なしと認めます。よって、以上2件は原案のとおり可決及び認定することに決定をいたしました。----------------------------------- △日程第5 一般質問 ○議長(林健二君)  次に、日程第5一般質問を行います。 順次質問を許します。26番田中稔議員。 ◆26番(田中稔君) (登壇) 自民党市民会議の田中でございます。長い議員生活の中で久しぶりに1番バッターを引き当てました。そして、2年ぶりの質問で、いささか緊張いたしておりますけれども、よろしくお願いしたいと思います。 では、通告に従いまして、順次質問をいたします。 まず、1項目め、佐世保港における人流、物流活性化のための取組について伺います。 佐世保市の発展に向け、強く制限がかかっている佐世保港の商港機能面における重要性について、今までも多くの議論がなされてまいりました。今回、宮島市長が新たに就任され、市長のマニフェストにも国際クルーズ船の寄港地観光の受入れ体制の整備が掲げられていることも踏まえ、改めて佐世保港における商港機能としての認識について、また、人の流れである人流と物の流れである物流の両面から佐世保港を活性化させていくための今後の取組について伺っていきたいと思います。 さて、去る本年の3月、前任の朝長市長から私に対しまして、コロナ禍後の国際クルーズの再開が決まり、今後の佐世保港へのクルーズ船誘致を力強く進めていきたいといったことで、行政と議会の両輪でポートセールスを行いたいので同行してほしいと要請がございまして、初めてポートセールスに同行いたしました。そのときのポートセールスの主な目的は、アメリカのマイアミ近郊で開催される世界最大級のクルーズ船展示商談会に参加すること、そして、佐世保市の官民連携相手のクルーズ支援者であるカーニバルコーポレーション本社への訪問でございました。実際に現場に同席いたしましたが、市長や職員の方々が1隻でも多くのクルーズ船の寄港を実現するため、必死に佐世保港を売り込んでいる様子を目の当たりにいたしました。日本国内での他港との競争だけではなく、海外においても激しい競争の中で、いかに誘致活動を行っているのか痛感をいたします。 その際の振り返りも含め、改めてクルーズ船に関する内容について伺っていきたいと思います。 それでは、まず、佐世保港でのクルーズ船受入れについてでございますが、佐世保駅みなと口にある三浦地区において、2014年の三浦岸壁供用開始から本格的にスタートしたものと思います。その後、クルーズ船の大型化の時流を先取りした整備も進めながら、2018年には佐世保港へのクルーズ船寄港数は100隻を超えまして、日本全国で8位の寄港数と伺っております。さらには、国土交通大臣から港湾法に基づく国際旅客船拠点形成港湾への指定を受け、浦頭地区に官民連携で新たな整備を行ってまいりましたが、完成直前に、残念ながらコロナ禍により全世界のクルーズの運航及び受入れがストップいたしました。 完成後は国際クルーズの拠点港として、クルーズ船受入れを進めていく予定であったと思いますが、今までに三浦地区、浦頭地区への投資は、国や民間も合わせるとどの程度になるかを伺いたいと思います。加えて、寄港実績、乗員・乗客の来訪実績も伺います。 次に、商港機能において人流と同じく非常に重要な要素として、市民の生活と産業活動を支える重要な生産基盤である物流がございます。貨物の流通機能の向上のためには、埠頭をはじめとする港湾施設の整備に加え、港湾運送業や倉庫業などの企業においても、合理的な運営が不可欠であり、佐世保港におきましても重要な役割を果たしていると考えております。 佐世保港の物流につきましては、港湾統計で佐世保港における直近の5年間の取扱貨物量を確認いたしますと、約200万トン程度で推移しており、よくも悪くも安定している状況と思われます。しかしながら、その中の佐世保港からの輸出に着目いたしますと、直近の5年間で見たところ、その取扱量はほぼゼロでございます。近年のコロナ禍や社会情勢などにより、港湾物流への影響を受けていると思われますが、佐世保港と同じく貨物を輸入、輸出する長崎港、伊万里港、唐津港などは、直近の5年間においても一定の輸出量がある状況でございます。 聞くところによりますと、自社製品の輸出を行っている佐世保市内の企業において、製品製作のための資材の輸入及び完成した製品の輸出を唐津港から行っているという話がありました。なぜ佐世保港で取扱いをしないのか、もしくはできないのか、甚だ疑問に感じるところでございます。 そこで、佐世保港が物流において選ばれる港として何が必要なのかを明らかにするため、物流の状況として、佐世保港の取扱貨物量の現状と、取扱貨物量がなかなか増加しない理由が分かれば、その理由を含めた分析をお伺いしたいと思います。 次に、2項目めでございます。 佐世保市における公共施設マネジメントについてお伺いをいたします。 公共施設のマネジメントについては、全国的に大きな課題となっております。1970年代の高度経済成長や人口増加など、右肩上がりの情勢を背景として、多くの公共施設が整備され、これらの施設の多くは、既に建築後40年から50年を経過し老朽化が進行しております。また、今後一斉に更新時期を迎え、多額の経費が必要となります。さらに、人口減少や少子高齢化は今後も進行すると見込まれ、人口全体に占める高齢者人口の割合が上昇する一方、生産年齢人口と年少人口の割合は低下することから、社会保障関連経費の増加に反し、市税収入の減少が想定をされます。 これらのことから、現存する全ての施設を更新し、引き続き維持管理を継続していくことは困難であるため、佐世保市においては平成29年2月に、令和18年度までの20年間を計画期間として、佐世保市公共施設適正配置・保全基本計画を策定され、公共施設の総量縮減と長寿命化を進めるに当たっての基本的な考えを示されました。加えて、基本計画に示した将来ビジョンを実現するため、計画期間を5か年ごとに分割して、公共施設の適正配置や長寿命化の具体的な取組方針、実施年次を示す実施計画を策定・公表しておられます。 人口減少や少子高齢化という社会情勢を見た場合、公共施設のマネジメントについては、日本全体において取り組む喫緊の課題と私は捉えておりますけれども、一方で、公共施設の総量縮減という事柄のみを捉えると、公共施設の提供という行政サービスの低下につながるのではないかということも心配をいたしております。 そこで、まずお尋ねをいたしますが、公共施設の延床面積での削減目標を15%と設定しておられますが、この数値はどのような考えで設定されているのか伺いたいと思います。 また、令和4年度から8年度までの5か年を計画期間として、佐世保市公共施設適正配置・保全第2期実施計画を策定され、施設の複合化や民営化、長寿命化の取組を進められております。私自身、議員に就任して以降、各種行政運営について、民間にできることは民間に委ねるべきということを政治理念として掲げていますが、施設を民営化するとした場合、行政の関与がなくなってしまうことになります。行政の管理運営形態がそうでないという語弊が生じるかもしれませんが、民間感覚の損益重視に傾倒するあまり、人件費を含めた施設の運営に係る経費の削減にもつながり、ひいては施設利用サービスの品質低下につながるのではないかということも一方で懸念をいたしております。 そこで、実施計画に掲げている取組内容や、これまでどのような実績があったのか、特に民営化に関しては、実施状況や今後の展望について伺いたいと思います。 1回目の質問を終わります。 ◎港湾部長(大塚健君) (登壇) 佐世保港における人流、物流活性化のための取組について、私からお答えします。 1点目のクルーズ拠点に係る投資額並びに寄港実績について、まず投資額ですが、三浦地区につきましては、岸壁及び泊地の浚渫、国際ターミナル等の整備に要した投資額は約73億円となっております。また、国際旅客船拠点形成港湾に指定され、官民連携で進めてまいりました浦頭地区につきましては、国による整備分が約53億円、本市が約19億円、船会社が約20億円となっており、合計で約92億円となっております。 次に、寄港数並びに乗員・乗客数の実績につきましては、平成26年の三浦岸壁供用開始から本日までの累計で、寄港数が469隻、乗員・乗客数については約92万人という状況でございます。 三浦岸壁のみで運用してきたクルーズ船の受入れが、浦頭地区の整備により複数のクルーズ船が寄港できる環境を整えることができ、1隻の寄港で数千人の観光客が直接本市に訪問できるようになったことは、本市のクルーズ受入れの将来を考える上でとても貴重な財産であると考えております。クルーズ船受入れの歴史が浅い佐世保港にとって、世界的に見ても、知名度や認知度が低いことが課題となっておりますので、数年先を見据えたクルーズ船の誘致活動を積極的に進めてまいります。 2点目の佐世保港における取扱貨物量の現状でございますが、直近の5年間においては、議員御指摘のとおり年間約200万トン程度で、ほぼ横ばいの状況でございます。これは離島航路のフェリー貨物が貨物量全体の約3割を占めていることや、外国からの輸入貨物については、牛、豚、鶏の飼料となります穀物や燃料用の石炭について一定量の取引が継続されていることから、直近5年間はほぼ変化なく推移しているものでございます。 しかし、10年前と比較しますと、平成24年が約350万トンであり、令和4年は198万トンと大きく減少している状況でございます。この10年間において、相浦発電所や佐世保重工業の新造船からの撤退、RORO船の航路変更など、佐世保港の背後圏に立地する企業の経済活動が縮小傾向にあったことが減少の大きな要因であると考えております。 さらに、佐世保港は他港に比べ埠頭用地が狭く、貨物の保管場所が限られていることや、前畑地区にあります本市所有の大型荷役機械が特定の貨物にしか活用できないことなども要因として考えられます。また、佐世保港においては、別途クレーンなどが必要となり、荷役コストが増加するため、荷役機械が常備されております長崎、伊万里、唐津港といった近隣港で取引を行っているという状況を聞き及んでおります。港湾施設の機能不足により他港との競争力に乏しい状況につきましては大変危惧しているところであり、港と共に発展してきた本市においても、問題解決に向け早急に取り組むべき課題だと考えております。 以上でございます。 ◎財務部長(東隆一郎君) (登壇) 御質問の2項目め、佐世保市における公共施設マネジメントについての御質問につきましては、公有財産を統括する財務部からお答えをいたします。 御質問の佐世保市公共施設適正配置・保全基本計画に掲げております公共施設の延床面積削減目標15%以上の考え方についてお答えをいたします。 削減目標の考え方につきましては、三つの視点を持って設定しているところでございまして、1点目は人口減少に伴う施設保有量の見直し、2点目は類似団体との施設保有量の比較、3点目は公共施設の将来費用でございます。 計画策定に係る検討当時の平成27年の推計時点におきまして、一つ、本市の将来人口が20年後に約18%減少すること、二つ、本市と類似した人口規模を持つ自治体との施設保有量を比較した結果、類似団体のほうが約17%少ないこと、三つ、今後の維持改修にかかる将来の必要経費が長寿命化により最大限圧縮したとしても、過去の投資実績と比較して約14%分が不足することとなっておりました。これらの視点を踏まえ、総合的に勘案した結果、延床面積の削減目標を15%以上と設定しているところでございます。 続きまして、令和4年度からを始期とする第2期適正配置・保全実施計画の概要について御説明をいたします。 基本計画におきましては、令和18年度までに延床面積を15%以上削減の目標を実施すべく、30施設を対象として集約化や複合化、民営化や廃止に向けた取組を進めることを想定いたしており、第2期の実施計画どおりに取組を進めることで、令和8年度末までに施設の延床面積約1万1,000平方メートル、率にいたしますと約1.3%の削減を見込んでいるところでございます。 また、学校施設につきましては、教育委員会において策定された学校再編計画に基づき、学校の統廃合に係る地域住民や保護者との合意形成が図られたところから順次再編を進めることとしていることから、統廃合が実施されれば、延床面積の削減見込みに廃止となった学校分の面積が上積みをされることになります。 次に、実施計画における民営化の取組内容について御説明をいたします。 第2期の実施計画におきましては、先ほど述べました30施設のうち9施設を対象として、民営化の実現に向けた検討・調整を進めることといたしております。今年度は2年目となりますが、江迎特別養護老人ホーム老福荘や吉井町橋口農作業準備休憩施設については、令和4年度中に民間譲渡が完了いたしております。このほか、計画期間内に民営化を完了予定としているものとしまして、中部子育て支援センターを含む大黒保育所におきましては令和7年度末までに、また、障害福祉サービス事業所あすなろ・おおぞら作業所と児童発達支援センターすぎのこ園が入居する心身障害者福祉センターにつきましては、すぎのこ園の機能を別地に移転した上で、令和8年度末までに機能と施設を民営化することといたしており、その実現に向けて、それぞれの担当部局において関係機関との協議調整等を鋭意行っているところでございます。 議員御指摘の民営化に伴う御懸念につきましては、民間に移譲したとしても、市民が利用されてきた機能が一定維持できることを前提に移譲先を選定いたしておりますことから、民営化による施設利用サービスの低下は生じないものと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆26番(田中稔君) (登壇) 答弁いただきました。ありがとうございました。 再質問をいたします。 国際クルーズが本年3月より再開いたしましたが、長崎港、鹿児島港は順調に寄港数を伸ばしておりますけれども、佐世保港への寄港は残念ながら進んでいないように思われます。 余談ですけれども、鳴り物入りでクルーズ船の乗客を三ヶ町、四ヶ町へ誘致する目的で、松浦公園の一角をバス乗降場として整備されておりますけれども、こちらもあまり利用されておらず、大変残念なことだと思っております。 先ほど、クルーズ船の誘致は数年先を見据えてとの発言がありましたが、日本船社と外国船社、それぞれどのようなポートセールスを実施しているのか。また、他港、他都市がどのような取組を実施しているのか伺いたいと思います。 あわせて、先ほど答弁にもありましたけれども、受入れの歴史が浅く、知名度、認知度が低い佐世保港にとって、いかにポートセールスが重要か。同行したからこそ痛感しているわけでございますが、知名度、認知度を向上させる課題について、クルーズ船社とその後の意見交換でどのような方策が効果的と考えられるのか、伺いたいと思います。 それに加えて、面談時にクルーズ船社から、アメリカまでわざわざ時間をかけて訪問してくれたことへの深い感謝と、市と市議会の代表が訪問したことの特別さを重く受け止めているという発言があったと記憶をいたしておりますが、これはどのような意味であったのか、お伺いしたいと思います。 加えて、マイアミを訪問した際に、クルーズ船が同時に9隻停泊している拠点を視察いたしましたけれども、そのときに停泊していた客船は22万トンとの説明があったと記憶しております。今後のアジアにおけるクルーズ船の大型化について、どのような所見なのか伺いたいと思います。 続いて、物流の視点といたしましては、佐世保港は明治22年に佐世保鎮守府開庁以来、軍港施設が年々整備・拡張され、市全体が急速に発展し、終戦後は造船業や重工業を中心とした生産拠点や物流貿易港としてまちの発展を支えてきたことから、県北地区の物流拠点として重要な役割を担っていると思っております。物流の現状については非常に厳しい状況にあるということは理解をいたしましたが、物流は原材料の調達、生産から販売への流通過程など、産業活動のあらゆる部分に深く関与しております。佐世保市内においても、バス、タクシー、トラックなどのドライバー不足が言われており、働き方改革による2024年問題も控え、物流業界全体への影響も心配されるところでございますが、佐世保港に物流の拠点を置くことができれば、効果的には各企業における低コスト化やドライバーの労働環境の改善が図られるのではないかと考えております。 また、佐世保市内に限らず、周辺市町の経済活動や国際的な物流関連市場が回復してくれば、物流全体としてより大きな市場になり得るものと思っていることから、佐世保港においても今後の動向に注視しておく必要がございます。 そこで、佐世保港の取扱貨物量の今後の見込みをお伺いしたいと思います。 加えまして、先ほど港湾施設の機能が不足しているという答弁がありましたけれども、それに関連して、港湾施設の機能の一つとして昭和59年に設置された大型荷役機械アンローダーについてお伺いをいたします。 私は以前、一般質問において、前畑岸壁に設置してある大型荷役機械アンローダーに関しての質問を行い、当時の状況などについて答弁をいただいたところでございますが、そのときから状況が変わっておらず、設置から40年を経過しようとしております。アンローダーにつきましては、現在の使い方を見ると、飼料用穀物の荷揚げに専用的に用いられておることから、設置当初の目的とは異なり、その機能を十分に発揮しているとは言い難く、また、後の利活用を考えると非常に老朽化しており、いつ故障するかも分からない状況であるため、もっと効率的なものに切り替えていくという計画はどうなのかということを都市整備委員会の中で意見したこともございました。 そこで、物流の現状や今後の見込みを踏まえ、老朽化したアンローダーをどうしていくのか、今後の取扱いについて伺いたいと思います。 次に、公共施設マネジメントは、再三、私が訴えるとおり、行政運営上避けては通れない課題だと捉えております。行財政運営のバランスを取りつつ、市長の政策推進を両立させる上で、今回取り上げた公共施設のマネジメントを市長としてどう推進していくのか。市長の考え、意気込みを伺いたいと思います。 以上で2回目を終わります。
    ◎市長(宮島大典君) (登壇) 田中稔議員の再質問の2項目め、佐世保市における公共施設マネジメントについての市長の意気込みということで御質問をいただきました。 今後、全国的にも人口減少が進んでいく中、公共インフラの規模の適正化と機能の最適化は、佐世保市においても避けて通れない課題と捉えております。私は6月定例会の所信表明で、官民共創と申し上げました。これから、まちづくりにおいては民間の力を積極的に取り込み、行政と民間がタッグを組むことで、事業の効果・成果の向上を図ることができるのではないかと考えております。 このことから、公共施設のマネジメントにおいてもPPPの導入を図るなど、効率化と行政サービスの質の向上の両立を目指し、取組を進めてまいりたいと考えております。 ◎港湾部長(大塚健君) (登壇) 佐世保港における人流、物流活性化のための取組についての再質問にお答えします。 1点目のポートセールスについてのお尋ねですが、日本船社に対しましては、コロナ禍以降、苦境に置かれたクルーズ船を日本で初めて受入れを行い、積極的に受入れを行ってきたことにより、相互の信頼関係をより深く構築できました。現在も、船社側から新たな事業展開や来年の寄港についてのお話をいただくようになり、結果として、受入れが誘致につながっているという状況でございます。 外国船社へのセールスにつきましては、日本支社のほか、アジア地域の拠点であります中国の船社などを中心に、セールスを行ってまいりました。その際に、船社等のニーズなどをヒアリングし、受入れを通して改善していくことで、次の寄港へつながるように取組を行っております。 受入れの歴史が長い他港の取組状況につきましては、欧米にある本社へ直接訪問し、誘致を行っているほか、欧米で開催されるシートレード・クルーズや日本最大の観光展示商談会であるツーリズムEXPOへの出展など、積極的に展開されており、全世界に向け幅広いプロモーションを実施されているという状況でございます。 次に、2点目の本市の知名度及び認知度向上のための方策についてでございますが、先月の上海でのポートセールスの際に、船社から、佐世保の知名度不足が課題であることが示されまして、まずは知名度向上のために、情報発信力が高いキーパーソンや、いわゆるインフルエンサーなどを活用したプロモーションが効果的であるとアドバイスをいただいているところでございます。さらに、プロモーションに連動して、魅力ある寄港地観光の創出とシートレード・クルーズなどへの積極的な出展を行い、PRの機会を増やすことで知名度、認知度を向上させることが重要であり、今後、重点的に取り組んでまいります。 3点目の本年3月のトップセールス時の船社からの発言について御説明いたします。 今年3月に開催されましたシートレード・クルーズ・グローバルは、日本からも国土交通省や日本政府観光局に加えて、全国から本市を含む16自治体が共同出展を行っており、実際、本市だけは特別に寄港地の決定権を持つ幹部の方と長時間面談ができております。 船社の発言の真意として、佐世保市だけが市と議会を代表したトップセールスを実施したことで、行政と議会が両輪で動いている佐世保港を受入れに積極的な港であると高く評価いただいたことによるものと考えております。同時に、戦略的なポートセールスの重要性を改めて認識した次第でございます。 次に、4点目のクルーズ船の大型化への対応についてですが、現在、佐世保港においては、18万トン級のクルーズ船の受入れが可能となっております。大手の船社からは、20万トンを超える新造船が今後多く見込まれており、二、三年後のアジア地域への配船の可能性についてお聞きしている状況でございます。 今後、20万トンを超えるクルーズ船が主流となることを見据え、動向を注視しながら、整備につきましても国土交通省と協議しながら検討を進めてまいりたいと考えております。 次に、取扱貨物量の今後の見込みについてでございますが、まず、議員の令和元年9月定例会の一般質問を受け、荷役機械の今後の取扱いについて、令和2年度より関係企業との勉強会を始め、令和4年度には協議会を設立いたしており、現在、地域に密着した多目的な物流拠点を目指し、今後の方向性や具体的な取組方策などを協議しております。事業者からは、新規貨物の保管場所の確保が難しいことや現在の荷役機械の問題点の抽出など、状況改善に関する様々な御意見や御提案をいただいております。 一方で、事業者への問合せについてですが、今後7年間で約100件程度あると伺っていることや、他港との荷役コストの比較で佐世保港が有利となれば、当然、佐世保港での取引も可能であるという御意見をいただくなど、一定の需要はあるものと捉えております。その中でも、昨今の国のカーボンニュートラル推進に伴い、関連する部材やエネルギー用タンクなど、重量物の取扱いについての問合せもあると伺っております。 今後、その取扱いができるよう、荷役機械の機能向上が必要不可欠でございますが、昨年、大規模改修による延命化の検討も行った結果、新規導入を行う場合とほぼコストが変わらないことや能力の向上が見込めないということから、現在の荷役機械に代えて新規で導入する検討を行っております。 荷主に選ばれる港となる取組の一つといたしましては、佐世保港で取扱いができる可能性がある貨物につきましては、極力取りこぼしがないよう、現在取扱いを行っている穀物、鋼材などのばら貨物を中心としながら、将来の新たな貨物需要に備え、多目的な大型荷役機械を導入したいと考えております。 以上でございます。 ◆26番(田中稔君) (登壇) 再々質問をいたしたいと思います。 これまで佐世保港における人流と物流の両面から、現状そして今後の取組について答弁をいただきましたが、本市の経済の活性化のために佐世保港の発展は不可欠であり、市を挙げて取り組むべき重要な施策であると考えております。 第7次総合計画の港湾政策が目指す、「佐世保港を中心に人と物が交流する活力あるまち」は、まさにそれを表していると思っております。先ほど、アンローダーの答弁の中で、選ばれる港というキーワードがありましたが、まさに人流と物流の両面において選ばれる港にならなければならないと考えますが、今後の佐世保港をどのように活性化させていきたいのか、宮島市長の思いを改めてお伺いしたいと思います。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 御質問いただきました今後の佐世保港の活性化について述べさせていただきます。 まず、人流につきましては、クルーズの寄港地として佐世保港を選んでもらうためには、寄港する背後地圏にある寄港地観光を充実させることが重要と考えております。 先月、上海にある船社をトップセールスとして訪問させていただき、各社の幹部の皆様とクルーズの現状等について様々な意見交換をさせていただいたわけですが、その際に私が感じましたことは、船社の寄港地観光に対する期待が大きく、寄港地を選ぶポイントになっていること、そして、寄港地やツアーを決定する上で、船社のイニシアチブが高まっているということでありました。そうであるならば、船社のニーズ、すなわち顧客のニーズに積極的に応えていくこと、そして、それを磨き充実させていくことこそが今後の佐世保港への寄港につながっていくものだと考えております。 具体的には、数多くある本市の魅力ある既存の観光地を生かしつつ、集客力のある新たなコンテンツの開発も重要ではないかと考えており、その結果として市内を周遊していただけるようになることで、市域への経済効果を広く波及させたいというのが私の強い思いでございます。 加えて、今年度取り組んでおります佐世保クルーズ・フェスティバル・ビレッジの整備を進めながら、港としての魅力も向上させ、佐世保港の付加価値を高めつつ、船社や未来の乗客へ伝えるために、展示商談会等への出展や船社を訪問するなどの積極的なポートセールスに取り組み、ハード・ソフト両面での多角的な戦略が重要だと考えております。あわせて、船社等の要望に対してよりスピード感を持って対応するため、クルーズ誘致と受入れを一元化したクルーズ事業推進のための組織体制の強化を図ることとしており、クルーズの動きがさらに加速する10月を見据え、今月中には方向性を示してまいりたいと考えております。 また、物流につきましては、佐世保港が物流拠点として利活用しやすい港となる必要があろうかと考えております。私が市長に就任してからすぐ、佐世保港の発展に関する申入れとして港湾事業者から要望を受け、佐世保港を取り巻く様々な問題点を共有したところです。特に主力事業の休止や燃油高騰等の様々な影響を受け、取扱貨物量が減少傾向にあることを再認識し、早急に取り組むべき課題であると考えており、課題解消に向け官民一体となり、海上物流の活性化を推進していく取組を行う必要があると考えております。 利用促進に向けた具体的な取組の一つとして、荷主の意向や条件に対してできる限り対応可能な状況をつくれるよう、以前からの業界の要望である多目的クレーンの導入を検討しております。多目的クレーンを導入することにより、他港での取引となっている貨物について、佐世保港でも取引できるよう、業界などとも協議しながら、最適な能力を決定させた上で、来年度の予算へ反映させるべく、事業者の皆様とも協議を重ねております。 議員が申された佐世保港における商港機能の活性化なくして本市の経済的な発展はないと考えております。10月にはクルーズ船も10隻の入港が予定されており、今後ますますの寄港増加が見込まれます。今後、港を核とした人と物の交流を積極的に進めていくためにも、ポートセールスや貨物の獲得など、より一層注力すべく事業を推進してまいりますので、今後とも議会の皆様方のお力添えをよろしくお願い申し上げます。 ○議長(林健二君)  12番松尾俊哉議員。 ◆12番(松尾俊哉君) (登壇) 12番、市民クラブの松尾俊哉でございます。 去る4月の統一地方選挙におきまして、再びこの場へと送っていただきました。初心を忘れることなく、御信託をいただきました皆様の期待に応えられるよう、これまで以上に精進してまいる所存でございます。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、早速ですが、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。 まず一つ目、観光関連の政策について質問をいたします。 この3年に及ぶコロナ禍の影響により、観光関連の多くの職種に携わる方々が大変な状況の中で仕事をされてきたことと思います。コロナ禍前には、国内でも有数の外国クルーズ船の寄港地として名をはせた佐世保港でしたが、コロナ禍に入ってその数は激減し、以前のような外国船の寄港地としての佐世保は戻ってくるのかとの声もあった中、先月には3年ぶりとなる中国船籍のクルーズ船の入港があり、そして、今定例会の初日には、市長から、来月4日に中国からのクルーズ船の寄港が予定されている旨、報告がございました。 また、市と観光コンベンション協会がまとめた昨年、2022年の観光統計によると、観光客数は4年ぶりに増加したとのことであり、昨年10月以降の数字はコロナ禍前の水準にまで戻ったということで、明るい兆しが見え始めているようにも思います。さらに、今年に入り、コロナ感染症の5類への移行以来、行動制限が緩和され、人々の旅行意欲は以前にも増して大きく高まっていると思われます。このような状況を機に、観光振興の復活による地域経済の活性化が急がれると感じたところでございます。 そのような中、これまでの観光振興券、地域振興券とは異なる、観光目的にお見えになった方々でも購入可能で、さらに購入金額に対して上限つきではあるものの、プレミアムのポイントが付与されるシステムであるさせぼeコインを構築するなど、観光客誘致に向けた、また市民の購買意欲を押し上げる施策を進められていることは、高い評価に値することだと思います。 そこでですが、市内にはハウステンボスや九十九島をはじめ、多くの観光拠点と考えられる場所が点在していると思います。例えば、世界文化遺産を構成する黒島であったり、洞窟遺産日本一を誇る当市において、私の地元でもある吉井町に誕生した福井洞窟ミュージアムであるとか、日本本土最西端の地であったり、日本遺産を構成する鎮守府や三川内焼であったり、針尾送信所であったりと、多種多様で多彩な観光拠点が点在しているわけでございますが、これらの特性をどのように捉えた上で現在の観光施策に生かしているのか、お尋ねをいたします。 続いて、観光地周辺の環境整備についてお尋ねをいたします。 これは、例えばですけれども、先ほども当市の観光拠点の一つとして取り上げました日本本土の最西端の地であります神崎鼻でありますが、ここは全国各地から多くの観光客がお見えになっている重要な観光拠点であります。ところが、目的地までのルートはなかなか分かりにくい部分もあり、来訪される方が容易に安心してたどり着ける環境とは言い難いように思います。実際に、私自身もこれまでに二度尋ねられたことがございます。お一方は、間近なところまで行かれたのに、最後のアプローチが分からなかったとのことでした。もうお一方は、入口が分からず通り過ぎたようだとのことでのお尋ねでした。また、最西端の地を訪れた記念のグッズなどについてもお尋ねをいただきました。先週金曜日にも、神戸から来られたという初老とおぼしき3名の方が、小佐々地区コミュニティセンターに立ち寄られて、その道順をお尋ねになっていました。 るる申し上げましたが、このように、多くの方がお見えになる場所でありながら、なかなか行き着くことのできない方が多い状況ですので、観光地の周辺の整備という観点から、分かりやすい標識など工夫をしていただけないものか、お尋ねいたします。 続いて、二つ目の項目、市立学校の施設整備についてお尋ねをいたします。 市内の小中学校は、当然ながら建設された時期も違えば、またその規模も違うため、それぞれの学校によって違いがあるとは思うところですが、それらの学校の設備、また施設などには、老朽化が進んで改修が必要とされているものも多くあるのではないかと考えるところです。 そこで、実際にこの夏休みに市内の小中学校を、地域を限定せずランダムに、7校ほどですけれども訪問をさせていただき、設備の状況や課題点などをお聞きしてまいりました。それぞれに設備の傷みでありますとか、施設そのものの老朽化であるとか、少なからず問題点はあるようでしたが、その中の一つである歌浦小学校においては、教室の床が一部で隆起している状態で、教室の中心にビー玉を置くと、あっという間に四隅の壁に到達するといった状況がございました。これはまるで舞台製作における手法の一つであります八百屋舞台のような状態でありまして、そのような教室で授業を受けなければならないといったことは、平衡感覚などに異常を来すなどといったことが起きないとも限らない状況だと思います。そんな中で学習を強いられる児童がいることは残念でなりません。 また、他校においては、水の問題をお聞きいたしました。各学校で手洗い場やトイレなど、いろいろな箇所に設置されている水栓でありますけれども、蛇口に至るまでの水道管は壁などに埋設されているため、簡単には取り替えることはできず、古い学校においては、蛇口をひねると管のさびなどが出てくることもしばしばあるようです。昨今、児童生徒は水分補給のために水筒を持参しているようですが、それを飲み干してしまった場合は、今申し上げたような水を補給するしか選択肢はありません。 このように、学校によってそれぞれに問題点があるようです。このような問題を抱える学校については、子どもたちの健康面や学習面などから考えても、早期に改修等の必要性を感じたところですが、学校施設や設備の改修について、どのようなサイクル、また基準によって行っているのか、お尋ねをいたします。 ほかにも気づいた点がありますので、併せてお聞きいたします。 訪問した学校によっては、校内の段差があるところにスロープが設置されているところがございました。車椅子を利用している児童生徒が在校しているのだろうということはすぐに理解したところでしたけれども、例えば、そういった車椅子を使用されている子どもさんが階段を使って移動をしなければならないような場合も、当然ながら出てくると思うところです。こういった身体の不自由な児童生徒への対応についてどのように考えているのか。移動の手段を含めて、その対応をお尋ねいたします。 次に、特別教室への空調設備の設置状況についてですが、現時点でまだまだ設置が完了できていない学校が多くあるようです。文化系の部活動などを行っている中学校の音楽室においては、まだ設置ができていないところも多くあり、この夏の部活動時においても暑くて大変だったという報告も届いております。 そこで、現時点での空調設備設置の進捗状況と今後全ての学校への設置が完了する予定についてお尋ねいたします。 また、ある学校長のお話ですが、既に空調設備が設置済みの音楽室において新たに取り替える旨の連絡があったとのことで、現在稼働できているので、ほかの教室への設置へと変更してはもらえないのかとのことでした。このような場合、どのような対応をされているのか、併せてお尋ねいたします。 次に、三つ目の項目、文化振興についてでございます。 クラウドファンディング型プロジェクト応援事業(文化)というものについてお尋ねをいたします。 日頃から文化活動を行っている市民の皆さんが、自分たち自ら企画をし、舞台発表などを行う場合に、以前は行政からの補助をしていただけるメニューが幾つかあったものの、ここ最近はそういったものがなくなってしまったといった声が聞こえる中で、新たにクラウドファンディング型プロジェクト応援事業(文化)補助金という制度が立ち上げられ、今年度で3年目を迎えることとなっています。全国的に見ても珍しいタイプの補助金制度だと思うところですが、これまでに応募されたグループの数であるとか目標額の達成状況、また、どのような活動を行っているグループがエントリーされたかなど、これまでの状況についてお尋ねいたします。 また、先ほども申し上げましたが、全国的にも非常に珍しいタイプの補助金であるがために、利用したいと思う方々にとっては、制度が難しく分かりづらいといった御意見も耳にするところです。この分かりづらさを含め、この事業を運用する中で、これまでの2年間に分かってきた、当初は想定していなかった問題点や課題点などについてお尋ねいたします。 そしてもう一点、これは私は以前から申し上げておりましたが、この補助金の対象は、新年度が始まってから募集を行い、年度内での最終報告書の提出までの一連の手続が必要とされています。例えば、5月にエントリーをして、翌年2月にプロジェクトを実行するならば、5月から翌年2月までの9か月間にわたっての事業となりますので、クラウドファンディングで資金を募る期間を含めたとしても、非常に実効性の高い制度であると思いますが、仮に4月にプロジェクトの実行を行いたい団体があるとすると、応募からプロジェクト終了までの一月以内での完了となり、僅かな時間しかなく、クラウドファンディングによる資金を集めることなど不可能ではないかと思うところです。 また、企画や準備に時間を要し、かつ大きな資金を必要とするような規模のプロジェクトにおいては、利用がしづらいという状況にあると思います。今、例に挙げたようなプロジェクトに対してどのように考えているのか、その対応をお尋ねいたします。 続いて、四つ目の項目、新型コロナ感染症についてお尋ねをいたします。 コロナ感染症が5類へと移行されてからの診療などの状況についてでございますが、コロナ感染症に対する対応は、感染症の2類相当とされていた頃と比べ、5類へと移行された5月以降、大幅に変わりました。中でも、診療に関しては、限定された医療機関のみでの受診が原則であったものが、全ての医療機関においての受診が可能と変わりました。 そこでですけれども、現在の状況を聞きますと、ある医療機関においては、車の中で待機をしておき、医師や看護師が車まで来られる場合があったり、一般の患者さんとは違う入口から診察室へと向かう場合があったり、発熱患者専用の診察室に通されたり、場合によっては対応が不可能ということで、診てもらえないといったこともあるようです。 このように、5類移行後のコロナ患者への対応は医療機関によってまちまちのようで、市内においてどの医療機関を受診してもよいという状況にはないように感じます。また、厚生労働省によってうたってある幅広い医療機関による通常の対応というところからも、かけ離れているとまでは言いませんけれども、少し離れているとしか感じられません。 そこで、佐世保市内の医療機関において、5類移行後のコロナ患者の診療の状況についてお尋ねをいたします。 また、佐世保市内の事例ではございませんけれども、近隣のほかの自治体において、独り暮らしの90歳を超える高齢の方がコロナを発症し医療機関を受診された際に、御本人が高齢であり、独り暮らしをされていることもあって、夜中に容体が変わるようなことがあったら不安であるということから、入院を希望されたところ、入院はできないとのことで自宅療養となり、結果として、夜半から高熱が出るなどされて、自力で動くこともできず、どなたにも連絡が取れなかったようです。その後、佐世保市内にお住まいのお孫さんが、連絡の取れないおばあちゃんを心配して確認に行かれ、介抱されたおかげで大事には至らなかったとのことですが、このような事例が佐世保市内で起きていないのか、お尋ねいたします。 また、このような事例が起きてしまった場合には、コロナ陽性と診断された高齢の独り暮らしの方には、安心して療養ができるような対応をしていただきたいと思うところですが、その対応についてお尋ねをいたします。 以上で1回目の質問を終わります。 ◎観光商工部長(長嶋大樹君) (登壇) 1項目めの観光関連の政策について、私からお答えいたします。 本市には、九州を代表するテーマパーク、ハウステンボスをはじめ、潜伏キリシタン信仰の痕跡を地域に残す世界文化遺産「黒島の集落」、日本近代化のストーリーを今に伝える日本遺産「鎮守府」、欧米を中心に高く評価されている日本遺産「日本磁器のふるさと 肥前」を構成する三川内焼など、歴史・文化に基づく観光資源がございます。また、西海国立公園を代表し、島の密度日本一と言われる雄大な自然を体感できる九十九島など、様々な観光資源があり、この多彩な魅力は観光都市佐世保の大きな強みであると考えております。 コロナ禍前は、本市観光客の4割以上の方がハウステンボスを訪れ、九十九島パールシーリゾートや展海峰、弓張岳展望台を含む九十九島エリアを訪れた観光客が全体の2割と、2大観光地で全体の6割強を占めておりました。この2大観光拠点を強力なマグネットとして誘客を図り、市内各所にある観光拠点への周遊につなげるため、旅行者へ向けた情報発信並びに旅行会社等へのセールスを行い、滞在時間の延長による市内広域での観光消費効果の拡大に努めております。 市内周遊の推進において以前から課題となっていた二次交通の問題につきましては、運転士不足による運行本数の減便等でさらに深刻化していることから、バスに代わりタクシーやレンタカーなどを二次交通として活用すべく、タクシープランの造成やレンタカーキャンペーンなどに取り組んでいるところでございます。 新型コロナウイルス感染症の分類が引き下げられて以降、制限の解除によって人々の行動も活発化し、旅行意欲が高まっている好機を逃すことなく、コロナの影響で落ち込んだ観光の早期回復を目指し、来訪者の利便性向上と安心して過ごしていただける環境整備に取り組み、本市の強みを生かした観光振興を図ってまいります。 また、議員から御指摘がございました御案内の神崎鼻につきましては、最北端の稚内市宗谷岬、最東端の根室市納沙布岬、最南端のミナミオオクマチョウ佐多岬(37ページで訂正)の各市町が連携して、日本本土四極踏破証明書の発行や情報発信などに取り組むとともに、ながさきサンセットロードのビューポイントとしてもPRしておりまして、地元小佐々地区自治協議会におかれましても独自のステッカー販売など、自主事業に取り組んでいただいております。 神崎鼻は、日本本土最西端の地という本市ならではの特徴ある観光拠点であり、令和4年の観光統計では、全国各地から年間4万人を超える多くの方々にお越しいただいております。神崎鼻の案内標識につきましては、近隣を含めた10か所に標識を設置しているところでございますが、御指摘がありますように、一部分かりにくいルートもありますことから、来訪者の視点に立った標識の設置など、より効果的な案内に努めてまいります。 以上でございます。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 2項目め、市立学校の施設整備についてお答えをいたします。 御質問の1点目、学校施設や設備の改修について、どのようなサイクル、また基準によって行っているかというお尋ねでございました。 御質問の中にございました歌浦小学校は、校舎を昭和47年に建設しておりまして、現在築51年を迎えております。施設並びに設備の改修に関しましては、平成17年に給排水設備の改修、平成25年から26年にかけて屋上防水の改修、令和3年には外壁の改修を実施し、部位別の保全を行っているところではございますが、築年数が50年以上経過しており、校舎、設備ともに老朽化していることから、今後も維持補修が必要な状況となっております。 学校施設の改修につきましては、佐世保市公共施設適正配置・保全基本計画及び実施計画に基づき事業を進めている状況でございます。その中にあります、建物については目標耐用年数を80年以上とした場合の保全サイクルに基づき、設備機器など部位ごとの劣化状況を考慮した上で行う部位別改修を建物の竣工後20年、長寿命化改修を竣工後40年、再度劣化状況を考慮した上で行う中規模改修を長寿命化改修後20年との目安をもってサイクル的に改修を進めているところでございます。 また、さきに述べました歌浦小学校などの従前からあります学校施設については、建物の築年数や改修履歴などを踏まえた健全性調査の結果によっては、途中からサイクルに乗せていく可能性もありますが、基本的には個別に保全計画を作成していく必要があると考えているところでございます。 さらに今後は、令和5年1月に策定しました佐世保市学校再編計画との整合性を図りながら、施設の整備計画を進めていきたいと考えておるところでございます。 続きまして、2点目、児童生徒が持参した水筒が空になった場合の対応等についてお答えいたします。 学校の水道水は、学校環境衛生検査基準に基づいて毎日検査を実施しており、市内全ての学校で飲料水として利用可能な基準を満たしている状況でございます。しかしながら、感染症等の衛生面の問題や、季節に適した温度の飲物を飲ませたいという願いなどから、保護者の判断で水筒を持ってきている児童生徒がほとんどという状況になっております。水筒の中身を飲み干すことが多い児童生徒には、事前に必要な量を考えて準備してくるよう指導しておるところではございますが、持参した水筒の中身を飲み干してしまう状況も発生しております。そのような際には、水道水を飲むことを基本としながら、必要によっては学校が水分を提供しているという状況でございます。 教育委員会といたしましては、児童生徒の安全・安心や命を守ることを第一に、各校に指導している状況です。 なお、給水管のさびの話もございましたが、学校に設置しております水道管は主に金属でできておりますので、根治するためには水道管全てを更新する必要がございます。さきに述べましたように、毎日の検査で飲料水として利用可能とは確認をしておるところではございますが、不純物を除去できるフィルターを蛇口に設置するなどの検討をしてまいりたいと思っております。 続きまして、3点目の身体機能に障がいがある児童生徒への対応についてお答えをいたします。 本市では、毎年4月から9月にかけて、学校教育課の職員が市内の各幼稚園・保育所を巡回しまして、対象児童の現状の把握に努めているところでございます。 次に、児童生徒が安心して学校生活を送ることができますように、入学前に保護者と協議を実施し、環境の変化を少なくするために、必要に応じて進級しても同じ教室を継続して利用したり、緊急時に素早い対応ができますように、保健室やトイレに近い教室を利用したりするなどの対応を行うことで、対象児童生徒の負担の軽減を図っております。 また、階段等についての対応についてもお尋ねをいただきました。現在、昇降用リフトの使用が必要な児童生徒はいらっしゃいませんが、教育委員会におきましては、車椅子ごと運搬する階段昇降車と椅子式階段昇降機の2種類を保有しているところでございます。 階段昇降車につきましては、レールを必要としない可搬式で、即応性が高いものの、対応できる傾斜角度に制限があり、滑りやすい階段では使用できないことから、屋内移動に適しているという特性がございます。また、階段昇降機につきましては、長距離の移動や傾斜角度が大きな場合にも対応できますが、利用するためには、レールの新設並びに昇降機の再整備が必要という状況でございます。 そのようなことから、活用に際しましては、各ケースにおける利用条件等を勘案し、より適切な手法を選択すべきと考えており、今後も配慮を必要とする児童生徒の状況に合わせ、また関係各課との連携を密にしながら、児童生徒への対応に努めてまいります。 4点目の特別教室への空調設備設置の進捗状況並びに完了時期についてお答えをいたします。 音楽室、理科室などの特別教室への空調設備設置の進捗状況につきましては、令和4年度に43教室に設置が完了しており、今年度は46教室に設置を予定しております。以降につきましても、令和6年度に42教室、令和7年度は43教室に設置し事業完了する予定となっており、4年間で174教室に設置を計画しているところでございます。 なお、整備方針としましては、一つ目に、風水害時における避難所の利用を想定しまして、開設段階1の避難所に指定されている学校を優先して整備することとしております。二つ目に、直近10年で施設更新を想定している学校、学校再編の検討対象となる10校相当は、施設の更新時に対応したいと考えておりました。しかしながら、更新時の設置を想定していた学校につきましても、早期の実現に向け、国や他都市の状況を含めて、引き続き注視しながら判断してまいりたいと考えております。 また、議員御質問の中にございました既に特別教室に空調設備を設置している場合の対応でございますが、原則として設備の入替えを行い、その上で既存の設備が使用可能である場合には、故障等により緊急対応が必要となった場合の代替品などの用途を想定し保管をしているという状況でございます。 以上でございます。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) 3項目めの文化振興について、クラウドファンディング型プロジェクト応援事業に関する御質問にお答えいたします。 まず、本補助制度の立ち上げの経緯や趣旨について御説明いたします。 立ち上げの背景といたしまして、文化活動を行う団体等へのアンケート結果の分析から、その活動を継続する上で、支援者づくりと資金調達が具体的な課題として明らかになっており、現行の佐世保市文化振興基本計画において、その解決策を検討するよう位置づけておりました。 その支援策を検討する中で、近年、日本で広がりを見せているふるさと納税やクラウドファンディングに共通する寄附行為に着目し、民間主導の文化プロジェクトを支援者づくり及び資金調達の両側面から支援する実験的な取組として、本制度を令和3年度に立ち上げたという経緯がございます。 制度の中身といたしましては、大きく広報・PR上の支援と資金面の支援の二つがございます。広報・PR上の支援といたしましては、公募に対し申請いただいた文化プロジェクトを本市が管理運営する佐世保市ふるさと納税特設サイトで紹介するとともに、個人及び企業版のふるさと納税制度を活用することで、申請者の寄附集めを後押しする仕組みを構築しております。また、資金面での支援に関しては、国庫補助を活用し、集まった寄附額に原則同額を上乗せして補助金交付を行うことといたしました。 御質問いただきましたこれまでの成果につきましては、令和3年度から4年度にかけての2か年にわたる本補助制度の実績をお答えいたします。 この間、正式にエントリーいただいたプロジェクト数は合計10件、内容といたしましては、映画、音楽、演劇、文化財のPRなど、様々なジャンルの企画に御応募いただいており、プロジェクト1件当たりの平均事業規模は約230万円となっております。また、それぞれのプロジェクトが挑戦されたクラウドファンティングの調達状況につきましては、各申請者の努力もあり、全体の目標額約900万円に対し820万円を超える寄附を集められ、達成率は90%を超えました。結果として、ほぼ全ての事業において、企画当初どおりの規模でプロジェクトが実現できたものと認識いたしております。 また、プロジェクトの支援者である寄附者は約250件に達し、その情報につきましては、同意をいただいた上で、プロジェクト申請者に対し共有しており、その支援者づくりにも寄与したものと考えております。 補助金としての支援額は約1,600万円、予算執行率も80%を超えており、制度立ち上げから2年間の総括的な成果といたしましては、事業本数、クラウドファンディングの実施・達成状況を見ると、一定の効果を得られたものと考えております。 次に、本制度を運用する中で見えてきた課題についてお答えいたします。 まず、一つ目の課題としては、プロジェクト申請者や寄附者から寄せられた御意見として多かった、本制度の仕組みの分かりづらさが挙げられます。本制度に基づくクラウドファンディングの実施に当たっては、制度趣旨に基づき、プロジェクト申請者が主体的に寄附集めに関わっていただく手法を取っていることから、制度の詳細を御理解いただいた上で、第三者に対し説明や寄附依頼を行っていただく必要がございます。その点において、本制度は、ふるさと納税、企業版ふるさと納税、クラウドファンディング、国庫補助金、そして市の補助金制度という複数の仕組みを組み合わせた上で構築していることにより、やや複雑な制度となっており、事業スキームを十分に理解いただくことが課題となっております。 対応としまして、制度紹介のホームページをより分かりやすく更新し、申請に当たっては、必ず市担当者から事前に制度の説明を受けていただくことをルールに盛り込むなど、改善を行っているところです。 二つ目の課題としては、本制度の創設に当たっては、まず事業規模が数十万円から数百万円のプロジェクトを想定し、運用を開始したところですが、御指摘いただいた予算規模が大きく、長期間にわたるプロジェクトや年度前半に実施するプロジェクトは寄附を集める期間が短いなど、単年度の補助スキームでは制度を活用しづらいといった御意見も一部頂戴しておりました。 そこでまず、大規模プロジェクトへ対応できるよう、令和5年度より予算額を拡充するとともに、プロジェクトの準備期間を確保できるよう、応募開始時期を夏から春に早める改善を行いました。また、運用上取り組める工夫として、申請プロジェクトを年度単位に分割してエントリーいただく方法や、準備期間においては民間のクラウドファンディングサービスとの併用を御提案するなど、できる限り申請者のプロジェクトが実現できるよう改善を図っている状況でございます。 ◎保健福祉部長(辻英樹君) (登壇) 4項目めの新型コロナ感染症についてお答えいたします。 議員御案内のとおり本年5月8日から、新型コロナウイルス感染症の位置づけが、これまでの2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類感染症に移行したことに伴いまして、医療提供体制につきましても、インフルエンザや風邪などの他の疾患と同じように、幅広い医療機関による対応が可能となっております。 受診までの流れといたしましては、発熱など新型コロナウイルス感染の疑いがある場合、他の疾患と同じように、まずはかかりつけ医に電話で相談していただき、かかりつけ医がない方については、長崎県受診・相談センターにお問合せをいただくか、長崎県ホームページのながさき医療機関情報システムを御覧いただくなどして、医療機関に直接電話で受診に関する相談をしていただくこととなってございます。 各医療機関におかれては、施設の構造や場所、周辺の環境等を考慮した上で、動線を分けたり、個室での診察を行うなど、それぞれ差異はありますものの、院内での感染対策を講じながら適切に診療されているものと承知をいたしております。 一方、新型コロナウイルスに感染された方につきましては、インフルエンザ等と同様に自宅療養していただくことが基本となりますが、症状の程度や重症化リスク等によっては、医師の判断により入院治療を行っていただく場合もございます。 入院医療機関の病床には限りもございますので、入院を希望される方全てを受け入れますと病床が逼迫し、入院治療が必要とされた方が入院できないといった状況になることも危惧されますことから、65歳以上の方や、肥満、糖尿病といった重症化リスクのある方については、重症化を防ぐためにも、可能な限り早めに受診をしていただくことが重要であると考えております。 また、自宅療養中に症状が悪化した場合においては、まずは受診した医療機関やかかりつけの医療機関に御相談をいただき、医師の指示を仰いでいただくということになりますが、緊急性を要する場合につきましては、ちゅうちょすることなく救急要請をしていただくよう呼びかけを行っているところでございます。特に独り暮らしをされている高齢者の方々におかれては、5類とはなりましたものの、新型コロナウイルス感染症に対しましてはまだまだ不安があられることと存じます。御自身の体調変化について、御家族やお知り合いの方などにも御相談をされるとともに、御家族の方などにおかれましては、御本人の状況をこまめに確認していただくなど、御支援をぜひお願いしたいと存じます。 先ほど議員のほうから、独り暮らしの高齢者が入院できず、自宅療養中に症状が悪化したというような事例が佐世保市内においてもあったのかというお尋ねがございましたが、5類移行に伴い陽性者の把握や健康観察が終了となっていることもございまして、そのような事例も含め、陽性者の方々がどこで療養されているのか、症状はどうなのかといったことなどにつきましては、現在確認ができない状況にございます。 繰り返しになりますが、高齢者の方々は重症化リスクが高いことから、特に独り暮らしの方におかれては、症状が悪化した中では医療機関を受診することが困難になることもありますので、できる限り早めに医療機関に御相談をしていただきたいと考えております。 市といたしましても、発熱などの症状が出た際の受診までの流れや自宅療養中の過ごし方などにつきましては、今後も引き続き情報発信に努めてまいる所存でございます。 以上でございます。 ◆12番(松尾俊哉君) (登壇) それぞれに御答弁いただきました。ありがとうございます。 質問の順序とは前後いたしますけれども、ただいま御答弁いただきましたコロナ感染症についてですが、5類に移行した今でも、新たな株に感染した方が報告されるなど、なかなか本質的な終息が見えないコロナ感染症です。医療機関においても、診療の方法を含め、まだ模索の状態であるのかもしれません。5類移行後は自宅療養が基本とのことでありましたけれども、その診療に関しては患者自身の判断が非常に大きいようであります。 ただ、携帯電話などの連絡ツールをうまく使いこなせない高齢者もいらっしゃるという状況もございますので、引き続き、高齢者、またその御家族、御親族の方を含めて、感染時の自己対応についての周知を行っていただきたいと思います。よろしくお願いします。 それでは、そのほかの三つの項目については、それぞれに再質問をさせていただきます。 まずは、観光政策についてですが、観光客の誘客については、本市の様々な観光資源を活用して市内周遊につなげる観光施策に取り組んでいるというお答えでしたけれども、近年の旅行の形態や目的は多様化しており、以前からあった効率的に観光地を周遊するような既成型の旅行だけではなく、旅行者個人の興味、また関心により周遊するような、より個性を求めた旅の形が求められていると思います。 観光立国と言われるイタリアなどにおいては、その地域の美術館だけを巡る旅であるとか、ワイン蔵だけを巡る旅であったり、古城だけを巡る旅であったりと、以前のような限られた時間の中であれもこれも見て歩くようなスタイルからは想像もつかないような個性的な旅行スタイルが主流となってきています。 このような旅行スタイルの変化やそのニーズの変化に対応し、佐世保市が取り組む市内周遊促進をより効果的なものとするために、主要な観光地のPRにとどまることなく、旅行者の趣向を的確に捉え、旅行者にとって最適な提案を行うことのできるような取組を進める必要があると考えます。 また、観光拠点である神崎鼻の案内板についてお答えいただきましたが、観光都市として観光客を呼び込むに当たっては、このように、旅行者が安心して観光を楽しんでいただくための環境整備というものは、今後ますます必要となってくると考えます。 特に観光客にとって観光地周辺のトイレの環境というものは、その旅行の快適性や満足度に直結するものであり、バリアフリーであるとか洋式化など一定の整備がなされているものの、オストメイトに対応したトイレについては、その認知を含め、まだまだ十分であるとは言えない状況であると思います。そういったトイレを必要とする方々は、一見健常な方々と区別がつきませんが、普通のトイレでは用が足せない状況にあると思います。 このように、観光地における案内標示であるとかトイレの整備というものは、いずれも観光客へのおもてなしの象徴として、観光都市佐世保の印象を左右するものであり、このような環境整備の取組が必要であると考えます。 さきに申し上げましたように、今、旅行需要が高まりつつある中で、多様化する旅行ニーズへの対応や受入れ環境、また観光地の周辺環境の整備など、今後の観光施策においてお尋ねをいたします。 次に、学校施設についてですけれども、施設設備の更新・改修においては一定の基準の中で行っているとのことでしたが、学校数から考えてみると、なかなか追いついていかないように感じるところです。子どもさんたちは与えられた学校施設において日々成長していくことになりますので、学校による格差というものが少なくなるように、計画に基づいて進めていただきたいと思います。 身体機能に障がいがある児童生徒に対しての対応については、入学前から対象となる児童生徒の状況について調査を行い、対象となる方がいる場合には負担軽減への配慮をしているとのことであり、車椅子を利用する児童生徒が必要とする場合には、階段用の昇降リフトが随時設置可能とのことでした。また、そのリフトは教育委員会が所有しているとのことですが、せっかく備えてあっても、利用主体側の児童生徒であったり、その保護者さんであったり、現場の先生方がその備えを知らないという状況であっては、設置に至ることはないと思われますので、これに関しては備えというものを必要とする方々へしっかりと周知をしていただきたいと思います。 そこで、これからは再質問をさせていただきます。 まずは、学校の水道設備についてですけれども、持参した水筒が空になった場合には基本的に水道水で補給することが原則といった御答弁でした。その中で、不純物を除去するといった観点から、蛇口へのフィルターの取付けを検討するとのお話がございましたが、この数年、夏になると異常な暑さが報告されており、中でも今年は、各地でこれまでに例のない暑さを記録しました。そんな中でも、子どもたちは外へ出て元気に走り回っている状況を見ますと、運動後の水分補給、体の冷却というものは重要なことだと考えます。 先月には北海道で、小学生が体育の授業の後、熱中症で亡くなるといった痛ましい事故も起こっております。そのようなことが起きる前の対策の一つとして、夏場の運動後の体を冷やすためにも、ウオータークーラーの設置を考えてはいかがかと思うところですが、設置についてのお考えをお尋ねいたします。 続いて、空調設備についてであります。 4年間の間に設置する教室が174教室、うち、今年度末までに完了予定が総計で89教室とのことであり、計画としては進んでいる旨理解はするところですけれども、先ほども申し上げましたが、中学校への設置が進んでおらず、ブラスバンド部やコーラス部を有する中学校では、夏場の練習において非常に大変な思いをしているようであります。 そこで、空調設備の設置についてどのような順序で設置を進められているのか、その理由を含めお尋ねをいたします。 最後に、クラウドファンディング型プロジェクト応援事業(文化)補助金についてであります。 この2年間の実績として10件の応募があり、それぞれにおいてほぼ目標としておられたとおりのプロジェクトが達成できたとのことでした。また、2年の間に浮き彫りになった課題点について改善を図っているとのことで、今年度から予算額を増額し、募集の時期についても早めたという具体的な改善点もお示しをいただきました。 部長の御答弁にもございましたけれども、せっかくのよい制度ですので、できる限り申請者のプロジェクトが実現できるよう支援を続けていただきたいと思います。 それでは、再質問をさせていただきます。 これまでに申し上げてきたとおり、多くの方々に喜んでいただける非常によい補助制度だと感じておりますけれども、さきに申し上げたとおり、応募から完了するまでの一連の流れが単年度でのものが対象とされており、年度を越えて複数年度にわたっての企画・準備を経て行うような大きなプロジェクトは、現時点においては該当しておりません。 そこで、今申し上げたような複数年度にわたるような大きなプロジェクトについても利用が可能になるように、この制度そのものを変えることはできないものか、お尋ねをいたします。 以上で2回目の質問を終わります。 ◎観光商工部長(長嶋大樹君) (登壇) 先ほどの私の答弁で訂正がございます。 佐多岬を紹介する際、最南端のミナミオオクマチョウ佐多岬と申しましたが、正しくは最南端の南大隅町佐多岬でございます。訂正しておわびいたします。 それでは、観光商工政策の再質問にお答えいたします。 議員御案内のとおり、旅行市場の成熟化やコロナ禍を経た価値観の変化等により、旅行の多様化が一層進む中、観光客の様々なニーズを的確に捉え、誘客につなげることが課題と考えております。そうした中、国におきましては、観光DXの推進による旅行者の利便性向上や旅行者に応じた情報提供による周遊・消費促進等の取組が進められております。 本市におきましても、令和4年2月に佐世保市DX戦略を策定し、観光分野においてデジタルマーケティングの強化やスマートツーリズムの実現による体験観光の価値向上を目指し、取組を進めているところでございます。また、多様な観光資源を活用し、海軍さんゆかりのスポットや焼き物のまち三川内、九十九島を満喫するコース、外国人バーを体験するナイトツアーなど、自然、グルメ、歴史、文化といった様々な切り口で、佐世保ならではの体験を楽しんでいただけるタクシープランやガイドと巡るまち歩きツアーなどを造成し、御案内をしております。 観光マーケティングにおいて様々な情報を収集・分析し、コロナ禍を経た旅行需要や行動の変化を捉え、本市の多様な観光資源について様々な角度から、来訪者の興味・関心に応じた情報を発信することによって、より効果的な誘客と市内周遊の促進を図ってまいります。 次に、観光地周辺のトイレ環境整備でございますが、オストメイト対応トイレにつきましては、ハウステンボスや九十九島水族館「海きらら」、九十九島観光公園等において既に整備されており、昨年度には観光の交通起点となるJR佐世保駅の構内トイレリニューアルにおいても整備されているところでございますが、御指摘のとおり、その周知を含めた環境整備が必要と考えております。 トイレの改修整備については一定の費用もかかりますことから、今後、施設の新設やリニューアル時において、時代の要請に応じた機能整備の検討など、様々なニーズに対する視点を持って臨んでまいります。 なお、観光地周辺のバリアフリー対応トイレの情報につきましては、長崎県の観光ポータルサイトながさき旅ネットにおいて、本市を含めた県内の情報が掲載されているところでございますが、佐世保観光情報サイト「佐世保・小値賀海風の国」にもバナーを掲載し、本市観光情報とともに周知を図ってまいります。 今後とも観光DXを推進し、コロナ禍を経た旅行需要や行動の変化を捉え、観光施策に生かすとともに、効果的な情報発信や観光客の利便性向上に取り組み、誘客の促進並びに来訪者の満足度向上に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 再質問の1点目、熱中症対策の一環としてウオータークーラーを設置してみてはどうかとの御提案をいただきました。ウオータークーラーにつきましては、備品として導入、設置を行うことは可能と考えておりますが、教職員に水質や機器等の管理を行う新たな業務を生じさせる取組となりますので、慎重に判断をしてまいりたいと考えております。 2点目に、特別教室への空調設備設置における設置順序のお尋ねがございました。 令和3年度に、主に中学校の音楽室へ空調設備を設置することに焦点を当てた御質問をいただきまして、音楽室への整備を検討する旨答弁を申し上げておったところでございました。検討を進めたところ、「音楽室、理科室、少人数指導教室に設置をすること」、「避難所として開放する学校に優先的に設置すること」の二つの方向性を整理したところでございます。そのようなことから、現在も設置を待たれていらっしゃる学校におかれましては、御不便をおかけしますことでございますが、いましばらくお待ちいただければと思っております。 いずれにいたしましても、現在、学校施設の老朽化に伴う対策が必要な時期を迎えており、児童生徒の安全・安心を守るために、施設の改築や外壁改修、危険部位の改修など、安全性を担保すること、いわゆる質の担保を限られた財源の中で優先して行っているところでございます。 現在進めております学校再編は、児童数の減少を背景とした学校規模・配置の適正化を図るとともに、施設の老朽化への対策にもつながると考えますことから、今後も連動して取組を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) 複数年度にまたがる文化プロジェクトについても本補助制度の対象とできるように制度改正が図れないかという再質問にお答えいたします。 本制度は地方公共団体が行う補助事業でありますので、地方自治法上の「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもってこれに充てなければならない」という、いわゆる会計年度独立の原則がありますことや、先ほど課題として申しました仕組みの分かりづらい制度をさらに複雑化してしまうおそれもありますので、補助制度改正は現実的に困難であると判断しております。 ◆12番(松尾俊哉君) (登壇) それぞれに御答弁ありがとうございました。 観光政策について、観光施策に対する再質問に観光商工部長から御答弁いただきました。 多様化する観光客のニーズに応えるため、既に幾つかの佐世保市を堪能できるような個性のあるナイトツアーなどを造成しているとの御答弁でしたが、先日の針尾送信所における基礎部分の見学会においては、市内はもとより他県からも、多くの方々がお見えになっていたようでございます。観光において、行きたい場所、見たいもの、目的というものは人それぞれだと言えます。そういったいろいろな角度からのアプローチを行っていただき、今後の誘客につなげていただきたいと思います。 オストメイト対応のトイレについては、一定整備がなされているとのことでしたが、今後、観光政策を表に出していく以上、周知を図るとともに、行った先でのトイレの整備が必要であると思いますので、今後、改修などの機会に合わせて整備を進めていただきたいと思います。 学校施設設備についてですが、熱中症対策としてのウオータークーラーの設置に関しては不可能ではないが、クリアすべき条件が幾つかあるとのことでした。子どもたちのためではありますが、教職員の方々へ新たな負担も出てくるとのことですので、現場の先生方の意見も踏まえ、御検討いただければと思います。 特別教室の空調設備については、防災の観点も含めた考えの下、設置の順序などを決定した結果、小学校への整備が先になってしまったとの答弁でしたけれども、先ほども申し上げたとおり、中学校にはブラスバンド部であるとかコーラス部というものが活動しているところも多く存在しており、夏場の音楽室での練習は苛酷なものとなっております。 今月10日の長崎新聞に、中学校の部活動の熱中症について、「子の安全確保なおざり」といった見出しで記事が掲載されておりましたけれども、運動部に限らず文化部においても同じ状況であると思います。特に昨今の猛暑の中での室内での練習は、想像を絶するものだと思います。 令和7年度までに全ての設置が完了する予定とのことですけれども、遅れることなく、計画どおりに設置していただくことをお約束いただきたいと思います。 次に、文化振興についてですけれども、大きなプロジェクトに対しても利用ができるようにならないかといった再質問に対しては、企画部長から、残念ながら現実的に困難であるとの御答弁でした。 しかしながら、私が従事してきた総合芸術とされるオペラなどは、単年度で企画から上演まで行うことは不可能であります。上演会場の手配、練習会場の手配、出演者の手配、スタッフの手配などなど、ほか多くのことを経て、実際に稽古を長きにわたって行い、やっと上演までこぎ着けるという状況でございます。私が高校生だった頃には、当市においても市民オペラ協会というものが、毎年、市民オペラを上演されておりました。その舞台を見て、その道に進んだ者も、私だけにとどまることはありません。現在日本のプリマドンナの一人として君臨するのも佐世保市の出身者でございます。 そんな歴史と伝統のあった市民オペラですが、アルカスSASEBOの落成記念オペラの上演以来、市民の皆様による上演はなされていない状況です。補助金の制度の変更であったり、補助そのものがなくなったりといったことはあるようですけれども、今申し上げたオペラに限らず、このように企画、準備からプロジェクトの完了に至るまで、時間と費用を必要とするような民間主導の大型プロジェクトを支援するような施策は必要なものだと思うところですけれども、この件について、最後に宮島市長のお考えをお聞きして、私の質問を終わります。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 松尾俊哉議員の再々質問にお答えをいたします。 御指摘の複数年にわたる文化プロジェクト支援につきましては、先ほどの企画部長の答弁のとおり、年度をまたぐ補助金の活用は難しいものの、本市文化振興の在り方を考えた際、市民に対する文化芸術の鑑賞や活動機会の創出という観点からも検討する価値があろうかと考えます。 そこででありますが、文化行政推進における佐世保市のパートナーとして具体的な文化事業の企画・実践を担い、また複数年にわたる事業も手がけている公益財団法人佐世保地域文化事業財団とも調整をし、財団が行う文化事業の中に、例えば共催事業や、あるいは連携事業などの手法をもって、熟度の高い市民・民間発のプロジェクトについては連携して事業を実施できるような仕組みを構築できないか、研究を重ねてまいりたいと考えております。 ○議長(林健二君)  暫時休憩いたします。     12時05分 休憩     13時30分 再開 ○副議長(久野秀敏君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。13番小田徳顕議員。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) 日本共産党の小田徳顕です。 通告に従いまして質問をいたします。 1項目めのマイナンバーカードについて伺います。 行政の効率性、透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を実現する社会基礎として、マイナンバー制度が2016年1月から導入されました。住民票を持つ方に一人ずつ異なる12桁の番号を付番して、国や自治体など複数の機関に存在する個人の情報を同一人物の情報であることを確認し、効率的な情報の連携を図ろうとするものとされています。 制度の構成要素は、マイナンバー、マイナンバーカード、マイナポータルの三つです。すなわち、住民全員がカードをつくり、行政手続のあらゆる局面で使うことによって完成をしていきます。 政府は、これまでマイナンバーカードを普及させようとしてきました。マイナンバーカードをつくって申請すると、最大2万円相当のポイントが付与されるマイナポイント第2弾もそうです。そして、カードを健康保険証と一体化させることにより、マイナポータルへと誘導しようとしています。 しかし、ここでカードをつくらなければならない義務はないという建前とは裏腹に、健康保険証が廃止されてしまうことにより、事実上の義務化が生じることになります。また、マイナンバーの情報ひもづけをめぐって様々なトラブルが発生し、一旦取得したカードを返納する人も相次いでいます。 そこで、まず本市におけるマイナンバーカードの保有状況を伺います。 また、本市において、マイナンバーとのひもづけが行われている市民の情報について、どのような情報がひもづけられているのか、国においてはひもづけ誤りの情報の総点検を自治体や関係機関と連携して行うことが報じられていますが、本市ではどのような状況なのかを伺います。 2項目めのLGBTを含む性的マイノリティーへの施策の充実について質問を行います。 私が初めて性的マイノリティーのことをきちんと知ったのは、学生時代にゲイの男性と友人になったことでした。そのときに初めて、性的マイノリティーの方々が抱える悩みに触れました。彼が親戚や親には死ぬまで話せない、そう話したことを今でも鮮明に覚えています。 LGBTは、レズビアン(女性の同性愛者)、ゲイ(男性の同性愛者)、バイセクシュアル(両方の性を好きになる人)、トランスジェンダー(性同一性障がいを含む体の性と心の性が一致しない性別違和を持つ人)の頭文字を取った言葉です。厳密に言えば、LGBTだけでは表現し切れないほど性の在り方は多様ですが、今回の質問では総称してLGBTと表現させていただきます。 国の動向を見ると、2008年の国連総会で、人権と性的指向・性自認に関する声明が出されました。この声明は、全ての人間は生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利において平等であると宣言する世界人権宣言が掲げる人間の普遍性を再確認した上で、次のことを訴えています。 「私たちは、世界中の全ての国で性的指向や性自認を理由に暴力、嫌がらせ、差別、排斥、非難、偏見が人々に向けられていること、そしてこれらの行為が暴力の対象とされた人々の誠実さや尊厳を傷つけていることを憂慮する」。この声明は、日本を含む66か国が賛同いたしました。 2011年には、国連人権理事会において、性的指向・性自認に関する国連初の人権決議がなされ、2014年には、決議に基づく報告書の更新を今後も行うことを求める決議が、いずれも日本を含む賛成多数で採択されています。 2015年、ある大学の学生でゲイの男性が思いを寄せる友人男性に告白し、ゲイであることをカミングアウトしたところ、打ち明けられた友人男性が、告白した男性がゲイであることを同級生にばらしてしまいました。本人が望んでいないのに自分のセクシュアリティーを知られてしまう、いわゆるアウティングです。その男性は精神的ショックから追い詰められ、大学の校舎から飛び降りて亡くなるという痛ましい事件がありました。 そこで、LGBTの当事者の皆さんが抱えている生きづらさを本市がどのように感じているのか、認識を伺います。 次に、市民への理解増進をどう進めていくのか伺います。 LGBTの人々が最も悩んでいるのは、差別や偏見に関することです。男はこう、女はこうといった社会に根づいたバイアスによって生きづらさを感じています。それをどう取り払い、生きやすい社会をつくるのかが重要だと考えます。 そこで、本市としてどうやって理解増進を進めていくのか伺います。 次に、職員研修の実施状況について伺います。 LGBTへの対応を改善するために、また、全ての人がお互いの多様性を認め合う社会を実現するためにも、市民や企業と接する公務員の役割は大きいと考えますが、本市における職員研修の実施状況について伺います。 そして最後に、市営住宅における現状の対応について伺います。 この間、様々な自治体でパートナーシップ制度がつくられ、公営住宅への入居を可能にする自治体も増えています。男女の夫婦が法律上の婚姻をせず、事実上の夫婦になることと同じように、パートナーシップ制度があっても、性的マイノリティーの方々も制度を利用するかどうかを選択する自由があります。そして、本来であればパートナーシップの制度がなくても、差別や偏見がなく、マジョリティーである男女の夫婦と同じ扱いを受けることが望ましいと考えます。 2008年、国連自由権規約委員会は、婚姻していない同性カップルが公営住宅を借りられない例などを挙げ、未婚の異性の同棲カップルと同性の同棲カップルが平等に扱われるよう確保すべきであると、日本政府に対して勧告をしています。その後、2012年に同委員会に提出された第6次日本政府報告書では、2012年の公営住宅法の改正に伴い、親族関係にない同性の同居を含め、同居親族による入居資格の制限はなくなっているとしています。つまり、日本政府は、同性パートナーの公営住宅への入居を認めています。 そこで、本市における同性パートナーの入居状況について伺います。 以上、1回目の質問を終わります。 ◎総務部長(田所和行君) (登壇) 1項目めのマイナンバーカードに関する御質問にお答えをいたします。 まず、市民の皆様がマイナンバーカードを保有されている枚数は、令和5年7月末現在において約17万4,000枚で、保有率は72.4%となっており、全国平均の71.0%を上回っている状況にございます。 次に、本市におけるマイナンバーとひもづけが行われている市民の情報についてのお尋ねでございますが、マイナンバー制度では、利便性の向上と業務効率化を目的に、行政機関等の間で専用のネットワークシステムを用いた情報連携の仕組みがあり、市民の皆様が行政手続等を行う際に、約2,500手続において、このひもづけ情報を基に、住民票の写しや課税証明書等の書類を省略することが可能となっております。 マイナンバーとひもづけられている情報は、医療や介護、子育てなどの社会保障や、税制、災害対策などの法令等で定められた行政手続に限定をされております。 このひもづけに関しては、全国的に別人の情報がひもづくなど、誤登録の事案が確認されており、このような状況を受け、本年6月に、国においてマイナンバー情報総点検本部が設置され、個別データの点検が必要な対象機関を整理するため、地方自治体や関係機関などのひもづけ実施機関に対し、7月にひもづけ方法の実態調査が行われております。 調査においては、マイナンバーを確認書類とともに取得しているか、氏名、生年月日、性別、住所の基本4情報全部の情報によりマイナンバーを照会しているか、基本4情報のうち一部の情報によりマイナンバーを照会しているが、妥当な方法により本人として特定しているかの3項目を確認し、これらの方法で適正にひもづけを行っていない事案について、11月末までに総点検を行うこととされております。 この調査の結果、本市においては、ひもづけ方法の不適正な事案はございませんでしたが、調査対象のうち身体障害者手帳については、既に複数の地方自治体でひもづけ誤りが判明していることを受け、調査結果のいかんにかかわらず個別データの総点検を行うこととされておりますので、本市におきましても、今後ガイドライン等を踏まえ、適切に対処してまいる所存でございます。 ◎市民生活部長(中西あけみ君) (登壇) 2項目めのLGBTを含む性的マイノリティーへの施策の充実についてお答えします。 まず、一つ目の御質問として、性的マイノリティーの方々が抱えている生きづらさについての認識でございます。 当事者の声が市に直接的にはなかなか聞こえづらいといった状況の中、長崎県が令和元年度に、県内における性的マイノリティーに関するアンケートを行っておられます。それによりますと、自己肯定感の低さや他人への不信感のほか、自殺を考えたり、自傷、不登校の経験があるといったメンタルヘルスなどに関することや、周囲の無理解や差別的な言動についての悩みや困り事を多くの当事者の方が抱えておられ、その生きづらさは大変なものであると認識しております。 また、自分が周囲と異なると感じることや、身近な人から否定的な発言を聞いたりすることが自己肯定感の低さにつながっていると思われ、令和4年10月に閣議決定された自殺総合対策大綱にも、「自殺念慮の割合等が高いことが指摘されている性的マイノリティについて、無理解や偏見等がその背景にある社会的要因の一つであると捉えて、理解促進の取組を推進する」とありますように、当事者の孤立化を防ぐためにも、市全体で多様性を認め合える取組を推進していく必要があると考えております。 二つ目の御質問として、市民の皆様への理解増進のための啓発についてでございますが、性的マイノリティーの問題は人権課題の一つでありますので、主に人権啓発の一環として取り組んできた経緯がございます。定期的な広報といたしましては、ホームページはもちろんのこと、毎年、広報させぼに性的マイノリティーの人権について啓発する記事を掲載しており、令和2年度には性的マイノリティーについて大きく取り上げたところです。 そのほか、新聞の折り込みチラシやコミュニティセンターへの情報誌等、性の多様性について知っていただけるよう、様々な機会を通じて情報発信に努めております。特に平成30年度にトランスジェンダー当事者による講演会を、令和元年度に「女になる」というドキュメンタリー映画の上映会を実施しました。 さらに、性の多様性に対する理解の促進は、第4次佐世保市男女共同参画計画の取組項目の一つでもありますことから、今年度実施する西九州させぼ広域都市圏連携事業でもある男女共同参画セミナーのテーマとして、性の多様性を取り上げる予定としております。 三つ目のお尋ねの本市職員研修につきましては、平成28年度から、採用10年目や新任課長補佐を対象に、性的マイノリティーの当事者でもあり、長崎市で性的マイノリティーの支援団体代表として活動されております講師をお呼びして、性の多様性に対する理解を深める研修会を継続して実施しております。令和元年度からは、研修対象者を課長補佐職以上の管理職にも拡大して実施しておりまして、令和4年度までの受講累計者数は834名でございます。 受講後のアンケートには、性の多様性について初めて意識したといった感想や、自らの業務に関し、性の多様性に配慮する視点で見直したいといったものもあり、実際に、各課でアンケートなどを作成される際に、性別の表記はどうしたらよいかといった問合せを人権男女共同参画課にいただくことが増えてきていると感じております。 四つ目のお尋ね、市営住宅における対応の現状についてでございます。 佐世保市営住宅条例では、入居者資格として「現に同居し、又は同居しようとする親族があること」などが規定されており、事実上婚姻関係である方も含まれております。ここでいう事実上婚姻関係にある方の定義は多義的であり、さらに現時点では、事実上婚姻関係を証明するものがないことから、同性パートナーの方の入居資格はないとのことですが、現在までに、市営住宅への入居において、同性パートナーの方からの御要望や相談等はないものと聞いております。 なお、市長の99の政策のうちの一つに、「多様な性のあり方に配慮した行政の構築」がありますことから、様々な市の施策を進める上でも多様な性に配慮することができるよう、引き続き、性的マイノリティーへの施策の充実に向け、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) 御答弁をいただきました。 先に性的マイノリティーの問題に対して意見だけ述べさせていただいて、この件に対しては質問を終わりたいと思います。 どういう分野であれ、マイノリティー、少数者の人たちが肩身の狭い思いで生活せざるを得なかったり、あるいは差別や偏見のために、ありのままの自分を肯定できなかったりすれば、私はそれは健全な社会ではないと思います。逆に、マイノリティーと言われる人たちが暮らしやすいほど、その社会の全ての構成員にとっても暮らしやすい社会であると思います。 今日の地方紙を見ていると、1面で同性パートナーへの扶養手当の記事が出ていました。今回、北海道ではそれは認められなかったという話だったんですけれども、既に1都9県では扶養手当も支給されているということでありまして、今回のこの件も含めて、公営住宅への入居申請要件の見直しなど、誰もが住みやすい佐世保市の実現を求めて、この件に関しての質問は終わりたいと思います。 次に、マイナンバーカードについて再質問を行います。 全国保険医団体連合会が行ったアンケートによると、32都道府県の医療機関から寄せられた5,055件のアンケート回答を集計したところ、693機関で健康保険証の券面と違う負担割合が表示されるエラーが起きていたことや、1医療機関で50件のエラーが起きている事例も明らかになるなど、マイナンバーカードの健康保険証としての利用に関してトラブルが起こっています。 そこで、市内の医療機関で利用の可能な機関はどの程度あるのか、また総合医療センターでの利用状況、利用におけるトラブルなどの事例は発生していないのかどうか伺います。 以上、2回目の質問を終わります。 ◎保健福祉部長(辻英樹君) (登壇) マイナンバーカードに関する本市の現状と対応についての再質問にお答えいたします。 まず、市内でマイナンバーカードが利用可能な医療機関の数でございますが、厚生労働省が公表しております「マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」によりますと、市内における全ての医療機関及び薬局の9割程度に当たる409の機関等で利用が可能となってございます。 次に、佐世保市総合医療センターにおける利用状況についてでございますが、同医療センターによりますと、直近の7月の状況といたしまして、外来受診患者数1万5,537名のうち利用者は449名で、利用率は2.9%となっており、そのうち初診の方に限りますと、患者数1,432名のうち利用者は253名で、利用率は17.7%になっているということでございます。 また、同センターにおけるマイナンバーカードを利用した際のトラブルの事例等についてでございますが、健康保険証の切替えの際に登録が追いつかず、古い情報のままになっていたもの、また顔認証で認証ができなかったもの等の状況が見受けられたものの、特に苦情につながるような大きな事案はなかったと伺っております。 以上でございます。 ◆13番(小田徳顕君) (登壇) マイナンバーに関して質問します。 御答弁では、そんなに重大な事案はなかったということだったと思うんですけれども、成立した後もマイナンバーカードをめぐるトラブルが次々に明らかになっており、この制度は本当に大丈夫なのかと、これが日増しに高まっています。 こんな国民の声の中、マスコミ各社の反応も大変厳しいものがあります。各社の社説を紹介すると、6月7日読売、「マイナ保険証の見直しは今からでも遅くない、選択制に戻すのも一案だろう」。6月9日朝日、「身近な健康保険証を廃止し、トラブルが続出しているマイナンバーカードに一本化するのは無理がある、廃止方針を一旦凍結し、国民の不安を払拭するのが筋だ、選択制に戻すのも一案」。6月9日毎日、「トラブルが後を絶たない、計画を十分検証し、見直しをためらうべきではない」。6月10日産経、「マイナ保険証への一本化は、国民の命や健康にも影響する、スケジュールありきでなく、実施時期は柔軟に」。全国4紙そろって立ち止まれとの報道です。 このようなマスコミの社説を見ても明らかなように、極めて問題がある法律であると言わざるを得ません。 世論調査では、現行健康保険証を来年秋に廃止する政府方針に対し、7割が撤回もしくは延期するべきだと回答しています。さらに、全国保険医団体連合会では、マイナンバーカード保険証の相次ぐトラブルをめぐり、政府が現行の健康保険証を来年秋に廃止すれば、オンライン資格確認ができないなどのトラブルが少なくとも約108万件発生するだろうとした推計を発表しました。 このような状況を踏まえると、国に対し、来年秋から予定されている健康保険証の廃止、マイナ保険証への一本化を中止するよう、本市としても求めるべきだと考えますが、本市の見解を伺いまして、私の質問を終わります。 ◎保健福祉部長(辻英樹君) (登壇) マイナンバーカードに関しての再々質問にお答えをいたします。 本市といたしましても、長崎県や長崎県後期高齢者医療広域連合と分担して、国民健康保険事業や後期高齢者医療を運営する中で、保険証に関する業務を担っておりますことから、国の健康保険証の廃止に関する議論の進展につきましては、特に注視をしているところでございます。 現在、令和6年秋までとされておりますマイナンバー法等の一部改正法に関しましては、その施行日など詳細な内容につきまして、引き続き国において議論されているところでございますので、本市といたしましても、今後、法に基づく国からの政省令や通知等を踏まえた具体的な対応が必要になってくるものと考えております。 いずれにしましても、健康保険証の廃止につきましては、同改正法に基づき実施をされるものでございますので、市といたしましても、保険証廃止後も、市民の方々がこれまでどおりに安心して医療を受けられますよう、事務手続を円滑に進め、適切に対応してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(久野秀敏君)  6番宮田京子議員。 ◆6番(宮田京子君) (登壇) 市政会、宮田京子でございます。 今回は、大きく二つの項目について質問させていただきます。 まず一つ目、困窮者支援のためのフードドライブの取組についてでございます。 まだ食べられるのに捨ててしまわれる食品のことをフードロスといって、全国的に大きな問題となっています。農林水産省の発表によると、令和3年度推計値で年間523万トン、これは国民1人が1杯の御飯を毎日捨てているのと同じ量になるそうで、大変もったいない現実です。 そこで、本市においては、フードロス削減に取り組むため、令和3年10月から「サセボタベスケ」という食品ロス削減マッチングサービスを導入されました。これは、賞味期限や消費期限が近くなった食品類を「タベスケ」のウェブサイトに登録、出品していただき、通常より安い価格で取引が成立するというサービスです。これに係る経費としては、このサイトの手数料、月額4万4,000円を佐世保市が支払うだけで、登録店舗や顧客の側には一切手数料等の負担がかかりません。 地方自治体に対し、地域の問題解決・活性化につながる商材を提案する「ロカポ」というサイトがあるのですが、その中で、本市のこの事業が全国に先駆けた取組であると紹介されています。 このシステムは、自治体側には、毎月、新規ユーザー数、新規協力店数、出品数、取引成立数、削減量、販売額のデータが細かく月ごと及びその合計で送られてくる仕組みとなっています。 そこで、導入から今日まで約2年間の導入効果と実績を踏まえた評価についてお伺いをいたします。フードドライブの入口としてのフードロス削減対策について、まずはお尋ねをいたします。 二つ目に、投票率向上への取組についてお尋ねをいたします。 投票率の低下というのは、本市に限らず全国的な課題であり、特に若者層においてその傾向が顕著であると言われます。本市において挙行された各種選挙の投票率は、おおむね40%台が多く、少し上がったとしても50%台前半、つまり本市の有権者の約半数の方は投票を棄権されている現状です。その要因は、年代によって違いがあるようです。 この課題については、令和元年6月定例会の一般質問において、角田議員が質問に立たれ、御指摘をされています。それから4年が経過しましたが、なお大きな問題であり、改めて当局のお考えを伺っていきたいと思います。 そこで、まず年代別の分析と、この4年間の取組の結果についてお尋ねをいたします。 以上、質問いたします。 ◎環境部長(吉田敏之君) (登壇) 1項目めのお尋ね、「サセボタベスケ」の導入効果と実績を踏まえた評価についてお答えいたします。 本市は、事業所から出されるごみがほかの都市と比較して多い状況にあり、議員お尋ねの「サセボタベスケ」は、事業所ごみの減量対策の一つとして、飲食店や食品販売店などから発生する食品ロス削減を目的に運用を始めたものです。この取組は、市民・事業者それぞれの方々を食品ロス削減をメインテーマとしてマッチングさせる全国的にも珍しい取組でございます。 令和3年10月の運用開始から本年6月までの実績でございますが、現在、事業者24者、ユーザーである市民約3,300人の方々が登録されています。食品の取引件数は約1,000件、実際の食品ロスの削減量として約1,040キログラムと認識しております。最近は、事業者登録とその出品の数が伸び悩み、ユーザーの需要に応え切れていない状況にあり、運用実績の伸び率が鈍化傾向を示しています。 しかしながら、「サセボタベスケ」は、本市の食品ロス削減対策、ひいては事業所ごみの減量対策の重要な役割を担う取組と位置づけておりますので、単に運用実績だけを求めるのではなく、定着した確実な取組となることが重要であると考えています。したがいまして、今後も持続的な周知活動を図り、利活用の促進に努めることといたしております。 以上です。 ◎選挙管理委員会委員長(和田隆君) (登壇) 2項目めの選挙の投票率向上への取組についてのお尋ねにお答えをいたします。 まず、本市内の選挙における年代別の投票率につきましては、直近の佐世保市長・市議会議員選挙における80代以上の投票率は47.66%、70代の投票率は68.88%、60代は64.63%、それから50代、40代、30代と年代が低くなるにつれ投票率は低くなり、20代は29.43%、10代は25.87%という結果となっておりまして、若年層ほど投票率が低い傾向にあり、これは全国的に見ても同じ傾向にございます。 その分析としまして、比較的投票率の高い年齢層の中で、80代以上の投票率が70代に比して下がっておりますのは、加齢に伴う体調の変化や自動車運転免許の返納などによりまして、以前は投票に行けたが行きづらくなったと、そういう方が少なからずいらっしゃるのではないかと推察をいたしております。 一方で、若者の投票率の低下につきましては、令和4年3月に公益財団法人明るい選挙推進協会が公表しました意識調査によりますと、若者が投票に行かなかった理由の最も多かった回答が「選挙に関心がなかったから」というのが30.2%で、続いて「適当な候補者も政党もなかったから」23.9%という結果になっております。この分析結果は、本市でも同様であると推察をされまして、若者に対しては選挙を身近に考えてもらえるような取組が必要と考えております。 次に、この4年間の取組についてのお尋ねでありますが、先ほどの年代分析等を踏まえまして、令和3年の衆議院議員総選挙から、若者を含め、人が集まりやすく、利便性の高い商業施設でありますイオン佐世保白岳店に期日前投票所を開設しているところでございます。 ◆6番(宮田京子君) (登壇) 御答弁ありがとうございました。 それでは、ここからは一問一答でお尋ねをしてまいりたいと思います。 まず、1項目めのマッチングアプリ「サセボタベスケ」についてですが、当局は、現状では実績の伸び率は鈍化傾向にあることから、さらなる周知の必要性を感じつつも、今後に向けて有効な手段であるとの御認識であります。実際に運用開始から2年弱で、その間に約1トンに及ぶ食品ロスを有効に活用できたというのは、一定の成果であると思います。 この9月から、さらなる食品の値上げが続いて、家庭を直撃しています。引き続き、周知を図って継続していかれることで、消費者の側にとっても安く買えるというメリットにつながる事業だと思います。 ところで、この「タベスケ」は、食品ロスになる一歩手前で安価で取引することで有効活用をしようという取組ですが、本市はさらに、させぼフードドライブという事業に取り組まれています。フードドライブとは、家庭で余っている食品を集めて、食品を必要としている地域のフードバンクなどの生活困窮者支援団体、子ども食堂、福祉施設等に寄附する活動のことです。本市においては、現在、常設の窓口を環境部の2階に置いているわけですが、この事業の実績、必要とされるところにどのようにつなげたのか、お尋ねをいたします。 このことについては、市内の各団体様から多くの御寄附が寄せられておりまして、報道等でも拝見して、民間の御活動に対し、心から敬意を表する次第でございますが、行政としての取組について、改めてお尋ねをいたします。 ◎環境部長(吉田敏之君) (登壇) フードドライブに関するお尋ねでした。 この取組を始めた背景には、年間600万トンを超える食品ロスが社会問題となっており、国も、令和元年に食品ロスの削減の推進に関する法律を制定し、行政、事業者、消費者に対し連携協力を求め、それぞれの役割などを定めたことがあります。 そこで、本市は、食品廃棄物について適正な処理に主眼を置いて焼却処分しておりましたが、ごみの減量という観点から、まだ食べられるのにもったいない、食べられるものをごみにしない・させないということで事業に着手したものです。 令和4年度の御家庭や事業所から持ち込まれたり回収した食品の量は約1,400キログラム、これまでの4年間では約4,570キログラムの食品を廃棄することなく、必要とされる方々のお手元にお届けすることができています。 このほか、本市が包括連携協定を締結しております第一生命保険株式会社佐世保営業支社と、長崎経済同友会や佐世保西ロータリークラブ、長崎県立大学の方々と共同で行った6回のフードドライブで回収した約1,800キログラムの食品類を本市が寄贈を受け、社会福祉協議会、させぼ子ども食堂ネットワーク、市内のフードバンクなどに提供いたしております。 また、これまでには、臨時休校の際に発生した学校給食パンや非常用備蓄食などの受入れ量が多くを占めておりましたが、令和4年度以降、市民の皆様の持込みが増加の傾向を示しており、取組が広がりを見せていると認識しております。 したがいまして、今後につきましても、市民・事業所の皆様に対する継続的な周知活動を図るとともに、関係協力団体の皆さんと、これまで同様、連携を図ることで、食品ロス削減に対する機運の醸成に努めてまいります。 以上でございます。 ◆6番(宮田京子君) (登壇) ありがとうございます。 フードドライブに対する取組が広がりを見せて、個人様からの持込みも増えているというのは、環境部の皆様の御努力の成果であると思います。 そこで、この件に関する先進的な取組として、東京都板橋区の事例を紹介したいと思います。ここは人口約58万人、本市より大きく、また都市部にあり、自治体としてのカラーは異なりますが、ここで行われている「街かどフードパントリー」が今注目を集めています。これは、生活困窮者などへの食品・相談支援として常設のフードパントリー、つまり食品貯蔵庫を設置し、利用者自身がパントリーから直接食品を持ち帰れる仕組みです。現時点では陳列棚のみですが、今後は大型の冷凍冷蔵庫等も設置し、寄附を受けられる食品の幅を広げていく予定ということです。 ここでは、その利用登録は生活困窮者自立相談支援機関である、いたばし暮らしのサポートセンターが行って、実際の運営は板橋区社会福祉協議会が担うなど、支援機関が連携して「街かどフードパントリー」を運営しています。 そこで、本市において、現在、環境部が担っておられますフードドライブの事業について、生活にお困りの方への支援という視点で見ると、福祉分野での関わりも考えられると思いますが、この視点での取組の状況についてお尋ねをしたいと思います。 ◎保健福祉部長(辻英樹君) (登壇) 困窮者の支援という観点からのフードドライブの活用についての現状に関しまして、私からお答えさせていただきます。 本市におきましては、現在、生活困窮者自立支援法に基づく生活困窮者自立相談支援事業につきまして、平成27年度から、佐世保市社会福祉協議会への委託を通じ、実施をしているところでございますが、委託先である社会福祉協議会では、当該事業の受託を機に、独自の取組として、生活困窮者支援の観点からのフードドライブを推進されております。 具体的には、生活にお困りの方々やその御家族からの直接の相談や、地域包括支援センター等の窓口における相談等への対応を通じ、支援が必要な方々を把握しながら、主に環境部が実施するフードドライブを活用し、調達した食料を提供するという形で取り組まれているところでございます。 なお、その取組の実績としましては、令和4年度においては、生活にお困りの21世帯に対し支援を行っておられますが、令和5年度においては、8月末現在で既に39世帯に支援が行われておりまして、大きく現在増加している状況でございます。 以上でございます。 ◆6番(宮田京子君) (登壇) ありがとうございます。 社会福祉協議会が独自の取組として行われているとのことですが、昨年度の実績が21世帯であったのに対して、今年度は半期で既に昨年の倍近い数になるということで、食料の直接的な支援を必要としておられる方々は、潜在的に多数おられるのではないかと推量されます。生活保護の一歩手前で、保護に至る前で食い止める、そのためにもこの事業は環境部だけではなく、また社会福祉協議会の独自事業にとどまることなく、保健福祉部としてもより主体的に取り組むべきではないかと思います。 近年の物価高騰も含め、地域を取り巻く環境が大変厳しくなる中で、全国的にも重層的支援体制の整備に取り組む動きが見られるなど、地域福祉の推進における様々な対策等が取られているところでございます。 こうした社会的な背景を踏まえる中で、福祉分野における有効な取組としてのフードドライブの活用について、市長の御所見を伺いたいと思います。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) 宮田京子議員から、困窮者支援という視点からのフードドライブの活用についての私の所見をということでございますので、お答えいたします。 近年、人口減少や少子高齢社会の進展等に伴い、地域福祉を取り巻く環境がますます多様化するとともに、複雑化・複合化する中で、地域課題に対応する包括的支援体制を構築するため、国の動きとして、令和2年の社会福祉法改正に伴い、重層的支援体制整備事業の実施について明記されました。 本市におきましても、重層的支援体制整備事業への移行準備を進めており、今後、令和7年度を目途として、体制構築に向けた段階的な展開を図っていくこととしております。 御提案のフードドライブにつきましては、現時点では環境部を中心に事業を展開しておりますが、福祉分野への活用という視点において、重層的支援体制整備事業の取組の一環として、支援が必要であるにもかかわらず支援が届いていない方など、潜在的な相談者にアプローチしていく機能などにも有効ではないかと考えております。 今後も、社会福祉協議会をはじめ関係機関とより一層の連携を図りながら、生活にお困りの方々に対する必要な支援を行っていくとともに、関連の行政計画である地域福祉計画の改定時期でもあることから、議員御紹介の東京都板橋区における食料支援の先進事例なども参考としながら、地域福祉の増進に資する効果的な取組について引き続き検討してまいりたいと存じます。 ◆6番(宮田京子君) (登壇) 市長、御答弁ありがとうございました。 続きまして、投票率向上の問題について質問を続けます。 まず、高齢者などの交通弱者の問題です。 旧町時代、投票所はほぼ歩いて行けるところにありました。町議会議員の選挙の投票率は、例えば旧鹿町町の最後の選挙、2007年4月の町議選の投票率は80.14%、その前の2003年は88.04%、私が初当選をさせていただきました24年前の1999年は何と90.37%、実に9割を超していました。当時の投票所の数は5か所、しかし今は2か所、不便になったという声をよく聞きます。高齢者にとっては、行きたくても行けません。 そこで、こういった交通弱者に対しては、移動手段の問題や移動投票所の必要性が生じてくるわけで、対馬市や五島市、平戸市は既に車両による移動期日前投票所を設置しています。 ところが、本市としては、この事例に対して、投票率を押し上げるまでには至らなかったとして導入に消極的です。代わりに、タクシー券を使った移動支援の仕組みについて、国の支援制度等を利用できないか、具体的に検討したいと答弁をされています。しかしながら、今日までその仕組みは構築されていません。具体的に検討するとおっしゃったその結果、いかがだったのでしょうか。当局がその効果をあまり見いだせないと言われる移動期日前投票所も、取り組み方によっては有効な手段になり得ると思います。 移動投票所というのは、期日前に固定したある場所を投票所として開設する場合と、車両を移動の投票所として巡回させる場合があります。いずれも、投票所から遠いところにお住まいの有権者の近くへ投票所を持っていくという考え方ですが、巡回車のほうがより細かく対応が可能で、高齢者や障がい者などの交通弱者の皆様に投票の機会を多く提供することになると思われます。 福祉の分野では、最近アウトリーチという言葉をよく耳にします。つまり、支援が必要であるにもかかわらず届いていない人に対し、行政や支援機関などがこちらから積極的に働きかけて支援を行うというものです。移動図書館「はまゆう号」も、市立図書館が必要な人のところへ本を届けるべく走っています。まさに、選挙においてもこの考え方が取り入れられるべきではないでしょうか。高齢化と過疎化の進む本市においては、特に検討を要するものだと思います。 そこで、巡回車を含めた移動期日前投票所について、導入する考えはないか、交通弱者に対する対応について改めてお尋ねをいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(和田隆君) (登壇) 高齢者等に投票しやすい環境を整える移動支援等の検討状況について、お答えいたします。 高齢者等への投票機会の確保につきましては、指定病院等における不在者投票や、身体に重度な障がいを持つ方に対する郵便等による不在者投票が認められております。しかしながら、不在者投票や郵便投票の対象とならず、投票に行きたくても行けない状態にある方も少なからずいらっしゃるために、このような方々への対応についても検討の必要があります。 これまで本市では、福祉サービスにおける外出支援に合わせた投票への支援や、介護保険制度の中での訪問介護の利用の可能性、各地域のケアマネジャーによる通所介護等を活用した支援等について、関係部署等への協力依頼や支援策等の協議を行っておりまして、今後も有効な具体的支援策の実現に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。 また、御指摘の交通弱者への支援につきましては、現在、市内に21か所の期日前投票所と94か所の当日投票所を設置しておりますが、バスなどが運行されずに交通手段がない地域にお住まいの方への支援については、また別の課題と認識をしているところでございます。 こうした課題につきましては、過疎地など小規模自治体では、移動支援や移動期日前投票車の運営などの実践例がございますが、中核市レベルになりますと人口が多く、市域も広いということから、考え方の整理に各市とも苦慮しているところでございます。 本市におきましても、期日前投票所を中核市の平均的な設置数の2倍程度に増やしてはおりますが、現在の投票所の配置が適正であるか、また今後の交通弱者対策をどう進めるかなどの研究を深める中で、必要な対策を実施方法も併せまして検討しているところでございます。 議員が御提案の移動期日前投票所の導入につきましても、まずは投票所の継続が困難になっている地域もございます。そうした実情に合わせまして、そのようなところから試験的に導入できないか、地元の方々への確認を取りながら、実施に向けて検討してまいりたいと考えております。 ◆6番(宮田京子君) (登壇) ありがとうございます。 それでは次に、20代、30代の若者層の場合ですが、投票に行かない理由の一番は、選挙にあまり関心がなかったからというもの。高齢者の場合は、行きたくても行けない、しかし若者はもともと行く気がないといった違いがあります。総務省や有識者からは、主権者教育を長期にわたって続けることが投票率の向上の方策である、つまり教育・啓発が大事という意見が示され、本市としても、啓蒙・啓発について一定の努力はされているとは思いますが、なかなか成果につながりません。 そこで、この交通弱者対策として提案した移動投票所、特に巡回車ですが、市内の大学や高校に出向いていくことで、若者層にとっては、選挙に関心を示す一助になるのではないかと思います。固定した場所よりも、動く車というところに意義があります。例えば、献血を呼びかける献血車、健康診断を行う健診バス、これらは比較的目につきます。よって、大学への移動期日前投票所の開設、ぜひ巡回車の導入を検討すべきと思います。 また、学校内とはいえ、近隣の住民の皆様もそれを利用できるようにすれば、全体として、より投票の機会を増やすことにつながります。この点についてのお考えをお伺いいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(和田隆君) (登壇) 大学への移動期日前投票所の設置について、お答えをいたします。 本市では、平成28年の参議院議員選挙時及び平成30年の知事選挙時に、市内大学及び短大のうち2か所において期日前投票所を開設した経緯がございます。しかしながら、実績としては投票者が少ないという結果となりまして、現在は設置をいたしておりません。 その要因の一つとして、学生の中には、住民票を佐世保市に移していない方が少なからずいらっしゃるのではないかと考えられます。そのような考察から、現在は、本市に住所が登録されており、選挙権を有することとなる高校3年生を対象として、実施を希望する市内高校において期日前投票所を開設いたしております。 大学内における投票所の確保につきましては、学生に対し、選挙を身近に感じていただく機会を提供でき、併せて近隣住民に対する利便性の向上が期待できますので、今後、大学の意向や既存の投票所との立地関係も考慮しつつ、また市外出身学生への正しい住民登録についての啓発と併せて検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆6番(宮田京子君) (登壇) ありがとうございます。 高校に期日前投票所を設置したという御答弁でしたが、10代の投票率は、今年挙行された県議選で26.34%、市長・市議選で25.87%、共に年代別投票率は20代よりもさらに下回って一番低いのが現状です。結果として、高校に設置した期日前投票所が功を奏しているとは言い難いわけです。 ところが、同じく期日前投票所として、人の集まりやすい商業施設であるイオン佐世保白岳店に開設をされましたが、ここは民間施設への初の設置という新しいことに挑戦をされて成果を上げておられます。 頂いた資料によりますと、令和3年の衆議院選挙で初めて導入された際のイオンにおける投票者数は7,972人、このときの期日前投票者の数が合計で4万4,323人なので、割合にすると17.99%に当たります。また、今年挙行された市議選においては9,596人、期日前投票者の総数は4万4,491人と、この2回の選挙において、期日前投票の総数自体はあまり変わらないにもかかわらず、イオンにおける投票者の割合は今回は21.57%と、着実に伸びています。 国も、移動期日前投票所の設置については積極的に導入することを推奨していまして、今後も投票率の向上に向け、これは一つの効果的な手段になっていくのだろうと考えます。 そこで、期日前投票の一つの課題として、本人確認の適格性についてお尋ねをいたします。 投票所整理券ですが、これは当日においても、期日前についても、それがなくても投票はできます。投票する際のルールとして、当日投票の場合は定められた投票所でないと投票ができません。しかし、期日前投票においては、定められた投票所以外のどこででも投票ができます。整理券がなくても、氏名と生年月日等を宣誓書に記入するだけで、免許証等の本人確認書類も必要ないそうです。そうなると、便利さの裏返しとして、なりすましや代理投票などの不正をどうやって防止するのか、懸念が生じます。 期日前投票がここまで一般に浸透してきて、本市における期日前投票の割合は3割を超すようになりました。そうなると、そこから生じるこういった懸念事項については、国において一定整理していただく必要があると思います。その点も踏まえまして、当局のお考えを伺います。 ◎選挙管理委員会委員長(和田隆君) (登壇) 投票所における本人確認の方法につきまして、お答えをいたします。 本市では、投票資格がある方にはあらかじめ投票所整理券を各個人宛てに郵送しておりまして、これを持参して投票所に来場されることで、選挙人名簿との照合をスムーズに行うことができ、時間短縮につながることから、本市を含め各自治体において、投票者に対し、投票所整理券を持参していただくことを推奨しているところでございます。 御指摘のように、持参されなかった場合でも、個人情報の取扱いに配慮しつつ、御本人の氏名や生年月日等を聞き取り、本人確認の上、投票用紙を交付しておりまして、この取扱いについては、投票所整理券や選挙啓発チラシにも掲載して周知に努めているところでございます。 お尋ねの適切な本人確認方法につきましては、全国の自治体においても苦慮しているところでございまして、今後も、九州選挙管理委員会連合会等を通じまして、国に明確化を求めるとともに、他自治体との連携を図りながら、適切かつ実効的な方法について研究を深め、対応してまいりたいと考えております。 ◆6番(宮田京子君) (登壇) 最後に、まとめたかったのですが、時間の制限がありますので。(終了ブザー) ただ、先ほど申し上げたとおり、フードドライブのことですけれども、本市の地域福祉計画で検討していただけるということでございますので、各部局横断的にこのフードドライブの仕組みを発展させていただければと思っております。よろしくお願いいたします。 以上です。ありがとうございました。 ○副議長(久野秀敏君)  暫時休憩いたします。     14時32分 休憩     14時55分 再開 ○議長(林健二君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。1番柴田英樹議員。 ◆1番(柴田英樹君) (登壇) 市政会の柴田英樹です。 通告に従いまして、順次質問を行います。 質問の内容は、大きく二つです。一つは着衣水泳の重要性について、もう一つは「英語が話せる街佐世保」の取組についてです。 まずは、着衣水泳の重要性についてお伺いします。 夏休みが終わり、新学期が始まったこの時期ですが、夏休みに増加するものとして毎年課題になっているのが子どもの事故です。中でも、交通事故がその割合の多くを占めますが、次に多いのが水辺の事故とされています。 今年の7月21日、福岡県宮若市で川遊びをしていた小学6年生の女児3人が亡くなるという痛ましい水難事故が起きています。翌日、学校は、この事故について保護者説明会を開き、保護者説明会では、在校生の心のケアのため、全6年生への家庭訪問、全校児童を対象とした心のアンケートの実施、必要に応じてスクールカウンセラーの活用などの説明があったといいます。また、危険な遊びをしている子どもには注意をしてほしいと、地域との連携も訴えたとのことです。 幸い、本市ではそのような事故は起きていませんが、対岸の火事とは割り切れず、周囲を海に囲まれ、佐世保川と相浦川を有する水辺のまちの顔を持つ佐世保市でも、十分な備えが必要だと考えられます。 水難事故で考えられる主な原因は、知識不足と行動の備えだと言われています。例えば、知識の備えとしては、人は一瞬で溺れてしまうことや、川や海でやってはいけないことを知ること、行動の備えとしては、誰かが溺れていたら助けに行かない、すぐに通報、浮き具を投げるなどの万が一のときの対応策を身につけることが必要だと言われています。 そこで、こうした知識や行動の備えとして、近年注目されている着衣水泳を授業として行うことについて触れてみたいと思います。 着衣水泳とは、水の中で衣服を着たまま泳ぐことを指します。通常の水泳とは異なり、着衣水泳は、リアルな水中体験を通じて、体の動きや浮力の変化を実感する貴重な機会となります。子どもたちが水の中で自信を持ち、安全に遊ぶためのスキルを身につける手段として注目されています。また、学校体育実技指導資料にも、「水から自己の生命を守ることは、水泳指導の大きなねらいの一つです」との記載があり、その必要性が認識されています。 では、具体的な着衣水泳を授業として行う重要性、メリットについてお伝えすると、その重要性は、水中での挙動や衣服の影響を実感することで、子どもたちは水の中での体の使い方を学びます。そして、水中での新たな体験を通じて、子どもたちは自分自身を知り、新たな挑戦に対して自信を持つことができます。さらに、子どもたちは着衣のまま水中に入る際の注意点や、溺れた場合の対処法なども当然学ぶことができます。また、着衣のままでの水泳能力は、個々の児童生徒の水泳能力の違いが大きく異なることを理解し、自分自身の能力を客観的に知ることができます。このように、着衣水泳の授業が子どもたちの成長と安全をサポートすることが分かります。 そこで、本市としての取組を確認したところ、着衣水泳を授業として取り入れている学校も存在するとのことでした。一方、市内一律での取扱いは行っていないとの回答でした。 市内一律で行っていない理由として上げられるのが、学習指導要領解説には「各学校の実態に応じて取り扱うこと」と明記してあり、それが理由とのことでした。しかし、一つ例を挙げれば、相浦川を流域とする大野地区、とりわけ小学校ではそのような授業の取扱いはなく、「学校の実態に応じて」という文言からはかけ離れているような印象も受けます。 そうした中、一部の保護者から授業化を望む声が存在しているのも事実です。このように必要とされている地域での授業の取扱いはなく、佐世保市が川や海など自然に囲まれた地域であることを考えれば、市内一律での授業化検討も必要なのではないでしょうか。 そこで、市内一律での着衣水泳の授業実施の可能性についてお伺いします。 次に、「英語が話せる街佐世保」の取組についてお伺いします。 佐世保市には、市民の皆様からの意見集約の場として幾つかの機会が設けられていますが、その中の一つに、市長への手紙というものがあります。令和4年10月に寄せられた意見が今回の質問の動機となっていますので、御紹介をいたします。 民放の番組で魅力度ランキングがあっており、その中で埼玉県は小学4年生の英語のテストが全国1位だったそうです。長崎県、特に佐世保市は、米軍基地がある関係で、いつも身近に外国人の方が存在しています。埼玉県に追従するように、小学生からもっと英語の授業に力を入れるべきだと思います。形だけの交流はできますが、もっと中身の濃い授業を目指してほしいと思います。佐世保市は、そのチャンスがたくさんあると思うので、よろしくお願いします。 その回答に佐世保市は、「現在、本市では、英語が話せる街佐世保をリーディングプロジェクトの一つに掲げ、佐世保市に住めば英語が身につくという新たなまちの魅力づくりに官民連携で取り組んでいるところです」としています。 実は、この英語が話せる街佐世保プロジェクトは、平成29年から実施されており、既に5年が経過しようとしています。また、自己評価が高い取組として期待されているようですが、意見が寄せられたのは昨年の10月となっており、市民の認知度としては、その思惑からはかけ離れているような印象を受けます。 このプロジェクトの主な取組には、各学校への国際理解指導員や外国語指導助手、いわゆるALTの派遣、また、何々イングリッシュキャンプと銘打ったイベント型事業が行われていると思いますが、特にイングリッシュキャンプの取組は、限定的な学びの機会の提供にしかすぎず、興味関心を喚起するきっかけにはなるものの、英語が身につくには程遠いように思います。 英語教育は、現代社会において不可欠なスキルであり、国際コミュニケーション、職業機会、学問と研究、留学や国際交流、情報アクセス、文化交流など多くの側面で重要性が高まっています。 英語は、異なる国や文化との円滑なコミュニケーションの鍵であり、多国籍企業や国際プロジェクトでの協力に不可欠です。学問と研究においても重要で、専門知識と研究成果は英語で発信をされており、国際的な学術コミュニティとの連携には英語の理解が必要です。また、留学や国際交流を通じて個人の視野が広がり、異なる価値観を尊重する市民性が育まれます。さらに、英語は、情報へのアクセス手段としてもますます重要性を増しており、インターネット上の情報は主に英語で提供されています。 英語を学ぶことは、文化交流を促進し、異なるバックグラウンドを持つ人々との理解を深める一翼を担います。英語の学習は、個人の成長と社会全体の発展に貢献する重要な要素です。そうした英語の重要性を背景にスタートした事業である英語が話せる街佐世保プロジェクトの目的は、グローバル人材の育成となっています。 そこで、本事業のゴールであるグローバルな人材とは、何がどうなったらグローバル人材足り得るのかなどの定義設定がないと、その目的達成は難しいものと考えられないでしょうか。これが単にスローガン的な意味合いであれば、市民の方からの御指摘のとおり、形だけの交流に努め、生涯学習として進めることにも意義があるのだと理解はできます。ただ、英語が身につくまちとしての取組が大言壮語として置き去りになったまま縮小しないように進めていかなければならないのではないでしょうか。 そのためには、市民の皆様へ広く認知してもらうことで興味関心を広げ、学力向上へとつなげていくことが求められるように思います。 そこで、本プロジェクトの認知度、また、学力向上への影響も重ねて検証し、さらに広くその結果を周知していくことで、その目的達成までを可視化することができると考えます。 一つ例を挙げます。英語力が極めて優れている都道府県が福井県と全国的にも認識をされています。文部科学省が実施した2022年度の英語教育実施状況調査によると、福井県の中学3年生で英検3級程度以上の学力がある生徒は84.7%、高校3年生では英検準2級程度以上は59.6%と、中学校、高校ともに都道府県別で4回連続トップになりました。ちなみに、長崎県の中学3年生と比較すると、英検3級程度以上の学力がある生徒は20.9%という結果になっています。つまり、福井県では、10人中8人の生徒が日常英語を理解できるのに対して、長崎県では10人中2人しか日常英語を理解できません。その差は歴然と言えるでしょう。 また、福井県では、生徒だけではなく、英語教師の実力もトップとなっています。英検準1級程度以上を取得している割合は、全国平均が41.6%に対して65.3%という結果で、全国トップとなっています。ちなみに、長崎県は35.8%と全国平均を下回る結果となっております。 英語力がトップとなるような自治体が取り組んだ要素の多くは、ここでは割愛しますが、代表的なものを一つ上げるとすれば、福井県がALTを長期雇用している割合が人口当たり全国最多となっております。このように、数値によって他都市と比較をすることで、課題が見えてくるようにも思います。 イベント型事業でのアンケート調査結果に一喜一憂するのも大切な取組だと考えられますが、それに加え、テストスコアの分析やプログラムの評価を行うなど、エビデンスベースで事業を進めていくのも肝要だと考えております。 そこで、お伺いします。英語が話せる街佐世保プロジェクトの政策評価の在り方について、どのような考え方に基づいて実施をされているのか。また、各事業の成果をどのように計測をしているのでしょうか。さらに、その計測結果は、グローバル人材へと近づいた内容となっているのでしょうか。 以上、お伺いいたしたいと思います。 ◎教育長(陣内康昭君) (登壇) 1項目め、着衣水泳の重要性についての中で、まずは学校教育における着衣水泳の考え方と本市の現状についてお答えをいたします。 授業で行う学習内容につきましては、学習指導要領で示された内容を基に、それぞれの学校が教育課程を編成し、実施するように定められており、水泳の授業では、基本的な泳法や知識を身につけさせることや、水に関する事故の発生要因や、その防止などについても指導することが求められております。 その中で、着衣のまま水に落ちた場合の対処の仕方については、小学校5、6年生で「安全確保につながる運動との関連を図り、各学校の実態に応じて積極的に取り扱う」と定められており、中学校では「安全への理解を一層深めるため、各学校の実態に応じて取り扱うことができるものとする」とされておるところでございます。 子どもたちの水難事故は、海、川、湖などの自然環境において着衣のまま発生することが多いことから、着衣のまま水に落ちた場合の対処の仕方を学ぶことは、自身の生命を守るためにも大変意義のあることと認識をしております。 次に、本市の着衣水泳の実施状況につきまして、お答えをいたします。 今年度は、本市の約17%に当たります12小中学校が着衣水泳を実施しております。コロナ禍以前は、本市の約4割程度の学校が実施をしておりましたが、感染拡大防止対策のため、多くの学校が実施を断念しております。しかし、次年度以降に実施を予定していると回答した学校が24校でございまして、多くの学校が今後の実施を検討している状況がございます。 また、実施の内容については、体育の授業で教員が実施したケースがほとんどですが、PTAと連携し、学校行事で行った事例もございましたし、また指導者としましても、海上保安庁や日本赤十字等の外部講師を招いて実施した例もございました。 着衣水泳の授業を実施することは意義が高いものであると認識しておりますが、一方で、学校からは課題も上げられております。 一つ目といたしましては、動きを制限する着衣の状態での水中の活動となるために、事故発生の可能性が高まるということでございます。そのため、専門的な指導を行う指導者の確保が必要となってまいります。さらに、教員が授業を行う場合には、安全に実施するための指導法の研修も必要となります。 この点につきましては、専門指導者を学校に派遣する小学校体育学習サポーター事業の中で協力をいただいております市の水泳協会や、消防局、海上保安庁などの関係団体に対しまして、着衣水泳の指導の可能性について相談や協議を行いたいと思っております。また、教員の指導技術の向上を目的として実施しております学校体育実技指導者研修会の中で、着衣水泳の指導法の研修が実施できないか検討してまいります。 二つ目としましては、着衣水泳を実施する場合、子どもたちは多くの着替えを持って登校し、ぬれた重たい衣類を持って下校しなければならず、その負担が大きいという課題がございます。 また、三つ目として、一度着衣水泳を実施しますと、次にプールを使用するまでの水質管理に時間を要することや、それに伴う水道代などの費用面の課題も生じます。そのようなことから、プールの使用が終了する夏休み直前の時期に実施する学校が多いため、年間のうち限られた水泳授業の時数を確保することが学校の規模によっては困難な場合もございます。 これらの課題につきましては、学校が保護者や地域の方々などと連携し、学校保健委員会やPTAの会議等で検討しながら、夏休みなどを利用し、共催行事として実施することも考えられます。 着衣水泳は、教育的効果が高いものの、様々な課題や、学校の実態が多様であることから、各学校に対し一律の対応を求めることは難しい状況にあると考えております。しかし、先ほどの課題等に対応しながら、学校に対し、実際の実施事例等を紹介するなど、積極的な実施に向けての情報共有や働きかけを行い、一つでも多くの学校で着衣水泳が実施されますよう支援してまいりたいと思っております。 さらに、水泳指導に加え、水の事故や、その防止についての安全教育を体育の授業のみならず、学校の教育活動全体で進められますよう、各学校に対し指導を行ってまいります。 あらゆる事故によって子どもたちの貴い命が奪われることのないよう、まずはその防止に努めつつ、大切な命を守るための教育に取り組む所存でございます。 続きまして、2項目めの「英語が話せる街佐世保」の取組につきまして、お答えをいたします。 本市では、平成29年度に、英語や外国文化を身近に学べる環境をまちの魅力として創出するとともに、グローバル人材の育成を目的として、「英語が話せる街佐世保」がリーディングプロジェクトの一つに位置づけられました。 教育委員会では、目指すグローバル人材の姿を、相手の文化的背景や国籍によらず、英語を活用したコミュニケーションが取れる人材と定め、そのような人材であふれたまちとすることを目標に、これまでの英語教育に加え、市民の英語に対する意識醸成や学習環境の構築、異文化理解の必要性などにも着目し、様々な事業に取り組んでおります。 議員御指摘のとおり、本プロジェクトの認知度につきましては、これまでも広がりが見えないといった声も聞いており、その原因といたしましては、事業の多くがイベント性が強いもので、日常的に英語に触れる環境ではなかったためと分析をしているところでございます。 そこで、次の手段といたしまして、English出前プログラム事業を立ち上げ、民間サークル等への英語講師を派遣するなど、より身近に市民が参加できる仕組みをつくりましたが、コロナ禍による影響があったことは否めません。そのような中、昨年度は、関係課長会を開催し、プロジェクト5年間を振り返り、今後の方向性として、それぞれの事業の連携を図っていくことといたしました。 今年度は、SNS情報発信サイト「させぼEチャンネル」とYOSAKOIさせぼ祭りの連携や、教育センターが行っております教職員研修と出前プログラムの連携にも至っており、今後も、広報手段と事業の拡大により認知度の向上を図っていきたいと考えております。 次に、イングリッシュキャンプが興味関心を喚起するきっかけにとどまっているのではないかという御指摘についてお答えいたします。 イングリッシュキャンプは、体験を通して学習意欲の喚起を図るという共通の目的の下、発達段階に応じて三つの事業を展開しております。一つ目のファンイングリッシュキャンプは、入門期に当たる小学校4年生の児童に、英語を用いたコミュニケーションの楽しさを実感させるものでございます。二つ目のアクティブイングリッシュキャンプは、中学生を対象として、教室で学んだ英語が実際のコミュニケーションの場で生きるという有用性を感じさせるものでございます。三つ目のチャレンジイングリッシュキャンプは、一定の英語力を身につけた中学生を対象とし、実生活に近い環境の中で外国人講師と活動することにより、英会話能力のさらなる向上を目指したものでございます。 このように、三つのイングリッシュキャンプは系統立てた事業であり、児童生徒の思考力、判断力、表現力なども高めることにつながっていると考えております。 このようなイングリッシュキャンプの目的を大切にしつつも、議員御指摘のとおり学力向上につながる工夫も必要かと考えております。 そこで、次年度は、希望中学生を対象としたチャレンジイングリッシュキャンプについて、業者への委託事業から、本市雇用ALTを活用した形への変更を検討しているところでございます。そのことにより、生徒の実態及び課題に応じたより柔軟なプログラム編成と実践的な活動、さらには、イングリッシュキャンプと学校での学習活動のリンクが可能となり、英語学習の充実を図ることにつながると考えられます。 さらに、新たな取組としまして、児童生徒が身につけた英語力を実感し、自信を深められるような新たな施策について検討し、本市の英語学習の充実、ひいては本市の児童生徒の学力向上を図ってまいりたいと考えております。 次に、プロジェクト推進の根拠等についてお答えいたします。 今、世界では猛烈な勢いで国際化が進んでおり、世界との関係なくして成り立たない社会となりつつあります。そのような社会情勢の中、国の新しい教育振興基本計画においても、グローバル社会における人材育成が重要視されており、国際言語としての英語コミュニケーション能力の重要性はさらに増しております。次世代を担う小中学生のみならず、あらゆる世代にこの能力は求められていると言えます。 英語力の向上には、日々の学校教育の果たす役割が大きいところではございますが、本市におきましては米海軍基地が所在し、多くの外国の方々が身近に生活する国際色豊かな特徴があり、その環境がネーティブの英語に親しみ実践できる絶好の機会であり、強みと捉え、本市ならではの取組として本プロジェクトを開始したものでございます。 また、事業成果の測定につきましては、日本人と基地内外の外国人が共に参加し、文化やスポーツを介して学びと交流を深めるSasebo Expoや、国際交流大運動会、小学生を対象に話すことと異文化理解を学ぶ連続プログラム、グローバルキッズ・チャレンジ事業などに参加する人数をKPIを構成する指標の一つとして計測をしております。 プロジェクト発足当初の平成29年度の実績は1,720名であったものが、コロナ禍もありましたが、令和4年度で3,040名と6年間で約1.8倍に増加している状況で、市民に学びの機会を提供することができたと考えております。このことは、グローバル人材の育成につきまして、プロジェクトがどれほど貢献できたのかを示す成果の一つとして捉えております。 また、外国の人と友達になったり、外国のことをもっと知りたいという本市児童生徒のアンケート調査の結果は、プロジェクト経過とともに向上している状況にあり、このことからも、本プロジェクトの取組が技能や知識の習得のみならず、学習意欲の向上及び深い学びへの動機づけといった意識の面においても、グローバル人材育成に寄与していると考えております。 今回、議員からいただきました御指摘を踏まえ、事業認知度及び学力の向上といった視点も持ちながら、グローバル人材育成のために、引き続き英語が話せる街佐世保の取組を進めてまいる所存でございます。 以上でございます。 ◆1番(柴田英樹君) (登壇) それぞれに御答弁をいただき、ありがとうございました。 まず、着衣水泳については、各学校の実情に合わせてといった内容でしたが、授業取扱いについては、地域の要望から実施までのハードルが少し高いようにも感じております。今後の実施支援に期待をしたいと思います。 次に、「英語が話せる街佐世保」についてですが、どうしても魅力的なタイトルに期待をしてしまいますが、タイトル負けは否めない印象を受けます。だからこそ、そのプロジェクト名に負けない取組にも期待をしたいと思います。 以上、質問を終わります。 ○議長(林健二君)  24番大村哲史議員。 ◆24番(大村哲史君) (登壇) 現在、市では後期基本計画の策定が進められており、99の政策を基に、宮島市長のカラーが市の政策に反映されていくものと思いますが、一方で、これまでの市政運営を礎とした安定した行政運営が求められるところであります。宮島市長におかれましては、そのバランスを取りながら佐世保市の未来を展望されているものと推察しております。 そこで、私は、宮島市長には、長期的に視野を広げて、今後のかじ取りを力強く行っていただきたいという思いから、戦略的なグランドデザインについてお伺いいたします。戦略的なグランドデザインであります。 私は、これまで継続して、本市のグランドデザインに関して8回にわたる一般質問をはじめ、多くの場面で議論を展開してまいりました。その中で一貫して申し上げてきましたのは、経営的戦略性を持った取組の推進が必要だということであります。 人口が減っていくのは、避けようのない事実であります。長崎県内の人口は1960年をピークに減少しており、本市においても、平成の大合併によって一時的に数字は増加したように見えるものの、現在の市域で見てみると継続して人口は減り続けております。 さらに、今全国で問題化してきているのが就業者数の減少、つまり就労人口の減少であります。全国の生産年齢人口は、1995年をピークに減少しており、これまでの間は、女性活躍推進や高齢者雇用などで就業者数は確保されてきましたが、これももう頭打ちになってきていると言わざるを得ません。今後は、確実に社会を支える人材がますます不足していくわけであります。 例えば、農業分野であります。担い手不足が長い間、問題になってきましたが、今はその少ない農業従事者が高齢化しております。本当に支える人材がいないという地区もあります。今後は、これが農業に限った話ではなく、あらゆる分野で人材不足が深刻になるでしょう。既に運輸・物流・建設部門では2024年問題と言われ、大きく取り上げられるように、これは働き方改革として時間外労働規制強化などもありますが、人材不足の影響があらゆる分野で顕在化していくことは確実であります。 本市においても同様で、今後は長期的な視野を持って、どうやって社会を支えていくかを真剣に議論しなければならず、これまでのように、もっと便利に、どこでも同じように発展させたいという、ともすれば拡大路線、何とかなるだろうという楽観的な状況では全くなくなったと考えたほうが現実的であります。 さて、本市の都市づくりの基本方針となる都市計画マスタープランにおいては、人口減少を前提としたコンパクト・プラス・ネットワークの都市形成を実現するため、市街地の拡大を抑制し、再生に注力するといった方針が掲げられております。また、都市計画法も改正され、災害リスクへの対応等が厳しく求められたことに伴い、市街化調整区域における開発の緩和措置を見直しましたが、駆け込みで開発した住宅地は、今から50年後、限界集落のような状態に陥るかもしれません。次の世代は、相当苦労するのではないかと心配をしております。 私は、都市政策として市街地の拡大を抑制し、再生に注力すること自体は正しい方針であると受け止めておりますが、さらに地域性に特化した戦略的な再生、まちづくりを進めていただきたいとこれまでも何度も申し上げてきました。今、この人口急減社会に突入し、民間の投資も落ち込んでおり、当然、資材高騰など影響もあるかと思いますが、それ以前に、購買層、いわゆるお客様が減っている中で、民間の需要が落ち込んでいるというところが本質的な課題ではないかと考えております。 しかし一方では、格差の拡大もあるでしょうが、価格帯が高額のマンションなど、富裕層を中心に飛ぶように売れている状況も一部ではあり、また富裕層ではなくとも、自身が納得する本当に欲しいものには資金を惜しまない、そういった時代になってきているのではないでしょうか。 特に大手の民間企業は、購買層の動向を注視しながらマーケット戦略を立てておられ、その力は、地域を再生するに当たっても大きな力になるのではないでしょうか。まちづくりにおいても、どこにでもある同じようなものを欲しがるのではなく、この地域、この場所にしかない魅力を最大限引き上げることをしなければ、民間の需要はついてこず、事業は成立せずに支える人材も集まらないと思われます。だからこそ、地域の特性に応じた戦略的なまちづくりを求めているわけであります。 そこで、お尋ねをいたします。 本市の都市づくりの方針を定めた都市計画マスタープランでは、地域の特性に応じた地域別まちづくり構想も掲げられており、地域の中でも、さらにゾーニングして方向性を示していますが、前回3月定例会での答弁では、これも一定俯瞰した中でまとめられており、戦略的な再生の手だてについては、具現化の検討を進めたいということでありました。 例示として、ウォーカブルなまちなか再生を挙げられていましたが、どのような取組であるのか。民間需要や戦略性の観点から当局の考えをお尋ねいたします。 また、もう少し踏み込んで申し上げると、前回3月定例会の一般質問において述べましたとおり、民間の力、民間の投資を生かしながら、とがった都市戦略を打ち出し、人を引きつけるまちづくりを進めていくことは、都市計画に限らず様々な分野が取り組むべきだと考えております。本市全体を見たときに、それぞれの地域での戦略的まちづくりが求められており、これまで検討が進められてきた事業であっても、宮島市長の下で行政一丸となってよりよい方向に切り替えていくことも必要ではないかと考えております。 例えば、一例です。俵ヶ浦半島については、宮島市長もマニフェストの中で、半島全体の自然観光公園化を掲げられております。九十九島観光公園もこの中に含まれていると思いますが、このエリアの生かし方については様々な可能性があると思いますので、その中でもエリアの魅力を最大限に生かせるものにしていただきたいと思っております。 私としては、俵ヶ浦半島のあのすばらしい景観を生かし、芸術、アートのまちづくりも一考の価値はありと考えております。あのすばらしい観光公園の頂上に親子で座り、絵筆を取って九十九島の景観を描く、またはアート作品等に触れ、心を豊かにする場として活用することなど、俵ヶ浦半島に訪れたことが一生の思い出になるような、そのような経験ができる場所になれば、このエリアの価値は最大限に高められるのではないかと思われます。 横須賀市の横須賀美術館は、市の中心部から離れたところにあります。東京湾や浦賀水道を望む風光明媚な場所に立地しているすばらしい施設であります。また、香川県の直島を中心としたベネッセアートサイト直島は、その成功例としてあまりにも有名でありますが、今や多くの方々が訪れる人気スポットであります。このように芸術・アートを生かしたまちづくりも、この俵ヶ浦半島の環境を考えれば大きな可能性を秘めていると思うわけであります。 そこでお尋ねしますが、俵ヶ浦半島の自然観光公園化について、今後の進め方と考え方について当局の所見をお伺いいたします。 ◎都市整備部長(溝口勝利君) (登壇) 大村議員の御質問のうち、ウォーカブルなまちなか再生に係る民間需要や戦略性についてお答えをさせていただきます。 この取組につきましては、本市の都市の再生について協議する附属機関であります都市再生協議会において、まちなかの現状等も整理した上で協議を進め、令和5年度から都市再生整備計画、まちなかウォーカブル推進事業として進めているものでございます。 民間需要や戦略性に触れます前に、本市の都市核を担いますまちなかの課題について御説明をさせていただきますと、大きく三つのことが挙げられます。 まず一つ目は、低未利用地が増加していることでございます。中心部においても、近年、空き店舗、空き地等の低未利用地が増加している状況にございまして、一度取り壊して空き地になったところが更新されない状況が散見されるようになりました。 二つ目に、施設の老朽化でございます。古くから本市の中核として都市活動を支えてきたまちなかでございますが、年数が経過した建築物では老朽化も課題となっており、佐世保駅周辺や栄・常盤地区等においては、土地区画整理事業や市街地再開発事業等により建物が更新されてきましたが、その後はなかなか容易には再生が進まない状況もございまして、古い建物が多いエリアもございます。 三つ目に、時代のニーズとのギャップでございます。以前は多くの市民がお出かけする場所であったまちなかでございますが、令和3年度に行ったアンケート調査では、8割の方は歩いて巡りたいとは思わない、あるいは特に用件がなくても行きたくなるとは思わないという結果であり、実際に歩行者数も減少を続けております。 このような課題を解決しながら都市を再生していこうとするときに、最も重要になっているのは、議員から御指摘がございました民間需要でございます。民間需要が旺盛な成長時代におきましては、都市計画は規制によって効率的な土地利用を図るとともに、土地区画整理事業や市街地再開発事業を進めることで、高度な都市形成を図ってまいりました。 しかしながら、人口減少社会を迎え、民間需要が下がってしまった状態では、都市開発プロジェクトを進めようとしても、生み出される床の取得が思うように進まず、事業が成立しないことから、まずは民間需要を高める必要性が高まり、エリアマネジメントの考え方が全国的に取り入れられたわけでございます。 このようなことから、都市計画の分野におきましても、誘導の視点を加えて都市の再生を図る時代となり、国土交通省におかれましても、都市再生特別措置法に基づき、公共空間を民間の視点で使いやすくするような制度や、その周辺の民有地であっても、開かれた空間として改修し利用する場合には、所有者やまちづくり団体等への支援制度や協定制度を設けるなど、様々な制度を構築してまいりました。 また、近年、都市づくりの分野におきましては、車社会ではありますものの、拠点となるエリアにおいては、車中心から人中心の快適に滞在できる都市空間を生み出し、公共空間を介した面的なつながりの中で民間の活動を活性化し、エリアの価値を向上させることが、民間投資を呼び込むとともに、都市空間を豊かに変えていくこととして重要視されております。 本市におきましても、新たな人の流れ・滞留が起こることで、民間主体のまちづくりが進んだ場所がございます。みなとエリアにさせぼ五番街が開業した後、エリア内の歩行者軸を中心とした人の流れが生まれ、周辺の万津町ではリノベーションまちづくりが民間主体で進みました。 このみなとエリアからアーケードまでの人の回遊や滞留は、SASEBOまち元気協議会等においてもこれまで課題とされてきました。そこで、アーケードを中心に、とんねる横丁周辺や夜店公園通り周辺を含めた一帯を滞在快適性等向上区域、いわゆるウォーカブル区域に設定し、公民連携で公共空間の利活用を進めながら、歩いて楽しく滞在できる空間を生み出すとともに、民間による既存ストックの有効活用を後押しする協定制度を使えるようにする都市再生整備計画を進めることとしたところでございます。 特に、まちなかエリアの中でも新しい拠点となった駅周辺や、みなとエリアとアーケードをつなぐ位置にある夜店公園通り周辺には、一定の公共空間があり、以前からこの空間を使いたいという声は多くいただいておりました。 そのような中、コロナ禍を受けて、一般社団法人させぼラボが「SASEBO夜直しパーティ」を実施した実績もあり、課題や可能性などを鑑みて、まずは夜店公園通り周辺から取組を始めるものでございます。 さらに、様々な民間の方と連携して、空間を使ってみながらエリアの価値を高めて、民間需要を生み出してまいりたいと考えており、関連して周辺の民有地の利活用等も出てまいりましたら、内容によりましては支援する仕組みもございますので、民間の発意やノウハウを最大限に取り込んでいく戦略で、都市再生整備計画を充実させながら、都市の再生を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◎企画部長(杉本和孝君) (登壇) 本市グランドデザインについての御質問のうち、俵ヶ浦半島の自然観光公園化について、今後の進め方と考え方についてお答えいたします。 俵ヶ浦半島の自然観光公園化に関連するこれまでの取組といたしましては、半島の中心部に位置し、ゲートウエイ機能として整備した九十九島観光公園において、動植物園移転を含めた官民連携による活用策を検討してきたところでございます。 これまでの民間事業者へのサウンディングにおいては、どの事業者からも、動植物園と一体となった民間投資を提案できる点にこの事業の魅力を感じていることが確認できました。加えて、動植物に興味を持ち、生き物を大切にする気持ち、保全への意識を高めるきっかけをつくるという、市が掲げた移転後の動植物園のコンセプトを実現する場として、この九十九島観光公園、ひいては豊かな自然環境や景観を残す俵ヶ浦半島がふさわしいといった意見でございました。 また、各社とも、事業を持続可能なものとするためにも、俵ヶ浦半島全体のブランディングが重要といった意見であり、そのためには、観光公園の活用事業を契機に、展海峰や花の森公園、白浜海水浴場といった半島の地域資源や廃校の活用も手がけていきたい、あわせて、トレイルや遊漁船ツアー、木のものづくりなど地域が主体となったプロジェクトとも積極的に連携していきたいといった意向が確認できたところです。 このことは、まさに99の政策における「俵ヶ浦半島全体の自然観光公園化」につながるものであり、観光公園を中心に半島の豊かな自然環境や景観に触れることで、訪れた人にオンリーワンの価値観を提供できるものと考えております。 それは、議員が事例として紹介されたベネッセコーポレーションが美術館やホテル、キャンプ場などの複合施設を整備したことを契機に、海岸や古民家におけるアート活動に波及していったベネッセアートサイト直島にも通じるのではないかと考えております。 したがいまして、今後の進め方としまして、まずは、俵ヶ浦半島全体の自然観光公園化の青写真を描きたいと考えており、この青写真を描くに当たっては、関心を寄せていただいた企業を中心に、民間事業者の視点を持って、議員御指摘の長期的かつ戦略的なプランを御提案いただくといったことができないかと考えているところでございます。 ◆24番(大村哲史君) (登壇) 例として俵ヶ浦半島のことをお尋ねしましたが、同じ西海国立公園の中でも、本市の小佐々町、そして鹿町町にまたがる北九十九島にもまた違った魅力があるわけであります。冷水岳のところから望む九十九島は、本当に絶景であります。これもまた、違った生かし方があると思っております。また、自然環境に限らず、三川内焼も超一級のほかに負けない資源であります。これを支える皿山の暮らしも、唯一無二のすばらしさを有しております。 このように、それぞれの場所によって潜在価値は多種多様であります。もっとそれぞれの場所、エリアの価値を探求し、生かすことができるよう、細やかなゾーニングをもって即地的に検討すべきではないでしょうか。今回は、もう時間も限られておりますので、御指摘のみにさせていただきます。 本年3月定例会で民間との連携についてお尋ねしましたが、当時の朝長市長からは、今後も職員に力を尽くしてもらいたいとしつつ、新しい市長にも期待していきたいとの答弁でございました。 さて、宮島市長におかれましては、さきの市長選において、99の政策と併せて、佐世保北部地域を住みやすいまちに大起動として、それぞれの地区にアジェンダを掲げられました。もちろん、これら全てを実現していただきたいと願ってはおりますが、これまでのように行政が主体となった取組だけではとても実現できるとは思われません。 今後、厳しい財政状況の中で、長期的な視点で戦略的に都市を活性化していくためには、民間の力、民間の投資をどう呼び込むかという視点は不可欠であると考えております。そのためには、長期的・戦略的な政策の転換が必要であると考えておりますが、市長の考えをお尋ねいたします。 ◎市長(宮島大典君) (登壇) ただいま大村哲史議員から、私の99の政策の実現に当たって、民間事業者の活力を生かすという視点で施策の転換が必要ではないかとの御質問でした。 人口減少等を背景とした今後のまちづくりにおきましては、いかに民間の力、民間の投資を呼び込むのかが肝要であるという点につきましては、私も全く同様に考えておりまして、主に三つの視点で進めていきたいと考えております。 まず一つ目は、事業効果の視点です。先ほど企画部長が答弁した俵ヶ浦半島全体の自然観光公園化を例にしますと、これまでは民間の創意工夫によって、動植物園の継続に係る財政負担を軽減できないかという視点が発想にありましたが、そこに加えて、俵ヶ浦半島全体としてどの程度の民間投資を誘導できるかという経済効果にも着目し、事業構築をするように指示をしたところでもございます。 二つ目が多様な連携です。これも先ほど都市整備部長が答弁した中心市街地におけるウォーカブルなまちづくりを例にしますと、これまでの行政と民間事業者との官民連携に加え、NPO法人や一般社団法人といった公益性を持った主体との連携を含む公民連携の取組によって、エリアの価値を高め、民間投資を誘導するといった、多様な主体との連携を高めていくことが重要であると考えております。 これは、先ほど議員が御指摘なされましたエリアごとの活性化、また、99の政策で掲げた「旧北松地域のエリアマネジメントを強化し、特色あるまちづくりを推進」についても同様であると考えております。 三つ目が民間発意の事業構築です。これまでは、佐世保PPPプラットフォーム等において、主に行政が発意した事業に対して、民間の参画意向をサウンディングするという形で事業構築を行ってきました。もちろん、この事業構築手法は、99の政策においても「公共事業における官民連携手法の強化」を掲げているように、今後も重要な取組であり、もはやスタンダードになっていると感じております。 一方で、民間事業者は様々な分野で社会貢献を望んでおり、特にITやロボットといった新技術やエネルギー分野など、拡大基調の分野における実証フィールドとして、行政との連携を望んでいるという印象を受けております。 これらの新技術やエネルギー分野は、汎用性が高く、スケールメリットが期待されることから、先日開催された西九州させぼ広域都市圏の首長が集まる連携協議の場で、グリーントランスフォーメーション事業を広域都市圏で展開していくといった考え方をお示しし、多くの首長から前向きな御発言をいただいたところです。 この中では、民間事業者からの事業提案を積極的に受け、広域都市圏の各市町の行政ニーズとマッチングしていくといったプラットフォーム機能を設けることで、民間発意型の事業構築をより一層進めることができるのではないかと考えております。 これら三つの視点を持って民間活力や民間投資を誘導することによって、議員御指摘の長期的・戦略的な視点を持った事業構築や都市形成につながっていくものと考えております。 ◆24番(大村哲史君) (登壇) 本当に限られた時間で答弁も大変だったでしょうけれども、まとめていただきまして本当にありがとうございました。またこの続きは、いつか質問をさせていただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。 ○議長(林健二君)  以上で本日の日程は全て終了いたしました。 次の本会議は明日10時から開きます。 本日はこれをもって散会いたします。     15時52分 散会...