長崎県議会 > 2023-12-01 >
12月01日-02号

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  1. 長崎県議会 2023-12-01
    12月01日-02号


    取得元: 長崎県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-14
    令和 5年 11月 定例会令和5年11月定例会                令和5年12月1日               議事日程                               第5日目-----------------------------------  1 開議  2 県政一般に対する質問  3 散会令和5年12月1日(金曜日)出席議員(44名)     1番  大倉 聡君     2番  本多泰邦君     3番  白川鮎美君     4番  まきやま大和君     5番  虎島泰洋君     6番  畑島晃貴君     7番  湊 亮太君     8番  冨岡孝介君     9番  大久保堅太君    10番  中村俊介君    12番  初手安幸君    13番  鵜瀬和博君    14番  清川久義君    15番  坂口慎一君    16番  宮本法広君    17番  中村泰輔君    18番  饗庭敦子君    19番  堤 典子君    20番  坂本 浩君    21番  千住良治君    22番  山下博史君    23番  石本政弘君    24番  中村一三君    25番  大場博文君    26番  近藤智昭君    27番  宅島寿一君    28番  山本由夫君    29番  吉村 洋君    30番  松本洋介君    31番  ごうまなみ君    32番  堀江ひとみ君    33番  中山 功君    35番  川崎祥司君    36番  深堀ひろし君    37番  山口初實君    38番  山田朋子君    39番  中島浩介君    40番  前田哲也君    41番  浅田ますみ君    42番  外間雅広君    43番  徳永達也君    44番  瀬川光之君    45番  溝口芙美雄君    46番  田中愛国君-----------------------------------欠席議員(2名)    11番  山村健志君    34番  小林克敏君-----------------------------------説明のため出席した者  知事             大石賢吾君  副知事            浦 真樹君  副知事            馬場裕子君  秘書・広報戦略部長      大瀬良 潤君  企画部長           早稲田智仁君  総務部長           中尾正英君  危機管理部長         今冨洋祐君  地域振興部長         小川雅純君  文化観光国際部長       前川謙介君  県民生活環境部長       大安哲也君  福祉保健部長         新田惇一君  こども政策局長        浦 亮治君  産業労働部長         松尾誠司君  水産部長           川口和宏君  農林部長           綾香直芳君  土木部長           中尾吉宏君  会計管理者          吉野ゆき子君  交通局長           太田彰幸君  地域振興部政策監       渡辺大祐君  文化観光国際部政策監     伊達良弘君  産業労働部政策監       宮地智弘君  選挙管理委員会委員      高比良末男君  代表監査委員         下田芳之君  人事委員会委員        辻 良子君  公安委員会委員長       安部惠美子君  警察本部長          中山 仁君  監査事務局長         上田彰二君  人事委員会事務局長労働委員会事務局長併任)                 田中紀久美君  教育委員会教育次長      狩野博臣君  教育委員会教育次長      桑宮直彦君  財政課長           苑田弘継君  秘書課長           黒島 航君  選挙管理委員会書記長     大塚英樹君  警察本部総務課長       一瀬永充君-----------------------------------議会事務局職員出席者  局長             黒崎 勇君  次長兼総務課長        藤田昌三君  議事課長           川原孝行君  政務調査課長         濱口 孝君  議事課課長補佐        永尾弘之君  議事課係長          山脇 卓君  議事課会計年度任用職員    天雨千代子君-----------------------------------     -午前10時0分 開議- ○議長(徳永達也君) おはようございます。 ただいまから、本日の会議を開きます。 これより、一般質問を行います。 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) (拍手)〔登壇〕おはようございます。 自由民主党、大村市選挙区選出、松本洋介でございます。 私にとりまして、改選後、初の一般質問を初日の最初にさせていただきますことに、会派の皆様に感謝を申し上げます。 そして、5回目の当選をさせていただき、ここに立たせていただいた皆様にも心より感謝を申し上げます。 二元代表制の一翼を担う県議会の議員としての責務を果たすべく、県政における様々な課題について、通告に従いまして、一問一答方式で質問をさせていただきます。 知事、関係部長等の簡潔で明快なご答弁を賜りますよう、よろしくお願いいたします。 1、知事の政治姿勢について。 (1)新しい長崎県づくりのビジョン実現のための取組について。 本県は、人口減少や少子・高齢化が全国より早く進み、労働力不足や地域活力の低下など、様々な課題が全国に先駆けて顕在化することが懸念されることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響等を受けて、新たな社会経済システムへの転換が求められております。 このような中、大石知事におかれては、将来への不安を払拭し、未来への期待や本県への誇りを抱き、新しい長崎県を築いていきたいとの思いから、県政運営の基本的な計画である総合計画に加え、今後、重点的に取り組む5つの分野、「こども」、「交流」、「イノベーション」、「食」、「健康」に特化して、「新しい長崎県づくり」のビジョンの策定を進められております。 今後、このビジョンに基づき、来年度においては、具体的にどのような事業に取り組んでいこうとされているのか、お尋ねをして、残余の質問は、対面演壇席にて行います。 ○議長(徳永達也君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕松本議員のご質問にお答えさせていただきます。 「新しい長崎県づくり」のビジョン実現を図るために創設いたしましたビジョン実現特別事業につきましては、これまでのように単一の部局ではなく、関係部局が一緒になって議論しながら、一つの事業をつくりあげていくという新たな手法によって、分野を超えた部局横断、融合的な取組を強力に進め、施策の効果を最大化してまいりたいと考えております。 具体的には、「こども」分野において、子どもが主役の子どもの居場所づくり等に向け、多様な民間団体等との連携体制を構築するほか、「イノベーション」分野では、本県がドローン活用の先進地となることを目指し、農業や建設業など、各産業を対象としたドローンオペレーターの育成支援等に取り組むこととしております。 令和6年度は、ビジョンに掲げる概ね10年後のありたい姿の実現に向けた初年度でありますことから、先に公表いたしました令和6年度長崎県の主要施策に基づき、特に、今後の事業推進にとって基盤となる土台づくりに力を注いでまいりたいと考えております。 今後、県議会でのご議論等も踏まえながら、予算編成の中でさらに検討を深め、関連施策の充実・強化を図ってまいりたいと思います。 以後のご質問につきましては、自席から答弁をさせていただきます。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) ビジョンの分野ごとのありたい姿の実現に向けて、令和6年度に取り組む分野横断的な具体的事業を今ご説明いただきましたが、特に、期待しておるのは、関係部局が合同で一つの事業に取り組むということは、今までにないことでございます。縦割りの弊害を崩して、また取り組んでいただきたいと思います。 このビジョンにおいては、分野横断的な取組の推進に加え、ありたい姿の実現に向けた全ての施策に共通する視点として、「長崎県デジタルの変」、「戦略的情報発信・ブランディング」、「人材確保・育成」が挙げられております。 総合計画に加え、ビジョンを策定し、注力する分野を、より特化して施策を推進していくために、こういった共通する3つの視点が必要になるということですが、ビジョンに盛り込んだ意図について、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 本県は、離島・半島が多い地理的特性や、人口減少、少子・高齢化に伴う様々な課題を有しておりますけれども、見方を変えれば、最先端テクノロジーの社会実装等を進める大きなチャンスであるとも思います。 そこで、「長崎県デジタルの変」を掲げまして、長崎県版デジタル社会の実現を目指してまいりたいと考えております。 また、長崎県の魅力ある食材や自然、文化資源などが全国的にまだ幅広く知られていない現状を踏まえまして、その情報を的確に発信して、県内外の皆様の行動変容につなげるために、「戦略的情報発信・ブランディング」に取り組んでまいりたいと考えております。 さらに、変化が激しく、予測困難な社会の中で、県民の皆様の暮らしを支える産業や地域の活力を生み出していくためには、社会ニーズに応じた人材を育成・確保して、誰もが活躍できる社会をつくっていくこと、これが必要であることから、「人材確保・育成」を掲げたものでございます。 施策の構築や推進に当たっては、こうした共通の視点を持ちつつ、時代や環境の変化に応じ、より良いものを取り入れながら、施策相互の連関を強めることによって相乗効果を創出してまいりたいと考えています。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 人口減少に対応するために、労働力不足に対応する最先端テクノロジーを導入、人材の確保や育成に取り組み、また、地域間競争に対応するために、情報発信やブランディングを強化するというのは、まさに今の時代に合った戦略だと思いますし、10年後に向けての新たな取組を共通の視点を持つということが、非常にこれからの相乗効果を創出していくと思います。それぞれの事業にきちんとこの3つが入るように取り組んでいただきたいと思います。 (2)石木ダムの整備について。 石木ダムは、川棚川の洪水被害を軽減し、佐世保市の慢性的な水源不足を解消するため、必要不可欠な事業であり、早期完成が求められております。 近年、気候変動の影響により、全国各地で豪雨災害が頻発、激甚化している中、川棚川流域における洪水対策としての石木ダムの必要性は、ますます高まっており、地域住民の皆様の安全・安心を守るため、一日も早い石木ダムの完成を目指していただきたいと思います。 さて、本定例会に川原地区の皆様の生活再建とダム周辺地域の振興に向けて、基金を設立するための議案を提案しているとのことですが、なぜ今、基金を設立しようとしているのか、その意図について、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) ダム建設事業においては、地域住民の皆様からのご理解とご協力が重要でございます。 一方、移転をお願いする皆様の生活再建には、精神的にも、経済的にも、様々な負担が生じるものと考えております。 石木ダム事業につきましては、事業にご理解をいただいて、既に移転いただいた皆様に対しましては、平成7年に設立いたしました「財団法人石木ダム地域振興対策基金」によって、移転に伴う負担を少しでも軽減できるように、生活再建に向けた支援を行ってまいりました。 しかしながら、当該基金でございますけれども、公益法人制度の改革によって、既に平成25年に解散しております。 今回の基金の設立につきましては、工事が進捗する中、話し合いの実現に向けた努力を続ける一方で、ダム周辺地域の振興と、川原地区にお住まいの13世帯の皆様の実情に合わせた生活再建対策を具体的に提案できるよう、新たな基金の設立を進めるべきとの考えで、佐世保市長、川棚町長とも意見が一致したところでございます。 引き続き、石木ダムの早期完成に向けて、佐世保市及び川棚町と一体となって事業の推進に力を注ぐとともに、川原地区の皆様に事業へのご理解とご協力をいただけるように努力を重ねてまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 過去にあった基金に代わる新たな基金を設立するということでご説明がありましたが、それでは、旧基金では、具体的にどのような事業を行い、どのような成果があったのか。 また、新基金は、具体的にいつ設立し、どのような事業を行うのか、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 旧基金では、生活再建等特別助成金として、1世帯当たり500万円を上限に、総額約2億7,200万円の助成などを行うことで、事業に協力いただきました101世帯の地権者の生活再建を支援してまいりました。 新基金の設立につきましては、本定例会に提案しております予算案をご承認いただければ、速やかに設立に向けた手続に入りたいと考えております。 また、事業内容につきましては、生活再建支援やダム周辺地域の振興策など、新基金の体制において検討されることになります。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) ぜひ、川原地区の皆様に寄り添った新基金の提案による環境整備をお願いしたいと思います。 (3)肉用子牛価格対策について。 肉用牛繁殖経営においては、飼料価格等資材価格の高止まりにより、厳しい経営を余儀なくされており、本年4月に60万円台だった県内子牛平均価格が、7月以降には40万円台と大幅に下落し、さらなる経営の悪化が懸念される状況にあります。 このようなことから、10月には、肉用牛生産者団体が知事に支援を要望するなど、県の支援を求める声が高まっております。 本県の農業振興に欠かせない肉用牛の生産基盤を維持するため、早急に対策を実施する必要があると考えていますが、肉用子牛価格下落に対する県の支援について、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 知事。
    ◎知事(大石賢吾君) 肉用牛の子牛価格が全国的に下落傾向にあることから、国は、九州・沖縄ブロックの平均価格が60万円を下回った場合に、差額の4分の3を交付する制度を創設しております。 しかしながら、本県の子牛価格は、九州平均よりも下回って推移しておりまして、国の価格補填を受けても下落分を補いきれない大変厳しい状況にあることから、県では、国の制度と協調した支援事業として、今議会に1億960万4,000円の補正予算案を提出したところでございます。 具体的には、国の制度で補填をされない部分の4分の1の半分である8分の1について、本年4月まで遡及して支援したいと考えております。 ご議決いただいた場合には、例えば、令和5年第3四半期につきましては、国の補填額8万2,000円と県事業の約8,000円を合わせまして、1頭あたり約9万円が交付される見込みでございまして、生産者の経営安定につながるものと期待しております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 子牛価格の下落対策については、国の支援制度に同調する形で県も支援を実施する予定ということで、ぜひ肉用牛繁殖農家の皆様が、希望を持って子牛を育てることができる支援としていただきたいと思います。 一方、本県の子牛価格は、全国や九州平均価格と比べても下落幅が大きいとのことでしたが、県では、この要因をどう分析し、どのような対策を考えているのか、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 本県では、近年の繁殖牛農家の規模拡大に伴い、肥育牛の出荷頭数と比較して子牛の出荷頭数が多くなったため、子牛の一部を県外の肥育牛農家に買い上げていただく必要がありますが、子牛市場に県外の肥育牛農家が集まらなければ競争原理が働きにくく、子牛価格が下がりやすいという構造的な課題があります。 このため、県内の肥育牛出荷頭数の拡大に向け、新たに肥育に取り組む繁殖牛農家を支援する補正予算案を今議会に提出している状況でございます。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 先ほど答弁にありました、やはり補助をしたとしても、構造的に子牛の出荷頭数が多い状況が続けば、また同じような問題が起きます。今回の予算で繁殖農家が新たに肥育を始める取組を支援するということでございますので、ぜひともこれを広げて、今後の課題対策に取り組んでいただきたいと思います。 (4)国の経済対策への対応について。 国においては、去る11月2日に閣議決定された「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づく補正予算を編成し、先般、11月29日に成立したところであります。 今回の経済対策は、「物価高から国民生活を守る」、「国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保する」など、5つの柱の下に様々な施策が盛り込まれております。 このうち、喫緊の課題である物価高騰対策については、本県においても、国の交付金を活用しながら、本年6月定例会をはじめ、これまで221億円の補正予算を計上され、医療、高齢者施設や公共交通事業への支援、授業料の減免や給食費の支援などに取り組まれております。 今般も、国の動きに対応し、これまでの県の取組状況も踏まえつつ、引き続き、効果的な対策を講じていくことが必要かと考えます。 そこで、今回の国の経済対策補正予算の成立を踏まえ、県においては、物価高騰への対応も含め、どのように対応しようとされているのか、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 県としましては、物価高騰など厳しい経済状況が続く中、県民の皆様の生活や社会経済活動をしっかり支えていくことが重要だと考えておりまして、これまでも国の経済対策による有利な財源を最大限活用しながら、様々な対策を講じてきているところでございます。 そうした中、今般の新たな国の経済対策への対応につきましては、現在、各省庁の事業内容を精査しているところでございまして、提案可能なものは、今定例会への追加提案も含めて速やかに対応してまいりたいと考えております。 具体的には、重点支援地方交付金を活用しました生活者、事業者への物価高騰に係る支援や、防災・減災、国土強靱化のための公共事業費の増額などを検討しております。 県としましては、これまでの取組の成果や課題等も踏まえながら、引き続き、県民の皆様の生活の安全・安心の確保と、県内の社会経済活動の回復、再生につながる効果的な施策の構築に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) これまでの県の経済対策により、生活者の暮らしの安心や事業者の経営安定に寄与してきたことは、大変感謝をしておるところであり、今回の経済対策においても、これまでの6月補正の課題や足らざる部分など、幅広く県民や各種団体などの声を聞いていただき、進めていただくよう、お願いいたします。 2、九州新幹線西九州ルートの整備促進について。 (1)佐賀県との連携について。 西九州新幹線は、開業から1年間で約242万人もの方が利用され、県内各地がにぎわうとともに、駅周辺の再開発も進むなど、本県に大きな効果をもたらしております。 その効果は、佐賀県内でもあらわれており、新聞報道等によりますと、長崎から佐賀への宿泊客が1.6倍に増えたほか、武雄市では移住の相談件数が1.8倍に増加したと伺っております。 佐賀県の山口知事も、インタビューで、「武雄市はハブ都市になる可能性を手に入れ、嬉野市はまち歩きなど観光地として良い方向に進んでいる」と発言され、開業による効果を評価されています。 しかし、その一方で、マイナスの側面もあり、昨年度、新幹線議員連盟で鹿島市や太良町を私たちが訪問した際には、「長崎本線の特急の本数が減少し、乗換えが不便になった」との声を伺いました。 こうした新幹線開業による効果と課題の両面を両県で共有し、お互いの発展のために連携することが、今後のフル規格に向けての一歩につながるものと考えますが、これまでどのように連携して取り組んできたのか、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 県では、両県の観光情報や暮らし、食文化を発信するフリーマガジン「SとN」の発刊など、佐賀県と連携して観光客誘致に取り組んできたほか、新幹線関連のイベントを沿線5市と連携して実施してきました。 一方、長崎本線の上下分離区間は、両県で設立した「佐賀・長崎鉄道管理センター」が維持管理を行っており、乗換えやダイヤの課題などについて両県で共有を図っております。 県としては、課題解決に向けて、JR九州へ働きかけており、引き続き、長崎本線の利便性の確保について、佐賀県と連携を図りながら取り組んでまいります。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 両県のメリットを拡大させることはもちろんですが、両県のマイナス面を減らすことも重要ですので、しっかりと連携を図っていただきたいと思います。 (2)フル規格に向けての課題と対策。 本県の悲願である全線フル規格を実現するためには、新鳥栖から武雄温泉間の整備方式について、佐賀県を含めた関係者が合意する必要があります。 そのためには、佐賀県の考えを理解しつつ、対話を重ねる中で、国に対して両県が一緒に取り組もうという姿勢が重要ではないでしょうか。 先日、大村市、長崎市、諫早市の3市と佐賀県の嬉野市、武雄市を合わせた沿線5市が、国土交通省などに全線フル規格での整備を要望されました。 また、沿線の各駅周辺では、イベント実施について、沿線5市を中心に連携して取り組んでおり、新幹線の利用促進に向けた動きと併せて、新幹線で地域全体を盛り上げていこうと努力をされております。 大石知事は、これまで山口知事との関係性を重視されておりますが、今後、九州新幹線西九州ルートの全線フル規格の実現に向けて、どのように取り組まれるのか、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 九州新幹線西九州ルートのフル規格による整備については、「本県の考え方だけでは実現できない」と、これまで申し上げてきたとおりでございまして、佐賀県の理解を得ることが不可欠であると考えております。 そのため、人流の増加やまちづくりなど、新幹線効果が具体的にあらわれている沿線地域の状況について、西九州地域全体で共有することが重要であると考えています。 また、私自身も、新幹線を含めました地域の将来について、山口知事と率直に意見交換を重ねながら、両県がメリットを享受できる環境づくりに努めてまいったところでございます。 県としては、引き続き、佐賀県の考えを十分にお聞きをしながら、在来線等の共通する課題に連携して取り組むとともに、政府・与党や関係者に対して、地域課題を踏まえた働きかけを行うなど、全線フル規格での整備実現に力を注いでまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 新幹線は、そもそも国の事業でありまして、今回の対面乗換えの状況も、フリーゲージトレインの開発失敗がもととなっております。 両県共通の課題について、やはり佐賀県を説得というのではなくて、お互いに課題についてともに連携し、国に要望していくことが、これは県議会も同様だと思いますが、今後の課題解決の糸口になると思いますので、引き続き、力を合わせて取り組んでまいりたいと思います。 3、人口減少対策について。 (1)移住対策について。 人口減少には、自然減と社会減の2つがございます。自然減である少子化対策につきましては、時間がかかるものであり、すぐに解決することは困難であると思います。 しかし、社会減については、流出を抑止し、流入を増やす、いわゆる移住対策として20歳代から40歳代までの、いわゆる子育て世代を呼び込むことは、人口増加や経済波及効果を生み出すだけではなく、地域の活性化にもつながるものであることから、有効な施策であると考えます。 また、昨今は「2024年問題」と言われている物流業界における人材不足だけではなく、様々な業界で人材不足が生じており、人材確保の面からも、移住対策は重要になってくるものであります。 こうした中、本県への移住者数を見てみますと、令和4年度の移住者数は1,876人と過去最高で、5年前の平成29年の782人から2.4倍に増加しております。 まずは、昨年度の移住者数が5年前と比べて2倍以上に増加した要因は何なのか。 また、さらなる成果拡大に向けた移住対策の取組について、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 移住者数の増加の要因としては、「ながさき移住ナビ」における情報発信の充実や、市町における相談体制の強化、コロナ禍を契機とした地方移住への関心の高まりやテレワークの普及等が要因と考えております。 移住対策については、実際の移住者の声が重要であると考えており、仕事への懸念の声が多いことから、無料職業紹介や転職相談会等を行っております。 また、現在開催中の「UIターン促進キャンペーン」では、市町と連携して集中的に移住相談会等を行い、全国に向けて本県への移住をPRしているところであります。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 先ほどの答弁の中で、やはりコロナ禍をきっかけとして地方への関心の高まり、また、テレワークの普及といった外部環境が変化してきたことに加え、先ほど答弁でありましたとおり、県として移住者のニーズの高い仕事の情報発信や市町の相談体制の強化を着実に実施してきたことを評価いたします。 しかしながら、他県でも同じようなことをやっていらっしゃいます。全国的に地域間競争が激化する中で、今後、さらに戦略的な取組も必要だと思います。 そこで、令和4年度における本県の日本人の転出・転入者数を都道府県別に調べてみました。そうしますと、福岡県が転出・転入とも最も多く、転出者8,891人、転入者5,773人となっており、2位の東京都が転出者2,364人、転入者1,687人であることを考えると、圧倒的に多いことがわかります。 このような状況を踏まえると、本県出身者が最も多いと考えられる福岡県における移住施策が重要であると考えます。 そこで、福岡県からの移住者数とその割合、福岡県における移住施策について、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 令和4年度の本県への移住者数1,876人のうち、福岡県からの移住者は479人で、割合は25.5%であり、最も多くなっております。 福岡県での移住対策については、移住相談会や転職相談会の実施、また、現在、開催中の「UIターン促進キャンペーン」では、JR博多駅等での広告掲出や、福岡県内の新聞等での広報を実施しております。 また、大学生のUIターン就職への取組として、福岡の大学3校との連携協定に基づき、学内での企業説明会や県内企業の見学ツアーなどを実施しているところであり、引き続き、移住促進に努めてまいります。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 福岡県は、長崎県からも大変近い距離にあるということは、もちろん、出やすくもあるけれども、戻りやすくもあるということであると思います。大学も多数ございます。確かに都会で便利ではありますけれども、しかしながら、やはり地元ならではの良さ、そして、先ほどから説明のあっている仕事、そういったものをしっかりと発信することによって、やはり福岡から故郷に帰ってこようかという一つのきっかけにはなると思っております。 今議会が終われば、年末年始に帰省する方が多数いらっしゃいます。市町と連携して、県もしっかりと情報を発信し、移住対策に力を入れていただくことをよろしくお願いいたします。 (2)企業誘致について。 国内では、半導体関連産業の投資が活発化しており、特に、九州では、台湾の半導体関連大手であるTSMCの熊本県への進出をはじめ、本県においては、ソニーグループが工場を増設するなど、地元経済への波及効果を期待するところであります。 さらに、本年4月には、企業誘致によって京セラが諫早市への工場立地を決定し、今後、1,000人規模の雇用が見込まれ、その経済波及効果は、10年間で約2,460億円に及ぶと試算されていると伺っています。 企業誘致が人口減少対策にとどまらず、県勢の浮揚に向けて非常に効果的であることを改めて実感しております。 今後、県には企業誘致に積極的に取り組んでもらいたいと考えていますが、企業誘致は、企業が操業してからこそ、本格的な効果が出てくるものと認識しており、京セラの今後の円滑な操業に向けて、人材確保をはじめ、どのような支援をしていくのか、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 県では、京セラの操業開始に向けた人材確保の支援として、これまで県外に就職していました高校生に県内就職への意識を高めていただくため、教育委員会と連携し、学校関係者による工場の視察や企業との意見交換を行うほか、UIターン者についても積極的に採用いただけるよう、企業と連携して取り組んでいくこととしております。 また、県内サプライチェーン企業の紹介を目的としたビジネスマッチングフェアへ参加いただくなど、地元企業との取引拡大に向けた取組を進めているところでございます。 さらに、今回の国の補正予算の中で触れられておりますが、諫早市における新たな工業団地の周辺環境の整備についての動きもあることから、今後、整備に向け、協議を行ってまいりたいというふうに考えております。 引き続き、今回の立地の効果を地元経済へ最大限波及させるために、諫早市や産業振興財団と連携した支援に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) やはり1,000人規模の雇用というのは、簡単なことではございませんで、実際、私も大村工業高校の卒業式に行きますと、もう既にTSMCに多くの高校生が県内から流出しているという話があり、あちら側も、こちらに人材不足に対して対応されると思います。 人が足りないということがないことと、それと同時に先ほどから話がありますように、やはり地元の企業でいろいろな仕事に就いて、関連するサプライチェーンの構築、こちらもやはり重要になってきます。 地元企業にとっては、大企業を優先しているというような印象にならないように、地元の中小企業も同じように京セラと仕事をしていただいて、そして税収も上げていただくというようなプラスの流れを、このたび、国の補正で周辺関連の予算がついたというふうに聞きました。土地がしっかりと確保できる整備等、そういったところも諫早市と連携して、そして、産業振興財団とも協力して、引き続き、積極的に取り組んでいただくようお願いいたします。 (3)産業人材の育成について。 造船業に次ぐ新たな基幹産業の創出に向けて、半導体関連をはじめとした企業誘致や人材確保に尽力されているとのことですが、新たな産業分野に対応できる人材育成についても重要であると考えております。 特に、地場中小企業の人材育成については、県の高等技術専門校が大きな役割を果たしており、多くの人材を輩出されてきたことを評価しておりますが、一部の訓練科では応募者が少ないともお聞きしております。先ほどの新たな基幹産業の創出も見据え、現状の高等技術専門校のままでいいのか、懸念するところです。 高等技術専門校への入校を目指す方、訓練修了生を受け入れられる地場中小企業の皆様、双方にとって、より魅力のある高等技術専門校とするためには、求められる人材のニーズに応じたカリキュラムの見直しを行っていく必要があると考えますが、県の見解をお尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 高等技術専門校では、これまで造船関連産業に対応する溶接や機械等を中心とした産業人材の育成に努めており、中小企業を中心に多くの人材を輩出し、令和4年度の県内就職率は、約98%となるなど、県内企業から一定の評価をいただいてまいりました。 一方で、一部の訓練科では応募者が少なく、また、工業会をはじめとした地元産業界からは、県内産業構造の転換や人手不足の現状を踏まえ、複数の技能を有する多能工人材や基礎的なITリテラシーを有するデジタル人材の育成を求める意見等もいただいているところでございます。 今後、産学官の専門家からのご意見も伺いながら、若者や地元産業界のニーズに即しました高等技術専門校となるよう、訓練カリキュラム等の見直しを行ってまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 時代の変化に伴い、企業が求めるものづくりの技術、技能も変化しているものと思います。 高等技術専門校は、県内のものづくり企業へ若い人材を育てる大事な役割を担っておりますので、ぜひ県内産業の成長や活性化につながる新たな産業、先ほど答弁にありましたITリテラシー、デジタル人材など、そういった時代の流れに合ったカリキュラムの見直しもぜひとも検討していただきたいと思います。 4、教育行政について。 (1)不登校の現状と課題について。 少子化で児童生徒数が減少しているにもかかわらず、本県の不登校については、令和4年度において、コロナ禍の影響もあり、3,452人と過去最高を更新しています。このような子どもたちの学びをどのように保障していくか、あるいはどのように支援していくかが大きな課題であると思います。 このような中、国では、令和4年度の調査で不登校児童生徒が過去最多となったことなどを受け、本年度の補正予算において、「誰一人取り残されない学びの保障」に向けた不登校支援対策を緊急実施すると聞いています。 まず、今回の国の補正予算の概要について、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 教育委員会教育次長。 ◎教育委員会教育次長(狩野博臣君) 全国的な不登校児童生徒の増加に対応していくために、国は、本年3月、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」を策定し、10月には、令和4年度の不登校調査の結果も踏まえた緊急対策を取りまとめたところでございます。 これらを受けて、今回の国の補正予算におきましては、不登校児童生徒の学び継続事業としまして、学校内での子どもの居場所や学びの場となる「校内教育支援センター」の設置促進やスクールカウンセラーの配置充実など、37億円が計上されているところでございます。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 答弁で説明があったもののうち、「校内教育支援センター」については、不登校の子どもたちが学校内の落ち着いた空間の中で過ごせることから、全国でも取組が進んでいると聞いております。 このような取組について、本県においても積極的に検討を進め、国の予算を活用して設置を推進していく必要があるのではないかと思いますが、県としてどのように考えているのか、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 教育委員会教育次長。 ◎教育委員会教育次長(狩野博臣君) 「校内教育支援センター」につきましては、自分のクラスに入りづらさを感じる子どもたちの学校内での居場所となるものであり、不登校の未然防止や登校復帰につながる有効な手段の一つと考えております。 一方で、現在、県内では長崎市などの一部の学校での設置にとどまっておりますことから、今回の国の補正予算を契機に、設置が一層促進されていくよう、市町とも連携しながら次年度に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) ぜひ国の予算を活用しながら、歩みを止めることなく、本県の不登校児童生徒への支援を積極的に推進していただきたいと思います。 それから、もう一点、ちょっと見方を変えますと、現在、不登校については、新聞報道等において、増加する人数ばかりが注目される傾向にあります。しかしながら、スクールカウンセラーによる支援、市町の教育支援センターにおける指導等の結果、不登校の状態から改善が図られたケースも相当数あるのではないかと思いますが、現状はどのようになっているのか、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 教育委員会教育次長。 ◎教育委員会教育次長(狩野博臣君) 令和4年度の公立小・中・高等学校の不登校児童生徒のうち、約45%の1,560人が、スクールカウンセラーや市町の教育支援センター等による支援の結果、年度途中から徐々に登校できるようになっております。 このような事例につきましては、今後の学校や家庭での支援に活かすことができますし、不登校児童生徒本人や、その保護者にとっても、励みや希望にもなるとも思いますので、市町の担当者や教員を対象とした研修会等で積極的に情報を発信してまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 45%も改善が見られるということは、そこの中の人であり、人材であり、またカリキュラムであり、様々な手法による成功事例というものを県内全てに共有して同じように取り組むことで、さらに効果が上がってくると思いますので、やはり数が多いから問題だということよりも、むしろ、どれぐらい解決しているのかというところにも着目していただきたいと思います。 (2)私学振興について。 ①保育士等の処遇改善について。 先般、知事に対して、私学6団体からの要望が行われましたが、長崎県私立幼稚園・認定こども園連合会からは、保育士等の処遇改善に関する要望が上がっておりました。 私も、子どもたちの育ちを支えている保育士等の人材確保は、大変重要であると認識しており、そのため処遇改善は、喫緊の課題であると考えております。 知事は、選挙公約において、子育て支援と教育環境の充実を挙げ、その中で保育士の賃金向上を含む県独自の処遇改善を打ち出されております。 また、先般示された「新しい長崎県づくり」のビジョン(素案)においては、「こども」施策を基軸に取組を進めることとされ、「こどもたちが安全・安心に健やかに成長し、その能力と可能性を高めることを積極的に支援する」とうたわれております。 そこで、知事は、来年度、保育士等に対する県独自の処遇改善に取り組むかどうか、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 私は、こども施策を県政の基軸として捉えておりまして、先般、お示しした「新しい長崎県づくりのビジョン(素案)」においても、その旨を明確に打ち出し、関連施策の充実・強化を図っていくこととしております。 人口減少が急速に進む本県において、子どもの育ちを支える保育人材の確保は、大変重要な課題であると認識しております。 また、国において、保育士の配置基準の改善等が検討されている中、保育士確保の地域間競争も懸念されているところでございます。 本県独自の保育士に対する処遇改善策につきましては、現在、市町と協議を重ねておりまして、新年度予算において、ぜひ実現したいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 知事が進められるリーダーとしての意気込みを伺わせていただきました。 ②専修学校・各種学校への補助について。 県内の専修学校への進学者は、県内の高校の卒業生が約8割を占め、県内の専修学校の卒業生のうち7割以上の方が県内で就職していると聞いており、中でも看護、医療などの特定の分野では9割を超えていると承知しております。 このように、県内の専修学校は、高校卒業生の県外流出の防波堤となり、専門人材を育成し、県内就職の促進に大きく貢献しておりますが、少子化の影響で小規模な専修学校ほど厳しい経営状況にあると伺っております。 専修学校に対する経常費の補助単価については、従来は、予算総額を学生数で割って単価を出す方法で算定をしており、平成12年度の単価は約9,900円でした。その後、予算総額が増えない中で、学生数の増加に伴って単価が下がり続けたため、平成23年からは単価を6,300円に固定したままになっております。 しかしながら、少子化が進み、学生数が減少に転じている現状において、現在の算定方法では、予算規模が年々縮小します。 専修学校が果たす役割を考えると、予算規模を確保することは大切だと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 総務部長。 ◎総務部長(中尾正英君) 専修学校に対する県の経常費補助につきましては、専修学校の経営基盤の安定化のため、その一部を助成しているところでございます。 専修学校は、県政の課題であります若年層の県内就職の促進、県内企業等の人材確保の面で大きな役割を果たしていると認識しております。 県といたしましては、少子化の影響で専修学校の学生数が年々減っている現状を踏まえ、専修学校の支援に必要な予算の確保に今後も努めてまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) やはり成果をしっかり出している。算定基準が、以前は人数割をしていたわけですが、人数が増えると当然単価も下がってくると、下がり過ぎてから、今度はそれを変更して固定にしてしまっている。そしたら、それから人数が増えたとしても、やはり単価は上がらないということで、ぜひとも、この構造を見直していただいて取り組んでいただきたいと思います。 5、農業行政について。 (1)後継者育成支援について。 本県でも、農家の高齢化が進み、農家の平均年齢は、約65歳で、農家数は2020年までの10年間で27%、約1万3,000戸が減少し、今後、10年、20年と、持続可能な農業を維持していくためには、新規就農者の確保が重要であると考えます。 このような中、私の地元の後継者から、「親が高齢になり地元に戻りたいが、躊躇している」と相談を受けているところです。 就農直後の経営確立を支援する国の経営開始資金は、親元就農者は、親の経営基盤があることから、同じ作物で就農する場合は、支援の対象にならないと伺っております。 私は、親元就農の支援を強化することが農業人口を増やすきっかけになり、Uターンの促進にもつながると考えておりますが、親元就農について、どのような支援が行われているのか、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 本県では、令和4年度に国が創設した親元就農者も対象となる経営発展支援事業を活用し、農業機械や施設等の導入を支援しており、この2年間で21名の親元就農者が本事業に取り組んでおります。 県としては、農業の持続的な発展のためには、親元就農者の確保は大変重要な取組と考えており、今後も国の制度を有効に活用しながら、関係機関等と一体となって支援をしてまいります。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 今、答弁にありましたとおり、令和4年度に親元就農も支援の対象となる経営発展支援事業が創設されたということでございますが、それまではなかったわけでございまして、そのことをやはり周知するということが、まず大事だと思っております。 このことがあることによって、また帰ってこようと思うきっかけになるのは、大いにあることでございまして、そのことをしっかり地元の市町、そしてJAと連携して情報を発信していただきたいと思います。 (2)持続可能な産地づくりについて。 ①県内の農地の基盤整備の成功事例について。 農業は、後継者問題のほか、耕作放棄地の拡大など多くの課題を抱えております。 私の地元の農家の皆様からは、規模拡大したいが、農地へ接続する道路や用水がないなど、特に、中山間地を含め、農業生産に大変な苦労をされている声を多くいただいているところであります。 このような課題を解決するためには、農業の生産性向上を図り、次代を担う若い人たちに快適で、しっかりともうかる姿を見せ、夢を持って農業に取り組めるよう、農業の基礎となる農地の基盤整備をしっかりと進めていく必要があると考えております。 県におかれては、これまで農地の基盤整備を積極的に推進されておりますが、農地の基盤整備を実施された雲仙市の八斗木地区において、集落の活性化につながる大きな実績が上がっていると聞いております。 そこで、農地の基盤整備を実施した八斗木地区での具体的な成果、効果について、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 八斗木地区では、農地の基盤整備に併せて、白ねぎの共同育苗施設の整備など、地域が一体となって産地化に取り組んだ結果、作付率は95%から123%へ、担い手の平均農業所得は約460万円から約1,100万円に増加しております。 また、若手後継者の定着により、小学校の児童数が、この10年間で40人から74人へ増加するといった効果もあらわれていることから、県といたしましては、このような優良事例を県下全域に広げ、生産性の高い産地の育成と所得の向上につなげてまいります。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 大変大きな成果だと思います。やはり生産性の向上だけではなく、Uターンを含む8名の新規就農者、若手後継者の定着につながり、しかも、小学校の児童数が10年間で40人から74人へ増加というのは、大変大きな成果であると思います。 やはり小規模な農家ほど、なおさら高齢化しておりまして、基盤整備をすることに、やっぱり一方考えるところがあられると思いますが、このような実際の具体的な成果というものを県内で共有することによって、それでは我が町でもやってみようという契機につながると思います。 国からの内示の来年度の農業基盤整備の予算も100%充当されたというふうに伺っております。 また、農地の基盤整備に取り組まれている地区数が、10年前の平成25年度には14地区であったものが、現在は32地区と大幅に増加しているということも、やはりニーズが高いものであることと認識しております。 このような成功事例を県下全域に広めていくことが、後継者対策に悩まれる地域の活性化対策につながると思いますので、引き続き、積極的に農地の基盤整備を進めていただくよう、要望いたします。 ②スマート農業の成果について。 農地については、基盤整備の推進により、生産性向上へ効果が見られていますが、実際、生産者の方が行う農作業において、担い手不足や高齢化が進行していく中、省力化や労力軽減を進めていかないと、産地が持続していくには厳しい状況が続いていくと思われます。 そのような中、県では、省力化により生産性向上を図る手段として、ドローン防除をはじめ、農作業の自動化や遠隔化技術を活用したスマート農業の実装が進められ、省力化等の取組を推進していると伺ってますが、スマート農業の取組で具体的にどのような成果が出ているのか、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) スマート農業の成果として、水稲のドローン防除では、手散布と比較して作業時間が10分の1に短縮できることから、防除面積は、令和4年度に1,989ヘクタールとなり、この4年間で約8倍と急速に拡大しております。 また、繁殖牛経営では、ICT機器を活用することで、遠隔監視による発情発見等が可能となり、農業者の負担軽減が図られるとともに、分娩間隔の短縮により、子牛1頭当たりの生産コストが約6万円削減される効果があらわれております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 答弁にありましたドローンを利用した防除や畜産での発情発見装置の利用など、成果が上がっている技術は、速やかに普及推進を図っていただき、スマート農業の導入により、産地に後継者が残り、高齢者の方も長く農業ができるような持続可能な産地づくりに取り組んでいただきたいと思います。 6、警察行政について。 (1)交通事故の現状と対策。 ①県内における交通事故の多発場所と発生原因について。 昨年の交通人身事故発生件数は2,610件、死者数は27人に上っております。人口減少や自動車の性能向上、道路環境の改善等の影響により、交通事故は年々減少傾向にありますが、この交通事故を減らしていくには、県民の安全を守るために重要な課題であると認識しております。 そこで、昨年中に県内で発生した交通人身事故の道路形状別における発生場所のうち、最も発生の多い場所及びその場所の事故原因について、お尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 警察本部長。 ◎警察本部長(中山仁君) 昨年中、県内で発生した交通人身事故2,610件のうち、道路形状別の発生状況を分析いたしますと、最も発生の多い場所は、交差点及び交差点付近で、全体の事故の約6割に当たる1,498件が発生しております。 また、交差点及び交差点付近での最も多い事故原因は、脇見、ぼんやり運転等の安全運転義務違反で、約6割に当たる861件が発生しております。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 今、答弁にございましたように、道路形状別では交差点が6割、そして、事故原因というのは脇見、ぼんやり運転が6割、ということは、事故原因が多い結果に対して、さらに具体的に強化した対策を取っていくことをしていけば、交通事故対策に直接的につながると思います。具体的には、やはり事故件数が多い交差点のデータが出ておりますので、そこに対しての注意喚起の看板であり、また、これは道路管理者とも連携しなければいけませんが、停車線であったり、横断歩道であったり、様々な要望が各地区では出ていると思います。 その中で、やはり事故発生が多いところを集中的に実施していただくことが具体的な根拠になるのではないかというのが1点。 それと、脇見、ぼんやりというのは、以前は携帯電話が原因になっておりましたが、それが今、厳罰化されたことによって減っている。そうすると、脇見、ぼんやりで半分以上の方が事故を起こしていることを県民の方に周知すること、それは広報を使ってですね。そのことによって県民の方々の意識が変わる。また、ここで脇見、ぼんやりが多くて事故が多いですよという警告というか、告知をしていくということも効果があると思います。 県内全域、離島もありますが、そういったところに対して注意喚起を積極的に取り組むことをお願いいたしたいと思います。 ②高齢者の死者数の割合及び交通死亡事故抑止に向けた取組について。 最近、目立つのが、高齢者が加害者、被害者になる交通事故でございます。 令和4年の長崎県内における交通事故の発生件数は、前年より確かに減少してますが、死者数は、交通統計が開始された昭和23年以降、最少になっておりますが、交通事故による高齢者の死者数は依然として多く、対策が必要な状況にあります。 そこで、県内における高齢者の死者数の割合と、高齢者の交通死亡事故抑止に向けた取組についてお、尋ねいたします。 ○議長(徳永達也君) 警察本部長。 ◎警察本部長(中山仁君) 近年の交通死亡事故の発生状況を分析いたしますと、高齢者の死者数は、令和2年以降、3年連続で全体の死者数の7割を超えておりまして、本年も約6割と高い割合を占めております。 県警察では、高齢運転者に対しましては、交通事故歴を有する高齢者宅の訪問活動や、運転シミュレーターを活用した参加体験型講習などの交通安全教育に取り組んでおります。 また、高齢歩行者に対しましては、夜間の声かけと反射材の配布ですとか、あるいは交通安全講話等におきまして、安全横断「手のひら運動」の周知を図っております。 今後も、関係機関・団体と連携いたしまして、高齢者の交通死亡事故抑止に向けた取組を推進してまいります。 ○議長(徳永達也君) 松本議員-30番。 ◆30番(松本洋介君) 先ほど申し上げましたことと同じように、高齢者の死者数が7割ということは、これも併せて高齢者の免許更新の時、もしくは地域ごと、老人会とか、そういった高齢者の集まりの時に、脇見、ぼんやりが事故のもとになっている。また、この地域においては、ここが事故が多い。それは加害であっても、被害であっても、同じように高齢者の皆様に、さらにピンポイントで認識をしていただく。全体の7割というのは、かなり大きい数であると思いますし、そちらに関しては、やはり被害に遭われたご家族の方にとってみれば、突然亡くなられるということは、大変痛ましいことであります。自分のことと思って、ぜひとも周知を、これは地域とも連携して取り組んでいただくことをお願いしたいと申し上げます。 最後に申し上げますが、長崎県にどのような課題があり、その課題はなぜ起きているのか、原因を分析し、その具体的な対策を行政に提案するというのを、ある代議士から議員の基本として教えていただきました。 人口減少、農業振興、不登校の増加など、今日質問した様々な課題がございますが、見方を変えれば、そして、やり方を変えれば、交通事故も同じでありますが、具体的な対策を取れば解決できないことはないと思います。 ビジョンやコンセプトももちろん大事ではございますが、今、県民の皆様が求めているのは、課題解決だと思っております。 目に見えた結果、課題解決をぜひとも来年度予算にも反映していただき、本日、提案しましたことを県勢発展のためにご検討いただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(徳永達也君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、11時10分から再開いたします。     -午前10時55分 休憩------------------------------------     -午前11時10分 再開- ○議長(徳永達也君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) (拍手)〔登壇〕本日2番目の質問になります。 自由民主党会派、吉村 洋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 本日は、地元から傍聴者に来ていただいております。 早速、質問に入らせていただきたいと思います。 1、令和6年度予算の概要について。 ①来年度予算編成における、知事の基本的な考え方について。 先般、新聞の記事において、次年度予算編成について、事業見直しで10億円を捻出し、「こども」、「食」分野等に重点配分するという記事を拝見いたしました。 昨年度当初予算においては、政策的経費に40%シーリングをかけて新規事業の財源とするということに驚いた記憶が思い出されます。 今回については、知事の目指す「新しい長崎県づくり」に向けて、財源も含め、どのような施策を構築し、その手腕を発揮されようとしているのか、注目しているところでございます。 そこで、まずは来年度の予算編成について、知事の基本的な考え方について、お伺いをいたします。 あとの質問につきましては、対面演壇席より行わせていただきますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(徳永達也君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕吉村議員のご質問にお答えいたします。 令和6年度は、私にとって知事の任期の折り返しとなる年であり、当初予算の編成に当たっては、県民の皆様に誇りと未来への期待感を持っていただける「新しい長崎県づくり」に向けた施策をさらに推進してまいりたいと考えております。 そのため、現在策定を進めているビジョンに掲げる10年後のありたい姿の実現に向けて、従来の事業の枠を超えた部局横断、融合的な取組を強力に推進するとともに、県勢のさらなる発展を目指し、総合計画の推進のための施策を積極的に講じてまいります。 また、市町や民間、大学等との連携を一層推進するほか、事業の選択と集中をさらに進め、人材や財源の重点化を図るなど本県の総力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 こうした基本的な考え方の下、効果的な事業構築に努め、国内外から選ばれる「新しい長崎県」の実現を目指してまいります。 以後のご質問につきましては、自席から答弁をさせていただきます。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) ②事業見直し等による既存事業への影響について。 今、知事から答弁をいただいたところでございますが、先ほどの松本議員からの質問にもありましたので、大体、考え方としては理解をするところでございますが、この厳しい財政状況というのは十分わかりつつも、厳しいシーリング等により事業を新たに組み立てているというふうに考えているわけですが、県が行う事業については、既存の事業も含め、それぞれが全て必要不可欠というふうに考えております。 そういった意味で、今回のシーリングの状況はどうなっているのか、また、事業の見直しやシーリングによって既存事業への影響はないのか、お伺いをいたします。 ○議長(徳永達也君) 総務部長。 ◎総務部長(中尾正英君) 県におきましては、今、議員のご指摘がございましたとおり、厳しい財政状況の中、総合計画に掲げる各種施策を効果的に推進していくために、毎年度、要求ルールの見直しを行いながら、施策の重点化等に努めております。 令和6年度当初予算の要求に当たっては、シーリング率を政策的経費5%の減、固定的経費3%の減などと設定し、シーリングによる一律の事業削減は最低限にとどめつつ、それぞれの事業の実績や課題等を踏まえ、個別に見直すことで必要な財源を捻出するということにしています。 今後の予算編成において、既存の事業のあり方等にも留意しながら、施策の選択と集中を一層推進してまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) ③国の補助金等の活用について。 大体の考え方は、今のお話で大体わかるわけですが、やはり必要なのは、選択と集中という言葉もあるんですが、必要な事業については対策を怠ることはできないと、そのように考えております。そういった意味で、県の限られた財政の中でやりくりをするということはわかるんですが、そこに自主財源が乏しい長崎県としては、国の予算を獲得してくるという作業も当然行わなければならないというふうに考えるわけです。 そういうことで、事業が確定してからも国の予算をそこの中に入れ込むという作業は、ずっと引き続き行ってほしいと思っているんですが、その活用についての考え方をお知らせいただきたいと思います。 ○議長(徳永達也君) 総務部長。 ◎総務部長(中尾正英君) ご指摘がございましたとおり、本県財政は、自主財源に乏しく脆弱な財政構造にありますことから、予算編成や予算の執行に当たっては国の施策や地方財政対策の動向を注視し、有利な財政制度の積極的な活用を図っているところでございます。 具体的に申し上げますと、デジタル田園都市国家構想交付金、それから特定有人国境離島地域社会維持推進交付金などの国の交付金のほか、交付税の措置のある地方債の活用など有利な財源の確保に努めているところでございます。 令和6年度の当初予算の編成においても、国の施策とか財源を可能な限り取り込みながら、効果的な施策の構築に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) よろしくお願いします。 先日、テレビを見よったら、国会の予算委員会の中継がありよったんですが、私は個人的には好かんのですけれども、蓮舫国会議員が質問をしよりました。国の基金の残高の推移、これが今、16.6兆円あるそうですね。2019年からすると7倍になっておると。河野太郎さんも、確かに基金がジャブジャブある状態になりよるという話だったんです。こういうのを見よると、私は野党じゃないですけれど、やっぱり国の資金を引っ張ってくるという作業を強く要請をしたいと思うわけです。 それからもう一つ、先般、長崎市が宿泊税を導入しました。東京都、京都府、金沢市、大阪府、福岡県、北九州市、倶知安町というところが今、実施をされているようです。 宿泊税というのは、法定外目的税となるんですが、どこがやるのか、基礎自治体でやるのか、県でやるのかということを考えよったんですが、東京都がやりよる、大阪府がやりよる、福岡県は市と県でやりよるわけです。これが、ハイブリットでいいのかなと思うんですけれど。 最初に市に条例で制定されると、後から県がやるというのは、なかなかやりにくいと思う。県の財政を確保するためには、市と協力しあって、県税で取って、市と県で分けると、それを県全体に波及させるというような、観光振興事業でもですね。厳しい財政ですから、そういうこともアイデアの一つとして先に手掛けんと、先に市が条例化されたら、そこにまた加えてというのはやりにくくなるので、そこら辺は今後とも考えていただきたいと思っております。 2、肥前窯業圏事業について。 ①本年度事業の成果について。 本事業は、平成28年、「活性化推進協議会」が設立され、平成31年4月より、佐賀県の4市1町、長崎県の2市1町が連携して行っている事業でございます。 当初3年間は、国の補助事業として認定をされていたわけですけれども、その後、県独自の事業として、長崎県と佐賀県で進められているわけです。こういう事業をどんどん、維持、拡大を続けてほしいと思っている一人です。 そういうことから、本年度はどのような事業を行われているのか、お尋ねをいたします。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 肥前窯業圏の取組については、これまで長崎県と佐賀県及び関係市町等が連携し、地域の魅力や文化的・歴史的価値を踏まえた情報発信等に取り組んでいるところであり、近年、陶芸の館等の主要文化施設への入館者が増加するなど、県北地域の活性化に一定の成果が出ているものと認識しております。 今年度は、「西日本陶磁器フェスタ」に出展しPRを行ったほか、新たに「肥前やきもの圏各産地をめぐるドライブスタンプラリー」などに取り組んでいるところであります。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 今、お聞きしたんですが、今年度新たにドライブスタンプラリーというのを実施しているということです。 昨年は、冊子みたいなものを発行して、500円で買ってとインセンティブが付いていたわけです。 今回はドライブスタンプラリーということですが、どういうような効果をねらって行われているのか、お聞きします。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) ドライブスタンプラリーは、三川内や波佐見、有田など7つの産地等を訪れ、スタンプを集めて応募すると、各産地のやきものや特産品が当たるもので、肥前窯業圏の認知度向上と周遊促進を目的として実施しております。 9月15日から実施しており、11月末時点で約2,300人にご参加いただいているところであります。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) ただいま2,300人ということですが、これが多いか少ないかというのは、なかなか判断が難しいところでしょうけれど、周辺人口を考えるのであれば、もう少し増やしていく努力をしていただきたいと思います。 ②広域都市圏との連携について。 佐世保を中心とする広域都市圏が形成されていますが、ここと窯業圏というのは、ほとんどの部分で重なる圏域となるわけです。 そういうことで、広域都市圏の事業の中においても連携して行うことができるんじゃないかと思うんですが、来年度以降、そこら辺も含めながら、どのような事業に取り組んでいかれるか、お尋ねをしたいと思います。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 西九州させぼ広域都市圏においては、佐世保市、波佐見町、伊万里市及び有田町の連携事業として陶器市等の相互PRを実施するほか、波佐見町と有田町の陶器市間をつなぐシャトルバスを運行しております。 なお、窯業関連事業については、今後、関係者連携の下、肥前窯業圏活性化推進協議会において取り組んでいくこととなっております。
    ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 拡大に向けて、いろいろとアイデアを出しながら、せっかくの長崎・佐賀連携の事業でもあるわけですから、発展するようにお願いいたします。それが県北、また佐賀とのつながりも強まっていくわけですから、よろしくお願いいたします。 3、松浦鉄道の現況について。 ①現在の運営状況について。 松浦鉄道は、第三セクターで運営される公共交通機関となっております。設立当初は、経営も安定しており全国でも評価の高い鉄道であったわけです。しかしながら、人口減少や新型コロナウイルス感染症の感染拡大、物価高騰等の影響により、近年は非常に厳しい運営を迫られているわけです。 そこで、現在の状況について、お伺いをしたいと思います。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 松浦鉄道の収支につきましては、コロナ禍による利用者減少の影響を大きく受け、大変厳しい状況にありましたが、沿線の県・市町が連携して支援したことによって、令和4年度における欠損額は、約1,700万円に圧縮されております。 しかし、これと同額程度の欠損が、この数年続いてきた結果、利益剰余金の残高は、平成29年度末の約6,800万円をピークに、令和4年度末には約600万円まで減少しております。 また、今年度においては、燃油高騰の影響等もあり、県・市町の支援に加え、関係基金の一部取崩しによって対応することとしております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) ②今後の県の関わり方について。 非常に厳しい状況がわかるわけですが、松浦鉄道の今後のあり方については、私個人は、当然存続していくべきものと思っております。令和3年度から「松浦鉄道自治体連絡協議会」というのがありますが、その中で検討が行われているわけです。この協議会の事務局は佐世保市が担っており、先般の佐世保市議会でも、今後のあり方検討を急ぐべきという議論もなされているわけです。 非常に厳しい経営状況にある松浦鉄道の今後のあり方検討を急ぐためにも、広域行政を担う県の役割が大変重要と考えるわけですが、今後のあり方検討について、県はどのように関わっていこうとされているのか、お伺いをいたします。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 松浦鉄道のあり方検討については、今後、佐賀・長崎の両県が連携して主体的な役割を担うことで合意し、本年10月の「松浦鉄道自治体連絡協議会」の臨時総会で報告が行われたところであります。 県としては、佐賀県や佐世保市をはじめ沿線自治体との連携を深めながら、今年度新たに創設された国の支援制度の活用を視野に、松浦鉄道の今後のあり方を含め、沿線地域における持続可能な公共交通体系の構築に取り組んでまいります。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) ③施設整備計画について。 佐賀県、長崎県両方で主体的に取り組んでいただくということで、一定安心はするわけですが、松浦鉄道などの地域鉄道事業者が行うレールとか枕木とか、鉄道輸送の安全性確保のために必要な設備の更新については、「施設整備計画」に基づき国の支援が受けられると、そういう仕組みになっておりますね。 それで松浦鉄道、一応今年度で、その整備計画、一旦期限がきて、新たな計画をつくらんばいかんというところにきていると思うんですが、次期計画についての考え方をお知らせいただければと思います。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 松浦鉄道の施設整備につきましては、これまで10年間の計画に基づき、国及び沿線自治体において必要な設備の更新を支援してきたところであります。 国の補助要件となっている施設整備計画については、今年度末で終期を迎えることから、次期10年計画を新たに策定する必要がありますが、松浦鉄道のあり方検討に一定の時間を要するため、それまでの間、引き続き国の補助を受けられるよう、暫定的に令和6年度から2年間の計画を策定しております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 今、あり方検討の結果を出すために2年間延長をしていると、その間、国の支援が絶対に受けられるという担保のもとに行われているようですので、その結果をもって、今度はその次の計画に取り組んでいただくようにお願いをいたしたいと思います。 4、石木ダムの事業進捗状況について。 ①買受権について。 去る9月6日に、元地権者による買受権が発生していると思います。発生の考え方がどういうふうかとなりますけれども、県の認識と、その後の反対者の動きについて、お伺いをいたします。 ○議長(徳永達也君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 買受権につきましては、土地収用法において、事業認定の告示の日から10年を経過しても、収用した土地の全部を事業の用に供しなかったときに、土地の前所有者が行使することができるとされております。 石木ダムにつきましては、工程に沿って工事を進めておりまして、事業用地が事業の用に供されていることから、県といたしましては、買受権は発生しないものと認識しております。 また、事業に反対しておられる方々の訴訟に向けた動きにつきましては、現時点では承知しておりません。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 県としては発生しないというふうに認識していると、ずっとその答弁ですが、我々は心配するわけです。それでこう動きになって、買受権の発生の要件というのをお知らせをいただいているんですが、事業の用に供しなかった場合と、そうすると元の地権者が、今は国ですが、買い戻すというふうに主張をする。いやいや、そうはできないとなると、当然裁判ということになるわけですね。そうすると、裁判をやりだすと、また何年かかるかという話になりますよ。だから、そこら辺を、そういう話ではなく、事業を進める必要性があると私は考えるわけです。我々はそうなんですが、声はあまり出ません。反対者の声ばかりです。 ②反対者の動きについて。 それで、私のところにも、はがきが何十枚も送られてくるんですよ、反対者から、「石木ダム問題を知る会」とかといってですね。名前だけ書いてあります。住所も何もわかりません。私はですね、これが何十枚も送りつけられてくると、気が弱いものですから、強迫観念にかられるわけです。 そういうこと犯罪に当たるんじゃないかと思うんですが、警察本部長、いかがですか。 ○議長(徳永達也君) 警察本部長。 ◎警察本部長(中山仁君) 犯罪に当たらないかとのお尋ねでございますけれども、ある行為が刑罰法令に抵触するか否かにつきましては、一概にはお答えすることは困難であると考えられます。 いずれにいたしましても、個別具体の事実関係に即して判断をされるべきものと承知をいたしているところでございます。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) まだ未然のものですから、そういう答弁しか出てこんのはわかりますが、頭の中に入れておってくださいよ、こういう活動はですね。私としては、いき過ぎていると思うんですけれども、よろしくお願いします。 ③団結小屋の撤去について。 ダム本体が着工して工事が進捗しよると、工事の用に供されるというためには、やっぱり団結小屋だけでも即時撤去すべきと考えるわけですが、県の考え方をお知らせいただきたいと思います。 ○議長(徳永達也君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 石木ダム事業につきましては、現在、工事工程に沿って、ダム本体の掘削工事や付替え県道工事等を進めているところでございます。 今後、工事を円滑に進めていくためには、川原地区にお住いの13世帯の皆様からのご理解とご協力を得ることが重要であるとの認識に変わりはございません。 いまだ明渡しに応じていただけていない団結小屋を含む収用地につきましては、明渡し期限を過ぎた後、毎月、文書の送付や職員の訪問により明渡しのお願いをしており、私も先日、現地を訪問し、話し合いのお願いを行ってまいりました。 引き続き、収用地の明渡しに応じていただけるよう、努力を重ねてまいりたいと思います。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) その繰返しじゃ、もうどうにもならない。工事が着工されるというふうに見えるのは、ダム本体ができることだと私は思っております。 向かって右側は、基礎工事ができるようになっております。左側に団結小屋があるわけです。そこは不法にそこに小屋を建ててあるわけですね。ですから、それをどいていただくと、移動させるだけでもいいと私は思うんです。そして基礎を造れるようにする。そういうことを早く判断していただくようにお願いをしたいと思います。 ④佐々川からの取水の可能性について。 先般から、佐々川から取水ができるのではないかというふうに質問があっているわけですが、「河川整備基本方針」を策定して、流水の正常な機能を維持するために必要な流量を設定するということで、今、計測をされているわけですね。 佐々町が、1日2,400トンを取水しております。佐世保市が1日7,535トンでございます。合計で約1万トンを取水されよるわけです。 なかなか厳しいところかなと思うんですが、その計測の結果、もし余力があれば、佐々町が毎年要望を出されているわけですよ、不安定水源が多いところですから。そういう意味でも、佐々町に取水をできるようにすべきと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(徳永達也君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 佐々川におきましては、「河川法」に基づく「河川整備基本方針」策定に向け、平成31年1月から流量観測を行っております。 「河川整備基本方針」策定に当たっては、概ね10年に1回程度の渇水時の流量を把握する必要がございます。 現時点では、流量観測のデータが少なく、新たな水利権許可の可否を判断できないことから、もうしばらく河川の流量観測を継続していきたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) そこら辺を考えながらやっていただきたいと思います。 また、別に佐世保市はダムの施設等の老朽化もあって、ダムをとめて施設改修をせんばならんというところに、もう差し迫っているわけです。ですから、そのようなことを総合的に判断すると、やはり石木ダムを急がんといかんということが、もう喫緊の課題としてあるわけですから、一日も早く、ここに取りかかれるように、お願いをしておきたいと思います。 5、IR事業の認定について。 ①審査の状況について。 昨年4月、大阪と同時に申請をして、本年4月に大阪だけ選定をされたわけです。 長崎県が国に提出した区域整備計画について、引き続き審査する必要があると考えるが、これはどこが審査しますか。それをお伺いいたします。 ○議長(徳永達也君) 企画部長。 ◎企画部長(早稲田智仁君) 九州・長崎IR区域整備計画においては、国際的なMICEビジネスの展開や観光における新しい人の流れを促進するゲートウェイ機能の強化等により九州全体の発展を図るなど、地方初の日本創生モデルの実現を目指すこととしております。 本計画の審査は、特定複合観光施設区域の整備のための基本的な方針に基づき、国が設置した外部有識者から構成される「特定複合観光施設区域整備計画審査委員会」において、審査が行われております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 審査委員会は当然そういうことに、どういう具合もなるわけですから、そこで審査されているんだろうと思います。 ②認定獲得に向けた取り組みについて。 それで決定後、結果が公表されるということで、全部で審査項目がたくさんありますけれど、1,000点満点で657.9だったそうですね、大阪は、それで長崎だけが継続して審査されるということ、審査委員会にかけるなら、同時に審査してもいいんじゃないかと思うんですが、そこら辺の情報が全然わかっていないわけです。 そういうことで、この認定獲得に向けて、県として覚悟をもった取組姿勢を見せてもらいたいと思うわけですが、いかがでしょうか。 ○議長(徳永達也君) 企画部長。 ◎企画部長(早稲田智仁君) 我が国におけますIR導入の意義は、世界中から観光客を集め、来訪客を国内各地に送り出すことで、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現することであり、新型コロナウイルス感染症収束後の観光活性化を図るうえでも大きな役割を果たすことが期待されております。 また、九州・長崎IRは、様々な施設の整備と併せて、IR区域へ多くの来訪者が訪れることなどにより、多種多様な雇用の創出や旅行消費額の増加など地域経済や観光分野において高い効果をもたらすことが見込まれており、県勢浮揚の絶好の好機であると考えております。 そのため、県としましては、IRによって観光関連産業や地域経済の活性化を図り、九州地域の地方創生、ひいては我が国の発展にも貢献できるよう、一日も早い区域認定の獲得に全力で取り組んでまいります。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 頑張ってくださいよ。よろしくお願いしますよ。 もう認定がおりるものとして考えます。申請書を見ても、大阪と長崎がどれだけ差があるかというのは、私らでもよくわからんとですけれど、ようできとると思いますよ、長崎の申請書も、だから、それを大阪だけ上げて、長崎だけ落とすというのは理由がわからん。だから、通ると思います。 ③アニマルウェルフェアについて。 通ると思って考えよったんですが、この長崎県内からいろんな経済効果を及ぼすためにも、例えば資材の納入とか、そういうことを県内の事業者が行うことが必要だろうと思います。 最近ちょっと聞いたんですが、アニマルウェルフェアという考え方というか取組というか、そういうのがあるそうでございます。これは、牛とか豚とか鳥、鳥の卵とか、その飼育に関するもので、悪い環境で育ったそれらは人間の体にも悪いということで食べない人がたくさんおられるようなんですが、そこら辺のことを考えて、今から研究を進める必要があると思いますが、県の考え方をお知らせいただきたいと思います。 ○議長(徳永達也君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 家畜のストレスや疾病を減らし、動物衛生の向上を目的とするアニマルウェルフェアにつきましては、本年7月に、国が国際水準に対応する指針を公表したところです。 県といたしましては、輸出やインバウンドなどの国際的なニーズに対応するため、関係団体に対し、国の指針に基づいた研修会の開催などを働きかけてまいります。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 国も何か基準をつくったようでございますので、そこら辺を注視しながら研究を進めておっていただきたいと思います。認定がおりました、それから、いろいろ準備でもいかんので、できるものは先にやっておくということを心がけていただきたいと思います。 6、九州新幹線西九州ルートの進捗について。 ①現状と今後の取り組みについて。 九州新幹線西九州ルート、これが今ずっと続いているわけですが、ここでの問題は、新幹線スキームですね。財源の新幹線財源スキーム、これが非常に問題なんだなと思います。地元負担が多額になりますから、特に、佐賀県は、今度の鳥栖から武雄までは佐賀県ですから、負担が多いと。 そういう新幹線スキーム、地方の整備新幹線の財源スキームを見直すような要望を国に対して行っていただきたいと思うんですが、そういう課題の対応とかを含め、フル規格整備に向けた今後の取組について、お伺いをいたします。 ○議長(徳永達也君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 九州新幹線西九州ルートのフル規格による整備について、佐賀県は、地方負担やルート、在来線等の課題があるとされています。現在、国土交通省との間で幅広い協議が続けられていることと承知をしています。 この地方負担につきましては、法令に基づいて負担ルールが定められているところでございます。 なお、政府・与党などの関係者に対しまして、フリーゲージトレイン導入断念の経緯や、地元の意向も十分に踏まえた対応を求めてきたところでございます。 また、在来線や地域振興など両県で共通する課題につきましては、佐賀県と対話を重ねながら、連携して取り組んでおります。 今後も、将来を見据えた大きな視点に立ちまして、西九州地域全体の発展に資する全線フル規格での整備を目指して力を注いでまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) ②県北への効果の拡大の取り組みについて。 今回、新幹線整備の質問をするきっかけになったのが、これも長崎新聞ですが、九州地方知事会で新幹線の整備が議題にならずと、こう大見出しで書かれると、何となく「どうなっておるか」という話になるんですよ。 そういうことで、この議題はあらかじめ決まっている知事会だとは思いますけれども、いろんな場面で働きかけをやっていただくように、知事にはお願いをしたいと思っております。 ③JR佐世保線に対する県の考え方について。 新幹線が全線開業、開通となった時は、佐世保線に対する将来像に不安が生じる面もあるわけです。 県の基本的な考え方を改めて認識し直して、佐世保線の整備のあり方について、県の考え方をしっかりと構築していただきたいと考えるわけですが、いかがでしょうか。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) JR佐世保線は、佐世保市と福岡都市圏を結ぶ幹線の一部として重要な路線であると認識しております。 また、平成4年に示した「九州新幹線(長崎ルート)等の整備に関する基本的考え方」において、佐世保線の輸送改善を図ることとしており、この考え方に基づき、昨年度まで佐世保線の高速化事業を実施してきたところであります。 現在、九州新幹線西九州ルートの新鳥栖-武雄温泉間の整備については、国と佐賀県で幅広い協議が続けられております。 県としては、引き続き協議の状況や動向を注視するとともに、JR九州に対して佐世保線の輸送改善を働きかけてまいります。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) よろしくお願いいたします。 7、基地対策について。 ①基地対策・国民保護課設置後の成果について。 令和5年度より、県危機管理部に「基地対策・国民保護課」が設置をされました。半年余りですが、この「基地対策・国民保護課」が置かれたことによる効果といいますか、そこら辺のことをお知らせいただければと思います。 ○議長(徳永達也君) 危機管理部長。 ◎危機管理部長(今冨洋祐君) 佐世保市の基地政策方針の策定など基地関係の新たな動きや、安全保障環境の変化を背景とした国民保護の重要性の高まり等を踏まえ、地元自治体や関係機関とより緊密に連携しながら、基地と地域との共存・共生を図ってまいりたいと考え、4月に「基地対策・国民保護課」を設置いたしました。 これまで国民の生命や財産を守るための国民保護の取組を着実に進めるとともに、基地対策については、国への要望のほか、地元自治体や自衛隊、商工会議所などと意見交換を行いながら、庁内連携して、地元企業の受注機会の拡大や自衛隊員の定住促進などに取り組んでまいりました。 特に、佐世保港の重要課題である前畑弾薬庫の移転・返還について、市と連携しながら、国に対し、あらゆる機会を通じて強く要望を行ってきたところ、来年度の国の概算要求において、今年度の2,300万円から大幅増となる14億6,100万円の計上がなされたところです。 引き続き、佐世保港のすみ分けの早期実現に向けて、より具体的に事業の進捗を求めていくなど、地元自治体と連携しながら基地対策にしっかりと取り組んでまいります。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 今後とも、しっかりした取組をお願いしたいと思います。 ②佐世保市との連携について。 結局、基地を抱える佐世保市でございますが、課題はたくさんあるわけでございまして、国が、令和5年度から令和9年度までの5年間の防衛費の歳出総額を43兆円程度ということが先般から決定されたと聞いているわけです。令和5年度につきましては6兆8,000億円が計上され、契約ベースにすると約9兆円になるというような話でございます。 「防衛生産基盤強化法」というのも成立をしております。これは、国内の防衛産業を担う企業の支援強化というふうに読んでとれるわけです。 今、部長からもありましたが、特に、佐世保商工会議所と大村商工会議所の共同提案で、基地政策の強化というのが要望されております。地域経済に及ぼす効果が、この予算を活用できれば大きいわけでございまして、新たな国の予算に沿っていろんな事業が進められます。そういった意味で、佐世保市の防衛産業を引き上げていくことができるのではないかというふうに考えるわけです。 例えば、今、佐世保の防衛関係の事業者は、横須賀に人員を派遣することをやっております。いわゆる地元に仕事が少ないからということになるわけです。 そういうことで佐世保市は、この「防衛生産基盤強化法」で受けることのできる支援内容の情報等について積極的に調査、分析をして、関連企業へ情報提供をしようというふうに決定をされておりますが、佐世保市と連携して取り組む考えについて、お聞きをしたいと思います。 ○議長(徳永達也君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 佐世保市では、地域特性である基地の所在を積極的に活かしたまちづくりを推進されています。県としても、市と連携しながら、基地との共存・共生を図ってまいりたいと考えているところでございます。 先月10日に実施をいたしました「県・佐世保市政策ミーティング」におきまして、宮島佐世保市長から、国の防衛費の大幅な増額等を踏まえまして、国への要望や民間を巻きこんだ取組等を県・市が連携をして検討する「基地を活かしたまちづくりに関する意見交換の場」について提案がございまして、県としても、同じ価値観を持って取り組んでまいりたいという考えをお伝えしたところでございます。 今後、調査、分析も含めまして、市の考え方や内容を詳しくお聞きしたうえで、具体的な取組について検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 先般、宮島市長とも、そういうことでお話をされたということでございますので、連携して今後とも取り組んでいただきたいと思います。 ③地元発注に向けた取り組みについて。 この防衛力整備計画でございますが、この発注について、当然公共の発注ということになるわけですから、一定のルールがあることは当然わかっているわけですが、国の決定を斟酌していくと、例外的措置で特別法を設けることも可能でないかと思うわけです。そういう特別法をつくってもらうような要望を国に対して強く行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(徳永達也君) 危機管理部長。 ◎危機管理部長(今冨洋祐君) 国の防衛力整備計画では、防衛費の増額に加え、防衛力を支える要素として地元経済への寄与が打ち出されており、佐世保市など基地が所在する自治体においては、防衛施設の整備や駐屯地の運営等による経済活性化への期待は大きいものと認識しております。 県では、防衛施設関係工事や艦艇修理、物品購入等に係る地元企業の受注機会の拡大について、防衛省に対して政府施策要望を実施してきたほか、本県を管轄する九州防衛局や各部隊等に対しても重ねて要望を行ってきたところでございます。 引き続き、あらゆる機会を捉えて国へ要望を行うとともに、さらに効果的な取組としていくために、地元企業の受注につながる仕組みの拡大など国への要望内容や手法等について、佐世保市との意見交換の場なども活用しながら、地元自治体などと連携して検討を行ってまいります。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) よろしくお願いをいたしたいと思います。 ④基地交付金について。 具体には、佐世保港には海上自衛隊の艦艇24隻が在籍しております。在日米軍の揚陸艦4隻、掃海艇4隻の8隻も配備されております。そういった意味では、非常に重要な佐世保港となるわけですが、米軍の提供施設は全てが交付金の算定基礎になっているわけです。これは基地交付金ですけれども。 自衛隊については、飛行場、演習場、弾薬庫、燃料庫、レーダーサイト及び特定の通信所というところしか対象になっておらんわけです。何かというと、岸壁が対象になっておらんわけですよ。 それで、これを佐世保市が計算しておるんですが、港湾施設の資産価格は令和4年度で約64億5,000万円、これのいわゆる固定資産税相当が入ってこない状況にあると、こういう話になるわけです。 こういう中身を考えると、自衛隊が使用する港湾施設を基地交付金の対象とすることを強く国に対して要請すべきと考えるが、いかがでしょうか。 ○議長(徳永達也君) 危機管理部長。 ◎危機管理部長(今冨洋祐君) 基地交付金に係る対象資産の範囲拡大につきましては、米軍基地が所在する都道県で構成いたします渉外知事会として国へ要望を行っております。 基地交付金につきましては、国から基礎自治体へ交付されるものであり、佐世保市から県に対する要望項目にも含まれていないことから、現在、県の政府施策要望としては実施しておりませんが、市が実施する基地対策に係る様々な国への要望について、協力を行っております。 今後、次年度の政府施策要望について、関係市町と調整しながら検討を進めていくこととしており、基地交付金につきましても、市の優先順位や考えをお聞きしながら検討してまいります。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) ぜひともお願いします。そこら辺が結局使用できずに佐世保市は困っているわけですから、当然のこととして要求する権利があると思っておりますので、お願いいたします。 8、県庁舎跡地の利活用について。 ①利活用の再構築について。 これは、今はほとんど暫定供用中ですね。そこで、まだまだ検討の余地があるんじゃないか、変更できることがあるんじゃないかという考え方で質問するんですが、ここまで長く検討、検討と言うて進められてきたんですが、この際、もう一回立ち止まって、県下21市町の意見も聞きながら再構築をしてはどうかと、これは、県民の財産だと私は思っているわけです。そういう意味で、もう一度再考する考えがあるか、ないか、お願いいたします。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 県庁舎跡地の活用に係る基本構想については、県議会をはじめ、経済団体、有識者の方々、そしてパブリックコメントによる県民の皆様の意見などを踏まえて取りまとめてきたものであり、これまでの経過や関係者の皆様とのご議論は最大限尊重すべきものと考えております。 現在、跡地においては、基本構想に基づいた暫定供用を行っており、利用者のご意見を踏まえ、今後、基本構想の具体化を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) ある程度進んでおるので、なかなか難しいかとは思いますが、何か中途半端なような気がするので、そこら辺を頭に入れて、今後の取組をやっていただきたいと思います。 9、繁殖牛振興対策について。 ①取引価格の急激な下落対策について。 ②今後の取組について。 次に、畜産振興対策についてですが、先ほど、これも松本議員から質問がありましたので、前段は端折らせていただきますが、平戸口市場において、2020年には年間の平均価格が約72万円だったんです。それが、本年9月においては約43万円に落ち込んでいるわけです。そういうことで、11月補正にも県が上乗せ補助をしていただけるということで、ありがたいなと思うんですが。 国の支援にブラスして県独自の上乗せ補助を実施するということですが、これはやっぱり国の大もとの支援がなからんと、それの上乗せ補助ですから、国の制度の事業期間というのが非常に気にかかるんですが、これの延長ということについて、国に対し強く要望していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(徳永達也君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 国の事業は、令和5年12月までの臨時的な支援制度であることから、来年1月以降も、子牛価格の動向に応じて制度を延長いただくことも重要と考えており、本年11月に、制度の延長について国に要望を行ったところです。 今後とも、子牛価格の推移及び国の動向を注視してまいります。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) よろしくお願いをいたしたいと思います。もうこの際、廃業しようかという声もあったり、耳にしたりするので、下支えをお願いしたいと思います。 10、林業振興について。 ①森林の有効活用と地籍調査について。 これも何回も言っているんですが、佐世保市は特にですけれども、地籍調査が進んでおりません。まちなかをずっとやりよるんですが、まちなかをしても、なかなか進まない現状にあるわけです。それで、森林組合等が、山に入っていわゆる伐採をしたいんですけれど、境界が決定しておらんと、なかなか入れないという現状にあるわけです。 そういうことも考えながら、県において、どういう対応を行っていかれるかということをお聞きいたします。 ○議長(徳永達也君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 森林の伐採や路網の開設など森林整備を進めるためには、森林所有者による境界の確認が必要であるものの、議員ご指摘の旧佐世保市などにおいては、一部地域で地籍調査が未実施のため、境界が定まっていない森林が残っております。 このため農林部では、境界が定まっていない森林の中で整備希望の箇所を森林組合から聞きとり、その結果を地籍調査の実施主体である市町につないでいただくよう、地域振興部に情報提供を行っているところです。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) ただいま農林部長から、そういう情報提供を行っているという答弁があったわけですが、地域振興部としては、その情報を受け、市町に対し、どのようにその情報を提供し、地籍調査の進捗を図ろうとされているのか、お伺いいたします。 ○議長(徳永達也君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 地域振興部としては、農林部から提供があった情報について、関係市の地籍調査担当部局に対し提供するとともに、必要に応じ市へのヒアリングの中で実施方針や優先実施地域の見直しなどについて、幅広い意見交換を行っているところであります。 県としても、地籍調査の進捗を図るうえで、道路整備などの社会資本整備や森林整備、防災対策などの施策と連携して取り組むことは大変重要であると考えております。 今後も、引き続き実施主体である市や庁内関係部局とも様々な情報を共有しながら、地籍調査事業の進捗を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 地籍調査なんて、どこから始めても一緒ですから、山から始めてもいいわけですよ。ですから、そういうものを森林組合あたりとも情報を共有しながら、市町とも連携してやっていただきたいと、それが、いわゆる林業の活性化にもつながっていくということですので、よろしくお願いいたします。 11、中小・小規模事業者の振興について。 ①中小・小規模事業者の支援について。 非常に厳しい状況が続いております、県内小規模事業者の経営状況というのは、そういうことで、商工会等でもいろんな集まりがあって、各県の対応策の比較とかしたりするんですが、国の交付金等を活用して九州各県で支援が行われております、いろんな支援が各県ごとに、長崎県においても、エネルギー高騰対策として様々な対策を打たれていることは存じておりますし、ありがたいとも思っているわけですが。 事業者に対する直接的な支援として、LPガスの使用料金、これを長崎県も6月補正で、一般消費者向けのLPガスの補助を9億5,600万円実施されたところです。 それで、都市ガスは、国が直接支援しよるわけです。LPガスは、都道府県にお任せという状態ですね、国は知らんという話、それぞれの県で考えるという話になるんですが、事業者に対しても、一般消費者と同じような補助をしていただけないかという声が挙がってくるわけです。 九州でも福岡、佐賀、大分、熊本の4県は既にそういうことを実施されております。そういうのを見ると、どうして長崎県はしてくれないんだというふうな声が出てくるわけです。 そういう意味で、これを検討していただけんかと、形は少し違っても工夫してやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(徳永達也君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 県といたしましては、将来にわたって中小企業のエネルギーコスト削減につなげるとともに、脱炭素化を促進するため、LPガス関連を含む空調設備や給湯器などの省エネ設備の導入を、これまでに約1,500件支援をしてきたところでございます。 実際にこの支援を活用した事業者から、より省エネ効果の高い設備に更新し光熱費を削減できたほか、中小企業の脱炭素化の推進につながると一定の評価をいただいているところでございます。 このような中、今般の国の経済対策においても中小企業等に対するエネルギー価格高騰対策支援があげられており、「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」の活用も推奨されていることから、引き続き事業者の声もお聞きしながら、必要な対策について検討してまいりたいというふうに思っております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 前向きに検討してくださいよ。そういう声が多いんですよ。省エネ設備補助金も助かります。しかし、受益者負担というか、それも出せないという声もあるんですよね。それと、1回受けた人たちは、もう受けられないと、設備に対してはですね、そういうことがありますので、どうか工夫して支援ができる道を探していただきたいと思います。 ②小規模事業者持続化補助金について。 国の事業として、小規模事業者持続化補助金事業というのがございます。これは使い勝手のいい補助制度でありまして、小規模事業者もたくさん使っていただきよります。国の補助率が3分の2、あとの3分の1を受益者が負担する。 しかし、実情はですね、3分の1にブラスして、あと1割ぐらい余計にかかってしまうと、そこも受益者が負担することになっているわけで、この自己負担分がのしかかってきて厳しいということがあるので、何らかの県の支援がそこに考えられないかということをお尋ねしたいと思います。 ○議長(徳永達也君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) お尋ねの小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓等の取組を、国が3分の2という高い補助率で後押ししている制度であると承知しております。 県においては、小規模事業者等が当該補助金など各種支援制度を積極的に活用できるよう、中小企業診断士による助言、相談対応や申請書類作成支援を行う体制を整えており、一定評価をいただいているところでございます。 本県の厳しい財政状況の中、当該補助金の上乗せ補助については困難でありますが、今後も地域経済の状況を注視しまして、国の補正予算の内容について見極めながら、必要な対策について適時適切に講じてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) さっきの子牛価格も緊急支援で、県の単独の上乗せ補助があっているわけです、8分の1のですね。そういうことも参考にしていただいて、よろしくお願いしたいと思います。 ③商工会職員の増員について。 商工会は、もう何回も言いますが、合併以降、150名の職員が減員されております。非常に厳しい、対応ができない状況にあるわけです。そこで、商工会の職員をもっと増やしてほしいという要望があるんですが、今の商工会のいわゆる国の交付税ではなかなか難しい。 そこで、県と市町と商工会が連携して、3分の1ずつ補助とかやって、商工会の職員を増やすということが考えられんかなと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(徳永達也君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 商工会職員等の人件費や活動費等については、助成を今行っているところでございまして、今、議員のお話のところについては、県としましても、今後とも小規模事業者のニーズを把握しまして、県の商工会連合会とか市町と十分に意見交換をしながら進めさせていただきたいというふうに考えております。 ○議長(徳永達也君) 吉村議員-29番。 ◆29番(吉村洋君) 終わりますが、よろしくお願いします。(拍手) ○議長(徳永達也君) 午前中の会議は、これにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は、1時30分から再開いたします。     -午後零時11分 休憩------------------------------------     -午後1時30分 再開- ○議長(徳永達也君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き、一般質問を行います。 宅島議員-27番。 ◆27番(宅島寿一君) (拍手)〔登壇〕皆様、こんにちは。 自由民主党、雲仙市選挙区選出、宅島寿一でございます。 いよいよ、本日から師走に入りました。お寒い中に、私の一般質問の傍聴に駆けつけていただきました支援者の皆様方、誠にありがとうございます。 通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。 知事及び関係部局長のご答弁を賜りますよう、よろしくお願いいたします。 1、知事の政治姿勢について。 (1)「核兵器のない世界」に向けた「国際賢人会議」について。 「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議の第3回目の会合が、長崎市において、来週、12月8日及び9日に開催されます。 「国際賢人会議」とは、核兵器保有国と非保有国、双方からの参加者が、それぞれの国の立場を越えて、核なき世界の実現に向け、知恵を出し合い、自由闊達に議論を行う場であると聞いております。 「国際賢人会議」が本県で開催されることで、被爆地である長崎も世界から注目を集めることになりますが、県として、今回の「国際賢人会議」をどのように受け止めているのか、その思いをお尋ねいたします。 (2)長崎県のおもてなしについて。 おもてなし機能と危機管理機能について。 令和5年2月定例会で瀬川議員も取り上げられましたが、来賓客等へのおもてなし機能と危機管理機能の充実等について質問いたします。 新型コロナウイルス感染症の5類移行後、様々なイベントなどが再開され、本年は「G7保健大臣会合」が長崎で開催されるなど、国際県長崎としての存在感も高まってきており、国内外からの要人のご来県の増加が期待されております。 そのような中、要人をお迎えするに当たり、一定の格式や規模、機能を備えた施設が必要と考えますが、県庁舎の応接室や民間施設だけでは機能が限られるなど、対応に制約が出る場合もあると考えております。 一方、災害や重大な事件・事故などが発生した場合、知事が、在宅の際等にも迅速に対応できるよう、危機管理機能を充実・強化する必要があると考えております。 今後、本県を訪れる国内外からのご来賓に対して、本県のおもてなし機能を充実・確保すること、また、知事の在宅時の危機管理機能を充実・強化すること、この2点に対応できる施設が必要と考えますが、県の考え方をお尋ねいたします。 国際県長崎の地位向上について。 今年6月に、県とポルトガル政府の「連携・協力のための覚書」が交わされ、7月には、大石知事は、サッカーポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウド選手に本県の魅力のPRをされたと伺っております。 SNSで6億人ものフォロワーを持つロナウド選手が、本県の魅力を発信していただければ、海外での認知度向上やインバウンド増加、そして、国際県長崎の地位向上につながると考えます。 知事が、千載一遇の機会を捉え、直接PRをされたことは、私は高く評価をするところであります。 そこで、今回のロナウド選手にお会いされた目的や意義について、知事のお考えをお尋ねいたします。 (3)シリコンアイランド九州について。 九州においては、熊本県にTSMCが進出し、本県においても、企業誘致により京セラが工場立地を決定するなど、半導体産業への投資が活発化しております。 そのような中、大石知事におかれましては、去る10月25日及び26日に開催された九州地方知事会議並びに九州地域戦略会議に参加され、九州各県の知事や経済界の皆様方と「シリコンアイランド九州」の実現に向けた取組をはじめとした様々な議題について、議論されたとお聞きしております。 そこで、その会議において、「シリコンアイランド九州」の実現について、どのような議論が行われたのか、お尋ねいたします。 2、産業労働行政について。 (1)半導体関連産業について。 人口減少などの課題を解決していくためには、特に、雇用創出効果が大きく、所得も比較的高い製造業の振興は重要であります。 私自身、先月、農水経済委員会の現地調査で、半導体メーカーのラピダスが立地する北海道千歳市を訪問し、産業がもたらす地域への波及効果を実感したところであります。 また、熊本県のTSMCの経済波及効果は、今後、10年間で6兆9,000億円規模、雇用は1万人規模と見込まれております。 また、第3工場の建設が検討されているとの報道もなされており、今後も大規模な投資が予想されます。 企業誘致は、工業団地など、インフラ整備が整備されていくことが条件とされ、地域間競争を勝ち抜く意気込みで、スピード感を持って進めていくことが必要であると改めて感じております。 そこで、こうした雇用創出効果の高い大規模な企業を誘致するため、県としてどのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。 (2)造船業・航空機関連産業について。 本県における造船業は、サプライチェーンのすそ野が広く、地域経済を支える産業としても、防衛上の観点からも大変重要であります。 海外との競争激化などの環境変化により、苦戦を強いられてきましたが、国内においては、商船関連が改善傾向にあるとお聞きしております。 こうした中、大島造船所の香焼工場における中小型バルクキャリア建造の開始や、佐世保重工業の9月中間決算における増収・増益の発表など、明るいニュースもあり、県内の造船関連の中核企業の動向に大いに期待しているところであります。 そこで、造船業の振興について、県としてどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。 また、航空機関連産業についても、成長分野の一つと位置づけ、関連企業の支援に継続して取り組んでおられますが、今後、航空機関連産業の振興にどのように取り組んでいこうとしているのか、併せてお尋ねいたします。 3、福祉保健行政について。 (1)看護師の確保・処遇改善について。 人口減少により、幅広い業界で人手不足が深刻化しておりますが、とりわけ医療分野では、適切な医療のためにも人材確保は重要です。 また、新型コロナウイルス感染症により、厳しい現場で看護職員の業務が増大し、改めて看護職員の皆様の果たす役割の重要さを強く認識したところであります。 本県の看護職員数は、令和2年の調査において全国で6番目に多いとのことですが、現場からは、まだまだ看護師の数が足りないとの声も聞かれているところであり、確保できずにいる医療機関も少なからずあるのではないでしょうか。 そこで、看護職員の確保に向けては、学生期から就職後まで、総合的な支援が必要と考えておりますが、県ではどのように取り組んでおられるのか、お尋ねいたします。 また、総合的な取組とともに、勤務環境や給与水準の改善が必要と考えますが、どのような取組を行っておられるのか、併せてお尋ねいたします。 4、農林行政について。 (1)令和5年10月の降雹被害について。 近年、地球温暖化等の影響による異常気象の影響により、自然災害が多発しており、それに伴う被害も激甚化する傾向にあります。 10月27日には、長崎市、佐世保市、諫早市、大村市、西海市、雲仙市、南島原市、長与町、時津町において、本県では非常にまれな降雹がありました。地域によっては、ゴルフボールサイズの雹も見られ、農作物に大きな被害があったとお聞きしております。 特に、みかんなど柑橘類の被害が大きく、収穫が皆無の圃場もあると聞いており、収入が得られない農家も出てくるのではないかと危惧しております。 そこで、本県における先日の降雹による農業被害の状況について、お尋ねいたします。 (2)農地の基盤整備について。 農地が基盤整備された地域では、担い手が確保され、農業生産額が増加するなど、事業効果が十分に発現されていることから、引き続き、強力に進めていく必要があると考えております。 雲仙市においても、現在、5地区で基盤整備事業が進められており、関係者の皆様からは、一日も早い事業完了を望む多くの声をいただいております。 このような中、近年の資材や労務費等の高騰により、整備予算の確保がますます重要となっており、計画的な事業実施のためには、まずは必要な予算を国においてしっかりと確保していただくことが重要であります。 そこで、農地の基盤整備事業にかかる令和6年度予算の獲得に向け、国に対してどのように働きかけをしているのか、その取組状況について、お尋ねいたします。 5、水産行政について。 (1)橘湾における赤潮対策について。 本年8月、橘湾沿岸で発生した大規模な赤潮により、本県過去最大と見込まれる甚大な被害が発生いたしました。 発生当初の8月7日に、大石知事自ら被害状況を視察され、養殖業者のご意見に耳を傾けていただきました。 被害は、19業者、総額約13億円に上る見込みで、多くの養殖業者が販売する魚を失い、廃業、さらに養殖産地の崩壊も危惧されていた中、県におかれて、関係市と連携し、9月補正予算で総額4億1,000万円の緊急対策を講じていただきました。 行政と系統が連携して、迅速かつ一歩踏み込んだ対策により、全力で産地を守る姿勢を示したことで、壊滅的な被害を受けた養殖業者も再び前を向くことができたと思います。改めて、心から感謝を申し上げます。 そこで、今回、予算措置された養殖魚赤潮被害緊急対策事業を活用した代替魚の導入状況など、養殖業者の事業再開がどこまで進んでいるのか、現在の進捗について、お尋ねいたします。 (2)水産加工施設整備について。 長崎大学が、県や民間企業等と連携し、養殖ブリを活用した輸出拡大を目指す産学官連携プログラム「ながさきBLUEエコノミー」が昨年度採択されました。 プログラムが目指す「若者が集まり活気づく新しい養殖産業の拠点」を10年後に達成するためには、研究開発にとどまらず、養殖生産から販売までの社会実装が必要であると考えます。 本県は、トラフグやクロマグロでは生産量全国1位の養殖産地ですが、さらなる輸出拡大には、例えば養殖ブリ類では、3枚おろしを真空パックした形態での輸出が多いため、県内の加工拠点が少ない本県においては、独自取引を確保しづらいという課題がございます。 同じ九州でも、他県では、諸外国の衛生管理基準に対応した加工施設が整備されている中、今後の輸出増大を見据えた水産加工施設の整備について、県はどのような考えをお持ちなのか、お尋ねをいたします。 6、観光行政について。 (1)国内観光対策について。 コロナ禍で大きなダメージを受けましたが、本県の観光需要は、コロナ前の水準まで回復してきていると伺っております。これも、県において、「ながさきで心呼吸の旅キャンペーン」や、国境離島交付金を活用した、しま旅滞在促進事業などに取り組まれてきた成果もあると評価をしております。 一方、個人旅行や体験型旅行の人気の高まりもあり、旅行者の多様なニーズに対応するためには、観光データの利活用や、市町や民間事業者などとも連携した戦略的なプロモーションが必要と考えます。 そこで、現在、県内の観光情勢は、コロナ前と比較して、どの程度回復しているのか、また、デジタル技術の活用など、さらなる観光振興に向けた今後の県の取組について、お尋ねをいたします。 (2)インバウンド対策について。 インバウンド誘客の取組について。 国内観光については、需要が回復しつつありますが、インバウンドの需要回復も変わらず重要であります。 本年4月から8月の本県への外国人延べ宿泊者数は約20万人と聞いており、コロナ前の令和元年同時期の約35万人と比較すると約57%であり、今後、さらなる誘客が必要と考えます。 国の調査によれば、外国人観光客が訪日旅行に期待することとして、日本食を食べることが上位であるとのことであり、中でも外国人の好きな食べ物の第1位はお寿司と聞いております。インバウンド誘客のためには、豊富な海産物を有する本県の食の魅力をしっかりと海外へ発信する必要があります。 また、本県の豊かな自然や歴史、文化などの地域資源を活用した体験型観光の造成も、インバウンド誘客のためには重要であると考えておりますが、県は、インバウンド対策として、どのような取組を行っているのか、お尋ねいたします。 ソウル線と台湾線の誘致について。 インバウンド対策として、本県の空の玄関口である長崎空港の果たす役割は極めて重要であります。 コロナ前、定期航空路線として、上海線が週2便、香港線が週3便運航しておりましたが、現在は、今年の10月から上海線が週2便で運航を再開しております。 九州各県の国際線の状況を見ますと、各県とも空港の受入体制等に課題があり、コロナ前までの回復はいまだなされてないと承知しておりますが、現在、ソウル線は、本県を除く6県に就航しており、台湾線は、福岡、佐賀、熊本の3県に就航しております。 本県へのインバウンドの人数といたしましては、従業者数10人以上の宿泊施設を対象とした調査によると、本年4月から8月の外国人延べ宿泊者数の速報値は、県全体で15万7,600人のうち、最も多いのが韓国の3万5,500人、次が台湾の2万8,200人となっております。 インバウンドの誘客数を増やし、地域間競争に後れをとらないためにも、韓国、台湾からの路線誘致が重要だと考えておりますが、県がソウル線と台湾線の誘致にどのように取り組んでいるのか、お尋ねをいたします。 7、土木行政について。 (1)防災・減災、国土強靭化について。 国においては、本年度の国土強靭化5か年加速化対策の補正予算として、約2兆4,000億円の事業費が編成され、11月29日に成立いたしました。 県においても、この「防災・減災、国土強靭化5か年加速化対策」の予算を最大限に活用することで、防災事業や島原道路などの高規格道路整備、老朽化対策など、様々な事業で大きな進捗が期待されます。 しかしながら、この予算措置は令和7年度までで、強靭化を着実に進めていくためには、現行の5か年加速化対策後も、この特段の取組を継続すべきと考えますが、今後の予算措置の見通しについて、お尋ねをいたします。 (2)国道57号・富津防災について。 本県は、災害に強く、緊急輸送道路、支援道路として機能する幹線道路の整備が喫緊の課題であり、島原半島の北側では、島原道路の整備が着々と進んでいるところであります。 一方、島原半島の西側、雲仙市愛野町から小浜町間の国道57号においては、急峻な山間地を通過しているため、災害や事故による交通遮断の危険性が高く、迂回路もないことから、その道路整備が長年の懸案となっておりました。 そのような中、特に、危険度の高い富津地区において、国が令和4年度からバイパス整備に着手しており、先月26日には、地元で建設促進大会も行われ、沿線住民の方々も早期整備に大きな期待をされております。 そこで、この国道57号・富津防災の現在の進捗状況について、お尋ねいたします。 8、最先端技術の活用について。 (1)ドローンの利活用について。 離島・半島など、条件不利地域が多い本県において、ドローンの活用は、地域課題の解決などの有効な手法であると考えます。 本年9月には、国や県などの共催により、出島メッセ長崎で「第2回ドローンサミット」が開催され、国の機関や企業、団体、自治体など、多くの参加者があったところであります。 本県で、これほど多くの関係者やドローンの機体が集ったのははじめてのことであり、「これほど多種多様なドローンがあるとは知らなかった」との声も聞かれました。 現在、ドローンを活用した空撮映像などは当たり前となり、五島市において、医薬品や日用品の配送を社会実装しているという先進的な取組も展開されております。 こうした状況を踏まえ、今後、さらに、全国に先駆けてドローンの活用を推進していく必要があると考えますが、県ではどのように取組を進めようとしているのか、お尋ねをいたします。 以上で、壇上からの質問を終了し、以後は、対面演壇席から再質問をさせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。 ○議長(徳永達也君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕宅島議員のご質問にお答えいたします。 まずはじめに、「核兵器のない世界」に向けた「国際賢人会議」が本県で開催されることに対する思いはとのお尋ねをいただきました。 核兵器をめぐる国際情勢が厳しさを増す中、「国際賢人会議」の被爆地長崎での開催は、核兵器廃絶への国際社会の機運を醸成するうえで非常に意義のあることであると考えており、私自身、これまで国に対して、本県での開催を働きかけてきたところでございます。 今回、「国際賢人会議」が本県で開催されますことを心から歓迎いたしますとともに、核兵器廃絶に向けた力強いメッセージが長崎県から世界に向けて発信されることを期待しております。 参加される委員の皆様方におかれましては、被爆の実相に直接触れていただいたうえで、核兵器廃絶に向けた具体的道筋を提示していただきたいと考えてございます。 本県といたしましても、国や関係機関等と連携しながら、一日も早い核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて、今後とも力を尽くしてまいります。 次に、クリスティアーノ・ロナウド選手と会った目的とその意義について、知事の考えを聞きたいとのお尋ねをいただきました。 本年6月、日本と480年の交流の歴史があるポルトガルを、私と徳永議長で訪問いたしまして、長崎県とポルトガル政府との間で連携協力のための覚書を交わすなど、ネットワーク構築、関係強化を図ってまいりました。 そうした中、7月にポルトガルのプロサッカー選手クリスティアーノ・ロナウド選手とお会いする千載一遇の機会をいただき、本県の魅力の情報発信と今後のご協力、本県への来県のお願いができました。 議員ご指摘のとおり、6億人ものフォロワーを持つクリスティアーノ・ロナウド氏は、世界的に絶大的な影響力を持つ方でございます。クリスティアーノ・ロナウド選手のご来県や本県魅力の情報発信へのご協力がかなえば、本県の認知度向上や、国際県長崎としての地位向上に、これまでに類を見ないほどの効果をもたらされるのではないかと期待をしております。 今後とも、知事として、県勢の発展に資する取組を総合的に判断しながら行ってまいりたいと考えております。 最後に、九州地方知事会議等において、「シリコンアイランド九州」の実現について、どのような議論が行われたのかとのお尋ねがありました。 本年10月に開催をされました九州地方知事会議及び九州地域戦略会議においては、「新生シリコンアイランド九州の実現に向けた取組」や、「農産物輸出を含む農業政策」などについて議論が行われたところであります。 このうち、「新生シリコンアイランド九州」の実現に向けては、国内外の半導体関連企業による九州地域への大規模投資が相次ぐ中、その効果を最大化していくため、人材の育成・確保や企業の集積を見据えた物流、交通インフラ整備などについて、「オール九州」で取り組んでいくとの宣言がなされました。 本県においても、九州各県並びに経済界と連携しながら、「新生シリコンアイランド九州」の実現を目指して力を注いでまいりたいと考えてございます。 残余のご質問につきましては、関係部局長から答弁をさせていただきます。 ○議長(徳永達也君) 総務部長。
    ◎総務部長(中尾正英君) 本県のおもてなし機能の充実・確保、危機管理機能の充実・強化について、お尋ねがございました。 おもてなし機能につきましては、本県を訪問されたご来賓に対し、現在、県庁舎の応接室をはじめ、その日程や規模、ご来賓の状況に応じて、民間施設も活用しながら対応しているところでございますが、今後、その重要性は増してくるものというふうに考えております。 また、危機管理の面からは、気象災害等が頻発する中、在宅時も含め、知事が庁舎外にいる場合であっても、迅速に連絡を取ることができる体制を整え、適切に対応しておりますけれども、その機能充実・強化は必要と考えてございます。 これらを考えた時に、先般の2月定例会での一般質問でのご議論ですとか、ただいま議員からご指摘ございましたとおり、来県者の迎賓機能や災害時等に即時に執務を行うことができる機能などを備えた施設の確保も一つの選択肢として考えられるというふうに考えております。 しかし、本県の財政状況など、解決すべき課題は多く、現時点では、なかなか難しい状況もあるというふうに考えているところでございます。 今後、これらの課題を踏まえながら、本県を訪れる国内外からのご来賓に対するおもてなし機能、それから在宅時の危機管理機能の充実・確保について、さらに議論を深めてまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(松尾誠司君) 私の方から、2点お答えさせていただきます。 半導体関連産業について、雇用創出効果の高い大規模な企業を誘致するため、県としてどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。 半導体関連産業は、本県の経済成長を牽引し、良質な雇用を創出する基幹産業であり、県では、さらなる成長へ向け、県総合計画の中で、令和7年までに売上げ6,337億円、雇用者数6,942人を目標に掲げ、積極的に各種施策に取り組むこととしております。 特に、人口減少対策に寄与する大規模な雇用創出が見込まれるアンカー企業の誘致に向けては、県、長崎市、佐世保市、産業振興財団で構成する産業振興協議会において、具体的な方針などを議論しながら取り組んでいるところであります。 また、次なる大規模誘致に向け、佐世保高専における半導体講座や、長崎大学に設置されました「マイクロデバイス総合研究センター」で育成された理工系高度人材を強みとし、誘致活動を強化してまいります。 引き続き、必要なインフラ整備などに努めながら、地域経済の振興に加え、さらなる雇用の創出等、その効果が広範囲に及ぶよう、半導体関連産業の誘致に取り組んでまいります。 次に、造船業や航空機関連産業について、県としてどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。 造船業においては、今後の成長が期待されます環境対応船など、需要拡大の動きを県内へ広く波及させるため、船舶搭載用LNG燃料タンクの県内製造へ向けた企業間連携などを推進しております。 また、艦艇修繕など、防衛関連においても需要拡大が見込まれることから、県内発注につながる中核企業の取組を後押ししているところであります。 さらに、航空機関連では、コロナ後の回復する旅客需要と成長するアジア市場をターゲットとしたサプライチェーンの再編を見据え、県内企業においても海外メーカーと直接取引するチャンスとなっております。 このような中、航空業界において、品質管理を保証する認証数が本年度で九州トップの14社と見込まれているのに加え、県内の中核企業がボーイング787のメンテナンスを直接受注できる米国連邦航空局の認証を日本ではじめて取得するなど、本県は、国も注目します九州を代表する航空機産業集積県となってきております。 今後とも、社会的ニーズや国の動向を的確に捉えながら、造船業や航空機関連産業のさらなる成長を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(新田惇一君) 看護職員確保のための総合的な支援と勤務環境や処遇面における県の取組について、お尋ねをいただきました。 医療機関や福祉施設など、様々な場面で活躍する看護職員の確保は、今後、さらに高齢化が進む中、必要な医療提供体制を確保するうえで重要な課題であると認識しております。 このため、県におきましては、「新規就業の促進」、「離職防止」、「再就業支援」、「看護の質の向上」、これらを取組の4つの柱といたしまして、中高生を対象とした看護の魅力発信から、就業後における多様な研修会の開催まで、キャリアステージに応じた施策を実施しているところでございます。 このうち、医療機関等の勤務環境改善に向けた取組として、看護補助者の導入支援や、病院内保育所運営費補助等を行い、働きやすい環境の整備に努めております。 また、処遇面につきましては、診療報酬改定により、医療機関における給与の改善が図られましたが、対象機関が一部に限られておりますことから、全国知事会を通じて、国に対し対象の拡大を要望しているところでございます。 本県の看護職員数は、全国と比較すると多いという状況にありますが、地域における実態を踏まえながら、関係機関の皆様方と連携し、引き続き、必要な看護職員の確保に努めてまいります。 ○議長(徳永達也君) 農林部長。 ◎農林部長(綾香直芳君) 私の方から、2点お答えをさせていただきます。 まず、令和5年10月の降雹被害の状況についてのお尋ねですが、10月27日の降雹による農林業被害は、11月29日時点で総額約6億6,200万円となっており、特に、みかん等の柑橘類の露地栽培では、収穫直前の果実が傷つき、腐敗するなどの被害があり、被害面積は548ヘクタール、被害額は約6億900万円と全体の92%を占めております。 また、柑橘類の市町別被害額は、西海市で約3億2,600万円、諫早市で約1億3,800万円等となっており、雹被害では過去に例がない甚大な災害であると認識をしております。 次に、令和6年度の農地基盤整備事業予算の獲得に向けた国に対する取組状況についてのお尋ねですが、農地の基盤整備を計画的に進めるには、国の予算確保が大変重要であることから、本年6月の政府施策要望において、十分な当初予算の確保を最重点項目として要望するとともに、7月には、市町や関係団体と連携して、予算獲得に向けた推進大会を開催したところであります。 また、7月と11月には、県議会のお力添えをいただきながら、国に対して令和5年度補正予算及び令和6年度当初予算の確保について、要望を行ったところです。 今後も、令和6年度概算要求額の満額確保と本県への予算の重点配分について、あらゆる機会を捉えて国に強く働きかけてまいります。 ○議長(徳永達也君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 私から、2点お答えいたします。 まず、養殖魚赤潮被害緊急対策事業を活用した代替魚の導入状況など、養殖業者の事業再開がどこまで進んでいるのかとのお尋ねでございます。 所属漁協で各養殖業者からの要望を取りまとめた結果、令和5年度に48万6,000尾、令和6年度に45万9,000尾の導入が計画されております。 このうち令和5年度分については、関係機関が連携して手配した結果、11月末時点で約7割が導入済み、1割が手配済みとなっております。 また、経営再建や代替魚の育成に必要となる資金については、現在、金融機関と連携して、事業計画や必要額を精査しており、借入額が確定した養殖業者から順次貸付けを実行することとしております。 県としましては、養殖業者の早期の経営再建、事業継続を通じて産地の生産力維持を図るため、関係機関と連携しながら、しっかり取り組んでまいります。 次に、今後の輸出増大を見据えた水産加工施設の整備について、県の考えはいかにとのお尋ねでございます。 輸出を拡大するためには、相手国の具体的なニーズを踏まえたうえで、加工して輸出することも重要だと認識しております。 本県は、他の養殖が盛んな県に比べ、離島を含め産地が分散し、産地加工に適していないため、一元的に集荷し、速やかに加工できる体制を構築することが生産増大につながるものと考えております。 また、加工施設だけでなく、鮮度管理や製品保管に必要な製氷施設や冷蔵庫など、関連施設も含めて一体的に施設を整備することが効率的であると考えております。 このため、県としましては、これらの関連施設を保有する県漁連と連携し、施設整備による加工の拠点化の検討を進めるなど、輸出量の増大を通じた漁業者の所得向上を目指してまいります。 ○議長(徳永達也君) 文化観光国際部長。 ◎文化観光国際部長(前川謙介君) 県の観光情勢は、コロナ禍前と比較してどの程度回復しているのか、また、デジタル技術の活用など、さらなる観光振興に向けた今後の取組についてのお尋ねでございます。 四半期ごとに県で公表をいたしております7月から9月における主要宿泊施設の延べ宿泊客数は、令和元年の同時期と比べまして0.5ポイント上回るなど、コロナ禍前の水準まで回復をいたしております。 インバウンド需要も含めまして、今後、拡大が見込まれる観光需要を効果的に取り込んでいくためには、旅行者の行動をタイムリーに把握をいたしまして、そのデータ分析結果に基づく旅行商品の造成や、あるいはプロモーションを実施していくことが重要でございます。 そのため、県といたしましては、長崎市、佐世保市、雲仙市といった県内の主要な観光地であります市町とも連携をいたしまして、旅行者の人流や宿泊予約などのデータの共有化を進めておりまして、県内周遊促進や閑散期対策などの観光施策に反映させていくことといたしております。 今後も、効果的・効率的な観光施策の推進に向けた観光産業におけるDX化を進め、観光客の誘客と観光消費額の増加を図ってまいります。 ○議長(徳永達也君) 文化観光国際部政策監。 ◎文化観光国際部政策監(伊達良弘君) 私の方から、インバウンド対策について、2点お答えをさせていただきます。 まず、インバウンド誘客にかかる県の取組についてのお尋ねでございます。 インバウンドの誘客拡大を図ってまいりますためには、海外における認知度の向上と魅力的な観光コンテンツの造成等が重要であります。 このため、県におきましては、市町等とも連携し、Web、SNS等を活用した情報発信のほか、国際旅行博への出展、旅行会社へのセールスなどに取り組んでおります。 とりわけ、食につきましては、訪日外国人の主な旅行目的の一つであり、これらの取組や県産品フェア等におきまして、本県の食の魅力を積極的に発信いたしますとともに、県内飲食店の多言語メニュー化など、受入環境の整備についても取組を進めております。 また、体験型観光コンテンツの造成支援策として、現在、雲仙市をはじめ、平戸市、五島列島、対馬市において、市町等と連携し、「アドベンチャーツーリズム」を推進しており、コースの中にはトレッキングやサイクリング、漁師体験のほか、外国人に人気のある寿司づくり含め、地域の伝統的な食の体験などを取り入れているところであります。引き続き、地元市町等と連携し、食や体験の魅力を通じた本県へのインバウンド誘客の取組を推進してまいります。 次に、ソウル線、台湾線の誘致にかかる県の取組についてのお尋ねでございます。 本県における令和5年1月から8月までの外国人延べ宿泊者数は、1位が韓国、2位が台湾となっており、いずれも本県にとって主要なインバウンド市場であると考えております。 このため、水際対策が緩和された令和4年度以降、韓国、台湾をはじめとする海外の航空会社や旅行会社等への誘致活動、情報発信等に積極的に取り組んでまいりました。 しかしながら、航空路線の誘致等に当たっては、長崎空港のグランドハンドリングの体制整備が大きな課題となっており、現在、課題解決に向けて、航空会社やグランドハンドリング事業者、航空局、空港管理事業者等と協議・検討を重ねております。 今後も、関係者一体となって、長崎空港の受入体制を整えつつ、国際線の誘致・拡充にも積極的に取り組み、インバウンド誘客数のさらなる拡大を図ってまいります。 ○議長(徳永達也君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 私からは、2点お答えさせていただきます。 まず、国土強靭化の5か年加速化対策後の予算について、お尋ねをいただいております。 現在、5か年加速化対策の3年目を迎えており、道路ネットワークの機能強化や、洪水、土砂災害対策、インフラ老朽化対策などの取組が着実に進められているところでございます。 国では、島原道路の一部となる森山東インターチェンジから森山西インターチェンジ間が、先月12日に開通し、また、県では、島原半島の(仮称)大亀矢代トンネルを含むトンネル工事5か所の同時着手が可能となるなど、大幅な進捗が図られております。 しかしながら、強靭な県土づくりは、いまだ道半ばであると考えており、このような中、国においては、本年6月に「国土強靭化基本法」を改正し、今後は、国土強靭化実施中期計画を定め、国土強靭化を引き続き、計画的かつ着実に推進する方針が示されたところでございます。 県といたしましても、国に対して地域の実情をしっかり訴え、5か年加速化対策後も必要な予算の確保を求めてまいります。 次に、国道57号・富津防災について、お尋ねをいただいております。 この事業につきましては、防災上、安全上の対策が必要であることから、トンネル区間を含む延長3.4キロメートルのバイパス事業として、国において令和4年度に事業化されております。 今年3月には、現地での本格的な測量作業への着手となる中心杭打ち式が開催されたところでございます。今年度は、2億円の予算を確保して、現地測量や地質調査、道路設計など進めております。 引き続き、富津防災の整備促進について、地元雲仙市とも連携しながら、国に働きかけてまいりたいと思います。 ○議長(徳永達也君) 企画部長。 ◎企画部長(早稲田智仁君) 私からは、ドローンの利活用について、お答えさせていただきます。 県では、どのようにドローン活用の取組を進めようとしているのかとのお尋ねでありますが、人口減少や少子・高齢化等が進展する中、離島・半島を多く有する本県では、物流をはじめ、様々な分野において、ドローンを活用した地域課題への対応や産業の振興を図っていく必要があると認識しております。 そのため、「新しい長崎県づくり」のビジョンに掲げるイノベーション分野では、令和6年度の主要施策として、ドローンの社会実装を促進するため、ドローン操縦士の育成支援や、利用へ向けたマッチング及び普及啓発等を行うプラットフォームの構築などに取り組むこととしております。 こうした施策を農業や建設業、物流、防災など幅広い分野で部局横断的なプロジェクトとして展開することにより、ドローンの活用による遠隔化や生産性の向上、イノベーションの創出などを加速化し、本県が全国を代表するドローン活用の先進地となるよう取り組んでまいります。 ○議長(徳永達也君) 宅島議員-27番。 ◆27番(宅島寿一君) ご答弁ありがとうございました。少し時間がございますので、再質問をさせていただきます。 長崎県のおもてなしについてですが、総務部長から大変厳しいご答弁があったんですけれども、本県において、以前は、今の長崎歴史文化博物館のところに知事公舎、公邸部分ですね、これが設置されておったんですけれども、現在は廃止ということでありますけれども、他県において、例えば九州のほかの県、おもてなし機能を持っている、また、公邸も併設した状況がどうなっているのか、おわかりになれば、お答えしていただければと思います。 ○議長(徳永達也君) 総務部長。 ◎総務部長(中尾正英君) 全国で借上げを含めまして、昨年度時点で知事公舎がある都道府県は34団体でございます。そのうち、公邸機能を併設しているのは24団体ということでございます。 また、九州というところでございますけれども、全8県に知事公舎がありまして、本県以外の7県が公邸機能を併設しているという状況でございます。 ○議長(徳永達也君) 宅島議員-27番。 ◆27番(宅島寿一君) 九州の状況では、長崎県だけが公舎がないというような状況でありまして、やはり私が質問したとおり、長崎県にいろんな国内・国外からの大事なお客様が来られた時のおもてなし機能、そういったものがやはり必要だというように認識をしておりますので、ぜひ、しっかり検討委員会でもつくっていただきながら、公舎、公邸の再構築に向けて努力をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○議長(徳永達也君) 総務部長。 ◎総務部長(中尾正英君) 先ほども申し上げましたとおり、どのような機能というものを公舎に求めるのかというところがございますので、そこはしっかりと議論をさせていただきながら、県民のご理解もいただく必要があろうかと思います。本県議会でも、ご指摘いただきましたので、そういったところも踏まえながら考えていくものなのかなというふうに考えてございます。 ○議長(徳永達也君) 宅島議員-27番。 ◆27番(宅島寿一君) 長崎市内にも多数の県有地、今、利活用されていない県有地もたくさんあると聞いておりますので、ぜひそういったところを活用していただきながら、検討をしていただきたいと思います。 次に、雹の被害についてですが、先般、私も瀬川議員の地元西海市にお邪魔をさせていただきまして、地元の農業協同組合の組合長ともいろんな意見を交わさせていただきました。本当に農家によっては収入がゼロになる農家もたくさんあると聞いておりまして、先ほど答弁がありましたけれども、県としてどのように、県として独自の支援があるのか、お尋ねをいたします。 ○議長(徳永達也君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 先日、私も直接視察をさせていただいて、現状を、被害の状況を確認させていただきました。 白崎地区というところに行かせていただきました。ここは基盤整備をされたところで、今年からようやく出荷ができるといった、本当に収穫の直前のタイミングで、ほぼ壊滅状態になっている状況で、本当に生産者の方々のことを思うと、本当に心が痛んだところでございます。 また、先日、みかんのPRで東京の方に行かせていただきましたけれども、その際も県外の方々から、本当に長崎県のみかんを楽しみにしているんだと、非常に期待の声をいただいておりました。そういったことも踏まえて、県としてもしっかりとこの産地を守っていくという努力が必要だというふうに思ったところでございます。 県といたしましては、被害を受けた産地が、引き続き、生産を維持できるようにJAや市町、また関係者の皆様方とも連携をしながら、必要な支援策をぜひ実施をしていきたいと考えております。 ○議長(徳永達也君) 宅島議員-27番。 ◆27番(宅島寿一君) 知事、ありがとうございます。本当に被害を受けられた農家の皆さん方、心強い限りだと思います。 橘湾の赤潮の時もそうだったんですけれども、もう事業をやめてしまおうかというような漁業者もたくさんおられました。今回の雹の被害についても、地元、西海市の皆様方、一番被害が大きかったんですけれども、相当の心のダメージも受けられておりますので、しっかり支援対策を取っていただきたいというふうに思います。 次に、橘湾における赤潮対策の代替魚の導入状況について答弁いただいたんですけれども、被害尾数がトラフグ、マダイ、シマアジの3魚種で大部分を占めていたと思いますが、代替魚を導入するにも、特に、稚魚の場合は時期が限定されて、場合によっては出荷の期間が相当先になるのではないかと危惧をしております。 そこで、既に導入された代替魚の魚種別の内訳や今後の出荷の時期について、具体的に教えていただければと思います。 ○議長(徳永達也君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 11月末時点の導入済み尾数は、トラフグが13万6,000尾、マダイ13万7,000尾、シマアジ2万8,000尾で、赤潮被害を大きく受けたこれら3魚種については、今年度計画の約7割が導入されております。 また、代替魚の約半数は、1年以内に出荷が可能なサイズで導入しているため、早いものでは年内に販売ができる見込みとなっております。 県としましては、まだ手配ができていない代替魚について、関係機関と連携しながら、早期に導入できるよう支援してまいります。 ○議長(徳永達也君) 宅島議員-27番。 ◆27番(宅島寿一君) もう一つ、水産関係で質問した水産加工施設の話なんですけれども、いろんな調査をしているところで、大分県で、このたび二十数億円をかけて加工施設が今建設中であるというような新聞報道等々見ておりますけれども、そういった中で二十数億円かかるんだけれども、国庫補助事業で国が半分ぐらい、県の負担が総事業費の6分の1ぐらいということで、あとは市と事業者ということで、非常に有利な国庫補助事業がございますので、ぜひそういったものを活用して、県漁連とともに製氷施設や高度衛生化、そういったものも含めて、ぜひトータルで強い水産県づくりを進めていただきたいと思いますけれども、もう一度水産部長の答弁を賜ればと思います。 ○議長(徳永達也君) 水産部長。 ◎水産部長(川口和宏君) 議員ご指摘のとおり、県漁連がいろんな施設を、例えば新三重に集約して持っておりますので、そこに現在加工施設等もございます。ただ、老朽化や加工処理能力が低いということで、それを今後の輸出増大や国内の販売強化にもっていくためには、そこの能力強化が非常に必要となっております。 ご指摘のとおり、国の事業もございまして、半分を国が負担するという事業もございますので、そういうのも活用しながら、それと県漁連、関係の漁業者等ともよく連携をして、長崎にどういった施設が必要かというところも、議論を深めながら取り組んでまいりたいと思います。 ○議長(徳永達也君) 宅島議員-27番。 ◆27番(宅島寿一君) ありがとうございます。前向きの答弁だと思います。 今、長崎県は、水産業でいくと、漁獲高は北海道に次いで第2位なんですけれども、そういった海外に出す輸出の加工については、現在、長崎県からよその県に加工に出しているんですね。ぜひ、そういったものも県内で加工ができて、雇用が生まれて、名実ともに日本で2位の水産県なんだよというところを、ぜひ強く推進をしていただければと思います。よろしくお願いします。 次に、建設DXについてでありますけれども、国土強靭化を進める中にありまして、やはりもうDX化が待ったなしの状況できているというふうに思います。 島原半島においても、雲仙・普賢岳の無人化施工、重機を遠隔で操作しながら無人化施工しておりますけれども、九州各県から視察に来られるなど、本当に長崎県は無人化施工の先進県であるとお聞きしておりますけれども、今後、DX化に向けた取組をどのように進めていくのか、土木部長にお伺いいたします。 ○議長(徳永達也君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 土木部では、建設DXの取組の一つとしまして、3次元測量データを基に、建設機械を自動制御したICT活用工事の要領を平成29年度に定め、活用工事の推進拡大に努めた結果、一定の成果が上がってきております。 一方、ICTを活用しました工事の実績は、一部の業者にとどまっていることから、さらなる普及拡大に向け、国と連携し、その施工に必要な技術的内容の講習会や現場見学会を県内各地で実施しているところでございます。 また、令和4年度から産学官で構成される「検討部会」を立ち上げ、測量、調査、設計から施工に至る各段階において、建設DXの促進を図るための具体的な取組を今年度中にまとめることとしております。 今後も引き続き、産学官で連携し、生産性向上や働き方改革につながる建設DXの推進に取り組んでまいりたいと思います。 ○議長(徳永達也君) 宅島議員-27番。 ◆27番(宅島寿一君) それぞれ県庁においてもDXを推進する課の新設等々が進んでおりますけれども、ぜひ土木部においてもDXを推進する一つの班なりをつくっていただいて、しっかり取り組んでいただければと思います。 先ほど、財政課の方から配られた資料によると、11月29日に国の方で13兆円の経済対策が成立をしたわけでありますけれども、県においても400億円から500億円程度の補正予算を組むということで、これはこの議会の最終日ぐらいに上程されるということでありますけれども、ほとんどが公共事業ということでありますので、しっかり土木部の皆さん方が取り組んでいただけるようにお願いをして質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。(拍手) ○議長(徳永達也君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、2時40分から再開いたします。     -午後2時27分 休憩------------------------------------     -午後2時40分 再開- ○副議長(山本由夫君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) (拍手)〔登壇〕皆さん、こんにちは。 改革21、長崎市選挙区選出、深堀ひろしでございます。 改選後初の一般質問となりますが、物価高騰をはじめとする山積する課題がある中で、安全・安心で心豊かな長崎県づくりの一助となるように県政一般質問に臨みたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 知事はじめ、関係理事者の皆様方の簡潔、明瞭かつ前向きな答弁をよろしくお願いいたします。 1、知事の政治姿勢について。 (1)新しい長崎県づくりのビジョンにかける知事の思いとは。 大石知事が長崎県知事に就任され、来年2月で満2年となり、任期の折り返し地点を迎えようとしております。 そのような中、知事は「新しい長崎県づくり」のビジョンの策定を進められており、これに基づき、令和6年度長崎県の主要施策が取りまとめられるなど、徐々に新しい取組が創出されつつあります。 ビジョンでは、「未来大国」のコンセプトの下、子どもや交流など、今後、重点的に注力する分野の概ね10年後のありたい姿などを描くこととされていますが、本県を取り巻く厳しい状況を踏まえ、このビジョンに対する大石知事の思いをお聞かせください。 以後の質問については、対面演壇席から行います。 ○副議長(山本由夫君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕深堀議員のご質問にお答えいたします。 本県を取り巻く状況は、人口減少や少子・高齢化の進展をはじめとする様々な地域課題に加え、コロナ禍の影響もあり、閉塞感や先細り感が漂っているように感じておりました。 こうした状況の中、県民の皆様が将来への不安や憂いを払拭し、本県への誇りや未来への期待感を持っていただけるような旗印として、「新しい長崎県づくり」のビジョンを策定したいと考えております。 ビジョンの実現に向けては、庁内の部局横断、融合的な取組を一層強化するとともに、様々な立場の皆様に共感をいただきながら、有機的に連携し、施策の相乗効果を高め、県民の皆様と一緒に、複雑かつ多様化する諸課題の解決に力を注いでまいりたいと考えております。そして、国内のみならず、世界に存在感を示している選ばれるような長崎県、「新しい長崎県づくり」を目指してまいりたいと考えております。 以後のご質問につきましては、自席から答弁をさせていただきます。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 知事、ありがとうございました。 今の答弁の最後に、世界に存在感を示すという言葉、力強い言葉をいただきました。 このビジョンを実現するためには、やはり先ほどもおっしゃられたように、部局横断、融合的な取組を、これは知事が先頭に立って、職員の皆さんと一丸となって、県民一丸となって取り組まないと実行できないというふうに思いますので、ぜひその覚悟で取り組んでいただきたいというふうに思います。 ビジョンを掲げるに当たり、ありたい姿の1番目に、子どもの分野を入れられております。これは将来の長崎県を担う子どもたちの安全・安心で健やかな成長を県政の機軸に位置づけられているというものでありますが、中でも、18歳までの全ての子どもたちが安心して医療を受けられるよう、今年度から、高校生世代を対象とした医療費助成制度が開始されたことは、大いに評価するものであります。 そこでお尋ねしますが、市町と連携した高校生世代の医療費助成制度のこれまでの助成実績について、確認をさせてください。 ○副議長(山本由夫君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(浦亮治君) 高校生世代を対象といたします県の医療費助成制度につきましては、本年4月から開始をしたところであります。 新たに事業を実施するに当たりまして、一定の準備期間を要した市町もございまして、市町によって申請受付の開始時期が異なっております。特に、人口規模の大きな長崎市や佐世保市を含む一部の市町では、10月から受付を開始したばかりでありまして、実績を把握していないことから、現時点において、県全体としての助成実績をお示しすることは困難な状況でございます。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 現時点で実績を示すことは難しいということは理解をします。 今回、高校生世代まで助成が拡大したことにより、多くの子育て世帯が助かっていることは間違いがありません。 ただ、その中で聞こえてくるのは、せっかくの助成制度であるけれども、償還払いであることがネックになっているというものです。 自治体によっては、中学生まで現物給付で助成されている一方、高校生からは申請手続が発生するという煩雑さ、そして何より、手持ち資金が少ないがために受診を控えなければならない世帯も発生するということであります。 償還払いは、助成が必要な世帯のみが申請するという考え方もあるということは理解をしていますが、受診控えや、ひとり親世帯など、申請手続もままならないほど朝から夜まで働くその保護者の方々は、申請漏れするようなケースも想定されるのではないでしょうか。 安心して子育てができる環境の充実を図るため、高校生についても現物給付の導入を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ○副議長(山本由夫君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(浦亮治君) 現物給付につきましては、償還払いと比較しまして、受診時の自己負担が軽減されることなどから、医療費が増加する傾向でありまして、本県の乳幼児医療費助成において現物給付を導入した際は、約1.6倍に増加しております。 高校生世代の医療費助成については、厳しい財政状況の中、市町と協議を重ね、今年度から開始したところでございまして、現時点で、現物給付の導入は困難な状況ではありますが、今回の制度が最終形ではないと考えております。 本来、医療費助成制度は、国の責任において整備すべきものと考えておりまして、本県の取組なども示しながら、国に対して、強く要望していくこととしております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 1番目に理由として挙げられているのが、医療費が、助成額が増加をする、1.6倍に上がるという試算をしているということでありました。 そのことは当然理解をします。本来助成すべきでないところにまでいき及ぶであったりとか、受診しやすくなるということもあって増えていくということは理解をするんです。 ただ、それは視点を変えて見ると、償還払いが基になって1.6倍増えるというふうにおっしゃられていますけれども、逆に、現物給付がもし主だと考えれば、これは現物給付から償還払いにすることによって、助成額が0.63倍、結局37%減るということなんです。減るということは、先ほど私が申し上げたように、本来は病院に受診したいんだけれども、手持ちのお金が少なくて受診ができない人であったりとか、ひとり親世帯とかで申請を漏らしてしまったり、領収証をなくしてしまったり、本来、助成をしてあげなければいけない人たちの助成がゆき渡らなくなるという考え方にもいきつくと思うんです。そういう側面もあるということです。 知事は、子育てを中心とする子ども施策を県政の一丁目一番地として位置づけて各種施策を取り組んでおられます。また、今回の「新しい長崎県づくり」のビジョンにおいても、子ども分野を重点取組の一つとして掲げておられますよね。 先ほどの答弁で、こども政策局長から、医療費助成制度は今のものが最終形ではないという答弁がありましたが、知事、答弁は求めませんが、この認識で間違いありませんよね。ありがとうございます。 子育て施策が最重要課題であるという点で、ぜひ現物給付の実現に向けて取組をお願いしたいということを要望しておきたいと思います。 (2)物価高騰対策に対する認識。 県民の実質賃金についてであります。 新幹線開通から1年、長崎駅周辺及びスタジアムシティなど、100年に一度の変革期と言われる県都長崎市でありますが、ウクライナ危機以降、円安等の影響もあり、燃油をはじめ、生活必需品の物価高騰により、県民生活は大きな影響を受けていると思います。その中で、国民の実質賃金は30年にわたり横ばいという状況は、先進諸国の中で、まれな存在となっています。 これらを踏まえ、国においても、業務改善助成金制度を設けるなど、事業者の賃上げを積極的に促進しており、加えて、今国会においても、経済対策補正予算などが可決したところであります。 今後、本県においても、国の交付金等を積極的に活用して、物価高騰対策が講じられるものと認識しておりますが、そこでお尋ねをいたします。 本県の状況を再確認する意味で、実質賃金指数や消費者物価指数の最近の推移を、全国との比較を含めてお示しください。 ○副議長(山本由夫君) 県民生活環境部長。 ◎県民生活環境部長(大安哲也君) お答えいたします。 直近1年の状況を申し上げますと、全国並びに本県の生鮮食品を除く消費者物価指数は、前年同月比でプラスの状態が続いており、今年10月は、全国でプラス2.9%、長崎市でプラス3.1%と、ほぼ同程度となっております。 一方、名目賃金から物価上昇を考慮し計算される実質賃金指数は、全国、本県ともに、2020年を100として、100を下回る状況が続いており、直近の今年8月は、全国で95.9、長崎県で92.4と、3.5ポイント低くなっております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 生鮮食料品を除く消費者物価指数は、上昇傾向であって、その水準は、これは長崎市ですけれども、2.9%、3.1%ですから、ほぼ全国と同程度ですね。一方、実質賃金は低下傾向にあって、その水準は、部長答弁でもありましたように、全国が95.9に対して、長崎県は92.4、マイナス3.5ポイントであります。 これはどういうことかというと、物価は上がっているけれども、実質賃金は下がっている、長崎はもっと下がっている、全国よりも下がっている、ということは、長崎県民の暮らしぶりは、全国よりもさらに厳しくなっているということであります。 先般、本県の最低賃金については45円の引上げが決定されたところでありますが、消費者物価指数の動向を考慮すれば、実質賃金の上昇はまだまだ必要だと考えております。 長引く物価高騰の中、県内企業は、人手不足など、多くの課題に直面しており、引き続き、生産性の向上等に向けた支援を行うなど、実質賃金の上昇につなげていく施策が必要と考えておりますが、知事の所見をお伺いします。 ○副議長(山本由夫君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 長期化する物価高騰によって、県民の皆様の生活や社会経済活動に様々な影響が生じていることから、県では、これまでも国の臨時交付金等を活用しながら、生活者及び事業者に対する各種支援策を積極的に講じてきたところでございます。 このうち、事業者に対しましては、資金繰り支援のほか、県内中小事業者や農林水産業など、幅広い分野における省エネ設備の導入、またデジタル化、DX化等を支援いたしまして、経営安定や生産性向上等を図っていただいております。 そうした中、今般、国においては、物価高や賃上げへの対応などを柱とする経済対策補正予算が成立をいたしました。そこで、重点支援地方交付金も追加配分がなされたところでございます。 県としましては、引き続き、こうした国の施策や財源を最大限活用しながら、実質賃金の上昇にも資する県内企業等の経営力向上に向けた取組を支援するなど、県内経済の回復、再生に力を注いでまいりたいと考えております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) ありがとうございました。各種施策に取り組んでいただけるということであります。 賃金を上げろ、上げろと言っても、事業主の皆さんも非常に厳しい状況であります。そういったいろんな支援策を講じることによって、最終的に賃金が上がっていくという形になるようにお願いをしたいと思います。 これは要望になりますけれども、最低賃金の引上げに対しては、各種課題、制約があることは十分理解をしておりますが、長崎地方最低賃金審議会に対する働きかけも、今後継続して強化していただきたいということを要望として申し上げておきます。 (3)行政職員の働き方改革について。 働き方改革と言われて久しいですが、知事が思い描く「新しい長崎県づくり」を推進するには、本県の施策を企画、実行する県職員が、その力を最大限発揮できるよう、職員の働き方にも十分に目を配る必要があると思います。 そこで、知事部局における昨年度の年間総実労働時間と1人当たりの平均時間外数、またいわゆる過労死ラインと言われる月80時間超の時間外の実績について、確認させてください。 ○副議長(山本由夫君) 総務部長。 ◎総務部長(中尾正英君) 知事部局における令和4年度の総労働時間は1,823時間、1人当たり平均時間外数は119時間でございまして、これらは前年度と比べると、いずれも横ばいということでございます。 また、月の時間外勤務が80時間を超えている職員数は、1月当たり平均で約18名でございまして、前年と比べると、9名程度減少している状況でございます。 なお、本年度の10月までの実績ということで申し上げますと、約8名と、前年度同時期に比べると半減しておりまして、これらは主に、福祉保健部局を中心に担ってきた新型コロナウイルス感染症への対応が落ち着いてきたことによるものというふうに考えております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 全体として、総実労働時間、平均時間外数ともに横ばいの状況ということで、80時間を超える時間外の職員数については、コロナ禍の落ち着きに伴い、減少傾向にあることが確認をできました。 しかし、本来、減ったといっても、月に80時間を超える時間外をするような職員は、できるだけ少ない方がいいに決まっています。80時間を超える職員数については、特定の所属に偏りが生じている実態が一定あると思われますし、80時間を超える時間外を複数月経験する職員もいるようなので、そのような厳しい労働環境を改善するための人員配置などの対応について、お尋ねをしたいと思います。 ○副議長(山本由夫君) 総務部長。 ◎総務部長(中尾正英君) 職員の配置検討に当たりましては、各部局の次年度の事業や業務量の増減についてヒアリングを実施し、会計年度任用職員も活用しながら、業務量に応じた職員配置に努めているところでございます。 また、特定の時期に業務の繁忙期が集中するようなケースもございます。業務の前倒しや部内の応援体制の構築など、業務の平準化を図るとともに、ミーティングを活用した業務管理の徹底やAI、RPA等のICTの活用による業務の効率化などを進め、一層の働き方改革の推進に取り組んでいるところでございます。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) ぜひ、その取組、お願いをしたいというふうに思います。 一般的に、長時間労働は、精神疾患の発症要因になると言われております。そのような中、知事部局における精神疾患による休職者は、ここ数年、30人前後で推移していると聞いております。これら休職者の精神疾患要因が、全て長時間労働に起因するものではないと思いますが、長時間勤務が原因で病気になった職員も一定数はいるのではないでしょうか。 職場で休職者が出れば、周囲の職員の負担も増え、職場全体のパフォーマンスが落ちることになります。そうなる前に、必要な人員配置を含め、しっかりと対策を考え、職員の職場環境改善への目配りとメンタルヘルス対策の充実を図り、職員を大切にしながら、「新しい長崎県づくり」に職員と一丸となって取り組んでいただくことをお願いしておきます。 (4)新幹線全線フル規格化に向けた取り組みについて。 開業1年間の西九州新幹線の利用者は約242万人で、JR九州によると、コロナ禍前を上回る利用となり、堅調に推移しているとされています。 また、長崎駅前のまちづくりを見ても明らかなように、官民の建設投資が非常に盛んであり、民間のシンクタンクである九州経済調査協会と長崎経済研究所の試算によると、長崎と佐賀両県への公共投資と民間の設備投資による経済波及効果が1,736億円に上るとのことです。 このほかにも、新幹線の効果として、観光客数や観光消費額などへの影響が考えられますが、県として、開業一年の効果をどのように評価しているのか、確認させてください。 ○副議長(山本由夫君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 西九州新幹線は、開業以来、多くの方にご利用いただき、駅周辺では、商業施設やマンションの建設が進み、沿線市を中心に、まちのたたずまいも大きく変わってきております。 また、旅行会社や宿泊事業者からは、新幹線を活用した旅行商品の販売は好調に推移し、観光客は増えていると伺っております。 現在、県では、新幹線効果を具体的な数値で示すため、利用者の動向や県内での消費額などを調査しているところであります。 今後、調査結果につきましては、新幹線効果を波及、拡大する取組の充実につなげるため、市町や関係事業者とも共有を図ってまいりたいと考えております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 効果については、まだまだ調査中だということであります。 答弁でもありましたけれども、この一年間の状況をしっかりと分析をしていただいて、分析結果を今後実施される施策の構築に反映させることが事業効果を高めるということにもつながりますので、ぜひお願いをしたいと思います。 次に、一定の経済効果が出ているということですが、全線フル規格化を目指すためには、開業2年目以降も新幹線効果を高める取組を地道に継続していく必要があると考えております。 これまでも、沿線地域等と連携した新幹線イベントや来訪者に県内各地を訪れてもらう周遊促進に取り組まれておりますが、こうした取組に加え、通勤・通学をはじめとした日常的な利用を促進する対策も模索すべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○副議長(山本由夫君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 県では、西九州新幹線の開業効果を高めるため、新幹線の利用促進や県内各地への周遊対策をはじめ、各種イベント等による魅力の発信などに取り組んでまいりました。 今後、全線フル規格に向けた機運を醸成するためには、観光やビジネスだけではなく、日常的な利用を促し、利用者数の底上げを図ることが重要であると考えております。 そのため県では、県民の通勤・通学などでの新幹線利用を促す新たな取組について、JR九州や各市町等と協議してまいりたいと考えております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 部長、日常的な利用、ぜひお願いします。 通勤・通学の定期、エクセルパスと言われていますけれども、直近の数字でいけば、長崎~諫早が146名、大村~長崎は77名です。これは前の特急時代と考えれば、そう変わっていない。これをやはり新幹線をもっと県民に利用してもらうと、この後、公共交通の話もしますけれども、結局は、県民に実際に使ってもらって実感してもらう、その効果を広げてもらうという必要性もありますので、ぜひお願いをしたいと思います。 午前中の質疑でもあったことなので、ある程度、省略しますが、やはり新幹線のフル規格化に向けては、佐賀県の皆さんの理解が必要だということは、何よりも当然のことであります。そういった意味で、佐賀県と連携して、綿密に意思疎通を佐賀県知事としっかり大石知事、連携を取っていただいて、今後、前に進むように、ぜひお願いをしておきたいというふうに思います。 2、人口減少問題について。 (1)住居問題。 家賃及び地価の状況です。 今年、社会人口問題研究所が公表した2070年人口推計では、全国の人口減少スピードに歯止めがかからない状況で、2050年代から2060年代には、我が国の人口は1億人を下回ると見通しがされています。 そのような中、本県では、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、転出超過数の改善目標を設定し、取組を進められていますが、なかなか達成は難しい状況にあります。 ただ、一方で、移住相談においては、2022年度1万1,440件の相談があり、これは九州では最多でありました。しかし、移住者の数は、これも先ほど答弁ありましたけれども、1,876人で、目標には届かなかった。 また、実態を把握するために、「移動理由アンケート」も実施されており、これによれば、仕事の都合で移動するケースが目立ち、就職や転職では、希望する業種、職種がないとの意見も多いようです。 このように様々な要因がある中で、確認となりますが、長崎は、家賃が高いとの声は多く、県都長崎市の家賃が九州一高くなっていることも課題の一つだと私は考えております。本県の課題認識はいかがでしょうか。 ○副議長(山本由夫君) 企画部長。 ◎企画部長(早稲田智仁君) 総務省の小売物価統計調査によりますと、九州の県庁所在市の民間家賃の1畳当たりの単価は、長崎市が最も高くなっております。 そのため長崎市におかれては、住まいの受皿を増やしつつ、賃貸価格の抑制等を図り、定住人口の確保等につなげるよう、容積率の緩和施策を講じられているところであります。 一方、総務省の「住宅・土地統計調査」によりますと、都道府県ごとの民間家賃の中で、長崎県は全国31位と、県全体で見れば、家賃はそれほど高くない状況にあり、県としましては、長崎市における課題認識も持ちつつ、周辺市町を含め、広域的に幅広い課題として捉えていく必要があると考えております。 こうしたことから、長崎市を含め、低所得者向けに整備している県営住宅においては、近年、若年者を含む単身世帯が増加している状況等を踏まえ、単身者でも入居できるよう、本定例会に関係条例の改正案を提出しているところであります。 今後とも、社会情勢の変化を注視しながら、住まい対策に取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 県都長崎市の民間家賃が一番高くなっている。それも長崎県全体で見れば、全国47都道府県で順位を比べてみれば31番目ということで、長崎県全体としてはそこまで高くないけれども、県都長崎市は九州で一番高くなっている。それに対する課題認識も持ちつつ、いろんな対策は長崎市ももちろん考えていらっしゃるということで報告がありました。 もちろん、長崎市の地理的特性等々も踏まえれば、これはやむを得ない部分なのかもしれません。ただ、移住という視点で見れば、住居、家賃に関する項目というのは、選ばれる要因の一つでもあります。今後も、家賃の水準については注視をして、いろんな施策を検討する時に考えていただきたいというふうに思います。 ②空き家対策について。 平成30年時点での長崎県内の住宅総数約66万戸のうち、空き家は約10万2,000戸、このうち利用目的のない空き家は約5万8,000戸と、増加傾向にあります。 報道によれば、空き家の再生に独自に取り組む民間事業者も出てきているようでありますが、空き家対策を加速化させるため、県として支援できる部分もあるかと考えます。 「改正空家法」が12月に施行されることを受け、県は、今後どのような取組を検討しているのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(山本由夫君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 改正法におきましては、固定資産税の減免措置がなくなる家屋の範囲が広がりまして、これまでの危険な空き家に加え、管理が適切にされていない空き家についても減免措置がなくなります。 また、空き家の管理や活用、相談等への対応を行う民間の事業者を市町が空家等管理活用支援法人として指定することができるようになります。 県におきましては、空き家の管理や活用等に意欲のある事業者や市町と意見交換を行うなど、法人の指定が円滑に進むような施策につきまして、検討を進めていきたいというふうに考えております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 各種事業に取り組んでいかれるということであります。 先ほど私が申し上げたように、長崎県の空き家というのは増加傾向にあり、全戸数約10万2,000戸あるわけですから、「改正空家法」に基づいて、いろんな施策を打つことによって、適正な住居が増えることになれば、先ほど申し上げた家賃の水準、これは需要と供給のバランスで決まるわけですから、適正な入れる住居が増えることによって、その価格にも変動が生じるというふうに思います。ぜひ、この「改正空家法」の趣旨を踏まえて、積極的な施策を展開していただきたいというふうに思います。 (2)労働力不足対策。 本県では、全国に先駆けて人口減少、少子・高齢化が進んでいます。令和5年10月1日現在の人口推計では、平成30年から5年間で7万3,000人の人口が減少し、減少率は5.5%となっています。年齢別では、15歳から64歳の生産年齢人口が大きく減少した結果、高齢化率は34.1%となっており、全国29.1%を大きく上回っています。 労働人口が著しく減少する本県において、高齢者の活用は喫緊の課題ではないでしょうか。若年者の人口が減少していく中、国においても、定年延長などを実施して、就業人口の維持を図っているところであり、長年培った技術や見識、様々な経験を有する高齢者が活躍する場が一定広がるものと認識をしております。 本県においても、基幹産業である造船業などにおいては、高い溶接技術が要求されるなど、経験を活かせる職場が数多くあるはずです。一方で、コロナ禍の収束などにより経済は回復基調にあり、各分野で人手不足が深刻化しています。 先般、ある報道番組で、81歳の高齢者が現役世代と一緒に専門的な技術開発の現場で活躍されているのを目の当たりにしました。その企業の経営者がおっしゃるには、ダイヤの原石は、若者だけではなく、仕事をされていない高齢者の中に数多くあるという発言を聞き、本県においても、まだまだ現役で活躍できる高齢者の皆さんが多数いらっしゃると確信をしました。 そこでお尋ねをしますが、実際に、様々な職場でご活躍されている高齢者の方々を積極的にPRしたり、企業とのマッチングの場を提供したりするなど、さらに高齢者の就業を増やす努力をすべきと考えますが、県の見解をお伺いします。 ○副議長(山本由夫君) 産業労働部政策監。 ◎産業労働部政策監(宮地智弘君) 県では、人口が減少する中で持続的な経済成長を図っていくためには、高齢者の就業機会の確保とともに、働く意欲を高めていただくことが必要と考えております。 国においては、65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの定年引上げ等を努力義務とする法改正を行っており、本県で、収入を伴う仕事をしている65歳以上の人は、平成29年の9万9,400人から、令和4年には10万9,400人と、5年間で1万人増加するなど、就業機会の確保が一定なされております。 今後、高齢者の就業意欲をさらに高めるため、県では、高齢者の雇用促進を目的とするフォーラムの実施に加え、県や市町の広報誌で、生き生きと働く高齢者をご紹介するなど、PRの強化にも努めてまいります。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) そういった事業を展開していただけるということであります。確かに、この5年間で1万人ほど増加をしているということで、これはいい傾向にあるというふうに私は思います。特に、長崎県内では、70歳以上でも働ける職場、企業の割合が全国平均よりも1.9ポイントほど高くなっています。これは非常にいいことだと思います。 少子・高齢化が全国に先駆けて進んでいる本県にとって、高齢者の皆さんの活躍、これからも、ぜひ推進していただけるようにお願いをしておきたいと思います。 次に、外国人材の活用について、確認をさせてください。 労働力人口が減少する中で、高齢者と同様に、外国人材を受け入れていくことは重要と考えております。現在、国においては、技能実習制度及び特定技能制度の見直しが実施されていますが、特に、技能実習制度については、これまでの人材育成に加え、人材確保が明記されるとともに、特定技能との連携を強化するなど、我が国の人材不足に対応した制度の見直しとなっています。 このように国の制度が変わっていく中、本県においても、県内企業や団体のニーズに応じた取組が様々なされていますが、コロナ禍の収束で、特に宿泊業などについては、人材が不足しているようです。 また、本県の持続的経済成長を図っていくためには、現場でご活躍いただく外国人だけでなく、成長分野においても、高度な知識や技能を有する外国人材の確保も必要となってくると思います。 そこで、県においては、このような動きを踏まえた事業の構築が必要だと考えますが、来年度の予算化に向けて、どのようなことを検討しているのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(山本由夫君) 産業労働部政策監。 ◎産業労働部政策監(宮地智弘君) 県では、人口が減少する中で持続的な経済成長を図っていくためには、必要に応じ、外国人材の活用が重要と考えております。 このため県では、特に人材が不足している介護分野において、ベトナムの看護系大学と連携して、介護の現場での外国人材の受入れを進めるほか、ベトナム国クァンナム省と連携し、食料品製造業などへの外国人材の受入れを促進してまいりました。 さらに、来年度については、コロナ禍の収束以降、人材不足が顕著となっている宿泊施設において外国人インターンシップの受入れを支援するほか、市場が急拡大しているIT関連分野において、産学官が連携し、外国の高度人材の招聘、育成、県内就職までを一貫して支援することを検討しております。 今後とも、国の動向や県内経済の状況を注視しながら、本県産業界のニーズに応じた外国人材の受入れを促進してまいります。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 各種取組を計画されているということで、少し安心しましたけれども、先ほど言った人口減少の中で、社会人口問題研究所の推計でいけば、2070年には、外国人の全人口に占める割合が10%を超えるという試算も出ています。これからは、この長崎においても、外国人材の方々ともしっかり手を携えて、いい社会をつくっていく必要があるというふうに思っています。 今、人口減少問題について、高齢者の皆さんのこと、そして外国人材のことについて質問しましたが、知事、人口が減少していく、そして生産年齢人口が極端に減っていく長崎において、こういった高齢者の方々や外国人材の活用というのは、これは当然のことだと思うんです。生産年齢人口が減少していくことに対する危機感について、知事の見解がもしありましたら、お願いしたいと思います。 ○副議長(山本由夫君) 知事。 ◎知事(大石賢吾君) 人口が減っていくことによって労働力が非常に不足をしていくということは、本当に喫緊の課題だというふうに思っています。ですので、しっかりと今後、対応を進めていかなくてはいけないと思いますけれども、議員ご指摘のとおり、県内で再就職を、多様な働き方を認めていくような、促進をしていくような動きももちろん大切ですし、県外から働いていただけるような方々をしっかりと長崎県に迎え入れるといった体制も重要でございます。 特に、外国人の人材を県内での就職を促すという点では、これは必ずしも来ていただければいいというものではないというふうに思います。やっぱり安心して働く、活躍していただけるような環境づくりといったところも、これは県だけでは難しいところではございますけれども、実際に雇用していただく者の方々とも連携をしながら、しっかり安心して活躍いただけるような環境づくりも重要になってまいりますので、そういった意味では、非常に危機感を持っておりますけれども、皆様方のご協力をいただきながら、丁寧に進めていく必要もあるというふうに考えています。
    ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) ありがとうございました。知事の考えは、よくわかりました。 3、2024年問題について。 (1)2024年問題(物流)が本県に与える影響は。 ご案内のとおり、全国で社会問題化している物流の2024年問題について、ある調査結果では、各種対策を講じないまま労働時間の制約が適用されることになれば、九州において、2030年に物流の39%が輸送できなくなるというショッキングなデータが示されています。これは大消費地から遠く離れた長崎県として、ゆゆしき事態であると考えます。 本県にとって、この2024年問題は、どのような影響が及ぶと想定しているのか、その危機感を確認させてください。 ○副議長(山本由夫君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 民間のシンクタンクが本年1月に公表した資料によると、2024年問題を加味した2030年におけるトラック運転手の人数は、2015年と比べ、全国で35%不足し、本県では42%不足すると試算されております。 県では、長崎県トラック協会との意見交換などを通じて、県内の輸送力の現状や課題の把握に努めているところであり、意見交換では、県内のトラック運送事業者が取り扱う品目として、水産物や農産物の割合が高いとお聞きしており、農林水産業を中心に影響が出てくる可能性があると考えております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) トラックの運転手の皆さんの時間外労働が年間960時間までに制限をされ、物流の停滞が懸念をされているこの2024年問題です。これは来年の話ではありますが、既に、中小企業を対象とした人手不足の調査において、運輸業が56.4%で、業種別では一番の人手不足の状況にあり、それに2024年問題が拍車をかけるという状況になるわけです。 運転手の方々は、平均年齢が50.2歳、労働時間は全産業平均よりも2割長く、所得は1割低いと言われるほど、労働環境の整備が急務であります。このままでは、物が運べない、届かないという時代が確実にくると私は思います。 そのため政府は、物流革新緊急パッケージを取りまとめ、1、物流の効率化、2、荷主・消費者の行動変容、3、商慣行の見直しを3本柱にしています。 これらを踏まえ、本県の安定的な物流を確保するため、トラック輸送の長時間労働抑制に向けた環境整備を官民で検討する県地方協議会等も開催されていますが、ぜひ長崎県の大きな課題であるという認識の下、県当局も積極的に参画し、でき得る限りの協力を求めたいのですが、いかがでしょうか。 ○副議長(山本由夫君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) 「トラック輸送における取引環境・労働時間改善長崎県地方協議会」につきましては、学識経験者、荷主、事業者、国や県等で構成され、トラック運送事業における取引環境の改善及び長時間労働の抑制を実現するための具体的な環境整備等を図ることを目的に、平成27年に設置されております。 県においては、本協議会の設立当初から担当部局が参加しておりましたが、2024年問題を踏まえ、昨年度の会議からは、交通政策課も参加しております。 引き続き、本協議会や県トラック協会と連携しながら、安定した輸送力の確保に取り組んでまいります。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 部長、よろしくお願いをいたします。 4、地方公共交通対策について。 (1)県営バスと長崎バスにおける共同経営について。 ①進捗状況と今後の見通し。 先ほどの2024年問題は、バス事業にとっても同様の課題であり、長崎では、長崎バスが令和6年4月に16路線を廃止するという報道がなされました。 バス運転手の所得は全産業平均より2割低く、平均年齢は53歳、今後、大量退職が見込まれる中、2030年には、約3割の運転手が不足するという試算もあります。 運転手不足やコロナ禍における乗客の減少等によって厳しい経営環境にある中、長崎バスと県営バスは、令和4年に、共同経営による路線再編を実施し、2年目を迎えております。そこで、共同経営の効果と今後の見通しについて、確認させてください。 ○副議長(山本由夫君) 交通局長。 ◎交通局長(太田彰幸君) 長崎バスと県営バスの共同経営方式での路線バスの再編等につきましては、東長崎地区など3地区で実施をいたしましたが、バス運行の効率化などにより、両者合計で約3億9,000万円の収支改善を図ることができました。 今後も、この取組を継続する必要があると考えており、令和6年4月に向けて、他の重複する路線の再編について、両者で検討を進めております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 大きな成果が出ているというふうに私は思います。 人口が減少する社会の中で、長崎バスと県営バスがしっかりと連携をして、効率的かつ持続可能な公共交通体制をつくっていただくことを、ぜひお願いしておきたいというふうに思います。 (2)公共交通事業者への支援。 一番の課題は、やっぱり乗客の大幅な減少だというふうに私は思っています。公共交通を安定的に維持していくためには、可能な限り公共交通を利用するという仕組みが必要だと私は考えており、公共交通利用拡大の取組が不可欠であると考えております。 「乗って残そう公共交通」、もう一度、言います、「乗って残そう公共交通」、これはある自治体が、公共交通を守っていくという意味でつくっているキャッチフレーズですが、まさにそのとおりだと思います。 先ほど、バス路線の廃止のことを少し言いましたが、公共交通事業者は、できるだけ路線を守っていきたいわけです。守っていきたいけれども、慈善事業をやっているわけじゃなくて、お客さんが減って、採算性が取れない路線をやむなく、泣く泣く切っていかなきゃいけない。これはJRだって、バスだって、地方の鉄道だって、タクシーだって、みんな一緒だというふうに思います。そういった意味では、こういった県民運動というか、みんなで公共交通を守っていくんだ、長崎には公共交通が必要なんだ、そういった取組が私は必要だと思うんです。精神的な話ですから、そんなお金がかかることじゃない。そういうことについて、どういうお考えをお持ちか、お尋ねをしたいと思います。 ○副議長(山本由夫君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) マイカーの普及や人口減少等により、県内の公共交通機関の利用者数は年々減少しており、多くの公共交通事業者は、厳しい経営を余儀なくされているものと認識しております。 また、昨今は、人材の確保等の厳しさも加わり、一部路線の休廃止や減便等が顕在化している状況であります。 このような状況の中、路線の維持、確保に加えて、環境面などからも、多くの皆様に利用していただくことが必要であり、公共交通事業者や市町とともに、今後の啓発のあり方について、研究してまいりたいと考えております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) ぜひ啓発活動にも取り組んでほしいと思うし、知事、先頭に立って公共物に乗るとか、いろんなキャッチコピーとか、考えてほしいというふうに思います。 県警では、「犯罪なく3ば運動」とかやっていますけれども、「みんなで乗らんば公共交通」とか、担当部局の方と意見交換、冗談のように話をしてきた時に、いろんなキャッチコピーが出てまいりました。知事も、何かいいアイデアがあったら、ぜひお聞かせいただければというふうに思います。 そして関連して、やはりどうしても運転手の確保という問題、難しい課題があるわけです。以前は、トラック業界も含め対象となっていた大型免許取得に対する手厚い支援事業が構築をされてありました。これは実に実効性の高い支援制度であったというふうに私は評価をしておりました。 今、2024年問題を目前に控え、公共交通及び物流を今後も確保していくために、本県独自の支援制度を構築すべきと考えます。財源の課題があるのは十分理解をしますが、実効性のある支援事業を、どうにか国のいろんな交付金を活用してつくってほしいというふうに希望しているんですけれども、部長、答弁いただけますか。 ○副議長(山本由夫君) 地域振興部長。 ◎地域振興部長(小川雅純君) バスの運転手不足については、県内でも既に顕在化しており、来年度からは、運転手の時間外労働の上限規制等が強化されることから、さらに厳しさを増すものと認識しており、主なバス事業者から、運転手の充足状況について定期的に聞きとりを行うなど、状況把握に努めているところであります。 県では、これまでも長崎県バス協会等を通じて大型2種免許の取得支援などを行っており、また今年度からは、人材確保セミナーから免許取得までの国の支援制度もはじまっております。 今後とも、バス事業者や市町と連携しながら、必要な対策を検討してまいります。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) ぜひ、この件についてもお願いをしておきたいというふうに思います。 5、松が枝埠頭の2バース化の進捗について。 (1)進捗状況の確認。 令和2年度に事業化された松が枝国際観光船埠頭の2バース化については、(仮称)松が枝地区整備構想案が取りまとめられたところであります。 この事業は、クルーズ船が2隻着岸できるようになるだけでなく、観光への波及やクルーズ船修繕事業など、幅広い効果が見込める事業と私は認識をしております。 効果を最大化するためには、施設の供用を見越して、事前に様々な取組を進めていく必要があると考えますが、現在どのような取組を進めているのか、お尋ねをいたします。 ○副議長(山本由夫君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 松が枝岸壁2バース化関連事業につきましては、前後の宿泊を伴います長崎港発着の大型クルーズ船の寄港ですとか、クルーズ船の受入れ拡大が可能となるものであります。消費の拡大による地域経済の活性化や港内造船所で想定されます大型クルーズ船の修繕による造船業の活性化が期待されます。 選ばれる港としての環境整備が重要であると考えておりまして、現在、船舶代理店など関係者の意見もお聞きし、円滑な出入国審査や手荷物の受渡しなど、利便性の高いターミナル機能について、検討を進めております。 また、入港数の拡大や県内の宿泊を伴いますクルーズ商品の開発等について、船会社等への働きかけを強化していきたいと考えております。 ターミナル整備には約10年を見込んでおり、引き続き、その効果を最大限に発揮させるための取組を進めてまいりたいと思います。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) いろんなことはもちろん考えていらっしゃるというのは、よくわかりました。 ターミナル整備に約10年程度見込んでいるということであります。これは最終の仕上がりが約10年だというふうに理解をします。岸壁自体は、もっと早く2隻接岸できるような形になるというふうに思うんです。そういった意味では、今言われたいろんな事業は、早く取りかからないと間に合わないと思いますよ。10年先ではない。もう今から取り組んでおかないと間に合わないというふうに思いますので、そこのところは、ぜひお願いをしておきたいと思います。 (2)まちづくりの観点からの展望。 現在、長崎市中心部は、駅前、スタジアムシティなど、これは何回も言っていますけれども、100年に一度のまちづくりが進んでいる。長崎港周辺でも、「長崎港元船地区整備構想検討会議」など、まちづくりの真っただ中にあります。 今回の2バース化においても、松が枝地区から浜町かいわい、長崎駅周辺までのエリア全体を見通した背後地の活用策を検討しなければならないと考えております。エントランス機能や観光・交流機能、地域の都市機能を示されておりますが、これらは広域的な視点で検討されているのでしょうか。その確認をさせてください。 ○副議長(山本由夫君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 令和2年度に事業化されました松が枝国際観光船埠頭の2バース化の取組は、クルーズ船の受入れ拡大だけでなく、まちづくりにもつながり、地域の発展に大きく寄与するものと考えております。 そのため、県と長崎市は、港湾や都市に関連する計画と整合させながら、地域住民や関係権利者などと意見交換を行い、松が枝周辺地区の土地利用の将来構想として、「松が枝周辺地区整備構想」を策定しております。 さらに、現在、長崎市が策定を進めております「長崎都心まちづくり構想」におきましても、松が枝周辺地区は都心部の一部とされておりまして、浜町周辺や長崎駅周辺などとの連携によります都心部全体の活性化が広域的な視点で議論されているところでございます。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) もちろん長崎市が主体でやられている話でありますが、非常に大きな話だというふうに思うんですよね。ですから、県も、いろんな形での参画といいますか、積極的な働きかけ等々も、ぜひお願いをしておきたいというふうに思います。 6、道路行政について。 (1)長崎南北幹線道路について。 これまでも度々確認をしてきましたが、長崎南北幹線道路の進捗と、松山インターチェンジの交通量調査、これは以前の一般質問でも、交通量調査をしっかりやって、渋滞対策を講じていくべきだということを提案しておりました。その渋滞対策の検討状況について、報告をお願いしたいと思います。 ○副議長(山本由夫君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 令和4年度に着手しました長崎南北幹線道路の長崎市茂里町から滑石間につきましては、現在、測量やトンネル、橋梁などの設計を進めているところでございます。 松山インターチェンジと接続します市道松山町線の交通量調査の結果につきましては、令和4年3月時点の一日当たりの自動車交通量が約6,000台となっており、令和22年度の将来推計値は、一日当たり7,000台となっております。 インターチェンジの設置によって、複数の交差点が近接します区間に出入りする交通量の増加が見込まれますため、現在、付加車線の設置など、市道の拡幅に加え、梁橋交差点や松山町交差点などにおける交通処理の検討を行っているところでございます。 新設するインターチェンジ周辺の円滑な交通確保ができますよう、引き続き、関係機関と協議しながら検討していきたいと思っております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) 交通量調査の結果が今示されました。現行約6,000台に対して、約7,000台、ですから、現在も時間帯によっては渋滞が生じている市道ではあるんですけれども、ここにインターチェンジが接続されることによって、今おっしゃられたように、6,000台から7,000台、その付近にある県道、国道についても、交通量が多い地点でもありますので、ここはやはり慎重に対策を検討しないと、できあがったはいいけれども、交通渋滞でパンクするということにもつながりかねませんので、ぜひそのことはお願いしたいと思います。 これに関連してですけれども、これは主体は長崎市になるわけですが、平和公園西地区の再配置検討について、県当局は現在どのように関与しているのか、参画状況について、答弁を求めます。 ○副議長(山本由夫君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 平和公園スポーツ施設の再配置につきましては、長崎市が検討委員会を設置しておりますけれども、この委員会には、委員として県の職員も加わっており、検討状況を詳細に把握しております。 また、県は委員として入っておりませんけれども、市は、スポーツ関係団体や地域活動団体などの意見を聞くために再検討部会も設置しており、県の担当者が道路のルート選定の経緯などを説明しております。 引き続き、県は、道路事業に関連する公園施設の再配置の検討において、市に協力していきたいと考えております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) これは本当に私の地元ですけれども、大きな問題です。事業主体は長崎市なんですけれども、これはいつも言っていますけれども、もともとはこの道路事業によって、そういう支障、移転ということにつながっているわけですので、県の参画といいますか、協力、これは絶対不可欠です。ですから、その立場をぜひ続けてもらいたいし、今後の推移をしっかりと見守って、場合によっては、その道路計画自体も何かしらの動きがあるかもしれないし、そういったところも踏まえて注視していただきたい、で、参画していただきたいということを要望しておきます。 (2)川平有料道路の今後のあり方について。 この問題も、一般質問の都度にお尋ねをしておりますが、川平有料道路の現在の交通量と未償還金の現状について、確認をさせてください。 また、有料道路の期限となっている令和10年以降について、現在の考え方も確認させてください。 ○副議長(山本由夫君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 川平有料道路につきましては、令和4年度は、一日当たり約1万6,000台が通行しており、未償還額は、令和4年度末時点で、約48億円となっております。 また、現在の料金徴収期間は令和10年7月に満了となりますけれども、その後の当該道路のあり方につきましては、周辺地域を含む広域的な道路ネットワークの諸課題の状況ですとか、国の有料道路制度のあり方の議論などを踏まえまして、柔軟に検討を行っていきたいというふうに考えております。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) わかりました。 現時点で明確なものはありませんが、令和10年以降のあり方を、まずはいつまでに方向性を出すのかですね。これまでも提案してきておりますけれども、南北幹線道路、これは完成までの期間、結構一定の期間がかかりますけれども、暫定的に通行料金の低廉化を考えられないのでしょうか。 並行する国道206号は、ご存じのとおり、県内で最大の渋滞路線であり、交通事故多発交差点を含め、一刻も早く対策を検討しなければならない路線だと認識しているはずです。これまでも、ソフト対策を検討、実施してきたと認識をしておりますが、残念ながら、その効果は発現をしていません。そうであれば、長崎南北幹線道路が完成するまでの期間の対策として、何らかの対策を講じるべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。 ○副議長(山本由夫君) 土木部長。 ◎土木部長(中尾吉宏君) 令和10年以降の検討についてですが、無料開放もしくは料金低廉化によります交通量の変化ですとか、将来の維持管理費の負担など、様々なメリット、デメリットを整理しながら進めていきたいというふうに考えております。 現時点で方向性を示す時期はお示しできませんけれども、できるだけ早く検討の状況をお示しできるように努めてまいりたいと思います。 ○副議長(山本由夫君) 深堀議員-36番。 ◆36番(深堀ひろし君) わかりました。 令和10年と言っていますけれども、例えば、川平有料道路を無料化した時に、交通量が増えて、道路機能がパンクするということも言われています。そうであれば、ハード的な対策を打つ必要が出てくるのかもしれない。そうなれば、間に合わないんですよね。そんな短期間でハードの整備なんかできませんから、そういった意味では、方向性をできるだけ早く出して、それに対応するハードの整備を考えていく、そのことを強く求めておきたいというふうに思います。 以上で、質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) ○副議長(山本由夫君) 本日の会議はこれにて終了いたします。 12月4日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 お疲れさまでした。     -午後3時41分 散会-...