令和 5年 9月 定例会令和5年9月定例会 令和5年9月20日 議事日程 第9日
目----------------------------------- 1 開議 2 県政一般に対する質問 3 散会令和5年9月20日(水曜日)出席議員(44名) 1番 大倉 聡君 2番 本多泰邦君 3番 白川鮎美君 4番 まきやま大和君 5番 虎島泰洋君 6番 畑島晃貴君 7番 湊 亮太君 8番 冨岡孝介君 9番 大久保堅太君 10番 中村俊介君 12番 初手安幸君 13番 鵜瀬和博君 14番 清川久義君 15番 坂口慎一君 16番 宮本法広君 17番 中村泰輔君 18番 饗庭敦子君 19番 堤 典子君 20番 坂本 浩君 21番 千住良治君 22番 山下博史君 23番 石本政弘君 24番 中村一三君 25番 大場博文君 26番 近藤智昭君 27番 宅島寿一君 28番 山本由夫君 29番 吉村 洋君 30番 松本洋介君 31番 ごうまなみ君 32番 堀江ひとみ君 33番 中山 功君 35番 川崎祥司君 36番 深堀ひろし君 37番 山口初實君 38番 山田朋子君 39番 中島浩介君 40番 前田哲也君 41番 浅田ますみ君 42番 外間雅広君 43番 徳永達也君 44番 瀬川光之君 45番 溝口芙美雄君 46番 田中愛国君
-----------------------------------欠席議員(2名) 11番 山村健志君 34番 小林克敏君
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 大石賢吾君 副知事 浦 真樹君 副知事 馬場裕子君 秘書・広報戦略部長 大瀬良 潤君 企画部長 早稲田智仁君 総務部長 中尾正英君 危機管理部長 今冨洋祐君 地域振興部長 小川雅純君 文化観光国際部長 前川謙介君 県民生活環境部長 大安哲也君 福祉保健部長 新田惇一君 こども政策局長 浦 亮治君 産業労働部長 松尾誠司君 水産部長 川口和宏君 農林部長 綾香直芳君 土木部長 中尾吉宏君 会計管理者 吉野ゆき子君 交通局長 太田彰幸君 地域振興部政策監 渡辺大祐君
文化観光国際部政策監 伊達良弘君 産業労働部政策監 宮地智弘君
教育委員会教育長 中崎謙司君
選挙管理委員会委員 堀江憲二君 代表監査委員 下田芳之君 人事委員会委員 安達健太郎君 公安委員会委員 森 拓二郎君 警察本部長 中山 仁君 監査事務局長 上田彰二君
人事委員会事務局長(
労働委員会事務局長併任) 田中紀久美君 教育次長 狩野博臣君 財政課長 苑田弘継君 秘書課長 黒島 航君
選挙管理委員会書記長 大塚英樹君 警察本部総務課長 一瀬永充君
-----------------------------------議会事務局職員出席者 局長 黒崎 勇君 次長兼総務課長 藤田昌三君 議事課長 川原孝行君 政務調査課長 濱口 孝君 議事課課長補佐 永尾弘之君 議事課係長 山脇 卓君
議事課会計年度任用職員 天雨千代子君----------------------------------- -午前10時0分 開議-
○副議長(山本由夫君) おはようございます。 ただいまから、本日の会議を開きます。 これより、昨日に引き続き、一般質問を行います。 ごう議員-31番。
◆31番(ごうまなみ君) (拍手)〔登壇〕おはようございます。 自由民主党、長崎市選出のごうまなみでございます。 改選後、初の一般質問であります。 「ダイバーシティとインクルージョンで持続可能な長崎県」をテーマに、ご支援をいただいている皆様に感謝し、県民の皆様からお寄せいただいている声を反映させながら、暮らしの一助となるように質問をさせていただきます。 本日、10年にして、はじめて、多くの傍聴の皆様方にお越しいただきました。ありがとうございます。 それでは、通告に従いまして、質問を行います。 1、働きかた改革について。 (1)男性の育休取得率向上について(県庁・民間)。 男性の家事・育児参画の促進は、少子化対策において重要な課題の一つであり、男性の育児休業取得を推進することが、家族のあり方を変え、共働き・共育てを定着させることにつながります。 2022年の日本の合計特殊出生率は1.26、それに対し、フランスは1.80であります。合計特殊出生率は、社会の機能具合のバロメーターであり、子どもが生まれないということは、社会に問題があると言えると思います。 人口減少が著しい本県において、官民問わず、県全体で男性の育休取得を促進することは、子育てしやすい県としてアピールすることになり、人口減少対策にもつながるものと思います。 大石知事におかれましては、子育てを中心とする「子ども施策」を県政の基軸、一丁目一番地に位置づけて取り組んでおられるところで、県全体の男性育休取得率を上げていくことは、まさに方向性と合致するものであります。 まずは、県庁が、これまで以上に、男性職員の取得を促進する必要があると思います。 なお、国においては、令和5年6月に「
こども未来戦略方針」を決定し、男性の育休取得率の目標の引き上げがなされており、地方公務員に対しても目標値の引き上げが要求されると聞いております。 まずは、県が高い目標を掲げ、これまで以上に思い切った取組を進め、民間を牽引していく姿勢を示すことが大変重要だと考えますが、県における男性の育休取得の現状と、さらなる取得率向上に向けた考えをお尋ねいたします。 民間企業の男性育休取得促進について。 最近の就活生や若者は、ワークライフバランスを重視していて、子どもが生まれた時には育児休業を取得したいと考えている男性社員が8割に上るとの調査結果も出ており、男性の育児休業取得は、少子化対策だけでなく、企業の人材確保、ひいては経営上の問題となっています。 しかしながら、本年3月の国の調査によりますと、「職場が育休を取得しづらい雰囲気である」、「会社や上司の理解がなかったため、育児休業を取得しなかった」との回答もあっており、企業の風土や経営者の意識を変えることなどにより、育児休業の取得向上を図る必要があると考えます。 経団連の調査によりますと、2022年の男性の育休取得率は、47%と大きく向上しました。しかしながら、企業規模によって進捗にばらつきがあり、従業員300人以下の企業では低く、5日未満の割合が46%余りに上っていて、中小企業への広がりが今後の課題であります。 県内企業の取得率も伸びてきており、その点は一定評価するものでありますが、国の目標も引き上げられている中、民間企業においても、さらなる取得率向上が求められています。 人口減少が激しい長崎県では、男性の育休取得についても大胆な施策が必要だと考えます。 愛知県では、男性育休を推進する中小企業に、最大100万円の県独自の奨励金を支給する制度をスタートいたしました。 そこで、民間企業の男性育休取得促進のためにどのような支援を行っているのか、お尋ねをいたします。 また、深刻な少子化を食い止めるために注目されているのが、男性の家事・育児参加時間であります。 8月に公表された「第7回全国家庭動向調査」によりますと、夫婦の家事と育児の分担に関して、妻の担う割合がそれぞれ8割を占めており、妻の分担割合が夫を大きく上回っている結果が出ています。そのことは、女性の離職につながり、企業にとっても大きな損失であります。 また、過去に厚生労働省が公表した資料によりますと、夫の家事・育児時間が長いほど、第2子以降の出生割合が高くなることが報告されています。 男性の育児休業は、男性がより積極的に家事・育児に参加するための重要なスタートに位置づけられます。 政府は、2022年10月から、「産後パパ育休制度」を施行し、妻の産休期間に、4週間まで、2回に分けて取得することが可能になっています。 このことで、生まれた時からしっかりと家事・育児に関わることができるので、少子化という課題を解決することや、女性の活躍を進めることにもつながります。 社会全体として女性の活躍を進めるためには、女性に偏っている家事・育児の負担を軽減し、男性も当たり前のこととして行う必要があると思いますが、県は、このことに関してどのような取組を実施しているのか、お尋ねをいたします。 (2)
Nぴか認証企業制度の現状と今後について。 現在、少子・高齢化が進み、社会の形が大きく様変わりしてきました。ひとり親家庭も増え、晩婚・晩産化も進み、育児や介護と仕事との両立が以前よりも一層難しくなっていると感じます。 誰もが働きやすい職場づくりは、働く側だけでなく、企業側にとっても、企業の存続や人材確保のためにも、大変重要だと思っています。 国においては、出産・子育て支援などの支援体制がある企業を「くるみん」、女性の活躍推進を行う企業を「えるぼし」として認定する制度を導入していますが、私は、以前より「くるみん」や「えるぼし」は大企業向けであり、長崎県では該当する企業も少なく、取得することが難しいので、長崎県版くるみん認定をつくるべきと訴えてまいりました。 その後、長崎県は、平成29年に、年齢や性別に関係なく、誰もが働きやすい職場環境づくりに取り組む県内企業を優良企業として認証する「Nぴか認証制度」を創設、「Nぴか」は、長崎県内の企業に適した認証制度だと思います。 しかしながら、現在までの認証企業は140社程度であり、まだまだ広がっているとは言えない現状であります。 そこで、県内企業の職場環境改善を促進するため、「Nぴか」について、今後、どのように取り組まれていくのか、お尋ねいたします。 2、医療的ケア児の通学・通園支援について。 (1)特別支援学校に通う医療的ケア児の通学支援について。 我が国では、少子化が進む一方で、医療技術の進捗により救える命が増えたことで、医療的ケア児が増加している傾向にあります。 本県では、令和4年3月に、「長崎県
医療的ケア児実態調査」が行われ、18歳未満の医療的ケア児が197名という結果が示されました。 長崎県内には、現在、分校、分教室まで含め23の特別支援学校があり、知的や肢体不自由、盲・ろうなど、障害の特性によって設置されています。 医療的ケアがある児童は、スクールバスに乗車することができません。現在は、保護者が自家用車で学校まで送っている現状です。 医療的ケアの必要な子どもたちは、夜中にたんの吸引などの処置が必要なことも多く、保護者、特に、母親は、毎日、寝不足な状況の中で学校まで送って行っています。安全確保の点からも、保護者が送るのではない通学方法が必要です。 そのような中、令和5年6月に、
教育委員会教育長が長崎特別支援学校の医療的ケア児の通学状況を視察してくださいました。はじめてのことでしたので、保護者の皆さん、大変喜んでおられました。 保護者の負担を軽減するための通学支援の実現に向けて、どのように検討を進めていくのか、お尋ねをいたします。 (2)保育園入園の現状と課題について。 令和3年9月に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関わる法案、いわゆる「
医療的ケア児支援法」が成立し、医療的ケア児及びその家族に対する支援を切れ目なく行わなければならないと基本理念に明記され、保護者が安心して子育てできる環境の整備が必要とされました。 医療技術の進歩によって助かる命が増えたことは喜ばしいこと、しかし、助かったから、それで終わりではありません。在宅生活をはじめる子どもと家族は、退院した瞬間から、様々な困難と対峙します。ケアが必要なため、離職を余儀なくされ、孤立し、経済的な不安も生まれます。 このような家族を社会全体で支える仕組みをつくるために整備されたのが、「
医療的ケア児支援法」です。法整備されたことで、医療的ケア児への支援が、国、地方公共団体の責務となりました。 大きな目的の一つが、家族の離職防止であります。保護者の皆様は、保育園へ入園できることを大変期待しておられます。 そのような中、本年度の本県の保育所等での医療的ケア児の受入状況は、どのような状況なのか、お尋ねをいたします。 また、保育所等に入所を希望するも、入所できない方もまだまだ多いと聞いています。受入れに向けての課題は何か、お尋ねいたします。 3、
医療的ケア児等レスパイト支援事業について。 (1)医療機関におけるレスパイト及び
訪問型レスパイト事業の現状と課題について。 令和5年度、新規に
医療的ケア児等レスパイト支援事業が事業化され、およそ1,900万円の予算が計上されました。 この事業は、医療的ケア児等の家族の負担軽減を図るため、医療機関で実施するレスパイトサービス及び
医療保険適用対象外となる訪問看護にかかる費用を支援するもので、これまで、なかなか受入れが進まなかった県北地域の医療機関でのレスパイトが実現したり、自宅以外で訪問看護師を利用できることで保護者の負担が軽減されると、大変注目をしております。 特に、訪問型レスパイトは、学校でも利用できるとのことで、保護者の期待はかなり大きなものとなっております。 はじまったばかりの事業ではありますが、現在どのような状況なのか、また、今後、どのように事業を展開していくのか、お尋ねをいたします。 4、
ケアラー支援条例施行後の取り組みについて。 (1)本年度の取り組みと次年度の取り組みについて。 年々深刻化するケアラーが置かれる状況を受け、昨年10月に「長崎県ケアラー支援条例」が全議員の提案により成立し、本年4月に施行されました。今回、条例ができたことで、関係者はケアラー支援が進んでいくことを大変期待をしています。 在宅で家族を介護・看護している皆様は、介護のために離職を余儀なくされ、経済的な問題が発生したり、兄弟児と呼ばれる障害のある兄弟の世話をするヤングケアラーや、親の介護をしているヤングケアラーには、学習の問題や孤立・孤独の問題があり、一日も早い支援の仕組みが必要であると思います。早急に目に見える支援の形を示していくことが大切ではないでしょうか。 当初予算でおよそ1,700万円が計上されました。実態調査や計画策定、広報啓発、有識者会議の設置などを行う予定とのことですが、4月の条例施行後の県の取組状況と今年度の取組を次年度にどのようにつなげていくのかをお尋ねいたします。 5、ひとり親家庭の支援について。 (1)母子・父子福祉団体の活性化について。 最近、若い女性から、離婚についての相談やDVについての相談を受けることが多くなりました。 これから先の生活についてや、長期休暇中の食料支援についてなど、内容も多岐にわたり、相談先がわからないということで、県が設置する長崎県
ひとり親家庭等自立促進センター「YELLながさき」におつなぎをいたしました。 一方で、県内16の地区には、ひとり親家庭等の自立支援や福祉の増進などを目的とする母子・父子福祉団体が古くから活動を行っていますが、県内の母子・父子福祉団体で構成する「長崎県
母子寡婦福祉連合会」においては、近年のインターネットの普及などにより、行政サービスや支援情報が誰でも容易に入手できるようになったことから、新規の入会者が減少している状況にあると聞いています。 しかしながら、母子・父子福祉団体は、共助の精神を養うことにより、家庭生活の安定を図るため、ひとり親同士が集い、悩みを打ち明けたり、相談をし合う交流会や情報交換を開催するなど、横のつながりという大きな強みがありますが、近年は、会員の高齢化や若年層の加入が進まない状況にあり、今後の体制維持を危惧しているところであります。 ひとり親家庭の親子を身近な場所で支援をしていくことは、大変重要なことだと思います。 また、相談先がわからないという声を多く聞きますので、市町と母子・父子福祉団体がしっかりと連携をし、情報を提供していくべきではないかと思っています。 そこで、長崎県
母子寡婦福祉連合会の現状と体制を維持していくための県の見解をお聞かせください。 (2)養育費の確保について。 厚生労働省が2022年12月に公表した調査データによりますと、母子家庭の平均就労年収は236万円、父子家庭は496万円と、母子家庭は相対的に厳しい経済状況であることがうかがえます。 また、DV等により、相手に関わりたくないといった理由から、養育費の協議すら行われていないケースも多いと聞いています。 本来、養育費は、子どもはこれまでと同じ水準で生活できるよう、双方の親が負担するものであり、養育費の支払いは、親として子に対する最低限の義務でありますが、本県においては、離婚夫婦のおよそ半数以上が養育費の取り決めを行っていないと聞いています。 子どもの健やかな成長を支えるため、養育費の確保はとても重要であり、養育費確保のための支援について取り組んでいる自治体も増えていると認識をしています。 本県においても、養育費を確保するための何らかの取組が必要であると考えますが、県の見解をお尋ねいたします。 6、健康長寿日本一への取り組みについて。 (1)健康づくりアプリの活用状況について。 長崎県は、「健康長寿日本一」という大きな目標を掲げ、様々な取組を行っています。 県民の総合健康計画「健康ながさき21」の最終評価報告によりますと、健康寿命は、男性が69.14歳から72.29歳に、女性が73.05歳から75.42歳に延伸したとのことで、健康づくりを目的とした活動に主体的な人が増えてきたことは、一定評価をいたします。 しかしながら、生活習慣病の人口当たりの患者数が、全国と比べ高い傾向にあり、令和元年の県民一人当たりの医療費は、全国ワースト2位であります。 原因としては、あまり歩かないことや野菜の摂取不足、塩分の摂りすぎなどが指摘されているところであります。 生活習慣病の予防のためにも、県民一人ひとりが意識して運動するよう促していくことが必要と考えます。 そこで、ながさき健康づくりアプリが導入されていますが、現在の登録状況はどうなっているのかをお尋ねいたします。 また、アプリには、ランキング機能があり、その機能を活用して企業等が競い合うことは、歩くことの促進に効果的と考えますが、企業等への働きかけはどのように行っているのか、お尋ねいたします。 (2)健康経営の現状について。 県では、従業員の健康は会社の財産と捉えて、従業員の健康のために積極的に取り組む事業所を増やすため、健康経営宣言事業を行っています。従業員への健康投資を行うことは、生産性の向上など、組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価の上昇にもつながります。 人材不足が顕著になっている今、長崎県内の企業が健康経営に取り組んでいくことは重要だと考えます。 また、近年では、女性従業員の数も増え、女性特有の健康問題にも高い関心が寄せられるようになってきました。女性特有の月経随伴症状による労働損失は、4,911億円と試算されています。女性に対する相談窓口の設置や、女性特有の病気に対する健診の実施など、積極的に取り組んでいただきたいと考えます。 そこで、現在の健康経営宣言事業の登録状況はどうなっているのか、お尋ねをいたします。 7、
こども医療福祉センターの虐待疑いの事案について。 (1)
こども医療福祉センター職員の虐待への認識について。 8月2日、長崎県は、
県立こども医療福祉センターの看護職員が、センター利用の児童らに虐待をした疑いがあると発表いたしました。
こども医療福祉センターは、障害のある子どもたちと家族にとっては、一番信頼を寄せている重要な施設であります。 そのセンターにおいて、このような事案が生じたことは、大変残念であり、憤りを感じております。子どもたちのことを考えると、本当に悔しくてたまりません。 これまで、センター職員が虐待疑い事案を見聞きしていたにもかかわらず、虐待防止委員会の俎上に上がってこなかったのは疑問に感じております。 職員の虐待に関する知識やセンターの研修は十分であったのか、虐待防止委員会は機能していたのかについて、お尋ねをいたします。 (2)今後の調査及び再発防止について。 保護者への説明会でも、対応が遅すぎるといった意見も出ています。今後の調査について、どのように進めていくのか、いつまでに結果を出すのか、また、二度とこのようなことが起きないよう、どのように再発防止策を講じていくのかをお尋ねいたします。 8、日本一のトラフグの赤潮被害の対応と今後について。 橘湾で大規模な赤潮被害が発生しました。トラフグやシマアジなど、およそ110万匹がへい死、被害総額はおよそ13億円と過去最大規模であります。 県においては、今議会でおよそ4億円余りの補正予算を可決いただき、産地の漁協はじめ、業者は大変感謝しております。 50年に一度とも言われる規模の災害が、数年ごとに発生するなど、近年、自然災害のリスクは高まっています。 若い経営者は、未来が見えなければ、養殖事業を続けることができません。また、養殖業者だけにとどまらず、餌の業者、また、トラフグを取扱う飲食店への影響も広がっています。 養殖形態を大きく転換するなど、万一、再び災害が起きても乗り越えられるために、何か産地としての新しい仕組みづくりや強みが必要であると考えます。 今回の赤潮被害に対する県の認識と当面の対策、産地強化に向けての方針について、お尋ねをいたします。 9、
重要土地等調査法について。 (1)地域住民や不動産事業者への制度周知について。 昨年9月20日、「
重要土地等調査法」が施行され、これまで、昨年12月及び今年7月の2回にわたり、県内においても、国による注視区域及び特別注視区域にかかる区域指定が、対馬市、五島市、壱岐市の地域で行われたところであります。 この
重要土地等調査法は、国民生活の基盤維持や領海等の保全及び安全確保の観点から制定されたものであり、県庁内部でも、自衛隊等の基地対策部局や国境離島担当部局、あるいは指定区域内の土地取引の担当部局など、部局横断的な情報共有が欠かせないものと思います。 また、この
重要土地等調査法では、特別注視区域の取引に当たっては、事前届け出が義務づけされています。この法律の実効性を高めるめには、区域指定や土地等の利用状況調査、あるいは土地取引に当たっての事前届け出を受理する国のみならず、内密な取引を防止するうえでも、基礎自治体である地元市町や地域住民、並びに土地取引を仲介する不動産事業者への制度周知及び情報共有が重要ではないかと考えます。 法施行以降、市町による地域住民や不動産事業者への制度周知がどうなっているのかをお尋ねいたします。 以上、壇上からの質問はこれにてとどめ、以降は対面演壇席にて再質問を行います。 ありがとうございました。
○副議長(山本由夫君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕ごう議員のご質問にお答えいたします。 県庁における男性の育休取得の現状と、さらなる取得率向上に向けて、どう取り組んでいくのかとのお尋ねをいただきました。 私は、子育ての期間を、かけがえのない、とても大切な機会であると受け止めております。 そのため、職員には、家事や子育てを分担し、家族で支え合いながら絆を深め、職員自身の成長にもつなげてほしいと考えております。 男性職員の育休取得については、これまでも私からメッセージを発信するなど、様々な取組を進めてきたところ、令和4年度の知事部局における取得率は39.8%となっております。 これは、県の目標値である30%を上回っている状況にはありますが、県が、さらに高みを目指して取組を進めることは、県内民間企業の取組を加速させることにもつながり、男女共同参画社会の実現に向けて大きな意義があると考えております。 今後は、これまで以上に職場を挙げて子育てを応援する雰囲気づくりや、育休取得に対する業務支援の充実などに努め、「男女を問わず、育休取得は当たり前」という風土をより一層定着させていきたいと考えており、年度内のできるだけ早い段階に、具体的な取組を実現できるように検討を進めてまいりたいと考えております。 残余のご質問については、関係部局長から答弁をさせていただきます。
○副議長(山本由夫君) 産業労働部政策監。
◎産業労働部政策監(宮地智弘君) 私より、2点ご答弁申し上げます。 まず、民間企業の男性育児休業取得促進のためにどのような支援を行っているのかとのお尋ねでございます。 県では、これまで、職場環境改善に関する研修会を実施するとともに、企業訪問の際には、ワークライフバランスの重要性を、直接、企業経営者にお伝えするなど、民間企業の男性育児休業取得を促進してまいりました。 この結果、令和4年度の男性育児休業取得率は、全国が17.1%に対して、本県は16.3%となっており、令和元年度で5.4ポイントあった全国との差は0.8ポイントに縮小してきております。 従業員29人以下の中小・小規模事業者については、全国の取得率が、令和4年度で11.2%に対して、本県は17.9%であり、全国を6.7ポイント上回っております。 今後とも、研修会の開催や、企業訪問時の説明会を行うとともに、社会保険労務士など、専門家を今年度から県内企業へ派遣するなど、民間企業の男性育児休業取得を促進してまいります。 次に、県内企業の職場環境改善を促進するため、「Nぴか」について、今後どのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。 「Nぴか」は、誰もが働きやすい環境づくりに取り組む県内企業を、県が優良企業として認証する制度であり、これまで147社を認証してまいりました。 県内企業からは、「学生が安心して応募してくれている」、「企業のイメージ向上につながり、中途採用の応募者が増加した」など、一定の評価をいただいております。 一方で、認証に当たっては、中小企業を中心に、「審査項目が多いなど、事務的負担が大きい」との声が挙がっていることから、他県の制度や企業の声を参考に、審査項目の簡素化などを検討してまいります。 併せて、認証企業について、ホームページや合同企業説明会などで、働きやすい企業として紹介するほか、県内外の大学における就活イベントなどでも周知を図ってまいります。 今後とも、「Nぴか」の制度普及を図ることにより、県内企業の働きやすい環境づくりを支援してまいります。
○副議長(山本由夫君) 県民生活環境部長。
◎県民生活環境部長(大安哲也君) 私から、女性活躍推進に関して、お答えいたします。 女性活躍を推進するための男性の家事・育児参加について、県はどのような取組を行っているのかとのお尋ねでございます。 女性活躍を推進するには、男性の育休取得等を促進し、男女がともに家事や子育てを担い、家庭と仕事の両立を図っていくことが必要と考えております。 そのため、県では、県内企業を対象に、男性育休取得について、先進企業の取組等を紹介するセミナーの開催や、子育て世帯を対象に「パパ検定シート」の配布、イベントの開催などを行っております。 今後も、男女がともに家庭と仕事の両立を図られるよう、職場の理解促進と住民の意識醸成に取り組んでまいります。
○副議長(山本由夫君) 教育委員会教育長。
◎
教育委員会教育長(中崎謙司君) 医療的ケア児の通学支援の実現に向けて、どのように検討を進めていくのかとのお尋ねでございます。 医療的ケア児の通学につきましては、これまでの長崎特別支援学校の視察や保護者の皆様との意見交換を通しまして、毎日の運転や付き添いが保護者のご負担になっているということを痛感したところでございます。 このため、今年度、保護者の方を対象にしました通学支援のニーズ調査を行いますとともに、通学支援に必要となります医療人材と車両の確保策について、調査、検討を行ってまいりました。 その結果、保護者に代わって通学時の医療的ケアに協力できる訪問看護ステーション、これが十分に確保できないということが明らかになりましたので、まずは登校時における福祉タクシー利用による支援ができないか、検討を進めているところでございます。 併せまして、福祉保健部と連携して、医療的ケア児に対応できる看護師等の養成や確保に努めますとともに、保護者の負担軽減につながるような支援の充実を国に要望してまいりたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) こども政策局長。
◎こども政策局長(浦亮治君) 私から、3点ご答弁させていただきます。 まず、医療的ケア児の通学・通園支援について、今年度の本県の保育所等での医療的ケア児の受入状況、並びに受入れに向けての課題は何かとのお尋ねでございます。 保育所等における医療的ケア児の受入状況について、今年度は23施設で計32名の受入れとなっておりまして、昨年度の20施設、計24名の受入れと比べて増加している状況であります。 医療的ケア児及びその家族への切れ目ない支援の観点から、県では、保育所への看護師配置等に対する国の補助制度の活用を促しながら、受入促進に努めているところでございます。 一方、受入れの課題としましては、実施主体の市町から、「必要な人材の確保が難しい」との声が寄せられておりまして、受入れの不安感などが背景にあるものというふうに考えております。 そのため、福祉保健部と連携しまして、保育所等に勤務する看護師や保育士等に対し、医療的ケア児の受入れに必要な知識等習得のための研修の実施などに努めているところでございます。 今後とも、保育所等における必要な受入れが図られるよう、市町とも連携を行いながら、受入促進に取り組んでまいります。 次に、長崎県
母子寡婦福祉連合会の現状と体制維持に向けての県の見解についてのお尋ねでございます。 長崎県
母子寡婦福祉連合会は、離別などでひとり親になられた方の早期自立に向けた相談支援等を行っており、共助の精神に基づく意義深い活動であると考えております。 しかし、全国同様の課題といたしまして、活動を担う人材が不足しておりますほか、連合会から独立して活動する団体も出てきておりますことから、同連合会の現在の会員数は、10年前の3割程度となる約900人に減少しているところでございます。 一方で、同連合会の中には、会員数の維持や増加を実現している地域もありますことから、こうした団体の活動内容を好事例として他団体と共有することや、若手リーダーの育成等が重要であり、県においては、研修会開催等への支援を通じて後押しを行っているところでございます。 こうした中、本年11月には、佐世保市で全国母子寡婦福祉研修大会が開催されることとなっておりまして、活動内容を広く知っていただく絶好の機会と捉えて、県としても広報等に力を入れるなど、情報発信に努めてまいりたいと考えております。 最後に、ひとり親家庭の支援につきまして、本県においても、養育費を確保するための何らかの取組が必要であると考えるが、県の見解はとのお尋ねでございます。 夫婦の離婚によって、親権者でなくなった親であっても、養育費の支払義務を負うものとされておりまして、県では、
ひとり親家庭等自立促進センターにおいて、養育費の取決めや履行の確保等に関する無料の弁護士相談を定期的に行っているところであります。 一方で、県内の児童扶養手当受給者を対象に、昨年度実施したアンケートによりますと、養育費を受け取っている母子世帯は、全体の約3割にとどまっている状況でございます。 養育費に関する取決めを促し、また取決めを確実に履行させることが重要でありまして、そのためには、公正証書など、強制力のある書面による取決めも有効な手段と捉えまして、その周知促進に努めていく必要があるというふうに考えております。 県としましては、こうした手続きに対して何らかの支援ができないか、他県の取組なども参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(新田惇一君) 私から、6点ご答弁させていただきます。 まず、現在、医療的ケア児等支援事業を実施している市町は何市町か、また、今後どのように事業展開していくのかとのお尋ねでございますが、現在、レスパイト支援事業を実施している市町は、医療機関におけるレスパイトが5市町、訪問型レスパイトが4市町となっております。 市町が事業を実施するためには、医療的ケア児等の短期入所を受け入れる医療機関や、訪問介護を行う事業所の社会資源を確保することが必要でございます。 そのため、県といたしましては、各医療機関へ受け入れ協力の働きかけや訪問看護ステーションへの周知、協力依頼を行うとともに、訪問型レスパイトに関する事業所調査を行うなど、課題の把握に努めているところでございます。 今後、医療的ケア児等に対応可能な医療機関や訪問看護ステーションの増加を図るため、人材の養成や受入体制の整備に努めるとともに、県医療的ケア児支援センター等の関係機関と連携し、事業の周知や市町への働きかけを行ってまいります。 次に、ケアラー支援条例のことでございます。 条例施行後には、県はどのように取り組み、次年度にどうつなげていくのかとのお尋ねでございますが、本年度の取組といたしましては、まず、広く県民の皆様にケアラーについて知っていただくことが重要でありますことから、ポスター、リーフレットの作成やシンポジウムの開催による広報・啓発を行うこととしております。 また、5月には「ケアラー支援に関する有識者会議」、こちらを開催しておりまして、支援に携わっておられる方々から貴重なご意見をいただきましたところです。 併せまして、ケアラー及びヤングケアラーの現状把握のための実態調査を実施しておりまして、現在、その調査結果の取りまとめ作業を行っております。 こうした有識者の意見や実態調査の結果を十分に反映し、他県の先進的な取組も参考にしながら、本年度末までに施策推進の指針となる「ケアラー支援推進計画」を策定することとしており、来年度は、この計画に基づいて、市町や関係機関等との連携をさらに強化し、効果的な施策を推進してまいります。 次に、ながさき健康づくりアプリ「歩こーで!」の登録状況はどうか、企業へのアプリ活用の働きかけはどう行っているかとのお尋ねでございますが、ながさき健康づくりアプリ「歩こーで!」の登録者数は、令和5年2月のリリースから7か月が経過した時点で3万7,000人を超えたところでございます。 アプリを活用した健康づくりに関する民間企業への周知啓発につきましては、長崎県労働基準協会や商工会議所等の皆様にご協力をいただきながら、チラシ配布をはじめ、説明会や定例会などの場を活用し、発信をしております。 また、今年度は、働き盛り世代への取組を強化するため、今月、新たに「企業・団体対抗歩数競争」を開催しているところであり、11月1日には、参加していただいている33団体のうち、1位の企業を「健康長寿日本一長崎県民会議総会」において表彰する予定としております。 次に、健康経営宣言事業の登録状況についてのお尋ねでございますが、健康経営宣言事業所は、今年8月31日現在で1,108社であり、このうち、特定健診受診率や特定保健指導の利用率など5つの基準を満たした健康経営推進企業は、今年9月の認定で計368社となっております。 事業所が従業員の健康増進に積極的に取り組むことは、企業の生産性やブランド価値の向上にもつながることが期待されておりますことから、今後も、こうしたメリットの発信や優良事例の紹介に努めるとともに、商工会議所、商工会等にも協力をいただきながら、認定企業の増加を目指して取り組んでまいります。 次に、
こども医療福祉センター職員の虐待に関する知識やセンターの研修が不十分ではなかったのかとのお尋ねでございますが、センターでは、「虐待防止対策委員会」、こちらを設置しておりまして、虐待防止のための研修を行ってまいりましたが、入院、入所者への看護や支援を実施するうえで、どういった行為が虐待に該当するのかについて、周知徹底をさせるには不十分であったと認識しております。 今回、確認いたしました虐待疑いの事案の一部につきましては、不適切な行為であったと考える職員はいたものの、虐待についての正しい知識と、虐待発見時の対応、手順の認識が不十分であったことから、虐待防止対策委員会への報告がなされておりませんでした。 これらを踏まえまして、具体的な虐待の事例、虐待事案が発生した場合の手順や対応について、改めてセンター全職員への周知徹底を図ったところであり、今後とも、職員の意識改革に取り組んでまいります。 次に、今後の調査をどのように進めていくか、また、再発防止策について、どのように検討していくのかとのお尋ねでございますが、現在、センター職員及び利用者、保護者への聞き取りやアンケート調査による事実確認を慎重に進めており、今後、できる限り早急に調査結果を取りまとめる予定です。 また、弁護士や医療・福祉の専門家等、外部の有識者による検証委員会を立ち上げ、虐待疑い事案が発生していたにもかかわらず、法令に基づく通報や、是正の措置といった適切な対応がなされていなかった背景等についても検討をいただいているところです。 今後、「虐待防止対策委員会」に、教育、医療、福祉の各分野の第三者委員を加え、ご意見を伺いながら、研修手法等について見直しを行うとともに、検証委員会からいただく提言も踏まえ、効果的な再発防止策、こちらを講じてまいります。
こども医療福祉センターが、県の医療や療育の拠点施設として、安心してご利用いただけるよう、一日も早い信頼回復に努めてまいります。
○副議長(山本由夫君) 水産部長。
◎水産部長(川口和宏君) 私から、1点お答えいたします。 今回の赤潮被害に対する県の認識と当面の対策、産地強化に向けての今後の方針はいかにとのお尋ねでございます。 今回の赤潮につきましては、水温、塩分、風向きや潮流など、複数の要因が相まって、これまでに経験したことがないような高密度の赤潮が継続し、養殖業に大きな被害をもたらしたことは非常に残念に思っております。 県では、被害に遭われた養殖業者の早期事業再開を目指し、地元市や関係団体と連携して、へい死した養殖魚に代わる代替魚導入や、金融支援の枠組みを整えたところです。 また、これまで以上に、早期防除を可能にするため、大学等と連携した赤潮の移動予測や遠隔自動顕微鏡システムなど、最先端技術を活用し、赤潮監視体制の強化に取り組んでおります。 今後は、これまでのトラフグ養殖で培った高い技術力と、経営者や従業員の若さなど、地域の強みを活かしながら、新魚種導入による魚種の多様化や赤潮多発期を避けた短期養殖など、新たな取組を進め、産地の復活・強化に力を注いでまいりたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 地域振興部長。
◎地域振興部長(小川雅純君) 私からは、
重要土地等調査法について、お答えさせていただきます。 地域住民や不動産事業者等への制度周知等が、現状どのように行われているのかとのお尋ねですが、庁内における情報共有については、地域振興部において、土木部や水産部など、関係部局による区域内の開発行為や事業計画などの情報を把握しながら対応しているところであります。 また、地域住民や不動産関係事業者等への周知・広報が重要となってくることから、これまでに区域指定が行われた対馬市、壱岐市、五島市においては、市の広報誌やチラシ等を活用しながら、地域住民に対して、区域の指定状況や、特別注視区域において200平方メートル以上の土地・建物を売買する際には事前届け出が必要な旨の広報が行われております。 また、不動産関係事業者に対しては、業界関係団体の会員向けのホームページを通じ、事前届出等の制度周知や、区域の指定状況にかかる情報提供が行われているところであります。 県としては、今後も引き続き、関係市町や業界関係団体とも積極的に情報を共有しながら、制度の周知・広報に努めてまいります。
○副議長(山本由夫君) ごう議員-31番。
◆31番(ごうまなみ君) 知事、そして
教育委員会教育長、そして関係部局長、ご答弁ありがとうございました。 それでは、再質問をさせていただきたいと思っております。 まず、1つ目の再質問ですが、医療的ケア児の保育所への通園についてです。 保育所における医療的ケア児の受入れの課題として、医療的ケアができる人材の確保ということが挙げられておりました。 これまで、県は、医療的ケア児の支援を行う看護師の研修、それから保育士への喀痰吸引研修に取り組んでこられておりますが、この受講の状況について、お聞かせください。
○副議長(山本由夫君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(新田惇一君) お答え申し上げます。 まず、医療的ケア児が、自宅で必要な医療、福祉サービスを受け、安心して暮らすことができるよう実施している訪問看護研修につきましては、令和4年度は6回開催させていただいておりまして、延べ221名の方に参加いただいております。 また、介護職員等が特定の者に対してたんの吸引を行うなどの基本研修を実施しておりまして、令和4年度は延べ19名の方にご参加いただいており、このうち保育士の方々が4名ご参加いただいているという状況でございます。 また、ケアが必要な子どもの支援ができるよう、今後も市町等を通じて研修の周知に努めてまいります。
○副議長(山本由夫君) ごう議員-31番。
◆31番(ごうまなみ君) 看護師の研修が令和4年度で6回、221名が受講、そして痰の吸引の研修が19名、うち保育士が4名というご答弁でございました。 県は、医療的ケア児の支援のためにこういった研修をずっと取り組んできてくださっております。事業化して、しっかりと予算をつけて研修を行ってくださっているんですが、私が思うに、これが関係する人にこの情報が届いていないと思っています。そしてまた、何回研修を行って、何人受講したかが目的ではないんですね。その先です。この看護師が、実際に医療的ケア児に関わることができるようになって、はじめて成果が出たと言えると思います。ですから、そのしっかりとした仕組みづくりです。それぞれに研修を行っても、それが実を結ばなければ意味をなさない。だから、実を結ぶような仕組みづくりに、今後は取り組んでいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 また、私の友人の訪問看護に携わる人が、自分は子どもに関わりたいんだけれども、どうすれば関われるんだろうという相談を受けたことがあります。ということは、その人にはこの情報が届いていないんですね。 一方で、足りないんですよ、足りないのに、やりたい人のところに届いていない、これがあるということをしっかりと検証していただければと思います。 次に、ケアラー支援条例について、再質問です。 次年度からケアラー支援計画に基づいて取り組んでいくということでございますけれども、有識者の意見などを踏まえて、どのような取組が必要と考えているのか、お聞かせください。
○副議長(山本由夫君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(新田惇一君) 本県といたしましては、ケアラー支援条例に施策の柱として掲げられました、広報・啓発、支援を担う人材の育成、多様な主体による連携、支援体制の整備、民間団体等による支援推進のサポートにつきまして、具体的な取組を進めることが重要であると考えております。 また、有識者会議、こちらにおきまして、企業における介護離職防止、こちらに向けた取組への支援、ケアラー支援に取り組む民間団体との連携、支援を担う専門職の対応力向上、市町における子どもから高齢者まで世代を超えた相談機能の強化などが必要である、こういったご意見もいただいておりまして、さらに実態調査の結果も踏まえながら、効果的な施策を検討してまいります。
○副議長(山本由夫君) ごう議員-31番。
◆31番(ごうまなみ君) やはり人材の確保とか、連携というものが鍵になってくるのではないかと思っております。 そしてまた、今後、企業における介護離職の問題というのは、非常に大きくなってくると思います。今、ビジネスケアラーというふうに呼ばれておりまして、多くの方々がこのことで悩んでおられる状況がありますので、この企業における介護離職を防止するためにも、しっかりと情報を共有し、そしてまた、実態の調査をしていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 次に、健康長寿についてです。 健康長寿延伸のためには、運動だけでなく、バランスのとれた食事を摂ることというのも大変重要であります。 ほかの自治体では、塩分摂取を減らすための具体的な取組を行って効果があったという事例もございますので、長崎県において、このような同様の取組があるのかどうかについて、お尋ねをいたします。
○副議長(山本由夫君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(新田惇一君) 本県といたしましても、健康を増進させるためには、減塩と野菜摂取の促進が重要であるというふうに考えておりまして、昨年度、毎月8日を「減塩・野菜の日」といたしまして制定をさせていただいております。 そして、飲食店や県内スーパー、こちらと連携をいたしまして、店頭でのPRブースの設置でありますとか、チラシの掲示、こういったようなものを行っておりまして、広く周知を図っているところでございます。 また、令和3年度からは、各市町の食生活改善推進協議会と連携をして実施させていただいております「プラス野菜一皿・マイナス食塩1グラムチャレンジ事業」におきまして、食生活改善推進員によりまして、食生活に関するアドバイスを行ったうえで、県民の皆様方が個々に設定いたしました野菜摂取でありますとか、減塩に関する目標、こちらの達成に向けて取り組んでいただいているというところでございます。 令和3年度は3,068人、令和4年度は3,494人の方々が参加をされまして、食生活を改善する機会としていただいているところでございます。
○副議長(山本由夫君) ごう議員-31番。
◆31番(ごうまなみ君) 毎月8日が「減塩・野菜の日」ということで周知をされているということでございました。より具体的なことをやっていく必要があると思います。 他県では、企業と連携をしまして減塩の商品、その県独自の商品の開発とかをやって一緒に進めていくようなこともございました。本当に具体的に進めていただいて、ワースト2位でございましたよね、それを改善していただければと思います。よろしくお願いします。 次に、育休取得でございますが、先ほど知事から、年度内に具体的な取組を行うという前向きなお話をいただきました。ありがたいと思います。 やはりいろんな他県の事例を見ても、こういった県独自の奨励金を出していたりとか、また、2024年度から、厚生労働省が育休の代替職員を入れた場合の助成額を10倍にしていくといった事業が来年からはじまることになっております。こういったことをしっかりと取り込んでいきながら、やっていただきたい。 フランスでは、育休を取得するのが当然だというような認識でございまして、そして育休を取った時に、その夫が「私は、何をすればいいんですか」と質問した際に、「あなたは、授乳をする以外は何でもできますよ」というふうに言うそうです。そうですよね。おっぱいは出ないかもしれないけれども、それ以外のことは妻と同じことができるわけです。これを育休の間に習得をしていただくということが非常に重要だと考えますので、ぜひとも、このあたりはしっかりとやっていただきたいと思っております。 次に、「
重要土地等調査法」について、ご答弁をいただきました。 昨日も浅田議員の質問に対しましての答弁がございまして、市町と連携を取っていくというような答弁でございました。 私は、昨年の9月に総務委員会で質問をさせていただいたんですが、この時には、ちょっと前のめりすぎなんですが、意見書を提出するぐらいの気持ちで長崎の土地を守ってほしいということをお伝えしております。 「
重要土地等調査法」が成立したことは、一歩前進なんですけれども、これだけではやはり国土を守ることができないのではないか。海外では、外国人の土地の所有に対して規制を設けたり、認めていない国もあります。 私が、昨年、なぜ質問したのかといいますと、ハウステンボスが外資に買収されてしまいました。このハウステンボスのすぐそばには、米軍基地の住宅があります。そして、その周辺には県民が生活をしています。この県民の皆様方の暮らしを守るという観点に立った時に、無関心ではだめなんじゃないかというふうに思っております。 また、森林や農地の外資による買収がどんどん増えていて、2010年からの10年間で4倍に増えたという調査結果もあります。こういったことをしっかりと、本県も、森林や農地の買収に向けても、これは全然法の規制はないんですけれども、しっかりとアンテナを高くしておく必要があるのではないかと思っております。 5年後に、またこの「
重要土地等調査法」の改正が検討されると思いますが、その際には、やはり本県ならではの実情というものをしっかりと把握したうえで、もし、課題があれば、それをしっかりと国に意見をしていける、そのような体制をつくっていってほしいということ、これを要望とさせていただきます。 最後に、医療的ケア児の通学支援についてでございます。 今日は、実際にケアをしている保護者の皆さん、たくさん傍聴に来ておられます。その保護者から、私はたくさんの意見をいただいておりますが、今回、教育委員会教育長が視察をしてくださったこと、非常にありがたいと思っていますし、また、福祉タクシーの活用を検討してくださっている、これもありがたいです。 しかしながら、やはり課題でありました、乗ってくれる看護師がいないんですね。これが、例えばレスパイト事業を使っても1時間7,500円という単価では乗れないんです。やはりこのあたりをしっかりと再検討していく必要があります。 他県では、この事業に関してのみ看護師を雇っている、訪問看護師からの見積もりをいただいて決めていくというやり方をやっています。ですから、このあたり、予算が結構関係すると思いますので、検討していただきたい。 そして、やっぱりお母さんたちは、何度も事故を起こしそうになりながら、毎日毎日、子どもたちを送って行ってくれています。 仕事を辞めなきゃいけなくなったお母さんもいらっしゃって、やはりそうなると経済的に逼迫していく、そうすると、今度は兄弟児の進学とかを諦めなければならない。そのような悲しいループに入ってしまうんですね。これを何としても止めてあげなければいけないというふうに思っております。 それから、長崎市の北部に、今、実は医療的ケア児が増えておりまして、北部から長崎特別支援学校まで通学するのに1時間半から2時間、朝の時間はかかります。その間、お母さんが運転をして連れて行くわけなんですが、遠くても長崎特別支援学校をなぜ選んでいたのかというのは、やはり隣に長崎病院があるからです。この病院があったことによって、何かあった時に命が助かるという思いで、そこに医療的ケアのある子どもたちを連れて行くんですね。 そしてまた、学校の教育がすばらしい、これもしっかりと理解をしております。でも、今、少子化になって、医療的ケア児が増えているという現状を何度もお伝えしました。もうここにきたら、学校のあり方そのものを考えていくタイミングじゃないかと思っています。 今まで、特別な支援の必要な子どもたちを分けて考えていた。本来ならば、普通ならば、健常児であれば、地元の学校に通えるのが当たり前なんですね。それが、たまたま障害があったから通えなくなってしまっている。支援学校へ行く、これはその子にとってメリットがあるから行くんですが、でも、やっぱりそこにはいろんな負担がかかっているという現状、であるならば、私は、来年4月に時津の鶴南の分校が、「時和支援学校」に変わります。こういったタイミングで、時和支援学校に肢体不自由の子と知的の子と両方が一緒に行けるような、そんな体制ができないかというふうに思っておりますので、このあたり何とかなりませんか。 知事の見解を最後にお聞かせいただければと思います。
○副議長(山本由夫君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 誰もが安全・安心に暮らせる社会といったことは、インクルーシブの達成にもやはり重要な配慮が必要だというふうに考えておりますので、県として何ができるのか、しっかりと検討していきたいというふうに思います。
○副議長(山本由夫君) ごう議員-31番。
◆31番(ごうまなみ君) ありがとうございます。ぜひ前向きにご検討いただきたい。 五島や壱岐や対馬では、そういったインクルーシブに近い教育体制ができております。これをしっかりと本土にも取り込んでいただきたい。 誰一人取り残さない、そんな長崎県を一緒につくっていければと思います。よろしくお願いします。 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山本由夫君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、11時15分から再開いたします。 -午前11時1分 休憩------------------------------------ -午前11時15分 再開-
○議長(徳永達也君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) (拍手)〔登壇〕皆さん、おはようございます。 松浦市選出、自由民主党、石本政弘でございます。 質問に入る前に、今回の県北の集中豪雨によりまして被災された皆様には、心からお見舞いを申し上げます。 また、今回の第2次岸田改造内閣において、本県から、加藤竜祥衆議院議員並びに古賀友一郎参議院議員、お二人が同時に大臣政務官にご就任されましたことを心からお慶びを申し上げますとともに、今後、本県はもとより、日本のために、しっかりとご活躍いただきますことを祈念を申し上げます。 それでは、質問に入りますが、知事はじめ部局長の皆様方には、簡潔かつ実のある答弁をお願いしたいと思います。 1、鷹島神崎遺跡について。 (1)国の専門調査機関設置に係る文科大臣要望を終えた知事の所感について。 知事は、松浦市鷹島にある鷹島神崎遺跡を7月14日に視察され、私も同行したところでございます。 この松浦市鷹島における水中遺跡調査は、昭和55年から実施され、元寇に関する4,000点を超える出土遺物や、2隻の元寇船が確認されております。 また、平成20年3月には、水中遺跡としては、国内で初めて「鷹島神崎遺跡」として国の史跡に認定されました。 昨年の秋には、740年前の一石型木製いかりが引き揚げられたところであり、松浦市では、鷹島に、水中考古学の研究拠点となる国の専門的な調査研究機関の設置について、非常に機運醸成が高まっているところであります。 また、去る7月18日に、松浦市鷹島に水中遺跡保護に関する専門調査研究機関を設置することについて、永岡文部科学大臣に対し、大石知事、徳永県議会議長、友田松浦市長、谷口松浦市議会議長連名による要望が行われました。 本要望には、国会議員として衛藤征士郎衆議院議員、末松信介前文部科学大臣、本県の古賀友一郎参議院議員、山本啓介参議院議員をはじめ、県からは、知事はじめ教育委員会、東京事務所、県議会からは、正副議長、文教厚生委員会正副委員長、松浦市からは、市長をはじめ市議会の鷹島神崎遺跡保存特別委員会の委員、市民団体からは、松浦市歴史観光推進協議会の役員、総勢40名を超える方々で要望を行ったところであります。 このように、前文部科学大臣を含む国会議員をはじめ、県及び松浦市の関係者が一堂にそろって大臣要望が実現したことについては、大石知事にも大変感謝をしているところでございます。 そこで、今回、大石知事に鷹島神崎遺跡を現地視察いただき、加えて永岡文部科学大臣に、現地鷹島に水中遺跡に関する専門調査研究機関を設置することについて要望された所感について、知事にお尋ねをいたします。 以降の質問については、対面演壇席にて行います。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕石本議員のご質問にお答えいたします。 7月に初めて現地を訪問し、遺跡のある穏やかな伊万里湾を臨むと、約4,000隻の元寇船が押し寄せてきたことや、引き揚げられた木製いかりに思いをはせて、歴史のロマンを感じることができました。 また、松浦市立埋蔵文化財センターでは、水中遺跡として、日本で唯一、国史跡に指定されていることや、新たな保存処理の技術開発が進められていることなどの説明を受けて、鷹島神崎遺跡は、日本の水中遺跡の調査研究をリードする大変重要な存在であると改めて認識をいたしました。 今回の要望実現に向けては、永岡文部科学大臣から、まずは水中遺跡の保護・保全については、国、県、市で役割分担して取り組んでほしいと、そういったご助言をいただきましたので、今後とも、国と連携をしながら、地元市と一緒になって、保護・保全に取り組んでいく必要性を感じたところでございます。 以後のご質問につきましては、自席から答弁をさせていただきます。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 知事、ありがとうございました。今後とも、しっかり地元とも連携して取り組んでいただきたいと思っております。 (2)水中遺跡に係る機運醸成のための県の取組み状況について。 要望当日には、末松前文部科学大臣や本県選出の国会議員の皆様にもご参加いただく中で、知事から永岡文部科学大臣に対し、鷹島に水中遺跡保護に関する専門調査研究機関を設置することについて要望をいただきましたけれども、ご対応をいただいた永岡文部科学大臣からは、水中遺跡については全国的な機運醸成が必要であるため、全国各地での機運醸成に向けた取組が必要との発言があったところでございます。 特に、令和6年は元寇750年、令和7年は国民文化祭も本県で予定されており、そのような機会を捉えた機運醸成も必要であると考えておりますが、現在の県の取組状況について、お尋ねします。
○議長(徳永達也君) 教育委員会教育長。
◎
教育委員会教育長(中崎謙司君) 本年度から、松浦市、対馬市、壱岐市の3市や国と連携しまして、元寇をテーマとしました、我がまちの元寇再発見事業を実施しておりまして、10月からは、長崎市をはじめ県内3か所におきまして、元寇や水中遺跡をテーマにしましたシンポジウムを順次開催することとしております。 また、現地鷹島におきましては、令和3年度から、全国の考古学を専攻します大学生や自治体職員等を対象としました水中考古学体験講座を開催しておりまして、多くの方に鷹島神崎遺跡についての理解を深めていただいているところでございます。 今後は、この元寇に関するコンテンツをさらに磨き上げまして、その成果を観光部局等に提供しまして、県内外で幅広く利活用していただくことによりまして鷹島神崎遺跡の認知度を高め、水中遺跡に関する機運醸成につなげてまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) この水中遺跡については、歴史に興味がある方は認識があるかもわかりませんけれども、一般的にはまだまだ認識が十分でないという感じを持っております。今後ともしっかり、まずは県下全体、この鷹島神崎遺跡の認知度を深めていただきたいと、そういった取組をお願いしたいと思います。 (3)鷹島神崎遺跡を活用した県北地域の観光振興と部局横断的な体制づくりについて。 水中遺跡に係る機運醸成の取組については先ほどご答弁いただきましたけれども、鷹島神崎遺跡の歴史的・観光的価値を県内外の多くの方にもっと知っていただくことが大事であり、同遺跡を活用した県北地域の観光振興につながる取組が必要不可欠であると考えます。 こうした取組を進めるためにも、まずは県庁内における部局横断的な体制づくりや地元自治体等との連携が不可欠であると考えます。 そこで、鷹島神崎遺跡を活用した県北地域の観光振興と部局横断的な体制づくりについての県の考えをお尋ねいたします。
○議長(徳永達也君) 文化観光国際部長。
◎文化観光国際部長(前川謙介君) 歴史的なできごとの舞台となった鷹島神崎遺跡でございます。その文化的な価値につきましては、観光面におきましても大変重要な地域資源であると認識をいたしております。関係部局とも定期的な情報共有を行っているところでございます。 現在、国の研究機関の設置に向けた機運醸成の動きと併せまして、松浦市が実施されています元寇を活かした観光コンテンツの開発、あるいはガイドの育成、こうした取組に支援をいたしているところでございます。 引き続き、県北地域への観光客の誘客と観光消費額の増加に向けまして、松浦市や関係機関等としっかり連携をしながら、鷹島神崎遺跡を活用した魅力ある観光まちづくりを進めてまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) この鷹島遺跡については、現在、2隻の船が見つかっておりますけれども、ひょっとすると、来年にはまた新たな発見があるかもというような話も聞き及んでおりますので、こういった機会を捉えて、しっかりと県も地元自治体と連携をして、また観光協会とも連携をして、この際、県北の観光振興、地域の活性化にしっかりと取り組んでいただきたいとお願いしておきます。 最後に、8月末に知事とともに長崎ベトナム訪問団の一員としてベトナムを訪問した際に、在ベトナム日本大使の山田大使から、かつてベトナムもモンゴルの襲来を受け、2度も首都を陥落されたが、3度目の襲来では、そのモンゴル軍を撃退したと。その時に沈められた軍船には3度目の日本襲来に使う予定のものが多くあったらしく、これをもってモンゴルは日本遠征をも断念したというお話を伺いました。そして、ベトナムの人々も、このことを誇りに思っているということであり、元寇つながりで海外とも連携した取組ができるのではないかと、大いに期待したところでございます。この鷹島神崎遺跡の歴史的価値や水中遺跡としての評価を高めるためにも、県としてしっかり取り組んでいただきたいと考えております。 そこで改めて、鷹島に国の専門調査研究機関の設置に向けた取組や、この神崎遺跡を核とした県北地域の観光振興、地域活性化の取組について、知事の意気込みをお聞かせください。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 議員のお話でもご紹介いただいたとおり、確かにベトナムで政府要人と会ったり、様々な方々とお話する中で、歴史的英雄であったチャン・フンダオさんのお話など、本当にベトナムと長崎が元寇を通してつながっているんだなと、新たなつながりも認識したところでございます。 先ほど、議員もお話したとおり、永岡文部科学大臣から、認知度を高めていく必要があると、また、水中遺跡については、全国的な機運醸成が必要であるといったコメントもございました。ご助言もいただきましたので、そういったことも踏まえて、今後とも、鷹島神崎遺跡の魅力であったり、重要性を県内外の方々にしっかり理解していただけるように取り組むとともに、政府施策要望など様々な機会を捉えて、引き続き国に対して要望していきたいと思っています。 それに加えまして県北の地域振興、観光振興にもしっかりとつなげていけるように、地元市、また関係機関等と連携をしながら横断的に取り組んでいきたいと思います。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) ありがとうございます。力強いお言葉で、大変よかったと思っております。 2、土木行政について。 (1)西九州自動車道の建設促進について。 県北地域にとって、西九州自動車道は、物流はもとより人的交流、救急医療、さらには原子力災害時の避難道として、様々な面で大きな効果が期待される重要な道路でございます。 現在事業中の松浦佐々道路は、本年度100億円近い事業費が確保されるなど順調に進捗が図られていると思っておりますけれども、松浦市はじめ県北地域の皆さんは、佐賀県内及び福岡県内の未整備区間についても、早期の完成を望んでいるところでございます。 県においては、これまでも国への要望活動や建設促進大会を開催するなど、建設促進の取組が、これまでの予算の確保につながっているものと思っております。 そこで、県内の松浦佐々道路及び福岡・佐賀県内の区間を含めた西九州自動車道全体の進捗状況、並びに早期完成に向けて、県として今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
○議長(徳永達也君) 土木部長。
◎土木部長(中尾吉宏君) 西九州自動車道の松浦佐々道路につきましては、7月末時点での用地取得が9割を超え、今年度は江迎3号トンネルに着手されるなど、着実に整備が進められております。 特に、用地取得が完了している松浦から平戸インターチェンジ間におきましては、今月2日に松浦2号トンネルが貫通するなど、目に見えて進捗が図られております。 佐賀県内の伊万里松浦道路、そして伊万里道路におきましては、今年度は合わせて約20億円の予算を確保して用地取得や橋梁工事などが進められており、福岡県内の今宿道路におきましても、高架橋などの本格的な工事に着手されております。 整備促進のためには、議員がおっしゃっていただきましたように予算確保への取組が最も重要でありまして、今後も機会あるごとに国に対して要望を行ってまいりたいと考えております。 また、今回で5年連続となりますけれども、本県が主体となって取り組んでいる3県の沿線の自治体による東京大会を11月に開催したいと考えております。 引き続き、西九州自動車道の早期完成に向け、全力で取り組んでまいります。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 西九州自動車道の早期完成については、県北地域のみならず、長崎県下全般についても大きな効果があるものと考えておりますので、しっかり取り組んでいただきたいと思いますし、今回、幸いにも加藤竜祥衆議院議員が国土交通省の大臣政務官となりましたので、併せてしっかりと、そういった要望も含めて取り組んでいただきたいと思っております。 (2)椋呂路トンネルの早期着工について。 去る8月に板山トンネルが開通したところでございます。次は、椋呂路トンネルの番だと考えております。 大石知事におかれましても、これまで板山トンネルの開通式や西九州自動車道松浦2号トンネルの貫通式に出席された際に、地元住民がいかに椋呂路トンネルの早期完成を望んでいるかということをひしひしと感じていただいたものと思っております。 これまで幾度となく、「椋呂路・板山トンネル建設促進期成会」による知事並びに議長要望を行ってきたところでございますが、これまで県の方からは、B/Cの観点からして椋呂路トンネルの建設は困難であるとの見解が示されているところでございます。 しかしながら、この県道佐世保日野松浦線はUPZ圏内でもあり、原子力災害時における松浦市民の避難道路に指定されております。また、救急医療を担う命の道路としても、早期の整備が必要な道路と考えております。したがいまして、B/Cの観点だけで判断されるべきものではなく、板山トンネルと椋呂路トンネルが一体となって初めて建設効果が最大に発揮されるものと考えております。 いわば、この道路は、体で言えば血管と同じで、血管ができるまでは血は通りませんけれども、一度血管ができてしまうと、そこには必ず血が通っていくというようなことが言えると思っておりますので、今後とも、県北地域の活性化はもとより、佐世保、世知原、松浦間の交流促進のためにも、この椋呂路トンネルは必要不可欠であると考えているところであり、地元としても早期完成を待ち望んでいるところでございます。 そこで、この椋呂路トンネルの早期事業化について、知事の見解を伺います。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 椋呂路トンネルにつきましては、これまでも椋呂路・板山トンネルの建設促進期成会や関係市によりまして、長年にわたり要望活動が続けられていることを承知しております。 先月19日に開催いたしました板山トンネル開通式の際にも、地元の皆様の椋呂路トンネルの実現に対する思いを認識したところでございます。 椋呂路トンネルの建設につきましては、議員のご質問でもご紹介いただいたとおり、交通量や費用など、実現においての課題もあると考えておりますので、まずは今回、板山トンネルが開通しましたので、開通後の状況を見せていただいて、関係市とともに道路のあり方について検討していきたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 椋呂路峠の路線は、玄海原発災害時における松浦市の避難道路に指定されており、通常の道路改良事業での実施が困難であるとすれば、椋呂路トンネル整備を原子力防災に係る事業として実施することにより、国の財源の活用が図れないかどうか、県の考えをお尋ねします。
○議長(徳永達也君) 危機管理部長。
◎危機管理部長(今冨洋祐君) 国の原子力防災に係る避難路の改善事業につきましては、緊急時避難円滑化事業がありますが、その対象としましては、1道府県当たり5億円を上限として、車両のすれ違いを可能とするための道路一部拡幅や、のり面対策などが認められており、トンネル整備は事業の対象外とされております。 県としましては、国に対し、避難に係る道路や港湾等の整備のため、原子力防災独自の新たな支援制度の創設や、当該事業の拡充の要望を行っているところであり、引き続き、機会を捉えて国へ要望してまいります。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 今の答弁にもありましたように、原子力防災独自の新たな支援制度の創設や緊急時避難円滑化事業の拡充を図ることについては、国に対して要望されていますので、引き続き、しっかりとした要望をしていただきますようにお願いをいたします。 3、農林水産業の振興について。 (1)肉用子牛価格下落対策について。 肉用牛繁殖経営においては、これまでも飼料などの生産資材価格高騰により、利益の確保が困難な状況が続いておりますが、本年7月以降、子牛価格が急激に下落しており、今後においては、さらに厳しい経営状況となることが予想され、肉用牛繁殖農家の中には、これを機会に経営をやめようという声も聞かれます。 8月の平戸地方家畜市場の競り状況は、私も参加をしたわけですけれども、平均取引価格が47万円を下回っており、中には、競り早々、すぐに一桁台で落札されると、そういった子牛も散見されており、私も、目の前で生産者の顔を見るのが大変辛い思いをしたところでございます。 国としても、子牛価格の下落対策として、和牛繁殖農家への補填対策を拡充して支援を実施しておりますが、全国や九州ブロックの平均価格と比較しても、本県の子牛平均価格の下落幅は大きく、本県農業振興の柱の一つである肉用牛の生産基盤を守るためにも、国の支援策の拡充に加え、本県独自の緊急かつ抜本的な支援策が必要と考えます。 そこで、肉用子牛価格下落に対する今後の県の取組について、お尋ねいたします。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 肉用牛の子牛価格が全国的に下落傾向にあることから、国は、九州・沖縄ブロックの平均価格が60万円を下回った場合に、差額の4分の3を交付する制度を創設しております。県では、この制度の周知徹底を現在図っているところでございます。 しかしながら、議員のご指摘のとおり、本県の子牛価格につきましては、九州平均を下回って推移をしております。国の価格補填を受けても下落分を補いきれない、大変厳しい状況にあることから、県といたしましては、生産者が安心して経営を継続できるように、早急に必要な対策を検討してまいりたいと考えています。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 本当にこの子牛価格の下落というのは、繁殖農家にとって喫緊の課題であり、また一方、肥育農家にとっても同じ状況であり、やはり肥育農家、繁殖農家がそれぞれ成り立って初めて、子牛の生産というのが成り立ちますので、そこらも併せて、しっかりとした取組を、農林部長をはじめ、お願いしたいと思います。 (2)長崎和牛の消費拡大・輸出対策について。 ①消費拡大対策について。 肉用牛繁殖経営においては、子牛価格の下落で、経営が大変厳しい状況にあります。 子牛価格が上昇しない原因の一つとして、物価高騰に伴う和牛サーロイン等の高級部位の国内消費の停滞による枝肉価格の伸び悩みがあると考えられます。 和牛を適正な価格で流通させるためには、まずは国内における積極的な消費拡大が必要であると考えますが、県では、長崎和牛の消費拡大について、どのように取り組んでいるのか、伺います。
○議長(徳永達也君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 県では、これまで生産者、農業団体、流通業者、県等で構成する「長崎和牛銘柄推進協議会」において、県内外の主要駅等への広告看板の掲出や販売促進資材の製作・配布のほか、長崎和牛指定店における消費拡大キャンペーンなどに取り組んでまいりました。 今年度は新たに、県内高校生を対象とした長崎和牛調理動画選手権や、インバウンド向けの消費拡大を目的とした旅行企画会社への試食会の開催なども計画しております。 こうした取組を通じまして、長崎和牛の一層の消費拡大に取り組んでまいります。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 今回は質問項目には入れておりませんけれども、既にご承知のとおり、子牛価格の下落については、このほかに資材高騰等による経営の悪化が、大変厳しい状況を招いた一つの原因であるというふうに考えております。 今後、ぜひとも国内の消費PR対策と、海外における販路拡大に積極的に取り組んでいただきたい。 特に、和牛の消費拡大対策については、本県のみでは限界があり、県としても農業団体と連携して、国に対し、全国的な和牛消費拡大に取り組んでいただきますよう、よろしくお願いしたいと思うし、国に対しても、そういった働きかけをぜひともお願いをしたいと思います。 次に、水産業の関係でございます。 (3)中国の日本産水産物輸入停止の影響と今後の対応について。 去る8月24日の東京電力福島第一原発処理水の海洋放出を受け、中国は、日本水産物の輸入を全面停止する措置を実施しております。 昨日の新聞報道でも、今年8月の中国が日本から輸入した水産物の総額は、前年同月対比67.6%の減少というふうになっております。7月の28.5%の減から、減少幅が倍増しているところでございます。 中国は、本県の水産物輸出先として最も大きな市場であると認識しておりますが、現段階で本県水産関係先にどのような影響が出ているのか、また、今後、県としてどのような対応をしていくのか、さらに、中国以外の国への輸出をどう推進していくのか、県の考えについて、お尋ねいたします。
○議長(徳永達也君) 水産部長。
◎水産部長(川口和宏君) 中国は、本県水産物の国別輸出額の約35%を占める第1位の市場であり、今回の輸入停止措置の影響は大きいと考えております。 これまで中国輸出に取り組んできた漁業者や流通関係者は、国内または中国以外の国に出荷先を振り替える必要があり、今後、輸入停止が長期間に及ぶと、影響はさらに深刻化すると懸念しております。 県といたしましては、国際情勢に伴うリスクをできるだけ軽減できるよう、現在、水産物輸出額全体の65%を占めるアメリカ、韓国、東南アジアなどの販路について、国の支援策を積極的に活用しながら、新規市場開拓や拡大に取り組んでまいります。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 今回の中国による輸入停止は、逆にピンチをチャンスに変えて、この機会をもとに中国以外の販路拡大に積極的に取り組む、いいチャンスではないかというふうに思いますので、そういう意味からしても、今後しっかりと、海外に向けた販路拡大についても取り組んでいただきたいと思います。 (4)養殖業に係る餌代高騰対策について。 養殖魚の生産コストの7割を占める餌料価格は、世界的な魚粉需要の拡大や急激な円安の影響等に伴って高騰をしております。 餌料価格高騰対策については、水産庁が、養殖業者と国の拠出により、基準価格を超えた時に補填金を交付する漁業経営セーフティネット構築事業を創設しておりますが、餌料価格の先行きが不透明な今、県内養殖業者の皆様が、この制度のメリットを理解し、しっかりとこの制度に加入していただくことが最も重要であると考えております。 そこで、餌料価格の動向並びに県内養殖業者の加入促進を含めた今後の餌料価格高騰に対する県の取組について、お尋ねをいたします。
○議長(徳永達也君) 水産部長。
◎水産部長(川口和宏君) 令和5年度第1四半期の配合餌料価格は、1トン当たり約24万円と過去最高値となりましたが、セーフティネットの積立金から約5万円の補填金が支払われ、養殖業者の負担軽減が図られたものと考えております。 県では、令和5年度のセーフティネットへの加入・継続に必要な積立金への支援を行った結果、契約件数では前年度比114%、平均積立額では236%と大幅に増加しており、十分な積立てにつながったものと分析しております。 県といたしましては、コスト上昇を見据えた十分な予算の確保を国へ要望するとともに、さらなる加入促進を図ってまいります。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 今回、橘湾等における赤潮の大変な被害がありましたけれども、幸いにも県北の松浦地域の伊万里湾では、主な被害が発生せずに助かったわけでございますが、この赤潮対策についても、併せてしっかりと今後とも取り組んでいただきたいということを重ねてお願いしておきます。 4、観光振興対策について。 (1)県北地域へのインバウンド誘客について。 本年5月の水際対策撤廃により訪日外国人は増加傾向となっており、令和5年7月の外国人延べ宿泊者数は約1,063万人泊であり、速報値ではありますが、コロナ禍後、初めて1,000万人を超え、大幅に増加している状況でございます。今後も、韓国、台湾、香港などの東アジアを中心に、インバウンドはさらに拡大していくものと考えます。 そのような状況の中で、県北地域においては、豊かな自然を活用したトレッキングコースである九州オルレのほか、歴史的な文化遺産などの観光コンテンツを多く有しており、これらの情報を県内、国内のみならず海外へも発信することで、外国人観光客の皆様にも、ぜひとも県北地域に訪れていただきたいと考えているところでございます。 そこで、県においては、県北地域へのインバウンド誘客を促進するために、どのような取組を実施しているのか、実施しようとしているのか、お尋ねします。
○議長(徳永達也君)
文化観光国際部政策監。
◎
文化観光国際部政策監(伊達良弘君) 県北地域は、平戸城などの歴史的な文化遺産や松浦の土谷棚田などの美しい自然景観といった、インバウンド誘客に対しても非常に魅力的な観光資源を有しております。 また、本年3月には、九州オルレ「松浦・福島コース」がオープンし、韓国をはじめ国内外の観光客に訴求する魅力的な観光コンテンツが新たに造成されております。 県では、これまでも海外における認知度向上とインバウンドの誘客拡大を図るため、市町等とも連携し、Web、SNSを活用した情報発信や国際旅行博への出展、旅行会社等へのセールスなどの現地プロモーションを積極的に実施してきたところでございます。 このほか、海外での県産品フェアの実施に合わせて、本県の豊富な海産物を食材としたアジフライをはじめとする食の魅力についても発信してまいりました。 引き続き、九州観光機構や県内市町等と連携を図りながら、インバウンドの誘客促進に努めてまいります。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 先ほどから話しております鷹島の神崎遺跡も含めた県北一帯の観光ということを念頭に置いて、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 (2)新幹線開業を活かした県北地域への誘客について。 昨年9月の武雄温泉-長崎間の西九州新幹線開業から、今週末には早くも一年を迎えるところでございます。西九州新幹線の利用者数は、開業から10か月を経過して200万人を突破し、多くの方に利用いただいていると伺っております。 しかし、一方で、沿線都市以外、特に、県北地域では、新幹線の効果があらわれているとの声を聞きません。新幹線がもたらす効果を、沿線都市だけでなく、県内各地にもっと拡大すべきであると考えます。 新幹線効果を高め、県北地域を含む県内各地へ、その効果を波及するために、今後、県は、どのような取組を行おうとしているのか、伺います。
○議長(徳永達也君) 地域振興部長。
◎地域振興部長(小川雅純君) 県では、新幹線の利用と県内周遊を組み入れた旅行商品の造成支援や、JRと松浦鉄道の一日乗車券をセットにした企画乗車券の販売促進を行うなど、県北地域を含め県内各地への周遊を促進しているところであります。 また、新幹線開業に合わせて運行が開始された観光列車「ふたつ星4047」は、乗車率が約9割と非常に高く、県北地域や有明海、大村湾沿岸一帯に賑わいをもたらしております。 さらに来訪者を拡大するため、JRや松浦鉄道の沿線にある地域ならではのグルメや観光スポット等の情報について、SNSやホームページなど各種媒体を活用した発信に取り組んでおります。 今後とも、各地域や関係事業者等と連携しながら、県北地域を含め県内各地への周遊促進に努めてまいります。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 先ほども申しましたけれども、なかなか県下全体に新幹線の開業効果を広める、及ぼすまでには至っていないという状況にありますので、今後とも、県下隅々までこの開業効果がゆき渡るように、しっかりとした取組をお願いしたいというふうに思います。 5、女性から選ばれる長崎県づくりと結婚支援について。 (1)女性に選ばれる長崎県づくりについて。 ①女性の転入転出の状況について。 県の重要課題である人口減少対策のうち、社会減対策については、転出超過が顕著である女性の転出抑制が大事であるというふうに考えます。 そこで、女性の転出・転入の現状と、その要因について、お伺いをします。
○議長(徳永達也君) 企画部長。
◎企画部長(早稲田智仁君) 本県の社会減の現状については、女性の転出超過が男性を上回っている状況が続いており、令和4年は、男性が約2,300人、女性が約3,000人と、女性が男性より約700人多くなっております。 県が市町と共同で実施した移動理由アンケートによりますと、県外に就職もしくは転職した女性の約4割が、「県内に希望する業種、職種がない」、または「知識や技能を活かしたい」という理由で転出されています。 このため、女性が魅力を感じる職場づくりや女性の活躍推進の強化に取り組むとともに、そうした情報の発信、周知に努めているところであります。 今後とも、移動理由アンケートの要因分析等を通し、女性の転出超過対策の推進に力を注いでまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) この質問は、2つに分けて、次に婚活支援についてもお尋ねするわけですけれども、なんで女性から選ばれる長崎県づくりとしたか、男性は違うのかという話があろうかと思いますけれども、まずは結婚支援をするためには、やはりその元となる女性の方に、できるだけこの長崎県にとどまっていただいて、婚活をしていただく場面が必要ではないかということから、こういった質問になっていることを、まずもってお伝えしておきたいと思います。 ②女性の雇用の場の創出について。 女性の転出超過数が男性を大きく上回っているというお話が今ありましたけれども、県内の高校や大学卒業後に長崎県にとどまり、あるいは一旦県外に転出した後、長崎県へのUターンを選択してもらうためには、女性が働きたいと思う雇用の場の創出、確保が大変重要であるというふうに考えております。 そこで、企業誘致において、女性が働きたくなるような魅力ある雇用の受け皿づくりについて、県としてどのような取組を行っているのか、お尋ねをいたします。
○議長(徳永達也君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(松尾誠司君) 女性にとって魅力ある雇用の場の創出に向け、企業誘致においては、ライフスタイルに応じた多様な働き方が選択できるオフィス系企業を主なターゲットの一つとし、積極的に取り組んでおります。 平成25年度から令和4年度までの10年間に立地した企業における現在の女性の雇用数は約3,800人となり、雇用者全体に占める女性の割合は約72%となっております。 また、立地企業の中には、新卒や中途のほか、契約社員やパート社員と幅広い職種での採用に加え、短時間勤務などライフスタイルに応じた働き方を設定する場合や、育児と仕事の両立を図るために事業所内に保育園を設置するなど、女性が働きやすい職場環境を整える事例も出てきております。 今後とも、こうした女性にとって魅力ある雇用の場の創出につながる企業誘致に注力してまいりたいと思います。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 今もお話がありましたとおり、やっぱり女性が県内にとどまって、しっかりと結婚をし、子育てをしていく、そういった環境づくりというものが大変大事だというふうに考えます。 女性の身になって、今回、女性の副知事も誕生しておりますので、そこら辺はしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 結びとしまして、女性の雇用の場の創出については、企業誘致ももちろん大事でありますけれども、併せて既存の地場企業における受け皿づくりに対しても、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。 ③女性の活躍推進について。 女性に選ばれる長崎県になるためには、雇用の場の確保に加えて、企業等で働く女性が活躍していくことや、それを若い女性に知っていただくことが重要であると考えます。 そのために、県ではどのような取組をしているのか、お伺いいたします。
○議長(徳永達也君) 県民生活環境部長。
◎県民生活環境部長(大安哲也君) 本県では、女性の活躍の場を広げ、地域経済の活性化を図ることを目的として、「ながさき女性活躍推進会議」を設け、企業等における女性の活躍推進に官民一体となって取り組んでおります。 具体的な取組として、経営者向けセミナーの開催や女性活躍推進企業の表彰、女性の人材育成支援などを行っております。 また、女子学生に本県の魅力的な企業を紹介する取組として、企業見学の実施や女性社員との交流、さらには県内企業で活躍する女性を情報誌等で発信をしております。 今後も、官民一体となって女性の活躍推進に取り組んでまいります。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 今回、大石知事の公約の一つでもありました本県初の女性副知事が誕生したことは大変喜ばしいことであり、働く女性にとっても大きな支えになるものと考えております。 そこで、馬場副知事からも、女性の立場から、これまでの思いについて、一言伺いたいと思います。
○議長(徳永達也君) 馬場副知事。
◎副知事(馬場裕子君) 女性が活躍していくことが、活力ある経済社会をつくるうえで重要ということは言うまでもないことです。 昨日、浅田議員から健康問題というフェムテックという一面で、先ほど、ごう議員からは男性の育児休暇取得促進というようなところもございました。それから、石本議員からは雇用の場の創出、県から様々な部局の者からご答弁させていただきました。 こうしたように多岐にわたる観点から、部局間連携して取り組んでいかなければいけないというふうに思っておりますし、地場企業を含め官民連携して取り組んでいかなければいけないというふうに、思いを新たにしたところでございます。引き続き頑張っていきたいと思います。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) それぞれの職場においても、女性の管理職への登用というのも課題になっておりますけれども、県において今回初めて女性の副知事が誕生したことで、ぱっとこの議場を見ても、理事者側に女性が一人おられると、その場の雰囲気も明るくなりますし、やっぱりやわらかい雰囲気が出て、議会もスムーズに運べるんじゃないかというふうに思っているところでございます。 馬場副知事におかれましても、女性の目線から見た県政の運営について、しっかり意見をしていただきたいというふうに思っております。 (2)結婚支援について。 ①婚活サポートセンターの現状と成果について。 大石知事は、結婚・妊娠・子育てといった子ども施策を政策の基軸に掲げておられますが、子どもの数は年々減少傾向にあることから、子育て支援と併せて、まずは最初のハードルとなる結婚支援が優先されるべきであるというふうに思っておりますし、このことは非常に重要ではないかというふうに考えているところでございます。 県では婚活サポートセンターを運営しておられますが、具体的にどのような取組を行い、その成果がどのようになっているのか、お伺いをいたします。
○議長(徳永達也君) こども政策局長。
◎こども政策局長(浦亮治君) 長崎県婚活サポートセンターにおきましては、主な結婚支援として、1対1の出会いをサポートする「お見合いシステム」や、ボランティアによります「縁結び隊」のほか、民間団体によるイベント開催を支援する「ながさきめぐりあい」などの事業を展開しております。 コロナ禍におきましては、縁結び隊の活動やながさきめぐりあい事業のイベントが一部実施できないなどの影響があった中、お見合いシステムの自宅閲覧機能追加等による利便性の向上や、会員のスキルアップのためのセミナー、アドバイザーによる相談会の開催などに力を入れて取り組んできたところでございます。 こうした取組によりまして、令和4年度におきましては、お見合いシステムによるカップル数が過去最多の479組となったほか、成婚数も、目標には届いておりませんが、98組と増加傾向であるなど、一定の成果が出ているものと考えているところでございます。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) 今、報告があったことについて、私も前もって目を通しております。この婚活サポートセンター利用者の婚姻数が増加傾向にあることは、非常にいいことだと思っております。しかしながら、令和4年度の実績では98組と、目標の65%にとどまっているところでございます。 また、お見合いシステムの市町村別会員数を見ますと、長崎市、佐世保市、諫早市、大村市の4市で全体の7割を超えているところでございます。今後、県下全体の均衡的な発展を目指すためには、特に、離島・半島地域における婚活支援活動は喫緊の課題であると認識をしております。 また、郡部におきましては、後継者問題も併せて大きな問題になっているところであり、今後とも、この婚活に係る事業についてはしっかりと取り組んでいく必要があるというふうに考えております。 ②婚活支援について、県の役割と今後の取組みについて。 これまでコロナ禍においては婚活イベントが思うようにできなかった、今後は活発な交流が期待されるところでございます。 婚活イベントというと、参加を躊躇される方も中にはおられると思いますが、交際の機会を求める男女が気軽に参加できるイベントをたくさん企画することにより、これまでなかなか一歩を踏み出せなかった人への後押しになるのではないかと期待しているところでございます。 この婚活支援については、本県の人口減少対策、とりわけ人口の自然増や出生率の向上を図るうえで、欠くことのできない重要な施策の一つであると考えております。 今後は、各市町や地元団体などと連携し婚活支援の取組を積極的に進めていくことが、県の重要な役割だと考えております。 県の考えを伺いますが、その前に若干、資料の補足をしておきますけれど、私も今回、県から提出された資料を見て愕然としたわけですが、ちなみに本県の婚姻数は、ピークの時の4分の1まで減少しており、令和2年度には5,000組を割り込んだ数字であります。 また、本県の50歳時の未婚率の推移で、1980年ごろまでは、ほとんどの男女が結婚をしておりましたけれども、現在では男性の4人に1人、女性の5人に1人が、一度も結婚していないという状況があらわれております。 さらに、未婚者の18歳から34歳までの交際相手がいないという調査については、未婚男性の約7割、女性の約6割が、そもそも交際相手がおらず、その割合は年々増加しているという状況であり、交際相手がいないので、未婚のままでいる男女が増加しているという状況が見てとれます。 こういった、本当に結婚はしたいけれども、なかなかその一歩が踏み出せない、結婚する相手を探すチャンスがないというのが、都市部以外の離島・半島地域、特に、郡部で多いのではなかろうかと思います。こういったことを解消していくのが、県の今後の大きな役割を占めていると、そうしたことで、この県の人口減少を少しでも食い止める、そして、できれば人口増加に向けて取り組んでいくと、そういったことが望まれるところであり、そういったことも含めて、県の今後の対応について、お伺いしたいと思います。
○議長(徳永達也君) こども政策局長。
◎こども政策局長(浦亮治君) 交際の機会を求める男女が気軽に参加できるイベントの拡大等について取り組むべきではないかというふうなお尋ねだと考えております。 長崎県婚活サポートセンターにつきましては、出会いの機会を幅広く提供するために、これまでもスポーツ観戦やバーベキューといった体験を通じた交流会など、気軽に参加できるイベントの開催に努めてきたところでございます。 現在、県や市町等が開催するこうした出会いのイベントに参加することで、お見合いシステムの登録料が半額となるキャンペーンを行っておりまして、結婚を希望する方にとっても、イベントへの興味を高めて参加の後押しとなるのではないかと期待しているところでございます。 また、市町や関係団体との連携というご質問もございました。こうした市町や民間団体と構成する協議会で、結婚支援に関する事例の共有を行っているほか、各地域で結婚の応援機運を高める役割を担っておりますコーディネーターによりまして、市町等による積極的なイベント開催も促しているところでございます。 今後とも、より一層参加しやすいイベントの拡大に力を注ぎますほか、県と市町の役割分担も踏まえながら、市町等の主体的な取組も促進しながら、県下全域における出会いの機会の創出、拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(徳永達也君) 石本議員-23番。
◆23番(石本政弘君) そういった一つひとつの小さな取組が、将来は大きな人口減少の抑制、できれば人口増加につながるように、そういった取組をしっかりしてもらいたいと思います。 一つは、各地域ではいろんな祭りがあります。この祭りというものは、昔から男女の出会いの場をつくる、本当に大きなイベントではないかと思いますし、私も、こうした祭りを地元でもしっかりと応援していけるような体制をとっていただきたいというふうに考えているところでございます。 いずれにしても、結婚していただきたいというのは、結婚する、しないは、それぞれ個人の自由がありまして、それを強制することではありませんけれども、本当はしたいけれども、なかなかできない、こういった人を行政が親身になって救うのが重要な役割だというふうに思っていますので、そこら辺をですね、何か何でも結婚じゃなくて、したくてもできない、そのために後継者がいないというのもたくさん声を聞きますので、しっかりとそういったところを腹に据えて取り組んでいただきたいというふうに思います。 本県の明るく夢のある未来を切り拓くためにも、今後とも、しっかりとこういった取組に力を入れていただきたいと思います。 最後になりますけれども、今月14日から15日にかけて県北部で線状降水帯が発生し、松浦市でも観測史上最大となる1時間に84ミリという観測をいたしました。降り始めからの雨量は、平戸で509ミリ、松浦で445ミリに達し、平年の9月ひと月の2倍の降水量があったところでございます。また、一時、県北地域では避難指示も出されたところでございます。 今回の集中豪雨により、一部に土砂災害、農産物の被害が及んでおりますので、しっかりと復旧についてもお願いして、終わりたいと思います。(拍手)
○議長(徳永達也君) 午前中の会議はこれにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は、1時30分から再開いたします。 -午後零時16分 休憩------------------------------------ -午後1時30分 再開-
○議長(徳永達也君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き、一般質問を行います。 中村一三議員-24番。
◆24番(中村一三君) (拍手)〔登壇〕自由民主党、南島原市選出、中村一三であります。 今日は、遠いところ80キロをかけて地元からおいでになられました。しっかり頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、通告に従いまして質問に入ります。知事をはじめ、関係各位のご答弁をお願いいたします。 1、長崎県総合計画の一部見直しについて。 (1)計画見直しの基本方針等について。 県では、県政運営の基本的な方向性を示すものとして、「人・産業・地域を結び、新たな時代を生き抜く力強い長崎県づくり」を基本理念とし、「地域で活躍する人材を育て、未来を切り拓く」、「力強い産業を育て、魅力あるしごとを生み出す」、「夢や希望のあるまち、持続可能な地域を創る」の3つの柱と、それに基づく10の基本戦略を掲げた「長崎県総合計画 チェンジ&チャレンジ2025」を策定され、県政の各分野における施策の推進に取り組まれているところであります。 この総合計画は、令和3年度から令和7年度までの5年間を計画期間としておりますが、本年度が計画期間の中間年に当たることから、コロナ感染症の影響のほか、国の動向など、社会経済情勢の変化や数値目標の進捗状況等を踏まえ、知事は、本9月定例会の開会日に所信表明において、計画の一部見直しを行うことを説明され、見直しの素案を提示したところであります。 そこで、まず、総合計画の見直しに当たっての基本的な考え方について、知事に総括的にお尋ねをいたします。 (2)計画見直しの具体的な内容・理由等について。 本県の総合計画のように、5年間といった長めの期間となっている計画については、策定した時点と終了した時点で社会情勢の変化もあるものと思っております。 特に、今回の総合計画の期間においては、新型コロナ感染症の感染拡大という世界中の誰も予想し得なかった事態がありましたので、様々な転換があったものと考えます。 このようなことからも、私は一旦策定した計画であっても、時代や環境の変化等に応じて柔軟に変更、見直しを加えながら、県政の諸課題に対して、迅速かつしっかりと施策を推進していくことが、総合計画に掲げてある「力強い長崎県づくり」を県民の皆様と一緒に進めていくうえで、最も大切であると考えております。 そこで、今回の総合計画見直しの具体的な内容について、取組項目の変更や追加、新設などの主要な例と、その理由、背景をあわせてお尋ねいたします。 2.本県財政について。 (1)今後の財政運営について。 ①基金残高について。 去る8月に公表された令和4年度一般会計決算見込みによると、令和4年度末に財源調整のための基金残高は約353億円と、令和3年度から増加し、基金を取り崩さない財政運営を達成しており、これまでの財政健全化の取組の成果が生じてきているものと評価するところであります。 しかしながら、本県財政を取り巻く環境は、少子・高齢化に伴う社会保障関係費の増加や長引くエネルギー、食料品価格等の物価高騰など、大変厳しい状況が続くものと考えており、先般、公表された「中期財政見通し」においても、令和7年度以降は、再び基金等の取り崩しが生じる見込みとなっております。 今後も、災害をはじめ、県民の生命や財産に関わる緊急的な課題に迅速かつ確実に対応していくためには、基金残高を維持し、確保しながら、安定した財政運営を図る必要があると認識しておりますが、県の見解をお尋ねいたします。 ②県債残高について。 令和4年度末に一般会計の県債残高は、1兆2,359億円であり、このうち後年度に地方交付税で全額が措置される臨時財政対策債を除いた残高は、8,340億円となっております。 防災・減災、国土強靭化事業債等の活用により、臨時財政対策債を除いた県債残高は増加していると認識をしており、本県財政への影響が懸念されるところであります。 今後の県債残高の見通しと対策について、お尋ねをいたします。 3.アフターコロナ対策について。 (1)新型コロナ対応の「ゼロゼロ融資」について。 ①県内の倒産状況及び借換需要に対応した県制度融資の実績について。 本県の景気は緩やかに回復しているとのことであるが、新型コロナ感染症に対応するための実質無利子・無担保融資、いわゆる「ゼロゼロ融資」の返済も本格化している中、支払いに窮する事業者が増加する懸念も言われております。 加えて、原油をはじめとするエネルギーや原材料価格の高騰等の問題が、県民の生活や社会経済活動に依然として影響を与えており、事業者を取り巻く環境は、厳しい状況が続いていると心配しているところです。 県では、令和2年3月からコロナ禍で影響を受けた県内事業者の資金繰りを支援するため、県の制度資金である「緊急資金繰り支援資金」が発動されて以降、随時、必要な対策を実施されてきておりますが、本年1月から新たに借換え需要に対応した制度融資の運用を開始し、「ゼロゼロ融資」の借換えにも対応されているとお聞きをしております。 そこで、倒産件数が全国的に増加傾向にある中において、県内の倒産は低い水準にあると聞いておりますが、実際、県内事業者の倒産件数はどのような状況か。また、借換需要に対応した制度融資の利用実績について、お尋ねをいたします。 ②借入金返済に苦慮する事業者への対応について。 県内の倒産が低い水準に抑えられている中でも、事業者の中には長期化したコロナ禍の影響による回復の遅れや、原材料や光熱費の高騰によるコスト増などで業績が振るわず、借入金返済に苦慮する事業者が増えてくると感じていますが、県では、これまでどのように取り組んでこられ、また、今後どのように対応していこうとされているのか、お尋ねをいたします。 (2)生活困窮者への支援について。 コロナ禍の影響を受け、休業や失業等により収入が減少した世帯に対し、令和2年3月から令和4年9月までの約2年半、生活福祉資金の特例貸付が実施されたところであります。 貸付実績は、最大20万円の緊急小口資金、最大180万円までの総合支援資金を合わせて延べ2万8,414件、約107億円と伺っており、本県においても多くの方が、これらの貸付けにより窮地を乗り越えられ、一定の成果があったものと理解をしております。 一方で、今年1月からは償還が開始されましたが、今なお、再就職や収入の回復が難しく、物価高騰が生活に追い打ちをかけるなどにより、返済が見通せない方もおられるのではないかと推測をしております。 このような中、今回の特例貸付においては、一部償還免除などの救済措置もなされているようですが、現在の償還状況をお尋ねいたします。 4、農業行政について。 (1)南島原市における農業振興について。 ①南島原市におけるスマート農業の推進について。 南島原市の主要品目であるいちごなどの施設園芸農家から、急激な生産資材や燃油価格等の高騰が続いており、農業所得の確保が以前より厳しい状況であると聞いております。 そのような中、生活現場における生産性の向上や省力化、軽労化を進め、農家所得の向上を図るためには、先端技術を活用したスマート農業の導入が重要であると考えております。 このため、県において、引き続き南島原市と積極的に連携し、スマート農業の取組を進め、産地振興を図っていただきたいと考えています。 そこで、生産性の所得向上に向けた南島原市におけるスマート農業の推進について、県ではどのように考えているのか、お伺いいたします。 ②「みどりの食料システム戦略」の推進について。 南島原市では、ばれいしょ、レタス、いちご、とまとなど、高品質で生産性の高い農業が盛んである一方で、環境に配慮した有機農業の取組が古くからなされており、その支援のため、市と地元生産者による「南島原オーガニック協議会」がつくられたところであります。 国においても、令和3年5月に、「みどりの食料システム戦略」を策定し、生産性を維持しながら、環境に配慮した農業を推進する方向性が示され、その戦略をしっかりと進めるための法が整備されたと伺っております。 この国のみどりの戦略を取り込むことで、南島原市の農業を活性化できないかと考えておりますが、長崎県では、南島原市において、このみどり戦略をどのように進めていこうとしているのか、お尋ねいたします。 5.水産行政について。 (1)水産業の振興について。 ①栽培漁業について。 有明海では、一本釣り、刺し網、かご、小型底引き網など、様々な船舶漁業が行われており、また、遠浅の地形を利用して、カキなどの貝類やワカメなどの藻類の養殖が行われています。しかしながら、近年、漁業生産は減少を続けており、漁家経営は厳しい状況であります。 このため、漁家経営の安定に向けて、漁獲を支える水産資源の回復が必要であり、栽培漁業をさらに推進していく必要があると考えております。 有明海では、ガザミ、クルマエビ、ヒラメ、トラフグなどの栽培漁業に取り組まれており、近年、地元漁業者からは、ガザミが増えてきているとお聞きをしております。 そこで、ガザミの栽培漁業について、県の取組とその成果について、お尋ねをいたします。 ②藻類養殖について。 南島原市では、ワカメ、ヒジキなど藻類養殖が盛んですが、海藻は食物繊維を豊富に含む低カロリーの健康食材として人気が高く、今後も生産拡大が期待できる地域の重要産品であると認識をしております。 こうした中、今年6月には南有馬町におけるヒジキの養殖試験で、いい成績が得られたとの報道があったところです。 一方で、同じ有明海沿岸であるにもかかわらず、ワカメについては、地域や生産者によって生育不良が発生し、例年より生産が落ち込んでいるとの話を聞いております。 今後も、養殖業者が安心して生産活動を継続し、拡大していくためには、時折発生する生育不良の原因を解明し、対策を講じなければなりません。 そこで、ワカメ養殖で発生する生育不良の原因は何なのか、また、その対策について、お尋ねをいたします。 6.土木行政について。 (1)深江から口之津間の道路整備について。 島原半島の振興には、道路の整備をはじめとした土木行政の推進が必要不可欠であります。 整備が進められている島原道路では、森山拡幅の一部区間が今年度中に開通予定となり、大きな期待を寄せているところであります。 一方で、南島原市の振興のためには、島原道路につながる深江町から口之津間の道路整備が重要な課題となっております。 さきの南島原市議会において、「島原半島南部地域高規格道路建設促進特別委員会」が新たに設置され、また、先月28日には、市や地元関係団体による「島原半島南部地域高規格道路建設促進期成会」が開かれるなど、地元の機運も高まっております。 現在、国や地元関係市と検討を進めているとのことでありますが、現在の取組状況について、お尋ねをいたします。 (2)主要道路小浜北有馬線(大亀~矢代工区)の進捗状況について。 県道小浜北有馬線は、沿線地域の生活道路としてだけでなく、雲仙市小浜町と南島原市北有馬町を結ぶ幹線道路として重要な役割を担っております。 整備が進められている大亀~矢代工区においては、昨年度、トンネル工事や橋梁工事が発注され、現在、全面的に工事が進められているところであり、この道路の完成を地元の皆さんは心待ちにしております。 そこで、大亀~矢代工区の現在の進捗状況について、お尋ねします。 7.河川等の内水氾濫対策について。 (1)河川等の内水氾濫対策について。 内水氾濫とは、大雨により、河川、湖、ダムなどの水位が上昇し、雨水が河川等へ流入できず、周辺地域に水が広がる現象を指します。 また、下水道等の排水施設の能力を超えた雨が降った時、雨水が排出できなくなり、浸水することもあります。下水道や水路等から雨水があふれ出し、浸水被害が発生をします。内水氾濫は、豪雨や台風などの大雨が原因であり、適切な対策が必要となっております。 令和に入り、全国各地で豪雨や台風などの影響で内水氾濫による洪水被害が発生しており、今年も線状降水帯が発生し、福岡、京都、大阪、秋田、福島で内水氾濫による被害が発生し、また、長崎も、つい先日、佐々、佐世保、長崎で内水による氾濫が生じたところであります。 これまでの常識を覆すような異常気象の影響によるものと推察され、7月末には、「地球温暖化時代は終了し、地球沸騰化時代が到来した」と警告があったところであります。 内水氾濫の重要な要素として、堤防やダムの整備と管理、河川の改修と治水事業、適切な排水施設の確保、リスク評価と避難計画、警報と情報発信が挙げられ、これらの対策を総合的に実施することで、内水氾濫による被害を最小限に食い止めることが可能だと存じます。 県においては、昭和32年の「諫早大水害」、昭和57年の「長崎大水害」による甚大な水害が発生しており、近年では令和元年の江迎川、令和2年には大村の大上戸川、佐奈河内川で河川氾濫が発生するなど、年々、予測不能な大雨が迫っていることを感ずるところであります。 県において、このような予測不能な事態に備えて、どのような想定をもって内水に備えているのか、ご所見を伺います。 また、総合的に実施が必要な避難計画の策定、災害対応訓練、堤防や護岸の整備、河川の維持管理、洪水ハザードマップの作成、災害情報の発信にどのように取り組んでいるのか、併せてお伺いいたします。 8.教育・文化行政について。 (1)島原半島内における県立学校の今後のあり方について。 近年、島原半島内の県立高校8校の入学者の状況については、人口減少・少子化による生徒数の減少や、半島外の私立高校などへの進学などにより、平成30年度からは全ての学校で募集定員を満たしていない状況であります。 商業、工業、農業、進学校等で特色のある高校については、それ相応の入学者を確保しております。 一方、入学者が募集定員の半数以下の高校も見受けられますが、それらの高校の今後の存続について、地元住民からは不安の声が届いており、関心の高い課題でもあります。 そこで、それらの高校の今後のあり方について、どのように考えているのか、お伺いをいたします。 (2)世界遺産センターへの支援について。 市においては、平成30年に原城世界遺産センターの整備を計画して以来、文化庁、県を交えた協議が始まり、発掘調査、事業地周辺の調査、文化財に関わる各種計画への事業計画の記載などの調査を実施してまいりました。 そのように事業の推進に格別のご尽力を賜った結果、内閣府のデジタル田園都市国家構想交付金の地方創生拠点整備タイプが長崎県下で初めて採択をされたところであります。 この事業は、令和5年から7年の3か年の計画であり、地方創生の推進に資する事業として注目を集めております。 現在、令和8年度の世界遺産センターの開館に向け、設計業務等を進めておりますが、地域の起爆剤と期待をしており、人口減少等で地域の活力が低下している中で、コロナ禍の影響で落ち込んだ来訪者の回復や観光消費を拡大させるためにも、早期の完成を望んでおります。 一方で、遺産センターが原城跡に近接した場所に建設されることから、遺産影響評価が必要と聞いております。 市においては、本年10月中旬に「南島原市世界遺産影響評価委員会」が開催をされる予定で、報告書の取りまとめが完了する見込みであるとお聞きをしております。 報告書は、世界遺産の価値に影響を及ばさないよう、5年以上の歳月をかけて業務内容を検討した結果、影響は「ない」、あるいは「軽微」という結論に落ち着くのではないかとお聞きをしているところであります。 この事業を令和7年度までに完了させ、確実に供用開始できるように進めていく必要があると考えておりますが、今後のスケジュールを含めて懸念される点などないか、県の見解をお伺いいたします。 9.警察行政について。 まずもって、中山 仁本部長、ご着任おめでとうございます。 県民の安全と秩序を維持し、犯罪の防止に努めていただき、長崎の治安や安心・安全を守っていただき、犯罪のない長崎のため、職務に推進していただきたいと思います。 (1)ニセ電話詐欺の現状と今後の取組みについて。 近年、全国において広域的な関連が疑われる強盗事件等に関する報道が取り沙汰されており、検挙された犯人の多くは、闇バイトを募集するサイトをきっかけに、強盗やニセ電話詐欺に加担しているなど、インターネット空間を利用した凶悪な事件が増加しているように感じております。 全国のニセ電話の被害額は、2022年は370億8,000万円と8年ぶりに増加、今年も5月末現在、前年同期現在、153億6,000万円と前年の23%増となっております。 長崎県においては、昨年は約2億円、被害件数は113件、本年8月現在認知件数は93件と、前年同期と比べ20件増加しているものの、被害総額1億4,600万円で、前年同期と比べ2,100万円減少しております。 県内では、貴金属店等を狙った強盗詐欺事件の凶悪事件は発生していないものの、ニセ電話詐欺で検挙された者の中には、ネット上において、「闇バイト」等と記載された情報に応募した者がいたと聞き及んでおります。 毎日のように、ニセ電話詐欺被害の新聞記事を目にするなど、改めて、県民一人ひとりが防犯意識を高め、真に安全で安心な長崎県の実現に向けて取り組む必要があると考えております。 県警察では、「身近に迫るニセ電話詐欺」、「だまされないで 長崎!」と工夫を凝らした広報啓発活動や、県内各地における各種防犯活動等を展開され、被害を最小限に抑えられ、大変心強く思っております。 そこで、2点お尋ねします。 ニセ電話詐欺の県内における犯行手口等の特徴、ニセ電話詐欺の現状を受けて、今後どのように取り組むのかをお尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終了し、以降は、対面演壇席から再質問をさせていただきます。 ありがとうございました。
○議長(徳永達也君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 〔登壇〕中村議員のご質問にお答えいたします。 総合計画の見直しに当たっての基本的な考え方はとのお尋ねをいただきました。 今般の総合計画の一部見直しについては、現在、策定を進めている「新しい長崎県づくり」のビジョンの実現に向け、より重点的に注力したい分野の施策の追加を図るとともに、計画策定後に生じた新型コロナウイルス感染症の影響のほか、社会経済情勢の変化などに適切に対応することとしております。 具体的には、現行の総合計画に記載がない取組項目と、その成果を測定する数値目標の追加、または変更を行うこととしております。 また、本年度は、5年間の計画期間の中間年に当たることから、数値目標の進捗状況を踏まえ、既に目標を達成したものは上方修正を行うなど、総合計画を推進していくために必要な見直しを行っており、今後、県議会のご意見等を伺いながら、検討を進めてまいりたいと考えております。 残余の質問につきましては、関係部局長から答弁をさせていただきます。
○議長(徳永達也君) 企画部長。
◎企画部長(早稲田智仁君) 私から、総合計画見直しの主な内容と、その理由、背景のお尋ねについて、お答えいたします。 総合計画見直しの具体的な内容としまして、「新しい長崎県づくり」のビジョンの実現に向けた施策の追加においては、健康分野における遠隔医療の推進のほか、イノベーション分野において、ドローンの利活用の促進や次世代モビリティにおける実証実験等の推進の項目を反映しております。 また、社会経済情勢の変化などに伴い、中学校部活動の地域移行などについて、事業群の新設や取組項目の追加等を行うとともに、最終目標を達成した各項目の成果指標の上方修正等を行ってまいりたいと考えております。 一方で、コロナ禍の影響により、目標の達成時期を後ろ倒しする必要が生じたことから、国際
定期航空路線の利用者数等について、令和7年度の目標を下方修正することとしております。
○議長(徳永達也君) 総務部長。
◎総務部長(中尾正英君) 今後の財政運営について、2点お答えを申し上げます。 まず、基金残高を維持・確保しながら安定した財政運営を図る必要があると認識しているが、県の見解をとのお尋ねでございますが、本県は、自主財源に乏しく、脆弱な財政構造にある中、令和4年度は、新型コロナや物価高騰への対策などに力を注ぎつつ、県税収入の確保や地方交付税の増額等により、財源調整のための基金を取り崩さない財政運営を達成し、残高も地方交付税精算分を除き、353億円を確保することができました。 しかしながら、本県の財政を取り巻く環境は、実質的な公債費の増加等により、令和7年度以降は基金の取り崩しが見込まれ、さらに厳しさを増していくものと考えております。 そうした中で、災害等の突発的な事象や様々な行政課題に対応していくためには、一定規模の基金が必要と認識しており、引き続き、歳入・歳出両面からの収支改善や、将来の公債費抑制に向けた対策のほか、施策の一層の重点化等にも取り組み、安定的な財政運営に努めてまいりたいと考えております。 次に、今後の県債残高の見通しと対策についてのお尋ねがございましたが、今般、策定した「中期財政見通し」において、令和10年度の臨時財政対策債を除く県債残高は8,888億円となり、令和4年度末の8,340億円と比較して548億円の増加を見込んでおります。 そのため、引き続き、公債費と県債残高を適正に管理していくことが重要と考えており、具体的には、公債費の実質負担に係る長期シミュレーション等も踏まえながら、地方交付税措置率の高い有利な県債の活用や、各年度の公債費負担の平準化などに力を注いでまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(松尾誠司君) 私の方から、「ゼロゼロ融資」に関連しまして、2点お答えさせていただきます。 まず、県内の倒産状況及び借換需要に対応した県制度融資の実績についてのお尋ねでございます。 県内における負債総額1,000万円以上の倒産状況につきましては、本年1月から8月までで25件となっており、同じ期間で比較いたしますと、昨年の33件、また、コロナ禍前の令和元年の27件と比べても低い水準となっております。 また、借換需要に対応した県制度融資につきましては、本年1月から新たに「緊急資金繰り支援資金(伴走支援・借換)」の運用を開始したところであり、本年1月から8月末時点で814件、184億円が活用されている状況であります。 次に、借入金返済に苦慮する事業者への対応についてのお尋ねでございます。 県では、これまでも金融機関に対して、事業者からの返済条件の緩和や借換えの相談等に迅速かつ丁寧な対応を図られるよう、定期的に開催しております「中小企業経営安定対策連絡会議」の場などにおいて、適宜、要請を重ねてきたところであります。 今後も、機会を捉えて、ご理解とご協力をお願いしてまいりますとともに、引き続き、商工団体等との意見交換を通じて、事業者の状況把握に努め、関係機関と連携しながら、適切な資金繰り支援に取り組んでまいります。
○議長(徳永達也君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(新田惇一君) 生活福祉資金特例貸付の現在の償還状況についてのお尋ねですが、生活福祉資金特例貸付の償還については、資金の種類や貸付けの申請の時期により開始時期が異なっており、今年1月からの償還対象は、緊急小口資金と総合支援資金を合わせ、2万783件、約69億7,000万円となっております。 そのうち本年7月末現在で218件、約5,000万円の償還が完了しており、8,814件、約30億2,000万円については、住民税非課税世帯のほか、生活保護の受給等一定の要件に該当し、償還免除が決定しております。 残る約39億円については、償還が未了のものでありますが、病気療養中や、失業、離職中である場合など、償還が困難であると認められる借受人等891件に対しては、原則一年間の償還を猶予しており、今後も貸付けの実施主体である県社会福祉協議会において、借受人の個々の状況に応じた適切な対応を実施してまいります。
○議長(徳永達也君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 私の方から、農業振興について、2点お答えをさせていただきます。 まず、南島原市おけるスマート農業の推進についてのお尋ねですが、スマート農業技術の導入は、生産性の向上や省力化につながることから、県では、南島原市においても、実演会や研修会の開催、いちごでのICT機器の実証などに取り組んでまいりました。 その結果、長崎型統合環境制御装置が、いちごの収量向上に大きく貢献することが明らかになり、令和4年度には、その成果を見た若手の施設園芸農家20戸が、同じ装置を導入するなど、スマート農業が広がり始めております。 今後も、引き続き、南島原市と連携し、機器の導入支援やデジタル人材の育成等を進め、快適で、もうかる農業の実現に向け、スマート農業を推進してまいります。 次に、南島原市における「みどりの食料システム戦略」の推進についてのお尋ねですが、令和3年に策定された国の「みどりの食料システム戦略」は、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるための戦略であり、具体的な目標として、2050年までに化学農薬の使用量を50%、化学肥料の使用量を30%低減させることなどが掲げられております。 南島原市においては、本年3月に、本県初となるみどり戦略に基づいた「オーガニックビレッジ宣言」を行い、「南島原オーガニック協議会」を設立するなど推進体制を整備し、6月には有機野菜を使用したカレーが、市内の全小中学校の給食に提供されたところです。 県といたしましては、引き続き、南島原市と連携しながら、有機や特別栽培を実践する農業者の「ながさきグリーンファーマー」認定や、新たに学校給食向けに有機米を栽培する農業者への技術支援などに取り組んでまいります。
○議長(徳永達也君) 水産部長。
◎水産部長(川口和宏君) 私から、2点お答えいたします。 まず、ガザミの栽培漁業について、県の取組とその成果についてとのお尋ねでございます。 有明海におけるガザミの放流は、沿岸4県が協調した取組を進めております。 これまで実施したDNA標識を用いた放流効果の検証により、放流場所を湾奥部とすることで高い効果が得られることが判明し、昨年は4県合わせて870万尾の稚ガニを湾奥部中心に放流をしたところでございます。 また、卵を持った親や小型個体の再放流試験を行うなど、効果的な放流技術の開発にも取り組んでおります。 このような取組により、南島原市内主要2漁協のガザミの漁獲量は、平成30年の8トンから昨年は15トンと増加傾向にあり、漁業者の方々も、その効果を実感されております。 県としましては、引き続き、ガザミをはじめ、それぞれの魚種に応じた栽培漁業を積極的に推進し、有明海の水産資源の回復を図ってまいります。 次に、ワカメ養殖で発生する生育不良の原因は何か、その対策にはどういったものがあるかとのお尋ねでございます。 これまで行ってきた現地調査の結果、10月から1月の高水温による影響やクロダイによる食害が、ワカメ生育不良の原因だと考えております。 生育不良の対策として、種糸を適宜追加できるよう、種の安定培養技術を漁業者に指導するとともに、高水温に強いワカメの選抜育種に取り組んできたところであり、今年度からは、防除ネットの設置期間や規模の検討など、食害を軽減する技術開発にも着手しております。 今後とも、漁業者と連携し、ワカメ養殖の安定生産に向けた対策を講じてまいります。
○議長(徳永達也君) 土木部長。
◎土木部長(中尾吉宏君) 私から、3点お答えさせていただきたいと思います。 まず、土木行政についての中で南島原市深江町から口之津町間の道路整備に関する検討状況について、お尋ねをいただいたところでございます。 この区間を含めました島原半島地域の幹線道路網につきまして、今年1月から、国、そして地元関係市との検討会を行っております。 現在、沿線地域や道路の状況等につきまして整理するとともに、まちづくりや産業・観光など道路整備を必要とする地域の活動について、情報収集を行っているところでございます。 このうち、深江町から口之津町間を含む半島の南部地域につきましては、令和3年度から調査を行っておりまして、物流や混雑状況など地域や道路の課題につきまして、先行して整備を進めてきております。 引き続き、地域の意見をしっかりと聞きながら検討を進めてまいりたいと思います。 次に、土木行政の中で小浜北有馬線(大亀~矢代工区)の進捗状況について、お尋ねをいただきました。 この大亀~矢代工区につきましては、トンネル896メートルと橋梁1橋で構成されており、今年度は令和4年度の補正予算と合わせて約20億円を確保し、整備を進めているところでございます。 このうちトンネル工事につきましては、今年5月に掘削を開始し、8月末時点では140メートルまで掘り進んでおります。 また、橋梁につきましては、これまでに橋脚の施工を終えており、今月から橋桁のコンクリート打設に着手したところでございます。 令和7年度末ごろの開通を目標に、残る工事の進捗に努めてまいりたいと思います。 次に、河川等の内水氾濫対策のための総合的な取組について、お尋ねをいただきました。 現在、県管理の32河川におきまして、河道拡幅を目的とした堤防や護岸の整備を進めており、また、河川の維持管理の面からは、河道内のしゅんせつ、伐採等によりまして、流下断面の確保に努めております。 これらのハード対策によりまして、出水時の河川の水位上昇を抑え、内水氾濫対策にも寄与できるものと考えております。 今度は、ソフト対策の面からですけれども、県におきまして、今年度末までに全ての管理河川の「洪水浸水想定区域図」を作成し、その後、これをもとに各市町におきまして、洪水ハザードマップ整備を予定しております。 また、県では、水防活動や避難活動の支援のため、河川水位等の防災情報を提供するシステムを運用してきておりまして、昨年は、スマホでも閲覧しやすい環境を整えております。 引き続き、関係部局及び市町との連携を図りまして、総合的な防災・減災対策に取り組んでまいりたいと思います。
○議長(徳永達也君) 県民生活環境部長。
◎県民生活環境部長(大安哲也君) 私の方から、内水氾濫対策について、お答えさせていただきます。 県はどのような想定をもって内水に備えているのかとのお尋ねですけれども、下水道における対策につきましては、排水施設を管理している市町が主体で行っており、過去の浸水被害などを踏まえて、排水ポンプ場、雨水貯留槽等の整備が進められております。 また、令和3年7月には「水防法」が改正され、想定し得る最大規模の降雨を踏まえた雨水出水浸水想定区域の指定が、地下街に加え、浸水被害が想定される住宅街等へ拡大されました。 現在、対象となる11市町のうち指定が完了した市町はありませんが、5市町については、指定時期を定めたうえで取組が進められております。 県では、今後とも、市町への必要な助言や国の予算確保に努めるとともに、内水ハザードマップ作成における先進事例の紹介など、支援をしてまいります。
○議長(徳永達也君) 危機管理部長。
◎危機管理部長(今冨洋祐君) 私からは1点、河川等の内水氾濫対策について、避難計画の策定、災害対応訓練にどのように取り組んでいるのかとのお尋ねでございます。 大雨による災害については、河川の氾濫や土砂災害など様々ですが、危険な場所から速やかに避難することが重要であることから、県、市町が連携しながら、各防災計画に基づき、避難指示等の実施要領やハザードマップの作成、防災行政無線等を活用した情報発信、防災訓練の実施など、住民の意識啓発や関係機関の連携強化、対応力向上に努めてきたところです。 また、「水防法」には、市町村は、雨水出水浸水想定区域を指定した際には、内水氾濫に備えた避難計画や避難訓練について、防災計画に定めることと規定されております。 県内の市町においては、令和3年の法改正に伴い、区域指定を進めていくという段階であり、その後の防災計画の見直しに向け、先進自治体の取組など、情報収集を行いながら市町を支援してまいります。
○議長(徳永達也君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 島原半島内の高校の今後のあり方について、どのように考えているかとのお尋ねでございます。 少子化の進行によりまして、島原半島など離島・半島地域の県立高校では小規模化が進んでおり、市町の首長からも、学校を維持できなければ地域の活力低下につながるのではないかと危惧する意見をいただいているところでございます。 また、国におきましても同様の問題意識から、高校を地方創生の核として位置づけ、地域人材との交流や、地域と密着した小規模校ならではの取組を進める方策が検討されているところであります。 これらを踏まえ、今年度から市町と連携して、高校の魅力化と地域の活性化を一体的に進めていくこととしておりまして、人や産業など地域の資源を活用した学びを推進するための新たな取組をスタートさせたところでございます。 これから10年後、あるいは15年後におけます島原半島内の高校のあり方を考える時は、学校の適正規模を考慮しつつ、時代や地域のニーズに合った未来の高校の姿を、地域の方々と一緒に描いていきたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 文化観光国際部長。
◎文化観光国際部長(前川謙介君) 原城跡世界遺産センターの令和7年度完成に向けて、懸念される点はないのかとのお尋ねでございます。 この世界遺産センター整備事業に関する遺産影響評価につきましては、文化庁との協議の結果、「世界遺産条約履行のための作業指針」に基づきまして、報告書をユネスコへ提出する必要がございます。 この提出した報告書に対しまして、回答があるまでの間は、工事等による事業地の改変を避ける必要がございます。これによりまして事業スケジュールの再検討が必要になるものと考えております。 県といたしましては、市による事業スケジュールの再検討に当たりまして、遺産影響評価報告書の取りまとめに関する支援、ユネスコへの報告書提出のための関係委員会の迅速な開催など、一刻も早い報告書の提出につなげられるよう、最大限の協力を行ってまいります。
○議長(徳永達也君) 警察本部長。
◎警察本部長(中山仁君) 私から、2点お答えいたします。 まず、県内におけるニセ電話詐欺の犯行手口等の特徴についてのお尋ねでございます。 ご指摘いただきましたとおり、本年8月末現在のニセ電話詐欺の認知件数は93件でありますが、このうち未払いの料金があるなど、架空の事実を口実として金銭等をだまし取る架空料金請求詐欺が65件で最も多く、全体の約70%を占めております。 中でも、パソコンでインターネットを閲覧中にニセのセキュリティ警告等を表示し、金銭等をだまし取ろうとする、いわゆるサポート詐欺の認知件数が31件で、架空料金請求詐欺全体の約48%を占めております。 また、犯人への金銭等の交付形態は、コンビニエンスストアでの電子マネーカードの購入を促されたうえ、購入したカードの番号を伝えさせてだまし取る電子マネー型が49件となっており、全体の約53%を占めております。 次に、ニセ電話詐欺の現状に対する今後の取組についてのお尋ねでございます。 県警察では、これまでニセ電話詐欺被害防止対策として、警察官による高齢者宅訪問、新聞やテレビなどのメディアやSNS、防災行政無線など、あらゆる手段を用いて注意喚起及び広報を行ってまいりました。 今後も、県民の皆様が被害に遭わないために、ニセ電話詐欺等被害防止広報大使の前川清さんを起用した「サポート詐欺被害防止」をテーマとするCM広報や、ニセ電話詐欺被害防止コールセンターからの電話による注意喚起など、県民の皆様一人ひとりに防犯意識を高めていただくための取組を推進していくことといたしております。 特に、本県は、電子マネー型の被害が多いことから、電子マネーカードを販売するコンビニエンスストアを対象とした研修会を開催するなど、関係者の方々と連携した被害防止対策を進めております。 県警察といたしましては、引き続き、こうした関係者の方々や関係機関と連携をして、被害防止のための取組を推進してまいります。
○議長(徳永達也君) 中村一三議員-24番。
◆24番(中村一三君) ご答弁ありがとうございました。再質問を何点か、残った時間、したいと思います。 総合計画の一部見直しについて質問をいたしますけれども、本定例会には、総合計画の一部見直しの素案とともに、「新しい長崎県づくり」のビジョンの素案についても、お示しをされているところであります。 このビジョンの素案については、県民の皆様と一緒に「新しい長崎県づくり」を推進していくため、重点的に取り組む分野として、「子ども」、「交流」、「イノベーション」、「食」及び「健康」の5つを掲げられ、分野ごとに概ね10年後のありたい姿と、その実現に向けた施策の方向性が示されているところであります。 そこで、お伺いをいたしますが、県では、県政の基本的な計画である総合計画に沿って一部見直しを図りながら、取組を進められている中で、このビジョンが総合計画とどのような関係になるのか、お伺いをいたします。
○議長(徳永達也君) 企画部長。
◎企画部長(早稲田智仁君) 総合計画につきましては、県政の概ね全分野を網羅する県政運営の基本的な計画となっております。 一方、今般のビジョンは、重点的に取り組む5つの分野に特化して、ありたい姿と施策の大きな方向性をわかりやすくお示しし、様々な立場の関係者が思いを一つにして有機的に連携しながら、取組を進めるための旗印としたいと考えております。 なお、ビジョンの実現に向けては、総合計画に取組の記載があるものは、その方向性に沿って、さらに力強く推進することとし、総合計画に反映すべきものは、今回の一部見直しに盛り込んでまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 中村一三議員-24番。
◆24番(中村一三君) 財源、財政について、要望いたしたいと思います。 先ほど、財源調整のための基金や県債残高について、お尋ねをし、答弁をいただきました。 私は、この基金や県債残高は、本県の財政状況を示す大きなバロメーターの一つであり、その状況をしっかりと注視していくことが、安定的な財政運営を行っていくうえで極めて重要なことだと考えております。 県におかれては、引き続き、こうした状況に留意しながら、収支改善や施策の重点化などに着実に取り組み、持続可能な財政運営の実現に力を注いでいくことを要望し、次の質問に移りたいと存じます。 次に、生活福祉資金に関して、再度お尋ねをいたします。 先ほど、償還免除や償還猶予の現状について、お答えをいただきましたが、そういった要件に該当しないもの、再建のめどが立たない借受人もいるのではないかと思います。 そのような方々に対して、きめ細やかな配慮をしていく必要があると思いますが、どのように対応されるのか、お伺いをいたします。
○議長(徳永達也君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(新田惇一君) お答え申し上げます。 借受人の中には、収入の減少等により日常生活に困難を抱えている方もいることから、県社会福祉協議会において、償還開始後も免除や猶予等の案内を行うほか、借受人に対しアプローチをしていく中で、継続的支援が必要とされる場合には、自立相談支援機関における就労や家計改善などの支援につなげております。 今後も、引き続き、県社会福祉協議会や相談窓口となる市町社会福祉協議会と連携しながら、借受人の生活再建に向け、積極的にフォローアップ支援を実施してまいります。
○議長(徳永達也君) 中村一三議員-24番。
◆24番(中村一三君) 農業行政について、2点お尋ねをいたします。 農地の基盤整備についてでありますが、担い手への農地集積による規模拡大や大型機械の導入等による生産向上を図るため、農地の基盤整備を進められております。 そこで、現在、南島原市で進められている農地の基盤整備事業実施地区の進捗状況と、今後の新規地区の予定について、お尋ねをいたします。 また、農地の基盤整備を計画的に進めていくには、何よりも農業農村整備事業予算が確保されることが最重要だと思っております。 そこで、令和6年度に向けた国の概算要求の状況と、本県の予算確保に向けた取組状況について、お伺いいたします。
○議長(徳永達也君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 南島原市における農地の基盤整備の昨年度末時点の進捗でございますが、空池原地区95%、見岳地区83%、馬場地区18%、津波見地区2%となっており、今後の新規地区として2地区の予定で早期の事業着手に努めてまいります。 また、国の令和6年度概算要求額は、対前年度比120%の5,338億円となっており、県といたしましては、今後も政府施策要望等あらゆる機会を通じまして、予算確保を国に強く要望してまいります。
○議長(徳永達也君) 中村一三議員-24番。
◆24番(中村一三君) しっかりと予算確保に向けて、頑張っていただきたいと思います。 次に、いちごの輸出促進について、1点お尋ねをいたします。 市においては、いちごを中心に施設の環境整備技術導入が進められており、導入された農家は、収量が増加するなど効果が出始めております。そしてまた、本年度の11月18日に行われる長崎県農林業対象の農林水産大臣及び県知事賞は、南島原市のいちご農家が受賞されています。 こうした農業の効果を農業所得の向上につなげていくためには、販売先の確保・拡大が必要かと思いますが、今後、人口減に伴う国内需要の減少を考慮すると、海外における販売先の確保を図っていくことが重要になってくると考えます。 そこで、南島原市におけるいちごの輸出の取組状況と、県として今後どのように輸出拡大に向けて取り組もうとしているのか、お尋ねをいたします。
○議長(徳永達也君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 南島原市のいちご産地では、平成29年に香港、シンガポール向けの輸出が開始され、令和2年にはタイ向けの輸出に必要な梱包施設の認証を取得されました。 さらに、今年度からは新たにマレーシアへの販路開拓を図るなど、積極的に輸出先国、輸出量の拡大に取り組まれております。 県といたしましては、南島原市のいちご産地の優良事例も参考に、本県農産物のさらなる輸出拡大を図るため、現地商社や販売店等に対するトップセールスや、長崎フェアの開催などに取り組んでまいります。
○議長(徳永達也君) 中村一三議員-24番。
◆24番(中村一三君) よろしくお願いをいたしておきます。 いちごの産出額は、南島原市においては31億円と、全国でも5位を、そして、県内においても2位というすばらしい成績を残しております。ほかの品目においても、南島原市だけでなく、本県の農産物のさらなる輸出拡大を目指していただきたいと思っております。 次に、藻場の需要性については、再質問を割愛をさせていただきます。 次に、海底耕うんについて、質問させていただきます。 平成26年度から30年度にかけて5年間、また、令和2年度から現在まで、漁場の環境改善を目的とした海底耕うんの事業が実施されております。 この事業は、令和6年で終期を迎えると聞いておりますが、漁業者は、この事業終了により、再び漁場環境が悪化することを懸念しております。 有明海沿岸での漁業を支える事業として、これまでの取組の効果が軽減しないようにするためにも、事業の継続が必要と考えておりますが、県は、今後、その事業実施について、どのように考えているのか、お伺いをいたします。
○議長(徳永達也君) 水産部長。
◎水産部長(川口和宏君) 有明海沿岸で実施している海底耕うん事業につきましては、海底の攪拌により酸素が供給され、底質のCODの低減や底生生物の増加など漁場環境の改善が図られており、種苗放流の効果と相まってガザミの漁獲量の増加などにつながっているものと考えております。 県としましては、依然として低い水準にある有明海の漁獲量の回復・増大を図るためには、漁場環境の改善に継続的に取り組む必要があると認識しており、今後、現行事業の効果の検証を行いつつ、事業の継続に向け、国に要望してまいりたいと考えております。
○議長(徳永達也君) 中村一三議員-24番。
◆24番(中村一三君) 土木行政について、再質問いたしますが、夏吉地区の災害復旧と山口南有馬線の整備については、割愛をさせていただきます。 次に、完成した堂崎港の埋立地について、お伺いをいたします。 堂崎港埋立地については、全体の約22ヘクタールのうち7ヘクタールは、令和2年度に埋立てが完了し、現在、南島原市やJA島原雲仙に払い下げられ、活用されており、残り15ヘクタールは、今年度の埋立て完了が予定されているところであります。 残る埋立地においても、企業誘致として活用することで新たな産業や雇用が生まれ、南島原市の活性化につながる重要な用地と考えております。 そこで、埋立地の完了後の手続等について、お尋ねをいたします。 また、埋立地内の道路整備の予定について、お伺いをいたします。
○議長(徳永達也君) 土木部長。
◎土木部長(中尾吉宏君) 堂崎港埋立地につきましては、今年度、県において竣工手続を行います。その後、市議会の議決を得まして、来年秋頃に登記が完了し、企業用地としての活用が可能となります。 埋立地内の道路についてですが、幹線となる道路につきましては県で、周回道路等の支線は、南島原市で整備する予定でございます。
○議長(徳永達也君) 中村一三議員-24番。
◆24番(中村一三君) 河川等の内水氾濫対策について、お尋ねをしたいと思いますが、先ほど答弁をいただきましたが、その中で排水施設を管理している11市町の全てが、まだ雨水出水浸水想定地域の指定を完了していないとの答弁がありましたが、つまり指定が進まないと、避難計画の策定や避難訓練ができないということになると思いますが、「水防法」が令和3年7月に改正され、2年経過しておりますが、その間、全国各地で大きな内水氾濫被害が発生しており、危険と隣り合わせの生活が続いている地域が数多く存在しているというふうに感じております。 先ほど答弁で、5つの市町については、指定に向けた検討が進められているとのお話でしたが、残りの市町についても、一刻も早く指定がなされ、県民の安全が確保されるように、県も市町に寄り添って進めていただきたいと要望をいたしておりますが、この5つの市町においては、長崎、あるいは佐世保等は、このような計画を今進められているんですか、その点、1点だけお願いします。
○議長(徳永達也君) 県民生活環境部長。
◎県民生活環境部長(大安哲也君) 指定時期を定めて取り組む5市町でございますけれども、そこの中に長崎市、佐世保市は入っておりません。 状況としまして、両市からは、指定に向けた準備段階として、斜面地が多い地形上の特性から雨水出水浸水想定区域は、既に作成済みの洪水ハザードマップにおける浸水想定区域と大部分が重複すると想定されて、その取扱いの検討などに時間を要しているというふうに聞いております。 県としましても、早期に雨水出水浸水想定区域の指定がなされるよう、市町に対して必要な助言等を行ってまいりたいと思います。
○議長(徳永達也君) 中村一三議員-24番。
◆24番(中村一三君) しっかりと長崎、佐世保等の都市部においては、その計画を早く進めていただきたいと思います。 次に、県立高校における今後の取組について、要望しておきます。 高校の魅力化と地域の活性化を一体的に進めていく答弁がありましたが、それも一定は理解はできますけれども、南島原の場合は、特に、人口の減少が著しく、中学生の生徒も非常に少なくなっております。 私は、特色のある学校としては、現在でもトップクラスの国見高校、後で、委員会で、これについては言います。時間がございません。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(徳永達也君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、2時45分から再開いたします。 -午後2時31分 休憩------------------------------------ -午後2時45分 再開-
○副議長(山本由夫君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) (拍手)〔登壇〕皆様、こんにちは。 佐世保市・北松浦郡選出、改革21、社会民主党、堤典子でございます。 本日は、多くの皆さんに傍聴いただいています。ありがとうございます。 それでは、通告に従い、一問一答方式で一般質問を行っていきます。理事者の皆様、ご答弁よろしくお願いいたします。 1、パートナーシップ制度の導入について。 同性パートナーシップ制度、パートナーシップ宣誓制度など、幾つか呼び方はありますが、いわゆるパートナーシップ制度は、自治体が同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認め、証明書を発行する制度です。 LGBTQのカップルに対して、今年の5月末現在、全国で328自治体が導入し、人口カバー率は70.9%に上ったと報じられています。 本県では、この10月から長崎市に続いて大村市でも導入されるということで、制度がさらに進むことになります。九州では県単位で、佐賀県、福岡県で既に導入をされています。 このパートナーシップ制度について、私が取り上げるのは今回がはじめてですが、これまで何度となく一般質問で取り上げられてきました。これまでの答弁で、市町との意見交換、先進自治体の情報などの検証、課題や問題点等について整理していきたいとありましたが、導入に向けての残された課題はどういったことなのか、お尋ねします。 以下の質問は、対面演壇席より行います。
○副議長(山本由夫君) 県民生活環境部長。
◎県民生活環境部長(大安哲也君) パートナーシップ制度につきましては、制度を導入した場合の制度の適用範囲、利用者に提供する行政サービスの内容や市町との連携、民間事業者のサービス提供への影響など、様々な課題を検討する必要があります。 具体的には、制度の適用範囲では、対象者の範囲をどこまでとするか、また利用者に提供されるサービスがどこまで可能かなどが整理すべき課題であります。 また、市町との連携につきましては、現状において市町の意見として、提供するサービスにばらつきが生じない方がよいとの考えが多い一方で、県が制度を導入した場合の市町の取扱いについて具体的な検討が進んでいないといった課題がございます。 このため、今月には、改めて市町担当課長会議を実施し、情報共有や意見交換を行ったところですが、引き続き、市町や関係団体等に意見をお聞きしながら検討を進めてまいります。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 佐世保市の人権施策審議会は、昨年も一昨年もパートナーシップ制度に関して、委員で意見交換をしています。いわく、本県では長崎市がはじめたが、その後に続くところがない、佐世保市もその後に続いて同じような取組ができたらと思う、性的少数者から訴えがないから困っていないのではなく、世界じゅうどこでも性的少数者が一定数いることは自明のことである、佐世保市が人権を大事にする市として名乗りを上げて、誰にとっても住みやすい市だと取組を早急に進めていってほしいという意見、また、昨年は、市議会議員や行政の部長職とかで意見交換を行っているようですし、県で制度導入を行うことができれば、県内の住民全てがその制度を利用できるということになるのではないかといった意見が出されていました。 昨年、性的少数者の若者支援に取り組んでいる団体が行った調査では、この一年で自殺を考えた20代の性的少数者LGBTQなどは48%、自殺未遂を図ったのは14%だったという結果が報告されています。一般的な自殺意識調査と比べたところ、この一年で自殺を考えた割合、自殺未遂をした割合は、いずれも性的少数者の方が3、4倍高かったということです。 LGBTQといわれる性的少数者に関して社会の認知度が一定程度上がってきた現在でも、当事者がなお、自殺や孤独・孤立の高いリスクを抱えている状況に変わりがありません。 この数年、コロナ禍の中で孤独・孤立や不安が深刻化し、日本全体で自殺者が増加したことが政府の自殺対策、孤独・孤立支援につながってきました。その中には、性的少数者への支援も取り上げられていますが、都道府県や市町村段階での取組はまだまだ浸透してきていない状況です。支援の手をきめ細かく広げていく必要があります。パートナーシップ制度は、法的な根拠はありませんが、性的少数者がその社会に認められていることを示し、安心感につながり、性的少数者への様々な施策を推進する原動力となります。当事者の皆さんから、制度ができることを待ち望んでいる、県でぜひ取り組んでほしいという要望をいただいています。 大石知事は、パートナーシップ制度について、導入の検討過程や導入後において性の多様性の理解を深めるために寄与するものと考えていると、意義のあるものだと認識していらっしゃるということですが、本県はなかなか市町へ広がっていない状況です。県は丁寧に慎重に検討されているところかとは思いますが、課題の整理で足踏みをしていると、なかなか一歩を踏み出せません。一定の結論をいつまでに出すのか、お示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。性的少数者が生きやすい社会づくりを推進するために、パートナーシップ制度の導入に向けての知事の決意のほどをお伺いします。
○副議長(山本由夫君) 知事。
◎知事(大石賢吾君) 私は、県民が多様な性を理解して、互いに認め合い、誰もが自分らしく暮らせるまちづくりを目指したいと考えてございます。 パートナーシップ制度は、先ほど議員からご指摘いただきましたけれども、導入の検討過程であったり、また導入後において性の多様性の理解を深めること、これに寄与するものと考えておりますけれども、一方で、整理不足のままで制度導入をいたしますと混乱を生じるおそれがございまして、いまだ検討すべき課題が残っていると考えています。 今後、首長が参加をいたします県、市町連携会議の議題に取り上げるなど、さらに市町や関係機関等との意見交換を行いまして、丁寧に課題整理を進めながら、制度導入の方向性の検討を深めていきたいと考えております。 次に、導入時期について、ご質問をいただいたかと思います。 今申し上げたとおり、整理不足のままで制度導入といったものをしますと混乱を生じかねないといった状況にあると認識をしておりますので、現在、丁寧に課題整理を行っている段階でありますので、導入の時期を申し上げることはできませんけれども、先ほど申し上げましたとおり、今後も市町や関係機関等と意見交換を行いながら、制度導入の方向性を検討していきたいと考えています。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 導入の時期については明言されませんでしたけれども、パートナーシップ制度をつくるということは、性的少数者のことを無視していません、性的少数者も大切な県民、市民だというメッセージを出すことです。その意義をきちんと考えていただきたいと思います。人権を尊重する長崎県、誰一人置いていかない県政を進めるために、パートナーシップ制度を早急に実施されるよう強く要望して、次の質問に移ります。 2、教育現場の課題について。 (1)教職経験の少ない若い教員の離職。 昨年もこの問題について、初任者の退職の実態や、職場でのサポートとして新任教員として赴任した学校で一年足らずで退職しているケースがあると、一般質問で取り上げましたが、今回、採用3年以内の20代の離職者の状況について、お尋ねします。 以前は、教職の採用倍率が非常に高い中、正規採用になるまで何度も何度もトライして、やっと正規採用をつかみ取るか、受験年齢の制限にかかってあきらめるか、そういう状況が長く続いてきました。長崎県で学校の先生になりたいという夢がかなわず他県を受験して去っていかれたり、年齢制限であきらめて、ほかの職に就いたり、非正規で働き続けたり、そういう例が幾つもありました。 その後、高齢職員の大量退職、それに伴い採用数が増加して志願倍率が下がり、年齢制限も撤廃されて、随分状況が変わってきました。もともと臨時的任用教員として勤務していた人の正規採用が進み、講師名簿の登録者数が減少して、教員の欠員が出ても、なかなか補充ができないこと、また教育現場の長時間労働、部活動などの顧問による業務負担、給料などの待遇の問題、保護者や地域住民などとの対応による負担、様々な理由から、教職志望の学生が減少しているといわれています。 それとともに、今の若者気質として、教職に対して夢や憧れを持って就きたいと思う人は以前より少なくなって、何が何でもという強い気持ちはない、仕事がうまくいかなければ自分には向いていないかもと考え、転職サイトの求人情報に目を通し、もっと条件のいい仕事があれば転職を考える、正採用になったから、ずっと働き続けなければいけないとは思わず離職に抵抗がない、そういった若者が増えてきていると聞きます。 ある民間の研究所が、大学で教職課程を履修し教員免許取得を予定していて、なおかつ教職以外の進路を選択した学生にインタビューした報告書があります。なぜ、彼ら、彼女らは教職から、ほかの職へと志望を変更したのか。それによりますと、特に、教育実習に行ったときに、よくも悪くも学校現場の現実を前にして、子どもと関わる楽しさ、やりがいを感じる一方、自分はこのように一日の全てを仕事に捧げて追い詰められるような働き方はとてもできないと離れていっているというのです。一度は教職を志した若者が夢をあきらめていくのは、何とも残念な、教育現場にとって見過ごせない問題です。 改めて、採用3年以内の20代の離職者の状況について、お尋ねします。 直近の3年間での離職者の数を校種別にお知らせください。
○副議長(山本由夫君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 令和2年度から令和4年度の3年間で、採用後3年以内に離職しました20代の教員の数は、小学校49名、中学校6名、高等学校6名、特別支援学校6名の計67名でございます。これは採用者の全体の職員に対する離職率としては3.3%となっております。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 小学校が採用数が多いですから、小学校の数が多いのは当然だと思いますし、中高、教科ごとに定数を満たす採用数ということなので少なくなるのはわかるんですが、3.3%と今言われましたけれども、民間の離職者に比べると、はるかにこれは低い数字だと思います。 しかし、せっかく教員になっておきながら、やっぱり学校現場を去っていく人がいるというのは、これはどうなんだろうかと思うわけです。 昨今の若者の仕事に対する考え方の変化を見据えつつ、若手教員を育てる視点を持ち続けていかないと、さらに深刻な事態を招きます。今、高齢、ベテランの職員の大量退職の後、若い人がどっと職場に入ってきて、教職の様々な経験などが若い世代に引き継がれていない、そういう問題も起きているかと思うんですね。そういう中、ずっと働き続けてもらうためのサポートが欠かせないと思いますが、どう取り組まれるのか、お尋ねします。
○副議長(山本由夫君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 若手教員がやりがいを感じて仕事を続けていくためには、何よりも自らの指導力を高めながら自信をつけていくことが大切でありますため、そのサポートとしまして、5年目までの教員に対する研修を充実させていることに加えまして、各勤務校においては、日常の業務を通しまして、先輩教師から学ぶOJTを重視しているところでございます。 また、この7月に開催しました民間有識者で構成します教職の魅力化作戦会議におきまして、実効性のある教員のサポートを行うためには、若い教員の声を聴くべきだという意見がございましたので、先般アンケートを実施しましたところ、その中で、「早く帰ることだけが働き方改革になってしまっている」、あるいは「勤務時間外の電話や学校外のトラブルの対応などに時間を取られてしまう」などの回答も寄せられておりますので、今後、可能なことから、その改善を図って、若い教員にとってもやりがいを感じられるような環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 若い人たちの声というのは非常に大事だと思いますし、やはりその声に応えられるような教育現場をつくっていかなければいけないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 今年採用されたある20代の若者の働き方について、ご紹介します。 4月から7月までの一月の時間外労働は、毎月80時間以上、7月は103時間に上っています。これには、持ち帰り仕事の時間は入っていません。授業の空き時間は、不登校生徒や体調が悪い生徒への対応で、教材研究や新採として指導案づくりをする時間は取れない、部活動は18時終了だが、終わりの方しか行くことができない、こんな毎日だと言います。別の初任者は、病休を取っていて、近々辞めるのではないか、そういうことも聞いています。 これは特別な、特殊な例ではなく、直ちに負担軽減する必要があると思っています。しかし、これについてはここでは取り上げず、別のところで対応を求めることとします。若者気質の変化がある一方で、このような厳しい現実がまた存在しているということは受け止めていただきたいと思います。 今、少子・高齢化、人口減少が進む中で、教育現場にかかわらず、労働市場は空前の売り手市場です。大学で教職課程を履修した学生が教職に就かず、ほかの職種に流れていく、あるいは長崎以外の都道府県を選択するというのは、本県の教育にとって大きな損失です。もっと働きやすい職場にするとともに、本県を受験し、長崎の未来を担う子どもたちを育てるために働いてくれる人を確保することが急務です。長崎県を選んでいただくための本気で強力な手だてが必要だと考えますが、どのように取り組まれるのか、お尋ねします。
○副議長(山本由夫君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(中崎謙司君) ご指摘がございましたように、採用倍率が低下しております厳しい現状を打破するには、学校現場で働きます教員の働きがいを高めて元気にする取組を推進し、教職に対するマイナスイメージを払拭していく必要があると考えております。 このため、学期中にはなかなか休暇を取ることのできない教員が、夏休み期間を利用しまして、しっかりと休養して英気を養うこと、そして専門性や人間性を高める学びを主体的に行い、その成果を子どもたちの教育活動に還元していくことを目的に、「夏休み充電宣言」、これを全国に先駆けて今年度から取り組んでいるところでございます。 また、テレビや新聞、SNSなどの広報媒体を活用しまして、長崎県の魅力ある教員あるいは教職のやりがい等を発信することで、本県の教員を志願する方の増加を図っていきたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 「夏休み充電宣言」については、この後で質問したいと思うんですが、先日は、教員免許は持っているけれども、教職経験のないペーパーティーチャーを対象とした教員のなり手不足解消のためのセミナーを開催されたと伺っています。そういった取組も含めて、様々な方法で教員になる人をしっかり確保していっていただきたいと思います。 (2)夏休み充電宣言(承認研修の充実)。 今、教育委員会教育長答弁にありましたように、教員のなり手不足解消策として、「夏休み充電宣言」を導入し、夏休み中の年休取得促進と研修見直しに取り組むことを6月定例会において明らかにされました。 夏休み中に勤務校を離れて研修する承認研修については、私は2021年、令和3年の11月定例会の一般質問で取り上げました。教育公務員特例法第22項2号、教員は授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて勤務場所を離れて研修を行うことができる、これがあまり活用されていないこと、この自主研修の充実が、教員の力量を高め、教員としての幅を広げ、子どもに対する見方、接し方、授業やそのほかの教育活動の改善につながり、子どもたちの学ぶ喜びや学力の向上につながると確信するとして県の見解を求める内容でした。この時の質問がほぼ活かされた今回の提案について、私は高く評価するものです。 この「夏休み充電宣言」、一年目の状況は、まだ夏休みが終わったばかり、これから検証していくことになるかと思いますけれども、今の時点で「夏休み充電宣言」の成果や次年度に向けての課題はどんなところにあると捉えているのか、お尋ねします。
○副議長(山本由夫君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(中崎謙司君) 「夏休み充電宣言」の趣旨の一つは、これまで全国的にも活用されてこなかった承認研修を夏休みの際に充実させることにあります。 はじめての取組となりました今年度は、例えば、県内外の美術館や科学館、博物館での研修あるいは長崎市の被爆遺構を一日かけて見学する研修等が行われておりまして、教員の皆さんからは、「学校以外での研修は刺激的だった」、「学習指導に活かせるものを生で見ることができた」等の感想があったことから、一定の成果があったものと考えております。 一方、課題といたしましては、従来の承認研修のイメージから、ご指摘ありましたように、なかなか今までやっておりませんでしたので、研修を願い出る教員にとりましても、研修を承認します校長にとりましても、心理的なハードルが依然として高いということも伺っておりますので、承認研修に対する理解を一層深め、積極的な活用を促していくことが必要であると考えております。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 私が知り得た範囲内での現場の反応や意見をご紹介します。 重なるところはありますが、まず、承認研修を取得したかどうかですけれども、一つの職場で1、2名、またはゼロというところが多かったようです。承認研修を取ったことがない教員がかなりの割合を占めているのではないかと思います。 そういう意味では、この承認研修が次年度以降、広くゆき渡るようにする必要があるかと思います。 それから、この研修に関する現場での説明が夏休みの直前と遅く、既に予定が入っていたり、十分に説明がなかったという声があります。自分を含め、大半の教員は意味をわかっていなかったのではないか、ほとんどが承認研修を取らなかったという学校、面倒だからと取らない人がいた、部活動がネックになって、なかなか取りづらかったという声も聞きました。 一方、今教育委員会教育長が言われたように、取得した人からは、承認する内容が多岐にわたっていて職員が申請しやすい雰囲気があった、主体的で自由な研修を選べるようになったことはよかった、研修に対する意欲が増したなどの声が聞け、好評だったことがわかります。 しかし、同じ内容の研修が認められる学校とそうでない学校があるというちぐはぐな対応も見られました。 私は、承認研修の充実ということは、一見遠回りのようで、教職の魅力発信、長崎県の学校教育の充実・発展につながるものであると思っています。 繰り返しになりますが、強調したいことは、様々な研修に取り組むことで本当に教員自身の視野が広がり、子どもや教育に対する見方が深まり、指導力の向上、心身のリフレッシュ、生き生きと働き続ける、活力を生み出すことにつながると思っています。それがひいては子どもたちの豊かな学び、学力の向上につながると確信しています。 今、教育委員会教育長が言われたように、申請する側も承認する側も、承認研修の意義とか、なぜ、これを推進するかということが十分に理解されていない。承認研修は、所属長の承認があればできるんですが、そして、申請をして計画書を出して報告を出すことで、どんな研修をしたかということが判断することができます。ところが、あれはだめ、これはだめと入り口のところで縛りをかけている部分が多く見られました。制約を設けることに向かうのではなく、幅広く柔軟に承認研修を拡大していくことが肝要だと思います。次年度は、さらに充実した研修ができるよう取組を強めていただくことを希望します。 今回の「夏休み充電宣言」の中で、現場の教職員から大きく期待されているのが、年休の付与期間の変更です。つまり、年次休暇を1月1日から12月31日までの暦年でカウントするのではなく、夏休み明けの9月1日を起点として、翌年の8月31日までの1年間とする変更です。今の制度では、もしもの場合に備えて年休を残しておくと、12月末までに消化し切れず残ってしまうことが多いということです。8月末が期限になれば、残った年休を夏休みに使いきることができます。学校現場から期待されている、この付与期間変更に向けて、どのようなスケジュールで進めていかれるのか、お尋ねします。
○副議長(山本由夫君) 教育委員会教育長。
◎
教育委員会教育長(中崎謙司君) 教職員の年休の付与期間につきましては、今お話にありましたように、現行の1月から12月までの取扱いを、来年度以降は9月から翌年の8月までに変更することとしております。 これによりまして、学校の夏休み期間中、教職員が計画的に休暇の取りまとめができるよう見直しを進めておりまして、これは九州では2番目、全国では7番目の導入となっております。 来年の夏休みには、これまで以上に教職員の休暇取得が促進され、心身の休養が実現しますよう、今後、関係規定の改正や制度の周知など、円滑な実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 本当に制度の変更の周知であったり、スムーズな移行ができて、現場の皆さんからも活用されるように取組をしっかりお願いしたいと思います。 3、椋呂路トンネル建設について。 この質問は、午前中に松浦市選出の石本議員からありました。私も同じような質問になるかと思いますが、石本議員は松浦市側から、私は佐世保市側から質問をさせていただきます。 先月8月19日に、一般県道佐世保日野松浦線、板山トンネルの開通式が行われました。大石知事にも現地佐世保市世知原町にお越しいただき、県選出国会議員、県議、市議、各自治体の首長や地元の皆さん、工事関係者など、多くの皆さんとともに開通を祝いました。 また、8月30日には、椋呂路板山トンネル建設促進期成会より、知事に対して要望活動が行われたところです。 期成会は、2つのトンネルの名前を掲げて取り組んでいますが、もう一つの椋呂路峠の方は、佐世保市世知原町と松浦市を結ぶ道路です。山間の急傾斜地にカーブが多く、道路が狭く、大型車の通行や離合の妨げになるということで、道路脇に駐車禁止の看板があちこちに立てられています。冬季の積雪や路面凍結、雨の多い時期の土砂崩れなどもたびたび発生してきました。この道路の整備状況について、お尋ねします。
○副議長(山本由夫君) 土木部長。
◎土木部長(中尾吉宏君) 県道佐世保日野松浦線の椋呂路峠についてですが、大型車の走行に支障を来している区間の解消を目的といたしまして、稗木場地区で2か所、木浦原地区で1か所の合計3か所において整備を進めておるところでございます。 いずれの工区につきましても用地の取得は完了しております。そして、現在、切り土工事などを鋭意進めているところでございます。引き続き、残る工事の進捗に努めてまいりたいと思っております。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 地元では、椋呂路トンネル、今、現道の工事の状況について、整備状況について答弁いただきましたけれども、ここに椋呂路トンネルとして早期事業化着手に向けて望む声が高まっているところです。 松浦市、それから佐世保市世知原町の一部は、玄海原子力発電所の30キロ圏内にあります。原発事故の際は、重要な避難道路の役割を果たす道路となります。救急患者の搬送のためにも整備が急がれるところです。また近年、自然災害が激甚化、頻発化する中にあって、災害時等の避難路は幾つか確保しておく必要があると思います。この椋呂路トンネルの事業化に向けた見通しについて、お尋ねします。
○副議長(山本由夫君) 土木部長。
◎土木部長(中尾吉宏君) 椋呂路トンネルの建設につきましては、現状の交通量が少なく、多額の費用が想定されることから、費用対効果の面におきまして課題があると考えております。 このため、板山トンネル開通後の交通状況などを調査したうえで、関係市とともに道路のあり方について検討を行いたいと考えております。 地域でこれから取り組まれる地域活性化の取組、それによりまして道路の使い方が変わってくると思いますので、そうしたところも踏まえて地域と意見交換をして考えていきたいと思っております。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 通行量が今少なくて、そして費用対効果の面が問題になるということを言われましたけれども、道路が改善されれば、当然ながら通行量は増えます。これまでもあちこちの道路で、トンネルが開通したことで通行しやすくなったり、移動距離が短縮されたりして経済面、生活面の利便性が高まったところは幾つもあります。 この早期の椋呂路トンネルの事業着手に向けて取り組んでいただきたいと思っているわけですが、地元との協議をしっかり進めていただきたい。そして、早期着手に向けた動きができることを期待しながら、強く要望しながら、次の質問に移りたいと思います。 4、盲ろう者等の選挙権の保障について。 国政選挙や地方自治体の選挙に関しては、選挙のない時期であっても、私たちは現職の議員や候補者に関して、ポスターやのぼり旗などを目にしたり、演説会の案内を耳にしたりすることはあります。 しかし、視覚や聴覚に障がいがある人は、通常の生活においても様々な情報に触れる機会が圧倒的に多くありません。視覚や聴覚に障がいがある人、盲ろう者もいます。そういった人に政見放送や選挙公報といった候補者や政党に関する情報、また選挙日程や投票所などに関する情報を届けるために、どのような取組をされているのか、お尋ねします。
○副議長(山本由夫君)
選挙管理委員会委員長。
◎
選挙管理委員会委員(堀江憲二君) 視覚や聴覚に障がいがある方への取組として、県選挙管理委員会では、視覚障がい者の方に対し、国政選挙や知事選挙において、候補者から提出された選挙公報全文を掲載した点字版、音声版、拡大文字版の選挙公報を作成し、要望に応じて配布しております。 また、政党名や候補者名を点字で記載した候補者名簿を作成し、各投票所に備え付けております。 視覚障がい者の方に対しましては、国政選挙や知事選挙における政見放送において、政党や候補者が選挙の種類に応じて、それぞれが手話通訳や字幕を付けることができるようになっております。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 国政選挙では、点字版、それから音声版、また拡大文字版など、そういうことで情報提供されているということですけれども、そもそも提供されているということすら知らない人も多くいます。テレビやラジオで政見放送はあると言われても、番組表を見ることすら困難な人がいます。 よく私たちは、詳しくはWebでとか、こちらのQRコードからご覧くださいとか、そういうことは毎日のように聞いたり、目にしたりするわけですが、そういったことが、障がいがあることによって、なかなかすぐにはそういった情報に届くことができない、そういう方もいらっしゃいます。 したがって、選挙公報や行政無線などで視覚障がい者向けの点字、音声などの公報があることをお知らせするようにしていただきたいと思っています。 さらに、選挙公報の点字版、音声版、拡大文字版は、国政選挙や県知事選挙では用意されていても、県議会、市町議会の議員選挙などではごく一部にしか用意されていないと聞いています。 選挙情報がないので、誰に投票するか決められず、結局行かなかったという人がいました。立候補者が多い自治体は大変だとは思うんですけれども、こんな誰に投票していいか情報がないから決められないというような残念な結果にならないよう、有権者の元に情報を届ける仕組みを今後しっかりつくっていただくことを要望したいと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
○副議長(山本由夫君)
選挙管理委員会委員長。
◎
選挙管理委員会委員(堀江憲二君) 情報をしっかり集めて、そういう届ける仕組みを今後もつくっていきたいと思います。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) やはりそういった選挙の情報がなかなか届かない皆さん、声を挙げるのもなかなか難しいというか、そういう皆さんのところにもしっかり届けられる仕組みというのをそれぞれの選挙管理委員会で取り組まれることをよろしくお願いいたします。 それから、公職選挙法によって、選挙公報は候補者から提供されたものをそのまま掲載しなければならないとされています。公正、公平な選挙となるためには大切なことですが、しかし、これでは、視覚や聴覚、その両方に障がいがある人たちにとっては不便です。また、選挙公報に用いてある用語がわかりにくく、ろう者が理解するのが難しいとも聞いています。これは知的障がい者の中にもそういうことが当てはまることがあるかと思います。 そこで、聴覚障がい者情報センターなどで、ろうあ者に対して、立候補者の選挙公報の内容を伝える説明会などがあれば、そういうものを開催していただけるならば理解を助けることになるかと思っているんですけれども、聴覚センターなどに委託してもらうなどの対応を取っていただくことは可能でしょうか。
○副議長(山本由夫君)
選挙管理委員会委員長。
◎
選挙管理委員会委員(堀江憲二君) そういう選挙制度について、視覚障がい者等に対する情報提供、それから仕組み、それをつくったり、説明会をしたりということについても、今後またじっくりと検討していきたいと考えます。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 今後検討していきたいというご答弁ですので、改善されていくことを期待したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 総務省によると、公職選挙法では、投票所の投票管理者がやむを得ない事情があると認めた場合は、家族や手話通訳、介助員などが投票に付き添うことを認めています。選挙公報の持ち込みも禁じられてはいません。 ただ、第三者による不正な誘導を防ぎ、投票所で居合わせたほかの人への影響も考慮する必要があることなどから、やむを得ない事情に明確な基準はありません。自治体や投票所によって、まちまちなのが現状だと聞いています。 私が聞いた範囲では、家族や介助者が付き添えることを投票所で言われたことがないという方ばかりです。しかし、当事者から申し出ないことには、そして、投票管理者が認めた場合に限るということですから、恐らく周知されていない、また、このことを投票所の関係者もほとんどわかっているわけではないということなのかと思っています。 視覚障がい者は耳が聞こえるので、誘導したり、点字や代理投票の際の係の人の指示に従うことができます。しかし、盲ろう者は聞こえないので係員の指示を理解することは困難です。普段一緒にいる家族、あるいは移動介助者が投票が終わるまで一緒にいられるようにしていただきたいと思います。このことを全県下で実施、周知されるよう改めてお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副議長(山本由夫君)
選挙管理委員会委員長。
◎
選挙管理委員会委員(堀江憲二君) 公職選挙法第58条第3項においては、「選挙人を介護する者、その他の選挙人と共に投票所に入ることについて、やむを得ない事情がある者が選挙人と一緒に投票で入場することができるもの」というふうに規定されております。 この介護者等の入場については、各投票所の投票管理者において個別に決定されるものでありますが、本制度について、関係団体を通じたお知らせやホームページへの掲載などにより周知を図るとともに、市町選挙管理委員会に対して、選挙の際の説明会での注意喚起や事例集を改めて周知するなど、今後とも介護が必要な選挙人への適切な対応を図ってまいります。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 今までなかなかそのことが周知されずに、投票所で非常に困っている方がたくさんいたと思うんですね。今後の選挙については、そういったところで付き添いができるということを皆さんに知らせる、そして説明会のときにも十分そのことをゆき渡らせる、そういったことを通して、一人ひとりの選挙権の保障について取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、全国の5つの県の知事選挙において、投票したい候補者に丸をつける記号式投票制度を導入しているところがあります。障がい者や高齢者、病気などのために候補者の名前を書くことが困難な人にとっては投票がしやすくなる制度だと思いますけれども、全国で5県しか行われていないということは、よい面も不都合な面もあるということかと思います。記号式投票制度にはどういったメリット、デメリットがあるのか、お尋ねします。
○副議長(山本由夫君)
選挙管理委員会委員長。
◎
選挙管理委員会委員(堀江憲二君) 記号式投票制度は、県や市町村が執行する地方選挙において、個別に条例を制定することで実施できるものです。ご指摘のとおり、全国の知事選挙では5つの県で導入されております。 メリット、デメリットについてですが、この制度のメリットとしては、「障がい者や高齢者が投票しやすいこと」、「開票の際に疑問票の判定にかかる時間を減らすことができること」、こういうことが挙げられます。 他方で、デメリットとしては、「候補者が多数となる議員選挙での導入が難しいこと」、「首長選挙のみ導入しても、ほかの選挙が全て自書式であるため、有権者が混乱すること」、「投票者のうち、期日前投票を利用される方が4割近くになっている現状がありますが、記号式の投票用紙は、選挙当日にしか使用することができないこと」などが考えられます。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 5つの県で知事選挙で導入をされているということなんですけれども、例えば東京都のように、都知事選挙に立候補者がたくさん出るようなところはとてもできませんし、やはり本当にごく少数の立候補者の場合しか適用されないと思いますし、それから立候補を締め切った後でないと投票用紙の印刷ができないとか、様々な制約があるということ、そういったところも広がっていっていないことかなと思っていてます。 今、若い世代の選挙に対する関心の低さ、低投票率が問題になっています。一方で、投票率が高いとされている高齢者が80歳を超えると、足腰の衰えや体の不調で投票率が低下する傾向にあると言われています。今後、新たな、もっと便利な投票方法が採用されることがあるのかもしれませんけれども、今のこの選挙制度の中で、選挙というのは国民が政治に参加する最大の機会であり、民主主義を支える重要な制度です。市民生活や社会をよりよくするため多くの人が政治や選挙に関心を持つことができるよう、誰一人置いていかない選挙情報の提供、選挙事務の執行に心がけていただくようお願いをして、次の質問に入ります。 5、獣医師の確保について。 昨年は、県内ではじめて佐世保市において高病原性鳥インフルエンザが確認されました。また、2010年、平成22年に宮崎県で発生した口蹄疫は、30万頭近い牛や豚などの殺処分が行われ、畜産業だけではなく地域経済や県民生活に多大な影響を与えました。 今年は、佐賀県における豚熱の発生で、本県でも防疫体制の強化が求められています。豚熱は、豚熱の予防ワクチンの推奨地域に九州の7県が追加指定されて、北海道を除く46の都府県が推奨地域となりましたし、県内では昨日から豚のワクチン接種がはじまったことが報道されていました。 家畜の悪性伝染病の発生は、肉、卵、牛乳などの生産量の減少につながり、畜産農家の経営に打撃を与え、加工業者等にも損害を与えることにつながります。食料の安定供給を阻害し、食の安全を脅かし、価格の高騰につながっていきます。 そこで、家畜の伝染病をどう防ぎ、発生した場合にどのように対応しているのか、お尋ねします。
○副議長(山本由夫君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 家畜の伝染病が発生しないように、まず平時の対応でございますけれども、全ての畜産農家に対し、県の家畜保健衛生所の獣医師が車両の消毒や野生動物の侵入防止など、飼養衛生管理基準の遵守状況の確認、指導を行い、そのような指導を徹底することで県内での家畜伝染病の発生予防に努めているところでございます。 それから、昨年12月、本県ではじめてとなる高病原性鳥インフルエンザが発生した際には、県職員獣医師は、専門的な知見を活かし、発生農場における殺処分等の防疫作業のリーダーとして指揮を執ったほか、発生原因の究明や周辺農場への立入調査などを行っております。 また、先月佐賀県の養豚場で、豚熱の発生が確認された際には、国からの派遣要請に応じて、本県の県職員獣医師1名が現地での殺処分作業に従事したほか、県内においては、先ほど議員がおっしゃられたとおり、緊急的な接種対象の約18万頭へのワクチン接種に現在全力で取り組んでいるところでございます。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 佐賀県にも応援に入られたということですが、宮崎県の口蹄疫のときにも全国から応援の皆さんが集まったということをお聞きしています。被害が広がらないように、防疫体制を強化するためにということで取り組まれるご苦労というのは本当に大変なことだと思います。 そうした中、以前から県の獣医師が不足しているということをお聞きしています。全国の獣医師全体の数は充足していても、獣医師免許を取得した人が、犬や猫などの小動物を相手にする動物病院に流れ、家畜保健衛生所や食品の安全などに関わる公務員獣医師が不足しているとのことですが、獣医師の欠員の状況、獣医師不足にどのように対応しているのかお尋ねします。
○副議長(山本由夫君) 総務部長。
◎総務部長(中尾正英君) 県の獣医師についてでございますが、主に家畜保健衛生所や食肉衛生検査所、保健所に配置しており、家畜の保健衛生、防疫や、と畜検査、食品、環境等に関する監視業務などに従事しているところでございます。 数としまして、本年4月1日時点の獣医師職員数は109名でございますが、一方で、16名が欠員となっているところでございます。このことにつきましては、会計年度任用職員や臨時的任用職員などを代替職員として配置し対応しているところでございますけれども、一部の所属においては未配置となっている状況でございます。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 109人獣医師がいるところ、欠員が16人、そして会計年度任用職員などでカバーをされているということですが、お聞きしましたところ、県の職員の獣医師のOBの方がそこに回っていらっしゃるということで、本当に専門職ですから、誰でもはできない、そういう中でのご苦労というのは本当に大変なことだなと思います。 今回の豚熱発生ですけれども、そうした様々な、これからも家畜の伝染病がいつ起きるかもわからないとか、そういったことを考えますと、本当にこの欠員を補うために確保しておく必要があるかと思うんですけれども、獣医師の不足に対しては、獣医師免許を持つ人の受験者を増やす取組が欠かせないものと思いますけれども、多くの人に本県を受験してもらうためにどう取り組まれているのか、お尋ねします。
○副議長(山本由夫君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 県では、全国17の獣医系大学の学生に対し、大学訪問やオンラインでの個別相談会、インターンシップ研修の開催などにより、県職員獣医師の業務内容ややりがい、長崎県の魅力などを直接伝えることで、本県への関心を高め、就職先として選んでいただけるよう取り組んでおります。 また、令和2年度からは、採用試験の受験会場を全国5か所に拡大することで、獣医学生が受験しやすい環境を整えているところです。 さらに、県内の中学生や高校生に対し、県職員獣医師の仕事の紹介や、獣医系大学への推薦制度、獣医修学資金制度に関する情報提供など、未来の獣医師を確保する取組も行っているところでございます。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 全国17大学をターゲットにして獣医師受験をしてもらうための様々な取組、全国5か所での受験とか、それからインターンということが今ご答弁でありましたけれども、聞いた話では、五島の方にインターンに来た学生が、離島の豊かな自然環境の中で、すごく感じ入って受けようと思われたとか何とかというお話も聞きました。全てのそういう学生が、県がやっていることに対して、こちらの意図するところに全て届くとは限りませんけれども、様々な方法でぜひ長崎県を選んで受けていただく、そういうことを今後とも取り組んでいただけたらと思います。 五島のインターンのお話は、本当にいい話を聞いたなというか、そうじゃない、そういうことに、あまり経験しても響かない人もいるかとは思うんですけれども、自然が好きとか、人によってはそういうところで長崎県を選んでくれる人もいるのかなと思いました。 この受験者を増やすだけではなく、やはり公務員獣医師の処遇を改善することが欠かせません。専門職として手厚く処遇する、処遇改善の取組について、お尋ねします。
○副議長(山本由夫君) 総務部長。
◎総務部長(中尾正英君) 議員ご指摘のとおり、処遇改善というのは非常に重要なところでございます。この獣医師の処遇改善については、人材確保の観点から、平成23年4月に初任給調整手当を新設し、これまでの間、手当の増額や支給期間の延長などを行ってきたところでございます。 さらに、令和5年度からでございますが、昨年度の人事委員会の報告を踏まえ、採用1年目の支給月給月額を3万円から5万5,000円へと大幅に引き上げたところであり、その結果、採用1年目の月額及び支給期間における総額ともに、全国5位とトップクラスの水準となってございます。 引き続き、獣医学生等に対し、本県獣医師の仕事の魅力や意義とあわせて、こうした処遇改善の情報も積極的にPRしながら獣医師の確保に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(山本由夫君) 堤議員-19番。
◆19番(堤典子君) 初任給・調整手当の改善ということでご答弁をいただきました。今年から人事委員会の勧告を受けての措置ということで、手当が月3万円から5万5,000円に引き上げられた、聞くところによりますと、それまで全国26位だったのが5位に引き上がったと聞いています。さらにその上に6万円の鹿児島県があると聞いたんですが、鹿児島の方は全ての獣医師、家畜保健所とかそういうところにいる人には6万円だけれども、そうじゃない部署の方はそこまでは高くない、けれども、長崎県は皆5万5,000円であるというふうにお聞きしています。そういうことから考えると、随分の処遇改善になっているかなと思います。 そういったこともしっかりアピールをしていただいて、今後も獣医師の確保に取り組んでいただきたい。県民生活の安心、安全のためご努力いただきたいと思います。 終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山本由夫君) 本日の会議はこれにて終了いたします。 明日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 お疲れさまでした。 -午後3時46分 散会-...