長崎県議会 2021-09-16
09月16日-03号
令和 3年 9月 定例会令和3年9月定例会 令和3年9月16日 議事日程 第7日
目----------------------------------- 1 開議 2 県政一般に対する質問 3 散会令和3年9月16日(木曜日)出席議員(46名) 1番 宮島大典君 2番 宮本法広君 3番 赤木幸仁君 4番 中村泰輔君 5番 饗庭敦子君 6番 堤 典子君 7番 下条博文君 8番 山下博史君 9番 北村貴寿君 10番 浦川基継君 11番 久保田将誠君 12番 坂口慎一君 13番 千住良治君 14番 石本政弘君 15番 中村一三君 16番 麻生 隆君 17番 川崎祥司君 18番 坂本 浩君 19番 深堀ひろし君 20番 山口初實君 21番 近藤智昭君 22番 宅島寿一君 23番 松本洋介君 24番 ごうまなみ君 25番 山本啓介君 26番 前田哲也君 27番 大場博文君 28番 山口経正君 29番 山本由夫君 30番 吉村 洋君 31番 中島浩介君 32番 山田博司君 33番 堀江ひとみ君 34番 山田朋子君 35番 西川克己君 36番 外間雅広君 37番 瀬川光之君 38番 坂本智徳君 39番 浅田ますみ君 40番 徳永達也君 41番 中島廣義君 42番 溝口芙美雄君 43番 中山 功君 44番 小林克敏君 45番 田中愛国君 46番 八江利春君
-----------------------------------説明のため出席した者 知事 中村法道君 副知事 上田裕司君 副知事 平田 研君 統括監 柿本敏晶君 危機管理監 多田浩之君 企画部長 浦 真樹君 総務部長 大田 圭君 地域振興部長 早稲田智仁君 文化観光国際部長 中崎謙司君 県民生活環境部長 貞方 学君 福祉保健部長 寺原朋裕君 こども政策局長 田中紀久美君 産業労働部長 廣田義美君 水産部長 斎藤 晃君 農林部長 綾香直芳君 土木部長 奥田秀樹君 会計管理者 吉野ゆき子君 交通局長 太田彰幸君 地域振興部政策監 村山弘司君
文化観光国際部政策監 前川謙介君 産業労働部政策監 村田 誠君 教育委員会教育長 平田修三君
選挙管理委員会委員 堀江憲二君 代表監査委員 濱本磨毅穂君 人事委員会委員 本田哲士君 公安委員会委員長 川口博樹君 警察本部長 中村 亮君 監査事務局長 下田芳之君
人事委員会事務局長(
労働委員会事務局長併任) 大崎義郎君 教育次長 林田和喜君 財政課長 小林 純君 秘書課長 石田智久君
選挙管理委員会書記長 大塚英樹君 警察本部総務課長 車 康之君
-----------------------------------議会事務局職員出席者 局長 松尾誠司君 次長兼総務課長 藤田昌三君 議事課長 川原孝行君 政務調査課長 濱口 孝君 議事課長補佐 永田貴紀君 議事課係長 山脇 卓君
議事課特別会計任用職員 天雨千代子君----------------------------------- -午前10時0分 開議-
○議長(坂本智徳君) ただいまから、本日の会議を開きます。 これより、一般質問を行います。 溝口議員-42番。
◆42番(溝口芙美雄君) (拍手)〔登壇〕皆さん、おはようございます。 自由民主党・県民会議、佐世保市・北松浦郡選出の溝口芙美雄でございます。 まず、質問に入ります前に、
新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に、謹んでお悔やみを申し上げます。 また、全国的に甚大な被害をもたらした8月の豪雨について、本県においても8月11日から17日にかけての大雨被害等によって、貴重な人命が失われたほか、がけ崩れなど大きな被害が生じております。 お亡くなりになられた方々、被害を受けられた方々に対して、心からお悔やみ、お見舞いを申し上げます。 それでは、通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。 1、知事の基本姿勢について。 (1)中村県政3期目の実績と残された課題について。 中村知事におかれては、平成22年の知事就任以来、人を大切にすることを基軸に置きながら、県政の推進に尽力され、これまでの間、3度にわたる県政の指針となる総合計画の策定、平成25年度からは県民所得向上対策、平成27年度からは、新たに「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、人口減少や地域活力の低下といった課題に正面から立ち向かわれており、その姿勢は評価するところであります。 中村知事は、3期目のスタートに当たる平成30年3月定例会において、その所信を述べておられ、選挙期間を通じて県内各地域を訪問された際に、人口減少や過疎化が一段と進行している現状を目の当たりにして、地域の活力再生は、一刻の猶予もならないとの危機意識の下、「人に生きがいを」、「産業に活力を」、「暮らしに潤いを」の3つの基本姿勢に基づいて、施策のさらなる推進に全力を尽くしてこられたことと思います。 こうした中で、世界遺産登録や移住者数の増加、高校生の県内就職率の向上など、成果を収められている分野もある一方、まだ残されている課題があることも事実であり、加えて
新型コロナウイルス感染症対策などの環境変化への対応も必要となっているところであります。 知事は、3期目のこれまでの県政運営における実績、また、残されている課題について、どのように感じておられるのか、お尋ねいたします。 (2)
九州新幹線西九州ルートの整備促進について。
九州新幹線西九州ルートについては、昭和48年に整備計画路線として決定されて以来、多くの関係の皆様のご尽力により、いよいよ来年秋、長崎-武雄温泉間が「西九州新幹線」として開業することとなっております。 人口減少が続く本県にとって、新幹線は、交流人口の拡大や地域振興を図るために不可欠な高速交通手段であるだけではなく、西九州地域、ひいては西日本地域の将来を見据えた時、全線フル規格による整備を実現させ、全国の
新幹線ネットワークにつながることで地方創生に資する重要な取組であると考えております。 現在、整備方式が未定となっている新鳥栖-武雄温泉間については、国土交通省と佐賀県との幅広い協議が行われており、また、政府・与党の
プロジェクトチームにおいて、財政負担の軽減や在来線等の課題の解決に向けた議論が行われているなど、関係者の協議が続けられているものと認識しております。 こうした中、先月、記録的な大雨により、佐世保線をはじめ、県内の在来線が多大な影響を受けるなど、今後も大きな自然災害が頻発することが懸念される一方、西九州新幹線の開業に伴う駅周辺開発や県北地域におけるIR事業者の決定など、交流人口の拡大を見据え、さらなる安定的な輸送力の強化が求められている現状にあります。 西九州地域の発展を考えた時、時間短縮効果をはじめ、安定的な輸送力、災害に対する強靱性を備えた高速交通網を整備することは、交流人口、経済、地域振興等の様々な観点から非常に重要であり、そのためには早期の全線フル規格による整備が必要と考えますが、知事のご所見をお尋ねいたします。 また、令和4年秋の開業まで、あと一年と近づく中、長崎駅、諫早駅及び新大村駅の駅周辺は、再開発事業など新しいまちづくりが進み、まちのたたずまいも大きく変わろうとしており、県民の期待もさらに高まってきているのではないかと感じております。 来年の新幹線の開業は、本県にとって地域活性化や交流人口拡大の大きなチャンスであるため、さらに県全体の機運を盛り上げ、開業効果を高めるための取組を進める必要があると考えますが、どのような取組を考えているのか、お尋ねいたします。 (3)特定複合観光施設(IR)区域整備促進について。 県政が直面している人口減少対策など、非常に厳しい社会経済情勢の中、こうした課題を克服するため、「IR導入に伴う懸念事項の最小化に向け、万全な体制を講じるとともに、長崎県の将来的な発展につながるよう、経済効果等のメリットを最大化することでIR導入を目指すべき」との意見が多く寄せられたことを受け、IR誘致の判断に至ったものと理解をいたしております。 8月末に、「カジノ オーストリア」を正式に事業者と決定され、いよいよ政府へ申請する区域整備計画を作成していくこととなるわけですが、IR事業者の公募・選定手続に関して、県は、これまで公平性、公正性、かつ透明性に十分留意して実施されたと思います。 その一方で、選定されなかった事業者から選定手続に問題があったかのような主張がなされており、そこで改めてIR事業者の選定過程について、お尋ねいたします。 また、県民の皆様の関心事項でありますIR導入に伴う懸念事項、特に、
ギャンブル依存症対策として、カジノ施設への入場については、マイナンバーカードによる厳格な本人確認や入場回数制限、IR事業者による相談窓口の設置など、これまでにない重層的な対策が講じられることとなっております。 このほか、本県においても、平成30年7月に公布された「
ギャンブル等依存症対策基本法」に基づき、令和2年1月に策定した「長崎県
ギャンブル等依存症対策推進計画」を踏まえ、
ギャンブル等依存症の現状や、課題、対策に取り組まれております。 国の区域認定を勝ち取るためには、いかに効果的な
ギャンブル依存症対策を行うかが重要なポイントになると考えます。 そこで、IRの整備を見据えた
ギャンブル依存症対策に係る本県独自の取組について、お尋ねいたします。 (4)石木ダム建設促進について。 佐世保市においては、平成6年から7年にかけての大渇水により、市民生活や経済活動に多大な影響を与えるなど、これまでも度々、渇水の危機に瀕しており、佐世保市における水源不足の現状は、県北地域に企業を誘致し、新たな雇用を創出するなど、人口減少対策を進めるうえでも大きな制約となっていることから、石木ダム建設による慢性的な水源不足の解消は、佐世保市民の宿願であります。 また、佐世保市が保有している既存の利水ダムのほとんどは、著しく老朽化しており、その改修を行うには長期間にわたってダムを空にしなければなりませんが、水源が不足している現状では、一つでもダムを空にすることは、非常に困難であると伺っており、石木ダムによる早急な水源確保が求められております。 知事は、事業を進めるに当たって、反対住民の方々から円満に土地を明け渡していただくことが最善であると考えていることから、これまで話し合いを模索し、その実現に向けて、ダム本体工事の着工を見合わせるなど、配慮してこられたと伺っております。 しかしながら、現時点において、反対住民の方々との話し合いは実現しておらず、事業に対する理解が得られていない中で、今後、どのように工事を進めていくのか、お尋ねいたします。 (5)
新型コロナウイルス感染症対策について。 県における
新型コロナウイルス感染症については、全国的な傾向と同様に、従来株よりも感染力が強いとされるデルタ株への置き換わりが急速に進行しているとお聞きしています。 デルタ株の感染力は、厚生労働省によると、従来株の約2倍とされており、東京都をはじめとする都市部で見られるような爆発的な感染の広がりが、いつ本県でも発生してもおかしくない状況であると考えています。 県においては、
新型コロナウイルス感染症の発生以降、積極的にPCR等の検査機器の導入を進めてきたものと認識していますが、現在の検査体制や検査能力がどのようになっているのか、お尋ねいたします。 また、特に、「第5波」の発生状況を見ると、長崎市や佐世保市はもとより、県内各市町にほぼ万遍なく感染者が発生しており、県民にとって、身近な地域のかかりつけ医でも検査を受けられる体制づくりが重要だと考えていますが、県の取組状況をお尋ねいたします。 全国的な感染拡大の中で、病床逼迫により入院が困難な状況となり、症状が悪化した自宅療養者が適切な医療を受けられないまま亡くなるという痛ましい報道があっております。 長崎では、このような状況にはなっていないと思いますが、若い世代の感染者の増加に伴い、以前に比べ、自宅療養者も増加している状況にあり、自宅療養者の中に容態が悪化するような場合が起こらないか、危惧されます。 この「第5波」において、自宅療養者はどのくらいおられたのか。また、そのうち容体が悪化して亡くなられた方はいなかったのか。併せて、県において、自宅療養者に対する対応、支援について、どのように行っているのか、お尋ねいたします。 (6)中期財政見通しと財政運営について。
九州新幹線西九州ルートをはじめとした重点プロジェクトの推進や待ったなしの人口減少対策の強化、さらには、
新型コロナウイルス感染症への対応等のためには、当然ながら、財源に裏打ちされた予算が必要となります。 このような中、県は、9月10日に、令和4年度から5年間の「中期財政見通し」を2年ぶりに策定・公表されましたが、それによると、令和8年度末の財源調整基金の枯渇という危機的な状況は避けられる見込みであり、中村知事がご尽力されてきた財政健全化の取組の成果であるものと評価しております。 しかしながら、「中期財政見通し」の中身を詳しく見ると、令和6年度以降は、歳出のうち公債費が再び増加基調になり、併せて県債残高についても、直近の令和2年度末の水準より増加していく見込みとなっております。 さらに、同時に策定された実質的な公債費の
長期シミュレーションにおいても、令和15年度は、現在より約109億円の負担増となり、中長期的な公債費の増加が懸念されます。 今後、本県が抱える様々な課題解決に必要な事業の予算化のためにも、今後の財政運営にあっては、歳入・歳出両面からの収支改善の取組は従前どおり進めながら、公債費の適正管理に特に留意していく必要があるのではないかと考えます。 そこで、「中期財政見通し」の策定を踏まえた本県の財政状況の認識と今後の財政運営の基本姿勢について、お尋ねいたします。 2、防災・減災、国土強靱化対策について。 (1)激甚化する水害対策について。 近年の気候変動の影響により、災害は、激甚化・頻発化し、防災に対する取組の重要性が増しております。 先月、8月には、県内で記録的な豪雨となっており、昨年は、7月豪雨において、本県大村市において、200戸以上が浸水被害を受けるなど、甚大な被害が発生しました。 国では、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」よりも、事業規模や期間を拡充した「防災・減災、国土強靱のための5か年加速化対策」を推進し、5か年で約15兆円規模の予算が確保される見通しとなっています。 この5か年加速化対策で、人命、財産の被害を防止し、最小化するための改修事業など、河川のハード面での取組について、お尋ねいたします。 (2)土砂災害対策について。 今回の8月豪雨をはじめ、近年の豪雨により多くの土砂災害が発生しております。 本県には、3万2,379か所の
土砂災害警戒区域があり、全国でも第2位と承知しています。全国的に気象災害が激甚化・頻発化する中、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」により、土砂災害などへの対策事業の促進を図っていく必要があると考えております。 全国的にも、
土砂災害警戒区域が多い本県において、県として、どのように土砂災害対策に取り組んでおられるのか、お尋ねいたします。 3、農林業・水産業の振興について。 (1)「花卉100億」の取組について。 本県の花卉は、園芸部門を支える重要な品目でありますが、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で需要が低迷するなど、厳しい経営環境にある一方で、多くの若い後継者が経営を継承し、各地域で優れた経営に取り組み、頑張っておられます。 県では、「チャレンジ園芸1000億達成計画」の中で、「花卉100億」を目標に掲げておられますが、その達成に向けて、どのような取組を進めていくのか、お尋ねいたします。 (2)TAC制度による漁獲制限について。 本県は、全国屈指の水産県ですが、本県を含めて我が国の漁業生産量は、海洋環境の変化や周辺水域における外国漁船の乱獲等により、長期的には減少傾向にあります。 今後、水産業の振興を図るためには、豊かな水産資源を回復させることで、国民に水産物を安定的に供給するとともに、漁業者の所得向上による水産業の成長産業化を通じて、漁村地域の発展を図っていくことが重要であると考えています。 昨年12月、70年ぶりの抜本改革と言われる「改正漁業法」が施行され、新たな資源管理システムの構築が盛り込まれ、安定した漁業の実現に向けて、資源の維持・回復が着実に推進されるものと期待する反面、漁獲量自体を定める管理手法であるTACを設定する魚種が新たに設けられ、漁獲制限を受ける魚種が拡大されていくと、本県漁業者の生産活動に影響が出るのではないかと不安に思うところであり、国が一方的に設定するのではなく、本県の漁業実態を十分考慮したうえで資源管理を推進していただきたいと考えているところです。 そこで、TAC制度の現状はどうなっているのか。また、今後の対象魚種の拡大に当たり、県は、漁業者の意見等を十分に聞いて国の制度に反映させていくべきと考えるが、県の考え方について、お尋ねいたします。 4、子育て支援について。 (1)発達障害児対策について。 自閉スペクトラム症を含む発達障害は、早期に発見し、早期に支援を行うことが重要と言われています。 しかしながら、症状が軽度である場合、周囲に気づかれないまま進学したり、周囲が気づいても、保護者の受容が難しく、適切な支援につながらないケースがあるということも聞いております。 適切な支援がなされない場合、就学後の学習面や生活面に困難を抱えたり、不登校やひきこもりなど二次的な問題を引き起こす可能性があるため、できるだけ早く発見し、発達段階に応じた適切な対応を行うことが必要です。 そこで、県では、発達障害児の把握のため、どのような取組を行っているのか、お尋ねいたします。 また、学校には発達障害等特別な支援の必要な子どもが一定割合いると言われています。ある保護者から、「子どもが通う学校では、発達障害等について適切な支援ができる先生がいない」と相談を受けました。 私は、発達障害等のある子ども一人ひとりの特性や対応の在り方等の必要な情報を幼稚園から高校卒業まで確実に引き継ぎ、一貫した指導、支援を行うとともに、先生が専門的な知識を身につけ、学校における支援を充実していく必要があると考えますが、県教育委員会の見解について、お尋ねいたします。 (2)若年妊産婦に対する支援について。 先頃発表された2020年の人口動態統計によると、全国の出生数は84万832人で、5年連続過去最少を更新し、本県においても9,182人と、出生数の減少に歯止めがかからない状況が続いています。 出生数の減少は、人口減につながることから、県では、これまでも様々な施策に取り組まれてきたと思いますが、子どもを産み育てやすい環境を整えることが大変重要であると考えます。 中でも、新聞で報道されました、10代で出産する若年出産は、予期しない妊娠であることが多く、経済的に苦しむケースが多いと聞いております。このような若年妊産婦を孤立させることなく、必要な支援を行うことが、子どもを産み育てやすい環境づくりにつながるものではないでしょうか。 本県では、どのような取組を行っているのか、お尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終了し、再質問につきましては、対面演壇席より行わせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。
○議長(坂本智徳君) 知事。
◎知事(中村法道君) 〔登壇〕溝口議員のご質問にお答えいたします。 まず、3期目の県政運営における実績と残された課題についてのお尋ねであります。 私は、知事就任以来、「人、産業、地域が輝く長崎県づくり」を基本理念とし、総合計画に基づき、人口減少や県民所得の低迷といった本県の構造的な課題に向きあい、具体的な成果を県民の皆様方にお示しできるよう、様々な施策を推進してまいりました。 また、国の地方創生の施策も積極的に取り込みながら、令和元年度には、「第2期総合戦略」を策定し、人口減少の改善に向けた施策の強化を図っているところであります。 この3年間の成果としては、産業振興においては、本県の基幹産業である造船業が厳しい状況にある中、半導体関連や航空機関連産業等において、次なる基幹産業化に向けた新たな動きが見られるほか、一次産業においては、農業産出額の増加や農水産物の輸出拡大が図られているところであります。 さらに、人口減少対策については、全体として、いまだ歯止めがかからないものの、市町等との連携により、移住者数の増加や高校生の県内就職率向上など、一定の成果も見られつつあります。 さらに、インバウンドの拡大については、クルーズ船入港数の増加のほか、国際定期航空路線も、香港線の新規就航に次いで上海線の増便が決定していたものの、
新型コロナウイルス感染拡大により、全便が運休するなど、事業の中断を余儀なくされているところであります。 そうした一方で、現在直面しております最大の課題は、
新型コロナウイルス感染症の克服であり、観光業のみならず、様々な分野に大きな影響を与えておりますことから、引き続き、感染症の拡大防止対策に全力を注ぎつつ、本県の地域経済の早急な回復を図っていく必要があるものと考えております。 このほか、
九州新幹線西九州ルートのフル規格化やIRの誘致、石木ダムの建設、しまや過疎地域の活性化、人口減少の改善など、県政においては、いまだ多くの課題を抱えております。 こうした重要課題について、残された任期中、可能な限り解決の道筋がつけられるよう、全力を傾注してまいりたいと考えております。 次に、
九州新幹線西九州ルートについてのお尋ねであります。
九州新幹線西九州ルート(新鳥栖-武雄温泉間)の整備については、昨年6月以降、国土交通省と佐賀県との間で幅広い協議が行われ、議論が積み重ねられているところであります。 こうした中、与党においては、佐賀県が重要な課題とされる在来線について「鉄軌道路線として維持しなければならない。その際、JR九州による運行が不可欠である」といった方向性を示されるとともに、赤羽国土交通大臣におかれても、「在来線を残すことで、極力JR九州を説得したい」とのご発言をされるなど、関係者が、この区間の重要性を考え、一歩踏み込んで、積極的な対応をいただいておりますことをありがたく、心強く受け止めているところであります。 県としては、今後の西九州地域の発展を考えた時、関西や中国地方と直通運行ができ、その効果として、交流人口や行動範囲の拡大などを図ることができることに加え、災害に対する強靱性や安定した輸送手段の確保につながることから、全線フル規格による整備が不可欠であると考えております。 そのため、与党でのご議論や、国土交通省と関係者の協議など、様々な枠組みを活かして議論を積み重ね、フル規格による整備の早期実現に向けて全力を注いでまいりたいと考えております。 次に、IR事業者の選定過程についてのお尋ねであります。 IR事業予定者の公募・選定に当たっては、公平性、公正性及び透明性の確保が不可欠であり、国の基本方針においても強く求められておりますことから、県においては、その趣旨を踏まえた募集要綱をあらかじめ策定・公表し、IR事業者の公募・選定手続を進めてまいりました。 具体的には、審査に際し、財務や観光、交通、
ギャンブル依存症対策などの専門家による審査委員会を設置し、その知見を活かしながら、各事業者の提案内容の審査を行っていただきました。 一方、応募事業者の社会的信用等に関する廉潔性についても、県として、別途判断する必要があったことから、これらの作業と並行して調査を進めてきたところであります。 なお、この廉潔性調査結果については、県として一定の評価・判断を行ったうえで法定協議に臨む必要があったことから、その内容は、審査委員会へも開示してこなかったところであります。 そのうえで、県においては、審査委員会から答申された審査結果等を基に、公安委員会並びに佐世保市との法定協議に臨み、先般、「カジノ オーストリア インターナショナル ジャパン」を設置運営事業予定者として選定したところであります。 なお、審査委員会における審査結果につきましては、透明性確保の観点から、項目ごとの得点内訳や評価のポイントを含め、公表を行っているところであります。 県といたしましては、来年4月が期限となっております区域認定申請に向け、パートナーである同事業者と連携を図りながら、区域整備計画の作成を着実に進めてまいりたいと考えております。 次に、石木ダムの建設促進について、今後、どのように工事を進めていくのかとのお尋ねであります。 石木ダム事業は、佐世保市に安定した水道水源を確保し、県北地域の発展を目指すうえで重要な事業であり、また、老朽化した佐世保市の利水ダムを改修するためにも必要な事業であることから、早期の完成が求められているところであります。 県としては、反対住民の方々のご協力を得て、円満に事業を進めることが最善の方策であるという思いに変わりはないものであり、今後も事業へのご理解をいただけるよう、努力してまいりたいと考えております。 また、工事につきましては、9月8日にダム本体工事に着工し、付替県道の盛土区間についても再開したところであり、引き続き、ダム本体工事を進めるとともに、付替県道の延伸など、新たな工事についても発注してまいりたいと考えております。 今後も、ダムの早期完成に向けて着実に工事を進める必要がありますことから、現場の状況を見極め、安全を確保しながら工事の進捗に努めてまいります。 次に、
新型コロナウイルス感染症に関連して、自宅療養の現状と県としての対応、取組についてのお尋ねであります。 7月からの「第5波」では、高齢者へのワクチン接種が進んだこともあり、若年者の感染が多く、無症状や軽症の感染者の割合が約7割となっております。 県では、入院治療を要しない方は、宿泊療養施設での療養を基本としておりますが、自宅療養となられる方もおられ、一日当たりの療養者数が最大となった8月22日には、818名の療養者のうち4割を超える372名の方が自宅療養となりました。 自宅療養者に対しては、健康観察に必要な血中の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターをお渡しし、希望される方には、保存が可能な食料品セットを配送するなどの支援を行うとともに、保健所の職員が毎日電話をかけて体温等を確認するなどの健康観察を行っており、症状が悪化した場合も、医療機関への受診や入院につなげることができておりますことから、本県では、これまでに自宅療養中に亡くなられた方はありません。 また、医師会等にご協力をいただき、療養者の症状変化に24時間対応できるよう、「自宅療養サポート医」を配置し、オンライン診療を行っているところであり、今後も、自宅療養者の健康観察、医療支援体制の整備・充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、「中期財政見通し」を踏まえた本県の財政状況の認識と今後の財政運営についてのお尋ねであります。 今回策定しました「中期財政見通し」においては、
新型コロナウイルス感染症の本県財政への影響は、依然として不透明でありますが、これまでの収支改善対策の効果や公債費の減少等により、令和3年度から令和6年度の間は財源不足が生じない見込みとなっているところであります。 しかしながら、令和7年度以降は、社会保障関係費の継続した伸びに加え、大型事業の償還開始に伴い、公債費が増加に転じること等から、基金の取崩しが見込まれているところであり、厳しい財政状況が続く見通しであると認識しております。 そのため、今後の財政運営に当たっては、
新型コロナウイルス感染症による影響等を十分に注視しつつ、引き続き、歳入確保と歳出削減の両面からの着実な収支改善に取り組むほか、将来の公債費負担の抑制に向けた対策を強化することが重要であると考えております。 具体的には、県債発行における交付税措置額を加味した実質的な財政負担額に着目のうえ、普通建設事業の重点化・効率化を図ることにより、公債費や県債残高を適正に管理することとしております。 一方、国に対しては、全国知事会等とも連携しながら、地方交付税の総額確保など、地方税財源の充実・強化を強く要請してまいります。 県としては、地方創生の実現や人口減少の克服など、本県の将来を見据えた施策をさらに推進するため、持続可能で安定的な財政運営に力を注いでまいりたいと考えているところであります。 そのほかのご質問につきましては、関係部局長からお答えをさせていただきます。
○議長(坂本智徳君) 地域振興部長。
◎地域振興部長(早稲田智仁君) 私から、西九州新幹線の開業に係る取組について、お答えいたします。 機運醸成や開業効果を高めるための取組についてのお尋ねでありますが、来年秋の西九州新幹線(長崎-武雄温泉間)の開業に向けて、機運醸成については、県及び沿線市が実施する一年前イベントや諫早駅での新幹線レールウォークの開催を予定しております。 また、誘客対策については、関西・中国圏等の主要駅で、本県や西九州新幹線を集中的に露出するプロモーションの展開や、デスティネーションキャンペーンと連携した広報PRなど、本県の魅力を発信してまいります。 さらに、二次交通対策については、島原半島向けの予約制乗合タクシーの実証運行や、JRと島原鉄道の乗り放題を組み合わせたフリー切符の実証販売など、準備を進めているところであります。 引き続き、官民一体となって開業効果を高めるため、アクションプランの取組を着実に推進してまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 企画部長。
◎企画部長(浦真樹君) IRの整備を見据えた
ギャンブル依存症対策に係る本県独自の取組についてのお尋ねでありますが、IRの実現に当たっては、ギャンブル依存症など、懸念される事項の最小化に向け、官民の幅広い主体が緊密に連携し、効果的な対策を講じることが重要であると考えております。 このため、昨年11月、依存症対策や青少年の健全育成、治安維持対策等の各分野で活動する官民の団体が参画した「九州・長崎IR安全安心ネットワーク協議会準備会」を設置し、様々な対策の検討を進めているところであります。 また、去る8月4日には、IRを契機として、九州・山口各県が連携し、
ギャンブル等依存症をはじめ、様々な依存症対策の強化を図るため、「九州地方依存症対策ネットワーク協議会」が発足したところであり、各県の担当部局や医療機関、相談機関が協力し、効果的な依存症対策に係る情報共有のほか、eラーニングによる人材育成プログラムの作成等を進めております。 県といたしましては、県内外の幅広い団体、さらには、設置運営事業予定者とも緊密に連携しながら、懸念される事項の最小化に向け、万全の対策を講じてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 現在の県の検査体制や検査能力がどのようになっているのかとのお尋ねについてでございますが、
新型コロナウイルス感染症の検査につきましては、行政機関のほか、医療機関やドライブスルー方式で検体を採取する地域・外来検査センターによる検査がございます。 このうち医療機関については、地域のかかりつけ医で検査が受けられるよう、現在、373の施設を診療・検査医療機関として指定し、離島を含め、全ての医療圏で検査を実施できる体制を構築しております。 また、検査能力については、国の交付金を活用して、各検査機関や医療機関等への検査機器の導入を継続的に支援しているところであり、一日当たりの検査可能件数は、7月末時点で約5,300件となっており、今後も引き続き拡充に努めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に関するハード対策についてのお尋ねですが、気候変動による水災害の頻発化・激甚化を踏まえ、本県でも、郡川水系や早岐川水系で流域全体のあらゆる関係者が協働する「流域治水」の取組を開始したところです。 ハード対策については、直近5か年の平均予算が、経済対策補正や3か年緊急対策予算を含め、約43億円で推移していましたが、今年度は令和2年度の補正予算と合わせ、約56億円を確保し、河川の拡幅や治水安全上、支障となる橋梁、堰などの改築を行うこととしています。 今後も、効果の早期発現を図るため、5か年加速化対策の予算を確保し、事前防災を計画的に進めてまいります。 次に、土砂災害対策の取組についてのお尋ねですが、本県には、多くの
土砂災害警戒区域があり、そのうち公共事業として対応が求められる箇所は6,585か所あります。 砂防事業、地すべり対策事業、急傾斜地崩壊対策事業などにより工事を進めていますが、その整備には多額の費用と期間を要し、整備率は令和2年度末で約25%にとどまります。 そのため、平成30年度からの「3か年緊急対策」と併せ、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」により予算を確保し、事業箇所を増やし、整備促進に取り組んでいます。 また、ソフト対策として、県と市町が協力してハザードマップを作成し、住民へ配布するなど、土砂災害から人命を守る取組を進めているところです。
○議長(坂本智徳君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 「花卉100億」の目標達成に向けて、どのように取り組んでいくのかとのお尋ねですが、県では、園芸ハウス、選別機等の導入や、品評会による生産技術向上等を支援してきた結果、令和元年の花卉産出額は74億円と、10年前より7億円増加いたしましたが、産地規模が小さいことや、労力不足、消費低迷などにより、目標の100億円には届いておりません。 今後は、令和7年の「花卉100億」達成に向け、環境制御技術の導入や、長崎オリジナル品種の作付推進による品質・収量の向上、外国人材を活用した労力確保や中古ハウス活用による栽培面積の拡大に取り組んでまいります。 また、コロナ禍の影響が大きい主要品目の菊については、多品目・多品種への転換や需要創出の取組を新たに支援するなど、関係団体とともに目標達成に向け、各種取組を進めてまいります。
○議長(坂本智徳君) 水産部長。
◎水産部長(斎藤晃君) 水産業の振興につきまして、TAC制度の現状と今後の対象種の拡大に当たっては、漁業者の意見等を国の制度に反映させていくべきであるが、県の考え方はとのお尋ねでございます。 TAC制度は、魚種ごとに総漁獲可能量を定め、漁獲総量を規制することで、水産資源の維持・回復を図る制度であり、マアジ、サバ類、クロマグロなど、現在、8魚種に設定されております。 この対象種は、漁獲量ベースで我が国全体の6割を占めておりますが、国は、これを8割まで随時拡大することとしており、カタクチイワシ、ブリ、マダイ、トラフグ等の15魚種が新たな対象種の候補とされております。 県といたしましては、継続して最大の漁獲を得られる資源水準に維持・回復させる取組は重要と考えておりますが、資源水準が低いと評価された魚種では、漁獲制限を伴う漁獲可能量が設定されることも懸念されるため、新たな資源管理の推進に当たっては、関係する漁業者の理解と協力を得たうえで進めるよう、国に強く要望してまいります。
○議長(坂本智徳君) こども政策局長。
◎こども政策局長(田中紀久美君) 私から、2点、お答えいたします。 まず、発達障害児の把握のための県の取組について、お尋ねですが、本県では、発達障害の早期発見に有用とされている5歳児健診を推進しており、現在、県内16市町が実施しておりますが、未実施の市町においても、保育所・幼稚園への巡回相談などを行っているところです。 県においては、未実施市町に対し、健診の有効性や実施市町の取組を紹介する研修会を開催するとともに、今年度、新たに専門家と訪問調査を行い、現状の取組内容に関し、改善が必要な点等を助言することとしております。 今後も引き続き、発達障害児の早期発見の体制充実に向け、支援を行ってまいります。 次に、若年妊産婦に対する支援について、お尋ねですが、本県における10代の妊婦による出生数は、令和2年では68人となっております。 若年妊産婦に対する支援に関しては、市町が設置する子育て世代包括支援センターが、母子手帳交付時や産後の健診等において、妊産婦の状況を把握し、必要に応じて保健師の家庭訪問による養育支援や関係部署と連携して就労支援や各種手当等の支援を行っております。 県では、こうした取組を行う市町に対し、保健師等の資質向上を目的とした研修を行う一方、貧困や家庭内暴力など様々な問題を抱える方の妊娠に関する相談支援のため、SNSも活用した「にんしんSOS相談窓口」を設置し、相談対応等を行っております。 県といたしましては、引き続き、若年妊産婦をはじめ、支援を必要とする妊産婦に対し、市町と連携して支援してまいります。
○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 発達障害児童等の子どもの支援に係る情報の確実な引き継ぎや教諭の専門性の向上についてのお尋ねでございます。 発達障害等のある児童生徒の支援に係る情報を学校間で確実に引き継ぐため、学校において、個々の児童生徒の支援内容等に関する情報をまとめた「教育支援計画」を作成し、乳幼児から学校卒業後までの一貫した支援を行う取組を推進しているところです。 また、新たに作成しました「第二期長崎県特別支援教育推進基本計画」において、教職員の専門性の向上を施策の柱として掲げ、小学校などの教員に対して、特別支援教育に係る免許法認定講習の受講を促すとともに、特別支援学校と小・中・高等学校との人事交流の促進や、大学等と連携しまして教員志望者に対して理解を深める取組などを推進していくこととしております。
○議長(坂本智徳君) 溝口議員-42番。
◆42番(溝口芙美雄君) それぞれのご答弁、ありがとうございました。 中村知事の3期目までの実績につきましては、先ほど答弁をいただいたとおりでございますけれども、やはり残された課題が相当あると思います。 その中で、やはり任期中にできる限りの取組をやっていきたいということでございましたけれども、まだ残された課題を解決するためには、私は、中村知事がこれに取り組んでいく必要があるんじゃないかと思っているんですけれども、知事、4期目の挑戦については、どのように考えているのか、お尋ねしたいと思います。
○議長(坂本智徳君) 知事。
◎知事(中村法道君) 先ほどお答えを申し上げましたように、県政に数多くの課題が残されていることについては、十分認識をしているところであり、まずはこうした目の前にある課題を一歩でも半歩でも前に進めながら、解決の道筋を探ってまいりたいと考えているところであります。 4期目の対応については、いまだ結論を出すには至っていないところであり、いま少し時間をいただいて熟慮してまいりたいと考えているところであります。(発言する者あり)
○議長(坂本智徳君) 溝口議員-42番。
◆42番(溝口芙美雄君) 一応検討させていただきたいということですけれども、私は、やはり4期目については、早く決断をする必要があるんじゃないかと思っているんですね。あともう半年しかありませんので、諸課題について、なかなか解決できる問題がないと思うんです。やはりあと4年間は要るのではないかと思っておりますので、検討も前向きに検討していただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 次に、
九州新幹線西九州ルートの整備促進ですけれども、このことにつきましては、やはり佐賀県と、また国土交通省と話し合いをしながら、フル規格がやはり妥当だと思っておりますけれども、なかなか、そのことについてもまだ解決ができておりません。 しかしながら、令和4年には西九州新幹線が開業することになります。やはりこの機運を盛り上げることが、今後のフル規格についても県民全体が盛りあがるのではないかと思っております。 いろいろなイベントをしていくということでございますけれども、やはりこの開業日をはっきりさせることによって、その機運がまた盛りあがるのではないかと思いますけれども、その開業日について、はっきりとした返事がいついただけるのか、お尋ねしたいと思います。
○議長(坂本智徳君) 地域振興部長。
◎地域振興部長(早稲田智仁君) 現在、西九州新幹線(長崎-武雄温泉間)の開業時期については、令和4年の秋頃ということがJR九州から示されております。 平成23年に全線開業いたしました鹿児島ルートでは、開業月の6か月前に開業日が発表されており、発表後は開業日に合わせた様々な取組が行われたと伺っております。 本県におきましても、開業日が示されることで、さらに県全体の機運醸成につながると考えておりますので、開業日が早期に示されるよう、引き続き、JR九州に働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 溝口議員-42番。
◆42番(溝口芙美雄君) わかりました。 次に、特定複合観光施設、IRですけれども、先ほど、ギャンブル依存症について、いろいろと話が出ましたけれども、ギャンブル依存症については、韓国の江原ランドでは、
ギャンブル依存症対策のための施設が併設されております。九州・長崎IRについても、同様な施設が必要になるかと思いますけれども、そのことについて、どのように考えているのか、お尋ねしたいと思います。
○議長(坂本智徳君) 企画部長。
◎企画部長(浦真樹君)
ギャンブル依存症対策につきましては、IR整備法におきまして、マイナンバーカードによる本人確認、あるいは入場回数の制限、本人、家族からの申告による利用制限措置の事業者への義務づけなど、世界最高水準と言われる厳格な規制が設けられております。 県といたしましては、こうした入場時の対策に加え、IR施設内に相談機能を設け、施設内に常駐予定の医療スタッフなどとも連携を図ることで、予防から相談等に至る、よりきめ細かな対応も可能になると考えておりまして、本人や家族が毎日24時間利用できる相談センターの設置について検討を進めているところであります。
○議長(坂本智徳君) 溝口議員-42番。
◆42番(溝口芙美雄君) 私が聞いたのは、施設に
ギャンブル依存症対策の施設を併設できないのかという質問でしたけれども、そのことについては触れられなかったような感じがするんですけれども、いかがでしょうか。
○議長(坂本智徳君) 企画部長。
◎企画部長(浦真樹君) 韓国の江原ランドのご紹介もございました。私どもとしましては、まず入場時の対策、そして、入った後のいろんな相談体制、そういったものが大事になるのではなかろうかというふうに思っておりまして、そういったご紹介のあった事例などもいろいろ調査、研究しながら、十分な対策を講じてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 溝口議員-42番。
◆42番(溝口芙美雄君) やはりIR誘致については、この
ギャンブル依存症対策を的確にやったところが誘致が可能ではないかと、そういう話を私は聞いております。特に、国の偉い方から聞いているんですけれども、そのことについて、やはりしっかりとした考え方を持っておかなければならないじゃないかと思うんですよね。 だから、施設内に、IRだけのギャンブル依存症じゃなくて、全体、今、パチンコにしても、競馬にしても、ボートにしても、いろいろなギャンブル依存症があると思うんですよ。そういうことを専門的に扱う施設をつくっていくということは大事なことではないかと思っておりますけれども、いま一度、お考えをお尋ねしたいと思います。
○議長(坂本智徳君) 企画部長。
◎企画部長(浦真樹君) 先ほど申し上げました相談センター、それから医療スタッフの常駐、こういったことについて今いろいろと検討を進めておりますので、議員ご指摘のいろんな
ギャンブル依存症対策、こういったものに対して、長崎のIRも対応できているという姿を見せられるようにしっかり研究してまいりたいと思っております。
○議長(坂本智徳君) 溝口議員-42番。
◆42番(溝口芙美雄君) ありがとうございます。 ただ、選定過程において、透明性、公正性という形で、ちゃんとした形で選定してきたということでございますけれども、やはり疑いをかけられないような、県民に対して、そういう広報というか、アピールも必要じゃないかと思うんですね。その選定に当たっての考え方を県民に知らせるような、そういう取組も必要ではないかと思っているんですけれども、このことについて、お尋ねしたいと思います。
○議長(坂本智徳君) 企画部長。
◎企画部長(浦真樹君) IR事業者の公募・選定につきましては、先ほど来、お話をさせていただいておりますように、あらかじめ募集要綱を定めまして審査手続を進めてきております。 また、審査委員会による審査の結果等につきましては、これもあらかじめ審査委員の皆様の名簿、そして審査項目、こういったものも公表し、配点などもお示ししながら、事業者に応募いただき、提案をいただき、審査を行ったところでございます。 審査結果につきましては、項目ごとの点数等も含めて公表を既にさせていただいておりますし、評価のポイントなども今公表させていただいているところでございます。 今後とも、丁寧にご説明等はさせていただきたいというふうに思います。
○議長(坂本智徳君) 溝口議員-42番。
◆42番(溝口芙美雄君) ありがとうございます。 IRを誘致するためには、やはり交流人口を増やしていかなければいけないと思うんですね。その中で広域的な道路網、ネットワークの整備というのは必要ではないかと思っております。 まず、福岡方面から人を呼ぶためには、どうしても武雄南インターチェンジ-佐世保大塔インターチェンジの4車線化が必要ではないかと思っております。また、長崎空港から呼ぶためには東彼杵道路の整備、それから、長崎から呼ぶためには、
新型コロナウイルス感染症が収束した段階では国際クルーズ船がかなりやって来るのではないかと思うんですね。それをIRに呼び込むためには、観光都市である長崎市を最短で結ぶ西彼杵道路の整備と、それから南北幹線道路の整備が必要ではないかと思っておりますけれども、このことについて、現在、どのような取組を行っているのか。また、進捗状況について、お尋ねしたいと思います。
○議長(坂本智徳君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 西九州自動車道の佐世保大塔インターチェンジから武雄南インターチェンジ間の4車線化については、令和元年9月に、国の優先整備区間に選定されており、本県としては、一日も早い事業着手について、国へ働きかけを行っているところです。 東彼杵道路については、昨年度、国において、計画段階評価手続に着手され、今年7月からは沿線住民や道路利用者などへの意見聴取が開始されており、着実に手続が進められています。 西彼杵道路については、現在、来年度の供用を目指して時津工区の整備を進めており、残る未着手区間のうち、西海市西彼町大串から白似田間については、来年度の新規事業化に向けて、国との協議を進めているところです。 長崎南北幹線道路の長崎市茂里町から時津町間についても、来年度の新規事業化に向けて、都市計画決定手続を進めています。 引き続き、IRへの交通アクセス改善を含めた、広域的な道路ネットワークである高規格道路の整備に重点的に取り組んでまいります。
○議長(坂本智徳君) 溝口議員-42番。
◆42番(溝口芙美雄君) わかりました。 交流人口を増やす、IRに人を呼び込むためには、この広域的な道路網の整備というのは、やはり重要ではないかと思っております。ただ、IRの開業がいつになるのか、わかりませんけれども、計画的に考えると、あと7年ぐらいですか、その間にちゃんとした整備をしていかないと、やっていけないのではないかと思うんです。 そのためにも、国に対してIRを誘致する長崎県としては、しっかりとした計画を持って道路網の整備をやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それから、新型コロナウイルス感染防止ですけれども、子どもへの感染防止対策を考えているんですけれども、今回の「第5波」においては、10代とか10代未満の子どもたちが、かなり感染していると思うんです。 そういう中で、学校という形の中では、子どもたちが集まるところですから、どのように感染を防いでいくかということが大事なことではないかと思っております。 子どもの感染防止対策をどのように行っているのか。また、感染者が出た場合、感染拡大を防ぐためにはどのように対応していくのか、お尋ねしたいと思います。
○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 県におきましては、手洗い、マスクの着用、こまめな換気、給食等における席の配置の工夫など、基本的な感染対策を徹底しますとともに、児童生徒同士が接触をしたり、近距離で行う感染リスクの高い活動については、一時的に制限するといった対策を講じております。 また、児童生徒本人や家族に発熱などの症状があれば、登校させないということを徹底しますとともに、登校後に体調に変調を来した場合には、抗原検査キットを用いて感染の有無を早期に確認し、感染拡大防止を図ることとしております。 仮に児童生徒等の感染が確認された場合には、保健所等と連携いたしまして、学校活動の中での接触状況でありますとか、PCR検査の結果等による感染の拡大状況等も踏まえまして、学校の一部または全部の臨時休業を実施するなどの必要な措置を行うことといたしております。
○議長(坂本智徳君) 溝口議員-42番。
◆42番(溝口芙美雄君) と同時に、学校行事ですね、修学旅行とか体育祭、文化祭などもあるんですけれども、今、それは中止とか延期を余儀なくされているんですけれども、そのことについて可能な限り、実施を検討していただきたいと思うんですけれども、教育委員会の考え方をお尋ねしたいと思います。
○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 学校行事につきましては、地域の感染状況を踏まえ、保護者の方の理解を前提としまして、感染リスクの高い活動を避けるなど、適切な感染防止対策を十分講じたうえで実施を検討してまいります。 例えば、修学旅行につきましては、県内に振り替えるなどの行き先の変更や日数の短縮などの工夫をして、可能な限り実施する方向で考えております。
○議長(坂本智徳君) 溝口議員-42番。
◆42番(溝口芙美雄君) 時間がありませんので、要望をさせていだたきますけれども、激甚化する水害対策ですけれども、県内には300を超える県管理河川があるんですけれども、小規模河川においてもハザードマップを作って市町で県民に徹底していく必要があると思いますので、土砂災害対策について要望したいと思います。 ありがとうございました。
○議長(坂本智徳君) これより、しばらく休憩をいたします。 会議は、11時15分から再開いたします。 -午前11時2分 休憩------------------------------------ -午前11時15分 再開-
○議長(坂本智徳君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 西川議員-35番。
◆35番(西川克己君) (拍手)〔登壇〕自由民主党、平戸市選出の西川克己でございます。 8月11日からの大雨により亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、負傷された方、被害を受けられた方に心よりお見舞いを申し上げます。 また、
新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方のご冥福を、療養中の皆様の一日も早いご回復を衷心よりお祈りします。 さて、暗いニュースの続く中、この夏の中学生、高校生の九州大会、全国大会、野球の甲子園大会で大活躍があり、勇気、希望、感動をいただきました。 また、東京オリンピック・パラリンピックでも、本県出身選手が、金メダルをはじめ多くのすばらしい成績をおさめられました。選手の皆さんや競技関係者の長い間のご努力に深く敬意を表したいと思います。 日本の体操界をリードしてこられた内村航平選手も、今までのご活躍、お疲れさまでした。 昨日、9月15日より老人週間となりましたが、県内で今年度100歳以上になられる方、約1,800名のご長寿者に心よりお慶びを申し上げます。 それでは、質問させていただきます。 1、本県の重要課題についての知事の取組みについて。 (1)
九州新幹線西九州ルートについて。
九州新幹線西九州ルートについては、来年秋に、武雄温泉駅での対面乗り換え方式により、長崎~武雄温泉間が開業しますが、これはあくまで暫定的な手法として同意したものであり、観光や交流の面から見ても、早急にフル規格により、長崎から博多、その先の新大阪まで乗り換えなしでつながる必要があると考えております。 新鳥栖~武雄温泉間の整備のあり方については、現在、国土交通省と佐賀県との幅広い協議が行われており、また、先般、国土交通大臣は、同区間がフル規格で開業する場合、「在来線を残すよう、JR九州を説得する」、また、佐賀県の財政負担軽減に向けて、「知恵が出せないか、県と鉄道局で議論する」と述べられるなど、問題の解決に向け、積極的な姿勢を示されているところであります。 しかしながら、幅広い協議がはじまって一年以上が経過しておりますが、整備方式の見通しはついておらず、対面乗り換えが長期化、固定化することになるのではないかと大変心配しております。 また、整備計画路線のうち、西九州ルートと同様、未着工区間がある北陸新幹線については、敦賀~新大阪間が令和5年の着工に向けて議論が進められているところですが、西九州ルートについては、佐賀県の理解が得られないところから、去る8月末の国の令和4年度予算の概算要求に、事業着手に必要な環境影響評価の予算が計上されておらず、このままでは、環境影響評価に着手できず、着工が大きく遅れてしまうのではないかと非常に懸念しております。 そこで、令和4年度に向けた環境影響評価予算が要求されない中、早期に北陸新幹線と同様に議論の俎上に上がれるよう環境を整えなければならないと考えますが、今後の本県の対応について、知事の考えをお尋ねします。 (2)石木ダムについて。 令和3年8月11日からの大雨では、全国各地で甚大な洪水被害が発生したところであり、本県においても大きな被害が発生しております。 石木ダムの建設が進められている川棚町においても、このような異常気象による洪水被害は、いつ発生してもおかしくない状況であることから、防災・減災対策の一つである石木ダムの必要性は、より一層高まっており、早急に整備しなければならないと考えております。 また、知事は、「反対住民の方々のご協力を得て、円滑に事業を進めることが最良であると考えている」と発言されており、これまで、話し合いを模索されてきたところでありますが、9月以降は、着実に事業を進めていきたいとの考えを示されております。 そこで、現在の工事の実施状況と、今後の反対住民の方々との話し合いについて、知事の考え方をお尋ねいたします。 (3)IRについて。 IRの誘致につきましては、去る8月30日に、「カジノ オーストリア」を事業者として最終選定されました。 県では、今年の1月から、事業者の公募手続を開始され、5グループから応募があったところです。 この間、事業者との接触ルールや、一次審査、二次審査における公平・公正な事業者選定について、知事をはじめ理事者の皆様は、相当なご苦労があったものと推測します。 また、先日の横浜市長選挙においては、IR誘致反対を公約として掲げた候補者が当選し、結果的に横浜市は、IR誘致断念という結果になりました。 そこで、現時点におけるIR区域整備に向けた本県の取組状況並びに他地域の状況について、お尋ねいたします。 (4)
新型コロナウイルス感染症対策について。 本県のワクチン接種状況について。 まず、医療従事者、行政関係者の日頃のご尽力に深く感謝いたします。
新型コロナウイルス感染症対策として、現在、市町を中心としてワクチン接種が進められていますが、コロナ禍において、県民が安心して生活できる環境を取り戻すためには、ワクチン接種をさらに進め、地域において集団免疫を獲得することが重要だと考えております。 そのためには、子どもから高齢者まで、幅広く接種してもらい、県全体としての接種率を高めていく必要がありますが、とりわけ最近は、10代から30代といった若い世代で感染が増加しており、重症者も出てきているという状況を見ると、これらの世代に対する接種を早急に進める必要があるのではないかと考えているところであります。 そこで、こういった若い世代の接種状況も含め、本県におけるワクチン接種の状況はどのようになっているのか、お尋ねします。 また、県が、佐世保市と長崎市で実施している大規模接種会場での接種はどのような状況なのか。さらに、海外では、「ブースター」と言われている3回目の接種がはじまっている国もあると聞いていますが、このことについて、県としてどのように考えているのか、併せてお尋ねします。 次に、入院病床、宿泊療養所の確保状況について。 7月以降の
新型コロナウイルス感染症拡大の「第5波」では、感染者が急激に増加し、8月には一日当たりの最大感染者数も、「第4波」の時を超える114人が確認されたところです。 今回の「第5波」では、長崎、佐世保市をはじめ、ほぼ県下全域で新規感染者の発生が見られるなど、一日当たりの療養者数も県全体で800人を超えた日もあったと認識しております。 このような状況の中、感染者が適切な治療、療養を受けるために必要な入院病床や宿泊療養施設が十分確保できているのか、危惧しているところです。 県では、これまでの経験を踏まえつつ、随時医療機関等と連携して、医療体制の強化・充実に取り組んでいると思いますが、入院病床及び宿泊療養施設の確保状況はどのようになっているのか、お尋ねします。 次に、飲食業以外の関連事業者への支援について。 7月以降、新型コロナウイルスへの感染が急速に拡大する中、県におかれては、人の移動が多くなるお盆を前に、8月10日から、飲食店へ夜8時までの営業時間短縮を要請されました。 中でも、今回の「第5波」においては、国により「まん延防止等重点措置」が本県に適用されたことに伴い、酒類の提供自粛など、これまで以上に厳しい要請がなされたところであります。 要請に応じた飲食店に対しては、協力金が支給される一方で、飲食店の取引先など、関連事業者についても、県の要請等により売上げが大きな影響を受けております。 こうした関連事業者への支援について、県としてどのように考えているのか、お尋ねします。 (5)「中期財政見通し」に与える新型コロナウイルスの影響について。 「中期財政見通し」については、先ほど溝口議員から質疑がありましたので、私は少し切り口を変えて、新型コロナウイルスの影響という観点から質問いたします。 今年度、即ち令和3年度は、知事が「財源調整基金の取り崩しに頼らない財政運営を目指す」と表明された目標年度でありますが、「中期財政見通し」における今年度の財源不足額はゼロであり、その後の令和4年、5年、6年度の3年間は、基金を積み増す見通しとなっています。 一方、今般の
新型コロナウイルス感染症に対して、県は、検査体制や医療体制の拡充等の感染予防、拡大防止対策とともに、地域経済の維持・回復対策について、時機を捉えながら、次々に講じてこられました。 もちろん、その際に、地方創生臨時交付金の有利な財源を最大限に活用していると存じておりますが、その総額は、令和3年度8月補正までの累計で2,000億円を超えております。それ自体には感謝しつつ、このような巨額の感染症対策のほか、厳しい社会経済情勢が県税収入に与える影響等を考えた時に、果たして「中期財政見通し」の見込みのように、本当に基金取り崩しがなくなるのか、不安を感じる部分もあります。 そこで、「中期財政見通し」において、
新型コロナウイルス感染症の影響をどのように見込み、それを踏まえて、どのような財政運営を図っていこうとされているのか、お尋ねします。 2、今夏の大雨豪雨災害について。 (1)被害の状況と今後の対応について。 本県では、8月11日から17日にかけて、停滞した前線の影響により、記録的な大雨となりました。 貴重な人命が失われ、農林、水産、土木関係で1,000件以上、100億円を超す被害が発生しており、早急な復旧への対応が求められています。 特に、雲仙岳においては、8月11日からの約1週間で、総雨量1,184ミリを観測し、雲仙温泉街では、背後の山林で崩落や亀裂が発生し、付近住民が避難したほか、八万地獄上部山腹斜面が崩壊し、地獄を巡る歩道や源泉等が土砂により埋没し、温泉が利用できない被害が発生していると聞いております。 県や環境省所管の被害状況と今後の対応について、お尋ねします。 3、文化歴史遺産について。 (1)長崎市恐竜博物館について。 現在、長崎市においては、野母崎地区に「長崎市恐竜博物館」を整備されており、いよいよ10月29日のオープンが近づいてきているところです。 私も以前、福井県の恐竜博物館に行ったことがありますが、大変人気がありましたので、この「長崎市恐竜博物館」開設に期待をしております。 長崎半島では、これまで、この一帯から多種多様な恐竜の化石が発見されており、中でも、10メートル級のティラノサウルス科の歯の化石が国内ではじめて発見されるなど、国内でも有数の化石産地として、研究者の注目を集めているところであり、恐竜博物館は、このような本地区の特色を活かし、長崎市が主体的に計画され、整備を進めてきたと聞いております。 一方で、「長崎市恐竜博物館」は、平成29年に閉園した亜熱帯植物園に代わる野母崎地区の集客施設として、また、当地区の特色ある文化資源を発信する文化施設として、今後の地域振興にも大きく寄与するものと期待されるところであり、県として、これにどのように関わりあっていこうと考えているのか、お尋ねします。 (2)松浦「鷹島神崎遺跡」について。 「鷹島神崎遺跡」は、蒙古襲来という日本史上の重大な事件を理解するうえで欠くことのできない、極めて重要な遺跡とされ、現在、地元では、元寇船の木製碇の引き揚げに着手しようとされており、その引き揚げには多額の費用を要することから、松浦市がクラウドファンディングによる資金調達を行い、目標額を上回る金額が集まっていると聞いております。 これを契機として、地元は大変機運が盛り上がっており、さらに、鷹島に水中考古学センターなどの国の調査研究機関の誘致を目指して、松浦市議会で特別委員会を設置して取り組んでいるところでございます。 このような中にあって、「鷹島神崎遺跡」について、県の取組が見えないという声も聞こえてきているところです。 そこで、県では、どのような取組をされているのか、お尋ねします。 また、水中遺跡の保存活用については、地方自治体だけでできるものではないと思っていますが、国への働きかけはどのようにしているのか、併せてお尋ねします。 4、再生可能エネルギーについて。 (1)洋上風力発電について。 洋上風力発電に関する本県の状況を見ると、導入ルートを定めた「再エネ海域利用法」に基づき、一昨年12月に、五島市沖が国内初の「促進区域」に指定され、去る6月には、国において発電事業者が選定されるなど、全国に先駆けて商用化が進んでおり、再生可能エネルギー導入のモデルとして注目されています。 さらに、西海市江島沖についても、県内2か所目の「促進区域」の指定を受けて、「法定協議会」が設置され、関係者による協議が進められているとお聞きしています。 こうした世界的潮流の中で、我が国において、再生可能エネルギー導入促進が加速する中、本県においては、地元自治体や漁業者等との協調のもと、広大な海域を利用した洋上風力発電の導入が進められているところであり、私としても本県のカーボンニュートラルの進展とともに、海洋エネルギー関連産業が本県の新たな基幹産業となることを期待しております。 一方、本県は、水産業も盛んな地域であることから、洋上風力発電の導入に当たっては、水産業との共生に留意する必要があります。 例えば、私の地元である平戸市沖周辺から佐賀県唐津市沖の海域については、一部の民間事業者により、洋上風力発電施設の建設に向けた環境アセスメントが実施されているなど、開発計画が検討されておりますが、平戸市の漁業者にとって、この海域は好漁場であり、回遊するサワラ、ブリ、シイラ、トビウオなどの魚道が変わるのではないか、そして、将来の漁業活動への影響を及ぼすのではないかという強い危機感からの反対の声もあり、平戸市からも慎重な対応が求められています。 このように、風況など自然条件で洋上風力発電の適地であっても、水産業が盛んな地域においては、県としてどのような方向性で取り組むのか、県の考え方をお尋ねします。 5、農林・水産業の振興について。 (1)林業について。 県土の約6割を占める森林は、木材をはじめとする林産物の供給だけでなく、県土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止等の公益的機能を有しており、県民生活に大きく貢献しております。 県民の安全・安心の確保のためにも、適切な森林整備を進め、森林の公益的機能を持続的に発揮させていくことは重要であり、「植える」、「育てる」、「使う」、「そしてまた植える」という森林資源の循環利用を行い、整備された森林を次世代に引き継いでいくことが必要ではないかと思います。 こうした森林の適正な管理のためには、森林の整備を行う担い手を確保していくことが大切であり、林業に魅力を感じてもらい、若い人たちから選ばれる仕事となるような取組が必要であると思いますが、県は、担い手確保のためにどのような取組を行っているのか、お尋ねします。 (2)農業について。 チャレンジ園芸1000億の取組について。 県では、令和7年を目標とする「第3期ながさき農林業・農山村活性化計画」を策定し、その中で「チャレンジ園芸1000億」の達成・実現に向けて、スマート農業の推進に取り組み、その成果も聞いているところです。 その一つとして、平戸市では、いちご栽培で炭酸ガス発生装置施用など、環境制御技術を活用して、収量が飛躍的に向上して、県内でトップの成績を収める生産者が出てくるなど、成果が上がっている事例があります。 いちごなどの施設園芸をはじめ、本県の園芸品目は、農業産出額の5割を占める重要な品目ですが、今後、産出額の増加、1000億の達成に向けて、どのような取組を進めているのか、県の考え方をお尋ねします。 次に、農産物輸出の取組について。 コロナ禍の中、農産物を取り巻く状況は厳しいものがあると思いますが、一方では、2020年の国の農林水産物・食品の輸出実績は、わずかながらも伸びております。 本県も、輸出拡大に向けて取組を進めていくことが重要と考えますが、現在の農産物の輸出状況はどのようになっているのか、また、今後、輸出を拡大していくためにどのような取組を進めているのか、お尋ねいたします。 (3)水産業について。 養殖業の振興について。 本県では、多種多様な養殖業が県内各地で盛んに行われており、養殖業の成長産業化を図るために、各産地では様々な取組が展開されておりますが、こうした取組を進めるうえで、各産地における安定した生産体制を整備することが課題となっております。 このため、例えば、ノルウェーのサーモン養殖においては、ICTやデジタル化などの先端技術を活用した生産管理の高度化、省力化が導入されており、このようないわゆるスマート水産業について、本県養殖業にも広く普及していくべきと考えております。 また、赤潮や台風といった自然災害が大きな問題となっており、これらへの対策として、本県の地形や環境に応じた養殖漁場の再編や移転などによる生産拡大を推進すべきと考えます。 そこで、本県養殖業におけるスマート水産業の普及や漁場再編などの推進について、県の見解と今後の取組について、お尋ねします。 次に、水産加工について。 本県は、水揚量全国第3位の水産県である一方、食用水産加工品の生産量が全国で第15位であり、鮮魚のまま出荷される魚が多いと認識しております。 近年は、消費者ニーズの多様化や簡便化、さらにはコロナ禍における消費形態の変化などが見られている中、県内加工による付加価値向上を推進することが必要と考えます。 そこで、本県水産加工業の推進について、県の考え方と今後の取組について、お尋ねします。 また、個別の水産加工業者における問題として、例えば平戸の川内かまぼこ生産者においては、環境にやさしい商品が求められる中、スボと呼ばれるプラスチック製のストロー資材を使用しない加工製品の開発などが課題となっておりますが、個別の水産加工業者が抱える製品開発上の課題に対して、県としてはどのように支援していくのか、お尋ねします。
○議長(坂本智徳君) 西川議員、時間がございませんので、質問を簡潔にお願いします。
◆35番(西川克己君) 6、道路行政について。 (1)西九州自動車道建設促進について。 西九州自動車道については、県北地域の地域振興や活性化を促すうえで非常に重要な道路であり、平戸市を含めた沿線の地域においては、ミッシングリンクとなっている松浦佐々道路の早期完成を強く望んでおります。 このため、毎年、地元から国や県などへの要望が行われており、県においても、国への政府施策要望のほか、期成会としての要望も行うなど、整備促進に向けてしっかりと取り組んでもらっているところと感じております。 その結果もあって、国の道路整備予算が厳しい中でも、松浦佐々道路においては…。
○議長(坂本智徳君) 時間です。
◆35番(西川克己君) 今年度は、約100億円近い予算が確保されており、着々と工事が進んでいるところです。
○議長(坂本智徳君) 西川議員、時間です。
◆35番(西川克己君) この松浦佐々道路の現在の進捗状況について、早期完成に向けた県の取組状況について、お尋ねします。
○議長(坂本智徳君) あとは項目だけ言ってください。
◆35番(西川克己君) (2)県道平戸田平線(向月工区)の進捗について。 あとは、対面演壇席よりさせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。(発言する者あり)
○議長(坂本智徳君) 知事。
◎知事(中村法道君) 〔登壇〕西川議員のご質問にお答えいたします。 まず、新幹線の概算要求に環境影響評価予算が計上されておらず、着工の遅れを懸念しているがどうかとのお尋ねであります。
九州新幹線西九州ルートの整備については、佐賀県の理解が得られていないため、事業着手に必要な環境影響評価に着手できておらず、いまだ整備方式が決定していない一方で、北陸新幹線については、令和5年度の着工に向けた議論が進められているところであり、西九州ルートは、大変厳しい状況にあります。 しかしながら、令和3年度予算に環境影響評価経費が計上されてはいないものの、国土交通省は、条件が整えば、あらゆる工夫を行い、実施したいとの考えを示され、令和4年度予算についても、佐賀県の理解が得られれば、「臨機応変に対応する」とされており、早急な着手に向けて、ご尽力いただいているところであります。 また、与党PT西九州ルート検討委員会では、佐賀県が課題とされている在来線や地方負担等について、検討状況が取りまとめられるなど、関係者において課題の解決に向けた議論が行われているところであります。 県としては、早期着工のためには、北陸新幹線との一体的な財源の確保や、早急な環境影響評価への着手が必要であると考えているところであり、引き続き、関係者への働きかけを行うなど、フル規格による整備の早期実現に向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、石木ダムについて、工事の実施状況と今後の反対住民の方々との話し合いについてのお尋ねであります。 石木ダムについては、去る9月8日から、これまで見合わせておりましたダム本体工事に着工し、付替え県道の盛り土区間も再開したところであります。 工事については、職員を工事現場に配置するなど、安全に十分配慮しながら実施しており、反対住民の方々による目立った妨害活動は見られず、工事を進めているところであります。 また、反対住民の方々との話し合いにつきましては、令和元年9月の面会以降、応じていただけない状況が続いておりましたが、昨年11月に「白紙撤回は話し合いの条件ではない」との新聞報道がなされたことから、その真意を確認するため、担当課長が現地に赴き、話し合いの機会を持てるよう模索してまいりました。 しかしながら、具体的な条件等についての確認ができなかったため、改めて文書で協議を行ってまいりましたが、工事中断の考え方に隔たりがあり、県が示した条件について、ご理解がいただけなかったことから、話し合いが実現せず、大変残念に思っております。 県としましては、今後も、条件が整えば、ぜひ話し合いの機会をいただき、生活再建等についても、誠意を持って取り組んでまいりたいと考えているところであります。 次に、
新型コロナウイルス感染症の入院病床及び宿泊療養施設の確保状況についてのお尋ねであります。 県では、「第5波」の状況を踏まえ、感染の拡大状況に応じて、フェーズ毎に病床等を段階的に拡充する「病床・宿泊療養施設確保計画」を策定し、感染者急増時における病床を確保しております。 感染拡大の「第5波」では、感染まん延期である「フェーズ4」の入院病床を19床拡充し、最大440床に、また、緊急時の対応病床を61床拡充し、最大549床とする体制を構築いたしました。 宿泊療養施設については、これまで12施設、433室を確保しておりましたが、佐世保地区に新たな施設を開設し、県全体で最大535室を確保したところであり、長崎地区においても新たな施設の確保に向け調整を進めているところであります。 さらに、長崎地区、佐世保地区の宿泊療養施設では、施設内に臨時の医療施設を開設し、軽症者の治療に有効な抗体カクテル療法が実施できる体制を整備するなど、療養体制の強化を図っているところであります。 今後も、引き続き、さらなる感染拡大に備え、長崎大学をはじめ、県医師会など関係団体とも連携し、感染者が適切な治療や療養を受けることができるよう、医療提供体制の強化に全力を注いでまいりたいと考えております。 次に、新型コロナに関連し、飲食店以外の事業者の支援について、どのように考えているのかとのお尋ねであります。 これまで、飲食店等に対する営業時間の短縮や、県民の皆様への外出自粛の要請などの影響により、売上げが大きく減少した県内事業者に対し、市町と連携のうえ、支援金を給付してまいりました。 今般の「第5波」においては、県内全域の飲食店等に対する営業時間の短縮要請に加え、国のまん延防止等重点措置の適用に伴い、長崎市及び佐世保市における酒類の提供自粛などを要請したところであります。 これに伴い、時短営業等にご協力いただいた飲食店のほか、飲食店と取引のある事業者をはじめ、様々な業種においても売上げが減少するなど大きな影響が生じており、大変厳しい経営環境にあるものと認識しております。 このため、県としては、国の支援施策を取り込みながら、関連事業者に対する事業継続に向けた支援を講じることとし、本定例会での関係予算の追加提案を検討しているところであります。 次に、「中期財政見通し」における
新型コロナウイルス感染症の影響と、それを踏まえた今後の財政運営についてのお尋ねであります。 本県の令和3年度当初予算においては、コロナ感染症の感染拡大に伴い、歳入面で県税や地方譲与税が、昨年度に比べ180億円減少するなど大きな影響が生じておりますが、国の地方財政対策により、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税が令和2年度を上回る水準で確保されたことから、減収相当分を賄える見込みとなっております。 また、先般、閣議決定された国の「骨太の方針2021」では、地方の一般財源総額について、令和4年度から3年間、令和3年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保することとされております。 今回の「中期財政見通し」は、こうした国の地方財政措置が継続するほか、本年7月に国から示された「中長期の経済財政に関する試算」において、中長期的には、ワクチン接種が進み、一定の経済成長が見込まれるとされたこと等を前提として策定したものであります。 一方で、
新型コロナウイルス感染症の収束については、依然不透明な面もありますことから、感染状況や地域経済への影響等を注視のうえ、今後も、感染予防・拡大防止、並びに社会経済活動の維持・回復に向けた対策を積極的に講じる必要があると考えております。 そのため、今後の財政運営においては、地方創生臨時交付金をはじめ国の有利な財源措置を最大限に活用するとともに、国に対しては、全国知事会等と連携しながら、臨時交付金の増額や、地方の実情を踏まえた新たな財源措置など、地方税財源の充実・強化を強く訴えるほか、歳入・歳出両面における収支改善対策にも力を注いでまいりたいと考えているところであります。 そのほかのご質問については、関係部局長からお答えをさせていただきます。
○議長(坂本智徳君) 企画部長。
◎企画部長(浦真樹君) IR区域整備に向けた本県並びに他地域の状況についてのお尋ねでありますが、本県では、今年1月以降、審査委員会の専門的知見等も活用しながら、公平性・公正性の確保に留意のうえ、事業者の公募・選定手続を進めてきたところであります。 こうした中、審査委員会から答申された審査結果をもとに、公安委員会、並びに立地市町村である佐世保市との法定協議を経て、去る8月6日、優先交渉権者として「カジノ オーストリア インターナショナル ジャパン」を選定のうえ、8月30日には基本協定を締結し、設置運営事業予定者として正式に決定をしたところであります。 一方、IR誘致を表明している他地域では、和歌山県が本県と同様、設置運営事業予定者を決定、大阪府・大阪市におきましては、現在、事業予定者の選定手続中と承知をしております。 県といたしましては、来年4月が期限となっております区域認定申請に向け、設置運営事業予定者としっかりと連携をしながら、区域認定を必ず獲得できるよう、より優れた区域整備計画の作成に努めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 本県におけるワクチンの接種状況について、どのようになっているのか、また、3回目接種について、どのように考えているのかとのお尋ねについてですが、9月12日時点で、2回目の接種を終えた方の割合は、全国平均50.9%に対し、本県は57.2%となっております。 年代別では、一部医療従事者は含めませんが、20歳代が32.7%、30歳代が33.0%と、全国平均は上回るものの、未接種の方が多い状況にあります。 また、県の接種センターでは、これまで、県全体の接種回数の4.6%に当たる延べ約7万7,000回の接種を行い、迅速化を図っているところです。 3回目のワクチン接種につきましては、国としては、まずは希望する方々が2回接種することを優先するとのことであり、県としましても、国の動きを注視しながら、迅速に対応してまいります。
○議長(坂本智徳君) 県民生活環境部長。
◎県民生活環境部長(貞方学君) 8月の豪雨で被災した、県や環境省が所管する施設の被害状況と今後の対応についてのお尋ねでございますが、去る8月13日、八万地獄の山腹斜面が崩壊し、土砂が国道まで流出したことにより、本県所管の公衆トイレ、環境省所管の歩道や泉源、民間の土産物店等が被災するとともに、隣接する古湯地区にかけての斜面で亀裂が確認されたほか、新湯地区においても、崩落土砂により泉源等が被災いたしました。 このため、直ちに現地調査を行い、堆積土砂の除去、観測機器や土のうの設置、泉源の確保など応急対策を実施したところでございます。 八万地獄の本格的な復旧はこれからでございますが、安全性の確保のみならず、景観にも最大限配慮しながら、関係機関や地元関係者と連携し、一日も早い復興に取り組んでまいります。
○議長(坂本智徳君) 文化観光国際部長。
◎文化観光国際部長(中崎謙司君) 長崎市恐竜博物館について、県はどう関わっていくのかとのお尋ねでございます。 恐竜博物館は、展示だけでなく、調査・研究や学習、体験機能等を持つ新たな文化・観光・交流の拠点として期待されておりますが、長崎市におきましては、恐竜博物館を核とした南部地域の振興を進めているところでございます。 地元のまちづくり団体等では、博物館開館を契機に、シーカヤックなど地域資源を活用した体験メニューの充実や、地域の飲食店などを周遊できる仕掛けづくりに取り組む動きも出てきております。 県といたしましても、このような長崎市の取組を積極的に支援しますとともに、県の様々な広報媒体を活用しながら、恐竜博物館のPRにも努めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 「鷹島神崎遺跡」につきまして、県はどのような取組をしているのか、また、国に対してどのような働きかけを行っているのかとのお尋ねでございます。 県では、これまでも松浦市が実施する調査に対して財政支援を行うほか、出土遺物を展示するなど、情報発信を行ってまいりました。 今年度からは、鷹島を研修地として、考古学を専攻する大学生や自治体職員を対象とした水中考古学の体験講座を開催しております。 今回は、コロナ禍のため、オンラインの開催となりましたが、37名の参加があり、水中遺跡への理解を深めていただくとともに、鷹島の知名度の向上にも取り組むことができたと考えております。 また、国に対しましては、政府施策要望の重点項目として、鷹島に常設の調査研究施設を設置していただくこと、調査研究や保存処理については、国策として取り組んでいただくこと等を要望しているところでございます。
○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(廣田義美君) 洋上風力発電について、県はどのような方向性で取り組むのかとのお尋ねでございますが、国の2050年カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーの導入促進が図られる中で、県においては、基幹産業である造船業の技術が活用できる洋上風力発電をはじめとした海洋エネルギー関連産業を新たな基幹産業とするため、県内企業の参入促進と、県内外の受注獲得に向けた支援を行っているところでございます。 洋上風力発電の導入については、「再エネ海域利用法」に基づき、地元市町の意向を最大限に尊重しながら、漁業者等の利害関係者の理解や経済波及効果などを総合的に判断して取り組むこととしており、今後とも、地元の意向を踏まえながら進めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) 私の方から、3点お答えをさせていただきます。 まず、林業の担い手確保について、県はどのような取組を行っているのかとのお尋ねですが、林業専業作業員は、ここ数年、目標の23名を上回る新規就業者数を確保しているものの、高齢化に伴う退職者や離職者もあり、全体数は350名程度にとどまっております。 今後も、高齢化による退職者の増加が懸念されるため、林業事業体の生産性向上により、木材生産量を拡大し、労働環境の改善と所得向上につなげ、作業員の確保・定着を図っていく好循環を生み出すことが重要と考えております。 具体的には、ドローンによる事業地の現況把握などのスマート林業の推進や、高性能林業機械の導入支援、労働環境改善のための社会保険料の助成や労働安全研修の開催等を通じ、令和7年度の林業専業作業員400名の確保を目指して取り組んでいるところであります。 次に、チャレンジ園芸1000億達成に向けて、どのように取り組むのかとのお尋ねですが、県では、これまで、農地や園芸用ハウス、集出荷施設といった生産基盤の整備などにより、規模拡大や多収化、高品質化、低コスト化の取組を支援してきた結果、いちごやブロッコリー、ミニとまと等の優良な産地化が進み、令和元年の園芸産出額は835億円と、10年前から9%増加をしております。 県としましては、令和7年の園芸産出額1,000億円の達成に向け、環境制御技術やドローンなど、スマート農業技術の導入による品質や生産性の向上、外国人材の活用による労力の確保、輸出先国の基準に適合した産地の育成による輸出額の増加、生育・出荷予測や品質保証による消費者に選ばれる産地づくり等について、市町、関係団体と一体となって取り組んでまいります。 次に、現在の農産物の輸出状況と今後の輸出拡大に向けて、どのような取組を進めていくのかとのお尋ねですが、平成26年に関係団体と設立した「長崎県農産物輸出協議会」において、香港やシンガポール向けの初期商談やテスト輸出、海外バイヤーの招聘、九州各県と連携したフェア開催等に取り組み、いちごや牛肉を主体に、令和2年の輸出額は、協議会設立当初の約5倍に当たる約4億3,000万円となっております。 しかしながら、ここ3年は、輸出先国の規制強化やコロナ禍の影響から、輸出額は横ばいで推移しており、今後は、これまでの取組に加え、国別、品目別の輸出対策の検討、輸出先国の規制に適合した産地づくり等を推進することで、産地や生産者の所得向上につながる農産物の輸出拡大を図ってまいります。
○議長(坂本智徳君) 水産部長。
◎水産部長(斎藤晃君) 水産業について、2点お答えいたします。 まず、本県養殖業におけるスマート水産業の普及や漁場再編などの推進について、県の見解と今後の取組はとのお尋ねですが、養殖現場における飼育管理の高度化や省力化を図るためには、スマート化が重要と考え、養殖産地において、ICT技術を利用した漁場環境の自動監視や、養殖作業の軽減機器等の導入を進めているところであり、今後は、大学や民間との連携強化を図りながら、さらにスマート養殖業を推進してまいります。 また、赤潮や台風等の被害防止対策や国内外のニーズに応じた養殖魚の大型化、生産拡大を図るために、地域の実情に応じて漁場再編を随時進めてきたところですが、引き続き、地元関係者間の調整や検討を行い、本県の海域特性に応じた漁場の拡大などの漁場再編を推進していきたいと考えております。 次に、水産加工業に関する今後の取組と個別事業者への支援についてのお尋ねですが、加工を通じた付加価値の向上は重要だと認識しており、水産バイヤーとの連携による量販店向けフライ商材や、常温保存で手軽に食べられるカキオイル漬けなどの商品開発や販売の取組を支援してきたところであり、今後とも、付加価値の高い商品づくりと販売力強化を進めてまいります。 また、平戸の川内かまぼこについては、地元の生産者、漁協、市、県で、環境に配慮した新商品開発について取組をはじめたところであり、このような個別の加工業者における製品開発上の課題に対しては、引き続き、関係者と連携し、解決に向け取り組んでまいります。
○議長(坂本智徳君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 西九州自動車道松浦佐々道路の進捗と早期完成に向けた県の取組についてのお尋ねですが、松浦佐々道路については、本年度は96億円の当初予算が確保され、現在、2本のトンネルや橋梁などの工事が松浦市側から順次進められており、用地取得についても全体の約7割の進捗が図られているところです。 また、去る7月には、平戸インターチェンジと江迎鹿町インターチェンジの2つの名称が正式に決定されるなど、完成に向けた手続も着実に進められています。 引き続き、早期完成に向けて、関係市町と協力しながら、用地取得や地元調整などに積極的に取り組むとともに、予算確保についても、国に対して強く働きかけてまいります。
○議長(坂本智徳君) 西川議員-35番。
◆35番(西川克己君) 各理事者におかれましては、答弁ありがとうございました。 先ほど、道路行政について、県道向月工区のトンネルは早急に着手していただきたいと私は思っているんですが、その取組状況、進捗状況について、土木部長のお答えをお願いいたします。
○議長(坂本智徳君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 主要地方道平戸田平線の向月工区については、平成24年度から1,560メートルのバイパス整備に着手し、これまで志々伎町側から道路改良工事を進めてきたところです。 今年度には、トンネルアクセス部が概成する見込みであり、残る466メートルのトンネル工事については、多額の予算が必要となることから、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」を活用するなど、予算確保に努め、来年度の着手を目指してまいります。
○議長(坂本智徳君) 西川議員-35番。
◆35番(西川克己君) 土木部長、ありがとうございました。 そのほかにも、私の地元には、国道204号、383号があります。そのような道路は、歩道が未整備の区間がありまして、千葉県八街市の例があって、国からも歩道の整備とか、見直しについて、指示がきていると思いますが、私は、国道、県道、併せて影切り、除草及び国道の383号で中央線が消えたり、なかったりするところもあるんですよ。そういうところも踏まえて、安全性のための道路の整備を早急にしていただきたいと、要望を兼ねてお願いしておきます。 次に、IRについて、質問させていただきます。 先ほど、IRについては、ご説明をいただきましたが、私の地元である平戸市では、平戸城を活用した宿泊サービスの提供や、世界遺産のキリスト教関連遺産との連携などで、IR実現に大いに期待しているところでございます。 このIR誘致レースは、いよいよ終盤を迎えておりますが、
ギャンブル依存症対策、治安維持対策などについてもしっかりと盛り込んだ区域整備計画を作成し、ぜひ国の地域認定を勝ち取っていただくと思いますが、改めて、知事のIR実現に向けた思いをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(坂本智徳君) 知事。
◎知事(中村法道君) 我が国におけるIR導入の意義は、「国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現する」ということであり、アフターコロナにおける観光活性化を図るうえでも大きな役割を果たすことが期待できるものと考えております。 また、IR施設の運営に伴い、多種多様な物品やサービスの需要、新たな雇用が生まれるなど、本県はもとより、九州全体の地域経済にも大きな波及効果が期待できることから、その効果をしっかりと享受していただくため、九州各県、あるいは本県経済界の皆様方とともに、「九州IR推進協議会」を立ち上げたところであります。 現在、設置運営事業予定者とともに、来年4月が期限となっている区域認定申請に向け、区域整備計画の策定を進めているところでありますが、県といたしましては、ギャンブル依存症など懸念される事項の最小化を含めて、万全の対策を講じながら、
新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けた観光関連産業、あるいは地域経済を活性化し、九州の地方創生を実現できるように、引き続き、全力を注いでまいりたいと考えているところであります。
○議長(坂本智徳君) 西川議員-35番。
◆35番(西川克己君) ありがとうございました。しっかりとお願いしたいと思います。 次に、先ほど、雲仙温泉街の災害について、お聞きしましたが、雲仙は、明治、大正期には欧米人の保養地として栄えるなど、歴史ある本県を代表する観光地でもあります。 このたびの豪雨災害により、宿泊キャンセルが多数発生するという話も聞いておりますが、また一方、仮に源泉を引き込んで頑張っておられるところもあります。 そういう中で風評被害を払拭して、宿泊キャンセルなどの防止に向けていただきたいと思いますが、観光面からどのような対策を考えておられるか、お尋ねいたします。
○議長(坂本智徳君) 文化観光国際部長。
◎文化観光国際部長(中崎謙司君) 現在、復興に向けて雲仙温泉街が取り組んでおりますので、まずは、そうした復興の状況、今、県の観光情報サイト「ながさき旅ネット」に、雲仙温泉街の再生に向けました地元の取組や、復興状況の特設ページを設けております。様々なツールを活用した幅広い情報発信に努めているところでございますし、また、今後、県のキャンペーン等が再開になりましたら、しっかりと雲仙にまたおいでいただくような、そういった取組についても力を注いでまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 西川議員-35番。
◆35番(西川克己君) 雲仙の大災害の時も、温泉旅館のおかみさんや観光連盟の方々が、国内どころか、近隣の東南アジアに向けてまで、一生懸命誘客の活動をしておられました。今度もそういうバイタリティーをもって地元の観光関係業者も頑張ろうかと思いますが、どうしても市、県、国の行政のお力も要ると思いますので、その点、ご協力をしていただきたいと思います。 次に、農林について、お尋ねします。 昨今、米の作付けが下がっているというお話を聞いております。水田を保つことは、農村地域を守る重要な取組とも考えておりますが、この米の作付け動向がどのように維持されているのか。 さらに、葉たばこの廃作、減作ではなくて、廃作というような新聞ニュースもありました。島原半島を中心に、県内のたばこ作付けがどのように今後なっていくのか。また、たばこをやめた方に対する対応、助成策など何かありましたら、ご教示ください。
○議長(坂本智徳君) 農林部長。
◎農林部長(綾香直芳君) まず、本県の令和2年産の水稲の作付面積でございますが、1万1,000ヘクタールでありまして、5年前より1,500ヘクタール減少しております。 県としましては、水田の持つ防災等の公益的機能の発揮とともに、県産米の増産を求める県内の米卸業者や販売店などの実需者からのご要望に応えるためにも、需要の状況に応じた水稲の作付けの維持は必要と考えております。 このため、ドローン防除など、スマート農業技術の導入により、省力化を図るとともに、米の食味ランキングで最高評価の「特A」を獲得した「なつほのか」や「にこまる」の作付け推進と、おいしい県産米の消費拡大に取り組んでまいります。 次に、葉たばこの廃作募集についてでございますが、日本たばこ産業株式会社によりますと、8月末時点で、本県では全体の約2割に当たる約50戸、面積で約80ヘクタールの希望が出されているとのことです。 このため、県としましては、各振興局に相談窓口を設置し、関係市町やJAと連携して、個別の経営相談や、転換する品目の栽培に必要となる機械や施設の導入支援、栽培技術の指導等を実施していくこととしております。 これらの取組を通じまして、葉たばこを廃作された後も、他品目への転換を希望される農家の皆様が、今後も地域で営農を継続し、しっかりと農業所得を確保できるよう支援をしてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 西川議員-35番。
◆35番(西川克己君) ありがとうございました。 次に、水産物の輸出について、お尋ねいたします。 水産物の輸出も順調に伸びてきていると思いますが、相手国のニーズに応じた加工やブランド化が重要ではないかと思います。 そこで、本県水産物輸出の現状と今後の輸出拡大について、お尋ねします。
○議長(坂本智徳君) 水産部長。
◎水産部長(斎藤晃君) 水産物の輸出につきましては、中国向けの高鮮度の鮮魚など、相手国のニーズに合わせた輸出に取り組んできた結果、平成30年度には過去最高の33億円に達しております。コロナの影響で多少減ったところはございますが、今年に入り、回復の兆しが見えはじめたところでございます。 今後とも、産地間の競争の激化を踏まえまして、多くの海外市場を獲得するための高鮮度化技術や冷凍商材の開発、販売促進のプロモーションなど、こういったことを行いまして、市場シェアの拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 西川議員-35番。
◆35番(西川克己君) それぞれ丁寧にお答えいただきましてありがとうございます。 今後とも、長崎県民の所得向上、人口減少の歯止めになりますよう、理事者と一体となって頑張っていきたいと思います。今度ともよろしくお願いします。 ありがとうございました。 終わります。(拍手)
○議長(坂本智徳君) 午前中の会議はこれにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は、1時30分から再開いたします。 -午後零時17分 休憩------------------------------------ -午後1時30分 再開-
○副議長(山口初實君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き、一般質問を行います。 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) (拍手)〔登壇〕自由民主党・県民会議の中山 功でございます。 質問通告に基づいて、一問一答方式で質問いたします。 知事、教育委員会教育長、関係理事者の明快な答弁をお願いいたします。 1、知事の政治姿勢について。 (1)長崎県行財政運営プラン2025について。 ①長崎県行財政改革推進プランの総括等について。 県においては、人口急減、少子・高齢化や2040問題、Society5.0時代を見据えたデジタル社会への対応に向けて、県政を推進するためのシステム構築が求められております。 そのため、「長崎県総合計画チャレンジ&チェンジ2025」や、「第2期長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略」を実現するために、「長崎県行財政運営プラン2025」を策定し、今年度から取り組んでいると思います。 その前身である「長崎県行財政改革推進プラン」は、収支改善や職員数削減などの成果が得られている一方で、未達成項目もあると聞いています。どのように総括しているのか、また、新プランの取組方針について、お尋ねいたします。 あとは、対面演壇席より質問させていただきます。
○副議長(山口初實君) 知事。
◎知事(中村法道君) 〔登壇〕中山議員のご質問にお答えいたします。 県の行財政改革推進プランの総括と新プランの取組方針についてのお尋ねであります。 行財政改革推進プランについては、昨年度までの5年間、県職員スピリットを活かした組織運営と財政運営の基盤づくりを目指し、県政全般にわたって見直しを進めてまいりました。 その結果、収支改善と職員数削減で数値目標を上回ったことをはじめ、プラン全体として目標達成、またはおおむね達成した項目が8割を超えるなど、一定の成果が得られたものと考えているところであります。 一方、本県では、人口減少や高齢化が進行する中にあって、Society5.0時代の到来、新幹線やIRをはじめとする様々なプロジェクトの進展など、大きな変革時期を迎えており、そうした環境変化を前向きに捉えて、限られた人材や厳しい財政状況の中でも総合計画等を着実に推進し、県民の皆様方に成果を還元するための行政システムを構築していく必要があるものと考えております。 そこで、新プランでは、県民と職員の意識共有を図りながら、県政の課題に果敢に挑戦し、成果を追求する体制の構築やデジタル改革、多様な主体との連携などに取り組むこととしており、そのための働き方や仕組みづくりを進めてまいりたいと考えているところであります。 こうした取組により、県民の皆様への行政サービスの向上はもとより、業務効率化や生産性の向上につなげてまいりたいと考えているところであります。 この後のご質問については、自席からお答えをさせていただきます。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 今、知事から総括並びにプランについての説明をされましたけれども、その中で総括で職員削減、数字は出てきませんでしたけれども、目標100名に対して百二十数名ということでありましたので、一定評価いたしたいと思います。 今般の国土強靭化対策として、大規模自然災害防止対策事業等が推進されている中にあって、土木等の技術職員の増員と育成は緊急の課題と考えておりますが、今後の土木職員の採用計画について、お尋ねをいたします。
○副議長(山口初實君) 総務部長。
◎総務部長(大田圭君) 土木職員につきましては、来年度、令和4年度におきまして、国土強靭化5か年加速化対策を含めました、今後の事業推進体制の強化を図るため、15名程度の増員を行うこととしておりまして、現在、採用試験等を行っているという状況でございます。 令和5年度以降の体制につきましては、今回の増員によりまして、一定の対応は可能というふうに考えておりますけれども、事業の進捗ですとか事業費の推移、こういったところを見極めながら、国土強靭化対策を含めた事業の推進に向けまして適切に対応してまいりたいと考えております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 職員を15名増員するということでありますから、一定理解しましたけれども、令和5年度以降はなかなか答えにくいと思いますけれども、一方、事業費の方の拡充に併せて増員する必要があると考えておりますが、再度答弁をお願いいたします。
○副議長(山口初實君) 総務部長。
◎総務部長(大田圭君) 令和5年度以降の体制につきましては、今年度といいますか、令和4年度の採用の中身ですとか、あるいは採用の状況といったことをまず見る必要がございます。また、令和5年度以降の事業費というもの自体、本県に対して、どのような形になるかといったことも、今、見通せない状況でございますので、そのあたりにつきましては、状況をしっかり見据えながら、必要な場合は増員も含めて検討していくという形かと思っております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 機会を見て、増員も含めて検討するということでありましたので、了といたしますが、この土木技術職員等が現場に出向く日数等が減少していることにより、技術力に課題があるとも聞いておりますので、これらの課題解決に最善を尽くすよう要望いたします。 次に、職員スピリットの実践「5つのC」。 県政の重要課題を解決するためには、まず知事と職員とが危機意識の共有化が必至であると考えています。そのための方策の一つが、職務遂行の心構え~職員スピリット~「Chief、Catch、Change、Challenge、Cost」の実践励行についてであると考えておりますが、これまでの実践状況とその成果について、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 総務部長。
◎総務部長(大田圭君) 長崎県職員スピリットは、平成23年度に策定して以来、年度当初の知事・部局長の訓話ですとか、あるいは職員研修など様々な機会を通じまして継続的に周知に取り組んできております。 こうした結果、スピリット自体の職員への浸透につきましては、一定進んできたというところで、その実践に取り組んだ結果といたしまして、行財政改革推進プランや総合計画の推進などにも一定寄与しているものというふうに考えております。 一方で、今後さらに人口減少に歯止めをかけるとともに、100年に一度と言われる変革の時期に入ってくるということでありますので、スピリットのさらなる実践ということについて進めてまいりたいと考えております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) スピリットは、職員へ浸透が一定進んでいるということでありましたし、さらなる実践を進めるということでございましたけれども、私は、全職員一丸となって実践励行することが、県政の重要課題解決へのはじまりであると考えています。 次に、職員には、行財政運営と同時に、長崎県を経営しているという自覚が求められています。挑戦する組織への変革等を実現するためには、ゼロから1を目指すこととなる起業家精神を職員が学び、身につける必要性があると考えておりますが、今後の取組について、お尋ねをいたします。
○副議長(山口初實君) 総務部長。
◎総務部長(大田圭君) これまでにない新たな発想、あるいは視点で施策等を生み出すためにも、職員はスピリットを常に意識をしまして、その理念を現場主義に基づいた具体的な取組として実践しつつ、時には民間も含めた外部の視点も取り入れながら、現実を見定めて企画立案する能力が必要であるというふうに考えております。 そのため、新プランにおきましては、現場主義に基づきまして、関係者とビジョンを共有しながら実現していく職員の育成を図るため、これまで行っておりました短期民間企業派遣などの取組に加えまして、職員のネットワーク力強化につながる研修等を強化することといたしております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 今、総務部長の答弁に、職員に現場主義を徹底させるようなことは理解いたしますが、私は、職員スピリットというのは、一から二を生み出す力があると思いますし、起業家精神というのは、ゼロから一を生み出す力があると思います。 そこで、職員スピリットを下支えするのが起業家精神というふうに理解しているわけでございます。それに対しまして、職員全体に起業家精神を発現させることが、長崎県政の躍進の原動力になると考えています。 そのため、例えば副知事、産業労働部長、産業振興財団理事長等のラインを交互で現役民間人の登用などは考えられないのか、お尋ねをいたします。
○副議長(山口初實君) 総務部長。
◎総務部長(大田圭君) 県の総合計画等の目標達成に向けまして、新たな施策等を生み出していくためには、民間ならではのアイデア、手法等を行政というスキームに位置づけまして、スピード感を持って施策として練り上げていくということが重要であるというふうに考えております。 そのため、各分野の状況を踏まえまして、専門的な知識等が必要な部分につきましては、民間の専門家の方からご助言をいただいたり、あるいは特別の役職にご就任をいただく、職員として採用するといった、ケースに応じまして柔軟な対応をしていきたいと考えております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 民間人の登用も、少しは進んでおりますよね。 私が言いたいのは、人を代えることが組織を変えることにつながると思います。そこで、やはり起業家精神を体現している民間人の大胆な登用を期待しておきます。 次に、統轄監のあり方について。 県政の最大の課題である人口減少に歯止めをかける切り札的存在として、県庁組織に横串を差し込む司令官に登用されてから、柿本統轄監で3代目に当たると思いますが、これまでの統轄監の実績、今後のあり方について、お尋ねをいたします。
○副議長(山口初實君) 知事。
◎知事(中村法道君) 統轄官は、今ご指摘いただきましたように、本県の最重要課題であります人口減少に歯止めをかけたいと考え、部局横断的な観点から、全ての県の施策について横串を通して見直し、必要な施策については積極的に対応策を講じていくという役割を担ってもらっているところであります。 具体的には、人口減少対策プロジェクト全体を見渡す観点から、関係団体や企業、大学等とも意見交換を行い、十分に効果の得られていない分野については足らざる取組を、また、環境に変化が生じている分野においては新たな取組を各部局に提案するとともに、部局間連携を推進させることで相乗効果を発揮できるように取り組んできているところであります。 こうした取組によって、高校生の県内就職率の向上、あるいは移住者の増加、多様な雇用機会の創出などにつながるとともに、その過程では、職員同士の連携意識、成果意識の醸成などにも一定の効果が見られるところではないかと考えているところであります。 こうした状況の中、令和2年度は地方回帰の動きもありまして、社会減は縮小しているところでありますが、全体としては、いまだ人口減少に歯止めをかけるまでには至っていない状況であります。 統轄監には、引き続き、その役割をしっかりと果たしてもらいたいと考えているところであり、今後とも、県の人口減少対策にかかる施策、その手法、体制などについて、不断の見直しを行ってまいりたいと考えているところであります。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 今、高校生の県内就職率の向上や移住者の増加につながったということでありますけれども、これは、何も統轄監だけじゃないんですよね。非常に私は期待したわけですけれども、人口減少への実績、そして成果の見える化が進んでないように思います。 また、人口減少に歯止めをかけるための切り札的存在感がだんだん薄くなって、見えなくなってきているのを危惧しておりまして、一回、これは抜本的な見直しが必要じゃないかと、私の意見として申し上げておきたいなと思います。 次に、目指す姿の位置づけについて。 「長崎県行財政運営プラン2025」の目指す姿、県民の皆様の幸せのために仕組みを変える。具体的には、挑戦する県庁、持続可能な県庁、スマートな県庁、連携する県庁、多様な人材が活躍する県庁、これらの目指す姿全体を通した、共感を得て社会的責任を果たす県庁とありますが、この目指す姿の位置づけについて、お尋ねをいたします。
○副議長(山口初實君) 総務部長。
◎総務部長(大田圭君) 大きな変革の時代にあって、県の行政サービスを維持・向上するためには、基盤となる組織運営等の変革が必要でございます。 特に、変革の時代には挑戦が重要でありまして、一方で、限られた行政資源の中にあって、行政の持続可能性を前提としつつ、時代の流れに応じたICT技術等の活用、多様な主体との連携、その実施を担います多様な人材が活躍できる環境づくり、こういったことをさらに推進していくことが必要でありまして、このような方向性につきまして、職員とも共感しながら改革を進めていくことが重要というふうに考えまして、県の目指すべき姿として明示したものであります。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) この位置づけについて、今、総務部長は、職員と共感しながら改革を進めていくことが重要であると考えているということです。県の目指す姿として明記したようなものというふうな話がありましたけれども、これでは、私は非常に弱いと思います。私は、目指す姿というのは、やはり錦の御旗的な役割を持つ、何が何でもやり遂げるという最終目的にすべきであると考えています。 それでは、次に、県民の皆様の幸せのために仕組みを変えていくフレームのねらいについて、お尋ねをいたします。
○副議長(山口初實君) 総務部長。
◎総務部長(大田圭君) 県行政の役割は、施策や行政サービスを通しまして、県民の皆様に具体的な成果を還元していくことでありまして、その基盤である県の組織は、時代に合わせて進化をする必要があるというふうに考えております。 そこで、県の目指す姿の実現に向けては、取り巻く環境変化を前向きに捉えて、これまでのあり方をそのまま継承するのではなく、シフトチェンジすべき部分は大胆に見直すなど、県の仕組み自体を変えていく必要があり、こうした考え方を明確にわかりやすく示すために、このような形で掲げたものでございます。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) この狙いは、先ほど話がありましたが、県の仕組み自体を変えていく必要があると、明確にわかりやすく示すものということでありましたけれども、これはどっちかというと上から目線ですよ。やはり仕組みを変えることによってのみ新たな幸せ、成果を県民に届けることができる、こういうような県民目線をより重視するように要望しておきたいなと思います。 次に、このプランは、知事部局をはじめ各種委員会、交通局、県教育委員会、警察本部を含めたものになっておりますが、各機関、独自性もあります。目指す姿の協議会の取組について、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 総務部長。
◎総務部長(大田圭君) この新プランの策定に当たりましては、庁内での検討体制といたしまして、部局長級の推進会議でありますとか、課長級の幹事会、そういったものをそれぞれ3回実施するなど、目指す姿を含めまして、全庁的な議論や情報共有をしながら検討を進めてきたという経緯がございます。 また、目指す姿に掲げる挑戦でありますとか連携、こういった仕組みにつきましては、知事の訓示などにおきましても、常々ご紹介しているという状況でありまして、さらに、新プランの取組方針等につきましては、本年度におきましても、主管課長会議等の機会を捉えまして、継続的に庁内一丸に周知をしているという状況でございます。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 今、いろいろ取り組んでいるけれども、主管課長会議等の機会を捉えて継続的に周知しますということでございましたけれども、ぜひ徹底をお願いしておきたいなと思います。 併せて、目指す姿の共有化の推進については、交通局長、教育委員会教育長、警察本部長にも要望いたします。 目指す姿、挑戦する県庁等の達成度、または成果の検証はどのように実施するのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 総務部長。
◎総務部長(大田圭君) 県の目指す姿は、社会情勢の変化でありますとか、民間の皆様のご協力、あるいは理解などに影響を受ける部分もございますので、新プランに掲げる県の取組だけで達成をされるものではないということから、達成度自体の検証というものはなかなか難しいというふうに考えておりますけれども、各取組項目の進捗でありますとか、あるいは職員アンケートの活用といったことによりまして、状況の把握に順次努めてまいりたいと考えております。 なお、新プランの各取組項目の進捗につきましては、毎年度取りまとめまして検証を行い、庁内でも議論を深めて、その改善を図るとともに、これまで同様でありますけれども、県議会での説明、あるいは県ホームページでの公表等を通しまして、検証と改善を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 達成の検証は難しいとありましたけれども、私は、検証できないものは成果とは言えない、そういう考え方を持っています。ぜひ、検証と改善の徹底を図っていただきたいなと思います。 この最終目標に、県民への具体的成果の還元となっておりましたね。県民が実感、共感できてはじめて成果の還元ができたと私は考えております。先ほど溝口議員から話がありましたが、私もまだまだ道半ばであると考えておりまして、中村知事の手によって、「長崎県行財政運営プラン2025」を完遂させることを期待しておきます。 2、土木行政について。 (1)長崎南環状線(新戸町~江川町)建設推進について。 南環状線は、国道499号の交通渋滞の解消に、交通事故、自然大災害発生時の代替ルートに、また、長崎半島地域の産業振興に大きく貢献することが期待されています。 平成28年度から事業は開始されておりますが、これまでの進捗状況と今後の取組について、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 主要地方道長崎南環状線の新戸町から江川町工区については、平成28年度に事業化し、昨年度当初予算までに約70億円の予算を確保し、今年度は、昨年度の補正予算と合わせて35億円により事業進捗を図っています。 用地取得については、地元の協力を得て、8割を超える進捗状況であり、残る用地の取得を鋭意進めています。 工事については、新戸町インターチェンジ側の土工事や、橋梁8橋のうち6橋の下部工と1橋の上部工を施工しています。引き続き、計画的な発注に努めてまいります。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 事業費が、平成3年度35億円ということでありますので、評価したいなと考えております。 ①江川町トンネル(仮称)の早期建設について。 出口である江川町側の用地取得、建設工事も順調に進捗しているとのこと、この区間の最大の事業である、延長約2.1キロメートル、(仮称)江川町トンネルの早期建設への期待が高まっておりますが、着工するにはどのような条件が必要となってくると考えているのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) トンネル工事に着手するためには、用地を取得し、坑口までの工事を概成させたうえで、予算をしっかり確保することが条件となります。 本工事におけるトンネルの名称については、まだ検討中ですけれども、トンネル工事に必要な用地については、取得が完了しています。 坑口までの工事については、新戸町側の地形が急峻で工事車両の出入りが困難なため、江川交差点側からの施工を計画しています。現在、土工事等を進めており、今後、トンネル発注に向けた地元調整を行うこととしています。 予算については、トンネル延長が2.1キロメートルと長く、工事を進めていくうえでは、複数年にわたり多額の予算が必要になることから、確実な予算確保が可能な工事国債の設定について、国と協議を進めているところです。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 問題は、事業費ですよね。約90億円ということを言われておりますけれども、予算につきましては、平田副知事、奥田土木部長の力をお借りしなくちゃならないと考えておりますが、江川町トンネル(仮称)の令和4年度建設着工に向けて取組を、再度お尋ねいたしたいと思います。
○副議長(山口初實君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 地域の皆様の期待にしっかり応えられるように、来年度ですね、職員一丸となって頑張ってまいります。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 職員一丸となって頑張るということでありましたので、ぜひ期待をしておきたいなと考えております。 (2)国道499号南柳田交差点の雨水対策について。 ①排水溝の新設について。 今年の夏は、長雨が続いたとはいえ、20ミリから60ミリ程度の雨で、長崎半島の生命線である国道499号南柳田交差点が冠水して、8月12日、8月17日の2日にわたり交通大渋滞を来したことは残念であります。 抜本的な対策として、この交差点から落矢川までに雨水をためる機能を持つ排水溝を新設することはできないか、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 国道499号の長崎市柳田町の南柳田交差点において、8月の大雨により、12日の17時から13日の20時までの27時間にわたり道路が冠水し、車線規制が行われました。また、8月14日と17日にも車線規制を伴わない冠水が発生いたしました。 現在、既存の排水系統や水路内部の調査を実施し、併せて、水路に堆積している土砂等を撤去したところです。 今後、国道499号の冠水対策の方法について、排水溝の改修も含めて検討し、長崎市と協議してまいります。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 排水溝等の整備を考えているということでありましたけれども、この南柳田交差点は、昨年9月12日に1メートル近く冠水をして、歩行者が一人亡くなっております。この交差点は、土井首小・中学生の通学路でもあり、児童生徒、歩行者の安全確保のためにも早急な、抜本的な対策を講じるよう強く要望しておきます。 3、教育行政について。 (1)学校改革について。 ①教育方針の理念の共有化等について。 長崎県教育方針に掲げる「県民を挙げて長崎県の教育を創造していく」の理念のもとに教育関係者、特に、教職員は日々実践しているものと考えています。 この理念を、この趣旨を教職員自身が理解し、それを完遂させるための取組について、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 県立学校におきましては、長崎県教育方針とその理念の具現化に向けて施策等の体系化をしております「第三期教育振興基本計画」に基づき、年度当初に各校長が学校経営方針や教育目標、また、重点努力目標を策定し、教職員にその趣旨や内容等を説明しております。 さらに、この校長の経営方針等を受けて、教職員が学年や学科等の目標を掲げるとともに、教職員個人も具体的な行動目標や数値目標を立てており、長崎県教育方針の理念を共有しながら、日々の教育活動を実践しているところでございます。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 今、教育委員会教育長から答弁がありましたけれども、わからないではないわけでありますが、私が強調したいのは、この理念、特に、教育を創造していくということですね。まさに、今の時代にはこれが生きてくるわけです。学校改革をするためには、ここをきちんと全職員に共有化させることが求められておりますので、ぜひ徹底した研修を行っていただきたいなと思います。 次に、校長のリーダーシップの発揮について。 令和の日本型学校教育の構築を目指している中に、「校長のリーダーシップ」という言葉が強調されています。この狙いはどこにあるのか、また、リーダーシップを発揮させるための校長の資質、能力について、どのように考えているのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 答申に掲げられております、現在の時代の変化に対応した学校改革を実現していくためには、組織として教育活動に取り組む体制を整備すること、家庭や地域と連携しながら学校を運営していくという強力なリーダーシップが求められているものだと理解しております。 この校長のリーダーシップが機能するためには、教職員との信頼関係を築き、将来を見据えたビジョンを外部の皆様とも共有をしたうえで、その実現のために学校内外の皆様との連携や分担を明確にしながら、人的、物的資源を有効に活用していくマネジメントの能力が、これまで以上に求められているものと考えております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) それは無難な答弁で、今までそういう答弁があっておりますけれども、令和の日本型教育の校長のリーダーシップというのは、私が思うのには、校長により学校改革を推進してほしいと、推進すべきだというのが基本にあると考えておりますし、そして、今後のリーダーシップの一つの能力の中に、やはり一人ひとりの教職員の声をしっかり聞く力がある校長先生、この辺の資質が求められるというふうに考えておりますし、そのうえで令和の日本型教育、個別・最適な学び、協働的な学びの推進方を要望しておきたいなと思います。 次に、校長がリーダーシップを発揮するためには、一定の期間が必要であると考えておりますが、その期間、また任期が一年校長の現状について、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 校長の1校当たりの在職年数の実情としまして、小・中学校、県立高校ともにおおむね2年から4年程度となっております。 また、行政上の都合などによりまして、一年で異動または退職した事例については、小・中学校におきましては、令和2年度人事異動において3件、令和3年度が10件、県立学校では、令和2年度人事異動において4件、令和3年度が2件となっております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) この任期の問題ですよね。2年から4年ということでありましたけれども、私は、今の時代を考えたときに、任期を3年から5年と少し延ばした方がいいのではないかということを申し上げるのと併せて、この行政の都合で一年校長が、令和元年度7名、令和2年度5名ということでありましたけれども、これは行政の都合で、校長先生が一年にしてもらっちゃ困りますよ。 これについては、ぜひゼロを目指して取り組んでいただくことを要望しておきたいなと思います。 次に、校長は、職位としてはゴールと思いますが、校長としての学びのスタート地点でもあると考えておりますが、通常の教職員のように初任者研修のような法定研修はないと聞いておりますが、本県の校長の研修体系はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 平成29年度に策定をしました教員の資質向上に関する指標に基づいて、キャリアや職責に応じた研修を体系的に実施しております。 まず、校長になります前の教頭について、1年目及び2年目の教頭に対して、管理職員として取り組むべき職務を網羅的に学ぶ研修会の中で、特に、学校の組織力や教育効果を高める管理能力の養成に努めており、さらに、校長になりました1年目、2年目において、学校が直面する課題に対応し、外部人材の活用も含めた特色ある教育活動を展開するためのマネジメント研修を実施しており、その中で実践的な学校経営力や危機管理能力の向上を図っているところでございます。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 今の答弁では、教頭から校長にかけて、1年~2年で研修しているということでありますけれども、それは評価しますけれども、これだけの時代の変化が今起きております。 併せて、私は、校長先生というのは、自ら学び、求めていかなければならない、学びの自立性があると考えています。ただ校長の体験的な学びだけに頼るのではなく、これからは、これに加えて、体系的な学びにより充実されるよう、例えば校長になってから5年でもいいし、6年でもいいし、やはり定期的にやっていく必要があることを申し上げておきたいなと思います。 次に、校長の裁量権の拡充について。 校長には予算編成権、人事権もない現況の裁量権の中で、学校改革を見事に成し遂げている時津中学校校長等がおりますが、全国的な広がりにはなってないと思います。 この機会に、学校改革をダイナミックに推進する方策として、校長の裁量権の活用・拡大について、どのように取り組んでいるのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 急激な時代の変化に伴いまして、校長には、児童生徒の実態や地域性を踏まえた学校改革が求められております。 このような中で特色ある教育を実践するために、教育課程の編成や地元自治体、企業等との連携をはじめ、ICT教育の推進、教員の働き方改革など、多くの面では校長の裁量権で実行が可能であるというふうに私どもは考えております。 県立学校においては、年3回、校長と面談をさせていただいておりますが、その中で校長の思いを聞き取り、人事配置を含めて、校長が目指す学校づくりをしっかりお伺いしながら、その後押しをしているというところでございます。 また、小・中学校におきましても、校長の裁量権を活かした特色ある取組を学ぶための研修会でありますとか、校長と教育委員会が直接対話するヒアリングの場などを通しまして、主体的な学校づくりを支援しているところでございます。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 今、教育委員会教育長から話がありましたけれども、ここが結構、この裁量権というのは大きいんですよね。 そこで、以前になりますが、学校の校則を廃止した学校もありますよ、校長の裁量権の中で。残業をゼロにした学校もありますよ、極端にいえば。そこまで裁量権でやれるんだなと、私も驚いているわけです、現場ですね。そこで、学校改革の流れ、時代の流れだと思いますし、やり遂げることは可能だと考えています。 しかし、校長先生の中には、自ら裁量権に心のバリアを築いている人がいるんじゃないかと考えておりまして、このバリアを取り除いてやる必要があります。 そこで、現行の裁量権の活用と併せて、やはり今後は人事権、予算編成権も含めて検討していただくことを要望しておきたいと思います。 次に、授業のあり方の展開について。 学校改革の本丸は、授業のあり方の大転換にあると考えています。学校は、先生主役から子ども主役、子どもを育てる学校から子どもが育つ学校へ、授業は、先生が教える授業から子どもが学び取る授業へと転換が進行中であると考えておりますが、本県の小・中・高校における授業転換の進捗状況とその効果の発現について、どのように捉えておるのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 小・中学校におきましては、既に新学習指導要領が全面実施となっておりまして、子どもたちが自ら目当てを設定し、友達と対話をしながら解決に向かうなどの主体的な学習の展開が進んでいるところでございます。現在、各学校では、一人一台端末の活用も含めまして、さらに質の高い授業を目指し、計画的に研修を実施しているところです。 高等学校におきましては、現在、「総合的な探究の時間」という時間を使いまして、課題探究型の学習を各学校において実践をしているところでございますが、今後は、それぞれの教科の授業の中での協働的、探究的な学びや、生徒の習熟度に応じた主体的な学びを実践していくということが重要であると考えておりまして、ICTの有効活用などを含めて授業改善を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) ICTを活用して授業改善を図っていこうということでありますけれども、ぜひ、この授業改善については、やはり徹底した取組が必要だと考えております。 多くの教職員は、社会経験もないのに社会のことを教えている教師とは一体何者なのかと自問するとともに、目先のことにとらわれず、それぞれの子どもの個性を見極めて、子どもたちの幸せづくりへの授業の展開を期待し、要望しておきたいと思います。 (2)ふるさと教育の推進について。 急激な人口減少等の進行に伴い、家庭や地域の教育力の弱体化、人間関係の希薄化により、子どもたちが地域の人々に親しみを持ったり、ふるさとの様々な伝統文化や自然、里山、川に親しむ機会の減少などにより、ふるさとに愛着と誇りを持ちにくい社会環境が進行していると考えております。 こういう中で、なぜ、今、ふるさと教育が必要なのか、また、教育上の位置づけについて、お尋ねをいたします。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 地域におきます自然体験や人とのつながりが減少していく中で、学校教育において、ふるさとへの愛着や誇りを育み、将来、地域に貢献したいという意識を醸成するふるさと教育は大変重要となっております。また、若者の人口流出という大きな課題を抱える本県におきましては、その意義はますます高まってきていると考えております。 このふるさと教育は、児童生徒が地域の課題と向きあい、他者と協働した探究学習を通して主体性や協働性を育成するとともに、将来の生き方や職業等について考えるキャリア教育の一環としても実施をしているところでございます。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) キャリア教育の一環としてということでありますけれども、これはキャリア教育の根幹をなすものですよ。 それと併せて、私が思うのには、これだけ多様する生徒がおる以上は、やはり個人個人を大事にしないといかんし、個人のアイデンティティーの確立をするためには、どうしてもこのふるさと教育が必要だと考えております。 併せて、大きく言えば、若者の県内定着を図るということにつなげれば、一番ありがたいし、ぜひ、そういう意味からして、ふるさと教育を進めてほしいなと考えております。 ①幼、小、中、高、大の連携等について。 ふるさとに愛着と誇りを児童生徒、学生の心などに醸成させることと、また、その取組の成果の見える化が必要だと考えております。ふるさと教育を推進するために、高校教育課、義務教育課、生涯学習課、学事振興課、こども未来課、若者定着課、県立大学等が各課の取組を共有するとともに、また、連携を強化している取組を現在行っていると聞いておりますので、その内容について、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 今年度、ふるさと教育を体系的に推進していくために、ただいまご案内がございました、県教育委員会の各課、知事部局の各課、関係7課と長崎県立大学とで構成します、「長崎県ふるさと教育連携推進
プロジェクトチーム」を立ち上げているところでございます。 この中におきまして、各部局及び大学の取組や課題、また、発達段階に応じた目標の設定等について情報共有を行いますとともに、学校種を超えた連携のあり方についても協議を行っているところでございます。 今後も一層連携を深めまして、幼児期から大学まで、切れ目のないふるさと教育の推進に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) ようやく一歩を踏み出したなという感じがいたします。「長崎県ふるさと教育連携推進
プロジェクトチーム」を発足させたということについては、体系的には了といたします。しかし、さらに、ふるさと教育の中核的な役割を担う教員を中心にどのような育成を考えているのか、どのように取り組んでいるのかについて、お尋ねしたいなと思います。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 小・中学校におきましては、ふるさと教育に取り組む研究校の中核的な役割を担う教員が、有識者の指導を受けながら学びあう研修の場を設定しております。また、その指定校における中核教員の取組を動画にまとめて、広く県内の学校に提供してまいったところでございます。 高等学校におきましては、ふるさと教育の研究指定を行った研究指定校の実践発表の際に、全ての県立高校から最低1名の教員の参加を義務づけ、それぞれのふるさと教育の中核となる教員の育成を図ってまいったところであり、さらに現在、地域を課題にした生徒の課題解決型学習を指導する教員に対して、学校を超えたネットワークづくりや外部講師による研修を行っているところでございます。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) これはまとめですけれども、ふるさと教育の目的とかねらいとか、この辺はやはりもう少しわかりやすく県民に周知させる必要があろうと考えております。 併せて、この7課、大学も含めて取り組むということでありますから、この辺をよくよく連携を取ってやるということと、併せて、やはりその中の経過というか、この辺についても、やはり何らかの形で途中経過として報告しながら、やはり県民の皆さんの意見も聞きながら進めていく必要もあろう考えております。 併せて、中核を担う教職員も含めて、ここのレベルアップ等を含めて、これを中心にして、学校の先生たち全体的に広げていかないといかんですから、ひとつこの3点を、再度取組を強化していただきますように要望しておきたいなと思います。 (3)長崎県内5工業高校による人材育成の世界一プロジェクト(仮称)について。 本県には、長崎工業、佐世保工業、大村工業、島原工業、鹿町工業高校があります。学校は、地域に根をおろし、それぞれの特徴を活かして、全国レベルの資格取得をはじめ、県内就職の促進・定着、地元企業、誘致企業への有能な人材の供給等に貢献してきていると考えております。 県内5工業高校をどのように評価しているのか、また、課題についてどのように捉えておるのか、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 県内の工業高校は、長年にわたりまして、ものづくりや資格取得において全国トップレベルの成果を上げてまいりました。その中で育成された生徒の知識や技術、そして何よりも人間性や社会性が高く評価をされているというふうに考えております。 また、課題となっておりました県内就職率も年々向上するなど、県内産業を支える人材育成の役割も担ってまいりました。 一方で、社会や産業の構造が大きく変化する中におきまして、先端技術の動向やものづくりの変化を学ぶために、産業界とのつながりを持ちながら、さらに教育内容の転換を図っていくことが今後の課題であるというふうに考えております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 評価では社会性が高いということでありましたけれども、これはこれとして評価しないといかんのですけれども、どちらかというと、これは、今までの技術者としては優秀だけれどもということがありますから、その中にやはり起業家精神をこれにはめ込んでいって、ある程度個性の強い生徒を育てていく必要があるんじゃないかということを指摘しておきますが、これらの課題を解決するために、一つ、私の方から提案させていただきたいと思います。 ①県内工業高校の連携協定の締結等について。 5つの工業高校を合算すると、令和2年度は99学科、3,447人の生徒数、教職員450人が在籍する日本有数のチームになると考えております。各学校が自ら活性化を図る機会にするとともに、長崎県、日本、世界で活躍できる人材育成輩出を目指すために、5工業高校による連携協定を締結し、人材育成の世界一プロジェクトを発足させることはできないか、お尋ねいたします。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 現在、教育委員会におきましては、今後の産業教育のあり方等について、工業高校の校長との意見交換会を行っており、社会の急激な変化に対応するため、これからの工業教育や人材育成のあり方、また、学校間や産業界との連携のあり方等について検討を進めているところでございます。 工業高校におきましては、これまで教職員で構成します「工業クラブ連盟」、あるいは「工業教育研究会」等の形での協議や研究を通して、学校間の連携を図ってきているところであり、引き続き、工業高校が一体となって、これらの課題の検討や実践に取り組むことによりまして、グローバル化等に対応する人材育成を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 5工業高校による校長の連絡協議会、工業教育研究会等を実施して成果を上げているということを聞いておりますが、先ほど教育委員会教育長は、各工業高校の校長先生たちと10年先を見据えた工業高校のあり方等について協議したということでありますが、私が考えておる人材育成の世界一プロジェクトは、まず、学校間の協働活動を推進して、各学校のマンネリ化をやはり防止しなければいかん、第一は。 それと、先ほどグローバルな人材の育成ということでありましたけれども、やはり今の工業高校というのは、日本中においては非常に優秀だということは評価を受けております。しかし、もうそれを超えて、世界の人々と絆をつくる人材育成の世界一プロジェクトというのを考えておりまして、グローバル人材の育成ということでありましたので、再度教育委員会教育長にお尋ねしたいなと思います。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) これからの工業高校で何を教えるべきかということについて、先般、工業高校の校長先生の皆さんに集まっていただいて意見交換をしたところでございます。 その中では、やはり、先ほどお話にもありましたけれども、一つは起業家精神、自分でものをつくって考えていくということであったり、これからのものづくりが変わってきている状況の中で、自分がどういうところで力を発揮できるのかということを考えていく力であったりということを考えるための能力をつけていくことも必要ではないかというふうな意見交換もしてきたところでございます。 まずは、そのためには、教員自身が世界の動きを捉えていくということが重要だというふうに思っていますので、そういうことも含めて、今後の人材育成のあり方について検討しながら取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) 私は、やはりワンチームで捉えるべきだという考え方のもう一つは、やはりこの「長崎」というのは、非常に知名度が高いわけですよ、世界的に。「オール長崎」というブランド力をやはりまず高めてほしいなというのが一つあります。 それと、今、教育委員会教育長から話がありましたけれども、インターンシップ等において、企業と協定を結ぶ、今は各学校と、結ばないところもありますけれども、結んでないところもあります。そうなると、企業ばかりじゃなくて、その上に長崎県工業連合会とかそういうのがあるんですよ。そこと5つの協定書を結ぶことによって、長崎工業も使える、そして島原工業も使えると、そういう利点があるということです。 もう一つは、やはり何といっても国際交流の事業をどう進めていくのか。この辺については、今、どういうふうな形で取り組んでいるのか、お尋ねしたいなと考えております。
○副議長(山口初實君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 申し訳ございません。具体的な国際交流というか、技術的なところでの教員、生徒の交流というのはあっていると思いますけれども、学校同士での交流ということがあっているというふうには認識はしておりません。
○副議長(山口初實君) 中山議員-43番。
◆43番(中山功君) ぜひ、この国際交流事業をやってほしいということと、もう一つは、やはりオンラインで合同授業ですよ。アメリカの工業高校とドイツの工業高校と一緒にオンラインで授業をしたり、一緒に実験したり、研究したり、こういうことが可能なんですよ。これを推進してほしいということ、それらを含めて、国際交流授業を安定化していくためには、やはり姉妹校も必要だと思います。姉妹校を締結するとかね。こういうものを段階的に広げていってほしいなと思います。 そのうえで、長崎県、日本、世界に貢献できる人材の育成、輩出を、世界一を目指して取り組むことを期待して、質問を終わります。
○副議長(山口初實君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、2時45分から再開いたします。 -午後2時29分 休憩------------------------------------ -午後2時45分 再開-
○議長(坂本智徳君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) (拍手)〔登壇〕皆様、こんにちは。 国民民主党、改革21、長崎市選出の中村泰輔でございます。
新型コロナウイルス感染症や先日の災害で、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げ、今もなお苦しみの中にいる方々にお見舞いを申し上げます。 本日は、傍聴が制限される中、議場にお越しいただいた皆様、また、配信にてご視聴いただく皆様に感謝を申し上げます。 それでは、一問一答方式にて質問をいたします。 1、
新型コロナウイルス感染症のさらなるリスクに備えるについて。 (1)今後の変異株や冬のインフルエンザリスクに備えた知事の姿勢。 「第5波」は、ワクチン接種が進んだにも関わらず、デルタ株により、本県も過去最高の感染者数を記録しました。今後の変異株に対し、不安を抱く方々も多くいます。 デルタ株のように感染力が強くなる変異や、ベータ株等、現行ワクチンが効きにくい変異、今後はその2つの特徴を併せ持った変異株があらわれる可能性があると専門家から聞きます。 さらに、一度の感染やワクチン接種などにより、次の感染が増強される抗体依存性感染増強などのリスクも報告されています。 一方、昨年、インフルエンザが抑えられ、人類が保有するインフルエンザ抗体が激減し、冬には高病原性インフルエンザのパンデミックのリスクもあります。 これらを踏まえ、改めて躊躇なく医療体制を整えていくべきと考えますが、今後のリスクと備えについて、知事の見解をご答弁願います。 以後の質問は、対面演壇席にて行います。
○議長(坂本智徳君) 知事。
◎知事(中村法道君) 〔登壇〕中村泰輔議員のご質問にお答えいたします。 今後の変異株や冬のインフルエンザリスクに備えた私の見解についてのお尋ねであります。
新型コロナウイルス感染症は、いまだ世界中で感染が拡がっているところであり、今後も、注意すべき新たな変異ウイルスが出現する可能性があり、また、昨年は流行しなかったインフルエンザについても、例年冬場にかけて流行することから、これらのリスクを想定した医療提供体制を確保していく必要があるものと考えております。 特に、新型コロナウイルスとインフルエンザが同時流行した際には、多数の発熱患者の発生が想定されるため、昨年度から地域のかかりつけ医を診療・検査医療機関として指定し、体制の強化に努めているところであります。 県としては、引き続き、新型コロナウイルスに関する新たな情報や国の動向等を注視するとともに、感染症専門家や長崎大学、県医師会などの関係機関で構成される「長崎県新型インフルエンザ等対策会議」を随時開催し、関係者と緊密に連携しながら医療提供体制を確保してまいりたいと考えているところであります。 この後のお尋ねにつきましては、自席の方からお答えをさせていただきます。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 長崎は、西の端に位置し、他県より後れて感染が拡がってきました。世界や東京の状況から今後を予測し、事前に対策を講じることを求め、次の質問に移ります。 (2)増加する自宅療養体制。 ①自宅療養体制拡充に向けた県の姿勢。 首都圏等では、病床が逼迫し、軽症者は自宅療養へとシフトしています。 本県の自宅療養体制の拡充について、ご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(寺原朋裕君)
新型コロナウイルス感染症患者のうち、自宅療養者につきましては、居住地を管轄する保健所が、患者の体温や酸素飽和度の確認に加え、毎日の電話による健康観察を行っており、自宅療養中に症状が悪化した場合には、迅速に医療機関への受診や入院につなげております。 自宅療養者への医療支援体制としては、県医師会等にご協力をいただき、24時間のオンライン診療等を行う自宅療養サポート医を県内で107名確保しており、自宅療養者が多い長崎市、佐世保市において、サポート医による医療支援の運用を開始したところです。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) サポート医との連携をお願いします。 ②オンライン診療の取り組み。 厚生労働省の自宅療養の実施に関する留意事項で、業務委託等による保健所の業務負担低減策が述べられていることから、保健所の負担軽減を織り込んだ体制構築を求め、次の関連質問に移ります。 本県は、離島を抱えるため、オンライン診療について、これまで前向きな見解を示していましたが、現在の自宅療養体制でのオンライン診療の実施状況をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 感染拡大時においてサポート医が自宅療養者に行うオンライン診療につきましては、県医師会等の協力を得て、去る8月23日から長崎市において開始し、9月12日までに41名の診療を行ったところであります。 オンライン診療は、電話や情報通信機器を用いたものがありますが、現在、主に電話による診療があることから、患者の顔色や表情を確認でき、患者のさらなる不安感の解消にもつながる画像と音声によるオンライン診療についても、県医師会等と協議、調整を行いながら、有効に活用できるよう努めてまいります。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 東京都医師会では、都全域で画像を用いたオンライン診療を拡げていくとの報道を見ました。 本県ではこれからとのことですが、県医師会のサポート医にも同様の活用を促すことを再度求め、次の質問に移ります。 (3)改正感染症法と野外病院設置による病床確保。 ①改正感染症法による要請や野外病院の設置。 病床不足が深刻な一部の都道府県では、改正感染症法や野外病院による病床の確保の検討を行っています。 今後のリスクに備え、改正感染症法による要請や野外病院の設置について、前もっての検討が重要と考えますが、県の姿勢をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 本県では、「第5波」の感染拡大状況を踏まえた感染急増時における必要な病床を確保しており、軽症者でも基礎疾患がある方は入院させるなど、国が示す基準に基づいた入院調整及び各医療機関の患者受け入れ体制を構築しております。 これまでも感染拡大の備えとして、さらなる病床確保を行った場合においても、感染症法による確保要請に頼ることなく、多くの医療機関により協力をいただいているところです。 また、宿泊療養施設につきましては、臨時の医療施設を開設するなど、軽症者等の容態急変にも対応できる体制を整備しており、本県においては、野外病院施設ではなく、より適切な治療、療養を受けることができる入院病床や宿泊療養施設等の確保、充実を図ることで対応してまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 宿泊療養施設確保が主であるのは理解します。 野外病院設置検討は、コロナ初期に政府で検討されたそうですが、感染者減によって議論が止まったそうです。「第5波」でその必要性が再浮上しましたが、政府は地方に判断をゆだねています。 当然医師会との信頼と連携が重要ですが、他県の状況を踏まえれば、現在の県方針を維持できないリスクも考えられるため、前もっての検討の必要性を訴えて求め、次の質問に移ります。 (4)「第5波」が県経済に与えた影響と飲食業以外の支援についての知事の見解。 コロナ禍、約1年半が過ぎ、県経済が疲弊した中、「第5波」が経済に与えた影響はすさまじく、知人からは、「第5波」が一番きついと助けを求められました。 今は持続化給付金も家賃補助もありません。国の支援を含め、本当に困っている方に支援が届いていないと感じています。早急に再度、飲食業以外の支援を行うべきと考えます。 改めて、「第5波」が県経済に与えた影響と飲食業以外の支援について、知事の見解をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 知事。
◎知事(中村法道君) 昨年からの感染拡大により、本県経済への影響が長期化する中で、今般の「第5波」においては、これまでにない速さで感染が拡大したことに伴い、県下全域への県独自の「緊急事態宣言」を発令し、加えて8月27日には、国の「まん延防止等重点措置」が本県にはじめて適用されるなど、県内事業者や県民の皆様に様々な自粛をお願いさせていただいてきたところであります。 こうしたことから、本県経済の状況については、製造業など一部の産業に回復の傾向がありますものの、観光や個人消費は落ち込んだ状態となっており、宿泊業、飲食業などのサービス業を中心に大変厳しい経営環境にあるものと認識をいたしております。 このため、飲食店以外の関連事業者に対して、事業継続に向けた支援策を講じることとし、本定例会での関係予算の追加提案を現在検討させていただいているところであります。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 県民の痛みに寄り添い、今こそ支援を要望し、次の質問に移ります。 (5)コロナ禍での失業だけではない県内自殺者の要因と対策。 自殺者数は、失業率と相関関係にありますが、内閣官房のホームページ、コロナ禍の自殺では、失業率から予想される自殺者数と比べ、実際の自殺者数は大幅に多くなっています。 コロナ禍における自殺者数の要因と県内での対策について、ご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(寺原朋裕君) コロナ禍において、全国では令和2年の自殺者数が増加している中、本県の自殺者数は、女性や子どもの自殺者数の増加など全国統計が示すような特徴は見られておりません。 しかしながら、コロナ禍の影響が長引く中、本県の相談窓口においても、心の不調を訴える多様な相談が多く寄せられております。 自殺の多くは、多様かつ複合的な原因や背景があり、様々な問題が連鎖する中で起きており、悩みを抱えた方の支援につながるよう、若者や女性を対象とした相談機関との連携強化、市町におけるゲートキーパーの養成に取り組むとともに、相談員の増員を行うなど相談体制の強化を図ってきたところでございます。 引き続き、自殺に至る背景や傾向などを様々な視点から分析しながら、関係機関と連携して取組の充実を図ってまいります。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 都市部などでの自殺の要因を踏まえ、本県で未然に防ぐ取組を再度求め、次の質問に移ります。 (6)長崎でのワクチン開発・製造に向けた支援。 ①ふるさと納税や寄付を活用した、長崎大学の新型コロナワクチン研究への支援。 昨年6月定例会の一般質問で、県のふるさと納税による長崎大学の新型コロナワクチン研究支援を提案し、1,000万円の寄附が実現しました。 その際、ご紹介した長崎大学創薬イノベーションセンターの田中義正教授は、中国の四川大学と神戸医療産業都市振興機構との共同開発で、副反応リスクの低い従来型のサブユニットワクチンの開発に取り組んでおり、昨日の長崎新聞で一面に取り上げられました。国内で医薬品の審査を行うPMDAから承認を得て、臨床試験を開始しています。 長崎大学では、様々な研究が行われておりますので、再度、ふるさと納税や寄附による支援を要望いたしますが、県の見解をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 長崎大学には、本県の
新型コロナウイルス感染症対策に多大なご貢献をいただいており、昨年度は、県内外の皆様からご寄附をいただいた「
新型コロナウイルス感染症対策寄附金」を活用し、県から長崎大学熱帯医学研究所に対しまして、ワクチン開発の支援を行ったところであります。 長崎大学によりますと、支援を行ったワクチン開発につきましては、現在、動物実験において中和抗体の誘導が確認できたというところであり、今後、国の支援を受けるべく手続を進めていく予定であるとお聞きしております。 長崎大学では、新型コロナウイルスに関する様々な研究が行われているとお聞きしており、県として、どのような支援が行えるのか、関係者と協議してまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 田中教授は、副反応リスクが低い、乳幼児なども接種できる安全性が高いワクチン開発に取り組んでおられますので、ぜひともご支援をお願いいたします。 ②長崎大学BSL-4施設での国産ワクチン研究開発に対する県の期待。 先日、長崎大学河野学長が、BSL-4施設でのワクチン開発について発言されました。 厚生労働省も、インフルエンザのような平時のワクチンと、今回のような新型コロナの有事のワクチンを、どちらも生産できるワクチン工場をつくる方針を打ち出しています。 新型コロナウイルスも、当初から危険度不明ではバイオセーフティレベル4となり、まさにBSL-4で扱うウイルスとなります。 今後の感染症による有事に備え、BSL-4による国産ワクチンの取組について、県の期待をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 福祉保健部長。
◎福祉保健部長(寺原朋裕君) 長崎大学が整備を進めているBSL-4施設は、最高レベルの安全性を備え、あらゆる病原体の診断、予防、治療に関する研究を行う施設として、国家プロジェクトとして推進されているものです。
新型コロナウイルス感染症の治療薬として活用されているレムデジビルや、新規ワクチンであるメッセンジャーRNAワクチンなどの技術は、海外でエボラウイルス感染症などに対抗するために開発が進められてきた最先端の研究成果を転用したものとお聞きしております。 BSL-4施設が整備されれば、これまで国内では実施できなかった高度な研究が可能となり、国産のワクチンや治療薬の研究、開発にも大きく寄与するものと期待しております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 長崎大学と連携して、BSL-4での研究がワクチン開発や製造へとシームレスに対応できるよう、施設整備を国に求めることを要望し、次の質問に移ります。 ③長崎大学と連携した製薬関連企業の誘致。 例の田中先生の研究などワクチンや治療薬の開発研究が進む長崎大学に対して、県は、アンテナを張って製薬関連企業とのマッチングを検討し、企業誘致につなげていくべきだと考えます。 製薬関連企業は、水を大量に使用するケースが多いと伺いましたが、生物製剤が主体となるアカデミア創薬を中心としたこれからの創薬は、低分子薬が主体であった従来の創薬とは違います。 先頭を走るアメリカでは、大学の周りにベンチャー企業のビルが並び、そのビルの中でもワクチンが製造できるそうです。 神戸大学統合研究拠点でも、ビルの1階にワクチン製造が可能なGMP製造施設を設けていることから、長崎大学の施設でも、施設整備により可能であると考えます。 これらを踏まえ、長崎大学と連携した製薬関連企業の誘致の可能性について、ご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(廣田義美君) 企業誘致につきましては、激しい地域間競争を勝ち抜くため、本県の強みを活かした取組が重要であると考えております。 感染症研究で国内外から高く評価されております長崎大学については、本県の優位性の一つとして、製薬を含む医療関連の企業へご紹介しながら誘致活動に取り組んでいるところでございます。 製薬については、現時点におきましては具体的なお話はございませんが、医療機器製造関連におきましては、諫早市に医薬品等の製造装置を製造する企業が進出したほか、長崎市に糖尿病の検査機器のソフトウェアを開発する企業、さらには平戸市に人工関節の開発、製造を行う企業が進出したところでございます。 今後とも、長崎大学をはじめ県内の関係機関と連携し、製薬を含めた医療関連分野の企業誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 昨日の長崎新聞の一面記事にも、長大の国内ワクチンは、次は製造会社での製造が課題とありました。県の出番ではないでしょうか。 これからの創薬事業は、これまでの常識とは違う形で展開していきます。未来を見据え、前のめりの姿勢で取り組めば、長崎に新しい産業が生み出せると訴え、次の質問に移ります。 (7)公立小中学校における「オンライン授業」や「登校とオンライン併用」の取り組み。 ①公立小中学校でのオンライン授業の県の姿勢。 夏休み終わりの校長会で、県立中学・高校では、やむを得ず学校に登校できない場合には、一人一台端末を活用して学校支援の充実をお願いしたいと教育委員会教育長が発言されました。 そこで、感染防止のコントロールが難しい公立の小・中学校でのオンライン授業の実施について、県として、市町の教育委員会にどのような考えを伝えているのか、ご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 一人一台端末を活用したオンラインによる学習指導は、分散登校や長期の臨時休業などにおいて、児童生徒の学びを保障するための有効な取組の一つだと考えております。 県教育委員会といたしましては、国の考え方に基づき、今後の感染拡大に備え、夏休み明けの教育活動等におけるICTの活用について十分に検討するよう、市町教育委員会に対し通知をいたしたところであり、その後、オンラインによる学習指導の研修動画や具体的な活用事例についても情報提供をしたところでございます。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) オンラインによる学習指導は、臨時休業や感染等によりやむを得ず長期間登校できない児童生徒へ有効な支援策であると前向きな見解を述べていただきました。 これを踏まえ、次の関連質問に移ります。 ②感染者が出ていない学級や学校での登校とオンラインの併用の可能性。 先日、感染者が出た学級や学校でのガイドラインが国から出されたところですが、感染者が出ていない学校の対応については記載がありませんでした。 感染予防の観点から、子どもたちの接触を減らす登校とオンラインの併用で、感染リスクは低下すると考えます。ボトルネックとなっている家庭でのWi-Fi環境の整備を100%とするのは困難な中、登校とオンラインの併用策は有効であると考えますが、県の見解をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) 学校教育は、学力の保障のみならず、教師と児童生徒、児童生徒同士の関わりあいなどを通じて全人的な成長を促す場であり、感染者が出ていない学級や学校においては、必要な感染対策を講じながら、可能な限り学校の教育活動を継続していくことが大切であると考えております。 一方、臨時休業や分散登校、あるいは自分や家族の感染等により、やむを得ず登校できない児童生徒に対しては、ICTを効果的に活用して学びの保障をしていくことが重要です。そのような状況下においては、登校とオンラインの併用は有効な取組であるというふうに考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 当然、可能な限り登校することが望ましいですが、登校とオンラインの併用は有効な方法の一つとして前向きな見解を示していただきました。 学校設置者の市町が柔軟に選択できるよう、県としてのサポートを求め、次の質問に移ります。 2、GIGAスクール構想と県立高校入試制度について。 (1)AIドリルの導入による格差是正の取り組み。 AIドリルは、教育格差是正の切り札と言われています。通常の紙のドリルは、目の前の問題を順番に解きますが、AIドリルは、間違った問題に対してAIが原因を分析し、過去の単元に戻って、つまずきを解消する問題を出すため、個別指導の家庭教師のような役割を担うことができます。特に、勉強嫌いの子どもたちの苦手意識の解消が期待され、やる気のある子どもも難易度を上げながら学びを深めることが可能です。 学校や市町で購入すれば、大きなスケールメリットが期待され、安価で学びが得られます。勉強したくても参考書が買えない、また、塾に行きたくても行けない子どもたちは多くいます。本県は、離島を多く抱え、平等な教育機会提供の面で都会に比べハンディキャップがあり、県がAIドリル導入で教育に投資することは、県民にとっても満足と納得につながるはずです。 教育格差是正のためにも、公立小・中学校や県立高校で、他県よりいち早くAIドリル導入に向けて取り組むべきと考えますが、県の見解をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) AIドリルは、一人一台端末を活用し、児童生徒が個々の学習状況や理解度に応じて主体的に学習に取り組むことができるという点で、有効なものだと捉えております。 小・中学校においては、設置者であります市町教育委員会が、その効果を検討し、導入の判断をしていくということになっております。 県内では、既に導入している市町や、一部の学校に導入して研究を進めている市町があり、今後も、それぞれの市町において、AIドリルの導入や効果的な活用方法についての検討が進められていくものと考えております。 県教育委員会といたしましては、県内外における活用事例等を集約し、市町における有効活用を支援してまいります。 また、高等学校においても、AIドリルは、個々の生徒の習熟度に応じた学びを実現する有効なツールになると考えております。 現在、研究指定校において、AIドリルを含むサービスの実証研究を行っており、今後、その成果や課題について検証して、生徒の実態に応じた活用法等について研究してまいりたいというふうに考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 本県の教育格差は、AIドリルの先行的導入により解決するんだという強い信念で取り組んでいただくことを求め、次の質問に移ります。 (2)昨年新しく施行された県立高校前期・後期の入試制度の理解促進。 生徒や保護者、また塾経営者から、本年から施行された前期・後期の高校入試制度で、「多くの不合格者が出てしまい、後期に向けて気持ちの切り替えが難しかった」、「前期特有の面接やプレゼンに準備を要してしまい、学力対策との両立が大変だった」、「制度変更のメリットがわからない」など厳しい意見をいただきました。 来年の入試も本年同様と伺っています。今後は、日本でも個性を重視する大学入試制度の改革がさらに行われると予想します。高校入試時点から、生徒が面接やプレゼンなどを経験することは大義がありますが、今のような転換期は多くの批判を呼ぶことがあります。 最も重要なのは、生徒と保護者の理解促進だと考えますが、県の見解をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 教育委員会教育長。
◎教育委員会教育長(平田修三君) ご案内がありました昨年度導入いたしました前期選抜は、特色選抜と位置づけまして、受験生自身が、志願理由や部活動、生徒会活動などの活動実績を面接やプレゼンテーションなどによりPRでき、教科学力だけではなく、多様な資質や能力が評価される制度でございます。 この制度の周知につきましては、一昨年度から、中学校校長会での趣旨説明や地区別の説明会の実施に加え、当時の中学2年生全員に対しリーフレットを配布いたしました。 今年度はオンライン開催となりましたけれども、県内9地区において、全ての中学校、市町教育委員会に対し説明会を実施したところであり、中学校においては、それぞれその内容を生徒や保護者の皆さんへ周知されることとされております。 今後とも、中学校の教員や受験生などに入試改革の理念や目的、制度の内容を広く理解していただけますように、周知に努めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 大義あっての今回の入試制度改革ですが、生徒と保護者の理解により大きな成果を生むと考えておりますので、公立中学校において、生徒、保護者への理解促進を求め、次の質問に移ります。 3、カーボンニュートラルと災害対応について。 (1)カーボンニュートラルと災害対応に備えた公用車の電気自動車への転換。 ①点検済み自家発電設備の割合。 2年前の秋の連続台風で、特に、千葉県で長時間の停電が大きな課題となりました。各避難所にあった自家発電機の故障も重なり、千葉市などでは、ガソリンで発電する電気自動車が市内を走り回って大活躍したそうです。 そこで質問いたします。 県内の避難所を含む様々な施設等で、消防に基づく自家発電設備を含む非常電源を要する消防用設備などの点検状況、また、市町が避難所などで保有するポータブルの小型発電機の点検状況について、ご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 危機管理監。
◎危機管理監(多田浩之君) 消防法では、消防用設備等に自家発電設備を含む非常電源の設置が必要で、年に1回の点検報告が求められる延べ面積が1,000平方メートル以上の公会堂、百貨店、ホテルなどの特定防火対象物は、県内に2,799件ございます。そのうち81.4%から報告がなされており、未報告については、市町消防において、点検が適切に実施されるよう指導しているところです。 また、県内21市町が、避難所等で使用するために保有している小型発電機について調査を行ったところ、過去1年間に稼働可否の確認などの点検を実施しているのは403台中224台であり、55.6%の実施率となっております。 なお、未実施の理由として、地域の防災訓練等で動作確認する予定としていたものが、コロナ禍で中止になったため実施できなかったなどが挙げられておりますが、最も多い理由としては、導入後1年以内という理由であり、その台数である112台を除くと、実施率は77%となっております。 県といたしましては、災害時に使用できないということがないよう、適切な点検を市町に呼びかけてまいります。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 自家発電機の点検は100%であるべきですが、今回のように現実的には困難で、災害時に自家発電機が動作しないリスクは大いにございます。自家発電機の故障をカバーするため、電気自動車を自治体が保有すべきと申し上げ、次の関連する質問に移ります。 (2)公用車の電気自動車への転換。 これまで電気自動車は、環境にやさしい車として、国としても補助金による支援等で購入促進されてきました。 昨今、カーボンニュートラルと災害対応という2つの視点から注目されています。また、公用車を電気自動車とする自治体も増えています。自治体が電気自動車を保有すれば、災害時の使用は当然のこと、県民に対する購入促進にもつながります。 公用車の購入は、ほぼ毎年あることから、少しずつ電気自動車に転換していくことは大変有意義であると考えますが、県の見解をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 県民生活環境部長。
◎県民生活環境部長(貞方学君) 県の公用車につきましては、「長崎県環境物品等調達方針」に基づき、可能な限り電気自動車等の調達を推進することとしており、昨年度末でハイブリッド自動車21台、電気自動車8台を導入いたしております。 一方で、電気自動車等は、車両価格が高く、充電設備の整備も必要なために、国の補助金を活用しても、なお、ガソリン車に比べ導入費用が割高となることから、財源確保が課題となってまいります。 しかし、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車は、まさに動く蓄電池として災害時の非常用電源にも活用できるため、脱炭素社会の実現と災害対応力の向上の観点から、国も、その率先した導入を推奨いたしております。 このため、県といたしましても、国の新たな交付金の活用可能性等について情報収集をしながら、公用車への電気自動車等のさらなる導入に向け、関係部局と検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 自主財源が厳しい面もありますが、国の動向も注視し、先行自治体に追いつくよう対応を求め、次の質問に移ります。 4、長崎大学とのオープンイノベーションについて。 (1)大学のシーズと企業のニーズのマッチング。 昨年6月定例会一般質問で、長崎大学の研究シーズを産業創出につなげるべきと訴え、同7月に、県産業労働部と長崎大学のオープンイノベーションの取組が表明されたところです。 さらに、大学のシーズと県内企業のニーズのマッチングは県にしかできないと、これまで申し上げてきました。 大学側のシーズを把握する大学の専門職の方々は、民間企業とのつながりを得意としておらず、一方、民間も大学とのつながりに苦慮しているとの声を伺ってきました。 多方面の産業分野において、県がニーズとシーズのマッチングを果たすべきと考えますが、県の見解をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(廣田義美君) 新たな基幹産業の創出など本県の産業振興のためには、企業が積極的に大学との連携を図ることが重要であると考えております。 そのため、県と長崎大学におきまして、昨年7月に、長崎オープンイノベーション拠点を設立いたしまして、「AI・IoT・ロボット」、「海洋」、「航空機」、「医工連携」を主な連携分野と位置づけ、大学と企業の共同研究の促進や、新技術の実用化を目指したプロジェクトの創出などに取り組んでいるところでございます。 この拠点におきましては、大学と県内企業とのマッチングの場を設け、これまでに長崎大学の持つ潮流発電技術と誘致企業のIoT技術が融合したスマートブイの開発が進むなど、具体的な成果も出始めているところでございます。 今後とも、大学と企業との連携を強化し、本県の特性を活かした新たな技術や製品の開発を促進するなど、新産業の創出を目指してまいります。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) オープンイノベーションという今の枠組みの中、新産業につながる実りを数多く得られるよう、価値ある展開に期待し、次の関連質問に移ります。 (2)県庁跡地(県警本部跡地)での長崎大学とのオープンイノベーションの連携。 先般公表された基本構想素案の中で、県警本部跡地では、産学官等によるオープンイノベーションを推進する機能を整備するとの方針が示されましたが、この件での県と長崎大学との連携状況をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 地域振興部長。
◎地域振興部長(早稲田智仁君) 県警本部跡地については、県庁舎跡地における交流支援機能とも連動しながら、産学官等の連携によるオープンイノベーションを推進するなど、新たなビジネスやサービス等の創出につながるような機能を整備してまいりたいと考えております。 検討に当たりましては、これまで県内の大学や企業等からご意見をお聞きしながら進めており、長崎大学とも、医療や海洋、工学等の分野において、研究シーズなどを活かした連携の可能性について意見交換を行っているところであります。 引き続き、大学や企業など産学官等の連携が推進されるよう、跡地の利活用について検討を深めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 長崎市中心の企業の皆様も大変期待をしています。 江戸時代に、出島で医学を学ぶため、多くの人たちが集まりました。先ほどから長崎大学の感染症やワクチン研究について、ご説明しましたが、出島そばの県庁舎跡地においても、医学による賑わいや活気を生み出すことができないか提起し、次の質問に移ります。 5、海洋産業都市構想について。 (1)洋上風力発電による新産業創造(国の洋上風力産業ビジョン)。 ①国の洋上風力産業ビジョンを踏まえた本県経済の目標。 政府は、昨年末、第一次洋上風力発電ビジョンを取りまとめ、2040年までに、世界3位前後の30~45ギガワットを導入目標としました。 国内市場創出に向けてコミットすることで、日本の洋上風力発電事業は、国内外の事業者や投資ファンドから注目を集めています。 このビジョンを達成するには、1年ごとに原子力発電所1基分に当たる1ギガワットを導入していく計算となります。 現在の最新型の洋上風力発電は、10~15メガワット級であるため、このサイズの風車が1年ごとに100台程度必要となります。 ちなみに、この最新型の風車は、300メートル程度で、稲佐山と同じくらいです。 つまり、2040年までに毎年、稲佐山ほどある風車が100台、日本の海域に建設されることになります。 また、2040年には九州は北海道に次ぐ導入が期待され、海洋県長崎には相当量の風車が建設されるはずです。 日本電気工業会は、日本全体の最大導入量45ギガワットベースで考えた場合、毎年約7,920億円の日本全体での経済効果があると試算しています。 国の洋上風力産業ビジョンを踏まえ、本県経済の目標をどのように考えているのか、ご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(廣田義美君) 昨年12月、国の洋上風力産業ビジョンにおいて、2040年の洋上風力発電の導入目標として45ギガワットが示されたところでありますが、現時点におきましては、事業を行う海域や事業の規模などが示されていないことから、2040年における県内の経済効果を算出することは難しいものと考えております。 しかしながら、今後、浮体式洋上風力発電の技術開発や国内における市場拡大の状況などを見極めながら、2040年における目標設定について検討してまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 昨年末に国は大きな目標を立てていますが、現時点で国の指針に沿った明確な数値を出せないことも理解するところです。 洋上風力発電は、長崎の新たな基幹産業になると期待する声も多くございますので、タイミングを見て経済目標を明確にすることを要望し、次の質問に移ります。 ②日本版セントラル方式に沿った本県の姿勢。 政府は、海域の案件形成を活発にするため、日本版セントラル方式を採用するようです。 セントラル方式とは、準備段階の調査や系統協議など国が実施し、調査結果などを業者に提供することで、事業者の重複調査が見込まれる海域において、より効果的な案件形成を行う手法で、ヨーロッパでは既に実施されています。 本県は、日本初の促進区域に指定された五島市沖をはじめ、西海市江島、その次は離島地域と、洋上風力発電事業創出に向けて積極的に取り組んでいます。このセントラル方式を活用しながら、本県海域で、より多くの案件形成を目指すべきと考えます。 また、海域の事業者認定の評価項目に地域貢献という項目があります。本県海域での事業を希望する事業者は、認定のため地域貢献が求められます。 洋上風力産業は、部品点数が多く、すそ野の広いサプライチェーン形成が期待されますが、本県海域で事業が増えるほど県内の製造業が活発化し、まさに生のサイクルが回り続けるはずです。 改めて、セントラル方式にて本県海域での多くの案件形成を目指すべきと考えますが、県の姿勢をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(廣田義美君) 本県では、これまで地元市町や漁業者等の理解を得ながら、国の事業を活用した実証事業やゾーニング調査事業などを実施してきており、その結果、五島市沖が国内初の促進区域に、西海市江島沖が有望な区域に指定されるなど、国内における洋上風力発電の先進県となっているところでございます。 日本版セントラル方式につきましては、国の事業が実施されていない地域を対象としており、既に事業が先行している本県におきましては活用していないところではありますが、今後、対象となる海域が出てきた場合には、地元市町と連携し、国と協議してまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) ご答弁のとおり、漁業者の理解を得ることは、洋上風力推進において極めて重要で、県の担当部署も多くの労力を注いでいるはずです。 県内製造業における生のサイクルを回すため、洋上風力による新産業創造に向けた、さらなるリソース強化を要望し、次の質問に移ります。 ③浮体式洋上風力発電事業への本県の可能性。 経済産業省は、浮体式洋上風力発電の実証事業に850億円の予算を配分するようです。 日本の海域は、遠浅ではないため、浮体式の導入が必須です。洋上風力発電の分野で造船業の技術が最も活用できるのが浮体構造物の製造と言われています。 アンカー企業の誘致とともに、県の造船力を活かした浮体構造物製造事業の可能性について、ご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(廣田義美君) 浮体式洋上風力発電につきましては、国の洋上風力産業ビジョンにおいて、次世代技術として重点的に取り組むこととされており、2040年の導入目標である45ギガワットを達成するためには不可欠なものと考えております。 浮体構造物の製造につきましては、造船業で培った県内企業の技術や人材を活かせる分野であることから、県といたしましても、大手重工メーカーとの意見交換や、発電事業者と県内企業とのマッチングを行うなど、今後、拡大が見込まれる浮体式洋上風力発電の需要獲得に向け、支援を強化してまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 大型のドックがある本県の優位性を踏まえ、浮体式の推進をよろしくお願いいたします。 ④国の拠点港増強に向けた本県の姿勢。 洋上風力発電を設置するには、巨大な資器材の保管と組み立てが可能な港湾が必要となります。 国土交通省は、2020年9月に、秋田、能代、鹿島、北九州の4港を拠点港に指定し、地面の強度向上や岸壁の整備を進めています。 しかしながら、2040年に45ギガワットの導入目標を達成するためには、港湾機能のさらなる強化が不可欠で、今年5月から始まった有識者会議では、2021年度中に洋上風力の新たな拠点港の規模や指定地域について計画案をまとめていく模様です。 その中で拠点港の追加も検討されると考えられ、アンカー企業を誘致しようとしている本県も、さらなる経済効果や雇用拡大に寄与するため、拠点港に選ばれる取組をすべきですが、県の姿勢をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 洋上風力発電の導入促進に向けた基地港湾のあり方については、現在、国において、風力発電設備の整備に必要となる港湾の規模や必要数、配置などの検討が進められており、本年度中に方針が取りまとめられると聞いています。 県としては、国の検討状況を注視しつつ、国が示す洋上風力発電設備に関する港湾整備の方針が県内港湾に適合できるものか、見極めていきたいと考えています。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 国の方針が示されれば、五島市沖が促進区域で一番となったように、拠点港追加に対しても県の前のめりの対応を要望し、次の質問に移ります。 ⑤他県に負けない競争力を持った柳埠頭の整備。 現在、長崎市柳埠頭で、海外からの陸上風車を受け入れています。港湾事業者とともに県に整備を要望し、受け入れ環境が整ったことが、受け入れに大きなプラスになりました。 しかしながら、柳埠頭には、まだ未舗装地が多く、陸上風車など重量物や機械品の受け入れの際には鉄板を敷くこととなり、事業者側がその鉄板費用を負担しています。 一方、九州の港では、全面コンクリートに舗装された港湾もあり、柳埠頭はコスト競争力に欠けると事業者は考えています。未舗装では、砂に弱い精密機械などを受け入れることができず、これまで多くの仕事が九州の他港に流れたそうです。 今後の産業構造を捉えて、事業者の声も聞きながら、戦略的に港湾整備を実施すべきと考えますが、県の見解をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 長崎港小ヶ倉柳地区の埠頭整備については、埠頭関係事業者で構成される協議会において協議をしながら、用地舗装やコンテナヤードの整備などを計画的に進めています。 今後も、社会情勢の変化に柔軟に対応していくため、埠頭利用者や地元自治会などからニーズや課題を聴き取り、必要性を判断し、埠頭の整備に反映していきたいと考えています。(発言する者あり)
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) よろしくお願いします。事業者の皆様も、本当に舗装してほしいと、整備をしてほしいと心から願っておりますので、改めて要望いたします。 洋上風力発電は、県内の多くの事業者の関心が高く、多くの質問をいたしました。アンカー企業誘致に向け、政治・行政サイドができることを私も取り組んでまいります。 (2)造船業復活に向けた取り組み(国の海事産業強化法改正)。 ①海事産業強化法改正を受けた本県の姿勢。 今年2月に国において、「海事産業強化改正法」が可決されました。造船業が基幹産業である本県において歓迎するものですが、事業者側からは、残念ながら遅いとの声も聞こえています。大手造船所が不振を極める中、今まさに県内造船業再編の時です。 改正法には、生産体制の抜本的見直しという内容があり、拠点ごとの役割の明確化を求めています。例として、A拠点で船体ブロックを製造し、B拠点で配管等の艤装や組立を行う例が示されています。 以前、私は、造船業で韓国調達の仕事をしていましたが、今や世界一と言われる韓国の造船業では分業が進み、改正法のような拠点ごとの役割が明確です。専業のブロック工場や艤装工場が大手造船所の周りに並び、次々に大手造船所に供給していきます。大手造船所は、それを大型クレーンで組めば船が完成するという具合で、日本より効率化が進んでいます。 本県の中手造船所のブロックの多くもブロック会社に発注されていますが、実は、発注先はほとんどが県外です。県外に発注すれば海上輸送費も高く、コスト改善の余地は大いにあります。造船業再編の中、使用度が低い設備を活用し、ブロック製造を県内で取り組む事業者も出てきています。 また、改正法の中には、設計人材不足についても触れられていますが、本県では、中小造船の設計人材が不足し、大手造船の設計人材は過剰となるアンマッチも生じ、設計人材不足も県内造船業の課題です。 今回の海事産業強化法案が改正され、今後、費用面などのインセンティブも期待されます。かつてない造船業の再編の中、県内造船業の事業者と一体となって、改正法を活用した取組を進めるべきと考えますが、改正法の見解と併せて、設計人材不足の見解をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(廣田義美君) 県におきましては、日頃から県内造船事業者と意見交換を行うなど、きめ細かな支援施策の構築に努めており、昨年度の補正予算におきましても、造船業を含む県内企業の設備投資等に対する支援措置を講じてまいりました。 一方、国においては、海事産業の基盤強化に向けた法改正を行い、資金融資や税制特例措置等の支援措置を新たに講じておりますが、県内造船事業者からは、「設備投資等への補助支援がなく、十分な支援内容ではない」との指摘を伺っていることから、県において、設備投資等への支援強化を図ることといたしております。 今後とも、国の支援施策の動向を注視しつつ、各事業者の状況等も踏まえながら、必要な支援を検討してまいりたいと考えております。 次に、設計人材の不足についてのお尋ねでございますが、国においては、造船業の持続的発展に向けた課題の一つとして、設計など専門人材の育成が不可欠とされており、また、県内造船事業者からも、「設計人材が不足している」との声を伺っております。 そのような中、県では、規模拡大を目指す造船事業者に対して、設計人材をマッチングするほか、人材育成に要する研修や講師派遣等の経費についても支援を行っているところであります。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 昨年6月定例会で製造業の支援を要望し、答弁をいただきましたネクストステージ補助金が実施されました。今議会では、第3弾が予算議案となっております。 また、昨日の長崎新聞一面でも、「海事産業強化法改正」において、大島造船所が全国4者の計画認定制度で認定されたとの報道がなされました。 本県の造船業の未来についても、今後も、関係者と県とも連携しながら進めてまいります。 ②「ながさき海洋・環境産業拠点特区」を活用した県の港湾施設での造船業の振興。 県内造船事業者や組合の方々から、県の港湾施設を活用して造船事業ができないかとの要望を受けております。ぜひとも前向きな検討を願うところですが、県のご見解をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 産業労働部長。
◎産業労働部長(廣田義美君) 県におきましては、基幹産業である造船業の技術力と海洋県としての地理的特性を活かして海洋・環境産業の振興を図るため、国から地域活性化総合特区の指定を受け、地域経済の活性化に取り組んでおります。 これまでの実績としては、工場間を結ぶ公道での鋼材運搬に係る規制緩和をはじめ、補助金の優先採択による財政支援や利子補給制度による金融支援など、企業活動に対する支援措置が講じられてきたところでございます。 この特区制度活用に当たっての国への新たな要望事項につきましては、県内造船企業等の関係団体からなる「地域協議会」に諮ったうえで、国と協議してまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 土木部長。
◎土木部長(奥田秀樹君) 県が管理する岸壁などの港湾施設は、貨物の荷役や乗客の乗降などを目的に整備しており、港湾法において、一般公衆が利用できる状態にしておく必要があると規定されています。 このため、現状では、造船工事のように特定の事業者に対して、県が管理する岸壁などを長期にわたり独占的に使わせることはできないと考えています。(発言する者あり)
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 県内事業者の皆様から要望をいただきまして、もしも県内で使わない県の港湾施設があれば、そこを少しでも活用させていただいて、艤装工事であるとか、そういった工事をできないかというようなご要望をいただいております。 しかしながら、本当に土木部、産業労働部、長い時間をかけて検討いただきました。個別具体がなかなか明確ではないので回答が難しいということで、調整をしてまいりましたけれども、引き続き、事業者の皆様と要望を整理して、改めて求めてまいります。 (3)養殖業推進に向けた県産魚ブランド化。 ①今後の養殖業に関する県の見解。 本県は、九州の中でも沿岸漁業、沖合漁業などの天然漁業の割合が他県に比べて高い一方、世界的には養殖業生産量が天然漁業漁獲量を超え、養殖業が急成長しています。 日本においては、養殖業は、利益が低いため、経営体数と養殖生産量ともに年々減少しています。本県では、近年、クロマグロの養殖生産量が大きく伸びるも、全体の生産量は横ばいです。 日本で養殖業が成長産業とならないのは、経営規模が小さい事業者が多く、スケールメリットが得られないことが原因と考えられています。 しかし、沿岸で比較的安全に取り組むことができ、世界において成長産業と言える養殖業の発展は、水産業を取り巻く市場において、漁業人口を増やす意味合いにおいても、本県において非常に重要と考えます。 経営規模が小さく、事業者数が多い本県において、養殖業をどのように発展していくのか、ご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 水産部長。
◎水産部長(斎藤晃君) 本県では、大小多くの養殖業者が、様々な種類の養殖を県内各地で行っており、小規模多数のデメリットを補うため、県内19か所の地区で養殖業者がグループをつくり、「養殖産地育成計画」を策定し、量販店の需要に応じて、餌やサイズなどを統一した養殖魚を共同で生産するなど、生産体制の強化やコスト削減、販売促進に取り組んでおり、県は、その実践を支援しているところでございます。 引き続き、養殖業の成長産業化に向け、関係者と連携しながら、養殖産地の各種取組を推進してまいります。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 養殖業従事者も高齢化により、漁業権を手放す人も増えていると聞きます。 空き漁場を適切に管理し、新たに養殖場となり得る海面の調査と整備を行い、参入障壁の課題にも切り込むなど発展的な方向へのかじ取りを求め、次の質問に移ります。 ②県産柑橘類を活用した養殖魚の生産拡大と農水連携したブランド化に向けた県の姿勢。 柑橘を魚の餌に添加したフルーツ魚の取組を県下で拡大していくために、私も現在取り組んでいます。 鮮魚の輸出に関わる方や大手量販店のバイヤーの方々にお話を伺うと、普通の長崎県産の鮮魚より、わかりやすいブランド力を持った魚の方がはるかに売れゆきがよいようです。 先日、縁あって、長崎市特融の柑橘である「ゆうこう」を餌に添加した「ゆうこうシマアジ」の販売に関わりました。ノーブランドのシマアジの1か月の販売量を、わずか1週間で売り切ることができました。特徴ある養殖魚というブランド力が販売促進に必要だと痛感しました。 同じくフルーツ魚として、大分県には、県と県漁連の共同の取組である「かぼすブリ」という大きなブランドがあります。かぼすパウダーの生産量を勘案し養殖業者に供給するなど、大分県主導で管理しています。また、全国に対して「かぼすブリ」を熱心に売り込み、全国で天丼チェーンを展開するてんやに、大々的に「かぼすブリ」が期間限定メニューとして販売されました。 また、香川県では「オリーブハマチ」を生産しています。香川県と県漁連が生産委員会を設置して、原料の提供から生産規定の制定、また出口の確保までを協議しています。 既に県内各地で、平戸の「なつ香ぶり」、雲仙や五島の「びわ茶ぶり」をはじめ、「ハーブまだい」などブランド養殖魚を生産する事業者がいます。 こうした取組をさらに後押しするとともに、競争力を持った生産事業を目指す事業者が取り組めるよう、県としても大義がある農業と水産の連携、長崎県の大地の恵みと海の恵みを掛け合わせた養殖魚のブランド戦略を立てることを提案します。 安心・安全な養殖魚であることを示すために制定された県の適正養殖事業者認定制度の加入を条件として展開すれば、消費者の方々に魚の安心・安全を担保できます。 本提案について、ご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 水産部長。
◎水産部長(斎藤晃君) 現在、県内各地で農業者の協力を得て、柑橘類やびわ、ハーブなどの原料を餌に添加した特徴的な養殖魚の生産が行われており、本県といたしましても、餌へ添加する技術の開発や量販店への販売促進などの取組を支援してきたところでございます。 また、平成16年からは、安全・安心な養殖魚を適正に生産する履歴が確認できた養殖業者を認定する制度を全国に先駆けて運用し、養殖魚の品評会などによりPRに努めてまいりましたが、今後、さらなる販売促進についての取組が必要であると考えているところでございます。 このため、本県の認定を受けた養殖業者が生産した養殖魚にフルーツ魚のような特徴を加えてPRするとともに、農業関係者とも連携を図りつつ、県内の魚類養殖関係団体などと取組を進めてまいります。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 養殖事業者が取り組みやすい環境を整え、特徴あるブランド力を持つ養殖魚を生み出していくことを求め、次の質問に移ります。 ③ブランド推進事業の方向性と主体となる協議体。 参加する事業者が安心して生産できることが重要です。つくっても売れないのでは参加できません。販売出口での戦略を立て、市場を把握する必要があります。必要量を明確に示せば、安心して参加し、生産できるものと考えます。 そこで、お尋ねします。 県として出口戦略を立て、需要と供給の分析の把握に努めたブランド戦略立案は可能か、その場合はどのような協議体において進めていくべきか、ご答弁願います
○議長(坂本智徳君) 水産部長。
◎水産部長(斎藤晃君) 国が策定いたしました基本戦略におきましても「マーケットイン型養殖業の推進」が掲げられており、県といたしましても、市場の需給状況を見据えた養殖生産への転換を積極的に進める必要があると考えております。 具体的には、マーケットインの考えを取り入れた松浦市内の養殖業者、これに漁協、県、市も入りまして構成する「ほしかタイ養殖産地協議会」が、地元量販店内に向け生産している「ハーブまだい」のように、各養殖産地協議会が中心となった販売支援策の取組を支援してまいります。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 産地協議会は、その発展性において、現状のままでは課題があるように見受けられます。産地協議会がさらに有効に機能するため、地元の販売店などがメンバーになるなど、実際にマーケットインの議論ができ、地元全体としてブランドが育てられるような弾力的な組織構成を各漁協に提案するなど、県の戦略面でのリードを要望します。 何より水産県長崎の名を全国にとどろかせる、さらに活発なブランディングが行われていくことを求め、最後の質問に移ります。 6、広島高裁「黒い雨」被爆者健康手帳交付請求等訴訟判決の首相談話を踏まえた知事の決意。 (1)本県被爆体験者等の認定・救済に向けた、長崎市と一体となった国への要請。 本県にも、広島の「黒い雨」体験者と同様に、被爆地域の外にいたものの、原爆による健康影響への強い不安を抱え、今もなお苦しむ被爆体験者がおられます。長崎市と一体となり、粘り強く認定、救済を国に要請すべきです。 知事の決意をご答弁願います。
○議長(坂本智徳君) 知事。
◎知事(中村法道君) 国は、去る7月27日、「黒い雨」訴訟に係る広島高裁判決に対して、上告を断念する方針を示されるとともに、「84名の原告と同じような事情にあった方々については、認定し、救済できるよう早急に対応を検討する」旨の首相談話を発表されたところであります。 一方、長崎における被爆体験者に係る訴訟については、「黒い雨」訴訟とは区別し、「裁判の行方を見守りたい」との考え方が示されたところであります。 そのため8月2日、厚生労働省に対して、長崎県、長崎県議会、長崎市及び長崎市議会の連名によりまして、長崎の被爆体験者等も、広島の「黒い雨」体験者と同様に認定、救済の方向で検討していただくよう、強く要請を行ったところであります。 今後とも、長崎市とも連携しながら、広島の「黒い雨」体験者と同様に、被爆地域の外におられたものの、多くの疾病と原爆による放射性降下物による健康影響への強い不安を抱え、今なお苦しみ続けておられる本県の被爆体験者等についても救済への道を開いていただくよう、国への要望を重ねてまいりたいと考えております。
○議長(坂本智徳君) 中村泰輔議員-4番。
◆4番(中村泰輔君) 長崎市に生まれ育った者として、改めて強く求める次第でございます。 今回は、産業振興について、主に質問いたしました。良質、安定した雇用により人口減少を止め、所得増により福祉、教育を支える。大変難しいですが、頑張ってまいります。 本日はありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本智徳君) 本日の会議は、これにて終了いたします。 明日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行します。 本日は、これをもって散会いたします。 -午後3時46分 散会-...