佐賀県議会 2022-11-16
令和4年総務常任委員会 本文 開催日:2022年11月16日
最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前十時 開議
◯八谷委員長=ただいまから
総務常任委員会を開催いたします。
本日の審議に当たりまして、お手元に本委員会に付託された全議案一覧及び執行部提出による議案の説明要旨と請願・陳情に対する現状と対策を配付しております。
それでは、これより質疑に入ります。通告に従い順次発言を許可します。
2 ◯武藤委員=おはようございます。日本共産党の武藤明美でございます。私は、三問通告いたしておりますので、よろしくお願いいたします。
まず第一に、
交通事故防止のための横断歩道等の標示補修についてです。
十一月九日、佐賀市では一斉交通指導の日として、私も地域の役員をしておりますので、街頭に立って交通指導を行いました。高校生の無灯火は大分減ってきたんですけれども、大人の方の無灯火が結構あったりとか、いまだに携帯を見ながら動いているというような人もいらっしゃったわけです。声かけをしながら、やっぱり皆さんに安全にお家に帰りなさいよというような呼びかけをさせていただき、改めて、
交通事故防止を強く願ったところでした。
今、
人身交通事故や
交通死亡事故が増えてきたなということを思っております。本当に私たち県民が一丸となって、この問題に取り組んでいかなければならないというふうに思った次第です。
しばらくは、これらの発生件数は減少傾向にあったと思っていたんですけれども、特に、ここわずか一カ月くらいの間に六人もの尊い命が失われたという事態がありました。今、県内全域で
交通死亡事故多発警戒、今日までですか、そういう週間というふうなことで発令されておりますけれども、横断歩道を横断中の歩行者が事故に遭うとか、夕暮れ時に事故が発生しているとのことをお聞きしております。地域の方からも意見が寄せられたり、私自身もはっとするような瞬間があったりというふうなこともございます。
それで、この交通事故の問題で皆さん方の対応をお聞きしたいと思っております。
まず、停止線等も含めてですが、道路標示の実際の本数がどれぐらいあるのかということとか、それから、予算がどんなふうに推移してきたのかについてお聞きしたいと思っております。お願いします。
3
◯原口交通規制課長=まず、横断歩道等の道路標示の予算額についてお答えしたいと思います。
県公安委員会及び警察が設置管理しております
交通安全施設には、信号機、
道路標識・標示、それから
交通管制システム等がございます。これらの中で横断歩道をはじめとする道路標示を整備するための予算額につきましては、令和三年度が約七千九百万円、本年度は約七千八百万円でありまして、昨年度と本年度はほぼ同一に近い額となっております。
また、横断歩道の設置数につきましては、本年十月末現在で
県公安委員会が設置管理している横断歩道は約一万九百本であります。そのうち信号機がある交差点に設置している横断歩道は約四千六百本、それから信号機なしの交差点や単路に設置している横断歩道は約六千三百本ございます。
以上でございます。
4 ◯武藤委員=今、予算額についてもお示しいただきましたが、令和三年度と令和四年度は国の補助事業も入っているようにお見受けするんですけれども、これは何か理由があるんですか。
5
◯原口交通規制課長=補助事業についてお答えいたします。
令和四年度の予算額につきましては、補助事業といたしまして三百二十四万円ほど計上させていただいております。これは横断歩道を渡る視覚障害者の安全性及び利便性の向上を図るための、いわゆる
エスコートゾーンというものを設置するための整備費でございます。
エスコートゾーンについて若干御説明申し上げますと、横断歩道を渡る視覚障害者の安全性及び利便性を向上させるために、視覚障害者が横断時に横断方向の手がかりとする突起帯の列を
エスコートゾーンと言っております。
以上でございます。
6 ◯武藤委員=ありがとうございます。
それで、
先ほど横断歩道等の設置数もお聞きしましたが、横断歩道等の補修ですね。本当に夜、見えにくかったり、雨の日に光って見えなかったりということで、はっとするようなことを本当に何度も経験するわけです。ほかの方からも、見えにくいけん何とか補修してほしいねと。たくさん設置してあるということも分かりますけれども、交通事故を防止するためには、そういった補修も必要なのではないかと思いますので、横断歩道や停止線等の補修状況、現状がどんなふうになっているのかをまずお聞きしたいと思います。
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◯原口交通規制課長=横断歩道等の補修状況についてお答えいたします。
横断歩道や一時停止線などの道路標示につきましては、その性質上、車両が通過する動線上に設置されますので、中央線などと比べて磨耗が早く、薄くなりやすいことから、定期的な補修が必要となります。
県警察では、横断歩道の補修について、これまで平素の警察活動や期間を定めての重点点検、あるいは地域住民の要望を通じて磨耗した箇所の把握に努めており、その中から視認性に問題が生じているなど緊急性の高い箇所から順次補修を進めてきたところでございます。
しかしながら、補修すべき箇所の把握漏れが散見されましたので、昨年の令和三年及び本年は一月から五月までの四カ月間を費やしまして、
横断歩道標示等の特別点検を実施しております。
この特別点検は、県内全ての横断歩道、それから一時停止線、横断歩道ありのひし形マークの予告標示を写真撮影しまして、磨耗状況を客観的に判別できるソフトを用いることにより、磨耗が大きい順にAからEまでの五段階にランク分けを行っております。例を申し上げますと、Aランクは九〇%以上、Bランクは七五%以上、Cランクは五〇%以上の磨耗を基準に区分しております。
このうち特に補修の緊急性と必要性が高いAランク及びBランクにつきましては、全て年度内に補修を行っております。また、Cランク以下であっても通学路に位置するものや県民の要望等を受けまして、現場の交通状況を確認した結果、補修の必要性が高いと認められた場所につきましては、できる限り年度内に補修を行うこととしております。
このようにして、昨年度は約四千八百本の補修を完了し、本年度は約三千四百本の補修をすることとしており、本年度末までに全ての
補修必要箇所の施工が完了予定でございます。
以上でございます。
8 ◯武藤委員=昨年度と今年度の補修の状況や補修の緊急性をお示しいただいたんですけどね、全部を点検されて対応せんといかぬということで大変だとは思うんですけれども、やはり横断歩道等の
標示補修整備、これは大事なことだし、一歩間違えば命に関わってくるような問題でもありますので、皆さん方にはしっかりと取り組んでいただきたいと思うわけですが、それについてはいかがお考えでしょうか、どういった決意をもって進めようと思ってらっしゃるんでしょうか。
9
◯原口交通規制課長=今後の取組の決意についてお答えいたします。
交通の安全を確保するためには、道路標示の整備充実が必要不可欠でございますが、道路標示は、日々、磨耗が進んでいくことから、定期的な点検により、補修箇所の確実な把握に努めるとともに、磨耗の状況や通学路などの交通の状況を確認した上で、交通事故の発生状況、県民の要望などを総合的に判断し、特に緊急性の高い箇所から重点的に順次補修を行うなど、効果的、効率的な整備を推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
10 ◯武藤委員=ありがとうございます。その立場でお願いしたいと思うんですけれども、令和三年度より前の平成三十一年度とか令和二年度とかは一億円を超えた事業費です。それから見たら昨年度も今年度もちょっと少ないかなと思うので、そのあたりも配慮していただいて取り組んでいただきたいと思いますけど、それについてはどうお考えでしょうか。
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◯原口交通規制課長=道路標示の補修につきましては、交通規制の効力を確保し、交通事故を防止するためにも必要不可欠なものでございますので、道路標示の点検を確実に実施して、これを基にした計画に基づきまして、引続き必要な予算を確保して補修に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
12 ◯武藤委員=では、よろしくお願いしておきます。
次に、二番目の
会計年度任用職員制度についてです。
臨時や非常勤職員を適正に任用し、勤務条件を確保するために、平成二十九年五月に
地方公務員法及び地方自治法が改正されました。その結果、令和二年の四月から
会計年度任用職員制度が施行されました。つまり佐賀県では、古川行革によって県職員が約五百人削減という方針が立てられ、結果的に、それまで以上の臨時や非常勤職員が増えていったということが言えるのではないかと思います。全国的にも
自治体リストラのあおりを受け、非常勤職員の数が増えていったというのは事実だと思います。本来、正規職員を増やすようにしていくべきだというふうに考えておりますが、現実的には実際の制度として採用されている
会計年度任用職員さんの処遇についても、よりよい方向へ対応していくべきだと思っております。なので、現状についてお聞きしていきたいと思います。
まず、職員数ですが、知事部局だけでも結構ですので、この制度が施行された令和二年度以降、
会計年度任用職員と正規職員の職員数はどのように推移しているでしょうか、御答弁をお願いします。
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◯岸川行政経営室長=お答えいたします。
知事部局におきます
会計年度任用職員と常勤職員の数でございます。
各年度の四月一日時点で、令和二年度は
会計年度任用職員が八百九十二人、常勤職員が二千九百九十六人、令和三年度は
会計年度任用職員が九百四十九人、常勤職員が三千人、令和四年度は
会計年度任用職員が千六人、常勤職員が三千三十六人となっております。令和二年度と比べまして令和四年度は
会計年度任用職員が約百十人増えておりますけれども、この多くは
新型コロナウイルスの感染拡大で新たに発生した事務や、
新型コロナ対応業務を行うために健康福祉部に応援職員を出した所属の事務のサポートをしていただくために増員したものでございます。そのほか令和元年、令和三年の豪雨災害で新たに発生した事務のサポートも必要なことから増員を行ったものでございます。
以上でございます。
14 ◯武藤委員=令和四年度が増えているということでは、今の御説明で了解しました。
しかし、それにしても令和二年度、令和三年度を見ていくと、令和二年度は二九・七%が
会計年度任用職員さんです。それから令和三年度では三一・六%が
会計年度任用職員さんです。県の知事部局の中で約三割が
会計年度任用職員さんだということが分かります。ちょっと余りにも多いんじゃないかなと、三割ですね。やっぱり本来ならば正規職員をきちっと充てていくべきですし、その分の採用をちゃんとしていただく必要があるんじゃないかと思います。
ただ、
会計年度任用職員さんは頑張っていらっしゃいます。本当にありがたい存在だと思うんですけれども、
会計年度任用職員の任用期間はどのようになっていますか。また、再度の任用ということもできるんでしょうか。
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◯岸川行政経営室長=
会計年度任用職員の任用期間は、採用の日からその日が属する年度の三月三十一日までの範囲内の期間になっております。
しかし、同じ方を同じ所属で引続き任用する必要がある場合は、客観的な能力の実証の結果を踏まえまして、三年を超えない範囲で再度任用することができるようにしております。
また、業務の特殊性などから三年を超えて再度任用する必要がある場合は、関係所属と協議を行いまして、所属の業務が滞ることがないように柔軟な対応をさせていただいております。
以上でございます。
16 ◯武藤委員=柔軟に対応しておられるということで、本当に頑張っていただいている方たちに対する、それが評価だというふうにも思うんですけれども、一般的に考えると、一年で仕事に慣れて、二年、三年で力が発揮できるというふうな仕事の慣れの状況になってくるかと思うんですけれどもね。総務省のマニュアルでは、長期にわたって継続して勤務できるといった誤解を招かないようにというふうなことで述べてあるんですけれども、やはりそういう抑制する方向ではなくって、その方たちの力を発揮できるような、そういう対応も必要ではないかと。今、御答弁にあったような柔軟な対応ということが必要ではないかなというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思っています。
新しい人に入れ替えるということになっていけば、職場によっては、なかなか回っていかないといったようなこともあり得ると思います。本当にそのあたりをしっかりと柔軟な対応ということで皆さん方も心がけていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、期末手当についてです。
令和四年十月に人事委員会から正規職員の勤勉手当を〇・一月引き上げる内容の勧告が行われました。でも、
会計年度任用職員には期末手当しか支給できないというふうになっています。その取扱いについては、どのようなものなんでしょうか。
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◯岸川行政経営室長=地方自治法の規定によりまして、常勤職員のボーナスには期末手当と勤勉手当がございます。これに対し
会計年度任用職員は期末手当のみとなっております。
今回、
人事委員会勧告に鑑みまして、常勤職員については、勤勉手当を〇・一月分、引き上げることとしております。
会計年度任用職員につきましては、勤勉手当は支給されないものの、常勤職員のボーナスを引き上げるのであれば
会計年度任用職員も引き上げることが適当と考えまして、
会計年度任用職員の期末手当を〇・一月分引き上げることといたしました。
そのほか、
会計年度任用職員の待遇といたしましては、その方の経歴に応じて給与月額を設定したり、また、常勤職員に応じた休暇を付与するなどいたしておりまして、
会計年度任用職員さんが働きがいを持って、また、安心して働けるように、そういう環境をつくっているところでございます。
18 ◯武藤委員=国の非常勤職員は、
期末勤勉手当も出されているというふうに聞き及んでおります。県の
会計年度任用職員にも勤勉手当の相当分を支給していくことが大事なのではないかなというふうにも思うんですけれども、そのあたりはどんなふうにお考えでしょうか。
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◯岸川行政経営室長=
会計年度任用職員への勤勉手当等の支給につきましては、総務省の方でも今検討されておりまして、今年度中ぐらいをめどに、その結論を出したいということを伺っておりますので、その国の動きを注視したいと思っております。
20 ◯武藤委員=国の動きとの関連もあってということなので、そこは皆さんのお気持ちを尊重しながら、働いていらっしゃる現場の方たちの実情もしっかりと評価していただきたいというふうに思っているんです。
会計年度任用職員は、県の様々な部署に勤務しておられます。日頃から頑張っておられる姿にも接しているわけですけれども、三割の存在となって、自治体行政を支えておられる、そういう状況がこの佐賀県内でもあるわけですね。
ですから、本当に自治体行政を支えている重要な担い手というふうに私は思っております。県は、この
会計年度任用職員さんのことについてどのような認識を持っておられるのか、改めて部長にお聞きしたいと思います。
21
◯甲斐総務部長=
会計年度任用職員の役割についてどのように認識しているかという御質問でございます。
会計年度任用職員の業務というのは、一般的な事務のサポートのほか、例えば
試験研究機関で農作物などの管理をしたりですとか、
吉野ヶ里遺跡で発掘作業をしたりなど、多岐にわたって様々な分野で御活躍いただいております。
また、このところずっと
新型コロナウイルス感染症対応ということでやってきているわけなんですけれども、関連業務のサポートとして各
保健福祉事務所で行う疫学調査や検査、
宿泊療養施設の入所者対応ですとか、産業労働部で行う事業者への
支援金給付事務など、こういった業務のサポートを行っていただいているところでございます。
まさに多くのいろんな分野で、現場で、チーム佐賀、
オール佐賀県庁として常勤職員と一緒に活躍いただいている大切な存在だというふうに思っております。
県民の皆さんのニーズですとか抱えている課題というのが多様化しております。ですので、暮らしに寄り添った施策ですとか、必要となる施策を前へ進めていくために
会計年度任用職員の皆さんとともに、一緒になって、こういったことに取り組んでいきたいと考えております。
私からは以上でございます。
22 ◯武藤委員=佐賀県の行政の様々な分野で頑張っていただいている、そういう
会計年度任用職員さんに対する評価を部長からお聞きいたしました。やはり三割というと相当な人数だと思いますので、本来ならば正規職員をもう少し雇用していくべきだと私は思いますけれども、今の段階では、この
会計年度任用職員さんたちがその役割を果たしておられるという中で、本当にもっと評価をしていただきたいなという思いでおりますので、今の部長の御答弁、本当に心強く思いました。よろしくお願いしておきたいと思います。
次に進みます。佐賀空港への
オスプレイ等の配備計画についてです。
十一月十日、
県議会一般質問の最終日の夕方ですが、井野防衛副大臣が佐賀に来られました。どのような目的で知事を訪問されたのでしょうか、お示しください。
23
◯森政策部調整監=防衛副大臣の訪問目的についてお答えいたします。
知事との面談では、井野防衛副大臣からは、今回、有明海漁協が
公害防止協定覚書付属資料の変更を受け入れるとの判断を行うに当たって、県がそれまでいろいろな調整を行ってきたことに対する謝意を伝えられました。あわせまして、排水対策を含めて地域の不安や懸念に対して、しっかりと対応していく旨の発言があったところでございます。
24 ◯武藤委員=知事のほかに、もちろん議長にも会われたわけですけれども、ほかにどんなところに行かれたんでしょうか。
25
◯森政策部調整監=副大臣の御訪問先についてお答えいたします。
県に来られる前に有明海漁協のほうに訪問されております。そして、県の後に佐賀市さんを訪問されて市長及び議長さんに面会をされているというふうに聞いております。
以上です。
26 ◯武藤委員=先ほどの御答弁にもあったわけですけど、副大臣は、知事の行動について調整をしていただいた、それに対する謝意もあったというふうにおっしゃいました。その調整というのは、どんなことを、何をされたんでしょうか。
27
◯森政策部調整監=調整につきましてお答えいたします。
昨年の十二月に漁協のほうから三条件が示されまして、それが解決すれば見直すという回答文書をいただきました。その後、県のほうも、漁協と防衛省の間に入って排水対策等様々な調整をしてきた、こういったことに対する謝意というふうに受け止めております。
以上です。
28 ◯武藤委員=知事がいろんな場面に乗り込んでいったというのは報道でも知っているわけですけれども、知事は、防衛省にこのように要請していますね、十一月十日に。漁協の気持ちに寄り添いながら排水などもしっかりと取り組んでいただきたいというふうな要請をしておられるわけです、漁協の気持ちに寄り添いながらと。漁民の暮らし、漁民の気持ちに寄り添いながらというのが、本来あるべき姿じゃないかと思うんですね。しかも、漁協の気持ちに寄り添いながらと、はっきり言って、誰がそんなことを言えるのかというふうに私は思うんです。
知事は、果たして丁寧な対応をされたのか。防衛省に丁寧にやってほしいと、責任を持って言えるのかと、私はそう思いますよ。丁寧な取組というのは、知事は実際はしてないじゃないですか。ノリの漁期の忙しい直前に漁協に乗り込んでいく、そういうことをしながら、防衛省には丁寧にやってくれと、本当にあきれました。どういう意味で、寄り添いながら丁寧にやってくれっていう言葉を使われたんでしょうか、御存じですか。
29
◯森政策部調整監=防衛省副大臣に対して寄り添ってしっかりやってくれと言ったその意味でございますが、今回の有明海漁協の決断は、それまで様々な御意見がありました。国防の大切さは分かっていただきつつも、公害防止協定を結んだ先人たちへの思いでありますとか、有明海漁協の環境に対する不安、あるいは諫早湾干拓問題での国への不信、そういった様々な御意見がありました。そういう葛藤の中で今回重い決断をいただいたということを防衛省としてもしっかり受け止めて、排水対策等しっかり対応してほしいということを副大臣にお伝えしたというふうに考えております。
30 ◯武藤委員=急がせたわけですよ、知事は。漁協に対して
公害防止協定覚書付属資料の見直しを早くやってくれというふうなことを急がせているわけですね。なぜか、組合長が来年、改選期でもあるから。今の組合長のうちにやらせてしまえというような考えがあったからじゃないですか。十一月一日に漁協は検討委員会を開いて公害防止協定の見直しを決められました。知事が漁協を訪問し、最終判断を迫ったからですよ。
十月二十四日に知事は訪問してますよね。知事の手元には、九州防衛局からの回答書があったわけです。この回答書、いつ県に届いたんですか。
31
◯森政策部調整監=二十四日の時点では、議員御指摘の回答書は届いておりませんで、この御質問の回答書については、令和四年十一月一日、今月一日に九州防衛局のほうから届けられました。
以上です。
32 ◯武藤委員=十一月一日に組合長が知事に会いに来られましたよね。そのときに知事は持ってたということですか。
33
◯森政策部調整監=その時点では県庁のほうに届いております。持っております。
以上です。
34 ◯武藤委員=それにしては、十月二十四日に知事が漁協に行って熱く語って、自信を持って任せてくれと言えるような、そういう話す根拠があったということですかね。
35
◯森政策部調整監=この内容につきましては、従前から漁協と相談して、そして防衛省とも調整しながら進めておりまして、二十四日の時点でも考え方としては防衛省のほうから示されておりました。
以上です。
36 ◯武藤委員=では、考え方は防衛省は示していて、文書化したのを持ってきたのは十一月一日ということなんですか。
37
◯森政策部調整監=そのとおりでございます。
38 ◯武藤委員=では、内々に知事にそういう方向が示されていたということが分かりました。届いた回答書を見て、あるいは事前に知らされていたことを見て、これは十分、漁業者の要望に応えられるものになっているというふうに思われたんですか。
39
◯森政策部調整監=この回答の内容についての県の考えについてお答えいたします。
七月及び八月の検討委員会でありますとか、八月下旬から九月に開催された六支所の組合員説明会におきまして、有明海漁業への影響を心配する声でありますとか、防衛省の排水対策等への懸念の声がございました。
そうした漁協や組合員の方々の不安や懸念を少しでも払拭するために、漁協と相談しながら、県において、それらを懸念事項として取りまとめ、九州防衛局に対して明確な対応を確約するように求めたものでございまして、これについて防衛局のほうからしっかり回答していただいたというふうに考えております。
40 ◯武藤委員=今、しっかり回答していただいたと思いますというふうに森さんはおっしゃいましたけれども、しっかり回答したものになっているんだろうかと、私は不思議でたまりません。
内容を見ると、まず排水問題があります。排水先について西側と東側から分散して排水を行う、あるいは適切な比重、国造搦が十八以上、平和搦が十四以上となるように調整を行うというようなことが書かれているんですけれども、こういったことは六支所の漁業者の皆さんに対して説明会をしたときに、参加した人たちから出された意見、要望なんですね。
それをきちんと行うということを言っている。それは、言われたことをちゃんとするのは当然のことなんですけど、果たしてそれでいいんだろうか。専門家を交えて検討したというふうには、とても考えづらいと思います。漁業者の人は、自分たちが肌で感じていることを言われたというふうに思うんですが、科学的な裏づけなども必要だと思います。なぜなら日本一のノリの生産地だからです。
さらに言えば、ノリだけでなく、魚種でいっても本当に豊富さを誇れる有明海だから、もちろん、漁業者の人は肌身で感じているから、それをちゃんと行うということは大事なことだし、そうしてほしいんです。専門家の意見もちゃんと聞かなければならないんじゃないかというふうに思うんですけど、専門家からの意見をもらったんですか。それは国へ確認されたんでしょうか。
41
◯森政策部調整監=防衛省には技術の専門家もおりますし、これまでの検討の中でも、県から担当部局の専門職員等も入って検討もしてきました。そういうことで、当然、防衛省におきましては、しっかり実現可能かを検討した上で回答いただいたものというふうに考えております。
42 ◯武藤委員=防衛省は、漁業者の人が言ったことをそのまま書いたということではなくて、本当に裏づけを取ったと思われるんですか。本当に裏づけを取ったと、皆さんはちゃんと確信を持って言えるんですか。
43
◯森政策部調整監=当然、防衛省においては、しっかりと実現可能かを検討した上で回答いただいているというふうに考えております。
44 ◯武藤委員=例えば、有明海の専門家である有明水産振興センターだとか、あるいはこれまでも有明海問題で、ずっと学者としていろんな意見をあらゆる場で述べてこられた熊本のほうの専門の先生だとか何人もいらっしゃいますよ。比重の問題だとかも専門家の人たちがいらっしゃいますよ。そういう人たちを総動員して、ちゃんと自信を持って防衛省がそういう答えを出したと言えるんでしょうか、そうなってないと思いますよ。
45
◯森政策部調整監=比重のお話が出ました。この回答書の中では、その海水混合の排水については、有明水産振興センターと協力してノリ養殖に影響がないよう、適切な比重での排水となるよう調整を行うということで有明水産振興センターと協力していくということを明記をしてあられます。
以上です。
46 ◯武藤委員=それは今後のことでしょう。この回答書を出すまでの間に防衛省が責任を持っていろんなことを調査して、この回答をちゃんと出そうというふうになったのかどうかですね。私は、漁業者が支所での説明会で言ったから、それをちゃんとやりますよと書いたと、その程度にしか思えてならないんですよ。漁業者の人たちが言ったこと、それは大事なことだけれども、責任を持って一つの国の省庁がですよ、そういうこともしていないということであるなら大問題だし、こういった回答書を、安易に信頼できないと漁業者の人たちは思うんですよ。
皆さんたちは、そういう信頼関係を築かなきゃいけないのに、そういうふうな努力がされたかどうかも投げかけていない。おかしいじゃないですか。
47
◯森政策部調整監=お答えいたします。
我々は、様々な説明会等で、様々な御意見をいただきまして、そうした意見を踏まえて組合員の方々の不安を少しでも払拭したいということで防衛局にお願いして、防衛局のほうから責任を持った回答をいただいたというふうに受け止めております。
48 ◯武藤委員=それに加えてさらに言えば、防衛省のこれまでの三条件に関する言い方と、この回答書の内容が変わってきてます。
一つは、計画予定地の西側の土地についてです。防衛省も将来的ニーズがどうなのか、省としてどうなっていくのか、地権者の意見も聞いておきたいというふうにこれまでは言ってきたんです。ところが、この回答書では隣接する西側の土地を購入する、このように言い切っています。これはどういうことですか。
49
◯森政策部調整監=説明内容の変化についてお答えいたします。
先ほども申し上げましたとおり、七月、八月の検討委員会、あるいは六支所組合員説明会で示された防衛省の考えに対して、組合員の方々から様々な意見や要望がございました。
防衛省において、そうした漁業者の懸念を踏まえて検討した結果、説明内容に変化があったものというふうに考えております。
具体的に先ほど西側のことについてお尋ねがございました。計画予定地西側の土地購入についても検討委員会などで、もっと明確にしてほしいと、明確に言ってほしいと、こういう御意見がございました。こうした御意見を受けまして、防衛省において検討した結果、説明内容が、議員が言われたように変わったものというふうに考えております。
50 ◯武藤委員=県は、そのことをあらかじめ聞いてたんですか、知ってたんですか。
51
◯森政策部調整監=あらかじめというのがどの時点か分かりませんが、この回答書にそのように防衛省が考えを、購入する意思があるというふうに記載をしたということを確認したところでございます。
52 ◯武藤委員=その確認したというのは、いつのことですか。十一月一日に文書が来たときですか、それとも十月二十四日に知事が事前に知らされていながら漁協に行ったという時点で、知事の頭の中にはそれがあったんでしょうか。そういうふうにあらあら話を聞いていたから、知事はそのことは事前に知っていたし、皆さん方も知っていたということなんですか。十一月一日に初めて文書でそれを知ったということになるんですか、どっちですか。
53
◯森政策部調整監=先ほども御答弁しましたように、十月二十四日の時点でも防衛省のほうから考え方は聞いておりまして、そこで西側の話についても、県のほうも、そういう考えであるということは認識をしていたところでございます。
54 ◯武藤委員=認識をしていたという御答弁でしたけど、皆さん方はそれを知って、あるいは認識して、どう思ったんですか。基地の規模がどんどん大きくなるという心配はなかったですか、どうですか。
55
◯森政策部調整監=先ほどの答弁を補足しますと、認識はしていたと。ただ、文書としては一日に来たということでございます。
それから、基地の規模ということでございますが、従前から防衛省は自衛隊の教育訓練などを目的とした活用が見込まれるというふうに言っておりまして、直接これが基地の規模とリンクするものではないというふうに考えております。
56 ◯武藤委員=皆さん方のそういう甘い判断が住民に不安を与えているというふうに指摘せざるを得ません。
いいですか、防衛省は、最初三十二ヘクタール必要と言ってたんです。それがいつの間にか三十五ヘクタールというふうに変わって、環境アセスはどうかと言うと、単なる保安用地なので環境アセスに関係ないというふうなことを言い出しました。そしてまた今回、残りの国造搦の土地を手に入れるというようになれば、これは大きな変化ですよ。皆さん方は、それに対してちっとも敏感じゃない。住民が、あるいは基地の規模がどうなっていくのか、漁業者の暮らしがどうなっていくのか。そういうところまで思いをはせるのがあなたたちの仕事じゃないですか、どうですか。
57
◯森政策部調整監=先ほども御答弁しましたように、ハードとしての基地ということでいいますと、訓練用地としての活用も見込まれるということで、そのように防衛省のほうから聞いております。
58 ◯武藤委員=購入してしまえば、用途は、その所有者の思いどおりに変えることができるわけですから、幾ら訓練用地と名のって土地を取得したとしても、どんなふうに変えられるか、それは分からないですよ。無責任に、ああ、そうですかということで承諾していいんでしょうか。
私ね、思ったんです。ひさしを貸して母家を乗っ取られるという言葉があります。そういう状況に今なっているんじゃないかと。防衛省は少しずつノックをしてきました。そして、戸が全開されたという状況に今なっているんじゃないかと思うんですよ。国造搦の土地は全て購入され、その分も予定地が広がっていくんだと、基地が広がっていくんだと。皆さん、そういう用心、用心というか、警戒心を持って自覚していかなければ、何が何でも国の言うとおりに動いてしまって、佐賀県民の暮らしや漁業者のなりわい、それが全部破壊されていく。その認識を持っていかないと大変なことになるんですよ。
初期の頃、防衛省の政務官の誰かが言いましたよね。小さく産んで大きく育てると、こういうふうに言ってきた。まさしくそのとおりに今なってきているんじゃないですか、どう認識しますか。
59
◯森政策部調整監=防衛省は、今、保安用地まで含んだところの三十五ヘクタールが予定地ですけれども、それ以外の部分で新たに造成するようなことは考えていないというふうに言っておりますので、そのとおりだと思っております。
60 ◯武藤委員=今そう言っていると皆さんおっしゃいますけどね、そうは言っていても、取得した後は、そこの所有者の権限で、自分のところの土地をどのように使おうが、その所有者の考え方次第なんですよ。漁業者の人たちは、そういう不信も持ってるんですよ。県は何という甘い考えを持っているんだろうかと、信用できないとおっしゃってるんですよ。そこにつながっていくんです。
そういう考え方は払拭しないといけないと思いますね。国が言っている、国が訓練用地と言っているから訓練用地で終わるだろうと、そんなもんじゃないですよ。皆さん方、これを数年たって、もし防衛省が佐賀空港に駐屯地を造るとしてという、そういうことは思いたくもないけれども、そうなった後から、あらあらやっぱりそうだったって、誰が責任取るんですか。誰が責任取るの。
61
◯森政策部調整監=その西側の部分については、造成する計画はないというふうに国が言われておりますので、そうだというふうに受け止めておるところでございます。
62 ◯武藤委員=佐賀空港を造るときに漁業者の人たちが反対されました。しかし、佐賀県の発展のためには空港は必要だろうと、泣く泣く
公害防止協定覚書付属資料を交わして、当時の井本さんだとか、それから厳木の元議員の楢崎さんが一生懸命思っておられて、しない、させない、あり得ないという立場で公害防止協定をきちんと決めていった。それはこういうことにならないためにされたんですよ。その重大なる覚書を変更するというこの局面で、だろう、だろうというような無責任な答弁はあり得ないと思います。
本当に皆さんたちは、佐賀県の県民の暮らしや漁業者のなりわい、安全性、そういったことを考えて、責任を持って考えておられるんですか。とてもそうは言えないんじゃないでしょうか。
もう一つありますよ。米軍の利用の問題です。「駐屯地(仮称)には、米軍の常駐計画はない。」というふうに回答書には書かれていますが、常駐はしなくても飛来はある。何度もそういったことがよその空港でもあっている。それをどのように認識してますか。
63
◯森政策部調整監=そこは一般質問でも議論があったところですが、日米地位協定がございますので、その一時的な利用というのがないということは言えないと思いますけれども、常駐はもとより、そうした一時的な利用についても県としては厳しく厳しく対応していくということにしております。
64 ◯武藤委員=知事も厳しく対応すると言われました、あなたも厳しく厳しく対応していく、県としてはというふうに言われたけど、日米地位協定の下に、幾らあなたたちが厳しく対応すると言っても、日米地位協定が優先ですよね。あなたたちが厳しく対応すると言葉では言っても、そうならない現実があるわけですよ。県が日米地位協定に向けて何かしよう、何か表明しよう、国に働きかけよう、そういう考えでも持っているんですか。
65
◯森政策部調整監=現時点で具体的に何かということは、ちょっと持ち合わせておりませんが、そこは様々な意見等があっておるところですので、国のほうで責任を持って議論されるべきところというふうに考えております。
66 ◯武藤委員=国が責任を持って議論するところなのに、日米地位協定において厳しく対応する、それができないというのが今の答弁でも明らかになったじゃありませんか。県がどんなに厳しく対応したいと思っていても、今の皆さん方の対応を見てたら、国が決めることだから、国がやっていることだから、国が多分そうされるでしょうという言い方、それは本当に県の責任ある立場で県民の暮らしや安全や、漁業としてのなりわいを守っていくというその立場が、そういった立場さえも日米地位協定によってできなくなるということなんですよ。皆さんたち、それを認識してないといけないんじゃないですか、どうですか。
67
◯森政策部調整監=防衛省とは、これまでも様々な連絡、調整等を行っておるところです。防衛省には、佐賀県がこういう考えであるという、厳しく対応するというような県の考えも当然伝えているところでございます。ですので、佐賀空港を何か特化して利用とか、そういうことはないと思いますが、福岡との横並びの中で利用というのはないとは言えませんが、その際も厳しく厳しく対応していくということでございます。
68 ◯武藤委員=今の答弁は話になりませんね。横並びということは、全部同じことをするかというと、そうじゃないんですよ。よその基地や自衛隊がやっていることと全く同じことを一から十までやるということじゃなくって、ここの空港は二のことをする、ここは三のことをするというようなやり方で、いろいろバリエーションがあるんですよ。そういう認識もないんですかね。
ある県で空中給油のことが問題になりました。国会でもそのことが問題になりました。そしたら空中給油訓練はこの県の上空ではしません、つまりよその県の上空でやるということですよね。訓練はしないけれども、実際に空中給油はする。こんなおかしな考え方、こんなおかしな論議がされているんですよ。いつ、佐賀の上空で空中給油がされるかどうかも分からない、空中訓練になるかどうかも分からない。そういうことを許していくというのが今度の考え方じゃないですか、どうですか。
69
◯森政策部調整監=そういうような考え方に対して厳しく対応していくということでございます。
70 ◯武藤委員=日米地位協定に、幾ら皆さんたちが厳しく対応すると言っても、限りがあるということなんですよ。その認識が足りないんじゃないですか。部長、どうですか。
71 ◯進政策部長=お答えいたします。
まず、日米地位協定は今もあります。今もありまして、空港も今もあります。ですから、日米地位協定、今回の自衛隊使用要請と関係なく、日米地位協定は厳然とありますので、そのありようについては、国のほうでしっかり議論すべきだというのが先ほど答弁させていただいたことでございます。その上で、今回、自衛隊の使用要請があって、今後、米軍が日本の中でどのように活用していくかという中で、佐賀空港の利用ということがあった場合には、それは厳しく対応していくというふうに答弁させていただいたところでございます。
また、るる議員からも御質問がありましたが、我々は答弁で、調整監のほうから「思う」という言葉もありましたが、常に県のことを考えて一つ一つ確認しながらここまで行っておりますので、その点は御理解いただければと思います。
以上でございます。
72 ◯武藤委員=日米が一緒にやる訓練の中で、日頃は常駐していない米軍が、常駐施設もないからということで地域のホテルを利用したと。その時に通学路になっていて、女子中学生や高校生も通るわけです。親御さんの気持ち、本当に冷や冷やしたというふうな話も伺っております。そういうことだってあり得ることなんだと、その頭を持ってないといけないと。だから、そういう危険なことを、皆さんたち、足を踏み出そうとしているわけですよ。そうあってはならないというふうに私は強く思っております。
なので、これからも漁業者の皆さんたち、地元の人たち、佐賀県民にいろんな意見も聞くことが必要だと思いますので、後で説明会の問題とかにも触れますけれども、皆さん方が思った以上のことが起こってくるんだと、無責任に、もう今、時期が来ているから覚書を見直しましょうという程度の話じゃないんだという自覚を持っていただきたいと思っています。
ノリの被害が出たら、この回答書によれば、駐屯地が原因でノリ養殖に被害が出た場合、状況確認の上、適切に対応するというふうな言葉が書き込まれています。ノリ養殖に被害が出た場合、被害が出たという原因を判断するのは誰なのか。そして、状況を確認の上となっていますが、誰が確認するのか、誰が、どこが責任を持って判断をしていくということになるんですか、お聞きします。
73
◯森政策部調整監=被害が出た場合の原因等の判断についてお答えいたします。
平成三十年の県と防衛省の合意の中に、環境保全と補償に関する協議等を行うため、防衛省、県、漁協等の関係機関が参加する協議会を設置するということにしております。その上ででございますが、原因の判断につきましては、最終的には国でございます。ただ、被害が発生した場合には、この協議会の場でも、県もしっかり関与する形で補償関係についての協議を行っていくことにしております。
以上です。
74 ◯武藤委員=今、三つの合意事項の話の中のことが示されましたけれども、農水省は、この場合は防衛省ですけど、これまでの国、つまり有明海の問題でいえば農水省ですけれども、農水省は諫早湾干拓事業の潮受け堤防の締切りが漁業不振の原因だとするなら補償金を払うというふうに最初の頃は言ってました。結局、漁業者にその原因を明らかにさせよう、国は漁業者の言い分を聞かずに水門を開けないまま今日に至ってるんですよ。被害を受けた側が証明してみせないといけない。これが国のやり方なんです。
また、今年二月頃、有明海西南部でこのようなノリの黄ばみがありました。(写真を示す)もう全て変色して金髪というふうに言われているんですけれども、西南部の漁業者の人たちは、三十代、四十代、これから担っていかなきゃいけない、そういう人たちがほかの漁協と比べて、支所と比べて多いんですね。その人たちが後継者を育てて、自分たちがしっかり後を継いで頑張っていかなきゃいけないという思いでおられるのに、こういう状況になってしまって、もう本当に生計が立てられないという事態になっていたんです。
私もこれ、一緒に船に乗って見せてもらったので分かりますけれども、そういう結果、国が赤潮が原因だというふうに認めないで、私ども、県議会でも特措法の適用をということを意見書で出しましたし、漁業者の人たちも特措法を適用してほしい、特措法の第二十二条に基づく補償をしてほしいんだということを言ってこられたんだけれども、結局、救済については共済制度があるではないかと、そういうふうに言われ、本当の救済にならずに、日々の暮らしさえ困難になる、そういった状況が出てきました。被害の認定さえ困難なんですね。特措法があっても、それを発効せずに従来型の共済制度でお茶を濁そうというのが国の考え方なんですよ。こんなことをされるなら、国のことは信頼できないというふうに漁業者の人たちが思われるのは当然のことです。
そういったことにならないように、本当にこの協議会で何でもやっていけるんだと思っておられるんでしょうか、どうですか。
75
◯森政策部調整監=この協議会で何でもやっていけるかという御質問でございますが、協議会の中で県は漁協の立場に立って意見を言っていくこととしております。このため漁業者の意向を無視した一方的な判断にはならないというふうに考えております。
以上です。
76 ◯武藤委員=県は、漁業者の立場に立ってと言いますけど、今まで立場に立ってこなかったじゃないですか。二八%の参加者しかいないような説明会に、その後、丁寧な対応をしてきましたか。それは防衛省がやることだと、皆さん、逃げるかもしれないけど、参加していない漁業者の不安、不信があるから参加できなかったという人もいるんですよ。そういう人たちに、皆さんたちが信頼を得るような対応をしてきたですか。
それで結局言いたいのは、知事が十月二十四日にこの回答書を頭の中で、文書は十一月一日に来たでしょうけど、漁協の幹部や検討委員会にまずは信じてもらおうというふうな意思で行かれたかもしれませんけど、一般質問で述べていたと思うんですけど、漁業者の人たちの、たしか有明海の再生に全力を尽くすとも述べたというふうに新聞記事だったかなんかで見たと思いますが、それは具体的に何のことを指すんでしょうか。有明海再生に全力を尽くすって、どういうことですか、何をしたいんですか。
77
◯森政策部調整監=有明海再生に向けて、答弁もしておりますが、できることは何でもやっていくということでございます。具体的には、タイラギとかアゲマキの稚貝放流でありますとか、漁場環境の改善のための作澪や海底耕うんなど、可能なものについてはしっかり取り組むということでございます。
78 ◯武藤委員=ここは農林水産商工常任委員会ではないので突っ込んだ話はちょっとできないかもしれないんですけど、できることは何でもやる。その中で漁業者の人たちが言っているのは、水門を開けてほしい、そのことなんですよ。それはあなたたちが言わずして誰が言うんですか。あなたたちがそれをきちんと言わなきゃいけないんじゃないですか、どうですか。
79
◯森政策部調整監=それは言っていると思います。
80 ◯武藤委員=誰が、いつ、どこで言いましたか。防衛省に、それは十一月十日に副大臣が来たときに、その言葉、ちゃんと使われたんですか。部長、どうですか。
81 ◯進政策部長=諫干の開門につきましては、防衛省は、これ、権限持ってませんので。ただ、県としては、当然、有明海再生に向けてという思いを持つ中で、農林水産省に対して開門調査ということを強く申し入れているところでございます。
82 ◯武藤委員=一般論としては開門調査を求めるのは分かりますよ。開門調査も含めた有明海の再生事業にという言葉が必ずつきますからね。一般論じゃない。漁業者の人が、有明海再生のために願っていることは、さっき森さんが言われたように、できることは何でもやるとおっしゃったから聞いているんですよ。有明海再生のためには水門を開ける、これをまず身をもって示していただきたいですね。だからといって賛成するかどうかは別ですよ、漁業者の人たちが。国や県の態度を見ているわけです、これで。開けてもらったから賛成するかどうかは別です。しかし、あなた方の熱意、あなた方の真剣さ、それを見てると思います。どうお考えですか。
83 ◯進政策部長=お答えいたします。
有明海再生に向けては、委員の御質問の中にありました有明水産振興センターも県のほうにありますので、そうした知見もフル稼働しながら、どうやって再生していくかというのは、これ、真剣に取り組んでおります。そうした熱意については、漁協の方々にも御理解いただいているというふうに思っております。
以上です。
84 ◯武藤委員=漁協の方々に御理解いただいていても、本当に国に正面切って言えるのか、いろんな要請行動で国に行ったときに、開門調査も含めて様々な、アゲマキをはじめとする二枚貝の放流とか、海底耕うんだとか、そういった有明海再生事業をお願いしますということではなくて、このことのみを本当に真剣に言われていくんでしょうか。
85 ◯進政策部長=お答えいたします。
防衛省は、これ、権限ないので、農林水産省に対してですが、開門調査ということを強くこれまでも言ってますし、これからも言っていくということでございます。
86 ◯武藤委員=佐賀県の事情を防衛省にもやっぱり知ってもらわないといけないと思うんですね。防衛省にも同じような言葉を使って、防衛省は権限はないにしても、それはね、分かってもらう、そんな努力も必要なんじゃないかというふうに御指摘申し上げますが、どうですか。
87 ◯進政策部長=ここまで八年弱、議論をしてきました。また、受入れ表明してからも四年たってますけれども、この間ずっと、やはり佐賀県の特殊な事情、置かれている状況、今、議員から御質問がありますように、諫干の関係ということは防衛省にも言っております。なぜこういうことになっているのかということも常に説明しながら、ここまで来ております。ですから、防衛省のほうも、それは農水省の話だから知らんということは言っておりませんし、それは佐賀県の状況についてはよく理解しているというふうに防衛省も言っております。ですから、防衛省に対しても、この有明海再生について、なぜここまで議論になっているかということは我々としても言ってますし、理解もされているというふうに考えております。
以上です。
88 ◯武藤委員=防衛省も理解しているという言葉でしたけど、だからといって、補助率がよりよくなるような変なハード事業などを提示されるような、そんな理解の仕方じゃ困るんですよね。
十一月七日に漁業者の有志の人が知事宛てに抗議をされております。その趣旨も十月二十四日に公害防止協定の見直しを漁協に迫ったことへの抗議であり、この抗議、皆さん方はどのように受け止められたんでしょうか。
89
◯森政策部調整監=そのような御意見があるということは受け止めております。
90 ◯武藤委員=だから、どのように受け止めたかと、この抗議について。それを聞いたんですけど。
91
◯森政策部調整監=こうした御意見があるというふうに受け止めております。
92 ◯武藤委員=その抗議の中に、排水問題は具体的な答弁になっていないじゃないかとか、有明海の再生についても具体策が示されていないじゃないかというふうに指摘をしておられます。これについて今後どのように対応していく予定なんですか。
93
◯森政策部調整監=排水対策等については、これから詳細な設計段階に入ります。そうした中で漁業者から寄せられております不安、こういったものを払拭するような内容ということで検討していくこととしております。
94 ◯武藤委員=この抗議文に対する、それが対応なんですか。全ての漁業者に対する対応じゃないですか。抗議をされている人たちのお気持ちをどう酌んで、どう対応するのかということを私は聞いたんですけど。
95
◯森政策部調整監=抗議をいただいた方の御意見も酌んで、そこは対応はしてまいります。
96 ◯武藤委員=じゃ、いよいよ説明会ですが、前回の委員会でも、また、今議会の一般質問でも、私は地元の人や農業者、県民への説明を求めてきました。本来、一番急がれるのは漁業者に対してです。漁業者抜きで話をするのは、本来あってはなりません。ほとんどの人が、今、この事態はメディアで報じられていることしか御存じないんじゃないかと思います。そこに知らせなければならないし、意見を出してもらわなければならないという点です。とはいえ、ノリの繁忙期に入ります。どうするお考えでしょうか。
97
◯森政策部調整監=組合員への説明会について御質問がございました。防衛省は、今後、説明会を行うというふうに先ほどの回答書の中でも確約をしておりますので、今後、説明会があるというふうに考えております。
98 ◯武藤委員=今後のその説明会ですけど、皆さん方は、いつの時期が一番適切だとお考えですか。
99
◯森政策部調整監=今後、防衛省のほうでも詳細な設計段階に入ってまいります。その状況を見ながらということになってくるというふうに考えております。
100 ◯武藤委員=一般的には、そういう状況を見ながらでいいんですけど、今は、ノリの一番忙しい時期ですよ、身動きとれない時期ですよ。漁業者の人たちの気持ちは、国や県や、一部幹部の人たちに対する怒りがふつふつとありますよ。皆さん方がちゃんとした対応をすべきことではないでしょうか。どういうふうに考えている、どういうふうに話合いをしたいと思っているということを明らかにしなきゃ、この問題、漁業者の人たちのお心を思うと、私自身、いたたまれませんよ。どうですか。
101
◯森政策部調整監=今後も組合員説明会を行うと防衛省はしておりますので、具体的な開催時期は未定だとは聞いておりますが、開催されて、その中で様々な質問に対する形で説明をされるというふうに思っています。
102 ◯武藤委員=この忙しい時期に漁業者の人たちが説明を聞くということができなくなるんですよ、しばし。そういう状況だということは分かった上で知事は一連の行動を取って十一月一日に組合からの返事をもらうと、そういう流れにしていったんじゃないですか。本来、丁寧な話合いをしなければならない、そういう相手を抜きして、それができないような現状にしてしまっている。これは私、県の在り方、知事の急ぎ過ぎ、大きな問題だと思っています。猛省を促したいです。知事は、そういうわけではないというふうに口では言われますけれども、言動が、多くの漁業者がそのように見ますよ。
地元自治会長の人たちは、九州防衛局に改めて説明会を求めていますが、県はどのように考えますか。
103
◯森政策部調整監=住民説明会についてお答えいたします。
住民説明会については、(「地元自治会」と呼ぶ者あり)地元自治会から九州防衛局にそのような要望があったというのは承知しておりますが、その説明会につきましては、日程や方法等について事業主体である防衛省や佐賀市などと検討を進めることとしております。
104 ◯武藤委員=では、私たち県民、一般住民ですね。そこでの説明会はどのように考えておられるんでしょうか。本当にね、県民に説明する場がないままに今日の状態に変化してきているんですよ。あなたたちの責任ですよ。ちゃんとした説明会を開いてください。どうですか。
105
◯森政策部調整監=住民説明会につきましては、在り方も含めて検討を進めることとしております。
106 ◯武藤委員=いつをめどにするんですか。
107
◯森政策部調整監=時期等についても検討を進めることにしております、今後。
108 ◯武藤委員=時期は検討すると言われても、皆さん方は、いつ頃をめどにと言われたら、それをめどにしてずっと進んでいくわけでしょう。どんなふうに考えているのか分かりません。おっしゃってください。
109
◯森政策部調整監=事業主体は防衛省でありますので、この説明会につきましては事業主体である防衛省などと調整していくということを言っております。
110 ◯武藤委員=県も当然関わるんですよね、防衛省ばかりにさせるんじゃないですよね。どうですか。
111
◯森政策部調整監=当然関わってまいります。
112 ◯武藤委員=私は、今までこの問題、適切な時期に住民説明会もしない、漁業者説明会も、ついこの前、六支所の説明会をしたけど、出席率が悪かった。こういう状況であるならね、皆さんたちは、住民抜き、漁業者抜きでこのことを進めようとしているけれど、私、無効だと思いますよ。本当にこのことについては、急ぎ過ぎない、幾ら期限が決まっているというふうな裏事情があったとしても、急ぎすぎてはいけないと、そういうふうに思います。今日の新聞の一面にも、組合長が首相と会ったと、二度も会ったというようなことが書かれていましたけれども、そういう水面下でいろんなことをしていて、住民の人たちが、多くの漁業者が反対しているようなことをやっていく、そんなことはあってはならないと思いますよ。
この
公害防止協定覚書付属資料の見直しについて、私は無効だと、もう一回ちゃんと住民に全体を説明すべきじゃないかというふうに思います。いかがですか。
113
◯森政策部調整監=説明会についてお答えいたします。
その説明会では、県から、防衛省から要請を受けた経緯でありますとか判断した理由など、県の考えを説明してまいります。
114 ◯武藤委員=説明会の内容を今言ったんじゃありません。もちろん、そのことも指摘はしましたが、この覚書の見直しは無効だと、そのことを指摘したんです。
115 ◯進政策部長=お答えいたします。
議員のほうから、時期ありきであるとか、急ぎ過ぎと、その中で無効じゃないかという御指摘がございました。そこは我々としましては、要請が防衛省からありましたのが二〇一四年、平成二十六年、そこから約四年検討いたしまして県として判断しましたのが平成三十年八月。それ以来、漁協の皆さんとは丁寧に議論を重ねてきまして、今、令和四年十一月になって漁協の皆さんに判断をいただいたということで、これまで一般質問等でもいただいてましたけれども、スケジュールをどう考えているんだというときに、我々としてはスケジュールありきではないということでやってきましたし、今回も、先日、一般質問で知事から答弁しましたとおり、昨年、三条件という形で文書をいただいて、それについてずっと議論してきまして、内容がそれについて漁協から懸念、心配をいただいている分について議論が大分固まってきたという段階において、知事が説明に行ったというところでありまして、時期が来たからというよりは、そういう段階を踏んできて、議論も煮詰まってきたからということでやっておりますので、そういう意味では、この件が無効だというふうには考えておりません。
以上です。
116 ◯武藤委員=時間ばかりかけたから丁寧にやってきたというのは間違いだと思います。中身を、一つ一つを丁寧に、漁業者に対して丁寧な対応をしていくことこそが大事であり、しかも、合意文書も見直しだとかいろいろ出ましたけれども、それについて県民にその都度、明らかにしないと、こそこそ、こそこそやっている、そういうふうな印象しか持ちません。
私は、このことについて皆さん方のやり方は非常におかしい。主人公は漁業者であり、県民です。それを抜きにしては、決して事業は進まない。今、漁業者の方たちも、多分、このやり取りもお聞きになっているかもしれませんけれども、やっぱり皆さん方に対する信頼、それを勝ち取らなければならない、勝ち得なければならないと思うんですよ。しかし、信頼できていないという現状ではないかというふうに思います。
以上を述べて、質問を終わります。
117 ◯土井委員=自由民主党会派の土井敏行でございます。十一月定例県議会の本日の
総務常任委員会で私のほうからは大きく四項目、質問をさせていただきたいと思います。
まず最初に、先ほど来、私の前に武藤委員から質問されておりました、激論が交わされておりましたが、オスプレイの佐賀空港配備、佐賀空港の自衛隊使用要請への対応について、問いの一として質問させていただきます。私の立場から質問しますので、少し角度を変えてやりたいというふうに思います。
佐賀空港の自衛隊使用要請への対応に当たりましては、先月二十四日に開催された漁協六支所の合同会議に、当日朝に出席を決断された知事が参加をされ、知事自らの言葉で有明海再生に対する思い、さらに、有明海再生と国防を両立していくことが大事であることなどを伝えられ、覚書付属資料の見直しを改めてお願いされたとのことであります。
そして、今月一日に開始された有明海漁協の検討委員会において、県から漁協に対して申入れがなされていた佐賀空港を自衛隊と共用しないとする
公害防止協定覚書付属資料の変更を決定されました。そして、同日、漁協の西久保組合長が山口知事を訪問され、県からの変更申入れを受け入れる旨の回答文書を手渡されたと承知をしております。
文書提出後に記者団の取材を受けられた西久保組合長は、今回の変更決定について、知事の訪問、本音で話をしてもらったことが決め手となったと、そういった旨のことを話されており、知事の努力に私は改めて敬意を表したいと思います。
私は、国防上の重要性や尖閣諸島周辺における中国海警船の領海侵入、台湾有事への備えなど昨今の極めて厳しい安全保障環境に鑑みれば、一刻も早く自衛隊の配備計画を実現させねばならないと考えておるところであります。もちろん、知事が言われるように、有明海の再生と、いわゆる漁業者の暮らしとこの国防の両立を目指すという上でのことであります。今回の覚書付属資料の変更は、そのための大きな一歩になると私は思います。
そこで、以下四点ほどお伺いをしたいと思います。
一点目は、排水対策への県の対応についてであります。
先ほどもこれについては議論がございましたが、漁協の方々は、漁業環境への影響を大変心配されております。昨年十二月に漁協から示された防衛省に対する三条件の中でも、排水対策の具体的な考え方を示すように求められ、今年七月、八月に開催された漁協の検討委員会、その後の漁協六支所の組合員への説明会で防衛省の考え方が説明されたところであります。
県は、この防衛省の排水対策の具体的な考え方の取りまとめにどう対応されてきたのかお伺いしたいと思います。
118
◯森政策部調整監=排水対策への県の対応についてお答えいたします。
昨年十二月に有明海漁協から、県と交わしている
公害防止協定覚書付属資料の変更についての回答文書を頂いた後、回答文書で示されました排水対策などの三条件につきまして、本年一月から有明海漁協、防衛省、そして県の実務者で構成いたします三者協議会をスタートさせたところでございます。
この三者協議会では、排水対策などの三条件に関する防衛省の検討状況につきまして、月一回程度のペースで四回にわたって協議を行いました。特に、排水対策については、県から空港建設時の排水対策等について説明を行うとともに、防衛省に対して漁協の思い、あるいは懸念点をしっかり伝え、さらなる検討、あるいは修正を促すなどの対応を行ったところでございます。
以上です。
119 ◯土井委員=県が、具体的にこのように関わってこられたということが分かりました。
二点目でありますが、これも先ほどの議論の中にありましたが、防衛省からの回答書についてであります。
二つお伺いしたいと思いますが、一つは、防衛省からの回答書取得の意図についてであります。
今月一日、県からの依頼に応じる形で九州防衛局が漁協の要望事項に対する今後の対応を確約する回答書を九州防衛局長名で県に提出されたとのことでありますが、この回答書について、県はどういう意図で取得したのかお伺いします。
120
◯森政策部調整監=防衛省からの回答書取得の意図についてお答えいたします。
本年一月からの三者協議会での協議や漁協検討委員会での議論、さらには八月下旬から九月にかけて開催されました漁協六支所の組合員への説明会において、漁協や組合員の方々から、有明海漁業への影響を心配する声でありますとか、防衛省の排水対策等への懸念の声がございました。
そうした漁協、組合員の方々の不安や懸念を少しでも払拭するため、漁協と相談しながら、県において、これまでに把握してきました漁協の懸念事項を取りまとめ、九州防衛局に対して明確な対応を確約するよう求めたものでございます。
以上です。
121 ◯土井委員=私は、そういうふうに文書で回答を取られたということは、非常に大きな成果ではないかというふうに思います。今後、しっかりと根拠として持っていただけるというふうに思いますので、よろしくお願いします。
二つ目ですが、予定地西側の土地取得と環境影響評価についてお伺いしたいと思います。
回答書の中で、防衛省が駐屯地予定地を購入した後、隣接する西側の土地を購入すると。これも先ほど答弁の中で出ておりましたが、そのことを受けて、県民の中には隣接する西側の土地を防衛省が購入すれば駐屯地予定地を含めて三十五ヘクタールを超えることから、環境影響評価の実施が必要ではないかと考えている方もいらっしゃるようであります。
しかしながら、私は、土地取得と環境影響評価は全く別のもので直接的な関係はないと考えておりますが、この点について県の所見はいかがでありますかお伺いします。
122
◯森政策部調整監=予定地西側の土地取得と環境影響評価についてお答えいたします。
今議会の一般質問におきましても、県民環境部長から答弁があっておりますが、防衛省が計画しております施設整備事業は、佐賀県環境影響評価条例では、宅地その他の用途の造成事業に該当いたしまして、造成面積が三十五ヘクタール以上の場合は環境影響評価の対象になるということでございます。
防衛省は、今回の県への回答書の中で、駐屯地予定地に隣接する西側の土地を購入する意思を明確に示したところでございますが、この西側の土地については、造成等の計画はなく、自衛隊の教育訓練などを目的とした活用を見込まれているところでございます。
したがいまして、議員が言われますとおり、環境影響評価に該当するかどうかは、造成面積が三十五ヘクタール以上であるかどうかでございまして、土地取得と直接リンクするものではございません。
以上です。
123 ◯土井委員=この点については、こういうふうに思っている方もいらっしゃいますので、今答弁されたようなことをはっきりとアナウンスする必要があると思います。よろしくお願いしたいと思います。
続きまして三点目ですが、関係機関への対応についてであります。
一つ目は、関係機関の反応についてお伺いします。
漁協との覚書付属資料が変更された翌日の今月二日以降、公害防止協定を締結している佐賀市等の関係機関を順次訪問されております。現状の説明をされたと承知しております。これはマスコミ報道等でも出ておりますが、それぞれどのような反応があったのかお伺いいたします。
124
◯森政策部調整監=関係機関の反応についてお答えいたします。
有明海漁協が覚書付属資料の見直しを決定されたのが十一月一日、その翌日、二日以降に公害防止協定等を締結しております佐賀市、柳川市、JAさがを順次訪問いたしまして、これまでの経緯、あるいは漁協からの回答文書の内容などについて説明を行ったところでございます。
その際、佐賀市につきましては、漁協の今回の判断は非常に重いと考えていること、それから、排水対策は漁協が非常に心配されていることなので県としてもしっかりとそこを担保するようにしてほしいということ、さらに、住民の皆さんには安全性や環境への影響、米軍の利用など様々な懸念があるので、住民説明会を含め、住民に寄り添った対応をしてほしいということなどのお話をいただきました。
また、柳川市につきましては、オスプレイの配備については国の専権事項であるので、自治体の首長としても協力していかなくてはならないと思っているということ。それから、柳川市民の安全・安心をどう担保していくかが重要だということ。
さらには、JAさがにつきましては、騒音や排水については農家としても気になるところだということ、あるいは地元組合員を含めた住民への説明については丁寧に対応してほしいということなどのお話をそれぞれいただいたところでございます。
以上です。
125 ◯土井委員=それぞれ御不安な点、心配される点があって、要望といいますか、そういう反応があったというふうに思います。これらについて今後の対応についてお伺いしたいと思います。
佐賀市等の関係機関に対して、今後、県は具体的にどのように対応されていくのかお伺いいたします。
126
◯森政策部調整監=関係機関への今後の対応についてお答えいたします。
公害防止協定等を締結しております佐賀市、JAさが及び柳川市とは、今後、事前協議を行っていく必要がございます。
今後、駐屯地の設計、あるいは自衛隊機の離発着計画など具体的な内容が固まった段階で、環境を保全する対策について事前協議を行ってまいります。
また、先ほどお答えしましたとおり、佐賀市やJAさがを訪問した際にも説明会の要望があったところでございまして、その在り方や方法等も含めて事業主体である防衛省や関係機関と検討をしていくこととしております。
以上です。
127 ◯土井委員=いずれにせよ、事前協議を求めたり、求められたりも必要でありましょうし、当然、説明会の開催ということも出てくると思いますけれども、そういったことについても関係者との調整を十分に取っていただいて丁寧にやっていただきたいというふうに思います。
四項目めでありますが、県が果たす今後の役割についてお伺いします。
今回、覚書付属資料の変更がなされましたが、配備計画の早期実現に向けて、木更津との約束等もございますので、今後、県はどのような役割を果たしていくのか、改めてお伺いしたいと思います。
128 ◯進政策部長=県が果たす役割についてお答えいたします。
今後、事業主体である防衛省におかれては、用地交渉や駐屯地の整備に向けて具体的に取組が進められていくこととなります。
そうした中で、有明海漁協が特に問題意識をお持ちの排水対策について、実効性のある対策となるよう、有明水産振興センターも協力して、漁協の皆さんが安心できる対策に取り組んでまいります。
また、所在地となる佐賀市などの関係機関と防衛省との協議が始まっていくこととなると思いますが、こうした協議において、必要に応じて調整を行っていくことも大切だと認識しております。
以上でございます。
129 ◯土井委員=今、部長から、今後の対応、役割を果たしていくということを御答弁いただきましたが、知事が常々言っておりますように、有明海の再生と国防が両立されるように、そして、かなり時間もたっておりますので、スピーディーに事が進んでまいりますように、しっかりと丁寧にこれからも進めていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、次の質問に移りたいと思います。
二項目め、問二は私立学校への支援についてお伺いします。
私立学校は、おのおのの建学の精神に基づいて特色ある教育を積極的に展開し、公教育の一翼を担い、本県の公教育の発展に寄与していると考えます。
佐賀県の私立高等学校への運営費補助の生徒一人当たりの補助単価は全国でも上位にありまして、佐賀県私立中学高等学校協会より、県の支援に対する感謝の声をよく聞いております。
しかしながら一方で、少子化による生徒数の減少や県外の学校への進学者の増加等によって、また、ほかにも公立高校の全県一区化、県外からの入学者の枠の撤廃等もあり、私立学校等の経営環境は競争環境が非常に厳しくなっている状況であります。
今後も引き続き、私立学校が社会の要請に応じた新しい教育を推進し、将来を担う優れた人材を要請していくためには、私立学校の運営基盤が安定し、子供たちが安心して教育を受ける環境を維持していく必要があり、私学助成の充実や保護者負担の軽減が不可欠であるというふうに私は考えます。
そこで、以下の点についてお伺いしたいと思います。
一点目は、運営費への支援についてであります。
私立高等学校では、少子化による生徒数の減少の影響などもあって、生徒募集に苦慮されていると聞いています。
このような中、教職員の質向上や学校運営の効率化など、様々な課題の解決を迫られており、私立学校が求められている役割を果たしていくには、これまで以上の経費が必要になるのではと考えています。
そこで、一つ目ですが、運営費支援の状況についてお伺いしたいと思います。
私立高等学校の運営費支援の状況は、現在、どのような状況になっているのかお伺いします。
130 ◯山口私立中高・専修学校支援室長=運営費支援の状況につきましてお答えいたします。
県では、学校の教育条件の維持向上などを図るために運営費補助を行っているところでございます。
運営費補助は、学校の教育に必要な経常的経費、具体的には教職員等の人件費や光熱水費などに充てられております。
令和三年度の私立高等学校への運営費補助は、決算額で二十二億三千五百二万一千円でございます。生徒一人当たりの補助単価は三十八万三千三十七円で、全国四位の水準での支援を行っているところでございます。
また、運営費とは別に、次世代を担う人材育成など教育の質の向上につながります取組、例えば英語教育の強化ですとか、学習指導員等の専門スタッフの活用などの取組に対しまして、教育改革推進加算補助を行っているところでございます。
以上でございます。
131 ◯土井委員=他県に比べても大変厚い支援をしていただいているということは重々分かっておりますし、関係者の方も感謝をしておられます。ただ、その中で先ほど来ちょっと話が出ていましたが、県外からの生徒を迎え入れるには寮の建設、運営が必要になってくるわけですけれども、二点目は寮の運営に対する支援についてお伺いしたいと思います。
私立高等学校は、少子化の影響に加え、県立高等学校による県外生徒の積極的な募集活動もあって、これまで以上に生徒募集が厳しい、激しい状況に置かれております。このような中、私立高等学校では県外生徒の確保に一層取り組みたいと考えておられるところであります。県外の生徒を受け入れるには寮が必要となってきますが、私立学校の寮の運営に対する支援はどのようになっているのかお伺いします。
132 ◯山口私立中高・専修学校支援室長=寮の運営に対する支援につきましてお答えいたします。
私立高等学校では、通学が難しい生徒のために寮を整備され、県内だけではなく、県外からの生徒確保に努めるとともに、寮生活を通じて生徒の自主性や独立性を高め、勉強だけではなく、人間力の形成にも寄与されているものと認識しております。
このため県では、寮の運営に必要な経費につきまして、運営費補助の対象とし、支援しているところでございます。このほか、寮の新設に係る補助や、寮の定員を増やすための増改築に係る補助も実施しているところでございます。
以上でございます。
133 ◯土井委員=ただ、私立学校の関係者の方からお伺いすると、寮を建てるときも支援をしていただいて、寮は建てたけれども、やっぱり運営に予想以上にお金がかかっているということで、この運営費に対する補助をもう少し考えてくれないかという要望が出ていると思いますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
134 ◯山口私立中高・専修学校支援室長=運営費の補助について改めてお答えいたします。
運営費につきましては、先ほど御答弁いたしましたが、現在のところ、寮の運営に必要な経費につきましては、運営費補助の中で対応させていただいておりまして、そのほか建設費につきましても、一部ではございますけれども、補助させていただいているところでございます。
以上でございます。
135 ◯土井委員=そこの運営費に対する感覚が学校側とちょっと異なっているようでありますので、そこはもう一度、学校側とよく話をしていただけませんか、学校協会とですね。いかがでしょうか。
136 ◯山口私立中高・専修学校支援室長=運営費の支援について改めてお答えいたします。
私どもといたしましては、私立学校が公教育の一翼を担っておりまして、本県の振興や人材育成に大きな役割を果たしているということを踏まえまして、高等学校の生徒一人当たりの補助単価につきまして毎年度増額してきたところでございます。
委員から御指摘のありました県外生徒の受入れを含めまして、次年度以降も私立学校がその役割を十分に果たしていけますよう、学校現場の意見をよく聞きながら、私立学校への助成の充実に努めてまいります。
以上でございます。
137 ◯土井委員=分かりました。とにかくその辺の感覚がちょっと違っているところもありますので、しっかりと話をして、私立学校の競争環境が厳しくなったということは十分御認識いただいているというふうに思いますので、いわゆる公立学校ともろに競争しなければいけなくなってきたということでありますので、そこのところは県の方でもしっかり考えていただいて、私立学校が成り立っていくように支援をしっかりしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
次に二項目めですが、私立高等学校等就学支援金事業についてお伺いします。
生徒が保護者等の収入によって行きたい学校に行けないということがあってはらないと考えていますが、現在、私立高校生につきましては、保護者等の年収が五百九十万円未満の世帯であれば授業料は実質無償化されています。すぐにとはいかないと思いますけれども、将来的には年収五百九十万円以上の世帯も無償化にすべきではないかと考えているところであります。
現在、九八%の生徒が高校に進学するわけです。そういう状況でありますので、これはもう全国民的にそうだと思いますけれども、本来的には自分が行きたい学校を選べない、親の所得で決められてしまうというのは、子供にとっては大変不幸なことではないかと私は思います。そういった意味でこのことについてお伺いします。
まず一つ目は、私立高等学校等就学支援金事業の内容についてですが、現在、県が取り組んでいる私立高等学校等就学支援金事業はどのような内容なのかお伺いします。
138 ◯山口私立中高・専修学校支援室長=私立高等学校等就学支援金事業の内容についてお答えいたします。
私立高等学校等就学支援金事業は、国の制度によるものでございまして、高等学校等の授業料に充てるため支援金を支給し、家庭への教育負担の軽減を図り、教育の機会均等に寄与することを目的としてございます。
支給対象者は、年収が約九百十万円未満の世帯の生徒でございます。高等学校の全日制の場合、年収が約五百九十万円未満の世帯には月額三万三千円、年額三十九万六千円を支給し、授業料の実質無償化を実現しております。年収が約五百九十万円以上九百十万円未満の世帯には、県立高等学校と同額の月額九千九百円、年額十一万八千八百円を支給しております。
以上でございます。
139 ◯土井委員=そういう形になっているわけです。五百九十万円という所得制限が全国的にあるということですが、九百十万円の所得制限のところで大きな差ができているわけです。空白ができているわけですけれども、そこの差は埋めてやらなければいけないのではないかと思います。確かに大変なお金が必要になると思いますけれども、そういった金額をどういうふうに捉えておられるのか。また、一気にできないにしても段階的にやることができるのではないかというふうに思っております。
そういったことで二つ目の質問です。県独自の支援についてですが、ほかの自治体では年収五百九十万円以上の世帯に対しても、県独自で授業料の追加支援を行っていることもあるというふうに聞いています。県独自でこのことについて支援ができないか、どのようにお考えになっているかお伺いしたいと思います。
140 ◯山口私立中高・専修学校支援室長=県独自の支援についてお答えいたします。
公立と私立では授業料の額が異なるため、公立学校の授業料は年収約九百十万円未満の世帯まで実質無償化されているのに対しまして、私立学校では年収約五百九十万円未満の生徒まで実質無償化とされているところでございます。就学支援金とは別に県独自の保護者負担の軽減策といたしまして、低所得の世帯に対し、入学金の一部を支援しているところでございます。
県といたしましては、先ほど委員からお話がありましたが、保護者負担の公私間格差の解消は、高等学校への進学率の高さを鑑みれば国が責任を持って対応すべきと考えており、これまで国に対し、格差の解消に向けた提案を行ってきたところでございます。
格差の解消が実現され、生徒が安心して勉学に打ち込めますよう、今後も就学支援金のさらなる拡充を国に提案してまいります。
以上でございます。
141 ◯土井委員=もちろん財源のことがありますので、先立つものはお金であります。国に支援を求めて、これはしっかりやっていただきたいというふうに思います。しかし、幾分でも県独自で追加支援ができないかということの検討はできませんか。
142 ◯山口私立中高・専修学校支援室長=改めて県独自の上乗せ支援についてお答えいたします。
県では、私立学校に対します全体的な支援の中で、限られた資源を適切に配分、具体的にはバランスの取れた私立学校の振興のために学校への直接的な支援策や保護者等の負担軽減策などにどのように配分したほうがよいのかということも、学校側の声を聞きながら取り組んできたところでございます。委員から御意見のありました県独自に上乗せ補助を行っている自治体があるということは承知しております。
本県では、就学支援金の上乗せ補助は行っておりませんけれども、先ほど御説明いたしましたとおり、令和三年度の高校生一人当たりの運営費補助単価は全国四位の水準で支援しているところでございます。また、県独自の保護者の負担軽減策といたしまして、低所得の世帯に対し、入学金の一部補助も実施しております。私立学校に対し、どの分野に重点を置き、支援するかは、各県の事情や考え方により違ってくるものでありまして、本県では運営費補助の充実に力を入れてきたところでございます。
県といたしましては、先ほどお答えしましたとおり、保護者負担の公私間格差の解消は、国が責任を持って対応すべきと考えておりますので、今後も就学支援金のさらなる拡充を国に提案してまいります。
以上でございます。
143 ◯土井委員=それは分かりますけどね、ただ、子供たちの立場に立って考えれば、子供が親の所得で自分が受けたいところへ行けないというのは、これはやっぱり問題だと思うんですよ。
我々は、「子育てし大県”さが”」を、皆さんも標榜してやっておられる。そういった中で将来地域を担うということも大事な柱の一つになっていますので、将来を担う子供たちが親の所得によって自分の学びたいところへ行けないというのは、やっぱりこれは問題ではないかというふうに思います。
そういった意味で、県として、一気にできなくても段階的に努力をするべきではないか。運営費補助も分かりますけれども、この部分の、就学支援金の援助についても少しでも考えてやって、子供たちに、佐賀県は我々を、子供たちを社会全体で育てて地域に戻そうとしてくれているということが分かるような制度にすべきではないかなと私は思うんですけれども、そこについては、すぐにはできないとしても、ぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
144 ◯山口私立中高・専修学校支援室長=改めて御答弁いたします。
繰り返しの御答弁となってしまうかもしれませんけれども、どこに重点を置くかということにつきましては、今後も学校側と話をしながら、その充実に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
145 ◯土井委員=充実に努めるということで、検討はしていただけるんですね。検討はしてもらわんといかぬと思うんですよ、いかがですか。
146 ◯山口私立中高・専修学校支援室長=改めてお答えいたします。
学校側の意見も踏まえながらお話をさせていただければと思っております。
以上でございます。
147 ◯土井委員=分かりました。後ほど部長にこの辺の所見もお伺いしたいと思います。学校側に話を聞くときに、学校は自分のところの運営云々と思うんでしょうけど、入学してくる子供たちのことを考えれば、やっぱり就学支援金の拡充というのは必要ではないかというふうに私は思うんですよね。
次に、三項目めの質問に移りたいと思います。
佐賀県私立学校退職基金社団への補助についてです。
佐賀県私立学校退職基金社団は、私立学校に対して教職員の退職金に必要な基金を給付している団体であります。県は、私立学校教職員の福祉の向上及び私立学校教育の振興、発展を図るために当団体には補助を行っていますけれども、県からの補助金の補助率は、平成十七年度には千分の三十二でありました。
平成十七年と聞けば、古手の議員さんたちはすぐ思い浮かぶと思いますけれども、かつて、佐賀県の財政が大変厳しいときで、行財政改革の緊急プログラム、いわゆる緊プロというのがありました。当時、千分の三十二から千分の十六に引き下げられた、半額になったわけですね。あれから十七年ですよ。緊プロからほとんど財政が改善してきて、いろんな形のものが元に戻ってきているというふうに思います。しかし、この補助については現在も変わっておりません。そのままになっているんですよね。
これはやはり、いい教育をするためには、いい先生を集めなければいけない。そのためには、先生の身分を保障するという意味では、やっぱり退職金についてもきちっと運営できなければいけないというふうに思いますので、私立学校の振興、発展のために優秀な教職員を確保するためにも、退職金を含めた教員の待遇改善の面からも、この団体の補助率を段階的にでも少し戻すことはできないかなと。全体としては全国四位ということで支援をしていただいておりますけれども、しかし、その中でここだけがちょっと目立っている、中だけを見るとですね。そういう気がしておりますので、この補助率を段階的にでも戻すことを、これもまた検討していただけないかというお願いでありますが、いかがでしょうか。
148 ◯山口私立中高・専修学校支援室長=佐賀県私立学校退職基金社団への補助についてお答えをいたします。
私立学校職員の退職金支給に係る学校の負担軽減のため、教職員の標準給与総額の千分の十六を佐賀県私立学校退職基金社団に現在補助をしているところでございます。
県といたしましては、私立学校にとって自由度が高く、かつそれぞれの創意工夫を後押しする支援の形が望ましいと考えまして、学校現場の声も聞きながら、私立学校に対する支援を拡充、強化してきたところでございます。
具体的には、学校を直接支えます、先ほど委員からもお話しいただきました運営費の拡充に加えまして、少子化により生徒数が減少している状況下、学校の運営に当たっては生徒の確保が大きな課題との学校からの声もありまして、生徒の確保につながる取組、例えば学校の魅力づくりでありますとか、教育の質の向上に資するものなどが実施できますよう、優先的に支援を行ってきたところでございます。
県といたしましては、今後も私立学校がその役割を果たしていけますように学校現場の意見も聞きながら、また、どのような支援の在り方が学校の振興に効果的かなどを常に俯瞰しながら、私立学校への助成の充実に努めてまいります。
以上でございます。
149 ◯土井委員=今、就学支援金の話、それから退職金の話をしてきました。私立学校と相談をしているということでありますが、どうも感覚的に少し当事者の方々とずれているところがあるのではないかという気もします。ここは、知事も現在の佐賀県の方針としては、子育てし”大県”にする、教育環境がすごくいいですよと。子供たちが親の年収にかかわらず自分の学びたいところに行けますよ、そういうすばらしい環境を佐賀県は持ってますよという県をつくると。そのことが、ひいては県を担う人材になり、あるいは国を担う人材になって、あるいは世界を担う人材になるかもしれない。そういうことを育てていくということが一番基本ではないかと。だから、今の時代、できる限り親の所得に縛られないで、なおかつ私立学校と公立学校の格差といいますか、そういうものができないようにしっかりと環境をつくっていく必要があると私は思います。親の経済状況や社会的制約から子供たちが学びを諦めないようにしてほしいと思ってるんです。
佐賀の子供たちが将来に夢を持ってチャレンジできる環境づくりについて、先ほどの二つのことを含めて県の方針を総務部長に御答弁をいただきたいと思います。
150
◯甲斐総務部長=御質問いただきました、委員から最初にお話がありましたように、私立学校というのは、本県の公教育の一翼を担っていただいておりまして、各学校は、固有の建学の精神、特色ある教育理念の下に、それぞれ魅力ある多様な教育の場を実践していただいているというふうに思っております。そうした教育を通じまして、おっしゃいますように人材育成に大きく貢献いただいている私立学校でございます。
県としましても、これまで私学というのは一貫して大切にしてまいりました。私、以前、こども未来課長をしていたときに一年間、私学を担当しておりました。そして、平成二十八年度には総務部に移管しまして、平成三十年度からは現在の専門部署、私立中高・専修学校支援室が創設されまして、学校現場の声をより丁寧に聞けるようになってきましたし、意見交換ができるようになってきたというふうに思っております。そういったことをしながら支援の充実を行ってきて、今があるというふうに思っております。
各学校は、本当にいろんな工夫をされておりまして、特色ある、魅力ある学校づくりということで取り組まれておりますので、そうした学校に対する運営費支援の充実というのはこれからも努めていきたいと思っております。
お話がありました県外からの生徒確保につきましても、どういった支援の形がいいのかというのは考えていきたいというふうに思っております。
また、公立、私立問わず、子供たちが自分たちが学びたい、自分に合った学校を選べるようにというお話がございました。確かにそれが理想でありまして、本当のことを言えば、室長が答弁したように、国のほうでそこはしっかり保障していただきたい、確保していただきたいというふうに思っております。
そうした中にありまして、どういった支援がいいのかという話になります。学校の運営費の支援というのは充実しておりまして、それを行うことによって授業料も低く抑えられるという一面もございます。そういった形をより充実させるのがいいのか、それとは別に就学支援金の直接的な負担軽減のほうがいいのかとか、そういったことの優先順位、あと退職金社団も大切な存在でありますし、人材確保とかそういったところにすごく寄与する、意味があると思って我々は補助してきておりますので、どういったところに財源を優先的にやっていくのかというのは、引き続き考えていきたいというふうに思っております。
で、学校現場ですとか関係の方々と議論しながら、意見を交換しながら、これからも子供たちが行きたい、学びたいと、そこへ行って何かチャレンジしたいと思えるような私立学校に対する支援というのを充実させていきたいと考えております。
以上でございます。
151 ◯土井委員=ありがとうございました。ぜひこれからもしっかりそこを考えて対応していただきたいと思います。少なくとも子供たちが、親の所得がこうやっけんが、ここ受けられんとか、そっちには行けないというようなことにならないように。やっぱり子供たちが、自分たちがやりたいと思うことが、親とは関係なく行って学べるというようなところをしっかりつくり上げていく必要があると思いますので、その目線を忘れないで私立学校と検討していただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
152 ◯八谷委員長=暫時休憩します。十三時十五分をめどに委員会を再開します。
午後零時十二分 休憩
午後一時十五分 開議
153 ◯八谷委員長=委員会を再開します。
休憩前に引き続き質疑を行います。
154 ◯土井委員=それでは、午前中に引き続き今日の私の質問の三項目めに移らせていただきます。
問いの三は、行政のデジタル化への取組についての質問です。
昨年度、国において新たな省庁としてデジタル庁が設置されております。誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化の実現に向けて、各種の取組が進められているところであります。
本県においては、今年度、行政デジタル推進課が創設されました。六月のこの
総務常任委員会では、課創設の考え方などについて質疑が行われ、当局から、主として県庁内のデジタル化の推進を担い、ハード、ソフト両面での環境整備を行っている旨の説明があったところであります。
今後、少子・高齢化や人口減少が進み、人、財源など行政を運営するための資源も限られる中で、多様化する県民ニーズに対応した行政サービスを持続的に提供していくために、行政デジタル推進課には業務の効率化、高度化を力強く進めてほしいと考えているところであります。
一方で、住民に身近な事務を担い、住民が実際に接する機会が多いのは市町であります。このため、県庁のみならず、市町においても行政のデジタル化に向けた取組が進むことが極めて重要だと考えます。
私の地元の鹿島市では、先月、DX推進本部の初会合が開かれ、市民の利便性向上等に向け、積極的にデジタル技術を活用していく方針が示されております。今後の取組に注目をしているところです。また、八月には「鹿島DX研究会」を母体とする「一般社団法人鹿島デジタル社会推進協会」が発足しました。官民双方でデジタル化に関する動きが活発化しており、今後、お互いに連携して地域を盛り上げてくれることを期待をしているところであります。
そこで、何点かお伺いします。
一点目は、県庁の行政デジタル化で目指す姿についてであります。
行政デジタル推進課においては、既に様々な取組をしておられるところでありますけれども、デジタル化を通して何を目指しているのかお伺いしたいと思います。
155 ◯川崎行政デジタル推進課長=行政デジタル化で目指す姿についてでございます。
コロナ禍におきまして、社会のデジタル化の遅れが表面化し、また、社会構造が変化する中で行政サービスの持続的な提供や高度化といった観点から、行政運営上、デジタル技術の活用は不可欠になっております。
一方、デジタル化自体は目的ではなく、デジタルは社会を便利にするツールであることを踏まえまして、私たちといたしましては、行政のデジタル化を通じまして、「県民」「職員」「組織(すなわち県庁)」、こうした関係者の誰もが幸せになる三方よしを目指したいと考えております。
具体的には、デジタルによる業務改革で、県民は利便性の向上及び行政サービスへの満足感を、職員は生産性や働きがいの向上を、組織(県庁)は多様な人材の活躍や資源の有効活用によるパフォーマンスの向上を、それぞれが得られること、実感できることを目指しております。
以上でございます。
156 ◯土井委員=三方よしの社会をということでありますが、県民、職員、組織がしっかりと、こういう大きな、理想とする社会を目指して、その中にどう位置づけていくかということを忘れないようにしてほしいと思います。
特に、最近では市町でもデジタルについていろいろな取組がされていますけれども、今までの公共モデルというのは、例えば県民が行政に対して何か物申し、要求をするような一方的な形でありましたけれども、こういうデジタル社会になれば当然共存型といいますか、共創型といいますか、共に創り上げていくような社会になっていくのではないかと思います。やっぱりそういう社会を目指していかなければいけないと思うんです。ぜひそういう方向に進むようにしていただきたいと思います。
二点目ですが、行政デジタル化の現状認識についてですけれども、この目指される姿に照らして、担当課として現状をどのように考えておられるのかお伺いします。
157 ◯川崎行政デジタル推進課長=現状認識についてでございます。
これまでもツールの活用などを通しましていろいろ取り組んできましたけれども、現状につきましては、まだこれからという認識でございます。
例えば、行政手続のオンライン化につきましては、昨年度、行政手続の現状調査を行い、オンライン上の本人確認手段の検討など、オンライン化を進める上での課題解消に向けて取り組んでいるところであり、また、専門知識のない職員がマウス操作でアプリケーションを作成できる、いわゆるノーコードツールは活用が進んではおりますけれども、一層の普及に向けて取り組んでいるところでありまして、デジタルによる業務改革で、先ほど申しました県民、職員、県庁の三方よしを実現するということからしますと、これからが重要だと考えております。
こうした状況も踏まえ、デジタル活用を足元から着実に進める観点から、業務上の困り事をデジタルの力で改善する相談支援制度を設けておりまして、庁内から様々な相談が寄せられ、職員の改善意欲、デジタルへの関心の高さに手応えを感じております。
今後、研修等により職員の知識、スキルの向上も図りながら、一つ一つ取組を形にしていきたいと考えております。
以上でございます。
158 ◯土井委員=相談支援制度というのは、非常にいいことだと思います。今、様々な形で相談が来ているということですが、どのくらいの件数が来てるんですか。
159 ◯川崎行政デジタル推進課長=この相談支援制度でございますが、昨年度の途中から設けまして、今年度につきましては、現時点で三十件程度、相談をいただいております。例えばで言いますと、県庁内で情報を共有できるようなデータベースをつくりたいですとか、いろいろな申請を受け付けて取りまとめをしていますけれども、非効率なので何とかデジタルを使って改善したい、あるいはエクセルを台帳化して業務をやってますけれども、非常に煩雑なので効率化したい等、こういった様々な相談をいただいております。
以上でございます。
160 ◯土井委員=そういう職員さんのいろんな気づきといいますか、要望を大事にして潰さないようにしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
三点目ですが、今後の取組や工程についてお伺いします。
デジタル技術は日進月歩で、先を見通し難い面もありますけれども、今後の主な取組や工程についての考えがあればお伺いしたいと思います。
161 ◯川崎行政デジタル推進課長=今後の取組や工程についてでございます。
今後の主な取組は、まず、県民向けにつきましては、行政手続の利便性向上としまして、オンライン化の対象手続の拡充、手数料等の支払い手段の多様化等、また、人に優しいデジタル化を進める観点からデジタルデバイド、いわゆる情報格差の対策、そして、県民サービスの拡充としまして、県ホームページ上で県民の問合せに自動対応するAIチャットボットの多言語化などに取り組みます。
次に、職員向けにつきましては、デジタル面での働き方改革といたしまして、職員用パソコンのモバイル化の検討、また、業務の効率化といたしまして、先ほど申しましたノーコードツールですとか、定型業務を自動化するRPAの活用、そして業務の高度化といたしましてITスキルアップ研修などに取り組んでいきます。
また、さっき言いましたような取組を通じまして、県庁組織のパフォーマンスを向上させ、さらなるサービスの充実につなげ、県民に還元していく好循環を創出したいと考えております。
次に、工程につきましては、計画的に取り組んでいくよう考えておりまして、今議会の勉強会で骨子案をお示ししました次期行財政運営計画の四年の間に、主だった取組を順次実施していきたいと考えております。
以上でございます。
162 ◯土井委員=四年というめどを一つの目標に置いてやられるということで頼もしく思っております。
先ほどの主な取組の具体的な例として金銭の授受というのがございましたが、具体的にどんな形でやられようとしているんでしょうか。お金のやりとりの部分について、どういうふうな手続の簡略化をやられようとしているのか。
163 ◯川崎行政デジタル推進課長=先ほど申しましたのが、行政手続の利便性の向上の一環としまして、手数料等の支払い手段の多様化といったことを申し上げました。現在もキャッシュレス化ということで、一定の手続につきましてはキャッシュレス化を実現しているものもございますけれども、まだまだキャッシュレスでできる手続が少ないですとか、あるいは少し種類が少ないといった課題がありまして、これをさらに利便性を高めるという観点から、手続の種類の拡大、それからキャッシュレスの方法の拡大といったことで考えたいと思っております。
以上でございます。
164 ◯土井委員=まだ印紙とか証紙とか残っていると思いますので、あれもどうにかならないのかなという気もしておりますので、ぜひキャッシュレス化を進めてほしいなと思います。
四点目ですが、行政デジタル化に向けた市町との関わり方についてであります。
鹿島市とか佐賀市とか、DX推進本部の取組がマスコミに出ておりましたけれども、住民との接点が多い市町のデジタル化というのは、県のデジタル化に増して重要と言っても過言ではないと思います。
市町がそれぞれ主体的に取り組んでいくべきことは当然でありますけれども、県は市町のデジタル化に何か関わっていくのかお伺いしたいと思います。
165 ◯川崎行政デジタル推進課長=市町のデジタル化への関わりについてでございます。
各市町それぞれが主体的にデジタル化に取り組んでおられますけれども、体制面の違いもあり、悩みも抱えておられると思います。
県内では、県が事務局を務めます県と市町でICT推進機構という組織を設け、定期または随時に活動しております。そこでは国の動向や市町における取組を共有したり、その時々の課題を協議するなどしており、例えば、先月は全国の自治体に国の基準に準拠した業務システムの利用が求められる、いわゆるシステムの標準化といった取組がありますけれども、こういったものに関する最近の動向などの情報共有をいたしました。
ICT推進機構は、市町にとっては、国や他の市町の情報を得たり、意見交換ができ、県にとっても市町の状況の把握ですとか、必要な助言を行うことができるということで有用な場となっております。このほか、過去には機構内で調整をいたしまして、システムを共同調達したケースもございます。
今後も、こうした場を活用しながら、県と市町が連携してデジタル化を推進していきたいと考えております。
以上でございます。
166 ◯土井委員=ありがとうございます。システムの共有化といいますか、やっぱりシステムの標準化というのが非常に大事なことではないかと思います。今の日本の現状でというと、ベンダーさんごとにシステムがかなり違ってて、ベンダーロックというか、それによって競争を制限されているような状況もあって、やりとりが非常に難しいところがあって、特に市町とか国とか全体的になると、そのシステムの標準化は非常に大事なことだと思いますので、しっかり進めていただきたいと思いますが、その辺についての御見解はどうでしょうか。
167 ◯川崎行政デジタル推進課長=システムの標準化につきましては、国も法律を定めまして、現在のところ、令和七年度までに主立ったシステムの標準化を進めていくという方針が示されております。
この方針に沿いまして市町のほうでも取り組まれておりまして、県のほうでも必要な助言をしたりですとか、情報共有をしながら一緒になって期限までに採用できるようにということで頑張っていきたいと思っております。
以上でございます。
168 ◯土井委員=令和七年度までという一つの目安といいますか、目標ができたのはいいことではないかと思います。
この質問の最後ですが、五項目めはデジタルに対する県の思いについてお伺いします。
県庁のデジタル化をしっかりと進め、行政の生産性や利便性の向上を図ることが大変重要であります。一方で、それを一つのきっかけとして、いろいろな領域にデジタルの活用や恩恵が広がっていくことが、さらに重要だと私は思いますが、県としてはどのように思っておられるのか、総務部長にお考えをお伺いしたいと思います。
169
◯甲斐総務部長=県庁のデジタル化をしっかり進めることが、その先へとつながっていくということでございます。そのとおりだというふうに思っております。
デジタル田園都市国家構想の実現に向けた取組方針にも、「デジタルの力を活用した地方の社会課題解決」とありますように、今の少子・高齢化の対応ですとか、防災地域づくりなど、様々課題がある中で、デジタルというのは、それを解決する鍵となり、従来にない新しい価値を生み出す有効なツールでございます。
また、コロナ禍を通じてデジタル化の流れというのは、先に進んでいって逆の方向に戻るということはないというふうに思っております。企業の中には、勤務は原則テレワーク、居住地の選択も縛られないといったところも出てまいりました。そのことはデジタルを駆使すれば、地方にいても都市と遜色ないといいますか、むしろ、自然の中で質の高い生活ができる、地方のほうにチャンスと言える時代になってきているんじゃないかなというふうに思います。
官民それぞれが力を発揮いたしまして、様々な領域で地域のデジタル化を進めていく必要があると考えておりまして、行政サービスについて申し上げますと、県民全体が受益者でございます。例えば、行政が電子契約の活用や手続のオンライン化を進めれば、これらが当たり前のものとして社会に普及するきっかけとなるという大きな意味を持つというふうに私どもも考えております。
行政事務の効率化とか高度化ということだけではなくて、地域社会全体のデジタル化を進める意味においても、県としてデジタル化を積極的に進めてまいりたい、取り組んでまいりたいと思います。
以上でございます。
170 ◯土井委員=ありがとうございました。今、部長の答弁にもありましたけど、やっぱり日本は明治維新以降というか、戦後特にですけれども、中央と地方のアンバランスといいますか、そういうのが出てきて、みんな、中央へ、都会へ都会へと流れていく流れを、何とか全国に分散できるような国家を形成していかなければいけないということで、地方に住みやすい、地方にいても中央と同じような仕事ができる環境づくりは非常に大事だと思います。
そういった意味で、このデジタル化というのは非常に有効な手段であろうというふうに思いますので、これを遅れないようにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。問いの四は、ニセ電話詐欺とSNS等を利用した詐欺についてであります。
今、行政のデジタル化、DXについてお伺いしたわけですが、最近の高速情報ネットワーク社会の中で今までと違った犯罪が出てきております。そこで、この点についてお伺いをしたいと思います。
刑法犯の認知件数は、平成十五年をピークに減少し、平成二十七年から昨年まで七年連続で戦後最少を更新中であります。しかしながら、昨年中、ニセ電話詐欺については、認知件数が令和二年より増加し、被害額は四年ぶりに一億円を超え、テレビや新聞等でニセ電話詐欺やSNS等を利用した詐欺の発生や被害防止の注意喚起が報じられ、県内では、これらの詐欺事件が増加しているように感じ、大変危惧しているところであります。
現在、コロナウイルス感染症の患者数は、一時のピーク時に比べて随分減少したなと思っていたところでありましたが、それもつかの間、昨日の感染者数は何と六百八十五人と。しかし、重症者はゼロということで、また新しいフェイズに入ってきたと、第八波が来ているなというふうに思っておりますが、こういうコロナウイルス感染症の流行というのが、ニセ電話詐欺の被害内容にも変化をもたらしているのではないかというふうに思われます。
また、ここ最近、耳にするようになりましたSNS等を利用した詐欺も新たな特徴であるように思われます。悪質、巧妙化した犯罪への被害防止対策が重要ではないかと思います。本当に住みたい県、過ごしやすい県、安全・安心が図られる県になるためには、こういった対策が極めて大切ではないかというふうに思います。
そこで、何点かお伺いしますが、一点目はニセ電話詐欺についてであります。
まず、今年のニセ電話詐欺の認知状況についてお伺いします。
今年のニセ電話詐欺の認知件数と被害額はどういうふうになっておりますでしょうか。
171 ◯大坪生活安全企画課長=今年のニセ電話詐欺の認知状況についてお答えいたします。
九月末現在ではございますが、いずれも暫定値でニセ電話詐欺の認知件数は四十五件で、昨年の同じ時期に比べ二十五件増加しております。また、被害額につきましては、約三千七百六十万円で、昨年の同じ時期に比べ約四千三百二十万円減少しております。
以上でございます。
172 ◯土井委員=それでは次ですが、過去五年間のニセ電話詐欺の認知状況についてお伺いします。
コロナウイルス感染症拡大前とどのような変化が見られるかお答えいただきたいと思います。
173 ◯大坪生活安全企画課長=過去五年間のニセ電話詐欺の認知状況についてお答えいたします。
平成二十九年中は認知が六十四件で被害額は約一億四千五百万円でございます。平成三十年中は二十件の認知で被害額は約三千五百万円、令和元年中は三十八件の認知で被害額は約九千九百七十万円、令和二年中は二十九件の認知でございまして、被害額は約三千八百四十万円、令和三年中は三十三件の認知で被害額は約一億七百八十万円でございます。
コロナ感染症前の令和元年中と拡大後の令和三年中の被害金の交付手段を見ますと、令和元年中は、犯人側が直接被害者と面接して現金やキャッシュカードなどをだまし取る対面型と、被害者と面接せずに振り込みや宅配、電子ギフト券で金品をだまし取る非対面型がほぼ同数であったのに対しまして、令和三年中は対面型が約一五%、非対面型が約八五%と、非対面型が多い結果となっております。
以上でございます。
174 ◯土井委員=コロナ後は非対面型が多くなったということでありますが、当然なのかなと思います。逆にそうなってくると、ニセ電話詐欺の特徴ですけれども、今発生しているニセ電話詐欺は、具体的に分かりやすく言うとどんなものがあるか教えていただけますか。
175 ◯大坪生活安全企画課長=ニセ電話詐欺の特徴についてお答えいたします。
本年九月末現在、県内で多く発生しておりますニセ電話詐欺は、架空料金請求詐欺が三十一件、次に還付金詐欺が五件であり、この二つだけで全体の約八割を占めている状況でございます。また、被害者の年齢別では、六十五歳以上が約七〇%を占めております。
架空料金請求詐欺の具体的な事例としましては、パソコンでインターネットの画面サイトを閲覧中に、ウイルスに感染したといううその内容が画面に表示されまして、この表示された電話番号に連絡をしますと、架空のウイルス除去費用等を請求され、コンビニエンスストアなどで高額の電子ギフト券を購入させられるというものでございます。
また、還付金詐欺の具体的な事例といたしましては、市町職員を名乗る犯人側から、介護保険料などの払戻しを口実にATMに誘導され、指示どおりに操作して現金をだまし取られるというものがございます。
以上でございます。
176 ◯土井委員=六十五歳以上と、私も六十五歳以上ですけれども、高齢者の方の被害が多いというようなことではないかと思います。対面型ではないので、犯人の特定はなかなか難しいというようなことがあるんじゃないかと思いますが、ニセ電話詐欺の検挙状況について、検挙の件数、あるいは検挙人員はどのようになっているかお伺いします。
177 ◯大坪生活安全企画課長=ニセ電話詐欺の検挙状況についてお答えいたします。
県内におきますニセ電話詐欺の検挙は、令和三年中が検挙件数が七件、検挙人員が八人でございます。令和四年九月末現在は、これは暫定でございますが、検挙件数は五件、検挙人員は二人となっております。
以上でございます。
178 ◯土井委員=ありがとうございました。ぜひ検挙件数が上がるように頑張っていただきたいと思います。
二点目ですが、SNS等を利用した詐欺についてお伺いします。
まず一つ目ですが、SNS等を利用した詐欺の認知状況についてですが、昨年と今年のSNS等を利用した詐欺の認知件数と被害額等はどのようになっているのかお伺いします。
179 ◯大坪生活安全企画課長=SNS等を利用した詐欺の認知状況についてお答えいたします。
御指摘の犯罪類型につきましては、明確な定義はないところでございますけれども、県警察としましては、SNSやマッチングアプリ等で知り合って、その後もSNSなどでのやりとりにより詐欺被害を受けたと思われるものを「SNS等を利用した詐欺」と呼んでおり、防犯対策や検挙活動に取り組んでいるところでございます。
県内におきますSNS等を利用した詐欺事件の認知状況と被害額についてでございますが、令和三年中、認知件数は十五件、被害額は約八千五百万円でございます。令和四年九月末現在は、これも暫定値でございますが、認知件数が三十六件、被害額は約三億八百万円でありまして、九月末現在におきまして、認知件数、被害額ともに昨年を大幅に上回っている状況でございます。
以上でございます。
180 ◯土井委員=被害額が非常に大きくなっているというのが、よくマスコミ等でも出ますけれども、びっくりするぐらいの被害額が出ているなという気がしております。
二つ目ですが、SNS等を利用した詐欺の特徴についてです。
今年発生しているSNS等を利用した詐欺は、具体的にどのようなものがあるかお答え願いたいと思います。
181 ◯大坪生活安全企画課長=SNS等を利用した詐欺の特徴についてお答えいたします。
SNS等を利用した詐欺の最近の特徴としましては、犯人は、異性で外国人や外国育ちの日本人を名乗ることが多いこと。また、二人の将来のための資金であるとして投資話を持ちかけることが多い。被害者の年齢別では、三十代から五十代が多いことなどが挙げられます。
また、被害額は、多いもので一件で一億円以上に上るなど高額の被害が多く、極めて憂慮される状況にございます。
一方、被害者と犯人のやり取りは、一般にSNS上で行い、一度も面接することなく被害に遭うなど、犯人の匿名性が高く、犯罪捜査の困難性をもたらしている状況でございます。
SNS等を利用した詐欺の具体的な特徴としましては、犯人側は被害者を本当に優しい人などと甘い言葉を用いて信頼を得ようとします。そして、相手の恋愛感情につけ込んで投資話を持ちかけ、初めは少額の投資を持ちかけた後に配当を支払い、利益が出たように見せかけます。その後も多額の投資を持ちかけて金銭を回収しようとすると、税金の支払いが必要などと言葉巧みに、さらに金銭を要求します。最終的には被害者が相手と連絡が取れなくなって、初めて詐欺の被害に気づくというものでございます。
以上でございます。
182 ◯土井委員=具体的なお話を聞くにつれて、非常に腹立たしいといいますか、ひどいものだと思いますが、今、匿名性が強くて検挙が難しいような答弁の内容であったかと思いますけれども、ニセ電話詐欺とSNS等を利用した詐欺の被害防止対策についてどのように考えておられますか。
ニセ電話詐欺とSNS等を利用した詐欺に対する被害防止にどのように取り組んでいかれるのかお伺いしたいと思います。
183 ◯大坪生活安全企画課長=ニセ電話詐欺とSNS等を利用した詐欺の被害防止対策についてお答えいたします。
県警察では、これら詐欺被害防止対策としまして、広報啓発活動と水際対策に取り組んでおります。
広報啓発活動としましては、事件認知時の報道機関への発表やSNS等でのタイムリーな情報発信、また、交番駐在所の警察官による巡回連絡や広報誌での注意喚起、被害の発生状況の分析に基づきます各世代層に応じた幅広い防犯の呼びかけ、知事部局と連携しましたテレビCMや商業施設に設置されたデジタルサイネージでの広報などを実施しているところでございます。
また、水際対策としましては、県内の金融機関職員による振り込み、受付時の内容確認と、ATMでの電話使用者に対する声かけ、県内の金融機関によるATMの振り込み利用制限年齢の七十歳以上から六十五歳以上への引下げ、コンビニエンスストアにおきます高額電子ギフト券購入者に対する購入理由確認と、詐欺犯人の手口を記載した被害防止呼びかけの掲示などの協力を要請しているところでございます。
今後も、県警察といたしましては、引き続きニセ電話詐欺やSNS等を利用した詐欺の撲滅に向けまして、県、市町、関係機関や団体等と連携しまして、粘り強く各種防止抑止対策を推進していく所存でございます。
以上でございます。
184 ◯土井委員=いろいろ御努力いただいているようでありますけれども、大変分かりにくい特徴を持つといいますか、詐欺被害防止に対しては、これからの取組が極めて大事だというふうに思います。
この間、佐賀県が魅力のない県で一位になりましたけれども、あれは情報発信が下手な県一位だというふうに私は思ってます。どうも佐賀県人は昔から謙遜し過ぎて、うちの県は何もなかもんねという意識があって、そういうふうに言っているんですけれども、一方で調査をやった同じ会社が幸福度ランキング調査というのをやっているんですけれども、「今住んでいるところで幸せですか」というのは佐賀県は七位なんですね。それから、「首都圏から地方へ移住したい県はどこですか」というので、何と、佐賀県は八位に入っているんですよね。だから、非常に矛盾しているようでありますけれども、実はそれだけ情報発信がうまくないということですけれども、そういった意味では、魅力のない県を脱する一つの対策としては、やはり佐賀県に行けば安心・安全で犯罪がないよ、警察がしっかりしてますよ、安心して暮らせるよということは非常に大事ではないかと思うんですが、そういった意味を含めて、今後の取組を含めて安全・安心の決意を本部長にぜひお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
185 ◯松下警察本部長=私から今後の取組についてお答えいたします。
情報発信や幸福度について御指摘をいただきました。県民の安全・安心というものは大変重要な要素であるということで私どもも取り組んでおります。申し上げたような被害防止と検挙の両面から各種対策を警察では推進しておるところでございます。
例えばSNS等を利用した詐欺については、先ほど申し上げたような捜査の困難性はありますが、これはどこで起きてもおかしくない被害であったり、また、その犯人がどこにいてもおかしくないという犯罪でもあります。
したがいまして、これは全国警察で情報交換などを頻繁に行ったり、捜査協力などの取組を行って、例えば最近では大阪府警が外国人女性を装ってSNSを通じて知り合った男性から現金をだまし取った組織的な詐欺事件を検挙しておりますが、これも全国の警察を挙げて取り組んでおるところでございます。
一方、被害防止対策については、今後も各種媒体を活用したタイムリーな情報発信、また、あらゆる機会、方法を利用した広報啓発活動に努めまして、知事部局や市町などをはじめとした関係機関の皆様とも協力しながら、県民の皆さんにお伝えをしなければいけないと思っておりますが、県民の皆様一人一人の防犯意識を醸成しまして、これら詐欺事件の未然防止を含めた県民の安全・安心の確保に取り組んでまいる所存でございます。
私からは以上であります。
186 ◯下田委員=県民ネットワークの下田寛でございます。本日は、二問質問させていただきます。
まず、佐賀県県民意識調査と広報についてお尋ねをさせていただきます。
八月に公表されました令和四年度佐賀県県民意識調査では、県民の日常生活に関する実感や県の取組への満足度を知ることができます。我々も九月の議会で報告をいただきました。
今回の結果では、約八割程度の回答者が、地域への愛着と暮らしへの満足度を持っておられますが、一方で県の取組への満足度については、平成三十年度の調査と比較すると減少している分野もありました。
例えば、「自発の地域づくり」では、「満足している」、「まあ満足している」と回答した方の合計は一七・二%であり、(委員長、副委員長と交代)前回の調査との比較では一二・八ポイント減少しております。この項目に関しては、前回と文言を変えたというところもありますが、結果として、このようなものが出ておりました。
また、「佐賀県が国内外によいイメージで広く知られている」についても、「満足している」、「まあ満足している」と回答した方の合計は一三・一%と、前回調査の結果よりも三・六ポイント減少しております。私の印象では、県は、これらの分野に力を入れていないわけではなくて、むしろ、かなり重点的に取り組んできたものだと認識をしています。
今回、一般質問、また、先ほども土井委員から引用がありましたが、「一生行かなさそうな都道府県ランキング」、あと「都道府県の魅力度ランキング」で、共に一位という不名誉な結果が出ておりまして、私も残念には思います。もちろん一喜一憂してもしようがないですし、私自身、実感としてそのように思っていないので、全体の結果を見ても疑問に思うところもあったりしますので、特に大きく問題視もしておりませんが、以外と「佐賀」という言葉の認知度が高まっている結果、こういった結果が出ているということも考えられるのかなと思いながら、一つの指標としては参考にすべきものであると思っております。
また、当然、各事業については、それぞれの担当部局が担うべきものですけれども、広報は、その事業のバックアップをするという意味でも、今回の県民意識調査の結果は、広報の在り方とも関連しているものだというふうにも思います。
そこで、次の点についてお尋ねをしていきます。
まず、佐賀県県民意識調査の概要についてです。
この佐賀県県民意識調査は、どのような目的や調査方法で実施されているのか、その概要についてお尋ねいたします。
187 ◯永田広報広聴課長=佐賀県県民意識調査の概要についてお答えいたします。
佐賀県県民意識調査は、日常生活に関する実感や県政に何を望まれているかなどの県民の声を把握し、今後の県政運営の基礎資料を得ることを目的に実施しております。
「令和四年度佐賀県県民意識調査」は、県内在住の十八歳以上の三千人に調査票を郵送し、郵送による返送またはウェブで回答いただく方式で実施いたしました。結果、回答率が五一・八%、一千五百五十四人に御回答いただいたところでございます。
以上でございます。
188 ◯下田委員=ありがとうございます。回答率五一・八%、私の感覚では結構高いほうなんじゃないかなとは思います。もしかすると、その分、こういった意識調査とか広告に関してというのは、県民の意識が、そもそも高い分野なのかもしれないなと今の数字を聞いて思いました。
次に、令和四年度佐賀県県民意識調査結果全体の受け止めについてお尋ねをしたいと思います。
この調査については、八月に結果が出ましたが、この結果全体についてどのように受け止めているのかお尋ねいたします。
189 ◯永田広報広聴課長=令和四年度佐賀県県民意識調査結果全体の受け止めについてお答えいたします。
委員にも御紹介いただきましたが、今回の調査では、八割以上の方が「住んでいる地域が好き」と回答され、七割以上の方が「日常生活に満足している」と回答いただいております。
前回調査からこれまで、
新型コロナウイルス感染症による影響や、度重なる豪雨災害などがございましたものの、地域への愛着と暮らしへの満足度については、引き続き高いものとして受け止めております。
一方で、「地元や県のことを県外の人に誇れる」と回答された方は五割程度にとどまっており、本県の魅力を県民の皆様方に共感していただけるような形で引き続き発信を行っていく必要があるというふうに考えております。
このほか、今回の調査では、「子育てし大県”さが”」や「歩こう。佐賀県。」、「OPEN-AIR佐賀」など県政の取組の認知度について初めて調査を実施しましたが、県民の方々への認知では、「子育てし大県”さが”」、また、「歩こう。佐賀県。」などは少しずつではございますが、認知は広がりつつあるものの、一方でその他の取組については、取組によって差がございますものの、まだまだ十分な認知に至ってないものと受け止めております。
以上でございます。
190 ◯下田委員=ありがとうございます。やはりこの調査においても、すきっと「満足している」というのがかなり高い率で出ているというようなお話でありました。ただ一方で、県外に誇れるかというと、五割ぐらいだというようなことで、ここにも先ほどのアンケートの結果がもしかしたら反映されているのかなというふうにも思いました。
取組の認知度ということで今の佐賀県の取組のワードの認知度がありましたが、「歩こう。佐賀県。」、「子育てし大県”さが”」に関しては、そこそこ高いですが、その他に関しては、まだまだというようなお話でありました。
それでは、(三)にいきます。平成三十年度のこの佐賀県県民意識調査と比較した県の取組への満足度の受け止めについてですが、今回のこの調査のうちで、県の取組への満足度では、県政の十六分野のうち「災害への対応ができている」、「全ての人が暮らしやすい」では、平成三十年度の調査より満足度が上昇していて、取組の成果も感じられます。一方で平成三十年度の調査よりも低下している分野も見られます。今回は、この低下していることについて気になる部分をお尋ねしたいと思います。
まず、「自発の地域づくり」についてです。
この「自発の地域づくり」という項目は、総合計画にも大項目で掲げられている佐賀県政の大きな柱の一つであるということは、もう既に御承知のことだと思います。ちなみに、この「自発の地域づくり」の目指す将来像は、「地域住民による地域資源を活用した自発的かつ主体的な地域づくりを通して、地域住民の地域に対する愛着や誇りが高まり、県外の方からも共感される魅力ある地域となっている」と。
この課題と対応というところを見ていきますと、「地域の誇りや自発の地域づくりの想いを後世に伝えることが必要だ」と、「人口減少社会を迎え、佐賀県の人口は全国平均を上回るペースで減少しており、このままでは地域の活力低下が懸念されることから、県外の方に佐賀県の魅力を知ってもらい、移り住んでもらうための取組を促進する必要があります。」と掲げられております。
さて、平成三十年度の調査においては、自発の地域づくりに関する回答では、「進んでいる」、「まあ進んでいる」という回答の合計が全体の三〇%だったのに対して、令和四年度の調査では、「満足している」、「まあ満足している」という回答が一七・二%と大きく減少しております。
まず、この結果についてどのように受け止めているのかお尋ねいたします。
191 ◯永田広報広聴課長=平成三十年度調査結果との比較の中で、「自発の地域づくり」項目について、その結果の受け止めをお答えさせていただきます。
「自発の地域づくり」は、地域の人たちが誇りを持ち、地域の人たちが自ら考え実行するというものでございますが、委員御指摘のとおり、今回の調査では、「満足している」、「まあ満足している」という回答が減少しております。
冒頭で委員にも触れていただきましたが、「自発の地域づくり」に関する今回の質問については、前回、平成三十年度の調査では、「伝統的な祭りや工芸などの地域資源の活用」、「都市と農村の交流」、「空き家を活用した賑わいづくり」など、調査票に具体的な事例を示してお尋ねしたところでございますけれども、今回の調査では具体的な取組事例を省略しております。
回答内容を見てみますと、今回の調査結果では、「どちらともいえない」という回答が五五・一%となっており、前回調査における「わからない」との回答が三八・六%と比較しますと大幅に増えており、今回、質問を簡略化したことも調査結果に影響しているのではないかと考えております。
以上でございます。
192 ◯下田委員=ありがとうございます。質問項目が若干変わったというところ、あと、「どちらともいえない」という方が五五・一%ということで増えているところが課題として挙がっているようでした。あくまで参考資料ではありますけれども、総合計画に掲げている部分でもありますので、ここはもう一歩掘り下げて考えるべき部分であるというふうに思っています。
次に、「佐賀県が国内外に良いイメージで広く知られている」についてお尋ねをします。
同じく平成三十年度の調査結果との比較で、「佐賀県の良いイメージが広がっている」についても三・六ポイント低下しています。県は、これまでも積極的に県の魅力を発信するなどしてきたと私自身は認識をしておりますが、今回の結果についてどのように受け止めているのかお尋ねいたします。
193 ◯永田広報広聴課長=前回調査との比較で、「佐賀県が国内外に良いイメージで広く知られている」という項目についての受け止めをお答えさせていただきます。
委員御指摘のとおり、「佐賀県が国内外に良いイメージで広く知られている」という項目についての満足度が、今回の調査では平成三十年度調査よりも低下しております。この項目の満足度向上のためには、県外への佐賀県の魅力の発信、及びその発信に対する県外の方々の評価の県内へのフィードバックが必要と考えております。
今回の満足度の低下の原因の一つとしては、県外に向けた情報発信において、コロナ禍でマスメディアで地方の話題を取り上げていただく機会が減少した影響があるのかなと考えております。
また、コロナ禍におきまして人流が減少したことで、県外の方が実際に佐賀を訪れて魅力を感じていただく機会が減少し、それに伴いまして県民が県外からの評価に接する機会が減少したことも影響しているのではないかと考えております。
一方で、委員御紹介のとおり、県では、「サガプライズ!」、「福岡広報」などを通じて、様々な魅力を磨き上げながら県外へ発信しており、コロナ禍にあってもSNSやウェブなどのメディアで若年層を中心に話題化につながっているものもございます。
これらの取組のほか、近年では、ユーチューブなど動画コンテンツによる魅力発信を展開しておりまして、佐賀県出身の「江頭2:50」氏が活躍する「エガちゃんねる」とコラボした県の動画配信などでは、実施した後、全国的にSNSやウェブを中心に話題化され、高い評価もいただいております。
こういった反響は、全国に限らず県内におきましても若年層を中心に認知されており、今回の県民意識調査の結果においても、二十歳から二十九歳までの世代においては、「佐賀県が国内外に良いイメージで広く知られている」という項目についての満足度が向上しております。
以上でございます。
194 ◯下田委員=ありがとうございます。外へ向けての発信と、外から内へのフィードバック、コロナ禍での影響があって、どうしても人流が不足したり、メディアが取り上げづらくなってしまうような状況があったりということもありつつも、若年層への広がり、あと、「江頭2:50」さんとのコラボとかユーチューブなどの事例を挙げていただきました。ぜひこういったことはどんどんしていただきたいなと思いますし、コロナ禍の影響も当然あるとは思います。
次にいきたいと思うんですが、県政の広報についてです。
県では、これまで様々な機会を見つけて、今のような幅広い種類のメディアやツールを活用して、いろんな部署で積極的な広報を展開しているというふうに認識しています。
そこで、県の広報についてお尋ねしたいのですが、まず、県では、広報広聴課だけではなく、各部署においても、より具体的な広報や情報発信が実施されておりますが、そもそも県庁内での広報に関わる全体の体制や広報広聴課の役割というのはどのようなことなのでしょうか。
195 ◯永田広報広聴課長=県政の広報として、全庁的な広報体制及び広報広聴課としての役割についてお答えいたします。
県が行います各種事業の広報につきましては、効果的な広報となるよう、事業内容や事業の目的を達成するために必要な情報を最も詳細に把握しております担当課が行っております。一方で全庁横断的なPRや時期ごとに重点的にPRすべき重要な施策等について広報広聴課が実施しているところでございます。
各担当課で広報を行うに当たっては、庁内全体の広報物の品質の管理や広報の効果を最大限発揮できますよう、広報広聴課においても必要なサポートを随時行っているところでございます。
具体的には、事業の計画の段階では、各担当課が行う事業目的を達成するために必要な広報の手法、時期、ターゲット、それから予算規模などにつきましてアドバイスを行う広報協議を実施しております。
また、実際に事業に着手する段階では、効果的な広報計画案を選定いたします企画コンペ、それから、実施能力の高い事業パートナーを選定いたしますプロポーザルの審査会において、広報効果を最大限発揮してもらえるよう広報広聴課も助言などを行っているところでございます。
さらに、県で発行します広報物全般に関しては、広報ターゲットに沿った内容になっているか、伝わりやすい表現になっているかなど、広報広聴課で随時チェックを行っているところでございます。
以上でございます。
196 ◯下田委員=ありがとうございます。今のお話を聞いて、かなり幅広いんだなというような印象を持ちました。全体的に関わる広報のチェックを企画の段階からやって、ターゲットを絞ったり、あと企画のコンペとか、どういった方々とタッグを組んでやるのか、そういったところまで仕事としてされていらっしゃるということでございました。
次に、広報広聴課においても、県内外に様々な広報展開を行っていると認識していますが、具体的にどのような取組を行っているのかをお尋ねいたします。
197 ◯永田広報広聴課長=広報広聴課の取組についてお答えいたします。
広報広聴課での広報は、目的やターゲットに応じて県内向けの広報、そして県外向けの広報を行っております。
まず、県内向けの広報につきましては、県政や県の事業を県民に広く効果的に周知し、様々な取組への参加の呼びかけや新たな制度のお知らせなど、実際の行動に結びつけていただくことを目的に、県が発行いたします広報誌やテレビ、新聞、ラジオなどの県内メディアの県政広報枠を活用して計画的に発信を行っております。
広報誌、これは県民だよりでございますが、こちらは全戸に配布しているほか、マスメディアを活用した広報におきましては、各メディアの特性も意識しながら、年間を通じて、その時々の施策を分かりやすく発信するよう努めているところでございます。
また、近年、若い世代に向けての発信が課題になっていましたことから、ツイッターやLINEなどのSNSを発信ツールとして活用した情報発信も行っており、特にこのコロナ対策においては重要な広報ツールとなっております。
一方で県外向け広報でございますが、県外に向けた広報は、佐賀県のブランドイメージや認知度の向上など、全国の方々に佐賀県に興味、関心を持っていただくことを目的として実施しております。
例えば、全国に対しては、全国ネットの番組を佐賀県に誘致してきたり、様々な企業、ブランドとのコラボレーションで佐賀の地域資源を磨き上げ、佐賀県の魅力を話題化させる「サガプライズ!」の取組を展開しております。
また、佐賀県にとって身近な都市圏でございます福岡エリアにつきましては、特に重要なマーケットでございますので、福岡のメディアを通じて福岡の方々に佐賀県の具体的な魅力の浸透を図っていくことを目的に、近年、特に強化を図っているところでございます。
以上でございます。
198 ◯下田委員=ありがとうございます。今、聞いた部分でさらにお尋ねしたいのは、先ほどの令和四年の県民調査の結果でキーワード化して発信している部分があると思います。「子育てし大県”さが”」や「歩こう。佐賀県。」、これらは認知が進んでいるということが分かりましたけれども、「自発の地域づくり」や「OPEN-AIR佐賀」などは、まだ広く認知されていないものが多いということを先ほど答弁いただきましたが、これらは今後広報を行う上でどのような工夫を行っていこうと考えているのかお尋ねします。
199 ◯永田広報広聴課長=委員御指摘のとおり、県政の様々な取組をキーワード化して発信することは、県民の方々に県政を身近に感じてもらい、そして主体的に関わってもらうという上で効果的だと考えております。実際に「子育てし大県”さが”」などは個別の事業と結びついて認知していただいているのではないかと考えております。
一方で、その他のキーワードは、キーワードの文言と具体的な事業が結びつかず、イメージしづらい点もあるのではないかと考えております。このため、県政のキーワードに関連した事業や取組を紹介する際は、できる限り個別の事業とキーワードのコンセプト、さらには、その他の事業例などもワンセットで丁寧な広報を行うことで、例えば、県民だよりで地域の祭り、伝統行事なんかを定期的に御紹介させていただいております。
この地域の祭りや伝統行事というのは、まさに地域レベルでの「自発の地域づくり」かと思いますが、こういったところも紹介する際には県としての「自発の地域づくり」に関する考え方や、その他県の取組の事業例もワンセットで紹介することで身近にイメージしていただけるのではないかというふうに考えております。こういった取組を積み重ねていくことが重要かと考えております。
以上でございます。
200 ◯下田委員=ありがとうございます。今日、私はたまたま県民だよりを持っているんですが、こういったものに「自発の地域づくり」とか載るといいのかなと思いました。
せっかくですので、県外の取組についてもお伺いしたいなと思うんですけど、例えば、博多の地下鉄とかにこういうのがありますよね、「小児科 耳鼻科 皮膚科…子どもの病院巡り 体力もお金も必要だ。佐賀県」と。この下のところに「基山ならゼロ歳から十八歳の子どもにかかる医療費がタダ。入院、通院、歯科、調剤薬局対象の医療費助成制度があるから安心。」というのが、福岡のど真ん中に広告を打ったりしているわけなんですよね。これは僕は実際、友達の三人ほどから電話をもらって、佐賀の広告が天神のど真ん中にあっばいて言うて、すごい熱心にされているなということを感じたことがありました。
先ほども県外のことに触れてもらいましたが、「サガプライズ!」、これ、広報で出てましたけれども、「佐賀海苔主役祭り」が「京都アニものづくりアワード2022」で地方創生部門銅賞受賞、「第六十九回カンヌライオンズ」にて、「23時の佐賀飯アニメ」がショートリストに入賞ということで、外から中に向けて自分たちの魅力に気づいていただくというような取組も積極的にやっていただいているというふうに私は認識をしています。
このような県外での新たな取組やそれに対する評価については、県民にももっと知ってもらうことで、佐賀県が国内外にいいイメージで広く知られているというようなことに関する県民の意識も変わってくるんじゃないかなというふうに思いますが、そういった点についていかがでしょうか。
201 ◯永田広報広聴課長=県外の広報の取組においても、特に高い評価や大きな反響が得られたものにつきましては、若い世代の方々だけでなく、県民の幅広い世代にも知ってもらうことで、委員御指摘のとおり、佐賀県が国内外によいイメージで広く知られているということに関する県全体での意識の向上につながるものと考えております。
御紹介いただきたました「サガプライズ!」の取組の受賞などについても、できるだけ幅広い世代の県民の方々に知っていただけるよう、実際に県民だよりの次回の十二月号で御紹介させていただこうというふうに考えております。
これまでも県外の広報の取組については、地元のテレビや新聞などのメディアにおいても取り上げていただいたところではございますけれども、県の広報誌、県民だよりも含め、これまで以上に幅広い世代の県民にしっかりお伝えしてもらえるよう、県内へのフィードバックにも注力していきたいと考えております。
以上でございます。
202 ◯下田委員=ぜひお願いしたいと思います。
続いて、第五問目の広報の工夫についてということでお尋ねしたいと思います。
今、お話をいただきました、県内外から自発の地域づくりを含めて魅力を発掘、そして発信して、自分たちの魅力を知ってもらうことは必要だと思います。近年、広報の在り方も随分変わってきたなと、これは私の実感ですが、思っています。
私が議員として携わらせていただいたのが二〇〇九年の鳥栖市議会からだったんですが、当時はSNSの活用についても、個人情報がとか言ってなかなか広まらない。当時はまだ消極的でしたが、今ではフル活用するのが当たり前の時代になっています。その活用に伴って、かつてはこんなことやりますと、単に真面目にイベントの告知をするまでだった印象があるんですけれど、今、SNSが当たり前の時代になったら、何がきっかけで多くの方々の目に触れるか分からないような状況になってきていて、単純に言えば、様々なメディアや口コミが、いろいろな人や媒介を通して掛け算で広報されていく時代になってきていると思っています。つまりは、今ちょうど広報の仕方についても時代のターニングポイントの真っただ中なんだろうなと認識してます。
そこで、令和四年度佐賀県県民意識調査も含めいろいろなデータを活用して効果的な広報を行うべきだと考えますが、今後どのように工夫をしていくのでしょうか。
203 ◯永田広報広聴課長=令和四年度佐賀県県民意識調査結果を踏まえた今後の広報の工夫についてでございます。
広報広聴課におきましては、令和四年度佐賀県県民意識調査の調査結果のほかに、県民だよりによる定期的なアンケートをはじめ、広報動画の再生回数、それから県のホームページの閲覧数など様々なデータを持ち合わせております。LINEやフェイスブックなどのSNSにつきましては、年代や、それから居住地など、属性も把握しているところでございます。
これまでも個別のデータを分析しながら、随時、広報に活用してきたところではあります。例えば、県民だよりでアンケートを取っているんですが、これは私もちょっと意外だったんですけど、県民だよりのどういうページが好きかというアンケートに対して、当然、一位は特集ですね。これは表紙に近いところで当たり前ですけれども、年に六回ほどしか展開してない佐賀の食材を使ったレシピが年に六回ほど、小さな枠で紹介していますけれども、これが何と一位と遜色ないぐらいの割合で三位に上がっておりました。私は、危うく、この掲載回数を減らしてほかのコーナーを増やそうとしていたところですけれども、職員に、いやいやちょっと待ってよというようなこともございました。
こういったデータもしっかり使って、複数のデータを複合的に分析、活用するまでには、今、なかなか取組の中で至っておりませんので、これから広報を企画、実施するに当たっては、令和四年度の今回の佐賀県県民意識調査の調査結果はもちろん、幅広い種類のデータをこれまで以上に効果的に活用することを意識しながら、県民の知りたい情報を、知りたいタイミングで効果的にお届けできるよう工夫を重ねてまいりたいと考えております。
以上でございます。
204 ◯下田委員=ありがとうございます。データの話ですね。これ、私の実感として、最近、統計分析課をはじめとした、そのデータを活用しているなというようなことを感じる議会答弁が増えてきているなというふうにも思ってて、恐らく事業の構築に関しても、執行部の皆さんは、そのようなデータも踏まえて、きっと戦略的に練っていらっしゃるんだろうなというふうにも思っております。広報についてもぜひ活用していただきたいと思っております。
今のお話を受けて部長にお尋ねしたいと思っているんですが、例えば、広報広聴でしたらロマ佐賀列車とかありましたよね。ああいうのとか幅広く外の人たちの認知度が高いコンテンツだと思います。こういったものをいかに佐賀県に呼び込むかというところと、もう一つが、ちょうど昨日の佐賀新聞に出ていたので持ってきたんですけど、松丸亮吾さんが、先日、佐賀市内で講演したという記事が出てました。本当、手前みそで申し訳ないんですけれど、二年前のコロナ禍に僕の地元の鳥栖北小学校で謎解きイベントをやってもらったんですよね。このときの出会いが、西田悠弥君という子が、当時、小児がんで亡くなっちゃって、その子が亡くなる前に松丸君に会いたいと言って会いに行った、まだ全然有名じゃなかったときに。そのときに謎解きをしっかりやろうと心を決めたみたいで、ここに書いてあるんですけれど、それでイベントをやらせてもらったというのがあって、毎年、お参りに佐賀県に来てるんですよね。来たときには、西田一家と一緒に佐賀県の観光をしたりしてらっしゃるようです。
この一番最後のところに、佐賀県民にメッセージをお願いしますとあります。全部読ませてもらいますが、「今年『都道府県魅力度ランキング』で最下位になりましたが、佐賀の魅力を発信しきれていない気がしますね。僕は佐賀県出身ではないですが、遊びに来るたびに感じる佐賀の魅力を発信していきたいと思います。バルーンもみたいし、悠弥君や、マネージャーのふるさとが佐賀というご縁も深いので、これからも毎年来ます。街で見かけたら、『松丸くん』と声をかけてください。」と書いてあるんですよ。確かに、マネージャーさんも小城の方なので、佐賀に非常にゆかりのある方だと思います。
今後は、先ほど、「江頭2:50」さんのお話もありましたけれど、いわゆるインフルエンサーの方々とか、掛け算しながら広報の効果を高めていくということは非常に大切なことの一つだと思います。
ここ数年、先ほども御答弁いただきましたが、長期化するコロナ禍も重なって、各種メディアや情報発信を取り巻く環境は大幅に変化をしているというふうに思います。県では、これまでも様々なメディアや新たな手法を活用した広報や魅力発信に積極的に取り組まれてきていると認識していますが、今後、さらにどのような県政広報を展開していこうとお考えなのか、部長にお尋ねをいたします。
205 ◯進政策部長=今後の県政広報についてお答えいたします。
議員から御指摘がありましたとおり、近年、メディアを取り巻く環境は大きく変化しております。コロナ禍にテレビや雑誌などのマスメディアが地方ロケや取材に行きづらい状況が続いていたり、一方でユーチューブ動画やSNSなどウェブを中心に話題化し、それをマスメディアが後追いするような現象など、このように大きく変わってきております。
県でも、こうした現状や以前から課題としていました若年層向けの情報発信の方法を踏まえまして、県外向けの動画コンテンツアカウントを開設したり、公式「TikTok」も展開したところでございます。
この「TikTok」につきましては、県レベルでは九州初ということで先日メディアでも取り上げられました。議員から、最近、県庁も統計を政策に使うとか、広報の在り方、手法についてもどんどん変わってきているというふうにおっしゃっていただきましたけれども、私も着任以来、最初に来た頃は広報もSNSを頑張って使っていきますみたいな答弁をしていた気がしますけれども、この四年間で大分変わってきたなと私も思っております。
統計分析課についても、来た頃は、統計分析課は単に調査をやっているだけだったんですけれども、どう政策に反映するかということ。あと、政策を立案するときにも、統計分析課に担当部局がまず聞きに行って、何かいい統計がないだろうかとか、どうすればいいんだと。そういうふうに取組が変わってきておりますので、議員に言っていただきましたけれども、そうした取組は着実に進んできているなと思っております。
今、一つ案といいますか、お話として、ロマ佐賀のお話をいただきました。ああいった全国的に非常にファンが多いものとうまくコラボして、佐賀県のイメージづくりをしていくというのがまず一つ非常に大きいと思いますので、これは引き続きそうした取組をしていきたいと思います。実際、ロマ佐賀列車をやることによって多くの方が佐賀県に来ていただきました。そしてまた佐賀県を知ってもらえます。
さっきのアンケートの、佐賀県が国内外にいいイメージで広く知られているということについては、多くの人が来て、「すごいね」と言ってくれると自信も出てくるというところもあると思いますので、そうしたことはこれからもしていきたいと思っております。
また、インフルエンサーを活用したといったところにつきましても、「江頭2:50」さんともコラボしてということもありまして、非常に効果的だと思っております。先ほど言いましたように、(副委員長、委員長と交代)テレビを使ってマスでばーっとやるというよりは、SNSでもう少し細かいところで発信していくというところもあります。どういった方に、どういったものを発信してもらっていくかというのは、今後より大切になってくると思っておりますので、インフルエンサーといいますか、影響がある方に佐賀県のことを語っていただいたりすることも今後は大切だなと思っております。
あとは、伝え方もいろいろあると思うんですけど、これ、庁内で意識共有をしているわけではなくて、少し個人的に感じている部分もあるんですが、伝え方の工夫だけではなくて、何を伝えるかというところも少し戦略的にやってもいいのかなと思っております。松丸さんの話でも、佐賀県には魅力がっぱいあるというのは聞きます、私もそう思います。ところが、実際来て、いっぱいあるで終わっちゃって、いろいろ言うんだけど、「佐賀県って何?」というところがいまいち伝わらないとイメージを持ってもらえないんですね、外の人に。
例えば、ちょっと前になりますが、東京にいるときですが、芋焼酎が出てきた頃、あれは鹿児島県が戦略的に芋焼酎を特化して宣伝して、当時、スマスマでビストロスマップというのがあったんですけど、そこに売り込んで芋焼酎を置いてもらって飲んでもらって、「うまい、これはどこのだ」って言って、「鹿児島県のだ」と言って。それは一例ですけど、その時期は鹿児島県が芋焼酎で打っていこうということでやってたらしいんですね。
何かそういったこともいっぱいあるんですけれども、なので選ぶのが難しいかもしれませんけど、時期を選んで、今これをとにかくターゲットにしてやっていこうとか、そうしたことで少しイメージを持ってもらう。それで一回、気になって佐賀県のことを調べてもらえれば魅力がいっぱいだということは分かりますし、ファンになってくれると思います。
実際、私が着任してから、私の友人だけじゃなくて、いろんな方に来ていただいた感想を聞きますけど、あんまりイメージを持ってなかったけど、来てみればすごいねと言って、一回知ってもらうと深いファンになる県だなと。今だと、知っている人は知っているぞ佐賀県みたいな感じなんですけど、それをもう少し多くの人に広げていけるように、今後また工夫をしていきたいと思っております。
今、佐賀県県民意識調査について、るる御質問いただきましたが、その結果を含めて様々な最新のデータを参考に、県民の皆さんが求めている情報を欲しいタイミングで、情報の受け手目線でしっかりと発信していきたいと思っております。
以上でございます。
206 ◯下田委員=進部長、ありがとうございました。これからも積極的な発信をお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移りたいと思います。続いて、十周年を迎えた佐賀県公文書館についてお尋ねいたします。
今年、佐賀県公文書館は、平成二十四年四月の開館から十周年を迎えられております。十周年となれば、佐賀県としては大きく声を上げて何かしらのイベントを開催する、そんなイメージを単純に私は持ってしまうのですが、公文書館は、そもそも目立たない施設というようなイメージもあって、十周年をうたってはいるようですが、あまりスポットが当たっていないようにも思っています。
そこで、過去の議論を、インターネットで検索できる範囲ですが、全て目を通しました。公文書館ができる前から、ここにいらっしゃる土井先生や中本議員、また、諸先輩方をはじめ、民間の方々からも、佐賀県の公文書館設置を望む声や、施設の建設の在り方、施設の在り方について多くの議論がなされていたということを知ることができました。また、国においても、公文書館の在り方については、継続的に議論がされているようで、調べれば調べるほど、様々な論点があるなということまで認識ができました。
さて、佐賀県の公文書館は、歴史的文書をはじめとする県の貴重な公文書を収集・保存し、活用するための施設ですが、一方、様々なテーマを掲げた企画展が、今では定期的にテーマを変えながら行われていらっしゃいます。私も何度か公文書館を訪れて企画展を見学させていただきましたが、いずれも展示内容が非常に興味深いものでした。また、館を訪れた際にはスタッフの方々が丁寧に応対をいただいて熱心に資料の説明をしていただきました。公文書館は、図書館や博物館・美術館等の他の文化施設と比べて、県民の認知度もまだまだ低いように思われます。しかし、私としては、郷土の歴史を後世に伝える貴重な資料を有する施設として、もっとスポットが当たっていい、もっと県民の方々に知ってもらうべき施設だと思っています。
そこで、次の点についてお尋ねいたします。
まず、公文書館の設置目的についてです。
この公文書館は、どのような目的で設置された施設かお尋ねいたします。
207 ◯池田法務私学課長=公文書館の設置目的についてお答えいたします。
公文書館は、公文書館法及び佐賀県公文書館条例に基づき設置された施設でございまして、歴史的文書、すなわち歴史資料としての価値を有すると認められる公文書、その他の記録を収集・保存して閲覧できるようにし、また、これらに関する調査研究を行うことを目的としております。
以上でございます。
208 ◯下田委員=基本的なところをお尋ねしましたが、引き続いて、(二)公文書館の業務及び運営体制についてですが、まず公文書館は主にどんな業務を行っているのかお尋ねいたします。
209 ◯池田法務私学課長=公文書館の主な業務でございますが、大きく四点ございます。県が保有する公文書の中から歴史的に重要な公文書の選別、整理、保存、これが一つ目でございます。二つ目、歴史的文書の閲覧希望やレファレンスへの対応。三つ目、歴史的文書に関する企画展の開催や広報活動。四つ目、歴史的文書に関する調査研究。以上の四点が公文書館の主な業務でございます。
以上でございます。
210 ◯下田委員=四つの機能を有するということでございました。
次に、公文書館はどんな体制で運営されているのかお尋ねいたします。
211 ◯池田法務私学課長=公文書館の運営体制でございますが、公文書館は、法務私学課の職員が四名兼務しております。私、法務私学課長が館長を、副課長一名が副館長を、また、情報公開・文書担当の係長及び担当者一名が兼務しております。また、図書館副館長一名も公文書館と兼務しております。兼務職員だけではなくて専任の職員も当然配置しておりまして、再任用職員が一名おりますが、それ以外に
会計年度任用職員が三名配置されております。以上の九名体制により運営しているところでございます。
以上でございます。
212 ◯下田委員=ありがとうございました。つまり専属でやっている正職員の方はいらっしゃらないというような認識でいいと思います。そのような体制でやっているということでありました。
次に、アーキビストについてお尋ねをしますが、公文書館についてはアーキビストという専門職がいますが、アーキビストとはどういうものか。また、本県の公文書館ではアーキビストはどのような業務を行っているのでしょうか。
213 ◯池田法務私学課長=アーキビストでございますが、公文書館におけるアーキビストとは、組織において日々作成される書類、記録の中から、永続的な価値を有するものを評価・選別し、将来にわたっての利用を保証するという役割を担う者とされております。本県の公文書館においては、歴史的文書の選別や保存、閲覧希望への対応、調査研究を行っております。
アーキビストについては、公的な資格制度はございませんが、令和二年度から認証アーキビストという認証制度が設けられております。これは国民共有の知的資源である公文書などの適正な管理を支え、永続的な保存と利用を確かなものとする専門職を養成するとともに、その信頼性及び専門性を確保するため、一定の実務経験や知識・技能、調査研究能力を有する者を国立公文書館長が認証するというものでございます。
本県の公文書館においても、知識・技術の研さん、専門性の向上を目的として積極的に職員を研修等へ派遣しておりまして、昨年度、令和三年度には本県初となります認証アーキビストも誕生したところでございます。
以上でございます。
214 ◯下田委員=ありがとうございます。そのアーキビストの方は、
会計年度任用職員の三人のうちの一人の方と。聞いたところによると、あと二人の方も一生懸命その勉強に励んでいらっしゃるというような話も伺っております。
この体制の在り方について最後に聞こうと思っているんですけれど、私、過去の先輩方の議論等も踏まえると、やはり専門性を持った方に専任でいていただくべきではないのかなというふうに思っております。しかも、
会計年度任用職員ということであれば、年度を区切っての契約になるわけで、最長でも十年ほどというような話を聞いたことがありますが、当然、引継ぎをしていくというようなお話になるんでしょうけれど、果たしてそれで大切な公文書を扱う部署がそのような体制でよいのかというのは、今後、検討していくべき課題であるというふうにも認識しておりますので、また後ほどお伺いいたします。
次に、歴史的文書の電子化についてお尋ねをいたします。
歴史的文書の中には、作成されてから非常に長い年月がたって文書が破損したり劣化したりしているものもあると思われます。また、火災や水害、地震といった災害により歴史的文書が破損したり、なくなってしまったりするリスクにも備える必要があると思います。
これらに対処して、文書を将来にわたり閲覧できるようにするためにも歴史的文書の電子化が必要であると考えます。公文書館で閲覧できる資料の中には、パソコンで閲覧できるようなものがあるということで、資料の電子化は既に行われているようですが、この点についてお伺いいたします。
まず、歴史的文書の電子化を行う目的についてお尋ねいたします。
215 ◯池田法務私学課長=歴史的文書の電子化の目的についてでございますが、これにつきましては委員から御指摘いただいたとおりでございまして、時間の経過による紙文書の劣化、破損、災害による紙文書の破損、滅失、こういったリスクに備えまして、また、将来にわたり歴史的文書が閲覧できるよう、電子化を行っているところでございます。
以上でございます。
216 ◯下田委員=ありがとうございます。それでは、歴史的文書の電子化はどのように行っているのか。また、その進捗状況についてお尋ねいたします。
217 ◯池田法務私学課長=歴史的文書の電子化の方法と進捗でございますが、歴史的文書はスキャナーを用いて一般的なパソコンでも閲覧できますPDFと呼ばれるファイル形式で保存しております。
現在、公文書館において歴史的文書として保管している文書は、統計資料等の製本された資料とか、従前からマイクロフィルム化したもの、こういったものを除きまして電子化が可能なものは電子化が進んでいるところでございます。
218 ◯下田委員=ありがとうございます。今、進捗状況についてお話しいただきましたが、続けて、今後、この歴史的文書の電子化はどのように進めていくおつもりなのかをお尋ねいたします。
219 ◯池田法務私学課長=今後の取組でございますが、公文書の中から歴史的文書を選別するという作業は、今後も当然発生してまいります。引き続き、歴史的文書を選別した際には、その都度、電子化を行っていくということでございます。
先ほども申しましたが、歴史的文書の中にはマイクロフィルム化しているものがございます。マイクロフィルムも経年とともに劣化していくという状況がございまして、これらの資料についても、今後、電子化を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
220 ◯下田委員=ありがとうございます。電子化するマイクロフィルムの量も膨大だと思いますが、膨大な労力がかかりながら電子化を進めていくことになると思います。果たしてどのような体制でいくのか、また、この点も今後お伺いしていきたいと思っております。
では次に、企画展についてお尋ねいたします。
近年、定期的に企画展を行われています。今は「鉄道×さが-佐賀の人・石炭・うつわを運んだ鉄の道-」という企画展が開かれております。私も行かせていただいたんですが、初めて知ったことばかりで、大変興味深く拝見させていただきました。
例えば、先人たちは、神埼市千代田町の崎村地区を通って佐賀の今の巨勢町まで鉄道を通すという肥筑軌道が大正十二年五月に開通しておりましたそうですが、さらには、これを久留米まで延ばしていくというような案があって、当時の戦争や景気の動向で実現はしなかったようですが、設置が決定していたということでした。さらに、その仕事を当時の県議会議員の方が発起人となって取りまとめていたということも、もしこれが実現していたら、今の路線、いや、町の姿は変わっていたのかもしれません。
また、明治期に今のJR長崎本線が整備される際に、実は嬉野にも駅を建設する予定だったんですけれども、実現には至らなかったこと。また、認可までは下りたのに実現に至らなかった幻の伊万里鉄道など、先人が佐賀県の住民や未来のために奮闘された姿を知ることができて、今の鉄道の在り方の議論と非常にかぶるといいますか、相当な熱を持って当時も議論がなされていたということを初めて知ることができました。
そこで、この企画展について、公文書館では定期的にテーマを変えながら企画展が開催されておりますが、この企画展はどのような目的で行っているのでしょうか。
221 ◯池田法務私学課長=企画展の目的でございますが、企画展は、県民の方々へ歴史的文書を後世に残していくことの重要性を知っていただき、公文書の存在を身近に感じていただくことで、公文書への関心を高めていただくことを、その目的として行っております。
以上でございます。
222 ◯下田委員=ありがとうございます。公文書を身近に感じていただくという、なんでしょうね、とても、これからの公文書館の在り方の一つのテーマではないのかなというふうにも思いました。
それでは、企画展の内容についてですが、これまでの企画展はどのような内容、テーマで行われてきたのでしょうか。
223 ◯池田法務私学課長=これまで行った企画展でございますが、公文書館では、平成二十四年の開館以来、様々なテーマを掲げて企画展を開催してまいりました。最近行った企画を挙げますと、令和三年一月から四月に、佐賀の銘菓に関する「いとお菓子佐賀~シュガーロードと銘菓~」を開催しております。
令和三年四月から八月一日まで、オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて「一九六四から二〇二〇へ-佐賀を駆け抜けた聖火-」を開催しております。
令和三年八月から十一月にかけてSAGAサンライズパークの整備が進められていることに関連しまして、佐賀市日の出地区の歴史を紹介する「サンライズパーク百年史」といった展示を行ってきました。
現在、先ほど委員からも御紹介いただいた「鉄道×さが」ということで実施しているところでございます。
以上です。
224 ◯下田委員=ありがとうございました。建築展に私も行かせてもらったんですけれど、このとき、もしかすると以前行われた佐賀県立博物館で開催された建築展の原型がもしかしたら公文書館だったんじゃないかなというふうに思っています。その企画を私も見せてもらったから思うんですけれど、公文書館の職員の方々の専門性の高さを非常に感じた企画展でした。
次に、企画展に対する見学者の反応についてですが、公文書館の中でアンケートを行ってますね。企画展の見学に来た方々からはどのような反応があっているのかお尋ねいたします。
225 ◯池田法務私学課長=企画展に対する見学者の方々の反応でございますが、委員からも御紹介いただきましたように、アンケートを取っております。その中の意見には、例えば、「長い歴史の積み重ねを知ることができた」といったものや、「サンライズパーク百年史」の展示については、「昔、近くに住んでいたので懐かしい」とか、「若い頃、参加した行事や体験を思い出した」といった感想がございました。また、オリンピック・パラリンピック開催に関連した「一九六四から二〇二〇へ」の展示に関しては、タイムリーな企画であることを評価する意見が複数ございました。
以上でございます。
226 ◯下田委員=ありがとうございます。すみません、ちなみにですが、企画展に大体どのくらいの人数の方が来てくださっているかというデータをお持ちでしょうか。
227 ◯池田法務私学課長=企画展だけで数字を取ったものがございませんで、来館者数という形でよろしいでしょうか。──公文書館を見学する県民の数ですが、平成三十年度ぐらいまでは大体百名から二百名の間で推移しておりました。令和になりまして、令和元年度が四百五十七人、令和二年度が九百五十三人、令和三年度が六百二十人、令和四年度が十月末の段階で三百七十八人と、以前と比べますと令和になってから非常に増えたなというふうな印象でございます。
以上です。
228 ◯下田委員=ありがとうございます。今、人数をお伺いいたしましたが、広報活動について、企画展は興味深いものがとても多いと思っています。もっと県民の人に知ってもらうべきだと考えます。先ほども公文書館がもっと県民に身近なものになってほしいというようなお話、また、今、来館者数のデータもいただきましたが、さらに佐賀県の人たちに来場していただいて、この公文書の魅力を知っていただく、企画展に足を運んでいただく、そういったことが必要ではないかと思っていますが、そのための広報、PR活動はどのように行っているのでしょうか。
229 ◯池田法務私学課長=企画展の広報活動でございますが、新しい企画展を開催する都度、ホームページ上での紹介やツイッターでの情報発信を行っております。また、企画展のチラシを県内の各図書館に配布し、PRしているところでございます。また、今年からは県民だよりの文化施設のイベントスケジュール欄にも掲載しているところです。加えて、テレビの情報番組や新聞等で取り上げてもらえるよう、企画展を開催する都度、報道各社に対し、情報を提供しておりまして、地元紙や地元放送局からの取材も増えております。記事や番組で取り上げていただける頻度も高くなってきたなと感じているところでございます。
以上でございます。
230 ◯下田委員=ありがとうございます。そうでした。私もツイッターフォローさせていただいております。来るたびに、「おー、公文書館がツイッターしよる」と思ってうれしい気持ちがあったりして、わくわくしながら配信を待っていたりしております。
次に移りますが、公文書館の十周年記念と今後の運営についてお尋ねします。
公文書館の重要性や歴史的文書が持つ面白さは、もっと多くの県民に知ってもらうべきと考えております。公文書館は、今年、開設十周年という節目の年を迎えていますが、この十周年を契機として、今後さらに公文書館の魅力を県民にアピールしていくべきだと考えております。
そこでまず、公文書館の開館十周年に際して特別な催物やイベントなどは行ったのでしょうか。
231 ◯池田法務私学課長=十周年記念の催しについてでございますが、今年四月には、公文書館の開館十周年を記念した企画展「10年のあゆみ」を開催しております。これは、これまでの企画展を振り返って代表的な資料を展示したり、公文書館のこれまでの歩みを紹介したものでございます。また、十周年特別企画として、今年五月に公文書館のバックヤードツアーを開催しております。
以上でございます。
232 ◯下田委員=ありがとうございます。十周年記念、やってあるわけですね。でもなんかね、認知がなかなか進んでないと思うんですよ。企画展「10年のあゆみ」、バックヤード、書庫とかですよね。あそこ、僕も行かせてもらいましたけど、本当、本の山で、書物の、公文書の山で、湿度の管理とか、丁寧にちゃんと古紙で包んでしっかりと保存してあるような状況です。ただ、先ほど来場者数のお話も伺いましたが、十周年の割にはもうちょっと伸びていいのかなというのは感じます。
冒頭申し上げましたが、やっぱり佐賀県何周年記念となったら大々的に何かの行事を打つというイメージが、これは僕の勝手なイメージですけれども、そういったイメージがあります。であれば、もっともっと多くの人に知っていただくような仕掛けというのが、先ほど広報広聴課に質問させてもらいましたけど、広報広聴課と連動しながらやっていただければなというふうにも思いました。
では次に、今後の運営についてお尋ねしますが、今、質問をずっとさせていただきましたけれど、歴史的文書の保存や企画展の実施、運営体制の確保、今後の公文書館の運営について、どのようにお考えでいらっしゃるのかをお尋ねいたします。
233 ◯池田法務私学課長=今後の運営についてでございますが、まずは公文書館の主たる設置目的でございます歴史的文書を後世に引き継ぐため、引き続き、資料の収集や整理保存を適切に行っていく必要があると考えております。
また、企画展は、その時期の話題や行事を勘案しながら、県民に興味を持ってもらえるようなテーマを選んで公文書に関する県民の方々の関心が高まるよう、工夫を重ねて開催してまいります。
運営体制でございますが、現在、学芸員の資格を有する職員三名を公募の上、配置しております。うち一名は全国でも数少ない認証アーキビストでございまして、ほかの二名も含めてアーキビストに求められる知識や技能、調査研究能力を高めるための研さんに現在努めているところでございます。
県民の貴重な財産である公文書を将来の世代に確実に引き継ぎ、また、公文書が持つ歴史的な価値や面白さを県民の方々に知っていただけるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
234 ◯下田委員=ありがとうございます。最後に部長にお尋ねをしたいと思うんですが、今、御答弁をいただきました。近年の議会においても、今回も、佐賀県政史の話、あとは過去の議論でも佐賀県史の在り方について議論があっておりました。このような議論は、公文書館の存在が不可欠であって、十周年を迎えた佐賀県公文書館の存在は、大きく問われるものでありますし、今、大きく問われる時期でもあるというふうに認識をしています。
また、これも冒頭お伝えさせていただきましたが、さらに検討すべき課題も多くあると考えます。今回の質問に当たって議事録等を読ませていただいたんですけれども、先人たちも非常に思いを持って、この公文書館の設置をしましょうと、先輩もいらっしゃいますけれども、そのような思いがとても詰まった公文書館です。国の議論もまだまだ進捗している状況でもあると思います。例えば、公文書の管理は管理規程じゃなくて条例を制定するべきじゃないか。また、人員配置の在り方についても、今御答弁いただきましたが、本当に今のままでいいのか。県立図書館と県立博物館との連携や人事交流、これも非常勤だからほかの館と、もちろん連携はしてますけれども、人事交流というところまでは至ってないというお話を伺います。本当にそれでいいのか。また、県職員の方々の公文書に関する普及啓発、これも必要不可欠だと思います。あとは公文書と同時に私文書、この管理をどうしていくのか。また、第三者の視点からの公文書管理の在り方など、正直、本日の委員会だけでは、その核心に迫っていくようなことに関しては、整理すべき課題が非常に多岐にわたるものだというふうに思いました。今回、これらの点については、もう触れませんけれども、非常にそういった課題があるというふうに思います。
ただ、これからの佐賀県を考えたときに、先ほどの広報の質問でも触れましたように、総合計画にある「自発の地域づくり」、これに関する原点が、まさに詰まっているのが、この公文書館でもあるわけです。
こういったことを踏まえて、今後の公文書館の在り方について部長にお尋ねをしたいと思います。
235
◯甲斐総務部長=今後の公文書館の在り方ということで御質問いただきました。
委員からお話がありましたように、公文書は本当に歴史的文書でありまして、県民の貴重な財産ということで、それを預かる大切な施設でございますので、もっと広く県民に知っていただくべきものということは、同じ思いでございます。
そのために大事なことは何かと考えますと、課長から答弁したことと重なりはしますけれども、まず大事なのは、公文書の適切な管理、先ほど条例の話もございましたけれども、歴史的公文書というのは、県民共有の知的資源として県民の皆さんが主体的に利用し得るものでございまして、過去から未来にわたって県民への説明責任を果たしていくものというふうな、そういう貴重なものであるという認識の下、適切に保存し、利用の要望があったときに丁寧に応対できるような状態にしていきたいというふうに思っております。
それから、公文書館の運営を支える人材が重要でございまして、課長答弁にありましたように、今、高い能力と熱意を持った職員に職務に当たってもらっています。日々の業務の中で研さんを積んでいただいたりとか、研修へ派遣したりしながら、さらに高いところを目指していっていただいているというような状況でございまして、引き続き、人材の確保、育成に努めていきたいと思っております。
御指摘の
会計年度任用職員でいいのかという御質問もございました。職務の内容を見極めまして、どういった職種の方にこの職務をお願いするのかというのは、そこは人事ですとか組織を考える上での基本でございますので、これからもそういったところはきちっと見ながら考えていきたいと思っておりますし、現在は
会計年度任用職員ということでさせていただいております。任期につきましても柔軟に対応させていただいております。
そういったことがあって、さらに知っていただくためにということで、そこで重要な役割を果たすのが企画展だというふうに思っております。県民の皆さんに広く知っていただく機会になろうかというふうに思いますので、その時期に合ったホットな話題ですとか、いろんな切り口で興味を持っていただけるようにということで、魅力的な企画を実施することで、その公文書が持つ歴史的な価値や面白さというのをお伝えしていきたいというふうに思っております。
今、企画の構想段階から図書館の職員も加わって、どういった企画内容にするのかといったところは連携をしております。今後も企画や広報に当たっては、そういう関係施設とも連携しながら、工夫しながらやっていきたいというふうに思っております。
県民の貴重な財産である公文書館の存在を、より多くの方に知っていただいて御活用いただけるように、運営面、広報面にこれからもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
私からは以上でございます。
236 ◯八谷委員長=暫時休憩します。十五時十分をめどに再開します。
午後二時五十七分 休憩
午後三時十分 開議
237 ◯八谷委員長=委員会を再開します。
休憩前に引き続き質疑を行います。
238 ◯石井委員=私は、三項目通告をいたしておりましたので、よろしくお願いいたします。
まず最初に、信号機の設置についてお伺いしたいと思います。
県内における
人身交通事故は、県や警察をはじめ、関係機関・団体、地域のボランティアによる取組の成果もあり、昨年に比べては減少しているということであります。しかし、十月から十一月にかけて
交通死亡事故が多発するなど尊い命が失われております。これは十一月十三日現在で十八人の方が亡くなっているということであります。そういう意味で、たまたま、
交通死亡事故多発警報が発令されて今日が最終日ということです。予断を許さない状況にあるのかなと思います。
交通事故を防止するための施設については、様々なものがあると思います。その中で交通事故を防止するために最も期待されるものの一つに信号機があると思います。私どももよく、多分ほかの委員の皆さんもそうだと思いますけど、地元から、あそこに信号機をつけてくださいというような要望がたくさんあるのではないだろうかなと、そういうふうに思ってます。
しかし、信号機を設置するためには、分かりませんけど、一定の基準を満たさなきゃ駄目とか、多分いろんな決まりがあるんだろうと思います。設置に至る場合でも信号機が多額の費用を要するということも聞き及んでおりまして、電気代等の維持費も相当かかるのではないだろうかと思っています。また、信号機をはじめとする
交通安全施設の整備の在り方について、有識者からの提言もされております。
このようなことから、警察においては、予算を効果的に執行するとともに、基準を満たし、優先度の高い場所への信号機の設置を検討しておられると思います。住民からの要望、期待に応えることはもちろん、県民の理解を広めるためにも、いま一度、信号機を設置する効果や費用について答弁をいただきたいと思ってます。
一つ目は、信号機の設置の目的及び効果についてでありますが、この信号機を設置する目的と、信号機を設置することによって得られる効果はどういうものがあるのでしょうか。
239
◯原口交通規制課長=信号機の設置の目的及び効果についてお答えいたします。
信号機を設置する目的につきましては、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、または交通公害その他の道路の交通に起因する障害を防止するために行っております。
信号機を設置することで得られる効果につきましては、交通を方向別に分離して秩序づけることにより、車同士、あるいは車と歩行者の衝突などの交通事故を防止すること。それから、交通量に応じて適切なタイミングで動作させ、車の流れをスムーズにすること。そして、交通流が安定して自動車の停止回数が少なくなり、排出ガスや騒音などが減少することで交通環境を改善することでございます。
以上でございます。
240 ◯石井委員=信号機があることによって、いろんなものを誘導したりとか整理されてるとか、そういう効果があるということでありました。
この信号機の設置の状況ですが、県内における信号機の設置状況はどうなっているのでしょうか。また、信号機を新たに設置する際にかかる費用とか維持費はどれくらいなのかお伺いいたします。
241
◯原口交通規制課長=信号機の設置状況についてお答えいたします。
県内における信号機の設置状況は、令和四年度当初で千六百十カ所となっております。信号機を新たに設置する際の費用につきましては、信号機の種別によって異なるほか、道路事情によって信号柱や灯器の数が異なるため一概には言えないものでありますけれども、平均すれば一カ所当たり約一千万円となっております。
信号機の維持費につきましては、主に電気料金、通信回線費用、保守点検費用等が必要でありまして、一カ所当たりの平均に換算しますと、年間で約十八万円程度となっております。
以上でございます。
242 ◯石井委員=設置状況は千六百十カ所、そして、費用は大体一千万円ぐらいということ。そして、維持費が年間十八万円ぐらいという答弁でありました。やっぱり思っている以上に予算がかかっているんだなという感じがいたします。こういうことを県民の皆様に、これぐらいの予算が要りますよとか、何かの機会に周知をしていただければ非常に分かりやすくていいのかなという感じがいたしておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
それと、信号機の設置基準というものがあるのではないだろうかと思っています。信号機を設置する場合には、恐らくある一定の基準があるものだと思いますので、その際の基準はどんなものがあるんでしょうか。
243
◯原口交通規制課長=信号機の設置基準についてお答えいたします。
信号機の設置基準につきましては、全国的なものといたしまして、国の機関である警察庁が「信号機設置の指針」を示しており、全都道府県警察において統一的な運用を行っているところであります。
指針には、必要条件、すなわち全てに該当すべき項目五つ、それと択一条件、すなわちどれか一つに該当すべき項目四つが基準として示されておりまして、必要条件と択一条件の両方を満たすこととされております。
まず、必要条件について御説明申し上げますと、一つ目が、一方通行を除き、自動車等が安全にすれ違うために必要な車道の幅員が確保できること。二つ目が、歩行者が安全に横断待ちをするための滞留場所を確保できること。三つ目が、主道路の一時間の交通量が原則として三百台以上あること。四つ目が、隣接する信号機との距離が原則として百五十メートル以上離れていること。五つ目が、運転者及び歩行者が信号灯火を良好に視認できるように信号柱を設置できる場所があることの五項目でございます。
次に、択一条件について御説明申し上げますと、一つ目が、信号機の設置により抑止できたと考えられる
人身交通事故が一定数発生しており、かつほかの方法により代替がきかないと認められること。二つ目が、小中学校、幼稚園、保育園、病院、養護老人ホームの付近において、交通の安全を特に確保する必要があること。三つ目が、交差点において交通量が少ないほうの道路でも一定数以上の交通量があること。四つ目が、自動車等の交通量が多いため歩行者が容易に横断することができない場合という四項目でございます。
以上でございます。
244 ◯石井委員=やっぱりちゃんとした項目を設けて、それに沿って設置基準を設けてあるということでありました。
その設置基準を満たさなくなった場合は、どうされるんでしょうか。
245
◯原口交通規制課長=設置基準を満たさなくなった場合についてお答えいたします。
信号機の設置基準を満たさなくなった信号機につきましては、不必要な車両を停止することによる交通の遅れや、歩行者が信号無視をするなど、交通の安全と円滑を阻害する要因となるほか、無駄な維持費を生じさせるなど予算上のデメリットもございます。
したがって、このような信号機につきましては、合理的な維持管理を行っていくべきとの考え方の下、住民の方々との合意形成を行いながら撤去を進めまして、代替案として一時停止の規制を設けるなど、信号機以外の安全対策を行うこととしております。
以上でございます。
246 ◯石井委員=ありがとうございました。そして、冒頭申し上げました整備の在り方に関する提言、これはどのようなものでしょうか。
247
◯原口交通規制課長=整備の在り方に関する提言についてお答えいたします。
議員が御指摘されましたとおり、令和二年に「佐賀県における持続可能な
交通安全施設等の整備の在り方に関する検討会」という有識者による会議が開催されまして提言を受けております。
この検討会は、佐賀大学名誉教授を座長といたしまして、部外の有識者六人を迎えまして、これに警察側から六人が参加し、信号機を取り巻く現状を踏まえまして、今後の整備の在り方について様々な意見を交わしたものでございます。
検討会の結果、今後の整備の在り方といたしまして、
交通安全施設等の計画的な維持管理や地域住民の心情と安全への配慮に取り組む必要があるとした上で、五項目に取りまとめて提言されたものでございます。
この五項目について要約して御説明を申し上げますと、一つ目が必要性が低下した信号機への措置といたしまして、信号機の撤去等とその後の安全対策に関する地元住民への説明を十分に行うなど、地域の合意が得られるように努めること。
二つ目が、新設信号機の整備と改良といたしまして、御説明した信号機設置の指針を踏まえまして、公平かつ公正に設置の必要性を判断すること。
三つ目が、維持管理・更新等を着実に推進するための取組といたしまして、
交通安全施設の総数管理と保守点検の徹底とともに、信号機のLED化などの新技術を取り入れてコスト削減を推進すること。
四つ目が、信号機によらない交通安全対策といたしまして、道路管理者等の関係機関と連携して現場の交通実態に即した方法により実施すること。
五つ目が、財源対策といたしまして、合理化を推進する一方で、必要な箇所への新設、更新を確実に実施できる予算を確保することというものでございます。
県警察といたしましては、信号機の整備に当たり、申し上げた五項目に十分配意をしているところであります。
以上でございます。
248 ◯石井委員=ありがとうございました。その五項目の中で、私、非常に重要だなと思ったのは、地元住民等への説明を十分に行うという、そういう項目もあります。これは非常に大事だと思います。それともう一つは、高齢者率が高い地域に高齢者等感応装置を重点的に整備するとあります。この高齢者等感応装置というのはどんなものか、もしよければ教えていただければと思います。
249
◯原口交通規制課長=高齢者等感応装置の信号機についてお答えいたします。
交差点を利用する高齢者や足の不自由な歩行者などがおられますけれども、このような方々が横断歩道を通常の歩行者よりもゆっくり歩いて横断できるようにした信号機でございます。高齢者等の押しボタン信号を押すことによりまして、歩行者用の青の信号時間が通常よりも長くなります。
以上でございます。
250 ◯石井委員=ありがとうございました。
それと、信号機設置の要望と対応ですね。これは地元からそれぞれ非常に多いという話をさせていただきましたが、令和四年度ではどれぐらいの信号機の設置の要望数となっているのか。また、その対応はどういうふうな対応をされているのかお伺いいたします。
251
◯原口交通規制課長=信号機設置の要望と対応についてお答えいたします。
令和四年度当初、県警察として受理した信号機の設置の要望は四十三カ所でございます。これらの要望につきましては、先ほど申し上げた「信号機設置の指針」、検討会からの提言に照らしまして現地調査を綿密に行い、住民の方々からの意見を聴取し、設置の可否及び必要性、緊急性を検討しました上で、本年度は六カ所に設置をすることとしております。
なお、設置の検討に当たりましては、県民の方々の要望に的確かつスピーディーに対応するために、要望の都度、調査・検討を行うこととしておりまして、調査結果につきましては、設置のいかんにかかわらず、直接または要望を受けた警察署を通じまして要望者に丁寧な説明を行うこととしております。
今後とも、最適な形で予算を執行できるよう知恵を絞りながら、住民の方々からの信号機設置の要望に基づきつつ、それぞれの場所における事故抑止の必要性、緊急性、全国的指針や有識者の御意見などを踏まえまして十分な検討を行い、必要な箇所に信号機を設置してまいりたいと考えております。
以上でございます。
252 ◯石井委員=今年度、四十三カ所の要望のうちの六カ所をやるということでありました。何日前でしょうか、ラジオを聞いていましたら、今、半導体不足が世界中で問題になっています。半導体は信号機に必要なんですよね。神奈川県警なんかが二百五十カ所やるやつが五十機しかできないとか、来年度は二百八十機の予定があるけど、先が全く読めないという話なんかが出てましたので、それは何も都会の県だけの話じゃなくて、佐賀県も六カ所といいながら、非常に大事なんですね。その辺も心配しながら、今回質問させていただいているわけですけど、半導体が不足しているというのは、世界で大変な状況に、いろんなところに影響が出てきておりますので、ぜひこの辺も確保に全力を挙げていただきたいと、そういうふうに期待をしたいと思います。
次の項目に入ります。防犯ボランティア活動の活性化のための支援についてということで、平成二十六年四月に施行されました「佐賀県犯罪の起きにくい安全で安心なまちづくり条例」では、安全・安心なまちづくりの推進について、自らの安全は自ら守る、地域の安全は自分たちで守る、いわゆる自主防犯活動という認識の下に、県民、事業者またはこれらの者が組織する団体による犯罪の防止のための自主的な活動、いわゆる防犯ボランティア活動を基本と定め、また、県、市町及び県民等が相互に連携し取組を定められております。
この条例を踏まえて、「佐賀県防犯あんしん計画」が策定され、現在、推進中の第二次計画も本年度末をもって終了することとなっており、現在、第三次計画を策定中と聞いております。
その第三次計画では、重点取組として防犯ボランティア活動の活性化のための支援が取り上げられておりまして、ウイズコロナにおける今後の安全で安心なまちづくりを推進していく上で、県警察だけでなく、関係機関・団体が連携して県民一体となって防犯ボランティア活動に取り組むことが重要と考えております。
そこで、お伺いいたします。
まず、県内の刑法犯の認知状況についてでありますが、今年九月末現在の刑法犯の認知件数についてお伺いいたします。
253 ◯大坪生活安全企画課長=県内の刑法犯の認知状況についてお答えいたします。
今年九月末現在におきます刑法犯の認知件数につきましては、暫定値ではございますけれども、二千五十六件でございまして、昨年の同じ時期に比べ六十三件の減少となっております。
全国では、刑法犯の認知件数が今年八月末から増加に転じておりまして、佐賀県におきましても今後の増加が懸念されるところでございます。
具体的に申し上げますと、本年五月以降、五カ月連続で昨年の同月を上回り、この五カ月間では百二件増加しておりまして、特に詐欺、車上狙い、自転車盗などが増加しております。今後、ますます自治体や関係機関、防犯ボランティアなどと連携した安全で安心なまちづくりへの取組が必要だと考えているところでございます。
以上でございます。
254 ◯石井委員=二千五十六件のマイナス六十三件ということでありましたけれども、五カ月間では詐欺とか自転車盗が増えているという答弁でありました。増えないことを祈っております。また、取締りのほうもしっかりやっていただければなと思います。
それから、この防犯ボランティアの現状についてでありますが、県内の防犯ボランティアの現状についてどうなっておるんでしょうか。
255 ◯大坪生活安全企画課長=防犯ボランティアの現状についてお答えいたします。
防犯ボランティアは、刑法犯認知件数が戦後最悪でありました平成十五年以降、自主防犯意識の高まりを受けて拡大しまして、令和三年末におきます県内の防犯ボランティア団体は約二百三十団体、構成員は約二万一千二百人を把握しておりますけれども、近年は減少傾向にございます。
また、平均年齢が六十歳以上の団体は、平成二十三年末には約四割でしたが、令和三年末では約六割強を占めており、メンバーの高齢化や後継者の不在などによる固定化が進んでおりまして、今後も少子・高齢化や共働きの増加など、社会構造の変化からさらなる人材確保が厳しい状況だと考えているところでございます。
しかしながら全国では、例えば令和元年には神奈川県川崎市におきまして、登校中の小学生など複数人が切りつけられる殺傷事件が発生するなど、子供の通学路における安全確保が課題となっておりますし、県内でも、児童に対する声かけやつきまといなどが依然として発生しておりますことから、防犯ボランティア活動の重要性が一層高まっていると認識しているところでございます。
以上でございます。
256 ◯石井委員=やっぱりこういうところにも高齢化の波が押し寄せているのかなという感じがいたしますので、これは本当に県民を挙げた、地域を挙げた取組が必要になってくるんじゃないでしょうか。
次に、防犯ボランティア団体の活動についてですが、この団体はどのような活動を行っていらっしゃいますか。
257 ◯大坪生活安全企画課長=防犯ボランティア団体の活動についてお答えいたします。
防犯ボランティア団体の活動は、大きく分けますと、子供を見守る活動、一般防犯活動に分類することができます。
子供を見守る活動につきましては、子供たちを交通事故や声かけ、連れ去り等の犯罪から守るために登下校時間帯に通学路の巡回、主要地点での立ち番等を行うものでございます。また、一般防犯活動につきましては、主に侵入窃盗や車上狙いなどの街頭犯罪を防止するために、犯罪の多発時間帯や場所などへのパトロール、チラシの配布を行うものでございます。
このような防犯ボランティア団体による活動は、県内の刑法犯認知件数の減少に大きな役割を果たしてきたと考えておりまして、犯罪の抑止はもちろんのこと、地域の安心感の醸成にもつながるものであると認識しておるところでございます。
以上でございます。
258 ◯石井委員=この団体の活動は、子供を中心とした活動と一般の活動と二つに分けられるということでありました。
この防犯ボランティア団体との連携と支援についてですが、安全で安心なまちづくりを実現するためには、防犯ボランティア団体との連携が必要不可欠と思うんですね。県警察として防犯ボランティア団体とどのような連携をし、また、どのような支援を行っておられますのかお伺いいたします。
259 ◯大坪生活安全企画課長=防犯ボランティア団体との連携と支援状況についてお答えいたします。
県民が犯罪に巻き込まれることなく、安全に安心して暮らすことができるまちづくりを推進する上で、防犯ボランティア団体による自主防犯活動は、重要な役割を果たすものであり、県警察としましては、連携を密にしますとともに、各種支援を行っているところでございます。
防犯ボランティア団体との連携としましては、警察官との合同パトロールや街頭キャンペーンの実施、犯罪発生情報や防犯情報等の防犯ボランティア活動に必要な情報のタイムリーな提供などが挙げられるところでございます。
支援といたしましては、スキルアップ研修会を毎年開催しまして、防犯ボランティア活動に携わる人材の育成に努めましたり、合同パトロールなどを通じた防犯活動に関する助言、指導等の支援を行っているところでございます。
また、青色防犯パトロール団体の活動に必要な道路使用許可申請に係る手数料の免除や、防犯ボランティア団体が加入いたします保険料の負担、防犯パトロールベストや防犯腕章、防犯活動物品の提供、防犯パトロール用品等の無償貸与も行っているところでございます。
以上でございます。
260 ◯石井委員=それでは、今後の対応についてですが、ボランティア団体は様々な問題、課題を抱えておられるかも分かりません。今後、どのような対応を取っていかれるのかお伺いいたします。
261 ◯大坪生活安全企画課長=今後の対応についてお答えいたします。
県警察といたしましては、引き続き、防犯ボランティア団体との連携を密にしまして、適切な支援を行うこととしておりますが、申し上げたような人材確保などの問題が認められることから、より若い世代を主体とした防犯ボランティアへの支援と地域における防犯ボランティアネットワークをさらに強化しまして、加えて個人のみならず、企業等に対しても継続して防犯活動への参加を働きかけていくつもりでございます。
特に、最近、ウォーキングやジョギング、買物、犬の散歩など、日常の生活や事業活動の中に防犯の視点を取り入れ、不審な人物や物を発見した際には警察に伝えることで犯罪の抑止につなげる活動であります「ながら防犯」が注目されているところであります。
これは個人のみならず、企業にとっても負担が少なく、楽しみながら活動に携わることができる点で担い手の拡大が期待できますほか、継続した息の長い活動が可能となることや、活動の場が拡大されて各地域に広がるというメリットもございます。
また、同様に企業の社会的な責任を意味しますCorporate Social Responsibilityという言葉を使用した防犯CSR活動に取り組む事業者が増加しているところでございます。
これまでに県内で実施されました防犯CSR活動としましては、防犯カメラの自治体への寄贈、地元建設業者が設けました現場事務所に一一〇番の家を設置したり、企業の営業車両に「見守りステッカー」を貼付しての見守り活動の実施などがございます。
県警察といたしましては、防犯ボランティア団体の現状を踏まえまして、その活動が今後も持続可能なものとなりますよう、「ながら防犯」や防犯CSR活動の普及に取り組みますとともに、県や市町をはじめとする関係機関・団体との連携を図りながら、防犯ボランティア活動の活性化に向けた各種取組を推進していく所存でございます。
以上でございます。
262 ◯石井委員=ありがとうございました。ぜひそういうことで強固な取組をお願いしたいと思います。
私どもも早い時間に帰るときは有明漁連の前を通ったりしますが、小学生の子供たちがお年寄りの方に見守られて、一人じゃなくて二人とか三人とか、多分、要所要所に立たれているんだろうと思いますけど、ああいうのを見ますと非常に安心感もあるし、抑止力もあるんじゃないかなと思うんですね。あれは何も誰かにいたずらとかされるとかそればかりじゃなくて、交通安全上も非常に大事かなという感じがいたします。子供たちは騒ぎながら帰りますので、五人とか六人とか団体で帰ると、わーわーふざけながら帰ったりしますので、ちょっと道路にはみ出したりして非常に危ないとか、そういうのがありますから、ぜひ今おっしゃったようなことを強力に推し進めていただきたいと、そういうふうに思います。
最後の項目に入ります。
あと一月ちょっとで年末、そして年始、お正月等も控えますので、あえて飲酒運転防止対策ということで項目を挙げました。
質問の要旨を今から読みます。佐賀県においては、県や警察をはじめ、関係団体・機関が一丸となって、春、秋の交通安全県民運動を中心に、飲酒運転根絶に向けた取組を推進していただいております。最近、公務員の方の飲酒運転が頻繁に出てきて危惧をいたしておりますので、そういうことも頭に入れながら質問していきたいと思います。
報道なんかでよく見るんですが、飲酒運転をした人が、仮眠をしたから大丈夫と思ったとか、いろんな記事が出ております。酒は抜けていると思ったとかですね。でも、短時間でアルコールが抜けるわけないわけですから、恐らく誤った認識だろうと思うんです。安易に飲酒運転を行っている状況があるのかもしれないと、こう思ってます。
このような中、先ほど申し上げましたように、これから年末年始にかけて、忘年会とかいろんな行事がありますし、お酒を飲む機会も増えます。飲酒運転の増加が心配されるんですね。
また、一カ月間で交通事故により六人の尊い命が失われたと先ほど申し上げました。これ、所管の県民環境部長名で私どものアイパッドにも送られてきましたので、おさらいも含めてもう一回、お互いにとって大事なことですから読んでみたいと思います。
わずか一カ月の間に六件の死亡事故が発生したと。事故の特徴は、六人中五人が道路横断中の歩行者が亡くなっていると。そのうち四人の方が六十五歳以上の高齢者で、二人の方が横断歩道の横断中に事故に遭われています。歩行者が亡くなった事故五件中三件は夕暮れ時ということですね。そういうことから佐賀県交通対策協議会会長、これは山口知事ですが、
交通死亡事故多発警報を発令したということです。これは十日間で今日で終わりということですけど、この十日間というのは、せっかくなら二週間とか一カ月とかできないのかなと。決まりみたいなものがあるのかも分かりませんけど、そういうふうに思っているのは僕だけじゃないかもしれません。大変なことなんですね、人の命がかかってますから。その辺はまた対策協議会の中でぜひ議論をしていただければなと思います。
そういうことを踏まえて、県内の飲酒運転の状況についてですが、飲酒運転の検挙の状況についてお伺いいたします。
263 ◯中原交通指導課長=飲酒運転の検挙状況等についてお答えします。
飲酒運転の検挙状況につきましては、平成十八年八月、福岡県におきまして発生しました飲酒運転により幼児三人の命が失われるという悲惨な交通事故を契機としまして、平成十九年、飲酒運転に対する罰則が引き上げられて以降、全国的に大幅に減少しております。
本県におきましても、平成十八年中の八百三十六件から平成十九年中には四百八十二件と減少し、十年前の平成二十四年中が二百四件、五年前の平成二十九年中が百八十九件、昨年中が百六十四件と、その後も減少傾向で推移しており、本年十月末現在では、昨年並みの百三十九件、前年同期比マイナス七件となっております。
飲酒運転の特徴についてでありますが、五年前、平成二十九年中と昨年の検挙件数を比較してみますと、検挙時間帯別では午前零時台から午前五時台にかけてが、五年前も昨年中も約四〇%程度の割合となっております。
飲酒場所では、飲酒店等での飲酒が、五年前は全体の約四二・三%でありましたが、昨年中は全体の約四六・三%と割合は増加しております。また、本年十月末現在は全体の五〇・四%と、さらに割合が増加しているといった状況が見られるところであります。
私から以上です。
264 ◯石井委員=ありがとうございました。減っているというのは、本当、いいことだと思いますし、もう少し減っていけば、なおいいと思いますので。
次に、飲酒運転による
人身交通事故の発生件数について、発生の状況はどういうふうになっているんでしょうか。
265 ◯原交通企画課長=飲酒運転による
人身交通事故の発生状況についてお答えいたします。
飲酒運転による
人身交通事故につきましては、全国的に減少傾向で推移しておりまして、十年前となる平成二十四年と比較して昨年は約五割減少しております。他方、佐賀県におきましては、全国よりもその減少幅は大きく、平成二十四年の五十一件と比較しまして昨年は二十一件と、約六割減少している状況にあります。本年十月末現在を見ましても十件の発生となっており、前年の同じ時期と比べてマイナス七件と大幅に減少しております。
このように、飲酒運転が社会的に耳目を集めている一方で、事故の発生件数自体は最近でも着実に減少していますが、
新型コロナウイルス感染状況の緩和による飲酒機会増加に伴う事故の増加が懸念されるところであります。
以上となります。
266 ◯石井委員=ありがとうございました。全国的にも、佐賀県も減っているということであるけれども、コロナ禍の中でそういう影響が少しは出てきているんじゃないだろうかなということであります。もっともっと減っていくように、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
次に、飲酒運転をした人に対する罰則とか行政処分についてはどうなっているんでしょうか。
267 ◯原交通企画課長=飲酒運転をした者に対する罰則や行政処分についてお答えいたします。
先ほど交通指導課長が申し上げました平成十八年の福岡市の飲酒死亡事故を受けまして、道路交通法などが改正され、平成十九年に飲酒運転に対する罰則が、平成二十一年には違反点数が引き上げられました。アルコール濃度の程度にかかわらず、正常な運転ができない状態で運転する酒酔い運転の罰則や違反点数につきましては、五年以下の懲役または百万円以下の罰金、違反点数三十五点となっており、運転免許が取り消され、免許取得のために資格を失う欠格期間が三年以上となります。
また、酒気帯び運転につきましては、呼気一リットル中のアルコール濃度が〇・一五ミリグラム以上の場合、罰則は三年以下の懲役または五十万円以下の罰金となっていますが、違反件数はアルコール濃度の程度で異なっておりまして、〇・一五ミリグラム以上〇・二五ミリグラム未満の場合は十三点、〇・二五ミリグラム以上の場合は二十五点となります。一定期間中に違反による処分がない方等は、違反点数十三点で九十日の免許停止となります。また、違反点数二十五点の場合は免許が取り消され、欠格期間は二年以上となります。
以上となります。
268 ◯石井委員=分かりました。
あと、アルコールを分解するために必要な時間の目安というのはありますか。
269 ◯原交通企画課長=アルコールの分解に必要な時間についてお答えいたします。
アルコールを分解するために必要な時間は、飲酒量に比例して長くなりますが、その時間は、食事の有無や飲酒の習慣、性別、体格、飲酒状態など多くの要因が関係しており、分解に要する時間に正確な基準はございません。
厚生労働省や公益社団法人アルコール健康医学協会の公表によりますと、一般的には、体重六十キログラムの成人男性が五百ミリリットルの缶ビールを二本飲んだ場合は、分解に六時間から七時間が必要とされています。
アルコールは短時間で分解されることはないため、翌日に車を運転する予定があられる方は、一人一人が状況に応じて飲酒量や飲酒時間を考慮する必要があります。
以上となります。
270 ◯石井委員=次に、アルコールが運転に及ぼす影響は、どのようなものでしょうか。
271 ◯原交通企画課長=アルコールの影響等についてお答えいたします。
アルコールには麻痺作用がありまして、脳の働きを麻痺させてしまいますことから、安全な運転に必要な情報の処理能力、注意力、判断力などが低下してまいります。
具体的には、歩行者や信号の見落とし、危険を認知してからのブレーキ操作の遅れ、ハンドルやブレーキの誤操作のほか、気が大きくなってしまい、速度超過をするなど、交通事故に結びつく危険性を高めることとなります。
以上です。
272 ◯石井委員=次に、飲酒運転の根絶に向けた取組、これを今日、質問をしたかったわけですが、飲酒運転の根絶に向けた取組は、どのような取組をされてますか。
273 ◯中原交通指導課長=飲酒運転の取締りについてお答えいたします。
県警察では、飲酒を伴う交通事故や飲酒運転の検挙状況等から、飲酒運転が行われる蓋然性の高い時間帯、路線、場所を抽出するなどの分析を行い、飲酒現場をはじめとする取締りを効果的に実施しております。
新型コロナウイルス感染拡大防止対策による行動制限が緩和された影響によるものか、昼間、二日酔いの状態で運転をしていたところを検挙される事例もありますことから、飲酒運転は夜間に多いなどの先入観を排除して、昼間においても飲酒運転が疑われる車両の発見に努めるなど、取締りを強化しているところであります。
春期の歓送迎会、夏期、秋期の行楽時期など飲酒の機会が増える時期を捉えた取締りはもとより、唐津市、佐賀市といった飲酒運転検挙の多い特定の市町における、例えばお祭りの期間直前等の集中取締りを実施しているほか、同じく道路交通法で処罰の対象となっております車両や酒類の提供者、同乗者等の飲酒運転を助長している者に対する取締りについても推進しているところであります。
これから飲酒の機会が増える年末年始に向けまして、県下一斉の取締りや大規模な検問など、飲酒運転根絶に向けた取組を強力に推進していく所存であります。
以上です。
274 ◯石井委員=ありがとうございました。
広報啓発とか交通安全教育は大事だと思います。飲酒運転の根絶に向けた広報啓発、交通安全教育はどのような取組をされてますか。
275 ◯原交通企画課長=広報啓発や交通安全教育についてお答えいたします。
県警察では、飲酒運転の危険性や飲酒事故の重大さに加えて、短時間でアルコールが抜けることはないことでありますとか、いわゆる二日酔い運転には注意することにつきましては、周知を図るとともに、関係機関・団体や交通ボランティアの方々と連携しながら各種取組を粘り強く行っているところであります。
広報啓発につきましては、県と連携いたしまして、年四回行われる交通安全県民運動におきまして、飲酒運転の根絶を重点項目に掲げるとともに、市町には飲酒運転の発生実態に関して情報提供、情報共有を行うなど、県全体で飲酒運転根絶の機運醸成に向けた取組の活性化を図っております。
また、
新型コロナウイルス感染状況の緩和による人流の増加を見越しまして、首長をはじめとした関係機関・団体などと連携した街頭キャンペーン、繁華街周辺の駐車場における精算機等への飲酒運転に対する警告の掲示、飲食店に対する啓発チラシの配布や利用客への注意喚起依頼、そういったことを行いまして官民一体による対策を図っているところであります。
他方、交通安全教育につきましては、事業所で行う交通安全講習などにおける、被害者や加害者だけでなく、その家族などにも大きな影響を与える飲酒事故の悲惨さを内容とした映像の視聴に加えまして、アルコールが運転に及ぼす影響について理解を深めるため、飲酒状態での視覚を体験することができる飲酒体験ゴーグル、そういったものを活用しながら効果的な安全教育を推進しているところであります。
以上となります。
276 ◯石井委員=ありがとうございました。やっぱり粘り強く、本当に県を挙げてやるということに尽きるんですかね、そんな感じがいたしました。そして、先ほどから広報の話が随分出ておりまして、進部長からも広報の大事さ、大切さという話が出ておりました。最近、飲酒運転根絶に向けた、例えばステッカーとか、そういうのをあんまり見なくなったんですけど、今、ステッカーとか、そういうものの配布はされていますか。これは通告しておりませんでしたが、もしそういうことがあれば教えてください。どういうステッカーがあるのか。
277 ◯原交通企画課長=今、委員からステッカー等について御質問がありましたが、これといって飲酒運転根絶に係るステッカー等の配布といったものは行っておりません。
以上となります。
278 ◯石井委員=これ、私だけかも分かりませんけど、私が一番いいなと思う標語があって、「乗るなら飲むな 飲んだら乗るな」、これが短くて分かりやすくて一番いいなと僕は個人的には思っています。そういうものを要所、要所に広報というか、何か貼るとか、車なんかに貼ったりするじゃないですか。そういうのも一つの手かもしれないなと私は思ったりしておりまして、ぜひ分かりやすい標語あたりを、春、夏の交通安全運動もしっかりやっていただいているわけですから、そういうときとか、それ以外のときでもいいですから、やるというのも一つの方法かなと思ったりもしておりますので研究をしていただければなと思います。
最後に交通部長にお伺いします。今までずっといろんなことを質問してきました。交通事故がないというのは、本当に県民の願いだし、国民の願いだと思います。交通事故を起こしますと、加害したほうも、被害を受けたほうも大変だと思いますし、そういう記事もよく見たり、テレビの報道も見たりします。そういうことも視野に入れながら、交通事故のない安全・安心な県であってほしいと思います。
それから、飲酒運転の悲劇というのは、もう私がいろいろ言う必要も全くありません。これは一人一人が注意をしていくことによって、それがなくなっていくのかなと、そういう気持ちを持っておりますので、お互いにそういうことをしっかり頭に入れながら、内に秘めながら日々の生活をしていただければなと、そういうふうに思っております。
そういうもろもろを含めて最後に交通部長に所見をお伺いしたいと思います。
279 ◯田中交通部長=今後の取組についてお答えいたします。
委員御指摘のとおり、飲酒の機会が増える年末年始や人流の増加に伴いまして、今後の飲酒運転の発生、それに薄暮時等における人身事故の増加等も懸念されるところであります。
県警察では、引き続き、極めて危険性が高く悪質な犯罪行為であります飲酒運転につきましては、発生実態などを踏まえた厳正な取締り活動を推進するとともに、厳しい罰則や行政処分が課せられ、生活の糧を失いかねないなど、結果の重大性についても広報啓発を行うこととしております。
また、人身事故につきましても、全国的に見れば本県はワーストレベルの位置におりまして、これからまた年末にかけましても薄暮時等における人身事故の増加、また、高齢者の方にこれから暗くなってくるというところで反射材をつけていただく、そういったことにしっかりと取り組んで、一件でも事故が少ないようにやっていきたいと考えております。
加えまして、警察の力だけではなく、県や市町など関係機関・団体、交通ボランティアの方々と連携するなど、官民一体となって飲酒運転を絶対にしない、させない、そして交通ルールを守る、今、佐賀県でよく言っています「やめよう!佐賀のよかろうもん運転」をしっかりと根づかせてやっていきたいというふうに考えております。
県民お一人お一人の交通安全意識の向上を図るとともに、交通マナーを守っていただく。そして、悲惨な交通事故が一件でも少なくなるよう、安全・安心な佐賀県の実現に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
280 ◯八谷委員長=これで質疑を終了いたします。
暫時休憩します。
午後四時二分 休憩
午後四時四分 開議
281 ◯八谷委員長=委員会を再開します。
これより討論に入りますが、ただいまのところ討論の通告はあっておりません。討論はないものと認めます。よって、討論を終結し直ちに採決に入ります。
○ 採 決
282 ◯八谷委員長=まず、甲第四十七号議案中本委員会関係分、甲第四十九号議案、乙第七十二号議案から乙第七十四号議案まで三件、乙第七十六号議案及び乙第八十八号議案、以上七件の議案を一括して採決をいたします。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
283 ◯八谷委員長=全員起立と認めます。よって、以上七件の議案は原案のとおり可決されました。
次に、乙第九十一号議案を採決いたします。
これは、教育委員会委員の任命について、議会の同意を求める議案であります。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
284 ◯八谷委員長=全員起立と認めます。よって、乙第九十一号議案は同意されました。
次に、乙第九十二号議案を採決いたします。
これは、佐賀県有明海区漁業調整委員会委員の任命について、議会の同意を求める議案であります。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
285 ◯八谷委員長=全員起立と認めます。よって、乙第九十二号議案は同意されました。
次に、乙第九十三号議案を採決いたします。
これは、土地利用審査会委員の任命について、議会の同意を求める議案であります。
原案に賛成の方の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
286 ◯八谷委員長=全員起立と認めます。よって、乙第九十三号議案は同意されました。
○ 継 続 審 査
287 ◯八谷委員長=最後に、九月定例会から引き続き審議中の
一、財政確立について
一、政策の企画・調整について
一、危機管理・報道行政について
一、総務行政一般事項について
一、警察行政について
以上五件につきましては、諸般の検討が必要ですので、閉会中の継続審査といたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
288 ◯八谷委員長=御異議なしと認めます。よって、以上の五件についての継続審査を議長に申し出ることにします。
以上で本委員会に付託された案件の全部を議了いたしました。
なお、本日の委員会での質疑応答において、数字または字句の誤り、及び不適切な表現などがありました場合は、適宜、委員長の手元で精査の上、訂正などを行うことに御承認を願っておきます。
これをもちまして
総務常任委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。
午後四時七分 閉会
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