第八八号議案 漁港関係事業の経費の負担について
第八九号議案 港湾関係事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について
第九〇号議案 街路関係事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について
第九一号議案 海の
中道海浜公園事業の経費の負担について
第九二号議案
流域下水道事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について
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2 ◯議長(香原 勝司君) この際、知事から提案理由の説明を求めます。服部知事。
*
知事提案理由説明
3 ◯知事(服部 誠太郎君)登壇 皆さん、おはようございます。本日、追加提案いたしました議案は二十一件であります。その内訳は、令和五年度補正予算議案十一件、条例議案一件、経費負担に関する議案九件であります。
まず、予算議案について御説明申し上げます。
今回の補正予算は、年度内に措置する必要がある経費を補正するものであります。補正予算の額は、一般会計で六百三十七億二千六百万円余を減額し、特別会計で百八十二億円余を増額しております。また、企業会計では、
流域下水道事業会計及び
工業用地造成事業会計において補正を行っております。その結果、令和五年度予算の総額は、一般会計で二兆三千三十四億一千二百万円余、特別会計で一兆十一億六千五百万円余となっております。
歳入につきましては、企業業績が堅調に推移していることなどにより、国、県ともに増収が見込まれることから、県税や地方譲与税、地方交付税を増額しております。また、歳出予算に対応した国庫支出金等の補正を行っております。
歳出につきましては、教育・保育給付費をはじめとする社会保障費等について増額する一方、年度内の所要額がほぼ確定した経費を減額いたしております。
以上が補正予算の概要であります。
条例議案は、福岡県
緊急経済対策資金等信用保証料補填臨時基金条例について、基金に基づく事業を令和十年度まで継続することに伴い、本条例の有効期限を延長するものであります。
経費負担に関する議案は、漁港関係事業及び海の
中道海浜公園事業について、市の負担すべき金額を定めるもの並びに
空港整備事業外六件について議決内容の一部を変更するものであります。
以上、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重御審議の上、議決くださいますようお願い申し上げます。
4 ◯議長(香原 勝司君) 知事の説明は終わりました。
日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。壹岐和郎君。(拍手)
*壹岐議員質問
5 ◯六十九番(壹岐 和郎君)登壇 おはようございます。公明党の壹岐和郎でございます。会派を代表し質問します。
初めに、本年元日に発災した能登半島地震により犠牲となられた方々に謹んで哀悼の意を表します。また、御遺族や被災された皆様、いまだに避難生活を強いられている方々に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早く安心した生活に戻れることを祈りながら代表質問に入ります。
まず、令和六年度予算編成について質問します。予算編成の考え方は、令和五年度に続き一千億円の人づくり、県内GDP二十兆円への挑戦、安全・安心で活力ある社会づくりが三本柱です。まず、この三本柱がどのように進展したのか、分かりやすく根拠とともにお示しください。
六年度は、サステナブルと
イノベーションという二つの視点で施策を展開されようとしています。
サステナブル社会の観点から、産後ケアの促進を第一番に掲げられ、少子化へ歯止めをかけたい熱い思いを感じます。私は、平成三十年六月議会にて静岡県の取組を紹介し、市町村との協働、課題解決体制の強化を知事に訴えました。この施策に限らず、基礎自治体である市町村との協働がなければ、県民の安心感や希望は地に足がついたものとはなりません。県の多様な施策が市町村とうまくかみ合い、県民との共感と理解を深めることが重要です。県内市町村が抱えている課題を共有し、解決に結びつけていく必要があると考えます。そうすることによって、知事が目指す県民の皆様の命と健康、生活を守るというメッセージが県民に伝わると思います。知事の見解を伺います。
イノベーションの観点からは、明日の福岡の産業の米への重点投資の下、川上から川下に至る未来性のある事業を提案されているものと高く評価します。福岡県がグローバルな競争の中で勝ち抜いていく推進力となることを期待しております。そこで、県では県内中小企業の成長産業への新規参入、成長発展に向けてどのような取組を行っていくのかお答えください。知事は、今年のテーマを漢字一文字で「実」とされました。実務者らしい表現と感じます。我々も県民の皆様に安心と希望を実感してもらえるよう、施策の効果や進捗に県民目線でしっかり監視、提案をしてまいります。
では次に、本県のホームページについて質問します。福岡
県ホームページのトップページには教育委員会や県警のホームページのバナーが張りついておりません。例えば、広島
県ホームページを開くと、県議会、県警、県教育委員会のホームページバナーが張りついております。教育委員会のページを開くと、独立したトップページが表示され、教育長の挨拶、教育に関する大綱などが掲載、各課担当業務、教員を志望する方へ、県立学校入学を希望する方へなど、リンクとして県内学校一覧、
県市町村教育委員会等が結びつけられ、各種相談窓口の一覧が出てまいります。内容を全て確認したわけではありませんが、教育委員会として取組の方向性や分かりやすさについては大きな差があると思います。
そこで教育長に質問します。そもそも教育委員会の独立したトップページは存在しないのはなぜか。福岡県の教育行政について情報を分かりやすく公開し、県民の理解を深めるとともに利便性向上に努めることは県教育委員会の責務と考えます。人権やジェンダー、薬物、ひきこもりなど、大きく社会的に取り上げられる事柄に教育は深く関わり、何より不登校やいじめ、子供の自殺など、教育そのものが問われている現代において、教育委員会の使命は非常に大きいと思います。そのような観点からも、
県教育委員会トップページの作成は必要不可欠と考えますが、教育長の見解を伺います。
知事に伺います。トップページのレイアウトなど、ホームページ全体の定期的な見直しは行っているのか。トップページや各ページの情報の更新や内容のチェックはどのように行っているのか。また、ホームページについて、県民からの声を聞く仕組みはあるのか伺います。そして、県民への情報提供の充実や利便性向上の上から、
県警ホームページを
県ホームページにリンクさせるべきと考えますがいかがでしょうか。
次に、災害時の避難所の在り方と広域連携について質問します。能登半島地震で被害を受けた地域では、高齢者、障がい者、妊産婦などいわゆる災害弱者と呼ばれる方々の困難な状況が毎日のように報道され、誰しも胸を痛めているものと思います。事前に計画を立て、準備をしているにもかかわらず、災害の規模や態様がそれぞれ異なり、固有の障害が立ちはだかって計画どおりに進まないことも多々あります。しかしながら、災害当事者にとっては筆舌に尽くし難い困難を背負って、長期にわたる避難生活や将来に向けた生活再建に取り組んでいかなければなりません。よってできる限りの事前準備は行政の責務でございます。
知事に質問します。令和四年九月、我が会派の代表質問で福祉避難所を取り上げた際、知事は、一点目に災害時の避難で福祉避難所への直接避難の体制整備と市町村への支援強化について、直接避難を進めるには具体的な避難方法等について個別避難計画を作成することが必要。しかし、要配慮者の特定や受入れ施設の人材確保が進んでおらず、直接避難先を確保している市町村は二十四団体にとどまっている。また、令和三年五月に、
指定福祉避難所の名称、所在地、受入れ対象などの公示が市町村に義務化され、これまでに公示を行っている市町村は二十五団体、引き続き公示を促していく。
次に、現在国において防災関連業務のシステム化が検討されており、実用化すると個別避難計画で定めた避難所への迅速な避難について効果が期待されるが、運用面に課題もある。このため今後国の開発の動きを注視するとともに、課題の解消ができるか研究をしてまいりたい。
次、三点目に福祉避難所の確保について、市町村が指定する福祉避難所は七百か所、福祉避難所での現在の
受入れ可能人数は二万一千五百人余り。
県地域強靱化計画策定の際に、要配慮者は約三万人と推定し、十分にはまだ確保できてないと考えている旨答弁をされています。
以上、この三点について進捗状況と今後の取組についてお示しください。
次に、能登半島地震において、指定された
福祉避難所自体が被災し、開設ができない事態に陥っていること、拠点には物資が集積されているものの道路が寸断され必要とする人まで届かないこと、一方で障がい者施設、
放課後等デイサービスの事業所等の職員が寄り添って被災者を支援していること、隣の市の福祉避難所への移動で状況が改善したことなど、災害時には想定外の出来事が必ず起きると同時に、現場で知恵を出し、その困難を乗り越えておられる姿もあります。福祉避難所への避難を含め、県内の市町村間での広域避難する仕組みはあるのか。また、福祉避難所への広域避難については、平常時から災害、福祉部門の行政担当者と障がい者施設や高齢者施設など、
福祉関連事業者の責任者が連携する必要があると考えますが見解をお尋ねします。
次に、
クラウド型被災者支援システムを導入すれば、
マイナンバーカードを利用して罹災証明書や
被災者生活支援金、災害弔慰金等の
オンライン申請や罹災証明書等のコンビニ交付、避難所の入退所管理等が可能となるようです。災害時の早期対応や生活再建へ向けた早期取組を行うためにも
マイナンバーカードは重要な役割を果たします。こうした観点から、
カード申請促進にも取り組む必要があります。本県における
クラウド型被災者支援システムの導入状況と
マイナンバーカードの普及状況、被災者支援の観点から見た
マイナンバーカードの取得促進について、知事の見解を伺います。
火山国イタリアでは、四十八時間以内に簡易ベッド、仮設トイレ、食堂を提供することが法律で定められているそうです。トイレは数個のトイレと洗面台がセットになったコンテナを用意しているようです。福祉避難所に限ったことではありませんが、このたびの能登半島地震でも課題となった点です。
本県でも、多面的な角度から企業などと災害連携協定を締結しています。しかしながら、ベッドやトイレは特に災害弱者の皆さんにとって命に関わる必需品です。一刻も早く届けることが災害関連死を防ぐことからも大切です。床から三十センチ離すことで感染症のリスクが大幅に減るという報告もあります。特に水害の頻発する本県においては、個人では用意できない簡易ベッド、トイレを避難所へ早急に提供できる体制が必要だと考えます。避難所の在り方として、災害弱者の皆さんがベッドやトイレを利用できるような体制にすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
次に、
災害ケースマネジメントの取組について質問します。能登半島地震の被災地では、厳しい寒さの中、いまだ多くの方が避難生活を余儀なくされています。今後、被災者支援から生活再建へフェーズが変わっていくと思われます。現在の
被災者生活再建支援法では、罹災証明に基づき住宅の被害状況に応じて最大三百万円が交付されますが、その支援だけでは生活再建はできません。住まいを失った高齢者に、住宅の確保とともに介護ケアや医療的支援が必要となる方、仕事を失った方、多重債務を抱える方など、様々な課題を抱える被災者をどう支援するかが課題です。
私
たち公明党県議団は、先日宮城県仙台市を視察しました。平成二十三年、東日本大震災で仙台市は五万七千を超える世帯が大規模半壊以上の被害を受け、最大一万二千九世帯が仮設住宅に、そのうち約八割が借り上げの民間賃貸住宅(みなし仮設)に入居されましたが、広域に点在し、
プレハブ仮設入居と異なり、生活状況の把握が難しい中、仙台市は発災後、実態把握のため調査票を郵送しました。しかしながら、なかなか返信がなかったため、平成二十四年度から
シルバー人材センターに委託し、仮設住宅の入居世帯を全戸訪問し、対面で被災者の実態を把握しました。その上で、健康面など日常生活に支援が必要な世帯と資金面など住まいの再建に課題がある世帯等四つに類型化して、仙台市や
社会福祉協議会などが支援計画を策定。その計画に基づいて、行政職員や保健師、弁護士、NPO等の民間団体の協力を得て、被災者の実態に応じた官民連携の伴走型支援の体制を構築しました。この取組により、仙台市は被災自治体の中でいち早く、約五年で仮設入居世帯がゼロとなりました。仙台モデルと言われるこの取組は、
災害ケースマネジメントの先進事例として、熊本地震や鳥取県中部地震などのその後の災害でも取り入れられたところです。
政府は、昨年五月、国や自治体の災害対応の基礎となる防災基本計画を修正し、初めて
災害ケースマネジメントの整備促進を明記しました。能登半島地震においても、政府の被災者の生活となりわい支援のためのパッケージにもその取組が記載されているところです。
そこで質問です。アウトリーチによって被災状況や課題を把握し、生活再建に向けた計画を作成し、民間団体や福祉、法律の専門家らが連携して支援を行う
災害ケースマネジメントについて、知事の見解を伺います。
次に、政府が防災基本計画を修正し、
災害ケースマネジメントの整備促進を明記する中、本県でも被災経験の少ない市町村にも取組が広がるよう、
災害ケースマネジメントについて、本県の地域防災計画に明記すべきと考えますが、知事の見解を求めます。
本県では、広域での豪雨災害が頻発しており、活断層も多く存在します。また、
南海トラフ地震をはじめとする大地震も想定され、
災害ケースマネジメントは相談窓口を設けるだけでは取り残されるおそれのある高齢者や情報の行き届かない被災者を支援し、早期に自立、生活再建を実現する誰一人取り残さない取組を実現するために必要不可欠な取組です。仙台市の視察から学んだことは、官民が連携した伴走型の支援体制を平時から構築しておくこと、また
災害ケースマネジメントを実施するには、各地域で起こり得る災害を想定することが重要であるということです。県として、被災者の早期自立、生活再建に向けた市町村支援や民間団体との連携など、どのように
災害ケースマネジメントを推進するのか、知事の見解を求めます。
仙台市の実体験から指摘された課題は、政令市である仙台市と同規模の自治体ならともかく、規模の小さな市町村では職員も少なく、災害時には福祉担当職員に多くの業務が発生し、その仕組みを一市町村のみで運用するのは難しいこと。また、大規模災害では市町村の枠を超えた連携が必要となるということです。
災害ケースマネジメントは緒に就いたばかりであり、今後政府においても必要な取組が示され、進められていくことと思います。上記の課題を念頭に置いて、平時から県レベルの福祉関係者や士業関係者、NPOなどの地域の民間団体と連携を進め、市町村への迅速かつ効率的な支援につながるよう、検討を加速すべきことを指摘させていただきます。
次に、本県の水道耐震化について質問します。能登半島地震により、石川県輪島市や珠洲市などではほぼ全域で断水、水道インフラの重要性が再認識をされました。長期間の断水は、過去の大災害でも繰り返され、厚生労働省の資料によると、阪神・淡路大震災では約百三十万戸、東日本大震災では約二百五十六万戸が断水が発生。断水期間はそれぞれ約三か月、約五か月にも及びました。
厚生労働省は、二〇〇八年の省令改正以降、水道施設の耐震化に着手。各自治体では耐震管の整備を進めています。耐震管とは、地震の際でもつなぎ目の接合部分が離脱しない構造となっている管を指し、耐震管以外でも管路が布設された地盤の性状を勘案して耐震性があると評価できる管もあり、それらを耐震管に加えたものは耐震適合性のある管と呼ばれています。
政府は、大規模地震の発生確率の上昇、異常気象の頻発、激甚化等を踏まえ、令和二年に防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を閣議決定。基幹管路において、二〇二五年度末までに耐震適合率を五四%、二〇二八年度末までに六〇%以上に引き上げる目標を掲げています。しかし、主要水道管のうち、想定される最大規模の地震に耐えられる耐震適合率は、二〇二一年度末で全国平均四一・二%にとどまっており、目標値とは大きく乖離しています。耐震化が進まない地域の要因として財政難が挙げられます。水道事業は、各市町村が独立で採算を維持することが基本であるため、人口減少により料金収入が減少する中、管路の耐震化を進める財政的余裕がないのが現状です。
そこで知事にお尋ねします。本県の管路の耐震化の現状をお示しください。また、県としても財政的に厳しい市町村を支援し、管路の耐震化を進めていくべきと考えます。今後の取組について知事に伺います。
次に、地方公共団体における非常用電源の整備状況についてお伺いします。災害の際には、各自治体の庁舎等に
災害対策本部が設置され、被害状況の掌握などの要となり、業務継続性の確保は極めて重要です。現在、政府においては、災害に対する事前の備えとして、予断を持たずに最悪の事態を念頭に置き、人命を最大限守り、経済社会が致命的な被害を受けず、被害を最小化して迅速に回復する、言わば強さとしなやかさを備えた安全・安心な国土・地域・経済社会を目指す取組を進めています。
公明党は、かねてよりハード・ソフト両面からの防災・減災対策の強化、
災害ケースマネジメントの仕組みづくりを進め、大規模災害に備えた機能補完、機能分散型の国土形成への転換推進を訴えてまいりました。
地方公共団体においては、災害発生直後に設置される
災害対策本部の役割を増しており、平成二十八年熊本地震においても、救助活動など初動時の応急対策を迅速かつ的確に行うために、災害状況等の情報を一元的に把握することの重要性が改めて認識をされました。
消防庁は、昨年三月、各
都道府県消防防災主管部長に対し、非常用電源の設置等について、管内市町村に周知及び助言を行うよう要請をかけました。内容は、
災害対策本部が設置される庁舎において非常用電源を早急に整備すること。防災基本計画にのっとり、最低三日間以上の発電が可能な燃料の備蓄を行い、大規模災害発生時を想定して、七十二時間は非常用電源の稼働時間を確保すること。非常用電源の稼働を確実に行うために、浸水想定より上部へ設置するなど、浸水や地震に備えた対策を行うこと。緊急防災・減災事業債を活用するなどして、早急に実施することなどを要請しています。
令和四年六月現在の消防庁の全国調査によりますと、非常用電源の設置済団体数は、都道府県では設置率一〇〇%、市町村は千六百六十八団体設置済みで、設置率は九五・八%。一方、消防庁が求める稼働時間七十二時間以上の団体数は、市町村では九百七十三、設置率五八・三%と大きく低下します。
本県では、非
常用電源設置済みの五十五自治体のうち、二十三自治体が七十二時間以上稼働可能な電源を確保。設置率四一・八%であり、全国水準を大きく下回っていることが浮き彫りとなりました。低水準の要因は、燃料の備蓄スペースがないこと、対策に多額の費用がかかることなどが考えられますが、災害の頻発化する中で七十二時間以上稼働可能な電源確保は、市民の日頃の安心感、何より県民の生命と財産を守ることに直結をします。
そこで県として、
災害対策本部が設置される庁舎における七十二時間以上稼働可能な非常用電源の確保について、市町村にどのような働きかけを行っているのか。今後の取組に対する知事の考えと併せ伺います。
次に、障がい者に対する合理的配慮について質問します。令和三年の
障害者差別解消法改正により、事業者による障がいのある人への合理的配慮の提供が義務化され、本年四月一日に施行されます。合理的配慮の提供とは、個々の場面で障がいのある人から社会的なバリアを取り除いてほしいという意思が示された場合には、その実施に伴う負担が過重でない範囲でバリアを取り除くために必要かつ合理的な対応をするということです。具体的には、飲食店で障がいのある方から車椅子のまま着席をしたいとの申出があった場合、机に備付けの椅子を片づけ、車椅子のまま着席できるスペースを確保するといったことが考えられます。
合理的配慮の内容については、個別性の強い概念であるため、本法の条文では具体的に明文化されていません。したがって、合理的配慮の提供が各事業者にとって過重な負担かどうかの判断については、事業への影響や費用負担の程度などを考慮して、個別の事案ごとに具体的な場面や状況に応じて総合的、客観的に判断することになります。よって、個別具体的な対応を判断する相談窓口の整備が不可欠であると考えます。
そこで知事に伺います。福岡県障がいを理由とする差別の解消の推進に関する条例において、市町村は身近な地域における事案の解決、または改善を図るため、個別相談に応ずる相談体制の整備に努めることが定められておりますが、この点について、各市町村の相談窓口は十分に設けられ、事業者や障がいのある方に対ししっかり周知をされているのかお尋ねをします。
さらに、市町村の相談窓口においては、本年四月からの義務化に伴い、より具体的な相談が予想され、相談員の資質向上が求められます。そこで県として各市町村に対し情報提供や助言などを行い、実効性のある相談体制の構築を支援すべきと考えますが、その取組についてお尋ねをします。
合理的配慮の提供については、事業者と障がいのある方との間で対話を重ね、共に解決策を検討する建設的対話が重要だとされています。障がいのある方からの申出への対応が難しい場合でも、建設的対話に努めることで目的に応じて代替手段を見つけていくことが可能となるからです。そのためにも、幼少期からこの合理的配慮を含め、障がいについて理解を深める必要があると考えます。例えば、発達障がいであれば、令和四年の文科省の調査では、通常の学級に在籍する小中学生の八・八%に学習や行動に困難のある発達障がいの可能性があることが分かり、三十五人学級であれば一クラスおよそ三人となります。このように、学校においては特別支援学校に限らず、全ての学校において授業や行事、さらには友達との関わりなど、様々な場面での障がいについての理解と配慮が必要となります。
そこで教育長にお伺いします。障がいへの理解促進と必要な配慮について、小中学校では児童生徒に対しどういった取組を進められてきたのか。そして、今後どのように進めていくのかお尋ねをします。
次に、盲聾者支援について質問をします。先日、現在は任意団体である福岡県盲ろう者友の会を特定非営利法人とするための設立準備総会があり参加をしました。春日市のクローバープラザで開かれたのですが、会議室の部屋がなかなか確保できずに、会場は流し台が設置してある調理実習室で行われました。よく聞いてみると、毎月の定例会を開催する部屋を確保するのもなかなか苦労されているようです。会員数は九十八名で、準備総会にも県内各地から集まってこられ、実参加数は三十五名で、ほかは委任状参加という状況です。会場に足を運ぶこと自体が大変な中、喜々として集われる姿を拝見すると、たとえ視覚や聴覚に多くのハンデを持っていようとも、また介助者の指点字や触手話を通じてしかコミュニケーションが取れなくても、お互い顔を合わせることがいかに大切であるかを痛感したところです。
当会は平成十四年、独りぼっちの盲聾者をなくそうとの思いで、福岡盲ろう者友の会を立ち上げました。それ以来、障がい者福祉を取り巻く環境は大きく変わりましたが、盲聾者に対する認知度はいまだに非常に低いのが現状です。法律に定義がなく、重複障がいの程度や年齢も様々で、大変個別性が強い障がいでもあることから、既存の福祉制度では対応し切れないケースも多く生じているのが実情です。そのような中、現状を一番よく分かっている自分たちが主体となって、より盲聾者に寄り添い、さらなる自立と社会参加を促進し、支え合う、助け合う地域づくりの推進に寄与するために、前述のとおりNPO法人化を目指しており、今年度中に設立を目指しております。
知事に質問をします。一点目に、令和二年六月議会にて、重複障がい者数と通訳・介助員派遣事業登録者数との乖離があり、派遣事業にたどり着けてない方がおられる可能性がある。そのため、派遣事業を必要とする方、そのうち利用登録をされていない方、その理由についての実態調査の結果についてお示しをください。
二点目に、友の会会長をはじめとする支援をされている方が口々に訴えたのは、拠点が欲しいということです。東京都は二〇〇九年、鳥取県は二〇一六年に、それぞれ盲聾者専用の盲ろう者支援センターを設置し、通訳・介助員派遣事業、養成事業、相談支援、訓練、交流会、普及啓発などの事業を実施しています。直ちにそこまではいかなくとも、まずは盲聾者や支援者が集える場所が欲しいということです。できれば交通の便もよく、使い慣れた春日市のクローバープラザに事務所を設けたい旨、県へも要望されているようですが、空きがないとのことです。障がい特性から啓発活動、情報発信、情報交換が非常に困難であることを考慮すれば、拠点の確保は活動を支える基盤と考えます。本県の福祉行政推進のためにも、各障がい者団体の要望を聞き取り、例えばクローバープラザの会議室の改築など、拠点の確保に向けて検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
次に、特別支援学校生徒の進路支援について伺います。来年度の障がい者の法定雇用率は二・三%から二・五%に上がり、対象事業主は四十三・五人から四十人以上と拡大され、本県の対象事業所は令和五年六月現在の四千百三十二社から五百社程度増えることになります。特別支援学校の就職率は、障がい者就労支援A型を含めて四〇%です。六割の生徒は就労支援B型や移行支援事業所などの福祉施設等に進んでいます。県教委は、可能な限り一般就労を目指すとしています。私たちもその趣旨に大いに賛同し、達成のために質問をします。
まず職場開拓です。特別支援学校の職場開拓については、外部の就職指導員が各特別支援学校に一人いて活動をしていましたが、現在は廃止となっております。令和六年度予算案には、特別支援学校生徒の希望する進路を実現するために就労支援サポーターが復活配置されると示されております。就労支援サポーターの役割と人数をお答えください。
次に、特別支援学校生徒の希望する進路を実現するという目標を達成するため、来年度特別支援学校に設置される就職支援サポーターが県や福岡労働局、障がい者就労支援団体等と情報交換ができるテーブルを用意するよう提案をしますが、知事の答弁を求めます。
次に、離婚により一人親となる保護者への支援について伺います。県の統計調査によると、二〇二二年の本県の離婚率は一・六八と全国平均一・四七を上回り、全都道府県の中でも三番目の高さです。資料によると、二〇二二年の本県における離婚件数は八千四百四十四件であり、その中には離婚により一人親となる保護者が相当数おられると思われ、生計維持や住居の確保、子供の将来への影響といった生活や子育ての問題に悩んでいるものと想定されます。
このような離婚に伴う問題に悩む保護者のため、名古屋市では離婚を考えているカップルや離婚後一人親になった方を対象に、二〇二〇年度から開催してきた子どもと親のためのセミナーを本年度から子どものいる親のための離婚セミナーに改称して実施をしています。この改称は、離婚により子供の将来や生活再建等に思い悩む市民への情報提供を分かりやすく周知するための工夫です。同セミナーは、七月から十二月まで計九回開催し、養育費や面会交流など離婚の際に取り決めることや離婚後の生活設計について専門家が講義するもので、定員十名の対面形式のほか、本年度からは定員を設けないオンラインセミナーも始めています。他の自治体でも同様の取組があり、離婚に伴い一人親の漠然とした課題が明確になり役に立った等の感謝の声が多く寄せられています。このような取組が行われる中、本県においても、離婚により一人親となる保護者に対する離婚前からの支援の必要性を感じます。
そこで知事に質問をします。まず、本県における離婚率と離婚件数に占める未成年の子がいる夫婦の割合について、直近五年間の推移は全国平均と比べどうなっているのかお示しをください。
次に、離婚により一人親となる保護者が抱えることになる子育てや経済面などの課題と、これらの課題の解決に向けた本県の取組はどうなっているのかお尋ねします。現在、離婚を考え、または離婚し一人親になって様々な課題に直面している方へ行政の情報が適切に届いていないため、人知れず苦しみ孤独に悩んでいる方が多くいると思われます。今後、そうした方に対し一層寄り添う支援が必要と思われますが、本県ではどのように情報を届け、支援につなげていくのか。各自治体で実施している対面やオンラインでの離婚セミナーの開催等、必要な情報提供を積極的に行うべきと考えますが、知事の御所見を求めます。
次に、価格転嫁の機運醸成と持続的賃上げに向けた支援策について質問をします。本県が昨年十月に公表した県内企業における価格転嫁及び賃上げに関する調査結果によると、価格転嫁の状況について、エネルギー、原材料価格高騰の影響については九〇%以上の企業が影響があると回答しており、価格高騰によるコスト上昇分の価格転嫁が七割以上進んでいる企業は二三・九%にとどまり、半数以上の企業が十分な価格転嫁ができてない結果になっています。また、取引先との共存共栄関係を築き、利益やコストを適正にシェアすることを目指すパートナーシップ構築宣言について、既に登録していると答えた企業は僅か九・〇%で、制度の内容が分からないと回答した企業は四六・八%となっており、制度内容の周知が課題となっています。価格転嫁を進めるために期待する取組としては、消費者に適切な価格転嫁への理解を求める啓発活動と回答した企業が四四・一%と最も高く、メディアを活用した大規模な機運醸成キャンペーンの実施との回答も三三・八%に上っております。社会全体の機運醸成を図るためには、こうした取組を進める必要があると考えますが、本県としての取組を知事にお伺いします。
次に、中小企業の持続的な賃上げを実現するための取組について伺います。本年四月から物価高を上回る賃上げの流れを実現するため、賃上げ促進税制が強化されます。具体的には、四月以降、教育訓練費増額による税額控除率の上乗せ要件が緩和されるとともに、女性活躍支援、子育て支援に関する上乗せ措置が創設され、日本政策金融公庫の融資においては、本年二月から二・五%の賃上げ計画を提出した中小企業、小規模事業者に対し、二年間金利を〇・五%低減する特例措置が開始されます。
そこで知事にお尋ねします。県内の中小企業、小規模事業者において、新たな国の支援制度が活用されるよう、県としてもしっかり周知すべきと考えますが、どのように取り組まれるのかお答えをください。
また、本県でも今年度十二月補正予算により、持続的な賃上げに取り組む中小企業のため、賃上げ実現に向けた中小企業生産性向上緊急支援補助金や経営革新賃上げ環境整備緊急支援補助金を創設したところです。これらは事業者の生産性の向上を図り、経営基盤の強化、賃上げの実現に資するものと考えますが、申請に必要な事業計画の策定に悩んでいる事業者もいると聞いています。
そこで知事にお尋ねをします。事業者の事業計画の策定について、どのような支援を行っているのか伺います。
次に、中小企業の省エネルギー対策についてお伺いします。エネルギー価格が高騰する中で、省エネ対策を進めることは、経費削減の上からも中小企業にとって切実な課題です。本県では、省エネの専門家を中小企業に派遣してアドバイスする省エネ診断制度があり、この省エネ診断を受診した中小企業に対し、省エネ効果が期待できる設備の導入等を行う際に、この経費の一部を補助する福岡県中小企業等省エネ設備導入支援補助金が昨年度に創設されたところです。この取組は、省エネ診断から設備導入まで一体化した制度となっており、非常に有効な支援策と考えます。
そこで知事にお尋ねをします。エネルギー価格の高騰に苦しむ中小企業がこの制度をより活用できるよう、省エネ設備導入によりエネルギー使用量削減活用事例を紹介するなど、制度の周知、活用を促進する必要があります。中小企業の省エネ対策について、どう取り組んでいかれるのかお伺いをします。
次に、チーム学校について質問をします。不登校、いじめ、虐待、子供の貧困、ヤングケアラー等子供を取り巻く諸問題への解決には、子供の変化にいち早く気づき、早期の支援、対応することが大切です。福岡県教育委員会が作成した令和四年三月、学校の教育相談体制の充実を図る専門スタッフの効果的な連携・協働Q&Aには、教育相談体制をつくるためには、既存の会議を活用するなどし、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを含めたスクリーニングのための会議及び個別事案に対応するためのケース会議を実施する必要がある。スクリーニング会議を定期的に実施することで、重大な事案に至る前に早期発見及び支援が可能となる。ケース会議は、関係者が把握している情報の共有や何を目標に、誰を中心に、誰が何をするのかを明確にした支援策を決定し、関係者が組織として実行することが重要であるとあります。
北九州市立のある小学校校長と意見交換をしたところ、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの存在は大変に大きく、特に地域資源を含めた学校外と連携が必要なケースは多々発生し、そのような場面ではスクールソーシャルワーカーはなくてはならない存在であること。それゆえスクールソーシャルワーカーが複数の学校での重大な事案を多く抱えることになり人員が圧倒的に不足していることやスクールソーシャルワーカー自身の心のケアの必要性を訴えられていました。また、児童生徒のスクリーニングを定期的に行いたいが、小学五年時に個別面談を行うことが精いっぱいとのこと。なお、家庭訪問については、家庭環境を知ることや学校と保護者の関係を良好なものとするためにも毎年実施しておられます。
このように、現状は全ての児童生徒を対象に多面的、客観的な目で支援が必要な子供を拾い上げるのではなく、担任教員の目に留まった気になる子供をスクールソーシャルワーカーや児童相談所等につなげているのが実情ではないでしょうか。すると、各教員の属人的な能力や経験値に頼ることになり、組織的な対応の仕組みが構築されていない場合、教員が全てを抱え込み、教員の負担感は大きくなります。教員は子供のことを思うゆえに、道筋が見えないまま悶々と悩み、最悪大きな事件につながっていくことにもなりかねません。
いじめや虐待、貧困などが発見されにくい中でコロナ禍となり、ますます見えにくくなってしまいました。小中学校の令和四年度不登校児童生徒は二十九万九千人で過去最多。そのうち約四割が相談、指導を受けていません。また、九十日以上の不登校であるにもかかわらず、学校内外の専門機関等で相談、指導を受けていない小中学生が四・六万人に上ります。自殺者数は五百十四人で同じく過去最多。ヤングケアラーでは相談していない割合は約七割。つまり子供の苦しみが声になりにくく見えにくい。家族も気づくのが難しい場合や家族も厳しい状況に陥っているケースもあります。まず、この現実を認識しなければならず、スクリーニングの必要性がここにあります。
この現実を踏まえ、困難を抱える子供たちをいち早く発見し、組織的対応により具体的な支援へと結びつけ、かつ教員に新たな負担をかけない大阪府立大学山野則子研究室が開発したスクリーニングシステムの概要を示しながら、以下質問をします。
具体的には、スクリーニング会議にはスクールソーシャルワーカーも参画し、学期に一回程度、教師の主体性な活動に位置づけることで持続可能なものとします。経験や勘、個人の思いや判断だけに頼るのではなく、見過ごしやすい気づきのポイントが網羅されたスクリーニングシートに基づいて、教員が他職種と議論、検討していくことで方向性が組織として決定され、結果として文科省の求めるチーム学校を具現化することになります。データもクラウド上で蓄積され、AIも活用される仕組みです。このことにより教員の役割が明確となり、スクールソーシャルワーカーも適切に活用をされます。その後、必要に応じケース会議の実施となります。一方、日頃から情報共有する環境となっており、スクリーニングは不要と考える学校もありますが、多くは共有のみで終わってしまい、他の専門職、専門機関と連携し、児童生徒の状況改善に取り組むといった一歩踏み込んだ組織的対応には至っていないと山野教授は指摘をしています。山野研究室によれば、導入した半数以上の学校は、遅刻、諸費用滞納、いじめなどの友人関係等で改善、好転が見られたということであります。ある学校では不登校が三分の一になるなどの成果が確認されているようです。
同じく導入した学校に対して行ったスクリーニング活用前後の文科省委託事業二〇二一の調査においては、自分が受け持つ担任以外の児童生徒について意見を言う程度が倍増。複雑な家庭構成の中で暮らしている児童生徒を気にかける程度が四二・八%から五九・二%へ向上。児童生徒への対応を具体的に決定する度合いにおいては、全体では一三・五%から三六・九%へ、特に校長では六・三%から五二・九%と増えています。新たにスクリーニングを導入したことによる負担感については、ほとんど変化はありませんでした。これは既存の仕組みを使うことに加え、導入したことにより、教員一人ではなくチームとして解決していく方向へ変化していった効果と考えられます。児童生徒の状況が好転していることがデータにより把握でき、教員の取組の成果も可視化され、自信につながることなどの効果も確認できたようです。
結論として、新たな負担感はほとんどなく、教員一人で抱え込むことがなくなり、チーム学校として問題を解決する度合いが会議を重ねるごとに深まり、教員の精神的な負担感、ストレスは大幅に解消していきました。つまり、子供、教員、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、全てにプラスの効果が確認できる画期的なシステムと考えます。課題は、スクールソーシャルワーカーの質的、量的な人員不足と山野教授は指摘をしています。
そこで以下教育長へ質問します。県内公立小中学校と県立高校のスクリーニングの実施状況を伺うとともに、子供の変化の早期発見、早期対応には既存の会議を活用し、全児童生徒を対象としたスクリーニングをする仕組みがどうしても必要です。山野研究室は全国に出向いて研修を行っています。関西方面を中心に取り組む学校も増え、九州においても研修が始まっております。まずはこのシステムをしっかり理解していただき、このシステムの研修を全県対象で行い、意欲のある学校にはぜひ取り組むことを提案します。教育長のお考えをお聞かせください。
次に、県内公立小中学校における家庭訪問の実施状況とそのことに対する教育長の見解を求めます。
次に、地域資源や専門機関と児童生徒を適切につなげていくためには、チーム学校として全児童生徒に対し継続的かつ多面的な関わりが必要です。加えて、子供が学校を卒業した後も外部機関等の支援を継続させるためには、スクールソーシャルワーカーはなくてはならない存在です。スクールソーシャルワーカーを活用する校内体制となっているのか、本県の現状を尋ねます。同時に、今後のスクールソーシャルワーカー活用について取組を伺います。
次に、LINEでの児童生徒の悩み相談窓口の利用実績並びに評価と今後の取組方針についてお伺いします。
最後に、保護者も悩んでおります。文科省のCOCOLOプランに示されたように、学校と地域、関係機関の連携、協働や平素からの保護者間の関係づくりを促すため、保護者の不安を和らげられるようスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが関係機関等と連携して保護者を支援する仕組みを構築すべきと考えますが、見解をお伺いします。
次に、子供の自殺問題について質問します。警察庁などによると、令和四年の全国の児童生徒の自殺は五百十四人の最多となりました。対前年比で四十人の増。内訳は小学生十七人、中学生百四十三人、高校生三百五十四人でした。家族の証言などを基にした自殺の原因、動機は、家庭問題が百十四人、健康問題が百二十九人に対して、学校問題が二百八十一人で一番多くなっています。学校問題の中では、学業不振八十三人、進路に関する悩み六十人、いじめ以外の学友との不和四十九人、入試に関する悩み三十七人などが上位ですが、教師との人間関係という原因も八人います。まず初めに、子供の自殺をゼロとするため、県としてどのように取り組んでいかれるのか知事にお尋ねをします。
文部科学省は、子供の自殺を予防するため、平成二十一年に教師が知っておきたい子どもの自殺予防、平成二十二年に子供の自殺が起きたときの緊急対応の手引き、平成二十六年に子供に伝えたい自殺予防を作成し、学校における子供への自殺予防教育を進めてきました。また、平成二十九年には、政府の自殺総合対策大綱が改定され、SOSの出し方教育の推進が盛り込まれています。
そこで、本県の小中高校において自殺予防教育はどの程度実施されているのか。公立の小中高校と私立の小中高校別にその実施率をそれぞれ知事、教育長に伺います。
SOSの出し方教育については、さいたま市が先進的に取り組んでおり、小学校一年から高校一年までの各学年で出し方教育を必修にしています。また、千葉県教育委員会など、自殺予防のための啓発リーフレットを独自に作成し、ホームページに公開している県教委もあります。いずれも子供を自殺から守ろうという熱意が感じられる取組ですが、こうした先進的かつ独自の取組を福岡県教育委員会は実施しているのか、教育長にお尋ねをします。
自殺予防教育をどう実施したらよいか分からないという教育現場の声に応え、文科省は令和六年度に自殺予防教育の指導モデルを開発する方針と聞きます。都道府県などを公募し、協力しながら現場が導入しやすい授業や教材の開発を進めるとのことですが、県教委としても指導モデル開発に国と協力してはどうかと考えますが、教育長の見解をお尋ねします。
次に、指導死について伺います。指導死とは、教職員の不適切な指導で児童や生徒が精神的に追い詰められ自殺することです。平成十九年に指導死親の会を設立した同会共同代表の大貫隆志さんがつくった言葉です。文科省の自殺の原因、動機の分類には含まれませんが、教師の不適切な指導による自殺、指導死について、教育評論家の武田さち子氏は平成以降百件以上起きていると指摘をしています。
平成二十九年三月、福井県池田町の中学校で二年生の男子生徒が校舎三階から飛び降り自殺をしました。宿題の提出や生徒会活動の準備の遅れを担任と副担任から何度も強く叱られたことが原因でした。有識者による調査報告書を読むと、周囲が身震いするほどの大声でどなる。副会長として頑張っていた生徒会活動を辞めてもいいよと突き放す。生徒は叱られて土下座しようとし、過呼吸にもなりました。管理職や同僚の教員は薄々問題に気づきながら、進んで解決に動きませんでした。生徒は自尊心を傷つけられ、無力感にさいなまれ、逃げ場を失いました。
この事件をきっかけに、文部科学省は同年十月、「池田町における自殺事案を踏まえた生徒指導上の留意事項について」と題する通知を全国の教育委員会など学校設置者に出しております。教職員による体罰や暴言等不適切な言動や指導は許されないことを改めて指摘するとともに、学校設置者に対して生徒指導上の不適切な対応が原因で児童生徒の自殺が起きたとき、基本調査だけではなく詳細調査を行うことを指示しています。また、文科省は生徒指導に関する学校、教職員向けガイドラインでもある生徒指導提要を令和四年十二月に改訂しました。改訂版では、指導死した児童生徒の遺族でつくる安全な生徒指導を考える会の要望を受け、不適切指導の実例が記されました。
昨年十二月議会の一般質問で、我が会派の井上寛議員が教員の不適切指導について質問をしました。その際教育長は、県立学校において生徒の自殺に教員の不適切指導が疑われる場合、学校において基本調査を行い、保護者から不適切指導が自殺の原因との訴えがあった場合には、県教委が主体となって詳細調査を実施する必要があると答弁をされました。
教員の不適切指導が自殺の原因となった場合の詳細調査の実施は、子供の自殺が起きたときの背景調査の指針に定められており、県の指針として実施しなければならないものです。同指針には、詳細調査の組織は第三者的な立場の機関に意見を求めたり、外部専門家等の意見を求めたりして、その意見を尊重する体制とすることが望ましいとしてます。また同指針には、詳細調査の組織の設置までに時間がかかる場合、アンケート調査や聞き取り調査を調査組織による詳細調査に先行して緊急的に実施するかどうかを判断するとあります。
そこで教育長へ質問します。一点目に、本県では教職員の不適切な指導や行き過ぎた指導によって自殺した児童生徒、いわゆる指導死と疑われる児童生徒がいたのか。いたとすれば、県教委や市町村教委がどのような対応を取ったのか。また、県内児童生徒の自殺をゼロとするためにどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお尋ねをします。
二点目に、本県の場合、第三者的な立場の機関や外部専門家とはどのような機関や立場の方になるのか。アンケート調査や聞き取り調査を先行実施する用意はあるのか、教育長にお聞きをします。
指導死は決してあってはならないことです。生徒指導提要改訂版を基に適切な生徒指導の在り方について、教職員研修を充実していただきたいと考えますが、教育長の見解を求めます。
最後に、高齢者が関わる事故、事件の防止について質問します。高齢者が関連する交通事故の割合は増加傾向であり、二〇二三年度福岡県の死者数百三人のうち、高齢者六十二人、割合は六〇・二%となっています。二〇二四年に入っても、一月三十一日現在で既に死者十三人、うち高齢者は七人です。一方、偽電話詐欺の被害も深刻です。二〇二三年一月から十二月において、被害額十三億三千万円、前年同期比プラス四億八百万円。認知件数五百七十六件、前年同期比プラス二百八件と被害額、件数とも大きく増加をしています。二〇二三年では被害者の六四%は六十五歳以上の高齢者です。交通事故においては、高齢者自身が事故を起こすケースもあり、運転者、歩行者両面からの取組が必要です。交通事故と偽電話詐欺について、要因分析については警察本部長へ、併せて防止対策について、知事並びに警察本部長に伺います。
次に、近年の免許返納状況についてお示しいただくとともに、対応状況を警察本部長にお伺いします。
私の地元である小倉北警察署では、昨年から行政と連携し、署員の方が地域の民生委員等日頃から地域をよく知る人と同行し、高齢者宅を計画的に訪問しているとのことです。目に見える効果はこれからだと考えますが、民生委員等の方も警察官との同行訪問で安心感が生まれ、交通事故や詐欺への声かけなど、大変効果的との受け止めのようです。また、警察署としては個人情報がないため、単独でピンポイントの訪問が難しく、訪問される高齢者は地域の方と警察官が訪問することで防犯などの情報も得られるなど、大変好評です。また、顔が見える間柄となることにより、困ったことがあった場合、相談しやすくなるなどの効果も期待できます。他の地域でも取り組んでおられるところもあろうかと思います。最近の電話詐欺の手法は巧妙化しネット上で完結するなど、他人の目の届かないところで詐欺が行われています。法的整備や技術的な対策も追いついていないのが現状です。対面で注意を促すことは、特に高齢者にとって大変効果的と考えます。多様な対策を講じると同時に対面での働きかけも重要です。ぜひ福岡県警として全県で取り組んでいただきたいと考えますが、警察本部長の見解を求めます。
以上で代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
6 ◯議長(香原 勝司君) 服部知事。
*知事答弁
7 ◯知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。
まず当初予算の三つの柱の進展についてでございます。まず、一千億円の人づくりでは、今年度アンビシャス運動を発展的に継承し、市町村や地域団体、企業などと連携した未来子どもチャレンジ応援プロジェクトを始動しました。昨年八月開設した福岡半導体リスキリングセンターは、これまでに三千人を超える技術者が受講されており、大変御好評をいただいております。また、本県農業を牽引する農業経営者を育成するため、先端技術の習得を支援するリカレント教育を実施しております。女性活躍については、女性の進出が少ないIT、建設業など様々な分野で活躍する人材を育成しております。また、企業の管理職などロールモデルとなる女性との交流の場、福岡キャリア・カフェを今後県内各地に拡大してまいります。
県内GDP二十兆円の挑戦では、企業誘致の受皿として、現在直方・鞍手工業用地の造成を進めておりますほか、今後苅田港新松山地区第三期工業用地の造成、うきは西部工業用地造成に向けた調査などを進めてまいります。一昨年、グリーンをキーワードに半導体、自動車、水素の産学官連携組織を発展的に改組、新設いたしました。これらを生かし、グリーンデバイス開発・生産拠点の構築や脱炭素化に向けた電動化などに対応する自動車のグリーン先進拠点の形成、水素大規模拠点などグリーン水素による経済と環境の好循環の実現に向けた取組を進めております。バイオでは、令和三年に西日本で唯一国の地域バイオコミュニティに認定され、大手製薬企業とのライセンス契約や株式上場、資金調達に成功するバイオベンチャーが次々に生まれております。国際金融機能の誘致では、チーム福岡として、これまでアジアを中心に二十三社の誘致に成功しました。来年度は福岡市と共同提案した金融・資産運用特区の認定を目指します。新型コロナで大きな打撃を受けた観光産業は、需要喚起のための宿泊助成等により宿泊者数がほぼコロナ前の水準まで回復しております。農林水産分野では、あまおうの販売単価十九年連続日本一、八女茶については八女市が玉露で二十三年連続で産地賞を受賞、大豆のふくよかまるが販売単価日本一を達成など、ブランド力向上の取組は着実に成果を上げております。昨年末、北九州空港の滑走路延長工事が着工いたしましたほか、
福岡空港の滑走路増設は来年度中の完成が見込まれます。福岡高速三号線の延伸、八木山バイパス及び東九州自動車道の四車線化、有明海沿岸道路の本県区間の全線開通など、基幹的道路の整備は着実に進んでおり、今後も北九州下関道路の早期整備等国へ働きかけてまいります。
安全・安心で活力ある社会づくりでは、出生数の減少が続く中、少子化に歯止めをかけるため、今年度出産・子育て安心基金を創設しました。これを活用した施策を推進してまいります。子供の居場所となっている子供食堂が安定した活動ができるよう、地域のネットワーク化を図るとともに、クラウドファンディング型ふるさと納税による寄附を募集し、県産の食材を提供いたしました。日本財団と連携し開設した国会図書館の蔵書のデジタル化を行う就労支援の場は、複数の障がい者施設を利用している方や働きづらさを抱えた方が共に働ける全国唯一の福岡方式として高い工賃を実現しております。ワンヘルスの取組は大きく前進しております。昨年はFAVAワンヘルス福岡オフィスが開所。アジア及び世界のワンヘルス実践活動をリードする同オフィスと連携し、世界的先進地を目指した取組を進めてまいります。全国初となるワンヘルスセンターは、みやま市の御協力の下、建設地を決定、令和九年度中の開設に向けた準備を着実に進めております。ワンヘルス教育につきましては、今年度全ての県立高校での実施が実現いたしました。このほか今年度は、BRTひこぼしライン開業、ツール・ド・九州開催などが実現いたしました。
このように、当初予算の三つの柱に基づく施策は着実に進展しているものと考えております。
市町村の課題解決に向けた仕組みについてでございます。県では、一昨年四月に市町村振興局を設置し、市町村支援の仕組みを大きく見直しました。具体的には、局長、課長、地域政策監が地域に頻繁に足を運び、市町村のお声を直接聞かせていただくなど、地域の実情や課題の把握に注力してまいりました。把握した課題は、その内容に応じて適切な助言を行いますとともに、局が市町村の立場に立って庁内各部と折衝するなど丁寧に対応しております。例えば、市町村の地区開発や都市計画ビジョン、産業構想などについては、市町村の求めに応じ庁内各部と調整の上、協力して法令上の手続や財源の確保に関し継続的に助言を行っております。また入札契約制度の見直しを行いたいとの相談に対しては、専門知識を持つ県職員を派遣するなど、市町村に寄り添った支援を行っております。
さらに、今年度地域振興施策について、県からの情報を提供する場であった地方創生市町村圏域会議を見直しました。副市町村長出席の下で、あらかじめ市町村から提案された議題に関わる県の担当課が参加し、それぞれの地域が抱える課題を共有するとともに、その解決に向けた施策の協議を行っております。
このような活動を続けていくことにより、県と市町村の信頼関係がより強固となり、県の関係部局との連携もさらに深まっていくものと考えております。引き続き、市町村振興局が市町村の総合相談窓口となり、市町村の立場に立った一層の支援を行ってまいります。
中小企業の成長産業への新規参入、成長発展に向けた取組についてでございます。県では、半導体やバイオ、水素など、明日の福岡の産業の米とも言うべき成長産業分野への中小企業の新規参入、成長発展を目指して施策を展開しております。具体的には、県内中小企業を対象に、最新の業界動向を紹介し、成長産業への参入を促進するフォーラムやセミナーの開催、新分野への挑戦を後押しする新製品・新技術開発への助成や専門家による伴走支援、開発した製品の販路拡大を目指しての大型展示会への出展支援や大企業とのビジネスマッチング、各分野で活躍する人材を養成する専門技術講座の開催などに取り組んでおります。
こうした県の支援策により、世界的な半導体企業向けに半導体デバイスの開発設計段階での不良検出や性能解析を行うテストチップを開発した企業、あるいは独自のゲノム編集技術により国内大手製薬企業と総額二百億円を超えるライセンス契約に成功した企業、優れたメッキ技術が世界初の液化水素運搬船の重要部品に採用された企業など、大きなビジネスチャンスにつながった中小企業が出ております。今後は、大きな成長が見込まれるバッテリーEV部品や宇宙関連機器の開発助成や大企業とのビジネスマッチングなどを強化する考えであり、今議会において関連予算をお願いしております。これらの取組により、成長分野への参入を目指す中小企業の挑戦を全力で応援し、さらなる成長発展につなげてまいります。
福岡県のホームページについてでございます。県のホームページは県民の皆様にとって見やすく、分かりやすいものとなるよう、おおむね六年ごとに全体の見直しを行っておりまして、現在のレイアウトによるホームページは令和二年三月から運用しております。トップページには、様々な県政情報の中でも、特に県民の皆様にお知らせしなければならない重要な情報へのリンクを配置しております。その内容や配置場所については県民情報広報課において決定しており、随時更新を行っております。また、各ページは各所属において作成し、随時内容のチェック及び情報の更新を行いますとともに、全庁的に年に一回の総点検を実施しております。県民の皆様からの声をお聞きする仕組みとしては、各ページにおいて、情報が分かりやすかったか、見つけやすかったかといった評価に加え、御意見が記載できるようにしておりまして、いただいた評価や意見に基づき、各所属において随時改善を行っております。
県ホームページから県警察ホームページへのリンクについてでございます。令和二年三月のホームページ全体の見直しに当たりましては、スマートフォンでの閲覧が増加している状況を踏まえ、トップページは小さな画面でも重要な情報を分かりやすく提供する必要があると考え、文字を少なくし画像を用いたシンプルなデザインとすること、リンクを多く配置するのではなく、検索窓から直接欲しい情報にたどり着きやすくすることなどの考え方により見直しを行っておりまして、県警察ホームページへのリンクは設けておりません。
県ホームページでは、トップページに表示しております相談窓口の中に、飲酒運転撲滅、犯罪被害者支援などについて、県警察ホームページの中の相談窓口へのリンクを設けておりまして、トップページ上にリンクがないことについては、県民の皆様から困っているとのお声はいただいていない状況にございます。今後、
県ホームページ全体の見直しを実施する際には、県民の皆様からの御意見や県警察の要請を踏まえまして、リンクの設置について検討を行ってまいります。
福祉避難所の状況と今後の取組についてでございます。直接避難先として確保している市町村は、昨年九月末においても二十四団体にとどまっております。県では、直接避難の必要性を周知するとともに、個別避難計画の作成率が低い市町村と連携し、避難支援者の確保、計画を作成するための協議会の設置、あるいは研修等に取り組んでおります。具体的には、五つの市町に対し専門家や県職員を派遣し、協議会設置や計画作成に向けた具体的な手順などに関する助言を行いました。その結果、一市一町で福祉専門員なども参画する協議会が設置され、現在計画作成に向けて取組が進められております。今後もこうした取組を通じ、直接避難のための体制整備を図ってまいります。
また、
指定福祉避難所については、公示することで受入れを想定していない被災者が避難してくるという懸念があることなどから、公示をしている市町村は昨年九月末でも二十八団体にとどまっております。今後も公示していない市町村に対する通知や毎年開催している事務担当者研修会を通じ公示を促してまいります。
次に、防災関連業務のシステム化につきましては、国において今年度も引き続き実証事業が行われております。なお、県では令和四年十二月に避難所の開設状況が確認できる防災アプリ、ふくおか防災ナビ・まもるくんを開発し、登録促進に取り組んでおりまして、現在登録者数は十五万人を超えております。
福祉避難所の確保につきましては、市町村が指定する福祉避難所は、昨年九月末で七百五十か所、
受入れ可能人数は一万九千四百人となっております。箇所数は着実に増えておりますが、
受入れ可能人数は一部市町村の見直しによりまして、令和四年の三月よりも減少している状況でございます。県といたしましては、福祉避難所の設置・運営に関するマニュアルを随時更新し、この中で社会福祉施設や公共施設を福祉避難所として活用する事例やその場合の留意点を示すとともに、避難所選定の手順や社会福祉施設との協定書の例を提供し、引き続き市町村の取組を支援してまいります。
県内の市町村間の広域避難の仕組みについてでございます。県内の全ての市町村は、県の呼びかけにより災害時における福岡県内の市町村の相互応援に関する基本協定を締結いたしております。この協定により、被災市町村は市町村を越えた広域避難の受入れについて、福祉避難所を含め要請することができます。県では、特に福祉避難所について、広域避難に関するマニュアルを作成し、受入れ要請の手順や県、被災市町村、避難者の受入れ市町村の役割を示すとともに、平常時から受入れ市町村と広域避難受入れ可能な福祉避難所が連携しておくよう促しております。あわせて、広域避難が必要とされる場合に迅速に対応できるよう、市町村の事務担当者研修会においてマニュアルの周知を図っております。
クラウド型被災者支援システムの導入状況と
マイナンバーカードの取得促進についてでございます。このシステムは内閣府が開発しておりまして、
マイナンバーカードを活用することで罹災証明等の
オンライン申請やコンビニ交付が可能になりますため、被災者支援に係る業務の迅速化、効率化に寄与するものと考えております。本県におきましては、二十九の市町村が価格でありますとか機能などを勘案し、民間事業者や自治体独自で開発したほかのシステムを利用しておりまして、
クラウド型被災者支援システムを導入した団体はございませんが、現在一団体が導入を検討しているところでございます。
マイナンバーカードの普及の状況につきましては、一月末現在で人口に対する保有率が全国平均と同水準の七三・四%となっております。県といたしましては、
マイナンバーカードはデジタル社会の重要な基盤となるものであり、かつ被災者支援の観点からも有用なツールの一つであると考えており、引き続きカードの取得促進に努めてまいります。
避難所の在り方についてでございます。避難所において良好な生活環境を確保するためには、ベッドやトイレなどを備蓄や民間事業者からの調達等により避難所に迅速に届ける体制をつくっておくことが重要であります。市町村では、県や市町村の備蓄計画に基づき、段ボールベッドや簡易トイレなどを備蓄しておりまして、避難された皆さんが利用できる体制を取っております。また、これらが不足する場合には、県の備蓄分を貸し出しますほか、災害時における福岡県内市町村間の相互応援協定に関する基本協定に基づきまして、他市町村から借り受けることができる体制も確保しております。さらに、県や一部の市町村では民間事業者との協定を締結し、避難所へ速やかにベッドやトイレを供給できる体制を整備しております。
災害ケースマネジメントに対する見解についてでございます。
災害ケースマネジメントは、訪問等のアウトリーチにより、被災者一人一人の被災状況や健康、住まい、就労などの生活課題を把握し、必要に応じて専門的な能力を持つ団体等と連携しながら、きめ細かな支援を継続的に実施する取組でございます。令和二年七月豪雨災害の際には、大牟田市が取り組んだ事例があり、市では市の
社会福祉協議会が中心となって、民生委員・児童委員等の関係者と連携しながら、被災者の方に対し戸別訪問を行い、状況の確認や必要とする支援を把握し、個々の状況に応じて継続した支援を実施しました。二年五か月にわたるこのような取組によりまして、被災者の生活再建が進んだものと考えており、
災害ケースマネジメントは被災者の自立、生活再建の実現のために有効な取組であると認識しております。
この
災害ケースマネジメントの県地域防災計画への明記についてでございます。県の地域防災計画は、国の防災計画の修正等を踏まえまして、県防災会議に諮った上で改定しております。
災害ケースマネジメントにつきましても、国の防災基本計画に記載されたことを踏まえまして、県の地域防災計画を改定することといたしております。
災害ケースマネジメントの推進についてでございます。県では、被災者支援の実施主体でございます市町村が
災害ケースマネジメントの必要性に関する理解を深めることができるよう、昨年八月に内閣府と共催で市町村説明会を実施いたしました。今後、アウトリーチによる被災者の状況把握や民間との連携など、
災害ケースマネジメントの特徴を生かした被災者支援を推進しますため、市町村向けのマニュアル作成や研修会開催のための予算を今議会にお願いをしております。マニュアルは、
災害ケースマネジメントの実施手順、あるいは平時からの準備、被災者の状況把握に必要な調査票の作成例などを盛り込んだ実務的なものとし、市町村やNPO等の有識者、実務経験者などの御意見を伺いながら作成することといたしております。また、研修会ではこのマニュアルの解説や事例紹介、実際の見守り相談支援活動を想定した演習などを実施しまして、
災害ケースマネジメントの実践に必要な知識やスキルの習得を図ることといたしております。
水道の基幹水路の耐震化の現状と県の取組についてお尋ねがございました。主要な水道管のうち、耐震性のある管路の割合である基幹管路の耐震適合率について、本県は令和三年度末時点で四一・五%でございまして、全国平均の四一・二%と同程度となっております。これを市町村等の水道事業者別に見た場合、耐震化を終えた事業者がある一方で、約三割の事業者の耐震適合率は二〇%未満となっておりまして、耐震化を促進させることは重要であると認識しております。
来年度から、水道行政は厚生労働省から国土交通省等に移管されます。県といたしましても、インフラの耐震化に関する知見、能力を有する国土交通省九州地方整備局と連携し、水道事業者に対する技術的、財政的な支援を通じて水道施設の耐震化に取り組んでまいります。あわせて、国に対し耐震化事業に対する財政支援措置の充実に向けて、引き続き要望を行ってまいります。
非常用電源の確保に向けた市町村への働きかけについてでございます。県では、国の通知に基づき、全ての市町村に対し庁舎における非常用電源を整備すること、七十二時間稼働するための燃料をあらかじめ備蓄すること、停電の長期化に備え燃料販売事業者との優先協定の締結を進めることについて要請を行っております。さらに、燃料タンクの増設やそのためのスペースの確保が必要な場合は、財政負担の軽減が図れる緊急防災・減災事業債を紹介しまして早期の整備を促しております。今後、非常用電源が未設置、あるいは七十二時間以上稼働に要する備蓄等に対応できていない市町村に対し、実態を把握した上で個別ヒアリングを実施し、改めて必要性をしっかりと説明し、速やかな整備、備蓄を働きかけることといたしております。
市町村における合理的配慮に関する相談窓口についてでございます。県ではこれまで、障がいのある方や事業者が障がいを理由とする差別や合理的配慮の提供に関し、身近な地域で相談できるよう、障がい福祉担当課長会議等を通じ、各市町村での相談窓口の設置を働きかけてまいりました。その結果、昨年四月には県内の六十市町村全てで設置されたところでございます。また、障がい者団体、事業者団体、行政機関等三十八の団体で構成いたします障がい者差別解消支援地域協議会におきまして、毎年障がいを理由とする差別解消の取組や合理的配慮の提供に関し情報交換等を行っておりまして、昨年八月には全市町村の相談窓口を記載した一覧表を配布し、各団体の会員企業等に周知を依頼いたしますとともに、県のホームページでも公表を行っているところでございます。
市町村の相談体制構築への支援についてでございます。県では、平成二十八年度から障がい者差別解消専門相談員を障がい福祉課内に配置をいたしまして、障がいを理由とする差別や合理的配慮の提供に関する相談に対応しております。さらに、改正障害者差別解消法が制定されました令和三年度からは、障がい者差別等の相談に対応する市町村職員を対象に、専門相談員を講師とした研修会を実施をいたしまして、その内容につきまして、参加できなかった市町村にも情報提供を行っておるところでございます。研修会では、改正法及び国の相談体制等に係る情報提供、県及び各市町村の相談状況や事例の共有、県の窓口に実際に寄せられた相談事例を題材に、事実確認の手法や法の趣旨を踏まえた対応についての事例研究、こういったことを通じ市町村職員の資質向上に努めております。さらに、市町村から解決が困難な事案への対応について御相談があった場合には、具体的対応事例を踏まえまして専門相談員が助言を行っているところでございます。
盲聾者に関する実態調査の結果についてお尋ねがございました。令和二年七月に、政令市、中核市を除く市町村に対して行いました実態調査では、盲聾者通訳・介助員派遣事業の利用対象となる視覚聴覚の重複障がいのある方は、令和二年三月末時点で二百十二人おられまして、このうち同事業の利用登録をされている方は十七名でございました。市町村からは、派遣事業に関する情報が対象者に伝わっていないという回答はございませんで、利用登録が少ないという理由については、八割を超える方が六十五歳以上でございまして、介護保険サービスを受けることができたり、また家族による支援を受けているため同事業を利用する必要がないということが挙げられているところでございます。
障がい者団体の活動拠点の確保についてでございます。県では、様々な障がい者団体の御要望を定期的にお聞きしておりまして、現在活動拠点の確保について要望されている団体は一団体でございます。この団体は入居先としてクローバープラザを希望をされております。しかし、現在クローバープラザには新たな事務室を設ける空きスペースはなく、研修室につきましても今年度一月までの稼働率を見ますと、平均約七五%と多くの福祉団体等の皆様に御利用いただいておりまして、研修室の改築による事務室への用途変更は、利用者の皆様の活動に支障を来すおそれがあり、困難であると考えております。今後、事務室に空きが生じた場合には、県において県域で公益的な社会福祉事業を行っている福祉関係団体に対し入居希望の調査を行いまして入居団体を決定いたしますので、その際にはこの団体に対しても情報提供を行ってまいりたいと考えております。
就職支援サポーターと障がい者就労支援団体等との情報交換の場の設置についてでございます。県では、障がいのある方に対する就労支援を関係機関で協力し、効果的に実施いたしますため、県内十三か所の障害者就業・生活支援センターにおきまして、福岡労働局、就労移行支援事業所、医療機関などが出席する連絡会議を定期的に開催しており、特別支援学校も参加をいたしております。この会議では、各機関の役割や連携方法、就労、職場定着における具体的な支援事例について情報を共有し、障がいのある方に対する効果的な就労支援につなげております。来年度から県立特別支援学校に配置を予定いたしております就職支援サポーターは、生徒の就職先や現場実習先の新規開拓や職場定着のためのアフターケアを行うことといたしておりまして、連絡会議にも出席し関係機関と積極的に情報交換を行ってまいります。
次に、本県の離婚率の推移についてでございます。人口動態統計によりますと、県における平成三十年から令和四年における人口千人当たりの離婚率は一・六八から一・九四の間で推移しており、全国平均より〇・二から〇・二五ポイント高くなっております。また、離婚件数に占める未成年の子がいる夫婦の割合は、平成三十年から令和三年までは六〇・一%から六一・六%の間で推移し、令和四年は成人年齢が二十歳から十八歳に引き下げられましたことに伴いまして五七%に減少しております。全国平均も県と同様の傾向で推移をいたしておりますが、県の数値が全国平均の数値よりも三・二から四・二ポイント高い状況にございます。
離婚により一人親となる保護者の課題についてでございます。県が令和三年度に実施しました一人親世帯等実態調査では、一人親世帯になった当時困ったことにつきまして、母子、父子ともに多くの方が差し当たりの生活費、子供の養育、しつけ、教育と回答されております。そのほか母子では仕事や住宅がないこと、父子では退職、転職を余儀なくされたことや相談相手がいなかったことに困ったとしており、一人親家庭が抱える課題は多様なものとなっております。
こうした状況を踏まえまして、県では一人親家庭が安心して生活していくことができるよう、一人親の方の様々な相談に対し個々の状況に応じた支援につなげる福岡県ひとり親サポートセンターを設置しております。同センターでは、養育費に関する弁護士相談、県内四か所にある県の子育て女性就職支援センターと連携した就職あっせん、市町村が実施する子供の学習教室へのボランティア派遣などを行っております。また、県が実施しております児童扶養手当や生活資金に係る貸付制度、資格取得講習費の助成、県営住宅の優遇措置など、一人親に対する支援施策の情報を提供しております。さらに、一人親の方が仕事や子育ての合間の時間に気軽に相談できるよう、昨年五月からはLINEによる相談窓口を開設しました。四月から十二月までの期間における電話や来所を含めたセンター全体の相談件数は、昨年度と比較しますと約三割増加をしております。
一人親に対する必要な情報の提供についてでございます。県では一人親の方が適切な支援を受けることができますよう、ひとり親サポートセンターについて、県のホームページやSNSで発信しておりますほか、市町村のSNSや広報紙への掲載、保育所や市町村の子育て支援センター、病児保育施設等でのチラシの掲示などにより周知を図っております。また、一人親家庭の支援施策につきまして、ひとり親サポートセンターのAIチャットボットやLINEでの発信、一人親家庭向けハンドブックの市町村を通じた配布、福岡県弁護士会が主催する離婚問題を扱う弁護士向け研修での紹介と周知の依頼など、きめ細かな情報提供に努めております。ひとり親サポートセンターでは、離婚前の方から相談があった場合はこれまでも対応しておりましたが、昨年七月、国の補助要綱が改正されまして、離婚前の方もセンターの支援対象となりましたことから、このことをホームページやLINE、チラシなどで案内するとともに、離婚前の方の相談支援にしっかりと対応してまいります。
次に、価格転嫁を進めるための機運醸成についてお尋ねがございました。県では、昨年二月の官民労十三団体による価格転嫁の円滑化に関する協定締結を受け、各団体と連携し価格転嫁の円滑化を目指す取引適正化推進フォーラム福岡大会を開催いたしましたほか、取引適正化や賃上げの実現を訴える街頭啓発活動を実施しました。また、毎年三月と九月に設定しております価格交渉促進月間には、新聞やラジオ等による啓発広報活動を集中的に行っております。この協定は今年三月末で期限を迎えますことから、県ではその更新を各団体に働きかけております。今後も官民労で連携し、価格転嫁を進めるための機運醸成にしっかりと取り組んでまいります。
国の賃上げ支援制度の周知についてでございます。今年四月から制度の拡充が予定されております国の賃上げ促進税制につきましては、既に
県ホームページによる周知に加え、価格転嫁の円滑化に関する協定締結団体と情報を共有し、それぞれの広報媒体の活用によりまして県内の事業者の皆様に向けて周知を図っております。日本政策金融公庫の賃上げ貸付利率特例制度につきましても、県のホームページや協定締結団体を通じた周知を図ることといたしております。今後も新たな支援制度が創設された場合には、事業者に対する周知にしっかりと取り組んでまいります。
県の補助金の申請に係る事業計画の策定支援についてでございます。賃上げ実現に向けた中小企業生産性向上緊急支援補助金と経営革新賃上げ環境整備緊急支援補助金につきましては、十二月議会で御議決をいただきました後、直ちに周知を行いましたところ、県に百件を超える相談が寄せられるなど注目を集めておりまして、今後申請が本格化するものと考えられます。こうした企業の申請手続を円滑に進めるため、この賃上げ実現に向けた中小企業生産性向上緊急支援補助金では、県の生産性向上支援センターの企業診断スタッフと生産性アドバイザーが企業の現場でヒアリングを行いまして、業務課題を診断し、実態に合わせた設備導入計画の策定について助言指導を行っております。また、経営革新賃上げ環境整備緊急支援補助金につきましては、商工会や商工会議所の経営指導員が個々の事業者の財務分析や経営課題を抽出し、経営革新計画の策定に向けた支援を行っております。さらに、一月からは本県独自の取組といたしまして、中小企業診断士から成る経営革新計画策定指導員を県内四地域に配置をいたしまして、企業の訪問や個別の面談によりまして、事業内容のブラッシュアップや経営目標の精査等について助言指導を行う取組を開始いたしました。こうした取組によりまして、当該補助金をより多くの事業者の皆様に御活用いただけるよう支援を行ってまいります。
中小企業における省エネ対策についてでございます。県では、昨年度から省エネ診断を受診した中小企業を対象とした福岡県中小企業等省エネ設備導入支援補助金を創設し、空調設備の更新やLED照明の導入などを支援しております。この補助金を活用し設備を導入した事業所では、エネルギーの使用量が平均二割程度減少する見込みでございます。今年度からは、公募回数の増加や相談窓口の増設などを行いました結果、補助件数、補助実績が八十一件と倍増いたしまして、より多くの中小企業の皆様に御利用いただいております。今後も商工会議所、商工会などを通じ、補助制度の内容やこれを活用した効果的な省エネ事例について、広く周知を行ってまいります。このほか中小企業の経営者や技術者向けの各種講座や実際にZEBを導入しているビルの見学会を引き続き開催してまいります。こういった取組により、地球温暖化対策だけではなく、エネルギー価格の高騰に苦しむ中小企業の経費削減にも資するよう、省エネ対策に取り組んでまいります。
子供の自殺をゼロとするための取組についてでございます。県では、福岡県自殺対策計画の中で、総合的な自殺対策の推進や子供、若者の自殺対策の推進などを取組の柱として掲げ、子供、若者の特性に応じた支援に取り組んでおります。子供、若者は困難に直面したとき、不安や心配を一人で抱え込む傾向があることが指摘されておりますため、まずは相談しやすい環境整備が重要であります。このため二十四時間対応の自殺予防電話相談窓口に加えまして、子供、若者が日常的に利用しているSNSを活用した相談窓口を開設し、不安な気持ちや悩みを丁寧にお聞きし、必要に応じて支援機関の紹介などを行っております。今年度は一月末までに四千五百件以上のSNS相談に対応し、うち約四五%は小中高校生からの相談となっております。
また、相談支援をする中で、子供、若者の相談者の多くは孤独・孤立の状態にあることやリアルな場での交流には抵抗を感じることが明らかとなりました。このため昨年八月メタバースを活用した居場所を新たに開設をいたしました。これまでに延べ二十一人の中高校生が参加し、アバターを使って自分の思いを吐き出したり、同じような悩みを抱える人と思いを共有したりしております。
このほか児童生徒に対する教育やいじめ、不登校対策、困難な問題を抱える子供、若者に対する支援など全庁横断的に取り組む課題がございます。このため教育庁を含む関係部署で構成いたします連絡会議で協議を重ねながら、引き続き子供の自殺を予防するための取組を進めてまいります。
私立学校における自殺予防教育の実施状況についてでございます。各私立の小中高校では、命の大切さをテーマに道徳や保健、総合的な探究の時間、あるいは私立学校ならではの宗教の授業、外部講師による講話などが行われておりまして、自殺予防教育の実施率は小学校、中学校、高校ともに一〇〇%となっております。
次に、交通事故及び偽電話詐欺の防止対策についてでございます。高齢者の交通事故を防止するためには、年齢を重ねるごとに反射神経などの身体機能が衰え、交通事故につながるリスクが高まることを理解した上で、車の運転など日常生活を送っていただくことが重要でございます。このため雨天や夜間の運転、長距離の運転に不安がある場合は運転を控えること、慌てて道路を横断すると大変危険であるということなどをイラストで分かりやすく示したチラシを作成し、市町村や指定自動車学校、老人クラブ連合会などを通じて周知を行っております。今年一月には、昨年末からの高齢者の死亡事故の多発傾向が収まらないということを踏まえまして、改めて運転時や歩行中の事故防止のポイントを新聞に掲載し、緊急の注意喚起を行いました。また、包括協定を締結している自動車販売店グループ等と連携し、安全運転サポート車の機能を体験するイベントや運転レベル診断を行うセミナーを開催し、サポート車の普及を図っております。
次に、偽電話詐欺被害の防止対策でございますが、県内の被害者のうち、高齢者が最近五年間の平均で全体の七三%を占めております。県では、地域の見守り活動の担い手である見守りネットふくおかの参画事業者と連携し、啓発チラシを高齢者宅に配付しております。昨年度からは、高齢者を直接見守るケアマネジャー、民生委員などを対象に弁護士や消費生活相談員等の専門家が被害に気づくポイントなどを出前講座で伝えまして、被害の未然防止と早期発見に取り組んでおります。
また、県警察と連携し、実際の犯行を再現した動画を
県ホームページで配信いたしますほか、新聞、県広報紙、広報番組を活用し、誰でも被害に遭う可能性があることを高齢者をはじめ広く県民の皆様に訴えております。さらに、市町村担当課長会議を開催し、被害の状況や市町村の取組事例を共有することで市町村における施策の充実を図っております。引き続き、県警察や市町村関係団体等と連携し、高齢者はもとより県民の皆様が交通事故や偽電話詐欺被害に遭わないよう、安全で安心な福岡県の実現に向け取り組んでまいります。
8 ◯議長(香原 勝司君) 吉田教育長。
*教育長答弁
9 ◯教育長(吉田 法稔君)登壇 県のホームページ上に福岡県教育委員会のトップページを作成することについてでございます。現在、教育に関する情報については、スポーツや文化など教育委員会と知事部局の両方で所管する事務事業がありますことから、県のホームページにおきましては、県民の皆様が所管部局にかかわらず必要な情報にたどり着きやすいよう分類されておるところでございます。一方、県教育委員会のトップページを作成し、例えば不登校対策や教員採用試験などに特化して情報発信することは、教育委員会の重要な取組をアピールする効果もありますことから、今後
県ホームページ全体の見直しが行われる際に検討を行いたいと考えております。
次に、小中学校における障がいへの理解促進と必要な配慮に関する取組についてでございます。小中学校においては、発達段階に応じて障がいに対する正しい理解と必要な配慮を学ばせることが重要でございます。このため県教育委員会では、社会科、道徳、特別活動などの授業で活用できる学習教材を作成し、公立小中学校に提供するとともに積極的な活用を促しております。また、障がいのある子供とない子供とが互いの理解をより深めるため、共に学び、共に活動する機会を設けております。そして、このような教育活動を行うためには、障がいに対する教員の理解が必要でございますので、小中学校の若年教員、管理職を対象とした研修を実施をいたしております。今後も児童生徒が障がいに対する理解を深め、主体的に必要な配慮ができますよう、こうした取組を充実させてまいります。
就職支援サポーターの役割と人数についてでございます。県立特別支援学校に配置予定の就職支援サポーターには、就職先や現場実習先の新規開拓、企業の人事担当者を特別支援学校に招いての職業教育見学会の企画運営、職場定着のためのアフターケアを行っていただくことを考えております。このような役割を担う就職支援サポーターを県内六地域の拠点校に各一名、計六名を配置する予算をお願いをしているところでございます。
次に、スクリーニングの実施状況と研修の実施についてでございます。県内全ての公立小中学校及び県立高校では、児童生徒の欠席状況や毎月実施している学校生活に関するアンケート結果などを用いて、ケース会議対象者の選定が行われております。しかしながら、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの専門スタッフのほか、教職員以外の関係者を含めたスクリーニングにつきましては、十分とは言えないと認識をいたしております。山野研究室が開発したスクリーニングシステムでは、用いるデータの種類が多岐にわたることや福祉部局のみが所有するデータも含めてスクリーニングされていること、スクリーニングのための会議に専門スタッフや関係機関の行政担当者の参加を想定していることなどの特徴がございます。
県教育委員会といたしましては、スクリーニング項目の精選や具体的な福祉部局との連携、効果的な専門スタッフ等を含めた会議の在り方の好事例として参考になる取組と考えております。今後、このスクリーニングシステムの特徴を踏まえ、各学校でのスクリーニングが効果的に行われるよう、管理職や生徒指導担当者等に対し研修するとともに、専門スタッフの参加が進むよう取り組んでまいります。
県内公立小中学校における家庭訪問の実施状況についてでございます。県内の公立小中学校では、家庭訪問を年度初めや長期休業中に計画的に実施するとともに、児童生徒の日々の状況に応じて随時実施をしております。なお、昨年度家庭訪問の期間を設定し全員を対象に実施した学校は約六割でございます。教員が児童生徒の変化を逃がさず捉え、適切に対応するためには、日頃から保護者との信頼関係を築いていくことが重要でございます。県教育委員会といたしましては、家庭訪問や学校での個別面談など、学校や地域の実情を踏まえ、保護者と面談する機会を充実すべきと考えております。
スクールソーシャルワーカーを活用する校内体制についてでございます。スクールソーシャルワーカーは、福祉の専門家として家庭や地域、市町村の福祉部局や児童相談所などの関係機関と連携し、子供を取り巻く環境の改善に向けて支援する役割を担っております。学校では、こうした児童生徒の対応において、スクールソーシャルワーカーを中心に校内ケース会議で対象となる児童生徒の支援策を協議しているところでございますが、児童生徒とその支援の状況を一元的に把握することや校内ケース会議の日程を調整すること等について、一層の工夫が必要であると認識をしております。今後とも、各学校における生徒指導及び相談体制の充実が図られるよう、管理職や生徒指導主事を対象とした研修会におきまして、スクールソーシャルワーカーの効果的な活用事例を周知をいたしてまいります。
LINEによる児童生徒の悩み相談窓口の利用状況と今後の取組方針についてでございます。本県のLINEを活用した児童生徒の悩み相談窓口への相談件数は、昨年度三千三百三十六件でございました。これは子供たちにとってLINEが身近で相談しやすいツールであり、相談窓口として浸透した結果であろうというふうに思います。県教育委員会といたしましては、引き続き児童生徒の危機を早期に発見したり回避したりするため、LINE相談窓口の継続を含め、多様な相談窓口の提供に努めてまいります。
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが保護者を支援する仕組みについてでございます。学校では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが児童生徒のみならず保護者からの相談を受けたり、福祉的な助言をしたりするなど、保護者支援の役割も担っております。また、スクールソーシャルワーカーを活用して、不登校児童生徒を持つ保護者が悩みを打ち明けたり、アドバイスを受けたりする集まりを実施しておる市町村もございます。県教育委員会といたしましては、こうした保護者を支援する取組について、指導主事等研修会において周知し、保護者の悩みに寄り添った支援の充実を図ってまいります。
次に、公立学校における自殺予防教育の実施状況についてでございます。本県におきましては、道徳や特別活動、スクールカウンセラーを活用した特設授業などにおきまして、児童生徒の発達段階に応じ自分や他者の命を大切にすることや困ったときに相談しようとする態度を育成することなどの自殺予防教育が全ての公立小中学校、県立高校で実施をされております。特に県立高校では、学校長による命の講話を年一回必ず実施をいたしております。
SOSの出し方教育に関する本県の取組についてでございます。本県では、県立学校や市町村教育委員会に対し、SOSの出し方教育を含めた自殺予防教育を子供の自殺が増える傾向にある長期休業前後に実施するよう指導をしております。また、県教育委員会として独自に児童生徒用及び指導者用の自殺予防リーフレットを作成配布いたしております。
自殺予防教育の指導モデル開発への協力についてでございます。本県においては、全ての公立学校で自殺予防教育を行っておりますことから、国が調査研究を進めるに当たり、各自治体の事例を収集する際に情報提供を行うなど、協力をしてまいりたいと考えております。
次に、いわゆる指導死を疑われる児童生徒への対応等についてでございます。県域の公立学校では、平成十八年にいじめを主な原因とする自殺事案の調査において、教員の不適切な言動が認められた事案が中学校で一件あります。この事案に際して、当該中学校を所管する教育委員会では、第三者で構成する調査委員会により原因等の調査を行い、県教育委員会では当該教員について懲戒処分を行いますとともに、緊急校長会等において教職員の言動が児童生徒に大きな影響を持つことを十分に認識し、教職員自身が児童生徒を傷つけることがないよう徹底をいたしました。
自殺予防対策としましては、小さなSOSを見逃さず早期に対応することが重要なことから、スクールカウンセラーの全校配置のほか、一人一台端末等によるアンケートの定期的な実施や二十四時間対応相談電話、SNS相談窓口の周知などに取り組んでいるところでございます。県教育委員会としましては、児童生徒が自ら命を絶つ痛ましい事案が発生しないよう、引き続き取組を徹底をしてまいります。
詳細調査を行う組織についてでございます。該当の事案が生じた場合には、弁護士や精神科医、学識経験者、心理や福祉の専門家などのうち、事案の性質に応じた外部専門家の参画を図ることとなり、その際には職能団体や大学等から中立の第三者の推薦をお願いすることになります。なお、調査の先行実施につきましては、個別の事案に応じて適切に判断すべきものではありますが、聞き取り対象の生徒が卒業間近であるなど、特段の事情がない限り、専門家の参画する調査組織におきまして、調査の対象者や調査方法などを十分検討した上で実施することが望ましいと考えております。
生徒指導に係る教員研修の充実についてでございます。県教育委員会では、いかなる児童生徒に対しても体罰や不適切な指導等は許されないとの認識の下、生徒指導提要を踏まえた教員研修を実施をしております。具体的には、児童生徒と接する際の心構えや留意点などについて、初任者研修や中堅教員研修、生徒指導関係研修等で指導をしておりますほか、各校の校内研修の充実を図るなど、様々な機会を通して生徒指導に係る教員の資質、能力の向上に取り組んでおります。今後とも、生徒指導提要が示すとおり、学校や生徒指導を取り巻く環境の変化を踏まえ、教員や心理、福祉の専門家、地域の人々などが協働するチーム学校として、多様な背景を持つ児童生徒一人一人を大切にした教育が実践できますよう、各種教員研修内容の充実に努めてまいります。
10 ◯議長(香原 勝司君) 岩下警察本部長。
*警察本部長答弁
11 ◯警察本部長(岩下 剛君)登壇 初めに、交通事故と偽電話詐欺の要因と対策についてお答えをいたします。
まず交通事故情勢ですが、昨年は発生件数、死者数ともに増加し、特に御指摘の高齢者が関連する交通事故につきましては、全体の死者数の六割が高齢者であり、その半数以上が歩行中に車両からはねられたもので、中でも道路横断中が多数を占めております。また、高齢者が亡くなられた事故の約九割がいわゆる幹線道路で発生し、時間帯別では午後六時から午後十時の間に多発しております。加えて、全体の約四割を占める高齢ドライバーによる死亡事故につきましては、その原因の約六割が安全不確認による発見の遅れとなっております。
県警察といたしましては、こうした状況を踏まえ、多発時間帯を中心とした幹線道路での交通違反取締りを強化していますほか、高齢者に反射材や明るい服装の着用を促すなど、歩行中に事故に遭わないための広報啓発活動を推進しております。また、高齢ドライバーに対しましては、自らの身体機能の変化を自覚していただくため、参加・体験・実践型の交通安全教室の開催や交通事故を繰り返す高齢ドライバーに対する個別面談などにより、安全運転意識の醸成を図っているところでございます。
次に、昨年の偽電話詐欺につきましては、認知件数、被害額ともに増加し、特に被害者に占める高齢者の割合は全体の六割を超えております。増加の要因は様々な要素が考えられますが、犯行グループが社会情勢等に応じてだましの手口を巧妙化させ、組織的かつ広域的に犯行を繰り返していることがその一因であると認識しております。県警察といたしましては、こうした状況を踏まえ、被害に遭わないための広報啓発活動、金融機関やコンビニエンスストア等と連携した被害を阻止する対策、通信事業者等と連携した電話機対策などに取り組んでおります。特に、高齢者の被害の多くは固定電話が入り口であることから、固定電話の防犯機能を高めるサービスの普及を促進するなど、電話機対策を強化しているところであります。また、取締りにつきましては、本年四月一日、暴力団対策部に約百人体制の組織犯罪捜査課を立ち上げ、偽電話詐欺事件等への捜査体制を強化することとしております。なお、同課に連合捜査係を設置し、広域的に行われる偽電話詐欺に対しましても、全国警察と連携し、的確に対応していくこととしております。
次に、運転免許の返納状況及び対応についてお答えをいたします。県内における近年の運転免許の返納状況につきましては、令和元年の約二万件をピークに減少傾向で推移し、昨年は約一万五千件となっており、そのほとんどを高齢者が占めております。県警察におきましては、高齢者やその御家族などから運転に不安を感じているといった相談を受けた場合には、高齢者本人の意思を尊重した丁寧な対応に努めるほか、返納後の移動手段の支援に向け、自治体に対して必要な働きかけを行っているところであります。
最後に、高齢者に働きかける取組についてお答えをいたします。交通事故や偽電話詐欺被害を防止するためには、交通指導取締りや検挙活動と並行して、当事者となり得る高齢者に寄り添った取組が重要であると考えております。このため県警察では、高齢者を対象とした巡回連絡や交通安全教育、防犯講話などの各種活動を通じて、警察官が直接必要な注意喚起やアドバイスを行うほか、高齢者と接する機会の多い民生委員や地域の高齢者コミュニティーと連携した広報啓発活動を推進しているところであります。県警察といたしましては、今後も関係機関、団体と相互に連携し、高齢者が事故や犯罪に遭わないための各種取組を強力に推進してまいります。(拍手)
12 ◯議長(香原 勝司君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後二時三十分といたします。
午 後 一 時 三十分 休 憩
午 後 二 時 三十一分 再 開
13 ◯副議長(佐々木 允君) 再開いたします。
休憩前に引き続き、代表質問を行います。発言を許可いたします。堀大助君。(拍手)
*堀議員質問
14 ◯三十五番(堀 大助君)登壇 皆様お疲れさまです。新政会の堀大助です。統一地方選挙からおよそ一年がたち、新しいメンバーでの活動にもなじんできたところです。小さな会派ではありますが、各議員が県民代表の気概を持ち、県政発展のために前向きな提案をしていきたいと思います。それでは通告に従い、会派代表質問を行います。
初めに、今年度の総括と来年度に向けての意気込みについて伺います。今年度は服部知事にとって四年任期の三年目、県民に公約を掲げ、その職責を負う政治家としては県民との約束を果たせるか、その点が問われてくる時期であります。こうした中、知事は引き続き一千億円の人づくり、県内GDP二十兆円への挑戦、安心・安全で活力ある社会づくりの三つの柱を掲げ、その上で来年度予算案では、新たに将来を守るサスティナブル社会への改新、未来を拓く
イノベーションの創発の二つの視点を加えました。ここに知事の来年度に向けた意気込み、狙いが込められているものと推察をいたします。
そこで伺います。まず、県民に掲げた公約達成の見通しも含め、知事任期三年目の総括を伺います。その上で、任期最終年度である来年度、どのように県政に取り組んでいくのか、二つの視点に込めた狙いと具体的に盛り込んだ施策と併せ、その意気込みをお聞かせください。
次に、我々からも予算案で着目した施策について幾つか取り上げて質問いたします。
まず物流対策。これは二月補正でありますが、物流の二〇二四年問題に対応するため、トラック運送事業者への支援が盛り込まれました。ドライバーの負担軽減や拘束時間削減に向けた取組支援は必要ですが、それ以外にも取り組むべき課題はあります。立場の強い荷主からの不当とも言える要求。例えば荷待ち時間、待機場所もないようなところに時間指定での配送を指示されると、ドライバーは遅刻するわけにいかず、かといって早く着いても待つ場所もない。結果として、周辺への違法停車や車内での待ち時間増加など、しわ寄せは立場の弱いドライバーへ行きます。ほかにも緩衝材にすぎない段ボールに傷がついたからとクレーム返品。荷主に対しても節度ある対応を求めることこそが問題解決の本質です。
ほかにも、二〇二四年問題回避のために、従業員から個人事業主へ衣替えしたドライバーに対しては規制が及ばない中どのようにアプローチするのか。生活のために長時間勤務せざるを得ないドライバーの生活が逆に成り立たなくなる問題に対しどうサポートしていくのかなど、ケアするべき点は多々あります。そして、何より大切なことは、トラックドライバーの人権を尊重することです。送料無料という言葉があふれる中で、存在しないかのように扱われるドライバーに脚光を当て、エッセンシャルワーカーとしての働きに感謝し価値を認めることです。以上の点を踏まえ、二〇二四年問題にどのように取り組んでいくのか、御所見をお聞かせください。
次に、国際金融都市構想への取組について伺います。二月十三日、政府が掲げる金融・資産運用特区の指定に向け、本県と福岡市が共同提案を行うと発表されました。金融・資産運用特区については、一月に札幌市が、先月には本県はじめ東京、大阪が申請しています。今回、県市の共同提案では、高度人材を呼び込むため、資産運用に従事する外国人の就労ビザの審査期間短縮などの規制緩和やインターナショナルスクール整備への補助金制度の創設などを国に要望しています。他方、国への要望以外に、投資先となるスタートアップ等、成長分野への地元の支援が求められています。これまで本県では、独自の取組として九州大学と包括連携協定を締結し、ディープテック・スタートアップの創出と成長促進、九州・山口ベンチャーマーケットを開催し、世界に羽ばたくスタートアップの創出に取り組んでいるところです。国際金融都市構想を推進する産官学組織チーム福岡では、設立三年強で二十三社を誘致した実績が公表されており、構想実現のための幅広い取組が進められている中、金融・資産運用特区として国から指定されることは、福岡が進める国際金融拠点づくりや企業成長の追い風になると考えます。
そこで知事に伺います。提案書に掲げる福岡らしい国際金融機能の集積とは具体的にどのような姿なのかお示しください。また、金融機能の集積に向け、高度金融人材のニーズを満たし得る生活教育環境の充実が必須です。そこで、外国人児童生徒に対して質の高い教育を行うインターナショナルスクールの施設整備に関わる財政支援を要望されていますが、具体的な要望内容をお答えください。あわせて、教育環境の充実については、ニーズを満たし得る学校の選択肢があることが望ましいと思います。インターナショナルスクール同様に外国人児童生徒の受入れをしている県内の国際バカロレア認定校が幾つあるのかお示しください。最後に、金融・資産運用特区の指定及び国際金融拠点の構築に向けた知事の意気込みをお示しください。
予算項目の最後に、今回の予算案を見て気になった点として、女性に着目した施策がありました。女性の進出率が低いテクノロジー分野に狙いを定めた施策や女性創業者を増やす取組など、様々に施策を展開されています。そうした中、食品衛生法の改正に伴い営業許可が必要になる漬物製造において女性グループの支援を行うという施策に目が留まりました。詳しく聞くと、女性以外でも利用可能とのことで安心しましたが、漬物製造に女性支援の見出しをつけたことは、漬物は女性が作るものだというアンコンシャスバイアスに基づいているものと誤解を受けるのではないかと心配したところです。当会派も女性の活躍については賛成の立場でありますが、性別に着目し差を設ける政策を掲げる場合は、十分合理的で納得的な政策目的が必要となります。そうでないと、かえって女性の活躍を妨げる要因にもなってしまいます。この点どのように考えているのか。施策が多部局にわたることからも統一的な御説明をお聞かせください。
次に、災害対策について伺います。