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令和5年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2023-03-10

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  1. 福岡県議会 2023-03-10
    令和5年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2023-03-10


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    令和五年三月十日(金曜日)    午 前 十 一 時 零 分 開 議 ◯秋田章二委員長 おはようございます。定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  本日は、令和五年度福岡県一般会計予算の歳出、第五款生活労働費及び第六款農林水産業費の審査を予定いたしております。よろしくお願いいたします。  それでは、第五款生活労働費について順次説明を求めます。徳永人づくり・県民生活部長。 2 ◯徳永人づくり・県民生活部長 五款生活労働費のうち、人づくり・県民生活部所管分について御説明いたします。令和五年度予算に関する説明書の二百三ページをお願いいたします。  一項県民生活費でございます。一目県民生活総務費の主なものは右側の説明欄一番上の職員費でございます。  一枚おめくりいただきまして、二百五ページをお願いいたします。二目県民生活対策費でございます。その主なものは、右側の説明欄、上から五番目の九州国立博物館運営事業費でございます。  一枚おめくりいただきまして、二百六ページをお願いいたします。一項県民生活費の総額は一番下の計欄に記載しておりますとおり、六十三億五千万円余でございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 3 ◯秋田章二委員長 西原福祉労働部長。 4 ◯西原福祉労働部長 引き続き、福祉労働部所管分について御説明いたします。二百七ページをお願いいたします。  二項福祉企画費でございます。主なものは、一目福祉総務費の右側、説明欄の上から三段目、福岡県総合福祉施設運営費でございます。クローバープラザの管理運営や施設整備に要する経費でございます。  二百九ページをお願いいたします。二項の総額は、計欄にありますとおり、四十億一千八百万円余でございます。下の三項児童家庭費でございます。主なものは、二百十ページをお願いいたします。右の説明欄の一番下、出産・子育て安心基金積立金でございます。これは、出産・子育て施策の充実強化のため、新たに基金を積み立てるものでございます。  飛びまして二百十五ページをお願いいたします。三項の総額は、計欄にありますとおり、六百九十六億二千九百万円余でございます。  下の四項障がい者福祉費でございます。主なものは、飛びまして、二百十八ページをお願いいたします。三目障がい措置費、説明欄の一番上、障がい者援護措置費、これは障がい福祉サービスに係る自立支援給付費の県負担金等でございます。  二百二十ページをお願いいたします。四項の総額は、計欄にありますとおり、五百五十六億六千三百万円余でございます。  次の二百二十一ページをお願いいたします。五項生活保護費でございます。主なものは、二百二十二ページをお願いいたします。下のほう二目扶助費、説明欄の上段、生活保護費でございます。これは、町村の区域におけます生活保護に要する経費でございます。  次の二百二十三ページをお願いいたします。五項の総額は、計欄にありますとおり、三百二十六億六千四百万円余でございます。  続いて、六項社会福祉費でございます。主なものは、下のほう、二目子ども等医療対策費の説明欄の子ども医療対策費、次の二百二十四ページ、重度障がい児(者)医療対策費、ひとり親家庭等医療対策費の三つの医療対策費で、これは、それぞれの医療費について一定部分を県費で助成するものでございます。
     二百二十七ページをお願いいたします。六項の総額は、計欄にありますとおり、百五億五千九百万円余でございます。  その下、七項労働企画費でございます。主なものは一目労働総務費、説明欄の下から二段目、中小企業労働力確保対策費でございます。これは、求職者が中小企業へ就職する場合の支援等に要する経費でございます。  二百三十ページをお願いいたします。七項の総額は、計欄にありますとおり、十九億円余でございます。  その下の八項職業訓練費でございます。主なものは、二百三十二ページをお願いいたします。二目職業訓練費、説明欄の上から三段目、職業訓練費でございまして、これは高等技術専門校における職業訓練経費等でございます。  二百三十三ページをお願いいたします。八項の総額は、計欄にありますとおり、四十一億九百万円余でございます。  その下、九項失業対策費は、一目雇用促進費の三億六千七百万円余でございます。主なものは、説明欄の一番下、中高年齢者等雇用促進費でございまして、これは生涯現役チャレンジセンターの運営等に要する経費でございます。  説明は以上でございます。御審議をよろしくお願いいたします。 5 ◯秋田章二委員長 白鳥労働委員会事務局長。 6 ◯白鳥労働委員会事務局長 それでは、五款生活労働費のうち労働委員会事務局所管分について御説明申し上げます。引き続き、令和五年度予算に関する説明書の二百三十四ページの下段をお願いいたします。  十項労働委員会費でございます。これは、委員報酬や事務局職員の人件費など委員会の運営に要する経費でございます。総額につきましては、一枚おめくりいただきまして、二百三十六ページの一番下計欄に記載のとおり、二億三千万円余でございます。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 7 ◯秋田章二委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。花田尚彦委員。 8 ◯花田尚彦委員 おはようございます。自民党県議団の花田尚彦です。  通告に従いまして、重度の障がいのある方の就労支援について質問いたします。  従業員が一定数以上の規模の事業所は障がいのある方を法定雇用率以上雇用する義務がございますが、福岡県の民間企業における障がい者雇用率は、法定雇用率二・三%に対して二・二九%となっており、この法定雇用率も令和六年四月から二・五%、令和八年七月からは二・七%と段階的に引き上げられる方針であることから、障がい者雇用をさらに進めていく必要が出てきます。  障がいのある方の就労支援を考えていく上で、雇用政策と福祉政策となりますけれども、まず、雇用、採用される、ここまでがまず一番肝腎であると思います。一昨年から重度の障がいのある方を雇用した際に活用できる重度障がい者等就労支援事業が始まっていますけれども、まずこの説明と活用実績をお伺いします。 9 ◯秋田章二委員長 宮崎障がい福祉課長。 10 ◯宮崎障がい福祉課長 重度障がい者等就労支援事業は、重度の障がいのある方の就労を支援するため、国、県の補助事業で市町村が選択できる地域生活支援事業等の一つとして一昨年度にスタートしました。企業に雇用された重度の障がいのある方が、職場で食事やトイレの介助、通勤時の見守りなど、障がい福祉サービス事業所のサービスを利用する際に、原則その費用の九割を助成するものです。この事業は、雇用主である企業が独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者雇用納付金制度を活用して、文書の代読や代筆、出張時の付添い等、業務に関連する支援を併せて行うことが要件となっています。  これまでに県内での活用実績はありません。 11 ◯花田尚彦委員 今御答弁いただいた中で、国、県の補助で市町村が選択できる制度ということで、また、通勤時の見守り等も入っていることが後ほどの質問に関係してきますので、再度触れておきます。  これまで事業はまだ活用されていないということでありますが、企業への重度の障がいのある方のまずは雇用を進めるためにも、企業や市町村にこの事業について周知がもちろん必要となってくると思いますが、この状況についてはいかがでしょうか。 12 ◯宮崎障がい福祉課長 この事業は、雇用主である企業が、先ほど申し上げた障害者雇用納付金制度の支援を行うことが要件となっており、機構と市町村が連携して支援を行う今までになかった助成事業です。そのため、制度の仕組みや活用方法について、企業や市町村、障がい者団体に対し、県が行う研修会やセミナーなどを通して周知してまいります。 13 ◯花田尚彦委員 セミナー等、研修会等で周知していただくということでありますので、ぜひしっかりとお願いしたいと思います。  私は、地元を回る中で、先ほどいろんな支援事業の話がありましたけれども、とりわけ通勤における部分でお困りの事業者の方が多いんですけれども、このほかにも重度の障がいのある方の通勤支援及び業務に関連する支援はどのような助成金等があるのか、お答えください。 14 ◯秋田章二委員長 藤野新雇用開発課長。 15 ◯藤野新雇用開発課長 先ほどの支援機構の障害者雇用納付金制度の中に、重度の障がい等のある人のための通勤用バスの購入、運転士に要する経費、通勤用自動車の購入に係る助成金があります。通勤用バスの購入の場合は一台七百万円まで、運転士に要する経費の場合は一日六千円まで、通勤用自動車の購入の場合は一台百五十万円までとなっております。  また、重度の視覚障がいや四肢機能障がいのある人への文書作成補助、業務上の外出付添いなどに必要となる職場介助員の配置に係る助成金もございます。職場介助員の配置は、一人月額十五万円まで最大十年間助成されます。 16 ◯花田尚彦委員 先ほどの重度障がい者等就労支援事業、今御説明いただいた納付金制度があっての話でありますので、理解できました。  我が県の重度の障がいのある方々の雇用を進めるために、県ではどのような施策を講じているのでしょうか。また、その成果はどうでしょうか。 17 ◯藤野新雇用開発課長 県では、障害者就業・生活支援センターにおいて、障がいのある人の身近な地域で就業及び生活面での一体的できめ細かな支援を行っています。加えて、県独自の職業紹介事業としまして、障がいのある人の雇用を検討している企業に対して、障がいのある方お一人お一人の状況に応じて丁寧にマッチングを行っております。重度の障がいのある人に対しては、特に障がいの程度、対応を十分に踏まえて、障害者雇用納付金制度の助成金の活用を提案しながら、丁寧に就職支援を行っております。  これらの取組により、昨年度は重度の障がいのある人、四十二名の方が就職いたしました。 18 ◯花田尚彦委員 今御答弁いただいた中で、身近な地域でというところ、そしてまた、きめ細やかな支援、ここが大変重要であると思います。  昨年度は四十二名の方の就職ができたということで、県のほうではテレワークオフィスこといろを含めて期待されるところでありますが、この通勤状況に関して私が地元の事業者からお聞きした一つの事例として、バスで通勤する障がいのある従業員の方、この方は重度の障がいではないんですが、バス停を利用されているということで、その際に少しバス停から離れたところで、しっかりとその位置にいなかったということで、バスが数台、気づかなくて通り過ぎてしまったということで、たまたまほかの従業員の方がお気づきになったということでありました。もちろん毎回起こるわけではないんですが、そうしたケースもほんの少しの手助け、また付添い等があれば対応できることではないかなと。  こうした通勤上での事例は、事業者ができるだけ補助すべきなのか、あるいはこうした公的補助に頼っていくべきケースなのか。障害者雇用促進法においては、雇用の分野における障がい者に対する差別禁止、そして、事業主による合理的配慮の提供が平成二十八年度から義務化されておりますけれども、この合理的配慮とは具体的にどのようなもので、かつ雇用側はどこまで提供する義務を負うのか、お答えください。 19 ◯藤野新雇用開発課長 障害者雇用促進法では、事業主は、障がいのある労働者が働く上で支障になっている問題を解決するための措置を講ずる義務があるとされております。その範囲については、過重な負担にならない程度とされております。過重な負担に関する判断については、事業活動への影響の程度、実現困難度、費用・負担の程度、企業の規模、企業の財務状況、公的支援の有無、これらの要素が総合的に勘案されます。 20 ◯花田尚彦委員 過重な負担にならない程度ということでありますが、例えば通勤の場合で言うと、ラッシュの時間を避けるとか、様々な形が双方で協議して出てくると思うんですが、私がこのケースで問いたいのは、事業主、あるいは、従業員の方たちのそうしたいわゆる気遣い、手助けというのは非常に大事な部分だと思うんですが、こういう助け合いが必要な場面は、いわゆる共助が必要な場面だと考えます。しかしながら、従業員の方が助けるといっても、何かトラブルが起きた場合、事故が起こった場合の責任などを考えると、突き詰めれば個々人のそれぞれの契約という形になってくると思います。そういったことで手助けしたくてもできないという実情が出てくる可能性があります。  先ほどきめ細かな対応をしていると答弁いただきました。何も行政でこの全てを解決しろと言っているわけでありませんけれども、行政のほうには、こうした障がいのある方、あるいは雇用主の方にこういった状況をしっかり考えていただいて、解決に向けて一歩でも進める必要があると思います。つまるところ、障がいのある方々の雇用が増えれば増えるほど、こうした部分のケースが増えてくるということでありますので、そうした点も踏まえて、最後に、障がいのある人が当たり前に働き、そして喜びを得ることができるような社会を推進していくことに向けて、部長の強い決意をお聞かせいただきたいと思います。 21 ◯秋田章二委員長 西原福祉労働部長。 22 ◯西原福祉労働部長 障がいのある方もない方も、働くこと、それから報酬を得ること、自己実現や世の中に貢献できるという仕事の持つ喜びを味わうこと、これらは大変重要なことでございます。その方、あるいは周りの方の自信や経済的自立、そして社会参加を進めるという大切な役割があると思います。県としましては、就職活動に際しまして、障がいのある方の状況や希望、適性に応じて一人でも多くの人の働きたいという願いをかなえるため、努力をしております。  先ほど、委員から御指摘のありました通勤のお話ですけれども、働く上でやはり通勤というのは、障がいのある方にとって大きなハードルになっているのが実態だと思います。合理的配慮の話もありますけれども、やはりお互い、障がいのある方のほうからも困っていることを発信していただきたいし、また、周りもその僅かなサインに気づいてほしいということで、そこを取り持つことが大変大事になってくると思います。  合理的配慮に関しましては、本県では平成二十九年度から障がい者差別解消条例を施行いたしておりまして、事業者の方々には、いろんな訴えがなくてもきちんと配慮していきなさいという努力義務を設けております。また、障がいのある方につきましても、ヘルプカードなどのツールを用意しまして、できるだけ訴えやすくしていますけれども、いずれにしましても、お互いを気にかけるということをやっていかないと、ミスマッチのまま、先ほどありましたような通勤のときにバスを何台も逃してしまうという状況になってしまう。これは何とか解消していきたいと思います。  私どものほうでは、障がい者差別解消条例に伴いまして専門相談員を障がい福祉課に置いておりまして、個別の相談につきましてお困り事などは御遠慮なく訴えていただければ事業者との取り持ちなどもやっておりますので、御活用いただければと思います。事業主の皆様に対しましても、障がいがあってもなくても当たり前のこととして働けるということを実現するために、先ほど申し上げました助成金も提案しながら進めてまいりたいと思います。  たまたまでございますけれども、福岡県は福祉と労働が同じ部にございますので、この辺はしっかり連携いたしまして、誰もが持てる力を十分生かせる社会を求めてやってまいりたいと思っております。 23 ◯花田尚彦委員 終わります。(拍手) 24 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。原中誠志委員。 25 ◯原中誠志委員 民主県政県議団の原中誠志であります。発言通告に従いまして労働人口減少による社会問題について質問いたします。  今回の予算特別委員会の私の質問の柱は、来るべき人口減少社会を本県としていかに迎えるかということであります。二〇四〇年問題の深刻さは、単に高齢者の絶対数がピークに達するだけではありません。少子化も進むことを考えると、社会の担い手である勤労世代が大きく減ることにつながるわけであります。  総務省人口推計の昨年、二〇二二年九月確定値によれば、二十歳から二十四歳までの男性人口は二百九十九万人、女性は二百八十六万人、二十五歳から二十九歳までの男性人口は三百三万人、女性は二百九十一万人であります。ちなみに、総人口に占める生産年齢人口であります十五歳から六十四歳人口は七千四百二十万三千人で、前年同月に比べ三十五万二千人減少となっております。過去最低となっているわけであります。このことからも明らかなように、今後、各業種による若者争奪戦は激化の一途をたどると予想されているところであります。  労働力人口のうち就業者数は、十五歳から六十四歳は五千八百十万人、六十五歳から六十九歳は四百十万人、七十歳以上の者は五百十六万人、就業者の総数に占める六十五歳以上の割合は一三・七%と上昇し続けております。  国立社会保障・人口問題研究所によれば、生産年齢人口は総人口よりもはるかに速いペースで減少すると推計されているところであります。日本の総人口は二〇三〇年に一億一千六百六十二万人、二〇六〇年には八千六百七十四万人まで減少すると予測されております。生産年齢人口は、二〇三〇年に六千七百七十三万人、二〇六〇年には四千四百十八万人となり、二〇一〇年比較で四五・九%と、ほぼ半減すると見込まれているわけであります。  生産年齢人口の減少は、少子高齢化に加え、これまで最も人口の割合を占めていた団塊世代が現役を引退することも重要なファクターであります。そして、労働力人口の減少は、労働力の不足だけではなく、様々、経済、社会保障の問題に発展すると危惧されております。労働力人口減少で起きる最も直接的な課題は、人手不足であります。長期的には労働力人口の減少が進むため、人手不足がより深刻化してまいります。シンクタンクのパーソル総合研究所が発表した労働市場の未来推計二〇三〇によれば、日本の総人口の三分の一が高齢者になり、労働力人口が大幅に減少すると危惧されております二〇三〇年には、六百四十四万人の人手不足が起きると指摘しております。今から僅か七年後であります。  そこで、質問に入ります。  労働力人口の今後の推移と、労働力人口が減少していく社会において、今後どのような分野の業種で労働力不足が起こってくると考えておられるのか、お答えください。 26 ◯秋田章二委員長 松嶋労働政策課長。 27 ◯松嶋労働政策課長 本県の労働力人口は、令和二年の国勢調査では二百六十六万九千九百五人となっています。今後の推移について、独立行政法人労働政策研究・研修機構によると、経済成長と若者、女性、高齢者等の労働市場への参加が進むと仮定したとしても、令和二十二年には令和二年より約十万人減少し、二百五十七万四千人になると推計されています。  また、労働力不足に関するお尋ねについて、同機構によると令和二十二年における産業別の就業者数は、平成二十九年と比較して主に卸売・小売業、鉱業・建設業、農林水産業で減少すると推計されています。 28 ◯原中誠志委員 今お答えいただきましたように、社会の様々な分野で労働力不足、いわゆる人手不足が起こり、様々な産業で深刻な影響が出てくるということでありました。  そこで、続けてお聞きします。  今後、日本で労働力人口が減少することによってどのような課題が生じると考えられるのか、端的にお答えください。 29 ◯松嶋労働政策課長 人手不足の深刻化は、企業における事業の発展・継続に多大な影響を及ぼすとともに、労働者にとっては時間外労働の増加や、働く意欲の低下に結びつきやすいといった課題が生じる可能性があると考えられます。 30 ◯原中誠志委員 国内の労働力人口の減少に歯止めがかからない現状をいかに打破するか、これは、政府は働き方改革を推進していくというふうに進めております。働く人々がそれぞれの事情に応じ、多様で柔軟な働き方を自分で選べるようにする改革であります。具体的には、これまで労働市場に参画していなかった、また、できづらかった女性の参画、高齢者の雇用促進、外国人労働者の活用など、これまで以上に多種多様な人材が社会で活躍できる働き方を後押しするとしております。  しかし、これまで述べてきたとおり、女性や高齢者の就労者を増やし、ニートなどの労働参画を図り、潜在的な労働力を発掘したとしても、労働人口減少への効果は限定的とも指摘されております。生産年齢人口を増やすために欠かせないのが出生率の向上ということでありますけれども、仮に出生率を改善できたとしても、効果が得られるのは二十年後とか三十年後という先になります。  企業に残された取るべき対策は、生産性の向上にあります。限られた人数でいかに最大限の業務を遂行できるか、また、新たに価値を創造していけるかという視点で、業務を効率化していくことが重要になってまいります。  そこで、質問です。  働き方改革を通じて生産性の向上を図るため本県が取り組むべき課題、施策はどのようなものを考えているのか、お答えください。 31 ◯松嶋労働政策課長 人手不足の深刻化や技術革新の進展の中で、中小企業等が生産性を向上させ事業を発展・継続していくためには、企業内の従業員を育成するとともに、若者、女性、高齢者など多様な人材がそれぞれの事情に応じた働き方を選択でき、その意欲と能力を発揮できる魅力ある職場づくりが必要です。そのため県では、自社にふさわしい働き方改革の手法を学ぶ機会として、県内四地域で企業向けにワークショップを開催するとともに、アドバイザーによる伴走支援により企業内の取組を実践までつなげています。  また、自社の働き方改革の取組を自社内外にPRするため、県のポータルサイト上でその取組内容を宣言し実行する、よかばい・かえるばい企業の新規登録を呼びかけており、初年度である平成三十年度の登録数が五十社であったところ、現在では八百五十八社にまで増えています。今後もこうした取組を通じ、県内企業における魅力ある職場づくりを支援し、労働生産性や企業の収益力の向上につなげてまいります。 32 ◯原中誠志委員 今予算特別委員会三月八日の総務費の質疑応答において、自民党の松尾委員が福岡空港における保安検査員の不足について指摘されておりましたけれども、私もこの質問を作成するに当たり、福岡空港の保安検査を受託している警備会社に雇用状況についてお話を伺うことにしました。全国の空港では、コロナ禍前と比べ、保安検査員の人数は七千四百人から五千六百人、延べ一千八百人減少しており、福岡空港においては、保安検査を行う会社はコロナ禍前と比べ四割以上も保安検査員が減少しており、今、募集してもなかなか人が集まらないと困られておられました。  本日の各社の新聞朝刊にも掲載していますが、衰退する中間層、労働者不足と労働対策によるバスの減便、新規採用者の争奪ということが新聞にも掲載されておりました。今後、人口減少社会の到来を控えるため、労働力確保は県政にとって大変大きな重要な課題と言えます。  そこで最後に、部長に決意を伺いたいと思います。人口減少社会における本県の労働力確保について、部長の決意をお示しいただきたいと思います。 33 ◯秋田章二委員長 西原福祉労働部長。 34 ◯西原福祉労働部長 冒頭課長から答弁申し上げましたとおり、本県の労働力人口は減少するものと推計しております。  労働資源が限られる中で、働き方改革に取り組み、若者、女性、高齢者、あるいは障がいのある方、外国人など多様な人材がそれぞれの事情に応じた働き方を選択でき、それぞれの個性や意欲、能力を発揮できる魅力ある職場づくりを進めることは、人材確保、定着、ひいては労働生産性や企業の収益力向上につながるものと考えております。  このことは、企業の経営をする方、雇用されて働く人の双方がお互いウィン・ウィン、共存共栄によってしか成し遂げることができないと考えておりまして、県としましては今後とも国や経済団体、労働団体などの関係機関としっかり連携し、いわゆる働き方改革を積極的に推進し、労働力の確保を目指してまいりたいと考えております。 35 ◯原中誠志委員 終わります。(拍手) 36 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。吉武邦彦委員。 37 ◯吉武邦彦委員 お疲れさまです。緑友会の吉武邦彦です。  玄界灘にぽつんと浮かぶ絶海の孤島であります宗像・沖ノ島は、暖かい対馬海流が流れて、本土より早く春が訪れています。亜熱帯植物の北限とも言われていまして、今、オオタニワタリとかビロウの木も生き生きし出している頃だと思っています。そういうことで本日は、世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の保存と活用についてお尋ねをいたします。  「神宿る島」宗像・沖ノ島等関連遺産群は、千五百年以上前から地域の人々によって守り継がれてきた「神宿る島」沖ノ島を崇拝する文化的伝統の価値が認められまして、平成二十九年に世界遺産に登録をされました。私たち登録活動に最初から携わった人間にとっては、長年の悲願でありました世界遺産登録が現実のものとなったときは、喜びもひとしおでございました。  とは言え、世界遺産の登録がゴールではなく、この世界の宝とも言える世界遺産群の価値を発信し、多くの方に訪れていただくとともに、その構成資産を守り、次世代へ引き継いでいかなければならないと考えているところであります。そういうことで最近地元では、世界遺産の調査研究と公開活用を担う世界遺産センター建設を要望する声も上がっておりまして、これまで三万六千筆の署名が集まっていると聞いております。センター建設の要望活動につきましては、今後の課題として動向を注視してまいります。  さて、遺産群の保存と活用につきましては、これまで、県、宗像市、福津市、宗像大社で構成する「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群保存活用協議会が中心となり、取り組まれてきたことと承知をしております。  そこでまず最初に、世界遺産登録後に保存活用協議会ではどのような取組を行ってきたか、説明をお願いいたします。 38 ◯秋田章二委員長 安森九州国立博物館・世界遺産室長。 39 ◯安森九州国立博物館・世界遺産室長 保存活用協議会では、これまで、構成資産の保存管理と本遺産群の公開活用、この二つに関する取組を進めてまいりました。  まず、構成資産の保存管理につきましては、宗像大社及び新原の奴山古墳群の整備や修復、沖ノ島の防犯対策などにより、構成資産の適切な保存に努めております。また、構成資産を取り巻く周辺環境を良好に保つため、海岸などでの清掃活動や周辺で行われる開発事業の情報収集、開発事業者など関係者との調整に取り組んでおります。  本遺産群の公開活用につきましては、パンフレットの配布、デジタルアーカイブを含めたウェブサイトやSNSでの情報発信、公開講座の開催などにより、資産の価値や魅力の発信を行っております。また、宗像市の世界遺産ガイダンス施設、海の道むなかた館に遺産群を紹介するための大型映像設備を設置したほか、沖ノ島で出土した銅鏡などの奉献品のレプリカを展示するなど、ガイダンス施設における展示解説機能を強化するとともに、毎年海の日にイベントを開催するなど、来訪促進に取り組んでおります。 40 ◯吉武邦彦委員 今年度は、世界遺産が登録されて五周年の節目となりました。私も海の日である七月十八日に行われました記念イベント、沖ノ島スペシャル遊覧ツアーに無料で参加をさせていただきました。そのほかにも様々な記念事業が行われたと思います。遺産のPRをされたと思っております。  そこで、今年度にどのような登録五周年記念事業が行われたか、御説明ください。 41 ◯安森九州国立博物館・世界遺産室長 今、委員からお話がございましたとおり、七月の海の日には、JR九州高速船と連携しクイーンビートルを活用した沖ノ島スペシャル遊覧ツアーを実施し、地元宗像市、福津市の小中学生をはじめ約四百名の方に、上陸できない沖ノ島を間近で楽しんでいただきました。また、夏休み期間中には、構成資産や文化施設を楽しみながら巡り、学ぶ、海と宝のクイズラリーを実施し、二千名を超える方々が参加されました。このほか、静岡県富士山世界遺産センター、島根県立古代出雲歴史博物館といった本遺産群と接点の多い県外六つの歴史文化施設と連携したハルカムナカタキャンペーンや、海と人々との関わりをテーマにした国内外の専門家による世界遺産公開講座、宗像市、福津市の小学生を対象とした沖ノ島のクイズ大会を開催するなど、様々な五周年記念事業に取り組んでいるところでございます。 42 ◯吉武邦彦委員 ありがとうございます。五周年記念事業と銘打ったイベント事業を行い、遺産群をPRすることは大変いいことだと思っております。  しかし、これを一過性のものとしてはいけません。新型コロナウイルス感染症による行動制限も緩和に向かい、今後、遺産群への来訪者の増加も期待をされております。そこで、もっともっと多くの方に訪れていただくために、今後どのように取り組んでいかれるのか、お答えください。 43 ◯安森九州国立博物館・世界遺産室長 保存活用協議会において来年度は、地元のガイドによる構成資産をはじめ魅力ある地域の観光資源を巡るツアープログラム、海の道むなかた館や福津市のカメリアステージ歴史資料館における奉献品をモチーフにしたものづくり体験などの体験プログラムをつくり実施していくことで、多くの方々に宗像地域においでいただきたいと考えております。  また、遺産群までのアクセス情報や滞在時間に応じた周遊プランを検索できるほか、構成資産や宗像大社神宝館の展示品の解説を見ることができる日英中韓の四言語対応サイト、世界遺産スマホガイド「みちびき沖ノ島」を令和元年度から公開しております。来年度は本サイトに先ほど申し上げた現地で楽しむことができる体験プログラムを掲載するとともに、赤間地区や津屋崎千軒といった構成資産以外の地域資源も追加することで、この宗像福津地域での周遊をより楽しんでいただけるよう、努めてまいります。 44 ◯吉武邦彦委員 次に、冒頭申し上げましたとおり、遺産群の価値を伝え来訪を促す一方で、しっかりとこの世界遺産を次世代に引き継いでいかなければなりません。私は、特に地元の子供たちに世界遺産の価値をしっかり理解してもらうための取組がとても重要と考えております。  そこで、次代を担う子供たちに対しこれまでどのような取組がなされてきたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。 45 ◯安森九州国立博物館・世界遺産室長 保存活用協議会では、令和元年度、小学生が遺産群を現地で見学する際に、問題を解きながら遺産群を学ぶことができるワークブック、世界遺産楽習帳を製作し、毎年度、地元宗像市、福津市、全ての小学五年生に配布しております。宗像市、福津市では、小学校のカリキュラムに世界遺産楽習帳が組み込まれており、このワークブックを活用し、遺産群について勉強しているところです。  来年度は、二市以外にも世界遺産楽習帳を広げていくため、世界遺産楽習帳や、新たに制作した子供向け遺産群学習動画を活用した世界遺産学習の教員向け指導マニュアルを作成し、市町村教育長会議や校長会で説明するなどし、県内の小学校に対して遺産群での校外学習を働きかけてまいります。また、夏休みにおいては、子供向け遺産群学習動画を見て、現地で世界遺産楽習帳の問題を解きながら世界遺産を楽しく学べる体験型世界遺産学習イベントを実施する予定です。 46 ◯吉武邦彦委員 次世代を担う子供たちに遺産群の価値を理解してもらい、自分の生まれ育った地域を誇りに思い、地元愛を育むことは、いわば世界遺産を通じた人づくりでございます。今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。  最後になりますが、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の価値を発信し訪れていただくために、また、次世代に継承するため、しっかりと継続して取り組んでいく部長の決意をお伺いいたします。
    47 ◯秋田章二委員長 徳永人づくり・県民生活部長。 48 ◯徳永人づくり・県民生活部長 世界遺産は、国や民族を超えて人類が共有すべき遺産でございます。今、委員から御指摘がございましたとおり、登録五周年を迎えた「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群に多くの方に来ていただき、地域の活性化を図るとともに、確実に将来に引き継ぐことが重要でございます。  このため、先ほど室長が申し上げましたとおり、保存活用協議会が中心となりまして、登録五周年記念事業をはじめ様々な取組を行ってまいりました。また、今後もガイドによるツアーでございますとか、体験プログラムの実施、学校における世界遺産学習の充実等に努めてまいります。  世界遺産の価値に共感いたします多くの方々に国内外から訪れていただきますとともに、地元の子供たちが世界遺産に対する誇りと愛着を持ち、次の世代にその価値を継承できますよう、今後とも地域の方々と一緒になってしっかり取り組んでまいります。 49 ◯吉武邦彦委員 本当なら世界遺産センター活動の要望活動を議論したかったんですが、今日は時間がございませんので、もし選挙に勝って再選しましたら、次、議論していきたいと思いますので、記憶にとどめておいてください。終わります。(拍手) 50 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。森下博司委員。 51 ◯森下博司委員 皆さん、おはようございます。公明党の森下博司でございます。  通告に従い、早速、放課後等デイサービス事業所の経営改善及び発達障がい児の支援について質問をさせていただきます。  委員長、初めに資料の提出をお願いしておりますので、内容は県内の放課後等デイサービス事業所数と利用者数について、取り計らいをよろしくお願いいたします。 52 ◯秋田章二委員長 お諮りいたします。  ただいま森下委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 53 ◯秋田章二委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま森下委員から要求がありました資料については提出できますか。和田障がい福祉サービス指導室長。 54 ◯和田障がい福祉サービス指導室長 直ちに提出できます。 55 ◯秋田章二委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 56 ◯秋田章二委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 57 ◯秋田章二委員長 資料が配付されましたので、森下委員、質疑を行ってください。 58 ◯森下博司委員 最初にこの資料の中身について、簡単な説明をよろしくお願いします。 59 ◯和田障がい福祉サービス指導室長 資料の上の表一を御覧ください。放課後等デイサービス事業所につきましては、児童福祉法に基づき、県、政令市、中核市がそれぞれ指定を行っており、令和五年二月末現在、県全体で千六十事業所、うち県所管は五百十二事業所となっています。その下にある利用者数は、令和三年度末時点で一万三千三百八十四人でありました。いずれも年々増加しております。  次に、下の表二を御覧ください。県が所管する事業廃止の状況ですが、上段は、利用者の確保が困難、事業所のスタッフ不足といった経営不振を理由とした廃止であり、下段は、合同会社が株式会社へ経営形態を変更する場合などで設置者が替わることによる手続上の廃止であり、事業所の運営が継続されているものでございます。経営不振を理由とした廃止は、事業所数の約一%の割合で推移しています。 60 ◯森下博司委員 放課後等デイサービスの呼び方を、これ以降は放課後デイと短縮させていただきます。  まず、事業所数の適正な管理について伺います。現在、本県での放課後デイ事業所の数は、説明があったとおり千六十事業所であり、事業所間の競争はある程度必要と思いますけれども、利用する子供の獲得、あわせて基準職員の配置への影響を考慮し、健全な運営をするためにも、また、市町村が利用者数の見込みを立てられない場合も想定して、県が各市町村のサービス必要量を超えないようチェックしていくべきだと思いますが、見解をお伺いします。 61 ◯和田障がい福祉サービス指導室長 放課後等デイサービスの新規事業者指定については、三年に一度策定している福岡県障がい児福祉計画に基づき、県内十三圏域ごとのサービスの利用と供給の需給を考慮し、事業所の所在市町村の意見を踏まえ決定しております。放課後等デイサービスの事業所の指定申請があった場合、事業所の開設予定地である地元市町村から事業所の利用者数や直近の必要量など、需給見込みに関する記載のある意見書の提出を求めています。これらを基に、利用者の確保が見込まれると認められる場合に事業者の指定を行っており、今後とも必要なサービス量の把握と提供に努めてまいります。 62 ◯森下博司委員 次に、行政間の自己負担額の均一化について伺います。現在、放課後デイについては、低所得者の自己負担額はゼロ円、一般所得者の自己負担額は四千六百円、高所得者の自己負担額は三万七千二百円となっています。しかし、福岡市に関しては、現在、高所得者の自己負担額の半額は市が負担し、今後、一般所得及び高所得者の自己負担額が一律三千円で可能かの検討を行っていると伺っています。福祉サービスの利用を県下どの地域も同じ費用で受けられると、対象者の家族がより安心できると思いますけれどもいかがでしょうか。他の市町村でも低負担額に向けての検討を行えないものか、伺います。 63 ◯秋田章二委員長 宮崎障がい福祉課長。 64 ◯宮崎障がい福祉課長 放課後等デイサービスをはじめ障がい福祉サービスの制度は、その必要な経費の九割をまず公費で負担しており、残る一割についても世帯所得に応じた負担軽減を十分に図りながら、利用者に負担をお願いしています。これを今後どのように取り扱うのかは、障がい福祉サービスの制度設計の中で、本来国が検討すべき問題であると考えています。  昨年度の県と市町村の放課後等デイサービスの給付費の負担額は、それぞれ約五十九億円、利用者の自己負担額は推計で九億七千万円となっております。サービスを将来にわたって安定して提供するためには財源の確保も重要な問題です。こうしたことから、自己負担額の取扱いは慎重に検討しなければならないと考えております。 65 ◯森下博司委員 次に、暴風とか災害時における事業所に対する経費の補助について伺いたいと思います。保育所と違って、放課後デイを含む通所系の福祉サービスは、利用者のサービスの利用ごとに利用料金が発生します。台風とか大雪、さらに学級閉鎖を伴う感染疾患の流行ごとに事業所を閉所しております。その損失は小規模ほど影響を受けます。安定した事業所経営を考慮して、対外的な影響による収入減については県で何か対応できないのか、お聞きします。 66 ◯和田障がい福祉サービス指導室長 放課後等デイサービスは、お一人お一人、障がいや養育の状況によって月に利用できる日数がそれぞれ決められているため、報酬が日額で設定されており、十人定員の場合は一日一人当たり六千四十円の報酬額が算定されます。利用を予定する就学児が急病や災害等を理由に利用を中止した場合、就学児や家族への電話やZoomでの安否確認対応をすることで、一日一人九百四十円の報酬が算定されます。対応時間や支援内容を勘案し、相応の報酬が支払われていると考えております。 67 ◯森下博司委員 日額が九百四十円ということでありますが、人件費等を考えると、これでは、処遇改善をしないと事業は全く成り立たないということになると思います。このことはまた最後、部長に問うてみたいと思いますけれども、ぜひ今後考えていただければと思います。  次に、福祉分野における賃金アップに向けた対策について伺います。物価高騰対策として、中小企業が今後賃金アップを図るため国は対策を検討していますけれども、障がい福祉分野について今後も国からの助成が検討されていない場合は、県で補助を考えなければいけないと思っております。県内の事業所のうち、現在四割が赤字運営と聞いておりますけれども、今回のこの物価高騰への対策の考えがあればお示しください。 68 ◯和田障がい福祉サービス指導室長 福祉施設やサービス事業所の職員の賃上げについては、国において令和四年二月から給与を三%程度引き上げるための措置がなされております。また、光熱費や食材費等の物価高騰対策についても、昨年九月の補正予算により放課後等デイサービスをはじめとした社会福祉施設やサービス事業所に対し、国の予算により補助を実施しております。  こうした物価高騰への対策や賃金改善については、今後も必要性に鑑み国の補正予算において措置されるものと考えております。県では、物価高騰の影響を報酬に反映させるとともに、常に物価の変動や社会情勢に応じて報酬体系を見直すよう国に要望しています。 69 ◯森下博司委員 次に、子育て相談窓口の一本化について伺います。放課後デイに通っている保護者から、障がいの有無にかかわらず、どこでどのように相談すればよいか分からないとの声を聞きました。行政の窓口で子育て支援総合窓口のような形で、子育て支援についての県下の市町村行政ごとに相談窓口を一本化してはいかがでしょうか。お答えください。 70 ◯和田障がい福祉サービス指導室長 子育て支援の窓口の一本化につきましては、児童福祉法の改正により、今後、市町村は子供・家庭支援の総合的、一体的拠点として、こども家庭センターの設置に努めることとされ、今後、一人一人の子供支援のサポートプランの決定に当たり、学校現場との連携なども重要になってまいります。県としましては、センターが全ての市町村に設置され、障がい児支援も含め子供・家庭の包括的な相談支援ができるよう、体制整備を支援してまいります。 71 ◯森下博司委員 教育現場と障がい福祉の連携について、ここで伺いたいと思います。放課後デイが学校と連携を図る場合、学校や教員によって対応がまちまちで、どう関わっていけばよいのか等、原則的な対応の仕方を明確にしてあげないと、関わり方の根拠がないままに障がい児に対応することが困難になっているのが現状であります。  平成二十七年度には厚生労働省が放課後等デイサービスガイドラインを、また令和三年度には文科省が障害のある子供の教育支援の手引を作成し、それぞれ県内の各教育委員会に配付していると聞いていますけれども、このガイドライン等がほとんど活用されていません。教育現場に積極的に障がい福祉課から働きかけをしたらどうでしょうか、お答えください。 72 ◯和田障がい福祉サービス指導室長 厚生労働省のガイドラインは、子供に必要な支援を行う上で、学校との役割分担を明確にし、連携を積極的に図ること、下校時刻の確認、引継ぎ項目等、学校との間で情報共有しておく必要があることなどの記載がありますが、文部科学省の手引では、放課後等デイサービス事業所との連携は現場の任意となっており、御指摘についてはその辺りに要因があるのではと考えております。  学校生活から事業所への引継ぎは子供の安全確保に関わる問題でありますので、今後、下校時における引継ぎに関して教育委員会と協議を行ってまいります。 73 ◯森下博司委員 では、この項の最後に、放課後デイの事故防止対策について伺います。放課後デイで子供の死亡や負傷などの事故報告が二〇一二年度の制度開始以降、全国で少なくとも約四千百件に上っているとの報道がありました。しかし、国への事故報告の義務はありませんので、事例を共有し検証する仕組みは必要だとの指摘がなされています。  そこで伺います。本県においても、県内の事件・事故事例を集約して、発生原因に応じた再発防止策の紹介など、県が率先して取り組んではいかがでしょうか、お聞きします。 74 ◯和田障がい福祉サービス指導室長 県所管の放課後等デイサービス事業所から県が報告を受けるけがなどの事故の件数は、年間四十から五十数件となっています。事業所で事故が起こった場合、県に事故報告書を提出するとともに、同様の事故が再び起こらないよう、事故等が発生した要因分析、再発防止のための改善策を検討し実践するよう、事業所に対し個別の指導を行っております。  事故が発生した原因を分析し具体的な対策を紹介することは、事業所における事故の再発防止策に有効であると考えます。今後、県で事例を集約し、事業所の管理者を対象とした集団指導の場や市町村担当課長会議において活用してまいります。 75 ◯森下博司委員 最後に部長に伺います。本県全体として教育のための社会を実現できるよう、本県と福岡市、北九州市など三行政が連携して、より円滑な障がい児の福祉サービスを運営すれば、安心、安定した子供の未来につながっていくと思っています。  もう一点は、放課後デイサービス事業所が、需要があるけれどもなぜか、最初の資料の中にありますように令和五年度は二月までに十八件が廃業に追いやられております。残念ではありますけれども、ここはやっぱり弱者を守る大事なデイの事業所でもありますので、この対策も併せて部長の見解と決意を伺いたいと思います。 76 ◯秋田章二委員長 西原福祉労働部長。 77 ◯西原福祉労働部長 委員御指摘の障がい児福祉サービスの両政令市、あるいは久留米市との連携についてでございますが、毎年度、連絡協議会を開催し、障がい福祉サービスに関する制度の運用の在り方や事業所への指導方法等について情報共有や意見交換を行っております。従来より障がい児福祉サービスは、市町村の域をまたいで利用をされておりますので、市町村間のまたぎのことを考えますと、こうした北九州市、福岡市、久留米市と福岡県の連携は大変重要でございます。今後ともその連携を密にしまして、的確な指導・助言につなげてまいります。  放課後等デイサービスにつきましては、子供の健全な育成を図るものでございまして、学校生活に引き続いて支援を行っているということで、引き続き子供の安全確保に関しましては教育委員会等とも協議してまいりたいと思っておりますが、御指摘のございましたデイサービスの事業所の廃止等につきましても、若干出ております。御承知のように、今、放課後デイサービスは急増期にございまして、入れ替わりも激しい。スタッフですとか、あるいは子供の利用につきましても、事業所間の移転などがかなり頻繁に起こっておりまして、まだ黎明期を脱してない状況にはございます。  一方、コロナがこの間流行いたしましたので、今後、利用者がどうなっていくのか、あるいは放課後等デイサービスの事業所の運営がどうなっていくのかというのは、引き続き私どもも注視をしなければならないと考えておりまして、今後、事業廃止等の動きにつきましても、なぜ廃止に至っているのかを少し密に分析いたしまして、子供たちの支援に差し障りがないように努めてまいりたいと考えております。 78 ◯森下博司委員 十八事業所がなくなったという、その先には、弱者である障がい児が路頭に迷っているということなんですよね。一事業所で大体十人ぐらい、これがいろんなところに今度また移転してしまうということになり、人間関係とか環境が変わると、この人たちのおり場がなくなるわけですよ。指定は県がするのであれば指定をすると同時に最後までしっかり面倒を見るというのが県の行政サービスではないかと僕は思っております。どうか、弱者を守る意味でも、ぜひ一件たりとも廃業がなされないようにしっかり守ってあげるということも肝に銘じて、今後は仕事をしていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) 79 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。高橋義彦委員。 80 ◯高橋義彦委員 自民党県議団の高橋義彦でございます、通告に従いまして質問させいただきます。  本日は二点、保育所における課題と手話言語条例に基づく施策の推進について御質問させていただきます。  まずは、保育料の無償化の関連についてお伺いします。令和元年十月に子ども・子育て支援法の一部を改正する法律が施行され、幼児教育・保育の無償化が開始されましたが、この制度の概要について御説明ください。また、保育料の軽減措置について併せて御説明ください。 81 ◯秋田章二委員長 若藤子育て支援課長。 82 ◯若藤子育て支援課長 令和元年十月から実施されている幼児教育・保育の無償化は、三歳以上の利用料、保育料を全員無償としたものです。また、三歳未満の保育料についても一部軽減措置が設けられています。低所得世帯に対する軽減措置として、生活保護世帯及び市町村民税非課税世帯は無償、年収約三百六十万円未満の課税世帯は第二子が半額、第三子以降が無償とされています。それ以外の世帯につきましても、兄弟児が同時に保育所等を利用する場合、二人目を半額、三人目以降が無償とされているところです。 83 ◯高橋義彦委員 ゼロ歳から二歳児については原則無償化されていないということですが、例えば県内全てのゼロ歳から二歳児について保育料無償化するとした場合、年間どれくらいの費用が必要なのか教えてください。また、県内市町村において無償化に取り組んでいる事例等があれば、併せて教えてください。 84 ◯若藤子育て支援課長 直近の令和三年度実績の試算では、県内全てのゼロ歳から二歳児の保育料を無償とした場合、年間約百四十四億円の費用が必要であり、仮に県と市町村で半額ずつ負担するとしましても、県の負担は年間約七十二億円となります。  また、独自にゼロ歳から二歳児の保育料を無償化している市町村につきましては、令和五年三月一日現在で田川市、香春町、川崎町、大任町、東峰村、赤村の六市町村となっております。 85 ◯高橋義彦委員 市町村と協力して実施したとしても、今回、自民党県議団、福岡県連が要望してできた大切な基金であります出産・子育て応援基金が二年程度でなくなる規模だということが分かりました。この大切な基金の使い道の方策をしっかり考えなければなりません。  一方で、ゼロ歳から二歳児については、一か月当たりの保育料が八万円を超えるとも聞いています。こういった例は、一定程度収入がある方だと思いますが、保育料に年間百万円程度必要ということであり、負担は大きいのではないかと思います。やはり本県が目指す子どもを安心して生み育てることができる社会づくりを達成するためには、全ての子供の保育料の無償化が必要だと考えます。  こうした中、東京都や福岡市では、第二子以降の保育料の無償化を打ち出しておりますが、二人目以降の子供が欲しいと思っている家庭にとって非常にありがたい制度であり、合計特殊出生率も上昇することが期待されるものかと思います。本県においてこの制度の導入についてどう考えているのか、お伺いいたします。 86 ◯若藤子育て支援課長 子育て世帯における経済的負担は、現在無償化の対象となっている三歳以上に限らず、ゼロ歳から二歳児の子育て家庭においても大きくなっております。ゼロ歳から二歳児の保育料の軽減措置は、中長期的な視点を持って持続的に実施する必要があると考えており、それぞれの自治体が個別に行うのではなく、国の責任で一律に進めるべきものと考えております。  幼児教育・保育の完全無償化につきましては、全国知事会を通じまして国に要望しているところでございます。引き続き、早期の実現に向けて要望してまいります。 87 ◯高橋義彦委員 続いて、保育士の配置基準と保育士の確保の関係についてお伺いいたします。  先日、私の地元の保育士の方々からお話を聞く機会があったのですが、仕事がとても忙しい、休憩も取れない、人手が足りない、若い職員が辞めてしまうなど、いろいろな意見がありました。  なお、配置基準とは、ゼロ歳児は子供三人につき一人の保育士、一、二歳児は六人に一人、三歳児は二十人に一人、四、五歳児は三十人に一人のように決まっています。  先月二十八日に開催されました衆議院予算委員会において岸田総理は、一人の保育士が担当する子供の数を定めた配置基準について、これから政策のパッケージを示す中で政府としてもしっかり考えていくと発言をしています。国がどのような方針を打ち出すのか、引き続き注視していく必要がありますが、この保育士の配置基準が改善されれば、保育園に通う子供たちの保育の質の向上、そして保育園で働かれている保育士の皆さんの身体的や精神的な負担の軽減、これらにつながるものと考えます。  しかし一方で、保育園を経営する立場に立ってみると、保育士不足が深刻である現状では、新たに保育士を雇用できるのかといった問題は大きいと思います。このことを踏まえ、県は保育士確保のためこれまでどのような対策を講じてきているのか、お伺いいたします。 88 ◯若藤子育て支援課長 県ではこれまで新規保育士確保対策としまして、保育士修学資金貸付事業や、保育士資格取得支援事業、潜在保育士の復帰促進策としまして、福岡県保育人材総合支援サイト「ほいく福岡」での保育士資格有資格者届出制度による登録依頼や、保育所の求人情報の発信、また、現役保育士の離職防止策としまして保育所におけるICTの導入支援など、保育現場の負担軽減に取り組んできました。今年度からは、新規保育士確保のために、合同就職説明会における若手保育士による施設のPR、また、施設の魅力を発信するためのSNS活用の支援、「ほいく福岡」では各保育所の特色などの情報を掲載した発信などを行っております。 89 ◯高橋義彦委員 県のこれまでの取組はしっかり理解できました。  しかしながら、今後保育士の配置基準が見直された場合、今よりもさらに必要となる保育士の数は増えるのではないかと思います。このことから、配置基準の見直しが行われる前提で、今の時点から早期に追加の施策を打っておく必要があると考えますがいかがでしょうか。 90 ◯若藤子育て支援課長 配置基準が見直されますと、さらなる保育士確保が必要となります。新規保育士は、保育所等への就職者数の約八割を占めます養成校との連携が重要です。来年度は養成校との定期的な会議を持ち、保育所等への就職者の増加策の検討を行うこととしております。  あわせまして、保育士・保育所支援センターにおいて、短時間雇用を含めた就職希望者と施設のマッチングを強化し、保育士の現場復帰を促してまいりたいと考えております。 91 ◯高橋義彦委員 最近は保育士を目指す若者が減っているとも聞いています。様々な理由があると思いますが、保育士の給与面の課題も大きいと考えます。また、保育士の処遇の改善についても国とともに取り組んでいるかと思いますが、引き続き実施いただくよう要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  次に、我が会派は、聾者の方々が安心して生活できる社会の実現に取り組むためには、本来、手話言語法が制定されることが望ましいと考え、当時の松尾統章議長の御尽力により意見を取りまとめ、平成二十六年十二月に県議会として国に意見書を提出するなど、働きかけを行ってまいりました。  このような中、今議会には知事が手話言語条例を提案されました。手話は、物事を考え、意思疎通を図り、互いを理解し合うために大切な言語です。特に、乳幼児期から手話によって家族とコミュニケーションを取りながら生活していくことは、子供の健全な成長のためにも必要です。私は、このような手話の大切さをしっかり県民の皆さんに理解していただきたいと思っています。どのような方法で周知を図っていかれるのか、お示しください。 92 ◯秋田章二委員長 宮崎障がい福祉課長。 93 ◯宮崎障がい福祉課長 委員御指摘のとおり、手話は聾者の方々にとって、意思疎通を図るだけでなく、他の人を理解し、物事を考えるために不可欠な言語です。このため、手話言語条例の内容をはじめ、聾者の方々が安心して日常生活を営むためには手話はなくてはならないものであることなどについて、県民の皆様に県の様々な広報媒体を用いてお伝えし、手話への理解を深めていただきたいと考えております。  このほかにも、条例の全ての条文を手話で紹介する動画の作成や、地域で手話の普及に取り組まれている手話サークルの皆様に対して手話の魅力や活動内容をPRした動画などを広く募り、これらの周知を図ってまいりたいと考えております。 94 ◯高橋義彦委員 私は、昨年の予算特別委員会において手話通訳者の確保について質問したところです。昨年の質疑では、市町村でボランティア活動を実施している手話奉仕員の方々に、手話通訳者を目指していただくための課題などについて意見を聞くとの答弁をいただきましたが、どのような意見があったのか、お答えください。 95 ◯宮崎障がい福祉課長 昨年七月、手話奉仕員の方々に対し、手話通訳者を目指す上での課題などについてアンケート調査を行い、二百四十四人の方から回答をいただきました。主な意見としては、手話通訳者になるための試験の難易度が高い、手話通訳者の報酬が低い、現在春日市で実施している手話通訳者養成研修の会場が遠いなどがありました。 96 ◯高橋義彦委員 今お答えいただいた課題などを踏まえ、手話通訳者の確保のため、手話通訳者養成研修の拡充やその研修の講師養成などに取り組むこととされています。特に手話通訳者養成研修については、研修の開催地を現在の一か所から二か所に増やすとのことですが、どの地域で実施をするのか、その理由も含めてお伺いいたします。 97 ◯宮崎障がい福祉課長 県内の手話言語条例を制定している十四市町村のうち、多くが筑豊地域に集中しており、これらの市町村では手話の普及啓発に積極的に取り組まれています。また、手話通訳者養成研修会場が遠く継続的な受講が困難として、当該地域の手話サークルでは、自主的な勉強会により手話通訳レベルの向上に努められるなど、研修受講ニーズは高いものがあります。これらのことから、まずは筑豊地域で研修を実施することにより、一人でも多くの手話通訳者の養成を目指してまいりたいと考えています。 98 ◯高橋義彦委員 私が特別支援学校の教職員の方々にお聞きしたところ、特に新任の方々は手話の習得に苦慮されていると伺っています。学校や保健所等の職員の方々が手話を学び、聾児と手話で接していただくことは、聾児の健全な育成にとって重要なことだと考えます。県では、このような手話に接する機会が少ない職員の方々に対し、どのように対応しているのか、最後にお伺いいたします。 99 ◯宮崎障がい福祉課長 先ほど委員が御指摘されたとおり、聾児の健全な育成のためには、乳幼児期から手話を学ぶことが重要です。このため、来年度から親子で手話を学ぶ教室を開催することとしています。この教室では、手話の学習方法や聾児との関わりを学ぶことができるため、学校や保育所などで初めて聾児に接することとなる職員の方々にも参加を働きかけていきたいと考えています。  このほかにも、市町村においては、日常会話レベルの手話を学ぶ手話奉仕員養成研修を実施しています。これらの情報を取りまとめ、教育委員会等関係機関を通じて周知してまいります。 100 ◯高橋義彦委員 終わります。(拍手) 101 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。佐々木允委員。 102 ◯佐々木 允委員 民主県政県議団、田川市選出の佐々木允です。ただいまより医療的ケア児支援の取組について質問をいたします。  私は、医療的ケア児の支援に向けた県の取組について二〇一六年九月議会において質問いたしまして、医療的ケア児の御家族の現状についての認識や医療的ケア児の受入れの現状などについて、知事に確認をしてまいりました。私はこの中で、常時介護を行っておられる御家族の負担軽減、そして、医療的ケア児の受入先の確保が大きな課題であると認識をしてまいりました。  まず、医療的ケア児の御家族の負担軽減についてです。医療的ケア児の御家族は、日常的に人工呼吸器等の医療機器を使用して、命に関わる介護を行われております。そのため、緊張感や慢性的な睡眠不足などにより、心身ともに大きな負担がかかっているのは容易に想像ができます。  県では、二〇一九年度から御家族の負担軽減を図る取組として、自宅などへ介護士、看護師を派遣する際に要する費用を県と市町村で助成する医療的ケア児在宅レスパイト事業を実施しております。昨年度は、政令市を含め二十九市町において事業に取り組んでおり、利用実績は十七市町、百七十七人と聞いております。この取組により、医療的ケア児の御家族が一時的に介護から離れ、心身の疲労回復が図れるといったことや、兄弟児との触れ合いの時間を持つことができるなど、医療的ケア児と御家族が住み慣れた地域で安心して生活を送れるためにも非常に意義のあるものだと考えております。  そこでまず、この事業について、県内の市町村では現在、直近ではどのぐらい実施しているのか、お伺いをいたします。 103 ◯秋田章二委員長 宮崎障がい福祉課長。 104 ◯宮崎障がい福祉課長 今年度の実施市町村は三十四の市町となっており、昨年度から五つの市町が増加しております。
    105 ◯佐々木 允委員 県では、医療的ケア児在宅レスパイト事業に加えて、来年度から医療的ケア児の教育機会を保障するためにも、学校での御家族の付添いを代行する看護師派遣を支援するなど、事業の拡大を図ろうと現在されています。このような中、この事業に取り組む市町村がまだ三十四ということで、まだまだ事業が少ないというのは非常に残念であります。  そこで質問です。県として、全市町村実施に向けてどのように考えているのか、また、そのため県としてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 106 ◯宮崎障がい福祉課長 県では、医療的ケア児とその御家族が県内どの地域にお住まいでも必要な支援が受けられるためには、全ての市町村においてこの事業を実施していただくことが望ましいと考えております。このため未実施の市町村については、個別に地域の実情をお伺いするとともに、事業の必要性や来年度から取り組むこととしている看護師派遣事業について丁寧に説明を行うほか、実施市町村が徐々にではありますが広がっていることなどについて情報提供を行い、事業の実施に向けた取組を積極的に支援してまいります。 107 ◯佐々木 允委員 全ての市町村での実施を行うための積極的な支援を行うという言及がございました。まだまだ地元では、ニーズがないとか、また、取組の実施について十分周知されていない部分が多数あろうかと思います。積極的にやっていくということでありましたので、ぜひ来年度に向けて取組を強化していただきたいと要望したいと思います。  次に、医療的ケア児の受入先の確保についてであります。昨年四月、医療的ケア児支援法に基づき、医療的ケア児と御家族からの相談に常駐の相談員がワンストップで対応する県医療的ケア児支援センターが、新宮町にあります県立こども療育センター、新光園内に設置をされました。センターでは、御家族から医療的ケア児の受入先の相談を受けた場合には、受入れ可能な関係機関を探してつないでいくほか、新光園が実施している障がい者福祉サービスであります短期入所事業を活用して、医療的ケア児の受入れを実施しているとも伺っております。  そこで質問です。新光園における短期入所事業における医療的ケア児の受入れ状況はどのようになっているのか、お伺いします。また、この短期入所事業については、新光園以外の施設においても県内では実施されているところです。現在、県内で医療的ケア児の短期入所受入れを実施しているところはどれぐらいあるのか、併せてお伺いをいたします。 108 ◯宮崎障がい福祉課長 新光園では、昨年四月の医療的ケア児支援センター発足以来、今年一月末までに延べ百三十九人の短期入所受入れを行っています。県内では、一月末現在、三十八の医療機関等で障がい福祉サービスである医療型短期入所事業を実施し、医療的ケア児の短期入所受入れを行っています。 109 ◯佐々木 允委員 医療的ケア児の受入先については三十八医療機関とのことですが、例えば田川であれば恐らく一か所だったですかね。非常に地域によって偏在がある状況であります。  医療的ケア児の御家族から、短期入所など医療的ケア児の受入先がないといった声を私もたくさん伺います。御家族の負担軽減を図るためには、医療的ケア児の短期入所の受入れを実施する施設をもっと増やしていただく必要があると思います。  そこで伺います。医療的ケア児の短期入所の受入れを実施する施設を増やしていくため、県はこれまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、それぞれお答えください。 110 ◯宮崎障がい福祉課長 県では、短期入所の開設を検討している事業所に対して、事業内容やサービスの報酬、事業所指定の手続などに関する説明会を開催しております。また、事業所の職員を対象に、医療的ケア児を受け入れるために必要な知識や技術を習得する実地研修を実施しております。これらの取組により事業実施の働きかけを行ってきたところです。  今後は、医療的ケア児支援センターにおいて、医療的ケア児と御家族のニーズを把握するとともに、市町村や事業所から地域の実情をお伺いした上で、個別の事業所に対して短期入所事業実施に向けた働きかけを行い、受入れ施設を増やしていきたいと考えております。 111 ◯佐々木 允委員 医療的ケア児対策については、県にはこれまで、今るる述べられた様々な取組を進めてきていただきました。この流れを全ての市町村で、都会であろうが、また地方であろうが、全ての地域でくまなく進めていただく必要があると思いますし、そのことが知事がるる公約等で述べておられます、誰もが住み慣れた地域で暮らしていくといった言葉にもつながっていくのではないかと思います。  最後に、医療的ケア児の御家族の支援に向けた部長の決意をお伺いいたします。 112 ◯秋田章二委員長 西原福祉労働部長。 113 ◯西原福祉労働部長 医療的ケア児と御家族が地域で安心して暮らしていくことができますよう、県として医療的ケア児支援施策を推進していくことは極めて重要であると考えております。このため、医療的ケア児の御家族の負担軽減を図る、今年拡充もお願いをいたしておりますが、看護師派遣の取組が県内の全ての市町村において実施されますよう、市町村に対ししっかり働きかけをしてまいりますとともに、医療的ケア児の受入先の確保につきましても、医療機関等に対しまして障がい福祉サービスである医療型短期入所の事業所開設に当たっての支援に取り組みまして、事業所の拡充に取り組んでまいりたいと考えております。 114 ◯佐々木 允委員 終わります。(拍手) 115 ◯秋田章二委員長 この際しばらく休憩します。再開は午後一時三十分をめどに放送をもってお知らせします。    午 後 零 時 二 十 七 分 休 憩    午 後 一 時 三 十 分 再 開 116 ◯冨田徳二副委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第五款生活労働費について、ほかに質疑はありませんか。永川俊彦委員。 117 ◯永川俊彦委員 緑友会の永川でございます。  通告に従いまして、高等技術専門校による人材育成についてお尋ねをいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響により、我が国では経済、雇用が大きく落ち込みました。三年が経過した現在、海外からの入国規制も緩和の方向に向かい、国内の経済活動も活発に動き始めたように感じております。  一方で、一年が経過したウクライナ情勢の先行きは見えず、エネルギー供給や物価高騰などいまだ予断を許さない状況が続いております。  このような中、政府は新しい資本主義を加速していくため、人への投資の支援パッケージを五年間で一兆円に拡充し、官民連携してリスキリングと成長分野の投資を推進することを打ち出しております。また、今議会で提案されている令和五年度予算案では、最初の柱に一千億円の人づくりが掲げられており、改めて人材育成に対する本県の強い気持ちが伝わってまいります。  そこで今回は、就職、転職、再就職を希望する人に必要な知識や技術を身につけていただく職業訓練を行う県立高等技術専門校について、以下お伺いいたします。  初めに、離職された方が新たに技術、技能を身につけて就職につなげる職業訓練はとても重要であると考えます。県内には七つの県立高等技術専門校があり、日々職業訓練を実施されておりますが、この高等技術専門校の直近の入校率及び就職率はどうなっているでしょうか、お伺いいたします。 118 ◯冨田徳二副委員長 島川職業能力開発課長。 119 ◯島川職業能力開発課長 県内七校の定員に対する入校者の割合である入校率については、直近の令和四年度の入校率が七四%で、前年度の七〇・五%から三・五ポイント上がっております。また、就職率につきましては、直近の令和三年度の就職率は八九・七%で、前年度の八七・三%から二・四ポイント上がっており、四百七十名の就職につなげております。 120 ◯永川俊彦委員 それでは、就職率について伺います。県が策定している福岡県総合計画では、高等技術専門校の就職率の目標値は九一%となっております。目標値に近づいてはいるものの、まだ達成には至っておりません。  高等技術専門校で身につけた技術をしっかりと生かしてもらわなければいけませんが、就職支援に向けてどのような取組を行っているのか、伺います。 121 ◯島川職業能力開発課長 就職支援の取組としましては、指導員が企業ニーズに対応した訓練生の紹介を行うほか、各校に就職等推進員を一名配置し、各訓練生の経験や技術に応じたキャリアプランの相談や企業紹介、さらに就職先の開拓を行っております。また、コミュニケーションが苦手な方も差し障りなく訓練を受講し就職できるよう、三名の精神保健福祉士が各校を巡回し、訓練や就職に関する指導員への指導助言、企業見学や就職説明会への同行などによる訓練生の就職支援等を実施しております。また、半導体関連企業の人材確保を緊急に支援するため、九月補正予算で認めていただいたものづくりを学ぶ訓練生を対象にしたオーダーメードによる訓練の実施により、即戦力となる人材を育成し、半導体関連企業への就職にも取り組んでいるところです。 122 ◯永川俊彦委員 就職への取組は分かりました。  次に、入校率向上についてお伺いをいたします。入校率を向上させるには、時代のニーズに合った効果的な訓練を実施することが必要であると考えます。これまでどのような訓練内容の見直しを行ってこられたのか、お伺いいたします。 123 ◯島川職業能力開発課長 訓練内容やカリキュラムの見直しは、福岡県職業能力開発審議会の議論や産業界や地域のニーズを踏まえ、実施しています。  デジタル人材の育成に対応するため、戸畑校の3D─CAD機械システム科や、福岡校のプログラム設計科などの科目の見直しを行ったほか、来年度から大牟田校にITエンジニア科を新設いたします。  カリキュラムにつきましては、多能工化を図るための左官科へのドローン操作技術の導入や、自動運転機能などに対応するための自動車整備科へのEV、FCVの導入、また、デジタルエンジニアリング科では、製造業で導入が進むより複雑な形状や精度の高い部品製造が可能な五軸制御の金属加工機器を導入した訓練を行うなど、即戦力となる技術者の育成に取り組んでおります。 124 ◯永川俊彦委員 訓練内容の見直しはよく分かりました。  そこで、ただいまITエンジニア科の紹介がございましたが、こちらは私の地元、大牟田市にある大牟田校とのことでございました。県は今年度、大牟田高等技術専門校の移転、建て替えを決定されましたけれども、その経緯と移転先の説明をよろしくお願いいたします。 125 ◯島川職業能力開発課長 大牟田校は築五十年以上が経過し、老朽化が進行しております。また、令和二年七月の豪雨時には実習棟が浸水するなど、今後も豪雨による被害が危惧されます。  このため、県では移転建て替えに向けて検討を進めていたところ、県及び県議会に対し、大牟田市及び大牟田市議会から職業訓練の市内での継続の要望書が提出され、適地を確保する意向も示されました。こうしたことから、大牟田市内での移転に向けた検討を行ってまいりました。地元の産業界からも参画いただいて、大牟田高等技術専門校建て替え検討委員会を設置し、移転先や大牟田校に求められる機能などを検討していただきました。  委員会の検討の結果、移転先として訓練に必要な面積や利便性、安全性が確保できる旧上官小学校跡地が適当という意見を受け、同地に決定いたしました。 126 ◯永川俊彦委員 ただいま御説明いただきましたとおり、県内には県立高等技術専門校が七校ございますけれども、現在最も古くなっているのが、昭和四十二年以降に改築され五十年以上が経過しております大牟田高等技術専門校でございます。当校は、老朽化の問題に加え、令和二年七月豪雨により施設設備が浸水被害を受けました。  移転改築にあっては、ぜひ大牟田市内での移転をお願いしたいという大牟田市及び大牟田市議会の要望に対しまして、令和四年六月定例会におきましては自民党福岡県議団の代表質問に取り上げていただきましたこと、藏内勇夫相談役、松本國寛会長をはじめといたします関係各位の皆様に、地元選出議員としてこの場を借りて改めて感謝を申し上げます。加えて、地元の意向を受け止め、令和五年度当初予算案に組み込んでいただきました服部知事をはじめ執行部の皆様にも重ねて感謝を申し上げます。  そこで、今回の移転に当たりまして科目等の見直しは行われるのか、お伺いいたします。 127 ◯島川職業能力開発課長 科目については、新校舎開校に合わせ、プログラミング技術などを習得できる一年課程のITエンジニア科を二年課程とし、より幅広い技術と応用力を身につけたデジタル人材の育成を進めることといたしました。また、地域の事業者の求人ニーズや求職者の訓練ニーズを踏まえ、介護人材を育成する介護サービス科を新設することにいたしました。 128 ◯永川俊彦委員 大牟田市にとりましても、引き続き市内での職業訓練が実施されることは大変重要でございます。  一方で、移転先の近隣住民への様々な配慮も必要となってくると考えます。本県として、その点をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 129 ◯島川職業能力開発課長 移転先の周辺は住宅の多い立地となっています。このため、訓練による騒音、振動などの影響を与えないよう十分な対策を講じていくとともに、地域住民の方に対して丁寧に説明していく考えです。また、新校舎には、訓練生の作品を展示する職業訓練情報の発信スペースや、訓練の状況を見学できるコースの設置など、訓練への理解を深めていただく工夫も行い、地域に親しまれる施設としていきたいと考えております。 130 ◯永川俊彦委員 御説明いただき、県内の高等技術専門校による人材育成の重要性について、また、大牟田校の移転改築に向けた取組がよく分かりました。  それでは最後に、一千億円の人づくり、とりわけ生き生きと輝く人づくりに向けて、県内の高等技術専門校による人材育成に対する局長の御決意をお聞かせください。 131 ◯冨田徳二副委員長 石橋労働局長。 132 ◯石橋労働局長 まず、大牟田高等技術専門校の移転改築に際し、県議会の皆様の御支援、御協力を賜りましたことにお礼を申し上げます。ありがとうございました。  県では、求職者の皆様が居住地に近いところで訓練を受け、技術をしっかり身につけていただき、早期に地元企業へ就職できるよう、県内に七つの高等技術専門校を設置しております。また、多様な訓練ニーズに対応していくため、民間の教育訓練機関と連携した委託訓練を実施しております。地元産業界や地域ニーズに的確に対応していくため、訓練科目やカリキュラムにつきましても不断の見直しを行っているところでございます。  今年度は、六月議会、九月議会におきまして、地元の半導体等成長産業分野で即戦力となる技術系人材を育成するための補正予算をお認めいただいております。最新の金属加工機器や自動化された製造ラインの実習装置を高等技術専門校に整備をしております。現在、四月からの訓練の充実に向け、各校の校長を先頭に、職業指導員が最新機器の操作や効果的な指導方法など、入念にカリキュラムの点検を行っているところでございます。  今後とも高等技術専門校、民間への委託訓練を通じまして、時代のニーズや地元の御要望を踏まえた職業訓練をしっかり実施していくことにより、本県の人材育成に取り組んでまいります。 133 ◯永川俊彦委員 終わります。(拍手) 134 ◯冨田徳二副委員長 ほかに質疑はありませんか。二宮眞盛委員。 135 ◯二宮眞盛委員 公明党、二宮眞盛です。  それでは、ジェンダー平等と子育て支援について質問をいたします。  私は、令和三年九月議会、会派の代表質問において、調査を基に家事分担の在り方について、家事は女性の仕事という価値観が根強いことを指摘し、ジェンダー平等の意識改革を促すためには固定的な性別役割分担意識の解消に向けた対策を講じる必要があることについて、知事にお聞きをいたしました。知事からは、子供に植え付けないよう大人が意識を変え、行動を変えていく必要があるとして、啓発動画を県ホームページに掲載するなど様々な対策を講じているとの説明をいただき、今後もこうした取組により家庭における男女共同参画を進め、固定的な性別役割分担意識を解消していくとの答弁をいただいたところです。  そこでまず第一点目でありますけれども、令和二年版男女共同参画白書によると、OECDがまとめた生活時間の国際比較データで、日本の男性の家事・育児等の無償労働時間は、調査対象国中の最低水準とのことです。昨今、少しは改善をしているようですが、令和三年度の総務省社会生活基本調査においても、一日当たりの家事・育児時間は、女性が男性の約四倍と、男女差はまだまだ歴然として開いています。  男性が家事・育児を積極的にする国ほど出生率が高いようです。男性の家事・育児負担割合を改善するために県の対策に期待をしますが、どのように取り組まれているのか、お聞きしたいと思います。 136 ◯冨田徳二副委員長 浦田男女共同参画推進課長。 137 ◯浦田男女共同参画推進課長 県では、令和二年度から七年度までを計画期間とします第五次福岡県男女共同参画計画におきまして、家事をパートナーと同程度に行っていると回答する男性の割合を二九・一%から四〇%まで伸ばすことを成果指標に、男性の家事・育児への参画を促すこととしております。このため、男性の家事・育児参画を促進する事業に取り組む市町村に対して助成を行うほか、九州・山口各県が連携して作成した男性の家事・育児参画についての啓発動画を県のホームページで紹介しています。また、県の男女共同参画センターあすばるにおきまして、男性の育児休業を特集した広報誌を発行したほか、今年度は男性の子育てをテーマにした講演会や、育児休業を取得した男性の体験談の発表などを行いました。今後もこうした取組により、男性の家事・育児への参画を進めてまいります。 138 ◯二宮眞盛委員 次の質問ですが、内閣府の第五次男女共同参画基本計画の策定に携わっておられる立教大学大学院、萩原なつ子教授は、一つの事例を紹介しています。これはどういう事例かと言いますと、なぜ女性の校長が少ないのかという問いに対して、男子のほうが偉いからと答えた小学一年生がいたという結果を見て、複数の子供たちが、個々の能力の有無ではなく、生物学的性別の違いで役割が異なると思い込まされていることに言葉を失ったという記事を見ました。  固定的な性別役割分担意識は子供たちに反映されていると捉え、家庭や地域、職場などにおいて、あらゆる世代に対するジェンダー教育が必要だというふうに思います。固定的な性別役割分担意識の解消について県としてどのように考えるのか、改めて認識をお聞きします。 139 ◯浦田男女共同参画推進課長 県が五年ごとに行っております県民意識調査では、男性は仕事、女性は家庭という固定的な性別役割分担の考えに反対する人の割合は着実に増加しており、特に若い世代では大きく増加していますが、依然として全体の四割はこうした性別役割分担意識を容認しているという結果が出ています。男女が共に個性と能力を発揮できる豊かな活力のある社会の実現のためには、固定的な性別役割分担意識は大きな障壁であり、こうした意識を子供に植え付けないよう、大人が意識を変え、行動を変えていく必要があります。このため、就労の場、地域社会、家庭などの様々な場面において、固定的な性別役割分担意識の解消に取り組んでいく必要があると考えております。 140 ◯二宮眞盛委員 次の質問ですけれども、あるハウスメーカーが、男性育休白書二〇二二として、四十七都道府県の二十代から五十代のパパママ九千四百人を対象に調査を行っています。独自に設定した男性の家事・育児力を決める四つの指標、一つは配偶者の評価、二点目に家事・育児の時間、三点目に育休取得体験、四番目に家事・育児参加による幸福感という四つの指標を数値化して、四十七都道府県別にランキング化しています。上位ランキングはともかくとしまして、都道府県ランキングで福岡県は三十八位という結果でした。この結果から思うに、県として、繰り返して県の広報紙やテレビなどの媒体を通して、固定的な性別役割分担意識の解消について意識改革に努めるべきだとも思いますけれども、どのように取り組まれるのかをお聞かせいただきたいと思います。 141 ◯浦田男女共同参画推進課長 固定的な性別役割分担意識の解消には、男性は仕事、女性は家庭や、リーダーは男性しかできないといった無意識の思い込み、いわゆるアンコンシャスバイアスに対する理解促進と意識改革に取り組む必要があります。  県では、ジェンダー平等の観点から、報道や番組制作に必要な視点を考える勉強会を新聞社やテレビ局などのメディアと連携して開催しており、参加したテレビ局がアンコンシャスバイアスをテーマとした番組を制作するなど、県民の気づきにつながっていると考えております。また、職場、家庭、地域における会話などを素材として、アンコンシャスバイアスについて分かりやすく伝える啓発動画やチラシを作成し、ホームページに掲載するとともに、市町村や県内の男女共同参画センター、関係団体が配信するメールマガジン等を通じて広く活用を促しています。  今後も、固定的な性別役割分担意識の解消に向け、様々な関係団体と連携し、アンコンシャスバイアスに対する理解を深め、気づきを促し、行動の変化につながるよう取り組んでまいります。 142 ◯二宮眞盛委員 男性の育児休業の取得率について、令和三年度雇用均等基本調査で過去最高を更新して一三・九七%になりましたけれども、本県の子育て応援宣言企業における男性従業員の育児休業取得状況について説明を求めます。 143 ◯冨田徳二副委員長 藤野新雇用開発課長。 144 ◯藤野新雇用開発課長 令和三年度の子育て応援宣言企業の男性従業員の育児休業取得率は二一・四%と、前年度から五・二ポイント増加し、年々着実に増加しております。 145 ◯二宮眞盛委員 今年の四月一日から、育児休業取得状況公表の義務づけが始まります。政府は令和七年までに三〇%という目標を掲げており、県でも総合計画において令和八年度までに三四・七%という目標を掲げているわけですけれども、企業の経営陣の四人に一人は男性の育休取得に反対というデータもあります。ハードルは高いのではないでしょうか。  男性の育児休業取得促進のための来年度予算案の具体的な内容について、説明をお願いしたいと思います。 146 ◯藤野新雇用開発課長 十一月のふくおか・みんなで家族月間を中心に、テレビ番組やユーチューブ等を通じ、男性の育児休業の取得促進に向けたメッセージを発信してまいります。具体的には、育児休業を取得しやすい職場の雰囲気づくりや育休期間中の業務体制、男性の育休取得を促進することによる企業のメリットについて発信いたします。また、育休取得をより身近に感じていただくため、番組中には、企業代表者から今後育休を取得する男性に対する応援メッセージと、実際に育休を取得した男性自身の声などを織り込んでまいります。  こうした取組により、県内企業に対し職場環境づくりの具体的なイメージを持っていただくとともに、男性の育休取得が当たり前となるよう、企業代表者や育休を取得する男性従業員をはじめ、社会全体の意識を変えていけるよう努力してまいります。 147 ◯二宮眞盛委員 六点目になりますけれども、先日ですが病院勤務の看護師長さんに話を伺いました。出産をした看護師さんが、育児休業期間を過ぎても戻ってこないケースが増えているとのことでした。看護師長さんいわく、ゼロ歳から二歳を受け入れる保育園が見つからないことが一番の原因であるということでした。病院としても、経験を有したスタッフが欠けることは損失であり、人手不足は深刻ですとのお話でした。  看護師さんに限らず、保育園確保の問題は、安心して子育てができる環境づくりを考える上で喫緊の課題です。県としてこの問題にどのように対策を講じるのかをお聞かせください。 148 ◯冨田徳二副委員長 若藤子育て支援課長。 149 ◯若藤子育て支援課長 お仕事をお持ちの方が育児休業から職場に復帰するに当たって、多くの方が保育所の利用が必要となります。しかし、都市近郊の一部地域で、施設や保育士の不足により、保育を希望するにもかかわらず保育所を利用できない実態が解消されておらず、いわゆる待機児童問題が生じております。  このため、県では保育が必要な児童について保育サービスが適切に提供されるよう、その解消に取り組んでおります。これまで保育所等の施設整備に関する支援の実施、市町村にアドバイザーを派遣して企業主導型保育事業の活用など、市町村の状況に応じて取組を進めてまいりました。また、保育士確保のために保育士資格取得支援事業の実施や、ICTの導入支援による保育現場の負担軽減に取り組んできております。さらに今年度からは、合同就職説明会における若手保育士による施設のPR、施設の魅力を発信するためのSNS活用の支援なども行っております。  県の待機児童につきましては今年度は百名となっておりますが、これは本来ゼロ人であるべきと考えております。今後とも市町村と協力をしながら施設整備や保育士確保といった市町村の状況に応じた支援を実施して、適切な保育サービスがきちんと提供される環境整備に向けてしっかりと取り組んでまいります。 150 ◯二宮眞盛委員 出生率を向上させるために、国も県も皆それぞれの持ち場で必死になって対策を講じているわけでありますけれども、その上で、今回改めてジェンダー平等は出生率向上につながるのではないかとの思いでこの問題を取り上げさせていただきました。  最後に、部長の決意をお伺いしたいと思います。 151 ◯冨田徳二副委員長 西原福祉労働部長。 152 ◯西原福祉労働部長 厚生労働省の調査におきましても、夫の休日の家事・育児時間が長いほど第二子以降の出生割合が高くなる傾向があるとされており、ジェンダーギャップと少子化の関係が示唆されております。出生率を向上させるためには少子化対策が重要でありまして、その対策に当たって固定的な性別役割分担意識などに起因するジェンダーギャップの解消が重要であると考えております。  県では、ふくおか子ども・子育て応援総合プランを策定し少子化対策を進めており、子育てと仕事が両立できる環境の整備を施策の柱の一つに掲げ、ジェンダーギャップの解消にもつながる取組を進めております。今後ともこうした取組を着実に実施し、出生率の向上に努めてまいりたいと考えております。 153 ◯二宮眞盛委員 大変難しい問題でもあると私自身も思っておりますけれども、ここが一つ大きく前進をすることによって大きく変わってくるのではないかという気がしてなりません。それで、委員長、すみません、この件に関しましては服部知事にも御意見をお伺いしたいと思いますので、知事保留の手続をお願いいたします。 154 ◯冨田徳二副委員長 ただいま二宮委員から申出のありました知事保留質疑を認めることといたします。なお、知事保留質疑は三月十六日木曜日に行う予定でありますので御了承願います。 155 ◯二宮眞盛委員 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) 156 ◯冨田徳二副委員長 ほかに質疑はありませんか。江頭祥一委員。 157 ◯江頭祥一委員 自民党県議団の江頭祥一です。  大規模スポーツ大会の誘致、開催について質問をさせていただきます。  先月二十四日から二十五日の二日間、来年開催されるパリオリンピックにおいて新種目に追加されるアーバンスポーツのブレイキンの世界大会が北九州で開催されました。私も参加させていただきました。
     まず、この大会の開催結果についての説明をお願いいたします。 158 ◯冨田徳二副委員長 平間スポーツ企画課長。 159 ◯平間スポーツ企画課長 この大会には世界五十一か国から百八十名の選手が参加し、二月二十四日金曜日に予選、二十五日土曜日に決勝トーナメントが開催をされました。優勝は、男子がカザフスタンのアミール選手、女子は中国のシックスセブンワン選手、日本人選手は六名が出場し、男子ではシゲキックス選手の三位、女子はアミ選手の準優勝が最高位でございました。  大会二日間を通じて五千九十一名の観客が来場し、チケットはほぼ完売をいたしました。決勝の模様は全国放送されたほか、海外にも動画配信サイトのオリンピックチャンネルを通じて配信されるなど、大変盛り上がった大会でございました。 160 ◯江頭祥一委員 その盛り上がった大会を御覧になった課長の率直な感想をお聞かせください。 161 ◯平間スポーツ企画課長 相手との駆け引きの中で即興によりアクロバティックな技を繰り広げ、勝敗が決した後にはお互いの健闘をたたえ合う姿は、まさしくスポーツであると感じました。  一方、DJが奏でるクラブミュージック、ステージ上のライト演出、MCのトークによって会場と選手が一体となって盛り上がるその姿は、エンターテインメントであり、まるでアーティストのライブ会場にいるようでございました。私は、長らく体育教員として、そして部活動の顧問として様々なスポーツに関わってまいりましたが、スポーツとエンターテインメントが融合した新たなスポーツの姿を目の当たりにして大変興奮をいたしました。 162 ◯江頭祥一委員 興奮をしたと。私の感想は、何よりもまず、県だったり北九州市がブレイキンの大会を主催すると聞いたときに耳を疑いました。  今回は、アジアのマイケル・ジャクソンと称される三浦大知さん、芸能人でも有名なダンス好きのナインティナインの岡村さんをゲストに、日本初の世界大会を福岡県が主催をすると。どうしてもブレイキンというものは、スケートボードだったりBMXと同様に、若い子たちの趣味であったり、遊びの延長線上というイメージが強くあるんですけれども、そういったものを今回のように県と北九州市に主催いただけたことは、本当にすばらしいことだと思いますし、オリンピック前にここ福岡県で世界大会を開催していただけたことは、本当に全国に向けても誇らしいことだなと私は思っています。  何よりも、会場に行って私は驚きました。いい意味で私の期待を裏切っていただいて、ブレイキンのカルチャーだったり歴史をしっかり勉強された方が会場づくりをしたんだろうなという雰囲気づくりに、非常に私は感動しました。本当に世界中からゲストの方がいらっしゃっていたんですけれども、このイベントを盛り上げるために集まってくださった県内のダンスチームの皆さん、そして、私たちのような一般の参加者全員が興奮して楽しめるような空間づくりに、本当に感動しました。  このように、大変盛り上がったブレイキンワールドシリーズでありましたが、この大会の盛り上がりを一過性のものとしないで、ダンススポーツが福岡県に根づくよう、今回の大会を生かして今こそ継続的な取組をするべきだと思います。今年度の決算特別委員会においても、中平局長よりダンススポーツを福岡県に根づかせたいとの御答弁をいただきました。今後どのようにダンススポーツに取り組んでいくのかをお尋ねしたいと思います。 163 ◯平間スポーツ企画課長 大会当日、会場内のサブステージにおきまして、県内のダンスチームがダンスを披露するショーケースステージを開催し、多くの子供たちを含みます十六組に出演をしていただきました。ステージの周りを多くの観客の皆さんが取り囲み、大変盛り上がっておりました。ダンスを披露してくれた子供たちには、その後の決勝トーナメントを無料で観覧いただきましたが、将来への夢を育むまたとない機会になったのではないかと思っております。現在、出演いただいたダンスチームを福岡県スポーツ推進基金のホームページに掲載し、紹介をさせていただいております。  一方、大会の周知やショーケースステージ開催に当たり、県内にブレイキンの統括団体が存在しないことが課題であると感じたところでございます。そのため県は、ブレイキンを統括する競技団体であります日本ダンススポーツ連盟に対しまして、ブレイキンの地方協議団体の設置、強化の必要性を訴え、現在、連盟においては検討が進められているところでございます。  県といたしましては、この動向を注視するとともに、県が開催するスポーツ・レクリエーション祭等にブレイキンを含めたダンススポーツを取り入れるなど、競技の普及に取り組んでまいります。 164 ◯江頭祥一委員 力強い答弁をいただきました。  それでは、大会に参加した選手、大会主催者である世界ダンススポーツ連盟からは、今回の大会をどのように評価されましたか。 165 ◯平間スポーツ企画課長 選手からは、多くの方に見てもらえて幸せだった、大会の環境や参加する選手のレベルの高さなど、大変いい大会だったといった声をいただきました。世界ダンススポーツ連盟の会長からも、連盟が今までに開催した大会史上ベストな大会であったとの賛辞をいただいたところでございます。 166 ◯江頭祥一委員 私も世界中から出演されていた選手の方々のインスタグラムを拝見させていただきました。皆さんが、大会だけじゃなくて、小倉城であったり小倉のまちなかとかでプライベートな写真をたくさん投稿されているのを見て、本当にうれしく思いました。  今回、選手の皆さんがそのように高い評価をしてくださったのは、何が理由だとお考えになりますか。 167 ◯平間スポーツ企画課長 北九州市におきましては、ポップカルチャーやファッションなどの若者文化の情報発信に力を入れておられますが、このような市の狙いと若者を中心に人気を集めるブレイキンがマッチをし、大会の盛り上がりにうまくつながったものと思っております。  このほか、大会会場への交通アクセスの利便性、会場周辺のホテルの充実、ステージの企画・演出のほか、会場使用料の減免措置、小倉駅から会場までを大会一色にする都市装飾、小中学校等へのチラシの配布、ブレイキン選手による出前授業といった行政による取組等についても高い評価をいただいたところでございます。 168 ◯江頭祥一委員 福岡県、そして、北九州市の評価が高まっていることは大変喜ばしいことだと思います。この評価を生かし、今後も様々な会場として選定されるよう、国際スポーツ大会の誘致に戦略的に取り組んでいく必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、お聞かせください。 169 ◯平間スポーツ企画課長 令和三年十月に開催いたしました世界体操・新体操選手権では、感染症対策を万全に講じ、収容率一〇〇%の有観客で開催した結果、感染者をほとんど出すことなく、安全・安心な大会運営を行うことができました。県では、今までこのような開催実績に加え、県内、特に両政令市が所有するスポーツ施設を有効に活用した国際大会開催のポテンシャルを世界の競技団体にPRしてまいりました。そういったこともございまして今年一月には、国際卓球連盟のCEOが本県のスポーツ施設を現地視察するといった動きもございました。  一方、スポーツ大会には、ユース選手権といった大小様々な大会が世界中で開催されており、このような大会の中には政令市以外の市町村のスポーツ施設におきましても開催が可能なケースがございます。今後、市町村の意向をお聞きしながら、世界の競技団体から福岡県を開催地に選んでいただけるよう、しっかりと働きかけてまいります。 170 ◯江頭祥一委員 今回のブレイキンワールドシリーズ開催に当たっては、本当に全てが初めてのことだったと思います。それにもかかわらずあれだけの空間づくりをされたというのは、執行部の皆さんが大変努力していただいたんだろうなと思いました。  私がうれしかったのは、会場に入ると世界のトッププレーヤーたちのまねをお子さんたちみんながして、それを保護者が見守る、こういう形の中で、いつかあの子供たちの中からオリンピアンが生まれるかなと、本当にうれしくなりました。経済効果もですけれども、五千人の観客に来ていただいたと。選手、関係者、マスコミなど、国内外から多くの方に北九州を訪れていただいて、宿泊、食事、観光をされ、大きな経済効果が生じたほか、北九州の魅力発信にもつながったことと思います。  このように大規模スポーツ大会の誘致開催は、本県のスポーツを振興させ、さらに、地域が活性化するスポーツ立県福岡実現のための重要な政策の一つです。今年は七月に世界水泳選手権、十月にツール・ド・九州というビッグイベントが立て続けに開催されます。これらの大会についても、成功に向けしっかり取り組んでいただくようお願いいたします。今後ともスポーツ立県福岡実現に向け、魅力的なスポーツ大会の誘致に積極的に取り組んでいただきたいと思います。  最後に、スポーツ立県調査特別委員会で四年間御一緒させていただいた、人生の全てをと言っても過言ではない時間をスポーツの振興に情熱を注いでこられた、今年度退職される中平局長の熱い思いをお聞かせください。 171 ◯冨田徳二副委員長 中平スポーツ局長。 172 ◯中平スポーツ局長 ありがとうございます。福岡県は、総合型地域スポーツクラブの設立や、その活動をマネジメントするクラブマネジャーの育成、子供たちの可能性を地域から世界へつなごうとするタレント発掘事業、また、様々な新しいアイデアを提案しながら取り組んだ大規模国際大会など、スポーツ分野における日本初と言われる多くの取組にこれまでチャレンジをしてまいりました。それらを経験して、私は今、福岡県はスポーツ振興に関して他県には決して負けていないと思っております。  ここ数年の間に、福岡県のスポーツを取り巻く環境にも大きな変化がございました。二〇二〇年、スポーツ推進の指針を示す福岡県スポーツ推進条例を制定し、スポーツ振興の財源としての福岡県スポーツ推進基金も創設されました。また、スポーツ推進体制としてのスポーツ局が新設をされ、福岡県スポーツコミッションも設立をいたしました。  こうしたスポーツの潮流が生まれた背景には、スポーツ振興に強い思いを持った県議会の皆様の強力な後押しがあったことが忘れられません。私は、福岡県のスポーツの強みは、このような議会の皆さんの思いがあることに加え、私の上司であります知事や副知事、部長が、スポーツ立県福岡実現を目指した方向性をしっかりと持っていること、私の出す無理難題を何とか形にしようと時間を忘れて仕事に向き合う職員がいること、そして、県内市町村にスポーツでまちを元気にしたいとの思いを持った人たちがたくさんいることであると感じております。  スポーツ立県福岡というのは、県が声を上げるだけでは実現をしません。県内全ての市町村でスポーツが盛んに行われている姿こそスポーツ立県の姿であるとするならば、県と地域の活動を支える市町村やスポーツ関係者の皆さんの思いが一つにならなければならないと思っております。このため、私自身、この一月から二月にかけて県内全ての地区を回り、市町村の皆さんと語り合いを重ねてまいりましたけれども、そこでも地域の皆さんが、我がまちのスポーツをもっとよいものにしたいという思いに触れさせていただき、やがて近い将来、スポーツ立県福岡が実現することを確信をいたしました。  私は、こうした地域の小さなチャレンジの繰り返しが原動力となって本県のスポーツシーンを彩り、その福岡県の姿が日本のスポーツ界にイノベーションを起こすと本気で思っております。そして、それを実現するための思いとアイデアとネットワークと覚悟といったものをスポーツ局の職員全員が持ってくれていると思っております。私は、この三月で行政としてのスポーツとの関わりを終えますが、安心してこうした職員に引き継ぎたいと思いますし、こうした職員の存在こそが私の誇りであり、私が残した足跡であると思っております。  県議会の皆様には、これまで福岡県のスポーツを導き、支えてくださったことに対し、心から感謝を申し上げますとともに、どうかこれからも福岡県のスポーツを、そして、私のところの職員を温かく厳しく見守ってくださいますよう、切にお願いを申し上げます。本当にありがとうございました。 173 ◯江頭祥一委員 感動しました。終わります。(拍手) 174 ◯冨田徳二副委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 175 ◯冨田徳二副委員長 ないようですので、以上で、二宮委員の知事保留質疑を残し、第五款生活労働費に関する質疑を終わります。  この際しばらく休憩いたします。再開は午後二時二十五分といたします。    午 後 二 時 十 五 分 休 憩    午 後 二 時 二 十 五 分 再 開 176 ◯秋田章二委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第六款農林水産業費について説明を求めます。重吉農林水産部長。 177 ◯重吉農林水産部長 それでは、六款農林水産業費について説明いたします。お手元の令和五年度予算に関する説明書の二百三十九ページをお願いいたします。  一項農林水産業企画費でございます。その主なものは、一枚めくっていただきまして、二百四十一ページ、二目農山漁村振興費の右側説明欄、上から五番目の多面的機能支払事業費でございます。これは、農地や水路等の保全を図るためのものでございます。合計は、ページが飛びまして二百四十五ページになりますが、計の欄、九十五億六千百万円余をお願いしております。  そしてまた一枚めくっていただきまして、二百四十六ページをお願いいたします。二項農業費でございます。その主なものは、二百四十七ページに参りまして、二目園芸振興費の右側説明欄一番下の園芸作物振興対策費でございます。これは、収益性の高い園芸農業の振興を図るためのものでございます。合計は、またページが飛びまして二百五十ページになりますが、計の欄、百十七億二千三百万円余をお願いしております。  二百五十一ページに参りまして、三項畜産業費でございます。その主なものは、一枚めくっていただきまして二百五十二ページになりますが、二目畜産振興費の右側説明欄、上から六番目の畜産振興総合対策費でございます。これは、畜舎整備等の生産対策を行うものでございます。合計は、一枚めくっていただきまして二百五十四ページになりますが、計の欄、十八億四千万円余をお願いしております。  その下、四項農地費でございますが、その主なものは、二百五十五ページに参りまして、二目農村整備費で、右側説明欄では一枚めくっていただきまして二百五十六ページ、上から六番目の県営ため池等整備事業費でございます。これは、農業用ため池の改修等を行うものでございます。合計は、また二百五十七ページになりますが、計の欄、百四十一億三千七百万円余をお願いしております。  その下、五項林業費でございます。その主なものは、ページが飛びまして二百六十二ページになりますが、四目治山費の右側説明欄、上から五番目の治山事業費でございます。これは、山地災害の復旧、防止を行うものでございます。合計は、ページが飛びまして二百六十六ページになります。計の欄、百三十六億三千九百万円余をお願いしております。  そして、二百六十七ページに参りまして、六項水産業費でございます。その主なものは、一枚めくっていただきまして、二百六十八ページになりますが、二目水産業振興費の右側説明欄一番下の沿岸漁場整備開発事業費でございます。これは漁場の整備や改善を行うものでございます。合計は、ページが飛びまして二百七十六ページをお願いいたします。計の欄、六十六億円余をお願いしております。  以上で農林水産部所管の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願いいたします。 178 ◯秋田章二委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。板橋聡委員。 179 ◯板橋 聡委員 自民党県議団の板橋聡です。マスクを着けてしゃべりづらい中での質問もこれが最後かなと思うと、非常に感慨深く感じております。  通告に従い、本日はデジタル技術を活用した果樹の生産力強化について質問します。  私の地元みやま市は、北原早生を代表とする温州ミカンの名産地でありますが、他の果樹産地同様、高齢化に伴って生産者が減少しており、産地の維持には新規就農者、後継者の育成が必須です。しかし、果樹は葉物野菜等とは違い、定植してから収穫時期を迎えるまで最低でも三年の時間がかかり、新規就農のハードルが非常に高い作物です。そういう意味では、さらなる取組が必要と考えています。  そこで、令和五年度当初予算にある気象データ駆動型の果樹生産確立という取組についてお伺いします。  今回、当初予算に計上されているデータ駆動型という言葉はあまりなじみがありませんけれども、事業の概要と併せて御説明ください。 180 ◯秋田章二委員長 久保田園芸振興課長。 181 ◯久保田園芸振興課長 データ駆動型でございますが、まずデータ駆動型と申し上げますのは、データを基に次のアクション、行動を決めるというものでございます。事業の概要といたしましては、県がまず主要な果樹産地に気象観測装置を設置いたします。そこで得られます気象データを分析し、導き出されます気象予測データに基づいて果樹の栽培を支援するアプリを開発することとしております。 182 ◯板橋 聡委員 概要は分かりました。もう少し踏み込んでお聞きしたいと思います。  まず、気象予測はどんな方法で行うのか、具体的に説明をお願いします。 183 ◯久保田園芸振興課長 まず、果樹の園地に気象データを経時的に観測記録する装置を設置いたしまして、その地点の気象データを一定期間、収集いたします。次に、その装置から得られた観測データと同一期間における近隣のアメダスデータを比較分析し、その相関を明らかにしてまいります。その相関を用いまして、気象庁がアメダスデータを基に提供する気象予報から、観測装置を設置した場所の局地的な気象予測を導き出します。これによりまして、アメダスデータだけを活用した場合と比べ、より生産現場に近い気象予測が可能となります。 184 ◯板橋 聡委員 つまり、アメダスの気象予測を補完する独自の気象観測装置を産地に新たに設置することで、ピンポイントで気象予測の精度を上げることができるということだと理解いたしました。  本県の果樹生産は、中山間地域を中心に展開されている一方で、アメダスというものは、久留米、柳川、朝倉などの平たん部に設置されています。そのため、園地の場所によっては、アメダスデータを様々な管理に活用する上で経験と勘に頼らざるを得ず、対応が非常に難しかったと聞いております。そのため本事業での局地的な気象予測は、果樹生産にとってとても有益な技術になると考えております。  このような事業は、地元のJAの生産部会と連携し、モデル地区を設定して、ある程度最初の期間は集中的にデータ収集、分析を進めることによって、さらにその精度を高めることが大事だと思っておりますけれども、いかがでしょうか。 185 ◯久保田園芸振興課長 ただいまの委員の御指摘を踏まえまして、今後、かんきつをはじめといたしまして、柿、ブドウ、梨、キウイフルーツ、イチジク、こういった本県の主要な果樹を対象にいたしまして、産地の生産者や部会、またJA関係者、こういった方々と連携協力いたしまして、モデル地区を設定して実施していきたいと考えております。 186 ◯板橋 聡委員 ちなみにこの気象観測装置ですが、具体的にはどれくらいの期間で何か所のモデル地区に設置する計画でしょうか。 187 ◯久保田園芸振興課長 先ほど申し上げました本県の主要な果樹を対象といたしまして、三年間で合計三十か所の果樹園に観測装置を設置する計画としております。 188 ◯板橋 聡委員 データ収集のための気象観測装置については理解できました。  一方で、精度を高めた気象予測データを就農者が利用するために、どのような手段を考えていらっしゃいますか。 189 ◯久保田園芸振興課長 気象予測データを基にいたしまして、果樹園の水やり、また、病害虫の防除、こういう栽培管理作業につきまして、かん水──水やりの量や最適な時期などを推定してスマートフォンで閲覧できるアプリといったものを開発していきたいと考えております。 190 ◯板橋 聡委員 アメダスデータを補完し精度を上げた気象予測を、果樹農家さんが場所を選ばず、手元のスマホで随時確認することができるようになることが分かったんですけれども、何となく便利なのは分かるんですね、精度の高い気象予測が分かるというのは。ただ、果樹農家や産地に対して具体的にどういうメリット、恩恵をもたらすのか、もう少し詳しく御説明いただけますでしょうか。 191 ◯久保田園芸振興課長 果樹農家にとりましては、経験や勘だけではなく、今回気象に関する詳細なデジタルデータに基づきまして栽培管理作業を適切に行うことが可能となります。このことによりまして、収量や果樹品質の向上につながると考えております。また、アプリを閲覧していただきますことで、園地に出向くことなく栽培管理を適期に判断することが可能となり、作業の省力化にもつながると考えております。 192 ◯板橋 聡委員 冒頭申しましたとおり、定植から収穫までの期間が長いため、新規参入のハードルが高い果樹農家にとって、収量増、品質向上、省力化といったものを実現するアプリになるのではと非常に期待するところであります。  ただ、一般的な気象予報サービスアプリ、これは我々のスマートフォンにも入っていると思いますけれども、大体月額三百円から五百円ぐらいのものが多いと思います。この事業においては、新たな気象観測装置などハード的な追加によって、既存のサービスより予測精度を上げるとは言え、あまりにも使用料がかけ離れて高くなったりすると導入に尻込みされる方も多いのではと危惧いたします。価格設定についてどうお考えか、お教えください。 193 ◯久保田園芸振興課長 委員御指摘のとおり、民間の気象予報サービスというものは大体月三百円から五百円程度でありますのは承知しております。今回、果樹園地に観測装置を設置いたしまして、より生産現場に近い気象予測をし、さらにそれに基づく栽培支援アプリを開発することとしておりますけれども、果樹農家の皆様に利用いただく際には、できるだけ月額を抑えて数百円程度の安い利用料となりますよう、開発メーカーとしっかり協議を進めていきたいと考えております。 194 ◯板橋 聡委員 やはりワンコインを上回ることがないような価格設定で頑張っていただければと思います。  視点を変えて、果樹は年間を通じて高い栽培技術が求められます。管理作業の中で、木の状態を見て切る枝と残す枝を見極めなければならない剪定作業や、病害虫の発生程度から実施のタイミングと回数を判断しなければならない防除作業は、早期の習得が難しく、これも果樹農家への参入障壁となっております。経営する園地のポテンシャルを最大限に引き出すためには、早期に技術を高めることが重要です。そのため、熟練生産者の高い栽培技術を効率的に新規就農者に伝承していくことが必要と考えます。  あまおうでは、新規就農者を対象に、作業者が見ている映像や音声を共有することができるスマートグラスや、作業中の視点を追跡するアイカメラといった先端技術を活用し、熟練生産者による生産技術指導を行っていると聞いています。このノウハウを果樹農家育成でも活用すべきではないでしょうか。県のお考えをお聞かせください。 195 ◯秋田章二委員長 川口後継人材育成室長。 196 ◯川口後継人材育成室長 県では、熟練生産者の長年の経験や勘に基づく高い栽培技術、いわゆるたくみの技を新規就農者に伝承するため、今年度からあまおうでスマートグラスやアイカメラといった先端機器を活用した技術指導を行っております。  委員の御指摘を踏まえ、来年度からは栽培面積及び産出額の大きい、かんきつ、柿、ブドウも対象に加えまして、熟練生産者の技術を効率的に伝えるよう努めてまいります。 197 ◯板橋 聡委員 ちょっと花粉症でお聞き苦しい部分があり、申し訳ございません。  来年度から果樹でも熟練生産者による先端機器を活用した効率的な指導をしていただけるということですけれども、一方で、スマートグラスとかアイカメラといったものをわざわざ身につけて作業するのは面倒くさいでしょうし、視界が遮られたり、汗でべたついたり、名前はスマートグラスであっても作業するにあまりスマートではない感じがします。若い方には、それでも使いたくなるよう、具体的なメリットを分かりやすく提示すべきと思いますけれども、具体的にどのような指導が可能になり、新規就農者にとってどんなメリットがあるか、御説明ください。 198 ◯川口後継人材育成室長 かんきつにおきましては、新規就農者が剪定作業を行う際にスマートグラスを装着することで、熟練生産者は自宅に居ながらにして、タブレット端末を用いて切るべき枝と残す枝の見極め方について指導することが可能となります。また、ブドウでは、熟練生産者が余分な粒を取り除いて房の形を整える作業を行う際にアイカメラを装着することで、新規就農者はスマートフォンを通じ、熟練生産者がどの部分を見ながら作業しているのか理解することができるようになります。これにより高品質な果実の生産技術を効率的に習得できるという大きなメリットがございます。  県としましては、こうしたメリットを幅広く周知しながら、なるべく多くの新規就農者に御活用いただけるよう取組を進めてまいりたいと考えております。 199 ◯板橋 聡委員 ありがとうございます。今日、二つの視点で質問させていただきましたけれども、米、麦、大豆といった水田農業では、無人トラクター、食味・収量コンバイン、また、施設園芸では、環境制御装置とか栽培用ドローンなどの情報通信技術を使ったスマート農業機械の普及が進みつつある中、今回取り上げました果樹の生産地である中山間地域は、路地であることに加え、園地に傾斜がありますので、なかなかスマート農業機械の導入が困難な状況にあります。こうした中、現地の抱える課題を捉え、最先端の技術を活用して、果樹の生産力強化に取り組まれる来年度の施策については、果樹におけるスマート農業の新たな福岡県独自の新しい姿を産地に提案してくれるものだとひそかに期待しております。  部長の果樹振興に向けた決意をぜひお聞かせください。 200 ◯秋田章二委員長 重吉農林水産部長。 201 ◯重吉農林水産部長 県では、昨年三月に策定しました農林水産振興基本計画に基づきまして、稼げる農林水産業の位置づけに向け、DXを推進しまして農産物の品質や収量の向上、作業の省力化に取り組んでいるところでございます。  委員御指摘のとおり、果樹の生産につきましては露地栽培が主体であることや、園地の集積・集約が非常に難しいことから、スマート農業機械の導入がほかの作物に比べまして進みづらい状況にあります。このため、来年度から実施します気象データ駆動型の生産を確立することにより、果樹農業におけるDX化を着実に進めてまいります。  併せまして、たくみの技術を伝承することにより、新規就農者に高度な営農技術を習得していただくことで経営の早期安定を図り、本県の果樹産地の維持発展にしっかり努めてまいります。 202 ◯板橋 聡委員 生産者の皆様も大きな期待を寄せていると思いますので、しっかり頑張ってください。終わります。(拍手) 203 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。中嶋玲子委員。 204 ◯中嶋玲子委員 民主県政クラブ県議団の中嶋玲子でございます。よろしくお願いいたします。  今日は有害鳥獣被害対策について質問いたします。  有害鳥獣に関しては、定例議会や予算特別委員会等でこれまでもいろんな視点から数多く質問がなされてきました。そして、その対策も取られてきたところでありますけれども、被害は後を絶ちません。
     今回、令和五年度の当初予算においても、総合的な鳥獣被害対策として約九億一千四百万円が計上されております。これは、令和四年度の当初予算約八億七千三百万円を四千百万円ほど上回る額となっています。中でも、侵入防止対策と捕獲対策として約八億八千六百万円となっています。  鳥獣被害については、これまでの県の答弁では、総じて被害は平成二十二年度をピークとして半減しており、近年は横ばい状況と答えられてきています。しかし、対策費を増やしておられる現状からして、その被害は増えているのではないかと推測いたします。  そこでまず最初に、本県における鳥獣による農産物の被害状況についてお尋ねします。県全体と朝倉地域における状況について、まずお答えください。 205 ◯秋田章二委員長 山口農山漁村振興課長。 206 ◯山口農山漁村振興課長 鳥獣による農産物の被害額は、ピークであった平成二十二年度が十二億二千万円、昨年度が六億二千万円となっており、おおむね五割減少しております。  朝倉農林事務所管内では、平成二十二年度が二億四千六百万円、昨年度は一億六千八百万円となっており、三割の減少となっております。 207 ◯中嶋玲子委員 今の課長の答弁は、やはり減少傾向ということでございましたが、特に中山間地域での被害は深刻であり、被害を受けてその対策に窮しておられる農家の方々にとって減少傾向との実感はありません。私も中山間地域に住んでいる者として、近年目立って鹿が増えたという実感を持っています。つまり害獣被害の実態が十分につかみ切れていないのではないかと思いますが、被害の実態についてはどこがどのような調査をされているのでしょうか、お答えください。 208 ◯山口農山漁村振興課長 被害調査は、鳥獣被害防止特別措置法に基づいて、市町村がJAや農業共済組合、農家などに聞き取りを行い、その結果を県で取りまとめております。 209 ◯中嶋玲子委員 調査は、各市町村によりJAや農家などへの聞き取りをするということでございます。その調査の結果から県内の被害状況と被害額が減少傾向であり、近年は横ばいであるということですね。  先ほどの答弁によれば、県全体の合計としては平成二十二年度から令和三年度までの被害額は半減している。しかし、朝倉農林事務所管内では、二十二年度と比べ三割しか減少していないという状況でございました。  こうした状況の中、地元農家からは害獣被害に遭い深刻な状況であると再三相談を受けるのですが、害獣被害の状況について県はどういった見解を持っているのか、お伺いいたします。 210 ◯山口農山漁村振興課長 鳥獣による農産物被害額はピーク時から減少しているものの、近年は横ばいで推移していることから、県といたしましては、市町村と連携し、侵入防止と捕獲、獣肉の有効活用までの対策を一体的に実施することで、この鳥獣被害をさらに軽減していく必要があると考えております。 211 ◯中嶋玲子委員 県は、対策を一体的に実施する必要があるという認識を持っているということですね。  ところで、本県は、被害を軽減する必要性から管理の目標設定、被害防止対策や捕獲等により県内の農林産物の被害、人的被害の未然防止を図る目的で、イノシシと鹿を対象として福岡県第二種特定鳥獣管理計画が策定されております。このうち鹿については現在第六期の計画が実行されており、この計画では被害額を毎年四・五%低減させ、目標年度である令和八年度までには七千万円未満に被害額を抑えると定められています。  鹿による被害額を減少させるためには、計画的に捕獲を行うことが重要であり、そのためには被害額ではなく捕獲頭数を目標とする必要があると考えますけれども、県の見解をお聞きいたします。 212 ◯山口農山漁村振興課長 前回計画となる平成二十九年度からの鹿の第五期計画では、種として存続が可能となる最低水準の三千頭まで生息頭数を減らすことを目標に、年度ごとの捕獲頭数の目標値を定めておりました。この計画期間中、被害額は一定程度減少いたしましたが、一方で、毎年度目標値を超える頭数を捕獲したにもかかわらず、他県からの流入などもあり、生息頭数は減少しておりません。このため新たな計画では、環境部と協議の上、捕獲頭数ではなく農林産物の被害額を目標値に設定しております。 213 ◯中嶋玲子委員 捕獲しても捕獲しても生息頭数が減らないということですけれども、次に、各地域では市町村が鳥獣被害防止計画を策定されていると聞いていますけれども、この計画の内容はどういったものでしょうか。また、県内の策定状況もお尋ねします。また、この計画の策定に当たり県はどのように関わっておられるのか、併せてお答えください。 214 ◯山口農山漁村振興課長 鳥獣被害防止計画は、鳥獣被害防止特別措置法に基づき、鳥獣による農林水産業等に係る被害を防止するために、地域の実情に応じて侵入防止柵の整備計画や捕獲の手法等を定めるものです。市町村が単独で、または隣接する複数市町村が共同で策定しており、現在、鳥獣被害が発生している五十七市町村全てで策定されております。  県では、市町村の計画策定に当たり、その内容が対象鳥獣に応じた適切なものとなるよう、指導・助言を行っております。 215 ◯中嶋玲子委員 県内ほとんどの市町村が被害防止計画を策定していると答弁いただきました。この計画に基づき、県内の各市町村は対策を取られていると思いますが、その対策の実施に当たり県はどのように支援しているのか。また、市町村によって取組内容に差があると思いますけれども、県は市町村に対しどのような指導・助言を行っているのか、お答えください。 216 ◯山口農山漁村振興課長 県は、被害防止計画に基づき、被害現場に最も近い行政機関である市町村が中心となって行う鳥獣の侵入防止、捕獲など、様々な被害防止のための取組に対して、国の交付金を活用して支援を行っております。  また、市町村の対策の実施に当たっては、地域ごとに被害対策の実施主体である市町村、農家、地域住民等を対象とする研修会を開催するなど、それぞれの地域で効果的な対策が取られるよう、指導・助言を行っているところです。 217 ◯中嶋玲子委員 捕獲や侵入防止は市町村が中心になって行うということですね。県はその支援を行うというお答えでございました。  それでは、質問の中心に入っていきたいと思います。侵入防止柵について質問いたします。  私の地元、朝倉市の山間部の地域には、過去に負担金を払い圃場整備に取り組んだ地区が多くあります。その中の一つ、千手地区では、中山間地域では珍しく九ヘクタールの平場の優良農地として長年耕作されてきました。最近は高齢化が進んだため、農地を若い後継農家に委託して耕作してあります。  以前から害獣被害は発生していたので、電気柵で侵入防止の対策をしてあります。しかし、昨年は鹿による食害が特にひどく、現在、山側の約半分の面積は荒廃園の状況であります。残り半分に作付された昨年産米の米の収穫は皆無。そして、昨秋に播種した麦は、ほとんどの田んぼは鹿に軒並み食いちぎられている状態です。担い手はいるのに害獣被害で荒廃しているのです。来年は委託を受けないと言われているそうです。優良農地が全面積荒れてしまうことは耐えられないと、地元では集落会議を開いて、高齢者が多い地元で何とか除草作業だけはしているということです。  そこで質問いたします。侵入防止柵には、ワイヤーメッシュ柵や金網柵、電気柵、いわゆる電柵などの種類があるようでございますが、種類ごとの県内での設置状況をお聞きいたします。また、柵を設置される方に対して県はどのように支援を行っているか、お伺いいたします。 218 ◯山口農山漁村振興課長 令和三年度の実績では、四百十四キロメートルの侵入防止柵の設置を支援しております。このうちワイヤーメッシュ柵は二百四十九キロメートル、金網柵は二キロメートル、電気柵は百六十三キロメートルとなっております。  侵入防止柵の設置に当たっては、設置主体である市町村や農業団体等で構成される鳥獣対策協議会に対して、先ほど申し上げた国の交付金を活用して支援を行っております。 219 ◯中嶋玲子委員 国の交付金が交付されているということです。令和三年は、県全体では四百十四キロメートルのうち、電柵は三分の一弱、ワイヤーメッシュ柵は半分以上ということです。  さて、朝倉市は、久留米市、うきは市、筑前町、東峰村と朝倉市の五市町村で、令和五年度までの朝倉広域鳥獣被害防止計画を策定しています。この朝倉市分の計画においては、侵入防止対策として電柵のみを位置づけ、整備を進めております。しかし、あとの四市町村では、電柵、ワイヤーメッシュ柵、金網柵などを併用できることとしています。  朝倉市の農家の皆さんからは、電柵では侵入防止に限界があり被害を防げないことから、電柵ではなくてワイヤーメッシュ柵や金網柵を設置したいとの要望が聞かれます。そこで、それぞれの柵の効果と、設置した場合のメリット、デメリットについてお答えください。また、そのことを県はどのように周知しているのかもお答えください。 220 ◯山口農山漁村振興課長 電気柵のメリットは、軽くて持ち運びが便利なため設置が容易であり、また、価格が安価であるため、同じ予算でもワイヤーメッシュ柵などと比べ長い距離を設置することができます。一方で、漏電しないよう定期的な草刈りなどにより雑物を除去する必要がございます。ワイヤーメッシュ柵や金網柵については、電気柵ほど小まめなメンテナンスは必要ありませんけれども、コストがかかります。また、農作業を行うために柵の出入口の開閉に手間がかかるといったデメリットがございます。いずれの柵についても、正しく設置し、正しく管理すれば、鳥獣の侵入を防ぐことが可能です。  県ではこうした柵ごとの特徴を理解した上で地域の実情に応じて選択していただけるよう、研修会等の場を通じて市町村や農家へ周知しているところです。 221 ◯中嶋玲子委員 今、こうした柵ごとの特徴を理解した上で地域の実情に応じて選択していただけるよう農家へ周知しているとお答えでございましたけれども、朝倉市の場合は全く電柵のみしかこの補助対象になっていません。よその町村ではワイヤーメッシュでも補助対象で、自己負担はほとんど要らないと。そういう中でなぜ電柵だけなのかということで、今日はたくさん地元から傍聴にお見えになっています。  被害の相談を受ける中で、電柵の効果はあまり期待できないと私は考えます。なぜなら、侵入防止のための電柵を害獣が飛び越えたり、倒したり、地面を掘ったりして侵入してしまう現状です。先ほどの答弁では、それぞれの柵についてメリット、デメリットがあり、地域の実情に合ったものを選択するよう市町村などに周知しているということでした。市町村のほうにもそう周知してあるというわけでしょうけれども、しかし、ここに私の地元、朝倉市の農家から出されている要望書があります。この中で、電柵では防げません、一刻も早く手を打ってほしいという切実な被害の現状が訴えられています。当事者である農家が実際にせっぱ詰まっておられ、農家にとっては農作物が収穫できないことは死活問題でもあります。  それぞれの計画策定に当たり、適切なものとなるよう指導・助言してまいると答えられましたけれども、朝倉市では電柵しか補助対象にならないため、効果の高いワイヤーメッシュ柵を個人で取り寄せ、購入され、防護する方もおられます。このように、他の侵入防止柵の選択肢がないなど、農家の考え方が反映されていない市町村の計画については、県が指導・助言を行うなどの対応をすべきだったと考えます。  最後に、作っても作っても収穫できず、農林漁業者の生産意欲減退の要因となっている鳥獣被害について、その防止に対する部長の決意をお聞きしたいと思います。 222 ◯秋田章二委員長 重吉農林水産部長。 223 ◯重吉農林水産部長 県では、鳥獣による農林水産物の被害を軽減するため、侵入防止、捕獲、獣肉の有効活用までの対策を一体的に実施しているところでございます。この結果、鳥獣による農林水産物の被害額はピーク時の平成二十二年度から半減しているものの、近年は横ばいで推移している状況であり、農林漁業者にとっては依然として非常に深刻な問題であると認識しております。  このため、これまでの対策に加えまして、今年度から新たに県による市町村域を超えた一斉捕獲や、マンツーマン指導により狩猟者を育成する取組を開始しており、こうした取組を市町村や猟友会、農業団体といった関係機関との連携を強化しまして、さらなる被害の軽減を図ってまいります。 224 ◯中嶋玲子委員 部長、御答弁ありがとうございました。  深刻な問題と認識していただいているということで、さらなる被害の軽減を図っていくという部長の力強い答弁をいただきました。ぜひとも、選択肢のない市町村において、防護柵についても一歩踏み込んでいただき、電柵のみではなく農家の意向を十分考慮したワイヤーメッシュ柵や金網柵なども補助の対象となるように、早急な計画の見直しを指導・助言していただきますよう強く要望しますとともに、今後の県の鳥獣被害防止対策の強化を期待して私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 225 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。堀大助委員。 226 ◯堀 大助委員 お疲れさまです。緑友会の堀大助です。  昨年の予算特別委員会に引き続いて、果樹振興について伺います。  私の地元、行橋市の果樹産地の歴史は古く、百三十年前の明治時代にまで遡ります。南部の新田原と呼ばれる丘陵地帯を開墾し、イチジク、桃、梨などが栽培され、最盛期には百六十ヘクタールに達しましたけれども、時を経て現在では二十九ヘクタールになっています。産地の縮小は寂しいものですが、これまで築き上げてきた新田原ブランドと言えるものは確かに存在しており、現在も地元だけでなく多くの消費者に支持されています。  私は、地元の財産とも言えるこの新田原の果樹産地を、時代に合ったよりよい形で残したいと思っております。こうした思いから、昨年の予算特別委員会で高齢の方の農作業を引き受けるサポート部の取組についてお尋ねしましたが、このサポート部が先週の三月一日に、無事法人として新たなスタートを切りました。大きな役割が期待されるこの法人が将来にわたって活動を継続していくためには、しっかりとした経営を行っていく必要があり、今後も様々な支援が必要と思います。  そこで質問に入ります。まず、法人が今後運営していく上で最も重要な収益を確保していくため、どのような取組を行うこととしているのか。県でも普及指導センターが支援を行い、事業計画の内容を把握していると思いますので、まずその点をお答えください。 227 ◯秋田章二委員長 古屋経営技術支援課長。 228 ◯古屋経営技術支援課長 この法人の事業計画では、イチジクや桃、梨などの果樹の剪定や病害虫防除といった農作業を受託することとしております。また、受託作業以外からも収益を確保するため、法人自ら離農した果樹農家から遊休農地を借り受けて、桃の生産、販売を行うこととしております。 229 ◯堀 大助委員 それでは、まず農作業受託について、普及指導センターはどのような支援を行っているのか、お答えください。 230 ◯古屋経営技術支援課長 普及指導センターでは、果樹の剪定などの技術の向上を図るため、法人の作業者に対しまして現地や座学での講習会を実施しております。また、法人が受託した農作業の内容を作業者全員で共有できるアプリの活用を提案しました結果、円滑な作業者の割当てが可能となりまして、受託作業への迅速な着手につながっております。 231 ◯堀 大助委員 農作業受託に関する県の支援は分かりました。今後も引き続き、指導、支援をお願いいたします。  次に、法人の事業計画で遊休農地を借り受けて桃を栽培するとの答弁がありました。法人の収入確保はもちろん、新田原地域の桃産地の活性化につながるとてもよい取組だと思います。  そこで、この遊休農地での桃の生産に関してどのような支援ができるのか、お伺いいたします。 232 ◯秋田章二委員長 久保田園芸振興課長。 233 ◯久保田園芸振興課長 法人が借り受けた園地で桃を新たに導入する場合につきましては、国の事業を活用いたしまして苗木の植付けや収穫開始までの管理に要する経費といったものを支援することができます。また、栽培に必要となります果樹棚の整備や農業機械の導入につきましては、県の高収益型園芸事業により支援することができます。 234 ◯堀 大助委員 生産が本格化するまでには数年かかると思いますので、ぜひ軌道に乗るようにしっかりと支援をお願いしたいと思います。  さて、冒頭お話ししたとおり、新田原は県内の他地域に先駆けてイチジク、桃の生産が始まった地域であります。しかしながら、生産者の高齢化や樹園地の老木化により産地が縮小しており、特にイチジクについては、ここ十年で六割も栽培面積が減少しております。  こうしたことを踏まえて、私は昨年の予算特別委員会で質問して、今後は甘うぃも推進していく旨、答弁いただいております。新田原地域では、キウイフルーツをこれまで生産したことがなかったため、普及指導センターの助言の下、県の育成品種である甘うぃの産地化を進め、現在では新田原を中心に四ヘクタール程度で栽培されております。今回設立した法人でも甘うぃについても農作業を委託されているとのことで、地域の方々がこの新たな品目に大きな期待を持っていることが分かります。  しかし、生産者の方からは、一部の甘うぃの園地では木の生育が悪くて、生産量が十分伸びていないと聞いております。こうした状況を打開しなければ、地域が期待する甘うぃの産地化が進まないのではないかと心配しております。  そこで、県はこの状況についてどのように分析しているのか、そしてまた対策の取組について併せてお伺いします。 235 ◯古屋経営技術支援課長 新田原地域の土壌は粘土質で排水性がやや劣ることから、根が成長しにくい傾向がございます。このため、普及指導センターでは、土壌を柔らかくし、水はけがよくなりますよう、堆肥をはじめとしました土壌改良材の投入を進めますとともに、明渠などの表面排水の指導をしているところです。 236 ◯堀 大助委員 ぜひ対策の徹底を図られ、甘うぃの産地化を進めていただくことを要望いたします。  さて、先日、私は先ほどの法人の役員の方と話す機会があって、その中で、法人を立ち上げたけれども、自分たちの年齢のこともあって、ぜひ若い人に入ってきてもらわないと、このままでは先細りになってしまうという危機感があると言われました。  そこでお尋ねいたします。法人の中で実際に作業を担う方は何人で、年齢はどのくらいなのでしょうか。 237 ◯古屋経営技術支援課長 この法人で実際に受託した作業を行っている方は十三人です。年齢は五十代から七十代までで、平均年齢は六十二歳となっております。 238 ◯堀 大助委員 平均年齢が六十二歳とのことでしたけれども、この法人を存続させていくためには、今のうちに若い人に入ってもらって一人前の農業者に育成していかなくてはなりません。  そこでまず、新規就農者を育成するため活用できる支援策について、現在どういったものがあるのか、お聞きいたします。 239 ◯秋田章二委員長 川口後継人材育成室長。 240 ◯川口後継人材育成室長 この法人が雇用した新規就農者に技術を習得させる場合には、雇用就農資金として月五万円を上限に国の支援を受けることができます。また、この法人が新規就農者を対象とした研修機関となった場合には、国の事業を活用しまして研修に必要なトラクターやビニールハウスといった機械施設の導入などを行うことができます。 241 ◯堀 大助委員 法人による新規就農者の育成についていろんな支援があるということは分かりました。一方で、就農を希望する方が本当に農業でやっていけるのか、続けられるのかを見極めるために、一旦農家に雇用されて農業に従事する雇用就農も有効な方法だと思います。  そこでお尋ねいたします。県は、新規就農者を確保していくため、どういった取組をしているのか、お聞きします。 242 ◯川口後継人材育成室長 新規就農者の多くは当面の生活費などに不安がございますため、県では国の交付金制度を活用しまして就農前後の所得の確保を支援しております。加えて、普及指導センターでは、就農後間もない新規就農者を対象に病害虫対策などの講座を開催するとともに、個別に現地指導を実施しているところでございます。  また、雇用就農に関心を持たれている方の中には、農業の知識や経験がなく就農に踏み切れないといった方もおられます。このため、来年度から雇用就農を希望される方を対象に、農業大学校での農作業の基礎研修に加えまして、複数の農業法人で農作業を経験できるトライアル就農を実施し、自分に合った就農先を選択できるよう支援していくこととしております。 243 ◯堀 大助委員 これまでの取組に加えて、来年度からはトライアル就農という取組も始まるということで、ぜひよろしくお願いいたします。  次に、就農した人が安定して所得を確保できるようになるためには、熟練生産者の高度な技術を少しでも早く伝承していくことも重要です。近年、農業分野においてもAIやIoTといった先端技術を活用した事例が多く見受けられます。こうした先端技術を活用して新規就農者を育成していく手法は、今後、非常に重要になると思いますけれども、県ではどのような取組を行っているのか、最後にお聞きします。 244 ◯川口後継人材育成室長 県では、熟練生産者の長年の経験や勘に基づく高い栽培技術、いわゆるたくみの技を新規就農者に伝承するために、今年度からスマートグラス、アイカメラといった先端機器を活用した指導を行っております。これにより、新規就農者の方が効率的に技術を習得することができ、早期の経営安定につながるものと考えております。 245 ◯堀 大助委員 終わります。(拍手) 246 ◯秋田章二委員長 ほかに質疑はありませんか。浜崎達也委員。 247 ◯浜崎達也委員 公明党の浜崎達也です。  今回は農業水利施設の機能確保についての質問をさせていただきます。  私は、三月一日の一般質問で、限りある水資源の活用の観点から、ダム開発による水不足の解消や筑後川水系ダム群連携事業の進捗について質問を行い、知事からは、福岡都市圏人口のピークと見込まれる令和二十二年の水需要を上回る供給能力が確保されたことや、夏の渇水時など筑後川下流の流水の正常な機能の維持を目的とした筑後川本川から江川、寺内に導水するダム群連携事業については、来年度から独立行政法人水資源機構が事業主体となって事業に着手するといった答弁がありました。  ダム群連携事業の完成は令和十九年度が予定されており、完成までにはまだ時間を要しますけれども、既に完成した小石原川ダムなどに水資源開発施設が確保された流水の正常な機能の維持のために放流される水があることで、渇水になった場合でも農業用水の取水の改善につながるということです。  私たち人間と同様、農作物にとっても水は必要不可欠なもので、農産物を生産するためには農業用水を安定的に供給することが必須であります。我々日本人の主食である米は、言うまでもありませんが、水田は水をためて作るため農業用水を一番必要とする作物と思っております。  本題の前提として、そこでまず米について何点か質問をさせていただきます。  本県は耕地面積の八割を水田が占めており、西日本有数の米の産地と聞いておりますが、我々が通常食べる米、いわゆる主食用米の本県における作付状況についてお聞かせください。 248 ◯秋田章二委員長 徳田水田農業振興課長。 249 ◯徳田水田農業振興課長 本県の主食用米の作付面積は、昨年産で三万二千八百ヘクタールであり、その品種構成は、夢つくしが四割、ヒノヒカリが三割、元気つくしが二割と、これら三品種で約九割を占めております。 250 ◯浜崎達也委員 次に、日本は今、人口減少に転じておりますし、高齢化も進んでいます。それに伴って主食用米の消費量は減少しております。米の作付も当然、今、減少傾向でございます。一方、昨今、ウクライナ情勢により食料安全保障の重要性が叫ばれる中、米を中心とした水田農業の重要性が改めて認識されていると思います。  そこで、水田面積を減らさないためには、主食用以外の米の作付も行う必要があると私は考えておりますが、現在、そのような米はどれぐらい作付されているのか、お答え願います。 251 ◯徳田水田農業振興課長 主食用以外の用途に使用される米では、昨年産でお菓子やみそに活用する加工用米や米粉用米などが約六百ヘクタール、家畜の飼料用として約四千三百ヘクタールが作付されております。 252 ◯浜崎達也委員 ということは大体、その前の答弁からいくと一五%ぐらいが今の答弁の中身かなと思います。  先月二十八日に発表された一般財団法人日本穀物検定協会が実施する食味ランキングにおいて、本県産の元気つくしが三年連続で最高位の特Aに格付されたとのうれしいニュースが飛び込んでまいりました。NHKでも流れておりましたけれども。本県は、私の地元である福岡市をはじめ北九州市といった大消費地を抱えており、県産米の消費拡大に取り組んでいけば水田の維持にもつながるのではないかと考えております。  そこで、県産米の消費を拡大するために県ではどのような取組を行っているのか、お聞かせ願います。 253 ◯徳田水田農業振興課長 県では、夢つくし、元気つくしなどの良食味の県育成品種の作付を推進するとともに、学校給食での利用推進や、知事のCM出演によりますトップセールスの実施によりまして、消費拡大に取り組んでいるところでございます。 254 ◯浜崎達也委員 知事のトップセールス、テレビがどのぐらい見られているかですね。これが影響していると非常にいいですね。  では、次に行きます。  水田農業の重要性については先ほど述べたとおりでありますが、これを維持するためには農家の所得を確保し経営を安定させることも必要と考えますが、県ではどのような取組をされているか、お答えください。
    255 ◯徳田水田農業振興課長 水田農業を維持発展させていくためには、経営規模を拡大し生産コストの低減を図るとともに、需要に応じた米の生産に麦や大豆等の生産拡大を加えた水田フル活用により、所得を確保することが重要と考えております。このため県では、農地の集積・集約化や大区画化を進めるとともに、高性能農業機械やスマート農業機械の導入を支援いたしまして、生産コストの低減を図っております。  さらに麦では、取引価格の高いラー麦の品質向上を図るとともに、大豆では、現行品種より収量が一割程度多い本県育成の新品種、ふくよかまるへの全面切替えを進めております。 256 ◯浜崎達也委員 今の答弁で、県が農家の皆さんの所得を確保し、水田農業の経営安定に取り組んでいることは一定の評価ができると思いました。  一方で、農家が安心して米作りを行うためには、農業用水の安定供給が重要であります。ここからが本題になりますが、冒頭述べたとおり、ダム開発による農業用水も確保されてきたわけですが、この水をきちんと水田まで届けて初めてダム開発の効果が発揮されます。このために県ではどのような施設整備を行っているのか、お聞かせください。 257 ◯秋田章二委員長 山崎農村森林整備課長。 258 ◯山崎農村森林整備課長 県では、農業用水を河川から取水するための井堰や基幹的な水路をかんがい排水事業で整備しています。  また、基幹となる水路からそれぞれの農地に農業用水を供給する小規模な水路やポンプについては、圃場整備事業の中で農地の大区画化などと併せて整備しております。 259 ◯浜崎達也委員 さて、私の住む福岡市では、水道用水の約三分の一を朝倉市の江川ダムをはじめとした筑後川に依存しておりますが、筑後川では、昭和四十一年に国で策定した水資源開発基本計画に基づき水資源開発施設が整備されてきました。このうち江川ダムは昭和四十九年に、筑後大堰は昭和五十九年に完成しております。こうした筑後川の水資源開発施設の建設と併せて、農業用の井堰や水路などの整備も進めてきた結果、この地域は県内有数の穀倉地帯になっております。  そこで、この地域の井堰や水路などは一体いつから造成されてきたのか、お示しください。 260 ◯山崎農村森林整備課長 筑後大堰に関連する地域については、農林水産省の国営事業や県営事業により整備を行っており、古いもので昭和五十年頃に造成されております。 261 ◯浜崎達也委員 今、昭和五十年頃という答弁でございましたが、ということは四十年以上経過しているということでございます。老朽化が進んでいるところもあるのではないかなと懸念しております。実際、私のところにも施設の老朽化についての相談が来て、現場にも行きました。  農業用水を将来にわたって水田に行き届かせるためには、水路やゲートなどの施設が引き続き安定的に水を供給できるような状態にしておく必要があると思いますが、県ではこうした老朽化した施設について、今、どのような対策を行っているのか、お聞かせください。 262 ◯山崎農村森林整備課長 県では、県営事業で整備した水路や揚水ポンプなどの農業水利施設の長寿命化を図るため、使用開始から十年以上を経過した施設を対象に順次点検機能診断を行い、機能保全計画を策定しているところです。この機能保全計画を策定した施設については、市町村や土地改良区などの関係者と協議をした上で水路のひび割れ補修やポンプの部品交換といった必要な対策を実施しております。  県としましては、今後とも施設の長寿命化対策を進めることでこの機能を維持し、農業用水を安定的に供給してまいります。 263 ◯浜崎達也委員 最後に、老朽化による機能の喪失や低下が懸念される農業水利施設は、機能確保に向けた今の答弁でいけば、長寿命化対策を進めているというお答えでございました。安心したところでございますが、私の住む福岡都市圏では二〇〇五年に海水淡水化施設、二〇二一年には、県内最大規模の渇水対策容量を持つ五ケ山ダムが運用を開始されたことにより、渇水に強い都市になりました。  また、福岡都市圏へ水道用水を供給する筑後川水系では、冒頭申し上げましたけれども、国が策定した水資源開発基本計画に基づき、大山ダム、小石原川ダムも供用が開始され、あとは筑後川水系ダム群連携事業を残すのみとなりました。この事業は、農業用水を含む取得用水の安定取水に寄与することから、早期に完成することを期待しております。  また今回は、農業水利施設の老朽化対策について、筑後川流域の状況を中心に伺いましたけれども、私が現地に行った筑豊の農業用ダムでは、ゲートがさびついているなど地元の方が管理に苦慮されている状況も見受けられます。農業水利施設の老朽化は、筑後川流域に限らず県内各地で生じているものと、私は考えております。適切な時期に施設の修繕等を行い、将来にわたって農業用水を安定的に供給していただくことを切に要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 264 ◯秋田章二委員長 この際、換気のためしばらく休憩いたします。再開は午後三時四十分といたします。    午 後 三 時 二 十 八 分 休 憩    午 後 三 時 四 十 分 再 開 265 ◯冨田徳二副委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第六款農林水産業費について、ほかに質疑はありませんか。高瀬菜穂子委員。 266 ◯高瀬菜穂子委員 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。  通告に従いまして、鳥獣被害、放置竹林対策について質問いたします。  野生鳥獣による被害については、本会議及び委員会でも度々取り上げられてまいりまして、先ほど中嶋委員からも質問があったところです。  私も二〇一六年に一般質問で取り上げ、その際、地元小倉南区で大問題となっていた猿の対策を強化するとともに、イノシシなどの鳥獣対策には捕獲報償金の県独自の上乗せが必要ではないかと提案いたしました。  国においては、二〇〇七年に鳥獣被害防止特別措置法を制定し、その後改正もされ、本県においても様々な取組が行われたと承知しております。しかし、それでも有害鳥獣による被害は深刻であります。収穫の寸前にイノシシが暴れて稲を駄目にした、心が折れる、一夜にして芋を掘られたという話をよく聞きまして、胸が痛みます。もう力尽きたと農業を辞めた方もあります。大変残念なことです。また、小倉南区では、以前はあまり見られなかった鹿を見るようになったとの話も聞いております。  様々な対策を行ってもなお本県の野生鳥獣による農作物被害額は、北海道に次いで全国第二位であります。そこで、改めて鳥獣対策の実態と対策についてお聞きいたします。重複を避けて質問したいと思います。  まず、事前に鳥獣の種類ごとの本県の農林水産物被害の推移などの資料を執行部にお願いしておりますので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。 267 ◯冨田徳二副委員長 お諮りいたします。  ただいま高瀬委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 268 ◯冨田徳二副委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま高瀬委員から要求がありました資料については提出できますか。山口農山漁村振興課長。 269 ◯山口農山漁村振興課長 直ちに提出いたします。 270 ◯冨田徳二副委員長 資料を確認させてください。      〔資料確認〕 271 ◯冨田徳二副委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 272 ◯冨田徳二副委員長 資料が配付されましたので、高瀬委員、質疑を行ってください。 273 ◯高瀬菜穂子委員 先ほどの中嶋委員の質問で、鳥獣被害の実態、それに対する県の受け止め、見解は話されましたので、そこは省略いたしまして、次に行きたいと思います。  農林水産省は、鹿、イノシシの生息頭数を平成二十三年度、二〇一一年度からの十年間で半減させるという目標を掲げています。来年度、二〇二三年度がその目標年次ですが、県としての達成状況はどうなっているのかということが気になりますが、本県としての目標について改めてお答えいただけたらと思います。お願いします。 274 ◯山口農山漁村振興課長 県では、農林水産物の被害軽減などを目的に、鹿とイノシシについて第二種特定鳥獣管理計画を策定しております。鹿については、毎年、前年度の被害額から四・五%ずつ低減させ、令和八年度までに七千万円未満に抑えることを目標としております。イノシシも同様に、毎年、前年度の被害額から四・五%ずつ低減させ、令和八年度までに二億五千万円未満に抑えることを目標としております。  この計画の目標達成に向け、侵入防止柵の計画的な導入を進めるとともに、狩猟期間の延長や狩猟者の確保などにより捕獲を強化することとしております。 275 ◯高瀬菜穂子委員 県の目標は、頭数の半減ではなくて被害額を前年比四・五%低減することに置かれています。先ほども説明がありましたが、国が示した捕獲目標を県はクリアしているということでした。県の被害額を減らす目標、それ自体は重要であると思いますけれども、被害額だけではなく、実際に減っているのか、頭数がどうなっているのかということが問題だと思います。  県の第二種特定鳥獣管理計画第七期によりますと、イノシシは令和二年度で三万頭、鹿は一万一千頭を捕獲しています。これまでの取組の規模で目標は達成されるのか、国が示した捕獲目標で本当に生息数を半減できるのか、疑問が残ります。農林水産物の被害を抑える目標とともに、管理頭数、生息数についても明確な目標を持ち、必要な施策を取っていただきたいと思います。  被害の減少に向けて捕獲を強化していくとの答弁をされました。担い手である狩猟者について伺います。  提出いただいた資料、二番目の狩猟登録者数の推移について御説明をお願いします。 276 ◯山口農山漁村振興課長 資料の二は、過去五年の狩猟者登録数の推移を示しております。銃猟は近年減少傾向にあるものの、網猟やわな猟は増加傾向にあり、狩猟登録者数全体では三千人レベルで推移しております。 277 ◯高瀬菜穂子委員 狩猟登録者数は三千人レベルで推移しているんですけれども、鳥獣被害を減らすためには狩猟者をさらに確保する必要があると考えます。狩猟者の確保に向けて県としてはどのような取組を行っているのか、お答えください。併せてその実績について伺います。 278 ◯山口農山漁村振興課長 県では、新たな狩猟者を確保するため、狩猟免許の取得経費を助成するとともに、狩猟試験の回数を年二回から四回に増やしております。この結果、令和三年度の狩猟免許の合格者数は四百八十三人と、最も合格者が少なかった平成二十二年度の百八十四人に比べ大幅に増加しております。  また、狩猟者を育成するため、狩猟免許の取得者を対象に、わなの設置や猟銃の取扱いに関する研修会を開催するとともに、今年度から新たに狩猟現場においてベテランの指導者がマンツーマンで指導を行う取組を開始しております。 279 ◯高瀬菜穂子委員 狩猟免許の合格者は増えているとお答えですが、資料を見ますと猟銃の登録者は残念ながら減り続けています。狩猟者からは、鳥を捕獲しても弾代の費用のほうが高くつくとの声もあるように、やはり捕獲に見合う報酬が必要だと考えます。  本県としても独自に予算を措置し、捕獲に対する助成を行うことが必要ではないでしょうか。見解を伺います。 280 ◯山口農山漁村振興課長 県では、国の捕獲補助金では割に合わない、そういった捕獲従事者の声もあることから、国に対して捕獲補助金の単価の増額と十分な財源の確保について要望しております。また、市町村が国の捕獲補助金に上乗せして助成した場合は特別交付税が措置されることを市町村に周知し、この制度の活用を働きかけているところです。 281 ◯高瀬菜穂子委員 国に対して要望することと、市町村に対して特別交付税を活用するように働きかけるということなんですね。  本県の被害額は全国二位ですから、その深刻さを考えたときに、これまで以上の対策が必要になると私は考えます。  全国の自治体でも、生息数半減という国の目標達成のために様々な取組が行われています。調べましたら、例えば滋賀県では、ニホンジカに対して県に二つの制度をつくって、国、県、市町村で補助を出し、雌鹿には二万二千円、雄鹿には一万七千円、幼獣にも一万二千円の補助金を払っています。二つの制度のうちの一つ、特別対策事業補助金においては、県の補助は、雌鹿の場合、一頭に対し一万三千円です。その成果で、捕獲数は一万五千頭になったと報告されていました。栃木県では、イノシシに三千円、ニホンジカに二千円の補助を県が行っています。一般会計で県単予算一億七千万円で行われています。岡山県では、市町村が行う捕獲事業に二分の一補助、上限一頭当たり四千円の補助が行われています。そしてまた、兵庫県、鳥取県との県境で行われている連携シカ捕獲事業に対しても同様の助成をしています。愛知県は、イノシシの成獣に対して一万三千円の上乗せ、幼獣にも六千円を上乗せしています。鳥取県がアライグマに対して一頭一万円の報奨金をつけるなど、多くの自治体で様々に県が上乗せの補助を行っているんですね。本県でも予算化すべきではありませんか。  課長も、国の捕獲補助金では割に合わないという声があることを先ほど紹介されました。上乗せ措置が行われているところで数百万円稼ぐハンターが生まれているとのことです。国と市町村にだけ言うのではなくて、本県としても、被害額が大きいわけですから、予算をつけて上乗せを行って取り組んでいただくよう強く要望いたします。  また、先日の日本農業新聞には、愛媛県今治市の研究所が、赤外線カメラを搭載したドローンでイノシシを追跡、撮影し、イノシシの行動を予測、適切な場所に箱わななどを設置し、効果的に被害軽減につなげたという記事が載っておりました。こうした新たな技術も取り入れていただきたいと。とにかく有害鳥獣が減っているという実感がなかなかありません。県のこれまで以上の対策を期待したいと思います。よろしくお願いいたします。  次の質問に参ります。  放置竹林対策について伺います。  資料三について御説明をお願いいたします。 282 ◯山口農山漁村振興課長 資料三は、国が五年ごとに行っている全国の森林資源現況調査によりますと、竹林面積の上位三県は、鹿児島県、大分県、福岡県の順となっており、平成二十九年三月末時点の本県の竹林面積は一万三千六百十九ヘクタールで、十年間に一四%増加しております。 283 ◯高瀬菜穂子委員 十年間で一四%も増加しております。増加した分というのは、管理されていない放置竹林だと考えます。  この放置竹林について、県ではどのように認識しているでしょうか。また、放置竹林についてどのような対策を講じているのか、お尋ねします。 284 ◯冨田徳二副委員長 真井林業振興課長。 285 ◯真井林業振興課長 管理が放棄された竹林は、それに隣接する森林に侵入し悪影響を及ぼすことから、放置竹林の解消に向けた対策が必要であると考えております。このため県では、市町村や森林組合が実施します放置竹林の伐採と、その後の広葉樹などへの植え替えや、杉、ヒノキの人工林に侵入した竹の伐採を支援しているところでございます。  この結果、令和三年度の放置竹林の伐採面積は、五年前の一・二倍の五十二ヘクタール、侵入した竹の伐採面積は一・一倍の百七十六ヘクタールとなっております。 286 ◯高瀬菜穂子委員 伐採しているんだけれども、さらに五年間で七百六十三ヘクタールも増えているということなんですね。  今の資料を見ますと、熊本県、千葉県、京都府では、この五年間で面積を減らしています。対策をすれば減らせるということではないでしょうか。対策をさらに進めていただきたいと思うんですけれども、その際にどのような課題があるのか、どのような取組を行っているのか、お答えください。 287 ◯真井林業振興課長 放置竹林対策を進める上では、所有地の境界が不明確であることや所有者の同意取得を要することが課題であります。このため県では、市町村に対しまして現地調査による境界確認や、合意形成に向けた地域住民への事業説明会などに要する経費を支援しております。今後とも市町村と連携してこうした取組を進め、放置竹林の解消に努めてまいります。 288 ◯高瀬菜穂子委員 今言われたような課題があることは理解いたしますけれども、増加面積で本県は鹿児島に次いで二位なんですね。よほどしっかり取り組んでいただきたいと思います。  私は、二〇一六年に本会議でこの問題を取り上げました。その際、当時の小川知事は、竹の活用について、竹に含まれる機能性成分を活用した園芸作物の病害予防や成長促進につながる農業用資材の開発、竹チップから放出される発酵熱を活用した施設園芸作物の増収技術の開発などに取り組んでおりますと答えられました。その後の経過はどうかというふうに思っているんです。  国においても、竹の利活用推進に向けて冊子も出して、バイオマス発電や繊維、樹脂などの工業用利用などを進めていると報告されています。こうした竹の利活用を進めながら、全国トップクラスで増えている放置竹林対策を抜本的に強めていただきたい。利活用も進めながら何とか。  私の地域では本当にどんどん増えていて、山のてっぺんまで登ってしまって里に出てくる。家屋を突き破るのではないかという心配も聞いておりまして、喫緊の課題であります。全国に比べても遅れているとしか言えませんので、ぜひとも放置竹林対策を進めていただきますように重ねてお願いいたしまして、質問を終わります。(拍手) 289 ◯冨田徳二副委員長 ほかに質疑はありませんか。高橋義彦委員。 290 ◯高橋義彦委員 通告に従いまして、農業大学校における人材育成について質問いたします。  早速ですが、農業大学校の概要について御説明お願いいたします。 291 ◯冨田徳二副委員長 川口後継人材育成室長。 292 ◯川口後継人材育成室長 農業大学校は、農業に関する高度な知識や技術を習得し、次代を担う優れた農業の担い手やJAの営農指導員といった農業技術者の養成を行うことなどを目的に、昭和五十五年、筑紫野市に開校しております。  本校は、就農の意欲を有している方や農業技術者を志している方を対象とする養成科と、農外から就農を希望される方を対象とする研修科を設置いたしております。養成科につきましては二年間の課程で一学年の定員が五十名、研修科は一年間の研修で定員二十名となっております。 293 ◯高橋義彦委員 開校から既に四十年以上の歴史があり、二年課程の養成科と一年課程の研修科が用意されていることがよく分かりました。  それでは、入学生の状況と卒業後の進路について御説明をお願いします。 294 ◯川口後継人材育成室長 令和四年度の入学者数は、養成科が五十二名、研修科が十七名となっております。養成科は、年度により変動がございますが、農家以外の出身者が約七割と多くなっております。また研修科は農外から就農を希望する方が入学されており、三十代から四十代の方が中心となっております。  卒業後の進路といたしましては、養成科の約半数の方が就農されており、残りの方はJAや農業機械メーカーなどに就職されております。また、研修科ではほぼ全員の方が就農されております。 295 ◯高橋義彦委員 開校当時に比べ農業高校の数も減少し、農家以外の出身者が増えている中で、卒業生の約半数が就農されていることは非常に喜ばしいことです。  次に、費用の面についてお尋ねします。  農業大学校に通うために必要な経費はどれぐらいか、お答えください。 296 ◯川口後継人材育成室長 本県では、受験料、入学金及び授業料を無料としております。なお、教材費等の実費として年間三十五万円程度の校納金をいただいております。 297 ◯高橋義彦委員 私が地元の農業大学校OBの方から伺った話では、授業料は無料だけれども、校納金や生活費に充てるためアルバイトをしている学生もたくさんいると聞いております。通常、こうした学生については奨学金が利用できると思いますけれども、農業大学校でも利用できるのでしょうか、お答えください。 298 ◯川口後継人材育成室長 奨学金制度の対象となる学校は、学校教育法に基づく認可を受けた高校、専門学校、大学などとなっております。農業大学校は、農業改良助長法に規定される農業者研修教育施設としての位置づけであることから、奨学金の対象ではございません。 299 ◯高橋義彦委員 大学の農学部や農業高校の学生は奨学金を受けられるのに、同じ農業について勉強している農業大学校の学生は奨学金を受けられないというのは、少しかわいそうな気がします。  県立の高等技術専門校等の公共職業能力開発施設に通う訓練生も奨学金は受けられませんが、成績と収入の状況を審査の上、授業料などに充てる資金を融資する国の技能者育成資金融資制度があるそうです。この技能者育成資金融資制度のように農業大学校の学生が利用できる奨学金に代わる制度があるのか、お尋ねします。 300 ◯川口後継人材育成室長 卒業後、就農を目指す学生や農業法人に就業する予定の学生につきましては、最長で二年間、年間百五十万円が給付される国の就農準備資金がございます。しかしながら、JAの営農指導員や農業機械メーカー、青果市場などに就職し、就農しない学生につきましては支援制度がございません。 301 ◯高橋義彦委員 就農を志す学生の支援が充実していることは大変いいことだと思います。しかし、JAの営農指導員や農業機械メーカーで働く人など、農業者を支える関連分野の人材も確保していかなければ、本県農業の持続的な発展は望めないと考えます。  農業大学校の全ての学生が安心して学生生活を送れるよう、高等技術専門校のように融資制度が農業大学校の学生にも必要だと私は考えております。こうした制度の創設は県だけでは難しいと思いますので、国に対して要望するなど検討していただきたいと思っております。  ちなみに、県内のあるJAでは、組合員の子弟が農業大学校へ進学した際に就学支援金を支援していると伺いました。この取組について御存じでしょうか。こういった取組を県内のJAや農業関連企業に広げてはどうかと思いますが、お考えをお尋ねいたします。 302 ◯川口後継人材育成室長 委員御指摘の県内JAの取組事例につきまして承知いたしております。この取組を他のJAにも紹介するとともに、多くの卒業生が就職している県内の農業関連企業においても同様の取組ができないか、研究してまいりたいと考えております。
    303 ◯高橋義彦委員 それでは、ここで視点を変え質問させていただきます。  先ほど板橋委員が御指摘されていたように、農業分野においてもデジタル化の波が押し寄せています。そうした中、農業大学校ではこうした変化に対応した教育を行っているのか、お答えください。 304 ◯川口後継人材育成室長 農業大学校では、農業法人への雇用就農や農外からの新規参入の増加、スマート農業の普及といった状況の変化に対応していくため、カリキュラムの見直しや充実を図ってきたところであります。  今年度から、農業経営の複合化や農業法人の増加に伴い、養成科では、それまで野菜、果樹など品目別に設置していた六つのコースを見直しまして、品目横断的に農業を学べる自営コースと、雇用就農やJAなどへの就職を希望する方を対象とした法人・総合コースの二つのコースに再編したところでございます。  また、農業のデジタル化に対応できる人材を育成するため、スマート農業機械の導入や農業DXに対応した施設の整備を行っております。 305 ◯高橋義彦委員 農業を稼げる魅力ある産業にするためには、今注目されているスマート農業による技術革新が鍵を握るものと考えております。農業大学校でも農業のデジタル化に対応できる人材の育成に取り組まれているということですが、具体的にどのような実習を行っているのか、御説明をお願いします。 306 ◯川口後継人材育成室長 例えば水田農業では、農作業の効率化や収量、品質の向上に効果のある農業用ドローンや、食味・収量センサーつきコンバインといったスマート農業機械を導入し、実習を行っております。また、施設園芸では、今年度新たに環境制御装置を備えたDX対応型のハウス施設を整備し、農業のデジタル化に対応できる人材を育成するとともに、農業者の映像をリアルタイムで伝達できるスマートグラスなどの先端機器を導入し、効率的な実習を行っております。 307 ◯高橋義彦委員 私は、本県農業の屋台骨を支えている人材を輩出している農業大学校を若い方に今以上に知っていただきたいと思っております。しかし、県のホームページ「農業せんね!福岡で」を見てみると、文字が多く読みづらい上に、農業大学校のことを調べたくてもなかなかリンク先が見つからないといった状態でした。これでは、せっかく先進的な教育など魅力ある取組を行っていても、就農希望者にうまく伝わらないのではないでしょうか。新規就農者の方に対してもっと情報が伝わるよう、ホームページを見やすくするなど工夫をしてはどうかと思いますが、お考えをお尋ねします。 308 ◯川口後継人材育成室長 県のホームページでは、就農相談の内容や就農支援、研修制度の情報提供に加えまして、県内で活躍する若手農業者の就農の動機、経営の展望などを盛り込んだ動画や、農業の基本技術をより分かりやすく紹介するデジタルコンテンツを掲載いたしております。農業大学校の魅力も含めまして新規就農に関する情報がしっかり伝わるホームページとなるよう、その構成やレイアウト等について工夫してまいりたいと考えております。 309 ◯高橋義彦委員 最後に、改めて農業大学校における人材の育成についてどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。 310 ◯川口後継人材育成室長 本県の農業大学校は、次代の農業の担い手や農業技術者等を育成する重要な農業者研修教育施設であります。本校の卒業生は二千百名を超え、今日、県内各地で優れた農業経営者として、またJAなどの農業技術者として、各方面から本県農業を力強く支えていただいております。農業大学校につきましては、今後とも農業DXの進展などの情勢の変化を踏まえ、カリキュラムの充実を図りつつ実践的な教育を行うことで、本県農業の次代を担う人材の育成に取り組んでまいります。 311 ◯高橋義彦委員 以上になります。(拍手) 312 ◯冨田徳二副委員長 ほかに質疑はありませんか。高橋雅成委員。 313 ◯高橋雅成委員 こんにちは。公明党の高橋雅成です。  森林環境税と森林環境譲与税の活用について、質問します。  まず、県の森林環境税は、平成二十年度に導入されてから十五年が過ぎようとしております。県森林環境税条例の附則第四項には、条例施行後十五年をめどとして必要があるときは規定の検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じるとしております。昨年八月には、福岡県森林環境税(第II期)の中間検証についてという報告書も出されております。  まず、県森林環境税が導入されてからの実績についてお聞かせください。 314 ◯冨田徳二副委員長 真井林業振興課長。 315 ◯真井林業振興課長 県の森林環境税第I期事業では、平成二十年度から二十九年度までの十年間に約二万七千ヘクタールの荒廃した森林を再生しました。また、森林の重要性などについて、新聞やテレビなどを活用し広く県民に情報発信を行いますとともに、延べ約十二万三千人の県民が参加した植樹や竹林の伐採などの森林づくり活動に対して支援を行いました。  第II期事業では、平成三十年度から令和三年度までの四年間に約五千三百ヘクタールの荒廃のおそれのある森林を整備したほか、第I期同様、県民への情報発信を行いますとともに、延べ約五万四千人の県民が参加した森林づくり活動に対して支援を行っております。 316 ◯高橋雅成委員 森林環境税導入当初、県内の荒廃森林は約二万九千ヘクタールとか、あるいは三万ヘクタールとか言われておりました。今の答弁で、この荒廃森林はおおむね再生されたと理解いたしました。  そこで、中間検証では、取りまとめとして森林整備の取組はますます重要性を増している、二つ目に、災害に強い森林づくりにつながる新たな方策を検討する必要があること、三つ目に、森林ボランティア団体の活動を継続支援し、総合的にサポートする体制づくりが必要であることなどが述べられた後、令和五年度から九年度までに必要な施策には約八十億円の費用が必要として、県森林環境税を継続していくことが適当というふうに結論いたしております。  今後、新たに荒廃するおそれがある森林が約三万ヘクタールというふうに報告の中に書いております。この三万ヘクタールのうちの平成三十年以降十年間で公益的機能が発揮できなくなるおそれがあるのが一万ヘクタール。この一万ヘクタールについては強度間伐が必要だと。そして、十年たった後、さらにその後、公益的機能が発揮できなくなるおそれがあるものが二万ヘクタールあって、こちらには自伐林家の育成等が必要だと書かれておりました。  新たな荒廃森林を生まないためには、私は、伐採から搬出、出荷までの一連の作業を自ら行う自伐林家を育成することも必要だと思っております。自伐林家の育成に向けてどのような支援を行っているのか、お答えください。 317 ◯真井林業振興課長 県では、自伐林家を目指す方を対象に、安全に間伐作業を行うための基礎知識や技術などを学ぶ研修を実施しておりまして、令和三年度までの四年間で三十七名が受講したところです。  また、自伐林家が伐採や搬出作業を行う上で必要となるチェーンソーや林内作業車などの機材の導入に対して支援を行っているところです。 318 ◯高橋雅成委員 分かりました。  森林は地球温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収するという点から、脱炭素社会実現への取組の一環として、国が令和六年度から森林環境税を導入します。先行して令和元年度から、国庫からの交付金を森林環境譲与税として都道府県や市町村に配分いたしております。県へ譲与されている森林環境譲与税をどのような施策に充てているのか、伺います。 319 ◯真井林業振興課長 県では、市町村に森林・林業に精通した職員が少ないといった課題があることから、譲与税を活用し、林業の専門知識を持ったアドバイザーを派遣しまして、市町村職員に対する技術的な助言を行っております。併せまして、森林整備を行う林業従事者の技術の向上を図るため、高性能林業機械を活用した伐採作業や作業道の整備方法などを学ぶ技術研修を実施しております。 320 ◯高橋雅成委員 今の森林環境譲与税の分配方法に問題があるという指摘もあるわけですけれども、全国の市町村では活用されていない譲与税が四三%に上っています。本県の市町村での活用状況についてはどうか、お伺いいたします。 321 ◯真井林業振興課長 県内全ての市町村に対しまして、令和元年度から三年度までの三年間で約十九億円が譲与されまして、このうち間伐などの森林整備や公共施設の木造木質化などに約十四億円が活用されています。その執行率は七三%と、全国市町村合計の執行率五三%に比べて二〇ポイント高い状況であります。 322 ◯高橋雅成委員 それでは、本県の森林環境税と国の森林環境譲与税とのすみ分けにつきまして、どう対処されているのか、お答えください。 323 ◯真井林業振興課長 県の環境税につきましては、森林の有する公益的機能を回復させることを目的に、荒廃した森林の再生などを図る取組を実施しております。具体的には、おおむね十五年以上手入れがなされておらず、今後荒廃のおそれがある森林を現地調査により特定した上で、強度間伐などを実施しております。  一方、国の譲与税につきましては、温室効果ガス排出削減目標達成に向けた森林吸収源対策を進めることを目的とされておりまして、本県では、県の環境税の対象とならない森林の整備に限定しております。このほか、県の環境税では実施できない公共施設の木造木質化などに活用しております。 324 ◯高橋雅成委員 あした、三月十一日で東日本大震災から十二年でございます。今朝のNHKを見ておりましたら、東日本大震災で被害を受けたカキの漁師さんが、その後林業家になって自伐林家の育成に取り組んでいるという特集みたいなことをやっておりました。その中で、森が枯れるとき海が枯れるんだという話が大変印象的な言葉として残っています。森林環境を守ることは非常に大事だと、そういう意味でも思います。  県の森林環境税は、目的財源として県民から徴収している税です。無駄のないようにしていただきたいと思います。  国の森林環境税も、これからですけれども、個人住民税に千円を上乗せして徴収する予定だと聞いております。一方で、森林のCO2吸収量は、今、減少傾向にあります。その背景に森林の高齢化がある。高齢になった樹木は、光合成が鈍化し、呼吸で放出するCO2の量が吸収量を上回るそうです。伐採適齢期を逃さないこと、若い木を植えることを繰り返しながら人工林を管理することが必要だということです。そういう意味では、国の森林環境譲与税、県の森林環境税とも、税を活用して目指すべき森林の姿は一致しているとも言えると思います。  県の森林環境税、国からの森林環境譲与税の適正な活用に向けて、重吉部長の決意を最後にお伺いします。 325 ◯冨田徳二副委員長 重吉農林水産部長。 326 ◯重吉農林水産部長 森林の有する公益的機能を持続的に発揮させるためには、切って、使って、植えるといった森林資源の循環利用を進めることが重要でございます。このため県では、利用期を迎えました森林の世代サイクルの回復を図るために、主伐やその後の再造林を積極的に進めるとともに、国の譲与税も活用し、間伐による森林の適切な管理を図っているところでございます。  一方で、急傾斜で道路から遠いなど、林業経営が成り立たない荒廃森林につきましては、県の環境税を活用しまして間伐率を通常よりも高く設定した強度間伐を実施しております。こうした取組によりまして森林の管理が省力化でき、公益的機能が持続的に発揮できる針葉樹と広葉樹が混在する森林へ誘導しております。  県としましては、それぞれの税の趣旨を踏まえまして、市町村と連携し、健全な森林づくりに向けまして国と県の二つの税を効果的に活用してまいります。 327 ◯高橋雅成委員 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手) 328 ◯冨田徳二副委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 329 ◯冨田徳二副委員長 ないようですので、以上で第六款農林水産業費に関する質疑を終わります。  以上で本日の議事を終了いたします。  なお、来週十三日月曜日の委員会は、午前十一時に開き、歳出第七款商工費及び第八款県土整備費の審査を行う予定でありますので、よろしくお願いいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午 後 四 時 二 十 一 分 散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...