福岡県議会 > 2022-12-08 >
令和4年12月定例会(第8日) 本文
令和4年12月定例会(第8日) 名簿

  • "経口治療薬"(/)
ツイート シェア
  1. 福岡県議会 2022-12-08
    令和4年12月定例会(第8日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(桐明 和久君) ただいまから本日の会議を開きます。  日程に従い代表質問を行います。順次発言を許可いたします。栗原悠次君。(拍手) *栗原議員質問 2 ◯三番(栗原 悠次君)登壇 「冬晴れやサムライブルーの空高し」  「冬晴れやサムライブルーの空高し」  皆様、こんにちは。食と緑を守る緑友会福岡県議団の栗原悠次でございます。今回、代表質問の機会を与えていただきました、御指導いただいております井上忠敏会長をはじめ諸先輩方、常日頃からお支えいただいております後援会、支援団体はじめ地域の皆様に厚くお礼を申し上げます。サッカー日本代表のように果敢に攻めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。  まず冒頭、先月、福岡市で開催されましたアジア獣医師会連合(FAVA)大会の御成功と、藏内勇夫日本獣医師会会長FAVA会長への御就任を心からお喜び申し上げます。  食と緑を守る我が会派緑友会といたしましても、県政におけるワンヘルス推進に一層団結して取り組んでまいりたいと思っております。  それでは質問に入ります。  まず、本県における過疎対策についてお尋ねいたします。福岡県は、商業圏、工業圏、農業圏がバランスよく存在する全国でも恵まれた県であります。アジアの玄関口でもあり、物流や観光の拠点でもあります。チーム福岡として、県内の各市町村が地域資源を生かし、高いポテンシャルを発揮していくことが福岡県の発展に寄与すると考えます。知事は、昨年の知事選で、県内六十市町村、多くの地域に足を運ばれました。当選後の所信表明で、県民の皆さん、市町村の皆さんといろいろな話をさせていただき、新しい絆が生まれたと述べられています。  私の地元八女市の面積は四百八十二平方キロメートルで、北九州市に次ぐ広大な面積を有しております。選挙区は八女市・八女郡ですので、八女郡広川町の三十八平方キロメートルを加えると、北九州市よりも広い面積になります。広大であるからこそ、地域の抱える課題が多くあります。八女市は、平成十八年に八女市と上陽町が先行合併し、その後平成二十二年に黒木町、立花町、星野村、矢部村が合併いたしました。平成二十二年の合併時の人口は七万一千人でありました。令和二年の国勢調査では六万人で、この間、約一万人以上の人口が減っていることになります。地域によっては、限界集落どころか消滅集落も現れている現状です。集落維持への対策が急務であります。  そこで知事に、過疎地域の人口減少の歯止めに向けてどのような対策をお考えであるのか、御所見をお伺いいたします。  次に、過疎地域の公共交通についてお尋ねいたします。地域公共交通は通学、買物、通勤、通院などの日常生活に欠くことのできない移動手段ですが、谷あいの山深い集落も多い八女市郡には、JRなど鉄道の駅はなく、路線バスがあるのみです。誰もが住み慣れた地域で暮らすためには、これらを維持確保していかなければなりません。また、高齢者においては、運転能力の低下などの観点から、運転免許証の自主返納が望ましい場合もあります。しかし、公共交通の乏しい山間部では、一人暮らしで運転してくれる同居家族がおらず、病院に通院できなくなる等の理由から運転免許を返納したくても返納できないという声が聞こえてまいります。その一方で、人口減少に伴う利用者の減少に加え、運転手不足、新型コロナウイルス感染症の影響により、地域公共交通は大変厳しい状況にあることも事実であります。  こうした中、市町村は地域住民の移動を支えるため、バス事業者への赤字補填やコミュニティーバスを運行するなど、苦心しながら地域公共交通の維持確保に取り組んでおります。地域の交通を取り巻く環境がますます厳しくなると予想される中、地域公共交通の維持確保のため、県としてどのような取組を行っているのか、また今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、過疎地域における雇用情勢と移住、定住者への就業と就職支援についてお尋ねいたします。令和四年二月定例会の我が会派の代表質問で、過疎地域への移住者の目標値及び市町村と連携した新たな支援についてお尋ねいたしました。知事は、県外からの移住者の目標値を、令和八年度までの五年間で五千世帯としておりまして、そのうち過疎市町村へは二千三百世帯を見込んでいると答弁されました。  そこでお尋ねいたします。まず、過疎地域における失業率、雇用情勢はどのようになっており、そのことについての知事の認識をお聞かせください。併せて、県が見込んでいる過疎市町村への二千三百世帯の方々はどのような就業先を希望しておられるとお考えで、どのような就業支援を考えておられるのかお尋ねいたします。  次に、災害時の電源確保についてお伺いいたします。八女市は、平成二十四年に黒木町と星野村を中心に甚大な豪雨災害を経験しております。そのときに住民の皆様から多く聞かれたことは、停電した場合の対策であります。一日、二日ならともかく、停電が数日以上に及ぶと、日常生活だけでなく行政、医療、福祉、教育など様々な場面に影響が生じます。  そこで質問です。本県では、災害時の電源確保についてどのような対策をされているのかお尋ねいたします。  次に、海外県人会との交流についてお伺いいたします。十一月十六日、ペルーのリマにおいて、第十一回海外福岡県人会世界大会が開催されました。今回の大会には、服部誠太郎知事桐明和久県議会議長藏内勇夫九州の自立を考える会会長などで構成される福岡県訪問団が参加され、現地で南米を中心とした移住県人会の皆様と大いに意見交換がなされたとお聞きしております。海外福岡県人会世界大会は、平成四年にアメリカのロサンゼルスで開催されて以来、三年ごとの開催であります。こうした移住県人会との交流も年数が経過するにつれ、二世、三世の世代は日本語のコミュニケーションがだんだんと難しくなるなど課題もあります。しかし、幾多の苦難の末、移住先の国において確固たる地位を確立された福岡県人の方々との交流は、そのルーツである私たち福岡県民の誇りであり、身近な国際交流の第一歩ではないでしょうか。そこで以下、お伺いいたします。  まず、海外福岡県人会世界大会に参加されて、福岡県出身の移民の方々とお会いされた服部知事の率直な御感想をお伺いいたします。
     次に、今回の世界大会で議論された課題と、それに対する取組と今後の展開についてお伺いいたします。  時代の経過とともに、福岡県から海外へ移住されたという事実を知らない県民も多数であると思います。例えば、ハワイには福岡県にルーツを持つ三偉人がおられます。八女市のダニエル・イノウエ元連邦上院議員、豊前市のジョージ・アリヨシ元ハワイ州知事、うきは市のエリソン・オニヅカ元宇宙飛行士であります。  そこで、県民や学校現場において、海外移住の歴史や現在までの歩みを広く県民にお知らせする機会が必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、今後さらなる発展が期待できる女子スポーツについて伺います。女子スポーツは、近年目覚ましい発展を見せております。ワールドカップで大いに盛り上がった女子サッカー、オリンピックで金メダルに輝いた女子ソフトボールなど、コンテンツとしても十分魅力的で、他のプロスポーツ同様、ビジネス的にも勝機のある分野です。女子サッカー通称WEリーグで全国十一チーム、女子ソフト通称JDリーグで東西地区八チームずつの全十六チームとなっています。  この中で唯一、九州に本拠地を置くのが、女子ソフトタカギ北九州ウォーターウェーブです。このチームは、北九州市に所在する浄水器等の製造販売メーカータカギのチームであり、地域密着型の取組を行っており、地元を盛り上げていってほしいと願っております。もっとも、女子ソフトのJDリーグは今年発足したばかりであり、知名度も含めてまだまだこれからです。今後の取組が重要になってきます。地元、地域の応援、支援、息の長い活動が必要です。  そこで伺います。まず、女性アスリートに対し、県としてこれまでどのような支援、取組をしてきたのでしょうか、お答えください。  女子スポーツトップチームは、先ほど御紹介したタカギのほかにもサッカーの福岡J・アンクラスやラグビーのナナイロプリズムなど県内に多くあります。このようなチームで女性アスリートが活躍することにより、子供たちが憧れと夢を抱き、目標とする選手に近づこうと努力することで、より一層スポーツを好きになることが期待されます。また、成人女性のスポーツ実施率が低いことから、スポーツを始めようとするきっかけになるということも期待できるものであると思います。  このように県内を拠点とする魅力ある女子スポーツトップチームを支援するため、県としてこれまでどのような取組を行ってこられたのでしょうか、また今後どのように支援していくのか、お聞かせください。  次に、訪問看護についてお尋ねいたします。団塊の世代が全て七十五歳以上となる二〇二五年以降は、さらに超高齢化社会が進み、国民の医療や介護の需要が急増することが見込まれており、医療費は一層増えると予想されております。しかし、その一方で医療体制や社会保障を支える財源は限られているため、本当に必要な場合にのみ入院治療を行うことが求められていることから、国は医療を提供する現場を病院から在宅へ、在宅医療を推進するという方針を示しました。重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を目指しています。  今後、認知症の高齢者の増加が見込まれることから、地域での生活を支えるためにも、システムの構築が重要と考えられています。このシステムにおいて、訪問看護に従事する看護師は重要な役割を担っています。しかしながら、訪問看護ステーションの数はまだ不足しているとも言われています。  国も在宅を推奨している、病院から在宅にという流れの中において訪問看護師の確保は重要と考えますが、県としての訪問看護師の確保のため、どのような対策を講じているのかお答えください。  次に、新型コロナ流行の第八波についてお尋ねいたします。この冬には新型コロナウイルス感染症季節性インフルエンザの同時流行が懸念されています。国は、この冬の感染拡大の想定を、コロナ第八波については、第七波で最も感染状況が悪化した沖縄県の感染状況と同規模、インフルエンザについては、過去五年で最も多かった二〇一八年から二〇一九年のシーズンの感染状況と同規模になると想定して、コロナの患者が一日四十五万人、インフルエンザの患者が一日三十万人規模で同時に流行し、ピーク時には一日七十五万人の患者が生じる可能性があるとしています。その上で、都道府県に対し、患者の重症化リスクに応じた外来受診の体制の強化の対策を求めています。  そこで、まず新型コロナ第八波での同時流行への対策についてお答えください。  また、同時流行の発生をできるだけ抑えるには、多くの方にワクチンを接種していただくことが必要であり、国は現在の流行の主流であるオミクロン株対応ワクチンについて、年内の接種を呼びかけているところです。現在のオミクロン株対応ワクチンの接種率と今後の取組についてお答えください。  次に、県民の健康寿命の延伸について伺います。厚生労働省の報告によると、令和元年における福岡県の健康寿命は、男性が七十二・二二年で全国三十八位、女性が七十五・一九年で全国三十三位であり、平成二十八年と比べ、男性は〇・七三年、女性は〇・五三年延びてはいるものの、男女いずれも全国平均を下回っております。また、県が平成二十八年に実施した県民健康づくり調査によると、県内の運動習慣がある六十五歳以上の高齢者の割合は男性で四一%、女性で四六・三%であり、いずれも半数を下回っております。  県では、健康寿命の延伸を目指し、県民一人一人が検診の受診や食生活の改善等具体的な健康づくりに取り組むふくおか健康づくり県民運動を推進されており、その取組の柱の一つに運動習慣の定着を掲げられています。県民の健康を維持向上し、健康寿命を高めるためには、運動習慣を定着させることが大切です。そのためには、高齢者をはじめとする県民が、有酸素運動を気軽に楽しくできる環境、そして周知が必要です。健康に暮らすことが本人も、家族にとっても幸せです。さらに高齢者の医療費削減にも結びつくと考えます。  そこで、運動習慣の定着に向けた、スロージョギング等の有酸素運動の普及に係る取組の現状をお示しいただくとともに、今後の対応について知事の考えを伺います。  次に、児童相談所の一時保護所と子供の権利擁護についてお尋ねいたします。虐待をいち早く発見し、子供の安全を確保するためには、身近な場所で子供に接する市町村や学校、医療機関等の関係機関と児童相談所が連携していくことは必要不可欠です。そうした連携の中でも、児童相談所は子供の命と安全を守る最後のとりでであり、専門中核機関として、その役割をしっかり果たしていく必要があります。  そこで知事に伺います。虐待が疑われる子供をちゅうちょなく保護し、寄り添い、適切にケアする児童相談所の機能がきちんと働くためには、一時保護所の受入れ体制が整っている必要があります。現在、県の一時保護所の定員は十分に足りているのか、その現状をお聞かせください。  また、今年六月、児童福祉法が改正され、子供の権利擁護を図るため、令和六年四月から、子供を一時保護するときや解除するとき、また児童養護施設等へ入所を決定するときなど、子供の処遇を決定する際は子供の意見を聴取することが義務づけられました。こうした処遇の決定は、子供の最善の利益を守るために行われるものです。子供の生活や人生に大きな影響を与えるものであり、子供の意見を酌み取りながら決定していく必要があると考えます。  県では、この子供の意見聴取の導入に向け、どのような準備を進めていかれるのか伺います。  次に、保育所における待機児童の対策と保育士の確保について伺います。厚生労働省は、今年四月一日現在の全国の待機児童数を発表しました。報道発表資料によると、全国的に待機児童は大きく減少し、昨年度より二千六百九十人少ない二千九百四十四人となっております。本県においても、政令市を含む保育所等の待機児童は約百人となっており、本県においても昨年度から大きく減少しております。  そこで、まず待機児童が大きく減少した要因及び待機児童ゼロへの目標に向け、県がこれまで取り組んできた施策についてお答えください。  本県の児童が保育所に通えないといったことがないよう、待機児童対策は引き続き実施していく必要がありますが、一方で特に地方部において、児童の減少のほか様々な理由により定員まで受け入れていない、いわゆる定員割れをしている保育所もあると聞きます。また、知り合いの保育所の職員からも、保育士の求人をかけてもなかなか応募がなく、運営が難しいといった話も聞いています。  そこで知事に伺います。在宅勤務といった新型コロナウイルス等の影響もあるかもしれませんが、今年度、定員割れをしている保育所は、県所管においてどのくらいあったのでしょうか。また、そのうち保育士が不足することにより定員まで受け入れられなかった保育所はどれくらいあったのかについてお尋ねいたします。  今後とも、少子化の大きな流れは続いていくものと考えられます。このままでは、保育士を目指す若者も年々減っていくのではないか心配です。また、少子化の流れを食い止めるためには、子供を安心して産み育てることができる保育所の充実も大変重要です。  そこで知事にお尋ねいたします。保育士が不足することで待機児童となるということがないよう対策が必要だと考えます。今後、保育士確保に県としてどう取り組んでいくのかお答えください。  次に、太陽光発電、特にメガソーラーに関する問題について伺います。国は、二〇五〇年脱炭素社会の実現に向け再生可能エネルギー導入を推進しており、近年特に急速に太陽光発電が拡大しております。グリーンエネルギーと言われる一方で、太陽光発電、特にメガソーラーは、緑豊かな森林を伐採し、従来の日本ののどかな風景を一変させてしまいました。多くの森林を伐採し、泥水を清流に流し、近隣住民とのトラブルを引き起こす事例が報告される中で、このような手法が本当に地球に優しいエネルギー開発と言えるのか、都会と地方、理想と現実、理念とビジネス、様々なずれを感じ、食と緑を守るをスローガンとする我々緑友会福岡県議団として、疑問を抱かざるを得ません。  このような中、宮城県は先般、太陽光発電施設の設置等に関する条例を制定し、本年十月に施行されました。この条例は、さきに述べた太陽光発電にまつわる問題点を踏まえ、太陽光発電施設の適切な設置、維持管理を定め、地域と共生する太陽光発電の実現を目指しています。具体的には、出力五十キロワット以上の太陽光発電施設を対象に、地域住民への情報の提供、土砂災害発生のおそれが高い区域への設置の禁止、施設撤去の日まで損害保険、地震保険に加入すること、維持管理計画の作成、公表等が求められております。さらに、宮城県の村井知事は九月定例議会で、森林区域に発電施設を立地する事業者に課税する条例の制定を目指す方針を表明しました。課税により、森林以外の適地に政策誘導するもくろみとのことです。  まさに本県においても、宮城県同様の問題は生じているわけですが、紹介した宮城県同様、太陽光発電施設の規制に関する条例を制定する都道府県は全国で六県となっております。県内自治体では直方市が制定しているとのことです。本県としても、地域と共生する太陽光発電を実現するため、条例制定も含め、取り組むべき喫緊の課題であります。  そこで伺います。近年、条例等による規制が進む太陽光発電施設の設置について、本県としてどう受け止めているのか、その上で、地域と共生する太陽光発電を実現するため、どのように対応していくのか、御所見をお伺いいたします。  次に、インバウンド回復期における観光振興についてお尋ねいたします。新型コロナウイルス感染症は、感染が終息したとは言えませんが、感染者に対する死亡や重症化する割合が低くなっており、人々の移動制限も緩和されました。我が国における水際対策についても十月十一日から、個人旅行の解禁、入国者総数の上限撤廃など大幅に緩和されたところです。現在、国際線が就航している福岡空港に加え、一月からは北九州空港においても台湾との間で国際チャーター便が運航される予定となっております。旅客船では十一月四日に高速船クイーンビートルが博多─釜山を結ぶ定期便を再開し、また同日に国内クルーズ船が博多港に寄港しました。今後、国際クルーズ船の就航も想定されます。また、昨今の円安は、国内物価の上昇を招き人々の生活に大きな影響を与えている状況ですが、海外の方々にとっては円安は日本訪問にメリットをもたらします。日本は世界の国々の中にあって訪問したい国の上位に位置しています。  そこでお聞きします。円安がもたらすインバウンドの増加について、知事はどのような見解を持ち、またインバウンドの回復期における需要を獲得するため、どのようなプロモーションを行っていくのかお示しください。  コロナ禍で実施された海外との往来の制限は、インバウンドの急激な減少を招き、観光客を相手とする宿泊事業者へ大きな経済的打撃をもたらしました。日本国内での人々の移動制限の解除に加え、海外からのインバウンドの増加はコロナで疲弊した観光地においては、対応の難しさがあるのではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。宿泊施設において、今後増加が見込まれるインバウンドに対応できるよう、インバウンド受入れ体制を強化する必要があると考えますが、県としてはどのような対策を展開しているのかお尋ねいたします。  インバウンド需要を確実に本県に取り込む施策を実施していくことで、国内観光の増加を図ることも重要となります。本県では、国の全国旅行支援を活用して、十月十一日から全国からの旅行者の旅行費用を助成する新たな福岡の避密の旅観光キャンペーンが実施されております。これにより、国内観光客の来訪が増加しているものと期待しています。本県を訪れる国内観光客をさらに増加させ、リピーターの増加を図っていくためには、福岡県の観光の魅力を向上させる取組を強化することが必要であると考えます。また、そうすることで、令和六年の福岡・大分デスティネーションキャンペーンという一大キャンペーンに向け、新たな観光資源を提供することができるようになると考えます。  そこで質問します。旅行助成による需要喚起に加え、地域の魅力をさらに高めていく必要があると思いますが、知事のお考えをお示しください。  次に、インボイス制度についてお伺いいたします。インボイス制度とは、消費税における適格請求書等保存方式のことをいいます。消費税は、事業者が消費者等から預かった消費税から、事業者自身が仕入れ等により支払った消費税を差し引いて納付する仕組みになっています。インボイス制度では、取引内容や消費税額など所定の記載要件が記載された請求書を保存することによってのみ、仕入税額控除が受けられることになります。このインボイス制度は、令和五年度の十月から開始される予定となっていますが、事業者がインボイスを発行するためには適格請求書発行事業者としての事前の登録が必要とされています。令和元年度に政府が軽減税率制度を導入した際は、飲食業を中心に食料品を扱う企業がシステムの変更などを余儀なくされました。インボイス制度は業種を問わず何らかの対処が必要になるので、個人事業主を含む小規模事業者、特に高齢の事業者への対応が懸念されております。  そこでまず、本県におけるインボイス制度の周知はどのように行っているのか、特に個人事業主を含む小規模事業者への取組を伺います。  また、電子化を見据えたシステム整備について伺います。デジタル庁における重要な政策項目の一つとして、企業間取引におけるデジタル化推進が示されています。インボイス制度の導入を契機として、受発注や経理をはじめとする各種業務のデジタル化に取り組む事業者が増えることが予想されますので、デジタル化推進の観点としてはよい機会であると考えます。  そこで、インボイス制度導入に際し、デジタル化を推進する上で本県としての支援をどのようにお考えであるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、農政問題について伺います。  まず初めに、今年、本格販売開始から二十年を迎えるイチゴあまおうについて質問いたします。本県の令和二年の農業産出額一千九百七十七億円のうち、イチゴは二百三十一億円と、米に次いで二番目の産出額を誇ります。福岡県の有明のりの生産額が約百五十億円ですので、その大きさが分かります。本県でイチゴといえば、言わずとも知れたあまおうであり、そのあまおうは十八年連続で単価日本一となるなど園芸農業の柱となっており、本県で最も重要な品目であると言っても過言ではありません。  本県におけるイチゴの歴史をひもといてみると、一九二〇年代後半に栽培が始まり、一九八〇年代に国が育成したとよのかが導入されたことをきっかけに、県内各地で産地が拡大いたしました。その結果、県産イチゴのシェア拡大と併せるように評価も全国的に高まり、東の女峰、西のとよのかと言われたように、本県は栃木県と並ぶイチゴの二大産地の一つとして成長してきたわけであります。しかし、福岡県を全国区のイチゴ産地に押し上げたとよのかは、果実の赤い色が薄く、外観が劣るという品種上の弱点がありました。こうしたことから、イチゴ農家の要望を受け、当時の県の農業総合試験場は、赤く色づき、おいしくて、さらに果実が大きい新品種を目指して育成に取りかかったのが、あまおう開発の始まりであります。こうして育成されたあまおうは、今年、本格販売から二十年の節目を迎え、十月には生産者をはじめJAなど関係者が一堂に会した記念大会が開催され、今後の生産振興に向け、参加者一同、決意を新たにされております。  二十年もの長きにわたって、イチゴのトップブランドとして第一線を走り続けてこられたのは、あまおうが消費者から高く評価され続けるすばらしい品種であったことはもちろん、生産者が一致団結して品種を更新したこと、安定して良質のイチゴを供給してきたことによるものであります。このために、品種を育成した県農業総合試験場の職員や、品種を更新し、手探りの中で生産に努力された生産者やJAをはじめ、全ての関係者の皆様が大変な苦労を払われたことは想像するに難くありません。  そこで、これまでのあまおうに関わる二十年の取組を総括する意味で、あまおうをどのように評価し、今後どのように振興するおつもりなのか、知事に伺います。  次に、八女茶の振興についてお伺いいたします。聞くところによりますと、服部知事の奥様は茶道の先生で、知事もお茶を、特に八女茶を愛飲してくださっているとのこと。茶農家の一人として厚くお礼を申し上げます。  本県は、イチゴあまおうに加え、数多くのブランド農産物があります。私の地元の八女地域も、高級茶として知られる八女茶や電照菊等の主要産地として知られています。しかし、こうした品目も、高齢化や生活様式の変化に伴う需要の減少により、産地は縮小傾向にあります。  私は、昨年六月の一般質問において、コロナ禍における八女茶の振興策について知事に質問いたしましたところ、知事からは、生産の維持に向けた機械施設の整備や高級茶としてのブランド確立のためPRを行っていくとの答弁をいただきました。私はその際、八女茶を、日本を代表するブランド茶として振興していただくように知事に要望しておりました。また令和五年が八女茶にとって節目の年となりますので、改めて八女茶について質問したいと思っております。  来年は、お茶に関する我が国最大のイベントである全国お茶まつりが、平成十七年以来十八年ぶりに本県で開催されることとなっています。今年の京都大会では、まつりの一環として開催された全国茶品評会において、八女市が全八部門中、玉露、煎茶の二つの部門で産地賞を受賞しました。全国の数ある茶産地の中で複数の部門を受賞したのは本県八女市のみであり、高級茶の産地として改めて名声を博したものと考えております。来年、大会を開催する県の茶農家としては、京都大会以上の品評会での上位入賞に向け、さらなる技術の研さんに励んでいくこととしています。皆様によい報告ができますよう、産地一丸となって頑張りますので、温かい御声援をよろしくお願いいたします。  さて、時同じくして来年令和五年は、明より栄林周瑞禅師が茶の種を持ち帰り、黒木町笠原の地に茶栽培を伝えてから、ちょうど六百年に当たります。六世紀もの間、先人たちが八女の気候と風土を生かし、今日まで守り続けてきたことは、茶を栽培している農家からしても、また八女地域の住民からしても、本当に誇らしいことであります。この八女茶発祥六百年を契機として、全国に八女茶の生産技術の高さ、品質の高さをさらにPRしていけたらと願うのは、茶農家の一人である私自身だけではないと思います。  そこで知事にお尋ねいたします。来年、八女茶にとって節目の年を迎えるに当たり、八女茶のPRをどのように行っていくのかお答えください。  農政問題の最後に、農産物輸出についてお伺いいたします。国はスマート農林水産業、農林水産物・食品の輸出促進、農林水産業のグリーン化、食料安全保障の強化などの政策を展開しており、輸出促進については、農林水産物・食品の輸出額を、二〇二五年に二兆円、二〇三〇年に五兆円とする目標達成に向け、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略に基づき多様な施策を実施しております。この実行戦略では、日本産に強みがある二十九品目を重点品目として選定しており、本県からはイチゴやかんきつ、柿、八女茶などの品目で、輸出向けの生産を行う産地としてリストに入っております。こうした品目をはじめ、以前から様々な農産物輸出に取り組んできた本県では、二〇二〇年度からコロナ禍に対応するため、海外のバイヤーと県内産地のウェブ商談会を支援するなど新たな取組も進めており、昨年度はJA筑前あさくらの博多万能ねぎのシンガポールやマレーシア、香港などへの定期輸出が実現したとのことです。また、香港やシンガポールなど六つの国と地域の量販店において販売フェアを開催するなど、本県農産物のPRに努め、二〇二一年度の輸出額は四十七億円と過去最高になっております。  このように順調に輸出額は伸びておりますが、輸出をさらに拡大していくためには大きな課題があります。その一つに、輸出先国や地域において品目ごとに設定されている残留農薬の基準や検疫などの規制があります。国は、輸出できる品目を増やすため、規制の緩和や撤廃に向けた二国間交渉を実施しており、昨年十月にはベトナムへの温州ミカンの輸出が解禁されました。しかし、実際にベトナムにミカンを輸出するためには、害虫であるミカンバエが発生していないなどの検疫条件をクリアしなければなりません。本県では、先月、ベトナムへミカンを初めて輸出しておりますが、それに先立ち、産地では春から数か月にわたって害虫の発生状況調査を行い、九月にはベトナム当局による現地確認を受けたとのことです。このように、輸出には手間がかかり、このほかにも継続した取引につなげるための販売促進策なども課題となりますが、産地では国内需要の減少を少しでも補おうと、輸出先の規制に合わせた栽培や出荷に取り組んでおります。  そこでお伺いいたします。このように国ごと、品目ごとに異なる規制や販売促進策といった課題がある中で、知事は本県農産物の輸出拡大に向け、どのように取組を進めていくのかお聞かせください。  最後に、近頃ニュースで頻繁に目にした、子供のマンションからの転落事故を受けて伺います。思い返すのも胸が痛く恐ろしいことなのですが、全国各地のマンションのベランダから子供の転落事故が相次いで報道されました。亡くなったお子様の痛みや恐怖、親御さんの絶望感は想像を絶するものがあります。このような事故を二度と起こしてはならないとの思いで、なすべき対策について端的に提案いたします。  我が会派は、早急な対策が必要である以上、完璧な対策でなくても早期に取り組める現実的な対応をすべきとの観点から、ベランダには落下防止ネット、窓には落下防止柵の設置を提案いたします。具体的には、まず新規着工マンションについては、落下防止ネットや柵を後づけで設置できるためのアダプターやねじ穴を、建築時にマンション壁面に取り付けることを義務化すべきです。これは費用面でも十分可能ですし、不要になった場合には取り外しができるので柔軟な運用ができ、十分現実的と考えます。既存マンションについては、大規模修繕のときなどに義務づける、あるいは推奨をすることで対応すべきではないでしょうか。大規模修繕時でなくても推奨すべきであります。また、県として幼い子供の命を守るためには、これらの措置に対して一定の補助を行うことも検討すべきです。子供の命を守ることは、ちゅうちょすべき問題ではありません。  近年、マンションの高層化が進み、本県でも多くの危険が潜んでいます。ぜひこれは行政が主導して対応すべき問題、それによって危険を減らせる問題です。知事の御所見をお聞かせください。  以上、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 3 ◯議長(桐明 和久君) 服部知事。 *知事答弁 4 ◯知事(服部 誠太郎君)登壇 皆さん、おはようございます。御答弁を申し上げます。  まず、過疎地域の集落維持及び人口減少対策についてでございます。県の過疎地域は、県全体と比べますと人口減少が著しいほか、小規模な集落や高齢化率の高い集落が増える状況にございます。そのような中、過疎地域の集落維持と人口減少に歯止めをかけるためには、産業の振興を図り、雇用、就業の場を創出し、若者の定住につなげますとともに、地域を支える人材の育成を進めていかなければならないと考えております。県では、過疎地域の基幹産業でございます農林水産業におきまして、新たな地域特産品の開発やブランド化、そしてスマート化による生産効率の向上などに力を入れてまいります。また、地場産業の振興を図りますため、後継者の確保や育成、技術開発力の向上、販路拡大等を促進いたします。さらに、産業団地の造成を進めまして、戦略的な企業誘致にも取り組んでまいります。併せまして、域外からの移住、定住を促進いたしますため、移住相談にきめ細かく対応いたしますとともに、移住支援金の対象職種に県独自に農林漁業を追加するなど、その拡充を図っているところでございます。また、市町村や企業とも連携し、地域のテレワーク施設を活用して多様な働き方を促進し、移住、定住につなげてまいります。地域を支える人材を育成するため、地域おこし協力隊員の起業や就業に必要な資格取得等の支援を行いますとともに、集落の維持を図るため、目配り役としての見守りやコミュニティー活動を担う集落支援員の活用を市町村に促してまいります。  次に、過疎地域の公共交通についてお尋ねがございました。県では、八女市の矢部地区と筑後市をつなぐ路線をはじめ複数市町村を運行する広域的、幹線的なバス路線の維持を支援しておりまして、今年度は五十路線の運行経費を助成することといたしております。さらに、バス路線が廃止となった地域の代替移動手段となるコミュニティーバスを導入した市町村に対し、運行経費や車両購入費を助成しております。また、AI等を活用したオンデマンド交通は、予約、配車、ルート設定の自動化による運行の効率化と車両の小型化による運転手不足の解消につながりますため、過疎地域における移動手段としても期待されております。県では、こうした新たなモビリティーサービスを導入する市町村を支援しますため、優良事例を紹介する研修会、システム提供事業者とのマッチング機会の創出、導入費の助成などを行っておりまして、現在、嘉麻市など県内九市町で導入され、さらに福智町及び宇美町でも今年度中の導入が予定されております。加えまして、今年度は九月補正予算により、原油価格高騰の影響を受ける乗合バス、タクシー、地域鉄道事業者に対し、事業継続のための助成を行っております。今後もこれらの取組を推進し、県民の皆様の足とも言える地域公共交通の維持確保を図ってまいります。  過疎地域における雇用情勢についてでございます。県内の過疎関係市町村は二十四団体でございます。過疎地域の完全失業率は、直近の令和二年の国勢調査では五・〇九%でございまして、平成二十七年の六・一七%と比べ一・〇八ポイント低くなっております。また、管轄する地域に過疎地域を多く含みますハローワークの有効求人倍率を見てみますと、令和三年度は一・一〇倍でございまして、平成二十七年度の〇・九八倍よりも〇・一二ポイント高くなっております。一方で、過疎地域では求人数の増加により、有効求人倍率は過疎地域以外の地域と同水準となっておりますが、失業率は〇・五四ポイント高くなっております。こういったことから、過疎地域においては、求人と求職のミスマッチがより深刻な課題となっていると認識をいたしております。  次に、移住者が希望する就業先と県の就職支援についてでございます。今年度実施をいたしました転入者に対するアンケート調査におきましては、移住の前後で就業している業種に大きな変化はなく、多くの方は、移住前と同じ業種を希望する傾向があると思われます。就業先の業種は、医療、福祉、製造業、卸売・小売業、宿泊業、飲食サービス業に従事している方が約半数を占めておりますが、このほかにも建設業、情報通信業、農林漁業等、様々な業種で働いておられます。県では、移住希望者の多様な就業ニーズに対応いたしますため、ふくおかよかとこ移住相談センターにおきまして、市町村や県の年代別、対象別就職支援センター等と連携し、きめ細かな相談支援を行っております。加えまして、県外求職者が参加しやすいウェブ活用型の会社説明会や県外学生向けインターンシップを実施いたしますとともに、就職支援協定を締結しております六十七の大学と連携し、UIJターン就職を促進しております。今後もこのような取組を通じ、過疎地域への移住を希望する皆様の就職を支援してまいります。  災害時の電源確保についてでございます。災害時の電源確保につきましては、九州電力が電気施設等を災害から保護いたしますとともに、速やかに応急復旧を行い、供給機能を維持いたします。県地域防災計画においても、こうした内容を定めております。また、災害時に迅速に電源確保ができますよう、昨年五月、県は九州電力と災害時における停電復旧作業の連携等に関する協定を締結し、災害時には県管理道路での電力設備等の除去や道路啓開作業へ協力すること、平常時から、病院など停電復旧を優先すべき重要施設リストを作成して共有することなど、協力体制を強化したところでございます。  次に、海外県人会との交流につきまして、今回の世界大会に参加した感想についてお尋ねがございました。今回の世界大会は、九か国、九県人会から約百七十名の方が参加し、記念式典、歓迎レセプション、各県人会代表者による会議などが行われまして、私も九州の自立を考える会の藏内会長、桐明議長をはじめ、県議会の皆様方と一緒に参加をさせていただきました。記念式典では、最後に、参加者全員で「ふるさと」を合唱いたしました。初めて顔を合わせた各国の皆さんが、言葉や文化、習慣などの違いを超えて、ふるさと福岡という一点で思いを共有することができたと深く感じ入った次第でございます。  また、歓迎レセプションで、私は全てのテーブルを回るなどして、多くの県人会の皆様と言葉を交わすことができました。その中で、移住されてから百年以上の長きにわたり、多くの苦難を乗り越えてこられた県人会の皆様方の御労苦に触れ、胸が熱くなりました。また大変な御尽力を経て現在の地位を築かれ、それぞれの国の発展に貢献していらっしゃるお姿を拝見し、その御活躍を同じ福岡県人として、心から誇らしく思いました。今回の世界大会に参加し、直接皆さんとお会いしたことで、改めて県人会の皆さんと私たちとの絆を確認できたものと考えております。  世界大会で議論された課題と対応についてでございます。世界大会では、各県人会の代表者による会議におきまして様々な意見が出されました。主に、将来の県人会を担う青少年の育成と、日本語を知らない世代が増える中での、若い世代の日本語学習の充実という課題が挙げられたところでございます。青少年の育成につきましては、県人会の子弟の小学生を福岡に招き、日本文化体験や交流を行う事業や、県内の大学等へ留学生を受け入れる事業が、コロナ禍のために中止や縮小が続きましたため、ぜひ継続してほしいとの要望を多くいただきました。これらの事業に参加した県人会の子弟は、福岡に対する興味やつながりを深め、学んだ知識や体験を生かして、それぞれの国で活躍するとともに、県人会活動を担う人材に育つなど多くの成果を上げておりまして、県といたしましては今後も継続して実施をしてまいります。  日本語学習につきましては、県では一昨年度から新たにオンラインによる日本語教室を実施しており、これまで延べ二百三十九名の各国の子供たちが受講しました。各県人会からは、専門の講師から日本語を学べるほか、各国の子供たちの交流の場にもなっており、大変有意義だという声が寄せられました。県といたしましては、参加対象者を広げるなどしてオンラインでの日本語学習をさらに充実させてまいります。  大会の最後には、以上の取組を進めますとともに、次回の世界大会を令和七年に福岡県で開催するとの決定がうたわれましたペルー宣言が発表をされました。三年後の大会も充実したものとなりますよう、しっかりと準備をしてまいります。  海外移住の歴史などの周知についてでございます。海外県人会は本県の心強い応援団であり、県人会の皆様との絆を一層深めていくためには、広く県民の皆さんに移住の歴史や海外県人会について知っていただくことが重要でございます。このため県では、毎年、各国県人会の方を講師とした青少年向け講演会やハワイ関連イベントにおきまして、県からの海外移住の歴史や県人会の方々の御活躍を紹介しております。また、三年前の福岡での世界大会を契機としまして、移住の歴史などを紹介するパンフレットを作成し、市町村、県内の小中高校に配付いたしますとともに、ホームページにも掲載をしております。  今年十月に、議員言及されました、ハワイのダニエル・イノウエ氏、ジョージ・アリヨシ氏、エリソン・オニヅカ氏の三偉人の御家族が来福されました際には、県国際交流センターにおいて、三氏の偉業とともに移民の歴史を紹介する写真展を開催いたしました。この三偉人がゆかりを持っておられます八女市、豊前市、うきは市の学校におきましては、郷土が生んだ偉人について学ぶ取組や、ハワイ州との交流が行われているところでございます。引き続き、市町村や学校と連携を図りながら、海外移住について知っていただく機会の充実を図ってまいります。  次に、女子スポーツの振興につきまして、女性アスリートに対する支援についてでございます。女性アスリートが抱える悩みには、女性特有の身体的変化に伴い、競技パフォーマンスの維持が難しいということ、また競技を継続する上で経済的な不安があることがございます。このため県では、女性アスリートがウェブサイト上で食事の摂取状況や体調などに関するアンケートに答えることで、摂食障がい、運動性無月経、骨粗鬆症の可能性の有無を判断し、専門的な産婦人科医を紹介するシステムを構築しております。また、競技団体が強化指定した女性アスリートに対しましては、遠征や合宿、用具の購入など、その活動に必要な費用の助成も行っておりまして、これらを通じて女性アスリートが競技を継続できるよう支援に取り組んでおるところでございます。  女子スポーツトップチームに対する支援についてでございます。県内を拠点とするトップチームが地域で長く活動していくためには、チームと県民がつながる場があること、チームの存在が広く認知されること、チームを応援するファンを増やすことが必要でございます。このため、県では市町村のスポーツ担当者会議の場を活用し、プロリーグに参加している女子卓球チームや、参入を目指す女子サッカーチームなどと市町村とのマッチングの機会を設けまして、市町村主催のスポーツイベントへの選手の派遣や、子供向けスポーツ教室の共同開催など、県民とチームとの交流を促しております。また、公益財団法人福岡県スポーツ推進基金のウェブサイトにおきまして、チームの紹介やクラウドファンディングの場の提供、試合動画の配信を行い、チームの魅力発信、認知度向上に取り組んでおります。さらに、県内のトップチームによる地域貢献活動の促進と、県民との交流を通じたファン拡大によるチームの活性化を目的といたしましてコンソーシアムを組織し、既に三つの女子チームに参加をいただいているところでございます。今後、他の女子チームにもこのコンソーシアムへの参加を呼びかけ、参加団体同士が連携して、地域との交流を進めることなどによりまして、チームの存在が広く県民の皆さんに認知され、息の長い活動へとつながっていくよう取り組んでまいります。  次に、訪問看護師の確保についてお尋ねがございました。県では、訪問看護師の確保、質の高い訪問看護の提供を図りますため、福岡県看護協会に委託し、経験年数に応じ、訪問看護師養成講習会を実施しております。具体的には、まず入門研修として、訪問看護に関心がある、または目指しているという看護職員を対象とし、訪問看護が果たす役割や魅力を伝え、就労意欲の向上を図っております。また、新任期研修として、訪問看護に従事して三年未満もしくは従事予定の看護職員を対象に、訪問看護に必要な基本的な知識や技術を習得させ、看護ケアの質の向上を図り、就労定着につなげております。さらに、管理期研修として、訪問看護ステーションの管理者やその候補者を対象とし、管理者に必要な経営管理、人材育成能力を高め、安定的な事業所運営と訪問看護師の確保、定着につなげております。このような取組によりまして、訪問看護ステーションで働く看護職員数は、平成二十八年は千四百二十一人でございましたが、令和二年は三千七十九人と約二倍に増加をしておりまして、引き続き訪問看護師の確保に努めてまいります。  次に、新型コロナインフルエンザの同時流行への対策についてでございます。この同時流行に備えまして、発熱外来の逼迫を回避し、必要な方が適切に医療にアクセスできますよう体制を整える必要がございます。このため、発熱外来を増やしますとともに、新たに休日、夜間に開設する発熱外来やその処方箋を受け付ける調剤薬局に対し協力金を給付いたします。また、同時流行した場合に重症化リスクの高い方の受診機会を確保するため、重症化リスクの低い方を対象とする新型コロナ自宅療養者オンライン診療センターやインフルエンザオンライン診療センターを今後の感染状況に応じ機動的に開設できますよう、現在準備を進めております。さらに、発熱外来における患者からの問合せ等に対する負担の軽減と患者の円滑な受診につなげますため、発熱外来の混雑状況などをスマートフォンで確認できるシステムを新たに構築いたします。こうした取組により、新型コロナインフルエンザの同時流行に対応してまいります。  オミクロン株対応ワクチンの接種率と今後の取組についてでございます。このワクチンは、一、二回目接種が終了した十二歳以上の全ての方を対象に、十月中旬から本格的に接種を開始しております。接種率は、十二月六日時点で対象者の二九・六%となっており、約百十九万人の方が接種を受けられております。県といたしましては、希望する方が年内に接種を受けられますよう、市町村と連携し接種体制を確保するとともに、県のホームページ等により県民の皆様へ周知することで、引き続き接種の促進を図ってまいります。  運動習慣の定着に向けた取組の現状と今後の対応についてお尋ねがございました。スロージョギングやウオーキング、ケアトランポリンなどの有酸素運動の普及につきましては、令和元年度から、普及員の養成や県による体験会の実施、市町村の健康教室の開催経費への助成を行っております。これまで県は、スロージョギングの普及員を五十一名養成し、昨年度からはフォローアップ研修会を実施しております。一方、住民を集めて開催する体験会や健康教室につきましては、コロナの影響により中止とする事例が多く発生しましたため、開催数などは伸び悩んでおる状況でございます。県民の健康づくりには有酸素運動などの運動習慣の定着が重要でございます。今後は感染防止対策と社会経済活動を両立させるという基本的な考えの下、県による体験会を再開いたしますとともに、市町村に対し、健康教室の開催を促してまいります。また、市町村による健康教室の開催を支援いたしますため、スロージョギング普及員のフォローアップ研修会を継続いたしますとともに、市町村が実施する研修への助成を行い、ケアトランポリンのインストラクター養成を進めてまいります。  次に、県の一時保護所の定員についてお尋ねがございました。県では、六か所の児童相談所のうち、京築を除く五か所に一時保護所を設置しておりまして、昨年度は、全体の定員七十六人に対し、一日当たりの平均入所児童数は四十三・九人でございまして、入所率は五七・八%となっております。最も入所率が高かった大牟田の一時保護所では、定員十名に対し、一日当たりの平均入所児童数は六・八人でございまして、入所率は六八・〇%となっております。また、京築児童相談所につきましては、現在、一時保護所を併設した新庁舎の建設を進めておりまして、令和七年一月の完成予定となっております。完成後は、県児童相談所の一時保護所の定員はさらに十人増えることになりまして八十六人となりますことから、一時保護が必要な子供の受入れは十分可能であると考えております。  子供の意見聴取の導入についてお尋ねがございました。今年六月、児童福祉法が改正されまして、県や児童相談所が、子供の一時保護や解除、施設への入所等を決定する際には、県や児童相談所と関係のない第三者を意見聴取者として子供の意見を聴取することとされました。本県では、これに先立ちまして今年四月、福岡県子どもへの虐待を防止し権利を擁護する条例を施行し、子供の意見を聴く機会や、子供が自ら意見を述べる機会を確保することとしております。今後は、意見聴取者が児童相談所を訪問して、対象となる子供の意見を聴取し、その意見を代弁することとなります。このため県では、子供の意見を正確に聴き取るための複数人での聴取に向け、必要な意見聴取者の養成、プライバシーに配慮した聴取場所の確保、また子供の意見が本人の処遇にできる限り反映される仕組みの構築など、必要な準備を進めてまいります。  保育所の待機児童が大きく減少いたしました要因及び県の取組についてお尋ねがございました。本県の待機児童でございますが、平成二十九年度は千二百九十七人とピークでございました。それ以降、減少傾向にございまして、今年度は昨年度と比べて五百二十五人少ない百人となっております。このような待機児童の大きな減少は、市町村の受皿整備等により保育所の受入れ人数が増加したことが大きな要因であると考えております。県といたしましても、これまで保育所等の施設整備に関する支援を実施いたしました。小規模保育事業所等に対する補助金の上乗せを行い、整備促進を図ってまいりました。さらに、市町村にアドバイザーを派遣し、企業型保育事業所の活用など市町村の状況に合わせた効果的な支援を実施してまいりました。このように市町村と協力しながら取り組んできたことが、待機児童の減少に寄与したものと考えております。  定員割れをしている保育所の状況についてでございます。県所管の認可保育所、認定こども園は五百八十二施設ございますが、今年四月一日現在で定員割れをしている施設は三百三十五施設となっており、全体の約五七・六%となっております。このうち、保育士不足を理由として定員まで受け入れることができなかったという施設は三十施設となっております。  保育士確保に関する取組についてでございます。県ではこれまで新規保育士確保策として、保育士修学資金貸付事業や、保育士資格取得支援事業の実施、それから潜在保育士の復帰促進策として、福岡県保育人材総合支援サイトほいく福岡での保育士資格保有者届出制度による登録依頼や、各保育所の求人情報の発信、現役保育士の方の離職防止策として、保育所におけるICTの導入支援など、保育現場の負担軽減に取り組んでまいりました。今年度は、これらに加えまして新たに、合同就職説明会での若手保育士による施設のPRや、養成校を訪問し積極的な参加の呼びかけ、施設の魅力発信のためのSNS活用の支援、また、ほいく福岡に各保育所の特色などの情報を掲載して発信する、こういったことを行ってまいりました。さらに、取組を進めるに当たりまして、養成校とのさらなる連携が重要でありますことから、今後養成校との定期的な会議の開催など連携強化を図ってまいりますほか、保育士・保育所支援センターにおきまして、正規職員のマッチングだけではなく、施設から要望がございます産休代替職員など短期雇用のマッチングも進めてまいります。こういった取組を行うことにより、保育士不足による待機児童が発生することがないよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、環境問題につきまして、太陽光発電施設の設置についてでございます。太陽光発電は、温室効果ガスを排出せず、温暖化対策に有効であり、その設置を進めることは重要でございます。一方で、立地場所や設置の仕方によっては、のり面崩壊や降雨時の濁水発生等により、県民の生活や環境に被害を及ぼすおそれがありますことから、森林などを開発して設置する場合、森林法、砂防法、都市計画法などに基づく許可に当たり、所管する部局が慎重な審査を行っております。また、環境影響評価では五十ヘクタール以上の太陽光発電施設のうち、法律の対象とならない施設につきまして、一昨年度、県の環境影響評価条例の対象に追加いたしました。法律や条例の対象とならない施設は、国が定めたガイドラインに基づき助言することとしております。加えまして、昨年、地球温暖化対策推進法が改正され、市町村は、環境保全に係る国、県の基準を踏まえた上で、太陽光など再エネ発電施設の導入を促す促進区域の設定が可能となりました。このため県では、市町村による区域設定が適切になされるよう、区域から除外すべき、あるいは設定に当たり考慮が必要な土地などを定めた基準を今年度中に策定することといたしております。これらの取組により、地域と共生した太陽光発電施設の設置がなされるよう努めてまいります。  次に、インバウンドの需要獲得についてお尋ねがございました。十月十一日から水際対策が大幅に緩和され、円安効果も相まって、外国人観光客が大きく増加をいたしております。このインバウンド需要を確実に取り込んでいくことは、本県の経済の活性化にとって大変重要でございます。このため、多言語ウェブサイト、ビジット福岡で、八女の抹茶体験など外国人記者による記事や、本県を旅しているように感じられるオンラインツアー動画を配信いたしますとともに、各国において利用の多いSNSを活用し、祭りやグルメなど、その国の嗜好を踏まえた情報を発信しております。また、海外の旅行会社に対し、メタバースを活用したオンライン観光説明会を開催し、旅行商品の造成を促してまいります。併せて、水際対策緩和後には、韓国、台湾、タイなどで開催された旅行博に参加をいたしまして、個人旅行者を対象にプロモーションを実施いたしますとともに、オーストラリアでは、九州各県や九州観光機構と連携した九州観光セミナーを開催し、現地旅行会社に対し、九州周遊の旅行コースを紹介して、商品造成を促したところでございます。さらに、今後拡大が見込まれますインバウンド需要を県内全域に波及させるため、県内周遊ツアーを造成する県内旅行会社に対し、誘客数に応じた助成を行いたいと考えております。こういった取組によりまして、海外からのさらなる誘客を図ってまいります。  宿泊事業者インバウンド受入れ体制強化についてでございます。県では、宿泊施設におけるインバウンド受入れ環境を整備いたしますため、WiFi環境の整備、トイレの洋式化、ユニットバスつき客室の整備、翻訳機器の導入、施設案内やホームページ等の多言語表示といった取組を支援してきたところでございます。また、宿泊施設や観光案内所、飲食店における外国人観光客とのコミュニケーションをサポートするため、二十四時間三百六十五日、二十言語による電話通訳サービス、ふくおかよかとこコールセンターを運営しております。さらに、宿泊施設の感染症対策を外国人観光客に分かりやすく伝えるため、各施設の取組に合ったピクトグラムをダウンロードできる専用ウェブサイトを構築し、利用を促してまいります。今後とも、こうした施策を進めることによりまして、インバウンド受入れに取り組む宿泊事業者を支援してまいります。  地域の魅力をさらに高める取組についてでございます。県では、八女・筑後・広川や、筑前玄海など県内六エリアにおきまして、それぞれのエリアのテーマを明確にいたしますとともに、テーマに沿って点在する観光資源をつなぎ合わせた広域観光ルートを設定し、食べる、遊ぶ、泊まるを一体的に楽しめる新たな観光エリアの創出に取り組んでおります。例えば、都市部とは違ったエリアの特色を引き出しますため、伝統工芸が盛んな八女・筑後・広川エリアにおきましては、クラフトをテーマに、八女茶の歴史や入れ方、効能などを学べる八女茶ソムリエスクールや、久留米絣の職人と、江戸時代のエコバッグでありますあずま袋を作る体験、見学施設を持ちます資生堂の工場が新設されました久留米・うきは・朝倉エリアでは、ヘルスビューティーをテーマとして、美容に関心がある層をターゲットに温泉やフルーツ、花などを取り入れた体験など、この土地ならではの魅力に触れていただける体験プログラムの開発を行っております。さらに、令和六年春の福岡・大分デスティネーションキャンペーンに向けまして、国指定名勝庭園の夜間の開館やライトアップなど、特別感のある観光素材の開発を市町村、観光協会、民間事業者と連携して進めております。こうした取組により、旅行者に選ばれる福岡の新たな魅力づくりを進めてまいります。  インボイス制度の周知についてでございます。県では国税局や税務署に協力しまして、国が作成した各種広報資料の県税事務所での配架、掲示や、県ホームページなどの広報媒体を通じ、周知に努めております。また、個人事業主を含む小規模事業者の皆さんに対しましては、県内四地域の地域中小企業支援協議会のネットワークを活用しまして、窓口での相談対応をはじめ、インボイス制度の内容や実務対応などについての講習会の開催、中小企業診断士等の専門家の派遣などによりまして、制度の周知に努めております。さらに、具体的な案件につきましては、個々の事業者の状況に合わせ、協議会の構成員でございます商工会議所、商工会の経営指導員を中心として、きめ細かな支援を行っております。県といたしましては、関係機関と連携しながら、様々な機会を捉えてインボイス制度の周知に努めてまいります。  このインボイス制度の導入を契機とした中小企業のデジタル化支援についてでございます。県では商工会議所、商工会と連携し、インボイス制度に対応した請求書の発行や会計などのシステムを紹介するセミナーを開催いたしますとともに、これらのシステム導入に活用できます国のIT導入補助金についての情報提供を行っております。また、今月の十五、十六日には、福岡商工会議所と連携し、インボイス制度に関連したサービスを提供するIT事業者が多く出展するデジタルエキスポを開催をしまして、インボイス制度導入を目指す中小企業とIT事業者とのマッチングを行うことといたしております。さらに、IT技術の専門知識を持つ相談員を有します福岡県中小企業振興センターのよろず支援拠点におきましては、インボイス制度への対応と併せて、ウェブ受発注システムの導入などの相談にも応じております。今後とも、関係機関と連携し、インボイス制度導入を契機に、中小企業のデジタル化がより一層進むよう、しっかり支援をしてまいります。  あまおうに対する評価と振興についてでございます。イチゴのあまおうは、今年、本格販売から二十周年という記念すべき年を迎えました。これまで十八年連続で販売単価日本一という消費者の皆様方の圧倒的な支持を受けております。現在では、イチゴと言えばあまおうと言われるほどの日本一のブランドになったと認識をしております。このことは、これまで栽培技術の確立に取り組み、徹底した品質管理に努めてこられました生産者の皆様、JA関係者の皆様、また、あまおうの品質を高く評価し、格別にお引き立てをいただきましたマーケットの関係者の皆様のおかげと考えております。県ではこれからも、あまおうを安定的に供給いたしますため、生産に必要なハウスや省力機械の導入を支援するとともに、収穫、出荷調製ロボットの実用化に向けた取組を進めております。また、高品質なあまおうを生産するたくみの技を次世代に伝えますため、新規就農者を対象とし、アイカメラなどの先端機材を活用した指導に取り組んでおります。さらに、今年度は、福岡出身のタレント今田美桜さんを博多あまおう大使に任命し、テレビCMや販売キャンペーンを行いますことで、あまおうファンの輪を広げてまいります。県といたしましては引き続き、生産者、JAグループと一体となって、消費者と市場関係者のニーズに応えられるよう、供給量を確保し、あまおうをイチゴの王様の名にふさわしいブランドとして、その地位をさらに確固たるものとしてまいります。  八女茶の振興についてでございます。県では、福岡の八女茶ロゴマークを作成しまして、JAや茶商工組合の商品、店舗ののぼりに使用していただきますとともに、新聞、テレビ等も活用し、統一的にPRを進めることで、高級茶としての八女茶のブランド確立に取り組んでおります。加えまして、今年度は東京都内において福岡の八女茶プレミアム商談サロンを開催し、首都圏のホテルやレストランのバイヤーを対象に八女茶のPRと販路開拓に取り組みました。また、健康志向の高まりにより、緑茶の需要が伸びております米国への輸出拡大に向け、バイヤーを対象とした八女茶セミナーや商談会を開催いたしましたほか、ニューヨークの茶専門店での販売フェアや、高級レストランにおける八女茶とのペアリング試食会などを実施することといたしております。  来年は八女茶発祥六百年の節目でございます。これに合わせて開催予定をしております全国お茶まつり福岡大会は、生産者の高い技術と品質の高さを誇る八女茶を全国へPRする絶好の機会でございます。このため県では、関係市町、農業団体及び茶商などで構成いたします準備委員会を設置し、効果的なPRの実施に向けて具体的な企画を検討しているところでございます。関係団体と一体となり、この大会を成功裏に導き、福岡の八女茶のさらなるPRにつなげてまいります。  本県農産物の輸出拡大についてお尋ねがございました。県では、国ごとに異なります残留農薬基準や植物検疫に対応いたしますため、輸出に取り組む産地に対し、農薬基準等の規制に関する情報提供や、検疫対象となる病害虫の防除指導などを行っております。具体的に申しますと、JAや生産者に対し、台湾向けのあまおうでは、残留農薬基準に対応するため農薬に替えて害虫の天敵を活用した栽培を行う、米国、タイ向けの柿や米国、ベトナム向けのミカンでは、植物検疫上必要となる生産園地や選果梱包施設の登録、検疫対象となる病害虫の発生状況を踏まえた防除などの指導を行っておるところでございます。加えまして、輸出に取り組む生産者を増やしていくため、米国向け八女茶やミカンでは、残留農薬分析費用を助成いたしますとともに、八女茶につきましては、輸出向け栽培に必要となる農薬等の経費を支援しております。また、輸出先国での販売促進に当たりましては、現地の量販店や高級レストラン等でのフェアの開催、海外バイヤーやシェフの産地への招聘、商談会の実施に加えまして、インフルエンサーを活用した魅力発信などを行っております。先月、ベトナムに初めて輸出しましたミカンにつきましても、九州農産物通商と連携し、現地百貨店等でフェアを開催し、本県ミカンの知名度の向上、販売促進に取り組んでおります。県といたしましては、こうした取組を通じ、本県農産物の輸出拡大を図ってまいります。  最後に、子供のマンションからの転落防止についてでございます。国は、これまでの転落事故を受けまして、その原因調査と再発防止策を示しております。その中におきまして、手すりを高くしても物が置かれることで事故の原因となることや、ベランダは火災時の避難や救出に支障がない造りとなっている必要があるとしまして、窓を開けた部屋やベランダでは子供だけで遊ばせない、ベランダに台になる物を置かないなどのソフト対策が重要であるとしております。このため、このようなソフト対策につきまして、子供の保護者や住宅所有者に対し周知、啓発を行いますとともに、関係団体や都道府県に対し周知、啓発を依頼をしておるところでございます。県といたしましては、国と同様、一律のハード対策よりも、子供の保護者等に対し、ソフト対策の周知、啓発を行うことが重要であると考えております。現在、転落防止に関する注意喚起についてホームページに掲載いたしますとともに、市町村に対し文書による周知を行っておりまして、今後はホームページ以外の広報媒体も活用し、広く周知、啓発を行ってまいります。 5 ◯議長(桐明 和久君) 栗原悠次君。 6 ◯三番(栗原 悠次君)登壇 御答弁ありがとうございました。一点要望させていただきます。  今回の代表質問では、本格販売から二十年を迎えたあまおうについて質問させていただきました。県農林業総合試験場で、全国一の人気を二十年もの間、維持できる品種を開発されたことは、大変すばらしい成果であります。イチゴに限らず、このような取組を、ぜひ他の品目にも広げていただき、あまおうのような他県に負けない誇れる品種を作り出していただくよう要望させていただきます。  「玄界の波穏やかに祈りつつ令和五年の足音を聞く」
     「玄界の波穏やかに祈りつつ令和五年の足音を聞く」  これで、今年最後の緑友会の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 7 ◯議長(桐明 和久君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後一時四十分といたします。           午 後 零 時 三十九分  休 憩           午 後 一 時 四十一分  再 開 8 ◯副議長(井上 博隆君) 再開いたします。  休憩前に引き続き代表質問を行います。発言を許可いたします。大塚勝利君。(拍手) *大塚議員質問 9 ◯六十六番(大塚 勝利君)登壇 公明党の大塚勝利です。会派を代表し、質問します。  初めに、円安、物価高騰対策について伺います。コロナ禍に加え、円安、原油物価高騰の影響で、多くの中小企業が厳しい経営環境にあります。本来であれば、コスト増を適正に価格転嫁することで成長への投資や賃上げの原資を生み出し、消費拡大につなげるという成長と分配の好循環を生み出すところですが、適正な価格交渉、価格転嫁ができていない上に、人手も確保できない事業者が多いのが実情です。全企業の九割以上を占める中小企業の成長こそ、日本経済再生の鍵であり、これまでの効果を検証し、きめ細かい実効性ある施策を実行すべきです。  まず、長期化が懸念される円安、物価高騰の本県経済に与える影響、本県経済の状況をどのように認識しているのか、知事の見解を求めます。  次に、本県の企業倒産の現状と、これに対する知事の認識についてお示しください。  今後、実質無利子、無担保のゼロゼロ融資の返済が本格的に始まりますが、返済が滞れば公費負担が増えるおそれがあり、焦げつきが懸念されます。本県の融資実績、利子補給額をお示しいただくとともに、返済の状況並びに今後の対応についてどのように考えているのか、知事の見解を求めます。  相談業務、資金繰り支援、企業体質改善、事業承継など、県が有する全ての機能を充実、連携を強化するとともに、市町村、商工会議所、商工会などの他の支援機関などとの連携を、今まで以上に強化することが最低限取り組まなければならないことであると考えます。コロナの影響がいまだに色濃く残り、第八波の到来が懸念される現状の中、中小企業を中心とした事業者の皆さんの事業活動継続を支えていくに当たり、知事の決意を伺います。  次に、インバウンドの回復、拡大について伺います。観光関連産業には多くの方が従事し、地方経済を支える重要な役割を果たしています。現在は、新型コロナの水際対策が大幅に緩和され、インバウンドの入国が解禁されました。しかし、観光業界から歓迎の声が聞かれる一方、コロナ禍での観光需要の激減で、深刻な人手不足に陥っています。観光基盤の整備が切実に求められている今、大事なことは、観光地の再生と魅力向上へ、今後も観光産業への計画的、継続的な支援が必要です。  そこで伺います。インバウンド需要増加に対応するため、さらに宿泊施設の改修やDX化などの取組を支援すべきと思いますが、知事の見解をお聞かせください。  二点目は、インバウンド旅行者が安全、安心に旅行できる環境を整備するため、感染症対策に加え、観光地を中心として災害時、急病時の多言語対応の強化等に関する取組、支援をしてはいかがでしょうか、お答えください。  三点目は、インバウンドの多様なニーズに対応するため、文化観光体験、アート市場の活性化、スポーツツーリズム、農泊、酒造りツーリズム等、今後も民間活力を導入し、楽しめて体験できる観光まちづくりを市町村と連携し推進してはいかがでしょうか、お答えください。  四点目は、国際クルーズ船再開について伺います。国際クルーズ船の運航は、新型コロナ感染症拡大の影響により、二〇二〇年三月以降停止されていましたが、国は、先月国際クルーズの受入れ再開を発表しました。今回の国の決定は、本県へのインバウンド増加につながるものと期待していますが、国際クルーズ再開に当たっては、感染症対策の徹底など県民の皆様が安心してクルーズ船を受け入れられるよう準備が必要と思いますが、知事のお考えをお聞かせください。  次に、クルーズ客の県内周遊促進について伺います。コロナ前のクルーズの大半は中国クルーズでしたが、現状中国はゼロコロナ政策を維持していることから、中国クルーズ観光客の増加は見通しが立ちません。しかし、新聞発表によれば、来年三月以降に外国船社のクルーズが国内に寄港する計画は百六十六本、そのうち七割が九州ということです。中国クルーズ観光客は、太宰府や舞鶴公園、福岡タワーを巡り、免税店で買物をするというのが定番でしたが、新たなクルーズの乗客には、寄港地の自治体だけではなく県内各地域への周遊につながる取組が必要ではないでしょうか。知事のお考えをお聞かせください。  この項の最後に、北九州空港の利活用について伺います。北九州空港の二〇一八年度利用者数は約百七十九万人が利用され、インバウンドの増加により過去最高を記録しました。二十四時間空港の利点を生かした北九州空港は、福岡空港の代替機能を果たすことで、さらに成長が可能となります。  そこで伺います。常に過密状態の福岡空港から北九州空港へ、国際線利用を一定数移す考えはないのか、知事の見解をお聞きします。  次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。政府の専門家の多くは、新型コロナウイルスの感染第八波は、第七波より多くなると指摘しています。対策の鍵は、人々の行動や変異株など不確定要素がある中で、目標を立てて進めることができ、結果が期待できるワクチン接種です。感染防止対策に万全を期すとともに、また経済活動との両立を図るためにも、オミクロン株対応のワクチン接種を促進することが重要です。  そこで質問です。オミクロン株対応ワクチン接種の有効性や安全性について、BA・1対応型ワクチンと、新たなBA・4、5対応型ワクチンとの違い、インフルエンザワクチンとの接種間隔について、県民に分かりやすく説明してください。  インフルエンザ新型コロナウイルスの同時流行時に発熱があった場合、どのように受診をすればいいのか、県民に事前に周知しておくことが重要です。どのような受診の流れになるのかお示しください。  厚生労働省は、医療現場が待ち望んでいたとされる塩野義製薬が開発した国産初の新型コロナウイルスの飲み薬ゾコーバを緊急承認しました。これまでの飲み薬は重症化リスクのある人に限られていたため、持病のない若い世代は解熱鎮痛剤などの対症療法が中心でしたが、軽症の段階から服用できるのが特徴で、治療の選択肢が増え、期待されるところです。  そこで質問です。感染拡大時に、国は発熱外来の受診について、高齢者や基礎疾患のある患者等を優先し、それ以外は自宅療養を原則としています。感染拡大時の自宅療養者に対して、ゾコーバはどのように供給されるのか、また現時点におけるゾコーバの供給状況と今後の見込みについてお示しください。  次に、施設整備と景観に関して実施した調査結果を基に質問します。公明党福岡県議団では、施設整備と景観を中心に、県民の地域、都市環境に関する意識、評価、要望を聞き、今後の施策の指針を得るために、二〇二二年十月十二日から十八日に、福岡県及び熊本市、広島市、神戸市、大阪市、京都市、名古屋市、横浜市、東京二十三区、仙台市、札幌市に居住する二十歳から六十九歳の男女六千五百九十九人を対象にインターネット調査を実施しました。  まず、二十五の施設について、その施設の主な機能や役割以外に、今後拡充整備を望む役割や機能を複数回答で聞きました。耐震化の強化は、マンションが四五・七%で最も高く、次いで高速道路、都市高速四四・二%、役所の庁舎三七・四%、スタジアム、アリーナ、体育館三七・二%、つり橋などの大規模な橋、小中規模の橋がいずれも三七・〇%となっており、大規模な施設やインフラの耐震性についての要望が多くなっています。  災害発生時の避難場所としての役割は、スタジアム、アリーナ、体育館が四六・〇%で最も高く、次いで公民館四三・九%、役所の庁舎四〇・一%、小中学校三八・六%、高校三四・八%などの公的な大規模施設が続き、次いで大型商業施設三三・七%が挙げられています。災害発生時の避難場所としての役割で挙げられた施設のうち、スタジアム、アリーナ、体育館、公民館、役所の庁舎、小中学校、高校など公共的な施設は、既に避難場所として指定されていると思いますが、スコアが三三・七%であった大型商業施設、二二・九%のオフィスビルなど、民間施設は強靱な大型施設であり、災害時の避難場所のハードウエアとして有効に活用できると考えます。特に、近年増加した郊外型のショッピングモールは、近隣地域で最も大型の建物の一つであり、大きな空間も有しています。また、避難場所としての収容力や、食料品、日用品、衣類、医薬品などの商品の備蓄、駐車場もあり、地域での認知度も高く、避難拠点として優れた機能を有しています。事実、東日本大震災で甚大な被害を受けた石巻市で、ショッピングセンターが多くの避難住民の命を救ったことは語り継がれています。  柔軟な発想で官民の連携が求められますが、民間施設を避難場所として活用することについて、知事の見解を求めます。  次に、スコアが三八・六%で四番目に高かった小中学校、三四・八%で五番目の高校を含め、公立学校について教育長にお尋ねします。例えば、平日日中の災害発生時に、公立学校は近隣住民だけでなく、帰宅困難となれば当該学校の教職員と生徒の避難場所にもなります。これまでの大規模災害の経験を踏まえれば、発災直後には被害状況の把握に追われ、ライフラインの寸断等により、市町村の防災担当部局が直ちに避難所運営の体制を整えることが困難であり、発災から一定期間は学校の教職員が避難所運営の協力を可能な限り行わざるを得ないことが予想されます。避難所運営は市町村の防災担当部局が責任を負うものですが、学校が避難所となった場合の運営協力について、あらかじめ学校としても準備を進めておくことが重要と考えます。この点について教育長の見解を求めます。  次に、道路の信号や標識等の環境について聞いたところ、信号や標識が街路樹や雑草に隠れて見えづらいことがあるが県全体で一九・〇%と最も高く、次いで区画線や路面標示がかすれていて見えづらい一四・八%、通学路や児童公園の近くなど子供が多く通行する道路では、通常の標識以外に平仮名で大きく書くなどの子供用の標識をもっと設置するべきだと思う一三・三%などとなっています。信号や標識が街路樹や雑草に隠れて見えづらいことがある、区画線や路面標示がかすれていて見えづらいは、いずれも交通安全施設の維持管理の問題です。近年、高齢者ドライバーによる交通事故が問題になっていますが、高齢者は動体視力が低下して、瞬時に複数の情報を得るのが困難になる傾向があるため、信号機や標識、路面標示等の視認性の確保は、高齢者ドライバーによる事故を防止する上でも重要です。信号や標識が街路樹や雑草に隠れて見えづらいことがあるとの回答が一九%あるということは、約二割の人が、交通安全施設の維持管理の不備によって交通事故の危険を感じた経験を持っているということであり、あってはならないことです。これは人命に関わる問題であり、優先的な対応が求められます。  そこで質問です。道路の区画線や路面標示等の交通安全施設の維持管理はどのように実施しているのか、また利用者から修繕が必要と思われる箇所の情報を速やかに入手するために、どのような手法を実施しているのか、知事、警察本部長の答弁を求めます。  次に、福岡県の景観計画の認知は、県全体では、京築広域景観計画三・八%、筑後川流域景観計画八・二%、矢部川流域景観計画三・五%と低調です。当該地域の住民に限定すると、京築一二・四%、筑後川流域二三・〇%、矢部川流域一三・五%と全県を大きく上回ります。しかし、広域景観計画の推進を支持する人が、全県では京築三七・〇%、筑後川流域四九・〇%、矢部川流域三六・四%と一定のスコアを示し、当該地域では京築六一・二%、筑後川流域七〇・四%、矢部川流域六七・七%と六割から七割に達していることを勘案すると、認知は低調であると言えます。行政が住民のニーズに応えた施策を行っているにもかかわらず、それが知られていないという現状が示されています。景観条例が目指す良好な景観形成は、ひいては観光に資するものとなります。一方で、県は美しい景観形成に資する取組として、NPOなどと協働した取組を行っていると聞いています。今後、県民の景観への意識を啓発していくためには、市町村への啓発活動はもとより、県民に対して県の景観に対する取組のさらなるPRを行っていくべきではないでしょうか。  そこでお尋ねします。景観に対する県の取組の現状はどのようになっているのか。また、今後県は、県民の景観に対する啓発やPRにどのように取り組んでいくのか、知事の見解を求めます。  次に、居住している市区町村で景観が優れている場所を聞いたところ、市街地にある公園が一五・七%で最も高く、次いで海岸、浜辺一二・九%、山岳や山地一二・四%、河川一二・三%、歴史的な町並み一一・三%、デパートなどが立地する中心部の商業施設一〇・七%、以下、山や高層建造物からの眺望、住宅地と大型商業施設などが混在した郊外、マンションが比較的集中している住宅地などとなっており、県民が公園や自然景観に好感を抱いていることが分かります。  地域別に見ると、地域の特徴が明瞭に現れる興味深い結果となっています。項目ごとのスコアが高かった地域は、海岸、浜辺は若松区、糸島市、西区、門司区、山岳や山地は糸島市、河川は久留米市、歴史的な町並みは門司区、デパートなどが立地する中心部の商業地域は中央区、博多区、山や高層建造物からの眺望は若松区、八幡東区、マンションが比較的集中している住宅地は東区、主にオフィスビル中心の市街地は中央区、博多区、城南区、農村は糸島市、港湾や工業地帯は小倉南区、戸畑区、若松区、大牟田市などで、これらは主要都市平均と比較しても高いスコアとなっています。  次に、主に市街地の景観が優れている都市を聞いたところ、県全体では、京都市が三二・九%で最も高く、次いで福岡市二七・八%、札幌市二一・六%、神戸市一五・四%、横浜市一二・七%、北九州市八・九%、以下、熊本市、東京二十三区などとなっています。地域別では、福岡市、北九州市で、ともに自市のスコアが高く、特に北九州市では二六・二%と、全県平均八・九%の三倍になっています。主に市街地の景観が優れている都市を聞いたところ、主要都市部平均では、京都市が三六・一%で最も高く、次いで札幌市二六・一%、神戸市一八・二%、横浜市一五・三%、福岡市九・四%、以下、仙台市、東京二十三区などとなっており、北九州市四・〇%は二十一都市中十二位となっています。  そこで質問です。国際競争力の高い魅力ある観光振興には、地域固有の資源を発掘、活用し、交流人口を拡大させることが重要な課題であると考えます。景観は地域が有する大きな観光資源の一つであり、その活用を図ることは観光振興の有力な手段です。北九州市や福岡市等のフィルムコミッションでは、地域の景観を生かし、映画、ドラマのロケ地誘致で成果を上げています。映画やドラマを見てロケ地を訪れる人たちは、その地域の風景と食を堪能し、人々のおもてなしに触れ、その地域のファンになるといったことで誘客にもつながっているところです。価値観の変化により、単に観光名所を巡るのではなく、これまで観光地と捉えられていなかった様々な地域が観光地として注目されるようになりましたが、本県の特色である豊かな自然から商業地域まで多様な景観を活用し、その魅力を発信することで、より高い誘客効果を見込むことができると考えます。地域の景観やロケ地を活用した魅力発信に県はどのように取り組んでいるのか、知事の見解を求めます。  次に、人口減少、少子化対策についてお尋ねします。日本の人口減少、少子化の流れが止まりません。二〇二一年は新型コロナの影響もあり、婚姻数が戦後最少の五十万一千件余り、出生数も戦後最少の八十一万一千人余りで、前年より二万九千人も少ない数でした。女性が一生に産む子供の数を表す合計特殊出生率は一・三〇となり、前年より一気に〇・〇三ポイント下がりました。出産適齢の女性の数も減少し続けています。  この深刻な事態をもたらしている要因の一つに、日本のジェンダーギャップを挙げる識者がいます。すなわち、日本は世界経済フォーラムが算出するジェンダーギャップ指数で、百四十六か国中百十六位と先進国では最下位。先進国に限っては、ジェンダーギャップ指数と出生率がリンクしていることがOECDの分析で分かっているというものです。相模女子大学大学院の白河桃子特任教授は、女性の生き方を限定しないこと、女性が最低賃金ではなく高い賃金で働ける職場を増やすこと、男性が育児をすること、男尊女卑の風土を廃していくこと、これこそが少子化対策の第一歩であると強調しています。  そこで、まずジェンダーギャップ解消へ向けた本県の取組について説明を願います。  少子化対策としてのジェンダーギャップ解消に必要なのは、まずは女性の収入アップや就業の継続です。  そこで、本県において賃金が低い非正規雇用の男女別の割合はどれくらいか、また結婚前後と第一子出産前後の女性の就業継続率はどれくらいか、それぞれお示しください。  その上で、一般的に女性の賃金が男性の賃金より低いことについて、知事はその原因をどのように分析をされているのか、またその解消へどのような施策に取り組まれているのかお答えください。  次に、女性に子供を産んでも大丈夫という安心感がないのは、孤独な育児、ワンオペ育児にプレッシャーがあるからとの指摘があります。そこで、本県の男性従業員の育児休業取得率についてお示しください。  今年度からの育児・介護休業法改正で、産後パパ育休、すなわち出産育児休業という新設制度ができました。この産後パパ育休の取得を進めるため、どのような施策に取り組まれているのかお尋ねします。  また、県庁自身も率先すべきだと思いますが、県庁職員の育児休業取得率はどのようになっているのか、産後パパ育休の取得促進の取組と併せてお答えください。  少子化は各地域において進み方がまちまちです。県内においても少子化や人口減少が極めて深刻な地域がある一方で、流入人口があるため実感が伴わない都市部もあります。その意味で、福岡県全体での一体感のある意識の在り方や取組が必要であり、知事のリーダーシップが求められます。少子化、人口減少の問題に、知事として今後どのような決意で取り組まれるのか、御所見を伺います。  次に、〇─二歳の支援についてお尋ねします。少子化や人口減少は、我が国が直面する最重要課題であり、七年早く少子化が進んでいます。安心して子供を産み育てられる社会の構築が急務であります。国もようやくこども家庭庁設置に踏み切り、真剣に取り組もうとしています。こども基本法には、「次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、……こども施策を総合的に推進する」とあります。  まず、国のこども家庭庁設置に伴って、本県における子供施策の組織体制をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。  核家族化が進み、地域のつながりも希薄となる中で、孤立感や不安感を抱く妊婦、子育て家庭も少なくありません。全ての妊婦、子育て世代が安心して出産、子育てができる環境整備が喫緊の課題です。十二月二日に国の補正予算が採決され、公明党が提案をした〇─二歳の支援が本格的に始まります。厚生労働省では、新規に出産・子育て応援交付金が創設されます。当交付金は、市町村の創意工夫により、妊娠から出産、子育てまで一貫して身近で相談に応じ、様々なニーズに即した必要な支援につなぐ伴走型の相談支援と、経済的支援を一体として実施する事業を支援するとされています。  そこで質問です。今回国が創設する交付金により、妊娠から出産、子育てに係る支援はどのように充実されるのか、また当交付金による事業において、市町村の取組に格差が生じないよう、県は市町村に対してどのように関わっていくのかお尋ねします。本県で生まれる子供たちは、明日の本県を担う大事な宝です。知事の誠意ある答弁を求めます。  次に、特定妊婦の支援について伺います。核家族化や地域とのつながりの希薄により孤立、不安感を抱く妊婦が少なくない中で、全ての妊産婦が出産、子育てできる環境を整えることが喫緊の課題となっています。特に、孤立や貧困、予期せぬ妊娠などで出産前後に支援を必要とする特定妊婦が増えています。虐待死した子供のうち、実母が加害者だった事例が多い中、国は二〇〇九年改正児童福祉法で、特定妊婦を支援対象に位置づけました。二〇二〇年四月時点で、全国で特定妊婦は八千三百二十七人に上り、制度開始の二〇〇九年から約八倍に増加、生後間もない乳児が遺棄される事件が相次いだことを受け、官民で手を差し伸べる動きが本格化してきたところであり、特定妊婦の支援は、母親だけではなく、虐待を受ける子供を救うことにもつながります。特定妊婦の中には、パートナーからのDVや、虐待のリスクのある方、予期せぬ妊娠や経済的な事情で親に相談できないなど、将来への不安や多くの悩みを抱えており、相談ができる環境で産前産後を安心して過ごせる居場所が必要となります。母親と子供が一緒に暮らせる母子生活支援施設がありますが、母子生活支援施設では、出産前から利用できない制度となっています。  そこで質問です。特定妊婦は産前からの支援が必要であることから、他県では産前の支援から産後、自立まで一貫して支援する施設ができ、孤立を防ぐ取組が始まっています。本県ではどのように取り組まれているのか、知事の見解を求めます。  特定妊婦と認定されていない妊婦でも、支援の必要な女性は多く、相談窓口を知らなかったり、経済的な事情で妊婦健診を受診しないなど、把握できずに支援につながらない妊婦が多いと聞きますが、こうした妊婦が支援からこぼれ落ちないように、市町村において福祉分野と母子保健分野の連携を取ることや、相談窓口の情報発信に注力すべきですが、県ではどのように取り組まれているのか、知事の見解を求めます。  次に、強度行動障がいの支援についてお尋ねします。強度行動障がいとは、自閉症や重度の知的障がいの方が起こす自傷他害行為や、物を壊すなど周囲の人や暮らしに影響を及ぼす行動が高い頻度で起こるため、特別な支援が必要とされる障がいで、家庭での通常の子育ては困難な状況が続きます。障がい者施設でも、自傷他害行為によって社会に適応することができない強行の程度が重い人の場合、支援員が複数で対応せざるを得ず、民間事業者では経営面の難しさから受入れに消極的にならざるを得ず、受入れ施設が極めて少ないのが現状です。強度行動障がいの症状が起こると、家庭への暴力を繰り返し、親は落ち着くまで、明け方までドライブを続けるなど、家族は疲弊し、苛酷な日常から本人、御家族の苦しみは限界を超え、生きづらさを抱えているケースが少なくなく、第三者による支援が必要となっています。  まず、県では、強度行動障がいのある方とその家族の実態について、どのように認識をされているのか、知事の見解を求めます。  先般私は、北九州市のある社会福祉法人を視察しました。同法人は、家族でケアができない重い強行の方を受け入れたのをきっかけに、社会福祉士や臨床心理士など専門家によるチームで支援し、向き合っています。同法人では、日中一時支援のほか、グループホームでも受け入れていますが、強行の方が落ち着けるように、ほかの利用者が他害の被害に遭わないよう、強行の方の個室への玄関や水回りを別個に設置することで、一人で過ごす時間を選択できるようにしました。その後、他害行為がなくなり、現在もその状態が続いています。理事長は、強行の方の行動はつらいことへの防衛的行動であり、人的支援、物理的環境を整え、本人が安全、安心と思える環境をつくることで他害行為がなくなる。同法人では、強行の方全員が腕まくりをして、新型コロナのワクチン接種を終えることができたと言われていました。  また、福岡市のある社会福祉法人では、フロアに利用者が行き来できる半個室のブースを設置し、壁は外からの視界が遮られ、立てば外が見える百四十センチの高さで、強行の行動が出た方を閉じ込めるのではなく、きついと思った時点で自ら半個室に入って落ち着くことができます。そうした環境を整えてからは、強行の行動の一つである大声を上げることが大幅に減少しており、理事長は、選択肢があることが大事であると言われていました。  そこで質問です。強度行動障がいのある方の支援は、その特性を理解した人材による専門的な支援だけでなく、施設や設備などの物理的な環境整備の工夫が状態の安定、改善に有効です。強度行動障がいの特性から、受入れを拒む施設がある中で、一人でも多くの受入れができるよう、こうした体制の整備が進む必要があると考えますが、県では、現在障がい福祉サービス事業所等の人材育成や、強度行動障がいのある方を入居対象とするグループホームの施設整備について、どのような支援を行っているのか、知事の見解を伺います。  強度行動障がいのある方の受入れに消極的な事業所があるのは、強度行動障がいがどのような状態か正しく理解されず、また専門的な支援、環境調整を行って受け入れ、状態の安定、改善につなげている事業所があることがあまり認知されていないためと考えます。市町村が親からの相談に乗りやすくなり、また受入れに消極的だった事業所で受入れの検討が進むよう、県が支援体制を確立し、受け入れている法人等から実践的な支援方法、施設整備の構造等改善事例の情報を収集し、市町村や事業所に周知してはどうかと考えますが、知事の見解を求めます。  次に、学校図書館における学校司書の役割について教育長にお尋ねします。先日新聞のコラムに、小学四年生の教室での、物語「一つの花」の授業の様子が書かれていました。粗筋は省略しますが、作中の、父親がコスモスを渡したときの心理描写について、登場人物の立場に立ち、状況や背景を踏まえれば、行間から父親の気持ちを想像できますが、一部の生徒は読み解く力がなく、父親の悪意や欲望を描いた作品だと受け取ってしまうという衝撃的な記事でした。しばしばこの物語の誤読問題が取り上げられており、特例ではないと思われます。  読解力の低下については、OECDのPISA(生徒の学習到達度調査)に参加した当初、PISAショックと呼ばれ大きな衝撃を与えましたが、直近の二〇一八年の調査でも、数学が六位、化学が五位に対して、読解力は十五位と読解力が長らく低迷しています。ある地元の校長は、学校現場で見られる子供の思考力の欠如や珍妙な解釈を、読解力の低下という問題だけにとどめてはならず、読解力以前の基礎的能力の低下を危惧されています。発達心理学の今井むつみ教授は、子供が言葉を育めるようになるかどうかの分岐点について、誰もが生まれ持って分析力、推論力、学習力を兼ね備えているが、それを発揮させられるかどうかは家庭環境が大きな役割を担っている、親が子に対して話しかける言葉の量と質が大きな影響を与えると指摘しています。  家庭の中で培われる言語能力の低下が言われる中、公立の学校に期待される役割が大きくなっています。現行の学習指導要領の解説では、言語能力は全ての教科等における資質、能力の育成や学習の基盤となると位置づけ、各学校において充実が求められる学習活動とされています。子供たちの言語能力を高めるためには、単に言語を使わせる機会を増やすだけでなく、言葉を使って伝えたいという気持ちや言葉にできる豊かな感情や経験が必要と考えます。読書は、多くの語彙や多様な表現を通じて様々な世界に触れ、疑似的な体験、知識の習得、新たな考え方に出会うことを可能とするものであり、言語能力を向上させる重要な活動の一つです。ソサエティー五・〇時代に、福岡県でも児童生徒に一人一台タブレットが配付されました。ICT化と両輪で、紙媒体の本に触れることが重要であり、学校図書館は言語能力だけでなく、情報活用能力を育む上で、その役割は大きくなっています。課題は、子供たちと本を結ぶ橋渡し役として学校図書館を支える学校司書が配置され、機能し、役割を果たせるようにすることです。  そこで教育長に伺います。子供たちの読書を促すためには、学校図書館の充実が欠かせません。学校図書館を充実させるために必要な専門的、技術的職務に従事するのが学校司書です。学校司書の果たす役割についてどのように認識をしているのか、教育長の見解を求めます。  本県の公立小中学校の中には、学校司書が常駐する学校、複数の学校を兼務し、本来の役割が果たせていない学校、配置していない学校もあると聞いています。宇美町では、図書館を使った調べる学習コンクールを独自に実施し、子供たちの図書館利用を推進しつつ、町内の五小学校、三中学校に一人ずつ司書を置き、毎月調べ学習に役立つ本などについて情報交換をするなど、先進的に取り組む市町村もあります。県教育委員会では、司書の配置が進むよう、どのように取り組んでいるのか、教育長の見解を求めます。  次に、フィッシング対策について警察本部長にお尋ねします。一昨年六月の定例県議会の我が会派の代表質問で、新型コロナに関連した詐欺対策についてただしたところ、警察本部長から、県内では、実在する宅配事業者や携帯電話事業者、金融機関を装って電子メール等を送り、受信者を偽のウェブサイトに誘導し、ID、パスワード、クレジットカード番号等を読み取る、いわゆるフィッシング詐欺に関連する相談が増加傾向にあるとの認識を示し、県警察のホームページ内に、フィッシング詐欺に関する情報提供専用フォームを開設し、一般の方から提供を受けた情報を分析した上で、偽サイトに対するより迅速、効果的な捜査活動はもとより、被害の未然防止を目的とした犯行手口のタイムリーな情報発信などの取組を実施しているところであるとの答弁がありました。いまだに偽メールが横行し、後を絶ちません。コロナ禍にあって、クレジットカードの利用は増加傾向にあるようです。経済産業省は、キャッシュレス決済比率を、二〇二五年までに四割程度、将来的には世界最高水準の八〇%まで上昇させることを目指し、キャッシュレス決済の推進に取り組んでいますが、昨年のキャッシュレス決済比率は三二・五%となり、年々増加しています。また、その内訳は、クレジットカードが二七・七%と大部分を占め、今後そうした状況に伴う詐欺被害の拡大が心配されます。クレジットカードの不正利用等の詐欺被害を未然に防ぐには、その入り口となるフィッシング対策の強化が求められます。  そこで警察本部長にお聞きします。まず、本県に寄せられているフィッシングに関する相談の状況はどのようになっているのでしょうか。具体的な相談件数の推移と相談内容等の傾向について御教示願います。  次に、今後も社会情勢に応じた様々な手口によりフィッシング行為の増加が懸念されるとともに、キャッシュレス決済を推進するに当たり、フィッシングを入り口としたクレジットカードの不正利用等の詐欺を未然に防ぐため、フィッシング対策の強化は重要であると考えますが、本県の現状を踏まえた今後の対策をどのように進めていくのか、警察本部長の御所見をお尋ねします。  以上で私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 10 ◯副議長(井上 博隆君) 服部知事。 *知事答弁 11 ◯知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。  まず、本県経済の状況についてお尋ねがございました。県における鉱工業生産指数を見ますと、自動車生産等の回復によりまして、このところ上昇傾向が続いております。また、百貨店、スーパーの販売額が十月まで十三か月連続で前年同月比プラスとなるなど、家計消費も持ち直しております。これらのことから、県経済の現状は緩やかに持ち直していると判断しているところでございます。  企業物価につきましては、日本銀行が発表した十月の国内企業物価指数によりますと、円安の影響もありまして、電力、都市ガス、水道が、前年同月比四三・二%増となりますなど幅広い分野で上昇し、全体でも九・一%増と二十か月連続の増加となっております。しかしながら、日本銀行の企業短期経済観測調査等によりますと、原材料価格の販売価格への転嫁が依然として十分進んでおらず、農林水産業や製造業をはじめ様々な分野の事業者において、経営への影響が及んでいるものと認識をしております。  また、消費者物価につきましては、総務省が発表した十月の九州の消費者物価指数によりますと、前年同月比で、食料は六・三%増と上昇を続け、光熱水費も八・〇%増と、三月の一〇・九%増をピークに高水準に推移をしておりまして、全体でも三・一%増と九か月連続の増加となりました。生活に不可欠な商品、サービスの価格の上昇により、県民の皆様の負担感が増してきているものと認識をしております。  本県の企業倒産の現状についてでございます。東京商工リサーチによりますと、本県における倒産件数は、昨年は年間二百八件と過去五十年間で最も低い水準でございましたが、今年は一月から十月までの時点で二百四件と、三年ぶりに前年を上回っております。コロナ前と比較しますと、依然低い水準ではございますが、県内中小企業においては、売上げや収益の減少、融資の返済開始などに加え、エネルギー価格や物価高騰、円安などの影響により、今後も厳しい経営環境が続くことが見込まれます。  県制度融資における新型コロナウイルス感染症対応資金、いわゆるゼロゼロ融資の実績と返済状況についてでございます。この資金の融資実績は四万七千七百九十一件、七千八百五億円、これにかかります現在までの利子補給額は百五十八億円となっております。この資金につきましては、既に五割を超える事業者が返済を開始しており、来年度末までには九割近い事業者の返済が開始される見込みでございます。県では現在、この資金について今年度末まで、貸付期間十年、据置期間五年のところを、いずれも最長三年間延長できることといたしております。併せて、金融機関や保証協会に対し、事業者からの返済条件変更の相談につき、柔軟な対応を行っていただきますよう要請を行い、対応いただいておるところでございます。今後とも、経営環境の厳しい中小企業に寄り添い、その実情に応じて円滑な資金繰りを支援してまいります。  中小企業の事業継続支援についてでございます。中小企業は、雇用の八割を担う本県経済の原動力でございます。コロナ禍や原油価格・物価高騰の影響が深刻化する中で、県の中小企業支援策につきましては、事業継続の支援と、危機に強い経済構造の実現、言わば明日につながる支援、この二つを柱に据えて取り組んでおります。  これまで事業継続の支援として、プレミアムつき地域商品券の発行支援や、本県を修学旅行の行程に組み込んだ県内外の学校に対するバス代の助成、県制度融資に保証料を全額県が負担します物価高騰特別枠の創設、トラック運送事業者が行いますエコタイヤの購入に対する助成制度の創設、また明日につながる支援といたしまして、国の持続化補助金やものづくり補助金の上乗せ補助、経営革新計画に取り組む中小企業に対する新商品、新サービスの開発や経費削減への支援、デジタル技術を活用した生産性向上に必要な設備導入に対する支援の拡充、新技術、新製品の開発に対する助成や、工業技術センターにおける低コスト化製品開発促進のための機器整備などにつきまして、補正予算を議決いただいたところでございます。これに加えまして、今回の十二月議会では、事業継続支援として、プレミアムつき地域商品券の追加発行支援、県独自のプレミアムつき福岡県版GoToイート食事券の発行による飲食店支援、明日につながる支援として、インバウンド需要を県内全域に波及させるための旅行商品の造成支援などの補正予算をお願いしているところでございます。  このような支援策につきましては、県内四地域の地域中小企業支援協議会のネットワークを活用しまして、中小企業に対する周知を徹底いたしますとともに、各支援機関が連携し、伴走型で支援を行ってまいります。今後とも、厳しい経営環境にある県内中小企業の事業継続とさらなる成長発展に向けてしっかりと取り組んでまいります。  宿泊施設の改修やDX化の支援についてお尋ねがございました。県では、外国人旅行者がストレスなく旅行を楽しめる環境を整備しますため、宿泊施設におけるWiFi環境の整備、トイレの洋式化、露天風呂つきの客室整備といった施設改修の取組を支援してまいりました。今年度からは、県中小企業生産性向上支援センターに、新たに宿泊業支援ユニットとデジタル支援ユニットを設置をいたしまして、宿泊施設の付加価値の向上やデジタル化等の取組を支援しております。まず、企業診断スタッフを宿泊施設に派遣し、診断を行いました上で、専門アドバイザーが現場に出向きまして、生産性向上のために必要な計画策定を支援をいたしますとともに、計画実現に向けた伴走支援や設備導入等に対する助成を行っているところでございます。具体的には、幼児が安心して遊べるキッズパークの設置、あるいは海外からも予約が可能な宿泊予約システムの導入などの支援を行っております。今後も、こうした取組を県内の多くの宿泊事業者の方々に御活用いただくことができますよう、メールでの案内に加えまして、業界団体の総会を通じて周知徹底いたしますとともに、インバウンド受入れに取り組む宿泊事業者のさらなる伴走支援に取り組みまして、インバウンド需要の増加にしっかり対応してまいります。  災害時、急病時の多言語対応強化についてでございます。県では、二十四時間三百六十五日、多言語で対応いたします電話通訳サービス、ふくおかよかとこコールセンターを運営しまして、災害時においても宿泊施設や観光案内所等において、外国人観光客とのコミュニケーションを図ることができる体制を整えております。また、急病時においては、医療に関する外国語対応コールセンターにおきまして、電話通訳及び医療に関する電話案内を二十四時間三百六十五日、これも多言語で対応をいたしております。さらに、災害発生時における外国人観光客の安全確保のため、県の海外向け観光ホームページ、ビジット福岡やSNSにおきまして、速やかに災害情報を発信することといたしております。併せて、宿泊施設等の従業員が、災害発生や急病などの突然の事態にも慌てることなく外国人観光客に対応できますよう、外国人旅行者のための災害対応マニュアルを策定し、県内の宿泊施設や観光案内所等に周知してまいりました。水際対策が緩和され、外国人観光客の増加が見込まれます中、外国人観光客の方が安心して本県を旅行していただけますよう、こうした対策の周知を徹底してまいります。  外国人観光客が楽しめて体験できる観光まちづくりについてお尋ねがございました。県では、外国人観光客のニーズに対応いたしますために、市町村、民間事業者と連携し、由緒ある屋敷での能鑑賞でありますとか、二百年以上の歴史を持つ久留米絣の藍染め体験など、福岡ならではの体験を組み込んだ高付加価値、高単価な旅行商品のモデルコースを開発し、海外の旅行会社へ紹介し、旅行商品の造成を促してまいります。  また、サイクルツーリズムを新たな体験型観光と位置づけまして、市町村、民間事業者と連携し、広域サイクリングルートの設定やサイクリストの受入れ環境整備などに取り組んできたところでございます。今年度からは、玄界灘や遠賀川の景観を楽しめる直方・宗像・志賀島ルートなどを組み込んだモデルコースを造成し、サイクリングが盛んな台湾やヨーロッパの旅行会社を招請することによりまして、外国人観光客のニーズを踏まえた磨き上げを行い、商品造成につなげてまいります。  さらに、JRグループ六社及び観光関連事業者と連携し、再来年の春に開催をいたします国内最大規模の観光キャンペーン、福岡・大分デスティネーションキャンペーンに向けまして、国指定名勝庭園の夜間開館や夜景観賞特別クルーズなど、特別感のある観光素材の開発を市町村、観光協会、民間事業者と連携して進めており、これらの観光素材につきましても、外国人観光客にも対応できるよう整備をしてまいります。  これらの取組により、世界から選ばれる観光地づくりを推進してまいります。  国際クルーズ船再開に向けた受入れ体制の整備についてでございます。この国際クルーズ船の受入れ再開に当たりましては、まずはクルーズ船や旅客ターミナルの感染防止対策の徹底、入国時の検疫体制の強化、コロナ有症者発生時の対応など、日本国際クルーズ協議会などの関係団体が策定いたしましたガイドラインを遵守した受入れ体制を構築する必要がございます。その上で、国際クルーズ運航会社が、寄港を予定している港の関係者と受入れに関する協議を行いまして、合意を得た後に再開となります。県といたしましては、県民の皆様が安心して国際クルーズ船を受け入れていただくことができますよう、博多港、北九州港の港湾管理者でございます両政令市を通じ、受入れ体制の構築状況をしっかりと把握いたしますとともに、両港の検疫体制の強化につきましては、国に対し、引き続き要望をしてまいります。  クルーズ観光客の県内周遊の促進についてでございます。本県への国際クルーズの寄港が再開する際には、クルーズ観光客の皆様に、限られた時間の中で効率よく県内観光を楽しんでいただきますため、寄港地オプショナルツアーを造成する旅行会社や乗客に対し、本県の魅力ある観光情報を届けることが重要でございます。このため、旅行会社に対し門司港レトロの歴史ある町並み散策、宗像市のビーチ乗馬体験など、本県の歴史、文化や自然を感じられる観光素材を組み込みましたモデルコースを提案し、県内を周遊する寄港地オプショナルツアーの造成を働きかけてまいります。併せまして、寄港の際に自由行動をされるクルーズ船の乗客に対し、船内で観光パンフレットを提供するなど、寄港地周辺の外国人観光客向け体験プログラムなどの情報を届けてまいります。これらの取組により、クルーズ観光客の県内周遊を促進してまいります。  次に、北九州空港の利活用について御質問がございました。福岡県の空港の将来構想では、福岡空港との役割分担と相互補完を進めるという方針の下、北九州空港につきましては、二十四時間空港の特性を生かし、福岡空港では対応できない早朝、深夜便の誘致を進めますとともに、貨物専用便のさらなる誘致を進め、貨物拠点空港としての発展を目指すことといたしております。近年、国は航空自由化を進めておりまして、どの空港を利用するかは航空会社の意向が尊重されます。このため、県では北九州空港の旅客便の誘致を図るため、北九州市と連携し、定期便就航に対する助成、航空会社への直接訪問や商談会での働きかけ、福岡都市圏と結ぶ福北リムジンバスの運行に取り組んでおります。さらに、県と福岡国際空港株式会社が連携をいたしまして、福岡空港の発着枠を超えて就航を希望する航空会社を北九州空港へ誘導する取組を進めております。これらの取組により、北九州空港のより一層の利活用を促進してまいります。  次に、新型コロナ対策につきまして、オミクロン株対応ワクチンについてでございます。このワクチンは、BA・1対応型でありましても、BA・4、5対応型でありましても、現在流行中のオミクロン株に対し、従来型を上回る重症化予防効果に加え、感染予防効果や発症予防効果も期待されております。さらに、オミクロン株と従来株の二種類の成分が含まれますことから、今後の変異株に対しても有効である可能性がより高いことが期待されております。安全性につきましても、現時点においては、BA・1対応型、BA・4、5対応型のいずれも重大な懸念は認められないとされており、有効性、安全性について特に違いはないとされております。  インフルエンザワクチンとの接種間隔につきましては、これまで二週間の接種間隔が必要でございましたが、有効性及び安全性が確認できましたため、今年七月からは同時接種が可能となりました。この同時接種とは、同じ日の接種のみならず、接種間隔を気にせずに、別の日においても接種ができるということでございます。このため柔軟に接種タイミングを選べるようになっております。  新型コロナインフルエンザの同時流行時に発熱があった場合の受診の流れについてお尋ねがございました。重症化リスクの高い高齢者、基礎疾患を有する方、妊婦の方に加え、小学生以下のお子さんは、発熱があれば速やかに発熱外来やかかりつけ医を受診し、新型コロナインフルエンザなど必要な検査を受けてください。それ以外の重症化リスクが低い方は、発熱外来の逼迫を回避し、重症化リスクの高い方が確実に受診できるよう、まずは新型コロナの検査キットで自己検査を行ってください。検査キットにつきましては、研究用ではなく、国が薬事承認をしました医療用、もしくは一般用を使用してください。その上で、検査結果が陽性であった方は、県が設置しております陽性者登録センターに御登録いただき、自宅で御療養ください。療養中にもし体調が悪化した場合は、健康フォローアップセンターに御連絡ください。検査結果が陰性であった方は、急激な発熱や筋肉痛などの症状がもしある場合は、インフルエンザのおそれがあると考えられますので、電話・オンライン診療を行う医療機関、または県が新設いたしますインフルエンザオンライン診療センターを受診してください。新型コロナインフルエンザの同時流行時に、こうした受診の流れを分かりやすく取りまとめて、県のホームページに掲載することといたします。  経口治療薬ゾコーバの供給についてでございます。この塩野義の開発いたしましたゾコーバでございますが、自宅療養者がゾコーバを希望する場合は、医療機関を受診していただきまして、医師の診断により必要と判断されたときに処方を受けることになります。しかしながら、十一月二十二日に緊急承認されたばかりでございまして、安定的な供給が難しいということから、当面一般流通は行われず、国が全量を買い上げ、医療機関や薬局に供給をされております。なお、既に供給されておりますパキロビッドに類似し、飲み合わせの悪い薬が多いということから、十分な注意が必要でございます。このため承認から二週間程度は、パキロビッドの処方実績がある医療機関などに供給が限定をされているところでございます。十二月七日現在で見ますと、県内九十一の医療機関と六十三の薬局での供給が可能となっておりまして、三十五名の患者の方に処方が行われております。今後、取扱いを希望する全ての医療機関と薬局に供給対象は拡大される予定でございまして、その医療機関名を県のホームページで公表を行ってまいります。  次に、民間施設の避難場所としての活用についてでございます。各市町村では、想定される避難者数を収容できるだけの避難場所を確保しております。その中で、体育館や公民館等の公共施設のみでの対応が困難な地域におきましては、国の手引や県の指針に基づきまして、民間施設を活用しております。今年の四月現在、県内におきましては、ショッピングモールなどの商業施設十四か所を含め、旅館、ホテルや葬祭場など合計二百二十九か所の民間施設が避難場所として活用されております。県では、市町村が民間施設を活用する場合には、浸水や土砂災害などの危険区域にはないこと、強固な構造などを備えたものであることはもとより、緊急時に確実に開放される必要がありますことから、事前に協定を締結しておくよう助言してまいりました。今後も必要に応じ、こうした助言を行ってまいります。  次に、交通安全施設の維持管理についてお尋ねがございました。県が管理しております道路につきましては、交通量に応じ、一日から三日に一度の頻度で巡視車による日常巡視を実施をいたしております。この日常巡視により、道路の区画線や路面標示等の視認性や劣化状況をはじめ、道路施設の異状を日々確認をしておりまして、修繕の必要があるものについては速やかに対策を講じております。また、道路の異状に関する利用者等からの情報につきましては、県庁への電話やメールなどの個別の連絡に加えまして、国が設置した道の相談室を通じ、随時収集を行っておるところでございます。この道の相談室では、道路の種類や管理者を問わず、一元的にシャープ九九一〇の電話番号で二十四時間連絡を受け付けております。その中で、県が管理する道路の情報は、所管する県土整備事務所に即座に伝達され、この情報を基に速やかに現場を確認し、適切に対策を講じております。今後とも、日常巡視を行いつつ、道路利用者等からの情報も活用しながら、安全に安心して道路を利用していただけますよう、適切な維持管理に取り組んでまいります。  景観に対する県の取組についてでございます。景観計画は、県や市町村が河川への眺望や町並みなど、地域のシンボルとなる景観の保全や創出を目指し、建築物の色彩や高さ、空調室外機やごみ置場の配置などについて景観上の基準を定めるものでございます。県は、矢部川流域、筑後川流域、京築広域の三つの地域におきまして広域景観計画を策定しております。また、地域の特色に応じたきめ細かな景観形成が図られますよう、市町村に景観計画の策定を促しておりまして、現在二十六の市町村の区域において景観計画に基づく規制や誘導が行われております。今後も市町村を訪問するなど、計画の策定が進むように、引き続き働きかけを行ってまいります。  さらに、行政と住民が一体となった景観形成を進めますため、県が市町村、NPOなどのまちづくり団体や大学と共に組織いたしました美しいまちづくり協議会におきまして、県内の美しい景観の絵画や写真を募集し表彰いたします美しい景観選や、景観啓発を目的とした様々なイベントを行います景観大会などの取組を行っております。これらの取組において、県及び美しいまちづくり協議会におきまして、それぞれのホームページやSNSを活用して県民への広報を行っております。また、これまでは県庁や市役所など公共施設で開催しておりました、この美しい景観選受賞作の展示会でございますが、今年度は新たな取組といたしまして、県とイオン株式会社との包括提携協定に基づき、イオンモール八幡東店においても、明日九日から開催することといたしております。今後も様々な場所を活用して展示会を行うなど、景観に対する県民意識の啓発やPRに工夫して取り組んでまいります。
     地域の景観やロケ地を活用した魅力発信についてでございます。旅行者の多くは、目的地の情報を、主にSNSやウェブサイトにより収集しておりますため、県ではインスタグラムを活用したプロモーション、ディープ福岡におきまして、地元の人にしか知られていないような魅力ある景観、例えば築上町のメタセコイアの並木道や浮羽の稲荷神社などを観光資源として発信をいたしております。また、本県を舞台として注目を集めました映画やドラマ、CMのロケ地となった場所、例えば歴史のある建物が立ち並びます門司港レトロ地区でありますとか、宮地嶽神社の光の道などを観光サイトなどで紹介をいたしまして、観光客の誘客につなげております。なお、各地の魅力ある景観は、撮影に適した季節や気象条件など、こういったものを熟知した地元の方々に発信いただくことが有効でございます。このことから、市町村や観光協会、DMOを対象に、動画やSNSを活用して情報発信できる人材の育成研修を実施し、魅力ある観光素材の効果的なPRにつなげているところでございます。今後も、県及び市町村がともに本県の魅力ある景観やロケ地の情報を発信することで、多くの方に本県の新たな魅力を届け、誘客につなげてまいります。  次に、人口減少、少子化対策につきまして、ジェンダーギャップ解消へ向けた本県の取組についてでございます。県では、令和三年三月に策定をいたしました第五次男女共同参画計画に基づき、働く場や地域、家庭、社会活動において男女がともに活躍できる社会の実現、女性等に対する暴力の根絶など誰もが安全、安心に暮らせる社会の実現、男女共同参画社会の実現に向けた意識改革、教育の推進の三つの柱の下で施策を推進しております。計画におきましては、女性の就業率や性別役割分担に賛成しない人の割合など二十三の成果指標を設定しまして、働く場における女性の活躍推進や、仕事と生活の両立のための働き方改革の推進、自治会など地域コミュニティーの運営における男女共同参画の推進、DVなどの暴力被害や貧困などの生活上の困難に直面している方々への支援、性別役割分担意識の解消や性の多様性に関する理解の促進などに取り組んでいるところでございます。  男女間の賃金格差についての原因分析とその解消に向けた施策についてでございます。本県の雇用者に占める非正規雇用の割合でございますが、平成二十九年度の調査では、男性が約二割であるのに対し、女性は五割を超えております。女性の就業継続率につきましては、平成二十七年から令和元年の間で、結婚または出産した女性を対象とする全国調査では、結婚前後で約八割、第一子出産前後で約七割となっております。男女間の賃金格差は、男性に比べて女性は非正規雇用に占める割合が高いということ、それから平均勤続年数が短いということ、管理職比率が低いことが原因とされておりまして、こういったことの解消が課題であると考えております。このため、正規雇用促進企業支援センターにおきまして、県内企業への正社員採用の働きかけや、企業内での非正規から正規雇用への転換に向けたアドバイスを行いますとともに、子育て女性就職支援センターにおきまして、正規雇用を希望する方に対するきめ細かな就職支援などを行っております。また、女性が長く働き続けることができますよう、従業員の仕事と子育ての両立を支援するための取組を宣言、実行いたします子育て応援宣言企業や、自社の働き方の見直しを宣言、実行いたします、よかばい・かえるばい企業の登録の推進に取り組んでおります。さらに、女性の管理職への登用を促進いたしますため、企業などの幹部候補者を対象としますトップリーダー育成研修や、課長、係長、若手といった職務経験に応じた階層別の研修を実施し、女性人材の育成を図っております。今後もこうした取組を通じ、結婚や出産などのライフステージが変化しても、女性がキャリアを中断することなく、やりがいを持って働き続けることができるよう、就業環境の整備を推進してまいります。  産後パパ育休の取得促進のための取組についてでございます。令和三年度の子育て応援宣言企業の男性従業員の育児休業取得率は二一・四%と、前年度から五・二ポイント増加をいたしまして、年々着実に増加しております。しかしながら、毎年九〇%台後半で推移しております女性の取得率と比べますと、いまだ低水準にとどまっております。こうした状況を踏まえ、県では、産後パパ育休が施行されました今年十月から二か月間にわたりまして、男性の育児休業取得を促進するための動画でございます、育休のススメ!パパ育フォーラム二〇二二をユーチューブで配信し、約五百名の方に参加をいただきました。その中では、私もサイボウズ株式会社の青野社長と対談を行い、事業主や県民の皆様に対し、男性の育児休業の取得促進を呼びかけました。また、福岡労働局との共催で、企業の代表者や人事・労務担当者を対象とし、今回の育児・介護休業法の改正内容や、育児休業等を取得しようとする男性に対する職場における嫌がらせ、いわゆるパタニティーハラスメントの防止についての研修会をウェブ上で開催をいたしまして、百三十五名の方に参加をいただきました。このほか、子育て応援宣言企業のホームページやメルマガを活用し、今回の法改正の内容や育児休業取得を促進する事業主への助成金について周知を図っておるところでございます。  県庁の男性職員の育児休業取得率と産後パパ育休の取得促進についてでございます。県庁男性職員の育児休業取得率は、令和三年度で三六・二%となっており、特定事業主行動計画の目標値でございます三〇%を上回りました。男性の育児休業につきましては、さらなる取得の促進を図りますため、今年八月から職員への一か月以上の休暇、休業の取得パターンの紹介など、新たな取組を進めております。これと併せまして、今年十月から始まった新たな産後パパ育休につきましても、制度の活用を促しますため、職員に向けて積極的に周知を図ってきたところでございます。具体的には、男性職員に一か月以上の育児休暇、休業の取得を呼びかけるポスターの中に、産後パパ育休の概要を記載し、全所属に掲示するとともに、産後パパ育休も含めた育児休業等の制度改正の概要を分かりやすくまとめたリーフレットを作成をいたしまして、職員に配付をいたしました。さらには、出産、育児の際に取得できます休暇等を取りまとめました仕事と子育ての両立支援ハンドブックを改定し、庁内ネットワークを活用して周知を行ったところでございます。今後とも、育児休業等の制度周知と取得しやすい環境づくりに努めてまいります。  少子化、人口減少に対する私の決意についてお尋ねがございました。人口動態統計速報によりますと、今年一月から九月までの全国の出生数は、昨年と比較しますとマイナス四・九%でございまして、調査開始以来最も少なかった昨年をさらに下回るペースとなり、松野官房長官は先月の記者会見で、危機的状況であるとの認識を示されました。本県におきましても、同時期の出生数は、昨年と比較してマイナス三・六%と非常に厳しい状況にございまして、少子化に歯止めをかけることは喫緊の課題であると考えております。そのため、先ほど申し上げました仕事と生活の両立のための働き方改革の推進などジェンダーギャップの解消に向けた取組や、出会い、結婚、出産、育児など、それぞれのライフステージに合わせた施策を、今後ともきめ細かく総合的に行ってまいります。  併せて、人口減少を食い止めるためには、少子化のみならず、就職などによる若者の流出といった社会的な減少にも対処しなければいけません。そのため中小企業への支援、農林水産業の振興、企業誘致などにより魅力ある雇用の場をつくるとともに、医療、福祉サービスの充実、地域公共交通の維持確保、ICTの積極的な活用による教育の充実などに取り組むことが重要でございます。こうした取組により、住み慣れたところで働く、長く元気に暮らす、子供を安心して産み育てることができる地域社会づくりをしっかり進めてまいります。  こども家庭庁設置に伴う子供施策の組織体制についてでございます。来年四月施行のこども基本法では、子供施策につきまして、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期を経て大人になるまで、心身発達の過程を通じて切れ目なく子供の健やかな成長に対する支援を行うことなどが定められております。このため、子供施策に関わっております保健医療介護部、福祉労働部、人づくり・県民生活部に教育委員会を含め、対応を検討してまいりました。その結果、子供施策を一元的に策定、実施するこども家庭庁及びこども家庭センターを設置して住民の皆様に総合的、一体的に子供施策を提供する市町村、これらのカウンターパートとして新たな課を福祉労働部に新設し、県内どの地域にあっても健やかな成長に対する切れ目ない支援が受けられ、子供の意見が尊重されることを推進することによって、子供真ん中社会を目指したいと考えております。この新たな課におきまして、福祉労働部内はもとより、数多くの地域の社会資源とのつながりを生かし、医療、保健、福祉、教育、療育等の多分野にわたる県こども計画の策定の総合調整や子供の貧困問題、家庭、学校以外の子供の居場所づくりなど、近年の子供を取り巻く新たな部局横断的な課題にも機動的に対応してまいります。  出産・子育て応援交付金についてでございます。本交付金は、市町村が妊娠届出時と出生届出時にそれぞれ五万円相当の支給を行う経済的支援と、妊婦や低年齢期の子育て家庭に出産、育児等の見通しを立てるための面談や情報提供を行います伴走型相談支援を一体として実施する事業に補助するものでございます。本交付金に基づく事業によりまして、産後ケア等のサービスを受ける際の経済的負担が軽減されますとともに、支援が必要な妊産婦が市町村等の相談窓口につながりやすくなり、妊娠期から出産、子育て期まで、面談等による支援を継続的に受けますことで、孤立感や不安感が軽減されると考えております。県といたしましては、市町村に対し、妊娠届出から乳児家庭に全戸訪問するまでの面談実施のイメージや、事業開始前に出産した方等への対応、今後のスケジュール等を分かりやすく示し、事業を速やかに開始できるよう支援してまいります。  特定妊婦の孤立を防ぐ取組についてでございます。県では昨年度から、予期せぬ妊娠に悩む方や経済的困窮等により出産後の養育不安を抱える方などを対象に、相談支援や出産、育児のサポート、一時的なお住まいの提供、就労支援など、産前から産後まで継続した支援を行います特定妊婦等母子支援事業に取り組んでおります。具体的には、社会福祉法人が運営します母子生活支援施設に委託をいたしまして実施をしておりまして、施設に配置したコーディネーターが相談対応や必要な支援の検討、児童相談所や市町村などの関係機関との調整などを行いますとともに、施設の看護師が出産や子育てを援助しまして、出産後も母子が安定した生活を送れるよう支援しております。また、在宅での支援が必要な方につきましては、コーディネーターや看護師が御自宅まで伺うアウトリーチでの支援を行っておりますほか、住まいの提供が必要な場合は、出産前であっても施設への入所が可能となっております。今年度からは実施箇所を一か所から二か所に増やしておりまして、事業の拡充を図っております。  支援を必要とする妊婦の方への取組でございます。市町村では、母子保健担当部署が把握した特定妊婦につきまして、要保護児童対策地域協議会で協議、進捗管理を行いながら、それぞれの妊婦の状況に応じて家庭訪問による相談支援や家事、育児の援助など、必要な支援に取り組んでおります。県では、こうした市町村の取組が適切に行われますよう、児童相談所が実施いたします市町村担当職員向け研修におきまして、母子保健と児童福祉の連携について助言を行っております。また、健診未受診など、市町村や医療機関等につながっていない方に、先ほど御答弁申し上げました特定妊婦等母子支援事業の相談窓口や妊娠に悩む方の相談窓口、にんしんSOSの情報を知っていただくことが重要でございます。このため、こういった情報を県のホームページやLINE、インスタグラムといったSNSを活用して広く県民にお知らせいたしますほか、ミニカードをコンビニや商業施設の女性用トイレに設置をしまして、きめ細かな周知に努めているところでございます。  次に、強度行動障がいのある方とその御家族の実態についてでございます。強度行動障がいのある方は、自らを傷つける、他者に暴力を振るう、物を壊すなどの行動が著しく高い頻度で起こりますため、特別な配慮や支援が必要であると考えます。現在、強度行動障がいのある方について、その人数を把握するための確立された方法がないことから、国において強度行動障がいのある方の支援に関する検討会を立ち上げまして、全国的に把握するためのルールに関する検討が始まっているところでございます。御家族は、常日頃から見守りを行いますとともに、そのような行動が起きた場合には、御本人や周囲の安全を確保しつつ、行動が収まりますよう御本人を落ち着かせる必要があり、大変な御負担がかかっていると認識をしております。  事業所に対する人材育成やグループホームの整備への支援についてでございます。県では、事業所の従業者を対象に、平成二十七年度から支援者養成研修に取り組みまして、強度行動障がいのある方に適切な支援を行う人材の育成を図っております。これまでに約五千八百人の方が、この研修を修了いたしました。グループホームにつきましては、国の整備方針に基づき、県では強度行動障がいを含む重度障がいのある方を入居対象とするものを優先的に整備することといたしておりまして、その費用の一部を補助しております。  強度行動障がいの状態が改善した事例の周知についてでございます。強度行動障がいのある方への支援には、支援者の高い専門性と、落ち着ける空間の確保などの環境面での配慮が必要でございます。御紹介いただきましたように、個室に玄関や水回りを設置し、一人で過ごす時間を選択できるようにすることや、半個室をフロアに設置し、自ら入って落ち着くことができるようにすることで、他害行為などの危険を伴う行動の回数が減少するなどの事例がございます。今後専門的な支援に取り組んでいる事業所から対応事例を収集をいたしまして、支援者養成研修の教材に追加いたしますとともに、市町村担当課長会議や事業所に対する集団指導において周知を図ってまいります。 12 ◯副議長(井上 博隆君) 吉田教育長。 *教育長答弁 13 ◯教育長(吉田 法稔君)登壇 学校における避難所運営への協力についてでございます。大規模災害発生時の学校において、教職員の第一義的な役割は、児童生徒の安全を確保し、学校教育活動の早期再開に向けての取組、そういうことでございますが、自校に避難所が開設された場合、施設管理の観点から、避難所運営の補完的な役割を担うことも想定されます。このため学校においては、あらかじめ市町村の防災担当部局の要請に基づき、避難者の誘導や備蓄品等の管理など教職員が協力できる内容を整理しておくとともに、教職員の危機管理意識の醸成について引き続き指導してまいります。  次に、学校司書の役割についてでございます。学校図書館は、子供たちが本に親しむ最も身近な場所であり、読書を通して情報を得たり、学習を深めたりする機能を有しております。学校司書は、司書教諭などと共に、児童生徒が進んで学校図書館を訪れたくなるような環境づくりや、児童生徒や教員の学習情報ニーズへの対応、授業に役立つ資料の整備などを通じて、学校図書館の機能を向上させる、そうした役割を担っているものと認識をいたしております。  学校司書の配置の促進についてでございます。国において策定された第六次学校図書館図書整備等五か年計画には、学校図書館法において、学校司書の配置が努力義務とされていることを踏まえ、学校司書の配置の推進を図ることが示されております。これに基づき、市町村に対しまして地方財政措置が講じられており、県教育委員会においても、毎年このことを周知をしているところでございます。また、県教育センターの研修において、学校司書との連携による充実した図書館活動の事例を紹介をしておりまして、これらの取組を通して、学校司書の配置促進に努めてまいります。 14 ◯副議長(井上 博隆君) 岡部警察本部長。 *警察本部長答弁 15 ◯警察本部長(岡部 正勝君)登壇 交通安全施設の維持管理についてお答えを申し上げます。県警察では、公安委員会が管理しております信号機や道路標識、横断歩道等の道路標示につきまして、警察官によるパトロールなど、平素の警察活動を通じた常時点検、期間を定めて集中的に行う定期点検、災害時の特別点検のほか、専門業者による年間を通じた委託点検を実施しているところであります。こうした点検等によって、交通安全施設の損傷、老朽化、摩耗などを把握した場合には、適宜修繕を行っているところでございます。  次に、交通安全施設に関する情報の入手についてお答えを申し上げます。県民の皆様から寄せられる情報につきましては、一一〇番通報、警察安全相談のほか、県警ホームページに開設している専用フォームなどを通じて入手しているところであります。引き続き、こうした情報を速やかに入手するため、専用フォームをはじめとする窓口の周知を図りますとともに、道路管理者と連携を図りながら、県民が安全で安心して利用できる道路交通環境の整備に努めてまいります。  次に、フィッシングに関する相談件数の推移と相談内容等の傾向についてお答えを申し上げます。フィッシングの相談件数につきましては、令和二年は千百五十三件、令和三年は二千十一件、令和四年十月末現在では、前年同期比プラス二百九十七件の千六百九十五件と増加傾向にあります。県民から寄せられるフィッシングの相談内容等につきましては、通信事業者、通信販売事業者やクレジット会社などを装った手口に関するものが多く、また最近では、国税庁などを装う新たなものも見られるところであります。  最後に、フィッシング対策についてお答えを申し上げます。県警察におきましては、県民から寄せられた相談や独自に開発したシステム等を活用して、フィッシングや偽サイトに関する情報について分析を行い、県警のホームページやツイッターなどを活用してタイムリーに注意喚起を行っているところであります。把握した偽サイトの情報につきましては、警察庁を通じてウイルス対策ソフト事業者に提供しており、同事業者を通じ、その偽サイトを閲覧しようとする利用者に警告を表示して、注意を促しております。また、県内の学術機関とフィッシングに関する調査研究を実施するなど、産学機関と連携した取組を行っているところであります。県警察といたしましては、引き続き、社会情勢とともに変化する手口を的確に把握した上で、各種対策を推進してまいります。 16 ◯副議長(井上 博隆君) 以上で代表質問を終わります。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 三 時  十四分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...